JP2019211401A - 光学分析システム及び光学分析方法 - Google Patents

光学分析システム及び光学分析方法 Download PDF

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Abstract

【課題】化学反応系において合成された生成物の量を、サンプルを抽出する必要なく、かつ非破壊的に分析できる光学分析システム及び光学分析方法を提供する。【解決手段】本開示に係る光学分析システム1は、第1原料Aと第2原料Bとを合成して生成物ABを得る化学反応系30において、合成開始前の第1原料A及び第2原料Bそれぞれに照射光L1を照射し、かつ第1原料A、第2原料B、及び生成物ABを含む合成開始後の混合物Cに照射光L1を照射する照射部11と、照射部11によって照射された照射光L1に基づく測定光L2であって、第1原料A、第2原料B、及び混合物Cそれぞれの分光スペクトルに関する情報を含む測定光L2を検出する検出部12と、第1原料A、第2原料B、及び混合物Cそれぞれの分光スペクトルを算出し、各分光スペクトルに基づいて、生成物ABの分光スペクトルを算出する演算部22と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、光学分析システム及び光学分析方法に関する。
異なる原料を合成して生成物を得る化学反応系に関連する技術が従来から知られている。
例えば、特許文献1には、1つ以上の反応カラムからの溶出液中の反応生成物と未反応物及び副産物とを分離する分離手段を有する糖鎖合成装置が開示されている。例えば、特許文献2には、化合物合成の手段となりうるマイクロフルイディック・システムに関する装置及び方法が開示されている。
従来の化学反応系において、生成物の収率が高くなる最適な化学反応条件を決定するために、様々な条件に基づいて合成実験が実施される。その際、収率を算出するためのいくつかの算出方法が知られている。一つの算出方法は、核磁気共鳴分析(Nuclear Magnetic Resonance(NMR))法により目的の生成物が得られているか否かを定性的に確認した後、精製工程により抽出された生成物の量を直接測定する方法である。他の算出方法は、高速液体クロマトグラフィー(High Performance Liquid Chromatography(HPLC))法により、生成物の光吸収スペクトルのピーク面積から相対的に収率を算出する方法である。
特許第4005557号公報 特許第5859393号公報
従来の収率の算出方法では、化学反応終了後、又は化学反応中に測定用のサンプルを抽出する必要がある。加えて、抽出されたサンプルは、分析用に処理され、分析後は破棄されていた。
本開示は、化学反応系において合成された生成物の量を、サンプルを抽出する必要なく、かつ非破壊的に分析できる光学分析システム及び光学分析方法を提供することを目的とする。
幾つかの実施形態に係る光学分析システムは、第1原料と第2原料とを合成して生成物を得る化学反応系において、合成開始前の前記第1原料及び前記第2原料それぞれに照射光を照射し、かつ前記第1原料、前記第2原料、及び前記生成物を含む合成開始後の混合物に照射光を照射する照射部と、前記照射部によって照射された前記照射光に基づく測定光であって、前記第1原料、前記第2原料、及び前記混合物それぞれの分光スペクトルに関する情報を含む前記測定光を検出する検出部と、前記第1原料、前記第2原料、及び前記混合物それぞれの分光スペクトルを算出し、各分光スペクトルに基づいて、前記生成物の分光スペクトルを算出する演算部と、を備える。化学合成によって得られる生成物の収率は、演算部によって算出された生成物の分光スペクトルに基づいて算出可能である。したがって、実施形態に係る光学分析システムによれば、化学反応系において合成された生成物の量を、サンプルを抽出する必要なく、かつ非破壊的に分析できる。
一実施形態において、前記演算部は、前記混合物の分光スペクトルから前記第1原料及び前記第2原料それぞれの分光スペクトルを差し引くことで、前記生成物の分光スペクトルを算出してもよい。これにより、混合物の分光スペクトルに埋没している生成物の分光スペクトルが抽出される。したがって、分光スペクトルに基づく生成物の収率の算出に関する精度が向上する。
一実施形態において、前記化学反応系は、前記第1原料、前記第2原料、及び前記混合物それぞれが流路の内部を流れるフロー式の合成反応系を含んでもよい。これにより、測定用のサンプルを抽出することが困難であるフロー式の合成反応系においても、サンプルを抽出する必要なく光学的手法により非接触で光吸収スペクトルが測定される。したがって、生成物の収率がリアルタイムに算出可能である。
一実施形態において、前記第1原料及び前記第2原料それぞれは、アミノ酸を含み、前記生成物は、ペプチド結合により形成された化合物を含んでもよい。これにより、複数のアミノ酸によって構成されるペプチドを対象とした分析が可能となる。
一実施形態において、前記測定光が有する波長帯域は、1800nmから2500nmまでの近赤外領域に含まれてもよい。これにより、光学分析システムは、当該近赤外領域に現れる、化合物の所定構造に起因する分光スペクトルを算出することができる。
一実施形態において、前記測定光は、前記第1原料、前記第2原料、及び前記混合物それぞれを透過した、前記照射光に基づく透過光を含み、前記分光スペクトルは、光吸収スペクトルを含んでもよい。例えば、蛍光分光法及びラマン分光法等の他の分光法では、蛍光及びラマン光等の測定光の強度は弱く、測定光の検出は容易でない。これに対して、吸収分光法を用いることで測定光の強度が増大し、測定光の検出が容易となる。したがって、光学分析システムは、分光スペクトルを容易に算出可能である。
幾つかの実施形態に係る光学分析方法は、第1原料と第2原料とを合成して生成物を得る化学反応系において、合成開始前の前記第1原料及び前記第2原料それぞれに照射光を照射し、かつ前記第1原料、前記第2原料、及び前記生成物を含む合成開始後の混合物に照射光を照射するステップと、照射された前記照射光に基づく測定光であって、前記第1原料、前記第2原料、及び前記混合物それぞれの分光スペクトルに関する情報を含む前記測定光を検出するステップと、前記第1原料、前記第2原料、及び前記混合物それぞれの分光スペクトルを算出し、各分光スペクトルに基づいて、前記生成物の分光スペクトルを算出するステップと、を含む。化学合成によって得られる生成物の収率は、算出された生成物の分光スペクトルに基づいて算出可能である。したがって、実施形態に係る光学分析方法によれば、化学反応系において合成された生成物の量を、サンプルを抽出する必要なく、かつ非破壊的に分析できる。
一実施形態では、前記生成物の分光スペクトルを算出するステップにおいて、前記混合物の分光スペクトルから前記第1原料及び前記第2原料それぞれの分光スペクトルを差し引くことで、前記生成物の分光スペクトルを算出してもよい。これにより、混合物の分光スペクトルに埋没している生成物の分光スペクトルが抽出される。したがって、分光スペクトルに基づく生成物の収率の算出に関する精度が向上する。
本開示によれば、化学反応系において合成された生成物の量を、サンプルを抽出する必要なく、かつ非破壊的に分析できる光学分析システム及び光学分析方法を提供可能である。
第1実施形態に係る光学分析システムの構成の一例を示す模式図である。 図1の光学分析システムのブロック図である。 第1原料の光吸収スペクトルの一例を示す模式図である。 第2原料の光吸収スペクトルの一例を示す模式図である。 混合物の光吸収スペクトルの一例を示す模式図である。 生成物の光吸収スペクトルの一例を示す模式図である。 位置P1における生成物の光吸収スペクトルの一例を示す模式図である。 位置P2における生成物の光吸収スペクトルの一例を示す模式図である。 位置P3における生成物の光吸収スペクトルの一例を示す模式図である。 位置P4における生成物の光吸収スペクトルの一例を示す模式図である。 位置P5における生成物の光吸収スペクトルの一例を示す模式図である。 図1の光学分析システムの動作の一例を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る光学分析システムのブロック図である。
初めに、従来技術の問題点について説明する。
化学反応において生成物が合成されているか否かを確認する方法として、NMR法が汎用的に用いられている。NMR法で得られるNMRスペクトルは、例えば有機化合物等に存在する官能基に基づく特徴的なピークを示す。生成物に特有のNMRスペクトルが得られているか否かを分析することで、作業者は、生成物が合成されているか否かを把握する。
生成物の収率を算出するためには、化学合成が完全に進行したときの生成物の量に対する、実際に得られた生成物の量の割合を算出する必要がある。生成物の収率を算出するための最も直接的な方法は、生成物を精製して、その量を直接測定する方法である。化学合成が完全に進行したときの生成物の量は理論的に容易に算出可能であるので、生成物の量を直接測定することで、生成物の収率が容易に算出される。
一方で、HPLC法は、生成物の精製が困難な場合に用いられる。HPLC法は、化合物の化学的性質、例えば疎水性相互作用等の差分を利用して生成物と夾雑物とを分離し、生成物の量を紫外線の吸収量から算出する方法である。HPLC法を用いると、生成物及び夾雑物の紫外吸収スペクトルが得られる。この紫外吸収スペクトルのピーク面積を全て足し合わせた数値が、分析対象とする化学反応系に存在する全化合物の量を示す。したがって、生成物に基づくピーク面積を測定し、当該ピーク面積の全ピーク面積に対する比を算出することにより、生成物の収率が算出される。
従来技術では、化学反応終了後、又は化学反応中に測定用のサンプルを抽出し、分析装置にかける必要がある。したがって、化学反応が進行している時点から分析結果を知るまでの間にタイムラグが存在する。これにより、作業者は、対象とする化学反応系において、生成物の量をリアルタイムに測定できない。加えて、抽出されたサンプルは分析用に処理されるため、分析後は破棄されていた。すなわち、従来技術では破壊的な分析が行われていた。また、化学反応系が例えばフロー式の合成反応系である場合、流路の内部を流れている溶液から測定用のサンプルを抽出することはそもそも困難である。
従来技術では、生成物の収率が高くなる最適な化学反応条件を決定するために、様々な条件に基づいて合成実験が実施される。このとき、作業者は、合成実験のたびに、NMR分析、生成物の精製、及び量の測定、又はHPLC分析等の手順を繰り返す必要がある。したがって、化学反応条件を最適化するための作業工程が増大し、最適化のための作業効率が低下していた。
NMR法を用いた従来技術では、NMR分析に必要な核磁気共鳴を引き起こすための大規模な装置が必要である。したがって、分析装置が高額であり、またメンテナンスコストも高かった。分析を行うために一定以上の純度が要求される場合には分析用の精製工程が必要となり、分析に必要なコストはさらに増大していた。同様に、HPLC法を用いた従来技術では、カラム及び溶液を取り回すための機構が必要である。したがって、分析装置が高額であり、またメンテナンスコストも高かった。
本開示の実施形態に係る光学分析システム1は、これらの問題点を解決し、化学反応系30において合成された生成物ABの量を、サンプルを抽出する必要なく、かつ非破壊的に分析できる。以下、本開示の実施形態に係る光学分析システム1について、添付図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る光学分析システム1の構成の一例を示す模式図である。図2は、図1の光学分析システム1のブロック図である。図1及び図2を参照しながら、第1実施形態に係る光学分析システム1の構成及び機能について主に説明する。
光学分析システム1は、例えば、第1原料Aと第2原料Bとを合成して生成物ABを得る化学反応系30に設置される。光学分析システム1は、化学反応系30に対して、照射光L1a、L1b、及びL1cを含む照射光L1を照射する。光学分析システム1は、合成開始前の第1原料A、合成開始前の第2原料B、並びに第1原料A、第2原料B、及び生成物ABを含む合成開始後の混合物Cそれぞれの分光スペクトルを算出する。光学分析システム1は、各分光スペクトルに基づいて、生成物ABの分光スペクトルを算出する。
化学反応系30は、送液ポンプ31と、フロー化学反応チューブ32と、マイクロリアクター33とを有する。化学反応系30は、例えば、合成開始前の第1原料A、合成開始前の第2原料B、並びに第1原料A、第2原料B、及び生成物ABを含む合成開始後の混合物Cそれぞれが、フロー化学反応チューブ32の内部を流れる連続フロー式の合成反応系を含む。第1原料A及び第2原料Bそれぞれは、異なる送液ポンプ31により送り出され、異なるフロー化学反応チューブ32を通過してマイクロリアクター33に導入される。このとき、第1原料Aと第2原料Bとが瞬間的に混合されて、化学合成が開始する。第1原料A、第2原料B、及び生成物ABを含む合成開始後の混合物Cは、マイクロリアクター33よりも下流側のフロー化学反応チューブ32の内部をさらに流れる。その後、化学合成が完結する。
化学反応系30における第1原料A及び第2原料Bそれぞれは、任意の化合物を含む。第1原料A及び第2原料Bそれぞれは、例えばアミノ酸を含んでもよい。同様に、生成物ABは、ポリマー又はオリゴマー等の任意の化合物を含む。生成物ABは、例えばアミド結合により形成された化合物を含んでもよいし、複数のアミノ酸に基づくペプチド結合により形成された化合物を含んでもよい。
光学分析システム1は、上記のような化学反応系30に設置される。光学分析システム1は、光学測定装置10と、光学分析装置20とを有する。
光学測定装置10は、例えば、後述する測定光L2a、L2b、及びL2cを含む測定光L2の波長ごとの光吸収量を測定可能な任意の測定機器を含む。図2に一例として示すように、光学測定装置10は、照射部11と、検出部12と、制御部13と、通信部14と、記憶部15と、を有する。光学測定装置10は、フロー化学反応チューブ32の内部に向けて照射部11から照射される照射光L1に基づき、例えば1800nmから2500nmまでの近赤外領域に含まれる波長帯域を有する測定光L2の波長ごとの光吸収量を測定する。測定光L2は、第1原料A、第2原料B、及び混合物Cそれぞれを透過した、照射光L1に基づく透過光を含む。すなわち、照射部11から照射された照射光L1は、第1原料A、第2原料B、及び混合物Cそれぞれを透過して、測定光L2として検出部12により検出される。
照射部11は、例えば半導体レーザー等の任意の光源と、当該光源から照射された照射光L1をフロー化学反応チューブ32の内部に導く光ファイバ等の任意の導光部品とを有する。照射部11は、化学反応系30のフロー化学反応チューブ32の内部に、例えば1800nmから2500nmまでの近赤外領域に含まれる波長帯域を有する照射光L1を照射する。
より具体的には、照射部11は、合成開始前の第1原料A及び第2原料Bに照射光L1a及びL1bをそれぞれ照射する。照射部11は、合成開始後の混合物Cに照射光L1cを照射する。一例として、照射部11は、マイクロリアクター33よりも下流側のフロー化学反応チューブ32における5つの位置P1、P2、P3、P4、及びP5それぞれにおいて照射光L1cを照射する。フロー化学反応チューブ32における5つの位置P1、P2、P3、P4、及びP5は、マイクロリアクター33から順に離れている。すなわち、位置P1からP5に向かうにつれて、混合物Cにおける第1原料A及び第2原料Bの割合が減少し、混合物Cにおける生成物ABの割合が増大する。
検出部12は、例えばフォトダイオード等の任意の光検出器と、フロー化学反応チューブ32の内部を透過した測定光L2を光検出器まで導く光ファイバ等の任意の導光部品とを有する。検出部12は、フロー化学反応チューブ32の内部を透過した、例えば1800nmから2500nmまでの近赤外領域に含まれる波長帯域を有する測定光L2を検出する。
より具体的には、検出部12は、合成開始前の第1原料A及び第2原料Bを透過した測定光L2a及びL2bをそれぞれ検出する。検出部12は、合成開始後の混合物Cを透過した測定光L2cを検出する。一例として、検出部12は、フロー化学反応チューブ32における5つの位置P1、P2、P3、P4、及びP5それぞれにおいて測定光L2cを検出する。このように、検出部12は、照射部11によって照射された照射光L1に基づく測定光L2であって、第1原料A、第2原料B、及び混合物Cそれぞれの分光スペクトルに関する情報を含む測定光L2を検出する。
制御部13は、1つ以上のプロセッサを含む。例えば、制御部13は、光学測定装置10に関する処理を可能にするプロセッサを含む。制御部13は、光学測定装置10を構成する各構成部に接続され、各構成部をはじめとして光学測定装置10全体を制御及び管理する。制御部13は、検出部12によって検出された測定光L2の検出情報を検出部12から取得する。制御部13は、検出部12から取得した検出情報に基づき、測定光L2の波長ごとの光吸収量を測定する。制御部13は、取得された波長ごとの光吸収量データを通信部14に出力し、光学分析装置20に送信させる。制御部13は、取得された波長ごとの光吸収量データを必要に応じて記憶部15に記憶させる。
通信部14は、有線又は無線を介する任意の通信規格に対応した通信インタフェースを含む。通信部14は、例えば、データ通信ケーブル40を介して光学分析装置20と通信接続可能である。通信部14は、例えば、制御部13から取得した波長ごとの光吸収量データを、データ通信ケーブル40を介して光学分析装置20に送信する。通信部14は、例えば、光学分析装置20を用いて作業者により設定された、測定光L2の波長ごとの光吸収量の測定に関する設定情報を光学分析装置20から受信する。
記憶部15は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read-Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等の任意の記憶装置を含む。記憶部15は、光学測定装置10が処理する各種データ及びプログラム等を記憶する。記憶部15は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部15は、光学測定装置10に内蔵されるものに限定されず、USB等のデジタル入出力ポート等によって接続された外付け型の記憶装置であってもよい。記憶部15は、波長ごとの光吸収量データを必要に応じて制御部13から取得し、これらのデータを記憶する。
光学分析装置20は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレットPC、デスクトップコンピュータ、及びモバイルコンピュータ等の任意の汎用電子機器、並びに光学測定装置10によって取得された測定データの処理に特化した専用の情報処理機器を含む。光学分析装置20は、通信部21と、演算部22と、表示部23と、操作部24と、記憶部25とを有する。光学分析装置20は、光学測定装置10によって取得された測定データを分析する。
通信部21は、有線又は無線を介する任意の通信規格に対応した通信インタフェースを含む。通信部21は、例えば、データ通信ケーブル40を介して光学測定装置10と通信接続可能である。通信部21は、例えば、光学測定装置10において取得された波長ごとの光吸収量データを、データ通信ケーブル40を介して光学測定装置10から受信する。通信部21は、例えば、操作部24を用いて作業者により設定された、測定光L2の波長ごとの光吸収量の測定に関する設定情報を光学測定装置10に送信する。
演算部22は、1つ以上のプロセッサを含む。より具体的には、演算部22は、汎用のプロセッサ及び特定の処理に特化した専用のプロセッサ等の任意のプロセッサを含む。演算部22は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレットPC、デスクトップコンピュータ、及びモバイルコンピュータ等の任意の汎用電子機器に搭載されたプロセッサ、並びに光学測定装置10によって取得された測定データの処理に特化した専用の情報処理機器に搭載されたプロセッサを含んでもよい。演算部22は、光学分析装置20を構成する各構成部に接続され、各構成部をはじめとして光学分析装置20全体を制御及び管理する。
演算部22は、通信部21を介して取得した、光学測定装置10による測定データに対して様々な処理を行う。例えば、演算部22は、合成開始前の第1原料A、合成開始前の第2原料B、及び合成開始後の混合物Cそれぞれの分光スペクトルを算出する。演算部22は、各分光スペクトルに基づいて、生成物ABの分光スペクトルを算出する。分光スペクトルは、例えば光吸収スペクトルを含む。演算部22は、例えば、光学測定装置10において取得された波長ごとの光吸収量データに基づいてそれぞれの光吸収スペクトルを算出する。
演算部22は、算出された光吸収スペクトルに基づいて、生成物ABが得られているか否かを判定してもよい。例えば、演算部22は、作業者により設定された所定の波長における光吸収スペクトルピークの高さが所定値を超えたか否かを判定することで、生成物ABが得られているか否かを判定してもよい。演算部22は、生成物ABが得られていると判定した場合、生成物ABの収率をさらに算出してもよい。ここで説明した、生成物ABが得られているか否かの判定及び生成物ABの収率の算出は、光学分析装置20によって実行されなくてもよい。この場合、生成物ABが得られているか否かの判定及び生成物ABの収率の算出は、作業者自身によって実行されてもよい。
演算部22は、算出された各光吸収スペクトルに関する情報を表示部23に出力し、各光吸収スペクトルを必要に応じて表示させる。演算部22は、例えば、表示部23に表示された光吸収スペクトルに対する作業者からの任意の操作を、操作部24を介して受け付ける。演算部22は、算出された各光吸収スペクトルに関する情報を必要に応じて記憶部25に記憶させる。
表示部23は、作業者の視覚に作用する任意の出力インタフェースを含む。表示部23を構成する出力インタフェースは、例えば、液晶ディスプレイ等の任意の表示機器を含む。表示部23は、例えば、モバイルコンピュータに一体的に備わっている液晶ディスプレイを含んでもよい。表示部23は、演算部22によって算出された各光吸収スペクトルを必要に応じて表示する。
操作部24は、キーボード、マウス、タッチパッド、及び音声により各種の指示が入力されるマイクロホン等の任意の入力インタフェースを含む。操作部24は、例えば、タッチパネルとして、表示部23を構成する液晶ディスプレイと一体に構成されてもよい。操作部24は、例えば、表示部23に表示された光吸収スペクトルに対する作業者からの任意の操作を受け付ける。その他にも、操作部24は、例えば、光学測定装置10を用いた測定に関する設定情報の入力操作を作業者から受け付ける。
記憶部25は、例えば、HDD、SSD、EEPROM、ROM、及びRAM等の任意の記憶装置を含む。記憶部25は、光学分析装置20が処理する各種情報及びプログラム等を記憶する。記憶部25は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部25は、光学分析装置20に内蔵されるものに限定されず、USB等のデジタル入出力ポート等によって接続された外付け型の記憶装置であってもよい。記憶部25は、算出された各光吸収スペクトルに関する情報を必要に応じて演算部22から取得し、これらの情報を記憶する。
図3Aは、第1原料Aの光吸収スペクトルの一例を示す模式図である。図3Bは、第2原料Bの光吸収スペクトルの一例を示す模式図である。図3Cは、混合物Cの光吸収スペクトルの一例を示す模式図である。図3Dは、生成物ABの光吸収スペクトルの一例を示す模式図である。図3C及び図3Dは、一例として、フロー化学反応チューブ32における5つの位置P1、P2、P3、P4、及びP5のうち、中央の位置P3における混合物C及び生成物ABの光吸収スペクトルをそれぞれ示す。
第1原料A、第2原料B、及び生成物ABそれぞれを構成する化合物は、電子準位、振動準位、及び回転準位を含む複雑なエネルギー準位構造に基づいて、複数の光吸収スペクトルピークを示すのが一般的である。しかしながら、図3A、図3B、及び図3Dでは、説明の簡便のために、それぞれ1つの光吸収スペクトルのみが例示されている。
光学測定装置10によって取得された測定光L2の波長ごとの光吸収量データに基づくグラフは、測定光L2が透過した化合物が有するエネルギー準位構造の特定の吸収遷移波長においてディップを示す。光学分析装置20は、光学測定装置10によるこのような測定データを処理して、図3A乃至図3Dに示すような光吸収スペクトルを算出する。
得られた光吸収スペクトルは、化合物の所定構造の量を反映する。化合物の所定構造は、例えば、アミド結合及びペプチド結合等を含む。すなわち、化合物の所定構造の量が多い程、光吸収スペクトルピークは高くなる。加えて、化合物の所定構造に起因するエネルギー準位は、その構造の左右を構成する分子の重さに依存して変化する。したがって、第1原料A、第2原料B、及び生成物ABに起因する光吸収スペクトルピークの波長位置は、互いに異なるのが一般的である。
例えば、1800nmから2500nmまでの近赤外領域において、アミド結合又はペプチド結合を示す光吸収スペクトルピークが存在する。当該波長領域の近赤外光吸収スペクトルの帯域における測定光L2の光吸収量を測定することで、測定地点における生成物AB中のアミド結合又はペプチド結合の量が定量的に算出可能である。アミド結合又はペプチド結合の量を算出することにより、光学分析システム1は、化学反応系30における生成物ABの収率をリアルタイムに算出可能である。
例えば、図3Aを参照すると、第1原料Aの光吸収スペクトルピークは、1800nmから2500nmまでの近赤外領域において、より短波長側に現れる。例えば、図3Bを参照すると、第2原料Bの光吸収スペクトルピークは、1800nmから2500nmまでの近赤外領域において、より長波長側に現れる。
例えば、位置P3では化学合成が未完結であるため、混合物Cの中に第1原料A及び第2原料Bが多く残存している。したがって、図3Cに示すように、混合物Cの光吸収スペクトル測定において、第1原料A及び第2原料Bそれぞれの光吸収スペクトルピークに対応する複数のピークが現れる。これに加えて、位置P3では混合物Cにおける生成物ABの割合が増大している。したがって、図3Cに示す光吸収スペクトル中に、生成物ABに起因する光吸収スペクトルピークが存在する。
第1原料A及び第2原料Bの光吸収スペクトルピークに対して生成物ABの光吸収スペクトルピークが十分に高い場合、混合物Cの光吸収スペクトルにおいても生成物ABの光吸収スペクトルが明瞭に突出し、その測定は容易である。しかしながら、第1原料A及び第2原料Bの光吸収スペクトルピークに対して生成物ABの光吸収スペクトルピークの高さが同程度以下である場合、生成物ABの光吸収スペクトルが混合物Cの光吸収スペクトルに埋没し、その測定は困難である。
生成物ABの光吸収スペクトルが混合物Cの光吸収スペクトルに埋没するような場合においても生成物ABの光吸収スペクトルの測定を容易にするために、演算部22は、混合物Cの光吸収スペクトルから第1原料A及び第2原料Bそれぞれの光吸収スペクトルを差し引く。これにより、演算部22は、図3Dに示すような生成物ABの光吸収スペクトルを算出する。例えば、演算部22は、図3A及び図3Bにそれぞれ示す第1原料A及び第2原料Bの光吸収スペクトルのピークに所定の比率を掛け合わせて、これらの高さを、混合物Cの対応する光吸収スペクトルピークの高さと略一致させる。その後、演算部22は、混合物Cの光吸収スペクトルから第1原料A及び第2原料Bそれぞれの光吸収スペクトルを差し引く。
このように、光学分析システム1では、生成物ABの光吸収スペクトルピークの高さに基づいて例えば演算部22が生成物ABの収率を算出する。生成物ABの収率の算出方法はこれに限定されず、任意の方法を含んでもよい。例えば、演算部22は、光吸収スペクトルピークの高さに加えて、光吸収スペクトルの幅も考慮して生成物ABの収率を算出してもよい。
図4Aは、位置P1における生成物ABの光吸収スペクトルの一例を示す模式図である。図4Bは、位置P2における生成物ABの光吸収スペクトルの一例を示す模式図である。図4Cは、位置P3における生成物ABの光吸収スペクトルの一例を示す模式図である。図4Dは、位置P4における生成物ABの光吸収スペクトルの一例を示す模式図である。図4Eは、位置P5における生成物ABの光吸収スペクトルの一例を示す模式図である。
例えば、図1に示すとおり、フロー化学反応チューブ32における複数の位置P1乃至P5で測定を実施することで、複数設置された検出部12を用いて反応時間の経過ごとに生成物ABの光吸収スペクトルが得られる。これにより、各地点の生成物ABに関して、化合物の所定構造の量が定量的に算出可能である。したがって、生成物ABの光吸収スペクトルの経時変化が把握可能であり、結果として、生成物ABに関する化合物の所定構造の量の経時変化が定量的に算出可能である。
例えば、図4Aから図4Eまでを順に参照すると、位置P1から位置P5に向かうにつれて混合物Cにおける生成物ABの割合が次第に増大することに伴い、生成物ABの光吸収スペクトルピークが次第に高くなっている。このとき、混合物Cにおける第1原料A及び第2原料Bの割合は次第に減少するので、第1原料A及び第2原料Bそれぞれの光吸収スペクトルピークは次第に小さくなる。
仮に、フロー化学反応チューブ32の内部における溶液の流速が速く、第1原料A及び第2原料Bの混合直後から化学合成が完結するまでの時間が例えば0.1sから0.5sのように非常に短いような場合に測定用のサンプルを抽出すると、反応時間の規定が困難である。一方で、第1実施形態に係る光学分析システム1ではサンプルを抽出することなく光学的に分析可能であるので、混合してから何秒後の状態を分析しているのかということが正確に把握可能である。
図5は、図1の光学分析システム1の動作の一例を示すフローチャートである。図5を参照しながら、光学分析システム1を用いた光学分析方法の主なフローについて説明する。
ステップS101では、光学分析システム1は、光学測定装置10の照射部11を用いて、合成開始前の第1原料A及び第2原料Bそれぞれに照射光L1を照射し、かつ合成開始後の混合物Cに照射光L1を照射する。
ステップS102では、光学分析システム1は、光学測定装置10の検出部12を用いて、第1原料A、第2原料B、及び混合物Cそれぞれの分光スペクトルに関する情報を含む測定光L2を検出する。
ステップS103では、光学分析システム1は、光学分析装置20の演算部22を用いて、第1原料A、第2原料B、及び混合物Cそれぞれの分光スペクトルを算出する。
ステップS104では、光学分析システム1は、光学分析装置20の演算部22を用いて、生成物ABの分光スペクトルを算出する。このとき、演算部22は、混合物Cの分光スペクトルから第1原料A及び第2原料Bそれぞれの分光スペクトルを差し引くことで、生成物ABの分光スペクトルを算出する。
以上のような第1実施形態に係る光学分析システム1によれば、化学反応系30において合成された生成物ABの量を、サンプルを抽出する必要なく、かつ非破壊的に分析できる。光学分析システム1によれば、光学測定装置10を用いて光学的手法により非接触で光吸収スペクトルが測定されるので、生成物ABの収率がリアルタイムに算出可能である。光学分析システム1によれば、生成物ABの量を測定するために混合物Cから生成物ABを分離する必要はなく、光学的に分離された光吸収スペクトルに基づいて、生成物ABの収率が迅速かつ容易に算出される。
光学分析システム1によれば、化学反応系30に影響を与えず非破壊的な分析が可能であるので、分析対象となる試料の廃棄コストが抑制される。光学分析システム1によれば、高額な分析装置を用いる必要がなく、またメンテナンスコストも抑制される。すなわち、光学測定装置10及び光学分析装置20を含むシンプルかつ低コストな分析システムが実現可能である。
光学分析システム1によれば、化学反応条件を最適化するための作業工程が簡素化され、最適化のための作業効率が向上する。より具体的には、光学分析システム1は、化合物の所定構造の量をモニタリングする際に、これらの所定構造を示す光吸収スペクトルピークが変化していないにも関わらず光吸収スペクトルの他のピークにおける変化を検知することで、主反応とは別の所望しない副反応が進行していると判定することができる。したがって、光学分析システム1によれば、反応異常の迅速な検知が可能となる。これにより、作業者は、化学反応条件を最適化するための情報を迅速に獲得できる。作業者は、このような情報を用いて、生成物ABの収率を向上させることができる。
上記実施形態では、演算部22は、混合物Cの光吸収スペクトルから第1原料A及び第2原料Bそれぞれの光吸収スペクトルを差し引くことで生成物ABの分光スペクトルを算出するとして説明したが、算出方法はこれに限定されない。演算部22は、混合物Cの光吸収スペクトルにおいても生成物ABの光吸収スペクトルが明瞭に測定可能であれば、光吸収スペクトルを差し引く処理を実行しなくてもよい。このとき、演算部22は、混合物Cの光吸収スペクトルにおいて、第1原料A及び第2原料Bの光吸収スペクトルピークと異なる所定のピークを生成物ABの光吸収スペクトルピークとして判定してもよい。
演算部22は、光吸収スペクトルを差し引く処理に代えて、又は加えて、任意の表示方法を用いて生成物ABの光吸収スペクトルを強調表示してもよい。表示方法は、例えば、光吸収スペクトルピークに合わせてカーソル及び縦線等を表示する方法、光吸収スペクトル全体の表示色を変化させる方法、並びに光吸収スペクトル全体を点滅させる方法等の方法を含む。
上記実施形態では、化学反応系30は、フロー化学反応チューブ32の内部を流れるフロー式の合成反応系を含むとして説明したが、これに限定されない。化学反応系30は、バッチ式の合成反応系を含んでもよい。
上記実施形態では、測定光L2が有する波長帯域は、1800nmから2500nmまでの近赤外領域に含まれるとして説明したが、これに限定されない。測定光L2は、光学分析システム1が生成物ABの光吸収スペクトルを分析可能な任意の波長帯域を有してもよい。例えば、測定光L2が有する波長帯域は、紫外、可視、中赤外、及び遠赤外領域を含む任意の波長領域に含まれていてもよい。
上記実施形態では、測定光L2は照射光L1に基づく透過光を含み、分光スペクトルは光吸収スペクトルを含むとして説明したが、これに限定されない。光学分析システム1は、このような吸収分光法以外にも任意の分光法を用いて生成物ABの分光スペクトルを算出してもよい。分光法は、例えば、蛍光分光法及びラマン分光法等を含んでもよい。例えば、蛍光分光法では、測定光L2は照射光L1に基づく蛍光を含み、分光スペクトルは蛍光スペクトルを含む。例えば、ラマン分光法では、測定光L2は照射光L1に基づくラマン光を含み、分光スペクトルはラマンスペクトルを含む。
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態に係る光学分析システム1のブロック図である。第1実施形態では、光学分析システム1は、光学測定装置10及び光学分析装置20に基づいて、各構成部の機能が分離した異なる複数の装置によって構成されるとして説明した。光学分析システム1の構成は、これに限定されない。例えば、図6に示すとおり、第2実施形態に係る光学分析システム1は、各構成部の機能が集約された1つの装置によって構成される。
第2実施形態に係る光学分析システム1は、第1実施形態における制御部13及び演算部22の機能を集約した演算部16と、第1実施形態における記憶部15及び記憶部25の機能を集約した記憶部17と、照射部11と、検出部12と、表示部23と、操作部24とを有する。第2実施形態に係る光学分析システム1の各構成部の機能については、第1実施形態の対応する構成部と同様の説明が適用される。
以上のような第2実施形態に係る光学分析システム1によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。加えて、測定光L2の波長ごとの光吸収量の測定、及び分光スペクトルの算出等の処理が1つの装置で実行されるので、光学分析システム1の構成がよりシンプルになる。
本開示は、その精神又はその本質的な特徴から離れることなく、上述した実施形態以外の他の所定の形態で実現できることは当業者にとって明白である。したがって、先の記述は例示的であり、これに限定されない。開示の範囲は、先の記述によってではなく、付加した請求項によって定義される。あらゆる変更のうちその均等の範囲内にあるいくつかの変更は、その中に包含されるとする。
例えば、上述した各構成部の形状、配置、向き、及び個数等は、上記の説明及び図面における図示の内容に限定されない。各構成部の形状、配置、向き、及び個数等は、その機能を実現できるのであれば、任意に構成されてもよい。
例えば、上述した光学分析方法の各ステップに含まれる機能等は、論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数のステップを1つに組み合わせたり、又は分割したりすることが可能である。
上記では、光学分析システム1及び光学分析方法について主に説明したが、本開示は、制御部13、演算部22、及び演算部16それぞれが有するプロセッサにより実行されるプログラム又はプログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものである。本開示の範囲には、これらも包含されると理解されたい。
1 光学分析システム
10 光学測定装置
11 照射部
12 検出部
13 制御部
14 通信部
15 記憶部
16 演算部
17 記憶部
20 光学分析装置
21 通信部
22 演算部
23 表示部
24 操作部
25 記憶部
30 化学反応系
31 送液ポンプ
32 フロー化学反応チューブ(流路)
33 マイクロリアクター
40 データ通信ケーブル
A 第1原料
B 第2原料
AB 生成物
C 混合物
L1、L1a、L1b、L1c 照射光
L2、L2a、L2b、L2c 測定光
P1、P2、P3、P4、P5 位置

Claims (8)

  1. 第1原料と第2原料とを合成して生成物を得る化学反応系において、合成開始前の前記第1原料及び前記第2原料それぞれに照射光を照射し、かつ前記第1原料、前記第2原料、及び前記生成物を含む合成開始後の混合物に照射光を照射する照射部と、
    前記照射部によって照射された前記照射光に基づく測定光であって、前記第1原料、前記第2原料、及び前記混合物それぞれの分光スペクトルに関する情報を含む前記測定光を検出する検出部と、
    前記第1原料、前記第2原料、及び前記混合物それぞれの分光スペクトルを算出し、各分光スペクトルに基づいて、前記生成物の分光スペクトルを算出する演算部と、
    を備える、
    光学分析システム。
  2. 前記演算部は、前記混合物の分光スペクトルから前記第1原料及び前記第2原料それぞれの分光スペクトルを差し引くことで、前記生成物の分光スペクトルを算出する、
    請求項1に記載の光学分析システム。
  3. 前記化学反応系は、前記第1原料、前記第2原料、及び前記混合物それぞれが流路の内部を流れるフロー式の合成反応系を含む、
    請求項1又は2に記載の光学分析システム。
  4. 前記第1原料及び前記第2原料それぞれは、アミノ酸を含み、
    前記生成物は、ペプチド結合により形成された化合物を含む、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光学分析システム。
  5. 前記測定光が有する波長帯域は、1800nmから2500nmまでの近赤外領域に含まれる、
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光学分析システム。
  6. 前記測定光は、前記第1原料、前記第2原料、及び前記混合物それぞれを透過した、前記照射光に基づく透過光を含み、
    前記分光スペクトルは、光吸収スペクトルを含む、
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光学分析システム。
  7. 第1原料と第2原料とを合成して生成物を得る化学反応系において、合成開始前の前記第1原料及び前記第2原料それぞれに照射光を照射し、かつ前記第1原料、前記第2原料、及び前記生成物を含む合成開始後の混合物に照射光を照射するステップと、
    照射された前記照射光に基づく測定光であって、前記第1原料、前記第2原料、及び前記混合物それぞれの分光スペクトルに関する情報を含む前記測定光を検出するステップと、
    前記第1原料、前記第2原料、及び前記混合物それぞれの分光スペクトルを算出し、各分光スペクトルに基づいて、前記生成物の分光スペクトルを算出するステップと、
    を含む、
    光学分析方法。
  8. 前記生成物の分光スペクトルを算出するステップにおいて、前記混合物の分光スペクトルから前記第1原料及び前記第2原料それぞれの分光スペクトルを差し引くことで、前記生成物の分光スペクトルを算出する、
    請求項7に記載の光学分析方法。
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