JP2019209478A - ホルダユニットおよびスクライブ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スクライビングホイールが基板の表面に長距離にわたってスクライブラインを形成することができ、且つ、ピンの長寿命化を実現することが可能なホルダユニット、およびこのようなホルダユニットを備えたスクライブ装置を提供することを目的とする。【解決手段】基板15にスクライブラインを形成するためのスクライビングホイール40を保持するホルダユニット30は、一対の保持部33a、33bと、スクライビングホイール40が挿入される保持溝34と、保持溝34を跨いで保持部33a、33bに同軸上に形成されたピン孔36a、36bと、スクライビングホイール40の貫通孔41とピン孔36a、36bとに挿入され、ピン孔36a、36bよりも小径のピン軸32と、スクライブ動作時においてピン軸32の回転を規制し、非スクライブ動作時においてピン軸32の回転を許容する調整部材50a、50bと、を備える。【選択図】図3
Description
本発明は、基板の表面にスクライブラインを形成するためのスクライビングホイールを備えるホルダユニット、およびそのようなホルダユニットを備えるスクライブ装置に関する。
従来、ガラス基板等の脆性材料基板の分断は、基板の表面にスクライブラインを形成するスクライブ工程と、形成されたスクライブラインに沿って基板の表面に所定の力を付加するブレイク工程とによって行われる。スクライブ工程では、スクライビングホイールの刃先が、基板の表面に押し付けられながら、所定のラインに沿って移動される。スクライブ装置は、スクライビングホイールを保持したホルダユニットを取り付けて使用される。
以下の特許文献1には、スクライビングホイールが基板の表面を回転しながら進むことにより、基板表面にスクライブラインを形成するホルダユニットが開示されている。このホルダユニットにおいて、ホルダは、スクライビングホイールを配置するための保持溝を形成する一対の支持部を備える。一対の支持部には、ピン孔が形成されており、ピンは、ピン孔において、ホルダとの間にクリアランスを設けて配置される。これにより、ピンは、スクライビングホイールの回転とともに、回転可能となっている。
特許文献1では、ピンが回転しないようにホルダに配置されている場合、スクライビングホイールの回転抵抗が大きくなり、スクライブラインを形成した後の基板の端面に、多数のクラックが発生するとの問題が指摘されている。そのため、特許文献1では、ピンをスクライビングホイールとともに回転可能なようにホルダに配置し、これにより、分断後のガラス基板の端面強度を向上させている。
しかし、ピンが回転可能なようにホルダに配置されている場合であっても、長距離のスクライブを行った後などに、スクライビングホイールの回転が安定しなくなる場合がある。これは、ピンの回転が不安定になり、ホルダに対するピンの位置がわずかに変化することにより、スクライブ動作時のスクライビングホイールの回転が不安定になるためと考えられている。このため、特許文献1のようなスクライビングホイールであっても、スクライブ動作中にスクライブラインの形成がやや不安定となる懸念がある。
一方で、ピンが回転しないようにホルダに配置されている場合、スクライビングホイールを基板の表面に押し当てると、基板からの反力により、スクライビングホイールは上方に押し上げられ、ピンはスクライビングホイールの貫通孔の下部と接触する。このような状態である場合、スクライビングホイールは回転するため、スクライビングホイールの貫通孔は、ピンとの接触部位が変化するものの、ピンは常に同じ部位がスクライビングホイールの貫通孔と接触する。このため、ピンの摩耗が進行し、ピンを交換する時期が早まる。
かかる課題に鑑み、本発明は、スクライビングホイールが安定して基板の表面に長距離にわたってスクライブラインを形成することができ、且つ、ピンの長寿命化を実現することが可能なホルダユニット、およびこのようなホルダユニットを備えたスクライブ装置を提供することを目的とする。
本発明の主たる態様は、基板の表面にスクライブラインを形成するためのスクライビングホイールを保持するホルダユニットに関する。この態様に係るホルダユニットは、一対の保持部と、前記一対の保持部の間に形成され、前記スクライビングホイールが挿入される保持溝と、前記保持溝を跨いで前記一対の保持部に同軸上に形成されたピン孔と、前記保持溝に挿入された前記スクライビングホイールの貫通孔と前記ピン孔とに挿入され、ピン孔よりも小径のピン軸と、スクライブ動作時において前記ピン軸の回転を規制し、非スクライブ動作時において前記ピン軸の回転を許容する調整部材と、を備える。
本態様に係るホルダユニットによれば、スクライブ動作時において、調整部材によりピン軸の回転が規制されるため、スクライブ動作中にホルダに対するピン軸の位置が安定する。これにより、スクライビングホイールも安定的に回転する。よって、円滑にスクライブラインを形成することができる。一方、非スクライブ動作時には、ピン軸の回転が許容されるため、適宜、ピン軸の回転位置を変化させることができる。これにより、次のスクライブ動作時にスクライビングホイールの貫通孔に接触するピン軸の部位を変更することができる。よって、ピン軸の偏った位置に摩耗が進行することを抑制でき、ピン軸の寿命を延ばすことができる。
本態様に係るホルダユニットにおいて、前記調整部材は、前記ピン孔の内側面に対して前記ピン軸を圧接させる力を変更可能に前記保持部に設置されるよう構成され得る。
この構成によれば、非スクライブ動作時に、調整部材による圧接力を緩めることにより、ピン軸を容易に回転させることができる。よって、ピン軸の回転位置の調整を円滑に行い得る。
本態様に係るホルダユニットは、前記保持部に設けられ前記ピン孔に連通する孔を備え得る。また、前記調整部材は、前記ピン孔に着脱可能に嵌め込まれた可撓性の部材により構成され得る。
この構成によれば、非スクライブ動作時に、調整部材をピン孔から退出させることにより、ピン軸を容易に回転させることができる。よって、ピン軸の回転位置の調整を円滑に行い得る。また、回転位置の調整後に、再び調整部材を押し込むことにより、ピン軸の回転を規制できる。よって、ピン軸の回転規制を容易に行い得る。
本態様に係るホルダユニットは、前記保持部に設けられ前記ピン孔に連通するネジ孔を備え得る。また、前記調整部材は、前記ネジ孔に留められたネジで構成され得る。
この構成によれば、非スクライブ動作時に、調整部材であるネジを緩めることにより、ピン軸を容易に回転させることができる。よって、ピン軸の回転位置の調整を円滑に行い得る。また、回転位置の調整後に、再びネジを締めることにより、ピン軸の回転を規制できる。よって、ピン軸の回転規制を容易に行い得る。
本態様に係るホルダユニットにおいて、前記調整部材は、前記ピン孔と前記ピン軸との間の隙間に嵌められた楔で構成され得る。
この構成によれば、非スクライブ動作時に、調整部材である楔を取り外すことにより、ピン軸を容易に回転させることができる。よって、ピン軸の回転位置の調整を円滑に行い得る。また、回転位置の調整後に、再び楔を嵌めることにより、ピン軸の回転を規制できる。よって、ピン軸の回転規制を容易に行い得る。また、ピン孔とピン軸との間の隙間に楔を嵌める構成であるため、保持部に、孔やネジ孔を設ける必要がない。よって、保持部の構成を簡素化できる。
本態様に係るホルダユニットにおいて、前記調整部材は、前記ピン軸に対して、前記基板の表面に垂直かつ前記基板から離れる方向に力を加えるよう構成され得る。
スクライビングホイールを基板の表面に押し当てると、スクライビングホイールは基板から反力を受ける。この反力は、貫通孔を介してピン軸に付与される。これに対し、調整部材によりピン軸に付与される力の方向を上記のように設定すると、この力の方向を、基板からの反力によりピン軸に付与される力の方向に整合させることができる。これにより、スクライブ動作時に、ピン軸を、より強くピン孔に押し付けることができ、ピン軸をより強固に固定することができる。したがって、スクライビングホイールの回転を安定させることができ、スクライブラインを適正に形成することができる。
本態様に係るホルダユニットにおいて、前記調整部材は、前記ピン軸と前記保持部との間に介在する粘着剤で構成され得る。
この構成によれば、非スクライブ動作時に、粘着剤に抗してピン軸を回転させることにより、ピン軸の回転位置を変更させることができる。また、回転位置の調整後には、特に、調整作業を行うことなく、粘着剤の粘着力により、ピン軸の回転を規制できる。よって、ピン軸の回転規制を容易に行い得る。
本態様に係るホルダユニットにおいて、前記調整部材は、前記一対の保持部のそれぞれに設けられるよう構成され得る。
このように、調整部材を一対の保持部のそれぞれに設ければ、ピン軸の両側をそれぞれの調整部材により、バランスよく規制できる。これにより、ピン軸をより安定的に固定でき、スクライビングホイールの回転を安定化させることができる。
本態様に係るホルダユニットにおいて、前記ピン孔の前記スクライビングホイールとは反対側がかしめられるよう構成され得る。
これにより、ピン軸が貫通孔およびピン孔から抜け落ちることを確実に防止することができる。
本発明の第2の態様は、基板の表面にスクライブラインを形成するスクライブ装置に関する。この態様に係るスクライブ装置は、一対の保持部と、前記一対の保持部の間に形成され、前記スクライビングホイールが挿入される保持溝と、前記保持溝を跨いで前記一対の保持部に同軸上に形成されたピン孔と、前記保持溝に挿入された前記スクライビングホイールの貫通孔と前記ピン孔とに挿入され、ピン孔よりも小径のピン軸と、スクライブ動作時において前記ピン軸の回転を規制し、非スクライブ動作時において前記ピン軸の回転を許容する調整部材と、を備えるホルダユニットと、前記ホルダユニットを保持するスクライブヘッドと、を備える。
本構成であれば、上記第1の態様と同様の効果を奏し得る。また、ピン軸がホルダユニットに固定された状態でスクライブラインが形成されるため、スクラブラインを安定的に形成することができる。
以上のとおり、本発明によれば、スクライビングホイールが安定して基板の表面に長距離にわたってスクライブラインを形成することができ、且つ、ピンの長寿命化を実現することが可能なホルダユニット、およびこのようなホルダユニットを備えたスクライブ装置を提供することができる。
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の1つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、各図には、便宜上、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸が付記されている。Z軸は、スクライビングホイールの中心軸に垂直であり、鉛直方向における上方および下方を示す。以降、上方および下方は、それぞれZ軸正側およびZ軸負側を意味する。
<スクライブ装置の構成>
図1は、実施形態に係るスクライブ装置1の構成を模式的に示す図である。スクライブ装置1は、移動台10を備えている。移動台10は、ボールネジ11と螺合されている。移動台10は、一対の案内レール12によってY軸方向に移動可能に支持されている。モータの駆動によりボールネジ11が回転することで、移動台10が、一対の案内レール12に沿ってY軸方向に移動する。
図1は、実施形態に係るスクライブ装置1の構成を模式的に示す図である。スクライブ装置1は、移動台10を備えている。移動台10は、ボールネジ11と螺合されている。移動台10は、一対の案内レール12によってY軸方向に移動可能に支持されている。モータの駆動によりボールネジ11が回転することで、移動台10が、一対の案内レール12に沿ってY軸方向に移動する。
移動台10の上面には、モータ13が設置されている。モータ13は、上部に位置するテーブル14をXY平面で回転させて所定角度に位置決めする。モータ13により水平回転可能なテーブル14は、図示しない真空吸着手段を備えている。テーブル14上に載置された基板15は、この真空吸着手段によって、テーブル14上に保持される。
基板15は、ガラス基板、低温焼成セラミックスや高温焼成セラミックスからなるセラミック基板、シリコン基板、化合物半導体基板、サファイア基板、石英基板等である。また、基板15は、基板の表面または内部に脆性材料に該当しない薄膜あるいは半導体材料を付着させたり、含ませたりしたものであってもよい。
スクライブ装置1は、テーブル14に載置された基板15の上方に、この基板15の表面Hに形成されたアライメントマークを撮像する二台のカメラ16を備えている。また、移動台10とその上部のテーブル14とを跨ぐように、ブリッジ17が支柱18a、18bに架設されている。
ブリッジ17には、ガイド19が取り付けられている。スクライブヘッド20は、このガイド19に案内されてX軸方向に移動するように設置されている。スクライブヘッド20は、下端にホルダジョイント21を備えている。ホルダ31にスクライビングホイール40が保持されているホルダユニット30が、ホルダジョイント21を介してスクライブヘッド20に取り付けられている。
スクライブ装置1を用いて基板15の表面Hにスクライブラインを形成する場合、まず、スクライビングホイール40が取り付けられたホルダユニット30がスクライブヘッド20に取り付けられる。次に、スクライブ装置1は、一対のカメラ16によって基板15の位置決めを行う。そして、スクライブ装置1は、スクライブヘッド20を所定の位置に移動させ、スクライビングホイール40に対して所定の荷重を印加して、基板15へ接触させる。その後、スクライブ装置1は、スクライブヘッド20をX軸方向に移動させることにより、基板15の表面に所定のスクライブラインを形成する。なお、スクライブ装置1は、必要に応じてテーブル14を回動ないしY軸方向に移動し、上記の場合と同様にしてスクライブラインを形成する。
上記の実施の形態においては、スクライブヘッド20がX軸方向に移動し、テーブル14がY軸方向に移動すると共に、回転するスクライブ装置について示したが、スクライブ装置はスクライブヘッドとテーブルとが相対的に移動するものであればよい。たとえば、スクライブヘッドが固定され、テーブルがX軸、Y軸方向に移動し、かつ回転するスクライブ装置であってもよい。また、この場合、カメラ16はスクライブヘッド20に固定されていてもよい。
<ホルダユニットの構成>
次に、ホルダユニット30について説明する。図2(a)は、ホルダユニット30およびホルダユニット30が取り付けられたホルダジョイント21の側面図であり、図2(b)は、ホルダユニット30の斜視図であり、図2(c)は、ホルダユニット30のスクライビングホイール40の周辺を拡大した図である。なお、図2(a)は、説明の便宜上、ホルダジョイント21の回転軸部211、2つのベアリング213a、213b、スペーサ214を断面図で示す。
次に、ホルダユニット30について説明する。図2(a)は、ホルダユニット30およびホルダユニット30が取り付けられたホルダジョイント21の側面図であり、図2(b)は、ホルダユニット30の斜視図であり、図2(c)は、ホルダユニット30のスクライビングホイール40の周辺を拡大した図である。なお、図2(a)は、説明の便宜上、ホルダジョイント21の回転軸部211、2つのベアリング213a、213b、スペーサ214を断面図で示す。
ホルダユニット30は、ホルダジョイント21に保持されて、スクライブヘッド20に装着される。また、ホルダユニット30は、スクライビングホイール40と、ホルダ31と、ピン軸32とが一体となって構成される。ホルダ31は、磁気吸着が可能な材料(たとえば、磁性体金属)からなっている。
ホルダジョイント21は、円柱状の回転軸部211と、円柱状のジョイント部212と、2つのベアリング213a、213bと、円筒形状のスペーサ214とを備えている。回転軸部211が、2つのベアリング213a、213bと、スペーサ214によって、支持されている。これにより、回転軸部211とジョイント部212が回転自在に支持されている。ジョイント部212には、下端側に円形の開口215を備えた穴216が形成されている。穴216の上部に、磁石217が設置されている。磁石217は、ホルダユニット30に磁力を作用させるためのものである。
ホルダ31の上部には位置決め用の取付部22が設けられている。この取付部60は、ホルダ31の上部を切り欠いて形成されており、傾斜部22aと平坦部22bとを備えている。
取付部22側を上にして、ホルダユニット30が開口215から穴216へ挿入される。その際、ホルダ31の上面が穴216の上部の磁石217によって引き寄せられる。その途中で、取付部22の傾斜部22aが穴216を通る平行ピン218と接触する。これにより、ホルダジョイント21に対するホルダユニット30の位置決めと固定が行われる。また、ホルダジョイント21からホルダユニット30を取り外す際は、磁力に抗してホルダ31を下方へ引くことでホルダユニット30を容易に引き抜くことができる。
なお、ホルダ31は、必ずしも、全体が磁性体金属から形成されなくともよく、保持部33a、33bが位置する下部が、磁性のないステンレス鋼材で形成され、その他の部分が磁性体金属で形成されてもよい。
スクライビングホイール40は、たとえば、焼結ダイヤモンドや超硬合金等で形成された、円板状の部材である。スクライビングホイール40には、ピン軸32が挿入される貫通孔41が形成されている。貫通孔41は、スクライビングホイール40の両側面の中心を貫通するように形成されている。また、スクライビングホイール40の外周部には、稜線を形成するV字状の刃が形成されている。スクライビングホイール40は、たとえば、厚さが0.4〜1.1mm程度、外径が1.0〜5.0mm程度である。また、貫通孔41の径は、たとえば、0.4〜1.5mm程度、刃の刃先角は、90〜150°程度である。
ピン軸32は、たとえば、焼結ダイヤモンドや超硬合金等で形成された、円柱状の部材である、ピン軸32は、一方の端部が尖頭形状の尖頭部32aになっている。ピン軸32の径は、スクライビングホイール40の貫通孔41の径よりもやや小さい。ピン軸32の径は、たとえば、貫通孔41の径が0.8mmのとき0.77mm程度である。よって、ピン軸32が貫通孔41に挿入された状態では、ピン軸32と貫通孔41との間に隙間(クリアランス)が生じる。なお、ピン軸32の形状は、円柱状であってもよく、また、両端が尖頭形状であってもよい。
ホルダ31は、ステンレスや炭素工具鋼からなっている。図2(b)に示すように、ホルダ31の下部は、側方から見た場合に、下端に向かって幅が狭くなる台形形状となっている。また、ホルダ31の台形形状部分には、それぞれ保持部33a、33bが形成され、保持部33a、33bとの間に保持溝34が形成されている。保持溝34の互いに対向する面35a、35bは、水平面(XY平面)に垂直である。
なお、図2(a)、(b)の構成では、ホルダ31が、1つの基材で構成されているが、たとえば、保持部33a、33bをそれぞれ有する2つの基材を本体部分に固定することでホルダ31が形成されてもよい。
保持部33a、33bには、ピン軸32が挿入されるピン孔36a、36bが、保持溝34を跨ぐように同軸上に形成されている。ピン孔36a、36bの径は、スクライビングホイール40の貫通孔41の径と略同一か、僅かに小さく、ピン軸32の径より僅かに大きい。よって、ピン軸32が貫通孔41およびピン孔36a、36bに挿入されると、ピン軸32とピン孔36a、36bの内側面との間に隙間(クリアランス)が生じる。ピン孔36a、36bは、中心軸がY軸に平行となるように設けられている。
スクライビングホイール40が保持溝34に挿入された状態で、スクライビングホイール40の貫通孔41とピン孔36a、36bとにピン軸32が挿入される。上記のように、ピン孔36a、36bは、中心軸がY軸に平行となるように保持部33a、33bに形成されているため、ピン孔36a、36bおよび貫通孔41に挿入されたピン軸32は、基板15の表面Hと平行な方向(XY平面に平行な方向)に配置される。また、ピン軸32がスクライビングホイール40の貫通孔41とピン孔36a、36bとに挿入されると、非スクライブ動作時においては、図2(c)に示すように、ピン軸32は、自重により下がり、ピン孔36a、36bの内側面の下部と接触する。スクライビングホイール40も、ピン軸32と同様に自重により下がるため、スクライビングホイール40の貫通孔41の上部とピン軸32の上部とが接触する。
ピン軸32が保持部33a、33bおよびスクライビングホイール40の貫通孔41に挿入されると、ピン孔36aにおいてY軸負側の開口39a付近の内壁が工具等で打ち付けられ、かしめられる。ピン孔36bにおいてY軸正側の開口39bも同様に、開口39b付近の内壁がかしめられる。これにより、ピン軸32がピン孔36a、36bから抜け落ちることを防止する。本実施の形態においては、後述するようにピン軸32がピン孔36a、36bの上方に接触させられる。このため、かしめる位置はピン孔36a、36bの下側とすることが好ましい。また、ピン孔36aにおけるY軸負側の開口39a、およびピン孔36bにおけるY軸正側の開口39bを金属等の蓋で覆うことでもピン軸32がピン孔36a、36bから抜け落ちることを防止することができる。さらに、ピン孔36aにおけるY軸負側の開口39a、およびピン孔36bにおけるY軸正側の開口39bを金属等の蓋で覆い、この蓋を工具等で打ち付けてかしめることにより、ピン軸32のピン孔36a、36bから抜け落ちることを確実に防ぐことができる。
本実施の形態に係るホルダユニット30は、スクライブ動作時においてピン軸32の回転を規制し、非スクライブ動作時においてピン軸32の回転を許容する調整部材を備える。ホルダユニット30に調整部材を設けるため、図2(c)に示すように、保持部33a、33bのそれぞれの下端部37a、37bに、孔38a、38bが形成されている。孔38a、38bは、保持部33a、33bの外部と、ピン孔36a、36bとを連通するように形成される。また、孔38a、38bは、保持部33a、33bのそれぞれに保持溝34を介して対称な位置に形成される。
<調整部材>
図3(a)〜(b)は、ホルダユニット30の拡大図である。図3(a)、(b)は、それぞれ、孔38a、38bに調整部材が挿入された状態のホルダユニット30の側面図および正面図である。図3(c)は、調整部材をホルダユニット30から退出させた状態のホルダユニット30の正面図である。
図3(a)〜(b)は、ホルダユニット30の拡大図である。図3(a)、(b)は、それぞれ、孔38a、38bに調整部材が挿入された状態のホルダユニット30の側面図および正面図である。図3(c)は、調整部材をホルダユニット30から退出させた状態のホルダユニット30の正面図である。
本実施形態では、調整部材として、可撓性部材50a、50bが用いられている。可撓性部材50a、50bは、たとえば、ポリテトラフロオロエチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド等の樹脂材料から形成される。また、シリコーンゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、およびブチルゴム等の合成ゴム材料から可撓性部材50a、50bが形成されてもよい。
可撓性部材50a、50bは、円柱状の軸部51a、51bと、軸部51a、51bの一端に形成され軸部51a、51bより大径の頭部52a、52bを備える。軸部51a、51bの先端は、角が面取りされている。面取りされた先端部分の軸部51a、51bの径は、孔38a、38bの径よりも小さい。先端以外の軸部51a、51bの部分の径は、孔38a、38bの径よりも大きい。可撓性部材50a、50bは、軸部51a、51bが孔38a、38bに圧入される。上記のように軸部51a、51bの径が設定されると、圧入された軸部51a、51bの復帰力により、軸部51a、51bが孔38a、38bに強固に固定される。
可撓性部材50a、50bは、保持溝34にスクライビングホイール40が挿入され、さらに、ピン軸32がピン孔36a、36bとスクライビングホイール40の貫通孔41に挿入された後に、ホルダ31に取り付けられる。
取り付け時には、まず、保持部33a、33bのそれぞれに形成されている孔38a、38bに、可撓性部材50a、50bの軸部51a、51bの先端が挿入される。この状態で、可撓性部材50a、50bが上方向に押し込まれる。これにより、可撓性部材50a、50bがピン軸32に接触する。そして、頭部52a、52bが保持部33a、33bの下面42a、42bに当接するまで、可撓性部材50a、50bが上方向に押し込まれる。これにより、図3(a)、(b)に示すように、ピン軸32の上部が、ピン孔36a、36bの内側面の上部に押し付けられる。
ここで、可撓性部材50a、50bの軸部51a、51bの長さは、可撓性部材50a、50bの圧入により持ち上げられたピン軸32が図3(a)、(b)のようにピン孔36a、36bの内側面の上部に当接した状態では、未だ頭部52a、52bが保持部33a、33bの下面42a、42bに当接しないように設定される。この状態から、頭部52a、52bが保持部33a、33bの下面42a、42bに当接するまで可撓性部材50a、50bが圧入されると、軸部51a、51bが圧入方向(Z軸方向)に圧縮される。その反力により、ピン軸32がピン孔36a、36bの内側面の上部に圧接される。こうして、ピン軸32は、所定の圧力で、可撓性部材50a、50bと、ピン孔36a、36bの内側面の上部との間に挟まれた状態となる。これにより、ピン軸32の回転が規制される。
また、スクライブ動作時は、図3(a)に示すように、スクライビングホイール40は基板15の表面Hに押し当てられて基板15から反力を受けるため、スクライビングホイール40の貫通孔41の下部がピン軸32に押し付けられる。
これに対し、図3(c)に示すように、非スクライブ動作時において、孔38a、38bから可撓性部材50a、50bが抜き取られると、ピン軸32は、ピン孔36a、36bの内側面の上部から離間する。これにより、ピン軸32は、ピン孔36a、36bの内部において、自由に回転することができる。また、この場合、ピン軸32は、自重により下がり、ピン孔36a、36bの内側面の下部と接触する。なお、図3(c)のように可撓性部材50a、50bが抜き取られなくても、所定のストロークだけ抜き取り方向に可撓性部材50a、50bが退出させられることにより、ピン軸32は、回転可能な状態となる。
回転方向におけるピン軸32の位置を変更する場合、操作者は、このように可撓性部材50a、50bを退出させてピン軸32を回転可能な状態に調整した後、ピン軸32を所望の角度だけ回転させる。その後、操作者は、再び、頭部52a、52bが保持部33a、33bの下面42a、42bに当接するまで可撓性部材50a、50bを圧入する。これにより、再び、ピン軸32は、回転が規制された状態となる。
<実施形態の効果>
図3(a)、(b)に示すように、可撓性部材50a、50bは、ピン軸32を下方から押し上げることにより、ピン軸32の回転を規制する。これにより、スクライビングホイール40がスクライブ動作を行う際、スクライビングホイール40は、安定して回転する。よって、基板15の表面Hに、長距離にわたり円滑にスクライブラインを形成することができる。
図3(a)、(b)に示すように、可撓性部材50a、50bは、ピン軸32を下方から押し上げることにより、ピン軸32の回転を規制する。これにより、スクライビングホイール40がスクライブ動作を行う際、スクライビングホイール40は、安定して回転する。よって、基板15の表面Hに、長距離にわたり円滑にスクライブラインを形成することができる。
図3(c)に示すように、可撓性部材50a、50bをピン孔36a、36bから退出させると、ピン軸32の回転が許容される。ピン軸32が常に、回転に規制がかけられた状態である場合、ピン軸32は、ピン孔36a、36bの内側面の上部およびスクライビングホイール40の貫通孔41の内側面の上部に圧接され続ける。このため、ピン軸32は、スクライビングホイール40の貫通孔41の内側面に接触する部分が、他の部分よりも著しく摩耗する。そこで、操作者は、非スクライブ動作時において、図3(c)のように、可撓性部材50a、50bをピン孔36a、36bから退出させて、ピン軸32を所定角度回転させることにより、スクライビングホイール40がピン軸32に接触する位置を変更する。その後、操作者は、再び、可撓性部材50a、50bを元の位置まで圧入して、ピン軸32の回転を規制する。これにより、ピン軸32の偏った部分で摩耗が進行することを抑制できる。よって、ピン軸32の寿命を延ばすことができる。
あるいは、可撓性部材50a、50bをピン孔36a、36bから完全に退出させなくても、可撓性部材50a、50bを退出方向に所定ストロークだけ退出させて可撓性部材50a、50bがピン孔36a、36bの内側面に対してピン軸32を圧接させる力を弱めることにより、ピン軸32の回転を許容することができる。つまり、可撓性部材50a、50bとピン軸32とが接触した状態を維持しつつ、ピン軸32に付与する力を加減すればよい。このように構成すれば、スクライブ動作時と非動作時とにおいて、孔38a、38bに可撓性部材50a、50bを着脱する操作者の手間が省ける。
また、スクライビングホイール40を基板15の表面Hに押し当てると、スクライビングホイール40は基板15から反力を受ける。この反力は、貫通孔41を介してピン軸32に付与される。これに対し、可撓性部材50a、50bによりピン軸32に付与される力は、図3(a)、(b)に示すように、ピン軸32の下方から上向きに付与される。より具体的には、ピン軸32に対して、基板15の表面Hに垂直且つ基板15から離れる方向に力が付与される。これにより、ピン軸32に付与される力の方向を、基板15からの反力によりピン軸32に付与される力の方向に整合させることができる。よって、スクライブ動作時に、ピン軸32を、より強くピン孔36a、36bに押し付けることができ、ピン軸32をより強固に固定することができる。したがって、スクライビングホイール40は安定的に回転し、基板15の表面Hにスクライブラインを適正に形成することができる。
<実施形態の変更例>
上記の実施形態では、調整部材を可撓性部材50a、50bで構成した。ピン軸32の回転を規制し、且つ、ピン軸32の長寿命化を実現することができる他の部材について、図4(a)、(b)および図5(a)、(b)に基づいて説明する。
上記の実施形態では、調整部材を可撓性部材50a、50bで構成した。ピン軸32の回転を規制し、且つ、ピン軸32の長寿命化を実現することができる他の部材について、図4(a)、(b)および図5(a)、(b)に基づいて説明する。
図4(a)、(b)は、実施形態の変更例に係るホルダユニット30の側面の拡大図である。図4(a)は、調整部材をネジ60a、60bで構成した場合であり、図4(b)は、調整部材をネジ60a、60bおよびバネ70a、70bで構成した場合である。
(1)調整部材がネジの場合
1つ目の変更例として、調整部材がネジ60a、60bで構成される場合について説明する。上記した図3(a)において、可撓性部材50a、50bが挿入されていた孔38a、38bは、図4(a)においては、ネジ60a、60bが嵌められるネジ孔38a、38bである。そのため、ネジ孔38a、38bには、溝が切られている。ホルダユニット30において、ネジ孔38a、38bが設けられる位置は、上記の場合と同様である。
1つ目の変更例として、調整部材がネジ60a、60bで構成される場合について説明する。上記した図3(a)において、可撓性部材50a、50bが挿入されていた孔38a、38bは、図4(a)においては、ネジ60a、60bが嵌められるネジ孔38a、38bである。そのため、ネジ孔38a、38bには、溝が切られている。ホルダユニット30において、ネジ孔38a、38bが設けられる位置は、上記の場合と同様である。
図4(a)に示すように、スクライブ動作を行う際、ネジ孔38a、38bにネジ60a、60bを嵌め、ネジ60a、60bにより、ピン軸32を圧接する。ピン軸32の圧接については、上記した可撓性部材50a、50bと同様であるため、省略する。ネジ60a、60bを用いた場合も、可撓性部材50a、50bと同様に、ピン軸32の回転を規制することができる。よって、スクライブ動作時において、スクライビングホイール40が安定的に回転し、基板15の表面Hに長距離にわたってスクライブラインを円滑に形成することができる。
また、ネジ60a、60bも、可撓性部材50a、50bのように、ピン軸32に対する圧接力を緩めることにより、ピン軸32の回転を許容することができる。これにより、非スクライブ動作時は、ピン軸32が回転可能な状態にして、ピン軸32とスクライビングホイール40との接触位置を円滑に調整することができる。そして、スクライブ動作を再開する場合、再びネジ60a、60bをネジ孔38a、38bに嵌めて、ネジ60a、60bを締めれば、ピン軸32の回転を規制することができる。これにより、ピン軸32の偏った部分に摩耗が進行することを抑制できる。よって、ピン軸32の寿命を延ばすことができる。
(2)調整部材がバネの場合
2つ目の変更例は、調整部材にバネ70a、70bを用いる場合である。図4(b)に示すように、上記の変更例と同様に、孔38a、38bの内側面に溝を切り、ネジ孔38a、38bを形成する。スクライブ動作を行う際、このネジ孔38a、38bに、バネ70a、70bを収容し、バネ70a、70bの上端部をピン軸32に接続する。そして、ネジ60a、60bをネジ孔38a、38bに嵌めて、ネジ60a、60bを締める。バネ70a、70bはネジ60a、60bに押されて、圧縮する。バネ70a、70bの付勢力によって、ピン軸32は圧接される。ピン軸32の圧接については、上記した可撓性部材50a、50bと同様であるため、省略する。このように、バネ70a、70bを用いた場合も、可撓性部材50a、50bと同様に、ピン軸32の回転を規制することができる。よって、スクライブ動作時において、スクライビングホイール40が安定的に回転し、基板15の表面Hに長距離にわたってスクライブラインを円滑に形成することができる。
2つ目の変更例は、調整部材にバネ70a、70bを用いる場合である。図4(b)に示すように、上記の変更例と同様に、孔38a、38bの内側面に溝を切り、ネジ孔38a、38bを形成する。スクライブ動作を行う際、このネジ孔38a、38bに、バネ70a、70bを収容し、バネ70a、70bの上端部をピン軸32に接続する。そして、ネジ60a、60bをネジ孔38a、38bに嵌めて、ネジ60a、60bを締める。バネ70a、70bはネジ60a、60bに押されて、圧縮する。バネ70a、70bの付勢力によって、ピン軸32は圧接される。ピン軸32の圧接については、上記した可撓性部材50a、50bと同様であるため、省略する。このように、バネ70a、70bを用いた場合も、可撓性部材50a、50bと同様に、ピン軸32の回転を規制することができる。よって、スクライブ動作時において、スクライビングホイール40が安定的に回転し、基板15の表面Hに長距離にわたってスクライブラインを円滑に形成することができる。
上記のネジ60a、60bと同様に、ネジ60a、60bを回して、バネ70a、70bを伸ばすことにより、ピン軸32に対するバネ70a、70bの圧接力を緩めることができる。これにより、ピン軸32の回転を許容することができる。スクライブ動作を再開する場合、再び、ネジ60a、60bをネジ孔38a、38bに嵌めて、ネジ60a、60bを締めれば、ピン軸32の回転を規制することができる。これにより、ピン軸32の偏った部分に摩耗が進行することを抑制できる。よって、ピン軸32の寿命を延ばすことができる。
(3)調整部材が楔の場合
3つ目の変更例は、調整部材が楔80a、80bで構成されている場合である。図5(a)に示すように、スクライブ動作を行う際、ピン軸32とピン孔36aのY軸負側との隙間、およびピン軸32とピン孔36bのY軸正側との隙間に、それぞれ楔80a、80bを嵌める。この楔80a、80bにより、ピン軸32を上方に押し上げて、ピン軸32を圧接させる。
3つ目の変更例は、調整部材が楔80a、80bで構成されている場合である。図5(a)に示すように、スクライブ動作を行う際、ピン軸32とピン孔36aのY軸負側との隙間、およびピン軸32とピン孔36bのY軸正側との隙間に、それぞれ楔80a、80bを嵌める。この楔80a、80bにより、ピン軸32を上方に押し上げて、ピン軸32を圧接させる。
楔80a、80bは、正面の断面形状は、略台形状であり、上面81a、81bがピン軸32の外周面の下部に沿うように、滑らかな円弧状に形成されている。ピン軸32とピン孔36aのY軸負側との隙間、およびピン軸32とピン孔36bのY軸正側との隙間に、楔80a、80bをそれぞれ嵌めると、楔80a、80bはピン軸32に上方に押し上げる。ピン軸32がピン孔36a、36bの内側面の上部に圧接される。こうして、ピン軸32は、所定の圧力で、楔80a、80bと、ピン孔36a、36bの内側面の上部との間に挟まれた状態となる。これにより、ピン軸32の回転が規制される。これにより、スクライブ動作時において、スクライビングホイール40が安定的に回転し、基板15の表面Hに長距離にわたってスクライブラインを円滑に形成することができる。
また、楔80a、80bをピン孔36a、36bから取り外すことにより、ピン軸32の回転を許容することができる。これにより、非スクライブ動作時は、ピン軸32は回転することができ、ピン軸32の回転位置を円滑に調整することができる。そして、スクライブ動作を再開する場合、再び楔80a、80bをピン軸32とピン孔36aとの隙間、およびピン軸32とピン孔36bの隙間に嵌めれば、ピン軸32の回転を規制することができる。これにより、ピン軸32の偏った部分に摩耗が進行することを抑制できる。よって、ピン軸32の寿命を延ばすことができる。
また、調整部材を楔80a、80bで構成した場合、上記の可撓性部材50a、50bやネジ60a、60bのように、保持部33a、33bに、孔38a、38bやネジ孔38a、38bを設ける必要がない。よって、保持部33a、33bの構成を簡素化できる。
4つ目の変更例は、図5(b)に示すように、調整部材が粘着剤90で構成されている場合である。粘着剤90は、たとえば、ゴム径粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤等を用いることができる。
ピン孔36aのY軸負側の開口39a、およびピン孔36bのY軸正側の開口39bのそれぞれの下方から、ピン軸32と、ピン孔36a、36bの下端部37a、37bとの隙間を埋めるように粘着剤90を流し込む。このように、粘着剤90をピン軸32と、ピン孔36a、36bの下端部37a、37bとの隙間に介在させる。そして、図5(b)には図示しないが、ピン孔36aのY軸負側の開口39aおよびピン孔36bのY軸正側の開口39bのそれぞれを金属等の蓋で覆う。
このように構成すると、粘着剤90の粘着力により、ピン軸32は回転することが困難となり、ピン軸32の回転が規制される。よって、スクライブ動作時において、スクライビングホイール40が安定的に回転し、基板15の表面Hに長距離にわたってスクライブラインを円滑に形成することができる。
上記のとおり、粘着剤90の粘着力により、ピン軸32は回転が規制されるが、粘着剤90に抗してピン軸32を回転させることは可能である。そこで、スクライビングホイール40の非スクライブ動作時に、たとえば、操作者が手動で金属等の蓋を取り外し、操作者がピン軸32を回転させて、ピン軸32の回転位置を変更することができる。これにより、ピン軸32の偏った部分に摩耗が進行することを抑制できる。よって、ピン軸32の寿命を延ばすことができる。
本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
1 …スクライブ装置
15 …基板
20 … スクライブヘッド
30 … ホルダユニット
32 … ピン軸
33a、33b … 保持溝
36a、36b … ピン孔
38a、38b … 孔、ネジ孔
40 … スクライビングホイール
41 … 貫通孔
50a、50b … 可撓性部材(調整部材)
60a、60b … バネ(調整部材)
80a、80b … 楔(調整部材)
90 … 粘着剤(調整部材)
H … 基板の表面
15 …基板
20 … スクライブヘッド
30 … ホルダユニット
32 … ピン軸
33a、33b … 保持溝
36a、36b … ピン孔
38a、38b … 孔、ネジ孔
40 … スクライビングホイール
41 … 貫通孔
50a、50b … 可撓性部材(調整部材)
60a、60b … バネ(調整部材)
80a、80b … 楔(調整部材)
90 … 粘着剤(調整部材)
H … 基板の表面
Claims (10)
- 基板の表面にスクライブラインを形成するためのスクライビングホイールを保持するホルダユニットであって、
一対の保持部と、
前記一対の保持部の間に形成され、前記スクライビングホイールが挿入される保持溝と、
前記保持溝を跨いで前記一対の保持部に同軸上に形成されたピン孔と、
前記保持溝に挿入された前記スクライビングホイールの貫通孔と前記ピン孔とに挿入され、ピン孔よりも小径のピン軸と、
スクライブ動作時において前記ピン軸の回転を規制し、非スクライブ動作時において前記ピン軸の回転を許容する調整部材と、
を備えることを特徴とするホルダユニット。 - 請求項1に記載のホルダユニットにおいて、
前記調整部材は、前記ピン孔の内側面に対して前記ピン軸を圧接させる力を変更可能に前記保持部に設置されている、
ことを特徴とするホルダユニット。 - 請求項2に記載のホルダユニットにおいて、
前記保持部に設けられ前記ピン孔に連通する孔を備え、
前記調整部材は、前記孔に着脱可能に嵌め込まれた可撓性の部材である、
ことを特徴とするホルダユニット。 - 請求項2に記載のホルダユニットにおいて、
前記保持部に設けられ前記ピン孔に連通するネジ孔を備え、
前記調整部材は、前記ネジ孔に留められたネジである、
ことを特徴とするホルダユニット。 - 請求項2に記載のホルダユニットにおいて、
前記調整部材は、前記ピン孔と前記ピン軸との間の隙間に嵌められた楔である、
ことを特徴とするホルダユニット。 - 請求項2ないし5の何れか一項に記載のホルダユニットにおいて、
前記調整部材は、前記ピン軸に対して、前記基板の表面に垂直かつ前記基板から離れる方向に力を加える、
ことを特徴とするホルダユニット。 - 請求項1に記載のホルダユニットにおいて、
前記調整部材は、前記ピン軸と前記保持部との間に介在する粘着剤である、
ことを特徴とするホルダユニット。 - 請求項1ないし7の何れか一項に記載のホルダユニットにおいて、
前記調整部材は、前記一対の保持部のそれぞれに設けられる、
ことを特徴とするホルダユニット。 - 請求項1ないし8の何れか一項に記載のホルダユニットにおいて、
前記ピン孔の前記スクライビングホイールとは反対側がかしめられる、
ことを特徴とするホルダユニット。 - 基板の表面にスクライブラインを形成するスクライブ装置であって、
一対の保持部と、
前記一対の保持部の間に形成され、前記スクライビングホイールが挿入される保持溝と、
前記保持溝を跨いで前記一対の保持部に同軸上に形成されたピン孔と、
前記保持溝に挿入された前記スクライビングホイールの貫通孔と前記ピン孔とに挿入され、ピン孔よりも小径のピン軸と、
スクライブ動作時において前記ピン軸の回転を規制し、非スクライブ動作時において前記ピン軸の回転を許容する調整部材と、
を備えるホルダユニットと、
前記ホルダユニットを保持するスクライブヘッドと、
を備えることを特徴とする、スクライブ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018104223A JP2019209478A (ja) | 2018-05-31 | 2018-05-31 | ホルダユニットおよびスクライブ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018104223A JP2019209478A (ja) | 2018-05-31 | 2018-05-31 | ホルダユニットおよびスクライブ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019209478A true JP2019209478A (ja) | 2019-12-12 |
Family
ID=68844540
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018104223A Pending JP2019209478A (ja) | 2018-05-31 | 2018-05-31 | ホルダユニットおよびスクライブ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019209478A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021261586A1 (ja) * | 2020-06-26 | 2021-12-30 | 三星ダイヤモンド工業株式会社 | ホルダおよびホルダユニット |
-
2018
- 2018-05-31 JP JP2018104223A patent/JP2019209478A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2021261586A1 (ja) * | 2020-06-26 | 2021-12-30 | 三星ダイヤモンド工業株式会社 | ホルダおよびホルダユニット |
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