以下、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態を図面にもとづいて説明する。図1は、第1の実施形態の遊技機の一例を示す斜視図である。
第1の実施形態の遊技機10は、前面枠12を備え、該前面枠12は、外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は、前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠(透明部材保持枠)15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の左右には、内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(たとえば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(たとえば、赤色)で点灯(点滅)させる)のために発光する枠装飾装置18や、音響(たとえば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はスピーカ19a,19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしてもよい。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿(貯留皿)21、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23および打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者が各種オプションの設定をおこなうオプション設定部(プッシュボタン)25が設けられている。このオプション設定部25の上面の周囲には複数の選択ボタンスイッチ25aが設けられ、オプション設定部25の上面の中央には決定ボタンスイッチ25bが設けられている。なお、オプション設定部25は、遊技者が演出態様を設定する演出設定部として機能する。この場合、選択ボタンスイッチ25aは、演出態様を選択する演出ボタンスイッチとして機能し、決定ボタンスイッチ25bは、演出態様を決定する決定ボタンスイッチとして機能する。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
なお、選択ボタンスイッチ25aが演出ボタンスイッチとして機能する場合、遊技機10は、選択ボタンスイッチ25aと決定ボタンスイッチ25bとから受け付けた遊技者の操作にもとづいて、遊技者の操作を介入させた演出をおこなうことができる。たとえば、遊技者の操作を介入させた演出は、表示装置(変動表示装置)41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)における演出があり、遊技機10は、表示装置41に表示するキャラクタを動作させたり、表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報を停止させたりすることができる。
また、オプション設定部25の右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この第1の実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32(図2参照)に向かって発射する。また、遊技者が選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25bを操作することによって、たとえば、スピーカ19a,19bから放射される音量を設定したり、遊技盤30の明るさを設定したりすることができる。
次に、遊技盤30について図2を用いて説明する。図2は、第1の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33およびガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置(変動表示装置)41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し、周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくなるように形成されている。
表示装置41は、たとえば、LCD(液晶表示器)、CRT(Cathode Ray Tube:ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームがおこなわれる。また、表示画面には、遊技の進行にもとづく演出のための画像(たとえば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
また、センターケース40の上部には、動作することによって遊技の演出をおこなう盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
遊技領域32におけるセンターケース40の側方右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球(普図始動ゲート34を通過する遊技球)は、ゲートスイッチ34a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、二つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の下方右側であって後述する特別変動入賞装置38の右部には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口(始動入賞領域)をなす始動入賞口36(始動口1)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図3参照)により検出される。
また、始動入賞口36の下方には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
また、普図始動ゲート34よりも下方位置であって、センターケース40の右部には、第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37(始動口2)は、上端側が右方に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材37bを備えており、この可動部材37bは、常時はほぼ鉛直となって遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって上端側が右方に倒れるように回動して普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図3参照)により検出される。なお、普通変動入賞装置37が閉状態でも入賞できるようにし、閉状態では開状態よりは入賞しにくいものとしても良い。普通変動入賞装置37は普通電動役物(普電)に相当する。
普通変動入賞装置37の右方には、遊技球が流下可能な流下路91が形成され、普通変動入賞装置37に入賞しなかった遊技球は流下路91を通って下方へ流下する。この流下路91の下方には誘導部93が設けられている。誘導部93は上面94が左方へ下る傾斜面とされており、下方へ流下する遊技球を上面94で受け止め、後述する特別変動入賞装置38が存在する左方へ誘導するようになっている。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の右下には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。特別変動入賞装置38は、開閉部材(開閉扉)38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材38cが大入賞口を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材38cが退避して遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち特別変動入賞装置38は、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉部材38cによって開閉される大入賞口(大入賞口)を備え、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの結果による大当り遊技状態(第1特別遊技状態)中や、特図2変動表示ゲームの結果による小当り遊技状態(第2特別遊技状態)中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図3参照)が配設されている。
また、特別変動入賞装置38は、入賞口内に入賞した遊技球を誘導する誘導流路と、誘導流路から分岐して形成されたV流路を備える。特別変動入賞装置38は、V流路の流入部分となる位置にV扉が設けられる。V扉は、特定領域ソレノイド38d(図3参照)によって前後方向にスライド移動してV流路への遊技球の流入を阻止する阻止状態と、後方へ退避してV流路への遊技球の流入を許容する許容状態とに変化させられるようになっている。また、特別変動入賞装置38は、V流路に流入した遊技球を検出する特定領域スイッチ38e(図3参照)が設けられている。
なお、第1の実施形態の遊技機10では、特別遊技状態の終了後の確率状態が大当り図柄で決定されるのではなく、特別遊技状態においてV流路に遊技球が流入して特定領域スイッチ38eで検出されることにもとづき高確率状態となるようにされている。
また、特別変動入賞装置38は、大入賞口スイッチ38aが複数個(たとえば2個)配設されてもよい。また、特別変動入賞装置38は、1個に限らず、2個設けられるものであってもよく、大入賞口スイッチ38aは、大入賞口が複数個あるときには、それぞれに1個又は2個程度、全体としてx個(図3参照)設けられるものであってもよい。
また、センターケース40の左側側部には、ワープ口(ワープ入口)39aが設けられている。ワープ口39aからワープ流路に流入した遊技球は、センターケース40内のステージ上を転動し、その一部がワープ出口39bに案内される。ワープ出口39bは、始動入賞口36の直上に位置し、ワープ出口39bに案内された遊技球は、始動入賞口36に入賞しやすくなる。
第1の実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36や一般入賞口35(特別変動入賞装置38の右部にある一般入賞口35を除く)への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38などへの入賞を狙うことができるようになっている。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームおよび普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、LED等で構成されたラウンド表示部51と、特図1保留表示部52と、特図1図柄表示部53と、特図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と状態表示部57とを備える(図5参照)。一括表示装置50の詳細は、後述する。
次に、遊技機の制御システムについて図3を用いて説明する。図3は、第1の実施形態の遊技機の制御システムの一例を示すブロック図である。
遊技機10は、遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU(Central Processing Unit)部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバ等を有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140等からなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC(Integrated Circuit))と呼ばれる遊技用マイコン111と、水晶振動子のような発振子を備え、遊技用マイコン111の動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113等を有する。遊技制御装置100および該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータ等の電子部品は、電源装置400で生成されたDC(Direct Current)32V、DC12V、DC5V等所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC(Alternating Current)−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータ等を有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAM(Random Access Memory)に対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号等の制御信号を生成して出力する制御信号生成部430等を備える。
第1の実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420および制御信号生成部430は、別個の基板上または遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30および遊技制御装置100は、機種変更の際に交換の対象となるので、第1の実施形態のように、電源装置400または主基板とは別の基板にバックアップ電源部420および制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中または電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、たとえば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれがたとえば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これにもとづき遊技用マイコン111内のRAM111Cおよび払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理がおこなわれる。特に限定されるわけではないが、初期化スイッチ信号は、電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
また、遊技制御装置100には設定値変更スイッチ126と設定キースイッチ127が設けられている。設定値変更スイッチ126は、たとえばプッシュスイッチであって、押下操作を検出する。設定キースイッチ127は、設定キーを挿入してON状態とOFF状態とを切り替え可能にする。遊技制御装置100は、遊技性能に関する設定を変更可能であって、停電中または電源遮断後もRAMに記憶された設定が保持されるようになっている。たとえば、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームおよび特図2変動表示ゲームの当り確率を6段階の設定に応じて変更可能にしている。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化スイッチ112がON状態での電源投入で、遊技機10の設定変更をおこなうことができる設定変更モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定変更モードにおいて設定内容を確率設定値表示装置136に表示しながら設定値変更スイッチ126の押下操作検出により設定1から設定6までをサイクリックに変更可能にする。確率設定値表示装置136は、設定値を表示可能な表示装置であり、たとえば1桁の7セグメントLEDであって基板上に実装される。
また、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化スイッチ112がOFF状態での電源投入で、遊技機10の設定確認をおこなうことができる設定確認モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定確認モードにおいて設定内容を確率設定値表示装置136に表示する。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(Read Only Memory)111Bおよび随時読出し書込み可能なRAM111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域あるいは各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111BまたはRAM111Cとして、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)のような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、たとえば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無等を規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここで、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果があらかじめ定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、たとえば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示をおこなう状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、たとえば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、「リーチなし」<「ノーマルリーチ」<「スペシャル1リーチ」<「スペシャル2リーチ」<「スペシャル3リーチ」<「プレミアリーチ」の順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成し出力して遊技機10全体の制御をおこなう。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)にもとづいてCPU111Aに対する所定周期(たとえば、4m秒(ms))のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り(大当りまたは小当り)またははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態または高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(時短動作状態)、始動記憶数等にもとづいて、複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、遊技機10に設けられた払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御をおこなう。また、払出制御装置200は、遊技機10に付設される球貸機のカードユニットからの貸球要求信号にもとづいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御をおこなう。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38a、特別変動入賞装置38の特定領域スイッチ38eに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。この近接I/F121には、遊技機10に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62の検出信号も入力される。また近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
なお、入賞口スイッチ35aについて説明すると、図3では入賞口スイッチ35aが1個のブロックで示されているが、実際には複数(n個)の入賞口スイッチ35a(本実施形態では3個)が遊技盤30に設けられており、それぞれの信号が異なる信号線で近接I/F121に入力されている。また、図3では大入賞口スイッチ38aが1個のブロックで示されているが、実際には複数(x個)の大入賞口スイッチ38a(本実施形態では3個)が遊技盤30に設けられている。そして、これら複数の大入賞口スイッチ38aが、それぞれ異なる信号線で接続されるか、あるいは、たとえばスイッチと遊技制御装置100(主基板)の間に存在する図示省略した中継基板上でワイヤードオア(wired OR)という方式で遊技制御装置100に接続されている。盤電波センサ62や後述する磁気センサ61も、異なる複数の信号線で接続されてもよいし、同様にワイヤードオアという方式で遊技制御装置100に接続されていてもよい。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123または第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、および特定領域スイッチ38eの検出信号は、第2入力ポート123へ入力される。なお、特図1の始動口スイッチである始動口1スイッチ36a,37aの信号の出力(近接I/F121からの出力)については、図3では1本の信号線で示しているが、実際には2本ある。
また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号およびセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は、第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号、設定値変更スイッチ126の検出信号、設定キースイッチ127の検出信号、払出制御装置200からのタッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力にもとづく信号)が入力されるようになっている。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、遊技制御装置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要なたとえば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによって図示省略したチップイネーブル信号CE(Chip Enable)をアサート(有効レベルに変化)することによって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、RAM初期化スイッチ112の検出信号、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することにもとづき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、アウト球検出スイッチ信号(アウト球を検出したときに出力される信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
なお、アウト球検出スイッチ信号は、アウトセンサ(図示せず)が遊技機10のアウト球を1個検出するごとにアウトセンサから出力される信号である。たとえば、アウト球検出スイッチ信号は、遊技機10から遊技球(アウト球)を排出する排出口(図示せず)とアウト口30aとの間に排出流路(図示せず)に設けられる。アウト球検出スイッチ信号は、所定の稼働(たとえば、アウト球が60,000個)当たりの遊技性能(たとえば、ベース)の算出に用いられ、算出した遊技性能は性能表示装置135に表示される。なお、アウト球検出スイッチ信号は、演出制御装置300に入力されるものであってもよい。その場合、アウト球検出スイッチ信号は、遊技演出や客待ち画面表示への切替トリガとなる稼働状態の判定等に用いられるものであってもよい。たとえば、性能表示装置135は、4桁の7セグメントLEDであって、10進数または16進数により遊技性能を表示することができる。
また、遊技機10は、振動を検出する振動センサスイッチを設け、この振動センサスイッチの検出信号が第1入力ポート122あるいは第3入力ポート124に入力されるようにしてもよい。
また、遊技制御装置100には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号等の信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦、第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは、出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETは、中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成されるようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは、入力部120の第1乃至第3入力ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータは、システムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路および遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300および払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、遊技制御装置100から演出制御装置300および払出制御装置200へのシリアル通信は、演出制御装置300側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号等を中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は、遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力される始動口スイッチ等加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号または情報に加工されて、たとえば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタ等が設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CE(図示省略)も供給され、このチップイネーブル信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され、特別変動入賞装置38(大入賞口)の開閉部材38cを開閉させる大入賞口ソレノイド38bの開閉データ、特別変動入賞装置38のV扉を開閉させる特定領域ソレノイド38dの開閉データ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを開閉させる普電ソレノイド37cの開閉データ、および性能表示装置135の表示データを出力するための第1出力ポート134aが設けられている。
また、出力部130には、確率設定値表示装置136の表示データを出力するための第2出力ポート134bが設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート134c、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート134dが設けられている。
また、出力部130には、大当り情報等遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート134eが設けられている。外部情報端子板71には、フォトリレーが備えられ、たとえば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)等)に接続可能であり、遊技機10に関する情報をフォトリレーを介して外部装置に供給することができるようになっている。なお、外部装置に供給する情報の一部は、第4出力ポート134dから出力される。また、第5出力ポート134eからは、シュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第1出力ポート134aから出力される大入賞口ソレノイド38b、特定領域ソレノイド38d、普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート134cから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート134dから出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート134eや第4出力ポート134dから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138d、第1出力ポート134aから出力される性能表示装置135の表示データ信号を受けて性能表示装置135の駆動信号を生成し出力する第5ドライバ138eが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12Vまたは5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第1出力ポート134a、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。また、性能表示装置135、あるいは第5ドライバ138eと性能表示装置135は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、外部基板(図示せず)側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置490へ各遊技機の識別コードやプログラム等の情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置490との間でシリアル通信によってデータの送受信をおこなえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用しておこなわれるため、第1乃至第3入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
次に、演出制御装置300の構成について図4を用いて説明する。図4は、第1の実施形態の演出制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理をおこなうグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音等をスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるPROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM(Ferroelectric RAM)323、現在の日時(年月日や曜日、時刻等)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAM311aが設けられている。また、主制御用マイコン311には、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンド(演出コマンド)を解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理等の処理を実行したりする。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信がおこなわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜nおよび主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAIT等も入力される。
演出制御装置300には、LVDS(Low Voltage Differential Signaling:小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNCおよび垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には、音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは、割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19aおよび前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19aおよび下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)などを有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(たとえば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(たとえば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータおよびソレノイド等を駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(たとえば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられたオプション設定部25の選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25bと、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能を有するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vまたは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5VにもとづいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314およびアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータ等を駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。また、演出制御装置300を構成する回路基板は、サブ制御基板(サブ基板ともいう)に相当する。
次に、これらの制御回路においておこなわれる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。そして、一括表示装置50の普図図柄表示部55に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図図柄表示部55に第1当り停止図柄〜第3当り停止図柄の各々に対応した特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(たとえば、0.5秒間または1.7秒間)上述のように開放する制御をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御をおこなう変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図図柄表示部55にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶にもとづき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき始動記憶を記憶し、この始動記憶にもとづき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド、演出コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、一括表示装置50の特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞にもとづき変動表示ゲームの進行制御をおこなう遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等をおこなう。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54に特別結果態様や小当り結果態様を表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理(すなわち、特別遊技や小当り遊技を実行する処理)をおこなう。第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの結果が大当りとなったことによる特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御をおこなう。この特別遊技状態でCPU111Aは、たとえば大入賞口に所定個数(たとえば、9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)をおこなう。また、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)あるいは第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の結果が小当りとなったことによる小当り遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御をおこなう。
なお、これら小当り遊技状態でおこなわれる大入賞口の開閉動作パターン(開閉動作態様)は、たとえば200m秒だけ開閉部材を開状態に維持する動作を1500m秒間隔で4回おこなうといったものである。このように、遊技制御装置100は、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御をおこなう大入賞口開閉制御手段をなす。またCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、一括表示装置50の特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)である0よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するようになっている。ここで、本実施形態における普通変動入賞装置37は、通常遊技状態においては可動部材37bを開放しないように普図確率が「0」に設定されている。
また、時短状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は、たとえば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、たとえば、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、500m秒×1回)、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、1700m秒×2回)、第3当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、1700m秒×3回)となるように設定することが可能である。
なお、普図変動表示ゲームおよび普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御をおこなうよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間を設定してもよく、たとえば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(たとえば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(たとえば、1604m秒が704m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(たとえば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(たとえば、2回)よりも多い回数(たとえば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、たとえば、1/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、たとえば、250/251)とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率のいずれか一つまたは複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。また時短状態は、普電サポート状態(普電サポート中、或いは電サポ中)と称することもできる。
次に、一括表示装置の構成について図5を用いて説明する。図5は、第1の実施形態の一括表示装置の一例を示す図である。一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18までの16個のLEDを備える。一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18の点灯態様により各種状態表示をおこなう。
一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18に各種状態表示機能を振り分けることで、ラウンド表示部51と、特図1保留表示部52と、特図1図柄表示部53と、特図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と、状態表示部57と、特図2保留表示部58とを備える。ラウンド表示部51は、LED_d3からLED_d6の4個のLEDの点灯態様により、特図ゲームにおけるラウンド数を表示する。特図1保留表示部52は、LED_d11とLED_d12の2個のLEDの点灯態様により、特図1ゲームにおける保留数を表示する。特図1図柄表示部53は、7セグメントLED_d1の8個のLED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特図1ゲームにおける図柄を表示する。特図2図柄表示部54は、7セグメントLED_d2の8個のLED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特図2ゲームにおける図柄を表示する。普図図柄表示部55は、LED_d8、LED_d10、およびLED_d18の3個のLEDの点灯態様により、普図ゲームにおける図柄を表示する。普図保留表示部56は、LED_d15とLED_d16の2個のLEDの点灯態様により、普図ゲームにおける保留数を表示する。状態表示部57は、LED_d7、LED_d9、およびLED_d17の3個のLEDの点灯態様により、特図ゲームにおける遊技状態を表示する。特図2保留表示部58は、LED_d13とLED_d14の2個のLEDの点灯態様により、特図2ゲームにおける保留数を表示する。
以下、このような遊技をおこなう遊技機の制御について説明する。まず、遊技制御装置100の遊技用マイコン111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主にメイン処理と、所定時間周期(たとえば4m秒)でおこなわれるタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
まず、第1の実施形態の遊技制御装置のメイン処理について図6から図10を用いて説明する。図6は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その1)である。図7は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その2)である。図8は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その3)である。図9は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その4)である。図10は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その5)である。
メイン処理は、電源が投入されることで制御部(遊技用マイコン111)によって開始される。このメイン処理においては、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)をおこなってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)をおこなう。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。RAM111Cのアドレスの範囲は、0000h〜01FFhで、上位としては00hか01hをとる。ステップS4ではRAM111Cのアドレスの範囲のうち先頭側にある00hをセットする。
次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は、遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を第1レジスタ(たとえばBレジスタ)に読み込み(ステップS6)、続けて入力ポート3(第3入力ポート124)の状態を第2レジスタ(たとえばCレジスタ)に読み込む(ステップS7)。
ここで、第1レジスタの所定ビットをマスクし、その他のビットをクリアする(ステップS8)。たとえば、RAM初期化スイッチ112からの検出信号に対応するBレジスタの第2ビットだけを保持し、第0ビットと第1ビットと、第3ビットから第7ビットをクリアする。そして、第2レジスタの所定ビットをマスクし、その他のビットをクリアする(ステップS9)。たとえば、設定キースイッチ127からの検出信号に対応するCレジスタの第4ビットだけを保持し、第0ビットから第3ビットと第5ビットから第7ビットをクリアする。
第1レジスタの情報を第2レジスタに統合し、第2レジスタが保持する情報をRAM111Cに頼らない参照用の情報として保持する(ステップS10)。たとえば、BレジスタとCレジスタの論理和をCレジスタに格納し、Cレジスタを状態参照用レジスタとして保持する。
たとえば、状態参照用レジスタ(Cレジスタ)の値「00000000B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オンに対応する「0」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オンに対応する「0」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00000000B」は、RAM初期化スイッチ112がオン(ON)、かつ設定キースイッチ127がオン(ON)である設定変更状態を示す。
また、状態参照用レジスタの値「00010000B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オンに対応する「0」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オフに対応する「1」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00010000B」は、RAM初期化スイッチ112がオン(ON)、かつ設定キースイッチ127がオフ(OFF)であるRAM初期化状態を示す。
また、状態参照用レジスタの値「00000100B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オフに対応する「1」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オンに対応する「0」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00000100B」は、RAM初期化スイッチ112がオフ(OFF)、かつ設定キースイッチ127がオン(ON)である設定確認状態を示す。
また、状態参照用レジスタの値「00010100B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オフに対応する「1」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オフに対応する「1」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00010100B」は、RAM初期化スイッチ112がオフ(OFF)、かつ設定キースイッチ127がオフ(OFF)である復電(停電復旧)状態を示す。
これにより、RAM初期化スイッチ112からの検出信号と設定キースイッチ127からの検出信号とがCレジスタに保持される。なお、RAM初期化スイッチ112からの検出信号のBレジスタにおける格納位置(第2ビット)と設定キースイッチ127からの検出信号のCレジスタにおける格納位置(第4ビット)とが異なるためBレジスタとCレジスタの論理和によっても、RAM初期化スイッチ112からの検出信号と設定キースイッチ127からの検出信号は、失われずに保存される。
その後、電源投入ディレイタイマを設定する処理をおこなう(ステップS11)。この処理では、所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(たとえば、払出制御装置200や演出制御装置300等の従制御装置)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(たとえば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御手段が立ち上がる前にコマンドを従制御手段へ送ってしまい、従制御手段がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段の起動を遅らせて従制御手段の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAM領域が保持するデータの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域またはレジスタ等)を用いておこなわれる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第2レジスタ(Cレジスタ)には、RAM初期化スイッチ112の検出信号が保存されるようになっているが、待機時間の開始前までに保存されることで、RAM初期化スイッチ112の操作を確実に保存できる。すなわち、待機時間の経過後にRAM初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってからRAM初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過までRAM初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作をおこなわなくても電源投入後すぐに操作をおこなうことで検出されるようになり、電源投入時におこなった初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
また、第2レジスタ(Cレジスタ)には、設定キースイッチ127の検出信号が保存されるようになっているが、待機時間の開始前までに保存されることで、設定キースイッチ127の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に設定キースイッチ127の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから設定キースイッチ127を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで設定キースイッチ127を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作をおこなわなくても電源投入後すぐに操作をおこなうことで検出されるようになり、電源投入時におこなった設定変更操作あるいは設定確認操作が受け付けられないような事態を防止できる。
次に、電源投入ディレイタイマ(たとえば、約3秒)を設定する処理(ステップS11)をおこなった後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS12からS16)をおこなう。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポートおよびデータバスを介して読み込んでチェックする回数(たとえば2回)を設定し(ステップS12)、停電監視信号がオンであるか否かの判定をおこなう(ステップS13)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS13;Y)は、ステップS12で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(ステップS14)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS14;N)は、停電監視信号がオンであるか否かの判定(ステップS13)に戻される。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS14;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機10の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズ等により停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAM111Cへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等はおこなう必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAM111Cのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS13;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを「−1」更新し(ステップS15)、タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS16)。タイマの値が0でない場合(ステップS16;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS12)に戻される。また、タイマの値が「0」である場合(ステップS16;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合、RAM111CやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(Read Write Memory)のアクセス許可をし(ステップS17)、全出力ポートにオフデータを出力(出力がない状態に設定)する(ステップS18)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111にあらかじめ搭載されているポートで、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(ステップS19)。
ステップS20では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号および乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC回路を起動する処理をおこなう。
ステップS21では、RAM異常フラグをセットする処理をおこなう。なお、RAM異常フラグのセットは、暫定的なものであって後で実行されるRAMの異常を検査する処理において更新され得る。
ステップS22では、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(たとえば5Ah)であるか否かを判定する。停電検査領域1の値が正常であれば(ステップS22;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(たとえばA5h)であるか否かを判定し(ステップS23)、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS23;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS24)をおこなう。
なお、チェックサム算出処理では、遊技制御用ワーク領域のデータと状態表示用ワーク領域のデータを合算したものをチェックサムとして算出してもよいし、遊技制御用ワーク領域のデータと状態表示用ワーク領域のデータからそれぞれ別々にチェックサムを算出してもよいし、遊技制御用ワーク領域のデータだけからチェックサムを算出してもよい。遊技制御用ワーク領域とは、RWM内の記憶領域のうち遊技制御用に使用される作業領域である。状態表示用ワーク領域とは、RWM内の記憶領域のうち状態表示用に使用される作業領域である。
次に、ステップS24で算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか否かを判定(ステップS25)し、チェックサムが一致する(正常である)と判定された場合(ステップS25;Y)は、ステップS21で暫定的にセットしたRAM異常フラグをクリアする(ステップS26)。
なお、チェックサムが一致しない(正常でない)と判定された場合(ステップS25;N)は、ステップS26をパスしてステップS27へ移行することで、ステップS21で暫定的にセットしたRAM異常フラグが確定的になる。停電検査領域のチェックデータが正常なデータでない(ステップS22;NまたはステップS23;N)と判定された場合も、ステップS26をパスしてステップS27へ移行することで、ステップS21で暫定的にセットしたRAM異常フラグが確定的になる。
ステップS27では、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンであるか否かを判定する。設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである場合には、ステップS33に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンでない場合には、ステップS28に進む。
なお、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを第2レジスタ(Cレジスタ)に保持しているため、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを同時に判定することができる。また、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを第2レジスタ(Cレジスタ)に保持しているため、RAMの正当性判定をおこなう以前の設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを判定対象にすることができる。
ステップS28では、制御部は、RAM異常フラグがオンか否かを判定する。制御部は、RAM異常フラグがオンである場合(すなわち、RAM異常フラグがセットされている場合)にステップS30に進み、RAM異常フラグがオンでない場合(すなわち、RAM異常フラグがクリアされている場合)にステップS29に進む。
ステップS29では、制御部は、設定変更モード中フラグがオンか否かを判定する。制御部は、設定変更モード中フラグがオンである場合にステップS48に進み、設定変更モード中フラグがオンでない場合にステップS30に進む。
ステップS30からステップS32は、RAM異常時、あるいは設定中に電源遮断があったときにRAMクリアされずに再起動された時に実行される処理である。ステップS30では、制御部は、メイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドを受信して、RAMクリアを伴う再起動を案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドを受信して、枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44によりメイン異常エラーを報知する。
ステップS31では、制御部は、遊技停止時の7セグ表示データを性能表示装置135に出力する。このとき、制御部は、性能表示装置135にメイン異常エラーに対応するステータスを表示することができる。また、制御部は、遊技停止時の7セグ表示データを確率設定値表示装置136に出力する。このとき、制御部は、確率設定値表示装置136に確率設定値にない数値や文字を表示することができる。なお、制御部は、遊技停止時のLED表示データを含む7セグ表示データを一括表示装置50に出力するようにしてもよい。このとき、制御部は、一括表示装置50を全消灯あるいは全点灯としてもよい。
ステップS32では、制御部は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報端子板71から出力する。このとき、制御部は、外部情報端子板71から出力するその他の信号の出力データをオフにする。制御部は、ステップS31とステップS32とを繰り返し実行して電源遮断を待つ。すなわち、遊技機10は、電源遮断を待つまでの間、外部情報端子板71からセキュリティ信号を出力する。また、遊技機10は、電源遮断を待つまでの間、外部情報端子板71からセキュリティ信号以外の信号を出力しない。
なお、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実行において、RAMアクセスを禁止していない。これにより、遊技機10は、NMI(Non-Maskable Interrupt)発生時に戻りアドレスをRAMに格納可能にして、プログラム暴走の危険を低減している。このように、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実行中のRAMの記憶内容をRAMアクセス禁止により保護しないが、再起動時のRAMクリアが遊技制御開始の条件となるため、RAMの記憶内容が保護されない危険を限定的にしている。すなわち、遊技機10は、RAMの記憶内容が保護されない危険を限定的にして引き受けながら、プログラム暴走の危険低減効果を得る。また、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実行において、RAMアクセスを禁止しないことにより、ステップS31やステップS32においてサブルーチンを呼出可能にしてプログラム効率の向上を図ることができる。
ステップS33からステップS36は、設定変更準備に関する処理であり、ステップS27において、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである場合に実行される処理である。
ステップS33では、制御部は、RAM異常フラグがオンか否かを判定する。制御部は、RAM異常フラグがオンである場合にステップS34に進み、RAM異常フラグがオンでない場合にステップS35に進む。
ステップS34では、制御部は、RAM異常フラグがオンであることから設定値をクリアする。なお、設定値のクリアは、設定値として無効な値をセットすることによってもよいし、不正対策の観点から遊技者にとって最も不利な値をセットすることによってもよい。
ステップS35では、制御部は、設定変更モード中フラグをセットする処理をおこなう。設定変更モード中フラグは、遊技機10が設定変更中か否かを示すフラグであって、設定変更中であるときに設定変更モード中フラグがセットされ、設定変更中でないときに設定変更モード中フラグがクリア(リセット)される。
ステップS36では、制御部は、設定変更中のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドを受信して、設定変更中であることを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドを受信して、設定変更中であることを枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44により報知する。
ステップS37は、設定変更準備(ステップS33からステップS36)の後、または設定確認準備(ステップS49、ステップS50)の後に実行される処理である。ステップS37では、制御部は、セキュリティ信号制御タイマに128msを設定する。これにより、遊技機10は、少なくともセキュリティ信号制御タイマがタイムアップされるまでの間、セキュリティ信号を出力する。
ステップS38からステップS40は、設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理である。遊技機10は、ステップS37でセキュリティ信号を出力セットしていることにより設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理の実行を外部から把握可能にしている。
制御部は、割込みを許可(ステップS38)した後、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ127の検出信号がオフであるか否かを判定する(ステップS39)。制御部は、設定キースイッチ127の検出信号がオフである場合にステップS55に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオフでない場合にステップS40に進む。
ステップS40では、制御部は、停電が発生したか否かを判定する。なお、制御部は、停電監視信号の所定時間の継続検出により、停電発生を判定することができる。制御部は、停電が発生した場合にステップS41に進み、停電が発生していない場合にステップS39に進む。すなわち、制御部は、ステップS38で割込みを許可した状態で、停電発生までの間、設定キーのオフを待ち受ける。
制御部は、停電が発生していると判定した場合、割込みを禁止する処理(ステップS41)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS42)をおこなう。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS43)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS44)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS45)、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブする処理(ステップS46)をおこなった後、RAMへのアクセスを禁止する処理(ステップS47)をおこなってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することができる。
ステップS48は、ステップS29で設定変更モード中フラグがオンであると判定された場合に実行される。ステップS48では、制御部は、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ127の検出信号がオンであるか否かを判定する。制御部は、設定キースイッチ127の検出信号がオンである場合にステップS49に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオンでない場合にステップS51に進む。
ステップS49、ステップS50は、設定確認準備に関する処理である。ステップS49では、制御部は、設定確認モード中フラグをセットする処理をおこなう。設定確認モード中フラグは、遊技機10が設定確認中か否かを示すフラグであって、設定確認中であるときに設定確認モード中フラグがセットされ、設定確認中でないときに設定確認モード中フラグがクリア(リセット)される。ステップS50では、制御部は、設定確認中のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、設定確認中のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、設定確認中のコマンドを受信して、設定確認中であることを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、設定確認中のコマンドを受信して、枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44により設定確認中であることを報知する。この後、制御部は、ステップS37に進む。
一方、制御部は、ステップS48において設定キースイッチ127の検出信号がオンでないと判定した場合に、ステップS51を実行する。ステップS51では、制御部は、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンであるか否かを判定する。制御部は、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである場合にステップS52に進み、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンでない場合にステップS58に進む。すなわち、遊技機10は、RAM初期化スイッチ112の押下操作を伴う起動検出によりRAM初期化(RAMクリア)に関する処理の実行に進み、RAM初期化スイッチ112の押下操作を伴わない起動検出により停電復旧に関する処理の実行に進む。
次に、ステップS52以降でおこなうRAM初期化に関する処理について説明する。RAM初期化に関する処理では、制御部は、設定値以外のRAM領域を0クリア(ゼロクリア)し(ステップS52)、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS53)。たとえば、制御部は、RAMクリア時の先頭アドレスとしてRAMクリア先頭アドレス2を設定(図13のメモリマップ111Mを参照)し、RWM(たとえばRAM111C)の記憶領域(アクセス禁止領域を含まない領域)のうちのクリア対象領域(遊技制御用ワーク領域)のデータをゼロクリアする。
なお、設定変更モード中フラグ、および設定確認モード中フラグは、クリア対象領域のデータに含まれることから、クリア対象領域のデータのゼロクリアによってクリアされる。
ステップS54では、制御部は、RAM初期化時のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、RAM初期化時のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、RAM初期化時のコマンドを受信して、RAMが初期化されたことを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、RAM初期化のコマンドを受信して、RAMが初期化されたことを枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44により報知する。
また、制御部は、設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理(ステップS38からステップS40)の実行後に、設定キースイッチ127の検出信号がオフであることを検出した場合に、ステップS55を実行する。制御部は、割込みを禁止(ステップS55)した後、報知終了のコマンドを演出制御装置300に送信する(ステップS56)。
これにより、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドの受信により開始した設定変更中であることの報知、あるいは設定確認中のコマンドの受信により開始した設定確認中であることの報知を終了する。
次に、制御部は、設定変更モード中フラグを参照して、設定変更モード中であるか否かを判定する(ステップS57)。制御部は、設定変更モード中である場合にステップS52に進み、RAM初期化に関する処理を実行する。一方、制御部は、設定変更モード中でない場合にステップS58に進み、停電復旧に関する処理を実行する。
ステップS58では、制御部は、停電復旧処理を実行する。停電復旧処理は、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブし、特図ステータスを参照して特図ゲームが高確率中であるか否かを判定し、特図ゲームが高確率中である場合に高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし、高確率報知LEDのオンデータをセグメント領域にセーブする処理を含む。
なお、停電復旧処理における初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域、設定変更モード中フラグ、設定確認モード中フラグ、およびエラー不正監視に係る領域である。なお、停電復旧処理では、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。
次に、制御部は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS59)、ステップS60へ進む。なお、ステップS59では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、確率設定値情報コマンド、画面指定のコマンド等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報や高確率回数情報を送信する。なお、画面指定のコマンドとは、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの制御状態がいずれも普段処理中(変動中、大当り中(第1特別遊技状態)、小当り中(第2特別遊技状態)のうちの何れでもない状態)である場合には、客待ちデモ画面の表示を指令するコマンドであり、それ以外である場合には復旧画面の表示を指令するコマンドである。
ステップS60では、制御部は、乱数生成回路を起動設定する処理をおこなう。その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄初期値乱数、小当り図柄初期値乱数、当り初期値乱数、当り図柄初期値乱数)の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS61)、割込みを許可する(ステップS62)。
続いて、制御部は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS63)をおこなう。この初期値乱数更新処理は、各初期値乱数をたとえばそれぞれ「+1」更新(インクリメント)する処理である。このように、遊技機10は、メイン処理の中で時間が許す限り初期値乱数を更新し続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。
ここで、制御部は、一旦、割込みを禁止(ステップS64)して、性能表示編集処理を実行(ステップS65)し、性能表示編集処理の実行後に、割込みを許可する(ステップS66)。性能表示編集処理は、図26と図27を用いて後で説明するベースの算出と表示に関する処理である。制御部は、性能表示編集処理の処理負荷が比較的高いため、割込みを禁止してより速やかな処理結果導出を図っている。これにより、遊技機10は、タイマ割込みにより遊技状態が更新されるまでに、性能表示編集処理の処理結果導出を担保する。
ステップS67では、制御部は、停電が発生したか否かを判定する。なお、制御部は、停電監視信号の所定時間の継続検出により、停電発生を判定することができる。制御部は、停電が発生した場合にステップS41に進み、停電が発生していない場合にステップS63に進む。
すなわち、制御部は、停電が発生しない限り、ステップS63からステップS67までの処理を繰り返し実行する。詳しくは、制御部は、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と性能表示編集処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返しおこなう。
そして、初期値乱数更新処理(ステップS63)の前に割込みを許可する(ステップS66)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
同様に、性能表示編集処理(ステップS65)の前に割込みを禁止する(ステップS64)ことによって、タイマ割込みに優先して性能表示編集処理が実行されるようになり、性能表示編集処理が圧迫されるのを回避することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御手段の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(RAM初期化スイッチ112)と、初期化操作部が操作されたことにもとづきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化操作部の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
なお、遊技制御装置100は、データ異常時の初期化の処理(第1初期化処理)と、初期化操作時の初期化の処理(第2初期化処理)とを区別して実行する機能(第1初期化手段、第2初期化手段)を有するため、状況に応じた最適かつ無駄のない初期化の処理が実現できる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な設定操作部(設定値変更スイッチ126、設定キースイッチ127)と、設定操作部が操作されたことにもとづきRAM111Cに記憶された設定値を変更する設定変更手段(遊技制御装置100)とを備えることで設定変更を可能にするとともに、設定表示部(確率設定値表示装置136)を備えることで設定(設定値)を確認可能にしている。また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、RAM(RAM111C)へのアクセスを禁止(ステップS47)してすべての処理の実行停止を待機する停電発生時待機処理(ステップS47の後のループ)と、RAM(RAM111C)へのアクセスを許可(ステップS17)しながらすべての処理の実行停止を待機するRAM異常時待機処理(ステップS31、ステップS32のループ)と、を実行可能にしている。
ここで、停電発生時待機処理とRAM異常時待機処理について説明する。停電発生時待機処理は、メイン処理のステップS47でRAMへのアクセスを禁止された後に実行されて、すべての処理の実行停止を待機するループ処理である。また、停電発生時待機処理は、メイン処理のステップS41で割込みを禁止された後に実行されることから、NMI割込みでない割込み(タイマ割込み)が禁止される。なお、停電発生時待機処理は、NMI割込みについて割込みを禁止することができないことからNMI割込みが発生し得る。ただし、停電発生時待機処理は、停電発生時に実行される処理であることから、当該処理の実行中にNMI割込みが発生する危険が小さい。また、停電発生時待機処理は、異常報知を伴わない待機処理である。これにより、遊技機10は、電源遮断までの電力を停電処理に振り向けることができる。なお、遊技機10は、停電発生時待機処理にRAMへのアクセスを禁止することで、不安定な電圧によりRAMの記憶内容が変化する危険を低減している。
RAM異常時待機処理は、メイン処理のステップS17でRAM(RWM)へのアクセスを許可された後に実行されて、すべての処理の実行停止を待機するループ処理である。また、RAM異常時待機処理は、メイン処理のステップS1で割込みを禁止された後に実行されることから、NMI割込みでない割込み(タイマ割込み)が禁止される。なお、停電発生時待機処理は、NMI割込みについて割込みを禁止することができないことからNMI割込みが発生し得る。RAM異常時待機処理は、電源遮断を待つ処理であることから、当該処理の実行中にNMI割込みが発生する危険が停電発生時待機処理よりも大きい。しかしながら、RAM異常時待機処理は、NMI割込みが発生してもRAMへのアクセスが許可されていることから戻りアドレスをRAMに格納可能であって、NMI割込み発生によるプログラム暴走の危険が小さい。また、遊技機10は、ステップS30においてメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信することから、RAM異常時待機処理の実行中に、演出制御装置300による異常報知を並行しておこなうことができる。これにより、遊技機10は、速やかな再起動が期待できる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、遊技制御装置100のタイマ割込み処理について図11を用いて説明する。図11は、第1の実施形態のタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。このタイマ割込み処理は、上述のメイン処理において、割込み許可が出てから割込みが禁止されるまでの間(ステップS38からステップS41まで、ステップS38からステップS55まで、ステップS66からステップS64まで、ステップS66からステップS41まで)に生じる割込み処理である。タイマ割込み処理は、CPU111Aが実行する処理である。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111において、タイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、タイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS71)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(たとえば、メイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理をおこなったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS72)。ステップS72では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理をおこなっているが、レジスタバンクが異なる。
次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS73)をおこなう。ステップS74では、制御部は、設定変更モード中フラグと設定確認モード中フラグとを参照し、設定変更モード中または設定確認モード中であるか否かを判定する。制御部は、設定変更モード中または設定確認モード中である場合にステップS75に進み、設定変更/確認処理を実行し、タイマ割込み処理を終了する。設定変更/確認処理については、図12を用いて後で説明する。一方、制御部は、設定変更モード中または設定確認モード中のいずれでもない場合にステップS76に進む。
ステップS76では、制御部は、各種処理でセットされた出力データにもとづき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御等をおこなうための出力処理を実行する。
なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理がおこなわれることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は、払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等はおこなわれない。また、当該発射許可信号は、遊技制御装置100から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置200から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置200内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者がともに発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、制御部は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS77)、乱数更新処理1(ステップS78)、乱数更新処理2(ステップS79)を実行する。ここで、乱数更新処理1は、初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数の初期値(スタート値)を更新するための処理である。また、乱数更新処理2は、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する処理である。なお、乱数更新処理1、あるいは乱数更新処理1に加えて乱数更新処理2は、設定変更中の乱数更新の停止や更新周期の変更をおこなうようにしてもよい。
次に、制御部は、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、特定領域スイッチ38eから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないか等)をおこなう入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS80)をおこなう。また、始動口1スイッチ36aおよび始動口2スイッチ,37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップS81)をおこなう。なお、始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口をなす始動入賞口36、または第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数等)の抽出をおこない、特図変動表示ゲームの開始前の段階で当該入賞にもとづく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定をおこなう。
次に、制御部は、特図1変動表示ゲームに関する処理をおこなう特図1ゲーム処理(ステップS82)、特図2変動表示ゲームに関する処理をおこなう特図2ゲーム処理(ステップS83)、普図変動表示ゲームに関する処理をおこなう普図ゲーム処理(ステップS84)を実行する。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLED(たとえば、一括表示装置50の特図1図柄表示部53等のLED)を所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS85)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理をおこなう磁石不正監視処理(ステップS86)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理をおこなう盤電波不正監視処理(ステップS87)をおこなう。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS88)、性能表示装置制御処理(ステップS89)をおこなって、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、第1の実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的におこなわれる。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔設定変更/確認処理〕
次に、制御部がタイマ割込み処理のステップS75で実行する設定変更/確認処理について図12を用いて説明する。図12は、第1の実施形態の設定変更/確認処理のフローチャートを示す図である。
ステップS91では、制御部は、設定変更中または設定確認中の設定値表示データを出力する。これにより、遊技機10は、設定変更中の設定値、または設定確認中の設定値を確率設定値表示装置136に表示することができる。なお、制御部は、設定変更中でも設定確認中でもないときに、確率設定値表示装置136を消灯させる設定値表示データを出力するようにしてもよいし、設定変更中でも設定確認中でもないことを示す設定値表示データを出力するようにしてもよい。
なお、制御部は、設定値表示データを確率設定値表示データ領域にセーブし、確率設定値消灯タイマ領域に初期値(たとえば、100ms)をセーブすることで、設定値表示データの出力をおこなう。確率設定値消灯タイマ領域は、確率設定値表示装置136にブランク表示を設けるための領域である。これにより、確率設定値表示装置136は、設定値変更操作(設定値変更スイッチ126からの入力)があるごとにブランク表示をおこなうことができる。
ステップS92では、制御部は、セキュリティ信号制御タイマがタイムアップしたか否かを判定する。制御部は、セキュリティ信号制御タイマがタイムアップした場合にステップS94に進み、セキュリティ信号制御タイマがタイムアップしていない場合にステップS93に進む。ステップS93では、制御部は、セキュリティ信号制御タイマを更新(「1」デクリメント)する。ステップS94では、制御部は、セキュリティ信号のオンデータを出力し、その他の信号出力をオフにする。すなわち、制御部は、セキュリティ信号制御タイマを更新し、その更新中にセキュリティ信号のオンデータを出力するが、セキュリティ信号制御タイマがタイムアップしてもセキュリティ信号のオンデータを出力する。これにより、制御部は、セキュリティ信号制御タイマがタイムアップするまでの期間のセキュリティ信号のオンデータ出力を担保している。たとえば、制御部は、メイン処理のステップS37においてセキュリティ信号制御タイマに128msを設定することで、128ms以上のセキュリティ信号のオンデータ出力を担保している。なお、セキュリティ信号制御タイマは、外部装置によってセキュリティ信号を検出可能な最短出力時間の2倍以上の値が設定される。たとえば、外部装置によってセキュリティ信号を検出可能な最短出力時間が50msであるとき、最短出力時間の2倍以上の値は、最短100msであり、これに余裕時間を加えてセキュリティ信号制御タイマは、128msが設定される。
ステップS95では、制御部は、設定変更モード中フラグを参照し、設定変更モード中であるか否かを判定する。制御部は、設定変更モード中である場合にステップS96に進み、設定変更モード中でない場合に設定変更/確認処理を終了する。
ステップS96では、制御部は、タイマ割込み処理のステップS73の入力処理で読み出した設定値変更スイッチ126の操作入力(スイッチ入力)があるか否かを判定する。制御部は、設定値変更スイッチ126の操作入力がある場合にステップS97に進み、設定値変更スイッチ126の操作入力がない場合に設定変更/確認処理を終了する。なお、遊技機10は、設定値変更スイッチ126を備えるが、設定値変更スイッチ126を備えない場合に設定値変更スイッチ126に代えてRAM初期化スイッチ112を設定値変更スイッチとして用いるようにしてもよい。その場合、ステップS96では、制御部は、タイマ割込み処理のステップS73の入力処理で読み出したRAM初期化スイッチ112の操作入力(スイッチ入力)があるか否かを判定するようにすればよい。
ステップS97では、制御部は、設定値を「1」インクリメントして、「0」から「5」の範囲でサイクリックに更新する。なお、設定値は、「0」から「5」の6段階としたがこれに限らず、3段階や10段階等であってもよい。制御部は、設定値を更新した後、設定変更/確認処理を終了する。
次に、RAM111Cのメモリマップについて図13を用いて説明する。図13は、第1の実施形態の遊技制御装置のメモリマップの一例を示す図である。メモリマップ111Mは、RAM111Cのメモリマップである。RAM111Cは、メモリの先頭から順に、遊技制御用ワークエリア、遊技制御用スタックエリア、状態表示用ワークエリア、状態表示用スタックエリアを設定する。また、RAM111Cは、遊技制御用スタックエリアと状態表示用ワークエリアの間に16バイト以上の未使用領域を設定することにより、遊技制御用スタックエリアと状態表示用ワークエリアとを明確に分離する。また、RAM111Cは、状態表示用スタックエリアの後に未使用領域を設定するが、当該未使用領域を設けずにメモリの最後尾を含むようにして状態表示用スタックエリアを設定するものであってもよい。また、RAM111Cは、遊技制御用ワークエリアと遊技制御用スタックエリアとの間や、状態表示用ワークエリアと状態表示用スタックエリアとの間に未使用領域を設定するようにしてもよい。
遊技制御用ワークエリアは、先頭に確率設定値領域を配置することから、RAMクリア先頭アドレス1は、遊技制御用作業領域のすべて(遊技制御用ワークエリア)と遊技制御用スタック領域をクリア対象とする。また、RAMクリア先頭アドレス2は、確率設定値領域を除く遊技制御用ワークエリアと遊技制御用スタック領域をクリア対象とする。また、RAMクリア先頭アドレス3は、確率設定値領域と変動パターン乱数領域と初期値乱数領域を除く遊技制御用ワークエリアと遊技制御用スタック領域をクリア対象とする。また、RAMクリア先頭アドレス1、RAMクリア先頭アドレス2、およびRAMクリア先頭アドレス3のいずれも、停電検査領域1から停電検査領域2までの領域と、チェックサム領域をクリア対象とする。
〔出力処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における出力処理(ステップS76)の詳細について図14を用いて説明する。図14は、第1の実施形態の出力処理のフローチャートを示す図である。この出力処理では、まず、一括表示装置50のセグメントのデータを出力するセグメント出力ポート(第3出力ポート134c)にオフデータを出力(リセット)する(ステップS101)。次に、普電ソレノイド37cや大入賞口ソレノイド38bのデータを出力するソレノイド出力ポート(第1出力ポート134a)に出力するデータを合成して出力する(ステップS102)。
そして、一括表示装置50のデジット線を順次スキャンするためのデジットカウンタの値を「0」〜「3」の範囲で「+1」更新し(ステップS103)、デジットカウンタの値に対応するLEDのデジット線の出力データを取得する(ステップS104)。ここで、一括表示装置50のLED_d1からLED_d18をダイナミック点灯させる例として、ラウンド表示、特図1保留表示、特図1図柄表示、特図2図柄表示、普図図柄表示、普図保留表示、および状態表示(時短状態や高確率状態等の遊技状態表示)がある。
次に、取得したデータと外部情報データを合成し(ステップS105)、合成したデータをデジット出力用および外部情報出力用のデジット・外部情報出力ポート(第4出力ポート134d)に出力する(ステップS106)。ステップS105で合成される外部情報は、「扉・枠開放」および「セキュリティ信号」である。
その後、デジットカウンタの値に対応するRWM内のセグメント領域からセグメント線の出力データをロードし(ステップS107)、ロードしたデータをセグメント出力用のセグメント出力ポート(第3出力ポート134c)に出力する(ステップS108)。
続いて、外部情報端子板71へ出力する外部情報の各種出力データをロードして合成する(ステップS109)。ここで合成する外部情報としては、「大当り信号1」、「大当り信号2」、「大当り信号3」、「大当り信号4」、「図柄確定回数信号」、「始動口信号」、「メイン賞球信号」等である。次に、合成したデータと発射許可の出力データを合成し(ステップS110)、合成したデータを外部情報出力用および発射許可信号出力用の外部情報・発射許可信号出力ポート(第5出力ポート134e)に出力する(ステップS111)。
次に、確率設定値表示のオフ出力データを設定する。すなわち、確率設定値表示装置136の確率設定値表示データを出力する確率設定値表示出力ポート(第2出力ポート134b)にオフデータを出力(リセット)する(ステップS112)。
次に、確率設定値表示許可フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS113)。確率設定値表示許可フラグがセットされている場合(ステップS113;Y)にステップS114に進み、確率設定値表示許可フラグがセットされていない場合(ステップS113;N)にステップS115に進む。
確率設定値表示許可フラグがセットされている場合、RWM内の設定値表示データ領域から確率設定値に対応する確率設定値表示データをロード(ステップS114)する。
ステップS115では、確率設定値表示データを確率設定値表示出力ポート(第2出力ポート134b)に出力する。
次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験信号出力ポート1に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験信号出力ポート1へ合成したデータを出力する(ステップS116)。その後、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験信号出力ポート2に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験信号出力ポート2へ合成したデータを出力する(ステップS117)。
次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験信号出力ポート3に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験信号出力ポート3へ合成したデータを出力する(ステップS118)。さらに、試射試験装置の試験信号を出力する中継基板70上の試験信号出力ポート4に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験信号出力ポート4へ合成したデータを出力する(ステップS119)。そして、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験信号出力ポート5に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験信号出力ポート5へ合成したデータを出力(ステップS120)する。
次に、確率設定値の試験信号出力データをロードする(ステップS121)。なお、試験信号出力データは、RWM内の設定値表示データ領域から確率設定値に対応する確率設定値表示データ(たとえば、7セグメントデータ)をロードするものであるが、確率設定値を確認可能であれば、確率設定値(たとえば、1から6の数値)や、その他の形式のデータであってもよい。
次に、第3入力ポート124の状態から設定キースイッチ127がON状態であるか否かを判定する(ステップS122)。設定キースイッチ127がON状態である場合(ステップS122;Y)は、ステップS123に進み、設定キースイッチ127がON状態でない場合(ステップS122;N)は、ステップS124に進む。
設定キースイッチ127がON状態である場合、ロードした確率設定値の試験信号出力データと、設定キースイッチオン情報とを合成する(ステップS123)。
ステップS124では、合成したデータを中継基板70上の試験信号出力ポート6へ出力し、出力処理を終了する。
〔入賞口スイッチ/状態監視処理〕
次に、タイマ割込み処理における入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS80)について説明する。図15は、第1の実施形態の入賞口スイッチ/状態監視処理のフローチャートを示す図である。この入賞口スイッチ/状態監視処理では、まず、確率設定値変更中フラグを参照し、確率設定値変更中であるか否かを判定する(ステップS131)。確率設定値変更中である場合(ステップS131;Y)にステップS139に進み、確率設定値変更中でない場合(ステップS131;N)にステップS132に進む。ステップS132では、確率設定値確認モード中フラグを参照し、確率設定値確認モード中であるか否かを判定し、確率設定値確認モード中である場合(ステップS132;Y)にステップS139に進み、確率設定値確認モード中でない場合(ステップS132;N)にステップS133に進む。
次に、大入賞口(特別変動入賞装置38)内の大入賞口スイッチ38a(カウントスイッチ)に対応する入賞口監視テーブル1(たとえば、カウントスイッチからの検出信号が入力されるポートの番号や該信号のポート内でのビット位置等を示すデータが格納されている)を準備する(ステップS133)。次に、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に入賞する不正(不正な入賞)がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS134)を実行する。
その後、普電内の入賞口スイッチ(始動口1スイッチ37a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップS135)、不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS136)を実行する。
次に、不正監視処理が不要な入賞口スイッチ、つまり常時入賞可能な入賞口スイッチ(ここでは始動口1スイッチ36a、一般入賞口35の入賞口スイッチ35a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップS137)、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理(ステップS138)をおこなう。
次に、遊技機10のエラー状態を監視すべき複数のスイッチおよび信号のうちいずれのスイッチまたは信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するための状態スキャンカウンタの値を「0」から「3」の範囲で更新する(ステップS139)。その後、状態スキャンカウンタの値に応じて、スイッチのコネクタ抜け等の発生により出力されるスイッチ異常1エラー、払出制御装置200からのシュート球切れエラー、オーバーフロースイッチからのオーバーフローエラーおよび払出異常エラーのいずれかにもとづくエラーの監視を対象として設定するための遊技機状態監視テーブル1を準備する(ステップS140)。そして、エラーが発生しているか否かを判定する遊技機状態チェック処理(ステップS141)をおこなう。
次に、状態スキャンカウンタの値に応じて、ガラス枠開放、本体枠開放、枠電波不正およびタッチスイッチのいずれかにもとづくエラーの監視を対象として設定するための遊技機状態監視テーブル2を準備する(ステップS142)。そして、エラーが発生しているか否かを判定する遊技機状態チェック処理(ステップS143)をおこなう。
次に、状態スキャンカウンタの値が「0」であるか否かを判定し(ステップS144)、状態スキャンカウンタの値が「0」でない場合(ステップS144;N)は、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。この場合は、次に参照する遊技機状態監視テーブル3に遊技機状態の監視対象がない場合である。また、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合(ステップS144;Y)、状態スキャンカウンタの値に応じて、スイッチのコネクタ抜け等の発生により出力されるスイッチ異常2エラーにもとづく遊技機状態の監視を対象として設定するための遊技機状態監視テーブル3を準備する(ステップS145)。そして、エラーが発生しているか否かを判定する遊技機状態チェック処理(ステップS146)をおこない、払出ビジー信号チェック処理(ステップS147)をおこない、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。なお、払出ビジー信号チェック処理は、毎回おこなわれるのではなく、4回に1回実行されるようにしてあり、残りの3回がパスされるので、16ms周期の監視となっている。
〔払出コマンド送信処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における払出コマンド送信処理(ステップS77)の詳細について説明する。図16は、第1の実施形態の払出コマンド送信処理のフローチャートを示す図である。
まず、入賞数カウンタ領域の一例について説明すると、入賞数カウンタ領域は、入賞数カウンタ領域1と入賞数カウンタ領域2とを含む。入賞数カウンタ領域1は、2バイトのカウンタを格納可能な記憶領域である。入賞数カウンタ領域1は、たとえば、3個賞球カウンタ、10個賞球カウンタ、及び14個賞球カウンタからなり、各々の入賞数カウンタは65535入賞まで記憶可能になっている。入賞数カウンタ領域2は、1バイトのカウンタを格納可能な記憶領域である。入賞数カウンタ領域2は、3個賞球カウンタ、10個賞球カウンタ、及び14個賞球カウンタからなり、各々の入賞数カウンタは255入賞まで記憶可能になっている。これら入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックでは、入賞数カウンタ領域のアドレスを後述するステップS202等で更新することにより、上述したカウンタを上から(3個賞球カウンタから)順にチェックしていく。
図16において、左列はメイン賞球信号の出力回数を更新する(増やす)処理であり、右列は払出コマンドを送信する処理である。払出コマンド送信処理では、賞球数別(たとえば、3個賞球、10個賞球、14個賞球)に設けられた複数の入賞数カウンタ領域2のカウンタのうち、チェック対象とされたカウンタに「0」でないカウント数があるか否かを判定する(ステップS201)。そして、カウント数がない場合(ステップS201;N)、チェック対象となる入賞数カウンタ領域2のアドレスを更新し(ステップS202)、入賞数カウンタ領域2のすべてのカウンタのカウント数のチェックが終了したか否かを判定する(ステップS203)。
ステップS201で、カウント数がある(ステップS201;Y)と判定された場合、対象の入賞数カウンタ領域2のカウンタのカウント数を減算(「−1」更新)し(ステップS204)、入賞数カウンタ領域2のアドレスに対応する払出数(たとえば、上述した3個、10個、14個のうちの何れか)を取得する(ステップS205)。次に、賞球残数領域の値と払出数を加算し(ステップS206)、加算結果を賞球残数領域にセーブし(ステップS207)、加算結果から10を減算し(ステップS208)、その減算結果が「0」以上かを判定する(ステップS209)。ステップS209で、減算結果が「0」以上(ステップS209;Y)と判定された場合、メイン賞球信号出力回数を「+1」更新し(ステップS210)、減算結果を賞球残数領域にセーブする(ステップS211)。
なお、後述する外部情報編集処理におけるメイン賞球信号編集処理では、上記ステップS210で更新されるメイン賞球信号出力回数にもとづいてメイン賞球信号を出力する処理がおこなわれる。ここで、賞球信号(メイン賞球信号)としては、主基板(遊技制御装置100)からは10個払出予定ごとに1パルスが出力され、払出基板(払出制御装置200)からは10個払出ごとに1パルスが出力される。
次に、ステップS203の判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS203;Y)と判定、または、ステップS209の判定で、減算結果が「0」以上でない(ステップS209;N)と判定された場合、払出コマンド送信タイマの値が「0」でなければ払出コマンド送信タイマの値を「−1」更新する(ステップS212)。この払出コマンド送信処理が最初のタイマ割込み処理であれば、この払出コマンド送信処理の最後のステップS221で設定される初期値が設定されていないので、払出コマンド送信タイマの値は「0」であるから、減算はおこなわれないことになる。
次に、払出コマンド送信タイマの値が「0」であるか否かを判定し(ステップS213)、払出コマンド送信タイマの値が「0」である(ステップS213;Y)と判定された場合、払出ビジー信号がビジー中か否かを判定する(ステップS214)。なお、払出ビジー信号がビジー中か否かは、ポートの状態の参照ではなく、払出ビジー信号フラグの参照により判定している。ここで、払出ビジー信号がオン(ビジー中)となる条件としては、「払出動作中」、「球貸し動作中」、「シュート球切れエラー中」、「オーバーフローエラー中」、「枠電波不正発生中」、「払出球検出スイッチの異常中(払い出された球を監視するスイッチ)」、「払出不足エラー中」、「払出過剰エラー中」、「払出制御基板のメモリ内に払い出すべき賞球数のカウント(未払い出しの賞球数=獲得遊技球数残)があるとき(=0でないとき)」等である。
次に、払出ビジー信号がビジー中でない(ステップS214;N)場合、入賞数カウンタ領域1の対象のカウンタにカウントありか否かを判定し(ステップS215)、入賞数カウンタ領域1の対象のカウンタにカウントがなければ(ステップS215;N)、チェックする入賞数カウンタ領域1のアドレスを更新し(ステップS216)、全領域のチェックが終了したか否かを判定する(ステップS217)。全領域のチェックが終了していない(ステップS217;N)場合、ステップS215に戻される。
ステップS215において、入賞数カウンタ領域1の対象のカウンタにカウントがある(ステップS215;Y)場合、対象の入賞数カウンタを「−1」更新し(ステップS218)、入賞数カウンタ領域1のアドレスに対応する払出数コマンドを取得し(ステップS219)、取得したコマンドを払出用シリアル送信バッファに書き込む(ステップS220)。そして、払出コマンド送信タイマ領域に初期値(たとえば、200ms)をセーブする(ステップS221)。
ステップS213において、払出コマンド送信タイマの値が「0」でない(ステップS213;N)と判定された場合、ステップS214において、払出ビジー信号がビジー中である(ステップS214;Y)と判定された場合、ステップS217において、全領域のチェックが終了している(ステップS217;Y)と判定された場合、または、ステップS221の処理が終了した場合に、この払出コマンド送信処理を終了する。
なお、上記ステップS213、S214の判定結果によってはステップS215以降を実行しないで処理を終了する構成であることから分かるように、払出コマンドは、タイマ割込みごとに送信するのではなく、所定時間経過してから送っている。また、払出コマンドの送信は、払出制御基板側が賞球を払い出せる状態であることも条件である。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における始動口スイッチ監視処理(ステップS68)の詳細について図17を用いて説明する。図17は、第1の実施形態の始動口スイッチ監視処理のフローチャートを示す図である。
始動口スイッチ監視処理では、まず、始動口1(始動入賞口36)の入賞監視テーブルを準備し(ステップA101)、ハード乱数取得処理(ステップA102)をおこなって、始動口1への入賞があるか否かを判定する(ステップA103)。
ステップA103にて、始動口1への入賞がないと判定した場合(ステップA103;N)には、ステップA109の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
一方、ステップA103にて、始動口1への入賞があると判定した場合(ステップA103;Y)には、遊技状態が右打ちすべき所定状態(たとえば、普電サポート状態、大当り中など)であるか否かを判定する(ステップA104)。
ステップA104にて、右打ちすべき所定状態でないと判定した場合(ステップA104;N)には、ステップA107の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
一方、ステップA104にて、右打ちすべき所定状態であると判定した場合(ステップA104;Y)には、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、演出コマンド設定処理(ステップA106)をおこなう。すなわち、第1の実施形態の遊技機10の場合、普電サポート状態を除いて始動口1へは左打ちでないとほとんど入賞せず、右打ちすべき所定状態で始動口1に入賞があった場合、右打ちすべき所定状態であるのに左打ちされたと推定できるので、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信して、右打ちするよう指示する報知(警告)を演出制御装置300によっておこなうよう構成されている。
次いで、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA107)、特図始動口1スイッチ処理(ステップA108)をおこなう。
次に、始動口2(普通変動入賞装置37)の入賞監視テーブルを準備し(ステップA109)、ハード乱数取得処理(ステップA110)をおこなって、始動口2への入賞があるか否かを判定する(ステップA111)。
ステップA111にて、始動口2への入賞がないと判定した場合(ステップA111;N)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、ステップA111にて、始動口2への入賞があると判定した場合(ステップA111;Y)には、遊技状態が普電サポート状態(時短状態)となっているか否かを判定し(ステップA112)、普電サポート状態でない(ステップA112;N)と判定すると、大当り中であるか否かを判定する(ステップA113)。また、ステップA113にて、大当り中でない(ステップA113;N)と判定すると、特図変動表示ゲームが普電サポート最終変動中であるか否かを判定する(ステップA114)。
ステップA114にて、普電サポート最終変動中でない(ステップA114;N)と判定すると、左打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA115)、演出コマンド設定処理(ステップA116)をおこなう。すなわち、普電サポート状態、大当り中、普電サポート最終変動中のいずれでもなければ、左打ちすべきなので、左打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信する処理をおこなう。
そして、ステップA112にて普電サポート状態である(ステップA112;Y)と判定した場合、ステップA113にて大当り中である(ステップA113;Y)と判定した場合、ステップA114にて普電サポート最終変動中である(ステップA114;Y)と判定した場合、ステップA116の処理が終了した場合には、ステップA117に移行する。
ステップA117に移行すると、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA117)、特図始動口2スイッチ処理(ステップA118)をおこなって、始動口スイッチ監視処理を終了する。
なお、上記ステップA111にて始動口2への入賞があると判定した場合には、たとえばステップA112を実行する前に、普電不正(普通変動入賞装置37が閉状態であるにもかかわらず普通変動入賞装置37への入賞が検出される不正)があったか判定するステップを設け、この普電不正発生中であると判定した場合は、ステップA112以降を実行しないで始動口スイッチ監視処理を終了する構成とし、普電不正があった場合には第2始動記憶(特図2の始動記憶)をそれ以上発生させないようにしてもよい。
なお、上述の始動口スイッチ監視処理におけるハード乱数取得処理(ステップA102、A110)では、始動口1(始動入賞口36)および始動口2(普通変動入賞装置37)のうち、監視対象の始動口の入賞なし情報を設定して、始動口1スイッチ36aおよび始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに入力があるか否かを判定し、監視対象の始動口スイッチに入力がある場合は、乱数ラッチレジスタステータスを読み込み、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、始動口1および始動口2のうち、監視対象の始動口の入賞あり情報を設定する。ハード乱数取得処理(ステップA102、A110)では、始動口1スイッチ36aおよび始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに入力があるか否かを判定して、監視対象の始動口スイッチに入力がない場合は、ハード乱数取得処理を終了する。
〔特図始動口1スイッチ処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口1スイッチ処理(ステップA108)の詳細について図18を用いて説明する。図18は、第1の実施形態の特図始動口1スイッチ処理のフローチャートを示す図である。
特図始動口1スイッチ処理は、監視対象である始動口1スイッチ36aの入力(監視対象である特図1の始動入賞)があった場合に、おこなわれる処理である。
特図始動口1スイッチ処理では、まず、監視対象の始動口1スイッチ36aへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号1出力回数をロードし(ステップA131)、ロードした値を「+1」更新して(ステップA132)、出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(ステップA133)。出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA133;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号1出力回数領域にセーブして(ステップA134)、ステップA135の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップA133;Y)は、ステップA134をパスしてステップA135の処理に移行する。第1の実施形態では、始動口信号1出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には「+1」更新されると更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
次に、監視対象の始動口1スイッチ36aに対応する更新対象の特図1保留数(特図1の始動記憶数)が上限値未満(たとえば4個未満)であるか否かを判定する(ステップA135)。更新対象の特図1保留数が上限値未満でない場合(ステップA135;N)は、特図始動口1スイッチ処理を終了する。更新対象の特図1保留数が上限値未満である場合(ステップA135;Y)は、変動情報の設定用(たとえば先読み変動パターンの振り分け用)に使う特図1情報設定フラグをセットして(ステップA136)、更新対象の特図1保留数を「+1」更新する(ステップA137)。
続けて、特図1保留数に対応する乱数格納領域(特図1用の乱数格納領域)のアドレスを算出して(ステップA138)、ステップA125にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップA139)。次に、特図1の大当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA140)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA141)。
次いで、特図1の小当り図柄乱数を抽出し、準備して、RWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブし(ステップA142)、変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(ステップA143)、特図保留情報判定処理(ステップA144)をおこなう。その後、監視対象の特図1保留数に対応する飾り特図1保留数コマンドを準備し(ステップA145)、演出コマンド設定処理(ステップA146)をおこなって、特図始動口1スイッチ処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100の遊技用マイコン111のRAM111Cは、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入にもとづき、所定の乱数を抽出し特図変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段をなす。また、始動入賞記憶手段(RAM111C)は、始動口1(始動入賞口36)への遊技球の入賞にもとづき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶する。
〔特図始動口2スイッチ処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口2スイッチ処理(ステップA118)の詳細について図19を用いて説明する。図19は、第1の実施形態の特図始動口2スイッチ処理のフローチャートを示す図である。
特図始動口2スイッチ処理は、監視対象である始動口2スイッチ37aの入力(監視対象である特図2の始動入賞)があった場合に、おこなわれる処理である。
特図始動口2スイッチ処理では、まず、始動口2スイッチ37aへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号2出力回数をロードし(ステップA151)、ロードした値を「+1」更新して(ステップA152)、出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(ステップA153)。出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA153;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号2出力回数領域にセーブして(ステップA154)、ステップA155の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップA153;Y)は、ステップA154をパスしてステップA155の処理に移行する。第1の実施形態では、始動口信号2出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には「+1」更新されると更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
次に、監視対象の始動口2スイッチ37aに対応する更新対象の特図2保留(始動記憶)数が上限値未満(たとえば4個未満)であるか否かを判定する(ステップA155)。更新対象の特図2保留数が上限値未満でない場合(ステップA155;N)は、特図始動口2スイッチ処理を終了する。更新対象の特図2保留数が上限値未満である場合(ステップA155;Y)は、変動情報の設定用(たとえば先読み変動パターンの振り分け用)に使う特図2情報設定フラグをセットして(ステップA156)、更新対象の特図2保留数を「+1」更新する(ステップA157)。
続けて、特図2保留数に対応する乱数格納領域(特図2用の乱数格納領域)のアドレスを算出して(ステップA158)、ステップA125にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップA159)。次に、特図2の大当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA160)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA161)。
次いで、特図2の小当り図柄乱数を抽出し、準備して、RWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブし(ステップA162)、変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(ステップA163)、特図保留情報判定処理(ステップA164)をおこなう。その後、監視対象の特図2保留数に対応する飾り特図2保留数コマンドを準備し(ステップA165)、演出コマンド設定処理(ステップA166)をおこなって、特図始動口2スイッチ処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100の遊技用マイコン111のRAM111Cは、普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入にもとづき、所定の乱数を抽出し特図変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段をなす。また、始動入賞記憶手段(RAM111C)は、始動口2(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞にもとづき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の特図始動口1スイッチ処理及び特図始動口2スイッチ処理における特図保留情報判定処理(ステップA144、ステップA164)の詳細について図20を用いて説明する。図20は、第1の実施形態の特図保留情報判定処理のフローチャートを示す図である。
特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶にもとづく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定をおこなう先読み処理である。
特図保留情報判定処理では、まず、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態(高確率中)であるか否かを判定する(ステップA171)。ステップA171にて、高確率中であると判定した場合(ステップA171;Y)には、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、ステップA171にて、高確率中でないと判定した場合(ステップA171;N)には、大当り中であるか否かを判定する(ステップA172)。ステップA172にて、大当り中であると判定した場合(ステップA172;Y)には、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、ステップA172にて、大当り中でないと判定した場合(ステップA172;N)には、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA173)をおこなう。
その後、大当り判定処理の判定結果が大当りであるか否かを判定する(ステップA174)。そして、判定結果が大当りである場合(ステップA174;Y)は、対象の始動口スイッチ(いいかえると、特図種別;特図1か特図2かの種別)に対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA175)、ステップA140またはA160にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA176)、ステップA181の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
一方、判定結果が大当りでない場合(ステップA174;N)は、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップA177)をおこなう。その後、小当り判定処理の判定結果が小当りであるか否かを判定する(ステップA178)。そして、判定結果が小当りでない場合(ステップA178;N)は、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA180)、ステップA181の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
一方、判定結果が小当りである場合(ステップA178;Y)には、小当り図柄乱数チェックテーブルを設定し、ステップA142またはA162にて準備した小当り図柄乱数に対応する小当りの停止図柄情報を設定し(ステップA179)、ステップA181の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
そして、ステップA181に移行すると、ステップA176、ステップA179、あるいはステップA180のいずれかで取得又は設定された停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備し(ステップA181)、演出コマンド設定処理(ステップA182)をおこなう。次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA183)をおこない、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA184)をおこなう。
その後、特図変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターン(リーチアクション開始までの変動パターン)を示す前半変動番号および後半変動パターン(リーチアクション開始以降の変動パターン)を示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備して(ステップA185)、演出コマンド設定処理(ステップA186)をおこない、特図保留情報判定処理を終了する。
なお、ステップA183における特図情報設定処理、ステップA184における変動パターン設定処理は、特図普段処理(後述する特図1普段処理または特図2普段処理)で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。すなわち、特図保留情報判定処理がステップA144で実行される場合には、特図種別は特図1であるため、ステップA183およびA184の処理は後述する特図1情報設定処理および特図1変動パターン設定処理とそれぞれ同じであり、特図保留情報判定処理がステップA164で実行される場合には、特図種別は特図2であるため、ステップA183およびA184の処理は後述する特図2情報設定処理および特図2変動パターン設定処理とそれぞれ同じである。
以上の処理により、先読み対象の始動記憶にもとづく特図変動表示ゲームの結果を含む先読み停止図柄コマンドと、当該始動記憶にもとづく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶にもとづく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させる等して、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動入賞記憶手段(RAM111C)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶にもとづく変動表示ゲームの実行前に判定する(たとえば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶にもとづく変動表示ゲームがおこなわれる前であればいつでもよい。
〔特図1ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図1ゲーム処理(ステップS82)の詳細について図21を用いて説明する。図21は、第1の実施形態の特図1ゲーム処理のフローチャートを示す図である。
特図1ゲーム処理では、大入賞口スイッチ38aの入力の監視と、特図1変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図1(特図1変動表示ゲームで変動表示される識別情報)の表示の設定をおこなう。特図1ゲーム処理では、まず、特図2の大当り中又は小当り中(特図2変動表示ゲームの結果による大当り遊技状態又は小当り遊技状態)であるか否かを判定する(ステップA1)。特図2の大当り中又は小当り中でない場合(ステップA1;N)には、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)をおこなう。この大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッチ38aでの遊技球の検出を監視する処理をおこなう。
一方、特図2の大当り中又は小当り中であると判定された場合(ステップA1;Y)と、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)が終了した場合には、ステップA3に移行し、特図1ゲーム処理タイマが「0」でなければ「−1」更新する(ステップA3)。なお、特図1ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図1ゲーム処理タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップA4)。特図1ゲーム処理タイマの値が「0」である場合(ステップA4;Y)、すなわちタイムアップしたまたはすでにタイムアップしていた場合は、特図1ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図1ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA5)、当該テーブルを用いて特図1ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA6)。そして、特図1ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールをおこなう(ステップA7)。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図1変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図1変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図1変動中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図1普段処理(ステップA8)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図1の停止表示時間の設定や、特図1表示中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図1変動中処理(ステップA9)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図1変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図1表示中処理(ステップA10)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなうファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理をおこなうために必要な情報を設定する処理等をおこなう大入賞口開放中処理(ステップA12)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければファンファーレ/インターバル中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう一方で最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、特図1大当り終了処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう大入賞口残存球処理(ステップA13)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図1普段処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図1大当り終了処理(ステップA14)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の所定の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう小当りファンファーレ中処理(ステップA15)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「8」の場合は、小当り中動作移行処理や小当り終了画面のコマンドの設定や小当り残存球処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう小当り中処理(ステップA16)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「9」の場合は、特図1小当り終了処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう小当り残存球処理(ステップA17)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図1普段処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図1小当り終了処理(ステップA18)をおこなう。
その後、特図1図柄表示部53の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA19)、特図1図柄表示部53に係る図柄変動制御処理(ステップA20)をおこない、特図ゲーム処理を終了する。一方、ステップA4にて、特図1ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップA4;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップA19の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
なお、小当りは条件装置の作動を伴わない結果態様であり、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、たとえば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動される)ことを意味する。条件装置が作動しないとは、たとえば小当り抽選に当選したような場合のように前述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であってもよいし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であってもよい。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
〔特図2ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図2ゲーム処理(ステップS83)の詳細について図22を用いて説明する。図22は、第1の実施形態の特図2ゲーム処理のフローチャートを示す図である。
特図2ゲーム処理では、大入賞口スイッチ38aの入力の監視と、特図2変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図2(特図2変動表示ゲームで変動表示される識別情報)の表示の設定をおこなう。特図2ゲーム処理では、まず、特図1の大当り中又は小当り中(特図1変動表示ゲームの結果による大当り遊技状態又は小当り遊技状態)であるか否かを判定する(ステップA31)。特図1の大当り中又は小当り中でない場合(ステップA31;N)には、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA32)をおこなう。この大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッチ38aでの遊技球の検出を監視する処理をおこなう。
次に、特図1の大当り中又は小当り中であると判定された場合(ステップA31;Y)と、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA32)が終了した場合には、ステップA33に移行し、特図2ゲーム処理タイマが「0」でなければ「−1」更新する(ステップA33)。なお、特図2ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図2ゲーム処理タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップA34)。特図2ゲーム処理タイマの値が「0」である場合(ステップA34;Y)、すなわちタイムアップしたまたはすでにタイムアップしていた場合は、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が「0」であるか否か判定する(ステップA35)。特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が「0」でない場合(ステップA35;N)には、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数を「−1」更新し(ステップA36)、RWMにおいて特図2ゲーム処理タイマの値を記憶する領域である特図2ゲーム処理タイマ領域に長変動用タイマ値(たとえば、60000m秒)をセーブし(ステップA37)、ステップA59に移行する。
一方、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が「0」である場合(ステップA35;Y)には、特図2ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図2ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA38)、当該テーブルを用いて特図2ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA39)。そして、特図2ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールをおこなう(ステップA47)。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図2変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図2変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図2変動中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図2普段処理(ステップA48)をおこなう。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図2の停止表示時間の設定や、特図2表示中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図2変動中処理(ステップA49)をおこなう。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図2変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図2表示中処理(ステップA50)をおこなう。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなうファンファーレ/インターバル中処理(ステップA51)をおこなう。
ステップA47にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理をおこなうために必要な情報を設定する処理等をおこなう大入賞口開放中処理(ステップA52)をおこなう。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければファンファーレ/インターバル中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう一方で最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、特図2大当り終了処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう大入賞口残存球処理(ステップA53)をおこなう。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図2普段処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図2大当り終了処理(ステップA54)をおこなう。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の所定の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう小当りファンファーレ中処理(ステップA55)をおこなう。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「8」の場合は、小当り中動作移行処理や小当り終了画面のコマンドの設定や小当り残存球処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう小当り中処理(ステップA56)をおこなう。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「9」の場合は、特図2小当り終了処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう小当り残存球処理(ステップA57)をおこなう。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図2普段処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図2小当り終了処理(ステップA58)をおこなう。
その後、特図2図柄表示部54の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA59)、特図2図柄表示部54に係る図柄変動制御処理(ステップA60)をおこない、特図2ゲーム処理を終了する。一方、ステップA34にて、特図2ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップA34;N)、すなわちタイムアップしていない場合や、ステップA37の処理を終了した場合は、ステップA59の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
〔メイン処理〕
次に、演出制御装置300のメイン処理を図23を用いて説明する。図23は、第1の実施形態の演出制御装置におけるメイン処理のフローチャートを示す図である。
メイン処理は、パチンコ機1の電源供給が開始された時点で演出制御装置300の制御部(CPU311)によって実行される処理である。
[ステップD11]制御部は、割込みを禁止する。
[ステップD12]制御部は、CPU311の初期設定をおこなう。
[ステップD13]制御部は、VDP312の初期設定をおこなう。
[ステップD14]制御部は、割込みを許可する。
[ステップD15]制御部は、表示用データ生成を許可する。すなわち、制御部は、VDP312内の表示回路(図示省略)がVDP312内のVRAM(図示省略)へアクセスをおこない、表示データを生成することを許可する。
[ステップD16]制御部は、乱数シードを設定する。これは、たとえばsrand関数を用いて擬似乱数の発生系列を設定する処理である。ここで、制御部は、srand関数に与える引数として0(ゼロ)等の固定値を使用してもよいし、遊技機ごとに異なるようにCPU等のID値等を基に作成した値を使用してもよい。
[ステップD17]制御部は、演出制御装置300のRWM(たとえばRAM322)における初期化すべき領域(たとえば、演出用フラグ領域(当該演出制御装置300の制御処理において後述する各種のフラグとして使う記憶領域))に電源投入時の初期値をセーブする。
[ステップD18]制御部は、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)をクリアする。
[ステップD19]制御部は、演出ボタン入力処理を実行する。演出ボタン入力処理は、演出ボタン(選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25b)が有効時に操作された場合の編集をおこなう処理である。なお、演出ボタンは高速でオンオフしないので、制御部は、演出ボタンの入力を感知する処理を演出ボタン入力処理内でおこなってもよいし、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなってもよい。
[ステップD20]制御部は、ホール・遊技者設定モード処理を実行する。ホール・遊技者設定モード処理は、LEDや表示装置41の輝度、音量等の変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや表示装置41の輝度、音量の変更等の操作を受け付ける処理である。
[ステップD21]制御部は、乱数更新処理を実行する。乱数更新処理は、たとえばrand関数を用いてメイン処理の制御周期ごとに少なくとも1回の擬似乱数の更新をおこなう処理である。rand関数は、再計算がおこなわれる度に指定の生成系列にもとづいて乱数を生成するので、制御部は、rand関数を実行するだけで乱数を得ることができる。なお、主基板(遊技制御装置100)のように「1」ずつインクリメントするカウンタを乱数として用いてもよい。
[ステップD22]制御部は、受信コマンドチェック処理を実行する。受信コマンドチェック処理については、後で図24を用いて説明する。
[ステップD23]制御部は、演出表示編集処理を実行する。演出表示編集処理は、VDP312に表示装置41での描画内容を指示するための各種コマンドとそのパラメータの設定をおこなう処理である。たとえば、制御部は、演出表示編集処理においてコマンドをテーブル状に設定する。
[ステップD24]制御部は、描画コマンド準備終了設定を実行する。描画コマンド準備終了設定は、演出表示編集処理で設定されるVDP312へのすべてのコマンドの準備が終了したことを設定する処理である。
[ステップD25]制御部は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定し、フレーム切替タイミングであればステップD26に進み、フレーム切替タイミングでなければフレーム切替タイミングを待つ。ここで、フレーム切替タイミングは、Vブランク割込み(Vシンク割込みともいう)の周期(たとえば1/60秒)を基に作成された処理周期(たとえば1/30秒≒33.333ms)に相当する時間的間隔で到来するタイミングである。なお、Vブランク割込みは、VDP312によって描画のための画面全体の1回の走査が終了する度に発生する。このVブランク割込みの発生周期は、前述したように、たとえば1/60秒である。本実施例の場合、同じ描画が2回繰り返されてVブランク割込みが2回発生するとフレーム切替がおこなわれ、フレーム切替タイミングの周期は、Vブランク割込みの周期(たとえば1/60秒)の2倍(たとえば1/30秒≒33.33ms)になる。但し、この態様に限られず、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、たとえば、1/30秒以上の周期でフレーム切替(画像の更新)をおこなってもよいし、1/30秒未満の周期でフレーム切替をおこなってもよい。
フレーム切替タイミングの判定処理によって、これより後の処理(ステップD26乃至ステップD30、およびその後のステップD18乃至ステップD24)は、このフレーム切替タイミングで上記処理周期ごとに実行される。なお、演出内容と同期する必要のある時間管理は、このフレーム単位(即ち、上記処理周期単位)でおこなわれる。上記処理周期が、1/30秒の場合、たとえば3フレームでは100msになる。このことは、主基板(遊技制御装置)がタイマ割込み周期の4ms単位で時間値管理しているのと同様である。
[ステップD26]制御部は、ステップD23で設定したコマンドにしたがいVDP312に画面描画を指示する。たとえば、制御部は、テーブル状に設定したコマンドを順次送信して、VDP312に画面描画を指示する。
[ステップD27]制御部は、サウンド制御処理を実行する。サウンド制御処理は、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の音量制御に関する処理である。
[ステップD28]制御部は、装飾制御処理を実行する。装飾制御処理は、盤装飾装置46や枠装飾装置18等の各種LED等を制御する処理である。
[ステップD29]制御部は、可動体制御処理を実行する。可動体制御処理は、各種モータやSOL(ソレノイド)を含む可動体(たとえば、盤演出装置44)を制御する処理である。
[ステップD30]制御部は、発射情報制御処理を実行する。発射情報制御処理は、発射状態フラグにもとづいて、発射関連情報を設定するとともに、特図回転状態(所定金額分(即ち所定貸球数分)の遊技あたりの特図変動回数)に応じた演出のモード補正をおこなう処理である。
[ステップD31]制御部は、情報開示処理を実行する。情報開示処理は、遊技者に対して遊技性能に関する性能情報を開示する処理である。
制御部は、ステップD31を実行した後にステップD18に戻り、以降、ステップD18乃至ステップD31の処理を繰り返し実行する。即ち、ステップD18乃至ステップD31は、演出制御装置300の起動後に上記処理周期で繰り返し実行されるループ処理(場合によりメインループ処理という)を構成している。
なお、制御部は、画面の演出に合わせるためメインループ処理内でステップD27乃至ステップD29の処理を実行しているが、これら制御処理で生成または設定された信号やデータ(特に各種LEDやモータを駆動制御する信号等)を実際にポートに出力する処理は、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなわれる。ただし、各種デバイスの制御に特化したICを使用している場合は、シリアル通信等で指示するだけで、タイマ割込みで信号等の出力をおこなわない場合もある。
〔受信コマンドチェック処理〕
次に、受信コマンドチェック処理について図24を用いて説明する。図24は、第1の実施形態の演出制御装置における受信コマンドチェック処理のフローチャートを示す図である。受信コマンドチェック処理は、メイン処理のステップD22で制御部によって実行される処理である。
なお、受信コマンド(演出コマンド)は、MODEのデータ(1バイト)とACTIONのデータ(1バイト)とを含む構成となっており、遊技制御装置(主基板)100から演出制御装置300に演出コマンドが順次送信される。以下では、コマンドを構成するこのようなデータを、コマンドのデータあるいはコマンドデータという。
また、主基板からのコマンド受信の処理は、図示省略した「コマンド受信割込み処理」によっておこなわれる。即ち、本例のシリアル通信では、ハード的に(CPU自身の機能により)自動で送受信がおこなわれ、コマンドを受信完了すると割込み(コマンド受信割込み)が発生して知らせてくれるので、あとはシリアル受信バッファから取り出すだけでよいが、上記「コマンド受信割込み処理」では、コマンド受信割込みがあるごとに、シリアル受信バッファからコマンドをロードし、ロードしたコマンドデータに異常がないかチェックした上で、当該コマンドデータ(MODEとACTIONのデータ)をコマンドバッファに格納し、格納した分だけコマンド受信カウンタの値を「1」だけ増やす更新をおこなう。なお、制御処理の説明において、単に「格納する」というときは、後の制御処理に使用するために所定の記憶領域に読出し可能に記憶保存することを意味する(以下同様)。また、コマンドバッファは、たとえばリングバッファである。このコマンドバッファは、たとえばCPU311のRAM311a(あるいはRAM322)内の記憶領域によって構成される。コマンドバッファの容量は、システム制御周期(前述の処理周期;たとえば1/30秒)で主基板から送信される可能性のあるコマンド数以上になっていればよい。
[ステップD41]制御部は、コマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードする。なお、コマンド受信カウンタは、RWM(RAM322またはRAM311a)に設定される。コマンド受信カウンタは、ステップD43において原則として「0」クリアされるので、1フレーム(1/30秒間)の間(前述の処理周期の1周期分の時間)に受信したコマンド数を記憶する。
[ステップD42]制御部は、コマンド受信数が「0(ゼロ)」でないか否かを判定し、コマンド受信数が「0」でなければステップD43に進み、コマンド受信数が「0」であれば受信コマンドチェック処理を終了する。なお本願では、上記ステップD41のように、制御処理においてデータを「ロードする」とは、RAM(本例の演出制御装置300ではRAM322またはRAM311a)からデータを取り出すことを意味する。
[ステップD43]制御部は、コマンド受信カウンタ領域の内容(即ち、コマンド受信カウンタの値)をコマンド受信数分減算する。
なお、A:コマンド受信カウンタの値、B:コマンド受信数とすると、ステップD41の実行直後で「A=B」である。そして、ステップD43の実行直後では「A=A−B=0」となるのが通常の動きだが、本例の態様では、演出制御装置300は遊技制御装置(主基板)100からのコマンド受信割込みを割込み禁止にせず最優先にしているので、ステップD41の処理からステップD43の処理までの間にAの値が増えている可能性がある。よって、ステップD43の処理を「A←0」(即ち、コマンド受信カウンタの値をゼロとする処理)としてしまうとコマンドのカウントがずれてしまうので、ステップD43では「A−B」という減算処理をおこなっている。但し、本実施例のように主基板からのコマンドの送受信にシリアル通信を使用した場合は、割込み禁止にしてステップD41の処理からステップD153までの処理の間にAの値が増えることがないようして、ステップD43の処理内容を「A←0」としてもよい。
[ステップD44]制御部は、受信コマンドバッファ(コマンドバッファに相当、以下単にコマンドバッファという場合もある)の内容(即ち、コマンドバッファの読出用ポインタに対応するアドレスに記憶されているコマンドデータ)をコマンド領域(場合により、コマンド格納領域という)にコピーする。コマンド領域は、たとえばRAM322またはRAM311a内の記憶領域にあって、いわゆるFIFO形式(先入れ先出し形式)のバッファである。
[ステップD45]制御部は、コマンドバッファのデータを読み出したので、コマンドバッファの読出用ポインタであるコマンド読出インデックスの値を、たとえば「0」乃至「31」の範囲で「1」だけ増やす更新をおこなう。なお、ここでの「0」乃至「31」の範囲は、コマンドバッファの容量(たとえば、「32」)に対応している。
[ステップD46]制御部は、コマンド受信数分のコマンドをコピー完了したか否か(即ち、コマンド受信数分だけステップD44およびステップD45を繰り返し実行したか否か)を判定する。制御部は、コマンド受信数分のコマンドをコピー完了した場合にステップD47に進み、コピー完了していない場合にステップD44に進む。
[ステップD47]制御部は、コマンド領域の内容(コマンド領域の未だ読み出されていないデータのうちで一番先に格納されたデータ、即ち、次に読み出すべきデータ)をロード(即ち、読み出し)する。
[ステップD48]制御部は、受信コマンド解析処理を実行する。受信コマンド解析処理は、ロードしたコマンド(以下、今回のコマンドという)のデータを解析する処理である。受信コマンド解析処理については、図25を用いて後で説明する。
[ステップD49]制御部は、コマンド領域のアドレス(次に読み出すべきデータのアドレス)を更新する。
[ステップD50]制御部は、コマンド受信数分のコマンドを解析完了したか否か(即ち、コマンド受信数分だけステップD47乃至ステップD49を繰り返し実行したか否か)を判定する。制御部は、コマンド受信数分のコマンドを解析完了していない場合にステップD47に進み、解析完了した場合に受信コマンドチェック処理を終了する。
〔受信コマンド解析処理〕
次に、受信コマンド解析処理について図25を用いて説明する。図25は、第1の実施形態の演出制御装置における受信コマンド解析処理のフローチャートを示す図である。受信コマンド解析処理は、受信コマンドチェック処理のステップD48で制御部によって実行される処理である。
[ステップD51]制御部は、受信コマンドチェック処理のステップD47においてロードした今回のコマンドのデータのうちの上位バイトをMODEに、下位バイトをACTにそれぞれ分離して記憶する。なお、特図の変動パターンを指令する変動系のコマンドの場合、MODEとして記憶される上位バイトのデータは前半変動パターンを指令し、ACTとして記憶される下位バイトのデータは後半変動パターンを指令するものである。
[ステップD52]制御部は、ステップD51で分離されたMODEの値が正常範囲にあるか否かを判定する。制御部は、MODEの値が正常範囲にある場合にステップD53に進み、MODEの値が正常範囲にない場合に受信コマンド解析処理を終了する。なお、MODEの値は定義されずに使用されていない値もあり、このような使用されていない値である場合には、ステップD52の判定で正常範囲でないと判定される。
[ステップD53]制御部は、ステップD51で分離されたACTの値が正常範囲にあるか否かを判定する。制御部は、ACTの値が正常範囲にある場合にステップD54に進み、ACTの値が正常範囲にない場合に受信コマンド解析処理を終了する。
また、上記ステップD53における、ステップD51で分離されたACTの値が正常範囲か否かの判定は、たとえば次のようにおこなう。即ち、MODEごとに有効なACTの値は異なり、このACTの有効値の上限〜下限は所定のACTIONチェックテーブル(図示省略)に定義されており、ステップD53ではこの上限〜下限の範囲内に分離されたACTの値が収まっているかをチェックし、収まっていれば正常範囲と判定する(この時点では後述する歯抜けチェックが出来ていない)。
[ステップD54]制御部は、分離されたMODEの値に対する分離されたACTの値が正しい組み合わせであるか否かを判定する。制御部は、ACTの値が正しい組み合わせである場合にステップD55に進み、正しい組み合わせでない場合に受信コマンド解析処理を終了する。ACTの値が正しい組み合わせであるか否かの判定は、たとえば一致チェックテーブルを使っておこなうことができる。一致チェックテーブルは、MODEの値に対して有効なすべてのACTの値(ACTIONの値)が先頭アドレスから順に登録されたものであり、MODEの値ごとに設けられている。そして、MODEの値に対応するこの一致チェックテーブルの中に、分離されたACTの値が有れば正しい組み合わせであると判定でき、一致チェックテーブルの中に分離されたACTの値が無ければ正しい組み合わせでないと判定できる。
なお、ACTの値が正しい組み合わせであるか否かの判定は、MODEに対して正常なACTの組み合わせになっているか否かの歯抜けチェックを含めて実行している。1つのMODEに対し、有効なACTは複数あるがそれらの値が連続しているとは限らない(即ち、不連続に存在していない値、歯抜けになっている値がある)ので、コマンドが有効値であるかを比較確認している。そして、一致チェックテーブル中には有効値のみ定義されているので、それらの何れかと一致するかを1つ1つ比較確認している。
[ステップD55]制御部は、MODEのデータが変動系コマンド範囲内にあるか否かを判定する。制御部は、MODEの値が変動系コマンド範囲内にある場合に変動系コマンド処理(詳細省略)を実行し(ステップD56)、MODEのデータが変動系コマンド範囲内にない場合にステップD57に進む。
ここで、MODEのデータとは、ステップD51で分離されて記憶されたMODEのデータである(後述のステップD57等でも同様)。また、変動系コマンド(変動コマンドあるいは変動パターンコマンドという場合もある)は、特図の変動パターンを指令するコマンドであり、この変動コマンドのデータがとり得る範囲が変動系コマンド範囲である。
[ステップD57]制御部は、MODEのデータが大当り系コマンド範囲内にあるか否かを判定する。制御部は、MODEのデータが大当り系コマンド範囲内にある場合に大当り系コマンド処理(詳細省略)を実行し(ステップD58)、MODEのデータが大当り系コマンド範囲内にない場合にステップD59に進む。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示等)を指令するコマンドであり、この大当り系コマンドのデータがとり得る範囲が大当り系コマンド範囲である。
[ステップD59]制御部は、MODEのデータが図柄系コマンド範囲内にあるか否かを判定する。制御部は、MODEの値が図柄系コマンド範囲内にある場合に図柄系コマンド処理(詳細省略)を実行し(ステップD60)、MODEのデータが図柄系コマンド範囲内にない場合にステップD61に進む。図柄系コマンド(図柄コマンド、あるいは飾り特図コマンドという場合もある)は、特図の図柄に関する情報(たとえば、特図の停止図柄を何にするか等)を指令するコマンドであり、この図柄コマンドのデータがとり得る範囲が図柄系コマンド範囲である。
[ステップD61]制御部は、MODEのデータが単発系コマンド範囲内にあるか否かを判定する。制御部は、MODEの値が単発系コマンド範囲内にある場合に単発系コマンド処理(詳細省略)を実行し(ステップD62)、MODEのデータが単発系コマンド範囲内にない場合にステップD63に進む。なお、図柄コマンドと変動系コマンドのように組み合わせで意味をなすコマンドと違い、単独で成立するコマンドを単発系コマンドという。単発系コマンド(単発コマンドという場合もある)には、客待ちデモコマンド、保留数コマンド、図柄停止コマンド、確率情報系コマンド、エラー/不正系コマンド、機種指定コマンド等がある。この単発コマンドのデータがとり得る範囲が単発系コマンド範囲である。
[ステップD63]制御部は、MODEのデータが先読み図柄系コマンド範囲内にあるか否かを判定する。制御部は、MODEのデータが先読み図柄系コマンド範囲内にある場合に先読み図柄系コマンド処理(詳細省略)を実行し(ステップD64)、MODEのデータが先読み図柄系コマンド範囲内にない場合にステップD65に進む。
[ステップD65]制御部は、MODEのデータが先読み変動系コマンド範囲内にあるか否かを判定する。制御部は、MODEのデータが先読み変動系コマンド範囲内にある場合に先読み変動系コマンド処理(詳細省略)を実行し(ステップD66)、MODEのデータが先読み変動系コマンド範囲内にない場合に受信コマンド解析処理を終了する。
なお、先読み図柄系コマンドおよび先読み変動系コマンドは、先読み演出のためのコマンドである。また、ステップD56、D58、D60、D62、D64、D66のいずれかの処理が終了すると、受信コマンド解析処理を終了する。
ここで、先読み演出(先読み予告、あるいは先読み予告演出ともいう)とは、特図の変動表示ゲームが未実行の始動入賞記憶(始動入賞記憶の保留、あるいは単に保留という)に対応する変動表示ゲームがその後実行された時に大当りになるか否か(あるいはどんな変動パターンになるか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、始動入賞記憶の保留表示等を通常と異なる態様でおこなう等の演出である。そして、先読み系コマンド(先読み変動系コマンド、および先読み図柄系コマンド)は、先読み演出の対象となる始動入賞記憶の保留に対応する変動パターンや停止図柄を事前に知らせるコマンドであり、始動入賞時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。なお、先読みでない通常の変動系コマンドや図柄系コマンドは、変動表示開始時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
[ベースの算出と表示]
ここで、遊技機10がおこなう遊技性能としてのベースの算出と表示について、図26、図27を用いて説明する。ここでベースとは、通常遊技状態での出玉率である。ここで通常遊技状態とは、時短状態ではなく大当り遊技状態(大当り状態)でもない状態であり、さらに一般的には、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確状態)である状態である。また出玉率とは、アウト球数100個あたりの払出球数である。そのため、通常遊技状態でのアウト球数をNoutとし、通常遊技状態での払出球数をNsafeとした場合、ベースBは、B=(Nsafe÷Nout)×100という式で算出する。なお、アウト球数とは、遊技領域に発射されてアウト口又は入賞口に入った球数(たとえば前述したアウト球検出スイッチ信号にもとづいて計数される球数)であり、アウト個数、或いは単にアウトなどと称することもある。また払出球数とは、入賞に対して払い出された賞球数であり、払出個数、セーフ球数、或いは単にセーフなどと称することもある。
図3の説明で既述したように、遊技機10の遊技制御装置100には性能表示装置135が設けられている。図26は、第1の実施形態のベースの表示手段である性能表示装置とベース用の記憶領域を示す図であり、図26(1)は性能表示装置135の表示部を示し、図26(2)はベース用の記憶領域を示す。また図27は、第1の実施形態の性能表示装置による表示例を示す。
性能表示装置135は、図26(1)に示すように、横に4個並べて設けられた4桁分の7セグメントLEDよりなり、各7セグメントLEDの右下にはドットポイント(小さな円形の発光部)が設けられている。ベースの表示に関して、4桁の7セグメントLEDのうち、左側の2桁はベースの計測時期(計測中のものか否かや計測した順番)を表示する識別セグとなっており、右側の2桁はベースの値を表示する比率セグとなっている。なお図27に示すように、性能表示装置135の7セグメントLEDでは「B」を実際には小文字「b」の形態で表示する。
遊技制御装置100は(詳細には、制御部であるCPU111Aは)、RAM111CなどのRWMに、図26(2)に示すようなベース用の記憶領域を設定し、ベースの算出とベースの表示に使用する。すなわち遊技制御装置100は、ベース算出用記憶領域として、アウト球数の累積値を記憶する「アウト球数」と、払出球数の累積値を記憶する「払出球数」とを設定する。また、ベースの算出値を記憶するベース用記憶領域として、「ベース(BL)」、「ベース(B1)」、「ベース(B2)」、「ベース(B3)」を設定する。
ここで、「ベース(BL)」は計測中のベースを記憶する領域であり、「ベース(B1)」は1回前に計測したベースを記憶する領域であり、「ベース(B2)」は2回前に計測したベースを記憶する領域であり、「ベース(B3)」は3回前に計測したベースを記憶する領域である。つまり、「ベース(B3)」が設定される記憶領域のうちで最も古いベースの計測値(算出値)を記憶する領域である。
なお、上述したベース算出用記憶領域とベース用記憶領域の記憶値は、電源断時にはバックアップされて記憶保持され、またRWMの異常を除いて、RAMクリア時(RAM初期化スイッチ112を押して電源投入時)にもゼロクリアしないで記憶保持する構成であることが望ましい。
遊技制御装置100は、前述した設定変更モード又は設定確認モードにおいて確率設定の設定内容(5段階のうちの何れかの設定)を性能表示装置135によって表示する場合を除いて、性能表示装置135によってベースの表示をおこなう。なお、前述した第1の実施形態では、確率設定の設定内容の表示は確率設定値表示装置136によりおこなう態様を説明した。しかし、確率設定値表示装置136を削除して、性能表示装置135が確率設定値表示装置としても機能する構成としてもよく、その場合には、性能表示装置135によって上記設定内容の表示を上記各モードにおいておこない、それ以外では性能表示装置135によってベースの表示をおこなう。
遊技制御装置100は、ベースの算出と表示を一例として次のようにおこなう。すなわち遊技制御装置100は、電源投入時にはまず、性能表示装置135の4桁の7セグメントLEDの全てのセグメント(ドットポイント含む)を確認として所定時間(たとえば5秒間)全点滅させる。
その後、遊技制御装置100は、図27(1)に示すようなBL表示状態、図27(2)に示すようなB1表示状態、図27(3)に示すようなB2表示状態、図27(4)に示すようなB3表示状態、をそれぞれ所定時間(たとえば5秒間)維持する動作を繰り返し実行する。すなわち、電源投入後の定常状態では、BL表示状態を所定時間維持し、次いでB1表示状態を所定時間維持し、次いでB2表示状態を所定時間維持し、次いでB3表示状態を所定時間維持し、次いでBL表示状態を所定時間維持し、次いでB1表示状態を所定時間維持し、…といったように四つの状態を順に切り替えて繰り返す。
ここで、BL表示状態で遊技制御装置100は、識別セグにベースの計測時期が計測中(今回)であることを示す「bL」(BL)を表示し、比率セグにベース用記憶領域「ベース(BL)」の値(或いは「 - - 」)を表示する。また、B1表示状態で遊技制御装置100は、識別セグにベースの計測時期が1回前であることを示す「b1」(B1)を表示し、比率セグにベース用記憶領域「ベース(B1)」の値(或いは「 - - 」)を表示する。また、B2表示状態で遊技制御装置100は、識別セグにベースの計測時期が2回前であることを示す「b2」(B2)を表示し、比率セグにベース用記憶領域「ベース(B2)」の値(或いは「 - - 」)を表示する。また、B3表示状態で遊技制御装置100は、識別セグにベースの計測時期が3回前であることを示す「b3」(B3)を表示し、比率セグにベース用記憶領域「ベース(B3)」の値(或いは「 - - 」)を表示する。
一方、ベースの算出のために遊技制御装置100は、起動後に、通常遊技状態でたとえばアウト球が検出されるごと(すなわちアウト球検出スイッチ信号が出力されるごと)にベース算出用記憶領域の「アウト球数」の記憶値を検出されたアウト球の数に相当する値だけ増加させ、通常遊技状態で遊技球の入賞口への入賞があるごと(或いは入賞にもとづく賞球の払出が発生するごとなど)にベース算出用記憶領域の「払出球数」の記憶値を発生した払出球数(或いは払出制御装置200からの信号にもとづいて検知した実際に払い出した賞球数でもよい)に相当する値だけ増加させる。また遊技制御装置100は、たとえばベース算出用記憶領域の「アウト球数」または「払出球数」の記憶値が変化するごとに、前述した式でベースBを算出し、算出結果をベースBの最新の値としてベース用記憶領域の「ベース(BL)」に上書きする。
なお、遊技制御装置100は、ベース算出用記憶領域の「アウト球数」の記憶値が規定の計測個数(たとえば60000個)に到達すると、1回の計測が終了したとして、次のような計測終了時の処理をおこなう構成となっている。この計測終了時の処理では、その時点のベース用記憶領域「ベース(B2)」の値をベース用記憶領域「ベース(B3)」に上書きし、その時点のベース用記憶領域「ベース(B1)」の値をベース用記憶領域「ベース(B2)」に上書きし、その時点のベース用記憶領域「ベース(BL)」の値をベース用記憶領域「ベース(B1)」に上書きし、さらに、ベース算出用記憶領域の「アウト球数」と「払出球数」の記憶値をクリアしてゼロにリセットする。これにより、常に最大3回前までのベースの値と、現在計測中のベースの値とが記憶保持される。
そして遊技制御装置100は、初回電源投入時(ベース算出用記憶領域「アウト球数」の記憶値はゼロ)からベース算出用記憶領域「アウト球数」の記憶値が所定の算出開始個数(たとえば300個未満の所定個数)未満である期間Aでは、各表示状態において、識別セグでは「bL」、「b1」…といったベースの計測時期を示す文字を点滅表示し、比率セグでは図27(4)に示すように「 - - 」(中央の横長のセグメントのみを発光させる状態)を表示し、未計測状態であることを報知する。
次いで遊技制御装置100は、ベース算出用記憶領域「アウト球数」の記憶値が所定の算出開始個数(たとえば300個未満の所定個数)に到達すると、ベース算出用記憶領域とベース用記憶領域を初期化(ゼロクリア)して1回目の計測を開始する。
そして遊技制御装置100は、1回目の計測開始からベース算出用記憶領域「アウト球数」の記憶値が計測個数(たとえば60000個)に到達するまでの期間Bでは、BL表示状態において、識別セグでは「bL」を点滅表示または点灯表示し、比率セグではベース用記憶領域「ベース(BL)」の値を表示する。また期間Bでは、その他の表示状態(B1〜B3表示状態)においては、識別セグでは「b1」…といったベースの計測時期を示す文字を点滅表示し、比率セグでは「 - - 」を表示し、未計測状態であることを報知する。
なお、BL表示状態における識別セグでの「bL」の表示は、ベース算出用記憶領域「アウト球数」の記憶値が計測個数未満である場合には点滅表示とし、ベース算出用記憶領域「アウト球数」の記憶値が計測個数に到達した場合には点灯表示とする。また、上記識別セグや比率セグでの点滅表示の点滅周期は、たとえば0.6秒周期とし、そのうちたとえば点灯0.3秒、消灯0.3秒とする。また、「アウト球数」の記憶値が計測個数(たとえば60000個)に到達して期間Bが終了すると、前述した計測終了時の処理をおこない、次の2回目の計測を開始する。
その後、遊技制御装置100は、上記1回目の計測をおこなう期間Bと同様に、2回目の計測をおこなう期間C、3回目の計測をおこなう期間D、4回目の計測をおこなう期間E、…というように計測を連続的におこなう。そして、3回目の計測を終了した時点以降では、過去3回のベースの算出値が記憶されているので、B1〜B3表示状態の全てにおいて、識別セグでは「b1」…といったベースの計測時期を示す文字を点灯表示し、比率セグでは対応するベース用記憶領域(「ベース(B1)」、「ベース(B2)」、「ベース(B3)」のうちの何れか)の値を表示する。
なお、図27(1)〜(4)は、2回目の計測が終了した後の上記期間Dにおける各表示状態での具体的な表示の一例を示している。この場合、3回前の計測結果はないので、B3表示状態の具体例である図27(4)では、比率セグの表示が「 - - 」(未計測状態を示す表示)となっている。
また、BL表示状態の具体例である図27(1)では、比率セグの表示が「 5 8 」となっていて、現在計測中のリアルタイムのベースの値が58であることを示している。また、B1表示状態の具体例である図27(2)では、比率セグの表示が「 6 7 」となっていて、1回前に計測された規定の計測個数に対するベースの値が67であることを示している。また、B2表示状態の具体例である図27(3)では、比率セグの表示が「 4 9 」となっていて、2回前に計測された規定の計測個数に対するベースの値が49であることを示している。なお、ベースの値が100以上の場合には、比率セグの表示を「 9 9.」(比率セグで数字99を表示し、かつ最後の桁のドットポイントを点灯)とすることで、100以上であることを報知する。
またベースの値は、一般的にたとえば25〜35程度の範囲が正常範囲であり、この範囲より小さくても、この範囲より大きくても異常であり、この異常はベース異常と呼ばれる。前述した図27の表示例は、正常範囲を超えるベース異常の計測結果が連続している状態を一例として示しており、正常な場合には、識別セグに25〜35程度の正常範囲内の数値が表示される。
遊技制御装置100は、たとえば、ベース用記憶領域(「ベース(B1)」、「ベース(B2)」、「ベース(B3)」)に記憶されている過去3回のベースの計測値(上記B1〜B3表示状態での比率セグの表示値)が全て正常範囲から外れて異常である場合に、ベース異常が発生したとして、ベース異常が発生したことを示す信号を外部のたとえば遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)に送信する。
このベース異常を示す信号(情報)は、たとえばコマンドとして演出制御装置300に送信されて、この信号を受けた演出制御装置300の制御によって、表示装置41の表示領域に、このベース異常を報知する画像(たとえばエラー報知画像807に相当する画像)が表示される構成としてもよい。また、このベース異常は、不正がおこなわれている場合に発生する可能性があるので、前述の強エラーに設定することが望ましい。
また、図26、図27に示した例では、ベースの計測値を過去3回前まで記憶し表示する構成であるが、ベース用記憶領域の数を増やして過去4回以上前まで記憶し表示する構成でもよい。また、ベース算出用記憶領域は、計測中のものしか設定していないが、過去の計測値の算出の基となったアウト球数と払出球数を記憶しておく記憶領域をそれぞれ設けてもよい。
[第2の実施形態]
次に第2の実施形態の遊技機10について説明する。第2の実施形態の遊技機10は、複数の遊技性能(たとえば、ゲームの抽選に用いる確率(遊技者にとって有利な状態(大当り)を導出する確率))の設定を備え、設定の変更によって遊技性能を変更可能に構成されている。遊技機10では、遊技性能の設定は複数段階(たとえば、「1」〜「6」の6段階)あり、各段階に対応する設定値を設定(セット)することで設定の変更がおこなわれる。第2の実施形態の遊技機10は、遊技者に対して遊技性能の設定(セットされた設定値)の示唆をおこなう。
まず、第2の実施形態の表示装置41における表示画面の構成例について図28を用いて説明する。図28は、第2の実施形態における表示装置の表示画面の構成例を示す図である。
表示画面500は、2組の飾り図柄と、特図1保留数表示503と、特図2保留数表示504と、保留表示領域505aと、保留表示505bと、保留消化表示領域506aと、保留消化表示506bを表示内容に含む。
2組の飾り図柄は、第1飾り図柄として大図柄群501と、第2飾り図柄として小図柄群502とがある。大図柄群501は、興趣向上を目的として遊技演出を担当する。そのため、大図柄群501は、表示装置41の略中央部に大きく表示される。大図柄群501は、左図柄501Lと中図柄501Cと右図柄501Rとを含む。表示画面500の左図柄501Lと中図柄501Cと右図柄501Rは、いずれも停止しており、対応する特図変動表示ゲームが図柄停止状態であることを示す。
一般に、大図柄群501は、左図柄501L、右図柄501R、中図柄501Cの順に(若しくは、左図柄501L及び右図柄501R、中図柄501Cが同時に)変動を開始し、左図柄501L、右図柄501R、中図柄501Cの順に停止(仮停止を含む)する。そのため、大図柄群501は、多くの場合において、左図柄501Lと右図柄501Rとでリーチ態様を形成し、中図柄501Cの停止を待って大当り態様を形成可能にする。
大図柄群501を構成する図柄(左図柄501Lと中図柄501Cと右図柄501R)は、主として意匠性の高い装飾図柄による。
小図柄群502は、遊技者の遊技状態把握の容易性向上を目的として変動表示状態の報知を担当する。そのため、小図柄群502は、大図柄群501による表示演出を邪魔せず視認性を確保するように表示装置41の周縁部に小さく表示される。小図柄群502は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。表示画面500の小図柄群502における左図柄と中図柄と右図柄は、いずれも停止しており、対応する特図変動表示ゲームが図柄停止状態であることを示す。
一般に、大図柄群501は、小図柄群502と比較して、大きく表示され、表示位置の自由度が高く、またその表示態様が大きく変化可能である。反対に、小図柄群502は、大図柄群501と比較して、小さく表示され、表示位置の自由度が低い(たとえば位置固定)。
これらによって遊技機10は、大図柄群501について表示演出の多様性を確保しながら小図柄群502について視認性を確保し、遊技者の遊技状態把握を容易にすることができる。
特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数(始動記憶数)を表示する。たとえば、特図1ゲームの保留記憶は、始動入賞口36への入賞を契機にして生じる。特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数を表示する。たとえば、特図2ゲームの保留記憶は、普通変動入賞装置37への入賞を契機にして生じる。
保留表示領域505aは、保留表示505bを表示する範囲を明示する領域である。保留表示505bは、その表示態様により、特図変動表示ゲームの保留記憶数(保留している始動記憶の数)を明示するとともに、保留記憶ごとのゲーム結果に対する期待度を報知できる。保留表示505bが表示する保留記憶数は、遊技状態に応じて、特図1保留数表示503が表示する保留記憶数、または特図2保留数表示504が表示する保留記憶数のいずれか、または双方の合計数に相当する。
なお、保留表示505bが表示する保留記憶数は、「0」から「4」までの値とし、これを超える保留記憶数を表示対象外とする。遊技機10は、保留表示505bが一部または全部の保留記憶を表示対象外としても、特図1保留数表示503と特図2保留数表示504とによって正確な保留記憶数の表示を担保できる。
保留消化表示領域506aは、保留消化表示506bを表示する範囲を明示する領域である。保留消化表示506bは、その表示態様により、特図変動表示ゲームが変動表示状態にあることを示すとともにゲーム結果に対する期待度を報知できる。すなわち、遊技機10は、保留表示505bと保留消化表示506bとを用いて保留予告演出をおこなうことができる。保留予告演出は、保留表示505bと保留消化表示506bとを用いておこなう先読み演出の一態様である。
表示画面500は、特図1保留数表示503が示す特図1ゲームの保留記憶数が「3」であり、特図2保留数表示504が示す特図2ゲームの保留記憶数が「0」であることから、保留表示505bが示す保留記憶数も「3」である。また、表示画面500は、保留消化表示506bにより特図変動表示ゲームが図柄停止中であることを示す。
また、遊技機10は、大図柄群501と小図柄群502について変動表示中の変動態様を異なるものとすることができる。たとえば、遊技機10は、大図柄群501について縦スクロールとするとき、大図柄群501と小図柄群502との区別を容易にすることができる。また、遊技機10は、大図柄群501と小図柄群502とで非同期に図柄を更新する場合があっても、遊技者に与える違和感を軽減できる。
次に、第2の実施形態の遊技機10によるセットした設定値(遊技性能の設定)の示唆について図29,30を用いて説明する。第2の実施形態では遊技機10は、特図変動表示ゲーム実行中に所定条件が成立すると(たとえば、リーチが発生すると)設定値を示唆する演出(示唆演出)を実行する。図29は、第2の実施形態における表示装置の表示画面の一例を示す図(その1)である。図30は、第2の実施形態における表示装置の表示画面の一例を示す図(その2)である。
遊技機10は、特図変動表示ゲーム(図柄変動)を開始する。図29(1)の表示画面510は、表示画面500後の表示画面であって、特図変動表示ゲームを開始後の表示画面を示す。表示画面510では大図柄群501(左図柄501Lと中図柄501Cと右図柄501R)および小図柄群502(左図柄と中図柄と右図柄)は、図柄を変動させており、特図変動表示ゲームが変動表示中(図柄変動中)である(変動表示を開始した)ことを示す。
また、表示画面510では特図1保留数表示503は、新たに特図変動表示ゲームを開始したことに伴い、表示画面500の状態から保留数を「1」減少し、「2」を表示している。また、表示画面510では、保留表示505bは、新たに特図変動表示ゲームが開始したことに伴い、表示する保留記憶を示すアイコン(保留中の始動記憶)の数が表示画面500の状態から「1」減少し、保留記憶数が「2」であることを示す。また、表示画面510では、保留消化表示506bは、消化中の保留記憶を示すアイコンを表示し、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
次に、遊技機10は、左図柄501Lと右図柄501Rを仮停止表示し、リーチを形成する。図29(2)の表示画面511は、表示画面510後の表示画面であって、特図変動表示ゲーム中にリーチが成立(リーチを形成)した状態の表示画面を示す。表示画面511は、リーチ表示512を表示内容に含む。リーチ表示512は、リーチが発生したことを明示する。表示画面511では大図柄群501は、左図柄501Lおよび右図柄501Rが「7」を表示する状態で揺動して仮停止するとともに中図柄が変動表示しており、リーチ図柄が「7」であるリーチが発生した状態であることを示す。
次に、遊技機10は、リーチの発生を契機に設定値の示唆を実行することを報知(予告)する。図29(3)の表示画面513は、表示画面511後の表示画面であって、設定値の示唆を実行することを予告している表示画面(示唆実行予告中の表示画面)を示す。表示画面513では大図柄群501は、左図柄501Lおよび右図柄501Rが「7」を表示する状態で揺動して仮停止するとともに中図柄501Cが専用図柄「設定示唆」(設定示唆図柄)で仮停止し、設定値の示唆を実行することを予告している状態であることを示す。このように遊技機10は、設定値の示唆を実行することを予告することで設定値の示唆がおこなわれることを遊技者に把握可能にできる。
なお、設定示唆図柄は、識別情報(図柄)の一つである。また、設定示唆図柄は、あらかじめ図柄配列内に組み込まれていてもよいし、変動表示中に図柄配列内に追加されるものであってもよい。なお、設定示唆図柄は、仮停止表示されることで遊技者に明示される場合に限らず、本停止表示されることで遊技者に明示される場合があってもよい。
次に、遊技機10は、設定値を示唆する演出(示唆演出)を実行する。図30(1)の表示画面514は、表示画面513後の表示画面であって、示唆演出を実行開始した状態の表示画面を示す。
表示画面514は、示唆演出表示515を表示内容に含む。示唆演出表示515は、設定値を示唆する示唆演出を表示する。示唆演出表示515は、画面中央部に表示される。
表示画面514では示唆演出表示515が表示されることに伴い、大図柄群501は表示画面513の状態よりも縮小されるとともに上部に表示されている。また、表示画面514では大図柄群501の各図柄は仮停止状態から再変動を開始している。
表示画面514では示唆演出表示515は、虎のようなキャラクタのチーム(チームA)とサングラスをかけた虎のようなキャラクタのチーム(チームB)とが対戦する演出が開始することを示す。また、表示画面514では示唆演出表示515は、チームAと対応付けて設定値「1」,「3」,「5」を示すアイコンを表示し、チームBと対応付けて設定値「2」,「4」,「6」を示すアイコンを表示する。すなわち、表示画面514において示唆演出表示515は、チームAが勝利した場合には遊技機10の設定値が「1」,「3」,「5」のいずれかであることを示唆し、チームBが対戦に勝利した場合には遊技機10の設定値が「2」,「4」,「6」のいずれかであることを示唆する。
次に、遊技機10は、示唆演出の結果として設定値を示唆する。図30(2)の表示画面516は、表示画面514後の表示画面であって、設定値を示唆中の表示画面を示す。表示画面516では示唆演出表示515は、チームAに対応付けて「勝利」という文字を表示するとともに、サングラスをかけた虎のようなキャラクタを敗北に対応する表情で表示することによってチームAが勝利したことを示す。すなわち、表示画面516では示唆演出表示515は、遊技機10の設定値が「1」,「3」,「5」のいずれかであることを示唆する。
このように遊技機10は、示唆演出表示515により遊技機10に設定された設定値(遊技性能の設定)を示唆することにより(遊技機10の設定値の手掛かりを提供することにより)、遊技者による設定値の推測を可能としている。これにより遊技機10は、興趣を向上できる。
なお、遊技機10は、設定値が「1」,「3」,「5」である場合のみに関わらず、設定値が「1」,「3」,「5」でない場合であっても、設定値が「1」,「3」,「5」のいずれかであることを示唆してもよい。この場合、たとえば、遊技機10は、設定値が「1」,「3」,「5」のいずれかであることの示唆よりも、設定値が「2」,「4」,「6」のいずれかであることの示唆が発生する確率を高くすれば、複数回の示唆演出を通して設定値が「1」,「3」,「5」でないことを示唆できる。このように、実際の設定値以外も示唆することを許容することで、遊技機10は、設定値の推測難易度を調整できる。
次に、遊技機10は、示唆演出を終了する。図30(3)の表示画面517は、表示画面516後の表示画面であって、示唆演出を終了した状態の表示画面を示す。表示画面517では、示唆演出が終了したことに伴い表示画面516において中央部に表示されていた示唆演出表示515がなくなり、大図柄群501が表示画面516の状態から拡大され中央部から上部に亘って表示した状態に復帰している(表示画面510と同様の状態となっている)。
その後、遊技機10は、示唆演出を終了した後、変動中の図柄(大図柄、小図柄)を停止させ、特図変動表示ゲームの結果を導出し、特図変動表示ゲームを終了する。
次に設定中の設定値と示唆演出の結果(示唆内容)の関係について図31を用いて説明する。図31は、第2の実施形態における遊技機の設定値と示唆内容との対応関係の一例を示す図である。
図31に示すテーブルは、各設定値の遊技機10において、前述した示唆演出(設定値「1」,「3」,「5」と対応付けられたチームAと設定値「2」,「4」,「6」と対応付けられたチームBとの対戦する演出)が発生した場合における各示唆内容の発生確率を示す。
遊技機10に設定される設定値は、「1」〜「6」までの6段階がある。たとえば、設定値「1」が最低設定(遊技性能が最低)であり、設定値が大きな値になるほど高設定(遊技性能が高くなる)である。
設定値が「1」である場合において前述した示唆演出が発生した場合、Pa1(>Pb1)の確率で示唆内容が設定値「1」,「3」,「5」となり(チームAが勝利し)、Pb1(<Pa1)の確率で示唆内容が設定値「2」,「4」,「6」となる(チームBが勝利する)。すなわち、設定値が「1」である場合には、設定値「1」が属するチームAが勝利する結果を導出する確率が相対的に高くなっている。これにより、遊技機10は、複数回の示唆演出を通して遊技機10に設定された設定値がチームAとチームBのどちらに属するかを推測可能としている。なお、遊技機10は、Pb1をPa1より確率を低くすればよく、例えば、発生確率を0%としてもよい。また、Pb1とPa1との発生確率の差を調整して、推測難易度を調整することもできる(たとえば、発生確率の差を大きくするほど推測難易度を低くすることができる)。
設定値が「2」である場合において前述した示唆演出が発生した場合、Pa2(<Pb2)の確率で示唆内容が設定値「1」,「3」,「5」となり、Pb2(>Pa2)の確率で示唆内容が設定値「2」,「4」,「6」となる。すなわち、設定値が「2」である場合には、設定値「2」が属するチームBが勝利する結果を導出する確率が相対的に高くなっている。これにより、遊技機10は、複数回の示唆演出を通して遊技機10に設定された設定値がチームAとチームBのどちらに属するかを推測可能としている。なお、遊技機10は、Pb2をPa2より確率を低くすればよく、例えば、発生確率を0%としてもよい。また、遊技機10は、Pb2とPa2との発生確率の差を調整して、推測難易度を調整することもできる。
設定値が「3」である場合において前述した示唆演出が発生した場合、Pa3(>Pb3)の確率で示唆内容が設定値「1」,「3」,「5」となり、Pb3(<Pa3)の確率で示唆内容が設定値「2」,「4」,「6」となる。すなわち、設定値が「3」である場合には、設定値「3」が属するチームAが勝利する結果を導出する確率が相対的に高くなっている。これにより、遊技機10は、複数回の示唆演出を通して遊技機10に設定された設定値がチームAとチームBのどちらに属するかを推測可能としている。なお、遊技機10は、Pb3をPa3より確率を低くすればよく、例えば、発生確率を0%としてもよい。また、Pb3とPa3との発生確率の差を調整して、推測難易度を調整することもできる。
設定値が「4」である場合において前述した示唆演出が発生した場合、Pa4(<Pb4)の確率で示唆内容が設定値「1」,「3」,「5」となり、Pb4(>Pa4)の確率で示唆内容が設定値「2」,「4」,「6」となる。すなわち、設定値が「4」である場合には、設定値「4」が属するチームBが勝利する結果を導出する確率が相対的に高くなっている。これにより、遊技機10は、複数回の示唆演出を通して遊技機10に設定された設定値がチームAとチームBのどちらに属するかを推測可能としている。なお、遊技機10は、Pb4をPa4より確率を低くすればよく、例えば、発生確率を0%としてもよい。また、遊技機10は、Pb4とPa4との発生確率の差を調整して、推測難易度を調整することもできる。
設定値が「5」である場合において前述した示唆演出が発生した場合、Pa5(>Pb5)の確率で示唆内容が設定値「1」,「3」,「5」となり、Pb5(<Pa5)の確率で示唆内容が設定値「2」,「4」,「6」となる。すなわち、設定値が「5」である場合には、設定値「5」が属するチームAが勝利する結果を導出する確率が相対的に高くなっている。これにより、遊技機10は、複数回の示唆演出を通して遊技機10に設定された設定値がチームAとチームBのどちらに属するかを推測可能としている。なお、遊技機10は、Pb5をPa5より確率を低くすればよく、例えば、発生確率を0%としてもよい。また、Pb5とPa5との発生確率の差を調整して、推測難易度を調整することもできる。
設定値が「6」である場合において前述した示唆演出が発生した場合、Pa6(<Pb6)の確率で示唆内容が設定値「1」,「3」,「5」となり、Pb6(>Pa6)の確率で示唆内容が設定値「2」,「4」,「6」となる。すなわち、設定値が「6」である場合には、設定値「6」が属するチームBが勝利する結果を導出する確率が相対的に高くなっている。これにより、遊技機10は、複数回の示唆演出を通して遊技機10に設定された設定値がチームAとチームBのどちらに属するかを推測可能としている。なお、遊技機10は、Pb6をPa6より確率を低くすればよく、例えば、発生確率を0%としてもよい。また、遊技機10は、Pb6とPa6との発生確率の差を調整して、推測難易度を調整することもできる。
次に示唆演出における示唆内容の変形例について図32を用いて説明する。図32は、第2の実施形態の示唆演出における示唆内容の変形例を示す図である。
図32(1)に示す示唆演出表示515aは、表示画面514に示した示唆演出表示515(図30参照)からチームBを構成するキャラクタを変更した態様である。具体的には、示唆演出表示515aは、虎のようなキャラクタのチーム(チームA)と豚のようなキャラクタのチーム(チームB)とが対戦する演出を示している。
このように遊技機10は、各チームと対応付けた設定値の組み合わせを変えることなくチームの態様(チームと対応付けたキャラクタ)を変更することで、遊技者に与える示唆演出の印象を変えることができ、遊技者が演出に飽きることを防止できる。
なお、この場合に遊技機10は、虎のようなキャラクタのチームとサングラスをかけた虎のようなキャラクタのチームとが対戦する場合(表示画面514に示した示唆演出表示515)と、虎のようなキャラクタのチームと豚のようなキャラクタのチームとが対戦する場合(示唆演出表示515a)とで各示唆内容の発生確率を変化させてもよい。これによれば、遊技機10は、演出に応じて推測難易度(示唆信頼度(確度))を変化させることができる。
図32(2)に示す示唆演出表示515bは、表示画面514に示した示唆演出表示515(図30参照)から各チームと対応付ける設定値の組み合わせを変更した態様である。具体的には、示唆演出表示515bは、チームAと設定値「1」,「2」,「3」を対応付け、チームBと設定値「4」,「5」,「6」を対応付けている。
このように遊技機10は、示唆演出に応じて各チームに対応付ける設定値の組み合わせを変更することで、複数回の示唆演出の示唆内容に基づいて段階的に遊技機10に設定した設定値を詳細に推測可能にすることもできる。なお、遊技機10は、チームごとに対応付ける設定値の数が異なっていてもよい(たとえば、チームAに5つの設定値を対応付け、チームBに1つの設定値を対応付けてもよい)。
図32(3)に示す示唆演出表示515cは、表示画面514に示した示唆演出表示515(図30参照)から各チームと対応付ける設定値の組み合わせを変更した態様である。具体的には、示唆演出表示515cは、チームAと設定値「2」,「3」を対応付け、チームBと設定値「4」,「5」,「6」を対応付けている。すなわち、示唆演出表示515cでは、設定値「1」をいずれのチームとも対応付けていない。
このように遊技機10は、示唆演出表示において一部の設定値(ここでは設定値「1」)を各チームと対応付けないようにしてもよい。そして、たとえば、遊技機10に設定した設定値が「1」でない場合にのみ、このような示唆演出(設定値「1」を示唆する可能性がない示唆演出)が発生するようにすれば、遊技機10は、示唆結果によらずに設定値を推測する手掛かり(設定値が「1」でないという情報)を提供することもできる。
図32(4)に示す示唆演出表示515dは、表示画面514に示した示唆演出表示515(図30参照)から各チームと対応付ける設定値の組み合わせを変更した態様である。具体的には、示唆演出表示515dは、チームAと設定値「1」を対応付け、チームBと設定値「1」〜「6」を対応付けている。すなわち、示唆演出表示515dでは、両チームに設定値「1」が対応付けられている。
このように遊技機10は、示唆演出表示において一部の設定値(ここでは設定値「1」)を両チームと対応付けるようにしてもよい。これによれば、遊技機10は、設定値の組み合わせのバリエーションを増加できる。なお、遊技機10は、同チームに複数の同じ設定値を対応付けるようしてもよい(たとえば、チームAに設定値「1」を示すアイコンを3つ対応付けることもできる)。
次に示唆演出の設定処理について図33を用いて説明する。図33は、第2の実施形態における示唆演出設定処理のフローチャートを示す図である。
示唆演出設定処理は、演出制御装置300の制御部(CPU311)によって始動入賞口36への入賞や、普通変動入賞装置37への入賞を契機に新たな保留記憶(始動記憶)が生じた場合、すなわち、保留記憶が新たに発生したことを示す入賞コマンド(演出コマンド)を受信した場合におこなわれる処理である。示唆演出設定処理は、たとえば、メイン処理のステップD23で制御部によって実行される処理である。
[ステップD71]制御部は、遊技機10に設定された設定値を取得する。設定値は、たとえば、遊技機10の起動時に設定され、設定値の情報は、遊技制御装置100や演出制御装置300に記憶されている。
[ステップD72]制御部は、設定値に応じて示唆演出の設定に用いるテーブル(各示唆演出が発生する確率と、各示唆演出において各示唆内容を示唆する確率とが設定されたテーブル)を選択する。
[ステップD73]制御部は、乱数を取得する。
[ステップD74]制御部は、乱数およびテーブルに基づいて示唆演出(チームAおよびチームBの構成、およびいずれのチームが勝利するのか)を決定し、決定した示唆演出を設定し、示唆演出設定処理を終了する。
次に、示唆演出を実行するタイミングについて図34を用いて説明する。図34は、第2の実施形態における設定値の示唆の流れを示すタイミングチャートである。
図34(1)に示すタイミングチャートは、示唆演出を特図変動表示ゲームの時間内におこなう場合のタイミングチャートである。遊技機10は、N回目の特図変動表示ゲームを実行する。遊技機10は、タイミングt1になる直前に示唆実行予告(表示画面513)をおこなう。そして遊技機10は、タイミングt1から特図変動表示ゲームと並行して示唆演出を開始する。その後、遊技機10は、タイミングt2に示唆演出を終了し、タイミングt3にN回目の特図変動表示ゲームを終了する。
図34(2)に示すタイミングチャートは、示唆演出を特図変動表示ゲームの時間を超えておこなう場合のタイミングチャートである。遊技機10は、N回目の特図変動表示ゲームを実行する。遊技機10は、タイミングt1になる直前に示唆実行予告(表示画面513)をおこなう。そして遊技機10は、タイミングt1から示唆演出を開始する。その後、遊技機10は、タイミングt3にN回目の特図変動表示ゲームを終了し、タイミングt4に示唆演出を終了する。
以上が示唆演出を実行するタイミングの一例である。このように遊技機10は、示唆演出を特図変動表示ゲームの時間内に限定しておこなうようにしてもよいし、特図変動表示ゲームの時間を超えて(特図変動表示ゲームと独立して)おこなうようにしてもよい。
なお、遊技機10は、示唆実行予告を表示画面でやることに限らない。たとえば、遊技機10は、表示画面に加えてまたは代えて、音や光で示唆実行予告をおこなってもよい。なお、示唆演出は、設定示唆図柄が仮停止(停止表示)した変動表示ゲームでおこなわれることに限らない。たとえば、遊技機10は、設定示唆図柄が仮停止した特図変動表示ゲームの次回以降の特図変動表示ゲームで示唆演出をおこなうようにしてもよい。
[第2の実施形態の変形例1]
次に第2の実施形態の変形例1の遊技機10について説明する。第2の実施形態の変形例1では、保留表示を用いて設定値の示唆をおこなう。
第2の実施形態の変形例1における遊技機10による設定値の示唆について図35を用いて説明する。図35は、第2の実施形態の変形例1における表示装置の表示画面の一例を示す図である。
図35(1)の表示画面518は、設定値の示唆を実行することを予告した後(表示画面513後)の表示画面であって、示唆演出を実行開始した状態の表示画面を示す。表示画面518は、保留表示505bおよび保留消化表示506bにおいて設定値に対応する数字を変動表示させ、設定値の示唆演出が保留表示505bおよび保留消化表示506bでおこなわれている状態を示す。
図35(2)の表示画面519は、表示画面518後の表示画面であって、設定値を示唆中の表示画面を示す。表示画面519では、保留消化表示506bに表示中の保留記憶を示すアイコンが「4」を表示し、保留表示505bに表示中の保留記憶を示すアイコンが「2」および「6」を表示している。すなわち、表示画面519は、遊技機10の設定値が「2」,「4」,「6」のいずれかであることを示唆している。
このように保留表示505bや保留消化表示506bを用いて設定値の示唆をおこなうことで、遊技機10は、特図変動表示ゲームの演出を妨げることなく(画面レイアウトを変更することなく)設定値の示唆演出をおこなうことができる。
なお、遊技機10は、保留表示505bおよび保留消化表示506bで設定値の示唆をおこなうことに代え、保留表示505bまたは保留消化表示506bのいずれか一方で設定値の示唆をおこなってもよい。たとえば、遊技機10は、保留消化表示506bに示すアイコンにおいて数字の変動と停止を繰り返すことで(たとえば、変動→「4」で停止→変動→「2」で停止→変動→「6」で停止)、遊技機10の設定値が「2」,「4」,「6」のいずれかであることを示唆してもよい。
なお、遊技機10は、保留表示505bおよび保留消化表示506bにおける設定値の示唆(示唆演出)を含めた(兼ねさせた)保留予告演出(保留予告演出を兼ねさせた示唆演出)をおこなってもよい。
以上が第2の実施形態の変形例1における遊技機10による保留表示を用いた設定値の示唆の一例である。なお、遊技機10は、遊技機10に設定された設定値を示唆する確率を相対的に高く設定すればよく(複数回の示唆演出を通して遊技機10に設定された設定値を推測できればよく)、必ずしも示唆した設定値に実際の設定値が含まれていなくてもよい。
また、遊技機10は、保留表示を用いた設定値の示唆を単独でおこなうことに限らず、他の示唆演出と組み合わせておこなってもよい。その場合に、遊技機10は、各示唆演出で示唆する設定値を異ならせてもよい。
[第2の実施形態の変形例2]
次に第2の実施形態の変形例2の遊技機10について説明する。第2の実施形態の変形例2では、キャラクタを用いて設定値の示唆をおこなう。
第2の実施形態の変形例2における遊技機10による設定値の示唆について図36を用いて説明する。図36は、第2の実施形態の変形例2における表示装置の表示画面の一例を示す図である。
図36(1)の表示画面520は、設定値の示唆を実行することを予告した後(表示画面513後)の表示画面であって、設定値を示唆中の表示画面を示す。表示画面520は、示唆演出表示521を表示内容に含む。
示唆演出表示521は、設定値を示唆する示唆演出を表示する。示唆演出表示521は、設定値を示唆する示唆演出としてキャラクタを表示する。示唆演出表示521は、その表示態様(たとえば、表示するキャラクタの種類)により、遊技機10に設定されている設定値を示唆する。
表示画面520においては、示唆演出表示521は、虎のようなキャラクタを表示しており、虎のようなキャラクタと対応付けられた設定値が、遊技機10に設定された設定値であることを示唆している。なお、虎のようなキャラクタと対応付けられた設定値については後で図37を用いて説明する。
図36(2)の表示画面522は、設定値の示唆を実行することを予告した後(表示画面513後)の表示画面であって、設定値を示唆中の表示画面を示す。表示画面522においては、示唆演出表示521は、豚のようなキャラクタを表示しており、豚のようなキャラクタと対応付けられた設定値が、遊技機10に設定された設定値であることを示唆している。なお、豚のようなキャラクタと対応付けられた設定値については後で図37を用いて説明する。
ここでキャラクタと、キャラクタと対応付けられた設定値について図37を用いて説明する。図37は、第2の実施形態の変形例2におけるキャラクタと示唆内容との対応関係の一例を示す図である。
図37に示すテーブルは、キャラクタと、キャラクタと対応付けられた設定値(示唆内容)と、遊技機10の設定値が「1」である場合における各キャラクタ(示唆内容)が出現する確率との対応関係を示している。
図37に示すように設定値の示唆に用いるキャラクタは、たとえば、虎のようなキャラクタと、豚のようなキャラクタと、サングラスをかけた虎のようなキャラクタなどがある。
虎のようなキャラクタは、設定値が「1」,「3」,「5」であることを示唆する。虎のようなキャラクタは、設定値が「1」である場合においてPa(>Pb)の確率で出現する。
豚のようなキャラクタは、設定値が「2」,「4」,「6」であることを示唆する。豚のようなキャラクタは、設定値が「1」である場合においてPb(<Pa)の確率で出現する。
サングラスをかけた虎のようなキャラクタは、設定値が「6」であることを示唆する。サングラスをかけた虎のようなキャラクタは、設定値が「6」である場合においてのみ出現し、設定値が「1」である場合には出現しない(0%の確率で出現する)。すなわち、サングラスをかけた虎のようなキャラクタは、設定値が「6」であることを一意に確定可能なキャラクタ(示唆内容の信頼度が100%のキャラクタ)である。このような確定キャラクタを設けることで、遊技機10は、設定値の示唆にメリハリを持たせることができる。
以上が第2の実施形態の変形例2における遊技機10によるキャラクタを用いた設定値の示唆の一例である。なお、遊技機10は、遊技機10に設定された設定値を示唆する確率を相対的に高く設定すればよく(複数回の示唆演出を通して遊技機10に設定された設定値を推測できればよく)、必ずしも示唆した設定値に実際の設定値が含まれていなくてもよい。
また、遊技機10は、キャラクタを用いた設定値の示唆を単独でおこなうことに限らず、他の示唆演出と組み合わせておこなってもよい。その場合に、遊技機10は、各示唆演出で示唆する設定値を異ならせてもよい。
[第2の実施形態の変形例3]
次に第2の実施形態の変形例3の遊技機10について説明する。第2の実施形態の変形例3では、示唆演出を保留表示領域505a内でおこなう。
第2の実施形態の変形例3における遊技機10による設定値の示唆について図38,39を用いて説明する。図38は、第2の実施形態の変形例3における表示装置の表示画面の一例を示す図(その1)である。図39は、第2の実施形態の変形例3における表示装置の表示画面の一例を示す図(その2)である。
図38(1)の表示画面523は、設定値の示唆を実行することを予告した後(表示画面513後)の表示画面であって、示唆演出を実行開始した状態の表示画面を示す。
表示画面523は、示唆演出表示524を表示内容に含む。示唆演出表示524は、設定値を示唆する示唆演出を表示する。示唆演出表示524は、保留表示領域505a内に表示される。
表示画面523では示唆演出表示524は、ガチャ(抽選器)を表示し、ガチャ遊技(ガチャから排出される抽選球)によって設定値を示唆することを示す。表示画面523では示唆演出表示524は、抽選器から抽選球が排出されている状態を示している。
図38(2)の表示画面525は、表示画面523後の表示画面であって、設定値を示唆中の表示画面を示す。表示画面525では、示唆演出表示524は、ガチャから排出された抽選球が「2」を表示している。すなわち、表示画面525は、示唆演出表示524において遊技機10の設定値として「2」を示唆している。
図38(3)の表示画面526は、表示画面525後の表示画面であって、設定値を示唆中の表示画面を示す。表示画面526では、示唆演出表示524は、抽選器から新たな抽選球が排出されている状態を示している。
図39(1)の表示画面527は、表示画面526後の表示画面であって、設定値を示唆中の表示画面を示す。表示画面527では、示唆演出表示524は、ガチャから新たに排出された抽選球が「3」を表示している。すなわち、表示画面527は、示唆演出表示524において遊技機10の設定値として「2」,「3」を示唆している。
図39(2)の表示画面528は、表示画面527後の表示画面であって、設定値を示唆中の表示画面を示す。表示画面528では、示唆演出表示524は、抽選器から新たな抽選球が排出されている状態を示している。
図39(3)の表示画面529は、表示画面528後の表示画面であって、設定値を示唆中の表示画面を示す。表示画面529では、示唆演出表示524は、ガチャから新たに排出された抽選球が「5」を表示している。すなわち、表示画面529は、示唆演出表示524において遊技機10の設定値として「2」,「3」,「5」を示唆している。
以上が第2の実施形態の変形例3における遊技機10による保留表示領域505a内での設定値の示唆の一例である。このように遊技機10は、保留表示領域505a内で設定値の示唆をおこなうことで、特図変動表示ゲームの演出を妨げることなく(画面レイアウトを変更することなく)設定値の示唆演出をおこなうことができる。
なお、遊技機10は、保留表示領域505a内に代えてまたは加えて、保留消化表示領域506a内で設定値の示唆をおこなってもよい。
なお、遊技機10は、遊技機10に設定された設定値を示唆する確率を相対的に高く設定すればよく(複数回の示唆演出を通して遊技機10に設定された設定値を推測できればよく)、必ずしも示唆した設定値に実際の設定値が含まれていなくてもよい。
また、遊技機10は、保留表示領域505a内での設定値の示唆を単独でおこなうことに限らず、他の示唆演出と組み合わせておこなってもよい。その場合に、遊技機10は、各示唆演出で示唆する設定値を異ならせてもよい。
[第2の実施形態の変形例4]
次に第2の実施形態の変形例4の遊技機10について説明する。第2の実施形態の変形例4では、特図変動表示ゲームを実行中に背景表示を用いて示唆演出をおこなう。
第2の実施形態の変形例4における遊技機10による設定値の示唆について図40を用いて説明する。図40は、第2の実施形態の変形例4における表示装置の表示画面の一例を示す図である。
図40(1)の表示画面530は、設定値の示唆を実行することを(予告)している状態の表示画面(表示画面513に対応する表示画面)を示す。表示画面530は、複数の表示要素531aと、表示要素531bとを表示内容に含む。表示要素531aと表示要素531bとは、特図変動表示ゲームにおける背景を担当する。表示要素531aは、星のようなキャラクタである。表示要素531bは、ロケットのようなキャラクタである。
表示画面530では表示要素531aは、画面全域に表示され、各表示要素531aが画面内において適宜移動して流れ星が流れているような演出をおこなうことで、特図変動表示ゲームが単調にならないように変化を与える。
たとえば、遊技機10は、流れ星が流れているような演出において、画面内の上部に対応する部分において表示要素531aを出現させ、上部に対応する部分から下部に対応する部分へと表示要素531aを移動させた後に消失させる。なお、遊技機10は、表示要素531aを大図柄群501の背面側だけでなく、大図柄群501の前面側および背面側の両方で表示してもよい。
表示画面530では表示要素531bは、たとえば、画面内を動き回ることで第1表示演出が単調にならないように変化を与える。
図40(2)の表示画面532は、表示画面530後の表示画面であって、設定値を示唆中の表示画面を示す。表示画面532は、表示要素531cを表示内容に含む。表示要素531cは、示唆済みの設定値を表示する。表示画面532では表示要素531cは、ブランク表示(空白表示)となっており、示唆済みの設定値がないことを示す。表示画面532では表示要素531aが「2」を表示し、遊技機10の設定値として「2」を示唆している。
図40(3)の表示画面533は、表示画面532後の表示画面であって、設定値を示唆中の表示画面を示す。表示画面533では表示要素531cは、「2」を表示し、遊技機10の設定値として「2」が示唆済みであることを示している。表示画面533では表示要素531aが「4」を表示し、遊技機10の設定値として「4」を示唆している。
すなわち、表示画面533は、遊技機10の設定値として「2」,「4」を示唆している。
以上が第2の実施形態の変形例4における遊技機10による背景表示を用いた設定値の示唆の一例である。このように遊技機10は、背景表示を用いて設定値の示唆をおこなうことで、特図変動表示ゲームの演出を妨げることなく設定値の示唆演出をおこなうことができる。
なお、遊技機10は、設定値を表示する表示要素531aだけを大図柄群501の前面側を移動するようにしてもよい。これによれば遊技機10は、遊技者が示唆内容を把握容易にできる。
なお、遊技機10は、遊技機10に設定された設定値を示唆する確率を相対的に高く設定すればよく(複数回の示唆演出を通して遊技機10に設定された設定値を推測できればよく)、必ずしも示唆した設定値に実際の設定値が含まれていなくてもよい。
また、遊技機10は、背景表示を用いた設定値の示唆を単独でおこなうことに限らず、他の示唆演出と組み合わせておこなってもよい。その場合に、遊技機10は、各示唆演出で示唆する設定値を異ならせてもよい。
[第2の実施形態の変形例5]
次に第2の実施形態の変形例5の遊技機10について説明する。第2の実施形態の変形例5では、プッシュボタン(オプション設定部)25において示唆演出をおこなう。
第2の実施形態の変形例5における遊技機10による設定値の示唆について図41を用いて説明する。図41は、第2の実施形態の変形例5におけるプッシュボタンの一例を示す図である。
図41(1)は、プッシュボタンにおけるプッシュボタンLEDおよびタッチセンサの配置例を示す。
プッシュボタン25は、プッシュボタンLEDと、タッチセンサと、プッシュボタンSWを含む。プッシュボタンLEDは、9系統のフルカラーLEDである。タッチセンサは、遊技者のタッチ操作を8か所で検出できる。プッシュボタンSWは、プッシュボタン25の押下操作を検出できる。
なお、演出制御装置300とプッシュボタン25とは電気的に接続する。演出制御装置300は、プッシュボタンLEDの制御信号をプッシュボタン25に出力し、タッチセンサの検出信号およびプッシュボタンSWの検出信号をプッシュボタン25から入力する。
プッシュボタン25は、遊技者が俯瞰した際に上面となる面の概形を略円形とする円柱形状である。プッシュボタン25は、その上面に指先程度の大きさの9つの小円部250〜258を有し、上面の中央部に小円部250を配置し、小円部250を囲む円周上に8つの小円部251〜258を配置する。
小円部250は、1系統のプッシュボタンLEDと1つのタッチセンサ(TSW4)とをその円周内に配置する。小円部251は、小円部250の左方向に位置し、1系統のプッシュボタンLEDと1つのタッチセンサ(TSW1)とをその円周内に配置する。小円部252は、小円部250の左斜め上方向に位置し、1系統のプッシュボタンLEDと1つのタッチセンサ(TSW2)とをその円周内に配置する。小円部253は、小円部250の上方向に位置し、1系統のプッシュボタンLEDと1つのタッチセンサ(TSW3)とをその円周内に配置する。小円部254は、小円部250の右斜め上方向に位置し、1系統のプッシュボタンLEDと1つのタッチセンサ(TSW5)とをその円周内に配置する。小円部255は、小円部250の右方向に位置し、1系統のプッシュボタンLEDと1つのタッチセンサ(TSW6)とをその円周内に配置する。小円部256は、小円部250の右斜め下方向に位置し、1系統のプッシュボタンLEDと1つのタッチセンサ(TSW7)とをその円周内に配置する。小円部257は、小円部250の下方向に位置し、1系統のプッシュボタンLEDと1つのタッチセンサ(TSW8)とをその円周内に配置する。小円部258は、小円部250の左斜め下方向に位置し、1系統のプッシュボタンLEDをその円周内に配置する。小円部258は、タッチセンサを配置しないことから、タッチセンサを配置する小円部250〜257と区別容易にするために星型多角形の意匠を有する。また、小円部258は、タッチセンサを配置しないことから、遊技者が8つのタッチセンサを操作する際のホームポジションとなり得る。この小円部258は、プッシュボタン25が遊技機10の中央部にあって操作部24が右側にあるときに、遊技者側からみると小円部251〜258のうちで手前左側に位置し、遊技者が小円部258をホームポジションとして扱うことを容易にしている。
なお、プッシュボタン25は、小円部258にタッチセンサを配置しないとしたが、小円部250〜257と同様にタッチセンサを配置してもよい。また、プッシュボタン25は、タッチセンサに代えて、遊技者のタッチ操作の位置座標を検出可能なタッチパネルを備えるものであってもよい。その場合、演出制御装置300は、小円部250〜258に対応する座標と、タッチパネルで検出した位置座標とから、小円部250〜258のタッチ操作を検出できる。
図41(2)は、設定値「2」,「3」,「5」を示唆中の態様の一例を示す。図41(2)に示すプッシュボタン25は、設定値「2」に対応する小円部(ここではホームポジション(小円部258)から時計回りで2つ目の位置にある小円部252)、設定値「3」に対応する小円部(ここではホームポジション(小円部258)から時計回りで3つ目の位置にある小円部253),設定値「5」に対応する小円部(ここではホームポジション(小円部258)から時計回りで5つ目の位置にある小円部255)において所定エフェクトの表示を実行し、遊技機10の設定値が「2」,「3」,「5」のいずれかであることを示唆している。
たとえば、プッシュボタン25は、示唆の実行を予告した後(表示画面513後)、小円部258から時計回りに各小円部251〜257を順次点灯させた後に、設定値の示唆中の態様となる。
以上が第2の実施形態の変形例5における遊技機10によるプッシュボタン25を用いた設定値の示唆の一例である。このように、遊技機10は、プッシュボタン25を用いて設定値の示唆をおこなうことで、表示画面における特図変動表示ゲームの演出を妨げることなく設定値の示唆演出をおこなうことができる。
なお、遊技機10は、遊技機10に設定された設定値を示唆する確率を相対的に高く設定すればよく(複数回の示唆演出を通して遊技機10に設定された設定値を推測できればよく)、必ずしも示唆した設定値に実際の設定値が含まれていなくてもよい。
また、遊技機10は、プッシュボタン25を用いた設定値の示唆を単独でおこなうことに限らず、他の示唆演出と組み合わせておこなってもよい。その場合に、遊技機10は、各示唆演出で示唆する設定値を異ならせてもよい。
なお、プッシュボタン25を用いた設定値の示唆は、表示画面以外による設定値の示唆の一例であってこれに限らない。たとえば、遊技機10は、始動口1(特図1の始動入賞口である始動入賞口36、普通変動入賞装置37)や、始動口2(特図2の始動入賞口である始動入賞口92)の周辺に配置されたLEDを用いて設定値の示唆をおこなってもよい。
また、遊技機10は、打球発射装置の操作部24(ハンドル)を用いて、振動によって設定値の示唆をおこなってもよい。また、遊技機10は、SEやBGMなどを発するスピーカを用いて、音声によって設定値の示唆をおこなってもよい。また、遊技機10は、前面枠(本体枠)12等に設けられた枠ランプを用いて点灯態様により設定値の示唆をおこなってもよい。
このように、遊技機10は、表示画面による設定値の示唆に代えて、音や振動で設定値の示唆をおこなうことで演出のバリエーションを増加させることができる。これにより遊技機10は、遊技の興趣を向上できる。
また、遊技機10は、複数の報知部(たとえば、スピーカとプッシュボタン)を併用して、設定値の示唆をおこなってもよい。
[第2の実施形態の変形例6]
次に第2の実施形態の変形例6の遊技機10について説明する。第2の実施形態の変形例6では、特図変動表示ゲームの大図柄の変動態様により設定値の示唆をおこなう。
第2の実施形態の変形例6における遊技機10による設定値の示唆について図42,43,44を用いて説明する。図42は、第2の実施形態の変形例6における表示装置の表示画面の一例を示す図(その1)である。図43は、第2の実施形態の変形例6における表示装置の表示画面の一例を示す図(その2)である。図44は、第2の実施形態の変形例6における表示装置の表示画面の一例を示す図(その3)である。
遊技機10は、特図変動表示ゲーム(図柄変動)を開始する。図42(1)の表示画面534は、表示画面500後の表示画面であって、特図変動表示ゲームを開始後の表示画面を示す。表示画面534では大図柄群501(左図柄501Lと中図柄501Cと右図柄501R)および小図柄群502(左図柄と中図柄と右図柄)は、図柄を変動させており、特図変動表示ゲームが変動表示中(図柄変動中)である(変動表示を開始した)ことを示す。
また、表示画面534では特図1保留数表示503は、新たに特図変動表示ゲームを開始したことに伴い、表示画面500の状態から保留数を「1」減少し、「2」を表示している。また、表示画面534では、保留表示505bは、新たに特図変動表示ゲームが開始したことに伴い、表示する保留記憶を示すアイコンの数が表示画面500の状態から「1」減少し、保留記憶数が「2」であることを示す。また、表示画面534では、保留消化表示506bは、消化中の保留記憶を示すアイコンを表示し、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
次に、遊技機10は、設定値を示唆する演出(示唆演出)を開始する。図42(2)の表示画面535は、表示画面534後の表示画面であって、大図柄を用いた設定値の示唆演出を開始した状態の表示画面を示す。表示画面535は、示唆演出表示536を表示内容に含む。示唆演出表示536は、大図柄を用いて設定値を示唆する示唆演出を表示する。
表示画面535では示唆演出表示536は、設定値を示唆する示唆演出として「1」を表示する宝箱、「2」を表示する宝箱、「3」を表示する宝箱、「4」を表示する宝箱、「5」を表示する宝箱、「6」を表示する宝箱(設定値「1」〜「6」と対応付けられた宝箱)を表示している。すなわち、表示画面535では示唆演出表示364は、設定値として「1」〜「6」のいずれかの値を示唆することを示している。また、表示画面535では大図柄群501を構成する各図柄(左図柄501L,右図柄501R,中図柄501C)が裏面に裏返るように回転する。
図42(3)の表示画面537は、表示画面535後の表示画面であって、大図柄を用いた設定値の示唆演出を実行中の表示画面を示す。表示画面537では、大図柄群501を構成する各図柄(左図柄501L,右図柄501R,中図柄501C)は、回転し終え、全ての図柄が裏返された状態となっている。
図43(1)の表示画面538は、表示画面537後の表示画面であって、大図柄を用いた設定値の示唆演出を実行中の表示画面を示す。表示画面538では、大図柄群501を構成する各図柄(左図柄501L,右図柄501R,中図柄501C)は、裏返された状態で、一か所に集まって重なり、束を形成した状態となっている。
図43(2)の表示画面539は、表示画面538後の表示画面であって、大図柄を用いた設定値の示唆演出を実行中の表示画面を示す。表示画面539では、大図柄群501を構成する各図柄(左図柄501L,右図柄501R,中図柄501C)は、束になった状態で設定値と対応付けられた宝箱に向かって縮小しながら移動し、宝箱(設定値「1」を示唆する宝箱)に格納されている。これにより遊技機10は、遊技機10の設定値として「1」を示唆している。
図43(3)の表示画面540は、表示画面539後の表示画面であって、大図柄を用いた設定値の示唆演出を実行中の表示画面を示す。表示画面540では、示唆演出表示536が宝箱を高速変動させている。
図44(1)の表示画面541は、表示画面540後の表示画面であって、大図柄を用いた設定値の示唆演出を実行中の表示画面を示す。表示画面541では、示唆演出表示536が宝箱の高速変動を終了し、大図柄群501を構成する各図柄(左図柄501L,右図柄501R,中図柄501C)は、束になった状態で宝箱から取り出され、画面中央部に向かって拡大しながら移動している。
図44(2)の表示画面542は、表示画面541後の表示画面であって、大図柄を用いた設定値の示唆演出を実行中の表示画面を示す。表示画面542では、大図柄群501を構成する各図柄(左図柄501L,右図柄501R,中図柄501C)は、束になった状態から元の位置に戻り、図柄を表示する面が表示されるように回転する。
次に、遊技機10は、設定値を示唆する演出(示唆演出)を終了するとともに、変動表示ゲームを終了する。図44(3)の表示画面543は、表示画面542後の表示画面であって、示唆演出を終了するとともに、特図変動表示ゲームが終了した状態の表示画面を示す。表示画面543では、大図柄群501を構成する各図柄(左図柄501L,右図柄501R,中図柄501C)は、回転し終え、全ての図柄が数字を表示した状態で停止している。また、表示画面543では、小図柄群502の左図柄と中図柄と右図柄は、いずれも停止しており、対応する特図変動表示ゲームが終了した状態であることを示す。また、表示画面543では、保留消化表示506bは、ブランク表示(消化中の始動記憶を示すアイコンが表示されていない状態)となっており、特図変動表示ゲームが終了した状態であることを示す。
なお、上記の演出において遊技機10は、複数の設定値を示唆する場合には、図柄を格納する宝箱と、図柄を排出する宝箱とを異ならせることで、複数の設定値を示唆してもよい。または、遊技機10は、1つの宝箱に複数の設定値を対応付ける(たとえば、「1」,「2」を表示する宝箱を用いる)ことで複数の設定値を示唆してもよい。または、遊技機10は、宝箱への図柄の格納(表示画面539)と、宝箱からの図柄の排出(表示画面541)とを複数回おこなうことで複数の設定値を示唆してもよい。
次に、第2の実施形態の変形例6の示唆演出の変形例について図45を用いて説明する。図45は、第2の実施形態の変形例6における表示装置の表示画面の一例を示す図(その4)である。
図45(1)に示す表示画面544は、表示画面537後の表示画面であって、大図柄を用いた設定値の示唆演出を実行中の表示画面を示す。表示画面544では、裏返された大図柄群501を構成する各図柄(左図柄501L,右図柄501R,中図柄501C)がそれぞれ、設定値と対応付けられた宝箱に向かって縮小しながら移動し、宝箱(設定値「1」を示唆する宝箱,「3」を示唆する宝箱,「5」を示唆する宝箱)に格納されている。これにより遊技機10は、遊技機10の設定値として「1」,「3」,「5」を示唆している。このように遊技機10は、各図柄が束になって宝箱に格納されるのに替えて、各図柄がそれぞれ宝箱に格納されるようにすることで、複数の設定値を示唆するようにすることもできる。
図45(2)に示す表示画面545は、表示画面534後の表示画面であって、大図柄を用いた設定値の示唆演出を開始した状態の表示画面を示す。
表示画面545では示唆演出表示536は、設定値を示唆する示唆演出として1つの「1」を表示する宝箱、1つの「2」を表示する宝箱、1つの「3」を表示する宝箱、1つの「4」を表示する宝箱、3つの「5」を表示する宝箱、1つの「6」を表示する宝箱(設定値「1」〜「6」と対応付けられた宝箱)を表示している。
このように一部(ここでは「5」)の設定値と対応付けた宝箱を複数にすることで、遊技機10は、当該複数の宝箱と対応付けられた設定値(「5」)が示唆される期待感を高めることができる。また、これによれば遊技機10は、演出のバリエーションを増加できる。
図45(3)に示す表示画面546は、表示画面534後の表示画面であって、大図柄を用いた設定値の示唆演出を開始した状態の表示画面を示す。
表示画面546では示唆演出表示536は、設定値を示唆する示唆演出として「1」を表示する宝箱、「2」を表示する宝箱、「3」を表示する宝箱、「4」を表示する宝箱、「5」を表示する宝箱、「6」を表示する宝箱(設定値「1」〜「6」と対応付けられた宝箱)に加え、「宝」を表示する宝箱(特図変動表示ゲームの期待度を示唆する宝箱(たとえば、大当り確定を示唆する宝箱))を表示している。
このように設定値と対応付けた宝箱に加え、特図変動表示ゲームの期待度と対応付けた宝箱を設けることで、遊技機10は、設定値の示唆と、特図変動表示ゲームの期待度の示唆とを同時にすることもできる。これによれば遊技機10は、演出のバリエーションを増加できる。
以上が、第2の実施形態の変形例6における遊技機10による大図柄の変動態様を用いた設定値の示唆の一例である。なお、遊技機10は、遊技機10に設定された設定値を示唆する確率を相対的に高く設定すればよく(複数回の示唆演出を通して遊技機10に設定された設定値を推測できればよく)、必ずしも示唆した設定値に実際の設定値が含まれていなくてもよい。
また、遊技機10は、特図変動表示ゲームの大図柄の変動態様を用いた設定値の示唆を単独でおこなうことに限らず、他の示唆演出と組み合わせておこなってもよい。その場合に、遊技機10は、各示唆演出で示唆する設定値を異ならせてもよい。
[第2の実施形態の変形例7]
次に第2の実施形態の変形例7の遊技機10について説明する。第2の実施形態の変形例7では、特図変動表示ゲームの小図柄の変動態様により設定値の示唆をおこなう。
第2の実施形態の変形例7における遊技機10による設定値の示唆について図46を用いて説明する。図46は、第2の実施形態の変形例7における表示装置の表示画面の一例を示す図である。
遊技機10は、特図変動表示ゲーム(図柄変動)を開始する。図46(1)の表示画面547は、表示画面500後の表示画面であって、特図変動表示ゲームを開始後の表示画面を示す。
表示画面547では保留表示505bは、新たに特図変動表示ゲームが開始したことに伴い、表示する保留を示すアイコン(保留中の始動記憶)の数が表示画面500の状態から「1」減少し、保留記憶数が「2」であることを示す。また、表示画面547では、保留消化表示506bは、消化中の保留に対応するアイコンを表示し、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。表示画面547では小図柄群502を構成する各図柄が、「7」,「6」,「7」を表示した状態(表示画面500参照)から、「1」,「3」,「5」を表示した状態となっている。これにより遊技機10は、遊技機10の設定値として「1」,「3」,「5」を示唆している。このように小図柄を用いて開始時に設定値の示唆をおこなうことで、遊技機10は、特図変動表示ゲームで実行される演出から遊技者の注意を削ぐことなく、設定値を示唆できる。
図46(2)の表示画面548は、表示画面547後の表示画面であって、特図変動表示ゲームを開始後の表示画面を示す。表示画面548では、大図柄群501(左図柄501Lと中図柄501Cと右図柄501R)および小図柄群502(左図柄と中図柄と右図柄)は、図柄を変動させており、特図変動表示ゲームが変動表示中(図柄変動中)である(変動表示を開始した)ことを示す。
以上が第2の実施形態の変形例7における遊技機10による小図柄の変動態様を用いた設定値の示唆の一例である。なお、遊技機10は、遊技機10に設定された設定値を示唆する確率を相対的に高く設定すればよく(複数回の示唆演出を通して遊技機10に設定された設定値を推測できればよく)、必ずしも示唆した設定値に実際の設定値が含まれていなくてもよい。
また、小図柄の変動態様を用いた設定値の示唆は、変動開始時に限らず、変動終了時におこなうものであってもよい。
また、遊技機10は、特図変動表示ゲームの小図柄の変動態様を用いた設定値の示唆を単独でおこなうことに限らず、他の示唆演出と組み合わせておこなってもよい。その場合に、遊技機10は、各示唆演出で示唆する設定値を異ならせてもよい。
[第2の実施形態の変形例8]
次に第2の実施形態の変形例8の遊技機10について説明する。第2の実施形態の変形例8では、特図変動表示ゲームの大図柄群を構成する有効ライン(リーチを形成可能なライン)の態様を用いて設定値の示唆をおこなう。
まず第2の実施形態の変形例8における有効リーチの構成例について図47を用いて説明する。図47は、第2の実施形態の変形例8における有効ラインの構成例を示す図である。
図47(1)に示す大図柄群501は、有効ラインが1である場合の図柄配置を示す。大図柄群501は、左図柄501Lと、中図柄501Cと、右図柄501Rとを含む。大図柄群501では、左図柄501Lと、中図柄501Cと、右図柄501Rとの組み合わせが有効ラインとなる。
図47(2)に示す大図柄群5011は、有効ラインが2である場合の図柄配置を示す。大図柄群5011は、左図柄501L1,501L2と、中図柄501Cと、右図柄501R1,501R2とを含む。大図柄群5011では、左図柄501L1と、中図柄501Cと、右図柄501R2との組み合わせと、左図柄501L2と、中図柄501Cと、右図柄501R1との組み合わせがそれぞれ有効ラインとなる。
図47(3)に示す大図柄群5012は、有効ラインが3である場合の図柄配置を示す。大図柄群5012は、左図柄501L1,501L2,501L3と、中図柄501Cと、右図柄501R1,501R2,501R3とを含む。大図柄群5012では、左図柄501L1と、中図柄501Cと、右図柄501R1との組み合わせと、左図柄501L2と、中図柄501Cと、右図柄501R2との組み合わせと、左図柄501L3と、中図柄501Cと、右図柄501R3との組み合わせとがそれぞれ有効ラインとなる。
図47(4)に示す大図柄群5013は、有効ラインが4である場合の図柄配置を示す。大図柄群5013は、左図柄501L1,501L2,501L3,501L4と、中図柄501Cと、右図柄501R1,501R2,501R3,501R4とを含む。大図柄群5013では、左図柄501L1と、中図柄501Cと、右図柄501R1との組み合わせと、左図柄501L2と、中図柄501Cと、右図柄501R2との組み合わせと、左図柄501L3と、中図柄501Cと、右図柄501R3との組み合わせと、左図柄501L4と、中図柄501Cと、右図柄501R4との組み合わせとがそれぞれ有効ラインとなる。
図47(5)に示す大図柄群5014は、有効ラインが5である場合の図柄配置を示す。大図柄群5014は、左図柄501L1,501L2,501L3,501L4,501L5と、中図柄501Cと、右図柄501R1,501R2,501R3,501R4,501R5とを含む。大図柄群5014では、左図柄501L1と、中図柄501Cと、右図柄501R1との組み合わせと、左図柄501L2と、中図柄501Cと、右図柄501R2との組み合わせと、左図柄501L3と、中図柄501Cと、右図柄501R3との組み合わせと、左図柄501L4と、中図柄501Cと、右図柄501R4との組み合わせと、左図柄501L5と、中図柄501Cと、右図柄501R5との組み合わせとがそれぞれ有効ラインとなる。
図47(6)に示す大図柄群5015は、有効ラインが6である場合の図柄配置を示す。大図柄群5015は、左図柄501L1,501L2,501L3,501L4,501L5,501L6と、中図柄501Cと、右図柄501R1,501R2,501R3,501R4,501R5,501R6とを含む。大図柄群5015では、左図柄501L1と、中図柄501Cと、右図柄501R1との組み合わせと、左図柄501L2と、中図柄501Cと、右図柄501R2との組み合わせと、左図柄501L3と、中図柄501Cと、右図柄501R3との組み合わせと、左図柄501L4と、中図柄501Cと、右図柄501R4との組み合わせと、左図柄501L5と、中図柄501Cと、右図柄501R5との組み合わせと、左図柄501L6と、中図柄501Cと、右図柄501R6との組み合わせとがそれぞれ有効ラインとなる。
なお、上記有効ラインの構成例は一例であってこれに限らない。遊技機10は、有効ラインの形態を異なる形態(たとえば、左図柄、中図柄、右図柄をそれぞれ2個ずつ配置して2つの有効ラインとするなど)とすることもできるし、有効ライン数をさらに多くすることもできる。
次に有効ライン数を用いた設定値の示唆について図48を用いて説明する。図48は、第2の実施形態の変形例8における設定値の示唆の流れを示すタイミングチャートである。
図48(1)に示すタイミングチャートは、示唆実行予告後に変化した有効ライン数を設定値(有効ライン数=設定値)として遊技機10の設定値が「2」,「3」,「5」のいずれかであることを示唆する場合のタイミングチャートを示す。
遊技機10は、有効ラインが1である大図柄群501によりN回目の変動表示ゲームを開始する。そして遊技機10は、N回目の変動表示ゲームのタイミングt11の直前に示唆実行予告をおこなう。そして遊技機10は、タイミングt11から大図柄群501から大図柄群5011に変更する。このように有効ライン数を「2」とすることにより遊技機10は、遊技機10の設定値として「2」を示唆する。
その後遊技機10は、タイミングt12から大図柄群5011から大図柄群5012に変更する。このように有効ライン数を「3」とすることにより遊技機10は、遊技機10の設定値として「3」を示唆する。
その後遊技機10は、タイミングt13から大図柄群5012から大図柄群5014に変更する。このように有効ライン数を「5」とすることにより遊技機10は、遊技機10の設定値として「5」を示唆する。このようにして遊技機10は、有効ライン数を用いて設定値が「2」,「3」,「5」のいずれかであることを示唆する。
なお、遊技機10は、有効ライン数を用いて設定値の示唆をおこなえばよく、有効ライン数と設定値とを一対一で対応付ける(有効ライン数=設定値とする)ことに限らない。たとえば、遊技機10は、有効ラインが少ない場合に低設定(たとえば、設定値が「1」,「2」,「3」)であることを示唆し、有効ラインが多い場合に高設定(たとえば、設定値が「4」,「5」,「6」)であることを示唆するなどとしてもよい。
図48(2)に示すタイミングチャートは、示唆実行予告後に変化した有効ライン数の変化量を設定値(有効ライン数の変化量=設定値)として遊技機10の設定値が「2」であることを示唆する場合のタイミングチャートを示す。
遊技機10は、有効ラインが1である大図柄群501によりN回目の変動表示ゲームを開始する。そして遊技機10は、N回目の変動表示ゲームのタイミングt11の直前に示唆実行予告をおこなう。そして遊技機10は、タイミングt11から大図柄群501から大図柄群5012に変更する。その後遊技機10は、タイミングt12から大図柄群5012から大図柄群5014に変更する。このようにして遊技機10は、有効ライン数を「1」,「3」,「5」と+2ずつ増加させることで設定値が「2」であることを示唆する。
なお、遊技機10は、有効ラインの増加量を用いて設定値の示唆をおこなえばよく、有効ラインの増加量と設定値とを一対一で対応付ける(有効ラインの増加量=設定値とする)ことに限らない。たとえば、遊技機10は、有効ラインの増加量が1である場合に低設定(たとえば、設定値が「1」,「2」,「3」)であることを示唆し、有効ラインの増加量が2である場合に高設定(たとえば、設定値が「4」,「5」,「6」)であることを示唆するなどとしてよい。
なお、有効ライン数や有効ラインの増加量を用いて遊技機10の設定値を示唆した後の図柄の変動態様(リーチ数)によって示唆した設定値の確度(示唆信頼度)を示唆してもよい。
たとえば、遊技機10は、リーチ数が少ない場合に確度が低いことを示唆し、リーチ数が多くなるほど確度が高いことを示唆するようにしてもよい。この場合、遊技機10は、実際の設定値を示唆した場合にはリーチ数が多くなりやすいように確率を設定し、実際の設定値を示唆していない場合にリーチ数が少なくなりやすいように確率を設定すればよい。
なお、リーチの態様によって遊技機10は、示唆した設定値の確度を示唆してもよい。ここで、リーチの態様について説明する。図49は、第2の実施形態の変形例8における表示装置の表示画面の一例を示す図である。
図49(1)に示す表示画面549は、有効ライン数が3である場合においてリーチ数が3(トリプルリーチ)である場合の一例を示す図である。表示画面549では、左図柄501L1と右図柄501R1とが「5」で仮停止し、左図柄501L1と右図柄501R1と中図柄501Cとでリーチ図柄が「5」であるリーチを形成している。表示画面549では、左図柄501L2と右図柄501R2とが「7」で仮停止し、左図柄501L2と右図柄501R2と中図柄501Cとでリーチ図柄が「7」であるリーチを形成している。表示画面549では、左図柄501L3と右図柄501R3とが「3」で仮停止し、左図柄501L3と右図柄501R3と中図柄501Cとでリーチ図柄が「3」であるリーチを形成している。このように表示画面549では、3種の図柄によって3つのリーチが形成された態様となっている。これにより遊技機10は、設定値が「3」である確度として第1の確度を示唆する。
図49(2)に示す表示画面550は、有効ライン数が3である場合においてリーチ数が3(トリプルリーチ)である場合の一例を示す図である。表示画面550では、左図柄501L1と右図柄501R1とが「7」で仮停止し、左図柄501L1と右図柄501R1と中図柄501Cとでリーチ図柄が「7」であるリーチを形成している。表示画面550では、左図柄501L2と右図柄501R2とが「7」で仮停止し、左図柄501L2と右図柄501R2と中図柄501Cとでリーチ図柄が「7」であるリーチを形成している。表示画面550では、左図柄501L3と右図柄501R3とが「7」で仮停止し、左図柄501L3と右図柄501R3と中図柄501Cとでリーチ図柄が「7」であるリーチを形成している。このように表示画面550では、1種の図柄によって3つのリーチが形成された態様となっている。これにより遊技機10は、設定値が「3」である確度(たとえば、確度100%)として第2の確度(>第1の確度)を示唆する。
このようにして遊技機10は、リーチを形成する図柄の種別数によりリーチの確度を示唆することもできる。
以上が第2の実施形態の変形例8における遊技機10による有効ラインの態様を用いた設定値の示唆の一例である。なお、遊技機10は、遊技機10に設定された設定値を示唆する確率を相対的に高く設定すればよく(複数回の示唆演出を通して遊技機10に設定された設定値を推測できればよく)、必ずしも示唆した設定値に実際の設定値が含まれていなくてもよい。
また、遊技機10は、特図変動表示ゲームの有効ラインの態様を用いた設定値の示唆を単独でおこなうことに限らず、他の示唆演出と組み合わせておこなってもよい。その場合に、遊技機10は、各示唆演出で示唆する設定値を異ならせてもよい。
なお、遊技機10は、有効ライン数で設定値の示唆候補を示唆し、その後の図柄の態様で設定値を示唆してもよい。たとえば、遊技機10は、有効ライン数を「6」とすることで設定値の示唆候補が「6」以下(「1」〜「6」)であることを示唆し、その後にリーチが3つ形成することで設定値が「3」であることを示唆する。
また、遊技機10は、有効ライン数で設定値を示唆する数を示唆し、その後の図柄の態様で設定値を示唆してもよい。たとえば、遊技機10は、有効ライン数を「5」とすることで5つ以下の設定値が示唆されることを示唆し、その後に「1」と「2」と「3」をリーチ図柄とするリーチを形成することで設定値が「1」,「2」,「3」であることを示唆する。
上述した第2の実施形態(変形例含む)の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、表示手段(たとえば、表示装置41)と、設定手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)と、制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)と、備える。表示手段は、ゲームを表示可能である。設定手段は、2以上の異なる遊技性能のうち1の遊技性能を設定可能である。制御手段は、所定条件が成立するまでの第1の期間にゲームにおいて所定のゲーム演出を実行し、所定条件が成立した後の第2の期間にゲーム演出と並行して設定された遊技性能を示唆する示唆演出を実行する。
(2)遊技機10は、表示手段(たとえば、表示装置41)と、設定手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)と、制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を備える。表示手段は、識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能である。設定手段は、2以上の異なる遊技性能のうち1の遊技性能を設定可能である。制御手段は、変動表示ゲームにおいて識別情報を変動表示させ、所定の設定示唆図柄を停止表示させたことに対応して、設定された遊技性能を示唆する示唆演出を実行する。
(3)(2)の停止表示は、設定示唆図柄の本停止と、仮停止とを含む。
(4)(2)の制御手段は、設定示唆図柄の仮停止中に示唆演出を実行する(図36)。
(5)(2)の制御手段は、設定示唆図柄を停止表示した後、識別情報の変動表示を再開し、再開した識別情報の変動表示が本停止するまでの間に示唆演出を実行する(図31)。
(6)(2)の制御手段は、次回以降の変動表示ゲーム中に示唆演出をおこなう。
(7)(2)の制御手段は、設定示唆図柄の停止表示を契機に、変動表示ゲームと独立して実行される示唆演出をおこなう(図34(2))。
(8)(2)の制御手段は、変動表示ゲームと独立した示唆演出を、変動表示ゲームと並行しておこなう(図30)。
(9)(2)の制御手段は、示唆演出を含めた変動表示ゲームの変動演出をおこなう(図42,43,44)。
(10)(2)の遊技機10は、遊技者の操作を受付可能な操作手段(プッシュボタン25)をさらに備え、制御手段は、操作手段を用いて示唆演出をおこなう(図41)。
(11)(2)の遊技機10は、変動表示ゲームの背景を表示する背景表示手段をさらに備え、制御手段は、背景表示手段による背景表示を用いて示唆演出をおこなう(図40)。
(12)遊技機10は、表示手段(たとえば、表示装置41)と、保留表示手段(たとえば、保留表示505b、保留消化表示506b)と、設定手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)と、制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を備える。表示手段は、ゲームを表示可能である。保留表示手段は、ゲームの実行権利として始動記憶を記憶し、始動記憶に応じた保留表示を表示可能である。設定手段は、2以上の異なる遊技性能のうち1の遊技性能を設定可能である。制御手段は、設定された遊技性能を保留表示の表示態様の変更により示唆する示唆演出を実行する(図35)。
(13)(12)の制御手段は、始動記憶に対応するゲームの結果に関連して保留表示の表示態様を変更して保留予告演出を実行可能である。
(14)(13)の制御手段は、示唆演出に保留予告演出を兼ねさせる。
[第3の実施形態]
次に第3の実施形態の遊技機10について説明する。第3の実施形態の遊技機10は、遊技者に関する注意喚起や企業名の報知(製造会社を案内する製造会社識別表示の表示、販売会社を案内する販売会社識別表示の表示)をおこなう際に遊技機10に設定された設定値の示唆をおこなう。遊技者に関する注意喚起としては、カード取り忘れ防止表示、のめりこみ防止表示がある。
まず、第3の実施形態の表示装置41における表示画面の構成例について図50,51,52を用いて説明する。図50は、第3の実施形態における表示装置の表示画面の構成例を示す図(その1)である。図51は、第3の実施形態における表示装置の表示画面の構成例を示す図(その2)である。図52は、第3の実施形態における表示装置の表示画面の構成例を示す図(その3)である。
図50(1)に示す表示画面551は、カード取り忘れ防止を注意喚起する表示画面である。表示画面551は、設定値の示唆をしていない態様(基本態様)の表示画面(デフォルト画面)である。表示画面551は、表示要素552と、表示要素553とを表示内容に含む。表示要素552は、「カードの取り忘れ注意!」という注意喚起の文字を表示する。表示要素553は、カードが排出口から排出される様子を示す画像を表示する。
図50(2)に示す表示画面554は、設定値の示唆をしている態様(示唆態様)のカード取り忘れ防止を注意喚起する表示画面(その1)である。表示画面554では、デフォルト画面で表示していた表示要素553から表示要素553aに変化している。具体的には、表示要素553aでは、カードの表面の態様が表示要素553の態様と異なる態様(「虎カード」という文字およびサングラスをかけた虎のようなキャラクタが追加された態様)となっており、表示画面554は、変化した態様により設定値を示唆している(変化した態様に対応する設定値を示唆している)。
このように遊技機10は、カード取り忘れ防止を注意喚起の表示態様により設定値を示唆することで遊技者の関心を高めることができ、カード取り忘れ防止を注意喚起の報知効果を向上できる。
図50(3)に示す表示画面555は、設定値の示唆をしている態様(示唆態様)のカード取り忘れ防止を注意喚起する表示画面(その2)である。表示画面555では、デフォルト画面に加えて、表示要素556をさらに表示内容に含む。表示要素556は、虎のようなキャラクタである。そして、表示画面555は、新たに追加した表示要素556に対応する設定値を示唆している。
このように遊技機10は、カード取り忘れ防止を注意喚起の表示態様により設定値を示唆することで遊技者の関心を高めることができ、カード取り忘れ防止を注意喚起の報知効果を向上できる。
図50(4)に示す表示画面557は、設定値の示唆をしている態様(示唆態様)のカード取り忘れ防止を注意喚起する表示画面(その3)である。表示画面557では、デフォルト画面で表示していた表示要素552から表示要素552aに変化している。具体的には、表示要素552aでは、文字の態様が表示要素552の態様と異なる態様となっており、表示画面557は、変化した態様に対応する設定値を示唆している。
このように遊技機10は、カード取り忘れ防止を注意喚起の表示態様により設定値を示唆することで遊技者の関心を高めることができ、カード取り忘れ防止を注意喚起の報知効果を向上できる。
図51(1)に示す表示画面558は、企業の名称を報知する表示画面(企業名識別画像表示画面)である。表示画面558は、設定値の示唆をしていない態様の表示画面(デフォルト画面)である。表示画面558は、表示要素559を表示内容に含む。表示要素559は、「株式会社虎虎虎」という企業名と、虎のようなキャラクタ(たとえば、企業のマスコットキャラクタ)を表示する。
図51(2)に示す表示画面560は、設定値(ここでは「3」)の示唆をしている態様(示唆態様)の企業の名称を報知する表示画面である。表示画面560は、表示画面558に相当する表示をおこなう3つの表示窓561を表示内容に含む。表示窓561は、表示画面内を適宜移動する。このように表示画面560は、画面内に複数の表示画面558(表示窓561)を含む態様となっており、その態様(数)に対応する設定値を示唆している。
このように遊技機10は、企業の名称の注意喚起の表示態様により設定値を示唆することで遊技者の関心を高めることができ、企業の名称の注意喚起の報知効果を向上できる。
なお、遊技機10は、数に代えて表示画面560を移動する表示窓561の軌跡により設定値を示唆してもよい。
図52(1)に示す表示画面562は、のめりこみ防止を注意喚起する表示画面である。表示画面562は、設定値の示唆をしていない態様の表示画面(デフォルト画面)である。表示画面562は、表示要素563を表示内容に含む。表示要素563は、「のめりこみに気を付けよう」という注意喚起の文字と、虎のようなキャラクタを表示する。
図52(2)に示す表示画面564は、設定値(ここでは「2」)の示唆をしている態様(示唆態様)ののめりこみ防止を注意喚起する表示画面である。表示画面564は、表示画面562に相当する表示をおこなう2つの表示窓565を表示内容に含む。表示窓565は、表示画面内を適宜移動する。このように表示画面564は、画面内に複数の表示画面562(表示窓565)を含む態様となっており、その態様(数)に対応する設定値を示唆している。
このように遊技機10は、のめりこみ防止を注意喚起の表示態様により設定値を示唆することで遊技者の関心を高めることができ、のめりこみ防止を注意喚起の報知効果を向上できる。
なお、遊技機10は、数に代えて表示画面564を移動する表示窓565の軌跡により設定値を示唆してもよい。
次に注意喚起の報知表示による設定値の示唆の流れについて図53を用いて説明する。図53は、第3の実施形態における設定値の示唆の流れを示すタイミングチャート(その1)である。
図53(1)に示すタイミングチャートは、設定値の示唆をしていない場合の流れを示すタイミングチャートである。遊技機10は、タイミングt1から基本態様(デフォルト態様)で注意喚起の報知表示を開始し、タイミングt4に注意喚起の報知表示を終了する。
図53(2)に示すタイミングチャートは、開始時から終了時まで報知表示の期間中ずっと設定値の示唆をおこなう場合の流れを示すタイミングチャートである。遊技機10は、タイミングt1から示唆態様で注意喚起の報知表示を開始し、タイミングt4に注意喚起の報知表示を終了する。
図53(3)に示すタイミングチャートは、途中から設定値の示唆をおこなう場合の流れを示す表示画面タイミングチャートである。遊技機10は、タイミングt1から基本態様で注意喚起の報知表示を開始する。遊技機10は、タイミングt2の直前に示唆実行予告をし、タイミングt2から態様を基本態様から示唆態様に差替え、タイミングt4に注意喚起の報知表示を終了する。なお、示唆実行予告(示唆実行報知)は、設定値の示唆が開始することの予告であり、たとえば、光や音や表示画面などを用いて実行される。
このように遊技機10は、基本態様から示唆態様に差替えた後ではなく、示唆態様に差替える直前に示唆実行予告をおこない注目を集めることで、設定値の示唆を見落とすことを防止するとともに、遊技者に基本態様と示唆態様との変更箇所を把握可能にできる。なお、示唆実行予告(示唆実行報知)は、設定値の示唆の開始時だけでなく終了時にも予告をしてもよい。
図53(4)に示すタイミングチャートは、開始時から途中まで設定値の示唆をおこなう場合の流れを示す表示画面タイミングチャートである。遊技機10は、タイミングt1から示唆態様で注意喚起の報知表示を開始する。遊技機10は、タイミングt2の直前に示唆実行終了予告をし、タイミングt2から態様を示唆態様から基本態様に差替え、タイミングt4に注意喚起の報知表示を終了する。なお、示唆実行終了予告(示唆実行報知)は、設定値の示唆が終了することの予告であり、たとえば、光や音や表示画面などを用いて実行される。
このように遊技機10は、示唆態様から基本態様に差替えた後ではなく、基本態様に差替える直前に示唆実行予告をおこない注目を集めることで、設定値の示唆を見落とすことを防止するとともに、遊技者に示唆態様と基本態様との変更箇所を把握可能にできる。なお、示唆実行予告(示唆実行報知)は、設定値の示唆の終了時だけでなく開始時にも予告をしてもよい。
図53(5)に示すタイミングチャートは、複数回の設定値の示唆をおこなう場合の流れを示す表示画面タイミングチャートである。遊技機10は、タイミングt1から基本態様で注意喚起の報知表示を開始する。遊技機10は、タイミングt2から態様を基本態様から示唆態様(設定値が「2」であることを示唆する態様)に差替え、タイミングt3に示唆態様(設定値が「2」であることを示唆する態様)から示唆態様(設定値が「5」であることを示唆する態様)に差替え、注意喚起の報知表示を終了する。
このようにして遊技機10は、設定値が「2」,「5」のいずれかであることを示唆する。これによれば遊技機10は、複数回の示唆態様の差替えをおこなうことで複数の設定値を示唆できる。なおこの場合にも遊技機10は、示唆実行予告をおこなってもよい。
なお、遊技機10は、基本態様と示唆態様を差替えることで設定値の示唆をおこなうとして説明したがこれに限らない。たとえば、遊技機10は、基本態様を表示するレイヤ(報知表示レイヤ)と基本態様との差分を表示するレイヤ(設定示唆レイヤ)を用意し、設定示唆レイヤをONすることで基本態様と重ねて差分を表示して示唆態様を実現し、設定値の示唆をおこなうようにしてもよい。
ここで設定示唆レイヤのON・OFFにより設定値の示唆をおこなう場合の流れについて図54を用いて説明する。図54は、第3の実施形態における設定値の示唆の流れを示すタイミングチャート(その2)である。
図54に示すタイミングチャートは、途中から設定値の示唆をおこなう場合の流れを示す表示画面タイミングチャートであり、図53(3)と対応するタイミングチャートである。
遊技機10は、タイミングt1に報知表示レイヤをONにして基本態様による注意喚起の報知表示を開始する。遊技機10は、タイミングt2の直前に示唆実行予告をし、タイミングt2から設定示唆レイヤをONにすることで基本態様と差分を重ねて示唆態様による報知表示を開始し、タイミングt4に報知表示レイヤおよび設定示唆レイヤをOFFにして注意喚起の報知表示を終了する。
このように基本態様との差分を表示する設定示唆レイヤを用意し、設定示唆レイヤをONすることで基本態様と重ねて示唆態様を実現することで、遊技機10は、基本態様と示唆態様とを差替える場合よりも予め準備するデータを減らすことができる。
以上が第3の実施形態における遊技機10による注意喚起の報知表示を用いた設定値の示唆の一例である。なお、遊技機10は、遊技機10に設定された設定値を示唆する確率を相対的に高く設定すればよく(複数回の示唆演出を通して遊技機10に設定された設定値を推測できればよく)、必ずしも示唆した設定値に実際の設定値が含まれていなくてもよい。
また、遊技機10は、特図変動表示ゲームの注意喚起の報知表示を用いた設定値の示唆を単独でおこなうことに限らず、他の示唆演出と組み合わせておこなってもよい。その場合に、遊技機10は、各示唆演出で示唆する設定値を異ならせてもよい。
[第3の実施形態の変形例1]
次に第3の実施形態の遊技機10について説明する。第3の実施形態の変形例1の遊技機10は、連続しておこなわれる注意喚起の報知表示により遊技機10に設定された設定値の示唆をおこなう。
第3の実施形態の変形例1における注意喚起の報知表示による設定値の示唆の流れについて図55を用いて説明する。図55は、第3の実施形態の変形例1における設定値の示唆の流れを示すタイミングチャートである。
遊技機10は、図55に示すように、取り忘れ防止表示と、企業名報知表示(企業名識別表示)と、のめりこみ防止表示とを連続しておこなう。なお、取り忘れ防止表示と、企業名報知表示と、のめりこみ防止表示の順番は一例であってこれに限らない。また、取り忘れ防止表示と、企業名報知表示と、のめりこみ防止表示の全てを実行することに限らず、いずれか2つを実行するものであってもよい。
遊技機10は、タイミングt11からタイミングt12まで取り忘れ防止表示をおこない、タイミングt12からタイミングt13まで企業名報知表示をおこない、タイミングt13からタイミングt14までのめりこみ防止表示をおこなう。
図55(1)に示すタイミングチャートは、設定値として「2」,「4」,「6」を示唆する場合のタイミングチャートを示す。遊技機10は、カード取り忘れ防止表示中(タイミングt11からタイミングt12)において設定値の示唆をせず、企業名報知表示中(タイミングt12からタイミングt13)において設定値が「2」,「4」,「6」のいずれかであることを示唆し、のめりこみ防止表示中(タイミングt13からタイミングt14)において設定値の示唆をしない。このようにして遊技機10は、一連の注意喚起の報知表示において設定値として「2」,「4」,「6」を示唆する。
このように遊技機10は、一連の注意喚起の報知表示において設定値として「2」,「4」,「6」を示唆する場合に、いずれかの注意喚起の報知表示時だけで設定値を示唆してもよい。この場合に、遊技機10は、いずれの注意喚起の報知表示時に設定値を示唆するかで示唆の確度を異ならせてもよい。また、遊技機10は、一連の注意喚起の報知表示のうちのいくつの注意喚起の報知表示時に設定値を示唆するかで示唆の確度(たとえば、いずれかでおこなわれる場合よりもすべてでおこなわれる場合のほうが確度を高くする)を異ならせてもよい。このようにいずれかの注意喚起の報知表示時に設定値を示唆することで、遊技機10は、遊技者に一連の注意喚起の報知表示を注目させることができる。これにより遊技機10は、注意喚起の報知表示の報知効果を向上できる。
図55(2)に示すタイミングは、設定値として「2」,「4」,「6」を示唆する場合のタイミングチャートを示す。遊技機10は、カード取り忘れ防止表示中(タイミングt11からタイミングt12)において設定値が「1」,「2」,「3」,「4」,「6」のいずれかであることを示唆し、企業名報知表示中(タイミングt12からタイミングt13)において設定値が「1」,「2」,「4」,「6」のいずれかであることを示唆し、のめりこみ防止表示中(タイミングt13からタイミングt14)において設定値が「2」,「4」,「6」のいずれかであることを示唆する。このようにして遊技機10は、一連の注意喚起の報知表示において設定値として「2」,「4」,「6」を示唆する。
このように遊技機10は、一連の注意喚起の報知表示において設定値として「2」,「4」,「6」を示唆する場合に、注意喚起の報知表示が進行するにつれ徐々に設定値を減らしていき最後に示唆した内容を一連の注意喚起の報知表示における設定値の示唆内容としてもよい。このように段階的に示唆する設定値を絞り込んでいくことで、遊技機10は、遊技者に一連の注意喚起の報知表示を注目させることができる。これにより遊技機10は、注意喚起の報知表示の報知効果を向上できる。
図55(3)に示すタイミングは、設定値として「2」,「4」,「6」を示唆する場合のタイミングチャートを示す。遊技機10は、カード取り忘れ防止表示中(タイミングt11からタイミングt12)において設定値が「2」であることを示唆し、企業名報知表示中(タイミングt12からタイミングt13)において設定値が「4」であることを示唆し、のめりこみ防止表示中(タイミングt13からタイミングt14)において設定値が「6」であることを示唆する。このようにして遊技機10は、一連の注意喚起の報知表示において設定値として「2」,「4」,「6」を示唆する。
このように遊技機10は、一連の注意喚起の報知表示において設定値として「2」,「4」,「6」を示唆する場合に、それぞれの注意喚起の報知表示時に示唆した内容を合わせたものを一連の注意喚起の報知表示における設定値の示唆内容としてもよい。このようにそれぞれの注意喚起の報知表示時に示唆した内容を合わせたものを一連の注意喚起の報知表示における設定値の示唆内容とすることで、遊技機10は、遊技者に一連の注意喚起の報知表示を注目させることができる。これにより遊技機10は、注意喚起の報知表示の報知効果を向上できる。
以上が第3の実施形態の変形例1における遊技機10による連続する注意喚起の報知表示を用いた設定値の示唆の一例である。なお、遊技機10は、遊技機10に設定された設定値を示唆する確率を相対的に高く設定すればよく(複数回の示唆演出を通して遊技機10に設定された設定値を推測できればよく)、必ずしも示唆した設定値に実際の設定値が含まれていなくてもよい。
また、遊技機10は、特図変動表示ゲームの連続する注意喚起の報知表示を用いた設定値の示唆を単独でおこなうことに限らず、他の示唆演出と組み合わせておこなってもよい。その場合に、遊技機10は、各示唆演出で示唆する設定値を異ならせてもよい。
ところで、遊技者は、遊技の結果、大勝ちするとその時の楽しさを忘れることができず、徐々にのめりこんでしまうという可能性がある。そこで、注意喚起の報知表示における設定値の示唆を実行する割合を大当りの発生回数や差玉数(アウト球数−セーフ球数)、出玉率((アウト球数÷セーフ球数)×100)に応じて変更するようにしてもよい。特に、のめりこみ防止表示中におこなう設定値の示唆に関しては、大当りの発生回数が基準値(例えば、20回)より増加、差玉数が基準値(例えば、10000球)より増加(差玉数がマイナス)、出玉率が基準値(例えば、110%)より増加することのいずれかが成立すること、又は全てが成立することを条件として、その示唆演出の出現率を高める(例えば、10%増加)ようにしてもよい。このようにすることで、のめりこみ予備軍である遊技者に対して適切に注意喚起がおこなえるようになり、のめりこみ遊技者となってしまうことを未然に防止することが可能となる。
上述した第3の実施形態(変形例含む)の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、表示手段(たとえば、表示装置41)と、注意喚起手段(たとえば、表示装置41)と、設定手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)と、制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を備える。表示手段は、ゲームを表示可能である。注意喚起手段は、遊技に関する注意喚起(カード取り忘れ防止表示(図50)、のめりこみ防止表示(図52))をおこなう。設定手段は、2以上の異なる遊技性能のうち1の遊技性能を設定可能である。制御手段は、設定手段により設定された遊技性能を示唆する示唆演出を含めて注意喚起手段に注意喚起をおこなわせる。
(2)遊技機10は、表示手段(たとえば、表示装置41)と、注意喚起手段(たとえば、表示装置41)と、企業名表示手段(たとえば、表示装置41)と、設定手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)と、制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を備える。表示手段は、ゲームを表示可能である。注意喚起手段は、遊技に関する注意喚起(カード取り忘れ防止表示、のめりこみ防止表示)をおこなう。企業名表示手段は、注意喚起よりも前、または注意喚起よりも後に企業名を案内する企業名識別表示を表示する(図51)。設定手段は、2以上の異なる遊技性能のうち1の遊技性能を設定可能である。制御手段は、設定手段により設定された遊技性能を示唆する示唆演出を含めて企業名表示手段に企業名識別表示を表示させる(図55)。
(3)(2)の制御手段は、注意喚起手段による第1の注意喚起と第2の注意喚起との間で企業名識別表示を表示する(図55)。
[第4の実施形態]
第4の実施形態の遊技機10は、設定値を示唆する示唆演出をおこなうことができる。このとき、遊技機10は、複数の示唆演出を示唆強度ごとに設定示唆演出グループとしてグループ化している。遊技機10は、現在の設定示唆演出グループに対応する示唆演出を実行する。これにより、遊技機10は、設定示唆演出グループごとに異なる示唆強度で示唆演出をおこなうことができる。
また、遊技機10は、遊技機10における遊技量を検出して遊技量に応じて示唆演出設定グループを切り替える。これにより、遊技機10は、遊技量に応じて異なる示唆強度で示唆演出をおこなうことができる。
なお、示唆強度とは、示唆の強さを示す指標であり、一側面において示唆の信頼度に対応し、一側面において示唆の明確度に対応する。また、遊技量は、広義には遊技機10の稼働量であり、たとえば、アウト数によって定量的に計測できる。なお、アウト数は、遊技領域から排出される遊技球数であり、遊技領域への遊技球の入数に一致する。
まず、設定示唆演出グループの切替に用いる設定示唆演出グループ抽選テーブルについて図56を用いて説明する。図56は、第4の実施形態の設定示唆演出グループ抽選テーブルの一例を示す図である。
まず、図56(1)に設定示唆演出グループ抽選テーブル(初期状態)を示す。設定示唆演出グループ抽選テーブル(初期状態)は、遊技量が初期化されたときに用いられるテーブルである。
設定示唆演出グループ抽選テーブル(初期状態)は、6つの設定値ごとに3つの設定示唆演出グループC,B,Aの選択確率を規定する。たとえば、遊技機10は、設定値が「1」であるとき、確率P(C1)で設定示唆演出グループCを選択し、確率P(B1)で設定示唆演出グループBを選択し、確率P(A1)で設定示唆演出グループAを選択する。なお、設定示唆演出グループCよりも設定示唆演出グループBの示唆強度が強く、設定示唆演出グループBよりも設定示唆演出グループAの示唆強度が強いものとする。また、確率P(C1)よりも確率P(B1)の確率が小さく、確率P(B1)よりも確率P(A1)の確率が小さいものとする。なお、設定値「2」から設定値「6」についても設定値「1」と同様である。
このようにして、遊技機10は、初期状態において各設定値で3つの設定示唆演出グループC,B,Aのいずれかを選択可能にする。また、遊技機10は、初期状態において示唆強度が低い設定示唆演出グループほど選択されやすいようにしている。なお、遊技機10は、初期状態において必ずしも3つの設定示唆演出グループのすべてを選択可能にしないものであってもよい。たとえば、遊技機10は、初期状態において示唆強度が最も高い設定示唆演出グループAを選択不可にしてもよいし、初期状態において示唆強度が最も低い設定示唆演出グループCのみを選択可能にしてもよい。また、遊技機10は、設定値ごとの設定示唆演出グループの選択確率を異ならせるものであってもよい。たとえば、遊技機10は、設定値「1」における設定示唆演出グループAの選択確率P(A1)と設定値「6」における設定示唆演出グループAの選択確率P(A6)とを、選択確率P(A6)>選択確率P(A1)のように違えることができる。
次に、図56(2)に設定示唆演出グループ抽選テーブル(中間状態)を示す。設定示唆演出グループ抽選テーブル(中間状態)は、遊技量が所定量に達するごとに用いられるテーブルである。
設定示唆演出グループ抽選テーブル(中間状態)は、6つの設定値ごとに2つの設定示唆演出グループB,Aの選択確率を規定する。たとえば、遊技機10は、設定値が「1」であるとき、確率P(B1’)で設定示唆演出グループBを選択し、確率P(A1’)で設定示唆演出グループAを選択する。なお、確率P(B1’)よりも確率P(A1’)の確率が小さいものとする。なお、設定値「2」から設定値「6」についても設定値「1」と同様である。なお、遊技機10は、設定示唆演出グループCを選択肢から除外することで初期状態よりも中間状態において設定示唆演出に対する期待感の向上を図っている。
このようにして、遊技機10は、中間状態において各設定値で2つの設定示唆演出グループB,Aのいずれかを選択可能にする。また、遊技機10は、中間状態において示唆強度が低い設定示唆演出グループほど選択されやすいようにしている。なお、遊技機10は、中間状態において必ずしも2つの設定示唆演出グループのすべてを選択可能にしないものであってもよい。たとえば、遊技機10は、中間状態において示唆強度が最も高い設定示唆演出グループAを選択不可にしてもよいし、中間状態において示唆強度が最も低い設定示唆演出グループBのみを選択可能にしてもよい。また、遊技機10は、設定値ごとの設定示唆演出グループの選択確率を異ならせるものであってもよい。たとえば、遊技機10は、設定値「1」における設定示唆演出グループAの選択確率P(A1’)と設定値「6」における設定示唆演出グループAの選択確率P(A6’)とを、選択確率P(A6’)>選択確率P(A1’)のように違えることができる。
なお、設定示唆演出グループ抽選テーブル(中間状態)は、遊技量が所定量に達したときに用いられるテーブルであるとしたが、現在の設定示唆演出グループが設定示唆演出グループA,Bであるときに用いられるテーブルであるとしてもよい。
次に、図56(3)に設定示唆演出グループ抽選テーブル(最終状態)を示す。設定示唆演出グループ抽選テーブル(最終状態)は、遊技量があらかじめ上限として設定する上限量に達したときに用いられるテーブルである。
設定示唆演出グループ抽選テーブル(最終状態)は、6つの設定値ごとに1つの設定示唆演出グループAの選択確率「1」を規定する。すなわち、遊技機10は、設定値に関わらず、遊技量が上限量に達したときに設定示唆演出グループAを選択する。なお、遊技機10は、遊技量が上限量に達したときに設定示唆演出グループAの選択を保証することで初期状態や中間状態よりも最終状態において設定示唆演出に対する期待感の向上を図る。
なお、遊技機10は、3つの設定示唆演出グループC,B,Aを有するとしたが、2つ、または4つ以上の設定示唆演出グループを有するものであってもよい。また、遊技機10は、設定示唆演出グループ抽選テーブル(中間状態)を有するとしたが、設定示唆演出グループ抽選テーブル(中間状態)を有しないものであってもよいし、2以上の設定示唆演出グループ抽選テーブル(中間状態)を有するものであってもよい。
次に、示唆強度とは、示唆の強さを示す指標であり、一側面において示唆の信頼度に対応し、一側面において示唆の明確度に対応するとしたが、示唆強度について図57を用いてより具体的に説明する。図57は、第4の実施形態の示唆強度の一例を示す図である。
まず、設定示唆演出グループごとの示唆信頼度対応を図57(1)に示す。設定示唆演出グループCの示唆信頼度は、「低」である。設定示唆演出グループBの示唆信頼度は、「中」である。設定示唆演出グループAの示唆信頼度は、「高」である。すなわち、3つの設定示唆演出グループC,B,Aのうちで設定示唆演出グループCの示唆信頼度が最も低く、設定示唆演出グループAの示唆信頼度が最も高いことを示す。
次に、示唆信頼度ごとの確報/誤報確率を図57(2)に示す。示唆信頼度「低」は、報知内容のうちの1/6が確報であり、報知内容のうちの5/6が誤報である。すなわち、示唆信頼度「低」は、報知内容のうちに確報が含まれる比率が低く、報知内容のうちに誤報が含まれる比率が高い。示唆信頼度「中」は、報知内容のうちの3/6が確報であり、報知内容のうちの3/6が誤報である。すなわち、示唆信頼度「中」は、報知内容のうちに確報が含まれる比率と報知内容のうちに誤報が含まれる比率とが同程度である。示唆信頼度「高」は、報知内容のうちの6/6が確報であり、報知内容のうちの0/6が誤報である。すなわち、示唆信頼度「高」は、報知内容のうちに確報が含まれる比率が高く、報知内容のうちに誤報が含まれる比率が低い。したがって、3つの設定示唆演出グループC,B,Aのうちで設定示唆演出グループCの示唆信頼度が最も確度が低く、設定示唆演出グループAの示唆信頼度が最も確度が高いことを示す。
次に、示唆信頼度ごとの示唆数を図57(3)に示す。示唆信頼度「低」は、1つから4つまでの設定値を示唆する報知の選択確率を1/6とし、5つの設定値を示唆する報知の選択確率を2/6とする。すなわち、示唆信頼度「低」は、報知によって示唆される設定値の数が期待値として大きく、結果として報知内容としての曖昧度が大きい。示唆信頼度「中」は、1つから3つまでの設定値を示唆する報知の選択確率を1/6とし、4つの設定値を示唆する報知の選択確率を3/6とし、5つの設定値を示唆する報知の選択確率を0/6とする。すなわち、示唆信頼度「中」は、報知によって示唆される設定値の数が期待値として中程度である。すなわち、示唆信頼度「中」は、報知によって示唆される設定値の数が期待値として大きくもなく小さくもなく、結果として報知内容としての曖昧度が中程度である。示唆信頼度「高」は、1つの設定値を示唆する報知の選択確率を1/6とし、2つの設定値を示唆する報知の選択確率を2/6とし、3つの設定値を示唆する報知の選択確率を3/6とする。すなわち、示唆信頼度「高」は、報知によって示唆される設定値の数が期待値として小さく、結果として報知内容としての曖昧度が小さい。
なお、示唆する設定値の数が「1」であるときの報知例は、「設定6確定」、「設定6?」等がある。また、示唆する設定値の数が「2」であるときの報知例は、「設定5、6確定」、「設定5、6?」等がある。また、示唆する設定値の数が「3」であるときの報知例は、「設定4、5、6確定」、「偶数設定?」等がある。
また、示唆信頼度の確度を、報知メッセージの表示色(背景、文字、枠等)やキャラクタ等により示唆してもよい。たとえば、報知メッセージの文字色が示す示唆信頼度の確度を、青文字、赤文字、金文字の順に高くなるようにしてもよい。
次に、遊技制御装置100が演出制御装置300に通知する確率情報とアウト球数について説明する。遊技制御装置100は、確率情報とアウト球数とをRAM初期化時と停電復旧時に演出制御装置300に通知する。ここで、遊技制御装置100が演出制御装置300に通知するRAM初期化時コマンドと停電復旧時コマンドとについて図58を用いて説明する。図58は、第4の実施形態のRAM初期化時コマンドと、停電復旧時コマンドの一例を示す図である。
遊技制御装置100は、メイン処理のステップS54(図9参照)においてRAM初期化時のコマンドを演出制御装置300に送信し、ステップS59(図9参照)において停電復旧時のコマンドを演出制御装置300に送信する。
(1)RAM初期化時コマンドは、遊技制御装置100がRAM初期化時に送信するコマンドを示す。まず、遊技制御装置100は、送信順「1」のコマンド(コマンド名「機種指定」)を送信する。コマンド名「機種指定」は、MODE「ACH」と、機種に応じてACTION「10H」からACTION「30H」のいずれかを含む。次に、遊技制御装置100は、送信順「2」のコマンド(コマンド名「特図1保留数」)を送信する。コマンド名「特図1保留数」は、MODE「A1H」と、保留なしに対応するACTION「01H」を含む。次に、遊技制御装置100は、送信順「3」のコマンド(コマンド名「特図2保留数」)を送信する。コマンド名「特図2保留数」は、MODE「A2H」と、保留なしに対応するACTION「01H」を含む。次に、遊技制御装置100は、送信順「4」のコマンド(コマンド名「確率情報」)を送信する。コマンド名「確率情報」は、MODE「A0H」と、初期状態に対応するACTION「01H」を含む。
次に、遊技制御装置100は、送信順「5」のコマンド(コマンド名「設定値」)を送信する。コマンド名「設定値」は、MODE「AFH」と、設定値に対応するACTION「01H」〜「06H」を含む。なお、ACTION「01H」〜「06H」は、設定値「1」〜設定値「6」に対応する。
次に、遊技制御装置100は、送信順「6」のコマンド(コマンド名「アウト球数(下位)」)を送信する。コマンド名「アウト球数(下位)」は、MODE「D3H」と、アウト球数(下位)に対応するACTION「00H」〜「FFH」を含む。遊技制御装置100は、送信順「7」のコマンド(コマンド名「アウト球数(上位)」)を送信する。コマンド名「アウト球数(上位)」は、MODE「D4H」と、アウト球数(上位)に対応するACTION「00H」〜「FFH」を含む。
次に、遊技制御装置100は、送信順「8」のコマンド(コマンド名「電源投入」)を送信する。コマンド名「電源投入」は、MODE「AAH」と、対応するACTION「55H」を含む。
これにより、遊技制御装置100は、RAM初期化時に設定されている設定値(1〜6の範囲)と、RAM初期化時のアウト球数(0〜65535の範囲)とを演出制御装置300に通知できる。
(2)停電復旧時コマンドは、遊技制御装置100が停電復旧時に送信するコマンドを示す。まず、遊技制御装置100は、送信順「1」のコマンド(コマンド名「機種指定」)を送信する。コマンド名「機種指定」は、MODE「ACH」と、機種に応じてACTION「10H」からACTION「30H」のいずれかを含む。次に、遊技制御装置100は、送信順「2」のコマンド(コマンド名「特図1保留数」)を送信する。コマンド名「特図1保留数」は、MODE「A1H」と、保留なしから保留数4に対応するACTION「01H」からACTION「05H」のいずれかを含む。次に、遊技制御装置100は、送信順「3」のコマンド(コマンド名「特図2保留数」)を送信する。コマンド名「特図2保留数」は、MODE「A2H」と、保留なしから保留数4に対応するACTION「01H」からACTION「05H」のいずれかを含む。次に、遊技制御装置100は、送信順「4」のコマンド(コマンド名「確率情報」)を送信する。コマンド名「確率情報」は、MODE「A0H」と、各種遊技状態に対応するACTION「01H」からACTION「07H」のいずれかを含む。
次に、遊技制御装置100は、送信順「5」のコマンド(コマンド名「設定値」)を送信する。コマンド名「設定値」は、MODE「AFH」と、設定値に対応するACTION「01H」〜「06H」を含む。なお、ACTION「01H」〜「06H」は、設定値「1」〜設定値「6」に対応する。
次に、遊技制御装置100は、送信順「6」のコマンド(コマンド名「アウト球数(下位)」)を送信する。コマンド名「アウト球数(下位)」は、MODE「D3H」と、アウト球数(下位)に対応するACTION「00H」〜「FFH」を含む。遊技制御装置100は、送信順「7」のコマンド(コマンド名「アウト球数(上位)」)を送信する。コマンド名「アウト球数(上位)」は、MODE「D4H」と、アウト球数(上位)に対応するACTION「00H」〜「FFH」を含む。
次に、遊技制御装置100は、送信順「8」のコマンドとして、送信順「8−1」のコマンド(コマンド名「客待ちデモ」)または送信順「8−2」のコマンド(コマンド名「停電復旧」)に対応するコマンドのいずれかを送信する。コマンド名「客待ちデモ」は、MODE「80H」と、対応するACTION「55H」を含む。コマンド名「停電復旧」は、MODE「ABH」と、対応するACTION「55H」を含む。
これにより、遊技制御装置100は、停電復旧時に設定されている設定値(1〜6の範囲)と、RAM初期化時のアウト球数(0〜65535の範囲)とを演出制御装置300に通知できる。
遊技制御装置100は、確率情報とアウト球数とを変動表示時にも演出制御装置300に通知する。ここで、遊技制御装置100が演出制御装置300に通知する変動時コマンドについて図59を用いて説明する。図59は、第4の実施形態の変動系コマンドの一例を示す図である。
遊技制御装置100は、特図1ゲーム処理(図21参照)または特図2ゲーム処理(図22参照)において演出コマンドを設定して、演出制御装置300に送信する。
変動時コマンド(変動系コマンド)は、遊技制御装置100が特図ゲームの変動開始時に送信するコマンドを示す。まず、遊技制御装置100は、送信順「1」のコマンド(コマンド名「飾り図柄指定」)を送信する。コマンド名「飾り図柄指定」は、MODE「85H」と、飾り図柄に応じてACTION「11H」からACTION「7FH」のいずれかを含む。次に、遊技制御装置100は、送信順「2」のコマンド(コマンド名「変動パターン指定」)を送信する。コマンド名「変動パターン指定」は、MODE「C0H」からMODE「D2H」のいずれかと、各変動パターンに対応するACTION「01H」からACTION「7FH」のいずれかを含む。次に、遊技制御装置100は、送信順「3」のコマンド(コマンド名「特図1保留数」)を送信する。コマンド名「特図1保留数」は、MODE「A1H」と、保留なしから保留数4に対応するACTION「01H」からACTION「05H」のいずれかを含む。次に、遊技制御装置100は、送信順「4」のコマンド(コマンド名「特図2保留数」)を送信する。コマンド名「特図2保留数」は、MODE「A2H」と、保留なしから保留数4に対応するACTION「01H」からACTION「05H」のいずれかを含む。
次に、遊技制御装置100は、送信順「5」のコマンド(コマンド名「アウト球数(下位)」)を送信する。コマンド名「アウト球数(下位)」は、MODE「D3H」と、アウト球数(下位)に対応するACTION「00H」〜「FFH」を含む。遊技制御装置100は、送信順「6」のコマンド(コマンド名「アウト球数(上位)」)を送信する。コマンド名「アウト球数(上位)」は、MODE「D4H」と、アウト球数(上位)に対応するACTION「00H」〜「FFH」を含む。
これにより、遊技制御装置100は、変動開始時の所要の情報に加えて、変動開始時のアウト球数(0〜65535の範囲)を演出制御装置300に通知できる。
遊技制御装置100は、確率情報とアウト球数とを先読み変動表示時にも演出制御装置300に通知する。ここで、遊技制御装置100が演出制御装置300に通知する先読み変動時のコマンドについて図60を用いて説明する。図60は、第4の実施形態の先読み変動系コマンドの一例を示す図である。
遊技制御装置100は、特図1ゲーム処理(図21参照)または特図2ゲーム処理(図22参照)において演出コマンドを設定して、演出制御装置300に送信する。
先読み変動時コマンド(先読み変動系コマンド)は、遊技制御装置100が特図ゲーム(特図1ゲームまたは特図2ゲーム)の先読み変動開始時に送信するコマンドを示す。まず、遊技制御装置100は、送信順「1」のコマンド(コマンド名「先読み飾り図柄指定」)を送信する。コマンド名「先読み飾り図柄指定」は、MODE「FDH」と、先読み飾り図柄に応じてACTION「11H」からACTION「7FH」のいずれかを含む。次に、遊技制御装置100は、送信順「2」のコマンド(コマンド名「先読み変動パターン指定」)を送信する。コマンド名「先読み変動パターン指定」は、MODE「EOH」からMODE「F2H」のいずれかと、各先読み変動パターンに対応するACTION「01H」からACTION「7FH」のいずれかを含む。次に、遊技制御装置100は、送信順「3」のコマンド(コマンド名「特図1保留数」)を送信する。コマンド名「特図1保留数」は、MODE「A1H」と、保留なしから保留数4に対応するACTION「01H」からACTION「05H」のいずれかを含む。次に、遊技制御装置100は、送信順「4」のコマンド(コマンド名「特図2保留数」)を送信する。コマンド名「特図2保留数」は、MODE「A2H」と、保留なしから保留数4に対応するACTION「01H」からACTION「05H」のいずれかを含む。
次に、遊技制御装置100は、送信順「5」のコマンド(コマンド名「アウト球数(下位)」)を送信する。コマンド名「アウト球数(下位)」は、MODE「D3H」と、アウト球数(下位)に対応するACTION「00H」〜「FFH」を含む。遊技制御装置100は、送信順「6」のコマンド(コマンド名「アウト球数(上位)」)を送信する。コマンド名「アウト球数(上位)」は、MODE「D4H」と、アウト球数(上位)に対応するACTION「00H」〜「FFH」を含む。
これにより、遊技制御装置100は、先読み変動時の所要の情報に加えて、先読み変動時のアウト球数(0〜65535の範囲)を演出制御装置300に通知できる。
なお、遊技制御装置100は、これに限らず、演出制御装置300にコマンドを送信する際にアウト球数を追加して送信するようにしてもよい。これにより、演出制御装置300は、随時アウト球数を把握することができる。
〔設定示唆演出グループ決定処理〕
次に、設定示唆演出グループを決定する設定示唆演出グループ決定処理について図61を用いて説明する。図61は、第4の実施形態の設定示唆演出グループ決定処理のフローチャートを示す図である。設定示唆演出グループ決定処理は、演出制御装置300の制御部によって実行される処理である。演出制御装置300は、アウト球数を含むコマンドを遊技制御装置100から取得したときに設定示唆演出グループ決定処理を実行する。
[ステップD91]制御部は、アウト球数を含むコマンドからアウト球数を取得する。
[ステップD92]制御部は、設定示唆演出グループを初期化(設定示唆初期化)するタイミングであるか否かを判定する。設定示唆初期化のタイミングは、あらかじめ設定するタイミングであり、たとえば、RAM初期化タイミングや、設定変更タイミング、大当り終了ごと、大当り後の普電サポート終了ごと、所定の遊技量検出ごと等がある。
制御部は、設定示唆初期化のタイミングである場合にステップD93に進み、設定示唆初期化のタイミングでない場合にステップD96に進む。
[ステップD93]制御部は、示唆演出機会基準1を設定する。示唆演出機会基準1は、設定示唆演出グループ抽選機会を決定する基準である。たとえば、示唆演出機会基準1は、アウト球の増分「100」である。
[ステップD94]制御部は、示唆演出機会基準2を設定する。示唆演出機会基準2は、設定示唆演出グループ抽選テーブル(最終状態)への切替機会を決定する基準である。たとえば、示唆演出機会基準2は、アウト球の増分「20000」である。
[ステップD95]制御部は、設定示唆演出グループを初期化する。たとえば、制御部は、設定示唆演出グループCを設定する。また、制御部は、設定示唆演出グループの初期化とともに、設定示唆演出グループ抽選テーブルとして設定示唆演出グループ抽選テーブル(初期状態)を設定する。制御部は、設定示唆演出グループを初期化した後、設定示唆演出グループ決定処理を終了する。なお、制御部は、遊技制御装置100から通知されたアウト球数を、初期化時のアウト球数、示唆演出機会基準1到達時のアウト球数、および示唆演出機会基準2到達時のアウト球数として保持する。これにより、制御部は、アウト球の増分を把握可能にしている。
[ステップD96]制御部は、アウト球数の増分が示唆演出機会基準1到達か否かを判定する。制御部は、アウト球数の増分が示唆演出機会基準1到達であればステップD97に進み、アウト球数の増分が示唆演出機会基準1到達でなければ設定示唆演出グループ決定処理を終了する。
[ステップD97]制御部は、アウト球数の増分が示唆演出機会基準2到達か否かを判定する。制御部は、アウト球数の増分が示唆演出機会基準2到達であればステップD101に進み、アウト球数の増分が示唆演出機会基準2到達でなければステップD98に進む。
[ステップD98]制御部は、設定中の設定示唆演出グループ抽選テーブルを取得する。
[ステップD99]制御部は、設定中の設定示唆演出グループ抽選テーブルにしたがい設定示唆演出グループの抽選をおこなう。
[ステップD100]制御部は、設定示唆演出グループを抽選結果に応じた設定示唆演出グループに更新して、設定示唆演出グループ決定処理を終了する。
[ステップD101]制御部は、設定示唆演出グループを設定示唆演出グループAに更新して設定示唆演出グループ決定処理を終了する。
このようにして、制御部は、アウト球数が示唆演出機会基準1に到達するごとに設定示唆演出グループの更新機会を設け、抽選結果にしたがい設定示唆演出グループを更新することができる。また、制御部は、アウト球数が示唆演出機会基準2に到達することで、設定示唆演出グループを設定示唆演出グループAに更新することができる。したがって、制御部は、アウト球数(遊技量)に応じて設定示唆演出グループの更新機会を設けることで、設定示唆演出グループの更新機会獲得に興趣を得る遊技者による稼働向上を期待できる。また、制御部は、アウト球数(上限遊技量)に応じて示唆強度の高い示唆演出機会の増大を演出することで、稼働に貢献した遊技者に対して興趣向上を図ることができる。このような遊技機10は、設定値にもとづく演出が遊技機の稼働向上に寄与する。
次に、示唆演出機会基準1と示唆演出機会基準2について図62を用いて説明する。図62は、第4の実施形態の示唆演出機会基準1と示唆演出機会基準2の一例を示す図である。
図62(1)に示す示唆演出機会基準1と示唆演出機会基準2は、それぞれアウト球数だけを基準にするものである。たとえば、示唆演出機会基準1は、アウト球数「100発」であり、示唆演出機会基準2は、アウト球数「20000発」である。
図62(2)に示す示唆演出機会基準1と示唆演出機会基準2は、それぞれアウト球数とベースを基準にするものである。たとえば、示唆演出機会基準1は、アウト球数「100発」かつベース「25〜35」であり、示唆演出機会基準2は、アウト球数「20000発」かつベース「25〜35」である。これにより、制御部は、示唆演出機会基準1や示唆演出機会基準2の到達機会をベースによって制限できる。たとえば、制御部は、普電サポートのある遊技状態や、異常がある等の不正な遊技状態において、示唆演出機会基準1や示唆演出機会基準2の到達機会を制限できる。
図62(3)に示す示唆演出機会基準1と示唆演出機会基準2は、それぞれアウト球数と1分当り稼働量を基準にするものである。たとえば、示唆演出機会基準1は、アウト球数「100発」かつ1分当り稼働量「50以上」であり、示唆演出機会基準2は、アウト球数「20000発」かつ1分当り稼働量「45以上」である。これにより、制御部は、示唆演出機会基準1や示唆演出機会基準2の到達機会を1分当り稼働量によって制限できる。たとえば、制御部は、休憩を含む遊技や、遊技者の入れ替わりのある遊技、止め打ち等の変則的な遊技において、示唆演出機会基準1や示唆演出機会基準2の到達機会を制限できる。
なお、示唆演出機会基準1や示唆演出機会基準2の到達機会の制限は、ベースや1分当り稼働量以外のパラメータを用いるものであってもよい。
次に、設定示唆態様と設定示唆態様履歴報知について図63を用いて説明する。図63は、第4の実施形態の設定示唆態様と設定示唆態様履歴報知の一例を示す図である。
図63(1)に設定示唆態様と設定示唆内容の一例を示す。遊技機10は、1つ1つの設定示唆態様の確度が不確かであっても所定条件下で確報とする。たとえば、遊技機10は、飾り図柄「7」が左に停止するだけでは、確かな設定示唆をおこなわないが、飾り図柄「7」が3回連続で左に停止すると設定「4」以上確定という確報報知となる。また、遊技機10は、ノーマルリーチが発生するだけでは、確かな設定示唆をおこなわないが、ノーマルリーチが3回連続で発生すると偶数設定確定という確報報知となる。また、遊技機10は、激熱役物が動作するだけでは、確かな設定示唆をおこなわないが、激熱役物が3回連続で動作すると設定「1」から設定「4」を否定するという確報報知となる。なお、激熱役物とは、たとえば、盤演出装置44における所定動作がある。
なお、飾り図柄「7」が3回連続で左に停止すると設定「4」以上確定という確報報知となるとしたが、3回連続に満たない2回連続で飾り図柄「7」が左に停止したときに、不確かながらも所定の示唆強度のある報知としてもよい。他の設定示唆態様と設定示唆内容についても同様とすることができる。これにより、遊技機10は、1つの設定示唆態様について多段階の示唆強度を演出することができる。
図63(2)に設定示唆態様履歴報知の一例を示す。遊技機10は、1つの設定示内容から具体的な設定を看破できない場合があっても、複数の設定示唆態様から具体的な設定を看破できる場合がある。たとえば、飾り図柄「7」が3回連続で左に停止するだけでは、設定「4」以上確定ということしかわからないが、ノーマルリーチが3回連続で発生すると偶数設定が確定し、設定値が「4」または「6」のいずれかに絞られる。さらに、激熱役物が3回連続で動作すると設定「1」から設定「4」を否定することから、設定値が「6」であることを看破可能になる。
このような設定値の看破は、過去の設定示唆態様を把握することによって実現可能になる。そこで、遊技機10は、過去の設定示唆態様を履歴として報知手段によって報知する。たとえば、遊技機10は、過去の設定示唆態様の履歴を表示装置41に表示する。なお、報知手段は、表示装置41に限らず、その他の表示装置であってもよいし、LED等の発光器等であってもよいし、スピーカ19a,19bのような音出力装置等であってもよく、遊技機10が備える演出手段が報知手段を兼ねることができる。
たとえば、遊技機10は、設定示唆態様「飾り図柄「7」が3回連続して左に停止」の発生回数が2回であること、設定示唆態様「ノーマルリーチが3回連続で発生」の発生回数が1回であること、設定示唆態様「激熱役物が3回連続で動作」の発生回数が0回であることを履歴として報知する。これにより、遊技機10は、遊技者に対して設定看破の興趣を演出することができる。
なお、設定示唆態様の履歴初期化のタイミングは、あらかじめ設定するタイミングであり、たとえば、RAM初期化タイミングや、設定変更タイミング、大当り終了ごと、大当り後の普電サポート終了ごと、所定の遊技量検出ごと等がある。また、設定示唆態様の履歴対象は、履歴初期化後の全期間であってもよいし、所定期間(たとえば、過去1時間、直近のアウト球数1000発の期間等)であってもよい。
図63(3)に設定示唆態様履歴報知の別例を示す。遊技機10は、1つの設定示唆態様について、その出現回数、すなわち出現履歴から多段階の示唆強度を演出することができることから、出現履歴を遊技者に対して報知することで、示唆強度の演出効果を高めることができる。たとえば、遊技機10は、設定示唆態様「飾り図柄「7」が左に停止」の連続発生回数が何回目であるか、設定示唆態様「ノーマルリーチが発生」の連続発生回数が何回目であるか、設定示唆態様「激熱役物が動作」の連続発生回数が何回目であるか、を履歴として報知できる。
たとえば、遊技機10は、設定示唆態様「飾り図柄「7」が左に停止」の現在の連続発生回数が2回目であること、設定示唆態様「ノーマルリーチが発生」の現在の連続発生回数が1回目であること、設定示唆態様「激熱役物が動作」の現在の連続発生回数が0回目であることを、報知手段によって報知することができる。
これにより、遊技機10は、設定示唆態様「飾り図柄「7」が左に停止」について後1回で連続発生回数が3回目になること、設定示唆態様「ノーマルリーチが発生」について後2回で連続発生回数が3回目になることを案内できる。
また、遊技機10は、設定示唆態様「飾り図柄「7」が左に停止」について連続発生回数が3回に至らなくても、連続発生回数が2回に相当する示唆強度を演出することができる。また、遊技機10は、設定示唆態様「ノーマルリーチが発生」について連続発生回数が3回に至らなくても、連続発生回数が1回に相当する示唆強度を演出することができる。
このように、遊技機10は、所定の演出態様について出現条件ごとに示唆強度を違えることで、示唆強度が高い示唆演出と示唆強度が低い示唆演出とで同じ演出態様を共用できる。これにより、遊技機10は、示唆強度が低い示唆演出を頻回に出現させることができる。たとえば、遊技機10は、賑やかしと呼ばれるような頻回な演出によって設定示唆演出をおこなうことができる。
[第4の実施形態の変形例]
次に、第4の実施形態の変形例について図64を用いて説明する。図64は、第4の実施形態の役物と、示唆態様の一例を示す図である。第4の実施形態の変形例の遊技機10は、設定示唆演出を役物を用いておこなうことができる。
第4の実施形態の変形例の遊技機10は、図64(1)に示すような役物を遊技盤内に設ける。役物は、アウト口役物600と振分役物602とを含む。アウト口役物600は、遊技領域内に設けられるアウト口であり、アウト口役物600に入った遊技球は、アウト球となる。アウト口役物600は、図示しない駆動装置(たとえば、ソレノイド)によって開閉可能な可動片601を備え、アウト口役物600に入った遊技球を振分役物602に案内可能にしている。
振分役物602は、案内された遊技球610が転動可能な皿形状をしていて、3つの振分穴603,604,605を有する。振分穴603,604,605は、いずれも遊技球610を受け入れ可能であり、受け入れられた遊技球は、アウト球として排出される。また、振分穴603,604,605は、いずれも遊技球610を検出可能な検出装置と、LED等の発光器とを有する。
振分役物602は、振分役物602に案内されて転動勢のある遊技球610を振分役物602の円周方向で転動させた後、勢いを失った遊技球610を3つの振分穴603,604,605のいずれかで受け入れる。遊技機10は、振分穴603,604,605のうち遊技球610が入った1つの振分穴の発光態様により設定示唆演出をおこなう。
なお、振分役物602は、3つの振分穴603,604,605のいずれで遊技球610を受け入れるか、制御できないため振分穴603,604,605の発光態様を時分割で切り替えて遊技球610が入った1つの振分穴の発光態様と設定示唆演出とを整合させる。
たとえば、図64(2)に示すように、振分穴603,604,605の発光態様は、第1のタイミングで示唆態様1であり、第2のタイミングで示唆態様2であり、第3のタイミングで示唆態様3であり、これらの示唆態様を巡回する。
たとえば、示唆態様1は、振分穴603(A穴)を青色発光(斜線ハッチングで図示)として設定「1」から設定「3」を示唆する。また、示唆態様1は、振分穴604(B穴)を黄色発光(交差斜線ハッチングで図示)として設定「4」または設定「5」を示唆する。また、示唆態様1は、振分穴605(C穴)を赤色発光(濃色表示で図示)として設定「6」を示唆する。
示唆態様2は、A穴を赤色発光として設定「6」を示唆する。また、示唆態様2は、B穴を青色発光として設定「1」から設定「3」を示唆する。また、示唆態様2は、C穴を黄色発光として設定「4」または設定「5」を示唆する。
示唆態様3は、A穴を黄色発光として設定「4」または設定「5」を示唆する。また、示唆態様3は、B穴を赤色発光として設定「6」を示唆する。また、示唆態様3は、C穴を青色発光として設定「1」から設定「3」を示唆する。
第4の実施形態の変形例の遊技機10は、巡回して切り替えていた示唆態様を、遊技球610が入った1つの振分穴の発光態様と設定示唆演出とが整合するようにして停止する。
このようにして、第4の実施形態の変形例の遊技機10は、設定値にもとづく演出を、遊技機の稼働向上に寄与するようにしておこなうことができる。
なお、第4の実施形態の変形例の遊技機10は、振分穴603,604,605の発光態様と、発光態様が示唆する設定値との対応関係を明らかにするために、表示装置41等により対応関係を明示するようにしてもよい。
なお、第4の実施形態の変形例の遊技機10は、アウト球を用いて設定示唆演出をおこなうとしたが、あらかじめ役物内に封入した封入球を用いて設定示唆演出をおこなうものであってもよい。
なお、遊技球610が入った1つの振分穴の発光態様と設定示唆演出とを整合させるために、振分穴603,604,605に閉塞装置とを設け、開放状態の振分穴603,604,605のみに遊技球610が入るようにしてもよい。
なお、アウト口役物600と振分役物602は、設定示唆演出を実行可能な役物の一例であって、その他の形態の役物であってもよい。また、振分役物602は、遊技球610が入った1つの振分穴の発光態様によって設定示唆演出をおこなうとしたが、振分穴603,604,605のうちの1つ、あるいはそのすべてで遊技球610を受け入れた数によって設定示唆演出をおこなうものであってもよい。また、設定示唆演出を実行可能な役物は、可動役物であってもよく、その場合、可動役物の動作態様は、設定示唆演出と整合させて制御される。
上述した第4の実施形態(変形例含む)の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、遊技領域への遊技球の入数(たとえば、アウト球数)を検出可能な検出手段(払出制御装置200、アウト球検出スイッチ信号)と、2以上の異なる遊技性能のうち1の遊技性能を設定可能な設定手段(遊技制御装置100、設定値変更スイッチ126、設定キースイッチ127)と、設定された遊技性能の示唆演出を実行可能な演出手段(演出制御装置300、表示装置41、盤装飾装置46、枠装飾装置18、盤演出装置44、上スピーカ19a、下スピーカ19b、アウト口役物600と振分役物602等)と、示唆演出の示唆強度が異なる2以上の示唆演出群のうちから1の示唆演出群を遊技球の入数にもとづいて選択し、設定された遊技性能の示唆演出を1の示唆演出群のうちから選択して演出手段に実行させる制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含む(図61、図64参照)。
(2)(1)の制御手段は、示唆演出の実行履歴を報知手段によって報知する(図63参照)。
(3)(1)の制御手段は、所定の演出態様について出現条件ごとに示唆強度を違える(図63参照)。
(4)(1)の制御手段は、示唆演出に対応して役物の動作態様を決定する(図64参照)。
[第5の実施形態]
第5の実施形態の遊技機10は、特図1ゲームと特図2ゲームとを択一的に実行可能であり、特図1ゲームと特図2ゲームのそれぞれで、大当り乱数値が大当り判定値と一致する場合に大当りを導出し、小当り判定値と一致する場合に小当りを導出する。
なお、第1の実施形態の遊技機10は、特別遊技状態の終了後の確率状態が大当り図柄で決定されるのではなく、特別遊技状態においてV流路に遊技球が流入して特定領域スイッチ38eで検出されることにもとづき高確率状態となるようにされているとしたが、第5の実施形態の遊技機10は、第1の実施形態の遊技機10と相違し、小当りを契機にして特別変動入賞装置38の入賞口内に入賞した遊技球がV流路に流入して特定領域スイッチ38eで検出されることによっても大当りを導出可能にしている。
まず、第5の実施形態の遊技機10の遊技性能について図65を用いて説明する。図65は、第5の実施形態の遊技機の遊技性能の一例を示す図である。
遊技機10は、特図1ゲームと特図2ゲームのうち特図2ゲームを優先しながら、特図1ゲームと特図2ゲームとを択一的に実行する。遊技機10の当り発生条件を図65(1)に示す。特図1ゲームは、大当り乱数値が大当り判定値と一致する大当り発生確率を1/200とし、大当り乱数値が小当り判定値と一致する小当り発生確率を1/30とする。特図2ゲームは、大当り乱数値が大当り判定値と一致する大当り発生確率を1/200とし、大当り乱数値が小当り判定値と一致する小当り発生確率を1/7とする。したがって、特図1ゲームと特図2ゲームは、大当り発生確率を同じにするものの、特図1ゲームの小当り発生確率よりも特図2ゲームの小当り発生確率を大きくしている。
また、特図1ゲームと特図2ゲームは、小当りを契機にして特別変動入賞装置38の入賞口内に入賞した遊技球がV流路に流入して特定領域スイッチ38eで検出されること(V入賞)によっても大当りを導出可能にしている。ただし、特図1ゲームの小当り時のV扉開放態様(開放時間、開放タイミング等)と特図2ゲームの小当り時のV扉開放態様とは異なり、特図1ゲームのV入賞よりも特図2ゲームのV入賞の方が入賞容易になっている。たとえば、特図1ゲームは、小当りを契機にして特別変動入賞装置38の入賞口内に入賞した遊技球がV流路に流入することが困難であり、特図2ゲームは、小当りを契機にして特別変動入賞装置38の入賞口内に入賞した遊技球がV流路に流入することが容易である。
遊技機10は、特図1ゲームの大当り終了後、または特図2ゲームの大当り終了後に普電サポート状態(時短遊技)に遷移する。遊技機10の時短性能を図65(2)に示す。
普電サポート状態の発生条件は、特図1ゲーム、特図2ゲームともに大当り終了後である。普電サポート状態の終了条件の1つ(終了条件A)は、あらかじめ定める変動表示回数の到達である。たとえば、普電サポート状態の終了条件となる変動表示回数は、特図1ゲームの変動表示回数と特図2ゲームの変動表示回数との合計数が7回転または100回転である。
なお、普電サポート状態の終了条件となる変動表示回数は、特図1図柄表示部53に表示される図柄、または特図2図柄表示部54に表示される図柄によって判別可能になっている。また、表示装置41に表示される飾り図柄によっても判別可能となる場合があるが、表示装置41に表示される飾り図柄によっては判別不可能となる場合もある。
普電サポート状態の終了条件のもう1つ(終了条件B)は、あらかじめ定める小当り回数の到達である。たとえば、普電サポート状態の終了条件となる小当り回数は、特図1ゲームの小当り回数が4回であり、特図2ゲームの小当り回数が1回である。
これにより、遊技機10は、普電サポート状態において、遊技者が特図2ゲームの小当りの種類(特図2図柄表示部54に表示される図柄)を狙ってV入賞させることを防止(特定遊技者に有利な遊技の防止)できる。また、遊技機10は、普電サポート状態において、特図1ゲームの小当り発生によってV入賞させることができずに普電サポート状態を終了する不利益(大当り機会の喪失)を防止できる。
特定遊技者に有利な遊技の防止と大当り機会の喪失について図66から図69を用いて説明する。図66は、第5の実施形態の特図1ゲームと特図2ゲームの保留消化例1を示す図である。図67は、第5の実施形態の特図1ゲームと特図2ゲームの保留消化例2を示す図である。図68は、第5の実施形態の特図1ゲームと特図2ゲームの保留消化例3を示す図である。図69は、第5の実施形態の特図1ゲームと特図2ゲームの保留消化例4を示す図である。
まず、通常の遊技において多く見られる保留消化例1を図66に示す。図66(1)に示す大当り終了後の特図1保留は、保留記憶が4つあり、このうちに当り(大当り、小当り)を含まない。なお、当りではない保留記憶を「×」で示す。図66(1)に示す大当り終了後の特図2保留は、保留記憶がない。なお、保留記憶がないことを「−」で示す。なお、特図1保留、特図2保留とも保留記憶を左側から消化し、消化するごとに順次左シフトするものとする。
遊技機10は、大当り終了後に時短状態に遷移し、特図2保留を優先しながら特図1保留と特図2保留を消化する。図66(2)に示す特図1保留と特図2保留は、すべての保留記憶が消化された様子を示す。
遊技機10は、時短状態における普電サポートによって特図1保留よりも特図2保留が増えやすくなる。図66(3)に示す時短中の特図1保留は、保留記憶がない。図66(3)に示す時短中の特図2保留は、保留記憶が4つあり、このうちに当りを含まない。
遊技機10は、時短状態において、特図2保留を優先しながら特図1保留と特図2保留を消化する。図66(4)に示す時短中の特図1保留は、保留記憶がない。図66(4)に示す時短中の特図2保留は、保留記憶が4つあり、このうち最初の1つに当りを含み、残りの3つに当りを含まない。なお、小当りとなる保留記憶を「〇」で示す。
これにより、遊技機10は、特図2保留の最初の1つの保留記憶で特図2ゲームの小当りを発生し、特図2ゲームの小当りを契機にしたV入賞により大当りを発生する。このようにして、遊技機10は、時短状態における特図2ゲームの小当りを契機にした大当り発生を遊技性の1つとしている。
次に、特図1ゲームの小当り発生によってV入賞させることができずに普電サポート状態を終了する不利益(大当り機会の喪失)の抑止例である保留消化例2を図67に示す。図67(1)に示す大当り終了後の特図1保留は、保留記憶が4つあり、このうち3つ目に小当りとなる保留記憶を含み、その他の保留記憶に当りを含まない。図67(1)に示す大当り終了後の特図2保留は、保留記憶がない。
遊技機10は、大当り終了後に時短状態に遷移し、特図2保留を優先しながら特図1保留と特図2保留を消化する。図67(2)に示す特図1保留は、図67(1)に示した特図1保留から保留記憶が2つ消化された様子を示し、最初の1つに当りを含み、残りの1つに当りを含まない。
これにより、遊技機10は、特図1保留の最初の1つの保留記憶で特図1ゲームの小当りを発生するが、特図2ゲームの小当りを契機にしたV入賞が容易でないことから大当り機会を逸する。しかしながら、普電サポート状態の終了条件となる小当り回数は、特図1ゲームの小当り回数が4回であることから、普電サポート状態の終了条件は、未成立となり普電サポート状態が継続する。
遊技機10は、時短状態における普電サポートによって特図1保留よりも特図2保留が増えやすくなる。図67(3)に示す時短中の特図1保留は、保留記憶がない。図67(3)に示す時短中の特図2保留は、保留記憶が4つあり、このうちに当りを含まない。
遊技機10は、時短状態において、特図2保留を優先しながら特図1保留と特図2保留を消化する。図67(4)に示す時短中の特図1保留は、保留記憶がない。図67(4)に示す時短中の特図2保留は、保留記憶が4つあり、このうち最初の1つに当りを含み、残りの3つに当りを含まない。
これにより、遊技機10は、特図2保留の最初の1つの保留記憶で特図2ゲームの小当りを発生し、特図2ゲームの小当りを契機にしたV入賞により大当りを発生する。このようにして、遊技機10は、時短状態における特図2ゲームの小当りを契機にした大当り発生を遊技性の1つとしている。また、遊技機10は、特図1ゲームの小当り発生によって普電サポート状態を終了する不利益を抑止する。
次に、特図1保留に当りとなる保留記憶があっても特図2保留にある当りとなる保留記憶が先に消化される保留消化例3を図68に示す。図68(1)に示す大当り終了後の特図1保留は、保留記憶が4つあり、このうち3つ目に小当りとなる保留記憶を含み、その他の保留記憶に当りを含まない。図68(1)に示す大当り終了後の特図2保留は、保留記憶がない。
遊技機10は、大当り終了後に時短状態に遷移し、特図2保留を優先しながら特図1保留と特図2保留を消化する。このとき、特図1保留の消化前に特図2保留が発生した特図1保留と特図2保留を図68(2)に示す。図68(2)に示す時短中の特図1保留は、図68(1)に示した特図1保留のままである。図68(2)に示す時短中の特図2保留は、保留記憶が4つあり、このうち4つ目に小当りとなる保留記憶を含み、その他の保留記憶に当りを含まない。
遊技機10は、時短状態において、特図2保留を優先しながら特図1保留と特図2保留を消化する。遊技機10は、特図1保留と特図2保留の両方に当りを含むが特図2保留が先に消化されるため特図2保留の当りが先に発生する。図68(3)に示す時短中の特図1保留は、図68(1)に示した特図1保留のままである。図68(3)に示す時短中の特図2保留は、保留記憶が4つあり、このうち最初の1つに当りを含み、残りの3つに当りを含まない。
これにより、遊技機10は、特図2保留の最初の1つの保留記憶で特図2ゲームの小当りを発生し、特図2ゲームの小当りを契機にしたV入賞により大当りを発生可能にする。なお、遊技機10は、普電サポート状態の終了条件を終了条件Aとするだけでは、特図2ゲームの小当りの種類次第では遊技者にV入賞を見送らせる、すなわち特別変動入賞装置38の入賞口内への入賞を忌避する動機付けを与える虞がある。そのため、遊技機10は、普電サポート状態の終了条件として終了条件Aに加えて終了条件Bを用意する。
たとえば、遊技者が特図2ゲームの小当りの種類を見極めて特別変動入賞装置38の入賞口内への入賞を忌避した場合、遊技機10は、終了条件Bの成立により時短(普電サポート)状態を終了する。
遊技機10は、通常状態において、図68(4)に示すように、特図2保留を優先しながら特図1保留と特図2保留を消化する。したがって、遊技機10は、特別変動入賞装置38の入賞口内への入賞忌避を大当り機会の喪失とし、特定遊技者に有利な遊技の防止を図ることができる。なお、遊技機10は、特別変動入賞装置38の入賞口内への入賞忌避を図らない遊技者に対して大当り機会を担保し、公正な遊技機会を提供する。すなわち、遊技機10は、広く公正に遊技可能にする。
次に、特図1保留に当りとなる保留記憶があっても特図2保留にある当りとなる保留記憶が先に消化される保留消化例をもう一例、保留消化例4を図69に示す。図69(1)に示す大当り終了後の特図1保留は、保留記憶が4つあり、このうち3つ目に小当りとなる保留記憶を含み、その他の保留記憶に当りを含まない。図69(1)に示す大当り終了後の特図2保留は、保留記憶がない。
遊技機10は、大当り終了後に時短状態に遷移し、特図2保留を優先しながら特図1保留と特図2保留を消化する。このとき、特図1保留の消化前に特図2保留が発生した特図1保留と特図2保留を図69(2)に示す。図69(2)に示す時短中の特図1保留は、図69(1)に示した特図1保留のままである。図69(2)に示す時短中の特図2保留は、保留記憶が4つあり、このうち4つ目に小当りとなる保留記憶を含み、その他の保留記憶に当りを含まない。
遊技機10は、時短状態において、特図2保留を優先しながら特図1保留と特図2保留を消化する。遊技機10は、特図1保留と特図2保留の両方に当りを含むが特図2保留が先に消化されるため特図2保留の当りが先に発生する。図69(3)に示す時短中の特図1保留は、図69(1)に示した特図1保留のままである。図69(3)に示す時短中の特図2保留は、保留記憶が4つあり、このうち最初の1つと最後の1つに当りを含み、残りの2つに当りを含まない。
これにより、遊技機10は、特図2保留の最初の1つの保留記憶で特図2ゲームの小当りを発生し、特図2ゲームの小当りを契機にしたV入賞により大当りを発生可能にする。また、遊技機10は、特図2保留の最後の1つの保留記憶で特図2ゲームの小当りを発生し、特図2ゲームの小当りを契機にしたV入賞により大当りを発生可能にする。
そのため、遊技機10は、特図2保留のうちに2つの当りが含まれることを保留先読み予告により遊技者に報知した場合、保留消化例3で無効化した特別変動入賞装置38の入賞口内への入賞忌避の動機付けを与える虞がある。
たとえば、遊技機10は、特図2保留の最初の1つの保留記憶で特図2ゲームの小当りを発生し、特図2ゲームの小当りを契機にしたV入賞により大当りを発生可能にする。ここで、遊技者が特図2ゲームの小当りの種類を見極めて特別変動入賞装置38の入賞口内への入賞を忌避した場合、遊技機10は、終了条件Bの成立により時短(普電サポート)状態を終了する。
しかしながら、図69(4)に示す通常(時短終了後)の特図2保留は、保留記憶が1つあり、当りを含む。遊技機10は、特図2保留の保留記憶で特図2ゲームの小当りを発生し、特図2ゲームの小当りを契機にしたV入賞により大当りを発生可能にする。
すなわち、遊技機10は、終了条件Bの成立により時短(普電サポート)状態を終了するにもかかわらず、特定遊技者に有利な遊技の防止を図ることができない。そのため、遊技機10は、特図2保留のうちに複数の当りが含まれることを保留先読み予告により遊技者に報知しないことで、特定遊技者に有利な遊技の防止を図る。
次に、保留先読み予告の実行可否制御について図70を用いて説明する。図70は、第5の実施形態の保留先読み予告の実行可否の一例を示す図である。
図70(1)に特図2保留の保留状態区分を示す。特図2保留の保留状態区分は、保留状態1から保留状態8までの8つある。保留状態1は、特図2保留のうちに大当りを含み、小当りについてはd.c.(don't care)とする。保留状態2は、特図2保留のうちに当り(大当り、小当り)を含まない。保留状態3は、特図2保留のうちに大当りと時短回数100回の小当り(小当りB)を含まず、時短回数7回とする小当り(小当りA)を1つ含む。保留状態4は、特図2保留のうちに大当りと小当りAを含まず、小当りBを1つ含む。保留状態5は、特図2保留のうちに大当りを含まず、小当りAと小当りBを1つずつ含む。保留状態6は、特図2保留のうちに大当りと小当りBを含まず、小当りAを2以上含む。保留状態7は、特図2保留のうちに大当りと小当りAを含まず、小当りBを2以上含む。保留状態8は、特図2保留のうちに大当りを含まず、小当りAと小当りBとを少なくとも1つずつ、併せて3以上含む。
図70(2)に特図2保留の保留状態別演出状態を示す。なお、大当り予告は、一定の確度をもって特図2保留に大当りが含まれることを予告報知する先読み予告演出である。小当り予告1は、一定の確度をもって特図2保留に小当りAまたは小当りBが含まれることを予告報知する先読み予告演出である。小当り予告2は、一定の確度をもって特図2保留に小当りAが含まれることを予告報知する先読み予告演出である。小当り予告3は、一定の確度をもって特図2保留に小当りBが含まれることを予告報知する先読み予告演出である。
したがって、小当りAよりも遊技者にとって有利な小当りBを先読み予告する小当り予告3は、保留消化例4において遊技者に小当りAで特別変動入賞装置38の入賞口内への入賞を忌避する動機付けを与え得る。
そこで、遊技機10は、保留状態1において大当り予告「あり」、小当り予告1「なし」、小当り予告2「なし」、小当り予告3「なし」とする。また、遊技機10は、保留状態2において大当り予告「なし」、小当り予告1「なし」、小当り予告2「なし」、小当り予告3「なし」とする。遊技機10は、保留状態3、保留状態5、保留状態6、および保留状態8において大当り予告「なし」、小当り予告1「あり」、小当り予告2「あり」、小当り予告3「なし」とする。遊技機10は、保留状態4、および保留状態7において大当り予告「なし」、小当り予告1「あり」、小当り予告2「なし」、小当り予告3「あり」とする。
このように、遊技機10は、特図2保留において小当りAと小当りBとが重複して存在するときに、小当り予告3を選択しないようにしている。これにより、遊技機10は、特図2保留における小当りAの導出時に、小当りBの存在を遊技者に対して隠すことができる。一方で、遊技機10は、特図2保留における小当りBの導出時に、小当りAの存在を遊技者に対して隠すことをしないことから、遊技者に対して連続当りの期待感を演出できる。
なお、遊技機10は、小当り予告3の選択を制限し、小当り予告1の選択を制限しないとしたが、小当りAと小当りBとの区別のない小当り予告1について選択を制限するものであってもよい。また、遊技機10は、小当り予告3の選択を制限し、大当り予告の選択を制限しないとしたが、大当り予告について選択を制限するものであってもよい。
また、遊技機10は、小当りA、小当りBの区別なく特図2保留において2以上の小当りが存在する場合に先読み予告を制限するものであってもよい。また、遊技機10は、小当りA、小当りBに加えて大当りの区別なく特図2保留において2以上の当りが存在する場合に先読み予告を制限するものであってもよい。
[第5の実施形態の変形例]
次に、第5の実施形態の変形例について図71と図72を用いて説明する。第5の実施形態の変形例の遊技機10は、当りの種別に代えて、当りとなる保留記憶の発生順序により先読み予告を制限する。
まず、特図2保留に当りとなる保留記憶が複数ある保留消化例を図71に示す。図71は、第5の実施形態の変形例の特図1ゲームと特図2ゲームの保留消化例を示す図である。
図71(1)に示す大当り発生前、かつ時短中の特図1保留は、保留記憶がない。図71(1)に示す大当り発生前、かつ時短中の特図2保留は、保留記憶が4つあり、このうち最初の1つと最後の1つとの2つに当りとなる保留記憶を含み、その他の保留記憶に当りを含まない。このとき、遊技機10は、当りとなる保留記憶のいずれも先読み予告報知をおこなっていない。
この後、遊技機10は、特図2保留のうちの最初の1つの保留記憶にもとづく大当りを発生する。なお、この大当りは、小当り時のV入賞によるものであるか、小当りを経ることなく大当りとなったものであるかを問わない。
図71(2)に示す大当り中の特図1保留は、保留記憶が2つあり、いずれの保留記憶にも当りを含まない。図71(2)に示す大当り中の特図2保留は、保留記憶が4つあり、3つ目に当りとなる保留記憶を含む。この3つ目の当りとなる保留記憶は、図71(1)に示した特図2保留のうちの最後の保留記憶に対応する。
遊技機10は、この3つ目の当りとなる保留記憶を先読み予告報知の対象として選択し、所要の予告報知手段(たとえば、表示装置41やスピーカ19a,19b等)により所要のタイミングで先読み予告報知をおこなう。なお、先読み予告報知の対象となる保留記憶を「◎」で示す。
遊技機10は、特図1保留および特図2保留のうちから1つの保留記憶を先読み予告報知の対象として選択したことで、その他の保留記憶を先読み予告報知の対象として選択することを制限する。たとえば、図71(3)に示すように、大当り中の特図1保留の保留記憶が4つになり、4つ目の保留記憶が当りであっても先読み予告報知の対象とならない。
同様に、図71(4)に示すように、大当り終了後の時短中の特図2保留の保留記憶が消化によりシフトし、4つ目の保留記憶が当りであっても先読み予告報知の対象とならない。また、大当り終了後の時短中の特図1保留の4つ目の保留記憶が当りであっても先読み予告報知の対象とならない。
これにより、遊技機10は、特図1保留および特図2保留のうちに2以上の当りが存在する場合に、先読み予告報知の対象を1つの保留記憶に限定することで、図69を用いて説明した保留消化例4のような特定遊技者に有利な遊技の防止を図ることができる。
また、遊技機10は、先読み予告報知の対象を1つの保留記憶に限定することで、先読み予告報知に係る処理を簡素化して遊技制御処理負担を軽減できる。また、遊技機10は、特図1保留および特図2保留のうちに2以上の当りが存在する場合の先読み予告報知の発生率を低減する。すなわち、遊技機10は、通常時の先読み予告報知の発生率を相対的に増加させることができる。また、遊技機10は、特図1保留および特図2保留のうちに2以上の当りが存在しないときの先読み予告報知の発生率が低くても、当りに対する一定の期待感を担保できる。
〔予告報知対象限定処理〕
次に、先読み予告報知の対象を限定する予告報知対象限定処理について図72を用いて説明する。図72は、第5の実施形態の変形例の予告報知対象限定処理のフローチャートを示す図である。予告報知対象限定処理は、演出制御装置300の制御部によって実行される処理である。演出制御装置300は、先読み予告報知系のコマンド(たとえば、先読み変動時コマンド)を遊技制御装置100から取得したときに予告報知対象限定処理を実行する。
[ステップD111]制御部は、予告報知対象(先読み予告報知の対象)を設定中であるか否かを判定する。制御部は、予告報知対象を設定中でない場合にステップD112に進み、予告報知対象を設定中である場合に予告報知対象限定処理を終了する。すなわち、制御部は、予告報知対象を設定中である場合に新たな予告報知対象の設定を制限する。
[ステップD112]制御部は、予告報知対象候補となる保留記憶の数が1つであるか否かを判定する。制御部は、予告報知対象候補となる保留記憶の数が1つである場合にステップD114に進み、1つでない場合にステップD113に進む。
[ステップD113]制御部は、予告報知対象候補となる保留記憶のうちから1つを、予告報知対象として選択する。なお、予告報知対象候補は、当りの種別や保留記憶の発生順序、特図1保留と特図2保留との区別、あるいはこれらの組合せ等、あらかじめ定める選択基準にしたがい選択される。なお、制御部は、遊技状態に応じて異なる選択基準を用いて予告報知対象を選択するようにしてもよい。
[ステップD114]制御部は、選択した予告報知対象を設定して、予告報知対象限定処理を終了する。なお、設定された予告報知対象は、当該保留記憶の保留消化により設定解除される。
このようにして、遊技機10は、先読み予告報知の対象を限定することができる。なお、遊技機10は、演出制御装置300の制御部が予告報知対象限定処理を実行するとしたが、遊技制御装置100によって実現するようにしてもよい。その場合、遊技制御装置100は、先読み予告報知の対象を限定した状態で、先読み予告報知系のコマンド(たとえば、先読み変動時コマンド)を演出制御装置300に送信すればよい。
上述した第5の実施形態(変形例含む)の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、第1の変動表示ゲーム(たとえば、特図1ゲーム)の結果または第2の変動表示ゲーム(たとえば、特図2ゲーム)の結果として第1の当り(たとえば、小当り)を導出可能にし、第1の当りを契機として第2の当り(たとえば、大当り)を導出可能にし、第2の当りの後に、第1の変動表示ゲームの遊技状態および第2の変動表示ゲームの遊技状態を遊技者にとって有利に遊技進行可能な特別遊技状態(たとえば、普電サポート遊技状態、時短遊技状態)とし、特別遊技状態において、第1の変動表示ゲームの結果または第2の変動表示ゲームの結果が所定回数(たとえば、時短回数)導出されることを特別遊技状態の終了条件とするとともに、第1の変動表示ゲームの結果または第2の変動表示ゲームの結果のうち第1の当りが所定回数(たとえば、小当り回数)導出されることを特別遊技状態の終了条件とする、遊技制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)を含む(図65参照)。
(2)遊技機10は、第1の変動表示ゲーム(たとえば、特図1ゲーム)の結果または第2の変動表示ゲーム(たとえば、特図2ゲーム)の結果として第1の当り(たとえば、小当り)を導出可能にし、第1の当りを契機として第2の当り(たとえば、大当り)を導出可能にし、第2の当りの後に、第1の変動表示ゲームの遊技状態または第2の変動表示ゲームの遊技状態を遊技者にとって有利に遊技進行可能な特別遊技状態(たとえば、普電サポート遊技状態、時短遊技状態)とし、特別遊技状態において、第1の変動表示ゲームの結果または第2の変動表示ゲームの結果が所定回数(たとえば、時短回数)導出されることを特別遊技状態の終了条件とするとともに、第1の変動表示ゲームの結果または第2の変動表示ゲームの結果のうち第1の当りが所定回数(たとえば、小当り回数)導出されることを特別遊技状態の終了条件とする、遊技制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)を含む(図65参照)。
(3)(1)または(2)の遊技制御手段は、第1の変動表示ゲームの結果としての第1の当りを契機とする第2の当りの導出よりも、第2の変動表示ゲームの結果としての第1の当りを契機とする第2の当りの導出を容易にする(図65参照)。
(4)(1)または(2)の遊技制御手段は、特別遊技状態の終了条件のうち、第1の変動表示ゲームの結果として第1の当りが導出される回数よりも第2の変動表示ゲームの結果として第1の当りが導出される回数を大きくする(図65参照)。
(5)(4)の遊技制御手段は、第2の変動表示ゲームの結果として第1の当りが導出される回数を1回とする(図65参照)。
(6)(4)または(5)の遊技制御手段は、第2の変動表示ゲームの結果として遊技者にとって価値が異なる2以上の第1の当りを導出可能である(図65参照)。
1態様によれば、遊技機において、広く公正に遊技可能にする。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、実施形態の遊技機が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等がある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disk)、DVD−RAM、CD(Compact Disk)−ROM/RW(ReWritable)等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)等がある。
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現することもできる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、開示した実施形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、たとえば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機等の遊技球を使用するすべての遊技機、およびメダルを使用する遊技機であるスロットマシンに適用可能である。
また、開示した実施形態はすべての点で例示されるものであって制限的なものではないと考えられるべきである。また、上述の実施形態および変形例の各構成を組み合わせて適用してもよい。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。