JP2019208575A - シリンジ用アダプタ、薬剤注入装置および薬剤注入システム - Google Patents

シリンジ用アダプタ、薬剤注入装置および薬剤注入システム Download PDF

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Abstract

【課題】操作性に優れた薬剤注入装置及びシステムに用いるシリンジアダプタを提供する。【解決手段】シリンジ用アダプタ100は、シリンジ10を収納するシリンジ保持部材180と、先端開口から注射針が突き出した刺針位置と、突出しない抜針位置との間でシリンジ保持部材180を移動可能に支持する外筒120と、外筒120内に配置され先端開口から突出した初期位置と、突出しない押し込み位置との間で移動可能な針ガード130と、針ガードを初期位置の方向に付勢するばね140とを備える。針ガード130が初期位置にあり、シリンジ保持部材180が抜針位置にある場合、シリンジ保持部材180は、外筒120に対してロックされた状態にあり、針ガード130が押し込み位置にあり、シリンジ保持部材180が抜針位置にある場合、シリンジ保持部材180は、外筒120に対してアンロックされた状態にある。【選択図】図2

Description

本願は医療の薬剤を注入するシリンジ用アダプタ、薬剤注入装置および薬剤注入システムに関する。
特定の疾病を患っている患者は、例えば、インスリン、成長ホルモン等の薬剤を1日に数回注射する必要がある場合がある。このような薬剤を患者が自分で注射を行うため、種々の薬剤注入装置が実現されている。
このような薬剤注入装置は、患者の皮膚への刺針動作およびシリンジのピストンを移動させることによる薬剤の注入動作を行う。
より操作しやすい薬剤注入装置が求められている。本願の限定的ではないある例示的な一実施形態は、操作性に優れた薬剤注入装置、薬剤注入システム、ならびに、これらに用いるシリンジ用アダプタを提供する。
本開示のシリンジ用アダプタは、第1挿入口および第1先端開口と、前記第1挿入口および前記第1先端開口の間に位置する第1柱状空間とを有するシリンジ保持部材であって、注射針およびストッパーを有し、薬剤が充填されたシリンジを前記第1先端開口から注射針の少なくとも一部が突き出した状態で前記第1柱状空間内に収納するシリンジ保持部材と、第2挿入口および第2先端開口と、前記第2挿入口および前記第2先端開口の間に位置し、前記シリンジ保持部材が挿入される第2柱状空間を規定する内側面を有し、前記第2先端開口から前記注射針の少なくとも一部が突き出した刺針位置と、前記注射針が前記第2先端開口から突出しない抜針位置との間で前記シリンジ保持部材を移動可能に支持する外筒と、前記外筒の第2柱状空間内に配置され、前記第2先端開口から少なくとも一部が突出した初期位置と、突出しない押し込み位置との間で移動可能な針ガードと、前記針ガードを前記初期位置の方向に付勢するばねとを備え、前記針ガードが前記初期位置にあり、前記シリンジ保持部材が抜針位置にある場合、前記シリンジ保持部材は、前記外筒に対してロックされた状態にあり、前記針ガードが押し込み位置にあり、前記シリンジ保持部材が抜針位置にある場合、前記シリンジ保持部材は、前記外筒に対してアンロックされた状態にあり、前記針ガードが前記初期位置から押し込み位置へ移動後、前記シリンジ保持部材が前記抜針位置から前記刺針位置へ移動し、その後、前記シリンジ保持部材が前記抜針位置へ復帰し、前記針ガードが前記初期位置へ復帰した場合、前記針ガードは、前記シリンジ保持部材に対してロックされた状態となる。
本開示の薬剤注入装置は、上記シリンジ用アダプタを装着可能なアダプタ空間および前記アダプタ空間に連通するアダプタ開口と、前記アダプタ開口を開閉するカバーとを有する外装ケースと、ピストン、前記ピストンをピストン軸方向に駆動させるピストンギア、前記ピストンおよび前記ピストンギアを支持するギアボックス、および、前記ギアボックスに接続され、前記アダプタ空間に挿入されたシリンジ用アダプタのシリンジ保持部材に設けられた前記第4係合構造と係合する第6係合構造を有するシリンジロック部材を含み、前記シリンジ保持部材を、前記刺針位置と前記抜針位置との間で移動させ、かつ、前記ストッパーを前記ピストンで前進させるピストンユニットと、刺針抜針モータおよび少なくとも1つのギアを含み、前記ピストンユニットを前記ピストン軸方向に駆動する駆動ユニットと、前記ピストンギアを駆動する注入モータと、前記駆動ユニットおよび前記注入モータを制御する制御部と、メモリと、報知器とを備える。
本開示の薬剤注入システムは上記シリンジ用アダプタと、上記薬剤注入装置とを備える。
本開示によれば、操作性に優れた薬剤注入装置、薬剤注入システム、ならびに、これらに用いるシリンジ用アダプタが提供される。
図1Aは、シリンジ用アダプタ100および薬剤注入装置200を備える薬剤注入システム300の外観を示す斜視図である。 図1Bは、シリンジ用アダプタ100が装着された薬剤注入装置200の斜視図である。 図2は、シリンジ10を収納したシリンジ用アダプタ100の分解斜視図である。 図3は、シリンジ10の分解斜視図である。 図4Aは、シリンジ用アダプタ100の外筒120の斜視図である。 図4Bは、シリンジ用アダプタ100の針ガード130の斜視図である。 図4Cは、シリンジ用アダプタ100のシリンジ保持部材180の斜視図である。 図5Aは、薬剤注入装置200に装着された状態で取り得る一状態における、外筒120が破線で示されたシリンジ用アダプタ100の斜視図である。 図5Bは、図5Aに示す状態における、シリンジ用アダプタ100の断面図である。 図5Cは、図5Aに示す状態における、外筒120が破線で示されたシリンジ用アダプタ100の側面図である。 図6Aは、薬剤注入装置200に装着された状態で取り得る一状態における、外筒120が破線で示されたシリンジ用アダプタ100の斜視図である。 図6Bは、図6Aに示す状態における、シリンジ用アダプタ100の断面図である。 図6Cは、図6Aに示す状態における、外筒120が破線で示されたシリンジ用アダプタ100の側面図である。 図7Aは、薬剤注入装置200に装着された状態で取り得る一状態における、外筒120が破線で示されたシリンジ用アダプタ100の斜視図である。 図7Bは、図7Aに示す状態における、シリンジ用アダプタ100の断面図である。 図7Cは、図7Aに示す状態における、外筒120が破線で示されたシリンジ用アダプタ100の側面図である。 図8Aは、薬剤注入装置200に装着された状態で取り得る一状態における、外筒120が破線で示されたシリンジ用アダプタ100の斜視図である。 図8Bは、図8Aに示す状態における、シリンジ用アダプタ100の断面図である。 図8Cは、図8Aに示す状態における、外筒120が破線で示されたシリンジ用アダプタ100の側面図である。 図9Aは、薬剤注入装置200に装着された状態で取り得る一状態における、外筒120が破線で示されたシリンジ用アダプタ100の斜視図である。 図9Bは、図9Aに示す状態における、シリンジ用アダプタ100の断面図である。 図9Cは、図9Aに示す状態における、外筒120が破線で示されたシリンジ用アダプタ100の側面図である。 図10Aは、薬剤注入装置200に装着された状態で取り得る一状態における、外筒120が破線で示されたシリンジ用アダプタ100の斜視図である。 図10Bは、図10Aに示す状態における、シリンジ用アダプタ100の断面図である。 図10Cは、図10Aに示す状態における、外筒120が破線で示されたシリンジ用アダプタ100の側面図である。 図11Aは、薬剤注入装置200に装着された状態で取り得る一状態における、外筒120が破線で示されたシリンジ用アダプタ100の斜視図である。 図11Bは、図11Aに示す状態における、シリンジ用アダプタ100の断面図である。 図11Cは、図11Aに示す状態における、外筒120が破線で示されたシリンジ用アダプタ100の側面図である。 図12は、薬剤注入装置200のメインユニット202の斜視図である。 図13は、薬剤注入システム300の回路構成の一例を示すブロック図である。 図14Aは、メインユニット202の駆動装置の斜視図である。 図14Bは、メインユニット202の駆動装置の斜視図である。 図15Aは、ピストンユニット210の駆動装置の斜視図である。 図15Bは、ピストンユニット210の駆動装置の斜視図である。 図16Aは、ピストンユニット210の駆動装置の斜視図である。 図16Bは、ピストンユニット210の駆動装置の斜視図である。 図17Aは、シリンジ用アダプタ100を支持したピストンユニット210の主要部の斜視図である。 図17Bは、シリンジ用アダプタ100を支持したピストンユニット210の主要部の斜視図である。 図18Aは、アダプタロック機構240の斜視図である。 図18Bは、アダプタロック機構240の斜視図である。 図18Cは、アダプタロック機構240の断面図である。 図19Aは、薬剤注入装置200の鉛直方向の断面図である。 図19Bは、薬剤注入装置200の水平方向の断面図である。 図20Aは、使用中の一状態における薬剤注入装置200の鉛直方向の断面図である。 図20Bは、図20Aに示す状態における薬剤注入装置200の水平方向の断面図である。 図21Aは、使用中の一状態における薬剤注入装置200の鉛直方向の断面図である。 図21Bは、図21Aに示す状態における薬剤注入装置200の水平方向の断面図である。 図22Aは、使用中の一状態における薬剤注入装置200の鉛直方向の断面図である。 図22Bは、図22Aに示す状態における薬剤注入装置200の水平方向の断面図である。 図23Aは、使用中の一状態における薬剤注入装置200の鉛直方向の断面図である。 図23Bは、図23Aに示す状態における薬剤注入装置200の水平方向の断面図である。 図24Aは、使用中の一状態における薬剤注入装置200の鉛直方向の断面図である。 図24Bは、図24Aに示す状態における薬剤注入装置200の水平方向の断面図である。 図25Aは、使用中の一状態における薬剤注入装置200の鉛直方向の断面図である。 図25Bは、図25Aに示す状態における薬剤注入装置200の水平方向の断面図である。 図26Aは、使用中の一状態における薬剤注入装置200の鉛直方向の断面図である。 図26Bは、図26Aに示す状態における薬剤注入装置200の水平方向の断面図である。 図27Aは、使用中の一状態における薬剤注入装置200の鉛直方向の断面図である。 図27Bは、図27Aに示す状態における薬剤注入装置200の水平方向の断面図である。 図28Aは、使用中の一状態における薬剤注入装置200の鉛直方向の断面図である。 図28Bは、図28Aに示す状態における薬剤注入装置200の水平方向の断面図である。 図29Aは、使用中の一状態における薬剤注入装置200の鉛直方向の断面図である。 図29Bは、図29Aに示す状態における薬剤注入装置200の水平方向の断面図である。 図30Aは、使用中の一状態における薬剤注入装置200の鉛直方向の断面図である。 図30Bは、図30Aに示す状態における薬剤注入装置200の水平方向の断面図である。 図31Aは、使用中の一状態における薬剤注入装置200の鉛直方向の断面図である。 図31Bは、図31Aに示す状態における薬剤注入装置200の水平方向の断面図である。 図32Aは、アダプタ装着検出器の配置を示す図である。 図32Bは、アダプタ装着検出器の配置を示す図である。 図33は、薬剤注入システム300の動作中の一状態における薬剤注入装置200の斜視図である。 図34は、薬剤注入システム300の動作中の一状態における薬剤注入装置200の斜視図である。 図35は、薬剤注入システム300の動作中の一状態における薬剤注入装置200の斜視図である。 図36は、薬剤注入システム300の動作中の一状態における薬剤注入装置200の斜視図である。 図37は、薬剤注入システム300の動作中の一状態における薬剤注入装置200の斜視図である。 図38は、薬剤注入システム300の動作中の一状態における薬剤注入装置200の斜視図である。 図39は、薬剤注入システム300の動作中の一状態における薬剤注入装置200の斜視図である。 図40は、薬剤注入システム300の動作中の一状態における薬剤注入装置200の斜視図である。 図41は、薬剤注入システム300の動作中の一状態における薬剤注入装置200の斜視図である。 図42は、薬剤注入システムの動作を示すフローチャートである。 図43は、薬剤注入システムの動作を示すフローチャートである。 図44は、薬剤注入システムの動作を示すフローチャートである。 図45は、薬剤注入システムの動作を示すフローチャートである。 図46は、薬剤注入システムの動作を示すフローチャートである。 図47は、薬剤注入システムの動作を示すフローチャートである。 図48は、薬剤注入システムの動作を示すフローチャートである。 図49は、薬剤注入システムの動作を示すフローチャートである。 図50は、薬剤注入システムの動作を示すフローチャートである。 図51は、薬剤注入システムの動作を示すフローチャートである。 図52は、薬剤注入システムの動作を示すフローチャートである。
薬剤を患者が自分で注射するために用いられる薬剤注入装置は、熟練を要することなく適切に使用できることが好ましい。また、操作が容易であること、薬剤注入装置が大型とならず、簡単な構成であることが好ましい。
本願発明者は、患者が薬剤注入装置を用いて自分で注射するために、操作しやすい新規な薬剤注入装置を想到した。本開示の薬剤注入装置に用いるシリンジ用アダプタは、注射針付きのシリンジが収納されることに鑑み、誤操作等によって、注射針がアダプタから露出して、操作者が触れてしまう可能性を抑制する。また、薬剤注入装置はこのシリンジ用アダプタに対応しており、各種検出器を備えることによって、薬剤注入装置自体が装置の動作状況などを自己管理でき、操作する操作者に、分かり易い操作性を提供する。本開示のシリンジ用アダプタ、薬剤注入装置および薬剤注入システムの概要は以下の通りである。
[項目1]
第1挿入口および第1先端開口と、前記第1挿入口および前記第1先端開口の間に位置する第1柱状空間とを有するシリンジ保持部材であって、注射針およびストッパーを有し、薬剤が充填されたシリンジを前記第1先端開口から注射針の少なくとも一部が突き出した状態で前記第1柱状空間内に収納するシリンジ保持部材と、
第2挿入口および第2先端開口と、前記第2挿入口および前記第2先端開口の間に位置し、前記シリンジ保持部材が挿入される第2柱状空間を規定する内側面を有し、前記第2先端開口から前記注射針の少なくとも一部が突き出した刺針位置と、前記注射針が前記第2先端開口から突出しない抜針位置との間で前記シリンジ保持部材を移動可能に支持する外筒と、
前記外筒の第2柱状空間内に配置され、前記第2先端開口から少なくとも一部が突出した初期位置と、突出しない押し込み位置との間で移動可能な針ガードと、
前記針ガードを前記初期位置の方向に付勢するばねと、
を備え、
前記針ガードが前記初期位置にあり、前記シリンジ保持部材が抜針位置にある場合、前記シリンジ保持部材は、前記外筒に対してロックされた状態にあり、
前記針ガードが押し込み位置にあり、前記シリンジ保持部材が抜針位置にある場合、前記シリンジ保持部材は、前記外筒に対してアンロックされた状態にあり、
前記針ガードが前記初期位置から押し込み位置へ移動後、前記シリンジ保持部材が前記抜針位置から前記刺針位置へ移動し、その後、前記シリンジ保持部材が前記抜針位置へ復帰し、前記針ガードが前記初期位置へ復帰した場合、前記針ガードは、前記シリンジ保持部材に対してロックされた状態となる、
シリンジ用アダプタ。
[項目2]
前記シリンジ保持部材は、前記外筒の前記第2柱状空間内に挿入された状態で、前記外筒の内側面側に付勢された第1係合構造を有し、
前記外筒は前記シリンジ保持部材が前記抜針位置にあるときに、前記シリンジ保持部材の第1係合構造と係合する第2係合構造を有する、
項目1に記載のシリンジ用アダプタ。
[項目3]
前記針ガードは、前記初期位置にある場合に前記外筒の前記第2先端開口から突出する部分を含む筒状部と、前記筒状部に接続された側面部とを有し、
前記側面部は、前記外筒の第2柱状空間内において、前記外筒の前記内側面と前記シリンジ保持部材との間に位置し、
前記針ガードが押し込み位置へ移動する際、前記側面部は、前記シリンジ保持部材の前記第2係合構造を前記内側面から離間するように押し下げる、項目2に記載のシリンジ用アダプタ。
[項目4]
前記針ガードは、前記側面部に設けられたガイド溝を有し、
前記シリンジ保持部材は、前記ガイド溝内に挿入され、接線方向に弾性的に支持された突起を有し、
前記ガイド溝は、前記針ガードの移動方向に伸びており、前端および後端をそれぞれ有する共通溝部、往路溝部および復路溝部を含み、
前記共通溝部、前記往路溝部および前記復路溝部の前記前端は、それぞれ前記筒状部側に位置しており、
前記往路溝部および前記復路溝部は、前記側面部において円周方向に配置されており、
前記往路溝部および前記復路溝部の前端は、前記共通溝部の後端と接続されており、
前記側面部は、前記往路溝部および前記復路溝部との間の前記前端近傍において、前記往路溝部側に突出した分岐凸部と、前記復路溝部の後端に設けられており、前記シリンジ保持部材の突起と係合する第3係合構造を有する、項目3に記載のシリンジ用アダプタ。
[項目5]
前記針ガードが前記初期位置にあり、前記シリンジ保持部材が抜針位置にある場合、前記シリンジ保持部材の前記突起は、前記ガイド溝の前記往路溝部の後端に位置しており、
前記針ガードが前記外筒内に押し込まれるにしたがって、前記突起は、前記往路溝部の前記前端側へ相対的に移動し、前記針ガードが前記押し込み位置に移動すると、前記突起は、前記往路溝部の前記前端に位置し、
前記シリンジ保持部材が、前記抜針位置から前記刺針位置へ移動すると、前記突起は、前記分岐凸部を乗り越えて、前記共通溝部の後端へ移動し、
前記シリンジ保持部材が、前記刺針位置から前記抜針位置へ復帰すると、前記突起は、前記前溝の前端から後端を経て、前記復路溝部の前端まで移動し、
前記針ガードが前記初期位置に復帰すると、前記突起は、前記往路溝部の前記後端に位置し、前記第3係合構造と係合する、項目4に記載のシリンジ用アダプタ。
[項目6]
前記針ガードおよび前記シリンジ保持部材は、前記ガイド溝および前記突起によって構成されるガイド構造を2つ有しており、
前記2つのガイド構造は、前記外筒の第2柱状空間の軸に対して対称に配置されている、項目5に記載のシリンジ用アダプタ。
[項目7]
前記シリンジは前記針を覆う針シールドを有し、
前記針シールドと摩擦結合する穴を有し、前記外筒の第2先端開口を覆い、かつ、脱離可能に前記外筒に支持されたキャップをさらに有する項目1から6のいずれかに記載のシリンジ用アダプタ。
[項目8]
前記シリンジに充填された薬剤に関する情報を格納した無線タグをさらに備える項目1から7のいずれかに記載のシリンジ用アダプタ。
[項目9]
前記シリンジ保持部材は、第4係合構造を有し、
前記外筒は、外側面に設けられた第5係合構造を有する項目1に記載のシリンジ用アダプタ。
[項目10]
項目9に記載のシリンジ用アダプタを装着可能なアダプタ空間および前記アダプタ空間に連通するアダプタ開口と、前記アダプタ開口を開閉するカバーとを有する外装ケースと、
ピストン、前記ピストンをピストン軸方向に駆動させるピストンギア、前記ピストンおよび前記ピストンギアを支持するギアボックス、および、前記ギアボックスに接続され、前記アダプタ空間に挿入されたシリンジ用アダプタのシリンジ保持部材に設けられた前記第4係合構造と係合する第6係合構造を有するシリンジロック部材を含み、前記シリンジ保持部材を、前記刺針位置と前記抜針位置との間で移動させ、かつ、前記ストッパーを前記ピストンで前進させるピストンユニットと、
刺針抜針モータおよび少なくとも1つのギアを含み、前記ピストンユニットを前記ピストン軸方向に駆動する駆動ユニットと、
前記ピストンギアを駆動する注入モータと、
前記駆動ユニットおよび前記注入モータを制御する制御部と、
メモリと、
報知器と、
を備えた薬剤注入装置。
[項目11]
前記ピストンユニットにおいて、前記ピストンは、前記ピストンが前記シリンジのストッパーと接触せずに、前記第6係合構造が前記シリンジ用アダプタの前記第4係合構造と係合することが可能な初期位置と、第6係合構造と前記シリンジ用アダプタの前記第4係合構造との係合が解除される解放位置と、前記初期位置よりも前進し、前記ストッパーを前記シリンジの内部へ挿入する注入位置とを取り得る、項目10に記載の薬剤注入装置。
[項目12]
前記アダプタ開口を開閉するカバーの開閉を検出するカバー開閉検出器と、
前記アダプタ空間へのシリンジ用アダプタの挿入を検出するアダプタ装着検出器と
を備え、
前記制御部は、前記カバー開閉検出器の出力および/または前記アダプタ装着検出器の出力を検出することが可能な待機モード、および、前記薬剤注入装置を動作させることが可能な動作モードで動作可能であり、
前記制御部は、前記待機モードで動作中、前記シリンジ用アダプタが装着されると、前記カバー開閉検出器および/または前記アダプタ装着検出器の出力に基づき、前記待機モードを前記動作モードに切り替える、項目10または11に記載の薬剤注入装置。
[項目13]
前記シリンジ用アダプタは、前記シリンジに充填された薬剤に関する情報を格納した無線タグをさらに備え、
前記薬剤注入装置は、前記無線タグに格納された情報を読み出す薬剤情報検出器をさらに備え、
前記制御部は、前記動作モードで動作中、前記報知器に、前記薬剤情報検出器が取得した前記シリンジに充填された薬剤に関する情報を報知させる、項目10から12のいずれかに記載の薬剤注入装置。
[項目14]
前記シリンジは、前記針を覆う針シールドを有し、
前記シリンジ用アダプタは、前記針シールドと係合する穴を有し、前記外筒の第2先端開口を覆い、かつ、脱離可能に前記外筒に支持されたキャップをさらに有し、
前記薬剤注入装置は、
前記シリンジ用アダプタのキャップの脱離を検出するキャップ検出器と、
前記装着されたシリンジ用アダプタの前記第5係合構造と係合する第7係合構造を有し、前記シリンジ用アダプタの前記外側面と接触するように付勢されたアダプタロック部材と、
を備え、
前記制御部は、前記アダプタ装着検出器の出力に基づいて、前記報知器に、前記シリンジ用アダプタのキャップを取り外すように報知させ、前記キャップ着脱検出器が前記キャップの取り外しを検出すると、前記報知器に前記シリンジ用アダプタの先端を注射部位に押し当てるように報知させる、項目12または13に記載の薬剤注入装置。
[項目15]
前記シリンジ用アダプタの前記針ガードが押し込み位置にあることを検出する針ガード押込検出器と、
前記外装ケースに設けられた注射ボタンと、
をさらに備え、
前記針ガード押込検出器は、前記シリンジ用アダプタの前記針ガードが押し込み位置にあることを検出し、
前記制御部は、前記針ガード押込検出器の検出結果に基づき、前記報知器に前記注射ボタンの押下を促す報知を行わせる、項目14に記載の薬剤注入装置。
[項目16]
前記ピストンユニットが刺針位置にあることを検出する刺針完了検出器と、
前記ピストンユニットが抜針位置にあることを検出する抜針完了検出器と、
前記注入モータの回転を検出するエンコーダと
をさらに備え、
前記制御部は、
前記注射ボタンの押下による信号に基づき、前記駆動ユニットを駆動して前記ピストンユニットを前進させ、
前記刺針完了検出器の検出結果に基づき前記駆動ユニットを停止させ、
前記注入モータを駆動し、前記ピストンを前進させて薬剤を注入し、
前記エンコーダの検出結果に基づき前記注入モータを停止させ、
所定の時間経過後に、前記駆動ユニットを駆動して前記ピストンユニットを後退させ、
前記抜針完了検出器の検出結果に基づき前記駆動ユニットを停止させ、
前記報知器に前記薬剤注入装置を皮膚から離すように報知させる、項目15に記載の薬剤注入装置。
[項目17]
前記制御部は、
前記針ガード押込検出器の検出結果に基づき、前記注入モータを駆動し、前記ピストンを後退させ、
前記エンコーダの検出結果に基づき、前記注入モータを停止させる、項目16に記載の薬剤注入装置。
[項目18]
前記外装ケースに位置し、前記装着されたシリンジ用アダプタの前記第5係合構造と前記アダプタロック部材の前記第7係合構造との係合を解除するように、前記アダプタロック部材を移動させる排出ボタンと、
前記排出ボタンの動作を検出する排出ボタン検出器と、
前記ピストンが前記解放位置まで後退していることを検出する原点検出器と
をさらに備え、
前記制御部は、
前記排出ボタンをスライドさせ、前記シリンジ用アダプタを引き抜くように報知させ、
前記排出ボタン検出器の検出結果に基づき、前記注入モータを駆動して前記ピストンを後退させ、
前記原点検出器の検出結果に基づき、前記注入モータを停止させる、項目17に記載の薬剤注入装置。
[項目19]
前記制御部は、前記シリンジ用アダプタが取り外され、前記カバーが閉じることによる前記カバー開閉検出器の検出結果に基づき、前記注入モータを駆動し、前記エンコーダの出力に基づき前記ピストンを前記初期位置まで移動させ、前記注入モータを停止し、
前記動作モードを前記待機モードに切り替える、項目18に記載の薬剤注入装置。
[項目20]
項目9に記載のシリンジ用アダプタと、項目10に記載の薬剤注入装置とを備えた薬剤注入システム。
以下、図面を参照しながら、本実施形態のシリンジ用アダプタ、薬剤注入装置および薬剤注入システムの一例を詳細に説明する。以下で説明する薬剤注入システム等は実施形態の一例である。実施形態は以下の形態に限られず、種々の改変が可能である。以下の説明で参照する図面において、分かり易さのため、説明で言及しない図面における参照符号を省略する場合がある。
(薬剤注入システムの構成)
[薬剤注入システムの概略]
図1Aは、シリンジ用アダプタ100と、薬剤注入装置200とを備える薬剤注入システム300の外観を示す斜視図であり、図1Bは、シリンジ用アダプタ100が装着された薬剤注入装置200の斜視図である。シリンジ用アダプタ100の中には薬剤が充填されたシリンジが収納されている。
薬剤注入装置200は外装ケース201を備え、外装ケース201内にメインユニット202が配置されている。メインユニット202(図12参照)は外装ケース201内に収納されているため、図1Aおよび図1Bには示されていない。
外装ケース201は、例えば操作者が片手で把持しやすい太さを有する筒形状を有しており、筒形状の一端面にカバー203が設けられている。本実施形態では、外装ケース201は、筒形形状は、概ね平らな2つの平面と2つの平面を接続する曲面によって構成されている。しかし、外装ケース201の形状はこれに限られず、円筒形状や角筒形状を有していてもよい。カバー203が設けられた端面には皮膚当て面201bが設けられている。
薬剤注入システム300を使用する場合、カバー203をスライドさせ、外装ケース201の長手方向の一端に設けられたアダプタ開口201a(図1B参照)から、シリンジ用アダプタ100を装填し、キャップ110を取り外すことによって、薬剤注入システム300が使用可能な状態となる。
このとき、図1Bに示すように、シリンジ用アダプタ100の中に保持されたシリンジの注射針12は、針ガード130で覆われており、操作者が誤って針を手指などに刺してしまうことを抑制する(図2、3参照)。この針ガード130は、使用時には後退し、注射針12の刺針が可能となる。また、薬剤の注入が完了し、抜針した後は、再び注射針を覆い、針ガード130は再度後退することができなくなる。これによって、操作者は、特別な注意を払わなくても注射針12に触れることなくシリンジ用アダプタ100を取り外すことが可能である。なお、本明細書では、注射部に注射針を刺す方向Fにシリンジ用アダプタ100および薬剤注入装置200の構成要素等が移動することを前進とよび、注射針を抜く方向Bに構成要素が移動することを後退と呼ぶ。
外装ケース201には、アダプタ用窓201c、表示用窓201d、排出ボタン用開口201eが設けられている。アダプタ用窓201cから装填されたシリンジ用アダプタ100を確認することができる。排出ボタン用開口201eには排出ボタン204が配置されており、薬剤の注入後、排出ボタン204をスライドさせることによって、シリンジ用アダプタ100を薬剤注入装置200から排出することができる。表示用窓201dにはメインユニット202に設けられた表示装置255が配置され、薬剤注入装置200の操作手順、装填されたシリンジ用アダプタ100の薬剤情報等が表示される。外装ケース201には、注射ボタン254が設けられている。以下、シリンジ用アダプタ100および薬剤注入装置200の構造を詳述する。
[シリンジ10およびシリンジ用アダプタ100の構造]
<シリンジ10>
図2はシリンジ10を収納したシリンジ用アダプタ100の分解斜視図であり、図3は、シリンジ10の分解斜視図である。シリンジ10は、バレル11、注射針12、ストッパー13および針シールド14を含む。バレル11は柱状空間を有し、柱状空間内に薬剤が充填されている。バレル11内の柱状空間はストッパー13で封止されている。バレル11の先端は柱状空間と連通している穴が設けられており、穴の先端に注射針12が取り付けられている。バレル11の後端にはフランジ11bが設けられている。ストッパー13は、バレル11の柱状空間内を柱状形状の軸に沿って移動可能であり、後述する薬剤注入装置200のピストン211がストッパー13を押すことによって、薬剤が注射針12の先端から放出される。ストッパー13には、例えば、他の形態の薬剤注入装置200を使用したり、処置者が手で注射を行うためのピストンを取り付けるねじ穴13a(図5B)を備えていてもよい。
シリンジ10の注射針12は、注射針12の保護、滅菌状態の維持および操作者が注射針12を誤って刺すことを防ぐため、針シールド14により覆われている。針シールド14の外面には、係合部14aが設けられている。係合部14aは例えば、針シールド14の外面に設けられた凹凸形状である。針シールド14は、後述するシリンジ用アダプタ100のキャップ110の穴に挿入され、キャップ110とともに一体的にシリンジ10から取り外される。係合部14aは、この取り外しの際、キャップ110とともに針シールド14が取り除かれるように、キャップ110に対して針シールド14を摩擦係合させる。係合部14aは、図3に示す形状に限られず、他の形態を有していてもよい。また、係合部14aはキャップ110の穴の内面と大きな摩擦で接触する粗面であってもよい。あるいは、針シールド14は、係合部14aを備えておらず、キャップ110の穴よりもわずかに大きい外形を有しており、針シールド14がキャップ110の穴に圧入されることによって摩擦結合していてもよい。
シリンジ10に充填される薬剤の種類は1であってもよいし、複数であってもよい。また、薬剤の量のバリエーションも1であってもよいし、複数であってもよい。つまり同じ形状のシリンジ10であっても充填されている薬剤の種類および量が異なっていてもよい。
<シリンジ用アダプタ100>
シリンジ用アダプタ100は筒形状を有し、キャップ110と、外筒120と、針ガード130と、針ガードばね140と、シリンジ保持部材180とを備える。外筒120、針ガード130、シリンジ保持部材180は例えば樹脂によって構成される。図4A、図4Bおよび図4Cは、外筒120、針ガード130およびシリンジ保持部材180の斜視図である。図5Aは、シリンジ10を収納したシリンジ用アダプタ100の斜視図であり、外筒120が破線で示されている。図5Bおよび図5Cは、シリンジ用アダプタ100の断面図および側面図である。図5Aに示すように、シリンジ用アダプタ100の筒形状の軸aに平行な方向を軸方向Aと呼ぶ。また、軸aに垂直な断面において、軸aを中心とする半径方向Rを定義する。また、断面において軸aを中心とする円の接線方向Tを定義する。これらの方向は、外筒120、針ガード130、針ガードばね140、シリンジ保持部材180の軸を基準として同様に参照する。
シリンジ用アダプタ100の外筒120は筒形状を有する。本実施形態では、筒形状は2つの平面と平面を接続する部分円柱側面とによって構成されている。この形状を有することによって、シリンジ用アダプタ100は、机の上等平面において転がりにくい。また、操作者が、薬剤注入装置200へ装着する際、シリンジ用アダプタ100の装着角度(筒形状の軸回りの正しい回転角度)を特定することが容易となる。例えば、外筒120の筒形状の2つの平面が、薬剤注入装置200の外装ケース201の2つの平面と平行になるように、シリンジ用アダプタ100の挿入角度を調整すれば、シリンジ用アダプタ100を正しく薬剤注入装置200に装填することが可能である。
シリンジ保持部材180(図4C参照)はシリンジ10を保持する。本実施形態では、シリンジ保持部材180は、外筒120の側面形状に対応して、2つの平面部180p、180q、および2つの平面を接続する曲面部180r、180sを有する。
シリンジ保持部材180は、第1挿入口180bおよび第1先端開口180aと、第1挿入口180bおよび第1先端開口180aの間に位置する柱状空間180cとを有する。シリンジ保持部材180の柱状空間180cにシリンジ10の主としてバレル11の部分が収納され、第1先端開口180aから注射針12の少なくとも一部が突き出ている。シリンジ保持部材180は第1挿入口180bの周囲には、シリンジ10のフランジ11bと当接する端部180hが位置している。
シリンジ保持部材180は、外筒120に対してシリンジ保持部材180を固定するロック機構181を備えている。本実施形態では、シリンジ保持部材180は、曲面部180r、180sにそれぞれ設けられた2つのロック機構181を備えている。各ロック機構181は、第1係合構造181aと、当接面181bと、弾性部181cと、第2係合構造182aとを含む。弾性部181cは、一端が曲面部180rまたは180sに接続され、他端が第1係合構造181aに接続されており、第1係合構造181aをシリンジ保持部材180の軸に対して半径方向の外側に付勢する。このため、シリンジ保持部材180が外筒120に挿入された状態で、弾性部181cは、第1係合構造181aを外筒120の内側面側に付勢する。当接面181bは、本実施形態では、第1係合構造181aに対して、曲面部180r、180s円周方向において第1係合構造181aを挟むように2つ配置されている。後述するように針ガード130の押さえ部130jが、弾性部181cの付勢に抗して当接面181b上に重なることによって第1係合構造181aは半径方向の中心側へ移動する。
第1係合構造181aと第2係合構造182aとは、互いに係合可能な形状を有しており、後述するように第2係合構造182aは、外筒120に設けられている。第1係合構造181aおよび第2係合構造182aは、半径方向において互いに着脱可能に係合し、係合した状態では、軸方向に嵌合し合い、係合の解除、つまり、互いに脱離が不能である。
例えば、第1係合構造181aおよび第2係合構造182aは、凸部、爪等、および、凸部が挿入可能な凹部、穴、開口等である。第1係合構造181aが凸部、爪等である場合には、第2係合構造182aは、凹部、穴、開口等である。第2係合構造182aが凸部、爪等である場合には、第1係合構造181aは、凹部、穴、開口等である。本実施形態では、第1係合構造181aは爪であり、第2係合構造182aは開口である。
本明細書において、係合構造は、特に他の形態に言及しない限り、凸部、爪等、および、凸部、爪等が挿入可能な凹部、穴、開口等であり、その機能も上述した通りである。凸部と凸部、凸部と爪、爪と爪等の組み合わせでも一組の係合構造になり得る場合がある。爪は凸部の一形態であり、爪または爪と係合する凹部等の移動方向において位置する2つの面のうち、一方の面の傾斜が他方に比べて緩やかである凸部をいう。一組の係合構造の一方が爪である場合、爪の傾斜が緩やかな面が当接するよう、軸方向において一組の係合構造の一方または両方を移動させることによって、一組の係合構造を係合させることができる。係合した状態において、さらに同じ向きに係合構造を移動させると、係合は解除され得るが、逆の方向に係合構造を移動させて解除することは困難である。
シリンジ保持部材180は、側面部に位置し、接線方向に移動可能に弾性的に支持された突起180dを備える。本実施形態では、2つの突起180dが、曲面部180r、180sにそれぞれ設けられている。各突起180dは、軸方向に伸びる棒状の弾性部180eの一端に接続されており、弾性部180eの他端は曲面部180rまたは180s接続されている。弾性部180eが撓むことによって、突起180dは接線方向Tに移動可能である。中立の位置から弾性部180eが撓むことによって、突起180dは、中立の位置からの変位に応じて中立の位置へ移動する方向に弾性部180eによって付勢される。
シリンジ保持部材180は、平面部180p、180qの、第1挿入口180b近傍において、第4係合構造180fを備えている。第4係合構造180fは、後述するピストンユニット210のシリンジロック部材221に設けられた第6係合構造221aと係合する。例えば、本実施形態では第4係合構造180fは開口である。
針ガード130(図4B参照)は、筒状部130Aと、2つの側面部130Bによって構成されており、シリンジ保持部材180が挿入される第2柱状空間130cを有する。筒状部130Aは、平面部130p、130qと、平面部130p、130qに接続する曲面部130r、130sとを含む。筒状部130Aの一端には第3先端開口130aが設けられており、第3先端開口130aの周囲に当接部130hが配置されている。
側面部130Bは、筒状部130Aの他端に接続されており、軸方向に伸びている。2つの側面部130Bの間に2つの開口130Cが形成されている。筒状部130Aと反対側に位置する側面部130Bの端部には挿入口130bが位置している。
針ガード130は、各側面部130Bに設けられたガイド溝131を有する。ガイド溝131は、それぞれ軸方向Aに伸びる共通溝部131A、往路溝部131Bおよび復路溝部131Cを含む。共通溝部131A、往路溝部131Bおよび復路溝部131Cのそれぞれの前端131Aa、131Ba、131Caは、筒状部130A側に位置している。往路溝部131Bおよび復路溝部131Cは、側面部130Bにおいて円周方向に配置されている。往路溝部131Bの前端131Baおよび復路溝部131Cの前端131Caは、共通溝部131Aの後端131Abと接続されている。
側面部130Bは、往路溝部131Bと復路溝部131Cの間の前端131Ba、131Ca近傍において、往路溝部131B側に突出した分岐凸部131Dを有し、復路溝部131Cの後端131Cbに設けられた第3係合構造131Eを有する。第3係合構造131Eは、突起180dと係合可能であり、本実施形態では第3係合構造131Eは爪である。2つの側面部130Bに設けられるガイド溝131は、軸aに対して対称に配置されていることが好ましい(図5C参照)。
ガイド溝131にはシリンジ保持部材180の突起180dが挿入される。針ガード130の押し込み、シリンジ10の刺針動作によるシリンジ保持部材180の移動によって、シリンジ保持部材180の突起180dは針ガード130のガイド溝131内を相対的に移動する。後述するように、初期位置では、突起180dは往路溝部131Bの後端131Bbに位置しているが、針ガード130が押し込まれ、注射針12の刺針が完了すると突起180dは、共通溝部131Aの前端131Aaに移動し、抜針後に針ガード130がもとに戻ると、突起180dは、復路溝部131Cに案内され、後端131Cbに達する。このとき、第3係合構造131Eによって、突起180dがロックされる。
前述したように、2つの側面部130Bに配置されたガイド溝131は、軸aに対して対称に配置されているため、2つの突起180dが対応するガイド溝131内を相対的に移動する際、それぞれの弾性部180eが変形することによる応力が軸aに対して対称に生じる。このため、針ガード130がシリンジ保持部材180に対して移動する際、針ガード130の軸とシリンジ保持部材180の軸とがぶれることが抑制され、針ガード130が円滑に移動することが可能となる。
側面部130Bのガイド溝131よりも挿入口130b側には、軸方向Aに沿って伸びるスリット130gが設けられており、スリット130gによって、側面部130Bは2つの押さえ部130jに分かれている。
針ガード130は、側面部130Bのガイド溝131よりも筒状部130A側に突起130kを有している。
図5A、図5B、図5Cに示すように、針ガード130の第3柱状空間130cにシリンジ保持部材180の一部が挿入される。シリンジ保持部材180の平面部180p、180qは針ガード130の2つの開口130Cに位置している。また、側面部130Bの2つの押さえ部130jはシリンジ保持部材180の曲面部180r、180sと重なっており、スリット130g内にロック機構181の弾性部181cおよび第1係合構造181aが挿入され得るように、針ガード130はシリンジ保持部材180に対して軸方向に相対的に移動可能である。また、針ガード130のガイド溝131内には、シリンジ保持部材180の突起180dが挿入されている。
針ガードばね140は、針ガード130の筒状部130Aに挿入されており、一端は当接部130hと当接している。針ガードばね140の他端は外筒120と当接する。
外筒120(図4A参照)は筒形状を備え、第2挿入口120bおよび第2先端開口120aと、シリンジ保持部材180、針ガードばね140および針ガード130が挿入される第2柱状空間120cを規定する側面を有する。外筒120の側面は、前述したように、平面部120p、120qとこれらを接続する曲面部120r、120sによって構成されている。
曲面部120r、120sの第2先端開口120a側にはスリット120eがそれぞれ設けられている。スリット120eには、針ガード130の突起130kが挿入される(図5A参照)。曲面部120r、120sの第2挿入口120b側の外面には、第5係合構造120fがそれぞれ設けられている。第5係合構造120fは、アダプタロック部材241の第7係合構造241aと係合可能な凹部、開口、凸部等であり、本実施形態では、例えば、曲面部120r、120sを貫通する開口である。第5係合構造120fは軸方向Aにおける第2先端開口120a側に斜面120tを有している。
曲面部120r、120sには第2係合構造182aが設けられている。本実施形態では、第2係合構造182aは曲面部120r、120sを貫通する開口であるが、第2係合構造182aは、曲面部120r、120sの内側面に設けられた凹部であってもよい。
平面部120p、120qの第2挿入口120b側には開口120gが設けられている。開口120gからシリンジ保持部材180の第4係合構造180fが露出する(図5A参照)。また、外筒120の第2先端開口120a近傍の内側には当接面120jが設けられている。当接面120jは、針ガードばね140の他端が当接する(図4A参照)。
外筒120の平面部120pには凹部120kが設けられ凹部120kに無線タグ190(図2参照)が設けられている。無線タグ190はRFID(Radio Frequency Identification)とも呼ばれ、例えばUHF、HF帯の電波を用いた近距離通信によって情報の送受信が可能である。無線タグ190は、例えば、シリンジ10に充填された薬剤の種別および薬剤の量に関する情報が記憶されたメモリを備えている。図には示していないが、無線タグ190に代えて、あるいは、無線タグ190に加えて、外筒120に設けられた形状的特徴の有無で、シリンジ用アダプタ100に内蔵されたシリンジ10内に封入された薬剤15の種別、薬剤の量に関する情報を表してもよい。
キャップ110は、キャップ本体111とキャップ爪112とを含む。キャップ本体111はシリンジ10の針シールド14が挿入可能な穴111dが設けられている。穴111dを規定する内面には、針シールド14の係合部14aと係合する係合部が設けられている。また、穴111dの底にキャップ爪112が配置されている(図2参照)。
シリンジ用アダプタ100において、シリンジ10を保持したシリンジ保持部材180は、外筒120の第2柱状空間120cに挿入され、第2柱状空間120cにおいて軸方向Aに移動可能に支持されている。
針ガード130は、側面部130Bが外筒120とシリンジ保持部材180との間に位置するように、外筒120の第2柱状空間120cに挿入され、筒状部130Aの一部が外筒120の第2先端開口120aから突出し得るように、軸方向に移動可能に支持されている。
[シリンジ用アダプタ100の動作]
次にシリンジ用アダプタ100の動作を説明する。一般的な使用態様では、シリンジ用アダプタ100は、薬剤注入装置200に装着された後、キャップ110が取り外され、針ガード130の後退などが行われる。しかし、分かりやすさのため、薬剤注入装置200とは分離した状態でシリンジ用アダプタ100の動作を説明する。
シリンジ保持部材180は、外筒120の第2先端開口120aから注射針12の少なくとも一部が突き出した刺針位置と、注射針12が第2先端開口120aから突出しない抜針位置との間で移動可能である。また、針ガード130は、第2先端開口120aから一部が突出した初期位置と、第2先端開口120aから突出しない押し込み位置との間で移動可能である。これら部材の位置に応じて、シリンジ保持部材180が外筒120に対して固定されたり、注射針12が針ガード130によって保護されたりすることが可能となる。以下、図5A、5B、5Cから図11A、11B、11Cを参照して、各状態におけるシリンジ用アダプタ100の構造および動作を説明する。図5A〜図11Aは、シリンジ用アダプタ100の斜視図であり、外筒120が破線で示されている。図5B〜図11Bは、シリンジ用アダプタ100の断面図であり、図5C〜図11Cは、シリンジ用アダプタ100の側面図である。
Figure 2019208575
(1)初期状態
図5A〜図5Cに示すように、シリンジ用アダプタ100を薬剤注入装置に装填する前および装填直後の状態では、キャップ110が外筒120の第2先端開口120aを覆っている。注射針12は、外筒120内に位置しており、第2先端開口120aから突出しないため、シリンジ保持部材180は、外筒120内において抜針位置にある。針ガード130は、針ガードばね140によって突出する方向に付勢されることによって、筒状部130Aの一部が外筒120の第2先端開口120aから突出しており、初期位置にある。筒状部130Aの突出した部分はキャップ110に覆われている。シリンジ保持部材180の突起180dは、針ガード130の往路溝部131Bの後端131Bbに位置している。また、針ガード130の突起130kは外筒120のスリット120eに挿入されている。
これにより、シリンジ保持部材180は、外筒120に対してロックされ、軸方向Aには移動できない状態にある。シリンジ保持部材180の第4係合構造180fは外筒120の開口120g内に位置しており、後述するように薬剤注入装置のシリンジロック部材221の第6係合構造221aと係合が可能である(図20A参照)。
(2)キャップ110の取り外し
図5A〜図5Cに示す状態から、キャップ110を外筒120から外すと、キャップ110の穴111dの内面が針シールド14の係合部14aと係合しているため、キャップ110と一緒に針シールド14も取り外される。このとき、シリンジ保持部材180は外筒120に対してロックされた状態であるため、針シールド14が挿入されているシリンジ10が針シールド14とともに引き抜かれたり、移動したりすることはない。
図6A〜図6Cに示すように、キャップ110を取り外すことによって、針ガードばね140の付勢によって、針ガード130の筒状部130Aの一部が外筒120の第2先端開口120aから突出した状態にあり、初期位置にある。この状態で、針ガード130は、外筒120およびシリンジ保持部材180にロックされていないので、外筒120に対して軸方向Aに移動が可能である。ただし、外筒120にロックされたシリンジ保持部材180の突起180dが、針ガード130の往路溝部131Bの後端131Bbに位置しているので、針ガード130がさらに第2先端開口120aから突出する方向には移動できず、針ガード130を押し込む方向にのみ移動可能である。
(3)注射部位に押し当て
針ガード130の先端を注射部位に押し当てて、刺針が可能な状態にする。針ガード130を注射部位に押し当てると、図7A〜図7Cに示すように、針ガード130は、針ガードばね140を押縮めながら、外筒120の内部に全体が収納される押し込み位置まで外筒120に対して後退する。このとき、外筒120とシリンジ保持部材180との間に位置している側面部130Bの押さえ部130jが後退しながらロック機構181の当接面181bと当接し、ロック機構181の第1係合構造181aを外筒120の内側面から離間するように押し下げる。これにより、第1係合構造181aは外筒120の第2係合構造182aから離間する。また、ガイド溝131が移動することによって、相対的に突起180dは往路溝部131Bの前端131Ba側へ移動する。
これによって、シリンジ保持部材180は外筒120に対してロックが解除されたアンロックの状態になる。つまり、シリンジ保持部材180は外筒120に対して軸方向Aに移動可能である。
(4)刺針
後述するように刺針動作が行われることによって、図8A〜図8Cに示すように、シリンジ保持部材180が前進し、注射針12の少なくとも一部が第2先端開口120aから突出した刺針位置まで外筒120および針ガード130に対して移動する。
このとき、シリンジ保持部材180の移動に伴って、突起180dは往路溝部131Bの前端131Baから分岐凸部131Dを乗り越えて共通溝部131Aへ移動し、共通溝部131Aの前端131Aaにまで達する。シリンジ保持部材180が移動しても第4係合構造180fは外筒120の開口120g内に位置している。このため、薬剤注入装置200のシリンジロック部材221の第6係合構造221aと第4係合構造180fとの係合が維持し得る(図23A参照)。
(5)薬剤注入
後述するように薬剤注入動作が行われることによって、図9A〜図9Cに示すようにバレル11内でストッパー13が押し込まれ、薬剤が注射針12から注射部位内へ注入される。このとき、外筒120、針ガード130およびシリンジ保持部材180は移動しないため、針ガード130は押し込み位置にあり、シリンジ保持部材180は刺針位置にある。
(6)抜針
後述するように抜針動作が行われることによって、図10A〜図10Cに示すように、シリンジ保持部材180が、抜針位置まで外筒120に対して後退する。注射針12は第2先端開口120aから突出せず、外筒120内に位置する。このとき、シリンジ保持部材180の移動に伴って、突起180dは共通溝部131Aから分岐凸部131Dに案内されて復路溝部131Cの前端131Caまで移動する。
シリンジ保持部材180が抜針位置まで戻ることによって、ロック機構181の第1係合構造181aは第2係合構造182aと対向する位置にある。ただし、押さえ部130jが当接面181bと当接していることによって、第1係合構造181aは第2係合構造182aから離間したままであり、シリンジ保持部材180はアンロック状態にある。
(7)注射部位から離間
注射部位からシリンジ用アダプタ100が離されると、針ガードばね140の弾性力による付勢によって針ガード130が前進し、図11A〜図11Cに示すように、第2先端開口120aから針ガード130の筒状部130Aの一部が突出した初期位置へ戻る。
これに伴い、側面部130Bの押さえ部130jが前進し、ロック機構181の当接面181bから離間する。弾性部181cの付勢に抗する力が働かなくなるため、シリンジ保持部材180のロック機構181の第1係合構造181aが、弾性部181cによって外筒120の内側面側に付勢され、第1係合構造181aが、外筒120の第2係合構造182aと係合する。つまり、シリンジ保持部材180が外筒120に対してロックされた状態になる。この状態でシリンジ用アダプタ100は薬剤注入装置から取り外される。
また、針ガード130の移動に伴い、ガイド溝131が移動することによって、相対的に突起180dは復路溝部131Cの後端131Cbまで移動する。このとき、第3係合構造131Eを乗り越えて、後端131Cbへ移動するため、後端131Cbに達した突起180dは、第3係合構造131Eと係合し、前端側131Caへ移動できない。つまり、突起180dは復路溝部131Cの後端131Cbにおいて移動できなくなり、針ガード130がシリンジ保持部材180に固定される。これによって、外筒120に対してシリンジ保持部材180および針ガード130が直接または間接的にロックされ、移動が困難な状態となる。
この状態のシリンジ用アダプタ100において、針ガード130は初期位置にあり、シリンジ保持部材180は抜針位置にあり、初期状態と同じである。しかし、ガイド溝131内の突起180dが上述したように復路溝部131Cの後端131Cbに固定されることによって、針ガード130の後退が抑制されている。したがって、操作者が意図的に針ガード130を後退させようとしても、針ガード130は後退しない。このため、操作者は、容易には注射針12に接触し得ず、誤って操作者が注射針12を身体に刺してしまうこと、および注射針12を衣服にひっかけたりすること等を防止できる。
このようにシリンジ用アダプタ100によれば、シリンジ保持部材180および針ガード130は、使用時の状態に応じて移動可能であり、必要な時以外はロックされ移動が抑制される。したがって、操作者は、誤って注射針で手指を刺したり、衣類等にひっかけたりするということに特別な注意を払うことなくシリンジ用アダプタ100を取り扱うことが可能である。
[薬剤注入装置200の構造]
<薬剤注入装置200の構成の概略>
薬剤注入装置200は、外装ケース201に収納されたメインユニット202を備える。図12は、シリンジ用アダプタ100が挿入されたメインユニット202の斜視図である。図13は、薬剤注入システム300の模式的な回路構成を示すブロック図である。メインユニット202は、シリンジ用アダプタ100を装着することが可能なアダプタ空間202aを有し、メインユニット202を外装ケース201に収納した状態において、アダプタ空間202aは、外装ケース201のアダプタ開口201a(図1B参照)と連通している。メインユニット202は筐体205を含み、以下で説明する構成要素を支持する。
メインユニット202は、CPUなどの演算器を含む制御部251と、電源である電池252と、コンピュータプログラム、データなどを記憶するメモリ253と、インターフェースである注射ボタン254と、クロック257とを含む(図13参照)。制御部251は、メモリ253に記憶されたプログラムを読み込み、コンピュータプログラムの手順に従って各構成要素を制御する。コンピュータプログラムの手順は、後述する説明および添付した図面のフローチャートによって示される。
また、図12には示されていないが、メインユニット202は、報知器291と、駆動装置293と、検出器295を備える。報知器291は、例えば、表示装置255およびブザー256を含み、操作者に薬剤注入装置200の操作に関する情報を提供する(図13参照)。
駆動装置293は、装填されたシリンジ用アダプタ100内のシリンジ保持部材180を前進および後退させて、シリンジ10の注射針12の刺針および抜針を行う。また、ストッパー13をピストンによって押し込み、薬剤の注入を行う。駆動装置293は、ピストンユニット210と、ピストンユニットを駆動するための駆動ユニット230と、注入モータ261と、エンコーダ262とを含む。ピストンユニット210はさらに刺針抜針モータ264を含む。注入モータ261および刺針抜針モータ264は、それぞれモータドライバー260、263によって駆動される(図13参照)。
検出器295は、エンコーダ262、カバー開閉検出器271、アダプタ装着検出器272、薬剤情報検出器273、キャップ検出器274、針ガード押込検出器275、刺針完了検出器276、抜針完了検出器277、ピストン原点検出器278および排出ボタン検出器279を含む(図13参照)。これらは、薬剤注入装置200の各部の状態を検出したり、シリンジ用アダプタ100に設けられた無線タグ190の情報を取得したりする。これらの構成要素は、以下において逐次詳細に説明する。
薬剤注入装置200は、このほかに、通信器292を備えていてもよい。通信器292は、例えば、赤外線通信器258および無線通信器259を含み、外部との情報の送受信を行う。具体的には、薬剤注入装置200を使用する操作者に関する情報、例えば、薬剤の注入量、薬剤の種別、注射を行う時間等の情報を、薬剤を処方する医師などの監督者が赤外線送信機を用いて薬剤注入装置200に送信することができる。送信された情報は例えばメモリ253に記憶され、薬剤注入装置200の使用時に利用される。また、無線通信器259は例えば、近距離無線通信規格を利用する送受信器である。例えば、操作者が薬剤注入装置200を使用した時刻および薬剤の種類、注入量等を使用時にメモリ253に記憶させ、所定のタイミングで、これらの情報を、無線通信器259を用いて外部の機器へ送信してもよい。
<駆動装置293の構造>
図14Aおよび図14Bは、駆動装置293の斜視図である。前述したように、駆動装置293は、薬剤注入装置200に装填されたシリンジ用アダプタ100内において、シリンジ10を収納したシリンジ保持部材180を刺針位置と抜針位置との間で移動させ、また、後述のピストン211を使用し、シリンジ10のストッパー13をバレル11内に挿入する。このために、駆動装置293は、ピストンユニット210と、ピストンユニット210をピストン軸方向に駆動するための駆動ユニット230と、注入モータ261とを含む。
ピストンユニット210は、ピストン211と、ピストン211をピストン軸方向に駆動させるピストンギア212と、ピストン211およびピストンギア212を支持するギアボックス214とを含む。図15Aおよび図15Bは、ギアボックス214および駆動ユニット230を除いた駆動装置293の斜視図である。ピストン211はシリンジ10のストッパー13と当接する先端部211aと、先端部211aに隣接し、半径方向に突出した凸部211bと、凸部211bの端からピストン211の他端までの側面に形成された雄ねじ211cとを備える。ピストンギア212は筒形状を有し、筒の内側面にはピストン211の雄ねじ211cと噛み合う雌ねじ212cが設けられている。またピストンギア212の側面には、歯幅Lが大きい平歯車212bが設けられている。ピストンギア212は例えばベアリング216(図15A、図15B参照)を介してギアボックス214に取り付けられる。ピストン211は、雄ねじ211cと雌ねじ212cとが噛み合った状態で、ピストンギア212に挿入されている。したがって、ギアボックス214は、ピストン211およびピストンギア212を支持しており、ピストンギア212がピストンの軸方向に移動すると、ピストン211およびピストンギア212も一体的に移動する。ギアボックス214は、アーム214aを有しアーム214aに雌ねじ214bが設けられている(図14B参照)。
駆動装置293は、例えば、モータギア245および中間ギア246をさらに備え、注入モータ261の軸にはモータギア245が取り付けられている。中間ギア246は、モータギア245およびピストンギア212の平歯車212bと噛み合っている。注入モータ261が回転すると、ピストンギア212が回転し、図15Bに示すように、雄ねじ211cと雌ねじ212cとの噛み合いによってピストン211が前進する。歯幅Lはシリンジ保持部材180の刺針位置と抜針位置との距離以上の長さに決定されているため、刺針および抜針のためにピストンユニット210が移動しても、中間ギア246はピストンギア212の平歯車212bと噛み合った状態を維持し得る。ピストン211がピストンギア212と一緒に回転してしまうのを抑制するため、雄ねじ211cに、軸方向に伸びる切り欠きを設け、ギアボックス214に切り欠きに係合する凸部を設けてもよい。
駆動ユニット230は、刺針抜針モータ264と、モータギア231と、中間ギア232と、駆動スクリュー233とを含む。モータギア231は刺針抜針モータ264の回転軸に取り付けられている。駆動スクリュー233は、ピストン211の軸と平行な軸を有し、側面に雄ねじ233bが設けられている。雄ねじ233bはギアボックス214のアーム214aに設けられた雌ねじ214bと噛み合っている。駆動スクリュー233の一端には平歯車233aが設けられている。中間ギア232は、モータギア231および平歯車233aと噛み合っている(図14A、14B参照)。
刺針抜針モータ264が回転すると、回転力は、駆動スクリュー233に伝達され、駆動スクリュー233が回転する。これにより、図14Bに示すように、駆動スクリュー233の雄ねじ233bと噛み合った雌ねじ214bを有するギアボックス214がピストン211の軸方向に沿って移動する。刺針抜針モータ264の回転方向に応じてギアボックス214を含むピストンユニット210全体が前進または後退する。
ピストンユニット210が薬剤を注入する動作を行う際、前述した動作によってピストン211が前進し、その先端部211aとストッパー13が当接し、シリンジ10のバレル11内にストッパー13が押し込まれ、薬剤が注入される。このとき、バレル11を含むシリンジ10全体が前進してしまわないように、シリンジ保持部材180は、適切に固定されていることが好ましい。このために、ピストンユニット210は、シリンジ保持部材180を支持する支持構造220を備える。支持構造220は、シリンジロック部材221と、支持部材222と、付勢ばね223とを含む(図14A、14B参照)。図16Aおよび図16Bは、シリンジロック部材221の構造および動作を示す斜視図である。シリンジロック部材221は、ピストン211に沿って伸びる形状を有し、一端はギアボックス214に接続されている。他端には第6係合構造221aを有している。ピストンユニット210は2つのシリンジロック部材221を有し、2つのシリンジロック部材221は、第6係合構造221aが対向するように、ピストン211を挟んで配置されている。シリンジロック部材221は、両端の間にピストン211側に突出した当接部221bを有する。シリンジロック部材221は、板バネ等の弾性部材で構成されている。
支持部材222は当接面222aおよび貫通孔を有し、貫通孔にピストン211が挿入されることによって、ピストン211に沿って移動可能に支持される。支持部材222とギアボックス214との間に付勢ばね223が配置され、支持部材222は、ピストン211の先端部211a側へ付勢されており、ピストン211の凸部211bと当接している。
図17Aに示すように、シリンジ用アダプタ100を薬剤注入装置200に挿入すると、シリンジロック部材221の第6係合構造221aは、シリンジ保持部材180に保持されたシリンジ10のバレル11に設けられたフランジ11bを乗り越えて、シリンジ保持部材180の第4係合構造180fと係合する。また、支持部材222の当接面222aがフランジ11bと当接する。このため、ピストンユニット210の支持構造220は、支持部材222とシリンジロック部材221の第6係合構造221aとでフランジ11bを挟みこみ、確実にシリンジ10およびシリンジ保持部材180を支持することができる。
図17Bに示すように、この状態で刺針抜針モータ264が駆動スクリュー233を回転させることによって、ピストンユニット210は、支持構造220がシリンジ保持部材180を保持したまま前進し、刺針動作を行うことができる。
ピストンユニット210の支持構造220がシリンジ保持部材180の支持を解放する場合、図16Bに示すように、注入モータ261を逆転させて、抜針位置よりもさらにピストン211を後退させる。シリンジロック部材221の当接部221bがピストン211の凸部211bと当接し、凸部211bに乗り上げることによって、シリンジロック部材221の第6係合構造221aは、ピストン211の軸から遠ざかる方向に移動する。これにより、第6係合構造221aが第4係合構造180fから離間し、係合が解除される。支持構造220がこの状態にあることによって、シリンジ用アダプタ100を引き抜くことが可能となる。
<シリンジ用アダプタ100のロック機構>
薬剤注入装置200は、使用中、シリンジ用アダプタ100が不用意に脱落したり、引き抜かれたりするのを抑制するためにアダプタロック機構240を備える。図18Aおよび図18Bはアダプタロック機構240を示す斜視図である。アダプタロック機構240は、アダプタロック部材241と、排出ボタン204と、付勢ばね242と、第5係合構造120fとを含む。アダプタロック部材241は、軸方向Aに移動可能なように、メインユニット202または外装ケース201に支持されており、基部241cと、弾性部241bと、第7係合構造241aとを有する。弾性部241bは軸方向Aに沿った長手方向を有しており、一端に第7係合構造241aが位置している。弾性部241bの他端は基部241cに接続されている。基部241cは、付勢ばね242によって、後退方向に付勢されている。
シリンジ用アダプタ100が薬剤注入装置200に挿入されると、外筒120の第5係合構造120fにアダプタロック部材241の第7係合構造241aが係合する。このため、第5係合構造120fと第7係合構造241aとの係合によって、シリンジ用アダプタ100が重力等によって脱落したり、シリンジ用アダプタ100を引き抜こうとしても、シリンジ用アダプタ100の移動が抑制される。
シリンジ用アダプタ100を取り外す場合、排出ボタン204を付勢ばね242の付勢に抗してアダプタ開口201a側、つまり前進方向にスライドさせる。これにより、アダプタロック部材241が前進方向に移動し、第7係合構造241aが第5係合構造120fの斜面120tと当接し、斜面120tに沿って第7係合構造241aの先端が、外装ケース201の内面側に持ち上がる。第7係合構造241aの先端は、外装ケース201の内面に設けられた凹部201fに挿入され、係合する(図18C参照)。これによって、第7係合構造241aと第5係合構造120fとの係合が解除され、シリンジ用アダプタ100を引き抜くことが可能となる。この状態で付勢ばね242によって、アダプタロック部材241は後退する方向に付勢されているため、操作者が排出ボタン204から指を離すと、付勢ばね242によって、アダプタロック部材241は後退し、再び、第7係合構造241aと第5係合構造120fとが係合した状態に戻る。
このように、本実施形態によれば、操作者が排出ボタン204を操作した状態にあるときに、シリンジ用アダプタ100を取り外すことが可能となる。したがって、操作者が意図せず排出ボタン204をスライドさせてしまっても、シリンジ用アダプタ100を取り外すためには、その状態を維持する必要があるため、意図しない操作による、シリンジ用アダプタ100の取りはずしを抑制することができる。
[薬剤注入装置200の動作]
図19A、19Bから図31A、31Bを参照しながら薬剤注入装置200の動作を説明する。これらの図において、図19A〜図31Aは、薬剤注入装置200の鉛直方向の断面を示し、図19B〜図31Bは、薬剤注入装置200の水平方向の断面を示す。
(1)初期状態 (図19A、19B)
初期状態では、ピストンユニット210は抜針位置にあり、ピストン211は初期位置にある。
(2)シリンジ用アダプタ100の装着 (図20A、20B)
薬剤注入装置200のアダプタ開口201aからシリンジ用アダプタ100を挿入する。ピストンユニット210の支持構造220の第6係合構造221aが、シリンジ用アダプタ100のシリンジ保持部材に設けられた第4係合構造180fと係合する。また、支持部材222の当接面222aがフランジ11bと当接する。このため、ピストンユニット210の支持構造220は、確実にシリンジ10およびシリンジ保持部材180を支持する。一方、アダプタロック部材241の第7係合構造241aが外筒120の第5係合構造120fと係合することによって、アダプタロック機構240がシリンジ用アダプタ100をロックする。
シリンジ用アダプタ100において、針ガード130は、初期位置にあり、シリンジ保持部材180は抜針位置にある。また、シリンジ保持部材180は、ロック機構181によって、外筒120に対してロックされている。
(3)キャップの取り外し (図21A、21B)
シリンジ用アダプタ100からキャップ110を取り外す。針ガード130が外筒120および薬剤注入装置200のアダプタ開口201aから突出した状態となる。前述したように、シリンジ保持部材180は、ロック機構181によって、外筒120に対してロックされており、ピストンユニット210の支持構造220がシリンジ10およびシリンジ保持部材180を支持しているため、キャップ110を取り外す際に、シリンジ10およびシリンジ保持部材180が一緒に引き抜かれることが抑制されている。
(4)注射部位に押し当て (図22A、22B)
針ガード130を注射部位に押し当てると、針ガード130が後退し、初期位置から押し込み位置へ移動する。薬剤注入装置200に装填されたシリンジ用アダプタ100の外筒120内に針ガード130は収納され、外装ケース201の皮膚当て面201bが注射部位と接触する。針ガード130が押し込み位置へ移動することによって、ロック機構181が解除され、シリンジ保持部材180は抜針位置において、外筒120対して移動可能となる。
(5)刺針 (図23A、23B)
操作者が注射ボタン254を押し下げると、刺針抜針モータ264が正転し、ピストンユニット210が刺針位置まで前進する。これにより、ピストンユニット210の支持構造220の第6係合構造221aが、シリンジ保持部材180の第4係合構造180fと係合したまま、シリンジ用アダプタ100のシリンジ保持部材180が抜針位置から刺針位置へ移動し、注射針12の一部が、薬剤注入装置200のアダプタ開口201aから突出する。
(6)薬剤注入 (図24A、24B)
注入モータ261が正転し、ピストン211が初期位置から、注入位置まで移動する。これによって、ストッパー13がバレル11内に挿入され、薬剤が注射針12から注射部位に注入される。ストッパー13が停止する位置は、シリンジ10のバレル11内に保持されていた薬剤の量、および、操作者に応じた注入量に依存する。
(7)抜針 (図25A、25B)
ストッパー13の移動による内薬剤の注入が完了した後、刺針抜針モータ264が逆転し、ピストンユニット210が後退し、刺針位置から抜針位置まで戻る。これにより、注射針12が注射部位から引き抜かれる。
(8)注射部位から離間 (図26A、26B)
操作者が外装ケース201の皮膚当て面201bを注射部位から離間させると、針ガード130が、針ガードばね140の付勢によって前進し、アダプタ開口201aから突出する。これに伴い、ロック機構181が外筒120に対してシリンジ保持部材180をロックし、外筒120に対して移動しない状態になる。また、針ガード130がシリンジ保持部材180に対してロックされる。
(9)ピストン後退 (図27A、27B)
注入モータ261が逆転し、ピストン211が注入位置から、初期位置まで移動する。
(10)排出ボタン操作 (図28A、28B)
操作者が排出ボタン204をスライドさせると、アダプタロック機構240がシリンジ用アダプタ100の外筒120を解放する。
(11)ピストンの後退 (図29A、29B)
注入モータ261が逆転し、初期位置からさらに後退し解放位置まで移動する。これによって、ピストンユニット210の支持構造220の第6係合構造221aがシリンジ用アダプタ100のシリンジ保持部材180に設けられた第4係合構造180fから離間し、支持構造220がシリンジ保持部材180を解放した状態となる。
(12)アダプタ取り外し (図30A、30B)
シリンジ用アダプタ100の外筒120およびシリンジ保持部材180の両方が解放された状態にあり、針ガード130がシリンジ保持部材180に対してロックされ、シリンジ保持部材180が外筒120に対してロックされている。操作者がシリンジ用アダプタ100の針ガード130を引っ張ると、シリンジ用アダプタ100全体が移動し、シリンジ用アダプタ100が薬剤注入装置200から取り外される。
(13)初期状態に復帰 (図31A、31B)
注入モータ261が正転し、ピストン211が解放位置から前進して初期位置に戻る。これにより、薬剤注入装置200の動作が終了する。
[各種検出器の配置および動作]
前述したように、本実施形態の薬剤注入装置200は各種検出器を備えることによって、操作する操作者に、分かり易い操作性を提供する。各種検出器をまとめて説明する。
<エンコーダ262>
図14A、14B、15A、15Bに示すように、エンコーダ262は注入モータ261の回転軸に取り付けられており、注入モータの回転数(回転量)を検出する。エンコーダ262の出力は、ピストン211の移動量(移動距離)および対応する薬剤の注入量の検出に用いられる。エンコーダ262には、例えば、モーター等の回転数を計測するロータリーエンコーダを用いることができる。
<カバー開閉検出器271>
図1Bに示すように、カバー開閉検出器271(図13参照)は、アダプタ開口201aの近傍に設けられ、カバー203が開けられたこと、つまり、アダプタ開口201aが開放されたことを検出する。カバー開閉検出器271は、例えば、マイクロスイッチであり、開いたカバー203がマイクロスイッチを押下することによってカバー203が開いたことを検出する。
<アダプタ装着検出器272>
図32Aおよび図32Bはアダプタ装着検出器272の配置を示す図である。アダプタ装着検出器272は、メインユニット202のアダプタ空間202aに面する筐体205に配置さている。アダプタ装着検出器272は、例えば、マイクロスイッチであり、アダプタ空間202aにシリンジ用アダプタ100が装着されると、マイクロスイッチが押下され、シリンジ用アダプタ100の装着を検出する。
<薬剤情報検出器273>
図12に示すように、薬剤情報検出器273は、メインユニット202のアダプタ空間202aに近接して配置される。薬剤情報検出器273は、無線タグ190(図2参照)の情報を受信するRFIDアンテナである。薬剤情報検出器273で取得した情報は、制御部251で処理される。
無線タグ190およびRFIDアンテナの仕様に応じて、無線タグ190の情報を受信可能なように、アダプタ空間202aに装着されたシリンジ用アダプタ100の無線タグ190から所定の距離以内に薬剤情報検出器273が配置される。受信のために、薬剤情報検出器273と無線タグ190とを近接させることが好ましい場合には、例えば、装着されたシリンジ用アダプタ100の無線タグ190に対向するように、薬剤情報検出器273が配置される。シリンジ用アダプタ100が例えば、平面部120pおよび平面部120qのいずれを上にした状態で薬剤注入装置200に装着することが可能であり、かつ、無線タグ190が平面部120pおよび平面部120qのいずれ一方にのみ設けられている場合には、薬剤注入装置200は薬剤情報検出器273を2つ備え、平面部120pおよび平面部120qのいずれが上にした状態でシリンジ用アダプタ100が装着されても無線タグ190の情報を受信できるようにしてもよい。また、逆に、無線タグ190が平面部120pおよび平面部120qの両方に設けられ、薬剤注入装置200は薬剤情報検出器273を1つ備えていてもよい。
<キャップ検出器274>
図20Aおよび図21Aに示すように、キャップ検出器274は、アダプタ空間202aに装着されたシリンジ用アダプタ100のキャップ110と接するように、メインユニット202のアダプタ空間202aに近接して配置される。キャップ検出器274は、アダプタ空間202aに装着されたシリンジ用アダプタ100のキャップ110が取り外されたことを検出する。キャップ検出器274は、例えば軸に回動可能に支持されたレバー274aとマイクロスイッチ274bとを含み、キャップ110が取り外されるとレバー274aが回動し、レバー274aの回動によって、マイクロスイッチ274bが押下される。あるいは、シリンジ用アダプタ100が装填され、レバー274aが回動すると、マイクロスイッチ274bが押下され、キャップ110の取り外しによって、マイクロスイッチ274bが復帰することによって、キャップ110の取り外しを検出してもよい。また、キャップ検出器274は、マイクロスイッチのみによって構成され、直接キャップ110の取り外しを検出してもよい。
<針ガード押込検出器275>
図12、21B、22Bに示すように、針ガード押込検出器275は、アダプタ空間202aに装着されたシリンジ用アダプタ100の針ガード130に近接して配置される。針ガード押込検出器275は、アダプタ空間202aに装着されたシリンジ用アダプタ100の針ガード130が押し込み位置にあることを検出する。針ガード押込検出器275は、例えば軸に回動可能に支持されたレバー275aとマイクロスイッチ275bとを含み、針ガード130が押し込み位置に移動すると、針ガード130の突起130kにレバー275aが当接して回動し、レバー275aの回動によって、マイクロスイッチ275bが押下される。針ガード押込検出器275は、マイクロスイッチのみによって構成され、針ガード130が押し込み位置へ移動した場合、針ガード130の突起130kがマイクロスイッチ直接押下することによって、針ガード130の押し込み位置へ移動を検出してもよい。
<刺針完了検出器276、抜針完了検出器277>
図17A、17Bに示すように、刺針完了検出器276および抜針完了検出器277は、ピストンユニット210のギアボックス213に近接して配置される。刺針完了検出器276および抜針完了検出器277は、ピストンユニット210が刺針位置および抜針位置にあることを検出する。例えば、ギアボックス213は、軸方向Aに伸びる遮光板213aを有しており、刺針完了検出器276および抜針完了検出器277は、それぞれフォトインタラプタによって構成されている。
抜針完了検出器277のフォトインタラプタは、例えば、ピストンユニット210が抜針位置にある間、遮光板213aにより遮光状態となり、ピストンユニット210が抜針位置から移動すると透光状態となる。刺針完了検出器276のフォトインタラプタは、例えば、ピストンユニット210が刺針位置以外の位置にある間、遮光板213aにより遮光状態となり、ピストンユニット210が刺針位置へ移動すると透光状態となる。このように、抜針完了検出器277および刺針完了検出器276のフォトインタラプタの遮光/透光状態をそれぞれ電気的に検出することで、抜針および刺針の完了を検出することができる。
<ピストン原点検出器278>
図16A、16Bに示すように、ピストン原点検出器278は、ピストン211が移動する場所に近接して配置される。ピストン原点検出器278は、ピストン211が所定の位置にあることを検出する。ピストン原点検出器278の検出結果に基づき、エンコーダ262の検出量を校正するため、ピストン211の所定の位置はどこに設定してもよい。例えば、ピストン原点検出器278は、ピストン211が解放位置にあることを検出する。この場合、例えばピストン原点検出器278はマイクロスイッチであり、ピストン211が解放位置まで後退した時に、ピストン211の後端がマイクロスイッチを押下するように、ピストン211の移動範囲の一端にピストン原点検出器278を配置する。
<排出ボタン検出器279>
図18A、18Bに示すように、排出ボタン検出器279は、排出ボタン204、あるは、アダプタロック部材241に近接して配置される。排出ボタン検出器279は、排出ボタン204が操作されたされたことを検出する。排出ボタン検出器279は例えばマイクロスイッチであり、排出ボタン204がスライドすることによって押下され、アダプタロック機構240がロックを解除したことを検出する。
これらの各種検出器の位置および検出器構成する素子は一例であって、他の位置に検出器を設けてもよいし、マイクロスイッチ以外の素子によって検出器を構成してもよい。マイクロスイッチは、押下によってONとなるタイプ(PUSH ON)であってもよいし、OFFになるタイプ(PUSH OFF)であってもよい。また、薬剤注入装置200はこれらの検出器のうち1または複数の検出器を備えていなくてもよい。
(薬剤注入システム300の動作)
以下、図13および図33から図52を参照しながら、薬剤注入装置200の制御方法、シリンジ用アダプタ100および薬剤注入装置200を含む薬剤注入システム300の動作、使用手順および操作方法の一例を説明する。図33から図41は、薬剤注入システム300の動作途中の薬剤注入装置200およびシリンジ用アダプタ100の斜視図であり、図42から図52は、薬剤注入装置200の制御および薬剤注入システム300の動作を示すフローチャートである。
薬剤注入装置200および制御部251は、待機モードおよび動作モードで動作可能であり、かつ、制御部251は、待機モードと動作モードとを切り替えることができる。待機モードでは、制御部251は、例えば、アダプタ装着検出器272の出力のみが検出可能であり、その他の検出器および他の構成は動作しないかまたは低消費電力の待機状態にある。
<メインフロー動作、図42>
操作者がシリンジ用アダプタ100を薬剤注入装置200に装着(S1)する。さらに操作者がキャップ110を取り外(S2)し、薬剤注入装置200を皮膚に当接させる(S3)。操作者が注射ボタン254を押下することによって、自動で刺針が行われる(S4)。さらに薬剤の注入が行われる(S5)。薬剤の注入完了後、自動で抜針が行われる。(S6)、操作者が、薬剤注入装置200を注射部位から離すと、ピストンが復帰する(S7)。その後、操作者がシリンジ用アダプタ100を取り外すと(S8)、終了処理が行われる(S9)。以下、各サブフロー詳細に説明する。
<アダプタ挿入フロー、図33、34、43>
薬剤注入装置200は待機モードで動作している。制御部251は、待機モードで動作中、シリンジ用アダプタ100が薬剤注入装置200に装着されると、カバー開閉検出器271および/またはアダプタ装着検出器272の出力に基づき、待機モードを動作モードに切り替える。具体的には、操作者が、手指等でカバー203をスライドさせ(S11)、アダプタ開口201aを解放した後、シリンジ用アダプタ100をアダプタ開口201aから薬剤注入装置200内に挿入する(S12)。アダプタ装着検出器272がシリンジ用アダプタ100の装着を検出すると(S13)、制御部251は、待機モードを動作モードに切り替える、つまり、メイン電源をONにする(S14)。アダプタ装着検出器272がシリンジ用アダプタ100の装着を検出するまで制御部251は待機モードを維持する。メイン電源がONになった後、薬剤識別フローへ進む。
制御部251の動作モードの切り替えは、カバー開閉検出器271に基づいて行ってもよい。操作者が、手指等でカバー203をスライドさせることによって(S11)、カバー開閉検出器271がカバー203の移動を検出し、制御部251が、待機モードから動作モードに切り替えてもよい。あるいは、カバー開閉検出器271がカバー203の移動を検出し、アダプタ装着検出器272がシリンジ用アダプタ100の装着を検出した場合に、制御部251が、待機モードから動作モードに切り替えてもよい。
<薬剤識別フロー、図44>
制御部251は、動作モードで動作中、報知器291に、薬剤情報検出器273が取得したシリンジ10に充填された薬剤に関する情報を報知させる(S15)。具体的には、薬剤情報検出器273がシリンジ用アダプタ100に搭載されている無線タグ190の情報を取得し(S151)、制御部251は、取得した薬剤の使用期限等種々の情報を表示装置255に表示させる。例えば、「○○のお薬です。使用期限はXXです。・・・」等の文字情報を表示装置255に表示させる(S152)。
<キャップ110取り外しフロー、図35、45>
制御部251は、アダプタ装着検出器272の検出結果に基づいて、報知器291に、シリンジ用アダプタ100のキャップ110を取り外すように報知させ、キャップ検出器274がキャップの取り外しを検出すると次のフローへ進む。具体的には、制御部251は、表示装置255に「キャップを外してください」等の表示を行わせる(S21)。操作者は表示に従い、キャップ110を取り外す(S22)。制御部251は、キャップ検出器274がキャップ110の取り外しを検出したか否かを判定する(S23)。キャップ検出器274がキャップの取り外しを検出した場合には、制御部251は、このフローを終了し、次のフローへ進む。キャップ検出器274がキャップの取り外しを検出しない場合には、このステップを繰り返す。
<皮膚に当接フロー、図36、46>
制御部251は、キャップ検出器274がキャップ110の取り外しを検出すると、報知器291にシリンジ用アダプタ100の先端を注射部位に押し当てるように報知させる。具体的には、制御部251は、表示装置255に「注射部位に当ててください」等の表示を行わせる(S31)。操作者は表示に従い、針ガード130を注射部位に押し当てる(S32)。制御部251は、針ガード押込検出器275が、針ガード130の押し込み位置への移動、つまり、針ガード130が押し込み位置にあるか否かを判定する(S33)。検出した場合、制御部251は、このフローを終了し、次のフローへ進む。針ガード押込検出器275が、針ガード130の移動を検出しない場合には、このステップを繰り返す。
<自動刺針フロー図37、47>
制御部251は、針ガード押込検出器275の検出結果に基づき、報知器291に注射ボタン254の押下を促す報知を行わせる。具体的には、制御部251は、表示装置255に「注射ボタンを押してください」等の表示を行わせる(S41)。操作者は表示に従い、注射ボタン254を押下する(S42)。制御部251は、注射ボタン254が、押下されたか否かを判定する(S43)。注射ボタン254の押下を検出した場合、制御部251は、表示装置255に「刺針します」等の表示を行わせる(S44)。注射ボタン254の押下を検出しない場合には、このステップを繰り返す。
制御部251は、続いて、注射ボタン254の押下による信号に基づき、駆動ユニット230を駆動してピストンユニット210を前進させ、刺針完了検出器277の検出結果に基づき駆動ユニット230を停止させる。具体的には、制御部251は、注射ボタン254の押下による信号を受け取り、駆動ユニット230の刺針抜針モータ264を正回転させる(S45)。ピストンユニット210が刺針抜針モータ264に駆動され、前進する。
制御部251は、刺針完了検出器277が、ピストンユニット210が抜針位置から刺針位置へ移動したこと、つまり、ピストンユニット210が刺針位置にあることを検出したか否かを判定する(S46)。検出した場合、制御部251は、刺針抜針モータ264を停止させ(S47)、このフローを終了し、次のフローへ進む。刺針完了検出器277がピストンユニット210の刺針位置への移動完了を検出しない場合には、このステップを繰り返す。
<注入フロー、図48>
制御部251は、報知器291に注射が開始されることを報知させ、注入モータ261を駆動し、ピストン211を前進させることによってシリンジ10の薬剤を注入する。さらに、制御部251は、エンコーダ262の検出結果に基づき注入モータ261を停止させる。具体的には、制御部251は、表示装置255に「注射します」等の表示を行わせ(S51)、注入モータ261を正転させる(S52)。また、制御部251は、エンコーダ262の出力を検出し、検出量からピストンの進んだ量が設定投与量分に相当するか否かを判定する(S53)。設定投与量分である場合には、制御部251は注入モータ261を停止させる(S54)。設定投与量分に満たない場合には、このステップを繰り返す。
続いて、制御部251は、表示装置255に「皮膚に当てたまま保持してください」等の表示を行わせ(S55)、所定の保持時間が経過したか否かを、クロック257を用いて判定する(S56)。所定の保持時間が経過した場合には、このフローを終了し、次のフローへ進む。保持時間に満たない場合には、このステップを繰り返す。
<自動抜針フロー、図38、39、49>
制御部251は、駆動ユニット230を駆動してピストンユニット210を後退させ、抜針完了検出器277の検出結果に基づき駆動ユニットを停止させる。また、報知器291に薬剤注入装置200を皮膚から離すように報知させ、薬剤注入装置200が注射部位から離されたかどうかを判定する。具体的には、制御部251は、駆動ユニット230の刺針抜針モータ264を逆回転させ(S61)、ピストンユニット210を後退させる。制御部251は、ピストンユニット210が抜針位置にあることを抜針完了検出器277が検出したか否かを判定する(S62)。検出した場合には、制御部251は注入モータ261を停止させる(S63)。抜針完了検出器277がピストンユニット210の抜針位置への移動完了を検出しない場合には、このステップを繰り返す。
制御部251は、その後、表示装置255に「注射が終わりました。皮膚から離してください。」等の表示を行わせ(S64)、針ガード押込検出器275が、押し込み位置にないこと、つまり、針ガード130が初期位置にあることを検出した否かを判定する(S65)。検出した場合には、このフローを終了し、次のフローへ進む。検出しない場合には、このステップを繰り返す。
<ピストン復帰フロー、図50>
制御部251は、自動抜針フローが完了したこと、つまり、針ガード押込検出器275の検出結果に基づき、注入モータ261を駆動し、ピストン211を後退させ、エンコーダ262の検出結果に基づき、注入モータ261を停止させる。具体的には、制御部251は、表示装置255に「しばらくおまちください。」等の表示を行わせ(S71)、注入モータ261を逆回転させる(S72)。制御部251は、エンコーダ262の検出量に基づき、ピストン211が初期位置まで後退したか否かを判定する(S73)。例えばエンコーダ262の検出量が、薬剤の注入時のエンコーダ262の検出量と一致した場合、制御部251は、ピストン211が初期位置まで後退したと判定し、注入モータ261を停止させ(S74)、このフローを終了し、次のフローへ進む。エンコーダ262の検出量が所定の値に達するまで、このステップを繰り返す。
<アダプタ取り出しフロー、図40、41、51>
制御部251は、報知器291に、排出ボタン204をスライドさせ、シリンジ用アダプタ100を引き抜くように報知させる。また、制御部251は、排出ボタン検出器279の検出結果に基づき、注入モータ261を駆動してピストン211を後退させ、原点検出器278の検出結果に基づき、注入モータ261を停止させる。
具体的には、制御部251は、表示装置255に「排出ボタンを引き、アダプタを取り出してカバーを閉じてください。」等の表示を行わせる(S81)。操作者は排出ボタン204をスライドさせる(S82)。制御部251は、排出ボタン204が操作されたされたことを排出ボタン検出器279が検出したか否かを判定する(S83)。検出され場合には、制御部251は、注入モーターを逆回転させて(S84)、ピストン211を後退させる。排出ボタン検出器279による排出ボタン204の操作の検出がない場合にはこのステップを繰り返す。
制御部251は、ピストン211が解放位置にあることを原点検出器278が検出したか否かを判定する(S85)。検出された場合には、制御部251は、注入モーターを停止する(S86)。ピストン211が解放位置にあることを原点検出器278が検出しない場合には、このステップを繰り返す。
制御部251は、原点検出器278の検出結果に基づき、エンコーダ262による注入モータ261の回転量を初期化、あるいはリセットする。
操作者は、シリンジ用アダプタ100を取り出し(S87)、カバー203を手指で閉じる(S88)。制御部251は、カバー203が閉じられたことをカバー開閉検出器271が検出したか否かを判定する(S89)。検出された場合には、制御部251はフローを終了し、次のフローへ進む。カバー203が閉じられたことをカバー開閉検出器271が検出しない場合には、このステップを繰り返す。
<終了処理フロー、図52>
制御部251は、カバー開閉検出器の検出結果に基づき、つまり、カバー203が閉じられたことをカバー開閉検出器271が検出することによって前のフローが終了した場合、報知器291に、次の注射予定を報知させる。また、制御部251は、注入モータ261を駆動して前進させ、エンコーダ262の出力に基づきピストン211を初期位置まで移動させ、注入モータ261を停止させる。具体的には、制御部251は、表示装置255に「次回注射日は〇月〇日です。」等の表示を行わせ(S91)、注入モータ261を正回転させる(S92)。制御部251は、エンコーダ262の検出量に基づき、ピストン211が初期位置まで前進したか否かを判定する(S93)。初期位置として設定された所定の回転量が検出された場合、注入モータ261を停止させる(S94)。エンコーダ262の検出量が所定の値に達するまで、このステップを繰り返す。制御部251は、その後、メイン電源をOFFし、動作モードを待機モードに切り替える(S95)。
このように本実施形態の薬剤注入システム300の動作によれば、各種検出器が、注射操作中の種々の状態を検出し、検出結果に応じて、操作者に次の操作を報知する。したがって、操作者は、容易に、また、操作手順が正しいかどうかについて不安を抱くことなく安心して薬剤の注入の操作を行うことが可能である。また、シリンジ用アダプタ100のキャップ110を取り外した後、薬剤を注入し、シリンジ用アダプタ100を薬剤注入装置200から取り外し、廃棄するまでの一連の動作の間、注射針12が針ガード130によって覆われており、露出することはない。このため、操作者は、注射針12で手指を刺したり、露出した注射針12で衣服を引っ掛けたりすることについて、特別な注意を払うことなく、安心して薬剤注入システム300を使用することが可能である。
(その他の形態)
上記実施形態で説明したシリンジ用アダプタ100および薬剤注入装置200の構造は一例であり、種々の改変が可能である。特に、第1係合構造から第7係合構造の形状および位置は、図示した例に限られず、種々の改変が可能である。また、各種検出器の位置および検出方法も上記実施形態に限られず、種々の改変が可能である。付勢体として例示したばねには、コイルばね、引きばね、板ばね、捩じりばね等種々のばねを用いることができる。また、金属のばね以外に、樹脂で構成される種々のばねを用いてもよい。板バネや樹脂で構成された弾性部材も実施形態で挙げた例に限られず、種々の弾性体を用いることができる。
上記実施形態で説明した表示装置に表示する情報は一例であり、他の内容を表示してもよいし、表示装置への表示に替えて、あるいは、表示装置への表示とともにブザーを鳴らすことによって操作者へ報知してもよい。
本開示のシリンジ用アダプタ、薬剤注入装置および薬剤注入システムは種々の薬剤を注射する装置に好適に用いられる。
10 シリンジ
11 バレル
11b フランジ
12 注射針
13 ストッパー
13a ねじ穴
14 針シールド
14a 係合部
15 薬剤
100 シリンジ用アダプタ
110 キャップ
111 キャップ本体
111d 穴
112 キャップ爪
120 外筒
120a 第2先端開口
120b 第2挿入口
120c 第2柱状空間
120e スリット
120f 第5係合構造
120g 開口
120j 当接面
120k 凹部
120p、120q 平面部
120r、120s 曲面部
120t 斜面
130 針ガード
130A 筒状部
130B 側面部
130C 開口
130a 第3先端開口
130b 挿入口
130c 第3柱状空間
130g スリット
130h 当接部
130j 押さえ部
130k 突起
130p、130q 平面部
130r、130s 曲面部
131 ガイド溝
131A 共通溝部
131Aa、131Ba、131Ca 前端
131Ab、131Bb、131Cb 後端
131B 往路溝部
131C 復路溝部
131D 分岐凸部
131E 第3係合構造
140 針ガードばね
180 シリンジ保持部材
180a 第1先端開口
180b 第1挿入口
180c 柱状空間
180d 突起
180e 弾性部
180f 第4係合構造
180h 端部
180p、180q 平面部
180r、180s 曲面部
181 ロック機構
181a 第1係合構造
181b 当接面
181c 弾性部
182a 第2係合構造
190 無線タグ
200 薬剤注入装置
201 外装ケース
201a アダプタ開口
201b 皮膚当て面
201c アダプタ用窓
201d 表示用窓
201e 排出ボタン用開口
201f 凹部
202 メインユニット
202a アダプタ空間
203 カバー
204 排出ボタン
205 筐体
210 ピストンユニット
211 ピストン
211a 先端部
211b 凸部
211c 雄ねじ
212 ピストンギア
212b 平歯車
212c 雌ねじ
213 ギアボックス
213a 遮光板
214 ギアボックス
214a アーム
214b 雌ねじ
216 ベアリング
220 支持構造
221 シリンジロック部材
221a 第6係合構造
221b 当接部
222 支持部材
222a 当接面
222b 当接部
223 付勢ばね
230 駆動ユニット
231 モータギア
232 中間ギア
233 駆動スクリュー
233a 平歯車
233b 雄ねじ
240 アダプタロック機構
241 アダプタロック部材
241a 第7係合構造
241b 弾性部
241c 基部
242 付勢ばね
245 モータギア
246 中間ギア
251 制御部
252 電池
253 メモリ
254 注射ボタン
255 表示装置
256 ブザー
257 クロック
258 赤外線通信器
259 無線通信器
260 モータドライバー
261 注入モータ
262 エンコーダ
263 モータドライバー
264 刺針抜針モータ
271 カバー開閉検出器
272 アダプタ装着検出器
273 薬剤情報検出器
274 キャップ検出器
274a レバー
274b マイクロスイッチ
275 針ガード押込検出器
275a レバー
275b マイクロスイッチ
276 刺針完了検出器
277 抜針完了検出器
278 ピストン原点検出器
279 排出ボタン検出器
291 報知器
292 通信器
293 駆動装置
295 検出器
300 薬剤注入システム

Claims (20)

  1. 第1挿入口および第1先端開口と、前記第1挿入口および前記第1先端開口の間に位置する第1柱状空間とを有するシリンジ保持部材であって、注射針およびストッパーを有し、薬剤が充填されたシリンジを前記第1先端開口から注射針の少なくとも一部が突き出した状態で前記第1柱状空間内に収納するシリンジ保持部材と、
    第2挿入口および第2先端開口と、前記第2挿入口および前記第2先端開口の間に位置し、前記シリンジ保持部材が挿入される第2柱状空間を規定する内側面を有し、前記第2先端開口から前記注射針の少なくとも一部が突き出した刺針位置と、前記注射針が前記第2先端開口から突出しない抜針位置との間で前記シリンジ保持部材を移動可能に支持する外筒と、
    前記外筒の第2柱状空間内に配置され、前記第2先端開口から少なくとも一部が突出した初期位置と、突出しない押し込み位置との間で移動可能な針ガードと、
    前記針ガードを前記初期位置の方向に付勢するばねと、
    を備え、
    前記針ガードが前記初期位置にあり、前記シリンジ保持部材が抜針位置にある場合、前記シリンジ保持部材は、前記外筒に対してロックされた状態にあり、
    前記針ガードが押し込み位置にあり、前記シリンジ保持部材が抜針位置にある場合、前記シリンジ保持部材は、前記外筒に対してアンロックされた状態にあり、
    前記針ガードが前記初期位置から押し込み位置へ移動後、前記シリンジ保持部材が前記抜針位置から前記刺針位置へ移動し、その後、前記シリンジ保持部材が前記抜針位置へ復帰し、前記針ガードが前記初期位置へ復帰した場合、前記針ガードは、前記シリンジ保持部材に対してロックされた状態となる、
    シリンジ用アダプタ。
  2. 前記シリンジ保持部材は、前記外筒の前記第2柱状空間内に挿入された状態で、前記外筒の内側面側に付勢された第1係合構造を有し、
    前記外筒は前記シリンジ保持部材が前記抜針位置にあるときに、前記シリンジ保持部材の第1係合構造と係合する第2係合構造を有する、
    請求項1に記載のシリンジ用アダプタ。
  3. 前記針ガードは、前記初期位置にある場合に前記外筒の前記第2先端開口から突出する部分を含む筒状部と、前記筒状部に接続された側面部とを有し、
    前記側面部は、前記外筒の第2柱状空間内において、前記外筒の前記内側面と前記シリンジ保持部材との間に位置し、
    前記針ガードが押し込み位置へ移動する際、前記側面部は、前記シリンジ保持部材の前記第2係合構造を前記内側面から離間するように押し下げる、請求項2に記載のシリンジ用アダプタ。
  4. 前記針ガードは、前記側面部に設けられたガイド溝を有し、
    前記シリンジ保持部材は、前記ガイド溝内に挿入され、接線方向に弾性的に支持された突起を有し、
    前記ガイド溝は、前記針ガードの移動方向に伸びており、前端および後端をそれぞれ有する共通溝部、往路溝部および復路溝部を含み、
    前記共通溝部、前記往路溝部および前記復路溝部の前記前端は、それぞれ前記筒状部側に位置しており、
    前記往路溝部および前記復路溝部は、前記側面部において円周方向に配置されており、
    前記往路溝部および前記復路溝部の前端は、前記共通溝部の後端と接続されており、
    前記側面部は、前記往路溝部および前記復路溝部との間の前記前端近傍において、前記往路溝部側に突出した分岐凸部と、前記復路溝部の後端に設けられており、前記シリンジ保持部材の突起と係合する第3係合構造を有する、請求項3に記載のシリンジ用アダプタ。
  5. 前記針ガードが前記初期位置にあり、前記シリンジ保持部材が抜針位置にある場合、前記シリンジ保持部材の前記突起は、前記ガイド溝の前記往路溝部の後端に位置しており、
    前記針ガードが前記外筒内に押し込まれるにしたがって、前記突起は、前記往路溝部の前記前端側へ相対的に移動し、前記針ガードが前記押し込み位置に移動すると、前記突起は、前記往路溝部の前記前端に位置し、
    前記シリンジ保持部材が、前記抜針位置から前記刺針位置へ移動すると、前記突起は、前記分岐凸部を乗り越えて、前記共通溝部の後端へ移動し、
    前記シリンジ保持部材が、前記刺針位置から前記抜針位置へ復帰すると、前記突起は、前記前溝の前端から後端を経て、前記復路溝部の前端まで移動し、
    前記針ガードが前記初期位置に復帰すると、前記突起は、前記往路溝部の前記後端に位置し、前記第3係合構造と係合する、請求項4に記載のシリンジ用アダプタ。
  6. 前記針ガードおよび前記シリンジ保持部材は、前記ガイド溝および前記突起によって構成されるガイド構造を2つ有しており、
    前記2つのガイド構造は、前記外筒の第2柱状空間の軸に対して対称に配置されている、請求項5に記載のシリンジ用アダプタ。
  7. 前記シリンジは前記針を覆う針シールドを有し、
    前記針シールドと摩擦結合する穴を有し、前記外筒の第2先端開口を覆い、かつ、脱離可能に前記外筒に支持されたキャップをさらに有する請求項1から6のいずれかに記載のシリンジ用アダプタ。
  8. 前記シリンジに充填された薬剤に関する情報を格納した無線タグをさらに備える請求項1から7のいずれかに記載のシリンジ用アダプタ。
  9. 前記シリンジ保持部材は、第4係合構造を有し、
    前記外筒は、外側面に設けられた第5係合構造を有する請求項1に記載のシリンジ用アダプタ。
  10. 請求項9に記載のシリンジ用アダプタを装着可能なアダプタ空間および前記アダプタ空間に連通するアダプタ開口と、前記アダプタ開口を開閉するカバーとを有する外装ケースと、
    ピストン、前記ピストンをピストン軸方向に駆動させるピストンギア、前記ピストンおよび前記ピストンギアを支持するギアボックス、および、前記ギアボックスに接続され、前記アダプタ空間に挿入されたシリンジ用アダプタのシリンジ保持部材に設けられた前記第4係合構造と係合する第6係合構造を有するシリンジロック部材を含み、前記シリンジ保持部材を、前記刺針位置と前記抜針位置との間で移動させ、かつ、前記ストッパーを前記ピストンで前進させるピストンユニットと、
    刺針抜針モータおよび少なくとも1つのギアを含み、前記ピストンユニットを前記ピストン軸方向に駆動する駆動ユニットと、
    前記ピストンギアを駆動する注入モータと、
    前記駆動ユニットおよび前記注入モータを制御する制御部と、
    メモリと、
    報知器と、
    を備えた薬剤注入装置。
  11. 前記ピストンユニットにおいて、前記ピストンは、前記ピストンが前記シリンジのストッパーと接触せずに、前記第6係合構造が前記シリンジ用アダプタの前記第4係合構造と係合することが可能な初期位置と、第6係合構造と前記シリンジ用アダプタの前記第4係合構造との係合が解除される解放位置と、前記初期位置よりも前進し、前記ストッパーを前記シリンジの内部へ挿入する注入位置とを取り得る、請求項10に記載の薬剤注入装置。
  12. 前記アダプタ開口を開閉するカバーの開閉を検出するカバー開閉検出器と、
    前記アダプタ空間へのシリンジ用アダプタの挿入を検出するアダプタ装着検出器と
    を備え、
    前記制御部は、前記カバー開閉検出器の出力および/または前記アダプタ装着検出器の出力を検出することが可能な待機モード、および、前記薬剤注入装置を動作させることが可能な動作モードで動作可能であり、
    前記制御部は、前記待機モードで動作中、前記シリンジ用アダプタが装着されると、前記カバー開閉検出器および/または前記アダプタ装着検出器の出力に基づき、前記待機モードを前記動作モードに切り替える、請求項10または11に記載の薬剤注入装置。
  13. 前記シリンジ用アダプタは、前記シリンジに充填された薬剤に関する情報を格納した無線タグをさらに備え、
    前記薬剤注入装置は、前記無線タグに格納された情報を読み出す薬剤情報検出器をさらに備え、
    前記制御部は、前記動作モードで動作中、前記報知器に、前記薬剤情報検出器が取得した前記シリンジに充填された薬剤に関する情報を報知させる、請求項10から12のいずれかに記載の薬剤注入装置。
  14. 前記シリンジは、前記針を覆う針シールドを有し、
    前記シリンジ用アダプタは、前記針シールドと係合する穴を有し、前記外筒の第2先端開口を覆い、かつ、脱離可能に前記外筒に支持されたキャップをさらに有し、
    前記薬剤注入装置は、
    前記シリンジ用アダプタのキャップの脱離を検出するキャップ検出器と、
    前記装着されたシリンジ用アダプタの前記第5係合構造と係合する第7係合構造を有し、前記シリンジ用アダプタの前記外側面と接触するように付勢されたアダプタロック部材と、
    を備え、
    前記制御部は、前記アダプタ装着検出器の出力に基づいて、前記報知器に、前記シリンジ用アダプタのキャップを取り外すように報知させ、前記キャップ着脱検出器が前記キャップの取り外しを検出すると、前記報知器に前記シリンジ用アダプタの先端を注射部位に押し当てるように報知させる、請求項12または13に記載の薬剤注入装置。
  15. 前記シリンジ用アダプタの前記針ガードが押し込み位置にあることを検出する針ガード押込検出器と、
    前記外装ケースに設けられた注射ボタンと、
    をさらに備え、
    前記針ガード押込検出器は、前記シリンジ用アダプタの前記針ガードが押し込み位置にあることを検出し、
    前記制御部は、前記針ガード押込検出器の検出結果に基づき、前記報知器に前記注射ボタンの押下を促す報知を行わせる、請求項14に記載の薬剤注入装置。
  16. 前記ピストンユニットが刺針位置にあることを検出する刺針完了検出器と、
    前記ピストンユニットが抜針位置にあることを検出する抜針完了検出器と、
    前記注入モータの回転を検出するエンコーダと
    をさらに備え、
    前記制御部は、
    前記注射ボタンの押下による信号に基づき、前記駆動ユニットを駆動して前記ピストンユニットを前進させ、
    前記刺針完了検出器の検出結果に基づき前記駆動ユニットを停止させ、
    前記注入モータを駆動し、前記ピストンを前進させて薬剤を注入し、
    前記エンコーダの検出結果に基づき前記注入モータを停止させ、
    所定の時間経過後に、前記駆動ユニットを駆動して前記ピストンユニットを後退させ、
    前記抜針完了検出器の検出結果に基づき前記駆動ユニットを停止させ、
    前記報知器に前記薬剤注入装置を皮膚から離すように報知させる、請求項15に記載の薬剤注入装置。
  17. 前記制御部は、
    前記針ガード押込検出器の検出結果に基づき、前記注入モータを駆動し、前記ピストンを後退させ、
    前記エンコーダの検出結果に基づき、前記注入モータを停止させる、請求項16に記載の薬剤注入装置。
  18. 前記外装ケースに位置し、前記装着されたシリンジ用アダプタの前記第5係合構造と前記アダプタロック部材の前記第7係合構造との係合を解除するように、前記アダプタロック部材を移動させる排出ボタンと、
    前記排出ボタンの動作を検出する排出ボタン検出器と、
    前記ピストンが前記解放位置まで後退していることを検出する原点検出器と
    をさらに備え、
    前記制御部は、
    前記排出ボタンをスライドさせ、前記シリンジ用アダプタを引き抜くように報知させ、
    前記排出ボタン検出器の検出結果に基づき、前記注入モータを駆動して前記ピストンを後退させ、
    前記原点検出器の検出結果に基づき、前記注入モータを停止させる、請求項17に記載の薬剤注入装置。
  19. 前記制御部は、前記シリンジ用アダプタが取り外され、前記カバーが閉じることによる前記カバー開閉検出器の検出結果に基づき、前記注入モータを駆動し、前記エンコーダの出力に基づき前記ピストンを前記初期位置まで移動させ、前記注入モータを停止し、
    前記動作モードを前記待機モードに切り替える、請求項18に記載の薬剤注入装置。
  20. 請求項9に記載のシリンジ用アダプタと、請求項10に記載の薬剤注入装置とを備えた薬剤注入システム。
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