以下、上記図面を参照して本発明の実施形態について説明する。[第1実施形態] まず、第1実施形態に係るスロットマシンについて、図1~図4を参照しながら説明する。以下では、図1~図3を参照してスロットマシンの基本的な構成について説明する場合においては、図2に示す各矢印の方向をそれぞれ、上下方向、前後方向、左右方向とする。
<スロットマシンの外部構成> 本実施形態に係るスロットマシン1は、図1~図3に示すように、前面(前方)が開口した箱状の筐体5(本体部材)と、筐体5の前面開口部に開閉可能に取り付けられた前扉2とを備えている。前扉2は、正面視において、筐体5の左側板5aの前部に配設されたヒンジ機構6a~6cを用いて筐体5の前面開口部に対し横開き開閉可能に取り付けられている。
前扉2の前面には、図1~図2に示すように、上部から順に、上パネルアセンブリ10、中パネルアセンブリ20、下パネルアセンブリ30および受け皿アセンブリ40が取り付けられている。上パネルアセンブリ10の中央部には、その裏面側に配された液晶表示装置11の表示画面11aが前方を臨むように配置されており、その周辺部には、第1演出ランプ12、第2演出ランプ13a,13bが配置されている。また、表示画面11aの前下方左右には、一対の上部スピーカ15a,15bが配置され、表示画面11aの前下方中央には、所定の装飾が施された装飾部材16が配置されている。
中パネルアセンブリ20の中央部には、筐体5内に横並びに配設された左リール3a、中リール3bおよび右リール3cの表面が臨むリール窓Wが設けられている。リール窓Wの下方に設けられた操作パネル21の上面側には、遊技メダル(遊技媒体)を投入するためのメダル投入口22、クレジットされた範囲内で遊技メダルをベットするためのBETスイッチユニット23、および演出に関する操作を行うための演出スイッチユニット24等が取り付けられている。操作パネル21の前面側には、全リール3a~3cを回転開始させる際に操作されるスタートレバー(スタートスイッチ)25、各リール3a,3b,3cの回転を個別に停止させるための3個のストップスイッチ26a,26b,26c、およびメダル投入口22から投入されて滞留した遊技メダルを返却するためのリジェクトスイッチ27等が取り付けられている。
メダル投入口22の内部は、投入された遊技メダルが有効に受け入れられる場合に当該遊技メダルが通過する受入通路(後述のホッパー51に通ずる)と、投入された遊技メダルが受け入れられない場合に当該遊技メダルが通過する返却通路(後述の遊技メダル払出口41に通ずる)とに分岐しており、その分岐部にはブロッカが設けられている。このブロッカは、投入された遊技メダルが有効に受け入れられる期間においては、メダル投入口22に投入された遊技メダルを受入通路に導き、それ以外の期間においては、メダル投入口22に投入された遊技メダルを返却通路に導くように、受入通路と返却通路を選択的に、一方を開状態に他方を閉状態にできるように構成されている。
また、メダル投入口22の内部には、メダル投入口22に投入されて有効に受け入れられた遊技メダルを検出するための2つのメダル投入センサと、メダル投入口22に投入された遊技メダルを監視するためのメダル通路センサが設けられている。1つ目のメダル投入センサは、遊技メダルを検出可能な透過型の光センサであり、上記ブロッカが設置された位置よりも下流側(後述のホッパー51寄り)の位置に配置されている。2つ目のメダル投入センサも、遊技メダルを検出可能な透過型の光センサであり、1つ目のメダル投入センサの下流側に並んで配置されている。メダル通路センサは、遊技メダルを検出可能な接触式センサであり、上記ブロッカが設置された位置よりも下流側において最もメダル投入口22に近い位置(2つのメダル投入センサよりも上流側の位置)に配置されている。
1つ目および2つ目のメダル投入センサがこの順序で遊技メダルの通過を検出した場合は、遊技メダルがメダル投入口22に投入され、かつ投入された遊技メダルが有効に受け入れられたことを意味する。一方、1つ目および2つ目のメダル投入センサがこの順序と逆の順序(2つ目、1つ目の順序)で遊技メダルの通過を検出した場合は、遊技メダルが逆流する等の異常通過が起きたことを意味する。また、メダル通路センサ(または、2つのメダル投入センサのうち少なくとも一方)が所定時間を越えて継続的に遊技メダルを検出している場合は、遊技メダルが上記受入通路で滞留していたり、メダル投入口22から上記受入通路に異物(不正行為を行うための治具等)が挿入されたりする等の異常が起きたことを意味する。
リール窓Wは、左リール3a、中リール3b、右リール3cが全て停止した際に、リール毎に連続する3個の図柄、合計9個の図柄が遊技者から視認可能に表示されるように構成されている。ここで、リール窓Wに表示される各リールの3つの図柄のうち、最も上側の図柄表示位置を上段といい、最も下側の図柄表示位置を下段といい、上段と下段の間にある図柄表示位置を中段という。リール3a~3cの各中段の図柄表示領域を水平(横一直線)に結ぶ入賞ライン29は、規定数の遊技メダルがベットされることにより有効化される入賞ラインであり、有効化された入賞ライン29上に停止表示された図柄組合せにより遊技役の成立の有無が判定されるように構成されている。
また、スロットマシン1には、LEDランプ等により構成される各種の表示用ランプが配置されている。本実施形態では、表示用ランプとして、MAX-BETスイッチ表示ランプ(図示せず)-BET数表示ランプ46b、投入可能表示(INSERT)ランプ46c、遊技開始表示(START)ランプ46d、再遊技表示(REPLAY)ランプ46e、状態表示(GAME OVER)ランプ46f、貯留枚数表示(CREDIT)ランプ46h、および払出数表示(PAYOUT)ランプ46jを備えている。これらの表示用ランプは、後述の主制御基板110により制御されるように構成されている。
MAX-BETスイッチ表示ランプ(図示せず)は、遊技メダルをベットすることができる状況下で点灯されるものであり-BETスイッチユニット23に設けられたMAX-BETスイッチ(図示せず)の内部に配置され、点灯時にはMAX-BETスイッチを部分的または全体的に光らせるようになっている。その他の表示用ランプは、中パネルアセンブリ20においてリール窓Wの側部または下部に配置されている。
BET数表示ランプ46bは、ベットされた遊技メダルの枚数を表示するもので、ベットされた遊技メダルが、1枚の場合に点灯される1-BET表示ランプ46bCと、2枚の場合に点灯される2-BET表示ランプ46bBと、3枚の場合に点灯される3-BET表示ランプ46bAとから構成されている。投入可能表示ランプ46cは、遊技メダルを投入することができる状況下で点灯されるものであり、遊技開始表示ランプ46dは、スタートレバー25を操作して遊技を開始させることができる状況下で点灯されるものである。再遊技表示ランプ46eは、任意の遊技において再遊技役が成立し、自動ベット処理により遊技メダルが自動的にベットされた際に点灯されるものである。
状態表示ランプ46fは、ベットされている遊技メダル、および/または貯留されている遊技メダルを精算するときに点灯される。貯留枚数表示ランプ46hは、貯留(クレジット)された遊技メダルの枚数を7セグメント表示するものであり、払出数表示ランプ46jは、小役(成立時に所定枚数の遊技メダルが払い出されるように構成された遊技役)が成立した際に払い出される遊技メダルの枚数を7セグメント表示するものである。
また、払出数表示ランプ46jは、スロットマシン1に何らかの異常(エラー)が発生した際に、そのエラーの種類を示す文字(アルファベット)や数字を表示するようにも構成されている。さらに、払出数表示ランプ46jは、ストップスイッチ26a~26cの操作順(押し順)を示すナビ番号(記号や数字)を表示する機能も有している。
下パネルアセンブリ30の中央部には、透明な下パネルカバー31が取り付けられており、その左右には、一対の下部スピーカ32a,32bが配置されている。なお、下パネルカバー31の裏面側には、所定の図柄が設けられた半透明の下パネルベースおよび下パネル照明灯(いずれも図示せず)が取り付けられており、この下パネル照明灯を点灯させることにより、下パネルベースの図柄を後面側から照明するように構成されている。
受け皿アセンブリ40には、遊技メダルを払い出すための遊技メダル払出口41が開設されているとともに、遊技メダル払出口41に臨むようにして遊技メダルを貯留するための遊技メダル貯留皿42が設けられている。遊技メダル貯留皿42の左部には、灰皿43が設けられている。
<スロットマシンの内部構成> 図3に示すように、筐体5内の下部(底板5d上)には、遊技の結果、所定の入賞態様が構成された場合に獲得される遊技メダルを払い出すメダル払出装置50が設けられている。メダル払出装置50は、メダル投入口22から投入され、有効に受け入れられた遊技メダルを物理
的に収容する(貯留する)ホッパー51と、ホッパー51に収容されている遊技メダルを1枚ずつ射出する射出口52とを有している。メダル払出装置50の近傍位置には、ホッパー51から溢れた遊技メダルを収納するための補助収納庫53が設けられるとともに、この補助収納庫53が満杯状態(補助収納庫53から遊技メダルが溢れる可能性のある状態)であるか否かを検出する満杯検出部(図示せず)が設けられている。また、メダル払出装置50の左方位置には、スロットマシン1に搭載された種々の装置に電力を供給する電源装置55が設けられている。
筐体5内の中央部には、左右の側板5a,5bに架け渡されるように中板5fが設けられており、この中板5f上にリールユニット60が設けられている。リールユニット60は、上述の3個のリール3a,3b,3cと、これらのリール3a~3cをそれぞれ回転させる3個のステッピングモータ(後述する)とを有して構成されている。左リール3a,中リール3b,右リール3cはそれぞれ、透光性を有する部材により構成されており、その外周面には、複数種類の図柄が表示された、透光性を有するリールテープが貼り付けられている。また、リール3a~3cの内面側にはそれぞれバックランプ(後述する)が配設されている。右側板5bの上部には、遊技に関する情報を外部のホールコンピュータなどへ出力する外部集中端子基板80が設置されている。出力する遊技に関する情報には、例えばメダルの投入枚数や払出枚数、いわゆるボーナスゲームやATゲームが開始した回数などがある。
筐体5内の上部(背板5eの上部内面)には、遊技の進行に係る主たる制御を行う主制御装置100が設けられている。例えば主制御装置100は、規定数(例えば3枚)の遊技メダルが投入されてスタートレバー25が操作されると、役抽せんを行うとともにリール3a~3cの回転駆動を開始し、ストップスイッチ26a,26b,26cの停止操作が行われると役抽せんの結果に基づくリールの停止制御を行う。また、すべてのリールが停止したときに、入賞ライン29に小役の図柄組合せが揃った(小役が入賞した)場合、メダル払出装置50を制御して入賞した小役に対応する枚数のメダルを払い出す。
<前扉の後側構成> 図4に前扉2を後方から見たときの正面図を示す。ここで、図4においては後方から見た前扉2を図示しているため、図4に示す各矢印の方向のうち、左右の方向が図2と入れ替わっている。前扉2の後面側(裏側)において、リール窓Wの上側には副制御装置500が設けられている。副制御装置500は、主制御装置100から送信される各種コマンドに基づいて(第1演出ランプ12、第2演出ランプ13a,13bや、液晶表示装置11および上部スピーカ15a,15b等の各種演出装置を制御することにより、遊技状況に応じて遊技の興趣を向上させるための種々の演出を実行する。これらの機能は、副基板ケース501に収容されている副制御基板(後述する)に実装された各種部品によって実現される。副制御装置500と主制御装置100とは、ケーブルハーネスを用いて電気通信可能に接続されており、これら装置間の情報伝達は、主制御装置100から副制御装置500への一方向のみ行うことが可能となっている。
リール窓Wの下側かつ右寄りの位置には、メダル投入口22から投入された遊技メダルが有効に受け入れられるものであるか否かを選定するメダルセレクタ650が設けられている。メダルセレクタ650は、メダル投入口22から投入された遊技メダルが有効に受け入れられるものであった場合はホッパー51に通じる受入通路71へ通過させ、有効に受け入れられるものでなかった場合は遊技メダル払出口41に通ずる返却通路72へ流下させる。また、返却通路部72には、メダル払出装置50に設けられた遊技メダルの射出口52と位置整合するようにメダル通過口73が形成されている。
<主制御装置の構成> 次に、本実施形態に係る主制御装置100の構成について図5~図13を参照して説明する。主制御装置100は、図7~図9に示すように、主制御基板110と、主制御基板110を収容する主基板ケース210とを有して構成されている。主制御基板110は、図8に示すように、制御チップ121と、情報表示ランプ156と、主基板側コネクタ161等の複数の電気コネクタと、これら各種部品が実装されるプリント基板111とを有して構成されている。また、プリント基板111に実装される各種部品は、プリント基板111の表面部(「第1面部」とも称する)FSに実装される。したがって、主制御装置100が筐体5の背板5e(図3参照)に設置されているときは、表面部FSが前方を向き、かつ上下方向に沿った状態となる。なお、主制御基板110の詳細については後述する。
主基板ケース210は、図7~図9に示すように、ケース本体211と、ケース蓋221とを有し、ケース本体211およびケース蓋221を結合させて形成されるケース内部に主制御基板110を収納可能に構成されている。図8に示すように、ケース本体211は、透明な樹脂材料を用いて前方に開口した略矩形箱状に形成され、上下の壁部にそれぞれ複数の結合溝212が形成されている。この結合溝212は、前方に開口する挿入溝部と、その挿入溝部の後部から右方に延びる係止溝部とから構成されるL字状の溝になっている。ケース蓋221は、透明な樹脂材料を用いて後方に開口した略矩形箱状に形成され、上下の壁部内面にはそれぞれ上記結合溝212に対応する位置に複数の係合突起(図示せず)が形成されている。この係合突起をケース本体211の結合溝212の挿入溝部に前方から挿入し、ケース蓋221をケース本体211に対して右方にスライド移動させて係合突起を結合溝212の係止溝部に挿入させることにより、ケース本体211に対するケース蓋221の前後、上下および右方への移動が規制され、ケース本体211およびケース蓋221が結合されるように構成されている。
図8および図10に示すように、ケース本体211の右部には、本体側結合部213と、封印カバー241が取り付けられる第1本体側封印部214とが形成されている。本体側結合部213内には、係止爪を有する蓋かしめ部材(図示せず)が装着されるようになっている。第1本体側封印部214の右側面には、右方に突出した2つのケース取付突起219が形成されている。ケース本体211の左部には、主基板ケース210を回収する際に、使用済みの本体かしめ部材340(図11を参照)を係合させることが可能な本体側仮係合部215が形成されている。ケース本体211の下部には、第2本体側封印部216が形成されている。ケース本体211の前面左側には、主制御基板110を湾曲しないように支持する基板支持突起217が形成されている。
図7および図8に示すように、ケース蓋221の右部には、上記のようにケース本体211およびケース蓋221が結合されたときに、ケース本体211の本体側結合部213と結合される蓋側結合部223と、ケース本体211の第1本体側封印部214と結合される第1蓋側封印部224とが形成されている。本体側結合部213および蓋側結合部223が結合されると、本体側結合部213内に装着された蓋かしめ部材(図示せず)の係止爪が蓋側結合部223内の係止溝に挿入され、これによりケース本体211に対するケース蓋221の左方(ケース蓋221を取り外す方向)へのスライド移動が規制され、ケース蓋221をケース本体211から取り外すことができないように固定される構成となっている。また、第1本体側封印部214および第1蓋側封印部224に跨って封印シール242が貼付され、その封印シール242を覆うように第1本体側封印部214および第1蓋側封印部224に封印カバー241が右方からスライド移動されて取り付けられるように構成されている。封印カバー241には、第1本体側封印部214および第1蓋側封印部224に取り付けられた後に、カッター部材243が装着されてカッター部材243の切断部が封印カバー241の内部に配置されるようになっている。そのため、封印カバー241を左方にスライド移動させて取り外すときには、このカッター部材243の切断部により封印シール242が切断されるようになっている。
ケース蓋221の左部には、上記のようにケース本体211およびケース蓋221が結合されたときに、ケース本体211の本体側仮係合部215を内部に収容して覆うカバー部225が形成されている。カバー部225の上部には、後述の本体かしめ部材340(図11を参照)と係合可能で、後述のかしめ型部材345(図11を参照)とも対向可能な上側ケース固定部225aが形成されている。カバー部225の下部には、かしめ型部材345と対向可能で、本体かしめ部材340とも係合可能な下側ケース固定部225bが形成されている。カバー部225の中間部には、ケース本体211の本体側仮係合部215と重なった状態で、使用済みの本体かしめ部材340を係合させることが可能な蓋側仮係合部225cが形成されている。
ケース蓋221の左上端部には、後述のブラケット部材330の上側仮固定穴部348a(図11を参照)に挿入可能なナイラッチ型の上側仮固定具238aが形成されている。ケース蓋221の左下端部には、ブラケット部材330の下側仮固定穴部348b(図11を参照)に挿入可能なナイラッチ型の下側仮固定具238bが形成されている。ケース蓋221の下部には、ケース本体211の第2本体側封印部216と結合される第2蓋側封印部226が形成されている。第2本体側封印部216および第2蓋側封印部226が結合された状態において、レーザー装置等により第2本体側封印部216および第2蓋側封印部226に跨って印字され、主基板ケース210が封印されるようになっている。
ケース蓋221の前面左側には、ケース内部に収容した主制御基板110の主基板側コネクタ161を前方に露出させるための前後に貫通した左側コネクタ露出部227が形成されている。左側コネクタ露出部227を介して露出した主基板側コネクタ161には、前扉用ケーブルハーネス191の一端に設けられたケーブルコネクタ192を嵌合接続させることができるようになっている(図5を参照)。
ケース蓋221には、左側コネクタ露出部227を前方から覆うコネクタカバー246が取り付けられるようになっている。ケース蓋221の前面には溝状の第1カバーかしめ装着部229が形成され、係止爪を有する第1カバーかしめ部材228を第1カバーかしめ装着部229に対し上方からスライド移動させて装着させることができるようになっている。コネクタカバー246がケース蓋221に取り付けられると、第1カバーかしめ装着部229に装着された第1カバーかしめ部材228がコネクタカバー246の内部に配置され、第1カバーかしめ部材228の係止爪がコネクタカバー246内の係止溝に挿入されるようになっている。そのため、コネクタカバー246を破壊して第1カバーかしめ部材228との係止状態を解除しない限り、コネクタカバー246をケース蓋221から取り外すことができないように固定される構成となっている。
ケース蓋221の前面下側には、ケース内部に収容した主制御基板110のリール用コネクタ162、副基板用コネクタ163、設定変更装置用コネクタ164、および照合機用コネクタ165を前方に露出させるための前後に貫通した第1~第4の下側コネクタ露出部231~234が形成されている。第1の下側コネクタ露出部231を介して露出したリール用コネクタ162には、リール制御基板(図示せず)と電気的に接続されたケーブルハーネス(図示せず)のコネクタを嵌合接続させることができるようになっている。第2の下側コネクタ露出部232を介して露出した副基板用コネクタ163には、副制御装置500と電気的に接続されたケーブルハーネス(図示せ
ず)のコネクタを嵌合接続させることができるようになっている。第3の下側コネクタ露出部233を介して露出した設定変更装置用コネクタ164には、設定変更装置350と電気的に接続されたケーブルハーネス(図示せず)のコネクタを接続させることができるようになっている。第4の下側コネクタ露出部234を介して露出した照合機用コネクタ165には、照合機(図示せず)と電気的に接続されたケーブルハーネス(図示せず)のコネクタを嵌合接続させることができるようになっている。
ケース蓋221の前面中央部には、かしめ使用記録シール248が貼り付けられるシール貼り付け部235が形成されている。シール貼り付け部235は、かしめ使用記録シール248の外周形状に合わせた矩形の窪み形状に形成されている。かしめ使用記録シール248は、主基板ケース210を封印した日付等(以降、かしめ使用記録と称する)を記入するための文字または図形が印刷された、透明のシート状に形成されている。
ケース蓋221における主制御基板110の情報表示ランプ156と重なる部分には、ケース蓋221の内側に凹んだ凹部237が形成されている。凹部237は、図7~図9に示すように、ケース蓋221の天井部より高さの低い底部237eと、底部237eの前面側の上下左右を囲む、上壁部237a、下壁部237b、左壁部237c、および右壁部237dとを有している。底部237eは、情報表示ランプ156の前方近傍において、情報表示ランプ156と重なって略平行に延びる平板状に形成される。上壁部237a、下壁部237b、および左壁部237cは、前後方向に延びる壁状に形成される。上下左右の壁部237a~237dのうち、ヒンジ機構6a~6cから遠い側に位置する右壁部237dは、前方に向かうにつれて(ヒンジ機構6a~6cから遠い側の)右側に傾斜した壁状に形成される。
このように主制御基板110をケース内部に収容した主基板ケース210は、図5に示すように、基板ケース取付機構300を介して筐体5内の上部(背板5eの上部内面)に取り付けられる。基板ケース取付機構300は、図11および図12に示すように、背板5eの左側上部に取り付けられる左側ベース部材310と、背板5eの右側上部に取り付けられる右側ベース部材320と、左側ベース部材310に前後方向に揺動可能に取り付けられるブラケット部材330とを有して構成されている。主基板ケース210は、前方を向いてブラケット部材330の内側に装着される。ブラケット部材330の左端部は、左側ベース部材310に対して前後方向に揺動可能に連結されている。一方、ブラケット部材330の右端部は、ロック部材360を用いて右側ベース部材320に固定されるように構成されている。これにより、主基板ケース210は、基板ケース取付機構300を介して筐体5内の上部に揺動可能に取り付けられる。
左側ベース部材310は、上下方向に延びるブロック状に形成され、取付ネジ(図示せず)を用いて、筐体5における背板5eの左側上部(天板5cの下方近傍)に取り付けられる。左側ベース部材310には、ブラケット部材330のブラケット側係合部331,332,333と係合可能なヒンジ穴を有する3つのベース側係合部311,312,313が上下方向に並んで形成されている。右側ベース部材320は、上下方向に延びるブロック状に形成され、取付ネジ(図示せず)を用いて、筐体5における背板5eの右側上部(天板5cの下方近傍)に取り付けられる。また、右側ベース部材320は、ブラケット部材330の後面右側に設けられた係止突起部(図示せず)が係止可能に構成されている。
ブラケット部材330は、透明な樹脂材料を用いて前方に開口した略矩形箱状に形成され、その内部空間に主基板ケース210が装着されて主基板ケース210を支持するように構成されている。ブラケット部材330の左側壁の外面側には、左側ベース部材310のベース側係合部311,312,313と回転自在に係合可能なヒンジ軸を有する3つのブラケット側係合部331,332,333が上下方向に並んで形成されている。これにより、ブラケット部材330の左端部は、ベース側係合部311,312,313とブラケット側係合部331,332,333とが係合した状態で、左側ベース部材310に対して前後方向に揺動可能に連結される。
ブラケット部材330内における左側壁に隣接する位置には、本体かしめ部材340およびかしめ型部材345が装着される上下のケースかしめ装着部334,335が形成されている。上側ケースかしめ装着部334には、係止爪を有する本体かしめ部材340(もしくは、かしめ型部材345)が右側に形成された開口部から挿入されて装着されるようになっている。下側ケースかしめ装着部335には、係止爪を有していないかしめ型部材345(もしくは、本体かしめ部材340)が右側に形成された開口部から挿入されて装着されるようになっている。
ブラケット部材330内の左上端部には、主基板ケース210(ケース蓋221)の上側仮固定具238aが挿入可能な上側仮固定穴部348aが形成されている。ブラケット部材330内の左下端部には、主基板ケース210(ケース蓋221)の下側仮固定具238bが挿入可能な下側仮固定穴部348bが形成されている。また、ブラケット部材330の左下部には、前述の前扉用ケーブルハーネス191を固定保持可能なケーブルクランプ336が形成されている。
ブラケット部材330の右上部には、ブラケット部材330を右側ベース部材320に固定するためのロック部材360が取り付けられている。また、ブラケット部材330の右上部には、左方に開口したケース取付孔339,339が上下に並んで形成されている。ケース取付孔339,339には、主基板ケース210(ケース本体211)のケース取付突起219,219が左方から挿入可能になっている。
主制御基板110をケース内部に収容した主基板ケース210をブラケット部材330に装着するには、主基板ケース210のケース取付突起219,219をブラケット部材330のケース取付孔339,339に挿入し、それから、主基板ケース210の上下の仮固定具238a,238bをブラケット部材330の上下の上側仮固定穴部348a,348bに挿入して、主基板ケース210をブラケット部材330内に挿入する。主基板ケース210をブラケット部材330内に挿入すると、上側ケースかしめ装着部334に装着された本体かしめ部材340が主基板ケース210の上側ケース固定部225aの内部に配置され、本体かしめ部材340の係止爪が上側ケース固定部225a内の係止溝に挿入されるようになっている。同時に、下側ケースかしめ装着部335に装着されたかしめ型部材345が主基板ケース210の下側ケース固定部225bの内部に対向配置される。これにより、主基板ケース210の上側ケース固定部225aを破壊して本体かしめ部材340との係止状態を解除しない限り、主基板ケース210をブラケット部材330から取り外すことができないように固定される。
このように、主基板ケース210は、ブラケット部材330に対して主基板ケース210の右側部分を係合させ、その次に左側部分を係合させることによりブラケット部材330に装着される。なお、上側ケースかしめ装着部334にかしめ型部材345が装着されて上側ケース固定部225aの内部に対向配置され、下側ケースかしめ装着部335に本体かしめ部材340が装着されて下側ケース固定部225bの内部に配置され、本体かしめ部材340の係止爪が下側ケース固定部225b内の係止溝に挿入されるようにすることも可能である。これにより、本体かしめ部材340とかしめ型部材345の上下位置を入れ替えることで、主基板ケース210をブラケット部材330に対して2回装着することができる。
例えば最初に、主基板ケース210をブラケット部材330に装着する際、上側ケースかしめ装着部334に本体かしめ部材340を装着するとともに、下側ケースかしめ装着部335にかしめ型部材345を装着して、本体かしめ部材340の係止爪を主基板ケース210の上側ケース固定部225a内の係止溝に挿入させる。この状態で、主基板ケース210をブラケット部材330から取り外す際、主基板ケース210の上側ケース固定部225aを破壊して本体かしめ部材340との係止状態を解除する。次に、取り外した主基板ケース210を再びブラケット部材330に装着する際、上側ケースかしめ装着部334にかしめ型部材345を装着するとともに、下側ケースかしめ装着部335に本体かしめ部材340を装着して、本体かしめ部材340の係止爪を主基板ケース210の下側ケース固定部225b内の係止溝に挿入させる。そして、主基板ケース210をブラケット部材330から取り外す際、主基板ケース210の下側ケース固定部225bを破壊して本体かしめ部材340との係止状態を解除する。また、ブラケット部材330から取り外した主基板ケース210を製造業者等が回収する際、下側ケースかしめ装着部335(もしくは、上側ケースかしめ装着部334)から取り外した使用済みの本体かしめ部材340を、主基板ケース210の本体側仮係合部215および蓋側仮係合部225cと係合させる。これにより、主基板ケース210のケース本体211に対するケース蓋221の左方(ケース蓋221を取り外す方向)へのスライド移動が規制され、ケース蓋221をケース本体211から取り外すことができないように固定することが可能である。
また、ブラケット部材330には、主基板ケース210が装着されるのに加え、設定変更装置350が取り付けられるようになっている。具体的には、設定変更装置350は、ブラケット部材330内の右下部に取り付けられるようになっている。ブラケット部材330の右下部における設定変更装置350の左方には、設定変更装置350から主基板ケース210内の主制御基板110(設定変更装置用コネクタ164)に延びて接続されるケーブルハーネス(図示せず)を覆うケーブルカバー355が取り付けられるようになっている。なお、ブラケット部材330内の右下部には、溝状の第2カバーかしめ装着部338が形成され、係止爪を有する第2カバーかしめ部材337を第2カバーかしめ装着部338に対し右方からスライド移動させて装着させることができるようになっている。ケーブルカバー355がブラケット部材330に取り付けられると、第2カバーかしめ装着部338に装着された第2カバーかしめ部材337がケーブルカバー355の内部に配置され、第2カバーかしめ部材337の係止爪がケーブルカバー355内の係止溝に挿入されるようになっている。そのため、ケーブルカバー355を破壊して第2カバーかしめ部材337との係止状態を解除しない限り、ケーブルカバー355をブラケット部材330から取り外すことができないように固定される構成となっている。
設定変更装置350は、遊技者にとっての有利度を定めるスロットマシン1の設定値(遊技役の当選確率等)を変更するときに操作される装置である。設定変更装置350に設けられた設定変更キーシリンダ(図示せず)に設定変更キー(図示せず)を差し込んで右回り(時計方向)に約90度回動操作された状態で、筐体5内の下部に設けられた電源装置55の電源スイッチがON操作されると、設定変更モード(設定値を変更可能とするモード)を開始する。設定変更装置350は、設定変更スイッチ(図示せず)が押圧操作される毎に1~6の6段階の上記設定値を切り替え、設定値を主制御基板110上に設けられた設定表示ランプ151(図13を参照)に表示させる。そして、前扉2の前面に設けられたスタートレバー25が操作されると上記設定値を確定し、設定変更キーを元の位置に戻すと、設定変更モードを終了して通常モードに移行する。また、主制御基板110
は、通常モードの状態で、上述の設定変更キーシリンダに差し込んだ設定変更キーを右回り(時計方向)に約90度回動操作されると、設定確認モードを開始し、現在の設定値を主制御基板110上の設定表示ランプ151に表示する。そして、設定変更キーを元の位置に戻すと、設定確認モードを終了して通常モードに移行するようになっている。
<主制御基板の構成> 次に、本実施形態に係る主制御基板110の詳細な構成について、図13を参照して説明する。主制御基板110は、図13に示すように、制御チップ121と、複数のIC(「IC部品」または「ICドライバ」とも称する)と、モニターLEDとも称されるモニターランプ141と、設定表示モニターとも称される設定表示ランプ151と、役比モニターとも称される情報表示ランプ156(ぱちんこ遊技機における性能表示モニターに相当する)と、主基板側コネクタ161等の複数の電気コネクタと、これらが実装されるプリント基板111とを有して構成されている。主制御基板110は、制御チップ121のROMに記憶された制御プログラムに従って各駆動回路等が動作することにより、スロットマシン1における遊技の進行に係る制御が行われるように構成されている。また、詳細な図示を省略する(一部のものを例示して付番図示する)が、主制御基板110においては、フィルムコンデンサ171、セラミックコンデンサ172、電解コンデンサ173、および一般的なコンデンサ174を含む複数のコンデンサと、複数のトランジスタ175と、複数のダイオード176と、複数の抵抗アレイ177と、複数の抵抗器178がプリント基板111に実装されている。主制御基板110のコンデンサは、例えば、各ICの電源安定用として用いられる。主制御基板110のトランジスタは、例えば、各出力回路の駆動用として用いられる。主制御基板110のダイオードは、例えば、各ICの静電気対策用として用いられる。
プリント基板111上に実装された、制御チップ121、複数のIC、モニターランプ141、設定表示ランプ151および情報表示ランプ156等といった電気コネクタを除く各素子は、主制御基板110が主基板ケース210に収容された状態で、主基板ケース210のケース蓋221に覆われるようになっている。前述したように、主基板ケース210は、透明な樹脂材料を用いて形成されており、ケース蓋221の外側から、制御チップ121、複数のIC、モニターランプ141、設定表示ランプ151および情報表示ランプ156等を視認可能に構成されている。
なお、主制御基板110(プリント基板111)の中央部上側には、矩形状のシール貼り付け領域ASが設定される。シール貼り付け領域ASは、ケース蓋221の外側から視認した場合に、ケース蓋221のシール貼り付け部235に貼り付けられた、かしめ使用記録シール248と重なる可能性がある領域である。主制御基板110の右端部には、上下に延びる長方形状の溶剤流入領域BSが設定される。溶剤流入領域BSは、主基板ケース210の封印シール242を剥離しようとした場合に、封印シール242の剥離に用いられた溶剤がケース内部の主制御基板110に流れ込む可能性がある領域である。主制御基板110におけるシール貼り付け領域ASの左方および下方には、略L字形に延びる配置制限領域CSが設定される。配置制限領域CSは、ケース蓋221の左側壁部221aおよび下側壁部221b(図8を参照)に近く、視認性が妨げられるおそれがあるため、設定表示ランプ151および情報表示ランプ156の配置が制限される領域である。
また、プリント基板111の右上部には、主制御基板110が不正な基板ではないことを証明するために、レーザー装置等により基板製造者名が印字された描画部112が設けられている。この描画部112も、主制御基板110が主基板ケース210に収容された状態で、主基板ケース210のケース蓋221に覆われるようになっており、ケース蓋221の外側から描画部112を視認可能に構成されている。基板製造者名が描かれた描画部112は、基板製造者名を確認し易いように、シール貼り付け領域ASとならない位置に配置される。なお、基板製造者名は、文字のみから構成されるものに限らず、例えば、文字とコーポレートマークを組み合わせた構成であってもよく、文字と図形のうち少なくともいずれかを含む構成であってもよい。
情報表示ランプ156(および設定表示ランプ151)は、他の電気素子よりも厚い形状を有しており、描画部112が情報表示ランプ156(および設定表示ランプ151)の近傍に配置されると、情報表示ランプ156(および設定表示ランプ151)の影に隠れて視認性が低下する可能性がある。そのため、描画部112は、情報表示ランプ156(および設定表示ランプ151)に対して、ケース蓋221の外側から視認した場合に描画部112の視認性が妨げられない程度の距離だけ離れた位置に配置される。基板製造者名の印字は、プリント基板111上に全ての電気素子が実装された後に行われる。情報表示ランプ156(および設定表示ランプ151)の半田付け部分は、比較的熱に弱くて脆い構造になっている。そのため、レーザー装置により基板製造者名を印字する場合、レーザーの熱が情報表示ランプ156(および設定表示ランプ151)に影響を及ぼすのを防ぐためにも、描画部112は、情報表示ランプ156(および設定表示ランプ151)から離れて配置されることが好ましい。
制御チップ121は、遊技に関する各種の演算処理を行うCPUと、制御プログラム等を記憶した読出し専用の記憶装置であるROMと、情報の書込みおよび読出しが可能な記憶装置であるRAMとを有して構成されている。制御チップ121は、プリント基板111の中央よりも右側、すなわち、プリント基板111におけるヒンジ機構6a~6cから遠い側に実装される。制御チップ121に対して不正が行われていないか否かを確認し易くするため、制御チップ121は、シール貼り付け領域ASとならない位置に配置される。なお、溶剤による悪影響が及ばないように、制御チップ121は、溶剤流入領域BSとならない位置に配置されることが好ましい。また、制御チップ121は、設定表示ランプ151および情報表示ランプ156に対して第1~第3の表示制御用IC132A~132Cを配置可能な距離だけ離れた位置に配置される。
複数のICには、第1~第2の発振器用IC131A~131Bと、第1~第3の表示制御用IC132A~132Cと、第1~第11の主基板用IC133A~133Kとが含まれる。第1~第2の発振器用IC131A~131Bは、制御チップ121と電気的に接続され、制御チップ121で用いられるクロックを発生させるように構成されている。第1~第2の発振器用IC131A~131Bは、プリント基板111の中央よりも右側に実装される。第1~第2の発振器用IC131A~131Bは、制御チップ121の下方近傍で、シール貼り付け領域ASとならない位置に配置される。なお、第1~第2の発振器用IC131A~131Bは、制御チップ121の近傍であれば、シール貼り付け領域ASとなる位置に配置されてもよい。制御チップ121と異なり、不正が行われていないか否か等を確認し易くする必要性が低いためである。
第1~第3の表示制御用IC132A~132Cは、7セグメントLEDである貯留枚数表示ランプ46h、払出数表示ランプ46j、設定表示ランプ151、および情報表示ランプ156のダイナミック点灯制御を行うためのICである。第1の表示制御用IC132Aは、制御チップ121と電気的に接続されるとともに、主基板側コネクタ161、設定表示ランプ151、および情報表示ランプ156と電気的に接続される。第1の表示制御用IC132Aは、制御チップ121から送信される制御信号に応じて、貯留枚数表示ランプ46h、払出数表示ランプ46j、設定表示ランプ151、および情報表示ランプ156で表示する数字等(数字、アルファベット、各種記号等)を設定する(デコードする)セグメントドライバとして機能する。
第2の表示制御用IC132Bは、制御チップ121と電気的に接続されるとともに、主基板側コネクタ161および設定表示ランプ151と電気的に接続される。第2の表示制御用IC132Bは、制御チップ121から送信される制御信号に応じて、貯留枚数表示ランプ46h、払出数表示ランプ46j、および設定表示ランプ151の各桁(各デジット)のいずれかに(セグメントドライバである第1の表示制御用IC132Aで設定された)数字等を表示させるかを切り換えるデジットドライバとして機能する。第3の表示制御用IC132Cは、制御チップ121と電気的に接続されるとともに、情報表示ランプ156と電気的に接続される。第3の表示制御用IC132Cは、制御チップ121から送信される制御信号に応じて、情報表示ランプ156の各桁(各デジット)のいずれかに(セグメントドライバである第1の表示制御用IC132Aで設定された)数字等を表示させるかを切り換えるデジットドライバとして機能する。
第1~第3の表示制御用IC132A~132Cは、プリント基板111の中央よりも左側、すなわち、プリント基板111におけるヒンジ機構6a~6cに近い側に実装される。第1の表示制御用IC132Aは、第11の主基板用IC133Kの左方で、シール貼り付け領域ASとなる位置に配置される。第2の表示制御用IC132Bは、第1の表示制御用IC132Aの下方で、シール貼り付け領域ASとならない位置に配置される。第3の表示制御用IC132Cは、第1の表示制御用IC132Aの上方で、シール貼り付け領域ASとなる位置に配置される。なお、第1~第3の表示制御用IC132A~132Cの全てが、シール貼り付け領域ASとなる位置に配置されてもよい。第1~第2の発振器用IC131A~131Bと同様に、不正が行われていないか否か等を確認し易くする必要性が低いためである。
その他のICである第1~第11の主基板用IC133A~133Kは、プリント基板111の各部に実装される。例えば、図13に示すように、プリント基板111の右側に実装された主基板用ICを、第1の主基板用IC133A、第2の主基板用IC133B、第3の主基板用IC133Cとする。また例えば、プリント基板111の中央部上側に実装された主基板用ICを、第4の主基板用IC133D、第5の主基板用IC133E、第6の主基板用IC133F、第7の主基板用IC133G、第8の主基板用IC133H、第9の主基板用IC133I、第10の主基板用IC133J、第11の主基板用IC133Kとする。
第1の主基板用IC133Aは、制御チップ121の右側上方に配置される。第2の主基板用IC133Bは、制御チップ121の上方で、第1の主基板用IC133Aの左方に配置される。第3の主基板用IC133Cは、制御チップ121の下方近傍で、第1~第2の発振器用IC131A~131Bの左方近傍に配置される。また、第1~第3の主基板用IC133A~133Cは、シール貼り付け領域ASとならない位置に配置される。
第4の主基板用IC133Dは、第2の主基板用IC133Bの左上方に配置される。第5の主基板用IC133Eは、第4の主基板用IC133Dの左方に配置される。第6の主基板用IC133Fは、第5の主基板用IC133Eの下方に配置される。第7の主基板用IC133Gは、第6の主基板用IC133Fの下方に配置される。第8の主基板用IC133Hは、第7の主基板用IC133Gの下方に配置される。第9の主基板用IC133Iは、第5の主基板用IC133Eの左方に配置される。第10の主基板用IC133Jは、第9の主基板用IC133Iの下方で、第6の主基板用IC133Fの左方に配置される。第11の主基板用IC133Kは、第10の主基板用IC1
33Jの下方で、第7の主基板用IC133Gの左方に配置される。また、第4~第11の主基板用IC133D~133Kは、シール貼り付け領域ASとなる位置に配置される。
モニターランプ141は、左右に10個ずつ並ぶ列が上下2列に並ぶ20個のLED素子142から構成され、スロットマシン1の各部の作動状態に応じて発光するようになっている。モニターランプ141は、故障等がないかを確認するためのものである。例えば、モニターランプ141を構成する20個のLED素子142のうち一部は、リールユニット60の各リール3a~3cが所定の回転基準位置に位置していないとき(または位置しているとき)に発光するようになっている。また例えば、20個のLED素子142のうち他の一部は、スタートレバー25が非操作状態(または操作状態)のときに発光するようになっている。モニターランプ141は、プリント基板111の中央部下側(第4~第11の主基板用IC133D~133Kの下方)に実装される。各LED素子142の発光状態(点灯もしくは消灯)を確認し易いように、モニターランプ141は、シール貼り付け領域ASとならない位置に配置される。なお、溶剤による悪影響が及ばないように、モニターランプ141は、溶剤流入領域BSとならない位置に配置されることが好ましい。また、モニターランプ141は、主基板側コネクタ161と電気的に接続されるため、主基板側コネクタ161の近傍に配置されることが好ましい。
複数の電気コネクタには、主基板側コネクタ161と、リール用コネクタ162と、副基板用コネクタ163と、設定変更装置用コネクタ164と、照合機用コネクタ165とが含まれる。主基板側コネクタ161は、プリント基板111の左端部、すなわち、プリント基板111における第1~第3の表示制御用IC132A~132C、設定表示ランプ151および情報表示ランプ156よりもヒンジ機構6a~6cに近い側に実装される。前述したように、主基板側コネクタ161には、前扉用ケーブルハーネス191の一端に設けられたケーブルコネクタ192を嵌合接続させることができるようになっている(図5を参照)。
前扉用ケーブルハーネス191は、前扉2の後面側(裏面側)中央に配設された中央表示基板196(図5を参照)とも電気的に接続されるようになっている。図5および図6に示すように、前扉用ケーブルハーネス191は、ブラケット部材330のケーブルクランプ336および、(ヒンジ機構6a~6cが設けられる側に位置する)筐体5の左側板5aの内面側に配設された複数のケーブルクランプ194を用いて、筐体5から前扉2に向けて配線される。このとき、前扉用ケーブルハーネス191は、主基板側コネクタ161の近傍に配置される情報表示ランプ156(および設定表示ランプ151)の前方を覆って視認性を妨げないように、主基板側コネクタ161からブラケット部材330のケーブルクランプ336に向けて下方に配線されるようになっている。但し、前扉用ケーブルハーネス191は、主基板側コネクタ161の左方に配置されるケース蓋221のカバー部225を覆って第1および第2ケースかしめ部材340,345等の視認性を妨げる可能性がある。そのため、前述したように、カバー部225の(下側ケース固定部225bおよび蓋側仮係合部225cよりも)上側に本体かしめ部材340と係合可能な上側ケース固定部225aが配置されることが好ましい。本実施形態では、他の部品との位置関係を説明容易にするため、図5および図6において前扉用ケーブルハーネス191を二点鎖線で示している。
中央表示基板196は、リール窓Wの左右後面側に設けられた左中継基板197および右中継基板198等と電気的に接続されるようになっている。左中継基板197および右中継基板198には、前述のリール窓Wに配置される各種の表示用ランプ(BET数表示ランプ46b、投入可能表示ランプ46c、遊技開始表示ランプ46d、再遊技表示ランプ46e、状態表示ランプ46f、貯留枚数表示ランプ46h、払出数表示ランプ46j等)が実装もしくは電気的に接続される。これにより、各種の表示用ランプの作動を制御するための制御信号が、主制御基板110から前扉用ケーブルハーネス191および中央表示基板196を介して、左中継基板197および右中継基板198に向けて送信され、主制御基板110により各種の表示用ランプの作動が制御される。
なお、貯留枚数表示ランプ46hおよび払出数表示ランプ46jの作動を制御するための制御信号は、前述したように、主制御基板110の制御チップ121、第1の表示制御用IC132Aおよび第2の表示制御用IC132Bを介して、主基板側コネクタ161から出力されるように構成されているBET数表示ランプ46b、投入可能表示ランプ46c、遊技開始表示ランプ46d、再遊技表示ランプ46e等の作動を制御するための制御信号についても、主制御基板110の制御チップ121、第1の表示制御用IC132Aおよび第2の表示制御用IC132Bを介して、主基板側コネクタ161から出力されるように構成されている。
リール用コネクタ162は、プリント基板111の下端部左側に実装される。前述したように、リール用コネクタ162には、リール制御基板(図示せず)と電気的に接続されたケーブルハーネス(図示せず)のコネクタを嵌合接続させることができるようになっている。副基板用コネクタ163は、プリント基板111の下端部中央に実装される。前述したように、副基板用コネクタ163には、副制御基板(図示せず)と電気的に接続されたケーブルハーネス(図示せず)のコネクタを嵌合接続させることができるようになっている。設定変更装置用コネクタ164は、プリント基板111の下端部左側に実装される。前述したように、設定変更装置用コネクタ164には、設定変更装置350と電気的に接続されたケーブルハーネス(図示せず)のコネクタを嵌合接続させることができるようになっている。照合機用コネクタ165は、設定変更装置用コネクタ164と並んでプリント基板111の下端部左側に実装される。前述したように、照合機用コネクタ165には、照合機(図示せず)と電気的に接続されたケーブルハーネス(図示せず)のコネクタを嵌合接続させることができるようになっている。
設定表示ランプ151は、前述したように、遊技者にとっての有利度を定めるスロットマシン1の設定値を7セグメント表示するものである。設定表示ランプ151は、1桁の数字を表示可能な7セグメントLEDを用いて構成される。設定表示ランプ151は、プリント基板111の中央よりも左側、すなわち、プリント基板111における制御チップ121よりもヒンジ機構6a~6cに近い側に実装される。設定表示ランプ151で表示される設定値を確認し易いように、設定表示ランプ151は、第1の表示制御用IC132Aと主基板側コネクタ161との間において、シール貼り付け領域ASおよび配置制限領域CSとならない位置に配置される。
情報表示ランプ156は、役物比率に関する情報を7セグメント表示するものである。情報表示ランプ156は、4桁の数字等を表示可能な7セグメントLEDを用いて構成される。役物比率に関する情報として、例えば、役物比率等の種類(役物比率、連続役物比率、有利期間比率等)を示す2桁の識別子記号と、当該識別子記号に対応する2桁の比率とを組み合わせた4桁の数字等を、情報表示ランプ156で表示することが可能である。情報表示ランプ156は、プリント基板111の中央よりも左側、すなわち、プリント基板111における制御チップ121よりもヒンジ機構6a~6cに近い側に実装される。情報表示ランプ156で表示される役物比率に関する情報を確認し易いように、情報表示ランプ156は、第1の表示制御用IC132Aと第3の表示制御用IC132Cとの間において、シール貼り付け領域ASおよび配置制限領域CSとならない位置に配置される。なお、情報表示ランプ156は、斜め前方から視認した場合に使用記録シール248に遮られる可能性があるため、シール貼り付け領域ASと隣接した位置に配置されることは好ましくない。そのため、情報表示ランプ156は、シール貼り付け領域ASに対して、右斜め前方からでもかしめ使用記録シール248に遮られることなく情報表示ランプ156を視認可能な距離だけ、左方に離れて配置されることが好ましい。
また、情報表示ランプ156(および設定表示ランプ151)は、制御チップ121と異なり、再利用可能な部品である。そのため、主基板ケース210の封印シール242を剥離しようとして、封印シール242の剥離に用いられた溶剤がケース内部の主制御基板110に流れ込んだ場合に、情報表示ランプ156(および設定表示ランプ151)に対して溶剤が付着しない方が好ましい。そのため、情報表示ランプ156(および設定表示ランプ151)は、溶剤流入領域BSとならない位置に配置される。
プリント基板111に導体パターンを効率よく形成する(複雑にしない)ためには、第1および第3の表示制御用IC132A,132Cと主基板側コネクタ161との間の導体パターンの経路上に、情報表示ランプ156を実装することが好ましい。そのため、情報表示ランプ156は、第1および第3の表示制御用IC132A,132Cの近傍且つ、主基板側コネクタ161の近傍に配置される。なお、情報表示ランプ156は、第1および第3の表示制御用IC132A,132Cと電気的に接続されており、第1および第3の表示制御用IC132A,132Cに対して、主制御基板110における他の電気素子(IC等)が設けられない程度に近い間隔を有している。また、情報表示ランプ156は、主基板側コネクタ161に対して、主制御基板110における他の電気素子(IC等)が設けられない程度に近い間隔を有している。情報表示ランプ156と、第1および第3の表示制御用IC132A,132Cまたは主基板側コネクタ161との間に、他の電気素子(IC等)が設けられている場合、それを迂回する必要があり、導体パターンを効率よく形成することが難しくなるからである。
前述したように、設定表示ランプ151のセグメントドライバと、情報表示ランプ156のセグメントドライバとして、第1の表示制御用IC132Aが兼用されている。プリント基板111に導体パターンを効率よく形成するためには、設定表示ランプ151の近傍に情報表示ランプ156を実装することが好ましい。そのため、情報表示ランプ156は、設定表示ランプ151の上方近傍に配置される。なお、情報表示ランプ156は、設定表示ランプ151に対して、主制御基板110における他の電気素子(IC等)が設けられない程度に近い間隔を有している。但し、設定表示ランプ151および情報表示ランプ156で表示される数字等が一連の(5桁の)数字等として誤認されるのを防止するため、設定表示ランプ151と情報表示ランプ156とが水平に並ばないように配置されることが好ましい。
モニターランプ141の各LED素子142で発光する光は、比較的輝度の高い光である。そのため、モニターランプ141の近傍に情報表示ランプ156が配置されると、各LED素子142から発光した光が情報表示ランプ156まで届いて、情報表示ランプ156で表示される役物比率に関する情報の視認性が低下する可能性がある。そのため、情報表示ランプ156は、モニターランプ141に対して、各LED素子142からの光が情報表示ランプ156まで届かない距離だけ離れた位置に配置される。各LED素子142からの光を遮るように他の電気素子が配置されている場合、情報表示ランプ156とモニターランプ141との間の距離は、各LED素子142からの光が情報表示ランプ156まで届くことが可能な距離であってもよい。なお、情報表示ランプ156は、モニターランプ141の近傍に配置することも可
能であるが、この場合、情報表示ランプ156で表示される役物比率に関する情報と、各LED素子142の発光状態とを同時に視認することができるため、確認作業の手間を低減させることが可能である。
主基板側コネクタ161が情報表示ランプ156の上方に配置されると、主基板側コネクタ161と電気的に接続される前扉用ケーブルハーネス191が垂れ下がることにより情報表示ランプ156の前方を覆って視認性を妨げる可能性がある。そのため、主基板側コネクタ161は、情報表示ランプ156の上方を除いた、情報表示ランプ156の左方近傍に配置される。リール用コネクタ162、副基板用コネクタ163、設定変更装置用コネクタ164、および照合機用コネクタ165等の他の電気コネクタについても、同様の理由から、情報表示ランプ156の上方を除いた位置に配置される。また、主基板側コネクタ161等の電気コネクタは、情報表示ランプ156の上方を除いた位置であっても、ケーブルハーネスが情報表示ランプ156の前方を覆って視認性を妨げる可能性がある場合、当該位置を避けて配置されることが好ましい。
主基板側コネクタ161が露出する主基板ケース210の左側部分は、第1および第2ケースかしめ部材340,945によりブラケット部材330に対して固定される。主基板ケース210の上側ケース固定部225aを破壊して本体かしめ部材340との係止状態を解除しようとする際(例えば、ホットカッターで焼き切る等の際)、ケース内部の情報表示ランプ156が誤って破壊されない方が好ましい。そのため、情報表示ランプ156は、主基板ケース210の上側ケース固定部225aの右方に、主制御基板110における他の電気素子(主基板側コネクタ161等)が設けられる程度の間隔だけ離れた位置に配置される。
また、前述したように、主基板ケース210のケース蓋221には、第1カバーかしめ部材228によりコネクタカバー246が取り付けられる。コネクタカバー246を破壊して第1カバーかしめ部材228との係止状態を解除しようとする際(例えば、ホットカッターで焼き切る等の際)、ケース内部の情報表示ランプ156が誤って破壊されない方が好ましい。そのため、情報表示ランプ156は、ケース蓋221の外側から視認した場合に、ケース蓋221の第1カバーかしめ装着部229と重ならない位置(第1カバーかしめ部材228から離れた位置)に配置される。
主基板ケース210のケース蓋221と情報表示ランプ156との間隔が大き過ぎると、ケース蓋221における光の反射等の影響により、視認する角度によっては情報表示ランプ156の視認性が低下する可能性がある。そのため、主基板ケース210のケース蓋221における情報表示ランプ156と重なる部分には、前述したように凹部237が形成されている。この凹部237により、主基板ケース210のケース蓋221(凹部237)と情報表示ランプ156との間隔を小さくすることができるため、ケース蓋221における光の反射等の影響を抑えて、情報表示ランプ156の視認性を向上させることができる。また、前述したように、凹部237の右壁部237dは、前方に向かうにつれて(ヒンジ機構6a~6cから遠い側の)右側に傾斜した壁状に形成されている。この右壁部237dにより、前扉2が開く方の右斜め前方から筐体5内の主基板ケース210を視認しても、ケース蓋221の天井部と干渉することなく、ケース蓋221の凹部237(底部237e)を介して情報表示ランプ156を視認することができる。
なお、凹部237の底部237eと情報表示ランプ156との間隔は0.5mm程度であることが好ましい。このように、主基板ケース210のケース蓋221(凹部237)と情報表示ランプ156との隙間を確保することで、情報表示ランプ156の視認性を確保しつつ、ケース蓋221を外側から押し込むことで情報表示ランプ156を破壊しようとする行為や、静電気を発生させて情報表示ランプ156を破壊しようとする行為等を防止することができる。また、凹部237の底部237eと情報表示ランプ156との間隔が0.5mm程度である場合、情報表示ランプ156の視認性を確保するため、底部237eの縦横の長さは、情報表示ランプ156よりも片側1mm程度大きいことが好ましい。
以上のように構成される主制御装置100において、主基板ケース210に収容された主制御基板110の各部を確認するには、前扉2を開いた状態で、前方もしくは右斜め前方から筐体5内に取り付けられた主基板ケース210を視認する。このとき、情報表示ランプ156は、主制御基板110(プリント基板111)におけるシール貼り付け領域ASとならない位置に配置されているため、かしめ使用記録シール248に遮られることなく、ケース蓋221の凹部237(底部237e)を介して情報表示ランプ156で表示される役物比率に関する情報を確認することができる。同様に、設定表示ランプ151も、主制御基板110におけるシール貼り付け領域ASとならない位置に配置されているため、かしめ使用記録シール248に遮られることなく、ケース蓋221を介して設定表示ランプ151で表示される設定値を確認することができる。モニターランプ141も、主制御基板110におけるシール貼り付け領域ASとならない位置に配置されているため、かしめ使用記録シール248に遮られることなく、ケース蓋221を介してモニターランプ141を構成する各LED素子142の発光状態を確認することができる。制御チップ121も、主制御基板110におけるシール貼り付け領域ASとならない位置に配置されているため、かしめ使用記録シール248に遮られることなく、ケース蓋221を介して制御チップ121に対して不正が行われていないか否かを確認することができる。
<変形例> 本実施形態において、複数の基板製造者により共通の主制御基板が使用される場合、基板製造者の数に応じた複数の描画部を主制御基板に設け、実際に主制御基板を製造した基板製造業者名が印字された描画部を残して他の描画部を当該主制御基板から切除できるように構成されてもよい。例えば、図14に示すように、2つの基板製造者により共通の主制御基板110Aが使用される場合、プリント基板111の右上部に、レーザー装置等により2つの基板製造者名が印字された2つの描画部112A、112Bを設けてもよい。
第1および第2の描画部112A、112Bは、主制御基板110A(プリント基板111)の外周部に沿って左右に並んで配置される。第1および第2の描画部112A、112Bは、ミシン目の結合部を介してプリント基板111と結合されており、プリント基板111から個別に切除できるように構成される。これにより、第1および第2の描画部112A、112Bのうち、実際に主制御基板110Aを製造した基板製造業者名が印字された方の描画部を残して、他方の描画部を当該主制御基板110Aから切除することができる。そのため、複数の(2つの)基板製造者により共通の主制御基板110が使用される場合でも、主制御基板110Aに、当該主制御基板110Aを製造した基板製造業者名が印字された描画部を設けることが可能である。
第1および第2の描画部112A、112Bは、上述の実施形態と同様に、基板製造者名を確認し易いように、シール貼り付け領域ASとならない位置に配置される。第1および第2の描画部112A、112Bは、上述の実施形態と同様に、情報表示ランプ156(および設定表示ランプ151)に対して、ケース蓋221の外側から視認した場合に各描画部の視認性が妨げられない程度の距離だけ離れた位置に配置される。また、第1および第2の描画部112A、112Bのうち、一方を残して他方を主制御基板110から切除する際、切除の際に作用する力が情報表示ランプ156(および設定表示ランプ151)に影響を及ぼすのを防ぐためにも、第1および第2の描画部112A、112Bは、情報表示ランプ156(および設定表示ランプ151)から離れて配置されることが好ましい。
以下、上述した主制御基板110、110Aに対し適用可能なその他の特徴構成について、図15~図27を追加参照して説明する。以下では、主制御基板110、110Aとは別の主制御基板410を用いて、その特徴構成について説明する。この主制御基板410は、主制御基板110、110Aに代えて、スロットマシン1において利用可能なものである。以下に説明する、主制御基板410における特徴構成は、主制御基板110、110Aに対しても同様に適用可能である。また、主制御基板410に対して、主制御基板110、110Aにおける上述した構成を適用することも可能である。
また、以下に説明する特徴構成は、本実施形態のスロットマシンに限定されるものではなく、ぱちんこ遊技機や他の実施形態と組み合わせることが可能である。以下の説明においては、図15~図18において各矢印で示す方向をそれぞれ、上下方向、左右方向として説明する。これらの方向は、図2において各矢印で示す上下方向、左右方向と整合している。
<基板に実装された電気素子のリード線の態様> 主制御基板410は、プリント基板411と、プリント基板411の表面部(「第1面部」とも称する)FSに実装された複数の電気素子(電子部品)とを主体に構成される。図15に示すように、プリント基板411の表面部FSにおける所定領域(実線で示す矩形枠線FB10内の領域)には、複数種類の電気素子が実装されている。具体的には、複数種類の電気素子として、横置き状態(部品の長手方向が左右方向と平行になる状態)で配置された1個のICドライバ420A、縦置き状態(部品の長手方向が上下方向と平行になる状態)で左右方向に並ぶように配置された4個の抵抗器430A、横置き状態で上下方向に並ぶように配置された2個の抵抗器430B、横置き状態で1個の制御チップ450Aが装着されたICソケット440A、縦置き状態で左右方向に並ぶように配置された4個のセラミックコンデンサ460Aがそれぞれ実装されている。
図15において、2点鎖線の5個の矩形枠線FB11~FB15を図示している。これらの矩形枠線FB11~FB15は、プリント基板411の表面部FSにおいて、電気素子が実装されている領域を説明するために便宜的に図示した枠線であり、表面部FSにおいて実際に印刷等により形成されているものではない。矩形枠線FB11はICドライバ420Aが実装されている領域を示し、矩形枠線FB12は4個の抵抗器430Aが実装されている領域を示している。同様に、矩形枠線FB13は2個の抵抗器430Bが実装されている領域を示し、矩形枠線FB14は制御チップ450AがICソケット440Aを介して実装されている領域を示し、矩形枠線FB15は4個のセラミックコンデンサ460Aが実装されている領域を示している。
ICドライバ420Aは、直方体状のパッケージ部(「本体部」とも称する)421と、パッケージ部421から延出した複数本(本例ではパッケージ部421の長手方向に沿った両側面部から18本ずつ計36本)のリード線(「脚」や「端子」とも称する)422とを備えている。各リード線422は、根元部分(パッケージ部421に近い部分)よりも先端部分の方が細く形成されており、プリント基板411に形成された所定の複数のスルーホール(図示略)にそれぞれ挿通されて半田付けされている。抵抗器430A、430Bは、円柱状のパッケージ部431と、パッケージ部431の長手方向両端部からそれぞれ延出した2本のリード線432とを備え、各リード線432がプリント基板411に形成された所定の複数のスルーホールにそれぞれ挿通されて半田付けされている。
制御チップ450Aは、直方体状のパッケージ部451と、パッケージ部451から延出した複数本(本例ではパッケージ部451の長
手方向に沿った両側面部から36本ずつ計72本)のリード線452とを備えている。ICソケット440Aは、制御チップ450Aのパッケージ部451を受容する受容枠部441と、受容枠部441から延出した複数本(制御チップ450Aのリード線452と同数の72本)のリード線442(図16を参照)とを備えている。ICソケット440Aの各リード線442は、制御チップ450Aの各リード線452と電気的に接続されており、プリント基板411に形成された所定の複数のスルーホールにそれぞれ挿通されて半田付けされている。セラミックコンデンサ460Aは、楕円板状のパッケージ部461と、パッケージ部461から延出した2本のリード線462とを備え、各リード線462がプリント基板411に形成された所定の複数のスルーホールにそれぞれ挿通されて半田付けされている。
図16は、主制御基板410をプリント基板411の裏面部RS(「第2面部」とも称する)側から正面視した状態を示している。図16において実線で示す矩形枠線FB20は、図15に示す矩形枠線FB10と対応する(プリント基板411の表面部FSと裏面部RSにおいて互いに同じ位置および同じ大きさの範囲を示す)ものであり、図16において2点鎖線で示す5個の矩形枠線FB21~FB25は、図15に示す5個の矩形枠線FB11~FB15とそれぞれ対応するものである。矩形枠線FB21~FB25は、矩形枠線FB11~FB15と同様、電気素子が実装されている領域を説明するために便宜的に図示した枠線であり、裏面部RSにおいて実際に印刷等により形成されているものではない。
図16に示すように、プリント基板411の裏面部RSの矩形枠線FB20内の領域には、多数のリード線がプリント基板411に半田付けされている。具体的には、矩形枠線FB21内の領域には計32本のリード線422が半田付けされており、矩形枠線FB22内の領域には計8本のリード線432が半田付けされている。また、矩形枠線FB23内の領域には計4本のリード線432が半田付けされ、矩形枠線FB24内の領域には計72本のリード線442が半田付けされ、矩形枠線FB25内の領域には計8本のリード線462が半田付けされている。
矩形枠線FB21内の領域における32本のリード線422と、矩形枠線FB22内の領域における8本のリード線432は、プリント基板411の裏面部RSにおいて、左右方向に互いに比較的近い位置に配置されている。また、矩形枠線FB21内の領域における32本のリード線422は上下2列に分かれ各列のリード線422が左右方向に並ぶように配置され、矩形枠線FB22内の領域における8本のリード線432も上下2列に分かれ各列のリード線432が左右方向に並ぶように配置されており、この点で両者は類似している。しかし、矩形枠線FB21内の領域において左右方向に並ぶ各リード線422の配列ピッチ(隣接するリード線422間の距離)は、矩形枠線FB22内の領域において左右方向に並ぶ各リード線432の配列ピッチとは異なる(前者の配列ピッチの方が後者の配列ピッチに比べて短い)。また、矩形枠線FB21内の領域における最も右上方に位置するリード線422と、矩形枠線FB22内の領域における最も左上方に位置するリード線432との間の距離(「矩形枠線FB21内の領域におけるリード線422と矩形枠線FB22内の領域におけるリード線432との最短距離」とも称する)は矩形枠線FB21内の領域における各リード線422の左右方向の配列ピッチとも矩形枠線FB22内の領域における各リード線432の左右方向の配列ピッチとも異なる(前者の距離の方が後者の2つの配列ピッチに比べて長い)。
さらに、矩形枠線FB21内の領域における上列において左右方向に並ぶ各リード線422の上下方向の位置と、矩形枠線FB22内の領域における上列において左右方向に並ぶ各リード線432の上下方向の位置とは異なる(前者の方が後者に比べて上方に位置する)。同様に、矩形枠線FB21内の領域における下列において左右方向に並ぶ各リード線422の上下方向の位置も、矩形枠線FB22内の領域における上列において左右方向に並ぶ各リード線432の上下方向の位置とは異なる(前者の方が後者に比べて下方に位置する)。このように、矩形枠線FB21内の領域における各リード線422の配列ピッチと、矩形枠線FB22内の領域における各リード線432の配列ピッチと、矩形枠線FB21内の領域におけるリード線422と矩形枠線FB22内の領域におけるリード線432との最短距離との違いに基づき、また、矩形枠線FB21内の領域における各列において左右方向に並ぶ各リード線422の上下方向の位置と、矩形枠線FB22内の領域における各列において左右方向に並ぶ各リード線432の上下方向の位置との違いに基づき、矩形枠線FB21内の領域における各リード線422を有する電気素子の種類と、矩形枠線FB22内の領域における各リード線432を有する電気素子の種類とが異なるということを推測することができる。同様の点に着目することにより、矩形枠線FB23内の領域における各リード線432を有する電気素子の種類が、矩形枠線FB21内の領域における各リード線422を有する電気素子の種類とも矩形枠線FB24内の領域における各リード線442を有する電気素子の種類とも異なることや、矩形枠線FB24内の領域における各リード線442を有する電気素子の種類が、矩形枠線FB25内の領域における各リード線462を有する電気素子の種類とは異なるということを推測することができる。
上述したように矩形枠線FB21内の領域における32本のリード線422は、上下2列に分かれており、各列16本ずつのリード線422が左右方向に並ぶように配置されている。そして、左右方向に並ぶ各リード線422の配列ピッチは、上下2列の列間距離に比べて大幅に短くなっている。また、各リード線422(の先端部)は半田部(硬化した半田材料により形成される部分)SLRから、裏面部RSに対し垂直な姿勢で裏面部RSから所定の長さだけ直線的に突出している。このような各リード線422の態様(リード線の数、リード線の配列ピッチ、リード線の並び方、リード線が並ぶ列の列間距離、リード線の形状(姿勢)、リード線の突出長等)の特徴から、矩形枠線FB21内の領域において半田付けされた各リード線422は、複数種類の電気素子のうち、横置き状態で配置されたICドライバ(本例ではICドライバ420A)のものではないかということを、プリント基板411の裏面部RS側から見て推測することが可能となっている。
また、上述したように、矩形枠線FB22内の領域における8本のリード線432も、上下2列に分かれており、各列4本ずつのリード線432が左右方向に並ぶように配置されている。そして、左右方向に並ぶ各リード線432の配列ピッチは、上下2列の列間距離に比べると短いものの、矩形枠線FB21内の領域において左右方向に並ぶ各リード線422の配列ピッチに比べると長くなっている。そのことから、矩形枠線FB22内の領域において半田付けされた8本のリード線432は、上列の各リード線432と下列の各リード線432とがそれぞれ対(組)をなしており、上下一対のリード線432が1つの電気素子のものではないかと推測することが可能となっている。そのように推測して、上下一対のリード線に着目すると、上側のリード線432は半田部SLRから左斜め下方に向けて折り曲がるような姿勢で裏面部RSから所定の長さだけ延出しており、下側のリード線432は半田部SLRから左斜め上方に向けて折り曲がるような姿勢で裏面部RSから所定の長さだけ延出している。換言すると、図16に示すようにプリント基板411の裏面部RSを正面視した状態において、上側のリード線432の根元部分(半田部SLRから延び出た元の部分)と、下側のリード線432の根元部分とを結ぶ仮想線分(図示せず)に対し、上側のリード線432は10°程度の角度だけ左方に傾斜しており、下側のリード線432も同じく10°程度の角度だけ左方に傾斜している。
このような各リード線432の態様(リード線の数、リード線の配列ピッチ、リード線の並び方、リード線が並ぶ列の列間距離、リード線の形状(姿勢)、リード線の曲がり方等)の特徴から、矩形枠線FB22内の領域において半田付けされた8本のリード線432は、上列の各リード線432と下列の各リード線432とがそれぞれ対(組)をなしており、各一対のリード線432が、複数種類の電気素子のうち、縦置き状態で配置された抵抗器(本例では抵抗器430A)のものではないかということを、プリント基板411の裏面部RS側から見て推測することが可能となっている。
また、矩形枠線FB23内の領域における4本のリード線432は、左右2列に分かれており、各列2本ずつのリード線432が上下方向に並ぶように配置されている。そして、上下方向に並ぶ各リード線432の配列ピッチは、左右2列の列間距離に比べると短いものの、矩形枠線FB21内の領域において左右方向に並ぶ各リード線422の配列ピッチに比べると長くなっている。そのことから、矩形枠線FB23内の領域において半田付けされた4本のリード線432は、左列の各リード線432と右列の各リード線432とがそれぞれ対(組)をなしており、左右一対のリード線432が1つの電気素子のものではないかと推測することが可能となっている。そのように推測して、左右一対のリード線に着目すると、左側のリード線432は半田部SLRから右斜め下方に向けて折り曲がるような姿勢で延出しており、右列の2本のリード線432は半田部SLRから左斜め下方に向けて折り曲がるような姿勢で延出している。換言すると、プリント基板411の裏面部RSを正面視した状態において、左側のリード線432の根元部分と、右側のリード線432の根元部分とを結ぶ仮想線分(図示せず)に対し、左側のリード線432は10°程度の角度だけ下方に傾斜しており、右側のリード線432も同じく10°程度の角度だけ下方に傾斜している。
このような各リード線432の態様(リード線の数、リード線の配列ピッチ、リード線の並び方、リード線の形状(姿勢)、リード線の曲がり方等)の特徴から、矩形枠線FB23内の領域において半田付けされた4本のリード線432は、左列の各リード線432と右列の各リード線432とがそれぞれ対(組)をなしており、各一対のリード線432が、複数種類の電気素子のうち、横置き状態で配置された抵抗器(本例では抵抗器430B)のものではないかということを、プリント基板411の裏面部RS側から見て推測することが可能となっている。
また、矩形枠線FB24内の領域における72本のリード線442は、上下4列に分かれてており、各列18本ずつのリード線442が左右方向に並ぶように配置されている。そして、上から1列目と2列目との列間距離および上から3列目と4列目との列間距離は、上から2列目と3列目との列間距離よりに比べて大幅に短くなっている。また、上から1列目の各リード線442と上から2列目の各リード線442は左右方向に互い違いに並んでおり、上から3列目の各リード線442と上から4列目の各リード線442も左右方向に互い違いに並んでいる。さらに、各列において左右方向に並ぶ各リード線442の配列ピッチは、上から2列目と3列目との列間距離に比べて大幅に狭くなっている。また、各リード線442(の先端部)は半田部SLRから、裏面部RSに対し垂直な姿勢で裏面部RSから所定の長さだけ直線的に突出している。このような各リード線422の態様(リード線の数、リード線の配列ピッチ、リード線の並び方、リード線が並ぶ列の列間距離、リード線の形状(姿勢)、リード線の突出長等)の特徴から、矩形枠線FB24内の領域に半田付けされた各リード線442は、複数種類の電気素子のうちのICソケット(本例ではIC
ソケット440A)のものであり、そのICソケットに制御チップ(本例では制御チップ450A)が装着されているのではないかということを、プリント基板411の裏面部RS側から見て推測することが可能となっている。
また、矩形枠線FB25内の領域における8本のリード線462は、上下2列に分かれており、各列4本ずつのリード線462が左右方向に並ぶように配置されている。そして、左右方向に並ぶ各リード線462の配列ピッチは、上下2列の列間距離に比べると狭いものの、矩形枠線FB21内の領域において左右方向に並ぶ各リード線422の配列ピッチに比べると広くなっている。そのことから、矩形枠線FB25内の領域において半田付けされた8本のリード線462は、上列の各リード線462と下列の各リード線462とがそれぞれ対(組)をなしており、上下一対のリード線462が1つの電気素子のものではないかと推測することが可能となっている。そのように推測して、上下一対のリード線に着目すると、上側のリード線462は半田部SLRから右斜め上方に向けて折り曲がるように延出しており、下側のリード線462は半田部SLRから左斜め下方に向けて折り曲がるように延出している。換言すると、プリント基板411の裏面部RSを正面視した状態において、上側のリード線462の根元部分と、下側のリード線462の根元部分とを結ぶ仮想線分(図示せず)に対し、上側のリード線462は160°程度の角度だけ右方に傾斜しており、下側のリード線462は160°程度の角度だけ左方に傾斜している。
このような各リード線462の態様(リード線の数、リード線の配列ピッチ、リード線の並び方、リード線が並ぶ列の列間距離、リード線の形状(姿勢)、リード線の曲がり方等)の特徴から、矩形枠線FB25内の領域において半田付けされた8本のリード線462は、上列の各リード線462と下列の各リード線462とがそれぞれ対(組)をなしており、各一対のリード線462が、複数種類の電気素子のうち、縦置き状態で配置されたセラミックコンデンサ(本例ではセラミックコンデンサ460A)のものではないかということを、プリント基板411の裏面部RS側から見て推測することが可能となっている。
図17に示すように、プリント基板411の表面部FSにおける別の所定領域(実線で示す矩形枠線FB30内の領域)にも、複数種類の電気素子が実装されている。具体的には、複数種類の電気素子として、横置き状態で配置された1個の情報表示ランプ470A、横置き状態で配置された1個の抵抗アレイ480A、独立して配置された1個のLED素子490Aがそれぞれ実装されている。
図17において、2点鎖線の3個の矩形枠線FB31~FB33を図示している。これらの矩形枠線FB31~FB33は、プリント基板411の表面部FSにおいて、電気素子が実装されている領域を説明するために便宜的に図示した枠線であり、表面部FSにおいて実際に印刷等により形成されているものではない。矩形枠線FB31は情報表示ランプ470Aが実装されている領域を示し、矩形枠線FB32は抵抗アレイ480Aが実装されている領域を示し、矩形枠線FB33はLED素子490Aが実装されている領域を示している。
情報表示ランプ470Aは、直方体状のパッケージ部471(その前面部に、役物比率に関する4桁の数字等の情報を表示可能な7セグメントLEDを有する)と、パッケージ部471から延出した複数本(本例では12本、図18を参照)のリード線472とを備えている。各リード線472は主制御基板410に形成された所定の複数のスルーホール(図示略)にそれぞれ挿通されて半田付けされている。抵抗アレイ480Aは、丸みを帯びた直方体状のパッケージ部481と、パッケージ部481から延出した複数本(本例では9本、図18を参照)のリード線482とを備え、各リード線482がプリント基板411に形成された所定の複数のスルーホールにそれぞれ挿通されて半田付けされている。LED素子490Aは、砲丸状の透光性を有するパッケージ部491と、パッケージ部491から延出した2本のリード線482(図18を参照)とを備え、各リード線492がプリント基板411に形成された所定の2個のスルーホールにそれぞれ挿通されて半田付けされている。
図18は、主制御基板410をプリント基板411の裏面部RS側から正面視した状態を示している。図18において実線で示す矩形枠線FB40は、図17に示す矩形枠線FB30と対応する(プリント基板411の表面部FSと裏面部RSにおいて互いに同じ位置および同じ大きさの範囲を示す)ものであり、図18において2点鎖線で示す3個の矩形枠線FB41~FB43は、図17に示す3個の矩形枠線FB31~FB33とそれぞれ対応するものである。矩形枠線FB41~FB43は、矩形枠線FB31~FB33と同様、電気素子が実装されている領域を説明するために便宜的に図示した枠線であり、裏面部RSにおいて実際に印刷等により形成されているものではない。
図18に示すように、プリント基板411の裏面部RSの矩形枠線FB40内の領域には、複数のリード線がプリント基板411に半田付けされている。具体的には、矩形枠線FB41内の領域には計12本のリード線472が半田付けされ、矩形枠線FB42内の領域には計9本のリード線482が半田付けされ、矩形枠線FB43内の領域には計2本のリード線432が半田付けされている。
矩形枠線FB41内の領域における12本のリード線472は、上下2列に分かれてており、各列6本ずつのリード線472が左右方向に並ぶように配置されている。そして、左右方向に並ぶ各リード線472の配列ピッチは、上下2列の列間距離に比べて少し狭くなっている。また、各リード線472(の先端部)は半田部SLRから、裏面部RSに対し垂直な姿勢で裏面部RSから所定の長さだけ直線的に突出している。このような各リード線472の態様(リード線の数、リード線の配列ピッチ、リード線の並び方、リード線が並ぶ列の列間距離、リード線の形状(姿勢)、リード線の突出長等)の特徴から、矩形枠線FB41内の領域において半田付けされた各リード線472は、複数種類の電気素子のうち、横置き状態で配置された情報表示ランプ(本例では情報表示ランプ470A)のものではないかということを、プリント基板411の裏面部RS側から見て推測することが可能となっている。
矩形枠線FB42内の領域における9本のリード線482は、左右方向に1列に並ぶように配置されている。そして、各リード線482の配列ピッチは、矩形枠線FB41内の領域において左右方向に並ぶ各リード線472の配列ピッチと同程度になっている。また、9本のリード線482のうち、左端部の3本のリード線482と右端部の3本のリード線482は半田部SLRから、裏面部RSに対し垂直な姿勢で裏面部RSから所定の長さだけ直線的に突出している。一方、9本のリード線482のうち、中央部の3本のリード線482は半田部SLRから、上方または下方に向けて折り曲がるような姿勢で裏面部RSから所定の長さだけ延出している。詳細には、中央部の3本のリード線482のうち、右側の2本のリード線482は半田部SLRから下方に向けて折り曲がるような姿勢で裏面部RSから延出しており、左側の1本のリード線482は半田部SLRから上方に向けて折り曲がるような姿勢で裏面部RSから延出している。このような各リード線482の態様(リード線の数、リード線の配列ピッチ、リード線の並び方、リード線の形状(姿勢)、リード線の曲がり方等)の特徴から、矩形枠線FB42内の領域において半田付けされた9本のリード線482は、複数種類の電気素子のうち、横置き状態で配置された抵抗アレイ(本例では抵抗アレイ480A)のものではないかということを、プリント基板411の裏面部RS側から見て推測することが可能となっている。
また、矩形枠線FB43内の領域における2本のリード線492は、上下方向に1列に並ぶように配置されている。そして、各リード線492の配列ピッチは、矩形枠線FB41内の領域において左右方向に並ぶ各リード線472の配列ピッチと同程度になっている。また、2本のリード線492は半田部SLRから、右方または下方に向けて折り曲がるような姿勢で所定の長さだけ延出している。詳細には、2本のリード線492のうち、上側のリード線492は半田部SLRから右方に向けて折り曲がるような姿勢で裏面部RSから延出しており、下側のリード線492は半田部SLRから下方に向けて折り曲がるような姿勢で裏面部RSから延出している。このような各リード線492の態様(リード線の数、リード線の配列ピッチ、リード線の並び方、リード線の形状(姿勢)、リード線の曲がり方等)の特徴から、矩形枠線FB43内の領域において半田付けされた2本のリード線492は、複数種類の電気素子のうち、LED素子(本例ではLED素子490A)のものではないかということを、プリント基板411の裏面部RS側から見て推測することが可能となっている。
このように主制御基板410では、プリント基板411の裏面部RS側から見た状態において、プリント基板411に半田付けされている各リード線の態様に基づき、どのような種類の電気素子がどの位置にどのような向きで配置されているのかを推測することが可能となっている。そのため、主制御基板410を裏面側から見て各リード線の態様を視認しただけで表面側に実装された各種の電気素子の配置等を確認することができる。また、主制御基板410の検査(主制御基板410を主基板ケースに入れる前や主基板ケースから取り出して行う検査)時等において、主制御基板410を裏面側から見て、プリント基板411の裏面部RSの所定の領域(位置)において半田部等にクラックが生じているなどの不具合が見つかった場合には、その領域における各リード線の態様を視認することにより、不具合が生じているのがどの種類の電気素子であるのかを速やかに推測することができるので、発見した不具合を修正するための作業(例えば、電気素子の交換等)をスムーズに行うことができる。なお、リード線の態様として、リード線の数、リード線の配列ピッチ、リード線の並び方、リード線が並ぶ列の列間距離、リード線の形状(姿勢)、リード線の曲がり方、リード線の突出長を例示したが、これに限定されるものではない。リード線の態様として、リード線の太さや断面形状(リード線を軸方向から見た場合の形状)など、リード線の強度に関連する態様を含めるようにしてもよい。
なお、同タイプ(同種類で同型)の電気素子が3個以上並んでプリント基板411の表面部FSに実装される場合がある。その場合、同タイプの電気素子であっても、プリント基板411の裏面部RSにおけるそれらの電子素子のリード線の態様が異なることがある。例えば、同タイプのICドライバが3個以上並ぶ場合、その並びの両端部に配置されたICドライバの各リード線は、裏面部RSに対し垂直な姿勢で裏面部RSから所定の長さだけ直線的に突出する態様とされるのに対し、中央部に配置されたICドライバの各リード線は、裏面部RSに対し傾斜した姿勢で裏面部RSから突出する態様とされる例などがある。このような点についても留意することにより、プリント基板411の裏面部RS側から見た状態において、プリント基板411に半田付けされている各リード線の態様に基づき、どのような種類の電気素子がどの位置にどのような向きで配置されているのかを推測しやすくなる。
<基板の導電層間距離および遊技メダルの厚みとの関係> 図19に、プリント基板411の層構造(基板の厚み方向の断面構造)を概略的に示している。図示するようにプリント基板411は両面基板(「2層基板」とも称する)であり、絶縁性を有する板材料で構成された基板本体部412と、基板本体部412の表面412aに銅箔等の
導電性を有する薄膜材料で形成された第1導電層413と、基板本体部412の裏面412bに同じく銅箔等の導電性を有する薄膜材料で形成された第2導電層414とを主体に構成されている。第1導電層413は、基板本体部412の表面412aにおいて、配線回路部用の導体パターンやスルーホールの周囲に形成される半田付け用のランド部等を構成する。同様に、第2導電層414は、基板本体部412の裏面412bにおいて、配線回路部用の導体パターンや半田付け用のランド部等を構成する。
なお、図19~図21では、第1導電層413および第2導電層414を視認しやすくするため、これらの厚みを実際の比率よりもかなり大きく図示している。また、実際には、基板本体部412の表面412aや裏面412bにおいて、ソルダレジスト層やシルク印刷層等も形成されるが、これらの図示は省略している。本実施形態では、基板本体部412の表面412a、第1導電層413、ソルダレジスト層、シルク印刷層等を纏めてプリント基板411(または主制御基板410)の表面部(第1面部)FSと称する。同様に、基板本体部412の裏面412b、第2導電層414、ソルダレジスト層、シルク印刷層等を纏めてプリント基板411(または主制御基板410)の裏面部(第2面部)RSと称する。
図19に示すように、プリント基板411は、第1導電層413と第2導電層414との層間距離(2層間の最短距離)DS1が1枚の遊技メダルMLの厚みTH1よりも大(DS1>TH1)となるように構成されている。そのため図20に示すように、主制御基板410の検査時等において、遊技メダルMLの側縁部がプリント基板411の辺縁部に当接するような事態が生じたとしても、第1導電層413と第2導電層414とが遊技メダルMLを介して導通されてしまうことはない。したがって、第1導電層413と第2導電層414とが遊技メダルMLを介して電気的に短絡されて電気素子等に不具合が生じてしまうことを防止することが可能となっている。なお、第1導電層413と第2導電層414がプリント基板411の辺縁部に達する位置まで形成されることはあまりない。しかし、プリント基板411が破損して一部が欠如したり、プリント基板411の一部が切除されたりするような場合(例えば、上述の描画部が切除された際に予期せぬクラックが基板に生じたような場合)には、プリント基板411の辺縁部に第1導電層413および第2導電層414が露出してしまうことがある。
また、図21に示すように、プリント基板411における第1導電層413と第2導電層414との層間距離DS1は、ぱちんこ球PCBの曲率半径CR1の2分の1以下の大きさしかない。そのため、主制御基板410の検査時等において、ぱちんこ球PCBの表面(外周面)がプリント基板411の辺縁部に当接するような事態が生じたとしても、第1導電層413と第2導電層414とがぱちんこ球PCBを介して導通されてしまうことはない。したがって、第1導電層413と第2導電層414とがぱちんこ球PCBを介して電気的に短絡されて電気素子等に不具合が生じてしまうことを防止することも可能となっている。なお、遊技に用いられる遊技メダルML以外の通貨等のメダル部材や、ぱちんこ球PCB以外の球状部材に対しても同様の関係が成り立つ場合があり、そのような場合でも同様の効果が得られる。
<基板に実装された電気素子のリード線の基板裏面側での姿勢および突出高さ> 図22に、主制御基板410のプリント基板411の表面部FSに実装された複数種類の電気素子を例示するとともに、各電気素子のリード線の基板裏面側での姿勢と突出高さを図示している。例示した電気素子は、ICドライバ420B、抵抗器430C、制御チップ450Bが装着されたICソケット440B、セラミックコンデンサ460Bである。図22では、これらの電気素子を簡略化して図示している。また、図22に示す両矢線DL1は、プリント基板411の裏面部RS(表面部FS)と垂直な方向を示している。
ICドライバ420Bは、パッケージ部421から延出した各リード線422(2本のみ図示)がプリント基板411に形成された所定の各スルーホール(図示略)を通り、プリント基板411の裏面部RSから裏面部RSに対し略垂直(垂直(90°)または垂直との誤差角度が数度(例えば5°))以内となる姿勢で突出している。すなわち、プリント基板411の裏面部RSから突出した部分のリード線422(の軸線)は、裏面部RSに対し略垂直であり、裏面部RSに垂直な方向に対し略平行となっている。
抵抗器430Cは、パッケージ部431の両端部からそれぞれ延出した2本のリード線432が屈曲しながらプリント基板411に形成された所定の各スルーホール(図示略)を通り、プリント基板411の裏面部RSから、裏面部RSと垂直な方向に対し所定の傾き角度TA1(例えば、20°以上85°以下の範囲内の角度)だけ傾斜した姿勢で突出している。すなわち、プリント基板411の裏面部RSから突出した部分のリード線432は、裏面部RSに垂直な方向に対し大きく傾いている。
制御チップ450Bが装着されたICソケット440Bは、受容枠部441から延出した各リード線442(4本のみ図示)がプリント基板411に形成された所定の各スルーホール(図示略)を通り、プリント基板411の裏面部RSから裏面部RSに対し略垂直となる姿勢で突出している。すなわち、プリント基板411の裏面部RSから突出した部分のリード線442(の軸線)は、裏面部RSに対し略垂直であり、裏面部RSと垂直な方向に対し略平行となっている。
セラミックコンデンサ460Bは、パッケージ部461からそれぞれ延出した2本のリード線462が屈曲しながらプリント基板411に形成された所定の各スルーホール(図示略)を通り、プリント基板411の裏面部RSから、裏面部RSと垂直な方向に対し所定の傾き角度TA2(例えば、20°以上85°以下の範囲内の角度)だけ傾斜した姿勢で突出している。すなわち、プリント基板411の裏面部RSから突出した部分のリード線462は、裏面部RSと垂直な方向に対し大きく傾いている。
ICドライバ420Bのリード線422は、抵抗器430Cのリード線432、ICソケット440Bリード線442、セラミックコンデンサ460Bのリード線462に比べて太く形成されているためおよび/または高強度の素材により形成されているため強度が高い。また、ICドライバ420Bのリード線422におけるプリント基板411の裏面部RSからの突出高さ(裏面部RSからリード線422の先端部までの最短距離)OH1は、抵抗器430Cのリード線432の突出高さOH2、ICソケット440Bリード線442の突出高さOH3、セラミックコンデンサ460Bのリード線462の突出高さOH4に比べて大きくなっている(本例では、OH1>OH2>OH3>OH4であるが、OH2、OH3、OH4の大小関係はこれに限定されない)。
そのため、主制御基板410の検査時等において、主制御基板410を検査台等の上に置くような場合、ICドライバ420Bのリード線422が、他の電気素子のリード線よりも先に検査台に当接し、他の電気素子のリード線が検査台に接触することを防止することができる。また、ICドライバ420Bのリード線422が検査台に当接することにより、主制御基板410をICドライバ420Bが支持して主制御基板410を自立させることが可能となる。一方、抵抗器430Cのリード線432やセラミックコンデンサ460Bのリード線462など、相対的に強度が弱く、また、プリント基板411の裏面部RSから突出した部分が、裏面部RSと垂直な方向に対し大きく傾いているようなリード線の方が先に当接するように構成されている場合、当接した際にそれらのリード線(リード線432やリード線462)が変形して不具合が生じる虞がある。
また、主制御基板410の検査時等において、主制御基板410を誤って落下させてしまったような場合、ICドライバ420Bのリード線422が、他の電気素子のリード線よりも先に検査台や床面に当接する可能性が高い。そのため、ICドライバ420Bのリード線422に衝撃が加わる一方で、他の電気素子のリード線に衝撃が加わる可能性を低減することができる。ICドライバ420Bのリード線422は強度が高いので、衝撃が加わるとリード線422を半田付けしていた部分にクラック等が生じる場合があり、そのことから不具合が生じたことを視認しやすいという利点がある。一方、強度の低いリード線に衝撃が加わってもリード線が変形するだけで半田部等にクラック等が生じる可能性は低い。そのため、不具合が発生したことが見過ごされてしまう虞がある。
なお、本実施形態では、ICドライバのリード線が他の電気素子のリード線よりも検査台や床面等に先に当接しやすいように構成しているが、別の電気素子のリード線がその他の電気素子のリード線よりも先に当接しやすいように構成してもよい。その場合は、その別の電気素子のリード線がその他の電気素子のリード線よりも高強度となっていることが好ましい。
<基板表面部に印刷された部品名称> 図23に示すように、プリント基板411の表面部FSにおける所定領域(実線で示す矩形枠線FB50内の領域)には、複数種類の電気素子が実装されている。矩形枠線FB50は、図17における矩形枠線FB30が示す領域と同じ領域を示しているが、図23では、領域内に実装される複数種類の電気素子を図17よりも数多く図示している。すなわち、図23の矩形枠線FB50内の領域には、図17の矩形枠線FB30内の領域に図示した情報表示ランプ470A、抵抗アレイ480A、LED素子490Aの他に、横置き状態で配置されたIICドライバ420C、横置き状態で配置された抵抗器430D、縦置き状態で配置された抵抗器430E、縦置き状態で配置されたセラミックコンデンサ460D、460E、トランジスタ495Aがそれぞれ実装されている。
プリント基板411の表面部FSには、実装された各電気素子の近傍に、各電気素子を識別可能とするための部品名称がシルク印刷により白色で記載されている。具体的には、抵抗器430D、情報表示ランプ470A、抵抗アレイ480A、IICドライバ420Cの各近傍には、「R15」、「SEG2」、「RA3」、「IC11」という部品名称がそれぞれ印刷されている。また、セラミックコンデンサ460D、セラミックコンデンサ460E、トランジスタ495A、抵抗器430E、LED素子490Aの各近傍には、「C27」、「C29」、「Q7」、「R22」、「LED1」という部品名称がそれぞれ印刷されている。各部品名称における英文字は電気素子の種類や電気素子の構成要素の種類を示す。例えば、「R」は抵抗、「SEG」はセグメントランプ、「RA」は抵抗アレイ、「IC」は集積回路、「C」はセラミックコンデンサ、「Q」はトランジスタ、「LED」はLED素子をそれぞれ示す。或る電気素子の近くに複数の部品名称が印刷されている場合は基本的に、それら複数の部品名称のうち、その或る電気素子に最も近い位置に印刷され、かつその或る電気素子の種類に合致した英文字を含む部品名称を、その或る電気素子の部品名称であると判断することができる。部品名称や後述する部品枠線を形成するシルク印刷は、プリント基板411の表面部FSのみに施されており裏面部RSには施されていない。また、各部品名称は互いに重ならないようにシルク印刷が施される。
なお、図23は、プリント基板411(主制御基板410)の表面部FSを正面視した場合に対応している。すなわち、図23は、スロットマシン1の前扉2(図6を参照)が開いた状態で、遊技場の店員等の作業者が頭を左右に傾けずに、筐体5の内部に設置された主制御基板410を正面視した場合の見
え方に対応している。そのため図23では、作業者視点での上下左右の方向(図23に示す各矢印に括弧付きで記した上下左右の方向)は、空間における上下左右の方向(図23に示す各矢印に括弧無しで記した上下左右の方向)と一致する。ここで、作業者視点での上下左右の方向とは、作業者の両眼の並ぶ方向を左右(左眼側が左方)、その左右方向と垂直な方向を上下(作業者の頭頂側が上方)としたものである。
図23に示すように、プリント基板411の表面部FSを正面視した場合、表面部FSに印刷された「R15」、「SEG2」、「RA3」、「IC11」の各部品名称については、それらの部品名称を構成する各文字が、左側から右側へと続く並び順で配列されている。すなわち、これらの部品名称は、プリント基板411の表面部FSを正面視した場合において表面部FSに、左から右への向きに文字が並ぶ横書き(左横書き)の態様で配置されている。これに対し、同じく表面部FSに印刷された「C27」、「C29」、「Q7」、「R22」、「LED1」の各部品名称については、それらの部品名称を構成する各文字が、下側から上側へと続く並び順で配列されている。すなわち、これらの部品名称は、プリント基板411の表面部FSを正面視した場合において表面部FSに、下から上への向きに文字が並ぶ横書きの態様(左横書き状態の文字(文字列)を左(反時計回り)に90°回転させた態様)で配置されている。このように、表面部FSを正面視した場合において、表面部FSに印刷された任意の部品名称は、その部品名称を構成する各文字が、左側から右側へと続く並び順で配列されているか、下側から上側へと続く並び順で配列されているかのいずれかの並び順で配列されている。
そのため、スロットマシン1の前扉2が開いた状態で、作業者が頭を左右に傾けずに主制御基板410を正面視した場合には、図23に示すように、「R15」、「SEG2」、「RA3」、「IC11」の各部品名称は、それらの部品名称を構成する各文字が、作業者から見て(作業者視点において)、左側から右側へと読み進められる自然な並び順となっている。そのため、これらの部品名称は、作業者から見て読みやすく、視認しやすくなっている。これに対し、「C27」、「C29」、「Q7」、「R22」、「LED1」の各部品名称は、それらの部品名称を構成する各文字が、作業者から見て(作業者視点において)、下側から上側へと読み進めなくてはならない並び順となっているように見える。
一方、図24は、スロットマシン1の前扉2が開いた状態で、作業者が前扉2の開放端側または主制御基板410の正面側(筐体5の正面側)に自身の体を置き自身の頭を作業者視点において左方(前扉2のヒンジ端側)に(90°)傾けながら主制御基板410を見た場合に対応している。そのため図24では、作業者視点での上下左右の方向(図24に示す各矢印に括弧付きで記した上下左右の方向)は、空間における上下左右の方向(図24に示す各矢印に括弧無しで記した上下左右の方向)とは一致しない(90°ずれている)。
スロットマシン1の前扉2が開いた状態で、作業者が前扉2の開放端側または主制御基板410の正面側に自身の体を置き自身の頭を作業者視点において左方に傾けながら主制御基板410を見た場合には、図24に示すように、「C27」、「C29」、「Q7」、「R22」、「LED1」の各部品名称は、それらの部品名称を構成する各文字が、作業者から見て(作業者視点において)、左側から右側へと読み進められる自然な並び順となっているように見えるようになる。そのため、これらの部品名称が、作業者から見て読みやすく、視認しやすくなる。
なお、主制御基板410が前扉2の裏面部側に、筐体5側を向くように設置された場合も同様である。すなわち、前扉2が開いた状態で、作業者が頭を左右に傾けずに前扉2の裏面部に設置された主制御基板410を正面視した場合には、「R15」、「SEG2」、「RA3」、「IC11」の各部品名称は、それらの部品名称を構成する各文字が、作業者視点において、左側から右側へと読み進められる自然な並び順であるように見える。また、前扉2が開いた状態で、作業者が主制御基板410の正面側(前扉2の裏面部の正面側)に自身の体を置き自身の頭を作業者視点において左方(前扉2の開放端側)に傾けながら前扉2の裏面部に設置された主制御基板410を見た場合には、「C27」、「C29」、「Q7」、「R22」、「LED1」の各部品名称は、それらの部品名称を構成する各文字が、作業者視点において、左側から右側へと読み進められる自然な並び順であるように見える。
主制御基板410が前扉2の裏面部側に、筐体5側を向くように設置された場合、前扉2が開いた状態で、作業者が前扉2の開放端側に自身の体を置き自身の頭を作業者視点において右方(前扉2のヒンジ端側)に傾けながら主制御基板410を見ることがある。その場合、「C27」、「C29」、「Q7」、「R22」、「LED1」の各部品名称を構成する各文字は、作業者視点において、上下逆で右から左へと続く並び順のように見えてしまう。
そのため、主制御基板410が前扉2の裏面部側に設置される場合において、作業者が部品名称を確認したいときは、上述のような見方(頭を前扉2のヒンジ端側に傾けて見る見方)をしないことで、このような事態が生じることを回避できる。なお、スロットマシン1における副制御基板は、前扉2の裏面部側に筐体5側を向くよう設置されており、各部品名称を構成する各文字の並び方は、主制御基板410と同様である。そのため、主制御基板410を前扉2の裏面部側に設置した場合と同様の事態が生じ得る。しかし、このような事態が生じることを利用して、作業者が自身の頭を前扉2のヒンジ端側に傾けて見ている基板が筐体5の内部に設置された主制御基板410であるのか前扉2の裏面部に設置された副制御基板であるのかを、部品名称を構成する各文字がどのような並び方に見えるのかによって識別することができるという利点がある。
図23に示すように、プリント基板411の表面部FSにおける矩形枠線FB50内の領域には、メーカー名や基板名(番号)等を示す文字(本例では「NAMAE BANGOU33-X」)が記載されている。この文字(「基板名等文字」とも称する)は、部品名称とは異なり、シルク印刷ではなく、導電層を構成する銅箔等で形成されている。そのため、白色でシルク印刷された部品名称に比べて目立たない。一方、基板名等文字を削り取ろうとすると、プリント基板411の表面部FSが傷付き目立ちやすくなる。そのため、基板名等文字を削り取るという不正行為を抑止する効果がある。
各部品名称は、プリント基板411に形成されたスルーホール周りのランド部や、半田付けによりスルーホールおよびランド部に形成される半田部に重ならないように、これらの部位を除いた位置に印刷される。例えば、図25(A)に示すように、「LED」という部品名称をスルーホール(図示略)の近傍に印刷する場合は、ランド部LNDおよび半田部SLRに重ならないように印刷する。これにより、部品名称を明確に視認することが可能となる。これに対し、図25(B)に示すように、「LED」という部品名称を、ランド部LNDや半田部SLRに一部重なるように印刷してしまうと、文字の一部が欠けてしまい、印刷された文字が「LED」ということを判別することができなくなる虞がある。すなわち、図25(B)に示す例では、「LED」という部品名称を構成する「L」を「I」と誤って認識する虞があり、「E」を「F」と誤って認識する虞がある。部品名称を、ランド部LNDや半田部SLRに一部重なるように印刷する場合でも、このような誤った認識がされない程度の重なり具合に留めることが好ましい。ここでは、「LED」という部品名称を例示して説明したが、他の任意の部品名称についても同様である。
<基板表面部に印刷された部品枠線> 図23に示すように、プリント基板411の表面部FSにおける矩形枠線FB50内の領域には、実装される電気素子の外郭形状に対応する部品枠線がシルク印刷により白色で記載されている。具体的には、抵抗器430D用の部品枠線PB1、抵抗器430E用の部品枠線PB2、セラミックコンデンサ460D用の部品枠線PB3、セラミックコンデンサ460E用の部品枠線PB4、トランジスタ495A用の部品枠線PB5、抵抗アレイ480A用の部品枠線PB6、LED素子490A用の部品枠線PB7がそれぞれ印刷されている。情報表示ランプ470A用の部品枠線、IICドライバ420C用の部品枠線も印刷されているが図示を省略している。
各部品枠線は、プリント基板411に形成されたスルーホール周りのランド部や、半田付けによりスルーホールおよびランド部に形成される半田部に重ならないように、これらの部位を除いた位置に印刷される。例えば、図26に示すように、トランジスタ495Aが実装される箇所の近傍に、例えば、トランジスタ495Aのリード線(図示略)が半田付けされるランド部LNDおよび半田部SLRが位置するような場合、トランジスタ495A用の部品枠線PB5を、ランド部LNDおよび半田部SLRに重ならないように印刷する。ここでは、トランジスタ495A用の部品枠線PB5を例示して説明したが、他の任意の部品枠線についても同様である。なお、各部品枠線は、図26に示す部品枠線PB5のように、ランド部LNDと接触しないように、ランド部LNDから少し離れて印刷することが好ましい。これにより、ランド部LNDやスルーホール部にシルク印刷の塗料が付着することを防止することができる。
<情報表示ランプの視認性確保> 図23に示すように、LED素子490Aは、情報表示ランプ470Aの比較的近い位置に実装されている。また、図27に示すように、プリント基板411の表面部FSを高さの基準としたとき、情報表示ランプ470Aの高さHT1は、LED素子490Aの高さHT2よりも高くなっている(HT1>HT2)。また、LED素子490Aで発光する光は、比較的輝度の高い光である。そのため、LED素子490Aから発光した光が情報表示ランプ470Aまで届き、情報表示ランプ470Aのパッケージ部471の側面で反射して、情報表示ランプ470Aで表示される情報の視認性が低下する虞がある。そこで、情報表示ランプ470Aでは、パッケージ部471の側面に艶消し印刷(例えば白色)を施し、光を反射しにくく構成している。具体的には、パッケージ部471の側面における光の反射率が情報表示ランプ470Aのリード線472における光の反射率よりも低くなるように構成している。これにより、LED素子490Aが発光しても情報表示ランプ1070で表示される情報の視認性を確保することが可能となっている。プリント基板411の表面部FSに設定表示ランプを実装する場合には、設定表示ランプのパッケージ部の側面に対しても同様の処理を施すことが好ましい。
<副制御装置および電源装置の構成> 次に、本実施形態に係る副制御装置500および電源装置55の構成について図28および図29を参照して説明する。
(副制御装置の構成) 副制御装置500は、図4に示したように前扉2の後側においてリール窓Wの上側に取り付けられている。副制御装置500は、主制御装置100と同様に、ケース本体とケース蓋とからなる副基板ケース502内に、各種部品が実装された副制御基板502を収容して構成されている。
副制御装置500が前扉2に設置され、かつ副基板ケース502のケース蓋を取り外した状態で、スロットマシン1の後方から前方を見たときの正面図を図28に示す。ここで図28に矢印で示す上下左右の方向は、図2および図4に示す矢印の方向に準じている。図28に示すように、副制御基板502はサブメイン基板510およびサブサブ基板520により構成
されており、副制御装置500が前扉2に設置されているときは、サブメイン基板510およびサブサブ基板520の部品実装面は後方を向き、かつ部品実装面が上下方向に沿った状態となる。また、副制御基板502における部品占有率(基板の面積に対して実装されている全部品の合計面積(基板の部品実装面を平面視したときの各部品の面積を合計した面積)が占める割合)は、約50%になっている。
サブメイン基板510の形状は矩形であり、その部品実装面には、サブCPU511、サブROM512、サブRAM513、三端子レギュレータ514などの集積回路と、トランジスタおよびLEDなどの能動素子と、抵抗、セラミックコンデンサ、電解コンデンサおよびトロイダルコイルなどの受動素子とを含む各種電子部品(電子素子)が実装されている。また、サブメイン基板510の左側縁部の中央位置には、サブサブ基板520の接続コネクタ528と電気的に接続される接続コネクタ515が配設される。さらに、サブメイン基板510の上側縁部、右側縁部および下側縁部には、各々複数の電気コネクタ516,516,…が配設される。
サブサブ基板520の形状は矩形であり、その部品実装面には、画像処理CPU521、画像ROM522、VIDEORAM523、音声データを記憶している音声ROMや音源ICが実装されている音声処理基板524、ロジックIC525などの集積回路と、トランジスタおよびLEDなどの能動素子と、抵抗、セラミックコンデンサ、電解コンデンサおよびトロイダルコイルなどの受動素子とを含む各種電子部品(電子素子)や、接続コネクタ526、スライドスイッチ527等の電気部品が実装されている。サブサブ基板520の右側縁部の中央位置には、サブメイン基板510の接続コネクタ515と電気的に接続される接続コネクタ528が配設される。サブメイン基板510の接続コネクタ515とサブサブ基板520の接続コネクタ528とを接続することにより、サブメイン基板510とサブサブ基板520とが電気的に接続される。
(電源装置の構成) 電源装置55は、外部から入力されたAC電源を直流化して所定の電圧値(例えば+5V、+12Vなど)に変換し、筐体5内部に設置された各種装置へ出力する。電源装置55は、略直方体の形状を有し、図3に示したように筐体5内の下部(底板5d上)において電源装置55の左側面が筐体5の左側板5aに当接した状態で取り付けられている。電源装置55の前面は、スロットマシン1の電源を投入するための電源スイッチが設けられた樹脂製の正面パネルとなっており、上面、底面、背面、左側面および右側面は金属板で形成されている。また、上面、底面、背面および左側面の金属板は一体成型された単体の部材となっており、この部材の前面に上述した正面パネルが取り付けられている。さらに、右側面の金属板は取り外し可能に構成されており、右側面の金属板を取り外すことで、電源装置55の内部に後述する電源基板550を収容することができる。
電源装置55が筐体5内の底板5dに設置され、かつ電源装置55の右側面の金属板を取り外した状態で、スロットマシン1の右方から左方を見たときの正面図を図29に示す。ここで図29に矢印で示す上下前後の方向は、図2に示す矢印の方向に準じている。図29に示すように、電源装置55の内部には電源基板550が設けられており、電源装置55が筐体5内に設置されているときは、電源基板550の部品実装面は右方を向き、かつ部品実装面が上下方向に沿った状態となる。また、電源基板550における部品占有率は、約50%になっている。
電源基板550の形状は矩形であり、その部品実装面には、ロジックIC551や三端子レギュレータ552a,552b,552cなどの集積回路と、トランジスタおよびLEDなどの能動素子と、抵抗、セラミックコンデンサ、電解コンデンサ、トロイダルコイルおよびバリスタなどの受動素子とを含む各種電子部品(電子素子)が実装されている。ここで、本実施形態の各種基板(主制御基板111、副制御基板502、電源基板550)に実装される電解コンデンサの大きさは、定格電圧50Vで容量が270μFまで(外形寸法が直径8mm、高さ20mmまで)の小型電解コンデンサと、定格電圧50Vで容量が270μFを超え1000μFまで(外形寸法が直径12mm、高さ25mmまで)の中型電解コンデンサと、定格電圧50Vで容量が1000μFを超え4700μFまで(外形寸法が直径18mm、高さ40mmまで)の大型電解コンデンサとの3種類に分けられる。また、電源基板550の上側縁部には、外部からのAC電源が入力される電源入力コネクタ553、電源基板550において生成した各種電圧の電源を筐体5内部に設置された各種装置へ出力する電源出力コネクタ554a,554b,554cが設けられている。さらに電源基板550の前側縁部には、正面パネル55aに取り付けられている電源スイッチ(図示略)に電気的に接続するためのパネル用コネクタ555が設けられている。
電源装置55の上面55bには、電源入力コネクタ553および電源出力コネクタ554a,554b,554cに各種電源ケーブルのコネクタが嵌合できるようにするため、開口部が設けられている。また、電源装置55の底面55cには、電源装置55内部の熱を外部へ放出するための丸い放熱穴(図示略)が多数開けられている。また、これら放熱穴から放出された熱を外部へ逃がすために、底面55cに取り付けられスペーサSPによって、筐体5の底板5dと底面55cとの間に隙間TH2が設けられている。
この隙間TH2の大きさ(底板5dと底面55cとの間隔)は、遊技メダル1枚分の厚さよりも大きく、かつ、遊技メダル2枚分の厚さよりも小さくなっている。このように、底板5dと底面55cとの間に隙間TH2を設けることで、電源装置55の内部で発生した熱が底面55cを通って筐体5内に放出されるため、電源装置55の内の温度上昇によって電源基板550に実装された各種部品に悪影響を及ぼしにくくなる。また、隙間TH2の大きさを遊技メダル1枚分の厚さよりも大きくしているため、底板5dと底面55cとの間に隙間を確保しつつも、この隙間に遊技メダルが挟まる虞を無くすことができる。例えば、隙間TH2の大きさを遊技メダル1枚分の厚さとほぼ同じ寸法にしてしまうと、メダル払出装置50のホッパー51からこぼれた遊技メダルが、底板5dと底面55cとの間に挟まってしまい、挟まった遊技メダルを取り出すのが困難になる虞がある。
また、隙間TH2の大きさを遊技メダル1枚分の厚さよりも大きくすることで、仮に底板5dと底面55cとの間に遊技メダルが入ってしまった場合でも容易に取り出すことができる。これに加えて隙間TH2の大きさを遊技メダル2枚分の厚さよりも小さくすることで、遊技メダルが2枚重なった状態で底板5dと底面55cとの間に挟まってしまう虞を無くすことができ、また遊技メダル以外の異物が底板5dと底面55cとの間に入ってしまう虞を少なくすることができる。また、例えばスロットマシン1の輸送時において、運送トラックの荷台からスロットマシン1を地面に下すときに上下方向に強い衝撃が加わってしまった場合でも、底板5dと底面55cとの間に隙間を設けているため、電源装置55の底面55cが撓む余地が生まれ、底面55cが撓むことで電源基板550に伝わる衝撃が和らぐことが期待できる。
(副制御基板および電源基板に実装される部品の配置) 次に図30~図32を参照して、副制御基板502および電源基板550に実装された各種部品の配置について説明する。図30は、部品本体から延出するリード線を有する部品であって、部品本体が基板の表面から浮いた状態(すなわち、部品本体と基板表面との間に隙間がある状態)で基板に半田付けされた部品が、何らかの原因により傾いてしまった状態を示している。ここで、部品が傾く原因としては、例えば、スロットマシン1を地面に下したときに衝撃が加わった、不正行為によって基板ケースなどの隙間から挿入された針金などで押された、または、基板ケースに基板を取り付ける際に作業者が誤って基板上の部品に触れてしまった、ことなどが考えられる。
図30(a-1)~(a-3)は、図28に示したサブサブ基板520の領域BS1に取り付けられた部品が傾いた状態を示している。ここで、図30(a-1)は領域BS1を右方から左方に向かう方向で見たときの状態を示しており、図30(a-2)は領域BS1を下方から上方に向かう方向(図30(a-1)における矢印Aの方向)で見たときの状態を示しており、図30(a-3)は領域BS1を後方から前方に向かう方向(図30(a-1)における矢印Bの方向)で見たときの状態を示している。なお、図30(a-1)~(a-3)に示す矢印の方向は、図2に示す矢印の方向に準じている。
領域BS1には、LEDLs1およびLs2の本体がサブサブ基板520の表面から浮いた状態で左右方向に並んで実装され、それらの下側に抵抗Rs1が実装されており、図30(a-1)~(a-3)はLEDLs1が下方に傾いた状態を示している。このとき、LEDLs1の本体(発光部)は抵抗Rs1の本体部分に当接するため、LEDLs1の本体から延出するリード線が抵抗Rs1のリード線に接触することはない。
図30(b-1)~(b-3)は、図29に示した電源基板550の領域BP1に取り付けられた部品が傾いた状態を示している。ここで、図30(b-1)は領域BP1を前方から後方に向かう方向で見たときの状態を示しており、図30(b-2)は領域BP1を下方から上方に向かう方向(図30(b-1)における矢印Aの方向)で見たときの状態を示しており、図30(b-3)は領域BP1を右方から左方に向かう方向(図30(b-1)における矢印Bの方向)で見たときの状態を示している。なお、図30(b-1)~(b-3)に示す矢印の方向も図2に示す矢印の方向に準じている。
領域BP1には、中型電解コンデンサCp1の本体が電源基板550の表面から浮いた状態で実装され、その下側に抵抗Rp1が実装されており、図30(b-1)~(b-3)は中型電解コンデンサCp1が下方に傾いた状態を示している。このとき中型電解コンデンサCp1の本体が抵抗Rp1の本体に当接するため、中型電解コンデンサCp1の本体から延出するリード線が抵抗Rp1のリード線に接触することはない。ここで、例えば中型電解コンデンサCp1および抵抗Rp1が電源基板550の下側周縁の近くに実装されていた場合、中型電解コンデンサCp1が下方に傾いて抵抗Rp1の本体に当接したときに、中型電解コンデンサCp1の頂部が基板の下側周縁からはみ出さないように実装してもよい。
図30(c-1)~(c-3)は、図29に示した電源基板550の領域BP2に取り付けられた部品が傾いた状態を示している。ここで、図30(c-1)は領域BP2を前方から後方に向かう方向で見たときの状態を示しており、図30(c-2)は領域BP2を上方から下方に向かう方向(図30(c-1)における矢印Aの方向)で見たときの状態を示しており、図30(c-3)は領域BP2を右方から左方に向かう方向(図30(c-1)における矢印Bの方向)で見たときの状態を示している。なお、図30(c-1)~(c-3)に示す矢印の方向も図2に示す矢印の方向に準じている。
領域BP2には、ヒューズFp1の本体が電源基板550の表面から浮いた状態で実装され、その上側にセラミックコンデンサCp2が実装されており、図30(c-1)~(c-3)はヒューズFp1が上方に傾いた状態を示している。このときヒューズFp1の本体はセラミックコンデンサCp2の本体に当接するため、ヒューズFp1の本体から延出するリード線がセラミックコンデンサCp2のリード線に接触することはない。
なお、図30(c
-2)にように、セラミックコンデンサCp2のリード線は、部品本体に近い位置に略S字状の屈曲部bd(図中、破線で囲んだ部分)を有している。これにより、仮にセラミックコンデンサCp2に上下方向の力が加わったとしても、その力が屈曲部bdで吸収され、基板表面に近い位置のリード線に加わる力が軽減されることが期待できる。これにより、リード線が折れにくくなり、部品の不具合を起こし難くすることができる。
このように、本実施形態においては基板から浮いた状態で実装された部品が何らかの原因により傾いたとしても、傾いた部品の本体が他の部品の本体や基板の表面に当接し、それ以上の傾斜が阻止されるので、互いの部品のリード線が接触することはない。このため、基板から浮いた状態で実装された部品が傾いてしまったとしても、その部品のリード線が近くに配置された部品のリード線と接触してショートすることがないため、基板に実装された部品の不具合を起こし難くすることができる。すなわち、部品の不具合を起こし難くすることで遊技機の稼働が停止する虞を低くすることができ、遊技者が円滑に遊技を行うことができる。
ここで、ある部品が傾斜しても周囲の他の部品に接触しない程度に部品間の間隔を空けることができればよいが、筐体5の内部に装置を設置できるスペースが限られていることから、基板のサイズを大きくするのは困難である。また、基板上にコネクタが配置されている場合、その近くに部品を配置するとコネクタに対してハーネスを着脱する際に部品が破損する虞があるため、コネクタの周囲には部品を配置しないことが望ましい。さらに、LEDやヒューズに関しては発光部やヒューズの視認性を確保ためのスペースも必要となる。このような事情から、部品が傾斜しても周囲の他の部品に接触しない程度に各部品の配置スペースを確保するのは困難となる。したがって、そのような場合は、ある部品が傾いたときに、その部品の本体が周囲の他の部品の本体またはリード線に接触するように配置することで、互いの部品のリード線同士が接触しないようにしている。
次に、図31は、部品本体から延出するリード線を有する部品であって、部品本体が基板の表面から浮いた状態(すなわち、部品本体と基板表面との間に隙間がある状態)で基板に半田付けされた部品であって、基板の周縁近傍に実装されている部品が何らかの原因により傾いてしまった状態を示している。
図31(a-1)~(a-3)は、図28に示したサブサブ基板520の領域BS2に取り付けられた部品が傾いた状態を示している。ここで、図31(a-1)は領域BS2を右方から左方に向かう方向で見たときの状態を示しており、図31(a-2)は領域BS2を下方から上方に向かう方向(図31(a-1)における矢印Aの方向)で見たときの状態を示しており、図31(a-3)は領域BS2を後方から前方に向かう方向(図31(a-1)における矢印Bの方向)で見たときの状態を示している。なお、図31(a-1)~(a-3)に示す矢印の方向は、図2に示す矢印の方向に準じている。
領域BS2には、中型電解コンデンサCs1の本体がサブサブ基板520の表面から浮いた状態で実装されており、図31(a-1)~(a-3)は中型電解コンデンサCs1が下方に傾いた状態を示している。ここで、中型電解コンデンサCs1の傾きは、本体底部の周縁部が基板の表面に当接することで停止するが(図中、破線で囲む部分を参照)、このときに中型電解コンデンサCs1の本体(より詳細には本体の頭部)が基板の周縁からはみ出さないような位置に中型電解コンデンサCs1が実装されている(図中、一点鎖線を参照)。
図31(b-1)~(b-3)は、図29に示した電源基板550の領域BP2に取り付けられた部品が傾いた状態を示している。ここで、図31(b-1)は領域BP2を前方から後方を見たときの状態を示しており、図31(b-2)は領域BP2を下方から上方(図31(b-1)における矢印Aの方向)を見たときの状態を示しており、図31(b-3)は領域BP2を右方から左方(図31(b-1)における矢印Bの方向)を見たときの状態を示している。また、図31(b-1)~(b-3)に示す矢印の方向も図2に示す矢印の方向に準じている。
前述したように、領域BP2にはヒューズFp1の本体が電源基板550の表面から浮いた状態で配置され、その上側にセラミックコンデンサCp2が配置されている。そして図31(b-1)~(b-3)はヒューズFp1が下方に傾いた状態を示している。このときヒューズFp1の本体の傾きは、本体の側面が基板の表面に当接することで停止するが(図中、破線で囲む部分を参照)、このときにヒューズFp1の本体(より詳細には本体の頭部)が基板の周縁からはみ出さないような位置にヒューズFp1が実装されている(図中、一点鎖線を参照)。このように、ヒューズFp1は前述したように上方に傾いたときはヒューズFp1のリード線がセラミックコンデンサCp1のリード線に接触することはなく、かつ、下方に傾いたときは本体部分が基板の周縁からはみ出さないような位置に実装されている。
図31(c-1)~(c-3)は、図29に示した電源基板550の領域BP3に取り付けられた部品が傾いた状態を示している。ここで、図31(c-1)は領域BP3を前方から後方に向かう方向で見たときの状態を示しており、図31(c-2)は領域BP3を下方から上方に向かう方向(図31(c-1)における矢印Aの方向)で見たときの状態を示しており、図31(c-3)は領域BP3を右方から左方に向かう方向(図31(c-1)における矢印Bの方向)で見たときの状態を示している。なお、図31(c-1)~(c-3)に示す矢印の方向も図2に示す矢印の方向に準じている。
領域BP3には、LEDLp1およびLp2の本体が電源基板550の表面から浮いた状態で左右方向に並んで実装され、LEDLp1の上側に抵抗Rp2が実装されており、図31(c-1)~(c-3)はLEDLp1が下方に傾いた状態を示している。このとき、LEDLs1の本体(発光部)の傾きは、本体の底面周縁部が基板の表面に当接することで停止するが(図中、破線で囲む部分を参照)、このときにLEDLp1の本体(より詳細には本体の頭部)が基板の周縁からはみ出さないような位置にLEDLp1が実装されている(図中、一点鎖線を参照)。
このように、本実施形態においては基板から浮いた状態で実装された部品が何らかの原因により傾いたとしても、傾いた部品の本体が基板の表面に当接して、部品の一部が基板の周縁から外側にはみ出ることがない。このため、基板から浮いた状態で実装された部品が傾いてしまったとしても、当該基板を収容する基板ケースや装置本体の壁面に当たって部品が破損してしまう虞がない。したがって、基板に実装された部品の不具合を起こし難くすることで遊技機の稼働が停止する虞を低くすることができ、遊技者が円滑に遊技を行うことができる。
ここで、ある部品が傾斜しても周囲の他の部品に接触しない程度に実装部品間の間隔を空けることができればよいが、前述した事情から実装部品が傾斜しても周囲の実装部品に接触しない程度に各実装部品の配置スペースを確保するのは困難となり、特に基板における部品占有率が高くなると、実装する部品を基板周縁の近くに配置せざるを得ない場合が生じる。したがって、そのような場合でも、ある部品が傾いたときに、その部品の本体の一部が基板の周縁からはみ出さないように配置している。
次に図32および図33を参照して、基板に実装された部品から延出する複数本のリード線の向きについて説明する。まず、図32(a-1)および(a-2)は、図29に示した電源基板550の領域BP4に取り付けられた部品の実装状態を示している。ここで、図32(a-1)は領域BP4を前方から後方に向かう方向で見たときの状態を示しており、図32(a-2)は領域BP4を右方から左方に向かう方向(図31(a-1)における矢印Aの方向)で見たときの状態を示している。なお、図32(a-1)および(a-2)に示す矢印の方向は、図2に示す矢印の方向に準じている。
領域BP4には、大型電解コンデンサCp2が実装されている。なお、図29に示すように、領域BP4に実装されている大型電解コンデンサ(Cp2)の後方に2つの大型電解コンデンサが実装されており、これらの大型電解コンデンサも、図32(a-1)および(a-2)に示す大型電解コンデンサCp2と同じサイズとなっている。図32(a-1)および(a-2)に示すように、大型電解コンデンサCp2の底面からは2本のリード線LN1,LN2が延出しており、大型電解コンデンサCp2は、リード線LN1,LN2が上下方向に並ぶ(換言すると、リード線LN1とLN2とを結ぶ線の向きが上下方向となる)ように基板に実装されている。
図32(b-1)および(b-2)は、図29に示した電源基板550の領域BP5に取り付けられた部品の実装状態を示している。ここで、図32(b-1)は領域BP5を前方から後方に向かう方向で見たときの状態を示しており、図32(b-2)は領域BP5を右方から左方に向かう方向(図31(b-1)における矢印Aの方向)で見たときの状態を示している。なお、図32(b-1)および(b-2)に示す矢印の方向は、図2に示す矢印の方向に準じている。領域BP5には、LEDLp3が実装されており、図32(b-1)および(b-2)に示すように、LEDLp3の底面からは2本のリード線LN3,LN4が延出している。そして、LEDLp3は、リード線LN3,LN4が上下方向に並ぶ(換言すると、リード線LN3とLN4とを結ぶ線の向きが上下方向となる)ように基板に実装されている。
図32(c-1)および(c-2)は、図28に示したサブメイン基板510の領域BS3に取り付けられた部品の実装状態を示している。ここで、図32(c-1)は領域BS3を右方から左方に向かう方向で見たときの状態を示しており、図32(c-2)は領域BS3を後方から前方に向かう方向(図31(c-1)における矢印Aの方向)で見たときの状態を示している。なお、図32(c-1)および(c-2)に示す矢印の方向は、図2に示す矢印の方向に準じている。
領域BS3には、ヒューズクリップFh1,Fh2に保持されたヒューズFs1が実装されている。ヒューズクリップFh1の底部には、各々左右方向に並べて設けられた端子LN5a,LN5bが突出成形されており、ヒューズクリップFh2の底部には、各々左右方向に並べて設けられた端子LN6a,LN6bが突出成形されている。そして、ヒューズクリップFh1およびFh2を、上下方向に沿って、かつヒューズFs1を保持し得る間隔を空けて、各ヒューズクリップの端子LN5a,LN5b,LN6a,LN6bを電源基板550に半田付けしている。
なお、図32(c-1)および(c-2)では、ヒューズクリップFh1,Fh2によってヒューズFs1を保持していたが、図30(c-1)~(c-3)に示したヒューズFp1のように、ヒューズ本体の両端部からそれぞれリード線が延出しているヒューズについても各リード線が上下方向に並ぶ(換言すると、2本のリード線を結ぶ線の向きが上下方向となる)ように基板に実装してもよい。
ここで、例えば、スロットマシン1の搬送の過程でスロットマシン1を地面に下したときに上下方向に大きな衝撃が加わった場合は、その衝撃によって基板に実装されている部品の本体が上下方向に傾く虞がある。特に大型電解コンデンサは部品本体のサイズや重量が大きくなるため、仮に2本のリード線が横方向に並んだ状態で基板に実装された場合、上下方向に大きな衝撃が加わると、容易にリード線が曲がって部品本体が上下方向に傾き、リード線に大きな負荷がかかって折れてしまう虞がある。そ
こで、図33の各図に示すように、本実施形態においては部品から延出する複数本のリード線が上下方向に並ぶように部品を基板に実装することで、スロットマシン1に上下方向の大きな衝撃が加わったことにより上下方向の大きな力が部品本体に作用したとしても、部品本体の上下方向への傾きが抑制されるので、加わった衝撃により基板に実装されている部品のリード線などが折れてしまうといった不具合を起こし難くすることができる。このように、部品の不具合を起こし難くすることで遊技機の稼働が停止する虞を低くすることができ、遊技者が円滑に遊技を行うことができる。なお、大型電解コンデンサに比べて衝撃の影響を受けにくい小型電解コンデンサおよび中型電解コンデンサのリード線については、左右方向に並ぶように基板に実装してもよい。
なお、基板に実装される部品のリード線の向きは、図32に示した大型電解コンデンサ、LED、ヒューズに限らず、他の部品にも適用することができる。例えば図30(c-1)~(c-1)および図31(b-1)~(b-3)に示した領域BP2のヒューズFp1のリード線を上下方向に並ぶように基板に実装するようにしてもよい。このようにした場合、ヒューズFp1は前述したように上方に傾いたときはヒューズFp1のリード線がセラミックコンデンサCp1のリード線に接触することはなく、かつ、下方に傾いたときは本体部分が基板の周縁からはみ出さないようにすることができるだけでなく、スロットマシン1に加わった衝撃によりリード線などが折れてしまうという不具合を起こし難くすることができる。
また、図33(a-1)~(a-3)に示すように、図29に示した電源基板550の領域BP6に取り付けられたトロイダルコイルTLp1にも図32に示した部品のリード線の向きを適用することができる。ここで、図33(a-1)は領域BP6を前方から後方に向かう方向で見たときの状態を示しており、図33(a-2)は領域BP6を右方から左方に向かう方向で見たときの状態を示しており、図33(a-3)は領域BP6を下方から上方に向かう方向で見たときの状態を示している。なお、図33(a-1)~(a-3)に示す矢印の方向は、図2に示す矢印の方向に準じている。
トロイダルコイルTLp1においては、断面が矩形の環状体であるトロイダルコアtcに巻回される巻線の一方端LN7と他方端LN8とがリード線の役割を果たしている。図33(a-1)に示すようにトロイダルコイルTLp1を前方から後方を見た場合、巻線の一方端LN7はトロイダルコアtcの上側から延出し、他方端LN8はトロイダルコアtcの下側から延出している。また、図33(a-1)に示すようにトロイダルコイルTLp1を右方から左方を見た場合、巻線の一方端LN7およびLN8は前後方向においてトロイダルコアtcの中央位置から延出することになる。したがって、トロイダルコイルTLp1を、巻線の一方端LN7およびLN8が上下方向に並ぶ(換言すると、リード線LN7とLN8とを結ぶ線の向きが上下方向となる)ように基板に実装する。
また、本実施形態の電源装置55は、樹脂製の正面パネルと金属製の箱体からなる筐体に電源基板550を収容していたが、例えば図7に示した主基板ケース210のような透明の樹脂製基板ケースに収容してもよい。この場合、樹脂製の正面パネルに設置していた電源スイッチを電源基板550上に実装し、外部からオン/オフ操作ができるように、基板ケースの蓋部に電源スイッチ用の開口部を設けるとよい。このような構成においても、図32に示した基板に実装される部品のリード線の向きを適用することができる。
その一例として、図33(b-1)および(b-2)に、電源基板550’に電源スイッチを実装した状態を示す。図33(b-1)は電源基板550’を前方から後方に向かう方向で見たときの状態を示しており、図33(b-2)は電源基板550’を右方から左方に向かう方向で見たときの状態を示している。なお、図33(b-1)および(b-2)に示す矢印の方向は、図2に示す矢印の方向に準じている。
図33(b-1)および(b-2)に示す電源スイッチSW1には、上下方向に離間して設けられた端子LN9aおよびLN9bと、端子LN10aおよびLN10bの4本の端子が設けられている。また、図33(b-2)に示すように、端子LN9aおよびLN9bと、端子LN10aおよびLN10bとは、それぞれ前後方向に並んで電源スイッチSW1に設けられている。この場合、端子LN9aおよびLN9bと、端子LN10aおよびLN10bとが上下方向に位置するように、電源スイッチSW1を電源基板550’に実装する。
なお、図30~図33に示した基板上の部品の配置については、副制御基板502および電源基板550に実装された部品を例に挙げて説明したが、主制御基板111に実装される部品に対しても適用可能である。また、図30~図33に示した基板上の部品の配置はスロットマシンに設けられる基板に限らず、ぱちんこ遊技機に設けられる基板に対しても適用可能である。
<リールユニットの構成> 次に、図34~図40を参照して図3に示したリールユニット60の構造について説明する。リールユニット60は、図34に示すように、第1~第3リールモジュール600a~600cと、リールモジュール取付部材61と、中継基板65と、基板カバー66とを有して構成される。リールモジュール取付部材61は、樹脂材料を用いて、前方および右方が開口した箱状に形成され、第1~第3リールモジュール600a~600cを左右方向(図2の矢印を参照)に並べて収容可能に構成される。すなわち、リールモジュール取付部材61には左・中・右の3つの収容位置が定められており、左の収容位置には第1リールモジュール600aが、中央の収容位置には第2リールモジュール600bが、右の収容位置には第3リールモジュール600cが、各々収容されるようになっている。
リールモジュール取付部材61の開口上側には上側フランジ部62が形成され、上側フランジ部62に対して第1~第3リールモジュール600a~600cの各々におけるリールブラケット601の上部に形成された上側ブラケット結合部602がブラケット結合部材641によって結合される。リールモジュール取付部材61の開口下側には下側フランジ部62が形成され、下側フランジ部62には第1~第3リールモジュール600a~600cの各々におけるリールブラケット601の下部に形成された下側ブラケット結合部608がブラケット結合部材641によって結合される。
リールモジュール取付部材61の上部に、基板取付部64が形成される。基板取付部64には、中継基板65と、基板カバー66とが取り付けられる。中継基板65は、ネジ等の固定手段(図示せず)により基板取付部64に取り付け固定される。中継基板65は、主制御装置100と電気的に接続され、主制御装置100から送信されたリール制御信号に応じて、第1~第3リールモジュール600a~600cの作動制御を行う。また、中継基板65は、主制御装置100から副制御装置500へ送信された各種コマンドの中継、および主制御装置100とメダル払出装置50との間でやり取りされる信号の中継を行う。基板カバー66は、透明の樹脂材料を用いて、中継基板65を上方から覆うことが可能な箱状に形成され、カバー結合部材(図示せず)により基板取付部64に結合されて取り付けられるようになっている。
(リールモジュールの構成) 次に、第1~第3リールモジュール600a~600cについて図35および図36を参照して説明する。第2リールモジュール600bは、左リール3aと図柄が異なる第2リール3bを用いる他は、第1リールモジュール600aと同様の構成であり、詳細な図示および説明を省略する。第3リールモジュール600cは、左リール3a(および中リール3b)と図柄が異なる右リール3cを備える他は、第1リールモジュール600aと同様の構成であり、詳細な図示および説明を省略する。
第1リールモジュール600aは、図35および図36に示すように、左リール3aと、リールブラケット601と、リールセンサ621と、バックランプユニット650と、ステッピングモータ680と、リール連結部材690とを有して構成される。リールブラケット601は、樹脂材料を用いて板状に形成され、リールブラケット601の左側部に、リールモー680と、バックランプユニット650と、リールセンサ621(図36参照)が取り付けられるようになっている。
リールブラケット601の前部上側には、板状の上側ブラケット結合部602が形成される。上側ブラケット結合部602は、ブラケット結合部材641を用いて、リールモジュール取付部材501における上側フランジ部502(図34参照)の中間部左側に結合される。リールブラケット601の前部下側に、板状の下側ブラケット結合部608が形成される。下側ブラケット結合部608は、ブラケット結合部材641を用いて、リールモジュール取付部材501における下側フランジ部508(図34参照)の中間部左側に結合される。なお、ブラケット結合部材641は、ナイラッチ等を用いて構成される。
上側ブラケット結合部602の左側に、上側コネクタ取付部603が形成される。上側コネクタ取付部603には、ステッピングモータ680およびリールセンサ621に接続されている二股のモータケーブル(図示せず)が接続された第1のモータケーブルコネクタ606(図34参照)が取り付けられる。この第1のモータケーブルコネクタ606は、ケーブルによってリール中継基板65(図34参照)に接続される。上側コネクタ取付部603の両脇に、第1のモータケーブルコネクタ606のガイドピン607(図34参照)が係合するガイドピン係合穴604が形成される。上側コネクタ取付部603に取り付けられた第1のモータケーブルコネクタ606は、第1リールモジュール600aがリールモジュール取付部材61に収容される際、リール中継基板65の前部に配設されたリール中継コネクタ(図示せず)と嵌合して電気的に接続されるようになっている。
なお、上述したモータケーブルの二股になっている一方は、ステッピングモータ680のモータコネクタ675と電気的に接続され、もう一方はリールセンサ621のセンサコネクタ(図示せず)と電気的に接続される。また、上側ブラケット結合部602の右下部に、ステッピングモータ680およびリールセンサ621に向けて延びるモータケーブルが挿通されるケーブル挿通部605が切欠き形成される。
リールブラケット601の後部上側に、後側コネクタ取付部613が形成される。後側コネクタ取付部613には、高輝度LEDが複数実装されたバックランプ基板653(図38参照)に電気的に接続されるランプケーブル(図示せず)の一端に設けられた第1のランプケーブルコネクタ616が取り付けられる。後側コネクタ取付部613の両脇に、第1のランプケーブルコネクタ616のガイドピン617が係合するガイドピン係合穴614が形成される。後側コネクタ取付部613に取り付けられた第1のランプケーブルコネクタ616は、第1リールモジュール600aがリールモジュール取付部材61に収容される際、ランプ中継基板に配設されたランプ中継コネクタ(図示せず)と嵌合することで、バックランプ基板653と電気的に接続される。
なお、第1リールモジュール600aがリールモジュール取付部材61に収容される際、第1のモータケーブルコネクタ606(図34参照)がリール中継基板65に配設されたリール中継コネクタ(図示せず)と嵌合して電気的に接続されるとともに、第1のランプケーブルコネクタ616がランプ中継基板に配設されたランプ中継コネクタ(図示せず)と嵌合して電気的に接続されるように構成される。こ
れにより、第1リールモジュール600aをリールモジュール取付部材61に収容して取り付ける作業を行うだけで、ステッピングモータ680およびリールセンサ621とリール中継基板65とを電気的に接続させるとともに、バックランプ基板653とランプ中継基板(図示せず)とを電気的に接続させることができる。このため、従来のように個別に用意したケーブルを用いて、ステッピングモータ680とリール中継基板65との電気的接続、リールセンサ621とリール中継基板65との電気的接続、およびバックランプ基板653とランプ中継基板(図示せず)との電気的接続を別々に行う必要がなく、リールユニット200の組み立て作業を効率よく行うことができる。
ステッピングモータ680は左リール3aを回転駆動するものであり、リールブラケット601のモータ取付部631に取り付け固定される。また、ステッピングモータ680の出力軸に対して左リール3aの回転中心に設けられた貫通孔が挿入され、リール連結部材690によって左リール3aがステッピングモータ680の出力軸に固定される。
(バックランプユニットの構成) 次に図37を参照してバックランプユニット650の構成について説明する。ここで、図37(a)はバックランプユニット650の斜視図であり、図37(b)はバックランプユニット650の正面図である。バックランプユニット650は、リールブラケット601に取り付けられるバックランプハウス651と、バックランプハウス651の背面側に取り付けられるバックランプ基板653(図38参照)とにより構成されている。
バックランプ基板653は、リール窓Wの上段、中段、下段に表示される3つの図柄をリールの内側から照明するための複数のLED素子が実装されている。本実施形態では、リール窓Wに表示される3つの図柄の各図柄に対応して6つのLED素子(計18個)が実装されている。具体的には、リール窓Wの上段の図柄を照明する6つのLED素子654aと、リール窓Wの中段の図柄を照明する6つのLED素子654bと、リール窓Wの下段の図柄を照明する6つのLED素子654cとが、1枚のバックランプ基板653に実装される。また、上段、中段、下段の位置に各々対応する6つのLED素子は、互いに所定の間隔を空けて2行3列のマトリクス状に配置されている。
バックランプハウス651は樹脂材料からなり、バックランプハウス651の右側には、バックランプハウス651をリールブラケット601に取り付けるための取付アーム部652が形成されている。また、バックランプハウス651には、上段、中段、下段の各図柄を照明するための3つの図柄照明領域661a,661b,661cが形成されている。ここで、図柄照明領域661aは上段の図柄を照明するための領域であり、図柄照明領域661bは中段の図柄を照明するための領域であり、図柄照明領域661cは下段の図柄を照明するための領域である。
図柄照明領域661aは、LED露出面663aと、シェード部664aとによって形成されている。LED露出面663aは、リールの内周面に対向する矩形の面であり、LED露出面663aには、LED素子654aの発光面を露出させるための開口部662aが、6つのLED素子654aの各々に対応して1つずつ(計6個)設けられている。シェード部664aは、LED露出面663aの上下左右の各周縁部からリールの内周面に向かって延出する筒状の形状になっている。また、シェード部664aの内面は、LED露出面663aからリールの内周面に向かって図柄照明領域661aの開口が徐々に広がっていくように傾斜している。図柄照明領域661bも、図柄照明領域661aのLED露出面663aおよびシェード部664aと同様のLED露出面663bおよびシェード部664bによって形成されている。また、図柄照明領域661cも、図柄照明領域661aのLED露出面663aおよびシェード部664aと同様のLED露出面663cおよびシェード部664cによって形成されている。ここで、LED露出面663a,663b,663cおよびシェード部664a,664b,664cの色は白くなっており、これにより6つのLED素子654aの光をより多く反射させることができる。また、参考として図37(b)においてLED露出面663aを右上がりの斜線部で示す。
図柄照明領域661aと図柄照明領域661bとは、厚さがTH3の仕切板665aによって仕切られている。また、図柄照明領域661bと図柄照明領域661cとは、厚さがTH3の仕切板665bによって仕切られている。ここで、バックランプハウス651の天板部650aおよび底板部650bは、仕切板665a,665bよりも前方(リール3aの方向)に向かって大きく突出している。また、バックランプハウス651の天板部650aおよび底板部650bの厚さTH4は、仕切板665a,665bの厚さTH3よりも厚くなっている。さらに、リール3aの回転方向における図柄照明領域661bの幅は、図柄照明領域661a,661cの幅よりも狭くなっている。このようにバックランプハウス651を構成することで、LED素子654a,654b,654cの光がバックランプハウス651から漏れにくくなるようにしている。
LED露出面663a,663b,663cに各々形成される6つの開口部は、バックランプ基板653がバックランプユニット650の背面側に取り付けられたときの6つのLED素子654aの実装位置に合うように設けられている。また各シェード部664a,664b,664cを形成する上下左右の面は、各々対応するLED露出面663a,663b,663cからリールの内周面に向かうにつれて開口が徐々に広がっていくように傾斜している。
なお、図37に示したバックランプハウス651のLED露出面663a,663b,663cには、それぞれ6つのLED素子に対応する6つの開口部662a,662b,662cが設けられていたが、開口部の形状はこれに限られるものではない。ここで、LED露出面に設けられる開口部の変形例について図38を参照して説明する。なお、図38において、図37と同様の構成については同一の符号を付与することでその詳しい説明を省略する。
図38に示すバックランプハウス651’のLED露出面663a,663b,663cに設けられた開口部662a’,662b’,662c’は、6つのLED素子の個々に対応して設けられるものでなく、6つのLED素子の発光面をすべて包含する1つの開口部となっている。ここで、図38に示すバックランプハウス651’のLED露出面663a,663b,663cおよびシェード部664a,664b,664cの色は、図37のバックランプハウス651と同様に白くなっているが、LED露出面663a,663b,663cにおいて、開口部662a’,662b’,662c’から露出するバックランプ基板653の表面も白く着色されている。
このように、6つのLED素子に対して1つの大きな開口部を形成することで、バックランプハウス651の背面側にバックランプ基板653を取り付ける際に、6つのLED素子と1つの開口部の位置合わせが容易となり、バックランプユニット650の組立作業の負担を軽減することができる。また、バックランプハウス651の左右の側壁の高さが、仕切板664aおよび664bの前方端の位置まで延出している。これにより、バックランプハウス651の側壁から外部へ漏れる光を減少させることができ、より明るく図柄を照明することができる。
(リールの構造) 次に、図39を参照してリール3a~3cの構造について説明する。ここで、リール3a~3cは同様の構造であるため、以下の説明では左リール3aを例に挙げてその構造について説明する。左リール3aは、図39に示すように、リールテープ711と、リールホイール721と、リールフレーム731とを有して構成される。リールテープ711は、図39に示すようにリール幅RWの細長い帯状に形成されたフィルム材の端部同士を接合させることで、外周面に複数の図柄(本実施形態においては20個の図柄)が描かれた環状に形成される。リールテープ711は、リールテープ711の右側の周縁部がリールフレーム731の外周面部732に巻回され、左側の周縁部がリールホイール721の外周面部722に巻回される。これにより、ホイール721およびリールフレーム731を底面とし、リールテープ711を側面とする円筒状の形状となる。
図40に示すように、リールテープ711には、その長手方向(すなわちリール3aの周方向)において20等分の長さDLに区画(図40において破線で示す)された20の図柄表示領域が定められており、各図柄表示領域に1つの図柄が表示される。図40では左リール3aに表示される20個の図柄のうち、一例として7つの図柄(図中、上から順に「スイカ」図柄、「ベル」図柄、「リプレイ」図柄、「チェリー」図柄、「セブン」図柄、「バー」図柄、「ベル」図柄、「リプレイ」図柄)を図示している。
各図柄表示領域の面積は20個の図柄すべて同じ面積(=リール幅RW×1区画の長さDL)となるが、各図柄表示領域に表示される図柄の大きさは図柄の種類によって異なっている。したがって、リールテープ711に表示される各図柄の間隔は均一ではない。本実施形態では、図40に示すように、「セブン」図柄と「バー」図柄との間隔DGminが最も狭い間隔になっている(以下、「間隔DGmin」を「最小図柄間隔DGmin」という)。これら図柄のうち「セブン」図柄は、バックランプからの光を拡散させることなく透過させる(すなわちリールテープ711を通して向こう側が見える)透過領域LTを有している。また「セブン」図柄において、透過領域LT以外で着色されている領域の色は赤くなっており、透過領域LTも赤く着色されている。
なお、最小図柄間隔DGminの長さは、図36に示したステッピングモータ680の1ステップ分だけ回転したときの図柄の移動距離Adよりも長くなっている。これにより、リール3aの回転が停止したときに図柄の停止位置がばらついたとしても、バックランプによる図柄の照明に悪影響を及ぼしにくくなる。
図39に戻り、リールホイール721は、樹脂材料を用いて略円盤状に形成され、円環状に形成された外周リング部722と、ステッピングモータ680の出力軸と連結されるハブ部723と、外周リング部722とハブ部723とを連結する4つのスポーク部724とを有している。外周リング部722には、リールテープ711の左側の周縁部が貼り付けられて巻回される外周面部725が形成される。外周面部725の右側端部には、外周リング部224の径方向内側に向かって(換言すると、左リール3aの回転中心に向かって)延出する幅Wrのホイールリム部726が形成されている。
リールフレーム731は、図39に示すように、樹脂材料を用いて円環状に形成される。リールフレーム731の外周側に、リールテープ711の右側の周縁部が貼り付けられて巻回される外周面部732が形成される。また、外周面部732の左側端部には、リールフレーム731の径方向内側に向かって(換言すると、左リール3aの回転中心に向かって)延出する幅Wrのフレームリム部733が形成されている。
<バックランプハウスとリールの関係> 以下、上述したバックランプハウス651とリール3a,3b,3cとの関係において特徴的なものについて説明する。 (バックランプハウスとリールの図柄との関係) 本実施形態においては、図37および図38に示したLED露出面663a,663b,663cの大きさが、各々図40に示した図柄表示領域の大きさよりも小さくなっている。より詳細には、LED露出面663a,663b,663cの範囲が、図柄表示領域の範囲内に収まる
大きさになっている。より好ましくは、リールテープ711に表示されている図柄のうち最も大きな図柄の輪郭内にLED露出面663a,663b,663cの範囲が収まるように構成されている。
前述したように例えばシェード部664aには、LED露出面663aからリール内容周面向かって図柄照明領域661aの開口が徐々に広がっていくように傾斜している(シェード部664b,664cについても同様)。ここで、LED露出面663aの形状が大きくなり過ぎると上述したシェード部664aの傾斜が緩やかになり、リールの図柄を照らす光にムラが生じやすくなる。このため、LED露出面663a,663b,663cの大きさが上述した関係となるように構成することで、リールの図柄を照らす光にムラが生じにくくなり、明瞭な図柄の照明を行うことができる。これにより、図柄の視認性が向上し、遊技者が円滑に遊技を行うことができる。
また、本実施形態においては、リールテープ711に表示された図柄以外の領域における色(以下、「リールテープの背景色」ともいう。)と、図40に示した透過領域LTを通して視認されるLED露出面663a,663b,663cおよびシェード部664a,664b,664cの側面の色とが異なる色になるように構成されている。加えて、リールテープの背景色と、透過領域LTを通して視認される仕切板665a,665bおよびシェード部664a,664b,664cの端面(図37(b)において右下がりの斜線で示す面)の色とが異なる色になるように構成されている。ここで、「異なる色」としては、例えば一方が無彩色のときに他方が有彩色となる場合や、一方の色に対して他方の色が当該一方の色の類似色相以外の色となる(より好ましくは他方の色が一方の色の反対色相に該当する色となる)場合などが挙げられる。
このように構成することで、視認される図柄の透過領域LTが、リールテープの背景色に溶け込んで視認性が低下してしまうのを回避することができる。また、バックランプ基板653に実装されたLED素子が不具合を起こすなどして図柄の照明ができなくなった場合でも、光透過領域LTの視認性が低下しにくくなるため、いわゆる目押しが容易となり、遊技者が円滑に遊技を行うことができる。
また、本実施形態においては、図37および図38に示した仕切板665a,665bの厚さTH3が、図40に示した最小値図柄間隔DGminよりも小さくなっている。このように構成することで、仕切板665a,665bによってリール窓Wの上段、中段、下段の各図柄に対する照明の光が互いに干渉するのを避けることができ、かつ図柄を照明する光が仕切板665a,665bによって遮られることなく図柄全体を照明することができるため、図柄の視認性が向上し、遊技者が円滑に遊技を行うことができる。
(バックランプハウスとリールの構造との関係) 本実施形態においては、図36に示すように、リール3aは、リールホイール721に形成されたホイールリム部726と、リールフレーム731に形成されたフレームリム部733(図39参照)とによってバックランプモジュール650を挟むようにしてステッピングモータ680の出力軸に固定される。このとき、ホイールリム部726およびフレームリム部733は、バックランプハウス651の開口部の位置よりもリール3aの回転中心側に及んでいる。したがって、バックランプハウス651の開口部は、リールホイール721のホイールリム部726、リールテープ711およびリールフレーム731のフレームリム部733によって囲まれた状態となる。
これにより、仮にリール連結部材690が外れてしまった場合でも、ホイールリム部726またはフレームリム部733のいずれかがバックランプハウス651に引っ掛かり、リール3aがリールモジュール600aから脱落するのを防ぐため、リール3aが破損してしまう虞を少なくすることができる。
また、例えばホイールリム部726およびフレームリム部733を光を透過させない材質で形成した場合や、光を透過させる材質で形成した場合であっても光を透過させない色(例えば黒)で塗装した場合は、バックランプハウス651の側壁から漏れた光を、ホイールリム部726とフレームリム部733とによって遮ることができる。これにより、より多くの光を図柄に照射することができるため、図柄の視認性が向上し、遊技者が円滑に遊技を行うことができる。
<不正行為対策> 次に、図41を参照して筐体5の素材の色と塗装色との関係について説明する。図41(a)はホールの遊技機用ラックMCに設置された状態のスロットマシン1の右側面図であり、図41(b)は右側板5bに設けられたネジ穴の断面図である。なお、図41(a)および(b)に示す矢印の方向は、図2に示す矢印の方向に準じている。
本実施形態においては、図2や図6に示した筐体5の素材には薄茶色のパーティクルボードを使用しており、筐体5を構成する左側板5a、右側板5bおよび天板5cの表面には黒色の塗装が施されており、底板5dおよび背板5eの表面には塗装が施されていない。また、図3に示したように、筐体5の内部において底板5dにメダル払出装置50を設置しており、当該メダル払出装置50の大きさのために、前後方向における底板5dの長さは天板5cの長さよりも長くなっている。このため、左側板5aおよび右側板5bの形状は、背板5e側が直角となる略直角台形となる。このような形状の筐体5をホールの遊技機用ラックMCに設置する場合、前扉2を開閉可能とするために右側板5b(および左側板5a)の一部(図41(a)において斜線で示す部分)が外部に露出せざるを得なくなる。
ここで、例えば右側板5bの露出部分に穴を開けて不正行為が行われた場合、開けられた穴の側面が、パーティクルボードの素材の色である薄茶色となる。したがって、右側板5bの表面において、塗装色の黒地に薄茶色の領域が生じることから、筐体5が傷つけられたことに容易に気づくことができる。
また、図41(a)に示すように、右側板5bの露出部分には筐体5の内部に各種装置や部材を取り付けるためのネジ穴SRHが設けられている。このネジ穴SRHは、図41(b)に示すように、ネジSCRの頭が筐体の表面から突出しないようにするために座ぐり穴になっており、その座ぐり面CHFにも黒色の塗装を施している。これにより、例えば不正行為を行うために座ぐり面CHFが傷つけられた場合、塗装色の黒地に薄茶色の領域が生じることから、座ぐり面CHFが傷つけられたことに容易に気づくことができる。
次に図42を参照して、筐体5の内部に設置された各種装置間でやり取りされる信号の経路について説明する。図42は、主制御装置100と、ストップスイッチ26a,26b,26c、メダル払出装置50および外部集中端子基板80との間でやり取りされる信号経路を示している。図42に示すように、主制御装置100とストップスイッチ26a,26b,26とは信号線sg1によって電気的に接続されており、主制御装置100とリール中継基板65とは信号線sg2および信号線sg3によって電気的に接続されている。また、リール中継基板65とメダル払出装置50とは信号線sg4によって電気的に接続されており、リール中継基板65と外部集中端子基板80とは信号線sg5によって電気的に接続されている。
このような信号経路により、例えばストップスイッチ26a,26b,26cが主制御装置100に対して出力した停止操作信号は、信号線sg1を介して直接、主制御装置100に入力される。これにより主制御装置100はリール3a,3b,3cの停止制御を行う。また、主制御装置100がすべてのリールについて停止制御を行った結果、小役が入賞した場合は、所定枚数のメダルを払い出すためにメダル払出装置50に対してメダル払出信号を出力する。このメダル払出信号は、信号線sg2を介して一旦リール中継基板65へ出力され、次いでリール中継基板65から信号線sg4を介してメダル払出装置50へ出力される。これによりメダル払出装置50は、メダルを1枚払い出すごとに払出完了信号を主制御装置100に出力する。
この払出完了信号は、信号線sg4を介して一旦リール中継基板65へ出力され、次いでリール中継基板65から信号線sg2を介して主制御装置100へ出力される。そして、主制御装置100は払出完了信号が入力された回数をカウントし、入賞した小役に対応する枚数のメダルが払い出されると、メダル払出信号の出力を停止する。また、主制御装置100が外部集中端子基板80に対して投入枚数や払出枚数などを示す遊技情報信号を出力する場合は、まず、信号線sg3を介して一旦リール中継基板65へ送信され、次いでリール中継基板65から信号線sg5を介して外部集中端子基板80へ送信される。そして、外部集中端子基板80は入力された遊技情報信号を外部のホールコンピュータなどへ出力する。
ここで、例えばストップスイッチ26a,26b,26cがリール中継基板65を介して停止操作信号を主制御装置100へ送信する場合、リール中継基板65に以下のような機能を有する不正基板が取り付けられてしまうという不正行為が行われてしまう虞がある。まず、ストップスイッチ26a,26b,26cからリール中継基板65に対して停止操作信号が出力されると、不正基板はその停止操作信号をトリガにして、所定時間の間はメダル払出装置50から払出完了信号が出力されたとしても、その払出完了信号が主制御装置100へ出力されないようにする。また、この間、主制御装置100から遊技情報信号が出力されたとしても、その遊技情報信号が外部集中端子基板80へ出力されないようにする。
これにより、上述した所定時間の間に主制御装置100からリール中継基板65を介してメダル払出装置50にメダル払出信号が出力されると、これに応じてメダル払出装置50はメダルの払い出しを開始するが、上述した所定時間が経過するまでは不正基板によって払出完了信号の主制御装置100への出力が阻止される。これにより、主制御装置100において払い出されたメダルの枚数をカウントすることができないため、主制御装置100は、メダル払出信号を出力し続けることになり、不当にメダルが払い出されてしまうことになる。また、この間、遊技情報信号が外部集中端子基板80へ出力されないため、ホールコンピュータにおいて不自然な払い出しが行われていることを認識することができない。
したがって、本実施形態では図42に示した信号経路を採用し、上述した不正行為の契機となる停止操作信号を、リール中継基板65を介さずに直接、主制御装置100へ出力することで、上述した不正行為を無効化することができる。
なお、上述した各実施形態では、本発明が適用される遊技機の一例として、遊技メダルを遊技価値として使用するスロットマシン(回胴式遊技機)を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、や、遊技球を遊技価値として使用するぱちんこ遊技機や、遊技球を遊技価値として使用する回胴式遊技機、電子的記録媒体に記録される情報を遊技価値として使用する回胴式遊技機やぱちんこ遊技機、雀球遊技機、アレンジボール機などについても同様に適用し、同様の効果を得ることが可能である。また、4個以上のリールを有するスロットマシンについても本発明を同様に適用し、同様の効果を得ることが可能である。
次に、ぱちんこ遊技機(管理遊技機を含む)の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、上記の第1実施形態のスロットマシンに搭載された基板の構成は、下記の実施形態(第2実施形態~第9実施形態)のぱちんこ遊技機に搭載された主制御基板P100、演出制御基板P200、画像制御基板P530、払出制御基板P400、電源基板P500、枠制御基板P800
などに適用することができ、上記の第1実施形態と同様の作用効果を奏することできる。
[第2実施形態] 第2実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PMの正面図及び背面図を図43及び図44に示しており、まず、この図を参照して、ぱちんこ遊技機PMの全体構成について概要説明する。なお、本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PMは、従来の第1種ぱちんこ遊技機に相当する機能を二つ混在した機種であり、第1の遊技(第1特別図柄遊技)と第2の遊技(第2特別図柄遊技)とを展開可能である。
<ぱちんこ遊技機の基本構成> はじめに、図43を参照しながら、ぱちんこ遊技機PMの正面側の基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機PM(単に「遊技機PM」とも称する)は、図43に示すように、外郭方形枠サイズに構成された縦向きの固定保持枠をなす外枠P1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載枠をなす前枠P2が互いの正面左側縁部に配設された上下のヒンジ機構P3により横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側縁部に設けられたダブル錠と称される施錠装置P4を利用して常には外枠P1と係合連結された閉鎖状態に保持される。
前枠P2には、この前枠P2の上部前面域に合わせた方形状のガラス枠P5が上下のヒンジ機構P3を利用して横開き開閉および着脱可能に組み付けられ、施錠装置P4を利用して常には前枠P2の前面を覆う閉鎖状態に保持される。前枠P2には、遊技盤P20が着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス枠P5の複層ガラスを通して遊技盤P20の正面の遊技領域PAを視認可能に臨ませるようになっている。
ガラス枠P5の前面側には、遊技の展開状況に応じて発光する枠ランプ(LEDランプ)P10や、遊技の展開状況に応じて効果音を発生するスピーカP11が設けられている。ガラス枠P5の下部には遊技球を貯留する上下の球皿(上球皿P8及び下球皿P9)が設けられており、上球皿P8の正面中央には遊技者によって押圧操作される演出ボタン(演出スイッチ)P15が設けられ、下球皿P9の正面右側には遊技球の発射操作を行う発射ハンドルP12が設けられている。以下では、便宜上、演出用の操作入力手段を「演出ボタンP15」と称するが、本例における演出ボタンP15とは、オン/オフ操作式のボタン型のスイッチ、操作入力の方向に応じた出力を行う十字型のスイッチ(十字キー、十字ボタン)、傾動操作式のレバー型のスイッチ、回転操作式のダイヤルスイッチ、遊技者の手が近付いたとき又は接触したときに出力を行う近接スイッチ、タッチセンサ、タッチパネルなど、あらゆる操作入力手段を含む概念で用いる。
遊技盤P20は、例えばアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂、ABS樹脂等の合成樹脂材料を用いて矩形平板状に形成された基板をベースとして構成されている。遊技盤P20の前面には、外レールP41及び内レールP42が円弧状に固設されて遊技球が転動可能な略円形の遊技領域PAが区画形成されている。また、外レールP41と内レールP42とにより遊技球を遊技領域PAへ案内するための案内通路(図示せず)が形成され、この案内通路における遊技球の出口開口の近傍位置(内レールP42の先端部に)、該出口開口から遊技領域PA内へ放出された遊技球が再び案内通路へ逆戻りするのを防止する球戻り防止弁P43が配設されている。この遊技領域PAには、風車や多数本の遊技釘とともに、第1始動口P51、第2始動口P52、作動ゲートP53、大入賞口P54、一般入賞口P61,P62,P63,P64などの各種入賞口の他、第1特別図柄表示装置P71、第2特別図柄表示装置P72、第1特図保留ランプP73、第2特図保留ランプP74、普通図柄表示装置P75、普図保留ランプP76などの各種表示装置が設けられている。遊技領域PAの略中央にはセンター飾りP21が配設されており、このセンター飾りP21の中央開口を通して演出表示装置P70の画面が視認可能に設けられている。
遊技領域PAは、略中央のセンター飾りP21を基準として、センター飾りP21の左側の領域(左打ちに対応した盤面領域)である左側領域PA1と、センター飾りP21の右側の領域(右打ちに対応した盤面領域)である右側領域PA2とに区画される。センター飾りP21の上部には、外レールP41と略上下方向に対向する天板部P22が一体形成されており、上記の案内通路の延長上において、天板部P22と外レールP41との間で遊技球が右側領域PA2へ通過可能な連絡通路P44が形成されている。本実施形態において、左側領域PA1を流下する遊技球は、主として、センター飾りP21の下方に配置された第1始動口P51、一般入賞口P61~P63のいずれかに入球可能である。一方、右側領域PA2を流下する遊技球は、主として、センター飾りP21の右方に配置された作動ゲートP53、一般入賞口P64、第2始動口P52、大入賞口P54のいずれかに入球可能である。遊技領域PAの下端には各入賞口に入球せずに転動流下した遊技球を遊技盤P20の裏側へ排出するアウト口P29が設けられている。以下、遊技盤P20に設けられた各構成要素を順番に説明する。
第1始動口P51は、第1特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第1始動口スイッチP511を備えている。この第1始動口P51は、上方に向けた開口された常時開放型の入賞口であり、主として左側領域PA1を流下する遊技球(左打ちした遊技球)が入球可能となっている。第1始動口P51への遊技球の入球は、第1特別図柄抽選の契機となる。なお、本実施形態では、第1特別図柄表示装置P71において変動表示又は停止表示される特別図柄を「第1特別図柄」と呼称する。
第2始動口P52は、第2特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第2始動口スイッチP521を備えている。この第2始動口P52は、右打ちに対応した盤面領域である右側領域PA2に配設され、主として右側領域PA2を流下する遊技球(右打ちした遊技球)が入球可能となっている。第2始動口P52への遊技球の入球は、第2特別図柄抽選の契機となる。なお、本実施形態では、第2特別図柄表示装置P72において変動表示又は停止表示される特別図柄を「第2特別図柄」と呼称する。この第2始動口P52は、一般に電チューと称される普通電動役物P522と、この普通電動役物P522を開閉駆動させるための普通電動役物ソレノイドP523とを備える。普通電動役物P522は、遊技球が入球可能又は入球容易な開放状態と、遊技球が第2始動口P52に入球不能又は入球困難な閉鎖状態とに可変する。つまり、普通電動役物P522は、開放状態に変位しなければ遊技球が第2始動口P52へ入球し難い構造となっており、後述の所定の契機(普通図柄抽選に当選する契機)で開放状態となると遊技球の入球容易性が高くなる。この普通電動役物P522は、第2始動口P52を開閉するための前後スライド式の可動部材P524を備えている。可動部材P524は、第2始動口P52を閉鎖して遊技球の入球を不能又は困難とする閉鎖位置(突出位置)と、第2始動口P52を開放して遊技球の入球を可能又は容易とする開放位置(退避位置)との間で、前後方向(盤面と直交する方向)にスライド可能となっている。この可動部材P524の上面は、前後方向に遊技球約1個分以上の通路幅を有して、正面視にて右側から左側へ向かって下り傾斜するように形成されている。そのため、可動部材P524が閉鎖位置にある場合(第2始動口P52が閉鎖状態である場合)は、遊技球が可動部材P524の上面を誘導路として流下可能となり、当該誘導路上を右方から左方に流下して普通電動役物P522の左端から落下する。
作動ゲートP53は、普通図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の通過を検出するための作動ゲートスイッチP531を備えている。なお、作動ゲートP53への遊技球の通過は、第2始動口P52を開放状態とするか否かを決定するための普通図柄抽選の契機となる。
大入賞口P54は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選結果が大当り又は小当りとなった場合に開放状態となる横長方形状をなす入賞口として形成される。大入賞口P54は、遊技球の入球を検出するための大入賞口スイッチP541と、一般にアタッカーと称される特別電動役物P542と、この特別電動役物P542を開閉駆動させるための大入賞口ソレノイドP543とを備えている。特別電動役物P542は、遊技球が入球可能又は入球容易な開放状態と、遊技球が大入賞口P54に入球不能又は入球困難な閉鎖状態とに可変する。本例において大入賞口P54は、遊技領域PAにおける右側領域PA2に設けられている。そのため、特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)においては、遊技球を発射する際に、右側領域PA2を狙って打つ、いわゆる右打ちを行うことで、大入賞口P54への入球が容易となっている。
一般入賞口P61~P63は、左打ちに対応した盤面領域である左側領域PA1に配設され、左側領域PA1を流下した遊技球が入球可能である。一般入賞口P61~P63は、遊技球の入球を検出するための左一般入賞口スイッチP611を備えている。この左一般入賞口スイッチP611は、コスト低減等の観点から、三つの一般入賞口P61~P63の共通センサ(シングルセンサ)として構成されており、いずれの一般入賞口P61~P63への遊技球の入球も検出が可能である。
一般入賞口P64は、右打ちに対応した盤面領域である右側領域PA2に配設され、右側領域PA2を流下した遊技球が入球可能である。一般入賞口P64は、遊技球の入球を検出するための右一般入賞口スイッチP641を備えている。なお、各一般入賞口P61~P64への遊技球の入球は特別図柄又は普通図柄の抽選の契機とはならないが、他の入賞口(作動ゲートP53を除く)と同様に賞球獲得の契機となる。
第1特別図柄表示装置P71は、遊技球が第1始動口P51に入球したことを契機として、第1特別図柄の変動表示および確定表示を行う。この第1特別図柄表示装置P71は、例えば8個のLEDランプから構成され、第1特別図柄の変動表示は当該ランプの点滅パターンに従って表現され、当該ランプの点滅が停止して点灯表示に切り替わることで第1特別図柄が確定表示される。
第2特別図柄表示装置P72は、遊技球が第2始動口P52に入球したことを契機として、第2特別図柄の変動表示および確定表示を行う。この第2特別図柄表示装置P72は、例えば8個のLEDランプから構成され、第2特別図柄の変動表示は当該ランプの点滅パターンに従って表現され、当該ランプの点滅が停止して点灯表示に切り替わることで第2特別図柄が確定表示される。
第1特図保留ランプP73および第2特図保留ランプP74は、例えば2個のLEDランプからそれぞれ構成され、当該ランプの点灯・点滅表示によって第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数(それぞれ最大4個)を表現する。第1特別図柄の作動保留球数は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中あるいは大当り遊技の実行中に、第1始動口P51への入球に基づき取得した乱数値に係る数であり、当該取得した乱数値を保留する、すなわち、当該取得した乱数値について当否判定許可条件(変動開始条件)を充足するまで当否判定が一旦保留されることになった数を示している。同様に、第2特別図柄の作動保留球数は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中あるいは大当り遊技の実行中に、第2始動口P52への入球に基づき取得した乱数値に係る数であり、当該取得した乱数値を保留する、すなわち、当該取得した乱数値について当否判定許可条件(変動開始条件)を充足するまで当否判定が一旦保留されることになった数を示している。
普通図柄表示装置P75は、例えば2個のLEDランプから
構成され、普通図柄の変動表示及び確定表示を行う。普図保留ランプP76は、例えば4個のランプから構成され、当該ランプの点灯個数が普通図柄変動の保留数(まだ実行されていない普通図柄変動の数)に相当する。なお、普通図柄表示装置P75の左側には、大当り遊技におけるラウンド遊技(単位遊技)の回数(ラウンド数:特別電動役物P542が連続して作動する回数)を表示するラウンド表示器P77が設けられている。
演出表示装置P70は、主として、第1特別図柄又は第2特別図柄と連動して変動表示・停止表示する装飾図柄の変動演出や大当りの期待度を予告的に示唆又は報知する予告演出を含む演出画像を表示するとともに、第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球に対応した保留表示を行う。具体的には、演出表示装置P70の画面上に、装飾図柄の変動表示や予告演出表示などが実行される装飾図柄表示領域P700と、第1特図保留ランプP73および第2特図保留ランプP74と同期して第1特別図柄およぶ第2特別図柄の保留画像が表示される保留画像表示領域P710と、当該変動表示に対応する変動中画像が表示される変動中画像表示領域P720が設けられている。本実施形態では、演出表示装置P70として、液晶表示装置を採用している。装飾図柄表示領域P700には、所定の有効ライン(不図示)上に、装飾図柄の変動表示領域となる三列の表示領域(左図柄表示領域Z1、中図柄表示領域Z2、右図柄表示領域Z3)が設けられており、左図柄表示領域Z1に対応して装飾図柄の左図柄、中図柄表示領域Z2に対応して装飾図柄の中図柄、右図柄表示領域Z3に対応して装飾図柄の右図柄がそれぞれ停止表示されるようになっている。保留画像表示領域P710には、第1特別図柄の作動保留球に対応する保留画像(保留アイコン)と、第2特別図柄の作動保留球に対応する保留画像(保留アイコン)とが表示される。保留画像は、特別図柄の作動保留球の発生順(入球順)に従って順番に表示され、第1特別図柄の保留画像として最大で4個、第2特別図柄の保留画像として最大で4個の表示が可能である。また、変動中画像表示領域P720には、現在実行中の当該変動表示に対応する変動中画像(変動中アイコン)が表示される。
センター飾りP21は、演出表示装置P70の周囲に設置され、遊技球の流路、演出画面の保護、装飾等の機能を有する。このセンター飾りP21には、遊技の展開状況に応じた演出動作を実行する可動役物P24が設けられている。可動役物P24は、駆動源としてモータM(例えば、ステッピングモータ)を備えて構成されている。また、遊技盤P20には、遊技の展開状況に応じて発光する盤ランプ(LEDランプ)P25が設けられている。以下の説明では、便宜上、枠ランプP10および盤ランプP25を総称して「演出ランプLP」とも称する。
続いて、図44を参照しながら、ぱちんこ遊技機PMの背面側の基本構造を説明する。前枠P2の背面側には、中央に前後連通する窓口を有して前枠P2よりも幾分小型の矩形枠状に形成された基枠体をベースとしてなる裏セット盤P30が、上下のヒンジ機構P3を介して前枠P2後方に横開き開閉及び着脱が可能に連結されている。この裏セット盤P30には、前面開放の矩形箱状をなす裏セットカバーP30Cが着脱自在に装着されており、常には前枠P2に取り付けられた遊技盤P20の裏面側を覆って配設されている(これにより後述する主制御基板P100、演出制御基板P200、画像制御基板P300が裏セットカバーP30Cにより覆われる)。
裏セット盤P30の各部には、多数個の遊技球を貯留する貯留タンクP31、貯留タンクP31から右方に緩やかな下り傾斜を有して延びるタンクレールP32、タンクレールP32の右端部に繋がり下方に延びる球供給通路部P33、球供給通路部P33により導かれた遊技球を払い出す賞球払出ユニットP34、賞球払出ユニットP34から払い出された遊技球を上球皿P6に導くための賞球通路部P35などが設けられている。
遊技盤P20の背面側には、ぱちんこ遊技機PMの作動を統括的に制御する主制御基板P100や、演出全般の制御を行う演出制御基板P200、遊技展開に応じた画像表示、効果音の制御を行う画像制御基板P300、などが取り付けられている。これに対して、裏セット盤P30の背面側には、遊技球の発射及び払い出しに関する制御を行う払出制御基板P400や、遊技施設側から受電して各種制御基板や電気・電子部品に電力を供給する電源基板P500、遊技機PMの外部に外部情報信号(外端信号)を出力する外部情報端子板P600(図45を参照)などが取り付けられている。なお、これらの制御基板は、不正改造防止のため、カシメ構造及び封印シール構造を有する透明樹脂製の基板ケースに収容されたアッセンブリ状態で遊技盤P20背面又は裏セット盤P30背面の所定位置にそれぞれ配設される。これらの制御基板とぱちんこ遊技機PM各部の電気・電子部品とがハーネス(コネクタケーブル)を介して相互に接続されて、ぱちんこ遊技機PMが作動可能に構成されている。
<ぱちんこ遊技機の制御構成> 次に、図45を追加参照して、本実施形態に係るぱちんこ遊技機PMに搭載された各制御基板について説明する。図45は、ぱちんこ遊技機PMの制御構成を示す制御ブロック図である。
主制御基板P100は、遊技に関する各種の演算処理を行うメインCPUP101と、制御プログラムや各種データ等を記憶したROMP102と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAMP103と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路P104とを備えて構成された主制御マイコン(ワンチップマイコン)P110を搭載しており、メインCPUP101がROMP102に記憶された制御プログラムに従って遊技進行に係る主要な制御を実行するように構成されている。その他、主制御基板P100には、図示省略するが、水晶発振器からのクロック信号を分周して内部システムクロックを生成するクロック回路、メインCPUP101が誤動作や暴走状態となったときにリセットをかけて正常な状態に復帰させるWDT回路、リアルタイム割込みの発生や時間計測を可能とするCTC回路、メインCPUP101によるプログラム処理(ソフトウェア乱数)とは別系統として動作して所定の乱数(内蔵乱数)を生成する乱数生成回路などが搭載されており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。
メインCPUP101は、各スイッチからの検出情報などに基づき、ROMP102に格納された各種の制御プログラムを読み出して演算処理を行うことで、遊技の主制御に係る各種処理を実行する。RAMP103は、電源基板P500において生成されるバックアップ電源によってバックアップされる不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。RAMP103のバックアップ領域は、電源断が生じた場合、当該電源断時に保持していたスタックポインタや各レジスタ等のデータを記憶しておくためのエリアとなっており、電源投入時(電源断復帰時)には当該バックアップ領域の情報に基づいて遊技機の状態が電源断前の状態に復帰されるようになっている。
また、主制御基板P100は、第1始動口スイッチP511、第2始動口スイッチP521、作動ゲートスイッチP531、大入賞口スイッチP541、左一般入賞口スイッチP611、右一般入賞口スイッチP641などと電気的に接続されており、I/Oポート回路P104を介して、各種スイッチからの検出信号をメインCPUP101に入力する。また、主制御基板P100は、第1特別図柄表示装置P71、第2特別図柄表示装置P72、第1特図保留ランプP73、第2特図保留ランプP74、普通図柄表示装置P75および普図保留ランプP76に電気的に接続されるとともに、普通電動役物ソレノイドP523、特別電動役物ソレノイドP543に電気的に接続されており、I/Oポート回路P104を介して、メインCPUP101からの制御信号を各種表示手段および各種ソレノイドに送信する。また、主制御基板P100は、外部情報端子板P600に電気的に接続されており、I/Oポート回路P104を介して、メインCPUP101からの遊技情報信号を外部端子板P600に送信する。この外部情報端子板P600は、主制御基板P100から送信された遊技情報信号に基づいて、各種の外部情報信号を遊技機PMの外部に設置された外部装置(データ表示器、ホールコンピュータなど)に送信する。なお、主制御基板P100から送信される遊技情報信号は、例えば払出制御基板P400などを介して、外部情報端子板P600に入力されるものであってもよい。
主制御基板P100と演出制御基板P200との間は、8本のパラレル信号線および1本のストローブ線で接続されており、主制御基板P100から演出制御基板P200へと向かう単一方向のみで通信可能に接続され、主制御基板P100から演出制御基板P200へ各種の演出制御コマンドが送信される。演出制御基板P200から主制御基板P100へデータを送信することはできず、また、主制御基板P100に対してデータの送信を要求することはできない。
演出制御基板P200は、主制御基板P100からの演出制御コマンドに基づき遊技演出に関する各種の演算処理を行うサブメインCPUP201、演出制御プログラムや各種データ等を記憶したROMP202、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAMP203と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路P204とを備えて構成された演出制御マイコン(ワンチップマイコン)P210を搭載しており、サブメインCPUP201がROMP202に記憶された制御プログラムに従って遊技演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。その他、演出制御基板P200には、図示省略するが、水晶発振器からのクロック信号を分周して内部システムクロックを生成するクロック回路、サブメインCPUP201が誤動作や暴走状態となったときにリセットをかけて正常な状態に復帰させるWDT回路、システムクロックに基づき各種信号を出力するTPU回路、TPU回路からの信号などに基づきタイマ割込み等の各種割込みを起動させる割込みコントローラ、シリアルデータを入出力するためのシリアル通信回路などが搭載されており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。
演出制御基板P200は、主制御基板P100からの演出制御コマンドに基づく演出制御処理にて、画像制御基板P300へ画像および音響を指示する画像制御コマンド、ランプ接続基板P91を制御するためのランプ制御信号(ランプデータ)、モータドライバP92を制御するための駆動制御信号(駆動データ)などを生成する。演出制御基板P200は、画像制御基板P300と双方向通信が可能に接続されており、画像および音響に関する画像制御コマンドが演出制御基板P200から画像制御基板P300へ送信される一方、その応答として、この画像制御コマンドを正常に受信できた旨を示す応答コマンド(ACKコマンド)が画像制御基板P300から演出制御基板P200へ送信される。
また、演出制御基板P200は、複数のLEDドライバを搭載したランプ接続基板P91と電気接続されており、シリアル通信回路を介して、ランプ接続基板P91を制御するためのランプ制御信号(ランプデータ)を送信する。なお、本例では、演出制御基板P200とランプ接続基板P91とは、クロック同期式のシリアル通信が採用されており、ランプデータ伝送用のデータ線とは別の信号線(クロック線)で送信されるクロック信号に同期して、ランプ制御信号が当該データ線を介して1ビットずつ送信される。ランプ接続基板P91は、演出制御基板P200から送信されるLED駆動用のランプ制御信号を受けて機能するLEDドライバを内蔵しており、このランプ制御信
号に基づき回路内のスイッチをオン/オフ切り替えることにより、演出ランプLPに対して駆動電流を供給又は遮断して、演出ランプLPを点灯又は消灯させる制御を行う。
さらに、演出制御基板P200は、複数のモータドライバP92と電気接続されており、I/Oポート回路P204を介して、モータドライバP92を制御するための駆動制御信号(駆動データ)をモータドライバP92へ送信する。モータドライバP92は、演出制御基板P200から送信される役物駆動用の駆動制御信号に基づき回路内のスイッチをオン/オフ切り替えることにより、各可動役物P24のステッピングモータに対して駆動電流を供給又は遮断して、各可動役物P24を動作させる制御を行う。なお、モータドライバP92へのデータ送信はパラレル通信方式が採用されている。
画像制御基板P300は、演出制御基板P200からの画像制御コマンドに基づき画像演出に関する各種の演算処理を行うサブサブCPUP301と、画像制御プログラムや各種データ等を記憶したROMP302と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAMP303と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路P304とを備えて構成された画像制御マイコン(ワンチップマイコン)P310を搭載しており、サブサブCPUP301がROMP302に記憶された制御プログラムに従って画像演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。その他、画像制御基板P300には、図示省略するが、サブサブCPUP301から取得した制御信号に基づき演出内容に沿った画像データを生成するVDPと、サブサブCPUP301から取得した制御信号に基づき演出内容に沿った音響データを生成する音源ICとを搭載している。VDPは、いわゆる画像プロセッサであり、サブサブCPUP301からの指示に応じて画像ROMに記憶された画像データを読み込み、これを画像処理して生成した映像信号(画像データ)を演出表示装置に送信する。このVDPには、画像ROMから読み出された画像データの展開・加工に使用される高速のVRAMが接続されている。音源ICは、サブサブCPUP301からの指示に応じて音声ROMに記憶された音響データを読み込み、これを合成処理して生成した音響データを増幅器(デジタルアンプ)を介してスピーカP11に出力する。
払出制御基板P400は、払出CPUP401、ROMP402およびRAMP403を主体として構成されている。払出制御基板P400は、主制御基板P100と双方向通信可能に接続されており、主制御基板P100からの払出制御コマンドに基づいて賞球払出ユニットP34を駆動させて賞球を払い出すための制御を実行するとともに、発射ハンドルP12の操作量に基づき球送り機構P13と発射機構P14とを同期的に駆動させて遊技球の発射の制御を実行する。
電源基板P500は、詳細図示を省略するが、遊技島の電源設備から供給される一次電源を基に、各制御基板で使用される通常時の電源を生成するための通常電源回路と、バックアップ電源を生成するためのバックアップ電源回路と、電圧低下による電源断を監視するための電源断監視回路と、を具備して構成され、各制御基板や遊技用機器等の電子・電気部品に必要な電源を供給する。電源基板P500には、電源回路を起動させるための電源スイッチが接続されており、遊技島の電源装置から1次電源が供給されていることを前提として、該電源スイッチがオンになると、電源基板P500の通常電源回路から各制御基板などに所定の電源が供給される。電源基板P500は、遊技島の電源装置からの電源供給が遮断されたことを検出可能に構成されており、電源断の検出時にはその旨を報知する電源断信号(NMI信号)を主制御基板P100、演出制御基板P200、払出制御基板P400に送信する。なお、バックアップ電源回路は、遊技島の電源装置からぱちんこ遊技機PMに電源が供給されているときに充電される仕組みとなっている。また、電源基板P500には、ぱちんこ遊技機PMの電源投入時に、主制御基板P100のRAMP103の一時記憶内容を一旦消去して初期値を設定するためのRAMクリアスイッチ(図示せず)が接続されている。なお、RAMクリアスイッチは、電源基板P500ではなく、例えば主制御基板P100に接続される構成であってもよい。
外部情報端子板P600は、主制御基板P100からの遊技情報信号に基づき、遊技機PMの外部に外部情報信号(外端信号)を出力する。外部情報端子板P600が外部情報として機外の外部装置に出力する外部情報信号には、例えば、大当り信号、連荘中信号、図柄確定信号、賞球信号(賞球情報信号とも称する)、扉枠開放信号、セキュリティ信号(セキュリティ情報信号とも称する)、磁気センサ異常信号、断線短絡電源異常信号、異常センサ検知(入球通過時間異常等)信号などが含まれる。また、本遊技機PMの外部に設置された外部装置には、データ表示器や、ホールコンピュータなどがある。データ表示器は、遊技機PMの上部に設置されて、遊技機PMから出力される外部情報信号に基づき、遊技機PMの動作状態に関するデータ(遊技情報)を表示する装置である。このデータ表示器に表示された遊技情報は、遊技者が遊技機を選択するうえで有益な判断材料となる。ホールコンピュータは、遊技店内のホールに設置された各遊技機から出力される外部情報信号に基づき、各遊技機(本遊技機PMもその一つである)の動作状態を集計して、各遊技機の稼働状況などを管理する装置である。このホールコンピュータは、データ表示器を介して本遊技機PMに電気接続されていても、データ表示器を介さずに本遊技機PMに電気接続されていてもよい。
<ぱちんこ遊技機の基本動作> 以上のように構成される、ぱちんこ遊技機PMは、外枠1が遊技施設の遊技島に固定設置され、前枠P2、ガラス枠P5等が閉鎖施錠された状態で遊技に供され、上球皿P8に遊技球を貯留させて発射ハンドルP12を回動操作することにより遊技が開始される。発射ハンドルP12が回動操作されると、上球皿P8に貯留された遊技球が、ガラス枠P5の背面側に配設される球送り機構P13によって1球ずつ発射機構P14に送り出され、該発射機構P14により遊技領域PAに打ち出される。このとき、発射ハンドルP12を所定量未満で操作したときは、遊技球は右側領域PA2へ到達せず、左側領域PA1を流下する。この左側領域PA1には、遊技球を第1始動口P51や一般入賞口P61~P63へ向けて流下させるための左側流路が形成されている。一方、発射ハンドルP12を所定量以上で操作したときは、遊技球は右側領域PA2に到達し、右側領域PA2を流下する。この右側領域PA2には、遊技球を作動ゲートP53、一般入賞口P64、第2始動口P52、大入賞口P54へ向けて流下させるための右側流路が形成されている。このように左側領域PA1又は右側領域PA2を流下する遊技球は、これら左側領域PA1又は右側領域PA1にて振り分けられた経路に応じて、第1始動口P51、第2始動口P52、作動ゲートP53、大入賞口P54、一般入賞口P61~P64のいずれかに入球し得る一方で、いずれの入賞口にも入球しなかった場合はアウト口P29へ流下される。
遊技領域PAを流下する遊技球が、第1始動口P51、第2始動口P52、大入賞口P54、一般入賞口P61~P63のいずれかに入球すると、その入賞口の種別に応じた賞球が賞球払出ユニットP34により上球皿P8又は下球皿P9へ払い出される。本実施形態において、各入賞口に遊技球が1球入球したときに払い出される賞球数(「単位賞球数」と呼称する)として、第1始動口P51は「4個」、第2始動口P52は「1個」、一般入賞口P61~P64は「3個」、大入賞口P54は「15個」が設定されている。なお、各入賞口の単位賞球数は、本実施形態に例示した数に限定されるものではなく、他の単位賞球数を適用してもよい。例えば、単位賞球数として、第1始動口P51は「4個」でなく「1個」などとしてもよい。また、第2始動口P52は「1個」ではなく「3個」などとしてもよい。また、一般入賞口P61~P64は「3個」ではなく「5個」などとしてもよい。また、大入賞口は「15個」でなく「10個」などとしてもよい。
遊技球が第1始動口P51又は第2始動口P52に入球すると、特別図柄の抽選乱数値が取得され、当該乱数値を所定の上限個数まで特別図柄の作動保留球として一時記憶する。そして、所定の始動条件(後述の特別図柄の変動開始条件)が成立する場合に、最先の作動保留球に係る抽選乱数値に対して特別図柄の当否判定、図柄判定、変動パターン判定を行い、この判定結果に応じた態様で、第1特別図柄表示装置P71又は第2特別図柄表示装置P72において特別図柄が変動表示されるとともに、演出表示装置P70において装飾図柄が変動表示される。特別図柄および装飾図柄の変動表示は、前記選択された変動パターンに応じた変動時間の経過後に同期的に停止表示される。
第1特別図柄又は第2特別図柄が大当りを示す停止態様で確定表示された場合、通常遊技よりも遊技者にとって有利となる特別遊技(大当り遊技)に移行する。この大当り遊技の各ラウンド遊技(単位遊技)において、大入賞口P54を1回又は複数回だけ開放状態に変化させる開閉動作が行われる。大入賞口P54に規定カウント数の遊技球が入球するか、或いは、大入賞口P54の開放時間が開放限度時間に到達すると、実行中のラウンド遊技が終了する。ここで、大当りを示す装飾図柄の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する態様である。本実施形態では、特別図柄および装飾図柄が大当りを示す停止態様で確定表示されると、大当り遊技として、複数回のラウンド遊技(単位遊技)が実行される。
本実施形態では、所定の大当りに当選すると、大当り遊技の終了後から特別図柄の変動回数が所定の終期回数に達するまで、特別図柄の確率変動機能が作動する場合がある。特別図柄の確率変動機能が作動した場合には、特別図柄抽選の大当り確率が通常の低確率状態から高確率状態へ移行するため、新たな大当り(大当り遊技)が比較的早期に発生するようになる。なお、特別図柄の確率変動機能は、次回の大当りが発生するまで継続するものとしてもよい。また、上記所定の終期回数として、実質的に次回の大当り発生までの変動表示回数に相当する「10000回」を設定してもよい。
また、大当り遊技が終了した後は、特別図柄の確率変動機能に付随して又は独立して、特別図柄の変動時間短縮機能が作動する場合がある。特別図柄の変動時間短縮機能が作動すると、特別図柄及び装飾図柄の平均的な変動時間が通常よりも短縮される傾向となり、単位時間当たりの特別図柄抽選回数が向上する(単位時間当たりの大当りの獲得容易性を高めることができる)。
さらに、大当り遊技が終了した後は、特別図柄の変動時間短縮機能に付随して又は独立して、電チューサポート機能(単に「電サポ」とも呼称する)が作動する場合がある。電チューサポート機能は、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、普通電動役物P522の開放延長機能が作動することにより、第2始動口P52への入球容易性が高められる状態(「電サポ状態」又は「入球容易状態」とも称する)である。なお、普通図柄の確率変動機能が作動すると、普通図柄の当選確率が通常状態よりも高まる状態となる。普通図柄の変動時間短縮機能が作動すると、普通図柄の変動時間が短縮される状態となる。普通電動役物P522の開放延長機能が作動すると、普通電動役物P522の開放時間が通常状態よりも延長された状態となる。この入球容易状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常よりも増加する可能性が高まる上、第2始動口P52への入球容易性も高まるため、第2始動口P52への入球数が増加する可能性も向上する。したがって、電チューサポート機能の作
動により、その期間中は第2始動口P52への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち球をほとんど減らさずに遊技を継続することが可能となる。つまり、遊技球の発射球数に対する賞球数の割合である「ベース」が高くなる。以下では、電チューサポート機能が作動している状態を「高ベース状態」、電チューサポート機能が作動していない状態を「低ベース状態」とも呼称する。
<ぱちんこ遊技機の主要な機能構成> 次に、図46を追加参照しながら、本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PM(主として主制御基板P100/演出制御基板P200)の各種機能について説明する。なお、図46は本遊技機PM(主として主制御基板P100/演出制御基板P200)の機能ブロック図である。
主制御基板P100は、図46に示すように、入球判定手段P110、遊技抽選乱数発生手段P120、保留制御手段P130、事前判定手段P135、特別図柄抽選処理手段P140、普通図柄抽選処理手段P145、特別遊技制御手段P150、図柄表示制御手段P155、電動役物制御手段P160、遊技状態制御手段P165、エラー監視制御手段P170、メイン情報記憶手段P180、コマンド送受信手段P190、を含む。なお、主制御基板P100における上述の各手段は、主制御基板P100上に設けられたメインCPUP101、ROMP102、RAMP103、電子回路等のハードウェア及びROMP102等に格納された制御プログラム等のソフトウェアにより構成されるものを機能的に表現したものである。
入球判定手段P110は、第1始動口スイッチP511、第2始動口スイッチP521、作動ゲートスイッチP531、大入賞口スイッチP541、一般入賞口スイッチP611,641などからの検出信号に基づき、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段P110は、第1始動口スイッチP511にて遊技球の入球を検出した場合は、その旨を示す演出制御コマンド(「第1始動口入賞コマンド」と称する)を生成し、第2始動口スイッチP521にて遊技球の入球を検出した場合は、その旨を示す演出制御コマンド(「第2始動口入賞コマンド」と称する)を生成し、作動ゲートスイッチP531にて遊技球の通過を検出した場合は、その旨を示す演出制御コマンド(「作動ゲート入賞コマンド」と称する)を生成し、大入賞口スイッチP541にて遊技球の入球を検出した場合は、その旨を示す演出制御コマンド(「大入賞口入賞コマンド」と称する)を生成し、左一般入賞口スイッチP611にて遊技球の入球を検出した場合は、その旨を示す演出制御コマンド(「左一般入賞口入賞コマンド」と称する)を生成し、右一般入賞口スイッチP611にて遊技球の入球を検出した場合は、その旨を示す演出制御コマンド(「右一般入賞口入賞コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段P180のコマンド格納領域に一時記憶する。
遊技抽選乱数発生手段P120は、主制御マイコンP110の乱数生成回路で生成した内蔵乱数をソフトウェアで取り込み、これに後述の特別図柄当りソフト乱数を加算することで、特別図柄の当否抽選に使用される特別図柄当り乱数を生成する。また、遊技抽選乱数発生手段P120は、メインCPUP101のプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数を生成するための乱数カウンタを備えている。これらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を担っている。このソフトウェア乱数としては、当り乱数生成のために前述の内蔵乱数に加算される特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当りソフト乱数の1周期の更新が終了した後に新たな更新がなされるための初期値を決定するための特別図柄当りソフト初期値乱数、特別図柄の停止図柄として当り図柄(条件装置を作動させることとなる図柄の組合せ)の決定に使用する特別図柄停止図柄乱数、特別図柄停止図柄乱数の1周期の更新が終了した後に新たな更新がなされるための初期値を決定するための特別図柄停止図柄初期値乱数、特別図柄の変動パターンの選択に使用するための特別図柄変動パターン乱数、普通図柄の当否抽選に使用するための普通図柄当り乱数、普通図柄当り乱数の1周期の更新が終了した後に新たな更新がなされるための初期値を決定するための普通図柄当り初期値乱数、普通図柄の変動パターンの選択に使用するための普通図柄変動パターン乱数などが含まれる。これらのソフトウェア乱数の更新時期としては、タイマ割込み処理が発生する毎に1回更新(インクリメントやデクリメント、素数の加算など)し、また、初期値乱数についてはタイマ割込み処理を実行していない間(ループ処理中)も割込み周期の残余時間を利用して更新する。
保留制御手段P130は、特別図柄保留制御手段P131、普通図柄保留制御手段P132、を含む。
特別図柄保留制御手段P131は、第1始動口P51又は第2始動口P52への遊技球の入球を契機として、特別図柄遊技に係る抽選乱数値である、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を取得して、当該乱数値を第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報として管理する。特別図柄保留制御手段P131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報をそれぞれ所定の上限個数(4個)まで、当該保留球の入球順序と結合したかたちでメイン情報記憶手段P180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域に一時記憶する。
第1特別図柄保留格納領域および第2特別図柄保留格納領域には、各始動口51,52への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、作動保留球情報として、特別図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、特別図柄変動パターン乱数を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。作動保留球情報は、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に格納される一方、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に消化される(先入れ先出しの原則)。また、保留1記憶領域の保留球情報が消化されると、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の番号の記憶領域にそれぞれシフトするとともに、保留4記憶領域の内容をゼロクリアする。
また、特別図柄保留制御手段P131は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1特別図柄保留球数カウンタと、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための第2特別図柄保留球数カウンタとを有している。特別図柄保留制御手段P131は、特別図柄の作動保留球数の更新処理として、特別図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
また、特別図柄保留制御手段P131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数を更新(加算又は減算)したとき、当該保留球数の更新情報を含む演出制御コマンド(「図柄記憶数コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段P180のコマンド格納領域に一時記憶する。この1コマンドには、第1特別図柄の作動保留球数と第2特別図柄の作動保留球数との両方の情報が含まれる。なお、原則として、各特別図柄の作動保留球は入球した順番に消化されることになるが、本実施形態では、第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示を優先的に実行する、いわゆる優先消化を採用するため、第2特別図柄遊技に係る作動保留球が存在する間は、第1特別図柄遊技に係る作動保留球の存在に関係なく、第2特別図柄遊技に係る作動保留球を優先的に消化するように構成されている。なお、この優先消化の下では、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合は、第1特別図柄の作動保留球が存在していたとしても、第1特別図柄の作動保留球の消化が保留されることになる。
普通図柄保留制御手段P132は、作動ゲートP53への遊技球の入球を契機として、普通図柄遊技に係る抽選乱数値である、普通図柄当り乱数値、普通図柄当り図柄乱数値、普通図柄変動パターン乱数値、を取得して、当該乱数値を普通図柄の作動保留球情報として管理する。普通図柄保留制御手段P132は、普通図柄の作動保留球情報を所定の上限個数(4個)まで、当該保留球の入球順序と結合したかたちでメイン情報記憶手段P180の普通図柄保留格納領域に一時記憶する。また、普通図柄保留制御手段P132は、普通図柄の作動保留球数をカウントするための普通図柄保留球数カウンタを有している。普通図柄保留制御手段P132は、作動普通図柄の保留球数の更新処理として、普通図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
事前判定手段P135は、所定の事前判定タイミングにて特別図柄の作動保留球を取得した場合、当該作動保留球を対象として先読み予告のための事前判定を実行する。上記の事前判定タイミングの一例としては、(1)当り待ち中、且つ、電チューサポート機能が未作動中に第1特別図柄の作動保留球を取得した場合、(2)当り待ち中、かつ、電チューサポート機能が作動中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、のうちのいずれかの条件を満足するときである。なお、上記事前判定タイミングは一例であり、遊技機仕様に合わせて事前判定タイミングを変更(例えば、普通電動役物を有さない第2特別図柄に係る始動口を有し、通常時に8個保留が溜められる機種では上記(1)を第1特別図柄のみならず第2特別図柄も対象にする、等)したり、事前判定タイミングを設けずいつでも事前判定を行う仕様を採用したりしてもよい。また、各遊技状態において遊技の主体となる方の特別図柄の作動保留球のみを事前判定の対象としてもよく、例えば、通常遊技状態においては第1特別図柄の作動保留球のみを事前判定の対象とし、時短遊技状態、潜伏確変遊技状態、確変遊技状態においては第2特別図柄の作動保留球のみを事前判定の対象とすることが好適である。具体的には、事前判定手段P135は、今回取得した作動保留球に対応する乱数値をメイン情報記憶手段P180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域から読み出して、当否の事前判定(当否事前判定)、図柄の事前判定(図柄事前判定)、変動パターンの事前判定(変動パターン事前判定)を順次実行する。各事前判定で用いられる事前判定テーブルは、図示省略するが、当否事前判定用テーブル、図柄事前判定用テーブル、変動パターン事前判定用テーブルのそれぞれが乱数の総数に相当する領域が複数の領域に区画され、この領域(判定置数)ごとに、抽選ID(事前判定の結果を示す番号(「事前判定番号」とも称する))が割り当てられている。そのため、この事前判定の結果は、後述の特別図柄抽選処理手段P140による本抽選の結果(当否判定の結果、図柄判定の結果、変動パターン判定の結果)に準ずるものとなっている。なお、当否事前判定用テーブルや図柄事前判定用テーブルなどは、実際に変動を開始するときに抽選に使用する当否抽選テーブルや図柄抽選テーブルなどと同じものであってもよい。ここで、変動パターン事前判定用テーブルは、変動開始時の遊技状況(確変の有無、時短の有無、特殊テーブルを参照する限定頻度期間中か否か、保留球数など)が変化する可能性があることから、前述のように、複数の領域の何れに含まれるかを判定する方が望ましい。また、変形例として、上記の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域に格納する前に一時的に記憶されるメインCPUP101上のレジスタ等の乱数値を事前判定するように構成してもよい。そして、事前判定手段P135は、事前判定の結果(事前判定番号)の情報を含む演出制御コマン
ド(「事前判定コマンド」と称する)を順に生成して、これをメイン情報記憶手段P180のコマンド格納領域に格納する。
特別図柄抽選処理手段P140は、特別図柄当否判定手段P141、特別図柄停止図柄判定手段P142、特別図柄変動パターン判定手段P143、を含む。特別図柄抽選処理手段P140は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動開始条件が成立したとき、メイン情報記憶手段P180における特別図柄保留格納領域の最先の記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を読み出して、これをメイン情報記憶手段P180の特別図柄当否判定領域、特別図柄図柄判定領域、特別図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。ここで、「第1特別図柄の変動開始条件が成立する」とは、(A1)大当り中ではないこと、(A2)第1特別図柄および第2特別図柄が変動待機中であること、(A3)第1特別図柄の作動保留球が存在すること、の全ての条件を満足したときである。また、「第2特別図柄の変動開始条件が成立する」とは、(B1)大当り中ではないこと、(B2)第1特別図柄および第2特別図柄が変動待機中であること、(B3)第2特別図柄の作動保留球が存在すること、の全ての条件を満足したときである。なお、第1特別図柄の変動開始条件と第2特別図柄の変動開始条件とが同時に成立しているときは、前記の優先消化のもと、第2特別図柄の変動開始条件を優先的に処理する。
特別図柄当否判定手段P141は、メイン情報記憶手段P180の特別図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が、大当り、小当り、はずれ、のいずれに該当するかを決定する。この当否判定の結果は、メイン情報記憶手段P180の特別図柄判定フラグに一時記憶され(例えば、大当りデータ「55H」、小当りデータ「33H」、はずれデータ「00H」)、以降の処理で使用された後、特別図柄の変動停止時にクリアされる。特別図柄当否判定手段P141は、この当否判定の際に参照される特別図柄当否抽選テーブルを保持する。
ここで、図47は、特別図柄当否抽選テーブルを模式的に示す図である。図47(A)は特別図柄の確率変動機能が作動していない遊技状態(低確率状態)において参照され、図47(B)は特別図柄の確率変動機能が作動している遊技状態(高確率状態)において参照される。特別図柄当否抽選テーブルには、特別図柄当り乱数値の乱数範囲と、特別図柄の当否判定の結果(大当り、はずれ)とが対応付けられている。図47に示すように、特別図柄の当否判定において、特別図柄の確率変動機能が作動していない遊技状態(低確率状態)では、特別図柄当り乱数値が「0~204」の範囲に該当する場合に大当りとなり、特別図柄の確率変動機能が作動している遊技状態(高確率状態)では、特別図柄当り乱数値が「0~1506」の範囲に該当する場合に大当りとなる。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、大当りの当選確率が低確率の「1/319.69」から高確率の「1/43.49」に変動する。このように大当りの当選確率は遊技状態に応じて変化するが、第1特別図柄の当否判定と第2特別図柄の当否判定とで大当りの当選確率は等しく設定されている。なお、本実施形態では、特別図柄の当否判定の結果として「小当り」を設定していないが、特別図柄の当否判定の結果として「小当り」を設定してもよい。小当りの当選確率は、遊技状態(低確率状態、高確率状態)に関係なく、同じ当選確率に設定される。
特別図柄停止図柄判定手段P142は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選の結果に基づいて、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止図柄を決定する。特別図柄停止図柄判定手段P142は、図48に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄(大当り種別)を決定する際に参照される第1特別図柄大当り図柄テーブルおよび第2特別図柄大当り図柄テーブルを有している。本実施形態において、「特定大当り」とは大当り遊技の終了後に特別図柄の確率変動機能を作動させる契機となる大当り(確変大当り)を意味し、「通常大当り」とは大当り遊技の終了後に特別図柄の確率変動機能を作動させる契機とはならない大当り(非確変大当り)を意味する。
本実施形態では、複数種の遊技状態として、通常遊技状態、時短遊技状態、確変遊技状態が設定されている。その遊技状態の種類として、(1)特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が作動する遊技状態を「確変状態」又は「確変遊技状態」と呼称し、(2)特別図柄の確率変動機能が作動せずに特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が作動する遊技状態を「時短状態」又は「時短遊技状態」と呼称し、(3)全ての機能が作動していない状態を「通常状態」又は「通常遊技状態」と呼称する。ここで、「確変遊技状態」および「時短遊技状態」は「通常遊技状態」と比べて遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。そのため、以下では、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利度の高い遊技状態として、確変遊技状態、時短遊技状態を「有利遊技状態」とも呼称する。
なお、各遊技状態は、特別図柄の確率変動機能の作動状態(高確率状態/低確率状態)と、電チューサポート機能の作動状態(高ベース状態/低ベース状態)との組み合わせにより、(1)確変遊技状態を「高確率高ベース状態」、(2)時短遊技状態を「低確率高ベース状態」、(3)通常遊技状態を「低確率低ベース状態」と表現することもできる。その他、確率変動機能の作動状態としては高確率状態である一方、電チューサポート機能の作動状態としては低ベース状態である遊技状態(「通常遊技状態」と比べて遊技者にとって有利な遊技状態の1つ)を備えてもよく、そのような遊技状態を潜確遊技状態と称し、この潜確遊技状態を「高確率低ベース状態」と表現してもよい。この潜確遊技状態(「高確低ベース状態」)は、小当りを主体とした遊技を行うにあたって好適な遊技状態であり、詳細は後述する。これらの状態(低確率/高確率と低ベース/高ベースとの組合せ状態)については、特に断りがない限り、大当り中や小当り中ではない状態における遊技状態(当否判定や変動表示が可能な状態)を指すが、大当り中においては低確率低ベース状態であり、小当り中においては小当り当選時の遊技状態と同じ遊技状態となる。このとき、特別図柄の変動時間短縮機能は、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、少なくともその遊技状態において遊技の主体となる方の特別図柄の変動時間が短縮された状態となっていることを意味する。すなわち、本実施形態において、特別図柄の変動時間短縮機能が作動する場合、第1特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態(通常遊技状態)では、少なくとも第1特別図柄の変動時間(平均変動時間)が短縮され、第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態(確変遊技状態、潜確遊技状態、時短遊技状態)では、少なくとも第2特別図柄の変動時間(平均変動時間)が短縮される。
本実施形態では、特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合、その大当り遊技の終了後の遊技状態は、(1)大当り種別(図柄群の種類)と、(2)大当り当選時の遊技状態とに応じて決定される。なお、各遊技状態の継続回数(特別図柄の変動表示の回数)は、特別図柄の確率変動機能が作動する回数(「確率変動回数」と呼称する)と、特別図柄の変動時間短縮機能が作動する回数(「変動時間短縮回数」と呼称する)と、電チューサポート機能が作動する回数(「電サポ回数」と呼称する)とに応じて設定される。本実施形態では、特別図柄の変動時間短縮機能と電チューサポート機能は、同時に作動を開始して、同時に作動を終了するため、「変動時間短縮回数」と「電サポ回数」とは同一回数となる(そのため、図48では「変動時間短縮回数」と「電サポ作動回数」とを同一の欄に記載している)。
図48(A)は、第1特別図柄大当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第1特別図柄大当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群、大当り種別、確率変動回数、変動時間短縮回数(電サポ回数)、大当り遊技の規定ラウンド数、各ラウンドの大入賞口P54の開放時間(最大開放時間)がそれぞれ対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。第1特別図柄大当りテーブルには、各図柄群に対応して、2種類の大当り種別が設定されている。具体的には、2種類の大当り種別(図柄群)として、4R特定大当り(図柄群A)と、4R通常大当り(図柄群B)とに振り分けられる。
(4R特定大当り:図柄群A) 第1特別図柄の「4R特定大当り(図柄群A)」に当選した場合、確率変動回数「10000回」、変動時間短縮回数「10000回」、電サポ回数「10000回」が設定され、大当り遊技の終了後の遊技状態として確変遊技状態が設定される。この確変遊技状態は、その継続回数(確率変動回数、変動時間短縮回数、電サポ回数)として「10000回」という膨大な回数が設定されており、該継続回数に到達するまで大当りに当選しないことは確率的(約1/44で当選する)には有り得ないため、実質的に次の大当りが発生するまで継続する。また、第1特別図柄の「4R特定大当り(図柄群A)」に当選した場合、大当り遊技の規定ラウンド数が「4ラウンド」で、1回のラウンド遊技における大入賞口P54の最大開放時間は「29秒」である。
(4R通常大当り:図柄群B) 第1特別図柄の「4R通常大当り(図柄群B)」に当選した場合、確率変動回数「0回」、変動時間短縮回数「100回」、電サポ回数「100回」が設定され、大当り遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態が設定される。この時短遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が100回に到達するまで、又は、この100回以内に次の大当りが発生するまで継続する。特別図柄の変動表示回数が100回に到達することで時短遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行する。また、第1特別図柄の「4R通常大当り(図柄群B)」に当選した場合、大当り遊技の規定ラウンド数が「4ラウンド」で、1回のラウンド遊技における大入賞口P54の最大開放時間は「29秒」である。
図48(B)は、第2特別図柄大当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第2特別図柄大当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群、大当り種別、確率変動回数、変動時間短縮回数(電サポ回数)、大当り遊技の規定ラウンド数、各ラウンドの大入賞口P54の開放時間(最大開放時間)がそれぞれ対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。第2特別図柄大当りテーブルには、各図柄群に対応して、3種類の大当り種別が設定されている。具体的には、3種類の大当り種別(図柄群)として、16R特定大当り(図柄群C)と、4R特定大当り(図柄群D)と、4R通常大当り(図柄群E)とに振り分けられる。
(16R特定大当り:図柄群C) 第2特別図柄の「16R特定大当り(図柄群C)」に当選した場合、確率変動回数「10000回」、変動時間短縮回数「10000回」、電サポ回数「10000回」が設定され、大当り遊技の終了後の遊技状態として確変遊技状態が設定される。この確変遊技状態は、前述したとおり、その継続回数として「10000回」という膨大な回数が設定されており、実質的に次の大当りが発生するまで継続する。また、第2特別図柄の「16R特定大当り(図柄群C)」に当選した場合、大当り遊技の規定ラウンド数が「4ラウンド」で、1回のラウンド遊技における大入賞口P54の最大開放時間は「29秒」である。また、この16R特定大当りは、第1特別図柄でも当選する仕様としてもよく、その場合には、第2特別図柄よりも当選しにくい(例としては、全大当り図柄のうちの5%とし、第1特別図柄では、16R特定大当りは5%
、4R特定大当りは60%、4R通常大当りは35%とする)仕様とすることが好適である。
(4R特定大当り:図柄群D) 第2特別図柄の「4R特定大当り(図柄群D)」に当選した場合、確率変動回数「10000回」、変動時間短縮回数「10000回」、電サポ回数「10000回」が設定され、大当り遊技の終了後の遊技状態として確変遊技状態が設定される。この確変遊技状態は、前述したとおり、その継続回数として「10000回」という膨大な回数が設定されており、実質的に次の大当りが発生するまで継続する。また、第2特別図柄の「4R特定大当り(図柄群D)」に当選した場合、大当り遊技の規定ラウンド数が「4ラウンド」で、1回のラウンド遊技における大入賞口P54の最大開放時間は「29秒」である。
(4R通常大当り:図柄群E) 第2特別図柄の「4R通常大当り(図柄群E)」に当選した場合、確率変動回数「0回」、変動時間短縮回数「100回」、電サポ回数「100回」が設定され、大当り遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態が設定される。この時短遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が100回に到達するまで、又は、この100回以内に次の大当りが発生するまで継続する。特別図柄の変動表示回数が100回に到達することで時短遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行する。また、第2特別図柄の「4R通常大当り(図柄群E)」に当選した場合、大当り遊技の規定ラウンド数が「4ラウンド」で、1回のラウンド遊技における大入賞口P54の最大開放時間は「29秒」である。
ここで、本実施形態では、大当り種別として、16R特定大当り(図柄群C)と、4R特定大当り(図柄群A,D)と、4R通常大当り(図柄群B,E)との3種類が設けられている。そして、特別遊技における賞球獲得の期待値(「賞球獲得期待値」と呼称する)は、16R特定大当り>4R特定大当り=4R通常大当りとなっている。ここで、第1特別図柄で大当りに当選した場合の特別遊技の実質ラウンド数は「4ラウンド」であるのに対し、第2特別図柄で大当りに当選した場合の特別遊技の実質ラウンド数は「16ラウンド」であるため、第1特別図柄で大当りが発生する場合よりも、第2特別図柄で大当りが発生する場合の方が、ラウンド数の多い特別遊技に移行する可能性が高く、多くの出玉を獲得できる点で遊技者にとって有利である。この特別遊技の実質ラウンド数は、その特別遊技に設定された「長開放ラウンド遊技」の実行回数に対応している。なお、本実施形態では、大当り遊技の各ラウンドの最大開放時間を29秒という固定時間としているが(全てのラウンドを「長開放ラウンド遊技」としているが)、同一の大当り遊技中の所定のラウンド又は全てのラウンドで、大入賞口P54の最大開放時間を2秒と短くする「短開放ラウンド遊技」を設けるようにして、大当り遊技のラウンド数が同一であっても、実質的に出玉の獲得できるラウンド数の異なる大当り(実質ラウンド数の異なる大当り)を有する構成を採用してもよい。なお、長開放ラウンド遊技は、大入賞口P54の開放時間(最大開放時間)が、大入賞口P54に規定カウント数(フルカウント=10球)の遊技球を入球可能又は入球容易に設定されたラウンド遊技である。短開放ラウンド遊技は、大入賞口P54の開放時間(最大開放時間)が、大入賞口P54に規定カウント数(フルカウント=10球)の遊技球を入球不能又は入球困難に設定されたラウンド遊技である。
特別図柄変動パターン判定手段P143は、特別図柄変動パターン乱数値に基づき、特別図柄の変動パターンを決定する。ここで、特別図柄変動パターン判定手段P143は、特別図柄の変動パターンを選択する際に参照される複数種の変動パターンテーブルを保持している。特別図柄変動パターン判定手段P143は、現在の変動パターン選択状態に基づき、複数種の変動パターンテーブルの中からいずれかの変動パターンテーブルを選択する。変動パターン選択状態と、変動パターンテーブルとの関係については後述する。各変動パターンテーブルには、複数種の変動パターンが規定されている。各図中では、説明の便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には特別図柄変動パターン乱数値に応じて、変動パターンを決定するための判定値(乱数値の範囲)が設定されており、変動パターン乱数値がいずれの判定値に属するかに基づき、変動パターンが決定されるようになっている。各種の変動パターンは、特別図柄の変動表示の終了条件として当該変動パターンごとに変動時間が対応付けられており、その変動時間にて装飾図柄の変動表示も実行されることを前提としている。
ここで、変動パターン選択状態について説明する。変動パターン選択状態とは、変動パターン(変動パターンテーブル)を選択する際に参照される選択条件の一つである。本例では、複数種の変動パターン選択状態として、「通常選択状態」、「時短選択状態」、「確変選択状態」が設定されている。通常選択状態は、特別図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能のいずれも作動していない遊技状態(通常遊技状態)に対応して設定される変動パターン選択状態である。時短選択状態は、特別図柄の確率変動機能は作動していないが、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が作動している遊技状態(時短遊技状態)に対応して設定される変動パターン選択状態である。確変選択状態は、特別図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能の全てが作動している遊技状態(確変遊技状態)に対応して設定される変動パターン選択状態である。
特別図柄の変動パターンテーブルは、図49~図51に示すように、第1特別図柄用と第2特別図柄用とで参照する欄が相違しており、同一の特別図柄変動パターン乱数値を取得したとしても、互いに異なる変動パターンが選択され得るようになっている。ここで、各図に記載されている作動保留球の個数(「保留0個」、「保留1~2個」、「保留3個」)は、第1特別図柄の変動パターン抽選であれば、第1特別図柄の作動保留球数(保留消化後の作動保留球の個数)を意味し、第2特別図柄の変動パターン抽選であれば、第2特別図柄の作動保留球数(保留消化後の作動保留球の個数)を意味する。この作動保留球の個数は、変動パターンの抽選時(当該変動表示の開始時/保留消化後)に存在する作動保留球の個数である(当該変動表示により消化された作動保留球は含まない)。なお、その変形例としては、第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数の合算値を使用してもよい。
特別図柄の変動表示と連動して行われる装飾図柄の変動演出は、特別図柄の変動パターンの種別(変動時間)などに基づき決定される。図49~図51には、参考として、各変動パターン(変動時間)に対応して設定される変動演出の内容も記載している。図中、「超短縮変動」、「短縮変動」、「通常変動」は、3列の装飾図柄が変動して、一度もリーチ状態を経由せずに、いわゆるバラケ目で「はずれ」となる演出である。以下では、超短縮変動、短縮変動及び通常変動をまとめて「非リーチはずれ」とも称する。この非リーチはずれ種別は、通常変動よりも短縮変動、短縮変動よりも超短縮変動の方が短い時間で変動表示が停止する点で相互に変動態様が異なる。
「Nリーチ(ノーマルリーチ)」は、3列ある装飾図柄のうち2列(一般的には左列及び右列)に同一の装飾図柄が停止した状態(リーチ状態)で、残り1列(一般的には中列)に異なる装飾図柄が停止したならば「はずれ」となり、残り1列(一般的には中列)に同一の装飾図柄が停止したならば「大当り」となる演出である。
「SPリーチ(スーパーリーチ)」は、上記のNリーチよりも相対的に大当り期待度の高いリーチ演出であり、リーチの成立後にNリーチから発展して、例えばアニメや実写等の静止画・動画などが表示される演出である。本実施形態では、SPリーチの種類として、複数種のSPリーチA~Cが用意されている。SPリーチAは、現在実行中の遊技状態が通常状態である場合に実行されるリーチ演出である。SPリーチBは、現在実行中の遊技状態が時短遊技状態である場合に実行されるリーチ演出である。SPリーチCは、現在実行中の遊技状態が確変遊技状態である場合に実行されるリーチ演出である。本実施形態の変動パターン種別では、「非リーチ」<「Nリーチ」<「SPリーチ」の順に、大当り期待度が高くなるように設定されている。変形例として、通常状態と時短遊技状態とでSPリーチの演出内容を同じ(SPリーチA)とし、確変遊技状態である場合にはそれとは異なるSPリーチ(SPリーチC)としてもよい。また、その他の変形例として、擬似連を含む変動パターンを用意してもよい。擬似連とは、装飾図柄の1回の変動表示の間に、装飾図柄を仮停止(擬似停止、一旦停止)および再変動表示させることにより、擬似的に複数回の変動表示が行われたように見せる演出(擬似連演出、擬似変動演出、擬似連続変動演出、再変動演出)である。つまり、擬似連は、3列の装飾図柄の全てが変動又は再変動を開始した後に仮停止又は確定停止する擬似変動を複数回実行する演出である。この擬似連の回数(擬似変動の回数)が多いほど、大当り期待度の高いSPリーチに発展する可能性が高いことを示す。
(変動パターンテーブル1) 図49は、変動パターンテーブル1を示す模式図である。変動パターンテーブル1は、現在滞在中の変動パターン選択状態が通常選択状態である場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル1は、特別図柄の当否判定の結果(大当り、はずれ)に応じてテーブル内容が異なるようになっている。
はずれ用の変動パターンテーブル1には、変動パターンPH1-1(短縮変動)、PH1-2(通常変動)、PH1-3(Nリーチ)、PH1-4(SPリーチA)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合は、変動パターンPH1-1(短縮変動)、PH1-2(通常変動)、PH1-3(Nリーチ)、PH1-4(SPリーチA)のうちのいずれかが選択される。本実施形態では、第1特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合には、第1特別図柄の作動保留球数(0個/1~2個/3個)に応じて参照先のテーブル内容が異なるように設定されており、取得した特別図柄変動パターン乱数値が同一であっても、異なる変動パターンが選択され得るようになっている。具体的には、第1特別図柄の作動保留球数が多いほど、第1特別図柄の変動時間が相対的に短く設定された変動パターンが選択され易く、第1特別図柄の作動保留球数が少ないほど、第1特別図柄の変動時間が相対的に長く設定された変動パターンが選択され易い。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合は、第2特別図柄の作動保留球数(0個/1~2個/3個)に依存せず、変動時間が相対的に短く設定された変動パターンPH1-1(短縮変動)又はPH1-2(通常変動)が選択される。なお、変形例として、第2特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合は、第2特別図柄の作動保留数に依存せず、短縮変動のメイン変動パターンPH1-2のみを選択する又は短縮変動の変動パターンPH1-2を最も選択し易い(第2特別図柄の作動保留球数に依存せず選択割合は同じとすることが好適)構成としてもよい。
大当り用の変動パターンテーブル1には、変動パターンPA1-1(Nリーチ)、PA1-2(SPリーチA)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合、大当り種別に依存することなく、変動パターンPA1-1(Nリーチ)又はPA1-2(SPリーチA)が選択される。同様に、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合、大当り種別に依存することなく、変動パターンPA1-1(Nリーチ)又はPA1-2(SPリーチA)が選択される。
(変動パターンテーブル2) 図
50は、変動パターンテーブル2を示す模式図である。変動パターンテーブル2は、現在滞在中の変動パターン選択状態が時短選択状態である場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル2は、特別図柄の当否判定の結果(大当り、はずれ)に応じてテーブル内容が異なるようになっている。
はずれ用の変動パターンテーブル2には、変動パターンPH2-1(超短縮変動)、PH2-2(通常変動)、PH2-3(Nリーチ)、PH2-4(SPリーチB)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、第1特別図柄の作動保留球数(0個/1~2個/3個)に依存することなく、変動パターンPH2-2(通常変動)、PH2-3(Nリーチ)、PH2-4(SPリーチA)のうちのいずれかが選択される。すなわち、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、第1特別図柄の作動保留球が何個存在していたとしても、変動パターンPH2-1(超短縮変動)が選択されることはない。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合は、変動パターンPH2-1(超短縮変動)、PH2-2(通常変動)、PH2-3(Nリーチ)、PH2-4(SPリーチB)のうちのいずれかが選択される。本実施形態では、第2特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合には、第2特別図柄の作動保留球数(0個/1~2個/3個)に応じて参照先のテーブル内容が異なるように設定されており、取得した特別図柄変動パターン乱数値が同一であっても、異なる変動パターンが選択され得るようになっている。具体的には、第2特別図柄の作動保留球が存在していない場合は、変動パターンPH2-1(超短縮変動)が選択されることはなく、第2特別図柄の作動保留球が存在している場合には、第2特別図柄の作動保留球数が多いほど、変動パターンPH2-1(超短縮変動)が選択され易くなる傾向となる。
大当り用の変動パターンテーブル2には、変動パターンPA2-1(Nリーチ)、PA2-2(SPリーチB)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合、大当り種別に依存することなく、変動パターンPA2-1(Nリーチ)又はPA2-2(SPリーチB)が選択される。同様に、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合、大当り種別に依存することなく、変動パターンPA2-1(Nリーチ)又はPA2-2(SPリーチB)が選択される。
(変動パターンテーブル3) 図51は、変動パターンテーブル3を示す模式図である。変動パターンテーブル3は、現在滞在中の変動パターン選択状態が確変選択状態である場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル3は、特別図柄の当否判定の結果(大当り、はずれ)に応じてテーブル内容が異なるようになっている。
はずれ用の変動パターンテーブル3には、変動パターンPH3-1(超短縮変動)、PH3-2(通常変動)、PH3-3(SPリーチC)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合、第1特別図柄の作動保留球数(0個/1~2個/3個)に依存せず、変動パターンPH3-2(通常変動)又はPH3-3(SPリーチC)が選択される。すなわち、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、第1特別図柄の作動保留球が何個存在していたとしても、変動パターンPH3-1(超短縮変動)が選択されることはない。一方、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、変動パターンPH3-1(超短縮変動)、PH3-2(通常変動)、PH3-3(SPリーチC)のいずれかが選択される。このとき、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、第2特別図柄の作動保留球数に応じて(詳しくは第2特別図柄の作動保留球の有無に応じて)参照先のテーブル内容が異なるように設定されており、取得した特別図柄変動パターン乱数値が同一であっても、異なる変動パターンが選択され得るようになっている。具体的には、第2特別図柄の作動保留球が存在していない場合は変動パターンPH3-1(超短縮変動)が選択されることはなく、第2特別図柄の作動保留球が存在している場合にのみ変動パターンPH3-1(超短縮変動)が選択され得るため、第2特別図柄の作動保留球が存在しない場合よりも、第2特別図柄の作動保留球が存在している場合の方が、相対的に変動時間の短い変動パターンが選択され易くなる傾向となる。
大当り用の変動パターンテーブル3には、変動パターンPA3-1(SPリーチC)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合、大当り種別(4R特定大当り、4R通常大当り)に依存することなく、変動パターンPA3-1(SPリーチC)が選択される。同様に、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合、大当り種別(16R特定大当り、4R特定大当り、4R通常大当り)に依存することなく、変動パターンPA3-1(SPリーチC)が選択される。
前述したとおり、変動パターンテーブル1~3には、各変動パターンに対して特別図柄の変動時間が規定されているが、いずれの変動パターンが選択された場合でも、特別図柄の確定停止時間(確定表示時間)は「0.5秒」が設定されている。なお、特別図柄の確定停止時間(確定表示時間)とは、特別図柄が確定的に停止表示される時間(完全に停止された状態が保持される時間)である。なお、本実施形態では、特別図柄の変動時間及び確定停止時間に対応して、装飾図柄の変動時間及び確定停止時間も設定されている。また、変動パターンテーブル1~3において、大当り時ははずれ時と同じ演出内容および変動時間となり得るが、大当り時とはずれ時とでは最終的な演出内容を異ならせることが好適である。つまり、同じNリーチであっても大当り時は装飾図柄がゾロ目(例:「7・7・7」)になる一方ではずれ時は装飾図柄がリーチはずれの出目(例:「7・8・7」)になったり、同じSPリーチA~Cであっても大当り時は最終的な演出内容が成功を示す演出内容になり装飾図柄がゾロ目(例:味方キャラクタが敵キャラクタに勝利し、その後「7・7・7」が表示される)になる一方ではずれ時は最終的な演出内容が失敗を示す演出内容になり装飾図柄がリーチはずれの出目(例:味方キャラクタが敵キャラクタに敗北し、その後「7・8・7」が表示される)になったりすることが好適である。また、大当り時ははずれ時と比べて、同一の演出内容(同じSPリーチに発展した場合)であったとしても、変動時間(演出時間)が長時間となることが好適であり、例としては、大当り時のSPリーチA~Cは、はずれ時のSPリーチA~Cよりも、10秒長い変動時間(演出時間)とすることが好適である。
特別図柄変動パターン判定手段P143は、特別図柄の変動パターンを選択した後、演出制御基板P200に対して装飾図柄の変動開始を指示するため、演出制御基板P200との通信が正常に行われているか否かを確認するための演出制御コマンド(通信検査コマンド)、特別図柄の変動付加パターン(変動時間を加減算するための情報)を含む演出制御コマンド(変動付加情報指定コマンド)、特別図柄の変動パターン情報を含む演出制御コマンド(変動パターン指定コマンド)、キャラクタ演出番号(図柄群および遊技状態)の情報を含む演出制御コマンド(図柄指定コマンド)等を生成して(以降、これらのコマンドを纏めて「変動開始コマンド」と称する)、これをメイン情報記憶手段P180のコマンド格納領域に格納する。
普通図柄抽選処理手段P145は、普通図柄当否判定手段P146と、普通図柄停止図柄判定手段P147と、普通図柄変動パターン判定手段P148とを有する。普通図柄抽選処理手段P145は、普通図柄の変動開始条件が充足したとき、普通図柄保留格納領域における最先の記憶領域に格納された普通図柄当り乱数値、普通図柄変動パターン乱数値を読み出して、メイン情報記憶手段P180の普通図柄当否判定領域、普通図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。ここで、「普通図柄の変動開始条件」とは、(1)普通図柄の変動待機中であること、(2)普通図柄の作動保留球が存在することである。この全ての条件を満足したときに、普通図柄が変動開始可能な状態(変動開始条件が成立した状態)であると判断される。
普通図柄当否判定手段P146は、メイン情報記憶手段P180の普通図柄当否判定領域から普通図柄当り乱数値を読み出して普通図柄の当否判定を実行し、当該判定結果が「当り」、「はずれ」のいずれに該当するかを決定する。この普通図柄の当否判定の結果は、メイン情報記憶手段P180の普通図柄判定フラグに一時記憶され、以降の処理で使用された後、普通図柄の変動停止時にクリアされる。普通図柄当否判定手段P146は、この普通図柄の当否判定の際に参照される不図示の普通図柄当否抽選テーブルを保持している。普通図柄の当り確率は、電チューサポート機能(普通図柄の確率変動機能)が作動していない場合は「1/3001」に設定され、電チューサポート機能(普通図柄の確率変動機能)が作動している場合は「2999/3001」に設定されている。
普通図柄停止図柄判定手段P147は、不図示の普通図柄停止図柄テーブルを参照して、普通図柄の当否判定の結果が当りである場合には所定の当り図柄(普通電動役物P522が作動する契機となる停止図柄)を選択する一方、普通図柄の当否判定の結果がはずれである場合には所定のはずれ図柄(普通電動役物P522が作動する契機とならない停止図柄)を選択する。本実施形態では、普通図柄の当り図柄として図柄Aおよび図柄Bを割り当てる一方、普通図柄のはずれ図柄として図柄Cを割り当てる。
普通図柄変動パターン判定手段P148は、メイン情報記憶手段P180の普通図柄変動パターン判定領域から普通図柄変動パターン乱数値を読み出すとともに、不図示の普通図柄変動パターンテーブルを参照して、普通図柄の変動パターン(変動時間)を決定する。普通図柄の変動時間は、電チューサポート機能(普通図柄の変動時間短縮機能)が作動していない場合は「0.6秒」に設定され、電チューサポート機能(普通図柄の変動時間短縮機能)が作動している場合は「0.2秒」に設定されている。いずれの普通図柄の変動パターンが選択された場合でも、普通図柄の確定停止時間(確定表示時間)は「0.1秒」が設定されている。普通図柄の確定停止時間(確定表示時間)とは、普通図柄が確定的に停止表示される時間(完全に停止された状態が保持される時間)である。なお、普通図柄の制御においては、主制御基板P100の処理負荷の軽減のため、電チューサポート機能が作動していない場合は、普通図柄の当否判定の当り確率を「0」とし、普通図柄の変動時間を単一のものとする仕様を採用することも考えられる。
また、普通図柄抽選処理手段P145は、普通図柄の当否判定の結果などに応じて、普通電動役物P522の開放パターン(開放時間)を決定する。普通図柄抽選処理手段P145は、普通電動役物P522の開放パターン(開放時間)を決定する際に参照される普通電動役物開放パターンテーブルを保持している。普通電動役物P522の開放パターン(開放時間)は、電チューサポート機能(開放延長機能)が作動していない場合は「0.2秒」が設定され、電チューサポート機能(開放延長機能)が作動している場合は「5.8秒」が設定される。なお、普通電動役物P522の開放パターンを、普通図柄の当り図柄の種類に応じて異なるものとしてもよい。例えば、普通電動役物P522の開放パターンとして、電チューサポート機能(開放延長機能)が作動している場合に、普通図柄の当り図柄が図柄Aであれば「3秒開放×1回→2.8秒開放×1回(総開放時間5.8秒)」とし、普通図柄の当り図柄が図柄Bであれば「2.8秒開放×1回→3秒開放×1回(総開放時間5.8秒)」とする。
特別遊技制御手段P15
0は、特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合、前記決定された大当り種別(図柄群)に応じて、大当り開始デモおよび大当り終了デモの実行時間(デモ時間)と、ラウンド遊技の実行時間(ラウンド時間)とを決定する。そして、特別遊技制御手段P150は、演出制御基板P200側に対して、大当り開始デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り開始デモコマンド」と称する)と、大当り終了デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り終了デモコマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段P180のコマンド格納領域に格納する。なお、大当り開始デモコマンドは、演出制御基板P200側において、大当り遊技中に展開される一連の大当り中演出(大当り開始デモ演出、ラウンド演出、大当り終了デモ演出)の内容を決定するための契機ともなる。また、特別遊技制御手段P150は、大当り遊技中の各ラウンド遊技において、各ラウンド遊技に対応したラウンド演出の開始を指示するための演出制御コマンド(「ラウンド演出指定コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段P180のコマンド格納領域に格納する。このラウンド演出指定コマンドには、現在のラウンド数の情報および大入賞口P54の開放や閉鎖の情報などが含まれる。なお、図53にて後述するように、本実施形態においては、大当り開始デモの実行時間は一律5秒、大当り終了デモの実行時間は一律20秒に設定されているが、大当り開始デモおよび大当り終了デモの実行時間(デモ時間)に関しては、大当り種別(図柄群)のみではなく、大当り当選時の遊技状態に応じて、同一の大当り種別(図柄群)であっても、大当り開始デモや大当り終了デモの実行時間(デモ時間)を異なるものとしてもよい。例えば、第1特別図柄でも16R特定大当りが当選する仕様を前提とし、4R通常大当りについては、低確率低ベース状態で大当りした場合は、大当り開始デモの実行時間は5秒(大当り開始デモ演出として、「通常大当り開始」と表示される演出A-1を実行)とし、大当り終了デモの実行時間は15秒(大当り終了デモ演出として、「時短モード突入」と表示される演出B-1およびプリペイドカード(※遊技用の遊技球を借りるために必要となる金額に関する情報が記憶された記憶媒体)の取り忘れに関する注意喚起を行う演出Cを実行)とする一方、高確率高ベース状態又は低確率高ベース状態で大当りした場合は、大当り開始デモの実行時間は5秒(大当り開始デモ演出として、演出A-1を実行)とし、大当り終了デモの実行時間は10秒(大当り終了デモ演出として、演出B-1を実行し、演出Cは実行されない)とし、16R特定大当りおよび4R特定大当りについては、低確率低ベース状態で大当りした場合は、大当り開始デモの実行時間は5秒(大当り開始デモ演出として、「確変大当り開始」と表示される演出A-2を実行)とし、大当り終了デモの実行時間は20秒(大当り終了デモ演出として、「確変モード突入」と表示される演出B-2および演出Cを実行)とする一方、高確率高ベース状態又は低確率高ベース状態で大当りした場合は、大当り開始デモの実行時間は5秒(大当り開始デモ演出として、演出A-2を実行)とし、大当り終了デモの実行時間は10秒(大当り終了デモ演出として、「確変モード継続」と表示される演出B-3を実行し、演出Cは実行されない)としてもよい。その他、第1特別図柄でも16R特定大当りが当選する仕様を前提とし、第1特別図柄での大当りであれば、大当り時の遊技状態問わず、大当り開始デモの実行時間は5秒(16R特定大当り、4R特定大当り、4R通常大当りの何れにおいても5秒とし、大当り開始デモ演出として、演出A-1または演出A-2を実行)とし、大当り終了デモの実行時間は30秒(16R特定大当りおよび4R特定大当りについては30秒で、大当り終了デモ演出として、演出B-2および演出Cを実行、但し、4R通常大当りについては15秒とし、大当り終了デモ演出として、演出B-1および演出Cを実行)とする一方、第2特別図柄での大当りであれば、大当り時の遊技状態問わず、大当り開始デモの実行時間は5秒(16R特定大当り、4R特定大当り、4R通常大当りの何れにおいても5秒とし、大当り開始デモ演出として、演出A-1または演出A-2を実行)とし、大当り終了デモの実行時間は20秒(16R特定大当りおよび4R特定大当りについては20秒で、大当り終了デモ演出として、演出B-3を実行し、演出Cを実行しない、但し、4R通常大当りについては10秒とし、大当り終了デモ演出として、演出B-1を実行し演出Cを実行しない)としてもよい。この時間値の関係性は一例であり、各状況での各デモ時間の大小関係が上記と同じであれば、この時間値に限定されることはない。また、上記のような仕様の何れにおいても、高確率高ベース状態又は低確率高ベース状態で大当りした場合に演出Cは発生しないが、その大当りに係る変動もしくは大当り遊技中(特別遊技中)に電源断が発生し且つその変動中または大当り遊技中に電断復帰した場合、例外的に演出Cを発生させてもよい。
図柄表示制御手段P155は、特別図柄表示制御手段P156、普通図柄表示制御手段P157、を含む。特別図柄表示制御手段P156は、第1特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第1特別図柄を第1特別図柄表示装置P71に変動表示させるとともに、該変動表示後に第1特別図柄を確定表示させる。また、特別図柄表示制御手段P156は、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第2特別図柄を第2特別図柄表示装置P72に変動表示させるとともに、該変動表示後に第2特別図柄を確定表示させる。特別図柄表示制御手段P156は、第1特別図柄および第2特別図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマを有している。第1特別図柄表示装置P71および第2特別図柄表示装置P72の動作状態は、メイン情報記憶手段P180の特別図柄遊技ステイタスに基づき監視される。特別図柄表示制御手段P156は、特別図柄の変動停止の際に(すなわち、特別図柄遊技タイマの値が「0」となるタイミングで)、演出制御基板P200に対して装飾図柄の確定表示を要求するための演出制御コマンド(「変動停止コマンド」と称する)を生成する。普通図柄表示制御手段P157は、普通図柄の変動パターン(変動時間)に従って、普通図柄を普通図柄表示装置P75に変動表示させるとともに、該変動表示後に普通図柄を確定表示させる。普通図柄表示制御手段P157は、普通図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための普通図柄遊技タイマを有している。普通図柄表示装置P75の動作状態は、メイン情報記憶手段P180の普通図柄遊技ステイタスに基づき監視される。
また、特別図柄表示制御手段P156は、遊技の中断状態が所定時間以上継続した場合に、待機デモ演出(客待ちデモ演出)の実行契機となる演出制御コマンド(「待機デモコマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段P180のコマンド格納領域に格納する。「遊技の中断状態が所定時間以上継続する」とは、特別図柄の作動保留球が存在せず、且つ、特別図柄の変動表示が行われていない期間が所定時間以上継続することを意味する。なお、遊技球が発射されていない期間が所定時間以上継続する場合や、遊技球が全ての入賞口に入球していない期間が所定時間以上継続する場合に、遊技の中断状態が所定時間以上継続する仕様としてもよい。
電動役物制御手段P160は、特別図柄の当否判定の結果が大当りとなった場合、特別図柄の確定表示後に、大当り遊技処理として、特別電動役物ソレノイドP543に制御信号を出力し、特別電動役物P542を所定の作動パターンに従って開閉制御する。大当り遊技は、特別電動役物P542の1回の開閉動作を1回のラウンド遊技(単位遊技)とし、当該ラウンド遊技を規定ラウンド数だけ連続して実行するものである。電動役物制御手段P160は、特別電動役物P542の作動回数(すなわち、実行中のラウンド数)を格納するための大入賞口開放カウンタを保持する。ここで、大当り遊技における特別電動役物P542の作動終了条件(単位遊技の終了条件)とは、大入賞口P54に規定カウント数(本実施形態では「10個」)の遊技球が入球したこと、又は、大入賞口P54の開放時間が最大開放時間(本実施形態では「29秒」)に到達したことである。
また、電動役物制御手段P160は、普通図柄の当否判定の結果が当りに該当する場合、普通電動役物ソレノイドP523に制御信号を出力して、所定の開放時間だけ普通電動役物P522(第2始動口P52)を開閉制御する。ここで、電動役物制御手段P160は、前述したとおり、電チューサポート機能(開放延長機能)が作動していない低ベース状態において、普通電動役物P522を0.2秒だけ開放させるのに対して、電チューサポート機能(開放延長機能)が作動している高ベース状態において、普通電動役物P522を5.8秒だけ開放させる。ここで、普通電動役物P522の作動終了条件とは、第2始動口P52に所定数(本実施形態では「10個」)の遊技球が入球したこと、又は、第2始動口P52の開放時間が最大開放時間(本実施形態では「0.2秒」又は「5.8秒」)に到達したことである。
遊技状態制御手段P165は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合、当該大当り種別(図柄群の種類)と、大当り当選時の遊技状態とに基づき、大当り遊技の終了後の遊技状態を決定するとともに、大当り遊技の終了後の遊技状態を切り替える。本実施形態では、前述したように、複数種の遊技状態として、通常遊技状態(低確率低ベース状態)、時短遊技状態(低確率低ベース状態)、確変遊技状態(高確率高ベース状態)が設定されており、複数種の遊技状態のうちのいずれかが択一的に設定される。なお、各遊技状態については既に詳述しているので、ここでは重複説明を省略する。
また、遊技状態制御手段P165は、大当り遊技が実行された場合に、当該大当り種別(図柄群の種類)に基づき、大当り遊技の終了後の変動パターン選択状態を決定するとともに、大当り遊技の終了後の変動パターン選択状態を切り替える。本実施形態では、複数種の変動パターン選択状態として、通常選択状態、時短選択状態、確変選択状態が設定されており、前記決定された遊技状態や大当り種別、特別図柄の変動表示回数などに応じて、複数種の変動パターン選択状態のうちのいずれかが択一的に設定される。なお、各変動パターン選択状態については既に詳述しているので、ここでは重複説明を省略する。
また、遊技状態制御手段P165は、現在の遊技状態情報および変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(「遊技状態指定コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段P180のコマンド格納領域に格納する。
エラー監視制御手段P170は、I/Oポート回路P104の入力情報を監視し、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態である場合には、演出制御基板P200にエラー状態演出を指示すべく、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)を要求する。なお、図46等では記載を省略しているが、扉開放スイッチはガラス枠P5が開放されているか否かの検出手段であり、枠開放スイッチは前枠P2が開放されているか否かの検出手段であり、裏セット開放スイッチは裏セット盤P30が開放されているか否かの検出手段である。また、磁気センサおよび電波センサはいわゆる不正遊技行為を発見するための検出手段である。
メイン情報記憶手段P180は、特別図柄遊技および普通図柄遊技にて取得した乱数値情報、特別図柄および普通図柄の作動保留球情報、特別図柄遊技および普通図柄遊技に関する遊技状態(確率変動機
能、変動時間短縮機能、電チューサポート機能)の情報、変動パターン選択状態に関する情報、特別図柄および普通図柄の当否判定の結果情報(大当り、はずれ)、特別図柄および普通図柄に係る停止図柄(図柄群含む)の情報、特別図柄および普通図柄の変動パターン(変動付加パターン含む)の情報、大当り遊技に関する情報(ラウンド数、開放時間、開放態様(1ラウンド遊技あたりの開放回数)など)、特別図柄表示装置P71,72の動作状態を示すステイタス情報、特別電動役物P542の動作状態を示すステイタス情報、演出制御コマンドデータの情報等を一時記憶するように構成されており、各情報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。
コマンド送受信手段P190は、コマンド送信要求があった場合に、メイン情報記憶手段P180のコマンド格納領域に格納された各種の演出制御コマンドデータをパラレル伝送方式にて演出制御基板P200に送信するように構成されている。なお、各演出制御コマンドは、1バイトのMODEデータと、1バイトのEVENTデータとを含んだ2バイト構成となっており、MODEとEVENTを区別するために、MODEデータのBit7は「1」、EVENTデータのBit7は「0」としている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、MODEおよびEVENTの各々の送信タイミングでストローブ信号が出力される。各処理で発生した演出制御コマンドは、原則として、メイン情報記憶手段P180のコマンド格納領域にセットされた順番に従って割込み周期毎に1コマンド送信される。
演出制御基板P200は、図46に示すように、演出抽選乱数発生手段P210、演出統括手段P220、ランプ制御手段P230、役物制御手段P240、エラー演出制御手段P250、サブメイン情報記憶手段P260、コマンド送受信手段P270、を含む。なお、演出制御基板P200における上述の各手段は、演出制御基板P200上に配されたサブメインCPUP201、ROMP202、RAMP203、電子回路等のハードウェア及びROMP202に格納された制御プログラム等のソフトウェアにより構成されるものを機能的に表現したものである。
演出抽選乱数発生手段P210は、サブメインCPUP201のプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数(演出抽選乱数)を生成するための乱数カウンタを備えている。これらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を担っている。このソフトウェア乱数としては、先読み演出の抽選に使用する先読み抽選乱数、装飾図柄の停止図柄の抽選に使用する装飾図柄乱数、装飾図柄の変動演出パターンの抽選に使用する変動演出パターン乱数、予告演出の抽選に使用する予告抽選乱数、大当り演出パターンの抽選に使用する大当り演出パターン乱数、演出ステージの移行抽選に使用するステージ抽選乱数などが含まれる。これらの乱数の更新時期としては、後述の演出制御側メイン処理内でコマンド解析が行われなかった場合(主制御基板P100から演出制御コマンドを受信しなかった場合)の残余時間を利用して更新する。
演出統括手段P220は、演出モード制御手段P221、保留情報表示制御手段P222、先読み予告制御手段P223、変動演出制御手段P224、装飾図柄制御手段P225、予告演出制御手段P226、特別遊技演出制御手段P227を含む。
演出モード制御手段P221は、主制御基板P100からの遊技状態指定コマンドなどに基づき、主制御基板P100側で管理される遊技状態および変動パターン選択状態との整合性をとるかたちで、演出モード(「遊技演出モード」とも称する)を制御する。本実施形態では、複数種の演出モードとして、「通常演出モード」、「時短演出モード」、「確変演出モード」が設定されており、主制御基板P100側において管理される遊技状態(又は変動パターン選択状態)や特別図柄の変動表示回数などに応じて、複数種の演出モードのうちのいずれかが択一的に設定され、該設定された演出モードに応じた変動演出が実行される。本実施形態では、遊技状態が通常遊技状態であるときは「通常演出モード」が設定され、遊技状態が時短遊技状態であるときは「時短演出モード」が設定され、遊技状態が確変遊技状態であるときは「確変演出モード」が設定される。いずれかの演出モードが設定されると、当該演出モードに滞在中であることを示唆する演出(変動演出)として、画面上において当該演出モード専用の背景画像(装飾図柄の背面表示となる背景画像)が表示され、また、当該演出モード専用のBGMがスピーカP11から出力される。このように背景画像およびBGMは演出モード毎に互いに異なるよう設定されているため、背景画像又はBGMの種類から、現在滞在中の演出モードがいずれであるかを遊技者が認識し得るようになっている。
保留情報表示制御手段P222は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1保留球数カウンタ、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための第2保留球数カウンタを有している。保留情報表示制御手段P222は、主制御基板P100からの図柄記憶数コマンドを受信すると、このコマンドに含まれる作動保留球数の情報に基づき、対応するカウンタの値を更新(加算)する。一方、保留情報表示制御手段P222は、主制御基板P100からの変動開始コマンドを受信すると、すなわち、作動保留球が消化されると、対応するカウンタの値を更新(減算)する。また、保留情報表示制御手段P222は、第1保留球数カウンタおよび第2保留球数カウンタの値に基づいて、演出表示装置P70の保留画像表示部710に、第1特別図柄の作動保留球数に対応する数の保留画像と、第2特別図柄の作動保留球数に対応する数の保留画像とを表示する制御を行う。また、保留情報表示制御手段P222は、演出表示装置P70の変動中画像表示領域P720に、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球(最先の作動保留球)が消化されることで、この作動保留球に対応する保留画像に切り替わって表示される変動中画像を表示する制御を行う。本実施形態では、明示的に言及しない限り、第1特別図柄の保留画像と第2特別図柄の保留画像とを区別せずに単に「保留画像」と称し、第1特別図柄の変動中画像と第2特別図柄の変動中画像とを区別せずに単に「変動中画像」と称する場合がある。
先読み予告制御手段P223は、先読み予告演出の対象となる作動保留球に対して先読み的な判定(「先読み抽選」と称する)を実行する。先読み予告演出は、先読み対象の作動保留球が消化される以前の一又は複数回の変動表示に亘って大当り当選又は高期待度演出(例えばリーチ演出)発生の可能性を予告するいわゆる連続予告演出の一態様として発生される。このとき、先読み抽選は、主制御基板P100からの事前判定コマンドに含まれる事前判定結果の情報に基づき行われる。ここで、先読み予告制御手段P223は、主制御基板P100からの事前判定コマンドを受信すると、第1特別図柄の事前判定結果の情報と第2特別図柄の事前判定結果の情報とを区別して、それぞれ所定の上限個数(4個)まで、作動保留球の入球順序と結合したかたちでサブメイン情報記憶手段P260の先読み情報格納領域に一時記憶する。この先読み情報格納領域は、主制御基板P100の保留記憶領域と同様の構成となっており、各始動口51,52への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、当否事前判定結果の情報、図柄事前判定結果の情報、変動パターン事前判定結果の情報を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。事前判定結果の情報は、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に格納される一方、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に消化される(先入れ先出しの原則)。また、保留1記憶領域の事前判定結果の情報が消化されると、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域に格納された事前判定結果の情報を下位の番号の記憶領域にそれぞれシフトするとともに、保留4記憶領域の内容をゼロクリアする。
変動演出制御手段P224は、主制御基板P100からの変動開始コマンドに含まれる情報(変動パターン情報、変動付加情報など)に基づき、装飾図柄の変動表示における変動開始から停止までの変動過程(演出過程)を規定した変動演出パターンを抽選により決定する。変動演出制御手段P224は、装飾図柄の変動演出パターンを選択する際に参照される複数種の変動演出パターンテーブルを保持しており、これら複数種の変動演出パターンテーブルの中から特別図柄の変動パターン(変動時間)に対応した変動演出パターンテーブルが選択されるようになっている。ここで、主制御基板P100側では特別図柄のメイン変動パターン(例えば「SPリーチA」や「SPリーチB」など)が定まるのに対して、演出制御基板P200側では当該メイン変動パターンを基に演出表示過程のシナリオを詳細に規定した装飾図柄のサブ変動パターン(例えば「SPリーチA1,A2…」や「SPリーチA2,A3…」など)が定まる。装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち、装飾図柄の変動開始から変動終了までの一連の演出表示過程のシナリオが定義されており、当該表示過程中の各段階において予告演出を発生させるタイミングなどもタイムスケジュールとして規定されている。また、この装飾図柄の変動演出パターンについては、特別図柄の変動パターンが同一であっても(同一情報の変動開始コマンドを受信した場合でも)、滞在中の演出モードを異にすれば、互いに演出内容の異なる変動演出パターンが選択され得ることになる。すなわち、変動演出パターンテーブルは、滞在中の演出モードごとに用意される。
また、変動演出制御手段P224は、主制御基板P100からの待機デモコマンドを受信したことを契機として、該待機デモコマンドを受信してから特別図柄の変動表示が開始されるまで(次の変動開始コマンドを受信するまで)の客待ち期間中に、例えばデモンストレーション用の動画像を再生する待機デモ演出(客待ちデモ演出)を実行する。
装飾図柄制御手段P225は、主制御基板P100からの変動開始コマンドに含まれる情報(停止図柄情報、遊技状態情報)と、変動演出制御手段P224により決定された上記の変動演出パターンとに基づき、装飾図柄の最終的な停止図柄の組み合わせ(左図柄・中図柄・右図柄)を抽選により決定する。本例では、複数種類の装飾図柄を含む3つの図柄列が構成されており、この装飾図柄は例えば数字等からなる識別要素により形成される。また、装飾図柄制御手段P225は、装飾図柄の停止図柄の組合せ(「停止図柄パターン」ともいう)を抽選で決定する際に参照される複数種の停止図柄パターンテーブルを保持している。この複数種のテーブルとしては、大当り用の停止図柄パターンテーブル、リーチはずれ用の停止図柄パターンテーブル、非リーチはずれ用の停止図柄パターンテーブルなどがある。装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組み合わせとして形成され、「大当りを示す停止図柄(大当り図柄)」と、「はずれを示す停止図柄(はずれ図柄)」とを含む。特定大当り(確変大当り)を示す大当り図柄は、同一の奇数数字の図柄が3つ揃った停止態様の組合せ(例えば「7・7・7」)となる。通常大当り(非確変大当り)を示す大当り図柄は、同一の偶数数字の図柄が3つ揃った停止態様の組合せ(例えば、「2・2・2」)となる。はずれ図柄は、3つの図柄のうちの少なくとも1つが他の数字と異なる数字の図柄となる停止態様の組合せ(例えば「1・3・8」)となる。ここで、はずれ図柄のうちリーチはずれ図柄は、左図柄と右図柄とが一致している状態で中図柄のみが前後に数コマずれた停止態様の組合せ(例えば「3・1・
3」)となる。なお、小当り図柄や、大当り図柄であっても2R大当り図柄などの場合は、例えば「3・5・7」のような所定の停止態様の組み合わせとなる場合がある。また、抽選結果が非リーチはずれである場合には、いわゆる「チャンス目」と称される特定の出目(例えば、順目として「1・2・3」や「5・6・7」など、ズレ目として「2・2・3」や「5・5・6」など)が選択されることがある。更には、前述の擬似連続演出において、最終的な停止図柄を確定表示する前に仮停止表示および再変動表示させる演出を行う場合には、擬似連の発生を示唆する仮停止図柄として特殊図柄(擬似連図柄)が選択される。擬似連の発生を示唆する仮停止図柄を表示させる場合は、三列の装飾図柄の停止図柄のうち、少なくとも一つの停止図柄(典型的には中図柄)を「NEXT」などの文字を表示する特殊図柄(擬似連図柄)に差し替えて表示させる場合(例えば、「2・NEXT・3」など)がある。なお、装飾図柄を停止させるための停止順序は、次述の変動演出パターン毎に予め定められており、本実施形態では原則として、左図柄→右図柄→中図柄の順に停止させる。但し、変動時間が極短く設定された短縮変動の変動演出パターンである場合には、左図柄・中図柄・右図柄をほぼ同時に停止させ、特殊の変動演出パターンである場合には、右図柄→中図柄→左図柄の順に停止させることもでき、この場合は大当り期待度が相対的に高くなる傾向となる。また、いずれの停止順であったとしても、変動開始時は左図柄・右図柄・中図柄が同時に変動を開始することが望ましい。但し、こちらも特殊の変動演出パターンとして、左図柄・右図柄・中図柄の順で変動を開始してもよい。
ここで、図52は、本実施形態における装飾図柄の図柄属性を示す模式図である。装飾図柄は、数字からなる識別要素と、該識別要素に付された色彩(表示色)との組合せにより形成されている。本実施形態では、識別要素として、「1」~「9」の数字の全9種類が設定されている(すなわち、全9種類の装飾図柄が存在する)。各装飾図柄は図柄列の配列に従って「1」~「9」の順に配置されており、演出表示装置P70上では「1」~「9」の順序(又は「9」~「1」の順序)で各表示領域Z1,Z2,Z3にて巡回表示又はスクロール表示され、「9」のあとは再び「1」に戻る(又は「1」のあとは再び「9」に戻る)ようになっている。この仕様は他の実施形態においても同様である。各装飾図柄は、識別要素に付された色彩の種類により図柄属性が定められている。つまり、複数の装飾図柄が互いに異なる識別要素から構成されていても、同一の色彩が付されることにより、同一の図柄属性にグループ化されることになる。本例では、装飾図柄の色彩として「青色」、「赤色」、「金色」の3種類が設定されている。なお、図面上では、「青色」、「赤色」、「金色」の3種類の装飾図柄の表示態様を、「白抜き」、「斜線」、「塗り潰し」により表現する。具体的に、装飾図柄「2」、「4」、「6」、「8」は青色の図柄属性(青色属性)に分類され、装飾図柄「1」、「3」、「5」、「9」は赤色の図柄属性(赤色属性)に分類され、装飾図柄「7」は金色の図柄属性(金色属性)に分類される。本実施形態では、装飾図柄の図柄属性として、「青色」<「赤色」<「金色」の順に1段階ずつ、出玉獲得の期待度及び確変移行の期待度が高くなる。以下では、便宜上、青色属性の装飾図柄を「青図柄」、赤色属性の装飾図柄を「赤図柄」、金色属性の装飾図柄を「金図柄」とも称する。
予告演出制御手段P226は、変動演出制御手段P224によて決定された変動演出パターンのシナリオに沿って装飾図柄の変動過程の各段階で実行される予告演出の内容を規定した予告演出パターンを抽選により決定する。予告演出パターンには、特定のキャラクタの画像、アニメーションなどを一時的又は段階的に画像表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターン、可動役物を動作させる演出パターン等が含まれる。予告演出は、装飾図柄の変動表示と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する大当り信頼度が高いことを予告的に示唆するものである。予告演出には、装飾図柄の変動表示過程においてリーチ状態が発生する前(リーチ発生時を含む)に実行される予告演出と、リーチ状態が発生した後に実行される予告演出とがある。予告演出はそれぞれ大当り信頼度が異なるものとなっており、基本的には、リーチ発生前に表示される予告演出よりも、リーチ発生後に表示される予告演出の方が相対的に大当り期待度は高くなっている。予告演出制御手段P226は、予告演出パターンを選択する際に参照される予告抽選テーブルを予告演出の種類別に保持しており、変動演出パターンのシナリオに沿って発生する予告演出の種類に応じた予告抽選テーブルを選択するようになっている。なお、具体的な予告演出の種類としては、例えば、コメント予告演出、背景予告演出、SU(ステップアップ)予告演出、ロゴ予告演出、ミニキャラ予告演出、群予告演出、役物予告演出などが用意されている。この予告演出は、基本的には、演出表示装置P70での装飾図柄の変動表示に、1又は複数の予告演出の表示を合成することによって行われる。そのため、同一の変動演出パターンによる装飾図柄の変動表示であっても、1又は複数の予告演出との組み合わせによって多彩な演出態様を発生させることが可能となる。
特別遊技演出制御手段P227は、大当り遊技中であることを報知する大当り中演出の内容(大当り演出パターン)を決定する。大当り中演出は、大当り遊技の開始を報知する大当り開始デモ演出と、ラウンド遊技中であることを報知するラウンド演出と、大当り遊技の終了を報知する大当り終了デモ演出とを含む。特別遊技演出制御手段P227は、主制御基板P100から大当り開始デモコマンドを受信した場合、サブメイン情報記憶手段P260に格納された大当り種別の情報などに基づき、大当り中演出パターン(大当り開始デモ演出パターン、ラウンド演出パターン、大当り終了デモ演出パターン)を決定する。この大当り演出パターンには、大当り開始デモ演出時間と、ラウンド演出時間(大入賞口P54の開放パターンに応じた演出時間)と、大当り終了デモ演出時間とが設定されるとともに、その時間軸に沿って一連の演出内容が設定されている。また、特別遊技演出制御手段P227は、大当り演出パターンに従って、主制御基板P100から大当り開始デモコマンドを受信したことを契機として大当り開始デモ演出を実行し、ラウンド演出指定コマンドを受信したことを契機として各ラウンド演出を実行し、大当り終了デモコマンドを受信したことを契機として大当り終了デモ演出を実行する。大当り開始デモ演出では、例えば画面上に「大当り開始」の文字が表示されて、大当り遊技の開始が告げられる。また、ラウンド演出では、例えば画面上に現在実行中のラウンド数や獲得賞球数が表示されるとともに、大当り遊技を盛り上げる各種画像(アニメーション画像など)が表示される。そして、大当り終了デモ演出では、例えば画面上に「大当り終了」の文字が表示されて、大当り遊技の終了が告げられ、その後に移行する遊技状態(モード)を示す演出が表示される。
以上、演出統括手段P220は、前記決定された演出内容(先読み演出パターン、変動演出パターン、予告演出パターン、停止図柄パターン、大当り演出パターンなど)に基づき画像および音響に関する画像制御コマンドを生成して、これをサブメイン情報記憶手段P260のコマンド格納領域に格納する。
ランプ制御手段P230は、演出統括手段P220にて設定された演出内容に従って演出ランプの点灯や発光色等を制御する。ランプ制御手段P230は、演出ランプLP(枠ランプP10、盤ランプP25)を点灯制御するための複数種のランプデータ(ランプパターンデータ)を保持しており、前記決定した演出パターンに応じたランプデータを読み出して、このランプ制御信号(ランプデータ)をランプ接続基板P91へ送信する。
役物制御手段P240は、演出統括手段P220にて設定された演出内容に従って各可動役物P24の駆動を制御する。役物制御手段P240は、可動役物P24を駆動制御するための複数種の駆動データを保持しており、前記決定した演出パターンに応じた駆動制御信号(駆動データ)をモータドライバP92へ送信する。
エラー演出制御手段P250は、主制御基板P100からエラー演出指定コマンドを受信した場合にエラー演出パターンを決定し、遊技機にエラー状態が発生したことを当該エラー演出パターンに従って報知するように構成されている。
サブメイン情報記憶手段P260は、装飾図柄の情報、変動演出パターンの情報、予告演出パターンの情報、制御コマンドの情報等を一時記憶するように構成されており、各情報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。例えば、コマンド格納領域には、主制御基板P100からの演出制御コマンドを格納するための演出制御コマンドバッファ、画像制御基板P300への画像制御コマンドを格納するための画像制御コマンドバッファ、画像制御基板P300からのACKコマンドを格納するためのACKコマンドバッファを含む。各コマンドバッファはそれぞれリングバッファから構成されており、所定数の演出制御コマンド、画像制御コマンド、ACKコマンドをそれぞれ格納可能である。
コマンド送受信手段P270は、主制御基板P100から送信された演出制御コマンドを受信し、この演出制御コマンドをサブメイン情報記憶手段P260の演出制御コマンドバッファに格納するように構成されている。コマンド送受信手段P270は、主制御基板P100からの前述のストローブ信号の入力に基づき割込みを発生させて演出制御コマンドの受信割込み処理(詳細後述)を実行し、この割込み処理において各種の演出制御コマンドを取得するようになっている。なお、コマンド送受信手段P270は、ストローブ信号を受信した場合には、この演出制御コマンドの受信割込み処理を他の割込み処理(後述する優先レベル7未満の割込み処理)よりも優先的に行うようになっている。
また、コマンド送受信手段P270は、演出統括手段P220にて設定された演出内容(変動演出パターン情報、予告演出パターン情報、装飾図柄情報など)の実行を指示すべく、サブメイン情報記憶手段P260に格納された画像制御コマンドをシリアル通信方式にて画像制御基板P300へ送信する。画像制御コマンドは、原則として、サブメイン情報記憶手段P260のコマンド格納領域にセットされた順番に従って所定の周期(本例では500μs)毎に送信される。これにより、画像制御基板P300は、演出制御基板P200から送信された各種の画像制御コマンドを解析し、変動演出パターンのシナリオに沿って演出表示装置P70に装飾図柄を含む演出画像を変動表示させるとともに、変動表示過程の各段階で図柄変動の演出に重畳させるかたちで予告演出を表示させる。さらに、コマンド送受信手段P270は、画像制御基板P300から送信されたACKコマンドを受信し、このACKコマンドをサブメイン情報記憶手段P260のACKコマンドバッファに格納するようになっている。
[各種の演出] かかる構成のぱちんこ遊技機PMは、前述したとおり、遊技の進行状況等に応じて、各種の遊技演出が演出制御基板P200および画像制御基板P300により制御されて実行されるように構成されている。以下では、各種の遊技演出のうち、大当り中演出の内容について説明する。なお、以下において、「実行を制限する」又は「実行を規制する」とは、例えば、全部を実行しないこと、一部を実行しないこと、表示又は出力の優先度を相対的に低くすることなどを含む概念として用いる。また、以下において、「重複実行する(重複して実行する)」とは、一方の実行期間(又は実行タイミング)と、他方の実行期間(又は実行タイミング)とが重なることであり、両者の実行期間(又は
実行タイミング)の全部が重なる場合と、両者の実行期間(又は実行タイミング)の一部が重なる場合とを含む概念で用いている。
[大当り中演出] 大当り中演出は、前述のとおり、大当り開始デモ演出と、ラウンド演出と、大当り終了デモ演出とを含む。図53は、大当り種別(図柄群の種類)と、大当り図柄組合せ(大当り発生時の装飾図柄の組合せ)と、大当り中演出パターンとの対応関係を示す模式図である。図中(A)は大当り当選時の遊技状態が通常遊技状態である場合に参照され、図中(B)は大当り当選時の遊技状態が時短遊技状態又は確変遊技状態である場合に参照される。図53に示すように、大当り図柄組合せの種類と大当り中演出パターンの種類とは、特別図柄の抽選処理で選択された大当り種別(図柄群)に応じて決定される。本実施形態では、大当り種別が同一である場合でも、大当り当選時の遊技状態に応じて、大当り図柄組合せの種類と大当り中演出パターンの種類とが異なり得るように構成されている。
大当り図柄組合せは、同一の数字(識別要素)の装飾図柄が3つ揃った停止態様の組合せ「*・*・*」から構成される(*:任意の数字の装飾図柄)。大当り図柄組合せは、「1・1・1」、「3・3・3」、「5・5・5」、「7・7・7」、「9・9・9」といった「特定大当り」を示す奇数図柄組合せ(赤図柄組合せ、金図柄組合せ)と、「2・2・2」、「4・4・4」、「6・6・6」、「8・8・8」といった「特定大当り」又は「通常大当り」を示す偶数図柄組合せ(青図柄組合せ)とに区別される。つまり、奇数図柄組合せ(金図柄組合せ、赤図柄組合せ)は、「特定大当り」に当選したことが確定する大当り図柄組合せである一方、偶数図柄組合せ(青図柄組合せ)は、「特定大当り」および「通常大当り」のいずれの大当り種別に当選しているのか不確定な大当り図柄組合せである。
金図柄組合せは、実質ラウンド数が「16ラウンド」であり、且つ、確変遊技状態への移行契機となる「特定大当り」に当選していることを報知する大当り図柄組合せである。すなわち、金図柄組合せは、複数種の大当り種別のうち、遊技者にとって最も有利度合いの高い最有利大当り(16R特定大当り)に当選していることを確定的に報知する大当り図柄組合せである。赤図柄組合せは、実質ラウンド数が「16ラウンド」および「4ラウンド」うちのいずれかであるのか不確定であるが、確変遊技状態への移行契機となる「特定大当り」に当選していることを報知する大当り図柄組合せである。青図柄組合せは、実質ラウンド数が「4ラウンド」であることは確定しているが、確変遊技状態への移行契機となる「特定大当り」に当選しているのか、「時短遊技状態」への移行契機となる「通常大当り」に当選しているのか不確定であることを報知する大当り図柄組合せである。ここで、青図柄組合せであっても、実質ラウンド数が「16ラウンド」となる場合があるようにしてもよい(つまり、実質ラウンド数が「16ラウンド」の確変大当りであっても、青図柄組合せ選択され得るよう構成してもよい)が、赤図柄組合せのほうが実質ラウンド数が「16ラウンド」となる可能性が高いことが好適である。この場合、後述する「喜大当り演出」の1つとして、確変昇格且つラウンド昇格となる「喜大当りC演出」を備えてよい。
本実施形態では、複数種の大当り中演出パターンとして、「超寿大当り演出」、「寿大当りA演出」、「寿大当りB演出」、「喜大当りA演出」、「喜大当りB演出」が設定されている。超寿大当演出は、大当り図柄組合せが「金図柄組合せ」であることに対応して設定される大当り中演出パターン種別である。寿大当りA演出および寿大当りB演出は、大当り図柄組合せが「赤図柄組合せ」であることに対応して設定される大当り中演出パターン種別である。喜大当り演出Aおよび喜大当りB演出は、大当り図柄組合せが「青色図柄組合せ」であることに対応して設定される大当り中演出パターン種別である。すなわち、大当り中演出パターン種別は、大当り図柄組合せの図柄属性(金図柄、赤図柄、青図柄)に応じて設定される。
ここで、図53(A)を参照して、大当り当選時の遊技状態が通常遊技状態である場合に選択される大当り図柄組合せと大当り中演出パターンについて説明する。まず、第1特別図柄の「4R特定大当り」に当選した場合、大当り図柄組合せとして「赤図柄組合せ」又は「青図柄組合せ」が選択される。例えば、大当り図柄組合せとして、赤図柄組合せが80%の確率で選択され、青図柄組合せが20%の確率で選択される。このとき、大当り図柄組合せとして「赤図柄組合せ」が選択された場合には、それに対応する大当り中演出パターンとして「寿大当りA演出」が選択され、大当り図柄組合せとして「青図柄組合せ」が選択された場合には、それに対応する大当り中演出パターンとして「喜大当りB演出」が選択される。また、第1特別図柄の「4R通常大当り」に当選した場合、大当り図柄として「青図柄組合せ」が選択され、それに対応する大当り中演出パターンとして「喜大当りA演出」が選択される。また、第2特別図柄の「16R特定大当り」に当選した場合、大当り図柄として「金図柄組合せ」が選択され、それに対応する大当り中演出パターンとして「超寿大当り演出」が選択される。また、第2特別図柄の「4R特定大当り」に当選した場合、大当り図柄組合せとして「赤図柄組合せ」が選択され、それに対応する大当り中演出パターンとして「寿大当りA演出」が選択される。また、第2特別図柄の「4R通常大当り」に当選した場合、大当り図柄として「青図柄組合せ」が選択され、それに対応する大当り中演出パターンとして「喜大当りA演出」が選択される。
続いて、図53(B)を参照して、大当り当選時の遊技状態が時短遊技状態又は確変遊技状態である場合に選択される大当り図柄組合せと大当り中演出パターンについて説明する。第1特別図柄の「4R特定大当り」に当選した場合、大当り図柄組合せとして「赤図柄組合せ」が選択され、それに対応する大当り中演出パターンとして「寿大当りA演出」が選択される。また、第1特別図柄の「4R通常大当り」に当選した場合、大当り図柄組合せとして「青図柄組合せ」が選択され、それに対応する大当り中演出パターンとして「喜大当りA演出」が選択される。また、第2特別図柄の「16R特定大当り」に当選した場合、大当り図柄組合せとして「金図柄組合せ」又は「赤図柄組合せ」が選択される。例えば、大当り図柄組合せとして、金図柄組合せが80%の確率で選択され、赤図柄組合せが20%の確率で選択される。このとき、大当り図柄組合せとして「金図柄組合せ」が選択された場合には、それに対応する大当り中演出パターンとして「超寿大当り演出」が選択され、大当り図柄組合せとして「赤図柄組合せ」が選択された場合には、それに対応する大当り中演出パターンとして「寿大当りB演出」が選択される。第2特別図柄の「4R特定大当り」に当選した場合、大当り図柄組合せとして「赤図柄組合せ」又は「青図柄組合せ」が選択される。例えば、大当り図柄組合せとして、赤図柄組合せが80%の確率で選択され、青図柄組合せが20%の確率で選択される。このとき、大当り図柄組合せとして「赤図柄組合せ」が選択された場合には、それに対応する大当り中演出パターンとして「寿大当りA演出」が選択され、大当り図柄組合せとして「青図柄組合せ」が選択された場合には、それに対応する大当り中演出パターンとして「喜大当りB演出」が選択される。また、第2特別図柄の「4R通常大当り」に当選した場合、大当り図柄として「青図柄組合せ」が選択され、それに対応する大当り中演出パターンとして「喜大当りA演出」が選択される。
超寿大当り演出は、複数種の大当り種別のうち、遊技者にとって最も有利度合いの高い最有利大当り(16R特定大当り)に当選していることを確定的に報知する大当り演出パターンである。
寿大当りA演出および寿大当りB演出は、確変遊技状態への移行契機となる「特定大当り」種別に当選していることが確定しているが、所定回数目のラウンド(4ラウンド)に達するまでは、実質ラウンド数が「16ラウンド」および「4ラウンド」うちのいずれかであるのか不確定のままで演出が進展する大当り中演出パターンである。ここで、寿大当りA演出は、所定回数目のラウンド(4ラウンド目)に達したとしても、昇格演出(ラウンド昇格演出)が行われず、今回の大当り遊技の規定ラウンド数が「4ラウンド」であることが確定する。一方、寿大当りB演出は、所定回数目のラウンド(4ラウンド目)に達すると、昇格演出(ラウンド昇格演出)が発生して、今回の大当り遊技の規定ラウンド数が「16ラウンド」であること(規定ラウンド数が「16ラウンド」に昇格したこと)が確定する。
喜大当りA演出および喜大当りB演出は、実質ラウンド数が「4ラウンド」であることは確定しているが、大当り終了デモに達するまでは、確変遊技状態への移行契機となる「特定大当り」に当選しているのか、時短遊技状態への移行契機となる「通常大当り」に当選しているのか不確定のままで演出が進展する大当り中演出パターンである。ここで、喜大当りA演出は、大当り終了デモに達したとしても、昇格演出(確変昇格演出)が行われず、今回の大当り種別が「通常大当り」であること(今回の大当り遊技の終了後に時短遊技状態に移行すること)が確定する。一方、喜大当りB演出は、大当り終了デモに達すると、昇格演出(確変昇格演出)が発生して、今回の大当り種別が「特定大当り」であること(今回の大当り遊技の終了後に確変遊技状態に移行すること)が確定する。また、図53では、大当り当選時の遊技状態に応じて、大当り種別と大当り中演出パターンとの対応関係を異ならせたが、大当り当選時の遊技状態問わず、図53(B)のような対応関係としてもよい。また、第1特別図柄にも16R特定大当りを設けてもよく、その場合、第1特別図柄の大当り時であっても、超寿大当り演出や寿大当りB演出を実行してもよい。なお、昇格演出(ラウンド昇格演出、確変昇格演出)の詳細な内容については後述する。
次に、各大当り中演出パターンの内容について説明する。図54~図58は、大当り中演出パターンの内容を示す模式図である。図中には、大当り中演出パターンごとに、大当り遊技中に発生する個別演出の種類と発生タイミングとの対応関係が定められている。なお、図中には、説明の理解を容易にするため、大入賞口P54の開放態様を付記している。但し、本実施形態では、大入賞口P54の開放態様として、大入賞口P54の開放時間(最大開放時間)が規定カウント数(フルカウント)の遊技球を入球可能又は入球容易な開放時間に設定された「長開放」のみを用意しているが、この構成に限定されるものではなく、大入賞口P54の開放時間(最大開放時間)が規定カウント数(フルカウント)の遊技球を入球不能又は入球困難な開放時間に設定された「短開放」を用意してもよい。
まず、大当り開始デモの実行中は、大当り中演出の種別(超寿大当り演出、寿大当り演出、喜大当り演出)を示唆する画面が表示され、遊技者に対していずれの大当り中演出が開始されるのかが示唆される。本実施形態では、大当り開始デモの実行時間は、全ての大当りに共通して「5秒」に設定されている。
各ラウンド遊技の実行中は、大当り中演出の種別(超寿大当り演出、寿大当り演出、喜大当り演出)に応じたラウンド演出画面が表示される。すなわち、大当り中演出パターンが超寿大当り演出である場合には超寿大当りラウンド画面、寿大当りA演出A又は寿大当りB演出である場合には寿大当りラウンド画面、喜大当りA演出又は喜大当りB演出である場合には喜大当りラウンド画面が表示される。但し、所定のラウンド遊技にて後述のラウンド昇格演出が発生した場合は、この大当り中演出の種別が昇格して、ランクの低い種別のラウンド演出画面からランクの高い種別のラウンド演出画面に切り替わるようになっている。
なお、各ラウンド遊技の終了後には、各ラウンド遊技の終了が設定されてから次のラウンド遊技又は大当り終了デモの設定が開始されるまでの休止時間(大入賞口P54の閉鎖時間)であるインターバル期間が設定されている。そのため、特別遊技は「大当り開始デモ」→「ラウンド遊技」→「インターバル期間」→「ラウンド遊技」→「インターバル期間」→・・・→「ラウンド遊技」→「インターバル期間」→「大当り終了デモ」といった流れで展開される。本実施形態では、インターバル時間(インターバル期間)は、全ての大当りに共通して「2秒」に設定されている。このインターバル時間の詳細については後述する。
大当り終了デモの実行中は、現在実行中の大当り遊技の終了後に移行される演出モード(遊技状態)の内容が示唆され、遊技者に対していずれの演出モードに突入又は継続されるのかが示唆される。また、この大当り終了デモ期間に、後述の確変昇格演出又は保留連示唆演出が行われる場合がある。なお、この大当り終了デモ期間に行われる保留連示唆演出には、後述の変形例においてオーバー入賞又はオマケ入賞が発生することを契機として行われる保留連示唆演出(オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出との兼用演出)は含まれない。つまり、後述の変形例に係る保留連示唆演出は、大当り終了デモ期間に行われる演出ではなく、インターバル期間に行われる演出である。なお、本実施形態の確変昇格演出および保留連示唆演出の詳細については後述する。本実施形態では、大当り終了デモの実行時間は、全ての大当りに共通して「20秒」に設定されている。なお、大当り開始デモと大当り終了デモについては、前述したように、初当り時の大当り遊技(つまり、低確率低ベース状態からの大当り)であるか、連荘中の大当り遊技(つまり、高確率高ベース状態または低確率高ベース状態からの大当り)であるかに応じて、各デモ時間が異なるように構成してもよい。具体的には、初当り時の大当り遊技である場合よりも、連荘中の大当り遊技である場合の方が、大当り前後における遊技の処理を迅速に進めるため(連荘中の遊技を迅速に進めるため)、各デモ時間が相対的に短時間に設定されていてもよい。また、前述したように、初当り時の大当り遊技でプリペイドカード取り忘れに関する注意喚起を行う演出を行う場合には、相対的に長時間に設定された大当り終了デモ期間内に行うのが好適であり、連荘中の大当り遊技でプリペイドカード取り忘れに関する注意喚起を行う演出を行う場合には、相対的に短時間に設定された大当り終了デモ期間ではなく、ラウンド遊技の実行期間に行うことが好適である。また、保留連示唆演出については、初当り時の大当り遊技(つまり、低確率低ベース状態からの大当り)では、保留内に大当り保留があっても実行しないもしくは実行確率を低くすることが好適であり、連荘中の大当り遊技(つまり、高確率高ベース状態または低確率高ベース状態からの大当り)では、保留内に大当り保留があっても実行しないもしくは実行確率を高くすることが好適である。更に、保留連示唆演出は、16R特定大当りに対応する特別遊技の実行中に行われることが好適であり、また、保留内の大当り保留が16R特定大当りに対応する大当り保留である場合に実行することが好適である(つまり、保留連示唆演出が表示される大当りおよび保留連示唆演出の実行契機となる保留内の大当り保留は、16R特定大当りのみが対象であり、4R特定/通常大当りは対象とならないようにすることが好適である)。
ここで、図59は、ラウンド遊技中の基本画面(ラウンド演出画面)を示す模式図である。図示省略するが、画面の中央領域には、大当り遊技を盛り上げるため、大当り中演出パターンの種類に応じた各種画像(アニメーション画像など)が表示される。
画面のラウンド表示領域P730には、現在実行中のラウンド遊技が何回目のラウンド遊技であるのかを示すラウンド数(図示例では第3ラウンド目)が表示される。例えば、現在実行中のラウンド遊技が1回目のラウンド遊技(第1ラウンド目)である場合はラウンド表示領域に「ROUND1」が表示され、現在実行中のラウンド遊技が2回目のラウンド遊技(第2ラウンド目)である場合はラウンド表示領域に「ROUND2」が表示され、その後においても、ラウンド遊技が行われるたびに、ラウンド表示領域P730に「ROUND3」、「ROUND4」・・・が表示されていく。
画面の右打ち表示領域P731には、遊技球を右側領域PA2に向けて発射すべきこと(右打ち)を遊技者に促す右打ち画像(発射指示演出とも称する)が表示される。なお、右打ちすべき状況(大当り中)であるにもかかわらず、これに反して、遊技球が左側領域PA1を流下して一般入賞口P61~P63に入球した場合、もしくは、第1始動口P51に入球した場合、すなわち、遊技球が左側領域PA1へ向けて発射された場合は、遊技者が左打ちすることのないよう注意を喚起する演出(注意報知演出)が実行されるようにしてもよい。注意報知演出では、右打ちを指示するメッセージが画面上に表示される、或いは、演出ランプLPが特殊な発光態様で点灯(例えば高輝度で高速又は瞬間的に点滅)することで、遊技球を右側領域PA2へ向けて発射すべきこと(右打ち)が遊技者に報知される。なお、注意報知演出として、例えばスピーカP11から「右打ちして下さい」という音声(右打ち指示音声)を出力させてもよい。この注意報知演出については、遊技者が明確に視認できるよう、目立つ位置(例えば、中央の表示領域)や大きさ(例えば、演出表示装置P70の表示領域の大半を占めるなど)であることが望ましく、右打ち画像や、後述する賞球獲得表示領域P732における表示内容、累積賞球数表示領域P733における表示内容、強調演出、そしてラウンド表示領域P730の表示内容が表示されている状況であっても表示され得るように構成することが好適である。但し、右打ち画像についても遊技者に明確に伝えるべき情報(適切な発射位置に関する情報)であるため、右打ち画像と注意報知演出とは重畳表示されないよう、それぞれ異なる表示領域に表示することが適切である。一方、注意報知演出の視認性を阻害しないように、後述する賞球獲得表示領域P732における表示内容や、累積賞球数表示領域P733における表示内容、強調演出、そしてラウンド表示領域P730の表示内容よりも表示優先度が高い(つまり、重畳表示し得る一方で、その場合は注意報知演出のほうが前面にて表示される)よう構成することが望ましい。この発射指示演出については、大当り中に一般入賞口P61~P63に入球した場合、もしくは、第1始動口P51に入球した場合を表示条件として表示されるが、表示時間は10秒と設定されている。但し、この表示時間10秒が経過するまでに、再度表示条件充足した場合、そこから再度10秒が表示時間としてセットされる(つまり、表示時間が延長される)。また、右打ち画像および注意報知演出については、大当り中だけでなく、高確率高ベース状態や低確率高ベース状態といった高ベース状態においても表示することが好適であり、右打ち画像は大当り中から高ベース状態に亘って継続表示され、注意報知演出は大当り終了まで10秒未満の際に表示された場合(例として、大当り終了デモの終了5秒前など)は、大当り中から高ベース状態に亘って継続表示されるように構成することが望ましい。
画面の賞球獲得表示領域P732には、所定の入賞(後述のオーバー入賞やオマケ入賞)が発生した場合に、該入賞が発生したことを報知すべく、該入賞に基づき付与される賞球数(単位賞球数)が表示される。この賞球獲得表示領域P732は、オーバー入賞が発生したときに該オーバー入賞により獲得する賞球数(大入賞口P54に遊技球が1個入賞した場合に獲得する単位賞球数)が表示される第1賞球獲得表示領域P732Aと、オマケ入賞が発生したときに該オマケ入賞により獲得する賞球数(一般入賞口P64に遊技球が1個入賞した場合に獲得する単位賞球数)が表示される第2賞球獲得表示領域P732Bとを含む。例えば、オーバー入賞が発生した場合には、大入賞口P54の単位賞球数(15個)に対応する「+15pt」が表示され、オマケ入賞が発生した場合には、一般入賞口P64の単位賞球数(3個)に対応する「+3pt」が表示される。また、変形例として、第1賞球獲得表示領域P732Aと第2賞球獲得表示領域P732Bとを離した位置としてもよい。
画面の累積賞球数表示領域P733には、連荘中の大当り遊技において遊技球が大入賞口P54又は一般入賞口P64に入球したことに基づき現時点までに獲得した賞球数の累積値(「累積賞球数」と呼称する)が表示される。「連荘」とは、非特定遊技状態から特定遊技状態への移行契機となる初当りの発生後、非特定遊技状態に戻ることなく、特定遊技状態が継続している状態(初当り時を起点とし、その後、特定遊技状態での大当りが連続して発生している状態)のことである。また、「特定遊技状態」とは、通常遊技状態(低確率低ベース状態)よりも、特別遊技への移行確率が高められた遊技状態であり、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能、電チューサポート機能のうちの少なくとも一の機能が作動した状態(高確率高ベース状態、低確率高ベース状態、高確率低ベース状態の少なくともいずれか)のことである。本実施形態では、少なくとも電チューサポート機能が作動している遊技状態(高ベース状態)が「特定遊技状態」に該当する。なお、この累積賞球数には、初当りが発生したときの特別遊技にて大入賞口P54又は一般入賞口P64への遊技球の入球により獲得した賞球数も含まれる。なお、この累積賞球数は、後述のオーバー入賞により付与される賞球数を含むものであってもよいし、当該オーバー入賞により付与される賞球数を含まないものであってもよい。また、この累積賞球数には、後述のオマケ入賞により付与される賞球数を含むものであってもよいし、当該オマケ入賞により付与される賞球数を含まないものであってもよい。後述するオーバー入賞演出は、大当り中だからこそ実行される(大入賞口P54が開放可能で入球可能な状況であるため実行可能である)ものであるが、一般入賞口P64については、大当り中であるか否かにかかわらず入球可能である。しかし、後述するオマケ入賞演出についても、大当り中のみ実行するように構成されている。オマケ入賞について、大当り中であれば、オマケ入賞演出を実行するが、低確率低ベース状態であれば、オマケ入賞とは異なる特殊演出(例として、「今はここに入れないで!」という台詞表示およびサウンドが発生する特殊演出、但し、1個の入球ではなく所定時間内(例として5秒内)に3個入球した場合などに発生させてもよい)が実行され、高確率高ベース状態や低確率高ベース状態であれば、オマケ入賞演出も特殊演出も実行しない(その際は、何も実行しなくてもいいが、その他演出として、演出表示装置P70の枠周辺に赤い炎が一瞬発生する程度の演出を実行してもよい)。
なお、この累積賞球数の他に、又は、累積賞球数の代わりに、現在実行中の1回の大当り遊技において遊技球が大入賞口P54又は一般入賞口P64に入球することに基づき現時点までに獲得した賞球数の累積値(「大当り中賞球数」と呼称する)を表示してもよい。大当り中賞球数は、1回の大当り遊技の実行中に現実に遊技者が獲得できた賞球数であるため、基本的には、大当り種別に応じて設定される獲得可能賞球数(理論上の期待賞球数)より少なくなることはあるが、獲得可能賞球数を超えることはない。但し、後述のオーバー入賞が発生した場合には、大当り中賞球数が、大当り種別に応じて設定される獲得可能賞球数(理論上の期待賞球数)を超える場合がある。
また、図示省略するが、連荘中は、特定遊技状態において大当りが連続する回数、または、その回数に初当りを含めた回数(1回を加算した回数)である連荘回数を表示してもよい。例としては、初当り後、特定遊技状態にて3回大当りした場合は
、大当り中に「3連荘目」または「4連荘目」といった表示を行ってもよい。また、特別遊技の各ラウンドにおいて、擬似的な装飾図柄(以下、「擬似装飾図柄」と称する)を変動表示及び停止表示(仮停止表示、確定停止表示)させてもよい。この擬似装飾図柄は、非特別遊技中に変動表示される通常の装飾図柄とは異なる図柄態様(大当り中専用の図柄)であることが好適である。具体的には、非特別遊技中に変動表示される装飾図柄が絵柄(キャラクタ)と数字で構成されているのであれば、特別遊技中では数字のみの装飾図柄となり、その大きさも縮小されている、もしくは、非特別遊技中に変動表示される装飾図柄が数字のみで構成されているのであれば、特別遊技中では同じ数字のみの装飾図柄であるがその大きさが縮小されている。更に、大当り時に「7・7・7」などのゾロ目が揃った場合、どの装飾図柄で大当りしたかさえ認識できればよいため、特別遊技中には「7・7・7」が表示されているわけではなく、「7」のみ(3つの装飾図柄である装飾図柄組合せではなく、1つの装飾図柄のみ)が表示されればよい。また、大当り遊技(ラウンド遊技)の実行中は、本実施形態の特徴的な演出である「入賞関連演出」が実行される。
[入賞関連演出] 次に、本実施形態の入賞関連演出について説明する。図18は、本実施形態の入賞関連演出の構成を説明するための概念図である。入賞関連演出は、大当り遊技の実行中に遊技球が特定の入賞口(大入賞口P54又は一般入賞口P64)に入球したことに基づき実行される演出である。この入賞関連演出は、(A)大入賞口入賞演出と、(B)一般入賞口入賞演出とを含む。
<A.大入賞口入賞演出> 大入賞口入賞演出は、特別遊技の実行中に遊技球が大入賞口P54に入賞したことを契機として実行される演出である。大入賞口入賞演出は、大入賞口通常入賞演出と、大入賞口オーバー入賞演出と、大入賞口カウントアップ演出とを含む。なお、以下では、特段の場合を除き、(ア)遊技球が大入賞口P54に入賞することと、(イ)遊技球が大入賞口P54に入球することと、(ウ)遊技球が大入賞口スイッチP541に検出されることと、(エ)主制御基板P100から大入賞口入賞コマンドを受信することと、を同義の意味で使用する。
≪A-1.大入賞口通常入賞演出≫ 大入賞口通常入賞演出は、大入賞口P54への規定カウント数内の遊技球の入賞を対象として、遊技球が大入賞口P54に入賞したことを報知する演出である。つまり、大入賞口通常入賞演出は、1回のラウンド遊技における大入賞口P54への遊技球の入賞数が規定カウント数に到達するまで、遊技球が大入賞口P54に入賞するごとに行われる演出となる。本実施形態では、大入賞口通常入賞演出の具体例を特に明示しないが、演出表示装置P70、スピーカP11、演出ランプLP、可動役物P24などの複数の演出手段のうちの少なくとも1つを用いた大入賞口通常入賞演出が行われる。一例として、(1)1回の単位遊技における規定カウント数に対応したオブジェクトを表示し(例えば、宝箱表示を規定カウント数分、1回の単位遊技内で表示し)、大入賞口P54へ遊技球が入球するごとに、そのオブジェクトが削除されていく演出表示装置P70での演出、(2)大入賞口P54へ遊技球が入球するごとに、「チャリーン」というサウンドが出力されるスピーカP11での演出、(3)大入賞口P54へ遊技球が入球するごとに、ランプが2回点滅する演出ランプLPでの演出などが挙げられる。なお、本実施形態の変形例として、大入賞口通常入賞演出を設けることなく、規定カウント数までの大入賞口P54への遊技球の入賞に対しては後述の大入賞口カウントアップ演出のみが行われるように構成してもよい。
≪A-2.大入賞口オーバー入賞演出≫ 大入賞口オーバー入賞演出(「オーバー入賞演出」とも呼称する)は、大入賞口P54への規定カウント数を超過する遊技球の入賞(オーバー入賞)を対象として、遊技球が大入賞口P54に入賞したことを示唆又は報知する演出である。「オーバー入賞」とは、1回のラウンド遊技の実行中に規定カウント数を超過する遊技球(本実施形態では11個目以降の遊技球)が大入賞口スイッチP541にて検出されることをいう。本実施形態では、詳細後述するが、大入賞口スイッチP541の有効検出期間は、各ラウンド遊技が終了した後の検出猶予期間(本実施形態ではインターバル期間と同じ期間とするが、インターバル期間と検出猶予期間とを異なる期間としてもよく、一例としては、各ラウンド遊技の間又は最終回のラウンド遊技と大当り終了デモとの間に設定される待機時間であり大入賞口P54の閉鎖動作開始から閉鎖が維持されている期間であるラウンド遊技待ち時間(単位遊技待ち時間)又は終了デモ待ち時間であるインターバル期間を2秒と設定した場合、検出猶予期間は、各ラウンド遊技の間又は最終回のラウンド遊技と大当り終了デモとの間に設定される期間であり大入賞口P54が閉鎖動作を開始した以降の遊技球の入球(規定カウント数を超過した遊技球の入球など)を検知可能とする期間である検出猶予期間については、インターバル期間と少なくとも一部が重複する期間としつつ、大入賞口P54が閉鎖動作を開始してから1秒と設定してもよく、また、3秒と設定してもよい)が経過するまでの間に亘り設定されており、このインターバル期間内(検出猶予期間内)においてオーバー入賞が発生し得ることになる。オーバー入賞の一例としては、10カウント目の遊技球が大入賞口P54に入球して大入賞口スイッチP541に検出されることで大入賞口P54の閉鎖動作が開始された場合に、この大入賞口P54が閉鎖される前に後続の遊技球(11カウント目以降の遊技球)が大入賞口P54に入球している状況であれば、この後続の遊技球(11カウント目以降の遊技球)が大入賞口スイッチP541にインターバル期間内(検出猶予期間内)で検出されることでオーバー入賞が発生する。
オーバー入賞演出の種類には、オーバー入賞画像表示演出と、オーバー入賞音出力演出とがある。図61は、本実施形態のオーバー入賞演出の演出例を示す模式図である。なお、オーバー入賞演出の演出態様は、上述の大入賞口通常入賞演出の演出態様とは異なることが好適である。また、変形例としては、オーバー入賞に関する演出として、オーバー入賞画像のみを搭載(オーバー入賞音を非搭載)とする、もしくは、オーバー入賞音のみを搭載(オーバー入賞画像を非搭載)としてもよい。
オーバー入賞画像表示演出は、オーバー入賞が発生したことを示唆する画像(「オーバー入賞画像」と呼称する)を表示する演出である。本実施形態では、図61に示すように、画面の賞球獲得表示領域P732に、オーバー入賞画像として「+15pt」という文字のオーバー入賞画像が表示され、オーバー入賞の発生に基づき「15個」の賞球を獲得したことが示唆される。それにより、オーバー入賞が発生したことを遊技者は直感的に理解することができる。
オーバー入賞音出力演出は、オーバー入賞が発生したことを示唆する音声(「オーバー入賞音」)をスピーカP11から出力する演出である。本実施形態では、図61に示すように、スピーカP11から「やったね」という効果音(キャラクタの音声)が出力されることで、オーバー入賞が発生したことを示唆される。
なお、本実施形態の変形例として、オーバー入賞演出の演出パターンを複数設けてもよい。すなわち、複数種のオーバー入賞画像又は複数種のオーバー入賞音を用意して、オーバー入賞が発生したときの演出抽選によって、いずれかのオーバー入賞画像およびオーバー入賞音を選択するように構成してもよい。なお、その場合には、オーバー入賞画像又はオーバー入賞音の種類に応じて、保留連示唆、確変示唆、ラウンド数示唆などを行うようにしてもよい。一例としては、オーバー入賞画像としては「+15pt」の1種類のみである一方、オーバー入賞音については「やったね」以外に「いいぞ」や「その調子」、「おめでとう」といったものがあり、その中でも「おめでとう」というオーバー入賞音が発生した場合には、(1)その演出が保留連示唆の役割も兼ねる、(2)現在実行されている大当りが確変大当りである旨を示唆する役割を兼ねる、(3)現在実行されている大当りが4R大当りではなく16R大当りである旨を示唆する役割を兼ねてもよい。
より具体的には、本実施形態の変形例として、複数種のオーバー入賞音を設定して、オーバー入賞が発生したことに加えて、オーバー入賞音の種類に応じて保留内連荘が発生している可能性を示唆する構成を採用してもよい(つまり、オーバー入賞演出と保留連示唆演出とを兼用する)。ここで、「保留内連荘」とは、或る先行の作動保留球が消化されることで行われた特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合に、この先行の作動保留球に係る特別図柄の当否判定が許可されてから当該大当りを契機として実行される特別遊技の終了時までの間の所定タイミングにおいて存在する一以上の後続の作動保留球内に、大当りとなることが予定される作動保留球(「大当り保留」とも称する)が含まれていることをいう。本変形例では、複数種のオーバー入賞音として、オーバー入賞音A(「やったね」という音声)と、オーバー入賞音B(「おめでとう」という音声)とを用意する。そして、オーバー入賞の発生時に大当り保留が存在しない場合(保留内連荘が成立していない場合)、オーバー入賞音Aの選択率は「100%」、オーバー入賞音Bの選択率は「0%」となる。一方、オーバー入賞の発生時に大当り保留が存在する場合(保留内連荘が成立している場合)、オーバー入賞音Aの選択率は「0%」、オーバー入賞音Bの選択率は「100%」となる。つまり、オーバー入賞音Aは、オーバー入賞が発生し、且つ、保留内連荘が成立していないことを示唆する通常態様の音声となる。オーバー入賞音Bは、オーバー入賞が発生し、且つ、保留内連荘が成立していることを示唆する特殊態様の音声となる。なお、オーバー入賞音A,Bの選択率は適宜に設定してもよく、例えば、オーバー入賞の発生時に大当り保留が存在する場合(保留内連荘が成立している場合)、オーバー入賞音Aの選択率は「80%」、オーバー入賞音Bの選択率は「20%」としてもよい。また、上記変形例では、保留連示唆演出をオーバー入賞音出力演出に適用した場合を例示して説明したが、保留連示唆演出をオーバー入賞画像表示演出に適用してもよい(例えば、オーバー入賞画像表示演出として「+15pt」が黒文字で表示されている場合は、保留内連荘が成立していない又は成立している可能性が低いが、金文字で表示されている場合は、保留内連荘が成立している又は成立している可能性が高い仕様としてよい)。また、上記変形例については、保留連示唆としてのオーバー入賞音Bについて説明したが、オーバー入賞音Bについては、確変示唆やラウンド数示唆の役割を持たせる仕様としてもよく、その場合、現在実行されている大当りが通常大当りであるか特定大当り(確変大当り)であるかに応じて、オーバー入賞音AおよびBの選択率を、通常大当りの場合、オーバー入賞音Aの選択率は「100%」、オーバー入賞音Bの選択率は「0%」となる一方、特定大当り(確変大当り)の場合、オーバー入賞音Aの選択率は「0%」、オーバー入賞音Bの選択率は「100%」、または、オーバー入賞音Aの選択率は「80%」、オーバー入賞音Bの選択率は「20%」としてもよく、現在実行されている大当りが4R大当りなのか16R大当りなのかに応じて、オーバー入賞音AおよびBの選択率を、4R大当りの場合、オーバー入賞音Aの選択率は「100%」、オーバー入賞音Bの選択率は「0%」となる一方、16R大当りの場合、オーバー入賞音Aの選択率は「0%」、オーバー入賞音Bの選択率は「100%」、または、オーバー入賞音Aの選択率は「80%」、オーバー入賞音Bの選択率は「20%」としてもよい。
また、本実施形態では、第1特別図柄の作動保留球よりも
第2特別図柄の作動保留球を優先的に消化する「特図2優先消化方式」を採用しており、保留内連荘の対象となる作動保留球として、第2特別図柄の作動保留球のみを対象としてもよい。また、特別遊技の実行契機となる大当り発生時の遊技状態が特定遊技状態(高ベース状態)であり、且つ、特別遊技の終了後の遊技状態も特定遊技状態(高ベース状態)となる場合に、該特別遊技の実行中に発生したオーバー入賞を契機として保留連示唆演出を実行するようにしてもよい。また、先行の作動保留球が高利益大当り(16R大当り)となることを前提とし、後続の作動保留球内に高利益大当り(16R大当り)となる特定保留が最先の特定保留として含まれる場合に、該特別遊技の実行中に発生したオーバー入賞を契機として保留連示唆演出を実行するようにしてもよい。換言すれば、後続の作動保留内に大当り保留が存在していても、大当り保留(大当り保留が複数ある場合には最先の大当り保留)に係る大当り種別が低利益大当りである場合は、保留荘示唆演出を実行しないように構成してもよい。つまり、特別遊技の実行中に保留連示唆演出が発生した場合、高利益大当り(16R大当り)で保留内連荘することが確定的となる。
また、本実施形態の変形例として、オーバー入賞演出により、オーバー入賞が発生したことに加えて、確変大当りに当選している可能性を示唆してもよい。つまり、オーバー入賞演出と確変示唆演出とを兼用させてもよい。確変示唆演出とは、現在実行中の特別遊技の実行契機となった大当りの種別が特定大当り(確変大当り)であること、すなわち、特別遊技の終了後に確変遊技状態に移行することを示唆する演出である。本変形例では、例えば、複数種のオーバー入賞音A~Cが設定され、今回当選した大当り種別が通常大当りである場合には、オーバー入賞音Aの選択率は「70%」、オーバー入賞音Bの選択率は「30%」、オーバー入賞音Cの選択率は「0%」となる。また、今回当選した大当り種別が特定大当りである場合には、オーバー入賞音Aの選択率は「10%」、オーバー入賞音Bの選択率は「30%」、オーバー入賞音Cの選択率は「60%」となる。つまり、「オーバー入賞音A」<「オーバー入賞音B」<「オーバー入賞音C」という順に、確変期待度(確変遊技状態への移行期待度)が1段階ずつ高くなる。なお、更なる変形例として、オーバー入賞音により確変期待度ではなく、特別遊技の終了後に付与される電サポ回数を示唆するように構成してもよい。
≪A-3.大入賞口カウントアップ演出≫ 大入賞口カウントアップ演出は、連荘中の特別遊技の実行中において遊技球が大入賞口P54に入球した場合に、累積賞球数表示領域P733に表示された累積賞球数の値に、該大入賞口への遊技球の入球に基づき払い出される賞球数(単位賞球数)の値を加算表示する演出である。本実施形態では、遊技球が大入賞口P54に1個入球することで「15個」の賞球が払い出される仕様(大入賞口P54の単位賞球数が15個)であるため、遊技球が大入賞口P54に入球した場合には、累積賞球数表示領域P733に表示された累積賞球数の値は「15個」単位で更新される。また、特別遊技演出制御手段P227には、累積賞球数を計数するための累積賞球数カウンタが備えられており、大入賞口P54に遊技球が入球する毎に(主制御基板P100から大入賞口入賞コマンドを受信する毎に)、累積賞球数カウンタのカウント値に大入賞口P54の単位賞球数である「15」が加算され、それに応じて累積賞球数表示領域P733に表示された累積賞球数の値に「15」が加算表示される大入賞口カウントアップ演出が行われる。この大入賞口カウントアップ演出は、大入賞口P54への遊技球の入球が規定カウント数以内の入球であるか、規定カウント数を超過する入球であるかに関わらず実行される演出である。
図62は、大入賞口カウントアップ演出の連出例を示す模式図である。大入賞口カウントアップ演出は、図62に示すように、大入賞口P54への遊技球の入球があった場合に、累積賞球数表示領域P733に表示された累積賞球数に、この大入賞口P54への遊技球の入球に基づき付与される賞球数が、「1」ずつカウントアップ形式で順に加算表示される演出である。図示例では、累積賞球数が「7000」→「7001」→・・・→「7014」→「7015」といったように1つずつカウントアップ表示されている。なお、図62はオーバー入賞が発生したときの大入賞口カウントアップ演出の流れを示しており、図中の(A)にてオーバー入賞演出が行われた後に、図中の(B)~(E)にて大入賞口カウントアップ演出が行われている。図62ではオーバー入賞演出が行われた場合の大入賞口カウントアップ演出について示したが、オーバー入賞時だけでなく、規定カウント数以内の遊技球の入球についても同様に大入賞口カウントアップ演出がなされる。また、規定カウント数以内の遊技球の入球に対応した大入賞口カウントアップ演出(特に、規定カウント数目である10カウント目に対応した大入賞口カウントアップ演出)が行われている最中であり未だ15球分のカウント分のカウントアップが完了していないときに、オーバー入賞が発生すると、未だ15球分のカウントアップが完了していない大入賞口カウントアップ演出のカウントアップが全て完了してから(15球分のカウントが行われてから)、該オーバー入賞に対応した大入賞口カウントアップ演出が開始されるよう構成されることが望ましい。ここで、該オーバー入賞がインターバル期間(検出猶予期間)の終了間際でに検知された場合は、該オーバー入賞に対応した大入賞口カウントアップ演出自体は次のラウンド(インターバル期間経過後に開始される次のラウンド)の実行期間と重複することになるが、該次のラウンド(インターバル期間経過後に開始される次のラウンド)の実行中に行われる該オーバー入賞に対応した大入賞口カウントアップ演出の実行中に大入賞口P54に入球があっても、その入球タイミングが該オーバー入賞に対応した大入賞口カウントアップ演出が行われている最中であり未だ15球分のカウントアップが完了していないときには、未だ15球分のカウントアップが完了していない大入賞口カウントアップ演出のカウントアップが全て完了してから(15球分のカウントが行われてから)、次のラウンドにおける大入賞口P54の入賞に対応した大入賞口カウントアップ演出が開始されるよう構成されることが望ましい。
なお、本実施形態の変形例として、特別遊技の実行中にオーバー入賞が発生した場合に、オーバー入賞演出を実行する一方で、該オーバー入賞に基づき付与される賞球数を累積賞球数に加算表示しないように構成してもよい。つまり、累積賞球数には、大入賞口P54への規定カウント数以内の遊技球の入球に基づき付与される賞球数を加算表示の対象とし、大入賞口P54への規定カウント数を超過する遊技球の入球に基づき付与される賞球数を加算表示の対象としないように構成してもよい。
また、本実施形態の変形例として、初当りが発生する(通常遊技状態において第1特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる)ことで行われる特別遊技の実行中は、規定カウント数を超過するオーバー入賞が発生したとしても、オーバー入賞演出を実行しないように構成してもよい。また、特別遊技の種類として、高利益特別遊技(例えば16R特別遊技)と低利益特別遊技(例えば4R特別遊技)とを有し、高利益特別遊技の実行中には規定カウント数を超過するオーバー入賞が発生することでオーバー入賞演出を実行し、低利益特別遊技の実行中には規定カウント数を超過するオーバー入賞が発生したとしてもオーバー入賞演出を実行しないように構成してもよい。また、ラウンド遊技の種類として、大入賞口P54の最大開放時間が規定カウント数(フルカウント)の遊技球が入球可能又は入球容易な開放時間(例えば29秒)に設定された長開放ラウンド遊技と、大入賞口P54の最大開放時間が規定カウント数(フルカウント)の遊技球が入球可能又は入球容易な開放時間(例えば2秒)に設定された短開放ラウンド遊技とを有し、長開放ラウンド遊技の実行中には規定カウント数を超過するオーバー入賞が発生することでオーバー入賞演出を実行し、短開放ラウンド遊技の実行中には規定カウント数を超過するオーバー入賞が発生したとしてもオーバー入賞演出を実行しないように構成してもよい。また、特定大当り(確変大当り)に当選した場合に行われる特別遊技の実行中には、規定カウント数を超過するオーバー入賞が発生することでオーバー入賞演出を実行し、通常大当り(非確変大当り)に当選した場合に行われる特別遊技の実行中には、規定カウント数を超過するオーバー入賞が発生したとしてもオーバー入賞演出を実行しないように構成してもよい。
<B.一般入賞口入賞演出> 一般入賞口入賞演出は、遊技球が一般入賞口P64に入賞したことを契機として実行される演出である。一般入賞口入賞演出は、一般入賞口通常入賞演出と、一般入賞口カウントアップ演出とを含む。
≪B-1.一般入賞口通常入賞演出≫ 一般入賞口通常入賞演出(「オマケ入賞演出」とも呼称する)は、遊技球が一般入賞口P64に入賞したことを示唆又は報知する演出である。なお、以下では、特別遊技の実行中に遊技球が一般入賞口P64に入賞することを「オマケ入賞」とも呼称するが、特別遊技の実行中以外(非特別遊技状態)に遊技球が一般入賞口P64に入賞しても「オマケ入賞」とも呼称してもよい。
オマケ入賞演出の種類には、オマケ入賞画像表示演出と、オマケ入賞音出力演出とがある。図63は、本実施形態のオマケ入賞演出の演出例を示す模式図である。また、変形例としては、オマケ入賞に関する演出として、オマケ入賞画像のみを搭載(オマケ入賞音を非搭載)とする、もしくは、オマケ入賞音のみを搭載(オマケ入賞画像を非搭載)としてもよい。なお、このオマケ入賞演出は、ラウンド遊技の実行中であっても、大当り中の大入賞口P54の閉鎖中(インターバル期間中)であっても実行されるように構成されており、大当り中の大入賞口P54の閉鎖中(インターバル期間中)であれば、オーバー入賞演出と同時に実行することが可能なよう構成されている。
オマケ入賞画像表示演出は、オマケ入賞が発生したことを示唆する画像(「オマケ入賞画像」と呼称する)を表示する演出である。本実施形態では、図63に示すように、画面の賞球獲得表示領域P732に、オマケ入賞画像として「+3pt」という文字のオマケ入賞画像が表示され、オマケ入賞の発生に基づき「3個」の賞球を獲得したことが示唆される。それにより、オマケ入賞が発生したことを遊技者は直感的に理解することができる。
オマケ入賞音出力演出は、オマケ入賞が発生したことを示唆する音声(「オマケ入賞音」)をスピーカP11から出力する演出である。本実施形態では、図63に示すように、スピーカP11から「ピコン」という効果音が出力されることで、オマケ入賞が発生したことが示唆される。
なお、本実施形態の変形例として、オマケ入賞演出の演出パターンを複数設けてもよい。すなわち、複数種のオマケ入賞画像又は複数種のオマケ入賞音を用意して、オマケ入賞が発生したときの演出抽選によって、いずれかのオマケ入賞画像およびオマケ入賞音を選択するように構成してもよい。なお、その場合には、オマケ入賞画像又はオマケ入賞音の種類に応じて、保留連示唆、確変示唆、ラウンド数示唆などを行うようにしてもよい。一例としては、オマケ入賞画像としては「+3pt」の1種類のみである一方、オマケ入賞音については「ピコン」以外に「ガチャン」や「チーン」、「ドカーン」といったものがあり、その中でも「ドカーン」というオマケ入賞音が発生した場合には、(1)その演出が保留連示唆の役割も兼ねる、(2)現在実行されている大当りが確変大当りである旨を示唆する役割を兼ねる、(3)現在実行されている大当りが4R大当りではなく16R大当りである旨を示唆する役割を
兼ねてもよい。
より具体的には、本実施形態の変形例として、複数種のオマケ入賞音を設定して、オマケ入賞が発生したことに加えて、オマケ入賞音の種類に応じて保留内連荘が発生している可能性を示唆する構成を採用してもよい(つまり、オマケ入賞演出と保留連示唆演出とを兼用する)。本変形例では、複数種のオマケ入賞音として、オマケ入賞音A(「ピコン」という効果音)と、オマケ入賞音B(「ドカーン」という効果音)とを用意する。そして、オマケ入賞の発生時に大当り保留が存在しない場合(保留内連荘が成立していない場合)、オマケ入賞音Aの選択率は「100%」、オマケ入賞音Bの選択率は「0%」となる。一方、オマケ入賞の発生時に大当り保留が存在する場合(保留内連荘が成立している場合)、オマケ入賞音Aの選択率は「0%」、オマケ入賞音Bの選択率は「100%」となる。つまり、オマケ入賞音Aは、オマケ入賞が発生し、且つ、保留内連荘が成立していないことを示唆する通常態様の音声となる。オマケ入賞音Bは、オマケ入賞が発生し、且つ、保留内連荘が成立していることを示唆する特殊態様の音声となる。また、オマケ入賞の発生時に大当り保留が存在する場合(保留内連荘が成立している場合)、オマケ入賞音Aの選択率は「80%」、オマケ入賞音Bの選択率は「20%」としてもよい。なお、変形例では、保留連示唆演出をオマケ入賞音出力演出に適用した場合を例示して説明したが、保留連示唆演出をオマケ入賞画像表示演出に適用してもよい(例えば、オマケ入賞画像表示演出として「+3pt」が黒文字で表示されている場合は、保留内連荘が成立していない又は成立している可能性が低いが、金文字で表示されている場合は、保留内連荘が成立している又は成立している可能性が高い仕様としてよい)。また、上記変形例については、保留連示唆としてのオマケ入賞音Bについて説明したが、オマケ入賞音Bについては、確変示唆やラウンド数示唆の役割を持たせる仕様としてもよく、その場合、現在実行されている大当りが通常大当りであるか特定大当り(確変大当り)であるかに応じて、オマケ入賞音AおよびBの選択率を、通常大当りの場合、オマケ入賞音Aの選択率は「100%」、オマケ入賞音Bの選択率は「0%」となる一方、特定大当り(確変大当り)の場合、オマケ入賞音Aの選択率は「0%」、オマケ入賞音Bの選択率は「100%」、または、オマケ入賞音Aの選択率は「80%」、オマケ入賞音Bの選択率は「20%」としてもよく、現在実行されている大当りが4R大当りなのか16R大当りなのかに応じて、オマケ入賞音AおよびBの選択率を、4R大当りの場合、オマケ入賞音Aの選択率は「100%」、オマケ入賞音Bの選択率は「0%」となる一方、16R大当りの場合、オマケ入賞音Aの選択率は「0%」、オマケ入賞音Bの選択率は「100%」、または、オマケ入賞音Aの選択率は「80%」、オマケ入賞音Bの選択率は「20%」としてもよい。
また、本実施形態では、第1特別図柄の作動保留球よりも第2特別図柄の作動保留球を優先的に消化する「特図2優先消化方式」を採用しており、保留内連荘の対象となる作動保留球として、第2特別図柄の作動保留球のみを対象としてもよい。また、特別遊技の実行契機となる大当り発生時の遊技状態が特定遊技状態(高ベース状態)であり、且つ、特別遊技の終了後の遊技状態も特定遊技状態(高ベース状態)となる場合に、該特別遊技の実行中に発生したオマケ入賞を契機として保留連示唆演出を実行するようにしてもよい。また、先行の作動保留球が高利益大当り(16R大当り)となることを前提とし、後続の作動保留球内に高利益大当り(16R大当り)となる特定保留が最先の特定保留として含まれる場合に、該特別遊技の実行中に発生したオマケ入賞を契機として保留連示唆演出を実行するようにしてもよい。換言すれば、後続の作動保留内に大当り保留が存在していても、大当り保留(大当り保留が複数ある場合には最先の大当り保留)に係る大当り種別が低利益大当りである場合は、保留荘示唆演出を実行しないように構成してもよい。つまり、特別遊技の実行中に保留連示唆演出が発生した場合、高利益大当り(16R大当り)で保留内連荘することが確定的となる。
また、本実施形態の変形例として、オマケ入賞演出により、オマケ入賞が発生したことに加えて、確変大当りに当選している可能性を示唆してもよい。つまり、オマケ入賞演出と確変示唆演出とを兼用させてもよい。確変示唆演出とは、現在実行中の特別遊技の実行契機となった大当りの種別が特定大当り(確変大当り)であること、すなわち、特別遊技の終了後に確変遊技状態に移行することを示唆する演出である。本変形例では、例えば、複数種のオマケ入賞音A~Cが設定され、今回当選した大当り種別が通常大当りである場合には、オマケ入賞音Aの選択率は「70%」、オマケ入賞音Bの選択率は「30%」、オマケ入賞音Cの選択率は「0%」となる。また、今回当選した大当り種別が特定大当りである場合には、オマケ入賞音Aの選択率は「10%」、オマケ入賞音Bの選択率は「30%」、オマケ入賞音Cの選択率は「60%」となる。つまり、「オマケ入賞音A」<「オマケ入賞音B」<「オマケ入賞音C」という順に、確変期待度(確変遊技状態への移行期待度)が1段階ずつ高くなる。なお、更なる変形例として、オマケ入賞音により確変期待度ではなく、特別遊技の終了後に付与される電サポ回数を示唆するように構成してもよい。
≪一般入賞口カウントアップ演出≫ 一般入賞口カウントアップ演出は、連荘中の特別遊技の実行中において遊技球が一般入賞口P64に入球した場合に、累積賞球数表示領域P733に表示された累積賞球数に、該一般入賞口P64への遊技球の入球に基づき払い出される賞球数(単位賞球数)を加算表示する演出である。本実施形態では、遊技球が一般入賞口P64に1個入球することで「3個」の賞球が払い出される仕様(一般入賞口P64の単位賞球数が3個)であるため、遊技球が一般入賞口P64に入球した場合には、累積賞球数表示領域P733に表示された累積賞球数は「3個」単位で更新される。また、特別遊技演出制御手段P227には、前述したとり、累積賞球数を計数するための累積賞球数カウンタが備えられており、一般入賞口P64に遊技球が入球する毎に(主制御基板P100から一般入賞口入賞コマンドを受信する毎に)、累積賞球数カウンタのカウント値に一般入賞口P64の単位賞球数に対応する「3」が加算され、それに応じて累積賞球数表示領域P733に表示された累積賞球数の値に「3」が加算表示される一般入賞口カウントアップ演出が行われる。
ここで、図64は、一般入賞口カウントアップ演出の連出例を示す模式図である。一般入賞口カウントアップ演出は、図64に示すように、一般入賞口54への遊技球の入球があった場合に、累積賞球数表示領域P733に表示された累積賞球数の現在値に、該一般入賞口P64への遊技球の入球に基づき付与される単位賞球数の値が、カウントアップ形式で順に「1」ずつ加算表示される演出である。図示例では、累積賞球数の値が「8000」→「8001」→「8002」→「8003」といったように1つずつカウントアップ表示されている。
なお、一般入賞口入賞演出(オマケ入賞演出、一般入賞口カウントアップ演出)は、特別遊技の実行中に、複数の一般入賞口P61~P64のうち、右側領域PA2に設けられた一般入賞口P64への遊技球の入球を対象として行われる。そのため、特別遊技の実行中に、複数の一般入賞口P61~P64のうち、左側領域PA1に設けられた一般入賞口P61~P63に遊技球が入球したとしても、一般入賞口入賞演出は行われない。但し、特別遊技の実行中に遊技球が一般入賞口P61~P64のいずれかに入球すると、一般入賞口P61~P64の種類に関わらず(一般入賞口入賞演出を実行するか否かに関わらず)、一般入賞口P61~P64への遊技球の入賞に基づく賞球(3個)は払い出される。
なお、本実施形態では、1回のオマケ入賞が発生する毎に、該オマケ入賞により付与される賞球数(単位賞球数)を累積賞球数に加算表示しているが、この構成に限定されるものではなく、1回のラウンド遊技の実行中に発生した全てのオマケ入賞に基づく賞球数(単位賞球数×1回のラウンド遊技中のオマケ入賞数)を、当該ラウンド遊技の終了時にまとめて累積賞球数に加算表示するように構成してもよいし、1回の特別遊技の実行中に発生した全てのオマケ入賞に基づく賞球数(単位賞球数×1回の特別遊技中のオマケ入賞数)を、最終回のラウンド遊技の終了時又は当該特別遊技の終了時にまとめて累積賞球数に加算表示するように構成してもよい。
また、本実施形態では、一般入賞口P64を第2始動口51よりも上流側に配置する盤面構成を採用しているが、この構成に限定されるものではなく、一般入賞口P64を第2始動口51よりも下流側に配置する盤面構成を採用してもよい。その場合には、一般入賞口P64を大入賞口P54よりも上流側に配置してもよいし、一般入賞口P64を大入賞口P54よりも下流側に配置してもよい。
また、本実施形態の変形例として、一般入賞口P64を普通図柄抽選の実行契機となる作動口(作動ゲートP53)と兼用させてもよい。つまり、一般入賞口P64に遊技球が入球することで、第2始動口P52を開状態とするか否かを決定する普通図柄抽選が行われるとともに、所定個数(例えば1個又は2個)の賞球が払い出されるように構成してもよい。
また、一般入賞口入賞演出(オマケ入賞演出、一般入賞口カウントアップ演出)は、前述のとおり、現在実行中の遊技状態が特別遊技状態である場合に一般入賞口P64に遊技球が入球することを契機として行われる演出であるため、現在実行中の遊技状態が非特別遊技状態である場合に一般入賞口P64に遊技球が入球したとしても一般入賞口入賞演出(オマケ入賞演出、一般入賞口カウントアップ演出)が行われることはない。つまり、現在実行中の遊技状態が第1特別図柄の変動表示を遊技の主体とする遊技状態(非電サポ状態)であっても、現在実行中の遊技状態が第2特別図柄の変動表示を遊技の主体とする遊技状態(電サポ状態)であっても、一般入賞口P64への遊技球の入球を契機として一般入賞口入賞演出(オマケ入賞演出、一般入賞口カウントアップ演出)は行われない。なお、現在実行中の遊技状態が第2特別図柄の変動表示を遊技の主体とする遊技状態(電サポ状態)である場合は、現在も連荘状態が継続していることを前提に、画面の累積賞球数表示領域P733に、当該連荘中の特別遊技で獲得した累積賞球数(直近の特別遊技終了時の累積賞球数)が表示されるようになっている。但し、この電サポ状態では、連荘中の特別遊技で獲得した累積賞球数が表示されているだけで、一般入賞口P64に遊技球が入球しても、その賞球数が累積賞球数に加算表示されず(一般入賞口カウントアップ演出は行われず)、累積賞球数の値は変化しない(直近の特別遊技終了時の累積賞球数が維持される)。
また、初当りが発生する(通常遊技状態において第1特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる)ことで行われる特別遊技の実行中は、一般入賞口P64に遊技球が入球したとしても、オマケ入賞演出を実行しないように構成してもよい。また、特別遊技の種類として、高利益特別遊技(例えば16R特別遊技)と低利益特別遊技(例えば4R特別遊技)とを有し、高利益特別遊技の実行中には一般入賞口P64に遊技球が入球することでオマケ入賞演出を実行し、低利益特別遊技の実行中には一般入賞口P64に遊技球が入球してもオマケ入賞演出を実行しないように構成してもよい。また、ラウンド遊技の種類として、大入賞口P54の最大開放時間が規定カウント数(フルカウント)の遊技球が入球可能又は入球容易な開放時間(例えば29秒)に設定された長開放ラウンド遊技と、大入賞口P54の最大開放時間が規定カウント数(フルカウント)の遊技球が入球可能又
は入球容易な開放時間(例えば2秒)に設定された短開放ラウンド遊技とを有し、長開放ラウンド遊技の実行中には遊技球が一般入賞口P64に入球することではオマケ入賞演出を実行し、短開放ラウンド遊技の実行中には遊技球が一般入賞口P64に入球したとしてもオマケ入賞演出を実行しないように構成してもよい。また、特定大当り(確変大当り)に当選した場合に行われる特別遊技の実行中には、一般入賞口P64に遊技球が入球することでオマケ入賞演出を実行し、通常大当り(非確変大当り)に当選した場合に行われる特別遊技の実行中には、一般入賞口P64に遊技球が入球したとしてもオマケ入賞演出を実行しないように構成してもよい。
<入賞関連演出のその他の特徴> 続いて、本実施形態の大入賞口入賞演出および一般入賞口入賞演出のその他の特徴について説明する。なお、大入賞口カウントアップ演出および一般入賞口カウントアップ演出は同一の表示物(累積賞球数表示領域P733に表示された累積賞球数)に対する演出であるため、以下では、大入賞口カウントアップ演出と一般入賞口カウントアップ演出とを総称して単に「カウントアップ演出」という場合がある。
≪カウントアップ演出時間≫ 本実施形態では、賞球1個分のカウントアップの時間(「N」から「N+1」へのカウントアップに要する時間)は、「0.03秒」に設定されている。つまり、累積賞球数表示領域P733に表示された累計賞球数の値は、「0.03秒」刻みでカウントアップされる。そのため、大入賞口カウントアップ演出の実行時間は、賞球1個分のカウントアップに要する時間値に、大入賞口P54に遊技球が1個入球することで付与される賞球数(単位賞球数)の値を乗算することで導出され、大入賞口カウントアップ演出の実行時間は、「15(単位賞球数)×0.03秒(カウントアップの間隔)=0.45秒」となる。同様に、一般入賞口カウントアップ演出は、賞球1個分のカウントアップに要する時間値に、一般入賞口P64に遊技球が1個入球することで付与される賞球数(単位賞球数)の値を乗算することで導出され、一般入賞口カウントアップ演出の実行時間は、「3(単位賞球数)×0.03秒(カウントアップの間隔)=0.09秒」となる。以下では、便宜上、大入賞口カウントアップ演出の実行時間(1回の大入賞口カウントアップ演出を開始してから終了するまでの時間値)を「カウントアップ演出時間A」、一般入賞口カウントアップ演出の実行時間(1回の一般入賞口カウントアップ演出を開始してから終了するまでの時間値)を「カウントアップ演出時間B」と略称する。ここで、大入賞口通常入賞演出、オーバー入賞演出、オマケ入賞演出は、特別遊技の実行中であっても、大当り開始デモの実行中および大当り終了デモの実行中には実行しないよう構成されており、そのため、大入賞口カウントアップ演出および一般入賞口カウントアップ演出についても、特別遊技の実行中であっても、大当り開始デモの実行中および大当り終了デモの実行中には実行しないよう構成されている。
(カウントアップ演出時間Aの関係1) カウントアップ演出時間Aは、各ラウンド遊技の終了後に設定されたインターバル時間(「インターバル期間」とも呼称する)よりも短く設定されている。インターバル時間とは、各ラウンド遊技の間又は最終回のラウンド遊技と大当り終了デモとの間に設定される待機時間であり大入賞口P54の閉鎖動作開始から閉鎖が維持されている期間であるラウンド遊技待ち時間(単位遊技待ち時間)又は終了デモ待ち時間である。本実施形態では、インターバル時間は、全てのラウンド遊技に共通して、「2秒」に設定されている。本実施形態では、カウントアップ演出時間A(0.45秒)がインターバル時間(2秒)よりも短くなるように構成したことで、或るラウンド遊技の終了間際に遊技球が大入賞口P54に入球することに基づき大入賞口カウントアップ演出が行われる場合であっても、該ラウンド遊技の終了後のインターバル時間内に大入賞口カウントアップ演出が完結することになる。そのため、大入賞口カウントアップ演出がインターバル期間を越えて次回のラウンド遊技又は大当り終了デモまでに跨って行われる可能性を低くすることができ(オーバー入賞した場合は、インターバル期間を超えてしまう可能性がある)、各ラウンド遊技の間の区切り又は最終回のラウンド遊技と大当り終了デモとの間の区切りを明確にすることができる。
(カウントアップ演出時間Aの関係2) カウントアップ演出時間Aは、大当り終了デモの実行時間よりも短く設定されている。前述したとおり、カウントアップ演出時間Aは、「0.45秒」に設定され、大当り終了デモの実行時間は、全ての大当り種別(大当り中演出)に共通して、「20秒」に設定されている。大当り終了デモの実行時間とは、特別遊技における最終回のラウンド遊技の終了後のインターバル時間が経過したときから、特別遊技が終了するまでの待機時間である。つまり、大当り終了デモの実行時間には、最終回のラウンド遊技の終了後に設定されたインターバル時間は含まれない。すなわち、最終回のラウンド遊技の終了後のインターバル時間は、その時間内に大入賞口P54への遊技球の入球が有効に検出(つまり、入賞球払出の対象として検出、不正入球と判定されない検出)される可能性のある該ラウンド遊技の残余時間(猶予時間)として設定されているが、大当り終了デモの実行時間は、その時間内に大入賞口P54への遊技球の入球が有効に検出される可能性の無い、該ラウンド遊技と区切られた特別遊技終了後の遊技(演出モード)への準備時間として設定されている。本実施形態では、カウントアップ演出時間A(0.45秒)が、大当り終了デモの実行時間(20秒)よりも短くなるように構成したことで、最終回のラウンド遊技の終了間際に遊技球が大入賞口P54に入球することに基づき大入賞口カウントアップ演出が行われる場合であっても、更に言えば、最終回のラウンド遊技にてオーバー入賞が発生しても、最終回のラウンド遊技後である大入賞口P54の閉鎖後であっても(大当り終了デモ期間であっても)大入賞口カウントアップ演出を行う仕様とした場合には、大当り終了デモ期間内に大入賞口カウントアップ演出が完結することになる。そのため、大入賞口カウントアップ演出が大当り終了デモ期間を越えて特別遊技終了後の変動表示までに跨って行われることがなく、特別遊技の終了時と1回転目の変動表示の開始時との区切りを明確にすることができる。変形例として、大当り終了デモの実行時間の少なくとも一部について、その時間内に大入賞口P54への遊技球の入球が有効に検出されてもよい。
(カウントアップ演出時間Aの関係3) 本実施形態では、1回のラウンド遊技において大入賞口P54へ規定カウント数の遊技球が入球する場合、この1回のラウンド遊技における規定カウント数分のカウントアップ演出時間Aの合計時間(1回のラウンド遊技にて獲得可能な賞球数分の大入賞口カウントアップ演出)は、大当り終了デモの実行時間よりも短くなるように構成されている。具体的には、規定カウント数分のカウントアップ演出時間Aの合計時間は、「0.45秒(カウントアップ演出時間A)×10球(規定カウント数)=4.5秒」となる。一方、大当り終了デモの実行時間は、前述したとおり、全ての大当り種別(大当り中演出)に共通して、「20秒」に設定されている。本実施形態では、規定カウント数分のカウントアップ演出時間Aの合計時間(4.5秒)が、大当り終了デモの実行時間(20秒)よりも短くなるように構成したことで、最終回のラウンド遊技の終了間際に複数個の遊技球が大入賞口P54に連続して入球することに基づき複数回の大入賞口カウントアップ演出が連続的に行われる場合であっても、最終回のラウンド遊技後である大入賞口P54の閉鎖後であっても(大当り終了デモ期間であっても)大入賞口カウントアップ演出を行う仕様とした場合には、大当り終了デモ期間内に大入賞口カウントアップ演出が完結することになる。そのため、大入賞口カウントアップ演出が大当り終了デモ期間を越えて特別遊技終了後の変動表示までに跨って行われることがなく、特別遊技の終了時と1回転目の変動表示の開始時との区切りを明確にすることができる。
なお、1回のラウンド遊技において大入賞口P54に遊技球が規定カウント数を超過して入球する場合(オーバー入賞が発生する場合)についても、この1回のラウンド遊技における累計カウント数分(規定カウント数+オーバー入賞数)のカウントアップ演出時間Aの合計時間が、大当り終了デモの実行時間よりも短く設定されていることが好適である。すなわち、1回のラウンド遊技における規定カウント数分のカウントアップ演出時間Aの合計時間とオーバー入賞数分のカウントアップ演出時間Aの合計時間とを足し合わせた時間が、そのラウンド遊技の終了後の大当り終了デモの実行時間よりも短く設定されることで、最終回のラウンド遊技後である大入賞口P54の閉鎖後であっても(大当り終了デモ期間であっても)大入賞口カウントアップ演出を行う仕様とした場合には、オーバー入賞が発生した場合でも、大入賞口カウントアップ演出を大当り終了デモの実行時間内に終了させて、特別遊技の終了時と変動表示の開始時との区切りを明確にすることが好ましい。なお、オーバー入賞数は遊技の進行状況(遊技球の発射状況や遊技球の流下状況)に依存するため不定であるが、規定カウント数と同数である10球と想定した場合であっても、上記関係性を充足することが望ましく(その場合、1回のラウンド遊技における規定カウント数分のカウントアップ演出時間Aの合計時間とオーバー入賞数分のカウントアップ演出時間Aの合計時間とを足し合わせた時間が、4.5秒+4.5秒の9秒となり、大当り終了デモの実行時間である20秒よりも短い)、そのように構成している。
(カウントアップ演出時間Aの関係4) 本実施形態の変形例として、1回のラウンド遊技において大入賞口P54へ規定カウント数の遊技球が入球する場合、この1回のラウンド遊技における規定カウント数分のカウントアップ演出時間Aの合計時間が、該ラウンド遊技の終了後のインターバル時間よりも短くなるように構成してもよい。本変形例では、規定カウント数分のカウントアップ演出時間Aの合計時間は、「0.45秒(カウントアップ演出時間A)×10球(規定カウント数)=4.5秒」となる。一方、各ラウンド遊技の終了後のインターバル時間は、上記実施形態のインターバル時間(2秒)よりも長く、全てのラウンド遊技に共通して、「6秒」に設定されている。本変形例では、規定カウント数分のカウントアップ演出時間Aの合計時間(4.5秒)が、そのインターバル時間(6秒)よりも短くなるように構成したことで、或るラウンド遊技の終了間際に複数個の遊技球が大入賞54に連続して入球することで、複数回の大入賞口カウントアップ演出が連続して行われる場合でも、該ラウンド遊技の終了後のインターバル時間内に大入賞口カウントアップ演出が完結することになる。そのため、大入賞口カウントアップ演出がインターバル期間を越えて次回のラウンド遊技又は大当り終了デモまでに跨って行われることがなく、各ラウンド遊技の間の区切り又は最終回のラウンド遊技と大当り終了デモとの間の区切りを明確にすることができる。
なお、1回のラウンド遊技において大入賞口P54に遊技球が規定カウント数を超過して1個だけ入球する場合(1個だけオーバー入賞が発生する場合)についても、この1回のラウンド遊技における累計カウント数分(規定カウント数+1個のオーバー入賞数)のカウントアップ演出時間Aの合計時間が、該ラウンド遊技の終了後のインターバル時間よりも短く設定されていることが好適である。すなわち、1回のラウンド遊技における規定カウント数分のカウントアップ演出時間Aの合計時間とオーバー入賞1個分のカウントアップ演出時間Aとを足し合わせた時間(4.5秒+0.45秒=4.95秒)が、そのラウンド遊技の終了後のイ
ンターバル時間(6秒)よりも短く設定されることで、オーバー入賞が発生した場合でも、大入賞口カウントアップ演出をインターバル期間内に終了させて、ラウンド遊技間の区切りを明確にすることが好ましい。
(カウントアップ演出時間Aの関係5) 本実施形態の変形例として、1回の特別遊技の全てのラウンド遊技において大入賞口P54へ規定カウント数(フルカウント)の遊技球が入球する場合、この特別遊技の実行中に発生するフルカウント数分(規定ラウンド数×規定カウント数)のカウントアップ演出時間Aの合計時間が、大当り終了デモの実行時間よりも短くなるように構成してもよい。本変形例では、1回の特別遊技の規定ラウンド数が最高ラウンド数(16ラウンド)であるときに、全てのラウンド遊技において遊技球が大入賞口へ規定カウント数(10球)だけ入球した場合、合計160回の大入賞口カウントアップ演出が実行される。そのため、全カウント数分のカウントアップ演出時間Aの合計時間は、「0.45秒(カウントアップ演出時間A)×10球(規定カウント数)×16ラウンド(規定ラウンド数)=72秒」である。一方、本変形例では、大当り終了デモの実行時間が、全ての大当り種別(大当り中演出)に共通して、「120秒」に設定されている。本変形例では、1回の特別遊技における全カウント数分のカウントアップ演出時間Aの合計時間(72秒)が、大当り終了デモの実行時間(120秒)よりも短くなるように構成したことで、最終回のラウンド遊技後である大入賞口P54の閉鎖後であっても(大当り終了デモ期間であっても)大入賞口カウントアップ演出を行う仕様とした場合には、大入賞口P54への遊技球の連続入賞によりラウンド遊技中又はインターバル期間中に大入賞口カウントアップ演出の実行が渋滞したとしても、全ての大入賞口カウントアップ演出が少なくとも大当り終了デモの終了時までに完結することが保証されるため、大当り中演出を円滑に進めることが可能となる。
≪先後の大入賞口カウントアップ演出の優先度≫ 図65は、大入賞口カウントアップ演出の優先度の説明に供するタイムチャートである。図65に示すように、或るラウンド遊技の実行中に、複数の遊技球(図示例では2個の遊技球)が大入賞口P54へ連続して入球した場合、該連続入賞に基づく2回の大入賞口カウントアップ演出が実行されることになる。具体的には、1球目の遊技球が大入賞口P54へ入球することで大入賞口カウントアップ演出の実行条件が成立すると、先の大入賞口カウントアップ演出が実行される。同様に、2球目の遊技球が大入賞口P54へ入賞することで大入賞口カウントアップ演出の実行条件が成立すると、後の大入賞口カウントアップ演出が実行されることになる。大入賞口カウントアップ演出の実行条件とは、大入賞口カウントアップ演出の実行を開始するための条件であり、特別遊技の実行中に遊技球が大入賞口P54に入球すること(大入賞口スイッチP541にて遊技球の入球が検出されたこと)を契機として成立する。このとき、先の大入賞口カウントアップ演出の実行中に、後の大入賞口カウントアップ演出の実行条件が成立する状況となった場合には、先の大入賞口カウントアップ演出の実行を途中で打ち切ることなく、先の大入賞口カウントアップ演出の実行が終了した後に、後の大入賞口カウントアップ演出の実行を開始するようになっている。つまり、本実施形態では、先後2回の大入賞口カウントアップ演出のうち、後の大入賞口カウントアップ演出の優先度よりも、先の大入賞口カウントアップ演出の優先度の方が高く設定されており、先の大入賞口カウントアップ演出の実行が終了する前に、後の大入賞口カウントアップ演出の実行が開始されることはなく、先の大入賞口カウントアップ演出の実行が終了した後に、後の大入賞口カウントアップ演出の実行が開始されるように構成されている。なお、先の大入賞口カウントアップ演出の実行が終了した後に、後の大入賞口カウントアップ演出の実行を開始する場合には、先の大入賞口カウントアップ演出と後の大入賞口カウントアップ演出とを連続的(シームレス)に繋げて、2回分の大入賞口カウントアップを連続的に行うことが好適である。但し、変形例として、先の大入賞口カウントアップ演出の実行が終了した後に、所定時間(微小時間)を経過してから、後の大入賞口カウントアップ演出の実行を開始して、先の大入賞口カウントアップ演出と後の大入賞口カウントアップ演出との間に明確な区切りを付けるようにしてもよい。ここでは大入賞口カウントアップ演出について説明したが、一般入賞口カウントアップ演出も同様の仕様としてよく、先の一般入賞口カウントアップ演出の実行中に、後の一般入賞口カウントアップ演出の実行条件が成立する状況となった場合には、先の一般入賞口カウントアップ演出の実行を途中で打ち切ることなく、先の一般入賞口カウントアップ演出の実行が終了した後に、後の一般入賞口カウントアップ演出の実行を開始するよう構成することが好適である。また、先の大入賞口カウントアップ演出の実行中に、後の一般入賞口カウントアップ演出の実行条件が成立する状況となった場合には、先の大入賞口カウントアップ演出の実行を途中で打ち切ることなく、先の大入賞口カウントアップ演出の実行が終了した後に、後の一般入賞口カウントアップ演出の実行を開始するよう構成することが好適である。また、先の一般入賞口カウントアップ演出の実行中に、後の大入賞口カウントアップ演出の実行条件が成立する状況となった場合には、先の一般入賞口カウントアップ演出の実行を途中で打ち切ることなく、先の一般入賞口カウントアップ演出の実行が終了した後に、後の大入賞口カウントアップ演出の実行を開始するよう構成することが好適である。
なお、本実施形態の変形例として、先の大入賞口カウントアップ演出の実行中に、後の大入賞口カウントアップ演出の実行条件が充足する場合、先の大入賞口カウントアップ演出の実行を中断して、次の大入賞口カウントアップ演出の実行を開始するように構成してもよい。つまり、先の大入賞口カウントアップ演出の優先度よりも、後の大入賞口カウントアップ演出の優先度の方を高くする。その場合には、先の大入賞口カウントアップ演出の実行が中断した時点で、カウント値を強制的に先の大入賞口カウントアップ演出の最終値又は後の大入賞口カウントアップ演出の初期値に切り替えて、その時点から後の大入賞口カウントアップ演出を開始させることが好適である。この変形例では大入賞口カウントアップ演出について説明したが、一般入賞口カウントアップ演出も同様の仕様としてよく、先の一般入賞口カウントアップ演出の実行中に、後の一般入賞口カウントアップ演出の実行条件が充足する場合、先の一般入賞口カウントアップ演出の実行を中断して、次の一般入賞口カウントアップ演出の実行を開始するように構成してもよい。また、先の大入賞口カウントアップ演出の実行中に、後の一般入賞口カウントアップ演出の実行条件が充足する場合、先の大入賞口カウントアップ演出の実行を中断して、次の一般入賞口カウントアップ演出の実行を開始するように構成してもよい。また、先の一般入賞口カウントアップ演出の実行中に、後の大入賞口カウントアップ演出の実行条件が充足する場合、先の一般入賞口カウントアップ演出の実行を中断して、次の大入賞口カウントアップ演出の実行を開始するように構成してもよい。
(累積賞球数の強調演出) 図66は、本実施形態の強調演出の説明に供する模式図である。図中の(A)は強調演出の実行中にオーバー入賞演出が実行された場合を示し、図中の(B)は強調演出の実行中にオマケ入賞演出が実行された場合を示している。本実施形態では、特別遊技の実行中に大入賞口P54又は一般入賞口P64へ遊技球が入球することを契機として、連荘中の累積賞球数の値が予め定められた特定値に到達すると、累積賞球数が特定値に到達したことを報知する強調演出が実行されるように構成されている。なお、特定値とは、所定賞球数(10000個)の倍数値である。すなわち、累積賞球数の現在値が所定賞球数の倍数値(10000個、20000個、30000個…)に到達するたびに、強調演出が行われることになる。そのため、強調演出は特定値到達演出と称してもよく、強調表示は特定値対応表示と称してもよい。なお、本実施形態では、オーバー入賞又はオマケ入賞を契機として累積賞球数が特定値に到達した場合でも、強調演出が実行されるようになっており、その場合には該強調演出とオーバー入賞演出又はオマケ入賞演出とが重複実行される。
強調演出の種類には、図66に示すように、画面中央の強調表示領域P735に、累積賞球数が到達した特定値(図示例では「20000pt」)を拡大表示する強調表示演出と、スピーカP11から特殊音(図示例では「絶好調」という音声)を出力する強調音出力演出とがある。
特定値の強調表示は、所定時間(例えば5秒間)継続して行われ、その間に大入賞口P54又は一般入賞口P64への遊技球の入球により累積賞球数表示が更新表示(加算表示)されたとしても、該強調表示が更新表示(加算表示)されることはない。このとき、各レイヤの表示の優先度は、「累積賞球数表示」<「強調表示」<「ラウンド表示」という順に高くなる。「レイヤ」とは、全体画像を構成する各画像の表示の優先度を規定する階層構造の各層を意味する。各レイヤは、表示の優先度が高いものほど上位のレイヤ(遊技者から見て前方側)に配置され、表示の優先度が低いものほど下位のレイヤ(遊技者から見て後方側)に配置される。図66では、強調表示と累積賞球数表示が重畳表示しない形で示しているが、強調表示を更に強調するため表示領域を拡大し、重畳表示させてもよく、その場合は、上記優先度に従い、累積賞球数表示の前面に強調表示が表示される(累積賞球数表示の一部または全部を覆って強調表示が表示される)よう構成してもよい。
また、図66に示すように、賞球獲得表示領域P732と強調表示領域P735とは別個独立した表示領域として設けられており、強調表示の実行中にオーバー入賞又はオマケ入賞が発生した場合には、強調画像とオーバー入賞画像又はオマケ入賞画像とを同時並行して表示する。なお、強調画像とオーバー入賞画像又はオマケ入賞画像とを同時に表示する場合には、オーバー入賞画像又はオマケ入賞画像よりも強調画像の表示の優先度を高くしても、強調画像よりもオーバー入賞画像又はオマケ入賞画像の表示の優先度を高くしてもよい。図66では、強調表示とオーバー入賞画像/オマケ入賞画像が重畳表示しない形で示しているが、強調表示を更に強調するため表示領域を拡大し、重畳表示させてもよく、その場合は、上記優先度に従い、オーバー入賞画像/オマケ入賞画像の前面に強調表示が表示される(オーバー入賞画像/オマケ入賞画像の一部または全部を覆って強調表示が表示される)よう構成してもよい。
また、特殊音の出力中にオーバー入賞が発生した場合には、特殊音の出力中においてオーバー入賞音又はオマケ入賞音が重複して出力される。なお、特殊音とオーバー入賞音又はオマケ入賞音とが重複する場合には、オーバー入賞音又はオマケ入賞音の音量を、優先度の高い特殊音の音量と比較して小さい音量としてよく、その逆で、特殊音の音声を、優先度の高いオーバー入賞音又はオマケ入賞音の音量と比較して小さい音量としてもよい。なお、その場合には、優先度の低い方の音量(小さいほうの音量)を実質「0」に設定してもよい。
≪エラー発生時のオーバー入賞演出/オマケ入賞演出≫ 本実施形態では、遊技機に各種のエラーが発生した場合、そのエラー種別に応じてオーバー入賞演出およびオマケ入賞演出の実行可否を制御するように構成されている。図67は、遊技機のエラー種別の説明に供する模式図である。本実施形態では、遊技機に発生するエラー種別として、「扉・枠開放エラー」、「磁気センサエラー」、「電波センサエラー」、「断線短絡電源エラー」、「過剰入賞エラー」、「払出エラー
」などが設定されている。なお、上記のエラー種別は一例であり、遊技機の仕様等に応じて様々なエラー種別が設けられてもよい。
扉・枠開放エラーは、外枠1に対してガラス枠P5、前枠P2もしくは裏セット盤P30が開いている場合、ガラス枠P5の開放を検出する扉開放スイッチ、前枠P2の開放を検出する枠開放スイッチ、裏セット盤P30の開放を検出する裏セット開放スイッチに断線や故障が生じた場合などに発生するエラーである。この扉・枠開放エラーは、遊技機に異常がないかを確認し、ガラス枠P5、前枠P2および裏セット盤P30を閉鎖した場合に解除される。
磁気センサエラーおよび電波センサエラーは、磁気センサが磁気を検出した場合、電波センサが電波を検出した場合、および磁気センサや電波センサの断線、短絡、故障が生じた場合に発生するエラーである。磁気センサエラーおよび電波センサエラーは、遊技機に異常がないかを確認し、電源を再投入した場合に解除される。
断線短絡電源エラーは、電波センサおよび遊技盤面に設けられた各種スイッチの断線、短絡、故障が生じた場合に発生するエラーである。断線短絡電源エラーは、遊技機に異常がないかを確認し、電源を再投入した場合に解除される。
過剰入賞エラーは、各種入賞口に遊技球が過剰に入球した場合に発生するエラーである。過剰入賞エラーは、遊技機に異常がないかを確認し、電源を再投入した場合に解除される。ここで、過剰入賞エラーには、大入賞口P54の過剰入賞エラー(「大入賞口過剰入賞エラー」とも呼称する)や、一般入賞口P61~P64の過剰入賞エラー(「一般入賞口過剰入賞エラー」とも呼称する)などが含まれる。例えば、大入賞口過剰入賞エラーは、1回のラウンド遊技の実行中に、遊技球が大入賞口P54に所定数(例えば30球)入球した場合に発生するエラーである。一般入賞口過剰入賞エラーは、単位時間(例えば30秒)あたりに遊技球が一般入賞口P61~P63に所定数(例えば30球)入球した場合、又は、単位時間(例えば30秒)あたりに遊技球が一般入賞口P64に特定数(例えば60球)入球した場合に発生するエラーである。一般入賞口P61~P63よりも一般入賞口P64のほうが、遊技球が入球しやすい配置になっているため、一般入賞口P64のほうが単位時間あたりの入球数に基づくエラー判定値(エラーと判定する遊技球数の値)として、余裕のある数値となっている。本実施形態では、大入賞口過剰入賞エラーが発生した場合、または、大入賞口P54が開放していない状態(非特別遊技中)での大入賞口P54への入球が発生した場合、つまりは大入賞口P54に関する異常入賞が検知された場合(異常入賞と判定された場合)には、外部情報端子板P600からエラーが発生した旨を示す外部情報信号(セキュリティ信号)を出力する。一方、一般入賞口過剰入賞エラーが発生した場合に、つまりは一般入賞口P61~P64に関する異常入賞が検知された場合(異常入賞と判定された場合)には、外部情報端子板P600からエラーが発生したことを示す外部情報信号(セキュリティ信号)を出力しない。なお、外部情報端子板P600が出力する外部情報信号(外端信号)については後述する。
払出エラーは、賞球の払い出しに支障が生じる場合に発生するエラーである。この払出エラーには、下球皿P9が遊技球で満タン状態(満タンスイッチがオン)となる満タンエラーや、賞球払出ユニットP34の玉噛み/玉詰まりエラー、遊技島から遊技球を補給できずに不足する玉無しエラーなどが含まれる。満タンエラーが発生した場合、報知レベルは2段階に分けられる。報知レベル1は、満タンスイッチがオンとなってから、そのオン状態が30秒継続している状態におけるレベルである。報知レベル1においては、「球を抜いてください」との音声報知のみが実行される。この報知レベル1においては、大入賞口P54や一般入賞口P61~P64への入球があっても、賞球払出が制限されることはない(賞球払出が停止することはない)。オン状態が30秒を超過すると、報知レベル2に移行し、「球を抜いてください」との音声報知だけでなく、演出表示装置P70にて「下球皿の玉抜きを促す画像」を表示する画像報知もなされ、更には、大入賞口P54や一般入賞口P61~P64への入球があっても、賞球払出が制限される(賞球払出が停止する)。変形例としては、報知レベル1では画像報知のみ、報知レベル2では画像報知と音声報知の両方が行われる仕様としてもよい。賞球払出ユニットP34の玉噛み/玉詰まりエラー、遊技島から遊技球を補給できずに不足する玉無しエラーについては、大入賞口P54や一般入賞口P61~P64への入球があっても、賞球払出が制限される(賞球払出が停止する)。
また、各種エラーは、図67に示すように、エラーの優先度(重要度)に応じて、「第1エラー」、「第2エラー」、「第3エラー」に分類されている。第1エラーとは、遊技の続行が禁止又は困難とされる優先度(重要度)が中レベルに設定されたエラー種別である。第1エラーには、「扉・枠開放エラー」が含まれる。第2エラーとは、遊技の続行が禁止又は困難とされる優先度(重要度)が高レベルに設定されたエラー種別である。第2エラーには、「磁気センサエラー」、「電波センサエラー」、「断線短絡電源エラー」、「過剰入賞エラー」が含まれる。第3エラーとは、遊技の続行が禁止又は困難となれる優先度(重要度)が低レベルに設定されたエラー種別である。第3エラーには、「払出エラー」が含まれる。
ここで、遊技機に上記エラーが発生した場合には、各種のエラー報知として、画像演出、音声演出などが行われ、具体的には、演出表示装置P70の画面上に当該エラーの内容が表示され、エラー用の音量にてスピーカP11からエラー報知音が出力される。なお、エラー報知の変形例として、演出ランプLPがエラー用の輝度で点滅表示されるように構成してもよい。
本実施形態では、遊技機が第1エラー(扉・枠開放エラー)となった場合は、オーバー入賞又はオマケ入賞が発生したとしても、オーバー入賞演出の一部又はオマケ入賞演出の一部が行われないように構成されている。すなわち、遊技機に第1エラーが発生した場合には、オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出のうち、オーバー入賞画像表示演出およびオマケ入賞画像表示演出の実行が許容されるが、オーバー入賞音出力演出およびオマケ入賞音出力演出の実行が制限される。第1エラー中に、オーバー入賞又はおまけ入賞が発生したとしても、オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出の一部が行われないことで、遊技機が第1エラー状態となっていることを見逃さないようになっている。この場合、カウントアップ演出(大入賞口カウントアップ演出および一般入賞口カウントアップ演出)については、その実行が許容される。具体的には、第1エラーとなった場合は、第1エラーとなったことを報知するために、第1エラーであることを示すエラー画像を表示するが、全画面に表示するわけではなく、一部の表示領域のみを用いて表示する。表示優先度はオーバー入賞画像やオマケ入賞画像よりもエラー画像のほうが高いが、これらは全て同時に表示可能であり、カウントアップ演出も同時に表示可能である。但し、第1エラーであることを報知するエラー報知音が出力されている最中は、オーバー入賞音やオマケ入賞音については出力されない(又は音量が小さい)。なお、遊技機が第1エラー状態となった場合に、オーバー入賞又はオマケ入賞が発生したときは、このオーバー入賞又はオマケ入賞に基づく賞球の払い出しは行われるようになっている。
また、遊技機が第2エラー(磁気センサエラー、電波センサエラー、断線短絡電源エラー、過剰入賞エラー)となった場合は、オーバー入賞又はオマケ入賞が発生したとしても、オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出の全てが行われないように構成されている。すなわち、遊技機に第2エラーが発生した場合には、オーバー入賞演出として、オーバー入賞画像表示演出およびオーバー入賞音出力演出の両方の実行が制限され、オマケ入賞演出として、オマケ入賞画像表示演出およびオマケ入賞音出力演出の両方の実行が制限される。第2エラー中に、オーバー入賞等が発生したとしても、オーバー入賞演出等の全てが行われないことで、遊技機が第2エラー状態となっていることを見逃さないようになっている。この場合、カウントアップ演出(大入賞口カウントアップ演出および一般入賞口カウントアップ演出)についても、その実行は制限される。具体的には、第2エラーとなった場合は、第2エラーとなったことを報知するために、第2エラーであることを示すエラー画像を全画面に表示するため、オーバー入賞画像やオマケ入賞画像、そしてカウントアップ演出は表示されない。また、第2エラーであることを報知するエラー報知音が出力されている最中は、オーバー入賞音やオマケ入賞音については出力されない。なお、遊技機が第2エラー状態となった場合に、オーバー入賞又はオマケ入賞が発生したときは、このオーバー入賞又はオマケ入賞に基づく賞球の払い出しは行われるようになっている。
また、遊技機が第3エラー(払出エラー)となることで、賞球の払い出しを行うことができない状況となった場合であっても、オーバー入賞又はオマケ入賞が発生すると、オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出が実行されるように構成されている。つまり、遊技機に払出エラーが発生した場合は、遊技を続行しても特に支障が生じるおそれもなく、また、遊技者が不利益を被るおそれもないため、エラー報知によりオーバー入賞演出又はオマケ入賞演出を制限すると、却って遊技の興趣を低下させる可能性があるからである。この場合、カウントアップ演出(大入賞口カウントアップ演出および一般入賞口カウントアップ演出)についても実行される。但し、遊技機が第3エラー状態となった場合に、オーバー入賞又はオマケ入賞が発生したときは、このオーバー入賞又はオマケ入賞に基づく賞球の払い出しは行われない。
本実施形態では、このように遊技機が「特定のエラー」であるときにオーバー入賞又はオマケ入賞が発生した場合には、その発生したエラー種別に応じて、オーバー入賞演出の一部又は全部が制限されるとともに、オマケ入賞演出の一部又は全部が制限されるように構成されている。つまり、特定エラーのうち、上記第1エラーが発生した場合には、オーバー入賞演出のうちの1つ又は一部の要素演出(オーバー入賞音出力演出)の実行が制限され、上記第2エラーが発生した場合には、オーバー入賞演出のうちの複数又は全ての要素演出(オーバー入賞音出力演出、オーバー入賞画像表示演出など)の実行が制限される。本実施形態では、特定エラーのうち、第1エラーよりも第2エラーの方が相対的に優先度(重要度)の高いエラー種別となるからである。なお、特定のエラーを遊技の進行が禁止されるエラー種別としてもよい。また、特定のエラーを不正行為(ゴト行為)が疑われる異常を検出した場合に発生するエラー種別としてもよい。また、特定のエラーを電源を遮断/再投入することにより解消されるエラー種別としてもよい。
なお、本実施形態の変形例として、オーバー入賞演出よりもエラー報知演出の優先度を高く設定することで、例えば、オーバー入賞音よりもエラー報知音を優先的に出力し(例えば、オーバー入賞音よりもエラー報知音の方が音声レベルを高く設定し)、オーバー入賞画像よりもエラー報知画像を優先的に表示してもよい(例えば、オーバー入賞画像よりもエラー報知画像の方がレイヤの優先度を高く設定してもよい)。
≪大当り終了時のオーバー入賞演出≫ 図68は、大当り終了時のオーバー入賞演出の実行有無等を説明するためのタイムチャートである。各ラウンド遊技には、大入賞口スイッチP541による遊技球の検出を有効とする検出有効期間(大入賞口有効期間)が設定されている。この検出有効期間は、大入賞口P54が閉鎖する直前に入球した遊技球が大入賞口スイッチ
P541に到達するまでに要する時間を考慮して設定されている。本実施形態では、各ラウンド遊技が開始されてから終了するまで(大入賞口P54が開放してから閉鎖するまで)のラウンド期間と、該ラウンド遊技が終了してから(大入賞口P54が閉鎖してから)所定時間が経過するまでのインターバル期間との全期間に跨って、大入賞口スイッチP541の検出有効期間が設定されている。この検出有効期間がラウンド期間~インターバル期間までに亘り設定されることで、ラウンド期間が終了した後のインターバル期間内において、大入賞口スイッチP541により遊技球が検出された場合でも、大入賞口P54への遊技球の入賞が有効として扱われる(賞球の払い出しの対象となる)。つまり、「ラウンド遊技の実行期間(大入賞口開放期間)」と、前述した「検出猶予期間(インターバル期間)」とが連続した検出有効期間として設定されている。また、前述したとおり、インターバル期間と検出猶予期間とを異なる期間としてもよい。
本実施形態では、インターバル期間の期間内は、オーバー入賞演出の実行タイミングが到来した場合に、オーバー入賞演出の実行が許容されるオーバー入賞演出許容期間として設定されている。一方、インターバル期間の期間外は、オーバー入賞演出の実行タイミングが到来したとしても、オーバー入賞演出の実行が禁止されるオーバー入賞演出禁止期間として設定されている。
具体的には、図68(A)に示すように、最終回のラウンド遊技の終了後のインターバル期間内に、大入賞口スイッチP541にて規定カウント数を超過する遊技球(図示例では11個目の遊技球)が検出された場合、このインターバル期間内にオーバー入賞演出の実行タイミングが到来するときは、このインターバル期間内でのオーバー入賞演出の実行が許容されることになる。但し、オーバー入賞演出の演出時間(例えば0.5秒)が、オーバー入賞演出の実行開始タイミングからインターバル期間の終了タイミングまでの時間よりも長い場合、インターバル期間終了までにオーバー入賞演出の全てを実行することができないため、インターバル期間の終了に基づき、オーバー入賞演出をインターバル期間の終了タイミングにて強制的に中断することが望ましい。但し、オーバー入賞演出として、オーバー入賞画像とオーバー入賞音とを備える場合、オーバー入賞画像については中断(途中から非表示もしくは消去)、オーバー入賞音については中断せずに出力し切るようにしてもよい。また、オーバー入賞演出と同じく、大入賞口カウントアップ演出についても、インターバル期間内でのオーバー入賞を契機として実行してよく、その場合、大入賞口カウントアップ演出の実行開始タイミングからインターバル期間の終了タイミングまでの時間よりも長い場合、インターバル期間終了までに大入賞口カウントアップ演出の全てを実行することができないため、インターバル期間の終了に基づき、大入賞口カウントアップ演出をインターバル期間の終了タイミングにて強制的に中断することが望ましい。
一方、図68(B)に示すように、最終回のラウンド遊技の終了後のインターバル期間内に、大入賞口スイッチP541にて規定カウント数を超過する遊技球(図示例では11個目の遊技球)が検出された場合であっても、このインターバル期間の経過後の大当り終了デモ期間内にオーバー入賞演出の実行タイミングが到来するときは、この大当り終了デモ期間内でのオーバー入賞演出の実行が禁止される。但し、大当り終了デモ期間中はオーバー入賞演出の実行が禁止されるだけで、このオーバー入賞に基づく賞球の払い出しは行われる。また、上記の場合には、オーバー入賞演出と同じく、大入賞口カウントアップ演出についても、実行が禁止されてよい。
なお、本実施形態の変形例として、大当り終了デモ期間をオーバー入賞演出の実行が許容されるオーバー入賞演出許容期間として設定し、大当り終了デモの実行中にオーバー入賞演出を実行するように構成してもよい。なお、その場合には、大当り終了デモ期間のうち始めの所定時間のみをオーバー入賞演出許容期間として設定することが望ましい。一例として、大当り終了デモ期間の20秒のうち、最初の5秒のみをオーバー入賞演出許容期間とし、その後の15秒をオーバー入賞演出禁止期間とすることが挙げられる。また、更なる変形例として、最終ラウンド後のインターバル期間内に、オーバー入賞演出許容期間とオーバー入賞演出禁止期間を設定してもよく、例として、インターバル期間2秒のうち、最初の1.5秒をオーバー入賞演出許容期間とし、その後の0.5秒をオーバー入賞演出禁止期間としてもよく、その後の大当り終了デモ期間についてもオーバー入賞演出禁止期間としてもよい。また、更なる変形例として、大入賞口スイッチP541にて規定カウント数を超過する遊技球が検出されたタイミングと、オーバー入賞演出の実行タイミングとが同期していることを考えると、最終回のラウンド遊技の終了後のインターバル期間内に、大入賞口スイッチP541にて規定カウント数を超過する遊技球が検出された場合は、必ずオーバー入賞演出を実行するよう構成し(インターバル期間の終期タイミングでの入球は除く)、その実行に際しては、前述したように、オーバー入賞演出の演出時間よりも、オーバー入賞演出の実行開始タイミングからインターバル期間の終了タイミングまでの時間よりも長い場合、インターバル期間の終了に基づき、オーバー入賞演出をインターバル期間の終了タイミングにて強制的に中断するよう構成する一方(但し、オーバー入賞演出として、オーバー入賞画像とオーバー入賞音とを備える場合、オーバー入賞画像については中断(途中から非表示もしくは消去)、オーバー入賞音については中断せずに出力し切るようにしてもよい)、大当り終了デモ期間中にて大入賞口P54への遊技球の検出があった場合(大入賞口スイッチP541にて規定カウント数を超過する遊技球が検出された場合)は、オーバー入賞演出が実行されないよう構成してもよく、その場合、大入賞口カウントアップ演出についても、最終回のラウンド遊技の終了後のインターバル期間内に大入賞口スイッチP541にて規定カウント数を超過する遊技球が検出された場合は必ず実行され(インターバル期間の終期タイミングでの入球は除く)、その実行に際しては、前述したように、大入賞口カウントアップ演出の演出時間よりも、大入賞口カウントアップ演出の実行開始タイミングからインターバル期間の終了タイミングまでの時間よりも長い場合、インターバル期間の終了に基づき、大入賞口カウントアップ演出をインターバル期間の終了タイミングにて強制的に中断するよう構成し、大当り終了デモ期間中にて大入賞口P54への遊技球の検出があった場合(大入賞口スイッチP541にて規定カウント数を超過する遊技球が検出された場合)は実行しないよう構成してもよい。
≪大当り終了時のオマケ入賞演出≫ 図69は、大当り終了時のオマケ入賞演出の実行有無等を説明するためのタイムチャートである。本実施形態では、ラウンド期間の期間内およびインターバル期間の期間内は、オマケ入賞演出の実行タイミングが到来した場合に、オマケ入賞演出の実行が許容されるオマケ入賞演出許容期間として設定されている。一方、大当り終了デモ期間の期間内は、オマケ入賞演出の実行タイミングが到来したとしても、オマケ入賞演出の実行が禁止されるオマケ入賞演出禁止期間として設定されている。
具体的には、図69(A)に示すように、最終回のラウンド遊技の終了後のインターバル期間内に、右一般入賞口スイッチP641にて遊技球が検出された場合に、このインターバル期間内にオマケ入賞演出の実行タイミングが到来するときは、このインターバル期間内でのオマケ入賞演出の実行が許容されることになる。但し、オマケ入賞演出の演出時間(例えば0.5秒)が、オマケ入賞演出の実行開始タイミングからインターバル期間の終了タイミングまでの時間よりも長い場合、インターバル期間終了までにオマケ入賞演出の全てを実行することができないため、インターバル期間の終了に基づき、オマケ入賞演出をインターバル期間の終了タイミングにて強制的に中断することが望ましい。但し、オマケ入賞演出として、オマケ入賞画像とオマケ入賞音とを備える場合、オマケ入賞画像については中断(途中から非表示もしくは消去)、オマケ入賞音については中断せずに出力し切るようにしてもよい。また、オマケ入賞演出と同じく、大入賞口カウントアップ演出についても、インターバル期間内でのオマケ入賞を契機として実行してよく、その場合、大入賞口カウントアップ演出の実行開始タイミングからインターバル期間の終了タイミングまでの時間よりも長い場合、インターバル期間終了までに大入賞口カウントアップ演出の全てを実行することができないため、インターバル期間の終了に基づき、大入賞口カウントアップ演出をインターバル期間の終了タイミングにて強制的に中断することが望ましい。
一方、図69(B)に示すように、最終回のラウンド遊技の終了後のインターバル期間内に、右一般入賞口スイッチP641にて遊技球が検出された場合であっても、このインターバル期間の経過後の大当り終了デモ期間内にオマケ入賞演出の実行タイミングが到来するときは、この大当り終了デモ期間内でのオマケ入賞演出の実行が禁止される。但し、大当り終了デモ期間中はオマケ入賞演出の実行が禁止されるだけで、このオマケ入賞に基づく賞球の払い出しは行われる。また、上記の場合には、オマケ入賞演出と同じく、大入賞口カウントアップ演出についても、実行が禁止されてよい。
なお、本実施形態の変形例として、大当り終了デモ期間をオマケ入賞演出の実行が許容されるオマケ入賞演出許容期間として設定し、大当り終了デモの実行中にオマケ入賞演出を実行するように構成してもよい。なお、その場合には、大当り終了デモ期間のうち始めの所定時間のみをオマケ入賞演出許容期間として設定することが望ましい。一例として、大当り終了デモ期間の20秒のうち、最初の5秒のみをオマケ入賞演出許容期間とし、その後の15秒をオマケ入賞演出禁止期間とすることが挙げられる。また、更なる変形例として、最終ラウンド後のインターバル期間内に、オマケ入賞演出許容期間とオマケ入賞演出禁止期間を設定してもよく、例として、インターバル期間2秒のうち、最初の1.5秒をオマケ入賞演出許容期間とし、その後の0.5秒をオマケ入賞演出禁止期間としてもよく、その後の大当り終了デモ期間についてもオマケ入賞演出禁止期間としてもよい。また、更なる変形例として、右一般入賞口スイッチP641にて遊技球が検出されたタイミングと、オマケ入賞演出の実行タイミングとが同期していることを考えると、最終回のラウンド遊技の終了後のインターバル期間内に、右一般入賞口スイッチP641にて遊技球が検出された場合は、必ずオマケ入賞演出を実行するよう構成し(インターバル期間の終期タイミングでの入球は除く)、その実行に際しては、前述したように、オマケ入賞演出の演出時間よりも、オマケ入賞演出の実行開始タイミングからインターバル期間の終了タイミングまでの時間よりも長い場合、インターバル期間の終了に基づき、オマケ入賞演出をインターバル期間の終了タイミングにて強制的に中断するよう構成する一方(但し、オマケ入賞演出として、オマケ入賞画像とオマケ入賞音とを備える場合、オマケ入賞画像については中断(途中から非表示もしくは消去)、オマケ入賞音については中断せずに出力し切るようにしてもよい)、大当り終了デモ期間中にて右一般入賞口P64への遊技球の検出があった場合(右一般入賞口スイッチP641にて遊技球が検出された場合)は、オマケ入賞演出が実行されないよう構成してもよく、その場合、一般入賞口カウントアップ演出についても、最終回のラウンド遊技の終了後のインターバル期間内に右一般入賞口スイッチP641にて遊技球が検出された場合は必ず実行され(インターバル期間の終期タイミングでの入球は除く)、その実行に際しては、前述し
たように、一般入賞口カウントアップ演出の演出時間よりも、一般入賞口カウントアップ演出の実行開始タイミングからインターバル期間の終了タイミングまでの時間よりも長い場合、インターバル期間の終了に基づき、一般入賞口カウントアップ演出をインターバル期間の終了タイミングにて強制的に中断するよう構成し、大当り終了デモ期間中にて右一般入賞口P64への遊技球の検出があった場合(右一般入賞口スイッチP641にて遊技球が検出された場合)は実行しないよう構成してもよい。
一方、大当り開始デモ期間の期間内は、理論上、遊技球が大入賞口P54に入球することがないため(オーバー入賞が発生することはないため)、大当り開始デモ期間中は、大入賞口入賞演出(オーバー入賞演出)が実行されることはない。大当り開始デモ期間の期間内であっても、一般入賞口P64へ入球することは可能であるが、一般入賞口P64へ入球したとしても、大当り開始デモ期間中に一般入賞口入賞演出(オマケ入賞演出)は実行せず、また、大当り開始デモ期間中の入球であればいずれのタイミングで入球したとしても(特に、大当り開始デモ期間の終盤に入球したとしても)、その入球に対応した一般入賞口入賞演出(オマケ入賞演出)が大当り開始デモ終了後の初回のラウンド遊技にて行われることはなく、更に、その入球に対応した賞球(賞球数)ついては、累積賞球数表示における累積対象ではない。
(発射ハンドル検知) 本遊技機PMによる遊技は、遊技者が発射ハンドルP12を回動操作して、遊技球を遊技領域PAに向けて発射することを前提として実行される。この発射ハンドルP12には、遊技者が発射ハンドルP12に触れていることを検知するタッチセンサ(図示せず)が設けられている。このタッチセンサは、遊技者が発射ハンドルP12に触れたことによる静電容量の変化を検出する近接スイッチ等から構成されている。タッチセンサは、遊技者が発射ハンドルP12に触れていることを検知すると、払出制御基板300に対して発射ソレノイドの通電を許可する検出信号を出力する。また、主制御基板P100は、タッチセンサからの検出信号に基づき、発射ハンドルのタッチ状態を監視して、演出制御基板P200に対して演出制御コマンド(ハンドル状態演出コマンド)を定期的に送信する。それにより、演出制御基板P200は、遊技者が発射ハンドルP12に触れているか否か(発射ハンドルP12が操作されているか否か)を特定する。
図70は、タッチセンサの検出状態とオーバー入賞演出および一般入賞演出との関係を示すタイムチャートである。演出統括手段P220は、タッチセンサにより遊技者が発射ハンドルP12に触れていることが検知されていない場合(遊技球の発射を停止させている場合)でも、それ以前に発射した遊技球が大入賞口P54に入球することにより、規定カウント数を超過する遊技球(図示例では11個目の遊技球)が検出された場合(オーバー入賞が発生した場合)には、オーバー入賞演出を実行するようになっている。同様に、演出統括手段P220は、遊技者が発射ハンドルP12に触れていることが検知されていない場合(遊技球の発射を停止させている場合)でも、それ以前に発射した遊技球が一般入賞口P64に入球することにより、右一般入賞口スイッチP641により遊技球が検出された場合(オマケ入賞が発生した場合)には、オマケ入賞演出を実行するようになっている。すなわち、オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出は、オーバー入賞のタイミングおよびオマケ入賞のタイミングでのタッチセンサの検出結果に関わらず実行される。従って、大入賞口P54が閉鎖される(ラウンド遊技が終了する)ことにより、遊技者による遊技球の発射が停止された場合であっても、そのインターバル期間内にオーバー入賞又はオマケ入賞が発生したときは、オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出が発生することとなり、実際に遊技球が大入賞口P54又は一般入賞口P64に入球したのにも関わらず何ら入賞演出が行われないといった不満感や不信感を遊技者が抱くのを防止することができる。
(遊技開始準備演出) 本実施形態では、現在実行中の遊技状態が通常遊技状態(非特別遊技状態)である場合に、遊技の中断状態が所定時間以上継続することを契機として、待機デモ演出(客待ちデモ演出)が実行される。「遊技の中断状態が所定時間以上継続する」とは、例えば、特別図柄の作動保留球が存在していない期間が所定時間以上継続すること、特別図柄の変動表示の行われない期間が所定時間以上継続すること、遊技球が特定の入賞口に入球又は通過しない期間が所定時間以上継続すること、遊技球が発射されていない期間が所定時間以上継続すること、などを意味する。この待機デモ演出の終了条件は、遊技の中断状態が解除されたとき(遊技が開始又は再開されたとき)であり、例えば、遊技者が発射ハンドルP12に触れたこと(発射ハンドルP12を操作したこと)がタッチセンサにより検出されたときや、特定の入賞口である第1始動口P51もしくは第2始動口P52への入球があったときが該当し、作動ゲートP53への遊技球の通過や一般入賞口P61~P64への入球は該当しない(作動ゲートP53への遊技球の通過や一般入賞口P61~P64への入球があっても、待機デモ演出は終了しない)。また、待機デモ演出中は、音量がゼロになる、つまり消音されている状態である、もしくは、待機デモ演出ではない状態(遊技中の状態)よりも音量が小さくなっている状態であるが、後述する音量調整画面の表示が可能であり、音量調整を行っても待機デモ演出は終了しないよう構成されている。つまり、遊技が中断されている状況では必要以上に演出を行う必要がないため、消音もしくは音量低減を行っているが、その状態であっても、待機デモ演出を維持しつつ(遊技が中断されていることを示しつつ)、待機デモ演出終了後(遊技進行中、つまりは図柄変動中)の演出に係る音量を待機デモ演出中にも視覚化したうえで調整可能としている。
図71は、遊技開始準備演出の実行される遊技状態とオーバー入賞演出およびオマケ入賞演出の実行される遊技状態との関係を示すタイムチャートである。演出統括手段P220は、待機デモ演出の実行中において、タッチセンサにより遊技者の接触が検知されたことを契機(主制御基板P100からのハンドル状態演出コマンドを受信することを契機)として、待機デモ演出の実行を終了して、遊技開始準備演出(発射検知演出)の実行を開始する。遊技開始準備演出は、例えば、画面上に「いらっしゃい」という文字を表示、又は、スピーカP11から「いらっしゃい」という音声を出力して、遊技を開始又は再開した実感を与える演出(遊技を歓迎する演出)である。この遊技開始準備演出は、待機デモ演出が終了した直後に行われる演出であり、この待機デモ演出と同様に、遊技状態が通常遊技状態(非特別遊技状態)であるときに実行される。
本実施形態では、遊技開始準備演出が行われ得る遊技状態(非特別遊技状態)では、オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出が実行されることはなく、オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出が行われ得る遊技状態(特別遊技状態)では、遊技開始準備演出が行われることはない。つまり、遊技開始準備演出とオーバー入賞演出又はオマケ入賞演出とが、同一の遊技状態において行われることはなく、当然ながら、同一のタイミングで重複して実行されることはない。
(電源断復帰時のサウンド報知) 本実施形態では、特別遊技の実行中に電源断が発生した場合、この電源断からの復帰時に、電源断から復帰した旨を報知する電源復帰報知演出を実行する。この電源断復帰報知演出は、例えば、電源が復帰した旨を示す画像(電源復帰報知画像)を表示するとともに、スピーカP11から電源が復帰した旨を示す音声(電源復帰報知音声)を出力する演出である。なお、電源が復帰した旨を示す画像については、電源復帰報知画像や電源断復帰画像、電源断復帰画面と称し、スピーカP11から電源が復帰した旨を示す音声については、電源復帰報知音声や電源断復帰音声と称する。本実施形態において、電源復帰演出の実行時間(電源復帰報知音の出力時間)は、1回のラウンド遊技(長開放ラウンド遊技)の最大時間である「29秒」よりも長時間となる「30秒」に設定されている。例えば、所定のラウンド遊技の途中で電源断が発生して、その所定のラウンド遊技の途中から電源断復帰した場合(所定のラウンド遊技の途中から再開した場合)、少なくとも当該ラウンド遊技の残り時間中は電源断復帰音が出力されることとなるため、遊技者にラウンド遊技が再開していることを確実に認識させることが可能となる。ここで、電源断復帰音と大当り中演出音とが競合する場合、大当り中演出音よりも電源断復帰音を優先する(例えば、大当り中演出音よりも電源断復帰音を大きな音声レベルで出力する、又は、大当り中演出音の出力を中止する)ことが好適である。また、電源断復帰音が出力されているときは、再開後のラウンド遊技においてオーバー入賞が発生したとしても、オーバー入賞音よりも電源断復帰音を優先する(例えば、オーバー入賞音よりも電源断復帰音を大きな音声レベルで出力する、又は、オーバー入賞音の出力を中止する)ように構成してもよい。また、大当り中であることを認識できるよう、電源が復帰した旨を示す画像(電源復帰報知画像)の表示時間は、電源が復帰した旨を示す音声(電源復帰報知音声)の出力時間よりも短く構成することが望ましく、例えば、電源が復帰した旨を示す画像(電源復帰報知画像)の表示時間を15秒とし、電源が復帰した旨を示す音声(電源復帰報知音声)の出力時間は30秒とすることが望ましい。また、電源が復帰した旨を示す画像(電源復帰報知画像)が表示されている状況では、大当り中の演出が表示されないため、累積賞球数表示や強調表示、オーバー入賞画像やオマケ入賞画像が表示されることはない。また、電源断復帰時においては、電源断前に保持していた累積賞球値に関する演出情報が消去されている状態となるため、電源断復帰時の電源が復帰した旨を示す画像(電源復帰報知画像)の表示が終了し大当り中の演出が表示された場合、累積賞球数表示はゼロ(「0」)から再度開始することになり、強調表示の表示条件についても(特定値に到達するまでの条件についても)再設定されることになるため、電源断前の累積賞球数表示が後1個の大入賞口P54への入球で特定値に到達する状況(例えば、10000個の手前の9999個)であっても、電源断が生じたうえで電源断復帰となった後の大当り中においては、累積賞球数表示がゼロであるため、この状況で大入賞口P54への入球が1個あったとしても、強調表示がなされないことになる。また、電源断復帰時の電源が復帰した旨を示す画像(電源復帰報知画像)の表示が終了し大当り中の演出が表示される場合、電源が復帰した旨を示す画像(電源復帰報知画像)の表示中は、大入賞口P54への入球や一般入賞口P64への入球があった場合、その入球に対応する賞球払い出しは行われるが、電源が復帰した旨を示す画像(電源復帰報知画像)の表示中にオーバー入賞画像の表示、オマケ入賞画像の表示、累積賞球数表示、カウントアップ演出(大入賞口カウントアップ演出、一般入賞口カウントアップ演出)などは行われず、その際、(1)電源が復帰した旨を示す画像(電源復帰報知画像)の表示が終了して大当り中演出に復帰した場合でも、累積賞球数表示はゼロからスタートするようにしてもよいし、(2)電源が復帰した旨を示す画像(電源復帰報知画像)の表示が終了して大当り中演出に復帰した場合、累積賞球数表示は、電源が復帰した旨を示す画像(電源復帰報知画像)の表示中における大入賞口P54への入球や一般入賞口P64への入球に対応する賞球払い出し分の数値が加算された累積賞球数表示としてもよい。その他、電源断前にカウントアップ演出(大入賞口カウントアップ演出、一般入賞口カウントアップ演出)が実行中で未だカウントアップ演出が終了していない状況であり且つそのカウントアップ演出に対応
した賞球の払い出しも実行中で未だ完了していない場合(例として、300個の賞球に係るカウントアップ演出および払い出しの途中である場合)に電源断が発生した場合、電源が復帰したあとは、電源断発生前に実行されていたカウントアップ演出の残りを行うことはないが、未だ払い出していない賞球については払い出されるように構成されている。なお、上述した電源断の復帰(電源の復帰)は、RAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴わない電源断の復帰であり、RAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴う電源断の復帰である場合には、通常遊技状態(低確率低ベース状態)に移行し、装飾図柄が「331」の組合せにて停止表示されている状態にて復帰される。
(右打ち報知画像) 特別遊技の実行中は、上記の図59に示すように、画面の右打ち表示領域P731に、遊技者に対して右打ち(右側領域PA2を狙って遊技球を発射すること)を喚起する右打ち報知画像が表示される。また、画面の第1賞球獲得表示領域P732Aには、オーバー入賞が発生することを契機として、オーバー入賞画像が表示される。右打ち表示領域P731と第1賞球獲得表示領域P732Aとはそれぞれ異なる表示領域として設けられており、右打ち報知画像とオーバー入賞画像とが互いに重複しない位置関係で別個に表示される。また、特別遊技の実行中は、画面の第2賞球獲得表示領域P732Bに、オマケ入賞が発生することを契機として、オマケ入賞画像が表示される。右打ち表示領域P731と第2賞球獲得表示領域P732Bとはそれぞれ異なる表示領域として設けられており、右打ち報知画像とオマケ入賞画像とが互いに重複しない位置関係で別個に表示される。そのため、特別遊技の実行中にオーバー入賞又はオマケ入賞が発生した場合、オーバー入賞画像又はオマケ入賞画像が右打ち報知画像と被ることはなく、一方の情報によって他方の情報が隠れないようになっている。
(音量調整画面) 図72は、本実施形態の音量調整画面を示す模式図である。本実施形態では、特別遊技の実行中に、遊技者により十字キーの左右キーが同時に操作されると、画面の音量調整画像表示領域P736に複数段階の音量レベルを示す音量調整画像が横並びに表示される。音量調整画像は、現在の音量レベルを示すものであり、図示例では、現在の音量レベルに相当する3段階目の音量レベルに調整された表示態様となっている。そして、遊技者により左キー又は右キーが操作されることにより、スピーカP11から出力されるBGMや効果音などの音声の出力レベル(音量レベル)を調整することが可能となる。具体的には、音量調整画像の表示中は、右キーを操作すると音量レベルが上がり、左キーを操作すると音量レベルが下がる。
本実施形態では、特別遊技の実行中であるかにかかわらず、更に言えば、オーバー入賞演出の実行中(オーバー入賞音が出力されている状況)であるか、オマケ入賞演出の実行中(オマケ入賞音が出力されている状況)であるかに関わらず、遊技者が左右キーを操作することでスピーカP11の音量調整が可能に構成されている。そのため、オーバー入賞演出の実行中(オーバー入賞音が出力されている状況)、或いは、オマケ入賞演出の実行中(オマケ入賞音が出力されている状況)に、遊技者により音量調整が行われた場合には、その調整された音量レベルが、現在出力中のオーバー入賞音又はオマケ入賞音の音量レベルとしてリアルタイムで変化することになる。つまり、遊技者による音量調整操作が行われることにより、オーバー入賞音又はオマケ入賞音の音量が途中で変更されることで、オーバー入賞音又はオマケ入賞音の音量を当該音量調整操作の前後で異ならせることが可能となる。なお、音声画像表示領域P736と第1賞球獲得表示領域P732Aとはそれぞれ異なる表示領域として設けられており、音声調整画像とオーバー入賞画像とは互いに重複しない位置関係で別個に表示される。同様に、音声画像表示領域P736と第2賞球獲得表示領域P732Bとはそれぞれ異なる表示領域として設けられており、音声調整画像とオマケ入賞画像とは互いに重複しない位置関係で別個に表示される。そのため、特別遊技の実行中にオーバー入賞又はオマケ入賞が発生した場合、オーバー入賞画像又はオマケ入賞画像が音量調整画像と被ることはなく、一方の情報によって他方の情報が隠れないようになっている。強調表示と音量調整画面とは、同時に実行された場合に重畳表示されるが、音量調整画面のほうが表示優先度は高く、重畳表示された場合は、強調表示よりも前面で音量調整画面が表示される(強調表示の一部または全部が、音量調整画面で隠れた形で表示される)。
≪一般入賞口の過剰入賞エラー発生条件≫ 「エラー発生条件」とは、遊技機にエラーが発生したことを判定するための条件である。本実施形態では、主制御基板P100が所定のエラー発生条件が成立したことを判定した場合、主制御基板P100から演出制御基板P200へ所定の演出制御コマンド(エラー演出指定コマンド)が送信され、演出制御基板P200によりエラー報知演出が行われる。
以下では、複数種のエラー発生条件のうちの一つとして、一般入賞口P61~P64の過剰入賞エラー発生条件について説明する。本実施形態では、複数の一般入賞口P61~P64のうち、一般入賞口P61~P63の過剰入賞エラー発生条件と、一般入賞口P64の過剰入賞エラー発生条件とが異なる条件に設定されている。
一般入賞口P61~P63の過剰入賞エラー発生条件は、単位時間(30秒間)内における一般入賞口P61~P63への遊技球の入球数(左一般入賞口スイッチP611による遊技球の検出個数)が第1規定数に到達した場合に成立する条件である。第1規定数は、例えば、「30個」に設定されている。つまり、30秒間に30個の遊技球が一般入賞口P61~P63に入球した場合に、一般入賞口P61~P63の過剰入賞エラー発生条件が成立することになる。
一般入賞口P64の過剰入賞エラー発生条件は、単位時間(30秒間)内における一般入賞口P64への遊技球の入賞数(右一般入賞口スイッチP641による遊技球の検出個数)が第2規定数に到達した場合に成立する条件である。第2規定数は、例えば、「60個」に設定されている。つまり、30秒間に60個の遊技球が一般入賞口P64に入球した場合に、一般入賞口P64の過剰入賞エラー発生条件が成立することになる。
なお、本実施形態の変形例として、現在実行中の遊技状態の種類に応じて、一般入賞口P61~P64の過剰入賞エラー発生条件を設定してもよい。例えば、第1特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態(通常遊技状態)であれば、一般入賞口P64よりも一般入賞口P61~P63の方が単位時間あたりの入球頻度が相対的に高くなるはずであるため、一般入賞口P64の過剰入賞エラー発生条件よりも一般入賞口P61~P63の過剰入賞エラー発生条件の方が条件成立の閾値が高くなるように設定されている。その場合には、遊技球が一般入賞口P61~P63に所定条件(所定の入球頻度)で入球した場合であっても過剰入賞エラー条件は成立しないが、遊技球が一般入賞口P64に所定条件(所定の入球頻度)で入賞した場合は過剰入賞エラーが発生することになる。一方、第2特別図柄の変動表示が主体となる遊技状態(確変遊技状態、時短遊技状態)であれば、一般入賞口P61~P63よりも一般入賞口P64の方が単位時間あたりの入球頻度が相対的に高くなるははずであるため、一般入賞口P61~P63の過剰入賞エラー発生条件よりも一般入賞口P64の過剰入賞エラー発生条件の方が条件成立の閾値が高くなるように設定されている。その場合には、遊技球が一般入賞口P64に特定条件(特定の入球頻度)で入球した場合であっても過剰入賞エラーは成立しないが、遊技球が一般入賞口P61~P64に特定条件(特定の入球頻度)で入球した場合は過剰入賞エラーが発生することになる。
なお、一般入賞口P61~P63の過剰入賞エラー発生条件と、一般入賞口P64の過剰入賞エラー発生条件とを異なる条件に設定した場合であっても、一般入賞口P61~P63の過剰入賞エラー解除条件と、右一般入賞口P64の過剰入賞エラー解除条件とを同一の条件に設定することが好ましい。エラー解除条件とは、例えば、エラー報知演出が終了する条件(例としては、エラー報知画面の表示/エラー報知音の開始から30秒経過など)、過剰入賞エラーに係る外端信号のオン出力が停止される条件(オフ出力となる条件であり、例えば、出力開始から300秒経過など)、一旦電源断を行ってその後電源復帰させることなどが該当する。
≪オーバー入賞演出とオマケ入賞演出との重複実行≫ 図73は、オーバー入賞演出とオマケ入賞演出との重複実行の説明に供するタイムチャートである。本実施形態では、オーバー入賞とオマケ入賞とが略同一のタイミングで発生した場合には、オーバー入賞演出とオマケ入賞演出とが重複実行され得るように構成されている。オーバー入賞演出とオマケ入賞演出との重複実行とは、オーバー入賞演出の実行期間(又は実行タイミング)と、オマケ入賞演出の実行期間(又は実行タイミング)とが重なることであり、両演出の実行期間の全部が重なる場合と、両演出の実行期間の一部が重なる場合とが含まれる。図示例では、オーバー入賞演出の実行期間とオマケ入賞演出の実行期間とが一部重複する場合を示している。なお、オーバー入賞演出とオマケ入賞演出とが重複実行される場合、オーバー入賞画像が表示される第1賞球獲得表示領域P732Aと、オマケ入賞画像が表示される第2賞球獲得表示領域P732Bとは互いに別個独立した表示領域として設けられているため、オーバー入賞画像とオマケ入賞画像とが前後に重畳表示されないようになっている。一方、オーバー入賞音とオマケ入賞音とは重複して出力されてもよく、一方のみを出力してもよい。一方のみを出力する仕様とした場合、先の入賞を優先してもよいし(つまり、先の入賞が大入賞口P54への入賞であり、後の入賞が一般入賞口P64への入賞である場合は、オーバー入賞音を優先し、先の入賞が一般入賞口P64への入賞であり、後の入賞が大入賞口P54への入賞である場合は、オマケ入賞音を優先する)、後の入賞を優先してもよい(つまり、先の入賞が大入賞口P54への入賞であり、後の入賞が一般入賞口P64への入賞である場合は、オマケ入賞音を優先し、先の入賞が一般入賞口P64への入賞であり、後の入賞が大入賞口P54への入賞である場合は、オーバー入賞音を優先する)。先の入賞を優先する場合、例えば、先の入賞に係る入賞音の出力中に後の入賞があった場合、先の入賞に係る入賞音を出力し切ってから後の入賞に係る入賞音を出力開始するようにしてもよいし、後の入賞に係る入賞音を一切出力しないようにしてもよい。後の入賞を優先する場合、例えば、先の入賞に係る入賞音の出力中に後の入賞があった場合、先の入賞に係る入賞音を後の入賞を契機に中断して、その後は後の入賞に係る入賞音を出力開始するようにしてもよい。
本実施形態の変形例として、オーバー入賞とオマケ入賞とが略同一のタイミングで発生した場合には、オーバー入賞画像とオマケ入賞画像とを重複表示しないように構成してもよい。つまり、オーバー入賞とオマケ入賞とが略同一のタイミングで発生した場合、オーバー入賞画像の表示期間(又は表示タイミング)と、オマケ入賞画像の表示期間(又は表示タイミング)とが重ならないようにしてもよい。その場合には、両画像の表示期間の全部が重ならない場合と、両画像の表示期間の一部が重ならない場合とが含まれる。
なお、オーバー入賞画像とオマケ入賞画像とを重複表示しない場合には、オマケ入賞画像およびオーバー入賞画像のうちの時間的に先に入賞した方(先に遊技球の入球が検知された方)の入賞画像を優先的に表示するように構成してもよい。また、それとは逆の構成として、オーバー入賞画像とオマケ入賞画像とを重
複表示しない場合には、オマケ入賞画像およびオーバー入賞画像のうちの時間的に後に入賞した方(後に遊技球の入球が検知された方)の入賞画像を優先的に表示するように構成してもよい。
(複数回のオーバー入賞) 図74は、所定期間内にオーバー入賞およびオマケ入賞がそれぞれ複数回発生した場合のタイムチャートである。本実施形態では、所定期間(図示例ではインターバル期間)内において複数回のオーバー入賞が発生した場合には、1回目のオーバー入賞(11個目の遊技球の入賞)に対してはオーバー入賞演出が行われるが、2回目以降のオーバー入賞(12個目以降の遊技球の入賞)に対してはオーバー入賞演出が行われないように構成されている。つまり、所定期間内に複数回のオーバー入賞が発生した場合には、1回目のオーバー入賞演出の実行のみが許容され、2回目以降のオーバー入賞演出の実行は制限されている(規制されている)。但し、オーバー入賞による賞球払出は2回分行われ、オーバー入賞による大入賞口カウントアップ演出も2回分行われる(1回目の大入賞口カウントアップ演出を中断することなく2回分行われる)。一方、本実施形態では、所定期間(図示例ではインターバル期間)内において複数回のオマケ入賞が発生した場合は、各回のオマケ入賞のそれぞれに対して、オマケ入賞演出が行われ、オマケ入賞による賞球払出も2回分行われ、オマケ入賞による一般入賞口カウントアップ演出も2回分行われる(1回目の一般入賞口カウントアップ演出を中断することなく2回分行われる)ように構成されている。つまり、所定期間内に複数回のオマケ入賞が発生した場合には、複数回全てのオマケ入賞演出の実行が許容されている。変形例としては、所定期間内において複数回のオーバー入賞が発生した場合には、1回目のオーバー入賞(11個目の遊技球の入賞)に対してオーバー入賞演出が行われ、2回目以降のオーバー入賞(12個目以降の遊技球の入賞)に対してもオーバー入賞演出が行われるように構成する一方、1回目のオーバー入賞演出の実行中に2回目のオーバー入賞があった場合、(1)1回目のオーバー入賞演出が終了してから(完了し切ってから)、2回目のオーバー入賞演出の実行を開始する、もしくは、(2)1回目のオーバー入賞演出が途中であっても2回目のオーバー入賞を契機として中断し、その後2回目のオーバー入賞演出の実行を開始するよう構成してもよい。その場合、(1)(2)のいずれであっても、オーバー入賞による賞球払出は2回分行われ、オーバー入賞による大入賞口カウントアップ演出も2回分行われる(1回目の大入賞口カウントアップ演出を中断することなく2回分行われる)ことが好適である。更に、所定期間内において複数回のオマケ入賞が発生した場合には、1回目のオマケ入賞に対してオマケ入賞演出が行われ、2回目以降のオマケ入賞に対してもオマケ入賞演出が行われるように構成する一方、1回目のオマケ入賞演出の実行中に2回目以降のオマケ入賞があった場合、(3)1回目のオマケ入賞演出が終了してから(完了し切ってから)、2回目のオマケ入賞演出の実行を開始する、もしくは、(4)1回目のオマケ入賞演出が途中であっても2回目のオマケ入賞を契機として中断し、その後2回目のオマケ入賞演出の実行を開始するよう構成してもよい。その場合、(3)(4)のいずれであっても、オマケ入賞による賞球払出は2回分行われ、オマケ入賞による一般入賞口カウントアップ演出も2回分行われる(1回目の一般入賞口カウントアップ演出を中断することなく2回分行われる)ことが好適である。
≪外部情報信号≫ 本実施形態において、外部情報端子板P600が外部情報として機外の外部装置に出力する外部情報信号(外端信号)には、例えば、賞球信号、大当り信号、連荘中信号、図柄確定信号、扉枠開放信号、セキュリティ信号、断線短絡電源異常信号、異常センサ検知(入球通過時間異常等)信号などが含まれる。
ここで、遊技機PMの外部に設置された外部装置には、データ表示器や、ホールコンピュータなどがある。データ表示器は、遊技機PMの上部に設置されて、遊技機PMから出力される外部情報信号に基づき、遊技機PMの動作状態に関するデータ(遊技情報)を表示する装置である。このデータ表示器に表示された遊技情報は、遊技者が遊技機を選択するうえで有益な判断材料となる。ホールコンピュータは、遊技店内のホールに設置された各遊技機から出力される外部情報信号に基づき、各遊技機(本遊技機PMもその一つである)の動作状態を集計して、各遊技機の稼働状況などを管理する装置である。このホールコンピュータは、データ表示器を介して本遊技機PMに電気接続されていても、データ表示器を介さずに本遊技機PMに電気接続されていてもよい。
(賞球信号) 賞球信号は、本遊技機から所定数(本実施形態では「10個」)の遊技球が払い出されるごとに所定時間だけ出力される外部情報信号である。つまり、本実施形態では、賞球が10個払い出されるごとに、賞球信号が所定時間(例えば100ms)だけ継続して出力される。本実施形態では、賞球払出ユニットP34から払い出された遊技球の個数をカウントする賞球個数カウンタを備えており、賞球払出ユニットP34に設けられた払出検出スイッチにて遊技球が1個検出されるごとに、賞球個数カウンタに「1」が加算される。そして、賞球個数カウンタの値が所定数「10」に達すると、外部情報端子板P600から賞球信号が出力されることになる。なお、賞球個数カウンタの値が所定数「10」に達すると、該カウント値が初期値「0」に戻る(すなわち、初期値「0」からカウントされる)。
図75は、一般入賞口P64に遊技球が入球した場合の賞球信号のタイムチャートである。本実施形態では、遊技球が一般入賞口P64に1個入球することに基づき付与される賞球数(単位賞球数)は「3個」である。そのため、右一般入賞口スイッチP641にて遊技球の入球が検出されると、賞球払出ユニットP34から3個の遊技球が払い出され、賞球個数カウンタの値に「3」が加算される。このとき、図中の(A)に示すように、加算前の賞球個数カウンタの値が「0」~「6」までの範囲(図示例では「0」に相当)にある場合には、加算後の賞球個数カウンタの値が所定数まで到達することはなく、賞球信号は出力されない。一方、図中(B)に示すように、加算前の賞球個数カウンタの値が「7」~「9」までの範囲(図示例では「7」に相当)にある場合には、加算後の賞球個数カウンタの値が所定数に1回到達することで、賞球信号が1回出力されることとなる。よって、本実施形態では、一般入賞口P64に遊技球が1個入球することを契機(一般入賞口通常入賞演出が1回実行されることを契機)として、賞球信号が1回も出力されない場合と、賞球信号が1回出力される場合とがある。なお、上述の説明では、複数の一般入賞口P61~P64のうち、一般入賞口P64を例に挙げて説明したが、一般入賞口P61~P63についても同様のことが言える。
図76は、大入賞口P54に遊技球が入球した場合の賞球信号のタイムチャートである。本実施形態では、遊技球が大入賞口P54に1個入球することに基づき付与される賞球数(単位賞球数)は「15個」である。そのため、大入賞口スイッチP541にて遊技球の入球が検出されると、賞球払出ユニットP34から15個の遊技球が払い出され、賞球個数カウンタの値に「15」が加算される。このとき、加算前の賞球個数カウンタの値が「0」~「4」までの範囲にある場合(図示例では「0」に相当)には、加算後の賞球個数カウンタの値が所定数に1回到達することで、賞球信号が1回出力されることとなる。一方、加算前の賞球個数カウンタの値が「5」~「9」までの範囲(図示例では「5」に相当)にある場合には、加算後の賞球個数カウンタの値が所定数に2回到達することで、賞球信号が2回出力されることとなる。よって、本実施形態では、大入賞口P54に遊技球が1個入球することを契機(大入賞口通常入賞演出又は大入賞口オーバー入賞演出が1回実行されることを契機)として、賞球信号が1回出力される場合と、賞球信号が2回出力される場合とがある。
<その他の大当り中演出との関係> 次に、入賞関連演出(大入賞口入賞演出、一般入賞口入賞演出)と、その他の大当り中演出との関係について説明する。以下では、その他の大当り中演出として、(C)保留連示唆演出と、(D)昇格演出と、(E)特別演出とを例示する。
≪C.保留連示唆演出≫ 保留連示唆演出は、特別遊技の実行中に保留内連荘が成立していること(大当り保留が存在すること)を示唆する演出である。「保留内連荘」とは、前述したとおり、或る先行の作動保留球が消化されることで行われた特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合に、当該作動保留球に係る特別図柄の当否判定が許可されてから当該大当りを契機として実行される特別遊技の終了時までの間の所定タイミングにおいて存在する一以上の後続の作動保留球内に、大当りとなることが予定される作動保留球(「大当り保留」とも称する)が含まれていることをいう。なお、本実施形態では、現在実行中の特別遊技の実行契機となる大当り発生時の遊技状態が特定遊技状態(高ベース状態)であり、且つ、該特別遊技の終了後の遊技状態も特定遊技状態(高ベース状態)となる場合、すなわち、連荘の継続中である場合に、保留内に大当り保留があれば、現在実行中の特別遊技にて保留連示唆演出が実行される。逆を言えば、現在実行中の特別遊技の実行契機となる大当り発生時の遊技状態が通常遊技状態(低ベース状態)である場合には、例え保留内に大当り保留が存在しても、現在実行中の特別遊技にて保留連示唆演出が実行されない。また、現在実行中の特別遊技が第2特別図柄に係る当否判定結果に基づくものであることが好適であり、更に保留内の大当り保留も第2特別図柄に係る保留であることが好適である。
本実施形態では、保留連示唆演出の実行タイミングは、図54および図56に示すように、大当り終了デモ期間に設定されている。保留連示唆演出の実行可否は、特別遊技実行開始時に行われ、特別遊技実行開始時に保留連示唆演出実行条件が成立している場合に抽選で決定される。変形例としては、大当り終了デモの開始直前又は開始時に保留連示唆演出実行条件が成立していることを契機として行われた実行抽選にて当選した場合に、保留連示唆演出を実行してもよい。
保留連示唆演出実行条件は、現在実行中の特別遊技の実行契機となった大当りの種別が高利益大当り(16R特定大当り)であることを前提に、1又は複数の特別図柄の作動保留球内に高利益大当り(16R特定大当り)となる大当り保留が含まれている場合に成立する条件である。換言すれば、特別図柄の作動保留球内に大当り保留が存在していても、その大当り保留に係る大当り種別が高利益大当りではない場合(4R特定大当りまたは4R通常大当りである場合)は、保留連示唆演出が実行されない。更に言えば、特別図柄の作動保留球内に大当り保留が複数存在する状況において、先の大当り保留に係る大当り種別が低利益大当りで、後の大当り保留に係る大当り種別が高利益大当りである場合には、現在実行中の特別遊技にて保留連示唆演出を実行しない。従って、本実施形態では、特別遊技の実行中に保留連示唆演出が実行された場合、該特別遊技の終了後の所定回数(4回転)以内の変動表示にて高利益大当り(16R大当り)が発生することが確定的となるだけでなく、保留連示唆演出が実行された特別遊技の次の特別遊技が低利益大当り(4R特定大当りまたは4R通常大当り)ではないことが確定的となる。なお、本実施形態では、第1特別図柄の作動保留球よりも第2特別図柄の作動保留球を優先的に消化する「特図2優先消化方式」を採用しており、保留内連荘の対象となる作動保留球は、第2特別図柄の作動保留球に限られる。
保留連示唆演出は、大当り終了デモ期間中に実行されて、その他のいかなる場面でも現出すること
のない特殊画像が表示される演出である。この特殊画像としては、静止画で構成される演出画像、動画で構成される演出画像、静止画および動画の両方で構成される演出画像を例示できる。
本実施形態では、保留連示唆演出は、現在実行中の特別遊技が高利益特別遊技(16R特別遊技)である場合にのみ実行され得る。すなわち、保留連示唆演出は、大当り中演出パターンとして、超寿大当り演出においてのみ実行され得る。一方、オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出は、現在実行中の特別遊技が高利益特別遊技(16R特別遊技)であっても低利益特別遊技(4R特別遊技)であっても実行され得る。すなわち、オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出は、大当り中演出パターンとして、超寿大当り演出、寿大当りA演出、寿大当りB演出、喜大当りA演出、喜大当りB演出のいずれにおいても実行され得る。
本実施形態では、保留連示唆演出の実行中は、オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出は実行されない。すなわち、保留連示唆演出の実行期間(実行タイミング)と、オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出の実行期間(実行タイミング)とが重複することはない。つまり、保留連示唆演出は、大当り終了デモ期間に実行されるのに対して、オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出は、大当り終了デモ期間中に実行されることはなく、インターバル期間中に実行されるからである。従って、特別遊技の実行中に、保留連示唆演出とオーバー入賞演出とが重複実行されることはなく、また、保留連示唆演出とオマケ入賞演出とが重複実行されることはなく、保留連示唆演出とオーバー入賞演出又はオマケ入賞演出とは単独実行されるようになっている。変形例としては、ラウンド遊技中に保留連示唆演出を実行するよう構成してもよく、その場合、保留連示唆演出とオーバー入賞演出とが重複実行されてもよく、また、保留連示唆演出とオマケ入賞演出とが重複実行されてもよく、そのように構成する場合、保留連示唆演出の方が表示優先度が高く(オーバー入賞画像やオマケ入賞画像の表示を背面に表示する、または、非表示とする)、また、保留連示唆演出時の特殊な効果音が発生する場合は、この特殊な効果音を優先して出力する(オーバー入賞音やオマケ入賞音の音量を低減させる、または、出力しない)よう構成してよい。
また、本実施形態では、保留連示唆演出の実行時間は、オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出の実行時間と比較して、長時間に設定されている。保留内連荘は、オーバー入賞やオマケ入賞と比べて、遊技者にとって利益度合いの高い褒賞であるため、保留内連荘演出の実行時間を相対的に長く設定して、遊技者が見逃すことのないようにしている。
なお、本実施形態では、保留内連荘演出を保留内連荘の成立を確定的に報知する「真実の演出」としてのみ実行されるが、その変形例として、実際には保留内連荘が成立していない「ガセの演出」を含めてもよい。なお、本例では、保留内連荘演出の実行条件の一つとして、先行の作動保留球が高利益大当り(16R大当り)の大当り保留であることを条件としているが、これに限定されるものではなく、先行の作動保留球は高利大当り(16R大当り)以外の大当り保留、すなわち、低利益大当り(4R大当り)に対応する大当り保留であってもよい。
また、累積賞球数表示の表示態様を通常表示態様(例えば白色表示)から特殊表示態様(金色表示)に変化させることで、保留内連荘が成立していることを示唆してもよい。また、累積賞球数の値が特定値に達することで行われる強調演出(強調表示)の実行タイミングにて保留連示唆演出を行ってもよい。その場合には、強調演出の表示態様により保留内連荘が成立していることを示唆することが好適である。
≪D.昇格演出≫ 昇格演出とは、特別図柄の変動表示にて大当りが発生した場合に、その特別遊技の開始前又は開始時に当該大当りに係る利益態様(便宜上「仮の利益態様」とする)を示唆又は報知した後、その特別遊技の実行中において当該大当りに係る現実の利益態様が仮の利益態様よりも利益度合いが高いか否かを示唆する演出である。つまり、特別遊技の開始前又は開始時に示唆された当該大当りの利益態様が真実(そのとおりの利益態様)なのか、虚偽(高い利益態様)なのかを示唆して、その一連の過程を通じて当該大当りの利益態様が昇格(変化)するか否かを見せる演出である。
昇格演出の種類は、ラウンド昇格演出と、確変昇格演出とに大別される。ラウンド昇格演出は、大当り発生時に示唆又は報知された特別遊技の規定ラウンド数(仮の規定ラウンド数)が真実のラウンド数か虚偽のラウンド数か不確定な状態において、その仮のラウンド数以降においてもラウンド遊技が継続する可能性を示唆する演出である。このラウンド昇格演出には、単にラウンド昇格したことを示唆するものと、ラウンド昇格することだけでなく真の規定ラウンド数又は長開放ラウンド数までも示唆するものとがある。確変昇格演出は、大当り発生時に示唆又は報知された大当り種別(仮の大当り種別)が真実の大当り種別か虚偽の大当り種別であるか不確定な状態(特定大当りであるか否か不確定な状態)において、特別遊技の終了後に確変遊技状態に移行する可能性を示唆する演出である。本実施形態では、特別遊技の実行中に昇格演出(ラウンド昇格演出、確変昇格演出)が発生した時点で、昇格成功することが確定的となる。
確変昇格演出は、図53,図58に示すように、通常遊技状態で第1特別図柄の「4R特定大当り」に当選したとき、又は、時短遊技状態もしくは確変遊技状態で第2特別図柄の「4R特定大当り」に当選したときに、その大当り中演出パターンとして「喜大当りB演出」が選択された場合に実行される。この確変昇格演出の実行タイミングは、大当り終了デモ期間中に設定されている。この確変昇格演出は、可動役物P24を落下移動させて画面と重なる状態とした後、この可動役物P24を再び上方に移動させることで露出された画面上に「寿大当り」というタイトルを表示することにより、「喜大当り演出」から「寿大当り演出」に昇格(大当り種別が4R通常大当りから4R特定大当りに昇格)したかの如く見せる演出内容である。
ラウンド昇格演出は、図53,図56に示すように、時短遊技状態又は確変遊技状態で第2特別図柄の「16特定大当り」に当選したときに、その大当り中演出パターンとして「寿大当りB演出」が選択された場合に実行される。このラウンド昇格演出の実行タイミングは、第4ラウンドから該第4ラウンドのインターバル期間までに亘り設定されている。このラウンド昇格演出は、画面上に「最終ラウンド」という文字(偽の表示物)を一旦表示して現在実行中のラウンド遊技が最終回のラウンド遊技であるかのように見せかけた後、本機種の主要キャラクタの発する「そんなわけないでしょう!」というメッセージのカットイン画像を表示し、その後、「超寿大当り」というタイトルを表示することで、「寿大当り演出」から「超寿大当り演出」に昇格(大当り種別が4R特定大当りから16R特定大当りに昇格)したかの如く見せる演出内容である。
本実施形態では、ラウンド昇格演出は、現在実行中の特別遊技が「16R特別遊技(高利益特別遊技)」である場合にのみ実行され得るが、オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出は、現在実行中の特別遊技が「16R特別遊技(高利益特別遊技)」、「4R特別遊技(低利益特別遊技)」のいずれであって実行され得るように構成されている。
また、本実施形態では、確変昇格演出の実行中には、オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出が実行されないように構成されている。すなわち、確変昇格演出の実行期間(実行タイミング)と、オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出の実行期間(実行タイミング)とが重複することはない。つまり、確変昇格演出は、大当り終了デモ期間に実行されるのに対して、オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出は、大当り終了デモ期間中に実行されることはなく、インターバル期間中に実行されるからである。従って、特別遊技の実行中に、確変昇格演出とオーバー入賞演出とが重複実行されることはなく、また、確変昇格演出とオマケ入賞演出とが重複実行されることはなく、確変昇格演出とオーバー入賞演出又はオマケ入賞演出とは単独実行されるようになっている。変形例としては、ラウンド遊技中に確変昇格演出を実行するよう構成してもよく、その場合、確変昇格演出とオーバー入賞演出とが重複実行されてもよく、また、確変昇格演出とオマケ入賞演出とが重複実行されてもよく、そのように構成する場合、確変昇格演出の方が表示優先度が高く(オーバー入賞画像やオマケ入賞画像の表示を背面に表示する、または、非表示とする)、また確変昇格演出時の特別な効果音が発生する場合は、この特別な効果音を優先して出力する(オーバー入賞音やオマケ入賞音の音量を低減させる、または、出力しない)よう構成してよい。
また、本実施形態では、ラウンド昇格演出の実行中に、オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出が重複実行され得るように構成されている。すなわち、ラウンド昇格演出は、第4ラウンドから該第4ラウンドのインターバル期間までに亘り実行されるため、該インターバル期間内にオーバー入賞又はオマケ入賞が発生した場合には、ラウンド昇格演出の実行期間(実行タイミング)と、オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出の実行期間(実行タイミング)とが重複し得ることとなる。また、ラウンド昇格演出の方が表示優先度が高く(オーバー入賞画像やオマケ入賞画像の表示を背面に表示する、または、非表示とする)、またラウンド昇格演出時の専用の効果音が発生する場合は、この専用の効果音を優先して出力する(オーバー入賞音やオマケ入賞音の音量を低減させる、または、出力しない)よう構成してよい。
また、本実施形態では、ラウンド昇格演出の実行時間を、第4ラウンドの開始時からインターバル期間の終了時までの「31秒」に設定し、確変昇格演出の実行時間を、大当り終了デモの開始時から終了時までの「20秒」に設定している。一方、オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出の実行時間は、それぞれ「0.5秒」に設定している。従って、ラウンド昇格演出の実行時間は、オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出の実行時間と比較して、長時間に設定されている。また、確変昇格演出の実行時間は、オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出の実行時間と比較して、長時間に設定されている。
≪E.特別演出≫ 特別演出は、所定の連荘条件が成立した場合に実行される希少性の高い演出である。「所定の連荘条件」とは、大当りの連荘回数が規定回数(本実施形態では20回)に到達し、且つ、少なくとも規定回数目(本実施形態では20回目)の大当りの種別が最高利益大当り(16R特定大当り)となる場合に成立する条件である。この特別演出は、規定回数目(20回目)の大当りが発生したことを契機として行われる特別遊技(16R特別遊技)の実行中に現出する。但し、この特別演出は、最終回(第16ラウンド目)のラウンド遊技で終了し、その後の終了デモ期間は含まれない(但し、最終回のインターバル期間を含むものでも、最終回のインターバル期間を含まないものでもよい)。また、この特別演出は、本機種の希少性の高いプレミアキャラクタを1カットずつ順番に表示する演出内容(スペシャルムービー)で構成されている。
なお、所定の連荘条件として、連荘の規定回数の他に、例えば、連荘状態での16R特定大当りの累積回数が所定回数に到達すること(第2特別図柄の16R特定大当りが規定回数連続すること)や、連荘状態での総獲得ラウンド数や累積賞球数が所定数に到達することなどを条件に加えてもよい。ここで、「連荘(連荘状態)」とは、前述したように、非特別遊技状態中の遊技状態として、非特定遊技状態から特定遊技状態への移行契機となる初当りの発生後、非特定遊技状態に戻ることなく、特定遊技状態が継続している状態(初当り時を起点とし、その後、特定遊
技状態での大当りが連続して発生している状態)のことを言う。「特定遊技状態」とは、通常遊技状態よりも特別遊技への移行確率が高められた遊技状態であり、広義には、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能のうちの何れかの機能が作動している遊技状態のことである。なお、本実施形態において、特定遊技状態とは、少なくとも電チューサポート機能が作動している遊技状態、すなわち、第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態を意味する。
本実施形態では、特別演出は、現在実行中の特別遊技が高利益特別遊技(16R特別遊技)である場合にのみ実行され得る。一方、オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出は、現在実行中の特別遊技が高利益特別遊技(16R特別遊技)であっても低利益特別遊技(4R特別遊技)であっても実行され得る。
本実施形態では、特別演出の実行中には、オーバー入賞又はオマケ入賞が発生したとしても、オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出が実行されないように構成されている。すなわち、特別演出の実行期間(実行タイミング)と、オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出の実行期間(実行タイミング)とが重複することはない。その理由としては、特別演出とオーバー入賞演出又はオマケ入賞演出とが競合する場合には、希少性の高い特別演出の実行(特別演出でしか見ることのできないプレミアキャラクタの表示)を優先する方が遊技者にとって満足の得られる結果となるからである。
なお、本実施形態の変形例として、特別演出の実行中にオーバー入賞又はオマケ入賞が発生した場合には、オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出を重複実行するように構成してもよい。特別演出とオーバー入賞演出又はオマケ入賞演出とを重複実行する場合には、オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出の表示の優先度(レイヤの優先度)よりも、特別演出の表示の優先度(レイヤの優先度)の方が高く設定されていることが好適である。但し、特別演出は画面全体に大きく表示される演出であるのに対して、オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出は画面の端の方に小さく表示される演出であるため、特別演出の表示の優先度(レイヤの優先度)よりも、オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出の表示の優先度(レイヤの優先度)の方が高く設定されていてもよい。
本実施形態では、特別演出の実行時間を、大当り開始デモの開始時から最終回(第16ラウンド)のラウンド遊技の終了時までの「499秒」に設定している。一方、オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出の実行時間は、それぞれ「0.5秒」に設定している。従って、特別演出の実行時間は、オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出の実行時間と比較して、長時間に設定されている。
なお、特別遊技の実行中に電源断が発生した場合(例えば、停電等により遊技機への電力供給が遮断された場合)、該電源断の復帰後にオーバー入賞又はオマケ入賞が発生していれば、該電源断の復帰後においてオーバー入賞演出又はオマケ入賞演出が実行される。これは、オーバー入賞演出の実行決定やオマケ入賞演出の実行決定については、オーバー入賞やオマケ入賞を契機とする、つまり電源断復帰後の事象を契機とするため、実行することが可能である。一方、電源断の復帰後に主制御基板P100から送信される電源断復帰用の演出制御コマンドには、保留連示唆演出、昇格演出および特別演出の復旧用のデータが含まれておらず、また、演出制御基板P200のRAMP203は電源バックアップされていないため、特別遊技の実行中に電源断が発生した場合には、該電源断時に各演出の実行条件が成立又は実行契機が到来したとしても、特別遊技開始時に実行可否を決定する保留連示唆演出、昇格演出、特別演出については、該電源断の復帰後においては、それらの演出の実行可否に関するデータが存在しない状態となるため、電源断復帰後においては実行されない。なお、上述した電源断の復帰(電源の復帰)は、RAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴わない電源断の復帰であり、RAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴う電源断の復帰である場合には、通常遊技状態(低確率低ベース状態)に移行し、装飾図柄が「331」の組合せにて停止表示されている状態にて復帰される。
<主制御基板側の処理> 次に、図77~図90のフローチャートを参照しながら、主制御基板100における動作処理の手順について説明する。主制御基板100側の処理は、主制御側メイン処理と、主制御側タイマ割込み処理と、を含んで構成される。
《主制御側メイン処理》 図77~図78は主制御基板100の主制御側メイン処理を示すフローチャートである。この主制御側メイン処理では、電源投入時のリセットによりメインCPU101のセキュリティチェックが行われた後、プログラムがスタートして、S1以降の処理が開始される。
まず、電源投入時に必要な初期設定として、スタックポインタにスタック領域の初期値として先頭アドレスを設定するとともに(S1)、RAM103のアクセス許可を行う(S2)。続いて、タイマ割込みが発生した場合に処理するプログラムの先頭アドレスが格納されたベクタテーブルを設定し(S3)、メインCPU101の内蔵レジスタに初期値を設定する(S4)。
続いて、RAMクリアスイッチがオンされているか否かを判定する(S5)。RAMクリアスイッチがオンされている場合(S5:YES)には、後述するS9でRAM103の全領域がゼロクリアされる。他方、RAMクリアスイッチがオンされていない場合(S5:NO)には、電源断情報フラグの値を読み込んで、電源断正常の情報が保存されているか否かを判定する(S6)。
ここで、電源断正常の情報が保存されている場合(S6:YES)には、RAM103の所定領域を対象としてチェックサムを算出する(S7)。そして、このチェックサムが0であるか否か、すなわち、チェックサムが正常であるか否かを判定する(S8)。なお、ここで算出される電源投入時のチェックサムには、後述の電源断時処理で算出されるチェックサムの補数が含まれているため、正常にバックアップされていれば、電源投入時のチェックサムは「0」となる。このように、電源断前にRAM103に記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源投入時に判断する。このとき、チェックサムが正常である場合(S8:YES)には、電源断前の状態に復帰すべく、後述するS12に移行する。他方、チェックサムが異常である場合に(S8:NO)には、RAM103の全領域をゼロクリアする(S9)。次に、RAM103に電源投入時の初期化データを設定する(S10)。続いて、演出表示装置70の初期化、演出ランプLPの初期化などを行うため、演出制御基板200への演出制御コマンド(「演出初期コマンド」)を要求する(S11)。
次に、電源断復帰設定処理において、RAM103における、電源投入正常情報の設定、各種エラーの初期設定、払出制御基板400との通信初期設定を順に行う(S12)。ここで、電源投入正常情報の設定としては、電源投入が正しく行われたことを保存するため、電源断情報フラグに電源投入正常データを格納するとともに、電源断発生の情報を初期化するため、電源断確認フラグをオフにする。次に、データ転送元アドレス、データ転送先アドレス、転送バイト数、をセットして、転送バイト数分のデータを転送する(S13)。そして、電源断時における特別図柄遊技ステイタスの値を読み込んで、特別図柄遊技に係る電源断復帰処理を行う(S14)。
続いて、主制御基板100と演出制御基板200との電源断復帰時の演出制御コマンド(「電源断復帰コマンド」)の送信要求を行う(S15)。この電源断復帰コマンドには、通信線の検査、特別図柄の作動状態、確率変動回数、時短回数、入球容易状態回数、変動パターン選択状態、エラー状態に関する情報が含まれている。なお、電源断前の未送信分のコマンド要求はクリアされる。次に、図柄記憶数コマンド要求処理において、電源断時の第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を読み込み、この作動保留球数の情報を含む演出制御コマンドを要求する(S16)。
続いて、普通電動役物522を電源断前の状態(例えば、第2始動口52を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(S17)。さらに、特別電動役物542を電源断前の状態(例えば、大入賞口54を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(S18)。続いて、確変フラグの値を読み込み、電源断時における特別図柄の確率変動機能の作動状態を設定する(S19)。なお、確変フラグとは、特別図柄遊技の作動確率(高確率又は低確率)を設定するためのフラグ(特別図柄の確率変動機能が作動している状態であることを示すフラグ)である。次いで、タイマ割込みを起動させるため、主制御マイコン110のCTC回路の初期設定として、所定のカウント値を設定して、タイマ割込みを4ms毎に発生させる(S20)。続いて、タイマ割込み処理の発生を禁止すべく割込み禁止を設定する(S21)。そして、ウォッチドッグタイマのリスタート準備として、クリアワード1(「55H」)を設定する(S22)。
次に、電源断の発生を判定するため、電源断確認フラグの値を読み込み、電源断が発生しているか否かを判定する(S23)。電源断が発生していない場合には、初期値乱数更新処理を実行する(S24)。この初期値乱数更新処理では、この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数および特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
次に、タイマ割込み処理の発生を許可すべく割込み許可を設定して(S25)、上述の割込みを禁止する処理(S21)に戻り、S21~S25のループ処理を繰り返し実行する。ここで、タイマ割込み処理は所定の周期ごとに定期的に実行されるが、前回の割込み処理が完了してから次回の割込み処理が発生するまでの間の残余時間を利用して、S21~S25までの処理を繰り返す。そして、割込み禁止状態において割込み要求があった場合には、S25で割込み許可となったときにタイマ割込み処理が起動することとなる。他方、S23で電源断確認フラグがオンとなっている場合、すなわち、電源断が発生している場合には、S26に移行して、次述する電源断時処理を実行する。
次に、電源断時処理(S26~S32)として、まず、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(S26)。次に、電源断情報フラグの内容が電源投入正常データであるか否かを判定する(S27)。電源投入正常情報である場合(S27:Yes)には、電源断情報フラグに電源断正常データを設定する(S28)。他方、電源投入正常情報でない場合(S27:No)には、電源断情報フラグに電源断異常データを設定して(S29)、S32に移行する。
次に、RAM103の所定領域(チェックサム領域を除く)に対してチェックサムを算出する(S30)。そして、チェックサムデータに対する補数を算出し、この補数の結果値をRAM103のチェックサム領域に設定する(S31)。続いて、RAM103のアクセス禁止設定をして(S32)、電源が落ちるまで処理をループする。
《主制御側タイマ割込み処理》 次に、主制御基板100の主制御側タイマ割込み処理を説明する。図79は、主制御基板100のタイマ割込み処理を示すフローチャートである。このタイマ割込み処理は、遊技制御マイコン110のCTC回路からの一定時間(例えば4ms)毎のクロックパルスにより起動され、上述の主制御側メイン処理に割り込むかたちで実行される。
まず、このタイマ割込みが発生すると、メインCPU101内のレジスタの内容をRAM103のスタッ
ク領域に退避させた後、割込み動作条件を設定する(S51)。
次に、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(S52)。このとき、予め設定されたタイムアウト時間内に、CPU101のWDTクリアレジスタに、クリアワード1、クリアワード2が順に書き込まれることで、ウォッチドッグタイマがクリアされてリスタートされる。すなわち、メインCPU101がプログラムを正常に実行しているときは、定期的にクリアワード1,2が設定されることにより、ウォッチドッグタイマがタイムアウトする前にクリアおよびリスタートされることとなる。他方、ウォッチドッグタイマがタイムアウトすると、ユーザリセットが発生する。
次に、入力処理を実行する(S53)。この入力処理では、主制御基板100に接続されている各種スイッチとして、RAMクリアスイッチ以外のスイッチの情報が読み込まれる。すなわち、第1始動口スイッチ511、第2始動口スイッチ521、作動ゲートスイッチ531、大入賞口スイッチ541、一般入賞口スイッチ611,641、扉開放スイッチ、枠開放スイッチ、裏セット開放スイッチ、磁気センサ、電波センサ、などの入力情報を読み込み、それらの状態判定を行ったうえで、これらの検出情報を格納する。なお、入力ポートからの信号の読み込みは、1回の割込み処理につき5回行われる(5μs間隔で読み込む)。この5回の読み込み値が一致した場合には一致した値(1または0)を今回の割り込み処理のレベルデータとしてRAMに格納し、一致しなければ前回の割り込み処理のレベルデータを今回の割り込み処理のレベルデータとしてそのまま保持する。さらに、今回のレベルデータと前回のレベルデータの排他的論理和をとり、排他的論理和の結果と今回のレベルデータの論理積をとることで、立ち上がりデータ(例えば第1始動口51で遊技球の入球が検出されたことを意味する入賞信号)を作成する。また、入力ポートを4ms単位の割込処理により確認し、複数回の割り込み処理により入力変化があった場合に立ち上がりデータを作成してもよい(複数回の割込み処理の連続するデータが一致していればその状態を正常なポート状態とする)。例えば、前回の割込み処理でのレベルデータが「0」であり、その後の2回の割り込み処理において、いずれも1回の割込み処理につき入力ポートからの信号の読み込みを5回行い、この5回の読み込み値が一致した値「1」であった場合に、立ち上がりデータ(例えば第1始動口51で遊技球の入球が検出されたことを意味する入賞信号)を作成してもよい。
次に、各種乱数更新処理を実行する(S54)。この各種乱数更新処理では、普通図柄変動パターン乱数、特別図柄変動パターン乱数、特別図柄変動付加パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数については、乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。他方、特別図柄変動パターン乱数および特別図柄変動付加パターン乱数については、前回の乱数から所定値(例えば3511)を減算する。なお、減算した結果が0未満の場合には、減算した結果に所定値(例えば50000)を加算する。
次に、初期値更新型乱数更新処理を実行する(S55)。この初期値更新型乱数更新処理では、普通図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数および特別図柄当り図柄乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。また、カウンタの数値が1周した場合には、対応する初期値乱数の値を初期値として設定する。
次に、初期値乱数更新処理を実行する(S56)。この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数および特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
次に、タイマ減算処理を実行する(S57)。このタイマ減算処理では、ぱちんこ遊技機PMの遊技動作制御に用いる各種タイマの値を減算更新する。例えば、各種タイマの値を割込み周期(本例では4ms)ずつ減算する。なお、各種タイマには、特別図柄表示装置71,72による変動表示および停止表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマ、などが含まれる。特別図柄遊技タイマには、特別図柄の変動表示の開始時に規定の変動時間が設定され、その時間の経過に伴い減算される。なお、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、一方の特別図柄の変動表示中に、他方の特別図柄の小当り遊技が実行された場合には、その小当り遊技の実行中は、一方の特別図柄の変動表示の計時が中断される。
次に、第2始動口有効期間設定処理を実行する(S58)。この第2始動口有効期間設定処理では、第2始動口51の入賞有効期間および入賞無効期間を判定し、この判定結果として、第2始動口51の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
次に、入賞監視処理を実行する(S59)。この入賞監視処理では、前記入力処理(S53)での第1始動口スイッチ511、第2始動口スイッチ521、作動ゲートスイッチ531、大入賞口スイッチ541、一般入賞口スイッチ611,641の検出情報に基づき、遊技球のスイッチ通過検査を行い、その結果、遊技球が各スイッチを通過したと判断した場合、遊技球が各スイッチを通過したことを示す情報をメイン情報記憶手段180の入賞情報格納領域に一時記憶するとともに、遊技球が各スイッチを通過したことを示す情報を含む演出制御コマンドの送信要求、などを行う。なお、この入賞監視処理(S59)の詳細は図67を用いて後述する。
次に、賞球制御処理を実行する(S60)。この賞球制御処理では、上記の入賞監視処理での検出結果に基づき、入賞の種別に対応する賞球個数の指示をすべく払出制御コマンドを払出制御基板400へ送信するとともに、払出制御基板400からの受信データを監視して払出制御基板400との通信検査を行う。
次に、普通図柄作動ゲート監視処理を実行する(S61)。この普通図柄作動ゲート監視処理では、遊技球の作動ゲート53への通過を監視し、作動ゲート53を通過していると判断した場合、普通図柄抽選に係る乱数を作動保留球情報として取得して、最大4個を限度として作動保留球数の更新を行うとともに、普通図柄抽選に係る乱数の記憶を行う。
次に、普通図柄制御処理を実行する(S62)。この普通図柄制御処理では、普通図柄表示装置75又は普通電動役物522に係る一連の処理を行うため、普通図柄遊技ステイタスの値に応じて、普通図柄変動中処理、普通図柄停止図柄表示中処理、普通電動役物作動中処理、普通電動役物作動終了デモ中処理、などを実行する。なお、普通図柄変動中処理では、普通図柄を変動表示又は確定表示させるべく、普通図柄の表示パターン番号データを作成(更新)する。
次に、普通図柄変動開始監視処理を実行する(S63)。この普通図柄変動開始監視処理では、普通図柄の作動状態を監視して、普通図柄の変動開始条件を充足していると判断したとき、普通図柄作動保留球数を1個消化して、普通図柄の当否判定、図柄の判定、変動パターンの判定、変動時間の設定、などを順に行う。
次に、始動口監視制御処理を実行する(S64)。この始動口監視制御処理では、遊技球の第1始動口51および第2始動口52への入賞を監視して、遊技球の入賞があった場合、保留球数の更新、特別図柄抽選に係る乱数記憶、先読み予告演出判定、図柄記憶数のコマンド要求、などを順に行う。
次に、特別図柄制御処理を実行する(S65)。この特別図柄制御処理では、特別図柄表示装置71,72に係る一連の処理として、特別図柄遊技ステイタスの値に応じて、詳細後述する特別図柄変動開始処理(S420)、特別図柄変動中処理(S430)、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)、などを実行する。
次に、特別電動役物制御処理を実行する(S66)。この処理では、特別図柄の抽選結果が「大当り」又は「小当り」となった場合に、特別電動役物542に係る動作処理として、特別電動役物542の作動開始および作動終了の設定、大入賞口54の開放時間および開放回数の更新、確率変動機能の作動開始設定、変動時間短縮機能の作動開始設定、変動パターン選択状態の設定、などを順に実行する。
次に、大入賞口有効期間設定処理を実行する(S67)。この大入賞口有効期間設定処理では、大入賞口54の入賞有効期間および入賞無効期間を判定し、この判定結果として大入賞口54の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
次に、特別図柄変動開始監視制御処理を実行する(S68)。この特別図柄変動開始監視制御処理では、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球が存在する場合、保留球数を1個消化して、図柄記憶数のコマンド要求、特別図柄の当否判定、特別図柄の図柄判定、確率変動機能の判定、時間短縮機能の判定、特別電動役物の作動パターンの設定、デモ演出時間の設定、などを順に行う。
次に、異常検知処理を実行する(S69)。この異常検知処理では、前記入力処理(S53)での入力情報に基づき、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを順に検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態である場合には、演出制御基板200にエラー表示を要求すべく、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)を生成する。
次に、入球通過時間異常検出処理を実行する(S70)。この入球通過時間異常検出処理では、入賞検出スイッチのオン信号が連続して所定時間以上検出された場合に、入球通過時間異常を設定して、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)の要求を行うとともに、外部端子へ出力するためのセキュリティ信号の出力要求を行う。
次に、遊技状態表示処理を実行する(S71)。この遊技状態表示処理では、特別電動役物542が連続して作動する回数(規定ラウンド数)、普通図柄および特別図柄の作動保留球数、などの表示データを作成する。また、前記の異常検知処理で検出したエラー状態の情報を主制御基板100の状態表示灯に表示させるための表示データを作成する。
次に、LED出力処理を実行する(S72)。このLED出力処理では、特別図柄および普通図柄の表示、保留球数の表示、特別電動役物が連続して作動する回数、エラーの表示などを行うべく、前記の特別図柄制御処理(S65)、異常検知処理(S69)、遊技状態表示処理(S71)等で作成された表示データを、各特別図柄表示装置71,72、普通図柄表示装置75、各特図保留ランプ73,74、普図保留ランプ76、主制御基板100の状態表示灯などに出力するとともに、これら各種表示装置における表示の初期化を行う。
次に、発射制御信号出力処理を実行する(S73)。この発射制御信号出力処理では、払出制御基板400との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されていない場合に、払出制御基板400に対して発射許可の信号を出力し、遊技球の発射を許可する。他方、払出制御基板400との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されたいる場合には、払出制御基板400に対して発射禁止の信号を出力し、遊技球の発射を禁止する。
次に、ソレノイド出力処理を実行する(S74)このソレノイド出力処理では、各電動役物542を作動させるべく、前記の普通図柄制御処理(S62)および特別電動役物制御処理(S66)において取得した制御データに基づき、各電動役物ソレノイド623,643に対して励磁信号を出力する。
次に、演出制御コマンド送信処理を実行する(S75)。この演出制御コマンド
送信処理では、前記の処理でメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域(リングバッファ)に格納された演出制御コマンドの中から、ポインタで指定された演出制御コマンドを読み出して、この演出制御コマンドを演出制御基板200に対して送信する。
次に、外部情報出力処理を実行する(S76)。この外部情報出力処理では、外部情報端子板600を介して、本遊技機PMに係る遊技情報を外部情報信号としてホールコンピュータ等の外部装置に出力する。この外部情報信号としては、例えば、賞球信号、扉枠開放信号、磁気センサ異常信号、断線短絡電源異常信号、異常センサ検知(入球通過時間異常等)信号、大当り信号、連荘中信号、図柄確定信号などがある。
次に、退避していたレジスタの内容を復帰させて、メインCPU101を割込み許可状態に設定する(S77)。これにより、主制御側タイマ割込み処理を終了して上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで主制御側メイン処理を実行する。
なお、主制御側メイン処理中又は割込み処理中に、主制御基板100が電源断(所定の閾値に基づき供給電圧の低下)を検出すると、ノンマスカブル割込みを発生させて、電源断確認フラグをオンにする。そして、元の処理に戻ったうえで、前述の電源断時処理(S26~S32)を実行することとなる。
≪入賞監視処理≫ 次に、入賞監視処理(S59)について説明する。図80は、入賞監視処理(S59)の詳細を示すフローチャートである。
まず、第1始動口スイッチ入力処理を実行する(S101)。第1始動口スイッチ入力処理では、第1始動口スイッチ511からの検出信号を入力したか否かを判定する。第1始動口スイッチ511からの検出信号を入力した場合は、遊技球が第1始動口51に入球したことを示す第1始動口入賞データをメイン情報記憶手段180の入賞情報格納領域に一時記憶するとともに、第1始動口入賞コマンドを生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。一方、第1始動口スイッチ511からの検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移行する。
続いて、第2始動口スイッチ入力処理を実行する(S102)。第2始動口スイッチ入力処理では、第2始動口スイッチ521からの検出信号を入力したか否かを判定する。第2始動口スイッチ521からの検出信号を入力した場合は、遊技球が第2始動口52に入球したことを示す第2始動口入賞データをメイン情報記憶手段180の入賞情報格納領域に一時記憶するとともに、第2始動口入賞コマンドを生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。一方、第2始動口スイッチ521からの検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移行する。
次いで、作動ゲートスイッチ入力処理を実行する(S103)。作動ゲートスイッチ入力処理では、作動ゲートスイッチ531からの検出信号を入力したか否かを判定する。作動ゲートスイッチ531からの検出信号を入力した場合は、遊技球が作動ゲート53を通過したことを示す作動ゲート入賞データをメイン情報記憶手段180の入賞情報格納領域に一時記憶するとともに、作動ゲート入賞コマンドを生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。一方、作動ゲートスイッチ531からの検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移行する。
続いて、大入賞口スイッチ入力処理を実行する(S104)。大入賞口スイッチ入力処理では、大入賞口スイッチ541からの検出信号を入力したか否かを判定する。大入賞口スイッチ541からの検出信号を入力した場合は、遊技球が大入賞口54に入球したことを示す大入賞口入賞データをメイン情報記憶手段180の入賞情報格納領域に一時記憶するとともに、大入賞口入賞コマンドを生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。一方、大入賞口スイッチ541からの検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移行する。
続いて、左一般入賞口スイッチ処理を実行する(S105)。左一般入賞口スイッチ入力処理では、左一般入賞口スイッチ611からの検出信号を入力したか否かを判定する。左一般入賞口スイッチ611からの検出信号を入力した場合は、遊技球が一般入賞口61~63のいずれかに入球したことを示す左一般入賞口入賞データをメイン情報記憶手段180の入賞データ格納領域に一時記憶するとともに、左一般入賞口入賞コマンドを生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。一方、左一般入賞口スイッチ611からの検出信号の入力がなければ、今回の入賞監視処理を終了する。
続いて、右一般入賞口スイッチ処理を実行する(S106)。右一般入賞口スイッチ入力処理では、右一般入賞口スイッチ641からの検出信号を入力したか否かを判定する。右一般入賞口スイッチ641からの検出信号を入力した場合は、遊技球が一般入賞口64に入球したことを示す右一般入賞口入賞データをメイン情報記憶手段180の入賞データ格納領域に一時記憶するとともに、右一般入賞口入賞コマンドを生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。一方、右一般入賞口スイッチ641からの検出信号の入力がなければ、今回の入賞監視処理を終了する。
≪特別図柄遊技処理≫ 次に、主制御側タイマ割込み処理内の特別図柄遊技に係る一連の処理について説明する。特別図柄遊技に係る処理には、前述の始動口監視制御処理(S64)、特別図柄制御処理(S65)、特別電動役物制御処理(S66)、特別図柄変動開始監視制御処理(S68)、などが該当する。
(始動口監視制御処理) 始めに、始動口監視制御処理(S64)について説明する。図81は、始動口監視制御処理(S64)の詳細を示すフローチャートである。
まず、第1始動口51への遊技の入賞を検出したか否かを判定する(S201)。第1始動口51への入賞を検出した場合(S201:YES)には、第1特別図柄の作動保留球数が上限数の4未満であるか否かを判定する(S202)。
第1特別図柄の作動保留球数が4未満である場合(S202:YES)には、第1特別図柄遊技に係る抽選乱数値として、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を取得して、各乱数値を入球順に応じて、メイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域(保留n記憶領域)に格納する(S203)。そして、第1特別図柄の作動保留球数の更新として、第1特別図柄保留球数カウンタの値を1加算して(S204)、第1始動口51の入賞チェックを終了する。
続いて、第2始動口52への遊技の入賞を検出したか否かを判定する(S205)。第2始動口52への入賞を検出した場合(S205:YES)には、第2特別図柄の作動保留球数が上限数の4未満であるか否かを判定する(S206)。第2特別図柄の作動保留球数が4未満である場合(S206:YES)には、第2特別図柄遊技に係る抽選乱数値として、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を取得して、各乱数値を入球順に応じて、メイン情報記憶手段180の第2特別図柄保留格納領域(保留n記憶領域)に格納する(S207)。そして、第2特別図柄の作動保留球数の更新として、第2特別図柄保留球数カウンタの値を1加算して(S208)、第2始動口52の入賞チェックを終了する。
続いて、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数の更新があったか否か、すなわち、S204又はS208にて第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が加算されたか否かを判定する(S209)。作動保留球数の更新があった場合(S209:YES)には、第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を含む図柄記憶数コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S210)。
次いで、遊技機の状態を確認し、事前判定タイミングであるか否かを判定する(S211)。事前判定タイミングである場合(S211:YES)には、始動口入賞時に取得された各種乱数に基づく先読み判定情報を生成するため、当り乱数バッファ(保留n記憶領域またはレジスタなど)から特別図柄当り乱数値を読み出して、当否事前判定を行う(S212)。そして、この事前判定結果の情報(当否事前判定番号)を含む当否事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S213)。
また、当り図柄乱数バッファから特別図柄当り図柄乱数値を読み出して、図柄事前判定を行う(S214)。そして、この事前判定結果の情報(図柄事前判定番号)を含む図柄事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S215)。さらに、変動パターン乱数バッファから特別図柄変動パターン乱数値を読み出して、変動パターン事前判定を行う(S216)。そして、この事前判定結果の情報(変動パターン事前判定番号)を含む変動パターン事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S217)。
(特別図柄変動開始監視制御処理) 次に、特別図柄変動開始監視制御処理(S68)について説明する。図82は特別図柄変動開始監視制御処理(S68)の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄変動開始監視制御処理(S68)では、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、変動開始条件を充足している方の特別図柄側に対して、後述の特別図柄変動開始監視処理(S310)を実行する。なお、第1特別図柄および第2特別図柄の双方が変動開始条件を充足している場合には、前述したように、第2特別図柄側の処理が優先的に実行される。
まず、大当り中又は小当り中であるか否かを判定する(S301)。続いて、第1特別図柄および第2特別図柄の双方が変動待機中であるか、すなわち、第1特別図柄遊技ステイタスおよび第2特別図柄遊技ステイタスが共に「00H(変動待機中)」であるか否かを判定する(S302)。
続いて、第2特別図柄の作動保留球数が「0」であるか否かを判定して(S303)、当該保留球数が「0」でない場合(S303:NO)には、第2特別図柄の変動開始条件が成立しているとみなし、第2特別図柄変動開始監視テーブルのアドレス(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定したうえで(S304)、第2特別図柄側の特別図柄変動開始監視処理(S310)に移行する。すなわち、本実施形態では、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合には、第1特別図柄の作動保留球の存在の有無に拘わらず、第2特別図柄の作動保留球が優先的に消化されるようになっている。この特別図柄変動開始監視処理(S310)の詳細は図110を用いて後述する。
他方、第2特別図柄の作動保留球数が「0」である場合(S303:YES)には、第1特別図柄の作動保留球数が「0」であるか否かを判定する(S305)。ここで、当該保留球数が「0」でない場合(S305:NO)には、第1特別図柄の変動開始条件が成立しているとみなし、第1特別図柄変動開始監視テーブルのアドレス(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定したうえで(S306)、第1特別図柄側の特別図柄変動開始監視処理(S310)に移行する。
なお、第1特別図柄および第2特別図柄の変動開始条件が共に成立していない場合(S301:YES,S302:NO,S305:YES)には、特別図柄変動開始監視処理(S310)をスキップする。
(特別図柄変動開始監視処理) 次に、特別図柄変動開始監視処理(S
305,S309)について説明する。図83は、特別図柄変動開始監視処理(S305,S309)の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄変動開始監視処理(S305,S309)では、上述のS304又はS308で設定された第1特別図柄変動開始監視テーブル又は第2特別図柄変動開始監視テーブルを参照して、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の処理が実行されることとなるが、第1特別図柄側と第2特別図柄側とで処理の仕方は共通するので、特段の場合を除き、第1特別図柄側の処理であるのか、第2特別図柄側の処理であるのかを区別せずに一纏めにして説明する。
まず、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の作動保留球数を1減算する(S311)。そして、減算後の第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を含む図柄記憶数コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S312)。続いて、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の特別図柄保留格納領域にアクセスして、最先の保留記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を順に読み出し、これらの乱数値を、後述の特別図柄当否判定処理(S320)、図柄判定処理(S330)、変動パターン選択処理(S423)に使用するため、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域、特別図柄図柄判定領域、特別図柄変動パターン判定領域、特別図柄変動付加パターン判定領域に転送する(S313)。また、保留記憶領域の更新として、保留2記憶領域~保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の保留記憶領域にシフトするとともに、保留4記憶領域をゼロクリアする(S314)。
続いて、特別図柄当否判定処理を実行する(S320)。特別図柄当否判定処理(S320)では、まず、特別図柄当否抽選テーブルを取得する。このとき、遊技状態が特別図柄確変状態である場合は高確率の当否抽選テーブルを取得し、遊技状態が通常状態である場合は低確率の当否抽選テーブルを取得する。次いで、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出す。そして、特別図柄当否抽選テーブルを参照して、特別図柄当り乱数値に基づき、特別図柄の当否判定を実行する。また、この当否判定結果に対応した値(大当りデータ「55H」、小当りデータ「33H」、はずれデータ「00H」)をメイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに格納する。
続いて、図柄判定処理を実行する(S330)。図柄判定処理(S330)では、当否判定の結果に応じて、特別図柄の停止図柄、キャラクタ演出番号(変動付加図柄情報)を決定する。そして、今回決定した特別図柄の停止図柄(図柄群)、キャラクタ演出番号をメイン情報記憶手段180の図柄格納領域に格納する。なお、キャラクタ演出番号は、決定された停止図柄(図柄群)の種類と、特別図柄および普通図柄の確率変動機能の作動状態(特別図柄の確変オン/特別図柄の確変オフ/普通図柄の確変オン/普通図柄の確変オフの4パターン)との組み合わせに基づき決定される。なお、当否判定の結果がはずれの場合には、キャラクタ演出番号「0」が決定される。
続いて、特別図柄の当否判定の結果が大当りに該当するか否かを判定する(S342)。特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合(S342:NO)は、S351に移行する。
特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合(S342:YES)は、上記S330で決定した図柄群の種類(大当り種別)と、大当り当選時の遊技状態とに基づき、大当り遊技の終了後において特別図柄の確率変動機能が作動する回数として、確率変動回数を決定する(S345)。また、上記S330で決定した図柄群の種類(大当り種別)と、大当り当選時の遊技状態とに基づき、大当り遊技の終了後において特別図柄の変動時間短縮機能が作動する回数として、変動時間短縮回数を決定する(S346)。さらに、上記S330で決定した図柄群の種類(大当り種別)と、大当り当選時の遊技状態とに基づき、大当り遊技の終了後において電チューサポート機能が作動する回数として、電サポ回数を決定する(S347)。この判定結果(確率変動回数、変動時間短縮回数、電サポ回数)は、メイン情報記憶手段180の時短回数格納領域および電サポ回数格納領域に記憶される。続いて、S330で決定した図柄群の種類(大当り種別)に基づき、大当り遊技(ラウンド遊技)中の特別電動役物542の作動パターンを設定する(S348)。具体的には、特別電動役物542の作動パターンとして、大当り遊技の規定ラウンド数、各ラウンドにおける大入賞口54の開放パターン(最大開放時間)などを設定する。
次いで、S330で決定された図柄群の種類と現在の遊技状態とに基づき、大当り遊技終了後又は小当り遊技後の変動パターン選択状態を設定する(S349)。続いて、S330で決定された図柄群の種類に基づき、特別遊技(大当り遊技又は小当り遊技)のデモ演出時間(当り開始デモ時間および当り終了デモ時間)を設定する(S350)。次いで、前述の特別図柄当否判定処理(S320)および図柄判定処理(S330)で使用したメイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域および特別図柄図柄判定領域をクリアする(S351)。そして、今回の変動対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステイタスを「00H(待機中)」から「01H(変動開始)」に遷移する(S352)。
(特別図柄制御処理) 次に、特別図柄制御処理(S65)について説明する。図84は、特別図柄制御処理(S65)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別電動役物542が未作動中であるか否か、すなわち、特別電動役物遊技ステイタスが「00H(当り待ち状態)」であるか否かを判定する(S401)。続いて、特別電動役物542が未作動中である場合(S401:YES)には、第2特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」でないか否かを判定する(S402)。
第2特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」でない場合(S402:YES)には、第2特別図柄に係る処理を実行するため、第2特別図柄制御テーブル(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定して(S403)、特別図柄制御汎用処理(S410)に移行する。他方、第2特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」である場合(S402:NO)には、第1特別図柄に係る処理を実行するため、第1特別図柄制御テーブル(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定して(S404)、特別図柄制御汎用処理(S410)に移行する。
なお、次述する特別図柄制御汎用処理(S410)では、上述のS403又はS404で設定された第1特別図柄制御テーブル又は第2特別図柄制御テーブルを使用して、今回の変動の対象となる特別図柄側の処理が実行されることとなるが、第1特別図柄側と第2特別図柄側とで処理の仕方は共通するので、特段の場合を除き、第1特別図柄側の処理であるのか、第2特別図柄側の処理であるのかを区別せずに一纏めにして説明する。この特別図柄制御汎用処理(S410)の詳細は図85を用いて後述する。
(特別図柄制御汎用処理) 続いて、特別図柄制御汎用処理を実行する(S404,S407)。ここで、図85は、特別図柄制御汎用処理(S404,S407)の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄制御汎用処理(S404,S407)では、特別図柄遊技ステイタスの値(「01H」,「02H」,「03H」)に応じた処理に移行するための分岐処理(S411~S414)を実行する。まず、今回の変動の対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステイタスが0でないか否かを判定する(S411)。特別図柄遊技ステイタスが「00H」でない場合(S411:YES)には、特別図柄遊技ステイタスが「01H(変動開始)」であるか否かを判定する(S412)。特別図柄遊技ステイタスが「01H」である場合(S412:YES)には、特別図柄変動開始処理(S420)に移行する。この特別図柄変動開始処理(S420)の詳細は図86を用いて後述する。一方、S412でNOの場合には、特別図柄遊技ステイタスが「02H(変動中)」であるか否かを判定する(S413)。特別図柄遊技ステイタスが「02H」である場合(S413:YES)には、特別図柄変動中処理(S430)に移行する。この特別図柄変動中処理(S430)の詳細は図87を用いて後述する。S413でNOの場合には、特別図柄遊技ステイタスが「03H(停止図柄表示中)」であるか否かを判定する(S414)。特別図柄遊技ステイタスが「03H」である場合(S414:YES)には、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)に移行する。この特別図柄停止図柄表示中処理(S440)の詳細は図88を用いて後述する。
(特別図柄変動開始処理) 次に、特別図柄変動開始処理(S420)について説明する。図86は、特別図柄変動開始処理(S420)の詳細を示すフローチャートである。
まず、当否抽選の結果および変動パターン選択状態等に基づき、特別図柄変動パターンテーブルを取得する(S421)。続いて、メイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域から特別図柄変動パターン乱数値を読み出す(S422)。そして、特別図柄変動パターンテーブルを参照して、特別図柄変動パターン乱数値に基づき、複数種の変動パターンの中からいずれかを選択する(S423)。
次いで、今回選択された変動パターンに対応する変動時間を設定する(S424)。そして、特別図柄の変動開始の設定として、図柄表示制御手段165の特別図柄遊技タイマに変動時間を格納するとともに(S425)、演出制御基板200への変動開始コマンドを生成する(S426)。変動開始コマンドとしては、演出表示装置70における図柄変動演出を開始させるべく、通信検査コマンド、変動付加図柄情報指定コマンド、変動パターン指定コマンド、図柄指定コマンドを順に生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に記憶する。
続いて、変動パターンの決定に使用したメイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域の内容をクリアする(S427)。そして、特別図柄遊技ステイタスを「01H(変動開始)」から「02H(変動中)」に遷移する(S428)。
(特別図柄変動中処理) 次に、特別図柄変動中処理(S430)について説明する。図87は、特別図柄変動中処理(S430)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別図柄の変動表示を行うため、特別図柄の表示パターン番号切替処理を実行する(S431)。この表示パターン番号切替処理(S431)では、所定の切替時間毎に、特別図柄の表示パターン番号データを生成する。この表示パターン番号データは、特別図柄を変動表示又は確定表示させるべく、LED出力処理(S73)において、第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装置72に出力される。
次いで、特別図柄遊技タイマが「0(タイムアウト)」となったか否か、すなわち、特別図柄の変動時間が終了したか否かを判定する(S432)。特別図柄の変動時間が終了した場合(S432:YES)には、第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装置72に確定表示すべき特別図柄の停止図柄を設定する(S433)。続いて、演出制御基板200に対して装飾図柄の確定表示を指示するための変動停止コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S434)。
次いで、特別図柄遊技タイマに確定表示時間として「500(ms)」を格納する(S435)。なお、「確定表示時間」とは、特別図柄の変動停止の際に、
停止図柄を確定的に停止表示させる時間である。そして、特別図柄遊技ステイタスを「02H(変動中)」から「03H(停止図柄表示中)」に遷移する(S436)。
(特別図柄停止図柄表示中処理) 次に、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)について説明する。図88は、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別図柄遊技タイマが「0(タイムアウト)」となったか否か、すなわち、特別図柄(停止図柄)の確定表示時間が終了したか否かを判定する(S441)。ここで、特別図柄の確定表示時間が終了した場合(S441:YES)には、特別図柄遊技ステイタスを「03H(停止図柄表示中)」から「00H(待機中)」に遷移する(S442)。
続いて、メイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに格納された当否判定データが大当りデータ「55H」であるか否かを判定する(S443)。当否判定データが大当りデータである場合(S443:YES)には、特別図柄の確率変動機能の作動停止(S444)、特別図柄の変動時間短縮機能の作動停止(S445)、電チューサポート機能の作動停止(S446)、を順に行う。具体的には、確変フラグに「00H(オフ)」を設定するとともに、確率変動回数カウンタ、変動時間短縮回数カウンタおよび入球容易状態回数カウンタに「00H」を設定してゼロクリアする。
次いで、特別遊技の開始デモ設定処理として、開始デモ表示時間を設定するとともに、開始デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(大当り開始デモコマンド)を生成する(S447)。続いて、変動パターン選択状態の実行回数(変動パターン選択状態回数カウンタ)をゼロクリアする(S448)。また、特別電動役物遊技ステイタスを「00H(当り待ち状態)」から「01H(特別遊技)」に遷移する(S449)。そして、当否判定フラグの内容をクリアするため、「00H」を設定する(S450)。
他方、当否判定データが大当りデータでない場合(S443:NO)には、特別図柄の確率変動機能が作動中であるか否かを判定する(S451)。特別図柄の確率変動機能が作動中である場合(S451:YES)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の確率変動回数カウンタを1減算する(ステップS452)。続いて、確率変動回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS453)。確率変動回数カウンタがゼロである場合(S453:YES)には、特別図柄の確率変動機能の作動を停止する(S454)。減算後の確率変動回数カウンタがゼロでない場合(S453:NO)には、S454をスキップして、S455に移行する。
次いで、特別図柄の変動時間短縮機能が作動中であるか否かを判定する(S455)。特別図柄の変動時間短縮機能が作動中である場合(S455:YES)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の時短回数カウンタを1減算する(ステップS456)。続いて、変動時間短縮回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS457)。変動時間短縮回数カウンタがゼロである場合(S457:YES)には、特別図柄時短状態の終了回数に到達したとして、特別図柄の変動時間短縮機能の作動を停止する(S458)。減算後の変動時間短縮回数カウンタがゼロでない場合(S457:NO)には、S458をスキップして、S459に移行する。
次いで、電チューサポート機能が作動中であるか否かを判定する(S459)。電チューサポート機能が作動中である場合(S459:YES)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の電サポ回数カウンタを1減算する(ステップS460)。続いて、電サポ回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS461)。電サポ回数カウンタがゼロである場合(S461:YES)には、入球容易状態の終了回数に到達したとして、電チューサポート機能の作動を停止する(S462)。減算後の電サポ回数カウンタがゼロでない場合(S461:NO)には、S462をスキップして、S463に移行する。
次いで、メイン情報記憶手段180の変動パターン選択状態回数カウンタを1減算する(S463)。そして、変動パターン選択状態を更新する(S464)。具体的には、メイン情報記憶手段180の変動パターン選択状態回数カウンタを参照し、現在の変動パターン選択状態の実行回数が予め設定された終了回数に達したか否かを判定し、終了回数に達している場合には、次に規定された変動パターン選択状態に切り替える。他方、終了回数に達していない場合には、現在の変動パターン選択状態を維持する。
次いで、前述のS451~S464にて更新された現在の遊技状態情報および変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S465)。なお、演出制御基板200側では、この遊技状態指定コマンドの情報に基づき、演出モードの設定および更新を実行する。
(特別電動役物制御処理) 次に、特別電動役物制御処理(S66)について説明する。図89~図90は、電動役物制御処理(S66)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別電動役物遊技ステイタスが「01H(特別遊技)」であるか否かを判定する(S501)。特別電動役物遊技ステイタスが「01H」である場合(S501:YES)には、以降の処理において特別遊技処理を実行する。この特別遊技処理において、まず、特別電動役物542が作動中であるか否かを判定する(S502)。特別電動役物542が作動していない場合(S502:NO)には、特別電動役物542の作動開始時間であるか否かを判定する(S503)。特別電動役物542の作動開始時間とは、各ラウンド遊技おいて特別電動役物542の作動を開始するタイミングである。
特別電動役物542の作動開始時間である場合(S503:YES)には、ラウンド演出を開始させるべく演出制御コマンド(ラウンド演出指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S504)。なお、演出制御基板200側では、このラウンド演出指定コマンドの情報(現在のラウンド数などの情報)に基づき、特別遊技中における各ラウンド遊技に対応したラウンド演出を実行する。そして、特別電動役物542の作動を開始して(S505)、特別電動役物542の作動中の処理として、S506~S510の処理を実行する。
特別電動役物542の作動中の処理として、大入賞口54に遊技球が規定カウント数(最大入賞数)だけ入賞したか否かを判定するとともに(S506)、特別電動役物542の作動時間(開放時間)が経過したか否かを判定する(S507)。このとき、大入賞口54に遊技球が規定カウント数(最大入賞数)だけ入賞した場合(S506:YES)又は特別電動役物542の作動時間が経過した場合(S507:YES)には、特別電動役物542の作動を停止させる(S508)。そして、特別電動役物542の連続作動回数が予め定められた規定ラウンド数に達したか否かを判定する(S509)。連続作動回数が規定ラウンド数に達していない場合(S509:NO)には、特別電動役物542の連続作動回数を1インクリメントする(S510)。
他方、特別電動役物542の連続作動回数が規定ラウンド数に達している場合(S509:YES)には、S511に移行して、特別遊技の当り終了デモ設定処理として、終了デモ表示時間を設定するとともに、終了デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(大当り終了デモコマンド)を生成する(S511)。
続いて、変動時間短縮回数カウンタに、上記S346で設定した変動時間短縮回数情報を格納する(S512)。また、電サポ回数カウンタに、上記S347で設定した電サポ回数情報を格納する(S513)。
続いて、上記S343で設定された確率変動判定フラグの内容を参照して、条件装置の作動が特定図柄(いわゆる確変図柄)による作動であるか否かを判定する(S514)。特定図柄による条件装置の作動である場合(S514:YES)には、メイン情報記憶手段180の確率変動回数カウンタに、上記S345で設定した確率変動回数(作動時データ)を格納して、特別図柄の確率変動機能の作動を開始する(S515)。他方、特定図柄による条件装置の作動でない場合(S514:NO)には、確率変動回数カウンタに未作動時データ「00H」を格納して、S515をスキップする。
続いて、時短回数カウンタに記憶された変動時間短縮回数情報が変動時間短縮機能作動データ(「00H」以外のデータ)であるか否かを判定する(S516)。変動時間短縮機能作動データである場合(S516:YES)には、特別図柄の変動時間短縮機能の作動を開始する(S517)。他方、変動時間短縮機能作動データでない場合(S516:NO)には、S517をスキップする。
続いて、電サポ回数カウンタに記憶された電サポ回数情報が電チューサポート機能作動データ(「00H」以外のデータ)であるか否かを判定する(S518)。電チューサポート機能作動データである場合(S518:YES)には、電チューサポート機能の作動を開始させる(S519~S521)。すなわち、普通図柄の確率変動機能の作動開始(S519)、普通図柄の変動時間短縮機能の作動開始(S520)、普通電動役物522の開放延長機能の作動開始(S521)、を順に実行する。他方、電チューサポート機能作動データでない場合には、S519~S521をスキップする。
次いで、上記S347で決定した変動パターン選択状態に切り替える(S522)。続いて、前述のS512~S522にて設定された特別遊技後の遊技状態情報および変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S523)。なお、演出制御基板200側では、この遊技状態指定コマンドの情報に基づき、特別遊技後の演出モードを設定する。そして、特別電動役物遊技ステイタスを「01H(特別遊技)」から「00H(当り待ち状態)」に遷移する(S524)。
<演出制御基板側の処理> 次に、図91~図97のフローチャートを参照しながら、演出制御基板200における動作処理の手順について説明する。演出制御基板200側の処理は、電源投入後などサブメインCPU201がリセットされると実行されるリセット開始処理(演出制御側メイン処理を含む)と、一定周期毎に起動される演出制御側タイマ割込み処理と、主制御基板100からのストローブ信号に起因して起動される演出制御コマンドの受信割込み処理と、変動演出パターンのタイムスケジュールに規定された所定の発生時期の到来を契機として起動されるランプ演出割込み処理と、一定周期毎に起動される画像制御コマンドの送信割込み処理とを含んで構成される。
各割込み処理(例外処理)には、複数の割込み処理が発生したときの優先度を示す優先レベルが設定されている。本例では、「電源リセットによるリセット開始処理:最優先」、「各種異常時によるリセット開始処理:最優先」→「演出制御コマンドの受信割込み処理:レベル7」→「WDT(暴走検知時)によるリセット開始処理:レベル3」→「画像制御コマンドの送信割込み処理:レベル2」→「演出制御側タイマ割込み処理:レベル1」などの順に、優先レベルの順位付けがされている。なお、「各種異常時によるリセット開始処理」は、例えば、サブメインCPU201が不正な命令を実行したとき、サブメインCPU201が不正な領域又は不正な方法にてアクセスしようとしたとき、DMA(Direct Memory Access)転送中のエラーが
発生したときなどに起動する。本実施形態では、上記の複数種の割込み処理を例示しているが、実際にはその他の割込み処理も存在する。
演出制御側メイン処理内では、基本的には、全割込み禁止又は演出制御コマンド受信割込み以外の割込み禁止のいずれかの状態に設定したうえで処理が進められる。その上で、演出制御側メイン処理が割込み許可状態となった場合に、当該メイン処理を中断させるかたちで各割込み処理が起動される。各割込み処理では、当該割込み処理の実行中に他の割込み処理の要求があった(多重割込みが発生した)ときは、実行中の割込み処理よりも優先レベルの高い割込み処理であれば、原則的には当該割込み要求が許可される一方、実行中の割込み処理よりも優先レベルの低い又は優先レベルの同じ割込み処理である場合には当該割込み要求が禁止される。すなわち、各割込み処理は、優先レベルの同じ又は優先レベルの低い他の割込みを禁止した状態で処理が進められる。そして、各割込み処理から演出制御側メイン処理へは、全割込み許可の状態で戻ってくる。なお、このような割込み要因の優先順位(優先レベル)は、演出制御マイコン210(割込みコントローラ)のレジスタ設定によって規定される。
《リセット開始処理》 まず、演出制御基板200のリセット開始処理について説明する。図91は演出制御基板200のリセット開始処理を示すフローチャートである。このリセット開始処理では、電源投入時のリセット、各種異常時を起因としたリセット、WDT(暴走検知時)を起因としたリセットのいずれかにより起動し、サブメインCPU201のセキュリティチェックが行われた後、プログラムがスタートして、S601以降の処理が開始される。
まず、電源投入時に必要な初期設定として、スタックポインタにスタック領域の初期値として先頭アドレスを設定する(S601)。そして、各種初期設定が完了するまで全ての割込み処理を禁止する(S602)。
続いて、ハードウェアに関する基本的な設定として、サブメインCPU201内に設けられている内蔵レジスタに初期値を設定するとともに、I/Oポート回路204を初期化する(S603)。さらに、演出制御マイコン210のRAM203内のメモリ領域を初期化する(S604)。ここでは、初期値付きの変数には初期値を設定し、初期値なしの変数には0クリアによる初期化を行う。また、サブメインCPU201がROM202に記憶された制御プログラムをRAM203に適宜展開する。
続いて、演出制御コマンドの受信割込み処理以外の割込みを禁止する(S605)。次いで、予め各機種共通で設定された各種のエラーのうち、当該機種で有効とすべきエラーの種別を設定する処理を行う(S606)。さらに、演出ランプLP(枠ランプ10、盤ランプ80)を全消灯状態とするため消灯リクエストを行う(S607)。そして、サブメインCPU201の暴走を監視するためウォッチドッグタイマを起動する(S608)。
続いて、遊技演出の主たる処理として演出制御側メイン処理を実行する(S609)。この演出制御側メイン処理(S609)の詳細は図81を用いて後述する。なお、前記S609で演出制御側メイン処理へ移行すると、メイン処理から当該リセット開始処理へ復帰することは通常はあり得ないが、プログラムのバグ等の発生によって、万が一、この処理へ復帰してきた場合には、消費電力が通常作動時よりも低減された小消費電力モード(スリープモード)へ遷移する。
《演出制御側メイン処理》 次に、演出制御基板200の演出制御側メイン処理(S609)について説明する。図92は演出制御側メイン処理(S609)を示すフローチャートである。
まず、演出制御側メイン処理内で制御プログラムがRAM203で正確に展開されているか否かのチェックを開始するためのアドレス(プログラムが展開された先頭アドレス)を取得する(S611)。続いて、全ての割込みを許可(各種の割込み処理の起動を許可)する(S612)。
次いで、デバイスの初期化動作を実行する(S613)。この初期化動作は、ぱちんこ遊技機PMの電源投入時(リセット開始時)に1度だけ実行される動作態様のことであり、モータ、ソレノイド等のデバイスによって可動役物24の動作を制御するために必要となる位置情報を確認することを目的として実行される。なお、初期化動作の終了時には、可動役物24は予め設定された初期位置(基準位置)に復帰する。
続いて、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、ウォッチドッグタイマをクリアする(S614)。このとき、サブメインCPU201がプログラムを正常に実行しているときは、予め設定されたタイムアウト時間内に、サブメインCPU201のWDTクリアレジスタに、所定のクリアワードが書き込まれることで、ウォッチドッグタイマがクリアされてリスタートされる。他方、ウォッチドッグタイマがタイムアウトすると、ユーザリセットが発生する。
続いて、入力ポートチェック処理を実行する(S615)。この入力ポートチェック処理では、後述のタイマ割込み処理におけるポート入出力処理S912でのI/Oポート回路204(入力ポート)の読み込みを割込み発生毎に監視して、複数回(例えば4回)の監視において入力ポートの状態が全て「1」の場合は信号レベルを「1(Hレベル)」、全て「0」の場合は信号レベルを「0(Lレベル)」、それ以外の場合は信号レベルを変化させない(これにより入力信号が確定される)。
続いて、エラー演出管理処理を実行する(S616)。このエラー演出管理処理では、後続のコマンド解析処理(S622)で設定されるエラー演出パターンに基づき、各種デバイスによるエラー演出を開始させる。さらに、エラー演出管理処理では、エラー管理タイマに初期値(エラー演出時間)を設定して、エラー演出の進行を管理する。このエラー管理タイマは、演出制御側タイマ割込み処理のエラー管理タイマ更新処理(S920)にて16ms周期で減算更新される。そして、エラー管理タイマがタイムアウトした場合は、当該エラー演出を終了させる。
続いて、演出ボタン監視制御処理を実行する(S617)。この演出ボタン監視制御処理では、図柄の変動変動中にボタン予告演出を組み込んでいる場合に、所定の操作有効時間内における演出ボタン15の入力状態を監視して、演出ボタン15の入力状態に関する情報を保持する。
続いて、予告抽選管理処理を実行する(S618)。この予告抽選管理処理では、後続のコマンド解析処理(S620)で選択される変動演出パターンのシナリオに沿って、装飾図柄の変動過程の各段階で発生する予告演出の内容を定めた予告演出パターンを抽選で決定する。ここで決定された予告演出パターン番号は、サブメイン情報記憶手段260の予告演出パターン格納領域に一時記憶される。また、この予告演出パターン番号を画像制御基板300側へ指定するための画像制御コマンドを生成して、これをサブメイン情報記憶手段260の画像制御コマンドバッファに設定する。このとき、予告演出パターンとして、役物予告演出パターンが選択された場合には、役物リクエストが発生し、後続のデバイス管理処理(S619)にて、可動役物24の駆動パターンが特定される。なお、本例では、装飾図柄の一変動内で発生する複数種の予告演出(予告演出パターン)の全てを、1回のメインループ処理内で抽選するのではなく、当該メインループ処理効率を向上させるため、予告演出の発生時期(例えば、変動開始段階、リーチ発生段階、変動停止段階)毎に分けて、複数回のメインループ処理に跨って抽選する構成となっている。その際、装飾図柄の変動開始段階で発生する予告演出については、装飾図柄の変動開始と同期をとる(画像制御コマンドを早急に送信する)必要があるので、先発のメインループ処理内で抽選を行うようになっている。
次に、デバイス管理処理を実行する(S619)。このデバイス管理処理では、後述のコマンド解析処理(S620)にて各種デバイスの動作要求(ランプリクエスト、役物リクエスト)があった場合、ROM203に記憶された複数種のパターンデータ(ランプパターン、駆動パターン)の中から、演出番号(ランプ演出番号、役物予告演出番号)に対応したパターンデータを特定して、対象デバイスの制御を開始する。演出ランプLPのランプパターンデータには、1フレーム時間(画像フレームを1回更新するのに要する時間:16ms)毎に対応付けられたランプデータがスケジュールデータとして格納されている。なお、本例において、1フレーム時間は、演出表示装置70において毎秒約60フレーム(=約60fps)で描画等する場合の1フレームの描画処理に要する時間と対応するものになっている。同様に、可動役物24の駆動パターンデータには、割込み周期(1ms)毎に対応付けられた駆動データがスケジュールデータとして格納されている。これにより、後述する演出制御側タイマ割込み処理にて、各制御データ(ランプデータ、駆動データ等)が対象デバイスに対して一定周期毎に出力され、対象デバイスの動作が開始されることになる。一方、後述の演出制御側タイマ割込み処理において、一連の制御データ(ランプデータ、駆動データ)の出力が全て完了した場合は、演出ランプLPを消灯させ、又は、可動役物24の動作を停止させ、対象デバイスの制御を終了する。
続いて、コマンド解析処理(S620)を実行する。このコマンド解析処理では、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に演出制御コマンドが格納されているか否かを監視し、演出制御コマンドが格納されていればこのコマンドを読み出し、読み出した演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理を実行する。このコマンド解析処理(S620)の詳細は図93を用いて後述する。
そして、今回のループ処理中で、コマンド解析(演出制御コマンドの解析)を実行したか否かを判定する(S621)。コマンド解析直後の場合(S621:YES)は、S614に戻り、次のループ処理へ移行する。一方、コマンド解析を実行しなかった場合(S621:NO)、すなわち、コマンドバッファが空である場合には、所定時間が経過するまで、演出抽選乱数更新処理を実行する(S622)。なお、本実施形態では、上記の所定時間として、ランプLPの切り替え制御の最小単位(32ms)の半分の時間となる「16ms」が設定されている。この演出抽選乱数更新処理では、先読み予告抽選乱数、装飾図柄乱数、変動演出パターン乱数、予告演出パターン乱数などの各種の演出抽選乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値に戻す。
(コマンド解析処理) 次に、コマンド解析処理(S622)について説明する。図93は、コマンド解析処理(S622)の詳細を示すフローチャートである。このコマンド解析処理では、主制御基板100からの演出制御コマンドがサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納されているか否かを監視して、格納された演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理を実行する。
まず、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に遊技状態指定コマンドが格納されているか否かを判定する(S631)。遊技状態指定コマンドが格納されている場合(ステップS631:YES)には、演出状態移行処理(S632)へ移行する。演出状態移行処理(S632)では、遊技状態指定コマンドに含まれる遊技状態情報および変動パターン選択状態情報に基づき、演出モードを遷移する処理を実行する。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に保留関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S633)。ここで、保留関連コマンドには、図柄記憶数コマンド、事前判定コマンドが含まれる。この保留関連コマンドが格納されている場合(S633
:YES)には、保留情報管理処理(S634)へ移行する。この保留情報管理処理(S634)では、サブメイン情報記憶手段260から図柄記憶数コマンド又は事前判定コマンドを読み出して、事前判定結果の情報に基づき先読み判定を実行するとともに、演出表示装置70の保留画像表示部710に表示される保留画像の表示個数および表示態様(表示色など)を更新するための処理を行う。
次いで、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に図柄変動関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S635)。ここで、図柄変動関連コマンドには、変動開始コマンド、変動停止コマンドが含まれる。図柄変動関連コマンドが格納されている場合(ステップS635:YES)には、変動演出内容決定処理(S636)へ移行する。この変動演出内容決定処理(S636)では、受信した図柄変動関連コマンドが変動開始コマンドである場合には装飾図柄の変動演出を開始させるための処理を実行し、受信した図柄変動関連コマンドが変動停止コマンドである場合には装飾図柄の変動演出を終了させるための処理を実行する。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に大当り演出関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S637)。ここで、大当り演出関連コマンドには、大当り開始デモ演出コマンド、ラウンド演出指定コマンド、大当り終了デモ演出コマンドが含まれる。大当り演出関連コマンドが格納されている場合(ステップS637:YES)には、大当り演出内容決定処理(S638)へ移行する。この大当り演出内容決定処理(S638)では、開始デモ演出、ラウンド演出、終了デモ演出を実行するための処理を行う。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に小当り演出関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S639)。ここで、小当り演出関連コマンドには、小当り開始デモ演出コマンド、小当り終了デモ演出コマンドが含まれる。小当り演出関連コマンドが格納されている場合(ステップS639:YES)には、小当り演出内容決定処理(S640)へ移行する。この小当り演出内容決定処理(S640)では、小当り開始デモ演出、小当り終了デモ演出を実行するための処理を行う。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に入賞口入賞関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S641)。ここで、この入賞口入賞関連コマンドには、第1始動口入賞コマンド、第2始動口入賞コマンド、作動ゲート入賞コマンド、大入賞口入賞コマンド、左一般入賞口入賞コマンド、右一般入賞口入賞コマンドなどが含まれる。この入賞口入賞関連コマンドが格納されている場合(S641:YES)には、入賞演出内容決定処理(S642)へ移行する。この入賞演出内容決定処理(S642)の詳細は図94を用いて後述する。
続いて、サブ情報記憶手段280のコマンド格納領域にエラー演出指定コマンドが格納されているか否かを判定する(S643)。このエラー演出指定コマンドが格納されている場合(S643:YES)には、エラー演出内容決定処理(S644)へ移行する。このエラー演出内容決定処理(S644)では、サブ情報記憶手段280からエラー演出指定コマンドを読み出して、液晶表示装置70の画像表示、演出ランプLPの点灯、スピーカ11の音声などによってエラー状態を報知するためのエラー演出パターンを決定する。
なお、サブ情報記憶手段280のコマンド格納領域に演出制御コマンドが格納されていない場合(S631:NO、S633:NO、S635:NO、S637:NO、S639:NO、S641:NO、S643:NO)は、何もせずコマンド解析処理を終了する。
(入賞演出内容決定処理) 次に、入賞演出内容決定処理(S642)について説明する。図94は、入賞演出内容決定処理(S642)の詳細を示すフローチャートである。
まず、第1始動口入賞演出制御処理を実行する(S701)。この第1始動口入賞演出制御処理(S701)では、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に、第1始動口入賞コマンドが格納されているか否かを判定し、第1始動口入賞コマンドが格納されていれば、所定の演出実行条件を充足していることを条件に、遊技球が第1始動口51に入球したことを報知する第1始動口入賞演出を実行する。
続いて、第2始動口入賞演出制御処理を実行する(S702)。この第2始動口入賞演出制御処理(S702)では、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に、第2始動口入賞コマンドが格納されているか否かを判定し、第2始動口入賞コマンドが格納されていれば、所定の演出実行条件を充足していることを条件に、遊技球が第2始動口52に入球したことを報知する第2始動口入賞演出を実行する。
続いて、作動ゲート入賞演出制御処理を実行する(S703)。この作動ゲート入賞演出制御処理(S703)では、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に、作動ゲート入賞コマンドが格納されているか否かを判定し、作動ゲート入賞コマンドが格納されていれば、所定の演出実行条件を充足していることを条件に、遊技球が作動ゲート53を通過したことを報知する作動ゲート入賞演出を実行する。
続いて、大入賞口入賞演出制御処理を実行する(S704)。この大入賞口入賞演出制御処理(S704)では、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に、大入賞口入賞コマンドが格納されているか否かを判定し、大入賞口入賞コマンドが格納されていれば、所定の演出実行条件を充足していることを条件に、遊技球が大入賞口54に入球したことを報知する大入賞口入賞演出を実行する。
続いて、左一般入賞口入賞演出制御処理を実行する(S705)。この左一般入賞口入賞演出制御処理(S705)では、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に、左一般入賞口入賞コマンドが格納されているか否かを判定し、左一般入賞口入賞コマンドが格納されていれば、所定の演出実行条件を充足していることを条件に、遊技球が一般入賞口61~63のいずれかに入球したことを報知する左一般入賞口入賞演出を実行する。
続いて、右一般入賞口入賞演出制御処理を実行する(S706)。この右一般入賞口入賞演出制御処理(S706)では、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に、右一般入賞口入賞コマンドが格納されているか否かを判定し、右一般入賞口入賞コマンドが格納されていれば、所定の演出実行条件を充足していることを条件に、遊技球が一般入賞口64に入球したことを報知する右一般入賞口入賞演出を実行する。
《演出制御コマンドの受信割込み処理》 次に、演出制御コマンドの受信割込み処理を説明する。図95は、演出制御コマンドの受信割込み処理を示すフローチャートである。この演出制御コマンドの受信割込み処理では、前述したように、主制御基板100からのストローブ信号の入力に基づいて割込みが発生することで開始され、この割込み処理において各種の演出制御コマンドが取得されるようになっている。なお、演出制御コマンドは、1バイトのMODEデータと、1バイトのEVENTデータとを含む構成となっており、主制御基板100から演出制御基板200へ、MODEデータ、EVENTデータの順に送信される。以下では、説明の便宜上、MODEデータを「第1コマンド」、EVENTデータを「第2コマンド」とも称する。
まず、主制御基板100からのストローブ信号に基づく割込みが発生すると、演出制御コマンドの入力値が確定したか否かを判定する(S901)。具体的には、コマンドデータを最高5回まで読み込み、2回連続で同じ値が読み込まれた時点で入力値が確定となる。これはノイズ等により演出制御コマンドの読み取りが失敗するおそれがあるためであり、2回連続で同じ値が読み込まれるまでは入力値を確定とはしない。
続いて、今回受信したコマンドが第1コマンド(MODE)であるか否か、換言すれば、第1コマンド(MODE)であるか第2コマンド(EVENT)であるかを判定する(S902)。今回受信したコマンドが第1コマンドである場合(S902:YES)は、当該第1コマンドをテンポラリ領域に一時的に記憶する(S903)。そして、演出抽選乱数発生手段210から演出抽選乱数を取得して、この乱数情報をサブメイン情報記憶手段260の演出抽選乱数格納領域に一時記憶する(S904)。なお、演出抽選乱数の取得時期を、演出制御コマンドの受信時としているのは、演出制御コマンドは遊技球の始動入賞時や特別図柄の変動開始時など物理的に不規則なタイミングで送信されるため、それを契機とすることで取得時期に周期性を出さないようにするためである。このように演出抽選乱数の取得時期を不規則とすることで、各種の演出抽選においても、同一の演出が不自然に繰り返し選択されてしまう等の不都合が発生し難くなる。
一方、今回受信したコマンドが第2コマンドである場合(S902:NO)には、すでに第1コマンドを受信済であるか否かを判定する(S905)。すなわち、演出制御コマンドを第1コマンド(MODE)→第2コマンド(EVENT)の順に受信したか否か判定して、演出制御コマンドの組合せに矛盾がないかを確認する。演出制御コマンドの組合せに矛盾がない場合(S905:YES)は、ライトポインタ(書き込み用のポインタ)の示すアドレスを取得する(S906)。続いて、第1コマンドと第2コマンドとを、ライトポインタの指示するアドレスに従って、サブメイン情報記憶手段260の演出制御コマンドバッファ(リングバッファ)に保存する(S907)。保存されたコマンドデータは、メイン処理における前記のコマンド解析処理(S620)で読み出され、演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理が実行される。次いで、ライトポインタの示すアドレスを更新する(S908)。さらに、前記S903で一時記憶したコマンドデータ(第1コマンド)をクリアする(S909)。そして、当該演出制御コマンド受信割込み処理を終了して、割込み前の元の処理へ復帰する。
《演出制御側タイマ割込み処理》 次に、演出制御側タイマ割込み処理を説明する。図96は、演出制御側タイマ割込み処理を示すフローチャートである。このタイマ割込み処理は、一定時間毎のクロックパルスにより起動され、上述の演出制御側メイン処理に割り込むかたちで実行される。
タイマ割込みが発生すると、サブメインCPU201内のレジスタの内容をRAM203のスタック領域に退避させた後、S911以降の処理を順次実行する。このタイマ割込み処理内では、主制御基板100からの演出制御コマンド受信割込み、ウォッチドッグタイマ割込み等、優先レベル2以上の割込みを許可する(S911)。
続いて、ポート入出力処理を実行する(S912)。このポート入出力処理では、I/Oポート回路204におけるポートデータの入力処理、出力処理を行う。入力処理では、I/Oポート回路204(入力ポート)に入力されている各種信号を読み取り、これを入力情報として記憶する。出力処理では、サブメイン情報記憶手段260に一時記憶されている各種制御信号(モータ制御信号)を読み出して、I/Oポート回路204(出力ポート)から出力する。
続いて、デバイス制御データ出力処理を実行する(S913)。このデバイス制御データ出力処理では、前記のデバイス管理処理(S619)で特定した駆動パターンデータから所定時間分の駆動データを読み出してサブメイン情報記憶手段260の駆動データ記憶領域に設定する。この処理で設定される駆動データは、割込み周期に対応した1ms間の制御を示すデータである。この処理で駆動データが設定されると、次回のタイマ割込み処理にて、当該駆動データがI/Oポート回路204(出力ポート)からモータドライバ92
へ出力される。従って、このデバイス制御データ出力処理では、駆動パターンデータに従って駆動データが割込み周期(1ms)毎に切り替えられることとなる。
次いで、演出用タイマ更新処理を実行する(S914)。この演出タイマ更新処理では、演出動作制御に用いる各種の演出用タイマの値を割込み周期(本実施形態では1ms)ずつ減算更新する。演出用タイマには、装飾図柄の変動時間を管理するためのタイマ、予告演出の発生タイミングを管理するためのタイマなどが含まれる。この演出用タイマによって、変動演出パターンにおけるタイムスケジュールが管理され、その時間軸上で可動役物24の駆動タイミングや演出ランプLPの点灯タイミング等の時間管理がされている。なお、演出用タイマは、この演出制御用タイマ割込み処理内のデバイス制御データ出力処理(S913)やランプデータ更新処理(S917)などにおいても利用される。
続いて、ボタン制御タイマ更新処理を実行する(S915)。演出ボタン15の操作有効時間を管理するための有効時間管理タイマの値を割込み周期(本実施形態では1ms)ずつ減算更新する。なお、操作有効時間とは、演出ボタン15の操作入力が有効となる時間である。
続いて、タスク制御カウンタ更新処理を実行する(S916)。このタスク制御カウンタ更新処理では、タイマ割込み毎にタスクカウンタの値(「0」~「15」)を更新する。具体的には、タスクカウンタの値が「0」~「14」であれば1インクリメントし、タスクカウンタの値が「15」となった場合には「0」に戻す。すなわち、このタスクカウンタは16msの循環周期を取り得る。そして、今回更新されたタスクカウンタの値に対応して各種のタスク(タスク処理)が割り当てられており、当該タスクカウンタの値に応じて、ランプ制御タスク(S917のランプデータ更新処理)、暴走監視タスク(S9189の画像CPU暴走監視処理)、エラー管理タスク(S919のエラー管理タイマ更新処理)などの各処理を実行する。本例では、タスクカウンタの値(「0」~「15」)のうち、或る1つの値がランプ制御タスクに割り当てられ、他の2つの値(互いに8ms間隔となる値)が暴走監視用タスクに割り当てられ、他の1つの値がエラー管理タスクに割り当てられている(その他のタスクの説明は省略する)。なお、前述のように、タスクカウンタの循環周期を16msに設定しているのは、演出ランプLPの切り換え制御の最小単位(16ms)と一致させるためである。そして、この演出ランプLPの切り換え制御の最小単位(16ms)は画像フレームの1フレーム時間と対応し、画像演出とランプ演出との同期を実現している。
続いて、ランプデータ更新処理を実行する(S917)。このランプデータ更新処理では、前記のデバイス管理処理(S621)等で特定したランプパターンデータから所定時間分のランプデータを読み出して設定する。この処理で設定されるランプデータは、演出ランプLPの切り換え制御の最小単位となる16ms間の点灯制御を示すデータである。ランプデータが設定されると、当該ランプデータが出力ポート(シリアルポート)からシリアル転送にてランプ接続基板91へ自動的に出力される。このランプデータの出力処理は、シリアル通信割込み処理として構成されており、シリアル通信回路の送信バッファにランプデータを順次書き込むことで実現される。シリアル通信回路は、送信バッファのランプデータを1バイト単位でシリアル変換して、シリアルクロックと同期したかたちで、1ビット毎にランプ接続基板91に対して出力する。この処理では、送信バッファが空になるまで繰り返され、これにより送信バッファに格納された全てのランプデータ(全バイト)が出力されるようになっている。従って、このランプデータ更新処理では、ランプパターンに従ってランプデータが1フレーム時間(16ms)毎に切り替えられるとともに、このランプデータがランプ接続基板91に対してシリアル転送にて出力される。
続いて、画像CPU暴走監視処理を実行する(S918)。この画像CPU暴走監視処理では、画像制御基板300から入力されるトグル信号を監視して、当該トグル信号が1600ms(50~100フレーム程度)の間、連続して変化しない場合に、画像制御基板300のサブサブCPU301が暴走していると判定し、演出制御基板200から画像制御基板300に対してリセット信号を送信する。これにより、画像制御基板300側はサブサブCPU301のリセット状態の発生によって、所定のリセット処理を実行する。なお、トグル信号とは、1フレーム時間毎にHレベル/Lレベルが交互に繰り返される波形の信号のことである。
次いで、エラー管理タイマ処理を実行する(S919)。このエラー管理タイマ処理では、前記のエラー演出管理処理(S616)でセットされたエラー演出時間を管理するためのエラー演出タイマの値を減算更新する。そして、全ての割込みを許可した状態にするとともに、退避していたレジスタの内容を復帰させた後、演出制御側タイマ割込み処理を終了して、割込み発生前の元の処理に戻る。
《画像制御コマンドの送信割込み処理》 次に、画像制御コマンドの送信割込み処理を説明する。図97は、画像制御コマンドの送信割込み処理を示すフローチャートである。この画像制御コマンドの送信割込み処理は、予め設定された一定間隔(500μs)毎に発生する。
この画像制御コマンドの送信割込み処理では、まず、サブメイン情報記憶手段260の画像制御コマンドバッファをチェックする(S931)。続いて、画像制御コマンドバッファにおいてリードポインタを取得する(S932)。次いで、画像制御コマンドバッファに画像制御コマンドが格納されているか否かを判定する(S933)。画像制御コマンドが格納されているか否かは、例えば、リードポインタとライトポインタによって確認でき、リードポインタとライトポインタとが一致している場合には、画像制御コマンドが格納されていないことになる。画像制御コマンドが格納されている場合(S933:YES)には、リードポインタが指す領域から画像制御コマンドを読み出す(S934)。この読み出した画像制御コマンドを、出力先として指定されたシリアル通信回路の出力バッファにセットする(S935)。これによりシリアルポートから画像制御コマンドが画像制御基板300に対してシリアル送信される。次いで、コマンドデータ(前記S935で送信したコマンドデータ)をクリアする(S936)。続いて、リードポインタを1インクリメントして更新する(S937)。そして、当該画像制御コマンドの送信割込み処理を終了して、割込み前の元の処理へ復帰する。
以上、第2実施形態において達成される主要な効果を整理すれば、下記のようになる。
まず、第2実施形態によれば、特別遊技の実行中に遊技球が大入賞口P54に規定カウント数を超過して入球することを契機としてオーバー入賞演出が実行されることで、オーバー入賞が発生したことを遊技者に明確に報知して、本来であれば得ることのできない特別な利益を享受できたことに対する遊技者の満足感および高揚感を高めることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第2実施形態によれば、特別遊技の実行中に遊技球が大入賞口P54に入球することを契機として大入賞口入賞演出(オーバー入賞演出)を行い、遊技球が一般入賞口P64に入球することを契機として一般入賞口入賞演出(オマケ入賞演出)を行うことで、特別遊技の実行中に行われる大入賞口入賞演出と一般入賞口入賞演出との間で減り張りを付けて、大当り中演出の単調性を解消することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第2実施形態によれば、特別遊技の実行中に遊技球が一般入賞口P64に入球することを契機として一般入賞口入賞演出(オマケ入賞演出)を行うことで、大入賞口P54を狙って遊技を進めることだけが遊技者の唯一の関心事となるのを防止して、一般入賞口P64を狙う面白みを遊技者に享受させることができるようになり、遊技者が積極的に遊技球を一般入賞口P64に入球させる機会を増大させることが期待でき、遊技者の射幸心を高めるとともに、遊技をより一層興趣性の富んだものにすることでき、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第2実施形態によれば、大入賞口カウントアップ演出の実行時間を大当り終了デモ期間やインターバル期間との関係で適宜に設定することで、大入賞口カウントアップ演出が行われるタイミングや、大入賞口カウントアップ演出の連続回数等に依らず、この大入賞口カウントアップ演出を必要以上に間延びさせずに適切に完結させることができるため、前後のラウンド遊技間の区切りや、特別遊技と該特別遊技の終了後の変動表示との区切りを明確に付けて、遊技者が現在の遊技状況を誤認することを未然に防止できるようになり、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。特に、規定カウント数分の大入賞口カウントアップ演出の実行時間の合計時間が、大当り終了デモの実行時間よりも短くなるように構成したことで、最終回のラウンド遊技の終了間際に複数個の遊技球が大入賞口に連続して入球することに基づき複数回の大入賞口カウントアップ演出が連続的に行われる場合であっても、大当り終了デモ期間内に大入賞口カウントアップ演出が完結することになる。そのため、大入賞口カウントアップ演出が大当り終了デモ期間を越えて特別遊技終了後の変動表示までに跨って行われることがなく、特別遊技の終了時と1回転目の変動表示の開始時との区切りを明確にすることが可能となる。
また、第2実施形態によれば、先の大入賞口カウントアップ演出の実行中に、後の大入賞口カウントアップ演出の実行条件が成立した場合に、先の大入賞口カウントアップ演出の実行が終了してから後の大入賞口カウントアップ演出の実行を開始させることで、該カウント演出の処理が煩雑になるのを防止でき、また、この先後2回の大入賞口カウントアップ演出の区切りが明確になることで、累積賞球数のカウントアップ表示が遊技者にとって見辛いものとなることがなく、画面上で累積賞球数がテンポ良く次々と増加していく様子を遊技者は満足感を持って見ることができるようになり、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第2実施形態によれば、オーバー入賞が発生することで累積賞球数が特定値に達して強調演出が行われる場合、或いは、強調演出が行われている状況でオーバー入賞が発生した場合には、この強調演出とオーバー入賞演出とを重複して実行することで、累積賞球数が特定数に到達するという規則性のないタイミングと、オーバー入賞が発生するという規則性のないタイミングとが合致する滅多にない特別な状況であることを両演出の現出によって遊技者に明確に報知することができるため、遊技者の高揚感および達成感を一層高めることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第2実施形態によれば、遊技の続行が禁止又は困難とされる優先度(重要度)が相対的に高い特定のエラーが発生している状況で、オーバー入賞又はオマケ入賞が発生した場合には、オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出の実行を制限することで、遊技機に重大なエラーが発生していることを見逃さないようになっている。一方、遊技の続行が禁止又は困難とされる優先度(重要度)が相対的に低い非特定のエラーが発生している状況で、オーバー入賞又はオマケ入賞が発生した場合には、オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出の実行を許容しても特に実害が生じることはなく、却ってエラー報知演出によりオーバー入賞演出が阻害されると、遊技者の遊技意欲が減殺されるおそれがあるため、オーバー入賞演出を実行することにしている。このように遊技機に発生したエラーの種別に応じて、当該エラーの発生およびオ
ーバー入賞の発生を適切に報知することで、過剰にオーバー入賞演出の発生を阻害することなく、遊技者の遊技意欲を持続させることができるため、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第2実施形態によれば、連荘が継続している場合、特別遊技の実行中だけでなく、当該特別遊技の終了後の電サポ状態においても累積賞球数を表示することで、連荘中の累積賞球数をさらに延ばすことを期待しながら遊技者が遊技を進めることが期待され、大当り発生に対する遊技者の意欲を一層高めることができるとともに、遊技機の稼働率を向上させることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第2実施形態によれば、特別遊技の実行中に、右側領域PA2に配された一般入賞口P64に遊技球が入球することを契機としてオマケ入賞演出を実行する一方で、左側領域PA1に配された一般入賞口P61~P63に遊技球が入球してもオマケ入賞演出を実行しないように構成したことで、オマケ入賞演出が無暗やたらに発生して、却ってオマケ入賞演出が単調になる(マンネリ化する)のを防止することができるとともに、大入賞口P54への入賞を狙って遊技球を打ち出した結果、付随的に発生した一般入賞口P64への入賞に対する喜びを一層高めることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第2実施形態によれば、特別遊技の実行中にオーバー入賞とオマケ入賞とが略同時に発生した場合に、オーバー入賞演出とオマケ入賞演出とを重複実行することで、大入賞口P54への遊技球の入球を狙って遊技をした結果、付随的に発生したオーバー入賞およびオマケ入賞の双方を遊技者に明確に報知することができるため、特別遊技の面白みを一層高めることができるとともに、大当り中演出が単調となるのを防止できるようになり、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第2実施形態によれば、大当り終了デモ期間中におけるオーバー入賞演出又はオマケ入賞演出の実行を制限する一方で、最終回のラウンド遊技直後のインターバル期間中におけるオーバー入賞演出又はオマケ入賞演出の実行を許容することで、大当り終了デモの実行中に特別遊技が終了することを報知しているのにも関わらず、いずれかの入賞演出(オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出)が割込み的に発生することにより、全体として統一感のない遊技演出となるのを防止することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第2実施形態によれば、特別遊技中の所定期間内において複数回のオマケ入賞が発生した場合には、当該複数回のオマケ入賞演出の実行が許容される一方で、特別遊技中の所定期間内において複数回のオーバー入賞が発生した場合には、当該複数回のオーバー入賞のうちの1回目のオーバー入賞に対応するオーバー入賞演出のみが実行されることで、オーバー入賞演出が無暗やたらに発生して、却ってオーバー入賞演出が単調になる(マンネリ化する)のを防止することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第2実施形態によれば、遊技球が一般入賞口P64に1個入球することを契機として賞球信号が1回出力され得るが、遊技球が大入賞口P54に1個入球することを契機として賞球信号が2回出力され得るように構成したことで、遊技機の稼働状況をホールコンピュータにより適正に管理することができるとともに、遊技機の真の稼働状況をデータ表示器により遊技者に報知して遊技機選びの判断材料や遊技の参考情報として利用させることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
なお、上記第2実施形態では、累積賞球数を数値情報(例えば「1000pt」)により報知しているが、この構成に限定されるものではなく、累積賞球数を例えばアイコンやメータ等の画像情報により報知するように構成してもよい。
また、上記第2実施形態では、連荘中の累積賞球数に対するカウントアップ演出(大入賞口カウントアップ演出、一般入賞口カウントアップ演出)を例示して説明したが、この構成に限定されるものではなく、1回の大当り遊技の実行中の累積賞球数(大当り中賞球数)に対するカウントアップ演出(大入賞口カウントアップ演出、一般入賞口カウントアップ演出)に上記特徴構成を適用しても同様の作用効果を奏することができる。
[第3実施形態] 次に、第3実施形態に係るぱちんこ遊技機について説明する。第3実施形態のぱちんこ遊技機は、基本的には、上述の第2実施形態のぱちんこ遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。つまり、以下の説明においては、特段の場合を除き、第2実施形態と共通の構成を適用することが可能である。
以下、第3実施形態に係るぱちんこ遊技機の基本構成を順番に説明する。なお、第3実施形態に係るぱちんこ遊技機は、遊技状態が潜伏確変遊技状態である場合に、特別図柄の当否判定の結果として「小当り」が頻発する小当りRUSHを採用している。この小当りRUSHの遊技性については後述する。
第3実施形態の特別図柄の当否判定について説明する。図98は、第3実施形態の特別図柄当否抽選テーブルを模式的に示す図である。図中、(A)は特別図柄の確率変動機能が作動していない遊技状態(低確率状態)において参照され、(B)は特別図柄の確率変動機能が作動している遊技状態(高確率状態)において参照される。この特別図柄当否抽選テーブルには、特別図柄当り乱数値の乱数範囲と、当否判定の結果(大当り、小当り、はずれ)とが対応付けられている。図98に示すように、特別図柄の当否判定において、特別図柄の確率変動機能が作動していない遊技状態(低確率状態)である場合は、特別図柄当り乱数値が「0~204」の範囲に該当する場合に大当りとなり、特別図柄の確率変動機能が作動している遊技状態(高確率状態)である場合は、特別図柄当り乱数値が「0~818」の範囲に該当する場合に大当りとなる。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、大当りの当選確率が低確率「1/320」から高確率「1/80」に変動する。このように大当りの当選確率は遊技状態に応じて変化するが、第1特別図柄の当否判定と第2特別図柄の当否判定とで大当りの当選確率は等しく設計されている。ここで、当否判定の結果が大当りに該当しなかった場合であっても、第2特別図柄の当否判定においては、相対的に高確率「1/1.1」で小当りに当選する。小当りの当選確率は、遊技状態(低確率状態、高確率状態)に関係なく、同じ当選確率に設計されている。この第3実施形態では、第2特別図柄の当否判定のみ小当りが設定されているが、例えば、第1特別図柄の当否判定にも小当りを設定して、第1特別図柄の当否判定よりも第2特別図柄の当否判定の方が高い確率で小当りに当選するように構成してもよい。
なお、第3実施形態では、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、一方の特別図柄の当否判定の結果が大当りとなり、その特別図柄の変動表示中(大当りの変動表示中)に、他方の特別図柄の当否判定が実行される場合は、他方の特別図柄の当否判定の結果として大当りを導出することが禁止され、小当り又ははずれのみが導出される。他方の特別図柄の当否判定の結果が大当りに該当する場合は、該当否判定の結果が大当りからはずれに強制的に差し替えられる。つまり、上記の特別図柄当否抽選テーブルにおいて、特別図柄の確率変動機能が作動していない遊技状態(低確率状態)であるときは、特別図柄当り乱数値が「0~204」の範囲に該当する場合に、該当否判定の結果が強制的にはずれとなり(大当りからはずれに差し替えられ)、特別図柄の確率変動機能が作動している遊技状態(高確率状態)であるときは、特別図柄当り乱数値が「0~818」の範囲に該当する場合に、該当否判定の結果が強制的にはずれとなる(大当りからはずれに差し替えられる)。なお、その変形例としては、上記の特別図柄当否抽選テーブルの他に、特別図柄の当否判定の結果として大当りの判定値(乱数範囲)を含まない大当り無抽選用のテーブルを用意して、一方の特別図柄の大当りの変動表示中は、上記の特別図柄当否抽選テーブルではなく、大当り無抽選処理専用のテーブルを参照して、当否判定の結果が小当り又ははずれのみとなる小当り抽選を行う方法を採用してもよい。なお、この変形例において、当否判定の結果として小当りが設定されていないスペックであれば、当否判定を行わずに、即時はずれを決定する方法を採用してもよい。
続いて、第3実施形態の大当り種別(大当り内訳)について説明する。この第3実施形態では、特別図柄の当否判定の結果が「大当り」となる場合、図99に示す特別図柄大当り図柄テーブルを参照して、大当り種別(大当り図柄、図柄群)を決定する。
図99(A)は、第1特別図柄大当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第1特別図柄大当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群、大当り種別、大当り遊技の規定ラウンド数、各ラウンドの大入賞口P54の開放時間(最大開放時間)がそれぞれ対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。第1特別図柄大当りテーブルには、各図柄群に応じて、4種類の大当り種別が設定されている。具体的には、10R特定大当り(図柄群A)と、4R特定大当り1(図柄群B)と、4R特定大当り2(図柄群C)と、4R通常大当り(図柄群D)とに振り分けられる。10R特定大当り(図柄群A)は、大当り遊技の規定ラウンド数が10ラウンドであり、1回のラウンド遊技における大入賞口P54の開放時間(最大開放時間)が28秒である。4R特定大当り1(図柄群B)、4R特定大当り2(図柄群C)および4R通常大当り(図柄群D)は、大当り遊技の規定ラウンド数が4ラウンドであり、1回のラウンド遊技における大入賞口P54の開放時間(最大開放時間)が28秒である。
図99(B)は、第2特別図柄大当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第2特別図柄大当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群、大当り種別、大当り遊技の規定ラウンド数、各ラウンドの大入賞口P54の開放時間(最大開放時間)がそれぞれ対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。第2特別図柄大当りテーブルには、各図柄群に応じて、5種類の大当り種別が設定されている。具体的には、10R特定大当り(図柄群E)と、6R特定大当り(図柄群F)と、4R特定大当り1(図柄群G)と、4R特定大当り2(図柄群H)と、2R通常大当り(図柄群I)とに振り分けられる。10R特定大当り(図柄群E)は、大当り遊技の規定ラウンド数が10ラウンドであり、1回のラウンド遊技における大入賞口P54の開放時間(最大開放時間)が28秒である。6R特定大当り(図柄群F)は、大当り遊技の規定ラウンド数が6ラウンドであり、1回のラウンド遊技における大入賞口P54の開放時間(最大開放時間)が28秒である。4R特定大当り1(図柄群G)および4R特定大当り2(図柄群H)は、大当り遊技の規定ラウンド数が4ラウンドであり、1回のラウンド遊技における大入賞口P54の開放時間(最大開放時間)が28秒である。2R通常大当り(図柄群I)は、大当り遊技の規定ラウンド数が2ラウンドであり、1回のラウンド遊技における大入賞口P54の開放時間(最大開放時間)が2秒である。
各種の大当り種別のうち、2R通常大当りを除く各大当りは、大当り遊技中の全てのラウンド遊技において、大入賞口P54が長時間(28秒)開放する長開放のラウンド遊技が実行される契機となる大当りである。一方、2R通常大当りは、大当り遊技中の全てのラウンド遊技において、大入賞口P54が短時間(2秒)開放する短開放のラウンド遊技が実行される契機となる大当りをいう。本実施形態において、長開
放のラウンド遊技は、大入賞口P54の開放時間が、大入賞口P54に規定数(フルカウント:15球)の遊技球を入球可能又は入球容易に設定されたラウンド遊技である。短開放のラウンド遊技は、大入賞口P54の開放時間が、大入賞口P54に規定数(フルカウント:15球)の遊技球を入球不能又は入球困難に設定されたラウンド遊技である。
なお、図示省略するが、第2特別図柄の当否判定の結果が小当りとなる場合、複数種の小当り図柄(図柄群)から一の小当り図柄(図柄群)を選択して、その第2特別図柄の変動表示の終了時にその選択された小当り図柄(図柄群)が停止表示されることになっている。なお、この小当り図柄の種類に応じて、小当り遊技における大入賞口P54の開閉パターン(開放時間、開放回数)が異なるように構成してもよい。
続いて、第3実施形態の遊技状態について説明する。図100は、第3実施形態における遊技状態および演出モードの遷移図である。第3実施形態では、複数種の遊技状態として、「通常遊技状態」、「時短遊技状態」、「潜確遊技状態」、「確変遊技状態」が設定されている。その遊技状態の種類として、(1)特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が作動する遊技状態を「確変状態」又は「確変遊技状態」と呼称し、(2)特別図柄の確率変動機能および特別図柄の変動時間短縮機能が作動して電チューサポート機能が作動しない遊技状態を「潜確遊技状態(潜伏確変遊技状態)」又は「潜伏確変状態」と呼称し、(3)特別図柄の確率変動機能が作動せずに特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が作動する遊技状態を「時短状態」又は「時短遊技状態」と呼称し、(4)全ての機能が作動していない状態を「通常状態」又は「通常遊技状態」と呼称する。ここで、「確変遊技状態」、「潜確遊技状態」および「時短遊技状態」は、いずれも「通常遊技状態」と比べて、遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。なお、各遊技状態は、特別図柄の確率変動機能の作動状態(高確率状態/低確率状態)と、電チューサポート機能の作動状態(高ベース状態/低ベース状態)との組み合わせにより、(1)確変遊技状態を「高確率高ベース状態」、(2)潜確遊技状態を「高確率低ベース状態」、(3)時短遊技状態を「低確率高ベース状態」、(4)通常遊技状態を「低確率低ベース状態」と表現することもできる。ここで、特別図柄の変動時間短縮機能については、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、少なくともその遊技状態において遊技の主体となる方の特別図柄の変動時間が短縮されていればよい。つまり、特別図柄の変動時間短縮機能が作動していると言えるのは、第1特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態(通常遊技状態)では第1特別図柄の変動時間が短縮され、第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態(時短遊技状態、潜確遊技状態、確変遊技状態)では第2特別図柄の変動時間が短縮されていればよい。
図101は、第3実施形態における遊技状態設定テーブルを示す模式図である。遊技状態設定テーブルには、各大当り種別(図柄群の種類)に対して、その大当り遊技の終了後に移行する遊技状態が設定されている。本実施形態において、特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合、その大当り遊技の終了後の遊技状態は、(A)大当り種別(図柄群の種類)と、(B)大当り当選時の遊技状態とに応じて設定される。なお、各遊技状態の継続回数(特別図柄の変動表示の回数)は、特別図柄の確率変動機能が作動する確率変動回数(確変作動回数)と、特別図柄の変動時間短縮機能が作動する変動時間短縮回数(時短作動回数)と、電チューサポート機能が作動する電サポ回数(電サポ作動回数)とに基づき設定される。なお、「ST」とは、大当り確率が規定の変動表示回数まで高確率に設定された期間(スペシャルタイムの略称)である。つまり、規定の変動表示回数までは確変状態(確変遊技状態)を維持するが、その規定の変動表示回数内で大当りが発生しなければ通常状態(通常遊技状態)に移行する回数区切り確変機を「ST機」と呼称する。その意味で、規定の変動表示回数を、以下では、「規定ST回数」又は「ST回数」とも呼称する。
第1特別図柄において「10R特定大当り(図柄群A)」、「4R特定大当り1(図柄群B)」に当選した場合は、大当り当選時の遊技状態に関わらず、その大当り遊技の終了後の遊技状態として潜確遊技状態が設定される。大当り遊技の終了後に潜確遊技状態に移行する場合は、確率変動回数「100回」、変動時間短縮回数「100回」、電サポ回数「0回」が設定される。この潜確遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達するまで、又は、この規定ST回数(100回)以内に次の大当りが発生するまで継続する。特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達することで潜確遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行する。
第1特別図柄において「4R特定大当り2(図柄群C)」に当選した場合は、大当り当選時の遊技状態に関わらず、その大当り遊技の終了後の遊技状態として確変遊技状態が設定される。大当り遊技の終了後に確変遊技状態に移行する場合は、確率変動回数「100回」、変動時間短縮回数「100回」、電サポ回数「100回」が設定される。この確変遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達するまで、又は、この規定ST回数(100回)以内に次の大当りが発生するまで継続する。特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達することで確変遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行する。
第1特別図柄において「4R通常大当り(図柄群D)」に当選した場合は、大当り当選時の遊技状態に関わらず、その大当り遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態が設定される。大当り遊技の終了後に時短遊技状態に移行する場合は、確率変動回数「0回」、変動時間短縮回数「70回」、電サポ回数「70回」が設定される。この時短遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が特定回数(70回)に到達するまで、又は、この特定回数(70回)以内に次の大当りが発生するまで継続する。特別図柄の変動表示回数が特定回数(70回)に到達することで時短遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行する。
第2特別図柄において「10R特定大当り(図柄群E)」、「6R特定大当り(図柄群F)」、「4R特定大当り1(図柄群G)」に当選した場合は、大当り当選時の遊技状態に応じて、その大当り遊技の終了後に設定される遊技状態が異なる。具体的には、大当り当選時の遊技状態が通常遊技状態である場合は、その大当り遊技の終了後の遊技状態として確変遊技状態が設定され、大当り当選時の遊技状態が時短遊技状態、確変遊技状態又は潜確遊技状態である場合は、その大当り遊技の終了後の遊技状態として潜確遊技状態が設定される。大当り遊技の終了後に確変遊技状態に移行する場合は、確率変動回数「100回」、変動時間短縮回数「100回」、電サポ回数「100回」が設定され、大当り遊技の終了後に潜確遊技状態に移行する場合は、確率変動回数「100回」、変動時間短縮回数「100回」、電サポ回数「0回」が設定される。従って、確変遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達するまで、又は、この規定ST回数(100回)以内に次の大当りが発生するまで継続する。特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達することで確変遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行る。同じく、潜確遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達するまで、又は、この規定ST回数(100回)以内に次の大当りが発生するまで継続する。特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達することで潜確遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行する。
第2特別図柄において「4R特定大当り2(図柄群H)」に当選した場合は、大当り当選時の遊技状態に関わらず、その大当り遊技の終了後の遊技状態として確変遊技状態が設定される。大当り遊技の終了後に確変遊技状態に移行する場合は、確率変動回数「100回」、変動時間短縮回数「100回」、電サポ回数「100回」が設定される。この確変遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達するまで、又は、この規定ST回数(100回)以内に次の大当りが発生するまで継続する。特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達することで確変遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行する。
第2特別図柄において「2R通常大当り(図柄群I)」に当選した場合は、大当り当選時の遊技状態に関わらず、その大当り遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態が設定される。大当り遊技の終了後に時短遊技状態に移行する場合は、確率変動回数「0回」、変動時間短縮回数「70回」、電サポ回数「70回」が設定される。この時短遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が特定回数(70回)に到達するまで、又は、この特定回数(70回)以内に次の大当りが発生するまで継続する。特別図柄の変動表示回数が特定回数(70回)に到達することで時短遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行する。
上述したように、大当りの発生は遊技状態の移行契機となり得るが、小当りの発生は遊技状態の移行契機とはならない。すなわち、特別図柄の当否判定の結果が小当りとなる場合、その遊技状態の終了条件となる最終回の変動表示(例えば、確変遊技状態および潜確遊技状態の100回転目の変動表示、時短遊技状態の70回転目の変動表示)を除いて、小当り当選時の遊技状態がそのまま継続され、小当り当選を契機として遊技状態の移行制御は行われない。つまり、小当り発生前の遊技状態が通常遊技状態であれば、小当り遊技中および小当り遊技後の遊技状態も通常遊技状態となり、小当り発生前の遊技状態が時短遊技状態であれば、小当り遊技中および小当り遊技後の遊技状態も時短遊技状態となり、小当り発生前の遊技状態が確変遊技状態であれば、小当り遊技中および小当り遊技後の遊技状態も確変遊技状態となり、小当り発生前の遊技状態が潜確遊技状態であれば、小当り遊技中および小当り遊技後の遊技状態も潜確遊技状態となる。
続いて、第3実施形態の演出モードについて説明する。第3実施形態では、図100に示すように、複数種の演出モードとして、通常モード、時短モード、潜確モード、確変モードが設定されており、遊技状態(又は変動パターン選択状態)等に応じて、複数種の演出モードのうちのいずれかが択一的に設定され、該設定された演出モードに応じた変動演出が実行される。
基本的には、遊技状態が通常遊技状態であるときは「通常モード」が設定され、遊技状態が時短遊技状態であるときは「時短モード」が設定され、遊技状態が潜確遊技状態であるときは「潜確モード」が設定され、遊技状態が確変遊技状態であるときは「確変モード」が設定される。但し、非通常遊技状態(時短遊技状態、潜確遊技状態、確変遊技状態)が終了したことに基づき通常状態へ移行するときは、遊技状態が通常遊技状態へ移行した直後の所定回数の変動表示においては特殊演出モードが設定され、その所定回数の変動表示を終えたときに通常演出モードが設定される。所定回数とは、特別図柄の変動表示回数として「4回」である。これは第1特別図柄及び第2特別図柄の累計の変動表示回数が「4回」という意味である。つまり、特別図柄の変動表示回数が所定回数に到達するとは、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数との合計回数が「4回」に到達したことを意味する。なお、その変形例としては、第1特別図柄の変動表示回数のみ
が所定回数(4回)に到達、又は、第2特別図柄の変動表示回数のみが所定回数(4回)に到達することを契機として、特殊モードを終了させてもよい(通常モードに移行させてもよい)。そして、いずれかの演出モードが設定されると、当該演出モードに滞在中であることを示唆する演出(変動演出)として、画面上において当該演出モード専用の背景画像(装飾図柄の背面表示となる背景画像)が表示され、また、当該演出モード専用のBGMがスピーカP11から出力される。このように背景画像およびBGMは演出モード毎に互いに異なるよう設定されているため、背景画像又はBGMの種類から、現在滞在中の演出モードがいずれであるかを遊技者が認識し得るようになっている。
続いて、第3実施形態の特別図柄の変動時間(変動パターン)について説明する。図102は、第3実施形態における特別図柄の変動時間の比較表である。なお、この第3実施形態では、特別図柄の変動パターンテーブルの図示を省略しているが、実際には、第2実施形態と同様に、特別図柄の変動時間(変動パターン)は、特別図柄の変動パターンテーブルを参照して選択される。
図中の(A)には、遊技状態が通常遊技状態である場合の特別図柄の変動時間を表記している。第1特別図柄の変動時間は、当否判定の結果がはずれである場合は「3秒~60秒」に設定され、当否判定の結果が大当りである場合は「30秒~90秒」に設定されている。第2特別図柄の変動時間は、当否判定の結果が小当り又ははずれである場合は「1000秒」に設定され、当否判定の結果が大当りである場合は「30秒~90秒」が設定されている。すなわち、第2特別図柄の変動時間については、当否判定の結果が大当りとなる場合を除き、他の変動時間と比較して極めて長い変動時間(1000秒)が設定されている。
図中の(B)には、遊技状態が時短遊技状態、確変遊技状態、潜確遊技状態である場合の特別図柄の変動時間を表記している。第1特別図柄の変動時間は、当否判定の結果がはずれである場合は「1秒~60秒」に設定され、当否判定の結果が大当りである場合は「30秒~60秒」が設定されている。第2特別図柄の変動時間は、当否判定の結果がはずれである場合は「1秒~3秒」に設定され、当否判定の結果が小当りである場合は「0.5秒」に設定され、当否判定の結果が大当りである場合は「30秒~60秒」に設定されている。
続いて、第3実施形態における普通図柄抽選について説明する。図103は、第3実施形態における普通図柄抽選の説明に供する模式図である。図中(A)は普通図柄当否抽選テーブル、図中(B)は普通図柄変動パターンテーブル、図中(C)は普通電動役物開放パターンテーブルを示している。
普通図柄の当り確率は、図103(A)に示すように、電チューサポート機能(普通図柄の確率変動機能)が作動していない場合は「1/1.02」に設定され、電チューサポート機能(普通図柄の確率変動機能)が作動している場合は「1/1.01」に設定されている。そのため、第3実施形態では、遊技状態が低ベース状態であるか高ベース状態であるかに関わらず、普通図柄の当否判定において極めて高確率で当りが導出される仕様となっている。
普通図柄の変動時間は、図103(B)に示すように、電チューサポート機能(普通図柄の変動時間短縮機能)が作動していない場合は「0.5秒」に設定され、電チューサポート機能(普通図柄の変動時間短縮機能)が作動している場合は「0.2秒」に設定されている。つまり、本実施形態では、遊技状態が低ベース状態であるか高ベース状態であるかに関わらず、普通図柄の変動時間が極めて短時間に設定されている。なお、いずれの普通図柄の変動パターンが選択された場合でも、普通図柄の確定停止時間(確定表示時間)は「0.1秒」が設定されている。なお、普通図柄の確定停止時間(確定表示時間)とは、普通図柄が確定的に停止表示される時間(完全に停止された状態が保持される時間)である。
普通電動役物P522の開放パターンは、図103(C)に示すように、電チューサポート機能(開放延長機能)が作動していない場合は「1秒の開放→2秒の閉鎖→1秒の開放→2秒の閉鎖→1秒の開放」に設定され、電チューサポート機能(開放延長機能)が作動している場合は「5.9秒の開放」に設定されている。すなわち、普通電動役物P522の開放パターンとして、低ベース状態においては1秒の開放動作が3回にわたり行われるため総開放時間は「3秒」であり、高ベース状態においては5.9秒の開放動作が1回だけ行われるため総開放時間は「5.9秒」である。
続いて、第1特別図柄および第2特別図柄の同時変動処理(変動中断処理、変動強制停止処理)について説明する。図104は、本実施形態における同時変動処理(変動中断処理、変動強制停止処理)を説明するための模式図である。本実施形態では、第1特別図柄の変動開始条件の判定と、第2特別図柄の変動開始条件の判定とを別個独立して実行することで、第1特別図柄表示装置P71による第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄表示装置P72による第2特別図柄の変動表示とを同時並行して実行する仕様(いわゆる並列機と呼ばれるスペック)を採用している。つまり、第1特別図柄の作動保留球と第2特別図柄の作動保留球とを別個独立して消化することで、第1特別図柄および第2特別図柄について、それぞれに対応する当否抽選や変動表示等を並行して行う構成となっている。そのため、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、一方の特別図柄の変動表示が長時間にわたり行われたとしても、この一方の特別図柄の変動表示と並行して他方の特別図柄の変動表示が行われるため、一方の特別図柄の変動表示の実行中に、他方の特別図柄の変動表示が滞ることがない。なお、以下では、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示について、大当りの変動表示を「大当り変動表示」と呼称し、小当りの変動表示を「小当り変動表示」と呼称し、はずれの変動表示を「はずれ変動表示」と呼称する。
(変動中断処理) ここで、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、一方の特別図柄の変動表示が大当り変動表示、小当り変動表示又ははずれ変動表示であり、他方の特別図柄の変動表示が小当り変動表示である場合に、一方の特別図柄の変動表示と他方の特別図柄の小当り変動表示とが並行して実行されている状況下において、一方の特別図柄の変動表示が終了する前に、他方の特別図柄の小当り変動表示が終了したときは、他方の特別図柄の小当り変動表示が終了したときからその小当り遊技が終了するまでの間、一方の特別図柄の変動表示が中断される(一方の特別図柄の変動表示に係る変動時間の計測が中断される)。なお、変動表示の中断とは、変動表示の一時停止という意味(後に再開されることが予定されているという意味)で用いている。そして、他方の特別図柄の小当り遊技が終了すると、一方の特別図柄の変動表示に係る変動時間の計測が再開されて、再開前の変動時間の計測時間と再開後の変動時間の計測時間との合算時間が、予め設定された規定の変動時間(設計値通りの変動時間)に達したときに、一方の特別図柄の変動表示が終了することになる。
(変動強制停止処理) 一方、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、一方の特別図柄の変動表示が大当り変動表示であり、他方の特別図柄の変動表示が小当り変動表示又ははずれ変動表示である場合に、一方の特別図柄の大当り変動表示と他方の特別図柄の小当り変動表示又ははずれ変動表示とが並行して実行されている状況下において、他方の特別図柄の小当り変動表示又ははずれ変動表示が終了する前に、一方の特別図柄の大当り変動表示が終了したときは、他方の特別図柄の小当り変動表示又ははずれ変動表示の計測時間が予め設定された規定の変動時間(設計値通りの変動時間)に到達する前であっても、一方の特別図柄の大当り変動表示の終了時に、それと連動又は同期させて、他方の特別図柄の小当り変動表示又ははずれ変動表示を強制的に終了させる。なお、他方の特別図柄の小当り変動表示を強制終了させる場合には、その小当り変動表示の終了時に停止表示される図柄(確定表示図柄)を、小当り図柄からはずれ図柄に差し替えるものとする。すなわち、他方の特別図柄の小当り変動表示がはずれ変動表示にて強制的に停止表示されることになる(結果的に小当り遊技はキャンセルされる)。それにより、一方の特別図柄における特別遊技(大当り遊技)と、他方の特別図柄における特別遊技(小当り遊技)とが競合する事態を回避することができる。なお、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、一方の特別図柄の変動表示が大当り変動表示として開始した場合、それより後から変動開始する他方の特別図柄の変動表示は大当り変動表示以外の変動表示とする(つまり、はずれ変動表示又は小当り変動表示とし、当否判定処理にて大当りに該当する当否乱数だった場合は強制的に当否判定結果をはずれに差し替え、はずれ変動表示とする)ことが望ましい。また、一方の特別図柄の変動表示が大当り変動表示として開始した場合、それより後から変動開始する他方の特別図柄の変動表示ははずれ変動表示(当否判定処理にて大当りや小当りに該当する当否乱数だった場合は強制的に当否判定結果をはずれに差し替え、はずれ変動表示とする)としてもよい。
≪小当りRUSHの遊技性≫ 次に、小当りRUSH(潜確モード)の遊技性について説明する。小当りRUSH(潜確モード)は、第2始動口P52に遊技球を入球させることを契機として第2特別図柄の当否判定において小当りを頻出させて、大当りに当選するまでの間、小当り遊技を連続的且つ集中的に発生させることを目指す遊技性である。
遊技状態が潜確遊技状態である場合、遊技球が作動ゲートP53を通過すると、普通図柄の当否判定において極めて高確率(1/1.02)で当りが導出される。この潜確遊技状態(低ベース状態)においては、普通図柄の当否判定に当選すると、普通電動役物P522が1秒間の開放作動を3回行う。そのため、第2始動口P52を狙って右打ちを行っていれば、普通電動役物P522が開放状態となっている間に遊技球を第2始動口P52に入球させることが可能又は容易である。また、この潜確遊技状態においては、第2特別図柄の当否判定における小当りの当選確率が極めて高確率(約1/1.1)に設定されており、しかも小当りに当選したときの第2特別図柄の変動時間が極めて短時間(0.5秒)に設定されているため、第2始動口P52への遊技球の入球に基づき小当りが頻繁に発生する可能性が高い。
このとき、普通電動役物P522が1秒間の開放作動を3回行っている間に、遊技球がこの第2始動口P52に入球して小当りに当選した場合には、第2特別図柄の変動表示が極めて短時間のうちに終了して、小当り遊技が即開始されることになる。ここで、普通電動役物P522は、1秒間の開放作動(3回目の開放作動を除く)を行った直後に、2秒間の閉鎖作動を行うようになっている。よって、小当り遊技が開始された後、右側領域PA2を流下する遊技球は、普通電動役物P522が2秒間の閉鎖作動を行っている間に、該閉鎖中の普通電動役物P522(可動部材P524)の上面を通過して大入賞口P54へと到達しやすくなっている。そのため、小当り遊技の実行中において、右側領域PA2を流下する遊技球は、普通電動役物P522に入球することなく可動部材P524の上面を素通りして、その斜め下方に配置された大入賞口P54へ向けて流下することで、該大入賞口P54に入球可能となっている。従って、遊技状態が潜伏確変遊技状態である場合は、第2始動口P52に遊技球を入球させて第2特別図柄の変動表示を高頻度で行い、次の大当りが発生するまでの間、小当り遊技を高頻度で実行させる遊技性となる。それにより、小当り遊技を実行する度に大入賞口P54に2~3個程度の遊技球を入球させて、毎回20~30個程度の賞球を連続して獲得することで、遊技者は
持ち球を増加させながら遊技を進めることが可能となる。
一方、遊技状態が時短遊技状態又は確変遊技状態である場合においても、第2特別図柄の当否判定において小当りの当選確率が極めて高く、しかも小当りの変動時間が極めて短く設定されているため、小当り遊技が頻繁に発生しやすくなっている。しかしながら、小当りRUSHの遊技性を潜確遊技状態のみに限定し、潜確遊技状態以外の遊技状態については、該小当り遊技による持ち球の増加を抑制するため、以下のような対策が講じられている。
具体的には、遊技状態が時短遊技状態又は確変遊技状態である場合、遊技球が作動ゲートP53を通過すると、普通図柄の当否判定において極めて高確率(1/1.01)で当りが導出される。この遊技状態(高ベース状態)においては、普通図柄の当否判定に当選すると、普通電動役物P522が5.9秒間の1回の開放作動を行う。そのため、第2始動口P52を狙って右打ちを行っていれば、普通電動役物P522が開放状態となっている間に遊技球を第2始動口P52に入球させることは極めて容易である。また、この時短遊技状態又は確変遊技状態においても、第2特別図柄の当否判定における小当りの当選確率が極めて高確率(約1/1.1)に設定されており、しかも小当りに当選したときの第2特別図柄の変動時間が極めて短時間(0.5秒)に設定されているため、第2始動口P52への遊技球の入球に基づき小当りが頻繁に発生する可能性が高い。
ここで、普通電動役物P522が5.9秒間の開放作動を行っている間に、遊技球がこの第2始動口P52に入球して小当りに当選した場合は、第2特別図柄の変動表示が極めて短時間のうちに終了し、小当り遊技が即開始されることになる。このとき、普通電動役物P522が開放作動を継続している間(第2始動口P52が開放状態となっている間)に、小当り遊技が実行された場合には、右側領域PA2を流下する遊技球は、該開放中の普通電動役物P522に極めて入球しやすく、大入賞口P54に到達する可能性が著しく低くなる。一方、普通電動役物P522が閉鎖作動した後(第2始動口P52が閉鎖状態となった後)に、小当り遊技が実行された場合には、その後続の遊技球が作動ゲートP53を通過してから普通電動役物P522が開放作動するまでの時間が極めて短い時間(変動時間0.2秒+停止時間0.1秒)に設定されているため、この即開放された普通電動役物P522に遊技球が入球し易くなっている。つまり、小当り遊技の実行中は、普通電動役物P522(第2始動口P52)がほぼ開きっ放しの状態となっており、右側領域PA2を流下する遊技球は、開放状態の普通電動役物P522(第2始動口P52)に極めて入球しやすく、その下流に配置された大入賞口P54に入球させることは極めて困難である。従って、遊技状態が時短遊技状態又は確変遊技状態(高ベース状態)である場合は、たとえ第2特別図柄の当否判定にて小当りが頻出したとしても、遊技球が大入賞口P54に到達する可能性が著しく低く、小当り遊技により出玉を増やすことは極めて困難である。
また、遊技状態が通常遊技状態である場合にも、第2特別図柄の当否判定において小当りの当選確率が極めて高確率(約1/1.1)に設定されているが、第2特別図柄の変動時間が極めて長時間(10分以上)に設定されているため、遊技者が遊技球を第2始動口P52に入球させて小当りを狙った遊技を行ったとしても、第2特別図柄の消化の効率が非常に悪く、小当り遊技を頻発させることはできない。なお、通常遊技状態に移行した直後の所定回数の変動表示では、変動パターン選択状態として限定頻度選択状態が設定され、第2特別図柄の変動効率が相対的に高く設定されている(第2特別図柄の変動時間が極めて長時間となることはない)。つまり、通常遊技状態に移行した直後の所定回数の変動表示(4回転以内の変動表示)では、この所定回数の変動表示が終了した後の変動表示(5回転目以降の変動表示)よりも、第2特別図柄の変動時間(変動時間の平均値)が短縮化され、第2特別図柄の変動効率が高くなるように設定されている。
ここで、第3実施形態では、小当りRUSH(潜確モード)の実行中は、画面の累積賞球数表示領域P733に累積賞球数が表示され、遊技者に累積賞球数を報知可能に構成されている。この小当りRUSH(潜確モード)の実行中に、遊技球が一般入賞口P64に入球したときは、オマケ入賞演出は行われない一方で、累積賞球数の加算表示(一般入賞口カウントアップ演出)は行われるように構成されている。また、この小当りRUSH(潜確モード)の実行中に、第2特別図柄の当否判定の結果が小当りとなることで行われる小当り遊技において遊技球が大入賞口P54に入球した場合には、累積賞球数の加算表示(大入賞口カウントアップ演出)が行われることが好適である。変形例としては、小当りRUSH(潜確モード)の実行中に、遊技球が一般入賞口P64に入球しても、オマケ入賞演出も行われず、累積賞球数の加算表示(一般入賞口カウントアップ演出)も行われないように構成してもよい。
なお、第3実施形態においても、上述の第2実施形態の特徴的な構成を適用することで、上述の第2実施形態と同様の作用効果を奏することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
なお、第3実施形態の変形例として、第2始動口P52を常時開放型の入賞口として構成してもよい。つまり、本変形例においては、第1始動口P51および第2始動口P52が非可変式の始動口(常時開放式の始動口)として構成されており、普通電動役物は搭載されていない。図105は、第3実施形態の変形例に係るぱちんこ遊技機の正面図である。図105に示すように、センター飾りP21の右方の領域(右側領域PA2)には、第2始動口P52が配置され、その左斜め下方には大入賞口P54が配置されている。第2始動口P52は、第2特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第2始動口スイッチP521を備えている。この第2始動口P52は、上方に向けて開口された常時開放型の入賞口であり、主として右側領域PA2を流下する遊技球(右打ちした遊技球)が入球可能となっている。つまり、第2始動口P52は、右側領域PA2を流下する遊技球が常時入球可能な一般入賞口P64を兼用しており、特別遊技状態であっても、非特別遊技状態であっても、常に入球可能に構成されている。本変形例では、特別遊技の実行中に第2始動口P52(一般入賞口P64)に遊技球が入球することを契機として、オマケ入賞演出と累積賞球数の加算表示(一般入賞口カウントアップ演出)が行われる。なお、特別遊技の実行中に第2始動口P52(一般入賞口P64)に遊技球が入球したときに、累積賞球数の加算表示(一般入賞口カウントアップ演出)のみが行われ、オマケ入賞演出は行われないように構成してもよい。また、小当りRUSH(潜確モード)の実行中に、遊技球が第2始動口P52(一般入賞口P64)に入球しても、オマケ入賞演出も行われず、累積賞球数の加算表示(一般入賞口カウントアップ演出)も行われないように構成してもよい。
[第4実施形態] 次に、第4実施形態に係るぱちんこ遊技機について説明する。第4実施形態のぱちんこ遊技機は、基本的には、上述の第2実施形態のぱちんこ遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。つまり、以下の説明においては、特段の場合を除き、第2実施形態と共通の構成を適用することが可能である。
[主制御表示装置] 図106は、第4実施形態の主制御表示装置P27を示す模式図である。主制御表示装置P27は、主制御基板P100にて点灯制御されるLED表示装置であり、遊技盤P20の前面側の所定位置に配設されている。この主制御表示装置P27には、図106に示すように、第1特別図柄表示装置P71、第2特別図柄表示装置P72、第1特別図柄保留ランプP73、第2特別図柄保留ランプP74、普通図柄表示装置P75、普通図柄保留ランプP76、ラウンド表示灯P77、状態表示灯P78、右打ち指示灯P79、エラー表示灯Erなどの各種表示手段が設けられている。
第1特別図柄表示装置P71は、8個のLEDセグメントG~Nから構成され、第1特別図柄の変動表示は当該LEDセグメントの点滅パターンに従って表示され、当該LEDセグメントの点滅が停止して点灯表示に切り替わることで第1特別図柄が確定表示される。より詳細には、第1特別図柄の変動表示は、LEDセグメントM,Nのみが点滅し、それ以外のLEDセグメントは消灯している状態であり、第1特別図柄の確定表示は、当否判定の結果がはずれである場合はLEDセグメントM,Nのみが点灯且つそれ以外のLEDセグメントは消灯している状態であり、当否判定の結果が当りである場合は実行される特別遊技の種類に応じてLEDセグメントLEDセグメントG~Nの点灯及び消灯の組合せが異なる(例えば、4R大当りである場合は、LEDセグメントG~Nの順に点灯・点灯・点灯・消灯・消灯・点灯・点灯・点灯や、消灯・点灯・消灯・点灯・点灯・点灯・点灯・消灯となり、16R大当りである場合は、LEDセグメントG~Nの順に点灯・点灯・点灯・点灯・点灯・点灯・点灯・点灯や、点灯・消灯・点灯・消灯・点灯・消灯・点灯・消灯となる)。なお、各LEDセグメントについては、LEDランプと称しても良いし、単にランプと称しても良い。
第2特別図柄表示装置P72は、8個のLEDセグメントQ~Xから構成され、第2特別図柄の変動表示は当該LEDセグメントの点滅パターンに従って表示され、当該LEDセグメントの点滅が停止して点灯表示に切り替わることで第2特別図柄が確定表示される。より詳細には、第2特別図柄の変動表示は、LEDセグメントW,Xのみが点滅し、それ以外のLEDセグメントは消灯している状態であり、第1特別図柄の確定表示は、当否判定の結果がはずれである場合はLEDセグメントW,Xのみが点灯且つそれ以外のLEDセグメントは消灯している状態であり、当否判定の結果が当りである場合は実行される特別遊技の種類に応じてLEDセグメントLEDセグメントQ~Xの点灯及び消灯の組合せが異なる(例えば、4R大当りである場合は、LEDセグメントQ~Xの順に点灯・点灯・消灯・消灯・点灯・点灯・点灯・点灯や、消灯・点灯・点灯・点灯・点灯・点灯・消灯・消灯となり、16R大当りである場合は、LEDセグメントQ~Xの順に消灯・点灯・点灯・点灯・点灯・点灯・点灯・消灯や、点灯・消灯・点灯・消灯・消灯・点灯・点灯・消灯となる)。なお、各LEDセグメントについては、LEDランプと称しても良いし、単にランプと称しても良い。
第1特別図柄保留ランプP73は、2個のLEDセグメントO,Pから構成され、当該LEDセグメントの点灯・点滅・消灯表示によって第1特別図柄の作動保留球数(最大4個)を表示する。同じく、第2特別図柄保留ランプP74は、2個のLEDセグメントY,Zから構成され、当該LEDセグメントの点灯・点滅・消灯表示によって第2特別図柄の作動保留球数(最大4個)を表示する。より詳細には、1個のLEDセグメントが消灯表示である場合は0個、点滅表示である場合は1個、点灯表示である場合は2個を示しており、各表示の2個の組合せにて最大4個を表現している(例えば、LEDセグメントOが点灯表示且つLEDセグメントPが点灯表示である場合は、第1特別図柄の保留個数が4個であることを示しており、LEDセグメントOが点滅表示且つLEDセグメントPが消灯表示である場合は、第1特別図柄の保留個数が1個であることを示している)。なお、各LEDセグメントについては、LEDランプと称しても良いし、単にランプと称しても良い。
普通図柄表示装置P75は、1個のLEDセグメントCから構成され、普通
図柄の変動表示及び確定表示を行う。より詳細には、普通図柄の変動表示は、LEDセグメントCが点滅している状態であり、普通図柄の確定表示は、当否判定の結果がはずれである場合はLEDセグメントCが消灯している状態であり、当否判定の結果が当りである場合はLEDセグメントCが点灯している状態である。なお、このLEDセグメントについては、LEDランプと称しても良いし、単にランプと称しても良い。
普通図柄保留ランプP76は、2個のLEDセグメントA,Bから構成され、当該LEDセグメントの点灯・点滅表示によって、普通図柄の作動保留球数(最大4個)を表示する。より詳細には、1個のLEDセグメントが消灯表示である場合は0個、点滅表示である場合は1個、点灯表示である場合は2個を示しており、各表示の2個の組合せにて最大4個を表現している(例えば、LEDセグメントAが点灯表示且つLEDセグメントBが点灯表示である場合は、普通図柄の保留個数が4個であることを示しており、LEDセグメントAが点滅表示且つLEDセグメントBが消灯表示である場合は、普通図柄の保留個数が1個であることを示している)。なお、各LEDセグメントについては、LEDランプと称しても良いし、単にランプと称しても良い。
ラウンド表示灯P77は、左表示灯67a及び右表示灯67bから構成され、特別遊技におけるラウンド遊技の実行回数(規定ラウンド数:特別電動役物が連続して作動する回数)を表示する。左表示灯67aは2個のLEDセグメントから構成され、右表示灯67bは7個のLEDセグメントから構成され、各LEDセグメントの点灯表示の組合せによって、特別遊技の規定ラウンド数を表示する(例えば、右表示灯67bの7個のLEDセグメントのうち、中央部のLEDセグメントのみを消灯させそれ以外のLEDセグメントを点灯させる場合、つまり、上部・左上部・左下部・右上部・右下部・下部の6つのLEDセグメントを点灯させる場合は、「0」を示す組合せの表示となる)。例えば、ラウンド表示灯P77に「10」の数値が点灯表示された場合(つまり、ラウンド数の二桁目を示す表示灯である左表示灯77aが「1」の数値を示す組合せにて点灯表示され、ラウンド数の一桁目を示す表示灯である右表示灯77bが「0」の数値を示す組合せにて点灯表示された場合)、特別遊技の規定ラウンド数が10回(10ラウンド)であることが示される。なお、各LEDセグメントについては、LEDランプと称しても良いし、単にランプと称しても良い。
状態表示灯P78は、2個のLEDセグメントD,Eから構成され、当該LEDセグメントの点灯表示によって、特別図柄の確率変動機能の作動状態と、普通図柄の確率変動機能の作動状態とを表示する。なお、各LEDセグメントについては、LEDランプと称しても良いし、単にランプと称しても良い。
右打ち指示灯P79は、1個のLEDセグメントFから構成され、当該LEDセグメントの点灯表示によって、遊技領域PAの右側を狙って遊技球を発射すべき遊技状態(右打ちすべき遊技状態)であるか否かを表示する。より詳細には、高ベース状態や特別遊技状態などの遊技領域PAの右側を狙って遊技球を発射すべき遊技状態(右打ちすべき遊技状態)である場合は、LEDセグメントFが点灯表示し、低ベース状態(非特別遊技状態)などの遊技領域PAの左側を狙って遊技球を発射すべき遊技状態(左打ちすべき遊技状態)である場合は、LEDセグメントFが消灯表示する。なお、このLEDセグメントについては、LEDランプと称しても良いし、単にランプと称しても良い。
エラー表示灯Erは、1個のLEDセグメントErから構成され、当該LEDセグメントErの点灯表示によって、遊技機PMのエラーの発生状況(エラーが発生しているか否か)を報知する。より詳細には、エラーが発生している場合にはLEDセグメントErが点灯し、エラーが発生していない場合にはLEDセグメントErが消灯する。但し、特定のエラーが発生している場合はLEDセグメントErが消灯しても良い(例えば、前述した第1エラーや第2エラーが発生している場合はLEDセグメントErが点灯するが、前述した第3エラーや後述する設定機能に関するエラー(設定値が範囲外である場合や設定変更を確定させずに設定変更状態を終了させた場合などに発生するエラー)が発生している場合はLEDセグメントErが消灯するなど)。なお、このLEDセグメントについては、LEDランプと称しても良いし、単にランプと称しても良い。
[入賞関連演出] 次に、第4実施形態の入賞関連演出について説明する。入賞関連演出は、大当り遊技の実行中に遊技球が大入賞口P54又は一般入賞口P64などに入球したことに基づき実行される演出である。この入賞関連演出は、前述の第2実施形態(図60等を参照)と同様に、大入賞口入賞演出と、一般入賞口入賞演出とを含む。
<大入賞口入賞演出> 大入賞口入賞演出は、大当り遊技の実行中に遊技球が大入賞口P54に入賞したことを契機として実行される演出である。大入賞口入賞演出は、図60に示すように、大入賞口通常入賞演出と、大入賞口オーバー入賞演出と、大入賞カウントアップ演出とを含む。この大入賞口入賞演出(大入賞口通常入賞演出、大入賞口オーバー入賞演出、大入賞カウントアップ演出)の内容については、すでに第2実施形態で詳述しているので、基本的な説明は省略する。なお、以下では、大入賞口オーバー入賞演出(オーバー入賞演出)の実行条件として、1回のラウンド遊技の実行中に規定カウント数を超過する遊技球(本実施例では11個目以降の遊技球)が大入賞口P54に入球して、その超過した分の遊技球が大入賞口スイッチP541にて有効に検出されること(つまりオーバー入賞が発生すること)を「オーバー入賞演出実行条件」とも呼称する。また、大入賞カウントアップ演出は、前述したおり、大入賞口P54への遊技球の入球に基づき付与される賞球数がカウントアップ形式で順に加算表示される演出表示であるが、この大入賞口カウントアップ演出は賞球数を1個ずつカウントアップ表示するものに限られず、賞球数を2以上の複数個ずつカウントアップ表示するものでもよいし(例えば、大入賞口P54への1個の入球に対する賞球数が15個である場合、0個→15個のように一気に15個のカウントアップ表示を行ったりしてもよいし、0個→3個→6個→9個→12個→15個のように15個を所定数(ここでは「5」)で分割した個数ごとにカウントアップ表示を行ってもよいし)、ランダムな個数(例えば、大入賞口P54への1個の入球に対する賞球数が15個である場合、0個→23個→45個→11個→64個→32個→15個という順であり、最初の0個と最後の15個以外は数字が変動していることだけを示すための表示)でカウントアップ表示するものでもよい(前述の第2実施形態や第3実施形態も同様)。また、以下では、特段の場合を除き、(ア)遊技球が大入賞口P54に入賞することと、(イ)遊技球が大入賞口P54に入球することと、(ウ)遊技球が大入賞口スイッチP541に検出されることと、(エ)主制御基板P100が大入賞口入賞コマンドを送信することと、(オ)演出制御基板P200が大入賞口入賞コマンドを受信することと、を同義の意味で使用する。
<一般入賞口入賞演出> 一般入賞口入賞演出は、遊技球が一般入賞口P64に入賞したことを契機として実行される演出である。一般入賞口入賞演出は、図60に示すように、一般入賞口通常入賞演出と、一般入賞カウントアップ演出とを含む。この一般入賞口入賞演出(一般入賞口通常入賞演出、一般入賞カウントアップ演出)の内容については、すでに第2実施形態で詳述しているので、基本的な説明は省略する。なお、以下では、特段の場合を除き、(ア)遊技球が一般入賞口P64に入賞することと、(イ)遊技球が一般入賞口P64に入球することと、(ウ)遊技球が右一般入賞口スイッチP641に検出されることと、(エ)主制御基板P100が右一般入賞口入賞コマンドを送信することと、(オ)演出制御基板P200が右一般入賞口入賞コマンドを受信することと、を同義の意味で使用する。
<入賞関連演出の特徴> 続いて、第4実施形態の入賞関連演出(大入賞口入賞演出、一般入賞口入賞演出)の特徴について説明する。なお、この第4実施形態の入賞関連演出の構成要素と、前述の第2実施形態の入賞関連演出の構成要素とを適宜組み合わせてもよく、また、これらを組み合わせる際に、いずれかの構成要素の一部または全てを省略、置換、変更することも可能である。
≪累積賞球数の強調演出≫ まず、第4実施形態の累積賞球数の強調演出(強調表示)について説明する。強調演出は、前述したように、大当り遊技の実行中に大入賞口P54又は一般入賞口P64へ遊技球が入球することで累積賞球数の値が予め定められた特定値に到達したことを報知する演出である。
図107は、強調演出の表示例を示す模式図である。強調演出(強調表示)は、図107に示すように、画面中央の強調表示領域P735に、累積賞球数の値が特定値に達したことを示す強調表示画像(図示例では「2500pt達成」)を表示する演出である。図示例の「2500pt達成」という強調表示画像は、累積賞球数の値が達成した特定値(2500)に対応する表示である「2500pt」の文字と、この特定値に到達したことを示す表示である「達成」の文字とを組み合わせた画像である。この強調表示画像は、画面の累積賞球数表示領域P733に表示される累積賞球数表示(累積賞球数表示画像)とは別個独立して表示可能であり、この強調表示画像が表示されている間は、当該強調表示画像と累積賞球数表示(累積賞球数表示画像)とが併存する。なお、本実施例では、詳細は後述するが、強調演出の実行時間(強調表示画像の表示時間)が「3秒」に設定されているため、画面に強調表示画像が出現した場合には、この強調表示画像と累積賞球数表示(累積賞球数表示画像)とが3秒間の間だけ同時に表示されるようになっている。
強調演出は、大当り遊技の実行中において所定の実行条件(「強調演出実行条件」と呼称する)が成立することを契機として実行される。この強調演出実行条件は、前述の累積賞球数カウンタの値が予め定められた特定値に達することを契機として成立する。この特定値とは、所定賞球数(2500個)の倍数値に対応する数値である。すなわち、累積賞球数カウンタの値が所定賞球数の倍数値(2500、5000、7500、10000…)に到達するたびに強調演出実行条件が成立し、この強調演出実行条件が成立したことに基づいて強調演出が行われることになる。
図108は、強調演出パターンテーブルを示す模式図である。この強調演出パターンテーブルは、画面に表示する強調演出パターン(強調表示画像の表示パターン)を選択する際に参照される。この強調演出パターンテーブルには、図108に示すように、累積賞球数カウンタの値(特定値)と、決定される強調演出パターンと、その表示内容とが対応付けられている。本実施例では、累積賞球数カウンタの値が「2500」に達すると、画面に「2500pt達成」という文字を示す強調表示画像が拡大表示される強調演出パターンPK1が実行され、累積賞球数カウンタの値が「5000」に達すると、画面に「5000pt達成」という文字を示す強調表示画像が拡大表示される強調演出パターンPK2が実行され、累積賞球数カウンタの値が「7500」に達すると、画面に「7500pt達成」という文字を示す強調表示画像が拡大表示される強調演出パターンPK3が実行され、累積賞球数カウンタの値が「10000」に達すると、画面に「10000pt達成」という文字を示す強調表示画像が拡大表示される強調演出パターンPK4が実行され、累積賞球数カウンタの値が「12500」に達すると、画面に「12500pt達成」という文字を示す強調表示画像が拡大表示される
強調演出パターンPK5が実行され、累積賞球数カウンタの値が「15000」に達すると、画面に「15000pt達成」という文字を示す強調表示画像が拡大表示される強調演出パターンPK6が実行される。なお、図108では、6種類の強調演出パターンPK1~PK6のみを示しているが、強調演出パターンPK6が実行された後も、当該累積賞球数カウンタの値が所定賞球数の倍数値(17500,20000,22500・・・)に到達するたびに、その倍数値に対応する強調演出パターンが実行される。なお、強調演出パターンとして、当該累積賞球数カウンタの値が所定賞球数の倍数値(97500)に到達するまでは、2500の倍数に対応したそれぞれの強調演出パターンが存在するが、それ以降は当該累積賞球数カウンタの値が所定賞球数の倍数値(例えば、100000や102500など)に達したとしても強調演出パターンが実行されないよう構成してもよい。更に、当該累積賞球数カウンタの値が所定賞球数の倍数値(97500)に到達した以降は、当該累積賞球数カウンタの値が所定賞球数の倍数値とは異なる数値(99999)に到達することによる「99999pt達成」といった特殊な強調演出パターンが1回表示されるのみであり、それ以降は当該累積賞球数カウンタの値が所定賞球数の倍数値(例えば、100000や102500など)に達したとしても強調演出パターンが実行されないよう構成してもよい。このように構成することで、強調演出パターンの種類数を削減しつつも(換言すれば、際限なく強調演出パターンの種類を用意しないよう構成しつつ)、後述する連荘中の賞球獲得期待値を大幅に上回る(例えば、10倍)程度の賞球獲得までは必ず強調演出を実行可能とすることができる。
ここで、本実施形態では、上記複数種の強調演出パターンにおいて、連続する二つ強調演出パターンが重複して実行されないように構成されている。つまり、連続する二つの強調演出パターンのうち、一方の強調演出パターン(例えば強調演出パターンPK1)の実行期間または実行タイミングと、他方の強調演出パターン(例えば強調演出パターンPK2)の実行期間または実行タイミングとが互いに重ならないようになっている(両者の実行期間の全部が重ならない場合と、両者の実行期間の一部が重ならない場合を含む)。ここで、仮に、連続する二つの強調演出パターンのうち、一方の強調演出パターン(例えば強調演出パターンPK1)の実行中に、他方の強調演出パターン(例えば強調演出パターンPK2)の実行条件を充足(例えば、累積賞球数カウンタの値が5000に到達)した場合、当該実行条件を充足したとしても、表示内容が煩雑にならないように、他方の強調演出パターンは実行しないよう構成してもよい。変形例として、仮に、連続する二つの強調演出パターンのうち、一方の強調演出パターン(例えば強調演出パターンPK1)の実行中に、他方の強調演出パターン(例えば強調演出パターンPK2)の実行条件を充足(例えば、累積賞球数カウンタの値が5000に到達)した場合、表示内容が煩雑にならないように、一方の強調演出パターンの実行を強制終了して、代わりに他方の強調演出パターンを実行するよう構成してもよい。
また、画面上での強調表示画像(強調演出表示)の表示サイズは、各強調演出パターンの種類に応じて適宜変更してもよい。つまり、各強調演出パターンの種類に応じて、強調表示画像(強調演出表示)の表示サイズが異なるよう構成してもよい。例えば、強調表示画像が示す累積賞球数の桁数が増えることによって、その強調表示画像(拡大表示した画像)が画面からはみ出すことを防止するため、特定数に到達した累積賞球数の桁数が所定数以上となった場合には強調表示画像のサイズを縮小してもよい。変形例として、累積賞球数カウンタの値が特定賞球数(例えば、10000)の倍数値(10000,20000,30000・・・)に到達した場合の強調演出パターンについては、それ以外の強調演出パターンよりも、遊技者に対する祝福度合いを強くする(より一層祝福されているように感じてもらう)ために、強調表示画像(強調演出表示)の表示サイズを大きくしたり、強調演出の実行時間を長く(例えば、3秒でなく5秒とする)したりしてもよい。
≪強調演出の特殊効果≫ 次に、強調演出の発生に付随して行われる特殊効果について説明する。本実施例では、大当り遊技の実行中に強調演出が実行される場合、当該強調演出の開始時および終了時に、強調表示画像に対して所定の特殊効果を施す(所定の演出を付加する)特殊効果表示(単に「特殊効果」とも呼称する、または、単に「付加演出」や「付加表示」とも呼称する)が行われるとともに、当該強調演出の開始および終了を聴覚的に報知する特定効果音の出力が行われる。
特殊効果表示には、強調表示画像自体が変形(拡縮、反転、移動など)または変化(色調変化、輝度変化、カラー/白黒の切り替えなど)して特殊効果を発揮する特殊効果表示と、強調表示画像とは異なる別の画像が強調表示画像の表示に対して視覚的な効果を付与する特殊効果表示とがある。本実施例では、この特殊効果表示として、強調表示画像を徐々に出現させるフェードイン表示、強調表示画像を徐々に消失させるフェードアウト表示、強調表示画像の周囲に特定のエフェクト画像(例えば、無数の小さな星画像や帯電画像など)を表示するエフェクト表示などがある。主に、エフェクト表示およびフェードイン表示は強調表示画像の出現時に実行され、フェードアウト表示は強調表示画像の消去時に実行される(強調表示画像の消去時にはエフェクト表示を実行しない)。なお、本実施例の変形例として、強調演出の開始時および終了時のいずれかのみ特殊効果表示を施すように構成してもよい。また、特殊効果表示として、強調表示画像の前面側にボカシ画像やモザイク画像を重畳して表示する隠蔽表示などを行ってもよい。
特定効果音は、強調演出の開始時と終了時とに出力される特定の効果音である。この特定効果音としては、強調演出の開始時に略同時に出力される特定効果音A(例えば「ドカーン」という音声)と、強調演出の終了時に略同時に出力される特定効果音B(例えば「ピコ」という音声)とがある。なお、変形例として、強調演出の開始時には特定効果音(特定効果音A)を出力し、強調演出の終了時には特定効果音(特定効果音B)を出力しないようにしてもよい。逆に、強調演出の終了時には特定効果音(特定効果音B)を出力し、強調演出の開始時には特定効果音(特定効果音A)を出力しないようにしてもよい。また、別の変形例として、強調演出の開始時に出力される特定効果音(特定効果音A)と、強調演出の終了時に出力される特定効果音(特定効果音B)とを同一の音声により構成してもよい。なお、強調演出の開始時に出力される特定効果音(特定効果音A)と、強調演出の終了時に出力される特定効果音(特定効果音B)とを同一の音声にする場合には、両音声の出力レベル(音声レベル)を同一としてもよいし、両音声の出力レベル(音声レベル)を異なるものとしてもよい(例えば、特定効果音Bの出力レベルよりも特定効果音Aの出力レベルを上げたり、特定効果音Aの出力レベルよりも特定効果音Bの出力レベルを上げたりしてもよい)。なお、特定効果音A,Bについては、出力終了に向けて、フェードアウトする(徐々に音量を下げる)ように構成することが好適であり、そのように構成することで、特定効果音開始時のインパクトを強めることができる。そのように構成する場合には、特定効果音A,Bの出力開始直後はフェードインする(徐々に音量を上げる)よう構成することで、そのインパクトをより一層強めることができる。そのように構成する場合は、フェードアウト期間(例えば、1秒)はフェードイン期間(例えば、0.3秒)よりも長くすることがより効果的である(瞬時に最大音量まで上げてから徐々に音量を下げていく緩急を持たせることができる)。
続いて、大当り遊技の実行中における強調演出、特殊効果表示、特定効果音の出力の実行タイミングについて説明する。図109は、大当り遊技の実行中における強調演出、特殊効果表示、特定効果音の出力の実行タイミングを示すタイムチャートである。
まず、大当り遊技が開始された後、タイミングT1において、大当り開始デモの実行期間が終了し、累積賞球数表示の表示が開始される。次いで、タイミングT2において、累積賞球数が特定値に達することを契機として、強調演出の実行が開始される。この強調演出の開始時には、強調表示画像の出現に対して特殊効果を施す特殊効果表示(図示例ではエフェクト表示)が行われるとともに、強調演出の開始を報知する特定効果音(特定効果音A)が出力される。次いで、タイミングT3において、強調演出の実行が終了する。この強調演出の終了時には、強調表示画像の消失に対して特殊効果を施す特殊効果表示(図示例ではフェードアウト表示)が行われるとともに、強調演出の終了を報知する特定効果音(特定効果音B)が出力される。そして、タイミングT4において、累積賞球数表示の表示が終了し、その後、今回の大当り遊技が終了する。なお、図109に示すように、累積賞球数表示の開始時(タイミングT1)および終了時(タイミングT4)には、この累積賞球数表示に対して特殊効果を施す特殊効果表示は行われず、累積賞球数表示の開始および終了を報知するための特殊効果音の出力も行われない。なお、本タイムチャートにおいては、タイミングT2,T3における特定効果音の出力期間と特殊効果表示の実行期間とを略同じ期間として示したが、特定効果音の出力期間のほうが特殊効果表示の実行期間よりも長くしてもよい。そのように構成することで、強調演出の視認性(獲得した賞球数に関する表示の視認性)を特殊効果表示にて必要以上に阻害しない一方で、視認性に関与しない特定効果音については特殊効果表示の実行が終了しても出力を継続することで、遊技者に対する聴覚的な祝福期間については長期間となり、視覚的な祝福と聴覚的な祝福の相乗効果をより一層期待することができる。また、本タイムチャートにおいてはタイミングT2における特定効果音の出力期間が強調演出の実行期間よりも短期間として示したが、強調演出の実行期間と同じ(または略同じ)もしくは強調演出の実行期間よりも長期間としてもよい。また、本タイムチャートにおいては、タイミングT2における特定効果音の開始タイミングと特殊効果表示の開始タイミングが強調演出の開始タイミングよりも先のタイミングとして示したが、同じタイミング(または略同一のタイミング)としてもよい。また、本タイムチャートにおいては、タイミングT3における特定効果音の終了タイミングと特殊効果表示の終了タイミングが強調演出の終了タイミングよりも後のタイミングとして示したが、同じタイミング(または略同一のタイミング)としてもよい。
≪強調演出の実行時間≫ 続いて、強調演出の実行時間について説明する。図110は、強調演出の実行時間と大当り終了デモの実行時間との関係を示すタイムチャートである。
強調演出の実行時間とは、累積賞球数の強調表示画像(拡大表示画像)の表示が開始されてから終了するまでの時間である。本実施例では、図110に示すように、強調演出の実行時間を大当り終了デモの実行時間よりも短時間に設定している。具体的に、大当り終了デモの実行時間は、第2実施形態と同様に、全ての大当り種別(大当り遊技)に共通して「20秒」に設定されており、強調演出の実行時間は、この大当り終了デモの実行時間よりも短時間となる「3秒」に設定されている。本実施例では、複数種の強調演出パターン(図108の図示例では強調演出パターンPK1~PK6)のうちのいずれの強調演出パターンによる強調演出が実行される場合であっても、この強調演出の実行時間は「3秒」に設定されている。変形例として、強調演出パターンの種類に応じて強調演出の実行時間を異ならせてもよく、例えば、この強調演出表示(拡大表示)の対象となる累積
賞球数の値が大きいほど強調演出の実行時間が長時間となるように設定してもよい(長時間となる傾向にしてもよい)。なお、前述したとおり、大当り終了デモの実行時間とは、大当り遊技の最終回のラウンド遊技の終了後に設けられたインターバル時間(インターバル期間)が経過したときから当該大当り遊技が終了するまでの待機時間である。つまり、大当り終了デモの実行時間には、最終回のラウンド遊技の終了後に設けられたインターバル時間(インターバル期間)は含まれない。なお、このインターバル時間(インターバル期間)は「2秒」に設定されており、大当り遊技の最終回のラウンド遊技の終了後のみに設けられるものではなく、各ラウンド遊技間(例えば、1ラウンド目と2ラウンド目の間や5ラウンド目と6ラウンド目の間の大入賞口P54の閉鎖中の期間)もインターバル時間(インターバル期間)であることを補足しておく。この最終回のラウンド遊技の終了後のインターバル時間は、そのインターバル時間内に大入賞口P54への遊技球の入球が有効に検出される可能性のある該最終回のラウンド遊技の残余時間(猶予時間)として設定されている。その一方で、大当り終了デモの実行時間は、その実行時間内に大入賞口P54への遊技球の入球が有効に検出される可能性のない、該最終回のラウンド遊技と区切られた大当り遊技終了後の遊技への準備期間として設定されている。
このように本実施例では、強調演出の実行時間(3秒)を大当り終了デモの実行時間(20秒)よりも短時間に設定したことで、最終回のラウンド遊技の終了間際に累積賞球数が特定値に達することに応じて強調演出が実行された場合でも、この強調演出は大当り終了デモが終了するまでの間に完結するように構成される。それにより、最終回のラウンド遊技の終了間際に強調演出が実行された場合としても、強調演出が該大当り遊技の終了時を越えて該大当り遊技の終了後の変動表示までに跨って行われることがなく、該大当り遊技の終了時とその終了後の1回転目の変動表示の開始時との区切りを明確にすることができる。また、例えば、大当り遊技の最終回のラウンド遊技における規定カウント数目(ここでは10カウント目)の大入賞口P54への遊技球の入球を契機として、強調演出実行条件を充足したとした場合、強調演出実行条件の充足と略同時に最終回のラウンド遊技の終了条件を充足するため、最終回のラウンド遊技が終了して2秒のインターバル期間が開始されることになり、この2秒のインターバル期間中に強調演出の少なくとも一部が実行されることになるが、この「少なくとも一部」については、強調演出における「2500pt達成」などの賞球数に関する表示が確認できる内容となっている(より具体的には、強調演出の実行開始時には特殊効果表示が実行されたうえで「2500pt達成」などの賞球数に関する表示がなされるが、大当り遊技の最終回のラウンド遊技における規定カウント数目の大入賞口P54への遊技球の入球を契機としてインターバル期間にて強調演出が実行される場合には、そのインターバル期間内で特殊効果表示を行ったうえでの賞球数に関する表示が視認できる、換言すれば、大当り終了デモが開始される前に賞球数の表示が視認できる)。このように構成することで、大当り遊技の終了に関する演出を実行する大当り終了デモ期間が開始する前に、強調演出がどのパターンであったか(達成した賞球数がいずれであるか)を確認することができ、大当り遊技の進行に沿った違和感のない演出の流れを実現することができる。
なお、強調演出の実行時間を、各ラウンド間または最終回のラウンド遊技と大当り終了デモとの間に設けられたインターバル時間よりも長時間に設定してもよい。また、強調演出がラウンド遊技の終了までに完結しない場合には、該ラウンド遊技の終了時、該ラウンド遊技の終了後のインターバル期間の開始時、もしくは終了デモの開始時に強調演出を強制的に終了するように構成してもよい。
≪強調演出、発光演出および役物演出の実行タイミング≫ 次に、強調演出、発光演出、役物演出の実行タイミングについて説明する。図111は、強調演出、発光演出および役物演出の実行タイミングを示すタイムチャートである。
強調演出の実行中は、枠ランプP10が特殊発光態様で点灯表示または点滅表示する。この特殊発光態様としては、虹色などの特殊な発光色で点灯表示される態様、または、この特殊な発光色且つ所定の点滅間隔(通常の点滅間隔)で点滅表示される態様が例示される。なお、この特殊発光態様の変形例として、青色等の所定の発光色且つ所定の点滅間隔(通常の点滅間隔)よりも短い点滅間隔で点滅表示される態様を採用してもよい。また、強調演出の実行中に、遊技盤P20(センター飾りP21)に設けられた盤ランプP25が特殊発光態様で点灯表示または点滅表示するように構成してもよい。また、強調演出の実行中に、枠ランプP10が特殊発光態様で点灯表示または点滅表示されるとともに、盤ランプP25が特殊発光態様で点灯表示または点滅表示されるように構成してもよい。つまり、強調演出の実行中に、枠ランプP10の特殊発光態様による点灯表示または点滅表示と、盤ランプP25の特殊発光態様による点灯表示または点滅表示とが略同時に(同時並行して)行われるようにしてもよい(両ランプP10,25の発光期間の全部が重なる場合と、両ランプP10,P25の発光期間の一部が重なる場合とを含む)。また、強調演出が実行された場合であっても、枠ランプP10のうちの一部のランプは特殊発光態様で点灯表示または点滅表示されないように構成してもよい。具体的には、枠ランプP10を、枠ランプA(例えばトップランプ)と、枠ランプB(例えばサイドランプ)と、枠ランプC(例えば球皿ランプ)とを有して構成した場合、これらの枠ランプA~Cが通常発光態様で点灯表示または点滅表示されている状況において強調演出が実行された場合、この強調演出の実行中には、枠ランプA~Cのうちの一部のランプは特殊発光態様で点灯表示または点滅表示される(発光態様が通常発光態様から特殊発光態様に切り替わる)一方で、その他のランプは通常発光態様で点灯表示または点滅表示される(発光態様を通常発光態様で維持する)ように構成してもよい。また、その場合には、演出ボタンP15に搭載されたランプ(演出ボタンランプ)も強調演出の実行の有無に関わらず通常発光態様で点灯表示または点滅表示される(発光態様を通常発光態様で維持する)ことが好ましい。また、同様に、強調演出が実行された場合であっても、盤ランプP25のうちの一部のランプは特殊発光態様で点灯表示または点滅表示されないように構成してもよい。具体的には、盤ランプP25を、盤ランプAと、盤ランプBとを有して構成した場合、これらの盤ランプA,Bが通常発光態様で点灯表示または点滅表示されている状況において強調演出が実行された場合、この強調演出の実行中には、盤ランプA,Bのうちの一方のランプは特殊発光態様で点灯表示または点滅表示される(発光態様が通常発光態様から特殊発光態様に切り替わる)一方で、他方のランプは通常発光態様で点灯表示または点滅表示される(発光態様を通常発光態様で維持する)ように構成してもよい。
また、強調演出の実行中は、後述の役物ランプ(可動役物P24に備えられたLEDランプ)が所定発光態様で点灯表示または点滅表示する。この所定発光態様としては、青色等の所定の発光色で点灯表示、または、この所定の発光色且つ所定の点滅間隔(通常の点滅間隔)で点滅表示される態様が例示される。
なお、遊技機にエラーが発生した場合には、枠ランプP10や後述の役物ランプがエラー発光態様で点灯表示または点滅表示される。このエラー発光態様としては、赤色などの特定の発光色で点灯表示または点滅表示される態様が例示される。なお、この枠ランプP10や後述の役物ランプを特定の発光色で点滅表示する場合には、所定の点滅間隔(通常の点滅間隔)による点滅表示でもよいし、この所定の間隔よりも短い点滅間隔で点滅表示してもよい。このように遊技機にエラーが発生したときは、枠ランプP10や後述の役物ランプが所定の発光態様および特殊の発光態様とは異なるエラー発光態様で点灯表示または点滅表示することで、遊技機のエラー中であることを的確に報知することができる。
また、強調演出の実行中は、特定の可動役物P24が所定の動作態様で駆動する役物演出が実行される。可動役物P24は、図1に示すように、透光性を有する樹脂材料を用いて横長の直方体形状に形成されたロゴ役物である。可動役物P24の前面側には、例えば本遊技機のタイトル名を図案化したロゴ形状の装飾部が設けられている。可動役物P24の内部には、前面側に形成された装飾部を発光するための役物ランプが搭載されている。役物ランプは、例えばマトリックス状に整列配置された複数の発光体を有して構成される。発光体としては、R(赤)、G(緑)、B(青)に発光可能な発光素子を有するフルカラーLEDが好適に用いられる。この可動役物P24は、役物ランプが所定の発光パターンで発光することで、前面側の装飾部全体が発光表示されるようになっている。
本実施形態の役物演出は、可動役物P24の演出動作と、役物ランプの発光表示とを組み合わせて実行可能である。つまり、役物演出は、可動役物P24の演出動作(役物可動演出)と、役物ランプの発光表示(役物発光演出)とが複合的に行われ得る演出として構成されている。
役物可動演出は、可動役物P24が所定の演出動作パターンに従って演出動作を実行する演出である。この役物可動演出は、電源投入時の初期化動作が完了していることを前提に、装飾図柄の変動表示の実行中や大当り遊技の実行中において、可動役物P24を動作(所定位置での保持又は停止を含む)させることで、主に視覚的な演出効果を発揮させる目的で実行される。この役物可動演出は、例えば、可動役物P24を初期位置から所定の可動位置へ下降させる下降動作と、可動役物P24を所定の可動位置(例えば、下降動作後の位置である画面の前面位置)で所定時間だけ停止保持させる保持動作と、可動役物P24を所定の可動位置から初期位置へ上昇させる上昇動作とを含む演出である。
役物発光演出は、可動役物P24の役物ランプが所定の発光パターンで発光する演出である。本実施形態では、役物ランプの発光パターン(発光態様)として、発光パターン1(白色発光)、発光パターン2(青色発光)、発光パターン3(黄色発光)、発光パターン4(虹色発光、つまりは複数色のグラデーション発光)が設定されており、この複数種の発光パターン1~4の中から一つの発光パターンが選択される(これら発光パターンは、いずれも点滅態様である)。なお、前述のように強調演出の実行中に役物ランプが発光する場合には、発光パターン2が選択される。つまり、役物ランプの所定発光態様とは発光パターン2(青色発光)に相当する。ここで、役物ランプの発光パターンは、大当り期待度の高さと関係しており、特別図柄の変動表示中に役物ランプが発光する場合について、発光パターン1(白色発光)<発光パターン2(青色発光)<発光パターン3(黄色発光)<発光パターン4(虹色発光)という順に、大当り期待度が1段階ずつ高くなるように設定されている。なお、この役物ランプの発光パターンはあくまで一例であり、1の発光パターンにて複数種類の色で発光するように構成してもよいし、発光の点滅時間が異なる発光パターンを用意してもよいし、発光パターンの種類数を変更してもよい。また、枠ランプP10についても、役物ランプと同様に、発光パターン1~4の発光態様を採り得るよう構成してもよい。また、役物ランプについても、枠ランプP10と同様に、遊技機にエラーが発生した場合には、エラー発光態様として、赤色などの特定の発光色で点灯表示または点滅表示されてもよい。
続いて、図111を参照しながら、大当り遊技の実行中における強調演出、発光演出および役物演出の具体的な
実行タイミングを説明する。
まず、タイミングT1において、大当り遊技が開始される。このとき、可動役物P24は動作の起点となる初期位置で待機しており、役物ランプは非発光状態(消灯状態)である。なお、役物ランプが非発光状態でなく、発光パターン1(白色発光)にて発光しているよう構成してもよい(その場合、本タイムチャートにおける「発光」は「青色発光」となり、「非発光」は「白色発光」に置換されることを補足しておく)。
次いで、タイミングT2において、累積賞球数が特定数(例えば5000個)に達することを契機に強調演出実行条件が成立して、強調演出の実行が開始される。また、このタイミングT2において、可動役物P24の演出動作が開始されるとともに、役物ランプの発光表示(または、白色発光から青色発光への変化)が開始される。つまり、本実施例では、強調演出の表示と、可動役物P24の演出動作と、役物ランプの発光表示(または、白色発光から青色発光への変化)とが略同時に開始される(これらの演出が同期して開始される)。
次いで、タイミングT3において、強調演出の実行が終了する。また、このタイミングT3において、可動役物の演出動作が終了するとともに、役物ランプの発光表示(または、白色発光から青色発光への変化)が終了する。つまり、本実施例では、強調演出の表示と、可動役物P24の演出動作と、役物ランプの発光表示(または、白色発光から青色発光への変化)とが略同時に終了する(これらの演出が同期して終了する)。
このように本実施例では、強調演出の実行開始および実行終了のタイミングと、可動役物P24の動作開始および動作終了のタイミングと、役物ランプの発光開始(または、白色発光から青色発光への変化の開始)および発光終了(または、青色発光から白色発光への変化の開始)のタイミングとをそれぞれ略同時にすることで、これらの演出が纏まりのある演出(一体感のある演出)となり、各演出の流れが遊技者にとって分かり易いものとなる。また、強調演出を実行する際に、演出表示装置P70の強調表示(拡大表示)のみで終わらせることなく、可動役物P24を動作させたり役物ランプを発光(または、白色発光から青色発光へ変化)させたりすることで、遊技者の満足感や優越感をより一層向上させることができるとともに、この強調表示されている累積賞球数を周囲の遊技者に対してもアピールすることができる。なお、枠ランプP10についても、役物ランプと同様の構成を採る(つまり、各タイミングにおいて役物ランプと同様に発光表示を開始/終了する、または、各タイミングにおいて役物ランプと同様に白色発光から青色発光へ変化を開始/終了する)よう構成してもよい。
なお、変形例として、可動役物P24の演出動作と役物ランプの発光表示(または、白色発光から青色発光への変化)とが開始された後に、強調演出の実行を開始するように構成してもよい。それによれば、可動役物P24の演出動作と役物ランプの発光表示(または、白色発光から青色発光への変化)とがそれぞれ開始された後に強調演出が実行されるのではないかとの期待感を遊技者に抱かせ、実際に強調演出が実行されたことに対する遊技者の満足感および高揚感を高めることができる。また、そのときは、役物ランプの発光表示(または、白色発光から青色発光への変化)が開始されてから可動役物P24の演出動作を開始することで、役物ランプの発光(または、白色発光から青色発光への変化)→可動役物P24の動作→強調演出の表示というように、各演出をテンポ良く進めることができる。なお、これとは逆に、可動役物P24の演出動作が開始されてから役物ランプの発光表示(または、白色発光から青色発光への変化)を開始するようにしてもよい。その場合でも、可動役物P24の動作→役物ランプの発光(または、白色発光から青色発光への変化)→強調演出の表示というように、各演出をテンポ良く進めることができる。なお、強調演出よりも先に実行されるものは、可動役物P24の動作か、役物ランプの発光(または、白色発光から青色発光への変化)のいずれか1つであってもよく、それ以外は強調演出と略同時に実行されてもよい。なお、枠ランプP10についても、役物ランプと同様の構成を採る(つまり、各タイミングにおいて役物ランプと同様に発光表示を開始/終了する、または、各タイミングにおいて役物ランプと同様に白色発光から青色発光へ変化を開始/終了する)よう構成してもよい。
また、強調演出の実行が開始された後に、可動役物P24の演出動作と役物ランプの発光表示(または、白色発光から青色発光への変化)とが開始するように構成してもよい。この構成によれば、可動役物P24の演出動作と役物ランプの発光表示(または、白色発光から青色発光への変化)とが行われる前に、いきなり強調演出が開始されるため、遊技者に対して驚きと意外性を与えることができるとともに、強調演出の発生が遊技者に先バレするのを防止することができる。なお、強調演出よりも後に実行されるものは、可動役物P24の動作か、役物ランプの発光(または、白色発光から青色発光への変化)のいずれか1つであってもよく、それ以外は強調演出と略同時に実行されてもよい。なお、枠ランプP10についても、役物ランプと同様の構成を採る(つまり、各タイミングにおいて役物ランプと同様に発光表示を開始/終了する、または、各タイミングにおいて役物ランプと同様に白色発光から青色発光へ変化を開始/終了する)よう構成してもよい。
また、同様に、可動役物P24の演出動作と役物ランプの発光表示(または、白色発光から青色発光への変化)とが終了した後に、強調演出の実行を終了するように構成してもよい。なお、強調演出よりも先に終了されるものは、可動役物P24の動作か、役物ランプの発光(または、白色発光から青色発光への変化)のいずれか1つであってもよく、それ以外は強調演出と略同時に終了されてもよい。この構成によれば、強調演出が終了した直後に(可動役物P24の動作の終了と役物ランプの発光の終了とを待たずに)、次なる演出展開に移行することができ、遊技をテンポ良く進めることが可能となる。また、強調演出の実行が終了した後に、可動役物P24の演出動作と役物ランプの発光表示(または、白色発光から青色発光への変化)とが終了するように構成してもよい。なお、強調演出よりも後に終了されるものは、可動役物P24の動作か、役物ランプの発光(または、白色発光から青色発光への変化)のいずれか1つであってもよく、それ以外は強調演出と略同時に終了されてもよい。この構成によれば、強調演出が必要以上に間延びするのを防止できるとともに、それぞれの実行タイミング(終了タイミング)がずれることでメリハリのある演出とすることができる。なお、枠ランプP10についても、役物ランプと同様の構成を採る(つまり、各タイミングにおいて役物ランプと同様に発光表示を開始/終了する、または、各タイミングにおいて役物ランプと同様に白色発光から青色発光へ変化を開始/終了する)よう構成してもよい。
また、大当り遊技中において、役物ランプおよび枠ランプP10は、大当り遊技の進行に応じた発光態様となる。具体的には、大当り遊技中に進行する大当り中演出は、大当り中であることを示す動画像(キャラクタが紹介される動画像やキャラクタ同士が闘いを繰り広げる動画像)が再生され、歌詞付きまたは歌詞無しの楽曲が再生される演出である。その大当り中演出の進行に応じて、役物ランプおよび枠ランプP10は、例えば、時系列的に、白色点灯→白色点滅→黄色点灯→黄色点滅→白色点灯→・・・のように発光態様が変化且つループするよう構成されている。このように、大当り中演出の進行に応じて、予め定められた発光態様の変化が行われるのだが、更なる変形例として、強調演出が実行されることで、予め定められた発光態様での発光が中断し、役物ランプおよび枠ランプP10が青色発光へ変化するよう構成してもよく、そのように構成した場合は、強調演出の終了に伴い、役物ランプおよび枠ランプP10の青色発光を終了し、予め定められた発光態様での発光へと復帰するよう構成してもよい(例えば、役物ランプおよび枠ランプP10の発光態様が黄色点灯である最中に強調演出が実行された場合、この黄色点灯が強制終了して青色発光となり、強調演出が終了した場合、青色発光が終了して黄色点灯に復帰する、または、青色発光を行っていた時間が経過することで予め定められた発光態様の切替タイミングを跨ぐことで黄色点灯ではなく黄色点滅に復帰する)。なお、このように構成した場合の役物ランプおよび枠ランプP10の青色発光の開始タイミングは、強調演出の実行開始タイミングと略同時でもよいし、後でもよいし、先でもよく、また、可動役物P24の動作開始タイミングと略同時でもよいし、後でもよいし、先でもよい。また、このように構成した場合の役物ランプおよび枠ランプP10の青色発光の終了タイミングは、強調演出の実行終了タイミングと略同時でもよいし、後でもよいし、先でもよく、また、可動役物P24の動作終了タイミングと略同時でもよいし、後でもよいし、先でもよい(いずれのタイミングとするかによって、適用される前述の効果が異なることを補足しておく)。
また、役物ランプや枠ランプP10以外にも多くのランプが設けられている。その一部として、例えば、第1始動口P51に取り付けられた始動口ランプ(通常は白色に点灯または消灯しているが、第1始動口P51への入賞により生起する保留が、大当り期待度が高い保留である場合に、大当り期待度順に青色→緑色→赤色→虹色のいずれかの発光態様に点灯するランプ)や、演出ボタンに取り付けられた演出ボタンランプ(操作有効時間中でない場合は白色に点灯または消灯しているが、操作有効時間中である場合は青色に点灯するランプ)などが挙げられる。この始動口ランプと演出ボタンランプについても、大当り遊技中(大当り中演出中)に白色発光(白色点灯)しているが、強調演出が実行されても、役物ランプや枠ランプP10とは異なり、遊技者に対して第1始動口P51への入賞があったと誤認させたり、操作有効時間中であると誤認させたりしないよう、白色発光(白色点灯)を維持するよう構成されている。なお、役物ランプや枠ランプP10、始動口ランプや演出ボタンランプのいずれにおいても、遊技機にエラーが発生した場合には、それまでの発光態様がいずれであっても(強調演出の実行に対応した発光態様、大当り中演出に対応した発光態様であっても)、エラー発光態様として、赤色などの特定の発光色で点灯表示または点滅表示を必ず行うよう構成されている。
≪変動中役物演出と大当り中役物演出との関係≫ 本実施形態では、各種の役物演出として、前述の特定の可動役物(可動役物P24)が所定の動作および発光をする役物演出(「第1役物演出」とも呼称する)の他にも、所定の可動役物(可動役物P24以外の可動役物)が所定の動作および発光をする役物演出(「第2役物演出」とも呼称する)が用意されている。この所定の可動役物は、詳細図示を省略するが、例えば、センター飾りP21の中央開口部に設けられた扉役物(左右の扉部材)が例示される。この扉役物(左右の扉部材)は、演出表示装置P70の画面前方において、初期位置(開位置)と可動位置(閉位置)との間で左右方向に往復移動可能に構成されている。扉役物(左右の扉部材)が初期位置(開位置)にある場合、当該扉役物(左右の扉部材)は遊技盤P20の背面側に隠れた状態となり、演出表示装置P70の画面(表示領域)の略全体が視認可能となる。一方、扉役物(左右の扉部材)が可動位置(閉位置)にある場合、扉役物(左右の扉部材)が演出表示装置P70の画面前方に重なった状態(左右の扉部材が隣接して完成した状態)となり、演出表示装置P70の画面(表示領域)を視認不能もしくは一部の表示領域のみを視認可能となる(少なくとも初期位置にある状態よりも視認可能な表示領域が小さくなる)。なお、
この扉役物(左右の扉部材)についても、前述の可動役物(ロゴ役物)24と同様に、当該扉部材(左右の扉部材)を発光させるための役物ランプ(発光体)を備えている。本実施形態において、第2役物演出は、大当り遊技の実行中(強調表示画像の表示中)だけでなく、図柄の変動表示中においても実行可能である。つまり、この第2役物演出は、図柄の変動表示の実行中に行われる変動中役物演出と、大当り遊技の実行中に行われる大当り中役物演出とに大別される。以降の説明において、変動中役物演出とは、図柄の変動表示の実行中において所定の可動役物(扉役物)が所定の動作および発光をする役物演出を意味し、大当り中役物演出とは、大当り遊技の実行中において所定の可動役物(扉役物)が所定の動作および発光をする役物演出を意味する。また、変動中役物演出における役物ランプの発光とは、図柄の変動表示の実行中において所定の可動役物(扉役物)の役物ランプが発光することを意味し、大当り中役物演出における役物ランプの発光とは、大当り遊技の実行中において所定の可動役物(扉役物)の役物ランプが発光することを意味する。
変動中役物演出は、例えば、装飾図柄の変動表示中において、SPリーチ発展前(リーチ成立後~SPリーチ発展前)にNリーチからSPリーチに発展することを示唆する(例えば、Nリーチ中に変動中役物演出が実行されることでSPリーチに発展することが確定するよう構成されている)場合や、SPリーチ発展後の当落分岐の場面(SPリーチの最終結果が大当りを示す内容となるかはずれを示す内容となるかの分岐の場面)で大当り当選を報知する(例えば、SPリーチの終盤で変動中役物演出が実行されることで大当りが確定し、SPリーチの終盤で変動中役物演出が実行されないことではずれの可能性が非常に高くなるよう構成されている)場合などに行われる。一方、大当り中役物演出は、例えば、初当り時の大当り遊技の実行中に敵キャラクタとのバトル演出(確変昇格煽り演出)にて味方キャラクタが先制攻撃をすることで確変昇格する場合、つまり確変昇格演出を実行する場合や、大当り発生時(大当り図柄の停止表示時)に報知した仮のラウンド数が偽のラウンド数であり、大当り遊技の実行中に真のラウンド数(仮のラウンド数よりも多い回数)を報知してラウンド昇格する場合、つまりラウンド昇格演出を実行する場合などにも行われる。
本実施形態では、1回の変動表示中に実行される変動中役物演出の実行回数と、1回の大当り遊技中に実行される大当り中役物演出の実行回数とが異なり得るように構成されている。詳細には、変動中役物演出は、当該変動表示の実行中において1回のみ発生する場合と複数回発生する場合とがある(当然に1回も発生しない場合もある)。1回のみ発生する場合とは、上述の例で説明すると、当該変動表示のSPリーチ発展前にSPリーチに発展することを示唆する1回目の変動中役物演出が行われ、その後、当該変動表示にてはずれが確定することで、2回目の変動中役物演出が実行されない場合が例示される。また、複数回発生する場合とは、上述の例で説明すると、当該変動表示のSPリーチ発展前にSPリーチに発展することを示唆する1回目の変動中役物演出が行われた後、さらにSPリーチ発展後の当落分岐の場面で大当り当選を報知する2回目の変動中役物演出が行われる場合が例示される。なお、当該変動表示の実行中において3回以上の変動中役物演出が行われるものでもよい。
一方、大当り中役物演出は、大当り遊技の実行中において複数回発生することはなく、かならず1回のみ発生するようになっている(当然に1回も発生しない場合もある)。つまり、上記の例で説明すると、大当り遊技の実行中は、確変昇格時(確変昇格演出の実行中)に行われる大当り中役物演出、およびラウンド昇格時(ラウンド昇格演出の実行中)に行われる大当り中役物演出のうちの何れか一方のみが行われ得るようになっている。ここで、本実施形態では、大当り遊技の実行中において、確変昇格演出の実行中には強調演出と強調演出の発生時に行われる役物演出(第1役物演出)が実行されず、また、ラウンド昇格演出の実行中には強調演出と強調演出の発生時に行われる役物演出(第1役物演出)が実行されないように構成されている。一方、大当り遊技の実行中において、確変昇格演出の実行が終了した後、または、確変昇格演出の実行が開始される前であれば、同じ大当り遊技中に強調演出と強調演出の発生時に行われる役物演出(第1役物演出)を実行可能に構成されている。同様に、大当り遊技の実行中において、ラウンド昇格演出の実行が終了した後、または、ラウンド昇格演出の実行が開始される前であれば、同じ大当り遊技中に強調演出と強調演出の発生時に行われる役物演出(第1役物演出)を実行可能に構成されている。なお、いずれの場合においても、昇格演出(確変昇格演出またはラウンド昇格演出)と、強調演出および強調演出の発生時に行われる役物演出(第1役物演出)とが重複実行されないことが好ましい(両演出の実行期間の全部が重ならい場合と、両演出の実行期間の一部が重ならない場合とを含む)。なお、本実施形態の変形例として、昇格演出(確変昇格演出またはラウンド昇格演出)と強調演出とが重複して実行されるが、昇格演出(確変昇格演出またはラウンド昇格演出)と強調演出の発生時に行われる役物演出(第1役物演出)とが重複実行されない(両演出の実行期間の全部が重ならい場合と、両演出の実行期間の一部が重ならない場合とを含む)よう構成されてもよい。また、更なる変形例として、大当り遊技の実行中は、強調演出の発生時に行われる役物演出(第1役物演出)、確変昇格時に行われる役物演出(第2役物演出)、およびラウンド昇格時に行われる役物演出(第2役物演出)のうちの何れかのみが行われるように構成してもよい。つまり、強調演出、確変昇格演出、ラウンド昇格演出については、1回の大当り遊技中に同時に実行されないよう構成されている。換言すれば、確変昇格演出が実行される大当り遊技では強調演出が実行されず、ラウンド昇格演出が実行される大当り遊技では強調演出が実行されないよう構成されてもよい。なお、確変昇格演出およびラウンド昇格演出については、いずれかのみを搭載するよう構成してもよい。また、確変昇格演出およびラウンド昇格演出のように、低利益大当り遊技と見せかけて実は高利益大当り遊技であることを最終的に報知する演出全般を「昇格演出」と称する。また、更なる変形例として、大当り遊技の実行中において、前述の保留連示唆演出(保留内連荘演出)の実行中には強調演出と強調演出の発生時に行われる役物演出(第1役物演出)が実行されないように構成される一方で、保留連示唆演出(保留内連荘演出)の実行が終了した後、または、保留連示唆演出(保留内連荘演出)の実行が開始される前であれば、同じ大当り遊技中に強調演出と強調演出の発生時に行われる役物演出(第1役物演出)を実行可能に構成されていてもよい。つまり、大当り遊技の実行中において、保留連示唆演出(保留内連荘演出)と、強調演出および強調演出の発生時に行われる役物演出(第1役物演出)とが重複実行されないことが好ましい(両演出の実行期間の全部が重ならい場合と、両演出の実行期間の一部が重ならない場合とを含む)。そのように構成した場合、保留連示唆演出(保留内連荘演出)と強調演出とが重複して実行されるが、保留連示唆演出(保留内連荘演出)と強調演出の発生時に行われる役物演出(第1役物演出)とが重複実行されない(両演出の実行期間の全部が重ならい場合と、両演出の実行期間の一部が重ならない場合とを含む)よう構成されてもよい。
そのため、本実施形態では、特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合、当該大当りの変動表示(大当り変動表示)の実行中において行われる変動中役物演出の実行回数(1回の大当り変動中に実行可能な変動中役物演出)と、当該変動表示の停止後の大当り遊技の実行中に行われる大当り中役物演出の実行回数(1回の大当り遊技中に実行可能な大当り中役物演出)とが異なる回数となる場合がある。このように変動表示の実行中には、複数回の変動中役物演出が実行され得るように構成されることで、遊技者に対して驚きと意外性を与えることができるとともに、役物演出(変動中役物演出)の発生に対する遊技者の関心を高めることができる。なお、大当りの変動表示の実行中に変動中役物演出が実行され、且つ、当該大当りの変動表示の終了後に行われる大当り遊技の実行中に大当り役物演出が実行される場合には、変動中役物演出における役物ランプの発光よりも、大当り中役物演出における役物ランプの発光の方が、特定態様の発光(虹色発光)となり易く、または、変動中役物演出における役物ランプの発光の種類は特定態様の発光以外の態様の発光も備える(虹色発光以外にも青色発光などを備える)一方で、大当り中役物演出における役物ランプの発光は特定態様の発光のみを備える(虹色発光のみを備える)ことが好適である。より具体的には、大当り中役物演出における役物ランプの発光色は、強調演出、昇格演出いずれか行われる場合であっても虹色のみであるが、SPリーチ発展前(リーチ成立後~SPリーチ発展前)にNリーチからSPリーチに発展することを示唆する変動中役物演出の発光色は青色であり、SPリーチ発展後の当落分岐の場面(SPリーチの最終結果が大当りを示す内容となるかはずれを示す内容となるかの分岐の場面)で大当り当選を報知する変動中役物演出の発光色は虹色であるよう構成される。なお、本実施例では、大当り変動表示の実行中において行われる変動中役物演出の実行回数と、当該大当り変動表示の停止後の大当り遊技の実行中に行われる大当り中役物演出の実行回数とが異なる回数となることを例示したが、これに限定されるものでなく、或る大当り変動表示の実行中において行われる変動中役物演出の実行回数と、或る大当り遊技(当該或る大当り変動表示とは異なる大当り変動表示の停止後に行われる大当り遊技)の実行中に行われる大当り中役物演出の実行回数とが異なる回数となるものとしてもよい。すなわち、同じ1回の大当りを契機として行われる大当り変動表示と大当り遊技との関係にあるか否かに関わらず、1回の大当り変動表示の実行中において行われる変動中役物演出の実行回数と、1回の大当り遊技の実行中に行われる大当り中役物演出の実行回数とを異なるものとしてもよい。また、本実施例では、大当り変動表示の実行中において行われる変動中役物演出での役物ランプの発光色と、当該大当り変動表示の停止後の大当り遊技の実行中に行われる大当り中役物演出での役物ランプの発光色とが異なる発光色となり得ることを例示したが、これに限定されるものでなく、或る大当り変動表示の実行中において行われる変動中役物演出での役物ランプの発光色と、或る大当り遊技(当該或る大当り変動表示とは異なる大当り変動表示の停止後に行われる大当り遊技)の実行中に行われる大当り中役物演出での役物ランプの発光色とが異なる発光色となり得るものとしてもよい。すなわち、同じ1回の大当りを契機として行われる大当り変動表示と大当り遊技との関係にあるか否かに関わらず、1回の大当り変動表示の実行中において行われる変動中役物演出での役物ランプの発光色と、1回の大当り遊技の実行中に行われる大当り中役物演出での役物ランプの発光色とを異なる発光色となり得るものとしてもよい。
ここで、変動中役物演出および大当り中役物演出の実行時間について説明する。図112(A)は変動中役物演出の実行タイミングを示すタイムチャートであり、図112(B)は大当り中役物演出の実行タイミングを示すタイムチャートである。
本実施例では、図112に示すように、変動中役物演出における扉役物の動作時間TD1と、大当り中役物演出における扉役物の動作時間TD2とが異なるように構成されている。ここで、扉役物の動作時間TD1,TD2は、基本的には、扉役物(左右の扉部材)が初期位置を動作の起点として動作を開始してから再び初期位置に復帰して動作を終了するま
での時間である。また、この動作時間TD1,TD2には、扉役物が実際に移動しているときの移動時間だけでなく、扉役物が所定の可動位置で停止保持されているときの保持時間(移動後位置保持時間)も含まれる。なお、本実施例において、この保持時間(移動後位置保持時間)とは、左右の扉部材がそれぞれ可動位置で隣接配置されることで、扉役物が一体化された状態(扉役物が完成された状態)を保持する時間である。本実施形態では、変動中役物演出における扉役物の保持時間(移動後位置保持時間)よりも、大当り中役物演出における扉役物の保持時間(移動後位置保持時間)の方が長時間となることにより、それぞれの動作時間TD1,TD2が異なる時間となるようになっている。つまり、変動中役物演出の実行時間TD1と大当り中役物演出の実行時間TD2とを比較すると、扉役物(左右の扉部材)が初期位置から可動位置へと閉方向に移動する閉方向移動時間と、扉役物(左右の扉部材)が可動位置から初期位置へと開方向に移動する開方向移動時間とは等しくなっているが、扉役物(左右の扉部材)が所定の可動位置で保持される保持時間(移動後位置保持時間)が異なることで、変動中役物演出における可動役物の動作時間TD1よりも、大当り中役物演出における可動役物の動作時間TD2の方が長時間となるように構成されている。この構成によれば、大当りの変動表示の実行中に変動中役物演出が実行され、且つ、当該大当りの変動表示の終了後に行われる大当り遊技の実行中に大当り役物演出が実行される場合、つまり、大当りの変動表示の開始から当該大当り遊技の終了までの間に複数回の役物演出が行われる場合でも、扉役物(左右の扉部材)の動作時間が異なるため、扉役物(左右の扉部材)の動作順序が同じであったとしても遊技者に対して異なる印象を与えることができ、役物演出のバリエーションをより一層豊富なものとすることができる。なお、本実施例では、大当り変動表示の実行中において行われる変動中役物演出での扉役物の動作時間TD1と、当該大当り変動表示の停止後の大当り遊技の実行中に行われる大当り中役物演出での扉役物の動作時間TD2とが異なることを例示したが、これに限定されるものでなく、或る大当り変動表示の実行中において行われる変動中役物演出での扉役物の動作時間TD1と、或る大当り遊技(当該或る大当り変動表示とは異なる大当り変動表示の停止後に行われる大当り遊技)の実行中に行われる大当り中役物演出での扉役物の動作時間TD2とが異なる時間となるようにしてもよい。すなわち、同じ1回の大当りを契機として行われる大当り変動表示と大当り遊技との関係にあるか否かに関わらず、1回の大当り変動表示の実行中において行われる変動中役物演出での扉役物の動作時間TD1と、1回の大当り遊技の実行中に行われる大当り中役物演出での扉役物の動作時間TD2とを異なる時間としてもよい。それによれば、前述の効果と同様に、同じ扉役物を使用した役物演出(第2役物演出)であっても、遊技者に対して異なる印象を与えることができ、役物演出のバリエーションをより一層豊富なものとすることができる。また、変動中役物演出における扉役物の動作時間TD1について、SPリーチ発展前(リーチ成立後~SPリーチ発展前)にNリーチからSPリーチに発展することを示唆する変動中役物演出の動作時間よりも、SPリーチ発展後の当落分岐の場面(SPリーチの最終結果が大当りを示す内容となるかはずれを示す内容となるかの分岐の場面)で大当り当選を報知する変動中役物演出の動作時間のほうが長時間となるよう構成することで、大当り1変動内(1回の大当り変動表示内)における役物演出のバリエーションをより一層豊富なものとすることができる。ここで、変形例として、変動中役物演出における扉役物の動作時間TD1のほうが、大当り中役物演出における扉役物の動作時間TD2よりも長時間となるように構成してもよく、そのように構成することで、限られた実行期間である(大入賞口P54への入球状況によって実行期間の終了が早まる可能性がある)大当り遊技中であっても、その実行期間内に大当り中役物演出をなるべく完結することができ、予め定められた変動時間中に実行される変動中役物演出は、その実行時間を長時間とすることで遊技者の期待感を一層煽ることができる。
なお、変形例として、所定の可動役物(扉役物)または特定の可動役物(可動役物P24)が所定の可動位置で保持されているときに、該可動役物が別の形態に変形したり、他の可動役物と合体して完成体を形成したりするようにしてもよい。また、変動中役物演出における扉役物の閉方向移動時間および開方向移動時間と、大当り中役物演出における扉役物の閉方向移動時間および開方向移動時間とを異ならせることで、変動中役物演出における扉役物の動作時間TD1と、大当り中役物演出における扉役物の動作時間TD2とを異なるようにしてもよい。また、前述したように、変動中役物演出における扉役物の動作時間TD1よりも、大当り中役物演出における扉役物の動作時間TD2の方が短時間となるように構成してもよいし、変動中役物演出における扉役物の動作時間TD1と、大当り中役物演出における扉役物の動作時間TD2とを同一の時間となるように構成してもよい。また、図柄の変動表示中に変動中役物演出が複数回実行される場合、前述したように、例えば、SPリーチ発展前に行われる変動中役物演出の実行時間よりも、SPリーチ発展後の当落分岐の場面で行われる変動中役物演出(大当り確定を報知する変動中役物演出)の実行時間の方が長時間となるように構成してもよいし、逆に、SPリーチ発展前に行われる変動中役物演出の実行時間よりも、SPリーチ発展後の当落分岐の場面で行われる変動中役物演出(大当り確定を報知する変動中役物演出)の実行時間の方が短時間となるように構成してもよい。また、変動中役物演出における扉役物の動作パターン(動作距離、動作順序、動作速度など)と、大当り中役物演出における扉役物の動作パターン(動作距離、動作順序、動作速度など)とを異ならせてもよい。
また、本実施例では、図112に示すように、変動中役物演出における役物ランプの発光態様と、大当り中役物演出における役物ランプの発光態様とが異なり得るように構成されている。具体的には、図112(A)に示すように、変動中役物演出(例えばSPリーチ発展前の変動中役物演出)の実行中においては、役物ランプが所定の発光色(青色)で発光する。一方、図112(B)に示すように、大当り中役物演出の実行中においては、役物ランプが特定の発光色(虹色)で発光する。このように変動中役物演出と大当り中役物演出とで役物ランプの発光色を異ならせることで、変動表示の開始から大当り遊技の終了までの間、遊技者の関心を扉役物の動作だけでなく役物ランプの発光色にも惹き付けることができ、役物演出の演出効果を高めることが可能となる。なお、この図112に示すタイムチャートにおいても、扉役物の役物ランプが非発光状態ではなく、白色発光しているように構成してもよい(その場合には、本タイムチャートにおける「非発光」は「白色発光」に置換されることを補足しておく)。
なお、SPリーチ発展後の当落分岐時の変動中役物演出においては、扉役物の役物ランプが特定の発光色(虹色)で発光するように構成してもよい。それによれば、1回の変動表示中に2回の変動中役物演出が行われる場合でも、役物ランプの発光色が異なるため、扉役物の動作が同じであったとしても遊技者に対して異なる印象を与えることができ、役物演出のバリエーションをより一層豊富なものとすることができる。
≪強調演出およびオーバー入賞演出の実行制限≫ 次に、強調演出およびオーバー入賞演出の実行条件が成立した場合での実行制限について説明する。図113(A)は強調演出の実行制限が行われるときのタイムチャートであり、図113(B)はオーバー入賞演出の実行制限が行われるときのタイムチャートである。
前述したように、強調演出は、大当り遊技の実行中に強調演出実行条件を充足することを契機として実行可能となり、オーバー入賞演出は、大当り遊技(1回のラウンド遊技)の実行中にオーバー入賞演出実行条件を充足することを契機として実行可能となるが、強調演出実行条件および/またはオーバー入賞演出実行条件を充足したとしても、後述の特殊演出の実行中または実行予定である場合には、特殊演出および/またはオーバー入賞演出の実行が制限されるようになっている。つまり、強調演出実行条件および/またはオーバー入賞演出実行条件の充足時に特殊演出が実行中の状態である場合、または、強調演出実行条件および/またはオーバー入賞演出実行条件の充足時において特殊演出の実行が予定されている場合(特殊演出の実行抽選で実行することが決定されている場合)には、強調演出実行条件および/オーバー入賞演出実行条件が充足していたとしても、強調演出および/またはオーバー入賞演出の実行が制限(中止)される。なお、図113におけるタイムチャートでは、特殊演出の実行中に強調演出実行条件を充足した場合やオーバー入賞演出実行条件を充足した場合を示しているが、特殊演出の実行前(特殊演出の非実行中)に強調演出実行条件を充足した場合やオーバー入賞演出実行条件を充足することで、強調演出やオーバー入賞演出が実行されている最中に特殊演出の実行開始タイミングが到来した場合、実行中の強調演出やオーバー入賞演出を途中で中止するよう構成されている。変形例としては、特殊演出の実行前(特殊演出の非実行中)に強調演出実行条件を充足した場合やオーバー入賞演出実行条件を充足することで、強調演出やオーバー入賞演出が実行されている最中に特殊演出の実行開始タイミングが到来した場合であれば、特殊演出の実行中に強調演出実行条件を充足した場合やオーバー入賞演出実行条件を充足した場合とは異なり、実行中の強調演出やオーバー入賞演出を途中で中止せずに最後まで実行されるよう構成してもよい。そのように構成することで、強調演出やオーバー入賞演出が途中で終わってしまうといった違和感を無くすことが可能となる。
ここで、本実施例の特殊演出とは、特別遊技(大当り遊技または小当り遊技)の実行中に行われ得る所定の演出であり、例えば、以下のような演出が例示される。
(1)保留連示唆演出 保留連示唆演出(保留内連荘演出とも称する)は、前述したとおり、保留内連荘が発生していることを示唆する演出である。なお、「保留内連荘」とは、或る先行の作動保留球が消化されることで行われた特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合に、この先行の作動保留球に係る特別図柄の当否判定が許可されてから当該大当りを契機として実行される大当り遊技の終了時までの間の所定タイミングにおいて存在する一以上の後続の作動保留球内に、大当りとなることが予定される作動保留球(「大当り保留」とも称する)が含まれていることをいう。ここで、この保留連示唆演出の実行中または実行予定である場合に強調演出とオーバー入賞演出の実行を制限する理由は、強調演出またはオーバー入賞演出が保留連示唆演出と重複実行されると、両演出の報知内容が遊技者にとって認識し難いものとなり、却って両演出の演出効果が低下してしまうおそれがあるからである。また、遊技者にとっては、累積賞球数が特定値に到達したことやオーバー入賞が発生したことよりも、次の大当りが確約されていること(保留内連荘が発生していること)の方が有用な情報であり、しかも累積賞球数が特定値に達することは累積賞球数表示を確認することでも把握できるため、強調演出やオーバー入賞演出の実行よりも保留連示唆演出の実行を優先した方が遊技の興趣が高まるからである。
(2)昇格演出 昇格演出とは、特別図柄の変動表示にて大当りが発生した場合に、その大当り遊技の開始前又は開始時に当該大当りに係る利益態様(便宜上「仮の利益態様」とする)を示唆又は報知した後、その大当り遊技の実行中において当該大当りに係る現実の利益態様が仮の利益態様よ
りも利益度合いが高いことを示唆または報知する演出である。つまり、特別遊技の開始前又は開始時に示唆された当該大当りの利益態様が真実(そのとおりの利益態様)なのか、虚偽(高い利益態様)なのかを示唆して、その一連の過程を通じて当該大当りの利益態様が昇格するか否かを見せる演出である(前述したとおり、低利益大当り遊技と見せかけて実は高利益大当り遊技であることを最終的に報知する演出である)。この昇格演出の種類には、確変昇格演出とラウンド昇格演出とがある。なお、確変昇格演出およびラウンド昇格演出の内容については、前述しているため、重複説明を省略する。ここで、この昇格演出の実行中または実行予定である場合に強調演出とオーバー入賞演出の実行を制限する理由は、強調演出またはオーバー入賞演出が昇格演出と重複実行されると、両演出の報知内容が遊技者にとって認識し難いものとなり、却って両演出の演出効果が低下してしまうおそれがあるからである。また、遊技者にとっては、累積賞球数が特定数に到達したことやオーバー入賞が発生したことよりも、大当りの利益状態が昇格すること(確変大当りに昇格することまたは大当り遊技がラウンドアップすること)の方が有用な情報であり、しかも累積賞球数が特定値に達することは累積賞球数表示を確認することでも把握できるため、強調演出やオーバー入賞演出の実行よりも昇格演出の実行を優先した方が遊技の興趣が高まるからである。
(3)低利益大当り中演出 大当り遊技中に行われる大当り演出が、いわゆる低利益大当りの大当り中演出である場合には、当該低利益大当り中演出の実行中に強調演出実行条件および/またはオーバー入賞演出実行条件を充足しても、この強調演出および/またはオーバー入賞演出は実行されない。なお、「低利益大当り」とは、例えば、規定ラウンド数が相対的に少ないラウンド数に設定された大当り種別(低ラウンド大当り)や、各ラウンドの大入賞口の開放時間(最大開放時間)が相対的に短時間(例えば2秒)に設定された大当り種別(短開放大当り)、大当り遊技の終了後に通常遊技状態(低確率低ベース状態)や時短遊技状態(低確率高ベース状態)に移行する契機となる大当り種別(通常大当り)などが該当する。この低利益大当り中演出の実行中または実行予定である場合に強調演出とオーバー入賞演出の実行を制限する理由は、このような低利益大当りに当選した場合に、その大当り遊技において強調演出やオーバー入賞演出を実行したとしても(累積賞球数が特定値に達したことやオーバー入賞が発生したことにより祝福的な演出を実行したとしても)、遊技者の満足感や優越感を喚起することはできず、十分な演出効果が期待できないからである。なお、短開放大当りに当選した場合には、その短時間のラウンド遊技の実行中に累積賞球数表示は行われないよう構成しており、そのため、累積賞球数が特定値に到達したり(累積賞球数カウンタの値が所定賞球数の倍数に到達したり)、オーバー入賞が発生したりしても、その累積賞球数表示に付随して行われる強調演出やオーバー入賞演出は実行されないようになっている。
なお、大当り種別を、遊技者にとって有利度が相対的に高く設定された高利益大当りと、遊技者にとって有利度が相対的に低く設定された低利益大当りとに大別して、高利益大当りに当選した場合に行われる大当り中演出の実行中に強調演出実行条件を充足した場合には強調演出を実行する一方で、低利益大当りに当選した場合に行われる大当り中演出の実行中に強調演出実行条件を充足した場合には強調演出を実行しないように構成してもよい。
(4)大当り終了デモ演出 本実施形態では、大当り終了デモ演出の実行中に強調演出実行条件および/またはオーバー入賞演出実行条件を充足することはなく、大当り終了デモ演出の実行中に強調演出実行条件および/またはオーバー入賞演出実行条件を充足することを契機として強調演出および/またはオーバー入賞演出が実行されることはない。具体的に、本実施形態では、前述したとおり、大当り終了デモ演出の実行時間内に大入賞口P54への遊技球の入球が有効に検出されることはなく、この大当り終了デモ演出の実行時間内に強調演出実行条件および/またはオーバー入賞演出実行条件を充足することはない。すなわち、本実施形態では、最終回のラウンド遊技の実行中に大入賞口P54へ入球した遊技球が、インターバル期間を越えて大当り終了デモが開始された後に検出されることがないように設計されているため(つまり、最終回のラウンド遊技における大入賞口P54への遊技球の入球は、必ず、その最終回のラウンド遊技の実行中またはその直後のインターバル期間内で検出されるような構造になっているため)、この大当り終了デモ演出の実行中に強調演出実行条件および/またはオーバー入賞演出実行条件が充足することはなく、強調演出および/またはオーバー入賞演出が重複して実行されることはない。なお、万が一、何かしらの要因(例えば、規定カウント数を超過した分の遊技球が、大入賞口P54の内部にて入賞検知センサの手前で滞留した場合など)で、大当り終了デモの開始前に大入賞口P54に入球(この時点では大入賞口P54内の入球検出センサ未通過にて入球非検出)したが、大当り終了デモ中に大入賞口P54内の入球検出センサを通過した場合であっても、当該通過による賞球は発生せず、大当り終了デモ演出の実行中に強調演出実行条件および/またはオーバー入賞演出実行条件が充足することはない。
なお、最終回のラウンド遊技の終了間際に遊技球が大入賞口P54に入球した場合(特に、規定カウント数を超過した分の遊技球が入球した場合)、この大入賞口P54への遊技球の入球は、該最終回のラウンド遊技またはインターバル期間が終了するまでの間に有効に検出されるよう設計されているため、このインターバル期間が経過するまでの間に強調演出実行条件および/またはオーバー入賞演出実行条件が成立すれば、当該実行条件の成立を契機として強調演出および/またはオーバー入賞演出の実行が開始されることになる。その場合には、強調演出が最終回のラウンド遊技およびインターバル期間を超えて大当り終了デモ演出の実行中にも継続されることとなり得るが、前述したとおり、強調演出の実行時間(3秒)は大当り終了デモ演出の実行時間(20秒)よりも短時間に設定されているため、大当り終了デモ演出が終了するまでの間(大当り遊技の終了後の変動表示が開始されるまでの間)に強調演出は完結するようになっている(オーバー入賞演出についても強調演出と同様に構成してもよい)。なお、本実施形態の変形例として、例えば、最終回のラウンド遊技の終了間際に遊技球が大入賞口P54に入球することで強調演出実行条件および/またはオーバー入賞演出実行条件が充足し、当該強調演出実行条件および/またはオーバー入賞演出実行条件の充足を契機として行われた強調演出および/またはオーバー入賞演出がインターバル期間の終了時までに完結しない場合には、当該強調演出および/またはオーバー入賞演出を大当り終了デモ演出(大当り終了デモ期間)が開始されるときに強制的に終了する(大当り終了デモ演出の開始時に強調演出および/またはオーバー入賞演出の実行時間が残存していても強制的に終了する)ように構成してもよい。また、更なる変形例として、インターバル時間(インターバル期間)よりも強調演出および/またはオーバー入賞演出の実行時間を短時間に設定して、少なくとも最終回のラウンド遊技の終了時までに開始された強調演出および/またはオーバー入賞演出がインターバル期間を超えて実行されないように構成してもよい(つまり、強調演出および/またはオーバー入賞演出と大当り終了デモ演出とが重複実行されないように構成してもよい)。
(5)小当り遊技での1回目のラウンド演出 本実施形態の変形例として、第1種の遊技性と第2種の遊技性とを併せ持ったいわゆる1種2種混合タイプの遊技機(一般に小当りVとも呼ばれる機種)を適用した場合には、小当り遊技の第1ラウンド目(初回のラウンド演出)の実行中に強調演出実行条件および/またはオーバー入賞演出実行条件を充足したとしても強調演出および/またはオーバー入賞演出を実行しないように構成してもよい。
具体的に、この小当りVと呼ばれる機種の遊技機は、特別図柄の変動表示結果が大当り図柄で停止表示することで大当り遊技を実行する第1種の遊技性と、特別図柄の変動表示結果が小当り図柄で停止表示することで開放状態となった大入賞口P54に入球した遊技球が特定領域(V領域)を通過することで大当り遊技を実行する第2種の遊技性とを具備する。そのため、小当り遊技の実行中に大入賞口P54に入球した遊技球が特定領域を通過した場合には、その小当り遊技の終了後に大当り遊技に発展する権利が付与される構成となっている。それにより、小当り遊技の第1ラウンド目は、遊技球を大入賞口P54に入球させて特定領域を通過させること(「V入賞」と呼称する)を遊技者に促す重要なラウンド遊技となる。そのため、この小当り遊技の第1ラウンド目には、累積賞球数が特定数に達したことを示す強調演出および/またはオーバー入賞演出の実行よりも、例えば「V入賞を狙え!」という文字を示すメッセージ画像を表示して特定領域への遊技球の入球を指示するV入賞指示演出の実行が優先される。つまり、小当り遊技の第1ラウンド目における入球にて、強調演出実行条件および/またはオーバー入賞演出を充足したとしても、強調演出および/またはオーバー入賞演出は実行されないよう構成されている。但し、第1ラウンド目に特定領域(V領域)を通過して大当り遊技となることで実行される第2ラウンド目以降については、強調演出実行条件および/またはオーバー入賞演出を充足することで、強調演出および/またはオーバー入賞演出が実行されるよう構成されている。
また、この小当り遊技の第1ラウンド目において遊技球が特定領域を通過するV入賞が発生した場合には、この第1ラウンド目におけるV入賞後に生じる大入賞口P54への遊技球の入球(例えば大入賞口P54への1球目の入球でV入賞が発生した場合には2球目以降の大入賞口P54への入球)に対して特殊演出(ラウンド数示唆演出)を行い、この特殊演出において遊技球が大入賞口P54に入球するたびに特定のオブジェクト画像の表示態様(表示色)を変化させ、その変化後の表示態様(表示色)に応じて発展先の大当り遊技のラウンド数を示唆する構成としてもよい。より具体的には、特殊演出(ラウンド数示唆演出)とは、V入賞が発生することで、「おめでとう!」の文字が表示され、その後の大入賞口P54への入球のたび(但し、規定カウント数に到達するまで)に、「おめでとう!」の文字の色が変化し得る演出であり、文字の色が白色→青色→赤色→虹色の順で、ラウンド数が多い可能性が高くなる(ラウンド数の例としては、4ラウンド、6ラウンド、8ラウンド、10ラウンドの4種類などであり、ここで虹色である場合は、最も多いラウンド数が確定する)。その場合でも、V入賞後に行われる特殊演出(ラウンド数示唆演出)の実行を優先して、強調演出実行条件および/またはオーバー入賞演出実行条件を充足した場合であっても強調演出および/またはオーバー入賞演出の実行を制限することが好適である。
なお、上記実施形態では、特殊演出の実行中または実行予定であるときに強調演出実行条件および/またはオーバー入賞演出実行条件を充足した場合には、強調演出および/またはオーバー入賞演出の実行を制限(中止)する構成であったが、これに加えて、強調演出および/またはオーバー入賞演出の実行中に特殊演出が実行される場合には、特殊演出の実行が開始されることを契機として、強調演出および/またはオーバー入賞演出の実行を強制的に終了または一時中断するように構成してもよい。特殊演出の実行が開始されることで強調演出および/またはオーバー入賞演出の実行を一時中断する場合には、特殊演出の実行が終了したときに、強調演出および/またはオーバー入賞演出の
実行を再開することが好適である。
≪大当り種別表示中の電源断復帰≫ 次に、大当り遊技の実行中において、現在実行中の大当り遊技の規定ラウンド数を示唆する第1の特定演出(大当り種別表示)が行われている最中に電源断が発生した場合について説明する。図114は、大当り種別表示の実行中に電源断が発生したときのタイムチャートである。
本実施例では、大当り開始デモの実行中において、演出表示装置P70の画面に、当該大当り遊技の実行契機となる大当りの種別を示唆する大当り種別表示(超寿大当り表示、寿大当り表示、喜大当り表示)が行われ、遊技者に対して現在実行中の大当り遊技の規定ラウンド数が何ラウンドであるかが示唆または報知されるようになっている。具体的には、「超寿大当り表示」は大当り開始デモの実行中に「超寿大当り!!!」との文字が表示され且つ背景が虹色の表示であり、「寿大当り表示」は大当り開始デモの実行中に「寿大当り!」との文字が表示され且つ背景が赤色の表示であり、「喜大当り表示」は大当り開始デモの実行中に「喜大当り」との文字が表示され且つ背景が青色の表示である。大当り遊技(大当り開始デモ)の実行中に、大当り種別表示として超寿大当り表示が行われた場合には、現在実行中の大当り遊技が16ラウンド遊技であることが示唆または報知され(超寿大当りに当選したことが示唆または報知され)、大当り種別表示として寿大当り表示または喜大当り表示が行われた場合には、現在実行中の大当り遊技が4ラウンド大当り遊技であることが示唆または報知される(寿大当りまたは喜大当りに当選したことが示唆または報知される)。そして、この大当り遊技(大当り開始デモ)の実行中に電源断が発生して、当該電源断が復帰することで大当り遊技(大当り開始デモ)が再開された場合には、当該電源断によって中断されていた大当り種別表示は復帰されず、その大当り遊技(大当り開始デモ)が再開された後は大当り遊技中(大当り開始デモ中)に「復帰中です」という文字を示す電源断復帰画像(電源断復帰画面)が表示される。なお、本実施例では、大当り遊技(大当り開始デモ)の実行中に電源断が発生して、当該電源断が復帰することで大当り遊技(大当り開始デモ)が再開された場合には、主制御表示装置P27による表示(後述するラウンド表示)の復帰よりも、演出表示装置P70による表示の復帰の方が先のタイミングとなるように構成されている(つまり、電源断の復帰後は、演出表示装置P70の表示が復帰した後に、主制御表示装置P27の表示が復帰する、つまり、演出表示装置P70の表示が復帰した後に、ラウンド表示灯P77の点灯表示が復帰するものとなる)。そして、電源断が復帰して大当り遊技(大当り開始デモ)が再開された場合、演出表示装置P70による表示の復帰時に、演出表示装置P70の画面には大当り種別表示は表示されず、前述の電源断復帰画像(電源断復帰画面)が表示される。この電源断復帰画像は、当該大当り遊技の終了時(最終ラウンドの終了時または大当り終了デモの終了時)まで継続して表示される。このように電源断が復帰して大当り遊技が再開された場合には、当該電源断により中断された大当り種別表示の実行よりも、電源断復帰の報知を優先させることで、遊技者に対して電源断が復帰して大当り遊技を再開できるようになったことを速やかに報知することができる。更に言えば、電源断の復帰後は、当該電源断により中断されたラウンド表示の実行よりも、電源断復帰の報知を優先させることで、遊技者に対して電源断が復帰して大当り遊技を再開できるようになったことを速やかに報知することができる。なお、上述した電源断の復帰(電源の復帰)は、RAMクリア(RAMクリアスイッチP820の操作)を伴わない電源断の復帰であり、RAMクリア(RAMクリアスイッチP820の操作)を伴う電源断の復帰である場合には、通常遊技状態(低確率低ベース状態)に移行し、装飾図柄が「331」の組合せにて停止表示されている状態にて復帰される。
なお、変形例として、大当り開始デモの実行中に電源断が発生して、その電源断の復帰に伴い電源断復帰画像が表示された後は、所定時間の経過(例えば、電源断復帰画像が表示されてから5秒経過)を契機に、または、大当り開始デモが終了することを契機に、通常の大当り中演出(例えば、上述の超寿大当り演出、寿大当り演出、喜大当り演出)に復帰するように構成してもよい(つまり、所定時間の経過、もしくは、第1ラウンド目の開始時から通常のラウンド演出に復帰するようにしてもよい)。なお、大当り中演出の種別(超寿大当り演出、寿大当り演出、喜大当り演出)に応じたラウンド演出画面が表示される、すなわち、大当り中演出パターンが超寿大当り演出である場合には超寿大当りラウンド画面(例えば、虹色の背景上に5人分のキャラクタ紹介が表示される演出画面)、寿大当り演出である場合には寿大当りラウンド画面(例えば、赤色の背景上に2人分のキャラクタ紹介が表示される演出画面)、喜大当り演出である場合には喜大当りラウンド画面(例えば、青色の背景上に1人分のキャラクタ紹介が表示される演出画面)が表示されるよう構成されている。また、別の変形例としては、大当り開始デモの実行中に電源断が発生して、その電源断の復帰に伴い電源断復帰画像が表示された後は、所定時間の経過(例えば、電源断復帰画像が表示されてから5秒経過)を契機に、または、大当り開始デモが終了することを契機に、電源断復帰後専用の大当り中画面(電源断復帰後専用のラウンド画面)に復帰するように構成してもよい(つまり、所定時間の経過、もしくは、第1ラウンド目の開始時から通常のラウンド演出に復帰するようにしてもよい)。なお、上述した電源断の復帰(電源の復帰)は、RAMクリア(RAMクリアスイッチP820の操作)を伴わない電源断の復帰であり、RAMクリア(RAMクリアスイッチP820の操作)を伴う電源断の復帰である場合には、通常遊技状態(低確率低ベース状態)に移行し、装飾図柄が「331」の組合せにて停止表示されている状態にて復帰される。
≪ラウンド表示中の電源断復帰≫ 次に、大当り遊技の実行中において、現在実行中のラウンド遊技のラウンド数を示唆する第2の特定演出(ラウンド表示)が行われている最中に電源断が発生した場合について説明する。図115は、ラウンド表示の実行中に電源断が発生したときのタイムチャートである。
本実施形態では、大当り遊技のラウンド遊技の実行中において、演出表示装置P70の画面に、現在実行中のラウンド遊技が何ラウンド目のラウンド遊技であるのかを示唆または報知するラウンド表示が行われ、遊技者に対して現在実行中のラウンド遊技のラウンド数が示唆または報知されるようになっている。このラウンド表示は、前述したラウンド表示領域P730の表示内容が該当するが、大当り遊技中であっても、大当り開始デモおよび大当り終了デモ中には表示されず、ラウンド遊技中に表示される(なお、インターバル期間にも表示してもよいが、そのように構成する場合、或るラウンド遊技終了後のインターバル期間においては当該或るラウンド遊技に対応するラウンド表示とすることが好適である)。また、大当り遊技の実行中には、主制御表示装置P27において、現在実行中の大当り遊技の規定ラウンド数を報知するラウンド表示灯P77が点灯表示される。このラウンド表示灯P77の点灯表示は、大当り遊技中のラウンド遊技中以外にも、大当り開始デモ中や大当り終了デモ中、そしてインターバル期間にも点灯表示されるよう構成されている。このとき本実施例では、大当り遊技(ラウンド遊技)の実行中に電源断が発生して、当該電源断が復帰することで大当り遊技(ラウンド遊技)が再開された場合には、主制御表示装置P27による表示の復帰よりも、演出表示装置P70による表示の復帰の方が先のタイミングとなるように構成されている(電源断の復帰後は、演出表示装置P70の表示が復帰した後に、主制御表示装置P27の表示が復帰する、つまり、演出表示装置P70の表示が復帰した後に、ラウンド表示灯P77の点灯表示が復帰するものとなる)。そして、電源断が復帰して大当り遊技(ラウンド遊技)が再開された場合、演出表示装置P70による表示の復帰時に、演出表示装置P70の画面にはラウンド表示は表示されず、前述の電源断復帰画像(電源断復帰画面)が表示される。この電源断復帰画像は、当該大当り遊技の終了時(最終回のラウンド遊技の終了時または大当り終了デモの終了時)まで継続して表示される。つまり、電源断の復帰後は、当該電源断により中断されたラウンド表示の実行よりも、電源断復帰の報知を優先させることで、遊技者に対して電源断が復帰して大当り遊技を再開できるようになったことを速やかに報知することができる。なお、上述した電源断の復帰(電源の復帰)は、RAMクリア(RAMクリアスイッチP820の操作)を伴わない電源断の復帰であり、RAMクリア(RAMクリアスイッチP820の操作)を伴う電源断の復帰である場合には、通常遊技状態(低確率低ベース状態)に移行し、装飾図柄が「331」の組合せにて停止表示されている状態にて復帰され、ラウンド表示灯P77が消灯表示にて復帰される。
一方、主制御表示装置P27には、当該電源断が復帰した後、ラウンド表示灯P77が点灯表示され、その再開された大当り遊技の規定ラウンド数が表示される。そのため、電源断が復帰した場合には、遊技者は最初に演出表示装置P70の電断復帰画像を確認し、その次に主制御表示装置P27のラウンド表示灯P77を確認することが可能となる。このように、先ずは演出表示装置P70の表示を復帰させて、遊技者に電源断の復帰中であることをいち早く報知することで、遊技者を安心させることができる。それに続けて、主制御表示装置P27の表示を復帰させ、ラウンド表示灯P77を点灯表示させることで、電源断により中断されていた大当り遊技の種別(ラウンド表示灯P77にて点灯表示された規定ラウンド数分の利益を獲得できること)を報知して、遊技者に一層の安心感を付与することができる。なお、上述した電源断の復帰(電源の復帰)は、RAMクリア(RAMクリアスイッチP820の操作)を伴わない電源断の復帰であり、RAMクリア(RAMクリアスイッチP820の操作)を伴う電源断の復帰である場合には、通常遊技状態(低確率低ベース状態)に移行し、装飾図柄が「331」の組合せにて停止表示されている状態にて復帰され、ラウンド表示灯P77が消灯表示にて復帰される。
また、前述のように、電源断の復帰により大当り遊技が再開された場合には、その再開された大当り遊技の実行中に累積賞球数表示は行われず、遊技球が大入賞口P54に入球したとしても累積賞球数表示の更新やカウントアップ演出、強調演出(拡大表示)などは実行されない。また、再開された大当り遊技の実行中に、大入賞口P54への規定数を超過する遊技球の入球(オーバー入賞)が発生したとしても、オーバー入賞演出は実行されない。また同様に、再開された大当り遊技の実行中に、遊技球が一般入賞口P64に入球したとしても累積賞球数表示の更新やカウントアップ演出、オマケ入賞演出は実行されない。このように本実施形態では、電源断の復帰に伴い大当り遊技が再開されてから該大当り遊技が終了するまでの間、演出表示装置P70には電源断復帰画像が継続して表示され、大当り種別表示、ラウンド表示、累積賞球数表示、大入賞口入賞演出(オーバー入賞演出)、一般入賞口入賞演出(オマケ入賞演出)は実行されないようになっている。なお、変形例として、電源断の復帰に伴い大当り遊技が再開された場合、累積賞球数表示の表示(更新表示)は行われる一方で、強調演出実行条件を充足しても強調演出は行われないように構成してもよい。また、電源断の復帰に伴い大当り遊技が再開された場合、累積賞球数表示の表示(更新表示)は行われる一方で、オーバー入賞演出実行条件を充足してもオーバー入賞演出は行われないように構成してもよい。なお、上述した電源断の復帰(電
源の復帰)は、RAMクリア(RAMクリアスイッチP820の操作)を伴わない電源断の復帰であり、RAMクリア(RAMクリアスイッチP820の操作)を伴う電源断の復帰である場合には、通常遊技状態(低確率低ベース状態)に移行し、装飾図柄が「331」の組合せにて停止表示されている状態にて復帰される。
なお、変形例として、或るラウンド遊技の実行中に電源断が発生して、その電源断の復帰に伴い電源断復帰画像が表示された後は、所定時間の経過(例えば、電源断復帰画像が表示されてから5秒経過)を契機に、または、当該或るラウンド遊技が終了することを契機に、通常の大当り中演出(例えば、上述の超寿大当り演出、寿大当り演出、喜大当り演出)に復帰するように構成してもよい(つまり、所定時間の経過、もしくは、例えば第3ラウンド目のラウンド遊技中に電源断且つ電源断復帰した場合は第4ラウンド目のラウンド遊技の開始時から通常のラウンド演出に復帰するようにしてもよい)。なお、前述したとおり、大当り中演出の種別(超寿大当り演出、寿大当り演出、喜大当り演出)に応じたラウンド演出画面が表示される、すなわち、大当り中演出パターンが超寿大当り演出である場合には超寿大当りラウンド画面(例えば、虹色の背景上に5人分のキャラクタ紹介が表示される演出画面)、寿大当り演出である場合には寿大当りラウンド画面(例えば、赤色の背景上に2人分のキャラクタ紹介が表示される演出画面)、喜大当り演出である場合には喜大当りラウンド画面(例えば、青色の背景上に1人分のキャラクタ紹介が表示される演出画面)が表示されるよう構成されている。このように構成した場合には、再開されたラウンド遊技以降の大当り遊技の実行中に累積賞球数表示が行われるが、電源断前の累積賞球数表示ではなく「0」からスタートし且つ累積賞球数カウンタも「0」にクリアされてスタートすることになる。但し、「0」からスタートしたとしても、遊技球が大入賞口P54に入球することで累積賞球数表示の更新やカウントアップ演出、強調演出(拡大表示)などは実行され、更に、再開された大当り遊技の実行中に、大入賞口P54への規定数を超過する遊技球の入球(オーバー入賞)が発生すると、オーバー入賞演出は実行され、同様に、再開された大当り遊技の実行中に、遊技球が一般入賞口P64に入球すると累積賞球数表示の更新やカウントアップ演出、オマケ入賞演出は実行される。なお、上述した電源断の復帰(電源の復帰)は、RAMクリア(RAMクリアスイッチP820の操作)を伴わない電源断の復帰であり、RAMクリア(RAMクリアスイッチP820の操作)を伴う電源断の復帰である場合には、通常遊技状態(低確率低ベース状態)に移行し、装飾図柄が「331」の組合せにて停止表示されている状態にて復帰される。
また、別の変形例としては、ラウンド遊技の実行中に電源断が発生して、その電源断の復帰に伴い電源断復帰画像が表示された後は、所定時間の経過(例えば、電源断復帰画像が表示されてから5秒経過)を契機に、または、ラウンド遊技が終了することを契機に、電源断復帰後専用の大当り中画面(電源断復帰後専用のラウンド画面)に復帰するように構成してもよく(つまり、所定時間の経過、もしくは、例えば第3ラウンド目のラウンド遊技中に電源断且つ電源断復帰した場合は第4ラウンド目のラウンド遊技の開始時から通常のラウンド演出に復帰するようにしてもよく)、そのように構成した場合には、再開されたラウンド遊技以降の大当り遊技の実行中に累積賞球数表示は行われず、遊技球が大入賞口P54に入球したとしても累積賞球数表示の更新やカウントアップ演出、強調演出(拡大表示)などは実行されず、更に、再開された大当り遊技の実行中に、大入賞口P54への規定数を超過する遊技球の入球(オーバー入賞)が発生したとしても、オーバー入賞演出は実行されず、同様に、再開された大当り遊技の実行中に、遊技球が一般入賞口P64に入球したとしても累積賞球数表示の更新やカウントアップ演出、オマケ入賞演出は実行されない。なお、上述した電源断の復帰(電源の復帰)は、RAMクリア(RAMクリアスイッチP820の操作)を伴わない電源断の復帰であり、RAMクリア(RAMクリアスイッチP820の操作)を伴う電源断の復帰である場合には、通常遊技状態(低確率低ベース状態)に移行し、装飾図柄が「331」の組合せにて停止表示されている状態にて復帰される。
以上、第4実施形態において達成される主要な効果を整理すれば、下記のようになる。
まず、第4実施形態によれば、累積賞球数が特定値に達することを契機として表示される強調演出表示の出現時および/または消去時に所定の特殊効果を施す特殊効果表示を行うことで、この強調演出表示による強調度合いを飛躍的に向上させることができるため、累積賞球数が特定値に到達したことを遊技者に対してより一層印象付けることが可能になるとともに、強調演出表示の開始や終了を明確にすることで(すなわち、大当り遊技中の強調演出表示を連荘中の一区切りとしたときの当該区切りの前後を明確にすることで)連荘中の遊技にメリハリをつけることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第4実施形態によれば、強調演出表示の複数の表示パターンが同時に重複して表示されないようにすることで、強調演出表示の希少性を高めることができる。さらに、強調演出表示の実行時間が、大当り終了デモの実行時間よりも短くなるように構成したことで、最終回のラウンド遊技の終了間際の大入賞口P54への遊技球の入球に基づき強調演出実行条件が成立して強調演出表示が行われる場合であっても、大当り終了デモ期間内に強調演出表示が完結することになるため、強調演出表示が大当り終了デモ期間を越えて大当り遊技終了後の変動表示までに跨って行われることがなく(大当り遊技の終了時と1回転目の変動表示の開始時との区切りを明確に付けることができ)、遊技者が現在の遊技状況を誤認することを未然に防止できるようになり、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第4実施形態によれば、大当り遊技の実行中に希少性の高い演出(特殊演出)や遊技者にとって重要な演出(特殊演出)を実行する場合には、累積賞球数が特定値に達することを契機に強調演出実行条件が成立したとしても強調演出表示の実行を制限することで、この優先度の高い特殊演出の実行を確実に担保することができ、特殊演出の発生に対する遊技者の期待感や興味が低下するのを未然に防止することができるため、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第4実施形態によれば、大当り遊技の実行中に希少性の高い演出(特殊演出)や遊技者にとって重要な演出(特殊演出)を実行する場合には、大入賞口P54への規定カウント数を超過する遊技球の入球が発生したとしてもオーバー入賞演出の実行を制限することで、この優先度の高い特殊演出の実行を確実に担保することができ、特殊演出の発生に対する遊技者の期待感や興味が低下するのを未然に防止することができるため、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第4実施形態によれば、大当り遊技の実行中に電源断が発生した場合、当該電源断の復帰時に遊技者の最も注目する領域である演出表示装置P70の復帰を優先させて、当該電源断により中断されていた大当り遊技が再開できるようになったことを遊技者にいち早く報知するとともに、主制御表示装置P27の表示が復帰した際に、当該大当り遊技の規定ラウンド数を示す情報を表示することで、遊技者が現在実行中の大当り遊技の種別(獲得ラウンド数)を明確に判別することができるようになるため、電源断復帰時に行われる各種の報知および演出表示を複雑化させることなく適切に実現することができるとともに、電源断の復帰により再開された大当り遊技を円滑に進めることができるようになり、遊技機の信頼性および遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
[第5実施形態] 次に、第5実施形態に係るぱちんこ遊技機について説明する。第5実施形態のぱちんこ遊技機は、基本的には、上述の第2実施形態および/または第4実施形態のぱちんこ遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。つまり、以下の説明においては、特段の場合を除き、第2実施形態および/または第4実施形態と共通の構成を適用することが可能である。
以下、第5実施形態に係るぱちんこ遊技機の基本構成を順番に説明する。なお、第5実施形態のぱちんこ遊技機は、特別図柄の当否判定の当選確率を設定可能とする設定機能と、遊技の性能情報を表示する性能情報表示機能とを搭載した遊技機である。
<盤面構成> まず、第5実施形態の遊技機20の盤面構成について簡単に説明する。第5実施形態では、図1に示すように(第2実施形態と同様に)、左側領域PA1を流下する遊技球は、主として、センター飾りP21の下方に配置された第1始動口P51、一般入賞口P61~P63のいずれかに入球可能である。一方、右側領域PA2を流下する遊技球は、主として、センター飾りP21の右方に配置された作動ゲートP53、一般入賞口P64、第2始動口P52、大入賞口P54のいずれかに入球可能である。各入賞口に入球した遊技球は、各入賞口スイッチにて遊技球の入賞が検出されるとともに、遊技盤P20の裏面側に排出される。また、遊技領域PAの下端には、各入賞口に入球せずに流下した遊技球を遊技盤P20の裏側へ排出するアウト口P29が設けられている。本実施例では、遊技領域PAに打ち出されて遊技に供された遊技球の個数、つまり、遊技領域PAの各入賞口またはアウト口P29に入球して遊技盤P20の裏面側に排出された遊技球(遊技済み球)の個数が後述の遊技済み球検出スイッチP891にて計数されるようになっている。なお、各種の入賞口を備えた遊技領域PAのうち、遊技球を左側領域PA1に流下させるように遊技球を発射する打ち方と「左打ち」と呼称し、遊技球を右側領域PA2に流下させるように遊技球を発射する打ち方を「右打ち」と呼称する。
<遊技機の電気構成> 次に、第5実施形態の遊技機における電気的な構成を説明する。図116は、第5実施形態の遊技機の制御構成を示す制御ブロック図である。この第5実施形態において、主制御基板P100には、詳細後述するが、設定キースイッチP810、RAMクリアスイッチP820、性能表示モニタP830等が搭載されている。また、主制御基板P100には、遊技領域PAから排出された遊技球を検出する遊技済み球検出スイッチP891、外枠1に対して前枠P2が開放されているか否かを検出する枠開放スイッチP892などが電気的に接続されている。これら遊技済み球検出スイッチP891および枠開放スイッチP892は、I/Oポート回路P104を介して、各々の検出信号をメインCPUP101に出力する。また、この第5実施形態においても、主制御表示装置P27(図106を参照)には、第1特別図柄表装置P71、第2特別図柄表示装置P72、第1特別図柄保留ランプP73、第2特別図柄保留ランプP74、普通図柄表示装置P75、普通図柄保留ランプP76、ラウンド表示灯P77、状態表示灯P78、右打ち指示灯P79、エラー表示灯Erなどの各種表示手段が設けられている。なお、その他の構成については、基本的には第2実施形態と同様であるため、説明を省略する。
<遊技機の主要な機能構成> 次に、第5実施形態の遊技機(主として主制御基板P100/演出制御基板P200)の各種機能について説明する。図117は第5実施形態の遊技機(主として主制御基板P100/演出制御基板P200)の機能ブロック図であり、図118は図117の電源投入時移行モード制御手段P175および性能情報管理手段P176を抜き出して示す機能ブロック図である。第5実施形態の主制御基板P100には
、図117および図118に示すように、第2実施形態と異なる点として、電源投入時移行モード制御手段P175と、性能情報管理手段P176とが備えられている。
電源投入時移行モード制御手段P175は、遊技機の電源投入時に行われる選択操作に応じて移行する4つのモード(後述の設定変更モード、設定確認モード、RAMクリアモード、遊技モード)を制御する。この電源投入時制御手段P175は、図118に示すように、設定変更処理手段P175Aと、設定確認処理手段P175Bと、RAMクリア処理手段P175Cとを備えている。設定変更処理手段P175Aは、遊技機の電源投入時に設定変更モードが選択された場合に設定変更処理を実行する。設定確認処理手段P175Bは、遊技機の電源投入時に設定確認モードが選択された場合に設定確認処理を実行する。RAMクリア処理手段P175Cは、遊技機の電源投入時にRAMクリアモードが選択された場合にRAMクリア処理を実行する。なお、これらの設定変更処理、設定確認処理、RAMクリア処理は、遊技機の電源投入時に行われる主制御側メイン処理(図77を参照)にて実行される。一方、遊技機の電源投入時に遊技モード(遊技を可能とするモード)が選択された場合には、主制御基板P100に設けられた各手段P110~P190にて遊技の進行に係る処理(電源断時の処理を含む)が実行される。つまり、本実施形態では、主制御基板P100に設けられた各手段P110~P190が、遊技機の電源投入時に遊技モードが選択された場合に該遊技モードの処理(遊技の進行に係る処理(電源断時の処理を含む))を実行する遊技モード処理手段となる。また、本実施形態における遊技モードとは、特別図柄/普通図柄の当否判定処理や変動表示処理、特別遊技の実行処理などの一連の遊技の進行を可能とする状態(遊技を実行可能とする状態)を意味する。そのため、少なくとも主制御側タイマ割込み処理(図79)が起動した後に行われる処理は遊技モード内の処理に含まれる。なお、電源投入時の移行モード(設定変更モード、設定確認モード、RAMクリアモード、遊技モード)の内容については後述する。
性能情報管理手段P176は、遊技の性能情報を管理する処理として、遊技の性能情報の計測および表示に関する処理を実行する。この性能情報管理手段P176は、図118に示すように、性能情報計測制御手段P176Aと、性能情報表示制御手段P176Bとを備えている。性能情報計測制御手段P176Aは、遊技の性能情報を計測する処理を実行する。性能情報表示制御手段P176Bは、遊技の性能情報を表示する処理を実行する。この遊技の性能情報を計測する処理と表示する処理は、主制御側タイマ割込み処理(図79を参照)にて所定の割込み周期(4ms)ごとに繰り返し実行される。但し、この遊技の性能情報を計測する処理と表示する処理の一部を、遊技機の電源投入時に行われる主制御側メイン処理(図77を参照)にて実行してもよい。なお、遊技の性能情報の計測および表示に関する内容については後述する。
次に、第5実施形態の主制御基板ユニットP100Uについて説明する。図119は第5実施形態の主制御基板ユニットP100Uを示す正面図であり、図119は主制御基板P100に搭載された性能表示モニタP830を示す模式図である。
主制御基板ユニットP100Uは、図119に示すように、主制御基板P100と、主制御基板P100を収容する主制御基板ケースP100Aとを備えて構成される。
主制御基板ケースP100Aは、主制御基板P100の半田面側を覆うボトムケースP100Bと、主制御基板P100の電子・電気部品などの部品実装面側を覆うトップケースP100Cとを備えて構成されており、ボトムケースP100Bに対してトップケースP100Cを装着した閉止状態で前後整合するケース端部に、いわゆるカシメ機構P100Dが設けられている。ボトムケースP100B及びトップケースP100Cは、共に無色透明な樹脂材料(例えばポリカーボネート等)を用いて射出成形等の成形手段により形成され、外部からでも主制御基板ケースP100Aの内部(主制御基板P100)を視認可能に構成されている。
主制御基板P100は、矩形状のプリント配線板を基板として構成され、その部品実装面側に、主制御マイコンP110(図116を参照)、複数のコネクタPCN1~PCN5、設定キースイッチP810、RAMクリアスイッチP820、性能表示モニタP830などが備えられている。なお、この主制御基板P100は、主制御基板ケースP100A(トップケースP100B)の内面側に複数本のビスを用いてネジ止め固定される。
設定キースイッチP810は、鍵穴に差し込まれた設定変更キー(遊技店員等が管理する専用の鍵)を回動させることでON状態とOFF状態とに切り替えることができる鍵スイッチ機構である。
RAMクリアスイッチP820は、第2実施形態等で述べたように、遊技機の電源投入時にRAMクリアを行う場合に操作される操作ボタンである。このRAMクリアスイッチP820は、押圧操作が可能な操作スイッチであり、操作時にはON状態となり、非操作時にはOFF状態となる。このRAMクリアスイッチP820は、詳細は後述するが、設定キースイッチと協働して大当りの当選確率(特別図柄の当否判定で大当りに当選する確率)の設定値を設定可能(変更可能)とする設定変更スイッチを兼用している。なお、本実施例では、主制御基板P100にRAMクリアスイッチP820を搭載しているが、前述の第2実施形態と同様に、電源基板P500にRAMクリアスイッチP820を搭載してもよい。
なお、これら設定キースイッチP810およびRAMクリアスイッチP820は、トップケースP100Cに揺動自在に設けられた小扉P100Eに覆われており、この小扉P100Eを上方に揺動させることで、設定キースイッチP810およびRAMクリアスイッチP820を露出させることができるようになっている(つまり、これらを操作できるようになっている)。
性能表示モニタP830は、図120に示すように、4桁の表示部P831~834を備えて構成される。具体的に、性能表示モニタP830は、左から右へ向かって順に、第1表示部P831と、第2表示部P832と、第3表示部P833と、第4表示部P834とを備えている。各桁の表示部P831~P834は、8の字形状に配置された7個のLEDセグメントSG1~SG7と、ドットポイント形状に形成された1個のLEDセグメントSG8とで構成される。このように各桁の表示部P831~P834は、それぞれ8個のLEDセグメントSG1~SG8を有して構成されている。そのため、各桁の表示部P831~P834は、8個のLEDセグメントSG1~SG8を選択的に点灯することで、0~9までの数字、文字、記号などの情報の表示が可能となっている。なお、以下では、各LEDセグメントSG1~SG8を区別するため、いわゆる7セグメントを構成する7個のLEDセグメントSG1~SG7を「7セグSG1~SG7」とも呼称し、ドットポイントを構成する1個のLEDセグメントSG8を「ドットセグSG8」とも呼称する。本実施例では、4つの表示部P831~P834をダイナミック点灯制御により1割込み毎(4ms毎)に、第1表示部P831→第2表示部P832→第3表示部P833→第4表示部P834→第1表示部P831→・・・というように、点灯対象を順次切り替えていき、その残像現象を利用して人間の肉眼には4つの表示領域P831~P834が全て発光(連続点灯)しているように見せることができる。なお、各LEDセグメントについては、LEDランプと称しても良いし、単にランプと称しても良い。
なお、詳細は後述するが、性能表示モニタP830の上位2桁の表示部P831,P832は、遊技の性能情報やエラーの種別等を識別するための識別子(識別記号)を表示する識別表示部(識別セグ)830aを構成する。また、性能表示モニタP830の下位2桁の表示部P833,P834は、遊技の性能情報を示す数値(ベース値)を表示する比率表示部(比率セグ)830bを構成する。また、本実施例において、大当り確率の設定値(本実施例では「1」~「6」までの6段階の設定値)は、第4表示部P834に表示される。このように性能表示モニタP830に表示される各種の情報は、透明な主制御基板ケースP100Aを通して外部からでも視認可能となっている。なお、本実施形態の変形例として、大当り確率の設定値を性能情報表示モニタP830に表示するのではなく、当該設定値を表示する専用の表示装置を設けてもよい。
次に、第5実施形態の遊技機の基本的な遊技仕様について説明する。図121は、第5実施形態の遊技機の基本的な遊技仕様を示す図である。
<設定値> まず、大当り確率の設定値について図121を参照して説明する。本実施例では、特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる当選確率(大当り確率)は、6段階の設定値により定められている。本実施例では、6段階の設定値として、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」を備えている。以下では、設定値が1である場合を「設定値1」、設定値が2である場合を「設定値2」、設定値が3である場合を「設定値3」、設定値が4である場合を「設定値4」、設定値が5である場合を「設定値5」、設定値が6である場合を「設定値6」とも呼称する。なお、本実施例の変形例として、特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる当選確率(大当り確率)を定める設定値を1種類のみ設定してもよい(つまり、1つの設定値(設定値1)のみを有する1段階設定の遊技機を採用してもよい)。それにより、この1段階設定の遊技機において、設定確認モードでは現在の設定値として「1」のみを表示し、設定変更モードでは設定値が「1」から変更されないような処理(例えば、設定値を変更する操作を行っても、該設定値が「1」→「1」→「1」→「1」→・・・といったように、「1」から他の数値に変更されないような処理)を行うことで、設定変更機能を搭載した遊技機(複数段階の設定値を有する遊技機)と実質的に同等なソフト構成およびハード構成を有する遊技機として設計することが可能となる。
本実施例では、設定値ごとの大当り確率は、設定値1<設定値2<設定値3<設定値4<設定値5<設定値6という順に1段階ずつ高くなる。具体的に、遊技状態が低確率状態である場合、設定値1であるときの大当り確率は「1/320」、設定値2であるときの大当り確率は「1/301」、設定値3であるときの大当り確率は「1/280」、設定値4であるときの大当り確率は「1/260」、設定値5であるときの大当り確率は「1/240」、設定値6であるときの大当り確率は「1/220」である。また、遊技状態が高確率状態である場合、設定値1であるときの大当り確率は「1/102」、設定値2であるときの大当り確率は「1/95」、設定値3であるときの大当り確率は「1/89」、設定値4であるときの大当り確率は「1/82」、設定値5であるときの大当り確率は「1/76」、設定値6であるときの大当り確率は「1/70」である。なお、各設定値1~6において、低確率状態での大当り確率と高確率状態での大当り確率との比率は、同一の比率となるように設定されている(本実施例においては、低確率状態での大当り確率の分母と高確率状態における大当り確率の分母について、小数点第一位を四捨五入している)。つまり、いずれの設定値1~6が選択された場合でも、低確率状態での大当り確率と高確率状態での大当り確率との間の比率(大当り確率の変化率)は同じである。なお、この6段階の設定値は、前述したように、性能表示モニタP830の第4表示部P834に表示される。
<特別図柄の当否判定> 次に、第5実施形態の特別図柄の当否判定について説明する。図122は
、第5実施形態の特別図柄当否抽選テーブルを示す模式図である。本実施例では、各設定値1~6に対応する特別図柄当否抽選テーブルを備えており、現在設定されている設定値に応じた特別図柄当否抽選テーブルを選択して、特別図柄の当否判定処理を実行するようになっている。ここで、図122(A)は設定値1に対応する特別図柄当否抽選テーブル、図122(B)は設定値2に対応する特別図柄当否抽選テーブル、図122(C)は設定値3に対応する特別図柄当否抽選テーブル、図122(D)は設定値4に対応する特別図柄当否抽選テーブル、図122(E)は設定値5に対応する特別図柄当否抽選テーブル、図122(F)は設定値6に対応する特別図柄当否抽選テーブルである。
各特別図柄当否抽選テーブルは、第2実施形態と同様に、特別図柄の確率変動機能が作動していない遊技状態(低確率状態)において参照されるテーブルと、特別図柄の確率変動機能が作動している遊技状態(高確率状態)において参照されるテーブルとを含む。また、各特別図柄当否抽選テーブルには、特別図柄当り乱数値の乱数範囲と、特別図柄の当否判定の結果(大当り、はずれ)とが対応付けられている。なお、図122には、大当り確率を参考値として付記している。
図122(A)に示すように、設定値1である場合、低確率状態では、特別図柄当り乱数値が「0~204」の範囲に該当する場合に大当りとなり、高確率状態では、特別図柄当り乱数値が「0~643」の範囲に該当する場合に大当りとなる。つまり、前述したように、低確率状態の大当り確率は「1/320」であり、高確率状態の大当り確率は「1/102」である。
図122(B)に示すように、設定値2である場合、低確率状態では、特別図柄当り乱数値が「0~217」の範囲に該当する場合に大当りとなり、高確率状態では、特別図柄当り乱数値が「0~686」の範囲に該当する場合に大当りとなる。つまり、前述したように、低確率状態の大当り確率は「1/301」であり、高確率状態の大当り確率は「1/95」である。
図122(C)に示すように、設定値3である場合、低確率状態では、特別図柄当り乱数値が「0~233」の範囲に該当する場合に大当りとなり、高確率状態では、特別図柄当り乱数値が「0~735」の範囲に該当する場合に大当りとなる。つまり、前述したように、低確率状態の大当り確率は「1/280」であり、高確率状態の大当り確率は「1/89」である。
図122(D)に示すように、設定値4である場合、低確率状態では、特別図柄当り乱数値が「0~251」の範囲に該当する場合に大当りとなり、高確率状態では、特別図柄当り乱数値が「0~791」の範囲に該当する場合に大当りとなる。つまり、前述したように、低確率状態の大当り確率は「1/260」であり、高確率状態の大当り確率は「1/82」である。
図122(E)に示すように、設定値5である場合、低確率状態では、特別図柄当り乱数値が「0~272」の範囲に該当する場合に大当りとなり、高確率状態では、特別図柄当り乱数値が「0~857」の範囲に該当する場合に大当りとなる。つまり、前述したように、低確率状態の大当り確率は「1/240」であり、高確率状態の大当り確率は「1/76」である。
図122(F)に示すように、設定値6である場合、低確率状態では、特別図柄当り乱数値が「0~297」の範囲に該当する場合に大当りとなり、高確率状態では、特別図柄当り乱数値が「0~935」の範囲に該当する場合に大当りとなる。つまり、前述したように、低確率状態の大当り確率は「1/220」であり、高確率状態の大当り確率は「1/7」である。
<大当り種別> 次に、第5実施形態の大当り種別(大当り内訳)について説明する。第5実施形態では、特別図柄の当否判定の結果が「大当り」となる場合、図123に示す特別図柄大当り図柄テーブルを参照して、大当り種別(大当り図柄、図柄群)を決定する。なお、前述したとおり、「特定大当り」とは大当り遊技の終了後に特別図柄の確率変動機能を作動させる契機となる大当り(確変大当り)を意味し、「通常大当り」とは大当り遊技の終了後に特別図柄の確率変動機能を作動させる契機とはならない大当り(非確変大当り)を意味する。詳細は後述するが、特定大当りに当選した場合は、大当り遊技の終了後から特別図柄の確率変動機能が作動し、該大当り遊技の終了後から起算して特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達するまで、又は、この規定ST回数(100回)以内に次の大当りが発生するまで継続する。また、「特定大当り」および「通常大当り」のいずれに当選した場合でも、大当り遊技の終了後から特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が作動して、大当り遊技の終了後から起算して特別図柄の変動表示回数が所定回数(100回)に到達するまで継続する。なお、本実施例では、特別図柄の変動時間短縮機能と電チューサポート機能は、同時に作動を開始して、同時に作動を終了するため、「変動時間短縮回数」と「電サポ回数」とは同一回数となる(そのため、図123では「変動時間短縮回数」と「電サポ作動回数」とを同一の欄に記載している)。
図123(A)は、第1特別図柄大当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第1特別図柄大当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群(停止図柄)、大当り種別、確率変動回数、変動時間短縮回数(電サポ回数)、大当り遊技の規定ラウンド数、各ラウンドの大入賞口P54の開放時間がそれぞれ対応付けられている。この第1特別図柄大当り図柄テーブルには、2種類の大当り種別(図柄群)として、4R特定大当り(図柄群A)と、4R通常大当り(図柄群B)とが設定されている。
第1特別図柄の「4R特定大当り(図柄群A)」に当選した場合、大当り遊技の規定ラウンド数は「4ラウンド」で、1回のラウンド遊技における大入賞口P54の最大開放時間は、大入賞口P54への遊技球の入球数が規定数(規定カウント数:10個)に達する可能性が十分に見込める長開放時間の「29秒」に設定されている。また、第1特別図柄の「4R特定大当り(図柄群A)」に当選した場合、大当り当選時の遊技状態に関わらず、確率変動回数「100回」、変動時間短縮回数「100回」、電サポ回数「100回」が設定され、大当り遊技の終了後の遊技状態として確変遊技状態が設定される。この確変遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達するまで、又は、この規定ST回数(100回)以内に次の大当りが発生するまで継続する。特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達することで確変遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行する。
第1特別図柄の「4R通常大当り(図柄群B)」に当選した場合、大当り遊技の規定ラウンド数は「4ラウンド」で、1回のラウンド遊技における大入賞口P54の最大開放時間は、大入賞口P54への遊技球の入球数が規定数(規定カウント数:10個)に達する可能性が十分に見込める長開放時間の「29秒」に設定されている。また、第1特別図柄において「4R通常大当り(図柄群B)」に当選した場合、大当り当選時の遊技状態に関わらず、確率変動回数「0回」、変動時間短縮回数「100回」、電サポ回数「100回」が設定され、大当り遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態が設定される。この時短遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が所定回数(100回)に到達するまで、又は、この所定回数(100回)以内に次の大当りが発生するまで継続する。特別図柄の変動表示回数が所定回数(100回)に到達することで時短遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行する。
図123(B)は、第2特別図柄大当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第2特別図柄大当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群(停止図柄)、大当り種別、確率変動回数、変動時間短縮回数(電サポ回数)、大当り遊技の規定ラウンド数、各ラウンドの大入賞口P54の開放時間がそれぞれ対応付けられている。この第2特別図柄大当り図柄テーブルには、2種類の大当り種別(図柄群)として、8R特定大当り(図柄群C)と、4R通常大当り(図柄群D)とが設定されている。
第2特別図柄の「8R特定大当り(図柄群C)」に当選した場合、大当り遊技の規定ラウンド数は「8ラウンド」で、1回のラウンド遊技における大入賞口P54の最大開放時間は、大入賞口P54への遊技球の入球数が規定数(規定カウント数:10個)に達する可能性が十分に見込める長開放時間の「29秒」に設定されている。また、第2特別図柄の「8R特定大当り(図柄群C)」に当選した場合、大当り当選時の遊技状態に関わらず、確率変動回数「100回」、変動時間短縮回数「100回」、電サポ回数「100回」が設定され、大当り遊技の終了後の遊技状態として確変遊技状態が設定される。この確変遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達するまで、又は、この規定ST回数(100回)以内に次の大当りが発生するまで継続する。特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達することで確変遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行する。
第2特別図柄の「4R通常大当り(図柄群D)」に当選した場合、大当り遊技の規定ラウンド数は「4ラウンド」で、1回のラウンド遊技における大入賞口P54の最大開放時間は、大入賞口P54への遊技球の入球数が規定数(規定カウント数:10個)に達する可能性が十分に見込める長開放時間の「29秒」に設定されている。また、第2特別図柄において「4R通常大当り(図柄群D)」に当選した場合、大当り当選時の遊技状態に関わらず、確率変動回数「0回」、変動時間短縮回数「100回」、電サポ回数「100回」が設定され、大当り遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態が設定される。この時短遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が所定回数(100回)に到達するまで、又は、この所定回数(100回)以内に次の大当りが発生するまで継続する。特別図柄の変動表示回数が所定回数(100回)に到達することで時短遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行する。
ここで、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数または所定回数に到達したか否かは、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数との合算数が規定ST回数または所定回数に到達したか否かに基づき判断される。なお、変形例としては、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、遊技の主体となる方の特別図柄の変動表示回数が規定ST回数または所定回数に到達したか否かに基づき判断するように構成してもよい。
なお、図121に示すように、第5実施形態の普通図柄遊技(普通図柄の当選確率、普通電動役物P522の開放時間など)については、第2実施形態の普通図柄遊技(普通図柄の当選確率、普通電動役物P522の開放時間など)と同じであるため、説明を省略する。
<賞球数> 続いて、第5実施形態の賞球数について説明する。第5実施形態では、図121に示すように、各入賞口に設定された賞球数(1個の遊技球の入賞に基づき払い出される単位賞球数)は、第1始動口P51は「4個」、第2始動口P52は「1個」、一般入賞口P61~P64は「3個」、大入賞口P54は「15個」に設定されている。なお、単位賞球数は当該第5実施形態に例示したものに限定されず、他の単位賞球数を適用してもよい。
<電源投入時の移行モード> 次に、遊技機の電源投入時の移行モードについて説明する。図124は、電源投入時の操作と移行モードとの関係を示す模式図である。第5実施形態では、図124に示すように、遊技機の電源投入時(電源断復帰時)に移行可
能となる4つの移行モードとして、設定変更モード、設定確認モード、RAMクリアモード、遊技モードが設けられている。つまり、本実施例では、図124に示す所定の操作を遊技機の電源投入と同時に行うことで、その電源投入時に移行する移行モードを選択することができる。
遊技機の電源投入時に行われる操作には、図124に示すように、設定キースイッチP810の操作、RAMクリアスイッチP820の操作、前枠P2の開閉操作、電源スイッチの操作などがある。なお、外枠1に対して前枠P2が開放されているか否かは、前述の枠開放スイッチP892の検出情報により判定される。この枠開放スイッチP892は、外枠1に対して前枠P2が開放されているときにON、外枠1に対して前枠P2が閉鎖されているときにOFFとなる。本実施例では、電源投入時に設定変更モードまたは設定確認モードに移行する場合には、外枠1に対して前枠P2を開放した状態(枠開放スイッチP892が前枠P2の開状態を検出したON状態)であることが条件となるが、電源投入時にRAMクリアモードまたは遊技モードに移行する場合には、外枠1に対して前枠P2を開放した状態(枠開放スイッチP892が前枠P2の開状態を検出したON状態)であることは条件とはならない。つまり、電源投入時にRAMクリアモードまたは遊技モードに移行する場合には、外枠1に対して前枠P2を開放した状態(枠開放スイッチP892が前枠P2の開状態を検出したON状態)である場合でも、外枠1に対して前枠P2を閉鎖した状態(枠開放スイッチP892が前枠P2の閉状態を検出したOFF状態)である場合でも、電源投入時に所定の操作(後述)を行うことで移行することが可能となっている。なお、変形例として、電源投入時に設定変更モードまたは設定確認モードに移行する場合であっても、外枠1に対して前枠P2を開放した状態(枠開放スイッチP892が前枠P2の開状態を検出したON状態)であることを条件としない、つまり、外枠1に対して前枠P2を開放した状態(枠開放スイッチP892が前枠P2の開状態を検出したON状態)である場合でも、外枠1に対して前枠P2を閉鎖した状態(枠開放スイッチP892が前枠P2の閉状態を検出したOFF状態)である場合でも、電源投入時に所定の操作(後述)を行うことで移行可能に構成してもよい。また、いずれのモード(設定変更モード、設定確認モード、RAMクリアモード、遊技モード)に移行した場合であっても、演出表示装置P70にて電源断復帰画像が表示されるよう構成されている。
設定変更モードは、外枠1に対して前枠P2を開放した状態(枠開放スイッチP892が前枠P2の開状態を検出したON状態)において、設定キースイッチP810をONにして、且つ、RAMクリアスイッチP820をONにした状態で、電源を投入した場合(電源スイッチをONにした場合)に移行するモードである。この設定変更モードに移行すると、図125(A)に示すように、まず性能表示モニタP830の第4表示部P834に、電源の投入前(直近の電源断時)に設定されていた現時点の設定値が表示される。つまり、設定変更モードに移行した場合には、まず初めに現時点の設定値(設定変更モードへの移行前に既に設定されていた設定値)を確認することができる。なお、変形例として、設定変更モードへの移行前に既に設定されていた設定値にかかわらず、予め定められた設定値(例えば「1」)を必ず表示するよう構成してもよい。また、この設定変更モードの実行中は、RAMクリアスイッチP820を押下操作することにより、設定値を変更することができる。具体的には、RAMクリアスイッチP820を押下操作するごとに、設定値の表示が、「1」→「2」→「3」→「4」→「5」→「6」→「1」→・・・という順に切り替わる。このとき所望の設定値が表示されている状態で、設定キースイッチP810をOFFに切り替えると、設定値(所望の設定値)が確定して、設定変更モードが終了する。そして、この設定変更モードが終了すると、遊技が可能な遊技モードに移行し、性能表示モニタP830に表示される情報が設定値情報から性能情報に切り替えられる。なお、設定変更モードが終了することを契機に、性能表示モニタP830に表示される情報が設定値情報から性能情報に切り替わると、性能表示モニタP830の全ての表示部P831~P834が所定時間だけ点滅する初期表示(全点滅表示)が行われる(詳細後述)。なお、変形例として、外枠1に対して前枠P2を開放した状態(枠開放スイッチP892が前枠P2の開状態を検出したON状態)において、設定キースイッチP810をONにして、且つ、RAMクリアスイッチP820をONにした状態で、電源を投入した場合(電源スイッチをONにした場合)以外にも、外枠1に対して前枠P2を開放した状態(枠開放スイッチP892が前枠P2の開状態を検出したON状態)において、設定キースイッチP810をOFFにした状態、且つ、RAMクリアスイッチP820をONにした状態で電源を投入して(電源スイッチをONにして)も、その後の演出表示装置P70の表示の復帰中(特に、表示が復帰してからの1秒間など)、具体的には、電源断復帰画像(電源断復帰画面)が表示されている最中(特に、電源断復帰画像が表示されている3秒のうち最初の1秒など)に設定キースイッチP810をOFFからONに切り替えたとしても、設定変更モードに移行するよう構成してもよい。そのように構成することで、電源投入時に誤ってRAMクリアモードへ移行させる操作を行ったとしても、電源投入後に設定キーの状態を変更することで、設定変更モードへ移行させることが可能となる。なお、このように構成した場合も、前述と同様に、外枠1に対して前枠P2を開放した状態(枠開放スイッチP892が前枠P2の開状態を検出したON状態)であることを条件としない、つまり、外枠1に対して前枠P2を開放した状態(枠開放スイッチP892が前枠P2の開状態を検出したON状態)である場合でも、外枠1に対して前枠P2を閉鎖した状態(枠開放スイッチP892が前枠P2の閉状態を検出したOFF状態)である場合でも、電源投入時に所定の操作(後述)を行うことで移行可能に構成してもよい。
設定確認モードは、外枠1に対して前枠P2を開放した状態(枠開放スイッチP892が前枠P2の開状態を検出したON状態)において、設定キースイッチP810をONにして、且つ、RAMクリアスイッチP820をOFFにした状態で、電源を投入した場合(電源スイッチをONにした場合)に移行するモードである。この設定確認モードに移行すると、図125(B)に示すように、性能表示モニタP830の第4表示部P834に、電源の投入前(電源断時)に設定されていた現時点の設定値がドット付きで表示される。それにより、設定変更モードに移行した場合には、現時点の設定値を確認することができる。なお、この設定確認モードでは設定値をドット付きで表示する理由は、上述の設定変更モードに移行した場合の設定値の表示(ドット無しの表示)と区別するためである。そして、設定キースイッチP810をOFFに切り替えると、設定確認モードが終了する。設定確認モードが終了すると、遊技が可能な遊技モードに移行し、性能表示モニタP830に表示される情報が設定値情報から性能情報に切り替えられる。なお、設定確認モードが終了することを契機に、性能表示モニタP830に表示される情報が設定値情報から性能情報に切り替わると、性能表示モニタP830の全ての表示部P831~P834が所定時間だけ点滅する初期表示(全点滅表示)が行われる(詳細後述)。なお、変形例として、外枠1に対して前枠P2を開放した状態(枠開放スイッチP892が前枠P2の開状態を検出したON状態)において、設定キースイッチP810をONにして、且つ、RAMクリアスイッチP820をOFFにした状態で、電源を投入した場合(電源スイッチをONにした場合)以外にも、外枠1に対して前枠P2を開放した状態(枠開放スイッチP892が前枠P2の開状態を検出したON状態)において、設定キースイッチP810をOFFにした状態、且つ、RAMクリアスイッチP820をOFFにした状態で電源を投入して(電源スイッチをONにして)も、その後の演出表示装置P70の表示の復帰中(特に、表示が復帰してからの1秒間など)、具体的には、電源断復帰画像(電源断復帰画面)が表示されている最中(特に、電源断復帰画像が表示されている3秒のうち最初の1秒など)に設定キースイッチP810をOFFからONに切り替えたとしても、設定確認モードに移行するよう構成してもよい。そのように構成することで、電源投入時に誤って遊技モードへ移行させる操作を行ったとしても、電源投入後に設定キーの状態を変更することで、設定確認モードへ移行させることが可能となる。なお、このように構成した場合も、前述と同様に、外枠1に対して前枠P2を開放した状態(枠開放スイッチP892が前枠P2の開状態を検出したON状態)であることを条件としない、つまり、外枠1に対して前枠P2を開放した状態(枠開放スイッチP892が前枠P2の開状態を検出したON状態)である場合でも、外枠1に対して前枠P2を閉鎖した状態(枠開放スイッチP892が前枠P2の閉状態を検出したOFF状態)である場合でも、電源投入時に所定の操作(後述)を行うことで移行可能に構成してもよい。
RAMクリアモードは、設定キースイッチP810をOFFにして、且つ、RAMクリアスイッチP820を押下した状態(ONにした状態)で、電源を投入した場合(電源スイッチをONにした場合)に移行するモードである。このRAMクリアモードに移行すると、主制御マイコンP110に搭載されたRAMP103の所定の記憶領域が初期化される(いわゆるRAMクリアの処理が行われる)。このRAMクリアモードは、RAMクリアの処理が実行された後に自動的に終了する。RAMクリアモードが終了すると、遊技が可能な遊技モードに移行し、性能表示モニタP830に表示される情報が設定値情報から性能情報に切り替えられる。なお、RAMクリアモードが終了することを契機に、性能表示モニタP830に表示される情報が設定値情報から性能情報に切り替わると、性能表示モニタP830の全ての表示部P831~P834が所定時間だけ点滅する初期表示(全点滅表示)が行われる(詳細後述)。
遊技モードは、設定キースイッチP810をOFFにして、且つ、RAMクリアスイッチP820をOFFにした状態で、電源を投入した場合(電源スイッチをONにした場合)に移行するモードである。この遊技モードは、直前の電源断の発生時にRAMP103に保存したバックアップデータを復帰させた後に移行される。なお、設定変更モードの後に遊技モードに移行する場合には、設定変更が終了し且つRAMP103に保存したバックアップデータを消去した後に移行され、設定確認モードの後に遊技モードに移行する場合には、設定確認が終了し且つRAMP103に保存したバックアップデータを復帰させた後に移行され、RAMクリアモードの後に遊技モードに移行する場合には、RAMP103に保存したバックアップデータを消去した後に移行される。この遊技モードに移行すると、遊技が可能な状態となり、性能表示モニタP830の全ての表示部P831~P834が所定時間だけ点滅する初期表示(全点滅表示)が行われる(詳細後述)。
≪設定変更モード中の処理≫ 次に、電源投入時の設定変更モード中の処理について説明する。
(設定変更中の報知内容) まず、電源投入時の移行モードが設定変更モードである場合の性能表示モニタP830、主制御表示装置P27、外部情報端子板P600、スピーカP11、枠ランプP10、演出表示装置P70での報知内容について説明する。図126(A)は、設定変更モード中の報知内容を示す図である。
電源投入時に設定変更モードに移行すると、性能表示モニタP830の第4表示部P
834には、大当り確率の設定値が表示される。前述したように、この設定変更モードの実行中は、RAMクリアスイッチP820を押下操作するごとに、設定値の表示が、「1」→「2」→「3」→「4」→「5」→「6」→「1」→・・・という順に切り替わる。なお、この設定変更モードでは、第4表示部P834の7セグメントSG1~SG7に設定値を示す数値(例えば設定値が「1」である場合には数字の「1」)が点灯表示されるが、この第4表示部P834のドットセグメントSG8にドットは点灯表示されない(ドットセグメントSG8は消灯されている)。
また、設定変更モードに移行すると、主制御表示装置P27のエラー表示灯Erが点灯表示される。このエラー表示灯Erの点灯表示は、設定変更モードが開始されてから終了するまで継続して行われる。なお、主制御表示装置P27のその他の表示灯P71~P79は、設定変更モードが開始されてから終了するまで消灯されている。その変形例としては、その他の全ての表示灯P71~P79または一部の表示灯を点灯表示または点滅表示するようにしてもよい。その場合には、各表示灯を構成する複数のLEDセグメントを全点灯表示または全点滅表示させることが好適である。別の変形例としては、主制御表示装置P27のエラー表示灯Erを含め、主制御表示装置P27の全ての表示灯が消灯するよう構成してもよい。
また、設定変更モードに移行すると、外部情報端子板P600から遊技機の外部に設置された外部装置(データ表示器やホールコンピュータなど)に対してセキュリティ信号が出力される。なお、このセキュリティ信号は、設定変更モードの開始時から出力が開始されて、設定変更モードの終了時から所定時間(128ms)の経過後に出力が停止される。
また、設定変更モードに移行すると、スピーカP11からは「設定値変更中です」という音声が出力される。この「設定値変更中です」という音声は、設定変更モードが開始されてから終了するまで繰り返し出力される。
また、設定変更モードに移行すると、演出表示装置P70の画面には「設定変更中」という文字を示す設定変更中画像が表示される。この設定変更中画像の表示は、設定変更モードが開始されてから終了するまで継続して行われる。
(設定変更中の賞球払出) 続いて、電源投入時の移行モードが設定変更モードである場合の賞球払出について説明する。まず、電源投入時に設定変更モードに移行すると、設定変更モードが終了するまでの間、全ての賞球の払い出しが規制され、賞球払出ユニットP34から賞球が払い出されることはない。つまり、設定変更モードの実行中は、大入賞口P54や一般入賞口P64を含む各入賞口に遊技球が入球することに基づき行われる賞球の払い出しが規制される。なお、本実施形態において、賞球の払い出しが許可されるのは、設定変更モードが終了して遊技モードが開始されたときである。なお、設定変更モードが終了すると、遊技モードではなく、RAMクリアモードが開始されてもよい(そのRAMクリアモードが終了することで遊技モードが開始されてもよい)。
ここで、賞球の払い出し中に電源断が発生して、電源断の復帰時に設定変更モードに移行した場合の処理について説明する。具体的には、賞球払出ユニットP34において賞球の払い出しが行われている状況で電源断が発生した場合、未だ払い出されていない残りの賞球数の情報がRAMP103の記憶領域にバックアップされた状態で電源が遮断される。ここで、電源断の復帰時に、通常の電源投入操作(RAMクリアスイッチP820をONせずに電源投入する操作)を行った場合には、RAMP103の記憶領域に未払出分の賞球数の情報が記憶されているため、電源が復帰された後にその未払出分の賞球数が払い出されることになる。一方、電源断の復帰時に、設定変更モードへの移行操作(設定キースイッチP810をONにして且つRAMクリアスイッチP820をONにして電源投入する操作)を行った場合には、RAMP103の記憶領域に格納された遊技に係る情報が消去されるため、電源断時にバックアップされていた未払出分の賞球数の情報も消去され、電源断の復帰時に未払出分の賞球が払い出されないようになる。なお、電源断時にバックアップされていた未払出分の賞球数の情報は、設定変更モードの開始を契機としては消去されず、設定変更モードの終了を契機として消去されるよう構成されている。
また、電源投入時に設定変更モードに移行した場合、電源が投入されてから設定変更モードが終了するまでの間に、遊技球がいずれかの入賞口に入球したとしても(例えば一般入賞口P64に遊技球を入球させたり、大入賞口P54を強制的に開放させて遊技球を入球させたり、各入賞口スイッチを強制的にON作動させたりすることで、主制御基板P100のI/Oポート回路P104の入力ポートに入力信号が入力されたとしても)、設定変更モードが終了して遊技モードに移行しなければ(主制御側タイマ割込み処理が起動して、入力処理(S53)、入賞監視処理(S59)、賞球制御処理(S60)などが実行されなければ)、メインCPUP101がI/Oポート回路P104の入力ポートにアクセスすることがないため、遊技球が各種入賞口に入球したという情報がRAMP103の記憶領域に格納されず、この設定変更モードの実行中に賞球が払い出されることがないようになっている。
(設定変更中のその他の処理) 続いて、電源投入時に設定変更モードに移行した場合のその他の処理について記載する。設定変更モード中に、発射ハンドルP12に触れて回動操作が行われても、発射ハンドルP12の操作を無効と判断する、または、発射ハンドルP12に触れたことおよび回動操作を検知しないよう構成されている(発射検知を制限するよう構成されている)。つまり、発射ハンドルP12に触れて回動操作をしても遊技球の発射が不能となる。このように構成することで、設定変更モード中に誤って発射ハンドルP12に触れてしまい回動操作をしてしまうことにより、不測の遊技球の発射(遊技球の使用)や不測の入球を事前に防ぐことが可能となる。また、設定変更モード中に、遊技の中断状態が所定時間以上継続しても、待機デモ演出(客待ちデモ演出)が表示されないよう構成されている。このように構成することで、設定変更モード中であるにもかかわらず、設定変更モードが終了したと誤認されることを防ぐことができる。また、設定変更モード中に、特別図柄の変動表示を開始しない(特別図柄変動開始条件を充足しない)よう構成されているとともに、設定変更モード中に、普通図柄の変動表示を開始しない(普通図柄変動開始条件を充足しない)よう構成されている。このように構成することで、設定変更モード中に不測の入球(遊技領域PAに滞留していた遊技球の入球など)があったとしても、意図しない当否判定及びそれに基づく変動表示を行わないことで、現在設定されているモードが設定変更モードであるのか遊技モードであるのかを誤認させることを防ぐことができる。更に、設定変更モード中であっても、特定のエラー(例えば、扉・枠開放エラーや磁気センサエラー)の検出は可能である一方で、当該特定のエラーに関するエラー報知は表示しないよう構成されているとともに、所定のエラー(例えば、後述する設定値異常エラーや設定変更異常エラー)については検出もエラー報知も可能となるよう構成されている。このように構成することで、設定変更モード中については、遊技モードとは異なり、特定のエラーについてのエラー報知を制限し、所定のエラー(設定に関するエラー)の報知を優先することで、設定変更モードに適したエラー報知態様とすることができるとともに、設定変更モード中に発射検知や待機デモ画面の表示、特別図柄や普通図柄の変動表示を制限する仕様とは異なり、特定のエラーの検出については制限しないため、遊技者自身が現在の状況を適切に把握することできる。
なお、設定変更モードに移行した場合の変形例として、設定変更モード中に、発射ハンドルP12に触れての回動操作を有効にしてもよい(発射ハンドルP12に触れて回動操作することで遊技球の発射が可能となる)。また、設定変更モード中に、遊技の中断状態が所定時間以上継続することを契機として待機デモ画面(客待ちデモ画面)を表示するようにしてもよい。また、設定変更モード中に、エラーを検出した場合に、エラー報知画像を表示してもよい。その場合には、上記の「設定値変更中です」という画像のレイヤよりも上位のレイヤまたは下位のレイヤにエラー報知画像を設定することになる。
(設定変更中から復帰したときの処理) 続いて、設定変更モードから遊技モードに復帰した場合の処理について説明する。設定変更モード中から設定変更モードの終了後に移行する遊技モード中(遊技モードの開始から特定時間が経過する)まで、発射ハンドルP12を把持し続けても(手を触れたうえで回動操作をし続けていたとしても、または、手を触れ続けたとしても)、タッチ演出は実行されない(タッチ操作が無効となる)。なお、タッチ演出とは、待機デモ演出(客待ちデモ演出)中である状況にて遊技者が発射ハンドルP12に触れたうえで回動操作をすること(または単に発射ハンドルP12に触れること)を条件に実行される演出であり、具体的には、待機デモ演出(客待ちデモ演出)中に遊技者が発射ハンドルP12に触れたうえで回動操作をする(または単に発射ハンドルP12に触れる)ことで、「遊技スタート!」と音声出力され、演出表示装置P70に特定のキャラクタが表示される演出である。なお、設定変更モードから遊技モードに復帰した場合、復帰直後または復帰してから遊技が行われていない状態(遊技の中断状態)が所定時間以上継続することで待機デモ演出(客待ちデモ演出)に移行するよう構成されている。つまり、設定変更モード中から設定変更モードの終了後に移行する遊技モード中(遊技モードが開始した以降に実行される待機デモ演出(客待ちデモ演出))まで、発射ハンドルP12を把持し続けても(手を触れたうえで回動操作をし続けていたとしても、または、手を触れ続けたとしても)、待機デモ演出(客待ち待機デモ演出)中にタッチ演出は実行されないよう構成されている。また、設定変更モード中から設定変更モードの終了後に移行する遊技モード中まで、音量ボタン(左キーまたは右キー)を押下操作し続けても、遊技モード中に音量レベルが変化しない(音量操作が無効となる)よう構成されている。更に言えば、遊技モード中に当該押下操作を解除したとしても音量レベルは変化しない(音量操作が無効となる)よう構成されている。なお、音量調整は、遊技モードにおける変動表示中にも実行可能であるため、この構成は遊技モードにおける待機デモ演出(客待ちデモ演出)中であることを前提としない。また、遊技モードに復帰した場合は、音量レベルが初期設定に設定される(例えば、設定変更モードの移行前(電源断前)に設定されていた光量にかかわらず、「1」~「5」の光量レベルのうち必ず「3」に設定される)よう構成されている。また、設定変更モード中から設定変更モードの終了後に移行する遊技モード中まで、光量ボタン(上キーまたは下キー)を押下操作し続けても、遊技モード中に光量レベルが変化しない(光量操作が無効となる)よう構成されている。更に言えば、遊技モード中に当該押下操作を解除したとしても光量レベルは変化しない(光量操作が無効となる)よう構成されている。なお、光量調整は、遊技モードにおける変動表示中にも実行可能であるため、この構成は遊技モードにおける待機デモ演出(客待ちデモ演出)中であることを前提としない。また、遊技モードに復帰した場合は、光量レベルが初期設定に設定される(例えば、設定変更モードの移行前(電源断前)に設定されていた光量にかかわらず、「1」~「5」の光量レベルのうち必ず「3」に設定される)よう構成されている。
また、電源投入時に設定変更モードに移行した場合、優先度の
低いエラー報知(異常報知)は実行しない一方で、優先度の高いエラー報知(異常報知)は実行されるように構成してもよい。このように電源投入時に設定変更モードに移行した場合、優先度の低いエラーは無視することで、当該設定変更モード中の処理を阻害しないようにすることができるとともに、当該エラー報知による処理負担が増大するのを防止することができる。ここで、優先度の高いエラーとは、遊技の続行が禁止又は困難とされる優先度(重要度)が高レベルに設定されたエラー種別(第1種エラー)である。この第1種エラーには、磁気センサエラー、電波センサエラー、断線短絡電源エラー、過剰入賞エラー、扉・枠開放エラー、設定値異常エラー、設定変更異常エラーなどが含まれる。優先度の低いエラーとは、遊技の続行が禁止又は困難とされる優先度(重要度)が低レベルに設定されたエラー種別である。この第2種エラーには、払出エラー(賞球エラー)として、球皿満タンエラー、玉噛み/玉詰まりエラー、球無しエラーなどが含まれる。なお、設定値異常エラーとは、設定値として本来設定されるはずのない数値(例えば、1~6までの範囲内ではない数値)が設定されている場合に発生するエラーであり、設定変更異常エラーとは、設定変更状態中に電源断が発生し、設定変更モード以外のモードに移行するための操作が行われた場合、つまり、設定値(所望の設定値)を確定させていない状況にもかかわらず設定変更モード以外のモードに移行するための操作が行われた場合に異常な操作が行われたと見做されることで発生するエラーである。その他のエラーの内容については、第2実施形態で説明しているので、ここでは説明を省略する。また、電源投入時に設定変更モードに移行した場合、第1種エラーおよび第2種エラーのいずれのエラーが発生した場合でも、遊技球の発射が規制される(発射ハンドルP12が無効となる)ようにしてもよい。
≪設定確認モード中の処理≫ 次に、電源投入時の設定確認モード中の処理について説明する。
(設定確認中の報知内容) まず、電源投入時の移行モードが設定確認モードである場合の性能表示モニタP830、主制御表示装置P27、外部情報端子板P600、スピーカP11、枠ランプP10、演出表示装置P70での報知内容について説明する。図126(B)は、設定確認モード中の報知内容を示す図である。
電源投入時に設定確認モードに移行すると、性能表示モニタP830の第4表示部P834には、電源が投入される前(直近の電源断時)に設定されていた現時点の設定値が表示される。なお、この設定確認モードに移行した場合は、第4表示部P834の7セグSG1~SG7に設定値を示す数値(例えば設定値が「1」である場合には数字の「1」)が点灯表示されたうえで、この第4表示部P834のドットセグSG8にドットが点灯表示される。つまり、第4表示部P834には、現在の設定値とドットがペアで表示されることになる。なお、設定確認モードに移行した場合に、第4表示部P834において現在の設定値をドット付きで表示する理由は、上述の設定変更モードに移行した場合の設定値の表示(ドット無しの表示)と区別するためである。このように電源投入時に設定確認モードに移行した場合には、現時点の設定値を確認することができる。
また、設定確認モードに移行すると、主制御表示装置P27のエラー表示灯Erが点灯表示される。このエラー表示灯Erの点灯表示は、設定確認モードが開始されてから終了するまで継続して行われる。なお、主制御表示装置P27のその他の表示灯P71~79は、設定確認モードが開始されてから終了するまで消灯されている。その変形例としては、その他の全ての表示灯P71~79または一部の表示灯を点灯表示または点滅表示するようにしてもよい。その場合には、各表示灯を構成する複数のLEDセグメントを全点灯表示または全点滅表示させることが好適である。別の変形例としては、主制御表示装置P27のエラー表示灯Erを含め、主制御表示装置P27の全ての表示灯が消灯するよう構成してもよい。
また、設定確認モードに移行すると、外部情報端子板P600から遊技機の外部に設置された外部装置(データ表示器やホールコンピュータなど)に対してセキュリティ信号が出力される。なお、このセキュリティ信号は、設定確認モードの開始時から出力が開始されて、設定確認モードの終了時から所定時間(128ms)の経過後に出力が停止される。
また、設定確認モードに移行すると、スピーカP11からは「設定値確認中です」という音声が出力される。この「設定値確認中です」という音声は、設定確認モードが開始されてから終了するまで繰り返し出力される。
また、設定確認モードに移行すると、演出表示装置P70の画面には「設定確認中」という文字を示す設定確認中画像が表示される。この設定確認中画像の表示は、設定確認モードが開始されてから終了するまで継続して行われる。
(設定確認中の賞球払出) 続いて、電源投入時の移行モードが設定確認モードである場合の賞球払出について説明する。
ここで、賞球の払い出し中に電源断が発生して、電源断の復帰時に設定確認モードに移行した場合の処理について説明する。具体的には、賞球払出ユニットP34において賞球の払い出しが行われている状況で電源断が発生した場合、未だ払い出されていない残りの賞球数の情報がRAMP103の記憶領域にバックアップされた状態で電源が遮断される。電源断の復帰時に、設定確認モードへの移行操作(RAMクリアスイッチP820をOFFにしたままで設定キースイッチP810をONにして電源投入する操作)を行った場合には、RAMP103の記憶領域に未払出分の賞球数の情報が記憶されているが、この設定確認モードが終了して遊技モードに移行するまでは賞球の払い出しが一時中断される。設定確認モードが終了するまでの間、賞球の払い出しを一時中断する理由は、この設定確認モードに移行する際には遊技店員等が前枠P2を開放して当該前枠P2の背面側から設定キースイッチP810などを操作する必要があり、この前枠P2の開放状態では遊技店側の球供給装置から遊技機への遊技球の供給が正常に行われず、賞球を正しく払い出せないおそれがあるからである。そのため、設定確認モードが終了するまでは賞球の払い出しを一時中断して、遊技モードに移行した後に賞球の払い出しが再開されるようになっている。
また、電源投入時に設定確認モードに移行した場合、電源が投入されてから設定確認モードが終了するまでの間に、遊技球がいずれかの入賞口に入球したとしても(例えば一般入賞口P64に遊技球を入球させたり、大入賞口P54を強制的に開放させて遊技球を入球させたり、各入賞口スイッチを強制的にON作動させたりすることで、主制御基板P100のI/Oポート回路P104の入力ポートに入力信号が入力されたとしても)、設定確認モードが終了して遊技モードに移行しなければ(主制御側タイマ割込み処理が起動して、入力処理(S53)、入賞監視処理(S59)、賞球制御処理(S60)などが実行されなければ)、メインCPUP101がI/Oポート回路P104の入力ポートにアクセスすることがないため、遊技球が各種入賞口に入球したという情報がRAMP103の記憶領域に格納されず、この設定確認モードの実行中に賞球が払い出されることがないようになっている。
なお、設定確認モードが終了して遊技モードが開始されることを契機として、電源断の発生により中断していた大当り遊技が再開された場合には、その再開された大当り遊技の実行中において、前述の設定確認モード中に遊技球が大入賞口P54に入球したことに基づく賞球の払い出しは行われず、また、前述の設定確認モード中に遊技球が大入賞口P54に入球したことに基づく累積賞球数の表示(更新表示を含む)やカウントアップ演出も行われない。一方、その再開された大当り遊技の実行中(例えば復帰直後のラウンド遊技の実行中)に遊技球が大入賞口P54に入球した場合には、この大入賞口P54への遊技球の入球に基づく賞球の払い出しは行われるが、この大入賞口P54への遊技球の入球に基づく累積賞球数の表示(更新表示)やカウントアップ演出は行われない。このように大当り遊技が再開された後に累積賞球数の表示(更新表示)やカウントアップ演出の実行を制限する理由は、電源断が復帰した後や、設定確認モードが終了して遊技モードが開始された後は、所定の電源断復帰画像(電源断復帰画面)や電源断復帰後専用の大当り中画面(電源断復帰後専用のラウンド画面)を表示することで、入賞や賞球数に関する情報の報知よりも、電源断が復帰したことの報知を優先するためである。なお、その変形例として、電源断の復帰や設定確認モードが終了して遊技モードが開始されたことにより大当り遊技が再開された場合には、その再開されたときのラウンド遊技では所定の電源断復帰画像(電源断復帰画面)を表示し、その再開時のラウンド遊技の次のラウンド遊技(例えば5ラウンド目のラウンド遊技から再開された場合には6ラウンド目のラウンド遊技)の開始時から通常のラウンド演出(大当り中演出)に切り替えて、大入賞口P54への遊技球の入球に基づく累積賞球数の表示(更新表示)やカウントアップ演出を実行するように構成してもよい。
なお、更なる変形例として、設定確認モードが終了して遊技モードが開始されることを契機として、電源断の発生により中断していた大当り遊技の或るラウンド遊技が再開され、当該或るラウンド遊技の実行中にその電源断の復帰(または設定確認モードが終了して遊技モードが開始されたこと)に伴い電源断復帰画像が表示された後は、所定時間の経過(例えば、電源断復帰画像が表示されてから5秒経過)を契機に、または、当該或るラウンド遊技が終了することを契機に、通常の大当り中演出(例えば、上述の超寿大当り演出、寿大当り演出、喜大当り演出)に復帰するように構成してもよい(つまり、所定時間の経過、もしくは、例えば第3ラウンド目のラウンド遊技中に電源断且つ電源断復帰した(または設定確認モードが終了して遊技モードが開始された)場合は、第4ラウンド目のラウンド遊技の開始時から通常のラウンド演出に復帰するようにしてもよい)。なお、前述したとおり、大当り中演出の種別(超寿大当り演出、寿大当り演出、喜大当り演出)に応じたラウンド演出画面が表示される、すなわち、大当り中演出パターンが超寿大当り演出である場合には超寿大当りラウンド画面(例えば、虹色の背景上に5人分のキャラクタ紹介が表示される演出画面)、寿大当り演出である場合には寿大当りラウンド画面(例えば、赤色の背景上に2人分のキャラクタ紹介が表示される演出画面)、喜大当り演出である場合には喜大当りラウンド画面(例えば、青色の背景上に1人分のキャラクタ紹介が表示される演出画面)が表示されるよう構成されている。このように構成した場合には、再開されたラウンド遊技以降の大当り遊技の実行中に累積賞球数表示が行われるが、電源断前の累積賞球数表示ではなく「0」からスタートし且つ累積賞球数カウンタも「0」にクリアされてスタートすることになる。但し、「0」からスタートしたとしても、遊技球が大入賞口P54に入球することで累積賞球数表示の更新やカウントアップ演出、強調演出(拡大表示)などは実行され、更に、再開された大当り遊技の実行中に、大入賞口P54への規定数を超過する遊技球の入球(オーバー入賞)が発生すると、オーバー入賞演出は実行され、同様に、再開された大当り遊技の実行中に、遊技球が一般入賞口P64に入球すると累積賞球数表示の更新やカウントアップ演出、オマケ入賞演出は実行される。
また、更なる別の変形例としては、設定確認モードが終了して遊技モードが開始されることを契機として、電源断の発生により中断していた大当り遊技の或るラウンド遊技が再開され、当該或るラウンド遊技の実行中にその電源断の復帰(または設定確認モードが終
了して遊技モードが開始されたこと)に伴い電源断復帰画像が表示された後は、所定時間の経過(例えば、電源断復帰画像が表示されてから5秒経過)を契機に、または、ラウンド遊技が終了することを契機に、電源断復帰後専用の大当り中画面(電源断復帰後専用のラウンド画面)に復帰するように構成してもよく(つまり、所定時間の経過、もしくは、例えば第3ラウンド目のラウンド遊技中に電源断且つ電源断復帰した(または設定確認モードが終了して遊技モードが開始された)場合は、第4ラウンド目のラウンド遊技の開始時から通常のラウンド演出に復帰するようにしてもよく)、そのように構成した場合には、再開されたラウンド遊技以降の大当り遊技の実行中に累積賞球数表示は行われず、遊技球が大入賞口P54に入球したとしても累積賞球数表示の更新やカウントアップ演出、強調演出(拡大表示)などは実行されず、更に、再開された大当り遊技の実行中に、大入賞口P54への規定数を超過する遊技球の入球(オーバー入賞)が発生したとしても、オーバー入賞演出は実行されず、同様に、再開された大当り遊技の実行中に、遊技球が一般入賞口P64に入球したとしても累積賞球数表示の更新やカウントアップ演出、オマケ入賞演出は実行されない。
(設定確認中のその他の処理) 続いて、電源投入時に設定確認モードに移行した場合のその他の処理について記載する。設定確認モード中に、発射ハンドルP12に触れて回動操作が行われても、発射ハンドルP12の操作を無効と判断する、または、発射ハンドルP12に触れたことおよび回動操作を検知しないよう構成されている(発射検知を制限するよう構成されている)。つまり、発射ハンドルP12に触れて回動操作をしても遊技球の発射が不能となる。このように構成することで、設定確認モード中に誤って発射ハンドルP12に触れてしまい回動操作をしてしまうことにより、不測の遊技球の発射(遊技球の使用)や不測の入球を事前に防ぐことが可能となる。また、設定確認モード中に、遊技の中断状態が所定時間以上継続しても、待機デモ演出(客待ちデモ演出)が表示されないよう構成されている。このように構成することで、設定確認モード中であるにもかかわらず、設定確認モードが終了したと誤認されることを防ぐことができる。また、設定確認モード中に、特別図柄の変動表示を開始しない(特別図柄変動開始条件を充足しない)よう構成されているとともに、設定確認モード中に、普通図柄の変動表示を開始しない(普通図柄変動開始条件を充足しない)よう構成されている。このように構成することで、設定確認モード中に不測の入球(遊技領域PAに滞留していた遊技球の入球など)があったとしても、意図しない当否判定及びそれに基づく変動表示を行わないことで、現在設定されているモードが設定確認モードであるのか遊技モードであるのかを誤認させることを防ぐことができる。更に、設定確認モード中であっても、特定のエラー(例えば、扉・枠開放エラーや磁気センサエラー)の検出は可能である一方で、当該特定のエラーに関するエラー報知は表示しないよう構成されているとともに、所定のエラー(例えば、設定値異常エラーや設定変更異常エラー)については検出もエラー報知も可能となるよう構成されている。このように構成することで、設定確認モード中については、遊技モードとは異なり、特定のエラーについてのエラー報知を制限し、所定のエラー(設定に関するエラー)の報知を優先することで、設定確認モードに適したエラー報知態様とすることができるとともに、設定確認モード中に発射検知や待機デモ画面の表示、特別図柄や普通図柄の変動表示を制限する仕様とは異なり、特定のエラーの検出については制限しないため、遊技者自身が現在の状況を適切に把握することできる。
なお、設定確認モードに移行した場合の変形例として、設定確認モード中に、発射ハンドルP12に触れての回動操作を有効にしてもよい(発射ハンドルP12に触れて回動操作することで遊技球の発射が可能となる)。また、設定確認モード中に、遊技の中断状態が所定時間以上継続することを契機として待機デモ画面(客待ちデモ画面)を表示するようにしてもよい。また、設定確認モード中に、エラーを検出した場合に、エラー報知画像を表示してもよい。その場合には、上記の「設定値確認中です」という画像のレイヤよりも上位のレイヤまたは下位のレイヤにエラー報知画像を設定することになる。
(設定確認中から復帰したときの処理) 続いて、設定確認モードから遊技モードに復帰した場合の処理について説明する。設定確認モード中から設定確認モードの終了後に移行する遊技モード中(遊技モードの開始から特定時間が経過する)まで、発射ハンドルP12を把持し続けても(手を触れたうえで回動操作をし続けていたとしても、または、手を触れ続けたとしても)、タッチ演出は実行されない(タッチ操作が無効となる)。なお、タッチ演出とは、待機デモ演出(客待ちデモ演出)中である状況にて遊技者が発射ハンドルP12に触れたうえで回動操作をすること(または単に発射ハンドルP12に触れること)を条件に実行される演出であり、具体的には、待機デモ演出(客待ちデモ演出)中に遊技者が発射ハンドルP12に触れたうえで回動操作をする(または単に発射ハンドルP12に触れる)ことで、「遊技スタート!」と音声出力され、演出表示装置P70に特定のキャラクタが表示される演出である。なお、設定確認モードから遊技モードに復帰した場合、復帰直後または復帰してから遊技が行われていない状態(遊技の中断状態)が所定時間以上継続することで待機デモ演出(客待ちデモ演出)に移行するよう構成されている。つまり、設定確認モード中から設定確認モードの終了後に移行する遊技モード中(遊技モードが開始した以降に実行される待機デモ演出(客待ちデモ演出))まで、発射ハンドルP12を把持し続けても(手を触れたうえで回動操作をし続けていたとしても、または、手を触れ続けたとしても)、待機デモ演出(客待ち待機デモ演出)中にタッチ演出は実行されないよう構成されている。また、設定確認モード中から設定確認モードの終了後に移行する遊技モード中まで、音量ボタン(左キーまたは右キー)を押下操作し続けても、遊技モード中に音量レベルが変化しない(音量操作が無効となる)よう構成されている。更に言えば、遊技モード中に当該押下操作を解除したとしても音量レベルは変化しない(音量操作が無効となる)よう構成されている。なお、音量調整は、遊技モードにおける変動表示中にも実行可能であるため、この構成は遊技モードにおける待機デモ演出(客待ちデモ演出)中であることを前提としない。また、遊技モードに復帰した場合は、音量レベルが初期設定に設定される(例えば、設定確認モードの移行前(電源断前)に設定されていた光量にかかわらず、「1」~「5」の光量レベルのうち必ず「3」に設定される)よう構成されている。また、設定確認モード中から設定確認モードの終了後に移行する遊技モード中まで、光量ボタン(上キーまたは下キー)を押下操作し続けても、遊技モード中に光量レベルが変化しない(光量操作が無効となる)よう構成されている。更に言えば、遊技モード中に当該押下操作を解除したとしても光量レベルは変化しない(光量操作が無効となる)よう構成されている。なお、光量調整は、遊技モードにおける変動表示中にも実行可能であるため、この構成は遊技モードにおける待機デモ演出(客待ちデモ演出)中であることを前提としない。また、遊技モードに復帰した場合は、光量レベルが初期設定に設定される(例えば、設定確認モードの移行前(電源断前)に設定されていた光量にかかわらず、「1」~「5」の光量レベルのうち必ず「3」に設定される)よう構成されている。
<性能情報> 次に、遊技の性能情報であるベース値について説明する。ベース値とは、広義には、遊技者が発射した遊技球の個数(遊技領域PAに到達した遊技球の個数)に対して遊技者が獲得した賞球数の割合のことである。但し、本実施形態で適用されるベース値は、詳細後述するが、現在実行中の遊技状態が通常遊技状態であるときに遊技者が発射した遊技球の個数(遊技領域PAに到達した遊技球の個数)に対して遊技者が獲得した賞球数の割合を意味する。
本実施形態において、遊技の性能情報に関するデータ(後述のベース値、総アウト数、通常時アウト数、通常時賞球数などのデータ)は、主制御基板P100に設けられたRAMP103の性能情報記憶領域P103Cに格納される。
ここで、図127(A)は主制御基板P100のRAMP103の記憶領域を模式的に示す図である。RAMP103には、遊技制御情報記憶領域P103A、設定値情報記憶領域P103B、性能情報記憶領域P103Cなどが設けられている。遊技情報記憶領域P103Aには、遊技の進行を制御するための情報(特別図柄および普通図柄の変動表示に関する情報、大当り遊技に関する情報、遊技状態に関する情報、賞球の払い出しに関する情報など)が記憶されている。設定値情報記憶領域P103Bには、特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる当選確率(大当り確率)を特定するための設定値の情報が記憶されている。性能情報記憶領域P103Cには、遊技の性能情報(ベース値)を特定するための情報が記憶されている。なお、この性能情報記憶領域P103Cには、遊技規則で定める試験を行うための処理に用いられる情報が記憶されていてもよい。本実施形態では、電源投入時にRAMクリアが実行されたとしても、設定値情報記憶領域P103Bおよび性能情報記憶領域P103Cに記憶された情報は消去されないようになっている。
図127(B)はRAMP103の性能情報記憶領域P103Cを模式的に示す図である。性能情報記憶領域P103Aには、総アウト数カウンタP1030、通常時アウト数カウンタP1031、通常時賞球数カウンタP1032、ベース情報記憶領域P1033、ベース情報切替カウンタP1034、ベース情報出力データ領域P1035、出力表示切替タイマP1036、新規立上フラグP1037などが設けられている。
総アウト数カウンタP1030は、総アウト数を計数するためのカウンタである。「総アウト数」とは、全ての遊技状態において遊技領域PAから排出された遊技球の個数(総数)である。なお、全ての遊技状態には、特別遊技の実行中の状態である特別遊技状態と、特別遊技の非実行中の状態である非特別遊技状態とが含まれる。また、この非特別遊技状態には、通常遊技状態と、時短遊技状態と、確変遊技状態とが含まれる。なお、前述の第3実施形態のように、小当りラッシュモードを採用する遊技機である場合、非特別遊技状態には、通常遊技状態と、時短遊技状態と、確変遊技状態と、潜確遊技状態とが含まれる。なお、確率変動機能を搭載していない遊技機(例えば、変動時間短縮機能を搭載している小当りVの機種)である場合は、非特別遊技状態には、通常遊技状態と、時短遊技状態とが含まれ、確率変動機能と変動時間短縮機能のいずれも搭載していない遊技機(例えば、変動時間短縮機能を搭載していない小当りVの機種)である場合は、非特別遊技状態には、通常遊技状態のみが含まれる。
通常時アウト数カウンタP1031は、通常時アウト数を計数するためのカウンタである。「通常時アウト数」とは、遊技状態が通常遊技状態(低確率低ベース状態)であるときに遊技領域PAから排出された遊技球の個数(総数)である。
なお、総アウト数および通常時アウト数は、遊技盤P20の背面側から排出された遊技球(各入賞口またはアウト口P29に入球して遊技を終えた遊技済み球)を検出する遊技済み球検出センサP891からの検出情報に基づき算出される。なお、総アウト数および通常時アウト数を計数する他の方法として、例えば、遊技領域PAへ向けて発射された遊技球の個数(発射球数)を検出する発射球検出センサの検出情報に基づき総アウト数(総発射球数)および通常時アウト数(通常時発射球数)を算
出するように構成してもよい。その場合には、遊技領域PAへ向けた発射された遊技球の個数のうち遊技領域PAに到達できずに逆戻りした遊技球(ファール球)の個数を減算した値を採用することが好適である。
通常時賞球数カウンタP1032は、通常時賞球数を計数するためのカウンタである。「通常時賞球数」とは、遊技状態が通常遊技状態(低確率低ベース状態)であるときに遊技者に払い出される賞球の個数(総数)である。つまり、通常時賞球数には、低確率低ベース状態のうち大当り遊技が実行されているときの遊技状態(特別遊技状態)において払い出される賞球数は含まれず、低確率低ベース状態のうち大当り遊技が実行されていないときの遊技状態(通常遊技状態)において払い出される賞球数のみが含まれる。そのため、この通常時賞球数は、通常遊技状態において第1始動口P51への遊技球の入球、第2始動口P52への遊技球の入球、一般入賞口P61~P64への遊技球の入球に応じて払いされる賞球数を累積したものである。本実施形態では、通常遊技状態において賞球払出の対象となる入賞口(大入賞口P54を除く入賞口)へ遊技球が入球するごとに、その入球した入賞口に対応する賞球数が通常時賞球数カウンタP1032に累積的に加算される(メインCPUP101がRAMP103の通常時賞球数カウンタP1032に加算する処理を行う)。なお、通常時賞球数を計数する他の方法として、賞球払出ユニットP34から実際に払い出された賞球数を計数する賞球カウントセンサの検出情報に基づき、通常時賞球数を計数してもよい。
ベース情報記憶領域P1033は、遊技の性能情報を示すベース値を記憶する領域である。「ベース値」とは、通常時アウト数に対する通常時賞球数の割合である。つまり、ベース値とは、現在実行中の遊技状態が通常遊技状態(低確率低ベース状態)であるときに遊技領域PAから排出された遊技球の個数(総数)に対して遊技者に払い出された賞球の個数(総数)の割合のことであり、「通常時賞球数÷通常時アウト数×100」の演算式により算出される値である。従って、本例におけるベース値は、通常遊技状態において計測されたベース値のことであり、特定遊技状態(時短遊技状態、確変遊技状態)でのベース値、または特別遊技状態でのベース値を意味するものではない。
このベース値は、詳細は後述するが、予め設定された管理区間ごと(基本的には総アウト数カウンタP1030の値が「60000」に達するまでの区間ごと)に算出される。各管理区間で演算されたベース値は、ベース情報記憶領域P1033に順次記憶される。このベース情報記憶領域P1033は、現在実行中の区間においてリアルタイムに算出されるベース値(現在ベース値)を記憶する現在ベース値記憶領域P1033aと、1回前の区間(現在実行中の区間の1回前の区間)において総アウト数が60000個に達したときに算出されたベース値(1回前ベース値)を記憶する1回前ベース値記憶領域P1033bと、2回前の区間(現在実行中の区間の2回前の区間)において総アウト数が60000個に達したときに算出されたベース値(2回前ベース値)を記憶する2回前ベース値記憶領域P1033cと、3回前の区間(現在実行中の区間の3回前の区間)において総アウト数が60000個に達したときに算出されたベース値(3回前ベース値)を記憶する3回前ベース値記憶領域P1033dとからなる。なお、詳細は後述するが、遊技機の初回電源投入時(新規立ち上げ時)から起算して総アウト数が299個未満の区間(後述の区間A)では、ベース値の演算が行われない。
ベース情報切替カウンタP1034は、性能表示モニタP830に表示されるベース値を切り替えるためのカウンタである。ベース情報切替カウンタP1034の値が「0」の場合は性能表示モニタP830に現在の区間のベース値の表示が行われ、ベース情報切替カウンタの値が「1」の場合は性能表示モニタP830に1回前の区間のベース値の表示が行われ、ベース情報切替カウンタの値が「2」の場合は性能表示モニタP830に2回前の区間のベース値の表示が行われ、ベース情報切替カウンタP1034の値が「3」の場合は性能表示モニタP830に3回前の区間のベース値の表示が行われる。
ベース情報出力データ領域P1035は、性能表示モニタP830における4つの表示部P831~P834の表示データを格納する領域である。ベース情報出力データ領域P1035には、図示省略するが、第1表示部P831の表示データを格納する第1出力データ領域と、第2表示部P832の表示データを格納する第2出力データ領域と、第3表示部P833の表示データを格納する第3出力データ領域と、第4表示部P834の表示データを格納する第4出力データ領域とを有する。
出力表示切替タイマP1036は、ベース情報出力データ領域P1035に格納される表示データを切り替えるためのタイマです。本実施形態では、出力表示切替タイマP1036の計時値に基づき、ベース情報出力データ領域P1035に格納される表示データを所定の周期で切り替えるようになっている。
新規立上フラグP1037は、遊技機の初回電源投入時(新規立ち上げ時)であるか否かを示すフラグである。つまり、新規立上フラグP1037がONであれば遊技機の初回電源投入時であることを示し、新規立上フラグP1037がOFFであれば遊技機の初回電源投入時ではないことを示す。なお、この新規立上フラグP1037は、遊技機の初回電源投入直後(新規立ち上げ直後)にOFFとなる(少なくとも初回電源投入中にオフとなることが好適である)。なお、変形例として、遊技機の初回電源投入時において総アウト数カウンタP1030による計数が開始されることを契機として新規立上フラグP1037をオフとするように構成してもよい。
≪ベース値の表示≫ 続いて、ベース値の表示について説明する。本実施形態では、上記の図120に示すように、性能表示モニタP830においてベース値の表示が行われる。この性能表示モニタP830は、前述したように、上位二桁の第1表示部P831および第2表示部P832からなる識別表示部(識別セグ)P830aと、下位二桁の第3表示部P833および第4表示部P834からなる比率表示部(比率セグ)P830bとを有している。なお、本明細書においては、「点灯」には連続点灯と点滅点灯との双方を含む概念で用いるが、必要に応じて、これらを区別するために、連続点灯を単に「点灯」または「点灯表示」と呼称し、点滅点灯を単に「点滅」または「点滅表示」と呼称する場合がある。
識別セグP830aには、ベース値の種類(ベース値を管理する区間)を識別するための識別子が表示される。すなわち、識別セグP830aには、現在の区間のベース値であることを示す「bL.」、1回前の区間のベース値であること示す「b1.」、2回前の区間のベース値であることを示す「b2.」、3回目の区間のベース値(3回前ベース値)であることを示す「bL3.」を表示可能である(詳細は後述する)。
比率セグP830bには、識別セグP830aに表示された識別子(計測区間)に対応するベース値の算出結果が表示される。すなわち、比率セグP830bには、現在の区間のベース値(リアルタイム値)、1回前の区間のベース値(最終結果値)、2回前の区間のベース値(最終結果値)、3回前の区間のベース値(最終結果値)を表示可能である(詳細は後述する)。なお、本実施形態において、「ベース値の表示」とは、特段の場合を除き、識別セグP830aの表示と比率セグP830bの表示とを合わせて表示することを意味する。
ここで、図128は、各区間のベース値の表示例を示す模式図である。前述したように、ベース値は、予め設定された所定の管理区間(後述の各区間A、区間B、区間C、区間D…)ごとに計測される。性能表示モニタP830には、現在の区間のベース値の表示(図128(B))と、1回前の区間のベース値の表示(図128(C))と、2回前の区間のベース値の表示(図128(D))と、3回前の区間のベース値の表示(図128(E))とを特定の時間(所定の表示切替時間)ごとに切り替えて表示する。本実施例では、ベース値の表示切替時間として「4.8秒」が設定されている。なお、ベース値の表示の切替処理は、前述のベース情報切替カウンタP1034の値に基づき行われる。
まず、現在の区間のベース値の表示では、図128(B)に示すように、識別セグP830aには「bL.」が点灯表示または点滅表示され、比率セグP830bには現在計測中のリアルタイムのベース値(現在ベース値記憶領域P1033aに記憶されているベース値)が点灯表示される。また、1回前の区間のベース値の表示では、図128(C)に示すように、識別セグP830aには「b1.」が点灯表示または点滅表示され、比率セグP830bには1回前の区間の終了時のベース値(1回前ベース値記憶領域P1033bに記憶されているベース値)が点灯表示される。また、2回前の区間のベース値の表示では、図128(D)に示すように、識別セグP830aには「b2.」が点灯表示または点滅表示され、比率セグP830bには2回前の区間の終了時のベース値(2回前ベース値記憶領域P1033cに記憶されているベース値)が点灯表示される。また、3回前の区間のベース値の表示では、図128(E)に示すように、識別セグP830aには「b3.」が点灯表示または点滅表示され、比率セグP830bには3回前の区間の終了時のベース値(3回前ベース値記憶領域P1033dに記憶されているベース値)が点灯表示される。
比率セグP830bには、ベース値の計測結果の小数点第1位を四捨五入し、その四捨五入した後の整数部分(整数値)を表示する。例えば、ベース値の計測結果が35.49の場合には比率セグP830bに「35」を表示し、ベース値の計測結果が35.50の場合には比率セグP830bに「36」を表示する。なお、ベース値の計測結果を四捨五入した後の数値が10未満の場合には、比率セグP830bの十の位には「0」を表示する(例えば、「00」~「09」)。また、ベース値の計測結果を四捨五入した後の数値が100以上の場合には、比率セグP830bに「99.」を表示する。つまり、その四捨五入した後の数値が99である場合は、比率セグP830bに「99」を表示し、四捨五入した後の数値が100以上である場合は、比率セグP830bに「99.」を表示する(ドットを表示する)。これは性能表示モニタP830の比率セグP830bでは、ベース値を二桁の数値でしか表示できないことから、「99.」を表示して(99の後にドットを表示して)、ベース値が100%を超えていることを報知するためである。変形例としては、ベース値の計測結果の小数点第1位を切り捨てて、整数部分(整数値)のみを表示するよう構成してもよく、そのように構成した場合も、その切り捨てた後の四捨五入した後の数値が99である場合は、比率セグP830bに「99」を表示し、四捨五入した後の数値が100以上である場合は、比率セグP830bに「99.」を表示する(ドットを表示する)。
なお、遊技機の電源投入時(電源断復帰時)には、図128(A)に示すように、性能表示モニタP830の全ての表示部P831~P834が所定時間(4.8秒間)だけ全点灯状態と全消灯状態とを所定間隔(所定周期)で繰り返す全点滅表示(「初期表示」とも呼称する)が行われる。この所定間隔(所定周期)は、本実施例においては0.6秒であり、「点灯0.3秒→点滅0.3秒」を8セット分繰り返す。つまり、この性能表示モニタP830の初期表示(全点滅表示)は、遊技機の電源投入時に、性能表示モニタP830の4つの表示部P831~P834の全てのLEDセグメントSG1~SG8(合計32個のLEDセグメント)が点滅表示されるものである。そして、
本実施例では、図128(A)~(E)に示すように、性能表示モニタP830の初期表示(全点滅表示)が終了した後に、ベース値の表示(ベース値の表示の切り替え)が行われる。なお、この性能表示モニタP830の初期表示期間中(全点滅表示期間中)は、主制御側タイマ割込み処理が起動しており、特別電動役物制御処理(電源断前の大入賞口P54の開放状態に復帰する処理等)、賞球制御処理(電源断前の未払いの賞球の払出処理等)、LED出力処理(主制御表示装置P27の点灯制御処理等)、特別図柄制御処理などの遊技モードの処理が実行されている。
ここで、本実施形態では、ベース値の表示の開始タイミングは、電源投入時の移行モードに応じて異なり得るようになっている。例えば、遊技機の電源投入時に遊技モードに移行した場合には、性能表示モニタに830の初期表示(全点滅表示)が所定時間(4.8秒)だけ実行された後に、ベース値の表示が開始される。一方、遊技機の電源投入時にRAMクリアモード、設定変更モードもしくは設定確認モードに移行した場合は、RAMクリアモード、設定変更モードもしくは設定確認モードが終了して、性能表示モニタP830の初期表示(全点滅表示)が所定時間(4.8秒)だけ実行された後に、ベース値の表示が開始される。なお、所定時間(初期表示時間、全点滅表示時間)は前述の4.8秒間に限定されるものではないが、例えば、4.5秒間~5.5秒間までの時間(5秒間±10%の時間)に設定することが望ましい。
≪ベース値の計測の流れ≫ 次に、遊技機の初回電源投入時からのベース値の計測の流れについて説明する。図129は、識別セグP830aおよび比率セグP830bに表示される表示内容を管理区間(計測区間)ごとに示す図である。なお、「遊技機の初回電源投入時」とは、遊技機に初めて電源を投入する新規立ち上げ時のことである。本実施例では、性能情報記憶領域P103Cに設けられた新規立上フラグP1037の状態に基づき、遊技機の初回電源投入時であるか否かを判定する。つまり、新規立上フラグがONであれば遊技機の初回電源投入時であることを示し、新規立上フラグがOFFであれば遊技機の初回電源投入時ではないことを示す。本実施形態では、新規立上フラグP1037がONであることを契機として、後述の区間A(識別セグP830bに識別子を点滅表示し、且つ、比率セグP830bに「--」を点灯表示する期間)における計数が開始される。なお、この遊技機の初回電源投入時には、総アウト数カウンタP1030、通常時アウト数カウンタP1031、通常時賞球数カウンタP1032、ベース情報記憶領域P1033などの全ての値が初期値「0」に設定されている。また、現在実行中の区間が終了すると、総アウト個数カウンタP1030、通常時アウト個数カウンタP1031、通常時賞球数カウンタP1032がクリアされる。また、現在実行中の区間(後述の区間Aを除く)が終了して次の区間に移行する場合には、1回前ベース値記憶領域P1033bおよび2回前ベース値記憶領域P1033cに記憶された過去の区間のベース値をそれぞれ1つ前の区間のベース値記憶領域(2回前ベース値記憶領域P1033cおよび3回前ベース値記憶領域P1033d)にそれぞれシフトするとともに、現在ベース値記憶領域P1033aに記憶されている現在の区間のベース値の最終値(総アウト個数が60000個に到達したときのベース値)を1回前ベース値記憶領域P1033bにシフトして、この現在ベース値記憶領域P1033aをクリアする。なお、3回前ベース値記憶領域P1033dに記憶されていたベース値は、2回前ベース値記憶領域P1033cに記憶されていたベース値がシフトして上書きされることで消去される。
まず、初回電源投入時から起算して総アウト数カウンタP1030の値が299未満となる区間(「区間A」と呼称する)では、遊技機の検査や遊技店での試運転(調整)を目的として遊技球の発射や入賞が行われる区間(テスト区間)であり、正確なベース値が得られないため、ベース値の算出の対象から除外されている。つまり、この区間Aについては、通常時アウト数カウンタP1031および通常時賞球数カウンタP1032の計数を行わない区間(ベース値の算出を行わない区間)として設定されている。但し、この区間Aの実行中においても、区間の切り替えを判定するため(次の区間への切り替えを判定するため)、総アウト数カウンタP1030の計数は行われる。
この現在実行中の区間Aのベース値を表示する際には、識別セグP830aに「bL.」を点滅表示するとともに、比率セグP830bに「--」を点灯表示する。つまり、識別セグP830aの「bL.」の点滅表示と比率セグP830bの「--」の点灯表示とにより、現在実行中の区間Aのベース値を表示不能であることが示される。また、前回の区間(1回前から3回前までの区間)は存在しないため、前回の区間(1回前から3回前までの区間)のベース値を表示する際には、比率セグP830bに「--」を点灯表示する。具体的には、1回前の区間のベース値を表示する際には、識別セグP830aに「b1.」を点滅表示するとともに、比率セグP830bに「--」を点灯表示する。この識別セグP830aの「b1.」の点滅表示と比率セグP830bの「--」の点灯表示とにより、1回前の区間のベース値を未だ表示不能であることが示される。また、2回前の区間のベース値を表示する際には、識別セグP830aに「b2.」を点滅表示するとともに、比率セグP830bに「--」を点灯表示する。この識別セグP830aの「b2.」の点滅表示と比率セグP830bの「--」の点灯表示とにより、2回前の区間のベース値を未だ表示不能であることが示される。また、3回前の区間のベース値を表示する際には、識別セグP830aに「b3.」を点滅表示するとともに、比率セグP830bに「--」を点灯表示する。この識別セグP830aの「b3.」の点滅表示と比率セグP830bの「--」の点灯表示とにより、3回前の区間のベース値を未だ表示不能であることが示される。なお、これらの点滅表示は、本実施例においては0.6秒間隔(0.6秒周期)で行われ、「点灯0.3秒→点滅0.3秒」を8セット分繰り返す。
そして、初回電源投入時からの総アウト数カウンタP1030の値が299に到達することを契機に現在実行中の区間Aが終了すると、新たな区間(「区間B」と呼称する)が開始される。なお、現在実行中の区間Aが終了すると、前述したように、総アウト数カウンタP1030、通常時アウト数カウンタP1031、通常時賞球数PカウンタP1032がリセット(ゼロクリア)される。また、各ベース値記憶領域P1033a~P1033dに格納された値がそれぞれ1つ前の記憶領域にシフトされる。
区間Bは、前回の区間Aが終了してから起算して総アウト数カウンタP1030の値が60000に到達することを契機に終了する。区間Bでは、現在のベース値をリアルタイムで算出して、このリアルタイム値をRAMP103の現在ベース値記憶領域P1033aに順次格納する。現在実行中の区間Bのベース値を表示する際には、通常時アウト数カウンタP1031の値が6000未満(0~5999)である場合、識別セグP830aに「bL.」を点滅表示するとともに、比率セグP830bに現在の区間Bのベース値(リルタイム値)、すなわち、現在ベース値記憶領域P1033aに格納されたベース値(リアルタイム値)を点灯表示する。ここで、通常時アウト数カウンタP1031の値が6000未満の場合に識別セグP830aを点滅表示する理由としては、その6000個未満の計測結果では、現在の区間のベース値を算出するにはサンプル数が少ないため、ベース値が安定していないことを報知するためである。一方、通常時アウト数カウンタP1031の値が6000以上である場合は、識別セグP830aに「bL.」を点灯表示するとともに、比率セグP830bに現在の区間Bのベース値(リルタイム値)、すなわち、現在ベース値記憶領域P1033aに格納されたベース値を点灯表示する。なお、この点滅表示は、本実施例においては0.6秒間隔(0.6秒周期)で行われ、「点灯0.3秒→点滅0.3秒」を8セット分繰り返す。
また、この区間Bにおいて、1回前の区間(区間A)のベース値を表示する際には、識別セグP830aに「b1.」を点滅表示するとともに、比率セグP830bに「--」を点灯表示する。これは1回前の区間(区間A)ではベース値が算出されていないため、この識別セグP830aの「b1.」の点滅表示と比率セグP830bの「--」の点灯表示とにより、1回前の区間のベース値を表示不能であることが示される。また、2回前の区間のベース値を表示する際には、識別セグP830aに「b2.」を点滅表示するとともに、比率セグP830bに「--」を点灯表示する。これは2回前の区間が存在しないため、この識別セグP830aの「b2.」の点滅表示と比率セグP830bの「--」の点灯表示とにより、2回前の区間のベース値を未だ表示不能であることが示される。また、3回前の区間のベース値を表示する際には、識別セグP830aに「b3.」を点滅表示するとともに、比率セグP830bに「--」を点灯表示する。これは3回前の区間が存在しないため、この識別セグP830aの「b3.」の点滅表示と比率セグP830bの「--」の点灯表示とにより、3回前の区間のベース値を未だ表示不能であることが示される。なお、これらの点滅表示は、本実施例においては0.6秒間隔(0.6秒周期)で行われ、「点灯0.3秒→点滅0.3秒」を8セット分繰り返す。
そして、総アウト数カウンタP1030の値が60000に到達することを契機に現在実行中の区間Bが終了すると、新たな区間(「区間C」と呼称する)が開始される。なお、現在実行中の区間Bが終了すると、前述したように、総アウト数カウンタP1030、通常時アウト数カウンタP1031、通常時賞球数カウンタP1032がクリアされる。また、各ベース値記憶領域P1033a~1033dに格納された値がそれぞれ1つ前の記憶領域にシフトされる。
区間Cは、前回の区間Bが終了してから起算して総アウト数カウンタP1030の値が60000に到達することを契機に終了する。区間Cでは、前回の区間Bと同様に、現在のベース値をリアルタイムで算出して、このリアルタイム値をRAMP103の現在ベース値記憶領域P1033aに順次格納する。この現在実行中の区間Cのベース値を表示する際には、通常時アウト数カウンタP1031の値が6000未満(0~5999)である場合は、識別セグP830aに「bL.」を点滅表示するとともに、比率セグP830bに現在の区間Cのベース値(リルタイム値)、すなわち、現在ベース値記憶領域P1033aに格納されたベース値(リアルタイム値)を点灯表示する。一方、通常時アウト数カウンタP1031の値が6000以上である場合は、識別セグP830aに「bL.」を点灯表示するとともに、比率セグP830bに現在の区間Cのベース値(リルタイム値)、すなわち、現在ベース値記憶領域P1033aに格納されたベース値を点灯表示する。なお、この点滅表示は、本実施例においては0.6秒間隔(0.6秒周期)で行われ、「点灯0.3秒→点滅0.3秒」を8セット分繰り返す。
また、この区間Cにおいて、1回前の区間(区間B)のベース値を表示する際には、識別セグP830aに「b1.」を点灯表示するとともに、比率セグP830bに1回前の区間(区間B)のベース値の最終値、すなわち、1回前ベース値記憶領域P1033bに格納されたベース値を点灯表示する。また、2回前の区間のベース値を表示する際には、識別セグP830aに「b2.」を点滅表示するとともに、比率セグP830bに「--」を点灯表示する。これは2回前の区間(区間A)ではベース値が算出されていないため、この
識別セグP830aの「b2.」の点滅表示と比率セグP830bの「--」の点灯表示とにより、2回前の区間のベース値を表示不能であることが示される。また、3回前の区間のベース値を表示する際には、識別セグP830aに「b3.」を点滅表示するとともに、比率セグP830bに「--」を点灯表示する。これは3回前の区間が存在しないため、この識別セグP830aの「b3.」の点滅表示と比率セグP830bの「--」の点灯表示とにより、3回前の区間のベース値を未だ表示不能であることが示される。なお、これらの点滅表示は、本実施例においては0.6秒間隔(0.6秒周期)で行われ、「点灯0.3秒→点滅0.3秒」を8セット分繰り返す。
そして、総アウト数カウンタP1030の値が60000に到達することを契機に現在実行中の区間Cが終了すると、新たな区間(「区間D」と呼称する)が開始される。なお、現在実行中の区間Cが終了すると、前述したように、総アウト数カウンタP1030、通常時アウト数カウンタP1031、通常時賞球数カウンタP1032がクリアされる。また、各ベース値記憶領域P1033a~1033dに格納された値がそれぞれ1つ前の記憶領域にシフトされる。
区間Dは、前回の区間Cが終了してから起算して総アウト数カウンタの値が60000に到達することを契機に終了する。区間Dでは、前回の区間Cと同様に、現在のベース値をリアルタイムで算出して、このリアルタイム値をRAMP103の現在ベース値記憶領域P1033aに順次格納する。この現在実行中の区間Dのベース値を表示する際には、通常時アウト数カウンタP1031の値が6000未満(0~5999)である場合は、識別セグP830aに「bL.」を点滅表示するとともに、比率セグP830bに現在の区間Dのベース値(リルタイム値)、すなわち、現在ベース値記憶領域P1033aに格納されたベース値(リアルタイム値)を点灯表示する。一方、通常時アウト数カウンタP1031の値が6000以上である場合は、識別セグP830aに「bL.」を点灯表示するとともに、比率セグP830bに現在の区間Dのベース値(リルタイム値)、すなわち、現在ベース値記憶領域P1033aに格納されたベース値を点灯表示する。なお、この点滅表示は、本実施例においては0.6秒間隔(0.6秒周期)で行われ、「点灯0.3秒→点滅0.3秒」を8セット分繰り返す。
また、この区間Dにおいて、1回前の区間(区間C)のベース値を表示する際には、識別セグP830aに「b1.」を点灯表示するとともに、比率セグP830bに1回前の区間(区間C)のベース値の最終値、すなわち、1回前ベース値記憶領域P1033bに格納されたベース値を点灯表示する。また、2回前の区間(区間B)のベース値を表示する際には、識別セグP830aに「b2.」を点灯表示するとともに、比率セグP830bに2回前の区間(区間B)のベース値の最終値、すなわち、2回前ベース値記憶領域P1033cに格納されたベース値を点灯表示する。また、3回前の区間(区間A)のベース値を表示する際には、識別セグP830aに「b3.」を点滅表示するとともに、比率セグP830bに「--」を点灯表示する。これは3回前の区間(区間A)ではベース値が算出されていないため、この識別セグP830aの「b3.」の点滅表示と比率セグP830bの「--」の点灯表示とにより、3回前の区間のベース値を表示不能であることが示される。なお、この点滅表示は、本実施例においては0.6秒間隔(0.6秒周期)で行われ、「点灯0.3秒→点滅0.3秒」を8セット分繰り返す。
そして、総アウト数カウンタP1030の値が60000に到達することを契機に現在実行中の区間Dが終了すると、新たな区間(「区間E」と呼称する)が開始される。なお、現在実行中の区間Dが終了すると、前述したように、総アウト数カウンタP1030、通常時アウト数カウンタP1031、通常時賞球数カウンタP1032がクリアされる。また、各ベース値記憶領域P1033a~1033dに格納された値がそれぞれ1つ前の記憶領域にシフトされる。
以降、各区間が開始されてから起算して総アウト数カウンタが60000に到達するごとに、当該区間が終了して新たな区間が開始される。つまり、図129では、紙面の都合上、区間Aから区間Dまでを示しているが、区間Dが終了すると新たな区間Eが開始され、区間Eが終了すると新たな区間Fが開始され、その後も区間G,H…といったように、総アウト数カウンタが60000に達することを契機として各区間の開始と終了とが行われる。
≪性能表示と賞球獲得期待値の関係≫ 次に、性能表示と賞球獲得期待値との関係について説明する。図130は、区間Aの実行中に初当りが発生した場合のタイムチャートである。本実施形態では、遊技機の電源投入時から所定の期間が経過するまでは、性能表示モニタP830の識別セグP830a(識別子)が点滅表示されるようになっている。具体的には、前述したとおり、現在実行中の計測区間が区間Aである場合、すなわち、遊技機の初回電源投入時から起算して総アウト数が所定の個数X1(299個)未満である場合は、性能表示モニタP830の識別セグP830aが点滅表示される。また、この区間Aが終了した後の次の区間B、すなわち、区間Aが終了してから起算して総アウト数が60000個に達するまでの区間Bでは、当該区間Bの開始時から起算して通常時アウト数が所定の個数X2(6000個)未満である場合に、性能表示モニタP830の識別セグP830aが点滅表示される。変形例として、この区間Aが終了した後の次の区間B、すなわち、区間Aが終了してから起算して総アウト数が60000個に達するまでの区間Bでは、初回電源投入時から起算して通常時アウト数が所定の個数X2(6000個)未満である場合に、性能表示モニタP830の識別セグP830aが点滅表示されるよう構成してもよい。なお、この識別セグP830aに点滅表示されている識別子が現在の区間を示す識別子(bL)である場合には、比率セグP830bには現在の区間で計測したベース値のリアルタイム値が点灯表示される。なお、これらの点滅表示は、本実施例においては0.6秒間隔(0.6秒周期)で行われ、「点灯0.3秒→点滅0.3秒」を8セット分繰り返す。
これに対して、通常遊技状態において第1特別図柄の当否判定の結果が大当りとなることで行われる大当り遊技の実行中に払い出される賞球獲得期待値(理論賞球数)は、上述した所定の個数X1(299個)以上に設定されている。つまり、初当り時の賞球獲得期待値(理論賞球数)は、区間Aの終了契機となる所定の個数X1(299個)以上に設定されている。具体的には、第1特別図柄の大当り種別には「4R特定大当り(図柄群A)」と「4R通常大当り(図柄群B)」とがあるが、いずれの大当り種別も大当り遊技の規定ラウンド数が4ラウンドに設定されており、その全てのラウンド遊技が長時間開放のラウンド遊技(長開放ラウンド遊技)となるため、いずれの大当り種別においてもその初当り時の賞球獲得期待値は600個(4ラウンド×10カウント×15個賞球=600個)となる。このように本実施形態では、この初当り時の賞球獲得期待値(600個)を、総アウト数の到達値として、区間Aの終了契機となる所定の個数X1(299個)以上となるように設定している。つまり、区間Aに滞在中に初当りを引ければ、この区間Aの終了契機となる所定の個数X1(299個)よりも多数の賞球数(最大600個)を獲得することが可能となる。そのため、この区間Aに滞在中に初当りを引くことができれば、当該初当りにて獲得した賞球数(最大600個)を自己の持ち球として遊技領域PAに向けて打ち出している間に、この遊技領域PAから排出される遊技球、すなわち総アウト数が所定の個数X1(299個)に到達する可能性が高まり、総アウト数が所定の個数X1(299個)に到達することを契機として区間Aから区間Bへと移行することが見込まれる。それにより、区間Aに滞在中はベース値が非表示(識別セグP830bに「--」の表示)であったが、区間Bに移行することでベース値がリアルタイムで表示されることとなる。それにより、本実施例では、遊技機の初回電源投入後の早期の段階で初当りを引いた場合、その初当りを契機として行われる大当り遊技にて獲得した賞球数(600個)を使い切るまでに、区間A(テスト区間)を終了させて次の区間Bに移行させて性能表示を機能させるこができ(現在の区間のベース値をリアルタイムで表示させることができ)、不正行為(出玉性能に異常がないか)を早期に発見することが可能となる。
また、本実施形態では、この初当りを含めた連荘中の賞球獲得期待値(つまり初当りから連荘状態の終了までの間に行われる大当り遊技において払い出される賞球獲得期待値)は、所定の個数X2(6000個)以下に設定されている。つまり、本実施例では、初当りを含めた連荘中の賞球獲得期待値が所定の個数X2(6000個)以下となるように、確変突入率(65%)、ST継続率(設定値1=63%~設定値6=76%)、各大当り遊技の理論賞球数(4R大当り=600個、8R大当り=1200個)などが設定されている。このような構成によれば、1回の初当りでは、性能表示モニタP830の点滅解除に必要な球数(通常時アウト数が6000個に到達するのに必要な球数)を獲得し難いようにすることで(つまり複数回の初当りを必要とすることで)、直ぐに初当りが発生して獲得した遊技球で通常時の発射を継続させたとして(持ち球が無くなるまで遊技を継続させたとしても)、それ以上の遊技球の発射を行わないと性能表示モニタP830の点滅解除とはならないようにすることができ、ベース値をより正確に管理することができる。なお、この連荘中の賞球獲得期待値は、初当り時の大当り種別およびその選択率を踏まえたうえでの通常遊技状態(低確率低ベース状態)に戻るまでに獲得できる賞球獲得期待値であることが好適である。
また、本実施形態では、初当り時の大当り遊技の消化に要する最短消化時間と、その大当り遊技の終了後に移行する電サポ状態の消化に要する最短消化時間とを、初当り時の賞球獲得期待値(理論賞球数)との関係で設定している。ここで、遊技球の発射速度は1分あたり100個を限度として設定されており、初当り時に払い出される賞球数(賞球獲得期待値:600個)の全てを打ち出すには6分の時間が必要となる。そこで、本実施形態では、初当り時に行われる大当り遊技の最短消化時間(大当り遊技の実行中に遊技球を常に打ち続けていた場合の消化時間)と、その大当り遊技の終了後に移行する電サポ状態の最短消化時間(100回の電サポ状態の実行中に遊技球を常に打ち続けて保留を途切れさせない場合の消化時間)との合算時間が6分以上となるように構成されている。それにより、初当り時に獲得した賞球(理論賞球数)は、遊技球の発射を継続させていることを条件に、その後の電サポ状態を抜けるまでの間に全て打ち出されるようになっている。
また、本実施形態では、前述の強調演出(拡大表示)を実行するための強調演出実行条件を充足するには、累積賞球数が特定値(所定賞球数の倍数値)に達することを条件とするが、この所定賞球数(特定値の最小値)を所定の個数X1(299個)以上、且つ、所定の個数X2(6000個)以下の数値に対応させている。つまり、本実施例では、図108に示すように、累積賞球数が所定賞球数(2500個)の倍数値に到達するたびに強調演出(拡大表示)が行われるようになっており、累積賞球数が所定の個数X1(299個)以上となってから所定の個数X2(6000個)に達するまでの間に、少なくとも1回の強調演出(拡大表示)が実行されるようになっている(本実施例では、累積賞球数が所定の個数X1(299個)以上となってから所定の個数X2(6000個)に達するまでの間には、累積賞球数が2500個に達し
たときと5000個に達したときの2回強調演出が行われるようになっている)。このように、強調演出実行条件を識別セグP830aの点滅表示の解除条件よりも軽減させることにより、当該点滅表示が解除されていない遊技開始の状況であっても、強調演出実行条件が成立する可能性を高め、早期の段階から強調演出を発生させて遊技者の遊技意欲を高めることができる。
≪電源投入時の初期表示期間中のベース値更新≫ 次に、初期表示期間中におけるベース値の更新処理について説明する。図131(A)は電源断復帰時の遊技状態が特別遊技状態であるときの初期表示期間を示すタイムチャート、図131(B)は電源断復帰時の遊技状態が通常遊技状態であるときの初期表示期間を示すタイムチャートである。
本実施形態では、前述したように、遊技機の電源投入時(電源断復帰時)には、性能表示モニタP830の全ての表示部P831~P834が所定時間(4.8秒間)の間、点灯表示状態と消灯状態とを0.3秒ごとに繰り返す全点滅表示(初期表示)が行われる。ここで、図131(A)に示すように、電源断復帰時の遊技状態が大当り遊技中の低ベース状態(特別遊技状態)である場合には、その電源投入時の性能表示モニタP830の初期表示期間中に、総アウト数カウンタP1030の計数については行われ、次の区間との切り替えのための判定処理(区間切替処理)は実行されるが、通常時アウト数カウンタP1031および通常時賞球数カウンタP1032の計数は行われず、ベース値の更新のための演算処理(ベース値更新処理)は実行されない。つまり、その電源投入時の性能表示モニタP830の初期表示期間中に第1始動口P51や一般入賞口P61~P64などへの入球検出及び該入球に係るアウト検出が行われると、当該初期表示期間中に、次の区間との切り替えのための判定処理(区間切替処理)は実行されるが、ベース値の更新のための演算処理(ベース値更新処理)は実行されないため、当該初期表示期間終了後、電源断前の区間とは異なる区間に切り替わっている可能性がある一方、電源断前のベース値は変更されないことになる(電源断前の区間とは異なる区間に切り替わっていない場合は、現在の区間である「bL.」におけるベース値が更新されず、電源断前の区間とは異なる区間に切り替わっている場合は、切り替わる前の電源断前の区間である「bL.」におけるベース値と切り替わった後の電源断復帰後且つ初期表示期間終了後の区間である「b1.」におけるベース値とが更新されず同じとなる)。なお、このベース値更新処理は、初期表示期間の終了後から開始される。変形例としては、このベース値更新処理は、初期表示期間が終了しても特別遊技状態が継続している場合、少なくともこの特別遊技状態が終了して通常遊技状態に移行するまで(更に言えば、この特別遊技状態の終了後に移行する高ベース状態が終了して通常遊技状態に移行するまで)、ベース値更新処理を実行しないよう構成してもよい。一方、図131(B)に示すように、電源断復帰時の遊技状態が非大当り遊技中の低ベース状態(通常遊技状態)である場合には、その電源投入時の性能表示モニタP830の初期表示期間中に、総アウト数カウンタP1030、通常時アウト数カウンタP1031および通常時賞球数カウンタP1032の計数が行われ、次の区間との切り替えのための判定処理(区間切替処理)と、ベース値の更新のための演算処理(ベース値更新処理)とがそれぞれ実行される。つまり、その電源投入時の性能表示モニタP830の初期表示期間中に第1始動口P51や一般入賞口P61~P64などへの入球検出及び該入球に係るアウト検出が行われると、当該初期表示期間中に、次の区間との切り替えのための判定処理(区間切替処理)と、ベース値の更新のための演算処理(ベース値更新処理)とがそれぞれ実行されるため、当該初期表示期間終了後、電源断前の区間とは異なる区間に切り替わっている可能性があるとともに、電源断前のベース値が変更されている可能性もあることになる(電源断前の区間とは異なる区間に切り替わっていない場合は、現在の区間である「bL.」におけるベース値が更新され、電源断前の区間とは異なる区間に切り替わっている場合は、切り替わる前の電源断前の区間である「bL.」におけるベース値と切り替わった後の電源断復帰後且つ初期表示期間終了後の区間である「b1.」におけるベース値とが更新されて異なり得る場合がある)。それにより本実施形態では、電源断復帰時(電源投入時)の遊技状態が同じ低ベース状態であっても、大当り遊技中の低ベース状態(特別遊技状態)であるか非大当り遊技中の低ベース状態(通常遊技状態)であるかに応じて、当該電源断復帰時(当該電源投入時)の初期表示期間中にベース値の演算を行うか否かを切り替えて、遊技機の性能を適切に評価できるようになっている。また、大当り遊技中の低ベース状態および非大当り遊技中の低ベース状態のいずれであっても、電源断復帰時(電源投入時)の初期表示中に、総アウト数カウンタP1030の計数を行うことで、各回の区間(区間A,B,C,D…)を適切に切り替えることができる。なお、上述した電源断の復帰(電源の復帰)は、RAMクリア(RAMクリアスイッチP820の操作)を伴わない電源断の復帰であり、RAMクリア(RAMクリアスイッチP820の操作)を伴う電源断の復帰である場合には、通常遊技状態(低確率低ベース状態)に移行する。
この初期表示期間が終了すると、ベース情報切替カウンタP1034のカウントが「0」から開始される。そのため、初期表示期間が終了した後は、まず、性能表示モニタP830において現在の区間のベース値の表示から開始される。そして、この現在の区間のベース値の表示が4.8秒間行われると、前述したように、1回前の区間のベース値の表示、2回前の区間のベース値の表示、および3回前のベース値の表示が4.8秒間ずつ順番に行われ、再び現在の区間のベース値の表示が行われる。
なお、変形例として、初期表示期間の開始時にベース情報切替カウンタP1034のカウントを開始して、当該初期表示期間中においてもベース情報切替カウンタP1034のカウント値を4.8秒ごとに切り替えて(内部的には各区間の切替えを4.8秒ごとに行い)、初期表示期間の終了時に、その終了時のタイミングに対応する区間のベース値の表示を行うように構成してもよい。
≪賞球エラー発生時のベース値の更新≫ 次に、大当り遊技の実行中に賞球の払い出しに関するエラー(賞球エラー)が発生した場合のベース値の更新について説明する。図132は、大当り遊技の実行中に賞球エラーが発生したときのタイムチャートである。なお、この賞球エラーは、第2実施形態で説明した払出エラーと同じエラーを意味する。
本実施例では、大当り遊技の実行中に賞球エラー(払出エラー)が発生した場合、当該賞球エラーが発生したときから当該賞球エラーが解除されるまでの間は賞球の払い出しが一時停止される。そのため、大当り遊技の実行中に大入賞口P54への遊技球の入球を契機として賞球が払いされている最中に賞球エラーが発生した場合には、当該賞球エラーが解除されるまでは、当該大入賞口P54への遊技球の入球に基づき払い出される賞球のうち、当該賞球エラーが発生するまでの間に払い出されなかった分の賞球の払い出しが停止される。また、その大当り遊技の実行中であっても当該賞球エラーが発生した後に、遊技球が大入賞口P54に入球した場合には、当該賞球エラーが解除されるまでは、当該大入賞口P54への遊技球の入球に基づく賞球の払い出しが停止される。ここで、大当り遊技の終了後に確変遊技状態(高確率高ベース状態)または時短遊技状態(低確率高ベース状態)に移行して、この高ベース状態において特別図柄の変動表示回数が100回に到達した場合(つまり、100回転の間に大当りを引けなかった場合)には、この100回転の終了後に通常遊技状態(低確率低ベース状態)に転落することになるが、この通常遊技状態(低確率低ベース状態)において上記の賞球エラーが解除された場合には、当該通常遊技状態(低確率低ベース状態)において賞球の払い出しが再開されることになる。つまり、本来であれば大当り遊技の実行中に払い出されるはずの賞球(賞球エラーの発生により大当り遊技の実行中に払い出されなかった賞球)が、当該大当り遊技の終了後に高ベース状態を経て移行した通常遊技状態において払い出されることになる。ここで、通常時賞球数カウンタP1032は、通常遊技状態において払い出される賞球数を計数するものであるが、これは通常遊技状態の実行中に遊技球がいずれかの入賞口(大入賞口P54を除く)に入球することを契機として当該通常遊技状態において払い出される賞球数を計数の対象としたものである。そのため、本来であれば大当り遊技の実行中に払い出されるはずの賞球(大入賞口P54への遊技球の入球に基づく賞球)が、その後の通常遊技状態において払い出されることになった場合には、通常時賞球数カウンタP1032の計数の対象から除外される。つまり、賞球エラーが発生したことにより大当り遊技の実行中に払い出されなかった賞球が、当該賞球エラーが解除されたことに基づき、その後の通常遊技状態において払い出されることとなった場合には、当該賞球数は通常時賞球数カウンタP1032の計数の対象とはならず、ベース値の演算から除外されることで、ベース値の適正な管理が図られるようになっている。
なお、前述したように、大当り遊技の実行中に賞球エラーが発生することで、当該大当り遊技の実行中に払い出されなかった大入賞口P54への遊技球の入球に基づく賞球は、通常時賞球数カウンタP1032の計数の対象ではなく、ベース値の更新の対象とはならないが、当該大入賞口P54へ入球した遊技球の個数(入賞数)は、遊技に使用された有効な遊技球(遊技領域PAから排出された遊技球)として総アウト数カウンタP1030で計数され、ベース値の区間を切り替えるための有効な計数値として扱われる。
また、大当り遊技の実行中において賞球エラーの発生により払い出されなかった賞球であれば、大入賞口P54への遊技球の入球に基づく賞球だけでなく、オマケ入賞などのその他の入賞口(第1始動口P51、第2始動口P52、一般入賞口P61~P64)への遊技球の入球に基づく賞球についても、通常時賞球数カウンタP1032の計数の対象ではなく、ベース値の更新の対象とはならない。また、大当り遊技の実行中にその他の入賞口(第1始動口P51、第2始動口P52、一般入賞口P61~P64)に入球した遊技球の個数(入賞数)についても、遊技領域PAにおいて遊技に供された有効なアウト個数(発射個数)として計数されるべきものであるため、総アウト数カウンタP1030の更新の対象となる。
また、大当り遊技の実行中に賞球エラーが発生した場合、すなわち、前述したように、大当り遊技の実行中において大入賞口P54へ遊技球が入球することを契機として賞球の払い出しが行われている最中に賞球エラーが発生し、当該大当り遊技の終了後に確変遊技状態を経て移行する通常遊技状態まで賞球エラーが継続したうえで、当該通常遊技状態において賞球エラーが解消された場合、当該大当り遊技の実行中且つ賞球エラーが発生した以降においては、当該賞球エラーが発生することで当該大当り遊技の実行中に払い出されなかった分の賞球があったとしても(賞球の払い出しが制限されたとしても)、当該大入賞口P54への遊技球の入球(当該賞球エラーが解消するまでの間に払い出されなかった分の賞球の発生契機となった大入賞口P54への遊技球の入球)を契機として(累積賞球数カウンタの値が加算されることを契機として)、累積賞球数表示が更新表示されるとともに、カウントアップ演出が実行される。また、当該賞球エラーの発生後であっても、当該大入賞口P54への遊技球の入球(当該賞球エラーが解消するまでの間に払い出されなかった分の賞球の発生契機となった大入賞口P54への遊
技球の入球)に基づき強調演出実行条件を充足することを契機として(累積賞球数カウンタの値が所定賞球数の倍数値に達することを契機として)、強調演出(拡大表示)が実行され、オーバー入賞演出実行条件を充足することを契機としてオーバー入賞演出が実行される。
≪ベース値の表示の更新周期≫ 次に、ベース値の表示を更新するときの更新周期について説明する。本実施形態では、最初の区間Aを除く各区間(計測区間)において、通常時アウト数カウンタP1031が6000に到達するまでは、現在実行中の区間のベース値の表示を行うに際して、識別セグP830aに「bL.」が点滅表示されるとともに、比率セグP830bにベース値のリアルタイム値が点灯表示される。このとき、識別セグP830aの点滅表示(「bL.」の点滅表示)は、0.3秒の点灯と0.3秒の消灯とを交互に繰り返す態様で行われる。つまり、本実施形態において、識別セグP830aの点滅周期は0.6秒(点灯0.3秒+消灯0.3秒)に設定されている。この識別セグP830aの点滅表示における点灯と消灯との切り替えは、RAMP103の出力表示切替タイマP1036の計時値に基づき実行される。本実施形態では、出力表示切替タイマP1036の計時値を主制御側タイマ割込み処理の1割込みごと(4msごと)に「1」だけ加算して、この出力表示切替タイマP1036の計時値が「75」の倍数値に到達したとき、すなわち0.3秒(4ms×75=300ms)が経過したときに、識別セグP830aの点灯と消灯とが切り替えられる。つまり、出力表示切替タイマP1036の計時値が「75」の倍数値に到達するたびに、ベース情報出力データ領域P1035の第1出力データ領域および第2出力データ領域に、識別子の点灯データをセットする処理と、消灯データをセットする処理とが交互に切替わる。
一方、比率セグP830aに現在実行中の区間のベース値を表示する際には、ベース情報出力データ領域P1035の第3出力データ領域および第4出力データ領域に、現在の区間のベース値に対応する表示データをセットする。ここで、現在実行中の区間においては、タイマ割込み処理の1割込みごとにベース値(リアルタイム値)が算出され、このリアルタイム値がRAMP103の現在ベース値記憶領域P1033aに順次記憶されていく。このとき、ベース情報出力データ領域P1035の第3出力データ領域および第4出力データ領域には、現在ベース値記憶領域P1033aに記憶されたベース値に対応する表示データがセットされる。但し、この表示データの更新周期は、前述した比率セグP830aの点滅周期と同じ周期である。すなわち、表示データの更新周期は、ベース値が算出される周期(1割込みに対応する4ms)毎ではなく、比率セグP830aの点滅周期に対応する0.6秒(600ms)毎に行われる。従って、出力表示切替タイマP1036の計時値が「150」の倍数値に到達するたびに、ベース情報出力データ領域P1035の第3出力データ領域および第4出力データ領域に、比率セグP830bの表示データをセットする処理が行われる。そのため、比率セグが0.3秒の点灯表示を行った後に0.3秒の消灯を行うことを1回の点滅表示(単位表示)とした場合、この1回の単位表示の開始時(0.3秒の点灯表示が開始されるとき)に、比率セグP830aの表示データが更新されることになる。それにより、識別セグP830aの1回の点滅表示の開始時に比率セグP830bの表示データが更新されると、当該1回の点滅表示の期間内において、現在ベース値記憶領域P1033aに記憶されるベース値(現在のベース値)が更新されたとしても、比率セグP830bの表示データは更新されず(比率セグP830bに点灯表示されたベース値は切り替わらず)、当該1回の点滅表示が終了するまでは、当該1回の点滅表示の開始時に更新された表示データに応じたベース値が継続して点灯表示される。そして、当該1回の点滅表示が終了して次の点滅表示が開始されるときに、比率セグP830bの表示データが現時点のベース値(現在ベース値記憶領域P1033aに保存されている現時点のベース値)に応じた新たな表示データに更新され、比率セグP830bに表示されるベース値も新たな表示データに応じた現時点のベース値(リアルタイム値)に切り替えられる。このように識別子セグP830aに表示される識別子の点滅周期と、比率セグP830bに表示されるベース値(リアルタイム値)の更新周期とを同期させることで、当該ベース値の視認性を向上させることができるため、遊技の性能を正確且つ容易に確認することが可能となる。
なお、本実施形態では、性能表示モニタP830の全ての表示または一部の表示が点滅表示される場合として、電源投入時に行われる性能表示モニタP830の初期表示にて全ての表示部P831~P834が点滅表示される場合と、各区間(区間Aを除く)において通常時アウト数カウンタの値が6000に達するまでの間に識別セグP830a(第1表示部P831および第2表示部P832)が点滅表示される場合とがある。このとき、各表示部P831~834の点滅周期(前述の0.6秒)については、電源投入時に行われる初期表示の点滅周期と、各区間(区間Aを除く)において通常時アウト数カウンタの値が6000に到達するまでに行われる識別セグP830aの点滅周期とで同一の周期に設定されている。そして、この点滅周期(0.6秒)は、大入賞口P54への1個の遊技球の入球に基づき払い出される15個分の賞球のカウントアップ表示時間(カウントアップ演出の実行時間)よりも長時間に設定されている。本実施形態では、上記第2実施形態と同様に、賞球1個分のカウントアップ表示時間(「N」から「N+1」へのカウントアップ表示に要する時間)は「0.03秒」に設定されており、大入賞口P54に遊技球が1個入球することで付与される賞球数(単位賞球数)分のカウントアップ表示時間(「N」から「N+15」へのカウントアップ表示に要する時間)が「15(単位賞球数)×0.03秒(1個分のカウントアップ表示時間)=0.45秒」となることにより、各表示部P831~834の点滅周期(0.6秒)の方が長時間となる。このように累積賞球数のカウントアップ表示時間よりも各表示部P831~P834の点滅周期を長時間に設定する理由としては、累積賞球数のカウントアップ表示は一般の遊技者がカウントアップ表示されていることを認識できることを前提にその表示時間を設定しており、このカウントアップ表示時間を表示の切替えの目安として考えた場合に、このカウントアップ表示時間よりも点滅周期を長時間に設定することで、各表示部P831~P834が点滅表示されていることを確実に認識できることを意味するものである。
なお、上記実施形態では、識別セグP830aの表示データ(点灯データ、消灯データ)の更新周期は0.3秒毎であり、比率セグP830bの表示データの更新周期は0.6秒毎であるが、この更新周期は適宜に設定可能であり、比率セグP830bの表示データの更新周期を識別セグP830aの表示データの更新周期と同一にしてもよい。
≪ベース値の表示切替時間と遊技球の発射時間との関係≫ また、本実施形態では、性能表示モニタP830において、ベース値の表示は、現在の区間のベース値の表示→1回前の区間のベース値の表示→2回前の区間のベース値の表示→3回前のベース値の表示といったように、所定の表示切替時間(4.8秒)ごとに切り替わるようになっているが、このベース値の表示切替時間(4.8秒)は、1回のラウンド遊技において規定カウント数分(10カウント分)の遊技球を発射するのに要する時間よりも短時間に設定されている。具体的には、遊技球の発射速度は1分間あたり100発を限度として設定されており、規定カウント数分(10カウント分)の遊技球の発射時間は「6秒(10カウント×60秒÷100発)」となる。それにより、この規定カウント数分の遊技球の発射時間(6秒)よりも、ベース値の表示切替時間(4.8秒)の方が短時間となる。この構成によれば、大当り遊技の実行中では、1回のラウンド遊技が終了するまでの間に、ベース値の表示を切り替えることができるため、仮に該1回のラウンド遊技の実行中に総アウト数カウンタの値が60000に達したとしても(現在の計測区間が終了して次の計測区間に移行することになっても)、その切替状況を1回のラウンド遊技の実行中に認識することができる。
なお、本実施形態における演出ボタンP15は、演出ボタンの内部機構によって、演出ボタン自体が振動したり、演出ボタンP15内部の可動物が回転したりすることが可能に構成されている。このように、演出ボタンP15は、遊技者操作によって演出表示装置P70に表示される演出内容に変化を与えるだけでなく、演出ボタンP15自体の動作によって、遊技者に対して大当り期待度を示唆または報知可能に構成されている。このような演出ボタンP15の動作を、演出ボタン動作と称する。
この演出ボタン動作は、変動表示中や大当り遊技中に実行可能であり、変動表示中であれば、大当り期待度が非常に高いことを示唆または報知する場合に実行され(例えば、演出表示装置P70にて実行される特定の予告演出の実行に対応付けられて実行されたり、そのような特定の予告演出の実行に関係なく突如実行され)、大当り遊技中であれば、前述した昇格演出や保留内連荘演出の実行に対応付けられて実行されたりする。
より具体的には、変動表示中であれば、演出ボタン動作は、変動表示の途中(中盤であるリーチ成立前)で実行される特定の予告演出である次回予告演出(今後の演出展開を示唆または報知する大当り期待度が高い予告演出)の実行時、変動表示の途中(終盤であるリーチ成立後)で実行される前述した当落分岐の場面(SPリーチの最終結果が大当りを示す内容となるかはずれを示す内容となるかの分岐の場面)で大当り当選を報知する変動中役物演出の実行時に同時に実行されるものである(予告演出に対応付けられる演出ボタン動作)。なお、1回の変動(大当り変動)において、この次回予告演出と大当り当選を報知する変動中役物演出との両方が実行され得るよう構成されているが、大当り当選を報知する変動中役物演出の実行時のほうが、演出ボタン動作の実行時間が長くなるよう構成されている。なお、特定の予告演出以外の所定の予告演出(例えば、コメント予告演出など)は、演出ボタン動作が対応付けられて実行されないよう構成されているが、後述する先読みとしての変動開始時演出ボタン動作と実行タイミングが重複し、たまたま同時に実行されることがある。また、先読み予告演出として、先読み予告演出の対象となる作動保留球(例えば、前述した次回予告演出やで大当り当選を報知する変動中役物演出が実行され得るような高期待度変動に係る作動保留球)より先に消化される作動保留球に係る変動表示の開始直後に、突如演出ボタン動作を実行する、この先読み予告としての演出ボタン動作(先読みとしての変動開始時演出ボタン動作)が実行された場合、先読み予告演出を経由して到達した先読み予告演出の対象となる作動保留球に係る変動表示の開始時にも、演出ボタン動作が先読み予告ではなく、当該変動の大当り期待度を示唆または報知する予告演出として実行される(先読み経由の変動開始時演出ボタン動作)。なお、先読みとしての変動開始時演出ボタン動作や先読み経由の変動開始時演出ボタン動作は、前述した予告演出に対応付けられる演出ボタン動作よりも実行時間が短くなるよう構成されている。なお、演出ボタン動作は、1回の変動表示中に完結するものであり、2回以上の変動表示を跨いで実行が継続されるものではない(例えば、或る変動表示の終盤から当該或る変動表示の次の変動表示の序盤まで演出ボタンP15の振動が継続するようには構成されていない)。また、大当り遊技中であれば、昇格演出の実行中や保留内連荘演出の実行中に対応付けられて実行され、前述した大当り中
役物演出の実行中に対応付けられて実行される(大当り中の演出ボタン動作)。なお、大当り中の演出ボタン動作は、複数のラウンド遊技に跨って実行可能に構成されている(例えば、或る回数目のラウンド遊技の終盤から当該或る回数目のラウンド遊技の次の回数目のラウンド遊技の序盤まで演出ボタンP15の振動が継続可能に構成されている)。
ここで、演出ボタン動作については、遊技者による演出ボタンP15の操作に基づいて実行されるものと、遊技者による演出ボタンP15の操作に基づいて実行されないものとに大別される。つまり、遊技者による演出ボタンP15の操作が行われることで即座に実行されるものと、遊技者による演出ボタンP15の操作がそもそも必要ないものとに大別される。前述した大当り中の演出ボタン動作や大当り当選を報知する変動中役物演出に対応付けられた演出ボタン動作は、遊技者による演出ボタンP15の操作が行われることで即座に実行され(換言すれば、遊技者による演出ボタンP15の操作が行われることで、昇格演出や保留内連荘演出や大当り当選を報知する変動中役物演出が実行され)、前述した先読みとしての変動開始時演出ボタン動作と先読み経由の変動開始時演出ボタン動作、そして次回予告演出に対応付けられた演出ボタン動作については、遊技者による演出ボタンP15の操作がそもそも必要なく実行される(換言すれば、遊技者による演出ボタンP15の操作を必要とせず、変動開始時演出ボタン動作と先読み経由の変動開始時演出ボタン動作、そして次回予告演出が実行される)。ここで、変形例として、大当り変動表示であるにもかかわらず、遊技者による演出ボタンP15の操作が行われても、大当り当選を報知する変動中役物演出が実行されず且つそれに対応付けられた演出ボタン動作に実行されない場合(当落分岐の場面ではずれであることを示唆する場合)を有していてもよく、そのような場合は、同じ変動表示内において、当落分岐の場面ではずれであることを示唆したタイミングより後のタイミングにて、「復活!」との文字が表示されて大当りであることを示唆または報知するよう構成してもよい。そのように構成した場合、この「復活!」とも文字が表示される演出(復活演出や逆転演出とも称する)の実行中も、演出ボタン動作が実行され、この演出ボタン動作は、遊技者による演出ボタンP15の操作がそもそも必要なく実行されるよう構成される。
また、演出ボタン動作が実行される場合、枠ランプP10や前述の役物ランプが特定態様にて発光するよう構成されている。なお、演出ボタン動作が実行される場合の演出状況によって、発光態様(発光色)が異なるよう構成されている。具体的には、昇格演出や保留内連荘演出、大当り当選を報知する変動中役物演出や復活演出が実行される場合は虹色に発光し、変動開始時演出ボタン動作や先読み経由の変動開始時演出ボタン動作、次回予告演出が実行される場合は青色に発光するよう構成されている。但し、いずれの場合についても、演出ボタン動作による虹色または青色の発光中にエラー状態となった場合は、必ず赤色の発光へと切り替えるよう構成されている。
また、遊技機の電源投入時にRAMクリアモードまたは遊技モードに移行する選択操作が行われた場合、電源投入後に、演出としてではなく、動作確認としての電源投入後に演出ボタン動作が実行される。この場合の演出ボタン動作は相対的に短時間にて実行され(当り当選を報知する変動中役物演出に対応付けられた演出ボタン動作よりも短時間にて実行され)、枠ランプP10や前述の役物ランプも赤色にて発光される。なお、その演出ボタン動作の最中に変動表示が開始した場合に、遊技者にボタン操作を促すボタン画像が表示されることがあるが、この演出ボタン動作の最中であっても、ボタン操作を行うことで、演出表示装置P70における演出表示に変化を与える(例えば、ボタン操作がされることで、ボタン画像が消去され、コメント予告演出が表示されるなど)ことが可能となっている。なお、遊技機の電源投入時に設定変更モードまたは設定確認モードに移行する選択操作が行われた場合、電源投入後に、動作確認としての演出ボタン動作は行われない。これにより、動作確認としての演出ボタン動作を省略することが可能となる。なお、変形例として、設定変更モードまたは設定確認モードを終了することで、動作確認としての演出ボタン動作を実行可能としてもよい。
以上、第5実施形態において達成される主要な効果を整理すれば、下記のようになる。
まず、第5実施形態によれば、遊技機の初回電源投入時から早期の段階(総アウト数が299個未満の区間A)で初当りが発生した場合に、その大当り遊技の実行中に所定数(299個)以上の賞球数を獲得可能となることで、その獲得した遊技球を打ち出している間(手持ちの遊技球が無くなるまでの間)に、次の区間(区間B)に移行してベース値の表示(リアルタイム表示)を機能させることができるため、不正行為(出玉性能に異常がないか)を早期に発見することができるとともに、適切な遊技性能の評価を実現することが可能となる。
また、第5実施形態によれば、遊技状態が同じ低ベース状態であったとしても、特別遊技の付与された遊技状態であるか否かに応じて計測の要否の状況を適切に判別して、電源投入後の初期表示期間(全点滅表示期間)からベース値の更新のための演算を実行できるようにすることで、電源投入後の早期の段階からベース値の適正な管理を図ることができ、それにより適切な遊技性能の評価を実現することが可能となる。
また、第5実施形態によれば、賞球エラーが発生したことにより大当り遊技の実行中に払い出されなかった賞球が、当該賞球エラーが解除されたことに基づき、その後の通常遊技状態において払い出されることとなった場合には、当該賞球数をベース値の更新の対象から除外することで、ベース値の適正な管理を図ることができ、それにより適切な遊技性能の評価を実現することが可能となる。
また、第5実施形態によれば、設定確認モード中における不測の入賞に対して賞球の払い出しを制限するとともに、該設定確認モードの終了後に再開された大当り遊技における入賞に対しては遊技者の実利益の獲得を優先して賞球の払い出しを実行する一方で、その賞球の払い出しを契機とする演出表示については制限することにより、遊技者に不利益を与えないようにしつつ、遊技機の処理負担を軽減させることが可能となる。
また、第5実施形態によれば、大当り遊技において賞球の払い出しを行っている最中に電源断が発生した場合には、その電源断復帰時の移行モードが設定変更モードであるか設定確認モードであるかに応じて、その移行モードに適合した適切な賞球払出の制限措置を実行するとともに、設定確認モードに移行した場合にはその後に大当り遊技が再開されたときに当該賞球払出の制限措置を解除して、その賞球の払い出しを契機とする演出表示については継続して制限することにより、遊技者に不利益を与えないようにしつつ、遊技機の処理負担を軽減させることが可能となる。
[第6実施形態] 次に、第6実施形態に係るぱちんこ遊技機について説明する。第6実施形態のぱちんこ遊技機は、基本的には、上述の第2実施形態および/または第4実施形態および/または第5実施形態のぱちんこ遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。つまり、以下の説明においては、特段の場合を除き、上述の第2実施形態および/または第4実施形態および/または第5実施形態と共通の構成を適用することが可能である。
以下、第6実施形態に係るぱちんこ遊技機の基本構成を順番に説明する。
まず、第6実施形態のぱちんこ遊技機の盤面構成について説明する。図133は、第6実施形態の遊技盤P20の正面図である。この遊技盤P20には、外レールP41と、内レールP42と、レール飾りP43とが取り付けられており、外レールP41と内レールP42とレール飾りP43とで囲まれた内側に略円形の遊技領域PAが区画形成されている。遊技領域PAは、略中央のセンター飾りP21を基準として、センター飾りP21の左側の領域である左側領域PA1と、センター飾りP21の右側の領域である右側領域PA2とに区画される。
この第6実施形態では、前述の第2実施形態等と同様に、左側領域PA1を流下する遊技球は、主として、センター飾りP21の下方に配置された第1始動口P51、一般入賞口P61~P63のいずれかに入球可能である。一方、右側領域PA2を流下する遊技球は、主として、センター飾りP21の右方に配置された作動ゲートP53、第2始動口P52、大入賞口P54のいずれかに入球可能である。一方、遊技領域PAの下端には各入賞口に入球せずに流下した遊技球を遊技盤P20の裏側へ排出するアウト口P29が設けられている。なお、各種の入賞口を備えた遊技領域PAのうち、遊技球を左側領域PA1に流下させるように遊技球を発射する打ち方を「左打ち」と呼称し、遊技球を右側領域PA2に流下させるように遊技球を発射する打ち方を「右打ち」と呼称する。
また、遊技盤P20には、遊技の展開状況に応じて演出動作を実行する複数の可動役物P651,652が取り付けられている。なお、図133では、各可動役物P651,P652が初期位置に復帰した状態(初期位置に位置している状態)を示している。
第1可動役物P651は、センター飾りP21の左右両端に跨って上下方向にスライド自在に取り付けられている。また、センター飾りP21には、この第1可動役物P651を駆動させるための駆動機構(ステッピングモータや歯車機構等から構成される)が取り付けられている。第1可動役物P651は、例えば遊技機PMのタイトル名などの文字、模様、図柄等を図案化したロゴ形状の装飾部を有するロゴ役物であり、内部に配置された第1役物ランプ(LED基板)P651aにより発光表示可能に構成されている。第1役物ランプP651aは、複数の発光体を有している。この発光体としては、R(赤)、G(緑)、B(青)に発光可能な発光素子を有するフルカラーLEDが好適に用いられる。この第1可動役物P651は、センター飾りP21の上端側に位置する初期位置(他の初期位置と区別するため「第1初期位置」とも呼称する)と、センター飾りP21の下端側に位置する可動位置(他の可動位置と区別するため「第2可動位置」とも呼称する)との間で、上下方向にスライド移動(往復移動)可能に構成されている。
第2可動役物P652は、センター飾りP21の右下部を支点に左右方向に揺動自在に取り付けられている。また、センター飾りP21には、この第2可役物P652を駆動させるための駆動機構(ステッピングモータや歯車機構等から構成される)が取り付けられている。第2可動役物P652は、拳銃(ピストル)を模した形状に形成され、内部に配置された第2役物ランプ(LED基板)P652aにより発光表示可能に構成されている。第2役物ランプ652aは、複数の発光体を有している。この発光体としては、R(赤)、G(緑)、B(青)に発光可能な発光素子を有するフルカラーLEDが好適に用いられる。第2可動役物P652は、上記支点を中心に右方に揺動してセンター飾り80の後方に退避する初期位置(他の初期位置と区別するため「第2初期位置」とも呼称する)と、上記支点を中心に左方に揺動して演出表示装置P70の画面前方に現れる可動位置(他の可動位置と区別するため「第2可動位置」とも呼称する)との間で揺動可能に構成されている。
また、遊技盤P20の略中央には、演出画像を表示する演出表示装置(液晶表示装置)70が取り付けられている。演出表示装置P70は、前面側に画像表示部(表示領域)が設けられた液晶表示装置であり、センター飾りP21の開口部を通して遊技機PMの正面側から当
該画像表示部(表示領域)を視認可能となっている。
演出表示装置P70の表示領域には、装飾図柄表示領域P700、保留画像表示領域P710、変動中画像表示領域P720、小図柄表示領域P730、保留数表示領域P740などが設けられている。
装飾図柄表示領域P700は、前述したように、装飾図柄を変動表示および停止表示(確定停止表示、仮停止表示)するための表示領域である。装飾図柄表示領域P700には、装飾図柄の変動表示領域となる三列の表示領域(左図柄表示領域Z1、中図柄表示領域Z2、右図柄表示領域Z3)が設けられており、左図柄表示領域Z1に対応して装飾図柄の左図柄、中図柄表示領域Z2に対応して装飾図柄の中図柄、右図柄表示領域Z3に対応して装飾図柄の右図柄がそれぞれ停止表示されるようになっている。本実施形態の装飾図柄は、例えば、数字からなる識別要素を有した図柄(数字図柄)により構成されている。この装飾図柄の識別要素としては、例えば、「1」~「9」の数字の全9種類が設定されている(すなわち、全9種類の装飾図柄が存在する)。各装飾図柄は図柄列の配列に従って「1」~「9」の順に配置されており、演出表示装置P70上では「1」~「9」の順序(又は「9」~「1」の順序)で各表示領域Z1,Z2,Z3にて巡回表示又はスクロール表示され、「9」のあとは再び「1」に戻る(又は「1」のあとは再び「9」に戻る)ようになっている。
本実施形態では、大当りを示す装飾図柄の組合せ(「大当り図柄組合せ」又は「大当り目」とも呼称する)は、同一の数字(識別要素)の装飾図柄が3つ揃った停止態様の組合せ「*・*・*」から構成される(*:任意の数字の装飾図柄)。すなわち、この大当り図柄組合せ(大当り目)は、「1・1・1」、「2・2・2」、「3・3・3」、「4・4・4」、「5・5・5」、「6・6・6」、「7・7・7」、「8・8・8」、「9・9・9」、といった同一の数字(識別要素)の装飾図柄が全て揃った停止態様の組合せである。
はずれを示す装飾図柄の組合せ(「はずれ図柄組合せ」または「はずれ目」とも呼称する)は、3つの装飾図柄のうちの少なくとも1つが他の数字と異なる数字の装飾図柄となる停止態様の組合せ(例えば「1・3・8」、「5・6・7」)である。ここで、はずれ図柄組合せのうち、装飾図柄の左図柄と右図柄とが一致している状態で中図柄のみが相違する(例えば前後に数コマずれた)停止態様の組合せ(例えば「2・4・2」、「7・8・7」)を「リーチはずれ組合せ」または「リーチはずれ目」とも呼称する。
なお、装飾図柄の変動表示中において、3つの装飾図柄のうち、左図柄および右図柄が一致している状態で仮停止表示され、残りの中図柄がスクロール表示されているときの装飾図柄の組合せ(つまりリーチが成立しているときの装飾図柄の組合せ)を「リーチ目」とも呼称する。
保留画像表示領域P710は、特別図柄の作動保留球に対応する保留画像(保留アイコン)を表示するための表示領域である。この保留画像表示領域P710には、第1特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態(通常遊技状態)である場合は、第1特別図柄の作動保留球に対応する保留画像(保留アイコン)が表示され、第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態(時短遊技状態、確変遊技状態)である場合は、第2特別図柄の作動保留球に対応する保留画像(保留アイコン)が表示される。この保留画像表示領域P710には、第1特別図柄の保留画像又は第2特別図柄の保留画像として最大で4個(各特別図柄の作動保留球の最大記憶数に対応する4個)の表示が可能である。そして、第1特別図柄の保留画像は、第1特別図柄の作動保留球の発生順(入球順)に従って順番に表示され、第2特別図柄の保留画像は、第2特別図柄の作動保留球の発生順(入球順)に従って順番に表示される。なお、保留画像の詳細については後述する。
変動中画像表示領域P720は、現在実行中の変動表示に対応する変動中画像(変動中アイコン)を表示するための表示領域である。この変動中画像表示領域P720には、第1特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態(通常遊技状態)である場合は、第1特別図柄の変動表示に対応する変動中画像(変動中アイコン)が表示され、第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態(時短遊技状態、確変遊技状態)である場合は、第2特別図柄の変動表示に対応する変動中画像(変動中アイコン)が表示される。なお、変動中画像の詳細については後述する。また、保留画像および変動中画像については、変動予定または変動中であることを示唆する表示内容であるため、双方を含め「変動示唆表示」と総称してもよく、保留画像については「変動開始条件充足前の変動示唆表示」と称してもよく、変動中画像については「変動開始条件充足後の変動示唆表示」と称してもよい。
小図柄表示領域P730は、小図柄(「簡易図柄」とも呼称する)を変動表示および停止表示(確定停止表示)するための表示領域である。小図柄とは、特別図柄、普通図柄、装飾図柄に続く、第4の図柄である。すなわち、本実施形態では、特別図柄の変動表示を演出的に示す演出図柄の変動表示として、装飾図柄の変動表示とは別に、小図柄の変動表示が画面上に小さく表示される。この小図柄は、装飾図柄の左図柄、中図柄および右図柄とそれぞれ対応する3つの図柄から構成されており、装飾図柄と同様に、例えば「1」~「9」の全9種類の数字の識別要素により構成されている。なお、装飾図柄を「メイン装飾図柄」又は「第1装飾図柄」と呼称し、小図柄を「サブ装飾図柄」又は「第2装飾図柄」と呼称してもよい。
この小図柄表示領域P730は、装飾図柄表示領域P700よりも相対的に小さな表示領域に形成されている。この小図柄表示領域P730には、詳細図示を省略しているが、小図柄の変動表示領域となる三列の表示領域(左小図柄表示領域、中小図柄表示領域、右小図柄表示領域)が設けられており、左小図柄表示領域に対応して小図柄の左図柄(「左小図柄」と呼称する)、中小図柄表示領域に対応して小図柄の中図柄(「中小図柄」と呼称する)、右小図柄表示領域に対応して小図柄の右図柄がそれぞれ停止表示されるようになっている。この小図柄を構成する3つの図柄のうち、左小図柄は装飾図柄の左図柄に対応し、中小図柄は装飾図柄の中図柄に対応し、右小図柄は装飾図柄の中図柄に対応する。そして、小図柄の変動表示は、特別図柄の変動表示および装飾図柄の変動表示と同期して行われ、小図柄の停止表示は、特別図柄の停止表示および装飾図柄の停止表示と同期して行われる。
なお、本実施形態では、装飾図柄は確定停止表示および仮停止表示を行うのに対して、小図柄は確定停止表示を行うが仮停止表示は行わない。すなわち、装飾図柄(左図柄、図柄および右図柄の少なくとも1つ)が仮停止表示を行ったとしても、小図柄は仮停止表示を行うことなく変動表示を継続する。
また、小図柄の変動表示は、装飾図柄の変動表示と同じように、「1」~「9」の数字をスクロール表示(例えば縦スクロールまたは横スクロール)する表示態様でもよいが、装飾図柄の変動表示とは異なり、予め定められた特定の数字の組み合わせを所定時間ごとに切り替えて表示する表示態様が好適である。その一例としては、小図柄を構成する3つの図柄の組合せ(特定の数字の組合せ)として「1・3・5」、「4・6・8」」、「7・9・2」などを採用し、「1・3・5」→「4・6・8」→「7・9・2」→「1・3・5」→「4・6・8」→「7・9・2」→・・・といったように、特定の数字を繰り返し表示する構成を適用することが可能である。このような構成によれば、小図柄の変動表示に関する制御を簡略化することができる。
なお、小図柄は、主として特別図柄の変動表示中であること、および確定停止表示中であることを遊技者が認識できればよく、必ずしも装飾図柄と同様に3つの図柄の組合せで変動表示および確定停止表示する必要はなく、2つの図柄の組合せや、1つの図柄のみで変動表示および確定停止表示するものでもよい(その他の簡略化された記号や色などの識別要素であってもよい)。
なお、スーパーリーチ演出の実行中は、少なくとも一部の期間において装飾図柄を小さく表示する(代替図柄を表示する)よう構成してもよいし、装飾図柄を非表示としてもよい(代替図柄も表示しないよう構成してもよい)が、そのような状況において、小図柄は常に変動表示している。この小図柄は、特別図柄が変動している最中は変動表示を行い、特別図柄が停止している最中は停止表示を行うものであり、装飾図柄と同じく、3つの図柄が変動表示および停止表示するものである。この小図柄を設けることで、装飾図柄を小さくしたい又は非表示としたいような状況(例えば、スーパーリーチ演出を実行する場合、第1可動役物P651や第2可動役物P652による演出を行って演出表示装置P70の中央が隠れる場合など)であっても、変動中であること(換言すれば、当否結果が確定していないこと)を報知することができる。つまり、この小図柄は、表示担保用の(装飾図柄の表示状態を補償するための)図柄であると言える。
なお、前述したとおり、この小図柄が変動表示する場合、特別図柄の変動開始から停止表示を行うまで、常に変動表示を継続することが好適である、つまり、装飾図柄が途中で仮停止を行う場合(例えば擬似連演出を実行するに際し、「NEXT」などの文字を表示する特殊な装飾図柄を仮停止する場合)であっても小図柄は途中で仮停止を行うことがないように構成することが好適であり(そのため、小図柄については、「NEXT」などの文字を表示する特殊な図柄を設けておらず、小図柄は確定停止しか行わない)、更に、はずれ変動である場合は大当りであるとの誤認を防ぐよう、大当り変動である場合は事前に大当りであることを察知されないよう、はずれ変動であっても大当り変動であっても、遊技者に対してはずれを示す図柄組み合わせを維持した状態で変動表示する(例えば、前述したとおり、小図柄の種類が「1」~「9」である場合、「1・3・5」→「4・6・8」→「7・9・2」→「1・3・5」→「4・6・8」→「7・9・2」→・・・のように変動表示する)ことが好適である。更に、装飾図柄および小図柄が確定停止している状況から変動開始する場合、その起点となる図柄組合せ(変動開始直前の図柄組合せから切り替えられる図柄組合せであり、変動開始直前の各図柄列の図柄が変動開始直後に最初に切り替わる図柄の組合せ)は、確定停止時の図柄組合せから1つ進行した図柄組合せであるが、小図柄が確定停止している状況から変動開始する場合、その起点となる図柄組合せは、確定停止時の組合せにかかわらず、あらかじめ決まった図柄組合せとなる。例えば、装飾図柄および小図柄に係る数字組合せのいずれも「2・4・3」で確定停止している状況にて、装飾図柄および小図柄が変動開始する場合、装飾図柄の起点となる図柄組合せは「3・5・4」となるが、小図柄の起点となる図柄組合せは「1・3・5」固定であり、装飾図柄および小図柄に係る数字組合せのいずれも「3・3・3」で確定停止している状況にて、装飾図柄および小図柄が変動開始する場合、装飾図柄の起点となる図柄組合せは「4・4・4」となるが、小図柄の起点となる図柄組合せは「1・3・5」固定である。
また、遊技者が認識しやすい装飾図柄表示領域P700のほうが、表示担保用の(装飾図柄の表示状態を補償するための)小図柄表示領域P730よりも大きい。これは、装飾図柄および小図柄が確定停止している状況、装飾図柄はリーチ状態を形成した直後(スーパーリーチ演出へ発展していない状態でのリーチ状態)であり小図柄は変動表示中である状況に限らず、スーパーリーチ演出中などで装飾図柄が小図柄となっている状況であり小図柄は変動表示中である状況であっても、このように構成することが好適である。
装飾図柄の表示位置は第1演出モード(例えば、通常演出モード、もしくは通常演出モードにおけるステージA)であるか第2演出モードで(例えば、確変演出モード、もしくは通常演出モードにおけるステージB)あるかに応じて異なる表示位置にすることで、演出モードに応じて装飾図柄での演出の多様性を実現できる。一方で、小図柄は装飾図柄の表示状態を補償する役割さえ果たせればよいので、第1演出モードであるか第2演出モードであるかにかかわらず、同一の表示位置として余計な開発設計を行わずに済ませることが好適である。なお、演出モードの詳細については後述する。
装飾図柄の表示態様は第1演出モード(例えば、通常演出モード、もしくは通常演出モードにおけるステージA)であるか第2演出モード(例えば、確変演出モード、もしくは通常演出モードにおけるステージB)であるかに応じて異なる表示態様にすることで、演出モードに応じて装飾図柄での演出の多様性を実現できる。例えば、第1演出モードでは数字の装飾図柄のみで装飾図柄が構成され(「1」、「2」、・・・、「7」といった装飾図柄)、第2演出モードでは数字の装飾図柄と味方キャラクタの装飾図柄とを組み合わせて装飾図柄が構成される(「1」+「キャラクタa」、「2」+「キャラクタb」、・・・、「7」+「キャラクタg」といった装飾図柄)。一方で、小図柄は装飾図柄の表示状態を補償する役割さえ果たせれば良いので、第1演出モードであるか第2演出モードであるかにかかわらず、同一の表示態様のみ、例えば数字の装飾図柄のみで小図柄を構成し余計な開発設計を行わずに済ませることが好適である。
装飾図柄表示領域P700は変動状況(例えば、ノーマルリーチ中であるか否か、スーパーリーチ演出中であるか否か、など)に応じて可変する(移動する、小図柄とする)ことで、装飾図柄の演出に多様性を持たせることができる。一方で、小図柄は装飾図柄の表示状態を補償する役割さえ果たせれば良いので、小図柄表示領域P730は可変しない(移動しない、小図柄としない)ようにして余計な開発設計を行わずに済ませることが好適である。
装飾図柄は変動状況(例えば、変動開始時点なのか、変動途中なのか、変動終了間際なのか、など)に応じて変動速度が低速、中速、高速、超高速などに可変とすることで、装飾図柄の演出に多様性を持たせることができる。一方で、小図柄は装飾図柄の表示状態を補償する役割さえ果たせればよいので、小図柄の変動速度は可変としない、もしくは可変とする段階を少なくする(例えば、低速と高速のみにする)ことで余計な開発設計を行わずに済ませることが好適である。また、変動方向についても、装飾図柄は、上から下への変動のみならず下から上への変動を可能とする(複数方向の変動を可能とする)一方で、小図柄は、上から下への変動のみとすることが好適である。
装飾図柄は確定停止(特別図柄が停止するタイミングでの停止)するよりも前に仮停止(特別図柄の変動途中における仮停止であり、微小な揺れ変動を伴いながらの暫定的な停止)を行い、その際に数字以外の装飾図柄である特定図柄(例えば、スーパーリーチ演出への発展を予告する「スーパー」という文字が書かれた装飾図柄)を仮停止させることで、装飾図柄の演出とその他演出とに関連性を持たせることができる。一方で、小図柄は装飾図柄の表示状態を補償する役割さえ果たせればよいので、小図柄は仮停止もしなければ、特定図柄を仮停止させることもしないようにして余計な開発設計を行わずに済ませることが好適である。
装飾図柄はその他の予告演出(例えば、コメント予告演出、ステップアップ予告演出など)の表示領域と重複する、つまり重畳表示がなされる。演出表示装置P70上の領域をできる限り用いて迫力ある演出を行うため、このような重畳表示を許容しているが、小図柄については、装飾図柄の表示状態を補償する役割を果たすため、小図柄表示領域P730は当該その他予告演出の表示領域とは重複しない(重畳表示しない)よう設計することが望ましい。但し、どうしても重複してしまう特殊な予告演出(例えば、演出表示装置P70全体に表示される群予告演出、背景予告演出など)との関係性については、小図柄の表示優先度を、当該特殊な予告演出の表示優先度よりも高く設定する(小図柄のほうが当該特殊な予告演出よりも前面に表示されるよう設定する)ことが好適である。また、右打ち報知画像(特別遊技中に表示される画像とは異なり、高ベース状態中に表示される高ベース状態専用の右打ち報知画像、但し、特別遊技中の画像と共通する画像でもよい)についても、遊技者に対して必ず視認できるようにすることが望ましいため、小図柄表示領域P730と右打ち報知画像の表示領域とは重複しない(重畳表示しない)よう設計することが望ましい。但し、装飾図柄表示領域P700が移動したり拡大されたりした場合など、装飾図柄表示領域P700と右打ち報知画像の表示領域とは重複する(重畳表示する)ようにしても良く、その場合は、装飾図柄の表示優先度を、右打ち報知画像の表示優先度よりも低く設定する(装飾図柄のほうが右打ち報知画像よりも後面に表示されるよう設定する)ことが好適である。
特別遊技中においては、装飾図柄は組み合わせ表示ではなく、1つのみの表示としてよい。例えば、「7・7・7」が確定停止したうえで特別遊技が実行された場合は、特別遊技中には「7」が表示され、「2・2・2」が確定停止したうえで特別遊技が実行された場合は、特別遊技中には「2」が表示される。これにより、どの装飾図柄で大当りしたかを特別遊技中に認識することができる。変形例として、有利度が高い大当りに対応した装飾図柄(例えば、7R以上の大当りまたは10Rの大当りであることを示す「3・3・3」、「5・5・5」、「7・7・7」など)のみ、特別遊技中に表示してもよい。このように特別遊技中に表示される1つの装飾図柄を表示する表示領域は、特別遊技中の他の表示領域であるラウンド表示領域、右打ち表示領域、賞球獲得表示領域、累積賞球数表示領域とは重複しない、つまり重畳表示しないよう構成することが望ましい(但し、強調表示とは重畳表示してもよく、その場合、強調表示の方が表示優先度は高い)。また、小図柄については、特別遊技中には非表示とすることが好適であるが(特別遊技中は変動表示が行われないため)、特別遊技中に表示してもよく、そのように構成する場合、特別遊技中の他の表示領域であるラウンド表示領域、右打ち表示領域、賞球獲得表示領域、累積賞球数表示領域とは重複しない、つまり重畳表示しないよう構成することが望ましく、強調表示とも重畳表示しないことが望ましい。
装飾図柄においては、変動(例えば、上から下へのスクロール動作)を行う以外にも、変動開始時、仮停止直後、リーチ成立後、仮停止中などにおいては、所定の動作を伴った表示を行ってもよい(それぞれの状況における動作を、変動開始時動作、仮停止時動作、リーチ成立時動作、揺れ動作と称してもよい)。例えば、非リーチとなる場合(確定停止時において、装飾図柄および小図柄が「624」と表示される場合)、変動開始時は、装飾図柄における左図柄、中図柄、右図柄の全てが拡大するような動作を行ったうえで変動を開始し、その後、左図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「6」が仮停止してから揺れ動作を継続し、その後、右図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「4」が仮停止してから揺れ動作を継続し、その後、中図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「2」が仮停止し揺れ動作を少しだけ行い、その後、確定停止タイミングにて、左図柄、中図柄、右図柄の全ての動作を終了させる。この場合においては、小図柄は、各動作を一切行わない。
また、ノーマルリーチとなる場合(確定停止時において、装飾図柄および小図柄が「212」と表示される場合)、変動開始時は、装飾図柄における左図柄、中図柄、右図柄の全てが拡大するような動作を行ったうえで変動を開始し、その後、左図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「2」が仮停止してから揺れ動作を継続し、その後、右図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「2」が仮停止してから揺れ動作を継続し、その後、リーチであることを報知するために左図柄と右図柄が回転動作を行ったうえで再度揺れ動作を継続し、その後、中図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「1」が仮停止し揺れ動作を少しだけ行い、その後、確定停止タイミングにて、左図柄、中図柄、右図柄の全ての動作を終了させる(中図柄は回転動作を行わない)。この場合においては、小図柄は、各動作を一切行わない。
また、スーパーリーチ演出に発展する場合(確定停止時において、装飾図柄および小図柄が「232」と表示される場合)、変動開始時は、装飾図柄における左図柄、中図柄、右図柄の全てが拡大するような動作を行ったうえで変動を開始し、その後、左図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「2」が仮停止してから揺れ動作を継続し、その後、右図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「2」が仮停止してから揺れ動作を継続し、その後、リーチであることを報知するために左図柄と右図柄が回転動作を行ったうえで再度揺れ動作を継続し、その後、左図柄と右図柄とが揺れ動作を行っている最中に中図柄が変動し(この際、中図柄が拡大した状態で上から下へ変動しており、それまでは重複していなかったまたは重複割合が少なかった左右の図柄に対して、重複しているまたは重複割合が高くなっている)、その後、スーパーリーチ演出を実行するために通常背景からリーチ背景へと移行し、はずれの結果であることがスーパーリーチ演出にて報知されるとリーチ背景から通常背景へと移行し、移行後、左図柄、中図柄、右図柄が所定時間揺れ動作を継続し、その後、確定停止タイミングにて、左図柄、中図柄、右図柄の全ての動作を終了させる(中図柄は跳ねる動作も回転動作も行わない)。この場合においては、小図柄は、各動作を一切行わない。このように構成することで、装飾図柄の演出に多様性を持たせることができる一方で、小図柄は装飾図柄の表示状態を補償する役割さえ果たせれば良いので、小図柄については、特に動作を行わないよう構成し、余計な開発設計を行わずに済ませることが好適である。
また、変動停止してから待機デモ演出が表示されるまでの間であっても、変動停止してから所定時間経過後(例えば、10秒後)には装飾図柄が揺れ動作を行ってもよいが、この状況においても、小図柄は一切動作を行わないことが好適である。このように構成することで、遊技待機中(図柄停止中)であっても、遊技意欲をかきたてることができるとともに、小図柄は揺れ動作を行わないことで、遊技待機中であることの報知を担保できる。なお、「遊技待機中」とは、第1特別図柄の作動保留球も第2特別図柄の作動保留球も存在しない変動待機状態(非変動状態)である。その他、待機デモ演出が表示された場合、装飾図柄は非表示となるが、小図柄は表示が継続されることが好適である。こうすることで、待機デモ演出画面の表示を強調しつつも、どのような図柄が停止しているかの表示を担保することができる。但し、待機デモ演出中であれば、遊技が行われていないため、小図柄についても非表示としてもよい。また、装飾図柄の中でも特定の図柄(例えば、中図柄の「7」)については、その他図柄と比べて、所定の動作を行わないまたは行う確率が低くなるよう構成してもよい。この所定の動作は、例えば前述した仮停止時動作(跳ねるような動作)であってよい(特に、リーチ成立後の中図柄の「7」について)。このように構成することで、特定の図柄における動作の希少性を高めることができる。なお、数字の装飾図柄と味方キャラクタの装飾図柄とを組み合わせて装飾図柄が構成される(「1」+「キャラクタa」、「2」+「キャラクタb」、・・・、「7」+「キャラクタg」といった装飾図柄)場合、装
飾図柄の揺れ動作については、数字の装飾図柄も、味方キャラクタの装飾図柄も、いずれも揺れ動作を行うが、その揺れ幅(揺動距離であり、例えば、上下に揺れるのであれば、揺れ動作中の装飾図柄が最も上に表示されている状態と最も下に表示されている状態との距離幅)を異ならせることで、躍動感のある揺れ動作を実現しても良く、そのように構成した場合、数字の装飾図柄の揺れ幅を、味方キャラクタの装飾図柄の揺れ幅よりも小さくする、もしくは、数字の装飾図柄は揺れ動作を行わず、味方キャラクタの装飾図柄のみ揺れ動作を行うよう構成しても良い。
保留数表示領域P740は、特別図柄の作動保留球の個数を表示するための表示領域である。この保留数表示領域P740は、第1特別図柄の作動保留球の個数を表示する第1保留数表示領域P741と、第2特別図柄の作動保留球の個数を表示する第2保留数表示領域P742とを含む。
また、遊技盤P20には、主制御基板P100側で制御される主制御表示装置P27と、演出制御基板P200側で制御される副制御表示装置P28とが設けられている。なお、主制御表示装置P27については第4実施形態で詳述しているため、ここでは説明を省略する。
図134は、副制御表示装置P28を示す模式図である。副制御表示装置P28は、演出制御基板P200にて点灯制御されるLED表示装置であり、遊技盤P20の前面側の所定位置に配設されている。この副制御表示装置P28は、前述の主制御表示装置P27が表示する各種の情報のうちの一部の情報を補助的に表示するものである。
副制御表示装置P28には、図134に示すように、第1変動状態補助表示部P801、第2変動状態補助表示部P802、第1保留数補助表示部P803、第2保留数補助表示部P804などの各種表示手段が設けられている。
第1変動状態補助表示部P801は、1個のLEDランプ(LEDセグメント)から構成されている。この第1変動状態補助表示部P801では、第1特別図柄の変動表示は当該LEDランプの点滅パターンに従って表示され、当該LEDランプの点滅が停止して点灯表示または消灯表示に切り替わることで第1特別図柄が確定表示される。具体的には、第1特別図柄が変動表示しているときは点滅表示を繰り返し、第1特別図柄が大当りを示す態様で停止表示されているときは点灯表示され、第1特別図柄がはずれを示す態様で停止表示されているときは消灯表示される。
第2変動状態補助表示部P802は、1個のLEDランプ(LEDセグメント)から構成されている。この第2変動状態補助表示部P802では、第2特別図柄の変動表示は当該LEDランプの点滅パターンに従って表示され、当該LEDランプの点滅が停止して点灯表示または消灯表示に切り替わることで第2特別図柄が確定表示される。具体的には、第2特別図柄が変動表示しているときは点滅表示を繰り返し、第2特別図柄が大当りを示す態様で停止表示されているときは点灯表示され、第2特別図柄がはずれを示す態様で停止表示されているときは消灯表示される。
第1保留数補助表示部P803は、2個のLEDランプ(LEDセグメント)から構成されている。この第1保留数補助表示部では、当該2個のLEDランプの点灯表示・点滅表示・消灯表示によって第1特別図柄の作動保留球数(最大4個)を表示する。具体的には、第1保留数補助表示部P803の2個のLEDランプが消灯表示されている場合は第1特別図柄の作動保留球数が「0個」であることを示し、2個のLEDランプのうち一方のLEDランプが点滅表示され他方のLEDランプが消灯表示されている場合は第1特別図柄の作動保留球数が「1個」であることを示し、2個のLEDランプが点滅表示されている場合は第1特別図柄の作動保留球数が「2個」であることを示し、2個のLEDランプのうち一方のLEDランプが点灯表示され他方のLEDランプが点滅表示されている場合は第1特別図柄の作動保留球数が「3個」であることを示し、2個のLEDランプが点灯表示されている場合は第1特別図柄の作動保留球数が「4個」であることを示す。
第2保留数補助表示部P804は、2個のLEDランプ(LEDセグメント)から構成されている。この第2保留数補助表示部P804では、当該2個のLEDランプの点灯表示・点滅表示・消灯表示によって第2特別図柄の作動保留球数(最大4個)を表示する。具体的には、第2保留数補助表示部P804の2個のLEDランプが消灯表示されている場合は第2特別図柄の作動保留球数が「0個」であることを示し、2個のLEDランプのうち一方のLEDランプが点滅表示され他方のLEDランプが消灯表示されている場合は第2特別図柄の作動保留球数が「1個」であることを示し、2個のLEDランプが点滅表示されている場合は第2特別図柄の作動保留球数が「2個」であることを示し、2個のLEDランプのうち一方のLEDランプが点灯表示され他方のLEDランプが点滅表示されている場合は第2特別図柄の作動保留球数が「3個」であることを示し、2個のLEDランプが点灯表示されている場合は第2特別図柄の作動保留球数が「4個」であることを示す。
また、本実施形態の遊技機は、上記実施形態の遊技機と同様に、遊技者が操作可能な入力装置として、演出ボタンP15と、十字キーP16とが設けられている。ここで、図135は、演出ボタンP15と十字キーP16を示す斜視図である。なお、演出ボタンP15は「操作手段」とも呼称する。
演出ボタンP15には、発光可能な演出ボタンランプ(LED基板)15aが内蔵されている。この演出ボタンランプ15aは、演出ボタンP15を発光するための発光体として、表面実装型の複数のLEDが備えられている。この発光体(LED)としては、R(赤)、G(緑)、B(青)に発光可能な発光素子を有するフルカラーLEDが好適に用いられる。また、演出ボタンP15には、当該演出ボタンP15が操作されたことを検出する演出ボタン検出センサ(図示せず)が備えられている。この操作検出センサの検出信号は、演出制御基板P200に入力される。また、演出ボタンP15には、振動を発生可能な振動モータ(図示せず)が内蔵されている。この振動モータは、演出制御基板P200の制御のもと、演出ボタンP15に振動を付与可能(伝達可能)に構成されている。
十字キーP16は、上下左右の4つのキーP16a~16dが十字形に配列されて構成されている。この十字キーP16には、当該十字キーP16が操作されたこと(いずれの方向のキーP16a~16dが操作されたか)を検出する十字キー検出センサ(図示せず)が備えられている。この十字キーセンサの検出信号は、演出制御基板P200に入力される。この4つのキーP16a~16dはそれぞれ独立したキーであり、それぞれに対して検出センサが設けられている。
[各種の演出] 第6実施形態の遊技機では、前述したように、遊技の進行状況等に応じて、各種の遊技演出が演出制御基板P200および画像制御基板P300により制御されて実行されるように構成されている。第6実施形態では、第2実施形態と同様に、複数種の演出モードとして、遊技状態が通常遊技状態であるときは「通常演出モード」が設定され、遊技状態が時短遊技状態であるときは「時短演出モード」が設定され、遊技状態が確変遊技状態であるときは「確変演出モード」が設定されており、主制御基板P100側において管理される遊技状態(又は変動パターン選択状態)や特別図柄の変動表示回数などに応じて、複数種の演出モードのうちのいずれかが択一的に設定され、該設定された演出モードに応じた変動演出が実行される。いずれかの演出モードが設定されると、当該演出モードに滞在中であることを示唆する演出(変動演出)として、画面上において当該演出モード専用の背景画像(装飾図柄の背面表示となる背景画像)が表示され、また、当該演出モード専用のBGMがスピーカP11から出力される。このように背景画像およびBGMは演出モード毎に互いに異なるよう設定されているため、背景画像又はBGMの種類から、現在滞在中の演出モードがいずれであるかを遊技者が認識し得るようになっている。
より具体的には、「通常演出モード」については「ステージA」、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」の4つのステージを備え、20変動以上の経過又はSPリーチがはずれることを契機に、「ステージA」から「ステージB」へ移行、「ステージB」から「ステージC」へ移行、「ステージC」から「ステージA」へ移行し、先読み予告演出判定にて「先読みステージ」の実行(移行)に当選した場合は、現在滞在しているステージから「先読みステージ」へ移行する(「先読みステージ」に移行した時点でSPリーチの実行が確定し、大当りする場合は「先読みステージ」にてゾロ目が表示され、はずれる場合は「先読みステージ」にてゾロ目以外が表示され、次の変動で「先読みステージ」移行前のステージに復帰する)。「ステージA」、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」のそれぞれについてBGM(ステージBGM)が異なる(「時短演出モード」のステージBGMとも、「確変演出モード」のステージBGMとも異なる)が、「ステージA」においては、非リーチはずれの変動停止(確定停止)を契機にステージBGMが途切れ(終了し)、次変動開始を契機にステージBGMが最初から開始され、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」においては、非リーチはずれの変動停止(確定停止)となってもステージBGMが途切れることはなく(終了することはなく)、次変動に継続してステージBGMが出力される(「時短演出モード」および「確変演出モード」についても、同様に継続出力する構成である)。
ここで、「ステージA」、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」のいずれにおいても、擬似連演出を実行可能であるが、いずれのステージにおいても、擬似連演出における仮停止時(中図柄として所定の擬似連図柄(例えば「NEXT」という文字の図柄)が所定の仮停止位置の近傍に変動表示されたうえで仮停止表示される際)には、ステージBGMが出力されず(途切れ)、再変動表示を契機にステージBGMが最初から開始される、もしくは、再変動表示前とは異なる特定のBGMへと切り替わる。その後、「ステージA」、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」においてSPリーチへ発展する場合、各ステージ(滞在していたステージ)の背景画像からSPリーチ演出の背景画像へと切り替わり(それとともにSPリーチ専用のBGMへと切り替わり)、SPリーチ実行中はステージBGMが出力されず、SPリーチにてはずれを示す演出が表示されることで、SPリーチが実行された変動表示内で再度各ステージの背景画像(SPリーチ発展前に表示していたステージの背景画像)へと切り替わるが、その状況においては、次の変動表示が開始するまで、ステージの背景画像が表示されていても、ステージBGMは出力されず、SPリーチ専用のBGMも出力されない(無音である、もしくは、ステージBGMともSPリーチ専用BGMとも異なる特定のBGMが出力される)。よって、非リーチはずれの変動停止(確定停止)となってもステージBGMが途切れることはなく(終了することはなく)、次変動に継続してステージBGMが出力される「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」であっても(そうではない「ステージA」であっても)、SPリーチを経由してはずれとなった場合は、変動停止(確定停止)よりも前にステージBGMが途切れることなり、次変動開始を契機にステージBGMが最初から開始される。
なお、「時短演出モード」および「確変演出モード」においては擬似連演出が実行されない。ここで、擬似連演出が実行されることを示唆する特殊演出(例えば、継続台詞予告であり、以降の擬似連演出の実行が確定する「継続するよ!
」、以降の擬似連演出の実行が確定しない「継続するかも?」などの演出)が実行されることで、以降に擬似連演出(再変動表示)が行われることが示唆されるが、この特殊演出は、「ステージA」および「ステージC」でのみ表示され、「ステージB」および「先読みステージ」では表示されない。つまり、事前に擬似連演出が実行される可能性を察知できるステージと察知できないステージの両方を用意し、そのステージ間でステージ遷移を繰り返すことで、遊技者に対して飽きさせないような演出を実現している。なお、「ステージA」では、キャラクタAをモチーフとした特殊演出を実行するが、「ステージB」では、キャラクタBをモチーフとした特殊演出を実行する。また、特殊演出とは異なる演出であり、発生するだけで以降に擬似連演出が実行されることが確定する擬似連確定演出(例えば、キャラクタCが出現すると必ず「継続確定!」との台詞が表示される演出)も設けられ、更に、特殊演出とも擬似連確定演出とも異なる演出であり、発生するだけで以降に擬似連演出が実行されずSPリーチに発展することが確定する発展確定演出(例えば、キャラクタDが出現すると必ず「発展確定!」との台詞が表示される演出)も設けられる。この擬似確定演出および発展確定演出は、「ステージA」、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」のいずれにおいても実行可能である。このように、擬似連演出が行われる場合および擬似連演出が行われない場合、特殊演出、擬似連確定演出、発展確定演出を1以上組み合わせて表示させることで、擬似連演出の実行期待度、SPリーチへの発展期待度を多様化させることができる。なお、1回の変動表示中において、特殊演出、擬似連確定演出、発展確定演出の全てが実行されてもよく、その場合、ある再変動表示中(例えば、後述の擬似2変動表示や擬似3変動表示)においては、特殊演出が実行されるパターン、擬似連確定演出が実行されるパターン、発展確定演出が実行されるパターンを備えてもよく、ここで、ある再変動表示中(例えば、後述の擬似2変動表示や擬似3変動表示)において特殊演出が実行されるパターンでは、当該ある再変動表示中において特殊演出が実行された後に当該ある再変動表示中に擬似連確定演出が更に実行されてもよい。
続いて、各種の遊技演出のうち、「ボタン操作演出(ボタン演出)」、「ボタンバイブ演出」、「左打ち報知演出」、「保留変化演出」、「保留変化示唆演出(アクション演出)」などの内容について説明する。
[ボタン操作演出] 本実施形態のボタン操作演出(以下「ボタン演出」と呼称する)について説明する。図136は、ボタン演出の流れを説明するための模式図である。ボタン演出は、遊技者による演出ボタンP15の操作に基づき大当り期待度を示唆又は報知する予告演出である。
ボタン演出は、図136に示すように、操作促進選出と、操作契機演出(「操作結果演出」とも呼称する)とを含む。また、ボタン演出は、「操作演出」とも呼称する。
操作促進演出は、演出ボタンP15の操作有効期間において実行される演出であり、遊技者に対して演出ボタンP15の操作を促す演出である。操作有効期間とは、演出ボタンP15が操作された場合に、この操作を有効に受け付ける期間(演出制御基板P200において演出ボタンP15の操作が有効に受け付けられる操作受付期間)である。この操作促進演出は、遊技者に対して操作有効期間であることを報知する演出であるとも言える。操作促進演出は、「操作手段促進演出」、「操作手段促進画像」とも呼称する。
操作促進演出の実行中(操作有効期間中)は、画面上に演出ボタンP15を模したボタン画像(「演出ボタン画像」、「操作手段画像」とも呼称する)と、操作有効期間の残余期間を視覚的に示すインジケータ画像(「メータ画像」、「操作有効期間示唆画像」とも呼称する)とが表示され、演出ボタンP15の操作が有効であること又は演出ボタンP15の操作を促すための報知が行われる。
また、操作促進演出の実行中(操作有効期間中)は、ボタン画像およびインジケータ画像の表示とともに、演出ボタンランプ15aが特定の報知態様(赤色の発光色で連続点灯する態様)で発光される。本実施形態では、非操作有効期間中(演出ボタンP15の初期化動作中を除く)は演出ボタンランプ15aが所定の報知態様(例えば白色の発光色で連続点灯する態様)で発光される一方で、操作有効期間中は演出ボタンランプ15aが特定の報知態様(例えば赤色の発光色で連続点灯する態様)で発光される。つまり、本実施形態では、演出ボタンP15の操作有効期間が開始されることを契機として、演出ボタンランプ15aの報知態様が所定の報知態様(白色の発光色で連続点灯する態様)から特定の報知態様(赤色の発光色で連続点灯する態様)に切り替えられる制御が行われる、また、演出ボタンP15の操作有効期間が終了、または、操作有効期間内で演出ボタンP15が操作されることを契機に、演出ボタンランプ15aの報知態様が特定の報知態様(赤色の発光色で連続点灯する態様)から所定の報知態様(白色の発光色で連続点灯する態様)に切り替えられる制御が行われたり、演出ボタンランプ15aの報知態様が所定の報知態様(赤色の発光色で連続点灯する態様)から特別の報知態様(虹色の発光色で連続点灯する態様)に切り替えられる制御が行われたりする。なお、詳細は後述するが、演出ボタンP15の初期化動作中は、演出ボタンランプ15aが特殊の報知態様(赤色の発光色で点滅点灯する態様)で発光される。
ここで、本実施形態では、「演出ボタンランプ15aの報知態様」には、演出ボタンランプ15aが点灯する報知態様と消灯する報知態様とを含み、さらに演出ボタンランプ15aが点灯する報知態様には、演出ボタンランプ15aが連続点灯(単に「点灯」とも呼称する」)する報知態様と点滅点灯(単に「点滅」とも呼称する)する報知態様とを含む意味で用いている。そして、必要に応じて、演出ボタンランプ15aが連続点灯(点灯)する報知態様と、演出ボタンランプ15aが点滅点灯(点滅)する報知態様と、演出ボタンランプ15aが消灯(非点灯)する報知態様とを区別して用いている。以下の説明では、「演出ボタンランプ15aの報知態様」を、「演出ボタンランプ15aの発光態様」、「演出ボタンランプ15aの点灯態様」「演出ボタンP15の報知態様」、「演出ボタンP15の発光態様」、「演出ボタンP15の点灯態様」などと適宜言い換える場合がある。
なお、本実施形態の変形例として、非操作有効期間中(演出ボタンP15の初期化動作中を除く)は、演出ボタンランプ15aが非点灯または消灯した報知態様となる一方で、操作有効期間中は、演出ボタンランプ15aが所定の報知態様(白色で連続点灯する報知態様)または特定の報知態様(赤色で連続点灯する報知態様)となるように構成してもよい。
操作契機演出は、演出ボタンP15の操作を契機として実行される演出である。この操作契機演出は、ボタン演出の種類に対応した演出態様(役物動作、画像表示、音声出力、ランプ発光、ボタンバイブなど)となる。なお、本実施形態において「演出ボタンP15の操作を契機として実行される」には、(1)操作有効期間内に演出ボタンP15が操作された場合に限り実行されるという意味と、(2)操作有効期間内に演出ボタンP15が操作された場合または操作有効期間内に演出ボタンP15が操作されず当該操作有効期間が終了した場合に実行されるという意味とを含む。そのため、操作契機演出の実行条件には、(a)操作有効期間内に演出ボタンP15が操作されたときにのみ成立する場合と、(b)操作有効期間内に演出ボタンP15が操作されたときだけでなく、操作有効期間内に演出ボタンP15が操作されずに当該操作有効期間が終了したときでも成立する場合とがある。すなわち、上記実行条件(a)では、操作促進演出の実行中(操作有効期間中)に演出ボタンP15が操作された場合には、当該演出ボタンP15の操作に伴って操作促進演出が終了した後に、操作契機演出が開始されることになるが、操作促進演出の実行中(操作有効期間中)に演出ボタンP15が操作されなかった場合には、操作促進演出が実行されないまま、操作有効期間の契機に伴ってボタン演出(操作促進演出)が終了する。一方、上記実行条件(b)では、操作促進演出の実行中(操作有効期間中)に演出ボタンP15が操作された場合には、当該演出ボタンP15の操作に伴って操作促進演出が終了した後に、操作契機演出が開始されることになり、操作促進演出の実行中(操作有効期間中)に演出ボタンP15が操作されなかった場合には、当該操作有効期間の経過に伴って操作促進演出が終了した後に、操作契機演出が開始されることになる。本実施形態では、上記実行条件(a)に基づくボタン演出が実行されるよりも、上記実行条件(b)に基づくボタン演出Bが実行される場合の方が、大当り期待度が高く設定されている。なお、後述の各ボタン演出A~Dにおける操作契機演出の実行条件(a,bのいずれに属するか)については、各ボタン演出A~Dの具体例のところで説明する。また、詳細は後述するが、本実施形態のボタンバイブ演出については、「演出ボタンP15の操作を契機として実行される」場合と、「演出ボタンP15の操作を契機とすることなく実行される」場合がある。この「演出ボタンP15の操作を契機とすることなく実行される」とは、演出ボタンP15の操作や操作有効期間とは関係なく、つまり、ボタン演出とは無関係に実行される(そもそもボタン画像が表示されず、演出ボタンP15の操作を必要とせず能動的に実行される)ことを意味する。ボタンバイブ演出については、「演出ボタン動作」、「演出ボタン動作演出」とも呼称する。
図137は、本実施形態のボタン演出の種類を示す模式図である。この図137に示すように、本実施形態のボタン演出には、ボタン演出Aと、ボタン演出Bと、ボタン演出Cと、ボタン演出Dとがある。
ボタン演出Aは、変動表示の開始時に実行されるボタン演出である。このボタン演出Aでは、操作有効期間内に演出ボタンP15が操作された場合、または、操作有効期間内に演出ボタンP15が操作されず当該操作有効期間が終了した場合に、操作契機演出の実行条件Aが成立する。この実行条件Aが成立した場合には、ボタン演出Aの操作契機演出として、第1可動役物P651が画面前方に落下する(可動位置へと移動する)役物演出が実行される。
ボタン演出Bは、変動表示の開始時または変動表示の実行中(リーチ成立前)に実行されるボタン演出である。このボタン演出Bでは、操作有効期間内に演出ボタンP15が操作された場合に、操作契機演出の実行条件Bが成立する。この実行条件Bが成立した場合には、ボタン演出Bの操作契機演出として、所定のキャラクタ画像が台詞を発する台詞予告演出(「コメント予告演出」とも呼称する)が実行される。
ボタン演出Cは、変動表示の実行中(リーチ成立後~SPリーチ発展前)に実行されるボタン演出である。このボタン演出Cでは、操作有効期間内に演出ボタンP15が操作された場合、または、操作有効期間内に演出ボタンP15が操作されず当該操作有効期間が終了した場合に、操作契機演出の実行条件Cが成立する。この実行条件Cが成立した場合には、ボタン演出Cの操作契機演出として、SPリーチに発展することを示唆するSPリーチ発展演出(例えばSPリーチに発展することが確定する専用の背景画像の表示)と、後述のボタンバイブ演出(第1ボタンバイブ演出β)が実行される。なお、ボタン演出Cについては、変動表示の実行中(SPリーチ発展後~当落分岐前)に実行されるボタン演出であってもよい。
ボタンバイブ演出Dは、SPリーチの実行中(当落分岐時)に実行されるボタン演出である。このボタン演出Dでは、操作有効期間内に演出ボタンP15が操作された場合、または、操作有効期間内に演出ボタンP
15が操作されず当該操作有効期間が終了した場合に、操作契機演出の実行条件Dが成立する。この実行条件Dが成立した場合には、ボタン演出Dの操作契機演出として、第1可動役物P651が画面の前方に落下する役物演出と、後述のボタンバイブ演出(第2ボタンバイブ演出)が実行される。
なお、上記のとおり、ボタン演出Cとボタン演出Dは、後述のボタンバイブ演出と連携して行われる演出であるため(これらのボタン演出C,Dの一部(操作契機演出)としてボタンバイブ演出が実行されるため)、この二つのボタン演出C,Dについては後述のボタンバイブ演出のところで再度説明する。
[ボタンバイブ演出] 次に、ボタンバイブ演出(演出ボタンP15の振動演出)について説明する。本実施形態の遊技機は、変動表示の実行中に、ボタンバイブ演出を実行可能に構成されている。このボタンバイブ演出は、演出ボタンP15を振動させることで大当り期待度を示唆又は報知する予告演出である。なお、ボタンバイブ演出以外にも、演出ボタンの内部機構によって、演出ボタンP15内部の可動物を回転させることで大当り期待度を示唆又は報知する予告演出であるボタン回転演出を備えてもよい。ボタンバイブ演出やボタン回転演出などを「演出ボタン動作」や「演出ボタン動作演出」と総称してよい。ボタンバイブ演出に関する説明については、「ボタンバイブ演出」を「ボタン回転演出」に読み替えることが可能である(又は「演出ボタン動作」や「演出ボタン動作演出」に読み替えることが可能である)ことを補足しておく。
ボタンバイブ演出は、装飾図柄の変動表示の開始時から停止時までの間の所定のタイミングで実行可能である。本実施例では、装飾図柄の変動表示がSPリーチの変動表示である場合に、当該変動表示の大当り期待度を示唆又は報知するために、大当りとなる変動表示であるかはずれとなる変動表示であるかを問わずボタンバイブ演出を実行可能となっている。また、SPリーチの変動表示でなくとも、Nリーチの変動表示であっても大当りとなる変動表示であれば、当該変動表示の大当り期待度を示唆又は報知するために、ボタンバイブ演出を実行可能となっている。換言すれば、リーチとならず且つ大当りとならない変動表示においては、当該変動表示の大当り期待度を示唆又は報知するために、ボタンバイブ演出が実行されることはない。但し、先読み演出としてボタンバイブ演出を実行する場合は、当該変動表示ではなくその後に予定されている変動表示の大当り期待度を示唆又は報知するために、リーチとならず且つ大当りとならない変動表示においてもボタンバイブ演出を実行可能とする。その際のボタンバイブ演出は、後述する第1ボタンバイブ演出αと同じ演出態様であり、演出ボタンP15の操作を契機とすることなく実行される種別のボタンバイブ演出である。
なお、本実施形態の変形例として、前述したとおり、装飾図柄の変動表示が非リーチの変動表示またはNリーチの変動表示である場合でも、ボタンバイブ演出を実行可能に構成してもよい。また、本実施形態の変形例として、複数種のSPリーチのうちの特定のSPリーチの変動表示においてのみボタンバイブ演出が実行されるように構成してもよい。例えば、複数種のSPリーチとして、SPリーチA、SPリーチC、SPリーチCを有する場合(SPリーチA<SPリーチB<SPリーチCの順に大当り期待度が高いものとする)、少なくともSPリーチCが実行される変動表示においてボタンバイブ演出を実行可能とする。このとき、SPリーチAおよびSPリーチBをノーマルリーチから発展するSPリーチとし、SPリーチCをNリーチまたはSPリーチA,Bから発展するSPリーチとして、NリーチからSPリーチCに発展する変動パターンXと、SPリーチAまたはSPリーチBを経由してSPリーチCに発展する変動パターンYとを設けてもよい。前者の変動パターンXが選択された場合には、Nリーチの実行中(SPリーチに発展する前)にボタンバイブ演出を実行して、このボタンバイブ演出が実行されることによりSPリーチCに発展することを示唆するように構成してもよい。また、後者の変動パターンYの場合には、SPリーチAまたはSPリーチBの実行中(SPリーチに発展する前)にボタンバイブ演出を実行して、このボタンバイブ演出が実行されることによりSPリーチCに発展することを示唆するように構成してもよい。なお、大当りとなる変動表示である場合には、SPリーチAおよびSPリーチBに発展する(SPリーチCに発展しない)変動表示であっても、ボタンバイブ演出を実行してもよい。また、SPリーチAおよびSPリーチBに発展する(SPリーチCに発展しない)変動表示でボタンバイブ演出が実行された場合、大当りが確定する(SPリーチCに発展する変動表示でボタンバイブ演出が実行されても大当りが確定しない)よう構成してもよい。
図138は、本実施形態のボタンバイブ演出の実行タイミングを説明するための模式図である。図中には、SPリーチの変動表示の基本的な流れが、紙面の左から右に向けて時系列的に表されている。なお、図138は、ボタンバイブ演出の実行タイミングを概念的に示すものであり、実際の実行タイミングについては、本実施例の記載を逸脱しない範囲で、図示のタイミングに対して多少前後してもよい。また、第1ボタンバイブ演出αと第1ボタンバイブ演出βについては、大当りとなる変動表示でもはずれとなる変動表示でも、実行される場合と実行されない場合とを有しており、第2ボタンバイブ演出と第3ボタンバイブ演出については、大当りとなる変動表示では実行されるがはずれとなる変動表示では実行されず、大当りとなる変動表示で実行される場合には第2ボタンバイブ演出か第3ボタンバイブ演出のいずれかのみが実行される。
本実施形態のSPリーチは、例えば味方キャラクタが敵キャラクタと対戦するバトル演出(バトルリーチ演出)として構成されている。SPリーチAは敵キャラクタAと対戦するバトル演出であり(大当り期待度10%)、SPリーチBは敵キャラクタBと対戦するバトル演出であり(大当り期待度20%)、SPリーチCは敵キャラクタCと対戦するバトル演出であり(大当り期待度60%)である。本実施形態では、このSPリーチの変動表示の演出ルートとして、複数種の演出ルート1~3が設定されており、その演出ルートごとに異なる演出過程を経由して当該変動表示の結果(バトル演出の勝敗)が導出される。これを簡単に説明すると、演出ルート1はSPリーチ(バトル演出)の結果が勝利となる「大当り」のルートであり、演出ルート2はSPリーチ(バトル演出)の結果が敗北となる「はずれ」のルートであり、演出ルート3はSPリーチ(バトル演出)の結果が一旦敗北となったように見せかけた後に逆転勝利する「大当り」のルートである。
本実施形態のボタンバイブ演出には、図138に示すように、変動表示が開始されてから特定演出(SPリーチ)に発展するまでの間に実行される第1ボタンバイブ演出と、特定演出(SPリーチ)の実行中に実行される第2ボタンバイブ演出と、特定演出(SPリーチ)の終了後に実行される第3ボタンバイブ演出とがある。
第1ボタンバイブ演出は、現在実行中の変動表示の結果が大当りとなる期待度が高いことを示唆又は報知する高期待度演出として実行される。この第1ボタンバイブ演出は、高期待度演出(激熱演出)であるが大当り確定演出ではないため、第1ボタンバイブ演出が実行されても当該変動表示の結果が「はずれ」となる場合がある。この第1ボタンバイブ演出の種類には、当該変動表示の開始時に行われる第1ボタンバイブ演出αと、当該変動表示のNリーチの実行中(リーチ成立後~SPリーチ発展前)に行われる第1ボタンバイブ演出βとがある。この第1ボタンバイブ演出αおよび第1ボタンバイブ演出βの演出例については後述する。
第2ボタンバイブ演出は、現在実行中の変動表示が大当りであることを示唆または報知する大当り確定演出として実行される。この第2ボタンバイブ演出は、当該変動表示におけるSPリーチ終盤の当落分岐の直後に行われる。すなわち、この第2ボタンバイブ演出は、当落分岐の直後に大当り当選を報知する場合に実行される演出(大当り確定演出)となる。この第2ボタンバイブ演出の演出例については後述する。
第3ボタンバイブ演出は、現在実行中の変動表示の結果を一旦はずれと見せかけた後に、真の結果は大当りであることを示唆又は報知する復活演出として実行される。この第3ボタンバイブ演出の演出例については後述する。
なお、各ボタンバイブ演出の実行中は、演出ボタンランプ15aが発光する発光演出が行われる。第1ボタンバイブ演出αの実行中は、演出ボタンランプ15aが所定の報知態様(白色の発光色で連続点灯する態様)で発光する。また、第1ボタンバイブ演出βの実行中は、演出ボタンランプ15aが所定の報知態様(白色の発光色で連続点灯する態様)、または、特定の報知態様(赤色の発光色で連続点灯する態様)で発光する。また、第2ボタンバイブ演出の実行中は、演出ボタンランプ15aが特別の報知態様(虹色の発光色で連続点灯する態様)で発光される。また、第3ボタンバイブ演出の実行中は、演出ボタンランプ15aが特別の報知態様(虹色の発光色で連続点灯する態様)で発光される。なお、このボタンバイブ演出中における演出ボタンランプ15aの報知態様は、大当り期待度と関係しており、所定の報知態様(白色の発光色で連続点灯する態様)<特定の報知態様(赤色の発光色で連続点灯する態様)<特別の報知態様(虹色の発光色で連続点灯する態様)という順に、大当り期待度が1段階ずつ高くなるように設定されている。なお、特別の報知態様(虹色発光)は、大当り当選確定の報知態様であるため、第2ボタンバイブ演出または第3ボタンバイブ演出が実行される場合のみ選択される。また、各ボタンバイブ演出を実行する場合に、演出ボタンP15の振動レベルや、演出ボタンP15の動作時間(演出ボタンP15が振動する時間)などを異なる態様で実施してもよい。例えば、演出ボタンP15の振動レベルが大きいほど大当り期待度を相対的に高くしたり、演出ボタンP15の動作時間(演出ボタンP15が振動する時間)が長いほど大当り期待度を相対的に高くしたりしてもよい。また、第1ボタンバイブ演出αの実行中は、演出ボタンランプ15aが所定の報知態様(白色の発光色で連続点灯する態様)、または、特定の報知態様(赤色の発光色で連続点灯する態様)で発光し、第1ボタンバイブ演出βの実行中は、演出ボタンランプ15aが所定の報知態様(白色の発光色で連続点灯する態様)で発光するよう構成してもよい。更に、第1ボタンバイブ演出αと第1ボタンバイブ演出βのいずれかまたはいずれにおいても、演出ボタンランプ15aが特別の報知態様(虹色の発光色で連続点灯する態様)で発光されてもよく、その場合は、第2ボタンバイブ演出や第3ボタンバイブ演出よりも、演出ボタンランプ15aが特別の報知態様(虹色の発光色で連続点灯する態様)で発光される確率が低くなるよう構成することが好適である。
また、各種のボタンバイブ演出は、演出ボタンP15の操作を契機として実行される種別のボタンバイブ演出(つまり、操作契機演出として実行される種別のボタンバイブ演出)と、演出ボタンP15の操作を契機とすることなく実行される種別のボタンバイブ演出(つまり、ボタン演出とは無関係に実行される種別のボタンバイブ演出)とに分類される。具体的には、第1ボタンバイブ演出には、演出ボタンP15の操作を契機として実行される種別のボタンバイブ演出(第1ボタンバイブ演出β)と、演出ボタンP15の操作を契機とすることなく実行される種別のボタンバイブ演出(第1ボタンバイブ演出α)とが含まれる。一方で、第2ボタンバイブ演出は、演出ボタンP15の操作を契機として実行される種別のボタンバイブ演出に属する。また、第3ボタンバイブ演出は、演出ボタンP15の操作
を契機とすることなく実行される種別のボタンバイブ演出に属する。なお、ここでの「演出ボタンP15の操作を契機として実行される」の意味は、前述のボタン演出のところでの「演出ボタンP15の操作を契機として実行される」の意味と同義である。また、第1ボタンバイブ演出βと第2ボタンバイブ演出は、まず操作促進演出が実行され、その操作促進演出の実行中の操作有効期間内に演出ボタンP15が操作された場合または操作有効期間内に演出ボタンP15が操作されず当該操作有効期間が終了した場合に実行される演出である。なお、本実施形態の変形例として、ボタンバイブ演出(便宜上「ボタンバイブ演出γ」と呼称する)を、遊技者に対して演出ボタンP15の操作を促す操作促進演出として実行してもよい(操作促進演出の実行中であり且つ演出ボタンP15が操作されていない状況で実行されるボタンバイブ演出を有していてもよい)。すなわち、所定のボタン演出を実行する場合に、その操作促進演出として、画面上にボタン画像やインジケータ画像などの操作促進画像を表示するとともに、その操作促進画像の表示中に演出ボタンP15を振動させる演出(ボタンバイブ演出γ)を実行するように構成してもよい。その場合には、操作有効期間内に演出ボタンP15の操作が行われたとき、または、操作有効期間内に演出ボタンP15の操作が行われることなく当該操作有効期間が終了したときに、操作促進画像を非表示にするとともに、ボタンバイブ演出γの実行を終了することが好適である。また、ボタンバイブ演出γを操作促進演出として構成した場合には、その操作促進演出に対応する操作契機演出として、さらにボタンバイブ演出を実行してもよい。また、ボタンバイブ演出γを操作促進演出として構成した場合には、その操作促進演出に対応する操作契機演出としてボタンバイブ演出を再度実行しないようにしてもよい。加えて、ボタンバイブ演出γを操作促進演出として構成した場合、このボタンバイブ演出γを伴わずに行われるボタン演出が実行される場合よりも、ボタンバイブ演出γを伴って行われるボタン演出が実行される場合の方が、大当り期待度が相対的に高くなるように構成してもよい。具体的には、第2ボタンバイブ演出の実行契機となり得るボタン操作に対応する操作促進画像の表示中にボタンバイブ演出が実行されている(ボタンバイブ演出γが実行されている)場合、必ず第2ボタンバイブ演出が実行される、または、第2ボタンバイブ演出の実行契機となり得るボタン操作に対応する操作促進画像の表示中にボタンバイブ演出が実行されていない(ボタンバイブ演出γが実行されていない)場合よりも、第2ボタンバイブ演出が実行される確率が高くなるよう構成してもよい。また、第1ボタンバイブ演出βの実行契機となり得るボタン操作に対応するリーチ成立後に表示される操作促進画像の表示中にボタンバイブ演出が実行されている(ボタンバイブ演出γが実行されている)場合、必ず第1ボタンバイブ演出βが実行される、または、第1ボタンバイブ演出βの実行契機となり得るボタン操作に対応するリーチ成立後に表示される操作促進画像の表示中にボタンバイブ演出が実行されていない(ボタンバイブ演出γが実行されていない)場合よりも、第1ボタンバイブ演出βが実行される確率が高くなるよう構成してもよい(第1ボタンバイブ演出βの実行契機となり得るボタン操作に対応するリーチ成立後に表示される操作促進画像の表示中にボタン操作を行った場合の操作契機演出として、第1ボタンバイブ演出β以外にも、第1ボタンバイブ演出βよりも大当り期待度が低くボタンバイブ演出ではない予告演出が実行される場合があることが前提である)。
次に、第1ボタンバイブ演出αの演出例につい説明する。図139は、第1ボタンバイブ演出αの演出例を示す模式図である。まず、図中(A)に示すように、前回の変動表示が終了して、装飾図柄が確定停止表示されている。続いて、図中(B)に示すように、今回の変動表示の開始条件(変動開始条件)が充足して、装飾図柄の変動表示が開始される。この変動表示の開始時に、演出ボタンP15が振動する第1ボタンバイブ演出αが実行され、当該変動表示において大当りに当選する期待度が高いことが示唆される。そして、図中(C)に示すように、今回の変動表示が開始されてから所定時間(例えば3秒)が経過したときに、第1ボタンバイブ演出が終了する。
次に、第1ボタン演出βの演出例について説明する。図140は、第1ボタンバイブ演出βの演出例を示す模式図である。まず、図中(A)に示すように、装飾図柄の変動表示が開始される。続いて、図中(B)に示すように、3列の装飾図柄のうち、左図柄に「6」が仮停止表示され、右図柄に「6」が仮停止表示されることで、当該変動表示においてリーチが成立する。続いて、図中(C)に示すように、Nリーチの実行中に、ボタン演出(ボタン演出Cとしての操作促進演出)が開始され、画面にはボタン画像やインジケータ画像などの操作促進画像が表示される。そして、図中(D)に示すように、操作有効期間内に演出ボタンP15が操作されることで、その操作契機演出として、画面にはSPリーチに発展することが確定する専用の背景画像が表示されるとともに、演出ボタンP15が振動するボタンバイブ演出βが実行される。この操作契機演出が発生したことにより、遊技者に対してSPリーチに発展すること(大当りとなる期待度が高いこと)が示唆される。そして、図示省略するが、SPリーチに発展すると、例えば味方キャラクタが敵キャラクタと対戦するバトル演出が開始される。なお、この場合の操作契機演出としては、第1ボタンバイブ演出β以外にも、第1ボタンバイブ演出βよりも大当り期待度が低くボタンバイブ演出ではない予告演出が実行される場合がある。
次に、第2ボタンバイブ演出の演出例について説明する。図141~図142は、第2ボタンバイブ演出の演出例を示す模式図である。まず、図中(A)に示すように、装飾図柄の変動表示が開始される。続いて、図中(B)に示すように、3列の装飾図柄のうち、左図柄に「6」が仮停止表示され、右図柄に「6」が仮停止表示されることで、当該変動表示においてリーチが成立する。次いで、続いて、図示省略するが、図140(D)と同様に、Nリーチの実行中に、ボタン演出(ボタン演出Cとしての操作促進演出)が開始され、画面にはボタン画像やインジケータ画像などの操作促進画像が表示されたうえで、図中(D)に示すように、操作有効期間内に演出ボタンP15が操作されることで、その操作契機演出として、画面にはSPリーチに発展することが確定する専用の背景画像が表示されるとともに、演出ボタンP15が振動するボタンバイブ演出βが実行され、この操作契機演出が発生したことにより、遊技者に対してSPリーチに発展すること(大当りとなる期待度が高いこと)が示唆される。続いて、図中(D)に示すように、SPリーチ中の演出としてバトル演出が開始される。続いて、図中(E)に示すように、SPリーチの終盤に差し掛かり、その当落分岐時においてボタン演出(ボタン演出Dとしての操作促進演出)が発生する。次いで、図中(F)に示すように、操作有効期間内に演出ボタンP15が操作されると、その操作契機演出として、第1可動役物P651が画面の前方に落下する(可動位置へと移動する)役物演出が行われるとともに、演出ボタンP15が振動する第2ボタンバイブ演出が実行されることで、当該変動表示において大当りに当選していることが示唆される。なお、このボタン演出Dでは、前述したように、操作有効期間内に演出ボタンP15が操作されなかった場合でも、その操作有効期間が終了した際に、上記と同様の操作契機演出(役物演出、第2ボタンバイブ演出)が実行されることになる。続いて、図中(G)に示すように、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利して、装飾図柄が大当りを示す「6・6・6」の組合せ(大当り目)で仮停止表示される。なお、この装飾図柄の仮停止中においても、第2ボタンバイブ演出は継続している。変形例としては、図中(F)と図中(G)の間には所定時間(例えば3秒)第2ボタンバイブ演出を一時中断したうえで再開するよう構成してもよい。続いて、図(H)に示すように、装飾図柄の仮停止表示が終了して、装飾図柄が大当りを示す「6・6・6」の組合せ(大当り目)で確定停止表示される。なお、この装飾図柄が確定停止表示される前に第2ボタンバイブ演出が終了する。そして、図中(I)に示すように、大当り遊技に移行する。なお、この大当り遊技の実行中には、装飾図柄、小図柄、保留画像および変動中画像は非表示となるが、特別図柄の作動保留球数(保留数表示領域P740に表示される保留球数情報)については継続表示される(図示例では、第1特別図柄の作動保留球数として「2」、第2特別図柄の作動保留球数として「0」が表示されている)。変形例として、小図柄(例えば「6・6・6」)についても、大当り遊技の実行中に継続表示してもよい。
次に、第3ボタンバイブ演出の演出例について説明する。図143~図144は、第3ボタンバイブ演出の演出例を示す模式図である。まず、図中(A)に示すように、装飾図柄の変動表示が開始される。続いて、図中(B)に示すように、3列の装飾図柄のうち、左図柄に「6」が仮停止表示され、右図柄に「6」が仮停止表示されることで、当該変動表示においてリーチが成立する。続いて、図示省略するが、図140(D)と同様に、Nリーチの実行中に、ボタン演出(ボタン演出Cとしての操作促進演出)が開始され、画面にはボタン画像やインジケータ画像などの操作促進画像が表示されたうえで、図中(D)に示すように、操作有効期間内に演出ボタンP15が操作されることで、その操作契機演出として、画面にはSPリーチに発展することが確定する専用の背景画像が表示されるとともに、演出ボタンP15が振動するボタンバイブ演出βが実行され、この操作契機演出が発生したことにより、遊技者に対してSPリーチに発展すること(大当りとなる期待度が高いこと)が示唆される。次いで、図中(C)に示すように、NリーチからSPリーチに発展する。続いて、図中(D)に示すように、SPリーチ中の演出としてバトル演出が開始される。次いで、図中(E)に示すように、SPリーチの終盤の当落分岐時において、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北する演出が表示される。このとき、装飾図柄の仮停止表示として、装飾図柄の左図柄および右図柄が「6」で仮停止されている状態で、装飾図柄の中図柄が「7」で仮停止されることで、装飾図柄が「6・7・6」の組み合わせ(リーチはずれ目)で仮停止表示される。続いて、図(F)に示すように、装飾図柄がリーチはずれ目で仮停止表示されている状態において、画面に「勝負はこれからだ」という復活演出を示唆または煽る文字画像(復活示唆演出または復活煽り演出)が表示される。次いで、図中(G)に示すように、復活演出として、第1可動役物P651が画面の前方に落下する(可動位置へと移動する)役物演出が実行されるとともに、演出ボタンP15が振動する第3ボタンバイブ演出が実行される。なお、変形例としては、復活演出としては、第1可動役物P651が画面の前方に落下する(可動位置へと移動する)役物演出が実行されず、代わりに第2可動役物P652が画面の前方にスライド移動する(可動位置へと移動する)役物演出が実行されるとともに、演出ボタンP15が振動する第3ボタンバイブ演出が実行されるとともに、演出ボタンP15が振動する第3ボタンバイブ演出が実行されてもよい。また、更なる変形例としては、復活演出としては、第1可動役物P651も第2可動役物も動作させず(可動位置へと移動させず)に、画面上に味方キャラクタが虹色のオーラを纏った演出が実行されるとともに、演出ボタンP15が振動する第3ボタンバイブ演出が実行されてもよい。続いて、図中(H)に示すように、画面に味方キャラクタが敵キャラクタに逆転勝利する演出(復活演出)が表示された直後、装飾図柄が大当りを示す「6・6・6」の組合せ(大当り目)で仮
停止表示される。なお、この装飾図柄の仮停止中においても、第2ボタンバイブ演出は継続している。変形例としては、図中(G)と図中(H)の間には所定時間(例えば3秒)第2ボタンバイブ演出を一時中断したうえで再開するよう構成してもよい。そして、図(I)に示すように、装飾図柄の仮停止表示が終了して、装飾図柄が大当りを示す「6・6・6」の組み合わせ(大当り目)で確定停止表示される。この装飾図柄が確定停止表示される前に第3ボタンバイブ演出が終了する。そして、図中(J)に示すように、大当り遊技に移行する。なお、この大当り遊技の実行中には、装飾図柄、小図柄、保留画像および変動中画像は非表示となるが、特別図柄の作動保留球数(保留数表示領域P740に表示される保留球数情報)については継続表示される(図示例では、第1特別図柄の作動保留球数として「2」、第2特別図柄の作動保留球数として「0」が表示されている)。変形例として、小図柄(例えば「6・6・6」)についても、大当り遊技の実行中に継続表示してもよい。
次に、各種ボタンバイブ演出が実行されるときの実行パターンについて説明する。図145は、ボタンバイブ演出の実行パターンテーブルを示す模式図である。本実施形態では、装飾図柄の変動演出パターンが特定演出(SPリーチ)を伴う変動演出パターンである場合、この実行パターンテーブルを参照して、ボタンバイブ演出の実行パターンが抽選で選択される。具体的には、ボタンバイブ演出の実行パターンとして、実行パターンPB0は、当該変動表示中にいずれのボタンバイブ演出も行われない実行パターンである。実行パターンPB1は、当該変動表示中に第1ボタンバイブ演出αのみが行われる実行パターンである。実行パターンPB2は、当該変動表示中に第1ボタンバイブ演出βのみが行われる実行パターンである。実行パターンPB3は、当該変動表示中に第2ボタンバイブ演出のみが行われる実行パターンである。実行パターンPB4は、当該変動表示中に第3ボタンバイブ演出のみが行われる実行パターンである。つまり、実行パターンPB1~P4は、当該変動表示中に1回のボタンバイブ演出が行われる実行パターンである。また、実行パターンPB5は、第1ボタンバイブ演出αおよび第2ボタンバイブ演出が行われる実行パターン(第1ボタンバイブ演出αが行われた後、第2ボタンバイブ演出が行われる実行パターン)である。実行パターンPB6は、第1ボタンバイブ演出αおよび第3ボタンバイブ演出が行われる実行パターン(第1ボタンバイブ演出αが行われた後、第3ボタンバイブ演出が行われる実行パターン)である。実行パターンPB7は、第1ボタンバイブ演出βおよび第2ボタンバイブ演出が行われる実行パターン(第1ボタンバイブ演出βが行われた後、第2ボタンバイブ演出が行われる実行パターン)である。実行パターンPB8は、第1ボタンバイブ演出βおよび第3ボタンバイブ演出が行われる実行パターン(第1ボタンバイブ演出βが行われた後、第3ボタンバイブ演出が行われる実行パターン)である。このように本実施形態では、1回の変動表示の実行中にボタンバイブ演出が1回も行われない場合と、1回の変動表示の実行中にボタンバイブ演出が1回のみ行われる場合と、1回の変動表示の実行中にボタンバイブ演出が複数回行われる場合とがある。また、図示省略しているが、第1ボタンバイブ演出αおよび第1ボタンバイブ演出βが行われる実行パターンである実行パターンPB9、第1ボタンバイブ演出αおよび第1ボタンバイブ演出βおよび第2ボタンバイブ演出が行われる実行パターンである実行パターンPB10、第1ボタンバイブ演出αおよび第1ボタンバイブ演出βおよび第3ボタンバイブ演出が行われる実行パターンである実行パターンPB11も有している。なお、本実施形態では、当該変動表示の実行中にボタンバイブ演出が1回も行われない場合よりも、当該変動表示の実行中にボタンバイブ演出が1回のみ行われる場合の方が大当り期待度が相対的に高く、当該変動表示の実行中にボタンバイブ演出が1回のみ行われる場合よりも、当該変動表示の実行中に複数回行われる場合の方が大当り期待度が相対的に高くなる。また、第1ボタンバイブ演出αおよび第1ボタンバイブ演出βのいずれも実行されないよりも、第1ボタンバイブ演出αおよび第1ボタンバイブ演出βのいずれかが実行されるほうが、第2ボタンバイブ演出または第3ボタンバイブ演出が実行されやすい。更に、第1ボタンバイブ演出αおよび第1ボタンバイブ演出βのいずれかが実行されるよりも、第1ボタンバイブ演出αおよび第1ボタンバイブ演出βのいずれも実行されるほうが、第2ボタンバイブ演出または第3ボタンバイブ演出が実行されやすい。但し、いずれの実行パターンであっても、第2ボタンバイブ演出よりも第3ボタンバイブ演出のほうが実行されにくい(例えば実行パターン5よりも実行パターン6は選択されにくい)。
≪可動体の初期化動作≫ 次に、電源投入時の可動体の初期化動作について説明する。図146は、可動体の初期化動作処理のフローチャートである。可動体の初期化動作は、遊技機PMの電源投入時(電源復帰時)に実行される確認動作であり、可動体が正常に動作するか否かを確認することを目的として行われる。なお、本実施形態では、第1可動役物P651、第2可動役物P652および演出ボタンP15を総称して「可動体」とも呼称する。また、以降の説明では、特段の場合を除き、「電源投入」または「電源断の復帰」は、前述の設定変更操作および設定確認操作(設定キースイッチP810の操作)を伴わない電源投入または電源断の復帰であるものとする(つまり、電源投入時または電源断の復帰時に設定変更モードまたは設定確認モードに移行しない場合の電源投入または電源断の復帰とする)。
この可動体の初期化動作処理では、図146に示すように、第1可動役物P651の初期化動作処理(S941)と、演出ボタンP15の初期化動作処理(S942)と、第2可動役物P652の初期化動作処理(S943)とが行われる。なお、本実施形態では、第1可動役物P651の初期化動作処理(S941)→演出ボタンP15の初期化動作処理(S942)→第2可動役物P652の初期化動作処理(S943)という順に処理が実行されるが、これに限定されるものではない。例えば、第1可動役物P651の初期化動作処理→第2可動役物P652の初期化動作処理→演出ボタンP15の初期化動作処理という順に処理(可動役物P651,652の初期化動作処理を優先する処理)を実行してもよいし、演出ボタンP15の初期化動作処理→第1可動役物P651の初期化動作処理→第2可動役物P652の初期化動作処理という順に処理(演出ボタンP15の初期化動作処理を優先する処理)を実行してもよい。また、第1可動役物P651の初期化動作処理と、演出ボタンP15の初期化動作処理とを、同時並行して実行するように構成してもよい。もしくは、第2可動役物P652の初期化動作処理と、演出ボタンP15の初期化動作処理とを、同時並行して実行するように構成してもよい。もしくは、第1可動役物P651の初期化動作処理と、第2可動役物P652の初期化動作処理と、演出ボタンP15の初期化動作処理とを、同時並行して実行するように構成してもよい。
第1可動役物P651の初期化動作処理(S941)では、第1可動役物P651を初期位置に復帰させる制御と、第1可動役物P651の動作を確認する制御が行われる。具体的には、図示省略するが、(1-1)第1可動役物P651を初期位置に復帰させる、(1-2)第1初期位置センサの検出信号(オン信号)を確認する、(1-3)第1可動役物P651を下降移動させる、(1-4)第1可動位置センサの検出信号(オン信号)を確認する、(1-5)第1可動役物P651を上昇移動させる、(1-6)第1初期位置センサの検出信号(オン信号)を確認する、という順に各動作行われて、第1可動役物P651の初期化動作が完了となる。なお、初期化動作の開始時に、第1可動役物P651が初期位置に存在する場合には、(1-1)の処理をスキップして、(1-2)の処理から行われる。つまり、この初期化動作では、初期化動作の開始時の第1可動役物P651の位置に応じて(第1可動役物P651が初期位置に存在するか否かに応じて)、異なる動作が実行され得る。ここで、第1初期位置センサとは、第1可動役物P651が初期位置(第1初期位置)に位置するか否かを検出する検出手段であり、第1可動位置センサとは、第1可動役物P651が可動位置(第1可動位置)に位置するか否かを検出する検出手段である。なお、この第1可動役物P651の初期化動作中は、第1役物ランプP651aの発光制御も同時に行われる。本実施形態では、第1可動役物P651の初期化動作処理では、第1役物ランプP651aの発光が開始された後に、第1可動役物P651の初期化動作が開始される。また、第1可動役物P651の初期化動作が終了した後に、第1役物ランプP651aの発光が終了する(このとき、第1可動役物P651は演出動作中ではない)。また、第1可動役物P651の第1役物ランプP651aの報知態様は、初期化動作中の報知態様(例えば白色の発光色で点滅点灯する報知態様)と、演出動作中の報知態様(例えば赤色の発光色で連続点灯する態様)とで異なるものとなっている。なお、第1可動役物P651の初期化動作が終了した後に、第1役物ランプP651aの発光が終了しなくてもよく、そのように構成した場合は、第1可動役物P651の第1役物ランプP651aの報知態様は、第1可動役物P651の初期化動作の終了前後で異なる報知態様としてもよい(例えば初期化動作の終了前は白色の発光色で点滅点灯する報知態様であり、初期化動作の終了後は白色の発光色で連続点灯する態様としてもよい)。
演出ボタンP15の初期化動作(S942)では、演出ボタンP15が振動する動作を確認するために、振動モータを駆動させて演出ボタンP15を所定時間(例えば4秒)だけ振動させる制御が行われる。なお、演出ボタンP15の初期化動作中は、演出ボタンランプ15aの発光制御も同時に行われる。本実施形態では、演出ボタンP15の初期化動作処理では、演出ボタンランプ15aの発光が開始された後に、演出ボタンP15の初期化動作が開始される。本実施形態では、演出ボタンP15の初期化動作中は、演出ボタンランプ15aが特殊の報知態様(赤色の発光色で点滅点灯する報知態様)で発光する。そして、演出ボタンP15の初期化動作が終了した後に、演出ボタンランプ15aの報知態様が所定の報知態様(白色の発光色で連続点灯する態様)に切り替わる。ここで、演出ボタンP15の初期化動作としては、まず演出ボタンランプ15aが特殊の報知態様(赤色の発光色で点滅点灯する報知態様)で特定時間(例えば5秒)だけ発光させ、その後、特殊の報知態様(赤色の発光色で点滅点灯する報知態様)の発光を継続しつつ振動モータを駆動させて演出ボタンP15を所定時間(例えば4秒)だけ振動させ、その後、振動を終了させても特殊の報知態様(赤色の発光色で点滅点灯する報知態様)の発光を規定時間(例えば5秒)継続させることで、演出ボタンP15の初期化動作が終了することになる。ここで、演出ボタンランプ15aの初期化動作中の報知態様に係る発光開始タイミングは、第1役物ランプP651aの初期化動作中の報知態様に係る発光開始タイミングと略同一であってもよく、演出ボタンランプ15aの初期化動作中の報知態様に係る発光終了タイミングは、第1役物ランプP651aの初期化動作中の報知態様に係る発光終了タイミングと略同一であってもよい。なお、演出ボタンの内部機構によって、演出ボタンP15内部の可動物を回転させることで大当り期待度を示唆又は報知する予告演出であるボタン回転演出を備えている場合においては、演出ボタンP15の初期化動作としては、演出ボタンP15内部の可動物が回転する動作を確認するために、回転モータを駆動させて演出ボタンP15内部の
可動物を所定時間だけ回転させる制御が行われ、演出ボタンP15の初期化動作中は、演出ボタンランプ15aの発光制御も同時に行われ、演出ボタンP15の初期化動作処理では、演出ボタンランプ15aの発光が開始された後に、演出ボタンP15の初期化動作が開始されるとともに、演出ボタンP15の初期化動作中は、演出ボタンランプ15aが特殊の報知態様(赤色の発光色で点滅点灯する報知態様)で発光し、演出ボタンP15の初期化動作が終了した後に、演出ボタンランプ15aの報知態様が所定の報知態様(白色の発光色で連続点灯する態様)に切り替わる。
第2可動役物P652の初期化動作(S943)では、第2可動役物P652を初期位置に復帰させる制御と、第2可動役物P652の動作を確認する制御が行われる。具体的には、図示省略するが、(2-1)第2可動役物P652を初期位置に復帰させる、(2-2)第2初期位置センサの検出信号(オン信号)を確認する、(2-3)第2可動役物P652を正面視左方に揺動させる、(2-4)第2可動位置センサの検出信号(オン信号)を確認する、(2-5)第2可動役物P652を正面視右方に揺動させる、(2-6)第2初期位置センサの検出信号(オン信号)を確認する、という順に各動作行われて、第2可動役物P652の初期化動作が完了となる。なお、初期化動作の開始時に、第2可動役物P652が初期位置に存在する場合には、(2-1)の処理をスキップして、(2-2)の処理から行われる。つまり、この初期化動作では、初期化動作の開始時の第2可動役物P652の位置に応じて(第2可動役物P652が初期位置に存在するか否かに応じて)、異なる動作が実行され得る。ここで、第2初期位置センサとは、第2可動役物P652が初期位置(第1初期位置)に位置するか否かを検出する検出手段であり、第2可動位置センサとは、第2可動役物P652が可動位置(第1可動位置)に位置するか否かを検出する検出手段である。なお、この第2可動役物P652の初期化動作中は、第2役物ランプP652aの発光制御も同時に行われる。本実施形態では、第2可動役物P652の初期化動作処理では、第2役物ランプP652aの発光が開始された後に、第2可動役物P651の初期化動作が開始される。また、第2可動役物P652の初期化動作が終了した後に、第2役物ランプP652aの発光が終了する(このとき、第2可動役物P652は演出動作中ではない)。ここで、第2役物ランプP652aの初期化動作中の報知態様に係る発光開始タイミングは、第1役物ランプP651aの初期化動作中の報知態様に係る発光開始タイミングと略同一であってもよく、第2役物ランプP652aの初期化動作中の報知態様に係る発光終了タイミングは、第1役物ランプP651aの初期化動作中の報知態様に係る発光終了タイミングと略同一であってもよい。また、第2可動役物P652の第2役物ランプP652aの報知態様は、初期化動作中の報知態様(例えば白色の発光色で点滅点灯する報知態様)と、演出動作中の報知態様(例えば赤色の発光色で連続点灯する態様)とで異なるものとなっている。なお、第2可動役物P652の初期化動作が終了した後に、第2役物ランプP652aの発光が終了しなくてもよく、そのように構成した場合は、第2可動役物P651の第2役物ランプP652aの報知態様は、第2可動役物P652の初期化動作の終了前後で異なる報知態様としてもよい(例えば初期化動作の終了前は白色の発光色で点滅点灯する報知態様であり、初期化動作の終了後は白色の発光色で連続点灯する態様としてもよい)。
ここで、可動体の初期化動作処理の実行タイミングについて説明する。図147は、遊技機の電源投入後に演出表示装置P70に表示される表示画面の流れを示す模式図である。本実施形態では、遊技機の電源投入時(電源断の復帰時)において、演出表示装置P70の表示画面が後述の通常画面に復帰するのと同時または略同時に、可動体の初期化動作処理が開始されるように構成されている。
まず、図147(A)に示すように、遊技機に電源断が発生している状態では、演出表示装置P70の画面には何も表示されない。図147(B)に示すように、遊技機に電源が投入されて電源断から復帰すると、所定時間(例えば1秒)は演出表示装置P70の画面には何も表示されないが、所定時間経過後には、演出表示装置P70には「復帰中です」という文字画像(遊技機または演出表示装置が復旧中の状態であることを示す画像)が含まれた復帰中画面(上記第4実施形態等では、これを電源復帰報知画像、電源断復帰画像、電源断復帰画面と呼称している)が表示される。そして、図147(C)に示すように、演出表示装置P70に復帰中画面が所定時間(例えば2秒)だけ表示された後、通常画面(待機画面)に切り替わる。この通常画面には、電源断前の演出状態とは無関係に、予め定められたデフォルト表示として、装飾図柄の初期組合せと、所定の背景画像とが表示される。図示例では、装飾図柄の初期組合せとして、予め定められた所定のはずれ目を示す「3・3・1」の組合せが停止表示されている。また、図示例では、所定の背景画像として、予め定められたデフォルトの演出モード(演出ステージ)に対応する背景画像(例えば、通常演出モードにおけるステージAの背景画像)が表示されている。そして、本実施形態では、この初期画面の表示が開始されるのとほぼ同時に、可動体の初期化動作処理が開始されることになる。なお、この初期画面が表示された後は、演出表示装置P70において装飾図柄の変動表示が可能な状態(演出表示装置P70による演出表示が完全に復旧した状態)となる。つまり、初期画面に復帰した後は、主制御基板P100から演出制御基板P200に演出制御コマンドが送信されることを契機に、演出表示装置P70では当該演出制御コマンドに対応する演出表示が可能となる(例えば、主制御基板P100から演出制御基板P200に変動開始コマンドが送信されることを契機に、演出表示装置P70において装飾図柄の変動表示が開始されることとなる)。例えば、電源断復帰時に、変動表示が行われておらず、第1特別図柄の作動保留球も第2特別図柄の作動保留球も存在しない変動待機状態(非変動状態)であれば(変動待機状態での電源断前であれば)、初期画面の表示が表示され、可動体の初期化動作処理が実行されている最中においても、遊技球が第1始動口P51に入球することで、第1特別図柄の変動表示が開始可能であり、それとともに、演出表示装置P70において装飾図柄の変動表示が開始可能である。なお、本実施形態の変形例として、通常画面が表示されてから所定の時間が経過したときに、可動体の初期化動作を開始するように構成してもよい。また、復帰中画面が表示されてから所定の時間が経過したとき(通常画面が表示される前)に、可動体の初期化動作を開始するように構成してもよい。さらに、主制御基板P100からの所定の演出制御コマンドを受信したことを契機として、可動体の初期化動作を開始するように構成してもよい。なお、以降において、「可動体の初期化動作」とは、第1可動役物P651の初期化動作、演出ボタンP15の初期化動作、第2可動役物P652の初期化動作のそれぞれを指すのではなく、第1可動役物P651の初期化動作、演出ボタンP15の初期化動作、第2可動役物P652の初期化動作の全て(これら複数の初期化動作の全てが開始され且つ全てが終了するまで)を指している。
≪初期化動作中のボタンバイブ演出≫ 次に、可動体の初期化動作とボタンバイブ演出との関係について説明する。図148は、可動体の初期化動作とボタンバイブ演出との関係を説明するためのタイムチャートである。ここで、最下段のボタンバイブ演出のタイムチャートについては、演出ボタンP15の初期化動作における所定時間の振動は「実行」扱いとしていない。なお、図148では、紙面の都合上、簡易的な画面表示(小図柄や保留画像などの一部の表示を省略した画面表示)を示している。
まず、時点t1では、変動待機状態(非変動状態)において、遊技機に電源断が発生する。時点t2において、遊技機に電源が投入されて電源断から復帰する。時点t3において、遊技機に電源が投入された以降の所定のタイミングで、演出表示装置P70に復帰中画面が表示される。時点t4において、演出表示装置P70の表示画面が復帰中画面から通常画面(待機画面)に切り替わる。また、この時点t4において、可動体の初期化動作処理が開始され、第1可動役物P651の初期化動作、演出ボタンP15の初期化動作、第2可動役物P652の初期化動作が順番に行われる。
時点t5において、可動体の初期化動作の実行中に、遊技球が第1始動口P51に入球することで、第1特別図柄の変動表示が開始される。また、主制御基板P100から演出制御基板P200に変動開始コマンドが送信されることにより、装飾図柄の変動表示と小図柄の変動表示とが開始される。また、この時点t5において、当該変動表示の開始時に演出抽選が行われ、ボタンバイブ演出の実行パターンとして、実行パターンPB5の実行(第1ボタンバイブ演出αの実行と第2ボタンバイブ演出の実行)が決定されるものとする。そのため、本来であれば、当該変動表示の開始時(つまり時点t5)において、第1ボタンバイブ演出αが実行されるはずであるが、可動体の初期化動作の実行中であるため、この可動体の初期化動作を優先すべく、第1ボタンバイブ演出αの実行が禁止される。ここで、本実施形態では、可動体の初期化動作として、(1)可動役物P651,652の初期化動作の実行中且つ演出ボタンP15の初期化動作の非実行中の状態であっても、(2)可動役物P651,652の初期化動作の非実行中且つ演出ボタンP15の初期化動作の実行中の状態であっても、当該可動体の初期化動作の実行中は第1ボタンバイブ演出αの実行が制限されるようになっている。つまり、第1ボタンバイブ演出αの実行タイミングが可動体の初期化動作の実行期間と重複する場合には、それが可動役物P651,652の初期化動作であっても、ボタン演出15の初期化動作であっても、第1ボタンバイブ演出αの実行が制限されることになる(第1ボタンバイブ演出αの実行がキャンセルされる)。また、可動体の初期化動作の終了間際に第1ボタンバイブ演出αの実行タイミングが到来した場合、可動体の初期化動作が終了するまでの間、第1ボタンバイブ演出αの実行が禁止されるだけでなく、可動体の初期化動作が終了した後に、第1ボタンバイブ演出αの残りの部分(第1ボタンバイブ演出αの実行期間うち可動体の初期化動作の実行期間と重複していない実行期間分の第1ボタンバイブ演出)が実行されることもない。なお、本実施形態の変形例として、第1ボタンバイブ演出αの実行開始タイミングに、可動役物P651,652の初期化動作が実行中であっても、演出ボタンP15の初期化動作である所定時間分の振動が完了していれば(または非実行中の状態であれば)、演出ボタンP15の初期化動作(動作確認上の振動動作)と演出動作(演出上の振動動作)とが競合することがないため、第1ボタンバイブ演出αを実行可能としてもよい。
時点t6において、可動体の初期化動作のうちの演出ボタンP15の初期化動作が開始される。この演出ボタンP15の初期化動作が開始されることを契機に、演出ボタンランプ15aが特殊の報知態様(赤色の発光色で点滅点灯する態様)で発光する(消灯状態から赤色の点滅状態に切り替わる)。また、時点t7では、演出ボタンP15の初期化動作が終了する。この演出ボタンP15の初期化動作が終了することを契機に、演出ボタンランプ15aの報知態様が特殊の報知態様(赤色の発光色で点滅点灯する態様)から所定の報知態様(白色の発光色で連続点灯する態様)に切り替わる。なお、それとともに所定時間の振動も終了する。
続いて、時点t8において、可動体の初期化動作が終了、つまり、第1可動役物P651の初期化動作と、演出
ボタンP15の初期化動作と、第2可動役物P652の初期化動作とが全て終了する。なお、この時点t8において、当該変動表示は継続している。
続いて、時点t9において、当落分岐演出としてボタン演出D(操作促進演出)が開始され、画面にボタン画像などの操作促進画像が出現する。この操作促進演出が開始されると、演出ボタンランプ15aの報知態様が所定の報知態様(白色の発光色で連続点灯する態様)から特定の報知態様(赤色の発光色で連続点灯する態様)に切り替わる。
時点t10では、演出ボタンP15が操作されることを契機(または演出ボタンP15が操作されずに操作有効期間が経過することを契機)として、第1可動役物P651が落下する(可動位置へと移動する)役物演出と、演出ボタンP15が振動する第2ボタンバイブ演出とがそれぞれ実行され、当該変動表示が大当りであることが示唆される。演出ボタンP15の振動中は、演出ボタンランプ15aが特別の報知態様(虹色の発光色で連続点灯する態様)で発光する。
時点t11では、装飾図柄が大当りを示す組合せ(大当り目)で仮停止表示される。そして、時点t12において、装飾図柄の仮停止表示が終了して、そのまま装飾図柄が大当りを示す組合せ(大当り目)で確定停止表示される。
このように本実施形態では、可動体の初期化動作の実行中に始動入賞することで行われる当該変動表示にて第1ボタンバイブ演出αの実行と第2ボタンバイブ演出の実行とが予定されている場合(演出抽選にて両方のボタンバイブ演出の実行が当選した場合)、当該変動表示の開始時に実行予定の第1ボタンバイブ演出αについては可動体の初期化動作を優先するために実行制限される一方で、当該変動表示の終盤に実行予定の第2ボタンバイブ演出については可動体の初期化動作と重複実行されるおそれがないため実行が許容されるようになっている。
なお、本実施形態の変形例として、第1ボタンバイブ演出αと同時に実行し得る演出(連携して行われる)演出として、第1ボタンバイブ演出αの実行前または実行中に、所定の演出画像(例えば「チャンスだよ」という台詞画像)を表示するボタンバイブ同時表示演出(ボタンバイブ連携表示演出)を実行するように構成してもよい。その場合には、上記図148の適用においては、可動体の初期化動作を優先するため、第1ボタンバイブ演出αの実行については制限される一方で、ボタンバイブ同時表示演出(ボタンバイブ連携表示演出)である所定の演出画像の表示の実行は許容されることが好適である。それによれば、第1ボタンバイブ演出αの実行が制限されても、ボタンバイブ同時表示演出(ボタンバイブ連携表示演出)が実行されることで、本来であれば第1ボタンバイブ演出αが行われるはずの状況であること(大当り期待度が高いこと)を遊技者に認識させることができる。
≪初期化動作中のボタン演出A≫ 次に、可動体の初期化動作とボタン演出Aとの関係について説明する。図149は、可動体の初期化動作と第1ボタン演出との関係を説明するためのタイムチャートである。ここで、最下段のボタンバイブ演出のタイムチャートについては、演出ボタンP15の初期化動作における所定時間の振動は「実行」扱いとしていない。なお、図149では、紙面の都合上、簡易的な画面表示(小図柄や保留画像などの一部の表示を省略した画面表示)を示している。
まず、時点t21~t24については、前述の時点t1~t4と同様であるため、重複説明を省略する。時点t25では、可動体の初期化動作のうちの演出ボタンP15の初期化動作が開始される。この演出ボタンP15の初期化動作が開始されることを契機に、演出ボタンランプ15aが特殊の報知態様(赤色の発光色で点滅点灯する態様)で発光する(消灯状態から赤色の点滅状態に切り替わる)。
続いて、時点t26において、可動体の初期化動作の実行中に、遊技球が第1始動口P51に入球することで、第1特別図柄の変動表示が開始される。また、主制御基板P100から演出制御基板P200に変動開始コマンドが送信されることにより、装飾図柄の変動表示と小図柄の変動表示とが開始される。また、この時点t26において、当該変動表示の開始時に演出抽選が行われ、ボタン演出Aの実行と、第2ボタンバイブ演出の実行とが決定されるものとする。そのため、この時点t26(当該変動表示の開始時)において、ボタン演出A(操作促進演出)の実行が開始され、画面にボタン画像やインジケータ画像などの操作促進画像が出現する。
続いて、時点t27において、操作有効期間内に演出ボタンP15が操作される。但し、この操作有効期間内に演出ボタンP15が操作されたとしても、可動体の初期化動作の実行中、すなわち、演出ボタンランプ15aが特殊の発光態様(赤色の発光色で点滅点灯する態様)で発光している間は、演出ボタンP15の操作を契機として演出ボタンランプ15aの報知態様は変化せずに特殊の報知態様を継続する。また、この時点27においては、本来であれば、操作有効期間内に演出ボタンP15が操作されることを契機に、その操作契機演出として第1可動役物P651が落下する(可動位置へと移動する)役物演出が実行されるはずであるが、可動体の初期化動作の実行中であるため、この可動体の初期化動作を優先すべく、当該役物演出の実行が禁止される。ここで、本実施形態では、可動体の初期化動作として、(1)可動役物P651,652の初期化動作の実行中且つ演出ボタンP15の初期化動作の非実行中の状態であっても、(2)可動役物P651,652の初期化動作の非実行中且つ演出ボタンP15の初期化動作の実行中の状態であっても、当該可動体の初期化動作の実行中は役物演出の実行が制限される。つまり、ボタンバイブ演出の実行タイミングが可動体の初期化動作の実行期間と重複する場合には、それが可動役物P651,652の初期化動作であっても、演出ボタンP15の初期化動作であっても、役物演出の実行が制限される(役物演出の実行がキャンセルされる)。なお、本実施形態の変形例として、ボタン演出Aによる役物演出の実行開始タイミングに、演出ボタンP15の初期化動作中であっても、可動役物P651,652の初期化動作が完了していれば(または非実行中の状態であれば)、可動役物P651,652の初期化動作(動作確認上の役物動作)と演出動作(演出上の役物動作)とが競合することがないため、その役物演出を実行可能としてもよい。
時点t28では、可動体の初期化動作のうちの演出ボタンP15の初期化動作が終了する。この演出ボタンP15の初期化動作が終了することを契機に、演出ボタンランプ15aの報知態様が特殊の報知態様(赤色の発光色で点滅点灯する態様)から所定の報知態様(白色の発光色で連続点灯する態様)に切り替わる。なお、それとともに所定時間の振動も終了する。
時点t29では、可動体の初期化動作が終了、つまり、第1可動役物P651の初期化動作と、演出ボタンP15の初期化動作と、第2可動役物P652の初期化動作とが全て終了する。なお、この時点t29において、当該変動表示は継続している。
時点t30では、当落分岐演出としてボタン演出D(操作促進演出)が開始され、画面にボタン画像などの操作促進画像が出現する。時点t31では、演出ボタンP15が操作されることを契機(または演出ボタンP15が操作されずに操作有効期間が経過することを契機)として、第1可動役物P651が落下する(可動位置へと移動する)役物演出と、演出ボタンP15が振動する第2ボタンバイブ演出とがそれぞれ実行され、当該変動表示が大当りであることが示唆される。
時点t32では、装飾図柄が大当りを示す組合せ(大当り目)で仮停止表示される。そして、時点t33において、装飾図柄の仮停止表示が終了して、そのまま装飾図柄が大当りを示す組合せ(大当り目)で確定停止表示される。
このように本実施形態では、可動体の初期化動作の実行中に始動入賞することで行われる当該変動表示にてボタン演出Aの実行と第2ボタンバイブ演出の実行とが予定されている場合(演出抽選にてボタン演出Aと第2ボタンバイブ演出の実行が当選した場合)、可動体の初期化動作中且つ当該変動表示の開始時に実行されるボタン演出Aの操作有効期間内における演出ボタンランプ15aの報知態様は特別の報知態様(赤色の発光色で点滅点灯する態様)であるのに対して、当該変動表示の終盤に実行される第2ボタンバイブ演出の操作有効期間内における演出ボタンランプ15aの報知態様は特定態様の報知態様(赤色の発光色で連続点灯する態様)となる点で、両者の報知態様が相違するものとなる。
なお、本実施形態の変形例として、ボタン演出が実行される前の時間、すなわち、画面上にボタン画像(操作促進画像)が出現する前の時間を利用して、特殊エフェクト演出(エフェクト集合演出)を実行してもよい。この特殊エフェクト演出(エフェクト集合演出)は、ボタン演出が発生すること、すなわち、画面上にボタン画像が出現する演出(「ボタン出現演出」と呼称する場合がある)が実行されることを示唆するボタン出現示唆演出(演出ボタンが出現するか否かを煽るボタン出現煽り演出)として構成されている。
ここで、図150は、特殊エフェクト演出(エフェクト集合演出)の演出例を示す模式図である。この特殊エフェクト演出は、図150(A)に示すように、4つの演出ボタンP15を半透明で表現した特殊エフェクト画像が表示され、この特殊エフェクト画像が1箇所に集合して合成されることで、図150(B)に示すように、1つの完全なボタン画像(非透明のボタン画像)が形成される演出となる。なお、本実施形態では、操作有効期間が開始されるまでは特殊エフェクト演出を行い、ボタン画像が完成したときにボタン操作有効期間が開始されるように、特殊エフェクト演出と操作有効期間との関係を定めることが可能である。
ここで、この特殊エフェクト演出(エフェクト集合演出)を上記ボタン演出Aのボタン出現示唆演出(ボタン出現煽り演出)に適用した場合について説明する。図151は、図149の変形例を示すタイムチャートである。なお、この図151は、前述の図149に対して、時点t30の部分の画面例のみが異なるものであるため、特段の場合を除き、他の部分の説明は省略する。
本実施形態では、ボタン出現演出の演出パターンとして、特殊エフェクト演出(ボタン出現示唆演出またはボタン出現煽り演出)を伴ってボタン画像を表示する第1ボタン出現演出パターンと、特殊エフェクト演出(ボタン出現示唆演出またはボタン出現煽り演出)を伴わずにボタン画像を表示する第2ボタン出現演出パターンとがある。本実施形態のボタン演出のうち、変動開始時に行われるボタン演出Aでは、特殊エフェクト演出を伴わずにボタン画像を表示する第2ボタン出現演出パターンが実行される。一方、当落分岐時に行われるボタン演出Dでは、特殊エフェクト演出を伴ってボタン画像を表示する第1ボタン出現演出パターンが実行される。そのため、図151の時点t26において、ボタン演出Aの実行を開始する際には、第2ボタン出現演出パターンが実行されることで、特殊エフェクト演出が行われることなくボタン画像が表示されることになる。一方、図151の時点t30において、ボタン演出Dの実行を開始する際には、第1ボタン出現演出パターンが実行されることで、先に特殊エフェクト演出が行われてからボタン画像が出現することになる。
このように本変形例では、可動体の初期化動作の実行中に始動入賞することで行われる当該変動表示にてボタン演出Aの実行と第2ボタンバイブ演出の実行とが予定されている場合(演出抽選にてボタン演出Aと第2ボタンバイブ演出の実行が当選した場合)、可動体の初期化動作中且つ当該変動表示の開始時に実行されるボタン演出Aにおけるボタン画像の出現時には特殊エフェクト
演出を実行しないのに対して、当該変動表示の終盤に実行されるボタン演出Dにおけるボタン画像の出現時には特殊エフェクト演出を実行することで、可動体の初期化動作中のボタン演出Aでは当該初期化動作を優先して煩雑な遊技進行となるのを防止し、可動体の初期化動作の終了後のボタン演出Dでは特殊エフェクト演出の発生により遊技者の期待感を高めることができ、遊技の状況に応じた適切な遊技進行処理を行うことが可能となる。
なお、本実施形態の変形例として、変動開始時に行われるボタン演出Aについても、特殊エフェクト演出を伴ってボタン画像を表示する第1ボタン出現演出パターンが実行されるように構成してもよい。その場合には、ボタン演出Dが実行される場合よりも、ボタン演出Aが実行される場合の方が、特殊エフェクト演出を伴ってボタン画像を表示する第1ボタン出現演出パターンが実行される確率が相対的に低いこと(つまり、ボタン演出Dよりもボタン演出Aの方が、第1ボタン出現演出パターンが実行されにくいこと)が好適である。また、変動開始時に行われるボタン演出Bについても、特殊エフェクト演出を伴わずにボタン画像を表示する第2ボタン出現演出パターンが実行されるように構成してもよい。その場合には、ボタン演出Aが実行される場合よりも、ボタン演出Dが実行される場合の方が、特殊エフェクト演出を伴わずにボタン画像を表示する第2ボタン出現演出パターンが実行される確率が相対的に低いこと(つまり、ボタン演出Aよりもボタン演出Dの方が、第2ボタン出現演出パターンが実行されにくいこと)が好適である。
この特殊エフェクト演出については、表示態様を複数種類備えてもよく、そのように構成した場合、例えば、青いエフェクトを伴う特殊エフェクト演出よりも、赤いエフェクトを伴う特殊エフェクト演出のほうが、大当り期待度が高くなるよう構成してもよいし、ボタン画像を複数種類備え(青色ボタン画像と赤色ボタン画像などを備え、青色ボタン画像よりも赤色ボタン画像のほうが高期待度の予告演出が実行されやすく、例えば、青色のコメント予告演出よりも赤色のコメント予告演出が実行されやすい)、青いエフェクトを伴う特殊エフェクト演出よりも、赤いエフェクトを伴う特殊エフェクト演出のほうが、特定のボタン画像(例えば、赤色ボタン画像)となるよう構成してもよい。
また、短時間(例えば、2秒)の特殊エフェクト演出よりも、長時間(例えば、4秒)の特殊エフェクト演出のほうが、大当り期待度が高くなるよう構成してもよいし、短時間(例えば、2秒)の特殊エフェクト演出よりも、長時間(例えば、4秒)の特殊エフェクト演出のほうが、特定のボタン画像(例えば、赤色ボタン画像)となるよう構成してもよい。また、特殊エフェクト演出の表示態様を複数種類備えるよう構成する場合、変動表示中の前半部(リーチ前の所定タイミングであり、例えばボタン演出Bの実行タイミング)よりも、変動表示中の後半部(リーチ後の特定タイミングであり、例えばボタン演出Dの実行タイミング)のほうが、期待度の高い特殊エフェクト演出が実行されやすくなるよう構成してもよい、もしくは、変動表示中の前半部(リーチ前の所定タイミング)では特殊エフェクト演出を実行させず、変動表示中の後半部(リーチ後の特定タイミング)のみ特殊エフェクト演出を実行可能なよう構成してもよい。
また、特殊エフェクト演出の実行可否を抽選で決定して、特殊エフェクト演出が実行されない場合よりも、特殊エフェクト演出が実行される場合の方が、当該変動表示における大当り期待度が相対的に高くなるように構成してもよい。また、特殊エフェクト演出の実行時間(上記特殊エフェクト画像の表示時間)が長いほど、当該変動表示における大当り期待度が相対的に高くなる、或いは、ボタン操作を契機として大当りか否かを示す確度の高い演出が発生するように構成してもよい。そのとき、特殊エフェクト演出を当落分岐のタイミング(前述した変動表示中の後半部であるリーチ後の特定タイミングであり、例えばボタン演出Dの実行タイミング)にて実行する場合には、特殊エフェクト演出の演出時間(上記特殊エフェクト画像の表示時間)は、演出ボタンP15の操作有効期間よりも長時間に設定されていることが好適である。なお、その構成とは逆に、特殊エフェクト演出の演出時間(上記特殊エフェクト画像の表示時間)を、演出ボタンP15の操作有効期間よりも短時間に設定してもよい。また、その他の変形例として、ボタン画像の表示態様として、複数種の表示態様(例えば、青色ボタン画像、赤色ボタン画像、虹色ボタン画像、大型ボタン画像、小型ボタン画像など)を用意してもよい。その場合には、特殊エフェクト演出の実行可否および実行された場合の演出時間を、その後に実行予定のボタン画像の表示態様に応じて異ならせてもよい。
また、更なる変形例として、先読み対象の作動保留球が消化される以前の一又は複数回の変動表示(ターゲット前の変動である先読み変動表示)の実行中においてもコメント予告演出を実行可能且つ(ボタン画像を表示可能)とし、該先読み変動表示の実行中の方が、この先読み対象の作動保留球が消化されたときの変動表示(当該変動表示)の実行中よりも、特殊エフェクト演出が実行される可能性を低くしてもよいし、該先読み変動表示の実行中の方が、この先読み対象の作動保留球が消化されたときの変動表示(当該変動表示)の実行中よりも、高期待度の特殊エフェクト演出(前述したような赤いエフェクトを伴う特殊エフェクト演出や長時間(例えば、4秒)の特殊エフェクト演出など)が実行される可能性を低くしてもよい。
その他変形例として、変動表示中の前半部(リーチ前の所定タイミングであり、例えばボタン演出Bの実行タイミング)で特殊エフェクト演出を実行させず(もしくは、高期待度の特殊エフェクト演出を実行させず低期待度の特殊エフェクト演出を実行させ)、変動表示中の後半部(リーチ後の特定タイミングであり、例えばボタン演出Dの実行タイミング)で特殊エフェクト演出を実行させる(もしくは、低期待度の特殊エフェクト演出ではなく高期待度の特殊エフェクト演出を実行させる)場合、変動表示中の前半部であるリーチ前の所定タイミングと、変動表示中の後半部であるリーチ後の特定タイミングとの期間が長いほど(例えば、60秒よりも90秒であるほうが)、大当り期待度が高くなるよう構成してもよいし、変動表示中の後半部であるリーチ後の特定タイミングにおけるボタン画像が高期待度の画像となりやすく(例えば、青色ボタン画像ではなく赤色ボタン画像となりやすく)なるよう構成してもよい。
≪初期化動作中のボタン演出B≫ 次に、可動体の初期化動作とボタン演出Bとの関係について説明する。図152は、可動体の初期化動作と第2ボタン演出との関係を説明するためのタイムチャートである。ここで、最下段のボタンバイブ演出のタイムチャートについては、演出ボタンP15の初期化動作における所定時間の振動は「実行」扱いとしていない。なお、図149では、紙面の都合上、簡易的な画面表示(小図柄や保留画像などの一部の表示を省略した画面表示)を示している。
まず、時点t41~t44については、前述の時点t1~t4と同様であるため、重複説明を省略する。時点55では、可動体の初期化動作のうちの演出ボタンP15の初期化動作が開始される。この演出ボタンP15の初期化動作が開始されることを契機に、演出ボタンランプ15aが特殊の報知態様(赤色の発光色で点滅点灯する態様)で発光する(消灯状態から赤色の点滅状態に切り替わる)。
続いて、時点t46において、可動体の初期化動作の実行中に、遊技球が第1始動口P51に入球することで、第1特別図柄の変動表示が開始される。また、主制御基板P100から演出制御基板P200に変動開始コマンドが送信されることにより、装飾図柄の変動表示と小図柄の変動表示が開始される。また、この時点t46において、当該変動表示の開始時に演出抽選が行われ、ボタン演出Bの実行と、第2ボタンバイブ演出の実行とが決定されるものとする。そのため、この時点t46(当該変動表示の開始時)において、ボタン演出B(操作促進演出)が開始され、画面にボタン画像やインジケータ画像などの操作促進画像が出現する。
続いて、時点t47において、操作有効期間内に演出ボタンP15が操作される。但し、この操作有効期間内に演出ボタンP15が操作されたとしても、可動体の初期化動作の実行中、すなわち、演出ボタンランプ15aが特殊の発光態様(赤色の発光色で点滅点灯する態様)で発光している間は、演出ボタンP15が操作されたとしても、それを契機として演出ボタンランプ15aの報知態様は変化せずに特殊の報知態様を継続する。また、この時点t47において、操作有効期間内に演出ボタンP15が操作されることで、その操作契機演出として、画面には「チャンス!!」という台詞画像が表示される台詞演出(「コメント予告演出」とも呼称する)が実行される。但し、このボタン演出Bの操作契機演出(台詞予告演出)は、前述したとおり、操作有効期間内に演出ボタンP15が操作されたことを実行条件とするため、その操作有効期間内に演出ボタンP15が操作されずに操作有効期間が終了した場合には、この操作契機演出(台詞演出)が実行されないままで当該ボタン演出Bが終了することになる。
時点t48では、可動体の初期化動作のうちの演出ボタンP15の初期化動作が終了する。この演出ボタンP15の初期化動作が終了することを契機に、演出ボタンランプ15aの報知態様が特殊の報知態様(赤色の発光色で点滅点灯する態様)から所定の報知態様(白色の発光色で連続点灯する態様)に切り替わる。なお、それとともに所定時間の振動も終了する。
時点t49では、可動体の初期化動作が終了、つまり、第1可動役物P651の初期化動作と、演出ボタンP15の初期化動作と、第2可動役物P652の初期化動作とが全て終了する。なお、この時点t49において、当該変動表示は継続している。
時点t50では、当落分岐演出としてボタン演出D(操作促進演出)が開始され、画面にボタン画像などの操作促進画像が出現する。時点t51では、演出ボタンP15が操作されることを契機(操作契機演出)として、第1可動役物P651が落下する(可動位置へと移動する)役物演出と、演出ボタンP15が振動する第2ボタンバイブ演出とがそれぞれ実行され、当該変動表示が大当りであることが示唆される。なお、このボタン演出Dは、先に実行されたボタン演出Bとは異なり、操作有効期間内に演出ボタンP15が操作されなかった場合でも、その操作有効期間が終了することを契機として、操作契機演出(役物演出、第2ボタンバイブ演出)が実行されることになる。
時点t52では、装飾図柄が大当りを示す組合せ(大当り目)で仮停止表示される。そして、時点t53において、装飾図柄の仮停止表示が終了して、そのまま装飾図柄が大当りを示す組合せ(大当り目)で確定停止表示される。
このように本実施形態では、電源投入直後に行われる演出ボタンの初期化動作中に変動表示が開始される場合でも、変動表示の開始時または前半に行われ得るボタン演出B(初期化動作と重複実行される可能性が相対的に高いボタン演出)については操作有効期間内に演出ボタンP15が実際に操作された場合に限り操作契機演出が実行される種別のボタン演出(操作契機演出の実行条件をボタン操作のみとする種別のボタン演出)とすることで、可動体の初期化動作とボタン演出Bとが重複実行された場合の処理負担を軽減できるようになっている。なお、変形例として、変動表示の開始時または前半に行われ得るボタン演出Bについても、変動表示の中盤(擬似連中やリーチ成立後など)または後半(SPリーチの発展後など)に行われ得るボタン演出D(重複実行される可能性が相対的に低いボタン演出)と同様に、操作有効期間内に演出ボタンP15が操作され
た場合に限らず、その操作有効期間内に演出ボタンP15が操作されずに操作有効期間が終了した場合にも、操作契機演出が実行され得るように構成してもよい。但し、その場合には、ボタン演出Dが実行される場合よりも、ボタン演出Bが実行される場合の方が、操作有効期間内に演出ボタンが操作されなかったときに操作契機演出が実行される確率が相対的に低いこと(つまり、ボタン演出Dよりもボタン演出Bの方が、操作有効期間内に演出ボタンP15が操作されなかったときに、操作契機演出が実行されにくいこと)が好適である。
≪ボタンバイブ演出のその他の作用≫ 本実施形態の遊技機では、複数回の変動表示(例えば今回の変動表示と次回の変動表示との間)に跨ってボタンバイブ演出(例えば、第1ボタンバイブ演出α、第1ボタんバイブ演出β、第2ボタンバイブ演出、第3ボタンバイブ演出など)が実行されないように構成されている。つまり、本実施形態のボタンバイブ演出は、図柄の確定停止表示時に実行されることがなく(確定停止表示の前後に跨って実行されることがなく)、必ず1回の変動表示の実行中(当該変動表示が確定停止表示される前)に完結するように構成されている。
その一方で、大当り遊技の実行中にボタンバイブ演出(例えば、昇格演出や保留内連荘演出の実行に伴って実行されるボタンバイブ演出である第4ボタンバイブ演出)が実行される場合には、このボタンバイブ演出は複数回のラウンド遊技(例えば今回のラウンド遊技と次回のラウンド遊技との間)に跨って実行可能に構成されている。つまり、1回のラウンド遊技の終了条件は、大入賞口P54の最大開放時間が経過した場合、または、この最大開放時間が経過する前に規定カウント数の遊技球の入球が検出された場合であり、この1回のラウンド遊技の実行時間は常に固定的な時間値とはならず、そのラウンド遊技の進度(大入賞口P54への遊技球の入球状況)に応じて当該ラウンド遊技が最大開放時間に達する前の早期の段階で終了した場合には、ボタンバイブ演出が複数回のラウンド遊技間を跨いで実行され得ることになるからである。但し、このボタンバイブ演出は、大当り遊技の初回のラウンド遊技(第1ラウンド)から最終回のラウンド遊技(最終ラウンド)までに亘り連続的に実行されることはない。また、このボタンバイブ演出は、大入賞口P54の最大開放時間よりも短い時間にて実行される。
また、装飾図柄の変動表示中においては、前述した仮停止時動作、リーチ成立時動作の実行中(少なくとも実行開始時)は、仮停止している装飾図柄の表示態様(リーチ態様)に注意を向けるために、ボタンバイブ演出が実行されないよう構成されているが、変動開始時動作の実行中(少なくとも実行開始時)は、変動開始時動作をより一層盛り上げるために第1ボタンバイブ演出αが実行され得るよう構成されており、揺れ動作の実行中(少なくとも実行開始時)は、揺れ動作のみで単調になることを防止するために、第1ボタンバイブ演出β、第2ボタンバイブ演出、第3ボタンバイブ演出が実行され得るよう構成されている。但し、変動停止してから待機デモ演出が表示されるまでの間に実行され得る揺れ動作の実行中は、ボタンバイブ演出が実行されない。
また、ボタンバイブ演出の実行中に光量調整を行っても、ボタンバイブ演出の実行に伴う演出ボタンランプ15aの特定の報知態様(赤色の発光色で連続点灯する態様)や特別の報知態様(虹色の発光色で連続点灯する態様)の発光における光量は変化しない(調整されない)が、ボタンバイブ演出の実行中に伴う遊技盤P20(センター飾りP21)に設けられた盤ランプP25が赤色や虹色の発光色で連続点灯する発光における光量は変化する(調整される)。なお、変形例として、ボタンバイブ演出の実行中に光量調整を行うと、ボタンバイブ演出の実行に伴う演出ボタンランプ15aの特定の報知態様(赤色の発光色で連続点灯する態様)や特別の報知態様(虹色の発光色で連続点灯する態様)の発光における光量も、ボタンバイブ演出の実行中に伴う遊技盤P20(センター飾りP21)に設けられた盤ランプP25が赤色や虹色の発光色で連続点灯する発光における光量も変化する(調整される)よう構成してもよい。但し、演出ボタンP15の初期化動作中(振動中)に光量調整を行う場合、演出ボタンP15の初期化動作(振動)に伴う演出ボタンランプ15aの特殊の報知態様(赤色の発光色で点滅点灯する態様)の発光における光量は変化しない(調整されない)。
また、大当り変動におけるボタン演出Dの実行時におけるボタン画像が、前述した青色ボタン画像である場合は、第2ボタンバイブ演出が実行される場合もあれば、第3ボタンバイブ演出が実行される場合もある一方で、青色ボタン画像よりも大当り期待度が高い赤色ボタン画像や虹色ボタン画像である場合は、第2ボタンバイブ演出のみが実行される(もしくは、青色ボタン画像である場合よりも、第2ボタンバイブ演出が実行されやすく、第3ボタンバイブ演出が実行されにくい)よう構成されている。
≪電源投入時の移行モードに応じた初期化動作≫ また、本実施形態の遊技機は、電源投入時の移行モードに応じて、可動体(可動役物および演出ボタン)の初期化動作の実行タイミングが異なり得るように構成されている。
まず、遊技機の電源投入時の移行モードが遊技モード(第5実施形態を参照)である場合、すなわち、設定キースイッチP810をOFFにして、且つ、RAMクリアスイッチP820をOFFにした状態で、電源を投入した場合(電源スイッチをONにした場合)には、演出表示装置P70の表示が復帰中画面から通常画面に切り替わるのと略同時に、可動体の初期化動作が実行される。
遊技機の電源投入時の移行モードが設定変更モード(第5実施形態を参照)である場合、すなわち、設定キースイッチP810をONにして、且つ、RAMクリアスイッチP820をONにした状態で、電源を投入した場合(電源スイッチをONにした場合)には、この設定変更モードの実行中に可動体の初期化動作は実行されない。すなわち、設定変更モードの実行中は、演出表示装置P70に設定変更中であることを促すための設定変更中画面が表示され、この設定変更中画面の視認性を阻害しないようにするため、可動体の初期化動作が実行されないようになっている。そして、設定キースイッチP810をOFFに切り替えて、設定変更モードが終了した後に、可動体の初期化動作が実行される。
遊技機の電源投入時の移行モードが設定確認モード(第5実施形態を参照)である場合、すなわち、設定キースイッチP810をONにして、且つ、RAMクリアスイッチP820をOFFにした状態で、電源を投入した場合(電源スイッチをONにした場合)には、この設定確認モードの実行中に可動体の初期化動作は実行されない。すなわち、設定確認モードの実行中は、演出表示装置P70に設定確認中であることを促すための設定確認中画面が表示され、この設定確認中画面の視認性を阻害しないようにするため、可動体の初期化動作が実行されないようになっている。そして、設定キースイッチP810をOFFに切り替えて、設定確認モードが終了した後に、可動体の初期化動作が実行される。
遊技機の電源投入時の移行モードがRAMクリアモード(第5実施形態を参照)である場合、すなわち、設定キースイッチP810をOFFにして、且つ、RAMクリアスイッチP820を押下した状態(ONにした状態)で、電源を投入した場合(電源スイッチをONにした場合)には、RAMクリアの処理(主制御マイコンP110に搭載されたRAMP103の所定の記憶領域が初期化される処理)が実行されて、演出表示装置の表示が復帰中画面から通常画面に切り替わるのと略同時に、可動体の初期化動作が実行される。なお、本実施形態では、RAMクリアモードへの移行操作を行った場合でも、電源投入時またはRAMクリアモードへの移行時から起算して所定猶予時間以内(例えば1秒以内)に設定キースイッチP810をONに切り替えた場合には、設定変更モードに移行するようになっている。この設定確認モードの実行中は、前述したように、演出表示装置P70に設定確認中であることを促すための設定確認中画面が表示され、この設定確認中画面の視認性を阻害しないようにするため、可動体の初期化動作が実行されないようになっている。そして、設定キースイッチP810をOFFに切り替えて、設定変更モードが終了した後に、可動体の初期化動作が実行される。「所定猶予時間」とは、遊技機に電源が投入された後、設定変更スイッチP810の操作状態(ON/OFF)を確認するための処理が行われるまでの時間である。例えば、電源投入直後の復帰中画面の表示中の期間を所定猶予時間内とすることで、この復帰中画面の表示中においては設定キースイッチP810のON操作により設定変更モードに移行可能に構成してもよい。その場合には、復帰中画面から通常画面に切り替わることを契機に、所定猶予時間が終了して、設定キースイッチP810をON操作しても、設定変更モードに移行しないことが好適である。また、所定猶予時間の終了時を可動体の初期化動作の開始時よりも前に設定することが好ましく、それによれば初期化動作が開始された後に設定変更モードに移行してしまうという不具合(設定変更モードの実行中に可動体の初期化動作が行われるという事態)を未然に防止することができる。
[左打ち報知演出] 次に、左打ち報知演出について説明する。本実施形態の遊技機では、現在実行中の遊技状態に応じて、遊技者が左側領域PA1を狙って遊技を進める左打ち遊技と、遊技者が右側領域PA2を狙って遊技を進める右打ち遊技とを実行可能に構成されている。このとき、現在実行中の遊技状態が低ベース状態(特別遊技状態を除く)である場合、すなわち、第1特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態(左打ちが有利な遊技状態)である場合には、左打ち報知演出を実行可能である。この左打ち報知演出は、遊技球を左側領域PA1へ向けて発射させることを促す左打ち報知画像を表示する演出である。なお、本実施形態では、現在実行中の遊技状態が高ベース状態である場合、すなわち、第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態(右打ちが有利な遊技状態)である場合には、右打ち報知演出を実行可能である。また、特別遊技状態の実行中においても、右打ち報知演出を実行可能である。この右打ち報知演出は、遊技球を右側領域PA2へ向けて発射させることを促す右打ち報知画像を表示する演出である。
図153は、左打ち報知画像の表示例を示す模式図である。図示例では、(A)高ベース状態の終了直前(高ベース状態の最終回の変動表示)→(B)低ベース状態の開始(高ベース状態の最終回の変動表示終了後の図柄停止中であり低ベース状態の1回転目の変動表示開始前)→(C)低ベース状態での1回転目の変動表示、という順に表示画面が遷移した場合を示している。この図中(C)に示すように、左打ち報知画像(左打ち報知表示)は、例えば「左打ちして下さい」という文字画像(文字表示)と、左向きの矢印画像(矢印表示)との組合せ画像から構成されている。この左打ち報知演出の実行中は、左打ち報知画像の表示の他に、スピーカから遊技者に左打ちを促す左打ち報知音(例えば「左打ちしてください」という音声)を出力してもよい。
本実施形態においては、遊技状態が低ベース状態(非大当り中の低ベース状態)である場合に、左打ち報知演出の実行中では、左打ち報知画像の表示と、装飾図柄の表示(変動表示中の装飾図柄、仮停止表示中の装飾図柄、確定停止表示中の装飾図柄)とを重複表示可能である。この左打ち報知画像の表示と装飾図柄の表示とを重複表示する場合には、遊技者に対する左打ち報知の実効性を高めるために(左打ち報知画像の視認性を確保するために)、装飾図柄の表示の優先度(レイヤの優先度)よりも、左打ち報知画像の表示の優先度(レイヤの優先度)の方が
上位の優先度(高い優先度)に設定されている。なお、「重複表示」とは、一方の画像の表示と他方の画像の表示とを重ねて表示することを意味し、一方の画像の表示よりも他方の画像の表示の方が表示の優先度が高い場合には、一方の画像の表示の少なくとも一部が他方の画像の表示の存在により視認不能または視認性が低下し、一方の画像の表示よりも他方の画像の表示の方が表示の優先度が低い場合には、他方の画像の表示の少なくとも一部が一方の画像の表示の存在により視認不能または視認性が低下することになる。なお、装飾図柄の視認性を確保するために、左打ち報知画像を半透明な画像により形成してもよい。
一方で、この左打ち報知演出の実行中には、左打ち報知画像の表示と、小図柄の表示と、保留画像および変動中画像の表示と、各特別図柄の作動保留球数の表示がそれぞれ重複表示されないように構成されている。それより、たとえ装飾図柄の視認性が左打ち報知画像によって妨げられたとしても、小図柄、保留画像、変動中画像、および各特別図柄の作動保留球数の表示の視認性は確保されているため、遊技者は現在の遊技状況(変動表示中、停止表示中、作動保留球数など)を適切に認識することができる。
なお、本遊技機を正面視した場合に、左打ち報知画像の表示領域は、第1可動役物P651の初期化動作の動作領域(動作範囲)と少なくとも一部において重複しているが、この第1可動役物P651の初期化動作の実行中は、左打ち報知演出の実行(左打ち報知画像の表示)を規制している(可動体の初期化動作を優先している)。例えば、高ベース状態の最終回の変動表示が終了し、残存する第1特別図柄の作動保留球が消化されることで低ベース状態の1回転目の変動表示が開始されることで左打ち報知演出の実行(左打ち報知画像の表示)が開始された直後に電源断が発生し、電源断復帰して可動体の初期化動作が実行される場合は、左打ち報知演出の実行(左打ち報知画像の表示)は中断される。もしくは、変動表示が行われておらず、第1特別図柄の作動保留球も第2特別図柄の作動保留球も存在しない変動待機状態(非変動状態)中に遊技球が第1始動口P51に入球することで第1特別図柄の変動表示が開始することで左打ち報知演出の実行(左打ち報知画像の表示)が行われている最中に電源断が発生し、電源断復帰して可動体の初期化動作が実行される場合は、左打ち報知演出の実行(左打ち報知画像の表示)は中断される。但し、第1可動役物P651の初期化動作の実行中において、左打ち報知演出の実行タイミング(低ベース状態の1回転目の変動表示の実行タイミング)が到来した場合には、左打ち報知演出(左打ち報知画像の表示)を実行するように構成してもよい。例えば、高ベース状態の最終回の変動表示中に電源断が発生し、電源断復帰して可動体の初期化動作が実行されている最中に、高ベース状態の最終回の変動表示が終了し、残存する第1特別図柄の作動保留球が消化されることで低ベース状態の1回転目の変動表示が開始された場合、左打ち報知演出の実行(左打ち報知画像の表示)が可動体の初期化動作と同時並行して実行されてもよい。
続いて、左打ち報知演出の実行タイミングについて説明する。図154は、左打ち報知演出の実行タイミングの説明に供するタイムチャートである。なお、以下の説明において、遊技状態が高ベース状態から低ベース状態に移行する場合とは、時短遊技状態(低確率高ベース状態)から通常遊技状態(低確率低ベース状態)に移行する場合と、確変遊技状態(高確率高ベース状態)から通常遊技状態(低確率低ベース状態)に移行する場合とを含む。また、時短遊技状態(低確率高ベース状態)または確変遊技状態(高確率高ベース状態)から通常遊技状態(低確率低ベース状態)に移行する場合とは、時短遊技状態(低確率高ベース状態)または確変遊技状態(高確率高ベース状態)での変動表示回数(第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数の合計回数)が予め定められた所定回数(例えば100回)に達した場合である。すなわち、時短遊技状態(低確率高ベース状態)または確変遊技状態(高確率高ベース状態)において、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数の合計回数が予め定められた所定回数(例えば100回)に達することを契機として、これらの遊技状態が終了して通常遊技状態(低確率低ベース状態)に移行することになる。
また、本実施形態では、右打ち遊技となる遊技状態として高ベース状態(時短遊技状態、確変遊技状態)を例示して説明するが、この右打ち遊技となる遊技状態としては、高ベース状態(時短遊技状態、確変遊技状態)の他にも、特別遊技(大当り遊技)の実行中の状態である特別遊技状態(大当り遊技状態)がある。そして、この特別遊技状態から通常遊技状態へ移行した場合についても、本実施例の左打ち報知演出に関する構成を適用することができる。但し、この特別遊技状態は、低ベース状態に属するため、特別遊技状態から通常遊技状態に移行する場合には、大当り中の低ベース状態から非大当り中の低ベース状態に移行することになるという点(低ベース状態同士での移行となる点)で、高ベース状態から低ベース状態への移行とは異なることを補足する。
本実施形態の遊技機では、図154に示すように、第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態(高ベース状態)から第1特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態(低ベース状態)へ移行した場合、この低ベース状態の1回転目の変動表示の開始時から左打ち報知演出を実行可能に構成されている。この低ベース状態の1回転目の変動表示とは、(a)移行前の高ベース状態の終了時に第1特別図柄の作動保留球のみが残存している場合には、この第1特別図柄の作動保留球(最先の第1特別図柄の作動保留球)が消化されることで行われる「第1特別図柄の変動表示」となり、(b)移行前の高ベース状態の終了時に第2特別図柄の作動保留球のみが残存している場合には、この第2特別図柄の作動保留球(最先の第2特別図柄の作動保留球)が消化されることで行われる「第2特別図柄の変動表示」となり、(c)移行前の高ベース状態の終了時に第1特別図柄の作動保留球と第2特別図柄の作動保留球とが共に残存している場合には、前述の特図2優先消化のもと、その第2特別図柄の作動保留球(最先の第2特別図柄の作動保留球)が消化されることで行われる「第2特別図柄の変動表示」となる。なお、図154の図示例では、高ベース状態の終了時に第1特別図柄の作動保留球のみが残存している場合を例示する。その一方で、移行前の高ベース状態の終了時に第1特別図柄の作動保留球も第2特別図柄の作動保留球も残存していない場合(いずれの作動保留球数も0である場合)には、高ベース状態の開始時から所定時間に亘り左打ち報知演出が実行されることになる(つまり、各特別図柄の作動保留球が0個の状態である変動待機状態(非変動状態)で左打ち報知演出が開始されることになる)。
この左打ち報知演出は、1回転目の変動表示の開始時(または低ベース状態の開始時)から起算して所定時間が経過したときに終了する。所定時間とは、例えば30秒であり、非リーチ種別の変動時間(後述の短縮変動の変動時間=7秒、通常変動の変動時間=12秒)よりも相対的に短時間に設定されている。ここで、遊技状態が低ベース状態である場合、特別図柄の変動パターンの抽選処理では、特別図柄の変動時間が相対的に長い変動パターン(Nリーチの変動パターン、SPリーチの変動パターン)よりも、特別図柄の変動時間が相対的に短い変動パターン(短縮変動の変動パターン、通常変動の変動パターン)の方が選択され易く設定されており(例えば、前述の第2実施形態と同様に、短縮変動および通常変動の変動パターンの選択率が80%と高確率に設定されており)、左打ち報知演出を複数回の変動表示に亘り実行可能に構成されている(左打ち報知演出が複数回の変動表示に亘り実行される可能性が極めて高くなっている)。
なお、本実施形態では、低ベース状態の1回転目の変動表示であっても、この1回転目の変動表示が特定の変動表示である場合には、2回転目以降の変動表示において左打ち報知演出は実行されない。つまり、低ベース状態の1回転目の変動表示が特定の変動表示である場合には、当該1回転目の変動表示の途中まで(当該変動表示の開始時から上記所定時間に到達するまでの間)は左打ち報知演出が実行されるが、複数回の変動表示に亘り実行されないようになっている。この特定の変動表示とは、特別図柄の変動時間が相対的に長時間に設定された変動表示、すなわち、特別図柄の変動時間が上記所定時間以上に設定された変動表示であり、その一例としては、超ロング変動表示、SPリーチの変動表示などが該当する。なお、この特定の変動表示として、大当りの変動表示を含めることもできる。すなわち、低ベース状態の1回転目の変動表示が大当りの変動表示である場合には、当該1回転目の変動表示が終了した後に大当り遊技に移行することになり、現在実行中の低ベース状態において当該1回転目と連続する2回転目以降の変動表示が発生しないからである。加えて、大当りの変動表示の終了後には、右打ちを主体とする大当り遊技に移行したうえで、さらには、その大当り遊技の終了後に高ベース状態に移行して、その大当り遊技の終了後の1回転目の変動表示も右打ちをすべき状況となる場合があるからである(そもそも左打ち報知演出を行う必要性が低いからである)。
続いて、左打ち報知演出の実行中に電源断が発生した場合について説明する。図155は、左打ち報知演出の実行中に電源断が発生した場合のタイムチャートである。本実施形態では、図155に示すように、遊技状態が低ベース状態であるとき、1回転目の変動表示の開始時から左打ち報知画像を表示可能になっているが、この1回転目の変動表示の実行中に電源断が発生した場合には、その電源断の復帰後において行われる変動表示では左打ち報知演出が再開されない(左打ち報知画像は非表示となる)ように構成されている。つまり、電源断の復帰後において、1回転目の変動表示(当該電源断により中断された1回転目の変動表示)が再開されたとしても、その再開された1回転目の変動表示において左打ち報知演出は再開されず、また、2回転目以降の変動表示が行われたとしても左打ち報知演出は実行されないようになっている。その理由としては、電源断の復帰後であれば、高ベース状態から低ベース状態へ移行したことを示す演出(「通常モード開始」の表示など)を表示することなく、最初から低ベース状態として扱うことが適切であるため(例えば、ホール運営側が閉店時に電源断を行って、翌営業日の開店時に電源断の復帰を行う場合などを考えると、電源断の直前の遊技状態を考慮する必要がないため)である。
その一方で、高ベース状態の最終回の変動表示の途中に電源断が発生し、当該電源断が復帰した後に再開された当該最終回の変動表示が終了することで、高ベース状態から低ベース状態へ移行した場合には、この低ベース状態の1回転目の変動表示の開始時から左打ち報知演出が実行可能に構成されている(左打ち報知演出が複数回の変動表示に亘り実行され得るようになっている)。これは、高ベース状態の最終回の変動表示の途中で電源断が発生し、当該電源断が復帰した場合は、未だ高ベース状態が継続している状況であることは間違いない状況であるため、再開した高ベース状態の最終回の変動表示においては右打ち報知画像の表示を再開して、適切な発射位置に関する情報を遊技者に教えるとともに、その後、高ベース状態が終了することで、適切な発射位置が切り替わったことについても遊技者に教えることで、電源断という事象が発生したとしても、遊技の進行状況(状況変化)を適切に報知するができるためである。
なお、本実施形態の変形例として、高ベース状態の最終回の変動表示の実行中に電源断が発生し、当該電源断が復帰した後に再開された当該最終回の変動表示が終了することで、
高ベース状態から低ベース状態へ移行した場合には、この低ベース状態の1回転目の変動表示の実行中に左打ち報知演出は実行されないが、この低ベース状態の所定回転目の変動表示(例えば2回転目の変動表示)の開始時、または、この低ベース状態に移行してから特定の時間の経過時に、左打ち報知演出が実行されるように構成してもよい。さらには、高ベース状態の最終回の変動表示の実行中に電源断が発生した場合には、当該最終回の変動表示の残り時間(最終回の変動表示時間のうち、当該電源断の発生時に未だ実行されていない残りの変動表示時間)に応じて、低ベース状態での左打ち報知の実行可否または実行タイミングを変更してもよく、例えば、当該最終回の変動表示の残り時間が規定時間(例えば0.5秒)以上である場合には、低ベース状態の1回転目の変動表示から左打ち報知演出を実行可能とし、当該最終回の変動表示の残り時間が規定時間未満である場合には、低ベース状態の1回転目の変動表示からは左打ち報知演出を実行せず、所定回転目の変動表示(例えば2回転目の変動表示)から左打ち報知演出を実行するように構成してもよい。また、例えば、当該最終回の変動表示の残り時間が規定時間(例えば0.5秒)以上である場合には、低ベース状態の1回転目の変動表示から左打ち報知演出を実行可能とし、当該最終回の変動表示の残り時間が規定時間未満である場合には、当該低ベース状態に滞在中は左打ち報知演出を実行しないように構成してもよい。また、高ベース状態の最終回の変動表示の実行中に電源断が発生した場合には、この高ベース状態から低ベース状態に移行したとしても、当該低ベース状態に滞在中は左打ち報知演出を実行しないように構成してもよい。
また、本実施形態の変形例として、遊技状態が高ベース状態から低ベース状態へ移行したときに、高ベース状態の終了時に記憶されていた第2特別図柄の作動保留球が残存している場合には、この低ベース状態に移行した後において当該第2特別図柄の作動保留球が全て消化されたことを条件に、左打ち報知演出を実行可能としてもよい。
また、本実施形態の変形例として、高ベース状態から低ベース状態に移行した場合に、この低ベース状態の開始時から起算して所定回数(例えば4回)の変動表示において、各変動表示の開始時から一定時間(例えば3秒間)だけ左打ち報知演出を実行するように構成してもよい。つまり、低ベース状態での最初の数回転の変動表示だけ、その変動表示の開始時から数秒間だけ左打ち報知演出を行うようにしてもよく、この構成によれば、左打ち報知演出を時間単位ではなく変動表示回数単位で行うことができ、遊技者に対して一層効果的な報知演出を行うことが可能となる。
≪電サポ抜け後の先読み演出≫ 次に、高ベース状態から低ベース状態へ移行した後の先読み演出について説明する。図156は、低ベース状態に移行した後の先読み演出の説明に供するタイムチャートである。なお、以下の説明では、先読み演出の実行契機となる作動保留球を「ターゲットの作動保留球」とも呼称し、ターゲットの作動保留球よりも前に消化される作動保留球を「ターゲット前の作動保留球」とも呼称する。また、ターゲットの作動保留球に対応する保留画像を「ターゲットの保留画像」とも呼称し、ターゲット前の作動保留球に対応する保留画像を「ターゲット前の保留画像」とも呼称する。また、ターゲットの作動保留球が消化されることで表示される変動中画像を「ターゲットの変動中画像」とも呼称し、ターゲット前の作動保留球が消化されることで表示される変動中画像を「ターゲット前の変動中画像」とも呼称する。また、ターゲットの作動保留球が消化されることで実行される変動表示を「ターゲットの変動表示」とも呼称し、ターゲット前の作動保留球が消化されることで実行される変動表示を「ターゲット前の変動表示」とも呼称する。
本実施形態の遊技機は、現在実行中の変動表示における遊技状態が低ベース状態である場合(第1特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態である場合)、第1特別図柄の作動保留球を対象として変動表示中に先読み演出を実行可能であるが、第2特別図柄の作動保留球を対象として変動表示中に先読み演出は実行されない。一方、現在実行中の変動表示における遊技状態が高ベース状態である場合(第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態である場合)、第2特別図柄の作動保留球を対象として変動表示中に先読み演出を実行可能であるが、第1特別図柄の作動保留球を対象として変動表示中に先読み演出は実行されない。
ここで、本実施形態では、図156に示すように、遊技状態が高ベース状態から低ベース状態へ移行したときに、この低ベース状態での1回転目の変動表示の開始時(つまり左打ち報知演出の開始時)に、第1特別図柄の作動保留球が記憶されている場合には、その第1特別図柄の作動保留球が全て消化されるまでの間(「特定期間」と呼称する)は、少なくとも特定の先読み演出である保留変化演出が実行されないように構成されている。この低ベース状態の1回転目の変動表示の開始時(左打ち報知演出の開始時)に第1特別図柄の作動保留球が記憶されている場合とは、典型的には、移行前の高ベース状態の終了時に第1特別図柄の作動保留球が残存しているときである。そして、低ベース状態に移行した後であっても、高ベース状態から残存している第1特別図柄の作動保留球が全て消化されるまでの期間(特定期間)については、特定の先読み演出が実行されない。なお、図156では、低ベース状態の開始時(左打ち報知演出の開始時)に、第1特別図柄の作動保留球が「3個」残存している場合を例示しおり、この3個の第1特別図柄の作動保留球が全て消化されるまでの間(特定期間)は、特定の先読み演出は実行されないことになる。なお、移行前の高ベース状態の終了時に、第1特別図柄の作動保留球と第2特別図柄の作動保留球とが共に記憶されていた場合には、前述の特図2優先消化のもと、当該第2特別図柄の作動保留球が全て消化され、且つ、当該第1特別図柄の作動保留球が全て消化されるまでの期間が特定期間に該当する。なお、特定期間については、低ベース状態に移行した後であっても、高ベース状態から残存している第1特別図柄の作動保留球が全て消化され、且つ、消化されたことで実行される変動表示が全て終了(停止表示)するまでの期間としてもよい。
その一方で、低ベース状態の特定期間が終了した後(左打ち報知演出の開始時に残存する第1特別図柄の作動保留球が全て消化された後)は、第1特別図柄の作動保留球(つまり、今回の低ベース状態の実行中に新たに生起した第1特別図柄の作動保留球)をターゲットの作動保留球として特定の先読み演出を実行することが可能となる。この特定の先読み演出の実行可否等を決定するための先読み判定は、前述したとおり、主制御基板P100側からの事前判定結果に基づき演出制御基板P200側にて行われる。
なお、低ベース状態の特定期間中にて特定の先読み演出が実行されない理由は、以下のとおりである。まず、低ベース状態の1回転目の変動表示の開始時に、第1特別図柄の作動保留球が記憶されている場合とは、例えば、(A)当該低ベース状態の移行前に滞在していた高ベース状態の実行中に生起した第1特別図柄の作動保留球が、この高ベース状態の終了時までに消化されなった場合と、(B)この高ベース状態の移行前にも、低ベース状態(前回の低ベース状態)に滞在しており、この低ベース状態(前回の低ベース状態)の実行中に生起した第1特別図柄の作動保留球がその後消化されることなく高ベース状態に移行して、この高ベース状態の終了時まで消化されなかった場合とがある。
前者(A)の場合については、高ベース状態(第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態)の実行中には、第1特別図柄の作動保留球が生起されたとしても、当該第1特別図柄の作動保留球は事前判定の対象とはならず、主制御基板P100から演出制御基板P200へ該第1特別図柄の作動保留球に対応する事前判定コマンドが送信されることもないため、そもそも第1特別図柄の作動保留球に対する事前判定結果が存在せず、この第1特別図柄の作動保留球をターゲットの作動保留球として先読み演出を実行できないからである。また、この高ベース状態が終了して低ベース状態が開始するときに、この低ベース状態が開始された後において、高ベース状態の実行中に取得した第1特別図柄の作動保留球を対象として事前判定を行うこともないからである(処理負担の増大を防止するため)。
後者(B)の場合については、前回の低ベース状態において第1特別図柄の作動保留球を取得したとしても、この前回の低ベース状態から高ベース状態に移行した時点で、前回の低ベース状態から残存する第1特別図柄の作動保留球に対する事前判定結果は全てクリアされるため、その後に今回の低ベース状態に移行した場合でも、当該第1特別図柄の作動保留球に対する事前判定結果が存在せず、この第1特別図柄の作動保留球をターゲットの作動保留球として先読み演出を実行できないからである。
また、本実施形態では、低ベース状態に移行した直後の特定期間中に、遊技球が第1始動口P51に入球することで新たな第1特別図柄の作動保留球が生起された場合には、この新たな第1特別図柄の作動保留球を対象として事前判定結果は取得されるが、当該特定期間中においては、この事前判定結果(新たな第1特別図柄の作動保留球の事前判定結果)に基づく特定の先読み演出の実行も制限されるように構成されている。その理由として、前者(A)の場合でも後者(B)の場合でも、高ベース状態が終了して低ベース状態が開始するときに残存する(高ベース状態の終了時に残存する)第1特別図柄の作動保留球(「第1特別図柄残存保留」とも呼称する)を対象として事前判定を行うことがないため、この第1特別図柄残存保留が消化されることで実行される変動表示が大当り変動だったりSPリーチに発展する変動だったりしたとしても、それを特定の先読み演出として事前報知することができない状況であるため、仮に第1特別図柄残存保留が消化されることで実行される変動表示が大当り変動だったりSPリーチに発展する変動だったりした場合に、低ベース状態に移行した直後の特定期間中に、遊技球が第1始動口P51に入球することで生起した新たな第1特別図柄の作動保留球を対象とした特定の先読み演出が実行されてしまっても、当該新たな第1特別図柄の作動保留球の消化前の変動表示(第1特別図柄残存保留が消化されることで実行される変動表示)にて大当りやSPリーチが発生するため、適切な先読み演出を実行することができない(いずれの作動保留球がターゲットの作動保留球であるかが不明瞭である)ためである。また、後述するアクション演出(保留変化示唆演出)の実行可否等の抽選は、ターゲット前の作動保留球の事前判定結果が全て非リーチ種別(短縮変動又は通常変動)の変動パターンであることを条件に実行されるのだが、第1特別図柄残存保留がターゲット前の作動保留球である場合はそれら作動保留球の事前判定結果が存在しないため、保留変化示唆演出の実行条件を充足せず(ターゲット前の作動保留球の事前判定結果が全て非リーチ種別(短縮変動又は通常変動)の変動パターンであるかどうかが不明であり)、アクション演出(保留変化示唆演出)も実行することができない。
なお、本実施形態の変形例として、低ベース状態に移行した直後の特定期間中であっても、この特定期間中に新たな第1特別図柄の作動保留球が生起された場合には、この特定期間中において新たな第1特別図柄の作動保留球をターゲットの作動保留球として特定の先読み演出を実行するように構成してもよい。また、本実施形態では、複数種の先読み演出のうちの特定の先読み演出(保留変化演出)の実行を禁止したが、この構成に限定されるものではなく、全ての先読み演出の実行を禁止してもよい。
続いて、上述の特定の先読み演出の内容につ
いて説明する。この特定の先読み演出は、保留画像または変動中画像の表示態様を変化させる保留変化演出(保留変化先読み演出)と、この保留変化演出(保留変化先読み演出)が実行されることを示唆する保留変化示唆演出とを含む。
[保留変化演出] まず、本実施形態の保留変化演出について説明する。この保留変化演出は、先読み抽選の対象となった作動保留球(ターゲットの作動保留球)に対応する保留画像又は変動中画像の表示態様を異なる表示態様に変化させることで、当該ターゲットの作動保留球が消化されたときの変動表示(ターゲットの変動表示)にて大当りが発生する可能性を示唆又は報知する先読み演出である。本実施形態において、保留変化演出は、保留画像表示領域P710に表示した保留画像を変化させる保留画像変化演出と、変動中画像表示領域P720に表示した変動中画像を変化させる変動中画像変化演出とを含む。以下では両者を区別せずに、単に保留変化演出と呼称するが、保留画像を変化させる保留変化演出については上記のように保留画像変化演出と呼称してもよいし、変動中画像を変化させる保留変化演出については上記のように変動中画像変化演出と呼称してもよい。保留画像および変動中画像については、変動予定または変動中であることを示唆する表示内容であるため、双方を含め「変動示唆表示」と総称してもよく、保留画像については「変動開始条件充足前の変動示唆表示」と称してもよく、変動中画像については「変動開始条件充足後の変動示唆表示」と称してもよい。また、保留画像変化演出と変動中画像変化演出の双方を含め、「変更示唆演出」と総称してもよい。
図157は、本実施形態の保留画像表示領域P710および変動中画像表示領域P720の説明に供する模式図である。前述したように、演出表示装置P70の表示画面の下側領域には、特別図柄の作動保留球に対応する保留画像を表示するための保留画像表示領域P710が設けられている。保留画像表示領域P710には、第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球のうち、現在実行中の遊技状態において遊技の主体となる方の特別図柄の作動保留球に対応する保留画像が表示される。すなわち、現在実行中の遊技状態が低ベース状態(通常遊技状態)である場合は、第1特別図柄の変動表示が遊技の主体となるため、第1特別図柄の作動保留球に対応する保留画像が表示される(第2特別図柄の作動保留球に対応する保留画像は表示されない)。一方、現在実行中の遊技状態が高ベース状態(時短遊技状態又は確変遊技状態)である場合は、第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となるため、第2特別図柄の作動保留球に対応する保留画像が表示される(第1特別図柄の作動保留球に対応する保留画像は表示されない)。但し、低ベース状態であっても高ベース状態であっても、保留数表示領域P740にて、第1特別図柄の作動保留球の個数と、第2特別図柄の作動保留球の個数との双方を同時に表示可能である。なお、各保留画像は、特別図柄の作動保留球の発生順(入球順)に従って順番に表示される。
保留画像表示領域P710には、各特別図柄の作動保留球の上限数に対応する4つの個別保留画像表示領域P711~P714が設けられている。個別保留画像表示領域P711は保留1(保留1個目)の保留画像に対応し、個別保留画像表示領域P712は保留2(保留2個目)の保留画像に対応し、個別保留画像表示領域P713は保留3(保留3個目)の保留画像に対応し、個別保留画像表示領域P714は保留4(保留4個目)の保留画像に対応する。個別保留画像表示領域P711~P714は、それぞれ同一サイズの表示領域として構成されており、それぞれ1個の保留画像を表示可能である。
保留画像表示領域P710の左側には、当該変動表示にて消化された特別図柄の作動保留球に対応する変動中画像を表示するための変動中画像表示領域P720が設けられている。変動中画像表示領域P720には、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示のうち、現在実行中の遊技状態において遊技の主体となる方の特別図柄の変動表示に対応する変動中画像が表示される。すなわち、現在実行中の遊技状態が低ベース状態(通常遊技状態)である場合は、第1特別図柄の変動表示が遊技の主体となるため、第1特別図柄の変動表示に対応する変動中画像が表示される。一方、現在実行中の遊技状態が低ベース状態(時短遊技状態又は確変遊技状態)である場合は、第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となるため、第2特別図柄の変動表示に対応する変動中画像が表示される。この変動中画像表示領域P720は、個別保留画像表示領域P711~P714よりも大きなサイズの表示領域として構成されている。つまり、保留画像よりも変動中画像の方が、画像の表示サイズが大きく形成されている。
保留画像表示領域P710には、特別図柄の作動保留球が記憶される毎に、左側の個別保留画像表示領域P711から順に1個ずつ保留画像が追加表示される。また、特別図柄の作動保留球が消化される毎に、変動中画像表示領域P720に表示された変動中画像が消失されるとともに、個別保留画像表示領域P711~714に表示された保留画像が1個ずつ左側の画像表示領域に移動する。ここで、個別保留画像表示領域P711~P714に表示された保留画像は、左から順に消化され、個別保留画像表示領域P711に表示された最先の保留画像(保留1の保留画像)が消化されると、当該保留画像が変動中画像表示領域P720に移動して、当該変動表示に対応する変動中画像として表示され、当該変動表示の終了時まで継続して表示される。但し、当該変動表示の実行中にSPリーチなどの特定演出に発展した以降においては、保留画像および変動中画像を非表示としてもよく、その場合には、特定演出が終了したことを契機として(SPリーチに発展する前の背景演出(背景画像)、その一例として、通常モードに滞在中であれば当該通常モードに対応した背景演出(背景画像)に復帰したことを契機として)、保留画像および変動中画像を再び表示させて、当該変動表示の終了を契機として変動中画像の表示を終了する一方で、保留画像は当該変動表示が終了しても継続表示する(左側にシフト表示する)ように構成してもよい。また、変形例として、SPリーチに発展した以降など、特定演出が発生している状況下であっても、保留画像および変動中画像を継続表示してもよく、その場合には、当該変動表示の終了を契機として変動中画像の表示を終了する一方、保留画像は当該変動表示が終了しても継続表示する(左側にシフト表示する)ように構成してもよい。また、その他の変形例として、SPリーチに発展した以降など、特定演出が発生している状況であれば、保留画像は非表示とする一方で、変動中画像については継続表示してよく、その場合には、特定演出が終了したことを契機として(SPリーチに発展する前の背景演出(背景画像)、その一例として、通常モードに滞在中であれば当該通常モードに対応した背景演出(背景画像)に復帰したことを契機として)、保留画像を再び表示させて、当該変動表示の終了を契機として変動中画像の表示を終了する一方、保留画像は当該変動表示が終了しても継続表示する(左側にシフト表示する)ように構成してもよい。
≪保留画像/変動中画像≫ 図158(A)は、保留画像および変動中画像の説明に供する模式図である。本実施形態の保留画像および変動中画像は、例えば地球等の惑星や球技用のボールなどの球形状を模した球アイコンから構成されている。また、保留画像および変動中画像の表示態様として、「通常表示態様」および「特殊表示態様」が設定されている。
(通常表示態様) 通常表示態様は、球アイコンの表示色が白色となる表示態様である。
(特殊表示態様) 特殊表示態様1は、球アイコンの表示色が青色となる表示態様である。特殊表示態様2は、球アイコンの表示色が緑色となる表示態様である。特殊表示態様3は、球アイコンの表示色が赤色となる表示態様である。特殊表示態様4は、球アイコンの表示色が虹色となる表示態様である。
本実施形態では、保留画像および変動中画像の表示態様として、通常表示態様、特殊表示態様1、特殊表示態様2、特殊表示態様3、特殊表示態様4、の5種類の表示態様が設定されている。なお、以下では、説明の便宜上、通常表示態様を「白色アイコン」、特殊表示態様1を「青色アイコン」、特殊表示態様2を「緑色アイコン」、特殊表示態様3を「赤色アイコン」、特殊表示態様4を「虹色アイコン」とも呼称する。図面上では、「白色」、「青色」、「緑色」、「赤色」、「虹色」の5種類の表示態様を、その保留画像内又は変動中画像内に色彩の名称を付記することで表現する。つまり、図面上では、「白」の文字を付して白色アイコンの保留画像および変動中画像を表現し、「青」の文字を付して青色アイコンの保留画像および変動中画像を表現し、「緑」の文字を付して緑色アイコンの保留画像および変動中画像を表現し、「赤」の文字を付して赤色アイコンの保留画像および変動中画像を表現し、「虹」の文字を付して虹色アイコンの保留画像および変動中画像を表現する。
ここで、保留画像および変動中画像の表示態様は、特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる期待度(大当り期待度)と関係しており、「白色アイコン」<「青色アイコン」<「緑色アイコン」<「赤色アイコン」<「虹色アイコン」の順に大当り期待度が1段階ずつ高くなるように設定されている。つまり、特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」となる場合よりも「大当り」となる場合の方が、大当り期待度の高い表示態様の保留画像又は変動中画像が表示され易い。なお、「虹色アイコン」は、大当り当選が確定的となるプレミア的な表示態様を意味する。そのため、「虹色アイコン」の保留画像が出現した場合又は「虹色」の保留画像に変化した場合は、その保留画像に対応する変動表示にて大当り当選することが確約される。なお、保留画像および変動中画像の表示態様を、表示色ではなく、例えば形状や大きさ、模様、動作(アニメーション)等で表現してもよい。
また、本実施形態では、保留画像又は変動中画像を動的画像として表示(「動作表示」、「アニメーション表示」または「ループ表示」とも呼称する)させるアニメーション演出を実行可能に構成されている。なお、この保留画像および変動中画像のアニメーション演出は、保留画像および変動中画像が全て動的画像のみで構成されている必要はなく、このアニメーション演出の一部において静的画像(静止画像)が含まれていてもよい。
画像制御基板P300には、保留画像および変動中画像を動作表示(アニメーション表示)させるための動画データが記憶されている。この動画データの再生時間は、例えば0.5秒であり、先頭画像から最終画像にかけて連続性のある動作を記録した映像データから構成されている。そして、この0.5秒の動画データを繰り返し再生(ループ再生)することで、保留画像又は変動中画像が所定の動作表示(アニメーション表示)を繰り返すアニメーション演出が行われる。つまり、保留画像および変動中画像の動作表示(アニメーション表示)の周期は、動画データの再生時間に対応する「0.5秒」に設定されている。なお、本実施例では、保留画像が保留消化に伴い各画像表示領域間を移動することを「シフト表示」と呼称し、各画像表示領域内で保留画像又は変動中画像が動作(変形を含む)することを「動作表示」、「アニメーション表示」または「ループ表示」と呼称する。但し、保留画像又は変動中画像が各画像表示領域を越えて動作表示されてもよく、また、隣接する保留画像同士、又は、保留画像と変動中画像とが、少なくとも一部において前後に重畳した表示態様で動作表示されてもよい。
図158(B)は、保留画像および変動中画像の動作表示(アニメーション表示)の一例を説明するための模式図である。このアニメーション表示は、保留画像および変動中画像が所定の動作を開始してか
ら終了するまで(所定の動作の先頭から終端までの一連の動作が完了するまで)を1周期として、かかる周期の動的表示が繰り返し行われる演出である。本実施形態では、保留画像および変動中画像のアニメーション表示として、保留画像および変動中画像が上下軸を中心に回転動作する回転表示として構成されている。そして、前述したように、モーション表示の周期(すなわち動画データの再生時間)として「0.5秒」が設定され、この「0.5秒」を1周期として回転表示(360度の回転表示)が繰り返し実行される。
保留画像および変動中画像には、動作表示(アニメーション表示)を開始する起点となる基準動作姿勢(動画データの先頭画像)がそれぞれ設定されている。装飾図柄の変動表示が開始されると、この基準動作姿勢を起点として動作表示が開始され、所定の周期(0.5秒)に到達する毎に基準動作姿勢から動作表示が繰り返される(ループ再生される)。一方、装飾図柄の変動表示が終了することを契機として、保留画像および変動中画像の動作表示は強制的に終了される。そして、次回の装飾図柄の変動表示が開始されることを契機として、保留画像および変動中画像が基準動作姿勢に切り替わり、この基準動作姿勢を起点として動作表示が開始される(ループ再生される)。なお、新たな保留画像が表示されたときは、既存の保留画像および変動中画像の動作表示とは無関係に、その基準動作姿勢を起点として動作表示が開始される。つまり、既存の保留画像および変動中画像が基準動作姿勢となっている場合を除き、新たな保留画像の動作表示と、既存の保留画像および変動中画像の動作表示とは互いに同期せず、互いの動作姿勢にズレが生じる。但し、新たな保留画像の動作表示と、既存の保留画像および変動中画像の動作表示とは、次回の変動表示が開始されたことを契機として互いに同期することとなる。なお、本変形例において、動作表示が「同期」するとは、各保留画像および変動中画像の動作表示において基準動作姿勢となるタイミングが同じタイミングとなることを意味する。つまり、各保留画像および変動中画像の動作周期が同一であることを前提に、動作表示中のいずれのタイミングにおいても各保留画像および変動中画像が同じ動作姿勢を取り得ることである。また、本実施形態では、装飾図柄の変動表示が開始されたことを契機として保留画像および変動中画像の動作表示を開始し、装飾図柄の変動表示が終了することを契機として保留画像および変動中画像の動作表示を終了(強制停止)する構成であったが、この構成に限定されるものではなく、保留画像および変動中画像の動作表示を装飾図柄の変動表示の開始および終了と関わりなく、継続的に実行する構成としてもよい。つまり、装飾図柄の変動表示が終了したことを契機として保留画像および変動中画像の動作表示を終了(強制停止)させることなく継続させて、各回の装飾図柄の変動表示間において動作表示を途切れさせることなく連続的(シームレス)に繋げるように構成してもよい。その場合には、始動入賞により新たな保留画像が表示されたとき、この新たな保留画像の動作表示が、既存の保留画像および変動中画像の動作表示と同期したかたちで開始されることが好適である。また、保留画像および変動中画像の動作表示を、装飾図柄の変動表示の開始および終了に関わりなく継続させる場合には、保留消化に伴い保留画像が左側にシフトするときも、保留画像の動作表示を継続させることが好適である。但し、保留消化に伴い保留画像が左側にシフトしている間だけ保留画像の動作表示を停止させて、保留画像がシフトした後に動作表示を再開させるように構成してもよい。
≪保留変化示唆演出≫ 続いて、保留変化示唆演出(「変更示唆演出」とも呼称する)について説明する。本実施形態では、保留変化演出の実行が開始される前に、当該保留変化演出が実行されることを示唆する保留変化示唆演出が実行される場合がある。この保留変化示唆演出は、保留変化演出が実行されること、すなわち、保留画像の表示態様が変化することを示唆する演出である。本実施形態の保留変化示唆演出は、所定のキャラクタがボールを模したボール画像(擬似的な保留画像)をターゲットの保留画像に向かって投げて、このボール画像をターゲットの保留画像に当てることで、ターゲットの保留画像の表示態様が変化することを示唆するアクション演出として構成されている。
なお、本実施形態では、保留変化示唆演出(アクション演出)が行われてから保留変化演出が実行される場合(ターゲットの保留画像の表示態様が変化する場合)と、保留変化示唆演出(アクション演出)が行われることなく保留変化演出が実行される場合(ターゲットの保留画像の表示態様が変化する場合)とがある。なお、以下では、この保留変化示唆演出を「アクション演出」とも呼称する。また、本実施形態では、保留変化示唆演出(アクション演出)が行われることなく保留変化演出が実行される場合(ターゲットの保留画像の表示態様が変化する場合)よりも、保留変化示唆演出(アクション演出)が行われてから保留変化演出が実行される場合(ターゲットの保留画像の表示態様が変化する場合)の方が、そのターゲットの保留画像が消化されることで行われる変動表示(ターゲットの変動表示)にて大当りとなる期待度が相対的に高くなるように構成されている。
続いて、保留変化演出および保留変化示唆演出の演出例について説明する。ここで、図159は、保留変化示唆演出および保留変化演出の演出例を示す模式図である。
まず、図159(A)に示すように、当該変動表示が開始される。図示例では、変動中アイコンが白色アイコンであり、2個の保留アイコンも白色アイコンである。
続いて、図159(B)に示すように、当該変動表示の実行中の所定タイミングにおいて、丸いボール(赤アイコンを模したボール)を持ったキャラクタが登場して、このボール(赤アイコンを模したボール)を1番目の保留画像(最先の保留画像)に向かって投げるアクション演出(保留変化示唆演出)が実行される。
そして、図159(C)に示すように、キャラクタの投げたボール(赤アイコンを模したボール)が1番目の保留画像(最先の保留画像)に当たることで、この1番目の保留画像の表示態様が白色アイコンから赤色アイコンに変化する保留変化演出が実行される。つまり、本実施形態のアクション演出(保留変化示唆演出)では、キャラクタの持つボール(赤アイコン)が表示された時点で、いずれかの保留画像の表示態様が白色アイコン(通常表示態様)から赤色アイコン(特殊表示態様3)に変化することが示唆されるようになっている。
ところで、本実施形態では、前述の第2実施形態と同様に、現在実行中の遊技状態が低ベース状態である場合、第1特別図柄の変動時間(当否判定の結果がはずれの場合の変動時間)は、当該第1特別図柄の変動時間(変動パターン)の抽選時に記憶される第1特別図柄の作動保留球数に応じて異なり得るように構成されている。ここで、本実施形態では、前述の第2実施形態と同様に、図49の変動パターンテーブル1を参照して、第1特別図柄の変動時間(変動パターン)を選択するものとする。但し、本実施形態では、短縮変動の変動時間(変動パターンPH1-1)を「7秒」、通常変動の変動時間(変動パターンPH1-2)を「12秒」とする。このとき、本実施形態では、第1特別図柄の変動時間(変動パターン)の抽選時に記憶されている第1特別図柄の作動保留球数が3個の場合には、短縮変動の変動パターンPH1-1(7秒)の選択率が相対的に高く、第1特別図柄の変動時間(変動パターン)の抽選時に記憶されている第1特別図柄の作動保留球数が2個の場合には、通常変動の変動パターンPH1-2(12秒)の選択率が相対的に高くなっている。そのため、以下では、第1特別図柄の変動時間(変動パターン)の抽選時に記憶されている第1特別図柄の作動保留球数が3個の場合には、第1特別図柄の変動時間(変動パターン)として「7秒」の変動表示(当該変動表示を「変動表示A」と呼称する)が実行され、第1特別図柄の変動時間(変動パターン)の抽選時に記憶されている第1特別図柄の作動保留球数が2個の場合には、第1特別図柄の変動時間(変動パターン)として「12秒」の変動表示(当該変動表示を「変動表示B」と呼称する)が実行されるものとして説明する。なお、第1特別図柄の変動時間(変動パターン)の抽選時に記憶されている第1特別図柄の作動保留球数が3個の場合には、通常変動の変動パターンPH1-2(12秒)が選択されず、第1特別図柄の変動時間(変動パターン)の抽選時に記憶されている第1特別図柄の作動保留球数が2個の場合には、短縮変動の変動パターンPH1-1(7秒)が選択されないよう構成されてもよい。
ここで、図160は、第1特別図柄の変動表示として前述の変動表示A,Bが実行された場合のタイムチャートである。なお、以下の説明では、便宜上、保留変化示唆演出(アクション演出)と保留変化演出とを纏めて「保留関連演出」と呼称する場合がある。すなわち、保留変化示唆演出(アクション演出)が開始されてから保留変化演出が終了するまでの一連の演出を「保留関連演出」とも呼称する。また、以下の説明では、保留画像および変動中画像の1周期分の動作表示(1周期当たりの動作表示)を「単位動作表示」とも呼称する。
図160に示すように、第1特別図柄の変動表示として変動表示Aが実行される場合には、当該変動表示Aが開始されてから終了するまでの間に(次の変動表示が開始されるまでの間に)、保留画像および変動中画像の単位動作表示が14回(1周期×14回)繰り返し行われる。つまり、変動表示Aの実行中に行われる保留画像および変動中画像の単位動作表示の回数(ループ回数)は14回となる。一方、第1特別図柄の変動表示として変動表示Bが実行される場合には、当該変動表示Bが開始されてから終了するまでの間に(次の変動表示が開始されるまでの間に)、保留画像および変動中画像の単位動作表示が24回(1周期×24回)繰り返し行われる。つまり、変動表示Bの実行中に行われる保留画像および変動中画像の単位動作表示の回数(ループ回数)は24回となる。このように本実施形態では、遊技状態が低ベース状態である場合に、第1特別図柄の変動表示がいずれの変動表示A,Bであったとしても、当該変動表示の実行中に保留画像および変動中画像の単位動作表示を複数回(1周期×複数回)実行することが可能となっている。換言すれば、第1特別図柄の変動時間として、最短の変動時間(変動表示Aの変動時間)である「7秒」が選択された合であっても、当該変動表示の実行中に保留画像および変動中画像の単位動作表示が複数回実行されるようになっている。
また、本実施形態では、第1特別図柄の変動表示の実行中に保留変化演出を実行する場合には、この第1特別図柄の変動表示が変動表示Aおよび変動表示Bのいずれであっても、その変動表示において所定の保留関連演出(保留変化示唆演出および保留変化演出)を実行可能に構成されている。ここで、所定の保留関連演出の実行時間(所定の保留変化示唆演出が開始されてから保留変化演出が終了するまでの実行時間)は、これらの演出が実行されるときの変動時間に依存することなく、常に一定の実行時間TB(TB=4秒)に設定されている。ここで、所定の保留関連演出とは異なる特定の保留関連演出も実行可能であるが、その実行時間は8秒としてもよく、特定の保留関連演出は、変動表示Aの変動時間である7秒では実行されない(1変動内で実行しきれないため)が、変動表示Bの変動時間である12秒では実行されることを補足しておく。なお、本実施形態では、保留変化演出の実行時間は、保留変化示唆演出の実行時間の一部と重複しており、保留変化演出の開始時よりも保留変化示唆演出の開始時の方が先のタイミングであり、且つ、保留変化示唆演出の終了時と保留変化演出の終了時とが略同時に設定されている(保留変化示唆演出の終了時
よりも保留変化演出の終了時の方が後のタイミングとなるように設定してもよい)。また、所定の保留関連演出(保留変化演出および保留変化演出)の実行開始タイミングおよび実行終了タイミングは、この所定の保留関連演出が実行される変動時間に依存することなく、常に当該変動表示の停止時を基準に設定されており、所定の保留関連演出の実行終了タイミングは当該変動表示の終了時よりも所定時間TC(TC=1秒)だけ前のタイミングであり、所定の保留関連演出の実行開始タイミングは当該変動表示の終了時よりも実行時間TBおよび所定時間TCの合計時間(TB+TC=5秒)だけ前のタイミングに設定されている。そのため、当該変動表示の変動時間の長短に関わらず、所定の保留関連演出の終了時から当該変動表示の終了時までの時間は常に一定であるが、当該変動表示の開始時から所定の保留関連演出の開始時までの時間は、当該変動表示の変動時間の長短に応じて異なり得るものとなる。つまり、当該変動表示の変動時間が短いほど所定の保留関連演出の実行タイミングが早くなり、当該変動表示の変動時間が長いほど所定の保留関連演出の実行タイミングが遅くなる。具体的には、第1特別図柄の変動表示が変動表示Aである場合には、当該変動表示Aの開始時から第1時間TA1(TA1=2秒)後に所定の保留関連演出が実行され、第1特別図柄の変動表示が変動表示Bである場合には、当該変動表示Bの開始時から第2時間TA2(TA2=7秒)後に所定の保留関連演出が実行される。このとき、変動表示Aおよび変動表示Bのいずれの実行中においても、所定の保留関連演出(保留変化示唆演出および保留変化演出)の前後で、保留画像および変動中画像の単位動作表示(アニメーション表示の1周期)が複数回(1周期×複数回)に亘り実行されるように構成されている。具体的には、変動表示Aについては、この変動表示Aが開始されてから所定の保留関連演出が開始されるまでの時間である第1時間TA1(2秒)内において、保留画像および変動中画像の単位動作表示が4回(0.5秒×4回)行われ、所定の保留関連演出が終了してから変動表示Aが終了するまでの時間である所定時間TC(1秒)内において、保留画像および変動中画像の単位動作表示が2回(0.5秒×2回)行われる。また、変動表示Bについては、この変動表示Bが開始されてから所定の保留関連演出が開始されるまでの時間である第2時間TA2(7秒)内において、保留画像および変動中画像の単位動作表示が14回(0.5秒×14回)行われ、所定の保留関連演出が終了して変動表示Bが終了するまでの時間である所定時間TC(1秒)内において、保留画像および変動中画像の単位動作表示が2回(0.5秒×2回)行われる。
このように本実施形態では、第1特別図柄の作動保留球数に応じて変動時間の異なる、いずれの変動表示A,Bが実行される場合であっても、その変動時間内において保留変化示唆演出および保留変化演出を確実に完結させることができるとともに、保留関連演出の前後において保留画像および変動中画像の動作表示(アニメーション表示)をそれぞれ1周期以上行うことで遊技者が保留画像および変動中画像の動作表示を容易に認識することができ、これらの先読み演出(保留変化演出、保留変化示唆演出、アニメーション演出)の演出効果を一層高めることが可能となる。
また、本実施形態において、ターゲットの保留画像を対象として行われる保留変化示唆演出は、ターゲット前の変動表示が開始されることを契機として実行され得るが、このターゲットの作動保留球が生起されることを契機としては実行されない。つまり、変動表示の開始時にターゲットの作動保留球が既に記憶されている場合には、当該変動表示(ターゲット前の変動表示)の実行中においてそのターゲットの保留画像を対象として保留変化示唆演出が実行され得る。一方、変動表示の実行中に新たな作動保留球(ターゲットの作動保留球)が生起された場合には、当該変動表示の実行中においてその新たな保留画像(ターゲットの保留画像)を対象として保留変化示唆演出は実行されない。そのため、例えば第1特別図柄の変動表示として変動表示Bの実行中であり、且つ、この現在実行中の変動表示Bの残り時間が7秒以上であるとき(つまり、所定の保留関連演出を実行可能な変動表示Aの変動表示時間と同じ時間の残り時間があるとき)に、新たな第1特別図柄の作動保留球(ターゲットの作動保留球)が生起された場合でも、時間的には当該変動表示Bが終了するまでの間にターゲットの保留画像に対して所定の保留関連演出を実行することは可能であるが、この新たに生起されたターゲットの保留画像に対して保留変化示唆演出は実行されないようになっている。すなわち、変動表示Bの実行中に新たな作動保留球(ターゲットの作動保留球)が生起されることで、当該変動表示Bの実行中にこの新たな作動保留球(ターゲットの作動保留球)を対象とした保留変化演出(いわゆる入賞時保留変化演出)を行うことが予定されている場合に、この新たな作動保留球の生起時に保留変化示唆演出を実行するだけの残り時間(残りの変動表示時間)があったとしても、この残りの変動表示時間内においてターゲットの保留画像に対する保留変化示唆演出は実行されず、このターゲットの保留画像をいきなり特殊表示態様(例えば、青色アイコン、緑色アイコン、赤色アイコン、虹色アイコンなど)で表示させる保留変化演出(入賞時保留変化演出)のみが実行可能である。なお、その場合には、当該変動表示Bが終了して次回の変動表示が開始されることを契機に、この次回の変動表示の実行中にターゲットの保留画像に対して保留変化示唆演出(および保留変化演出)が実行され得ることが好適である。
≪保留変化示唆演出とボタン演出との関係≫ また、本実施形態では、アクション演出(保留変化示唆演出)の実行可否等の抽選は、ターゲット前の作動保留球の事前判定結果が全て非リーチ種別(短縮変動又は通常変動)の変動パターンであることを条件に実行される。また、このアクション演出(保留変化示唆演出)の実行可否等の抽選では、ターゲットの作動保留球の事前判定結果が非リーチ種別の変動パターンである場合よりもSPリーチの変動パターンである場合、つまりターゲットの作動保留球(ターゲットの変動表示)の大当り期待度が高くなるほど、アクション演出の実行が決定され易くなっている。加えて、ターゲットの変動表示が非リーチ種別の変動表示である場合よりもSPリーチの変動表示である場合の方が、その変動表示中にボタン演出(例えば当落分岐時の予告演出として行われるボタン演出)が実行され易くなっている。そのため、本実施形態では、ターゲット前の変動表示とターゲットの変動表示とを比較した場合に、ターゲットの保留画像に対してアクション演出(保留変化示唆演出)が実行されるときの変動表示(ターゲット前の変動表示=非リーチ種別の変動表示)よりも、このターゲットの保留画像に対してアクション演出(保留変化示唆演出)が実行されないときに行われる変動表示(ターゲットの変動表示=SPリーチの変動表示)の方が、その変動表示中にボタン演出が実行される確率が相対的に高くなるように構成されている。
(保留関連演出の変形例1) 本実施形態において、保留画像および変動中画像の動作表示の1周期に要する時間(例えば0.5秒)を、主制御表示装置P27に設けられた特別図柄保留ランプP73,74の点滅表示の1周期(点滅周期)に要する時間(例えば0.2秒=点灯0.1秒+消灯0.1秒)よりも長時間に設定してもよい。また同様に、保留画像および変動中画像の動作表示の1周期に要する時間(例えば0.5秒)を、副制御表示装置P28に設けられた保留数補助表示部803,804の点滅表示の1周期(点滅周期)に要する時間(例えば0.2秒=点灯0.1秒+消灯0.1秒)よりも長時間に設定してもよい。
(保留関連演出の変形例2) 本実施形態において、変動中画像の表示が開始されてから非表示となるまでの表示時間について、通常表示態様の保留画像がシフト表示されることで表示された変動中画像の表示時間よりも、特殊表示態様の保留画像がシフト表示されることで表示された変動中画像の表示時間の方が長時間となるように構成してもよい。
(保留関連演出の変形例3) 本実施形態において、ターゲットの作動保留球が記憶されている状況において複数回の変動表示に亘って表示される先読みステージ(先読み専用ステージ背景)を設けて、この先読みステージ(先読み専用ステージ背景)が表示されている場合には、ステージAやステージBなどの非先読みステージ(通常ステージ背景)が表示されている場合よりも、保留変化示唆演出(アクション演出)が実行され易いように構成してもよい。また、遊技状態が高確率高ベース状態であるときの確変ステージ背景が表示されている場合には、遊技状態が低確率低ベース状態であるときの通常ステージ背景が表示されている場合よりも、保留変化示唆演出(アクション演出)が実行され易いように構成してもよい。
(保留関連演出の変形例4) 本実施形態において、通常表示態様の保留画像がシフト表示されることで表示された変動中画像が表示される変動表示よりも、特殊表示態様の保留画像がシフト表示されることで表示された変動中画像が表示される変動表示の方が、ボタンバイブ演出(例えば、第1ボタンバイブ演出α、第1ボタンバイブ演出β、第2ボタンバイブ演出、第3ボタンバイブ演出など)が実行されやすくなるよう構成してもよい。また、通常表示態様の保留画像がシフト表示されることで表示された変動中画像が表示される変動表示でボタンバイブ演出が実行される場合よりも、特殊表示態様の保留画像がシフト表示されることで表示された変動中画像が表示される変動表示でボタンバイブ演出が実行される場合のほうが、複数種類のボタンバイブ演出が実行されやすくなるよう構成してもよい。
≪初期化動作中の音量調整≫ 次に、初期化動作中のスピーカP11の音量調整について説明する。本実施形態では、遊技機に電源が投入された後(電源断が復帰した後)、復帰中画面の表示が終了して、装飾図柄や背景画像などを表示する通常画面(待機画面)の表示が開始された後であれば、スピーカP11の音量を調整可能に構成されている。なお、通常画面に復帰した後は、変動待機状態および変動表示中の状態のいずれにおいても音量調整が可能となる。
本実施形態では、前述の図72に示すように、遊技者により所定の操作が行われると(例えば十字キーP16の左右キーが同時に操作されると)、画面の音量調整画像表示領域P736に複数段階の音量レベルを示す音量調整画像が横並びに表示される。音量調整画像は、現在の音量レベルを示すものであり、図示例では、現在の音量レベルに相当する3段階目の音量レベルに調整された表示態様となっている。そして、遊技者により左キー又は右キーが操作されることにより、スピーカP11から出力されるBGMや効果音などの音声の出力レベル(音量レベル)を調整することが可能となる。具体的には、音量調整画像の表示中は、右キーを操作すると音量レベルが上がり、左キーを操作すると音量レベルが下がる。そして、音量の確定操作として演出ボタンP15が操作されたとき、又は、音量調整の操作が行われることなく音量調整画像が表示されてから所定時間(例えば3秒)が経過したときに、当該音量調整画像の表示が終了する。
ここで、本実施形態では、前述したように、遊技機の電源投入後において復帰中画面から通常画面に切り替わるタイミングで、可動体の初期化動作が開始される。そのため、通常画面に復帰した後に音量調整画像が表示された場合には、この音量調整画像の表示と可動体の初期化動作とが重複実行される場合がある。以下において、電源断の復帰後に音声調整画像の表示と可動体の初期化動作とが重複実行される場合について説明する。
図161は、電源断の復帰後に音声調整画像の表示と可動体の初期化動作とが重
複実行された場合のタイムチャートである。なお、図161では、紙面の都合上、簡易的な画面表示(小図柄や保留画像などの一部の表示を省略した画面表示)を示している。
まず、時点t61では、変動待機状態(非変動状態)において、遊技機に電源断が発生する。時点t62において、遊技機に電源が投入されて電源断から復帰する。時点t63において、遊技機に電源が投入された以降の所定のタイミングで、演出表示装置P70に復帰中画面が表示される。時点t64において、演出表示装置P70の表示画面が復帰中画面から通常画面(待機画面)に切り替わる。この時点t64において、可動体の初期化動作処理が開始され、第1可動役物P651の初期化動作、演出ボタンP15の初期化動作、第2可動役物P652の初期化動作が順番に行われる。
続いて、時点t65において、遊技者が所定の操作を行うことで(例えば十字キーP16の左キーまたは右キーが操作されることで)、音声調整画像の表示が開始される。それにより、音量調整画像の表示と可動体の初期化動作とが同時並行して実行される。
時点t66では、可動体の初期化動作の実行中に、遊技球が第1始動口P51に入球することで、第1特別図柄の変動表示が開始される。また、主制御基板P100から演出制御基板P200に変動開始コマンドが送信されることにより、装飾図柄および小図柄の変動表示が開始される。この時点t66において、特別図柄、装飾図柄のおよび小図柄の変動表示が開始された場合であっても、当該変動表示の開始時の前後に跨って音量調整画像は継続して表示される。
続いて、時点t67では、音量調整画像が表示されてから所定時間(音量調整の操作が行われることなく所定時間)が経過することで、音量調整画像の表示が終了する。
そして、時点t68において、可動体の初期化動作が終了、つまり、第1可動役物P651の初期化動作と、演出ボタンP15の初期化動作と、第2可動役物P652の初期化動作とが全て終了する。
(音量調整に関する変形例1) なお、本実施形態において、演出表示装置P70の画面上に音量調整画像が表示されている状況で、ボタン演出の操作契機演出として役物演出が実行される場合には、音量調整画像の表示を役物演出の実行によって中断させることなく、この役物演出の実行の前後に亘って音量調整画像を継続表示可能に構成してもよい。
(音量調整に関する変形例2) また、本実施形態において、電源投入時の可動体の初期化動作の実行中に音量調整画像が表示され、その音量調整の操作が行われたとしても、可動体の初期化動作の実行中であることを示す(またはRAMP103にバックアップされている情報が初期化されたことを示す)初期化報知音(例えば、「初期化しました」や「初期化動作中です」などの音声)の音量は変化しない(常に一定の音量(予め定められた一定の音量)で出力される)ように構成してもよい。
≪可動役物と表示装置≫ 次に、可動役物P651,652の所定の動作(初期化動作、演出動作)と演出表示装置P70の表示内容との関係について説明する。下記の図162および図163では、「装飾図柄表示」の欄において、演出表示装置P70の画面に装飾図柄の表示(変動表示、仮停止表示、確定停止表示)が行われている状態を「表示」とし、演出表示装置P70の画面に装飾図柄の表示(変動表示、仮停止表示、確定停止表示)が行われていない状態を「非表示」としている。同様に、演出表示装置P70の画面に小図柄の表示(変動表示、確定停止表示)が行われている状態を「表示」とし、演出表示装置P70の画面に小図柄の表示(変動表示、確定停止表示)が行われていない状態を「非表示」としている。また、「保留画像表示/変動中画像表示」の欄において、演出表示装置P70の画面に保留画像および変動中画像の少なくとも一方が表示されている状態を「表示」、演出表示装置P70の画面に保留画像および変動中画像の両方が表示されていない状態を「非表示」としている。また、「保留球数表示」の欄において、演出表示装置P70の画面(保留数表示領域P750)に各特別図柄の作動保留球の個数(0個を含む)が表示されている状態を「表示」、演出表示装置P70の画面(保留数表示領域P750)に各特別図柄の作動保留球の個数(0個を含む)が表示されていない状態を「非表示」としている。
図162は、電源断復帰後の可動役物の初期化動作と演出表示装置P70の表示内容との関係を示すタイムチャートである。
まず、時点t71では、変動待機状態(非変動状態)において、遊技機に電源断が発生する。「変動待機状態」とは、前述したとおり、第1特別図柄、第2特別図柄、装飾図柄、および小図柄のいずれもが変動表示を実行していない非変動中の状態であり、且つ、第1特別図柄の作動保留球数も第2特別図柄の作動保留球数も存在しない状態である。この時点t71において、各可動役物は動作しておらず初期位置で待機しているものとする。
時点t72において、遊技機に電源が投入されて、当該電源断から復帰する。続いて、時点t73において、演出表示装置P70の表示画面が復帰中画面から通常画面に切り替わり、通常画面の表示が開始される。この通常画面には、装飾図柄の初期組合せ(「3・3・1」)と、小図柄の初期組合せ(「3・3・1」)と、第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数(いずれも0個)とが表示される。また、この通常画面の復帰と略同時に、可動体の動作チェックとして、可動役物(第1可動役物P651、第2可動役物P652)の初期化動作が開始される。
続いて、時点74において、複数個(図示例では3個とする)の遊技球が第1始動口P51へ連続入球することで、第1特別図柄の変動表示が開始され、これと同期して装飾図柄の変動表示と小図柄の変動表示とが開始される。また、画面上には、第1特別図柄の作動保留球に対応する保留画像(2個の保留画像)が表示されるとともに、当該変動表示(第1特別図柄の変動表示)に対応する変動中画像が表示される。また、画面上には、第1特別図柄の作動保留球数として「2」が表示され、第2特別図柄の作動保留球数として「0」が表示される。つまり、図示例では、可動役物P651,652の初期化動作中であっても、複数個の始動入賞が発生することにより、演出表示装置P70の画面上には、装飾図柄の表示(変動表示)と、小図柄の表示(変動表示)と、保留画像および変動中画像の表示と、各特別図柄の作動保留球数の表示とがそれぞれ行われている状態となる。
次に、図163は、第1可動役物P651の演出動作(役物演出)と演出表示装置P70の表示内容との関係を示すタイムチャートである。図163では、遊技状態が低ベース状態(通常遊技状態)であり、当該変動表示がSPリーチの変動表示(大当りの変動表示)である場合を例示する。
まず、時点t81において、第1特別図柄の変動表示が開始される。また、これと同期して装飾図柄の変動表示と小図柄の変動表示とが開始される。また、画面上には、第1特別図柄の作動保留球に対応する保留画像(2個の保留画像)が表示されるとともに、当該変動表示(第1特別図柄の変動表示)に対応する変動中画像が表示されている。また、画面上には、現在の第1特別図柄の作動保留球数として「2」が表示され、現在の第2特別図柄の作動保留球数として「0」が表示されている。なお、前回の変動表示の終了時から今回の変動表示の開始時までの間においても、装飾図柄の停止表示(確定停止表示)、小図柄の停止表示(確定停止表示)、保留画像の表示、特別図柄の保留球数の表示が行われているため、図中の「装飾図柄表示」の欄、「小図柄表示」の欄、「保留画像表示/変動中画像表示」の欄、および「保留球数表示」の欄をそれぞれ「表示」としている。
時点t82では、当該変動表示においてリーチが成立した後に、SPリーチに発展する。このとき、装飾図柄の左図柄および右図柄は、いわゆるリーチ目を形成した状態で画面の両端に退避表示(仮停止表示)される。また、この時点t82では、当該変動表示がSPリーチに発展したことを契機に、保留画像および変動中画像が非表示となる。その一方で、SPリーチに発展した後も、第1特別図柄の作動保留球数の表示と、第2特別図柄の作動保留球数の表示とは継続して行われる。
時点t83では、当落分岐演出(当落分岐時の演出)として、ボタン演出Dが実行されて、演出ボタンP15が操作されることを契機に、第1可動役物P651が画面の前方に落下する(可動位置へと移動する)役物演出が実行される。なお、図示省略するが、このとき第2ボタンバイブ演出も操作契機演出として実行される。また、この時点53では、役物演出が開始されることを契機に、装飾図柄の変動表示(画面両端に退避表示されている左図柄および右図柄の仮停止表示)が非表示となる。
時点t84では、役物演出が終了することを契機に、装飾図柄の変動表示が再開されて、該装飾図柄が大当りを示す組合せ(図示例では「7・7・7」)で仮停止表示される。そして、時点t85では、装飾図柄の仮停止表示が終了して、そのまま装飾図柄が大当りを示す組合せ(図示例では「7・7・7」)で確定停止表示される。
このように本実施形態では、補助的な表示(小図柄や保留数など)については遊技の状況に関わらず表示を継続する一方で、主要的な表示(装飾図柄や保留画像など)については可動役物P651,652の動作態様(初期化動作、演出動作)に応じた時系列的な表示態様の変化(非表示を含む)をもたせることで、遊技者に対して適切な遊技情報(遊技に関する情報)を報知することが可能となる。
≪ボタンバイブ演出と装飾図柄表示/小図柄表示との関係≫ また、本実施形態では、装飾図柄の表示として、装飾図柄の変動表示、装飾図柄の仮停止表示、および装飾図柄の確定停止表示を実行可能である。その一方で、小図柄の表示としては、小図柄の変動表示、および小図柄の確定停止表示は実行可能であるが、小図柄の仮停止表示は実行不能である。
ここで、3つの装飾図柄の変動表示(スクロール表示)が行われている状態では、この装飾図柄の組合せ(3つの装飾図柄の組合せ又は3つの装飾図柄のうちの2つの装飾図柄の組合せ)を遊技者は認識困難な状態となる。これに対して、遊技者が装飾図柄の組合せを認識容易な状態としては、3つの装飾図柄の組合せが確定停止表示されている状態と、3つの装飾図柄の組合せ又は3つの装飾図柄のうちの2つの装飾図柄の組合せが仮停止表示されている状態とがある。なお、2つの装飾図柄の組合せが仮停止表示されている状態とは、例えば、3つの装飾図柄のうちの左図柄と右図柄とが一致したリーチ状態(リーチ目)で仮停止表示されている状態などが例示される。このとき、装飾図柄の組合せを認識容易な状態として、3つの装飾図柄の組合せが確定停止表示されている状態である場合は、ボタンバイブ演出は実行されないが、3つの装飾図柄の組合せ又は3つの装飾図柄のうちの2つの装飾図柄の組合せが仮停止表示されている状態である場合は、ボタンバイブ演出が実行され得るものとなっている。
一方、3つの小図柄が変動表示(スクロール表示)されている場合は、この小図柄の組合せ(3つの小図柄の組合せ又は3つの小図柄のうちの2つの小図柄の組合せ)を遊技者は認識困難な状態となる。これに対して、前述したように小図柄は仮停止表示されないため、小図柄の組合せを遊技者が認識容易な状態とは、3つの小図柄の組合せが確定停止表示されている状態のみとなる。そのため、小図柄の組合せを遊技者が認識容易な状態、すなわち、3つの小図柄の組合せが確定停止表示されている状態では、ボタンバイブ演出が実行されないようになっている。
このように本実施形態では、装飾図柄の表示と小図柄の表示とは一定の対応関係を有する
ものであるが、装飾図柄の組合せを認識容易な状態(認識可能な状態)では、ボタンバイブ演出が実行され得る一方で、小図柄の組合せを認識容易な状態(認識可能な状態)では、ボタンバイブ演出は実行されないものとなっている。
≪フリーズ演出≫ 次に、第6実施形態のボタン演出の変形例について説明する。本変形例では、特定の変動表示中にボタン演出を実行することが決定された場合には、ボタン演出の開始に伴い、演出ボタンP15の操作を遊技者に促すための操作促進演出が実行される。この操作促進演出においては、図164(a)に示すように、演出表示装置P70に、演出ボタンP15を模したボタン画像P671aが表示される。本変形例では、操作促進演出が行われた場合に、演出パターンの選択が行われ、ここでの選択肢には第1演出と第2演出とが含まれている。
(第1演出の一例) ボタン演出が開始されると、図164(a)に示すように、ボタン画像P671aが表示されて操作促進演出が開始される。第1演出においては、遊技者が演出ボタンP15に対し操作入力を行うと、図164(b)に示すように、ボタン画像P671aが消去されて操作促進演出が終了し、男の子の登場人物の画像P672に吹出画像P673が付加され、リーチなどの予告を行う台詞予告(「コメント予告演出」とも呼称する)を実行して、大当り期待度を示唆又は報知する例を示している(ボタン演出Bが実行される)。
つまり、第1演出においては、操作促進演出中に演出ボタンP15が操作されると、ボタン画像671が画面上から消え、演出表示装置P70の表示内容は、ボタン画像P671aを伴わないものに切り替わる。ここで本変形例では、この第1演出が基本となる通常切替演出とされている。
なお、図示略は省略するが、第1演出中における装飾図柄の表示態様としては、全装飾図柄の変動中の画像が背景に重畳された半透明の画像として表示されている態様、装飾図柄の少なくとも一つが変動中の半透明の画像として表示されている態様、或いは、例えば透明画像として背景に重畳することにより何れも視認できない状態とされた態様、などが設定されている。
(第2演出の一例) このような第1演出に対して、第2演出は特殊切替演出となっており、第2演出においては、操作促進演出の開始に伴って計時が開始される第1期間と、第2演出固有の演出態様の実行期間である第2期間、及び第2期間に続く第3期間とが設定されている。以下では、第2演出の各種の演出態様について例を挙げて説明する。
第2演出においては、操作促進演出の開始に伴い、図165(a)に示すようにボタン画像P671aが表示される。本変形例では、ここで表示されるボタン画像P671aは、第1演出で用いられた画像と同じものとされている。さらに、所定時間が経過すると、第1特殊演出が実行され、図165(b)に示すように、第2演出用のボタン画像P671bに切替る。この第1特殊演出中には、演出制御基板P200において演出ボタンP15の操作が許可されず、遊技者が演出ボタンP15に対し操作を行っても、その操作が演出に反映されない。また、図165の(b)の例では、第1演出中に演出ボタンP15を押しても、例えば台詞予告のような演出は実行されずに、それまでと同じ登場人物設定であったり、同じ場面設定であったりといった、それまでの演出の延長線上にあるに過ぎない同一系統の演出が継続され、ボタン画像671の表示が残り続ける。
つまり、ボタン画像P671bが表示されているにも関わらず演出ボタンP15の操作が効かない状態となり、画面中央部にボタン画像P671bの表示が維持される。このような第1特殊演出のことを、以下ではフリーズ演出と称する場合がある。ボタン画像P671bは、第1演出時の操作ボタン画像P671aと区別できるよう、フリーズ、凝固、凍結、或いは氷結といった類の表現があてはまるような態様で描かれており、加えて本実施例では、輝きを表現する光輝の画像が付加されている。この光輝の画像は動画であってもよい。
このような第2演出の発生確率は、第1演出の発生確率よりも低く設定されている。さらに、本変形例においては、第1演出と第2演出との間における当りの期待度(例えば大当り期待度)の相関、第2演出の部分的構成(例えばフリーズ演出の期間)と当りの期待度との同じく当りの期待度の相関、などが各種設定されている。詳細は後述するが、例を挙げれば、大当り期待度について、第1演出よりも第2演出のほうが高く設定されている。また、第2演出におけるフリーズ演出の期間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
なお、図示は省略するが、本変形例では、図164(a)に示す通常のボタン画像P671aから、図165(b)に示すフリーズ演出中のボタン画像P671bに変化する間に、例えば、ぼかしや透かし等の手法を用いて遷移状態を示すボタン画像が表示される。ここでいう遷移状態とは、ボタン操作がされてフリーズ演出が開始された際に、ボタン画像P671bが、例えば一瞬にして凍ったという様子など演出するためのものであり、氷結の程度が例えば0.5秒程度の間に徐々に増していくといったような演出態様を意味している。また、本変形例では、フリーズ演出開始後、氷結の程度が定常状態に達した様子のボタン画像P671bの表示態様は、演出ボタンP15の操作の前後で変化しないようになっているが、これに限られず、演出ボタンP15の操作があると、ボタン画像P671bの表示を継続しながらも一部を変化させる表示態様としてもよい。
さらに、フリーズ演出中における装飾図柄の表示態様としては、第1演出中と同様に、全装飾図柄、或いは一部の装飾図柄を変動中の半透明の画像として表示する態様、或いは、何れも視認できない状態とした態様、などが設定されている。一例として、数字や文字の図柄とともに装飾図柄の一部を構成する人物やデザイン画などの画像のみが変化する表示態様を採用することが可能である。
また、フリーズ演出中の、装飾図柄を除いた画像である背景画像の表示態様として、静止したフリーズ状態とする表示態様が採用されている。さらに、この他にも、背景画像の一部のみが変化している限定的なアニメーションの表示態様を採用することが考えられる。限定的なアニメーションの表示態様としては、例えば、景色の一部のみ、或いは人物、車両等といった画像構成要素のみを変化させるものが挙げられる。さらに、第2期間中に演出ボタンP15を例えば発光させたり、演出ボタンP15の操作を促す文字の表示や音声ガイドの出力を行ってもよい。
また、フリーズ演出の際には、その旨の文字や音声によるメッセージ出力や、光装飾や効果音等の効果演出により、フリーズ演出中であることを報知してもよい。なお、本変形例では、ボタン画像P671bを、フリーズ演出前の通常の場合のボタン画像P671bと異ならせているが、ボタン画像として共通の画像を用いてもよい。
このようなフリーズ演出に対しては、時間に基づいた制御が行われており、後述する所定期間(第2期間)が経過すると、演出ボタンP15が有効になるのに伴い、フリーズが解除された状態となる。そして、ここでは第1演出におけるものと同じボタン画像P671a(例えば図166(a)参照)がフリーズ解除されたものとして用いられる。さらに、このボタン画像P671aが表示されている間に、遊技者により演出ボタンP15が操作されると、第1演出の場合と同様にボタン画像P671aが画面上から消え、その後の演出パターンの表示が実行される(例えば図166(b)参照)。
図167に、第2演出に設定された各種期間や各種状態を、第1演出と対比して示す。図167において、(a)は第1演出を示し、(b)は第2演出を示している。先ず、第1演出においては、前述のように、変動期間中に操作促進演出が開始され((タイミング)T1)、矢印Aで示すように、操作促進演出の間に演出ボタンP15への操作があると(T2)、その後はボタン操作後の演出パターンが実行される。
これに対して第2演出においては、操作促進演出の開始(T1)に伴い、第1期間タイマ(図示略)により計時される第1期間が始まる(図中の(b1)を参照)。この第1期間は、ボタン画像P671aが画面上に表示されてから消されるまでの制御の実行期間として規定される。本変形例においては、フリーズ演出が開始され(T3)、ボタン画像P671bが表示されると、この表示を継続しつつ演出ボタンP15の操作を受け付けない第2期間が定められている。この第2期間は、第1期間よりも短い期間とされており(図中の(b2)を参照)、第2期間タイマ(図示略)により計時されている。
第2期間の継続中は、フリーズ演出である第1特殊演出(図中の(b3)参照)が行われているが、フリーズ演出が終わると、第2期間に続く第3期間(図中の(b2)を参照)が始まる。この第3期間は、第3期間タイマ(図示略)により計時されるものであり、第3期間中は、ボタン画像P671aを表示しつつ、演出ボタンP15の操作を有効とする。第3期間中に行われる演出は第2特殊演出(図中の(b3)を参照)とされており、第2特殊演出は第1特殊演出に続いて実行される。
つまり、第1特殊演出(フリーズ演出)の発生タイミングは、第1期間の開始から終了までの間の何れかのタイミングであり、第1期間の間は操作促進演出が、ボタン画像を変化させずに、或いは第2期間や第3期間の開始時に変化させながら、継続される。そして、第2期間の開始(T3)から第3期間の開始(T4)までの間に、矢印Bで示すようにボタン操作を行っても操作ボタン画像P671bは表示されたままとなり、ボタン画像P671aへの切替えが行われる第3期間の開始以降に、矢印Cで示すようにボタン操作がされれば、ボタン画像P671aが消去されて、ボタン操作後の演出が実行される。
なお、第1期間の開始から第2期間の開始までの時間(ここでは「遅れ時間」と称する)は、例えば3秒、5秒、10秒など種々の値を取り得る。この遅れ時間を相対的に短くすれば、遊技者に演出ボタンP15を至急操作させるような遊技性が実現可能となり、逆に遅れ時間を相対的に長くすると、遊技者に演出ボタンP15を余裕をもって操作させるような遊技性が実現可能となる。
また、第2期間の開始時期の決定にあたり、例えば第1期間の開始から終了(第3期間の終了)までの一連の演出パターンを総合的に規定した複数の操作促進演出パターンMa~Mzを設定しておき、操作促進演出パターンMa~Mzを適宜選択して実行することにより促進演出を行うようにしてもよい。このほかに、第1期間に係る操作促進演出パターンM1a~M1z、第2期間に係る操作促進演出パターンM2a~M2z、第3期間に係る操作促進演出パターンM3a~M3zといったように、操作促進演出パターンを細分化して設定しておき、これらを例えばM1a+M2b+M3c、或いはM1e+M2a+M3yといったように適宜組み合わせて促進演出を行うようにしてもよい。さらに、第1期間に対する第2期間の開始の遅れ時間を抽選により決定することも可能である。
なお、本変形例では、第1特殊演出から第2特殊演出に変化すると、通常時のボタン画像P671aを表示することにより、フリーズ解除演出として、フリーズが解かれた旨を遊技者に報知しているが、第2特殊演出(フリーズ解除演出)中の専用の画像を用いてもよい。また、これとは別に、第2特殊演出の表示態様を第1特殊演出と同じものとして、両者の演出態様の区別がつかないようにしてもよい。この場合は、第3期間の開始を遊技者が把握し難いゲーム性を実現することが可能となる。また、第1期間と第2期間の始期を一致させ、促進演出の開始当初からフリーズ演出を実行するようにしてもよい。この場合は、操作促進演出が即フリーズ演出となる
ゲーム性を実現できる。
続いて、第2演出におけるリーチに伴う演出パターンについて説明する。第2演出における演出パターンの一例においては、フリーズ演出の発生後(図165(b)参照)、左右の装飾図柄がリーチの組み合わせで停止し(揺動する等の仮停止の表示態様を含む)、中央の装飾図柄が変動表示されている状況になると、フリーズ演出が終了し、図168(a)に示すように、フリーズが解かれた状態のボタン画像P671aが表示される。このとき、第3期間が開始されて演出ボタンP15が有効となり、演出ボタンP15が操作されると、この操作が表示態様に反映され、図168(b)に示すように、ボタン画像P671aの画像を消した演出に切換えられる。そして、演出表示装置P70においては、その後の演出上のストーリーに対応した内容の画像が表示される。なお、リーチとならない場合も共通であるが、ボタン画像P671aの背景では、多くの場合においては動画が進行している。このため、ボタン画像P671aが消える際の背景画像が常に同じものになるという可能性は極めて少なく、背景画像はその時々で多様に異なるのが通常である。そして、演出ボタンP15が操作されることにより、それまでとは別系統の新たな状況が多様な演出パターンによって展開されることになる。新たな状況を表す演出パターンの一例として、登場人物が無台詞の状態から図166(b)に示すように台詞を発して大当り期待度を示唆又は報知するなどの演出パターンを挙げることができる。
図169及び図170は、リーチに伴う演出パターンの他の一例を示している。この演出例においては、フリーズ演出中にリーチが発生しただけではフリーズは解かれず、演出パターンがスーパーリーチに発展する場合に、フリーズが解除される。すなわち、図169(a)に示すように、リーチとともにフリーズ演出が発生し、更に図169(b)に示すように、スーパーリーチに発展する際に遊技者の高揚感を雷の画像676を伴って煽る演出(煽り演出)が実行された場合に、フリーズが解かれ、演出ボタンP15が有効となる。そして、演出ボタンP15が操作されると、促進演出が終了してボタン画像P671bの画像が消え、図170(a)に示すようにフリーズ解除後のボタン画像P671aが表示され、更に図170(b)に示すように、その後の演出上のストーリーに対応した内容の画像が表示される。なお、図168(a)や図169(b)では、図示を簡略化するため、装飾図柄やボタン画像P671a,671bの背景となる画像が表示されていない無背景の状態が示されているが、多くの場合、装飾図柄やボタン画像P671a,671bの背後では、背景となる何らかの画像を表示する演出が実行されている。
さらに、第2演出については、第1期間ないし第2期間と各種当りの期待度との相関が定められており、第1期間ないし第2期間が長いほど各種当りの期待度が高くなるよう設定されている。すなわち、図171は、操作促進演出に係る操作促進演出パターンテーブルを模式的に示しており、図171(a)は、当否判定結果がはずれの場合に用いられる変動パターンを示している。また、図171(b)は、当否判定結果が大当り(15R大当り)のときに用いられるものであり、図171(c)は、当否判定結果が大当り(2R大当り)または小当りのときに用いられるものである。
また、各図中、操作促進演出として、促進演出L1及び促進演出L2は、促進演出M及び促進演出Sに比較して、実行に長時間を要する操作促進演出パターンを示しており、更に促進演出L2は、促進演出L1に比べて長時間の操作促進演出パターンである。また、促進演出M及び促進演出Sについては、促進演出Mのほうが促進演出Sよりも、実行に長時間を要する。なお、操作促進演出の長さの種類はここで例示したものに限らず、より多数であっても少数であってもよい。
図171(a)においては、パターン抽選値0~10には促進演出L1が対応付けられ、パターン抽選値11~40には促進演出Mが対応付けられている。パターン抽選値41~255には促進演出Sが対応付けられている。図171(b)においては、パターン抽選値0~10には促進演出L1、パターン抽選値11~230には促進演出L1、パターン抽選値231~250には促進演出M、パターン抽選値251~255には促進演出Sが対応付けられている。さらに、図171(c)においては、パターン抽選値0~160には促進演出L1、パターン抽選値161~255には促進演出Mが対応付けられている。
なお、ここでは操作促進演出全体と各種当り信頼度との関係について説明したが、フリーズ演出(第1特殊演出)やフリーズ解除演出(第2特殊演出)と各種当り期待度との関係を定め、例えばフリーズ演出ないしフリーズ解除演出が長いほど(或いは短いほど)各種当りの期待度が高くなるよう設定してもよい。また、第2演出については、ボタン画像P671aの表示終了後からボタン画像P671bに係る操作有効期間が開始するまでの時間が長いほど、相対的に大当り期待度が高くなるものでもよい。また、操作促進演出の開始後、フリーズ演出が比較的早く始まった場合には、各種当りの信頼度が高まる、といった関係が設定されるように、パターン抽選値の割振りを行うことも可能である。
さらに、複数個の始動入賞に対応し、複数回の図柄変動表示に跨って行われる予告演出パターンである連続予告演出や先読み演出と、操作促進演出との関連付けを行ってもよい。例えば、保留抽選結果中に15R大当りとなる抽選結果(ターゲットの作動保留球)が含まれている場合に、当該抽選結果に対応する変動表示(ターゲットの変動表示)よりも前の変動表示(ターゲット前の変動表示)中に促進演出を開始し、その後フリーズ演出を複数回の図柄変動表示に跨って継続的に実行し、15R大当りとなる変動表示(ターゲットの変動表示)が開始される際やその最中に、フリーズ解除演出を開始することなどが考えられる。このようにすることにより、操作促進演出の更なる多様化が可能となる。また、この場合、第1期間タイマ及び第2期間タイマは、複数回の変動表示に跨って計時を実行することになる。
また、本変形例においては、上述したように、所定のボタン演出の演出パターンとして、演出パターンA(通常のボタン画像P671aの表示中に演出ボタンP15が操作されることを契機にボタン画像P671aを消去させた後に特殊のボタン画像P671bを表示させない演出パターンA)と、演出パターンB(通常のボタン画像P671aの表示中に演出ボタンP15が操作されることを契機にボタン画像P671aを消去させた後に特殊のボタン画像P671bを表示させる演出パターンB)とを有する。ここで、特定の先読み演出が実行されるターゲット前の変動表示の実行中には、演出パターンBは実行されないが、演出パターンAは実行される。これに対して、ターゲットの変動表示の実行中には、演出パターンBを実行可能であるとともに、演出パターンAも実行可能である。つまり、ターゲット前の作動保留球が消化されることで行われるターゲット前の変動表示の実行中よりも、ターゲットの作動保留球が消化されることで行われるターゲットの変動表示の実行中の方が、演出パターンBが実行され易く構成されている。なお、ターゲット前の変動表示の実行中においても、演出パターンBが相対的に低確率で実行されるように構成してもよい。また、ターゲットの変動表示の実行中には、演出パターンAが実行される確率よりも、演出パターンBが実行される確率の方が高くなるように構成されることが好適である。なお、特殊のボタン画像P671bについては、前述したような赤色ボタン画像としてもよく、通常のボタン画像P671aについては、前述したような青色ボタン画像としてもよい。
また、本実施形態の変形例として、当該変動表示の実行中に演出パターンAが実行される場合よりも、当該変動表示の実行中に演出パターンBが実行される場合の方が、当該変動表示の実行中にボタンバイブ演出が実行され易く構成してもよい。また、当該変動表示の実行中に演出パターンAが実行される場合には、当該変動表示において第2ボタンバイブ演出(大当り確定演出)は実行されないが、当該変動表示の実行中に演出パターンBが実行される場合には、当該変動表示の実行中において第2ボタンバイブ演出(大当り確定演出)が実行可能となるように構成してもよい。もしくは、当該変動表示の実行中に演出パターンAが実行される場合よりも、当該変動表示の実行中に演出パターンBが実行される場合のほうが、当該変動表示の実行中において第2ボタンバイブ演出(大当り確定演出)が実行されやすいように構成してもよい。
以上、第6実施形態(変形例を含む)において達成される主要な効果を整理すれば、下記のようになる。
まず、第6実施形態によれば、画像演出やランプ演出などの視覚的な演出以外にも、演出ボタンの振動による触覚的な演出(ボタンバイブ演出)にて当落の期待度を示唆することができるとともに、当落の結果(当該変動表示が大当り変動、はずれ変動のいずれであっても)、その触覚的な演出を当該変動表示中の様々なタイミングで実行することで、遊技者に飽きを覚えさせることのない遊技演出を実現することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第6実施形態によれば、当該変動表示が高期待度(激熱)であることを示唆または報知するが故に遊技者にとって重要な演出とされる触覚的な演出(ボタンバイブ演出)が正常に動作可能か否かを事前に確認可能とするとともに、その確認動作と演出上の触覚的な演出との重複実行を防止することで、その確認動作と演出動作とを明確に切り分けて適切な演出進行を実現することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第6実施形態によれば、電源断の復帰後の可動体の初期化動作が行われている最中にボタン演出を実行する状況となった場合に、可動体の初期化動作を優先させつつも、この初期化動作の進行を阻害しない態様(ボタン画像の出現を示唆または煽ることのない簡素な態様)でボタン演出を実行可能とすることで、遊技者の期待感を必要以上に煽らない演出進行とすることができるとともに、電源断の復帰直後の遊技進行の処理が煩雑となることを防止することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第6実施形態によれば、電源断の復帰後の可動体の初期化動作が行われている最中にボタン演出を実行する状況となった場合に、可動体の初期化動作を優先させつつも、この初期化動作の進行を阻害しない態様(ボタン操作が非実行の場合には操作結果演出を発生させることのない簡素な態様)でボタン演出を実行可能とすることで、遊技者の期待感を必要以上に煽らない演出進行とすることができるとともに、ボタン操作がない場合の演出進行の処理を簡素化することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
第6実施形態によれば、遊技状態が移行することを契機に遊技領域内の実射位置が切り替わる場合でも、その実射位置に関する報知が遊技者に対して過度な報知となるのを抑制することで、遊技者に不信感や違和感を抱かせるのを防止することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第6実施形態によれば、図柄の変動表示時間の長短に依存することなく、いずれの変動表示中であっても保留変化の可能性を示唆する保留変化示唆演出を実行可能とすることで、保留変化に対する遊技者の関心や注目度を一層高めることができるとともに、保留変化に関連する演出の単調性を解消することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第6実施形態によれば、表示の担保を役割とする補助的な表示(小図柄や保留数など)については遊技の状況に関わらず表示を継続する一
方で、演出効果の発揮を役割とする主要的な表示(装飾図柄や保留画像など)については遊技の状況に応じた時系列的な表示態様の変化(非表示を含む)をもたせることで、その遊技の状況に応じて遊技者が注目すべき演出内容をある程度絞らせることができるようになり、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第6実施形態によれば、初期化動作中の演出ボタンの報知態様と、振動動作中の演出ボタンの報知態様とを異ならしめることで、遊技者に対して正しい遊技の進行状況を報知することができ(遊技者が誤った認識のもとで遊技を進めてしまう事態を防止すことができ)、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第6実施形態によれば、遊技状態が移行した場合にその移行後の遊技状態の開始時に保留情報が記憶されていたとしても、この保留情報を対象とする先読み演出を実行しないように構成することで、演出制御の処理負担を軽減させることができるとともに、遊技状態の移行直後の先読み演出の発生によって却って演出のメリハリがなくなる事態を防止することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第6実施形態によれば、ターゲットの保留情報を対象として特定の先読み演出が実行される場合に、この先読み演出が行われるターゲット前の変動表示の実行中よりも、ターゲットの保留情報が消化されることで行われるターゲットの変動表示の実行中の方が、ボタン演出が実行され易くすることで、ターゲット前の変動表示~ターゲットの変動表示までの複数回の変動表示に亘り演出を盛り上げることができるとともに演出のメリハリを持たせることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第6実施形態によれば、遊技状態が移行することを契機に遊技領域内の実射位置が切り替わることで、遊技者に対して実射位置に関する報知表示を行う場合に、この実射位置の報知表示と装飾図柄の表示とが重複表示されたとしても、この実射位置の報知表示と小図柄の表示、保留画像等の表示、および保留数の表示とを重複表示させないように構成することで、たとえ装飾図柄の視認性が実射位置の報知表示によって妨げられたとしても、小図柄、保留画像等、および保留数の表示の視認性は確保されているため、遊技者は現在の遊技状況(変動表示中、停止表示中、作動保留球数など)を適切に認識することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
[第7実施形態] 次に、第7実施形態に係るぱちんこ遊技機について説明する。第7実施形態のぱちんこ遊技機は、基本的には、上述の第2実施形態~第6実施形態のうちの1又は2以上の組合せに係るぱちんこ遊技機と同様の構成(構成要素のうちの一部を削除又は周知・慣用技術等で転換したものを含む)を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。つまり、以下の説明においては、特段の場合を除き、上述の第2実施形態~第6実施形態と共通の構成を適用することが可能である。
以下、第7実施形態に係るぱちんこ遊技機の基本構成を順番に説明する。
<盤面構成> まず、第7実施形態のぱちんこ遊技機の盤面構成について簡単に説明する。この第7実施形態では、前述の第6実施形態(図133を参照)等と同様に、左側領域PA1を流下する遊技球は、主として、センター飾りP21の下方に配置された第1始動口P51、一般入賞口P61~P63のいずれかに入球可能である。一方、右側領域PA2を流下する遊技球は、主として、センター飾りP21の右方に配置された作動ゲートP53、第2始動口P52、大入賞口P54のいずれかに入球可能である。一方、遊技領域PAの下端には各入賞口に入球せずに流下した遊技球を遊技盤P20の裏側へ排出するアウト口P29が設けられている。なお、各種の入賞口を備えた遊技領域PAのうち、遊技球を左側領域PA1に流下させるように遊技球を発射する打ち方を「左打ち」と呼称し、遊技球を右側領域PA2に流下させるように遊技球を発射する打ち方を「右打ち」と呼称する。
<各種表示装置> 演出表示装置P70の表示領域には、前述の図133に示すように、装飾図柄表示領域P700、保留画像表示領域P710、変動中画像表示領域P720、小図柄表示領域P730、保留数表示領域P740などが設けられている。
装飾図柄表示領域P700は、前述したように、装飾図柄を変動表示および停止表示(確定停止表示、仮停止表示)するための表示領域である。装飾図柄表示領域P700には、装飾図柄の変動表示領域となる三列の表示領域(左図柄表示領域Z1、中図柄表示領域Z2、右図柄表示領域Z3)が設けられており、左図柄表示領域Z1に対応して装飾図柄の左図柄、中図柄表示領域Z2に対応して装飾図柄の中図柄、右図柄表示領域Z3に対応して装飾図柄の右図柄がそれぞれ停止表示されるようになっている。本実施形態の装飾図柄は、複数の識別情報(数字、キャラクタ)を有した演出図柄により構成されている。この装飾図柄には、複数の識別情報のうちの一つとして、「1」~「9」の数字情報が設定されている(すなわち、全9種類の装飾図柄が存在する)。各装飾図柄は図柄列の配列に従って「1」~「9」の順に配置されており、演出表示装置P70上では「1」~「9」の順序(又は「9」~「1」の順序)で各表示領域Z1,Z2,Z3にて巡回表示又はスクロール表示され、「9」のあとは再び「1」に戻る(又は「1」のあとは再び「9」に戻る)ようになっている。なお、装飾図柄の構成については後述する。
保留画像表示領域P710は、特別図柄の作動保留球に対応する保留画像(保留アイコン)を表示するための表示領域である。この保留画像表示領域P710には、第1特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態(通常遊技状態)である場合は、第1特別図柄の作動保留球に対応する保留画像(保留アイコン)が表示され、第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態(時短遊技状態、確変遊技状態)である場合は、第2特別図柄の作動保留球に対応する保留画像(保留アイコン)が表示される。この保留画像表示領域P710には、第1特別図柄の保留画像又は第2特別図柄の保留画像として最大で4個(各特別図柄の作動保留球の最大記憶数に対応する4個)の表示が可能である。そして、第1特別図柄の保留画像は、第1特別図柄の作動保留球の発生順(入球順)に従って順番に表示され、第2特別図柄の保留画像は、第2特別図柄の作動保留球の発生順(入球順)に従って順番に表示される。
変動中画像表示領域P720は、現在実行中の変動表示に対応する変動中画像(変動中アイコン)を表示するための表示領域である。この変動中画像表示領域P720には、第1特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態(通常遊技状態)である場合は、第1特別図柄の変動表示に対応する変動中画像(変動中アイコン)が表示され、第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態(時短遊技状態、確変遊技状態)である場合は、第2特別図柄の変動表示に対応する変動中画像(変動中アイコン)が表示される。
小図柄表示領域P730は、小図柄(「簡易図柄」とも呼称する)を変動表示および停止表示(確定停止表示)するための表示領域である。小図柄とは、特別図柄、普通図柄、装飾図柄に続く、第4の図柄である。すなわち、本実施形態では、特別図柄の変動表示を演出的に示す演出図柄の変動表示として、装飾図柄の変動表示とは別に、小図柄の変動表示が画面上に小さく表示される。この小図柄は、装飾図柄の左図柄、中図柄および右図柄とそれぞれ対応する3つの図柄から構成されており、装飾図柄と同様に、例えば「1」~「9」の全9種類の数字の識別要素により構成されている。なお、装飾図柄を「メイン装飾図柄」又は「第1装飾図柄」と呼称し、小図柄を「サブ装飾図柄」又は「第2装飾図柄」と呼称してもよい。
この小図柄表示領域P730は、装飾図柄表示領域P700よりも相対的に小さな表示領域に形成されている。この小図柄表示領域P730には、詳細図示を省略しているが、小図柄の変動表示領域となる三列の表示領域(左小図柄表示領域、中小図柄表示領域、右小図柄表示領域)が設けられており、左小図柄表示領域に対応して小図柄の左図柄(「左小図柄」と呼称する)、中小図柄表示領域に対応して小図柄の中図柄(「中小図柄」と呼称する)、右小図柄表示領域に対応して小図柄の右図柄がそれぞれ停止表示されるようになっている。この小図柄を構成する3つの図柄のうち、左小図柄は装飾図柄の左図柄に対応し、中小図柄は装飾図柄の中図柄に対応し、右小図柄は装飾図柄の中図柄に対応する。そして、小図柄の変動表示は、特別図柄の変動表示および装飾図柄の変動表示と同期して行われ、小図柄の停止表示は、特別図柄の停止表示および装飾図柄の停止表示と同期して行われる。
なお、本実施形態では、装飾図柄は確定停止表示および仮停止表示を行うのに対して、小図柄は確定停止表示を行うが仮停止表示は行わない。すなわち、装飾図柄(左図柄、図柄および右図柄の少なくとも1つ)が仮停止表示を行ったとしても、小図柄は仮停止表示を行うことなく変動表示を継続する。
また、小図柄の変動表示は、装飾図柄の変動表示と同じように、「1」~「9」の数字をスクロール表示(例えば縦スクロールまたは横スクロール)する表示態様でもよいが、装飾図柄の変動表示とは異なり、予め定められた特定の数字の組み合わせを所定時間ごとに切り替えて表示する表示態様が好適である。その一例としては、小図柄を構成する3つの図柄の組合せ(特定の数字の組合せ)として「1・3・5」、「4・6・8」」、「7・9・2」などを採用し、「1・3・5」→「4・6・8」→「7・9・2」→「1・3・5」→「4・6・8」→「7・9・2」→・・・といったように、特定の数字を繰り返し表示する構成を適用することが可能である。このような構成によれば、小図柄の変動表示に関する制御を簡略化することができる。
なお、小図柄は、主として特別図柄の変動表示中であること、および確定停止表示中であることを遊技者が認識できればよく、必ずしも装飾図柄と同様に3つの図柄の組合せで変動表示および確定停止表示する必要はなく、2つの図柄の組合せや、1つの図柄のみで変動表示および確定停止表示するものでもよい(その他の簡略化された記号や色などの識別要素であってもよい)。
保留数表示領域P740は、特別図柄の作動保留球の個数を表示するための表示領域である。この保留数表示領域P740は、第1特別図柄の作動保留球の個数を表示する第1保留数表示領域P741と、第2特別図柄の作動保留球の個数を表示する第2保留数表示領域P742とを含む。なお、以下では、第1特別図柄の作動保留球の個数を「第1特図保留数」、第2特別図柄の作動保留球の個数を「第2特図保留数」と呼称する場合がある。
また、遊技盤P20には、前述の図133に示すように、主制御基板P100側で制御される主制御表示装置P27と、演出制御基板P200側で制御される副制御表示装置P28とが設けられている。なお、主制御表示装置P27については第4実施形態で詳述し、副制御表示装置P28については第6実施形態で詳述しているため、ここでは説明を省略する。
<可動役物> また、遊技盤P20には、前述の図133に示すように、遊技の展開状況に応じて演出動作を実行する複数の可動役物P651,652が取り付けられている。第1可動役物P651は、センター飾りP21の上端側に位置する初期位置(他の初期位置と区別するため「第1初期位置」とも呼称する)と、センター飾りP21の下端側に位置する可動位置(他の可動位置と区別するため「第1可動位置」とも呼称する)との間で、上下方向にスライド移動(往復移動)可能に構成されてい
る。第2可動役物P652は、上記支点を中心に右方に揺動してセンター飾り80の後方に退避する初期位置(他の初期位置と区別するため「第2初期位置」とも呼称する)と、上記支点を中心に左方に揺動して演出表示装置P70の画面前方に現れる可動位置(他の可動位置と区別するため「第2可動位置」とも呼称する)との間で揺動可能に構成されている。なお、図133では、各可動役物P651,652が初期位置に復帰した状態(初期位置に位置している状態)を示している。
<演出ボタン> また、本実施形態の遊技機は、上記実施形態の遊技機(図135等を参照)と同様に、遊技者が操作可能な入力装置として、演出ボタンP15と、十字キーP16とが設けられている。この演出ボタンP15には、演出ボタンランプ(LED基板)15aが内蔵されている。この演出ボタンランプ15aは、演出ボタンP15を発光するための発光体として、表面実装型の複数のLEDが備えられている。この発光体(LED)としては、R(赤)、G(緑)、B(青)に発光可能な発光素子を有するフルカラーLEDが好適に用いられる。また、演出ボタンP15には、当該演出ボタンP15が操作されたことを検出する演出ボタン検出センサ(図示せず)が備えられている。この操作検出センサの検出信号は、演出制御基板P200に入力される。また、演出ボタンP15には、振動を発生可能な振動モータ(図示せず)が内蔵されている。この振動モータは、演出制御基板P200の制御のもと、演出ボタンP15に振動を付与可能(伝達可能)に構成されている。なお、演出ボタンP15を「操作手段」と呼称する場合がある。
<装飾図柄> 続いて、第7実施形態の装飾図柄について説明する。図172は、第7実施形態の装飾図柄の構成を示す模式図である。
装飾図柄は、複数種の識別情報(数字情報、キャラクタ情報など)の組合せからなる。本実施形態の装飾図柄は、数字図柄(数字画像)と、キャラ図柄(キャラ画像)とを有して構成されている。数字図柄は、「1」~「9」までの9種類の数字を示す図柄により構成されている。キャラ図柄は、9種類のキャラクタ(キャラクタA~I)を示す図柄により構成されている。この9種類のキャラクタは、互いに異なるキャラクタであり、主人公のキャラクタ、仲間のキャラクタ、敵のキャラクタなどが例示される。なお、数字図柄については、「1」と「5」と「9」は緑色とし、「3」と「7」は赤色とし、それ以外の数字は青色としてもよい。そのように構成した場合、「3」と「5」はゾロ目となることで高確率状態又は及び/又は高ベース状態への移行が確定する4R大当りに対応し、「7」はゾロ目となることで高確率状態又は及び/又は高ベース状態への移行が確定する10R大当りに対応し、それ以外の数字はゾロ目となることで高確率状態又は及び/又は高ベース状態への移行が確定しない4R大当り(昇格演出に成功すると高確率状態又は及び/又は高ベース状態への移行が確定する4R大当り)に対応することが望ましい。なお、小図柄については、数字図柄のみで構成されており(キャラ図柄を含んでおらず)、数字の色も装飾図柄と同様であるが、変形例としては、小図柄についてはいずれの数字も白色としてもよい。また、数字の形状についても、装飾図柄と小図柄とで異なっていてもよい(例えば、装飾図柄では明朝体で、小図柄ではゴシック体としてよい)。また、キャラ図柄については、「キャラクタG」がその他キャラクタと比べて表示領域が相対的に大きくなることが望ましい。これは数字図柄も同様で、「7」はその他数字と比べて表示領域が相対的に大きくなることが望ましい。
図172に示すように、数字図柄とキャラ図柄とは1対1の関係で対応付けられており、「1」の数字図柄に対して「キャラクタA」のキャラ図柄が対応付けられ、「2」の数字図柄に対して「キャラクタB」のキャラ図柄が対応付けられ、「3」の数字図柄に対して「キャラクタC」のキャラ図柄が対応付けられ、「4」の数字図柄に対して「キャラクタD」のキャラ図柄が対応付けられ、「5」の数字図柄に対して「キャラクタE」のキャラ図柄が対応付けられ、「6」の数字図柄に対して「キャラクタF」のキャラ図柄が対応付けられ、「7」の数字図柄に対して「キャラクタG」のキャラ図柄が対応付けられ、「8」の数字図柄に対して「キャラクタH」のキャラ図柄が対応付けられ、「9」の数字図柄に対して「キャラクタI」のキャラ図柄が対応付けられている。ここで、ステージA、B,Cについては、各数字図柄に対応付けられるキャラ図柄が異なっても良く、例えば、ステージBにおいては「1」~「9」の数字それぞれに対して「キャラクタa」~「キャラクタi」(「キャラクタA」~「キャラクタI」とは異なるキャラクタ)が対応付けられたりしてもよい。時短演出モードや確変演出モードも同様に、各数字図柄に対応付けられるキャラ図柄がステージA,B,Cとは異なってもよいが、時短演出モードや確変演出モードでは、キャラ図柄を付帯させずに数字図柄のみで装飾図柄を構成してもよい。このように各ステージに応じて装飾図柄の表示態様(キャラ図柄)を異ならせてもよいが、小図柄についてはいずれのステージであっても表示態様(数字の色)を共通とすることが望ましい。
本実施例では、装飾図柄を表示するレイヤとして、数字図柄を表示するレイヤよりもキャラ図柄を表示するレイヤを下位に配置しており、手前側のレイヤ(優先度の高いレイヤ)に数字画像が表示され、奥側のレイヤ(優先度の低いレイヤ)にキャラ画像が表示される(手前側から奥行側に向かって、数字図柄、キャラ図柄の順に重畳表示される)。それにより、数字図柄とキャラ図柄とが重畳表示される場合、数字図柄の背後にキャラ図柄が表示される位置関係となる。なお、後述の図183~図184では、便宜上、数字図柄を表示するレイヤとキャラ図柄を表示するレイヤとを纏めて、一つの装飾図柄のレイヤLA2として図示している。変形例としては、数字図柄を表示するレイヤとキャラ図柄を表示するレイヤとを同一のレイヤとし、数字図柄をキャラ図柄の前面に配置するデザインとしてもよい。
ここで、前述したとおり、数字図柄とキャラ図柄との対応関係は1対1でなくてもよく、例えば滞在中の遊技状態(演出モード/演出ステージ)などに応じて、数字図柄とキャラ図柄との対応関係が変化してもよい。また、装飾図柄の構成要素として、数字図柄およびキャラ図柄の他にも、キャラクタの名称を示すキャラ名図柄や、数字図柄および/またはキャラ図柄の背景部分となる背景図柄(数字図柄やキャラ図柄を豪華に見せるために背面に付帯する背景図柄)などを付加してもよい。
また、本実施形態の装飾図柄としては、数字図柄およびキャラ図柄からなる通常の装飾図柄の他に、この通常の装飾図柄とは異なる態様の特殊な装飾図柄(特殊図柄)が設定されている。この特殊図柄には、擬似連の発生を示唆する仮停止図柄となる「NEXT」などの擬似連図柄や、SPリーチの発生を示唆する仮停止図柄なる「SP」などの発展図柄などがある。この特殊図柄は、装飾図柄の通常の図柄配列には含まれておらず、特定の変動パターン(擬似連の変動パターン)の変動演出において一時的に表示され得るものである。そのため、詳細は後述するが、変動待機状態(変動待機期間)において表示され得る装飾図柄は、通常の装飾図柄(数字図柄およびキャラ図柄)のみであり、特殊図柄は変動待機状態(変動待機期間)において表示されることはない。
また、前述したとおり、各装飾図柄は、数字図柄に付された色彩の種類により図柄属性が定められている。つまり、複数の装飾図柄は、互いに異なる識別情報(数字、キャラクタ)から構成されているが、数字図柄に共通の色彩が付されることにより、同一の図柄属性にグループ化されることになる。本実施例では、装飾図柄(数字図柄)の色彩として「青色」、「緑色」、「赤色」の3種類が設定されている。具体的に、装飾図柄「2」、「4」、「6」、「8」は青色の図柄属性(青色属性)に分類され、装飾図柄「1」、「5」、「9」は緑色の図柄属性(緑色属性)に分類され、装飾図柄「3」、「7」は赤色の図柄属性(赤色属性)に分類される。本実施形態では、装飾図柄の図柄属性として、「青色」<「緑色」<「赤色」の順に1段階ずつ、出玉獲得の期待度及び確変移行の期待度が高くなる。以下では、便宜上、青色属性の装飾図柄を「青図柄」、緑色属性の装飾図柄を「緑図柄」、赤色属性の装飾図柄を「赤図柄」とも称する。また、図面上では、数字図柄の明瞭化のため、「青色」、「緑色」、「赤色」の表示色を全て「白抜き」で表現している。
なお、変形例として、現在滞在中の遊技状態(演出モード/演出ステージ)に応じて、数字図柄の色彩を異ならせてもよい。例えば、現在滞在中の遊技状態が低ベース状態である場合には、装飾図柄「2」、「4」、「6」、「8」は青図柄、装飾図柄「1」、「5」、「9」は緑図柄、装飾図柄「3」、「7」は赤図柄に形成し、現在滞在中の遊技状態が高ベース状態である場合には、装飾図柄「2」、「4」、「6」、「8」は青図柄、装飾図柄「1」、「5」、「9」は緑図柄、装飾図柄「3」は赤図柄、装飾図柄「7」は金図柄に形成してもよい。また、前述したとおり、現在滞在中の遊技状態(演出モード/演出ステージ)に応じて、キャラ図柄のキャラクタを異ならせてもよい。現在滞在中の遊技状態が低ベース状態である場合には、9種類のキャラクタをキャラクタA~Iで構成し、現在滞在中の遊技状態が高ベース状態である場合には、9種類のキャラクタをキャラクタa~iで構成してもよい。
本実施形態では、大当りを示す装飾図柄の組合せ(「大当り図柄組合せ」又は「大当り目」とも呼称する)は、同一の識別情報(数字およびキャラクタ)の装飾図柄が3つ揃った停止態様の組合せ「*・*・*」から構成される(*:任意の数字の装飾図柄)。すなわち、この大当り図柄組合せ(大当り目、ゾロ目とも称する)は、「1・1・1」、「2・2・2」、「3・3・3」、「4・4・4」、「5・5・5」、「6・6・6」、「7・7・7」、「8・8・8」、「9・9・9」、といった同一の識別情報(数字およびキャラクタ)の装飾図柄が全て揃った停止態様の組合せである。
はずれを示す装飾図柄の組合せ(「はずれ図柄組合せ」または「はずれ目」とも呼称する)は、3つの装飾図柄のうちの少なくとも1つの装飾図柄が他の装飾図柄と相違する停止態様の組合せ(例えば「1・3・8」、「5・6・7」)である。ここで、はずれ図柄組合せのうち、装飾図柄の左図柄と右図柄とが一致している状態で中図柄のみが相違する(例えば前後に数コマずれた)停止態様の組合せ(例えば「2・4・2」、「7・8・7」)を「リーチはずれ組合せ」または「リーチはずれ目」とも呼称する。
なお、装飾図柄の変動表示中において、3つの装飾図柄のうち、左図柄および右図柄が一致している状態で仮停止表示され、残りの中図柄がスクロール表示されているときの装飾図柄の組合せ(つまり、リーチが成立しているときの装飾図柄の組合せ)を「リーチ状態目」とも呼称する。なお、本実施形態では、所定の先読み演出(同色図柄停止先読み演出)にて停止表示される装飾図柄の組合せ(はずれを示す組合せ)として、いわゆるチャンス目(同色図柄組合せ)と呼ばれる装飾図柄の組合せが設定されている(詳細後述)。
<背景画像> 背景画像は、装飾図柄、小図柄、保留画像、変動中画像、予告演出画像などの背景表示として重畳的に表示される画像である。この背景画像は、本遊技機の題材となったアニメやゲーム、テレビドラマなどに関する動画像または静止画像を有して構成されている。本実施例の背景画像としては、ステージ背景画像と、リーチ背景画像とを含む。なお、各背景画像の内容については後述する。
<BGM:バックグラウンドミュージック> 本実施形態では、スピーカから出力されるBGM(背景楽曲、背景音楽
)として、複数種のBGMが設定されている。本実施例のBGMとしては、ステージBGMと、リーチBGMとを含む。各種BGMは、画像制御基板P300のROMP302(音声ROMなど)に記憶されており、サブサブCPUP301または音声ICにより読み出し可能となっている。なお、各BGMの内容については後述する。
次に、第7実施形態の遊技機の特徴たる遊技演出のうち、「モード演出(ステージ演出)」、「画像動作演出」、「画像変形演出」、「ボタン演出」などの内容について説明する。なお、以下の説明では便宜上、先読み演出もしくは先読み抽選の実行契機となる作動保留球を「ターゲットの作動保留球」とも呼称し、ターゲットの作動保留球よりも前に消化される作動保留球を「ターゲット前の作動保留球」とも呼称する。また、ターゲットの作動保留球に対応する保留画像を「ターゲットの保留画像」とも呼称し、ターゲット前の作動保留球に対応する保留画像を「ターゲット前の保留画像」とも呼称する。また、ターゲットの作動保留球が消化されることで表示される変動中画像を「ターゲットの変動中画像」とも呼称し、ターゲット前の作動保留球が消化されることで表示される変動中画像を「ターゲット前の変動中画像」とも呼称する。また、ターゲットの作動保留球が消化されることで実行される変動表示を「ターゲットの変動表示」とも呼称し、ターゲット前の作動保留球が消化されることで実行される変動表示を「ターゲット前の変動表示」とも呼称する。
[モード演出] まず、第7実施形態のモード演出(ステージ演出)について説明する。なお、図173は、第7実施形態のモード演出(ステージ演出)の説明に供する模式図である。本実施形態のモード演出(ステージ演出)は、現在滞在中の演出モード(演出ステージ)に応じた背景画像やBGMが設定される当該演出モード(当該演出ステージ)に依存した演出である。
第7実施形態では、上記第2実施形態と同様に、遊技状態が通常遊技状態(低確率低ベース状態)であるときは「通常演出モード」が設定され、遊技状態が時短遊技状態(低確率低ベース状態)であるときは「時短演出モード」が設定され、遊技状態が確変遊技状態(高確率高ベース状態)であるときは「確変演出モード」が設定されるように制御されており、主制御基板P100側において管理される遊技状態(又は変動パターン選択状態)や特別図柄の変動表示回数などに応じて、複数種の演出モードのうちのいずれかが択一的に設定されて、該設定された演出モードに応じた変動演出が実行される。演出モードが設定されると、当該演出モードに滞在中であることを示唆する演出(変動演出)として、当該演出モード専用の背景画像(「ステージ背景画像」と呼称する)が設定されるとともに、当該演出モード専用のBGM(「ステージBGM」と呼称する)が設定される。このようにステージ背景画像およびステージBGMは演出モード毎に互いに異なるように設定されているため、ステージ背景画像又はステージBGMの種類から、現在滞在中の演出モードがいずれであるかを遊技者が認識し得るようになっている。
<通常演出モード> 演出モードが通常演出モードである場合(遊技状態が低確率低ベース状態である場合)には、通常演出モードに対応するステージ背景画像(「通常背景画像」と呼称する)が画面に表示されるとともに、通常演出モードに対応するステージBGM(「通常BGM」と呼称する)がスピーカP11から出力される。
通常演出モードには、ステージA、ステージB、ステージCおよび先読みステージの4種類の演出ステージが設定されており、所定回数(例えば20回転)の変動表示の経過又はSPリーチの変動表示が「はずれ」で終了することを契機に、ステージAからステージBへ移行、ステージBからステージCへ移行、もしくはステージCからステージAへ移行し、先読み抽選(予告演出判定)にて先読みステージの実行(移行)に当選した場合は、現在滞在中の演出ステージから「先読みステージ」へ移行する(「先読みステージ」に移行した時点でSPリーチの実行が確定し、大当りする場合は「先読みステージ」にてゾロ目が表示され、はずれる場合は「先読みステージ」にてゾロ目以外が表示され、次の変動で「先読みステージ」移行前のステージに復帰する、もしくは、当該変動内でSPリーチはずれ後に「先読みステージ」移行前のステージに復帰する)。なお、SPリーチは前述したとおり、例えば味方キャラクタが敵キャラクタと対戦するバトル演出(バトルリーチ演出)として構成されている。SPリーチAは敵キャラクタAと対戦するバトル演出であり(大当り期待度10%)、SPリーチBは敵キャラクタBと対戦するバトル演出であり(大当り期待度20%)、SPリーチCは敵キャラクタCと対戦するバトル演出であり(大当り期待度60%)であり、このSPリーチの変動表示の演出ルートとして、複数種の演出ルート1~3が設定されており、その演出ルートごとに異なる演出過程を経由して当該変動表示の結果(バトル演出の勝敗)が導出され、演出ルート1はSPリーチ(バトル演出)の結果が勝利となる「大当り」のルートであり、演出ルート2はSPリーチ(バトル演出)の結果が敗北となる「はずれ」のルートであり、演出ルート3はSPリーチ(バトル演出)の結果が一旦敗北となったように見せかけた後に逆転勝利する「大当り」のルートである。これらSPリーチA~Cは、通常演出ステージにて実行されるが、時短演出モードではSPリーチD(大当り期待度15%)、SPリーチE(大当り期待度50%)が同様の演出態様(敵キャラクタと対戦するバトル演出であり演出ルート1~3が設定されている演出態様)にて実行され、確変演出モードではSPリーチF(大当り期待度40%)、SPリーチG(大当り期待度70%)が同様の演出態様(敵キャラクタと対戦するバトル演出であり演出ルート1~3が設定されている演出態様)にて実行される。
この通常演出モードでは、演出ステージの種類に応じて異なる複数種のステージ背景画像(通常背景画像)が設定されており、ステージAに対応して表示されるステージ背景画像(「通常背景画像A」と呼称する)と、ステージBに対応して表示されるステージ背景画像(「通常背景画像B」と呼称する)と、ステージCに対応して表示されるステージ背景画像(「通常背景画像C」と呼称する)と、先読みステージに対応して表示されるステージ背景画像(「通常背景画像D」と呼称する)とがある。
また、通常演出モードでは、演出ステージの種類に応じて異なる複数種のステージBGM(通常BGM)が設定されており、ステージAに対応して出力されるステージBGM(「通常BGM-A」と呼称する)と、ステージBに対応して出力されるステージBGM(通常BGM-B)と、ステージCに対応して出力されるステージBGM(通常BGM-C)と、先読みステージに対応して出力されるステージBGM(通常BGM-D)とがある。この通常BGM-A~Dは、通常演出モード中において通常背景画像A~Dと同期または調和したかたちで出力される。
通常演出モードのステージAは、当該通常演出モード(いずれかの演出ステージ)の滞在中において電源断が発生した場合に、該電源断から復帰した際に初期設定(初期表示)されるデフォルトの演出ステージとして構成されている。そのため、ステージAに対応して設定される通常背景画像Aは、通常演出モード(いずれかの演出ステージ)において電源復帰した場合に最初に設定される、通常演出モード(低ベース状態)におけるデフォルトのステージ背景画像(通常背景画像)となる。また、この通常背景画像Aは、演出モードが通常演出モードに移行したとき(遊技状態が低ベース状態に移行したとき)に最初に再生されるステージ背景画像でもある。同様に、ステージAに対応して設定される通常BGM-Aは、通常演出モード(いずれかの演出ステージ)において電源復帰した場合に最初に設定される、通常演出モード(低ベース状態)におけるデフォルトのステージBGM(通常BGM)となる。また、この通常BGM-Aは、演出モードが通常演出モードに移行したとき(遊技状態が低ベース状態に移行したとき)に最初に再生されるステージBGMでもある。なお、いずれの遊技状態(低ベース状態/高ベース状態)においても、RAMクリアモードにて電源復帰した場合には、その電源復帰時のステージ背景画像として、通常背景画像Aが最初に設定(表示)され、電源復帰時のBGMとして、ステージBGM-Aが最初に設定(出力)される。なお、本実施例では、通常演出モード(低ベース状態)のデフォルトのステージ背景画像となる通常背景画像Aを「第1ステージ背景画像」、通常演出モード(低ベース状態に)のデフォルトのステージBGMとなる通常BGM-Aを「第1ステージBGM」と呼称する場合がある。変形例として、高ベース状態が終了することで移行する低ベース状態(高ベース状態中にて実行される特別遊技終了後に移行する低ベース状態を含む)では、低ベース移行直後(例えば、移行してから10変動)はステージAではなくステージCに移行してもよいし、新たなステージであるステージDといった特殊ステージ(ステージBGM-Dが出力される特殊ステージ)に移行してもよい。
また、この通常演出モードでは、いずれの演出ステージに滞在中であっても、実行中の変動表示が通常変動(非リーチ変動)である場合は、装飾図柄の変動表示の開始時から終了時(確定停止時)までに亘り、該演出ステージに応じた種類の通常背景画像が継続して表示されるとともに、該演出ステージに応じた種類の通常BGMが継続して出力される。
ここで、現在滞在中の演出ステージがステージAであるときに、当該変動表示がはずれの通常変動(非リーチはずれ)であり、且つ、次の変動表示もはずれの通常変動(非リーチはずれ)である場合には、当該変動表示の終了時(確定停止時)において、表示中の通常背景画像Aおよび出力中の通常BGM-Aは途切れずに(中断されずに)、次回の変動表示に跨って連続的に表示または出力される。つまり、複数回のはずれの通常変動(非リーチはずれ)が連続する場合には、この複数回の通常変動に跨って、通常背景画像Aが途切れることなく継続して表示されるとともに、通常BGM-Aが途切れることなく継続して出力されることになる。
現在滞在中の演出ステージがステージB、ステージCもしくは先読みステージであるときは、当該変動表示がはずれの通常変動(非リーチはずれ)であり、且つ、次の変動表示もはずれの通常変動(非リーチはずれ)である場合でも、当該変動表示が終了(確定停止)することを契機に、表示中の通常背景画像B~Dおよび出力中の通常BGM-B~Dが途切れて(終了して)、次回の変動表示が開始されることを契機に、再び通常背景画像B~Dが最初(動画像の先頭)から表示されるとともに、再び通常ステージBGM-B~Dが最初(楽曲の先頭)から出力されることになる。
また、通常演出モードでは、現在滞在中の演出ステージがステージA、ステージB、ステージC、先読みステージのいずれにおいても、当該変動表示の実行中に擬似連演出を実行可能であるが、いずれの演出ステージに滞在中であっても、擬似連演出における仮停止時(中図柄として所定の擬似連図柄(例えば「NEXT」という文字の図柄)が所定の仮停止位置の近傍に変動表示されたうえで仮停止表示される際)には、ステージBGMが出力されず(途切れ)、再変動表示を契機にステージBGMが最初から開始される、もしくは、再変動表示前とは異なる特定のBGMへと切り替わるようになっている。
<時短演出モード> 演出モードが時短演出モードである場合(遊技状態が低確率高ベース状態である場合)には、時短演出モードに対応するステージ背景画像(「時短背景画像」と呼称する)が画面に表示されるとともに、時短演出モードに対応するステージBGM(「時短BGM」と呼称する)がスピ
ーカから出力される。時短背景画像は、時短演出モードに対応して設定されるデフォルトのステージ背景画像、すなわち、時短演出モードにおいて電源復帰した場合に最初に設定される背景画像(ステージ背景画像)となる。また、この時短背景画像は、演出モードが時短演出モードに移行したとき(遊技状態が低確率高ベース状態に移行したとき)に最初に表示されるステージ背景画像でもある。同様に、時短BGMは、時短演出モードに対応して設定されるステージBGM、すなわち、時短演出モードにおいて電源復帰した場合に最初に設定されるBGM(ステージBGM)となる。また、この時短BGMは、演出モードが時短演出モードに移行したとき(遊技状態が低確率高ベース状態に移行したとき)に最初に再生される楽曲、または、演出モードが時短演出モードに移行する前(遊技状態が低確率高ベース状態に移行する前)に遊技者の操作によりステージBGMが設定されていない場合に自動的に再生されるBGMでもある。この時短BGMは、時短演出モード中において時短背景画像と同期または調和したかたちで出力される。
この時短演出モードでは、実行中の変動表示が通常変動(非リーチ変動)である場合は、装飾図柄の変動表示の開始時から終了時(確定停止時)までの間、時短背景画像が継続して表示されるとともに、時短BGMが継続して出力される。なお、この時短演出モードでは、詳細後述するが、遊技の進行状況に応じて開放される追加のステージBGMが設定されており、現在出力中のステージBGM(時短BGM)を他のステージBGMに変更可能である。すなわち、時短演出モードは、ステージBGMを選択可能な演出モードである。なお、時短演出モードにおいては、変動表示の実行中に擬似連演出が実行されない。
また、現在の演出モードが時短演出モードであるときに、当該変動表示がはずれの通常変動(非リーチはずれ)であり、且つ、次の変動表示もはずれの通常変動(非リーチはずれ)である場合には、当該変動表示の終了時(確定停止時)に、表示中の時短背景画像および出力中の時短BGMは途切れずに(中断されずに)、次回の変動表示に跨って連続的に表示または出力される。つまり、複数回のはずれの通常変動(非リーチはずれ)が連続する場合には、この複数回の通常変動に跨って、時短背景画像が途切れることなく継続して表示されるとともに、時短BGMが途切れることなく継続して出力されることになる。 <確変演出モード>
演出モードが確変演出モードである場合(遊技状態が高確率高ベース状態である場合)には、確変演出モードに対応するステージ背景画像(「確変背景画像」と呼称する)が画面に表示されるとともに、確変演出モードに対応するステージBGM(「確変BGM」と呼称する)がスピーカから出力される。確変背景画像は、確変演出モードに対応して設定されるデフォルトのステージ背景画像、すなわち、確変演出モードにおいて電源復帰した場合に最初に設定される背景画像(ステージ背景画像)となる。また、この確変背景画像は、演出モードが確変演出モードに移行したとき(遊技状態が高確率高ベース状態に移行したとき)に最初に表示されるステージ背景画像でもある。同様に、確変BGMは、確変演出モードに対応して設定されるステージBGM、すなわち、確変演出モードにおいて電源復帰した場合に最初に設定されるBGM(ステージBGM)となる。また、この確変BGMは、演出モードが確変演出モードに移行したとき(遊技状態が高確率高ベース状態に移行したとき)に最初に再生される楽曲、または、演出モードが確変演出モードに移行する前(遊技状態が高確率高ベース技状態に移行する前)に遊技者の操作によりステージBGMが設定されていない場合に自動的に再生されるBGMでもある。この確変BGMは、確変演出モード中において確変背景画像と同期または調和したかたちで出力される。
この確変演出モードでは、実行中の変動表示が通常変動(非リーチ変動)である場合は、装飾図柄の変動表示の開始時から終了時(確定停止時)までの間、確変背景画像が継続して表示されるとともに、確変BGMが継続して出力される。なお、この確変演出モードでは、詳細後述するが、遊技の進行状況に応じて開放される追加のステージBGMが設定されており、現在出力中のステージBGM(確変BGM)を他のステージBGMに変更可能である。すなわち、確変演出モードは、ステージBGMを選択可能な演出モードである。なお、確変演出モードにおいては、変動表示の実行中に擬似連演出が実行されない。
また、現在の演出モードが確変演出モードであるときに、当該変動表示がはずれの通常変動(非リーチはずれ)であり、且つ、次の変動表示もはずれの通常変動(非リーチはずれ)である場合には、当該変動表示の終了時(確定停止時)に、表示中の確変背景画像および出力中の確変BGMは途切れずに(中断されずに)、次回の変動表示に跨って連続的に表示または出力される。つまり、複数回のはずれの通常変動(非リーチはずれ)が連続する場合には、この複数回の通常変動に跨って、確変背景画像が途切れることなく継続して表示されるとともに、確変BGMが途切れることなく継続して出力されることになる。
なお、本実施形態では、高ベース状態において表示されるデフォルトのステージ背景画像として、低確率高ベース状態(時短演出モード)において表示されるデフォルトのステージ背景画像(時短背景画像)と、高確率高ベース状態(確変演出モード)において表示されるデフォルトのステージ背景画像(確変背景画像)とが設定されているが、以下では両者(時短背景画像および確変背景画像)を特に区別する必要がない場合には、この高ベース状態で表示されるデフォルトのステージ背景画像を総称して「第2ステージ背景画像」とも呼称する。同様に、本実施形態では、高ベース状態において出力されるデフォルトのステージBGMとして、低確率高ベース状態(時短演出モード)において出力されるデフォルトのステージBGM(時短BGM)と、高確率高ベース状態(確変演出モード)において出力されるデフォルトのステージBGM(確変BGM)とが設定されているが、以下では両者(確変BGMおよび時短BGM)を特に区別する必要がない場合には、この高ベース状態で出力されるデフォルトのステージBGMを総称して「第2ステージBGM」とも呼称する。
<リーチ背景画像/リーチBGM> 本実施形態では、各演出モード(演出ステージ)において、実行中の変動表示がSPリーチ変動である場合は、装飾図柄の変動表示の開始時からSPリーチに発展するまで(リーチが成立してSPリーチに発展するまで)の間、現在の演出モード(演出ステージ)に応じたステージ背景画像が継続して表示されるとともに、現在の演出モード(演出ステージ)に応じたステージBGMが継続して出力される。この当該変動表示の実行中にSPリーチに発展する場合には、表示中の背景画像がステージ背景画像からSPリーチ専用の背景画像(「リーチ背景画像」と呼称する)に切り替わるとともに、出力中のBGMがステージBGMからSPリーチ専用のBGM(「リーチBGM」と呼称する)に切り替わる。このリーチ背景画像およびリーチBGMは、各演出モード(演出ステージ)におけるSPリーチ演出の種類に応じて設定されており、SPリーチ演出の種類が異なればリーチ背景画像およびリーチBGMもそれぞれ異なる態様となる。当該変動表示においてSPリーチ演出が終了した場合には、このSPリーチ演出の終了時もしくは終了直後に、表示中の背景画像がリーチ背景画像から元のステージ背景画像(SPリーチに発展する前に表示されていたステージ背景画像)に復帰する。また、当該変動表示においてリーチ背景画像から元のステージ背景画像に復帰した場合には、次回の変動表示が開始されるまで、当該ステージ背景画像が表示されていたとしても、これに対応するステージBGMは出力されず、リーチBGMも出力されない。すなわち、次回の変動表示が開始されるまでは、無音の状態、もしくはステージBGMおよびリーチBGMとは異なる特定のBGMが出力される。また、SPリーチ変動が「はずれ」で終了した場合は、次回の変動表示の開始時に、現在の演出モード(演出ステージ)に対応するステージ背景画像が最初(動画像の先頭)から表示されるとともに、現在の演出モード(演出ステージ)に対応するステージBGMが最初(楽曲の先頭)から出力されることになる。すなわち、現在の演出モード(演出ステージ)が通常演出モードのステージA、時短演出モード、確変演出モードである場合は、前述したように、非リーチの変動表示が「はずれ」で終了(確定停止)しても、ステージBGMが途切れることなく(終了することなく)、次回の変動表示に亘り継続してステージBGMが出力されるが、これらの演出モードおよび演出ステージにおいても、当該変動表示においてSPリーチを経由して「はずれ」となる場合には、当該変動表示が終了(確定停止)する前に、ステージBGMが途切れて、次回の変動表示が開始されることを契機にステージBGMが最初から開始される。
なお、本実施形態では、当該変動表示がSPリーチ変動である場合に、SPリーチの終了時または終了後に元のステージ背景画像に復帰するように構成されているが、当該変動表示が大当りのSPリーチ変動である場合には、リーチ背景画像を装飾図柄の確定停止表示まで継続的に表示して元のステージ背景画像には復帰しないように構成してもよい。但し、当該変動表示がはずれのSPリーチ変動である場合には、装飾図柄が確定停止表示される前に、元のステージ背景画像に復帰するものとなる。このリーチ背景画像から元のステージ背景画像の復帰時は、装飾図柄の仮停止表示中または仮停止表示の直前であることが好ましい。
また、変形例として、実行中の変動表示がSPリーチ変動である場合、装飾図柄の変動表示の開始時からリーチの成立時までは、現在の演出モード(演出ステージ)に応じたステージ背景画像が表示されるとともに、現在の演出モード(演出ステージ)に応じたステージBGMが出力され、リーチの成立時からSPリーチの発展時までは、Nリーチ(現在の演出モードにてリーチが成立し、当該リーチ状態を所定時間継続するリーチ演出であり、その後にSPリーチに発展する可能性があるリーチ演出である、前述したとおりノーマルリーチとも称する)専用のリーチ背景画像が表示されるとともに、Nリーチ専用のリーチBGMが出力され、SPリーチの発展時からは(元のステージ背景画像に復帰するまでは)、SPリーチ専用のリーチ背景画像が表示されるとともに、SPリーチ専用のリーチBGMが出力されるように構成してもよい。なお、Nリーチ中もSPリーチ中も、小図柄については全ての図柄(左図柄、中図柄、右図柄)が変動を継続している(つまり、リーチ状態を形成していない)。
<BGM選択演出> 次に、高ベース状態(有利遊技状態)において行われるBGM選択演出について説明する。図174はBGM選択演出の表示画面を示す模式図である。
本実施形態では、高ベース状態の実行中に出力されるステージBGMを遊技者による操作(演出ボタンP15および十字キーP16の操作)によって選択させるBGM選択演出を実行可能である。そのため、高ベース状態の実行中においては、この高ベース状態において出力されるデフォルトのステージBGM(第2ステージBGM)を他のステージBGM(第3ステージBGM)に変更することができる。
BGM選択演出は、高ベース状態に滞在中の所定の期間(「BGM選択可能期間」と呼称する)において実行される。このBGM選択可能期間には、高ベース状態に滞在中の期間うち、通常変動(変動時間が所定時間以上の非リーチはずれ変動)中の期間(その図柄固定期間を含む)や、リーチ変動の変動開始からリーチ成立までの所定期間などが含まれる。なお、通常変動よりも変動時間の短い短縮変動(変動時間が所定時間未満の非リ
ーチはずれ変動)については、BGMを選択する時間幅がとれないため、BGM選択可能期間から除外されるが、この短縮変動であってもBGM選択可能期間としてよい(図柄固定期間を含んでBGMが選択可能であることを考えると、短縮変動、当該短縮変動終了後の図柄固定期間、当該図柄固定期間終了後に実行される新たな変動に亘ってBGMが選択可能であるため、短縮変動であってもその後の変動などを含めると十分にBGM選択可能期間が確保されるためである)。また、リーチ成立後の期間では、SPリーチに発展することを契機に、該SPリーチ専用に設定されたBGM(リーチ背景画像と同期または調和したリーチBGM、SPリーチBGMとも称する)が出力されることになる。この期間においては前述したとおりBGMが選択できない。なお、変形例として、高ベース状態における特定の変動表示の実行を契機としてBGM選択演出を実行するように構成してもよい。特定の変動表示としては、所定の先読み演出が開始されたときの変動表示の開始時または変動表示の途中や、高ベース状態において例えば100回転の変動表示の終了を契機に低ベース状態に移行する場合(但し100回転中に大当り当選しないことが前提)における91回転目の変動表示の開始時などが例示される。更なる変形例としては、高ベース状態におけるこのような特定の変動表示以外(正確には、特定の変動表示以外の変動表示におけるSPリーチ発展中以外)にBGM選択演出を実行可能としてもよい。なお、図柄固定期間(図柄固定時間)は、確定停止期間(確定停止時間)とも称する期間であり、特別図柄又は装飾図柄の変動表示が終了し、特別図柄又は装飾図柄が確定停止してから次変動が開始するまで当該確定停止の状況を維持する期間である。この図柄固定期間(図柄固定時間)を有することで、遊技者は特別図柄又は装飾図柄が確定停止していること(換言すれば変動していない状況であること)を認識することができ、変動の境目を明確に把握することができる。なお、図柄固定期間(図柄固定時間)はいずれの変動表示においても(第1特別図柄の非リーチ変動でもリーチ変動でも、第2特別図柄の変動表示の非リーチ変動でもリーチ変動でも)0.5秒である。なお、変形例として、低ベース状態における第1特別図柄の図柄固定期間(図柄固定時間)は0.5秒であり、高ベース状態における第2特別図柄の図柄固定期間(図柄固定時間)は0.3秒であってもよい。以下においては、「図柄固定時間(図柄固定期間)」という用語を使用した場合には、特段の場合を除き、特別図柄の図柄固定時間(図柄固定期間)と装飾図柄の図柄固定時間(図柄固定期間)との両方を指すものとする。
このBGM選択演出では、遊技者が選択可能なステージBGM(楽曲)が追加的に開放される。つまり、高ベース状態においてBGM選択演出が発生すると、遊技者が選択可能なステージBGMとして、デフォルトのステージBGM(第2ステージBGM)とは異なる種類のステージBGM(第3ステージBGM)が追加される。そのため、BGM選択演出の実行中は、遊技者による選択操作によって、出力中のBGMの種類を第2ステージBGMから第3ステージBGMへ変更可能である。
また、本実施形態では、高ベース状態において所定の条件が成立する毎に、追加的に開放される第3ステージBGMの種類が増加する。その一例としては、連荘の回数に応じて遊技者が選択可能となる第3ステージBGMの種類を増加させて、連荘を重ねるごとに第3ステージBGMの選択の幅が広がるように構成してもよい。「連荘」とは、特定遊技状態にて所定の大当りに当選した場合、その特別遊技の終了後の遊技状態として、再び特定遊技状態が継続することをいう。ここで、特定遊技状態とは、通常遊技状態よりも特別遊技への移行確率が高められた状態であり、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能、電チューサポート機能のうちの少なくとも一の機能が作動した状態のことである。また、その他の例としては、高ベース状態において所定の大当りに当選した場合に、遊技者が選択可能となる第3ステージBGMの種類を増加させてもよい。「所定の大当り」としては、例えば、本遊技機に設定された複数種の大当り種別のうち、遊技者にとって最も有利度合いの高い最有利大当りや、確変遊技状態への移行契機となる大当り(特定大当り)などが適用される。なお、この第3ステージBGMは、連荘前に既に選択可能としてもよい。つまり、低確率低ベース状態にて大当りしてその後に低確率高ベース状態又は高確率低ベース状態に移行した場合、その時点で第2ステージBGMだけでなく第3ステージBGMを複数種類(例えば、後述する楽曲2及び楽曲3の2種類)を選択可能な状態としてもよい。それ以外にも、連荘前に既に第3ステージBGMが全種類選択可能な状態としてもよい。
BGM選択演出では、図174に示すように、画面上に、BGMの選択肢として複数種の第3ステージBGMの楽曲名を示す画像と、BGMを選択するための十字キースイッチ16(上下のキーP16a,16b)の画像と、選択したBGMを決定するための演出ボタンP15の画像とが表示される(これらをBGM選択演出に係る画像とも称する)。図示例では、複数種の第3ステージBGMとして、第3ステージBGM-A(楽曲2)と、第3ステージBGM-B(楽曲3)と、第3ステージBGM-C(楽曲4)とが設定されている。すなわち、図173では、上から順に、現在まで出力されていたデフォルトの第2ステージBGMの楽曲名「楽曲1」と、新たな選択肢としての候補を示す3種類の第3ステージBGMの楽曲名(第3ステージBGM-Aの楽曲名「楽曲2」、第3ステージBGM-Bの楽曲名「楽曲3」、第3ステージBGM-Cの楽曲名「楽曲4」)とが表示されている。この追加開放された第3ステージBGM-A~Cはそれぞれ異なる楽曲から構成されている。そして、このように上下のキーの操作に応じて所望のステージBGMを選択し、この選択したステージBGMを演出ボタンP15の操作により確定することができる。なお、変形例としては、演出ボタンP15の操作を必要とせず、上記のキーの操作のみで確定させてもよい。つまり、上下のキーの操作によって右矢印が付帯するカーソル箇所に所望の楽曲名を合わせるだけで完結させてもよい。図示例では、複数種のステージBGMの中から第3ステージBGM-Aが選択されている状態を示している。この第3ステージBGM-Aは、第1ステージBGM-Aよりも遅いテンポの楽曲である。また、第2ステージBGMは、第1ステージBGM-Aよりも早いテンポの楽曲である。変形例として、第3ステージBGM-Aは、第1ステージBGM-Aよりも速く且つ第2ステージBGMよりも遅いテンポの楽曲であってもよいし、第2ステージBGMよりも速いテンポの楽曲であってよい。また、変形例としては、第3ステージBGM-B~Cについても、同様に、第1ステージBGM-Aよりも遅いテンポの楽曲であってもよいし、第1ステージBGM-Aよりも速く且つ第2ステージBGMよりも遅いテンポの楽曲、あるいは、第2ステージBGMよりも速いテンポの楽曲であってよい。なお、不図示ではあるが、BGM選択演出の実行中においても装飾図柄及び小図柄は変動表示が可能であり、BGM選択演出に係る画像と同時に表示される。なお、BGM選択演出に係る画像と装飾図柄は重畳して表示されるが、BGM選択演出に係る画像のほうが前面に表示される(上位のレイヤである)一方、BGM選択演出に係る画像と小図柄とは重畳して表示されない。
<ステージBGMの楽曲テンポの比較> 続いて、ステージBGMの楽曲テンポ(以下、単に「テンポ」と呼称する)について説明する。なお、BGMのテンポとは、BGMとして出力される音声の速度(演奏速度)である(付言すると楽曲の1拍の早さを規定するものである)。
本実施形態においては、低ベース状態のデフォルトのステージBGMである第1ステージBGM(通常BGM-A)は相対的に遅いテンポで出力されるが、高ベース状態のデフォルトのステージBGMである第2ステージBGM(時短BGMおよび/または確変BGM)は相対的に早いテンポで出力される。つまり、通常BGM-Aのテンポは、時短BGMおよび/または確変BGMのテンポよりも遅いテンポに設定されている。一例としては、通常BGM-Aは予め定められた標準テンポよりも遅いテンポ(低速テンポ)に設定され、時短BGMおよび/または確変BGMは標準テンポよりも速いテンポ(高速テンポ)に設定される。一方、通常BGM-B、BGM-C、BGM-Dのテンポは、時短BGMおよび/または確変BGMのテンポよりも速いテンポ(超高速テンポ)に設定されている。すなわち、低ベース状態のデフォルトのステージBGM(通常BGM-A)のテンポよりも、高ベース状態のデフォルトBGM(時短BGMおよび/または確変BGM)の方が相対的に速いテンポ(アップテンポ)となることで、低ベース状態(非有利遊技状態)から高ベース状態(有利遊技状態)に移行したときの遊技者の高揚感を一層高めることができる。また、デフォルトのステージBGM(通常BGM-A、時短BGM、確変BGM)よりも、その他のステージBGM(通常BGM-B~D)の方が相対的に速いテンポとなることで、低ベース状態(非有利遊技状態)に滞在中であっても、遊技者に演出ステージが切り替わることの楽しみを提供することができ、この低ベース状態(非有利遊技状態)でのステージ演出がマンネリ化するのを抑制することが可能となる。
なお、変形例として、通常BGM-A、BGM-B、BGM-C、BGM-Dのテンポ(低速テンポ)を時短BGMおよび/または確変BGMのテンポ(高速テンポ)よりも遅いテンポに設定してもよい。すなわち、低ベース状態にて出力される第1ステージBGM全般を、高ベース状態にて出力される第2ステージBGMよりも遅いテンポに設定することで、各遊技状態の変動効率(低ベース状態では変動効率が相対的に低く、高ベース状態では変動効率が相対的に高い)に適応したBGM展開が可能となる。
また、変形例として、通常ステージBGM-A、BGM-B、BGM-Cのテンポ(低速テンポ)は第2ステージBGMのテンポ(高速テンポ)よりも遅いテンポに設定し、通常BGM-Dのテンポ(超高速テンポ)は時短BGMおよび/または確変BGMのテンポ(高速テンポ)よりも速いテンポに設定してもよい。すなわち、先読みステージにて出力される通常BGM-Dが最速のテンポとなることで、先読みステージが最もスピード感のあるBGM展開となり、先読み演出の演出効果を高めることが可能となる。それ以外にも、再変動表示を契機に再変動表示前とは異なる特定のBGMへと切り替わるように構成した場合は、当該特定のBGMについても、通常ステージBGM-A、BGM-B、BGM-Cのテンポ(低速テンポ)よりも速いテンポにしてもよい。更に、当該特定のBGMについては、時短BGMおよび/または確変BGMのテンポ(高速テンポ)よりも速いテンポ又としてもよい(更なる変形例としては遅いテンポとしてもよい)。なお、SPリーチBGMについては、SPリーチの前半期間と中盤期間と後半期間とでテンポを変化させても良く、そのように構成した場合、SPリーチの前半期間のSPリーチBGMは通常ステージBGM-A、BGM-B、BGM-Cのテンポ(低速テンポ)よりも遅いテンポとし、SPリーチの中盤期間のSPリーチBGMは通常ステージBGM-A、BGM-B、BGM-Cのテンポ(低速テンポ)よりも速いテンポとし、SPリーチの後半期間のSPリーチBGMは通常ステージBGM-A、BGM-B、BGM-Cのテンポ(低速テンポ)よりも遅いテンポとしてもよい。更に、SPリーチの前半期間のSPリーチBGMは時短BGMおよび/または確変BGMのテンポ(高速テンポ)よりも遅いテンポとし、SPリーチの中盤期間のSPリーチBGMは時短BGMおよび/または確変BGMのテンポ(高速テンポ)よ
りも速いテンポとし(更なる変形例としては遅いテンポとし)、SPリーチの後半期間のSPリーチBGMは時短BGMおよび/または確変BGMのテンポ(高速テンポ)よりも遅いテンポとしてもよい。
さらに、変形例として、通常ステージBGM-A、BGM-Bのテンポ(低速テンポ)は時短BGMおよび/または確変BGMのテンポ(高速テンポ)よりも遅いテンポに設定し、通常BGM-C、BGM-Dのテンポ(超高速テンポ)は時短BGMおよび/または確変BGMのテンポ(高速テンポ)よりも速いテンポに設定してもよい。
また、変形例として、通常ステージBGM-A、BGM-Dのテンポ(低速テンポ)は時短BGMおよび/または確変BGMのテンポ(高速テンポ)よりも遅いテンポに設定し、通常BGM-B、BGM-Cのテンポ(超高速テンポ)は時短BGMおよび/または確変BGMのテンポ(高速テンポ)よりも速いテンポに設定してもよい。
[画像動作演出] 次に、第7実施形態の画像動作演出について説明する。画像動作演出は、変動表示の非実行中(変動待機中)に実行される待機中動作演出(「第1演出」とも呼称する)と、変動表示の実行中に実行される変動中動作演出(第2演出とも呼称する)とを含む。待機中動作演出(第1演出)は、第1画像を静止させた状態において、当該第1画像の背後に配置される第2画像を第1動作させる演出として構成される。変動中動作演出(第2演出)は、第1画像を動作させた状態において、当該第1画像の背後に配置される第2画像を第2動作させる演出として構成される。本実施形態では、画像動作演出における動作表示の対象となる2つの画像(第1画像、第2画像)として、第1画像には装飾図柄を適用し、第2画像には背景画像(ステージ背景画像)を適用する。なお、詳細後述するが、画像動作演出における動作表示の対象となる2つの画像(第1画像、第2画像)として、第1画像には装飾図柄の数字図柄(数字画像)を適用し、第2画像には装飾図柄のキャラ図柄(キャラ画像)を適用してもよい。
[待機中動作演出] まず、本実施形態の待機中動作演出(第1演出)について説明する。待機中動作演出は、装飾図柄を停止表示(静止表示)させた状態で、ステージ背景画像を第1動作(第1動作表示)させる演出である。この待機中動作演出は、特別図柄および装飾図柄等が停止表示されている期間、すなわち、変動待機期間(前述の変動待機状態に滞在中の期間)において実行される。「変動待機状態」とは、前述したとおり、第1特別図柄、第2特別図柄、装飾図柄、および小図柄のいずれもが変動表示を実行していない非変動表示中の状態であり、且つ、第1特別図柄の作動保留球も第2特別図柄の作動保留球も記憶されていない状態である。
ここで、図175は、変動待機期間の説明に供する模式図である。この変動待機期間は、第1待機期間と、第2待機期間とを含む。なお、変動待機期間の終了条件(「待機終了条件」と呼称する)は、第1始動口P51または第2始動口P52に遊技球が入球して、特別図柄の変動表示が開始されることである。換言すると、この変動待機期間の終了条件(待機終了条件)は、特別図柄の変動開始条件が充足することである。そして、この変動待機期間に移行した場合には、待機終了条件が充足するまでは変動待機期間が継続し、待機終了条件が充足することを契機に変動待機期間が終了する。なお、変動待機期間は、作動ゲートP53や一般入賞口P61~P64に遊技球が入球しても終了することはない。また、待機終了条件として、遊技者が発射ハンドルP12に触れたこと(発射ハンドルP12を操作したこと)、すなわち発射ハンドルP12への遊技者の接触がタッチセンサにより検出されたことを加えてよい。
第1待機期間は、特別図柄の変動表示が終了して確定停止時間(確定停止期間)が経過したときに開始される。すなわち、特別図柄の確定停止時間の経過時に、特別図柄の作動保留球数が記憶されていないことを契機に、第1待機期間(変動待機期間)が開始される。なお、以下では、特別図柄または装飾図柄の確定停止時間(確定停止期間)を「図柄固定時間(図柄固定期間)」と呼称する場合がある。第1待機期間に滞在中は、上記の待機中動作演出(第1演出)が実行される。本実施例において、第1待機期間は例えば「60秒」に設定されており(第1待機期間が開始してから60秒をタイマ計時し、60秒経過で終了するように構成され)、この時間尺を利用して待機中動作演出が実行可能となっている。この待機中動作演出は、詳細後述するが、変動待機期間が開始される直前、すなわち、確定停止時間(図柄固定時間)の経過時に表示されていた演出表示を継続する態様で実行される。つまり、この第1待機期間では、直前の確定停止時間(図柄固定時間)にて表示されていた装飾図柄の停止表示と小図柄の停止表示とが維持されるとともに、直前の確定停止時間(図柄固定時間)にて表示されていたステージ背景画像の再生表示(ループ表示)が維持される。そして、第1待機期間の滞在中に次の変動表示が開始されずに(第1待機期間の滞在中に待機終了条件が充足されずに)、この第1待機期間が終了すると、実行中の待機中動作演出が中断して(終了して)、第2待機期間(待機デモ演出)が開始される。そのため、この第1待機期間は、待機デモ演出が実行されるまでの待ち期間であるともいえる。なお、変形例として、第1待機期間は、特別図柄の変動表示が終了して確定停止時間(確定停止期間)が開始した時に同時に開始されるものとしてもよい。つまり、特別図柄の確定停止時間の開始時に、特別図柄の作動保留球数が記憶されていないことを契機に、第1待機期間(変動待機期間)が開始されるものとしてもよい。
第2待機期間は、第1待機期間が終了してから特定時間が経過するまでの期間である。この第2待機期間に滞在中は、直前の第1待機期間において表示されていた装飾図柄とステージ背景画像は表示されず、客待ち演出としての待機デモ演出(待機デモ画面)が実行される。本実施例において、第2待機期間は例えば「30秒」に設定されており(第2待機期間が開始してから30秒をタイマ計時し、60秒経過で終了するように構成され)、この時間尺を利用して待機デモ演出が実行可能となっている。この待機デモ演出では、変動待機状態であることを特定可能な演出として、例えば本遊技機の説明や紹介を行うためのデモンストレーションムービーが再生される。なお、この第2待機期間に滞在中、すなわち、待機デモ演出の実行中には、小図柄の停止表示は継続して実行される。そして、第2待機期間の滞在中に次の変動表示が開始されずに(第2待機期間の滞在中に待機終了条件が充足されずに)、この第2待機期間が終了すると、再び第1待機期間に移行して、待機中動作演出が再度実行される。すなわち、本実施形態では、変動待機期間(変動待機状態)に移行すると、待機終了条件が成立するまでの間(次の変動が開始されるまでの間)、第1待機期間→第2待機期間→第1待機期間→第2待機期間→・・・の順に繰り返し実行される。なお、この第1待機期間及び第2待機期間のいずれにおいても音量調整が可能であるが、当該音量調整の操作が第1待機期間及び第2待機期間のいずれで実行されたとしても、第1待機演出及び第2待機演出のタイマ計時は中断しない。つまり、音量調整の操作が待機終了条件とならない。そのため、音量調整の操作がなされることで、第1待機演出及び第2待機演出の前面に(上位レイヤに)音量調整画像が表示されることになる。
待機中動作演出は、前述したように、変動待機期間のうちの第1待機期間において実行される。より具体的には、この待機中動作演出は、変動待機状態において第1待機期間が到来するたびに実行される。ここで、待機中動作演出において表示される装飾図柄は、直近の変動表示において確定停止表示された装飾図柄と同一の図柄が維持される。つまり、直近の変動表示の終了時に確定停止表示された装飾図柄と同一の図柄が、待機中動作演出においても継続して停止表示されることになる。そのため、変動待機期間が開始されてから終了するまでの間に、複数回の第1待機期間(待機中動作演出)が実行される場合であっても、この複数回の待機中動作演出において表示(停止表示)される装飾図柄は、直近の変動表示の終了時に確定停止表示された装飾図柄と同一となる。
この待機中動作演出においては、図175に示すように、装飾図柄の停止表示中の表示態様として、第1表示態様と、第2表示態様とを有する。本実施形態では、第1待機期間が開始されてから所定の時間(例えば10秒)が経過するまでは装飾図柄の停止表示中の表示態様が第1表示態様となり、第1待機期間が開始されてから所定の時間を経過したときに、装飾図柄の停止表示中の表示態様が第1表示態様から第2表示態様に変化する(所定の時間の経過後は、装飾図柄の停止表示中の表示態様が第2表示態様となる)。なお、1回の変動待機期間内において第1待機期間が複数回発生する場合には、1回目の第1待機期間(確定停止期間の経過後に到来する第1待機期間)においてのみ装飾図柄の停止表示態様が上記所定の時間の経過を契機に第1表示態様から第2表示態様に切り替わり、2回目以降の第1待機期間(第2待機期間の経過後に到来する第1待機期間)においては装飾図柄の停止表示態様は最初から最後まで第2表示態様となる(第1表示態様は表示されない)。なお、第1待機期間のうち、装飾図柄の停止表示中の表示態様が第1表示態様となる期間を「第1待機期間A」、装飾図柄の停止表示中の表示態様が第2表示態様となる期間を「第1待機期間B」と呼称する場合がある。よって、1回の変動待機期間内において第1待機期間が複数回発生する場合には、1回目の第1待機期間は、第1待機期間Aと第2待機期間Bとから構成され、2回目以降の第1待機期間は、第1待機期間Bのみから構成されると言える。そのため、第1待機期間Aの滞在中に行われる待機中動作演出を「待機中動作演出A」、第1待機期間Bの滞在中に行われる待機中動作演出を「待機中動作演出B」と区別することもできる。
第1表示態様は、直近の装飾図柄の変動表示にて確定停止表示されたときの装飾図柄の停止表示態様と同一の表示態様である。つまり、この第1表示態様は、前述したように、直近の変動表示の終了時に確定停止表示された装飾図柄の表示態様を維持したものである。具体的には、この第1表示態様は、数字図柄が停止(静止)し、且つ、キャラ図柄が停止(静止)している状態で、数字図柄の表示色が基本表示色となる表示態様である。すなわち、この第1表示態様では、装飾図柄の全体が停止(静止)した状態で、「2」、「4」、「6」、「8」の数字図柄は青色で表示され、「1」、「3」、「5」、「9」の数字図柄は緑色で表示され、「7」の数字図柄は赤色で表示される表示態様である。
第2表示態様は、第1表示態様と比較して、数字図柄の表示色のみが異なる表示態様である。つまり、図柄変化演出では、装飾図柄の停止表示態様を第1表示態様から第2表示態様に変化させるに際して、装飾図柄の構成要素のうち、キャラ図柄の表示態様を変化させずに、数字図柄の表示色のみを変化させる(数字図柄の数字自体は変わらない)。具体的には、この第2表示態様は、第1表示態様と同様に、数字図柄が停止(静止)し、且つ、キャラ図柄が停止(静止)している状態で、数字図柄の表示色が基本表示色(第1表示態様のの表示色)とは異なる表示色となる表示態様である。すなわち、この第2表示態様では、装飾図柄が停止(静止)した状態で、「1」~「9」までのいずれの数字図柄についても、二以上の異なる色を組み合わせた縞模様(縞々模様)となる表示態様である。そのため、この第2表示態様の数字図柄は、第1表示態様の数字図柄における少なくとも一部の領域(全ての領域でもよい)の色が他の色に変化したものとなる。なお、図175では、数字図柄の明瞭化のため、第2表示態様の数字図柄を黒で塗り潰した態
様で表現している。
なお、本実施形態の変形例として、停止表示中の装飾図柄の第2表示態様は、当該装飾図柄を構成するキャラ図柄が揺れ動作を行う表示態様としてもよい(例えば、上下の揺動を2秒周期で実行してもよい)。その場合でも、装飾図柄全体が停止表示中であれば、すなわち、装飾図柄全体の位置座標(画面全体に対する位置座標)が移動しなければ、この装飾図柄(キャラ図柄)は静止している状態を継続していると言うことができる。その他変形例としては、停止表示中の装飾図柄の第2表示態様は、数字図柄を消去してキャラ図柄のみとしてもよいし、もしくは、キャラ図柄が笑ったり怒ったりと2秒ごとに表情が変化してもよいし、もしくは、キャラクタが2秒周期で光るようにしてもよい。
また、待機中動作演出では、この装飾図柄の第1表示態様または第2表示態様による停止表示と連係して、ステージ背景画像の第1動作が実行される。ステージ背景画像の第1動作とは、ステージ背景画像をループ動作(ループ再生)する態様の動作表示として構成されている。この待機中動作演出において表示されるステージ背景画像は、現在滞在中の演出モード(演出ステージ)に対応して設定されるステージ背景画像である。つまり、この待機中動作演出において表示されるステージ背景画像は、変動待機状態に移行する直前の確定停止期間にて表示された背景画像(ステージ背景画像)が維持されたものであり、その直近の装飾図柄の変動表示の終了時に表示されていたステージ背景画像が、待機中動作演出においても継続して動作表示(ループ動作)されることになる。そのため、この待機中動作演出は、第1待機期間が開始される直前(直近の装飾図柄の確定停止期間)に表示されていた演出態様(装飾図柄の停止表示と背景画像のループ表示)を継続させた演出であるともいえる。
本実施形態のステージ背景画像(通常背景画像、時短背景画像、確変背景画像)は、先頭画像から最終画像にかけて連続性のある動作を記録した動画像(動画像データ)から構成されている。そして、このステージ背景画像としての動画像を繰り返し再生することで、ステージ背景画像が所定の動作表示(ループ表示)を繰り返す動作演出が行われる。よって、このステージ背景画像は、時間の経過とともに変化しつつも、一定の時間ごとに同一の画像が繰り返し表示される背景画像となる。なお、このステージ背景画像のループ表示は、全て動的画像のみで構成されている必要はなく、このループ表示の一部において静的画像(静止画像)が含まれていてもよい。
また、本実施形態では、第1待機期間の滞在中(待機中動作演出の実行中)に、待機終了条件もしくは特別図柄の変動開始条件が充足して(新たな特別図柄の作動保留球が発生して)、新たな特別図柄の変動表示を開始する場合には、当該第1待機期間において行われていたステージ背景画像のループ表示を継続させたまま(途切れさせずに)、装飾図柄の変動表示を開始する。つまり、待機中動作演出の実行中に新たな変動表示が開始される場合には、この待機中動作演出の終了時点においてステージ背景画像のループ表示を中断することなく、装飾図柄の変動表示の開始の前後に亘り(第1待機期間の終了時と新たな変動表示の開始時とに跨って)、ステージ背景画像のループ表示を継続的に実行する。それにより、新たな変動表示の開始時の前後に跨ってステージ背景画像をシームレスに繋げることができ、遊技者に違和感を与えることなく新たな遊技を開始させるこができる。
なお、本実施形態では、第1待機期間の開始時(装飾図柄の確定停止期間の経過後)から待機中動作演出が実行されるように構成されているが、この構成に限定されるものではなく、前述したとおり、装飾図柄の確定停止期間の開始時(装飾図柄の仮停止表示終了直後の確定停止時)から待機中動作演出が実行され得るように構成してもよい。すなわち、前述したとおり、確定停止表示中の装飾図柄の表示態様と、第1待機期間開始時の装飾図柄の表示態様とは、実質同一の表示態様となるため、この待機中動作演出の開始時を装飾図柄の確定停止期間の開始時(装飾図柄の仮停止表示終了直後の確定停止時)に設定したとしても何ら矛盾は生じない。
[変動中動作演出] 次に、本実施形態の変動中動作演出(第2演出)について説明する。変動中動作演出は、装飾図柄の変動表示(動作表示)が実行されている状態で、ステージ背景画像を第2動作(第2動作表示)させる演出である。本実施例では、第2動作の対象となるステージ背景画像は、前述の第1動作の対象となったステージ背景画像と同一の背景画像である。すなわち、変動中動作演出は、装飾図柄の変動開始前または開始時から表示されていたステージ背景画像を当該変動表示中に第2動作させることにより実行されるものである。この変動中動作演出は、装飾図柄の変動開始から変動停止までの間であって、ステージ背景画像が表示されている期間のうちの少なくとも一部の期間で実行される。そのため、このステージ背景画像の第2動作は、当該変動表示中に当該ステージ背景画像が表示されている期間として、当該変動表示中の開始時からSPリーチに発展するまでの期間(リーチ背景画像に切り替わるまでの期間)、または、SPリーチが終了してから当該変動表示が終了するまでの期間(SPリーチの終了を契機に復帰したステージ背景画像が表示されている期間)において実行可能となっている。
本実施形態において、背景画像の第2動作は、ステージ背景画像を上下に振動(振動表示)させる態様の動作として構成されている。すなわち、変動中動作演出では、ループ表示中のステージ背景画像を上下に振動させる態様の動作演出(ステージ背景画像をループ動作させつつ上下に振動させる態様の動作演出)が行われる。なお、変形例として、背景画像の第2動作を、表示中のステージ背景画像から他の背景画像に変化(変化動作)させる態様の動作として構成してもよい。すなわち、変動中動作演出をステージ背景画像から他の背景画像に変化(変化動作)させる背景変化演出として構成してもよい。他の背景画像とは、ステージ背景画像以外の背景画像であり、例えば、リーチ背景画像、先読み背景画像、暗転画像(ブラックアウト画像)などが該当する。また、現在滞在中の演出ステージを他の演出ステージに移行する場合に、現在滞在中の演出ステージに対応して表示されるステージ背景画像から次の演出ステージに対応して表示されるステージ背景画像に切り替える動作を適用してもよい。
次に、本実施形態の画像動作演出(待機中動作演出および変動中待機演出)の演出例について説明する。図176~図177は、待機中動作演出および変動中待機演出の演出例を示す模式図である。なお、図176~図177の演出例では、各変動表示が通常変動(非リーチはずれの変動表示)であるものとする。
まず、図中(A)に示すように、特別図柄の変動表示の開始と同期して、装飾図柄の変動表示が開始される。この変動表示中の装飾図柄の背景には、現在滞在中の演出モード(演出ステージ)に対応して設定されたステージ背景画像がループ表示される。このステージ背景画像のループ表示は、当該ステージ背景画像が左右方向にスクロール表示される態様で行われる。また、このステージ背景画像のループ表示と同期したかたちで、現在滞在中の演出モード(演出ステージ)に対応して設定されたステージBGMがスピーカP11から出力される。なお、装飾図柄の変動表示の開始時に、当該装飾図柄が一旦上方に移動してから下方にむけて移動(スクロール表示)するような特殊動作を行ってもよいが、小図柄については変動表示の開始時にそのような特殊動作は行わない。
続いて、図中(B)に示すように、装飾図柄の変動表示が仮停止表示される。この図示例では、装飾図柄がはずれを示す「2・1・4」の組合せ(はずれ目)で仮停止表示されている。
続いて、図中(C)に示すように、当該変動表示が終了して、装飾図柄がはずれを示す「2・1・4」の組み合わせ(はずれ目)で確定停止表示される。
続いて、図中(D)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球が記憶されていない状態において装飾図柄の確定停止時間(図柄固定時間)が経過することで、変動待機状態(変動待機期間)に移行して、第1待機期間が開始される。この第1待機期間が開始されることに伴い、待機中動作演出が開始され、装飾図柄の確定停止期間の終了時から継続して、装飾図柄の停止図柄の組合せ(はずれ目)が第1表示態様にて停止表示されるとともに、その装飾図柄の背後においてステージ背景画像が継続してループ表示される。また、この待機中動作演出(第1待機期間)の実行中は、装飾図柄の確定停止期間の終了時から継続して同じステージBGMが出力されている。つまり、この第1待機期間では、当該第1待機期間が開始される直前(直近の装飾図柄の確定停止期間)のステージ背景画像とステージBGMとが継続して出力されることになる。なお、変形例として、待機中動作演出(第1待機期間)が開始されることを契機(装飾図柄の確定停止期間が終了することを契機)に、ステージBGMの出力を停止させてもよい。
続いて、図中(E)に示すように、変動待機期間(第1待機期間)が開始されてから所定の時間(例えば10秒)が経過したときに、停止表示中の装飾図柄の表示態様が第1表示態様から第2表示態様に切り替わる。なお、装飾図柄の停止表示態様が第2表示態様に変化した時点においても、ステージ背景画像が継続してループ表示されるとともに、ステージBGMが継続して出力される。但し、本実施例では、停止表示中の装飾図柄の表示態様が第2表示態様に変化したときから規定の時間(例えば15秒)を経過したときに、ステージBGMの出力が停止され、無音状態(消音状態)に移行する。なお、このステージBGMの出力の停止については、ステージBGMのループ再生は継続するものの、その音量を0(ミュート状態)に設定するものでもよい。無音状態(消音状態)又はミュート状態に移行する際は、突如無音状態としてもよいが、徐々に音量を低減させる(フェードアウトさせる)よう構成することが好適である。なお、第1待機期間の開始前後に出力されているBGM(装飾図柄が停止表示して第1表示態様で表示されるよりも前の所定期間、又は、装飾図柄が停止表示して第1表示態様で表示された後の所定期間に出力されているBGM)と、停止表示中の装飾図柄が第2表示態様となってから無音状態又はミュート状態になるまでに出力されているBGMとが異なるように構成してもよい。その他変形例として、1回の変動待機期間中に第1待機期間が複数回実行される場合において、1回目の第1待機期間において装飾図柄が第1表示態様から第2表示態様に変化したときに出力されているBGMと、2回目以降の第1待機期間が開始されるとき(つまり2回目以降の第1待機期間において装飾図柄が第2表示態様で出現するとき)に出力されているBGMとが異なるように構成してもよい。
続いて、図中(F)に示すように、第1待機期間が終了して、第2待機期間が開始される。この第2待機期間に移行すると、待機中動作演出が中断して、待機デモ演出が開始される。つまり、第2待機期間が開始されると、それまで停止表示されていた装飾図柄が非表示となり、背景画像が通常背景画像から待機デモ(デモンストレーション)専用の背景画像に切り替わる。また、この待機デモ演出(第2待機期間)の実行中においても、ステージBGMの出力が停止された無音状態(消音状態)となる。なお、変形例として、ステージBGMのループ再生は継続するものの、その音量を0(ミュート状態)に設定するものでもよい。また、この第2待機期間では、装飾図柄は非表示となるが、小図柄(停止表示中の小図柄)は継続して表示される。
続いて、図中(G)に示すように、第2待機期間が終了すると、第1待機期間が再度開始される。この2回目の第1待機期間
においても、待機中動作演出として、装飾図柄の停止表示と、ステージ背景画像のループ表示とが実行される。なお、今回の待機中動作演出における装飾図柄の停止表示示態様は、前回の待機中動作演出の終了時に停止表示されていた装飾図柄の停止表示態様(第2表示態様)と同一なる。つまり、2回目の待機中動作演出では、装飾図柄の停止表示態様が最初から最後まで第2表示態様となる(第1表示態様となることはない)。また、今回の第1待機期間においては、直近の待機デモ演出の終了時から継続して、ステージBGMの出力が停止された無音状態(消音状態)となる。なお、変形例として、ステージBGMのループ再生は継続するものの、その音量を0(ミュート状態)に設定するものでもよい。
続いて、図中(H)に示すように、第1待機期間中に待機終了条件が充足されると、変動待機期間が終了して、装飾図柄の変動表示が開始されるとともに、直前の第1待機期間の終了時から継続してステージ背景画像がループ表示される。つまり、変動待機期間の終了を契機として、装飾図柄は停止表示(静止表示)から変動表示(動作表示)に切り替わり、ステージ背景画像は当該変動待機期間の終了の前後に跨って(変動開始時の前後に跨って)ループ表示を継続する。また、新たな変動表示が開始されることを契機に、ステージBGMの出力が開始または再開される。この新たな変動表示の開始時にステージBGMを最初(楽曲の先頭)から出力してもよいが、前述したとおり、待機デモ演出の実行中などの無音状態(消音状態)においても、ステージBGMのループ再生を継続させつつ音量を0(ミュート状態)に設定することで無音状態(消音状態)を形成している場合には、ループ再生中のステージBGMをこの新たな変動表示が開始された時点から通常の音量に復帰させることで、その変動開始の開始時にステージBGMを途中(楽曲の途中)から出力するものでもよい。
続いて、図中(I)に示すように、装飾図柄の変動表示中に、ボタン演出が発生して、画面上にはボタン画像などの操作促進画像が表示される。なお、ボタン演出の詳細については後述する。
続いて、図中(J)に示すように、演出ボタンP15が操作されることを契機として、表示中のステージ背景画像を上下に振動させる変動中動作演出が実行される。つまり、図示例の変動中動作演出では、恰も演出ボタンP15が操作されたときの勢い(反動)によって、ステージ背景画像のループ表示が一旦停止して画面が上下に揺れ動くような態様で行われる。なお、変形例としては、所定のキャラクタ画像が登場して「揺れるよ!」というセリフを発する台詞予告演出が実行された直後に、変動中動作演出が実行されるように構成してもよい。
続いて、図中(K)に示すように、変動中動作演出が終了すると、ステージ背景画像のループ表示が再開される。なお、この変動中動作演出は、ステージ背景画像のループ表示(第1動作)を継続した状態で振動動作(第2動作)を加えるものでもよい。
続いて、図中(L)に示すように、装飾図柄がはずれを示す「3・3・5」の組合せ(はずれ目)で仮停止表示される。
続いて、図中(M)に示すように、装飾図柄の仮停止表示が終了して、装飾図柄がはずれを示す「3・3・5」の組み合わせ(はずれ目)で確定停止表示される。なお、図示例では、当該変動表示の終了時(確定停止表示時)において、特別図柄の作動保留球が記憶されている状況のため、当該変動表示の終了後(確定停止時間の経過後)に変動待機期間へは移行しない。
続いて、図中(N)に示すように、次回の特別図柄の変動表示が開始され、この特別図柄の変動表示の開始と同期して、装飾図柄の変動表示が開始される。このように、図中(A)から図中(F)の直前までステージ背景画像のループ表示が継続し、図中(G)から図中(N)までステージ背景画像のループ表示が継続することになる(前述したとおり、変動中動作演出の実行時はループ表示が一時中断してもよいが、変動中動作演出の実行時もループ表示が継続してもよい)。
<遊技状態に応じた待機中動作演出の演出内容> 本実施形態では、待機中動作演出の演出内容は、現在滞在中の遊技状態(低ベース状態/高ベース状態)に応じて異なるようになっている。すなわち、現在滞在中の遊技状態が低ベース状態(通常遊技状態)である場合は、装飾図柄の停止表示中において、該低ベース状態に対応するステージ背景画像(通常背景画像)がループ表示される演出態様となる。また、現在滞在中の遊技状態が高ベース状態(時短遊技状態または確変遊技状態)である場合は、装飾図柄の停止表示中において、該高ベース状態に対応したステージ背景画像(時短背景画像または確変背景画像)がループ表示される演出態様となる。このように、現在滞在中の遊技状態(低ベース状態/高ベース状態)に応じてステージ背景画像が異なるものとなるため、待機中動作演出の演出内容は、現在滞在中の遊技状態(低ベース状態/高ベース状態)に応じて異なるようになっている。なお、前述したように、低ベース状態において変動表示および停止表示される装飾図柄(キャラ図柄など)と、高ベース状態において変動表示および停止表示される装飾図柄(キャラ図柄など)とを異なる態様の図柄で形成することで(装飾図柄の停止表示態様を異ならしめることで)、低ベース状態において行われる待機中動作演出と高ベース状態において行われる待機中動作演出とを異なる演出内容に構成してもよい。
<遊技状態に応じた変動中動作演出の演出内容> また、本実施形態では、変動中動作演出の演出内容は、現在滞在中の遊技状態(低ベース状態/高ベース状態)に応じて異なるようになっている。すなわち、現在滞在中の遊技状態が低ベース状態である場合は、装飾図柄の変動表示中において、該低ベース状態に対応したステージ背景画像(通常背景画像)が振動する演出態様となる。また、現在滞在中の遊技状態が高ベース状態である場合は、装飾図柄の変動表示中において、該高ベース状態に対応したステージ背景画像(時短背景画像または確変背景画像)が振動する演出態様となる。このように、現在滞在中の遊技状態(低ベース状態/高ベース状態)に応じてステージ背景画像が異なるものとなるため、変動中動作演出の演出内容は、現在滞在中の遊技状態(低ベース状態/高ベース状態)に応じて異なるようになっている。なお、前述したように、低ベース状態において変動表示および停止表示される装飾図柄(キャラ図柄など)と、高ベース状態において変動表示および停止表示される装飾図柄(キャラ図柄など)とを異なる態様の図柄で形成することで(装飾図柄の変動表示態様を異ならしめることで)、低ベース状態において行われる変動中動作演出と高ベース状態において行われる変動中動作演出とを異なる演出内容に構成してもよい。
<遊技状態共通の待機デモ演出> 本実施形態では、低ベース状態の変動待機期間(第2待機期間)において行われる待機デモ演出は、高ベース状態の変動待機期間(第2待機期間)において行われる待機デモ演出と同じ演出内容に構成されている。つまり、前述したように、低ベース状態の第1待機期間において行われる待機中動作演出と、高ベース状態の第1待機期間において行われる待機中動作演出とでは、互いに異なる演出内容が表示されるが、低ベース状態の第2待機期間において行われる待機デモ演出と、高ベース状態の第2待機期間において行われる待機デモ演出とでは、互いに同一の演出内容が表示される。すなわち、第1待機期間中に行われる待機中動作演出に関しては、滞在中の演出モード(演出ステージ)に依存した演出内容となるため、その滞在中の遊技状態(低ベース状態、高ベース状態)に応じて演出内容が異なるものとなるが、第2待機期間中に行われる待機デモ演出に関しては、滞在中の演出モード(演出ステージ)に依存しない言わば固定的な演出内容となるため、その滞在中の遊技状態(低ベース状態、高ベース状態)に関わらず演出内容が同じものとなる。
<待機デモ演出中の特図入賞> 本実施形態では、待機デモ演出の実行中に第1始動口P51または第2始動口P52への遊技球の入球があった場合には、所定演出(待機中入賞演出)が発生する。この所定演出(待機中入賞演出)は、変動待機期間中(第1待機期間または第2待機期間)に遊技球が第1始動口P51又は第2始動口P52に入球することを契機として実行されて、当該変動待機期間が終了して遊技が再開されることを示唆または報知する演出である。この所定演出(待機中入賞演出)は、スピーカから特定音声(特定の変動開始音)が出力される演出である。本実施形態では、特定音声の音声パターンとして、音声パターン1(効果音A)、音声パターン2(効果音B)、音声パターン3(効果音C)が設定されている。特定音声の音声パターンは、大当り期待度と関係しており、音声パターン1(効果音A)<音声パターン2(効果音B)<音声パターン3(効果音C)という順に、大当り期待度が1段階ずつ高くなるように設定されている。なお、低ベース状態において行われる所定演出(待機中入賞演出)と、高ベース状態において行われる所定演出(待機中入賞演出)とを異なる演出内容として構成してもよい。また、特定音声に付随して演出表示装置P70に特定キャラクタを表示してもよく、そのように構成する場合は音声パターンに応じたキャラクタが表示されるよう構成することが好適である。なお、低ベース状態においては、第1始動口P51への遊技球があった場合には所定演出を実行可能である一方で第2始動口P52への遊技球の入球があった場合には所定演出を実行しない(もしくは、低ベース状態においては、第1始動口P51への遊技球があった場合には全ての種類の所定演出を実行可能である一方で第2始動口P52への遊技球の入球があった場合には一部の所定演出のみを実行可能とする)よう構成してもよい。更に、高ベース状態においては、第2始動口P52への遊技球があった場合には所定演出を実行可能である一方で第1始動口P51への遊技球の入球があった場合には所定演出を実行しない(もしくは、高ベース状態においては、第2始動口P52への遊技球があった場合には全ての種類の所定演出を実行可能である一方で第1始動口P51への遊技球の入球があった場合には一部の所定演出のみを実行可能とする)よう構成してもよい。
なお、変動待機期間中の特図入賞(第1始動口P51または第2始動口P52への遊技球の入球)が大当り入賞である場合には、所定演出(待機中入賞演出)の実行とは別に、特殊入賞演出が実行される。この特殊入賞演出は、大当り当選を確定的に報知する大当り確定演出(プレミア演出)であり、スピーカP11から特殊音声(大当り確定音)を出力する演出である。この特殊入賞演出は、所定演出(待機中入賞演出)が実行された直後(所定音声が出力された直後)、もしくは、この大当り入賞を契機として実行される変動表示の実行中に特殊音声(大当り確定音)を出力することで行われる。なお、低ベース状態において行われる特殊音声と、高ベース状態において行われる特殊音声とを異なる演出内容として構成してもよい。また、特殊音声に付随して演出表示装置P70に特定キャラクタを表示してもよく、そのように構成する場合は特殊音声に応じたキャラクタが表示されるよう構成することが好適である。なお、低ベース状態においては、第1始動口P51への遊技球があった場合には特殊音声を実行可能である一方で第2始動口P52への遊技球の入球があった場合には特殊音声を実行しない(もしくは、低ベース状態においては、第1始動口P51への遊技球があった場合には全ての種類の特殊音声を実行可能である一方で第2始動口P52への遊技球の入球があった場合には一部の特殊音声のみを実行可能とする)よう構成してもよい。更に、高ベース状態においては、第2始動口P52への遊技球があった場合には特殊音声を実行可能である一方で第1始動口P51への遊技球の入球があった場
合には特殊音声を実行しない(もしくは、高ベース状態においては、第2始動口P52への遊技球があった場合には全ての種類の特殊音声を実行可能である一方で第1始動口P51への遊技球の入球があった場合には一部の特殊音声のみを実行可能とする)よう構成してもよい。
≪変動中動作演出中の特図入賞≫ また、本実施形態では、変動中動作演出の実行中に第1始動口P51または第2始動口P52への遊技球の入球があった場合でも、待機中入賞演出(特定音声の出力)は実行されない。すなわち、待機中入賞演出は、前述したように、変動待機状態が終了して遊技が再開されることを示唆または報知する演出であるため、この変動表示中(変動中動作演出の実行中)に特図入賞(第1始動口P51または第2始動口P52への遊技球の入球)が発生したとしても待機中入賞演出は実行されない。但し、変動表示中(変動中動作演出の実行中)に特図入賞が発生した場合には、特定音声とは異なる所定音声(所定の入賞音、もしくは特定の変動開始音と対応させて所定の変動開始音と称する)を出力するように構成してもよい。なお、第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球が記憶されていない状態における確定停止時間(確定停止期間)に第1始動口P51または第2始動口P52への遊技球の入球があった場合でも、待機中入賞演出(特定音声の出力)は実行されない。その際も、特定音声とは異なる所定音声を出力してもよい。所定音声の音声パターンとして、音声パターン4(効果音D)、音声パターン5(効果音E)、音声パターン6(効果音F)が設定されている。所定音声の音声パターンは、大当り期待度と関係しており、音声パターン4(効果音D)<音声パターン5(効果音E)<音声パターン6(効果音F)という順に、大当り期待度が1段階ずつ高くなるように設定されている。なお、低ベース状態において行われる所定音声と、高ベース状態において行われる所定音声とを異なる演出内容として構成してもよい。また、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球が記憶されている状態における確定停止時間(確定停止期間)に第1始動口P51または第2始動口P52への遊技球の入球があった場合でも、待機中入賞演出(特定音声の出力)は実行されない。その際も、特定音声とは異なる所定音声を出力してもよい。なお、低ベース状態においては、第1始動口P51への遊技球があった場合には所定音声を実行可能である一方で第2始動口P52への遊技球の入球があった場合には所定音声を実行しない(もしくは、低ベース状態においては、第1始動口P51への遊技球があった場合には全ての種類の所定音声を実行可能である一方で第2始動口P52への遊技球の入球があった場合には一部の所定音声のみを実行可能とする)よう構成してもよい。更に、高ベース状態においては、第2始動口P52への遊技球があった場合には所定音声を実行可能である一方で第1始動口P51への遊技球の入球があった場合には所定音声を実行しない(もしくは、高ベース状態においては、第2始動口P52への遊技球があった場合には全ての種類の所定音声を実行可能である一方で第1始動口P51への遊技球の入球があった場合には一部の所定音声のみを実行可能とする)よう構成してもよい。
ここで、変動中動作演出の実行中に、第1始動口P51への遊技球の入球があった場合には第1特別図柄の作動保留球が生起され、第2始動口P52への遊技球の入球があった場合には第2特別図柄の作動保留球が生起されることになる。このとき、現在の遊技状態が第1特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態(低ベース状態)であるときは、第1特別図柄の作動保留球が生起されたことを契機に、先読み抽選処理が実行される。この先読み抽選処理では、当該第1特別図柄の作動保留球をターゲットの作動保留球として、特定演出(特定の先読み演出)の実行可否が決定される。また、現在の遊技状態が第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態(高ベース状態)であるときは、第2特別図柄の作動保留球が生起されたことを契機に、先読み抽選処理が実行される。この先読み抽選処理では、当該第2特別図柄の作動保留球をターゲットの作動保留球として、特定演出(特定の先読み演出)の実行可否が決定される。
本実施形態において、特定演出(特定の先読み演出)は、装飾図柄の停止表示時に行われる同色図柄停止先読み演出により構成されている。この同色図柄停止先読み演出とは、ターゲットの作動保留球が生起されたときの変動表示から、ターゲットの作動保留球の1個前の作動保留球が消化される変動表示までの1または複数の回の変動表示において、装飾図柄の停止図柄の組合せとして、所定の同色図柄の組合せ(いわゆるチャンス目と呼ばれる特定のはずれ図柄)を停止表示させることで、ターゲットの作動保留球が消化されたときの変動表示にて大当り当選する期待度を示唆又は報知する先読み演出である。本実施形態において、この同色図柄停止先読み演出は、装飾図柄の停止図柄としてチャンス目の仮停止表示期間が開始されてから確定停止表示期間(図柄固定時間)が終了するまでの間において実行されるものとする。ここで、チャンス目(同色チャンス目)とは、左図柄・中図柄・右図柄として、互いに同一の図柄属性(同一の色)の装飾図柄が揃った出目のことをいう。但し、本実施例では、同一属性(同一の色)の装飾図柄が3つ揃った場合でも、リーチ態様(いわゆるリーチ状態目)を形成することがない。これはチャンス目とリーチ状態目とが混在することで、先読み予告演出が希薄となるのを防止するためである。すなわち、同色チャンス目は、三つの装飾図柄が互いに同一属性(同一の色)として揃った非リーチ態様の出目をいう。本実施例では、上記の図柄属性に対応して、青色属性のチャンス目(例えば「2・6・4」)、緑色属性のチャンス目(例えば「1・5・9」)、赤色属性のチャンス目(例えば「3・3・7」)が設定されている。なお、ターゲットの作動保留球が生起されたときの変動表示にてチャンス目を停止表示させる場合には、このターゲットの作動保留球の生起時に行われる先読み抽選処理にて、当該変動表示の開始時に抽選にて決定された装飾図柄の停止図柄の組合せをチャンス目に差し替えることで、当該変動表示の終了時に当該チャンス目を停止表示させることが可能となる。
なお、上記の特定演出(特定の先読み演出)として、同色図柄停止先読み演出以外の先読み演出を適用してもよい。この特定演出としては、例えば、カウントダウン演出や、入賞時保留変化演出などを採用することができる。カウントダウン演出とは、新たな作動保留球(ターゲットの作動保留球)が生起されたことを契機として、このターゲットの作動保留球が消化されることで実行される変動表示(ターゲットの変動表示)までの実行回数をカウントダウンする先読み演出である。このカウントダウン演出では、例えば、ターゲットの変動表示の2回前の変動表示では「2」を表示し、ターゲットの変動表示の1回前の変動表示では「1」を表示し、ターゲットの変動表示では「0」を表示する。また、入賞時保留変化先読み演出とは、新たな作動保留球(ターゲットの作動保留球)が生起されたことを契機として、ターゲットの保留画像をいきなり特殊表示態様(例えば、青色アイコン、緑色アイコン、赤色アイコン、虹色アイコンなど)で表示させる保留変化演出(先読み演出)である。
<低ベース状態の所定演出について≫ 次に、低ベース状態における所定演出(待機中入賞演出)の実行可否について説明する。図178(A)は、低ベース状態の待機デモ演出の実行中に第1始動口P51への遊技球の入球が発生した場合のタイムチャートであり、図178(B)は、低ベース状態の待機デモ演出の実行中に第2始動口P52への遊技球の入球が発生した場合のタイムチャートである。
まず、図178(A)に示すように、現在の遊技状態が低ベース状態である場合、待機デモ演出の実行中に遊技球が第1始動口P51に入球することを契機として、所定演出(待機中入賞演出)が実行される。また、図178(B)に示すように、現在の遊技状態が低ベース状態である場合は、待機デモ演出の実行中に遊技球が第2始動口P52に入球することを契機として、所定演出(待機中入賞演出)が実行される。すなわち、現在の遊技状態が低ベース状態である場合には、待機デモ演出の実行中に遊技球が入球した始動口の種別に関わらず、第1始動口P51または第2始動口P52への遊技球の入球を契機として同じ所定演出(待機中入賞演出)を実行可能である。なお、前述したとおり、第2始動口P52への遊技球の入球を契機とした場合は、一部の種類の所定演出(待機中入賞演出)を実行しないよう構成してもよい。
(低ベース状態の特定演出について) 次に、低ベース状態における特定演出(同色図柄停止先読み演出)の実行可否について説明する。図179(A)は、低ベース状態の変動中動作演出の実行中に第1始動口P51への遊技球の入球が発生した場合のタイムチャートであり、図179(B)は、低ベース状態の変動中動作演出の実行中に第2始動口P52への遊技球の入球が発生した場合のタイムチャートである。
まず、図179(A)に示すように、現在の遊技状態が低ベース状態である場合は、変動中動作演出の実行中に遊技球が第1始動口P51に入球することを契機として、当該変動表示において特定演出(同色図柄停止先読み演出)を実行可能である。なお、当該変動表示において特定演出(同色図柄停止先読み演出)を実行するのではなく、次変動から特定演出(同色図柄停止先読み演出)を実行してもよく、そのように構成する場合は、次変動がターゲットの変動表示でないこと(ターゲット前の変動表示であること)が好適である。一方、図179(B)に示すように、現在の遊技状態が低ベース状態である場合は、変動中動作演出の実行中に遊技球が第2始動口P52に入球したとしても、当該変動表示において特定演出(同色図柄停止先読み演出)を実行しないようになっている。すなわち、現在の遊技状態が第1特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態(低ベース状態)においては、第1特別図柄の作動保留球をターゲットの作動保留球として特定演出(同色図柄停止先読み演出)を実行可能であるが、第2特別図柄の作動保留球をターゲットの作動保留球として特定演出(同色図柄停止先読み演出)を実行することはない。
(高ベース状態の所定演出について) 次に、高ベース状態における所定演出(待機中入賞演出)の実行可否について説明する。図180(A)は、高ベース状態の待機デモ演出の実行中に第1始動口P51への遊技球の入球が発生した場合のタイムチャートであり、図180(B)は、高ベース状態の待機デモ演出の実行中に第2始動口P52への遊技球の入球が発生した場合のタイムチャートである。
まず、図180(A)に示すように、現在の遊技状態が高ベース状態である場合、待機デモ演出の実行中に遊技球が第1始動口P51に入球することを契機として、所定演出(待機中入賞演出)が実行される。また、図180(B)に示すように、現在の遊技状態が高ベース状態である場合は、待機デモ演出の実行中に遊技球が第2始動口P52に入球することを契機として、所定演出(待機中入賞演出)が実行される。すなわち、現在の遊技状態が高ベース状態である場合には、待機デモ演出の実行中に遊技球が入球した始動口の種別に関わらず、第1始動口P51または第2始動口P52への遊技球の入球を契機として同じ所定演出(待機中入賞演出)を実行可能である。なお、前述したとおり、第2始動口P52への遊技球の入球を契機とした場合は、一部の種類の所定演出(待機中入賞演出)を実行しないよう構成してもよい。
(高ベース状態の特定演出について) 次に、低ベース状態における特定演出(同色図柄停止先読み演出)の実行可否について説明する。図181(A)は、高ベース状態の変動中動作演出の実行中に第1始動口P51への遊技球
の入球が発生した場合のタイムチャートであり、図181(B)は、高ベース状態の変動中動作演出の実行中に第2始動口P52への遊技球の入球が発生した場合のタイムチャートである。
まず、図181(B)に示すように、現在の遊技状態が高ベース状態である場合は、変動中動作演出の実行中に遊技球が第2始動口P52に入球することを契機として、当該変動表示において特定演出(同色図柄停止先読み演出)を実行可能である。なお、当該変動表示において特定演出(同色図柄停止先読み演出)を実行するのではなく、次変動から特定演出(同色図柄停止先読み演出)を実行してもよく、そのように構成する場合は、次変動がターゲットの変動表示でないこと(ターゲット前の変動表示であること)が好適である。一方、図181(A)に示すように、現在の遊技状態が高ベース状態である場合は、変動中動作演出の実行中に遊技球が第1始動口P51に入球したとしても、当該変動表示において特定演出(同色図柄停止先読み演出)を実行しないようになっている。すなわち、現在の遊技状態が第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態(高ベース状態)においては、第2特別図柄の作動保留球をターゲットの作動保留球として特定演出(同色図柄停止先読み演出)を実行可能であるが、第1特別図柄の作動保留球をターゲットの作動保留球として特定演出(同色図柄停止先読み演出)を実行することはない。
<ステージ背景画像の動的表示の比較> 続いて、第2画像の第1動作速度として、ステージ背景画像の動的表示速度(ループ表示速度)について説明する。本実施形態においては、低ベース状態において表示されるステージ背景画像(通常背景画像)も、高ベース状態において表示されるステージ背景画像(時短背景画像および/または確変背景画像)も、一定時間の間隔で同一の画像が繰り返し表示される動的表示(ループ表示)が行われるが、通常背景画像の動的表示(ループ表示)は相対的に低速表示である一方で、時短背景画像および/または確変背景画像の動的表示(ループ表示)は相対的に高速表示である。すなわち、低ベース状態において表示される通常背景画像は相対的に遅い速度(移動速度、スクロール速度)でループ動作するが、高ベース状態において表示される時短背景画像および/または確変背景画像は、相対的に速い速度(移動速度、スクロール速度)でループ動作する。例えば、通常背景画像にて表示される雲画像が画面の右端から左端まで移動するには6秒を要する一方で、時短背景画像および/または確変背景画像にて表示されるキャラクタ画像は画面の右端から左端まで移動するには1秒しか要さないように構成してもよい。その他、通常背景画像にて表示される背景画像として背景画像a~eの5つがあり、それぞれ動的表示を行うとともに、それぞれが5秒ごとに切り替わる(背景画像a→b→c→d→eの順で切り替わる)一方で、時短背景画像および/または確変背景画像にて表示される背景画像として背景画像f~lの7つがあり、それぞれ動的表示を行うとともに、それぞれが1秒ごとに切り替わる(背景画像f→g→h→i→j→k→lの順で切り替わる)ように構成してもよい。
なお、低ベース状態において表示される通常背景画像のループ動作の1周期よりも、高ベース状態において表示される時短背景画像および/または確変背景画像のループ動作の1周期の方が、相対的に短い周期になるように構成してもよい。すなわち、低ベース状態において表示される通常背景画像の開始画像(先頭画像)が表示されてから次に当該開始画像(先頭画像)が表示されるまでの時間よりも、高ベース状態において表示される通常背景画像の開始画像(先頭画像)が表示されてから次に当該開始画像(先頭画像)が表示されるまでの時間の方が短時間となるように構成してもよい。
<装飾図柄の変動表示速度> 続いて、装飾図柄(第1図柄)の動作速度として、装飾図柄の変動表示速度(低速変動、高速変動)について説明する。本実施形態では、当該変動表示として通常変動(非リーチのはずれ変動)が実行される場合に、装飾図柄のスクロール表示では、3列の装飾図柄が変動表示を開始した直後から加速して、各列の装飾図柄が高速変動状態に移行する。この高速変動中は、各列の装飾図柄が識別不能または識別困難な表示状態となり、停止表示中よりも装飾図柄の透過率が高くなる。そのため、高速変動中の装飾図柄を透過して、当該装飾図柄の背後に表示される画像(当該装飾図柄の背後に重畳される画像)、すなわち、現在の演出モードに対応するステージ背景画像などを視認可能または視認容易な状態(透過表示状態)となる。各列の装飾図柄が高速変動状態に移行してから所定時間が経過すると、高速変動中の各装飾図柄が減速して低速変動状態に移行する。この低速変動中は、各列の装飾図柄が識別可能または識別容易な表示状態となり、各列の装飾図柄が高速変動中の装飾図柄よりも透過率が低くなる。そのため、低速変動中は、装飾図柄の背後に表示される画像(当該装飾図柄の背後に重畳される画像)を視認不能または視認困難な状態(非透過表示状態)となる。そして、低速変動中の各列の装飾図柄が徐々に減速されていき、各列の装飾図柄の変動速度が「0」となったときに、装飾図柄が停止表示される(仮停止表示された後に確定停止表示される)。
本実施形態では、遊技状態が低ベース状態である場合に行われる通常変動(非リーチのはずれ変動)においては、装飾図柄が変動表示を開始してから高速変動状態(透過表示状態)に達するまでに要する所要時間は、相対的に長い時間(例えば1.5秒)に設定されている。一方、遊技状態が高ベース状態である場合に行われる通常変動(非リーチのはずれ変動)においては、装飾図柄が変動表示を開始してから高速変動状態(透過表示状態)に達するまでに要する所要時間は、相対的に短い時間(例えば0.5秒)に設定されている。
また、本実施形態では、遊技状態が低ベース状態である場合に行われる通常変動(非リーチのはずれ変動)においては、装飾図柄が低速変動状態(非透過表示状態)に移行してから停止表示(仮停止表示または確定停止表示)されるまでに要する所要時間は相対的に長い時間(例えば2秒)に設定されている。一方、遊技状態が高ベース状態である場合に行われる通常変動(非リーチのはずれ変動)においては、装飾図柄が低速変動状態(非透過表示状態)に移行してから停止表示(仮停止表示または確定停止表示)されるまでに要する所要時間は相対的に短い時間(例えば0.3秒)に設定されている。
[画像変形演出] 次に、本実施形態の画像変形演出について説明する。図182は、画像変形演出を説明するための模式図である。
本実施形態の画像変形演出は、表示中の画面に含まれる所定領域の画像(「変形対象画像」と呼称する)に対して、拡大、縮小、回転、平行移動、歪曲、傾斜などの変形を加える特殊演出である。その一例として、図182(B)には変形対象画像を縮小変形した状態を示しており、図182(C)には変形対象画像を斜めに傾斜変形した状態を示している。
ここで、本実施形態において、演出表示装置P70に表示される画像は、所定の優先順位が設定された複数のレイヤに分けて描画されるようになっている。「レイヤ」とは、全体画像(フレーム画像)を構成する各画像の表示の優先度を規定する階層構造の各層を意味する。各レイヤは、表示の優先度が高いものほど上位のレイヤ(遊技者から見て前方側)に配置され、表示の優先度が低いものほど下位のレイヤ(遊技者から見て後方側)に配置される。
図183は、変動演出(画像動作演出の非実行中)におけるフレーム画像のレイヤ構造を概念的に示す模式図である。このフレーム画像は、表示の優先度の低い方から順に、ステージ背景画像を表示するレイヤLA1、装飾図柄を表示するレイヤLA2、保留画像および変動中画を表示するレイヤLA3、特図保留球数を表示するレイヤLA4、小図柄を表示するレイヤLA5、音量・光量設定画像(音量調整画像、光量調整画像と称する)を表示するレイヤLA6、エラー報知画像を表示するレイヤLA7などを含み構成される。この複数のレイヤLA1~LA7の画像は後述の変形処理を施すことなくフレームバッファに描画され、このフレームバッファに描画された画像が1フレーム分のフレーム画像として演出表示装置に出力されて表示される。なお、フレームバッファは、演出表示装置P70に出力すべき画像データのフレームを一時的に記憶するバッファメモリ(VRAM)である。
図184は、変動演出(画像変形演出の実行中)におけるフレーム画像のレイヤ構造を概念的に示す模式図である。このフレーム画像は、表示の優先度の低い方から順に、特殊背景画像を表示するレイヤLB1、変形対象画像を表示するレイヤLB2、保留画像および変動中画像を表示するレイヤLA3、特図保留球数を表示するレイヤLA4、小図柄を表示するレイヤLA5、音量・光量設定画像を表示するレイヤLA6、エラー報知画像を表示するレイヤLA7などを含み構成される。なお、特殊背景画像は、画像変形演出専用の背景画像であり、画像変形演出以外では現出することのない特殊の背景画像として構成されている。つまり、画像変形演出の実行中は、変形対象画像の背後に表示される背景画像として、ステージ背景画像ではなく、特殊背景画像が用いられる。
変形対象画像のレイヤLB2には、装飾図柄と、ステージ背景画像と、枠画像とを含む。このレイヤLBに含まれる枠画像は、変形対象画像の外縁を形成する枠形状の画像であり、この枠画像の内側に装飾図柄やステージ背景画像などの枠内画像が表示される。そして、このレイヤLB2に含まれる画像全体が画像変形演出の対象(変形対象画像)となる。なお、この変形対象画像には、エフェクト画像やキャラクタ画像などの所定の装飾オブジェクト画像が追加されてもよい。
ここで、変形対象画像のレイヤLB2は、図184(B)に示すように、ステージ背景画像を表示するレイヤLA1と、装飾図柄を表示するレイヤLA2と、枠画像を表示するレイヤLB3とを結合(統合)することで、新たな一つのレイヤ(結合レイヤ)として生成される。この変形対象画像のレイヤLB2は、該変形対象画像を異形状に変形させる所定の変形処理を施したうえでフレームバッファに描画される。一方、変更の対象とはならないその他の画像にレイヤについては変形処理を施さずにフレームバッファに直接描画される。そして、フレームバッファに描画された画像が1フレーム分のフレーム画像として演出表示装置P70に出力されて表示される。
続いて、画像変形演出の演出例について、図182を参照して説明する。図182では、通常変動(非リーチ変動)の実行中に画像変形演出が実行される場合を例示しているが、リーチ変動(SPリーチ変動)の実行中に画像変形演出が実行されてもよく、その場合はリーチ演出の実行前(リーチ成立前)に実行されてもよいし、リーチ演出の実行中(SPリーチ演出の実行中に画像変形演出が実行されるものでもよい。そのように構成した場合、リーチ変動(SPリーチ変動)が実行される場合の方が、非リーチ変動が実行される場合よりも、画像変形演出が実行される確率が高いよう構成することが好適である。なお、非リーチ変動であっても、先読み演出もしくは先読み抽選の実行契機となる作動保留球であるターゲットの作動保留球が存在する場合(ターゲット前の変動表示である場合)のほうが、ターゲットの作動保留球が存在しない場合(ターゲット前の変動表示でない場合)よりも、画像変形演出が実行される確率が高いよう構成することが好適である。
まず、図182(A)に示すように、当該変動表示が開始されて、演出表示装置P70の画面上には、装飾図柄の変動表示、小図柄の変動表示、保留画像の表示、変動中画像の表示、作動保留球数の表示、ステージ背景画像の表示などが行われている。なお、ここで表示されて
いる装飾図柄およびステージ背景画像は、装飾図柄のレイヤLA2およびステージ背景画像LA1のレイヤなどを結合して生成された変形対象画像のレイヤLB2に含まれる画像の一部(枠画像の内側の画像)として表示されている。このとき、枠画像は演出表示装置P70の表示領域よりも大きなサイズの画像(演出表示装置P70の表示領域からはみ出ている画像)として形成されており、画面上には現出されていない。なお、この図182(A)の状態では、変形対象画像のレイヤLB2を生成せずに、ステージ背景画像LA1のレイヤおよび装飾図柄のレイヤLA2に含まれる画像がそのまま表示されたものでもよい。
続いて、図182(B)に示すように、画像変形演出が開始されることで、装飾図柄、ステージ背景画像および枠画像を含む変形対象画像が徐々に縮小表示される。つまり、全体画面に対して変形対象画像が徐々に縮小変形することで、上記の図182(A)では表示されていなかった枠画像が徐々に表示されていき、この枠画像の周囲に画像変形演出専用の特殊背景画像が現出されていく。
続いて、図182(C)に示すように、上記の図182(B)で縮小変形された変形対象画像が正面視左側に向けて徐々に傾斜変形することで、変形対象画像に立体感が付与されている。
そして、図182(D)に示すように、変形対象画像が再び正面を向いた状態で徐々に拡大表示されていき、これが元の大きさの画像に復元されることで、画像変形演出が終了する。この変形対象画像が元の大きさの画像(通常の大きさの画像)に復元されると、画像変形演出の実行中に表示されていた枠画像が表示されなくなる。
ここで、本実施形態では、変動中動作演出の実行中において、画像変形演出を実行可能に構成されている。変動中動作演出の実行中に画像変形演出を実行する場合には、それまで表示されていた変動中動作演出のオブジェクト画像(変動表示中の装飾図柄、第1動作及び/又は第2動作中のステージ背景画像)を変形対象画像として表示することで行われる。つまり、変動中動作演出のオブジェクト画像(変動表示中の装飾図柄、第1動作及び/又は第2動作中のステージ背景画像)を枠画像の内側に嵌め込んだかたちで変形対象画像を形成し、この変形対象画像に含まれるステージ背景画像(第2画像)を第1動作(ループ動作)及び/又は第2動作(振動動作)させることで変動中動作演出が実行される。換言すれば、変動中動作演出として第1動作(ループ動作)及び/又は第2動作(振動動作)を実行しつつ、画像変形演出を同時に実行可能とする。なお、変動中動作演出として第1動作(ループ動作)及び/又は第2動作(振動動作)を実行しつつ、画像変形演出を同時に実行する演出を特殊変形演出と呼称してもよい。一方、待機中動作演出の実行中においては、画像変形演出を実行しないように構成されている。それにより、変動待機期間中に装飾図柄などのオブジェクト画像が特殊態様に変形することで、遊技者に装飾図柄の変動表示中であると誤認混同させるのを防止することができる。
なお、上記実施形態では、変形対象画像として装飾図柄とステージ背景画像と枠画像とを適用したが、この構成に限定されるものではなく、この変形対象画像に保留画像や変動中画像などの他のオブジェクト画像を含めてもよい。但し、エラー報知画像や音量・光量設定画像、小図柄表示、特図保留数表示については、変形対象画像に含めないことが好ましい。それにより、画像変形演出の実行中に遊技機のエラーが発生した場合でも、エラー報知画像の視認性を阻害しないようにすることができる。さらに、音量・光量設定画像を変形対象画像から除外してその視認性を確保することで、画像変形演出の実行中であっても、遊技者による音量および/または光量の調整操作を阻害しないようにすることができる。加えて、小図柄表示および特図保留数表示を変形対象画像から除外してその視認性を確保することで、画像変形演出の実行中であっても、遊技者が現在の遊技状況(変動表示中、停止表示中、作動保留球数など)を適切に認識することが可能となる。なお、大当り遊技の実行中に表示される大当り中演出の各種画像(上記の大入賞口カウントアップ演出、強調演出、オーバー入賞演出、オマケ入賞演出など)については、これらの表示の視認性を確保するために、変形対象画像に含めないことが好ましい。ここで、エラー報知画像の表示中に画像変形演出(特殊変形演出)を実行可能であり、画像変形演出(特殊変形演出)の実行中にエラー報知画像を表示可能であり、更に、音量・光量設定画像の表示中に画像変形演出(特殊変形演出)を実行可能であり、画像変形演出(特殊変形演出)の実行中に音量・光量設定画像を表示可能である。なお、画像変形演出(特殊変形演出)が実行される場合、変形開始時に略同時に特別音声を出力可能であり、その特別音声については画像変形演出(特殊変形演出)の実行が終了するよりも先に終了するよう構成されている。また、変形対象画像としては、後述するボタン画像やインジケータ画像、ボタン出現予告演出などを含む予告演出全般も対象となる。
次に、本実施形態の画像動作演出(待機中動作演出、変動中動作演出)の変形例について説明する。すなわち、上記実施形態では、画像動作演出(待機中動作演出、変動中動作演出)において、第1画像として装飾図柄を適用し、第2画像として背景画像(ステージ背景画像)を適用した場合を例示したが、この構成に限定されるものではなく、第1画像として装飾図柄の数字図柄を適用し、第2図柄として装飾図柄のキャラ図柄(数字図柄の背後に表示されるキャラ図柄)を適用してもよい。この変形例の画像動作演出は、特別図柄の停止表示中に数字図柄(第1画像)を静止させた状態でキャラ図柄(第2画像)が第1動作させる待機中動作演出と、特別図柄の変動表示中にキャラ図柄(第2画像)を第2動作させる変動中動作演出とから構成される。つまり、この変形例に係る画像動作演出は、装飾図柄を構成する画像の一部について所定の動作を行わせる演出である。
待機中動作演出では、装飾図柄の停止表示中において、当該装飾図柄を構成する画像のうち、数字図柄(第1画像)を完全停止させた状態で、キャラ図柄(第2画像)のみを第1動作させる演出である。このキャラ図柄の第1動作とは、例えばキャラ図柄(第2画像)に対応するキャラクタ画像が首を縦に振る動作である。なお、この第1動作は、キャラ図柄(第2画像)の表示位置(画面全体に対する位置座標)を変化させずに行われる。すなわち、第1動作は、キャラ図柄(第2画像)の位置座標が固定された状態で行われる動作である。この待機中動作演出は、上記実施形態と同様に、変動待機状態の第1待機期間において行われ、待機終了条件を充足または第2待機期間に移行することを契機に終了(中断)する。なお、この待機中動作演出においても、上記の第1待機期間Aにおいては数字図柄(第1画像)が第1表示態様で停止表示され、上記の第1待機期間Bにおいては数字図柄(第1画像)が第2表示態様で停止表示されるように構成してもよい。
変動中動作演出では、装飾図柄の変動表示中において、当該装飾図柄を構成する画像のうち、当該装飾図柄を構成する画像のうち、キャラ図柄(第2画像)を第2動作させる演出である。キャラ図柄(第2画像)の第2動作とは、例えばキャラ図柄(第2画像)に対応するキャラクタ画像が身体を横に振る動作である。この変動中待機動作演出は、装飾図柄の変動表示の開始直後、装飾図柄の擬似連演出中の仮停止表示時、装飾図柄の停止表示前の減速時などの、装飾図柄の表示態様を認識可能または認識容易な実行タイミングで行われる。
[ボタン操作演出] 次に、第7実施形態のボタン演出について説明する。図185は、第7実施形態のボタン演出の概要を説明するための模式図である。ボタン演出は、前述したように、遊技者による演出ボタンP15の操作に基づき大当り期待度を示唆又は報知する予告演出である。
ボタン演出は、図185に示すように、演出ボタンP15の操作有効期間中に行われる操作促進演出と、演出ボタンP15の操作有効期間の終了後に行われる操作契機演出とを含む。なお、「操作有効期間の終了」とは、操作ボタンが操作されることなく操作有効期間が経過(満了)することで当該期間が終了する場合と、操作有効期間内に演出ボタンが操作されることで当該期間が経過(満了)する前であっても当該期間が途中で終了する場合の双方を含んでいる。
操作促進演出は、演出ボタンP15の操作有効期間において実行される演出であり、遊技者に対して演出ボタンP15の操作を促す演出である。操作有効期間とは、演出ボタンP15が操作された場合に、この操作を有効に受け付ける期間(演出制御基板P200において演出ボタンP15の操作が有効に受け付けられる操作受付期間)である。そのため、この操作促進演出は、遊技者に対して操作有効期間であることを報知する演出であるとも言える。操作促進演出は、「操作手段促進演出」とも呼称する。
操作促進演出の実行中(操作有効期間中)は、画面上に演出ボタンP15を模したボタン画像(「演出ボタン画像」、「操作手段画像」とも呼称する)と、操作有効期間の残余期間を視覚的に示すインジケータ画像(「メータ画像」、「操作有効期間示唆画像」とも呼称する)とが表示され、演出ボタンP15の操作が有効であることの報知と、演出ボタンP15の操作を促すための報知とが行われる。それ以外にも、ボタン画像の近傍に、遊技者に対して単発操作を促す「押せ!!」や「一撃!!!」といった文字画像を付帯させたり、連打操作を促す「連打しろ!!」や「激しく連打!!!」といった文字画像を付帯させたりすることも好適である。なお、「押せ!!」よりも「一撃!!!」の方が大当り期待度は高く、「連打しろ!!」よりも「激しく連打!!!」の方が後述する特殊ボタン画像と同時に出現しやすく、後述する第2出現予告演出を経由して出現しやすい。また、「押せ!!」よりも「一撃!!!」の方が大当り期待度は高く、「連打しろ!!」よりも「激しく連打!!!」の方が後述する特殊ボタン画像と同時に出現しやすく、後述する第2出現予告演出を経由して出現しやすい。
この操作有効期間の種別には、第1有効期間と、第2有効期間とがある。操作有効期間が第1有効期間として設定された場合は、この第1有効期間内に演出ボタンの操作が行われた場合に限り操作契機演出が実行可能となる。操作有効期間が第2有効期間として設定された場合は、この第2有効期間内に演出ボタンの操作が行われた場合または第2有効期間内に演出ボタンP15が操作されず当該第2有効期間が終了した場合に操作契機演出が実行可能となる。第1有効期間および第2有効期間は、互いに同一の時間値であってもよいし、互いに異なる時間値であってもよい。なお、以下の説明においては、第1有効期間と第2有効期間とを特に区別する必要がない場合には、単に「操作有効期間」と呼称する。
ここで、図186は、演出ボタンP15の報知態様を示す模式図である。本実施形態において、演出ボタンP15の報知態様は、演出ボタンランプ15aの動作態様(発光報知態様)と、振動モータの動作態様(振動報知態様)との組合せにより規定される。発光報知態様には、演出ボタンP15が消灯している報知態様と、演出ボタンP15が白色で点灯する報知態様と、演出ボタンP15が赤色で点灯する報知態様と、演出ボタンP15が赤色で点滅する報知態様と、演出ボタンP15が虹色で点灯する報知態様とを含む。振動報知態様には、演出ボタンP15が振動しない報知態様と、演出ボタンP15が振動する報知態様とを含む。なお、動作態様は振動のみに限らず、前述したとおり、演出ボタンP15の内部機構によって、演出ボタンP15内部の可動物を回転させる動作態様(回転報知態様)としてもよい。そのため、振動報知態様については、単に動作報知態様(発光以外の報知態様)と称してもよく
、振動報知態様(振動の有無)については、動作報知態様(動作の有無)や回転報知態様(回転の有無)に置き換えても良く、ボタンバイブ演出については、演出ボタン動作演出(ボタン動作演出)や演出ボタン回転演出(ボタン回転演出)と称してもよいことを補足しておく。
演出ボタンの報知態様は、これらの発光報知態様と振動報知態様との組合せにより、第1報知態様と、第2報知態様と、第3報知態様と、第4報知態様と、第5報知態様とに大別される。第1報知態様は、演出ボタンP15が白色で点灯し、且つ、この演出ボタンP15が振動しない報知態様である。第2報知態様は、演出ボタンP15が赤色で点灯し、且つ、この演出ボタンP15が振動しない報知態様である。第3報知態様は、演出ボタンP15が赤色で点灯し、且つ、この演出ボタンP15が振動する報知態様である。第4報知態様は、演出ボタンP15が虹色で点灯し、且つ、この演出ボタンP15が振動する報知態様である。第5報知態様は、演出ボタンP15が赤色で点滅し、且つ、この演出ボタンP15が振動しない報知態様である。そのため、第1報知態様および第2報知態様は、前述のボタンバイブ演出が実行されていない状態の報知態様であり、第3報知態様および第4報知態様は、前述のボタンバイブ演出が実行されている状態の報知態様であると言える。
本実施形態では、演出ボタンP15の操作有効期間中の報知態様は、第2報知態様(赤色点灯且つ非振動)となる。また、演出ボタンP15の非操作有効期間中(操作契機演出中および初期化動作中を除く)の報知態様は、第1報知態様(白色点灯且つ非振動)となる。また、演出ボタンP15の非操作有効期間中且つ操作契機演出中の報知態様は、第3報知態様(赤色点灯且つ振動)または第4報知態様(虹色点灯且つ振動)となる。また、演出ボタンP15の非操作有効期間中且つ初期化動作中の報知態様は、第5報知態様(赤色点滅且つ非振動)となる。なお、第5報知態様については、赤色点滅且つ振動としてもよい。ここで、本実施形態では、ボタン演出を実行するに際して、演出ボタンP15の操作有効期間が第1有効期間および第2有効期間のいずれに設定されている場合でも、演出ボタンP15の操作有効期間(操作促進演出)が開始されることを契機に、演出ボタンP15の報知態様が第1報知態様から第2態様に切り替えられる制御が行われる。一方、演出ボタンP15の操作有効期間が終了する場合には、この操作有効期間の種別(第1有効期間/第2有効期間)と、この操作有効期間の終了後に実行予定の操作契機演出の種別(詳細後述)とに応じて、演出ボタンP15の報知態様が第2報知態様から第1報知態様、第3報知態様および第4報知態様のいずれかに切り替えられる制御が行われる。
なお、変形例として、第1報知態様を、演出ボタンP15が非点灯(消灯)且つ振動しない報知態様とし、第2報知態様を、演出ボタンP15が白色で点灯且つ振動しない報知態様とし、第3報知態様を、演出ボタンP15が赤色で点灯且つ振動する報知態様とし、第4報知態様を、演出ボタンP15が虹色で点灯且つ振動する報知態様とし、第5報知態様を、演出ボタンが赤色で点滅且つ振動しない報知態様としてもよい。なお、第5報知態様については、演出ボタンP15が赤色点滅且つ振動する報知態様としてもよい。また、他の変形例として、第1報知態様を、演出ボタンP15が非点灯(消灯)且つ振動しない報知態様とし、第2報知態様を、演出ボタンP15が点灯且つ振動しない報知態様とし、第3報知態様を、演出ボタンP15が点灯且つ振動する報知態様とし、第4報知態様を、演出ボタンP15が虹色で点灯且つ振動する報知態様とし、第5報知態様を、演出ボタンP15が点滅且つ振動しない報知態様としてもよい。なお、第5報知態様については、演出ボタンP15が赤色点滅且つ振動する報知態様としてもよい。
操作契機演出は、演出ボタンP15の操作を契機として実行される演出である。この操作契機演出は、ボタン演出の種類に対応した演出態様(役物動作、画像表示、音声出力、ランプ発光、ボタンバイブなど)となる。本実施形態において「演出ボタンP15の操作を契機として実行される」には、(1)操作有効期間内に演出ボタンP15が操作された場合に限り実行されるという意味と、(2)操作有効期間内に演出ボタンP15が操作された場合または操作有効期間内に演出ボタンP15が操作されず当該操作有効期間が経過した場合に実行されるという意味とを含む。そのため、操作契機演出の実行条件は、前述した演出ボタンの操作有効期間の種別に応じて異なるものとなる。すなわち、操作有効期間が第1有効期間として設定された場合には、この操作有効期間内に演出ボタンP15の操作が行われた場合に限り、操作契機演出の実行条件が成立する(操作有効期間内に演出ボタンが操作されなかった場合は、操作契機演出の実行条件が不成立となる)。また、操作有効期間が第2有効期間に設定された場合には、この操作有効期間内に演出ボタンP15の操作が行われた場合でも、この操作有効期間内に演出ボタンP15が操作されることなく当該操作有効期間が経過した場合でも、操作契機演出の実行条件が成立する。なお、操作契機演出は、「操作対応演出」、「操作結果演出」とも呼称する。
この操作契機演出の種別には、現在実行中の変動表示が大当りであるか否か不確定である種別の操作契機演出(「所定種別の操作契機演出」と呼称する)と、現在実行中の変動表示が大当りであることを確定的に報知する種別の操作契機演出(「特定種別の操作契機演出」)とがある。また、所定種別の操作契機演出として、演出態様(表示内容)及び大当り期待度が異なる複数種類の操作契機演出を有している。更に、所定種別の操作契機演出には、大当り期待度が相対的に低いことを示唆する弱操作契機演出と、大当り期待度が相対的に高いことを示唆する強操作契機演出とを含む。また、弱操作契機演出として、演出態様(表示内容)及び大当り期待度(1%~10%)が異なる複数種類の操作契機演出を有しており、強操作契機演出として、演出態様(表示内容)及び大当り期待度(40%~80%)が異なる複数種類の操作契機演出を有している。弱操作契機演出には、大当り期待度が0%に設定された操作契機演出(はずれのみが導出される操作契機演出)を含んでもよい。また、強操作契機演出には、大当り期待度が100%に設定された操作契機演出(大当りのみが導出される操作契機演出)は含まれない。一方、特定種別の操作契機演出は、大当り確定である(大当り期待度が100%である)ことを示唆する大当り確定演出(プレミア演出)である。すなわち、特定種別の操作契機演出は、大当り期待度が100%に設定された操作契機演出(大当りのみが導出される操作契機演出)のみが含まれる。また、特定種別の操作契機演出として、演出態様(表示内容)が異なる複数種類の操作契機演出を有している。この特定種別の操作契機演出は、演出ボタンP15の操作有効期間が後述の当落分岐期間に設定される操作契機演出(大当確定演出)だけでなく、演出ボタンP15の操作有効期間が後述のリーチ前予告期間および/またはリーチ後予告期間に設定される操作契機演出(大当り確定演出)を含んでいてもよい。
<ボタン演出の演出例> 続いて、各種のボタン演出が実行される場合の演出例について、図187~図192を参照して説明する。なお、図187~図192においては、便宜上、背景表示(背景画像)の図示を省略している。
≪所定種別の操作契機演出:台詞予告演出≫ 所定種別の操作契機演出が弱操作契機演出(台詞予告演出)として実行される場合のボタン演出の演出例について説明する。図187は、弱操作契機演出(台詞予告演出)を含むボタン演出の演出例を示す模式図である。
まず、図中(A)に示すように、装飾図柄の変動表示が開始される。図示省略するが、画面には、現在の演出モード(演出ステージ)に対応するステージ背景画像が表示される。このとき、演出ボタンP15の報知態様は、第1報知態様(白色点灯且つ非振動)である。
続いて、図中(B)に示すように、ボタン演出の操作促進演出が開始され、画面にはボタン画像やインジケータ画像などの操作促進画像が表示される。この操作促進演出が開始されるのと同時に、演出ボタンP15の操作有効期間が設定される。また、この操作有効期間の開始時に、演出ボタンP15の報知態様が第1報知態様(白色点灯且つ振動)から第2報知態様(赤色点灯且つ非振動)に切り替えられる。
ここで、操作有効期間が第1有効期間に制御されている場合には、この操作有効期間内に演出ボタンP15が操作されることを条件に、操作契機演出の実行条件が成立し、図中の(C)の状態に移行する。一方、演出ボタンP15が操作されることなく操作有効期間が経過したときは、操作契機演出の実行条件が成立せず、図中(D2)の状態に移行する。
一方、操作有効期間が第2有効期間に設定されている場合には、この操作有効期間内に演出ボタンが操作されたとき、あるいは、演出ボタンP15が操作されることなく操作有効期間が経過したときに、操作契機演出の実行条件が成立して、図中の(C)の状態に移行する。
ここで、図中(C)に示すように、操作契機演出の実行条件が成立した場合には、操作有効期間(第1有効期間または第2有効期間)の終了後に、操作契機演出(弱操作契機演出)が実行される。この操作契機演出は、所定の文字列の台詞画像(セリフ画像)が表示される台詞予告演出である。この台詞予告演出では、大当り期待度等に応じて、「いまいち」(大当り期待度1%)、「がんばれ」(大当り期待度5%)、「チャンス」(大当り期待度20%)などの複数種の台詞画像のいずれかが画面に表示されるようになっている。また、操作有効期間が終了することを契機に、演出ボタンP15の報知態様が第2報知態様(赤色点灯且つ非振動)から第1報知態様(白色点灯且つ非振動)に切り替わる。なお、台詞予告演出として特定種別の操作契機演出を実行する場合を有していてもよく、例えば、大当り期待度が100%である「おめでとう!」といった台詞画像を有しており、当該台詞画像が表示されて操作有効期間が終了した場合も、演出ボタンP15の報知態様が第2報知態様(赤色点灯且つ非振動)から第1報知態様(白色点灯且つ非振動)に切り替わるが、演出ボタンP15の報知態様が第2報知態様(赤色点灯且つ非振動)から第3報知態様(赤色点灯且つ振動)に切り替わってもよい。
そして、図中(D1)に示すように、台詞画像が表示されてから所定の時間(例えば2秒)が経過すると、台詞画像が消去されて、ボタン演出(操作契機演出)が終了する。その後、当該変動表示が引き続き行われる。
一方、図中(D2)に示すように、操作契機演出の実行条件が成立しなかった場合には、操作有効期間の経過後に、操作契機演出(台詞予告演出)が実行されることなくボタン演出が終了する。また、操作有効期間が経過することで、演出ボタンP15の報知態様が第2報知態様(赤色点灯且つ非振動)から第1報知態様(白色点灯且つ非振動)に切り替わる。そして、図中(D1)と同様に、当該変動表示が引き続き行われる。
このように所定種別の操作契機演出として弱操作契機演出(後述の復活演出を伴わない弱操作契機演出)を含むボタン演出では、演出ボタンP15の操作有効期間が第1有効期間に設定される場合と第2有効期間に設定される場合とがある。この操作有効期間が第1有効期間および第2有効期間のいずれに設定される場合であっても、操作有効期間が開始されることを契機に、演出ボタンP15の報知態様が第1報知態様から第2報知態様に切り替わり、操作有効期間が終了することを契機に、演出ボタンP15の報知態様が第2報知態様から第1報知態様に切り替わる。また、操作有効期間が第1有効期間に設定される場合、当該操作有効期間内において演出ボタンP15が操
作されなかったときは、当該弱操作契機演出に対応する台詞予告演出が実行されないようになっている。一方、操作有効期間が第2有効期間に設定される場合、当該操作有効期間内において演出ボタンP15が操作されなかったときでも、当該弱操作契機演出に対応する台詞予告演出が実行されるようになっている。なお、弱操作契機演出である台詞予告演出については、第1有効期間のみが設定され、第2有効期間が設定されないよう構成してもよい。また、台詞予告演出として特定種別の操作契機演出を実行する場合も第1有効期間のみが設定されるよう構成してもよい。
≪所定種別の操作契機演出:強操作契機演出≫ 次に、所定種別の操作契機演出が強操作契機演出(カットン予告演出)として実行される場合のボタン演出の演出例について説明する。図188は、強操作契機演出(カットイン予告演出)を含むボタン演出の演出例を示す模式図である。なお、以下では、上記の図187の演出例と共通する部分については説明を省略することがある。
図中(A)に示すように、装飾図柄の変動表示が開始される。図示省略するが、画面には、現在の演出モード(演出ステージ)に対応するステージ背景画像が表示される。このとき、演出ボタンP15の報知態様は、第1報知態様(白色点灯且つ非振動)である。本実施例では、図示省略するが、当該変動表示の実行中にリーチが成立し、その後にSPリーチに発展したものとする。
図中(B)に示すように、当該変動表示においてSPリーチ演出が実行されている。このSPリーチ演出は、味方キャラクタが敵キャラクタと対戦するバトル演出(バトルリーチ演出)として構成されている。このSPリーチ演出の実行中は、当該SPリーチ演出に対応するリーチ背景画像が表示される。なお、図面上では、「SPリーチ」という文字を付記することで、SPリーチ演出の実行中またはリーチ背景画像の表示中であることを表現する。そのため、「SPリーチ」の文字が付記されていない場合には、特段の場合を除き、ステージ背景画像または他の種類の背景画像が表示されているものとする。また、SPリーチ演出では、装飾図柄の左図柄および右図柄の表示態様が数字図柄のみとなり(装飾性の低い表示態様となり)、画面の左右の端に移動したかたちで表示(変動表示)される。
続いて、図中(C)に示すように、このSPリーチ演出の実行中に、ボタン演出の操作促進演出が開始され、画面にはボタン画像やインジケータ画像などの操作促進画像が表示される。この操作促進演出が開始されるのと同時に、演出ボタンP15の操作有効期間が設定される。また、この操作有効期間の開始時に、演出ボタンP15の報知態様が第1報知態様(白色点灯且つ振動)から第2報知態様(赤色点灯且つ非振動)に切り替えられる。
ここで、操作有効期間が第1有効期間に制御されている場合には、この操作有効期間内に演出ボタンP15が操作されることを条件に、操作契機演出の実行条件が成立し、図中の(D)の状態に移行する。一方、演出ボタンP15が操作されることなく操作有効期間が経過したときは、操作契機演出の実行条件が成立せず、図中(E2)の状態に移行する。
一方、操作有効期間が第2有効期間に設定されている場合には、この操作有効期間内に演出ボタンP15が操作されたとき、あるいは、演出ボタンP15が操作されることなく操作有効期間が経過したときに、操作契機演出の実行条件が成立して、図中の(D)の状態に移行する。
ここで、図中(D)に示すように、操作契機演出の実行条件が成立した場合には、操作有効期間(第1有効期間または第2有効期間)の終了後に、操作契機演出(強操作契機演出)が実行される。この操作契機演出は、本機種の主要キャラクタのカットイン画像が表示されるカットン予告演出である。このカットイン予告演出では、大当り期待度等に応じて、青色のカットイン画像(大当り期待度5%)、緑色のカットイン画像(大当り期待度15%)、赤色のカットイン画像(大当り期待度40%)、金色のカットイン画像(大当り期待度75%)などの複数種のカットイン画像のいずれかが画面に表示されるようになっている。また、この操作契機演出が開始されることを契機に(操作有効期間が終了することを契機に)、演出ボタンP15の報知態様が第2報知態様(赤色点灯且つ非振動)から第3報知態様(赤色点灯且つ振動)に切り替わる。
そして、図中(E1)に示すように、カットイン画像が表示されてから所定の時間(例えば3秒)が経過すると、カットイン画像が消去されて、ボタン演出(操作契機演出)が終了する。また、ボタン演出(操作契機演出)が終了することを契機に、演出ボタンP15の報知態様が第3報知態様(赤色点灯且つ振動)から第1報知態様(白色点灯且つ非振動)に切り替わる。その後、味方キャラクタと敵キャラクタとのバトル演出に戻り、SPリーチ演出が引き続き行われる。なお、変形例として、操作契機演出の実行中(途中)に、演出ボタンP15の報知態様が第1報知態様(白色点灯且つ非振動)に戻るように構成してもよい。
一方、図中(E2)に示すように、操作契機演出の実行条件が成立しなかった場合には、操作有効期間の経過後に、操作契機演出(カットイン予告演出)が実行されることなくボタン演出が終了する。また、操作有効期間が経過することで、演出ボタンP15の報知態様が第2報知態様(赤色点灯且つ非振動)から第1報知態様(白色点灯且つ非振動)に切り替わる。そして、図中(E1)と同様に、味方キャラクタと敵キャラクタとのバトル演出に戻り、SPリーチ演出が引き続き行われる。
このように所定種別の操作契機演出として強操作契機演出を含むボタン演出では、演出ボタンP15の操作有効期間が第1有効期間に設定される場合と第2有効期間に設定される場合とがある。この操作有効期間が第1有効期間および第2有効期間のいずれに設定される場合であっても、操作有効期間が開始されることを契機に、演出ボタンP15の報知態様が第1報知態様から第2報知態様に切り替わり、操作有効期間が終了することを契機に、演出ボタンP15の報知態様が第2報知態様から第1報知態様に切り替わる。また、操作有効期間が第1有効期間に設定される場合、当該操作有効期間内において演出ボタンP15が操作されなかったときは、当該強操作契機演出に対応するカットイン予告演出が実行されないようになっている。一方、操作有効期間が第2有効期間に設定される場合、当該操作有効期間内において演出ボタンP15が操作されなかったときでも、当該強操作契機演出に対応するカットイン予告演出が実行されるようになっている。なお、強操作契機演出であるカットイン予告演出については、第2有効期間のみが設定され、第1有効期間が設定されないよう構成してもよい。また、青色のカットイン画像、緑色のカットイン画像、赤色のカットイン画像、金色のカットイン画像のうち、金色のカットイン画像が表示される場合に限り、演出ボタンP15の報知態様が、第1報知態様(白色点灯且つ非振動)から第3報知態様(赤色点灯且つ振動)へと切り替わるよう構成してもよい。また、カットイン予告演出として特定種別の操作契機演出を実行する場合を有していてもよく、例えば、大当り期待度が100%である虹色のカットイン画像を有し、当該カットイン画像が表示されて操作有効期間が終了した場合も、演出ボタンP15の報知態様が第2報知態様(赤色点灯且つ非振動)から第3報知態様(赤色点灯且つ振動)に切り替わるが、演出ボタンP15の報知態様が第2報知態様(赤色点灯且つ非振動)から第4報知態様(虹色点灯且つ振動)に切り替わってもよい(この場合も第2有効期間のみが設定されてよい)。また、Nリーチ中に同様又は類似したカットイン予告演出を実行してもよく、その場合は金色のカットイン画像又は虹色のカットイン画像しか表示されないよう構成してもよい(演出ボタンP15の報知態様の切り替わりパターンは、SPリーチ演出実行中に実行されるカットイン予告演出と同様に構成することが好適である)。
≪特定種別の操作契機演出:大当り確定演出≫ 次に、特定種別の操作契機演出が実行される場合のボタン演出の演出例について説明する。図189~図190は、特定種別の操作契機演出を含むボタン演出の演出例を示す模式図である。なお、以下では、上記の図187~図188の演出例と共通する部分については説明を省略することがある。
まず、図中(A)に示すように、装飾図柄の変動表示が開始される。また、図中(B)に示すように、当該変動表示においてSPリーチ演出が実行されている。
続いて、図中(C)に示すように、SPリーチ演出の最終局面(当落分岐の場面)において、ボタン演出の操作促進演出が開始され、画面にはボタン画像やインジケータ画像などの操作促進画像が表示される。この操作促進演出が開始されるのと同時に、演出ボタンP15の操作有効期間が設定される。また、この操作有効期間の開始時に、演出ボタンP15の報知態様が第1報知態様(白色点灯且つ振動)から第2報知態様(赤色点灯且つ非振動)に切り替えられる。なお、このボタン操作演出については、決め演出と呼称する。
ここで、操作有効期間が第1有効期間に制御されている場合には、この操作有効期間内に演出ボタンP15が操作されることを条件に、操作契機演出の実行条件が成立し、図中の(D)の状態に移行する。一方、演出ボタンP15が操作されることなく操作有効期間が経過したときは、操作契機演出の実行条件が成立せず、図中(E2)の状態に移行する。
一方、操作有効期間が第2有効期間に設定されている場合には、この操作有効期間内に演出ボタンP15が操作されたとき、あるいは、演出ボタンP15が操作されることなく操作有効期間が経過したときに、操作契機演出の実行条件が成立して、図中の(D)の状態に移行する。
ここで、図中(D)に示すように、操作契機演出の実行条件が成立した場合には、操作有効期間(第1有効期間または第2有効期間)の終了後に、操作契機演出(大当り確定演出)が実行される。なお、この操作契機演出(大当り確定演出)は、決め成功演出とも呼称される(詳細後述)。この操作契機演出では、第1可動役物P651が画面の前方に落下する役物演出が行われるとともに、この第1可動役物P651の周囲に虹色のエフェクト画像が表示されることで、大当り当選が確定的に報知される。また、この操作契機演出が開始されることを契機(操作有効期間が終了することを契機)に、演出ボタンP15の報知態様が第2報知態様(赤色点灯且つ非振動)から第4報知態様(虹色点灯且つ振動)に切り替わる。なお、変形例として、第1有効期間において操作契機演出の実行条件を充足した場合と、第2有効期間において操作契機演出の実行条件を充足した場合とで、その操作契機演出の開始時(操作有効期間の終了時)に現出される演出ボタンP15の報知態様を異ならせてよい。すなわち、第2有効期間において操作契機演出の実行条件を充足した場合には、この操作契機演出が開始されること(操作有効期間が終了すること)を契機に、演出ボタンP15の報知態様が第4態様(虹色点灯且つ振動)に切り替わる。一方、第1有効期間において操作契機演出の実行条件を充足した場合には、この操作契機演出が開始されること(操作有効期間が終了すること)を契機に、演出ボタンP15の報知態様が第4態様(虹色点灯且つ振動)に切り替わらずに、演出ボタンP15の報知態様が第3報知態様(赤色点灯且つ振動)または特定の報知態様(虹色点灯且つ非振動)に切り替わるようにしてもよい。また、第1有効期間において操作契機演出の実行条件を充足した場合と、第2有効期間において操作契機演出の実行条件を充足した場合とで、その操作契機演出の態様(例えば、可動役物の動作態様、エフェクト画像の表示態様など)を異ならせてもよい。すなわち、第1有効期間に対応する操作契機演出と、第2
有効期間に対応する操作契機演出とを、互いに異なる演出(態様)として構成してもよい。その場合は、第1有効期間に対応する操作契機演出の開始時(操作有効期間の終了時)には演出ボタンP15の報知態様が第3報知態様(赤色点灯且つ振動)または特定の報知態様(虹色点灯且つ非振動)に切り替わり、第2有効期間に対応する操作契機演出の開始時(操作有効期間の終了時)には第4態様(虹色点灯且つ振動)に切り替わるようにしてもよい。
続いて、図中(E1)に示すように、ボタン演出(操作契機演出)が終了すると、装飾図柄が大当りを示す「3・3・3」の組合せ(大当り目)で仮停止表示される。このとき、SPリーチ演出の終了直前の状態であり(背景画像はリーチ背景画像であり)、装飾図柄は数字図柄のみで仮停止表示されている。なお、図中(D)及び(E1)の双方を合わせて操作契機演出(大当り確定演出)である決め成功演出としてもよい。
続いて、図中(F1)に示すように、SPリーチ演出が終了することで、背景画像が元のステージ背景画像(リーチ背景画像に切り替わる前のステージ背景画像)に復帰する。また、それにより仮停止表示中の装飾図柄が数字図柄とキャラ図柄とを組合せた表示態様に復帰する。なお、図中(E1)から(F1)に移行する間、つまり背景画像が元のステージ背景画像(リーチ背景画像に切り替わる前のステージ背景画像)に復帰する最中は、演出ボタンP15の報知態様を特殊報知態様である虹色点灯且つ非振動としてもよい。また、変形例としては、背景画像が元のステージ背景画像(リーチ背景画像に切り替わる前のステージ背景画像)に復帰せず、リーチ背景画像上で装飾図柄が数字図柄のみで確定停止してもよい。
そして、図中(G1)に示すように、装飾図柄の仮停止表示が終了して、装飾図柄が大当りを示す「3・3・3」の組合せ(大当り目)で確定停止表示される。なお、この装飾図柄が確定停止表示される前に、演出ボタンP15の報知態様が第4報知態様(虹色点灯且つ振動)から第1報知態様(白色点灯且つ非振動)に切り替わる。変形例としては、演出ボタンP15の報知態様が第4報知態様(虹色点灯且つ振動)から第1報知態様(白色点灯且つ非振動)に切り替わらず、第4報知態様(虹色点灯且つ振動)を維持してもよい。
一方、図中(E2)に示すように、操作契機演出の実行条件が成立しなかった場合には、操作有効期間の経過後に、操作契機演出(大当り確定演出)が実行されることなくボタン演出が終了し、装飾図柄が大当りを示す「3・3・3」の組合せ(大当り目)で仮停止表示される。また、操作有効期間が経過することで、演出ボタンP15の報知態様が第2報知態様(赤色点灯且つ非振動)から第1報知態様(白色点灯且つ非振動)に切り替わる。また、図中(E2)~(F2)では、上記の図中(E1)~(F1)と同様に、装飾図柄の仮停止表示中に、背景画像がリーチ背景画像から元のステージ背景画像に復帰するとともに、この仮停止表示中の装飾図柄が数字図柄のみの表示態様から数字図柄とキャラ図柄とからなる表示態様へと復帰する。そして、図中(G2)では、上記の図中(G1)と同様に、装飾図柄が大当りを示す「3・3・3」の組合せ(大当り目)で確定停止表示される。なお、変形例としては、背景画像が元のステージ背景画像(リーチ背景画像に切り替わる前のステージ背景画像)に復帰せず、リーチ背景画像上で装飾図柄が数字図柄のみで確定停止してもよい。また、変形例としては、演出ボタンP15の報知態様が第4報知態様(虹色点灯且つ振動)から第1報知態様(白色点灯且つ非振動)に切り替わらず、第4報知態様(虹色点灯且つ振動)を維持してもよい。
このように特殊種別の操作契機演出として大当り確定演出を含むボタン演出では、演出ボタンP15の操作有効期間が第1有効期間に設定される場合と第2有効期間に設定される場合とがある。この操作有効期間が第1有効期間および第2有効期間のいずれに設定される場合であっても、操作有効期間が開始されることを契機に、演出ボタンP15の報知態様が第1報知態様から第2報知態様に切り替わる。また、操作有効期間が第1有効期間および第2有効期間のいずれに設定される場合であっても、操作契機演出の実行条件を充足したときは、操作有効期間が終了することを契機に(大当り確定演出が実行されることを契機に)、演出ボタンP15の報知態様が第2報知態様から第4報知態様に切り替わる。一方、操作有効期間が第1有効期間に設定されている場合に、操作契機演出の実行条件を充足しなかったときには、操作有効期間が経過することを契機に、演出ボタンP15の報知態様が第2報知態様から第1報知態様に切り替わる。また、操作有効期間が第1有効期間に設定される場合、当該操作有効期間内において演出ボタンP15が操作されなかったときは、当該特定種別の操作契機演出に対応する大当り確定演出が実行されないようになっている。一方、操作有効期間が第2有効期間に設定される場合、当該操作有効期間内において演出ボタンP15が操作されなかったときでも、当該特定種別の操作契機演出に対応する大当り確定演出が実行されるようになっている。なお、この決め演出については、第2有効期間のみが設定され、第1有効期間が設定されないよう構成してもよい。そのため、決め成功演出も、後述する決め失敗演出も、決め演出にて第2有効期間が設定されることで実行される演出であってよい。
≪所定種別の操作契機演出:決め失敗演出≫ 次に、所定種別の操作契機演出が弱操作契機演出(決め失敗演出)として実行される場合のボタン演出の演出例を説明する。図191~図192は、弱操作契機演出(決め失敗演出)を含むボタン演出の演出例を示す模式図である。なお、決め失敗演出とは、当落分岐演出における失敗演出(はずれを示唆する演出)であり、決め成功演出とは、当落分岐演出における成功演出(大当り当選を示唆する演出)である。この図191~図192では、この決め失敗演出の実行後に、いわゆる復活演出が実行される場合の演出例を示している。本実施形態では、決め失敗演出の実行後に復活演出が実行される場合(すなわち、復活演出を伴う弱操作契機演出が実行される場合)には、演出ボタンP15の操作有効期間として第2有効期間のみが設定される(第1有効期間は適用外)。変形例として第1有効期間を適用する場合は、当該第1有効期間に演出ボタンP15が操作されたとき、図中(D)が実行されず、図中(C)から(E)へ移行することが好適である(つまり、図中(D)の演出が操作契機演出に相当することが好適である)。なお、以下では、上記の図187~図190の演出例と共通する部分については説明を省略することがある。
まず、図中(A)に示すように、装飾図柄の変動表示が開始される。また、図中(B)に示すように、当該変動表示においてSPリーチ演出が実行されている。
続いて、図中(C)に示すように、SPリーチ演出の最終局面(当落分岐の場面)において、ボタン演出の操作促進演出が開始される。また、この操作促進演出が開始されるのと同時に、演出ボタンP15の操作有効期間が設定される。
ここで、前述したように、今回のボタン演出(復活演出を伴うボタン演出)では、操作有効期間が第2有効期間に設定されており、この操作有効期間内に演出ボタンP15が操作されたとき、あるいは、演出ボタンP15が操作されることなく操作有効期間が経過したときに、操作契機演出の実行条件が成立して、図中の(D)の状態に移行する。つまり、今回のボタン演出(復活演出を伴うボタン演出)では、操作契機演出の実行条件が不成立となることはない(簡潔に言えば、操作有効期間内の演出ボタンP15の操作有無に関わらず、必ず決め失敗演出が実行される)。
ここで、図中(D)に示すように、操作契機演出の実行条件が成立すると、操作有効期間の終了後に、操作契機演出(決め失敗演出)が実行される。この操作契機演出(決め失敗演出)では、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北する演出が表示される。また、この操作契機演出(決め失敗演出)の実行と略同時に、装飾図柄がはずれを示す「3・4・3」の組合せ(リーチはずれ目)で仮停止表示される。このとき、SPリーチ演出の終了直前の状態であり(背景画像はリーチ背景画像であり)、装飾図柄は数字図柄のみで仮停止表示されている。また、この操作契機演出が実行されることを契機(操作有効期間が終了することを契機)に、演出ボタンP15の報知態様が第2報知態様(赤色点灯且つ非振動)から第1報知態様(白色点灯且つ非振動)に切り替わる。
続いて、図中(E)に示すように、SPリーチ演出が終了することで、背景画像が元のステージ背景画像(リーチ背景画像に切り替わる前のステージ背景画像)に復帰する。また、それにより仮停止表示中の装飾図柄が数字図柄とキャラ図柄とを組合せた表示態様に復帰する。なお、仮に当該変動表示がはずれ変動である場合(当該変動表示に係る当否判定の結果がはずれである場合)は、この状態で装飾図柄が確定停止する、つまり、装飾図柄がはずれを示す「3・4・3」の組合せ(リーチはずれ目)で確定停止することになる。大当り変動である場合(当該変動表示に係る当否判定の結果が大当りである場合)は、以降で説明する復活演出が実行されることになる。
続いて、図中(F)に示すように、復活演出が実行される。この復活演出では、例えば画面上に味方キャラクタが虹色のオーラを纏った演出が表示される。また、復活演出が実行されることを契機に、演出ボタンP15の報知態様が第1報知態様(白色点灯且つ非振動)から第4報知態様(虹色点灯且つ振動)に切り替わる。また、この復活演出の実行中では、当該復活演出専用の背景画像が一時的に表示されている。なお、復活演出専用の背景画像上で、装飾図柄が数字図柄のみ(「3・3・3・」)で仮停止表示されてもよい。
続いて、図中(G)に示すように、背景画像が復活演出専用の背景画像から元のステージ背景画像に切り替わり、装飾図柄が大当りを示す「3・3・3」の組合せ(大当り目)で仮停止表示される。この仮停止表示中の装飾図柄は、数字図柄とキャラ図柄とを組合せた表示態様となる。なお、図中(F)から(G)に移行する間、つまり背景画像が復活演出専用の背景画像から元のステージ背景画像に切り替わる最中は、演出ボタンP15の報知態様を特殊報知態様である虹色点灯且つ非振動としてもよい。また、変形例としては、背景画像が復活演出専用の背景画像から元のステージ背景画像に復帰せず、復活演出専用の背景画像上で装飾図柄が数字図柄のみで確定停止してもよい。
そして、図中(H)に示すように、装飾図柄の仮停止表示が終了して、装飾図柄が大当りを示す「3・3・3」の組合せ(大当り目)で確定停止表示される。なお、この装飾図柄が確定停止表示される前に、演出ボタンP15の報知態様が第4報知態様(虹色点灯且つ振動)から第1報知態様(白色点灯且つ非振動)に切り替わる。変形例としては、演出ボタンP15の報知態様が第4報知態様(虹色点灯且つ振動)から第1報知態様(白色点灯且つ非振動)に切り替わらず、第4報知態様(虹色点灯且つ振動)を維持してもよい。
なお、上記実施形態では、操作契機演出(決め失敗演出)の終了後に、更なるボタン演出が実行されることなく(新たな操作有効期間が設定されることなく)、演出ボタンP15の報知態様が第1報知態様(白色点灯且つ非振動)から第4報知態様(虹色点灯且つ振動)に変化したが、この構成に限定されるものではなく、操作契機演出(決め失敗演出)の終了後に、更なるボタン演出が実行され(新たな操作有効期間が設定され)ることで、演出ボタンP15の報知態様を第1報知態様(白色点灯且つ非振動)から第2報知態様(赤色点灯且つ非振動)に変化させ、当該操作有効期間の終了時(操作契機演出の実行条件を充足していることを条件)に、演出ボタンP15の報知態様を第2報
知態様(赤色点灯且つ非振動)から第4報知態様(虹色点灯且つ振動)に変化させるように構成してもよい。もしくは、操作契機演出(決め失敗演出)の終了後に、更なるボタン演出が実行され(新たな操作有効期間が設定され)ることで、演出ボタンP15の報知態様を第1報知態様(白色点灯且つ非振動)から第4報知態様(虹色点灯且つ振動)又は特殊報知態様(虹色点灯且つ非振動)に変化させ、当該操作有効期間の終了時(操作契機演出の実行条件を充足していることを条件)に、演出ボタンP15の報知態様を第4報知態様(虹色点灯且つ振動)又は特殊報知態様(虹色点灯且つ非振動)から第4報知態様(虹色点灯且つ振動)に変化(又は継続)させるように構成してもよい。なお、これらのように構成した場合の新たな操作有効期間については、第2有効期間のみが設定され、第1有効期間が設定されないよう構成してもよい。
<1回の変動表示中における複数回の操作有効期間の発生> 次に、1回の変動表示中において複数回の操作有効期間が設定される場合について説明する。図193は、1回の変動表示中に実行される複数回の演出ボタンの内容を説明するための模式図である。本実施形態では、当該変動表示が開始されてから終了するまでの間に、複数回の操作有効期間が設定されて、その複数回の操作有効期間に対応する複数回のボタン演出が実行される場合がある。
本実施形態において、演出ボタンP15の操作有効期間は、1回の変動表示中においてリーチが成立するまでの一部の期間(「リーチ前予告期間」と呼称する)として設定される場合と、1回の変動表示中においてリーチが成立した後(当落分岐演出中を除く)の一部の期間(「リーチ後予告期間」と呼称する)として設定される場合と、1回の変動表示中において当落分岐演出中の一部の期間(「当落分岐期間」と呼称する)として設定される場合とがある。図193では、リーチ前予告期間(1回目の操作有効期間)に対応してボタン演出Eが発生し、リーチ後予告期間(2回目の操作有効期間)に対応してボタン演出Fが発生し、当落分岐期間(3回目の操作有効期間)に対応してボタン演出Gが発生した場合を例示する。なお、遊技者による演出ボタンP15の操作がなくとも、演出ボタンP15の操作があったものと見做す機能である自動操作機能を備えており、当該自動操作機能については、自動操作機能設定状態と自動操作機能解除状態のいずれかに設定される。自動操作機能解除状態にて所定条件(例えば、操作有効期間外に演出ボタンP15を1秒間長押し操作すること)を充足することで、自動操作機能設定状態へと切り替わり、自動操作機能設定状態にて特定条件(例えば、操作有効期間であるか否かにかかわらず演出ボタンP15を単発操作すること)を充足することで、自動操作機能解除状態へと切り替わる。自動操作機能設定状態にて操作有効期間に到達すると、遊技者による演出ボタンP15の操作がなくとも、演出ボタンP15の操作があったものと見做し、操作有効期間内の所定タイミングにて操作促進演出が終了し、操作契機演出が実行されることになる(なお、所定タイミング到達前に遊技者による演出ボタンP15の操作があれば、当該操作を優先し、当該操作により操作促進演出が終了して操作契機演出が実行される)。この場合、演出ボタンP15の報知態様の切り替わりについては、遊技者による演出ボタンP15の操作があった場合と同様である、つまり、前述してきたとおりの内容となる。念のため補足しておくと、自動操作機能解除状態である場合は、前述してきたとおり、第1有効期間であれば遊技者による演出ボタンP15の操作で操作促進演出が終了して操作契機演出が実行され、第2有効期間であれば遊技者による演出ボタンP15の操作又は操作有効期間の満了で操作促進演出が終了して操作契機演出が実行される(演出ボタンP15の報知態様の切り替わりについても前述したとおりである)。
ボタン演出Eは、変動表示中のリーチ成立前に実行されるボタン演出である。このボタン演出Eでは、演出ボタンP15の操作有効期間がリーチ前予告期間且つ第1有効期間に制御される。すなわち、ボタン演出Eでは、操作有効期間中に演出ボタンP15が操作された場合には、当該演出ボタンP15の操作を契機として操作有効期間が終了して、操作契機演出が開始されることになるが、操作有効期間中に演出ボタンP15が操作されなかった場合には、操作契機演出が実行されないまま、操作有効期間の終了に伴ってボタン演出が終了する。このボタン演出Eの操作契機演出は、所定のキャラクタ画像が台詞を発する台詞予告演出(コメント予告演出)である。なお、このボタン演出Eは、前述の図187に示すボタン演出(所定種別の操作契機演出が台詞予告演出として実行される場合のボタン演出、又は、特定種別の操作契機演出が台詞予告演出として実行される場合のボタン演出)と同一または類似する演出であり、演出内容の詳細は図187を参照されたい(但し、このボタン演出Eでは、操作有効期間が第1有効期間に設定されているため、第1有効期間に対応する演出の流れとなる)。なお、自動操作機能設定状態である場合は、ボタン演出Eに係る操作有効期間が半分(5割)経過したタイミングで、操作促進演出が終了し、操作契機演出が実行される。
ボタン演出Fは、変動表示中のリーチ成立後(当落分岐時を除く)に実行されるボタン演出である。このボタン演出Fでは、演出ボタンP15の操作有効期間がリーチ後予告期間且つ第2有効期間に制御される。すなわち、ボタン演出Fでは、操作有効期間中(操作促進演出の実行中)に演出ボタンP15が操作された場合には、当該演出ボタンP15の操作を契機として操作有効期間(操作促進演出)が終了して、操作契機演出(カットイン予告演出)が実行される。また、操作有効期間中(操作促進演出の実行中)に演出ボタンP15が操作されなかった場合には、当該操作有効期間の終了に伴って操作促進演出が終了した後に、操作契機演出(カットイン予告演出)が実行される。このボタン演出Fの操作契機演出は、本機種の主要キャラクタの画像がカットイン表示されるカットイン予告演出である。なお、このボタン演出Fは、前述の図188に示すボタン演出(所定種別の操作契機演出がカットイン予告演出として実行される場合のボタン演出、又は、特定種別の操作契機演出がカットイン予告演出として実行される場合のボタン演出)と同一または類似する演出であり、演出内容の詳細は図188を参照されたい(但し、このボタン演出Fでは、操作有効期間が第2有効期間に設定されているため、第2有効期間に対応する演出の流れとなる)。なお、自動操作機能設定状態である場合は、ボタン演出Fに係る操作有効期間が半分(5割)経過したタイミングで、操作促進演出が終了し、操作契機演出が実行される。
ボタン演出Gは、変動表示中の当落分岐時に実行されるボタン演出である。このボタン演出Gでは、演出ボタンP15の操作有効期間が当落分岐期間且つ第2有効期間に制御される。すなわち、ボタン演出Gでは、操作有効期間中(操作促進演出の実行中)に演出ボタンP15が操作された場合には、当該演出ボタンP15の操作を契機として操作有効期間(操作促進演出)が終了して、操作契機演出(役物演出)が実行される。また、操作有効期間中(操作促進演出の実行中)に演出ボタンP15が操作されなかった場合には、当該操作有効期間の終了に伴って操作促進演出が終了した後に、操作契機演出(役物演出)が実行される。このボタン演出Gの操作契機演出は、可動役物(第1可動役物P651)が画面の前方に落下する役物演出である。なお、このボタン演出Gは、前述の図189~図192に示すボタン演出(特定種別の操作契機演出が決め成功演出として実行される場合のボタン演出、又は、所定種別の操作契機演出が決め失敗演出として実行される場合のボタン演出)と同一または類似する演出であり、演出内容の詳細は図189~図192を参照されたい(但し、このボタン演出Gでは、操作有効期間が第2有効期間に設定されているため、第2有効期間に対応する演出の流れとなる)。なお、自動操作機能設定状態である場合は、ボタン演出Gに係る操作有効期間が8割経過したタイミングで、操作促進演出が終了し、操作契機演出が実行される。変形例としては、ボタン演出Gについては、自動操作機能の対象外としてもよい(自動操作機能設定状態である場合でも、遊技者による演出ボタンP15の操作又は操作有効期間の満了で操作促進演出が終了して操作契機演出が実行されるよう構成してもよい)。なお、ボタン演出Fの実行期間後であり、ボタン演出Gの実行期間前の一部期間である特殊期間を特殊有効期間としてもよく、当該特殊有効期間においては、操作促進演出を実行しないが演出ボタンP15の操作があるごとに(連打することで)画面周囲に炎形状のエフェクト画像を表示し且つその色が変化する場合がある特殊操作演出を実行可能としてもよい。この特殊有効期間で遊技者が連打操作を行うことで、炎形状のエフェクト画像の色が青→緑→赤→虹(虹は大当り時のみ表示可能)に変化され得るのだが、色の変化が進むほど大当り期待度が高い。ここで、前述したとおり、特殊操作演出においては操作促進演出を実行しないため、特殊有効期間中の演出ボタンP15の報知態様は、炎形状のエフェクト画像の色がいずれであっても第1報知態様(白色点灯且つ非振動)である。但し、変形例としては、炎形状のエフェクト画像の色が虹色になった場合に限り、第1報知態様(白色点灯且つ非振動)から第4報知態様(虹色点灯且つ振動)又は特殊報知態様(虹色点灯且つ非振動)に切り替わるよう構成してもよい。
ここで、演出ボタンP15の操作有効期間がリーチ前予告期間である場合には、この操作有効期間において、現在の演出モード(演出ステージ)に対応するステージBGMが継続して出力されている。このリーチ前予告期間における操作有効期間(操作契機演出実行前)にて出力されているステージBGMの音量は、相対的に大きい音量である(特に、操作有効期間が当落分岐期間である場合と比して)。なお、操作契機演出が実行された場合のステージBGMの音量は、実行前と比して同じもしくは低減されるが、出力されない(消音される)ということはない。また、操作有効期間がリーチ後予告期間である場合には、この操作有効期間において、現在実行中のリーチ演出に対応するリーチBGMが継続して出力されている。このリーチ後予告期間における操作有効期間(操作契機演出実行前)において出力されているときのリーチBGMの音量は、相対的に大きい音量である(特に、操作有効期間が当落分岐期間である場合と比して)。なお、操作契機演出が実行された場合のリーチBGMの音量は、実行前と比して同じもしくは低減されるが、出力されない(消音される)ということはない(低減されることが望ましい)。但し、前述したように、Nリーチ中であるリーチ後予告期間にてカットイン予告演出を実行する場合の操作有効期間(操作契機演出実行前)にて出力されているリーチBGMの音量は、相対的に大きい音量である(特に、操作有効期間が当落分岐期間である場合と比して)が、操作契機演出が実行された場合のリーチBGMの音量は、実行前とは異なり出力されない(消音される)ことが好適である。
一方、操作有効期間が当落分岐期間である場合には、この操作有効期間においては、BGMが出力されていない(消音されている)、もしくは、現在実行中のリーチ演出に対応するリーチBGMが出力されているが、この当落分岐告期間における操作有効期間(操作契機演出実行前)において出力されているときのリーチBGMの音量は、相対的に小さい音量となる(特に、操作有効期間がリーチ前予告期間である場合やリーチ後予告期間である場合と比して)。なお、この当落分岐期間における操作有効期間にてリーチBGMが消音されている場合でも、ボタン出現音などのボタン演出(操作促進演出)に付随する音声については通常通りに出力される。なお、操作契機演出が実行された後
は、決め成功演出の実行であればリーチBGMが相対的に大きい音量で出力され(特に、当落分岐期間における操作有効期間と比して)、決め失敗演出の実行であればリーチBGMが相対的に小さい音量で出力される(特に、操作契機演出として決め成功演出が実行された後と比して)が、当落分岐期間である操作有効期間よりは大きい音量で出力される。
また、本実施形態では、操作有効期間が第1有効期間または第2有効期間に制御されている状況においては、ボタン演出が単発操作演出である場合よりも、ボタン演出が連打操作演出である場合の方が、当該操作有効期間中においてBGMが出力され易い、または、出力中のBGMの音量が相対的に大きくなるように設定されている。なお、単発操作演出とは、演出ボタンP15を1回だけ操作することを促すボタン演出であり、連打操作演出とは、演出ボタンP15を複数回操作(連続して操作)することを促すボタン演出である。ここで、SPリーチ終盤の当落分岐時においてボタン演出を実行する際には、前述したように、その操作有効期間中においてはBGMが消音もしくは低減されている状態となり易いが、当該ボタン演出が単発操作演出として設定されている場合よりも、当該ボタン演出が連打操作演出として設定されている場合の方が、当該操作有効期間中においてBGMが出力され易くなる(もしくは、出力中のBGMの音量低下が小さくなる)ように構成されていることが好適である。
<ボタン演出と特図保留数との関係> 次に、ボタン演出と特図保留数との関係について説明する。本実施形態では、演出ボタンP15の操作有効期間がリーチ前予告期間且つ第1有効期間として実行されるボタン演出E(以下、便宜上「第1ボタン演出」とも呼称する)では、当該変動表示の開始時に記憶されている特別図柄の作動保留球の個数に応じて当該第1ボタン演出の出現率(実行確率)が異なるようになっている。すなわち、この第1ボタン演出(ボタン演出E)は、特別図柄の作動保留球の個数が相対的に多い(作動保留球の個数が所定数よりも多い)ときに実行される変動表示よりも、作動保留球の個数が相対的に少ない(作動保留球の個数が所定数よりも少ない)ときに実行される変動表示の方が、その変動表示中において発生する確率(出現率)が高く設定されている。
一方、演出ボタンP15の操作有効期間がリーチ後予告期間且つ第2有効期間、または、当落分岐期間且つ第2有効期間として実行されるボタン演出F,G(以下、便宜上、「第2ボタン演出」とも呼称する)では、当該変動表示の開始時に記憶されている特別図柄の作動保留球の個数に応じて当該第2ボタン演出の出現率(実行確率)が異なることはない。すなわち、この第2ボタン演出(ボタン演出F,G)は、特別図柄の作動保留球の個数が相対的に多い(作動保留球の個数が所定数よりも多い)状況であるときに実行される変動表示と、作動保留球の個数が相対的に少ない(作動保留球の個数が所定数よりも少ない)状況であるときに実行される変動表示とで、その変動表示中において発生する確率(出現率)が同一に設定されている。変形例として、第2ボタン演出(ボタン演出F,G)は、特別図柄の作動保留球の個数が相対的に多い(作動保留球の個数が所定数よりも多い)ときに実行される変動表示よりも、作動保留球の個数が相対的に少ない(作動保留球の個数が所定数よりも少ない)ときに実行される変動表示の方が、その変動表示中において発生する確率(出現率)が高く設定されてもよいが、その確率の差異は、特別図柄の作動保留球の個数が相対的に多い(作動保留球の個数が所定数よりも多い)ときに実行される変動表示で第1ボタン演出(ボタン演出E)が発生する確率と、作動保留球の個数が相対的に少ない(作動保留球の個数が所定数よりも少ない)ときに実行される変動表示で第1ボタン演出(ボタン演出E)が発生する確率との差異よりも小さくなることが好適である。
なお、ここでの特別図柄の作動保留球の個数とは、現在滞在中の遊技状態が低ベース状態(第1特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態)であれば第1特別図柄の作動保留球の個数であり、現在滞在中の遊技状態が高ベース状態(第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態)であれば第2特別図柄の作動保留球の個数となる。また、この特別図柄の作動保留球の個数は、当該変動表示の開始時(作動保留球の消化時)に存在する作動保留球の個数である(当該変動表示により消化された作動保留球は含まない)。その変形例としては、第1特別図柄の作動保留球の個数と第2特別図柄の作動保留球の個数との合算値を使用してもよい。
また、本実施形態の変形例として、特別図柄の作動保留球の個数が相対的に多い(作動保留球の個数が所定数よりも多い)状況であるときに実行される変動表示においてボタン演出が発生する確率(出現率)と、特別図柄の作動保留球の個数が相対的に少ない(作動保留球の個数が所定数よりも少ない)状況であるときに実行される変動表示においてボタン演出が発生する確率(出現率)との変動幅を考えた場合、第1ボタン演出の出現率の変動幅よりも、第2ボタン演出の出現率の変動幅の方が小さくなるように構成してもよい。
<ボタン画像> 本実施形態では、図194に示すように、ボタン演出の種類に応じて、演出ボタンP15の操作有効期間に表示されるボタン画像の種類が異なり得るように構成されている。図194は、複数種類のボタン画像を示す模式図である。
ボタン画像には、図194に示すように、演出ボタンP15を通常態様で示す通常ボタン画像(第1ボタン画像)と、演出ボタンP15を特殊態様で示す特殊ボタン画像(第2ボタン画像)とがある。通常ボタン画像および特殊ボタン画像は、いずれも演出ボタンP15の形態を模したボタン画像であるが、特殊ボタン画像は通常ボタン画像を拡大表示した大きさのボタン画像(拡大ボタン画像)となっている。なお、本実施例においては、いずれのボタン画像(通常ボタン画像、特殊ボタン画像)が表示される場合でも、このボタン画像の表示とともに、操作有効期間の残余期間を視覚的に示すインジケータ画像(「操作有効期間示唆画像」とも呼称する)などの操作促進画像が合わせて表示される。なお、本実施形態では、通常ボタン画像(第1ボタン画像)と特殊ボタン画像(第2ボタン画像)とを特に区別する必要がない場合は、単に「ボタン画像」と呼称する。
第1ボタン演出(ボタン演出E)の操作有効期間中は、特殊ボタン画像が表示されることはなく、常に通常ボタン画像が表示される。すなわち、演出ボタンP15の操作有効期間がリーチ前予告期間且つ第1有効期間として設定される場合には、その操作有効期間内において表示されるボタン画像は常に通常ボタン画像となる。
第2ボタン演出(ボタン演出F,G)の操作有効期間中は、通常ボタン画像が表示される場合と、特殊ボタン画像が表示される場合とがある。すなわち、演出ボタンP15の操作有効期間がリーチ後予告期間且つ第2有効期間、または、当落分岐期間且つ第2有効期間として設定される場合には、その操作有期間内において通常ボタン画像および特殊ボタン画像のいずれかを選択的に表示可能である。変形例として、ボタン演出Fで特殊ボタン画像が表示されるよりも、ボタン演出Gで特殊ボタン画像が表示されたほうが大当り期待度は高くなる(もしくは、ボタン演出Fで特殊ボタン画像が表示されても大当り確定ではないが、ボタン演出Gで特殊ボタン画像が表示されると大当り確定である)よう構成してもよい。そのように構成した場合、ボタン演出Fで特殊ボタン画像が表示された場合は復活演出が実行されることがないよう構成してもよい。更なる変形例として、第2ボタン演出のうちボタン演出Gに関しては、特殊ボタン画像のみを表示可能とする、又は、特殊ボタン画像として特殊ボタン画像A(拡大表示)と特殊ボタン画像B(拡大表示及び金色表示)とを有しても良く、特殊ボタン画像Aより特殊ボタン画像Bのほうが大当り期待度は高く(もしくは、特殊ボタン画像Aは大当り確定ではないが、特殊ボタン画像Bは大当り確定であり)、更には、特殊ボタン画像Bが表示された場合は復活演出が実行されることがないよう構成してもよい。
<ボタン出現音> 本実施形態では、実行されるボタン演出の種類に応じて、ボタン画像の出現時(操作有効期間の開始時)にスピーカP11から出力されるボタン出現音の種類が異なり得るように構成されている。このボタン出現音は、画面上にボタン画像が出現したことを報知するだけでなく、演出ボタンの操作を促進(指示)するための音声であり、ボタン画像の直前に出力する音声であるため、「操作促進音」、「操作指示音」、又は「出現前音」と呼称する場合がある。このボタン出現音の種類には、出現音Aと、出現音Bとがある。出現音Aは、例えば「ポン」や「ピコ」という大当り期待度が相対的に低い効果音である。出現音Bは、例えば「ピッポッパ」や「シャキーン」という大当り期待度が相対的に高い効果音である。なお、出現音Aの音量と出現音Bの音量とを同じレベルの音量で出力してもよいが、出現音Aの音量よりも出現音Bの音量の方が大きなレベルの音量とし、出現音Aよりも出現音Bのほうが出力期間を長くすることが好適である。変形としては、出現音Bの音量よりも出現音Aの音量の方が大きなレベルの音量としてもよいし、出現音Bよりも出現音Aのほうが出力期間を長くしてもよい。
第1ボタン演出(ボタン演出E)では、ボタン画像の出現時において、出現音Bが出力されることはなく、常に出現音Aが出力される。すなわち、演出ボタンP15の操作有効期間がリーチ前予告期間且つ第1有効期間として制御される場合には、ボタン画像の出現時に出力されるボタン出現音は常に出現音Aとなる。
第2ボタン演出(ボタン演出F,G)では、ボタン画像の出現時において、ボタン出現音Aが出力される場合と、ボタン出現音Bが出力される場合とがある。すなわち、演出ボタンP15の操作有効期間がリーチ後予告期間且つ第2有効期間、または、当落分岐期間且つ第2有効期間として実行される場合には、ボタン画像の出現時に出力されるボタン出現音として出現音Aおよび出現音Bのいずれかを選択的に出力可能である。なお、出現音Bについては、ボタン演出Gでは出力され得るが、ボタン演出Fでは出力されないように構成してもよい。
また、本実施形態では、第1ボタン演出(ボタン演出E)におけるボタン画像の出現時よりも、第2ボタン演出(ボタン演出F,G)におけるボタン画像の出現時の方が、ボタン出現音が出力される直前において、それまで出力されていたBGMの音量が低下もしくは消音され易く構成されている。すなわち、第1ボタン演出(ボタン演出E)においては、出力中のBGM(ステージBGM)の音量が、操作有効期間の開始に伴いボタン出現音が出力される直前において低下もしくは消音される確率が相対的に低い(特に、第2ボタン演出(ボタン演出F,G)におけるボタン出現音が出力される直前と比して)、又は、低下及び消音がされない。一方、第2ボタン演出(ボタン演出F,G)においては、出力中のBGM(リーチBGM)の音量が、操作有効期間の開始に伴いボタン出現音が出力される直前において低下もしくは消音される確率が相対的に高い(特に、第1ボタン演出(ボタン演出E)におけるボタン出現音が出力される直前と比して)、又は、必ず低下もしくは消音される。特に、当落分岐時のボタン演出Gについては、ボタン画像の出現時(ボタン出現音の出力時)またはその直前において、出力中のBGM(リーチBGM)の音量が低下または消音されることが好ましい。すなわち、当落分岐の開始直前または開始時においては、何らかのかたちで出力中のBGM(リーチBGM)の出力を制限または抑制することが望ましい(例えば、BGMの再生を停止する、BGMの再生を中断する、音量を零(ミュート)にする、音量を小さくする)。そして、このボタン演出Gでは、
演出ボタンP15が操作されることを契機として、決め成功演出(当落分岐成功)が実行される場合は、大当り専用のBGM(リーチBGMではあるが大当り時にのみ出力される大当り専用リーチBGM)に切り替えられ、決め失敗演出(当落分岐失敗)が実行される場合は、はずれ専用のBGM(リーチBGMではあるがはずれ時又は大当り時且つ復活演出選択時にのみ出力されるはずれ専用リーチBGM)またはBGM停止状態(消音状態)に切り替えられることが好適である。
<ボタン出現予告演出> 本実施形態では、ボタン演出が実行される前の時間、すなわち、画面上にボタン画像(操作促進画像)が出現する前の時間を利用して、ボタン出現予告演出が実行される場合がある。このボタン出現予告演出は、ボタン演出が発生すること、すなわち、画面上にボタン画像が出現することを予告するボタン出現示唆演出(ボタン画像が出現するか否かを煽るボタン出現煽り演出)として構成されている。なお、ボタン出現示唆演出(ボタン出現煽り演出)が実行されることで、ボタン演出の発生が確定する、つまりボタン画像が出現することが確定するよう構成してもよい。
図195は、ボタン出現予告演出の演出例を示す模式図である。本実施形態において、ボタン出現予告演出の種類には、第1出現予告演出と、第2出現予告演出とがある。このボタン出現予告演出の後に表示されるボタン画像としては、通常ボタン画像(第1ボタン画像)と、特殊ボタン画像(第2ボタン画像)とがある。なお、図195では、ボタン出現予告演出の実行後に表示されるボタン画像として通常ボタン画像が表示された場合を示しているが、これはボタン画像の一つの例として通常ボタン画像を代表的に示したものに過ぎず、この通常ボタン画像に替えて特殊ボタン画像を適用することも可能である。ここでは通常ボタン画像と特殊ボタン画像とを特に区別する必要がないため、単に「ボタン画像」と呼称して説明する。
第1出現予告演出は、図195(A)に示すように、光のオーラを模したエフェクト画像(通常エフェクト画像)を表示する通常エフェクト演出である。この通常エフェクト画像が表示された後にボタン画像が出現すると成功演出となる。一方、この通常エフェクト画像が表示されても、ボタン画像が出現せずに、当該通常エフェクト画像が消失すると失敗演出となる。この第1出現予告演出は、ボタン演出の種別が第1ボタン演出および第2ボタン演出のいずれであっても実行可能である。
第2出現予告演出は、図195(B)に示すように、複数の演出ボタンP15を半透明で表現したエフェクト画像(特殊エフェクト画像)を1箇所に集合させる特殊エフェクト演出である。この特殊エフェクト画像が1箇所に集合して合成されることで1つの完全なボタン画像(非透明のボタン画像)が形成されると成功演出となる。一方、この特殊エフェクト画像が1箇所に集合しても、ボタン画像が形成されず、当該エフェクト画像が消失すると失敗演出となる。この第2出現予告演出は、ボタン演出の種別が第1ボタン演出である場合には実行されず、ボタン演出の種別が第2ボタン演出である場合には実行可能である。ここで、第1出現予告演出が実行されるよりも、第2出現予告演出が実行されるほうが大当り期待度は高い。なお、第2ボタン演出である場合において、ボタン演出Fが実行される場合よりも、ボタン演出Gが実行される場合のほうが、第2出現予告演出が実行されやすくなるよう構成してもよい。また、変形例として、第1出現予告演出及び第2出現予告演出よりも大当り期待度が高く演出態様も異なる第3出現予告演出を有し、第1ボタン演出であるボタン演出Eでは第1出現予告演出及び第2出現予告演出のいずれかを実行し(第3出現予告演出を実行せず)且つ第2出現予告演出の実行確率が相対的に低く、第2ボタン演出であるボタン演出Fでは第1出現予告演出及び第2出現予告演出のいずれかを実行し(第3出現予告演出を実行せず)且つ第2出現予告演出の実行確率が相対的に高く、第2ボタン演出であるボタン演出Gでは第3出現予告演出を実行する(第1出現予告演出及び第2出現予告演出を実行しない)よう構成してもよい。
ここで、本実施形態においては、演出ボタンP15の操作有効期間が相対的に短時間である第1時間に設定されているボタン演出(「ボタン演出1」と呼称する)と、演出ボタンP15の操作有効期間が相対的に長時間である第2時間に設定されているボタン演出(「ボタン演出2」と呼称する)とを備えていてもよい。なお、このボタン演出1とボタン演出2とは、演出ボタンP15の操作有効期間に表示されるボタン画像が同一であるものとする。このとき、ボタン演出1が実行される際には、操作有効期間が第1有効期間且つ第1時間に設定される場合と、操作有効期間が第2有効期間且つ第1時間に設定される場合とがある。また、ボタン演出2が実行される際には、操作有効期間が第1有効期間且つ第2時間に設定される場合と、操作有効期間が第2有効期間且つ第2時間に設定される場合とがある。なお、変形例として、演出ボタンP15の操作有効期間の残余時間を示すインジケータ画像の減少速度(残余時間の長さを表す画像が徐々に減少または消失する速度)に着目して、上記ボタン演出1はインジケータ画像の減少速度が相対的に速く設定されたボタン演出とし、上記ボタン演出2はインジケータ画像の減少速度が相対的に遅く設定されたボタン演出として構成してもよい。なお、その場合にはいずれのボタン演出1,2についても単発操作演出として構成することが好ましい。なお、単発操作演出だけでなく連打操作演出としても実行される場合、単発操作演出に係るボタン演出よりも、連打操作演出に係るボタン演出のほうが、インジケータ画像の減少速度が相対的に遅く設定されることが好適である。
本実施形態においては、演出ボタンP15の操作有効期間の時間値として第1時間と第2時間とを設けた場合、当落分岐期間については、その操作有効期間として第1時間が設定される確率よりも、操作有効期間として第2時間が設定される確率の方が相対的に高く設定されている(特に、リーチ前予告期間の操作有効期間、リーチ後予告期間の操作有効期間と比して)。
また、演出ボタンP15の操作有効期間の時間値として第1時間と第2時間とを設けた場合、当該変動表示において大当りに当選している場合には、操作有効期間の時間値が第1時間であるボタン演出1が実行される確率よりも、操作有効期間の時間値が第2時間であるボタン演出2が実行される確率の方が高くなるように構成されている(当該変動表示において大当りに当選していない場合と比して)。
また、演出ボタンの操作有効期間の時間値として第1時間と第2時間とを設けた場合、当該変動表示中において操作有効期間の時間値が第2時間であるボタン演出2が実行された場合に、このボタン演出2の実行後に更なるボタン演出が実行される確率は相対的に低いが、当該変動表示中において操作有効期間の時間値が第1時間であるボタン演出1が実行された場合に、このボタン演出2の実行後に更なるボタン演出が実行される確率は相対的に高くなるように構成されている。変形例としては、演出ボタンの操作有効期間の時間値として第1時間と第2時間とを設けた場合、当該変動表示中において操作有効期間の時間値が第1時間であるボタン演出1が実行された場合に、このボタン演出1の実行後に更なるボタン演出が実行される確率は相対的に低いが、当該変動表示中において操作有効期間の時間値が第2時間であるボタン演出2が実行された場合に、このボタン演出2の実行後に更なるボタン演出が実行される確率は相対的に高くなるように構成されてもよい。
(当落分岐時のボタン演出に付随する報知演出) 次に、当落分岐時のボタン演出に付随して行われる報知演出について説明する。図196は、大当りの変動表示の当落分岐時においてボタン演出が実行される場合のタイムチャートである。
まず、時点t91では、当該変動表示として大当りの変動表示が開始される。時点t92では、当該変動表示の実行中において、SPリーチに発展する。時点t93では、SPリーチ終盤の当落分岐時においてボタン演出が発生し、このボタン演出の操作有効期間として第2有効期間が設定される。すなわち、この時点t93において実行されるボタン演出は、操作有効期間が第2有効期間且つ当落分岐期間として実行されるボタン演出(第2ボタン演出)である。
続いて、時点t94において、操作有効期間内に演出ボタンP15が操作されることを契機に、操作有効期間が終了して、大当り当選を示唆する操作契機演出(決め成功演出)が開始される。この操作契機演出では、画面上に決め成功画像(例えば虹色のエフェクト画像)が表示されるとともに、この画面の前方に第1可動役物P651が落下する役物演出が行われる。また、この時点t94では、操作契機演出の開始と同時に、当該大当りを報知する報知演出として、スピーカP11から大当り確定音(一発告知音)が出力される第1報知演出と、演出ランプLPが特定発光パターン(虹色発光パターン)で点灯する第2報知演出と、演出ボタンP15の報知態様が第4態様(虹色点灯且つ振動)に設定される第3報知演出とが開始される。
続いて、時点t95において、操作契機演出が開始されてから所定の時間が経過すると、大当り確定音の出力が停止することで、第1報知演出が終了する。また、時点t96において、第1可動役物P651が初期位置に復帰することで、操作契機演出が終了する。また、この時点t96では、装飾図柄が大当りを示す組合せ(大当り目)で仮停止表示される。時点t97では、装飾図柄の仮停止表示中において、演出ボタンP15の報知態様が第4報知態様(虹色点灯且つ振動)から第1報知態様(白色点灯且つ非振動)に切り替わることで、第3報知演出が終了する。また、時点t98において、演出ランプLPの点灯が停止することで、第2報知演出が終了する。そして、時点t99において、当該変動表示が終了して、装飾図柄が大当りを示す組合せ(大当り目)で確定停止表示される。このように、本実施形態では、第1報知演出(音声報知)と第2報知演出(点灯報知)と第3報知演出(振動報知)とを段階的に終了させることで、当該操作契機演出(当落分岐演出)が遊技者にとって有利な結果(大当り)となることに対する余韻を十分に体感させることができる。なお、第2報知演出については、変動中に終了せず、変動終了後(大当り遊技開始後)も継続して実行するよう構成してもよい。
なお、上記実施形態では、大当りの変動表示中の時点t97において、演出ボタンP15の報知態様が第4報知態様(虹色点灯且つ振動)から第1報知態様(白色点灯且つ非振動)に復帰しているが、この演出ボタンP15の報知態様が第4報知態様(虹色点灯且つ振動)から第1報知態様(白色点灯且つ非振動)に復帰した後に、所定の昇格演出が実行されることを契機として、このボタン演出の報知態様が再度第4報知態様(虹色点灯且つ振動)に変化するように構成してもよい。この所定の昇格演出では、所定の大当り種別を示す装飾図柄の組合せ(例えば「2・2・2」や「4・4・4」などの通常大当りを示す組合せ)を仮停止表示した後に、再変動表示を行うことにより、この所定の大当り種別よりも有利な特定の大当り種別を示す装飾図柄の組合せ(例えば「3・3・3」や「7・7・7」などの特定大当りを示す組合せ)が確定停止表示するか否かを煽る再抽選演出が行われる。その再変動表示後に特定の大当り種別を示す装飾図柄の組合せが確定停止表示された場合には昇格成功演出となり、その再変動表示後に特定の大当り種別を示す装飾図柄の組合せが確定停止表示せず、再度所定の大当り種別を示す装飾図柄の組合せが確定停止表示された場合には昇格失敗演出となる。この昇格演出(再抽選演出)が昇格成功演出となる場合には、該昇格成功演出が実行されることを契機に演出ボタンP15の報知態様が
第1報知態様(白色点灯且つ非振動)から第4報知態様(虹色点灯且つ振動)に再度変化する。一方、この昇格演出(再抽選演出)が昇格失敗演出となる場合には、該昇格失敗演出が実行されたとしても、演出ボタンP15の報知態様が第4報知態様(虹色点灯且つ振動)に再度変化することなく第1報知態様(白色点灯且つ非振動)を継続する。ここで、昇格成功演出が実行されることを契機に、演出ボタンP15の報知態様が第4報知態様(虹色点灯且つ振動)に再度変化した場合には、第2報知演出が終了するタイミングよりも前(演出ランプLPが消灯する前)のタイミングで、演出ボタンP15の報知態様が第1報知態様(白色点灯且つ非振動)に復帰することが好ましい。ここで、上述の「第2報知演出が終了するタイミングよりも前(演出ランプLPが消灯する前)のタイミングで、演出ボタンP15の報知態様が第1報知態様(白色点灯且つ非振動)に復帰する」とは、(1)最初に演出ボタンP15の報知態様が第4報知態様となった際(時点t94)に、第1報知演出と第2報知演出とが同時に開始され、その後にこれらの第1~第3報知演出が全て終了(第2報知演出が最後に終了)した後、昇格成功演出によって演出ボタンP15の報知態様が再度第4態様に変化した際に、第1報知演出と第2報知演出とが同時に開始され、その後に第2報知演出が終了するタイミングよりも前のタイミングで、演出ボタンP15の報知態様が第1報知態様に復帰する場合と、(2)最初に演出ボタンP15の報知態様が第4報知態様となった際(時点t94)に、第1報知演出と第2報知演出とが同時に開始され、その後に第1報知演出と第3報知演出とが終了(第2報知演出は終了しない)した後、その第2報知演出が継続している状態で実行された昇格成功演出によって演出ボタンP15の報知態様が再度第4態様に変化した際に、第1報知演出が同時に開始され(ここでも第2報知演出が継続している)、その後に第2報知演出が終了するタイミングよりも前のタイミングで、演出ボタンP15の報知態様が第1報知態様に復帰する場合のいずれかである。
以上、第7実施形態(変形例を含む)において達成される主要な効果を整理すれば、下記のようになる。
まず、第7実施形態によれば、装飾図柄(第1画像)とこの装飾図柄の背後に表示される背景画像(第2画像)とを、変動待機中と変動表示中とで互いに異なる動作を実行させることで、変動待機中の状態と変動表示中の状態とを遊技者に誤認混同させることを防止しつつ、遊技者に飽きを覚えさせることのない遊技演出を実現することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第7実施形態によれば、待機中動作演出の開始時から所定時間を経過したときに、当該待機中動作演出における装飾図柄の表示態様を第1表示態様から第2表示態様に変化させることで、変動待機期間中の制御処理の負担を軽減させつつ、変動待機期間中においても遊技者の興味を遊技機に惹き付けることができ、ひいては、遊技機の稼働率の向上を図ることができる。
また、第7実施形態によれば、待機中動作演出の実行中に始動入賞(特図入賞)が発生した場合には、現在滞在中の遊技状態(低ベース状態、高ベース状態)や入賞した始動口の種類に関わらず、その始動入賞を契機として所定演出(待機中入賞演出)を実行する一方で、変動中動作演出の実行中に始動入賞(特図入賞)が発生した場合には、現在滞在中の遊技状態(低ベース状態、高ベース状態)や入賞した始動口の種類に応じて、その始動入賞を契機として実行され得る特定演出(同色図柄停止先読み演出)の実行可否を異ならしめることで、始動入賞を契機として行われる演出に対する遊技者の関心や注目度を一層高めることができるとともに、所定演出および特定演出の単調性を解消することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第7実施形態によれば、待機中動作演出における装飾図柄(第1図柄)と背景図柄(第2図柄)との表示態様を、その直前の確定停止期間における装飾図柄(第1図柄)と背景図柄(第2図柄)との表示態様を継続する態様で実行することにより、この待機中動作演出の実行に際して、遊技者が違和感を持つことが低減されるとともに、装飾図柄が変動表示中であると誤認させることを防止でき(変動待機状態であることを明確に報知でき)、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第7実施形態によれば、変動中動作演出の実行中において画像変形演出を重複して実行することで、装飾図柄の変動動作(変動表示)と、背景画像の第2動作と、変形対象画像の変形動作とを組み合わせた斬新且つ特異な遊技演出を実現することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第7実施形態によれば、低ベース状態において表示されるステージ背景画像の動的表示速度(ループ表示の速度)を相対的に遅く、且つ、低ベース状態において出力されるステージBGMのテンポを相対的に遅くする一方で、高ベース状態において表示されるステージ背景画像の動的表示速度(ループ表示の速度)を相対的に速く、且つ、高ベース状態において出力されるステージBGMのテンポを相対的に速くすることで、各遊技状態におけるステージ背景画像とステージBGMとの調和や一体感を創出することができるため、モード演出(ステージ演出)における演出効果を一層高めることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第7実施形態によれば、変動表示中にボタン演出が実行されるに際して、演出ボタンP15の操作有効期間の種別(第1有効期間、第2有効期間)と、演出ボタンP15の操作を契機として行われる操作契機演出の種別とに応じて、その操作有効期間の終了後における演出ボタンP15の報知態様を異ならしめることで、その演出ボタンP15の報知態様によって現在の遊技状況を遊技者に正しく報知することができるとともに(遊技者が誤った認識のもとで遊技を進めてしまう事態を防止することができるとともに)、遊技者参加型のボタン演出の多様化を図ることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第7実施形態によれば、1回の変動表示においてボタン演出を複数回実行する場合でも、当該ボタン演出の実行タイミング(リーチ前、リーチ後、当落分岐)に応じて操作有効期間の種別(第1有効期間、第2有効期間)、特図保留数に応じたボタン演出の出現率、ボタン画像の種別、ボタン画像の出現予告パターンなどを相互に異ならしめることで、遊技者参加型のボタン演出の多様化を図ることができるとともに、遊技者に飽きを覚えさせることのないボタン演出を実現することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第7実施形態によれば、ボタン演出の操作契機演出(当落分岐演出)と同期して行われる各種の報知演出に関して、第1報知演出(音声報知)と第2報知演出(点灯報知)と第3報知演出(振動報知)とを段階的に終了させることで、当該操作契機演出(当落分岐演出)が遊技者にとって有利な結果(大当り)となることに対する余韻を十分に体感させることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
[第8実施形態] 次に、第8実施形態に係るぱちんこ遊技機について説明する。第8実施形態のぱちんこ遊技機は、基本的には、上述の第2実施形態~第7実施形態のうちの1又は2以上の組合せに係るぱちんこ遊技機と同様の構成(構成要素のうちの一部を削除又は周知・慣用技術等で転換したものを含む)を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。つまり、以下の説明においては、特段の場合を除き、上述の第2実施形態~第7実施形態と共通の構成を適用することが可能である。
以下、第8実施形態に係るぱちんこ遊技機の基本構成を順番に説明する。なお、第8実施形態に係るぱちんこ遊技機は、所定の条件を充足した場合に遊技を停止且つ報知する抑制機能を搭載した遊技機である。なお、所定の条件とは、後述の抑制機能作動条件に対応する。
<盤面構成> まず、第8実施形態のぱちんこ遊技機の盤面構成について簡単に説明する。この第8実施形態では、前述の第6実施形態(図133を参照)等と同様に、左側領域PA1を流下する遊技球は、主として、センター飾りP21の下方に配置された第1始動口P51、一般入賞口P61~P63のいずれかに入球可能である。一方、右側領域PA2を流下する遊技球は、主として、センター飾りP21の右方に配置された作動ゲートP53、第2始動口P52、大入賞口P54のいずれかに入球可能である。一方、遊技領域PAの下端には各入賞口に入球せずに流下した遊技球を遊技盤P20の裏側へ排出するアウト口P29が設けられている。本実施例では、前述の第5実施形態と同様に、遊技領域PAに打ち出されて遊技に供された遊技球の個数、つまり、遊技領域PAの各入賞口またはアウト口P29に入球して遊技盤P20の裏面側に排出された遊技球(遊技済み球)の個数が後述の遊技済み球検出スイッチP891にて計数されるようになっている。なお、各種の入賞口を備えた遊技領域PAのうち、遊技球を左側領域PA1に流下させるように遊技球を発射する打ち方を「左打ち」と呼称し、遊技球を右側領域PA2に流下させるように遊技球を発射する打ち方を「右打ち」と呼称する。
<遊技機の電気構成> 次に、第8実施形態の遊技機における電気的な構成を説明する。この第8実施形態において、主制御基板P100には、前述の第5実施形態(図116を参照)と同様に、設定キースイッチP810、RAMクリアスイッチP820、性能表示モニタP830等が搭載されている。また、主制御基板P100には、前述の第5実施形態(図116を参照)と同様に、遊技領域PAから排出された遊技球を検出する遊技済み球検出スイッチP891、外枠1に対して前枠P2が開放されているか否かを検出する枠開放スイッチP892などが電気的に接続されている。これら遊技済み球検出スイッチP891および枠開放スイッチP892は、I/Oポート回路P104を介して、各々の検出信号をメインCPUP101に出力する。また、この第8実施形態においても、主制御表示装置P27(図106を参照)には、第1特別図柄表装置71、第2特別図柄表示装置P72、第1特別図柄保留ランプP73、第2特別図柄保留ランプP74、普通図柄表示装置P75、普通図柄保留ランプP76、ラウンド表示灯P77、状態表示灯P78、右打ち指示灯P79、エラー表示灯Erなどの各種表示手段が設けられている。また、この第8実施形態においても、副制御表示装置P28(図134を参照)には、第1変動状態補助表示部P801、第2変動状態補助表示部P802、第1保留数補助表示部P803、第2保留数補助表示部P804などの各種表示手段が設けられている。この副制御表示装置P28は、前述したとおり、主制御表示装置P27が表示する各種の情報のうちの一部の情報を補助的に表示するものである。なお、その他の構成については、基本的には第2実施形態と同様であるため、説明を省略する。
<遊技機の主要な機能構成> 次に、第8実施形態の遊技機(主として主制御基板P100/演出制御基板P200)の各種機能について説明する。図197は第8実施形態の遊技機(主として主制御基板P100/演出制御基板P200)の機能ブロック図である。第8実施形態の主制御基板P100には、第5実施形態等と異なる点として、抑制機能制御手段P177が備えられている。抑制機能制御手段P177は、所定の条件を充足した場合に抑制機能を作動させる制御を実行する。なお、第8実施形態の主制御基板P100は、前述の第5実施形態と同様に、電源投入時移行モード制御手段P175を備えている。この電源投入時移行モード制御手段P175は
、前述したように、遊技機の電源投入時に行われる選択操作に応じて移行する4つのモード(後述の設定変更モード、設定確認モード、RAMクリアモード、遊技モード)を制御するものである。この電源投入時の移行モード(設定変更モード、設定確認モード、RAMクリアモード、遊技モード)の内容については、第5実施形態で詳述しているため、ここでは説明を省略する(詳しくは第5実施形態を参照されたい)。
<遊技仕様> 次に、第8実施形態の遊技機の基本的な遊技仕様について説明する。図198は、第8実施形態の遊技機の基本的な遊技仕様を示す図である。なお、第8実施形態の遊技仕様(図198)は、基本的には前述の第5実施形態の遊技仕様(図121)とほぼ同様であり、以下では第5実施形態の遊技仕様と異なる点(大当り種別)を説明する。
この第8実施形態の大当り種別(大当り内訳)について説明する。第8実施形態では、特別図柄の当否判定の結果が「大当り」となる場合、図199に示す特別図柄大当り図柄テーブルを参照して、大当り種別(大当り図柄、図柄群)を決定する。なお、前述したとおり、「特定大当り」とは大当り遊技の終了後に特別図柄の確率変動機能を作動させる契機となる大当り(確変大当り)を意味し、「通常大当り」とは大当り遊技の終了後に特別図柄の確率変動機能を作動させる契機とはならない大当り(非確変大当り)を意味する。詳細は後述するが、特定大当りに当選した場合は、大当り遊技の終了後から特別図柄の確率変動機能が作動し、該大当り遊技の終了後から起算して特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達するまで、又は、この規定ST回数(100回)以内に次の大当りが発生するまで継続する。また、「特定大当り」および「通常大当り」のいずれに当選した場合でも、大当り遊技の終了後から特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が作動して、大当り遊技の終了後から起算して特別図柄の変動表示回数が所定回数(100回)に到達するまで継続する。なお、本実施例では、特別図柄の変動時間短縮機能と電チューサポート機能は、同時に作動を開始して、同時に作動を終了するため、「変動時間短縮回数」と「電サポ回数」とは同一回数となる(そのため、図199では「変動時間短縮回数」と「電サポ作動回数」とを同一の欄に記載している)。
図199(A)は、第1特別図柄大当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第1特別図柄大当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群(停止図柄)、大当り種別、確率変動回数、変動時間短縮回数(電サポ回数)、大当り遊技の規定ラウンド数、各ラウンドの大入賞口P54の開放時間がそれぞれ対応付けられている。この第1特別図柄大当り図柄テーブルには、2種類の大当り種別(図柄群)として、5R特定大当り(図柄群A)と、5R通常大当り(図柄群B)とが設定されている。
第1特別図柄の「5R特定大当り(図柄群A)」に当選した場合、大当り遊技の規定ラウンド数は「5ラウンド」で、1回のラウンド遊技における大入賞口P54の最大開放時間は、大入賞口P54への遊技球の入球数が規定数(規定カウント数:10個)に達する可能性が十分に見込める長開放時間の「29秒」に設定されている。また、第1特別図柄の「5R特定大当り(図柄群A)」に当選した場合、大当り当選時の遊技状態に関わらず、確率変動回数「100回」、変動時間短縮回数「100回」、電サポ回数「100回」が設定され、大当り遊技の終了後の遊技状態として確変遊技状態が設定される。この確変遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達するまで、又は、この規定ST回数(100回)以内に次の大当りが発生するまで継続する。特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達することで確変遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行する。
第1特別図柄の「5R通常大当り(図柄群B)」に当選した場合、大当り遊技の規定ラウンド数は「5ラウンド」で、1回のラウンド遊技における大入賞口P54の最大開放時間は、大入賞口P54への遊技球の入球数が規定数(規定カウント数:10個)に達する可能性が十分に見込める長開放時間の「29秒」に設定されている。また、第1特別図柄の「5R通常大当り(図柄群B)」に当選した場合、大当り当選時の遊技状態に関わらず、確率変動回数「0回」、変動時間短縮回数「100回」、電サポ回数「100回」が設定され、大当り遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態が設定される。この時短遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が所定回数(100回)に到達するまで、又は、この所定回数(100回)以内に次の大当りが発生するまで継続する。特別図柄の変動表示回数が所定回数(100回)に到達することで時短遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行する。
図199(B)は、第2特別図柄大当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第2特別図柄大当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群(停止図柄)、大当り種別、確率変動回数、変動時間短縮回数(電サポ回数)、大当り遊技の規定ラウンド数、各ラウンドの大入賞口P54の開放時間がそれぞれ対応付けられている。この第2特別図柄大当り図柄テーブルには、2種類の大当り種別(図柄群)として、10R特定大当り(図柄群C)と、5R通常大当り(図柄群D)とが設定されている。
第2特別図柄の「10R特定大当り(図柄群C)」に当選した場合、大当り遊技の規定ラウンド数は「10ラウンド」で、1回のラウンド遊技における大入賞口P54の最大開放時間は、大入賞口P54への遊技球の入球数が規定数(規定カウント数:10個)に達する可能性が十分に見込める長開放時間の「29秒」に設定されている。また、第2特別図柄の「10R特定大当り(図柄群C)」に当選した場合、大当り当選時の遊技状態に関わらず、確率変動回数「100回」、変動時間短縮回数「100回」、電サポ回数「100回」が設定され、大当り遊技の終了後の遊技状態として確変遊技状態が設定される。この確変遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達するまで、又は、この規定ST回数(100回)以内に次の大当りが発生するまで継続する。特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達することで確変遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行する。
第2特別図柄の「5R通常大当り(図柄群D)」に当選した場合、大当り遊技の規定ラウンド数は「5ラウンド」で、1回のラウンド遊技における大入賞口P54の最大開放時間は、大入賞口P54への遊技球の入球数が規定数(規定カウント数:10個)に達する可能性が十分に見込める長開放時間の「29秒」に設定されている。また、第2特別図柄の「5R通常大当り(図柄群D)」に当選した場合、大当り当選時の遊技状態に関わらず、確率変動回数「0回」、変動時間短縮回数「100回」、電サポ回数「100回」が設定され、大当り遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態が設定される。この時短遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が所定回数(100回)に到達するまで、又は、この所定回数(100回)以内に次の大当りが発生するまで継続する。特別図柄の変動表示回数が所定回数(100回)に到達することで時短遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行する。
なお、各大当り種別の賞球獲得期待値は、以下のとおりである。「賞球獲得期待値」とは、1回の大当り遊技において遊技者が獲得を期待できる賞球数(理論賞球数)である。第1特別図柄の「5R特定大当り(図柄群A)」に係る賞球獲得期待値は、750個(5ラウンド×10カウント×15個賞球=750個)に設定されている。また、第1特別図柄の「5R通常大当り(図柄群B)」に係る賞球獲得期待値は、750個(5ラウンド×10カウント×15個賞球=750個)に設定されている。また、第2特別図柄の「10R特定大当り(図柄群C)」に係る賞球獲得期待値は、1500個(10ラウンド×10カウント×15個賞球=1500個)に設定されている。また、第2特別図柄の「5R通常大当り(図柄群D)」に賞球獲得期待値は、750個(5ラウンド×10カウント×15個賞球=750個)に設定されている。
<抑制機能> 次に、遊技機の抑制機能について説明する。抑制機能とは、詳細は後述するが、所定の計数値「MY」が予め定められた規定値に達した場合に、遊技を停止且つ報知する機能をいう。
本実施形態において、抑制機能に関するデータは、主制御基板P100に設けられたRAMP103の抑制機能情報報記憶領域P103Dに格納されている。
ここで、図200(A)は主制御基板P100のRAMP103の記憶領域を模式的に示す図である。RAMP103には、遊技制御情報記憶領域P103A、設定値情報記憶領域P103B、性能情報記憶領域P103C、抑制機能情報記憶領域P103Dなどが設けられている。遊技情報記憶領域P103Aには、遊技の進行を制御するための情報(特別図柄および普通図柄の変動表示に関する情報、大当り遊技に関する情報、遊技状態に関する情報、賞球の払い出しに関する情報など)が記憶されている。設定値情報記憶領域P103Bには、特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる当選確率(大当り確率)を特定するための設定値の情報が記憶されている。性能情報記憶領域P103Cには、遊技の性能情報(ベース値)を特定するための情報が記憶されている。なお、この性能情報記憶領域P103Cには、遊技規則で定める試験を行うための処理に用いられる情報が記憶されていてもよい。抑制機能情報記憶領域P103Dには、抑制機能を制御するための情報が記憶されている。
図200(B)はRAMP103の抑制機能情報記憶領域P103Dを模式的に示す図である。抑制機能情報記憶領域P103Dには、MYカウンタP1038、抑制機能作動フラグP1039などが設けられている。
MYカウンタP1038は、MYを計数するためのカウンタである。「MY」は、下記の式(A)に示すように、セーフ数とアウト数との差球数に基づく計数値であり、遊技者に付与される遊技価値数(遊技者の持ち球または遊技機の出玉)を示す指標である。 MY=セーフ数(賞球予定数)-アウト数(遊技済み球数)・・・(A)
抑制機能作動フラグP1039は、MYカウンタP1038のカウント値が所定の閾値(後述の規定値=「95000」)に達したこと、すなわち、後述の抑制機能作動条件を充足したこと示すフラグである。抑制機能作動フラグP1039は、抑制機能作動条件を充足したときにONとなる。また、抑制機能作動フラグP1039は、RAMクリア(RAMクリアスイッチP820の操作)を伴う電源投入が行われたときにOFFとなる。
ここで、図201は、MYカウンタP1038の加算数および減算数を説明するための図である。本実施形態では、遊技球が各入賞口又はアウト口P29に入球した場合にMYカウンタP1038の更新(加減算)が行われる。
本実施形態では、MYカウンタP1038のカウント値にセーフ数を加算する。「セーフ数」とは、各入賞口への遊技球の入球に基づき、払出装置(賞球払出ユニットP34)から賞球として払い出されることが予定される遊技球(セーフ球)の個数、つまり賞球予定数を意味する。つまり、本実施形態のセーフ数は、払出装置から実際に払い出された実賞球数ではなく、メインCPUP101が払出装置に払い出しを行わせることを決定した賞球予定数である。MYカウンタP1038は、第1始動口P51に遊技球が1個入球した場合(第1始動口スイッチP511が遊技球の入球を検出した場合)、第1始動口P51に遊技球が1個入球したときに払い出される
予定のセーフ数(賞球予定数)として「4」を加算する。また、MYカウンタP1038は、第2始動口P52に遊技球が1個入球した場合(第2始動口スイッチP521が遊技球の入球を検出した場合)、第2始動口P52に遊技球が入球したときに払い出される予定のセーフ数(賞球予定数)として「1」を加算する。また、MYカウンタP1038は、一般入賞口P61~P64に遊技球が1個入球した場合(一般入賞口スイッチP611,641が遊技球の入球を検出した場合)、一般入賞口P61~P64に遊技球が入球したときに払い出される予定のセーフ数(賞球予定数)として「3」を加算する。また、MYカウンタP1038は、大入賞口P54に遊技球が1個入球した場合(大入賞口スイッチP541が遊技球の入球を検出した場合)、大入賞口P54に遊技球が入球したときに払い出される予定のセーフ数(賞球予定数)として「15」を加算する。
また、本実施形態では、MYカウンタP1038のカウント値からアウト数を減算する。「アウト数」とは、遊技領域PAに打ち出されて遊技に使用された遊技球(アウト球)の個数、つまり、遊技領域PAの各入賞口(第1始動口P51、第2始動口P52、一般入賞口P61~P64、大入賞口P54)またはアウト口P29に入球して遊技盤P20の裏面側に排出された遊技球(アウト球)の個数である。なお、アウト球は、前述の遊技済み球検出スイッチP891により検出される。MYカウンタP1038は、遊技済み球検出スイッチP891がアウト球を1個する毎に、アウト数として「1」を減算する。但し、MYカウンタP1038が「0」である場合には、遊技済み球検出スイッチP891においてアウト球(遊技済み球)が検出されたとしても、MYカウンタP1038は減算されない。つまり、MYカウンタP1038のカウント値は「0」未満の数値(マイナスの数値)にはならず、MYカウンタP1038のカウント値が「0」である状況においてアウト球(遊技済み球)が発生したとしても、そのアウト数に応じた数値は減算されず、MYカウンタP1038のカウント値は「0」を維持する。
なお、メインCPUP101は、MYカウンタP1038を更新する毎に、MYカウンタP1038のカウント値を特定するための演出制御コマンド(「差球数信号」と呼称する)を生成して、これを演出制御基板P200に出力する。演出制御基板P200は、この差球数信号に基づき、後述の抑制機能関連演出(事前報知演出、抑制報知演出)を実行する。
続いて、MYカウンタP1038の更新方法の具体例について説明する。図202(A)はMYカウンタP1038のカウント値を概念的に示す図である。横軸は時間軸を示し、縦軸はMYカウンタP1038のカウント値を示している。図202(B)は差球数の実累積値を概念的に示す図である。横軸は時間軸を示し、縦軸は差球数の実累積値を示している。ここで、「MYカウンタP1038のカウント値」は、セーフ数とアウト数との差球数が「0」以下のときはアウト数を減算しない場合の差球数の累積値(加工値)を示すものであるが、「差球数の実累積値」は、セーフ数とアウト数との差球数が「0」以下のときでもアウト数を減算する場合の差球数の累積値(実数値)を示すものである。なお、図中(A)と(B)は同一の事象を示すものであり、各時点t101~t107は相互に対応している。また、時点t101~t107までの間には、電源断および電源復帰は発生しないものとする。
まず、時点t101の遊技開始時において、MYカウンタP1038のカウント値は「0」であるとする。時点t101~t102までの間、アウト数がセーフ数を上回ることで、差球数の実累積値は減少傾向(右下がり)となる。なお、MYカウンタP1038のカウント値が「0」である場合は、アウト数が計数されても(遊技球が発射されても)、MYカウンタP1038のカウント値は減算されない(MYカウンタP1038のカウント値はマイナス値にはならない)。
時点t102において、例えば1回目の大当りが発生することで、大当り遊技が開始される。それにより、時点t102~t103までの間、セーフ数がアウト数を上回ることで、差球数の実累積値は増加傾向(右上がり)に転じる。そのため、MYカウンタP1038のカウント値は、時点t102を基準(底値=0)として、時点t102~t103までの間、セーフ数とアウト数との差球数の分だけ増加を続ける。そして、時点t103において、1回目の大当り遊技が終了する。この時点103において、MYカウンタP1038のカウント値は「700」であるとする。
続いて、時点t103~t105までの間、次の大当りが発生することなく、アウト数がセーフ数を下回ることで、差球数の実累積値は再び減少傾向(右下がり)となる。ここで、時点t103~t104までは、MYカウンタP1038のカウント値は「1」以上であるためセーフ数とアウト数との差球数の分だけ減少を続ける。つまり、時点t103~t104までの間は、先の時点t101~t102までの間とは異なり、MYカウンタP1038のカウント値が減算処理される。なお、時点t104では、この時点t104における差球数の実累積値が、時点t102における差球数の実累積値と同一の値まで低下することで、再度、MYカウンタP1038のカウント値が「0」となる。それにより、時点t104~時点t105までの間、アウト数が計数されても(遊技球が発射されても)、MYカウンタP1038のカウント値は減算されない(MYカウンタP1038のカウント値はマイナス値にはならない)。
続いて、時点t105において、例えば2回目の大当りが発生して、大当り遊技が開始される。それにより、時点t105~t106までの間、セーフ数がアウト数を上回ることで、差球数の実累積値が再び増加傾向(右上がり)に転じる。そのため、MYカウンタP1038のカウント値は、時点t105を基準(底値=0)として、時点t105~t106までの間、セーフ数とアウト数との差球数の分だけ増加を続ける。そして、時点t106において、2回目の大当り遊技が終了する。この時点106において、MYカウンタP1038のカウント値は「1400」であるとする。その後、複数回の大当り遊技を経て、差球数の累積値は減少および増加を繰り返しつつも、全体としては増加傾向を続ける。そして、時点t107において、MYカウンタP1038のカウント値が後述の規定値「95000」に到達することを契機に抑制機能が作動する。なお、時点t107が大当り遊技の実行中である場合、すなわち、大当り遊技の実行中にMYカウンタP1038のカウント値が後述の規定値「95000」に達した場合には、当該大当り遊技の終了後に抑制機能が作動することになる。
≪抑制機能の作動≫ 本実施形態では、MYカウンタP1038のカウント値が予め定められた所定の閾値(「規定値」と呼称する)に到達することを契機に抑制機能が作動する。すなわち、抑制機能の作動条件(「抑制機能作動条件」と呼称する)は、MYカウンタP1038のカウント値が規定値に到達することである。本実施形態では、規定値として「95000」が設定されており、MYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に到達することを契機に抑制機能作動条件が成立する。なお、前述したように、抑制機能作動条件を充足した場合には、RAMP103(抑制機能情報記憶領域P103D)に設けられた抑制機能作動フラグP1039がONとなる。また、MYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に到達して抑制機能作動条件を充足した場合には、抑制機能が解除されるまでの間に(抑制機能作動フラグP1039がOFFとなるまでの間に)、セーフ球およびアウト球が発生したとしても、MYカウンタP1038のカウント値は更新(加減算)されず、MYカウンタP1038のカウント値は規定値「95000」を維持する。つまり、MYカウンタP1038としての上限値は「95000」であり、MYが「95000」を超過したとしてもMYカウンタP1038の値は「95000」から更新されることはない。補足するならば、MYが「95000」に到達または超過した後にMYが「95000」を下回ったとしても、MYカウンタP1038の値は「95000」から更新されることはない。換言すれば、MYが「95000」に到達する前であれば、MYの更新に連動してMYカウンタP1038が更新することになる。なお、変形例としては、MYが「95000」を超過した場合でも、MYカウンタP1038の値も連動して更新される、つまり「95000」を超過して更新されても良く、MYが「95000」に到達または超過した後にMYが「95000」を下回った場合でも、MYカウンタP1038の値も連動して更新される、つまり「95000」を下回って更新されても良い。そのように構成した場合でも、MYカウンタP1038が「95000」に到達することを契機に抑制機能作動フラグP1039がONとなるため、抑制機能は確実に作動可能となる。別の変形例としては、MYが「95000」を超過した場合、MYカウンタP1038の値を「95000」とした後で「0」へと切り替える(初期化(クリア)する)、且つ、MYカウンタP1038を更新しない(「0」で固定する)よう構成しても良い。そのように構成した場合でも、MYカウンタP1038が「95000」に到達することを契機に抑制機能作動フラグP1039がONとなるため、抑制機能は確実に作動可能となる。
本実施形態では、抑制機能が作動した場合、遊技停止状態に移行して、遊技の進行が停止される。このとき、メインCPUP101は、抑制機能が作動したときの遊技停止処理として、タイマ割込み処理(図79参照)の禁止設定を行い、タイマ割込み処理にて実行される各制御処理S51~S77の実行を停止する。一例として、抑制機能が作動した場合、特別図柄の当否判定、図柄判定、変動パターン判定などが実行されず、高ベース状態や特別遊技なども実行されなくなる。また、抑制機能が作動した場合には、発射装置の作動が規制され、発射ハンドルP12の操作の如何を問わず、遊技球の発射が停止される。但し、抑制機能が作動した場合であっても、払い出すべき遊技球(抑制機能が作動する前の入賞に基づく賞球)がある場合には、払出装置(払出制御基板P400および賞球払出ユニットP34など)の作動は許容され、当該遊技球の払い出しは遅滞なく実行される。すなわち、MYカウンタP1038の加算は、実際に払い出された実賞球数ではなく、これから払い出されることが予定される賞球予定数に基づき行われるため、当該賞球予定数に対応する賞球が全て払い出されていない状況下でも、当該賞球予定数の加算によりMYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に到達している場合には、(当然に抑制機能作動条件を充足しているので)抑制機能が作動するのであるが、その場合でも当該賞球予定数のうちの残りの部分(抑制機能の作動開始時に払い出されていない残りの賞球数)の払い出しは最後までしっかり行われるようになっている。そのため、本実施形態では、詳細は後述するが、抑制機能の作動中であっても、当該抑制機能の作動中の遊技球の払い出しを起因として、遊技機に賞球エラー(払出エラー)が発生する場合があり、そのときには賞球エラーに対応するエラー報知が実行されることになる。なお、本実施形態では、大当り遊技の実行中でなくても、MYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に到達する契機となった賞球(例えば、MYカウンタP1038のカウント値が「94999」である場合に一般入賞口P61~P64への遊技球の入球により「3個」の賞球数が払いされるとき)については、MYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」を超える分の賞球(上記の例では残りの1個の賞球)の払い出しについても最後までしっかり行われる
ようになっている(但し、当然ながらそれ以降の入賞に基づいて賞球は払い出されない)。
なお、上記実施形態では、抑制機能が作動した場合に、遊技停止状態および発射停止状態に移行するが、この構成に限定されるものではなく、抑制機能が作動した場合に、遊技停止状態には移行するが、発射停止状態には移行しないように構成してもよい。
また、本実施形態では、大当り遊技の非実行中にMYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に到達した場合(抑制機能作動条件を充足した場合)と、大当り遊技の実行中にMYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に到達した場合(抑制機能作動条件を充足した場合)とで、抑制機能の作動タイミングが相違する。
まず、大当り遊技の非実行中に抑制機能作動条件を充足した場合は、この抑制機能作動条件の充足と同時又は略同時に、抑制機能が作動する。つまり、大当り遊技の非実行中に抑制機能作動条件を充足した場合は、この抑制機能作動条件の充足時と抑制機能の作動時とが実質的に同一のタイミングとなる。本実施形態では、大当り遊技の非実行中の状況として、図柄の変動表示中に抑制機能作動条件を充足した場合には、当該変動表示がはずれの変動表示であるか大当りの変動表示であるかに関らず、抑制機能作動条件を充足した時点(MYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に到達した時点)で抑制機能が作動する。そのため、図柄の変動表示中に抑制機能作動条件を充足した場合は、当該変動表示が停止表示されることを待たずに(当該変動表示が停止表示される前であっても)、当該抑制機能作動条件を充足した時点で抑制機能が作動して、当該変動表示が中途段階で強制的に終了する。そのため、大当りの変動表示の実行中に抑制機能作動条件を充足した場合には、本来であれば当該変動表示の終了後に行われる予定の大当り遊技を享受できず、大当り遊技において得られる利益(賞球)を獲得することはできない。その理由としては、大当りの変動表示の途中で遊技を強制停止させたとしても、この時点で遊技者は遊技の結果(大当りに当選していること)を知り得ないため、当該変動表示の途中でいきなり遊技が停止したとしても、遊技者が不満感や不信感を抱くおそれが低いからである。なお、本実施形態では、高ベース状態において第2始動口P52(普通電動役物P522)がロング開放している最中に、該開放状態の第2始動口P52(普通電動役物P522)への遊技球の入球に基づく賞球によりMYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に到達した場合でも、他の一般入賞口P64などへの遊技球の入球に基づく賞球によりMYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に到達した場合でも、当該規定値到達時に第2始動口P52(普通電動役物P522)を強制的に閉鎖させる(開放時間が残っていても閉鎖させる)ことが好適である。
一方、大当り遊技の実行中に抑制機能作動条件を充足した場合は、大当り遊技(大当り終了デモ)が終了するまでの間は抑制機能が作動せず、大当り遊技(大当り終了デモ)の終了後に抑制機能が作動することになる。つまり、大当り遊技の実行中に抑制機能作動条件を充足した場合には、抑制機能作動条件の充足時から大当り遊技の終了時までの間、遊技を継続することが可能となり、抑制機能作動条件の充足時と抑制機能の作動時とは実質的に異なるタイミングとなる。その理由としては、大当り遊技の実行中に抑制機能作動条件を充足した場合には、当該大当り遊技を即停止させず遊技を継続させたとしても、遊技者は残りのラウンド遊技において限られた個数の賞球を獲得するだけであり、遊技者が過剰な利益を獲得することにはならず(他の遊技者との不公平感が生じることはなく)、また、大当り遊技の実行中にいきなり抑制機能が作動して遊技停止となると、遊技者に対して不信感や不満感を与えるおそれがあるからである。
なお、本実施形態の変形例として、大当り遊技の実行中に抑制機能作動条件を充足した場合は、当該大当り遊技の最終ラウンドの終了時までは抑制機能が作動せず、その最終ラウンドの終了後に抑制機能が作動するように構成してもよい。また、大当り遊技の実行中に抑制機能作動条件を充足した場合は、当該大当り遊技の大当り終了デモの開始時までは抑制機能が作動せず、その大当り終了デモの開始後に抑制機能が作動するように構成してもよい。
また、本実施形態の変形例として、大当り遊技の実行中にMYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に達したとしても(抑制機能作動条件を充足したとしても)、大当り遊技が終了するまでの間(抑制機能が作動するまでの間)に、セーフ球およびアウト球が発生した場合には、MYカウンタP1038のカウント値を更新可能に構成してもよい。その場合には、抑制機能作動条件を充足した後に、MYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」を下回ることになったとしても(抑制機能作動条件を充足する前の状態に戻ったとしても)、当該大当り遊技の終了後に抑制機能が作動する構成を適用することができる。つまり、大当り遊技の実行中に抑制機能作動条件を一旦充足すれば、当該大当り遊技が終了するまでの間にMYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」から増加または減少したとしても、当該大当り遊技が終了したときに抑制機能の作動が確約される構成としてもよい。なお、本変形例においても、大当り遊技の実行中に抑制機能作動条件を充足した後、当該大当り遊技が終了するまでは、大入賞口P54への遊技球の入球等に基づく賞球払出は可能である。
≪抑制機能の解除≫ 続いて、抑制機能の解除方法について説明する。本実施形態では、抑制機能が作動した場合は、電源投入時のRAMクリア処理により、当該抑制機能の作動を解除可能である。すなわち、抑制機能が作動した場合には、遊技機を電源断した後、RAMクリア(RAMクリアスイッチP820の操作)を伴う電源復帰を行うことで、抑制機能作動フラグP1039をONからOFFに切り換えて、抑制機能の作動を解除することができる。ここで、RAMクリア(RAMクリアスイッチP820の操作)を伴う電源復帰とは、遊技機の電源投入時(電源復帰時)の移行モードとして、「RAMクリアモード」又は「設定変更モード」に移行する場合の電源復帰である。また、RAMクリアを伴わない電源復帰とは、遊技機の電源投入時(電源復帰時)の移行モードとして、「設定確認モード」又は「遊技モード」に移行する場合の電源復帰である。この電源投入時(電源復帰時)の移行モードについては、第5実施形態において詳述しているため、ここでは説明を省略する(詳しくは第5実施形態を参照されたい)。
なお、抑制機能が作動した場合に、遊技機を電源断した後、RAMクリア(RAMクリアスイッチP820の操作)を伴わずに電源復帰した場合には、抑制機能作動フラグP1039がONからOFFに切り換らず、抑制機能は解除されない。その場合には、電源復帰後においても抑制機能が作動して、遊技停止状態および発射停止状態が継続することになる。
また、大当り遊技の実行中に抑制機能作動条件を充足した場合(抑制機能作動フラグP1039がONとなった場合)に、この大当り遊技が終了する前に電源断して、RAMクリア(RAMクリアスイッチP820の操作)を伴う電源復帰を行った場合には、当該電源復帰時に抑制機能作動フラグP1039がONからOFFに切り換ることで、当該電源復帰後に再開された大当り遊技が終了したとしても抑制機能は作動しない。
一方、大当り遊技の実行中に抑制機能作動条件を充足した場合(抑制機能作動フラグP1039がONとなった場合)に、この大当り遊技が終了する前に電源断して、RAMクリア(RAMクリアスイッチP820の操作)を伴わずに電源復帰した場合には、当該電源復帰時に抑制機能作動フラグP1039がONからOFFに切り換らないため、当該電源復帰後に再開された大当り遊技が終了したときに抑制機能が作動する。
≪MYカウンタの初期化≫ 次に、MYカウンタP1038の初期化の方法について説明する。図203は、MYカウンタP1038の初期化の方法を説明するための図である。
本実施形態では、抑制機能作動条件を充足する前(抑制機能作動フラグP1039がOFFのとき)に、遊技機を電源断および電源復帰した場合は、当該電源復帰がRAMクリア(RAMクリアスイッチP820の操作)を伴う電源復帰であっても、RAMクリア(RAMクリアスイッチP820の操作)を伴わない電源復帰であっても、当該電源復帰時にMYカウンタP1038がクリアされる(MYカウンタP1038が「0」になる)。つまり、抑制機能作動条件の充足前であれば、電源投入時のRAMクリアスイッチP820の操作の如何を問わず、遊技機の電源投入を契機に、MYカウンタP1038はクリアされる(電断前のカウント値が消去される)。そのため、抑制機能作動条件の充足前であれば、遊技機の電源復帰時(電源投入時)の移行モードが、前述のRAMクリアモード、設定変更モード、設定確認モード、遊技モードのいずれであっても、当該電源復帰時にMYカウンタP1038はクリアされることになる。
一方、抑制機能作動条件を充足した後(抑制機能作動フラグP1039がONのとき)に、遊技機を電源断および電源復帰した場合は、当該電源復帰がRAMクリア(RAMクリアスイッチP820の操作)を伴わない電源復帰であれば、当該電源復帰時にMYカウンタP1038はクリアされず、電断前のカウント値(95000)を引き継ぐ。また、抑制機能作動条件を充足した後(抑制機能作動フラグP1039がONのとき)に、遊技機を電源断および電源復帰した場合に、当該電源復帰がRAMクリア(RAMクリアスイッチP820の操作)を伴う電源復帰であれば、当該電源復帰時にMYカウンタP1038がクリアされる(電断前のカウント値は消去される)。
なお、本実施形態の変形例として、MYカウンタP1038は、当該MYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に到達したとき、すなわち、抑制機能作動条件を充足したときに、初期化(クリア)されるように構成してもよい。
また、本実施形態の変形例として、主制御基板P100にMYカウンタP1038の初期化を禁止するための操作手段(「カウント継続スイッチ」と呼称する)を搭載してもよい。例えば、後述する事前報知演出の実行中において抑制機能作動条件を充足する前に電源断し且つRAMクリアを伴わずに電源復帰した場合であっても、カウント継続スイッチを操作しながら電源復帰(RAMクリアを伴わずに電源復帰)した場合には、当該電源復帰時にMYカウンタP1038は初期化(クリア)されず、電源断前のカウント値を継続するものとなる。
≪抑制機能に関連する外部情報信号≫ 次に、抑制機能に関連する外部情報信号について説明する。本実施形態では、外部情報端子板P600が出力する外部情報信号のうち、抑制機能に関連する外部情報信号として、抑制機能作動前信号と、抑制機能作動信号とがある。図204は、抑制機能作動前信号および抑制機能作動信号のタイムチャートである。
(抑制機能作動前信号) 抑制機能作動前信号は、間もなく抑制機能が作動する予定であることを示す外部情報信号である。抑制機能作動前信号は、MYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に到達する前の所定の契機において、一定時間(例えば3秒間)だけ継続して出力される。所定の契機とは、MYカウンタP1038のカウント値が特定の値(例えば90000以上且つ95000未満の任意の数値を適用可能である)に達したときである。本実施形態では、特定の値として、例えば規定値「95000」の500個手前の値である「94500」を採用する。そのため、抑制機能作動前信号の出力開始タイミング
は、後述の事前報知演出の実行開始タイミングと同一又は略同一のタイミングとはならない(実質的に同一のタイミングではない)。
なお、本実施形態の変形例として、MYカウンタP1038のカウント値が所定値「90000」に到達したときに、抑制機能作動前信号を出力して、抑制機能作動前信号の出力タイミングと、後述の事前報知演出の実行タイミングとが同一又は略同一のタイミングとなるように構成してもよい(実質的に同一のタイミングとしてもよい)。
(抑制機能作動信号) 抑制機能作動信号は、抑制機能が作動していることを示す外部情報信号である。抑制機能作動信号は、抑制機能が作動してから当該抑制機能の作動が解除されるまでの間、継続して出力される。つまり、この抑制機能作動信号は、抑制機能が作動したときに出力を開始し、RAMクリア(RAMクリアスイッチP820の操作)を伴う電源復帰が行われたときに出力を停止する。そのため、抑制機能作動信号の出力開始タイミングは、抑制機能の作動開始タイミングと同一又は略同一のタイミングである(実質的に同一のタイミングである)。
[各種の演出] 第8実施形態の遊技機では、前述したように、遊技の進行状況等に応じて、各種の遊技演出が演出制御基板P200および画像制御基板P300により制御されて実行されるように構成されている。以下では、第8実施形態の遊技機における特徴たる遊技演出のうち、「抑制機能関連演出」の内容について説明する。
[抑制機能関連演出] 抑制機能関連演出は、事前報知演出(抑制機能作動前報知演出)と、抑制報知演出(抑制機能作動時報知演出)とを含む。
<事前報知演出> 事前報知演出は、抑制機能が作動する前に実行されて、間もなく抑制機能が作動する予定であることを示唆又は報知する演出である。事前報知演出は、MYカウンタP1038のカウント値が所定値に到達することを契機に実行される。すなわち、事前報知演出の実行条件(「事前報知条件」と呼称する)は、MYカウンタP1038のカウント値が所定値に到達したときに成立する。本実施形態では、所定値として「90000」が設定されている。抑制報知の実行条件となるMYカウンタP1038のカウント値(「95000」)である規定値は、第1規定値と称し、事前報知条件となるMYカウンタP1038のカウント値(ここでは「90000」)である所定値は、第2規定値と称しても良い。
なお、所定値は「90000」に限定されるものではなく、管理者が任意に設定可能である(但し、所定値は「90000」以下であることが好ましい)。すなわち、事前報知演出の実行条件(事前報知条件)は、管理者が任意に設定することのできる変動的な条件(流動的な条件)として設定されている。一方、規定値は「95000」に限定されており、管理者が任意に設定することはできない。すなわち、抑制機能の作動条件(抑制機能作動条件)は、遊技者が任意に設定することのできない固定的な条件として設定されている。なお、「管理者」とは、遊技機を管理する者であり、典型的には、遊技店の店員や、遊技機製造メーカの社員などが該当する。
ここで、図205は、事前報知演出の演出例を示す模式図である。事前報知演出は、事前報知表示演出と、事前報知音出力演出とを含む。なお、図205は、MYカウンタP1038のカウント値が「90000」~「90499」であるときの演出例(抑制機能が作動するまで残り約5000発であるときの演出例)である。なお、以降は特に断りがない限り、「事前報知演出」との記載は「事前報知表示演出のみ」又は「事前報知演出及び事前報知音出力演出」を指すことを補足しておく。
事前報知表示演出は、演出表示装置P70において表示される画像表示として、「本日の出玉が95000発に到達すると抑制機能が作動します、作動後は遊技が終了となり、発射が停止します」という第1文言表示と、「作動まで残り約****発」という第2文言表示とを含む。なお、「****」は、抑制機能が作動するまでの残りのMYの数値を示している。この「****」の数値は、主制御基板P100から出力される差球数信号に基づき更新される。
第1文言表示および第2文言表示は、事前報知条件を充足してから抑制機能が作動するまでの間、継続して表示される(但し、MYカウンタP1038のカウント値が後述の所定の下限値「89000」まで低下した場合を除く)。第1文言表示は、MYカウンタP1038の増減等に依存することなく、この事前報知演出(事前報知表示演出)の実行中は常に固定的な文言表示となる(第1文言表示は変化しない)。一方、第2文言表示は、事前報知条件を充足したとき(MYカウンタP1038のカウント値が規定値「90000」に達したとき)から起算して、MYカウンタP1038のカウント値が「500」増加するごとに更新表示される。すなわち、第2文言表示は、MYカウンタP1038のカウント値に依存する文言表示であり、所定値「90000」から「500」加算されるごとに「****」の部分が更新表示される。具体的には、まず、MYカウンタP1038のカウント値が所定値「90000」に達したとき、第2文言表示として「作動まで残り約5000発」という文言が表示され、MYカウンタP1038のカウント値が「90500」に達すると、第2文言表示が「作動まで残り約4500発」に切り替わり、MYカウンタP1038のカウント値が「91000」に達すると、第2文言表示が「作動まで残り約4000発」に切り替わり、MYカウンタP1038のカウント値が「91500」に達すると、第2文言表示が「作動まで残り約3500発」に切り替わり、以下同様にMYカウンタP1038のカウント値が「500」加算される毎に第2文言表示が切り替わり、最終的に、MYカウンタP1038のカウント値が「94500」に達すると、第2文言表示が「作動まで残り約500発」に切り替わる。なお、本実施形態では、第2文言表示を500個単位で更新表示しているが、この構成に限定されるものではなく、これとは異なる個数単位(例えば、1個単位、10個単位、100個単位、1000個単位など)で更新表示してもよい。
また、事前報知表示演出は、専用の背景画像を備えておらず、第1文言表示および第2文言表示の背景には、現在の遊技状況に応じた背景画像(ステージ背景画像、リーチ背景画像、大当り中背景画像)が表示される。なお、この事前報知表示演出の表示の優先度(レイヤの優先度)は、背景画像および装飾図柄の表示の優先度よりも高く、左打ち報知画像、右打ち報知画像、小図柄、特別図柄の作動保留球数表示、保留画像および変動中画像の表示の優先度(レイヤの優先度)よりも低く設定されている。また、遊技者により音量調整操作又は光量調整操作が行われるとき、事前報知表示演出の表示の優先度(レイヤの優先度)は、音量調整画像および光量調整画像の表示の優先度(レイヤの優先度)よりも低く設定されている。また、遊技機に所定のエラーが発生したとき、事前報知表示演出の表示の優先度(レイヤの優先度)は、エラー報知画像の表示の優先度(レイヤの優先度)よりも低く設定されている。また、画像変形演出(図182を参照)が実行される場合、事前報知表示演出の表示の優先度(レイヤの優先度)は、変形対象画像の表示の優先度(レイヤの優先度)よりも高く設定されている。なお、画像変形演出(図182を参照)が実行される場合には、事前報知表示演出の演出画像(第1文言表示、第2文言表示)は、変形対象画像(枠内画像)に含めないことが好ましい。なお、装飾図柄は事前報知表示演出と重畳表示可能であるが、表示の優先度(レイヤの優先度)は事前報知表示演出のほうが高く設定されることが好適である。そのため、装飾図柄の変動開始時動作、仮停止時動作、リーチ成立時動作、揺れ動作が実行されている最中に事前報知表示演出が実行される場合、各動作の表示と事前報知表示演出の表示とが重畳表示する一方で、事前報知表示演出のほうが表示の優先度(レイヤの優先度)が高いため、事前報知表示演出が前面に表示されることになる。但し、小図柄は事前報知表示演出と重畳表示しないことが好適である。また、画像変形演出は事前報知表示演出と重畳表示可能であるが、表示の優先度(レイヤの優先度)は事前報知表示演出のほうが高く設定されることが好適である。また、待機デモ演出は事前報知表示演出と重畳表示可能であるが、表示の優先度(レイヤの優先度)は事前報知表示演出のほうが高く設定されることが好適である。なお、音量調整画像および光量調整画像、右打ち画像については、事前報知表示演出と重畳表示しないことが好適である。
事前報知音出力演出は、所定の事前報知音をスピーカP11から出力する演出である。事前報知音は、例えば、「残り****発で抑制機能が作動します」などの音声が該当する。なお、「****」は、抑制機能が作動するまでの残りのMY(差球数)の値であり、第2文言表示の「****」と一致する値である。この事前報知音は、MYカウンタのカウント値が「90000」、「90500」、「91000」、「91500」、「92000」、「92500」、「93000」、「93500」、「94000」、「94500」に達したとき、すなわち、第2文言表示が更新表示されるときに、スピーカP11から1回又は複数回出力される。この事前報知音の出力中、すなわち、第1文言表示および第2文言表示の表示中且つ事前報知音の出力中は、その他の演出音声(BGMや効果音など)が無音となる。そして、事前報知音の出力後、すなわち、第1文言表示および第2文言表示の表示中且つ事前報知音の非出力中は、元の演出音声(BGMや効果音など)に復帰する。変形例として、第1文言表示および第2文言表示の表示中且つ事前報知音の出力中は、その他の演出音声(BGMや効果音など)も同時に実行可能に構成されても良く、そのように構成した場合、第1文言表示および第2文言表示の表示中且つ事前報知音の出力中は、その他の演出音声(BGMや効果音など)の音量を低減させて出力することで事前報知音を聞きとりやすくしても良い(事前報知音の出力後、すなわち、第1文言表示および第2文言表示の表示中且つ事前報知音の非出力中は、元の音量に戻る)。
この事前報知演出は、MYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に達したとき(抑制機能作動条件を充足したとき)に終了する。つまり、本実施形態では、抑制機能作動条件を充足したときに、事前報知演出から抑制報知演出に切り替わる。但し、大当り遊技の実行中にMYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に達した場合(抑制機能作動条件を充足した場合)には、大当り遊技の終了時まで事前報知演出が継続実行され、大当り遊技の終了時に事前報知演出が終了して、抑制報知演出が開始される。なお、本実施形態の変形例として、大当り遊技の実行中にMYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に達した場合(抑制機能作動条件を充足した場合)には、MYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に達したことを契機に、事前報知表示演出から「本日の出玉が95000発に到達したため、大当り遊技の終了後に遊技が終了となり、発射が停止します」との特殊な文言へと切り替わり、この特殊な文言が大当り遊技の終了まで継続して表示されるよう構成しても良い。この特殊な文言も事前報知演出の一種であり、特殊事前報知演出(特殊事前報知表示演出)と称しても良い。また、更なる変形例としては、大当り遊技の実行中は、事前報知演出が実行されないように構成してもよい。つまり、事前報知演出の実行中に大当り遊技が開始された場合には、当該大当り遊技が開始されたときに実行中の事前報知演出を中断し、当該大当り遊技が終了したときに中断中の事前報知演出を再開するようにしてもよい。そのように構成した場合、大当り遊技の終了後のMYカウンタP1038のカウンタ値に
基づく表示態様にて事前報知演出を再開することが好適である。また、大当り遊技の実行中に事前報知条件を充足した場合には、当該大当り遊技の実行中には事前報知演出を開始せず(当該大当り遊技の終了時まで事前演出の実行を待機して)、当該大当り遊技の終了後に事前報知演出を開始するように構成してもよい。そのように構成した場合、大当り遊技の終了後のMYカウンタP1038のカウンタ値に基づく表示態様にて事前報知演出を開始することが好適である。
また、事前報知演出は、MYカウンタP1038のカウント値が所定の下限値(例えば「89000」)まで低下した場合でも終了する。つまり、MYカウンタP1038のカウント値が所定値「90000」に到達して事前報知演出が開始された場合でも、MYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に到達することなく、所定の下限値「89000」以下となった場合には、事前報知演出は抑制報知演出へと進展することなく終了する。ここで、本実施形態では、事前報知演出が開始された場合に、MYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に到達することなく所定値「90000」未満まで低下した場合であっても、所定の下限値「89000」以下となるまでは、事前報知演出が継続実行される。なお、MYカウンタP1038のカウント値が所定の下限値「89000」まで低下した場合には、MYカウンタP1038のカウント値が再び所定値「90000」に到達したとしても、再度の事前報知演出を実行しないようになっている。但し、MYカウンタP1038のカウント値が所定の下限値「89000」まで低下した後、MYカウンタP1038のカウント値が再び所定値「90000」に到達するまでの間に、特殊条件を充足した場合には、MYカウンタP1038のカウント値が再び所定値「90000」に到達することを契機に、再度の事前報知演出を実行するように構成してもよい。例えば、MYカウンタP1038のカウント値が所定の下限値「89000」まで低下した場合には、その後にMYカウンタP1038のカウント値が所定の下限値「89000」よりも更に小さい数値の「80000」まで低下したことを契機に特殊条件を充足して、そこからMYカウンタP1038のカウント値が再び所定値「90000」に到達したときに、再度の事前報知演出を実行するようにしてもよい。また別の変形例として、MYカウンタP1038のカウント値が所定の下限値「89000」まで低下した場合には、その後にMYカウンタP1038のカウント値が初期値「0」まで低下したこと(アウト球があってもMYを減算しない底値になったこと、もしくはクリアされた場合)を契機に特殊条件を充足して、そこからMYカウンタP1038のカウント値が再び所定値「90000」に到達したときに、再度の事前報知演出を実行するようにしてもよい。また、MYカウンタP1038のカウント値が所定値「90000」を下回ってから、所定の下限値「89000」まで低下する前に、いわゆる連荘抜けをした場合(連荘状態が終了した場合)には、MYカウンタP1038のカウント値が所定の下限値「89000」まで低下していなくても、事前報知演出の実行を解除するように構成してもよい。なお、更なる変形例としては、特殊条件を必要とせず、MYカウンタP1038のカウント値が所定の下限値「89000」まで低下した場合に、MYカウンタP1038のカウント値が再び所定値「90000」に到達すると、再度の事前報知演出を実行するよう構成しても良い。
また、第2文言表示に関しては、前述したように、MYカウンタP1038のカウント値が事前報知演出の更新の契機となる各閾値(90000、90500、91000、91500、92000、92500、93000、93500、94000、94500)に到達する毎に更新表示(当該閾値の差分の「500」だけ加算表示)されるが、その逆の事象として、MYカウンタP1038のカウント値が事前報知演出の更新の契機となる各閾値(90000、90500、91000、91500、92000、92500、93000、93500、94000、94500)を下回ったときでも更新表示(当該閾値の差分の「500」だけ減算表示)される。例えば、MYカウンタが「91000」から「90999」に減算された場合には、第2文言表示が「作動まで残り約3500発」から「作動まで残り約4000発」に更新表示(減算表示)される。但し、MYカウンタP1038のカウント値が規定値「90000」を下回ったときでも、所定の下限値「89000」に低下するまでは、第2文言表示は更新表示されず、「作動まで残り約5000発」の表示を継続する。つまり、MYカウンタP1038のカウント値が「90000」から「89999」に減算されたとしても、第2文言表示は「作動まで残り約5000発」の表示を継続する(所定の下限値「89000」以下となるまで継続する)。なお、本実施形態の変形例として、MYカウンタP1038のカウント値が事前報知演出の更新の契機となる各閾値(90000、90500、91000、91500、92000、92500、93000、93500、94000、94500)を下回ったときには、敢えて第2文言表示を更新表示せず、現在の表示(元の表示)を継続させてもよい。
なお、以下の説明においては、便宜上、第2文言表示の更新周期となるMY500個を一単位として、一連の事前報知演出のうち、MYカウンタP1038のカウント値が「90000」~「90499」であるときに行われる事前報知演出(「作動まで残り約5000発」が表示されるときの事前報知演出)を「第1単位報知演出」と呼称する場合がある。また、MYカウンタP1038のカウント値が「90500」~「90999」であるときに行われる事前報知演出(「作動まで残り約4500発」が表示されるときの事前報知演出)を「第2単位報知演出」と呼称する場合がある。また、MYカウンタP1038のカウント値が「91000」~「91499」であるときに行われる事前報知演出(「作動まで残り約4000発」が表示されるときの事前報知演出)を「第3単位報知演出」と呼称する場合がある。また、MYカウンタP1038のカウント値が「91500」~「91999」であるときに行われる事前報知演出(「作動まで残り約3500発」が表示されるときの事前報知演出)を「第4単位報知演出」と呼称する場合がある。また、MYカウンタP1038のカウント値が「92000」~「92499」であるときに行われる事前報知演出(「作動まで残り約3000発」が表示されるときの事前報知演出)を「第5単位報知演出」と呼称する場合がある。また、MYカウンタP1038のカウント値が「92500」~「92999」であるときに行われる事前報知演出(「作動まで残り約2500発」が表示されるときの事前報知演出)を「第6単位報知演出」と呼称する場合がある。また、MYカウンタP1038のカウント値が「93000」~「93499」であるときに行われる事前報知演出(「作動まで残り約2000発」が表示されるときの事前報知演出)を「第7単位報知演出」と呼称する場合がある。また、MYカウンタP1038のカウント値が「93500」~「93999」であるときに行われる事前報知演出(「作動まで残り約1500発」が表示されるときの事前報知演出)を「第8単位報知演出」と呼称する場合がある。また、MYカウンタP1038のカウント値が「94000」~「94499」であるときに行われる事前報知演出(「作動まで残り約1000発」が表示されるときの事前報知演出)を「第9単位報知演出」と呼称する場合がある。また、MYカウンタP1038のカウント値が「94500」~「94999」であるときに行われる事前報知演出(「作動まで残り約500発」が表示されるときの事前報知演出)を「第10単位報知演出」と呼称する場合がある。
<抑制報知演出> 抑制報知演出は、MYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に達したこと、すなわち、抑制機能が作動して遊技停止状態に移行したことを示唆又は報知する演出である。この抑制報知演出は、抑制機能が作動することを契機に実行される。具体的には、大当り遊技の非実行中にMYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に達した場合には、当該MYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に達したときに抑制報知演出が実行され、大当り遊技の実行中にMYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に達した場合には、当該大当り遊技の終了後に抑制報知演出が実行される。
ここで、図206は、抑制報知演出の演出例を示す模式図である。抑制報知演出は、抑制報知画像表示演出と、抑制報知音出力演出とを含む。なお、抑制報知演出の実行中は、図示省略するが、枠ランプP10を構成する全てのランプ(トップランプ、サイドランプ、球皿ランプなど)が赤色で全点灯表示(又は全点滅表示)されるとともに、盤ランプP25を構成する全てのランプが消灯される。
抑制報知表示演出は、抑制機能が作動したことを報知する専用画面(抑制画面)を表示する演出である。この抑制画面には、特殊文言表示と、特殊背景画像とが含まれる。特殊文言表示には、「本日の出玉95000発到達、抑制機能が作動しました、本日の遊技は終了となります、カードの取り忘れにご注意ください」という文言表示が含まれる。特殊背景画像は、特殊文言表示の背面に表示される特殊の背景画像であり、例えば暗転画像(ブラックアウト画像)により構成されている。この抑制画面の表示の優先度は、他のいかなる演出画像の表示の優先度よりも高く設定されており(すなわち、最優先のレイヤとして設定されており)、この抑制画面が表示されると、他のいかなる演出画像(通常の遊技画面)も視認不能又は視認困難となる。なお、所定のエラー(例えば優先度または重要度の高いエラー)が発生した場合には、この所定のエラーに対応するエラー報知画像を抑制画面の前面に表示してもよい。
抑制報知音出力演出は、抑制報知音をスピーカP11から出力する演出である。抑制報知音は、例えば「抑制機能が作動しました」という音声である。この抑制報知音出力演出は、抑制機能の作動中において、抑制報知音を繰り返し出力する。なお、抑制報知音出力演出は、特定のエラー音を短時間だけ出力した後に、抑制報知音を繰り返し出力する構成としてもよい。
抑制報知演出は、抑制機能が解除されたときに終了する。すなわち、本実施形態では、電源投入時にRAMクリア操作が行われることで、抑制機能が解除されるとともに、抑制報知演出が終了する。なお、抑制報知表示演出は、抑制機能が解除されるまで継続する一方で、抑制報知音出力演出は、抑制機能が作動してから所定時間(例えば10秒間)を限度として継続するものであってもよい。なお、その場合に、抑制報知演出が実行されてから所定時間(例えば10秒間)を経過する前に電源断が発生し、RAMクリア(RAMクリアスイッチP820の操作)を伴わずに電源復帰した場合には、当該電源復帰後においては、抑制報知表示演出は継続して実行される一方で、抑制報知音出力演出は実行されない(上記所定時間の残りの時間があっても実行されない)ことが好適である。
次に、本実施形態の抑制機能関連演出の具体的な演出例について説明する。
≪抑制機能関連演出の演出例1≫ まず、大当り遊技の非実行中にMYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に到達する場合の演出例について説明する。図207~図208は、大当り遊技の非実行中にMYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に到達する場合の演出例を示す模式図である。
まず、図207(A)に示すように、MYカウンタP1038のカウント値が所定値「90000」未満の状態では、抑制機能に関する報知は行われない(但し
、電源投入後にMYカウンタP1038のカウント値が一度も所定値「90000」に達していないものとする)。なお、図中(A)は、現在滞在中の遊技状態が通常遊技状態(低確率低ベース状態)であるものとする。
続いて、図207(B)に示すように、MYカウンタP1038のカウント値が規定値「90000」に到達することで、事前報知演出が開始される。この事前報知演出(第1単位報知演出)により、抑制機能が作動するまで残り約5000発であることが遊技者に示唆又は報知される。なお、図中(B)は、電源投入後のN回目の大当り遊技の第1ラウンド目であるものとする(但し、Nは自然数である)。
続いて、図207(C)に示すように、MYカウンタP1038のカウント値が「90500」に達することで、事前報知演出が第1単位報知演出から第2単位報知演出へと更新表示される。この事前報知演出(第2単位報知演出)により、抑制機能が作動するまで残り約4500発であることが遊技者に示唆又は報知される。なお、図中(C)は、電源投入後のN回目の大当り遊技の第5ラウンド目であるものとする。
続いて、図207(D)に示すように、MYカウンタP1038のカウント値が「91000」に達することで、事前報知演出が第2単位報知演出から第3単位報知演出へと更新表示される。この事前報知演出(第3単位報知演出)により、抑制機能が作動するまで残り約4000発であることが遊技者に示唆又は報知される。なお、図中(D)は、電源投入後のN回目の大当り遊技の終了後であり、現在実行中の遊技状態が確変遊技状態(高確率高ベース状態)または時短遊技状態(低確率高ベース状態)であるものとする。また、図中(D)は、図207(C)から連荘状態が継続しているものとする。
続いて、図207(E)に示すように、MYカウンタP1038のカウント値が「91500」に達することで、事前報知演出が第3単位報知演出から第4単位報知演出へと更新表示される。この事前報知演出(第4単位報知演出)により、抑制機能が作動するまで残り約3500発であることが遊技者に示唆又は報知される。なお、図中(E)は、電源投入後のN+1回目の大当り遊技の第3ラウンド目であるものとする。
続いて、図207(F)に示すように、MYカウンタP1038のカウント値が「92000」に達することで、事前報知演出が第4単位報知演出から第5単位報知演出へと更新表示される。この事前報知演出(第5単位報知演出)により、抑制機能が作動するまで残り約3000発であることが遊技者に示唆又は報知される。また、図中(F)では、累積賞球数の値が特定値「97500」に到達したことで、強調演出が実行されている。つまり、本実施形態では、事前報知演出の実行中においても、累積賞球数の値が特定値(所定賞球数の倍数値)に到達することを契機に強調演出が実行される。なお、図中(F)は、電源投入後のN+1回目の大当り遊技の第8ラウンド目であるものとする。
続いて、図207(G)に示すように、MYカウンタP1038のカウント値が「92500」に達することで、事前報知演出が第5単位報知演出から第6単位報知演出へと更新表示される。この事前報知演出(第6単位報知演出)により、抑制機能が作動するまで残り約2500発であることが遊技者に示唆又は報知される。なお、図中(G)は、電源投入後のN+2回目の大当り遊技の第1ラウンド目であるものとする。
続いて、図207(H)に示すように、MYカウンタP1038のカウント値が「93000」に達することで、事前報知演出が第6単位報知演出から第7単位報知演出へと更新表示される。この事前報知演出(第7単位報知演出)により、抑制機能が作動するまで残り約2000発であることが遊技者に示唆又は報知される。なお、図中(H)は、電源投入後のN+2回目の大当り遊技の第5ラウンド目であるものとする。
続いて、図208(I)に示すように、MYカウンタP1038のカウント値が「93500」達することで、事前報知演出が第7単位報知演出から第8単位報知演出へと更新表示される。この事前報知演出(第8単位報知演出)により、抑制機能が作動するまで残り約1500発であることが遊技者に示唆又は報知される。なお、図中(I)は、電源投入後のN+3回目の大当り遊技の第1ラウンド目であるものとする。
続いて、図208(J)に示すように、MYカウンタP1038のカウント値が「94000」達することで、事前報知演出が第8単位報知演出から第9単位報知演出へと更新表示される。この事前報知演出(第9単位報知演出)により、抑制機能が作動するまで残り約1000発であることが遊技者に示唆又は報知される。また、図中(J)では、既に累積賞球数表示が上限値「99999」に到達している状態であるため、大入賞口P54への遊技球の入球等があったとしても、累積賞球数表示は変化しない。この累積賞球数表示の上限値(表示の限界値)については後述する。なお、図中(J)は、電源投入後のN+3回目の大当り遊技の第4ラウンド目であるものとする。
続いて、図208(K)に示すように、MYカウンタP1038のカウント値が「94500」達することで、事前報知演出が第9単位報知演出から第10単位報知演出へと更新表示される。この事前報知演出(第10単位報知演出)により、抑制機能が作動するまで残り約500発であることが遊技者に示唆又は報知される。また、図中(K)では、既に累積賞球数表示が上限値「99999」に到達している状態であるため、大入賞口P54への遊技球の入球等があったとしても、累積賞球数表示は変化しない。この累積賞球数表示の上限値(表示の限界値)については後述する。なお、図中(K)は、電源投入後のN+3回目の大当り遊技の第8ラウンド目であるものとする。
続いて、図208(L)に示すように、MYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に到達するまであと1個の「94999」となる。なお、図中(L)は、電源投入後のN+3回目の大当り遊技の終了後であり、現在実行中の遊技状態が確変遊技状態(高確率高ベース状態)または時短遊技状態(低確率高ベース状態)であるものとする。また、図中(L)は、図207(C)から連荘状態が継続しているものとする。
そして、図208(M)に示すように、大当り遊技の非実行中(図柄の変動表示中)において、MYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に到達する(例えば、一般入賞口P64への入賞を契機に規定値「95000」に到達する)ことで、抑制報知演出が実行され、抑制機能が作動したことが遊技者に対して示唆又は報知される。なお、この抑制機能が作動する直前の遊技状態は高ベース状態(確変遊技状態または時短遊技状態)であり、当該抑制機能が作動することを契機に当該高ベース状態(確変遊技状態または時短遊技状態)が終了する。そのため、当該抑制機能の作動時に、高ベース状態を示すフラグがOFFとなり、第2始動口P52(普通電動役物P522)が開放中であればその途中で強制的に閉鎖し、当該高ベース状態での変動表示(現在実行中の変動表示)を強制的に終了する。
≪抑制機能関連演出の演出例2≫ 次に、MYカウンタP1038のカウント値が所定値「90000」に達した後に事前報知演出が解除される場合の演出例について説明する。図209は、MYカウンタP1038のカウント値が所定値「90000」に達した後に事前報知演出が解除される場合の演出例を示す模式図である。
まず、図209(A)及至(D)に示すように、MYカウンタP1038のカウント値が所定値「90000」に到達することで事前報知演出が開始されるとともに、MYカウンタP1038のカウント値が所定値「90000」から500増加する毎に事前報知演出が更新表示される。なお、図209(A)及至(D)は、前述の図207(A)及至(D)と共通の内容であるため、図209(A)及至(D)についての個別の説明は省略する。なお、図209(A)は、現在滞在中の遊技状態が通常遊技状態(低確率低ベース状態)であり、図209(D)は現在実行中の遊技状態が確変遊技状態(高確率高ベース状態)または時短遊技状態(低確率高ベース状態)であるものとする。また、図209(D)は、図209(C)から連荘状態が継続しているものとする。
続いて、図209(E)に示すように、MYカウンタP1038のカウント値が「90999」まで低下することで(「91000」未満になることで)、事前報知演出が一つ前の単位報知演出(第2単位報知演出)に戻る。なお、図209(E)は、図209(D)の連荘状態を抜けた後(低ベース状態に転落した後)の状態であるものとする。つまり、図209(E)は、現在実行中の遊技状態が通常遊技状態(低確率低ベース状態)であるものとする。また、この場合には、MY(遊技者の持ち球)が減少していることとなるため、事前報知表示演出(第2文言表示)を切り換えても、事前報知音出力演出は再度実行しないこと(事前報知音を出力しないこと)が好適である。
続いて、図209(F)に示すように、MYカウンタP1038のカウント値が「90499」まで低下することで(「90500」未満になることで)、事前報知演出が更に一つ前の単位報知演出(第1単位報知演出)に戻る。なお、図209(F)は、現在実行中の遊技状態が通常遊技状態(低確率低ベース状態)であるもの、すなわち、図209(E)から通常遊技状態(低確率低ベース状態)が継続しているものとする。また、この場合には、MY(遊技者の持ち球)が減少していることとなるため、事前報知表示演出(第2文言表示)を切り換えても、事前報知音出力演出は再度実行しないこと(事前報知音を出力しないこと)が好適である。
続いて、図209(G)に示すように、MYカウンタP1038のカウント値が所定値未満の「89999」まで低下する。本実施形態では、MYカウンタP1038のカウント値が所定値「90000」を下回ったとしても、所定の下限値「89000」を上回っていれば、そのまま事前報知演出が継続される(第1単位報知演出が継続される)。なお、図209(G)は、現在実行中の遊技状態が通常遊技状態(低確率低ベース状態)であるもの、すなわち、図209(E)から通常遊技状態(低確率低ベース状態)が継続しているものとする。
そして、図209(H)に示すように、MYカウンタP1038のカウント値が所定の下限値「89000」まで低下すると、事前報知演出の実行が解除される。なお、図209(H)は、現在実行中の遊技状態が通常遊技状態(低確率低ベース状態)であるもの、すなわち、図209(E)から通常遊技状態(低確率低ベース状態)が継続しているものとする。
≪抑制機能関連演出の演出例3≫ 次に、大当り遊技の実行中にMYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に達する場合の演出例について説明する。図210は、大当り遊技の実行中にMYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に達する場合の演出例を示す模式図である。なお、本実施例では、図中(A)に至る前に、MYカウンタP1038のカウント値が「94500」の直前の値まで到達しているものとする。
まず、図210(A)に示すように、本日の電源投入後のM回目の大当り遊技の第1ラウンド目において、MYカウンタP1038のカウント値が「94500」に達することで、事前報知演出が第9単位報知演出から第10単位報知演出へと更新表示される(但し、Mは自然数である)。この事前報知演出(第10単位報知演出)により、抑制機能が作動するまで残り約500発であることが遊技者に示唆又は報知される。
続いて、図210(B)に示すように、M回目の大当り遊技の第5ラウンド目において、MYカウンタP10
38のカウント値が規定値「95000」に到達する。しかしながら、大当り遊技の実行中にMYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に到達した場合には、当該大当り遊技(大当り終了デモ)が終了するまでは抑制機能は作動せず、当該大当り遊技(大当り終了デモ)の終了時まで事前報知演出(第10単位報知演出)が継続実行される。なお、本実施形態では、大当り遊技の実行中にMYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に到達した場合には、当該大当り遊技が終了するまでの間にセーフ球(賞球予定数)およびアウト球(遊技済み球)が発生したとしても、MYカウンタP1038のカウント値は更新されない(MYカウンタP1038のカウント値は規定値「95000」を保持する)。また、本実施例では、大当り遊技の実行中に抑制機能作動条件を充足した場合(MYカウンタの1038のカウント値が規定値「95000」に到達した場合)は、当該大当り遊技の終了時まで、直近の事前報知演出(第10単位報知演出:作動まで残り約500発)を継続表示するが、この構成に限定されるものではなく、例えば「大当り終了後に抑制機能が作動します」という文言表示を行ってもよいし、前述したように事前報知表示演出から「本日の出玉が95000発に到達したため、大当り遊技の終了後に遊技が終了となり、発射が停止します」との特殊な文言へと切り替わり、この特殊な文言が大当り遊技の終了まで継続して表示されるよう構成しても良い。
続いて、図210(C)に示すように、M回目の大当り遊技の第10ラウンド目(最終ラウンド)においても、事前報知演出(第10単位報知演出)が継続実行されている。ここでも同じく、事前報知演出(第10単位報知演出)が継続実行される構成に限定されず、例えば「大当り終了後に抑制機能が作動します」という文言表示を行ってもよいし、前述したように事前報知表示演出から「本日の出玉が95000発に到達したため、大当り遊技の終了後に遊技が終了となり、発射が停止します」との特殊な文言へと切り替わり、この特殊な文言が大当り遊技の終了まで継続して表示されるよう構成しても良い。
そして、図210(D)に示すように、M回目の大当り遊技が終了することを契機に、抑制報知演出が実行され、抑制機能が作動したことが遊技者に対して示唆又は報知される。
[第8実施形態のその他の特徴] 次に、第8実施形態のその他の特徴について説明する。以下では、主として、抑制機能関連演出のその他の特徴点や、抑制機能関連演出とその他の演出との関係性などについて概説する。
<MYカウンタの規定値と累積賞球数表示の上限値との関係> 本実施形態では、前述の第2実施形態等と同様に、画面の累積賞球数表示領域P733(図59を参照)には、連荘中の大当り遊技において遊技球が大入賞口P54又は一般入賞口P64に入球したことに基づき現時点までに獲得した賞球数の累積値(累積賞球数)の表示が行われる。この累積賞球数の値(累積賞球数表示)は、賞球カウントアップ演出の実行により更新表示される。ここで、賞球カウントアップ演出は、連荘中の特別遊技の実行中において遊技球が大入賞口P54又は一般入賞口P64に入球した場合に、累積賞球数表示領域P733に表示された累積賞球数の値に、大入賞口P54又は一般入賞口P64への遊技球の入球に基づき払い出される賞球数の値を加算表示する演出である。すなわち、賞球カウントアップ演出は、第2実施形態における、大入賞口カウントアップ演出と、一般入賞口カウントアップ演出とを含む。本実施形態では、遊技球が大入賞口P54に1個入球することで「15個」の賞球が払い出される仕様(大入賞口P54の単位賞球数が15個)であるため、遊技球が大入賞口P54に入球した場合には、累積賞球数表示領域P733に表示された累積賞球数の値は「15個」単位でカウントアップ表示される(累積賞球数の値に「15」が加算表示される賞球カウントアップ演出が行われる)。また、遊技球が一般入賞口P64に1個入球することで「3個」の賞球が払い出される仕様(一般入賞口P64の単位賞球数が3個)であるため、遊技球が一般入賞口P64に入球した場合には、累積賞球数表示領域P733に表示された累積賞球数は「3個」単位でカウントアップ表示される(累積賞球数の値に「3」が加算表示される賞球カウントアップ演出が行われる)。
ここで、累積賞球数表示領域P733は、5桁の数値を表示可能であり、より詳細には、累積賞球数表示として「0」~「99999」までの10万通りの数値を表示可能である。そのため、累積賞球数表示の上限値は、「99999」となる。このとき、累積賞球数表示が上限値の「99999」に達している場合には、遊技球が大入賞口P54又は一般入賞口P64に入球したとしても、累積賞球数表示は変化せず、上限値の「99999」を維持する。
本実施形態では、累積賞球数表示の上限値「99999」は、MYの上限値となる規定値「95000」よりも大きな数値として設定されている。つまり、図208(J)~(K)等に示すように、事前報知演出にて事前報知されるMYの規定値「95000」よりも、上限値「99999」に達したときの累積賞球数表示の方が大きな値を取り得ることで、遊技者の獲得賞球数がMYの規定値「95000」を超えたことを的確に報知することができ、遊技者に満足感や達成感を与えることが可能となる。また、累積賞球数表示はアウト球を考慮しない数値であり、MYの規定値「95000」を超過する数値を取り得るため、上限値「99999」まで表示可能に構成することが好適である。
なお、本実施形態の変形例として、累積賞球数表示が上限値の「99999」に達した場合でも、遊技球が大入賞口P54又は一般入賞口P64に入球した場合には、擬似的な賞球カウントアップ演出(累積賞球数表示の可変表示)を実行してもよい。擬似的な賞球数カウントアップ演出としては、例えば、99999→91111→92222→93333→・・・→98888→99999、といったように、最初の値(99999)と最後の値(99999)とを同一としながらも、その間の数値をランダムに可変表示することで、あたかも累積賞球数がカウントアップ表示されているように見せてもよい。
また、本実施形態の変形例として、累積賞球数表示が上限値「99999」に達した場合に、新たな賞球払出が発生したときは(遊技球が大入賞口P54又は一般入賞口P64に入球したときは)、累積賞球数表示として「FFFFF」を表示して、当該累積賞球数表示が表示の限界を超えていること(オーバフローした状態であること)を示唆又は報知してもよい。更なる変形例としては、累積賞球数表示が上限値「99999」に達した場合、又は、累積賞球数表示が上限値「99999」に達した以降に新たな賞球払出が発生したときは、「FFFFF」の表示へと切り替え(以降は「99999」の表示を行わず)、その後に新たな賞球払出があっても無くても「FFFFF」の表示を常に維持するよう構成しても良い。
また、本実施形態の変形例として、累積賞球数表示の上限値をMYの規定値「95000」の1個手前の数値である「94999」に設定し、その数値を超えた場合には「限界達成」の文字画像を表示して、それ以降は累積賞球数表示を更新表示せず、「限界突破」の文字画像を継続して表示するように構成してもよい。変形例としては、その数値を超えた場合には、累積賞球数表示を非表示として、その代わりに累積賞球数表示が表示されていた表示領域に「限界突破」の文字画像を表示するように構成してもよい。また、同様に、累積賞球数表示の上限値をMYの規定値「95000」と同数の数値である「95000」に設定し、その数値を超えた場合には「限界達成」の文字画像を表示して、それ以降は累積賞球数表示を更新表示せず、「限界突破」の文字画像を継続して表示するように構成してもよく、そのように構成した場合も、その数値を超えた場合には、累積賞球数表示を非表示として、その代わりに累積賞球数表示が表示されていた表示領域に「限界突破」の文字画像を表示するように構成してもよい。
また、本実施形態の変形例として、遊技者に過度の射幸心を煽るのを防止すべく、累積賞球数表示の上限値を規定値「95000」よりも十分に小さい数値(例えば「50000」)に設定し、その数値を超えた場合には「限界達成」の文字画像を表示して、それ以降は累積賞球数表示を更新表示せず、「限界突破」の文字画像を継続して表示するように構成してもよい。そのように構成した場合も、その数値を超えた場合には、累積賞球数表示を非表示として、その代わりに累積賞球数表示が表示されていた表示領域に「限界突破」の文字画像を表示するように構成してもよい。このように「限界突破」の表示条件については適宜設定可能であるが、「限界突破」が表示されている最中は、累積賞球数の値が特定値であったとしても強調表示を実行しないことが好適である。
<MYカウンタの規定値と強調演出の特定値との関係> 強調演出は、前述したように、大当り遊技の実行中に大入賞口P54又は一般入賞口P64へ遊技球が入球することを契機に、累積賞球数の値が予め定められた特定値に到達したことを報知する演出である。特定値とは、所定賞球数(2500個)の倍数値に対応する数値であり、「2500」、「5000」、「7500」、「10000」、「12500」・・・といった具合に、2500個単位で設定されている。
本実施形態では、所定賞球数の値「2500」は、MYの規定値「95000」から所定値「90000」を減算した差分値「5000」よりも小さい数値に設定されている。それにより、MYカウンタP1038のカウント値が予定値「90000」に到達してから規定値「95000」に到達するまでの間、すなわち、事前報知演出が開始されてから抑制機能が作動するまでの間に、累積賞球数の値が少なくとも1回は特定値(所定賞球数の倍数値)に到達して、強調演出が必ず1回は実行されることになる。それにより、抑制機能が作動する直前の状況であっても、少なくとも1回の強調演出の実行を確実に担保することができるとともに、遊技者に満足感や達成感を与えることができる。
<賞球カウントアップ演出と抑制機能作動条件との関係> 図211は、賞球カウントアップ演出の実行中に抑制機能作動条件を充足した場合のタイムチャートである。なお、図211では、大入賞口P54への遊技球の入球に基づく賞球カウントアップ演出を例示しているが、一般入賞口P64への遊技球の入球に基づく賞球カウントアップ演出を適用することも可能である。
本実施形態では、大当り遊技の実行中における賞球カウントアップ演出の実行中に、MYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に到達して抑制機能作動条件を充足したとしても、実行中の賞球カウントアップ演出を中断することなく、当該実行中の賞球カウントアップ演出を継続する。すなわち、本実施形態では、賞球カウントアップ演出の実行中に抑制機能作動条件を充足した場合(抑制機能作動フラグP1039がONになった場合)でも、大当り遊技の終了時までは抑制機能を作動させず(抑制画面を表示させず)、そのまま大当り遊技を継続させるため、実行中の賞球カウントアップ演出を途中で打ち切ることはせず、実行中の賞球カウンタアップ演出を完結させる(最後まで実行する)。なお、詳細は後述するが、図中の1個目の大入賞口P54への遊技球の入球に基づく先の賞球カウントアップ演出の実行中に、図中の2個目の大入賞口P54への遊技球の入球(MYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に到達する契機となる入賞)に基づく後の賞球カウントアップ演出が実行される場合には、先の賞球カウントアップ演出と後の賞球カウントアップ演出とはシームレスに繋がり、これら先後の賞球カウントアップ演出は連続
的且つ一体的なカウントアップ演出として構成されているため、賞球カウントアップ演出の実行中に抑制機能作動条件を充足したとしても、実行中の賞球カウントアップ演出を中断することなく、当該実行中の賞球カウントアップ演出を継続可能となる。それにより、賞球カウントアップ演出を中断させることなく最後まで遊技者に見せることができるため、MYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に達した後においても、遊技者の遊技意欲を持続させることができる。つまり、大当り遊技の実行中にMYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に到達した場合は、遊技を即停止させるわけではなく(抑制機能を即作動させるわけではなく)、そのまま大当り遊技を継続させることになるため、賞球カウントアップ演出の実行を許容したとしても特に実害が生じることはなく、却って賞球カウントアップ演出の実行が阻害されると、遊技者の遊技意欲が減殺されるおそれがあるからである。なお、本実施例では、MYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に到達する契機となる入賞が「大入賞口P54への遊技球の入球」となっているが、この構成に限定されるものではなく、MYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に到達する契機となる入賞が「一般入賞口P64への遊技球の入球」であってもよい。
<賞球カウントアップ演出と事前報知条件との関係> 図212は、賞球カウントアップ演出の実行中に事前報知条件を充足した場合のタイムチャートである。なお、図212では、大入賞口P54への遊技球の入球に基づく賞球カウントアップ演出を例示しているが、一般入賞口P64への遊技球の入球に基づく賞球カウントアップ演出を適用することも可能である。
本実施形態では、大当り遊技の実行中において、賞球カウントアップ演出の実行中にMYカウンタP1038のカウント値が所定値「90000」に到達して事前報知条件を充足したとしても、実行中の賞球カウントアップ演出を中断することなく、当該実行中の賞球カウントアップ演出を継続するように構成されている。すなわち、本実施形態では、賞球カウントアップ演出の実行中に事前報知条件を充足した場合(事前報知演出の実行が開始された場合)でも、大当り遊技の終了時までは抑制機能を作動させず(抑制画面を表示させず)、そのまま大当り遊技を継続させるため、実行中の賞球カウントアップ演出を途中で打ち切ることはせず、実行中の賞球カウンタアップ演出を完結させる(最後まで実行する)。なお、詳細は後述するが、図中の1個目の大入賞口P54への遊技球の入球に基づく先の賞球カウントアップ演出の実行中に、図中の2個目の大入賞口P54への遊技球の入球(MYカウンタP1038のカウント値が所定値「90000」に到達する契機となる入賞)に基づく後の賞球カウントアップ演出が実行される場合には、先の賞球カウントアップ演出と後の賞球カウントアップ演出とはシームレスに繋がり、これら先後の賞球カウントアップ演出は連続的且つ一体的なカウントアップ演出として構成されているため、賞球カウントアップ演出の実行中に事前報知条件を充足したとしても、実行中の賞球カウントアップ演出を中断することなく、当該実行中の賞球カウントアップ演出を継続可能となる。それにより、賞球カウントアップ演出を中断させることなく最後まで遊技者に見せることができるため、MYカウンタP1038のカウント値が所定値「90000」に達した後においても、遊技者の遊技意欲を持続させることができる。つまり、大当り遊技の実行中にMYカウンタP1038のカウント値が所定値「90000」に到達した場合でも、抑制機能が作動するまでの間は、そのまま大当り遊技を継続させることになるため、賞球カウントアップ演出の実行を許容したとしても特に実害が生じることはなく、却って賞球カウントアップ演出の実行が阻害されると、遊技者の遊技意欲が減殺されるおそれがあるからである。なお、賞球カウントアップ演出と事前報知演出とが重畳表示される場合には、賞球カウントアップ演出の表示の優先度(レイヤの優先度)よりも事前報知演出の表示の優先度(レイヤの優先度)の方が高く、賞球カウントアップ演出よりも事前報知演出の方が前面側に表示される。なお、本実施例では、MYカウンタP1038のカウント値が所定値「90000」に到達する契機となる入賞が「大入賞口P54への遊技球の入球」となっているが、この構成に限定されるものではなく、MYカウンタP1038のカウント値が所定値「90000」に到達する契機となる入賞が「一般入賞口P64への遊技球の入球」であってもよい。
<強調演出と抑制機能作動条件との関係> 図213は、強調演出の実行中に抑制機能作動条件を充足した場合のタイムチャートである。なお、図213では、大入賞口P54への遊技球の入球に基づき強調演出が実行される場合を例示しているが、一般入賞口P64への遊技球の入球に基づき強調演出を実行する場合も適用可能である。
本実施形態では、大当り遊技の実行中における強調演出の実行中に、MYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に到達して抑制機能作動条件を充足したとしても、実行中の強調演出を中断することなく、当該実行中の強調演出を継続する。すなわち、本実施形態では、強調演出の実行中に抑制機能作動条件を充足した場合(抑制機能作動フラグP1039がONになった場合)でも、大当り遊技の終了時までは抑制機能を作動させず(抑制画面を表示させず)、そのまま大当り遊技を継続させるため、実行中の強調演出を途中で打ち切ることはせず、実行中の強調演出を完結させる(最後まで実行する)。それにより、強調演出を中断させることなく最後まで遊技者に見せることができるため、MYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に達した後においても、遊技者の遊技意欲を持続させることができる。つまり、大当り遊技の実行中にMYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に到達した場合は、遊技を即停止させるわけではなく(抑制機能を即作動させるわけではなく)、そのまま大当り遊技を継続させることになるため、強調演出の実行を許容したとしても特に実害が生じることはなく、却って強調演出の実行が阻害されると、遊技者の遊技意欲が減殺されるおそれがあるからである。
<強調演出と事前報知条件との関係> 図214は、強調演出の実行中に事前報知条件を充足した場合のタイムチャートである。なお、図214では、大入賞口P54への遊技球の入球に基づき強調演出が実行される場合を例示しているが、一般入賞口P64への遊技球の入球に基づき強調演出を実行する場合も適用可能である。
本実施形態では、大当り遊技の実行中において、強調演出の実行中にMYカウンタP1038のカウント値が所定値「90000」に到達して事前報知条件を充足したとしても、実行中の強調演出を中断することなく、当該実行中の強調演出を継続するように構成されている。すなわち、本実施形態では、強調演出の実行中に事前報知条件を充足した場合(事前報知演出の実行が開始された場合)でも、大当り遊技の終了時までは抑制機能を作動させず(抑制画面を表示させず)、そのまま大当り遊技を継続させるため、実行中の強調演出を途中で打ち切ることはせず、実行中の強調演出を完結させる(最後まで実行する)。それにより、強調演出を中断させることなく最後まで遊技者に見せることができるため、MYカウンタP1038のカウント値が所定値「90000」に達した後においても、遊技者の遊技意欲を持続させることができる。つまり、大当り遊技の実行中にMYカウンタP1038のカウント値が所定値「90000」に到達した場合でも、抑制機能が作動するまでの間は、そのまま大当り遊技を継続させることになるため、強調演出の実行を許容したとしても特に実害が生じることはなく、却って強調演出の実行が阻害されると、遊技者の遊技意欲が減殺されるおそれがあるからである。なお、強調演出と事前報知演出とが重畳表示される場合には、強調演出の表示の優先度(レイヤの優先度)よりも事前報知演出の表示の優先度(レイヤの優先度)の方が高く、強調演出よりも事前報知演出の方が前面側に表示される。
<賞球カウントアップ演出時間と強調演出時間との関係> 図215は、賞球カウントアップ演出の実行時間と強調演出の実行時間との関係を示すタイムチャートである。本実施形態では、前述の第2実施形態と同様に、賞球1個分のカウントアップ表示の時間(「N」から「N+1」へのカウントアップ表示に要する時間)は、「0.03秒」に設定されている。つまり、累積賞球数表示領域P733に表示された累計賞球数の値は、「0.03秒」刻みでカウントアップ表示される。そのため、大入賞口P54へ遊技球が1個入球することで行われる賞球カウントアップ演出の実行時間は、賞球1個分のカウントアップに要する時間値に、大入賞口P54へ遊技球が1個入球することで付与される賞球数(単位賞球数)の値を乗算することで導出される。つまり、この賞球カウントアップ演出の実行時間(1回の賞球カウントアップ演出を開始してから終了するまでの時間値)は、「15(単位賞球数)×0.03秒(カウントアップの間隔)=0.45秒」となる。
一方、強調演出の実行時間とは、累積賞球数の強調表示画像(拡大表示画像)の表示が開始されてから終了するまでの時間値である。本実施形態では、累積賞球数の値がいずれの特定値(2500、5000、7500、10000…)に到達した場合でも、強調演出の実行時間は「3秒」に設定されている。本実施形態では、この強調演出の実行時間(3秒)は、大入賞口P54への遊技球1個の入球に対応する賞球カウントアップ演出の実行時間(0.45秒)よりも長時間に設定されている。そのため、図215に示すように、大入賞口P54へ遊技球が1個入球することを契機に累積賞球数の値が特定値に到達する場合、賞球カウントアップ演出と強調演出とが同時又は略同時に実行されることになるが、強調演出の実行時間を大入賞口P54への遊技球1個の入球に対応して行われる賞球カウントアップ演出の実行時間よりも長時間に設定することで、強調演出と賞球カウントアップ演出とが同時又は略同時に実行された場合でも、希少性の高い強調演出を目立たせることができ、強調演出が発生したときの遊技者の満足感や達成感を一層向上させることができる。なお、強調演出と賞球カウントアップ演出とが重畳表示される場合には、賞球カウントアップ演出の表示の優先度(レイヤの優先度)よりも強調演出の表示の優先度(レイヤの優先度)の方が高く、賞球カウントアップ演出よりも強調演出の方が前面側に表示される。
<事前報知演出時間と強調演出時間との関係> 次に、事前報知演出の実行時間と強調演出の実行時間との関係について説明する。事前報知演出の実行時間とは、1回の事前報知演出が開始されてから終了するまでの時間値である。つまり、事前報知演出の実行時間は、MYカウンタP1038のカウント値が所定値「90000」に達したときから規定値「95000」に達するまでの時間値となる。但し、この事前報知演出の実行時間には、MYカウンタP1038が所定値「90000」に達した後に、規定値「95000」に到達することなく、所定の下限値「89000」以下となった場合の事前報知演出の実行時間は含めない。つまり、ここでの事前報知演出の実行時間とは、事前報知演出が規定値到達により完結する場合の実行時間である。
ここで、この事前報知演出の実行時間は、MYカウンタP1038のカウント値が所定値「90000」から「5000(95000-90000=5000)」個増加するまでの時間値であり、この5000個分の増加には、複数回分の大当り遊技にて得られる賞球数(例えば10R大当りの場合には約1500個×3回以上)を必要とするため、基本的には、1回の事前報知演出が開始されてから終了するまでには
複数回分の大当り遊技の実行時間を要することになる。そのため、事前報知演出の実行時間は、強調演出の実行時間(本実施例では3秒間)よりも著しく長時間となる。従って、事前報知演出と強調演出とが重複実行されたとしても、一時的な表示である強調演出よりも継続的な表示である事前報知演出を優先的に目立たせて、事前演出への遊技者の注目度を向上させることができるため、現在の遊技状況(抑制機能が間もなく作動する予定であること)を確実に遊技者に把握させることが可能となる。ここで説明した事前報知演出は事前報知表示演出であるが、事前報知音出力演出の実行時間(例えば、5秒間の音声出力)と比較しても同様の関係となる。
また、事前報知演出は、前述したように、MYカウンタP1038のカウント値が所定値「90000」から「500」加算される毎に更新表示され、第1単位報知演出→第2単位報知演出→第3単位報知演出→・・・→第10単位報知演出という順に進展するが、この事前報知演出を構成する第1単位報知演出から第10単位報知演出のうちのいずれの単位報知演出の実行時間についても、強調演出の実行時間(本実施例では3秒)よりも長時間となる。つまり、各単位報知演出の実行時間は、MYカウンタP1038のカウント値が「500」個増加するまでの時間値であり、この500個分の増加には、複数回分のラウンド遊技にて得られる賞球数(例えば約150個×3ラウンド以上)を必要とするため、基本的には、1回の単位報知演出が開始されてから終了するまでには複数回分のラウンド遊技の実行時間を要することになる。そのため、単位報知演出の実行時間は、強調演出の実行時間(本実施例では3秒間)よりも長時間となる。従って、単位報知演出と強調演出とが重複実行されたとしても、一時的な表示である強調演出よりも継続的な表示である単位報知演出を優先的に目立たせて、単位報知演出への遊技者の注目度を向上させることができるため、単位報知演出(第2文言表示)が切り替わるごとにあと何発で抑制機能が作動するのかを確実に遊技者に把握させることが可能となる。
なお、本実施形態では、強調演出は獲得賞球数「2500個」単位で実行されるため、1回の大当り遊技の実行中(例えば10R大当り遊技:獲得可能賞球数=約1500個)において強調演出は多くても1回しか行われないが(1回の大当り遊技で多くても1種類の強調演出しか表示されないが)、単位報知演出はMY「500個」単位で実行されるため、1回の大当り遊技の実行中(例えば10R大当り遊技:獲得可能賞球数=約1500個)において単位報知演出は複数回行われ得る(1回の大当り遊技で複数種類の単位報知演出が表示され得る)。それにより、1回の大当り遊技の実行中に遊技者は複数種類の単位報知演出を見ることができ、事前報知演出に対する遊技者の注目度を一層向上させることが可能となる。
<連続入賞時の賞球カウントアップ演出> 次に、特別遊技の実行中に、複数の遊技球(本実施例では2個の遊技球)が大入賞口P54に連続して入球した場合を説明する。図216は、複数の遊技球が大入賞口P54に連続して入球した場合のタイムチャートである。
まず、1個目の遊技球が大入賞口P54へ入球して、大入賞口スイッチP541が1個目の遊技球の入球を検出すると、この1個目の入球に基づく賞球カウントアップ演出(「先の賞球カウントアップ演出」と呼称する)が開始される。先の賞球カウントアップ演出の実行中に、2個目の遊技球(新たな遊技球)が大入賞口P54に入球して、大入賞口スイッチP541が2個目の遊技球の入球を検出すると、先の賞球カウントアップ演出が中断されて、2個目の入球に基づく賞球カウントアップ演出(「後の賞球カウントアップ演出」と呼称する)が開始される。具体的には、先の賞球カウントアップ演出において、本来であれば「1000」~「1015」までのカウントアップ表示が予定されている場合に、先の賞球カウントアップ演出の実行中に大入賞口P54への新たな遊技球の入球が発生して大入賞口スイッチP541にて検出された場合には、実行中の先の賞球カウントアップ演出が途中で打ち切られて(例えばカウントアップ表示が「1010」で中断されて)、後の賞球カウントアップ演出が開始されることになる。そして、後の賞球カウントアップ演出では、先の賞球カウントアップ演出の残りの部分(「1011」~「1015」までのカウントアップ表示)が省略されたかたちで、その最終値「1015」の続きとなる「1016」~「1030」までのカウントアップ表示が行われることになる。なお、先の賞球カウントアップ演出の一部のカウントアップ表示(「1011」~「1015」までのカウントアップ表示)は省略されるが、先の賞球カウントアップ演出の終了時(中断時)と後の賞球カウントアップ演出の開始時とはシームレスに繋がり、これら先後の賞球カウントアップ演出は連続的且つ一体的なカウントアップ表示として構成される。
このように本実施形態では、先後2回の賞球カウントアップ演出のうち、先の賞球カウントアップ演出の優先度よりも、後の賞球カウントアップ演出の優先度の方が高く設定されており、先の賞球カウントアップ演出の終了時と後の賞球カウントアップ演出の開始時とが時間的にオーバーラップする場合には、先の賞球カウントアップ演出の実行を中断させて、後の賞球カウントアップ演出を優先的に実行開始させるように構成されている。従って、本実施形態では、大入賞口P54に遊技球が連続的に入球して先後二回の賞球カウントアップ演出が連続的に実行される場合であっても、先後の賞球カウントアップ演出を滞りなく円滑に進めることができるため、大入賞口P54への遊技球の入球時と賞球カウントアップ演出の実行時との間でタイミングのずれが生じること(それにより遊技者に違和感を与えること)を防止することできるとともに、大当り遊技(ラウンド遊技)の実行中に賞球カウントアップ演出を適切に完結させることが可能となる。
なお、本実施形態の変形例として、先の賞球カウントアップ演出の実行が中断した時点で、そのカウントアップ表示を強制的に最終値「1015」に切り替えて(つまり、「1010」で中断した場合には、「1010」から最終値の「1015」に一気に切り替えて)、この最終値から、後の賞球カウントアップ演出のカウントアップ表示(「1016」~「1030」までのカウントアップ表示)を開始させるように構成してもよい。
<楽曲選択演出と強調演出との関係> 次に、楽曲選択演出の実行中に強調演出が行われる場合について説明する。図217は、楽曲選択演出と強調演出とが重複実行されているときの演出例を示す模式図である。
本実施形態では、大当り遊技の実行中に出力される楽曲を遊技者による操作(演出ボタンP15および十字キーP16の操作)に応じて選択させる楽曲選択演出を実行可能である。そのため、大当り遊技の実行中においては、遊技者の選択操作によって現在出力中の楽曲を他の楽曲に変更することが可能である。
楽曲選択演出の実行中は、図217に示すように、演出表示装置P70の画面上に、BGMの選択肢として複数種の楽曲の名称を示す画像と、BGMを選択するための十字キースイッチ16(上下のキーP16a,16b)の画像と、選択した楽曲を決定するための演出ボタンP15の画像とが表示される(これらを楽曲選択演出に係る画像とも称する)。図示例では、複数種の楽曲の名称として、「楽曲1」、「楽曲2」、「楽曲3」、「楽曲4」が表示されている。すなわち、図217では、上から順に、現在出力されている楽曲の名称「楽曲1」と、新たな選択肢としての候補を示す3種類の楽曲の名称「楽曲2」、「楽曲3」、「楽曲4」とが表示されている。本実施形態では、上下のキーP16a,16bの操作に応じて所望の楽曲を選択し、この選択した楽曲を演出ボタンP15の操作により確定することができる。図示例では、複数種の楽曲の中から「楽曲2」が選択されている状態を示している。なお、変形例として、演出ボタンP15の操作を必要とせず、上記のキーの操作のみで確定させてもよい。つまり、上下のキーP16a,16bの操作によって右矢印が付帯するカーソル箇所に所望の楽曲名を合わせるだけで完結させてもよい。
本実施形態では、楽曲選択演出の実行中においても、累積賞球数の値が特定値に到達した場合には、強調演出(強調表示演出、強調音出力演出)が実行されるようになっている。なお、図217では、強調演出として、演出表示装置P70の画面上に累積賞球数の値が特定値に達したことを示す強調表示画像(図示例では「97500pt達成」)を表示する強調表示演出と、スピーカP11から特殊音(図示例では「絶好調」という音声)を出力する強調音出力演出とが行われている状態を示している。そして、この強調演出(強調表示演出、強調音出力演出)が実行されている場合でも、遊技者の選択操作によって楽曲を変更可能となっている(遊技者の楽曲選択操作が有効となっている)。
ここで、図218は、楽曲選択演出において楽曲が変更されたときのタイムチャートである。本実施形態では、図218(A)に示すように、強調演出の特殊音の出力中に、楽曲が「楽曲1」から「楽曲2」へ変更された場合でも、この楽曲の変更の前後において特殊音が継続して出力されるように構成されている。つまり、この図示例では、「楽曲1」から「楽曲2」への変更前においては「楽曲1」に特殊音が重ねられた音声がスピーカP11から出力され、「楽曲1」から「楽曲2」への変更後では楽曲2に特殊音が重ねられた音声がスピーカP11から出力されるようになっている。なお、「楽曲1」から「楽曲2」への変更前後において、「楽曲1」と「楽曲2」とがクロスフェードする部分がある場合には、このクロスフェードする部分に特殊音が重ねられた音声がスピーカP11から出力される。
また、本実施形態では、図218(B)に示すように、強調演出の特殊音の出力直前に、楽曲が「楽曲1」から「楽曲2」へ変更された場合でも、この変更後の楽曲2の再生中において特殊音が出力されるように構成されている。つまり、この図示例では、「楽曲1」から「楽曲2」への変更後において、この変更後の楽曲2に特殊音が重ねられた音声がスピーカP11から出力されるようになっている。なお、「楽曲1」から「楽曲2」への変更後に、「楽曲1」と「楽曲2」とがクロスフェードする部分がある場合には、このクロスフェードする部分に強調音が重ねられた音声がスピーカP11から出力される。
このように本実施形態では、強調演出の実行中に遊技者の選択操作によって現在出力中の楽曲が変更されたとしても、当該強調演出の特殊音が継続して出力されるようになっているため、強調演出が発生したこと(累積賞球数が特定値に到達したこと)に対する遊技者の達成感や満足感が損なわれてしまう事態を防止することができる。
<抑制機能作動条件の充足前の電源断> 次に、抑制機能作動条件を充足する直前に電源断が発生した場合について説明する。図219は、抑制機能作動条件を充足する直前に電源断が発生した場合のタイムチャートである。
本実施形態では、大当り遊技の実行中において、大入賞口P54へ遊技球があと1個入球した場合には、累積賞球数の値が特定値(2500の倍数値)に到達することとなる一方で、大入賞口P54へ遊技球があと1個入球する前に一般入賞口P64へ遊技球が1個入球した場合には、当該累積賞球数の値が特定値に到達せずに、MYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に到達することとなる状況(「特定の状況」と呼称する)がある。具体的には、特定の状況として、大当り遊技の実行中に累積賞球数の値が「97485」であり、且つ、MYカウンタP1038のカウント値が「94998」である状況においては、大入賞口P54へ遊技球があと1個入球した場合(15個の賞球払出が
行われる場合)には、累積賞球数の値が特定値「97500」に到達して強調演出が実行されることとなる一方で、大入賞口P54へ遊技球があと1個入球する前に一般入賞口P64へ遊技球が1個入球した場合(3個の賞球払出が行われる場合)には、累積賞球数の値が特定値「97500」に到達せず、MYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に到達して(セーフ数=3、アウト数=1、差球数=3-1=2、MY=94998+2=95000)、抑制機能作動条件を充足することになる(抑制機能作動フラグP1039がONとなる)。
この特定の状況において、遊技機に電源断が発生して電源復帰した場合に、この電源復帰がRAMクリア(RAMクリアスイッチP820の操作)を伴わない電源復帰であれば、この電源復帰後において、当該電源断時に実行されていた大当り遊技が再開されることになる。大当り遊技が再開された場合には、大入賞口P54へあと1個の遊技球の入球があったとしても、電源断前に実行が予定されていた強調演出(累積賞球数が「97500」に達することで行われる予定であった強調演出)は実行されない。すなわち、この電源復帰時においては、直近の電源断の発生時に保持していた累積賞球値に関する演出情報が消去された状態(例えば、累積賞球数カウンタがゼロクリアされた状態)となるため、当該電源復帰後に大当り遊技(大当り中演出)が再開された場合でも、累積賞球数表示が再び初期値「0」から表示されるとともに、強調演出の実行条件(特定値に到達するまでの条件)についてもはじめから再設定されることになる。そのため、電源断時の累積賞球数の値が大入賞口P54へのあと1個の遊技球の入球で特定値に到達する状況であったとしても、この電源復帰後に再開された大当り遊技においては、累積賞球数表示が初期値「0」から再スタートされることになるため、大入賞口P54へのあと1個の遊技球の入球があったとしても、電源断前に実行が予定されていた強調演出(累積賞球数が「97500」に達することで行われる予定であった強調演出)は実行されないことになる。但し、累積賞球数の値が初期値「0」に戻ったとしても、この電源復帰後において遊技を継続することで、累積賞球数の値が特定値(「2500」の倍数値)に達した場合には、累積賞球数の値が特定値(「2500」の倍数値)に達する毎に、強調演出が実行されることになる。
また、抑制機能作動条件を充足する前に電源断および電源復帰(RAMクリアせずに電源復帰)した場合には、当該電源復帰時(電源投入時)にMYカウンタP1038が初期化されるため、この電源復帰後は、MYカウンタP1038が初期値「0」から再び計数を開始することになる。従って、電源断時のMYカウンタP1038のカウント値があと1個の大入賞口P54への遊技球の入球で規定値「95000」に到達する状況であっても、この電源復帰後に再開された大当り遊技においては、MYカウンタP1038が初期値「0」から再スタートすることになるため、大入賞口P54へあと1個の遊技球の入球があったとしても、MYカウンタP1038のカウント値は規定値「95000」に到達せず、抑制機能作動条件を充足しない(抑制機能作動フラグP1039はONしない)。但し、MYカウンタP1038が初期値「0」に戻ったとしても、この電源復帰後において遊技を継続することで、MYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」まで達した場合には、抑制機能作動条件を充足することになる(抑制機能作動フラグP1039がONとなる)。
<事前報知条件の充足前の電源断> 次に、事前報知条件を充足する直前に電源断が発生した場合について説明する。図220は、事前報知条件を充足する直前に電源断が発生した場合のタイムチャートである。
本実施形態では、大当り遊技の実行中において、大入賞口P54へ遊技球があと1個入球した場合には、累積賞球数の値が特定値(2500の倍数値)に到達することとなる一方で、大入賞口P54へ遊技球があと1個入球する前に一般入賞口P64へ遊技球が1個入球した場合には、当該累積賞球数の値が特定値に到達せずに、MYカウンタP1038のカウント値が所定値「90000」に到達することとなる状況(「所定の状況」と呼称する)がある。具体的には、所定の状況として、大当り遊技の実行中に累積賞球数の値が「97485」であり、且つ、MYカウンタP1038のカウント値が「89998」である状況においては、大入賞口P54へ遊技球があと1個入球した場合(15個の賞球払出が行われる場合)には、累積賞球数の値が特定値「97500」に到達して強調演出が実行されることとなる一方で、大入賞口P54へ遊技球があと1個入球する前に一般入賞口P64へ遊技球が1個入球した場合(3個の賞球払出が行われる場合)には、累積賞球数の値が特定値「97500」に到達せず、MYカウンタP1038のカウント値が規定値「90000」に到達して(セーフ数=3、アウト数=1、差球数=3-1=2、MY=89998+2=90000)、事前報知条件を充足することになる。
この所定の状況において、遊技機に電源断が発生して電源復帰した場合に、この電源復帰がRAMクリア(RAMクリアスイッチP820の操作)を伴わない電源復帰であれば、この電源復帰後において、当該電源断時に実行されていた大当り遊技が再開されることになる。大当り遊技が再開された場合には、大入賞口P54へあと1個の遊技球の入球があったとしても、電源断前に実行が予定されていた強調演出(累積賞球数が「97500」に達することで行われる予定であった強調演出)は実行されない。すなわち、この電源復帰時においては、直近の電源断の発生時に保持していた累積賞球値に関する演出情報が消去された状態(例えば、累積賞球数カウンタがゼロクリアされた状態)となるため、当該電源復帰後に大当り遊技(大当り中演出)が再開された場合でも、累積賞球数表示が再び初期値「0」から表示されるとともに、強調演出の実行条件(特定値に到達するまでの条件)についてもはじめから再設定されることになる。そのため、電源断時の累積賞球数の値が大入賞口P54へのあと1個の遊技球の入球で特定値に到達する状況であったとしても、この電源復帰後に再開された大当り遊技においては、累積賞球数表示が初期値「0」から再スタートされることになるため、大入賞口P54へのあと1個の遊技球の入球があったとしても、電源断前に実行が予定されていた強調演出(累積賞球数が「97500」に達することで行われる予定であった強調演出)は実行されないことになる。但し、累積賞球数の値が初期値「0」に戻ったとしても、この電源復帰後において遊技を継続することで、累積賞球数の値が特定値(「2500」の倍数値)に達した場合には、累積賞球数の値が特定値(「2500」の倍数値)に達する毎に、強調演出が実行されることになる。
また、抑制機能作動条件を充足する前に電源断および電源復帰(RAMクリアせずに電源復帰)した場合には、当該電源復帰時(電源投入時)にMYカウンタP1038が初期化されるため、この電源復帰後は、MYカウンタP1038が初期値「0」から再び計数を開始することになる。従って、電源断時のMYカウンタP1038のカウント値があと1個の大入賞口P54への遊技球の入球で所定値「90000」に到達する状況であっても、この電源復帰後に再開された大当り遊技においては、MYカウンタP1038が初期値「0」から再スタートすることになるため、大入賞口P54へあと1個の遊技球の入球があったとしても、MYカウンタP1038のカウント値は所定値「90000」に到達せず、事前報知条件を充足しない。但し、MYカウンタP1038が初期値「0」に戻ったとしても、この電源復帰後において遊技を継続することで、MYカウンタP1038のカウント値が所定値「90000」まで達した場合には、事前報知条件を充足することになる。なお、本実施形態の変形例として、前述の「カウント継続スイッチ」を搭載した場合において、抑制機能作動条件を充足する前に電源断し、カウント継続スイッチを操作しながら電源復帰(RAMクリアを伴わずに電源復帰)をした場合には、当該電源復帰時にMYカウンタP1038は初期化(クリア)されないが、当該電源復帰の直後に事前報知演出を再開しないように構成してもよい。例えば、第2単位報知演出(作動まで残り約4500発)の実行中に電源断し(MYカウンタP1038のカウント値が「90500」~「90999」であるときに電断し)、カウント継続スイッチを操作して電源復帰(RAMクリアを伴わずに電源復帰)をした場合に、当該電源復帰時にMYカウンタP1038は初期化(クリア)されないが、当該電源復帰の直後に第2単位報知演出(作動まで残り約4500発)は再開させず、その後、MYカウンタP1038のカウント値が「91000」に達したときに事前報知演出を第3単位報知演出(作動まで残り約4000発)から再開させてもよい。更なる変形例としては、前述の「カウント継続スイッチ」を搭載した場合において、抑制機能作動条件を充足する前に電源断し、カウント継続スイッチを操作しながら電源復帰(RAMクリアを伴わずに電源復帰)をした場合には、当該電源復帰時にMYカウンタP1038は初期化(クリア)されないが、当該電源復帰の直後に事前報知演出を再開しないように構成し、例えば、第2単位報知演出(作動まで残り約4500発)の実行中に電源断し(MYカウンタP1038のカウント値が「90500」~「90999」であるときに電断し)、カウント継続スイッチを操作して電源復帰(RAMクリアを伴わずに電源復帰)をした場合に、当該電源復帰時にMYカウンタP1038は初期化(クリア)されず、当該電源復帰の直後に第2単位報知演出(作動まで残り約4500発)を再開させても良い。
<抑制機能作動条件の充足後の電源断> 次に、抑制機能作動条件を充足した後に電源断が発生した場合について説明する。図221は、抑制機能作動条件を充足した後に電源断が発生した場合のタイムチャートである。
本実施形態では、大当り遊技の実行中において、抑制機能作動条件を充足した後(抑制機能作動フラグP1039がONになった後)に、大入賞口P54へ遊技球があと1個入球することで、累積賞球数の値が特定値(2500の倍数値)に到達することとなる状況(「状況A」と呼称する)がある。具体的には、状況Aとして、大当り遊技の実行中において、MYカウンタP1038のカウント値が既に規定値「95000」に到達しており、且つ、累積賞球数の値が所定の特定値「97500」よりも15個少ない「97485」である状況においては、大入賞口P54へ遊技球があと1個入球することで(15個の賞球払出が行われることで)、累積賞球数の値が特定値「97500」に到達して強調演出が実行されることとなる。
この状況Aにおいて、遊技機に電源断が発生し、RAMクリア(RAMクリアスイッチP820の操作)を伴わずに電源復帰した場合には、当該電源断前に実行されていた大当り遊技が再開されることになるが、この大当り遊技が再開された後においては、大入賞口P54へあと1個の遊技球の入球があったとしても、累積賞球数の値が所定の特定値「97500」に到達せず、電源断前に予定されていた強調演出(累積賞球数が「97500」に達することで行われる予定であった強調演出)は実行されない。すなわち、この電源復帰時においては、直近の電源断の発生時に保持していた累積賞球値に関する演出情報が消去された状態(例えば、累積賞球数カウンタがゼロクリアされた状態)となるため、当該電源復帰後に大当り遊技(大当り中演出)が再開された場合でも、累積賞球数表示が再び初期値「0」から表示されるとともに、強調演出の実行条件(特定値に到達するまでの条件)についてもはじめから再設定されることになる。そのため、電源断時の累積賞球数の値が大入賞口P54へ
のあと1個の遊技球の入球で特定値に到達する状況であったとしても、この電源復帰後に再開された大当り遊技においては、累積賞球数表示が初期値「0」から再スタートされることになるため、大入賞口P54へのあと1個の遊技球の入球があったとしても、電源断前に実行が予定されていた強調演出(累積賞球数が「97500」に達することで行われる予定であった強調演出)は実行されないことになる。但し、累積賞球数の値が初期値「0」に戻ったとしても、この電源復帰後において遊技を継続することで、累積賞球数の値が特定値(「2500」の倍数値)に達した場合には、累積賞球数の値が特定値(「2500」の倍数値)に達する毎に、強調演出が実行されることになる。
また、この状況Aにおいて、RAMクリアを伴わずに電源復帰した場合(抑制機能作動条件を充足した後にRAMクリアを伴わずに電源復帰した場合)には、当該電源復帰時にMYカウンタP1038は初期化されず(MYカウンタP1038のカウント値「95000」はクリアされず)、抑制機能作動フラグP1039がONを維持することになる。そのため、当該電源復帰後に再開された大当り遊技(大当り終了デモ)が終了したときに抑制機能が作動し、それと同時または略同時に抑制報知演出が実行される。
<事前報知条件の充足後の電源断> 次に、事前報知条件を充足した後に電源断が発生した場合について説明する。図222は、事前報知条件を充足した後に電源断が発生した場合のタイムチャートである。
本実施形態では、大当り遊技の実行中において、事前報知条件を充足した後、すなわち、事前報知演出が開始された後に、大入賞口P54へ遊技球があと1個入球することで、累積賞球数の値が特定値(2500の倍数値)に到達することとなる状況(「状況B」と呼称する)がある。具体的には、状況Bとして、大当り遊技の実行中において、MYカウンタP1038のカウント値が既に所定値「90000」に到達しており(但し、MYカウンタP1038のカウント値が「90000」や「90500」など、規定値「95000」到達まで余裕があることが好適である)、且つ、累積賞球数の値が所定の特定値「97500」よりも15個少ない「97485」である状況においては、大入賞口P54へ遊技球があと1個入球することで(15個の賞球払出が行われることで)、累積賞球数の値が特定値「97500」に到達して強調演出が実行されることとなる。
この状況Bにおいて、遊技機に電源断が発生し、RAMクリア(RAMクリアスイッチP820の操作)を伴わずに電源復帰した場合には、当該電源断前に実行されていた大当り遊技が再開されることになるが、この大当り遊技が再開された後においては、大入賞口P54へあと1個の遊技球の入球があったとしても、累積賞球数の値が所定の特定値「97500」に到達せず、電源断前に予定されていた強調演出(累積賞球数が「97500」に達することで行われる予定であった強調演出)は実行されない。すなわち、この電源復帰時においては、直近の電源断の発生時に保持していた累積賞球値に関する演出情報が消去された状態(例えば、累積賞球数カウンタがゼロクリアされた状態)となるため、当該電源復帰後に大当り遊技(大当り中演出)が再開された場合でも、累積賞球数表示が再び初期値「0」から表示されるとともに、強調演出の実行条件(特定値に到達するまでの条件)についてもはじめから再設定されることになる。そのため、電源断時の累積賞球数の値が大入賞口P54へのあと1個の遊技球の入球で特定値に到達する状況であったとしても、この電源復帰後に再開された大当り遊技においては、累積賞球数表示が初期値「0」から再スタートされることになるため、大入賞口P54へのあと1個の遊技球の入球があったとしても、電源断前に実行が予定されていた強調演出(累積賞球数が「97500」に達することで行われる予定であった強調演出)は実行されないことになる。但し、累積賞球数の値が初期値「0」に戻ったとしても、この電源復帰後において遊技を継続することで、累積賞球数の値が特定値(「2500」の倍数値)に達した場合には、累積賞球数の値が特定値(「2500」の倍数値)に達する毎に、強調演出が実行されることになる。
また、事前報知条件を充足した後であっても抑制機能作動条件を充足する前に電源断および電源復帰(RAMクリアせずに電源復帰)した場合には、当該電源復帰時(電源投入時)にMYカウンタP1038が初期化されるため、この電源復帰後に大当り遊技が再開されたときは、MYカウンタP1038は初期値「0」から再び計数を開始することになる。従って、この電源復帰後においては事前報知条件を充足していない状態に戻り、当該電源復帰後(当該電源復帰後に再開された大当り遊技)においては直近の電源断時に実行されていた事前報知演出は再開されないことになる(事前報知演出は実行されない)。但し、MYカウンタP1038が初期値「0」に戻ったとしても、この電源復帰後において遊技を継続することで、MYカウンタP1038のカウント値が所定値「90000」に達した場合(事前報知条件を充足した場合)には、事前報知演出が実行されることになる。
<抑制機能作動中の音量・光量調整> 本実施形態では、抑制機能の作動中(抑制報知演出の実行中)は、音量調整および光量調整が不能となるように構成されている。すなわち、抑制機能が作動して遊技停止状態に移行した場合には、音量ボタン(左キーP16cまたは右キーP16d)を操作したとしても、音量レベルが変化しない(音量操作が無効となる)ようになっている。そのため、抑制報知演出の実行中に、音量ボタン(左キーP16cまたは右キーP16d)が操作されたとしても、抑制報知音(本実施例では「抑制機能が作動しました」という音声)の音量レベルは変化せず、当該抑制報知音は常に一定の音量(予め定められた一定の音量)で出力される。変形例としては、設定された音量レベルに応じた出力態様で抑制報知音を出力するよう構成しても良い。また、同様に、抑制機能が作動して遊技停止状態に移行した場合には、光量ボタン(上キーP16aまたは下キーP16b)を操作したとしても、光量レベルが変化しない(光量操作が無効となる)ようになっている。そのため、抑制報知演出の実行中に、光量ボタン(上キーP16aまたは下キーP16b)が操作されても、抑制報知に係る枠ランプP10の全点灯時の光量は変化しない。但し、抑制機能作動条件を充足していたとしても大当り遊技の実行中であれば、抑制機能は作動していないため(抑制報知演出は実行されていないため)、当該大当り遊技の実行中において音量調整および光量調整は可能である。なお、事前報知演出の実行中であれば、変動中であっても大当り遊技中であっても、音量ボタン(左キーP16cまたは右キーP16d)を操作することで音量レベルが変化し(音量操作が有効となり)、光量ボタン(上キーP16aまたは下キーP16b)を操作することで光量レベルが変化する(光量操作が無効となる)。ここで、事前報知音出力演出については、設定された音量レベルに応じた出力態様ではなく、常に一定の音量(予め定められた一定の音量)で出力されるよう構成されても良いし、設定された音量レベルに応じた出力態様となるよう構成しても良い。
<抑制機能作動中の性能表示> 本実施形態では、抑制機能の作動中(抑制報知演出の実行中)は、遊技の性能情報を示すベース値の表示(ベース値の表示の切り替えを含む)が更新されないように構成されている。すなわち、抑制機能が作動して遊技停止状態に移行した場合には、当該抑制機能の作動中に遊技球が各入賞口に入球したとしても賞球の払い出しが行われず、遊技に使用されたアウト球(遊技済み球)も検出されないため、ベース値は計測されず、性能表示モニタP830におけるベース値の表示も更新されない。但し、抑制機能作動条件を充足していたとしても大当り遊技の実行中であれば、抑制機能は作動していないため(抑制報知演出は実行されていないため)、当該大当り遊技の実行中においてベース値の表示を更新可能である。なお、事前報知演出の実行中であれば、変動中であっても大当り遊技中であっても、ベース値の表示を更新可能である。
<抑制機能作動中のエラー報知> 本実施形態において、遊技機に発生するエラー種別は、エラーの優先度(重要度)に応じて、「第1種エラー」と、「第2種エラー」と、「第3種エラー」とに大別される。第1種エラーは、遊技の続行が禁止又は困難となれる優先度(重要度)が低レベルに設定されたエラー種別である。第1種エラーには、例えば、賞球エラー(払出エラー)などが含まれる。第2種エラーは、遊技の続行が禁止又は困難とされる優先度(重要度)が高レベルに設定されたエラー種別である。第2種エラーには、例えば、磁気センサエラー、電波センサエラーなどが含まれる。第3種エラーは、遊技の続行が禁止又は困難とされる優先度(重要度)が最も高レベルに設定されたエラー種別である。第3種エラーには、例えば、不正入賞エラーなどが含まれる。
磁気センサエラーは、磁気センサが磁気を検出した場合、および磁気センサの断線、短絡、故障が生じた場合に発生するエラーである。電波センサエラーは、電波センサが電波を検出した場合、および電波センサの断線、短絡、故障が生じた場合に発生するエラーである。不正入賞エラーは、例えば、大入賞口P54が開放されていない状態(非大当り遊技中)において大入賞口スイッチが遊技球の入球を検出した場合や、大当り遊技中において大入賞口スイッチが単位時間当たりに異常な個数(例えば、0.1秒間に100球)の遊技球の入球を検出した場合に発生するエラーである。賞球エラー(払出エラー)は、賞球の払い出しに支障が生じる場合に発生するエラーである。この賞球エラー(払出エラー)には、下球皿P9が遊技球で満タン状態(満タンスイッチがオン)となる満タンエラーや、賞球払出ユニットP34の玉噛み/玉詰まりエラー、遊技島から遊技球を補給できずに不足する玉無しエラーなどが含まれる。なお、上記のエラーは、本実施形態と関係性の高いエラーの一例を示したものであるが、その他のエラーを適用することも可能である。つまり、第1種エラー~第3種エラーは、上記エラーに限定されるものではなく、他のエラーを適用することもできる。例えば、第2種エラーとして、CR未接続エラーを適用してもよい。このCR未接続エラーは、本遊技機とCR(貸出装置)とが未接続である場合に発生するエラーである。
遊技機に上記エラーが発生した場合には、各種のエラー報知として、画像表示演出、音声出力演出、ランプ点灯演出などが行われ、具体的には、演出表示装置P70の画面上にエラー報知画像(エラーの報知内容)が表示され、エラー用の音量にてスピーカP11からエラー報知音が出力され、演出ランプLPがエラー用の輝度で点灯表示又は点滅表示される。
まず、抑制機能の作動中に第1種エラー(賞球エラー)が検出された場合には、抑制機能の作動中(抑制報知演出の実行中)であっても、当該第1種エラーに対応するエラー報知を実行可能である。また、大当り遊技の実行中において、抑制機能作動条件を充足した後に、第1種エラーが検出された場合でも、当該第1種エラーに対応するエラー報知を実行可能である(大当り終了後も当該エラー報知を継続可能である)。つまり、大当り遊技中に第1種エラーが検出されてその後当該大当り遊技中に抑制機能作動条件を充足した場合、又は、大当り遊技中に抑制機能作動条件を充足してその後当該大当り遊技中に第1種エラーが検出された場合、当該大当り遊技中に当該第1種エラーに対応するエラー報知を実行可能であり、当該大当り遊技中に当該第1種エラーが解除されなかった場合は、大当り遊技終了後の抑制機能作動中(抑制報知演出の実行中)に亘って当該第1種エラーに対応するエラー報知を実行可能である。
また、抑制機能の作動中に第
2種エラー(磁気・電波センサエラー)が検出された場合には、この抑制機能の作動中(抑制報知演出の実行中)においては、当該第2種エラーに対応するエラー報知を実行しない(エラー報知を制限する)。なお、大当り遊技の実行中において、抑制機能作動条件を充足した後に、第2種エラーが検出された場合は、当該大当り遊技が終了するまでの間、当該第2種エラーに対応するエラー報知を実行可能である。そして、大当り遊技が終了したとき、すなわち、抑制機能が作動したときに、第2種エラーに対応するエラー報知を終了させる。
ここで、大当り遊技の実行中に抑制機能作動条件を充足した後であって、当該大当り遊技が終了する間際に、第2種エラーが検出された場合は、当該大当り遊技が終了するまでは第2種エラーに対応するエラー報知を行うが(当該大当り遊技が終了したときに第2種エラーに対応するエラー報知が終了するが)、大当り遊技の実行中に抑制機能作動条件を充足した後であって、当該大当り遊技が終了する間際に、第1種エラーが検出された場合は、当該大当り遊技が終了する前だけでなく該大当り遊技が終了した後も第1種エラーに対応するエラー報知を継続可能である。すなわち、大当り遊技の実行中に抑制機能作動条件を充足したとしても、当該大当り遊技が終了するまでは賞球の払い出しは可能であるため、当該大当り遊技が終了する間際に第1種エラー(賞球エラー)が発生する場合があり、その場合には、この第1種エラーに対応するエラー報知を当該大当り遊技の終了後においても継続して実行可能である。
また、抑制機能の作動中に第3種エラー(不正入賞エラー)が検出された場合には、この抑制機能の作動中(抑制報知演出の実行中)において、当該第3種エラーに対応するエラー報知を実行しない(エラー報知を制限する)。また、大当り遊技の実行中において、抑制機能作動条件を充足した後に、第3種エラーが検出された場合においても、当該第3種エラーに対応するエラー報知を実行しない(エラー報知を制限する)。変形例として、大当り遊技の実行中において、抑制機能作動条件を充足した後に、第3種エラーが検出された場合においては、当該第3種エラーに対応するエラー報知を一部の報知手段でのみ実行するよう構成しても良い。具体的には、大当り遊技の実行中において、抑制機能作動条件を充足した後に、第1種エラーが検出された場合や第2種エラーが検出された場合だと、演出表示装置P70の画面上にエラー報知画像(エラーの報知内容)が表示され、エラー用の音量にてスピーカP11からエラー報知音が出力され、演出ランプLPがエラー用の輝度で点灯表示又は点滅表示されるのだが、大当り遊技の実行中において、抑制機能作動条件を充足した後に、第3種エラーが検出された場合は、演出表示装置P70の画面上にエラー報知画像(エラーの報知内容)が表示されるが、エラー用の音量にてスピーカP11からエラー報知音が出力されたり演出ランプLPがエラー用の輝度で点灯表示又は点滅表示されたりはしないよう構成しても良い。なお、いずれにおいても、抑制機能の作動中に第3種エラー(不正入賞エラー)が検出された場合には、この抑制機能の作動中(抑制報知演出の実行中)において、当該第3種エラーに対応するエラー報知を実行しない(エラー報知を制限する)ことが好適である。
なお、本実施形態において、抑制機能の作動中にエラー報知(第1種エラーのエラー報知を除く)を実行しない理由は、抑制機能の作動中は遊技停止および発射停止の状態となり、遊技を続行できない状態(打ち止め状態)となっているため、遊技機にエラーが発生したとしても遊技者が不測の不利益を被るおそれもなく、また、遊技店の店員は本遊技機に発生したエラーを支障なく点検・調査できる状態となっているため、敢えて抑制機能の報知とエラーの報知との両者を同時に行う必要性が低いからである。但し、抑制機能の作動中においても、払い出すべき遊技球がある場合には、当該遊技球の払い出しが実行されるため、当該遊技球の払い出し中に第1種エラー(賞球エラー)が発生した場合は、当該第1種エラー(賞球エラー)に対応するエラー報知を実行することで、遊技者に対して不利益が生じないようになっている。変形例としては、大当り遊技中に第2種エラーが検出されてその後当該大当り遊技中に抑制機能作動条件を充足した場合、又は、大当り遊技中に抑制機能作動条件を充足してその後当該大当り遊技中に第2種エラーが検出された場合、当該大当り遊技中に当該第2種エラーに対応するエラー報知を実行可能であり、当該大当り遊技中に当該第2種エラーが解除されなかった場合は、大当り遊技終了後の抑制機能作動中(抑制報知演出の実行中)に亘って当該第2種エラーに対応するエラー報知を実行可能なように構成しても良い。
<第1の状況での各種報知演出> 本実施形態では、大当り遊技の実行中に抑制機能作動条件を充足した状態において、遊技機に第1種エラー又は第2種エラーが発生した場合に、発生したエラーの種別に対応するエラー報知と、大入賞口P54への遊技球の入球に基づく大入賞口入賞演出(強調演出および/または大入賞口カウントアップ演出)とが重複実行される状況(「第1の状況」と呼称する)がある。なお、エラー報知と大入賞口入賞演出との重複実行とは、エラー報知の実行期間(又は実行タイミング)と、大入賞口入賞演出の実行期間(又は実行タイミング)とが重なることであり、両演出の実行期間の全部が重なる場合と、両演出の実行期間の一部が重なる場合とが含まれる。
この第1の状況では、抑制機能作動条件を充足しているが(MYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に到達しているが)、大当り遊技の実行中であるため、この第1の状況において抑制報知演出は実行されず(抑制機能が作動せず)、事前報知演出(第10単位報知演出)が継続実行されている状態となる。なお、本実施形態の変形例として、この第1の状況においては、事前報知演出も抑制報知演出も実行しないように構成してもよい。
ここで、本実施形態では、大当り遊技の実行中において、遊技者により所定の操作が行われると(例えば十字キーP16の左右キーP16c,16dが同時に操作されると)、画面に複数段階の音量レベルを示す音量調整画像(図72を参照)が横並びに表示され、遊技者が左キー又は右キーを操作することにより、スピーカP11から出力されている音声の出力レベル(音量レベル)を調整することが可能となる。具体的には、音量調整画像の表示中は、遊技者による音量調整操作として、右キーを操作すると音量レベルが上がり、左キーを操作すると音量レベルが下がる。
本実施形態では、第1の状況において音量調整画像と大入賞口入賞演出の画像(強調表示、賞球カウントアップ表示)とが同時に表示される場合、大入賞口入賞演出の画像よりも音量調整画像の方が表示の優先度が高く、大入賞口入賞演出の画像(強調表示、賞球カウントアップ表示)と音量調整画像とが重畳表示されたとしても、大入賞口入賞演出の画像の前面側に音量調整画像が表示されることになる(大入賞口入賞演出の画像の一部または全部が音量調整画像により隠れたかたちで表示される)。
また、第1の状況において音量調整が行われた場合、発生中の第1種エラー又は第2種エラーに対応するエラー報知音は、当該音量調整の如何に関らず、予め定められた規定の音量(固定の音量)で出力される。すなわち、この第1の状況においては、音量調整画像の表示中に左キーP16cまたは右キーP16dを押下操作しても、エラー報知音は常に一定の音量(予め定められた固定の音量(例えば最大の音量))で出力され、エラー報知音の音量は変化しない。一方、エラー報知音の出力中は、大当り中BGMなどの他の音声の出力が停止される。但し、大当り中BGMの出力停止中においては、内部的には大当り中BGMがミュート状態(消音又は無音状態)で継続再生されている。この大当り中BGMのミュート再生中に、音量調整操作が行われた場合には、当該ミュート再生は継続するが、内部処理的には音量レベルの設定値が当該音量調整操作に応じた値に可変設定される。例えば、この第1の状況において、遊技者の音量調整操作に応じて音量レベルが「2」から「4」に変更された場合、エラー報知音は当該音量レベルに依存することなく常に一定の音量(固定の音量)で出力され、また、大当り中BGMは出力が停止(ミュート再生)されているが、内部処理的には音量レベルの設定値が「4」に可変設定されている(内部処理的には音量調整操作が有効に受け付けられている)。
<第2の状況での各種報知演出> 本実施形態では、大当り遊技の実行中に抑制機能作動条件を充足した状態において、遊技機に第3種エラーが発生した場合、当該第3種エラーに対応するエラー報知が実行されず、大入賞口P54への遊技球の入球があっても大入賞口入賞演出(強調演出および/または賞球カウントアップ演出)が実行されない状況(「第2の状況」と呼称する)がある。なお、この第2の状況では、第3種エラーに対応するエラー報知の実行態様うち、一部の実行態様(例えばエラー報知音の出力)については実行せず、その他の実行態様(例えばエラー報知画像の表示)については実行するものでもよい。
この第2の状況は、抑制機能作動条件を充足しているが(MYカウンタP1038のカウント値が規定値「95000」に到達しているが)、大当り遊技の実行中であるため、この第2の状況において抑制報知演出は実行されない(抑制機能は作動しない)。また、この第2の状況では、上記の第1の状況とは異なり、抑制機能が作動するまでの間(大当り遊技が終了するまでの間)、事前報知演出(第10単位報知演出)も実行されない。つまり、第2の状況となった時点(第3種エラーが検出された時点)で、それまで実行されていた事前報知演出(第10単位報知演出)を強制的に終了する。
この第2の状況において事前報知演出を実行しない理由は、MYカウンタP1038が規定値「95000」に到達した状態で最も優先度の高い第3種エラー(不正入賞エラー)が発生しているということは、MYカウンタP1038が規定値「95000」に達するほどの大掛かりな不正行為(不正入賞)が行われている蓋然性が高いため、通常とは異なる挙動(遊技店側が異常を識別し得る特定の挙動)を示すことで、不正行為の早期発見を可能としている。付言すると、上記のような不正行為が行われている最中にエラー報知および事前報知演出を実行すると、不正行為者は間もなく抑制機能が作動して遊技停止(打ち止め)となることを予見し、当該行為者は不正行為を隠蔽したり遊技店から逃げ出したりするおそれがあるが、前述の外部情報信号の送受信により遊技店側が当該行為者を秘密裏に監視することで、周囲の正当な遊技者に不信感や違和感を与えることなく不正行為を察知することができる。なお、第2の状況において、遊技機を電源断および電源復帰した場合は、当該電源復帰がRAMクリア(RAMクリアスイッチP820の操作)を伴う電源復帰であれば、第3種エラーが解除され、大当り遊技終了後に抑制機能が作動する(抑制報知演出が実行される)。
各種のエラー報知と抑制機能との関係性は前述したとおりであるが、各種の演出(待機デモ演出、ボタンバイブ演出、装飾図柄の所定の動作、画像変形演出)と抑制機能との関係性は以下のとおりである。事前報知演出の実行中であっても待機デモ演出は実行可能(開始可能)であるが、抑制報知演出の実行中では待機デモ演出が実行(開始)されない。なお、待機デモ演出の実行中であっても事前報知演出が実行可能(開始可能)であり且つ並行して実行可能であるが、待機デモ演出の実行中であっても抑制報知演出を実行可能(開始可能)である一方で待機デモ演出は強制的に終了する。また、事前報知演出の実行中であってもボタンバイブ演出は実行可能(開始可能)であるが、抑制報知演出の実行中ではボタンバイブ演出が実行(開始)されない
。なお、ボタンバイブ演出の実行中であっても事前報知演出が実行可能(開始可能)であり且つ並行して実行可能であるが、ボタンバイブ演出の実行中であっても抑制報知演出を実行可能(開始可能)である一方でボタンバイブ演出は強制的に終了する。また、事前報知演出の実行中であっても装飾図柄の所定の動作(変動開始時動作、仮停止時動作、リーチ成立時動作、揺れ動作)は実行可能(開始可能)であるが、抑制報知演出の実行中では装飾図柄の所定の動作が実行(開始)されない。なお、装飾図柄の所定の動作の実行中であっても事前報知演出が実行可能(開始可能)であり且つ並行して実行可能であるが、装飾図柄の所定の動作の実行中であっても抑制報知演出を実行可能(開始可能)である一方で装飾図柄の所定の動作は強制的に終了する。また、事前報知演出の実行中であっても画像変形演出は実行可能(開始可能)であるが、抑制報知演出の実行中では画像変形演出が実行(開始)されない。なお、画像変形演出の実行中であっても事前報知演出が実行可能(開始可能)であり且つ並行して実行可能であるが、画像変形演出の実行中であっても抑制報知演出を実行可能(開始可能)である一方で画像変形演出は強制的に終了する。
以上、第8実施形態(変形例を含む)において達成される主要な効果を整理すれば、下記のようになる。
まず、第8実施形態によれば、累積賞球数表示の上限値「99999」がMYの上限値となる規定値「95000」よりも大きな数値として設定されており、抑制機能が作動する前であっても、その実行条件となるMYの規定値「95000」を上回る数値の累積賞球数表示を表示することができるため、遊技者に満足感や達成感を与えることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第8実施形態によれば、強調演出の実行条件となる特定値の基準単位「2500」がMYの規定値「95000」と所定値「90000」との差分値「5000」よりも小さい数値に設定されており、事前報知演出が開始されてから抑制機能が作動するまでの間に、累積賞球数が少なくとも1回は特定値(所定賞球数の倍数値)に到達して、強調演出が必ず1回は実行されることとなるため、抑制機能が作動する直前の状況であっても強調演出の実行を担保することができるとともに、遊技者に満足感や達成感を与えることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第8実施形態によれば、賞球カウントアップ演出の実行中に、MYが規定値「95000」に到達して抑制機能作動条件を充足した場合でも、実行中の賞球カウントアップ演出を中断することなく、当該実行中の賞球カウントアップ演出を継続することで、遊技者にとって違和感のない演出を実現することができるとともに、MYが規定値「95000」に達した後(間もなく抑制機能が作動する状況)においても遊技者の遊技意欲を持続させることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第8実施形態によれば、強調演出の実行中に、MYが規定値「95000」に到達して抑制機能作動条件を充足した場合でも、実行中の強調演出を中断することなく、当該実行中の強調演出を継続することで、遊技者にとって違和感のない演出を実現することができるとともに、MYが規定値「95000」に達した後(間もなく抑制機能が作動する状況)においても遊技者の遊技意欲を持続させることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第8実施形態によれば、賞球カウントアップ演出の実行中に、MYが所定値「90000」に到達して事前報知条件を充足した場合(事前報知演出を開始した場合)でも、実行中の賞球カウントアップ演出を中断することなく、当該実行中の賞球カウントアップ演出を継続することで、遊技者にとって違和感のない演出を実現することができるとともに、事前報知演出が開始された後においても遊技者の遊技意欲を持続させることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第8実施形態によれば、強調演出の実行中に、MYが所定値「90000」に到達して事前報知条件を充足した場合(事前報知演出を開始した場合)でも、実行中の強調演出を中断することなく、当該実行中の強調演出を継続することで、遊技者にとって違和感のない演出を実現することができるとともに、事前報知演出が開始された後においても遊技者の遊技意欲を持続させることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第8実施形態によれば、大当り遊技の実行中に強調演出が実行される直前の状況であっても、大入賞口以外へのイレギュラーな入賞によっては強調演出が実行されずに抑制機能作動条件が充足され得る状況を有することで、その状況に応じた適切な演出進行を実現することができるとともに、このイレギュラーな事象においても抑制機能を作動させて公正且つ公平な遊技を担保することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。なお、そのような状況下では、一度電源を落とした後、再度電源を投入することで、演出内容も抑制機能の作動条件もリセットして、言わば一から仕切り直しすることが可能である。
また、第8実施形態によれば、大当り遊技の実行中に強調演出が実行される直前の状況であっても、大入賞口以外へのイレギュラーな入賞によっては強調演出が実行されずに事前報知条件が充足され得る状況を有することで、その状況に応じた適切な演出進行を実現することができるとともに、このイレギュラーな事象においても抑制機能に関する事前報知を速やかに実行して公正且つ公平な遊技を担保することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。なお、そのような状況下では、一度電源を落とした後、再度電源を投入することで、演出内容も事前報知もリセットして、言わば一から仕切り直しすることが可能である。
また、第8実施形態によれば、強調演出の実行時間を大入賞口P54への遊技球1個の入球に対応して行われる賞球カウントアップ演出の実行時間よりも長時間に設定することで、強調演出と賞球カウントアップ演出とが同時又は略同時に実行された場合でも、希少性の高い強調演出を目立たせることができるため、強調演出が発生したときの遊技者の満足感や達成感を一層向上させることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第8実施形態によれば、事前報知演出の実行時間を強調演出の実行時間よりも長時間に設定することで、事前報知演出と強調演出とが重複実行されたとしても、一時的な表示である強調演出よりも継続的な表示である事前報知演出を優先的に目立たせて、事前報知演出への遊技者の注目度を向上させることができるため、現在の遊技状況(抑制機能が間もなく作動する予定であること)を確実に遊技者に把握させることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第8実施形態によれば、大入賞口P54に遊技球が連続的に入球して先後二回の賞球カウントアップ演出が連続的に実行される場であっても、先後の賞球カウントアップ演出を滞りなく円滑に進めることができるため、大入賞口P54への遊技球の入球時と賞球カウントアップ演出の実行時との間でタイミングのずれが生じること(それにより遊技者に違和感を与えること)を防止することできるとともに、大当り遊技(ラウンド遊技)の実行中に賞球カウントアップ演出を適切に完結させることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第8実施形態によれば、強調演出の実行中において遊技者の選択操作によって出力中の楽曲が変更されたとしても、当該強調演出の特殊音が継続して出力されるようになっているため、強調演出が発生したこと(累積賞球数が特定値に到達したこと)に対する遊技者の達成感や満足感が損なわれる事態を防止することができるとともに、大当り中の演出態様に多様性および選択性を持たせることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第8実施形態によれば、大当り遊技の実行中において抑制機能作動条件を充足した後に、RAMクリアを伴わずに電源復帰した場合には、当該電源復帰後に強調演出(当該電源断前に実行が予定された強調演出)は実行しない一方で、当該電源復帰後に再開された大当り遊技の終了後に抑制報知演出は実行することで、強調演出の実行よりも電源断復帰の報知を優先させて、遊技者に対して電源断が復帰して遊技を再開できるようになったことを速やかに報知することができるとともに、電源復帰後においては抑制機能を確実に報知且つ作動させて、公正且つ公平な遊技を担保することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第8実施形態によれば、大当り遊技の実行中において事前報知条件を充足した後に、RAMクリアを伴わずに電源復帰した場合には、当該電源復帰後に強調演出(当該電源断前に実行が予定された強調演出)を実行しないとともに、当該電源復帰後に事前報知演出(当該電源断時に実行されていた事前演出)も再開しないことで、強調演出および事前報知演出の実行よりも電源断復帰の報知を優先させて、遊技者に対して電源断が復帰して遊技を再開できるようになったことを速やかに報知することができるとともに、当該電源復帰によりMYが初期化されたことを遊技者に認識させることができ(電源復帰した直後に抑制機能が作動するのではないかという遊技者の誤解や不安感を払拭することができ)、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
[変形例] 次に、上記第1~第8実施形態の変形例について説明する。この変形例に係る遊技機は、基本的には、上記第1~第8実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
<変形例1> 上記実施形態では、特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合、特別図柄の停止図柄(大当り図柄)に基づき確変移行の有無を判定するノーマル確変遊技機を採用しているが、この構成に限定されるものではなく、特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合、その大当り遊技の実行中に遊技球が特定領域に入球するか否かに応じて確変移行の有無を判定するV確変遊技機を採用してもよい。また、上記実施形態の遊技機の変形例として、予め設定されたリミット回数(上限回数)を限度として、第1特別図柄又は第2特別図柄で大当りとなることを契機として付与される確変遊技状態又は潜確遊技状態の連続回数を制限するためのリミッタ機能を備えた遊技機を採用してもよい。また、上記第2実施形態では、特別図柄の確率変動機能が大当り遊技の終了後から次の大当りが発生するまでの間、継続する確変遊技機として構成したが、特別図柄の確率変動機能が規定ST回数(例えば100回)だけ継続して作動する確変遊技機(回数切り確変機、ST機)として構成してもよい。逆に、上記第5実施形態では、特別図柄の確率変動機能が規定ST回数だけ継続して作動する確変遊技機(回数切り確変機、ST機)として構成したが、特別図柄の確率変動機能が大当り遊技の終了後から次の大当りが発生するまでの間、継続する確変遊技機として構成してもよい。
<変形例2> 上記実施形態では、遊技領域に大入賞口を1つのみ搭載した機種を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、遊技領域に複数の大入賞口を搭載した機種を適用してもよい。また、複数の大入賞口を搭載した機種を採用する場合、上記のV確変遊技機として、特別図柄の確率変動機能の作動契機となる特定領域(確率変動機能作動領域、V領域)を備えた第1の大入賞口と、この特定領域(確率変動機能作動領域、V領域)を備えていない第2の大入賞口との、2つ以上の大入賞口を搭載するものでよい。その盤面配置例としては、遊技領域の右側
領域に第1の大入賞口と第2の大入賞口とを略上下又は略左右に並べて配置してもよいし、第1の大入賞口が配置される盤面領域と、第2の大入賞口が配置される盤面領域とを異なる領域としてもよい。なお、その場合には遊技球が第1の大入賞口に入球した場合に払い出される賞球数(単位賞球数)と、遊技球が第2の大入賞口に入球した場合に払い出される賞球数(単位賞球数)とを同数としても相違するものとしてもよい。また、二つの大入賞口のうち、第1大入賞口(又は第2大入賞口)を小当り遊技用の大入賞口、第2大入賞口(又は第1大入賞口)を大当り遊技用の大入賞口として構成してもよい。その場合には、小当り遊技用の大入賞口の賞球数(単位賞球数)は10個、大当り遊技用の大入賞口の賞球数(単位賞球数)は15個などとしてもよい。
<変形例3> 上述の実施形態では、複数種の遊技状態のうち、潜伏確変遊技状態を特別図柄の確率変動機能および特別図柄の変動時間短縮機能が作動し、電チューサポート機能が作動していない遊技状態として定義したが、これに限定されるものではなく、潜伏確変遊技状態を特別図柄の確率変動機能のみが作動し、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が作動していない遊技状態と定義してもよい。また、特別図柄の変動時間短縮機能を、第1特別図柄の変動時間短縮機能と第2特別図柄の変動時間短縮機能とに機能分割して、潜伏確変遊技状態を特別図柄の確率変動機能および第2特別図柄の変動時間短縮機能が作動し、電チューサポート機能が作動していない遊技状態として規定してもよい。また、電チューサポート機能は、特別図柄の変動時間短縮機能(第2特別図柄の変動時間短縮機能)と同期して作動するものでも、特別図柄の変動時間短縮機能(第2特別図柄の変動時間短縮機能)と独立して作動するものでもよい。
次に、上記実施形態および変形例の技術的意義をより明瞭に把握し易くするために、上記実施形態および変形例に対応する課題について概説しておく。
従来機種のぱちんこ遊技機では、特別遊技の実行中に遊技球が大入賞口に入球することを契機として大入賞口入賞演出(例えば賞球数表示や効果音出力)を実行するものが知られている(例えば「特開2013-123602号公報」を参照)。
しかしながら、このような構成を採用するぱちんこ遊技機は、従来機種として既に多数存在しているため、従来機種との差別化を図るには、更なる遊技の興趣性の向上が求められる。
また、従来機種のぱちんこ遊技機では、特別遊技の実行中において、現在実行中の特別遊技において行われるラウンド遊技の実行回数や、現在実行中のラウンド遊技が何ラウンド目であるかを報知するものが知られている(例えば「特開2012-125303号公報」を参照)。
しかしながら、このような構成を採用するぱちんこ遊技機は、従来機種として既に多数存在しているため、従来機種との差別化を図るには、更なる遊技の興趣性の向上が求められる。
また、従来機種のぱちんこ遊技機では、遊技領域から排出された遊技球数や遊技者に付与される賞球数を計測することで得られる遊技の性能情報を表示する性能表示装置を備えたものが知られている(例えば「特開2018-186936号公報」を参照)。
しかしながら、このような構成を採用するぱちんこ遊技機は、従来機種として既に多数存在しており、適切な遊技性能の評価を実現するためには、更なる改善の余地がある。
また、従来機種のぱちんこ遊技機では、当否判定の結果が大当りとなる当選確率を設定する機能(いわゆる設定機能)を搭載したものが知られている(例えば「特開2019-205605号公報」を参照)。
しかしながら、このような構成を採用するぱちんこ遊技機は、従来機種として既に多数存在しており、当該遊技機の処理負荷の軽減を図るという観点においては、更なる改善の余地がある。
そこで、上記実施形態および変形例に係るぱちんこ遊技機では、更なる改善を図ることを目的として、上記のような構成を採用し、上記のような作用効果を達成している。
[第9実施形態] 次に、第9実施形態に係るぱちんこ遊技機について説明する。ここで、上述の第2実施形態~第8実施形態では、球皿に遊技球(賞球)を払い出すタイプの通常のぱちんこ遊技機について説明したが、この第9実施形態では、遊技機内部に封入した遊技球を循環的に使用するタイプの管理遊技機、ECO遊技機、封入式遊技機と称されるぱちんこ遊技機について説明する。以下では、第9実施形態のぱちんこ遊技機を「管理遊技機」と呼称する。
なお、この第9実施形態のぱちんこ遊技機(管理遊技機)は、基本的には、上述の第2実施形態~第8実施形態のうちの1又は2以上の組合せに係るぱちんこ遊技機と同様の構成(構成要素のうちの一部を削除又は周知・慣用技術等で転換したものを含む)を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。つまり、以下の説明においては、特段の場合を除き、上述の第2実施形態~第8実施形態と共通の構成を適用することが可能であり、上述の第2実施形態~第8実施形態と同様の遊技(遊技演出を含む)を実施することが可能である。また、上述の第1実施形態では、基板が搭載された遊技機としてスロットマシンを例として説明したが、この基板の構成(基板構造)を管理遊技機に搭載された基板に適用してもよい。
それでは、はじめに、以下において使用する主たる用語について説明する。
「管理遊技機」とは、遊技機情報センターに遊技機の各種情報を出力可能な機能を有する遊技機である(「遊技機」または「ぱちんこ遊技機」と呼称する場合がある)。
「主制御CPU」とは、管理遊技機の主制御基板に搭載されるCPUである(「メインCPU」と呼称する場合がある)。
「枠制御CPU」とは、管理遊技機の枠制御基板に搭載されるCPUである。
「専用ユニット」とは、遊技機専用のユニット(遊技球等貸出装置)である。
「専用ユニットメイン基板」とは、専用ユニットのメイン基板である。
「制御マイコン」とは、専用ユニット制御CPUである(以下、「CU」と呼称する)。
「専用PIF」とは、管理遊技機と専用ユニット間の通信仕様を規定するためのインターフェースである。
「遊技機情報センター」とは、管理遊技機から出力される各種情報を収集するセンターである。
「カード会社データセンター」とは、遊技機情報センターと接続するカードユニット団体又はカード会社のセンターである。
「管理コンピュータ」とは、専用ユニットと接続するコンピュータである。
「ホールコンピュータ」とは、ホールコン出力BOXから出力される各種情報を収集するコンピュータである(以下、「ホールコン」と略称する)。
「ホールコン出力ボックス」とは、専用ユニットと接続して、ホールコンへ各種情報を出力するためのシリアル/パルス変換機器である。
「主制御チップID番号」とは、主制御CPUのID番号である。
「枠制御チップID番号」とは、枠制御CPUのID番号である。
「遊技球数」とは、管理遊技機で発射可能な遊技球の個数(遊技球数表示装置に記録された遊技球の個数)である。
「計数球数」とは、管理遊技機が送信した計数球数である。
「貸出球数」とは、専用ユニットが送信した貸出球数である。
「持ち球数」とは、専用ユニットが受信した計数球数、およびカード会社で管理する球数である。
「遊技機情報」とは、遊技機設置情報、遊技機性能情報、ホールコン・不正監視情報の総称である。
「遊技機設置情報」とは、遊技機種類、主制御CPU/枠制御CPUのメーカコード、製品コード、チップID番号で、遊技機情報センターへ送信される情報である。
「遊技機性能情報」とは、MY、分間獲得遊技球数(ベース)、役物比率、連続役物比率等で、遊技機情報センターへ送信される情報である。
「ホールコン情報」とは、大当り、確率変動、変動時間短縮、各入賞口の入賞球数などの情報である。
「不正監視情報」とは、不正検知状態1~3のうちの不正検知状態1を示す情報である。不正検知状態1は、主制御基板側での不正検知状態を示す。なお、不正検知状態2,3は、枠制御基板側での不正検知状態を示す。
「エラー情報」とは、遊技機エラー状態を示す情報である。
[管理遊技機の全体構成] 次に、本実施形態の管理遊技機PCの全体構成について図223~図224を参照して説明する。以下では、図223の各矢印で示す方向をそれぞれ、上下方向、前後方向、左右方向と呼称する。
まず、管理遊技機PCの前面側の基本構造を説明する。管理遊技機PCは、図223に示すように、外郭方形枠サイズに構成された縦向きの固定保持枠をなす外枠P1と、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載枠をなす前枠P2とを主体に構成される。前枠P2は、外枠P1および前枠P2の左側縁部に配設された上下のヒンジ機構P3a,P3bにより、外枠P1の前側開口部に対して横開き開閉および着脱が可能に取り付けられる。また、前枠P2は、右側縁部に設けられたダブル錠と称される施錠装置P4を利用して、常には外枠P1と係合連結された閉鎖状態に保持される。
前枠P2の前面側には、この前枠P2の上部前面域に合わせた方形状のガラス枠P5が上下のヒンジ機構P3a,P3bを利用して横開き開閉および着脱可能に組み付けられる。ガラス枠P5は、上述の施錠装置P4を利用して、常には前枠P2の前面を覆う閉鎖状態に保持される。前枠2には遊技盤P20が着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス枠P5の複層ガラスを通して、遊技盤P20の前面に設けられた遊技領域PAを視認可能に臨ませるようになっている。
ガラス枠P5の前面側には、遊技の展開状況に応じて発光する枠ランプ(LEDランプ)P10や、遊技の展開状態に応じて効果音を発生させるスピーカP7が設けられている。前枠P2の右下部には、遊技球の発射操作を行う発射ハンドルP12が設けられている。ガラス枠5の下部には、前方に突出して膨らむ装飾部材P19が設けられている。この装飾部材P19の中央に、所定の演出操作を行うためのボタンやスイッチ、ダイヤル等の演出ボタンP11が取り付けられる。装飾部P19の上面部左側に、演出に関する設定操作等を行うための十字キーP16が取り付けられている。装飾部材P19の上面部右側には、遊技に使用可能な遊技球数等を表示する遊技球数表示装置P851と、遊技球数を減算して持ち球数に加算する計数処理を行うための計数ボタンP852とが取り付けられる。なお、管理遊技機PCの前面側には、構造上、球皿(上球皿、下球皿)が設けられておらず、遊技者が遊技球に直接触れることがない。また、管理遊技機PCには、図示を省略しているが、遊技機内部で所定数の遊技球を循環させるための遊技球循環装置が搭載されている。この遊技球循環装置は、発射装置から遊技領域PAに発射された遊技球(アウト球)を回収し、その回収した遊技球を再び発射装置へと供給することで、遊技機内部に封入された所定数の遊技球を循環使用する。
続いて、管理遊技機PCの後面側の基本構造を説明する。図224に示すように、前枠P2の後面側には、中央に前後連通する窓口を有して前枠P2よりも幾分小型の矩形枠状に形成された裏機構盤P30が取り付けられている。裏機構盤P30の後側には、遊技盤20の後側を全体的に覆う遊技盤カバー(図示せず)が取り付けられている。裏機構盤P30の後面側には、遊
技球(遊技球数)を管理・記憶する枠制御基板(枠制御基板ケースユニット)P800や、遊技施設側から受電して各種制御装置や電気・電子部品に電力を供給する電源基板(電源基板ケースユニット)P500等が取り付けられている。また、遊技盤P20の後側には、管理遊技機PCの作動を統括的に制御する主制御基板(主制御基板ケースユニット)P100や、遊技展開に応じた画像表示、効果照明、効果音等の演出全般の制御を行う演出制御基板(演出制御基板ケースユニット)200等が取り付けられている。これらの制御装置と管理遊技機PC各部の電気・電子部品とがハーネス(コネクタケーブル)で接続されて、管理遊技機PCが作動可能に構成されている。
なお、上記の第1実施形態のスロットマシンに搭載された基板の構成は、本実施形態の管理遊技機PCに搭載された主制御基板P100、演出制御基板P200、電源基板P500、枠制御基板P800などに適用することができ、上記の第1実施形態と同様の作用効果を奏することできる。
[主制御基板と枠制御基板間のインターフェース仕様] 次に、管理遊技機PCの主制御基板P100と枠制御基板P800との間のインターフェース仕様について説明する。
〔1.システム構成〕 次に、管理遊技機PCのシステム構成について説明する。図225は、管理式遊技機PCのシステム構成を示すブロック図である。図中には、本システムのインターフェースとして、ハードインターフェースを二重線で示し、ソフトインターフェースを一重線(一重線矢印)で示している。
管理遊技機PCは、主制御基板P100、枠制御基板P800、演出制御基板P200、電源基板P500、遊技球数表示装置P851、計数ボタンP852、専用PIF回路P860などを備えている。主制御基板P100と演出制御基板P200との間では、主制御基板P100から演出制御基板P200へと向かう単一方向のみで通信可能に接続され、主制御基板P100から演出制御基板P200へ各種の演出制御コマンドが送信される。主制御基板P100および枠制御基板P800は、双方向通信可能に接続されている。主制御基板P100から枠制御基板P800へは、遊技機設置情報、遊技機情報を通知するための電文などが送信される。枠制御基板P800から主制御基板P100へは、主制御基板P100に対して電文の受領結果を応答するための応答電文などが送信される。
枠制御基板P800は、遊技球数の加減算の管理、遊技球の循環の制御、遊技球の発射制御、性能情報の算出などを行う。この枠制御基板P800には、遊技球数表示装置P851、計数ボタンP852、専用PIF回路P853などが接続されている。枠制御基板P800は、遊技球数表示装置P851の表示を制御する。遊技球数表示装置P851は、例えば6桁の7セグメントLEDを有する表示装置であり、管理遊技機PCで発射可能な遊技球数を表示する。この遊技球数表示装置P851は、遊技球数を1個単位で表示可能である。計数ボタンP852は、管理遊技機PCと専用ユニットP900との間で、遊技球数を持ち球数に移行させる計数処理を行うために操作される。この計数ボタンP852の操作信号は、枠制御基板P800に入力される。この計数ボタンP852が押下されると、所定の計数処理が行われ、遊技球数から計数球数(250球)が減算され、この減算された分の計数球数(250球)が持ち球数に加算される。つまり、1回の計数処理が行われると、予め設定された計数球数(250球)分の個数が遊技球数から持ち球数に移行する(枠制御基板P800にて管理される遊技球数が専用ユニットP900にて管理される持ち球数に移行される)。なお、枠制御基板P800には、図示省略しているが、性能表示モニタ(図120等の性能表示モニタ830を参照)が接続されている。この管理遊技機PCでは、枠制御基板P800にて性能情報が算出され、その算出結果が性能表示モニタに表示される。また、枠制御基板P800は、専用PIFケーブルP860により専用ユニットP900と接続されている。
電源基板P500には、管理遊技機PCを起動/停止させるための電源スイッチが接続されており、電源スイッチのオン操作により、各制御基板等へ電源が供給される。電源基板P500の電源は、電源基板P500、主制御基板P100、演出制御基板P200、枠制御基板P800の間に設けられている電源線を通じて、電源基板P500から主制御基板P100へ供給され、この主制御基板P100を介して演出制御基板P200および枠制御基板P800へ供給される。なお、電源基板P500の電源は、電源基板P500から枠制御基板P800へ供給され、この枠制御基板P800を介して主制御基板P100および演出制御基板P200へ供給されるものでもよい。
〔2.主制御基板-枠制御基板間の通信〕 主制御基板P100と枠制御基板P800との間では、非同期シリアルポートにて電文方式による通信を実行する。主制御基板P100と枠制御基板P800との間で送受信される情報(電文)には、「遊技機設置情報通知」、「遊技機設置情報応答」、「遊技機情報通知」、「遊技機情報応答」が含まれる。主制御基板P100は、遊技機設置情報通知を電源投入時に一電文で送信する。枠制御基板P800は、遊技機設置情報通知の応答電文として、遊技機設置情報応答を10ms以内に送信する。また、主制御基板P100は、遊技情報通知を一定時間毎に一電文で送信する。枠制御基板P800は、遊技機情報通知の応答電文として、遊技機設置情報応答を10ms以内に送信する。
〔3.通信条件〕 次に、主制御基板P100と枠制御基板P800との間の通信条件について説明する。主制御基板P100と枠制御基板P800との間の通信速度(ボーレート)は、「31250bps」である。ビット構成は、スタートビットが「1bit」、データビットが「8bit」、ストップビットが「1bit」、パリティビット無し、に設定されている。通信方式は、非同期シリアル通信である。通信制御は、全二重通信であり、通信周期は「108ms」である。
〔4.電文のデータ構成〕 次に、電文のデータ構成について説明する。この電文のデータ構成は、詳細後述するが、遊技機設置情報通知、遊技機設置情報応答、遊技機情報通知、遊技機情報応答のデータ構成に適用可能である。なお、「電文」は、コマンド、信号(制御信号)、情報(制御情報)と言い換えることができる。
電文は、先頭から順に、「電文長」、「コマンド」、「通番」、「データ部」、「チェックサム」のデータ(情報)を含む。つまり、先頭の「電文長」から最後の「チェックサム」までのデータが電文範囲である。電文を構成する各データのデータ形式は、HEX(十六進)である。主制御基板P100は、電文を、必ず1フレームで完結させ、分割送信しない。また、枠制御基板P800は、「電文長」を受信後、20ms以内に「チェックサム」までを受信できなかった場合には、それまでの受信データをキャンセルし、再度、「電文長」から受信する。
「電文長」は、この「電文長」から「チェックサム」までの電文の長さである。この「電文長」のデータ長は、1バイトである。
「コマンド」は、電文のコマンドコードである。本実施形態では、電文のコマンドコードとして、「0x01(遊技機設置情報通知)」、「0x11(遊技機設置情報応答)」、「0x02(遊技機情報通知)」、「0x12(遊技機情報応答)」があり、電文の種類に応じたコマンドコードが設定される。この「コマンド」のデータ長は、1バイトである。
「通番」は、電文に付与される通信通番(通番のシーケンス番号)である。「通番」には、通信通番として、「0」~「255」(十六進表示では「0x00」~「0xFF」)の値が格納される。この「通番」のデータ長は、1バイトである。
「データ部」は、電文のデータである。この「データ部」のデータ長は、1バイトである。
「チェックサム」は、「電文長」から「データ部」までの加算した結果である。この「チェックサム」のデータ長は、1バイトである。
〔5.電文の種類〕 次に、電文の種類(電文名)について説明する。電文の種類には、(A)遊技機設置情報通知、(B)遊技機設置情報応答、(C)遊技機情報通知、(D)遊技機情報応答の4種類がある。以下、各電文の詳細について順に説明する。
〔A.遊技機設置情報通知〕 まず、「遊技機設置情報通知」について説明する。「遊技機設置情報通知」は、主制御基板P100から枠制御基板P800に対して遊技機設置情報を通知するための電文である。
「遊技機設置情報通知」は、先頭から順に、「電文長」、「コマンド」、「通信通番」、「遊技機設置情報」、「チェックサム」のデータ(情報)を含む、計25バイトのデータ長で構成される。なお、「遊技機設置情報通知」では、「遊技機設置情報」が当該電文の「データ部」に該当する。
<A1.電文長> 「電文長」のデータ長は、1バイトである。この「電文長」には、当該電文の長さ(25バイト)を示す値である「0x19」が設定される。
<A2.コマンド> 「コマンド」のデータ長は、1バイトである。この「コマンド」には、当該電文(遊技機設置情報通知)のコマンドコードを示す値である「0x01」が設定される。
<A3.通信通番> 「通信通番」のデータ長は、1バイトである。この「通信通番」には、固定値として「0x00」が設定される。
<A4~A7.遊技機設置情報> 「遊技機設置情報」のデータ長は、21バイトである。この「遊技機設置情報」は、「遊技機種類」と、「主制御チップID番号」と、「主制御チップメーカコード」と、「主制御チップ製品コード」とを含む。
<A4.遊技機種類> 「遊技機種類」は、1バイト(8Bit)のデータ長で構成され、Bit7は、管理媒体(0=遊技球、1=遊技メダル)を示し、Bit6~Bit4は、団体区分(0=団体A、1=団体B、2~7=未使用)を示し、Bit3~Bit0は、遊技機(1=ぱちんこ遊技機、2=回胴式遊技機、3=アレンジボール遊技機、4=じやん球遊技機、0=未使用、5~15=未使用)を示す。「遊技機種類」が「0x00」である場合、管理媒体が遊技球であり、団体区分が団体Aであり、遊技機がぱちんこ遊技機であることを示す。「遊技機種類」が「0x82」である場合、管理媒体が遊技メダルであり、団体区分が団体Aであり、遊技機が回胴式遊技機であることを示す。「遊技機種類」が「0x83」である場合、管理媒体が遊技メダルであり、団体区分が団体Aであり、遊技機がアレンジボール遊技機であることを示す。「遊技機種類」が「0x84」である場合、管理媒体が遊技メダルであり、団体区分が団体Aであり、遊技機がじやん球遊技機であることを示す。「遊技機種類」が「0x92」である場合、管理媒体が遊技メダルであり、団体区分が団体Bであり、遊技機が回胴式遊技機であることを示す。
<A5.主制御チップID番号> 「主制御チップID番号」のデータ長は、1バイトである。この「主制御チップID番号」には、主制御チップに付与されたID番号(IDリーダに表示されるチップ個別ナンバーまたはチップ個別コード)が設定される。なお、「主制御チップID番号」は、CPUメーカとCPU種別とを識別するための識別コードを含む。
<A6.主制御チップメーカコード> 「主制御チップメーカコード」のデータ長は、3バイトである。この「主制御チップメーカコード」には、主制御チップの管理エリアに記載したメーカコードが設定される。
<A7.主制御チップ製品コード> 「主制御チップ製品コード」のデータ長は、8バイトである。この「主制御チップ製品コード」には、主制御チップの
管理エリアに記載した製品コードが設定される。
<A8.チェックサム> 「チェックサム」のデータ長は、1バイトである。この「チェックサム」には、「電文長」から「遊技機設置情報」までを加算した結果の値が設定される。
主制御基板P100は、電源投入時に「遊技機設置情報通知」を枠制御基板P800に対して送信する(遊技機設置情報を通知する)。なお、主制御基板P100は、枠制御基板P800から「遊技機設置情報応答」を受信するまで通常遊技(遊技球の発射)を不可とする。
〔B.遊技機設置情報応答〕 次に、「遊技機設置情報応答」について説明する。「遊技機設置情報応答」は、枠制御基板P800から主制御基板P100に対して遊技機設置情報通知の受領結果を応答するための電文である。
「遊技機設置情報応答」は、先頭から順に、「電文長」、「コマンド」、「通信通番」、「遊技機設置情報受領結果」、「チェックサム」を含む、計5バイトのデータ長で構成される。なお、「遊技機設置情報応答」では、「遊技機設置情報受領結果」が当該電文の「データ部」に該当する。
<B1.電文長> 「電文長」のデータ長は、1バイトである。この「電文長」には、当該電文の長さ(5バイト)を示す値である「0x05」が設定される。
<B2.コマンド> 「コマンド」のデータ長は、1バイトである。この「コマンド」には、当該電文(遊技機設置情報応答)のコマンドコードを示す値である「0x11」が設定される。
<B3.通信通番> 「通信通番」のデータ長は、1バイトである。この「通信通番」には、固定値として「0x00」が設定される。
<B4.遊技機設置情報受領結果> 「遊技機設置情報受領結果」のデータ長は、1バイトである。この「遊技機設置情報受領結果」には、主制御基板P100から「遊技機設置情報通知」を受領したことを示す情報である「0x00」が設定される。但し、電源投入時に管理遊技機PCが球抜き状態(管理遊技機PCに封入された遊技球を機外に排出可能とする状態)である場合は、「遊技機設置情報受領結果」には、球抜き状態であることを示す情報である「0x01」が設定される。
<B5.チェックサム> 「チェックサム」のデータ長は、1バイトである。この「チェックサム」には、「電文長」から「遊技機設置情報受領結果」までを加算した結果の値が設定される。
枠制御基板P800は、「遊技機設置情報受領確認」を送信する場合は、「遊技機設置情報通知」で受信した通信通番をそのまま応答する。また、枠制御基板P800は、受信した「遊技機設置情報通知」の通信通番が0以外である場合には、無応答とする。
〔C.遊技機情報通知〕 次に、「遊技機情報通知」について説明する。「遊技機情報通知」は、主制御基板P100から枠制御基板P800に対して遊技機情報(ホールコン情報、不正監視情報)を通知するための電文である。なお、以下で使用する用語として、「条件装置」および「役物連続作動装置」という用語は概念上の制御機器を意味しており、「条件装置」とは、特別図柄遊技で大当りが発生した場合に作動するものであり、「役物連続作動装置」とは、特別電動役物P542を連続して複数回作動させることができるものである。
「遊技機情報通知」は、先頭から順に、「電文長」、「コマンド」、「通信通番」、「主制御状態1」、「主制御状態2」、「遊技機エラー状態」、「不正検知状態1」、「役物作動賞球数」、「連続役物作動賞球数」、「遊技情報数」、「遊技情報」、「チェックサム」のデータ(情報)を含む、計11~21バイトのデータ長で構成される。なお、「遊技機情報通知」では、「主制御状態1」、「主制御状態2」、「遊技機エラー状態」、「不正検知状態」、「役物作動賞球数」、「連続役物作動賞球数」、「遊技情報数」、「遊技情報」が当該電文の「データ部」に該当する。
<C1.電文長> 「電文長」のデータ長は、1バイトである。この「電文長」には、当該電文の長さ(11~21バイト)を示す値である「0x05」~「0x15」が設定される。
<C2.コマンド> 「コマンド」のデータ長は、1バイトである。この「コマンド」には、当該電文(遊技機情報通知)のコマンドコードを示す値である「0x02」が設定される。
<C3.通信通番> 「通信通番」のデータ長は、1バイトである。この「通信通番」は、「0~255(0x00~0xFF)」までの数値が設定される。主制御基板P100は、「遊技機情報通知」の送信時に「通信通番」を1加算する(前回の「通信通番」に1を加算する)。なお、この加算した結果が最大値「255」を超えた場合には、最小値「0」に戻ることとなる。
<C4.主制御状態1> 「主制御状態1」は、1バイト(8Bit)のデータ長で構成され、Bit0は、「大当り1」を示し、Bit1は、「大当り2」を示し、Bit2は、「大当り3」を示し、Bit3は、「遊技機状態信号1」を示し、Bit4は、「遊技機状態信号2」を示し、Bit5は、「遊技機状態信号3」を示し、Bit6は、「遊技機状態信号4」を示し、Bit7は、未使用である。
「大当り1」は、大当り1情報であり、報知する大当り中に「1」がセットされる。「大当り2」は、大当り2情報であり、全ての大当り中に「1」がセットされる。「大当り3」は、大当り3情報であり、遊タイム・小当りRUSH・C時短等任意の状態中に「1」がセットされる。なお、遊タイムとは、通常遊技状態(低確率低ベース状態)において特別図柄の当否判定ではずれが規定回数連続したこと(はずれの変動表示が規定回数連続したこと)を契機に移行する時短遊技状態(低確率高ベース状態)をいう。小当りRUSHとは、特別図柄(第2特別図柄)の当否判定において小当りを頻出させて、大当りに当選するまでの間、小当り遊技を連続的に発生させる潜確遊技状態(高確率低ベース状態)をいう。C時短とは、特別図柄が特定のはずれ図柄(時短図柄)で停止表示されることを契機に移行する時短遊技状態(低確率高ベース状態)をいう。
「遊技機状態信号1」、「遊技機状態信号2」、「遊技機状態信号3」および「遊技機状態信号4」は、専用ユニットP900の拡張外部端子板からホールコンHC等の外部に状態を出力するために使用され、専用ユニットP900の拡張外部端子板から出力される「外部端子板状態出力信号1~4」に対応する。「遊技機状態信号1」には、遊技機状態信号1がON中に「1」がセットされる。「遊技機状態信号2」には、遊技機状態信号2がON中に「1」がセットされる。「遊技機状態信号3」には、遊技機状態信号3がON中に「1」がセットされる。「遊技機状態信号4」には、遊技機状態信号4がON中に「1」がセットされる。
<C5.主制御状態2> 「主制御状態2」は、1バイト(8Bit)のデータ長で構成され、Bit0は、「大当り中+時短(変動時間短縮)中または有利状態中」を示し、Bit1は、「高確率中」を示し、Bit2は、「時短(変動時間短縮)中または有利状態中」を示し、Bit3~Bit7は、未使用である。「大当り中+時短(変動時間短縮)中または有利遊技中」には、大当り中およびその大当り終了後の時短(変動時間短縮)中であるとき、または、大当り中およびその大当り終了後の有利状態中(確変または保留消化中など)であるときに、「1」がセットされる。「高確率中」には、特別図柄の大当り確率が相対的に高確率なる高確率状態中であるときに、「1」がセットされる。「時短(変動時間短縮)中または有利状態中」には、時短(変動時間短縮)中または有利遊技中であるときに、「1」がセットされる。なお、確率変動機能が作動していることを報知しない遊技機の場合には、「高確率中」の情報は出力しない。
<C6.遊技機エラー状態> 「遊技機エラー状態」は、1バイト(8Bit)のデータ長で構成され、Bit0~Bit5は、管理遊技機PCで発生中のエラーコードを示し、Bit6は、「0」であれば枠制御基板P800側のエラーで、「1」であれば主制御基板P100側のエラーであることを示し、Bit7は、「0」であれば発報(エラー報知)のみで、「1」であれば発報(エラー報知)およびホールコン出力であることを示す。なお、Bit0~Bit7が「0」であるときは、エラー未発生の状態であることを示す。
<C7.不正検知状態1> 「不正検知状態1」は、1バイト(8Bit)のデータ長で構成され、Bit0は、「設定変更中信号」を示し、Bit1は、「設定確認中信号」を示し、Bit2は、「RAMクリア信号」を示し、Bit3は、「不正検知信号1」を示し、Bit4は、「不正検知信号2」を示し、Bit5は、「不正検知信号3」を示し、Bit6は、「コンプリート信号」を示し、Bit7は、未使用である。なお、「設定変更中信号」および「設定確認中信号」は、枠制御基板P800が記憶を行い、180秒以上で当該信号をオフする。
「設定変更中信号」は、設定変更中を示す情報であり、正常(設定変更中以外)であるときは「0」が設定され、設定変更中であるときは「1」が設定される。
「設定確認中信号」は、設定確認中を示す情報であり、正常(設定確認中以外)であるときは「0」が設定され、設定確認中であるときは「1」が設定される。
「RAMクリア信号」は、主制御基板100のRAMがクリアされたことを示す情報であり、正常(RAMクリア発生以外)であるときは「0」が設定され、RAMクリア発生したときは「1」が設定される。
「不正検知信号1」は、上記(設定変更中、設定確認中、RAMクリア)の他、不正のおそれがあることを示す情報(緊急度:弱)であり、正常であれば「0」が設定され、異常発生であれば「1」が設定される。
「不正検知信号2」は、上記(設定変更中、設定確認中、RAMクリア)の他、不正のおそれがあることを示す情報(緊急度:中)であり、正常であれば「0」が設定され、異常発生であれば「1」が設定される。
「不正検知信号3」は、上記(設定変更中、設定確認中、RAMクリア)の他、不正のおそれがあることを示す情報(緊急度:強)であり、正常であれば「0」が設定され、異常発生であれば「1」が設定される。
「コンプリート信号」は、コンプリート機能が作動したことを示す情報であり、正常であれば「0」が設定され、コンプリート機能が作動していれば「1」が設定される。なお、このコンプリート機能は、上記第8実施形態で記載した「抑制機能」に対応する。
なお、「不正検知信号1」~「不正検知信号3」の緊急度は、機歴サーバにて報知されるレベルとなるので、不正として軽いものから順に「弱」、「中」、「強」として出力する。
<C8.役物作動賞球数> 「役物作動賞球数」は、1バイト(8Bit)のデータ長で構成され、前回の遊技機情報通知からの役物作動による賞球数の合算(0~255)を枠制御基板P800へ通知するための情報である。
<C9.連続役物作動賞球数> 「連続役物作動賞球数」は、1バイト(8Bit)のデータ長で構成され、前回の遊技機情報通知からの役物連続作動装置作動による賞球数の合算(0~255)を枠制御基板P800へ通知するための情報である。
<C10.遊技情報数> 「遊技情報数」は、1バイト(8Bit)のデータ長で構成され、「遊技情報」の個数(n=0~5)を示す情報である。例えば、「遊技情報数」が1である場合には、1個の「遊技情報」として「遊技情報1」を含み、「遊技情報数」が2である場合には、2個の「遊技情報」として「遊技情報1」、「遊技情報2」を含み、「遊技情報数」が3である場合には、3個の「遊技情報」として「遊技情報1」、「遊技情報2」、
「遊技情報3」を含み、「遊技情報数」が4である場合には、4個の「遊技情報」として「遊技情報1」、「遊技情報2」、「遊技情報3」、「遊技情報4」を含み、「遊技情報数」が5である場合には、4個の「遊技情報」として「遊技情報1」、「遊技情報2」、「遊技情報3」、「遊技情報4」、「遊技情報5」を含む。なお、「遊技情報数」が0である場合には、「遊技情報」を含まない。
<C11~C20.遊技情報> 「遊技情報」は、主制御基板P100で発生した始動口入賞、大入賞口入賞、図柄確定回数等を枠制御基板P800へ通知する情報である。「遊技情報」は、「種別情報(上位1バイト)」と「カウント情報(下位1バイト)」の計2バイトのデータ長で構成される。
<種別情報> 「種別情報」は、データ種別とデータ番号で構成され、データ種別毎にデータ番号が設定されている。具体的には、1バイトの「種別情報」のうち、上位4Bit(Bit4~7)にデータ種別が割り当てられ、下位4Bit(Bit0~3)にデータ番号が割り当てられている。このデータ種別(Bit4~7)の値と、データ番号(Bit0~3)の値との組合せにより、「種別情報」の内容が特定される。なお、データ種別(Bit4~7)は「0」、「5~8」、「11」が未使用である。
データ種別が「1」である場合は、始動口入賞(始動口に入賞したこと)を通知する情報となる。データ番号は、始動口番号を示す情報となり、「1」であれば始動口1、「2」であれば始動口2、「3」であれば始動口3を示す。なお、データ番号は「0」と「4~15」が未使用である。ここで、例えば上記実施形態の如く、第1始動口P51および第2始動口P52の2つの始動口を有する場合、第1始動口P51に「始動口1」を割り当て、第2始動口P52に「始動口2」を割り当てることができる。また、本実施形態では、始動口3の情報はホールコンHCへ出力されないため、ホールコンHCへの出力が必要な場合には始動口1または始動口2の情報としてコマンド出力することになる。
データ種別が「2」である場合は、特別電動役物作動による大入賞口入賞(大入賞口に入賞したこと)を通知する情報となる。データ番号は、大入賞口番号を示す情報となり、「1」であれば大入賞口1、「2」であれば大入賞口2を示す。なお、データ番号は「0」と「3~15」が未使用である。
データ種別が「3」である場合は、入賞口入賞(入賞口に入賞したこと)を通知する情報となる。データ番号は、入賞口番号を示す情報となり、「1」であれば入賞口1、「2」であれば入賞口2、「3」であれば入賞口3、「4」であれば入賞口4、・・・、「15」であれば入賞口15を示す。なお、データ番号は「0」が未使用である。この入賞口入賞の情報には、普通電動役物作動による入賞口への入賞も含まれる。
データ種別が「4」である場合は、全始動口入賞(主たる遊技に関わる始動口または普図作動口へ入賞、ゲート通過したこと)を通知する情報となる。データ番号は、主たる遊技に関わる始動口、普図作動口へ入賞、またはゲート通過したことを示す情報となり、「1」であれば入賞または通過を示す。なお、データ番号は「0」と「2~15」が未使用である。
データ種別が「9」である場合は、図柄確定回数(主たる遊技に関わる図柄の変動回数)を通知する情報となる。データ番号は、主たる遊技に関わる図柄(特別図柄、普通図柄、特別図柄1、特別図柄2など)の確定回数を示す情報となり、「1」であれば主たる遊技に関わる図柄の確定回数を示す。なお、データ番号は「0」と「2~15」が未使用である。
データ種別が「10」である場合は、大当り回数(役物連続作動装置が作動したこと)を通知する情報となる。データ番号は、大当り回数を示し、「1」であれば役物連続作動装置が作動(大当り)したことを示す。なお、データ番号は「0」と「2~15」が未使用である。
データ種別が「12」である場合は、役物回数(大入賞口開放回数:主に旧2種遊技機において、小当り時の大入賞口開放回数をスタート回数としたい場合に、役物連続作動装置が未作動時の大入賞口の開放回数)を通知する情報となる。データ番号は、役物番号を示す情報となり、「1」であれば役物1を示す。なお、データ番号は「0」と「2~15」が未使用である。
データ種別が「13」である場合は、特定領域通過(遊技球が特定の領域を通過したこと)を通知する情報となる。データ番号は、特定領域を示す情報となり、「1」であれば特定領域1を示す。なお、データ番号は「0」と「2~15」が未使用である。
データ種別が「14」である場合は、外部端子板パルス出力(専用ユニットP900の外部端子板パルス出力信号端子)を示す情報となる。この外部端子板パルス出力は、専用ユニットP900の拡張外部端子板からパルス出力を指示するために使用し、データ番号で専用ユニットP900の出力信号端子を指定する。データ番号は、専用ユニットP900の出力信号端子(外部端子板パルス出力信号端子)を指定する情報となり、「1」であれば外部端子板パルス出力信号端子1、「2」であれば外部端子板パルス出力信号端子2、「3」であれば外部端子板パルス出力信号端子3、「4」であれば外部端子板パルス出力信号端子4を示す。なお、データ番号は「5~15」が未使用である。
データ種別が「15」である場合は、性能情報状態通知(枠制御基板が性能情報を計算するために必要となる状態)を通知する情報となる。データ番号は、「1」が固定である。なお、データ番号は「0」と「2~15」が未使用である。
なお、枠制御基板P800にて性能表示モニタの計算を行う場合、性能表示モニタの計算を正しく行うために、データ種別のうち、「1~3」の入賞通知と「15」の性能情報状態通知は、主制御基板P100で発生した時系列順で枠制御基板P800へ送信する。
<カウント情報> 「カウント情報」は、データ種別毎に異なる回数情報が設定される。以下に、データ種別毎のカウント情報の内容とデータ格納例を説明する。
(a)データ種別1~3の場合 データ種別が1=始動口入賞、2=特別電動役物作動による大入賞口入賞、3=入賞口入賞の場合、「カウント情報」は、賞球数(上位4Bit)と、入賞個数(下位4Bit)とで構成される。賞球球数(Bit4~7)には、「1~15(個)」が設定される。入賞個数(Bit0~3)には、「1(個)」が設定され、「0」と「2~15」は未使用である。
(例1)3個賞球の始動口1に2個入賞した場合 「種別情報」は、データ種別が1=始動口入賞であり、データ番号が1=始動口1である。「カウント情報」は、賞球球数が3=3個賞球であり、入賞個数が1=1個入賞である。その結果、「遊技情報」として、「0x1131」のデータが2個生成される。
(例2)15個賞球の大入賞口2に3個入賞した場合 「種別情報」は、データ種別が2=特別電動役物作動による大入賞口入賞であり、データ番号が2=大入賞口2である。「カウント情報」は、賞球球数が15=15個賞球であり、入賞個数が1=1個入賞である。その結果、「遊技情報」として、「0x22F1」のデータが3個生成される。
(例3)1個賞球の入賞口2に1個入賞した場合 「種別情報」は、データ種別が3=入賞口であり、データ番号が2=入賞口2である。「カウント情報」は、賞球球数が1=1個賞球であり、入賞個数が1=1個入賞である。その結果、「遊技情報」として、「0x3211」のデータが1個生成される。
(b)データ種別4の場合 データ種別が4=全始動口入賞の場合、「カウント情報」は、未使用(上位4Bit)と、全始動口入賞(下位4Bit)とで構成される。未使用(Bit4~7)は、「0」固定である。全始動口入賞(Bit0~3)には、「1(回)」が設定され、「0」と「2~15」は未使用である。
(例4)主たる遊技に関わる始動口、普図作動口に1個入賞、またはゲートを1個通過した場合 「種別情報」は、データ種別が4=全始動口入賞であり、データ番号が1=主たる遊技に関わる始動口などである。「カウント情報」は、未使用が0固定であり、全始動口入賞が1=1個入賞または通過である。その結果、「遊技情報」として、「0x4101」のデータが1個生成される。
(c)データ種別9の場合 データ種別が9=図柄確定回数の場合、「カウント情報」は、未使用(上位4Bit)と、図柄確定回数(下位4Bit)とで構成される。未使用(Bit4~7)は、「0」固定である。図柄確定回数(Bit0~3)には、「1(回)」が設定され、「0」と「2~15」は未使用である。
(例5)主たる遊技に関わる図柄が1回停止した場合 「種別情報」は、データ種別が9=図柄確定回数であり、データ番号が1=主たる遊技に関わる図柄である。「カウント情報」は、未使用が0固定であり、図柄確定回数が1=1回停止である。その結果、「遊技情報」として、「0x9101」のデータが1個生成される。
(d)データ種別10の場合 データ種別が10=大当り回数の場合、「カウント情報」は、未使用(上位4Bit)と、当り回数(下位4Bit)とで構成される。未使用(Bit4~7)は、「0」固定である。当り回数(Bit0~3)には、「1(回)」が設定され、「0」と「2~15」は未使用である。
(例6)役物連続作動装置が1回作動(大当り)した場合 「種別情報」は、データ種別が10=大当り回数であり、データ番号が1=大当りである。「カウント情報」は、未使用が0固定であり、当り回数が1=1回発生である。その結果、「遊技情報」として、「0xA101」のデータが1個生成される。
(e)データ種別12の場合 データ種別が12=役物回数(大入賞口開放回数)の場合、「カウント情報」は、未使用(上位4Bit)と、役物回数(下位4Bit)とで構成される。未使用(Bit4~7)は、「0」固定である。役物回数(Bit0~3)には、「1(回)」が設定され、「0」と「2~15」は未使用である。
(例7)役物1が1回開放した場合 「種別情報」は、データ種別が12=役物回数であり、データ番号が1=役物1である。「カウント情報」は、未使用が0固定であり、役物回数が1=1回開放である。その結果、「遊技情報」として、「0xC101」のデータが1個生成される。
(f)データ種別13の場合 データ種別が13=特定領域通過の場合、「カウント情報」は、未使用(上位4Bit)と、特定領域通過数(下位4Bit)とで構成される。未使用(Bit4~7)は、「0」固定である。特定領域通過数(Bit0~3)には、「1(回)」が設定され、「0」と「2~15」は未使用である。
(例8)特定領域1を遊技球が1回通過した場合 「種別情報」は、データ種別が13=特定領域通過であり、データ番号が1=特定領域1である。「カウント情報」は、未使用が0固定であり、特定領域通過数が1=1回通過である。その結果、「遊技情報」として、「0xD101」のデータが1個生成される。
(g)データ種別14の場合 データ種別が14=外部端子板パルス出力の場合、「カウント情報」は、未使用(上位4Bit)と、パルス出力回数(下位4Bit)とで構成される。未使用(Bit4~7)は、「0」固定である。パルス出力回数(Bit0~3)には、「1(回)」が設定され、「0」と「2~15」は未使用である。
(例9)専用ユニットP900の外部端子板パルス出力信号端子1から1回パルス出力する場合 「種別情報」は、データ種別が14=外部端子板パルス出力であり、データ番号が1=外部端子板パルス出力信号端子1である。「カウント情報」は、未使用が0固
定であり、パルス出力回数が1=1回パルス出力である。その結果、「遊技情報」として、「0xE101」のデータが1個生成される。
(h)データ種別15の場合 データ種別が15=性能情報状態通知の場合、「カウント情報」は、未使用(上位4Bit)と、状態フラグ(下位4Bit)とで構成される。未使用(Bit4~7)は、「0」固定である。状態フラグ(Bit0~3)は、Bit0がベース(「0」=低ベース中、「1」=高ベース中)であり、Bit1が大当り中(「0」=通常時、「1」=大当り中)であり、Bit2が高確率中(「0」=低確率、「1」=高確率)であり、Bit3が不使用である。なお、本通知は、遊技中の状態変化等、電源投入時および設定変更または設定確認中から遊技可能状態に移行したときに通知する。
(例10)高ベース中へ状態変化した場合 「種別情報」は、データ種別が15=性能情報状態通知であり、データ番号が1固定である。「カウント情報」は、未使用(Bit4~7)が0固定であり、状態フラグ(Bit0~3)においてBit0(ベース)が1=高ベース中であり、Bit1(大当り中)が0=通常時であり、Bit2(高確率中)が0=低確率であり、Bit3が0固定である。その結果、「遊技情報」として、「0xF101」のデータが1個生成される。
<C21.チェックサム> 「チェックサム」のデータ長は、1バイトである。この「チェックサム」には、「電文長」から「遊技情報」までを加算した結果の値が設定される。
〔D.遊技機情報応答〕 次に、「遊技機情報応答」について説明する。「遊技機情報応答」は、枠制御基板P800から主制御基板P100に対して遊技機情報通知の受領結果を応答するための電文である。
「遊技機情報応答」は、先頭から順に、「電文長」、「コマンド」、「通信通番」、「遊技機情報受領結果」、「チェックサム」を含む、計5バイトのデータ長で構成される。なお、「遊技機情報応答」では、「遊技機情報受領結果」が当該電文の「データ部」に該当する。
<D1.電文長> 「電文長」のデータ長は、1バイトである。この「電文長」には、当該電文の長さ(5バイト)を示す値である「0x05」が設定される。
<D2.コマンド> 「コマンド」のデータ長は、1バイトである。この「コマンド」には、当該電文(遊技機情報応答)のコマンドコードを示す値である「0x12」が設定される。
<D3.通信通番> 「通信通番」のデータ長は、1バイトである。この「通信通番」は、「0~255(0x00~0xFF)」までの数値が設定される。なお、この「通信通番」には、「遊技機情報通知」で受信した通信通番をそのまま使用する。
<D4.遊技機情報受領結果> 「遊技機情報受領結果」のデータ長は、1バイトである。この「遊技機情報受領結果」には、主制御基板P100から「遊技機情報通知」を受領したことを示す情報である「0x00」が設定される。
<D5.チェックサム> 「チェックサム」のデータ長は、1バイトである。この「チェックサム」には、「電文長」から「遊技機情報受領結果」までを加算した結果の値が設定される。
なお、枠制御基板P800は、「遊技機情報受領確認」を送信する場合は、「遊技機情報通知」で受信した通信通番をそのまま応答する。つまり、枠制御基板P800は、主制御基板P100から受信した遊技機情報通知の通信通番が1であれば、通信通番が1の遊技機情報応答を主制御基板P100に返信し、主制御基板P100から受信した遊技機情報通知の通信通番が2であれば、通信通番が2の遊技機情報応答を主制御基板P100に返信する。
〔6.主制御基板と枠制御基板間の通信手順〕 次に、主制御基板P100と枠制御基板P800との間の通信手順について説明する。図226は、主制御基板P100と枠制御基板P800との間の電源投入からの通信手順を示す図である。
まず、電源投入後、主制御基板P100は、遊技機設置情報通知(通信通番=0)を枠制御基板P800に送信する。
枠制御基板P800は、遊技機設置情報通知(通信通番=0)を受信してから10ms以内に、遊技機設置情報応答(通信通番=0)を主制御基板P100に送信する。
主制御基板P100は、遊技機設置情報応答(枠制御基板P800からの応答は10ms以内)を正常受信後、遊技可能状態となると、遊技球の発射を許可し、遊技機情報通知を一定周期(通信周期108ms)で送信する。
具体的には、主制御基板P100は、前回の遊技機設置情報通知(通信通番=0)を送信してから108ms後に、遊技機情報通知(通信通番=1)を枠制御基板P800に送信する。なお、この遊技機情報通知(通信通番=1)は、枠制御基板P800が性能情報を計算するため、性能情報状態通知(データ種別=15)に関する遊技情報を先頭で送信する。
枠制御基板P800は、遊技機情報通知(通信通番=1)を受信してから10ms以内に、遊技機情報応答(通信通番=1)を主制御基板P100に送信する。
続いて、主制御基板P100は、前回の遊技機情報通知(通信通番=1)を送信してから108ms後に、遊技機情報通知(通信通番=2)を枠制御基板P800に送信する。
枠制御基板P800は、遊技機情報通知(通信通番=2)を受信してから10ms以内に、遊技機情報応答(通信通番=2)を主制御基板P100に送信する。
続いて、主制御基板P100は、前回の遊技機情報通知(通信通番=2)を送信してから108ms後に、遊技機情報通知(通信通番=3)を枠制御基板P800に送信する。
枠制御基板P800は、遊技機情報通知(通信通番=3)を受信してから10ms以内に、遊技機情報応答(通信通番=3)を主制御基板P100に送信する。
以降、主制御基板P100は、一定周期(通信周期108ms)毎に、通信通番をカウントアップしながら、遊技機情報通知(通信通番=4,5,6,・・・)を枠制御基板P800に送信する。これに対して、枠制御基板P800は、遊技機情報通知(通信通番=4,5,6,・・・)を受信してから10ms以内に、その受信した通信通番と同一の通信通番で、遊技機情報応答(通信通番=4,5,6・・・)を主制御基板P100に送信する。
なお、主制御基板P100および枠制御基板P800の起動時間は、最大で3分とする。枠制御基板P800は、起動から3分以内に遊技機設置情報通知を受信できなかった場合、通信回線断としてエラーを報知する。枠制御基板P800は、上記通信回線断後、遊技機設置情報通知を受信した場合、エラーの報知を解除する。
また、電源投入時に設定変更または設定確認の操作が行われた場合には、主制御基板P100は遊技機設置情報応答(枠制御基板P800からの応答は10ms以内)を正常受信後に、設定変更状態(設定変更モード)または設定確認状態(設定確認モード)に移行して、遊技機情報通知を通信周期108msで送信する。この遊技機情報通知では、主制御情報1、主制御情報2,遊技機エラー状態に「0」をセットし、不正検知状態1のみ該当するフラグをセットして送信する。主制御基板P100は、設定変更または設定確認が終了した後、遊技可能状態になると、遊技球の発射を許可し、遊技機情報通知を送信する。なお、設定変更または設定確認が終了した後、最初に送信される遊技機情報通知(通信通番=n+1)は、枠制御基板P800が性能情報を計算するため、性能情報状態通知(データ種別=15)に関する遊技情報を先頭で送信する(電源断復帰時にバッファされている遊技情報よりも先に通知する)。
また、主制御基板P100は、電文(遊技機設置情報通知または遊技機情報通知)を通知した後に、枠制御基板P800からの応答電文(遊技機設置情報応答または遊技機情報応答)を受信しなかった場合には、その電文を枠制御基板P800に再送する(但し、通信通番はカウントアップする)。主制御基板P100は、10回連続で枠制御基板P800からの応答電文を受信できなかった場合には、通信回線断と判定してエラー報知を実行する。なお、この通信回線断後は、電源がオン/オフされることにより、当該通信回転断から復帰する。
また、枠制御基板P800は、主制御基板P100からの電文(遊技機設置情報通知または遊技機情報通知)を受信してから1000ms間、次の電文を受信できなかった場合には、通信回線断と判定してエラー報知を実行する。なお、この通信回線断後、主制御基板P100からの電文を正常受信した場合には、エラー報知を解除する。
また、電源投入時に管理遊技機PCが球抜き状態(管理遊技機PCに封入された遊技球を機外に排出可能とする状態)である場合、遊技機設置情報応答(通信通番=0)のデータ部(遊技機設置情報受領結果)には、球抜き状態であることを示す情報(0x01)が設定される。その場合には、主制御基板P100は、この遊技機設置情報応答(通信通番=0)を受信した後、発射を許可したうえで、無限ループ処理を実行する(例えば、通常の遊技の進行に要する処理(主制御側タイマ割込み処理など)が行われないようにする)。なお、主制御基板P100および枠制御基板P800は、球抜き状態の送受信を行った後は通信を行わない。また、「球抜き状態」は、電源投入から電源遮断まで動作を継続する。
なお、この第9実施形態では、主制御基板P100が実行するタイマ割込み処理として、4msタイマ割込み処理と、108msタイマ割込み処理とを有する。4msタイマ割込み処理は、上記第2実施形態等で説明した主制御側タイマ割込み処理(図79)と同様の処理が実行される。108msタイマ割込み処理は、枠制御基板P800への通信電文(遊技機情報通信)の生成および送信などの処理が実行される。なお、4msタイマ割込み処理は、108msタイマ割込み処理よりも割込みの優先度が高く設定されていることが好ましい。但し、4msタイマ割込み処理よりも108msタイマ割込み処理の方が割込みの優先度が高く設定されていてもよい。また、4msタイマ割込み処理および108msタイマ割込み処理のうち、一方のタイマ割込み処理の実行中に他方のタイマ割込み処理の割込み要求が発生した場合には、一方のタイマ割込み処理の実行が完了してから他方の割込み処理を実行してもよい。
以上、第9実施形態の管理遊技機PCによれば、主制御基板P100と枠制御基板P800との間において適切な情報の送受信が可能となり、制御負担を増大させることなく、遊技球数および持ち球数の管理を適切に実行することができるとともに、遊技の処理を円滑に進めることが可能になるという効果を奏する。
なお、本発明は、上記実施形態および変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。また、上記実施形態および変形例に記載された各構成要素を適宜組み合わせたもの、あるいは、上記実施形態および変形例に記載された各構成要素のうち一部を削除又は周知・慣用技術等で転換したものについても、本発明の範囲に含まれるものである。