JP2019154617A - 遊技機 - Google Patents

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隆嗣 ▲榊▼原
隆嗣 ▲榊▼原
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駿 ▲高▼岡
駿 ▲高▼岡
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Abstract

【課題】設定値を変更可能に設定する遊技機において、遊技興趣の高い遊技機を提供する。【解決手段】本発明に係る遊技機は、遊技者に有利な遊技状態に当選させるか否かの確率についての段階を表す設定値を遊技者に対して示唆する設定値示唆演出を行う演出手段を備えている。【選択図】図40

Description

本発明は弾球遊技機、回胴遊技機などの遊技機に係るものであり、特には、遊技者に有利な遊技状態に当選させるか否かの確率についての段階を表す設定値を操作に基づき設定可能とされた遊技機に係る技術分野に関する。
例えばパチンコ遊技機等の弾球遊技機や、スロットマシン等の回胴式遊技機等、各種の遊技機が広く知られている。
遊技機としては、例えばスロットマシンのように、遊技者に有利な遊技状態に当選させるか否かの確率についての段階を表す設定値を操作に基づき設定可能とされたものがある。
なお、関連する従来技術については下記特許文献1を挙げることができる。
特許第5956529号公報
設定値を設定可能な遊技機において、遊技興趣の高い遊技機が求められている。
そこで、遊技興趣の高い遊技機を提供することを目的とする。
遊技機(1)は、遊技者に有利な遊技状態に当選させるか否かの確率についての段階を表す設定値を遊技者に対して示唆する設定値示唆演出を行う演出手段を備えたものである。
遊技機(2)は遊技機(1)の構成に加えて、演出手段は複数種類設けられていることを特徴としている。
これにより、遊技者が意識を向けている演出手段を用いた効果的な演出を行うことが可能となる。
遊技機(3)は、遊技機(1)、(2)のいずれかの構成に加えて、1回の変動中における複数のタイミングで設定値示唆演出を実行可能とされていることを特徴としている。
これにより、変動中や変動終了後など各種のタイミングで設定値示唆演出が実行され、遊技者の遊技意欲を向上させることが可能である。
遊技機(4)は、遊技機(1)乃至(3)のいずれかの構成に加えて、大当り遊技中以外の通常の変動中においては、液晶表示装置を用いずに設定値示唆演出を行うことを特徴としている。
通常の変動中は液晶表示装置に大当り抽選に関する当落についての画像演出が行われており、液晶表示装置を用いた設定値示唆演出に関する画像演出を行ってしまうと遊技者に演出によって報知したいことに混同が生じてしまう虞がある。従って、通常の変動中(通常状態)に液晶表示装置を用いた設定値示唆演出を行わないことにより、遊技者に混乱を招くこと無く適切な設定値示唆演出を行うことができる。
遊技機(5)は、遊技機(1)乃至(4)のいずれかの構成に加えて、大当り遊技中に行う設定値示唆演出においては、液晶表示装置を用いた画像演出を行うことを特徴としている。
大当り遊技中は、大当り抽選に関する当落を示唆するような画像演出は行われておらず、そのようなタイミングで液晶表示装置を用いた設定値示唆演出を行うことにより、遊技者に対して訴求力の高い、即ち確実に報知可能な設定値示唆を行うことができる。
遊技機(6)は、遊技機(1)乃至(5)のいずれかの構成に加えて、設定値示唆演出の一回の実施において複数の演出手段を用いることを特徴としている。
例えば、液晶表示装置と音響発生装置を組み合わせた設定値示唆演出を行うことにより、遊技機として一体感のある演出を行うことができ、遊技者に適切且つ確実な報知を行うことが可能となる。
遊技機(7)は、遊技機(1)乃至(6)のいずれかの構成に加えて、設定値示唆演出において、同様の示唆内容を報知する際には演出手段における同一の演出要素を用いた演出を行うことを特徴としている。
遊技機(8)は、遊技機(7)の構成に加えて、同一の演出要素とは液晶表示装置上に表示させる同一のキャラクタ画像、光表示装置による同一の発光色、同一の発光パターン、音響発生装置による同一の効果音の何れかとされていることを特徴としている。
これにより、遊技者は設定値示唆演出の演出パターンと示唆内容の対応を完全に把握しておらずその一部のみ把握している場合であっても、同一の演出要素を用いた他の示唆演出の内容を把握していれば示唆内容を理解できるため、効果的な演出を行うことが可能となる。
遊技機(9)は、遊技機(1)乃至(8)のいずれかの構成に加えて、設定値示唆演出として設定値の推測値を複数に絞り込むことが可能な設定値示唆演出を実行可能に構成されていることを特徴としている。
設定値の推測値が一つの値に確定するような設定値示唆演出ではなく、例えば4〜6であることが確定するような幅を持たせた設定値示唆演出を行うことにより、設定値の更なる推測の楽しみを遊技者に残しつつ遊技意欲を高めるような演出を行うことができる。
本発明によれば、遊技興趣の高い遊技機を提供することができる。
ことができる。
本発明に係る実施形態としての遊技機の外観を示す正面側の斜視図である。 実施形態としての遊技機の遊技盤の構成を示す図である。 実施形態としての遊技機の制御構成を示すブロック図である。 実施形態における先読み予告演出の例についての説明図である。 実施形態の主制御側メイン処理を示したフローチャートである。 図5中の初期設定処理を示したフローチャートである。 実施形態の電源異常チェック処理を示したフローチャートである。 設定変更処理、RAMクリア処理、設定確認処理、バックアップ復帰処理への移行にあたっての操作面での各判定条件と、Wレジスタの値との対応関係を示した図である。 図5中のRAMクリア時処理を示したフローチャートである。 図5中のメインループ前処理を示したフローチャートである。 図5中のメインループ処理を示したフローチャートである。 図5中の設定変更処理を示したフローチャートである。 図5中の設定確認処理を示したフローチャートである。 実施形態の主制御側タイマ割込み処理を示したフローチャートである。 図14中の電源チェック・バックアップ処理を示したフローチャートである。 図14中の設定異常チェック処理を示したフローチャートである。 図14中の特別図柄管理処理を示したフローチャートである。 図17中の特図1始動口チェック処理を示したフローチャートである。 図17中の特別図柄変動開始処理を示したフローチャートである。 図19中の変動管理処理を示したフローチャートである。 図20中の大当り乱数判定処理を示したフローチャートである。 実施形態の大当り乱数判定手法の説明図である。 図20中の変動パターン抽選処理を示したフローチャートである。 実施形態のはずれ変動パターンテーブルの例を示した図である。 実施形態の当り変動パターンテーブルの例を示した図である。 実施形態の当り変動パターンテーブルの他の例を示した図である。 実施形態の設定エラー時共通変動パターンテーブルの例を示した図である。 実施形態の設定エラー時共通変動パターンテーブルの他の例を示した図である。 実施形態のシナリオ登録情報、ランプデータ登録情報、モータデータ登録情報の説明図である。 実施形態の音データ登録情報の説明図である。 実施形態のメインシナリオテーブルの説明図である。 実施形態のサブシナリオテーブルの説明図である。 実施形態の演出制御メイン処理のフローチャートである。 実施形態の演出制御におけるコマンド解析処理のフローチャートである。 実施形態の演出制御におけるコマンド対応処理のフローチャートである。 実施形態の演出制御タイマ割込処理のフローチャートである。 実施形態の表示制御タイミングの説明図である。 実施の形態の示唆演出の種類を示す図である。 実施の形態の示唆演出が実行されるタイミングを示す図である。 実施の形態の示唆演出の種類とタイミングの関係を示す図である。 実施の形態の示唆演出(演出01)を実行するためのフローチャートである。 実施の形態の示唆演出(演出02)を実行するためのフローチャートである。 実施の形態の演出制御における客待ちデモコマンドを受信した際のコマンド対応処理のフローチャートである。 実施の形態の演出制御における装飾図柄指定コマンドを受信した際のコマンド対応処理のフローチャートである。 実施の形態の示唆演出(演出05)を実行するためのフローチャートである。 実施の形態の示唆演出(演出06)を実行するためのフローチャートである。 実施の形態の演出制御における装飾図柄指定コマンドを受信した際のコマンド対応処理のフローチャートである。 実施の形態の示唆演出(演出09)を実行する際に用いられるテーブルを示す説明図である。 実施の形態の示唆演出(演出10)を実行するためのフローチャートである。 実施の形態の示唆演出(演出11)を実行するためのテーブル及びフローチャートである。 実施の形態の示唆演出(演出12)を実行するためのフローチャートである。 実施の形態の再抽選処理で用いられるテーブルの一例である。 実施の形態の示唆演出(演出13)において液晶表示装置上に表示される画像の一例である。 実施の形態の示唆演出(演出13)において液晶表示装置上に表示される画像の一例である。 実施の形態の示唆演出(演出13)において液晶表示装置上に表示される画像の一例である。 実施の形態の示唆演出(演出13)を実行するためのフローチャートである。 実施の形態の示唆演出(演出14)を実行するためのフローチャートである。 実施の形態の示唆演出(演出14)で用いられるテーブルである。 実施の形態の演出制御部における大入賞口入賞コマンドを受信した際のコマンド対応処理のフローチャート及び使用するテーブルである。 実施の形態の演出制御部における大当り終了コマンドを受信した際のコマンド対応処理のフローチャートである。 実施の形態の示唆演出(演出16)において液晶表示装置上に表示される画像の一例である。 実施の形態の示唆演出(演出17)を説明するための図である。 実施の形態の示唆演出(演出18)を説明するための図である。 実施の形態の示唆演出(演出19)を説明するための図である。 実施の形態の示唆演出(演出20)を実行するための図である。 実施の形態の示唆演出(演出21)を実行するためのフローチャートである。 実施の形態のその他の演出例を説明するためのフローチャートである。 実施の形態のその他の演出例を説明するためのフローチャートである。 実施の形態の設定値変更示唆演出2を説明するためのフローチャートである。 実施の形態の設定値変更示唆演出3を説明するための図である。 実施の形態の設定値示唆演出1を説明するための図である。 実施の形態の設定値示唆演出1を説明するための図である。 実施の形態の設定値示唆演出1を説明するための図である。 実施の形態の設定値示唆演出1を説明するための図である。 実施の形態の示唆演出の種類と実行タイミングの関係を示す図である。
以下、添付図面を参照し、本発明に係る実施形態を次の順序で説明する。

<1.遊技機の構造>
<2.遊技機の制御構成>
[2-1.主制御部]
(設定値の変更操作について)
(性能表示について)
(演出制御コマンド)
[2-2.演出制御部]
<3.動作の概要説明>
[3-1.図柄変動表示ゲーム]
(特別図柄変動表示ゲーム)
(装飾図柄変動表示ゲーム)
(普通図柄変動表示ゲーム)
(保留について)
[3-2.遊技状態]
[3-3.当りについて]
[3-4.演出について]
(演出モード)
(予告演出)
(演出手段)
<4.主制御部の処理>
[4-1.主制御側メイン処理]
(初期設定処理)
(初期設定後の処理)
(メインループ処理)
(設定変更処理)
(設定確認処理)
[4-2.主制御側タイマ割込み処理]
(電源チェック・バックアップ処理)
(エラー管理及び遊技進行のための処理等)
[4-3.特別図柄変動表示ゲームに係る処理]
(特別図柄管理処理)
(特図1始動口チェック処理)
(特別図柄変動開始処理)
(変動管理処理)
(大当り乱数判定処理)
(変動パターン抽選処理)
<5.演出制御部の処理>
[5-1.処理概要]
[5-2.設定履歴確認画面の表示]
<6.設定値に関する示唆演出>
[6-1.演出の種類]
[6-2.演出タイミング]
[6-3.演出例]
(演出01)〜(演出21)
(各演出まとめ)
[6-4.その他の演出例]
(設定値変更示唆演出1)
(設定値変更示唆演出2)
(設定値変更示唆演出3)
(設定値示唆演出1)
<7.その他>
<1.遊技機の構造>

図1及び図2を参照して、本発明に係る実施形態としてのパチンコ遊技機1の構造について説明する。図1はパチンコ遊技機1の外観を示す正面側の斜視図を、図2はパチンコ遊技機1が有する遊技盤3の正面側を示した図である。
図1に示すパチンコ遊技機1(以下「遊技機1」と略称する場合がある)は、木製の外枠4の前面に額縁状の前枠2を開閉可能に取り付け、前枠2の裏面に取り付けた遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤3(図2参照)を装着し、この遊技盤3の表面に形成した遊技領域3aを前枠2の開口部に臨ませた構成を有する。この遊技領域3aの前側には、透明ガラスを支持したガラス扉6が設けられている。また遊技盤3の背面側には、遊技動作を制御するための各種制御基板(図3参照)が配設されている。
ガラス扉6の前側には扉ロック解除用のキーシリンダ(図示せず)が設けられており、このキーシリンダにキーを差し込んで一方側に操作すれば前枠2に対するガラス扉6のロック状態を、他方側に操作すれば外枠4に対する前枠2のロック状態をそれぞれ解除して前側に開放できるようになっている。
ガラス扉6の下側には、ヒンジ(図示せず)により前枠2に開閉自在に枢支された前面操作パネル7が配置されている。前面操作パネル7には、上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が形成されている。
また上受け皿ユニット8には、上受け皿9に貯留された遊技球を遊技機1の下方に抜くための球抜きボタン14と、遊技球貸出装置(図示せず)に対して遊技球の払い出しを要求するための球貸しボタン11と、遊技球貸出装置に挿入した有価価値媒体の返却を要求するためのカード返却ボタン12とが設けられている。また上受け皿ユニット8には、遊技者が操作可能に構成された演出ボタン13(操作手段)が設けられている。この演出ボタン13は、所定の入力受付期間中に内蔵ランプ(ボタンLED75)が点灯されて操作可能(入力受付可能)となり、その内蔵ランプ点灯中に所定の操作(押下、連打、長押し等)をすることにより演出に変化をもたらすことが可能となっている。
また前面操作パネル7の右端部側には、発射装置32(図3参照)を作動させるための発射操作ハンドル15が設けられている。
また前枠2の上部の両側と発射操作ハンドル15の上側とには、音響により音演出効果(効果音)を発揮するスピーカ46が設けられている。また、ガラス扉6の適所には、光の装飾により光演出効果を発揮する装飾ランプ45(例えばフルカラーLEDによる光演出用LED等)が複数設けられている。この装飾ランプ45としてのフルカラーLED(光演出用LED)は、パチンコ遊技機の周囲、つまりガラス扉6の前枠周縁に周方向に複数個設けられている。
図2を参照して、遊技盤3の構成について説明する。図示の遊技盤3には、発射された遊技球を案内する球誘導レール5が盤面区画部材として環状に装着されており、この球誘導レール5取り囲まれた略円形状の領域が遊技領域3a、四隅は非遊技領域となっている。
この遊技領域3aの略中央部には、たとえば3つ(左、中、右)の表示エリア(図柄変動表示領域)において、独立して数字やキャラクタや記号などによる複数種類の装飾図柄(たとえば、左図柄(左表示エリア対応)、中図柄(中表示エリア対応)、右図柄(右表示エリア対応))の変動表示動作(変動表示および停止表示)が可能である液晶表示装置(LCD)36が設けられている。この液晶表示装置36は、後述する演出制御部24の制御の下、装飾図柄の変動表示動作の他、種々の演出を画像により表示する。
また遊技領域3a内には、液晶表示装置36の表示面の周りを遠巻きに囲繞する形でセンター飾り48が設けられている。センター飾り48は、遊技盤3の前面側に沿って設けられ、周囲の遊技球から液晶表示装置36の表示面を保護するとともに、遊技球の打ち出しの強さ又はストローク長により、遊技球の流路を左右に振り分けることを可能とする流路振分手段として働く。本実施形態では、センター飾り48の存在によって遊技領域3a内の上部両側(左側と右側)に遊技球の流路が形成されるように、センター飾り48は遊技領域3aのほぼ中央部に配置されている。発射装置32により遊技領域3aの上部側に打ち込まれた遊技球は、鎧枠部48bの上部側で左右に振り分けられ、センター飾り48の左側の左流下経路3bと右側の右流下経路3cとの何れかを流下する。
また遊技盤3の右上縁付近(右上隅)の非遊技領域は各種機能表示部となっており、7セグメント表示器(ドット付)を上始動口34(第1の特別図柄用)と下始動口35(第2の特別図柄用)に対応させて横に並べて構成される特別図柄表示装置38a(第1の特別図柄表示手段)と特別図柄表示装置38b(第2の特別図柄表示手段)とが設けられている。特別図柄表示装置38a、38bでは、7セグメント表示器により表現される「特別図柄」の変動表示動作による特別図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして上記の液晶表示装置36では、特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、画像による装飾図柄を変動表示して、種々の予告演出(演出画像)とともに装飾図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている(これらの図柄変動表示ゲームについての詳細は追って説明する)。
また各種機能表示部には、特別図柄表示装置38a、38bの隣に、7セグメント表示器(ドット付)からなる複合表示装置(保留複合表示用LED表示器)38cが配設されている。複合と称したのは、特別図柄1、2、普通図柄の作動保留球数の表示、変動時間短縮機能作動中(時短中)および高確率状態中(高確中)の状態報知という、5つの表示機能を有する保留・時短・高確複合表示装置(以下単に「複合表示装置」と称する)であるからである。
また各種機能表示部には、複合表示装置38cの隣に、複数個(この実施形態では2個)のLEDを配置してなる普通図柄表示装置39a(普通図柄表示手段)が設けられている。この普通図柄表示装置39aでは、2個のLEDにより表現される普通図柄の変動表示動作により普通図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。例えば、変動表示動作として、LEDによる普通図柄がシーソー的に交互に点灯と消灯を繰り返し、何れかの側が点灯した状態で停止することで、普通図柄変動表示ゲームの当否が判明するようになっている。また、この普通図柄表示装置39aに隣接して3個のLED(第1〜第3ラウンド表示LED)を配置してなるラウンド数表示装置39bが設けられている。このラウンド数表示装置39bは、3つのLEDの点灯・消灯状態の組合せにより、大当りに係る規定ラウンド数(最大ラウンド数)を報知する。
センター飾り48の下方には、上始動口34(第1の特別図柄始動口:第1の始動手段)と、下始動口35(第2の特別図柄始動口:第2の始動手段)を備える普通変動入賞装置41とが上下に設けられ、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する検出センサ34a、35a(上始動口センサ34a、下始動口センサ35a:図3参照)が形成されている。
第1の特別図柄始動口である上始動口34は、特別図柄表示装置38aにおける第1の特別図柄(以下、第1の特別図柄を「特別図柄1」と称し、場合により「特図1」と略称する)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、始動口開閉手段(始動口を開放又は拡大可能にする手段)を有しない入賞率固定型の入賞装置として構成されている。本実施形態では、遊技領域3a内の遊技球落下方向変換部材(例えば、遊技くぎ(図示せず)、風車44、センター飾り48など)の作用により、上始動口34へは、左流下経路3bを流下してきた遊技球については入球(入賞)容易な構成であるのに対し、右流下経路3cを流下してきた遊技球については入球困難または入球不可能な構成となっている。
普通変動入賞装置41は、始動口開閉手段により始動口の遊技球の入賞率を変動可能な入賞率変動型の入賞装置として構成されている。本実施形態では、始動口開閉手段として、第2の特別図柄始動口である下始動口35を、開放または拡大可能にする左右一対の可動翼片(可動部材)47を備える、いわゆる「電動チューリップ型」入賞装置として構成されている。
普通変動入賞装置41の下始動口35は、特別図柄表示装置38bにおける第2の特別図柄(以下、第2の特別図柄を「特別図柄2」と称し、場合により「特図2」と略称する)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、この下始動口35の入賞領域は、可動翼片47の作動状態(作動または非作動)に応じて、入賞を容易とする開状態(入賞容易状態)と、その開状態よりも入賞を困難にし、又は入賞を不可能にする閉状態(入賞困難状態)とに変換される。本実施形態では、可動翼片47が非作動の場合、下始動口35への入賞が不可能とする閉状態(入賞不可能状態)を保持している。
また普通変動入賞装置41の両側には、一般入賞口43が左側に3つ、右側に1つ、計4つ配設されており、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する一般入賞口センサ43a(図3参照)が形成されている。また遊技盤の領域内には遊技球の流下を妨害しない位置に、視覚的演出効果を奏する可動体役物(図示せず)が配設されている。
また普通変動入賞装置41の右斜め上方、つまり右流下経路3cの中間部より上部側には、遊技球が通過可能な通過ゲート(特定通過領域)からなる普通図柄始動口37(第3の始動手段)が設けられている。この普通図柄始動口37は、普通図柄表示装置39aにおける普通図柄の変動表示動作に係る入賞口であり、その内部には、通過する遊技球を検出する普通図柄始動口センサ37a(図3参照)が形成されている。なお本実施形態では、普通図柄始動口37は右流下経路3c側にのみに形成され、左流下経路3b側には形成されていない。しかし本発明はこれに限らず、左流下経路3bのみに形成してもよいし、両流下経路にそれぞれ形成してもよい。
右流下経路3c内の普通図柄始動口37から普通変動入賞装置41へかけての経路途中には、突没式の開放扉52bにより大入賞口50を開放または拡大可能に構成された特別変動入賞装置52(特別電動役物)が設けられており、その内部には大入賞口50に入球した遊技球を検出する大入賞口センサ52a(図3参照)が形成されている。
大入賞口50の周囲は、遊技盤3の表面から膨出した膨出部(装飾部材)55となっており、この膨出部55の上辺55aが右流下経路3cの下流案内部を形作っている。そして開放扉52bにより大入賞口50が閉鎖状態(大入賞口閉状態)であれば、この膨出部55の上辺55aと連続する面を形成することによって、右流下経路3cの下流案内部(上辺55a)の一部を形作るようになっている。また右流下経路3cの下流域には、膨出部55の上辺55aの上方の領域、正確には大入賞口50の上方の遊技領域において、遊技球の流下方向にほぼ平行に流路修正板51dが突設されており、流下する遊技球を大入賞口50の方向に寄せる働きをするようになっている。
大入賞口50への遊技球の入球過程は次のようになる。
センター飾り48の上面と球誘導レール5との間の遊動領域を通過した遊技球は、遊技盤3より突出していて遊技球のガイドとして機能する膨出部55の頂面(上辺)55a上に沿って流下して来る。そして、その遊技球が遊技盤3面から突出している流路修正板51dの右端に接触し、これにより、当該遊技球の流下方向は大入賞口50の方向(下方向)に修正される。このとき、突没式の開放扉52bにより大入賞口50が蓋をされている状態(大入賞口閉状態)であれば、この上を遊技球が転動して、さらに図示しない所定配列の遊技くぎにより、チューリップ式の普通変動入賞装置41(下始動口35)の方向に導かれる。このとき、下始動口35が入賞可能状態(始動口開状態)であれば、下始動口35に遊技球が入賞し得る。他方、開放扉52bが遊技盤面内に後退していて大入賞口50が開いている状態(大入賞口開状態)であれば、遊技球が大入賞口50内に導かれる。
なお本実施形態の遊技機1では、遊技者が特別変動入賞装置52側に発射位置を狙い定めた場合(遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定めた場合)、上始動口34側には遊技球が誘導され難い、又は誘導されない構成となっている。従って「大入賞口閉状態」であれば、普通変動入賞装置41の可動翼片47が作動しない限り、各始動口34、35への入賞が困難又は不可能とされるようになっている。可動翼片47は、後述の電サポ有り状態を伴う遊技状態になると、通常状態よりも有利な開閉パターンで動作するようになっている。
本実施形態の場合、遊技者がどのような打ち方をすれば有利な状況となるかについては、遊技状態に応じて変化する。具体的には、後述の「電サポ無し状態」を伴う遊技状態であれば、遊技球が左流下経路3bを通過するように狙いを定める「左打ち」が有利とされ、後述の「電サポ有り状態」を伴う遊技状態であれば、遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定める「右打ち」が有利とされる。
本実施形態の遊技機1においては、遊技領域3aに設けられた各種入賞口のうち、普通図柄始動口37以外の入賞口への入賞があった場合には、各入賞口別に約束づけられた入賞球1個当りの賞球数(例えば、上始動口34または下始動口35は3個、大入賞口50は13個、一般入賞口43は10個)が遊技球払出装置19(図3参照)から払い出されるようになっている。上記の各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口49を介して遊技領域3aから排出される。
ここで「入賞」とは、入賞口がその内部に遊技球を取り込んだり、或いは入賞口が遊技球を内部に取り込む構造ではなく通過型のゲートからなる入賞口(例えば、普通図柄始動口37)である場合はそのゲートを遊技球が通過したりすることを言い、実際には入賞口ごとに形成された各入賞検出スイッチにより遊技球が検出された場合、その入賞口に「入賞」が発生したものとして扱われる。この入賞に係る遊技球を「入賞球」とも称する。なお、入賞口に遊技球が入口すれば、その遊技球は入賞検出スイッチにより検出されることとなるため、本明細書中では特に断りのない限り、入賞検出スイッチに遊技球が検出されたか否かによらず、入賞口に遊技球が入口した場合を含めて「入賞」と称する場合がある。
<2.遊技機の制御構成>

図3のブロック図を参照して、遊技機1の遊技動作制御を実現するための構成(制御構成)について説明する。
本実施形態の遊技機1は、遊技動作全般に係る制御(遊技動作制御)を統括的に司る主制御基板(主制御手段)20(以下「主制御部20」と称する)と、主制御部20から演出制御コマンドを受けて、演出手段による演出の実行制御(現出制御)を統括的に司る演出制御基板(演出制御手段)24(以下「演出制御部24」と称する)と、賞球の払い出し制御を行う払出制御基板(払出制御手段)29と、外部電源(図示せず)から遊技機1に必要な電源を生成し供給する電源基板(電源制御手段(図示せず))と、を有して構成される。
演出制御部24には、画像表示装置としての液晶表示装置36について表示駆動を行う液晶制御部40が接続されている。液晶制御部40は、例えば上記した主制御基板(主制御部)20や演出制御基板(演出制御部)24、払出制御基板29、電源基板等の各種基板とは別基板上に搭載されたマイクロコンピュータを有して構成されている。
なお、図3において、各部への電源供給ルートは省略している。
[2-1.主制御部]

主制御部20は、CPU(Central Processing Unit)201(主制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、遊技動作制御手順を記述した制御プログラムの他、遊技動作制御に必要な種々のデータを格納するROM(Read Only Memory)202(主制御ROM)と、ワーク領域やバッファメモリとして機能するRAM(Random Access Memory)203(主制御RAM)とを搭載し、全体としてマイクロコンピュータを構成している。
また図示はしていないが、主制御部20は、周期的割込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を実現するためのCTC(Counter Timer Circuit)、及びCPU201に割込み信号を付与するタイマ割込み等の割込許可/割込禁止機能を発揮する割込みコントローラ回路、及び電源投入時や遮断時や電源異常などを検知してシステムリセット信号を出力してCPU201をリセット可能なリセット回路、及び制御プログラムの動作異常を監視するウォッチドッグタイマ(WDT)回路、及び予め設定したアドレス範囲内でプログラムが正しく実行されているか否かを監視する指定エリア外走行禁止(IAT)回路、及びハードウェア的に一定範囲の乱数を生成するためのカウンタ回路等も備えている。
上記カウンタ回路は、乱数を生成する乱数生成回路と、その乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを含んで構成され、全体として16ビットカウンタとして働く。CPU201は、処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数生成回路が示している数値を内部抽選用乱数値(大当り判定用乱数(乱数の大きさ:65536))として取得し、その乱数値を大当り抽選に利用する。なお、内部抽選用乱数は、当り狙い打ち等のゴト行為を防ぐために、適宜なソフトウェア処理で生成しているソフト乱数値と、ハード乱数値とを加算したものを取得している。
主制御部20には、上始動口34への入賞(入球)を検出する上始動口センサ34aと、下始動口35への入賞を検出する下始動口センサ35aと、普通図柄始動口37の通過を検出する普通図柄始動口センサ37aと、大入賞口50への入賞を検出する大入賞口センサ52aと、一般入賞口43への入賞を検出する一般入賞口センサ43aと、アウト口49から排出される遊技球(アウト球)を検出するOUT監視スイッチ49aが接続され、主制御部20はこれらから出力される検出信号を受信可能とされている。主制御部20は、各センサからの検出信号に基づき、何れの入賞口に遊技球が入球したのかを把握可能とされる。
また主制御部20には、下始動口35の可動翼片47を開閉制御するための普通電動役物ソレノイド41cと、大入賞口50の開放扉52bを開閉制御するための大入賞口ソレノイド52cとが接続され、主制御部20はこれらを制御するための制御信号を送信可能となっている。
さらに主制御部20には、特別図柄表示装置38aと特別図柄表示装置38bとが接続され、主制御部20は、特別図柄1、2を表示制御するための制御信号を送信可能とされている。さらにまた、主制御部20には、普通図柄表示装置39aが接続され、普通図柄を表示制御するための制御信号を送信可能とされている。
また、主制御部20には、複合表示装置38c、ラウンド数表示装置39bが接続され、主制御部20は、複合表示装置38cに表示される各種情報を表示制御するための制御信号や、ラウンド数表示装置39bに表示される大当りによる規定ラウンド数を表示制御するための制御信号を送信可能とされている。
さらに、主制御部20には、枠用外部集中端子基板21が接続され、主制御部20は、枠用外部集中端子基板21を介し、遊技機外部に設けられたホールコンピュータHCに対し所定の遊技情報(例えば、大当り情報、賞球数情報、図柄変動実行情報等)を送信可能とされている。
なお、ホールコンピュータHCは、主制御部20からの遊技情報を監視して、パチンコホールの遊技機の稼働状況を統括的に管理するための情報処理装置(コンピュータ装置)である。
さらにまた、主制御部20には、払出制御基板(払出制御部)29が接続され、賞球の払い出しの必要がある場合には、払出制御基板29に対し、払い出しに関する制御コマンド(賞球数を指定する払出制御コマンド)を送信可能とされている。
払出制御基板29には、発射装置32を制御する発射制御基板(発射制御部)28と、遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置(遊技球払出手段)19とが接続されている。この払出制御基板29の主な役割は、主制御部20からの払出制御コマンドの受信、払出制御コマンドに基づく遊技球払出装置19の賞球払い出し制御、主制御部20への状態信号の送信などである。
遊技球払出装置19には、遊技球の供給不足を検出する補給切れ検出センサ19aや払い出される遊技球(賞球)を検出する球計数センサ19bが設けられており、払出制御基板29は、これらの各検出信号を受信可能とされている。また遊技球払出装置19には、遊技球を払い出すための球払出機構部(図示せず)を駆動する払出モータ19cが設けられており、払出制御基板29は、払出モータ19cを制御するための制御信号を送信可能とされている。
さらに、払出制御基板29には、上受け皿9が遊技球で満杯状態を検出する満杯検出センサ60(本実施形態では、上受け皿9に貯留される遊技球の貯留状態を検出する検出センサ)と、前扉開放センサ61(本実施形態では、少なくとも前枠2の開放状態を検出する検出センサ)が接続されている。
払出制御基板29は、満杯検出センサ60、前扉開放センサ61、補給切れ検出センサ19a、球計数センサ19bからの検出信号に基づいて、主制御部20に対して、各種の状態信号を送信可能となっている。この状態信号には、満杯状態を示す球詰り信号、少なくとも前枠2が開放されていることを示す扉開放信号、遊技球払出装置19からの遊技球の供給不足を示す補給切れ信号、賞球の払出不足や球計数センサ19bに異常が発生したこと示す計数エラー信号、払い出し動作が完了したことを示す払出完了信号などが含まれ、様々な状態信号を送信可能な構成となっている。主制御部20は、これら状態信号に基づいて、前枠2の開放状態(扉開放エラー)や、遊技球払出装置19の払出動作が正常か否か(補給切れエラー)や、上受け皿9の満杯状態(球詰りエラー)等を監視する。
さらにまた、払出制御基板29には発射制御基板28が接続され、発射制御基板28に対し発射を許可する許可信号を送信可能とされている。発射制御基板28は、払出制御基板29からの許可信号が出力されていることに基づき、発射装置32に設けられた発射ソレノイド(図示せず)への通電を制御し、発射操作ハンドル15の操作による遊技球の発射動作を実現している。具体的には、払出制御基板29から発射許可信号が出力されていること(発射許可信号ON状態)、発射操作ハンドル15に設けられたタッチセンサ(図示せず)により遊技者がハンドルに触れていることを検出されていること、発射操作ハンドル15に設けられた発射停止スイッチ(図示せず)が操作されていないことを条件に、遊技球の発射動作が許容される。従って、発射許可信号が出力されていない場合には(発射許可信号OFF状態)、発射操作ハンドル15を操作しても発射動作は実行されず、遊技球が発射されることはない。また、遊技球の打ち出しの強さは、発射操作ハンドル15の操作量に応じて変化可能となっている。
なお、払出制御基板29が上記球詰りエラーを検出すると、主制御部20に球詰り信号を送信するとともに発射制御基板28に対する発射許可信号の出力を停止し(発射許可信号OFF)、上受け皿9の満杯状態が解消されるまで打ち出し動作を停止する制御を行うようになっている。
また、払出制御基板29は、発射制御基板28に対する発射の許可信号の出力を、主制御部20より発射許可が指示されたことを条件に行う。
ここで、主制御部20は、設定キースイッチ94、及びRAMクリアスイッチ98が接続されており、これらスイッチからの検出信号を受信可能とされている。
RAMクリアスイッチ98は、RAM203の所定領域を初期化することを指示入力するための例えば押しボタン式のスイッチとされる。
設定キースイッチ94は、電源投入時にホールスタッフが所持する設定鍵を挿入してON/OFF操作することにより設定変更モード(ON操作時)に切り替えるためのキースイッチとされる。ここで、設定変更モードは、設定値Veを変更可能なモードである。設定値Veは、遊技者に有利な遊技状態に当選させるか否かの確率についての段階を表す値である。
RAMクリアスイッチ98は、前枠2が開放された状態で操作可能に設けられたRAMクリアボタンの操作に応じてON/OFFされる。また、設定キースイッチ98は、上記した設定鍵を挿抜可能とされたキーシリンダが対応して設けられており、該キーシリンダに挿入された設定鍵が順方向に回動されることでON、該ONの状態から逆方向に回動されることでOFFとなる。キーシリンダは、前枠2が開放された状態で設定鍵の挿入による操作が可能となるように設けられている。なお、キーシリンダは、設定鍵が挿入されることで操作可能とされた操作子として機能する。
本例では、設定値Veの変更操作には、上記のRAMクリアボタンが兼用される。具体的に、RAMクリアボタンは、設定値Veを順送りするための操作子としても機能する。
RAMクリアスイッチ98、及び設定キースイッチ94は、遊技機1内部の適所に設けられている。例えば、主制御基板20上に配置される。
また主制御部20は、設定・性能表示器97が接続されている。
設定・性能表示器97は、例えば7セグメント表示器を有して構成され、設定値Veと性能情報(後述する)の表示が可能とされた表示手段として機能する。設定・性能表示器97は、例えば主制御部(主制御基板)20上の視認し易い位置に搭載されている。
主制御部20は、設定・性能表示器97に対して設定値Veや性能情報を表示させるための制御信号を送信可能とされている。
ここで、設定値Veは、主として、少なくとも大当り(後述の条件装置が作動することとなる当り種別)の抽選確率(当選確率)を段階別(例えば、設定1〜6の6段階)に規定するもので、設定値Veが高くなるほど、当選確率が高くなり(設定1が最低の当選確率、以降、設定の値の昇順に当選確率が高くなる)、遊技者に有利に作用するようになっている。換言すれば、設定値Veが高くなるほど、所謂「機械割(出玉率、PAYOUT率)」が高くなり、遊技者に有利に作用するようになっている。
このように、設定値Veとは、大当り当選確率や機械割などを規定する値であり、遊技者に作用する利益状態などの特定事象の発生し易さに関連する等級についての値を意味し、本実施形態では、各設定値Veに応じて遊技に係る有利度が規定されることになる。
設定値Veは、専ら、ホール(遊技店)の営業戦略に基づき、ホール店員等のホールスタッフによって設定が行われる。なお、大当りが複数種類ある場合、何れの大当りの当選確率を設定値Veに応じて変化させるか、対象となる大当りの種類は、適宜定めることができる。例えば、大当り1〜3という3種類の大当りがあるとした場合、設定値Veが相対的に高い方が、大当り1〜3のすべての当選確率を高くしてもよいし、大当り1〜3の合算当選確率を高くしてもよい。また一部の大当りの当選確率を高くしてもよい。例えば、大当り1〜2の当選確率だけを高くし、大当り3については全設定値Veで一定の当選確率にしてもよい。
(設定値の変更操作について)

設定値Veを変更するためには、本例では、遊技機1の電源がオフとされ前枠2が解放された状態において、設定キースイッチ94をON操作(設定変更モード側に操作)し且つRAMクリアボタンを押圧した状態(RAMクリアスイッチ98がONの状態)で遊技機1への電源を投入する。すると、現在の設定値Veが設定・性能表示器97に表示され、設定値Ve(例えば1〜6)の変更操作が可能な「設定変更モード」に移行される。
本例では、設定変更モードに移行するか否かの判定は、後述の主制御側メイン処理において行われる(図5のステップS104を参照)。設定変更モードに移行するための上記の操作条件が満足されているときは、これに応じて設定変更のための処理が実行される。
設定変更モードへの移行後において、設定値Veの変更操作子として機能するRAMクリアボタンがON操作されると、設定・性能表示器97の現在の表示値が「1→2→3→4→5→6→1→2→3→・・・」のように1〜6の範囲で循環式に切り替えられる。そして希望する設定値Veとなったところで、設定キースイッチ94がOFFされると、設定値Veが確定され、確定した設定値Veの情報がRAM203の所定領域に格納(記憶)される。
また、設定キースイッチ94がOFFされると、設定変更モードが終了され、設定・性能表示器97の表示がクリアされる。
設定変更モードが終了すると、遊技進行を許容する状態に移行される。
(性能表示について)

主制御部20は、設定・性能表示器97に対し所定の性能情報を表示させるための制御信号を送信可能とされている。
性能情報とは、パチンコホールや関係各庁が確認したい情報であり、遊技機1に対する過剰賞球等の不正賞球ゴトの有無や遊技機1本来の出玉性能などに関する情報などがその代表例である。従って、性能情報自体は、予告演出等とは異なり、遊技者が遊技に興じる際に、その遊技進行自体には直接的に関係の無い情報となる。
このため設定・性能表示器97は、遊技機1内部、例えば、主制御部(主制御基板)20、払出制御基板29、発射制御基板28、上記中継基板、演出制御部(演出制御基板(液晶制御基板を含む))24上や、基板ケース(基板を保護する保護カバー)など、前枠2が開放状態とされたときに表示情報を視認可能となる位置に設けられている。
ここで、性能情報には、具体的に次のような情報を採用することができる。
(1)特定状態中において入賞により払い出された総払出個数(特定中総賞球数:α個)を、当該特定状態中おいてアウト口49から排出された総アウト球数(特定中アウト個数:β個)で除した値(α/β)に基づく情報(特定比率情報)を、性能情報として採用することができる。
上記「総払出個数」とは、入賞口(上始動口34、下始動口35、一般入賞口43、大入賞口50)に入賞した際に払い出された遊技球(賞球)の合計値である。本実施形態の場合、上始動口34または下始動口35は3個、大入賞口50は13個、一般入賞口43は10個である。
また、特定状態として、何れの状態を採用するかについては、如何なる状態下の性能情報を把握したいかに応じて適宜定めることができる。本実施形態の場合であれば、通常状態、潜確状態、時短状態、確変状態、大当り遊技中のうち、何れの状態も採用することができる。また、複数種類の状態を計測対象としてもよい。例えば、通常状態と確変状態や、当り遊技中を除く全ての遊技状態等であり、その計測対象とする種類は適宜定めることができる。
また、特定状態中の期間として、大当り抽選確率が低確率状態又は高確率状態の何れかの期間を採用してもよい。
また、1又は複数の特定の入賞口を計測対象から除外したものを総払出個数としてもよい(特定入賞口除外総払出個数)。例えば、各入賞口のうち、大入賞口50を計測対象から除外したものを、総払出個数としてもよい。
(2)その他、総払出個数、特定入賞口除外総払出個数、総アウト球数の何れかだけを計測し、その計測結果を性能情報としてもよい。
本実施形態では、通常状態中の総払出個数(通常時払出個数)と、通常状態中の総アウト球数(通常時アウト個数)とをリアルタイムで計測し、通常時払出個数を通常時アウト個数で除した値に百を乗じた値(通常時払出個数÷通常時アウト個数×100で算出される値)を性能情報(以下「通常時比率情報」と称する)として表示する。なお、この際の表示値は、小数点第1位を四捨五入した値とする。
従って、通常時払出個数、通常時アウト個数、通常時比率情報の各データが、RAM203の該当領域(特定中総賞球数格納領域、特定中アウト個数格納領域、特定比率情報格納領域)にそれぞれ格納(記憶)されるようになっている。但し、単に永続的に計測して性能情報を表示するのではなく、総アウト球数が所定の規定個数(例えば、60000個)に達した場合、一旦、計測を終了する。この規定個数とは、通常状態の総アウト球数ではなく、全遊技状態中(当り遊技中を含む)の総アウト球数(以下「全状態アウト個数」と称する)である。この全状態アウト個数もリアルタイムに計測され、RAM203の該当領域(全状態アウト個数格納領域)に格納される。以下、説明の便宜のために、特定中総賞球数格納領域、特定中アウト個数格納領域、特定比率情報格納領域、全状態アウト個数格納領域を「計測情報格納領域」と略称する。
そして、終了時点の通常時比率情報をRAM203の所定領域(性能表示格納領域)に格納し(今回の通常時比率情報を記憶)、その後、計測情報格納領域(通常時払出個数、通常時アウト個数および全状態アウト個数)をクリアしてから、再度、計測を開始する(通常時払出個数、通常時アウト個数、通常時比率情報および全状態アウト球数の計測を開始する)。そして、設定・性能表示器97には、前回の通常時比率情報(計測履歴情報)と、現在計測中の通常時比率情報とが表示されるようになっている。なお、前回の情報に限らず、前々回やその前(3回前)などの履歴を表示可能に構成してもよく、何回前までの情報を表示するかについては適宜定めることができる。
ここで、本例の場合、設定・性能表示器97には設定値Veと性能情報とが択一的に表示される。具体的に、本例では、設定変更や設定確認は電源投入に伴う起動時にのみ行われるため、電源投入に伴う起動後、設定変更モードや設定確認を行うモードに移行したことに応じて設定・性能表示器97に設定値Veが表示され、設定変更や設定確認が完了した後において、性能情報の表示が行われる。
なお、設定値Veと性能情報を共通の表示器により表示する構成に限定されず、別々の表示器により表示する構成を採ることもできる。その場合、設定値Veと性能情報の表示が並行して行われてもよい。
(演出制御コマンド)

主制御部20は、処理状態に応じて、特別図柄変動表示ゲームに関する情報やエラーに関する情報等を含む種々の演出制御コマンドを、演出制御部24に対して送信可能とされている。但し、ゴト行為等の不正を防止するために、主制御部20は演出制御部24に対して信号を送信するのみで、演出制御部24からの信号を受信不可能な片方向通信の構成となっている。
ここで、演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなる2バイト構成により機能を定義し、MODEとEVENTの区別を行うために、MODEのBit7はON、EVENTのBit7をOFFとしている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)及びイベント(EVENT)の各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、CPU201(主制御CPU)は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御部24にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定及び出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行う。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定及び出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行う。ストローブ信号は、CPU241(演出制御CPU)が確実にコマンドを受信可能とする所定期間、CPU201によりアクティブ状態に制御される。
[2-2.演出制御部]

演出制御部24は、CPU241(演出制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、演出制御処理に要する演出データを格納したROM242(演出制御ROM)と、ワーク領域やバッファメモリとして機能するRAM243(演出制御RAM)とを搭載したマイクロコンピュータを中心に構成され、その他、音響制御部(音源IC)、RTC(Real Time Clock)機能部、カウンタ回路、割込みコントローラ回路、リセット回路、WDT回路などが設けられ、演出動作全般を制御する。
本例の演出制御部24は、情報の読み出し及び書き込みが可能なメモリとして、上記のRAM243以外にメモリ244を有している。メモリ244は、例えばSRAMで構成され、CPU241による情報の読み出し速度がRAM243よりも遅いものとされている。RAM243はバックアップ電源が接続されておらず、パチンコ遊技機1が電源遮断されると記憶情報を保持不能とされているのに対し、メモリ244はバックアップ電源が接続されてパチンコ遊技機1が電源遮断されても記憶情報を保持可能とされている。
なお、メモリ244の用途については後述する。
演出制御部24の主な役割は、主制御部20からの演出制御コマンドの受信、演出制御コマンドに基づく演出の選択決定、液晶表示装置36に画像表示を実行させるための液晶制御部40の制御、スピーカ46の音制御、装飾ランプ45や各種LED(ボタンLED75、その他の演出用LED(図示せず))の発光制御、可動体役物の動作制御等である。
液晶制御部40は、CPUや各種のメモリ装置を備えたコンピュータ装置として構成され、液晶表示装置36の表示制御を司る。この液晶制御部40は、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を司るVDP(Video Display Processor)と、VDPが画像展開処理を行う画像データ(演出画像データ)を格納した画像ROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAM(Video RAM)と、演出制御部24からの各種指示(後述する「液晶制御コマンド」等)に基づきVDPの動作を制御するCPU(液晶制御CPU)と、液晶制御CPUの表示制御動作手順を記述したプログラムやその表示制御に必要な種々のデータを格納するROM(液晶制御ROM)と、ワーク領域やバッファメモリとして機能するRAM(液晶制御RAM)と、を中心に構成されている。
上記の液晶制御CPUが演出制御部24からの指示に基づきVDPの動作(液晶表示装置36の表示駆動動作)を制御することで、液晶表示装置36に演出制御部24の指示に応じた画像表示が行われる。
なお、図3に示す本実施形態のパチンコ遊技機1は、演出制御部24のCPU241とは別基板上に、液晶表示用のCPU(液晶制御部40のCPU)を有している。このような構成は、一般的に「2CPU」の構成と称される。一方で、液晶制御部40のCPUと同様の機能を果たすCPUを演出制御部24に実装した構成、すなわち、演出制御部24が液晶制御部40としての機能も果たす構成については「1CPU」の構成と称される。
演出制御部24はまた、種々の演出(光演出や音演出や可動体役物による可動体演出)を現出させるために、装飾ランプ45や各種LEDを含む光表示装置45aに対する光表示制御部、スピーカ46を含む音響発生装置46aに対する音響制御部、可動体役物(図示せず)を動作させる可動体役物モータ80cに対する駆動制御部(モータ駆動回路:ドライバ)等を備えている。
演出制御部24には、可動体役物の動作を監視する位置検出センサ82aが接続され、演出制御部24は、位置検出センサ82aからの検出情報に基づき、可動体役物の現在の動作位置(例えば、原点位置からの移動量)を監視しながらその動作態様を制御する。また位置検出センサ82aからの検出情報に基づき、可動体役物の動作の不具合を監視し、不具合が生じれば、これをエラーとして検出する。
また演出制御部24には、演出ボタン13のスイッチ、つまり演出ボタン13の操作検出スイッチが接続され、演出制御部24は、演出ボタン13からの操作検出信号を受信可能とされている。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンドに基づき、予め用意された複数種類の演出パターンの中から抽選により、又は一意に演出パターンを選択(決定)し、必要なタイミングで各種の演出手段を制御して、目的の演出を現出させる。これにより、演出パターンに対応する液晶表示装置36による演出画像の表示、スピーカ46からの音の再生、装飾ランプ45やLEDの点灯点滅駆動が実現され、種々の演出パターン(装飾図柄変動表示動作や予告演出など)が時系列的に展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。
ここで、演出制御コマンドについて、演出制御部24(CPU241)は、主制御部20(CPU201)が送信する上述したストローブ信号の入力に基づき割込み処理を発生させてその受信・解析を行う。具体的に、CPU241は、上述したストローブ信号の入力に基づいてコマンド受信割込処理用の制御プログラムを実行し、これにより実現される割込み処理において、演出制御コマンドを取得し、コマンド内容の解析を行う。
この際、CPU241は、ストローブ信号の入力に基づいて割込みが発生した場合には、他の割込みに基づく割込み処理(定期的に実行されるタイマ割込処理)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を行い、他の割込みが同時に発生してもコマンド受信割込処理を優先的に行うようになっている。
<3.動作の概要説明>
[3-1.図柄変動表示ゲーム]

次に、上記のような制御構成(図3)により実現される遊技機1の遊技動作の概要について説明する。
先ずは、図柄変動表示ゲームについて説明する。
(特別図柄変動表示ゲーム)

本実施形態のパチンコ遊技機1では、所定の始動条件、具体的には、遊技球が上始動口34又は下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「大当り抽選」が行われる。主制御部20は、その抽選結果に基づき、特別図柄表示装置38a、38bに特別図柄1、特別図柄2を変動表示して特別図柄変動表示ゲームを開始させ、所定時間経過後に、その結果を特別図柄表示装置に導出表示して、これにより特別図柄変動表示ゲームを終了させる。
ここで本実施形態では、上始動口34への入賞に基づく大当り抽選と、下始動口35への入賞に基づく大当り抽選とは別個独立して行われる。このため、上始動口34に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38a側で、下始動口35に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38b側で導出されるようになっている。具体的には、特別図柄表示装置38a側においては、上始動口34に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄1を変動表示して第1の特別図柄変動表示ゲームが開始され、他方、特別図柄表示装置38b側においては、下始動口35に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄2を変動表示して第2の特別図柄変動表示ゲームが開始されるようになっている。そして、特別図柄表示装置38a、又は特別図柄表示装置38bにおける特別図柄変動表示ゲームが開始されると、所定の変動表示時間経過後に、大当り抽選結果が「大当り」の場合には所定の「大当り」態様で、それ以外の場合には所定の「はずれ」態様で、変動表示中の特別図柄が停止表示され、これによりゲーム結果(大当り抽選結果)が導出されるようになっている。
なお本明細書中では、説明の便宜上、特別図柄表示装置38a側の第1の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム1」と称し、特別図柄表示装置38b側の第2の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム2」と称する。また特に必要のない限り、「特別図柄1」と「特別図柄2」とを単に「特別図柄」と称し(場合により「特図」と略称する)、また「特別図柄変動表示ゲーム1」と「特別図柄変動表示ゲーム2」とを単に「特別図柄変動表示ゲーム」と称する。
(装飾図柄変動表示ゲーム)

また、上述の特別図柄変動表示ゲームが開始されると、これに伴って、液晶表示装置36に装飾図柄(演出的な遊技図柄)を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームが開始され、これに付随して種々の演出が展開される。そして特別図柄変動表示ゲームが終了すると、装飾図柄変動表示ゲームも終了し、特別図柄表示装置には大当り抽選結果を示す所定の特別図柄が、そして液晶表示装置36には当該大当り抽選結果を反映した装飾図柄が導出表示されるようになっている。すなわち、装飾図柄の変動表示動作を含む演出的な装飾図柄変動表示ゲームにより、特別図柄変動表示ゲームの結果を反映表示するようになっている。
従って、例えば特別図柄変動表示ゲームの結果が「大当り」である場合(大当り抽選結果が「大当り」である場合)、装飾図柄変動表示ゲームではその結果を反映させた演出が展開される。そして特別図柄表示装置において、特別図柄が大当りを示す表示態様(例えば、7セグが「7」の表示状態)で停止表示されると、液晶表示装置36には、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、装飾図柄が「大当り」を反映させた表示態様(例えば「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、3個の装飾図柄が「7」「7」「7」の表示状態)で停止表示される。
この「大当り」となった場合、具体的には、特別図柄変動表示ゲームが終了して、これに伴い装飾図柄変動表示ゲームが終了し、その結果として「大当り」の図柄態様が導出表示された後、特別変動入賞装置52の大入賞口ソレノイド52cが作動して開放扉52bが所定のパターンで開閉動作を行い、これにより大入賞口50が開閉され、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生する。この大当り遊技では、開放扉52bにより、大入賞口50の開放時間が所定時間(最大開放時間:例えば、29.8秒)経過するまでか、又は大入賞口50に入賞した遊技球数(大入賞口50への入賞球)が所定個数(最大入賞数:役物の1回の作動によりその入口が開き、または拡大した入賞口に対して許容される入賞球数の上限個数:例えば、9個)に達するまで、その入賞領域が開放または拡大され、これら何れかの条件を満した場合に大入賞口50が閉鎖される、といった「ラウンド遊技」が、予め定められた規定ラウンド数(例えば、最大16ラウンド)繰り返される。
上記大当り遊技が開始すると、最初に大当りが開始された旨を報知するオープニング演出が行われ、オープニング演出が終了した後、ラウンド遊技が予め定められた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。そして、規定ラウンド数終了後には、大当りが終了される旨を報知するエンディング演出が行われ、これにより大当り遊技が終了するようになっている。
上記の装飾図柄変動表示ゲームの実行に必要な情報に関しては、先ず主制御部20が、上始動口34又は下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、具体的には、上始動口センサ34a又は下始動口センサ35aにより遊技球が検出されて始動条件(特別図柄に関する始動条件)が成立したことを条件に、「大当り」又は「はずれ」の何れであるかを抽選する‘当落抽選(当否種別抽選)’と、「大当り」であったならばその大当り種別を、「はずれ」であったならばそのはずれ種別を抽選する‘図柄抽選(当選種別(当り種別)抽選)’とを含む大当り抽選を行い(はずれが1種類の場合は、はずれについて種別抽選を行う必要がないためその抽選を省略してもよい)、その抽選結果情報に基づき、特別図柄の変動パターンや、当選種別に応じて最終的に停止表示させる特別図柄(以下、「特別停止図柄」と称する)を決定する。
そして、主制御部20は、処理状態を特定する演出制御コマンドとして、少なくとも特別図柄の変動パターン情報(例えば、大当り抽選結果及び特別図柄の変動時間に関する情報等)を含む「変動パターン指定コマンド」を演出制御部24側に送信する。これにより、装飾図柄変動表示ゲームに必要とされる基本情報が演出制御部24に送られる。なお本実施形態では、演出のバリエーションを豊富なものとするべく、特別停止図柄の情報(図柄抽選結果情報(当り種別に関する情報))を含む「装飾図柄指定コマンド」も演出制御部24に送信するようになっている。
上記特別図柄の変動パターン情報には、特定の予告演出(例えば、後述の「リーチ演出」や「疑似連演出」など)の発生の有無を指定する情報を含むことができる。詳述するに、特別図柄の変動パターンは、大当り抽選結果に応じて、当りの場合の「当り変動パターン」と、はずれの場合の「はずれ変動パターン」に大別される。これら変動パターンには、例えば、後述のリーチ演出の発生を指定する‘リーチ変動パターン’、リーチ演出の発生を指定しない‘通常変動パターン’、疑似連演出とリーチ演出との発生(重複発生)を指定する‘疑似連有りリーチ変動パターン’、疑似連演出の発生を指定し、リーチ演出の発生は指定しない‘疑似連有り通常変動パターン’等、複数種類の変動パターンが含まれる。なお、リーチ演出や疑似連演出の演出時間を確保する関係上、通常、リーチ演出や疑似連演出を指定する変動パターンの方が、通常変動パターンよりも変動時間が長く定められている。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンド(ここでは、変動パターン指定コマンドと装飾図柄指定コマンド)に含まれる情報に基づいて、装飾図柄変動表示ゲーム中に時系列的に展開させる演出内容(予告演出等の演出シナリオ)や、最終的に停止表示する装飾図柄(装飾停止図柄)を決定し、特別図柄の変動パターンに基づくタイムスケジュールに従い装飾図柄を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームを実行させる。これにより、特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、液晶表示装置36による装飾図柄が変動表示され、特別図柄変動表示ゲームの期間と装飾図柄変動表示ゲーム中の期間とが、実質的に同じ時間幅となる。また演出制御部24は、演出シナリオに対応するように、液晶表示装置36又は光表示装置45a或いは音響発生装置46aをそれぞれ制御し、装飾図柄変動表示ゲームにおける各種演出を展開させる。これにより、液晶表示装置36での画像の再生(画像演出)と、効果音の再生(音演出)と、装飾ランプ45やLEDなどの点灯点滅駆動(光演出)とが実現される。
このように特別図柄変動表示ゲームと装飾図柄変動表示ゲームとは不可分的な関係を有し、特別図柄変動表示ゲームの表示結果を反映したものが装飾図柄変動表示ゲームにおいて表現されることとしているので、この二つの図柄変動表示ゲームを等価的な図柄遊技と捉えても良い。本明細書中では特に必要のない限り、上記二つの図柄変動表示ゲームを単に「図柄変動表示ゲーム」と称する場合がある。
(普通図柄変動表示ゲーム)

また遊技機1においては、普通図柄始動口37に遊技球が通過(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「補助当り抽選」が行なわれる。この抽選結果に基づき、LEDにより表現される普通図柄を普通図柄表示装置39aに変動表示させて普通図柄変動表示ゲームを開始し、一定時間経過後に、その結果をLEDの点灯と非点灯の組合せにて停止表示するようになっている。例えば、普通図柄変動表示ゲームの結果が「補助当り」であった場合、普通図柄表示装置39aの表示部を特定の点灯状態(例えば、2個のLED39が全て点灯状態、又は「○」と「×」を表現するLEDのうち「○」側のLEDが点灯状態)にて停止表示させる。
この「補助当り」となった場合には、普通電動役物ソレノイド41c(図3参照)が作動し、これにより可動翼片47が逆「ハ」の字状に開いて下始動口35が開放または拡大されて遊技球が流入し易い状態(始動口開状態)となり、通常遊技状態よりも遊技者に有利な補助遊技状態(以下、「普電開放遊技」と称する)が発生する。この普電開放遊技では、普通変動入賞装置41の可動翼片47により、下始動口35の開放時間が所定時間(例えば0.2秒)経過するまでか、又は下始動口35に入賞した遊技球数が所定個数(例えば4個)に達するまで、その入賞領域が開放または拡大され、これら何れかの条件を満たした場合に下始動口35を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、最大2回)繰り返されるようになっている。
(保留について)

ここで本実施形態では、特別/装飾図柄変動表示ゲーム中、普通図柄変動表示ゲーム中、大当り遊技中、又は普電開放遊技中等に、上始動口34又は下始動口35若しくは普通図柄始動口37に入賞が発生した場合、すなわち上始動口センサ34a又は下始動口センサ35a若しくは普通図柄始動口センサ37aからの検出信号の入力があり、対応する始動条件(図柄遊技開始条件)が成立した場合、これを変動表示ゲームの始動権利に係るデータとして、変動表示中に関わるものを除き、所定の上限値である最大保留記憶数(例えば最大4個)まで保留記憶されるようになっている。この図柄変動表示動作に供されていない保留中の保留データ、又はその保留データに係る遊技球を、「作動保留球」とも称する。この作動保留球の数を遊技者に明らかにするため、遊技機1の適所に設けた専用の保留表示器(図示せず)、又は液晶表示装置36による画面中にアイコン画像として設けた保留表示器を点灯表示させる。
また本実施形態では、特別図柄1、特別図柄2、及び普通図柄に関する作動保留球をそれぞれ最大4個までRAM203の該当記憶領域に保留記憶し、特別図柄又は普通図柄の変動確定回数として保留する。なお、特別図柄1、特別図柄2、及び普通図柄に関する各作動保留球数の最大記憶数(最大保留記憶数)は特に制限されない。また、各図柄の最大保留記憶数の全部又は一部が異なっていてもよく、その数は遊技性に応じて適宜定めることができる。
[3-2.遊技状態]

本実施形態に係る遊技機1では、特別遊技状態である上記大当りの他、複数種類の遊技状態を発生可能に構成されている。本実施形態の理解を容易なものとするために、先ず、種々の遊技状態について説明する。
本実施形態の遊技機1は、通常状態、時短状態、潜確状態、確変状態の少なくとも4種類の遊技状態を実行制御可能に構成されている。これら遊技状態は、大当り抽選確率状態(低確率状態、高確率状態)や電チューサポート状態(特典遊技)の発生の有無(電サポ有り、電サポ無し)等で区別される。
「電チューサポート状態」とは、普電開放遊技における普通変動入賞装置41の可動翼片47の開動作期間(可動翼片47の開放時間およびその開放回数の少なくともいずれか一方)が、通常状態よりも延長された「開放延長状態」を指す。開放延長状態が発生すると、可動翼片47の開動作期間が、例えば、通常時(非開放延長状態下)の0.2秒から1.7秒に延長され、またその開閉回数が、例えば、通常時の1回から2〜3回に延長される。
本実施形態の場合、電チューサポート状態下では、補助当り抽選確率が所定確率(通常確率)の低確率(例えば256分の1)から高確率(例えば256分の255)に変動して(普図確率変動状態)が発生するとともに、1回の普通図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(普通図柄の変動表示動作時間)を短縮する‘普通図柄時短状態’が発生する(例えば10秒から1秒に短縮される)。従って、電チューサポート状態が発生すると、普電開放遊技が頻繁に発生し、通常状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態(高ベース状態)となる。以下、電チューサポート状態下を「電サポ有り」、そうでない場合を「電サポ無し」と略称する。
本実施形態において、「通常状態」とは、大当り抽選確率が所定確率(通常確率)の低確率(例えば399分の1)であり、電サポ無しの遊技状態(低確率+電サポ無し)を言う。
「時短状態」とは、大当り抽選確率が通常状態と同様の低確率であるが、1回の特別図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(特別図柄の変動表示動作時間))が通常状態よりも短縮される‘特別図柄時短状態’が発生すると共に、電チューサポート状態となる遊技状態を言う。つまり、時短状態中は「低確率+電サポ有り+特別図柄時短状態」となる。
「潜確状態」とは、大当り抽選確率が上記低確率よりも上昇した高確率(例えば39.9分の1)に変動した‘特別図柄確変状態’であり、電サポ無しの遊技状態(高確率+電サポ無し)を言う。
「確変状態」とは、大当り抽選確率が潜確状態と同様の高確率であるが、特別図柄時短状態及び電チューサポート状態が発生する遊技状態を言う。つまり、確変状態中は「高確率+電サポ有り+特別図柄時短状態」となる。
遊技状態に関し、大当り抽選確率に着目すれば、遊技状態が「通常状態」「時短状態」である場合は、少なくとも大当り抽選確率が‘低確率状態’となり、遊技状態が「潜確状態」「確変状態」である場合は、少なくとも大当り抽選確率が‘高確率状態’となる。なお、大当り中は大入賞口が開閉される大当り遊技が発生するが、大当り抽選確率及び電サポの有無については、上記通常状態と同じ、低確率・電サポ無しの遊技状態下に置かれる。
[3-3.当りについて]

続いて、遊技機1における「当り」について説明する。
本実施形態の遊技機1においては、複数種類の当りを対象に大当り抽選(当り抽選)を行うようになっている。本例の場合、当りの種別には、大当り種別に属する例えば「通常4R」「通常6R」「確変6R」「確変10R」の各大当りが含まれる。
なお、上記「R」の表記は、規定ラウンド数(最大ラウンド数)を意味する。
大当り種別は、条件装置の作動契機となる当りである。ここで「条件装置」とは、その作動がラウンド遊技を行うための役物連続作動装置の作動に必要な条件とされている装置で、特定の特別図柄の組合せが表示され、又は遊技球が大入賞口内の特定の領域を通過した場合に作動するものを言う。
上記確変状態は、大当り種別に当選することなく、特別図柄変動表示ゲームの実行回数が所定回数(例えば70回:規定ST回数)終了した場合に、高確率状態を終了させて低確率に移行させる、いわゆる「回数切り確変機(ST機)」となっており、規定ST回数が終了したときは、次ゲームから通常状態に移行される。但し、次回大当りが当選するまで継続させるタイプの「一般確変機」としてもよい。
なお、特別図柄変動表示ゲームの実行回数は、特別図柄変動表示ゲーム1、及び特別図柄変動表示ゲーム2の合計実行回数(特図1及び特図2の合計変動回数)であってもよいし、何れか一方の実行回数(例えば特別図柄変動表示ゲーム2の実行回数)であってもよい。また、時短状態の回数についても60回や100回に限らず、遊技性に応じて適宜定めることができる。また、どのような種類の当りを設けるかについても特に制限はなく、適宜定めることができる。
ここで、本例では、大当り種別と同様に「はずれ」についても複数の種別が設けられている。具体的には、「はずれ1」「はずれ2」「はずれ3」の三種のはずれ種別が設けられている。
前述のように、当落抽選の結果が「はずれ」であった場合には、図柄抽選においてはずれ種別の抽選が行われる。
[3-4.演出について]
(演出モード)

次に、演出モード(演出状態)について説明する。本実施形態の遊技機1には、遊技状態に関連する演出を現出させるための複数種類の演出モードが設けられており、その演出モード間を行き来可能に構成されている。具体的には、通常状態、時短状態、潜確状態、確変状態のそれぞれに対応した、通常演出モード、時短演出モード、潜確演出モード、確変演出モードが設けられている。各演出モードでは、装飾図柄の変動表示画面のバックグラウンドとしての背景表示が、それぞれ異なる背景演出により表示され、遊技者が現在、どのような遊技状態に滞在しているかを把握することができるようになっている。
演出制御部24(CPU241)は、複数種類の演出モード間を移行制御する機能部(演出状態移行制御手段)を有する。演出制御部24(CPU241)は、主制御部20(CPU201)から送られてくる特定の演出制御コマンド、具体的には、主制御部20側で管理される遊技状態情報を含む演出制御コマンドに基づいて、主制御部20側で管理される遊技状態と整合性を保つ形で、現在の遊技状態を把握し、複数種類の演出モード間を移行制御可能に構成されている。上記のような特定の演出制御コマンドとしては、例えば、変動パターン指定コマンド、装飾図柄指定コマンド、遊技状態に変化が生じる際に送られる遊技状態指定コマンド等がある。
(予告演出)

次に、予告演出について説明する。演出制御部24は、主制御部20からの演出制御コマンドの内容、具体的には、少なくとも変動パターン指定コマンドに含まれる変動パターン情報に基づき、現在の演出モードと大当り抽選結果とに関連した様々な「予告演出」を現出制御可能に構成されている。このような予告演出は、当り種別に当選したか否かの期待度(以下「当選期待度」と称する)を示唆(予告)し、遊技者の当選期待感を煽るための「煽り演出」として働く。予告演出として代表的なものには、「リーチ演出」や「疑似連演出」、さらには「先読み予告演出」等がある。演出制御部24は、これら演出を実行(現出)制御可能な予告演出制御手段として機能する。
「リーチ演出」とは、リーチ状態を伴う演出態様(リーチ状態を伴う変動表示態様:リーチ変動パターン)を言い、具体的には、リーチ状態を経由して最終的なゲーム結果を導出表示するような演出態様を言う。リーチ演出には当選期待度に関連付けられた複数種類のリーチ演出が含まれる。例えば、ノーマルリーチ演出が出現した場合に比べて、当選期待度が相対的に高まるものがある。このようなリーチ演出を‘スーパーリーチ演出’と言う。この「スーパーリーチ」の多くは、当選期待感を煽るべく、ノーマルリーチよりも相対的に長い演出時間(変動時間)を持つ。また、ノーマルリーチやスーパーリーチには複数種類のリーチ演出が含まれる。本例では、スーパーリーチには、スーパーリーチ1、2、3、4という複数種類のリーチ演出が含まれ、これらスーパーリーチ1〜4の当選期待度については「スーパーリーチ1<スーパーリーチ2<スーパーリーチ3<スーパーリーチ4」という関係性を持たせている。
「疑似連演出」とは、装飾図柄の疑似的な連続変動表示状態(疑似連変動)を伴う演出態様を言い、「疑似連変動」とは、装飾図柄変動表示ゲーム中において、装飾図柄の一部又は全部を一旦仮停止状態とし、その仮停止状態から装飾図柄の再変動表示動作を実行する、といった表示動作を1回または複数回繰り返す変動表示態様をいう。この点、複数回の図柄変動表示ゲームに跨って展開されるような後述の「先読み予告演出(連続予告演出)」とは異なる。このような「疑似連」は、基本的には、疑似変動回数が多くなるほど当選期待度が高まるようにその発生率(出現率)が定められており、例えば、疑似変動回数に応じて、スーパーリーチ等の期待感を煽るための演出が選択され易くされている。
「先読み予告演出」とは、未だ図柄変動表示ゲームの実行(特別図柄の変動表示動作)には供されていない作動保留球(未消化の作動保留球)について、主に、保留表示態様や先に実行される図柄変動表示ゲームの背景演出等を利用して、当該作動保留球が図柄変動表示ゲームに供される前に、当選期待度を事前に報知し得る演出態様である。なお、図柄変動表示ゲームにおいては、上記「リーチ演出」の他、いわゆる「SU(ステップアップ)予告演出」や「タイマ予告演出」、「復活演出」、「プレミア予告演出」などの種々の演出が発生し、ゲーム内容を盛り上げるようになっている。
ここで、図4を参照し、上記先読み予告演出の一例としての「保留変化予告演出」について説明する。
本実施形態の遊技機1の場合、液晶表示装置36の画面内の上側の表示エリアには、装飾図柄変動表示ゲームを現出する表示エリア(装飾図柄の変動表示演出や予告演出を現出するための表示領域)が設けられており、また画面内の下側の表示エリアには、特別図柄1側の作動保留球数を表示する保留表示領域76(保留表示部a1〜d1)と特別図柄2側の作動保留球数を表示する保留表示領域77(保留表示部a2〜d2)とが設けられている。作動保留球の有無に関しては、所定の保留表示態様により、その旨が報知される。図4では、作動保留球の有無を点灯状態(作動保留球あり:図示の「○(白丸印)」)、又は消灯状態(作動保留球なし:図示の破線の丸印)にて、現在の作動保留球数に関する情報が報知される例を示している。
作動保留球の有無に関する表示(保留表示)は、その発生順(入賞順)に順次表示され、各保留表示領域76、77において、一番左側の作動保留球が、当該保留表示内の全作動保留球のうち時間軸上で一番先に生じた(つまり最も古い)作動保留球として表示される。また、保留表示領域76、77の左側には、現に特別図柄変動表示ゲームに供されている作動保留球を示すための変動中表示領域78が設けられている。本実施形態の場合、変動中表示領域78は、受座Jのアイコン上に、現在ゲームに供されているゲーム実行中保留Kのアイコンが載る形の画像が現れるように構成されている。すなわち、特別図柄1又は特別図柄2の変動表示が開始される際に、保留表示領域76、77に表示されていた最も古い保留a1又はa2のアイコン(アイコン画像)が、ゲーム実行中保留Kのアイコンとして、変動中表示領域78おける受座Jのアイコン上に移動し、その状態が所定の表示時間にわたって維持される。
作動保留球が発生した場合、主制御部20から、大当り抽選結果に関連する先読み判定情報と、先読み判定時の作動保留球数(今回発生した作動保留球を含め、現存する作動保留球数)とを指定する「保留加算コマンド」が演出制御部24に送信される(図18のステップS1309〜S1312参照)。
本実施形態の場合、上記保留加算コマンドは2バイトで構成され、保留加算コマンドは、先読み判定時の作動保留球数を特定可能とする上位バイト側のデータと、先読み判定情報を特定可能とする下位バイト側データとから構成される。
ここで、上記説明から理解されるように、本実施形態では、上始動口34又は下始動口35に入賞が発生して新たに保留球が生じたことに基づいて、当該保留球についての先読み判定として、当該保留球に係る図柄変動表示ゲームについての大当り抽選が行われる。後述するように、主制御部20は、このような先読み判定として行った大当り抽選の結果を表す情報を、RAM203の該当記憶領域に保留記憶する。
先読み判定時に得られた大当り抽選結果の情報は、図柄変動表示ゲームにおける図柄変動パターンを選択(抽選)するために用いられるものであり、いわば「変動パターン選択用情報」と換言することができる。従って、主制御部20は、先読み判定を行って、その結果得られる「変動パターン選択用情報」をRAM203の所定領域に保留記憶していると言うことができる。
演出制御部24は、主制御部20が送信した上記の保留加算コマンドを受信すると、これに含まれる先読み判定情報に基づき、上記保留表示に関連する表示制御処理の一環として、「先読み予告演出」に関する演出制御処理を行う。具体的には、先読み予告演出の実行可否を抽選する「先読み予告抽選」を行い、これに当選した場合には、先読み予告演出を現出させる。
なお、先読み予告抽選の手法については後に改めて説明する。
ここで、先読み判定情報とは、具体的には、主制御部20において、作動保留球が図柄変動表示ゲームに供される際に実行される大当り抽選結果(変動開始時の大当り抽選結果)や変動開始時の変動パターンを先読み判定して得られる遊技情報である。すなわち、この情報には、少なくとも変動開始時の当落抽選結果を先読み判定した情報(先読み当落情報)が含まれ、その他、図柄抽選結果を先読み判定した情報(先読み図柄情報)や変動開始時の変動パターンを先読み判定した情報(先読み変動パターン情報)を含ませることができる。如何なる情報を含む保留加算コマンドを演出制御部24に送るかについては、先読み予告にて報知する内容に応じて適宜定めることができる。
本例では、保留加算コマンドには先読み当落情報、先読み図柄情報、及び先読み変動パターン情報が含まれているものとする。
なお、作動保留球発生時の先読み判定により得られる「先読み変動パターン」は、必ずしも作動保留球が実際に変動表示動作に供されるときに得られる「変動開始時の変動パターン」そのものではある必要はない。例えば、上記変動開始時の変動パターンが「スーパーリーチ1」を指定する変動パターンであるケースを代表的に説明すれば、本ケースでは、先読み変動パターンにより指定される内容が「スーパーリーチ1」というリーチ演出の種類そのものではなく、その骨子である「スーパーリーチ種別」である旨を指定することができる。
本実施形態の場合、先読み予告抽選に当選した場合には、保留表示部a1〜d1、a2〜d2の保留アイコンのうちで、その先読み予告対象となった保留アイコンが、例えば、通常の保留表示(通常保留表示態様)の白色から、予告表示の青色、緑色、赤色、デンジャー柄(或いは虹色などの特殊な色彩や絵柄)による保留表示(特別保留表示態様)に変化し得る「保留表示変化系」の先読み予告演出(「保留変化予告」とも称する)が行われる。
図4では、ハッチングされた保留表示部b1の作動保留球が、特別保留表示に変化した例を示している。ここで、保留アイコンの青色、緑色、赤色、デンジャー柄の表示は、この順に当選期待度が高くなることを意味しており、特にデンジャー柄の保留アイコンの表示は、大当り当選期待度が極めて高い表示となるプレミアム的な保留アイコンとされている。
(演出手段)

遊技機1における各種の演出は、遊技機1に配設された演出手段により現出される。この演出手段は、視覚、聴覚、触覚など、人間の知覚に訴えることにより演出効果を発揮し得る刺激伝達手段であれば良く、装飾ランプ45やLED装置などの光発生手段(光表示装置45a:光演出手段)、スピーカ46などの音響発生装置(音響発生装置46a:音演出手段)、液晶表示装置36などの演出表示装置(表示手段)、操作者の体に接触圧を伝える加圧装置、遊技者の体に風圧を与える風圧装置、その動作により視覚的演出効果を発揮する可動体役物などは、その代表例である。ここで、演出表示装置は、画像表示装置と同じく視覚に訴える表示装置であるが、画像によらないもの(例えば7セグメント表示器)も含む点で画像表示装置と異なる。画像表示装置と称する場合は主として画像表示により演出を現出するタイプを指し、7セグメント表示器のように画像以外により演出を現出するものは、上記演出表示装置の概念の中に含まれる。
<4.主制御部の処理>

続いて、本実施形態の主制御部20が行う処理について説明する。主制御部20の処理は、主に、所定のメイン処理(主制御側メイン処理:図5)と、CTCからの定時割込みで起動されるタイマ割込み処理(主制御側タイマ割込み処理:図14)とを含んで構成される。
[4-1.主制御側メイン処理]

図5は、主制御側メイン処理を示したフローチャートである。
主制御側メイン処理が開始されるのは、停電状態や電源異常等からの復旧時に電源基板からのシステムリセット信号によるシステムリセットが生起した場合や、制御プログラムが暴走したことによりウォッチドッグタイマ機能(WDT)が発揮されてCPU201が強制的にリセット(WDTリセット)される場合等がある。何れの場合でも、当該メイン処理が開始されると、主制御部20(CPU201)は、先ず、CPU201を含む各部のレジスタの値を初期設定する等の遊技動作開始に必要な初期設定処理を実行する(ステップS101)。
(初期設定処理)

図6は、ステップS101の初期設定処理を示したフローチャートである。
図6において、上記のシステムリセットやWDTリセットが発生すると、CPU201はステップS201で、自らを割込み禁止状態に設定し、次いで、ステップS202のスタックポインタ設定処理として、RAM203のスタックポインタの値をスタック領域の最終アドレスに対応して設定する処理を実行する。そして、続くステップS203で、RAMプロテクトを無効とすると共に、RAM203の指定エリア外走行禁止機能における禁止領域を無効とする処理を行う。
次いで、CPU201はステップS204で、セキュリティ信号OFF、設定値表示OFF、発射許可信号OFFとするための処理を実行する。ここで、セキュリティ信号は、枠用外部集中端子基板21を通じてホールコンピュータHCに出力される信号であり、ホールコンピュータHCに設定変更中等の状態通知を行うための信号として機能する。設定値表示OFFとは、設定・性能表示器97における設定値Veの表示をOFFさせることを意味する。
発射許可信号は、前述のように払出制御基板29から発射制御基板28に出力される信号であり、CPU201は払出制御基板29に対する指示を行って発射許可信号をOFFさせる。
ここで、セキュリティ信号OFF、設定値表示OFFは、設定変更中の電源入切対策である。すなわち、設定変更処理において設定値Veを表示中に電源が切られた可能性もあるため、設定値表示とセキュリティ信号を一旦OFFとするものである。
ステップS204に続くステップS205でCPU201は、電源異常チェック処理を実行する。
図7に示すように、電源異常チェック処理では、WDTタイマをクリアし(ステップS301)、電源異常信号がONであるか否かを判定する(ステップS302)。電源異常信号は、電源基板から出力される信号であり、電源異常信号OFFが正常レベルであることを表し、電源異常信号ONが正常レベルでない(つまり異常である)ことを表す。電源異常信号がONであれば、CPU201は図5に示すステップS101に戻り、主制御側メイン処理を最初からやり直す。すなわち、電源に異常が認められた場合には主制御側メイン処理がリセットされるものである。
そして、電源異常信号がONでなければ、電源に異常は認められないため、CPU201は電源異常チェック処理を終える。
図6に戻り、CPU201はステップS205の電源異常チェック処理を終えたことに応じ、ステップS206で起動時の各種設定処理を行う。このステップS206の設定処理では、例えば、所定の割込みモードに設定する割込みモード設定処理や、内部ハード乱数回路を起動させる内部ハード乱数設定処理等を実行する。
ステップS206に続くステップS207でCPU201は、サブ制御基板(演出制御部24)の起動待ち時間をセットする。そして、ステップS208〜S210の処理により、セットした起動待ち時間が経過するのを待機する。具体的には、セットした起動待ち時間を1減算し(ステップS208)、電源異常チェック処理を実行し(ステップS209:図7参照)、起動待ち時間がゼロでなければ(ステップS210:≠0)ステップS208の処理に戻る。このような起動待ち時間に基づく待機処理により、演出制御部24の起動が完了することになる。
ステップS210において、上記の起動待ち時間が経過した場合(待ち時間=0)、CPU201はステップS211に進み、待機画面表示コマンドを演出制御部24に送信する。
この待機画面表示コマンドを受け、演出制御部24は、例えば「Please Wait...」等の文字が配された画面等、起動時に対応して定められた所定の画面表示を液晶表示装置36に実行させるための制御を行う。
ステップS211の送信処理を実行したことに応じ、CPU201はステップS212に処理を進めて、該ステップS212とステップS213の処理により、電源異常チェック処理(S212:図7参照)を実行しながら、払出制御基板29からの電源投入時信号が送られてくるのを待機する。この電源投入時信号は、払出制御基板29が正常に立ち上がった場合に出力される信号であり、CPU201は、払出制御基板29が正常起動するまで待機するようになっている。これにより、何らかのトラブルによって払出制御基板29が正常に機能していない場合には、ステップS212とS213の処理が繰り返されるだけで遊技動作は開始されない。従って、例えば賞球が払い出されない等の払出異常が発生せず、遊技者に不信感を与えることの防止が図られる。
CPU201は、上記の電源投入時信号が送られてきた場合は(ステップS213:ON)、ステップS101の初期設定処理を終える。
(初期設定後の処理)

CPU201は、上記の初期設定処理を終えたことに応じ、図5に示すステップS102に進む。
ステップS102でCPU201は、入力ポートn(すなわち所定の入力ポート)の情報を取得し、Wレジスタにコピーする。
ここで、入力ポートnは1バイト(8ビット)のポートとされ、本例では、次の各信号が入力される。なお、以下に示す「b0」〜「b7」はビット位置を表す。

b0:設定キー(設定キースイッチ94からの入力信号)
b1:補給切れ検出信号
b2:計数エラー信号
b3:断線検出信号1
b4:断線検出信号2
b5:扉開放信号(前扉開放センサ61の検出信号)
b6:RAMクリアボタン(RAMクリアスイッチ98からの入力信号)
b7:電源投入時信号及び払出通信確認信号

ここで、b0の設定キーについては、「0」が設定キースイッチ94=OFF、「1」が設定キースイッチ94=ONを意味する。また、b5の扉開放信号については、「0」が扉閉鎖(前枠2が閉鎖)、「1」が扉開放を意味する。さらに、b6のRAMクリアボタンについては、「0」がRAMクリアスイッチ98=OFF(ボタン非操作状態)、「1」がRAMクリアスイッチ98=ON(ボタン操作状態)を意味する。
ステップS102に続くステップS103でCPU201は、Wレジスタの値をマスクする。具体的には、以下で説明する設定変更処理(S115)、RAMクリア処理(少なくともS117及びS118)、設定確認処理(S109)、バックアップ復帰処理(S111)の移行判定を行うにあたって必要とされる値である設定キー(b0)、RAMクリアボタン(b6)、扉開放信号(b5)以外の値をマスクする処理を行う。
先の説明から理解されるように、設定変更処理への移行条件としては、起動時において、前枠2が開放された状態で設定キーとRAMクリアボタンの双方が操作状態とされることとされている。
また、本例において、RAMクリア処理への移行条件は、操作の面では、起動時において設定キーが非操作状態、RAMクリアボタンが操作状態とされることとされている。
また、設定確認処理への移行条件は、操作の面では、前枠2が開放された状態において、設定キーが操作状態、RAMクリアボタンが非操作状態とされることとされている。
さらに、バックアップ復帰処理への移行条件は、操作の面では、起動時において設定キー、RAMクリアボタンの双方が非操作状態とされることとされている。
図8は、これら設定変更処理、RAMクリア処理、設定確認処理、バックアップ復帰処理への移行にあたっての操作面での各判定条件と、Wレジスタの値との対応関係を示している。
図8では、設定変更処理、RAMクリア処理、設定確認処理、バックアップ復帰処理への移行判定の順番を示している。
1番目の設定変更処理への移行判定は、図示のように判定条件が設定キー:ON(設定キースイッチ94:ON)、扉開放:ON(前扉開放センサ61:ON)、RAMクリアスイッチ98:ONとされ、従ってWレジスタの値としては0ビット目:1、5ビット目:1、6ビット目:1が条件とされる。
2番目のRAMクリア処理への移行判定は、判定条件がRAMクリアスイッチ98:ONであり、Wレジスタの値としては6ビット目:1か否かを判定することになる。ここで、本例では、RAMクリア処理への移行判定は、設定変更処理の移行条件が不成立の場合に実行される。また、設定確認処理、バックアップ復帰処理への移行にあたっては、RAMクリアスイッチ98がOFFであることが条件とされる。これらの点より、設定変更処理への移行条件が不成立であって、RAMクリアスイッチ98がONであれば、RAMクリア処理への移行操作が行われていると推定することができる。このため本例では、上記のようにRAMクリア処理への移行判定では、操作の面では、RAMクリアスイッチ98がONであるか否か(6ビット目:1か否か)のみを判定することとしている。
3番目の設定確認処理への移行判定は、判定条件が設定キー:ON、扉開放:ON、RAMクリアスイッチ98:OFFとされ、従ってWレジスタの値としては0ビット目:1、5ビット目:1、6ビット目:0が条件とされる。
さらに、4番目のバックアップ復帰処理への移行判定は、判定条件が設定キー:OFF、RAMクリアスイッチ98:OFFとされ、従ってWレジスタの値としては0ビット目:0、6ビット目:0が条件とされる。
ここで、バックアップ復帰処理について、設定確認処理を経ずにバックアップ復帰処理のみが行われるための移行条件としては、上記のように操作面では設定キー:OFF、RAMクリアスイッチ98:OFFと表記することができるが、設定確認処理の実行有無を問わず単にバックアップ復帰処理が行われる状態に移行するか否かの条件としては、後述するバックアップフラグがONであるということが条件となる(ステップS106の判定処理を参照)。
説明を図5に戻す。
CPU201は、ステップS103のマスク処理を行ったことに応じ、ステップS104で設定変更条件成立判定処理を実行する。具体的には、設定変更モードに移行すべきか否かを判定するべく、ステップS103のマスク処理の結果、マスク非対象とされた3ビットの値(以降、「マスク後の3ビット」と記載)が「111」であるか否かを判定する。
マスク後の3ビットの値が「111」であり、設定変更条件が成立しているとの肯定結果が得られた場合、CPU201はステップS115の設定変更処理を実行する。すなわち、RAMクリアボタンや設定キーの操作に応じて設定値Veを新たに設定するための処理を行う。
なお、ステップS115の設定変更処理の詳細については後に改めて説明する。
ここで、上記のように本実施形態では、設定キースイッチ94、前扉開放センサ61、及びRAMクリアスイッチ98による検出信号、換言すれば、設定変更モードへの移行判定を行うにあたり用いられる各検出信号を主制御部20の同一入力ポートに入力し、入力した各検出信号の値がそれぞれ所定条件を満たす値であるか否かを一括判定している。
これにより、設定変更モードへの移行判定について、各検出信号の値が所定条件を満たす値か否かを個別判定する場合よりも判定処理数の削減が図られる。
ステップS115の設定変更処理を実行したことに応じ、CPU201はステップS116でRAMクリア時のコマンド送信処理を実行し、続くステップS117で領域内RAM初期化処理を実行した上で、ステップS118のRAMクリア時処理を実行する。
ステップS116のコマンド送信処理は、RAMクリアが行われる旨を演出制御部24に通知するための演出制御コマンド(RAMクリアコマンド(BA02H)等)を送信する処理となる。
ステップS117の初期化処理は、RAM203におけるワーク領域を含む所定領域(使用領域)内の値を初期化(クリア)する処理となる。但し、このステップS117の初期化処理では、ワーク領域における設定値Veの格納領域については初期化の対象外とされている。
ステップS118のRAMクリア時処理では、図9に示すように、RAMクリア報知タイマの設定処理(S401)を行った上で、RAMの一部初期値設定処理(S402)を行う。RAMクリア報知タイマは、ステップS116で送信されるコマンドに応じて演出制御部24が実行するRAMクリア報知の時間を設定する処理であり、本例では30sを設定する。ステップS402の一部初期値設定処理では、例えばRAM203のワーク領域を除いた一部領域に初期値を設定する。
CPU201は、ステップS118のRAMクリア時処理を実行したことに応じ、ステップS119に処理を進める。
なお、上述した性能情報については、RAM203における使用領域外の領域に格納されており、従ってステップS117やS118のRAMクリア処理ではクリアされない。
RAMクリア処理でクリア対象となるのは、通常の遊技進行の際に必要な各種のフラグやタイマやカウンタ等のRAM領域(通常データ格納領域)のデータである。これらのデータには、例えば次のようなものがある。すなわち、遊技状態指定に係るデータ(通常状態、確変状態、時短状態、潜確状態など、現在の遊技状態を特定する遊技状態フラグ)、当り遊技中であるか否かを指定するフラグ(条件装置作動フラグ)、当り遊技の実行に係る各種データ(現在のラウンド数、最大ラウンド数等)、大当り抽選結果に係るデータ(大当り判定フラグ:当落抽選結果情報、特別図柄判定データ:図柄抽選結果情報)、作動保留球に関する保留データ(作動保留球数、大当り抽選に利用される各種乱数値、補助当り抽選に利用される各種乱数値、変動パターン用乱数)、特別図柄動作ステータス、遊技進行を管理するタイマ(特別図柄役物動作タイマ)、スイッチ・センサ類に係る入出力データ、入賞口の入賞球数をカウントする各種の入賞カウンタ、電サポ状態の有無を指定するフラグ(開放延長フラグ)、電サポの残余回数をカウントする電サポ回数カウンタ、高確率状態の残余回数をカウントするカウンタ(特図確変回数カウンタ、普図確変回数カウンタ)、各種エラーフラグ(RAMエラーフラグを除く)、及び払出関連のデータ等である。何れにしても、RAMクリア処理が実行されると、特定のデータ(設定値Veや性能情報)以外のすべてのデータが初期状態に設定される。
ここで、上記のように起動時において設定変更処理が実行された場合には、ステップS116に処理が進められてRAMクリア処理(S117、S118)が実行される。
設定変更処理では設定値Veが変更され得る。設定値Veが変更された場合、RAM203のワーク領域における設定値Ve以外の格納値が、変更後の設定値Veに対して整合しない状態となる可能性がある。このため、設定変更処理を行った場合は、RAMクリア処理を実行することで、ワーク領域における設定値Ve以外の領域をクリア(初期化)するものとしている。
続いて、先のステップS104において、ステップS103によるマスク後の3ビットの値が「111」ではなく、設定変更条件が成立していないとの否定結果が得られた場合、CPU201はステップS105に進んでRAM異常か否かを判定する。具体的には、RAM203のワーク領域に格納されている設定値Veが正常な範囲外の値(本例では設定1〜6に対応した設定値Ve=0〜5の範囲外)であるか否かを少なくとも判定する。
ここで、実際にCPU201が扱う設定値Veとしては、例えば1バイトの値とされ、設定1〜設定6に対応する値として00H(0)〜05H(5)の値が定められている。なお、「H」は16進数を意味する(以下、同様)。ステップS105の判定処理では、ワーク領域に格納された設定値Veが00H〜05Hの範囲の値であるか否かを判定する。
ステップS105において、設定値Veが上記の正常な範囲外の値であり、RAM異常であると判定した場合、CPU201はステップS112以降に続く電源再投入を待機するための処理に移行する。
具体的に、ステップS112でCPU201は、電源再投入時のコマンド送信処理として、パチンコ遊技機1の電源再投入且つ設定変更を促すための報知が行われるように指示するための演出制御コマンド(設定変更待ちコマンド)を演出制御部24に送信する処理を行う。起動時においてRAM異常が検知された場合には、強制的に設定変更モードに移行させて設定値Veの変更(設定)を受け付ける。このためCPU201は、先ずステップS112で、設定変更待ちコマンドにより設定変更モードに移行する旨を演出制御部24側に通知する。
該設定変更待ちコマンドを受け演出制御部24は、例えば「扉を開けて設定を変更して下さい」等の文字を含む画面等、設定変更操作を促すための画面表示を液晶表示装置36に実行させる。このとき、演出制御部24は、該画面表示と共に対応する光演出(例えば光表示装置45aにおける全LED点灯)や音演出を現出させる制御を行ってもよい。
ステップS112に続くステップS113でCPU201は、バックアップフラグを00H(つまりOFF)とした上で、ステップS114の電源異常チェック処理(図7参照)を繰り返す。このステップS114の電源異常チェック処理はパチンコ遊技機1の電源が遮断されるまで繰り返され、電源が再投入されると主制御側メイン処理としてステップS101以降の処理が再び実行される。このとき、上記の画面表示等に応じて設定変更モードへの移行操作が行われていれば、設定変更モードへの移行が行われ、RAM異常状態の解消が図られる。
上記したステップS105において、設定値Veが正常範囲外の値ではなく、RAM異常ではないと判定した場合、CPU201はステップS106に進んでバックアップフラグがON状態か否か(本例ではバックアップフラグ=5AHがON状態)を判定する。
遊技機1において、電源遮断時には、主制御側タイマ割込み処理における後述する電源チェック・バックアップ処理(ステップS901、図24参照)により、RAM203の記憶情報についてバックアップのための処理が行われる。電源遮断時に適正にバックアップ処理が行われた場合には、バックアップフラグがON状態とされる(図25のステップS1010参照)。このため上記のステップS106ではバックアップフラグを確認して、バックアップ復帰可能であるか否かの判定を行う。具体的に、ステップS106では、RAM203の所定領域に格納されたバックアップフラグがON状態(5AH)である否かを判定する。
ステップS106でバックアップフラグがONでないと判定した場合、CPU201は上述したステップS112に処理を進める。これにより、バックアップ復帰条件を満たさない場合には、先に説明したRAM異常が認められた場合と同様、強制的に設定変更モードへの移行が行われる。
ここで、前述したように、ステップS106の判定処理は、設定確認処理の実行有無を問わず、バックアップ復帰処理が行われる状態への移行可否を判定する処理に相当するものである。
一方、ステップS106でバックアップフラグがONであると判定した場合、CPU201は、ステップS107でRAMクリア条件(RAMクリア処理への移行条件)が成立しているか否かを判定する。具体的には、Wレジスタの6ビット目の値が「1」か否かを判定する。
Wレジスタの6ビット目の値が「1」であり、RAMクリア条件が成立しているとの肯定結果が得られた場合、CPU201は上述したステップS116に処理を進める。これにより、上述したRAMクリア処理が実行される。
ここで、上記したステップS107→S116に至るルートを参照して分かるように、本実施形態の遊技機1では、設定変更をせずにRAMクリアを行うことが可能とされている。これにより、RAM203における払出関係のデータ等、設定値Veに係るデータ以外をクリアしたい場合に対応可能とされている。
また、ステップS107において、Wレジスタの6ビット目の値が「1」でなく、RAMクリア条件が成立していないとの否定結果が得られた場合、CPU201はステップS108に進んで設定確認条件(設定確認処理への移行条件)が成立しているか否かを判定する。すなわち、ステップS103によるマスク後の3ビットの値が「110」か否かを判定する。
Wレジスタにおけるマスク後の3ビットの値が「110」であり設定確認条件が成立しているとの肯定結果が得られた場合、CPU201はステップS109の設定確認処理を実行し、ステップS110に処理を進める。すなわち、バックアップ復帰のための処理に移行する。
なお、ステップS109の設定確認処理の詳細については改めて説明する。
一方、マスク後の3ビットの値が「110」ではなく設定確認条件が成立していないとの否定結果が得られた場合、CPU201はステップS109の設定確認処理をパスして、ステップS110に進む。
ステップS110でCPU201は、バックアップ復帰時のコマンド送信処理として、バックアップ復帰時に対応した所定の演出制御コマンドを演出制御部24に送信する処理を行う。
ステップS110に続くステップS111でCPU201は、バックアップ復帰処理を行う。
バックアップ復帰処理は、電源遮断時にバックアップされたRAM203の記憶内容に基づいて、電源投入後に電源遮断前の動作に復帰させる処理となる。具体的に、CPU201は、電源遮断前におけるスタックポインタを復帰し、電源遮断時の処理状態から遊技動作を開始するための処理を行う。
ステップS111のバックアップ復帰処理を実行した場合、又は前述したステップS118のRAMクリア時処理を実行した場合(つまり設定変更処理とRAMクリア処理の双方を実行した場合、又はRAMクリア処理のみを実行した場合)、CPU201はステップS119に処理を進める。
ステップS119でCPU201は、例えば4ms等の所定時間毎に定期的にタイマ割込みを発生させるためのCTCの設定を行う。
このステップS119の設定処理が行われることで、以降、割込みコントローラへの割込み要求信号が定期的に出力され、主制御側タイマ割込み処理が実行される。
続くステップS120でCPU201は、払出制御基板29に対する発射許可信号をONとする。これに応じ払出制御基板29は、発射許可状態であると判断し、上記許可信号を発射制御基板28に対して出力し、発射装置32による遊技球の発射動作を許容する。これにより、発射操作ハンドル15による遊技球の発射が可能になる。
なお、ここでは、主制御部20からの発射許可信号を払出制御基板29が受けて発射動作を許容する構成、つまり、主制御部20からの発射許可の指示情報が、払出制御基板29を通じて間接的に発射制御基板28に送られる構成を例示したが、本発明はこれに限らず、例えば、主制御部20による発射許可信号を直接的に発射制御基板28に出力する構成とすることもできる。
ステップS120に続くステップS121でCPU201は、遊技開始を指示するための演出制御コマンドを演出制御部24に送信する処理を行い、次いで、ステップS121に処理を進めて図10に示すメインループ前処理を実行した上で、ステップS123のメインループ処理を実行する。
図10に示すように、メインループ前処理では、先ずステップS501で全レジスタの値を例えばRAM203のスタック領域等の所定領域に退避する処理を行った上で、ステップS502で動作確認フラグをONとし、さらに続くステップS503で動作確認タイマを所定値(本例では5sに対応する値)にセットする。その上で、CPU201はステップS504で、退避させた全レジスタの値をそれぞれ対応するレジスタに復帰させる処理を行い、ステップS121のメインループ前処理を終える。
(メインループ処理)

図11は、ステップS123のメインループ処理を示したフローチャートである。
図11のメインループ処理において、CPU201はステップS601で、自身を割込み禁止状態に設定し、続くステップS602で乱数更新処理を実行する。この乱数更新処理では、特別図柄変動表示ゲームや普通図柄変動表示ゲームに使用される各種乱数(インクリメント処理によって所定数値範囲を循環している大当り抽選に係る乱数(図柄抽選に利用される特別図柄判定用乱数)や、補助当り抽選に係る乱数(補助当りの当落抽選に利用される補助当り判定用乱数))の初期値(スタート値)変更のために使用する乱数(特別図柄判定用初期値乱数、補助当り判定用初期値乱数)や、変動パターンの選択に利用される変動パターン用乱数を更新する。
本実施形態のRAM203には、大当り抽選に係る図柄抽選、補助当り抽選、又は変動パターン抽選などに利用される各種の乱数カウンタとして、特別図柄判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタ、特別図柄判定用乱数カウンタ、補助当り判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタ、補助当り判定用乱数カウンタ、変動パターン用乱数カウンタ等が設けられている。これらのカウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を果たす。ステップS302の乱数更新処理では、上述の特別図柄判定用乱数カウンタや補助当り判定用乱数カウンタの初期値を生成する2つの初期値生成用カウンタ、変動パターン用乱数カウンタ等を更新して、上記各種のソフト乱数を生成する。例えば、仮に、変動パターン用乱数カウンタとして取り得る数値範囲が「0〜238」とすると、RAM203の変動パターン用乱数の値を生成するためのカウント値記憶領域から値を取得し、取得した値に「1」を加算してから元のカウント値記憶領域に格納する。このとき、取得した値に「1」を加算した結果が「239」であれば「0」を元の乱数カウンタ記憶領域に格納する。他の初期値生成用乱数カウンタも同様に更新する。
ステップS602の乱数更新処理を終えると、CPU201はステップS603で全レジスタの値を退避する処理を行った上で、ステップS604で性能表示モニタ集計除算処理を行う。
この性能表示モニタ集計除算処理は、前述した性能情報としての値(ここでは、例えば前述した「通常時比率情報」としての値とする)を演算する処理である。前述のように、通常時比率情報の値は、総払出個数と総アウト球数とを用いて算出されるものであるが、CPU201は、総払出個数については、入賞口(上始動口34、下始動口35、一般入賞口43、大入賞口50)に入賞した遊技球の数をカウントした結果に基づき算出し、総アウト球数については、アウト口49から排出された遊技球の数をカウントすることで求める。
入賞球数のカウント、及びアウト球数のカウントは、主制御側タイマ割込み処理における後述する入力管理処理(図14ステップS904を参照)で行われる。CPU201は、このようにタイマ割込み処理側で行う入賞球数のカウント、及びアウト球数のカウントのそれぞれによるカウント値に基づき、ステップS604において通常時比率情報としての値を演算する。前述のように、演算した通常時比率情報としての値は、RAM203の所定領域(計測情報格納領域)に格納される。
なお、このように算出された通常時比率情報の値は、主制御側タイマ割込み処理における後述する性能表示モニタ表示処理(図14ステップS916を参照)によって設定・性能表示器97に表示される。
ステップS604に続くステップS605でCPU201は、全レジスタ復帰処理を行い、さらに続くステップS606で自身を割込み許可状態に設定した上で、ステップS601に戻る。
このようにステップS123のメインループ処理では、ステップS601〜S606の処理が無限ループ状に繰り返される。CPU201は、間欠的に実行されるタイマ割込み処理を行っている間を除いて、これらステップS601〜S606の処理を繰り返し実行することになる。
(設定変更処理)

図12は、ステップS115の設定変更処理を示したフローチャートである。
この設定変更処理では、操作に基づき設定値Veを設定するための処理や、設定変更中である旨や新たに設定された設定値Veを通知するための演出制御コマンドを演出制御部24に送信するための処理等が行われる。
図12において、CPU201は、先ずステップS701で設定変更中コマンド(BA5AH)を演出制御部24に送信する処理を実行する。
この設定変更中コマンドを受け、演出制御部24は、例えば「設定変更中です」等の文字が配された画面等、設定変更中である旨を報知するための画面表示を液晶表示装置36に実行させたり、スピーカ46から設定変更中に対応した音出力が行われるようにするための処理を行う。さらにこの際、演出制御部24は、前述した光発生手段(光表示装置45a)における所定のLED(例えば全LED)を所定の点灯パターンにより点灯させてもよい。
なお、ステップS701の設定変更中コマンドの送信処理の詳細については改めて説明する。
続くステップS702でCPU201は、バックアップフラグを00H(つまりOFF状態)とした上で、ステップS703で入力データ作成処理を実行する。
この入力データ作成処理は、主制御側タイマ割込み処理(図14)におけるステップS902の同処理を呼び出して実行する。後述するように、該入力データ作成処理で作成される入力データには、設定値Veの順送り操作の有無を表すRAMクリアスイッチ98の入力データや、設定変更の完了操作の有無を表す設定キースイッチ94の入力データが含まれている。
後述するように、設定値Veの順送り操作の有無の判定(S712)、完了操作の有無の判定(S718)には、ステップS711の入力データ作成処理で作成されるデータが用いられる。このステップS711の入力データ作成処理に先立ちステップS703で入力データ作成処理を実行する意義については後述する。
ステップS703の作成処理を実行したことに応じ、CPU201はステップS704で設定値Veが正常範囲内(本例では0(00H)〜5(05H)の範囲内)の値であるか否かを判定する。設定値Veが正常範囲内の値でない場合、CPU201はステップS705で設定値Veを「0」に書き替える。ここで書き替える設定値Veは、RAM203のワーク領域に格納されている設定値Veではなく、該ワーク領域からコピーされたレジスタの設定値Ve(表示データ作成のためにレジスタにセットした設定値Ve)となる。
ここで、本例では、RAM異常判定(S105)に先立ち設定変更条件判定(S104)を実行しているため、設定変更モードに移行した際にRAM203の設定値Veが正常範囲内の値でないケースが生じ得る。このため、ステップS704の判定処理を行い、設定値Veが異常な値である場合には設定値Veを所定の値(本例では「0」)に書き替えるものとしている。これにより、後述する設定値Veの表示用データとして異常な設定値Veを示すデータが生成されることの防止を図ることができ、設定変更時に設定・性能表示器97に表示される設定値Veについて表示バグ(正常範囲外の値が誤表示されること)の発生防止を図ることができる。
ステップS704において、設定値Veが正常な範囲内の値であった場合、CPU201はステップS705をパスしてステップS706で電源異常チェック処理(図7参照)を実行し、次いで、ステップS707でセキュリティ信号出力処理を実行する。具体的には、枠用外部集中端子基板21を通じてホールコンピュータHCに対してセキュリティ信号が出力されるようにするための処理を行う。
ステップS707に続くステップS708でCPU201は、チャタリング防止待ち時間をセットし、次いで、ステップS709及びS710の処理により、セットしたチャタリング防止待ち時間が経過するまで待機する。すなわち、ステップS709でチャタリング防止待ち時間を−1しながら、ステップS710でチャタリング防止待ち時間が「0」となるまで待機する。
ステップS710でチャタリング防止待ち時間が「0」となり、チャタリング防止待ち時間が経過したと判定した場合、CPU201はステップS711で入力データ作成処理を実行し、続くステップS712でRAMクリアスイッチ98がONであるか否かを判定する。
RAMクリアスイッチ98がONでなければ、CPU201はステップS717に進んで設定値表示用データを出力する処理、すなわち、現在レジスタに格納されている設定値Veに対応した値を示す表示データを設定・性能表示器97に出力する処理を行う。
これまでの処理の流れから理解されるように、設定変更モードへの移行が行われたときは、RAMクリアボタンによる設定値Veの順送り操作が行われるまでの間には、その時点でRAM203(及びレジスタ)に格納されている設定値Ve(ステップS704で設定異常と判定された場合は「0」に対応した「1」)が設定・性能表示器97に表示されることになる。つまり、該表示により、ホールスタッフ等が現在の設定値Veを確認することが可能とされている。
一方、ステップS712でRAMクリアスイッチ98がONであると判定した場合、CPU201はステップS713で、RAMクリアスイッチ98が連続してONであるか否かを判定する。すなわち、該ステップS713の直近で実行したステップS711の入力データ作成処理を含む、直近過去2回分の入力データ作成処理(初回のステップS713の処理ではステップS703の入力データ作成処理が対象となる)で得られたRAMクリアスイッチ98の入力データが共にONであるか否かを判定する。
RAMクリアスイッチ98が連続してONであると判定した場合、CPU201は設定値Veの順送り処理(後述するステップS714〜S715)を実行せず、ステップS717の表示用データ出力処理に進む。
ここで、RAMクリアボタンが押圧されたまま設定変更処理が開始された場合には、ホールスタッフ等の操作者としては設定変更モードへの移行のためにRAMクリアボタンを押圧しているにも拘わらず、遊技機1側では該RAMクリアボタンの押圧が設定値Veの順送り操作として検知されてしまう虞がある。その場合には、設定変更処理の移行直後に表示される設定値Veが、設定値異常の場合(ステップS704:Nの場合)には「1」(00H)であるべきところ「2」(01H)と誤表示されてしまい、設定値正常の場合(ステップS704:Yの場合)には設定変更モードへの移行直前の設定値Veが1順送りされた値として誤表示されてしまう。
そこで、本実施形態ではこれらの誤表示防止を図るべく、ステップS703の入力データ作成処理及びステップS711の連続ON判定処理を設けている。これらの処理により、RAMクリアボタンが押圧されたまま設定変更処理が開始されたとしても、連続してRAMクリアスイッチ98がONであるときには設定値Veの順送り処理が実行されずに設定値Veの表示用データ出力が行われる、すなわち、RAMクリアスイッチ98が一旦OFFとなって再びONとなるまでは設定値Veの順送り処理が実行されなくなるため、上記のような設定値Veの誤表示防止を図ることができる。
CPU201は、ステップS713でRAMクリアスイッチ98が連続してONでないと判定したことに応じ、ステップS714で設定値Veを1インクリメント(レジスタの設定値Veを1インクリメント)し、続くステップS715で設定値Veが規定範囲の値であるか否か、具体的に本例では「0〜5」の範囲内であるか否かを判定する。ステップS715において、設定値Veが規定範囲の値でなければ、CPU201はステップS716で設定値Veを「0」(00H)に書き替え、ステップS717の表示用データ出力処理に進む。これにより、設定値Veが設定6に対応する「05H」の状態で行われた順送り操作に応じて、設定値Veを設定1に対応した値「00H」に変更でき、設定値Veの循環的な変更が実現される。
一方、設定値Veが規定範囲の値であれば、CPU201はステップS716をパスしてステップS717の表示用データ出力処理に進む。すなわち、この場合は順送り操作前の元の設定値Veを1インクリメントした値によりレジスタの設定値Veが更新され、更新後の設定値Veに対応する値が設定・性能表示器97に表示される。
ステップS717の表示用データ出力処理を実行したことに応じ、CPU201はステップS718で設定キースイッチ94がOFFであるか否かを判定する。
設定キースイッチ94がOFFでなければ(つまり設定完了操作が行われていなければ)、CPU201はステップS706の電源異常チェック処理に戻る。
この処理の流れより、ステップS712によるRAMクリアスイッチ98の判定とステップS718による設定キースイッチ94の判定は、ステップS708でセットされるチャタリング防止待ち時間の経過を待って都度実行される。
一方、設定キースイッチ94がOFFであれば、CPU201はステップS719に進み、設定値ワークに設定値Veを格納する。すなわち、RAM203のワーク領域における設定値Veの格納領域に現在レジスタに保持されている設定値Veを格納する。
続くステップS720でCPU201は、設定値表示用データをクリアし、次いで、ステップS721でセキュリティ信号をOFFとする処理を行った上で、ステップS722の設定完了コマンド(BA09H)の送信処理を実行し、ステップS115の設定変更処理を終える。
ステップS722の送信処理は、設定完了コマンドとしての演出制御コマンドを演出制御部24に送信する処理となる。この設定完了コマンドは、設定変更操作が終了して設定値Veが確定した場合に送信されるコマンドであり、設定変更が完了した旨(設定値Veが確定された旨)を示すコマンドとしても利用される。
(設定確認処理)

図13は、ステップS109の設定確認処理を示したフローチャートである。
設定確認処理は、設定中の設定値Veを確認表示するための処理となる。
図13において、CPU201は先ずステップS801で、設定確認中コマンド(E021H)の送信処理を実行する。
ステップS801の送信処理を実行したことに応じ、CPU201はステップS802で設定値ワークの値を取得し、次いでステップS803の電源異常チェック処理(図7参照)を実行した上で、ステップS804で設定キースイッチ94がOFFであるか否か(つまり設定確認表示の終了指示操作が行われたか否か)を判定する。
設定キースイッチ94がOFFでなければ、CPU201はステップS805のセキュリティ信号出力処理を実行した上で、ステップS806で設定値表示用データを作成し、ステップS807で設定値表示用データを出力する処理を行うことで、現在の設定値Veを設定・性能表示器97に表示させる。
CPU201は、ステップS807の出力処理を実行したことに応じステップS803の電源異常チェック処理に戻る。これにより、設定キースイッチ94がOFFとされるまで、現在の設定値Veの表示状態が維持される。
一方、ステップS804で設定キースイッチ94がOFFであると判定した場合、CPU201はステップS808に進んで設定値表示用データをクリアし、次いでステップS809のセキュリティ信号OFF処理を実行した上で、ステップS810の設定確認終了コマンド(E022H)の送信処理を実行し、ステップS109の設定確認処理を終える。
[4-2.主制御側タイマ割込み処理]

図14のフローチャートを参照して、主制御側タイマ割込処理について説明する。
主制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(4ms程度)ごとの割込みで起動され、主制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。
図14において、CPU201は、タイマ割込みが生じると、先ずはステップS901の電源チェック・バックアップ処理を実行する。この電源チェック・バックアップ処理では、主に、電源基板から供給されている電源レベルを監視し、電断が生じる等の異常が発生した場合、電源復帰時に支障なく遊技を復帰できるように、電断時における所定の遊技情報をRAM203に格納するバックアップ処理等が行われる。
(電源チェック・バックアップ処理)

図15は、ステップS901の電源チェック・バックアップ処理を示したフローチャートである。
電源チェック・バックアップ処理において、CPU201はステップS1001で、電源基板から出力される電源異常信号を2回読み込み、続くステップS1002で双方の読み込み値が一致しているか否かを判定する。双方の値が一致していない場合は、ステップS1001に戻って再度、電源異常信号を2回読み込む。
ステップS1002において、双方の値が一致していれば、CPU201はステップS1003で、電源異常信号が正常レベルか否か(電源異常信号がOFF=正常レベル、ON=正常レベルでない)を判定する。
電源異常信号が正常レベルであれば(ステップS1003:OFF)、CPU201はステップS1004でバックアップフラグをOFF状態とし、続くステップS1005で電源異常確認カウンタをクリアし、ステップS901の電源異常チェック処理を終える。すなわち、電源異常信号が正常レベルであることが確認された場合は、以降で説明するバックアップ処理は行われずタイマ割込み処理が継続される。
一方、ステップS1003で電源異常信号が正常レベルでなかった場合(ステップS1003:ON)、CPU201はステップS1006で電源異常確認カウンタの値を1インクリメントした上で、ステップS1007で電源異常確認カウンタの値が所定の閾値(閾値=2以上の自然数:例えば「2」)以上であるか否かを判定する。
電源異常確認カウンタの値が閾値以上でなければ、CPU201はステップS901の電源異常チェック処理を終える。すなわち、電源異常信号が正常レベルでない状態が検知されたが連続的な検知でない場合には、バックアップ処理は行われずタイマ割込み処理が継続される。
一方、電源異常確認カウンタの値が閾値以上であれば、CPU201はステップS1008〜S1011として示すバックアップ処理を行う。
具体的に、CPU201は先ず、電源異常確認カウンタの値をクリアし(S1108)、発射許可信号をOFFとした上で(S1009)、バックアップフラグをONとする(S1010)。
さらに、CPU201は、電源断コマンドを演出制御部24に送信し(S1011)、ステップS1012に処理を進める。
ステップS1012でCPU201は、RAMプロテクトを有効とし、禁止領域を無効に設定する処理を行う。
RAMプロテクトとは、誤作動や誤操作などによるRAM203に対する書き換え防止機能である。RAMプロテクトを有効に設定することで、RAM203からのデータ読み出しのみが可能とされてデータの書き込みが不能な状態となる。
また、禁止領域は、IAT(指定エリア外走行禁止)機能における指定エリアに対応した領域であり、禁止領域を無効に設定することで、以降はIATリセットが発生しないようになる。
ステップS1012に続くステップS1013でCPU201は、出力ポートの値をクリアし、さらに続くステップS1014でタイマ割込み処理を停止すると共に、自身を割込み禁止状態に設定し、無限ループ処理に移行する。
この無限ループ中において、CPU201はWDTによりリセットされ、また動作電源の喪失により動作停止状態に移行する。
説明を図14に戻す。
図14において、ステップS901の電源チェック・バックアップ処理を終えると、CPU201はステップS902で入力データ作成処理を実行する。具体的には、各種センサやスイッチから入力情報(ON/OFF信号や、立ち上がり状態(ONエッジ、OFFエッジ))に基づき、入力データ作成する。
ここでの入力情報とは、例えば上始動口センサ34a、下始動口センサ35a、普通図柄始動口センサ37a、大入賞口センサ52a、一般入賞口センサ43a、OUT監視スイッチ49aなどの入賞検出スイッチから出力されるスイッチ信号のON/OFF情報(入賞検出情報)や、設定キースイッチ94、RAMクリアスイッチ98等の設定値Veの設定操作に係るスイッチから出力されるスイッチ信号のON/OFF情報(操作情報)や、払出制御基板29からの状態信号(前扉開放センサ61や満杯検出センサ60のON/OFF情報)等である。これにより、アウト口や各入賞口において遊技球が検出された否かが割込みごとに監視される。
ステップS902の入力データ作成処理を終えると、CPU201はステップS903で、遊技動作制御に用いられるタイマを管理するタイマ管理処理を実行する。ここでは、遊技機1の遊技動作制御に用いる各種タイマの値について更新(減算処理)が行われる。
次いで、CPU201はステップS904で、入力管理処理を行う。この入力管理処理では、入力データ作成処理(S902)で作成された入力データに基づき、入賞カウンタやOUT球監視カウンタの値などを更新する。「入賞カウンタ」とは、各入賞口に対応して設けられ、入賞した遊技球数(入賞球数)を計数するカウンタである。またOUT球監視カウンタは、アウト口49から排出される遊技球(アウト球)を計数するカウンタである。
ステップS904の入力管理処理は、各種入賞口センサからの入力信号(検出信号)を管理する入力管理手段として機能する。
ステップS904に続くステップS905でCPU201は、設定異常チェック処理を実行する。
図16は、ステップS905の設定異常チェック処理を示したフローチャートである。
図16において、CPU201はステップS1101で、設定値エラーフラグを確認する。設定値エラーフラグは、設定値Veの異常が認められた場合に以下で説明するステップS1103の処理によりセットされる(ONされる)フラグであり、本例では「5AH」がON状態を意味する。
ステップS1101において、設定値エラーフラグが「5AH」(ON状態)であれば、CPU201はステップS905の設定異常チェック処理を終える。すなわち、ステップS1101で設定値エラーフラグがONと判定されるということは、既に後述するステップS1104で設定値異常コマンド(演出制御部24に設定エラー報知の実行を指示するコマンド)の送信が実行されている状態であるため、設定値エラーフラグを再度送信することなく、設定異常チェック処理を終える。
一方、ステップS1101で設定値エラーフラグが「5AH」でない(OFFである)と確認された場合、CPU201はステップS1102で設定値Veが正常範囲内の値(0〜5の範囲内)であるか否かを判定する。具体的には、RAM203のワーク領域に格納されている設定値Veを取得し、値が「00H」〜「05H」の範囲にあるか否かを判定する。
設定値Veが正常範囲内の値であれば、CPU201はステップS905の設定異常チェック処理を終える。
設定値Veが正常範囲内の値でなければ、CPU201はステップS1103に進んで設定値エラーフラグをセット(ON状態)とし、続くステップS1104で設定値Veに異常が生じた旨を表すための設定値異常コマンドを演出制御部24に送信し、設定異常チェック処理を終える。
ここで、設定値エラーフラグは、後述する図18のステップS1308(入賞時の設定エラー判定)をはじめとして、図20におけるステップS1501(変動開始時の大当り乱数判定を行う際の設定エラー判定や、図23におけるステップS1701(変動開始時の変動パターン抽選を行う際の設定エラー判定)において用いられる。
ここで、上記の設定値異常コマンドを受け演出制御部24は、設定値Veのデータ異常を報知するための処理を行う。例えば、液晶表示装置36に「RAM異常です。係員を呼んで下さい。」等の表示を含む画像を表示させる処理を行う。
遊技機1において、設定エラー(設定値エラー)は、設定変更操作を行うことで解除可能とされている。
説明を図14に戻す。
CPU201はステップS905の設定異常チェック処理を終えると、ステップS906でエラー管理処理を実行する。このエラー管理処理では、各種センサ類に係る入力データや払出制御基板29からの状態信号に基づき、エラー発生の有無の監視を行う。
エラーが発生した場合には、CPU201はエラー処理として、エラーコマンドの送信が必要なエラー種別である場合には当該するコマンドを演出制御部24に送信する。演出制御部24がこのエラーコマンドを受けると、エラー種別に応じたエラー報知を実行する。また、CPU201は発生中のエラーが解消された場合、エラー解除コマンドを演出制御部24に送信する。演出制御部24がこのエラー解除コマンドを受けると、実行中のエラー報知を終了させる。
次いで、CPU201はステップS907で、各変動表示ゲームに係る乱数を定期的に更新するタイマ割込み内乱数管理処理を実行する。ここでは、乱数カウンタのカウント値をランダムなものとするために、特別図柄判定用乱数や補助当り判定用乱数などに対し、乱数の更新(割込み毎に+1加算)と、乱数カウンタが一周するごとに、乱数カウンタのスタート値を変更する処理を行う。なお内部抽選用乱数(大当り判定用乱数)は、乱数生成回路で生成されるので、ここで更新されることはない。
ステップS907に続くステップS908でCPU201は、賞球管理処理を実行する。この賞球管理処理では、上記の入賞カウンタの確認を行い、入賞がある場合には、賞球数を指定する払出制御コマンドを払出制御基板29に送信する。払出制御基板29は、払出制御コマンドを受信した場合、これに含まれる賞球数情報に基づき遊技球払出装置19を制御し、指定された賞球数分の払い出し動作を実行させる。
次いで、CPU201はステップS909で、普通図柄管理処理を実行する。この普通図柄管理処理では、普通図柄変動表示ゲームを実行させるために必要な処理を行う。ここでは、普通図柄始動口センサ37aにより遊技球が検出されたか否かを監視し、遊技球が検出された場合には補助当り抽選に必要な所定の遊技情報(補助当り判定用乱数など)を取得し(乱数取得処理)、その遊技情報を保留データ(普通図柄に関する作動保留球)として、最大保留球数を上限まで保留記憶する(保留記憶処理)。そして、普図に関する所定の変動表示開始条件が成立した場合、作動保留球に基づく補助当り抽選を行い、その補助当り抽選結果に基づく普通図柄の変動パターンの選択および普通図柄の停止表示態様(普通停止図柄)を決定する。またここでは、普通図柄を変動表示動作させるために、変動中であれば変動表示用のLED表示用データを作成し、変動中でなければ、停止表示用のLED表示用データを作成する。
さらに、CPU201はステップS910で、普通電動役物管理処理を実行する。この普通電動役物管理処理では、普電開放遊技の実行に必要な処理を行う。具体的には、補助当り抽選の抽選結果が当りの場合に、普通電動役物ソレノイド41cに対するソレノイド制御用データの設定処理を行う。ここで設定されたソレノイド制御用データに基づき、普通電動役物ソレノイド41cに対して励磁信号が出力され、これにより、可動翼片47の開閉動作パターンが制御される。
次いで、CPU201はステップS911で、特別図柄管理処理を実行する。この特別図柄管理処理では、主に、特別図柄変動表示ゲームにおける大当り抽選を行い、その抽選結果に基づいて、特別図柄の変動パターン(先読み変動パターン、及び変動開始時の変動パターン)や特別停止図柄の決定等、特別図柄変動表示ゲームに必要な処理が実行される。
なお、ステップS911の特別図柄管理処理の詳細については改めて説明する。
次いで、CPU201はステップS912で特別電動役物管理処理を実行する。この特別電動役物管理処理では、当り遊技を実行制御するために必要な設定処理を行う。具体的には、大当り抽選結果が大当りであった場合、その当り種別に対応した当り遊技(大当り遊技)を実行制御する。
具体的には、大入賞口ソレノイド52cに対するソレノイド制御用データの設定、ラウンド数のカウント(大当りの場合)、大入賞口50への最大入賞数及び開放時間の監視などを行う。また当り遊技が終了した場合は、当選時の遊技状態と当り種別とに基づく遊技状態の移行設定を行う。
またここでは、当り遊技の進行状況に応じて、複数の演出制御コマンドを送信する。大当り開始時、ラウンド遊技開始時、ラウンド遊技終了時、最大ラウンド数消化時などにおいて、それぞれ、大当り開始コマンド、ラウンド開始コマンド、ラウンド終了コマンド、大入賞口入賞コマンド、大当り終了コマンドを送信時期の到来に応じて送信する。上記大当り開始コマンドには、今回の当り種別情報が含まれ、演出制御部24側において、当り遊技中に展開される一連の当り演出シナリオを決定する際に利用される。また、大当り終了コマンドには、今回の当り種別とその当り当選時の遊技状態とに関する情報、つまり、当り遊技終了後の遊技状態を特定可能な情報が含まれ、演出制御部24側において、当り遊技後の演出モードを決定する際に利用される。従って、この「大当り終了コマンド」は、当り遊技終了後の遊技状態を特定し得ることから、遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドとしての役割を担う。
上記ステップS912までの遊技進行のための処理を終えると、CPU201はステップS913で、外部端子管理処理を行う。この外部端子管理処理では、枠用外部集中端子基板21を通して、遊技機1の動作状態情報をホールコンピュータHCや島ランプなどの外部装置に対して出力する。動作状態情報には、例えば、当り遊技発生情報、図柄変動表示ゲーム実行開始情報、入賞数・賞球数情報、エラー情報などの遊技情報がある。
次いで、CPU201はステップS914で、LED管理処理を実行する。このLED管理処理では、普通図柄表示装置39a、特別図柄表示装置38a、38b、設定・性能表示器97などのLED表示器に対する制御信号(ダイナミック点灯データ)の出力制御を行う。普通図柄管理処理(ステップS909)、特別図柄管理処理(ステップS911)などで作成された表示用データに基づく制御信号は、このLED管理処理で対応する表示装置又は表示器に出力され、表示制御が行われる。これにより、特別図柄表示装置38a、38bにおける特別図柄や普通図柄表示装置39aにおける普通図柄の一連の変動表示動作(変動表示および停止表示)等が実現される。
ステップS914に続くステップS915でCPU201は、全レジスタの値を退避させた上で、ステップS916の性能表示モニタ表示処理を行う。すなわち、設定・性能表示器97に前述した通常時比率情報としての値を表示させるための処理である。
先に触れたように本例の場合、通常時比率情報の値は全状態アウト球数が所定規定値に達するごとに演算し直されるものであり、設定・性能表示器97は、現在の通常時比率情報と前回の通常時比率情報(直近の演算し直しタイミングにおいて演算終了とされた通常時比率情報)とを表示可能とされている。このため、この場合のステップS916の表示処理では、設定・性能表示器97にこれら二種の通常時比率情報としての値を表示させる処理を行う。
なお、現在の通常時比率情報の値は、前述したメインループ処理(図11)におけるステップS604の処理で算出される値であり、前回の通常時比率情報の値は、RAM203の所定領域に保存され、CPU201は該保存値を読み出して設定・性能表示器97に表示させる。
次いで、CPU201はステップS917で全レジスタの値を復帰させ、ステップS918でWDTのカウント値をクリアし、主制御側タイマ割込み処理を終える。
以上のタイマ割込み処理が終了すると、CPU201は次のタイマ割込みが発生するまでの間、メインループ処理(S123)を実行する。
[4-3.特別図柄変動表示ゲームに係る処理]
(特別図柄管理処理)

次に、特別図柄変動表示ゲームに係る主制御部20の処理について説明する。
図17は、先に述べた特別図柄管理処理(ステップS911)を示したフローチャートである。前述のように、特別図柄管理処理は、図14に示した主制御側タイマ割込み処理の一部処理として実行されるものであり、主に、特別図柄変動表示ゲームにおける大当り抽選と、抽選結果に基づく特別図柄の変動パターン(先読み変動パターン、及び変動開始時の変動パターン)や特別停止図柄の決定等が行われる。
図17において、CPU201は、先ずステップS1201で特別図柄1側(上始動口34側)についての特図1始動口チェック処理を行い、続くステップS1202で特別図柄2側(下始動口35側)についての特図2始動口チェック処理を行う。
なお、これら始動口チェック処理の詳細については図18を参照して改めて説明する。
ステップS1201、S1202の始動口チェック処理を終えると、CPU201はステップS1203で条件装置作動フラグの状態を判定する。この「条件装置作動フラグ」とは、大当り遊技中であるか否かを指定するためのフラグであり、当該フラグがON状態(例えば5AH)である場合には大当り遊技中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(例えば00H)である場合には大当り遊技中ではない旨を示す。
条件装置作動フラグがOFF状態(≠5AH)の場合、すなわち大当り遊技中でない場合、CPU201はステップS1204の特別図柄動作ステータス分岐処理に進み、特別図柄動作ステータス(00H〜03H)に応じて特別図柄の変動表示動作に関する処理を行う(ステップS1205、S1206、S1207)。
一方、ステップS1203で大当り遊技中と判定した場合(=5AH)、CPU201はステップS1205〜S1207の特別図柄の変動表示動作に関する処理を行わずに、そのままステップS1208の特別図柄表示データ更新処理に進む。すなわち、大当り遊技中である場合には、特別図柄の変動表示動作は行われない(特別図柄表示装置の特別図柄の表示状態は、大当り後に確定表示されたままの状態が保持される)。なお「特別図柄動作ステータス」とは、特別図柄の挙動を示すステータス値であり、該ステータス値は処理状態に応じて変更され、RAM203の特別図柄動作ステータス格納領域に格納される。
ステップS1204の特別図柄動作ステータス分岐処理では、特別図柄動作ステータスが「待機中(00H、01H)」「変動中(02H)」「確認中(03H)」の何れのステータス値であるかに応じて、それぞれ対応する処理を実行する。
具体的に、CPU201は、特別図柄動作ステータスが「待機中(00H、01H)」である場合には特別図柄変動開始処理(ステップS1205)を、「変動中(02H)」である場合には特別図柄変動中処理(ステップS1206)を、「確認中(03H)」である場合には特別図柄確認時間中処理(ステップS1207)をそれぞれ実行する。ここで、上記「待機中」とは、特別図柄の挙動が次回変動のための待機状態である旨を意味し、上記「変動中」とは特別図柄の挙動が変動(変動表示)中である旨を意味し、上記「確認中」とは特別図柄の変動が終了して停止(確定)表示中(特別図柄確認時間中)である旨を意味する。
なお、ステップS1206の特別図柄変動中処理では、特別図柄が変動中であるか否か、つまり特別図柄の変動時間が経過したか否かを監視し、変動時間が経過したならば、演出制御コマンドとして、「変動停止コマンド」を演出制御部24に送信する処理や、特別図柄役物動作タイマに確定表示時間(例えば500ms)を格納し、特別図柄動作ステータスを「確認中(03H)」に切り替える(特別図柄動作ステータスに03Hを格納する)処理などを行う。上記「変動停止コマンド」とは、特別図柄の変動が終了したことを示すコマンドであり、この変動停止コマンドにより演出制御部24は、特別図柄の変動時間経過して特別図柄変動表示ゲームが終了したこと(終端)を把握し、現在変動表示中の装飾図柄を停止表示させる。これにより、特別図柄変動表示ゲームの終了とともに、装飾図柄変動表示ゲームも終了することになる。また、上記「確定表示時間」とは、特別図柄の変動表示が終了して特別図柄の停止表示した際、その停止表示を保持する時間(停止表示時間)である。
また、ステップS1207の特別図柄確認時間中処理では、上述の確定表示時間が経過したか否かを監視し、確定表示時間が経過したならば、今回の特別図柄変動表示ゲームが終了したとして、特別図柄動作ステータスを「待機中(01H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに01Hを格納)、今回の特別図柄変動表示ゲームが大当りであれば、大当り遊技を開始するために要する処理(大当り図柄停止時の各種設定処理)を行う。大当り図柄停止時の各種設定処理では、大当り遊技移行前処理として、大当り判定フラグをクリアして条件装置作動フラグをON状態にし、遊技状態を通常状態と同様の遊技状態に設定する等の各種設定処理を行う。
また、ステップS1207の特別図柄確認時間中処理では、遊技状態が更新された場合に、遊技状態の移行情報を含む「遊技状態指定コマンド」を演出制御部24に送信する処理を行う。演出制御部24は、遊技状態指定コマンドにより遊技状態が移行した旨を把握することができる。
上記のステップS1205、S1206、S1207の処理により、特別図柄の変動開始及び変動停止を1セットする変動表示動作が実現されることになる。
なお、ステップS1205の特別図柄変動開始処理の詳細については図19を参照して改めて説明する。
ステップS1205〜S1207の何れかの処理を終えると、CPU201はステップS1208の特別図柄表示データ更新処理を実行する。この特別図柄表示データ更新処理では、特別図柄が変動中であるか否かを判定し、変動中であれば、特別図柄変動中の7セグ表示用データを作成し、特別図柄が変動中でなければ、特別図柄停止表示中の7セグ表示用データを作成する。ここで作成した特別図柄の表示データは、図14のLED管理処理(ステップS914)によって特別図柄表示装置38a、38bに出力される。
CPU201は、ステップS1208の更新処理を実行したことに応じてステップS911の特別図柄管理処理を終え、図14に示したステップS912の特別電動役物管理処理に進む。
(特図1始動口チェック処理)

図18のフローチャートを参照し、特図1始動口チェック処理(ステップS1201)について説明する。
この特図1始動口チェック処理は、所定の始動条件の成立に基づいて実行される入賞時処理としての役割を果たす。本例における特図1始動口チェック処理では、特図1側の特別図柄変動表示ゲーム1を実行させるための開始前処理(特図1側の入賞時処理)として、上始動口34の入賞発生に起因した特図1側の作動保留球数の加算処理、各種乱数の記憶処理(保留記憶処理)、保留加算コマンドの送信処理等が実行される。
なお、特図2始動口チェック処理(ステップS1202)も、特図1始動口チェック処理と同じく、所定の始動条件の成立に基づいて実行される入賞時処理としての役割を果たし、特図2側の特別図柄変動表示ゲーム2を実行させるための開始前処理(特図2側の入賞時処理)として、下始動口35の入賞発生に起因した特図2側の作動保留球数の加算処理、各種乱数の記憶処理、及び保留加算コマンドの送信処理等が実行される。従って、特図1始動口チェック処理と特図2始動口チェック処理とは実質的に同一の処理内容となっている。以下では、特図1始動口チェック処理を中心に説明し、特図2始動口チェック処理についての詳細は、重複記載を避けるために省略する。
図18において、CPU201は、先ずステップS1301で、上始動口34への入賞(入賞球)を検出したか否かを判定する。
上始動口34への入賞を検出した場合、CPU201はステップS1302に進んで特別図柄1の作動保留球(以下、「特図1作動保留球」と称する)の数が4以上であるか否か判定する。すなわち、特図1作動保留球の数が最大保留記憶数(ここでは、上限4個)以上であるか否かを判定する。ただし、上始動口34の入賞検出がなかった場合(ステップS1301:N)は、何もせずにステップS1201の特図1始動口チェック処理を終える。
ステップS1302で特図1作動保留球数が4以上であった場合、つまり上始動口34の入賞を検出したが特図1作動保留球数が4以上である場合、CPU201は後述のステップS1311に進み、一方、特図1作動保留球数が4以上でない場合(4未満の場合)は、特図1作動保留球数に1を加算して(ステップS1303)、ステップS1304の処理に進む。
ステップS1304でCPU201は、今回発生した特図1作動保留球に係る特別図柄変動表示ゲーム1に利用される各種乱数を取得する。具体的には、各種の乱数カウンタから、大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、変動パターン用乱数の現在値を取得し、その取得した乱数値をRAM203の保留記憶エリアに格納する。この保留記憶エリアは、図柄変動表示ゲームに係る所定の遊技情報を作動保留球(保留データ)として記憶する領域であり、この保留記憶エリアには、保留データとしての上記の各種乱数値が、特別図柄1の変動表示動作に供されるまで(特別図柄変動表示ゲーム1実行時まで)、始動条件の成立順(入賞順)に保留記憶されていく。上記保留記憶エリアには、特別図柄1側と特別図柄2側とに対応した保留記憶エリア、すなわち、特図1保留記憶エリアと、特図2保留記憶エリアとが設けられている。これら保留記憶エリアには、保留1記憶エリア〜保留n記憶エリア(nは最大保留記憶数:本実施形態ではn=4)が設けられており、それぞれ最大保留記憶数分の保留データを格納可能となっている。
ステップS1304に続くステップS1305でCPU201は、保留加算コマンドを作成するための入賞コマンドデータ(保留加算コマンドの下位バイト側(EVENT)に相当するデータ)として、先読み判定を禁止する先読み禁止データ(EVENT:「01H」)を取得する。
次いで、CPU201はステップS1306で、「特図1先読み禁止条件」が成立しているか否かを判定する。特図1先読み禁止条件とは、特図1作動保留球を対象とした先読み判定を禁止する条件である。
特図1先読み禁止条件が成立している場合、CPU201は先読み判定に関する先読み判定処理(ステップS1309)を実行せずに、ステップS1311に進む。この場合、先読み禁止データ(EVENT:「01H」)を持つ保留加算コマンドが先読み禁止を指定するものとなり、今回の特図1作動保留球を対象とした先読み判定が禁止され、その結果、先読み予告演出も実行されないことになる。換言すれば、上記先読み禁止データは、先読み判定処理(ステップS1309)を実行していない旨を指定するものと言える。
本例では、遊技状態によらず特図1及び特図2の先読み判定を行うのではなく、現在の遊技状態に基づいて、先読み禁止か否かを判定するようになっている。その理由は次の通りである。
右打ち有利となる‘電サポ有り’を伴う遊技状態中である場合(時短状態、確変状態)である場合には、下始動口35への入賞が頻繁に発生するが、左打ち有利となる‘電サポ無し’を伴う遊技状態中である場合(通常状態、潜確状態)には、下始動口35への入賞がほぼ発生せずに上始動口34への入賞が頻繁に発生することを考慮し、遊技状態によらず特図1及び特図2の先読み判定を闇雲に行うのではなく、‘電サポ有り’の時短状態又は確変状態である場合には特図1側の先読み判定を禁止して特図2側の先読み判定を許容し、‘電サポ無し’の通常状態又は潜確状態である場合には特図2側の先読み判定を禁止して特図1側の先読み判定を許容するようになっている。
ステップS1306において、特図1先読み禁止条件が成立していない場合、CPU201はステップS1307で設定値エラーフラグ(ステップS905の設定異常チェック処理でセットされるフラグ)を参照し、続くステップS1308で設定エラーか否か(設定値エラーフラグがON状態:5AHであるか否か)を判定する。
設定エラーである場合、CPU201は異常(設定値データ異常)が発生したとして、先読み判定処理(ステップS1309)は実行せずに、ステップS1311に進む。詳細は後述するが、入賞時の処理において設定値Veの異常が認められた場合、RAMエラーとせずに、先読み禁止データ(01H)を含む保留加算コマンドを送信して、ステップS1201の始動口チェック処理を抜けることになる。
一方、設定エラーでなかった場合、CPU201はステップS1309の先読み判定処理を実行する。この先読み判定処理では、変動開始時に実行される大当り抽選結果を先読み判定する。従って、当落抽選結果を先読み判定する‘先読み当落判定’と、図柄抽選結果を先読み判定する‘先読み図柄判定’と、変動開始時の変動パターンを先読み判定する‘先読み変動パターン判定’とに関する一連の処理が含まれる。
具体的に、ステップS1309においてCPU201は、先ずRAM203(判定用乱数記憶エリア)に格納された大当り判定用乱数値を取得し、該大当り判定用乱数値と「当り乱数判定テーブル」(不図示)とに基づいて、今回の作動保留球を対象とした当落抽選(少なくとも大当り、はずれの別を決定する先読み当落判定)を行い、その結果(「先読み当落結果」と称する)を取得する。
なお、本実施形態では、当落判定(当落抽選)には設定値Veが用いられるが、このような設定値Veに基づく本実施形態としての当落判定の具体的な手法については後に改めて説明する。当落判定は、特別図柄の変動開始時の処理(図19)においても同様に行われるため、当落判定の具体的な手法の説明は、該変動開始時の処理の説明時に改めて行う。
ここで、本実施形態では、先読み当落結果はCPU201内蔵の所定の汎用レジスタに取り込んだまま、RAM203に格納しない。これは、先読み当落判定結果が、この後の先読み図柄判定の処理で直ちに利用され、このデータが必要とされることがなく、RAM203に記憶する必要が無いためである。
また、ステップS1309でCPU201は、上記した先読み図柄判定の処理として、先読み当落結果(少なくとも当り、はずれの別)と特別図柄種別(特図1、2)とに応じた図柄テーブル(不図示)を用いた図柄抽選を行う。具体的にCPU201は、先のステップS1304で取得した特別図柄判定用乱数値と図柄テーブルとに基づき、今回の作動保留球を対象とした図柄抽選(当り種別の抽選)を行い、その結果(「先読み図柄結果」と称する)を取得する。本実施形態の「図柄テーブル」には、図柄種別を決定するための判定値(当選領域)が定めらており、特別図柄判定用乱数値が何れの判定値に属するかにより、停止図柄として表示すべき特別図柄の種類が決定される。
なお、本例のようにはずれ種別が複数種類ある場合には、はずれ種別決定用のはずれ図柄テーブルを設ける。はずれが1種類のみであれば、はずれ図柄テーブルは不要である。
ここで、本例では、はずれの種類が「はずれ1」「はずれ2」「はずれ3」の複数あることに対応して、図柄判定においてははずれ種別を抽選するためのはずれ図柄テーブルが用いられるとする。
また、本例において、当りの種別は、前述したように少なくとも「通常4R」「通常6R」「確変6R」「確変10R」の4種があり、上記のはずれ図柄テーブルとは別途に設けられた当り図柄テーブルに基づき、これら4種の当り種別のうち特別図柄判定用乱数値に応じた当り種別に対応する特別図柄の種類が決定される。
ここで、上記した図柄テーブルの一部又は全部について、設定値Veに応じて異なる図柄選択率を定めた図柄テーブルを設けてもよい。例えば、大当り図柄テーブルについて、設定1〜6ごとに、大当り種別の選択率が異なるテーブル(例えば、設定6段階に対応した6種類の大当り図柄テーブル)を設けることができる。例えば、高設定となるに従い出玉性能が遊技者にとって有利となるようにテーブル内容を定めることが考えられる。勿論、各設定で共通の大当り図柄テーブルであってもよい。また、ステップS1309で用いる図柄テーブルは、変動開始時の処理(図19)にも利用される。
CPU201は、先読み図柄結果を、上述した先読み当落判定のときと同様にCPU201内蔵の所定の汎用レジスタに取り込んだまま、RAM203に格納しない。これは、先読み図柄結果が、この後の先読み変動パターン判定で直ちに利用され、このデータが必要とされることがなく、RAM203に記憶する必要が無いためである。
上記の先読み図柄判定を終えると、CPU201は先読み変動パターン判定を実行する。この先読み変動パターン判定では、上記の先読み図柄結果(本例では「通常4R」「通常6R」「確変6R」「確変10R」「はずれ1」「はずれ2」「はずれ3」の何れかを表す)と、該先読み図柄結果に応じた変動パターンを選択するための変動パターンテーブルと、ステップS1304で取得した変動パターン用乱数とを利用した変動パターンの抽選を行い、先読み変動パターン決定する。すなわち、今回の作動保留球が変動表示動作に供されるときに実行される変動パターン(変動開始時の変動パターン)を先読み判定する。
本例では、上記の変動パターンテーブルは、変動開始時の処理(図19)で行われる変動パターンの抽選においても利用される。
上記の変動パターンテーブルの具体例、及び該テーブルを用いた変動パターンの抽選処理については、変動開始時の処理の説明時に改めて説明する。
なお、先読み変動パターン判定結果(入賞コマンドデータ(EVENT))は、以下で説明するステップS1310の保留加算コマンド作成処理で直ちに利用され、その後、このデータが必要とされることはない。従って、CPU201は、先読み変動パターン判定の結果をRAM203に格納することなくレジスタに取り込んだまま、ステップS1309の処理を終えるようになっている。
ステップS1309の先読み判定処理を実行したことに応じ、CPU201はステップS1310に進み、先読み判定結果に応じた保留加算コマンドの下位バイト側のデータを作成する。具体的には、先読み変動パターンの種類を表すデータを、保留加算コマンドの下位バイト側の入賞コマンドデータ(EVENT)として作成する。
なお、EVENTのデータについては、ステップS1305で設定された「01H」が、本処理にて先読み変動パターンに対応する値(先読み変動パターン判定処理で得られた値)に更新されることになる。
ステップS1310の作成処理を終えると、CPU201はステップS1311で、作動保留球数に応じた保留加算コマンドの上位バイト側のデータを作成する。すなわち、現在の作動保留球数と、上述した先読み図柄結果(特別図柄種別)とを表すデータを保留加算コマンドの上位バイト側の入賞コマンドデータ(MODE)として作成する。
即ち、該MODEのデータについては、特図1の保留1個〜特図1の保留4個、及び、特図2の保留1個〜特図2の保留4個を識別可能に設定される。
ステップS1311の作成処理を実行したことに応じ、CPU201はステップS1312で、保留加算コマンドの送信処理を行う。すなわち、ステップS1310、S1311で作成した入賞コマンドデータをそれぞれEVENT、MODEとして含む保留加算コマンドを作成し、演出制御部24に送信する。
ここで、先読み禁止条件である場合(S1306でYの場合)や、先のステップS1308の判定処理で設定値Veの異常が認められた場合、CPU201は上述した先読み禁止データ(下位バイト=01H)を更新せずにそのまま維持し、先読み禁止データを持つ保留加算コマンドを送信する。
また、オーバーフロー時(最大保留記憶数に達しているときに、新たな入賞が発生した場合)は、オーバーフロー指定の保留加算コマンドが送信されるようになっている(ステップS1302のYの処理ルート参照)。
なお、保留加算コマンドは、主制御部20から演出制御部24に送られた後は、演出制御部24側において今回の作動保留球に係る「先読み予告演出」を現出する際に利用されるだけであり、図19に示す特別図柄変動開始処理において特に利用されるものではない。従って、CPU201は保留加算コマンドもRAM203に格納することなく、ステップS1301の特図1始動口チェック処理を抜けて、続いてステップS1302の特図2始動口チェック処理を行うことになる。
ここで、上記のように本例では、入賞時(作動保留球発生時)において設定値Veのデータに異常が生じた場合であっても、保留加算コマンドを送信するが、この保留加算コマンドは、先読み禁止データを持つコマンドであるので、設定値Veに基づく先読み予告演出、又は設定値Veに基づかない先読み予告演出を現出可能に構成している場合であっても、先読み予告に係る演出制御自体が禁止されるため、不具合に起因する先読み予告が現出されることがなく、遊技者に不利益になることもないので、特に問題は生じない。仮に、先読み予告演出を禁止しない場合、設定値Veが異常であるにもかかわらず、保留表示系の先読み予告演出にて、高期待度の保留表示が現出された場合、その後のRAMエラー処理(設定値異常に起因したエラー処理)により遊技進行が停止してしまうと、遊技者が抱いていた当選期待感が一気に消滅してしまい、遊技機に対する大きな不信感を招来してしまう。しかし本例の場合は、上述したように、先読み予告自体を禁止しているので、このような問題を生じさせず、遊技者に不信感を抱かせることの防止が図られる。
(特別図柄変動開始処理)

続いて、図19のフローチャートを参照して、変動開始時の処理である特別図柄変動開始処理(ステップS1205)について説明する。
図19において、CPU201は先ずステップS1401で、特図2作動保留球数がゼロか否かを判定し、特図2作動保留球数がゼロでない場合には、ステップS1403の処理に進み、今回の変動表示に供する特図2作動保留球を対象とした変動開始時の処理(ステップS1403〜S1412)を行う。
一方、特図2作動保留球数がゼロの場合、CPU201はステップS1402で、特図1作動保留球数がゼロか否かを判定し、特図1作動保留球数がゼロでない場合には、ステップS1403の処理に進み、今回の変動表示に供する特図1作動保留球を対象とした特別図柄の変動開始に係る処理(ステップS1403〜S1412)を行う。
上記のステップS1401とS1402の処理により、特図1作動保留球と特図2作動保留球のどちらを優先的に変動表示動作に供するか(どちらの作動保留球を優先的に消化していくか)の「優先変動順位」が定まる。本実施形態では、特図1作動保留球と特図2作動保留球の双方に作動保留球が存在する場合、特図2作動保留球が優先的に消化される。つまり、特別図柄変動表示ゲーム1よりも特別図柄変動表示ゲーム2の方が優先的に実行される。なお、上述の優先変動タイプに限らず、入賞した順番通りに作動保留球を消化していく構成としてもよい。
なお、特図2作動保留球数と特図1作動保留球数の双方の作動保留球数がゼロである場合、「作動保留球なし」の状態となる。この「作動保留球なし」の状態は、特別図柄が待機中であり、且つ保留記憶無しの状態となった場合であり、この状態に突入したことを演出制御部24側に知らせて、液晶表示装置36に対し、客待ち待機用のデモ画面表示(客待ちデモ画面)に切り替え制御させる。そこで、「作動保留球なし」になった場合は、ステップS1413に進み、特別図柄動作ステータスが上記「作動保留球なし」の状態を示す「待機中(00H)」であるか否かを判定する。
ステップS1413において、特別図柄動作ステータスが「待機中(01H)」であった場合には、特別図柄動作ステータスを「待機中(00H)」に切り替える(特別図柄動作ステータスに00Hを格納する)。そして、演出制御コマンドとして、客待ちデモ画面を表示させるための「デモ表示コマンド」を演出制御部24に送信し(ステップS1415)、ステップS1205の特別図柄変動開始処理を終える。
以後、ステップS1413の判定処理が実行されるときに「待機中(00H)」であれば、再度、デモ表示コマンドを送信することなく特別図柄変動開始処理を終える。このようにする理由は、作動保留球数がゼロの場合に条件なしにデモ表示コマンドを送信すると、特図作動保留球数がゼロである間は4msの周期でデモ表示コマンドの送信を繰り返すことになり、不必要な送信が発生し、無闇に制御負担が増してしまうことを考慮し、その防止を図るためである。
ステップS1401で特図2作動保留球数がゼロでない場合、及びステップS1402で特図1作動保留球数がゼロでない場合(特図2作動保留球数がゼロである一方、特図1作動保留球数がゼロでない場合)のそれぞれにおいて、CPU201は今回の変動表示に供する作動保留球を対象とした特別図柄の変動開始時に係る処理(ステップS1403〜S1412)を行っていく。
ここで、以下に説明するステップS1403〜S1412の処理については、上記のステップS1401の判定で‘NO’であった場合は特図2作動保留球を対象とした処理、上記のステップS1402の判定で‘NO’であった場合は特図1作動保留球を対象とした処理となるが、処理の仕方は同じであるため、重複記載を避けるために特に必要が無い限り、特別図柄1側の作動保留球を対象とした処理であるか、特別図柄2側の作動保留球を対象とする処理であるかの区別はせずに説明していく。
ステップS1403でCPU201は、作動保留球数を1減算し(今回の変動表示動作に供する特別図柄側に係る作動保留球数−1)、続くステップS1404で減算後の作動保留球数情報を含む「保留減算コマンド」を演出制御部24に送信する。この保留減算コマンドにより、演出制御部24側は、今回の作動保留球数消化後の残余作動保留球数を把握し、現在表示中の保留表示をシフト表示させる。
次いで、CPU201はステップS1405で、特別図柄作動確認データを設定する。この特別図柄作動確認データは、今回の変動開始側の特別図柄種別を指定する情報であり、例えば、特別図柄1が変動開始側であるならば「00H(特図1変動開始指定)」を、特別図柄2が変動開始側であるならば「01H(特図2変動開始指定)」を、RAM203の所定領域(特別図柄作動確認データ格納領域)に格納する。
次いで、CPU201はステップS1406で、RAM203の保留記憶エリアに格納されている保留データをシフトし、続くステップS1407で保留4記憶エリアをクリアする。このステップS1406〜S1407の処理では、保留記憶数n=1に対応する保留記憶エリア(保留1記憶エリア)に格納されている保留データ(大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、及び変動パターン用乱数)を読み出し、RAM203の判定用乱数記憶エリアに格納するとともに、保留n記憶エリア(n=2、3、4)に対応する保留記憶エリア(保留2記憶エリア、保留3記憶エリア、保留4記憶エリア)に格納されている保留データを、それぞれ‘n−1’に対応する保留記憶エリアに格納し(ステップS1406)、保留4記憶エリアをクリアして空き領域を設ける(ステップS1407)。これにより、特別図柄変動表示ゲームの開始順番は、作動保留球数n(n=1、2、3、4)の順番と一致し、始動口入賞時に取得された作動保留球が何れの保留記憶エリアに対応するものであるかが特定されるとともに、新たな作動保留球の保留記憶が可能になる。
次いで、CPU201はステップS1408で、変動回数残指定コマンド、遊技状態コマンドを送信する処理を行う。このステップS1408では、電サポ有り状態の残余回数をカウントする「電サポ回数カウンタ」がゼロであるか否かを判定し、残りの時短回数がある場合は、その残り時短回数情報を含む「変動回数残指定コマンド」を演出制御部24に送信する。この「変動回数残指定コマンド」により、演出制御部24側は、残りの時短回数を把握し残り時短回数情報を報知する処理を実行可能とされる。
またステップS1408では、現在の遊技状態を指定する遊技状態コマンドを演出制御部24に送信する処理も行う。
次いで、CPU201はステップS1409で変動管理処理を実行する。
この変動管理処理では、変動開始時に対応した大当り抽選、停止図柄についての図柄抽選、及び変動パターンの抽選が行われる。また、該変動管理処理では、設定値Veの異常判定が行われ、設定値Veのデータに異常が認められる場合には演出制御部24に設定エラーを通知するための演出制御コマンド(RAM異常コマンド)を送信する処理が行われる。
なお、ステップS1409の変動管理処理の詳細については図20〜図28を参照して改めて説明する。
ステップS1409の変動管理処理を終えると、CPU201はステップS1410で、変動表示中である旨を指定する特別図柄N変動中フラグ(N=1、2)に5AH(ON状態)を格納する。「特別図柄N変動中フラグ」とは、特別図柄1、2のうち対象とする何れかの特別図柄が変動中であるかを示すフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には対象の特別図柄が変動中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には対象の特別図柄が停止中である旨を示す。
なお、特別図柄1変動中フラグ(N=1)は特別図柄1側に対応し、特別図柄2変動中フラグ(N=2)は特別図柄2側に対応するものである。
次いで、CPU201はステップS1411で、変動開始時のコマンド送信処理を実行する。このコマンド送信処理では、ステップS1409の変動管理処理で選択された変動パターンの内容を演出制御部24側に知らせるべく、演出制御コマンドとして、その変動パターン内容を特定可能な変動パターン情報を含む「変動パターン指定コマンド」を作成し、演出制御部24に送信する。
また、該コマンド送信処理では、ステップS1409における図柄抽選結果に基づき、装飾図柄指定コマンドを作成し、演出制御部24に送信する。装飾図柄指定コマンドは、変動側の特別図柄種別を指定する上位バイト(MODE)と、当選種別を指定する下位バイト(EVENT)の2バイトで構成される。従って、この装飾図柄指定コマンドには、変動側の特別図柄種別と当選種別(図柄抽選結果)とに関する情報が含まれる。この装飾図柄指定コマンドは、当選種別に関する情報が含まれることから、演出制御部24側において、主として、リーチ状態を形成する際の装飾図柄の組合せ(リーチ図柄を構成要素とする図柄種)や、最終的に停止表示させる装飾図柄(装飾停止図柄)の組合せや、図柄変動表示ゲームにおいて当選種別に対応する予告演出などを決定する際に利用される。
そして、続くステップS1412でCPU201は、変動開始時設定処理として、特別図柄動作ステータス「変動中(02H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに02Hを格納)、判定用乱数記憶エリアと変動パターン用乱数記憶エリアをクリアする処理を行う。
ステップS1412の変動開始時設定処理を実行したことに応じ、CPU201はステップS1205の特別図柄変動開始処理を終える。CPU201は、特別図柄変動開始処理を終えると、図17の特別図柄表示データ更新処理(ステップS1208)を行い、これにより特別図柄の変動表示が開始されることになる。
(変動管理処理)

図20は、ステップS1409の変動管理処理を示したフローチャートである。
図20において、CPU201は、先ずステップS1501で設定エラーか否かを判定する。すなわち、設定値エラーフラグがON状態(5AH)であるか否かを判定する。
ステップS1501において、設定エラーフラグがOFFであり設定エラーではないと判定した場合、CPU201はステップS1502の大当り乱数判定処理を実行した上で、ステップS1503の図柄抽選処理に進む。
ステップS1502の大当り乱数判定処理は、大当り判定用乱数(内部抽選用乱数)、大当り判定テーブル、及び設定値Veに基づいて大当り/はずれの当落種別を抽選により選択(判定)するものである。
なお、実施形態としての大当り乱数判定処理の詳細については図21及び図22を参照して改めて説明する。
また、CPU201は、ステップS1501で設定エラーであると判定した場合は、ステップS1502の大当り乱数判定処理をパスして、ステップS1503の図柄抽選処理に進む。
ここで、本実施形態では、設定エラーとなった場合(ステップS1501でYの判定結果が得られた場合)、該設定エラーが解消されない限り、大当り乱数判定処理が行われない。
先に説明した通り、設定エラーは、設定変更操作を行うことで解除できるものである。すなわち、設定エラー状態に陥った場合、設定変更操作を行って設定エラー状態を解除することで、大当り乱数判定処理が行われる状態に復帰される。
なお、前述のように、設定変更操作が行われるようにするための設定値異常コマンドは設定異常チェック処理(図16)において送信される。
ステップS1503の図柄抽選処理において、CPU201は、少なくとも当落抽選結果(大当り判定フラグ)、特別図柄判定用乱数、及び図柄テーブルに基づいて、当り/はずれの種別(停止図柄の種類)を決定する処理を行う。そして、その結果(特別図柄判定データ)をRAM203の所定領域(特別図柄判定データ記憶領域)に格納する。これにより、今回の特別図柄変動表示ゲームに係る当選種別(当り/はずれの種類)が決定される。
なお、先読み判定時の図柄抽選処理と同様、図柄抽選については設定値Veに応じた抽選を行うこともできる。
ステップS1503に続くステップS1504でCPU201は、変動パターン抽選処理として、少なくとも図柄抽選結果(上記の特別図柄判定データ)、変動パターン用乱数、及び変動パターンテーブルに基づき、今回の変動表示動作に供される作動保留球を対象とした変動開始時の変動パターンを抽選により決定する処理を行う。
具体的に、本実施形態における変動パターン抽選処理では、設定値Ve、及び作動保留球数(今回消化分を減算した作動保留球数)も利用した変動パターンの抽選を行う。
なお、本実施形態における変動パターン抽選処理の詳細については図23〜図28を参照して改めて説明する。
ステップS1504の変動パターン抽選処理を実行したことに応じ、CPU201はステップS1409の変動管理処理を終える。つまりこの後、処理は図19に示したステップS1410に進められる。
ここで、上記説明のように本例では、変動開始時における当落抽選や図柄抽選の抽選結果をRAM203に格納するものとしているが、その理由は、これらの抽選結果は、ステップS1409の変動管理処理が属する特別図柄管理処理(ステップS911:図14及び図17参照)のみで利用されるものではなく、後々の特別電動役物管理処理(ステップS912:図14参照)等においても利用されるデータだからである。
この点、抽選結果をRAM203に格納しない先読み判定時の処理とは異なる。
なお、図示による説明は省略するが、ステップS1409の変動管理処理では、当落抽選結果が当りである場合に、遊技状態を移行させるための設定処理として、当り遊技後の遊技状態を指定するための必要な設定処理を行う(遊技状態移行準備処理)。
(大当り乱数判定処理)

図21は、ステップS1502の大当り乱数判定処理を示したフローチャートであり、図22は、実施形態の大当り乱数判定手法の説明図である。
図21による大当り乱数判定処理の詳細説明に先立ち、図22を参照して実施形態で採用する大当り乱数判定手法について説明しておく。
先ず前提として、本実施形態では、大当り判定用乱数は0〜65535の65536通りの値をとり得る。本実施形態における大当り乱数判定では、このような大当り判定用乱数がとり得る値の範囲内において判定基準値THを定め、大当り判定用乱数と判定基準値THの大小関係を比較した結果に基づき、大当り/はずれの判定を行う。一例として、本例では、大当り判定用乱数の値が「0〜判定基準値TH」の範囲内である場合に大当りの判定結果を、それ以外の場合にはずれの判定結果を得る手法を採っている。
本実施形態では、大当り乱数判定として低確率時(通常状態時:以下「低確時」と略称する)に対応した判定と高確率時(確変状態時:以下「高確時」と略称する)に対応した判定の2種の判定を行う。このため、判定基準値THとしては、低確時の判定に用いる判定基準値TH1と、高確時の判定に用いる判定基準値TH2の2種が設定される。
図22に例示するように、高確時の判定基準値TH2は低確時の判定基準値TH1よりも値が大きくされ、これにより高確時の判定でより大当りの当選確率が高まるようにされている。
ここで、本例の場合、設定値Veに応じた大当り乱数判定とするため、判定基準値THとしては設定値Veに応じて異なる値を設定する。この際、本例では、単純に設定値Veごとの判定基準値THを用意するということはせず、基本とする単一の判定基準値TH(以下「基本判定基準値THr」と称する)と、設定値Veごとに定めたオフセット値とを用意し、基本判定基準値THrを設定値Veに応じたオフセット値によりオフセットすることで、設定値Veごとに異なる判定基準値THを設定するという手法を採る。
具体例として、本例では、低確時、高確時それぞれの基本判定基準値THr(以下、それぞれ符号を「THr1」「THr2」とする)、及び設定値Veごとのオフセット値を下記のように定めている。
・基本判定基準値THr1=00842
・基本判定基準値THr2=08429
・設定1
低確時のオフセット値=000 (TH1=00842)
高確時のオフセット値=000 (TH2=08429)
・設定2
低確時のオフセット値=001 (TH1=00843)
高確時のオフセット値=010 (TH2=08439)
・設定3
低確時のオフセット値=002 (TH1=00844)
高確時のオフセット値=020 (TH2=08449)
・設定4
低確時のオフセット値=003 (TH1=00845)
高確時のオフセット値=030 (TH2=08459)
・設定5
低確時のオフセット値=004 (TH1=00846)
高確時のオフセット値=040 (TH2=08469)
・設定6
低確時のオフセット値=005 (TH1=00847)
高確時のオフセット値=050 (TH2=08479)
ここで、本実施形態では、基本判定基準値THr1、THr2はそれぞれ2バイトによるデータとされ、オフセット値は1バイトによるデータとされる。
なお、上記では、大当り乱数判定における大当りの判定下限値を「0」とする例、すなわち、大当り判定用乱数が「0」〜「判定基準値TH」の範囲内であれば大当りの判定結果を得る場合を例示したが、該判定下限値は「0」よりも大きな数値とすることもできる。
上記の前提を踏まえ、図21に示す大当り乱数判定処理を説明する。
図21において、CPU201はステップS1601で、大当り判定用乱数が判定下限値未満であるか否かを判定する。判定下限値は、上記のように大当りの判定下限値(大当りとの判定結果が得られる数値範囲の下限値)であり、本例では「0」である。
大当り判定用乱数が判定下限値未満であれば、最早、はずれであることが確定されるため、以下で説明するステップS1602〜S1606の処理はパスして、ステップS1502の大当り乱数判定処理を終える。
なお、本例のように判定下限値=0である場合、大当り判定用乱数が0未満の値をとることは通常はあり得ないため、ステップS1601の処理を設けることは必須ではない。ステップS1601の処理は、判定下限値を0よりも大きな値とする場合に有効なものである。
ここで、ステップS1601で乱数が判定下限値未満と判定された場合等、はずれの判定結果が得られる場合には、大当り判定フラグとしては大当り(=5AH)でない、具体的にははずれ(=00H)である旨を表す値に更新されるべきであるが、ステップS1502の大当り乱数判定処理においては、大当り判定フラグをはずれである旨を表す00Hに更新する処理は行われない。
本例の遊技機1において、はずれの判定が得られる場合に対応して大当り判定フラグが00Hに更新されるのは、大当り判定フラグ=5AHであることが確認されたことに応じて大当り遊技が開始される際に、CPU201が大当り判定フラグをクリア(=00H)することによる(ステップS1207の特別図柄確認時間中処理の説明を参照)。
つまり、このように大当り遊技開始時に大当り判定フラグ=00Hとされることから、以降は図21に示すステップS1606で大当り判定フラグ=5AHに更新されない限り大当り判定フラグ=00Hとされるため、上記のようにはずれの判定結果が得られたことに応じて大当り判定フラグ=00Hに更新する処理は不要なものである。
ステップS1601において、乱数が判定下限値未満でなければ、CPU201はステップS1602で確変中であるか否かを判定する。この判定は、前述した遊技状態フラグを参照した結果に基づき行う。
確変中でなければ(通常状態であれば)、CPU201はステップS1603で低確の基本判定基準値THr1に設定に応じたオフセット値を加算する。つまりこれにより、現在の遊技状態(通常状態)と設定値Veとに応じた判定基準値TH1が算出される。
一方、確変中であれば、CPU201はステップS1604で高確の基本判定基準値THr2に設定に応じたオフセット値を加算する。これにより、現在の遊技状態(確変状態)と設定値Veとに応じた判定基準値TH2が算出される。
ステップS1603で判定基準値TH1を、又はステップS1604で判定基準値TH2を算出したことに応じ、CPU201はステップS1605で大当り判定乱数が算出した判定基準値TH未満(乱数<判定基準値TH)であるか否かを判定する。
乱数<判定基準値THであれば、CPU201はステップS1606で大当り判定フラグを5AHに更新した上でステップS1502の大当り乱数判定処理を終え、乱数<判定基準値THでなければステップS1606をパスしてステップS1502の大当り乱数判定処理を終える。
なお、上記では、オフセット値によって大当り判定の上限値側をオフセットさせる例を挙げたが、判定下限値側をオフセットさせることも勿論可能である。
また、上記では、設定値Veごとに異なるオフセット値を定める例を挙げたが、一部の設定値Ve間で共通のオフセット値が用いられてもよく、また、基本判定基準値THrは一部の設定値Ve間で異なる値を用いることもできる。一部の設定値Ve間で共通のオフセット値が用いられても、一部の設定値Ve間で異なる基本判定基準値THrが設定されている場合には、設定値Veごとに異なる判定基準値THを設定することが可能である。
上記のように本実施形態の大当り乱数判定においては、異なる設定値Ve間で共通に定められた基本判定基準値(THr1、THr2)と、異なる設定値Ve間で異値に定められた基本判定基準値についてのオフセット値とに基づき、設定値Veに応じた判定基準値(TH1、TH2)を算出し、該算出した判定基準値に基づいて当落判定を行っている。この際、基本判定基準値は2バイトデータ、オフセット値が1バイトデータで構成されている。
このような構成により、設定値Veに応じた当落判定を実現するにあたって、遊技機1の記憶手段(メモリ)に設定値Veごとに異なる判定基準値を記憶させておく必要がなくなる。すなわち、メモリには、異なる設定値Ve間で共通とされた基本判定基準値と、基本判定基準値よりもデータ容量の小さいオフセット値とを記憶させれば済む。
従って、メモリ容量の削減を図ることができる。
更なるメモリ容量の削減が図られるように遊技機1を構成することも可能である。例えば、オフセット値の代わりに設定値Veを用いることでオフセット値を記憶するための記憶容量を削減することができる。具体的に、先の例では、基本判定基準値Thr1に対して設定値Veそのものを加算することにより設定値Veごとに異なる判定基準値TH1を算出することができる。また、来御本判定基準値Thr2に対して設定値Veに10を乗算した値を加算することにより判定基準値TH2を算出することが可能である。
(変動パターン抽選処理)

図23〜図28を参照して、変動パターン抽選処理について説明する。
図23は、ステップS1504の変動パターン抽選処理を示したフローチャートである。
先ず、CPU201はステップS1701で、設定エラーフラグに基づき設定エラーか否かを判定し、設定エラーでなければ、ステップS1702で当りか否かを判定する。すなわち、大当り判定フラグに基づき、大当り(=5AH)であるか否かを判定する。
ステップS1702において、当りでない(はずれである)と判定した場合、CPU201はステップS1703ではずれ変動パターンテーブルを選択した上で、ステップS1706の変動パターン選択処理に進む。すなわち、テーブルと変動パターン用乱数に基づいて変動パターンを選択する処理である。
一方、ステップS1702において当りと判定した場合、CPU201はステップS1704で当り変動パターンテーブルを選択した上で、ステップS1706の変動パターン選択処理に進む。
図24は、はずれ変動パターンテーブルの一例を、図25は当り変動パターンテーブルの一例をそれぞれ示している。
先ず前提として、はずれ変動パターンテーブル、当り変動パターンテーブルとしては、それぞれ特図1用の変動パターンテーブルと特図2用の変動パターンテーブルとが用意されている。
図24に示すはずれ変動パターンテーブルを用いて行われるはずれ時の変動パターン抽選においては、抽選候補の変動パターン(抽選により選択され得る変動パターン)が「通常変動4s」「通常変動6s」「通常変動8s」「通常変動12s」「ノーマルリーチ」「スーパーリーチ1」「スーパーリーチ2」「スーパーリーチ3」「スーパーリーチ4」の9種とされる。
また、図25に示す当り変動パターンテーブルを用いて行われる当り時の変動パターン抽選においては、抽選候補の変動パターンが「通常変動当り」「スーパーリーチ1」「スーパーリーチ2」「スーパーリーチ3」「スーパーリーチ4」の5種とされる。
なお、「通常変動」について、併記する数値は変動時間を表し、数値後の「s」は「秒」を意味する。
ここで、上記した変動パターンのうち、特に「通常変動4s」「通常変動6s」「通常変動8s」「通常変動12s」は、当り時に選択されないいわば「はずれ」に対応した変動パターンに属する(以下「はずれ変動パターン」と称することもある)。
本実施形態では、はずれ時の変動パターン抽選は、特図1、2の別に関わらず、はずれ種別(はずれ1、2、3)ごとに異なる変動パターンテーブルを用いて行われる(図24参照)。
ここで、本実施形態において、「はずれ1」「はずれ2」「はずれ3」の各はずれ種別については、図柄抽選による選択率(該当種別が選択される率)が異なるものとされ、「はずれ1」が最も選択率が高く、「はずれ2」「はずれ3」は「はずれ1」よりも選択率が低くされている。具体的に、本例では、「はずれ1」の選択率は「190/200」、「はずれ2」「はずれ3」の選択率はそれぞれ「5/200」等とされている。この場合、大当り判定結果が「はずれ」であれば、殆どの場合、はずれ種別として「はずれ1」が選択されることになる。
特図1についての変動パターン抽選として、はずれ種別が「はずれ1」の場合における変動パターン抽選については、設定値Veに応じた抽選とはせず、保留球数に応じた抽選を行う。このため、特図1用の変動パターンテーブルのうち、はずれ種別が「はずれ1」の場合に用いられる変動パターンテーブルとしては、設定値Ve間で共通とされるが、保留球数ごとに異なるテーブルが用意されている。
なお、図24では図示の都合から、設定値Veの範囲が設定1〜3の範囲とされた場合を前提としたテーブル構造を示している。
この点は、図25に示す当り変動パターンテーブルについても同様である。
「はずれ1」の場合における特図1の変動パターン抽選では、抽選候補の変動パターンが「通常変動4s」「通常変動6s」「通常変動8s」「通常変動12s」「ノーマルリーチ」の5種とされており、本例では、保留球数に応じて抽選対象とする変動パターンを異ならせるものとしている。
具体的に、保留球数=0の場合は「通常変動12s」「ノーマルリーチ」を、保留球数=1の場合は「通常変動8s」「ノーマルリーチ」を、保留球数=2の場合は「通常変動6s」「ノーマルリーチ」を、保留球数=3の場合は「通常変動4s」「ノーマルリーチ」をそれぞれ抽選対象の変動パターンとしている。
ここで、変動パターンテーブル内において、抽選対象の変動パターンごとに格納された数値は、変動パターン判定用乱数が0〜199の200通りの数値をとり得ることを前提とした場合における当選確率の振り分け値(振り分けを表す値)を表している。例えば、特図1用の変動パターンテーブルにおいて、「はずれ1」且つ「保留球数=0」のテーブルでは「通常変動12s」に対する格納値=「160」、「ノーマルリーチ」に対する格納値=「40」とされているが、これは、「通常変動12s」の当選確率が「160/200」、「ノーマルリーチ」の当選確率が「40/200」であることを意味している。
テーブルの格納値として上記の振り分け値を示したのはあくまで説明の便宜を図るためであり、実際における変動パターンテーブルには、前述の大当り乱数判定で用いたような判定基準値が格納されることになる。例えば、上記の「はずれ1」且つ「保留球数=0」のテーブルについて言えば、実際の格納値(判定基準値)として例えば「159」が格納され、その場合、変動パターン用乱数が159以下であれば「通常変動12s」が選択され、変動パターン用乱数が159よりも大きければ「ノーマルリーチ」が選択される。
図24に示した振り分け値を参照して分かるように、「はずれ1」の場合に対応した特図1の変動パターン抽選においては、「ノーマルリーチ」よりも「通常変動」の方が選ばれ易くなるようにしている(出現率が高くなるようにしている)。
また、「はずれ1」の場合に対応した特図1の変動パターン抽選においては、保留球数が多いほど、変動時間の短い通常変動パターンが選択されるようにしている。
続いて、特図1の変動パターン抽選として、はずれ種別が「はずれ2」「はずれ3」それぞれの場合における変動パターン抽選については、設定値Veに応じた抽選とする一方、保留球数に応じた抽選とはしない。このため、「はずれ2」「はずれ3」それぞれの場合に用いられる特図1用の変動パターンテーブルとしては、保留球数間で共通とされるが、設定値Veごとに異なるテーブルが用意されている。
「はずれ2」「はずれ3」の場合に対応した特図1の変動パターン抽選では、抽選候補の変動パターンが「スーパーリーチ1」「スーパーリーチ2」「スーパーリーチ3」「スーパーリーチ4」の4種とされている。
本例では、「はずれ2」の場合に対応した特図1の変動パターン抽選の対象となる変動パターンは、設定値Veが何れであってもスーパーリーチ1,2,3,4の4種類とされており、共通である。一方、「はずれ3」の場合に対応した特図1の変動パターン抽選については、設定値Veによって抽選対象とする変動パターンを異ならせるものとしている。
具体的に、特図1の変動パターン抽選において、「はずれ2」「はずれ3」と設定1〜3の組合わせごとにそれぞれ抽選対象とされる変動パターンは下記の通りである。
設定1且つ「はずれ2」=スーパーリーチ1、2、3、4
設定1且つ「はずれ3」=スーパーリーチ1
設定2且つ「はずれ2」=スーパーリーチ1、2、3、4
設定2且つ「はずれ3」=スーパーリーチ2、3
設定3且つ「はずれ2」=スーパーリーチ1、2、3、4
設定3且つ「はずれ3」=スーパーリーチ4
図中に例示した振り分け値より、本例では、「はずれ2」の場合に対応した特図1の変動パターン抽選として、設定1の場合にはスーパーリーチ4、3、2、1の順で変動パターンが選択され易く、設定2の場合にはスーパーリーチ1、2、3、4の順で変動パターンが選択され易く、設定3の場合にはスーパーリーチ1、3、2、4の順で変動パターンが選択され易くしている。
また本例では、「はずれ3」の場合に対応した特図1の変動パターン抽選に関しては、高設定となるほど(設定値Veが大きくなるほど)当選期待感の高いスーパーリーチが選択される傾向となるようにしている。
なお、上記の「はずれ2」の場合に対応した変動パターン抽選のように、抽選候補の変動パターンが3種以上とされる抽選に用いられる変動パターンテーブルには、判定基準値として複数の値(「抽選候補の変動パターン数−1」で表される値)が格納される。例えば、図中の設定1且つ「はずれ2」の場合に対応したテーブルで言えば、例えば、判定基準値としてそれぞれ第一の値=9、第二の値=49、第三の値=99が設定され、その場合、変動パターン用乱数が第一の値以下であれば「スーパーリーチ1」が、第一の値より大きく第二の値以下であれば「スーパーリーチ2」が、第二の値より大きく第三の値以下であれば「スーパーリーチ3」が、第三の値より大きければ「スーパーリーチ4」がそれぞれ選択される。
続いて、特図2の変動パターン抽選として、はずれ種別が「はずれ1」の場合における変動パターン抽選については、特図1の場合とは異なり、抽選候補の変動パターンを「通常変動12s」のみとしている。このため、特図2用の変動パターンテーブルのうち、「はずれ1」且つ「保留球数=0」、「はずれ1」且つ「保留球数=1」、「はずれ1」且つ「保留球数=2」、「はずれ1」且つ「保留球数=3」の場合に用いられる各テーブルにおいては、「通常変動12s」に対応する振り分け値が全て「200」とされている。
なおこの場合、保留球数が異なっても抽選結果は同一となるため、変動パターンテーブルとしては保留球数間で共通のテーブルとすることもできる。
また、特図2の変動パターン抽選として、はずれ種別が「はずれ2」「はずれ3」の場合における変動パターン抽選については、特図1の場合と同様に設定値Veに応じた抽選とするが、保留球数に応じた抽選とはしない。このため、特図2用の変動パターンテーブルについて、「はずれ2」「はずれ3」それぞれの場合に用いられる変動パターンテーブルとしては、保留球数間で共通とされるが、設定値Veごとに異なるテーブルが用意されている。
「はずれ2」「はずれ3」の場合に対応した特図2の変動パターン抽選では、抽選候補の変動パターンが「通常変動12s」「スーパーリーチ4」の2種とされており、設定値Veによって、これら「通常変動12s」「スーパーリーチ4」の何れかの変動パターンが選択される。
具体的に、本例における「はずれ2」「はずれ3」の場合に対応した特図2の変動パターン抽選では、それぞれ、設定1、2の何れかである場合に「通常変動12s」が必ず選択され、設定3の場合に「スーパーリーチ4」が選択されるようにしている。
続いて、図25に示す当り変動パターンテーブルについて説明する。
本実施形態において、当り時の変動パターン抽選では、特図1、2共に、当り種別ごとに異なるテーブルを用いる。
本実施形態では、当り種別ごとに、抽選対象の変動パターンが次のように設定されている。すなわち、当り種別が「通常4R」の場合は、特図1、2共に、抽選対象の変動パターンは「通常変動当り」「スーパーリーチ1」「スーパーリーチ2」「スーパーリーチ3」「スーパーリーチ4」の5種とされている。
また、当り種別が「通常6R」の場合、特図1では、抽選対象の変動パターンは「通常変動当り」「スーパーリーチ1」「スーパーリーチ2」「スーパーリーチ3」「スーパーリーチ4」の5種とされ、特図2では、「通常変動当り」を除いた「スーパーリーチ1」「スーパーリーチ2」「スーパーリーチ3」「スーパーリーチ4」の4種とされている。
さらに、当り種別が「確変6R」「確変10R」の場合、特図1、2共に、抽選対象の変動パターンは「スーパーリーチ1」「スーパーリーチ2」「スーパーリーチ3」「スーパーリーチ4」の4種とされている。
本実施形態における当り時の変動パターン抽選では、特定の当り種別についてのみ、設定値Veに応じた変動パターン抽選を行う。具体的に、特図1の変動パターン抽選については、「通常4R」「確変10R」の当り種別についてのみ設定値Veに応じた変動パターン抽選を行い、特図2の変動パターン抽選については「通常4R」「確変6R」「確変10R」の当り種別についてのみ設定値Veに応じた変動パターン抽選を行う。
「通常4R」の場合における変動パターン抽選については、特図1、2の双方において、設定値Veにより抽選対象の変動パターンを異ならせている。具体的に、本例における「通常4R」に対応した変動パターン抽選では、設定1であれば「通常変動当り」〜「スーパーリーチ4」の5種を、設定2又は設定3であれば「スーパーリーチ1」〜「スーパーリーチ4」の4種をそれぞれ抽選対象の変動パターンとしている。
「通常4R」以外の当り種別である「通常R6」「確変6R」「確変10R」の場合における変動パターン抽選については、特図1、2の双方において、抽選対象の変動パターンは設定値Veによらず不変とされている。
本実施形態において、特図1の当り時の変動パターン抽選では、「通常4R」「確変10R」の場合のみ、設定値Veに応じた変動パターン抽選を行うものとしている。このため、特図1の当り変動パターンテーブルにおいて、これら「通常4R」「確変10R」の場合に用いられる変動パターンテーブルとしては、設定値Veごとに異なるテーブルが用意されている。
図25を参照して分かるように、本例では、特図1の変動パターンテーブルにおいて、「通常4R」「確変10R」それぞれのテーブルでは「スーパーリーチ4」に対する振り分け値を設定値Veが大きくなるほど大きくしている。これにより、「通常4R」「確変10R」それぞれの当り時には、現在の設定が高設定であるほど、特図1の変動パターンとして当選期待度が高い変動パターン(スーパーリーチ4)が選択され易くなる。
また、本例において、特図2の当り時の変動パターン抽選では、「通常4R」「確変10R」と共に「確変6R」についても設定値Veに応じた変動パターン抽選を行うものとしている。このため、特図2の当り変動パターンテーブルにおいて、「通常4R」「確変6R」「確変10R」の場合に用いられる変動パターンテーブルとしては設定値Veごとに異なるテーブルが用意されている。本例において、特図2の変動パターンテーブルでは、これら「通常4R」「確変6R」「確変10R」全てのテーブルにおいて、「スーパーリーチ4」に対する振り分け値を設定値Veが大きくなるほど大きくしている。
ここで、図中の振り分け値を参照して分かるように、本例では、当り種別や設定値Veの別に拘わらず、各テーブルにおいて「スーパーリーチ4」に対する振り分け値を最も大きくしている。つまり、本例では、大当りと判定された場合の変動パターン抽選において、最も当選期待度の高い変動パターン(スーパーリーチ4)が最も選択され易くなっている。
説明を図23に戻す。
上述したステップS1706の選択処理では、上記のようなはずれ、又は当り変動パターンテーブルに基づいて変動パターンの選択を行う。
具体的に、ステップS1702ではずれであると判定した場合に対応してはずれ変動パターンテーブルを選択した場合、CPU201は該変動パターンテーブルよりはずれ種別、保留球数、設定値Veに応じたテーブルを選択し、該選択したテーブルと変動パターン用乱数とに基づいて変動パターンの選択を行う。また、ステップS1702で当りであると判定した場合に対応して当り変動パターンテーブルを選択した場合、CPU201は該当り変動パターンテーブルより当り種別、設定値Veに応じたテーブルを選択し、該選択したテーブルと変動パターン用乱数とに基づいて変動パターンの選択を行う。なおこの際、処理対象としている図柄が特図1、2の何れであるかに応じて特図1用、特図2用のテーブルを選択し分けることは言うまでもない。
先の説明から理解されるように、当り/はずれの各変動パターンテーブルにおいては、抽選対象の変動パターンに対応した判定基準値が1又は複数(抽選候補の変動パターン数−1)定められており、ステップS1706の選択処理では、上記のように選択したテーブルに格納された判定基準値と変動パターン用乱数の値との大小関係を比較した結果に基づき、変動パターンの選択を行うことになる。
なお、上記では、変動パターンを選択するための変動パターンテーブルについて、設定値Veごとにテーブルを分ける例を挙げたが、一部の設定値Ve間で共通のテーブルが用いられてもよい。
図26は、その一例を示すものである。
ここでは、設定値Veが設定1〜6に対応した6値をとり得ることを前提とした場合の当り変動パターンテーブルの変形例を示している。
この図26の例では、特図1用の「通常4R」「確変10R」に対応したテーブル、特図2用の「通常4R」「確変6R」「確変10R」に対応したテーブルとして、それぞれ設定1〜3の組、設定4〜6の組ごとにテーブルを分けた例を示している。
この図26の例のように、設定値Veに応じた変動パターン抽選を行う上では、個々の設定値Veごとに個別にテーブルを分けることに限定されず、一部の設定値Ve間で共通のテーブルが用いられてもよい。
続いて、変動パターン抽選時に設定エラーが検知された場合の処理について説明する。
図23のステップS1701において、設定エラーであると判定した場合、CPU201はステップS1705に進み、設定エラー時共通変動パターンテーブルを選択し、ステップS1706の選択処理を実行する。
図27は、設定エラー時共通変動パターンテーブルについての説明図である。
本実施形態において、設定エラー時共通変動パターンテーブルを用いて行われる設定エラー時の変動パターン抽選では、特図1、2双方とも、当り/はずれの別に拘わらず強制的にはずれ変動パターンが選択されるようにする。つまり本例では、「通常変動4s」「通常変動6s」「通常変動8s」「通常変動12s」の何れかのはずれ変動パターンが強制的に選択される。
本例における設定エラー時の変動パターン抽選では、特図1側については保留球数に応じて異なる変動パターンが選択されるようにし、特図2側については保留球数によらず特定の変動パターンのみ、具体的には「通常変動12s」のみが選択されるようにしている。
特図1側については、保留球数が多いほど変動時間の長い通常変動パターンが選択されるようにしている。
図27においても説明の便宜上、テーブル構造としては、変動パターン抽選用乱数が0〜199の値をとり得る場合に対応した振り分け値を格納した構造を示したが、実際のテーブル構造は、保留球数(0〜3)ごとのテーブルとして、少なくとも抽選候補の変動パターンに判定基準値を対応づけた構造が採られる。
なお、特図2側について、本例のように保留球数によらず特定変動パターンが選択されるようにするのであれば、保留球数(0〜3)ごとにテーブルを分ける必要性がないことは言うまでもない。
図23において、ステップS1706の選択処理では、ステップS1705で設定エラー時共通変動パターンテーブルが選択された場合には該テーブルと変動パターン用乱数とに基づいて変動パターンの選択を行う。具体的に、本例では、設定エラー時共通変動パターンテーブルにおける現在の保留球数に応じたテーブルを選択し、該選択したテーブルに格納される判定基準値と変動パターン用乱数との大小関係を比較した結果に基づいて変動パターンを選択する。
CPU201は、ステップS1706の選択処理を実行したことに応じてステップS1504の変動パターン抽選処理を終える。ステップS1504の抽選処理の終了により、図20に示したステップS1409の変動管理処理が終了となり、以降、処理は図19に示したステップS1410(変動中フラグON処理)に進められる。
前述のように、ステップS1410に続くステップS1411のコマンド送信処理では、変動パターンの抽選結果を表す「変動パターン指定コマンド」や図柄抽選結果を表す「装飾図柄指定コマンド」が演出制御部24に送信される。
演出制御部24側では、これらのコマンドに基づき、リーチ状態を形成する際の装飾図柄の組合せ(リーチ図柄を構成要素とする図柄種)や、最終的に停止表示させる装飾図柄(装飾停止図柄)の組合せが決定され、また図柄変動表示ゲームにおいて当選種別に対応する予告演出の抽選等が行われる。
ここで、上記のように本実施形態では、特図の変動開始時に設定エラーが認められた場合は強制的にはずれ変動パターン(通常変動)が選択されるようになるが、このとき、装飾図柄側の変動として激熱変動が選ばれてしまうと遊技者を困惑させるため、本例では、上記のように通常変動4s〜通常変動12s等、変動時間の短い変動パターンが選択されるようにしている。
そして、本実施形態では、演出制御部24側においても、設定エラー時には予告演出を行わない工夫をしている。具体的に、演出制御部24は、設定エラーを通知する設定値異常コマンド(図16のステップS1104を参照)を主制御部20側より受信した場合は、予告演出の抽選を行わないようにされる。
ここで、本実施形態において、演出制御部24は、上記の設定値異常コマンドに基づき設定エラーが認められた場合には、液晶表示装置36に「RAM異常です 係員を呼んで下さい」等のメッセージを含む画像を表示させる等、異常発生の報知を行う。該報知としては、液晶表示装置36を用いた画像表示による報知に限らず、例えば音やLEDの点灯(及び/又は点滅)による報知や、画像、音、LED等の複数種の演出手段の組合わせによる報知とすることもできる。
なお、上記では特図1側の設定エラー時共通変動パターンテーブルについて、保留球数が多いほど変動時間の長い通常変動パターンが選択されるようにしたが、これは一例であって、例えば保留球数が少なくなるほど変動時間の長い通常変動パターンが選択されるようにすることもできる。
或いは、図28に例示するように、特図2側と同様に各保留球数で同一の変動パターンが選択されるようにすることもできる。図28の例では、各保留球数において「通常変動12s」が共通に選択される場合を示している。
このように設定エラー時共通変動パターンテーブルにおいて、保留球数と選択される変動パターンとの関係については多様に考えられ、特定の関係に限定されるものではない。
なお、特図2側についても、特図1側のように保留球数によって選択される変動パターンが異なるようにすることもできる。
<5.演出制御部の処理>
[5-1.処理概要]

続いて演出制御部24の処理について説明するが、まず演出制御のためのシナリオデータの構造例について述べる。
シナリオ登録情報の構造を図29、図30で説明する。図29Aは、メインシナリオ及びサブシナリオとしてのシナリオ登録情報の構造を示している。このシナリオ登録情報は演出制御部24のRAM243(例えば内蔵CPU用ワークメモリ)に設けられたワークエリアを用いて設定される。
本実施形態ではシナリオ登録情報は、シナリオチャネルsCH0〜sCH63の64個のチャネルを有するものとされる。各シナリオチャネルsCHに登録されたシナリオについては同時に実行可能とされる。
図示のように各シナリオチャネルsCHに登録できる情報としては、サブシナリオ更新処理で用いるサブシナリオタイマ(scTm)、前回時間(scPrevTm)、音/モータのサブシナリオテーブルの実行ラインを示すサブシナリオ実行ライン(scIx)、ランプサブシナリオテーブルの実行ラインを示すサブシナリオ実行ラインlmp(lmpIx)、シナリオ更新処理に用いるメインシナリオタイマ(msTm)、メインシナリオテーブルの実行ラインを示すメインシナリオ実行ライン(mcIx)、メインシナリオ番号(mcNo)、メインシナリオに付加可能なオプションデータであるメインシナリオオプション(mcOpt)、ユーザオプション(userFn)、待機時間(delay)、チェックサム(checkSum)がある。
スピーカ46による音出力、光表示装置45aによる発光、及び可動体役物モータ80cによる可動体役物の駆動による演出を開始するときには、待機時間(delay)とメインシナリオ番号(mcNo)をシナリオチャネルsCH0〜sCH63のうちの空いているシナリオチャネルに登録する。
待機時間(delay)は、シナリオチャネルsCHに登録してからそのシナリオが開始されるまでの時間を示す。なおこの待機時間(delay)は所定の処理タイミング(例えば後述の図33のステップS2004)で1減算される。待機時間(delay)が0の場合に、登録されたデータに対応した処理が実行されることとなる。
図31には、メインシナリオテーブルの一部として、シナリオ番号1,2,3の例を示している。各シナリオ番号のシナリオとしては、シナリオの各ライン(行)に時間データとしてメインシナリオタイマ(msTm)の値が記述されるとともに、サブシナリオ番号(scNo)、オプション(OPT)を記述することができる。即ちメインシナリオテーブルでは、メインシナリオタイマ(msTm)による時間として、実行されるべきサブシナリオ(及び場合によってはオプション)が指定される。またシナリオ最終行には、シナリオデータ終了コードD_SEEND、又はシナリオデータループコードD_SELOPが記述される。
なお、メインシナリオタイマ(msTm)の値はメインシナリオの開始時から、所定の処理タイミング(例えば後述の図33のステップS2004)で+1される。
各シナリオ番号のシナリオテーブルは、或る行におけるメインシナリオタイマ(msTm)の時間を経過すると、次の行へ進むことになる。各行の時間データは、その行が終わるタイミングを示している。
例えばシナリオ番号2の場合、タイマ値“1500”の時間としてサブシナリオ番号2の動作が指定され、次のタイマ値“500”の時間としてサブシナリオ番号20の動作が指定され、次のタイマ値“2000”の時間としてサブシナリオ番号21の動作が指定されている。その次の行はシナリオデータ終了コードD_SEENDである。シナリオデータ終了コードD_SEENDの場合、シナリオ登録情報(ワーク)から、このシナリオが削除される。
次に図29Bでランプデータ登録情報の構造を説明する。ランプデータ登録情報としては、ランプサブシナリオテーブルから選択されたシナリオ、即ち光表示装置45aによる演出動作(点灯パターン)を示す情報が登録される。このランプデータ登録情報もRAM243のワークエリアを用いて設定される。
本実施形態では、ランプデータ登録情報は、ランプチャネルdwCH0〜dwCH15の16個のチャネルを有するものとされる。各ランプチャネルdwCH0〜dwCH15には優先順位が設定されており、ランプチャネルdwCH0からdwCH15に向かって順にプライオリティが高くなる。従ってランプチャネルdwCH15に登録されたシナリオ(ランプサブシナリオ)が最も優先的に実行される。また例えばランプチャネルdwCH3、dwCH10にシナリオが登録されていれば、ランプチャネルdwCH10に登録されたシナリオが優先実行される。
なお、ランプチャネルdwCH0は主にBGM(Back Ground Music)に付随するランプ演出、ランプチャネルdwCH15はエラー関係のランプ演出に用いられ、ランプチャネルdwCH1〜dwCH14が通常演出に用いられる。
各ランプチャネルdwCHに登録できる情報としては、図示のように、登録した点灯パターンの番号を示す登録点灯ナンバ(lmpNew)、実行する点灯パターンの番号を示す実行点灯ナンバ(lmpNo)、ランプサブシナリオの実行ラインを示すオフセット(offset)、実行時間(time)、チェックサム(checkSum)がある。
図32Aにランプサブシナリオテーブルの一部として、ランプサブシナリオ番号1,2,3の例を示している。各番号のランプサブシナリオとしては、シナリオの各ライン(行)に時間データ(time)の値が記述されるとともに、ランプチャネルと、各種の点灯パターンを示すランプナンバが記述される。また最終行には、ランプシナリオデータ終了コードD_LSENDが記述される。
このランプサブシナリオテーブルにおいて、各ラインの時間データ(time)は、そのサブシナリオが開始されてからの、当該ラインが開始される時間を示している。
上述のメインシナリオタイマ(msTm)と、テーブルの時間データを比較して、一致した場合に、そのラインのランプナンバが、図29Bのランプデータ登録情報に登録される。登録されるランプチャネルdwCHは、当該ラインに示されたチャネルとなる。
例えば、上述の或るシナリオチャネルsCHにおいて、図31に示したシナリオ番号2が登録され、サブシナリオ番号2が参照されるとする。図32Aに示したランプサブシナリオ番号2では、1ライン目に時間データ(time)=0としてランプチャネル5(dwCH5)及びランプナンバ5が記述されている。この場合、メインシナリオタイマ(msTm)=0の時点で、まず当該1ライン目の情報が図29Bのランプデータ登録情報のランプチャネルdwCH5に、登録点灯ナンバ(lmpNew)=5として登録される。シナリオ登録情報のサブシナリオ実行ラインlmp(lmpIx)の値は、次のラインの値(2ライン目)に更新される。これはランプチャネルdwCH5という比較的低い優先度で、点灯ナンバ5の点灯パターン動作の実行を行うための登録となる。
2ライン目については、メインシナリオタイマ(msTm)が“500”となった時点で同様の処理が行われる。即ちランプデータ登録情報のランプチャネルdwCH5に、登録点灯ナンバ(lmpNew)=6(つまり点灯ナンバ6の点灯パターンの指示)が登録される。
なお、時間データ(time)が連続する2ラインで同一の値であったら、その各ラインについての処理は同時に開始されることとなる。
後述するランプ駆動データ作成処理では、このように更新されるランプデータ登録情報に基づいて、ランプ駆動データが作成される。
次に図29Cでモータデータ登録情報の構造を説明する。モータデータ登録情報としては、モータサブシナリオテーブルから選択されたシナリオを示す情報が登録される。このモータデータ登録情報もRAM243のワークエリアを用いて設定される。
本実施形態では、モータデータ登録情報は、例えば8個のモータに対応してモータチャネルmCH0〜mCH7の8個のチャネルを有するものとされる。
各モータチャネルmCHに登録できる情報としては、図示のように、実行動作ナンバ(no)、登録動作ナンバ(noNew)、動作カウント(lcnt)、励磁カウンタ(tcnt)、実行ステップ(step)、動作ライン(offset)、親(移行元)/子(移行先)の属性(attribute)、親ナンバ(retNo)、戻りアドレス(retAddr)、ループ開始ポイント(roopAddr)、ループ回数(roopCnt)、エラーカウンタ(errCnt)、現在の入力情報(currentSw)、ソフト上のスイッチ情報(softSw)、ソフト上のカウント(softCnt)がある。
図32Cにモータサブシナリオテーブルの一部として、モータサブシナリオ番号1の例を示している。各番号のモータサブシナリオとしては、シナリオの各ライン(行)に時間データ(time)の値が記述されるとともに、モータ、ソレノイド/ユーザオプションの情報が記述される。また最終行には、シナリオデータ終了コードD_MSENDが記述される。
このモータサブシナリオテーブルに関しては、サブシナリオタイマ(scTm)が0になったら(なお最初は0である)、このモータサブシナリオテーブルの時間データ(time)の値をサブシナリオタイマ(scTm)にセットする。なお、各ラインの時間データ(time)は、当該ラインが終了するタイミングを示している。サブシナリオタイマ(scTm)には、絶対時間を記述するが、従って、セットする時間データ値は、(当該ラインの時間データ)−(前回ラインの時間データ)の値である。
モータのデータ(モータ0〜3,4〜7)は、モータ1個につき1バイトでモータの動作パターンの番号(後述するモータ動作テーブルの番号)を示すように構成されている。モータ番号に対応するモータチャネルの登録動作ナンバ(noNew)及び実行動作ナンバ(no)に動作パターンの番号がセットされる。
後述する図36のステップS2202では、このモータデータ登録情報の更新が行われ、ステップS2203では、モータデータ登録情報の更新に基づいて、モータ駆動データが作成される。
図30は音データ登録情報を示している。音データ登録情報としては、音サブシナリオテーブルから選択されたシナリオを示す情報が登録される。この音データ登録情報もRAM243のワークエリアを用いて設定される。
本実施形態では、音データ登録情報は、音チャネルaCH0〜aCH15の16個のチャネルを有するものとされる。
各音チャネルaCHに登録できる情報としては、図示のように、ボリューム遷移量(frzVq)、ボリューム(frzVl)、遷移量変化(rsv2)、ボリューム変化(rsv1)、フレーズ変化(rsv0)、ステレオ(frzSt)、ループ(frzLp)、フレーズ番号hi(frzHi)、フレーズ番号low(frzLo)がある。
図32Bに音サブシナリオテーブルの一部として、音サブシナリオ番号1,2の例を示している。各番号の音/モータサブシナリオとしては、シナリオの各ライン(行)に時間データ(time)の値が記述されるとともに、BGM、予告音、エラー音、音コントロールの情報が記述される。また最終行には、シナリオデータ終了コードD_SEENDが記述される。
この音サブシナリオテーブルに関しては、サブシナリオタイマ(scTm)が0になったら(なお最初は0である)、この音サブシナリオテーブルの時間データ(time)の値をサブシナリオタイマ(scTm)にセットする。なお、各ラインの時間データ(time)は、当該ラインが終了するタイミングを示している。サブシナリオタイマ(scTm)には、絶対時間を記述するが、従って、セットする時間データ値は、(当該ラインの時間データ)−(前回ラインの時間データ)の値である。
当該ラインのBGMのデータは、BGMのフレーズ番号やボリューム値等の音データ登録情報に登録する情報で構成され、音データ登録情報における音チャネルaCH0(ステレオの場合は加えてaCH1)にセットされる。
当該ラインの予告音のデータは、予告音のフレーズ番号やボリューム値等の音データ登録情報に登録する情報で構成され、音チャネルaCH2〜aCH14の空いているところにセットされる。
当該ラインのエラー音のデータは、エラー音のフレーズ番号やボリューム値等の音データ登録情報に登録する情報で構成され、音チャネルaCH15にセットされる。
音コントロールのデータは、下位6バイトでチャネル情報、上位2バイトでコントロール情報とされている。
後述する図33のステップS2033では、シナリオ更新処理及び更新された音データ登録情報に基づいて、再生出力制御が行われる。
なお、音サブシナリオテーブルとモータサブシナリオテーブルは時間(time)の各ラインに対して一体化されたテーブル構造とされてもよい。
以上のようなシナリオデータ構造を用いた演出制御を行う演出制御部24の処理、特にはCPU241の処理の例を図33で説明する。
CPU241は、遊技機1本体に対して電源が投入されると図33の処理を開始する。
CPU241は、まずステップS2001で、遊技動作開始前における必要な初期設定処理を行う。例えば初期設定処理として、インターフェース系の初期化、割込設定、外部メモリの初期化、WDT初期化、可動体役物の起点復帰処理及び制御の初期化、音源制御初期化、シリアル出力コントローラの初期化、スケジューラ(シナリオスケジューラ、デバイススケジューラ、ランプスケジューラ、サウンドスケジューラ)の初期化、システムタイマの初期化、液晶制御初期化等を行う。
なお各スケジューラは、上述のシナリオ登録情報、モータデータ登録情報、ランプデータ登録情報、音データ登録情報のこと、もしくはこれらに基づいたシナリオ制御の進行を指す。初期化処理としては、これらシナリオ登録情報等を記憶するワーク領域を初期化する。
CPU241は、ステップS2001の処理を実行したことに応じ、ステップS2002以降の処理を繰り返し行う。
特に本実施形態では、CPU241は、ステップS2002以降の処理を、液晶表示装置36のフレームタイミングを監視しながら実行する。本例では特に表示制御に用いる同期信号であるVブランク信号に基づく制御を行う。なお、本実施形態では、液晶表示装置36における表示画像の1フレーム期間である1/30秒(33.3ms)の間においてVブランク信号が2回発生される。
CPU241は、Vブランク信号に応じてVブランク割込カウンタをカウントアップするため、Vブランク割込カウンタは1/60秒(16.6ms)毎にカウントアップされることになる。
なお当然、CPU241の個々の処理はVブランク信号の周波数よりも極めて高い周波数の処理クロックに基づいて行われる。図33の各処理は、Vブランク信号に応じてフレーム開始から終了までの期間を把握しながら行われるもので、フレーム開始時点では、処理はステップS2004〜S2006が1回行われ、その後はVブランク割込カウンタの値によって1フレーム期間の終了が確認されるまでの期間、ステップS2021〜S2043がくり返し行われる。1フレーム期間の終了を検知した時点でステップS2051〜S2052の処理が行われる。
ステップS2002でCPU241は、演出制御部24が有するWDT回路に対するクリア制御を行う。
続くステップS2003でCPU241は、フレーム更新フラグを確認する。フレーム更新フラグは、スケジューラ更新等をフレーム期間で管理するためのフラグである。
表示データの或るフレームの開始時点ではフレーム更新フラグはオフとされている(フレーム終了時に後述するステップS2052でオフとするため)。
従ってフレーム開始タイミングでは、CPU241はステップS2003からS2004に進む。
ステップS2004でCPU241は、シナリオスケジューラのフレーム更新を行う。これは具体的には、図29Aのシナリオ登録情報の待機時間(delay)、メインシナリオタイマ(msTm)、サブシナリオタイマ(scTm)の更新を行う処理となる。つまりフレーム開始時点で演出シナリオのタイマを1タイミング進める処理ということができる。
そしてCPU241は続くステップS2005でフレーム更新フラグをONにする。これは、現在のフレームにおいてシナリオのタイマ進行を行ったことを示す情報となる。
またCPU241はステップS2006でスケジューラ更新フラグをオフとする。これは、スケジューラ更新、つまりタイマ進行に伴ったシナリオ内容(シナリオ登録情報、ランプデータ登録情報、音データ登録情報)の更新がまだ行われていないことを示す情報となる。
そしてステップS2002に戻る。CPU241はWDT回路のクリアを行った後、ステップS2003ではフレーム更新フラグはONになっているためステップS2020に進むことになる。ここで、WDT回路は、CPU241が正常な処理状態であれば逐次リセットされる。
なお、以上のようにフレーム開始タイミング後の最初の1回だけ、ステップS2004〜S2006が行われ、ステップS2004ではシナリオ登録情報のタイマ更新が行われる。以降説明するようにシナリオのタイマ進行に応じた内容更新や制御が実行されるが、このため演出のためのシナリオは、1フレーム期間である33.3ms毎に進行することになる。例えばメインシナリオタイマ(msTm)は33.3ms毎に進行する。図31のメインシナリオテーブルにおける1行のメインシナリオタイマ(msTm)の時間は、表記する値×33.3msの時間に相当する。また図32のサブシナリオテーブルの時間(time)で示す1行の時間も、表記する値×33.3msの時間に相当する。
CPU241は、ステップS2020ではVブランク割込カウンタの値により処理を分岐する。Vブランク割込カウンタが“2”に達していなければ(つまり“0”又は“1”であれば)、ステップS2021に進む。
Vブランク割込カウンタはステップS2051でフレーム終了時にクリアされるとともに、1フレームに2回インクリメントされる。従ってVブランク割込カウンタ=0はフレームの前半期間を、またVブランク割込カウンタ=1はフレームの後半期間を示すことになる。フレーム終了時のVブランク信号でVブランク割込カウンタ=2となる。
CPU241は、Vブランク割込カウンタが“0”又は“1”であるフレーム期間中は、ステップS2021〜S2043を可能な回数、繰り返すようにステップS2020からS2021に進む。
ステップS2021でCPU241は、Vブランク割込カウンタが“0”であるか“1”であるかで処理を分岐する。つまり現在が或るフレーム期間の前半であるか後半であるかである。
現在、Vブランク割込カウンタ=0、つまりフレーム前半であれば、ステップS2022に進んで、主制御部20からの受信コマンドを確認する。つまりコマンド受信バッファに1つ以上の受信コマンドが記憶されているか否かを確認する。受信コマンドがなければステップS2030に進む。
1又は複数の受信コマンドがあればCPU241はステップS2023でコマンド解析処理を行う。
そしてCPU241はステップS2024でスケジューラ更新フラグをオフにする。なお、このステップS2024でスケジューラ更新フラグのオフとすることは、現在のフレーム期間中において、以前に一旦ステップS2031でスケジューラ更新フラグをオンにした後であっても、コマンド受信があった場合は再びオフにするという意味を持つ。
ステップS2023のコマンド解析処理の例を図34、図35で説明する。
上記のようにCPU241は図33のステップS2022で、主制御部20から供給される演出制御コマンドがコマンド受信バッファに格納されているか否かを確認し、演出制御コマンドが格納されていればそのコマンドを図34の処理で読み出すことになる。
演出制御部24には、主制御部20から送信されてきた演出制御コマンドを取り込むコマンド受信バッファが、RAM243に用意される。
CPU241は、まず図34のステップS2101で、コマンド受信バッファの読み出しアドレスを示すリードポインタと、書き込みアドレスを示すライトポインタの確認を行う。
ライトポインタは、コマンド受信に応じて更新され、それに応じてライトポインタで示されるアドレスに、受信した演出制御コマンドが格納されていく。リードポインタは、コマンド受信バッファからの読み出しを行った際に更新(ステップS2102)される。従って、もしリードポインタ=ライトポインタでなければ、まだ読み出していない演出制御コマンドがコマンド受信バッファに格納されているということになる。そこでリードポインタ=ライトポインタでなければステップS2102に進み、CPU241はコマンド受信バッファにおいてリードポインタで示されるアドレスから1バイトのコマンドデータをロードする。この場合、次の読み出し(ロード)のためにリードポインタをインクリメントしておく。
なお、実際には図33のステップS2022の受信コマンドの有無の判断もリードポインタ=ライトポインタであるか否かで行うことができる。実際のプログラムとしては、コマンドチェックの処理に最初に進んだ時点でリードポインタ=ライトポインタであれば、図33のステップS2022で受信コマンド無しと判断されるものとすればよい。
上述したように一つの演出制御コマンドは、モードとしての1バイトとイベントとしての1バイトの2バイトで形成されている。CPU241は図34のステップS2103で、ロードした1バイトのコマンドデータが、モードであるかイベントであるかを確認する。この確認は、8ビット(Bit0〜Bit7)のうちのBit7の値により行われる。
そしてモードであれば、コマンドの上位データ受信の処理として、ステップS2104に進み、読み出したコマンドデータを、レジスタ「コマンドHIバイト」にセーブする。また「コマンドLOバイト」のレジスタをクリアする。そしてステップS2101に戻る。
続いても、リードポインタ=ライトポインタでなければ、まだ読み出していない演出制御コマンドがコマンド受信バッファに格納されていることになるため、ステップS2102に進み、CPU241はコマンド受信バッファにおいてリードポインタで示されるアドレスから1バイトのコマンドデータをロードする。またリードポインタをインクリメントする。
そして読み出したコマンドがイベントであれば、コマンドの下位データ受信の処理として、ステップS2103からS2105に進み、読み出したコマンドデータを、レジスタ「コマンドLOバイト」にセーブする。
モード及びイベントのコマンドデータが、レジスタ「コマンドHIバイト」「コマンドLOバイト」にセーブされることで、CPU241は一つのコマンドを取り込んだことになる。
そこでCPU241はステップS2106で、取り込んだコマンドに応じた処理を行う。具体例は図35で後述する。
リードポインタ=ライトポインタとなるのは、CPU241がまだ取り込んでいない演出制御コマンドがコマンド受信バッファには存在しない場合である。ステップS2101でリードポインタ=ライトポインタを確認したことで図33のステップS2023としてのコマンド解析処理を終了する。
上記のステップS2106におけるコマンド対応処理の例を図35で説明する。
図35Aは、コマンド対応処理としての基本処理を示している。2バイトの演出制御コマンドの受信に応じて、CPU241はまず図35AのステップS2121で、現在テストモード中であるか否かを確認する。テストモード中であれば、ステップS2122ですべての演出シナリオのクリア、音出力の停止、光表示装置45aにおけるLEDの消灯を行う。そしてステップS2123でテストモードを終了する。
テストモード中でなければ、これらの処理は行わない。
そしてCPU241は、ステップS2130において、取り込んだ演出制御コマンドについての処理を行うことになる。
演出制御コマンドとしては、例えば特別図柄の変動パターン指定コマンド、装飾図柄指定コマンド、保留加算コマンド、遊技状態指定コマンド、電源投入コマンド、RAMクリアコマンド、設定変更中コマンド、設定完了コマンド、設定確認中コマンド、設定確認終了コマンド、設定値コマンド(変動開始時に主制御部20が都度送信する設定値通知のためのコマンド)、設定値異常コマンド、エラーコマンド(各種エラーの通知コマンド)・・・など多様に設定されている。ステップS2130では、CPU241は、受信したコマンドに対応して、プログラムで規定された処理を行う。ここでは図35B〜図35Eに四つの演出制御コマンドを挙げて、具体的処理を例示する。
図35Bは、ステップS2130でのコマンド処理として、変動パターン指定コマンドを取り込んだ場合の処理S2130aを示している。
この場合、CPU241は、ステップS2131で、装飾図柄指定コマンド待ち状態をセットする処理を行う。これは変動パターン指定コマンドと、装飾図柄指定コマンドが順次受信されることで、CPU241が図柄の変動表示の制御を行うためである。
図35Cは、ステップS2130でのコマンド処理として、図柄指定コマンドを取り込んだ場合の処理S2130bを示している。
この場合、CPU241は、まずステップS2132で、変動パターン指定コマンドを受信済みであるか否かを確認する。受信していなければそのまま処理を終える。
装飾図柄指定コマンドを受信した際に、既に変動パターン指定コマンド受信済みであれば、ステップS2133に進み、まず役物原点補正の動作についてのシナリオ登録を行う。そしてステップS2134で、図柄変動フラグをセットする。図柄変動フラグは、第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄のそれぞれに対応してそれぞれ設けられ、それぞれのフラグで変動状態を表すものとされる。例えば各2ビットの第1特別図柄変動フラグFZ1、第2特別図柄変動フラグFZ2、普通図柄変動フラグFZ3が用意され、それぞれについて変動中、停止中(当り)、停止中(はずれ)が示される。ここでは変動開始に伴い、対応する図柄変動フラグ(FZ1,FZ2,FZ3のいずれか)を、「変動中」を示す値にセットする。
なお図柄変動フラグは、当りの場合は、図柄変動終了時に所定時間「停止中(当り)」を示す値にセットされ、その後、図柄変動が開始されるまで「停止中(はずれ)」を示す値にセットされる。
ステップS2135でCPU241は、変動開始処理を行う。その後、変動開始に応じてステップS2136で変動パターン指定コマンドの削除を行う。
図35Dは、ステップS2130でのコマンド処理として、電源投入コマンドを取り込んだ場合の処理S2130cを示している。
この場合、CPU241は、ステップS2137でRAM243のクリア処理を行う。例えばコマンド受信/送信バッファ、各種操作入力情報バッファの内容等の記憶領域のクリアを行う。
そしてステップS2138でエラー解除コマンドの送信、ステップS2139で役物エラー情報のクリア、ステップS2140で役物動作の停止、ステップS2141で電源投入のシナリオ登録、ステップS2142で液晶制御部40へ送信する電源投入コマンドのセットを順次行う。
図35Eは、ステップS2130でのコマンド処理として、RAMクリアコマンドを取り込んだ場合の処理S2130dを示している。
この場合、CPU241は、ステップS2143でRAM243のクリア処理を行う。例えばコマンド受信/送信バッファ、各種操作入力情報バッファの内容等の記憶領域のクリアを行う。
そしてステップS2144でエラー解除コマンドの送信、ステップS2145でRAMクリアエラーセットと、エラー報知タイマのセットを行う。さらにステップS2146でRAM243における抽選処理に関する情報のクリア、ステップS2147で、シナリオに関する情報のクリアを行う。そしてステップS2148で液晶制御部40へ送信する電源初期投入表示(RAMクリア)コマンドのセットを行う。
以上、コマンド受信に応じた処理の例を説明した。
以上のコマンド受信に応じた処理としての図33のステップS2022〜S2024の処理は、本例ではVブランク割込カウンタ=0の期間のみ実行開始される。
続いてCPU241は、図33のステップS2030でスケジューラ更新フラグを確認して処理を分岐する。ここではスケジューラ更新フラグがオフの場合のみ、ステップS131〜S134の処理を行うようにする。
そしてステップS2031でフレーム更新フラグをオンとする。
スケジューラ更新フラグはフレーム開始直後のステップS2006でオフとされるため、現在のフレーム期間で最初にステップS2030の処理に進んだときに、ステップS2031〜S2034の処理を行うことになる。またステップS2024でスケジューラ更新フラグがオフとされるため、コマンド受信があった場合もステップS2031〜S2034の処理を行う。
CPU241はステップS2032でシナリオスケジューラ実行としての処理を行う。これはシナリオ登録情報の更新処理である。例えばシナリオチャネルsCHに登録された情報のうち待機時間(delay)が0のものについて、登録されたデータに対応した処理を実行する。即ちメインシナリオテーブルのうちで指定されたシナリオ番号に応じた処理を行う。メインシナリオ実行ライン(mcIx)、サブシナリオ実行ライン(scIx)、サブシナリオ実行ラインlmp(lmpIx)等の更新も行われる。
ステップS2033でCPU241はサウンドスケジューラ実行及び出力の処理を行う。これは、シナリオテーブルで指定される音サブシナリオに応じた音データ登録情報の更新処理、及び音データ登録情報に基づいた音制御信号の出力処理である。CPU241は演出制御部24が有する音コントローラに対して、現在のシナリオ進行に応じた音出力を実行させる。
ステップS2034でCPU241はランプスケジューラ実行処理を行う。
これはシナリオテーブルで指定されるランプサブシナリオに応じたランプデータ登録情報の更新処理である。
例えばCPU241はランプチャネルdwCH0〜dwCH15のそれぞれについて次の処理を行う。まずメインシナリオタイマ(msTm)とランプサブシナリオテーブルの時間データ(time)を比較する。ランプサブシナリオテーブルの時間データ(time)は、当該ライン(サブシナリオ実行ラインlmp(lmpIx)で示されるライン)が開始される時間を示している。従って、メインシナリオタイマの時間が、時間データ(time)以上となっていたら、そのラインについての処理を行う。
例えばまず、現在のラインが、ランプシナリオデータ終了コードD_LSENDが記述されたラインであるか否かを判断する。ランプシナリオデータ終了コードD_LSENDが記述されたラインではなければ、CPU241は、当該ラインに記述されているランプチャネルdwCH及びランプナンバを取得し、取得したランプチャネルdwCHに点灯パターンナンバの登録を行う。
またそのランプチャネルdwCHに対応する領域に登録点灯ナンバ(lmpNew)と実行点灯ナンバ(lmpNo)をセットする。即ちランプサブシナリオテーブルの当該ラインから取得したランプナンバを、登録点灯ナンバ(lmpNew)にセットし、「0」を実行点灯ナンバ(lmpNo)にセットする。またサブシナリオ実行ラインlmp(lmpIx)の値を+1する。以上により、ランプデータ登録情報としては、実行すべきランプ演出動作が登録された状態に更新される。
なおステップS2034では、以上のようなランプデータ登録情報の更新を行うが、その更新したランプデータ登録情報に基づくランプ駆動データ作成及びランプ駆動データ出力は、後のステップS2041、S2042で行う。
CPU241はステップS2040では、Vブランク割込カウンタの値により処理を分岐する。Vブランク割込カウンタが“0”であればステップS2041〜S2043の処理を実行し、“1”であればこれらの処理を実行しない。
ステップS2041では、CPU241はランプ駆動データの作成を行う。即ちランプデータ登録情報の各ランプチャネルdwCHに登録されている情報に基づいて実際に各種LEDを駆動するドライバに対して出力するランプ駆動データを生成する。
そしてステップS2042で、生成したランプ駆動データが上記のドライバに対して出力されるように制御する。
ステップS2043ではCPU241はキーイベント処理を行う。そしてステップS2002に戻る。
ステップS2041,S2042のランプ駆動データの作成及び出力の処理は、Vブランク割込カウンタ=0のときのみに実行が開始される。即ちフレームの前半の期間のみこれらの処理が開始されることになる。
Vブランク割込カウンタ=2となった後、つまりフレーム期間の終了が検知された場合(S2020:=2)、CPU241はステップS2051以降のフレーム終了時に対応した処理を行う。
まずCPU241はステップS2051でVブランク割込みカウンタをクリアし、次いでステップS2052でフレーム更新フラグをオフとし、ステップS2002に戻る。そして説明してきたように、新たなフレーム期間についての処理を行う。
以上の図33の処理とともにCPU241では、例えば1ms毎の割込処理として図36の処理が実行される。即ち図36の処理は、表示データのフレームタイミングに関わらず1ms毎に実行される処理である。
図36において、CPU241はステップS2200で、WDTパルス生成処理を行う。WDT回路はこのWDTパルスにより1ms毎のカウントを行う。
ステップS2201でCPU241は、モータのセンサ更新処理を行う。これは上述した位置検出センサ82aの情報を検知する処理である。
ステップS2202でCPU241はデバイススケジューラ実行処理を行う。具体的にはモータデータ登録情報の更新を行う。またステップS2203でデバイススケジューラ出力処理として、可動体役物モータ80cのドライバへのモータ駆動データの出力処理を行う。
即ちCPU241は、フレーム期間に比べて約1/30の時間間隔である1ms毎に、モータ動作制御を行っている。
続くステップS2204でCPU241は、キー入力処理を行う。即ち、演出ボタン13等の各種操作子の操作に応じた信号を確認する。
CPU241はステップS2204の処理を実行したことに応じ、図36に示す割込処理を終える。
ここまでCPU241の処理例を説明してきたが、以上の処理例では、CPU241は表示データのフレームに合わせて各種処理を行っている。
図37は表示データのフレーム期間毎の各種タイミングを示している。
表示データの各フレームをフレームFR0、FR1、FR2・・・とする。例えば時点T0〜T1にフレームFR0の表示、時点T1〜T2にフレームFR1の表示が行われる。
Vブランク割込カウンタの値は、図33のステップS2051でクリアされるため、図示のようにフレーム開始時点で“0”、フレーム中間の時点(時点T0m、T1m等)で“1”となり、“2”となった直後にクリアされる。
図中、「SL」はフレーム期間を表し、「SLs」はフレーム期間の開始タイミング(以下「フレーム開始タイミングSLs」と表記)を表す。「CA」は、フレーム前半期間を意味している。
先ず前提として、液晶表示装置36に表示すべき表示データ(フレーム画像データ)の描画処理は、液晶制御部40が演出制御部24(CPU241)からの液晶制御コマンドに基づいて行う。この描画処理は、フレーム期間SL内において、次のフレームの表示データについて実行される。例えばフレームFR1の表示データの描画は、フレームFR0の表示期間である時点T0〜T1内に実行される。
また、液晶制御部40では、描画に用いるデータのプリロードが行われる。このプリロードは、描画のための準備として、描画処理のさらに1フレーム前の期間に実行される。例えばフレームFR2の表示データの描画のためのプリロードは、フレームFR0の表示期間である時点T0〜T1内に実行される。
なお、これら描画処理やプリロードの開始タイミングは、図示のようにフレーム開始タイミングSLsと同期している。
演出制御部24(CPU241)側では、SLで示すフレーム期間中は、くり返しステップS2021〜S2043の処理が行われる。
但し、受信コマンド処理(S2022〜S2024)は、フレーム前半期間CAのみ実行される。これらはVブランク割込カウンタ=0のときのみ実行されるためである。
受信コマンドの解析処理は、図34、図35のような処理となるが、これは比較的処理負担の重い処理となるとともに、受信コマンド数によって処理も多くなる。コマンド種類によっては演出のための抽選等も行う必要が生ずる。本実施形態では、このような処理をフレーム前半期間にのみ行うものとしている。
なお、このためコマンド信号に関しては、例えば時点T0m〜T1mとして破線で示す期間に受信されたコマンド信号については、時点T1〜T1mの期間にコマンド解析が行われることになる。
またランプデータ作成/出力処理(S2241〜S2243)もフレーム前半期間CAのみ実行される。これらもVブランク割込カウンタ=0のときのみ実行されるようにしているためである。
<6.設定値に関する示唆演出>

本実施の形態の遊技機1においては、設定値に関する示唆演出が適宜行われうる。設定値に関する示唆演出とは、遊技機1を遊技する遊技者が当該遊技機1に設定された設定値Veを推測可能な演出等である。なお、以降の説明では、設定値Veの値(範囲)として、遊技機1内部で設定値に対応して使用される値(0〜5)ではなく、設定値を設定する作業者や遊技者が把握可能な値(1〜6)を用いる。
設定値に関する示唆演出としては、設定された設定値Veを推測できるような演出(設定値示唆演出)に加えて、設定値Veが変更されたか否かを推測できるような演出(設定値変更示唆演出)も含む。具体的には、ある遊技機1に対して前日に設定された設定値Veが当日も変更されずに同じ設定値Veが用いられているのか、或いは前日の設定値Veが変更されて新たな設定値Ve(設定値4から同じ設定値4へと打ち直したケースも含む)が設定されたのかを推測できるような演出である。
設定値に関する示唆演出として設定値Veを推測できるような演出を行う場合は、設定値Veが6であることや5であることを示唆する以外にも、ある程度の幅を持って設定値Veの取り得る値を示唆することが考えられる。
具体的には、設定値Veが偶数(2,4,6の何れか)であることを示唆する演出や、奇数(1,3,5の何れか)であることを示唆する演出などが考えられる。また、設定値Veが4〜6の何れかであることを示唆する演出などでもよい。更に広い範囲を示唆する例として、設定値Veが1以外(即ち2〜6の何れか)であることを示唆する演出などもありうる。
設定値に関する示唆演出では、演出制御部24のCPU241による音、光、液晶、可動体役物、ボタン等を用いた演出を行う。具体的には、遊技機1が備えるスピーカ46を含む音響発生装置46aを用いた音演出、装飾ランプ45や各種LEDを含む光表示装置45aを用いた光演出、液晶表示装置36等を用いた画像演出、可動体役物等を用いた視覚的な演出、演出ボタン13や風圧装置等を用いた体感型の演出等である。
このような設定値に関する示唆演出を用いることにより、遊技を行っている遊技機1にどのような設定値Veが適用されているのかを遊技者が推定することが可能とされ、遊技する遊技機を選択する際の判断材料とすることができる。遊技者は、遊技機の選択の際にこのような情報を利用することで、闇雲に遊技機を選択するよりも有利に立ち回ることが可能となる。これにより、遊技者に選択されやすい遊技機1を提供することができる。
また、設定値に関する示唆演出に基づいて遊技機1の設定を適切に推測する楽しさや遊技機1を選択することの楽しさを遊技者に提供することができる。
図75は、設定値に関する示唆演出の種類と、該示唆演出の実行タイミングの関係を示したものである。図75に示す「設定値に関する示唆演出の種類」の部分を図38に示し、図75に示す「実行タイミングの種類」の部分を図39に示す。更に、図75における「演出の実行有無(○/無印)」の部分については図40に示す。
[6-1.演出の種類]

本実施の形態における遊技機1において実装される設定値に関する示唆演出(以降、単に「示唆演出」と記載)について、その種類を説明する(図38)。
図38には、演出01〜演出21で示す21種類の示唆演出が記載されている。それぞれの示唆演出には、「種別」「当該/その他」「演出手段」の欄が設けられている。
「種別」としては、「設定値示唆演出」、「設定値変更示唆演出」、「大当り予告演出」の3種類が設けられている。「設定値示唆演出」及び「設定値変更示唆演出」については前述の通りである。「大当り予告演出」は、本来大当りであるか否かを報知するための予告演出であるが、その予告態様を設定値Veに応じて変化させることにより設定値示唆演出としての役割を持たせたものである。
「当該/その他」の別は、設定示唆演出が当該図柄変動表示ゲームに係るものである場合には「当該」とされ、当該図柄変動表示ゲームとは関係なく現出するものである場合には「その他」とされている。
「演出手段」は、何れの演出手段を用いて示唆演出を行うかを定めたものである。「音」に○印が記載されていれば、スピーカ46を含む音響発生装置46aを用いた音演出を行う演出が実行され、「光」に○印が記載されていれば、装飾ランプ45や各種LEDを含む光表示装置45aを用いた光演出が実行され、「液晶」に○印が記載されていれば、液晶表示装置36等を用いた画像演出が実行され、「可動体」に○印が記載されていれば、可動体役物等を用いた視覚的な演出が実行され、「ボタン」に○印が記載されていれば、演出ボタン13や風圧装置等を用いた体感型の演出が実行される。
それぞれの演出についての具体例は後述する。
[6-2.演出タイミング]

続いて、示唆演出が行われうるタイミングについて、図39を参照して説明する。
先ず、タイミング01〜42で示される42種類の示唆演出タイミングは、「客待ち中」「変動中」「大当り中」の3種類に大別される。
「客待ち中」に行われる示唆演出は、更に細かな実行タイミングとして「イニシャライズ」「操作報知」「デモ」「メニュー画面」の種別に分けられ、「イニシャライズ」は枠役物のイニシャライズ(タイミング01)と盤役物のイニシャライズ(タイミング02)とに分けられる。
なお、ここで枠役物とは「枠」に設けられた可動体役物である。「枠」とは、前枠2、外枠4、ガラス扉6、前面操作パネル7等を含んで構成されている。
また、盤役物とは「盤」に設けられた可動体役物である。「盤」とは、遊技盤3を含んで構成されている。
「操作報知」に行われる示唆演出は、メニュー報知(タイミング03)と音量・光量報知(タイミング04)とに実行タイミングが分けられる。メニュー報知は、例えば、保留球数が0となった状態で特別図柄変動表示ゲームが終了した後、5秒などの所定時間上始動口34への入賞が発生しなかった場合に液晶表示装置36を用いて行われる報知演出であり、液晶表示装置36上にて「メニュー画面は○○ボタンを押すと表示されるよ!」などの文言を含む画像が表示されることにより実現される。
また、音量・光量報知とは、メニュー報知の実行から更に10秒などの所定時間、上始動口34への入賞が発生しなかった場合に液晶表示装置36を用いて行われる報知演出であり、液晶表示装置36上にて「音量・光量は××ボタンを押すと変更できるよ!」などの文言を含む画像が表示されることにより実現される。
「デモ」は前述のデモ画面表示中のタイミングであり、更に細かく機種紹介の表示中(タイミング05)と企業ロゴの表示中(タイミング06)とのめり込み注意喚起の表示中(タイミング07)に分けられる。
「メニュー画面」の表示中に実行される示唆演出は、メニュー画面の第1層が表示されている間(タイミング08)に実行されるものと、メニュー画面の第2層が表示されている間(タイミング09)に実行されるものに分けられる。
以上に示すように、「客待ち中」に実行される示唆演出についての実行タイミングは、更に細かく分けるとタイミング01〜09の9種類に分けることができる。
イニシャライズの開始タイミング(タイミング01の開始)は、主制御部20から電源投入コマンドを受信することで演出制御部24は把握可能である。タイミング02〜04については、枠役物のイニシャライズ処理に要する時間や盤役物のイニシャライズ処理に要する時間を演出制御部24が把握しているため、それぞれ対応可能とされている。
また、デモ開始タイミング(タイミング05の開始)は、主制御部20から待機画面表示コマンドやデモ表示コマンドを受信することで演出制御部24が把握可能とされている。タイミング06,07については、機種紹介の画像演出に要する時間や企業ロゴの画像演出に要する時間等を演出制御部24が把握しているため、それぞれ対応可能とされている。
メニュー画面の表示中に関しては、演出ボタンのうちの一つとしてのメニューボタンが押下されたことに応じて該ボタンからの信号を受信する。これによりメニュー画面を液晶表示装置36に表示するための処理が演出制御部24で実行される。これにより、メニュー画面の第1層及び第2層の表示中のタイミング(タイミング08,09)は演出制御部24で把握可能である。
「変動中」に行われる示唆演出は、更に「リーチ前」「リーチ後」「リーチ終了後」のタイミングに分けられる。
「リーチ前」としては、更に変動開始の契機となる入賞時(タイミング10)、低速変動時(タイミング11)、高速変動時(タイミング12)、装飾図柄のうちの一つとして例えば左図柄が停止するタイミングとされた第1図柄停止時(タイミング13)、疑似連2回目(タイミング14)、疑似連3回目(タイミング15)、疑似連4回目(タイミング16)に更に細かく分類される。なお、疑似連回数は例として4回である例を挙げたが、5回目以降の疑似連があってもよい。その場合には、適宜示唆演出の実行が可能な演出タイミングが追加される。
「リーチ後」としては、例えば左図柄が停止した状態で右図柄が停止するタイミングとしての第2図柄停止時、即ち、リーチ発生タイミング(タイミング17)、ノーマルリーチが発生した後に例えば中図柄が停止するまでの間とされた当落煽り演出実行時(タイミング18)がある。更に、「リーチ後」としては、第1種スーパーリーチの発生後におけるタイトル表示中(タイミング19)、当落煽り演出実行中(タイミング20)、演出が発展するか否かを報知する煽り演出中(タイミング21)、第2種スーパーリーチの発生後におけるタイトル表示中(タイミング22)、当落煽り演出実行中(タイミング23)がある。
なお、第1種スーパーリーチ演出では演出が発展するか否かを報知する煽り演出が実行されることがあるが、この抽選に当選し演出が発展した場合に実行されるのが第2種スーパーリーチである。即ち、第1種スーパーリーチが発展して第2種スーパーリーチが実行される。ここでは、第2種スーパーリーチの方が第1種スーパーリーチよりも当選期待度が高い演出とされている。例えば、前述のスーパーリーチ4は、第1種スーパーリーチから第2種スーパーリーチへと発展する演出態様を備えたスーパーリーチ種別とされる。
「リーチ終了後」のタイミングとしては、再抽選演出時(タイミング24)と、例えば左図柄と右図柄が停止した状態で中図柄が停止するタイミングとなる全図柄停止時(タイミング25)がある。
以上から理解されるように、「変動中」に実行される示唆演出についての実行タイミングは、更に細かく分けるとタイミング10〜25の16種類に分けられる。
リーチ前の入賞(変動開始)タイミングとしてのタイミング10は、変動パターン指定コマンドや装飾図柄指定コマンドを演出制御部24が受信することにより把握することが可能である。タイミング11〜25の各タイミングについては、変動パターン指定コマンド及び装飾図柄指定コマンドに含まれる情報に基づいて演出制御部24が時系列的な展開(演出内容)を決定するため、自ずと把握することができる。
続いて、「大当り中」に属する各タイミングについて説明する。大当り中とは、大当り遊技後に確変状態へと遷移せずに通常状態へと遷移する通常大当りの遊技中や、大当り遊技後に確変状態へと遷移する確変大当りの遊技中などを含む。
「大当り中」に属するタイミングとしては、「オープニング演出中」「ラウンド中」「パターンAのエンディング中」「パターンBのエンディング中」の4種類に更に分けられる。
「オープニング演出中」としては、大当り報知演出中(タイミング26)、右打ち指示(報知)中(タイミング27)に分けることが可能である。
「ラウンド中」については、各ラウンド(1〜7R)に分けられる。一例として、1R遊技中については液晶表示装置36を用いたバトル演出が行われている間(タイミング28)、2R遊技中についてもバトル演出中(タイミング29)、3R遊技中についてはバトル演出中(タイミング30)及びオーバー入賞発生時(タイミング31)、4R遊技中については勝利・敗北演出中(タイミング32)、5R遊技中については短時間開放のVラウンド中(タイミング33)、6R遊技中についてはキャラ紹介演出中(タイミング34)、7R遊技中についてもキャラ紹介演出中(タイミング35)に分けることができる。
オーバー入賞とは、1ラウンド中に大入賞口50に入賞可能な入賞数として予め規定されている規定入賞数に対して、それよりも多くの遊技球が大入賞口50に入賞することである。例えば、1ラウンド中の規定入賞数が10球である場合に、9球が入賞した状態で10球目と11球目が略同時に大入賞口50付近に到達した場合には、オーバー入賞となる可能性があり得る。
即ち、タイミング31は、オーバー入賞が発生したことを契機としたタイミングである。
勝利・敗北演出とは、例えば液晶表示装置36上でキャラクタ同士が対決する演出であり、通常大当りの場合は敗北演出が実行され、確変大当りの場合は勝利演出が実行されることが考えられる。また、通常大当りに見せかけているが、内部では確変大当りとされている場合には、勝利演出が実行されることにより遊技者に確変大当り遊技中であると報知してもよい。
Vラウンドとは、1〜7Rのうちの特定のラウンドであり、遊技球を入賞させることで大当り遊技後の遊技状態を確変状態とするための特定の入賞口が所定時間開放されるラウンドである。即ち、Vラウンドとされたラウンド中に所定時間開放された特定の入賞口に遊技球を入賞させることで、大当り遊技後に確変状態へと遷移することができる。
「パターンAのエンディング中」としては、大当り後の移行モードが表示されるモード表示演出時(タイミング36)、IC取り忘れの注意喚起表示時(タイミング37)、企業ロゴ表示時(タイミング38)に分けることができる。
また、「パターンBのエンディング中」としては、大当り後の移行モードが表示されるモード表示演出時(タイミング39)、IC取り忘れの注意喚起表示時(タイミング40)、のめり込み注意喚起の表示中(タイミング41)、企業ロゴ表示時(タイミング42)に分けることができる。
以上に示すように、タイミング01〜42で示される42種類のタイミングにおいて、先の演出01〜21の各示唆演出が実行されうる。以降では、具体的な演出態様を例示して説明する。
なお、各ラウンドで実行されるバトル演出や勝利・敗北演出はあくまで一例であり、必ずしもこの通りの演出が実行されなくてもよい。また、ラウンド数(1〜7R)についても一例であり、1〜10Rの遊技が可能な通常大当りや確変大当りなどであってもよい。
大当りの開始タイミング、即ち、オープニング演出の開始タイミングとしてのタイミング26は、大当り開始コマンドを受信することにより演出制御部24は把握することができる。タイミング27については、大当り報知演出に要する時間を演出制御部24は把握しているため、自ずとタイミング27の到来を知ることができる。
1R〜7Rそれぞれの開始タイミングとしてのタイミング28〜35は、主制御部20からラウンド開始コマンドやラウンド終了コマンドを演出制御部24が受信することにより把握することができる。
パターンAのエンディング中に属する各タイミング(タイミング36〜38)、及び、パターンBのエンディング中に属する各タイミング(タイミング39〜42)については、大当り終了コマンドを主制御部20から受信することで、演出制御部24は把握することができる。
[6-3.演出例]

図40は、21種類の示唆演出(演出01〜21)と42種類のタイミング(タイミング01〜42)の関係を例示したものである。図中における○印は示唆演出が行われることを示すものである。具体的には、演出01はタイミング02〜09の各タイミングで実行されうる。
(演出01)

演出01の具体例としては、枠役物を用いた示唆演出が考えられる。例えば、枠役物が振動する設定値示唆演出を行うものである。タイミングとしては、タイミング02〜09とされており、「客待ち中」の状態にある遊技機1において実行される。
「客待ち中」とされた遊技機1に対して遊技者が各ボタン等の操作子に触れたことを遊技機1は検知し、演出01の実行可否について抽選を行う。該抽選に当選した場合には、演出01としての示唆演出が実行される。
ここで、設定値Veが高設定なほど、演出01の実行可否についての当選確率が高く設定されており、演出01が実行された遊技機1に対する遊技者の遊技意欲を高めることができる。
図41に具体的な処理の流れの一例についてフローチャートを示す。
演出制御部24(CPU241)は、ステップS3001において、現在が演出01の実行に適切なタイミングであるか否かを判定する。即ち、現在の状況がタイミング02〜09の何れかにある場合(S3001:Yの場合)は続くステップS3002に進み、それ以外のタイミングであれば(S3001:Nの場合)、図41に示す一連の処理を終了する。
ステップS3002では、演出制御部24は、実行フラグが0であるか否かに応じて分岐する処理を実行する。実行フラグは、「0」が演出01を実行していないことを示し、「1」が演出01を既に実行済みであることを示す。
図41に示す示唆演出01のための各処理は、例えば、演出制御メイン処理(図33)や演出制御タイマ割込み処理(図36)などにおける適所で実行され得る。その場合には、図41に示すステップS3001から続く各処理を実行した後、数msec後に再びステップS3001から続く各処理を実行することになる。即ち、例えば一度客待ち中の状態に遷移した遊技機1に対して、客待ち中の状態から他の状態へ遷移するまでの間に何度も図41に示す一連の処理が実行される可能性が生じる。仮に数msecの間隔で図41の処理が実行され、そのたびに演出01についての実行可否抽選に当選してしまうと、演出01がひたすら実行され続けてしまうことになるため、遊技機1の枠役物が継続的に振動し続ける状態となり、遊技者にとっても適切とは言えない示唆演出01となってしまう。
そこで、本実施の形態では、ステップS3002において実行フラグが「0」であるか否かを判定し、「0」である場合には、演出制御部24はステップS3003において実行フラグを「1」に変更する処理を行う。また、実行フラグが「1」である場合(S3002:Nの場合)には、その後の各処理を行わずに図41の処理を終了する。これにより、示唆演出としての演出01が過剰に発生してしまうことを防止し、適切に現出させることができる。
なお、図41に示す各処理においては、実行フラグを「0」に戻す処理は含まれていない。実行フラグは、例えば、客待ち中の状態から他の状態に遷移することが確定した場合に0へと戻される。例えば、変動パターン指定コマンドを主制御部20から受信した場合には、客待ち中の状態から抜けることが確定するため、該コマンドを受信したタイミングで示唆演出01のために設けられた実行フラグに「0」を設定する。これにより、再度客待ち中の状態へと遷移した場合に、図41に示す処理が実行されて、適宜示唆演出としての演出01が実行され得る。換言すれば、演出01は、客待ち中の状態へ一度遷移するごとに1回だけ実行される可能性がある。
なお、実行フラグは以降に説明する各示唆演出においても出てくるが、それぞれの示唆演出で異なる実行フラグを有している。即ち、演出01に用いられる実行フラグと、演出02に用いられる実行フラグは異なるフラグとされている。
また、遊技機1に実装されていない示唆演出についての実行フラグは備えていない。そして、遊技機1に実装された示唆演出が一つだけの場合(例えば、示唆演出としては演出01のみを実行可能な遊技機1である場合)は、実行フラグを一つ備えていればよく、演出ごとに異なる実行フラグを有するということ自体考慮する必要が無いことは言うまでもない。
実行フラグに1をセットした演出制御部24は、続くステップS3004において、演出01の発動契機となる操作子が操作されたか否かを判定する。発動契機となる操作子とは、本実施の形態では、例えば、演出ボタン13などである。
操作子が操作されていない場合(S3004:Nの場合)、演出制御部24は図41に示す一連の処理を終了する。
また、操作子が操作されていた場合(S3004:Yの場合)、演出制御部24は、続くステップS3005で設定値VeをRAM243などから取得し、ステップS3006で設定値Veに応じた抽選を行う。演出01についての設定値Veに応じた当選確率は、例えばテーブルなどの状態でROM242などに記憶されている。以降の各演出で用いられるそれぞれのテーブルについても、ROM242等に保存されているものであり、都度の説明は省略する。
続いて、演出制御部24はステップS3007で、演出01の実行可否についての抽選に当選したか否かを判定する。落選していた場合(S3007:Nの場合)、演出制御部24は図41に示す一連の処理を終了する。当選していた場合(S3007:Yの場合)、演出制御部24はステップS3008で、演出01を実行するために枠役物を振動させるためのシナリオ登録を行い、図41に示す示唆演出01実行処理を終了する。
上述したように、一度演出01としての示唆演出が実行された場合には、当該遊技機1が遊技され次に再度「客待ち中」の状態に遷移するまでは再度の抽選は行わず、演出01としての示唆演出は行われない。
これにより、抽選や演出01の実行に係る遊技機1の処理負担が軽減される。
なお、枠役物のイニシャライズ処理が実行されているタイミング01としての期間は演出01を現出させない。これは、演出01に用いられる枠役物のイニシャライズ処理中は、枠役物を駆動させるために必要な変数等が不整合な状態となる瞬間があるためであり、当該枠役物を用いた演出を行うことによって、遊技機1が正常に動作しない状況に陥る可能性があるためである。即ち、演出01が枠役物を振動させるなど示唆演出である場合には、枠役物のイニシャライズ期間(タイミング01)には実行しないようにすることで、不具合の発生の防止を図るものである。
(演出02)

演出02の具体例としては、液晶表示装置36を用いた示唆演出が考えられる。演出内容としては、例えば、何らかの点数が表示される演出が行われ、設定値Veが高いほど100点(100点満点中)などの高い点数が表示されるように構成されている。
演出02としての示唆演出は、「客待ち中」の状態にある遊技機1や「リーチ前」の状態にある遊技機1において実行される。
一例として、図40に示す表では、演出02としての示唆演出は、「客待ち中」の状態における音量・光量報知(タイミング04)、機種紹介の表示中(タイミング05)、企業ロゴの表示中(タイミング06)とのめり込み注意喚起の表示中(タイミング07)、更に変動中でありリーチ前の状態のうち、メニュー画面の第1層が表示されている間(タイミング08)、変動開始の契機となる入賞時(タイミング10)、低速変動時(タイミング11)、高速変動時(タイミング12)の各タイミングで実行されうる。
なお、メニュー報知(タイミング03)は、例えば保留球数が0個の状態で5秒などの所定時間上始動口34への入賞が発生しなかった場合に実行される演出であるため、遊技者が遊技している間に(即ち発射操作ハンドル15を握っている状態で)実行される可能性がある。特に、長時間遊技している場合には、遊技中にメニュー報知のタイミングが何度か到来する可能性が高い。
メニュー報知は、コンスタントに上始動口34に遊技球が入賞していない状態を遊技者に認識させてしまう演出であり、そのようなタイミングで演出02としての示唆演出を行っても、遊技者に有効な演出となるかどうかは分からず、かえって遊技意欲の低下を招きかねない演出となってしまう虞がある。そのために、タイミング03とされたメニュー報知のタイミングでは、演出02とされた本示唆演出は行わないこととしている。
また、音量・光量報知(タイミング04)は、例えば保留球数が0個の状態で15秒などの比較的長い期間上始動口34への入賞が発生しなかった場合に実行される演出であるため、遊技者が遊技している間に実行される可能性が低い。即ち、遊技者が発射操作ハンドル15から手を離して休憩している状態である可能性が高い。従って、そのようなタイミングで本示唆演出を行うことで、遊技者を遊技状態へ引き戻す効果を期待することができる。
演出02としての示唆演出を客待ち中に行う場合には、遊技者が演出ボタン13などに触れたことに応じて実行するようにしてもよい。これは、遊技者が何れの遊技機を遊技するか決めるために通路を歩きながら各台をチェックしているときに、ふと遊技機1の演出ボタン13等に触れることを想定している。
このようなタイミングで演出02としての示唆演出を行う場合、本示唆演出によって遊技者に提示される液晶表示装置36上のポイント表示は、遊技者による運試し(或いは験担ぎ)の要素を孕んでいる。即ち、遊技者は本演出02が搭載された各遊技機1において、演出02を発生させるための操作を行い、液晶表示装置36上に表示されたポイント表示が高ポイントとされた遊技機1を縁起がよいとして遊技を開始することが考えられる。
そのような状況を鑑みると、メニュー画面の第1層が表示されている間(タイミング08)は、遊技者が1回の操作を行うだけで到達できるタイミングであるため、本示唆演出を実行するのに相応しいタイミングといえる。
一方、メニュー画面の第2層が表示されている間(タイミング09)は、遊技者が2回以上の操作を行わないと到達できないタイミングであるため、本示唆演出を気軽に発生させたい遊技者にとっては相応しくないタイミングである虞がある。
従って、本実施の形態では、タイミング09は演出02としての示唆演出は実行しないこととしている。
具体的な処理の流れの一例について、図42を参照して説明する。
演出制御部24は、先ずステップS3011で、演出02の実行に適切なタイミングであるか否かを判定する。即ち、現在の状況がタイミング04〜08、10〜12の何れかである場合は、ステップS3012に進み、それ以外のタイミングであれば図42に示す一連の処理を終了する。
演出02を実行するタイミングとして問題ない場合、演出制御部24はステップS3012で、実行フラグが0であるか否かを判定する。
実行フラグは、演出02を既に実行済みである場合は「1」とされ、未実行である場合は「0」とされる。以降の各演出における実行フラグについても、意味合いは同じであり、実行済みである場合は「1」とされ、未実行である場合は「0」とされる。
実行フラグが「1」である場合、演出制御部24は図42に示す一連の処理を終了する。
一方、実行フラグが「0」である場合、演出制御部24はステップS3013で実行フラグに「1」を設定し、続くステップS3014で設定値Veを取得し、ステップS3015で設定値Veに応じた抽選を行う。これにより、演出02を実行するか否かを決定する。なお、当該抽選では、演出02を実行するか否かだけでなく、実行する場合に液晶表示装置36上に表示するポイント数も抽選する。何れのポイント数が当選しやすいかは、上述のように設定値Veによって異なるものとされる。
設定値Veによる演出02についての当選確率や表示するポイント数については、テーブルとして例えばROM242に保存されている。
演出制御部24は続くステップS3016で先の抽選結果に当選したか否かを判定し、落選していた場合は、処理を終了する。
演出02の実行抽選に当選していた場合、演出制御部24はステップS3017で演出制御部40にコマンドを送信する。
これにより、液晶表示装置36上にポイントが表示され、演出02としての示唆演出が遊技機1において実現される。
(演出03)

演出03の具体例としては、客待ち中且つデモ画面表示中に液晶表示装置36を用いて行う示唆演出が考えられる。本実施の形態では、デモ画面表示中としては、タイミング05〜07とされている。
例えば、デモ画面表示中に液晶表示装置36を用いた特定の画像演出の出現確率は、設定値Veが高いほど高くなるようにされている。従って、該特定の画像演出が出現するか否かに基づいてその遊技機1を遊技するかどうかを決定することができる。
特に、該画像演出がデモ画面表示中に液晶表示装置36を用いて実行されることにより、遊技中でない遊技機1であっても遊技者の遊技意欲を惹起させることができるため、空席となった遊技機1を少なくすることができ、遊技機1の稼働率を上昇させることが可能となる。
また、このような設定差のある演出は、遊技機1の電源投入後所定回数の装飾図柄変動表示ゲームが行われた後に出るようにしてもよい。具体的には、500回の装飾図柄変動表示ゲームが終わるまでは設定値Veによらず一定の確率で該画像演出が実行され、500回の装飾図柄変動表示ゲームが終わった後にデモ画面表示状態に遷移した場合には設定値Veに応じて異なる出現率とされた該画像演出が実行されるように構成されていてもよい。また、500回の装飾図柄変動表示ゲームが終わるまでは該特定の画像演出が出現しないように構成されていてもよい。
このような構成であれば、ある程度の時間遊技された後(少なくとも500回以上の装飾図柄変動表示ゲームが実行された後)に放置された遊技機1であっても、デモ画面表示中に該画像演出が実行されることにより、遊技者の遊技意欲を惹起させることができ、遊技機1を再び稼働中に戻すことができる。
具体的な処理手順の一例について、図43を参照して説明する。
図43は、図34のコマンド対応処理(S2106)における各コマンド処理(S2130)の一例(S2130e)であり、具体的には、デモ表示コマンドを主制御部20から受信したことに応じて実行されるものである。
具体的には、演出制御部24はステップS3021で実行フラグに「1」をセットする処理を行う。この実行フラグは、前述の各演出における実行フラグとは別に設けられるものである。以降の各演出(演出04以降の各演出)においても同様の実行フラグが用いられるが、それぞれの演出で異なるフラグとされている。
演出03のための実行フラグは、図43には図示していないが、デモ画面表示が終了したタイミングで「0」へと書き戻される。具体的には、上始動口34に遊技球が入賞することにより液晶表示装置36上で特別変動表示ゲームが開始された場合などに該フラグは「0」へと書き戻される。
続いて、演出制御部24はステップS3022で、電源投入後に実行された特別図柄変動表示ゲームが500回以上であるか否かを判定する。電源投入後に実行された特別図柄変動表示ゲームが500回に満たない場合、演出制御部24はステップS3027の通常のデモ画面表示のためのコマンド送信を液晶制御部40に対して行う。これにより、液晶表示装置36上に示唆演出ではない通常のデモ画面が表示される。
一方、特別図柄変動表示ゲームが500回以上であると判定した場合、演出制御部24はステップS3023で設定値Veを取得し、ステップS3024で設定値Veに応じた抽選を行う。該抽選処理では、設定値Veが高いほど当選確率が高く設定されている。
次に、演出制御部24はステップS3025で、先の抽選に当選したか否かを判定し、当選していた場合はステップS3026で演出03としてのデモ画面表示のためのコマンド送信を液晶制御部40に対して行う。一方、先の抽選に落選していた場合、演出制御部24はステップS3027で通常のデモ画面表示のためのコマンド送信を行う。
上記の処理を行うことにより、液晶表示装置36上に何れかのデモ画面が表示されると共に、遊技者は液晶表示装置36上に表示されたデモ画面の種類を視認することにより設定値Veの推定が可能とされる。
(演出04)

演出04の具体例としては、遊技球の入賞時(タイミング10)に発生させる示唆演出であり、可動体役物を動作させる演出などである。また、入賞時の中でも、電源投入後の最初の変動開始タイミングとなる入賞時のみに実行する。また、演出種別としては、「設定値変更示唆演出」とされている。
即ち、遊技者は、ホールの開店後に一度も装飾図柄変動表示ゲームが行われていない遊技機1を遊技し、当該演出04が発生するか否かを確認することで、前日の設定値Veが新たな設定値Veへと変更されえているか、前日の設定値Veがそのまま変更されずに据え置かれているかを推測できることとなる。
このような演出04が実行可能とされていることで、前日の出玉率が低い遊技機1であっても遊技対象として選択されやすい状況を作ることができる。即ち、遊技機1の稼働率の向上を図ることができる。
なお、演出04は、設定値Veを変更した後の最初の装飾図柄変動表示ゲームの開始時(即ち最初の入賞時)に必ず発生するように構成されていてもよい。
また、例えば設定値4から設定値4へ変更した場合には、演出04が実行されるように構成されていてもよいし、同じ設定値Veであることから演出04が実行されないように構成されていてもよい。
また、上述した構成とは逆の構成として、設定値Veを変更せずに電源の投入が行われた後の最初の装飾図柄変動表示ゲームの開始時に演出04が発生するように構成されていてもよい。
なお、ボタンを振動可能な可動体役物として捉え、ボタンを振動させることにより演出04を実行してもよい。
具体的な処理の流れの一例について、図44を参照して説明する。なお、あくまで一例であるが、演出制御部24が主制御部20から装飾図柄指定コマンドを受信したことによって演出04を現出させるための処理(S2130b)が実行される。
本例では、演出制御部24が装飾図柄指定コマンドを受信した際に実行する処理(図35C)に演出04を実行するための処理を加えたものである。従って、図35Cを用いて説明した部分については重複をさけるために詳述を省く。
演出制御部24は、ステップS2132〜S2136を実行することにより、変動パターン指定コマンドの受信確認、役物原点補正のためのシナリオ登録、図柄変動フラグのセット、変動開始処理、変動パターン指定コマンドの削除を行う。
続いて、演出制御部24はステップS3031にて、当該特別図柄変動表示ゲームが電源投入後最初の変動であるか否かを判定する。
電源投入後最初の変動である場合(S3031:Yの場合)、演出制御部24は続くステップS3032で可動体役物を動作させる演出04を実行するためのシナリオ登録を行う。
一方、電源投入後最初の変動でなかった場合(S3031:Nの場合)、演出制御部24は図44に示す一連の処理を終了する。
(演出05)

演出05の具体例としては、液晶表示装置36を用いた画像演出及び音響発生装置46aを用いた音演出を実行するものである。リーチ前とされたタイミング10〜13の各タイミングにおいて、例えば、遊技機1で実行される画像演出に出てくる登場人物同士の会話において、所定確率で通常のセリフから示唆演出用の特定のセリフへと変更された示唆演出が実行される。所定確率は、設定値Veによって異なる確率(即ち高設定値ほど所定確率が高くされる)とされていてもよいし、設定値Veによらず同一確率とされていてもよい。同一確率とされている場合には、設定値Veによってセリフの内容等が変わる示唆演出とされていてもよい。
装飾図柄変動表示ゲームの開始ごとに演出05を行うか否かが判定され、該判定結果に応じて適宜実行されることにより、遊技機1の遊技を続けるか否かを適切に判断できる判断材料を遊技者に提供することが可能となる。
具体的な処理内容の一例について、図45に示す。
演出制御部24はステップS3041で演出05の実行に適切なタイミングであるか否か、即ちタイミング10〜13の何れかに該当するか否かを判定する。
適切なタイミングではないと判定した場合(S3041:Nの場合)、演出制御部24は図45に示す一連の処理を終了する。一方、適切なタイミングと判定した場合(S3041:Yの場合)、演出制御部24はステップS3042で実行フラグが「0」であるかを確認し、実行フラグが「0」でない場合は、処理を終了する。
実行フラグが「0」である場合、演出制御部24はステップS3043で実行フラグに「1」を設定し、続くステップS3044で演出05を実行するか否かの抽選を行う。この例では、設定値Veによらず一定の確率で示唆演出としての演出05が実行されることとなる。
続いて、演出制御部24はステップS3045で、該抽選に当選したか否かに応じて処理を分岐する。落選していた場合は、演出制御部24は図45に示す各処理を終了させ、当選していた場合は演出制御部24はステップS3046で設定値Veを取得し、ステップS3047で設定値Veに応じた会話選択を行う。会話選択では、設定値Veに応じて選択確率が異なる複数の会話から一つを選択する。例えば、複数の会話として会話1,会話2、会話3の3種類が用意され、設定値1では会話1〜3をそれぞれ65%、30%、5%の確率で選択する。設定値6では会話1〜3をそれぞれ10%、15%、75%の確率で選択する。
このような構成とすることで、遊技者は会話3が視認できた場合には設定値6の可能性が高いことを認識することができ、会話1が視認できた場合には設定値1の可能性が高いことを認識することができる。
(演出06)

演出06の具体例としては、変動中の各タイミング(タイミング10〜25)で装飾ランプ45やLED装置などの光表示装置45aを用いて示唆演出を行う。具体的には、光表示装置45aを一定時間(例えば0.2秒など)点灯させることにより演出を行うが、発光色を設定値Veによって変化させる。設定値Veによって一意に発光色を決定してもよいし、設定値Veによって選択されやすい発光色が異なるように構成してもよい。
また、光表示装置45aとして複数のLED等の光源を遊技機1が備えている場合に、設定値Veによって演出に用いる光源を変えてもよいし、設定値Veによって異なる光源が演出に用いられやすいように構成してもよい。
また、光表示装置45aとして各種設けられたLEDの中から設定値Veによって演出に用いる光源を変化させるだけでなく、その発光色を変化させてもよい。
更に、上述した一定時間を設定値Veによって変えてもよい。他にも、1回の変動中におけるタイミング10〜25のうち、複数のタイミングで発光演出を行うように構成し、設定値Veによって1変動中における演出回数を変えるようにしてもよい。具体的には、設定値1の場合は、タイミング10〜25のうちの1〜3個のタイミングで発光演出が行われやすく、設定値6の場合はタイミング10〜25のうちの6〜8箇所のタイミングで発光演出が行われやすいように構成する。勿論、上述した発光色や演出に用いる光表示装置45aの数を更に組み合わせた演出としてもよい。
これにより、1変動中に多くの発光演出が行われるほど、高設定値である期待度が高まる。従って、当該変動中に期待度が低い演出を実行中であっても、演出06としての示唆演出が現出した場合には、遊技者は興味を失わずに遊技を続けることができる。
具体的な処理手順について、図46を参照して説明する。なお、これまでの各演出例と同様の処理については、場合によって詳述を省略する。
演出制御部24はステップS3051で演出06を実行するのに相応しいタイミングであるか否かを判定し、ステップS3052で実行フラグが「0」であるか否かを判定する。
相応しいタイミングであり実行フラグが「0」であると判定した場合、演出制御部24はステップS3053で実行フラグに「1」を設定し、ステップS3054で設定値Veを取得し、ステップS3055で設定値Veに応じた抽選を行う。
この抽選では、設定値Veに基づいて、どの光源を用いるか、どのような表示態様(1回点滅、或いは2回点滅等の点灯パターン)を採用するか、などを決定する。
該抽選では、何れの光源についても点灯させない(=落選)という抽選結果もあり得る。
続いて、演出制御部24はステップS3056で、抽選結果の当落に基づいて分岐し、当選の場合には、ステップS3057で光演出を行うためのシナリオ登録を実行する。
このような処理により、示唆演出としての演出06が実行される。
なお、ステップS3053で「1」へと変更された実行フラグは、当該タイミングが終了した段階で「0」へとクリアされる。例えば、入賞(変動開始)のタイミングとされたタイミング10で演出06が実行されて実行フラグが「1」へと変更された場合、タイミング10としての期間が終了し次のフェーズ(例えばタイミング11)へと遷移した際に実行フラグが「0」へと戻される。これにより、タイミング11で再度演出06を実行することが可能となる。
(演出07)

演出07の具体例としては、液晶表示装置36上の特定の領域に停止表示される左、中、右の3箇所の装飾図柄のうち、一つ目の装飾図柄が停止するタイミング(タイミング13)、疑似連2回目と3回目のタイミング(タイミング14,15)、二つ目の装飾図柄が停止するタイミング(タイミング16)の何れかにおいて、停止した装飾図柄の種類が設定値Veに応じたものとなる示唆演出を行う。
例えば、設定値6であった場合には、一つ目に停止した装飾図柄と二つ目に停止した装飾図柄が共に6とされたリーチ演出(リーチ変動パターン)が実行される確率が他の設定値(1〜5)よりも高くされている。
また、リーチ演出は実行されないが(即ち通常変動パターンを介して)三つの装飾図柄が全て停止した状態において、特定の並び順(例えば左図柄が1,中図柄が2,右図柄が3を模した装飾図柄)の出現率が設定値Veによって異なるものとされることにより示唆演出が行われてもよい。
リーチ演出の結果外れたとしても、高設定値であることが期待される停止態様とされていた場合には、遊技者の遊技意欲を損なわずに済む。
また、リーチ演出を介して全ての装飾図柄が停止され大当りとなった場合に、大当りとなった装飾図柄の出現率に設定値Veに応じた差を設けてもよい。例えば、6を模した装飾図柄が三つ揃って大当りとなる確率は高設定値であるほど高い確率とされる。
当り種別が遊技者にとって不本意なものであっても、高設定値であることが期待される停止態様とされていた場合には、遊技者の遊技意欲を損なわずに済む。
具体的な処理について、図47を参照して説明する。なお、図47は、コマンド対応処理(S2106)における各コマンド処理(S2130)の一例(S2130b)である。
先ず、演出制御部24はステップS2132乃至S2134の各処理を実行する。これらの処理は既に説明済みのため、詳述を避ける。
続いて、演出制御部24は、ステップS3061で設定値Veを取得し、続くステップS3062で変動開始処理を実行する。
本例における変動開始処理は、設定値Veに基づいて行われる。即ち、設定値Veに基づいて変動パターンの抽選を行うか否かを判定し(即ち変動パターンに設定値示唆を盛り込むか否かを判定し)、盛り込むと決定した場合に、設定値Veに基づく変動パターン抽選を行い、抽選の結果選択された変動パターンを開始するための処理(シナリオの登録や液晶制御部40へのコマンド送信など)を行う。
これにより、例えばリーチ演出を実行する際に設定値Veに応じた装飾図柄がテンパイする。また、大当りを報知するために三つの装飾図柄が揃った状態を表示する場合には、設定値Veに応じた装飾図柄が停止表示される。
なお、リーチ演出や大当りの報知演出の際に必ず設定値Veを用いた変動パターンの抽選を行うわけではない。従って、リーチ演出や大当り報知演出の一部は、設定値Veによらない変動パターンの抽選を行う。この場合は、設定値Veを用いずに主制御部20から受信した変動パターン指定コマンドや装飾図柄指定コマンドの内容に基づいて変動パターンの抽選を行う。
続いて、演出制御部24はステップS2136において、変動パターン指定コマンドの削除を行い、図47に示す一連の処理を終了する。
(演出08)

演出08の具体例としては、はずれ変動パターンのうち最も短い演出とされた「通常変動4s」において、高設定値ほど停止した装飾図柄の数字が大きな数字となりやすいように構成することにより、該「通常変動4s」の変動パターンを示唆演出の一態様とする。
また設定値Veの値に応じた装飾図柄が停止しやすい態様とすることもできる。具体的には、設定値3であれば3を模した装飾図柄が停止しやすいということである。
また、ノーマルリーチを介したはずれの変動パターンにおいて、同様の装飾図柄が停止しやすい態様としてもよい。
示唆演出の実行タイミングとしては、第2図柄停止時(タイミング17)やノーマルリーチ発生時の当落煽り演出時(タイミング18)などが挙げられる。
演出08では、はずれの変動パターンであっても停止する装飾図柄の態様によっては高設定値の期待感が得られ、遊技意欲の減衰を防止することが可能である。
具体的な処理について、図47を参照して説明する。なお、ステップS2132〜S2134の各処理については説明を省く。
演出制御部24はステップS3061で設定値Veを取得し、続くステップS3062で変動開始処理を行う。
変動開始処理においては、変動パターンの抽選結果がリーチ演出を含まない「通常変動4s」である場合に、設定値Veに応じて装飾停止図柄が決定され、それに応じたシナリオ登録や液晶制御部40へのコマンド送信などが行われる。
これにより、設定値Veに応じて選択された装飾図柄が液晶表示装置36上の所定位置に停止表示され、遊技者は設定値Veを推測することができる。
(演出09)

演出09の具体例としては、第1種スーパーリーチのタイトル表示中(タイミング19)や第2種スーパーリーチのタイトル表示中(タイミング22)において、液晶表示装置36にタイトル画像の一つとしてデンジャー柄などの特殊な画像(高期待値とされる画像)が表示された場合に、設定値Veに応じて大当りの当選確率が異なるものとされている。
液晶表示装置36だけでなく、音響発生装置46aや光表示装置45aなどもこの示唆演出に用いられる。
例えば、設定値Veが高いほど該示唆演出が出現した後の当選確率が低く設定されていてもよい。
また、設定値2〜6までは大当りの当選確率が同じであるが、設定値1については大当りの当選確率が100%とされていてもよい。即ち、デンジャー柄などの特殊な画像がタイトル画像として表示されたにも関わらず大当りではなくはずれであった場合、遊技者は遊技意欲を失うことが考えられるが、この構成によれば、少なくとも最も遊技者に不利とされる設定値1である可能性が消失するため、遊技意欲の減衰を防止や遊技意欲の向上を図ることができる。即ち、抽選結果が大当りであってもはずれであっても遊技意欲を高めることができる。
具体的な処理について、図47を参照して説明する。なお、ステップS2132〜S2134、S2136の各処理については説明を省略する。
演出制御部24はステップS3061で設定値Veを取得した後、ステップS3062で設定値Veに基づく変動開始処理を実行する。
該変動開始処理では、設定値Veに応じた演出態様の抽選が行われる。
例えば、設定値Veが1であり、大当り抽選の抽選結果が「はずれ」である場合には、例えばデンジャー柄のタイトル表示を行わず、他の態様でタイトル表示を行うように抽選を行う。
また、設定値Veが6であり、大当り抽選結果が「はずれ」である場合には、デンジャー柄のタイトル表示が選択される可能性を有する抽選を行う。
例えば、図48に示すようなテーブルを用いることにより実現可能である。第1種スーパーリーチには、例えば、タイトル1、タイトル2、タイトル3(デンジャー柄)の3種類のタイトル画面が用意されている。タイトル1よりもタイトル2の方が信頼性(大当り抽選に当選している可能性)が高く、タイトル2よりもタイトル3の方が信頼性が高くされている。
図48は、大当り抽選にはずれ、且つ、第1種スーパーリーチを実行する場合(第1種スーパーリーチを実行するか否かの抽選に当選した場合)に、タイトル1,2,3の振り分け確率を示すものである。具体的には、分母を65536とした場合の分子の数値が記載されており、はずれ、設定値Ve=1、タイトル1の欄に記載された45536は、45536/65536の確率で出現することを示している。また、最も右側の欄は、タイトル3の出現率とされており、設定値Veに応じたそれぞれの大当り当選確率や第1種スーパーリーチの出現確率等を考慮して算出されるものである。例えば、設定値Ve=2とされ、大当り抽選にはずれ、第1種スーパーリーチの実行可否に当選し、更にデンジャー柄が出現するタイトル3に当選した状態が出現する確率は1.5e−6(1.5×10^−6)とされている。
図48から理解されるように、第1種スーパーリーチとしてデンジャー柄を含むタイトル3が液晶表示装置36上に出現した場合の信頼度(大当り抽選に当選する期待度)は、設定値6よりも設定値1の方が高くされている。
即ち、上述のように設定値1ではデンジャー柄などの特殊な画像がタイトル画像として表示された場合には大当り確定演出となり、設定値6では同様の演出が大当り確定ではない演出となる。
(演出10)

演出10の具体例としては、特定のリーチ(例えば第1種スーパーリーチや第2種スーパーリーチ)の出現率が設定値Veの値によって異なる態様とされる。
演出タイミングとしては、第1種スーパーリーチに係るタイミング(タイミング19〜21)と第2種スーパーリーチに係るタイミング(タイミング22,23)とされている。
液晶表示装置36だけでなく、音響発生装置46aや光表示装置45aなどもこの示唆演出に用いられる。
例えば、第1種スーパーリーチとして複数あるリーチ態様のうちの少なくとも一つが設定値Veの奇数/偶数に応じて異なる出現率とされる。また、該スーパーリーチが連続して出現するほど、高設定値である可能性が高くされている。
これにより、該スーパーリーチが出現したにも関わらずはずれた場合であっても、連続出現することにより高設定値である期待度が高まり、遊技意欲の減少を防止することができる。
具体的な処理例について、図49を参照して説明する。なお、図49は、コマンド対応処理(S2106)における各コマンド処理(S2130)の一例(S2130b)である。
演出制御部24はステップS2132〜S2134の各処理を実行する。各処理についての詳述は省く。続いて、演出制御部24はステップS3071で、これから行う特別図柄変動表示ゲームが第1種スーパーリーチであるか否かを判定する。この情報は、主制御部20から受信した変動パターン指定コマンドを解析することにより取得可能である。
第1種スーパーリーチである場合(S3071:Yの場合)、演出制御部24はステップS3072で設定値Veを取得し、続くステップS3073で設定値Veが偶数であるか否かを判定する。
偶数である場合(S3072:Yの場合)、演出制御部24は偶数用のテーブルを選択する(ステップS3074)。また、奇数である場合(S3072:Nの場合)、演出制御部24は奇数用のテーブルを選択する(ステップS3075)。
次に、演出制御部24はそれぞれのテーブルに基づいて演出態様(変動態様)を決定するための抽選をステップS3076で行い、抽選の結果選択された演出態様に基づきステップS3077で変動を開始する。具体的には、装飾図柄変動表示ゲームを実行させるためのコマンドを液晶制御部40へ送信する処理や、スピーカ46や光表示装置45a等を用いた各演出を行うためのシナリオを登録する処理などをステップS3077で実行する。
また、ステップS3071において、これから行う特別図柄変動表示ゲームが第1種スーパーリーチではない場合(S3071:Nの場合)、演出制御部24はステップS3078で、実行する変動態様に応じた処理や抽選を行い、ステップS3077で変動を開始する。
変動を開始させた後、演出制御部24はステップS2136で変動パターン指定コマンドの削除処理を実行する。
このように、設定値Veの偶数/奇数の別に応じて異なるテーブルを選択することにより(ステップS3074,S3075)、偶数で出現しやすい変動態様と奇数で出現しやすい変動態様を異ならせることができる。これにより、遊技者は、遊技機1の挙動を介して設定値Veの推測を行うことが可能となる。
(演出11)

演出11の具体例としては、第2種スーパーリーチにおける当落煽り演出実行中に液晶表示装置36と演出ボタン13を用いた示唆演出を行う。例えば、液晶表示装置36に当落煽り演出のうちの一つとして演出ボタン13の押下を指示する画像を表示させる場合に、当該煽り演出が示唆演出を兼ねている場合とそうでない場合で表示する画像を異ならせる(例えば、ボタン押下を指示する文言が異ならせる)。
示唆演出としての煽り演出は、例えば、確変大当りである確率が100%とされ、設定値6でしか出現しないように構成する。
この場合、示唆演出としての煽り演出が出現したことで、確変10Rなどの大当りに当選したことが確実となる上に設定値Veが最高設定値である6であることも確定するため、遊技者の遊技意欲を著しく向上させることができる。
なお、ここでいう設定値の「確定」とは、遊技機1の内部的に不定であったものがこの瞬間に確定するということではなく、遊技機1の内部的には既にある値として確定している設定値Veが、遊技者にとっても明らかになるという意味であり、遊技者にとって推定していた設定値Veが確定するという意味である。また、想定していた設定値Veが一つの数字に絞れた場合だけでなく、特定の数値以外であることが絞れた場合についても「確定」と記載する。具体的には、「奇数であることが確定」や「2以上であることが確定」などのように使用する。以降の説明において「確定」という文言を使用する場合にも、同様の意味で使用する。
なお、設定値6であることが確定することは必須ではなく、例えば、設定値4〜6の何れかであることが確定する構成とすることや、設定値1ではないことが確定する構成とすることも考えられる。他にも、確定でなくとも高設定値であることが濃厚であることを示唆する演出とされていてもよい。
具体的に、当落煽り演出として、液晶表示装置36上にセリフが表示される演出を実行する例について、図50を参照して説明する。
図50Aは、設定値Veそれぞれで選択されうるセリフ1〜4を示す表である。設定値Veが1のときは、セリフ1かセリフ3のいずれかが選択され、液晶表示装置36上に表示される。また、設定値Veが2のときは、セリフ1が選択される(即ち、セリフ2〜4が表示されることはない)。
セリフ1は、設定値Veによらず選択されるため、示唆演出とはならない。セリフ2は、設定値Veが6のときのみに選択され得るものであり、該演出が選択された場合には設定値Veが6であることが確定する。
セリフ3は、設定値Veが1,3,5のときに選択され得るものであり、設定値Veが奇数であることが確定する。また、セリフ4は、設定値Veが4,5,6であるときに選択され得るものであり、設定値Veが4以上であることが確定する。
具体的な処理手順について、図50Bを参照して説明する。なお、前述した処理については、適宜詳述を省く。
演出制御部24は、ステップS3081で演出11を実行するのに適切なタイミングであるか否かを判定し、続くステップS3082で実行フラグが「0」であるか否かを判定する。
演出11を実行するのに適切なタイミングであり、且つ、実行フラグが「0」である場合には、演出制御部24はステップS3083で実行フラグに「1」を設定し、ステップS3084で設定値Veを取得し、続くステップS3085で設定値Veに応じた分岐処理を行う。
設定値Veが1である場合や3である場合、演出制御部24はステップS3086でセリフ1及びセリフ3から何れか一方を選択する。このとき、セリフ1よりもセリフ3の方が選択されにくい(即ち選択確率が低い)ように構成されていてもよい。
設定値Veが2である場合には、演出制御部24はステップS3087でセリフ1を選択する。
設定値Veが4である場合には、演出制御部24はステップS3088でセリフ1,4から何れか一方を選択する。
設定値Veが5である場合には、演出制御部24はステップS3089でセリフ1,3,4から何れか一つを選択する。
設定値Veが6である場合には、演出制御部24はステップS3090でセリフ1,2,4から何れか一つを選択する。
続いて、演出制御部24はステップS3091で液晶制御部40にコマンド送信を行う。
(演出12)

演出12の具体例としては、大当りに当選した後の再抽選演出時(タイミング24)に、液晶表示装置36を用いて示唆演出を行う。このとき、再抽選前の装飾図柄の出現確率や再抽選後の装飾図柄の出現確率などを設定値Veによって異ならせる構成とする。
例えば、再抽選演出として、大当り終了後に確変状態へ遷移しない「通常大当り」を示す装飾図柄(例えば2,4,6,8)が揃った状態から、大当り終了後に確変状態へ遷移する「確変大当り」を示す装飾図柄(例えば1,3,5,7,9)へと画像が変化する演出を行う場合に、遊技機1の設定値Veが1であれば1の装飾図柄へ変化する確率を高くし、設定値Veが6であれば7の装飾図柄へ変化する確率を高くする。
このような遊技機1では、再抽選演出を介して「確変大当り」に昇格する場合の中でも、1の装飾図柄へと変化する場合と7の装飾図柄へと変化する場合とで遊技者が一喜一憂することができるため、遊技興趣の高い演出を実現することが可能となる。
具体的な処理例について、図51を参照して説明する。なお、図51は、コマンド対応処理(S2106)における各コマンド処理(S2130)の一例(S2130b)である。
演出制御部24はステップS2132,S2133,S2134の各処理を実行した後、ステップS3101で当り種別と変動パターンに基づいて装飾図柄の変動態様を抽選する処理を実行する。
ステップS3101の処理を実行するまでに、演出制御部24は主制御部20から装飾図柄指定コマンドと変動パターン指定コマンドを受信している。従って、前述のように、演出制御部24は、当り種別(はずれ、通常4R、確変10Rなどの別)と変動パターン(通常4sやスーパーリーチ1などの別)の情報を取得済みである。ステップS3101では、これらの情報を用いて、液晶表示装置36上でどのような態様の装飾図柄変動表示ゲームを行うかを抽選する。
続いて、演出制御部24はステップS3102で、先の変動態様の抽選の結果選択された変動態様が再抽選を含むものであるか否かによって分岐する。再抽選を実行しない変動態様である場合、演出制御部24はステップS3105で変動を開始させる処理を行い、ステップS2136で変動パターン指定コマンドの削除を実行する。
一方、再抽選を実行する変動態様であった場合、演出制御部24はステップS3103で設定値Veを取得し、続くステップS3104で設定値Veに応じた処理を実行する。具体的には、設定値Veに応じて再抽選の前に遊技者に停止表示する装飾図柄と、再抽選後に遊技者に提示する装飾図柄の抽選処理を行う。
具体的に、図52を参照して説明する。
図52は、液晶表示装置36を介して遊技者に停止表示される装飾図柄の抽選に用いられる表の一例である。再抽選演出には、昇格成功パターンとして「通常大当り」を示す装飾図柄から「確変大当り」を示す装飾図柄へと液晶表示装置36上の表示が変更される演出態様と、昇格失敗パターンとして「通常大当り」を示す装飾図柄から再び同じ「通常大当り」を示す装飾図柄が表示される演出態様が用意されている。図52は、昇格成功パターンを実行する際に参照されるテーブルである。図中の数値はそれぞれの装飾図柄の選択確率を示したものであり、単位は%である。
図示するように装飾図柄は、設定値Veに応じて選択される。例えば、設定値Veが1の場合の再抽選前の装飾図柄としては、「2」が選択される確率が60%、「4」が選択される確率が20%、「6」が選択される確率が10%、「8」が選択される確率が10%とされている。また、設定値Veが1の場合の再抽選後の装飾図柄としては、「1」が選択される確率が70%、「3」が選択される確率が10%、「5」が選択される確率が10%、「7」が選択される確率が5%、「9」が選択される確率が5%とされている。
即ち、設定値Veが1であり、再抽選演出として昇格成功パターンを現出させる際には、装飾図柄「2」から「1」へと変更される演出態様が最も選択されやすい。
図52から理解されるように、設定値Veに応じて再抽選前後で選択されやすい装飾図柄が異なる。
図51の説明に戻る。
設定値Veに応じた装飾図柄の抽選を終えた演出制御部24は、ステップS3105で変動を開始させる処理を行い、ステップS2136で変動パターン指定コマンドの削除を行う。変動を開始させる処理では、前述のように、装飾図柄変動表示ゲームを実行させるためのコマンドを液晶制御部40へ送信する処理や、スピーカ46や光表示装置45a等を用いた各演出を行うためのシナリオを登録する処理などを実行する。
(演出13)

演出13の具体例としては、二つの操作子(例えば演出ボタン13を含む二つの演出ボタンなど)を遊技者に操作させるための示唆演出を液晶表示装置36を用いて行う。
例えば、図53Aに示すように、液晶表示装置36に「Wデバイスチャンス!」などの文言が表示された後(画像1)、図53Bに示すように遊技者に操作させる二つの操作子を模したアイコン画像と「同時に押せ!」などの操作を誘導するような文言を含む画像(画像2)を表示させる。
続いて、大当り抽選結果が液晶表示装置36に表示される(図54A,図54B)大当り抽選に当選した場合は、図54Aに示すように同じ装飾図柄(図中では7の装飾図柄)が揃って報知される。一方、大当り抽選に落選した場合は、図54Bに示すように、装飾図柄が揃わないことで落選が報知される。
図54Bに示すように落選が報知された後、液晶表示装置36には図55Aまたは図55Bに示す画像が表示される。
図55Aに示す画像は、例えば設定値Veが1〜6の何れかで表示される画像であり、高確率で選択される画像である。一方、図55Bに示す画像は、例えば設定値Veが6である場合に低確率で表示される画像であり、図55Aに示す画像に特定のキャラクタ画像(図中ではUFOのキャラクタ画像)を加えた画像とされている。換言すれば、設定値Veが1〜5の場合は必ず図55Aに示す画像が表示され、設定値Veが6の場合に限り図55Aまたは図55Bの何れかの画像が表示されるように構成されている。
図55Bに示す画像が液晶表示装置36に表示された場合には、遊技者は設定値Veが最高値である6であることを把握することができる。
図55Bには、液晶表示装置36上に表示される画像と共にスピーカのアイコンが記載されている。これは、図55Bに示す画像演出を実行する際には、同時にスピーカによる音演出も行われることを示している。即ち、遊技者は、視覚的に演出を楽しむだけでなく、聴覚によっても演出を楽しむことが可能である。
そして、液晶表示装置36で実行される画像演出を見逃した遊技者であっても、スピーカ等の音響発生装置46aを用いた音演出が行われることで、当該示唆演出に気がつくことができる。
設定値6の確定演出に用いられる画像(図55B)が、大当り抽選にはずれた場合(即ち全図柄停止時としてのタイミング25)において遊技者に提示されることにより、大当り抽選にはずれたことによる遊技意欲の減衰を防止することや遊技意欲の向上を図ることが可能とされ、遊技興趣の高い演出の実現が図られる。
具体的な処理手順について、図56を参照して説明する。
演出制御部24はステップS3111において、演出13の実行に適切なタイミングであるか否かを判定する。即ち、現在が全図柄停止時(タイミング25)であるか否かによって分岐する。
演出13を実行するのに適切でないタイミングの場合、演出制御部24は図56に示す一連の処理を終了する。一方、適切なタイミングである場合、演出制御部24は続くステップS3112で実行フラグが「0」であるか否かを判定する。実行フラグが「0」でない場合、即ち「1」である場合、演出制御部24は図56に示す一連の処理を終了する。
実行フラグが「0」である場合、即ち、演出13を実行中でない場合、演出制御部24はステップS3113で実行フラグに「1」を設定し、ステップS3114で設定値Veを取得する。
続いて、演出制御部24はステップS3115で設定値Ve及び大当り抽選の当落情報に応じた演出態様の抽選を行う。なお、この抽選では、図53乃至図55に示す各画像を用いた装飾図柄変動表示ゲームを実行するか否かを抽選し、実行する場合には、何れの画像を液晶表示装置36上に表示させるかを抽選する。
抽選の結果、図53乃至図55に示す画像は用いない演出を実行する場合には、液晶表示装置36は図56に示す以降の処理を行わずに終了する。
図53乃至図55に示す各画像を用いた演出を実行する場合、演出制御部24はステップS3116で図53A(画像1)、図53B(画像2)を順に液晶表示装置36上に表示させるためのコマンドを液晶制御部40に送信する。
続いて、演出制御部24はステップS3117で、画像2に基づいた遊技者の操作が行われたか否かを判定する。即ち、液晶表示装置36上にアイコン画像として表示された操作子を遊技者が操作したか否かに基づいて分岐する。
操作子が操作された場合、液晶表示装置36はステップS3119の処理に進む。また、操作子が操作されていない場合、演出制御部24はステップS3118で所定時間(例えば3s)が経過したか否かを判定する。所定時間が経過していない場合、演出制御部24はステップS3117の処理を再び実行する。一方、所定時間経過した場合、演出制御部24はステップS3119の処理に進む。
即ち、演出制御部24は、遊技者による操作子の操作が行われるか、所定時間が経過するまでステップS3117及びステップS3118の処理を繰り返し実行する。
ステップS3119では、演出制御部24は大当り抽選に当選しているか否かによって分岐する。当落情報は、主制御部20から受信したコマンドから取得可能である。
大当り抽選に当選している場合、演出制御部24はステップS3120で図54A(画像3)を液晶表示装置36上に表示させるためのコマンドを液晶制御部40に送信する。
大当り抽選に落選している場合、演出制御部24はステップS3121で図54B(画像4)を液晶表示装置36上に表示させるためのコマンドを液晶制御部40に送信し、続くステップS3122でキャラクタ画像(UFOのアイコン画像)を表示させるか否かを判定する。なお、キャラクタ画像を表示させるか否かは、ステップS3115の抽選によって決定済みである。
キャラクタ画像を表示しない場合、演出制御部24はステップS3123で、図55A(画像5)を液晶表示装置36上に表示させるためのコマンドを液晶制御部40に送信する。
一方、キャラクタ画像を表示する場合、演出制御部24はステップS3124で、図55B(画像6)を液晶表示装置36上に表示させるためのコマンドを液晶制御部40に送信する。
画像5と画像6を液晶表示装置36上に表示させる演出が示唆演出とされる。即ち、遊技者は、大当り抽選にはずれた場合に、液晶表示装置36上に表示される画像5と画像6の出現割合から遊技機1の設定値Veを推測することが可能となる。
(演出14)

演出14の具体例としては、装飾図柄変動表示ゲームの全図柄停止時(タイミング25)に遊技機1のロゴなどを点滅させるなどの示唆演出を行う。
詳述すると、電源投入後の累計回転数(電源投入後に行われた装飾図柄変動表示ゲームの数)が所定数(例えば2000回)に達した後、所定の契機が到来したことに応じてそこから特定回数(例えば20回)の装飾図柄変動表示ゲームの全図柄停止時(タイミング25)に遊技機1のロゴなどを点滅させるなどの示唆演出を行う。そして、その後、定期的(例えば100回の装飾図柄変動表示ゲームごと)に所定期間(例えば20回の装飾図柄変動表示ゲームの間)同様の示唆演出を実行し得る。示唆演出が行われる可能性のある所定期間(20回の装飾図柄変動表示ゲームの間)を示唆演出期間と記載する。
各示唆演出期間で少なくとも一度ずつ点滅しているうちは設定値Veが1であることを否定する演出とする。即ち、ある示唆演出期間でロゴなどを点滅させる示唆演出が一度も発生しなかった場合に、設定値Veが1である可能性が出てくるということである。
遊技者は、それまでの各示唆演出期間で一度ずつ点滅している間は、設定値Veが1ではないかもしれないと考えるため、当該示唆演出を行うことは遊技者に遊技を続行させるための理由となり得る。
また、上述の示唆演出期間のいずれかで示唆演出が2回行われた場合(例えば、ある示唆演出期間における20回の装飾図柄変動表示ゲーム中に2回の示唆演出が行われた場合)には、設定値Veが2以上であることが確定するように構成されている。この場合には、一つの示唆演出期間において当該示唆演出が2回出現したことによって、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
なお、所定の契機とは、所定数の装飾図柄変動表示ゲームの開始時でもよいし、終了時でもよいし、特定の演出が行われた後などでもよい。
また、演出手段としては、装飾ランプ45などの光表示装置45aを用いる例を示したが、音響発生装置46aを用いた音演出で代用してもよいし、液晶表示装置36を用いた演出とされてもよいし、可動体役物を動作させる演出であってもよい。
更に、電源投入後の累計回転数の代わりに総アウト球数を用いてもよい。これによれば、各入賞口に遊技球があまり入賞せずに賞球数が少なく、遊技者が遊技を停止する可能性が高い遊技機1において、他の遊技機1よりも早いタイミングで該所定の契機が到来することとなり、遊技機1に対する遊技意欲の低下を抑制できる可能性を高めることができる。
具体的な処理について、図57を参照して説明する。
演出制御部24はステップS3131において、演出14を実行するタイミングとして適切か否かを判定し、続くステップS3132で実行フラグが「0」であるか否かを判定する。
実行するタイミングとして不適である場合や、実行フラグが「0」でない場合、演出制御部24は図57に示す処理を終了する。
演出制御部24はステップS3133で、実行フラグを「1」に変更する処理を実行する。これにより、同じタイミングで示唆演出としての演出14が何度も実行されてしまうことを防止する。
演出制御部24はステップS3134で累計回転数が2000回以上であるか否かに応じて分岐する。2000回未満である場合、演出制御部24は図57に示す各処理を終了する。累計回転数が2000回以上である場合、演出制御部24はステップS3135で累計回転数の下二桁が20未満であるか否かを判定する。図中の「%」は剰余演算子を示している。即ち、「累計回転数%100」の式は、累計回転数を100で割った余りを求める式を表している。
下二桁が20以上である場合は、演出制御部24は以降の処理を実行せずに示唆演出14実行処理を終了する。
下二桁が20未満である場合、演出制御部24はステップS3136で累計回転数の下二桁が「00」であるか否かを判定し、「00」である場合は、演出回数に0をセットする処理を行う(ステップS3137)。
演出14では、累計回転数が2000回以上となった後の20回転(2000〜2019回)において、示唆演出が実行され得る。また、それ以降も下二桁が「00」となるごとにその後の20回転の間に示唆演出が実行されうる。このとき、20回転の示唆演出実行可能期間1セットにおいて、示唆演出が行われる回数が設定値Veに応じて変わるようにする。ステップS3137で「0」がセットされる演出回数は、示唆演出実行可能期間1セットにおいて何度の示唆演出が行われたかを表す変数であり、累計回転数の下二桁が「00」になるごとに「0」へリセットされる。
続いて、演出制御部24はステップS3138で、設定値Veを取得し、ステップS3139で演出14の実行可否を演出回数と設定値Veに基づいて抽選する。
該抽選に用いられるテーブルの一例について、図58に示す。
図中の数値の単位は「%」であり、示唆演出としての演出14が実行される確率(即ち当選確率)を示している。
例えば、設定値Veが1であり演出回数が「0」である場合、即ち、当該示唆演出実行可能期間において未だ演出14を実行していない場合、2%の確率で演出14が実行される。また、設定値Veが1であり演出回数が1〜19である場合、当選確率は0%とされている。即ち、示唆演出実行期間1セットの間において演出14が実行されるのは、最大でも1回とされている。従って、1セットの間に複数回の演出14が実行された場合には、設定値Veが2以上であることが確定する。
図58から理解されるように、設定値Veが高い程、演出14が実行されやすい。従って、遊技者は演出14の出現頻度などから設定値Veを推測することが可能となる。
図57に戻る。演出制御部24はステップS3140で、演出14を実行するか否かによって、即ち、ステップS3139の抽選に当選したか否かによって分岐する。
落選していた場合、演出制御部24は図57の示唆演出14実行処理を終了する。
当選していた場合、演出制御部24はステップS3141で演出回数に1を加算し、ステップS3142で演出14のためのコマンドを液晶制御部40に送信し、ステップS3143で演出14のためのシナリオ登録を行う。
(演出15)

演出15の具体例としては、大当り中の各ラウンド遊技中(タイミング28〜35)において、オーバー入賞発生時に行う示唆演出である。
例えば、各ラウンドにてオーバー入賞が発生した際に、通常とは異なる音演出が行われる。異なる音演出が行われる確率は、遊技機1が高設定値であるほど高くされる。更に、ラウンド4及びラウンド5において当該異なる演出が実行された場合には、設定2以上が確定する。
このような演出15を遊技機1に実装することにより、通常大当り中であっても遊技者は当該示唆演出が実行されるか否か、期待感を持って遊技することが可能となる。従って、遊技興趣の高い遊技機1を提供することが可能となる。
なお、音演出の代わりに光表示装置45aを用いた光演出を行ってもよい。
具体的な処理について、図59Aを参照して説明する。なお、図59Aは、コマンド対応処理(S2106)における各コマンド処理(S2130)の一例(S2130f)であり、演出制御部24が主制御部20から大入賞口入賞コマンドを受信したことに応じて実行される処理の一例である。また、図59Aでは、示唆演出としての演出15に関する処理以外は省略して示している。
先ず、演出制御部24は主制御部20から大入賞口入賞コマンドを受信することにより、図59Aに示す一連の処理を実行する。このコマンドは、大当り遊技における各ラウンド遊技で所定時間開放される大入賞口50に遊技球が入賞したことに応じて主制御部20から発行される。
当該コマンドを受信した演出制御部24は、ステップS3151で、大入賞カウンタに1を加算する処理を行う。このカウンタは、各ラウンド遊技中に大入賞口50に入賞した遊技球数をカウントするための変数であり、各ラウンド遊技が開始される際に「0」へとクリアされる。
続いて、演出制御部24はステップS3152で、大入賞カウンタが入賞上限数よりも大きい値であるか否かを判定する。入賞球数の上限個数は、一つのラウンド中に許容された入賞球数の上限個数であり、その個数に入賞球数が達した場合には、大入賞口50が閉鎖される。但し、入賞球数が上限個数に達したタイミングと、大入賞口50が閉鎖されるタイミングには多少の誤差があり、例えば上限個数に一つ足りない状態から二つの遊技球が略同時に大入賞口50へ入賞した場合などに上限個数よりも多い入賞球が許容されることもある(所謂オーバー入賞)。
ステップS3152では、今回の受信コマンドに係る入賞球がそのような上限個数よりも多い入賞球であるか否かを判定している。
大入賞口50への今回の入賞がオーバー入賞であった場合(S3152:Yの場合)、演出制御部24はステップS3153で設定値Veを取得し、続くステップS3154で演出15を実行するか否かを抽選する。
この抽選処理では、設定値Veに応じて当選確率が異なるようにされており、例えば、図59Bに示すテーブルに基づいた抽選が行われる。本例では、図59Bに示すように、1ラウンド目においては、設定値1では10%の確率で特別な音演出が発生し、設定値6では60%の確率で特別な音演出が発生する。
また、4ラウンド目及び5ラウンド目では、設定値1の当選確率が0%とされており、演出15が発生した場合には設定値2以上が確定する。
演出制御部24は、ステップS3155で抽選に当選したか否かによって分岐する。演出15を実行する場合、演出制御部24はステップS3156で特別音を出力するためのシナリオ登録を行う。
一方、落選した場合(S3155:Nの場合)、或いは、今回の入賞がオーバー入賞でない場合(S3152:Nの場合)、演出制御部24はステップS3157で通常音を出力するためのシナリオ登録を行う。
なお、上記の例では、演出制御部24においてもラウンド中における入賞球数を管理している例を説明したが、入賞球数を表す情報を包含させた状態の大入賞口入賞コマンドを主制御部20から演出制御部24が受信するように構成されていてもよい。その場合には、演出制御部24で保持する大入賞カウンタは不要となり、入賞上限数の値のみ保持すればよい。また、入賞上限数の値も演出制御部24が保持しなくて済むように、当該入賞球がオーバー入賞に相当するか否かの情報が含まれた大入賞口入賞コマンドを受信してもよい。この場合には、演出制御部24はステップS3151の処理が不要となり、ステップS3152の代わりに当該大入賞口入賞コマンドがオーバー入賞によるものか否かを判定する処理を行えばよい。
なお、上記では、オーバー入賞時において通常の音演出と特別の音演出の何れを実行するか抽選する例を説明したが、それ以外の例も考えられる。
例えば、特定のラウンド数において大入賞カウンタが所定数に達したタイミングで特別な音演出が選択され得る構成であってもよい。具体的には、4ラウンド目において大入賞カウンタが5となったタイミングで特別な音演出を実行するか否かを設定値Veに応じて抽選し、当選した場合に特別な音演出を実行し、落選した場合には通常の音演出を実行する。演出15がこのような態様であってもよい。
また、それ以外にも、音演出無しと音演出有りを抽選結果に応じて選択する構成とされていてもよい。即ち、大入賞口50へ入賞した場合には、通常は音演出無しとされており、特定のタイミング(例えば4ラウンド目の大入賞カウンタが5となったタイミングなど)のみ音演出が発生し得る構成とされていてもよい。
(演出16)

演出16の具体例としては、大当りにおける全てのラウンド遊技が終了した後のエンディング開始時、即ち、大当り後の移行モードが表示されるモード表示演出時(タイミング36、39)において、液晶表示装置36上に通常とは異なる特定の画像を表示させる画像演出を行う。
通常の画像とは、例えば現在の大当りの連荘数に応じて液晶表示装置36に表示させる画像であり、遊技状態を報知するような画像とされる。それに対して、特定の画像とは、例えば、該通常の画像に特定のキャラクタ画像を重畳したような画像である。通常とは異なる特定の画像を表示させるか否かの抽選に当選した場合のみ、演出16としての画像演出が実行される。
該特定の画像演出は、例えば、設定値Veが1では無いことを示唆する演出(即ち設定値Veが2以上であることが確定したと遊技者に認識させる演出)とされる。
具体的な処理内容について、図60を参照して説明する。なお、図60は、コマンド対応処理(S2106)における各コマンド処理(S2130)の一例(S2130g)であり、演出制御部24が主制御部20から大当り終了コマンドを受信したことに応じて実行される処理の一例である。
大当り終了コマンドは、大当り遊技中に実行されるラウンド遊技の全てが終了した際に発行されるコマンドであり、演出制御部24では当該コマンドの受信を契機として、液晶表示装置36上にエンディング用の画像演出を出力するための各処理が実行される。
なお、図60では、演出16に関する部分以外は省略して示している。
演出制御部24はステップS3161で、設定値Veを取得し、続くステップS3162で示唆演出としての演出16の実行可否を抽選する。
続いて、演出制御部24はステップS3163で、抽選結果に応じた分岐処理を行う。
抽選に当選した場合(S3163:Yの場合)、演出制御部24はステップS3164で特別画像表示のためのコマンドを液晶制御部40に送信する。これによって、例えば図61Bに示すような画像が液晶表示装置36に表示される。
一方、抽選に落選した場合(S3163:Nの場合)、演出制御部24はステップS3165で通常画像表示のためのコマンドを液晶制御部40に送信する。これによって、例えば、図61Aに示すような画像が液晶表示装置36に表示される。
なお、液晶表示装置36に画像を表示させると共に、音演出や光演出を行う場合は、ステップS3164やステップS3165と共にシナリオ登録のための処理も行う。
例えば、図61Bには、液晶表示装置36に表示される画像と共にスピーカアイコンが記載されている。これは、図55Bと同じように、図61Bに示す画像演出を実行する際には、同時にスピーカによる音演出も行われることを示している。
また、図61Bの画像に描かれたUFOアイコンには、図55Bの画像に描かれたUFOアイコンと同じエフェクト(集中線エフェクト)が記載されている。同じUFOアイコンに同じエフェクト描画が加えられた画像演出は、同じ示唆内容であることを意味するものであってもよい。例えば、図55Bに示す画像演出では、設定値Veが6であることが確定する演出に使用されることにより、遊技者に対して、集中線をまとったUFOアイコンが設定値6の確定演出であるとの認識を与えることができる。そして、同じ描画態様のUFOアイコンが用いられた画像(例えば図61B)は、同様に設定値Veが6であることを確定させる演出のみとされることにより、遊技者に示唆内容を誤認させることなく、適切に通知することが可能となる。
これは、画像演出に限らない。具体的には、図55Bには、画像演出と同時に音演出が実行されることが示されており、同様に図61Bにも音演出が実行されることが示されている。このときに実行される音演出は、同様のものである(例えば同じ音声や効果音が出力される)ことが望ましい。音演出においても同様の演出態様とされることで、遊技者の誤認を生じることなく正しい示唆内容の通知を行うことができる。
勿論、音演出だけでなくLED等を用いた光演出についても同様である。即ち音演出に用いられるLEDを同じものとすることや、LEDの発光色を同態様とすることにより、示唆内容の誤認を与えることを防止することが可能である。
また、組合せが同じ場合に同じ示唆内容を示すものとしてもよい。例えば、集中線をまとったUFOアイコンが出現したが、そのときの音演出が異なる場合は、異なる示唆内容であるように構成されていてもよい。即ち、UFOアイコンと音演出が共に同じ演出態様とされた場合に、同じ示唆内容とされた示唆演出とされてもよい。
(演出17)

演出17の具体例としては、パターンAのエンディング中(即ちタイミング36〜38)において、所定の確率で音響発生装置46aを用いた示唆演出を行う。例えば、当該示唆演出を行う場合には、更に複数種類の音声データ(台詞データ)から一つが選択されて出力される。音声データは、例えば5種類あり、それぞれの音声データによって示唆内容が異なる。
図62Aに、選択された音声データと示唆内容の対応関係を示す。
図示するように、音声データ1が出力された場合には、設定値Veが2以上であることが確定し、音声データ2が出力された場合には、設定値Veが偶数であることが確定し、音声データ3が出力された場合には、設定値Veが奇数であることが確定する。また、音声データ4が出力された場合には、設定値Veが3以上であることが確定し、音声データ5が出力された場合には、設定値Veが6であることが確定する。
具体的な処理の流れについて、図62Bを参照して説明する。
先ず、演出制御部24はステップS3171で、演出17を実行するタイミングとして適切か否かを判定し、ステップS3172で実行フラグが「0」であるか否かを判定する。
タイミングが適切でない場合や実行フラグが「1」である場合、演出制御部24は図62Bに示す一連の処理を終了する。
タイミングが適切であり、且つ、実行フラグが「0」である場合、演出制御部24はステップS3173で、実行フラグに「1」をセットし、続くステップS3174で示唆演出としての演出17を実行するか否かを抽選する。
続いて、演出制御部24はステップS3175で、抽選に当選したか否かを判定する。落選していた場合(S3175:Nの場合)、演出制御部24は図62Bに示す一連の処理を終了する。一方、当選していた場合(S3175:Yの場合)、演出制御部24はステップS3176で設定値Veに応じた分岐処理を実行する。
設定値Veが1である場合、演出制御部24はステップS3177で音声データ3を選択する。設定値Veが2である場合、演出制御部24はステップS3178で音声データ1及び音声データ2から何れか一方を選択する。設定値Veが3または5である場合、演出制御部24はステップS3179で音声データ1、音声データ3及び音声データ4から何れか一つを選択する。設定値Veが4である場合、演出制御部24はステップS3180で音声データ1、音声データ2及び音声データ4から何れか一つを選択する。設定値Veが6である場合、演出制御部24はステップS3181で音声データ1、音声データ2、音声データ4及び音声データ5から何れか一つを選択する。
ステップS3177乃至S3181の各選択処理では、所定確率に基づく抽選処理を行う。即ち、予め決められている所定確率に基づいて選択肢の中から一つを選択する処理である。なお、それぞれの選択肢は同じ選択のされやすさが同じである必要はない。例えば、設定値6の場合は、音声データ1、音声データ2、音声データ4及び音声データ5から一つを選択することになるが、音声データ1よりも音声データ2の方が選択されやすいように構成されていてもよい。
演出制御部24は、選択された音声データを出力するためのシナリオ登録をステップS3182で行う。これにより、設定値Veに応じた音声データが選択されて出力されることにより、遊技者に設定値Veの推測をさせることが可能となる。
演出17が実行されうる構成とされた遊技機1においては、確変大当りではなく通常大当りに当選したことによって遊技者の遊技意欲が削がれそうな場合であっても、パターンAのエンディング中に当該示唆演出が実行されるか否かについて期待感を持つことができるため、遊技意欲の減衰を防止することが可能となる。
(演出18)

演出18の具体例としては、例えば、大当り遊技後に確変状態へと遷移する確変大当り中とされたタイミング36〜42において、確変状態へ遷移することを報知する演出が行われる場合に、演出ボタン13などが操作されたことに応じて実行される音演出を異ならせる。例えば、確変状態へ遷移することを祝福する祝福ボイスを流す音演出を行う場合に、該祝福ボイスを4種類用意する(図63A)。
祝福ボイス1が使用された場合には、設定値Veが何れの値であるのかは分からないようにされている。即ち、非示唆演出とされている。例えば、ほとんどの場合は祝福ボイス1が選択されるように構成されている。これにより、祝福ボイス1が選択されずに以降に示す示唆演出が行われた場合に遊技者に高揚感を与えることができる。
祝福ボイス2が使用された場合には、設定値Veが2以上であることが確定する。祝福ボイス3が使用された場合には、設定値Veが4以上であることが確定する。また、祝福ボイス4が使用された場合には、設定値Veが6であることが確定する。
具体的な処理について、フローチャートを示す(図63B)。なお、図63Bは、コマンド対応処理(S2106)における各コマンド処理(S2130)の一例(S2130g)である。また、図63Bは、演出18の実行に係る処理のみを示したものであり、実際には、演出制御部24は図示していない各種処理を併せて行う。
演出制御部24はステップS3191で、当該大当り遊技終了後に移行するモードが確変状態か否かを判定する。移行するモードは、例えば前述のように、大当り終了コマンドによって特定可能である。
確変状態でない場合(S3191:Nの場合)、演出制御部24は図63に示す一連の処理を終了する。
移行モードが確変状態である場合(S3191:Yの場合)、演出制御部24はステップS3192で設定値Veを取得し、続くステップS3193で設定値Veに基づく分岐処理を行う。
設定値Veが1である場合、演出制御部24はステップS3194で祝福ボイス1を選択する。設定値Veが2または3である場合、演出制御部24はステップS3195で祝福ボイス1及び祝福ボイス2から何れか一方を選択する。設定値Veが4または5である場合、演出制御部24はステップS3196で祝福ボイス1、祝福ボイス2及び祝福ボイス3から何れか一つを選択する。設定値Veが6である場合、演出制御部24はステップS3197で祝福ボイス1、祝福ボイス2、祝福ボイス3及び祝福ボイス4から何れか一つを選択する。各選択処理は、予め設定された所定確率に基づく抽選処理を行うことと同義である。
続いて、演出制御部24は、選択した祝福ボイスを出力するためのシナリオ登録をステップS3198で実行する。
なお、選択肢となる各祝福ボイスは、それぞれ選択されやすさが同じとされている必要はない。
(演出19)

演出19の具体例としては、大当り中とされたタイミング36〜42において、例えば大当り遊技後に時短状態へ遷移することを報知する際に、光表示装置45aを用いた光演出や液晶表示装置36を用いた画像演出を行うことで示唆演出を行う。
一例を示すと、時短状態への遷移が行われることを報知するためにタイミング36〜42の何れかにおいて可動させる可動役物がある場合に、該示唆演出において当該可動役物に搭載された光表示装置45a(LEDなど)を光らせる演出を行う。この際に、当該光表示装置45aとしての光源を何色に光らせるかによって示唆演出を行う。
例えば、光の色は青、緑、黄、赤、虹の5種類とされている。「虹」とは、0.2秒などの一定時間ごとに複数の発光色を順に変えていく発光態様とされる。
図64Aは、各色の選択確率が設定値Veに応じて異なる例を示すものである。図示するように、設定値Veによらず虹色に発光する発行パターンが最も選択されにくいが、設定値Veが高くなるほど選択されやすい確率とされている。また、青色は設定値Veが低いほど選択されやすくされている。図から理解されるように、青色が最も期待値が低く、緑、黄、赤、虹の順で高設定値の期待値が高くされている。即ち、遊技者にとっては、青、緑、黄、赤、虹の順に遊技意欲が高まる演出とされている。
具体的な処理について、フローチャートを示す(図64B)。なお、図64Bは、コマンド対応処理(S2106)における各コマンド処理(S2130)の一例(S2130g)である。また、あ図64Bでは、示唆演出に関する処理のみを抜粋して示している。
演出制御部24はステップS3201で、大当り遊技後の移行モードが時短状態であるか否かを判定する。
時短状態へ移行しない場合(S3201:Nの場合)、演出制御部24は図64Bに示す一連の処理を終了する。一方、時短状態へ移行する場合(S3201:Yの場合)、演出制御部24は続くステップS3202で設定値Veを取得し、ステップS3203で設定値Veに応じた抽選を行う。該抽選では、図64Aに示すテーブルに基づいた抽選が行われる。
続いて、演出制御部24はステップS3204で、示唆演出としての演出19を実現するためのシナリオ登録を行う。
(演出20)

演出20〜21は、図40には示していないタイミングで実行される示唆演出である。演出20は、時短状態における装飾図柄変動表示ゲーム中に実行される演出である。具体的には、時短状態にある間(即ち通常状態へと遷移するまでの間、若しくは、大当り遊技へと移行するまでの間)に、液晶表示装置36上に特定のキャラクタを出現させる演出である。一度出現させたキャラクタ画像は時短状態の遊技中消えることはなく、他の画像演出として液晶表示装置36上に表示されている画像上に重畳表示された状態が維持される。
また、液晶表示装置36上の当該キャラクタは時短状態を遊技していくうちに数が増えることも可能なように構成されており、最終的に液晶表示装置36上に表示された当該キャラクタの数に応じて設定値Veが推定できるようにされている。
具体的な処理の流れについて、図65Aを参照して説明する。図65Aに示す一連の処理は、例えば、時短状態における装飾図柄変動表示ゲームが開始されるタイミングや、全図柄停止時のタイミングなどに図65Aに示すなどに適宜実行される。また、時短状態における特別図柄変動表示ゲームごとに実行されてもよいし、5回の特別図柄変動表示ゲームごとに実行されてもよい。
先ず、演出制御部24はステップS3211で、示唆演出としての演出20を実行するタイミングとして適切か否かを判定する。適切なタイミングでない場合(S3211:Nの場合)、演出制御部24は図65Aに示す一連の処理を終了する。
適切なタイミングである場合(S3211:Yの場合)、演出制御部24は続くステップS3212で実行フラグが0であるか否かを判定する。
実行フラグが1である場合(S3212:Nの場合)、演出制御部24は処理を終了する。実行フラグが0である場合(S3212:Yの場合)、演出制御部24は続くステップS3213で実行フラグに1をセットする。該実行フラグは、例えば、特別図柄変動表示ゲームが開始されるごとに0へとリセットされる。即ち、実行フラグは、一回の変動表示ゲームで演出20が複数回実行されることを防止するためのフラグである。
演出制御部24はステップS3214で、設定値Ve及び出現カウンタCNTに応じた抽選を行う。出現カウンタCNTは、液晶表示装置36上に表示させるキャラクタの数であり、前述のように時短状態が続く間(即ち他の遊技状態へ移行するまで)は現状維持か増加するのみとされ、減少することは無いものとされている。図示していないが、出現カウンタCNTは、時短状態から他の状態へ遷移する際に「0」へとクリアされる。
設定値Veと出現カウンタCNTに応じた該抽選処理において参照されるテーブルの一例を示した図が図65Bである。
図示するように、出現カウンタCNTが0の状態においては、1回の抽選機会における当選確率は低めに設定されているが、これは、時短状態の間に何度も抽選機会が発生することを考えてのことである。
また、図から理解されるように、出現カウンタCNTが3の状態においては当選確率が0%とされているため、液晶表示装置36上に表示されるキャラクタは最大でも3体とされている。更に、設定値1〜3においては、最大でも2体とされている。即ち、3体のキャラクタ画像が液晶表示装置36上に表示された場合、遊技者は設定値Veが4以上であることを認識することができる。
図65Aの説明に戻る。
テーブルに基づいた抽選が行われた後、演出制御部24はステップS3215で、該抽選に当選したか否かを判定する。当選していた場合(S3215:Yの場合)は、出現カウンタCNTに1を加算する処理が行われ(S3216)、出現カウンタCNTに応じた画像出力のためのコマンドが液晶制御部40に送信される(S3217)。
一方、落選していた場合(S3215:Nの場合)出現カウンタCNTはそのままでステップS3217に進み、出現カウンタCNTに応じた画像出力のためのコマンドが液晶制御部40に送信される。
なお、ステップS3217に送信されるコマンドは、そのときの装飾図柄変動表示ゲームで現出する画像演出に基づくコマンドとされており、画像演出が異なれば異なるコマンドとされる。
(演出21)

演出21の具体例としては、開店から所定時間の間や夕方、或いは閉店間際などの特定の時間に、液晶表示装置36を用いた画像演出を示唆演出として行う。
遊技機1にRTC機能部が設けられている場合には、RTC機能によって得られる現在時刻に基づいて、開店、夕方、閉店間際の時間帯を把握する。なお、店舗や地域によって開店時間や閉店時間が異なる場合には、開店時間や閉店時間を設定できるように遊技機1が構成されていてもよい。
また、遊技機1にRTC機能部が設けられていない場合には、アウト口49から排出される遊技球数からそれぞれの時間帯を間接的に把握するように構成されていてもよい。
具体的には、電源投入後最初のアウト球の発生から1000個目のアウト球の発生までの間に大当り抽選に当選した場合に特定の演出が開店時における示唆演出として出現する。また、25000個目のアウト球の発生から26000個目のアウト球の発生までの間に大当り抽選に当選した場合に特定の演出が夕方における示唆演出として出現する。更に、40000個目のアウト球の発生から41000個目のアウト球の発生までの間に大当り抽選に当選した場合に特定の演出が閉店間際の示唆演出として出現する。
この場合には、特定の演出が示唆演出として出現し得る時間帯であることを遊技者に報知してもよい。
即ち、それ以外の時間においては一定確率で抽選されて出現していた特定の演出が、上記の各区間においては設定値Veに応じて出現のし易さが変化する示唆演出として出現することとなる。なお、上記の各時間帯以外では出現しない示唆演出のための専用演出であってもよい。
開店時に示唆演出として出現する特定の演出と、夕方における示唆演出として出現する特定の演出と、閉店間際における示唆演出として出現する特定の演出は、それぞれ別の演出とされていてもよいし、同じ演出とされていてもよい。
また、液晶表示装置36には、示唆演出としての特定の演出のための画像のみが表示されてもよいし、他の画像演出として液晶表示装置36上に表示される画像(示唆演出とは無関係のもの)上に該示唆演出として提示する画像(アイコンのような小さな画像など)が重畳表示されてもよい。
具体的な処理の流れについて、図66を参照して説明する。なお、図66は、RTC機能部が遊技機1に設けられている場合についてのフローチャートの一例とされている。
先ず、演出制御部24はステップS3221で、演出21を実行するタイミングとして相応しいか否かを判定する。この処理では、例えば、特別変動表示ゲームにおける所定のタイミングであるか否かのみを判定する。具体的には、演出21が特別変動表示ゲームにおける変動開始のタイミングで実施するものであれば、今現在がそのようなタイミングであるか否かを判定する。
タイミングが適切である場合(S3221:Yの場合)、演出制御部24はステップS3222で、実行フラグが0であるか否かを判定する。
タイミングが適切でない(S3221:Nの場合)や実行フラグが1である場合(S3222:Nの場合)、演出制御部24は図66に示す一連の処理を終了する。
タイミングが適切であり、実行フラグが0である場合、演出制御部24はステップS3223で実行フラグに1をセットする処理を行い、続くステップS3224でRTCの値を取得する処理を行う。
次に、演出制御部24はステップS3225で、取得したRTCから現時刻が特定の時間帯であるか否か、即ち上述するような開店時に相当する時間帯であるかなどを判定する。
現時刻が特定のである場合(S3225:Yの場合)、演出制御部24はステップS3226で設定値Veを取得し、ステップS3227で設定値Veに応じた抽選を行う。具体的には、例えば、設定値Veが高いほど当選確率が高くされている。
一方、現時刻が特定の時間でない場合(S3225:Nの場合)、演出制御部24はステップS3228で一定確率で当選する演出抽選を行う。即ち、設定値Veによらず一定の確率で当選する。
ステップS3227またはS3228の後、演出制御部24はステップS3229で演出21の抽選に当選したか否かによって分岐する。
当選していた場合(S3229:Yの場合)、演出制御部24はステップS3230で液晶制御部40にコマンドを送信し、演出21としての画像演出を現出させる。
一方、落選していた場合(S3229:Nの場合)、演出制御部24はコマンドを送信せずに図66に示す一連の処理を終了させる。
説明から理解されるように、演出21はステップS3228によって一定確率で抽選された結果当選した場合には、示唆演出ではない画像演出として現出することとなる。また、ステップS3227によって設定値Veに応じた抽選の結果当選した場合には、示唆演出としての画像演出として現出することとなる。
上記のように、店舗の開店間際に示唆演出としての画像演出が実行されることにより、開店直後から遊技者の遊技を促進させることができ、遊技機1の稼働時間を向上させることができる。また、店舗の閉店間際に示唆演出としての画像演出が実行されることにより、閉店まで遊技者の遊技を継続させることができ、遊技機1の稼働時間の向上を図ることができる。また、その結果、翌日の開店時の遊技を促進させることも可能となる。
(各演出まとめ)

上述した21種類の示唆演出を同時に現出させない場合には、各示唆演出において使用する実行フラグを工夫することで実現可能である。即ち、各実行フラグにおいて、「0」は未実行を示し、「1」は実行済みを示し、「2」は実行中であることを示すような構成とする。そして、それぞれの演出を実行するか否かを判定する際に、他の示唆演出についての実行フラグが「2」であるか否かを確認することによって、他の示唆演出が実行中であることが把握できるため、複数の示唆演出が同時に実行されてしまうことを防止することができる。
また、同時に実行してもよい示唆演出については、当該示唆演出についての実行フラグを確認する処理を省くことによって実現可能である。
なお、当然のごとく、遊技機1は上述した21種類の示唆演出の全てを備えていなくてもよい。
また、図40はあくまで一例であり、図40における○印の記載が無いタイミングで各種の示唆演出を行ってもよい。
[6-4.その他の演出例]

上記した各演出例について説明する。先ず、図67を参照して、遊技機1の動作フローについて説明する。なお、図67に示す一連の動作フローは、主制御部20の処理と演出制御部24の処理とホールスタッフや遊技者等による操作を含んで記載している。また、図67に示す処理は、遊技機1が実施する各処理のうち遊技機1の動きを理解する上で重要な処理を抜粋して示したものであり、遊技機1が実行する処理の一部とされている。
ホールスタッフ等による電源投入操作が行われると(ステップS4001)、遊技機1の主制御部20は該操作を検知し演出制御部24へコマンドを送信することにより液晶制御部40に待機画面を表示させるためのコマンドが送信され、待機画面(Please wait...などの文字を含む画像)が液晶表示装置36に表示される(ステップS4002)。
続いて、主制御部20はステップS4003において、設定値変更条件の成立有無に応じた分岐処理を行う(前述のステップS104)。
設定値変更条件が成立している場合、主制御部20から演出制御部24を介して液晶制御部40に対してコマンドが発行されることにより液晶表示装置36に設定変更中を報知するための画面が表示される(ステップS4004)。
主制御部20は、ステップS4005における設定変更操作を受け付けながらステップS4006で設定キースイッチがOFFであるか否かを確認する。即ち、設定キースイッチがOFFになるまで設定変更操作を受け付けることにより、ホールスタッフ等の変更操作が可能とされる。
設定キースイッチがOFFであることを確認した主制御部20は、ステップS4007において演出制御部24を介したコマンド送信を行うことにより液晶表示装置36に設定変更終了を報知するための画面表示を行う。更に、演出制御部24は、ステップS4008で設定変更フラグをONにする処理を行う。
設定変更フラグは、設定変更がなされた際に「ON」へと変更されるものであり、設定値変更示唆演出を行うか否かを決定するために参照されるフラグである。設定変更フラグは、例えば、演出制御部24が備えるRAM243に記憶される。
なお、ステップS4005,S4006を行うタイミングで前述のステップS701〜S717が実行される。また、ステップS4007に相当する処理は前述のステップS722の処理である。
続いて、主制御部20はステップS4009でRAMクリア処理を行い、ステップS4010でRAMクリア報知態様を実行する。RAMクリア報知態様は、主制御部20、演出制御部24、液晶制御部40などによって実現される遊技機1の態様であり、液晶表示装置36や各種ランプ(LED等)やスピーカ46などを用いて実現される。
設定変更を終えた主制御部20は、ステップS4009で演出制御部24等と用いてRAMクリア報知態様を実現し、ステップS4010でRAMクリア処理を実行する。
ステップS4009、S4010は、前述のステップS116〜S118の各処理に相当する。
ステップS4003で設定変更条件が成立していないと判定した場合、ステップS4011で主制御部20は、RAM異常であるかまたはバックアップフラグ異常であるかを判定する。何れかの異常が発生していた場合、主制御部20は、演出制御部24を用いてエラー報知態様を実現する(ステップS4012)。エラー報知態様を認識したホールスタッフは、例えば、遊技機1の電源を落とす操作を行う(ステップS4013)。
設定値変更条件が成立しておらず、RAM異常でもなく、更にバックアップフラグ異常でもない場合、主制御部20はステップS4014で、RAMクリアスイッチがONであるか否かを判定する。RAMクリアスイッチがONである場合、ステップS4009へと遷移する。
一方、RAMクリアスイッチがOFFである場合、主制御部20はステップS4015で、設定値確認条件が成立しているか否かを判定する(前述のステップS108)。
設定確認条件が成立している場合、主制御部20はステップS4016で設定確認態様を実行する。設定確認態様とは、設定確認中であることを報知するための画像を液晶表示装置36に表示させることや、設定値Veを設定・性能表示器97に表示させる処理等が行われるものであり、前述のステップS109に相当するものである。
主制御部20は、ステップS4017で設定キースイッチがOFFであるか否かを判定する処理を行うことにより、設定キースイッチがOFFとされるまで設定値Veを設定・性能表示器97に表示し続ける。
設定キースイッチがOFFとされた場合、主制御部20はステップS4018で通常画面表示をさせるためのコマンド送信を行う。
ステップS4010或いはS4018の何れかを実行した後、図68に示す処理へと移行する。
主制御部20は、大当り抽選確率状態が高確であるか否かを判定する(ステップS4019)。高確でない場合、即ち低確である場合(S4019:Nの場合)、演出制御部24はステップS4020で設定値変更示唆演出抽選フラグにONを設定する。設定値変更示唆演出抽選フラグは、設定値変更示唆演出を行うか否かを決定するための抽選処理を行うか否かを示すフラグであり、ONであれば後述の処理で該抽選処理が実行される。このフラグは、例えば演出制御部24が備えるRAM243に記憶される。
大当り抽選確率状態が高確である場合(S4019:Yの場合)、演出制御部24は設定値変更示唆演出抽選フラグをOFFにし(ステップS4021)、設定変更フラグをOFFにする(ステップS4022)。
本実施の形態の遊技機1では、設定値変更を行った場合、大当り抽選確率状態は低確状態から開始される。即ち、ステップS4019の段階で高確であるということは、設定値変更を行っていないことになるため、ステップS4021、S4022の各処理を行い、設定値変更示唆演出が現出しないようにする。
なお、この処理は念のための処理であり、ここで両フラグをOFFにする処理を省いたとしても、設定値変更示唆演出が実行されることはない。
続いて、主制御部20は、ステップS4023で、大当り遊技を開始させるか否かを判定する。大当り遊技中に電源がOFFにされた場合などは、バックアップ復帰処理により、電源投入後に大当り遊技中の状態へと復帰する。このような場合は、ステップS4023の判定結果はYとなり、ステップS4024へと進む。
ステップS4024では、主制御部20及び演出制御部24は大当り画面を液晶表示装置36に表示させるための処理を行う。
電源投入後に大当り遊技の状態から開始される場合は、演出制御部24は設定値変更示唆演出抽選フラグと設定変更フラグを共にOFFにする処理を実行し(ステップS4025及びS4026)、ステップS4027の処理へ移行する。また、ステップS4023で大当り遊技を開始させないと判定した場合もステップS4027の処理へ移行する。
ステップS4027では、主制御部20及び演出制御部24は特別図柄変動表示ゲームが開始されるまで待機する。特別図柄変動表示ゲームが開始された場合や、電断復帰により特別図柄変動表示ゲーム中から開始される場合は、ステップS4028へと進み、設定値変更示唆演出抽選フラグがONであるか否かを演出制御部24が判定する処理を実行する。
設定値変更示唆演出抽選フラグがONである場合、演出制御部24はステップS4029で設定値変更示唆演出を実行するか否かについての抽選処理を行う。
該抽選処理に当選した場合は、以降の処理で当選した演出態様に基づく設定値変更示唆演出が現出される。
続いて、演出制御部24はステップS4030で設定値変更示唆演出抽選フラグをOFFにし、ステップS4031で設定値変更フラグをOFFにする。
主制御部20及び演出制御部24がコマンドを発行することにより、ステップS4032において液晶表示装置36上に装飾図柄変動表示ゲームが表示される。
(設定値変更示唆演出1)

先の演出04で示すような演出態様とされた設定値変更の有無に関する示唆演出は、例えば、ステップS4031とステップS4032の間に実行される。また、演出04の説明においては、示唆演出としての演出04を実行する場合はボタンを振動させるのに対し、実行しない場合はボタンを振動させない例を説明したが、それ以外の演出態様も考えられる。
例えば、電源投入後の初回の装飾図柄変動表示ゲームの開始時には、少なくとも多少のボタンの振動が発生するように設定し、示唆演出としての設定値変更示唆演出1を実行する場合には、ボタンの振動を大きくする(振動回数や振動時間の増加させる)ように構成してもよい。具体的には、PM型のステッピングモータなどを用いて実現可能である。例えば、示唆演出としての設定値変更示唆演出1を実行する場合は、ステッピングモータを4ステップ動作させ、示唆演出ではなく単にボタンを振動させる場合にはステッピングモータを2ステップ動作させる。
これにより、設定値変更示唆演出1を実行しない場合においても、ボタンの振動が発生し、高揚感を遊技者に与えることができる。
なお、遊技機1に特図1及び特図2が設けられている場合において、電源投入後初回の特別図柄変動表示ゲームが特図2に係るものである場合には、設定値変更示唆演出1を実施しなくてもよい。即ち、電源投入後における特図1についての最初の特別図柄変動表示ゲームが開始された際に設定値変更示唆演出1が実行されるように構成されていてもよい。
(設定値変更示唆演出2)

設定値変更示唆演出2は、液晶表示装置36上に表示される背景画像(演出モード)が切り替わるタイミングで出現させる。背景画像(演出モード)とは、例えば、液晶表示装置36に表示される場面の種別であり、遊技者が識別する演出モードである。例えば、キャラクタが町の中を歩いている場面が液晶表示装置36に表示される「町中モード」、キャラクタが車に乗車している場面が表示される「車モード」、キャラクタが海辺で休養している場面が表示される「バカンスモード」などが適宜表示される。各演出モードで液晶表示装置36を用いた画像演出を行う場合には、それぞれの場面に応じた画像演出が現出し得る。また、特定の演出モードでしか発生しない演出が設けられていてもよい。
背景画像(演出モード)が切り替わるタイミングは、例えば、一定回数の特別図柄変動表示ゲームごとに到来してもよいし、特別図柄変動表示ゲームごとに所定確率で演出モード移行抽選が行われ、当選した場合に背景画像(演出モード)が切り替わるように構成されていてもよい。
即ち、設定値変更示唆演出2の発生タイミングとしては、電源投入後の初回の装飾図柄変動表示ゲームの開始時とは異なるタイミングで発生し得る。
このような場合には、例えば、図67,図68に示す処理の一部を図69のように変更することにより実現可能である。
設定値変更示唆演出抽選フラグがONとされ(S4028:Yの場合)、ステップS4029で設定値変更示唆演出抽選が実行された後、演出制御部24はステップS4041で該抽選に当選したか否かによって分岐する。
当選していた場合、演出制御部24はステップS4042で当選した設定値変更示唆演出の演出態様をRAM243などに記憶する。記憶される情報からは、演出タイミングや演出内容が特定可能とさる。なお、ここで記憶される情報は、例えば設定値変更示唆演出の実行に利用された後に消去される。
設定値変更示唆演出2は、電源投入後に初めて背景画像(演出モード)が切り替わるタイミングで実行される。その際には、設定値変更示唆演出2のための専用の背景画像が液晶表示装置36に表示される。専用の背景画像としては、例えば、プールでキャラクタが遊んでいる場面が液晶表示装置36に表示される「プールモード」とされる。
専用の演出モードは、次回の背景画像の切り替えタイミングまでは維持される。即ち、設定値Veが変更されたことを示唆する当該示唆演出を遊技者が見逃し難くされ、遊技意欲を向上させることが可能となる。
なお、ステップS4029の抽選に落選した場合は、設定値Veの変更がなされた場合であっても液晶表示装置36に専用の背景画像が表示されることはない。
(設定値変更示唆演出3)

設定値変更示唆演出3は、電源投入後の初回の大当り遊技終了前まで特定の条件下で特定の画像を液晶表示装置36に表示させる示唆演出である。また、本例では、設定値変更示唆演出3は、設定値示唆演出も兼ねている。
具体的に、図70を参照して説明する。
図70Aは、大当り遊技終了後の液晶表示装置36に例えば大当り遊技の結果を報知するための例えばリザルト画面として表示される特定の画像を模式的に表した図である。
該特定の画像では、液晶表示装置36の画面内における左半分の領域に一人のキャラクタ画像が表示され、右半分の領域にもう一人のキャラクタ画像が表示される。図示していないが、この画像には出玉数などのリザルト情報が表示されているものとする。
以降の説明においては、左半分の領域に表示されるキャラクタ画像を「左キャラ」、右半分の領域に表示されるキャラクタ画像を「右キャラ」として以降記載する。
左キャラと右キャラは、同時に出現する場合は異なるキャラクタとされ、左右の何れか一方のみが出現するパターンや左右の何れにもキャラクタが出現しないパターンも存在する。
本例では、左キャラと右キャラに出現するキャラクタの組合せや出現タイミングに応じて示唆内容が異なる示唆演出とされる。
左キャラと右キャラの組合せと示唆内容の一例を示した図が図70Bである。図示するように、キャラクタ画像の出現パターンは14種類(パターンNo1〜14)とされている。図中の「ANY」は、何れのキャラクタが出現しても該当するという意味であり、キャラクタが出現しない場合は含めない。即ち、パターンNoが1とされた演出パターンは、左キャラが存在せず右キャラとして何らかのキャラクタ画像が表示される場合が該当する。
パターンNo1または2とされた特定の画像演出は、示唆内容が「なし」とされており、示唆演出ではない通常の画像演出である。また、この場合の背景色は、「青」とされている。
即ち、大当り遊技後の特定の画像演出において、左キャラまたは右キャラの何れか一方のみが出現する場合は、示唆演出ではない通常の画像演出であることを遊技者は把握することができる。
また、背景色が「青」とされたのはパターンNo1及び2とされた特定の画像演出のみであるため、背景色が「青」であることを認識するだけで示唆演出ではない通常の画像演出であることを把握できる。
パターンNo3、4、5とされた特定の画像演出は、主人公Aまたは主人公BとペットC,D,Eの何れかの組合せとされている。また、何れの画像演出においても、示唆内容は「○○示唆」とされている。これは後述の「○○確定」とされた示唆内容とは異なり、○○であることが確定ではないが濃厚であることを示す内容とされている。
具体的にパターンNo3とされた特定の画像演出は、「4,5,6示唆」とされており、設定値Veが4〜6において選択されやすく、設定値Veが1〜3においては選択されにくい(但し出現率が0%ではない)演出パターンである。
パターンNo3、4、5とされた特定の画像演出は、何れも背景色が「緑」とされている。即ち、背景色が「緑」とされた特定の画像演出が出現することによって、遊技者は、設定値Veの推定を補佐するための情報を得ることができる。
パターンNo6、7、8、9、10とされた特定の画像演出は、示唆内容が「○○確定」とされている。即ち、設定値Veの値が一つに確定する場合やある範囲であることが確定する示唆演出(確定示唆演出)として出現する画像演出である。背景色は「金」や「虹」とされており、遊技者は、背景色を見るだけで設定値Veについての確定示唆演出であることを理解することができる。
また、背景色が「虹」とされたパターンNo6に示す特定の画像演出は、最高設定値である6が確定する示唆演出とされるため、遊技者の遊技意欲を著しく向上させることが可能となる。
パターンNo11、12とされた特定の画像演出は、示唆内容が「○○」否定とされている。即ち設定値Veがある値ではないことを示唆する画像演出(否定示唆演出)とされている。何れの画像演出においても背景色は「黒」とされており、背景色を確認するのみで何らかの否定示唆演出であることを認識することができる。
なお、パターンNo13、14とされた特定の画像演出は、大当り遊技終了後の表示される遊技結果表示画面には出現しない組合せである。具体的には後述する。
上述するように、遊技機1のテーマとなっている作品などの原作を知らない遊技者であっても、即ち、主人公Aや主人公Bなどのキャラクタを認知していない遊技者であっても、特定の画像演出についての背景色を見るだけで、どのような示唆演出が行われているのか把握することができるように構成されている。従って、原作を知らないことによって画像演出を楽しめず、遊技意欲が減衰してしまうことの防止が図られる。
また、図70Bに示すテーブルによる特定の画像演出は、原作を知っている遊技者にとっても楽しめるような構成とされている。例えば、左キャラもしくは右キャラに「ペットC」が出現する場合は、設定値Veが4〜6である可能性が高いことが示唆される。即ち、パターンNo3とされた演出が出現した場合には、設定値4〜6である可能性が高いことが画像演出によって報知され、パターンNo8とされた演出が出現した場合には、設定値4〜6が確定することが報知される。
また、「ペットD」が出現した場合には、設定値Veが奇数である可能性が高いことが示唆される。
更に、左キャラもしくは右キャラに「ペットD」が出現する場合は、設定値Veが偶数である可能性が高いことが示唆される。
このように、原作を知っている遊技者にとっても出現するキャラクタ画像に応じて示唆内容を大まかに把握することができる。従って、図70Bに示すテーブルの詳細を全て把握していない遊技者に対しても遊技興趣を高めた画像演出を提供することができる。
このような設定値示唆演出として出現する特定の画像演出は、大当り遊技終了後(或いは全てのラウンド遊技の終了後)に現出するが、遊技者によっては当該示唆演出を見逃してしまう可能性がある。特に、獲得出玉を箱に移している場合などに見逃しやすいと考えられる。
そこで、遊技機1においては、大当り遊技の終了から次回の大当り遊技の開始まで、直前の特定の画像演出で出現したキャラクタ画像の組合せをデモ画面に表示させるように構成されている。
遊技機1では、デモ画面中に表示される出玉ランキング画面があり、出玉ランキング画面においてキャラクタ画像が表示される。その日の初回の大当りまでは、前日のランキングが表示され、初回の大当り以降は、当日の出玉ランキングが表示されるように構成されている。
初回の大当り以降は、直前の特定の画像演出(即ち大当り遊技のリザルト画面)で出現したキャラクタ画像及び背景色が該出玉ランキング画面上で再現される。但し、キャラクタ画像の姿勢(ポーズ)は異なっていてもよい。即ち、大当り遊技が終了するごとに、該出玉ランキング画面に表示されるキャラクタ画像は変更され得る(パターンNo1〜12)。
ここで、初回の大当り遊技までに出玉ランキング画面を表示させた際の画像について記載する。
本例では、初回の大当り遊技が開始されるまでの出玉ランキング画面においては、パターンNoが13または14の組合せのキャラクタ画像が表示される。
パターンNo13及び14は、何れもキャラクタ画像として主人公Aと主人公Bが出現するものであり、出現位置のみが異なるものである。パターンNo13、14は、何れも電源投入後初回の大当り遊技前にのみに出現するものであり、遊技中に遊技機1の電源などが落ちなければ、基本的に初回の大当り遊技以降は出現しないものである。
パターンNo13とされた画像が出玉ランキング画面に表示された場合は、示唆内容は「なし」とされている。即ち、該演出が現出したとしても遊技者は設定値Veに関する何らかの情報を得ることはできない。
一方、パターンNo14とされた画像が出玉ランキング画面に表示された場合は、示唆内容は「設定変更確定」とされている。即ち、該演出が現出した場合は、設定値Veが変更されていることを把握することができるため、設定値変更示唆演出とされる。即ち、この場合の出玉ランキング画面演出は、設定値変更示唆演出3とされる。
なお、該画像における背景色は共に「白」とされている。これは、前述する何れの特定の画像とも異なる背景色とされており、背景色が「白」とされた出玉ランキング画面が出現することにより、遊技者は設定値変更に関する示唆演出であることを把握することが可能である。
デモ画面は、前述のように、一定時間大入賞口50等に遊技球が入賞しないことにより液晶表示装置36に表示される画像であるため、遊技者が意図的に発生させることが可能である。従って、大当り遊技終了後に現出した特定の画像演出を見逃した遊技者であっても、どのような示唆演出が行われたのか確認することができる。そして、初回の大当り遊技前であれば、設定値変更が行われたか否かを示す設定値変更示唆演出3を自らの手で出現させることができ、自分の好きなタイミングで確認することが可能である。
(設定値示唆演出1)

本演出例では、前述した演出03や演出21のように、示唆演出の出現確率が時間や条件等によって異なるものとされた例である。また、演出21では、RTC機能を用いる例をフローチャートに従って説明したが、ここでは、総アウト球数を用いる例を説明する。
また、本例では、大当り遊技の回数(所定ラウンド数の大当り遊技を1回として数えるものであり、以降、大当り回数と記載)も考慮する。
本例では、装飾図柄変動表示ゲームが開始されるごとに示唆演出の実行有無を抽選し、当選した場合には、液晶表示装置36に表示される他の画像演出に重畳させるように特定のキャラクタ画像(人物であってもよいし、メダルのようなものであってもよい)を表示させる示唆演出を行う。勿論、設定値Veに応じて出現しやすいキャラクタ画像(或いは出現するキャラクタ画像)が異なるように設定されている。
本例では、メダルを模したキャラクタ画像(以降、「メダルキャラ」と記載)が出現する例を挙げる。
具体的に、図71を参照して説明する。
図71Aは、大当り回数が20回未満であり且つ総アウト球数が1000個以下の条件における設定値示唆演出1の出現確率を示すテーブルである。設定値示唆演出1としての示唆演出で出現するメダルキャラは複数色存在し、例えば、銅、銀、金、デンジャー柄、虹の5種類とされている。
図示するように、設定値1では、何れのメダルキャラも出現しない。換言すれば、メダルキャラが出現すれば、その色に関わらず設定値Veが2以上であることが確定する。
同様に、設定値2では、銀、金、デンジャー柄、虹のメダルキャラが出現せず、銅色のメダルキャラのみ出現する可能性がある。
また、設定値3では、金、デンジャー柄、虹のメダルキャラが出現せず、設定値4ではデンジャー柄と虹のメダルキャラが出現せず、設定値5では虹のメダルキャラが出現しない構成とされている。出現確率が0%とされている組合せ(例えば、設定値1、銅のメダルキャラ)は、以降の各テーブルにおける出現確率も0%とされている。
図71Aは、総アウト数が1〜1000個とされ、且つ大当り回数が20回未満であることから、ホールの開店後すぐの状態などが該当する。このような状態においては、銅色のメダルキャラが登場する確率をそれ以降の遊技中よりも上昇させている。従って、ホールの開店直後の遊技意欲を向上させることができる。
大当り回数が20回未満であって、総アウト球数が1000個を超えて6000個までの間は、図71Bに示すように、銅色のメダルキャラの出現確率が下降した状態とされている。
更に、大当り回数が20回未満であって、総アウト球数が6001個〜12000個までの間は、銀、金、デンジャー柄、虹の各メダルキャラの出現確率が上昇する(図71C)。
そして、大当り回数が20回未満であって、総アウト球数が12001個〜24000個までの間は、それまでと比較して銅色のメダルキャラの出現確率が上昇する(図72A)。
また、大当り回数が20回未満であって、総アウト球数が24001個以上となった場合は、各色のメダルキャラの出現確率が上昇している(図72B)。
このように、ホールの開店直後と思われる図71Aを除くと、総アウト球数が増えるごとに各メダルキャラの出現確率が上昇していくように構成されている。即ち、遊技時間の経過と共に設定値Veを推測するための示唆演出が出現しやすいようにされ、遊技意欲を維持させることが可能となる。
大当り回数が20〜30回となる条件下では、各出現確率が高めに設定されている。それほどの回数の大当り遊技が実行されたということは、それなりの回数の装飾図柄変動表示ゲームが実行されたことが予想される。更に、遊技者はある程度の出玉を獲得している可能性が高い。そのような状況では、メダルキャラの出現確率を高めとし、該メダルキャラの出現を遊技者に認識させることによって遊技を継続する意欲を保持させることが望ましい。
そして、大当り回数が31回以上である場合には、出玉の獲得も増え、遊技者が気分上々で遊技をしていることが考えられる。そのような場合に、メダルキャラの出現確率を上昇させることで、遊技者の遊技意欲を更に向上させることができる。
なお、出玉の獲得が増えると、遊技者は当たっているうちに止めようという心理になる可能性がある。そのような場合であっても、図73Bのテーブルに示すようにメダルキャラの出現確率を高めることによって、遊技を継続させる意欲を惹起させることが可能となる。
また、本例は、条件によって各演出の出現確率が異なるものであるが、当該演出が出現した場合の示唆内容は同じとされている。具体的には、図71Aによれば、デンジャー柄のメダルキャラが出現した場合は、設定値5または設定値6であることが確定する。「デンジャー柄のメダルキャラ」と「設定値5,6確定という情報(即ち示唆内容)」の関係は、他の条件下(即ち図71B、図71C、図72A、図72B、図73A、図73B)であっても変わらない。従って、遊技者は遊技機1が現在どのような条件下であるかを把握することなく、「デンジャー柄のメダルキャラが出現したこと」を「設定値Veが5または6であることが確定した」と捉えることができるため、遊技者にとって分かりやすい示唆演出とされている。
なお、図74A,図74Bに示すように、示唆内容がより絞られる方向への変更(即ち、遊技者が推定する設定値Veの選択肢が絞られる方向への変更)となるように出現確率が変更されてもよい。
具体的には、条件Aの下にある遊技機1では、図74Aに示すように「デンジャー柄のメダルキャラの出現」が「設定値Veが5または6であることが確定」することを示唆する演出とされている。一方、条件Bの下にある遊技機1では、図74Bに示すようにメダルキャラの出現確率が上昇する場合と0%に減少する場合があり、これによって、「デンジャー柄のメダルキャラの出現」が「設定値Veが6であることが確定」することを示唆する演出と変更されている。即ち、条件Bにおいては、設定値Veが5である場合は当該演出の出現確率が0%へと減少する一方、設定値Veが6である場合は出現確率が上昇する。
即ち条件Aから条件Bへと変わることにより、示唆演出が現出した際に遊技者に知覚させる報知内容の情報の精度が上昇することとなる。
また、このように条件Aよりも条件Bの方が遊技者に伝達する情報の確度が上昇する場合においては、条件Bの方が出現しにくい(達成しにくい)条件であることが望ましい。
例えば、条件Bが通常の状態とされ、条件Aがまれに出現する条件とされているような場合、遊技者は通常の状態とされた条件Bの下でデンジャー柄のメダルキャラが出現することによって設定値Veが6であることを示唆内容として受け取った後、特定条件とされた条件Aが成立し、精度の落ちた示唆内容の情報を追加で受け取ってしまう可能性が高くなる。これは、条件Aの下で受け取った示唆内容が遊技者にとって無意味な情報となってしまうため、好ましくない。
それに対して、図74A,図74Bに示すように、条件Aが通常の遊技中とされ、条件Bがまれに成立する特定条件下とされることにより、遊技者は、通常の遊技中という条件下で示唆演出が発生したことによって「設定値Veが5または6である」という情報を受け取り、その後に発生した特定条件下で出現した示唆演出によって「設定値Veが5である可能性が消え6であることが確定」という格上げされた情報を受け取る可能性が高くなる。このため、遊技者が同様の演出(即ちデンジャー柄のメダルキャラが出現する演出)を視認したとしても、双方の示唆演出に意味を持たせることができ、無意味な示唆演出を減らすことができると共に、遊技者の遊技意欲の向上を果たすことができる。
なお、例えば「500回の装飾図柄変動表示ゲームに亘って大当り抽選に当選しなかった場合(=所謂500回ハマり)」に特定条件としての条件Bが成立するようにしてもよい。即ち、遊技者は大当り抽選に長時間落選し続けた場合に遊技を中止しようと考える可能性があるが、そのような場合に500回ハマりを超えて次の大当り抽選に当選するまでは格上げされた情報を得られやすくすることで、次の大当り遊技までの遊技意欲を維持することができる。
この効果は、本例のように装飾図柄変動表示ゲームごとに示唆演出としての設定値示唆演出1が実行され得る構成だけでなく、大当り終了後に表示させる特定の画像演出によって設定値示唆演出を行う構成によっても得ることができる。
即ち、500回ハマりの後に当選した大当り遊技後には、上記格上げされた情報を得られるような(或いは得られやすいような)設定値示唆演出を行う構成とすることで、遊技者の遊技意欲を次の大当り遊技まで維持させることができる。
<7.その他>

これまでの説明では、遊技媒体として遊技球を利用したパチンコ遊技機を例示したが、本発明の目的を達成できる遊技機であれば特に制限されない。例えば、遊技媒体として球状以外の形状による遊技媒体を利用する遊技機や、回胴式遊技機などであってもよい。
上述した各種の例は、組合せが不可能でない限り適宜組み合わせた構成とすることができる。
1 パチンコ遊技機
20 主制御基板(主制御部)
201 CPU
202 ROM
203 RAM
24 演出制御基板(演出制御部)
241 CPU
242 ROM
243 RAM
36 液晶表示装置
38a、38b 特別図柄表示装置
45 装飾ランプ
45a 光表示装置
46 スピーカ
46a 音響発生装置
61 前扉開放センサ
94 設定キースイッチ
97 設定・性能表示器
98 RAMクリアスイッチ

Claims (1)

  1. 遊技者に有利な遊技状態に当選させるか否かの確率についての段階を表す設定値を遊技者に対して示唆する設定値示唆演出を行う演出手段を備えた
    遊技機。
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