JP2019212827A - 特性インピーダンス整合部品、及び特性インピーダンス整合方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造コストを抑えつつ、基板に設けたスルーホールの特性インピーダンスの適切な制御を行える特性インピーダンス整合部品、及び特性インピーダンス整合方法を提供する。【解決手段】本発明に係る特性インピーダンス整合部品(5)は、基板(6)に設けられ、信号用配線(7、8)が接続されたスルーホール(9)の特性インピーダンスの制御を想定した部品である。そのために、スルーホールの内部形状に合わせて形成された誘電体(2)と、スルーホール内への挿入時に、スルーホールに接触しない状態に誘電体に覆われた導体(1)と、を備える。【選択図】図3
Description
本発明は、基板に設けられたスルーホールの特性インピーダンスを、そのスルーホールと接続された信号用配線の特性インピーダンスと整合させるための特性インピーダンス整合部品、及び特性インピーダンス整合方法に関する。
近年、4K解像度、8K解像度に代表される高精細な映像規格が規定されている。コンピュータに代表される情報処理装置向けには、PCI(Peripheral Component Interconnect)−EXPRESS等の高速通信が可能な通信規格が策定されている。このようなこともあり、現在では、デジタル信号の急激な高周波化が進んでいる。
高周波化は、デジタル信号の伝送経路の特性インピーダンスに大きく影響する。基板では、伝送経路上に特性インピーダンスの不連続な部分、即ち整合されていない部分がある場合、信号の反射が発生する。信号の反射に起因して、信号波形に乱れが生じ、信号の品質が劣化する。このため、信号の反射は、最終的にシステム誤動作の要因になり得る。基板上を伝送されるデジタル信号は、LSI(Large-Scale Integration)等の電子デバイスによって処理される。
基板での特性インピーダンスは、主に、配線パターンの幅と厚み、グラウンド等と接続されることにより基準となる面形状の配線パターンである基準プレーンと配線パターンとの間の距離、および配線パターンと基準プレーンとの間に位置する絶縁材料が有する比誘電率により規定される。
特性インピーダンスに影響するパラメータを厳密に管理することにより、基板上の配線パターンでは、特性インピーダンスを一定に保つことは可能である。しかし、層間の接続に用いられるスルーホールでは、構造上、スルーホール内壁面に形成された導体と基準プレーンとの距離を、均一に保つことが出来ない。このため、配線パターンの特性インピーダンスと比較すると、スルーホールでは特性インピーダンスが高くなり、不整合が生じるのが普通である。
このことから、従来、スルーホールでの特性インピーダンスの調整が行われている。その調整方法、つまり信号の反射を防止、或いは抑制するための従来の整合方法としては、高速信号が伝送されるスルーホールの外周に、グラウンドに接続された導体を設ける、いわばスルーホールをその導体と同軸構造にするものがある(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
従来の他の整合方法としては、高速信号用のスルーホールを挟む形で、グラウンドに接続されたスルーホールを複数配置するものがある(例えば、特許文献3参照)。
上述した従来の整合方法では、グラウンドに接続されたスルーホールの内側に樹脂部材を充填し、充填した樹脂部材への孔開けを実施した後、樹脂孔をメッキ処理することになる。樹脂孔にメッキ処理したものが、実際の信号伝送用のスルーホールとなる。
同軸構造の2つのスルーホールの形成により、信号伝送用のスルーホールの特性インピーダンスを適切に制御することが可能になる。しかし、同軸構造の2つのスルーホールの形成は、上記のように、順次、行わなければならない。このため、従来の整合方法では、製造工数が多くなり、基板の製造コストが大きく上昇することになる。
基板上の配線等は、設計ルールを満たすように配置する必要がある。そのため、信号伝送用のスルーホールとグラウンドに接続されたスルーホールとの間の距離にも制約が存在する。その制約により、従来の他の整合方法では、スルーホールの特性インピーダンスを必ずしも適切に制御できるとは限らない。また、グラウンドに接続されたスルーホールを設けることにより、配線が可能なエリアが減少する。これは、配線上の資源が浪費されることを意味する。
なお、スルーホールの特性インピーダンスを適切に制御できないことにより、信号の波形品位が許容外となった場合、基板の設計を再度、行わなければならない。このため、基板の製造コストだけでなく、基板の開発期間にも悪影響を及ぼすこととなる。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたもので、その目的は、製造コストを抑えつつ、基板に設けたスルーホールの特性インピーダンスの適切な制御を行える特性インピーダンス整合部品、及び特性インピーダンス整合方法を提供することに在る。
本発明に係る特性インピーダンス整合部品は、基板に設けられたスルーホールの内部形状に合わせて形成された誘電体と、スルーホール内への挿入時に、スルーホールに接触しない状態に誘電体に覆われた導体と、を備える。
本発明に係る特性インピーダンス整合方法は、基板に設けられたスルーホールの特性インピーダンスを、スルーホールと接続された信号用配線の特性インピーダンスと整合させるために用いられることを前提とし、スルーホールの内部形状に合わせて形成された誘電体、及びスルーホール内への挿入時に、スルーホールに接触しない状態に誘電体に覆われた導体を有する特性インピーダンス整合部品を作製し、特性インピーダンス整合部品をスルーホール内に挿入し、導体を、基板に設けられ、接地される配線と接続させる。
本発明によれば、製造コストを抑えつつ、基板に設けたスルーホールの特性インピーダンスの適切な制御を行うことができる。
以下、本発明に係る特性インピーダンス整合部品、及び本発明に係る特性インピーダンス整合方法の各実施の形態を、図を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る特性インピーダンス整合部品を示す透視斜視図である。
図1は、本発明の実施の形態1に係る特性インピーダンス整合部品を示す透視斜視図である。
この特性インピーダンス整合部品5は、基板に設けられたスルーホールの特性インピーダンスを調整するために用いられることを想定した部品である。この特性インピーダンス整合部品5は、図1に示すように、棒状の導体1、その導体1を中心軸とする円柱状の誘電体2、導体1の両端に接続された電極3、4を備えている。
導体1の材質は、例えば銅である。誘電体2は、特性インピーダンス整合部品5が想定する基板に設けられたスルーホールの内部形状に合わせて形成されている。それにより、誘電体2の軸方向上の幅である高さは、基板の厚みと同じか、略同じとなっている。誘電体2の径方向上の幅である太さは、スルーホールの内側空洞の直径より、誤差程度分、細くした長さである。
図2は、本発明の実施の形態1に係る特性インピーダンス整合部品が適用される基板例を説明する図である。図2(a)は、基板6の透視斜視図、図2(b)は、図2(a)に示すA−A線断面図である。このA−A線断面図は、図2(a)に矢印で示すB方向からの視点での断面図である。
この基板6は、第1層21(a)〜第5層21(e)を積層した積層基板、例えばプリント基板である。ここでは、便宜的に、図2に向かって上側から下側に向かう方向を鉛直方向と想定する。その想定により、上側の面を上面、つまり第1層21(a)では、第2層21(b)と接する側の面を上面、その上面に対向する面を下面と表記する。これは、特に断らない限り、他の図でも同様とする。
図2(a)及び図2(b)に示すように、第5層21(e)の上面、及び第1層21(a)の下面には、信号が伝送される配線であるマイクロストリップライン7及び8が形成されている。この2つのマイクロストリップライン7、及び8は共に、第1層21(a)〜第5層21(e)を貫くスルーホール9に接続されている。それにより、2つのマイクロストリップライン7、及び8は、スルーホール9を介して接続されている。スルーホール9は、例えばメッキ処理により、内壁面に導体が形成された円筒形状の構造物である。
第4層21(d)の上面、及び第1層21(a)の上面には、面状の配線であり、グラウンドと接続される基準プレーン10、及び11が形成されている。マイクロストリップライン7は、基準プレーン10を基準として、マイクロストリップライン8は、基準プレーン11を基準として、同等の特性インピーダンスを有している。スルーホール9は信号経路であることから、図2(b)に示すように、基準プレーン10及び11の何れとも非接続となっている。
第5層21(e)上面のスルーホール9の近傍には、図2(b)に示すように、第5層21(e)のみを貫き、基準プレーン10と接続されたスルーホール12が形成されている。そのスルーホール12は、図2(a)及び図2(b)に示すように、第5層21(e)の上面に形成された配線である電極14と接続されている。それにより、電極14は、スルーホール12を介して基準プレーン10と接続されている。このことから、電極14は、以降「GND電極14」と表記する。
第1層21(a)下面のスルーホール9の近傍には、図2(b)に示すように、第1層21(a)のみを貫くスルーホール13が形成されている。そのスルーホール13は、図2(a)及び図2(b)に示すように、第1層21(a)の下面に形成された配線である電極15と接続されている。それにより、電極15は、スルーホール13を介して基準プレーン11と接続されている。このことから、電極15も以降「GND電極15」と表記する。
図3は、本発明の実施の形態1に係る特性インピーダンス整合部品の使用方法例を説明する図である。図1に示す特性インピーダンス整合部品5は、基板6に設けられたスルーホール9の特性インピーダンスの調整に用いられることを想定する。その特性インピーダンス整合部品5は、図3に示すように、スルーホール9内に挿入され、電極3とGND電極14が接続部品16により接続される。電極4とGND電極15も別の接続部品16により接続される。
接続部品16は、例えば6面体形状の誘電体16aの連続する3面にメッキ処理を施し、その3面を接続する導体16bを形成した部品である。電極3と接続部品16の導体16bとの接続は、はんだ17を用いたはんだ接合により行っている。接続部品16の導体16bとGND電極14との接続も、はんだ17を用いたはんだ接合により行っている。スルーホール9には、誘電体16aが接触するため、導体16bはスルーホール9とは非接続となっている。
他方の接続部品16の導体16bと電極4との接続、導体16bとGND電極15との接続も、はんだ17を用いたはんだ接合により行っている。この接続部品16も、スルーホール9には誘電体16aが接触するため、導体16bはスルーホール9とは非接続となっている。接続部品16としては、例えば0Ω抵抗を使用することができる。
接続部品16を介した電極3とGND電極14の接続、及び接続部品16を介した電極4とGND電極15の接続により、特性インピーダンス整合部品5の導体1は接地される。この導体1は、図3に示すように、スルーホール9の中心軸に一致するか、或いは略一致する位置に配置される。それにより、導体1、及びスルーホール9は、同軸構造となっている。このため、導体1の太さにより、スルーホール9内側の導体と、導体1との間の間隔を調整できる。また、誘電体2の材質を選定することで、スルーホール9内側の導体と導体1との間の比誘電率を調整できる。
間隔、及び比誘電率のうちの少なくとも一方の調整を通して、言い換えればスルーホール9内に挿入する特性インピーダンス整合部品5の選択を通して、スルーホール9での特性インピーダンスを所望の値に制御することができる。このため、特性インピーダンス整合部品5を用いて、スルーホール9の特性インピーダンスを、スルーホール9に接続されたマイクロストリップライン7、及び8がそれぞれ有する特性インピーダンスに一致させるか、或いは近い値とする整合を行うことができる。従って、スルーホール9とマイクロストリップライン7の接続部分、及びスルーホール9とマイクロストリップライン8の接続部分の何れであっても、信号の反射を回避させるか、或いは反射を抑制させることができる。
上記のように、本実施の形態1に係る特性インピーダンス整合方法は、特性インピーダンス整合部品5を作製し、作製した特性インピーダンス整合部品5をスルーホール9内に挿入し、導体1を接地させるものである。特性インピーダンス整合部品5は、スルーホール9の内部形状に合わせると共に、スルーホール9が目標の特性インピーダンスとなるように作製する必要がある。しかし、特性インピーダンス整合部品5の製造コストは小さく、導体1の接地も容易に行うことができる。また、基板6には、スルーホール9の特性インピーダンスを調整するための製造工程が不要である。つまり、基板6は、通常と同様の製造工程で製造できる。これらのことから、スルーホール9の特性インピーダンスを適切に調整した基板6の製造コストの上昇分も僅かとなる。従って、本実施の形態1は、スルーホール9の特性インピーダンスを適切に調整した基板6の製造コストを抑制する面でも有用である。
なお、本実施の形態1では、スルーホール9の特性インピーダンスの調整は、マイクロストリップライン7、及び8を想定しているが、想定する信号用配線は、マイクロストリップラインに限定されない。想定する信号用配線が形成された層も限定されない。信号用配線の組み合わせも、マイクロストリップラインの組み合わせに限定されない。信号用配線の組み合わせの数も2に限定されない。
例えば配線の組み合わせは、図4に示すように、第3層21(c)の上面に形成されたストリップライン18、及び第2層21(b)の上面に形成されたストリップライン19であっても良い。また、図5に示すように、マイクロストリップライン7とストリップライン19の組み合わせであっても良い。これは、スルーホール9に接続された配線の特性インピーダンスが一致するか、或いはその値の差が小さければ、特性インピーダンス整合部品5を用いてスルーホール9の特性インピーダンスを整合させることができるからである。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、導体1を接地させるための2つの電極3、4を設け、各電極3、4を接続部品16によりGND電極14、15に接続させている。本実施の形態2は、1つの接続部品16により、2つのGND電極14、15との接続を可能にしたものである。ここでは、同じ、或いは対応する構成要素には上記実施の形態1で用いた符号を付し、上記実施の形態1から異なる部分について説明する。
上記実施の形態1では、導体1を接地させるための2つの電極3、4を設け、各電極3、4を接続部品16によりGND電極14、15に接続させている。本実施の形態2は、1つの接続部品16により、2つのGND電極14、15との接続を可能にしたものである。ここでは、同じ、或いは対応する構成要素には上記実施の形態1で用いた符号を付し、上記実施の形態1から異なる部分について説明する。
図6は、本発明の実施の形態2に係る特性インピーダンス整合部品を示す透視斜視図である。上記実施の形態1では、図1に示すように、誘電体2は円柱状である。これに対し、本実施の形態2では、図6に示すように、誘電体2は、円柱状の部分に、直方体状の直方体部分2aが加えられた形状となっている。
誘電体2の円柱状部分の高さは、上記実施の形態1と同様に、基板6の厚みと同じか、略同じとなっている。誘電体2の径方向上の幅である太さも、スルーホール9の内側空洞の直径より、誤差程度分、細くした長さでとなっている。
直方体部分2aの3面の表面は、例えばメッキ処理により導体61が形成されている。その導体61は、導体1の一方の端と接続されている。他方の端には電極4が接続されている。
図7は、本発明の実施の形態2に係る特性インピーダンス整合部品をスルーホール内に挿入した状態を説明する断面図である。この断面図は、図2(a)に示すA−A線での断面図に相当するものである。これは、後述する断面図でも同様である。
直方体部分2aは、図6、及び図7に示すように、スルーホール9内に特性インピーダンス整合部品5を挿入した場合に、GND電極14と導体61が接触する形状となっている。導体61には、GND電極14と接触可能な面が2面存在する。このことから、基板6には、GND電極14とスルーホール9とを結ぶ直線上に、別のGND電極14、及び別のスルーホール12が形成されている。それにより、導体61は、2つのGND電極14とはんだ17を用いたはんだ接合により接続されている。
特性インピーダンス整合部品5は、直方体部分2aにより、スルーホール9内への挿入量が制限される。このため、上記実施の形態1と比較して、挿入方向上の位置決めを容易に行えるようになっている。それにより、特性インピーダンス整合部品5は、直方体部分2aがスルーホール9の端の部分に当接するか、或いは導体61がGND電極14と接触するまで、スルーホール9内に挿入すれば良い。
スルーホール9には、配線として、2つのストリップライン18、19が接続されている。それにより、特性インピーダンス整合部品5は、2つのストリップライン18、19が有する特性インピーダンスと一致させるように、スルーホール9の特性インピーダンスを調整するために用いられる。
図8は、本発明の実施の形態2に係る特性インピーダンス整合部品をスルーホール内に挿入して接続が終了した状態を説明する断面図である。図8に示すように、電極4は、上記実施の形態1と同様に、接続部品16を介してGND電極15と接続されている。
実施の形態3.
上記実施の形態2では、電極4とGND電極15との接続に接続部品16を用いている。本実施の形態3は、その接続用の部品を用意したものである。ここでは、同じ、或いは対応する構成要素には上記実施の形態2で用いた符号を付し、上記実施の形態2から異なる部分について説明する。
上記実施の形態2では、電極4とGND電極15との接続に接続部品16を用いている。本実施の形態3は、その接続用の部品を用意したものである。ここでは、同じ、或いは対応する構成要素には上記実施の形態2で用いた符号を付し、上記実施の形態2から異なる部分について説明する。
図9は、本発明の実施の形態3に係る特性インピーダンス整合部品を示す透視斜視図である。本実施の形態3では、特性インピーダンス整合部品5は、図9に示すように、特性インピーダンス整合部品本体5a、及び接続部材90を備える。特性インピーダンス整合部品本体5aと、上記実施の形態2に係る特性インピーダンス整合部品5との相違は、誘電体2の円柱状部分の高さが基板6の厚さより高い、導体1の誘電体2から突出する突出部1aが存在する、電極4が存在しない、という点である。円柱状部分の高さは、基板6の厚さに誤差分を加えたものより高くするのが望ましい。
接続部材90は、例えば全体が直方体部分2aと略同じ大きさの直方体形状の誘電体91に、窪み92、孔93、及び導体94を設けることにより作製される構造物である。窪み92は、誘電体2の円柱状部分の形状に合わせて形成され、孔93は、誘電体91、及び導体94を貫く孔であり、その窪み92の中央部分に設けられている。導体94は、窪み92が設けられていない連続する3面への例えばメッキ処理により形成することができる。
図10は、本発明の実施の形態3に係る特性インピーダンス整合部品をスルーホール内に挿入した状態を説明する断面図である。上記のように、誘電体2の円柱状部分の高さは基板6の厚さよりも高いことから、図10に示すように、その円柱状部分の端部がスルーホール9から突出している。
図11は、本発明の実施の形態3に係る特性インピーダンス整合部品をスルーホール内に挿入して接続が終了した後の状態を説明する断面図である。図11に示すように、接続部材90は、窪み92が形成された面を特性インピーダンス整合部品本体5a側にし、その窪み92が誘電体2の円柱状部分の端部を勘合させることにより、特性インピーダンス整合部品本体5aと一体化される。窪み92に円柱状部分の端部を勘合させる結果、導体1の突出部1aが孔93内に挿入され、窪み92が形成された面と対向する面から突出部1aの端部が突出する。
突出部1aの接続部材90から突出した端部は、図11に示すように、はんだ17を用いたはんだ接合により導体94と接続されている。その導体94の端部は、GND電極15と接触しており、はんだ17を用いたはんだ接合により、GND電極15と接続されると共に、固定されている。
導体94には、GND電極15と接触可能な面が2面存在する。このことから、図10、及び図11に示すように、基板6には、GND電極15とスルーホール9とを結ぶ直線上に、別のGND電極15、及び別のスルーホール13が形成されている。それにより、導体94は、2つのGND電極15とはんだ17を用いたはんだ接合により接続されている。
接続部材90は、上記のように、窪み92に誘電体2の円柱状部分の端部を勘合させることにより、スルーホール9の径方向上の位置決めを行うことができる。そのため、上記実施の形態2と比較して、導体1の下側端部を接地させるためのはんだ接合がより容易に行えるようになる。
実施の形態4.
上記実施の形態3では、導体1と接続部材90との接続をはんだ接合により行っている。本実施の形態4は、そのはんだ接合を不要としたものである。そのはんだ接合を不要とすることにより、基板6の製造工数はより少なくなることから、製造コストもより抑えることができる。ここでは、同じ、或いは対応する構成要素には上記実施の形態3で用いた符号を付し、上記実施の形態3から異なる部分について説明する。
上記実施の形態3では、導体1と接続部材90との接続をはんだ接合により行っている。本実施の形態4は、そのはんだ接合を不要としたものである。そのはんだ接合を不要とすることにより、基板6の製造工数はより少なくなることから、製造コストもより抑えることができる。ここでは、同じ、或いは対応する構成要素には上記実施の形態3で用いた符号を付し、上記実施の形態3から異なる部分について説明する。
図12は、本発明の実施の形態4に係る特性インピーダンス整合部品を示す透視斜視図である。本実施の形態4でも、特性インピーダンス整合部品5は、図12に示すように、特性インピーダンス整合部品本体5a、及び接続部材90を備える。しかし、接続部材90は、孔93に、導体94と接続された2つの金属板121が設けられている。
2つの金属板121は、弾性力を有し、その間隔は、導体1の太さ、つまり導体1の径方向上の幅未満となっている。そのため、2つの金属板121は、窪み92が形成された面から対向する面に向けて、間隔が狭くなるように設けられている。それにより、導体1の突出部1aの孔93への挿入は容易に行うことができる。また、突出部1aを孔93に挿入した場合、2つの金属板121が突出部1aと接触し、導体1が接続部材90の導体94と接続されることとなる。
図13は、本発明の実施の形態4に係る特性インピーダンス整合部品をスルーホール内に挿入して接続が終了した後の状態を説明する断面図である。本実施の形態4でも、図13に示すように、接続部材90は、窪み92が形成された面を特性インピーダンス整合部品本体5a側にし、その窪み92が誘電体2の円柱状部分の端部を勘合させることにより、特性インピーダンス整合部品本体5aと一体化される。窪み92に円柱状部分の端部を勘合させる結果、導体1の突出部1aが孔93内に挿入され、その突出部1aに2つの金属板121が接触している。このため、接続部材90では、導体94をGND電極15に接続させるはんだ接合のみが行われている。
なお、本実施の形態4では、弾性力を有する導体として金属板121を採用しているが、弾性力を有する導体は金属板121のような部材に限定されない。また、弾性力を有する導体を採用しなくとも良い。これは、導電性部材を、弾性力を有する非導電性部材により突出部1aに接触させるような構造を採用しても良いからである。
実施の形態5.
上記実施の形態1〜4では、導体1の接地をその導体1とは別の導体を用いて行うようになっている。本実施の形態5は、別の導体を用いることなく、導体1の接地を行えるようにしたものである。ここでは、同じ、或いは対応する構成要素には上記実施の形態1で用いた符号を付し、上記実施の形態1から異なる部分について説明する。
上記実施の形態1〜4では、導体1の接地をその導体1とは別の導体を用いて行うようになっている。本実施の形態5は、別の導体を用いることなく、導体1の接地を行えるようにしたものである。ここでは、同じ、或いは対応する構成要素には上記実施の形態1で用いた符号を付し、上記実施の形態1から異なる部分について説明する。
図14は、本発明の実施の形態5に係る特性インピーダンス整合部品を示す透視斜視図である。本実施の形態5では、特性インピーダンス整合部品5は、図13に示すように、誘電体2の下方に突出した突出部1a、誘電体2の上方に突出した突出部1bを有する導体1を採用している。この導体1、及び誘電体2のみの構成を採用したことにより、特性インピーダンス整合部品5の製造コストは、最も安価となっている。
図15は、本発明の実施の形態5に係る特性インピーダンス整合部品をスルーホール内に挿入した状態を説明する断面図であり、図16は、本発明の実施の形態5に係る特性インピーダンス整合部品をスルーホール内に挿入して接続が終了した後の状態を説明する断面図である。
突出部1a、1bは、図16に示すように、GND電極15、14と接触させるように、折り曲げられる。それにより、突出部1aの端部は、はんだ17を用いたはんだ接合によりGND電極15と接続され、突出部1bの端部は、はんだ17を用いたはんだ接合によりGND電極14と接続される。折り曲げた際に、導体1がスルーホール9と接触するのを回避させるために、誘電体2の高さは、図15、及び図16に示すように、スルーホール9の高さよりも高くさせている。
なお、本実施の形態5では、導体1を接地させるために、突出部1a、1bを設けているが、そのうちの一方のみを設けても良い。つまり導体1の何れか一方の端部に、電極3、及び4のような電極、導体61のような導体を接続させても良い。或いはその一方の突出分の長さを短くして、図9、或いは図12に示すような接続部材90を接続させるようにしても良い。
1 導体、1a、1b 突出部、2 誘電体、3、4 電極、5 特性インピーダンス整合部品、6 基板、7、8 マイクロストリップライン(信号用配線)、9、12、13 スルーホール、10、11 基準プレーン、14、15 GND電極(接地される配線、或いは接地される他の配線)、18、19 ストリップライン(信号用配線)、61 導体(接続用導体)、90 接続部材(接続用部材)、91 誘電体(他の誘電体)、94 導体(他の接続用導体)。
Claims (9)
- 基板に設けられたスルーホールの内部形状に合わせて形成された誘電体と、
前記スルーホール内への挿入時に、前記スルーホールに接触しない状態に前記誘電体により覆われた導体と、
を備える特性インピーダンス整合部品。 - 前記基板に設けられた接地される接地用配線と前記導体とを接続するための接続用導体、
を更に備える請求項1に記載の特性インピーダンス整合部品。 - 他の誘電体、及び他の接続用導体を含む接続用部材、を更に備え、
前記他の接続用導体は、前記他の誘電体に設けられ、前記基板に設けられた他の接地用配線と前記導体とを接続するために用いられる、
請求項2に記載の特性インピーダンス整合部品。 - 前記導体は、前記誘電体から突出する突出部を有し、
前記接続用部材は、前記他の誘電体、及び前記他の接続用導体に、前記突出部が挿入可能な貫く孔を有する、
請求項3に記載の特性インピーダンス整合部品。 - 前記接続用部材は、前記孔に挿入された前記突出部に弾性力により接触し、前記突出部を前記他の接続用導体と接続させる導電性部材、を更に有する、
請求項4に記載の特性インピーダンス整合部品。 - 前記導体の両端のうちの少なくとも一方は、前記誘電体から突出し、前記基板に設けられた前記接地用配線と接続可能である、
請求項1に記載の特性インピーダンス整合部品。 - 基板に設けられたスルーホールの特性インピーダンスを、前記スルーホールと接続された信号用配線の特性インピーダンスと整合させるための特性インピーダンス整合方法であって、
前記スルーホールの内部形状に合わせて形成された誘電体、及び前記スルーホール内への挿入時に、前記スルーホールに接触しない状態に前記誘電体に覆われた導体を有する特性インピーダンス整合部品を作製し、
前記特性インピーダンス整合部品を前記スルーホール内に挿入し、
前記導体を、前記基板に設けられ、接地される配線と接続させる、
特性インピーダンス整合方法。 - 前記信号用配線が複数、前記スルーホールに接続されている、
請求項7に記載の特性インピーダンス整合方法。 - 前記信号用配線は、マイクロストリップライン、及びストリップラインのうちの何れかである、
請求項7または8に記載の特性インピーダンス整合方法。
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JP2018109178A JP2019212827A (ja) | 2018-06-07 | 2018-06-07 | 特性インピーダンス整合部品、及び特性インピーダンス整合方法 |
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