JP2019209363A - 二部品の接合方法および閉断面構造部材の組立方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶接によらずに簡易な方法で板状部品と筒状部品とを接合できるようにして、コストダウンを可能とした工法を提供する。【解決手段】アッパーパネル3とロアパネル4を溶接接合して、内部にカラー8を有する閉断面構造部2aを組み立てるにあたり、アッパーパネル3にカラー8を予め接合固定しておく方法である。アッパーパネル3に、バーリングフランジ部10となるべきテーパ状の予備曲げフランジ部を予め形成しておく。予備曲げフランジ部をカラー8に突き合わせた状態で、軸穴6の穴拡げの形態でかしめ加工を施し、直立したバーリングフランジ部10に仕上げる。バーリングフランジ部10の圧接力でカラー8の内周面に密着させ、カラー8をアッパーパネル3に接合固定する。【選択図】図2

Description

本発明は、金属製の板状部品と筒状部品とを接合する二部品の接合方法および閉断面構造部材の組立方法に関し、特にバーリングを併用したかしめ加工により板状部品と筒状部品とを接合する二部品の接合方法とそれを用いた閉断面構造部材の組立方法に関する。
例えば自動車のサスペンションメンバー等の閉断面構造部材(強度部材)として、特許文献1に記載されているように、断面略コ字状または断面チャンネル状の板材からなる二つのプレス部品を溶接にて組み立てた矩形状の閉断面構造のものが採用されている。そして、閉断面構造部の内部に中空円筒状のカラーを配置して、その閉断面構造部を貫通するかたちでカラーに挿通されるボルトとナットにて相手側部品あるいは付帯部品を締結固定することが行われている。なお、双方のプレス部品には、カラーと一致する位置に予め軸穴が形成されている。
このような閉断面構造部材を組み立てるには、二つのプレス部品同士を溶接する前に、カラーを少なくともいずれか一方のプレス部品の内側面に予め溶接固定しておくことが行われる。
実開平02−051181号公報 特開平07−275968号公報
しかしながら、特許文献1に代表されるような従来の構造では、一方のプレス部品に予めカラーを溶接固定するにあたり、その一方のプレス部品に予め形成されている穴の位置に一致するようにカラーを位置決めした上で、カラーの円周方向において少なくとも複数点の溶接を施す必要があり、作業が繁雑になりやすい。この傾向は、一方のプレス部品に溶接固定すべきカラーの数が多くなるほど顕著となり、部品のコストアップが余儀なくされる。
また、板状の二部品の簡易な接合方法として、例えば特許文献2に開示されているようなかしめ工法が広く知られているが、かかる接合方法は、板状部品と筒状部品との接合には適用することができない。
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、上記のような板状部品と筒状部品とを接合するにあたり、溶接によらずに簡易な方法で接合できるようにして、コストダウンを可能とした二部品の接合方法とそれを用いた閉断面構造部材の組立方法を提供するものである。
本発明に係る二部品の接合方法は、バーリングを併用したかしめ加工により筒状部品の端面に板状部品を接合するにあたり、上記板状部品に、バーリングフランジ部となるべきテーパ状に傾斜した予備曲げフランジ部を予め形成しておく。そして、上記予備曲げフランジ部の突出側を上記筒状部品の内周で受容しつつ上記板状部品を上記筒状部品と突き合わる。その上で、上記筒状部品をダイスとして用いて、上記予備曲げフランジ部の突出側とは反対側からパンチを押し込むことにより、上記予備曲げフランジ部にさらなる穴拡げの形態でかしめ加工を施して直立したバーリングフランジ部に成形する。このかしめ加工による上記バーリングフランジ部の拡径力で上記筒状部品と上記板状部品とを接合する。
かかる二部品の接合方法は、二つの板状部品同士を突き合わせることで矩形状の閉断面構造部が形成され、その閉断面構造部の内部に上記突き合わせ方向を指向する筒状部材が介装される自動車用のサスペンションメンバー等の閉断面構造部材の組み立てに適用される。
本発明によれば、板状部品と筒状部品との接合にあたって、バーリングを併用したかしめ加工のための工具(ダイスまたはダイ)として筒状部品そのものを利用しているので、簡易な設備構造および簡易な方法のもとで、筒状部品と板状部品を接合することができ、製造コストの低減を図ることができる。
本発明に係る二部品の接合方法を含む閉断面構造部材の組立方法を実施するためのより具体的な形態を示す図で、閉断面構造部材として自動車のサスペンションメンバーの一例を示す概略的な斜視図。 図1のa−a線に沿った模式的な拡大断面図。 図2に示した閉断面構造部におけるアッパーパネルとロアパネルを接合固定する際の工程説明図。 図3の(b)に示したテーパ状の予備曲げフランジ部を成形するための予備成形工程の詳細を示す断面説明図。 図3の(c),(d)に示したテーパ状の予備曲げフランジ部にかしめ加工を施して、バーリングフランジ部に仕上げるかしめ加工工程の詳細を示す断面説明図。
図1〜5は本発明に係る二部品の接合方法を含む閉断面構造部材の組立方法を実施するためのより具体的な形態を示していて、特に図1は一例として自動車のサスペンションメンバーの概略的な斜視図を示している。
図1に示すサスペンションメンバー1は、例えばダブルウィッシュボーン型サスペンションのサブフレームとして使用されるものであって、変形矩形状のフレーム構造をなしている。そして、サスペンションメンバー1の四辺部共に、断面形状は互いに微妙に異なるものの、各辺の長手方向に直交する断面形状がいわゆるボックス断面形状の閉断面形状をなしている。それ故に、各辺部はもちろん、サスペンションメンバー1全体としても閉断面構造部材として機能する。
図2は、図1に示したサスペンションメンバー1の四辺部のうちで最も幅広の一辺部2のa−a線に沿った模式的な拡大断面図を示している。図2に示すように、この一辺部2での閉断面構造部2aは、共に断面略コ字状または断面チャンネル状に予めプレス成形された板状部品としてのアッパーパネル3とロアパネル4とを突き合わせ、双方の直立したフランジ部3a,4aの先端部同士が重なり合った部分の外隅部に溶接部5をもって溶接を施すことにより、矩形状の閉断面構造またはボックス断面形状のものとして形成されている。なお、ここでは、アッパーパネル3とロアパネル4は共に鋼板製のものである。
また、図1のほか図2に示すように、閉断面構造部2aを形成しているアッパーパネル3とロアパネル4には、上下方向で互いに対向する位置に軸穴6,7が対をなして形成されている。そして、上下で対をなす軸穴6,7と同心状に且つアッパーパネル3とロアパネル4とに跨るかたちで、閉断面構造部2aの内部に筒状部品としての例えば鋼材製で中空円筒状のカラー8が配置されている。
カラー8は、上端面8aがアッパーパネル3に、下端面8bがロアパネル4にそれぞれ着座しつつ、それらのアッパーパネル3とロアパネル4とに圧締保持されるかたちで固定されている。さらに、カラー8は、対をなす上下の軸穴6,7と共に、例えばボルトが挿通された上で締結固定されることになる軸支持部9を形成している。それ故に、軸支持部9の主要部材であるカラー8の軸心は、アッパーパネル3とロアパネル4との突き合わせ方向を指向していることになる。この軸支持部9は、例えば特許文献1に記載されたものと同様に、相手側部品または付帯部品を取り付けるために使用される。
ここで、後述するように、アッパーパネル3側には、軸穴6を拡径化させるかたちでバーリングフランジ部10がカラー8の内周側に向かって直立するように形成されている。そして、この直立したバーリングフランジ部10によりカラー8がアッパーパネル3に対して位置決めされていると共に、バーリングフランジ部10の拡径力と後述するカラー8自体の縮径力に基づく圧接力により、溶接によらずにカラー8がアッパーパネル3側に予め接合固定されている。
つまり、アッパーパネル3が溶接部5でロアパネル4と溶接接合される前に、そのアッパーパネル3側に形成された軸穴6を拡径させるようにして、直立したバーリングフランジ部10の加工を施されている。これにより、カラー8がアッパーパネル3側に予め付帯していて、このカラー8が付帯しているアッパーパネル3とロアパネル4とを組み合わせて溶接を施すことで、図2の閉断面構造部2aを有する図1の少なくとも一辺部2が組み立てられる。
図3の工程説明図は、図2に示したアッパーパネル3にカラー8を接合固定するための手順を示している。なお、図3では、図2の要部を拡大して模式的に描いているので、アッパーパネル3およびカラー8の形状は必ずしも図2のものと一致していない。
図3の(a),(b)に示すように、予備成形工程として、アッパーパネル3単独の状態で、そのアッパーパネル3に下穴としての円形の軸穴6を成形しつつ、その軸穴6を拡径させるかたちで予備曲げフランジ部10aをテーパ状に傾斜した状態で成形する。つまり、図3の(d)に示すような直立したバーリングフランジ部10となる前の段階のフランジ部をテーパ状の予備曲げフランジ部10aとして成形する。
続いて、同図(c)に示すように、カラー8の内周にテーパ状の予備曲げフランジ部10aの突出側(凸部側)を受容するようにして、予備曲げフランジ部10aの外周部をカラー8の上端面8aに突き合わせるようにして支える。
その状態で、同図(d)に示すように、軸穴6を含む予備曲げフランジ部10aをさらに外側に押し拡げるようにして、かしめ加工により予備曲げフランジ部10aを直立するように拡径させてバーリングフランジ部10を成形し、その拡径に基づく圧接力をもってカラー8をアッパーパネル3に接合固定するものとする。
図4は、先に述べた予備成形工程として、アッパーパネル3に図3の(b),(c)に示したテーパ状の予備曲げフランジ部10aを成形する際の詳細を示している。図4に示すように、予備曲げフランジ部10aを成形する際には、同一軸線上に対向配置されたパンチ11とダイス12を用いる。
パンチ11は、中実円筒状のパンチ本体部11aのほか、ピアス穴加工(穴明け加工)のためのパンチとして機能する中実円筒状の小径部11cと、パンチ本体部11aと小径部11cとの間のテーパ状のショルダー部11bと、を有している。他方、ダイス12は、パンチ11側のショルダー部11bに対応した凹状のテーパ面12aと、テーパ面12aの下方でパンチ11側の小径部11cと噛み合うことが可能なダイス穴12bと、ダイス穴12bの下方で当該ダイス穴12bよりも大径の逃がし穴12cと、を有している。
図4に示すように、軸穴6や予備曲げフランジ部10aの加工が施されていないアッパーパネル3、すなわち図3の(a)に示したアッパーパネル3をダイス12上に位置決めする。その上で、ダイス12側のダイス穴12bとパンチ11側の小径部11cとが噛み合うまで、ダイス12に対してパンチ11を打ち込むものとする。パンチ11がダイス12側に押し込まれる過程で、アッパーパネル3の一部がダイス12側に膨出するようにして徐々に塑性変形して、不完全ながら予備曲げフランジ部10aが成形される。そして、ダイス12側のダイス穴12bとパンチ11側の小径部11cとが噛み合うことでピアス穴加工が施されて、軸穴6が成形される。
この状態では、予備曲げフランジ部10aはパンチ11とダイス12とで完全には拘束されておらず、予備成形としてはなおも不完全なままである。軸穴6が形成された後に、なおもパンチ11が下降すると、ダイス12側のテーパ面12aとパンチ11のショルダー部11bとで予備曲げフランジ部10aが加圧拘束されて、テーパ面12aとショルダー部11bの形状が転写されるかたちで、テーパ状の予備曲げフランジ部10aが成形される。
さらに、パンチ11の最下降位置にて、ダイス12側のテーパ面12aとパンチ11側のショルダー部11bとで予備曲げフランジ部10aが押し切られ、いわゆるコイニングの形態でテーパ状の予備曲げフランジ部10aが板厚方向に強く印圧される。
すなわち、図4に示したパンチ11とダイス12を使用した予備成形工程は、テーパ状の予備曲げフランジ部10aの成形を目的としたものではあるが、軸穴6のピアス穴加工と、予備曲げフランジ部10aの成形と、予備曲げフランジ部10aのコイニング加工とが、それぞれ同一工程にてほぼ同時に行われることになる。
テーパ状の予備曲げフランジ部10aのコイニング加工は、先に述べたように、ダイス12側のテーパ面12aとパンチ11側のショルダー部11bとで予備曲げフランジ部10aを板厚方向に強く印圧することで、予備曲げフランジ部10aの形状精度の向上を図るものであるが、同時に、予備曲げフランジ部10aの積極的な板厚の減少化または薄肉化と、さらにはテーパ状に成形された予備曲げフランジ部10aの根元部での角(かど)出しを行うようにしている。なお、テーパ状の予備曲げフランジ部10aの上面と下面、すなわち予備曲げフランジ部10aの表裏両面は互いに平行となるように成形される。
ここで、予備曲げフランジ部10aの根元部での角出しとは、図4に示すように、テーパ状の予備曲げフランジ部10aの突出側(凸部側)における根元部での最大直径部とアッパーパネル3との境界部または交差部での角隅部13が、いわゆるアール面取り形状のような「だれた形状」とならずに、可及的に角が明瞭となるように加工することを言う。
この角隅部13の角出しは、ダイス12のうち角隅部13の成形を司る部分の尖鋭化(先鋭化)と、上記コイニング加工とに依存して施される。そして、テーパ状の予備曲げフランジ部10aの突出側における最大直径部の直径、すなわち角隅部13のなす円の直径は、図2,3に示したカラー8の内径にほぼ一致するように、カラー8の内径寸法と同等の大きさに形成される。
また、図2,3に示すアッパーパネル3の板厚t0とカラー8の内径寸法Dは、図1に示したサスペンションメンバー1の要求性能または要求強度により決定されることになるので、図3の(c),(d)の予備曲げフランジ部10aからバーリングフランジ部10へと塑性変形させるかしめ加工だけに着目した場合には、例えばカラー8の直径の割りには予備曲げフランジ部10aの板厚寸法が大きすぎる場合がある。その対策として、本実施の形態では、図4に示した予備成形工程でのコイニング加工により、テーパ状に成形された予備曲げフランジ部10aの板厚t1の積極的な減少化または薄肉化を図っている。つまり、図4では、アッパーパネル3の板厚t0に対して、テーパ状の予備曲げフランジ部10aの板厚t1は、t0>t1の関係となるように成形される。
図5は、先に述べたかしめ加工工程として、図3の(c)に示したテーパ状の予備曲げフランジ部10aに、さらなる拡径化のための同図の(d)のかしめ加工を施す際の詳細を示している。
図5に示すように、予備曲げフランジ部10aにさらなるかしめ加工を施す際には、作業台14上にてカラー8が転ばないように支えつつ、同時にアッパーパネル3を支える治具としての例えば円筒状のサポートブロック15と、サポートブロック15に支えられたカラー8と同一軸線上に対向配置されたパンチ16と、を用いる。サポートブロック15はパンチ16と同一軸線上に配置されていて、作業台14に固定されている。また、パンチ16は、先端部に先細りのテーパ形状部16aを有している。
サポートブロック15の内径は、カラー8の外径よりもわずかに大きく形成されていて、かしめ加工前のカラー8とサポートブロック15との間には、わずかな隙間が確保されている。これは、後述するように、カラー8にパンチ16が挿入された際に、カラー8がわずかに拡径するように弾性変形することから、このカラー8の弾性変形に対応するためである。
この種のかしめ加工等の塑性加工では、本来であれば、図4と同様に工具鋼等で形成されたパンチ16とダイスとをセットとして用いるべきところ、本実施の形態では、カラー8とアッパーパネル3を接合固定する加工であることから、カラー8そのものをあたかもダイスとして用いているところに特徴がある。そのため、少なくとも工具鋼等で形成された高価なダイスを用いる必要がない。
図5に示すように、作業台14上にてカラー8が転ばないようにサポートブロック15でカラー8を直立姿勢にて支えたならば、さらにサポートブロック15の上にアッパーパネル3を載置する。その際に、アッパーパネル3に予め形成されているテーパ状の予備曲げフランジ部10aの突出側(凸部側)をカラー8の内周部で受容するようにして、アッパーパネル3の下面をカラー8の上端面8aに密着させる。
その際に、先に述べたように、予備曲げフランジ部10aの根元部の角隅部13の直径をカラー8の内径寸法と同等の大きさに予め設定してあるので、予備曲げフランジ部10aの根元部の角隅部13がカラー8の内径に合致したことの節度感が得られ、図3の(c)および図5に示すように、いわゆるセルフセンタリング作用によって、カラー8と予備曲げフランジ部10aとの芯合わせを含む相対位置決めが自律的になされることになる。
その上で、図5に示したパンチ16を下降させてカラー8内に押し込む。パンチ16がカラー8内に押し込まれることにより、予備曲げフランジ部10aが軸穴6のさらなる穴拡げの形態で押し拡げられるようにかしめ加工が施される。同時に、予備曲げフランジ部10aは、パンチ16によるしごき力を受けることで、さらなる板厚の薄肉化が図られる。それによって、図3の(d)に示すように、予備曲げフランジ部10aは直立したバーリングフランジ部10へと塑性変形し、バーリングフランジ部10がカラー8の内周面に密着するまで拡径化される。その際に、かしめ加工の反力を受けるカラー8そのものも拡径化する方向に一時的に弾性変形することになる。
この場合において、先に説明したように、予備曲げフランジ部10aの根元部の角隅部13がカラー8の内径に合致するようになっていると共に、カラー8とそれを支えているサポートブロック15との間にわずかな隙間が確保されているので、カラー8側へのパンチ16の進入により、上記のようなカラー8の一時的な拡径と共に、サポートブロック15内でカラー8がわずかに移動(フローティング)することは許容される。
また、図3の(c),(d)に示すように、アッパーパネル3とカラー8との相対位置決めがなされた状態では、予備曲げフランジ部10aの根元の角隅部13がカラー8の内周側の角隅部に合致して位置規制されている。そのため、パンチ16によるしごき力を受ける際には、角隅部13よりも内側部分のみがカラー8の内周側へと引き込まれて、予備曲げフランジ部10aがバーリングフランジ部10へと塑性変形する。それに併せて、さらなる板厚の薄肉化が図られることになる。
したがって、予備曲げフランジ部10aがバーリングフランジ部10へと塑性変形する際に、予備曲げフランジ部10a以外の部分が塑性流動によってカラー8側に引き込まれることがなく、バーリングフランジ部10が成形されたアッパーパネル3の上面のうち、バーリングフランジ部10の根元部近傍に、余分な塑性流動による凹部がいわゆる「ひけ」のかたちで同時成形されてしまうことがない。
バーリングフランジ部10が成形されるまでの板厚変化の一例を挙げるならば、図3の(a)に示したアッパーパネル3の板厚t0が例えば2.6mm程度とした場合、同図の(b),(c)に示した予備曲げフランジ部10aの板厚t1は2.0mm程度とされ、同図(d)に示した最終的なバーリングフランジ部10の板厚t2は1.0mm程度まて薄肉化される。これらの各板厚t0,t1,t2の関係は、t0>t1>t2となる。
そして、図5において、最下降位置まで下降したパンチ16が上昇してカラー8から抜け出すと、拡径化する方向に一時的に弾性変形したカラー8は、元の状態に復元(縮径)することになる。その結果、予備曲げフランジ部10aがバーリングフランジ部10へと塑性変形しつつ拡径化した際の圧接力と、一旦弾性変形したカラー8そのものが復元する際の縮径に伴う圧接力とをもって、いわゆる「しばりばめ」のかたちでカラー8とアッパーパネル3とが堅固に接合固定される。この状態が図3の(d)に示す状態である。
こうしてカラー8と接合固定されたアッパーパネル3は、図2に示すように、カラー8の下端面8bがロアパネル4に着座するようにそのロアパネル4と組み合わされると共に、それぞれ断面略コ字状または断面チャンネル状をなすアッパーパネル3のフランジ部3aの下端部とロアパネル4のフランジ部4aの上端部を所定量だけ重ね合わせるように突き合わせた上で、その重ね合わせ部のうち溶接部5に溶接を施すことにより、図1に示したサスペンションメンバー1における一辺部2の閉断面構造部2aとして組み立てられる。
この場合に、カラー8はアッパーパネル3およびロアパネル4のいずれに対しても溶接によっては固定されていないが、カラー8はバーリングフランジ部10によりアッパーパネル3に対して位置決めがなされていると共に、カラー8の下端面8bがロアパネル4に着座した状態で、それらのアッパーパネル3とロアパネル4とが溶接部5で溶接接合されている。そのため、閉断面構造部2a内でカラー8が位置ずれを起こすようなことはない。
ここで、カラー8は、アッパーパネル3に対して、バーリングフランジ部10の拡径とカラー8自体の縮径に基づく圧接力で接合固定されているだけであるので、その接合固定力だけに着目するならば、従来の溶接工法に比べて小さいものとなる。その一方、アッパーパネル3に対するカラー8の接合固定力は、図2に示すように、カラー8が付帯しているアッパーパネル3がロアパネル4と組み合わされるまでの間だけ維持できていれば十分であるから、従来の溶接工法に比べて製品機能の上で何ら不利になることはない。
このように本実施の形態によれば、サスペンションメンバー1のうち少なくとも一辺部2の閉断面構造部2aの溶接組立に際して、アッパーパネル3とカラー8を予め接合固定するにあたり、溶接によらずにバーリングを併用したかしめ加工によるものとし、その上で、カラー8をかしめ加工(塑性加工)のための工具であるダイスとして用いることを前提としている。
そして、このカラー8に工具であるパンチ16を打ち込むことで、予備曲げフランジ部10aにかしめ加工を施して直立したバーリングフランジ部10に仕上げ、それによって、アッパーパネル3とカラー8を予め接合固定するようにしているものである。そのため、少なくとも工具鋼等で形成された高価なダイスは不要となり、簡易な設備で且つ簡易な工法で所期の目的を達成でき、特に設備費および製造コストの低減に大きく寄与することができるようになる。
また、閉断面構造部2aの溶接組立の工程配置に着目した場合、アッパーパネル3とカラー8との接合固定を実質的にプレス加工の一環として行うことができるから、プレス加工工程と溶接工程を切り離して、プレス加工の集約化が可能となる。そのため、サスペンションメンバー1の溶接組立の自動化に際して、特に設備レイアウトの上で好都合となる。
さらに、先にも述べたように、バーリングフランジ部10となる前の予備曲げフランジ部10aの根元部の角隅部13の直径をカラー8の内径寸法と同等の大きさに予め設定してあることで、いわゆるセルフセンタリング作用によって、カラー8と予備曲げフランジ部10aとの芯合わせを含む相対位置決めが自律的になされることになる。そのため、カラー8と予備曲げフランジ部10aとの相対位置決めのために特別な工数を要することもなければ、相対位置決めのための手段を設ける必要もなく、これによってもまた製造コストの低減に寄与できる。
ここで、本実施の形態では、カラー8を予めアッパーパネル3側に接合固定しておく場合を例にとって説明したが、カラー8を予めロアパネル4側に接合固定しておくようにして良い。また、本実施の形態では、アッパーパネル3およびロアパネル4として鋼板製のものを、カラー8として鋼材製のものをそれぞれ例示しているが、これらのアッパーパネル3やロアパネル4およびカラー8の材質は特に制限されるものではなく、例えば非鉄軽金属等であっても良い。
さらに、本実施の形態では、閉断面構造部材としてサスペンションメンバー1の溶接組立を例にとって説明したが、当然のことながら、サスペンションメンバー1以外の他の閉断面構造部材、例えば自動車ボデイの骨格を形成することになる各種のメンバー等の強度部材の溶接組立にも本発明を適用することができる。
加えて、サスペンションメンバー1における一辺部2の閉断面構造部2aの形状も、図2に例示したものだけに限定されない。例えば、アッパーパネル3およびロアパネル4のそれぞれについて、図2の左右両側のフランジ部3a,4aの先端側を外側に折り曲げるように張り出し形成するべく、アッパーパネル3およびロアパネル4の双方をいわゆるハット型断面形状に成形して、上記張り出し部同士の突き合わせ部に溶接を施すようにしたものや、アッパーパネル3およびロアパネル4のうちいずれか一方が平板状のものであっても本発明を適用することができる。要は、アッパーパネル3およびロアパネル4とを突き合わせることで、矩形状の閉断面構造部2aが形成されるならば、本発明でのアッパーパネル3およびロアパネル4の形状は、先に例示したものだけに限定されるものではない。
1…サスペンションメンバー
2…一辺部(閉断面構造部材)
2a…閉断面構造部
3…アッパーパネル(板状部品)
4…ロアパネル
6…軸穴(下穴)
8…カラー(筒状部材)
10…バーリングフランジ部
10a…予備曲げフランジ部
11…パンチ
12…ダイス
13…角隅部
16…パンチ

Claims (6)

  1. バーリングを併用したかしめ加工により筒状部品の端面に板状部品を接合する方法であって、
    上記板状部品にバーリングフランジ部となるべきテーパ状に傾斜した予備曲げフランジ部を予め形成しておき、
    上記予備曲げフランジ部の突出側を上記筒状部品の内周で受容しつつ上記板状部品を上記筒状部品と突き合わせ、
    上記筒状部品をダイスとして用いて、上記予備曲げフランジ部の突出側とは反対側からパンチを押し込むことにより、上記予備曲げフランジ部にさらなる穴拡げの形態でかしめ加工を施して直立したバーリングフランジ部に成形し、
    上記かしめ加工による上記バーリングフランジ部の拡径力で上記筒状部品と上記板状部品とを接合することを特徴とする二部品の接合方法。
  2. 上記板状部品に予め形成される上記予備曲げフランジ部の突出側での根元部の最大直径が、上記筒状部品の内径と同等の大きさに設定されていることを特徴とする請求項1に記載の二部品の接合方法。
  3. 上記板状部品に予め形成される上記予備曲げフランジ部の板厚は、上記板状部品の板厚よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項2に記載の二部品の接合方法。
  4. 上記板状部品に上記予備曲げフランジ部を予め形成する予備成形工程が含まれていて、
    上記予備成形工程では、穴あけ加工と、上記予備曲げフランジ部の曲げ加工と、上記予備曲げフランジ部の板厚を上記板状部品そのものの板厚よりも小さくする加工と、を一工程で行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の二部品の接合方法。
  5. 二つの板状部品同士を突き合わせることで矩形状の閉断面構造部が形成され、その閉断面構造部の内部に上記突き合わせ方向を指向する筒状部材が介装されている閉断面構造部材を組み立てる方法であって、
    いずれか一方の板状部品の内面に、請求項1〜4のいずれか一つに記載の接合方法をもって上記筒状部材が予め接合固定されていて、
    上記一方の板状部品に接合固定されている上記筒状部材の端面が他方の板状部品の内面に着座するように双方の板状部品同士を突き合わせる工程と、
    上記双方の板状部品同士の突き合わせ部に溶接を施す工程と、
    を含むことを特徴とする閉断面構造部材の組立方法。
  6. 共に断面略コ字状または断面チャンネル状をなす上記板状部品同士を突き合わせることで上記矩形状の閉断面構造部が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の閉断面構造部材の組立方法。
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