JP2019211690A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複雑な構成を用いずに、潤滑剤が定着ベルトの外周面に漏れることを抑制することを目的とする。【解決手段】定着装置9は、定着ベルト21の端面21eに対向する円板部41Dと、円板部41Dから定着ベルト21の長手方向の中央側へ延びるように形成され、内周面が定着ベルト21の外周面21oに対向する円筒部41Cと、を有する、定着ベルト21と連れ回る一対のキャップ41と、を備える。定着ベルト21の外周面21oに、定着ベルト21の長手方向において端面21e側の外径が中央側の外径よりも小さくなるように定着ベルト21の周方向に延びる段差部21sが形成され、キャップ41は、段差部21sに接触する接触部(対向面43s)を備え、定着ベルト21の端面21eと円板部41Dとの間に間隙Gが設けられている。【選択図】図4

Description

本発明は、用紙にトナー像を定着させる定着装置及びこの定着装置を備えた画像形成装置に関する。
トナーを用紙に定着させる方式の一つとして、摺動ベルト方式が知られている。この方式においては、回転可能な円筒状の定着ベルトと、定着ベルトの内周面に対向する押圧パッドと、押圧パッドとの間に定着ベルトを挟持し、定着ベルトとの間に用紙が挟持搬送される加圧領域を形成し、定着ベルトを従動回転させる加圧ローラーと、定着ベルトを加熱する加熱手段とが備えられる。定着ベルトの内周面には、押圧パッドとの摩擦を軽減する潤滑剤が塗布されている。
上記構成において、定着ベルトの長手方向の両端部にキャップが設けられる場合がある。キャップは、定着ベルトの端面に接触する円板部と、円板部から定着ベルトの長手方向の中央側へ延びるように形成され、内周面が定着ベルトの外周面に対向する円筒部とを有し、定着ベルトと連れ回る。ここで、加圧領域外では定着ベルトの外周面は円筒部の内周面に接触するが、加圧領域は円筒部の内周面よりも中心側に形成されるから、加圧領域内では定着ベルトが中心側へ変形する。そのため、定着ベルトの回転に伴って、定着ベルトの端面は、円板部に対して径方向の摺動を繰り返す。すると、定着ベルトの内周面に塗布された潤滑剤が定着ベルトの端面と円板部との間に入り込み、定着ベルトの外周面に漏れ出てくる。潤滑剤が外周面に漏れ出ると、用紙の汚染、定着ベルトに対する加圧ローラーやキャップの滑り等の不具合が生じるおそれがある。
そこで、従来、定着ベルトの潤滑剤の漏れを抑制する技術が検討されている。例えば、特許文献1には、円板部(フランジ)の定着ベルトの端面と対向する面に弾性層を設け、定着ベルトの端面に円板部を加圧接触させることが記載されている。
特開2017−9948号公報
しかし、特許文献1に記載された技術では、定着ベルトの端面に円板部を加圧接触させるための機構が追加されるため、定着装置の構成が複雑になってしまう。
本発明は、上記事情を考慮し、複雑な構成を用いずに、潤滑剤が定着ベルトの外周面に漏れることを抑制することのできる定着装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る定着装置は、円筒状の回転可能な定着ベルトと、前記定着ベルトの内周面に潤滑剤を介して対向する押圧部材と、前記押圧部材との間に前記定着ベルトを挟持し、前記定着ベルトとの間に用紙が挟持搬送される加圧領域を形成し、前記定着ベルトを従動回転させる加圧ローラーと、前記定着ベルトの端面に対向する円板部と、前記円板部から前記定着ベルトの長手方向の中央側へ延びるように形成され、内周面が前記定着ベルトの外周面に対向する円筒部と、を有する、前記定着ベルトと連れ回る一対のキャップと、を備え、前記定着ベルトの外周面に、前記定着ベルトの長手方向において端面側の外径が中央側の外径よりも小さくなるように前記定着ベルトの周方向に延びる段差部が形成され、前記キャップは、前記段差部に接触する接触部を備え、前記定着ベルトの端面と前記円板部との間に間隙が設けられていることを特徴とする。
本発明に係る定着装置において、前記キャップは、前記定着ベルトの外周面のうち前記段差部よりも前記端面側の領域に接触する環状のベルト保持部材を前記円筒部の内周面に備え、前記接触部は、前記ベルト保持部材の前記段差部と対向する対向面であることを特徴としてもよい。
本発明に係る定着装置において、前記キャップは、前記円筒部の内周面から突出し、周方向に延びるように形成され、前記定着ベルトの外周面のうち前記段差部よりも前記端面側の領域に対向する凸部と、前記円筒部の内周面のうち前記凸部よりも前記定着ベルトの長手方向の中央側の領域に設けられた、前記定着ベルトの外周面のうち前記段差部よりも前記定着ベルトの長手方向の中央側の領域に接触する環状のベルト保持部材と、を備え、前記接触部は、前記凸部の前記段差部と対向する対向面であることを特徴としてもよい。
本発明に係る定着装置において、前記定着ベルトの内周面に接触して前記定着ベルトを保持するベルトテンションガイド部材を備えることを特徴としてもよい。
また、本発明に係る画像形成装置は、前記用紙にトナー像を形成する画像形成部と、前記トナー像を前記用紙に定着する上記のいずれかの定着装置と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、複雑な構成を用いずに、潤滑剤が定着ベルトの外周面に漏れることを抑制することができる。
本発明の実施形態に係るプリンターの内部構成を模式的に示す正面図である。 本発明の第1実施形態に係る定着装置の断面図である。 本発明の第1実施形態に係る定着装置の断面図である。 本発明の第1実施形態に係る定着装置の断面図である。 本発明の第1実施形態に係る定着ベルトの断面図である。 本発明の第1実施形態に係る定着ベルトの斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るキャップの斜視図である。 比較例の定着ベルトの断面図である。 比較例の定着ベルトの断面図である。 比較例の定着ベルトの断面図である。 本発明の第1実施形態に係る定着ベルトの断面図である。 本発明の第1実施形態に係る定着ベルトの断面図である。 本発明の第2実施形態に係る定着装置の断面図である。 本発明の第1実施形態の変形例に係る定着装置の断面図である。 本発明の第2実施形態の変形例に係る定着装置の断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態に係る画像形成装置及び定着装置について説明する。
まず、図1を参照して、画像形成装置としてのプリンター1の全体の構成について説明する。図1は、プリンター1の内部構成を模式的に示す正面図である。以下、図1における紙面手前側をプリンター1の正面側(前側)とし、左右の向きはプリンター1を正面から見た方向を基準として説明する。各図において、U、Lo、L、R、Fr、Rrは、それぞれ上、下、左、右、前、後を示す。
プリンター1の装置本体2には、用紙Sが収容される給紙カセット3と、給紙カセット3から用紙Sを送り出す給紙装置5と、用紙Sにトナー像を形成する画像形成部7と、トナー像を用紙Sに定着する定着装置9と、用紙Sを排紙する排紙装置11と、排紙された用紙Sが受け止められる排紙トレイ13と、が備えられている。さらに、装置本体2には、給紙装置5から、画像形成部7、定着装置9を経て排紙装置11に向かう用紙Sの搬送経路15が形成されている。
給紙装置5によって給紙カセット3から給紙された用紙Sは、搬送経路15に沿って画像形成部7に搬送され、用紙Sにトナー像が形成される。用紙Sは搬送経路15に沿って定着装置9に送られ、トナー像が用紙Sに定着される。トナー像が定着された用紙Sは、排紙装置11から排紙トレイ13に排出される。
<第1実施形態>
次に、図2乃至7を参照して、本発明の第1実施形態に係る定着装置9の構成について説明する。図2は、定着装置9の断面図である。図3は、図2のI−I断面図である。図4は、図3に示される断面の前側の部分の拡大図である。図5は、図4に示される定着ベルト21の上側の部分の拡大図である。図6は、定着ベルト21の斜視図である。図7は、キャップ41の斜視図である。以下では、定着装置9の前側の部分について説明するが、後側の部分も前後が反転される以外は前側の部分と共通の構成を有する。
定着装置9は、円筒状の回転可能な定着ベルト21と、定着ベルト21を加熱するIHヒーター23と、定着ベルト21の内周面21iに潤滑剤を介して対向する押圧パッド25(押圧部材の一例)と、押圧パッド25との間に定着ベルト21を挟持する加圧ローラー27と、定着ベルト21の前後両端部に設けられた一対のキャップ41と、を備える。以下の説明において、軸方向Xとは、加圧ローラー27の軸方向(前後方向、長手方向)を指す。本実施形態では、定着ベルト21の下側に加圧ローラー27が位置する姿勢で定着装置9が配置された例を示すが、定着装置9はいかなる姿勢で配置されてもよい。
定着ベルト21は、軸方向Xを長手方向とする円筒状に形成された無端のベルトであり、所定の内径を有し、可撓性を有する材料で形成される。図5に示されるように、定着ベルト21は、基材層21Kと、基材層21Kの外周面に設けられる弾性層21Dと、弾性層21Dの外周面に設けられる離型層21Rと、を有する。基材層21Kは、Ni等の磁性合金や、CuやAg、Al等の金属粉を混入させたポリイミド樹脂で形成される。弾性層21Dは、シリコンゴム等で形成される。離型層21Rは、PFAチューブ等で形成される。定着ベルト21の各部の寸法の一例を示すと、内径が25乃至35mm、基材層21Kの層厚が30乃至50μm、弾性層21Dの層厚が100乃至500μm、離形層21Rの層厚が20乃至30μmである。定着ベルト21の内周面21iには、フッ素グリス、シリコングリス等の潤滑剤が塗布されている。
図2乃至4に示されるように、定着ベルト21は、ステー24とベルトテンションガイド部材31によって支持される。ステー24は、軸方向Xを長手方向とする角筒状の部材であり、長手方向の長さは定着ベルト21の長手方向の長さよりも長い。ステー24は、定着ベルト21の中空部を貫通し、その両端がハウジング(図示省略)に固定されている。ステー24の上部には、ベルトテンションガイド部材31が配置されている。ベルトテンションガイド部材31は、定着ベルト21の内周面21iに沿う円弧状の断面を有し、ステンレス鋼等の材料で形成されている。ベルトテンションガイド部材31は、定着ベルト21の内周面21iに接触して定着ベルト21を支持し、定着ベルト21の回転を安定させる。
定着ベルト21の両端部の外周面21oには、定着ベルト21の周方向に延びる段差部21sが形成されている。具体的には、図4乃至6に示されるように、定着ベルト21の長手方向において端面21e側の外径が中央側の外径よりも小さくなるように定着ベルト21の周方向に延びる段差部21sが形成されている。図5に示される例は、弾性層21Dを、前側(端面21e側)が後側(中央側)よりも薄くなるように形成し、弾性層21Dの後側の外周面にのみ離形層21Rを形成することで段差部21sを形成した例である。段差部21sの高さは、例えば、300乃至400μmである。以下、定着ベルト21の外周面21oのうち、段差部21sよりも前側(端面21e側)の領域を小径部21oSといい、段差部21sよりも後側(中央側)の領域を大径部21oLという。
IHヒーター23は、コイル部23aと、コイル部23aを巻線状に保持するコイルボビン23bと、アーチコア23cと、を有している。IHヒーター23は、所定の間隔を隔てて定着ベルト21の外周面21oを覆うように配置され、ハウジングに支持されている。コイル部23aに高周波の交流電圧を印加することにより磁界を発生させ、この磁界の作用によって定着ベルト21の基材層21Kに渦電流が発生して基材層21Kが発熱し、定着ベルト21が加熱される。また、ベルトガイド31は、コイル部23aが発生する磁界によって発熱し、定着ベルト21の加熱を補助する。
押圧パッド25は、軸方向Xを長手方向とする扁平な直方体状の部材であり、液晶ポリマー等の樹脂で形成されている。押圧パッド25は、ステー24の下部に配置されている。押圧パッド25は、長手方向の長さが定着ベルト21の長手方向の長さよりも短く、長手方向の両端部が定着ベルト21の長手方向の両端部よりも中央側に位置するように配置される。図2及び4に示されるように、押圧パッド25の下面はシート状の摺動部材35で覆われ、押圧パッド25は、摺動部材35及び潤滑剤を介して定着ベルト21の内周面21iに対向する。摺動部材35は、フッ素系の材料で構成され、定着ベルト21の摺動負荷を低減する。
加圧ローラー27は、軸と、芯金と、芯金の外周面に設けられた弾性層と、弾性層の外周面に設けられた離型層と、を有する。芯金、弾性層、離形層の軸方向Xの長さは、定着ベルト21の軸方向Xの長さよりも短い。軸は、芯金の軸方向Xの両端から突き出ている。軸及び芯金は、ステンレス鋼やAl合金等の金属で形成されている。弾性層は、シリコンゴム等で形成されている。離型層は、PFAチューブ等で形成されている。加圧ローラー27の軸には、ギア等の伝達機構(図示省略)を介して、モーター等の駆動源(図示省略)から駆動力が伝達される。加圧ローラー27と押圧パッド25とは、定着ベルト21を挟持した状態で所定の荷重で互いに押圧され、加圧ローラー27と定着ベルト21との間に用紙が挟持搬送される加圧領域Nが形成される。
図4及び7に示されるように、キャップ41は、定着ベルト21の端面21eに対向する円板部41Dと、円板部41Dから後側(定着ベルト21の長手方向の中央側)へ延びるように形成され、内周面41iが定着ベルト21の外周面21oに対向する円筒部41Cと、を有する。キャップ41は、PPS樹脂等で形成されている。円板部41Dの中央には、前後方向に貫通する孔41hが形成されており、ステー24が孔41hを貫通している。
キャップ41は、定着ベルト21の小径部21oSに接触する環状のベルト保持部材43を円筒部41Cの内周面41iに備える。ベルト保持部材43は、シリコンゴム、フッ素ゴム等で形成された矩形断面の環状の部材であり、その外周面43oが、円筒部41Cの内周面43iに接着され、その内周面43iが、定着ベルト21の小径部21oSに接触する。キャップ41が取り付けられた状態で定着ベルト21が回転すると、ベルト保持部材43の内周面43iと定着ベルト21の小径部21oSとの摩擦抵抗により、キャップ41が定着ベルト21と連れ回る。ベルト保持部材43の厚みは、例えば、1.5mmである。
キャップ41は、定着ベルト21の段差部21sに接触する接触部を備える。具体的には、接触部は、ベルト保持部材43の段差部21sと対向する対向面43sである。定着ベルト21の端面21eと段差部21sとの距離L1は、円板部41Dとベルト保持部材43の対向面43sとの距離L2よりも短い。この構成により、定着ベルト21の端面21eとキャップ41の円板部41Dとの間に間隙Gが設けられる。寸法の一例を示すと、距離L1が10mm、距離L2が12mm、間隙Gの幅Wが2mmである。
図3及び4に示されるように、キャップ41の円板部41Dよりも前側において、ステー24にストッパー45が取り付けられている。ストッパー45は、キャップ41の孔41hよりも大きな板状の部材であり、キャップ41の前後方向の移動を制限する。
次に、図2を参照して、定着装置9の定着動作を説明する。加圧ローラー27が駆動されて回転すると、定着ベルト21が加圧ローラー27の回転方向と反対の方向に従動回転し、定着ベルト21が摺動部材35に対して摺動する。IHヒーター23に電力が供給されると、定着ベルト21の基材層21Kが発熱し、定着ベルト21が加熱される。定着ベルト21が所定の温度に達した後、トナーが転写された用紙Sが加圧領域Nに搬送される。加圧領域Nにおいて、用紙Sは定着ベルト21と加圧ローラー27とに挟持されて決められた搬送方向Yに搬送される。このとき、定着ベルト21によってトナーが加熱及び加圧され、トナーが用紙Sに定着される。トナーが定着された用紙Sは、定着ベルト21から分離されて、搬送経路15に沿って搬送される。
次に、図2、8A乃至9Bを参照して、段差部21sを備えない比較例との比較により、本実施形態の効果を説明する。図8A乃至8Cは、比較例の定着ベルト821の端面821e周辺の断面図であり、着目する断面における潤滑剤Luの定着ベルト821の回転に伴う挙動が示されている。図8Aは、着目する断面が加圧領域Nに進入する前の潤滑剤Luの様子を示す図である。図8Bは、着目する断面が加圧領域Nに進入したときの潤滑剤Luの様子を示す図である。図8Cは、着目する断面が加圧領域Nから退出するときの潤滑剤Luの様子を示す図である。
定着ベルト821は、本実施形態の段差部21sを備えず、厚さが長手方向に均一である。キャップ841は、円板部841Dと円筒部841Cとを有する。円板部841Dの定着ベルト821の端面821eに対向する対向面には、弾性部材843が接着されており、定着ベルト821の端面821eは、弾性部材843に接触する。弾性部材843は、例えば、フッ素ゴムである。
着目する断面が加圧領域Nに進入する前においては(図8A参照)、定着ベルト821の外周面821oがキャップ841の円筒部841Cの内周面841iに接触している。定着ベルト821の内周面821iに塗布された潤滑剤Luの流出が制限されていないため、内周面821iの端部から弾性部材843の表面に潤滑剤Luが流出している。
着目する断面が加圧領域Nに進入すると(図8B参照)、加圧領域Nは円筒部841Cの内周面841iよりも中心側に形成されているから(図2参照)、加圧領域N内では定着ベルト821が円筒部841の中心側へ変形し、弾性部材843の表面に流出している潤滑剤Luを定着ベルト821がキャップ841の中心側へ押し出す。このとき、定着ベルト821の端面821eが潤滑剤Luに乗り上げた状態で中心側へ移動するため、弾性部材843の表面に膜状の潤滑剤Luが残留する。
着目する断面が加圧領域Nから退出するとき(図8C参照)、定着ベルト821の変形が復元し、弾性部材843の表面に残留した膜状の潤滑剤Luを定着ベルト821が円筒部841Cの内周面41i側へと押し出す。押し出された潤滑剤Luは、定着ベルト821の外周面821oの端部から中央側へと漏れ出る。以上の挙動が定着ベルト821の1回転毎に繰り返される。
なお、ここでは、比較例として円板部841Dの定着ベルト21の端面821eに対向する対向面に弾性部材842が設けられた例を示したが、円筒部841Cの内周面841iに弾性部材が設けられた構成でも、潤滑剤Luが上記比較例と同様の挙動を示す。
一方、図9A及び9Bは、本実施形態の定着ベルト21の端面21e周辺の断面図である。図9Aは、着目する断面が加圧領域Nに進入する前の潤滑剤Luの様子を示す図である。図9Bは、着目する断面が加圧領域Nに進入したときの潤滑剤Luの様子を示す図である。
着目する断面が加圧領域Nに進入する前においては(図9A参照)、定着ベルト21の小径部21oSがベルト保持部材43の内周面43iに接触している。定着ベルト21の端面21eとキャップ41の円板部41Dとの間に間隙Gが設けられているため、定着ベルト21の内周面21iに塗布されている潤滑剤Luは、表面張力により内周面21iに留まる。
着目する断面が加圧領域Nに進入すると(図9B参照)、定着ベルト21がキャップ41の中心側に変形するが、端面21eと円板部41Dとの間に間隙Gが設けられているため、潤滑剤Luは、表面張力により内周面21iに留まる。
着目する断面が加圧領域Nから退出すると、再び図9Aに示される状態となる。このとき、定着ベルト21の変形が復元するが、端面21eと円板部41Dとの間に間隙Gが設けられているため、潤滑剤Luは、表面張力により内周面21iに留まる。以上の挙動が定着ベルト21の1回転毎に繰り返される。
以上、説明したとおり、本実施形態では、定着ベルト21の端面21eとキャップ41の円板部41Dとの間に間隙Gが設けられているため、回転に伴って定着ベルト21が径方向の変形を繰り返しても、潤滑剤Luは表面張力により定着ベルト21の内周面21iに留まる。よって、本実施形態によれば、複雑な構成を用いずに、潤滑剤Luが定着ベルト21の外周面21oに漏れることを抑制することができる。
また、定着ベルト21又はキャップ41に軸方向Xの外力が働いても、ベルト保持部材43により間隙Gの幅Wの減少が抑制される。よって、本実施形態によれば、定着ベルト21又はキャップ41に軸方向Xの外力が働いても、潤滑剤Luが定着ベルト21の外周面21oに漏れることを抑制することができる。
また、ベルト保持部材43は、間隙Gの幅Wの減少を抑制する機能と、定着ベルト21との間に摩擦抵抗を発生させる機能とを兼ね備えるから、これらの機能を別々の部材で実現する構成と比べて、部品数を抑えることができる。
<第2実施形態>
次に、図10を参照して、本発明の第2実施形態に係る定着装置9Bについて、第1実施形態と異なる部分を説明する。図10は、定着装置9Bの前側の部分の断面図である。第1実施形態と同一の構成要素は、第1実施形態と同一の符号を用いて示す。以下では、定着装置9Bの前側の部分について説明するが、後側の部分も前後が反転される以外は前側の部分と共通の構成を有する。
キャップ41の円筒部41Cには、寄り止め部材47が設けられる。寄り止め部材47は、円筒部47Cと、円筒部47Cの内周面47iから突出し、周方向に延びるように形成され、定着ベルト21の小径部21oSに対向する凸部47Pと、を備える。寄り止め部材47は、PPS樹脂等で形成されている。円筒部47Cの内径は、キャップ41の円筒部41Cの外径に対応している。円筒部47Cの凸部47Pよりも前側(定着ベルト21の端部21e側)の部分に、キャップ41の円筒部41Cが嵌め込まれる。
円筒部47Cの内周面47iのうち凸部47Pよりも後側(定着ベルト21の長手方向の中央側)の部分には、定着ベルト21の大径部21oLに接触する環状のベルト保持部材43が設けられる。ベルト保持部材43の外周面43oが、円筒部47Cの内周面47iに接着され、ベルト保持部材43の内周面43iが、定着ベルト21の大径部21oLに接触する。キャップ41及び寄り止め部材47が取り付けられた状態で定着ベルト21が回転すると、ベルト保持部材43の内周面43iと大径部21oLとの摩擦抵抗により、キャップ41及び寄り止め部材47が定着ベルト21と連れ回る。
本実施形態において、定着ベルト21の段差部21sに接触する接触部は、凸部47Pの段差部21sと対向する対向面47sである。定着ベルト21の端面21eと段差部21sとの距離L1は、円板部41Dと凸部47Pの対向面47sとの距離L2よりも短い。この構成により、定着ベルト21の端面21eとキャップ41の円板部41Dとの間に間隙Gが設けられる。
本実施形態では、定着ベルト21の端面21eとキャップ41の円板部41Dとの間に間隙Gが設けられているため、回転に伴って定着ベルト21が径方向の変形を繰り返しても、潤滑剤Luは表面張力により定着ベルト21の内周面21iに留まる。よって、本実施形態によれば、複雑な構成を用いずに、潤滑剤Luが定着ベルト21の外周面21oに漏れることを抑制することができる。
また、PPS樹脂等で形成された寄り止め部材47の凸部47Pの対向面47sと定着ベルト21の段差部21sとが接触しているため、定着ベルト21又はキャップ41に軸方向Xの外力が働いても、定着ベルト21とキャップ41との寄りが止められ、間隙Gの幅WがL2−L1に維持される。よって、本実施形態によれば、定着ベルト21又はキャップ41に軸方向Xの外力が働いても、潤滑剤Luが定着ベルト21の外周面21oに漏れることを抑制することができる。
<第1実施形態の変形例>
次に、図11を参照して、第1実施形態の変形例に係る定着装置9Cについて、第1実施形態と異なる部分を説明する。図11は、定着装置9Cの前側の部分の断面図である。第1実施形態と同一の構成要素は、第1実施形態と同一の符号を用いて示す。以下では、定着装置9Cの前側の部分について説明するが、後側の部分も前後が反転される以外は前側の部分と共通の構成を有する。
定着ベルト22の外周面22oには、周方向に延びる凸部22Pが形成されている。例えば、凸部22P以外の部分よりも弾性層を厚く形成することで凸部22Pが形成されてもよく、均一な厚みの定着ベルトの外周面に矩形断面の帯状の部材を接着することで凸部22Pが形成されてもよい。定着ベルト22の外周面22oのうち、凸部22Pよりも前側(端面22e側)の領域を小径部22oSといい、凸部22Pの外周面を大径部22oLという。小径部22oSと大径部22oLとの境界には、段差部22sが形成されている。ベルト保持部材43の外周面43oが、円筒部41Cの内周面41iに接着され、ベルト保持部材43の内周面43iが、定着ベルト22の小径部22oSに接触する。キャップ41が取り付けられた状態で定着ベルト22が回転すると、ベルト保持部材43の内周面43iと定着ベルト22の小径部22oSとの摩擦抵抗により、キャップ49が定着ベルト21と連れ回る。
本変形例において、定着ベルト22の段差部22sに接触する接触部は、ベルト保持部材43の段差部22sと対向する対向面43sである。定着ベルト22の端面22eと段差部22sとの距離L1は、円板部41Dとベルト保持部材43の対向面43sとの距離L2よりも短い。この構成により、定着ベルト22の端面22eとキャップ41の円板部41Dとの間に間隙Gが設けられる。
本変形例では、定着ベルト22の端面22eとキャップ41の円板部41Dとの間に間隙Gが設けられているため、回転に伴って定着ベルト22が径方向の変形を繰り返しても、潤滑剤Luは表面張力により定着ベルト22の内周面22iに留まる。よって、本変形例によれば、複雑な構成を用いずに、潤滑剤Luが定着ベルト22の外周面22oに漏れることを抑制することができる。
また、本変形例によれば、定着ベルト22の小径部22oSに対応する部分の肉厚が第1実施形態の小径部21oSに対応する部分の肉厚よりも厚いため、第1実施形態と比べて定着ベルト22とキャップ41の回転の安定性が向上する。
<第2実施形態の変形例>
次に、図12を参照して、第2実施形態の変形例に係る定着装置9Dについて説明する。図12は、定着装置9Dの前側の部分の断面図である。以下では、定着装置9Dの前側の部分について説明するが、後側の部分も前後が反転される以外は前側の部分と共通の構成を有する。
キャップ49は、定着ベルト21の端面21eに対向する円板部49Dと、円板部49Dから後側(定着ベルト21の長手方向の中央側)へ延びるように形成され、内周面49i1が定着ベルト21の小径部21oSに対向する第1円筒部49C1と、第1円筒部49C1の後側(円板部49Dと反対側)の端部に形成されたフランジ部49Fと、フランジ部49Fの外縁から後側(定着ベルト21の長手方向の中央側)へ延びるように形成され、内周面49i2が定着ベルト21の大径部21oLに対向する第2円筒部49C2と、を備える。
第2円筒部49C2の内周面49i2には、定着ベルト21の大径部21oLに接触する環状のベルト保持部材43が設けられている。ベルト保持部材43の外周面43oが、第2円筒部49C2の内周面49i2に接着され、ベルト保持部材43の内周面43iが、定着ベルト21の大径部21oLに接触する。キャップ49が取り付けられた状態で定着ベルト21が回転すると、ベルト保持部材43の内周面43iと大径部21oLとの摩擦抵抗により、キャップ49が定着ベルト21と連れ回る。
本変形例において、定着ベルト21の段差部21sに接触する接触部は、フランジ部49Fの段差部21sと対向する対向面49sである。定着ベルト21の端面21eと段差部21sとの距離L1は、円板部49Dとフランジ部49Pの対向面49sとの距離L2よりも短い。この構成により、定着ベルト21の端面21eとキャップ49の円板部49Dとの間に間隙Gが設けられる。
本変形例では、定着ベルト21の端面21eとキャップ49の円板部49Dとの間に間隙Gが設けられているため、回転に伴って定着ベルト21が径方向の変形を繰り返しても、潤滑剤Luは表面張力により定着ベルト21の内周面21iに留まる。よって、本変形例によれば、複雑な構成を用いずに、潤滑剤Luが定着ベルト21の外周面21oに漏れることを抑制することができる。
また、本変形例によれば、第2実施形態と比べて部品数を削減することができる。
なお、各実施形態において、押圧パッド25及びIHヒーター23に代えて、定着ベルト21の内周面21iに潤滑剤を介して対向する面状ヒーターが備えられてもよい
上記した本発明の実施形態の説明は、本発明に係る定着装置及び画像形成装置における好適な実施の形態を説明しているため、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。すなわち、上記した本発明の実施の形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、かつ、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能であり、上記した本発明の実施の形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
1 プリンター(画像形成装置)
7 画像形成部
9 定着装置
21 定着ベルト
21e 端面
21i 内周面
21o 外周面
21s 段差部
25 押圧パッド(押圧部材)
27 加圧ローラー
31 ベルトテンションガイド部材
41 キャップ
41D 円板部
41C 円筒部
41i 内周面
43 ベルト保持部材
43s 対向面
47 寄り止め部材
47C 円筒部
47i 内周面
47P 凸部
47s 対向面

Claims (5)

  1. 円筒状の回転可能な定着ベルトと、
    前記定着ベルトの内周面に潤滑剤を介して対向する押圧部材と、
    前記押圧部材との間に前記定着ベルトを挟持し、前記定着ベルトとの間に用紙が挟持搬送される加圧領域を形成し、前記定着ベルトを従動回転させる加圧ローラーと、
    前記定着ベルトの端面に対向する円板部と、前記円板部から前記定着ベルトの長手方向の中央側へ延びるように形成され、内周面が前記定着ベルトの外周面に対向する円筒部と、を有する、前記定着ベルトと連れ回る一対のキャップと、を備え、
    前記定着ベルトの外周面に、前記定着ベルトの長手方向において端面側の外径が中央側の外径よりも小さくなるように前記定着ベルトの周方向に延びる段差部が形成され、
    前記キャップは、前記段差部に接触する接触部を備え、
    前記定着ベルトの端面と前記円板部との間に間隙が設けられていることを特徴とする定着装置。
  2. 前記キャップは、前記定着ベルトの外周面のうち前記段差部よりも前記端面側の領域に接触する環状のベルト保持部材を前記円筒部の内周面に備え、
    前記接触部は、前記ベルト保持部材の前記段差部と対向する対向面であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記キャップは、
    前記円筒部の内周面から突出し、周方向に延びるように形成され、前記定着ベルトの外周面のうち前記段差部よりも前記端面側の領域に対向する凸部と、
    前記円筒部の内周面のうち前記凸部よりも前記定着ベルトの長手方向の中央側の領域に設けられた、前記定着ベルトの外周面のうち前記段差部よりも前記定着ベルトの長手方向の中央側の領域に接触する環状のベルト保持部材と、を備え、
    前記接触部は、前記凸部の前記段差部と対向する対向面であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  4. 前記定着ベルトの内周面に接触して前記定着ベルトを保持するベルトテンションガイド部材を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の定着装置。
  5. 前記用紙にトナー像を形成する画像形成部と、
    前記トナー像を前記用紙に定着する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の定着装置と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
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