JP2019209273A - 排ガス処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排ガス中の水銀濃度をより確実に低下させる。【解決手段】排ガス処理装置4では、集塵灰戻し部44が、集塵機43にて捕集された集塵灰を、煙道3とは異なる戻し経路441に沿って、煙道3における燃焼室2と集塵機43との間の位置P2へと搬送する。集塵灰分配部45は、集塵機43にて捕集された集塵灰を、集塵灰戻し部44と、煙道3外の排出位置に配置される集塵灰排出部47とに分配する。濃度測定部481,482は、排ガス中の水銀濃度の測定値を取得する。当該測定値に基づく評価値が閾値よりも大きい高濃度状態において、集塵灰分配部45による、集塵灰排出部47への集塵灰の分配比率が通常状態よりも増大される。これにより、多量の水銀を含む集塵灰が煙道3に戻されることを抑制することができ、その結果、排ガス処理装置4において、排ガス中の水銀濃度をより確実に低下させることができる。【選択図】図2

Description

本発明は、排ガス処理装置に関する。
従来、都市ごみ等の一般廃棄物は、ごみ焼却設備で焼却処理される。焼却処理により発生する排ガスには、煤塵、塩化水素(HCl)、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、重金属(Pb、Hg等)等の有害物質が含まれている。そこで、これらの有害物質を排ガスから除去する処理が排ガス処理装置により行われ、処理済みの排ガスが大気に排出される。
例えば、特許文献1の装置では、バグフィルタ入口側の排ガス煙道内にナトリウム系薬剤が導入されるとともに、バグフィルタで捕集された、未反応ナトリウム系薬剤を含む飛灰の一部が、バグフィルタ入口側の排ガス煙道に戻される。これにより、酸性ガスの除去において、ナトリウム系薬剤が効率的に利用される。また、特許文献1では、ナトリウム系薬剤と共に活性炭を供給して、排ガスに含まれる水銀を除去する手法も開示されている。当該手法では、活性炭も飛灰の一部として循環され、活性炭が効率的に利用される。
なお、特許文献2では、集塵装置の後流位置で排ガス煙道に活性炭を供給する排ガス処理装置が提案されている。当該装置では、集塵装置とは別に設けられた活性炭捕集装置により排ガスに含まれる活性炭が捕集され、捕集された活性炭は、集塵装置の後流位置で排ガス煙道へ供給される。また、特許文献3では、水銀化合物を構成する2価の水銀を原子状水銀に還元しない状態で、排ガスに含まれる0価の原子状水銀の量を検知する検知装置が開示されている。
特開2014−24052号公報 特開2016−97321号公報 特許第6173621号公報
ところで、特許文献1の装置では、多量の水銀を吸着した活性炭が飛灰の一部として循環される場合がある。この多量の水銀を吸着した活性炭の水銀が、排ガス中において脱離し、排ガス中の水銀濃度が上昇する可能性がある。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、排ガス中の水銀濃度をより確実に低下させることを目的としている。
請求項1に記載の発明は、排ガス処理装置であって、排ガスが流れる煙道に設けられる集塵機と、前記煙道において前記排ガスの発生源と前記集塵機との間の位置に、水銀吸着剤を供給する吸着剤供給部と、前記集塵機にて捕集された集塵灰を、前記煙道とは異なる戻し経路に沿って、前記煙道における前記発生源と前記集塵機との間の位置へと搬送する集塵灰戻し部と、前記煙道外の排出位置に配置される集塵灰排出部と、前記集塵灰を前記集塵灰戻し部と前記集塵灰排出部とに分配する集塵灰分配部と、前記排ガス中の水銀濃度の測定値を取得する濃度測定部と、前記測定値に基づく評価値が所定の閾値よりも大きい高濃度状態において、前記評価値が前記閾値以下である通常状態よりも、前記集塵灰排出部への分配比率が増大するように、前記集塵灰分配部を制御する制御部とを備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の排ガス処理装置であって、前記評価値が前記閾値よりも大きい場合に、前記集塵灰排出部への前記分配比率が100%になるように、前記制御部が前記集塵灰分配部を制御する。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の排ガス処理装置であって、前記濃度測定部の取込口が、前記煙道において前記吸着剤供給部の上流側に配置され、前記評価値が、前記濃度測定部の前記測定値である。
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の排ガス処理装置であって、前記排ガス中の水銀濃度の測定値を取得するもう1つの濃度測定部をさらに備え、前記濃度測定部の取込口が、前記煙道において前記集塵機の上流側に配置され、前記もう1つの濃度測定部の取込口が、前記煙道において前記集塵機の下流側に配置され、前記評価値が、前記もう1つの濃度測定部の前記測定値から前記濃度測定部の前記測定値を引いた差分値である。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の排ガス処理装置であって、前記高濃度状態において、前記制御部が、前記集塵機における前記集塵灰の払い落とし周期を前記通常状態よりも短くする。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の排ガス処理装置であって、前記制御部が、前記吸着剤供給部により前記煙道に供給される前記水銀吸着剤の量を、前記濃度測定部の前記測定値に基づいて制御する。
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の排ガス処理装置であって、前記濃度測定部が、前記煙道において前記集塵機の上流側に配置され、前記排ガスに含まれる0価の水銀の濃度の測定と、前記排ガスに含まれる0価の水銀および2価の水銀の総濃度の測定とを選択的に行う。
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の排ガス処理装置であって、前記集塵灰排出部が、キレート剤の混合により前記集塵灰に含まれる重金属を固定化する固定化部と、前記高濃度状態において前記排出位置に搬送される前記集塵灰に対して、水銀除去処理を行う水銀除去部とを備える。
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8のいずれか1つに記載の排ガス処理装置であって、前記水銀吸着剤が活性炭であり、前記排ガスが前記煙道を流れる間、前記水銀吸着剤が前記煙道に常時供給される。
請求項10に記載の発明は、請求項1ないし9のいずれか1つに記載の排ガス処理装置であって、前記集塵機よりも下流側に配置され、前記排ガスの塩化水素濃度を測定する塩化水素濃度測定部をさらに備え、前記制御部が、前記塩化水素濃度測定部の測定値に基づいて、前記集塵灰戻し部により前記煙道に供給される前記集塵灰の量を制御する。
本発明によれば、排ガス中の水銀濃度をより確実に低下させることができる。
焼却設備の構成を示す図である。 排ガス処理装置の構成を示す図である。 排ガス処理の流れを示す図である。 排ガス処理の流れを示す図である。 吸着剤供給部の他の例を示す図である。
図1は、本発明の一の実施の形態に係る焼却設備1の構成を示す図である。焼却設備1は、都市ごみ等の廃棄物を焼却処理する設備である。焼却設備1は、燃焼室2と、煙道3と、排ガス処理装置4と、誘引通風機51と、煙突52とを備える。燃焼室2では、ごみの燃焼と、ごみから発生した可燃性ガスの燃焼とが行われる。煙道3は、燃焼室2と煙突52とを接続する。排ガス処理装置4および誘引通風機51は、煙道3に設けられる。誘引通風機51は、燃焼室2にて発生する排ガス(燃焼ガス)を煙道3へと排出し、排ガス処理装置4を介して煙突52へと導く。焼却設備1では、燃焼室2を発生源とする排ガスが、燃焼室2から煙突52に向かって煙道3内を流れつつ、排ガス処理装置4により排ガスに対して所定の処理が行われる。煙突52は、排ガスを大気に放出する。図1では、煙道3を太い実線にて示している。
図2は、排ガス処理装置4の構成を示す図である。排ガス処理装置4は、制御部40と、減温塔41と、薬剤供給部42と、集塵機43と、集塵灰戻し部44と、集塵灰分配部45と、集塵灰排出部47と、上流濃度測定部481と、下流濃度測定部482とを備える。制御部40は、排ガス処理装置4の全体制御を担う。制御部40は、焼却設備1の制御部を兼ねてもよい。煙道3では、燃焼室2から煙突52に向かって、すなわち、排ガスの流れ方向における上流側から下流側に向かって、減温塔41、薬剤供給部42、集塵機43が順に設けられる。実際には、集塵機43と煙突52との間には、脱硝装置等も設けられても良い。
減温塔41は、燃焼室2から流入する排ガス中に水を噴霧して排ガスの温度を低下させる。減温塔41から排出される排ガスの温度は、例えば約170℃である。薬剤供給部42は、アルカリ貯留部421と、吸着剤貯留部422と、薬剤圧送部423と、薬剤供給ライン424と、定量供給部425,426とを備える。薬剤供給ライン424の一端は、薬剤圧送部423に接続され、他端は、煙道3における減温塔41と集塵機43との間の位置P1(以下、「薬剤供給位置P1」という。)に接続される。薬剤圧送部423は、送風機であり、薬剤供給ライン424内において空気を煙道3に向かって送る。アルカリ貯留部421は、アルカリ薬剤を貯留する。アルカリ薬剤として、例えばカルシウム(Ca)系薬剤である粉状の消石灰(水酸化カルシウム(Ca(OH)))が利用される。消石灰は、脱塩および脱硫用の薬剤である。アルカリ貯留部421の下部には、定量供給部425が取り付けられる。定量供給部425は、例えばテーブルフィーダであり、単位時間当たりに設定量の消石灰をアルカリ貯留部421から取り出す(切り出す)。定量供給部425は、薬剤供給ライン424に接続され、アルカリ貯留部421から取り出された消石灰は、薬剤供給ライン424内に供給される。
吸着剤貯留部422は、粉状の水銀吸着剤を貯留する。水銀吸着剤は、例えば活性炭である。水銀吸着剤として、活性炭の表面に例えばヨウ素や硫黄を添着した添着活性炭等が用いられてもよい。吸着剤貯留部422の下部には、定量供給部426が取り付けられ、単位時間当たりに設定量の水銀吸着剤を吸着剤貯留部422から取り出す。定量供給部426は、薬剤供給ライン424に接続され、吸着剤貯留部422から取り出された水銀吸着剤は、薬剤供給ライン424内に供給される。このような構成の薬剤供給部42により、消石灰および水銀吸着剤(以下、「排ガス処理薬剤」と総称する。)が、薬剤供給位置P1にて煙道3内に供給される(吹き込まれる)。排ガス処理薬剤は、消石灰に代えて、または、消石灰と共に、水酸化ドロマイト[Ca(OH)・Mg(OH)]等の他のカルシウム系薬剤(カルシウム含有薬剤)を含んでもよい。重曹(NaHCO)等のナトリウム系薬剤(ナトリウム含有薬剤)が、アルカリ薬剤として用いられてもよい。
薬剤供給部42では、アルカリ貯留部421、薬剤圧送部423、薬剤供給ライン424および定量供給部425により、薬剤供給位置P1にアルカリ薬剤(ここでは、消石灰)を供給するアルカリ薬剤供給部427が構成される。また、吸着剤貯留部422、薬剤圧送部423、薬剤供給ライン424および定量供給部426により、薬剤供給位置P1に水銀吸着剤を供給する吸着剤供給部428が構成される。アルカリ薬剤供給部427および吸着剤供給部428は、他の構造により実現されてよく、互いに分離して設けられてもよい。
集塵機43は、例えば、ろ過式であり、排ガスに含まれる飛灰をろ布により除去する。集塵機43は、バグフィルタとも呼ばれる。薬剤供給部42により供給される排ガス処理薬剤(ここでは、消石灰および水銀吸着剤)は、当該ろ布に堆積する。集塵機43の内部において、排ガスが当該ろ布を通過する際に、排ガスに含まれる酸性ガス(塩化水素、硫黄酸化物等)と消石灰との反応が生じ、当該酸性ガスが除去される。また、水銀吸着剤が排ガスに含まれる水銀を吸着する。酸性ガスと消石灰との反応、および、水銀吸着剤における水銀の吸着は、煙道3においても生じる。水銀吸着剤が、排ガスに含まれるダイオキシン類等をさらに吸着する効果を有してもよい。
集塵機43では、ろ布に堆積した飛灰(消石灰、消石灰と酸性ガスとの反応物、水銀等を吸着した水銀吸着剤等を含む。)が、圧縮ガスを利用した逆洗動作により、払い落とされる。逆洗動作では、排ガスの流れ方向における下流側から上流側に向かって、ろ布に対して圧縮ガス(パルスジェット)が供給される。圧縮ガスは、例えば圧縮空気である。以下の説明では、集塵機43において逆洗動作が行われる周期を、「払い落とし周期」という。また、ろ布から払い落とされた飛灰(排ガス処理薬剤等を含む。)を「集塵灰」という。集塵灰は、集塵機43における捕集物である。
集塵灰分配部45は、コンベア451と、ゲート452とを有する。コンベア451は、例えばフライトコンベア(スクレーパコンベアとも呼ばれる。)である。コンベア451は、集塵機43の下方から、所定の排出位置へと延びる。排出位置は、煙道3の外部であり、排出位置には、集塵灰排出部47が配置される。集塵機43のろ布から払い落とされた集塵灰は、集塵機43の下方にてコンベア451により受けられ、排出位置に向かう搬送経路に沿って搬送される。ゲート452は、コンベア451における集塵灰の搬送経路に設けられる。ゲート452を閉じた状態では、集塵灰はコンベア451により集塵灰排出部47に供給される。ゲート452を開いた状態では、集塵灰はゲート452を介して集塵灰戻し部44に供給される。このように、集塵灰分配部45は、ゲート452の開閉により、集塵機43からの集塵灰を集塵灰排出部47と集塵灰戻し部44とに分配する。集塵灰分配部45の構造は適宜変更されてよい。
ゲート452の下方には、集塵灰戻し部44の集塵灰貯留部(図示省略)が設けられる。ゲート452を介して供給される集塵灰は、集塵灰貯留部にて貯留される。集塵灰貯留部では、レベル計により集塵灰の貯留量が取得される。排ガス処理装置4の基本動作では、集塵灰貯留部における集塵灰の貯留量が、貯留可能な最大量未満である場合に、ゲート452が開かれ、集塵灰貯留部に集塵灰が供給される。集塵灰の貯留量が最大量に達している場合には、ゲート452が閉じられ、集塵灰排出部47に集塵灰が供給される。
集塵灰戻し部44は、戻し経路441を備える。戻し経路441は、集塵灰分配部45のゲート452と、煙道3における減温塔41と集塵機43との間の位置P2(以下、「集塵灰供給位置P2」という。)とを接続する。図2では、戻し経路441を太い実線にて示している。戻し経路441は、煙道3とは異なる経路である。集塵灰戻し部44は、水銀吸着剤および消石灰を含む集塵灰を、戻し経路441に沿って、煙道3における集塵灰供給位置P2へと搬送する(戻す)ことにより、排ガスの処理において、水銀吸着剤および消石灰の双方を効率よく利用することが可能となる。
集塵灰排出部47は、固定化部471と、水銀除去部472と、排出分配部473とを備える。排出分配部473は、排出位置に搬送された集塵灰を、固定化部471と水銀除去部472とに分配する。排出分配部473の構造は、集塵灰分配部45の構造と同様であり、コンベア474と、ゲート475とを有する。ゲート475を閉じた状態では、集塵灰はコンベア474により固定化部471に供給される。ゲート475を開いた状態では、集塵灰はゲート475を介して水銀除去部472に供給される。
固定化部471では、重金属安定剤であるキレート剤と集塵灰とが混合(混練)される。これにより、集塵灰に含まれる重金属が固定化される、すなわち、集塵灰において重金属の溶出が抑制された状態となる。水銀除去部472では、集塵灰の加熱により、集塵灰に含まれる水銀を揮発させる水銀除去処理が行われる。集塵灰の加熱温度は、例えば300〜450℃である。水銀除去処理は、集塵灰の周囲の減圧により行われてもよい。揮発した水銀は、図示省略の水銀回収部により回収される。水銀除去処理後の集塵灰は、固定化部471に供給され、当該集塵灰に含まれる重金属の固定化が行われる。
上流濃度測定部481および下流濃度測定部482は、煙道3を流れる排ガスの一部を取り込んで分析を行うことにより、排ガス中の水銀濃度の測定値を取得する。上流濃度測定部481の取込口は、煙道3における燃焼室2と薬剤供給位置P1との間であればどこでも良く、例えば、煙道3における燃焼室2と減温塔41との間に配置される。下流濃度測定部482の取込口は、煙道3における集塵機43と煙突52との間に配置される。換言すると、排ガスの流れ方向において、上流濃度測定部481(の取込口)は集塵機43の上流側に配置され、下流濃度測定部482は集塵機43の下流側に配置される。上流濃度測定部481の位置は、薬剤供給位置P1および集塵灰供給位置P2よりも上流側でもある。下流濃度測定部482は、煙突52に設けられてもよい。
図2の排ガス処理装置4では、下流濃度測定部482は、排ガスに含まれる水銀化合物を原子状水銀に還元する還元触媒を含み、排ガスに元から含まれる0価の原子状水銀と、水銀化合物を構成する2価の水銀との全量に基づいて測定値(0価の水銀および2価の水銀の総濃度の測定値)を取得する。すなわち、下流濃度測定部482は、原子状水銀、および、可溶性水銀塩等の水銀化合物の双方を検出する。
一方、上流濃度測定部481は、煙道3を流れる排ガスに含まれる0価の水銀の濃度の測定と、当該排ガスに含まれる0価の水銀および2価の水銀の総濃度の測定と、を選択的に行うことが可能である。0価の水銀の濃度の測定は、排ガスに含まれる水銀化合物を原子状水銀に還元しない状態で、排ガスに含まれる原子状水銀の量に基づいて測定値を取得する。すなわち、0価の水銀の濃度の測定において、上流濃度測定部481は、原子状水銀は検出するが、可溶性水銀塩等の水銀化合物は検出しない。この場合、上流濃度測定部481では、水銀化合物を原子状水銀に還元するために要する時間を省略して、水銀濃度の測定値を短時間で取得することが可能となる。上流濃度測定部481による0価の水銀の濃度の測定値が、例えば、原子状水銀濃度(0価の水銀の濃度)から全水銀濃度(0価の水銀および2価の水銀の総濃度)を推測して作成した補正テーブル等を用いて修正(較正)されてもよい。
図3Aは、排ガス処理装置4における排ガス処理の流れを示す図である。以下の説明では、上流濃度測定部481を主として用いた処理例について先に説明し、その後、上流濃度測定部481および下流濃度測定部482の双方から導かれる差分値を用いた処理例について説明する。
排ガス処理装置4における排ガス処理では、上流濃度測定部481により、集塵機43の上流側における排ガス中の水銀濃度の測定値(以下、「上流測定値」という。)が取得される(ステップS11)。ここでは、上流濃度測定部481により0価の水銀の濃度の測定値が、上流測定値として取得されるものとする。上流測定値は、0価の水銀および2価の水銀の総濃度であってもよい。排ガス処理装置4では、下流濃度測定部482においても、集塵機43の下流側における排ガス中の水銀濃度の測定値(以下、「下流測定値」という。)が取得される。上流測定値および下流測定値は、制御部40に出力される。実際には、上流測定値および下流測定値は、所定の周期にて繰り返し取得される。
また、消石灰および水銀吸着剤を含む排ガス処理薬剤が、薬剤供給部42により薬剤供給位置P1に(原則として連続的に)供給される。水銀吸着剤が活性炭である場合、排ガスが煙道3を流れる間、水銀吸着剤は煙道3に常時供給されることが好ましい。制御部40では、上流測定値および/または下流測定値が比較的高い場合に、薬剤供給位置P1への水銀吸着剤の供給量が増加され、上流測定値および/または下流測定値が比較的低い場合に、薬剤供給位置P1への水銀吸着剤の供給量が減少される。薬剤供給位置P1への水銀吸着剤の供給量(単位時間当たりの供給量)は、定量供給部426の出力、例えば、テーブルフィーダである定量供給部426におけるテーブルの回転数を調整することにより制御可能である。短時間で取得される上流測定値に基づいて、吸着剤供給部428により煙道3に供給される水銀吸着剤の量を制御することにより(例えば、PI制御)、排ガス中の水銀濃度を、少ない水銀吸着剤で効率よく、かつ、短時間に低下させることが可能となる。
同様に、集塵灰戻し部44により煙道3に供給される集塵灰の量が、上流測定値および/または下流測定値に基づいて制御されてもよい。この場合、集塵灰戻し部44に設けられる定量供給部の出力が調整される。例えば、上流測定値および/または下流測定値が急上昇した場合に、上流測定値および/または下流測定値が急上昇する前に溜められた集塵灰については、集塵灰戻し部44による煙道3への集塵灰の供給量が増加または定量供給されることが好ましい。なお、集塵灰の供給量が増加された場合、排ガス中の塩化水素濃度が低下することが考えられるが、排ガス中の塩化水素は活性炭による水銀吸着を促すため、活性炭による水銀吸着を適切に行うという観点では、集塵機43の下流側における排ガス中の塩化水素濃度が極端に低下しない範囲(例えば、2〜3 ppm)で、集塵灰の供給量が増加されることが好ましい。すなわち、集塵機43よりも下流側に配置される塩化水素濃度測定部(図示省略)による、排ガス中の塩化水素濃度の測定値に基づいて、集塵灰戻し部44により煙道3に供給される集塵灰の量が制御されることが好ましい。薬剤供給位置P1への消石灰の供給量も、定量供給部425の出力を調整することにより制御可能であり、上記塩化水素濃度測定部および/または集塵機43の下流側に配置される測定部による塩化水素濃度の測定値に従って、消石灰(アルカリ薬剤)の供給量が制御されてもよい。
また、制御部40では、上流測定値を第1評価値として、第1評価値が、予め定められた第1閾値と比較される。第1評価値が第1閾値以下である場合に、排ガス中の水銀の濃度が通常状態であると判定される(ステップS12)。通常状態では、集塵機43において、ろ布上の集塵灰が所定の払い落とし周期にて払い落とされ、集塵灰分配部45において、既述の基本動作に従って、集塵灰が集塵灰戻し部44と集塵灰排出部47とに分配される。また、集塵灰排出部47に供給される集塵灰が、固定化部471に直接供給され、キレート剤を用いて重金属が固定化される。排ガス処理装置4では、上流測定値が取得される毎に、第1評価値が第1閾値と比較される。
第1評価値が第1閾値よりも大きい場合には、排ガス中の水銀が高濃度状態であると判定される(ステップS12)。例えば、多くの水銀を含む廃棄物を燃焼室2にて燃焼した場合に、第1評価値が第1閾値よりも大きくなる。高濃度状態では、制御部40が集塵灰分配部45を制御することにより、集塵機43で捕集される集塵灰の、集塵灰排出部47への分配比率が通常状態よりも増大される(ステップS13)。好ましくは、集塵機43で捕集される全ての集塵灰が、集塵灰排出部47に強制的に搬送される。全ての集塵灰が集塵灰排出部47に搬送される第1閾値は、例えば全水銀濃度100μg/m以上で設定されることが好ましい。
既述のように、排ガス処理装置4の基本動作では、集塵灰戻し部44の集塵灰貯留部における集塵灰の貯留量が最大量を超えないように、集塵灰分配部45により、集塵灰が集塵灰戻し部44と集塵灰排出部47とに分配される。一方、高濃度状態では、集塵灰貯留部における集塵灰の貯留量が最大量未満である場合でも、集塵灰排出部47への分配比率が、好ましくは100%とされる。これにより、多量の水銀を吸着した水銀吸着剤が、集塵灰貯留部に貯留されることが抑制される。なお、集塵灰貯留部における集塵灰の貯留量が最大量に達している場合には、基本動作として、集塵灰排出部47に全ての集塵灰が供給されるため、集塵灰排出部47への分配比率は通常状態よりも増大しない。
また、高濃度状態では、集塵灰排出部47に搬送された集塵灰が、排出分配部473により水銀除去部472に供給されてもよい。この場合、水銀除去部472では、集塵灰の加熱による水銀除去処理が行われ、集塵灰に含まれる水銀が揮発して回収部により回収される(ステップS14)。水銀除去処理は、高濃度状態において排出位置に搬送される集塵灰に対する専用の処理である。水銀除去処理後の集塵灰は、固定化部471に供給され、キレート剤と混合することにより、集塵灰に含まれる重金属が固定化される。なお、排ガス処理装置4の設計によっては、水銀除去処理後の集塵灰に対する重金属の固定化処理が省略されてもよい。
第1評価値が第1閾値よりも大きい状態が維持されている間(ステップS11,S12)、集塵灰排出部47に対する集塵灰の分配比率の増大が継続されるとともに、水銀除去部472において水銀除去処理が実行される(ステップS13,S14)。
第1評価値が第1閾値以下となると(ステップS11,S12)、集塵灰分配部45および集塵灰排出部47における動作が通常状態の動作に戻される。これにより、集塵灰分配部45では、集塵灰が基本動作に従って集塵灰戻し部44と集塵灰排出部47とに分配される。また、集塵灰排出部47に供給される集塵灰が、固定化部471に直接供給される。実際には、第1評価値が第1閾値以下となった後、集塵機43で捕集される集塵灰に、多量の水銀を吸着した水銀吸着剤が含まれなくなると想定される時間だけ遅延して、集塵灰分配部45等の動作が通常状態の動作に戻されることが好ましい。図3Aでは、集塵灰分配部45および集塵灰排出部47における動作を、通常状態の動作に戻す処理の図示を省略している。
次に、上流濃度測定部481および下流濃度測定部482の双方を用いた処理例について図3Bを参照して説明する。上流濃度測定部481および下流濃度測定部482を用いた処理では、上流濃度測定部481により上流測定値が取得されるとともに、下流濃度測定部482により下流測定値が取得される(ステップS11)。上流測定値および下流測定値は、制御部40に出力される。なお、上流測定値は、排ガスに含まれる0価の水銀および2価の水銀の総濃度の値、または、0価の水銀の濃度から既述の補正テーブル等を用いて修正された値(0価の水銀および2価の水銀の総濃度に相当する値)である。
制御部40では、下流測定値から上流測定値を引いた値(以下、「差分値」という。)が、第2評価値として求められる。このとき、煙道3を流れる排ガスが、上流濃度測定部481の近傍を通過した後、下流濃度測定部482の近傍を通過するまでに要する時間が考慮される。また、上流濃度測定部481および下流濃度測定部482において水銀化合物を原子状水銀に還元するために要する時間も考慮される。これにより、燃焼室2においてほぼ同じ時刻に発生した排ガスに対して取得される上流測定値および下流測定値から、第2評価値が求められる。そして、第2評価値が、予め定められた第2閾値と比較される。第2評価値が第2閾値以下である場合に、集塵機43の下流側における排ガス中の水銀の濃度が通常状態であると判定される(ステップS12)。通常状態における動作は、上記処理例と同様である。排ガス処理装置4では、互いに対応する上流測定値および下流測定値が取得される毎に、第2評価値が第2閾値と比較される。
所定の時間継続して、第2評価値が第2閾値よりも大きい場合には、集塵機43の下流側における排ガス中の水銀が高濃度状態であると判定される(ステップS12)。例えば、集塵機43のろ布上等、煙道3に存在する水銀吸着剤が、排ガスの水銀濃度に対して平衡吸着量の水銀を含み、当該水銀吸着剤から水銀が脱離している(水銀吸着剤が破過している)場合に、第2評価値が第2閾値よりも大きくなる。上記処理例と同様に、高濃度状態では、制御部40が集塵灰分配部45を制御することにより、集塵機43で捕集される集塵灰の、集塵灰排出部47への分配比率が通常状態よりも増大される(ステップS13)。好ましくは、集塵機43で捕集される全ての集塵灰が、集塵灰排出部47に強制的に搬送され、集塵灰排出部47への集塵灰の分配比率が100%とされる。これにより、多量の水銀を吸着した水銀吸着剤が、集塵灰戻し部44の集塵灰貯留部に貯留されることが抑制される。
また、高濃度状態では、集塵灰排出部47に搬送された集塵灰に対して水銀除去部472による水銀除去処理が行われる(ステップS14)。さらに、集塵機43における払い落とし周期が、通常状態よりも短くされる(ステップS15)。すなわち、水銀吸着剤が飛灰の一部として、通常状態よりも短い周期にてろ布から払い落とされる。なお、水銀吸着剤における水銀吸着量が多くないと想定される場合には、ステップS14が実施されなくてもよい。
第2評価値が第2閾値よりも大きい状態が維持されている間(ステップS11,S12)、ステップS13〜S15の処理は継続される。第2評価値が第2閾値以下となると(ステップS11,S12)、集塵灰分配部45、集塵機43および集塵灰排出部47における動作が通常状態の動作に戻される。すなわち、集塵機43では、集塵灰の払い落とし周期が、通常状態における値に戻される。
下流測定値から上流測定値を引いた値を第2評価値として求める本処理例では、第2閾値は、例えば0μg/mである。第2評価値は、一定時間における移動平均として求められてもよい。この場合、移動平均(第2評価値)が、例えば第2閾値を所定の時間継続して超過するときに、排ガスが高濃度状態であると判定され、全ての集塵灰が集塵灰排出部47に搬送される。第2評価値を用いた処理においても、第2評価値が第2閾値以下となった後、集塵灰分配部45等の動作が通常状態の動作に戻されるまでの遅延時間が設定されてもよい。排ガス処理装置4では、第1評価値を用いた処理と、第2評価値を用いた処理とが並行して行われてもよい。この場合、第1評価値が第1閾値よりも大きい場合、および、第2評価値が第2閾値よりも大きい場合に、上記ステップS13〜S15の処理が行われる。
以上に説明したように、排ガス処理装置4では、集塵機43にて捕集された集塵灰を、集塵灰戻し部44と集塵灰排出部47とに分配する集塵灰分配部45が設けられる。また、濃度測定部481,482により、排ガス中の水銀濃度の測定値が取得される。そして、当該測定値に基づく評価値が閾値よりも大きい高濃度状態において、集塵灰分配部45による、集塵灰排出部47に対する集塵灰の分配比率が通常状態よりも増大される。これにより、多量の水銀を含む集塵灰が煙道3に戻されることを抑制することができ、その結果、排ガス処理装置4において、排ガス中の水銀濃度をより確実に低下させることができる。
また、高濃度状態において、集塵機43における集塵灰の払い落とし周期が通常状態よりも短くされる。これにより、集塵機43のろ布上に堆積する水銀吸着剤からの水銀の脱離を抑制することができ、集塵機43の下流側に流れる排ガス中の水銀濃度をより確実に低下させることができる。なお、第1評価値に基づく処理において、払い落とし周期を短くするステップS15の処理が行われてもよい。
上流濃度測定部481では、排ガスに含まれる水銀化合物を原子状水銀に還元しない状態で、排ガスに含まれる原子状水銀の量に基づいて測定値が取得されるため、水銀濃度の測定値を短時間で取得することが可能である。したがって、排ガス中の水銀濃度の急激な上昇を直ぐに検知することができ、煙突52から排出される排ガス中の水銀濃度を安定して低下させることができる。
ところで、キレート剤を用いた重金属の固定化では、排出位置に排出された集塵灰が多くの水銀吸着剤および水銀を含む場合に、集塵灰から水銀が溶出することがある。これに対し、排ガス処理装置4の集塵灰排出部47では、高濃度状態において、排出位置に搬送される集塵灰に対して、水銀除去部472により水銀除去処理が行われる。これにより、水銀除去処理後の集塵灰に対する固定化処理において、水銀が溶出することを防止することができる。
図4は、吸着剤供給部の他の例を示す図である。図4の吸着剤供給部428aは、粉状の水銀吸着剤と空気とを分離可能なサイクロン式の遠心集塵部49を備える。遠心集塵部49は、入口部491と、出口部492と、補助出口部493と、集塵室494と、分離室495とを備える。分離室495は、円筒部496と、円錐部497とを備える。円筒部496は、有蓋かつ無底の円筒状である。円錐部497は、上部が円筒部496から連続する筒状部材であり、下方に向かって直径が漸次減少する。
入口部491は、円筒部496の側壁に設けられる。入口部491には、後述の薬剤供給ライン424が接続される。出口部492は、円筒部496の蓋部に設けられる。出口部492は、円筒部496の内部に向かって突出する円筒状の部位を有する。出口部492には、投入ライン498aの一端が接続され、投入ライン498aの他端は、煙道3における薬剤供給位置P1に接続される。集塵室494は、円錐部497の下部に接続し、補助出口部493は、集塵室494の底部に設けられる。補助出口部493には、補助投入ライン498bの一端が接続され、補助投入ライン498bの他端は、煙道3における薬剤供給位置P1の近傍、すなわち、減温塔41と集塵機43との間の位置P3に接続される。補助投入ライン498bには、ゲートバルブ等の開閉部499が設けられる。通常状態では、開閉部499は閉じられている。
吸着剤供給部428aは、吸着剤貯留部422と、薬剤圧送部423と、薬剤供給ライン424と、定量供給部426とをさらに備える。薬剤供給ライン424の一端は、薬剤圧送部423に接続され、他端は、遠心集塵部49の入口部491に接続される。吸着剤貯留部422は、粉状の水銀吸着剤を貯留する。定量供給部426により吸着剤貯留部422から取り出された水銀吸着剤は、薬剤供給ライン424内を流れる空気と共に、遠心集塵部49に供給される。
当該空気は、入口部491を介して円筒部496の内周面に沿って分離室495内に吹き込まれる。当該空気に含まれる水銀吸着剤には、遠心力および重力が作用し、円筒部496および円錐部497の内周面に沿って旋回しつつ集塵室494へと落下する。通常状態では、補助投入ライン498bの開閉部499は閉じられており、水銀吸着剤が、当該空気と分離して集塵室494内に貯留される。当該空気は、円錐部497の下部へと到達した後、上向きに反転し、分離室495の中心軸近傍を通過して出口部492に到達する。出口部492から排出された空気は、投入ライン498aを介して煙道3内に導入される。
遠心集塵部49では、内部に貯留される水銀吸着剤が所定の量に到達すると、分離室495内に吹き込まれる水銀吸着剤は、空気と共に出口部492から排出され、投入ライン498aを介して煙道3内の薬剤供給位置P1に供給される。したがって、通常状態において、吸着剤供給部428aにより煙道3に供給される水銀吸着剤の量を、上流測定値に基づいて制御することが可能である。なお、水銀吸着剤が出口部492から排出され始める水銀吸着剤の貯留量は、集塵室494の形状や容積等に依存する。
また、排ガス中の水銀濃度の急激な上昇が生じた場合には、開閉部499を開くことにより、補助投入ライン498bを介して煙道3内の位置P3に、比較的多量の水銀吸着剤を供給することが可能である。なお、誘引通風機51(図1参照)により、煙道3内は減圧状態であるため、集塵室494内の水銀吸着剤は、煙道3内に容易に引き込まれる。図4の吸着剤供給部428aを用いる場合には、図2のアルカリ薬剤供給部427、または、図4の吸着剤供給部428aと同様の構造を有するアルカリ薬剤供給部が別途設けられる。さらに、図4中の投入ライン498aに対して、図2中のアルカリ貯留部421および定量供給部425を取り付けることにより、薬剤供給位置P1に水銀吸着剤と共に消石灰を供給することも可能である。
上記焼却設備1および排ガス処理装置4では様々な変形が可能である。
水銀吸着剤の供給量の制御では、上流濃度測定部481または下流濃度測定部482の少なくとも一方の測定値に応じた水銀吸着剤の供給量の設定値を予め定めておくことが好ましい。なお、水銀吸着剤が排ガス中のダイオキシンも吸着するもの、例えば活性炭である場合、通常、活性炭は、排ガス中のダイオキシンを吸着除去するために、煙道3に常時吹き込まれているため、上流測定値または下流測定値の少なくとも一方の値に応じて、活性炭の供給量が所定量以上の範囲で増減される。
高濃度状態を判定するための評価値は、下流測定値であってもよく、上流測定値または下流測定値の少なくとも一方を用いて求められる値であればよい。
上流濃度測定部481または下流濃度測定部482の測定値に基づいて、集塵機43における集塵灰の払い落とし周期が、通常状態よりも長くされてもよい。例えば、上流測定値が急上昇した場合や、上流測定値が下流測定値よりも大きく、かつ、下流測定値が所定値よりも高くなった場合に、払い落とし周期を、通常状態よりも長くして、集塵機43のろ布に堆積する水銀吸着剤(活性炭)の層を厚くすることも考えられる。
下流濃度測定部482として、上流濃度測定部481と同様の測定部、すなわち、原子状水銀は検出するが、水銀化合物は検出しない測定部が設けられてもよい。また、排ガス処理装置4の設計によっては、上流濃度測定部481として、下流濃度測定部482と同様の測定部、すなわち、原子状水銀および水銀化合物を検出する測定部が設けられてもよい。上流濃度測定部481または下流濃度測定部482の一方が省略されてもよい。
薬剤供給位置P1および集塵灰供給位置P2は、例えば、燃焼室2と減温塔41との間に設定されてもよく、集塵機43の内部に設けられてもよい。すなわち、薬剤供給位置P1および集塵灰供給位置P2は、煙道3において燃焼室2と集塵機43との間に設定されていればよい(位置P3において同様)。
薬剤供給位置P1における排ガス処理薬剤の供給と、集塵灰供給位置P2における集塵灰の供給は、必ずしも常時行われる必要はなく、必要に応じて一時的に停止されてもよい。集塵灰戻し部44において、薬剤供給部42と同様に、送風機等を用いて集塵灰が集塵灰供給位置P2に供給されてもよい。
焼却設備1において焼却される廃棄物の種類によっては、集塵灰排出部47が、集塵灰を回収する容器等であってもよい。集塵灰分配部45の設計は、適宜変更されてよい。例えば、集塵灰分配部45および排出分配部473が、1つのコンベアを共有してもよい。
上記実施の形態では、集塵灰貯留部が集塵灰戻し部44における戻し経路441に含められるが、集塵灰貯留部は、集塵機43の一部として設けられてもよい。例えば、集塵機43のろ布から払い落とされた集塵灰が集塵灰貯留部にて一時的に貯留され、集塵灰貯留部から排出される集塵灰が、集塵灰分配部45により集塵灰戻し部44と集塵灰排出部47とに分配される。また、好ましい排ガス処理装置4では、下流濃度測定部482は、煙突52に設けられる。
排ガス処理装置4において、消石灰の供給が省略されてもよい。排ガス処理装置4は、焼却設備1以外の設備において用いられてもよい。
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
2 燃焼室
3 煙道
4 排ガス処理装置
40 制御部
43 集塵機
44 集塵灰戻し部
45 集塵灰分配部
47 集塵灰排出部
428,428a 吸着剤供給部
441 戻し経路
471 固定化部
472 水銀除去部
481 上流濃度測定部
482 下流濃度測定部

Claims (10)

  1. 排ガス処理装置であって、
    排ガスが流れる煙道に設けられる集塵機と、
    前記煙道において前記排ガスの発生源と前記集塵機との間の位置に、水銀吸着剤を供給する吸着剤供給部と、
    前記集塵機にて捕集された集塵灰を、前記煙道とは異なる戻し経路に沿って、前記煙道における前記発生源と前記集塵機との間の位置へと搬送する集塵灰戻し部と、
    前記煙道外の排出位置に配置される集塵灰排出部と、
    前記集塵灰を前記集塵灰戻し部と前記集塵灰排出部とに分配する集塵灰分配部と、
    前記排ガス中の水銀濃度の測定値を取得する濃度測定部と、
    前記測定値に基づく評価値が所定の閾値よりも大きい高濃度状態において、前記評価値が前記閾値以下である通常状態よりも、前記集塵灰排出部への分配比率が増大するように、前記集塵灰分配部を制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする排ガス処理装置。
  2. 請求項1に記載の排ガス処理装置であって、
    前記評価値が前記閾値よりも大きい場合に、前記集塵灰排出部への前記分配比率が100%になるように、前記制御部が前記集塵灰分配部を制御することを特徴とする排ガス処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の排ガス処理装置であって、
    前記濃度測定部の取込口が、前記煙道において前記吸着剤供給部の上流側に配置され、
    前記評価値が、前記濃度測定部の前記測定値であることを特徴とする排ガス処理装置。
  4. 請求項1または2に記載の排ガス処理装置であって、
    前記排ガス中の水銀濃度の測定値を取得するもう1つの濃度測定部をさらに備え、
    前記濃度測定部の取込口が、前記煙道において前記集塵機の上流側に配置され、
    前記もう1つの濃度測定部の取込口が、前記煙道において前記集塵機の下流側に配置され、
    前記評価値が、前記もう1つの濃度測定部の前記測定値から前記濃度測定部の前記測定値を引いた差分値であることを特徴とする排ガス処理装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1つに記載の排ガス処理装置であって、
    前記高濃度状態において、前記制御部が、前記集塵機における前記集塵灰の払い落とし周期を前記通常状態よりも短くすることを特徴とする排ガス処理装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1つに記載の排ガス処理装置であって、
    前記制御部が、前記吸着剤供給部により前記煙道に供給される前記水銀吸着剤の量を、前記濃度測定部の前記測定値に基づいて制御することを特徴とする排ガス処理装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1つに記載の排ガス処理装置であって、
    前記濃度測定部が、前記煙道において前記集塵機の上流側に配置され、前記排ガスに含まれる0価の水銀の濃度の測定と、前記排ガスに含まれる0価の水銀および2価の水銀の総濃度の測定とを選択的に行うことを特徴とする排ガス処理装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1つに記載の排ガス処理装置であって、
    前記集塵灰排出部が、
    キレート剤の混合により前記集塵灰に含まれる重金属を固定化する固定化部と、
    前記高濃度状態において前記排出位置に搬送される前記集塵灰に対して、水銀除去処理を行う水銀除去部と、
    を備えることを特徴とする排ガス処理装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1つに記載の排ガス処理装置であって、
    前記水銀吸着剤が活性炭であり、
    前記排ガスが前記煙道を流れる間、前記水銀吸着剤が前記煙道に常時供給されることを特徴とする排ガス処理装置。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1つに記載の排ガス処理装置であって、
    前記集塵機よりも下流側に配置され、前記排ガスの塩化水素濃度を測定する塩化水素濃度測定部をさらに備え、
    前記制御部が、前記塩化水素濃度測定部の測定値に基づいて、前記集塵灰戻し部により前記煙道に供給される前記集塵灰の量を制御することを特徴とする排ガス処理装置。
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