以下、添付図面を参照し、本発明に係る実施形態を次の順序で説明する。
<1.遊技機の構造>
<2.遊技機の制御構成>
[2-1.主制御部]
(設定値の変更操作について)
(性能表示について)
(演出制御コマンド)
[2-2.演出制御部]
[2-3.演出制御部の構成]
<3.動作の概要説明>
[3-1.図柄変動表示ゲーム]
(特別図柄変動表示ゲーム)
(装飾図柄変動表示ゲーム)
(普通図柄変動表示ゲーム)
(保留について)
[3-2.遊技状態]
[3-3.当りについて]
[3-4.演出について]
(演出モード)
(予告演出)
(演出手段)
<4.主制御部の処理>
[4-1.主制御側メイン処理]
(初期設定処理)
(初期設定後の処理)
(メインループ処理)
(設定変更処理)
(RAMクリア処理)
(設定確認処理)
(メインループ前処理)
(実施形態としての設定値表示用データテーブルと設定値変換テーブルの利点)
[4-2.主制御側タイマ割込み処理]
(電源チェック・バックアップ処理)
(エラー管理及び遊技進行のための処理等)
[4-3.特別図柄変動表示ゲームに係る処理]
(特別図柄管理処理)
(特図1始動口チェック処理)
(特別図柄変動開始処理)
(変動管理処理)
(大当り乱数判定処理)
(変動パターン抽選処理)
<5.演出制御部の処理>
[5-1.処理概要]
[5-2.回転数及び残回数の表示]
[5-3.表示処理例1]
[5-4.表示処理例2]
[5-5.表示処理例3]
[5-6.表示処理例4]
[5-7.表示処理例5]
[5-8.組み合わせについて]
[5-9.その他表示例、及び変形例]
<6.実施形態のまとめ>
<1.遊技機の構造>
図1及び図2を参照して、本発明に係る実施形態としてのパチンコ遊技機1の構造について説明する。図1はパチンコ遊技機1の外観を示す正面側の斜視図を、図2はパチンコ遊技機1が有する遊技盤3の正面側を示した図である。
図1に示すパチンコ遊技機1(以下「遊技機1」と略称する場合がある)は、木製の外枠4の前面に額縁状の前枠2を開閉可能に取り付け、前枠2の裏面に取り付けた遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤3(図2参照)を装着し、この遊技盤3の表面に形成した遊技領域3aを前枠2の開口部に臨ませた構成を有する。この遊技領域3aの前側には、透明ガラスを支持したガラス扉6が設けられている。また遊技盤3の背面側には、遊技動作を制御するための各種制御基板(図3参照)が配設されている。
ガラス扉6の前側には扉ロック解除用のキーシリンダ(図示せず)が設けられており、このキーシリンダにキーを差し込んで一方側に操作すれば前枠2に対するガラス扉6のロック状態を、他方側に操作すれば外枠4に対する前枠2のロック状態をそれぞれ解除して前側に開放できるようになっている。
ガラス扉6の下側には、ヒンジ(図示せず)により前枠2に開閉自在に枢支された前面操作パネル7が配置されている。前面操作パネル7には、上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が形成されている。
また上受け皿ユニット8には、上受け皿9に貯留された遊技球を遊技機1の下方に抜くための球抜きボタン14と、遊技球貸出装置(図示せず)に対して遊技球の払い出しを要求するための球貸しボタン11と、遊技球貸出装置に挿入した有価価値媒体の返却を要求するためのカード返却ボタン12とが設けられている。また上受け皿ユニット8には、遊技者が操作可能に構成された演出ボタン13(操作手段)が設けられている。この演出ボタン13は、所定の入力受付期間中に内蔵ランプ(ボタンLED75)が点灯されて操作可能(入力受付可能)となり、その内蔵ランプ点灯中に所定の操作(押下、連打、長押し等)をすることにより演出に変化をもたらすことが可能となっている。
また、図1では図示を省略しているが、前面操作パネル7には、遊技者やホールスタッフ等の使用者が各種の項目の選択や方向指示等を行うための十字キー15aや、選択項目の決定を指示するための決定ボタン15b等の操作子が設けられている。
また前面操作パネル7の右端部側には、発射装置32(図3参照)を作動させるための発射操作ハンドル15が設けられている。
また前枠2の上部の両側と発射操作ハンドル15の上側とには、音響により音演出効果(効果音)を発揮するスピーカ46が設けられている。また、ガラス扉6の適所には、光の装飾により光演出効果を発揮する装飾ランプ45(例えばフルカラーLEDによる光演出用LED等)が複数設けられている。この装飾ランプ45としてのフルカラーLED(光演出用LED)は、パチンコ遊技機の周囲、つまりガラス扉6の前枠周縁に周方向に複数個設けられている。
図2を参照して、遊技盤3の構成について説明する。図示の遊技盤3には、発射された遊技球を案内する球誘導レール5が盤面区画部材として環状に装着されており、この球誘導レール5取り囲まれた略円形状の領域が遊技領域3a、四隅は非遊技領域となっている。
この遊技領域3aの略中央部には、たとえば3つ(左、中、右)の表示エリア(図柄変動表示領域)において、独立して数字やキャラクタや記号などによる複数種類の装飾図柄(たとえば、左図柄(左表示エリア対応)、中図柄(中表示エリア対応)、右図柄(右表示エリア対応))の変動表示動作(変動表示および停止表示)が可能である液晶表示装置(LCD)36が設けられている。以降の説明においては、左図柄、中図柄、右図柄に変動表示される複数種類の装飾図柄をそれぞれ「図柄群」と記載することもある。即ち、例えば、左表示エリアに停止表示された図柄は、左図柄を構成する図柄群のうちの一つとされる。
この液晶表示装置36は、後述する演出制御部24の制御の下、装飾図柄の変動表示動作の他、種々の演出を画像により表示する。
また遊技領域3a内には、液晶表示装置36の表示面の周りを遠巻きに囲繞する形でセンター飾り48が設けられている。センター飾り48は、遊技盤3の前面側に沿って設けられ、周囲の遊技球から液晶表示装置36の表示面を保護すると共に、遊技球の打ち出しの強さ又はストローク長により、遊技球の流路を左右に振り分けることを可能とする流路振分手段として働く。本実施形態では、センター飾り48の存在によって遊技領域3a内の上部両側(左側と右側)に遊技球の流路が形成されるように、センター飾り48は遊技領域3aのほぼ中央部に配置されている。発射装置32により遊技領域3aの上部側に打ち込まれた遊技球は、鎧枠部48bの上部側で左右に振り分けられ、センター飾り48の左側の左流下経路3bと右側の右流下経路3cとの何れかを流下する。
また遊技盤3の右上縁付近(右上隅)の非遊技領域は各種機能表示部となっており、7セグメント表示器(ドット付)を上始動口34(第1の特別図柄用)と下始動口35(第2の特別図柄用)に対応させて横に並べて構成される特別図柄表示装置38a(第1の特別図柄表示手段)と特別図柄表示装置38b(第2の特別図柄表示手段)とが設けられている。特別図柄表示装置38a、38bでは、7セグメント表示器により表現される「特別図柄」の変動表示動作による特別図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして上記の液晶表示装置36では、特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、画像による装飾図柄を変動表示して、種々の予告演出(演出画像)と共に装飾図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている(これらの図柄変動表示ゲームについての詳細は追って説明する)。
また各種機能表示部には、特別図柄表示装置38a、38bの隣に、7セグメント表示器(ドット付)からなる複合表示装置(保留複合表示用LED表示器)38cが配設されている。複合と称したのは、特別図柄1、2、普通図柄の作動保留球数の表示、変動時間短縮機能作動中(時短中)および高確率状態中(高確中)の状態報知という、5つの表示機能を有する保留・時短・高確複合表示装置(以下単に「複合表示装置」と称する)であるからである。
また各種機能表示部には、複合表示装置38cの隣りに、複数個(この実施形態では2個)のLEDを配置してなる普通図柄表示装置39a(普通図柄表示手段)が設けられている。この普通図柄表示装置39aでは、2個のLEDにより表現される普通図柄の変動表示動作により普通図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。例えば、変動表示動作として、LEDによる普通図柄がシーソー的に交互に点灯と消灯を繰り返し、何れかの側が点灯した状態で停止することで、普通図柄変動表示ゲームの当否が判明するようになっている。また、この普通図柄表示装置39aに隣接して3個のLED(第1~第3ラウンド表示LED)を配置してなるラウンド数表示装置39bが設けられている。このラウンド数表示装置39bは、3つのLEDの点灯・消灯状態の組合せにより、大当りに係る規定ラウンド数(最大ラウンド数)を報知する。
センター飾り48の下方には、上始動口34(第1の特別図柄始動口:第1の始動手段)と、下始動口35(第2の特別図柄始動口:第2の始動手段)を備える普通変動入賞装置41とが上下に設けられ、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する検出センサ34a、35a(上始動口センサ34a、下始動口センサ35a:図3参照)が形成されている。
第1の特別図柄始動口である上始動口34は、特別図柄表示装置38aにおける第1の特別図柄(以下、第1の特別図柄を「特別図柄1」と称し、場合により「特図1」と略称する)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、始動口開閉手段(始動口を開放又は拡大可能にする手段)を有しない入賞率固定型の入賞装置として構成されている。本実施形態では、遊技領域3a内の遊技球落下方向変換部材(例えば、遊技くぎ(図示せず)、風車44、センター飾り48など)の作用により、上始動口34へは、左流下経路3bを流下してきた遊技球については入球(入賞)容易な構成であるのに対し、右流下経路3cを流下してきた遊技球については入球困難または入球不可能な構成となっている。
普通変動入賞装置41は、始動口開閉手段により始動口の遊技球の入賞率を変動可能な入賞率変動型の入賞装置として構成されている。本実施形態では、始動口開閉手段として、第2の特別図柄始動口である下始動口35を、開放または拡大可能にする左右一対の可動翼片(可動部材)47を備える、いわゆる「電動チューリップ型」入賞装置として構成されている。
普通変動入賞装置41の下始動口35は、特別図柄表示装置38bにおける第2の特別図柄(以下、第2の特別図柄を「特別図柄2」と称し、場合により「特図2」と略称する)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、この下始動口35の入賞領域は、可動翼片47の作動状態(作動または非作動)に応じて、入賞を容易とする開状態(入賞容易状態)と、その開状態よりも入賞を困難にし、又は入賞を不可能にする閉状態(入賞困難状態)とに変換される。本実施形態では、可動翼片47が非作動の場合、下始動口35への入賞が不可能とする閉状態(入賞不可能状態)を保持している。
また普通変動入賞装置41の両側には、一般入賞口43が左側に3つ、右側に1つ、計4つ配設されており、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する一般入賞口センサ43a(図3参照)が形成されている。また遊技盤の領域内には遊技球の流下を妨害しない位置に、視覚的演出効果を奏する可動体役物(図示せず)が配設されている。
また普通変動入賞装置41の右斜め上方、つまり右流下経路3cの中間部より上部側には、遊技球が通過可能な通過ゲート(特定通過領域)からなる普通図柄始動口37(第3の始動手段)が設けられている。この普通図柄始動口37は、普通図柄表示装置39aにおける普通図柄の変動表示動作に係る入賞口であり、その内部には、通過する遊技球を検出する普通図柄始動口センサ37a(図3参照)が形成されている。なお本実施形態では、普通図柄始動口37は右流下経路3c側にのみに形成され、左流下経路3b側には形成されていない。しかし本発明はこれに限らず、左流下経路3bのみに形成してもよいし、両流下経路にそれぞれ形成してもよい。
右流下経路3c内の普通図柄始動口37から普通変動入賞装置41へかけての経路途中には、突没式の開放扉52bにより大入賞口50を開放または拡大可能に構成された特別変動入賞装置52(特別電動役物)が設けられており、その内部には大入賞口50に入球した遊技球を検出する大入賞口センサ52a(図3参照)が形成されている。
大入賞口50の周囲は、遊技盤3の表面から膨出した膨出部(装飾部材)55となっており、この膨出部55の上辺55aが右流下経路3cの下流案内部を形作っている。そして開放扉52bにより大入賞口50が閉鎖状態(大入賞口閉状態)であれば、この膨出部55の上辺55aと連続する面を形成することによって、右流下経路3cの下流案内部(上辺55a)の一部を形作るようになっている。また右流下経路3cの下流域には、膨出部55の上辺55aの上方の領域、正確には大入賞口50の上方の遊技領域において、遊技球の流下方向にほぼ平行に流路修正板51dが突設されており、流下する遊技球を大入賞口50の方向に寄せる働きをするようになっている。
大入賞口50への遊技球の入球過程は次のようになる。
センター飾り48の上面と球誘導レール5との間の遊動領域を通過した遊技球は、遊技盤3より突出していて遊技球のガイドとして機能する膨出部55の頂面(上辺)55a上に沿って流下して来る。そして、その遊技球が遊技盤3面から突出している流路修正板51dの右端に接触し、これにより、当該遊技球の流下方向は大入賞口50の方向(下方向)に修正される。このとき、突没式の開放扉52bにより大入賞口50が蓋をされている状態(大入賞口閉状態)であれば、この上を遊技球が転動して、さらに図示しない所定配列の遊技くぎにより、チューリップ式の普通変動入賞装置41(下始動口35)の方向に導かれる。このとき、下始動口35が入賞可能状態(始動口開状態)であれば、下始動口35に遊技球が入賞し得る。他方、開放扉52bが遊技盤面内に後退していて大入賞口50が開いている状態(大入賞口開状態)であれば、遊技球が大入賞口50内に導かれる。
なお本実施形態の遊技機1では、遊技者が特別変動入賞装置52側に発射位置を狙い定めた場合(遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定めた場合)、上始動口34側には遊技球が誘導され難い、又は誘導されない構成となっている。従って「大入賞口閉状態」であれば、普通変動入賞装置41の可動翼片47が作動しない限り、各始動口34、35への入賞が困難又は不可能とされるようになっている。可動翼片47は、後述の電サポ有り状態を伴う遊技状態になると、通常状態よりも有利な開閉パターンで動作するようになっている。
本実施形態の場合、遊技者がどのような打ち方をすれば有利な状況となるかについては、遊技状態に応じて変化する。具体的には、後述の「電サポ無し状態」を伴う遊技状態であれば、遊技球が左流下経路3bを通過するように狙いを定める「左打ち」が有利とされ、後述の「電サポ有り状態」を伴う遊技状態であれば、遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定める「右打ち」が有利とされる。
本実施形態の遊技機1においては、遊技領域3aに設けられた各種入賞口のうち、普通図柄始動口37以外の入賞口への入賞があった場合には、各入賞口別に約束づけられた入賞球1個当りの賞球数(例えば、上始動口34または下始動口35は3個、大入賞口50は13個、一般入賞口43は10個)が遊技球払出装置19(図3参照)から払い出されるようになっている。上記の各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口49を介して遊技領域3aから排出される。
ここで「入賞」とは、入賞口がその内部に遊技球を取り込んだり、或いは入賞口が遊技球を内部に取り込む構造ではなく通過型のゲートからなる入賞口(例えば、普通図柄始動口37)である場合はそのゲートを遊技球が通過したりすることを言い、実際には入賞口ごとに形成された各入賞検出スイッチにより遊技球が検出された場合、その入賞口に「入賞」が発生したものとして扱われる。この入賞に係る遊技球を「入賞球」とも称する。なお、入賞口に遊技球が入口すれば、その遊技球は入賞検出スイッチにより検出されることとなるため、本明細書中では特に断りのない限り、入賞検出スイッチに遊技球が検出されたか否かによらず、入賞口に遊技球が入口した場合を含めて「入賞」と称する場合がある。
<2.遊技機の制御構成>
図3のブロック図を参照して、遊技機1の遊技動作制御を実現するための構成(制御構成)について説明する。
本実施形態の遊技機1は、遊技動作全般に係る制御(遊技動作制御)を統括的に司る主制御基板(主制御手段)20(以下「主制御部20」と称する)と、主制御部20から演出制御コマンドを受けて、演出手段による演出の実行制御(現出制御)を統括的に司る演出制御基板(演出制御手段)24(以下「演出制御部24」と称する)と、賞球の払い出し制御を行う払出制御基板(払出制御手段)29と、外部電源(図示せず)から遊技機1に必要な電源を生成し供給する電源基板(電源制御手段(図示せず))と、を有して構成される。
なお、図3において、各部への電源供給ルートは省略している。
[2-1.主制御部]
主制御部20は、CPU(Central Processing Unit)20a(主制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、遊技動作制御手順を記述した制御プログラムの他、遊技動作制御に必要な種々のデータを格納するROM(Read Only Memory)20b(主制御ROM)と、ワーク領域やバッファメモリとして機能するRAM(Random Access Memory)20c(主制御RAM)とを搭載し、全体としてマイクロコンピュータを構成している。
また図示はしていないが、主制御部20は、周期的割込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を実現するためのCTC(Counter Timer Circuit)、及びCPU20aに割込み信号を付与するタイマ割込み等の割込許可/割込禁止機能を発揮する割込みコントローラ回路、及び電源投入時や遮断時や電源異常などを検知してシステムリセット信号を出力してCPU20aをリセット可能なリセット回路、及び制御プログラムの動作異常を監視するウォッチドッグタイマ(WDT)回路、及び予め設定したアドレス範囲内でプログラムが正しく実行されているか否かを監視する指定エリア外走行禁止(IAT)回路、及びハードウェア的に一定範囲の乱数を生成するためのカウンタ回路等も備えている。
上記カウンタ回路は、乱数を生成する乱数生成回路と、その乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを含んで構成され、全体として16ビットカウンタとして働く。CPU20aは、処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数生成回路が示している数値を内部抽選用乱数値(大当り判定用乱数(乱数の大きさ:65536))として取得し、その乱数値を大当り抽選に利用する。なお、内部抽選用乱数は、当り狙い打ち等のゴト行為を防ぐために、適宜なソフトウェア処理で生成しているソフト乱数値と、ハード乱数値とを加算したものを取得している。
主制御部20には、上始動口34への入賞(入球)を検出する上始動口センサ34aと、下始動口35への入賞を検出する下始動口センサ35aと、普通図柄始動口37の通過を検出する普通図柄始動口センサ37aと、大入賞口50への入賞を検出する大入賞口センサ52aと、一般入賞口43への入賞を検出する一般入賞口センサ43aと、アウト口49から排出される遊技球(アウト球)を検出するOUT監視スイッチ49aが接続され、主制御部20はこれらから出力される検出信号を受信可能とされている。主制御部20は、各センサからの検出信号に基づき、何れの入賞口に遊技球が入球したのかを把握可能とされる。
また主制御部20には、下始動口35の可動翼片47を開閉制御するための普通電動役物ソレノイド41cと、大入賞口50の開放扉52bを開閉制御するための大入賞口ソレノイド52cとが接続され、主制御部20はこれらを制御するための制御信号を送信可能となっている。
さらに主制御部20には、特別図柄表示装置38aと特別図柄表示装置38bとが接続され、主制御部20は、特別図柄1、2を表示制御するための制御信号を送信可能とされている。さらにまた、主制御部20には、普通図柄表示装置39aが接続され、普通図柄を表示制御するための制御信号を送信可能とされている。
また、主制御部20には、複合表示装置38c、ラウンド数表示装置39bが接続され、主制御部20は、複合表示装置38cに表示される各種情報を表示制御するための制御信号や、ラウンド数表示装置39bに表示される大当りによる規定ラウンド数を表示制御するための制御信号を送信可能とされている。
さらに、主制御部20には、枠用外部集中端子基板21が接続され、主制御部20は、枠用外部集中端子基板21を介し、遊技機外部に設けられたホールコンピュータHCに対し所定の遊技情報(例えば、大当り情報、賞球数情報、図柄変動実行情報等)を送信可能とされている。
なお、ホールコンピュータHCは、主制御部20からの遊技情報を監視して、パチンコホールの遊技機の稼働状況を統括的に管理するための情報処理装置(コンピュータ装置)である。
さらにまた、主制御部20には、払出制御基板(払出制御部)29が接続され、賞球の払い出しの必要がある場合には、払出制御基板29に対し、払い出しに関する制御コマンド(賞球数を指定する払出制御コマンド)を送信可能とされている。
払出制御基板29には、発射装置32を制御する発射制御基板(発射制御部)28と、遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置(遊技球払出手段)19とが接続されている。この払出制御基板29の主な役割は、主制御部20からの払出制御コマンドの受信、払出制御コマンドに基づく遊技球払出装置19の賞球払い出し制御、主制御部20への状態信号の送信などである。
遊技球払出装置19には、遊技球の供給不足を検出する補給切れ検出センサ19aや払い出される遊技球(賞球)を検出する球計数センサ19bが設けられており、払出制御基板29は、これらの各検出信号を受信可能とされている。また遊技球払出装置19には、遊技球を払い出すための球払出機構部(図示せず)を駆動する払出モータ19cが設けられており、払出制御基板29は、払出モータ19cを制御するための制御信号を送信可能とされている。
さらに、払出制御基板29には、上受け皿9が遊技球で満杯状態を検出する満杯検出センサ60(本実施形態では、上受け皿9に貯留される遊技球の貯留状態を検出する検出センサ)と、前扉開放センサ61(本実施形態では、少なくとも前枠2の開放状態を検出する検出センサ)が接続されている。
払出制御基板29は、満杯検出センサ60、前扉開放センサ61、補給切れ検出センサ19a、球計数センサ19bからの検出信号に基づいて、主制御部20に対して、各種の状態信号を送信可能となっている。この状態信号には、満杯状態を示す球詰り信号、少なくとも前枠2が開放されていることを示す扉開放信号、遊技球払出装置19からの遊技球の供給不足を示す補給切れ信号、賞球の払出不足や球計数センサ19bに異常が発生したこと示す計数エラー信号、払い出し動作が完了したことを示す払出完了信号などが含まれ、様々な状態信号を送信可能な構成となっている。主制御部20は、これら状態信号に基づいて、前枠2の開放状態(扉開放エラー)や、遊技球払出装置19の払出動作が正常か否か(補給切れエラー)や、上受け皿9の満杯状態(球詰りエラー)等を監視する。
さらにまた、払出制御基板29には発射制御基板28が接続され、発射制御基板28に対し発射を許可する許可信号を送信可能とされている。発射制御基板28は、払出制御基板29からの許可信号が出力されていることに基づき、発射装置32に設けられた発射ソレノイド(図示せず)への通電を制御し、発射操作ハンドル15の操作による遊技球の発射動作を実現している。具体的には、払出制御基板29から発射許可信号が出力されていること(発射許可信号ON状態)、発射操作ハンドル15に設けられたタッチセンサ(図示せず)により遊技者がハンドルに触れていることを検出されていること、発射操作ハンドル15に設けられた発射停止スイッチ(図示せず)が操作されていないことを条件に、遊技球の発射動作が許容される。従って、発射許可信号が出力されていない場合には(発射許可信号OFF状態)、発射操作ハンドル15を操作しても発射動作は実行されず、遊技球が発射されることはない。また、遊技球の打ち出しの強さは、発射操作ハンドル15の操作量に応じて変化可能となっている。
なお、払出制御基板29が上記球詰りエラーを検出すると、主制御部20に球詰り信号を送信すると共に発射制御基板28に対する発射許可信号の出力を停止し(発射許可信号OFF)、上受け皿9の満杯状態が解消されるまで打ち出し動作を停止する制御を行うようになっている。
また、払出制御基板29は、発射制御基板28に対する発射の許可信号の出力を、主制御部20より発射許可が指示されたことを条件に行う。
ここで、主制御部20は、設定キースイッチ94、及びRAMクリアスイッチ98が接続されており、これらスイッチからの検出信号を受信可能とされている。
RAMクリアスイッチ98は、RAM20cの所定領域を初期化することを指示入力するための例えば押しボタン式のスイッチとされる。
設定キースイッチ94は、電源投入時にホールスタッフが所持する設定鍵を挿入してON/OFF操作することにより設定変更モード(ON操作時)に切り替えるためのキースイッチとされる。
ここで、設定変更モードは、設定値Veを変更可能なモードである。設定値Veは、遊技者に有利な遊技状態に当選させるか否かの当選確率についての段階を表す値である。
RAMクリアスイッチ98は、前枠2が開放された状態で操作可能に設けられたRAMクリアボタンの操作に応じてON/OFFされる。また、設定キースイッチ98は、上記した設定鍵を挿抜可能とされたキーシリンダが対応して設けられており、該キーシリンダに挿入された設定鍵が順方向に回動されることでON、該ONの状態から逆方向に回動されることでOFFとなる。キーシリンダは、前枠2が開放された状態で設定鍵の挿入による操作が可能となるように設けられている。なお、キーシリンダは、設定鍵が挿入されることで操作可能とされた操作子として機能する。
本例では、設定値Veの変更操作には、上記のRAMクリアボタンが兼用される。具体的に、RAMクリアボタンは、設定値Veを順送りするための操作子としても機能する。
RAMクリアスイッチ98、及び設定キースイッチ94は、遊技機1内部の適所に設けられている。例えば、主制御基板20上に配置される。
また主制御部20は、設定・性能表示器97が接続されている。
設定・性能表示器97は、例えば7セグメント表示器を有して構成され、設定値Veと性能情報(後述する)の表示が可能とされた表示手段として機能する。設定・性能表示器97は、例えば主制御部(主制御基板)20上の視認し易い位置に搭載されている。
主制御部20は、設定・性能表示器97に対して設定値Veや性能情報を表示させるための制御信号を送信可能とされている。
ここで、設定値Veは、主として、少なくとも大当り(後述の条件装置が作動することとなる当り種別)の抽選確率(当選確率)を段階別(例えば、設定1~6の6段階)に規定するもので、設定値Veが高くなるほど、当選確率が高くなり(設定1が最低の当選確率、以降、設定の値の昇順に当選確率が高くなる)、遊技者に有利に作用するようになっている。換言すれば、設定値Veが高くなるほど、所謂「機械割(出玉率、PAYOUT率)」が高くなり、遊技者に有利に作用するようになっている。
このように、設定値Veとは、大当り当選確率や機械割などを規定する値であり、遊技者に作用する利益状態などの特定事象の発生し易さに関連する等級についての値を意味し、本実施形態では、各設定値Veに応じて遊技に係る有利度が規定されることになる。
本例では、規則上使用可能とされる設定値Veの段階(有利度の段階)が6段階であることを前提とする。具体的に、設定値Veの規則上使用可能な範囲(以下「使用可能範囲Re」と表記する)は、「1」~「6」の範囲であることを前提としている。
この前提の下で、本例のパチンコ遊技機1は、規則上使用可能な設定値Veのうち、一部の設定値Veのみを使用する。具体的に、本例のパチンコ遊技機1は、使用可能範囲Re内の設定値Veである「1」~「6」のうち、例えば「1」「2」「6」の3値のみを使用する。換言すれば、当選確率についての段階を規則上の最大段階である6段階とするのではなく、3段階に制限した仕様とされている。
以下、パチンコ遊技機1において実際に使用される設定値Veの範囲、具体的には使用可能範囲Re内の設定値Veのうちで実際に使用される設定値Veの範囲(上記例では「1」「2」「6」の範囲)のことを「使用範囲Ru」と表記する。
設定値Veは、専ら、ホール(遊技店)の営業戦略に基づき、ホール店員等のホールスタッフによって設定が行われる。なお、大当りが複数種類ある場合、何れの大当りの当選確率を設定値Veに応じて変化させるか、対象となる大当りの種類は、適宜定めることができる。例えば、大当り1~3という3種類の大当りがあるとした場合、設定値Veが相対的に高い方が、大当り1~3のすべての当選確率を高くしてもよいし、大当り1~3の合算当選確率を高くしてもよい。また一部の大当りの当選確率を高くしてもよい。例えば、大当り1~2の当選確率だけを高くし、大当り3については全設定値Veで一定の当選確率にしてもよい。
(設定値の変更操作について)
設定値Veを変更するためには、本例では、遊技機1の電源がオフとされ前枠2が解放された状態において、設定キースイッチ94をON操作(設定変更モード側に操作)し且つRAMクリアボタンを押圧した状態(RAMクリアスイッチ98がONの状態)で遊技機1への電源を投入する。すると、現在の設定値Veが設定・性能表示器97に表示され、設定値Ve(本例では1、2、6)の変更操作が可能な「設定変更モード」に移行される。
本例では、設定変更モードに移行するか否かの判定は、後述の主制御側メイン処理において行われる(図8のステップS104を参照)。設定変更モードに移行するための上記の操作条件が満足されているときは、これに応じて設定変更のための処理が実行される。
設定変更モードへの移行後において、設定値Veの変更操作子として機能するRAMクリアボタンがON操作されると、設定・性能表示器97の現在の表示値が「1→2→6→1→2→6→・・・」のように使用範囲Ru内で循環式に切り替えられる。そして希望する設定値Veとなったところで、設定キースイッチ94がOFFされると、設定値Veが確定され、確定した設定値Veの情報がRAM20cの所定領域に格納(記憶)される。
また、設定キースイッチ94がOFFされると、設定変更モードが終了され、設定・性能表示器97の表示がクリアされる。
設定変更モードが終了すると、遊技進行を許容する状態に移行される。
(性能表示について)
主制御部20は、設定・性能表示器97に対し所定の性能情報を表示させるための制御信号を送信可能とされている。
性能情報とは、パチンコホールや関係各庁が確認したい情報であり、遊技機1に対する過剰賞球等の不正賞球ゴトの有無や遊技機1本来の出玉性能などに関する情報などがその代表例である。従って、性能情報自体は、予告演出等とは異なり、遊技者が遊技に興じる際に、その遊技進行自体には直接的に関係の無い情報となる。
このため設定・性能表示器97は、遊技機1内部、例えば、主制御部(主制御基板)20、払出制御基板29、発射制御基板28、上記中継基板、演出制御部(演出制御基板(液晶制御基板を含む))24上や、基板ケース(基板を保護する保護カバー)など、前枠2が開放状態とされたときに表示情報を視認可能となる位置に設けられている。
ここで、性能情報には、具体的に次のような情報を採用することができる。
(1)特定状態中において入賞により払い出された総払出個数(特定中総賞球数:α個)を、当該特定状態中おいてアウト口49から排出された総アウト球数(特定中アウト個数:β個)で除した値(α/β)に基づく情報(特定比率情報)を、性能情報として採用することができる。
上記「総払出個数」とは、入賞口(上始動口34、下始動口35、一般入賞口43、大入賞口50)に入賞した際に払い出された遊技球(賞球)の合計値である。本実施形態の場合、上始動口34または下始動口35は3個、大入賞口50は13個、一般入賞口43は10個である。
また、特定状態として、何れの状態を採用するかについては、如何なる状態下の性能情報を把握したいかに応じて適宜定めることができる。本実施形態の場合であれば、通常状態、潜確状態、時短状態、確変状態、大当り遊技中のうち、何れの状態も採用することができる。また、複数種類の状態を計測対象としてもよい。例えば、通常状態と確変状態や、当り遊技中を除く全ての遊技状態等であり、その計測対象とする種類は適宜定めることができる。
また、特定状態中の期間として、大当り抽選確率が低確率状態又は高確率状態の何れかの期間を採用してもよい。
また、1又は複数の特定の入賞口を計測対象から除外したものを総払出個数としてもよい(特定入賞口除外総払出個数)。例えば、各入賞口のうち、大入賞口50を計測対象から除外したものを、総払出個数としてもよい。
(2)その他、総払出個数、特定入賞口除外総払出個数、総アウト球数の何れかだけを計測し、その計測結果を性能情報としてもよい。
本実施形態では、通常状態中の総払出個数(通常時払出個数)と、通常状態中の総アウト球数(通常時アウト個数)とをリアルタイムで計測し、通常時払出個数を通常時アウト個数で除した値に百を乗じた値(通常時払出個数÷通常時アウト個数×100で算出される値)を性能情報(以下「通常時比率情報」と称する)として表示する。なお、この際の表示値は、小数点第1位を四捨五入した値とする。
従って、通常時払出個数、通常時アウト個数、通常時比率情報の各データが、RAM20cの該当領域(特定中総賞球数格納領域、特定中アウト個数格納領域、特定比率情報格納領域)にそれぞれ格納(記憶)されるようになっている。但し、単に永続的に計測して性能情報を表示するのではなく、総アウト球数が所定の規定個数(例えば、60000個)に達した場合、一旦、計測を終了する。この規定個数とは、通常状態の総アウト球数ではなく、全遊技状態中(当り遊技中を含む)の総アウト球数(以下「全状態アウト個数」と称する)である。この全状態アウト個数もリアルタイムに計測され、RAM20cの該当領域(全状態アウト個数格納領域)に格納される。以下、説明の便宜のために、特定中総賞球数格納領域、特定中アウト個数格納領域、特定比率情報格納領域、全状態アウト個数格納領域を「計測情報格納領域」と略称する。
そして、終了時点の通常時比率情報をRAM20cの所定領域(性能表示格納領域)に格納し(今回の通常時比率情報を記憶)、その後、計測情報格納領域(通常時払出個数、通常時アウト個数および全状態アウト個数)をクリアしてから、再度、計測を開始する(通常時払出個数、通常時アウト個数、通常時比率情報および全状態アウト球数の計測を開始する)。そして、設定・性能表示器97には、前回の通常時比率情報(計測履歴情報)と、現在計測中の通常時比率情報とが表示されるようになっている。なお、前回の情報に限らず、前々回やその前(3回前)などの履歴を表示可能に構成してもよく、何回前までの情報を表示するかについては適宜定めることができる。
ここで、本例の場合、設定・性能表示器97には設定値Veと性能情報とが択一的に表示される。具体的に、本例では、設定変更や設定確認は電源投入に伴う起動時にのみ行われるため、電源投入に伴う起動後、設定変更モードや設定確認を行うモードに移行したことに応じて設定・性能表示器97に設定値Veが表示され、設定変更や設定確認が完了した後において、性能情報の表示が行われる。
なお、設定値Veと性能情報を共通の表示器により表示する構成に限定されず、別々の表示器により表示する構成を採ることもできる。その場合、設定値Veと性能情報の表示が並行して行われてもよい。
(演出制御コマンド)
主制御部20は、処理状態に応じて、特別図柄変動表示ゲームに関する情報やエラーに関する情報等を含む種々の演出制御コマンドを、演出制御部24に対して送信可能とされている。但し、ゴト行為等の不正を防止するために、主制御部20は演出制御部24に対して信号を送信するのみで、演出制御部24からの信号を受信不可能な片方向通信の構成となっている。
ここで、演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなる2バイト構成により機能を定義し、MODEとEVENTの区別を行うために、MODEのBit7はON、EVENTのBit7をOFFとしている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)及びイベント(EVENT)の各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、CPU20a(主制御CPU)は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御部24にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定及び出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行う。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定及び出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行う。ストローブ信号は、CPU200(演出制御CPU)が確実にコマンドを受信可能とする所定期間、CPU20aによりアクティブ状態に制御される。
[2-2.演出制御部]
演出制御部24は、CPU200(演出制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、演出制御処理に要する演出データを格納したROM201(演出制御ROM)と、ワーク領域やバッファメモリとして機能するRAM202(演出制御RAM)とを搭載したマイクロコンピュータを中心に構成され、その他、音響制御部(音源IC)、RTC(Real Time Clock)機能部、カウンタ回路、割込みコントローラ回路、リセット回路、WDT回路などが設けられ、演出動作全般を制御する。
演出制御CPU200は演出制御プログラム及び主制御部50から受信した演出制御コマンドに基づいて、各種演出動作のための演算処理や各演出手段の制御を行う。演出手段とは、本実施形態のパチンコ遊技機1の場合、液晶表示装置36(主液晶表示装置36M、副液晶表示装置36S)、光表示装置45a、音響発生装置46a、及び図示を省略した可動体役物となる。
演出制御ROM201は、演出制御CPU200による演出動作の制御プログラムや、演出動作制御に必要な種々のデータを記憶する。
演出制御RAM202(図4のD-RAM202a、内蔵CPU用ワークメモリ202b)は、演出制御CPU200が各種演算処理に使用するワークエリアや、テーブルデータ領域、各種入出力データや処理データのバッファ領域等として用いられる。
なお、後述のように演算制御部24は、1チップマイクロコンピュータとその周辺回路が搭載されている例を示すが、演出制御部24の構成は各種考えられる。例えばマイクロコンピュータに加えて、各部とのインターフェース回路、演出のための抽選用乱数を生成する乱数生成回路、各種の時間計数のためのCTC、ウォッチドッグタイマ(WDT)回路、演出制御CPU200に割込み信号を与える割込コントローラ回路などを備える場合もある。
この演出制御部24の主な役割は、主制御部20からの演出制御コマンドの受信、演出制御コマンドに基づく演出の選択決定、液晶表示装置36の表示制御(表示データ供給)、音響発生装置46aの音声出力制御、光表示装置45a(LED)の発光制御、可動体役物の動作制御(可動体役物モータ80cの駆動制御)などとなる。
この演出制御部24は、液晶表示装置36に対する制御装置としての機能も備えているため、演出制御部24には、いわゆるVDP(Video Display Processor)、画像ROM、VRAM(Video RAM)としての機能も備えられ、また演出制御CPU200は、液晶制御部としても機能する。
VDPは、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を行う機能を指している。
画像ROMとは、VDPが画像展開処理を行う画像データ(演出画像データ)が格納されているメモリを指す。
VRAMは、VDPが展開した画像データを一時的に記憶する画像メモリ領域である。
演出制御部24は、これらの構成により、主制御部20からのコマンドに基づいて各種の画像データを生成し、主液晶表示装置36M、及び副液晶表示装置36Sに出力する。これによって主液晶表示装置36M及び副液晶表示装置36Sにおいて各種の演出画像が表示される。
ここで、図2において示される「液晶表示装置36」は「主液晶表示装置36M」である。副液晶表示装置36Sについては図2における図示が省略されている。
また演出制御部24は、スピーカ46を含む音響発生装置46aに対する音響制御部(音コントローラ:音源IC)を有しており、音響制御部が出力する音響信号はアンプ部46dで増幅されてスピーカ46に供給される。
また、演出制御部24には、装飾ランプ45や各種LEDを含む光表示装置45aに対する光表示制御部として機能するランプドライバ部45dと、可動体(図示せず)を動作させる可動体役物モータ80cに対する駆動制御部として機能するモータドライバ部80d(モータ駆動回路)とが接続されている。演出制御部24は、これらランプドライバ部45dやモータドライバ部80dに指示を行って光表示装置45aによる光表示動作や可動体役物モータ80cの動作を制御する。
演出制御部24にはまた、可動体役物の動作を監視するための原点スイッチ81や位置検出センサ82が接続されている。
原点スイッチ81は、例えばフォトインターラプタ等で構成され、可動体役物モータ80cが原点位置にあるか否かを検出する。原点位置は、例えば可動体が図2の盤面に通常は表出しない位置などとされる。演出制御部24は、この原点スイッチ81の検出情報に基づいて可動体役物モータ80cが原点位置にあるか否かを判定可能とされている。
また、演出制御部24は、位置検出センサ82からの検出情報に基づき、可動体役物の現在の動作位置(例えば、原点位置からの移動量)を監視しながらその動作態様を制御する。さらに演出制御部24は、位置検出センサ82からの検出情報に基づき、可動体役物の動作の不具合を監視し、不具合が生じれば、これをエラーとして検出する。
また演出制御部24には、図中に操作部17として示す演出ボタン13や十字キー15a、決定ボタン15bのスイッチ、つまり演出ボタン13、十字キー15a、決定ボタン15bの操作検出スイッチが接続され、演出制御部24は、演出ボタン13、十字キー15a、決定ボタン15bからの操作検出信号をそれぞれ受信可能とされている。
さらに、演出制御部24には、図1に示した操作ハンドル15が遊技者等の使用者により触れられているか否かを検出するためのハンドルセンサ83(タッチセンサ)が設けられている。演出制御部24はこのハンドルセンサ83の検出情報に基づいて操作ハンドル15が使用者によりタッチされているか否かを判定可能とされる。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンドに基づき、予め用意された複数種類の演出パターンの中から抽選により、又は一意に演出パターンを選択(決定)し、必要なタイミングで各種の演出手段を制御して、目的の演出を現出させる。これにより、演出パターンに対応する液晶表示装置36による演出画像の表示、スピーカ46からの音の再生、装飾ランプ45やLEDの点灯点滅駆動が実現され、種々の演出パターン(装飾図柄変動表示動作や予告演出など)が時系列的に展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。
ここで、演出制御コマンドについて、演出制御部24(CPU200)は、主制御部20(CPU20a)が送信する上述したストローブ信号の入力に基づき割込み処理を発生させてその受信・解析を行う。具体的に、CPU200は、上述したストローブ信号の入力に基づいてコマンド受信割込処理用の制御プログラムを実行し、これにより実現される割込み処理において、演出制御コマンドを取得し、コマンド内容の解析を行う。
この際、CPU200は、ストローブ信号の入力に基づいて割込みが発生した場合には、他の割込みに基づく割込み処理(定期的に実行されるタイマ割込処理)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を行い、他の割込みが同時に発生してもコマンド受信割込処理を優先的に行うようになっている。
[2-3.演出制御部の構成]
演出制御部24の具体的な構成例を図4に示す。
図4の例の演出制御部24は、例えば1チップマイクロコンピュータ250に対して演出制御ROM201、D-RAM202a、CG-ROM206、WDT(ウォッチドッグタイマ)回路210等が外付け接続されて構成されている。
1チップマイクロコンピュータ250は、演出制御CPU200を含むとともに、図示する各部によって、上述したVDP、VRAM等の機能や、さらには発光制御、モータ制御、音制御を行う機能を有する。
構成各部について説明していく。
1チップマイクロコンピュータ250は演出制御CPU200を搭載している。演出制御CPU200は上述したように各種の制御処理を行う。
演出制御CPU200は、CPUインターフェース203を経由してマイクロコンピュータ250の内部デバイスや外部デバイスを使用する。
即ち演出制御CPU200は、CPUインターフェース203を経由してホストインターフェース204に接続され、ホストインターフェース204を介して、主制御部50からのコマンド受信、演出制御ROM201に対する読出アクセス、WDT回路210との信号送受信、及びバス251を介した内部の各部との通信を行う。
演出制御CPU200は、上述した演出制御RAM202として、D-RAM202a及び内蔵CPU用ワークメモリ202bを用いる。
D-RAM202aは、RAMインターフェース208に接続されており、演出制御CPU200は、RAMインターフェース208を介してD-RAM202aに対する書き込みや読み出しを行う。
システム制御レジスタ205はシステムの初期設定をするためのレジスタである。
転送回路212は、マイクロコンピュータ250の内部リソースや外部ペリフェラルを入出力とした転送を行う。
CG-ROM206は画像ROMであり、表示するキャラクタ画像データを格納する。
CG-ROM206はマイクロコンピュータ250に設けられたCGバスインターフェース207に接続されている。これによりマイクロコンピュータ250内の所要部位は、CGバスインターフェース207を介してCG-ROM206にアクセスできる。
マイクロコンピュータ250は例えば容量が48MバイトのVRAM209を内蔵している。VRAM209は描画素材やフレームデータを格納する。
VRAM209の使用態様は設定により各種可能であるが、本例では表示用のフレームデータの記憶領域として2つのフレームバッファ209A、209Bを設定し、各フレームバッファ209A、209Bを1フレーム毎に交互に用いて描画や表示データ出力を行うようにする。
なお、本実施形態では、2つの表示装置(主液晶表示装置36M、副液晶表示装置36S)を使用するので、フレームバッファ209A、209Bとしては主液晶表示装置36M、副液晶表示装置36Sのそれぞれに対応して用意される。
つまり図示するフレームバッファ209Aは、主液晶表示装置36M用のフレームバッファ領域と副液晶表示装置36S用のフレームバッファ領域を含み、またフレームバッファ209Bは、主液晶表示装置36用のフレームバッファ領域と副液晶表示装置36S用のフレームバッファ領域を含む。
VRAM209のフレームバッファ209A、209Bにはそれぞれ、主液晶表示装置36M、副液晶表示装置36S用の一フレーム分の画像データが各々生成されるが、所定の描画コマンドによって、フレームバッファ209A、209Bの描画位置が特定される。
インデックステーブル211は、VRAM209の記憶領域を設定するなどVRAM209の管理を行う。
プリローダ220、表示回路221,222,223、GDEC(グラフィックデコーダ)223、描画回路225は、ビデオプロセッサ(VDP)としての各種処理を行う。
演出制御CPU200は、演出制御コマンドに応じて主液晶表示装置36Mや副液晶表示装置36Sで表示する画像内容を設定するディスプレイリストを作成する。このディスプレイリストとは、描画コマンドの集まりのことである。
ディスプレイリストは、描画する順番に記載された一群の描画コマンドで構成されている。描画コマンドには、一フレームのどの位置に、どのような画像を描画するかを規定するコマンドも含まれ、描画すべき画像のCG-ROM206などの記憶位置(ソースアドレス)も特定されている。
描画回路225は、VRAM209上のフレームバッファ(209A又は209B)に図形を描画する。
GDEC223は、描画で使用する圧縮画像データをデコードしVRAM209に展開する。
プリローダ220はデータ転送回路212によって送信されたディスプレイリストを解析し、その中で参照している画像素材、即ちCG-ROM206上の画像データをDRAM202aまたはVRAM209のいずれかの指定されている領域に転送する。
またこのときプリローダ220は、画像データの参照先を、転送後のアドレスに書換えたディスプレイリストを出力する。書換えられたディスプレイリストは、データ転送回路212によって描画回路225に送信される。
描画回路225による描画の実行中は、画像データへのランダムアクセスが発生するため、例えばNANDフラッシュメモリのようなランダムアクセスに弱いCG-ROM206から画像データを直接参照すると描画性能が大きく低下する。そこでプリローダ220を使って、あらかじめ画像データやディスプレイリストをD-RAM202a、または内蔵のVRAM209に転送しておくことで、高速に動画デコード、および描画を実行することができるようにしている。
上記の通り本実施形態では、プリローダ220を機能させているので、ディスプレイリストの画像データ(画像素材としてのCGデータ)の参照先は、CG-ROM206ではなく、D-RAM202a又はVRAM209に設定されたプリロード領域である。そのため、描画回路225による描画の実行中に生じる画像データへのランダムアクセスを迅速に実行することができ、動きの激しい高解像度の動画についても描画処理に有利である。
表示回路221,222,223は、VRAM209のフレームバッファ(209A又は209B)の表示データを外部に表示出力する。
ここで、マイクロコンピュータ250が3つの表示回路221,222,223を備えているのは、1系統のデジタルRGB出力と、2系統のLVDS(Low voltage differential signaling)出力を可能とする3画面出力対応の構成を採っているためである。本例の場合、例えばデジタルRGB出力を主液晶表示装置36Mへの表示データ出力として用い、1つのLVDS出力を副液晶表示装置36Sへの表示データ出力として用いる。
表示回路221,222,223からの表示データは、LCDインターフェース226によって選択されて外部機器、即ち主液晶表示装置36Mと副液晶表示装置36Sに出力される。
表示回路221,222,223は、ノンインタレース出力としての表示データ出力を行う。また表示データについて、例えば2倍から1/2倍までの拡大・縮小を行うスケーリング処理機能や、ディザリング機能、カラー補正機能を備えている。
図8は、表示回路221,222,223及びLCDインターフェース226のブロック図を示している。
各表示回路221,222,223は同期信号生成部265を有し、それぞれ画像のフレームに同期して処理を行う。同期信号生成部265は、同期信号として、例えば垂直ブランク期間(非有効ライン走査期間)を示すVブランク信号、水平同期信号、垂直同期信号を生成する。これらの同期信号は、マイクロコンピュータ250の内部での制御処理に用いることができるほか、主液晶表示装置36M、副液晶表示装置36Sへの表示データ転送や表示制御動作にも用いられる。
なお、各表示回路221,222,223で用いる同期信号同士は同期させることができる。例えば主液晶表示装置36Mなどの外部ディスプレイの垂直同期信号の立ち下がりをトリガにして、表示回路221,222,223を強制的に同期させることができる。
各表示回路221,222,223は、VRAM読出部261により、VRAM210のフレームバッファ209A又は209Bから読み出したフレームデータを取得する。
表示回路221,222については、取得したフレームデータについてスケーラ262でのスケーリング処理、カラー補正部263でのカラー補正処理、ディザラー264でのディザリング処理を施すことが可能とされる。そしてディザラー264による処理の後の出力としてデジタルRGB出力とLVDS出力が行われる。表示回路223も同様であるが、この図の例では表示回路223はスケーラ262の機能を搭載していない例を挙げた。
LCDインターフェース226は、デジタルRGB出力部226aとLVDS出力部226bを有する。
デジタルRGB出力部226aには、表示回路221,222,223からのデジタルRGB出力としての表示データが供給される。デジタルRGB出力部226aは、表示回路221,222,223の1つのデジタルRGB出力を選択して、主液晶表示装置36Mに供給する。
またLVDS出力部226bには、表示回路221,222,223からのLVDS出力としての表示データが供給される。LVDS出力部226bは、表示回路221,222,223のうちで2つのLVDS出力を選択して出力することができる。本実施形態のパチンコ遊技機1の場合、表示回路221,222,223のうちの1つのLVDS出力を副液晶表示装置36Sに供給する。
もちろんこれは一例であり、1つのLVDS出力を主液晶表示装置36Mに供給することも考えられるし、デジタルRGB出力を副液晶表示装置36Sに供給することも考えられる。
図4のマイクロコンピュータ250は音コントローラ230を有する。
音コントローラ230は、例えば音源制御部と圧縮音声データを記憶する音データ記憶部を有し、演出制御CPU200の制御に基づいて、圧縮音声データをデコードして出力音声信号を生成し、外部のアンプ部46dへ出力する。
なお、音コントローラ230の搭載の有無にかかわらず、演出制御CPU200はマイクロコンピュータ250外部の音源ICを制御して、音声信号をアンプ部46dへ出力するようにしてもよい。
マイクロコンピュータ250は汎用ポート231を有している。例えば8ビットの入出力ポートとされる。汎用ポート231により各種の外部デバイスとの入出力が可能となる。
シリアル出力コントローラ240は、制御信号をシリアルデータとして外部に出力する。本実施形態の場合、シリアル出力コントローラ240にはランプコントローラ241とモータコントローラ242が設けられ、装飾ランプ45の発光駆動データの出力や可動体役物モータ80cのモータ駆動データの出力が行われる。
ここで、装飾ランプ45としては、遊技機1の枠側(前枠2側)に配置されたものと盤側(遊技盤3側)に配置されたものとがある。図3に示したランプドライバ部45dとしては、装飾ランプ45のうち、枠側に配置されたランプ群を駆動する枠ドライバ部85と、盤側に配置されたランプ群を駆動する盤ドライバ部86とを有しており、図4においてはその別を示している。
図6に、シリアル出力コントローラ240(ランプコントローラ241及びモータコントローラ242)からの枠ドライバ部85、盤ドライバ部86への発光駆動データの出力系及びモータドライバ部80cへのモータ駆動データの出力系を示す。
枠ドライバ部85は、n個のLEDドライバ90が、シリアル出力コントローラ240のシリアルデータ出力チャネルch1に対して並列に接続されている。
シリアルデータ出力チャネルch1の信号線としては、クロック信号CLKを供給するクロック線、発光駆動データ(「LED駆動データ」或いは「ランプ駆動データ」ともいう)としてのシリアルデータDATAを供給するデータ線が設けられている。これら各信号線は、それぞれ、枠ドライバ部85を構成するn個のLEDドライバ90に対して各信号を並列に供給するように接続されている。
枠ドライバ部85の各LEDドライバ90には、演出制御CPU200がスレーブアドレスとして用いるデバイスIDが設定されている。即ち個々のLEDドライバ90の識別子である。説明上、仮に、図示のように各LEDドライバ90のデバイスID(スレーブアドレス)をw1、w2・・・と表記する。
また盤ドライバ部86は、m個のLEDドライバ90が、演出制御CPU200のシリアルデータ出力チャネルch2に対して並列に接続されている。
シリアルデータ出力チャネルch2の信号線もチャネルch1と同様、クロック信号CLKを供給するクロック線、発光駆動データとしてのシリアルデータDATAを供給するデータ線が設けられている。これら各信号線は、それぞれ、盤ドライバ部86を構成するm個のLEDドライバ90に対して各信号を並列に供給するように接続されている。
盤ドライバ部86の各LEDドライバ90には、演出制御CPU200がスレーブアドレスとして用いるデバイスID(個々のLEDドライバ90の識別子)が設定されている。説明上、仮に、図示のように各LEDドライバ90のデバイスID(スレーブアドレス)をb1、b2・・・と表記する。
枠ドライバ部85及び盤ドライバ部86における各LEDドライバ90としては、例えば24チャネルLEDドライバであり24個の電流端子を備える。従って1つのLEDドライバ90によっては、最大24個の系列にLED駆動電流を供給することができる。具体的には例えば8系列のR(赤)LED駆動電流供給、8系列のG(緑)LED駆動電流供給、8系列のB(青)LED駆動電流供給を行い、8個のフルカラーLEDの発光駆動が可能である。なお、ここでは1つの「系列」とは、1つの電流端子に対して接続される1つのLED、又は1つの電流端子に対して直列又は並列で接続される複数個のLEDの群を指している。
枠ドライバ部85におけるLEDドライバ90の数nは、枠側に配置されるLED系列数によって決められる。従ってnは1の場合もあるし、2以上の場合もある。枠ドライバ部85は1又は複数のLEDドライバ90を有する。
また盤ドライバ部86におけるLEDドライバ90の数mは、盤側に配置されるLED系列数によって決められる。従ってmは1の場合もあるし、2以上の場合もある。盤ドライバ部86は1又は複数のLEDドライバ90を有する。
LEDドライバ90には、シリアル出力コントローラ240からのクロック信号CLK、シリアルデータDATAが入力される。LEDドライバ90は、クロック信号CLKのタイミングでシリアルデータDATAを取り込み、取り込んだシリアルデータDATAに応じた電流値による駆動電流を上記の電流端子より出力する。
これにより、装飾ランプ45として設けられたLEDが発光駆動される。
続いてモータ駆動データの出力系については、図示のように、シリアル出力コントローラ240からモータドライバ部80dへモータ駆動データとしてのシリアルデータDATAが出力される。
モータドライバ部80dは、p個のモータドライバ91が、シリアル出力コントローラ240のシリアルデータ出力チャネルch3に対して並列に接続されている。
シリアルデータ出力チャネルch3の信号線も同様に、クロック信号CLKを供給するクロック線、モータ駆動データとしてのシリアルデータDATAを供給するデータ線が設けられている。これら各信号線は、それぞれ、モータドライバ部80dを構成するp個のモータドライバ91に対して各信号を並列に供給するように接続されている。
モータドライバ部80dの各モータドライバ91には、演出制御CPU200がスレーブアドレスとして用いるデsバイスID(個々のモータドライバ91の識別子)が設定されている。説明上、仮に、図示のように各モータドライバ91のデバイスID(スレーブアドレス)をmt1、mt2・・・と表記する。
モータドライバ部80dにおける各モータドライバ91は、LEDドライバ90と同様の構成でよい。つまり同じドライバを用いることができる。
モータドライバ部80dにおけるモータドライバ91の数pは、可動体役物等に用いるモータ数によって決められる。従ってpは1の場合もあるし、2以上の場合もある。モータドライバ部80dは1又は複数のモータドライバ91を有する。
モータドライバ91には、可動体役物を駆動する可動体役物モータ80c(図3参照)が接続される。
なお、1つのLEDドライバ90において、一部の電流端子がLED駆動に用いられ、他の一部の電流端子がステッピングモータやソレノイド等の駆動に用いられるという手法を採っても良い。
図4において、演出制御部24は、パラレル/シリアル変換部260を有している。可動体役物モータ80cに対しては、図3で説明した原点スイッチ81が対応して配置されており、原点スイッチ81からの信号はパラレル/シリアル変換部260に入力される。
図4では、操作部17からのユーザの操作情報もパラレル/シリアル変換部260に入力される例を示している。ユーザの操作情報とは、演出ボタン13、十字キー15a、決定ボタン15b等の操作に応じた信号である。
パラレル/シリアル変換部260は、例えば1チップマイクロコンピュータ250とは別体のICとして演出制御部(演出制御基板)24に搭載されるが、1チップマイクロコンピュータ250に内蔵されてもよい。
パラレル/シリアル変換部260は、例えば32系統の信号を入力し、入力したデータをシリアルデータIsに変換してモータコントローラ242に供給する。
パラレル/シリアル変換部260の動作はモータコントローラ242からの制御信号CNTによって制御される。パラレル/シリアル変換部260はクロック信号CLKを用いてシリアルデータ転送を行う。
この構成により、シリアル出力コントローラ240が、可動体役物モータ80cの原点検出状態と操作部17に対するユーザ操作をまとめて、つまり演出制御に必要な入力をまとめて効率的に検出できる。従って演出制御CPU200は効率よく演出状態を把握できる。
<3.動作の概要説明>
[3-1.図柄変動表示ゲーム]
次に、上記のような制御構成(図3)により実現される遊技機1の遊技動作の概要について説明する。
先ずは、図柄変動表示ゲームについて説明する。
(特別図柄変動表示ゲーム)
本実施形態のパチンコ遊技機1では、所定の始動条件、具体的には、遊技球が上始動口34又は下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「大当り抽選」が行われる。主制御部20は、その抽選結果に基づき、特別図柄表示装置38a、38bに特別図柄1、特別図柄2を変動表示して特別図柄変動表示ゲームを開始させ、所定時間経過後に、その結果を特別図柄表示装置に導出表示して、これにより特別図柄変動表示ゲームを終了させる。
ここで本実施形態では、上始動口34への入賞に基づく大当り抽選と、下始動口35への入賞に基づく大当り抽選とは別個独立して行われる。このため、上始動口34に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38a側で、下始動口35に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38b側で導出されるようになっている。具体的には、特別図柄表示装置38a側においては、上始動口34に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄1を変動表示して第1の特別図柄変動表示ゲームが開始され、他方、特別図柄表示装置38b側においては、下始動口35に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄2を変動表示して第2の特別図柄変動表示ゲームが開始されるようになっている。そして、特別図柄表示装置38a、又は特別図柄表示装置38bにおける特別図柄変動表示ゲームが開始されると、所定の変動表示時間経過後に、大当り抽選結果が「大当り」の場合には所定の「大当り」態様で、それ以外の場合には所定の「はずれ」態様で、変動表示中の特別図柄が停止表示され、これによりゲーム結果(大当り抽選結果)が導出されるようになっている。
なお本明細書中では、説明の便宜上、特別図柄表示装置38a側の第1の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム1」と称し、特別図柄表示装置38b側の第2の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム2」と称する。また特に必要のない限り、「特別図柄1」と「特別図柄2」とを単に「特別図柄」と称し(場合により「特図」と略称する)、また「特別図柄変動表示ゲーム1」と「特別図柄変動表示ゲーム2」とを単に「特別図柄変動表示ゲーム」と称する。
(装飾図柄変動表示ゲーム)
また、上述の特別図柄変動表示ゲームが開始されると、これに伴って、主液晶表示装置36Mに装飾図柄(演出的な遊技図柄)を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームが開始され、これに付随して種々の演出が展開される。そして特別図柄変動表示ゲームが終了すると、装飾図柄変動表示ゲームも終了し、特別図柄表示装置には大当り抽選結果を示す所定の特別図柄が、そして主液晶表示装置36Mには当該大当り抽選結果を反映した装飾図柄が導出表示されるようになっている。すなわち、装飾図柄の変動表示動作を含む演出的な装飾図柄変動表示ゲームにより、特別図柄変動表示ゲームの結果を反映表示するようになっている。
従って、例えば特別図柄変動表示ゲームの結果が「大当り」である場合(大当り抽選結果が「大当り」である場合)、装飾図柄変動表示ゲームではその結果を反映させた演出が展開される。そして特別図柄表示装置において、特別図柄が大当りを示す表示態様(例えば、7セグが「7」の表示状態)で停止表示されると、主液晶表示装置36Mには、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、装飾図柄が「大当り」を反映させた表示態様(例えば「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、3個の装飾図柄が「7」「7」「7」の表示状態)で停止表示される。
この「大当り」となった場合、具体的には、特別図柄変動表示ゲームが終了して、これに伴い装飾図柄変動表示ゲームが終了し、その結果として「大当り」の図柄態様が導出表示された後、特別変動入賞装置52の大入賞口ソレノイド52cが作動して開放扉52bが所定のパターンで開閉動作を行い、これにより大入賞口50が開閉され、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生する。この大当り遊技では、開放扉52bにより、大入賞口の開放時間が所定時間(最大開放時間:例えば、29.8秒)経過するまでか、又は大入賞口に入賞した遊技球数(大入賞口50への入賞球)が所定個数(最大入賞数:役物の1回の作動によりその入口が開き、または拡大した入賞口に対して許容される入賞球数の上限個数:例えば、9個)に達するまで、その入賞領域が開放または拡大され、これら何れかの条件を満した場合に大入賞口が閉鎖される、といった「ラウンド遊技」が、予め定められた規定ラウンド数(例えば、最大16ラウンド)繰り返される。
上記大当り遊技が開始すると、最初に大当りが開始された旨を報知するオープニング演出が行われ、オープニング演出が終了した後、ラウンド遊技が予め定められた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。そして、規定ラウンド数終了後には、大当りが終了される旨を報知するエンディング演出が行われ、これにより大当り遊技が終了するようになっている。
上記の装飾図柄変動表示ゲームの実行に必要な情報に関しては、先ず主制御部20が、上始動口34又は下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、具体的には、上始動口センサ34a又は下始動口センサ35aにより遊技球が検出されて始動条件(特別図柄に関する始動条件)が成立したことを条件に、「大当り」又は「はずれ」の何れであるかを抽選する‘当落抽選(当否種別抽選)’と、「大当り」であったならばその大当り種別を、「はずれ」であったならばそのはずれ種別を抽選する‘図柄抽選(当選種別(当り種別)抽選)’とを含む大当り抽選を行い(はずれが1種類の場合は、はずれについて種別抽選を行う必要がないためその抽選を省略してもよい)、その抽選結果情報に基づき、特別図柄の変動パターンや、当選種別に応じて最終的に停止表示させる特別図柄(以下、「特別停止図柄」と称する)を決定する。
そして、主制御部20は、処理状態を特定する演出制御コマンドとして、少なくとも特別図柄の変動パターン情報(例えば、大当り抽選結果及び特別図柄の変動時間に関する情報等)を含む「変動パターン指定コマンド」を演出制御部24側に送信する。これにより、装飾図柄変動表示ゲームに必要とされる基本情報が演出制御部24に送られる。なお本実施形態では、演出のバリエーションを豊富なものとするべく、特別停止図柄の情報(図柄抽選結果情報(当り種別に関する情報))を含む「装飾図柄指定コマンド」も演出制御部24に送信するようになっている。
上記特別図柄の変動パターン情報には、特定の予告演出(例えば、後述の「リーチ演出」や「疑似連演出」など)の発生の有無を指定する情報を含むことができる。詳述するに、特別図柄の変動パターンは、大当り抽選結果に応じて、当りの場合の「当り変動パターン」と、はずれの場合の「はずれ変動パターン」に大別される。これら変動パターンには、例えば、後述のリーチ演出の発生を指定する‘リーチ変動パターン’、リーチ演出の発生を指定しない‘通常変動パターン’、疑似連演出とリーチ演出との発生(重複発生)を指定する‘疑似連有りリーチ変動パターン’、疑似連演出の発生を指定し、リーチ演出の発生は指定しない‘疑似連有り通常変動パターン’等、複数種類の変動パターンが含まれる。なお、リーチ演出や疑似連演出の演出時間を確保する関係上、通常、リーチ演出や疑似連演出を指定する変動パターンの方が、通常変動パターンよりも変動時間が長く定められている。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンド(ここでは、変動パターン指定コマンドと装飾図柄指定コマンド)に含まれる情報に基づいて、装飾図柄変動表示ゲーム中に時系列的に展開させる演出内容(予告演出等の演出シナリオ)や、最終的に停止表示する装飾図柄(装飾停止図柄)を決定し、特別図柄の変動パターンに基づくタイムスケジュールに従い装飾図柄を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームを実行させる。これにより、特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、主液晶表示装置36Mによる装飾図柄が変動表示され、特別図柄変動表示ゲームの期間と装飾図柄変動表示ゲーム中の期間とが、実質的に同じ時間幅となる。また演出制御部24は、演出シナリオに対応するように、主液晶表示装置36M又は光表示装置45a或いは音響発生装置46aをそれぞれ制御し、装飾図柄変動表示ゲームにおける各種演出を展開させる。これにより、主液晶表示装置36Mでの画像の再生(画像演出)と、効果音の再生(音演出)と、装飾ランプ45やLEDなどの点灯点滅駆動(光演出)とが実現される。
このように特別図柄変動表示ゲームと装飾図柄変動表示ゲームとは不可分的な関係を有し、特別図柄変動表示ゲームの表示結果を反映したものが装飾図柄変動表示ゲームにおいて表現されることとしているので、この二つの図柄変動表示ゲームを等価的な図柄遊技と捉えても良い。本明細書中では特に必要のない限り、上記二つの図柄変動表示ゲームを単に「図柄変動表示ゲーム」と称する場合がある。
(普通図柄変動表示ゲーム)
また遊技機1においては、普通図柄始動口37に遊技球が通過(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「補助当り抽選」が行なわれる。この抽選結果に基づき、LEDにより表現される普通図柄を普通図柄表示装置39aに変動表示させて普通図柄変動表示ゲームを開始し、一定時間経過後に、その結果をLEDの点灯と非点灯の組合せにて停止表示するようになっている。例えば、普通図柄変動表示ゲームの結果が「補助当り」であった場合、普通図柄表示装置39aの表示部を特定の点灯状態(例えば、2個のLED39が全て点灯状態、又は「○」と「×」を表現するLEDのうち「○」側のLEDが点灯状態)にて停止表示させる。
この「補助当り」となった場合には、普通電動役物ソレノイド41c(図3参照)が作動し、これにより可動翼片47が逆「ハ」の字状に開いて下始動口35が開放または拡大されて遊技球が流入し易い状態(始動口開状態)となり、通常遊技状態よりも遊技者に有利な補助遊技状態(以下、「普電開放遊技」と称する)が発生する。この普電開放遊技では、普通変動入賞装置41の可動翼片47により、下始動口35の開放時間が所定時間(例えば0.2秒)経過するまでか、又は下始動口35に入賞した遊技球数が所定個数(例えば4個)に達するまで、その入賞領域が開放または拡大され、これら何れかの条件を満たした場合に下始動口35を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、最大2回)繰り返されるようになっている。
(保留について)
ここで本実施形態では、特別/装飾図柄変動表示ゲーム中、普通図柄変動表示ゲーム中、大当り遊技中、又は普電開放遊技中等に、上始動口34又は下始動口35若しくは普通図柄始動口37に入賞が発生した場合、すなわち上始動口センサ34a又は下始動口センサ35a若しくは普通図柄始動口センサ37aからの検出信号の入力があり、対応する始動条件(図柄遊技開始条件)が成立した場合、これを変動表示ゲームの始動権利に係るデータとして、変動表示中に関わるものを除き、所定の上限値である最大保留記憶数(例えば最大4個)まで保留記憶されるようになっている。この図柄変動表示動作に供されていない保留中の保留データ、又はその保留データに係る遊技球を、「作動保留球」とも称する。この作動保留球の数を遊技者に明らかにするため、遊技機1の適所に設けた専用の保留表示器(図示せず)、又は液晶表示装置36(主液晶表示装置36M又は副液晶表示装置36S)による画面中にアイコン画像として設けた保留表示器を点灯表示させる。
また本実施形態では、特別図柄1、特別図柄2、及び普通図柄に関する作動保留球をそれぞれ最大4個までRAM20cの該当記憶領域に保留記憶し、特別図柄又は普通図柄の変動確定回数として保留する。なお、特別図柄1、特別図柄2、及び普通図柄に関する各作動保留球数の最大記憶数(最大保留記憶数)は特に制限されない。また、各図柄の最大保留記憶数の全部又は一部が異なっていてもよく、その数は遊技性に応じて適宜定めることができる。
[3-2.遊技状態]
本実施形態に係る遊技機1では、特別遊技状態である上記大当りの他、複数種類の遊技状態を発生可能に構成されている。本実施形態の理解を容易なものとするために、先ず、種々の遊技状態について説明する。
本実施形態の遊技機1は、通常状態、時短状態、潜確状態、確変状態の少なくとも4種類の遊技状態を実行制御可能に構成されている。これら遊技状態は、大当り抽選確率状態(低確率状態、高確率状態)や電チューサポート状態(特典遊技)の発生の有無(電サポ有り、電サポ無し)等で区別される。
「電チューサポート状態」とは、普電開放遊技における普通変動入賞装置41の可動翼片47の開動作期間(可動翼片47の開放時間およびその開放回数の少なくともいずれか一方)が、通常状態よりも延長された「開放延長状態」を指す。開放延長状態が発生すると、可動翼片47の開動作期間が、例えば、通常時(非開放延長状態下)の0.2秒から1.7秒に延長され、またその開閉回数が、例えば、通常時の1回から2~3回に延長される。
本実施形態の場合、電チューサポート状態下では、補助当り抽選確率が所定確率(通常確率)の低確率(例えば256分の1)から高確率(例えば256分の255)に変動して(普図確率変動状態)が発生すると共に、1回の普通図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(普通図柄の変動表示動作時間)を短縮する‘普通図柄時短状態’が発生する(例えば10秒から1秒に短縮される)。従って、電チューサポート状態が発生すると、普電開放遊技が頻繁に発生し、通常状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態(高ベース状態)となる。以下、電チューサポート状態下を「電サポ有り」、そうでない場合を「電サポ無し」と略称する。
本実施形態において、「通常状態」とは、大当り抽選確率が所定確率(通常確率)の低確率(例えば399分の1)であり、電サポ無しの遊技状態(低確率+電サポ無し)を言う。
「時短状態」とは、大当り抽選確率が通常状態と同様の低確率であるが、1回の特別図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(特別図柄の変動表示動作時間))が通常状態よりも短縮される‘特別図柄時短状態’が発生すると共に、電チューサポート状態となる遊技状態を言う。つまり、時短状態中は「低確率+電サポ有り+特別図柄時短状態」となる。
「潜確状態」とは、大当り抽選確率が上記低確率よりも上昇した高確率(例えば39.9分の1)に変動した‘特別図柄確変状態’であり、電サポ無しの遊技状態(高確率+電サポ無し)を言う。
「確変状態」とは、大当り抽選確率が潜確状態と同様の高確率であるが、特別図柄時短状態及び電チューサポート状態が発生する遊技状態を言う。つまり、確変状態中は「高確率+電サポ有り+特別図柄時短状態」となる。
遊技状態に関し、大当り抽選確率に着目すれば、遊技状態が「通常状態」「時短状態」である場合は、少なくとも大当り抽選確率が‘低確率状態’となり、遊技状態が「潜確状態」「確変状態」である場合は、少なくとも大当り抽選確率が‘高確率状態’となる。なお、大当り中は大入賞口が開閉される大当り遊技が発生するが、大当り抽選確率及び電サポの有無については、上記通常状態と同じ、低確率・電サポ無しの遊技状態下に置かれる。
[3-3.当りについて]
続いて、遊技機1における「当り」について説明する。
本実施形態の遊技機1においては、複数種類の当りを対象に大当り抽選(当り抽選)を行うようになっている。本例の場合、当りの種別には、大当り種別に属する例えば「通常4R」「通常6R」「確変6R」「確変10R」の各大当りが含まれる。
なお、上記「R」の表記は、規定ラウンド数(最大ラウンド数)を意味する。
大当り種別は、条件装置の作動契機となる当りである。ここで「条件装置」とは、その作動がラウンド遊技を行うための役物連続作動装置の作動に必要な条件とされている装置で、特定の特別図柄の組合せが表示され、又は遊技球が大入賞口内の特定の領域を通過した場合に作動するものを言う。
上記確変状態は、大当り種別に当選することなく、特別図柄変動表示ゲームの実行回数が所定回数(例えば70回:規定ST回数)終了した場合に、高確率状態を終了させて低確率に移行させる、いわゆる「回数切り確変機(ST機)」となっており、規定ST回数が終了したときは、次ゲームから通常状態に移行される。但し、次回大当りが当選するまで継続させるタイプの「一般確変機」としてもよい。
なお、特別図柄変動表示ゲームの実行回数は、特別図柄変動表示ゲーム1、及び特別図柄変動表示ゲーム2の合計実行回数(特図1及び特図2の合計変動回数)であってもよいし、何れか一方の実行回数(例えば特別図柄変動表示ゲーム2の実行回数)であってもよい。また、時短状態の回数についても60回や100回に限らず、遊技性に応じて適宜定めることができる。また、どのような種類の当りを設けるかについても特に制限はなく、適宜定めることができる。
ここで、本例では、大当り種別と同様に「はずれ」についても複数の種別が設けられている。具体的には、「はずれ1」「はずれ2」「はずれ3」の三種のはずれ種別が設けられている。
前述のように、当落抽選の結果が「はずれ」であった場合には、図柄抽選においてはずれ種別の抽選が行われる。
[3-4.演出について]
(演出モード)
次に、演出モード(演出状態)について説明する。本実施形態の遊技機1には、遊技状態に関連する演出を現出させるための複数種類の演出モードが設けられており、その演出モード間を行き来可能に構成されている。具体的には、通常状態、時短状態、潜確状態、確変状態のそれぞれに対応した、通常演出モード、時短演出モード、潜確演出モード、確変演出モードが設けられている。各演出モードでは、装飾図柄の変動表示画面のバックグラウンドとしての背景表示が、それぞれ異なる背景演出により表示され、遊技者が現在、どのような遊技状態に滞在しているかを把握することができるようになっている。
演出制御部24(CPU200)は、複数種類の演出モード間を移行制御する機能部(演出状態移行制御手段)を有する。演出制御部24(CPU200)は、主制御部20(CPU20a)から送られてくる特定の演出制御コマンド、具体的には、主制御部20側で管理される遊技状態情報を含む演出制御コマンドに基づいて、主制御部20側で管理される遊技状態と整合性を保つ形で、現在の遊技状態を把握し、複数種類の演出モード間を移行制御可能に構成されている。上記のような特定の演出制御コマンドとしては、例えば、変動パターン指定コマンド、装飾図柄指定コマンド、遊技状態に変化が生じる際に送られる遊技状態指定コマンド等がある。
(予告演出)
次に、予告演出について説明する。演出制御部24は、主制御部20からの演出制御コマンドの内容、具体的には、少なくとも変動パターン指定コマンドに含まれる変動パターン情報に基づき、現在の演出モードと大当り抽選結果とに関連した様々な「予告演出」を現出制御可能に構成されている。このような予告演出は、当り種別に当選したか否かの期待度(以下「当選期待度」と称する)を示唆(予告)し、遊技者の当選期待感を煽るための「煽り演出」として働く。予告演出として代表的なものには、「リーチ演出」や「疑似連演出」、さらには「先読み予告演出」等がある。演出制御部24は、これら演出を実行(現出)制御可能な予告演出制御手段として機能する。
「リーチ演出」とは、リーチ状態を伴う演出態様(リーチ状態を伴う変動表示態様:リーチ変動パターン)を言い、具体的には、リーチ状態を経由して最終的なゲーム結果を導出表示するような演出態様を言う。リーチ演出には当選期待度に関連付けられた複数種類のリーチ演出が含まれる。例えば、ノーマルリーチ演出が出現した場合に比べて、当選期待度が相対的に高まるものがある。このようなリーチ演出を‘スーパーリーチ演出’と言う。この「スーパーリーチ」の多くは、当選期待感を煽るべく、ノーマルリーチよりも相対的に長い演出時間(変動時間)を持つ。また、ノーマルリーチやスーパーリーチには複数種類のリーチ演出が含まれる。本例では、スーパーリーチには、スーパーリーチ1、2、3、4という複数種類のリーチ演出が含まれ、これらスーパーリーチ1~4の当選期待度については「スーパーリーチ1<スーパーリーチ2<スーパーリーチ3<スーパーリーチ4」という関係性を持たせている。
「疑似連演出」とは、装飾図柄の疑似的な連続変動表示状態(疑似連変動)を伴う演出態様を言い、「疑似連変動」とは、装飾図柄変動表示ゲーム中において、装飾図柄の一部又は全部を一旦仮停止状態とし、その仮停止状態から装飾図柄の再変動表示動作を実行する、といった表示動作を1回または複数回繰り返す変動表示態様をいう。この点、複数回の図柄変動表示ゲームに跨って展開されるような後述の「先読み予告演出(連続予告演出)」とは異なる。このような「疑似連」は、基本的には、疑似変動回数が多くなるほど当選期待度が高まるようにその発生率(出現率)が定められており、例えば、疑似変動回数に応じて、スーパーリーチ等の期待感を煽るための演出が選択され易くされている。
「先読み予告演出」(以下では「先読み予告」や「先読み演出」と略称する場合もある)とは、先読み判定の結果に基づいて、判定対象の図柄の変動表示が行われるよりも前に、有利状態に制御される可能性を報知する演出を意味する。なお、「有利状態」は、遊技者にとって有利な状態を意味する。
具体的に、本例の先読み演出は、未だ図柄変動表示ゲームの実行(特別図柄の変動表示動作)には供されていない作動保留球(未消化の作動保留球)について、主に、保留表示態様や先に実行される図柄変動表示ゲームの背景演出等を利用して、当該作動保留球が図柄変動表示ゲームに供される前に、当選期待度を事前に報知し得る演出態様で行われる。なお、図柄変動表示ゲームにおいては、上記「リーチ演出」の他、いわゆる「SU(ステップアップ)予告演出」や「タイマ予告演出」、「復活演出」、「プレミア予告演出」などの種々の演出が発生し、ゲーム内容を盛り上げるようになっている。
ここで、図7を参照し、上記先読み予告演出の一例としての「保留変化予告演出」について説明する。
本実施形態の遊技機1の場合、主液晶表示装置36Mの画面内の上側の表示エリアには、装飾図柄変動表示ゲームを現出する表示エリア(装飾図柄の変動表示演出や予告演出を現出するための表示領域)が設けられており、また画面内の下側の表示エリアには、特別図柄1側の作動保留球数を表示する保留表示領域76(保留表示部a1~d1)と特別図柄2側の作動保留球数を表示する保留表示領域77(保留表示部a2~d2)とが設けられている。作動保留球の有無に関しては、所定の保留表示態様により、その旨が報知される。図7では、作動保留球の有無を点灯状態(作動保留球あり:図示の「○(白丸印)」)、又は消灯状態(作動保留球なし:図示の破線の丸印)にて、現在の作動保留球数に関する情報が報知される例を示している。
作動保留球の有無に関する表示(保留表示)は、その発生順(入賞順)に順次表示され、各保留表示領域76、77において、一番左側の作動保留球が、当該保留表示内の全作動保留球のうち時間軸上で一番先に生じた(つまり最も古い)作動保留球として表示される。また、保留表示領域76、77の左側には、現に特別図柄変動表示ゲームに供されている作動保留球を示すための変動中表示領域78が設けられている。本実施形態の場合、変動中表示領域78は、受座Jのアイコン上に、現在ゲームに供されているゲーム実行中保留Kのアイコンが載る形の画像が現れるように構成されている。すなわち、特別図柄1又は特別図柄2の変動表示が開始される際に、保留表示領域76、77に表示されていた最も古い保留a1又はa2のアイコン(アイコン画像)が、ゲーム実行中保留Kのアイコンとして、変動中表示領域78おける受座Jのアイコン上に移動し、その状態が所定の表示時間にわたって維持される。
作動保留球が発生した場合、主制御部20から、大当り抽選結果に関連する先読み判定情報と、先読み判定時の作動保留球数(今回発生した作動保留球を含め、現存する作動保留球数)とを指定する「保留加算コマンド」が演出制御部24に送信される(図28のステップS1309~S1312参照)。
本実施形態の場合、上記保留加算コマンドは2バイトで構成され、保留加算コマンドは、先読み判定時の作動保留球数を特定可能とする上位バイト側のデータと、先読み判定情報を特定可能とする下位バイト側データとから構成される。
ここで、上記説明から理解されるように、本実施形態では、上始動口34又は下始動口35に入賞が発生して新たに保留球が生じたことに基づいて、当該保留球についての先読み判定として、当該保留球に係る図柄変動表示ゲームについての大当り抽選が行われる。後述するように、主制御部20は、このような先読み判定として行った大当り抽選の結果を表す情報を、RAM20cの該当記憶領域に保留記憶する。
先読み判定時に得られた大当り抽選結果の情報は、図柄変動表示ゲームにおける図柄変動パターンを選択(抽選)するために用いられるものであり、いわば「変動パターン選択用情報」と換言することができる。従って、主制御部20は、先読み判定を行って、その結果得られる「変動パターン選択用情報」をRAM20cの所定領域に保留記憶していると言うことができる。
演出制御部24は、主制御部20が送信した上記の保留加算コマンドを受信すると、これに含まれる先読み判定情報に基づき、上記保留表示に関連する表示制御処理の一環として、「先読み予告演出」に関する演出制御処理を行う。具体的には、先読み予告演出の実行可否を抽選する「先読み予告抽選」を行い、これに当選した場合には、先読み予告演出を現出させる。
ここで、先読み判定情報とは、具体的には、主制御部20において、作動保留球が図柄変動表示ゲームに供される際に実行される大当り抽選結果(変動開始時の大当り抽選結果)や変動開始時の変動パターンを先読み判定して得られる遊技情報である。すなわち、この情報には、少なくとも変動開始時の当落抽選結果を先読み判定した情報(先読み当落情報)が含まれ、その他、図柄抽選結果を先読み判定した情報(先読み図柄情報)や変動開始時の変動パターンを先読み判定した情報(先読み変動パターン情報)を含ませることができる。如何なる情報を含む保留加算コマンドを演出制御部24に送るかについては、先読み予告にて報知する内容に応じて適宜定めることができる。
本例では、保留加算コマンドには先読み当落情報、先読み図柄情報、及び先読み変動パターン情報が含まれているものとする。
なお、作動保留球発生時の先読み判定により得られる「先読み変動パターン」は、必ずしも作動保留球が実際に変動表示動作に供されるときに得られる「変動開始時の変動パターン」そのものではある必要はない。例えば、上記変動開始時の変動パターンが「スーパーリーチ1」を指定する変動パターンであるケースを代表的に説明すれば、本ケースでは、先読み変動パターンにより指定される内容が「スーパーリーチ1」というリーチ演出の種類そのものではなく、その骨子である「スーパーリーチ種別」である旨を指定することができる。
本実施形態の場合、先読み予告抽選に当選した場合には、保留表示部a1~d1、a2~d2の保留アイコンのうちで、その先読み予告対象となった保留アイコンが、例えば、通常の保留表示(通常保留表示態様)の白色から、予告表示の青色、緑色、赤色、デンジャー柄(或いは虹色などの特殊な色彩や絵柄)による保留表示(特別保留表示態様)に変化し得る「保留表示変化系」の先読み予告演出(「保留変化予告」とも称する)が行われる。
図7では、ハッチングされた保留表示部b1の作動保留球が、特別保留表示に変化した例を示している。ここで、保留アイコンの青色、緑色、赤色、デンジャー柄の表示は、この順に、当選期待度が高いことを意味しており、特にデンジャー柄の保留アイコンの表示は、大当り当選期待度が極めて高い表示となるプレミアム的な保留アイコンとされている。
(演出手段)
遊技機1における各種の演出は、遊技機1に配設された演出手段により現出される。この演出手段は、視覚、聴覚、触覚など、人間の知覚に訴えることにより演出効果を発揮し得る刺激伝達手段であれば良く、装飾ランプ45やLED装置などの光発生手段(光表示装置45a:光演出手段)、スピーカ46などの音響発生装置(音響発生装置46a:音演出手段)、主液晶表示装置36Mや副液晶表示装置36Sなどの演出表示装置(表示手段)、操作者の体に接触圧を伝える加圧装置、遊技者の体に風圧を与える風圧装置、その動作により視覚的演出効果を発揮する可動体役物などは、その代表例である。ここで、演出表示装置は、画像表示装置と同じく視覚に訴える表示装置であるが、画像によらないもの(例えば7セグメント表示器)も含む点で画像表示装置と異なる。画像表示装置と称する場合は主として画像表示により演出を現出するタイプを指し、7セグメント表示器のように画像以外により演出を現出するものは、上記演出表示装置の概念の中に含まれる。
<4.主制御部の処理>
続いて、本実施形態の主制御部20が行う処理について説明する。主制御部20の処理は、主に、所定のメイン処理(主制御側メイン処理:図11)と、CTCからの定時割込みで起動されるタイマ割込み処理(主制御側タイマ割込み処理:図23)とを含んで構成される。
[4-1.主制御側メイン処理]
図8は、主制御側メイン処理を示したフローチャートである。
主制御側メイン処理が開始されるのは、停電状態や電源異常等からの復旧時に電源基板からのシステムリセット信号によるシステムリセットが生起した場合や、制御プログラムが暴走したことによりウォッチドッグタイマ機能(WDT)が発揮されてCPU20aが強制的にリセット(WDTリセット)される場合等がある。何れの場合でも、当該メイン処理が開始されると、主制御部20(CPU20a)は、先ず、CPU20aを含む各部のレジスタの値を初期設定する等の遊技動作開始に必要な初期設定処理を実行する(ステップS101)。
(初期設定処理)
図9は、ステップS101の初期設定処理を示したフローチャートである。
図9において、上記のシステムリセットやWDTリセットが発生すると、CPU20aはステップS201で、自らを割込み禁止状態に設定し、次いで、ステップS202のスタックポインタ設定処理として、RAM20cのスタックポインタの値をスタック領域の最終アドレスに対応して設定する処理を実行する。そして、続くステップS203で、RAMプロテクトを無効とすると共に、RAM20cの指定エリア外走行禁止機能における禁止領域を無効とする処理を行う。
次いで、CPU20aはステップS204で、セキュリティ信号OFF、設定値表示OFF、発射許可信号OFFとするための処理を実行する。ここで、セキュリティ信号は、枠用外部集中端子基板21を通じてホールコンピュータHCに出力される信号であり、ホールコンピュータHCに設定変更中等の状態通知を行うための信号として機能する。設定値表示OFFとは、設定・性能表示器97における設定値Veの表示をOFFさせることを意味する。
発射許可信号は、前述のように払出制御基板29から発射制御基板28に出力される信号であり、CPU20aは払出制御基板29に対する指示を行って発射許可信号をOFFさせる。
ここで、セキュリティ信号OFF、設定値表示OFFは、設定変更中の電源入切対策である。すなわち、設定変更処理において設定値Veを表示中に電源が切られた可能性もあるため、設定値表示とセキュリティ信号を一旦OFFとするものである。
ステップS204に続くステップS205でCPU20aは、電源異常チェック処理を実行する。
図10に示すように、電源異常チェック処理では、WDTタイマをクリアし(ステップS11)、電源異常信号がONであるか否かを判定する(ステップS12)。電源異常信号は、電源基板から出力される信号であり、電源異常信号OFFが正常レベルであることを表し、電源異常信号ONが正常レベルでない(つまり異常である)ことを表す。電源異常信号がONであれば、CPU20aは図8に示すステップS101に戻り、主制御側メイン処理を最初からやり直す。すなわち、電源に異常が認められた場合には主制御側メイン処理がリセットされるものである。
そして、電源異常信号がONでなければ、電源に異常は認められないため、CPU20aは電源異常チェック処理を終える。
図9に戻り、CPU20aはステップS205の電源異常チェック処理を終えたことに応じ、ステップS206で起動時の各種設定処理を行う。このステップS206の設定処理では、例えば、所定の割込みモードに設定する割込みモード設定処理や、内部ハード乱数回路を起動させる内部ハード乱数設定処理等を実行する。
ステップS206に続くステップS207でCPU20aは、サブ制御基板(演出制御部24)の起動待ち時間をセットする。そして、ステップS208~S210の処理により、セットした起動待ち時間が経過するのを待機する。具体的には、セットした起動待ち時間を1減算し(ステップS208)、電源異常チェック処理(ステップS209)を実行した上で、起動待ち時間がゼロでなければ(ステップS210:≠0)ステップS208の処理に戻る。このような起動待ち時間に基づく待機処理により、演出制御部24の起動が完了することになる。
ステップS210において、上記の起動待ち時間が経過した場合(待ち時間=0)、CPU20aはステップS211に進み、待機画面表示コマンドを演出制御部24に送信する。
この待機画面表示コマンドを受け、演出制御部24は、例えば「Please Wait...」等の文字が配された画面等、起動時に対応して定められた所定の画面表示を液晶表示装置36に実行させるための制御を行う。
ステップS211の送信処理を実行したことに応じ、CPU20aはステップS212に処理を進めて、該ステップS212とステップS213の処理により、電源異常チェック処理(S212:図10参照)を実行しながら、払出制御基板29からの電源投入時信号が送られてくるのを待機する。この電源投入時信号は、払出制御基板29が正常に立ち上がった場合に出力される信号であり、CPU20aは、払出制御基板29が正常起動するまで待機するようになっている。これにより、何らかのトラブルによって払出制御基板29が正常に機能していない場合には、ステップS212とS213の処理が繰り返されるだけで遊技動作は開始されない。従って、例えば賞球が払い出されない等の払出異常が発生せず、遊技者に不信感を与えることの防止が図られる。
CPU20aは、上記の電源投入時信号が送られてきた場合は(ステップS213:ON)、ステップS101の初期設定処理を終える。
(初期設定後の処理)
CPU20aは、上記の初期設定処理を終えたことに応じ、図8に示すステップS102に進む。
ステップS102でCPU20aは、入力ポートn(すなわち所定の入力ポート)の情報を取得し、Wレジスタにコピーする。
ここで、入力ポートnは1バイト(8ビット)のポートとされ、本例では、次の各信号が入力される。なお、以下に示す「b0」~「b7」はビット位置を表す。
b0:設定キー(設定キースイッチ94からの入力信号)
b1:補給切れ検出信号
b2:計数エラー信号
b3:断線検出信号1
b4:断線検出信号2
b5:扉開放信号(前扉開放センサ61の検出信号)
b6:RAMクリアボタン(RAMクリアスイッチ98からの入力信号)
b7:電源投入時信号及び払出通信確認信号
ここで、b0の設定キーについては、「0」が設定キースイッチ94=OFF、「1」が設定キースイッチ94=ONを意味する。また、b5の扉開放信号については、「0」が扉閉鎖(前枠2が閉鎖)、「1」が扉開放を意味する。さらに、b6のRAMクリアボタンについては、「0」がRAMクリアスイッチ98=OFF(ボタン非操作状態)、「1」がRAMクリアスイッチ98=ON(ボタン操作状態)を意味する。
ステップS102に続くステップS103でCPU20aは、Wレジスタの値をマスクする。具体的には、以下で説明する設定変更処理(S115)、RAMクリア処理(少なくともS117及びS118)、設定確認処理(S109)、バックアップ復帰処理(S111)の移行判定を行うにあたって必要とされる値である設定キー(b0)、RAMクリアボタン(b6)、扉開放信号(b5)以外の値をマスクする処理を行う。
先の説明から理解されるように、設定変更処理への移行条件としては、起動時において、前枠2が開放された状態で設定キーとRAMクリアボタンの双方が操作状態とされることとされている。
また、本例において、RAMクリア処理への移行条件は、操作の面では、起動時において設定キーが非操作状態、RAMクリアボタンが操作状態とされることとされている。
また、設定確認処理への移行条件は、操作の面では、前枠2が開放された状態において、設定キーが操作状態、RAMクリアボタンが非操作状態とされることとされている。
さらに、バックアップ復帰処理への移行条件は、操作の面では、起動時において設定キー、RAMクリアボタンの双方が非操作状態とされることとされている。
図11は、これら設定変更処理、RAMクリア処理、設定確認処理、バックアップ復帰処理への移行にあたっての操作面での各判定条件と、Wレジスタの値との対応関係を示している。
図11では、設定変更処理、RAMクリア処理、設定確認処理、バックアップ復帰処理への移行判定の順番を示している。
1番目の設定変更処理への移行判定は、図示のように判定条件が設定キー:ON(設定キースイッチ94:ON)、扉開放:ON(前扉開放センサ61:ON)、RAMクリアスイッチ98:ONとされ、従ってWレジスタの値としては0ビット目:1、5ビット目:1、6ビット目:1が条件とされる。
2番目のRAMクリア処理への移行判定は、判定条件がRAMクリアスイッチ98:ONであり、Wレジスタの値としては6ビット目:1か否かを判定することになる。ここで、本例では、RAMクリア処理への移行判定は、設定変更処理の移行条件が不成立の場合に実行される。また、設定確認処理、バックアップ復帰処理への移行にあたっては、RAMクリアスイッチ98がOFFであることが条件とされる。これらの点より、設定変更処理への移行条件が不成立であって、RAMクリアスイッチ98がONであれば、RAMクリア処理への移行操作が行われていると推定することができる。このため本例では、上記のようにRAMクリア処理への移行判定では、操作の面では、RAMクリアスイッチ98がONであるか否か(6ビット目:1か否か)のみを判定することとしている。
3番目の設定確認処理への移行判定は、判定条件が設定キー:ON、扉開放:ON、RAMクリアスイッチ98:OFFとされ、従ってWレジスタの値としては0ビット目:1、5ビット目:1、6ビット目:0が条件とされる。
さらに、4番目のバックアップ復帰処理への移行判定は、判定条件が設定キー:OFF、RAMクリアスイッチ98:OFFとされ、従ってWレジスタの値としては0ビット目:0、6ビット目:0が条件とされる。
ここで、バックアップ復帰処理について、設定確認処理を経ずにバックアップ復帰処理のみが行われるための移行条件としては、上記のように操作面では設定キー:OFF、RAMクリアスイッチ98:OFFと表記することができるが、設定確認処理の実行有無を問わず単にバックアップ復帰処理が行われる状態に移行するか否かの条件としては、後述するバックアップフラグがONであるということが条件となる(ステップS106の判定処理を参照)。
説明を図8に戻す。
CPU20aは、ステップS103のマスク処理を行ったことに応じ、ステップS104で設定変更条件成立判定処理を実行する。具体的には、設定変更モードに移行すべきか否かを判定するべく、ステップS103のマスク後の値(3ビット)が「111」であるか否かを判定する。
マスク後の値が「111」であり、設定変更条件が成立しているとの肯定結果が得られた場合、CPU20aはステップS115の設定変更処理を実行する。すなわち、RAMクリアボタンや設定キーの操作に応じて設定値Veを新たに設定するための処理を行う。
なお、ステップS115の設定変更処理の詳細については後に改めて説明する。
ここで、上記のように本実施形態では、設定キースイッチ94、前扉開放センサ61、及びRAMクリアスイッチ98による検出信号、換言すれば、設定変更モードへの移行判定を行うにあたり用いられる各検出信号を主制御部20の同一入力ポートに入力し、入力した各検出信号の値がそれぞれ所定条件を満たす値であるか否かを一括判定している。
これにより、設定変更モードへの移行判定について、各検出信号の値が所定条件を満たす値か否かを個別判定する場合よりも判定処理数の削減が図られる。
ステップS115の設定変更処理を実行したことに応じ、CPU20aはステップS116でRAMクリア処理を実行する。このRAMクリア処理は、RAM20cにおけるワーク領域を含む所定領域(使用領域)内の値を初期化する処理や、ステップS115で実行した設定変更処理の終了を演出制御部24側に通知するための設定変更終了コマンドの送信処理を含むが、詳細は後述する。
続いて、先のステップS104において、ステップS103によるマスク後の値が「111」ではなく、設定変更条件が成立していないとの否定結果が得られた場合、CPU20aはステップS105に進んでRAM異常か否かを判定する。具体的には、RAM20cのワーク領域に格納されている「設定値」が使用範囲Ru外の値(本例では「1」「2」「6」の範囲外)であるか否かを少なくとも判定する。
ここで、CPU20aが設定値Veに関して扱う値としては、設定値Vdがある。設定値Vdは、設定値Vdは、設定値Veに対応した値であり、本例では1バイトの値とされ、前述した使用範囲Ruに対応する少なくとも3段階を表現可能となるように、00H(0)~02H(3)の値が定められている。なお、「H」は16進数を意味する(以下、同様)。本例では、設定値Vd=00Hが設定値Ve=「1」を、設定値Vd=01Hが設定値Ve=「2」を、設定値Vd=02Hが設定値Ve=「6」をそれぞれ表すものとされる。主制御部20において、「設定値」としては主に設定値Vdが扱われるもので、主制御部20のRAM20cのワーク領域における「設定値」の格納領域にはこの設定値Vdが格納される。
ステップS105の判定処理では、ワーク領域に格納された設定値Vdが00H~02Hの範囲の値であるか否かを判定する。
ステップS105において、設定値が上記の使用範囲Ru外(つまり正常な範囲外)の値であり、RAM異常であると判定した場合、CPU20aはステップS112以降に続く電源再投入を待機するための処理に以降する。
具体的に、ステップS112でCPU20aは、電源再投入時のコマンド送信処理として、パチンコ遊技機1の電源再投入且つ設定変更を促すための報知が行われるように指示するための演出制御コマンド(設定変更待ちコマンド)を演出制御部24に送信する処理を行う。起動時においてRAM異常が検知された場合には、強制的に設定変更モードに移行させて設定値Veの変更(設定)を受け付ける。このためCPU20aは、先ずステップS112で、設定変更待ちコマンドにより設定変更モードに移行する旨を演出制御部24側に通知する。
該設定変更待ちコマンドを受け演出制御部24は、例えば「扉を開けて設定を変更して下さい」等の文字を含む画面等、設定変更操作を促すための画面表示を液晶表示装置36に実行させる。このとき、演出制御部24は、該画面表示と共に対応する光演出(例えば光表示装置45aにおける全LED点灯)や音演出を現出させる制御を行ってもよい。
ステップS112に続くステップS113でCPU20aは、バックアップフラグを00H(つまりOFF)とした上で、ステップS114のエラー表示処理を繰り返す。このステップS114のエラー表示処理では、設定・性能表示器97にエラー表示を実行させるための処理が行われる。このエラー表示処理はパチンコ遊技機1の電源が遮断されるまで繰り返され、電源が再投入されると主制御側メイン処理としてステップS101以降の処理が再び実行される。このとき、上記の画面表示等に応じて設定変更モードへの移行操作が行われていれば、設定変更モードへの移行が行われ、RAM異常状態の解消が図られる。
上記したステップS105において、設定値が使用範囲Ru外の値ではなく、RAM異常ではないと判定した場合、CPU20aはステップS106に進んでバックアップフラグがON状態か否か(本例ではバックアップフラグ=5AHがON状態)を判定する。
遊技機1において、電源遮断時には、主制御側タイマ割込み処理における後述する電源チェック・バックアップ処理(ステップS901、図22参照)により、RAM20cの記憶情報についてバックアップのための処理が行われる。電源遮断時に適正にバックアップ処理が行われた場合には、バックアップフラグがON状態とされる(図22のステップS1010参照)。このため上記のステップS106ではバックアップフラグを確認して、バックアップ復帰可能であるか否かの判定を行う。具体的に、ステップS106では、RAM20cの所定領域に格納されたバックアップフラグがON状態(5AH)である否かを判定する。
ステップS106でバックアップフラグがONでないと判定した場合、CPU20aは上述したステップS112に処理を進める。これにより、バックアップ復帰条件を満たさない場合には、先に説明したRAM異常が認められた場合と同様、強制的に設定変更モードへの移行が行われる。
ここで、前述したように、ステップS106の判定処理は、設定確認処理の実行有無を問わず、バックアップ復帰処理が行われる状態への移行可否を判定する処理に相当するものである。
一方、ステップS106でバックアップフラグがONであると判定した場合、CPU20aは、ステップS107でRAMクリア条件(RAMクリア処理への移行条件)が成立しているか否かを判定する。具体的には、Wレジスタの6ビット目の値が「1」か否かを判定する。
Wレジスタの6ビット目の値が「1」であり、RAMクリア条件が成立しているとの肯定結果が得られた場合、CPU20aは上述したステップS116に処理を進める。これにより、上述したRAMクリア処理が実行される。
ここで、上記したステップS107→S116に至るルートを参照して分かるように、本実施形態の遊技機1では、設定変更をせずにRAMクリアを行うことが可能とされている。これにより、RAM20cにおける払出関係のデータ等、設定値Veに係るデータ以外をクリアしたい場合に対応可能とされている。
また、ステップS107において、Wレジスタの6ビット目の値が「1」でなく、RAMクリア条件が成立していないとの否定結果が得られた場合、CPU20aはステップS108に進んで設定確認条件(設定確認処理への移行条件)が成立しているか否かを判定する。すなわち、ステップS103によるマスク後のWレジスタの値が「110」か否かを判定する。
マスク後のWレジスタの値が「110」であり設定確認条件が成立しているとの肯定結果が得られた場合、CPU20aはステップS109の設定確認処理を実行し、ステップS110に処理を進める。すなわち、バックアップ復帰のための処理に移行する。
なお、ステップS109の設定確認処理の詳細については改めて説明する。
一方、マスク後のWレジスタの値が「110」ではなく設定確認条件が成立していないとの否定結果が得られた場合、CPU20aはステップS109の設定確認処理をパスして、ステップS110に進む。
ステップS110でCPU20aは、バックアップ復帰時のコマンド送信処理として、バックアップ復帰時に対応した所定の演出制御コマンドを演出制御部24に送信する処理を行う。
ステップS110に続くステップS111でCPU20aは、バックアップ復帰処理を行う。
バックアップ復帰処理は、電源遮断時にバックアップされたRAM20cの記憶内容に基づいて、電源投入後に電源遮断前の動作に復帰させる処理となる。具体的に、CPU20aは、電源遮断前におけるスタックポインタを復帰し、電源遮断時の処理状態から遊技動作を開始するための処理を行う。
また、バックアップ復帰処理では、バックアップ復帰した場合に対応した情報表示指示を行うための停電復帰表示コマンド(OB03H)が後述するステップS119のメインループ前処理において演出制御部24に送信されるようにするべく、停電復帰表示コマンドの下位バイトデータをレジスタに記憶する処理を実行する。
ステップS111のバックアップ復帰処理を実行した場合、又は前述したステップS116のRAMクリア処理を実行した場合(つまり設定変更処理とRAMクリア処理の双方を実行した場合、又はRAMクリア処理のみを実行した場合)、CPU20aはステップS117処理を進める。
ステップS117でCPU20aは、例えば4ms等の所定時間毎に定期的にタイマ割込みを発生させるためのCTCの設定を行う。
このステップS117の設定処理が行われることで、以降、割込みコントローラへの割込み要求信号が定期的に出力され、主制御側タイマ割込み処理が実行される。
続くステップS118でCPU20aは、遊技開始を指示するための演出制御コマンドを演出制御部24に送信する処理を行い、次いで、ステップS119に処理を進めてメインループ前処理を実行した上で、ステップS120のメインループ処理を実行する。
なお、ステップS119のメインループ前処理については後に改めて説明する。
(メインループ処理)
図12は、ステップS120のメインループ処理を示したフローチャートである。
図12のメインループ処理において、CPU20aはステップS601で、自身を割込み禁止状態に設定し、続くステップS602で乱数更新処理を実行する。この乱数更新処理では、特別図柄変動表示ゲームや普通図柄変動表示ゲームに使用される各種乱数(インクリメント処理によって所定数値範囲を循環している大当り抽選に係る乱数(図柄抽選に利用される特別図柄判定用乱数)や、補助当り抽選に係る乱数(補助当りの当落抽選に利用される補助当り判定用乱数))の初期値(スタート値)変更のために使用する乱数(特別図柄判定用初期値乱数、補助当り判定用初期値乱数)や、変動パターンの選択に利用される変動パターン用乱数を更新する。
本実施形態のRAM20cには、大当り抽選に係る図柄抽選、補助当り抽選、又は変動パターン抽選などに利用される各種の乱数カウンタとして、特別図柄判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタ、特別図柄判定用乱数カウンタ、補助当り判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタ、補助当り判定用乱数カウンタ、変動パターン用乱数カウンタ等が設けられている。これらのカウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を果たす。ステップS602の乱数更新処理では、上述の特別図柄判定用乱数カウンタや補助当り判定用乱数カウンタの初期値を生成する2つの初期値生成用カウンタ、変動パターン用乱数カウンタ等を更新して、上記各種のソフト乱数を生成する。例えば、仮に、変動パターン用乱数カウンタとして取り得る数値範囲が「0~238」とすると、RAM20cの変動パターン用乱数の値を生成するためのカウント値記憶領域から値を取得し、取得した値に「1」を加算してから元のカウント値記憶領域に格納する。このとき、取得した値に「1」を加算した結果が「239」であれば「0」を元の乱数カウンタ記憶領域に格納する。他の初期値生成用乱数カウンタも同様に更新する。
ステップS602の乱数更新処理を終えると、CPU20aはステップS603で全レジスタの値を退避する処理を行った上で、ステップS604で性能表示モニタ集計除算処理を行う。
この性能表示モニタ集計除算処理は、前述した性能情報としての値(ここでは、例えば前述した「通常時比率情報」としての値とする)を演算する処理である。前述のように、通常時比率情報の値は、総払出個数と総アウト球数とを用いて算出されるものであるが、CPU20aは、総払出個数については、入賞口(上始動口34、下始動口35、一般入賞口43、大入賞口50)に入賞した遊技球の数をカウントした結果に基づき算出し、総アウト球数については、アウト口49から排出された遊技球の数をカウントすることで求める。
入賞球数のカウント、及びアウト球数のカウントは、主制御側タイマ割込み処理における後述する入力管理処理(図21ステップS904を参照)で行われる。CPU20aは、このようにタイマ割込み処理側で行う入賞球数のカウント、及びアウト球数のカウントのそれぞれによるカウント値に基づき、ステップS604において通常時比率情報としての値を演算する。前述のように、演算した通常時比率情報としての値は、RAM20cの所定領域(計測情報格納領域)に格納される。
なお、このように算出された通常時比率情報の値は、主制御側タイマ割込み処理における後述する性能表示モニタ表示処理(図21ステップS916を参照)によって設定・性能表示器97に表示される。
ステップS604に続くステップS605でCPU20aは、全レジスタ復帰処理を行い、さらに続くステップS606で自身を割込み許可状態に設定した上で、ステップS601に戻る。
このようにステップS123のメインループ処理では、ステップS601~S606の処理が無限ループ状に繰り返される。CPU20aは、間欠的に実行されるタイマ割込み処理を行っている間を除いて、これらステップS601~S606の処理を繰り返し実行することになる。
(設定変更処理)
図13は、ステップS115の設定変更処理を示したフローチャートである。
この設定変更処理では、操作に基づき設定値Veを設定するための処理や、設定変更中である旨や設定変更が終了(完了)した旨を通知するための演出制御コマンドを演出制御部24に送信するための処理等が行われる。
図13において、CPU20aは、先ずステップS401で設定変更中コマンド(BA76H)を演出制御部24に送信する処理を実行する。
この設定変更中コマンドを受け、演出制御部24は、例えば「設定変更中です」等の文字が配された画面等、設定変更中である旨を報知するための画面表示を液晶表示装置36に実行させたり、スピーカ46から設定変更中に対応した音出力が行われるようにするための処理を行う。さらにこの際、演出制御部24は、前述した光発生手段(光表示装置45a)における所定のLED(例えば全LED)を所定の点灯パターンにより点灯させてもよい。
続くステップS402でCPU20aは、バックアップフラグを00H(つまりOFF状態)とした上で、ステップS403でシステム動作ステータス=2に設定する。このシステム動作ステータスは、起動時においてステップS115の設定変更処理を経由したか否かを少なくとも識別するための情報であり、「2」は設定変更処理を経由した旨を表し、「2」以外の値(例えば「0」)が設定変更処理を経由していない旨を表す。
図8を参照して分かるように、本例では、設定変更処理とRAMクリア処理(S116)の双方を実行する場合と、設定変更処理を実行せずRAMクリア処理のみを実行する場合とでRAMクリア処理(プログラム)を共用するものとしているが、上記のシステム動作ステータスを用いることで、RAMクリア処理のプログラムを共用しながら、前者の場合と後者の場合とで処理を実行し分けることができる。
ステップS403に続くステップS404でCPU20aは、設定値を取得する処理を実行する。具体的には、RAM20cのワーク領域に格納されている設定値Vd(本例では00H~02Hの何れか)を取得する。
ステップS404に続くステップS405以降の処理は、設定値Veの順送り操作(RAMクリアボタンの操作)に応じて設定・性能表示器97における表示値を更新したり、設定変更の完了操作(設定キーの操作)に応じて設定値Veを設定したりするための処理となる。
先ず、CPU20aはステップS405で、取得した設定値Vdを1デクリメントし(「設定値-1」)、続くステップS406で設定値Vdが1よりも大きいか否かを判定する(設定値>1」)。本例では、設定値Vdの最大値は02Hであるため、設定変更処理の開始後に初回に実行されるステップS406で設定値>1と判定されることはない。
ステップS406において、設定値Vdが1よりも大きくなければ、CPU20aはステップS407でキャリーフラグをセットした上で(ONとした上で)、ステップS408で設定値Vdを1インクリメント(「設定値+1」)し、ステップS409でキャリーフラグがONであるか否か判定する。キャリーフラグがONであれば、CPU20aはステップS411で設定変更時コマンドの取得処理を実行し、続くステップS412のコマンド処理によって設定変更時コマンドを演出制御部24に送信する。
なお、設定変更時コマンドについては後述する。
そして、ステップS412のコマンド送信処理を実行したことに応じ、CPU20aはステップS413の出力管理処理を実行する。この出力管理処理により、設定・性能表示器97に現在の設定値Vdに対応する設定値Veが表示される。なお、ステップS413の出力管理処理の詳細は後述する。
ステップS413に続くステップS414でCPU20aは、設定キーがOFFであるか否か、つまり設定キースイッチ94がOFFであるか否かを判定し、設定キーがOFFでなければステップS415で変更スイッチ、すなわちRAMクリアスイッチ98がONであるか否かを判定する。RAMクリアスイッチ98がONでなければ、CPU20aはステップS413の出力管理処理を再度実行する。
ステップS413~S415の処理により、CPU20aは設定キー、変更スイッチの何れかがONとなるまで待機すると共に、待機中はステップS413の処理によって設定・性能表示器97に現在の設定値Veを表示させるための処理を繰り返す。
ステップS415において、変更スイッチがONであれば、CPU20aはステップS406に戻る。
ここで、ステップS115の設定変更処理の開始時に取得された設定値Vd(それまで設定中であった設定値Vd)が02Hであった場合には、ステップS415で変更スイッチがONと判定されたことに応じて実行されるステップS406の処理において、「設定値>1」であるとの判定結果が得られる(ステップS405で-1されるがステップS408で+1されるため)。設定値Vdが02Hの状態で行われた変更操作(順送り操作)に応じては、設定値Vdを00Hに戻すべきである。このため、ステップS406で「設定値>1」と判定された場合は、ステップS407のキャリーフラグセット処理をパスして、ステップS408に処理を進める。これにより、ステップS409ではキャリーフラグがOFFと判定されるため、処理がステップS410に進められて設定値Vdが00Hに戻される(「設定値←0」)。
CPU20aは、ステップS410で設定値Vdを00Hに戻したことに応じ、ステップS411、S412の処理を経由してステップS413に処理を進める。つまりこの場合は、設定・性能表示器97に設定値Vd=00Hに対応した設定値Ve(本例では「1」)が表示される。
上記の処理により、設定変更中においては、変更操作に応じて設定値Vdが00H~02Hの範囲内(使用範囲Ru内)で循環式に変更されると共に、変更された設定値Vdに対応する設定値Veが設定・性能表示器97に表示される。
また、ステップS412で送信する設定変更時コマンドは、設定変更処理中において選択中の設定値Vdに応じた設定値Veを演出制御部24に通知するためのコマンドであり、該選択中の設定値Veを表す情報が格納されるコマンドとされる。
上記したステップS406~S415の一連の処理により、設定値の順送り操作により選択中の設定値Veが切り替わるごとに、切り替え後の設定値Veを反映した設定変更時コマンドが演出制御部24に送信されることになる。
なお、図13では図示による説明を省略したが、設定値Vdに応じた設定値Veを取得するにあたっては、CPU20aは後述する設定値オフセット変換テーブルを用いる(図19参照)。
ステップS415において、設定キーがOFFであると判定した場合、CPU20aはステップS416に進んで設定値Vdを保存する処理を実行する。すなわち、設定値VdをRAM20cのワーク領域における所定領域に格納する処理を実行する。
CPU20aは、ステップS416の保存処理を実行したことに応じてステップS115の設定変更処理を終える。
図14は、ステップS413の出力管理処理のフローチャートである。
先ず、CPU20aはステップS501で、セキュリティ信号出力処理を実行する。具体的には、枠用外部集中端子基板21を通じてホールコンピュータHCに対してセキュリティ信号が出力されるようにするための処理を行う。
続くステップS502でCPU20aは、LEDコモンポート、すなわち設定・性能表示器97としてのLEDのコモンポートに0を出力する処理を実行した上で、ステップS503で7セグデコードテーブルから表示用データを取得する処理を実行する。すなわち、設定値Vdに基づき設定値Ve(「1」「2」「6」)の表示用データを取得する処理である。
なお、ステップS502でLEDコモンポートに0を出力した場合には設定・性能表示器97が表示OFF状態(無表示状態)となるが、その意義については後述する。
図15は、7セグデコードテーブルの例を示し、図16は設定・性能表示器97におけるセグメント構成とセグメントの表示パターンとの関係を例示した図である。
7セグデコードテーブルは、主制御部20のROM20bに格納されている。
本例では、設定・性能表示器97における7つのセグメントが図16Aに示すように0~6の数値によりナンバリングされている。設定・性能表示器97には、これら0~6の7つのセグメントと共にDP(ドットポイント)の表示部(発光部)も設けられており、該DPの表示部には「7」のナンバリングがされている。
7セグメントの表示用データとしては、数値「0」を表す「SEG_0」の表示用データから、数値「9」を表す「SEG_9」の表示用データまでの計10個が用意されている。表示用データは、1バイト(8ビット)のデータとされ、最下位ビット位置を1番目のビット位置とすると、1番目のビット位置がセグメント「0」の表示/非表示(発光/非発光)を表す。以降、同様に2番目のビット位置がセグメント「1」、3番目のビット位置がセグメント「2」、4番目のビット位置がセグメント「3」、5番目のビット位置がセグメント「4」、6番目のビット位置がセグメント「5」、7番目のビット位置がセグメント「6」の表示/非表示をそれぞれ表す。
また、本例における表示用データは、8番目のビット位置がDP(「7」)の表示/非表示を表すものとされている。
図15に示す7セグデコードテーブルは、設定値Vd=00H、01H、02Hの各値から、それぞれ対応する表示用データ、具体的にはSEG_1、SEG_2、SEG_6の表示用データが取得されるように構成されている。
具体的に、本例の7セグデコードテーブルにおいては、図中「6203」~「6208」のアドレス領域のように、少なくとも00H~05Hの各設定値Vdごとの表示用データを格納する領域が確保されており、この領域における最上層部の領域(番号が最も若いアドレスの領域)に設定値Vd=00Hに対応した表示用データSEG_1(図中「06」)が、2番目の領域に設定値Vd=01Hに対応した表示用データSEG_2(図中「5B」)が、3番目の領域に設定値Vd=02Hに対応した表示用データSEG_6(図中「7D」)が格納されている。
なお、本例では、設定値Vd=03Hに対応する4番目の領域、設定値Vd=04Hに対応する5番目の領域、及び設定値Vd=05Hに対応する6番目の領域には、表示用データとして「00」が格納されているが、その意義については改めて説明する。
また、本例の7セグデコードテーブルには、7番目の領域に設定値エラーを表す「E」の表示を行うための表示用データSEG_E(「79」)が格納されているが、これにより、設定値Vdが使用範囲Ru外の値である等、設定値Vdが異常な値を示す場合に対応して設定・性能表示器97を通じた設定値エラーの報知を行うことが可能とされている。
説明を図14に戻す。
CPU20aは、ステップS503の処理によって7セグデコードテーブルから取得した表示用データを、ステップS504で設定・性能表示器97に出力する処理を行う。
続くステップS505~S508の処理は、設定・性能表示器97における設定値Veの表示用LEDをダイナミック点灯(間欠的な点灯)させるための処理となる。具体的に、ステップS505でCPU20aは、LEDカウンタを1インクリメントし、続くステップS506でLEDカウンタの0,1ビット目(下位2ビット)が「11」であるか否かを判定する。ここで、LEDカウンタの下位2ビットが「11」となるのは、ステップS505のインクリメント処理が4の倍数回行われたときである。
ステップS506において、LEDカウンタの1,0ビット目が「11」であれば、CPU20aはステップS507に進み、LEDコモンポートに設定値表示用のセグを指定するデータを出力し、ステップS508の表示用タイマカウント処理を実行する。ステップS507の出力処理が実行されることで、設定・性能表示器97においてはステップS504で出力した表示用データに基づく設定値Veの表示が行われる。そして、この表示状態は、ステップS508の表示用タイマの時間分(本例では4ms)、継続されることになる。
図14に示す出力管理処理は、ステップS508のタイマカウント処理に続くステップS509の処理の実行に応じて終了となり、処理は図13に示すステップS414に進むことになるが、この際、設定キーOFF且つ変更スイッチがONであれば、ステップS413の出力管理処理が繰り返される。上述のようにステップS502ではLEDコモンポートに0が出力されるので、先のステップS507の処理で開始された設定値表示用のLEDの点灯状態は該ステップS502の実行により解除される。そして、ステップS505ではLEDカウンタが1インクリメントされるため、ステップS506ではLEDカウンタの0,1ビット目が「11」でないと判定され、ステップS507の出力処理はパスされてステップS508のタイマカウント処理が実行される。つまり、ステップS507の処理が実行されて設定値表示用のLEDが少なくとも4msの期間点灯された後は、LEDカウンタの0,1ビット目が再度「11」となるまでの間、つまり本例では少なくとも4ms×3=12msの間、該LEDが消灯状態とされるものである。
このようにして、設定値表示用のLEDを所定の周期で間欠的に点灯させるダイナミック点灯が実現される。
図14において、CPU20aはステップS508のタイマカウント処理を実行したことに応じ、ステップS509で入力データ作成処理を実行する。
この入力データ作成処理は、例えば主制御側タイマ割込み処理(図21)におけるステップS902の同処理を呼び出して実行する。後述するように、該入力データ作成処理で作成される入力データには、設定値Veの順送り操作の有無を表すRAMクリアスイッチ98の入力データや、設定変更の完了操作の有無を表す設定キースイッチ94の入力データが含まれている。
図13を参照して分かるように、設定変更の完了操作の有無の判定(S414)や設定値Veの順送り操作の有無の判定(S415)は、ステップS413の出力管理処理の後に実行されるものであり、このステップS509の入力データ作成処理を実行しておくことで、これら判定処理で必要とされるデータを予め得るようにしている。
(RAMクリア処理)
図17は、図8に示したRAMクリア処理(S116)のフローチャートである。
先ず、CPU20aはステップS601で、領域内RAM初期化処理を実行する。このステップS601の初期化処理は、RAM20cにおけるワーク領域を含む所定領域(使用領域)内の値を初期化(クリア)する処理となる。但し、このステップS601の初期化処理では、ワーク領域における設定値Vdの格納領域については初期化の対象外とされている。
なお、上述した性能情報については、RAM20cにおける使用領域外の領域に格納されており、従ってステップS601の初期化処理ではクリアされない。
RAMクリア処理でクリア対象となるのは、通常の遊技進行の際に必要な各種のフラグやタイマやカウンタ等のRAM領域(通常データ格納領域)のデータである。これらのデータには、例えば次のようなものがある。すなわち、遊技状態指定に係るデータ(通常状態、確変状態、時短状態、潜確状態など、現在の遊技状態を特定する遊技状態フラグ)、当り遊技中であるか否かを指定するフラグ(条件装置作動フラグ)、当り遊技の実行に係る各種データ(現在のラウンド数、最大ラウンド数等)、大当り抽選結果に係るデータ(大当り判定フラグ:当落抽選結果情報、特別図柄判定データ:図柄抽選結果情報)、作動保留球に関する保留データ(作動保留球数、大当り抽選に利用される各種乱数値、補助当り抽選に利用される各種乱数値、変動パターン用乱数)、特別図柄動作ステータス、遊技進行を管理するタイマ(特別図柄役物動作タイマ)、スイッチ・センサ類に係る入出力データ、入賞口の入賞球数をカウントする各種の入賞カウンタ、電サポ状態の有無を指定するフラグ(開放延長フラグ)、電サポの残余回数をカウントする電サポ回数カウンタ、高確率状態の残余回数をカウントするカウンタ(特図確変回数カウンタ、普図確変回数カウンタ)、各種エラーフラグ(RAMエラーフラグを除く)、及び払出関連のデータ等である。何れにしても、RAMクリア処理が実行されると、特定のデータ(設定値Vdや性能情報)以外のすべてのデータが初期状態に設定される。
ここで、先の図8の説明から理解されるように、設定変更処理(S115)が実行された場合には、ステップS116に処理が進められてRAMクリア処理が実行される。
設定変更処理では設定値Vdが変更され得る。設定値Vdが変更された場合、RAM20cのワーク領域における設定値Vd以外の格納値が、変更後の設定値Vdに対して整合しない状態となる可能性がある。このため、設定変更処理を行った場合は、RAMクリア処理を実行することで、ワーク領域における設定値Vd以外の領域をクリア(初期化)するものとしている。
ステップS601の初期化処理を実行したことに応じ、CPU20aはステップS602でRAMクリア報知タイマに30sをセットする共に本特図に外れ目をセットするための処理を実行する。RAMクリア報知タイマは、後述する図20のステップS803の処理で送信されるRAMクリアコマンドに応じて演出制御部24が実行するRAMクリア報知の時間を設定するためのタイマであり、本例では30sを設定する。また、ここで言う本特図とは、例えば上述した特図1及び特図2のことを意味する。
ステップS602に続くステップS603でCPU20aは、前述したシステム動作ステータスが「2」であるか否かを判定する。すなわち、起動後にステップS115の設定変更処理を経由したか否かを判定する。
システム動作ステータスが「2」であれば、CPU20aはステップS604~S612により、設定変更処理を経由した場合に対応した処理を実行する。
システム動作ステータスが「2」でなければ、CPU20aは、ステップS613に処理を進めてRAMクリアコマンドの下位バイトデータをレジスタに記憶し、ステップS116のRAMクリア処理を終える。
なお、上記のようにコマンドの下位バイトデータをレジスタに記憶する動作は、後述するメインループ前処理(図20)のステップS804で送信するコマンド種別を指定する動作として機能する。
設定変更処理を経由した場合、CPU20aは、先ずステップS604でシステム動作ステータスを「0」にリセットした上で、ステップS605で設定変更終了コマンド(BA77H)の取得処理を実行し、続くステップS606のコマンド送信処理により設定変更終了コマンドを演出制御部24に送信する。
ステップS606に続くステップS607~S612の処理は、設定・性能表示器97における設定値Veの表示に係る処理となる。
先ず、ステップS607でCPU20aは、LEDコモンポートに設定値表示用のセグを指定するデータを出力し、続くステップS608で7セグデコードテーブル(図16参照)から設定値Vdに対応する表示用データを取得し、ステップS609で表示用データにDP付加する処理、すなわち表示用データの7番目のビット位置の値を「1」とする処理を実行した上で、ステップS610の出力処理により表示用データを設定・性能表示器97に出力する。
ステップS611に続くステップS612、S613の処理は、設定・性能表示器97における設定値Ve及びDPの表示状態を所定時間(本例では1s)継続させるための処理となる。具体的に、CPU20aはステップS612の表示用タイマカウント処理(例えば先のステップS508(図14参照)と同様の4ms周期のタイマカウント処理)を、ステップS612で1sが経過したと判定するまで繰り返し実行する。
ステップS612で1sが経過したと判定した場合、CPU20aはステップS613の記憶処理を実行し、ステップS116のRAMクリア処理を終える。
これまでの説明から理解されるように、ステップS115の設定変更処理が実行され、設定変更の完了操作が行われた場合(図13のステップS412:Y)には、ステップS116のRAMクリア処理において設定変更終了コマンドが演出制御部24に送信されて(S605、S606)、設定変更が終了した旨の通知が行われる。
本例の場合、設定変更終了コマンドは、設定変更が終了した旨を演出制御部24に通知するものであって、設定変更処理で設定された設定値Veを通知する機能までは与えられていない。
本例では、設定変更処理で設定された設定値Veは、後述する図20(メインループ前処理)のステップS808の処理で送信される設定値コマンドによって演出制御部24に通知される。
(設定確認処理)
図18は、ステップS109の設定確認処理を示したフローチャートである。
設定確認処理は、設定中の設定値Veを確認表示するための処理となる。
図18において、CPU20aは先ずステップS701で、不正情報タイマに30sをセットする。不正情報タイマは、前述したセキュリティ信号のホールコンピュータHCに対する出力時間を管理するためのタイマである。
続くステップS702で現在の設定値情報を取得する処理を行う。すなわち、RAMのワーク領域に格納されている設定値Vdを取得する。
ステップS702に続くステップS703でCPU20aは、設定値オフセット変換テーブルから設定値データを取得する処理を実行する。
図19は、主制御部20のROM20bに格納された設定値オフセット変換テーブルの例を示している。
設定値オフセット変換テーブルは、設定値Vd(00H~02H)を設定値Ve(「1
」「2」「6」)の識別データ(「SETNUM1」~「SETNUM6」)に変換するためのテーブルとして機能する。
本例の場合、設定値オフセット変換テーブルは、図中「6215」~「6220」のアドレス領域のように、少なくとも00H~05Hの各設定値Vdごとに設定値Veの識別データを格納する領域が確保されており、この領域における最上部の領域に設定値Vd=00Hに対応した設定値Ve「1」の識別データ(図中「00」)が、2番目の領域に設定値Vd=01Hに対応した設定値Ve「2」の識別データ(図中「01」)が、3番目の領域に設定値Vd=02Hに対応した設定値Ve「6」の識別データ(図中「05」)が格納されている。
なお、本例では、設定値Vd=03Hに対応する4番目の領域、設定値Vd=04Hに対応する5番目の領域、及び設定値Vd=05Hに対応する6番目の領域には、設定値Veの識別データとして「00」が格納されているが、その意義については改めて説明する。
図18において、CPU20aはステップS703の取得処理により、上記の識別データを「設定値データ」として取得する。
ステップS703の取得処理を実行したことに応じ、CPU20aはステップS704で設定確認中コマンド(BA6xH)の取得処理を実行し、続くステップS705のコマンド送信処理により、設定確認中コマンドを演出制御部24に送信する。
CPU20aはステップS704の取得処理において、設定確認中コマンドにステップS703で取得した設定値データ、すなわち現在設定値中の設定中の設定値Veを識別するための識別データを含ませる処理を行う。
これにより、ステップS705のコマンド送信処理が実行されることで、演出制御部24に設定確認中である旨と現在の設定値Veが通知されることになる。
ステップS705に続くステップS706、S707の処理は、現在の設定値Veを設定・性能表示器97に表示させるための処理となる。
具体的に、CPU20aは先ずステップS706で、設定値とDPのデータを取得する処理を実行する。すなわち、RAM20cのワーク領域に格納されている現在の設定値Vdと、設定・性能表示器97におけるDPのデータ(「1」)とを取得する処理を実行する。その上で、ステップS707の出力管理処理を実行する。このステップS707の出力管理処理は、図14に示したステップS413の出力管理処理と同じ処理である。これにより、この場合の設定・性能表示器97には、現在の設定値Veを表す値とDPの表示が行われる。
ステップS707に続くステップS708でCPU20aは、設定キーOFF(設定キースイッチ94がOFF)であるか否か、つまり設定確認表示の終了指示操作が行われたか否かを判定し、設定キーOFFでなければステップS707の出力管理処理を再度実行する。これにより、ステップS705で設定確認中コマンドが送信された後は、ステップS708の処理により設定確認表示の終了指示操作が行われるまで待機するようにされ、待機中はステップS707の処理によって設定・性能表示器97に現在の設定値Ve及びDPを表示させる処理を継続して行うようにされる。
ステップS708で設定キーOFFであると判定した場合、CPU20aはステップS709で設定確認終了コマンド(BA67H)の取得処理を実行し、続くステップS710のコマンド送信処理により設定確認終了コマンドを演出制御部24に送信し、ステップS109の設定確認処理を終える。
(メインループ前処理)
図20は、ステップS119のメインループ前処理のフローチャートである。
メインループ前処理において、CPU20aは先ずステップS801で、イニシャライズコマンドの取得処理を実行し、続くステップS802のコマンド送信処理によりイニシャライズコマンドを演出制御部24に送信する。イニシャライズコマンドは、役物としての可動体を動作させる可動体役物モータ80cのイニシャライズ(原点復帰)指示を行うためのコマンドである。
ステップS802に続くステップS803でCPU20aは、取得した下位バイトコマンドから送信コマンドデータを取得する処理を行い、取得したコマンドデータを、ステップS804のコマンド送信処理により演出制御部24に送信する。
ここで、ステップS803の取得処理では、起動後に経由してきた処理の過程で下位バイトデータがレジスタに格納されたコマンドのデータが取得される。具体的に、ステップS116のRAMクリア処理を経由した場合(設定変更処理とRAMクリア処理の双方が行われた場合、又は設定変更処理が行われずRAMクリア処理のみが行われた場合)には、RAMクリアコマンド(BA02H)のデータが取得される。一方、ステップS111のバックアップ復帰処理が行われた場合(設定確認処理とバックアップ復帰処理の双方が行われた場合、又は設定確認処理が行われずバックアップ復帰処理のみが行われた場合)には停電復帰表示コマンド(OB03H)のデータが取得される。
これにより演出制御部24は、RAMクリア処理が行われた場合、バックアップ復帰処理が行われた場合でそれぞれ異なる処理を実行するようにされている。
ステップS804に続くステップS805でCPU20aは、特図1、特図2の保留個数を送信するための処理を実行する。ここで、このステップS805の処理では、ステップS111のバックアップ復帰処理が行われた場合に特図1、特図2の保留個数を演出制御部24に送信し、ステップS116のRAMクリア処理が行われた場合には該保留個数の送信は行わない(保留個数の情報がクリアされているため)。
ステップS805に続くステップS806~S808の処理は、現在の設定値Veを設定値コマンドにより演出制御部24に通知するための処理となる。
先ず、ステップS806でCPU20aは、現在の設定値情報を取得するための処理として、RAM20cのワーク領域に格納されている設定値Vdを取得する処理を行い、続くステップS807で設定値オフセット変換テーブル(図19)から設定値データを取得する処理を実行する。具体的には、ステップS806で取得した設定値Vd(00H~02H)に対応する設定値Ve(「1」「2」「5」)の識別データを取得する。
そして、CPU20aは続くステップS808で設定値コマンド(F6xxH)の取得処理を行い、ステップS809のコマンド送信処理により設定値コマンドを演出制御部24に送信する。
ステップS808の取得処理では、ステップS807で取得した識別データを含む設定値コマンドを取得する。このような設定値コマンドにより、演出制御部24に現在の設定値Veを通知することができる。
ステップS809のコマンド送信処理を実行したことに応じ、CPU20aはステップS810で内部機能レジスタの設定処理、すなわちハードウェア乱数のカウント機能等、各種機能の初期設定のためのレジスタ設定処理を実行し、ステップS811で性能表示モニタ点灯用タイマを5sにセットする処理を実行する。性能表示モニタ点灯用タイマは、設定・性能表示器97の起動時における動作確認点灯動作(本例では5秒間の点滅動作)について、その動作時間を管理するためのタイマである。
さらに、ステップS811に続くステップS812でCPU20aは、システム動作ステータスを「0」にリセットし、ステップS813で払出制御基板29に対する発射許可信号をONとする。これに応じ払出制御基板29は、発射許可状態であると判断し、上記許可信号を発射制御基板28に対して出力し、発射装置32による遊技球の発射動作を許容する。これにより、発射操作ハンドル15による遊技球の発射が可能になる。
なお、ここでは、主制御部20からの発射許可信号を払出制御基板29が受けて発射動作を許容する構成、つまり、主制御部20からの発射許可の指示情報が、払出制御基板29を通じて間接的に発射制御基板28に送られる構成を例示したが、本発明はこれに限らず、例えば、主制御部20による発射許可信号を直接的に発射制御基板28に出力する構成とすることもできる。
CPU20aは、ステップS813の処理を実行したことに応じ、ステップS119のメインループ前処理を終える。
(実施形態としての設定値表示用データテーブルと設定値変換テーブルの利点)
ここで、本実施形態では、図19に示した設定値オフセット変換テーブルのように、主制御部20のROM20bには、設定値を参照して選択される複数の設定値関連情報を含むデータテーブルが格納されている。
そして、このデータテーブルには、主制御部20が設定変更処理(図13参照)により設定可能な設定値Vd(「00H」~「02H」)を参照した場合に選択される設定値関連情報である第一設定値関連情報と、主制御部20が設定変更処理により設定不能な設定値を参照した場合に選択される設定値関連情報である第二設定値関連情報とが含まれている。具体的に、第一設定値関連情報としては、図19に示す設定値オフセット変換テーブルにおけるアドレス「6215」「6216」「6217」にそれぞれ格納された「00」「01」「05」が該当し、第二設定値関連情報としては、アドレス「6218」「6219」「6220」にそれぞれ格納された「00」「00」「00」が該当する。
さらに、データテーブルにおいては、第一設定値関連情報として、当選確率が最も低い段階を表す設定値Veに関する特定情報(つまりアドレス「6215」における「00」)が、少なくとも記憶され、また第二設定値関連情報として、特定情報と同じ情報が記憶されている。
設定値Vdが設定不能な値であったときは、RAM20cに格納される設定値Vdを最低段階を表す値に書き替えることが考えられる。
しかし、書き替え後に改竄される等した場合、設定不能な設定値Vdに基づきデータテーブルから対応する情報が取得されて、設定不能な設定値に応じた動作が実現される虞がある。
上記構成によれば、データテーブルから設定不能な設定値Vdに応じた情報を取得することが不能とされるため、不正行為が成立してしまうことの防止を図ることができ、遊技の公平性を高めることができる。
また、本実施形態では、上記した特定情報として0が記憶されている。
これにより、設定値関連情報に特定情報=0を書き込むという簡易な手法により、設定値の改竄による不正行為の成立防止を図ることが可能とされる。すなわち、遊技の公平性を簡易な手法により高めることができる。
また、本実施形態では、図15に示した7セグデコードテーブルについても、主制御部20が設定変更処理により設定可能な設定値Vdを参照した場合に選択される設定値関連情報である第一設定値関連情報(アドレス「6203」~「6205」)と、主制御部20が設定変更処理により設定不能な設定値を参照した場合に選択される設定値関連情報である第二設定値関連情報(アドレス「6206」~「6208」)とが含まれるようにしている。そして、7セグデコードテーブルでは、第二設定値関連情報として0を記憶させている。
これにより、不正行為や何らかの誤動作等に伴い、設定変更処理で設定不能な設定値Vdによりデータテーブルが参照されたとしても、設定値の表示手段(本例では設定・性能表示器97)に設定値表示が行われないようにすることが可能とされる。具体的に本例では、表示用データとして「00」のデータ、すなわち「00000000」が取得されるので、設定値表示用の7セグにおける「0」~「6」の全てのセグが非表示とされ、結果、数値表示が行われないことになる。
従って、設定値の誤表示防止を図ることができる。
[4-2.主制御側タイマ割込み処理]
図21のフローチャートを参照して、主制御側タイマ割込処理について説明する。
主制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(4ms程度)ごとの割込みで起動され、主制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。
図21において、CPU20aは、タイマ割込みが生じると、先ずはステップS901の電源チェック・バックアップ処理を実行する。この電源チェック・バックアップ処理では、主に、電源基板から供給されている電源レベルを監視し、電断が生じる等の異常が発生した場合、電源復帰時に支障なく遊技を復帰できるように、電断時における所定の遊技情報をRAM20cに格納するバックアップ処理等が行われる。
(電源チェック・バックアップ処理)
図22は、ステップS901の電源チェック・バックアップ処理を示したフローチャートである。
電源チェック・バックアップ処理において、CPU20aはステップS1001で、電源基板から出力される電源異常信号を2回読み込み、続くステップS1002で双方の読み込み値が一致しているか否かを判定する。双方の値が一致していない場合は、ステップS1001に戻って再度、電源異常信号を2回読み込む。
ステップS1002において、双方の値が一致していれば、CPU20aはステップS1003で、電源異常信号が正常レベルか否か(電源異常信号がOFF=正常レベル、ON=正常レベルでない)を判定する。
電源異常信号が正常レベルであれば(ステップS1003:OFF)、CPU20aはステップS1004でバックアップフラグをOFF状態とし、続くステップS1005で電源異常確認カウンタをクリアし、ステップS901の電源異常チェック処理を終える。すなわち、電源異常信号が正常レベルであることが確認された場合は、以降で説明するバックアップ処理は行われずタイマ割込み処理が継続される。
一方、ステップS1003で電源異常信号が正常レベルでなかった場合(ステップS1003:ON)、CPU20aはステップS1006で電源異常確認カウンタの値を1インクリメントした上で、ステップS1007で電源異常確認カウンタの値が所定の閾値(閾値=2以上の自然数:例えば「2」)以上であるか否かを判定する。
電源異常確認カウンタの値が閾値以上でなければ、CPU20aはステップS901の電源異常チェック処理を終える。すなわち、電源異常信号が正常レベルでない状態が検知されたが連続的な検知でない場合には、バックアップ処理は行われずタイマ割込み処理が継続される。
一方、電源異常確認カウンタの値が閾値以上であれば、CPU20aはステップS1008~S1011として示すバックアップ処理を行う。
具体的に、CPU20aは先ず、電源異常確認カウンタの値をクリアし(S1108)、発射許可信号をOFFとした上で(S1009)、バックアップフラグをONとする(S1010)。
さらに、CPU20aは、電源断コマンドを演出制御部24に送信し(S1011)、ステップS1012に処理を進める。
ステップS1012でCPU20aは、RAMプロテクトを有効とし、禁止領域を無効に設定する処理を行う。
RAMプロテクトとは、誤作動や誤操作などによるRAM20cに対する書き換え防止機能である。RAMプロテクトを有効に設定することで、RAM20cからのデータ読み出しのみが可能とされてデータの書き込みが不能な状態となる。
また、禁止領域は、IAT(指定エリア外走行禁止)機能における指定エリアに対応した領域であり、禁止領域を無効に設定することで、以降はIATリセットが発生しないようになる。
ステップS1012に続くステップS1013でCPU20aは、出力ポートの値をクリアし、さらに続くステップS1014でタイマ割込み処理を停止すると共に、自身を割込み禁止状態に設定し、無限ループ処理に移行する。
この無限ループ中において、CPU20aはWDTによりリセットされ、また動作電源の喪失により動作停止状態に移行する。
説明を図21に戻す。
図21において、ステップS901の電源チェック・バックアップ処理を終えると、CPU20aはステップS902で入力データ作成処理を実行する。具体的には、各種センサやスイッチから入力情報(ON/OFF信号や、立ち上がり状態(ONエッジ、OFFエッジ))に基づき、入力データ作成する。
ここでの入力情報とは、例えば上始動口センサ34a、下始動口センサ35a、普通図柄始動口センサ37a、大入賞口センサ52a、一般入賞口センサ43a、OUT監視スイッチ49aなどの入賞検出スイッチから出力されるスイッチ信号のON/OFF情報(入賞検出情報)や、設定キースイッチ94、RAMクリアスイッチ98等の設定値Veの設定操作に係るスイッチから出力されるスイッチ信号のON/OFF情報(操作情報)や、払出制御基板29からの状態信号(前扉開放センサ61や満杯検出センサ60のON/OFF情報)等である。これにより、アウト口や各入賞口において遊技球が検出されたか否かが割込みごとに監視される。
ステップS902の入力データ作成処理を終えると、CPU20aはステップS903で、遊技動作制御に用いられるタイマを管理するタイマ管理処理を実行する。ここでは、遊技機1の遊技動作制御に用いる各種タイマの値について更新(減算処理)が行われる。
次いで、CPU20aはステップS904で、入力管理処理を行う。この入力管理処理では、入力データ作成処理(S902)で作成された入力データに基づき、入賞カウンタやOUT球監視カウンタの値などを更新する。「入賞カウンタ」とは、各入賞口ごとに対応して設けられ、入賞した遊技球数(入賞球数)を計数するカウンタである。またOUT球監視カウンタは、アウト口49から排出される遊技球(アウト球)を計数するカウンタである。
ステップS904の入力管理処理は、各種入賞口センサからの入力信号(検出信号)を管理する入力管理手段として機能する。
ステップS904に続くステップS905でCPU20aは、設定異常チェック処理を実行する。
図23は、ステップS905の設定異常チェック処理を示したフローチャートである。
図23において、CPU20aはステップS1101で、設定値エラーフラグを確認する。設定値エラーフラグは、設定値Vdの異常が認められた場合に以下で説明するステップS1103の処理によりセットされる(ONされる)フラグであり、本例では「5AH」がON状態を意味する。
ステップS1101において、設定値エラーフラグが「5AH」(ON状態)であれば、CPU20aはステップS905の設定異常チェック処理を終える。すなわち、ステップS1101で設定値エラーフラグがONと判定されるということは、既に後述するステップS1104で設定値異常コマンド(演出制御部24に設定エラー報知の実行を指示するコマンド)の送信が実行されている状態であるため、設定値エラーフラグを再度送信することなく、設定異常チェック処理を終える。
一方、ステップS1101で設定値エラーフラグが「5AH」でない(OFFである)と確認された場合、CPU20aはステップS1102で設定値Vdが正常範囲内の値(0~2の範囲内)であるか否かを判定する。具体的には、RAM20cのワーク領域に格納されている設定値Vdを取得し、値が「00H」~「02H」の範囲にあるか否かを判定する。
設定値Vdが正常範囲内の値であれば、CPU20aはステップS905の設定異常チェック処理を終える。
設定値Vdが正常範囲内の値でなければ、CPU20aはステップS1103に進んで設定値エラーフラグをセット(ON状態)とし、続くステップS1104で設定値Vdに異常が生じた旨を表すための設定値異常コマンドを演出制御部24に送信し、設定異常チェック処理を終える。
ここで、設定値エラーフラグは、後述する図25のステップS1308(入賞時の設定エラー判定)をはじめとして、図27におけるステップS1501(変動開始時の大当り乱数判定を行う際の設定エラー判定や、図30におけるステップS1701(変動開始時の変動パターン抽選を行う際の設定エラー判定)において用いられる。
ここで、上記の設定値異常コマンドを受け演出制御部24は、設定値Veのデータ異常を報知するための処理を行う。例えば、液晶表示装置36に「RAM異常です。係員を呼んで下さい。」等の表示を含む画像を表示させる処理を行う。
遊技機1において、設定エラー(設定値エラー)は、設定変更操作を行うことで解除可能とされている。
説明を図21に戻す。
CPU20aはステップS905の設定異常チェック処理を終えると、ステップS906でエラー管理処理を実行する。このエラー管理処理では、各種センサ類に係る入力データや払出制御基板29からの状態信号に基づき、エラー発生の有無の監視を行う。
エラーが発生した場合には、CPU20aはエラー処理として、エラーコマンドの送信が必要なエラー種別である場合には当該するコマンドを演出制御部24に送信する。演出制御部24がこのエラーコマンドを受けると、エラー種別に応じたエラー報知を実行する。また、CPU20aは発生中のエラーが解消された場合、エラー解除コマンドを演出制御部24に送信する。演出制御部24がこのエラー解除コマンドを受けると、実行中のエラー報知を終了させる。
次いで、CPU20aはステップS907で、各変動表示ゲームに係る乱数を定期的に更新するタイマ割込み内乱数管理処理を実行する。ここでは、乱数カウンタのカウント値をランダムなものとするために、特別図柄判定用乱数や補助当り判定用乱数などに対し、乱数の更新(割込み毎に+1加算)と、乱数カウンタが一周するごとに、乱数カウンタのスタート値を変更する処理を行う。なお内部抽選用乱数(大当り判定用乱数)は、乱数生成回路で生成されるので、ここで更新されることはない。
ステップS907に続くステップS908でCPU20aは、賞球管理処理を実行する。この賞球管理処理では、上記の入賞カウンタの確認を行い、入賞がある場合には、賞球数を指定する払出制御コマンドを払出制御基板29に送信する。払出制御基板29は、払出制御コマンドを受信した場合、これに含まれる賞球数情報に基づき遊技球払出装置19を制御し、指定された賞球数分の払い出し動作を実行させる。
次いで、CPU20aはステップS909で、普通図柄管理処理を実行する。この普通図柄管理処理では、普通図柄変動表示ゲームを実行させるために必要な処理を行う。ここでは、普通図柄始動口センサ37aにより遊技球が検出されたか否かを監視し、遊技球が検出された場合には補助当り抽選に必要な所定の遊技情報(補助当り判定用乱数など)を取得し(乱数取得処理)、その遊技情報を保留データ(普通図柄に関する作動保留球)として、最大保留球数を上限まで保留記憶する(保留記憶処理)。そして、普図に関する所定の変動表示開始条件が成立した場合、作動保留球に基づく補助当り抽選を行い、その補助当り抽選結果に基づく普通図柄の変動パターンの選択および普通図柄の停止表示態様(普通停止図柄)を決定する。またここでは、普通図柄を変動表示動作させるために、変動中であれば変動表示用のLED表示用データを作成し、変動中でなければ、停止表示用のLED表示用データを作成する。
さらに、CPU20aはステップS910で、普通電動役物管理処理を実行する。この普通電動役物管理処理では、普電開放遊技の実行に必要な処理を行う。具体的には、補助当り抽選の抽選結果が当りの場合に、普通電動役物ソレノイド41cに対するソレノイド制御用データの設定処理を行う。ここで設定されたソレノイド制御用データに基づき、普通電動役物ソレノイド41cに対して励磁信号が出力され、これにより、可動翼片47の開閉動作パターンが制御される。
次いで、CPU20aはステップS911で、特別図柄管理処理を実行する。この特別図柄管理処理では、主に、特別図柄変動表示ゲームにおける大当り抽選を行い、その抽選結果に基づいて、特別図柄の変動パターン(先読み変動パターン、及び変動開始時の変動パターン)や特別停止図柄の決定等、特別図柄変動表示ゲームに必要な処理が実行される。
なお、ステップS911の特別図柄管理処理の詳細については改めて説明する。
次いで、CPU20aはステップS912で特別電動役物管理処理を実行する。この特別電動役物管理処理では、当り遊技を実行制御するために必要な設定処理を行う。具体的には、大当り抽選結果が大当りであった場合、その当り種別に対応した当り遊技(大当り遊技)を実行制御する。
具体的には、大入賞口ソレノイド52cに対するソレノイド制御用データの設定、ラウンド数のカウント(大当りの場合)、大入賞口50への最大入賞数及び開放時間の監視などを行う。また当り遊技が終了した場合は、当選時の遊技状態と当り種別とに基づく遊技状態の移行設定を行う。
またここでは、当り遊技の進行状況に応じて、複数の演出制御コマンドを送信する。大当り開始時、ラウンド遊技開始時、ラウンド遊技終了時、最大ラウンド数消化時などにおいて、それぞれ、大当り開始コマンド、ラウンド開始コマンド、ラウンド終了コマンド、大入賞口入賞コマンド、大当り終了コマンドを送信時期の到来に応じて送信する。上記大当り開始コマンドには、今回の当り種別情報が含まれ、演出制御部24側において、当り遊技中に展開される一連の当り演出シナリオを決定する際に利用される。また、大当り終了コマンドには、今回の当り種別とその当り当選時の遊技状態とに関する情報、つまり、当り遊技終了後の遊技状態を特定可能な情報が含まれ、演出制御部24側において、当り遊技後の演出モードを決定する際に利用される。従って、この「大当り終了コマンド」は、当り遊技終了後の遊技状態を特定し得ることから、遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドとしての役割を担う。
上記ステップS912までの遊技進行のための処理を終えると、CPU20aはステップS913で、外部端子管理処理を行う。この外部端子管理処理では、枠用外部集中端子基板21を通して、遊技機1の動作状態情報をホールコンピュータHCや島ランプなどの外部装置に対して出力する。動作状態情報には、例えば、当り遊技発生情報、図柄変動表示ゲーム実行開始情報、入賞数・賞球数情報、エラー情報などの遊技情報がある。
次いで、CPU20aはステップS914で、LED管理処理を実行する。このLED管理処理では、普通図柄表示装置39a、特別図柄表示装置38a、38b、設定・性能表示器97などのLED表示器に対する制御信号(ダイナミック点灯データ)の出力制御を行う。普通図柄管理処理(ステップS909)、特別図柄管理処理(ステップS911)などで作成された表示用データに基づく制御信号は、このLED管理処理で対応する表示装置又は表示器に出力され、表示制御が行われる。これにより、特別図柄表示装置38a、38bにおける特別図柄や普通図柄表示装置39aにおける普通図柄の一連の変動表示動作(変動表示および停止表示)等が実現される。
ステップS914に続くステップS915でCPU20aは、全レジスタの値を退避させた上で、ステップS916の性能表示モニタ表示処理を行う。すなわち、設定・性能表示器97に前述した通常時比率情報としての値を表示させるための処理である。
先に触れたように本例の場合、通常時比率情報の値は全状態アウト球数が所定規定値に達するごとに演算し直されるものであり、設定・性能表示器97は、現在の通常時比率情報と前回の通常時比率情報(直近の演算し直しタイミングにおいて演算終了とされた通常時比率情報)とを表示可能とされている。このため、この場合のステップS916の表示処理では、設定・性能表示器97にこれら二種の通常時比率情報としての値を表示させる処理を行う。
なお、現在の通常時比率情報の値は、前述したメインループ処理(図14)におけるステップS604の処理で算出される値であり、前回の通常時比率情報の値は、RAM20cの所定領域に保存され、CPU20aは該保存値を読み出して設定・性能表示器97に表示させる。
次いで、CPU20aはステップS917で全レジスタの値を復帰させ、ステップS918でWDTのカウント値をクリアし、主制御側タイマ割込み処理を終える。
以上のタイマ割込み処理が終了すると、CPU20aは次のタイマ割込みが発生するまでの間、メインループ処理(S123)を実行する。
[4-3.特別図柄変動表示ゲームに係る処理]
(特別図柄管理処理)
次に、特別図柄変動表示ゲームに係る主制御部20の処理について説明する。
図24は、先に述べた特別図柄管理処理(ステップS911)を示したフローチャートである。前述のように、特別図柄管理処理は、図21に示した主制御側タイマ割込み処理の一部処理として実行されるものであり、主に、特別図柄変動表示ゲームにおける大当り抽選と、抽選結果に基づく特別図柄の変動パターン(先読み変動パターン、及び変動開始時の変動パターン)や特別停止図柄の決定等が行われる。
図24において、CPU20aは、先ずステップS1201で特別図柄1側(上始動口34側)についての特図1始動口チェック処理を行い、続くステップS1202で特別図柄2側(下始動口35側)についての特図2始動口チェック処理を行う。
なお、これら始動口チェック処理の詳細については図25を参照して改めて説明する。
ステップS1201、S1202の始動口チェック処理を終えると、CPU20aはステップS1203で条件装置作動フラグの状態を判定する。この「条件装置作動フラグ」とは、大当り遊技中であるか否かを指定するためのフラグであり、当該フラグがON状態(例えば5AH)である場合には大当り遊技中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(例えば00H)である場合には大当り遊技中ではない旨を示す。
条件装置作動フラグがOFF状態(≠5AH)の場合、すなわち大当り遊技中でない場合、CPU20aはステップS1204の特別図柄動作ステータス分岐処理に進み、特別図柄動作ステータス(00H~03H)に応じて特別図柄の変動表示動作に関する処理を行う(ステップS1205、S1206、S1207)。
一方、ステップS1203で大当り遊技中と判定した場合(=5AH)、CPU20aはステップS1205~S1207の特別図柄の変動表示動作に関する処理を行わずに、そのままステップS1208の特別図柄表示データ更新処理に進む。すなわち、大当り遊技中である場合には、特別図柄の変動表示動作は行われない(特別図柄表示装置の特別図柄の表示状態は、大当り後に確定表示されたままの状態が保持される)。なお「特別図柄動作ステータス」とは、特別図柄の挙動を示すステータス値であり、該ステータス値は処理状態に応じて変更され、RAM20cの特別図柄動作ステータス格納領域に格納される。
ステップS1204の特別図柄動作ステータス分岐処理では、特別図柄動作ステータスが「待機中(00H、01H)」「変動中(02H)」「確認中(03H)」の何れのステータス値であるかに応じて、それぞれ対応する処理を実行する。
具体的に、CPU20aは、特別図柄動作ステータスが「待機中(00H、01H)」である場合には特別図柄変動開始処理(ステップS1205)を、「変動中(02H)」である場合には特別図柄変動中処理(ステップS1206)を、「確認中(03H)」である場合には特別図柄確認時間中処理(ステップS1207)をそれぞれ実行する。ここで、上記「待機中」とは、特別図柄の挙動が次回変動のための待機状態である旨を意味し、上記「変動中」とは特別図柄の挙動が変動(変動表示)中である旨を意味し、上記「確認中」とは特別図柄の変動が終了して停止(確定)表示中(特別図柄確認時間中)である旨を意味する。
なお、ステップS1206の特別図柄変動中処理では、特別図柄が変動中であるか否か、つまり特別図柄の変動時間が経過したか否かを監視し、変動時間が経過したならば、演出制御コマンドとして、「変動停止コマンド」を演出制御部24に送信する処理や、特別図柄役物動作タイマに確定表示時間(例えば500ms)を格納し、特別図柄動作ステータスを「確認中(03H)」に切り替える(特別図柄動作ステータスに03Hを格納する)処理などを行う。上記「変動停止コマンド」とは、特別図柄の変動が終了したことを示すコマンドであり、この変動停止コマンドにより演出制御部24は、特別図柄の変動時間経過して特別図柄変動表示ゲームが終了したこと(終端)を把握し、現在変動表示中の装飾図柄を停止表示させる。これにより、特別図柄変動表示ゲームの終了と共に、装飾図柄変動表示ゲームも終了することになる。また、上記「確定表示時間」とは、特別図柄の変動表示が終了して特別図柄の停止表示した際、その停止表示を保持する時間(停止表示時間)である。
また、ステップS1207の特別図柄確認時間中処理では、上述の確定表示時間が経過したか否かを監視し、確定表示時間が経過したならば、今回の特別図柄変動表示ゲームが終了したとして、特別図柄動作ステータスを「待機中(01H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに01Hを格納)、今回の特別図柄変動表示ゲームが大当りであれば、大当り遊技を開始するために要する処理(大当り図柄停止時の各種設定処理)を行う。大当り図柄停止時の各種設定処理では、大当り遊技移行前処理として、大当り判定フラグをクリアして条件装置作動フラグをON状態にし、遊技状態を通常状態と同様の遊技状態に設定する等の各種設定処理を行う。
また、ステップS1207の特別図柄確認時間中処理では、遊技状態が更新された場合に、遊技状態の移行情報を含む「遊技状態指定コマンド」を演出制御部24に送信する処理を行う。演出制御部24は、遊技状態指定コマンドにより遊技状態が移行した旨を把握することができる。
上記のステップS1205、S1206、S1207の処理により、特別図柄の変動開始及び変動停止を1セットする変動表示動作が実現されることになる。
なお、ステップS1205の特別図柄変動開始処理の詳細については図26を参照して改めて説明する。
ステップS1205~S1207の何れかの処理を終えると、CPU20aはステップS1208の特別図柄表示データ更新処理を実行する。この特別図柄表示データ更新処理では、特別図柄が変動中であるか否かを判定し、変動中であれば、特別図柄変動中の7セグ表示用データを作成し、特別図柄が変動中でなければ、特別図柄停止表示中の7セグ表示用データを作成する。ここで作成した特別図柄の表示データは、図21のLED管理処理(ステップS914)によって特別図柄表示装置38a、38bに出力される。
CPU20aは、ステップS1208の更新処理を実行したことに応じてステップS911の特別図柄管理処理を終え、図21に示したステップS912の特別電動役物管理処理に進む。
(特図1始動口チェック処理)
図25のフローチャートを参照し、特図1始動口チェック処理(ステップS1201)について説明する。
この特図1始動口チェック処理は、所定の始動条件の成立に基づいて実行される入賞時処理としての役割を果たす。本例における特図1始動口チェック処理では、特図1側の特別図柄変動表示ゲーム1を実行させるための開始前処理(特図1側の入賞時処理)として、上始動口34の入賞発生に起因した特図1側の作動保留球数の加算処理、各種乱数の記憶処理(保留記憶処理)、保留加算コマンドの送信処理等が実行される。
なお、特図2始動口チェック処理(ステップS1202)も、特図1始動口チェック処理と同じく、所定の始動条件の成立に基づいて実行される入賞時処理としての役割を果たし、特図2側の特別図柄変動表示ゲーム2を実行させるための開始前処理(特図2側の入賞時処理)として、下始動口35の入賞発生に起因した特図2側の作動保留球数の加算処理、各種乱数の記憶処理、及び保留加算コマンドの送信処理等が実行される。従って、特図1始動口チェック処理と特図2始動口チェック処理とは実質的に同一の処理内容となっている。以下では、特図1始動口チェック処理を中心に説明し、特図2始動口チェック処理についての詳細は、重複記載を避けるために省略する。
図25において、CPU20aは、先ずステップS1301で、上始動口34への入賞(入賞球)を検出したか否かを判定する。
上始動口34への入賞を検出した場合、CPU20aはステップS1302に進んで特別図柄1の作動保留球(以下、「特図1作動保留球」と称する)の数が4以上であるか否か判定する。すなわち、特図1作動保留球の数が最大保留記憶数(ここでは、上限4個)以上であるか否かを判定する。ただし、上始動口34の入賞検出がなかった場合(ステップS1301:N)は、何もせずにステップS1201の特図1始動口チェック処理を終える。
ステップS1302で特図1作動保留球数が4以上であった場合、つまり上始動口34の入賞を検出したが特図1作動保留球数が4以上である場合、CPU20aは後述のステップS1311に進み、一方、特図1作動保留球数が4以上でない場合(4未満の場合)は、特図1作動保留球数に1を加算して(ステップS1303)、ステップS1304の処理に進む。
ステップS1304でCPU20aは、今回発生した特図1作動保留球に係る特別図柄変動表示ゲーム1に利用される各種乱数を取得する。具体的には、各種の乱数カウンタから、大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、変動パターン用乱数の現在値を取得し、その取得した乱数値をRAM20cの保留記憶エリアに格納する。この保留記憶エリアは、図柄変動表示ゲームに係る所定の遊技情報を作動保留球(保留データ)として記憶する領域であり、この保留記憶エリアには、保留データとしての上記の各種乱数値が、特別図柄1の変動表示動作に供されるまで(特別図柄変動表示ゲーム1実行時まで)、始動条件の成立順(入賞順)に保留記憶されていく。上記保留記憶エリアには、特別図柄1側と特別図柄2側とに対応した保留記憶エリア、すなわち、特図1保留記憶エリアと、特図2保留記憶エリアとが設けられている。これら保留記憶エリアには、保留1記憶エリア~保留n記憶エリア(nは最大保留記憶数:本実施形態ではn=4)が設けられており、それぞれ最大保留記憶数分の保留データを格納可能となっている。
ステップS1304に続くステップS1305でCPU20aは、保留加算コマンドを作成するための入賞コマンドデータ(保留加算コマンドの下位バイト側(EVENT)に相当するデータ)として、先読み判定を禁止する先読み禁止データ(EVENT:「01H」)を取得する。
次いで、CPU20aはステップS1306で、「特図1先読み禁止条件」が成立しているか否かを判定する。特図1先読み禁止条件とは、特図1作動保留球を対象とした先読み判定を禁止する条件である。
特図1先読み禁止条件が成立している場合、CPU20aは先読み判定に関する先読み判定処理(ステップS1309)を実行せずに、ステップS1311に進む。この場合、先読み禁止データ(EVENT:「01H」)を持つ保留加算コマンドが先読み禁止を指定するものとなり、今回の特図1作動保留球を対象とした先読み判定が禁止され、その結果、先読み予告演出も実行されないことになる。換言すれば、上記先読み禁止データは、先読み判定処理(ステップS1309)を実行していない旨を指定するものと言える。
本例では、遊技状態によらず特図1及び特図2の先読み判定を行うのではなく、現在の遊技状態に基づいて、先読み禁止か否かを判定するようになっている。その理由は次の通りである。
右打ち有利となる‘電サポ有り’を伴う遊技状態中である場合(時短状態、確変状態)である場合には、下始動口35への入賞が頻繁に発生するが、左打ち有利となる‘電サポ無し’を伴う遊技状態中である場合(通常状態、潜確状態)には、下始動口35への入賞がほぼ発生せずに上始動口34への入賞が頻繁に発生することを考慮し、遊技状態によらず特図1及び特図2の先読み判定を闇雲に行うのではなく、‘電サポ有り’の時短状態又は確変状態である場合には特図1側の先読み判定を禁止して特図2側の先読み判定を許容し、‘電サポ無し’の通常状態又は潜確状態である場合には特図2側の先読み判定を禁止して特図1側の先読み判定を許容するようになっている。
ステップS1306において、特図1先読み禁止条件が成立していない場合、CPU20aはステップS1307で設定値エラーフラグ(ステップS905の設定異常チェック処理でセットされるフラグ)を参照し、続くステップS1308で設定エラーか否か(設定値エラーフラグがON状態:5AHであるか否か)を判定する。
設定エラーである場合、CPU20aは異常(設定値データ異常)が発生したとして、先読み判定処理(ステップS1309)は実行せずに、ステップS1311に進む。詳細は後述するが、入賞時の処理において設定値Vdの異常が認められた場合、RAMエラーとせずに、先読み禁止データ(01H)を含む保留加算コマンドを送信して、ステップS1201の始動口チェック処理を抜けることになる。
一方、設定エラーでなかった場合、CPU20aはステップS1309の先読み判定処理を実行する。この先読み判定処理では、変動開始時に実行される大当り抽選結果を先読み判定する。従って、当落抽選結果を先読み判定する‘先読み当落判定’と、図柄抽選結果を先読み判定する‘先読み図柄判定’と、変動開始時の変動パターンを先読み判定する‘先読み変動パターン判定’とに関する一連の処理が含まれる。
具体的に、ステップS1309においてCPU20aは、先ずRAM20c(判定用乱数記憶エリア)に格納された大当り判定用乱数値を取得し、該大当り判定用乱数値と後述する「大当り判定用乱数判定テーブル」とに基づいて、今回の作動保留球を対象とした当落抽選(少なくとも大当り、はずれの別を決定する先読み当落判定)を行い、その結果(「先読み当落結果」と称する)を取得する。
なお、本実施形態では、当落判定(当落抽選)には設定値Vdが用いられるが、このような設定値Vdに基づく本実施形態としての当落判定の具体的な手法については後に改めて説明する。当落判定は、特別図柄の変動開始時の処理(図26)においても同様に行われるため、当落判定の具体的な手法の説明は、該変動開始時の処理の説明時に改めて行う。
ここで、本実施形態では、先読み当落結果はCPU20a内蔵の所定の汎用レジスタに取り込んだまま、RAM20cに格納しない。これは、先読み当落判定結果が、この後の先読み図柄判定の処理で直ちに利用され、このデータが必要とされることがなく、RAM20cに記憶する必要が無いためである。
また、ステップS1309でCPU20aは、上記した先読み図柄判定の処理として、先読み当落結果(少なくとも当り、はずれの別)と特別図柄種別(特図1、2)とに応じた図柄テーブル(不図示)を用いた図柄抽選を行う。具体的にCPU20aは、先のステップS1304で取得した特別図柄判定用乱数値と図柄テーブルとに基づき、今回の作動保留球を対象とした図柄抽選(当り種別の抽選)を行い、その結果(「先読み図柄結果」と称する)を取得する。本実施形態の「図柄テーブル」には、図柄種別を決定するための判定値(当選領域)が定めらており、特別図柄判定用乱数値が何れの判定値に属するかにより、停止図柄として表示すべき特別図柄の種類が決定される。
なお、本例のようにはずれ種別が複数種類ある場合には、はずれ種別決定用のはずれ図柄テーブルを設ける。はずれが1種類のみであれば、はずれ図柄テーブルは不要である。
ここで、本例では、はずれの種類が「はずれ1」「はずれ2」「はずれ3」の複数あることに対応して、図柄判定においてははずれ種別を抽選するためのはずれ図柄テーブルが用いられるとする。
また、本例において、当りの種別は、前述したように少なくとも「通常4R」「通常6R」「確変6R」「確変10R」の4種があり、上記のはずれ図柄テーブルとは別途に設けられた当り図柄テーブルに基づき、これら4種の当り種別のうち特別図柄判定用乱数値に応じた当り種別に対応する特別図柄の種類が決定される。
ここで、上記した図柄テーブルの一部又は全部について、設定値Veに応じて異なる図柄選択率を定めた図柄テーブルを設けてもよい。例えば、大当り図柄テーブルについて、設定1~6ごとに、大当り種別の選択率が異なるテーブル(例えば、設定6段階に対応した6種類の大当り図柄テーブル)を設けることができる。例えば、高設定となるに従い出玉性能が遊技者にとって有利となるようにテーブル内容を定めることが考えられる。勿論、各設定で共通の大当り図柄テーブルであってもよい。また、ステップS1309で用いる図柄テーブルは、変動開始時の処理(図26)にも利用される。
CPU20aは、先読み図柄結果を、上述した先読み当落判定のときと同様にCPU20a内蔵の所定の汎用レジスタに取り込んだまま、RAM20cに格納しない。これは、先読み図柄結果が、この後の先読み変動パターン判定で直ちに利用され、このデータが必要とされることがなく、RAM20cに記憶する必要が無いためである。
上記の先読み図柄判定を終えると、CPU20aは先読み変動パターン判定を実行する。この先読み変動パターン判定では、上記の先読み図柄結果(本例では「通常4R」「通常6R」「確変6R」「確変10R」「はずれ1」「はずれ2」「はずれ3」の何れかを表す)と、該先読み図柄結果に応じた変動パターンを選択するための変動パターンテーブルと、ステップS1304で取得した変動パターン用乱数とを利用した変動パターンの抽選を行い、先読み変動パターン決定する。すなわち、今回の作動保留球が変動表示動作に供されるときに実行される変動パターン(変動開始時の変動パターン)を先読み判定する。
本例では、上記の変動パターンテーブルは、変動開始時の処理(図26)で行われる変動パターンの抽選においても利用される。
上記の変動パターンテーブルの具体例、及び該テーブルを用いた変動パターンの抽選処理については、変動開始時の処理の説明時に改めて説明する。
なお、先読み変動パターン判定結果(入賞コマンドデータ(EVENT))は、以下で説明するステップS1310の保留加算コマンド作成処理で直ちに利用され、その後、このデータが必要とされることはない。従って、CPU20aは、先読み変動パターン判定の結果をRAM20cに格納することなくレジスタに取り込んだまま、ステップS1309の処理を終えるようになっている。
ステップS1309の先読み判定処理を実行したことに応じ、CPU20aはステップS1310に進み、先読み判定結果に応じた保留加算コマンドの下位バイト側のデータを作成する。具体的には、先読み変動パターンの種類を表すデータを、保留加算コマンドの下位バイト側の入賞コマンドデータ(EVENT)として作成する。
なお、EVENTのデータについては、ステップS1305で設定された「01H」が、本処理にて先読み変動パターンに対応する値(先読み変動パターン判定処理で得られた値)に更新されることになる。
ステップS1310の作成処理を終えると、CPU20aはステップS1311で、作動保留球数に応じた保留加算コマンドの上位バイト側のデータを作成する。すなわち、現在の作動保留球数と、上述した先読み図柄結果(特別図柄種別)とを表すデータを保留加算コマンドの上位バイト側の入賞コマンドデータ(MODE)として作成する。
該MODEのデータについては、特図1の保留1個~特図1の保留4個、特図2の保留1個~特図2の保留4個を識別可能に設定される。
ステップS1311の作成処理を実行したことに応じ、CPU20aはステップS1312で、保留加算コマンドの送信処理を行う。すなわち、ステップS1310、S1311で作成した入賞コマンドデータをそれぞれEVENT、MODEとして含む保留加算コマンドを作成し、演出制御部24に送信する。
ここで、先読み禁止条件である場合(S1306でYの場合)や、先のステップS1308の判定処理で設定値Vdの異常が認められた場合、CPU20aは上述した先読み禁止データ(下位バイト=01H)を更新せずにそのまま維持し、先読み禁止データを持つ保留加算コマンドを送信する。
また、オーバーフロー時(最大保留記憶数に達しているときに、新たな入賞が発生した場合)は、オーバーフロー指定の保留加算コマンドが送信されるようになっている(ステップS1302のYの処理ルート参照)。
なお、保留加算コマンドは、主制御部20から演出制御部24に送られた後は、演出制御部24側において今回の作動保留球に係る「先読み予告演出」を現出する際に利用されるだけであり、図26に示す特別図柄変動開始処理において特に利用されるものではない。従って、CPU20aは保留加算コマンドもRAM20cに格納することなく、ステップS1301の特図1始動口チェック処理を抜けて、続いてステップS1302の特図2始動口チェック処理を行うことになる。
ここで、上記のように本例では、入賞時(作動保留球発生時)において設定値Vdのデータに異常が生じた場合であっても、保留加算コマンドを送信するが、この保留加算コマンドは、先読み禁止データを持つコマンドであるので、設定値Veに基づく先読み予告演出、又は設定値Veに基づかない先読み予告演出を現出可能に構成している場合であっても、先読み予告に係る演出制御自体が禁止されるため、不具合に起因する先読み予告が現出されることがなく、遊技者に不利益になることもないので、特に問題は生じない。仮に、先読み予告演出を禁止しない場合、設定値Veが異常であるにもかかわらず、保留表示系の先読み予告演出にて、高期待度の保留表示が現出された場合、その後のRAMエラー処理(設定値異常に起因したエラー処理)により遊技進行が停止してしまうと、遊技者が抱いていた当選期待感が一気に消滅してしまい、遊技機に対する大きな不信感を招来してしまう。しかし本例の場合は、上述したように、先読み予告自体を禁止しているので、このような問題を生じさせず、遊技者に不信感を抱かせることの防止が図られる。
(特別図柄変動開始処理)
続いて、図26のフローチャートを参照して、変動開始時の処理である特別図柄変動開始処理(ステップS1205)について説明する。
図26において、CPU20aは先ずステップS1401で、特図2作動保留球数がゼロか否かを判定し、特図2作動保留球数がゼロでない場合には、ステップS1403の処理に進み、今回の変動表示に供する特図2作動保留球を対象とした変動開始時の処理(ステップS1403~S1412)を行う。
一方、特図2作動保留球数がゼロの場合、CPU20aはステップS1402で、特図1作動保留球数がゼロか否かを判定し、特図1作動保留球数がゼロでない場合には、ステップS1403の処理に進み、今回の変動表示に供する特図1作動保留球を対象とした特別図柄の変動開始に係る処理(ステップS1403~S1412)を行う。
上記のステップS1401とS1402の処理により、特図1作動保留球と特図2作動保留球のどちらを優先的に変動表示動作に供するか(どちらの作動保留球を優先的に消化していくか)の「優先変動順位」が定まる。本実施形態では、特図1作動保留球と特図2作動保留球の双方に作動保留球が存在する場合、特図2作動保留球が優先的に消化される。つまり、特別図柄変動表示ゲーム1よりも特別図柄変動表示ゲーム2の方が優先的に実行される。なお、上述の優先変動タイプに限らず、入賞した順番通りに作動保留球を消化していく構成としてもよい。
なお、特図2作動保留球数と特図1作動保留球数の双方の作動保留球数がゼロである場合、「作動保留球なし」の状態となる。この「作動保留球なし」の状態は、特別図柄が待機中であり、且つ保留記憶無しの状態となった場合であり、この状態に突入したことを演出制御部24側に知らせて、主液晶表示装置36Mに対し、客待ち待機用のデモ画面表示(客待ちデモ画面)に切り替え制御させる。そこで、「作動保留球なし」になった場合は、ステップS1413に進み、特別図柄動作ステータスが上記「作動保留球なし」の状態を示す「待機中(00H)」であるか否かを判定する。
ステップS1413において、特別図柄動作ステータスが「待機中(01H)」であった場合には、特別図柄動作ステータスを「待機中(00H)」に切り替える(特別図柄動作ステータスに00Hを格納する)。そして、演出制御コマンドとして、客待ちデモ画面を表示させるための「デモ表示コマンド」を演出制御部24に送信し(ステップS1415)、ステップS1205の特別図柄変動開始処理を終える。
以後、ステップS1413の判定処理が実行されるときに「待機中(00H)」であれば、再度、デモ表示コマンドを送信することなく特別図柄変動開始処理を終える。このようにする理由は、作動保留球数がゼロの場合に条件なしにデモ表示コマンドを送信すると、特図作動保留球数がゼロである間は4msの周期でデモ表示コマンドの送信を繰り返すことになり、不必要な送信が発生し、無闇に制御負担が増してしまうことを考慮し、その防止を図るためである。
ステップS1401で特図2作動保留球数がゼロでない場合、及びステップS1402で特図1作動保留球数がゼロでない場合(特図2作動保留球数がゼロである一方、特図1作動保留球数がゼロでない場合)のそれぞれにおいて、CPU20aは今回の変動表示に供する作動保留球を対象とした特別図柄の変動開始時に係る処理(ステップS1403~S1412)を行っていく。
ここで、以下に説明するステップS1403~S1412の処理については、上記のステップS1401の判定で‘NO’であった場合は特図2作動保留球を対象とした処理、上記のステップS1402の判定で‘NO’であった場合は特図1作動保留球を対象とした処理となるが、処理の仕方は同じであるため、重複記載を避けるために特に必要が無い限り、特別図柄1側の作動保留球を対象とした処理であるか、特別図柄2側の作動保留球を対象とする処理であるかの区別はせずに説明していく。
ステップS1403でCPU20aは、作動保留球数を1減算し(今回の変動表示動作に供する特別図柄側に係る作動保留球数-1)、続くステップS1404で減算後の作動保留球数情報を含む「保留減算コマンド」を演出制御部24に送信する。この保留減算コマンドにより、演出制御部24側は、今回の作動保留球数消化後の残余作動保留球数を把握し、現在表示中の保留表示をシフト表示させる。
次いで、CPU20aはステップS1405で、特別図柄作動確認データを設定する。この特別図柄作動確認データは、今回の変動開始側の特別図柄種別を指定する情報であり、例えば、特別図柄1が変動開始側であるならば「00H(特図1変動開始指定)」を、特別図柄2が変動開始側であるならば「01H(特図2変動開始指定)」を、RAM20cの所定領域(特別図柄作動確認データ格納領域)に格納する。
次いで、CPU20aはステップS1406で、RAM20cの保留記憶エリアに格納されている保留データをシフトし、続くステップS1407で保留4記憶エリアをクリアする。このステップS1406~S1407の処理では、保留記憶数n=1に対応する保留記憶エリア(保留1記憶エリア)に格納されている保留データ(大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、及び変動パターン用乱数)を読み出し、RAM20cの判定用乱数記憶エリアに格納すると共に、保留n記憶エリア(n=2、3、4)に対応する保留記憶エリア(保留2記憶エリア、保留3記憶エリア、保留4記憶エリア)に格納されている保留データを、それぞれ‘n-1’に対応する保留記憶エリアに格納し(ステップS1406)、保留4記憶エリアをクリアして空き領域を設ける(ステップS1407)。これにより、特別図柄変動表示ゲームの開始順番は、作動保留球数n(n=1、2、3、4)の順番と一致し、始動口入賞時に取得された作動保留球が何れの保留記憶エリアに対応するものであるかが特定されると共に、新たな作動保留球の保留記憶が可能になる。
次いで、CPU20aはステップS1408で、変動回数残指定コマンド、遊技状態コマンドを送信する処理を行う。このステップS1408では、電サポ有り状態の残余回数をカウントする「電サポ回数カウンタ」がゼロであるか否かを判定し、残りの時短回数がある場合は、その残り時短回数情報を含む「変動回数残指定コマンド」を演出制御部24に送信する。この「変動回数残指定コマンド」により、演出制御部24側は、残りの時短回数を把握し残り時短回数情報を報知する処理を実行可能とされる。
またステップS1408では、現在の遊技状態を指定する遊技状態コマンドを演出制御部24に送信する処理も行う。
次いで、CPU20aはステップS1409で変動管理処理を実行する。
この変動管理処理では、変動開始時に対応した大当り抽選、停止図柄についての図柄抽選、及び変動パターンの抽選が行われる。また、該変動管理処理では、設定値Vdの異常判定が行われ、設定値Vdのデータに異常が認められる場合には演出制御部24に設定エラーを通知するための演出制御コマンド(RAM異常コマンド)を送信する処理が行われる。
なお、ステップS1409の変動管理処理の詳細については図27~図35を参照して改めて説明する。
ステップS1409の変動管理処理を終えると、CPU20aはステップS1410で、変動表示中である旨を指定する特別図柄N変動中フラグ(N=1、2)に5AH(ON状態)を格納する。「特別図柄N変動中フラグ」とは、特別図柄1、2のうち対象とする何れかの特別図柄が変動中であるかを示すフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には対象の特別図柄が変動中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には対象の特別図柄が停止中である旨を示す。
なお、特別図柄1変動中フラグ(N=1)は特別図柄1側に対応し、特別図柄2変動中フラグ(N=2)は特別図柄2側に対応するものである。
次いで、CPU20aはステップS1411で、変動開始時のコマンド送信処理を実行する。このコマンド送信処理では、ステップS1409の変動管理処理で選択された変動パターンの内容を演出制御部24側に知らせるべく、演出制御コマンドとして、その変動パターン内容を特定可能な変動パターン情報を含む「変動パターン指定コマンド」を作成し、演出制御部24に送信する。
また、該コマンド送信処理では、ステップS1409における図柄抽選結果に基づき、装飾図柄指定コマンドを作成し、演出制御部24に送信する。装飾図柄指定コマンドは、変動側の特別図柄種別を指定する上位バイト(MODE)と、当選種別を指定する下位バイト(EVENT)の2バイトで構成される。従って、この装飾図柄指定コマンドには、変動側の特別図柄種別と当選種別(図柄抽選結果)とに関する情報が含まれる。この装飾図柄指定コマンドは、当選種別に関する情報が含まれることから、演出制御部24側において、主として、リーチ状態を形成する際の装飾図柄の組合せ(リーチ図柄を構成要素とする図柄種)や、最終的に停止表示させる装飾図柄(装飾停止図柄)の組合せや、図柄変動表示ゲームにおいて当選種別に対応する予告演出などを決定する際に利用される。
さらに、該コマンド送信処理では、演出制御部24側に現在の設定値Veを通知するための設定値コマンドの送信も行われる。この設定値コマンドにより、演出制御部24側は現在の設定値Veに応じて異なる種別の演出を現出させたり、所定演出の出現率を変化させたりすることが可能とされている。
そして、続くステップS1412でCPU20aは、変動開始時設定処理として、特別図柄動作ステータス「変動中(02H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに02Hを格納)、判定用乱数記憶エリアと変動パターン用乱数記憶エリアをクリアする処理を行う。
ステップS1412の変動開始時設定処理を実行したことに応じ、CPU20aはステップS1205の特別図柄変動開始処理を終える。CPU20aは、特別図柄変動開始処理を終えると、図24の特別図柄表示データ更新処理(ステップS1208)を行い、これにより特別図柄の変動表示が開始されることになる。
(変動管理処理)
図27は、ステップS1409の変動管理処理を示したフローチャートである。
図27において、CPU20aは、先ずステップS1501で設定エラーか否かを判定する。すなわち、設定値エラーフラグがON状態(5AH)であるか否かを判定する。
ステップS1501において、設定エラーフラグがOFFであり設定エラーではないと判定した場合、CPU20aはステップS1502の大当り乱数判定処理を実行した上で、ステップS1503の図柄抽選処理に進む。
ステップS1502の大当り乱数判定処理は、大当り判定用乱数(内部抽選用乱数)、大当り判定用乱数判定テーブル、及び設定値Vdに基づいて大当り/はずれの当落種別を抽選により選択(判定)するものである。
なお、実施形態としての大当り乱数判定処理の詳細については図28及び図29を参照して改めて説明する。
また、CPU20aは、ステップS1501で設定エラーであると判定した場合は、ステップS1502の大当り乱数判定処理をパスして、ステップS1503の図柄抽選処理に進む。
ここで、本実施形態では、設定エラーとなった場合(ステップS1501でYの判定結果が得られた場合)、該設定エラーが解消されない限り、大当り乱数判定処理が行われない。
先に説明した通り、設定エラーは、設定変更操作を行うことで解除できるものである。すなわち、設定エラー状態に陥った場合、設定変更操作を行って設定エラー状態を解除することで、大当り乱数判定処理が行われる状態に復帰される。
なお、前述のように、設定変更操作が行われるようにするための設定値異常コマンドは設定異常チェック処理(図23)において送信される。
ステップS1503の図柄抽選処理において、CPU20aは、少なくとも当落抽選結果(大当り判定フラグ)、特別図柄判定用乱数、及び図柄テーブルに基づいて、当り/はずれの種別(停止図柄の種類)を決定する処理を行う。そして、その結果(特別図柄判定データ)をRAM20cの所定領域(特別図柄判定データ記憶領域)に格納する。これにより、今回の特別図柄変動表示ゲームに係る当選種別(当り/はずれの種類)が決定される。
なお、先読み判定時の図柄抽選処理と同様、図柄抽選については設定値Vdに応じた抽選を行うこともできる。
ステップS1503に続くステップS1504でCPU20aは、変動パターン抽選処理として、少なくとも図柄抽選結果(上記の特別図柄判定データ)、変動パターン用乱数、及び変動パターンテーブルに基づき、今回の変動表示動作に供される作動保留球を対象とした変動開始時の変動パターンを抽選により決定する処理を行う。
具体的に、本実施形態における変動パターン抽選処理では、設定値Vd、及び作動保留球数(今回消化分を減算した作動保留球数)も利用した変動パターンの抽選を行う。
なお、本実施形態における変動パターン抽選処理の詳細については図30~図35を参照して改めて説明する。
ステップS1504の変動パターン抽選処理を実行したことに応じ、CPU20aはステップS1409の変動管理処理を終える。つまりこの後、処理は図26に示したステップS1410に進められる。
ここで、上記説明のように本例では、変動開始時における当落抽選や図柄抽選の抽選結果をRAM20cに格納するものとしているが、その理由は、これらの抽選結果は、ステップS1409の変動管理処理が属する特別図柄管理処理(ステップS911:図21及び図24参照)のみで利用されるものではなく、後々の特別電動役物管理処理(ステップS912:図21参照)等においても利用されるデータだからである。
この点、抽選結果をRAM20cに格納しない先読み判定時の処理とは異なる。
なお、図示による説明は省略するが、ステップS1409の変動管理処理では、当落抽選結果が当りである場合に、遊技状態を移行させるための設定処理として、当り遊技後の遊技状態を指定するための必要な設定処理を行う(遊技状態移行準備処理)。
(大当り乱数判定処理)
図28は、ステップS1502の大当り乱数判定処理を示したフローチャートであり、図29は、実施形態の大当り乱数判定手法の説明図である。
図28による大当り乱数判定処理の詳細説明に先立ち、図29を参照して実施形態で採用する大当り乱数判定手法について説明しておく。
先ず前提として、本実施形態では、大当り判定用乱数は0~65535の65536通りの値をとり得る。本実施形態における大当り乱数判定では、このような大当り判定用乱数がとり得る値の範囲内において判定基準値THを定め、大当り判定用乱数と判定基準値THの大小関係を比較した結果に基づき、大当り/はずれの判定を行う。一例として、本例では、大当り判定用乱数の値が「0~判定基準値TH」の範囲内である場合に大当りの判定結果を、それ以外の場合にはずれの判定結果を得る手法を採っている。
本実施形態では、大当り乱数判定として低確率時(通常状態時:以下「低確時」と略称する)に対応した判定と高確率時(確変状態時:以下「高確時」と略称する)に対応した判定の2種の判定を行う。このため、判定基準値THとしては、低確時の判定に用いる判定基準値TH1と、高確時の判定に用いる判定基準値TH2の2種が設定される。
図29に例示するように、高確時の判定基準値TH2は低確時の判定基準値TH1よりも値が大きくされ、これにより高確時の判定でより大当りの当選確率が高まるようにされている。
ここで、本例の場合、設定値Veに応じた大当り乱数判定とするため、判定基準値THとしては設定値Veに応じて異なる値を設定する。この際、本例では、単純に設定値Veごとの判定基準値THを用意するということはせず、基本とする単一の判定基準値TH(以下「基本判定基準値THr」と称する)と、設定値Veごとに定めたオフセット値とを用意し、基本判定基準値THrを設定値Veに応じたオフセット値によりオフセットすることで、設定値Veごとに異なる判定基準値THを設定するという手法を採る。
具体例として、本例では、低確時、高確時それぞれの基本判定基準値THr(以下、それぞれ符号を「THr1」「THr2」とする)、及び設定値Veごとのオフセット値を下記のように定めている。
・基本判定基準値THr1=00842
・基本判定基準値THr2=08429
・設定1
低確時のオフセット値=000 (TH1=00842)
高確時のオフセット値=000 (TH2=08429)
・設定2
低確時のオフセット値=001 (TH1=00843)
高確時のオフセット値=010 (TH2=08439)
・設定3
低確時のオフセット値=002 (TH1=00844)
高確時のオフセット値=020 (TH2=08449)
・設定4
低確時のオフセット値=003 (TH1=00845)
高確時のオフセット値=030 (TH2=08459)
・設定5
低確時のオフセット値=004 (TH1=00846)
高確時のオフセット値=040 (TH2=08469)
・設定6
低確時のオフセット値=005 (TH1=00847)
高確時のオフセット値=050 (TH2=08479)
ここで、本実施形態では、基本判定基準値THr1、THr2はそれぞれ2バイトによるデータとされ、オフセット値は1バイトによるデータとされる。
なお、上記では、大当り乱数判定における大当りの判定下限値を「0」とする例、すなわち、大当り判定用乱数が「0」~「判定基準値TH」の範囲内であれば大当りの判定結果を得る場合を例示したが、該判定下限値は「0」よりも大きな数値とすることもできる。
上記の前提を踏まえ、図28に示す大当り乱数判定処理を説明する。
図28において、CPU20aはステップS1601で、大当り判定用乱数が判定下限値未満であるか否かを判定する。判定下限値は、上記のように大当りの判定下限値(大当りとの判定結果が得られる数値範囲の下限値)であり、本例では「0」である。
大当り判定用乱数が判定下限値未満であれば、最早、はずれであることが確定されるため、以下で説明するステップS1602~S1606の処理はパスして、ステップS1502の大当り乱数判定処理を終える。
なお、本例のように判定下限値=0である場合、大当り判定用乱数が0未満の値をとることは通常はあり得ないため、ステップS1601の処理を設けることは必須ではない。ステップS1601の処理は、判定下限値を0よりも大きな値とする場合に有効なものである。
ここで、ステップS1601で乱数が判定下限値未満と判定された場合等、はずれの判定結果が得られる場合には、大当り判定フラグとしては大当り(=5AH)でない、具体的にははずれ(=00H)である旨を表す値に更新されるべきであるが、ステップS1502の大当り乱数判定処理においては、大当り判定フラグをはずれである旨を表す00Hに更新する処理は行われない。
本例の遊技機1において、はずれの判定が得られる場合に対応して大当り判定フラグが00Hに更新されるのは、大当り判定フラグ=5AHであることが確認されたことに応じて大当り遊技が開始される際に、CPU20aが大当り判定フラグをクリア(=00H)することによる(ステップS707の特別図柄確認時間中処理の説明を参照)。
つまり、このように大当り遊技開始時に大当り判定フラグ=00Hとされることから、以降は図28に示すステップS1606で大当り判定フラグ=5AHに更新されない限り大当り判定フラグ=00Hとされるため、上記のようにはずれの判定結果が得られたことに応じて大当り判定フラグ=00Hに更新する処理は不要なものである。
ステップS1601において、乱数が判定下限値未満でなければ、CPU20aはステップS1602で確変中であるか否かを判定する。この判定は、前述した遊技状態フラグを参照した結果に基づき行う。
確変中でなければ(通常状態であれば)、CPU20aはステップS1603で低確の基本判定基準値THr1に設定に応じたオフセット値を加算する。つまりこれにより、現在の遊技状態(通常状態)と設定値Veとに応じた判定基準値TH1が算出される。
一方、確変中であれば、CPU20aはステップS1604で高確の基本判定基準値THr2に設定に応じたオフセット値を加算する。これにより、現在の遊技状態(確変状態)と設定値Veとに応じた判定基準値TH2が算出される。
ステップS1603で判定基準値TH1を、又はステップS1604で判定基準値TH2を算出したことに応じ、CPU20aはステップS1605で大当り判定乱数が算出した判定基準値TH未満(乱数<判定基準値TH)であるか否かを判定する。
乱数<判定基準値THであれば、CPU20aはステップS1606で大当り判定フラグを5AHに更新した上でステップS1502の大当り乱数判定処理を終え、乱数<判定基準値THでなければステップS1606をパスしてステップS1502の大当り乱数判定処理を終える。
なお、上記では、オフセット値によって大当り判定の上限値側をオフセットさせる例を挙げたが、判定下限値側をオフセットさせることも勿論可能である。
また、上記では、設定値Veごとに異なるオフセット値を定める例を挙げたが、一部の設定値Ve間で共通のオフセット値が用いられてもよく、また、基本判定基準値THrは一部の設定値Ve間で異なる値を用いることもできる。一部の設定値Ve間で共通のオフセット値が用いられても、一部の設定値Ve間で異なる基本判定基準値THrが設定されている場合には、設定値Veごとに異なる判定基準値THを設定することが可能である。
上記のように本実施形態の大当り乱数判定においては、異なる設定値Ve間で共通に定められた基本判定基準値(THr1、THr2)と、異なる設定値Ve間で異値に定められた基本判定基準値についてのオフセット値とに基づき、設定値Veに応じた判定基準値(TH1、TH2)を算出し、該算出した判定基準値に基づいて当落判定を行っている。この際、基本判定基準値は2バイトデータ、オフセット値が1バイトデータで構成されている。
このような構成により、設定値Veに応じた当落判定を実現するにあたって、遊技機1の記憶手段(メモリ)に設定値Veごとに異なる判定基準値を記憶させておく必要がなくなる。すなわち、メモリには、異なる設定値Ve間で共通とされた基本判定基準値と、基本判定基準値よりもデータ容量の小さいオフセット値とを記憶させれば済む。
従って、メモリ容量の削減を図ることができる。
(変動パターン抽選処理)
図30~図35を参照して、変動パターン抽選処理について説明する。
図30は、ステップS1504の変動パターン抽選処理を示したフローチャートである。
先ず、CPU20aはステップS1701で、設定エラーフラグに基づき設定エラーか否かを判定し、設定エラーでなければ、ステップS1702で当りか否かを判定する。すなわち、大当り判定フラグに基づき、大当り(=5AH)であるか否かを判定する。
ステップS1702において、当りでない(はずれである)と判定した場合、CPU20aはステップS1703ではずれ変動パターンテーブルを選択した上で、ステップS1706の変動パターン選択処理に進む。すなわち、テーブルと変動パターン用乱数に基づいて変動パターンを選択する処理である。
一方、ステップS1702において当りと判定した場合、CPU20aはステップS1704で当り変動パターンテーブルを選択した上で、ステップS1706の変動パターン選択処理に進む。
図31は、はずれ変動パターンテーブルの一例を、図32は当り変動パターンテーブルの一例をそれぞれ示している。
先ず前提として、はずれ変動パターンテーブル、当り変動パターンテーブルとしては、それぞれ特図1用の変動パターンテーブルと特図2用の変動パターンテーブルとが用意されている。
図31に示すはずれ変動パターンテーブルを用いて行われるはずれ時の変動パターン抽選においては、抽選候補の変動パターン(抽選により選択され得る変動パターン)が「通常変動4s」「通常変動6s」「通常変動8s」「通常変動12s」「ノーマルリーチ」「スーパーリーチ1」「スーパーリーチ2」「スーパーリーチ3」「スーパーリーチ4」の9種とされる。
また、図32に示す当り変動パターンテーブルを用いて行われる当り時の変動パターン抽選においては、抽選候補の変動パターンが「通常変動当り」「スーパーリーチ1」「スーパーリーチ2」「スーパーリーチ3」「スーパーリーチ4」の5種とされる。
なお、「通常変動」について、併記する数値は変動時間を表し、数値後の「s」は「秒」を意味する。
ここで、上記した変動パターンのうち、特に「通常変動4s」「通常変動6s」「通常変動8s」「通常変動12s」は、当り時に選択されないいわば「はずれ」に対応した変動パターンに属する(以下「はずれ変動パターン」と称することもある)。
本実施形態では、はずれ時の変動パターン抽選は、特図1、2の別に関わらず、はずれ種別(はずれ1、2、3)ごとに異なる変動パターンテーブルを用いて行われる(図31参照)。
ここで、本実施形態において、「はずれ1」「はずれ2」「はずれ3」の各はずれ種別については、図柄抽選による選択率(該当種別が選択される率)が異なるものとされ、「はずれ1」が最も選択率が高く、「はずれ2」「はずれ3」は「はずれ1」よりも選択率が低くされている。具体的に、本例では、「はずれ1」の選択率は「190/200」、「はずれ2」「はずれ3」の選択率はそれぞれ「5/200」等とされている。この場合、大当り判定結果が「はずれ」であれば、殆どの場合、はずれ種別として「はずれ1」が選択されることになる。
特図1についての変動パターン抽選として、はずれ種別が「はずれ1」の場合における変動パターン抽選については、設定値Veに応じた抽選とはせず、保留球数に応じた抽選を行う。このため、特図1用の変動パターンテーブルのうち、はずれ種別が「はずれ1」の場合に用いられる変動パターンテーブルとしては、設定値Ve間で共通とされるが、保留球数ごとに異なるテーブルが用意されている。
「はずれ1」の場合における特図1の変動パターン抽選では、抽選候補の変動パターンが「通常変動4s」「通常変動6s」「通常変動8s」「通常変動12s」「ノーマルリーチ」の5種とされており、本例では、保留球数に応じて抽選対象する変動パターンを異ならせるものとしている。
具体的に、保留球数=0の場合は「通常変動12s」「ノーマルリーチ」を、保留球数=1の場合は「通常変動8s」「ノーマルリーチ」を、保留球数=2の場合は「通常変動6s」「ノーマルリーチ」を、保留球数=3の場合は「通常変動4s」「ノーマルリーチ」をそれぞれ抽選対象の変動パターンとしている。
ここで、変動パターンテーブル内において、抽選対象の変動パターンごとに格納された数値は、変動パターン判定用乱数が0~199の200通りの数値をとり得ることを前提とした場合における当選確率の振り分け値(振り分けを表す値)を表している。例えば、特図1用の変動パターンテーブルにおいて、「はずれ1」且つ「保留球数=0」のテーブルでは「通常変動12s」に対する格納値=「160」、「ノーマルリーチ」に対する格納値=「40」とされているが、これは、「通常変動12s」の当選確率が「160/200」、「ノーマルリーチ」の当選確率が「40/200」であることを意味している。
テーブルの格納値として上記の振り分け値を示したのはあくまで説明の便宜を図るためであり、実際における変動パターンテーブルには、前述の大当り乱数判定で用いたような判定基準値が格納されることになる。例えば、上記の「はずれ1」且つ「保留球数=0」のテーブルについて言えば、実際の格納値(判定基準値)として例えば「159」が格納され、その場合、変動パターン用乱数が159以下であれば「通常変動12s」が選択され、変動パターン用乱数が159よりも大きければ「ノーマルリーチ」が選択される。
図31に示した振り分け値を参照して分かるように、「はずれ1」の場合に対応した特図1の変動パターン抽選においては、「ノーマルリーチ」よりも「通常変動」の方が選ばれ易くなるようにしている(出現率が高くなるようにしている)。
また、「はずれ1」の場合に対応した特図1の変動パターン抽選においては、保留球数が多いほど、変動時間の短い通常変動パターンが選択されるようにしている。
続いて、特図1の変動パターン抽選として、はずれ種別が「はずれ2」「はずれ3」それぞれの場合における変動パターン抽選については、設定値Veに応じた抽選とする一方、保留球数に応じた抽選とはしない。このため、「はずれ2」「はずれ3」それぞれの場合に用いられる特図1用の変動パターンテーブルとしては、保留球数間で共通とされるが、設定値Veごとに異なるテーブルが用意されている。
「はずれ2」「はずれ3」の場合に対応した特図1の変動パターン抽選では、抽選候補の変動パターンが「スーパーリーチ1」「スーパーリーチ2」「スーパーリーチ3」「スーパーリーチ4」の4種とされている。
本例では、「はずれ3」の場合に対応した特図1の変動パターン抽選については、設定値Veによって抽選対象する変動パターンを異ならせるものとしている。
具体的に、特図1の変動パターン抽選において、「はずれ2」「はずれ3」と設定1、2,6の組合わせごとにそれぞれ抽選対象とされる変動パターンは下記の通りである。
設定1且つ「はずれ2」=スーパーリーチ1、2、3、4
設定1且つ「はずれ3」=スーパーリーチ1
設定2且つ「はずれ2」=スーパーリーチ1、2、3、4
設定2且つ「はずれ3」=スーパーリーチ2、3
設定6且つ「はずれ2」=スーパーリーチ1、2、3、4
設定6且つ「はずれ3」=スーパーリーチ4
図中に例示した振り分け値より、本例では、「はずれ2」の場合に対応した特図1の変動パターン抽選として、設定1の場合にはスーパーリーチ4、3、2、1の順で変動パターンが選択され易くしており、設定2の場合にはスーパーリーチ1、2、3、4の順、設定3の場合にはスーパーリーチ1、3、2、4の順で変動パターンが選択され易くしている。
また本例では、「はずれ3」の場合に対応した特図1の変動パターン抽選に関しては、高設定となるほど(設定値Veが大きくなるほど)当選期待感の高いスーパーリーチが選択される傾向となるようにしている。
なお、上記の「はずれ2」の場合に対応した変動パターン抽選のように、抽選候補の変動パターンが3種以上とされる抽選に用いられる変動パターンテーブルには、判定基準値として複数の値(「抽選候補の変動パターン数-1」で表される値)が格納される。例えば、図中の設定1且つ「はずれ2」の場合に対応したテーブルで言えば、例えば、判定基準値としてそれぞれ第一の値=9、第二の値=39、第三の値=99が設定され、その場合、変動パターン用乱数が第一の値以下であれば「スーパーリーチ1」が、第一の値より大きく第二の値以下であれば「スーパーリーチ2」が、第二の値より大きく第三の値以下であれば「スーパーリーチ3」が、第三の値より大きければ「スーパーリーチ4」がそれぞれ選択される。
続いて、特図2の変動パターン抽選として、はずれ種別が「はずれ1」の場合における変動パターン抽選については、特図1の場合とは異なり、抽選候補の変動パターンを「通常変動12s」のみとしている。このため、特図2用の変動パターンテーブルのうち、「はずれ1」且つ「保留球数=0」、「はずれ1」且つ「保留球数=1」、「はずれ1」且つ「保留球数=2」、「はずれ1」且つ「保留球数=3」の場合に用いられる各テーブルにおいては、「通常変動12s」に対応する振り分け値が全て「200」とされている。
なおこの場合、保留球数が異なっても抽選結果は同一となるため、変動パターンテーブルとしては保留球数間で共通のテーブルとすることもできる。
また、特図2の変動パターン抽選として、はずれ種別が「はずれ2」「はずれ3」の場合における変動パターン抽選については、特図1の場合と同様に設定値Veに応じた抽選とするが、保留球数に応じた抽選とはしない。このため、特図2用の変動パターンテーブルについて、「はずれ2」「はずれ3」それぞれの場合に用いられる変動パターンテーブルとしては、保留球数間で共通とされるが、設定値Veごとに異なるテーブルが用意されている。
「はずれ2」「はずれ3」の場合に対応した特図2の変動パターン抽選では、抽選候補の変動パターンが「通常変動12s」「スーパーリーチ4」の2種とされており、設定値Veによって、これら「通常変動12s」「スーパーリーチ4」の何れかの変動パターンが選択される。
具体的に、本例における「はずれ2」「はずれ3」の場合に対応した特図2の変動パターン抽選では、それぞれ、設定1、2の何れかである場合に「通常変動12s」が必ず選択され、設定6の場合に「スーパーリーチ4」が選択されるようにしている。
続いて、図28に示す当り変動パターンテーブルについて説明する。
本実施形態において、当り時の変動パターン抽選では、特図1、2共に、当り種別ごとに異なるテーブルを用いる。
本実施形態では、当り種別ごとに、抽選対象の変動パターンが次のように設定されている。すなわち、当り種別が「通常4R」の場合は、特図1、2共に、抽選対象の変動パターンは「通常変動当り」「スーパーリーチ1」「スーパーリーチ2」「スーパーリーチ3」「スーパーリーチ4」の5種とされている。
また、当り種別が「通常6R」の場合、特図1では、抽選対象の変動パターンは「通常変動当り」「スーパーリーチ1」「スーパーリーチ2」「スーパーリーチ3」「スーパーリーチ4」の5種とされ、特図2では、「通常変動当り」を除いた「スーパーリーチ1」「スーパーリーチ2」「スーパーリーチ3」「スーパーリーチ4」の4種とされている。
さらに、当り種別が「確変6R」「確変10R」の場合、特図1、2共に、抽選対象の変動パターンは「スーパーリーチ1」「スーパーリーチ2」「スーパーリーチ3」「スーパーリーチ4」の4種とされている。
本実施形態における当り時の変動パターン抽選では、特定の当り種別についてのみ、設定値Veに応じた変動パターン抽選を行う。具体的に、特図1の変動パターン抽選については、「通常4R」「確変10R」の当り種別についてのみ設定値Veに応じた変動パターン抽選を行い、特図2の変動パターン抽選については「通常4R」「確変6R」「確変10R」の当り種別についてのみ設定値Veに応じた変動パターン抽選を行う。
「通常4R」の場合における変動パターン抽選については、特図1、2の双方において、設定値Veにより抽選対象の変動パターンを異ならせている。具体的に、本例における「通常4R」に対応した変動パターン抽選では、設定1であれば「通常変動当り」~「スーパーリーチ4」の5種を、設定2又は設定6であれば「スーパーリーチ1」~「スーパーリーチ4」の4種をそれぞれ抽選対象の変動パターンとしている。
「通常4R」以外の当り種別である「通常R6」「確変6R」「確変10R」の場合における変動パターン抽選については、特図1、2の双方において、抽選対象の変動パターンは設定値Veによらず不変とされている。
本実施形態において、特図1の当り時の変動パターン抽選では、「通常4R」「確変10R」の場合のみ、設定値Veに応じた変動パターン抽選を行うものとしている。このため、特図1の当り変動パターンテーブルにおいて、これら「通常4R」「確変10R」の場合に用いられる変動パターンテーブルとしては、設定値Veごとに異なるテーブルが用意されている。
図32を参照して分かるように、本例では、特図1の変動パターンテーブルにおいて、「通常4R」「確変10R」それぞれのテーブルでは「スーパーリーチ4」に対する振り分け値を設定値Veが大きくなるほど大きくしている。これにより、「通常4R」「確変10R」それぞれの当り時には、現在の設定が高設定であるほど、特図1の変動パターンとして最も当選期待値の高い変動パターンが選択され易くなる。
また、本例において、特図2の当り時の変動パターン抽選では、「通常4R」「確変10R」と共に「確変6R」についても設定値Veに応じた変動パターン抽選を行うものとしている。このため、特図2の当り変動パターンテーブルにおいて、「通常4R」「確変6R」「確変10R」の場合に用いられる変動パターンテーブルとしては設定値Veごとに異なるテーブルが用意されている。本例において、特図2の変動パターンテーブルでは、これら「通常4R」「確変6R」「確変10R」全てのテーブルにおいて、「スーパーリーチ4」に対する振り分け値を設定値Veが大きくなるほど大きくしている。
ここで、図中の振り分け値を参照して分かるように、本例では、当り種別や設定値Veの別に拘わらず、各テーブルにおいて「スーパーリーチ4」に対する振り分け値を最も大きくしている。つまり、本例では、大当りと判定された場合の変動パターン抽選において、最も当選期待度の高い変動パターンが最も選択され易くなっている。
説明を図30に戻す。
上述したステップS1706の選択処理では、上記のようなはずれ、又は当り変動パターンテーブルに基づいて変動パターンの選択を行う。
具体的に、ステップS1702ではずれであると判定した場合に対応してはずれ変動パターンテーブルを選択した場合、CPU20aは該変動パターンテーブルよりはずれ種別、保留球数、設定値Veに応じたテーブルを選択し、該選択したテーブルと変動パターン用乱数とに基づいて変動パターンの選択を行う。また、ステップS1702で当りであると判定した場合に対応して当り変動パターンテーブルを選択した場合、CPU20aは該当り変動パターンテーブルより当り種別、設定値Veに応じたテーブルを選択し、該選択したテーブルと変動パターン用乱数とに基づいて変動パターンの選択を行う。なおこの際、処理対象としている図柄が特図1、2の何れであるかに応じて特図1用、特図2用のテーブルを選択し分けることは言うまでもない。
先の説明から理解されるように、当り/はずれの各変動パターンテーブルにおいては、抽選対象の変動パターンに対応した判定基準値が1又は複数(抽選候補の変動パターン数-1)定められており、ステップS1706の選択処理では、上記のように選択したテーブルに格納された判定基準値と変動パターン用乱数の値との大小関係を比較した結果に基づき、変動パターンの選択を行うことになる。
なお、上記では、変動パターンを選択するための変動パターンテーブルについて、設定値Veごとにテーブルを分ける例を挙げたが、一部の設定値Ve間で共通のテーブルが用いられてもよい。
図33は、その一例を示すものである。
ここでは、設定値Veが設定1~6に対応した6値をとり得ることを前提とした場合の当り変動パターンテーブルの変形例を示している。
この図33の例では、特図1用の「通常4R」「確変10R」に対応したテーブル、特図2用の「通常4R」「確変6R」「確変10R」に対応したテーブルとして、それぞれ設定1~3の組、設定4~6の組ごとにテーブルを分けた例を示している。
この図33の例のように、設定値Veに応じた変動パターン抽選を行う上では、個々の設定値Veごとに個別にテーブルを分けることに限定されず、一部の設定値Ve間で共通のテーブルが用いられてもよい。
続いて、変動パターン抽選時に設定エラーが検知された場合の処理について説明する。
図30のステップS1701において、設定エラーであると判定した場合、CPU20aはステップS1705に進み、設定エラー時共通変動パターンテーブルを選択し、ステップS1706の選択処理を実行する。
図34は、設定エラー時共通変動パターンテーブルについての説明図である。
本実施形態において、設定エラー時共通変動パターンテーブルを用いて行われる設定エラー時の変動パターン抽選では、特図1、2双方とも、当り/はずれの別に拘わらず強制的にはずれ変動パターンが選択されるようにする。つまり本例では、「通常変動4s」「通常変動6s」「通常変動8s」「通常変動12s」の何れかのはずれ変動パターンが強制的に選択される。
本例における設定エラー時の変動パターン抽選では、特図1側については保留球数に応じて異なる変動パターンが選択されるようにし、特図2側については保留球数によらず特定の変動パターンのみ、具体的には「通常変動12s」のみが選択されるようにしている。
特図1側については、保留球数が多いほど変動時間の長い通常変動パターンが選択されるようにしている。
図34においても説明の便宜上、テーブル構造としては、変動パターン抽選用乱数が0~199の値をとり得る場合に対応した振り分け値を格納した構造を示したが、実際のテーブル構造は、保留球数(0~3)ごとのテーブルとして、少なくとも抽選候補の変動パターンに判定基準値を対応づけた構造が採られる。
なお、特図2側について、本例のように保留球数によらず特定変動パターンが選択されるようにするのであれば、保留球数(0~3)ごとにテーブルを分ける必要性がないことは言うまでもない。
図30において、ステップS1706の選択処理では、ステップS1705で設定エラー時共通変動パターンテーブルが選択された場合には該テーブルと変動パターン用乱数とに基づいて変動パターンの選択を行う。具体的に、本例では、設定エラー時共通変動パターンテーブルにおける現在の保留球数に応じたテーブルを選択し、該選択したテーブルに格納される判定基準値と変動パターン用乱数との大小関係を比較した結果に基づいて変動パターンを選択する。
CPU20aは、ステップS1706の選択処理を実行したことに応じてステップS1508の変動パターン抽選処理を終える。ステップS1504の抽選処理の終了により、図27に示したステップS1409の変動管理処理が終了となり、以降、処理は図26に示したステップS1410(変動中フラグON処理)に進められる。
前述のように、ステップS1410に続くステップS1411のコマンド送信処理では、変動パターンの抽選結果を表す「変動パターン指定コマンド」や図柄抽選結果を表す「装飾図柄指定コマンド」が演出制御部24に送信される。
演出制御部24側では、これらのコマンドに基づき、リーチ状態を形成する際の装飾図柄の組合せ(リーチ図柄を構成要素とする図柄種)や、最終的に停止表示させる装飾図柄(装飾停止図柄)の組合せが決定され、また図柄変動表示ゲームにおいて当選種別に対応する予告演出の抽選等が行われる。
ここで、上記のように本実施形態では、特図の変動開始時に設定エラーが認められた場合は強制的にはずれ変動パターン(通常変動)が選択されるようになるが、このとき、装飾図柄側の変動として激熱変動が選ばれてしまうと遊技者を困惑させるため、本例では、上記のように通常変動4s~通常変動12s等、変動時間の短い変動パターンが選択されるようにしている。
そして、本実施形態では、演出制御部24側においても、設定エラー時には予告演出を行わない工夫をしている。具体的に、演出制御部24は、設定エラーを通知する設定値異常コマンド(図23のステップS1104を参照)を主制御部20側より受信した場合は、予告演出の抽選を行わないようにされる。
ここで、本実施形態において、演出制御部24は、上記の設定値異常コマンドに基づき設定エラーが認められた場合には、液晶表示装置36に「RAM異常です 係員を呼んで下さい」等のメッセージを含む画像を表示させる等、異常発生の報知を行う。該報知としては、液晶表示装置36を用いた画像表示による報知に限らず、例えば音やLEDの点灯(及び/又は点滅)による報知や、画像、音、LED等の複数種の演出手段の組合わせによる報知とすることもできる。
なお、上記では特図1側の設定エラー時共通変動パターンテーブルについて、保留球数が多いほど変動時間の長い通常変動パターンが選択されるようにしたが、これは一例であって、例えば保留球数が少なくなるほど変動時間の長い通常変動パターンが選択されるようにすることもできる。
或いは、図35に例示するように、特図2側と同様に各保留球数で同一の変動パターンが選択されるようにすることもできる。図35の例では、各保留球数において「通常変動12s」が共通に選択される場合を示している。
このように設定エラー時共通変動パターンテーブルにおいて、保留球数と選択される変動パターンとの関係については多様に考えられ、特定の関係に限定されるものではない。
なお、特図2側についても、特図1側のように保留球数によって選択される変動パターンが異なるようにすることもできる。
<5.演出制御部の処理>
[5-1.処理概要]
続いて演出制御部24の処理について説明するが、まず演出制御のためのシナリオデータの構造例について述べる。
シナリオ登録情報の構造を図36、図37で説明する。図36Aは、メインシナリオ及びサブシナリオとしてのシナリオ登録情報の構造を示している。このシナリオ登録情報は演出制御部24のRAM202(例えば内蔵CPU用ワークメモリ)に設けられたワークエリアを用いて設定される。
本実施形態ではシナリオ登録情報は、シナリオチャネルsCH0~sCH63の64個のチャネルを有するものとされる。各シナリオチャネルsCHに登録されたシナリオについては同時に実行可能とされる。
図示のように各シナリオチャネルsCHに登録できる情報としては、サブシナリオ更新処理で用いるサブシナリオタイマ(scTm)、前回時間(scPrevTm)、音/モータのサブシナリオテーブルの実行ラインを示すサブシナリオ実行ライン(scIx)、ランプサブシナリオテーブルの実行ラインを示すサブシナリオ実行ラインlmp(lmpIx)、シナリオ更新処理に用いるメインシナリオタイマ(msTm)、メインシナリオテーブルの実行ラインを示すメインシナリオ実行ライン(mcIx)、メインシナリオ番号(mcNo)、メインシナリオに付加可能なオプションデータであるメインシナリオオプション(mcOpt)、ユーザオプション(userFn)、待機時間(delay)、チェックサム(checkSum)がある。
スピーカ46による音出力、光表示装置45aによる発光、及び可動体役物モータ80cによる可動体役物の駆動による演出を開始するときには、待機時間(delay)とメインシナリオ番号(mcNo)をシナリオチャネルsCH0~sCH63のうちの空いているシナリオチャネルに登録する。
待機時間(delay)は、シナリオチャネルsCHに登録してからそのシナリオが開始されるまでの時間を示す。なおこの待機時間(delay)は所定の処理タイミング(例えば後述の図40のステップS2004)で1減算される。待機時間(delay)が0の場合に、登録されたデータに対応した処理が実行されることとなる。
図38には、メインシナリオテーブルの一部として、シナリオ番号1,2,3の例を示している。各シナリオ番号のシナリオとしては、シナリオの各ライン(行)に時間データとしてメインシナリオタイマ(msTm)の値が記述されると共に、サブシナリオ番号(scNo)、オプション(OPT)を記述することができる。即ちメインシナリオテーブルでは、メインシナリオタイマ(msTm)による時間として、実行されるべきサブシナリオ(及び場合によってはオプション)が指定される。またシナリオ最終行には、シナリオデータ終了コードD_SEEND、又はシナリオデータループコードD_SELOPが記述される。
なお、メインシナリオタイマ(msTm)の値はメインシナリオの開始時から、所定の処理タイミング(例えば後述の図40のステップS2004)で+1される。
各シナリオ番号のシナリオテーブルは、或る行におけるメインシナリオタイマ(msTm)の時間を経過すると、次の行へ進むことになる。各行の時間データは、その行が終わるタイミングを示している。
例えばシナリオ番号2の場合、タイマ値“1500”の時間としてサブシナリオ番号2の動作が指定され、次のタイマ値“500”の時間としてサブシナリオ番号20の動作が指定され、次のタイマ値“2000”の時間としてサブシナリオ番号21の動作が指定されている。その次の行はシナリオデータ終了コードD_SEENDである。シナリオデータ終了コードD_SEENDの場合、シナリオ登録情報(ワーク)から、このシナリオが削除される。
次に図36Bでランプデータ登録情報の構造を説明する。ランプデータ登録情報としては、ランプサブシナリオテーブルから選択されたシナリオ、即ち光表示装置45aによる演出動作(点灯パターン)を示す情報が登録される。このランプデータ登録情報もRAM202のワークエリア(ワーク領域)を用いて設定される。
本実施形態では、ランプデータ登録情報は、ランプチャネルdwCH0~dwCH15の16個のチャネルを有するものとされる。各ランプチャネルdwCH0~dwCH15には優先順位が設定されており、ランプチャネルdwCH0からdwCH15に向かって順にプライオリティが高くなる。従ってランプチャネルdwCH15に登録されたシナリオ(ランプサブシナリオ)が最も優先的に実行される。また例えばランプチャネルdwCH3、dwCH10にシナリオが登録されていれば、ランプチャネルdwCH10に登録されたシナリオが優先実行される。
なお、ランプチャネルdwCH0は主にBGM(Back Ground Music)に付随するランプ演出、ランプチャネルdwCH15はエラー関係のランプ演出に用いられ、ランプチャネルdwCH1~dwCH14が通常演出に用いられる。
各ランプチャネルdwCHに登録できる情報としては、図示のように、登録した点灯パターンの番号を示す登録点灯ナンバ(lmpNew)、実行する点灯パターンの番号を示す実行点灯ナンバ(lmpNo)、ランプサブシナリオの実行ラインを示すオフセット(offset)、実行時間(time)、チェックサム(checkSum)がある。
図39Aにランプサブシナリオテーブルの一部として、ランプサブシナリオ番号1,2,3の例を示している。各番号のランプサブシナリオとしては、シナリオの各ライン(行)に時間データ(time)の値が記述されると共に、ランプチャネルと、各種の点灯パターンを示すランプナンバが記述される。また最終行には、ランプシナリオデータ終了コードD_LSENDが記述される。
このランプサブシナリオテーブルにおいて、各ラインの時間データ(time)は、そのサブシナリオが開始されてからの、当該ラインが開始される時間を示している。
上述のメインシナリオタイマ(msTm)と、テーブルの時間データを比較して、一致した場合に、そのラインのランプナンバが、図36Bのランプデータ登録情報に登録される。登録されるランプチャネルdwCHは、当該ラインに示されたチャネルとなる。
例えば、上述の或るシナリオチャネルsCHにおいて、図38に示したシナリオ番号2が登録され、サブシナリオ番号2が参照されるとする。図39Aに示したランプサブシナリオ番号2では、1ライン目に時間データ(time)=0としてランプチャネル5(dwCH5)及びランプナンバ5が記述されている。この場合、メインシナリオタイマ(msTm)=0の時点で、まず当該1ライン目の情報が図36Bのランプデータ登録情報のランプチャネルdwCH5に、登録点灯ナンバ(lmpNew)=5として登録される。シナリオ登録情報のサブシナリオ実行ラインlmp(lmpIx)の値は、次のラインの値(2ライン目)に更新される。これはランプチャネルdwCH5という比較的低い優先度で、点灯ナンバ5の点灯パターン動作の実行を行うための登録となる。
2ライン目については、メインシナリオタイマ(msTm)が“500”となった時点で同様の処理が行われる。即ちランプデータ登録情報のランプチャネルdwCH5に、登録点灯ナンバ(lmpNew)=6(つまり点灯ナンバ6の点灯パターンの指示)が登録される。
なお、時間データ(time)が連続する2ラインで同一の値であったら、その各ラインについての処理は同時に開始されることとなる。
後述するランプ駆動データ作成処理では、このように更新されるランプデータ登録情報に基づいて、ランプ駆動データが作成される。
次に図36Cでモータデータ登録情報の構造を説明する。モータデータ登録情報としては、モータサブシナリオテーブルから選択されたシナリオを示す情報が登録される。このモータデータ登録情報もRAM202のワークエリアを用いて設定される。
本実施形態では、モータデータ登録情報は、例えば8個のモータに対応してモータチャネルmCH0~mCH7の8個のチャネルを有するものとされる。
各モータチャネルmCHに登録できる情報としては、図示のように、実行動作ナンバ(no)、登録動作ナンバ(noNew)、動作カウント(lcnt)、励磁カウンタ(tcnt)、実行ステップ(step)、動作ライン(offset)、親(移行元)/子(移行先)の属性(attribute)、親ナンバ(retNo)、戻りアドレス(retAddr)、ループ開始ポイント(roopAddr)、ループ回数(roopCnt)、エラーカウンタ(errCnt)、現在の入力情報(currentSw)、ソフト上のスイッチ情報(softSw)、ソフト上のカウント(softCnt)がある。
図39Cにモータサブシナリオテーブルの一部として、モータサブシナリオ番号1の例を示している。各番号のモータサブシナリオとしては、シナリオの各ライン(行)に時間データ(time)の値が記述されると共に、モータ、ソレノイド/ユーザオプションの情報が記述される。また最終行には、シナリオデータ終了コードD_MSENDが記述される。
このモータサブシナリオテーブルに関しては、サブシナリオタイマ(scTm)が0になったら(なお最初は0である)、このモータサブシナリオテーブルの時間データ(time)の値をサブシナリオタイマ(scTm)にセットする。なお、各ラインの時間データ(time)は、当該ラインが終了するタイミングを示している。サブシナリオタイマ(scTm)には、絶対時間を記述するが、従って、セットする時間データ値は、(当該ラインの時間データ)-(前回ラインの時間データ)の値である。
モータのデータ(モータ0~3,4~7)は、モータ1個につき1バイトでモータの動作パターンの番号(後述するモータ動作テーブルの番号)を示すように構成されている。モータ番号に対応するモータチャネルの登録動作ナンバ(noNew)及び実行動作ナンバ(no)に動作パターンの番号がセットされる。
後述する図44のステップS2202では、このモータデータ登録情報の更新が行われ、ステップS2203では、モータデータ登録情報の更新に基づいて、モータ駆動データが作成される。
図37は音データ登録情報を示している。音データ登録情報としては、音サブシナリオテーブルから選択されたシナリオを示す情報が登録される。この音データ登録情報もRAM202のワークエリアを用いて設定される。
本実施形態では、音データ登録情報は、音チャネルaCH0~aCH15の16個のチャネルを有するものとされる。
各音チャネルaCHに登録できる情報としては、図示のように、ボリューム遷移量(frzVq)、ボリューム(frzVl)、遷移量変化(rsv2)、ボリューム変化(rsv1)、フレーズ変化(rsv0)、ステレオ(frzSt)、ループ(frzLp)、フレーズ番号hi(frzHi)、フレーズ番号low(frzLo)がある。
図39Bに音サブシナリオテーブルの一部として、音サブシナリオ番号1,2の例を示している。各番号の音/モータサブシナリオとしては、シナリオの各ライン(行)に時間データ(time)の値が記述されると共に、BGM、予告音、エラー音、音コントロールの情報が記述される。また最終行には、シナリオデータ終了コードD_SEENDが記述される。
この音サブシナリオテーブルに関しては、サブシナリオタイマ(scTm)が0になったら(なお最初は0である)、この音サブシナリオテーブルの時間データ(time)の値をサブシナリオタイマ(scTm)にセットする。なお、各ラインの時間データ(time)は、当該ラインが終了するタイミングを示している。サブシナリオタイマ(scTm)には、絶対時間を記述するが、従って、セットする時間データ値は、(当該ラインの時間データ)-(前回ラインの時間データ)の値である。
当該ラインのBGMのデータは、BGMのフレーズ番号やボリューム値等の音データ登録情報に登録する情報で構成され、音データ登録情報における音チャネルaCH0(ステレオの場合は加えてaCH1)にセットされる。
当該ラインの予告音のデータは、予告音のフレーズ番号やボリューム値等の音データ登録情報に登録する情報で構成され、音チャネルaCH2~aCH14の空いているところにセットされる。
当該ラインのエラー音のデータは、エラー音のフレーズ番号やボリューム値等の音データ登録情報に登録する情報で構成され、音チャネルaCH15にセットされる。
音コントロールのデータは、下位6バイトでチャネル情報、上位2バイトでコントロール情報とされている。
後述する図40のステップS2033では、シナリオ更新処理及び更新された音データ登録情報に基づいて、再生出力制御が行われる。
なお、音サブシナリオテーブルとモータサブシナリオテーブルは時間(time)の各ラインに対して一体化されたテーブル構造とされてもよい。
以上のようなシナリオデータ構造を用いた演出制御を行う演出制御部24の処理、特にはCPU200の処理の例を図40で説明する。
CPU200は、パチンコ遊技機1本体に対して電源が投入されると図40の処理を開始する。
CPU200は、まずステップS2000で、遊技動作開始前における必要な初期設定処理を行う。例えば初期設定処理として、インターフェース系の初期化、割込設定、外部メモリの初期化、WDT初期化、可動体役物の起点復帰処理及び制御の初期化、音源制御初期化、シリアル出力コントローラの初期化、スケジューラ(シナリオスケジューラ、デバイススケジューラ、ランプスケジューラ、サウンドスケジューラ)の初期化、システムタイマの初期化、液晶制御初期化等を行う。
なお各スケジューラは、上述のシナリオ登録情報、モータデータ登録情報、ランプデータ登録情報、音データ登録情報のこと、もしくはこれらに基づいたシナリオ制御の進行を指す。初期化処理としては、これらシナリオ登録情報等を記憶するワーク領域を初期化する。
ステップS100の初期設定処理を終えると、演出制御CPU200はステップS2001以降の処理を繰り返し行う。
特に本実施形態では、CPU200は、液晶制御も同時に行うために、ステップS2001以降の処理を、表示データのフレームタイミングを監視しながら実行する。本例では特に表示制御に用いる同期信号であるVブランク信号に基づく制御を行う。Vブランク信号等の表示データの同期信号は、1チップマイクロコンピュータ250内のVDP機能を実現する部位で生成される。例えば同期信号生成部265で生成される。なお、本実施形態では、表示画像の1フレーム期間である1/30秒(33.3ms)の間においてVブランク信号が2回発生される。
演出制御CPU200は、Vブランク信号に応じてVブランク割込カウンタをカウントアップするため、Vブランク割込カウンタは1/60秒(16.6ms)毎にカウントアップされることになる。
なお当然、CPU200の個々の処理はVブランク信号の周波数よりも極めて高い周波数の処理クロックに基づいて行われる。図40の各処理は、Vブランク信号に応じてフレーム開始から終了までの期間を把握しながら行われるもので、フレーム開始時点では、処理はステップS2003~S2006が1回行われ、その後はVブランク割込カウンタの値によって1フレーム期間の終了が確認されるまでの期間、ステップS2021~S2043がくり返し行われる。1フレーム期間の終了を検知した時点でステップS2049~S2051が行われる。
ステップS2001でCPU200は、WDT回路210に対するクリア制御を行う。従ってWDT回路210はCPU200が正常な処理状態であれば1フレーム毎にリセットされる。
ステップS2002で演出制御CPU200は、フレーム更新フラグを確認する。フレーム更新フラグは、スケジューラ更新等をフレーム期間で管理するためのフラグである。
表示データの或るフレームの開始時点ではフレーム更新フラグはオフとされている(フレーム終了時に後述するステップS2051でオフとするため)。
従ってフレーム開始タイミングでは、CPU200はステップS2002からS2003に進む。
ステップS2003でCPU200は、描画更新を行う。例えば上述のように描画する順番に記載された一群の描画コマンドであるディスプレイリストの作成や、プリロードの実行開始制御を行う。
なお、本例では、液晶表示装置36としては主液晶表示装置36Mと副液晶表示装置36Sとが設けられているため、ステップS2003の描画更新処理ではこれらの液晶表示装置に表示されるべき画像データについてのディスプレイリスト作成やプリロードがそれぞれ行われる。このように主液晶表示装置36M、副液晶表示装置36Sそれぞれについての処理を行う点は、ステップS2050のフレーム終了時処理における各処理(描画完了待ち、表示画面の切替え、プリロード完了待ち、描画開始)についても同様である。
ステップS2003に続くステップS2004でCPU200は、シナリオスケジューラのフレーム更新を行う。これは具体的には、図36Aのシナリオ登録情報の待機時間(delay)、メインシナリオタイマ(msTm)、サブシナリオタイマ(scTm)の更新を行う処理となる。つまりフレーム開始時点で演出シナリオのタイマを1タイミング進める処理ということができる。
そしてCPU200は続くステップS2005でフレーム更新フラグをONにする。これは、現在のフレームにおいてシナリオのタイマ進行を行ったことを示す情報となる。
またCPU200はステップS2006でスケジューラ更新フラグをオフとする。これは、スケジューラ更新、つまりタイマ進行に伴ったシナリオ内容(シナリオ登録情報、ランプデータ登録情報、音データ登録情報)の更新がまだ行われていないことを示す情報となる。
そしてステップS2002に戻る。CPU200はWDT回路のクリアを行った後、ステップS2003ではフレーム更新フラグはONになっているためステップS2020に進むことになる。ここでWDT回路は、CPU200が正常な処理状態であれば逐次リセットされる。
なお、以上のようにフレーム開始タイミング後の最初の1回だけ、ステップS2004~S2006が行われ、ステップS2004ではシナリオ登録情報のタイマ更新が行われる。演出のためのシナリオは、1フレーム期間である33.3ms毎に進行することになる。例えばメインシナリオタイマ(msTm)は33.3ms毎に進行する。図38のメインシナリオテーブルにおける1行のメインシナリオタイマ(msTm)の時間は、表記する値×33.3msの時間に相当する。また図39のサブシナリオテーブルの時間(time)で示す1行の時間も、表記する値×33.3msの時間に相当する。
CPU200は、ステップS2020ではVブランク割込カウンタの値により処理を分岐する。Vブランク割込カウンタが“2”に達していなければ(つまり“0”又は“1”であれば)、ステップS2021に進む。
Vブランク割込カウンタはステップS2051でフレーム終了時にクリアされると共に、1フレームに2回インクリメントされる。従ってVブランク割込カウンタ=0はフレームの前半期間を、またVブランク割込カウンタ=1はフレームの後半期間を示すことになる。フレーム終了時のVブランク信号でVブランク割込カウンタ=2となる。
CPU200は、Vブランク割込カウンタが“0”又は“1”であるフレーム期間中は、ステップS2021~S2043を可能な回数、繰り返すようにステップS2020からS2021に進む。
ステップS2021でCPU200は、Vブランク割込カウンタが“0”であるか“1”であるかで処理を分岐する。つまり現在が或るフレーム期間の前半であるか後半であるかである。
現在、Vブランク割込カウンタ=0、つまりフレーム前半であれば、ステップS2022に進んで、主制御部20からの受信コマンドを確認する。つまりコマンド受信バッファに1つ以上の受信コマンドが記憶されているか否かを確認する。受信コマンドがなければステップS2030に進む。
1又は複数の受信コマンドがあればCPU200はステップS2023でコマンド解析処理を行う。
そしてCPU200はステップS2024でスケジューラ更新フラグをオフにする。なお、このステップS2024でスケジューラ更新フラグのオフとすることは、現在のフレーム期間中において、以前に一旦ステップS2031でスケジューラ更新フラグをオンにした後であっても、コマンド受信があった場合は再びオフにするという意味を持つ。
ステップS2023のコマンド解析処理の例を図42、図43で説明する。
上記のようにCPU200は図40のステップS2022で、主制御部20から供給される演出制御コマンドがコマンド受信バッファに格納されているか否かを確認し、演出制御コマンドが格納されていればそのコマンドを図42の処理で読み出すことになる。
演出制御部24には、主制御部20から送信されてきた演出制御コマンドを取り込むコマンド受信バッファが、RAM202に用意される。
CPU200は、まず図42のステップS2081で、コマンド受信バッファの読み出しアドレスを示すリードポインタと、書き込みアドレスを示すライトポインタの確認を行う。
ライトポインタは、コマンド受信に応じて更新され、それに応じてライトポインタで示されるアドレスに、受信した演出制御コマンドが格納されていく。リードポインタは、コマンド受信バッファからの読み出しを行った際に更新(ステップS2082)される。従って、もしリードポインタ=ライトポインタでなければ、まだ読み出していない演出制御コマンドがコマンド受信バッファに格納されているということになる。そこでリードポインタ=ライトポインタでなければステップS2082に進み、CPU200はコマンド受信バッファにおいてリードポインタで示されるアドレスから1バイトのコマンドデータをロードする。この場合、次の読み出し(ロード)のためにリードポインタをインクリメントしておく。
なお、実際には図40のステップS2022の受信コマンドの有無の判断もリードポインタ=ライトポインタであるか否かで行うことができる。実際のプログラムとしては、コマンドチェックの処理に最初に進んだ時点でリードポインタ=ライトポインタであれば、図40のステップS2022で受信コマンド無しと判断されるものとすればよい。
上述したように一つの演出制御コマンドは、モードとしての1バイトとイベントとしての1バイトの2バイトで形成されている。CPU200は図42のステップS2083で、ロードした1バイトのコマンドデータが、モードであるかイベントであるかを確認する。この確認は、8ビット(Bit0~Bit7)のうちのBit7の値により行われる。
そしてモードであれば、コマンドの上位データ受信の処理として、ステップS2084に進み、読み出したコマンドデータを、レジスタ「コマンドHIバイト」にセーブする。また「コマンドLOバイト」のレジスタをクリアする。そしてステップS2081に戻る。
続いても、リードポインタ=ライトポインタでなければ、まだ読み出していない演出制御コマンドがコマンド受信バッファに格納されていることになるため、ステップS2082に進み、CPU200はコマンド受信バッファにおいてリードポインタで示されるアドレスから1バイトのコマンドデータをロードする。またリードポインタをインクリメントする。
そして読み出したコマンドがイベントであれば、コマンドの下位データ受信の処理として、ステップS2083からS2085に進み、読み出したコマンドデータを、レジスタ「コマンドLOバイト」にセーブする。
モード及びイベントのコマンドデータが、レジスタ「コマンドHIバイト」「コマンドLOバイト」にセーブされることで、CPU200は一つのコマンドを取り込んだことになる。
そこでCPU200はステップS2086で、取り込んだコマンドに応じた処理を行う。具体例は図43で後述する。
リードポインタ=ライトポインタとなるのは、CPU200がまだ取り込んでいない演出制御コマンドがコマンド受信バッファには存在しない場合である。ステップS2081でリードポインタ=ライトポインタを確認したことで図40のステップS2023としてのコマンド解析処理を終了する。
上記のステップS2086におけるコマンド対応処理の例を図43で説明する。
図43Aは、コマンド対応処理としての基本処理を示している。2バイトの演出制御コマンドの受信に応じて、CPU200はまず図43AのステップS2091で、現在テストモード中であるか否かを確認する。テストモード中であれば、ステップS2092ですべての演出シナリオのクリア、音出力の停止、光表示装置45aにおけるLEDの消灯を行う。そしてステップS2093でテストモードを終了する。
テストモード中でなければ、これらの処理は行わない。
そしてCPU200は、ステップS2100において、取り込んだ演出制御コマンドについての処理を行うことになる。
演出制御コマンドとしては、例えば特別図柄の変動パターン指定コマンド、装飾図柄指定コマンド、保留加算コマンド、保留減算コマンド、遊技状態指定コマンド、電源投入コマンド、RAMクリアコマンド、設定変更中コマンド、設定変更終了コマンド、設定確認中コマンド、設定確認終了コマンド、設定値コマンド(本例では少なくとも起動時(図20のS808)や図柄変動開始時(図26のS1411)に主制御部20が送信する)、エラーコマンド(各種エラーの通知コマンド)・・・など多様に設定されている。
ステップS2100では、CPU200は、受信したコマンドに対応して、プログラムで規定された処理を行う。ここでは図43BにRAMクリアコマンドを挙げて、具体的処理を例示する。
図43Bは、ステップS2100でのコマンド処理として、RAMクリアコマンドを取り込んだ場合の処理S2100aを示している。
この場合、CPU200は、ステップS2101でRAM202のクリア処理を行う。例えばコマンド受信/送信バッファ、各種操作入力情報バッファの内容等の記憶領域のクリアを行う。
そしてステップS2102でエラー解除処理、ステップS2103でRAMクリアエラーセットと、エラー報知タイマのセットを行う。さらにステップS2104でRAM202における抽選処理に関する情報のクリア、ステップS2105でシナリオに関する情報のクリアを行う。
以上、コマンド受信に応じた処理の例を説明した。
以上のコマンド受信に応じた処理としての図40のステップ2022~S2024の処理は、本例ではVブランク割込カウンタ=0の期間のみ実行開始される。
説明を図40に戻す。
CPU200は、図40のステップS2030でスケジューラ更新フラグを確認して処理を分岐する。ここではスケジューラ更新フラグがオフの場合のみ、ステップS2031~S2034の処理を行うようにする。
そしてステップS2031でフレーム更新フラグをオンとする。
スケジューラ更新フラグはフレーム開始直後のステップS2006でオフとされるため、現在のフレーム期間で最初にステップS2030の処理に進んだときに、ステップS2031~S2034の処理を行うことになる。またステップS2024でスケジューラ更新フラグがオフとされるため、コマンド受信があった場合もステップS2031~S2034の処理を行う。
CPU200はステップS2032でシナリオスケジューラ実行としての処理を行う。これはシナリオ登録情報の更新処理である。例えばシナリオチャネルsCHに登録された情報のうち待機時間(delay)が0のものについて、登録されたデータに対応した処理を実行する。即ちメインシナリオテーブルのうちで指定されたシナリオ番号に応じた処理を行う。メインシナリオ実行ライン(mcIx)、サブシナリオ実行ライン(scIx)、サブシナリオ実行ラインlmp(lmpIx)等の更新も行われる。
ステップS2033でCPU200はサウンドスケジューラ実行及び出力の処理を行う。これは、シナリオテーブルで指定される音サブシナリオに応じた音データ登録情報の更新処理、及び音データ登録情報に基づいた音制御信号の出力処理である。CPU200は演出制御部24が有する音コントローラに対して、現在のシナリオ進行に応じた音出力を実行させる。
ステップS2034でCPU200はランプスケジューラ実行処理を行う。
これはシナリオテーブルで指定されるランプサブシナリオに応じたランプデータ登録情報の更新処理である。
例えばCPU200はランプチャネルdwCH0~dwCH15のそれぞれについて次の処理を行う。まずメインシナリオタイマ(msTm)とランプサブシナリオテーブルの時間データ(time)を比較する。ランプサブシナリオテーブルの時間データ(time)は、当該ライン(サブシナリオ実行ラインlmp(lmpIx)で示されるライン)が開始される時間を示している。従って、メインシナリオタイマの時間が、時間データ(time)以上となっていたら、そのラインについての処理を行う。
例えばまず、現在のラインが、ランプシナリオデータ終了コードD_LSENDが記述されたラインであるか否かを判断する。ランプシナリオデータ終了コードD_LSENDが記述されたラインではなければ、CPU200は、当該ラインに記述されているランプチャネルdwCH及びランプナンバを取得し、取得したランプチャネルdwCHに点灯パターンナンバの登録を行う。
またそのランプチャネルdwCHに対応する領域に登録点灯ナンバ(lmpNew)と実行点灯ナンバ(lmpNo)をセットする。即ちランプサブシナリオテーブルの当該ラインから取得したランプナンバを、登録点灯ナンバ(lmpNew)にセットし、「0」を実行点灯ナンバ(lmpNo)にセットする。またサブシナリオ実行ラインlmp(lmpIx)の値を+1する。以上により、ランプデータ登録情報としては、実行すべきランプ演出動作が登録された状態に更新される。
なおステップS2034では、以上のようなランプデータ登録情報の更新を行うが、その更新したランプデータ登録情報に基づくランプ駆動データ作成及びランプ駆動データ出力は、後のステップS2041、S2042で行う。
CPU200はステップS2040では、Vブランク割込カウンタの値により処理を分岐する。Vブランク割込カウンタが“0”であればステップS2041~S2043の処理を実行し、“1”であればこれらの処理を実行しない。
ステップS2041では、CPU200はランプ駆動データの作成を行う。即ちランプデータ登録情報の各ランプチャネルdwCHに登録されている情報に基づいて実際に各種LEDを駆動するドライバに対して出力するランプ駆動データを生成する。
そしてステップS2042で、生成したランプ駆動データが上記のドライバに対して出力されるように制御する。
ステップS2043ではCPU200はキーイベント処理を行う。そしてステップS2002に戻る。
ステップS2041,S2042のランプ駆動データの作成及び出力の処理は、Vブランク割込カウンタ=0のときのみに実行が開始される。即ちフレームの前半の期間のみこれらの処理が開始されることになる。
Vブランク割込カウンタ=2となった後、つまりフレーム期間の終了が検知された場合(S2020:=2)、CPU200はステップS2049以降のフレーム終了時に対応した処理を行う。
まずCPU200はステップS2049で、コマンド受信タイマ対応処理を実行する。このコマンド受信タイマ対応処理は、後述する図柄指定コマンド受信タイマ(図50参照)に対応した処理を行うものであるが、詳細については後述する(図51を参照)。
ステップS2049に続くステップS2050でCPU200は、フレーム終了時処理を行う。
ここではCPU200は、描画完了待ちの処理、Vブランク割込カウンタのクリア、表示画面の切替、プリロード完了待ち、描画開始等の処理を行う。
フレーム終了時処理の具体例を図41に示す。
ステップS2071でCPU200は、描画の完了を待機する。これは次のフレーム期間に表示する画像の描画完了を待機するものである。
前述のようにVRAM209にはフレームバッファ209A、209Bが用意され、表示回路221等が一方の表示データを読み出して表示させているフレーム期間には、他方のフレームバッファに、次のフレームの表示データの描画が行われる。この描画が完了していることをステップS2071で確認する。
なお通常は、このフレーム期間の終了時点では、次のフレームの表示データの描画は完了しているように設計されている。この時点で描画が完了していないことは、描画処理に何らかの不具合がある場合と想定される。
そこで、描画完了待機が発生した場合、その待機時間をカウントして、待機時間によっては、1フレーム期間にアクセスされる描画数を減らすなどの変更を行うようにしてもよい。
また、多少(1ms程度)の待機であれば、次のフレームの処理が少し遅れるだけであるため、特に問題はないというようにしてもよい。
なお、いつまで待っても描画が終わらない場合、CPU200の処理についてWDT回路210によるリセットがかかる。
描画完了を確認したらCPU200はステップS2072でVブランク割込カウンタをクリアする。
そしてステップS2073で表示画面のスワップを行う。即ちVRAM209にはフレームバッファ209A、209Bについて、表示データを読み出すフレームバッファの切替を行う。
なお、Vブランク割込カウンタ=2となったことで無条件にフレームバッファ切替を行うことも考えられるが、本実施形態の場合、ステップS2071で描画完了確認を行ってからフレームバッファ切替が行われる。このため、表示回路221等に転送される表示データは、正しく描画が完了した表示データとなる。つまり、描画が垂直同期信号の2回目の時点までに終わらなかったら描画中のフレームバッファの表示データを表示させてしまうようなことは生じない。
ステップS2074ではCPU200は、プリロードの完了を確認する。
プリロードは通常は、1フレーム期間内に終了するように設計されているが、このステップS2074で確認している。
なお、多少プリロードが遅れたとしても、上記のステップS2073で既に次のフレームの表示データの出力は開始されるため、大きな問題とはならない。
その後ステップS2075でプリロードされたディスプレイリストを、ステップS2073で表示データ読み出し対象に切り替えられたフレームバッファとは逆のフレームバッファに書き込む処理を行う。
以上のフレーム終了時処理を行ったら、図40のステップS2051においてフレーム更新フラグをオフとし、ステップS2001に戻る。そして説明してきたように、新たなフレーム期間についての処理を行う。
以上の図40の処理と共にCPU200では、例えば1ms毎の割込処理として図44の処理が実行される。即ち図44の処理は、表示データのフレームタイミングに関わらず1ms毎に実行される処理である。
図44において、CPU200はステップS2200で、WDTパルス生成処理を行う。WDT回路はこのWDTパルスにより1ms毎のカウントを行う。
ステップS2201でCPU200は、モータのセンサ更新処理を行う。これは前述した位置検出センサ82aの情報を検知する処理である。
ステップS2202でCPU200はデバイススケジューラ実行処理を行う。具体的にはモータデータ登録情報の更新を行う。またステップS2203でデバイススケジューラ出力処理として、可動体役物モータ80cのドライバへのモータ駆動データの出力処理を行う。
即ちCPU200は、フレーム期間に比べて約1/30の時間間隔である1ms毎に、モータ動作制御を行っている。
続くステップS2204でCPU200は、キー入力処理を行う。即ち、演出ボタン13等の各種操作子の操作に応じた信号を確認する。
CPU200はステップS2204の処理を実行したことに応じ、図44に示す割込処理を終える。
ここまでCPU200の処理例を説明してきたが、以上の処理例では、CPU200は表示データのフレームに合わせて各種処理を行っている。
図45は表示データのフレーム期間毎の各種タイミングを示している。
表示データの各フレームをフレームFR0、FR1、FR2・・・とする。例えば時点T0~T1にフレームFR0の表示、時点T1~T2にフレームFR1の表示が行われる。
Vブランク割込カウンタの値は、図40のステップS2051でクリアされるため、図示のようにフレーム開始時点で“0”、フレーム中間の時点(時点T0m、T1m等)で“1”となり、“2”となった直後にクリアされる。
描画回路225による描画処理は、フレーム期間内に、次のフレームの表示データについて実行される。例えばフレームFR1の表示データの描画は、フレームFR0の表示期間である時点T0~T1内に実行される。具体的にはステップS2050で描画が開始されるため、フレーム先頭時点で、次のフレームのための描画が開始される。この描画は、通常はフレーム期間内に完了する。
もし、例えば時点T0に開始された描画が時点T1において完了していないとすると、図41のステップS2071で完了が待機されることになる。
プリローダ220によるプリロードは、描画のための準備として、さらに1フレーム前の期間に実行される。例えばフレームFR2の表示データの描画のためのプリロードは、フレームFR0の表示期間である時点T0~T1内に実行される。具体的にはステップ2003で開始されるため、フレーム先頭時点で、2つ後のフレームのためのプリロードが開始される。プリロードは、通常はフレーム期間内に完了する。
もし、例えば時点T0に開始されたプリロードが時点T1において完了していないとすると、図41のステップS2074で完了が待機されることになる。プリロードが多少遅れると、それによって描画の開始が多少遅れることになる。
CPU200の処理としては、各フレーム開始タイミングSLsにおいて、ステップS2050,S2051,S2001,S2003が行われることになる。主な処理としては図45に示すように、フレームバッファ209A、209Bの切替、描画開始、ディスプレイリスト作成、プリロード開始の制御となる。
ここで矢印SLで示すフレーム期間中は、くり返しステップS2021~S2043の処理が行われる。
但し、受信コマンド処理(S2022~S2024)は、矢印CAとして示すフレーム前半期間のみ実行される。これらはVブランク割込カウンタ=0のときのみ実行されるためである。
受信コマンドの解析処理は、図42,図43のような処理となるが、これは比較的処理負担の重い処理となるとともに、受信コマンド数によって処理も多くなる。コマンド種類によっては演出のための抽選等も行う必要が生ずる。本実施形態では、このような処理をフレーム前半期間にのみ行うものとしている。
なお、このためコマンド信号に関しては、例えば時点T0m~T1mとして破線で示す期間に受信されたコマンド信号については、時点T1~T1mの期間にコマンド解析が行われることになる。
またランプデータ作成/出力処理(S2041~S2043)も、矢印CAとして示す、フレーム前半期間のみ実行される。これらもVブランク割込カウンタ=0のときのみ実行されるようにしているためである。
これにより、ランプ駆動データの作成及び出力によって、フレーム終了タイミングに対してフレーム終了処理(S2050)が遅れることを防止している。
なおステップS2042のランプ駆動データ出力が、フレーム後半期間で行われないことによっては、シリアル出力コントローラ240からのランプ駆動データの出力が行われないことが想定されるが、その場合、LEDドライバ90は直前のランプ駆動データを維持しているため、直前の発光動作が実行されることになる。
[5-2.回転数及び残回数の表示]
本実施形態の遊技機1は、図柄の変動表示に係る回数情報を液晶表示装置36に表示することが可能に構成される。該回数情報としては、図柄の変動表示を行う総回数が規定された特定の遊技状態における変動の残り回数(以下「残回数」と表記)の情報と、図柄の変動表示の累積回数(以下「回転数」と表記)の情報を表示可能とされる。
具体的に、残回数としては、例えば、時短の残り回数の情報、すなわち前述した「時短状態」としての遊技状態における図柄の変動表示の残り回数の情報と、確変の残り回数の情報、すなわち前述した「確変状態」としての遊技状態における図柄の変動表示の残り回数の情報を挙げることができる。
本例では、残回数として、時短の残回数を表示する例を挙げる。時短状態において規定された「図柄の変動表示を行う総回数」、換言すれば時短状態における残回数の開始値は、例えば「100」とされる。
ここで、このような残回数の情報や、上記した回転数の情報は、図柄の変動表示ごとに更新されるべき回数を表す情報であって、互いが異なる種別の回数を表す情報であると換言することができる。
図46、図47は、それぞれ回転数の表示例、残回数の表示例を示している。
前提として、本例では、回転数、残回数の情報は主液晶表示装置36Mに表示する。また、回転数については、「通常状態」としての遊技状態においてのみ表示し、残回数については「時短状態」としての遊技状態においてのみ表示する例とする。
図46では、通常状態時において主液晶表示装置36M上に表示される回転数情報の例を示している。主液晶表示装置36Mの画面上では、回転数の表示を行う領域としての回転数表示領域Anが定められている。図示のように装飾図柄の表示領域Azは画面内の中央付近に位置されるのに対し、回転数表示領域Anは画面の端部付近に位置されており、領域の大きさについては装飾図柄の表示領域Azよりも小さくされる。図46では、回転数表示領域Amは画面の左上端部に位置される例としているが、例えば画面の右上端部等の他の位置とすることもできる。
本例では、回転数の情報は、例えば4桁の情報としている。
図47では、時短状態時において表示される残回数情報の例を示している。
残回数の表示領域である残回数表示領域Arとしても、図柄の表示領域Azと比較して大きさが小さくされ、画面の中央付近ではなく端部付近に位置されている。残回数の情報は、回転数の情報と比較して遊技進行により密接に関連する情報とされるため、残回数表示領域Arは、回転数表示領域Amとの比較では、より画面の中央寄りとなる位置に配置される。
また、残回数表示領域Arは、図柄の変動表示時に遊技者に注目され易くなるように、回転数表示領域Amと比較してより装飾図柄の表示領域Azに近接した位置に配置される。 図47では、残回数表示領域Arは装飾図柄の表示領域Azの右下に位置される例としているが、残回数表示領域Arの配置位置はこの限りではない。
本例では、残回数の情報は、回転数よりも桁数が少ない情報とし、例えば図示の例のように3桁の情報としている。
演出制御部24は、上記のような残回数や回転数の情報の表示制御を、主制御部20が図柄の変動表示ごとに送信する演出制御コマンドに基づいて行う。
具体的に、残回数については、主制御部20が送信する「変動回数残指定コマンド」により指示される回数情報の表示制御を行う。本例において、主制御部20は、時短の残回数を管理しており、該残回数を指示する「変動回数残指定コマンド」を前述した変動開始時の処理(S1205:図26参照)において演出制御部24に対して送信する。演出制御部24は、この変動回数残指定コマンドで指示される残回数の情報が主液晶表示装置36Mに表示されるように制御を行う。
一方、回転数の情報については、主制御部20側で管理されている情報ではなく、演出制御部24側が独自にカウントする情報とされる。回転数の情報は、図柄の変動表示が行われた回数の情報であることから、図柄の変動表示(装飾図柄の変動表示)に必要な情報を指示する演出制御コマンドか、或いは図柄の変動表示が行われたことを表す演出制御コマンドの受信回数をカウントすることで、適切な回数カウントを実現する。具体的に、図柄の変動表示に必要な情報を指示する演出制御コマンドとしては、図柄の変動パターンを特定可能な情報を含む「変動パターン指定コマンド」(前述したS1411:図26参照)や、上述した装飾図柄指定コマンド(最終的に停止表示させる装飾図柄の組み合わせを特定可能な情報を含む)を挙げることができる。また、図柄の変動表示が行われたことを表す演出制御コマンドとしては、特別図柄の変動が終了したことを示す「変動停止コマンド」(前述したS1206:図24参照)を挙げることができる。従って、回転数の情報の更新は、これら「変動パターン指定コマンド」「装飾図柄指定コマンド」「変動停止コマンド」の何れかの受信を契機として行うことが考えられる。
本例では、これらの演出制御コマンドのうち、「装飾図柄指定コマンド」の受信ごとに回転数をカウントする例を挙げる。
ここで、本例では、残回数については、その回数に応じて特定の演出が実行され得るものとする。具体的に、本例では、残回数が所定の回数に達したことを一条件として特定の演出が実行される。
このため、本例の演出制御部24(CPU200)は、上記した変動回数残指定コマンドを受信したことに応じ、該変動回数残指定コマンドから残回数の値を取得し、取得した値が閾値に達したことに応じ、特定の演出が実行されるように前述した演出手段(液晶表示装置36、光表示装置45a、音響発生装置46a、可動体役物)の一部又は全てについての制御を行う。
なお、このような残回数に応じた特定の演出は抽選結果に基づき行うようにすることもできる。
一方、本例において、回転数については、上記のような回数に応じた演出は実行されない。
[5-3.表示処理例1]
以下、残回数、回転数の表示処理例1について、図48から図56のフローチャートを参照して説明する。
ここで、以下の説明において、前述した「変動回数残指定コマンド」「変動パターン指定コマンド」「装飾図柄指定コマンド」の各演出制御コマンドについては、それぞれ以下のように表記を改める。
「変動回数残指定コマンド」 ・・・「残回数指定コマンド」
「変動パターン指定コマンド」・・・「変動パターンコマンド」
「装飾図柄指定コマンド」 ・・・「図柄指定コマンド」
図48から図50及び図52は、主制御部20が図柄の変動開始時の処理(図26参照)において送信する各種の演出制御コマンドに応じて演出制御部24のCPU200が実行する処理であり、それぞれ前述したステップS2023のコマンド解析処理における各コマンド処理(S2100:図43参照)の一態様として実行される。
図48は、ステップS2100でのコマンド処理として、残回数指定コマンドを取り込んだ場合の処理S2100bを示している。
この場合、CPU200はステップS2201で、所定遊技状態か否か、具体的に本例では時短状態としての遊技状態か否かを判定する。該判定は、主制御部20が前述したステップS1408の処理(図26参照)で送信する遊技状態コマンドに基づいて行うことができる。
ステップS2201において、現在の遊技状態が時短状態としての遊技状態であり、所定遊技状態であると判定した場合、CPU200はステップS2202に進んで残回数が100未満か否かを判定する。すなわち、受信した残回数指定コマンドにより示される残回数の値が100(つまり時短状態において規定されている図柄の変動表示の総回数)未満であるか否かを判定する。
残回数が100未満であれば、CPU200はステップS2203に進んで残回数記憶領域の値として残り回数をセットする、すなわち、残回数指定コマンドにより示される残回数の値をセットし、図48に示す処理を終える。
ここで、残回数記憶領域とは、演出制御部24のRAM202に設定された残回数の記憶領域のことを意味する。後の説明から明らかとなるが、CPU200はこの残回数記憶領域にセットされた値に基づき、残回数の各桁に表示すべきデータを取得する処理を行う。
RAM202において、残回数記憶領域のプログラム変数の型(データ型)としては、「8ビット符号なし変数」が採用され、0~255を記憶可能とされている。
残回数記憶領域は、上記ステップS2203の処理により図柄の変動表示が行われるごとに値が更新されるため、残回数のカウンタとして機能するものと換言することができる。
一方、ステップS2202において残回数が100未満でないと判定した場合、CPU200はステップS2204で残回数記憶領域の値として100をセットし、図48の処理を終える。このステップS2204の処理が行われることで、通信エラー等の何らかの要因により主制御部20から100より大きい残回数が通知された場合であっても、残回数記憶領域の値としては残回数の最大値である100を超えないようにされる。
また、CPU200は、ステップS2201で現在の遊技状態が時短状態としての遊技状態でなく所定遊技状態ではないと判定した場合には、図48に示す処理を終える。本例では、残回数の表示は時短状態としての所定の遊技状態でのみ行うため、ステップS2201で所定遊技状態でないと判定された場合は残回数記憶領域の値の更新処理(S2203、S2204)は実行しない。
図49は、ステップS2100でのコマンド処理として、保留コマンドを取り込んだ場合の処理S2100cを示している。
ここで言う保留コマンドとは、主制御部20が図26に示した変動開始時の処理で送信する保留減算コマンド(S1404)のことを意味している。
先ず、CPU200はステップS2205で、保留数ランプの設定処理を実行する。すなわち、現在の保留球の数を表すために光表示装置45aにおける装飾ランプ45の一部として設けられた保留数ランプ(LED)についての設定処理を行う。
次いで、CPU200はステップS2206で、変動開始時の保留数情報の設定処理を実行し、続くステップS2207で保留色情報の設定処理を実行し、図49に示す処理を終える。ステップS2206、S2207の設定処理としては、受信した保留減算コマンドの情報に基づき、それぞれ保留球数の情報の設定、保留球の表示色の設定を行う。
図50は、ステップS2100でのコマンド処理として、変動パターンコマンドを取り込んだ場合の処理S2100dを示している。
CPU200は先ずステップS2210で、変動シナリオ情報の選択処理として、変動パターンコマンドから特定される図柄の変動パターンに対応した演出シナリオ情報を選択する処理を行い、続くステップS2211でデモタイマのカウントを停止する処理を行う。ここで、デモタイマは、客待ちデモ画面の表示状態に切り替えを行う際にCPU200が参照するタイマである。本例では、図柄の変動表示の終了後、所定の時間が経過しても次の変動表示が開始されないことを条件として客待ちデモ画面の表示に切り替えが行われる。ステップS2211の処理は、図柄の変動表示の終了後、次の図柄の変動表示が行われることに応じて、デモタイマのカウントを停止させる処理となる。
ステップS2211に続くステップS2212でCPU200は、シナリオスケジューラ、サウンドスケジューラ、及びランプスケジューラを全クリアする処理を実行する。すなわち、前述したシナリオ登録情報、音データ登録情報、及びランプデータ登録情報を全クリアする処理を実行する。
次いで、CPU200はステップS2213で、カスタマイズ内容を設定する処理を実行する。ここで言うカスタマイズ内容とは、遊技者が十字キー15aや決定ボタン15b等を操作して遊技機1に対して設定した遊技に関する各種項目の設定内容を意味し、ステップS2213ではそれらの設定内容が反映されるようにするための各種の必要情報の設定処理を実行する。ここでのカスタマイズ内容の例としては、例えば、先読み無しモード(先読み予告を行わないモード)とするか否かや、プレミアアップモード(プレミアム予告発生率が上昇するモード)とするか否か等の内容を挙げることができる。
さらに、CPU200はステップ2214で、抽選結果データを初期化する処理として、例えばRAM202における抽選結果データの記憶領域、すなわち図30に示した変動パターン抽選処理(S1504)による抽選結果を示す情報の記憶領域を初期化する処理を行う。
次いで、CPU200はステップS2215で、図柄指定コマンド受信タイマに「3」をセットする処理を実行し、図50に示す処理を終える。
ここで、図柄指定コマンド受信タイマとは、図柄指定コマンドが受信されるまでの時間をカウントするためのタイマである。
本例では、変動パターンコマンドは、図柄指定コマンドよりも先に送信される演出制御コマンドとされており、変動パターンコマンドの受信後、所定時間(本例では100ms)が経過しても図柄指定コマンドが受信されない場合には、図柄指定コマンドが欠落したもとして扱われる。
図柄指定コマンド受信タイマは、このような図柄指定コマンドの欠落有無を判定するために用いられるタイマであり、上記のようにステップS2215の処理(つまり変動パターンコマンドの受信時の処理)において、100msに対応した「3」という値がセットされる。なお、図柄指定コマンド受信タイマの初期値は「0」である。
図柄指定コマンドの欠落判定は、先の図40に示した演出制御メイン処理におけるコマンド受信タイマ対応処理(S2049)において行われる。
図40の説明から理解されるように、該コマンド受信タイマ対応処理は、1フレームごとに実行される処理(1フレームの時間=33.3ms)である。
図51は、ステップS2049のコマンド受信タイマ対応処理のフローチャートである。 図示のように、CPU200は先ずステップS2061で、図柄指定コマンド受信タイマの値が0以外であるか否かを判定し、0以外でなければ、ステップS2049のコマンド受信タイマ対応処理を終える。すなわち、この場合は図柄指定コマンド受信タイマの値は初期値の「0」である、換言すれば、変動パターンコマンドが未受信で図柄指定コマンドの欠落有無を判定可能な状態には至っていないため、ステップS2049の処理を終える。
一方、図柄指定コマンド受信タイマの値が0以外であれば、CPU200はステップS2062で図柄指定コマンド受信タイマの値を1デクリメント(-1)した上で、続くステップS2063で所定時間が経過したか否か、すなわち本例では100msを経過したか否かを判定する。具体的には、図柄指定コマンド受信タイマの値が「0」以下となったか否かを判定する。
所定時間が経過していなければ、CPU200はステップS2049の処理を終える。
一方、所定時間が経過していれば、CPU200はステップS2064に進み、変動情報の設定処理として「A000H」の変動情報を設定する処理を行う。
ここで、「A000H」による変動情報は、エラー変動としての図柄の変動表示を実行するための変動情報である。具体的に、本例におけるエラー変動は、それぞれの装飾図柄が例えば1秒間等、正常時の最短変動時間(本例では4s)よりも短い時間にわたって変動された後に一斉に(又は順に)停止し、変動停止状態となったそれぞれの装飾図柄が、画面上の特定位置に静止されるのではなく、揺動を継続する図柄の変動表示とされる。本例において、エラー変動時の装飾図柄の出目は固定の出目とされる(例えば「246」等)。
ステップS2064の処理を実行したことに応じ、CPU200はステップS2065で変動シナリオ情報の削除処理を実行する。すなわち、変動パターンコマンドの受信に応じて図50のステップS2210で選択した変動シナリオ情報の設定情報(RAM202にセットした設定情報)を削除する処理を行う。
ステップS2065の削除処理を実行したことに応じ、CPU200はステップS2049のコマンド受信タイマ対応処理を終える。
図50に示したステップS2215のタイマ設定処理と、上記のようなステップS2049のコマンド受信タイマ対応処理が実行されることで、変動パターンコマンドの受信後、所定時間が経過しても図柄指定コマンドが受信されない場合には、図柄指定コマンドが欠落したものとされて、装飾図柄の変動表示として、正常な図柄の変動表示ではなく、エラー変動としての図柄の変動表示が行われる。
なお、後述するように、図柄指定コマンド受信タイマの値は、図柄指定コマンドの受信に応じて、図52のステップS2223で0リセットされる。
なお、上記では図柄指定コマンドの欠落判定において所定時間=100msとする例を挙げたが、該所定時間については任意の時間を設定可能である。
図52は、ステップS2100でのコマンド処理として、図柄指定コマンドを取り込んだ場合の処理S2100eを示している。
ここで、図柄指定コマンド(装飾図柄指定コマンド)としては、特図1と特図2とでそれぞれ存在する。CPU200は、図52に示す処理を、特図1の図柄指定コマンドと特図2の図柄指定コマンドのそれぞれについて実行する。
図52において、CPU200は、先ずステップS2221の演出抽選処理として、受信した図柄指定コマンドの情報内容に基づき、実行する演出の抽選処理を実行する。
続くステップS2222でCPU200は、役物の原点補正処理として、可動体役物モータ80cが原点位置にあるか否かの判定処理と、原点位置にない場合に原点位置に戻す処理を行う。
次いで、ステップS2223でCPU200は、図柄指定コマンド受信タイマの値を0リセットする処理を実行し、続くステップS2224で回転数情報更新処理を実行する。この回転数情報更新処理は、図柄指定コマンドの受信に応じて、回転数のカウント値を更新するための処理となる。
図53は、ステップS2224の回転数情報更新処理を示したフローチャートである。
ステップS2241でCPU200は、回転数記憶領域の値が10000以上か否かを判定する。ここで、回転数記憶領域は、RAM202に設定された回転数の値を記憶するための領域である。
RAM202において、回転数記憶領域のプログラム変数の型としては、「16ビット符号なし変数」が採用され、0~65535を記憶可能とされている。
ステップS2241において、回転数記憶領域の値が10000以上であれば、CPU200はステップS2242で回転数記憶領域の値を0にセットし、ステップS2243に進む。すなわち、今回のカウント値の更新(+1)により回転数が10000を超える場合(つまり回転数の表示桁数では数値を表現しきれなくなった場合)には、回転数の値が「0」に戻される。
また、ステップS2241で回転数記憶領域の値が10000以上でなければ、CPU200はステップS2242の処理をパスしてステップS2243に進む。
なお、ここでは更新後の回転数のカウント値が表示桁数では正確に表現しきれなくなる場合に回転数を「0」に戻す例を挙げたが、代わりに、回転数の更新を停止するようにしてもよい。
ステップS2243でCPU200は、回転数記憶領域の値が10000未満であるか否かを判定する。回転数記憶領域の値が10000未満であれば、CPU200はステップS2242で回転数記憶領域の値を1インクリメント(+1)した上で、ステップS2224の回転数情報更新処理を終え、10000未満でなければステップS2244の処理をパスしてステップS2224の回転数情報更新処理を終える。
図52に戻り、CPU200は、ステップS2224の回転数情報更新処理を実行したことに応じ、ステップS2225で変動パターンコマンドを受信済か否かを判定する。
変動パターンコマンドを受信済であれば、CPU200はステップS2226に進んで図柄指定コマンドの内容を確認し、処理を分岐する。具体的に、CPU200は、図柄指定コマンドがはずれ種別を示す場合、10R確変の当り種別を示す場合、5R確変の当り種別を示す場合のそれぞれで処理を分岐する。
図柄指定コマンドがはずれ種別を示す場合、CPU200はステップS2227ではずれ種別に対応した変動シナリオIDの設定を行う。すなわち、はずれ種別に対応した装飾図柄の変動表示が行われるようにするための演出シナリオの番号(ID)をRAM202の所定領域にセットする。
また、図柄指定コマンドが10R確変の当り種別を示す場合、CPU200はステップS2228で10R確変の当り種別に対応した変動シナリオIDの設定を行い、さらに、図柄指定コマンドが5R確変の当り種別を示す場合には、ステップS2228に進んで5R確変の当り種別に対応した変動シナリオIDの設定を行う。
CPU200は、上記したステップS2227、S2228、S2229の何れかの設定処理を実行したことに応じ、ステップS2230で変動開始時の情報設定処理を実行する。
この変動開始時の情報設定処理は、先のステップS2203やS2224で更新した残回数や回転数の情報を、主液晶表示装置36Mの表示制御に用いる情報(表示情報)として例えばRAM202の所定領域にセットする処理となる。
本例において、ステップS2230の情報設定処理でセットする情報としては、残回数(本例では時短残回数)と回転数の情報を含んだ次のような情報とされる。すなわち、「メイン変動」「背景指定(変動開始時)」「背景指定(変動終了時)」「選択キャラ指定(変動開始時)」「選択キャラ指定(変動終了時)」「SP(スーパーリーチ)キャラ指定」「時短残回数」「回転数」「連荘数指定情報」「ゲーム性カスタマイズ(変動開始)」「ST(スペシャルタイム)最終カウントダウン」「変動開始時保留色(当該以外) 保留1」「変動開始時保留色(当該以外) 保留2」「変動開始時保留色(当該以外) 保留3」「変動開始時保留色(当該以外) 保留4」「変動開始時保留色(低確時短当該)」「変動開始時保留色(高確当該)」「通変時中右停止図柄(はずれ)」「停止図柄(はずれ)」「停止図柄(当り)」等を含んだ情報である。
CPU200は、このようなステップS2230の情報設定処理でセットした情報に基づいて、主液晶表示装置36Mの表示制御処理(例えば、前述したディスプレイリストの生成等)を実行する。
また、ステップS2230の情報設定処理においてCPU200は、変動パターンコマンドと図柄指定コマンドの内容の不一致判定を行う。例えば、コマンド内容を比較した際、図柄指定コマンド側は抽選結果情報としてはずれ種別の情報を示している一方、変動パターンコマンド側は当り種別に対応した変動パターンの情報を示している、或いはその逆の関係となっている場合等が考えられる。ステップS2230では、変動パターンコマンドと図柄指定コマンドとの間で、このような内容の不一致があるか否かを判定する。
ステップS2230において、内容の不一致があると判定した場合、CPU200は、変動情報として前述した「A000H」の設定を行う。すなわち、変動パターンコマンドと図柄指定コマンドとの間で内容の不一致があると判定された場合には、装飾図柄の変動表示として、前述した「エラー変動」としての変動表示が行われることになる。
CPU200は、ステップ2230の情報設定処理を実行した場合と、先のステップS2225で変動パターンコマンド受信済でないと判定した場合のそれぞれにおいて、ステップS2231に処理を進める。
ステップS2231でCPU200は、不一致又は未受信か否かを判定する。すなわち、上記したステップS2230において変動パターンコマンドと図柄指定コマンドとの間で内容の不一致があると判定された状態か、或いは、ステップS2225で変動パターンコマンドを受信済でないと判定された状態の何れかの状態であるか否かを判定する。
このステップS2231の判定処理は、変動パターンコマンドと図柄指定コマンドの異常有無の判定により、装飾図柄の変動表示を正常に行うことが不能な変動エラー状態か否かを判定する処理と換言することができる。
ステップS2231において、CPU200は、ステップS2230で変動パターンコマンドと図柄指定コマンドとの間で内容の不一致があると判定された状態、又はステップS2225で変動パターンコマンドを受信済でないと判定された状態の何れかの状態に該当し、不一致又は未受信であると判定した場合には、ステップS2232に進んで第4図柄消灯処理を実行する。
第4図柄は、装飾図柄の変動表示と連動した変動表示を行うために光表示装置45aにおける装飾ランプ45の一部として設けられた変動表示ランプとしてのLEDを指す。ステップS2232でCPU200は、このような変動表示ランプとしてのLEDを消灯状態で維持させるランプデータが設定されるようにするための処理を実行する。
CPU200は、ステップS2232の消灯処理を実行したことに応じ図52に示す処理を終える。
一方、CPU200は、ステップS2231で不一致又は未受信でないと判定した場合には、ステップS2232の消灯処理をパスして図52に示す処理を終える。
ここで、図52の処理によると、変動パターンコマンドと図柄指定コマンドの内容が不一致の場合は、ステップS2230の処理において変動情報として「A000H」が設定されてエラー変動としての図柄の変動表示が行われるが、変動パターンコマンドを未受信の場合には、ステップS2230の処理が実行されない、すなわち、表示情報の設定処理が実行されないことから、装飾図柄の変動表示は実行されず、いわば「変動なし」の状態となる。
また、不一致の場合には、ステップS2227からS2229の何れかの変動シナリオIDの設定処理が実行されることから変動時のシナリオが走る一方、変動パターンコマンドを未受信の場合には、これら変動シナリオIDの設定処理の何れも実行されず、またステップS2230で「A000H」の変動情報が設定されるものでもないため、変動に係る何れのシナリオも走らないことになる。
また、変動パターンコマンドと図柄指定コマンドについて、コマンドが受信されないケース(つまりコマンドが欠落するケース)としては、変動パターンコマンド側ではなく図柄指定コマンド側が欠落するケースもある(前述した図柄指定コマンド受信タイマを参照)。図柄指定コマンドが欠落した場合には、前述したステップS2049のコマンド受信タイマ対応処理において変動情報として「A000H」が設定され、エラー変動が行われる。また、この場合は図柄指定コマンドの受信に応じた図52のコマンド対応処理が実行されないため、変動に係る何れのシナリオも走らないことになる。
また、コマンドが欠落した場合と、コマンド内容が不一致とされた場合のそれぞれについて、残回数、回転数の更新の面で考察してみると、先ず、変動パターンコマンドが欠落した場合(上記した未受信の場合)、残回数のカウント更新については、残回数指定コマンドが受信されることで図48のステップS2203又はS2204で実行され(ただし、本例では時短状態時のみ)、残回数の表示上の更新は、図柄指定コマンドの受信に応じた図52の処理におけるステップS2230で表示情報の設定が行われるため実行されることになる。
また、変動パターンコマンド欠落時において、回転数のカウント更新については、図柄指定コマンドが受信された場合の図52の処理におけるステップS2224で行われ、一方で、回転数の表示上の更新は、図52のステップS2230で表示情報の設定が行われないため、実行されない。
また、コマンドが欠落したケースとして、図柄指定コマンドが欠落した場合は、残回数のカウント更新については、残回数指定コマンドが受信されることで図48の処理により実行され、残回数の表示上の更新は、図52の処理が実行されないことから行われない。また、図柄指定コマンドが欠落した場合の回転数のカウント更新については、図52に示す処理が実行されないため行われず、また、回転数の表示上の更新についても図52の処理が実行されないため行われない。
さらに、変動パターンコマンドと図柄指定コマンドの内容が不一致の場合、残回数のカウント更新については実行され、残回数の表示上の更新についても図52のステップS2230で表示情報が設定されるため行われる。また、該不一致の場合における回転数のカウント更新については、図52のステップS2224の処理が実行されることで行われ、回転数の表示上の更新についてもステップS2230で表示情報が設定されるため行われる。
ここで、上記のような表示処理例1に関して、残回数、回転数のそれぞれについて「表示を行う遊技状態」「カウント更新タイミング」「情報設定タイミング」「変動エラー時の対処」の各観点でまとると、以下のようになる。なお、「情報設定タイミング」は、表示情報の設定タイミング(表示処理例1では図52のステップS2230による情報設定)を意味する。
「表示を行う遊技状態」
残回数=時短状態
回転数=通常状態
「カウント更新タイミング」
残回数=残回数指定コマンド受信時
回転数=図柄停止コマンド受信時
「情報設定タイミング」
回転数=図柄停止コマンド受信時
残回数=図柄停止コマンド受信時
「変動エラー時の対処」
「不一致」の場合
回転数カウント更新=する
回転数表示更新 =する
残回数カウント更新=する
残回数表示更新 =する
「変動パターンコマンド欠落」の場合
回転数カウント更新=する
回転数表示更新 =しない
残回数カウント更新=する
残回数表示更新 =しない
「図柄指定コマンド欠落」の場合
回転数カウント更新=しない
回転数表示更新 =しない
残回数カウント更新=する
残回数表示更新 =しない
また、表示処理例1において、変動エラーが「不一致」の場合と「図柄指定コマンド欠落」の場合には、「A000H」の変動情報の設定によりエラー変動としての装飾図柄の変動表示が行われる。一方、変動エラーが「変動パターンコマンド欠落」の場合は装飾図柄の変動表示は行われない。
以上をまとめるに、表示処理例1は、変動エラー状態と判定される場合に、装飾図柄の変動表示を実行させない一方、回数情報の更新を行うという例(「変動パターンコマンド欠落」の場合)に該当する。
また、表示処理例1は、変動エラー状態と判定される場合に、装飾図柄の変動表示を実行させる一方、回数情報の更新を行わないという例(回転数について「図柄指定コマンド欠落」の場合)にも該当する。
さらに、表示処理例1は、変動エラー状態と判定される場合に、装飾図柄の変動表示を実行させ、回数情報の更新を行うという例(「不一致」の場合、及び残回数について「図柄指定コマンド欠落」の場合)にも該当する。
図54は、残回数の各桁の表示値に関する切替処理を説明するためのフローチャートである。
図54Aは第3桁目、図54Bは第2桁目、図54Cは第1桁目についての切替処理を示している。
この図54に示す切替処理は、CPU200が液晶表示装置36の表示制御処理の一部として実行する処理となる。
ここでは、第3桁目、第2桁目、第1桁目の各切替処理について、ステップ番号の末尾にそれぞれ「-3」「-2」「-1」を付して区別しているが、各切替処理の流れは基本的にはステップST1からステップST5で同じである。
先ず、ステップST1でCPU200は、残回数記憶領域の値を取得する。本例において、ここでの残回数記憶領域は、先のステップS2230の情報設定処理(図52参照)で残回数をセットしたRAM202上の記憶領域を意味する。
続くステップST2でCPU200は、対象とする桁の値の計算処理を実行する。具体的に、第3桁目についてのステップST2-3では、100の位の計算処理として、ステップST1(ST1-3)での取得値について1000で割った余りを100で除する処理を行う。また、第2桁目についてのステップST2-2では、10の位の計算処理として、ステップST1(ST1-2)での取得値について100で割った余りを10で除する処理を行い、さらに、第1桁目についてのステップST2-1では、1の位の計算処理として、ステップST1(ST1-1)での取得値について10で割った余りを計算する処理を行う。
例えば、取得値が「135」である場合、100の位については、135を1000で割った余り=135を100で除するため「1.35」が求まり、10の位については135を100で割った余り=35を10で除するため「3.5」が求まり、1の位については135を10で割った余り=5であるため「5」が求まる。
ステップST2に続くステップST3でCPU200は、残回数オフセット値記憶領域に計算値を格納する。残回数オフセット値記憶領域は、RAM202において、残回数の各桁ごとに設定され、本例では、プログラム変数の型が「8ビット符号なし変数」とされる。符号なし変数は、整数のみを記憶可能なもので小数点以下の数値は記憶されない。このため、小数点以下を含む100の位の計算値、10の位の計算値について、ステップST3の格納処理を行った場合には整数部分の値のみが格納されることになる。
ステップST3に続くステップST4でCPU200は、計算値をオフセット値として、残回数指定テーブルから残回数ナンバを取得する。ここで、残回数指定テーブルは、演出制御部24のROM201に格納されたテーブルであり、残回数ナンバとしての、各桁の表値(0~9)がアドレスごとに記憶されている。
ステップST4でCPU200は、ステップST3で格納した計算値を、残回数指定テーブルにおける先頭アドレスに対するオフセット値として取得し、該オフセット値から特定される残回数指定テーブル上のアドレスに格納されている残回数ナンバを取得する。
ステップST4に続くステップST5でCPU200は、残回数ナンバに基づいて差替処理を実行する。本例において、RAM202には各桁の残回数ナンバを記憶する領域(残回数ナンバ記憶領域)が定められており、ステップST5-3、ST5-2、ST5-1の各処理では、それぞれ対象とする桁の残回数ナンバ記憶領域に記憶されている残回数ナンバを、ステップST4で取得した残回数ナンバに差し替える(上書きする)処理を行う。
図55及び図56は、回転数の各桁の表示値についての切替処理を説明するためのフローチャートであり、図55Aは第4桁目、図55Bは第3桁目、図56Aは第2桁目、図56Bは第1桁目についての切替処理を示している。
これら図55及び図56に示す処理としても、先の図54の切替処理と同様にCPU200が液晶表示装置36の表示制御処理の一部として実行する処理となる。
この場合も各桁の切替処理については末尾にハイフンと桁の数値を付して区別しているが、各切替処理の流れは基本的にはステップST6からステップST10で同じであるため、図54の場合と同様に各桁の処理をまとめた形で説明する。
先ず、ステップST6でCPU200は、回転数記憶領域の値を取得する。ここでの回転数記憶領域は、先のステップS2230の情報設定処理(図52参照)で回転数をセットしたRAM202上の記憶領域を意味する。
続くステップST7でCPU200は、対象とする桁の値の計算処理を実行する。具体的に、第4桁目についてのステップST7-4では、1000の位の計算処理として、ステップST6(ST6-4)での取得値について10000で割った余りを1000で除する処理を行う。なお、第3桁目以下の処理については図54の場合と同様となるため重複説明は避ける。
ステップST7に続くステップST8でCPU200は、回転数オフセット値記憶領域に計算値を格納する。回転数オフセット値記憶領域は、RAM202において回転数の各桁ごとに設定され、プログラム変数の型は、図54で説明した残回数オフセット値記憶領域と同様に「8ビット符号なし変数」とされている。このため、小数点以下を含む10の位以上の各桁の計算値について、ステップST8の格納処理を行った場合には整数部分の値のみが格納されることになる。
ステップST8に続くステップST9でCPU200は、計算値をオフセット値として、回転数指定テーブルから回転数ナンバを取得する。回転数指定テーブルは、演出制御部24のROM201に格納されたテーブルであり、回転数ナンバとしての各桁の表値(0~9)がアドレスごとに記憶されている。
ステップST9でCPU200は、ステップST8で格納した計算値を、回転数指定テーブルにおける先頭アドレスに対するオフセット値として取得し、該オフセット値から特定される回転数指定テーブル上のアドレスに格納されている回転数ナンバを取得する。
ステップST9に続くステップST10でCPU200は、回転数ナンバに基づいて差替処理を実行する。回転数についても、RAM202上には、各桁の回転数ナンバを記憶する領域(回転数ナンバ記憶領域)が定められており、ステップST10-4、ステップST10-3、ST10-2、ST10-1の各処理では、それぞれ対象とする桁の回転数ナンバ記憶領域に記憶されている回転数ナンバを、ステップST9で取得した回転数ナンバに差し替える処理を行う。
なお、上記では、第2桁目以上の桁の値の計算手法として、小数点以下の数値を含む値が計算される手法が採られる例としたが、例えば、第2桁目以上の桁の値の計算については下記のような手法を採ることで、小数点以下の数値が含まれない計算結果が得られるようにできる。
1000の位・・・取得値を1000で割った商
100の位・・・上記1000で割った余りを100で割った商
10の位・・・上記100で割った余りを10で割った商
すなわち、最上位桁の値については、該最上位桁の桁数による数値のうちの最小値(例えば、4桁であれば1000)で割った商とし、それ以下の各桁の値については、一つ上位の桁の値の計算で得られた余りの値を、該当する桁数による数値のうちの最小値で割った商として求めるものである。
[5-4.表示処理例2]
続いて、表示処理例2について説明する。表示処理例2は、回転数のカウント更新及び表示情報の設定を、変動停止時のコマンドの受信を契機として行うものである。
図57は、表示処理例2としての処理を示したフローチャートであり、具体的には、ステップS2100でのコマンド処理として、特別図柄停止コマンドを取り込んだ場合の処理S2100fを示している。
ここで言う「特別図柄指定コマンド」とは、前述した「変動停止コマンド」(図24のステップS1206を参照)を意味するものである。
先ず、CPU200はステップS2251の変動終了処理として、例えばフレームカウントストップ等の変動終了時に対応した所定処理を実行し、続くステップS2252の役物通電全OFF処理として、可動体役物モータ80c全ての通電をOFFとする処理を実行する。
ステップS2252に続くステップS2253でCPU200は、ボタンフラグ全初期化処理として、各種のボタンフラグを全て初期化する処理を実行し、さらに続くステップS2254でシナリオスケジューラ、サウンドスケジューラ、ランプスケジューラの全クリアする処理を実行する。
また、CPU200は続くステップS2255の第4図柄の設定処理として、特図1の当り/はずれ、特図2の当り/はずれの情報を設定する処理を実行する。
そして、CPU200は、ステップS2255の処理を実行したことに応じ、ステップS2256の回転数表示更新処理Iを実行する。
図58は、ステップS2256の回転数表示更新処理Iを示したフローチャートである。
この図58の処理において、CPU200は、先ず、先の図53に示した回転数情報更新処理と同処理(ステップS2241からS2244)を行う。そして、CPU200は、ステップS2244に続くステップS2257で、回転数表示情報の設定を行う。すなわち、ステップS2242又はS2244で更新した回転数記憶領域の値を、主液晶表示装置36Mの表示制御に用いる情報(表示情報)としてRAM202の所定領域にセットする処理を行う。
なお、上記では、回転数のカウント更新と表示情報の設定の双方を変動停止時に行う例としたが、回転数のカウント更新は表示処理例1と同様に変動開始時に行い、回転数の表示情報の設定は変動停止時に行うようにすることもできる。
その場合には、図57に示す処理において、ステップS2256の回転数表示更新処理Iに代えて、図59に示す回転数表示更新処理II(ステップS2256’)を実行する。
図示のように、この回転数表示更新処理IIとしては、ステップS2257の回転数表示情報の設定処理を行う。
なお、確認のため述べておくと、図58に示す回転数表示更新処理Iを実行する場合には、図52に示した処理において、ステップS2224の回転数情報更新処理を実行しないと共に、ステップS2230の情報設定処理では、回転数の表示情報の設定は行わない。
また、図59に示す回転数表示更新処理IIを実行する場合には、図52に示したステップS2230の情報設定処理において、回転数の表示情報の設定を行わない。
上記のように表示処理例2では、回転数についての表示情報の設定が図柄の変動停止時に行われる。
ここで、前述のように回転数の情報は、いわゆるデータランプとしての遊技機1の外部表示装置にも表示されるが、この外部表示装置における回転数の表示更新は、主制御部20が図21に示したタイマ割込み処理における外部端子管理処理(S913)で出力する情報に基づき行われる。そしてこの外部端子管理処理において、主制御部20は、1回分の図柄の変動表示が行われた旨を表す情報の出力を、図柄の変動停止時に行うため、外部表示装置における回転数の表示更新としても図柄の変動停止時に行われる。
従って、表示処理例2のように回転数の表示情報の設定を変動停止時に行うことで、主液晶表示装置36M側と外部表示装置側とで回転数の表示上の更新タイミングを揃えることができる。
ここで、回転数の表示更新を変動停止時に行う場合であっても、残回数の表示更新は変動開始時に行う。本例では、残回数については回数に応じた演出を実行することから、変動の開始時に表示更新が行われていることが望ましい。
ただし、残回数について回数に応じた演出を行わない場合や、変動停止時に残回数表示を更新するが次の変動開始時に更新された残回数に基づいて演出を実行するように構成した場合等には、残回数についても表示更新を変動停止時に行うようにしてもよい。
[5-5.表示処理例3]
表示処理例3は、残回数の表示情報の設定を図柄指定コマンドの受信時でなく、残回数指定コマンドの受信時にカウント更新と共に行うものである。
図60は、表示処理例3としての処理を示したフローチャートであり、具体的には、ステップS2100でのコマンド処理として残回数指定コマンドを取り込んだ場合の処理S2100gを示している。
図示のようにこの処理S2100gでは、図48に示した処理2100bと同様の処理(ステップS2201からS2204)を行う。その上で、この処理2100gにおいてCPU200は、ステップS2203の処理を実行した場合と、ステップS2204の処理を実行した場合のそれぞれにおいて、ステップS2260に進んで残回数情報の設定処理を実行する。すなわち、ステップS2203又はS2204で更新した残回数記憶領域の値を、主液晶表示装置36Mの表示制御に用いる情報(表示情報)としてRAM202の所定領域にセットする処理を行う。
なお、このような表示処理例3としての処理2100gを実行する場合には、図52に示したステップS2230の情報設定処理において、残回数の表示情報の設定を行わない。
この表示処理例3によれば、変動パターンコマンドが欠落した場合(装飾図柄の変動表示が実行されない場合)であっても、上記のステップS2260の処理で残回数の表示情報が設定されるため、残回数の表示更新が行われることになる。
なお確認のため、このような表示処理例3について「カウント更新タイミング」「情報設定タイミング」「変動エラー時の対処」の観点でのまとめを以下に記載しておく。
「カウント更新タイミング」
残回数=残回数指定コマンド受信時
回転数=図柄停止コマンド受信時
「情報設定タイミング」
残回数=残回数指定コマンド受信時
回転数=図柄停止コマンド受信時
「変動エラー時の対処」
「不一致」の場合
回転数カウント更新=する
回転数表示更新 =する
残回数カウント更新=する
残回数表示更新 =する
「変動パターンコマンド欠落」の場合
回転数カウント更新=する
回転数表示更新 =しない
残回数カウント更新=する
残回数表示更新 =する
「図柄指定コマンド欠落」
回転数カウント更新=しない
回転数表示更新 =しない
残回数カウント更新=する
残回数表示更新 =する
[5-6.表示処理例4]
表示処理例4は、回転数、残回数の少なくとも何れか一方の表示情報の設定を、変動パターンコマンド受信時に行うものである。
ここでは、回転数のカウント更新及び表示情報の設定を変動パターンコマンドの受信時に行う例(以下「表示処理例4-1」と表記)と、回転数のカウント更新及び表示情報の設定と共に、残回数の表示情報の設定も変動パターンコマンド受信時に行う例(以下「表示処理例4-2」と表記)とを説明する。
図61は、表示処理例4-1としての処理を示したフローチャートであり、具体的には、ステップS2100でのコマンド処理として変動パターンコマンドを取り込んだ場合の処理S2100hを示している。
このステップS2100hの処理は、先の図50に示したステップS2100dの処理と比較して、ステップS2210の処理とステップS2211の処理との間に、ステップS2256の回転数表示更新処理I(図58)が挿入された点が異なる。
これにより、回転数のカウント更新及び表示情報の設定が変動パターンコマンドの受信を契機に行われる。
ここで、表示制御例1のように回転数のカウント更新と表示情報の設定を図柄指定コマンドについてのコマンド処理(S2100e)において行う場合、この図柄指定コマンドについてのコマンド処理は特図1、2のそれぞれに対応して実行されるため、これら特図1、2のそれぞれの処理で回転数のカウント更新と表示情報の設定処理を実行することになる。
これに対し、変動パターンコマンドについてのコマンド処理は、特図1、2で共通の処理とされるため、上記した表示処理例4-1によれば、回転数のカウント更新及び表示情報の設定処理を特図1、2ごとに分けて実行する必要をなくすことができる。
図62は、表示処理例4-2としての処理を示したフローチャートである(ステップS2100でのコマンド処理として変動パターンコマンドを取り込んだ場合の処理S2100i)。
このステップS2100iの処理は、図50に示したステップS2100dの処理と比較して、ステップS2210の処理とステップS2211の処理との間に、ステップS2256の回転数表示更新処理I(図58)と、該ステップS2256に続く処理としてのステップS2260の残回数情報の設定処理(図60参照)とが挿入された点が異なる。
これにより、回転数のカウント更新及び表示情報の設定と共に、残回数の表示情報の設定が変動パターンコマンドの受信を契機に行われる。
この表示処理例4-2のように変動パターンコマンドについてのコマンド処理において回転数と残回数の双方について表示情報の設定処理を行うことで、図柄指定コマンドが欠落してエラー変動が行われる場合であっても、回転数、残回数のそれぞれについて表示上の更新を行うことができる。
一方で、変動パターンコマンドが欠落して装飾図柄の変動表示が行われない場合には、回転数、残回数のそれぞれについて更新(カウント更新、表示上の更新の双方)を行わないように処理することができる。
なお、確認のため述べておくと、残回数については、残回数指定コマンドによって図柄の変動表示ごとに主制御部20側で管理されている値が指示されるため、上記のように更新を行わなくても、次の変動のときに正しい値に更新されるため、該次の変動以降において主制御部20での管理回数と表示上の回数とに齟齬が生じることの防止を図ることができる。
また、表示処理例4-2において、回転数についての表示情報の設定処理は、表示処理例1の場合と同様に図柄指定コマンドの受信時に行うようにしてもよい。その場合には、図62に示したステップS2256の回転数表示更新処理Iに代えて、図52に示したステップS2224の回転数情報更新処理を実行すればよい。
[5-7.表示処理例5]
表示処理例5は、回転数のカウント更新及び表示情報の設定と、残回数の表示情報の設定の少なくとも一方を、変動エラー状態でないことを条件として実行するものである。
ここでは、回転数のカウント更新及び表示情報の設定のみを変動エラー状態でないことを条件として実行する例(以下「表示処理例5-1」と表記)と、回転数のカウント更新及び表示情報の設定と、残回数の表示情報の設定とを変動エラー状態でないことを条件として実行する例(以下「表示処理例5-2」と表記)とを説明する。
図63は、表示処理例5-1としての処理を示したフローチャートである(ステップS2100でのコマンド処理として図柄指定コマンドを取り込んだ場合の処理S2100j)。
このステップS2100jの処理は、先の図52に示したステップS2100eの処理と比較して、ステップS2224の回転数情報更新処理が省略される一方、ステップS2256の回転数表示更新処理Iが追加された点が異なる。具体的に、この場合のCPU200は、ステップS2231で不一致、未受信の何れの状態でもないと判定した場合に、ステップS2256の回転数表示更新処理Iを実行し、図63に示す処理を終える。
これにより、回転数のカウント更新及び表示情報の設定が、変動エラー状態でないことを条件として実行される。
なお、表示処理例5-1においては、ステップS2230の情報設定処理において回転数についての表示情報の設定は行わない。図中、ステップS2230’の表記はこの旨を表している。
図64は、表示処理例5-2としての処理を示したフローチャートである(ステップS2100でのコマンド処理として図柄指定コマンドを取り込んだ場合の処理S2100k)。
このステップS2100kの処理は、図52に示したステップS2100eの処理と比較して、ステップS2224の回転数情報更新処理が省略される一方、ステップS2256の回転数表示更新処理IとステップS2260の残回数情報の設定処理が追加された点が異なる。具体的に、この場合のCPU200は、ステップS2231で不一致、未受信の何れの状態でもないと判定した場合に、ステップS2256の回転数表示更新処理Iを実行し、続くステップS2260の残回数情報の設定処理を実行して図64に示す処理を終える。
これにより、回転数のカウント更新及び表示情報の設定と、残回数の表示情報の設定とが変動エラー状態でないことを条件として実行される。
なお、表示処理例5-2では、ステップS2230の情報設定処理において回転数、残回数双方についての表示情報の設定を行わない(図中、ステップS2230’’の表記はこの旨を表す)。
確認のため、表示処理例5について、「カウント更新タイミング」「情報設定タイミング」「変動エラー時の対処」の観点でのまとめを以下に記載しておく。
先ず、表示処理例5-1については以下のようになる。
「カウント更新タイミング」
残回数=残回数指定コマンド受信時
回転数=図柄停止コマンド受信時
「情報設定タイミング」
残回数=図柄停止コマンド受信時
回転数=図柄停止コマンド受信時
「変動エラー時の対処」
「不一致」の場合
回転数カウント更新=しない
回転数表示更新 =しない
残回数カウント更新=する
残回数表示更新 =する
「変動パターンコマンド欠落」の場合
回転数カウント更新=しない
回転数表示更新 =しない
残回数カウント更新=する
残回数表示更新 =しない
「図柄指定コマンド欠落」
回転数カウント更新=しない
回転数表示更新 =しない
残回数カウント更新=する
残回数表示更新 =しない
また、表示処理例5-2については以下のようになる。
「カウント更新タイミング」
残回数=残回数コマンド受信時
回転数=図柄停止コマンド受信時
「情報設定タイミング」
残回数=図柄停止コマンド受信時
回転数=図柄停止コマンド受信時
「変動エラー時の対処」
「不一致」の場合
回転数カウント更新=しない
回転数表示更新 =しない
残回数カウント更新=する
残回数表示更新 =しない
「変動パターンコマンド欠落」の場合
回転数カウント更新=しない
回転数表示更新 =しない
残回数カウント更新=する
残回数表示更新 =しない
「図柄指定コマンド欠落」
回転数カウント更新=しない
回転数表示更新 =しない
残回数カウント更新=する
残回数表示更新 =しない
ここで、本例の遊技機1においては、変動エラーが「変動パターンコマンド欠落」の場合は装飾図柄の変動表示は行われない。そして、上記のように表示処理例5においては、回転数は、「変動パターンコマンド欠落」の場合にカウント更新が行われないものである。
この点から理解されるように、表示処理例5は、変動エラー状態と判定される場合に装飾図柄の変動表示を実行させず、回数情報の更新を行わないという例に該当するものである。
[5-8.組み合わせについて]
ここで、残回数、回転数のそれぞれについて、「表示を行う遊技状態」「カウント更新タイミング」「情報設定タイミング」「変動エラー時の対処」については種々の組み合わせが考えられる。
図65から図68は、残回数、回転数のそれぞれについて、「表示を行う遊技状態」「カウント更新タイミング」「情報設定タイミング」の組み合わせを例示した図である。
ここで、残回数についての「表示を行う遊技状態」として、「確変」は確変の残回数を確変状態としての遊技状態において表示することを意味し、「時短」は時短についての残回数を時短状態としての遊技状態において表示することを意味する。
また、回転数についての「表示を行う遊技状態」として、「確変」は残回数が確変の残回数とされる場合において確変状態としての遊技状態において表示することを意味し、「時短」は残回数が時短の残回数とされる場合において時短状態としての遊技状態において表示することを意味する。
さらに、図中の「図柄コマンド受信時」は「図柄指定コマンド受信時」を意味し、「図柄停止コマンド受信時」は「特別図柄停止コマンド受信時」を意味し、「残回数コマンド受信時」は「残回数指定コマンド受信時」を意味する。
これら図65から図68に示すように、「表示を行う遊技状態」「カウント更新タイミング」「情報設定タイミング」の組み合わせについては、図中に示す実行パターンNo.1からNo.192までの組み合わせが考えられる。このうち、例えば前述した表示処理例1は、「表示を行う遊技状態」「カウント更新タイミング」「情報設定タイミング」の組み合わせに関して言えば、実行パターンNo.31に該当する。
また、これら実行パターンNo.1からNo.192の組み合わせに対し、「変動エラー時の対処」の組み合わせとして図69から図72に示す組み合わせが考えられる。なお、これら図69から図72において、「変動パターン欠落」は「変動パターンコマンド欠落」を、「図柄コマンド欠落」は「図柄指定コマンド欠落」を、「停止コマンド欠落」は「特別図柄停止コマンド欠落」をそれぞれ意味する。
なお、特別図柄停止コマンドの欠落の有無は、例えば、特別図柄停止コマンドが未受信の状態で前述した「デモ表示コマンド」又は「大当り開始コマンド」を受信したか否かにより判定することができる。
ここで、図69から図72に示した組み合わせは、変動エラーの要因が「不一致」である場合には回転数、残回数の双方について、カウンタ及び表示を全て「更新」とする例を挙げているが、例えば表示処理例5のように「不一致」の場合に回転数のカウンタ、回転数の表示、残回数の表示のうちの一部又は全部を「未更新」(つまり更新しない)とすることもできる。
また、図69から図72では、カウント更新については、更新の契機となるコマンドが欠落した場合は全てカウンタを「未更新」、欠落していない場合は全てカウンタを「更新」とし、表示更新についても、情報設定(表示情報の設定)の契機となるコマンドが欠落した場合は全て「未更新」、欠落していない場合は全て「更新」とする組み合わせを例示しているが、例えば表示処理例1の場合における変動パターンコマンド欠落時の回転数の場合のように、情報設定の契機となるコマンド(表示更新処理Iでは図柄指定コマンド)が受信されていても、他の特定のコマンド(表示更新処理Iでは変動パターンコマンド)が欠落したことに応じて、表示更新を行わない構成とすることもできる。同様に、カウント更新についても、更新の契機となるコマンドが受信されていても、他の特定のコマンドが欠落したことに応じて更新を行わない構成とすることもできる(例えば、表示処理例5における回転数の場合を参照)。
なお、「変動エラー時の対処」の組み合わせについては、図69から図72に示した組み合わせに限定されず、図68の実行パターンNo.193に示すように、実行パターンNo.1からNo.192の全てのパターンにおいて、エラー変動時(本例では「不一致」及び「図柄コマンド欠落」の場合)はカウンタのみを更新して、表示は一切更新しないようにすることもできる。
また、実行パターンNo.194に示すように、実行パターンNo.1からNo.192の全てのパターンにおいて、エラー変動時は一切更新しない(カウンタ、表示の双方)ようにすることもできる。
さらに、実行パターンNo.195に示すように、実行パターンNo.1からNo.192の全てのパターンにおいて、エラー変動時は残回数に関する情報を更新して回転数に関する情報を更新しないようにしてもよい。
或いは、実行パターンNo.193について、エラー変動時ではく、変動エラーにより変動なしとなる場合(本例では「変動パターン欠落」の場合)にカウンタのみを更新して、表示は一切更新しないようにすることもできる。同様に、実行パターンNo.194について、エラー変動時ではく、変動エラーにより変動なしとなる場合に一切更新しないようにすることもでき、また、実行パターンNo.195について、エラー変動時ではく、変動エラーにより変動なしとなる場合に残回数に関する情報を更新して回転数に関する情報を更新しないようにすることもできる。
[5-9.その他表示例、及び変形例]
ここで、本実施形態の遊技機1においては、回転数の情報を遊技者の操作に応じてリセットすることが可能とされている。
本例では、回転数のリセットは、図柄の変動表示が停止し且つ発射操作ハンドル15がタッチされていないことを条件として可能になる。ここで、発射操作ハンドル15に対するタッチ有無はハンドル83の検出信号に基づき判定できる。
上記条件が満たされたことに応じ、演出制御部24(CPU200)が主液晶表示装置36Mにリセット受付表示を行う。
図73は、リセット受付表示の例を示しており、例えば図中に「X」と示すように、回転数をリセット可能な旨を遊技者に通知するための情報を表示する。本例では、回転数のリセット操作は、十字キー15aにおける左ボタンの長押し操作(例えば3秒間の長押し操作)とされる。
リセット受付表示を行う位置は、例えば図示のように回転数表示領域Anの近傍位置とする。これにより、回転数をリセットしたいと考えている遊技者がリセット受付表示に気付き易くなるようにすることができる。
リセット操作を検知した場合、CPU200は回転数のリセット動作として、RAM202の回転数記憶領域の値を0リセットする処理を行う。
図74は、回転数のリセットに係る各部動作のタイミングチャートである。
上述のように、図柄の変動が停止しハンドルタッチ(発射操作ハンドル15に対するタッチ)がOFFとなったことに応じ、リセット受付表示が行われる(図中、時点t1)。リセット受付表示が行われる期間は、リセット操作の受け付けが行われる期間となる。リセット受付表示の開始後、上述した条件が満たされなくなると、リセット受付表示はOFFとされる。図中では、時点t4においてハンドルタッチが行われた場合と、時点t5において図柄の変動表示が開始された場合に、それぞれリセット受付表示がOFFとなることが示されている。
時点t2は、リセット受付表示がONとされた状態でリセット操作(左ボタンの3秒長押し)が検知された時点を表している。このリセット操作の検知に応じて、回転数のリセット動作が実行される。図中に示すように、本例では、1度の長押し操作に対してリセット動作は1回のみ可能とされる。仮に、図中に例示するように長押し操作が3秒+3秒の6秒間行われたとしても、該長押し操作に対しリセット動作は1回のみ実行される。
また、本例では、長押し操作が変動を跨いで行われる場合には、リセット動作を行わない。図中では、時点t5の変動開始タイミングに対し、長押し操作は該時点t5よりも前に開始されているが、時点t5では長押しの継続時間が3秒に満たなかった場合を例示している。このような場合、回転数のリセット動作は行わない。
ここで、これまでの説明では、回転数や残回数としての回数情報の表示更新のタイミングについて、大まかに変動開始側、変動停止側の何れで行うかを区別したが、変動開始側での更新とする場合、回数情報の表示更新タイミングは、少なくとも図柄の変動開始タイミングから全ての図柄が停止される前までの任意のタイミングとすることができる。
例えば、変動開始側での更新とする場合、回数情報の表示更新は、図柄の変動開始から、遊技機1が選択可能な変動時間のうちの最短の変動時間内に完了させるようにすることができる。具体例としては、図柄の通常変動パターンについて選択可能な変動時間が4秒、6秒、8秒、12秒とされる場合に、最短の変動時間である4秒内に回数情報の表示更新を完了するように構成する等である。
図75は、回数情報の表示更新例を説明するための図である。
図75Aは、装飾図柄の表示領域Azにおける全ての装飾図柄が変動を開始した状態、図75Bは左図柄としての装飾図柄が変動を停止した状態、図75Cは左図柄に続いて中図柄としての装飾図柄が変動を停止した状態、図75Dは左図柄、中図柄に続いて右図柄としての装飾図柄が変動を停止した状態をそれぞれ表している。
この図の例では、回数情報の表示更新を左図柄の変動停止後、中図柄が変動停止となるまでの間に実行することとしている(図75Bから図75Cへの遷移を参照)。
なお、図75では回数情報として回転数を例示したが、残回数についても同様のタイミングで表示更新を行うことが可能である。
なお、これまでの説明では、残回数についてのみ、回数に応じた演出を行う例としたが、回転数についても、回数に応じた演出が行われるようにしてもよい。その場合、回転数に応じた演出は、残回数側と少なくとも一部が異なる所定回数(例えば100回、500回、1000回等)に応じて実行することが考えられる。
回転数に基づく特定の演出を実行する場合には、例えば、当りに当選した場合の変動において、その際の回転数の表示を特定表示態様(例:当選を報知するレインボー色で表示したり、信頼度を示唆する赤色で表示したりする)とするようにしてもよい。また、そのような特定の演出を行う場合において、該特定の演出の実行タイミングについては、回転数の表示を更新するタイミングとしてもよいし、或いは、回転数の表示を更新するタイミングでは特定の演出を未だ実行せずに、変動中の所定のタイミングにおいて特定の演出を実行するように構成してもよい。また、敢えて回転数を更新しないようにして、違和感を与えることにより、当りに当選したことを報知するような演出を実行するようにしてもよい。そのような特定の演出を実行する場合には、表示上は、回転数は更新されないが、カウント更新については正常に実行されるように制御することが望ましい。
また、回転数と残回数を更新するタイミングが同一の場合(例:両方とも変動開始時)に、表示上の更新演出として、回転数と残回数の回数が変化するアニメーションの内容を異ならせるようにしてもよい。例えば、回転数についてはロールアップするような表示アニメーションを用いて更新され、残回数については瞬時に次の数値に切り替わるようなアニメーションを用いて更新されるようにしてもよい。なお、これらはあくまでも一例であって限定はされない。また、一方は更新アニメーションを用いて、もう一方は更新アニメーションを用いることなく更新演出を実行するようにしてもよい。
また、回転数と残回数を更新するタイミングが同一の場合(例:両方とも変動開始時)に、実際に表示上の数値が更新されるタイミングを異ならせるようにしてもよい。例えば、更新するタイミングとなる契機が訪れた際に、回転数が先に更新され、その後残回数が更新されるように構成してもよい。また、残回数が先に更新されて、その後回転数が更新されるようにしてもよい。
主制御部20で行われる図柄抽選の結果、特定の図柄に当選した場合に、大当り遊技を経由することなく所定回数(100回以上も含む)の時短遊技を実行するように構成してもよく、その場合には回転数の表示を継続して行うように構成してもよい。例えば、回転数が700回の時に、特定の図柄に当選した場合には、その後時短遊技が実行されることとなるが、回転数に関しては700⇒701⇒702のように引き続き更新を行うように構成してもよい。一方、当り図柄に当選した場合には、大当りを経由した後、所定回数(100回以上も含む)の時短遊技又は確変遊技が実行されるが、この場合には回転数の表示を継続することなく、新たに更新(例:0から再度カウント)したり、この場合の時短遊技や確変遊技に関しては回転数を表示しないように構成してもよい。
主制御部20で行われる図柄抽選の結果、特定の図柄に当選した場合に、大当り遊技を経由することなく所定回数(100回以上も含む)の時短遊技を実行するように構成してもよく、その場合には残回数の表示は行わないように構成してもよい。一方、当り図柄に当選した場合には、大当りを経由した後、所定回数(100回以上も含む)の時短遊技又は確変遊技が実行されるが、この場合には残回数の表示を行うように構成してもよい。また、これに限らず何れの場合でも残回数を表示するようにしてもよいが、その場合には残回数の表示態様を異ならせるように構成しておくことが望ましい。また、逆に前者の場合には残回数を表示し、後者の場合には残回数を表示しないように構成してもよい。
主制御部20で行われる図柄抽選の結果、特定の図柄に当選した場合に、大当り遊技を経由することなく所定回数(100回以上も含む)の時短遊技を実行する場合に付与される時短の回数と、当り図柄に当選した場合に、大当りを経由した後、所定回数(100回以上も含む)の時短遊技又は確変遊技が実行される場合において付与される時短の回数とを異ならせるように構成してもよい。その場合、前者よりも後者の方が時短の付与回数が大となるように構成することが望ましい。また、前者の方が後者よりも時短の付与回数が大となるように構成してもよい。
主制御部20で行われる図柄抽選の結果、特定の図柄に当選した場合に、大当り遊技を経由することなく所定回数(100回以上も含む)の時短遊技を実行する場合には、回転数とは別に当該時短遊技における変動数を示す時短用回転数表示を実行するように構成してもよい。その場合、回転数と時短用回転数表示とを並行的に表示するようにしてもよいし、時短用回転数表示のみを実行するようにしてもよい。また、回転数は表示するが初期化して更新(0からスタート)させ、同じく時短用回転数表示に関しても更新を開始する(0からスタート)ように構成してもよい。
主制御部20で行われる図柄抽選の結果、特定の図柄に当選した場合に、大当り遊技を経由することなく所定回数(100回以上も含む)の時短遊技を実行する場合に、特定の図柄を複数設定することで、異なる時短回数を付与可能に構成してもよい。例えば、特定図柄1は10000回(実質次回まで時短)、特定図柄2は100回、特定図柄3は50回などを付与可能に構成してもよい。その場合、当選した特定の図柄の種類に応じて、その後の時短遊技における残回数の表示態様を異ならせるように構成してもよい。例えば、特定図柄1の実質次回まで時短に当選した場合には、回数∞のような表示態様としたり、また残回数自体を表示しないように構成してもよい。一方、特定図柄2や特定図柄3に当選した場合には、付与回数に応じた残回数を表示するように構成してもよい。また、その場合に特定図柄2と特定図柄3との間で表示する残回数の表示態様を異ならせるように構成してもよい。また、特定図柄1~3の何れに当選した場合であっても、回転数の表示に関しては、特定の図柄に当選する前の変動数を引き継ぐ形で表示を継続してもよいし、引き継ぐことなく新たに表示を開始(0からスタート)するようにしてもよいし、変動数表示自体を実行しないように構成してもよい。また当選した特定図柄の種類に応じて、変動数の表示に関する表示形態を異ならせるようにしてもよい。例えば、特定図柄1に当選した時短遊技では変動数は表示しないが、特定図柄2や特別図柄3に当選した場合の時短遊技においては変動数を表示する等が考えられる。なお、これらの例はあくまでも一例であり、当選した特定図柄の種類に応じて、変動数の表示の有無や表示態様を任意に組み合わせるようにしてもよい。
また、主制御部20で行われる図柄抽選の結果、特定の図柄に当選した場合に、大当り遊技を経由することなく所定回数(100回以上も含む)の時短遊技を実行する場合に、特定の図柄を複数設定することで、異なる時短回数(例:特定図柄1は10000回(実質次回まで時短)、特定図柄2は100回、特定図柄3は50回など)を付与可能に構成した場合において、何れの特定図柄に当選した場合であっても、共通の残回数表示を実行するようにしてもよい。具体的には、残回数「???回」のような表示である。これにより時短遊技が何回続くかわからない(いつ終わるかわからない)という緊張感を与えることができる。また、特定事象(例:特定の予告抽選に当選したり、大当りに当選した場合など)を契機に残回数を表示するようにしてもよい。具体的には、その変動を実行している際の内部カウンタの値を参照することで残回数を表示する。このような構成の場合、残回数を表示していない期間(例:???回)も内部的には残回数をカウントしている必要がある。また、一方、当り図柄に当選した場合には、大当りを経由した後、所定回数(100回以上も含む)の時短遊技又は確変遊技が実行されるが、この場合には、残回数を表示しておくこと(???回ではなく実際の残回数)が望ましい。
主制御部20で行われる図柄抽選の結果、特定の図柄に当選した場合に、大当り遊技を経由することなく所定回数(100回以上も含む)の時短遊技を実行する第1当選結果と、当り図柄に当選した場合に、大当りを経由した後、所定回数(100回以上も含む)の時短遊技又は確変遊技が実行される第2当選結果とがある場合に、第2当選結果については設定値Veに応じて当選確率が変化する一方、第1当選結果については設定値Veに応じて当選確率が変化しないように構成してもよい。例えば、設定した設定値Veによって取得した乱数値(例:65535)のうち、当りであると判定する乱数の幅(例:100~120等)と、はずれであると判定する乱数の幅(100~120以外)が異なる。このように設定値Veに応じてはずれであると判定する乱数値の幅が異なるため、仮に特定の図柄をはずれ図柄に設定した場合には、はずれに当選する確率が相対的に高い設定値Veの方が、はずれに当選する確率が相対的に低い設定値Veに比べて、はずれ図柄が選択されやすいので、その分だけはずれ図柄における特定の図柄に当選する可能性も高くなる。或いは、このように設定値Veに応じて特定の図柄に当選する可能性を異ならせるように構成してもよいが、次のように構成してもよい。例えば、当否抽選において特定はずれの幅(例:60000~60500)などを設け、その特定はずれに該当する乱数値を取得した場合にのみ特定の図柄に当選可能となるように構成してもよい。このように特定はずれの幅を設けておくことで、設定値Veが変更され当りであると判定する乱数の幅(例:100~120等)が変化したとしても、特定はずれの幅(例:60000~60500)は何ら影響を受けないので、設定値Veが変更されても、当選確率が変わらないように構成することができる。
このように、何れの手法を採用したとしても、それぞれに第1当選結果に関する遊技性の興趣が高まることが想定されるので、設定値Veに応じて第1当選確率が異なるように構成してもよいし、異ならないように構成してもよい。
主制御部20で行われる図柄抽選の結果、特定の図柄(特定の図柄は複数でもよい)に当選した場合に大当り遊技を経由することなく所定回数(100回以上も含む)の時短遊技を実行する場合と、当り図柄に当選した場合に大当りを経由した後、所定回数(100回以上も含む)の時短遊技又は確変遊技が実行される場合とにおいて、何れの時短遊技においても、残回数を示すコマンドを主制御部20から演出制御部24に送信するように構成してもよい。また、前者の場合には残回数を示すコマンドを主制御部20から演出制御部24に送信せずに、後者の場合にのみ送信するように構成してもよい。
主制御部20で行われる図柄抽選の結果、特定の図柄(特定の図柄は複数でもよい)に当選した場合に大当り遊技を経由することなく所定回数(100回以上も含む)の時短遊技を実行する場合と、当り図柄に当選した場合に大当りを経由した後、所定回数(100回以上も含む)の時短遊技又は確変遊技が実行される場合とにおいて、電チューの開放パターンを異ならせるように構成してもよい。この場合、前者の方が後者よりも電チューへ入賞しやすい開放パターンとするようにしてもよい。また、後者の方が前者よりも電チューへ入賞しやすい開放パターンとするようにしてもよい。
主制御部20で行われる図柄抽選の結果、特定の図柄(特定の図柄は複数でもよい)に当選した場合に大当り遊技を経由することなく所定回数(100回以上も含む)の時短遊技を実行する場合と、当り図柄に当選した場合に大当りを経由した後、所定回数(100回以上も含む)の時短遊技又は確変遊技が実行される場合とにおいて、異なる電チューを使用して、時短遊技を実行するように構成してもよい。また、異なる電チューを使用する場合には、前者の場合には遊技球の発射方向が盤面左側で、特図1(ヘソ)の入賞が可能な方向と同方向にある電チュー(特図1、2のどちらでもよいこととする)を使用し、後者の場合には遊技球の発射方向が盤面右側で、特図2(電チュー)を使用するように構成してもよい。また前者の場合でも、遊技球の発射方向が盤面右側で、特図2(電チュー)を使用するように構成し、どちらの場合にも共通の電チューを使用する構成としてもよい。
主制御部20で行われる図柄抽選の結果、特定の図柄(特定の図柄は複数でもよい)に当選した場合に大当り遊技を経由することなく所定回数(100回以上も含む)の時短遊技を実行する場合と、当り図柄に当選した場合に大当りを経由した後、所定回数(100回以上も含む)の時短遊技又は確変遊技が実行される場合とにおいて、特図1(ヘソ)には、特定の図柄が少なくとも1以上設定されている一方、特図2(電チュー)には、特定の図柄を設定しないように構成してもよい。また、特図1(ヘソ)には、特定の図柄が複数あり、特図2(電チュー)には、それよりも少ない数の特定の図柄を設定するように構成してもよい。また、特図2(電チュー)には、特定の図柄が少なくとも1以上設定されている一方、特図1(ヘソ)には、特定の図柄を設定しないように構成してもよい。また、特図2(電チュー)には、特定の図柄が複数あり、特図1(電ヘソ)には、それよりも少ない数の特定の図柄を設定するように構成してもよい。また特定の図柄の数に限らず、特定の図柄の当選確率を前述の関係性となるように設定するように構成してもよい。
主制御部20で管理する遊技状態を示すフラグを記憶する領域に関して、主制御部20で行われる図柄抽選の結果、特定の図柄(特定の図柄は複数でもよい)に当選した場合に大当り遊技を経由することなく所定回数(100回以上も含む)の時短遊技を実行する場合と、当り図柄に当選した場合に大当りを経由した後、所定回数(100回以上も含む)の時短遊技又は確変遊技が実行される場合とにおいて、遊技状態を示すフラグを記憶する領域をそれぞれ設けるように構成してもよい。何れの場合も遊技状態としては時短遊技であるが、その場合でもそれぞれ異なる遊技状態を示すフラグとして、異なる記憶領域に現在の遊技状態を示すフラグを記憶するように構成してもよい。
また、何れの場合も時短遊技であることには違いないので、遊技状態を示すフラグを記憶する領域として共通の記憶領域に現在の遊技状態を示すフラグを記憶するようにしてもよい。また、異なる記憶領域と共通の記憶領域をそれぞれ設け、遊技の進行に応じて、適切に各フラグの管理を行うように構成してもよい。また、特図1と特図2とでそれぞれ別々の記憶領域を設定するように構成してもよい。
主制御部20で行われる図柄抽選の結果、特定の図柄(特定の図柄は複数でもよい)に当選した場合に大当り遊技を経由することなく所定回数(100回以上も含む)の時短遊技を実行する場合と、当り図柄に当選した場合に大当りを経由した後、所定回数(100回以上も含む)の時短遊技又は確変遊技が実行される場合とにおいて、時短遊技状態を開始させる際に使用する時短開始時プログラムを共通化し、共通の時短開始時プログラムモジュールにて、時短遊技状態を開始させるための処理を実行するように構成しても良い。これにより、プログラム容量の削減を図ることができる。
主制御部20で行われる図柄抽選の結果、特定の図柄(特定の図柄は複数でもよい)に当選した場合に大当り遊技を経由することなく所定回数(100回以上も含む)の時短遊技を実行する場合と、当り図柄に当選した場合に大当りを経由した後、所定回数(100回以上も含む)の時短遊技又は確変遊技が実行される場合とにおいて、時短遊技状態を終了させる際に使用する時短終了時プログラムを共通化し、共通の時短終了時プログラムモジュールにて、時短遊技状態を終了させるための処理を実行するように構成しても良い。これにより、プログラム容量の削減を図ることができる。
主制御部20で行われる図柄抽選の結果、特定の図柄(特定の図柄は複数でもよい)に当選した場合に大当り遊技を経由することなく所定回数(100回以上も含む)の時短遊技を実行する場合と、当り図柄に当選した場合に大当りを経由した後、所定回数(100回以上も含む)の時短遊技又は確変遊技が実行される場合とにおいて、時短遊技が終了した際に設定するフラグの種類や数を異ならせるように構成してもよい。例えば、後者の場合には、時短状態が終了する際に、普通電動役物開放延長フラグ(電チューの開放延長)、普通図柄時短状態フラグ(普通図柄抽選の時短)、普通図柄確変状態フラグ(普通図柄抽選の確変)、特別図柄時短フラグ(特別図柄変動の時短)、特別図柄確変状態フラグ(特別図柄抽選の確変)を所定情報(例:通常時の情報)となるように設定して、時短遊技を終了するが、前者の場合にも同様にこれらのフラグを所定情報(例:通常時の情報)となるように設定して、時短遊技を終了するように構成してもよい。このように、共通とすることで、例えば時短遊技状態の設定を行う際に使用する時短遊技状態設定テーブルなどがある場合には、前者と後者とで共通の時短遊技状態設定テーブルを使用することができるので、プログラムの容量を削減することが可能となる。また、時短遊技状態の設定を行う際に限らず、時短遊技状態を終了させる際に使用する時短遊技状態終了設定テーブルなどがある場合には、こちらに関しても前者と後者とで共通のテーブルを使用するようにしてもよい。これによりプログラム容量を削減することが可能となる。また、前者と後者とで、少なくとも1つのフラグの設定に関して、時短遊技中の設定内容を異ならせるように構成してもよい。
主制御部20で行われる図柄抽選の結果、特定の図柄(特定の図柄は複数でもよい)に当選した場合に大当り遊技を経由することなく所定回数(100回以上も含む)の時短遊技を実行する場合と、当り図柄に当選した場合に大当りを経由した後、所定回数(100回以上も含む)の時短遊技又は確変遊技が実行される場合とにおいて、電チューの開放パターンを共通とする場合には、電チューの開放パターンデータが記述された開放パターンデータテーブルを共通化するように構成しても良い。これにより、プログラムデータの容量を削減することが可能となる。また、電チューの開放パターンを異ならせる場合には、異なる開放パターンデータテーブルを設けるようにしてもよい。
主制御部20で行われる図柄抽選の結果、特定の図柄(特定の図柄は複数でもよい)に当選した場合に大当り遊技を経由することなく所定回数(100回以上も含む)の時短遊技を実行する場合と、当り図柄に当選した場合に大当りを経由した後、所定回数(100回以上も含む)の時短遊技又は確変遊技が実行される場合とにおいて、電チューの開放前の開放前INT(インターバル)時間や、開放後INT時間とを共通の時間とするようにしてもよい。この場合、開放前INT時間や開放後INT時間が記述されたINTデータテーブルを設けて、共通のINTデータテーブルを使用することで、プログラムのデータ容量を削減するように構成しても良い。また、これに限らず、異なる開放前INT時間や、開放後INT時間を設定するようにしてもよく、その場合には、異なるINTデータテーブルを使用するように構成しても良い。
主制御部20で行われる図柄抽選の結果、特定の図柄(特定の図柄は複数でもよい)に当選した場合に大当り遊技を経由することなく所定回数(100回以上も含む)の時短遊技を実行する場合と、当り図柄に当選した場合に大当りを経由した後、所定回数(100回以上も含む)の時短遊技又は確変遊技が実行される場合とにおいて、前者に当選した場合の図柄変動後の図柄確定時間と、後者に当選した場合の図柄変動後の図柄確定時間とを異ならせるように構成しても良い。また、前者の図柄確定時間を後者の図柄確定時間よりも長くなるように構成しても良い。また、前者の場合、その時間を利用して、図柄確定時間の経過後(例:次の図柄変動開始から)に、時短遊技が開始することを遊技者に対して報知するための報知演出を実行するように構成しても良い。このような報知演出は後者の図柄確定時間においては実行することのない演出である。また、その際、図柄確定時間の経過後(例:次の図柄変動開始から)に、遊技球の打ち出し方向が変化する場合(例:左打ちから右打ちに変更)には、その旨を示す報知として、例えば右打ち報知や、右打ち報知が開始されることに関する示唆等の表示を実行するように構成してもよい。
また、これに限らず、前者の場合の図柄確定時間を後者の場合の図柄確定時間よりも短く設定しても良い。
主制御部20で行われる図柄抽選の結果、特定の図柄(特定の図柄は複数でもよい)に当選した場合に大当り遊技を経由することなく所定回数(100回以上も含む)の時短遊技を実行する場合と、当り図柄に当選した場合に大当りを経由した後、所定回数(100回以上も含む)の時短遊技又は確変遊技が実行される場合とにおいて、前者に当選した場合の変動中において、図柄確定時間の経過後(例:次の図柄変動開始から)に、時短遊技が開始することを遊技者に対して報知するための報知演出を実行するように構成しても良い。このような報知演出は後者の変動中においては実行することのない演出である。また、その際、図柄確定時間の経過後(例:次の図柄変動開始から)に、遊技球の打ち出し方向が変化する場合(例:左打ちから右打ちに変更)には、その旨を示す報知として、例えば右打ち報知や、右打ち報知が開始されることに関する示唆等の表示を実行するように構成してもよい。
主制御部20で行われる図柄抽選の結果、特定の図柄(特定の図柄は複数でもよい)に当選した場合に大当り遊技を経由することなく所定回数(100回以上も含む)の時短遊技を実行する場合と、当り図柄に当選した場合に大当りを経由した後、所定回数(100回以上も含む)の時短遊技又は確変遊技が実行される場合とにおいて、異なる外端信号を出力するように構成しても良い。これにより、ホール側に設置されたデータランプ等で、前者の時短遊技が行われた実行回数と、後者の時短遊技が行われた実行回数とを個別に表示することができ、遊技者が遊技を行う際の参考データとすることが可能となる。また、これに限らず、前者と後者とで共通の外端信号を出力するように構成しても良い。このように共通化することで、前者と後者の場合とで外端信号の出力処理を共通化することができ、プログラム容量を削減することが可能となる。
主制御部20で行われる図柄抽選の結果、特定の図柄(特定の図柄は複数でもよい)に当選した場合に大当り遊技を経由することなく所定回数(100回以上も含む)の時短遊技を実行する場合と、当り図柄に当選した場合に大当りを経由した後、所定回数(100回以上も含む)の時短遊技又は確変遊技が実行される場合とにおいて、主制御部20で管理する特図セグにて表示する図柄表示パターンを異ならせるように構成してもよい。また、前者に当選した場合に表示される図柄表示パターンは、後者に当選した場合に表示される図柄表示パターンには含まれない表示パターンとするようにしてもよい。また、前者や後者に当選した場合に表示される図柄表示パターンがそれぞれ複数ある場合には、前者に当選した場合の図柄表示パターンの総数と後者に当選した場合の図柄表示パターンの総数とを異ならせるように構成しても良い。また、前者の総数の方が少なく、後者の総数の方が多くなるように設定しても良いし、その逆でもよい。
変動パターンテーブルとして、保留別、確変用、当り経由の時短用、はずれ用、はずれ経由の時短用とを設定し、当否抽選や図柄抽選の結果に基づいて、それぞれ異なる変動パターンテーブルを参照して、変動パターンの選択処理を実行するように構成してもよい。
主制御部20で行われる図柄抽選の結果、特定の図柄(特定の図柄は複数でもよい)に当選した場合に大当り遊技を経由することなく所定回数(100回以上も含む)の時短遊技を実行する場合と、当り図柄に当選した場合に大当りを経由した後、所定回数(100回以上も含む)の時短遊技又は確変遊技が実行される場合とにおいて、時短遊技中に保留入賞した場合に表示される保留表示態様を異ならせるように構成してもよいし、共通の保留表示態様となるように構成してもよい。
主制御部20で行われる図柄抽選の結果、特定の図柄(特定の図柄は複数でもよい)に当選した場合に大当り遊技を経由することなく所定回数(100回以上も含む)の時短遊技を実行する場合と、当り図柄に当選した場合に大当りを経由した後、所定回数(100回以上も含む)の時短遊技又は確変遊技が実行される場合とにおいて、時短遊技中に電チューへの入賞があった場合の演出態様を異ならせるようにしてもよい。具体的には、電チューへの入賞を契機に行う入賞時演出(例:入賞したタイミングで電チューや盤枠のランプを点灯させたり、音声出力演出を行う)を、前者の場合には実行しないように構成し、後者の場合には実行可能となるように構成してもよい。また、前者の場合には実行し、後者の場合には実行しないように構成しても良い。また、入賞時演出に限らず、その他の予告に関しても、前者と後者とで実行の可否を異ならせるように構成してもよい。
主制御部20で行われる図柄抽選の結果、特定の図柄(特定の図柄は複数でもよい)に当選した場合に大当り遊技を経由することなく所定回数(100回以上も含む)の時短遊技を実行する場合において、図柄抽選に用いる乱数は、ソフト乱数でもよいしハード乱数を使用するように構成しても良い。また、ソフト乱数を使用する場合に、その総数を当否抽選に使用するハード乱数の総数と略同数(65535)としてもよい。また、ソフト乱数を複数使用して、図柄抽選を行うように構成しても良い。
主制御部20で行われる図柄抽選の結果、特定の図柄(特定の図柄は複数でもよい)に当選した場合に大当り遊技を経由することなく所定回数(100回以上も含む)の時短遊技を実行する場合において、当否抽選の結果、所定の乱数値を取得した場合(例:当否抽選に使用する乱数の取得値が65000~65500の間)にのみ参照されるはずれ時短用テーブルを用いて、特定の図柄に当選しているか否かの判定を行うように構成しても良い。その場合には、当否抽選の際に使用する乱数の生成とは別のソフト乱数又はハード乱数による乱数生成により取得した図柄乱数に基づき、特定の図柄に当選しているか否かを判定する。その際に用いる判定テーブルとして、前述のはずれ時短用テーブルを用いるように構成しても良い。このように、当否抽選の判定結果から、その後行う図柄抽選の判定で使用するテーブルの種類を異ならせるように構成してもよく、その場合には、当否抽選の結果がはずれの場合と、当りの場合と、小当りの場合と、はずれ時短の場合とで、それぞれ異なる判定テーブルを使用して図柄判定を行うように構成しても良い。また、この場合にははずれ時短用テーブルに時短回数を決定するために用いる情報を記述しておくようにしてもよい。ここで、はずれ用テーブルには時短回数を決定するために用いる情報は含まれていない。
上記により説明してきた特定の図柄は、当否抽選においてはずれと判定された場合に抽選される図柄として設定することが望ましい。このように、従来のような当否抽選において当りと判定された場合に抽選される図柄抽選の結果、時短遊技の付与回数が設定されるものに加えて、当否抽選においてはずれと判定された場合に抽選される図柄抽選の結果、時短遊技の付与回数が設定されるものを設定するように構成してもよい。
ここで、回転数等の遊技に関する種々の情報を表示する装置としてのデータランプ(ホール場において遊技機の上方に設置される)の表示情報が、遊技枠の意匠や役物により遊技中の遊技者目線では目視できない又は困難な場合(そのような遊技枠の構成を採用した場合)、液晶表示装置における回転数及び/又は残回数の情報は、遊技機に正対して(遊技機の正面と向き合って)遊技する遊技者の目線において目視可能な位置に表示することが望ましい。また、遊技者がデータランプの表示内容を確認するために遊技枠の意匠や役物により阻害されない視角からデータランプを見た場合には、液晶表示装置に表示される回転数及び/又は残回数の情報が確認できないように構成しても良い。すなわち、液晶表示装置の画面上における何れの位置に回転数及び/又は残回数を表示するかという点において、遊技機に正対して遊技する遊技者が目視可能な位置で且つ、遊技機枠の意匠や役物を避けてデータランプの表示情報を確認できる位置まで移動した遊技者の視点からは回転数及び/又は残回数が確認できない位置に表示することが望ましい。このように、液晶表示装置上の回転数及び/又は残回数の表示情報、又はデータランプ上の表示情報の何れか一方を確認する場合に、一方を確認可能な視点からは他方を確認できないように構成することで、両方を目視可能な位置に表示する場合に比べて、回転数及び/又は残回数に関する情報を確認可能な視野が広くなるので、遊技者が情報を確認可能な視野を広くすることが可能となる。
なお、このような表示の関係性については、回転数の表示についてのみ成立するように構成しても良いし、残回数の表示についてのみ成立するように構成しても良い。また、回転数表示と残回数表示との関係においても、上述の関係性となるように表示位置を工夫することもできる。
<6.実施形態のまとめ>
上記のように実施形態としての第一の遊技機(パチンコ遊技機1)は、始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示される図柄が所定の組み合わせにより停止表示された場合に遊技者にとって有利な有利状態に制御する遊技機であって、有利状態に制御するか否かを決定する処理を行う主制御手段(主制御部20)と、主制御手段が送信する指示情報(演出制御コマンド)に基づき、図柄の変動表示が行われる表示手段(主液晶表示装置36M)の制御を行う演出制御手段(演出制御部24)と、を備え、図柄の変動表示ごとに更新されるべき回数を表す情報であって互いが異なる種別の回数を表す第一回数情報と第二回数情報(残回数と回転数)を表示手段に表示可能とされている。
そして、演出制御手段は、主制御手段が送信する指示情報に基づいて第一回数情報と第二回数情報の更新を行う更新手段(ステップS2203やS2204、S2242やS2244等)を有し、更新手段は、指示情報のうち第一指示情報の受信を契機として第一回数情報を更新し、指示情報のうち第一指示情報とは異なる第二指示情報の受信を契機として第二回数情報を更新する。
すなわち、第一回数情報と第二回数情報とで、情報更新の契機となる指示情報の種類が異なる。
ここで、第一回数情報、第二回数情報の例としては、図柄の変動表示の累積回数(以下「回転数」と表記)を表す情報や、図柄の変動表示を行う総回数が規定された特定の遊技状態における変動の残り回数(以下「残回数」と表記)の情報とを挙げることができる。残回数については、遊技進行に密接に関連する情報であるため、主制御手段側で回数を管理し、演出制御手段に該管理された残回数を指示する指示情報を送信することが考えられる。このため、残回数の更新は、例えば変動の開始を指示する指示情報等、変動ごとに送信される任意の指示情報の受信に応じて行うのではなく、該残回数を指示する指示情報の受信に応じて行うべきである。一方で、回転数については、変動の回数をカウントするものであるから、その更新は、図柄の変動表示に必要な情報を指示する指示情報か、或いは図柄の変動表示が行われたことを表す指示情報の受信ごとに行うべきである。
この例から理解されるように、第一回数情報と第二回数情報については、情報更新の契機となる指示情報の種類を異ならせることで、正確な回数情報の表示を行うことが可能とされる。従って、図柄の変動に係る回数情報について適切な表示制御を行うことができる。
また、実施形態としての第一の遊技機においては、更新手段は、主制御手段が図柄の変動開始の際に送信する第一、第二指示情報の受信を契機として第一、第二回数情報を更新している。
これにより、図柄の変動開始に合わせて回数情報の表示を更新することが可能とされる。
従って、図柄の変動が開始したにも拘わらず回数情報の表示が更新されないことにより遊技者が抱く違和感の緩和を図ることができる。
さらに、実施形態としての第一の遊技機においては、第一、第二回数情報のうち一方は変動表示ごとに加算される回数情報とされ、他方は変動表示ごとに減算される回数情報とされている。
これにより、回転数のように変動ごとに加算されるべき回数情報と、残回数のように変動ごとに減算されるべき回数情報とについて、適切な表示制御を行うことができる。
さらにまた、実施形態としての第一の遊技機においては、第一回数情報と第二回数情報は表示可能な桁数が異なっている。
これにより、回転数のように変動ごとに加算されるべき回数情報については値のオーバーフローをし難くするため桁数を多くし、残回数のように変動ごとに減算されるべき回数情報については少ない桁数とすることが可能とされる。
従って、回数情報の種別に応じた適切な桁数での表示を行うことができる。
また、実施形態としての第一の遊技機においては、第一、第二回数情報のうち一方は回数情報に応じた特定の演出が実行可能であり、他方は回数情報に応じた特定の演出を実行しない。
これにより、特定の演出動作実行の一条件とされる回数情報と、特定の演出動作実行の一条件とされない回数情報とについて、情報更新の契機となる指示情報の種類が異なる。
特定の演出動作実行の一条件とされる回数情報ついては、遊技進行に密接に関連する情報であるため、主制御手段側で回数を管理し、演出制御手段に該管理された回数を指示する指示情報を送信することが考えられる。このため、特定の演出動作実行の一条件とされる回数情報の更新は、例えば変動の開始を指示する指示情報等、変動ごとに送信される任意の指示情報の受信に応じて行うのではなく、上記のように主制御手段側で管理される回数を指示する指示情報の受信に応じて行うべきである。一方で、特定の演出動作実行の一条件とされない回数情報については、変動ごとの更新が前提とされるものであるから、その更新は、図柄の変動表示に必要な情報を指示する指示情報か、或いは図柄の変動表示が行われたことを表す指示情報の受信ごとに行うべきである。
このように、回数情報に応じた特定の演出動作が実行される回数情報と、回数情報に応じた特定の演出動作が実行されない回数情報については、情報更新の契機となる指示情報の種類を異ならせることで、正確な回数情報の表示を行うことが可能とされ、従って、これらの回数情報について適切な表示制御を行うことができる。
さらに、実施形態としての第一の遊技機においては、更新手段は、第一、第二回数情報のうち回数情報に応じた特定の演出が実行可能な回数情報を、主制御手段が図柄の変動開始の際に送信する指示情報の受信を契機に更新している。
これにより、表示上、回数情報が示す回数が特定の演出動作が実行される回数に達していないのにも拘わらず該演出動作が実行されてしまうことの防止が図られる。
従って、遊技者の混乱防止を図ることができる。
さらにまた、実施形態としての第一の遊技機においては、演出制御手段は、更新手段が更新した第一、第二回数情報を表示手段に表示させるための表示情報の設定を行う情報設定手段(例えばS2230やS2257)を有し、情報設定手段は、第一、第二回数情報のうち少なくとも一方についての表示情報の設定を、主制御手段が図柄の変動終了の際に送信する指示情報の受信を契機に実行している(図57及び図58参照)。
これにより、例えばデータランプ等の外部表示装置が第一、第二回数情報のうち少なくとも一方についての表示更新を変動終了の際に行う場合において、外部表示装置側と回数情報の表示更新タイミングを揃えることが可能とされる。
従って、遊技機の表示手段と外部表示装置との間で回数情報の更新タイミングがずれることによる違和感の緩和を図ることができる。
また、実施形態としての第一の遊技機においては、演出制御手段は、更新手段が更新した第一、第二回数情報を表示手段に表示させるための表示情報の設定を行う情報設定手段を有し、第一、第二回数情報のうち少なくとも一方の回数情報について、更新手段による情報更新と情報設定手段による表示情報の設定とが、主制御手段が送信する異なる指示情報の受信を契機に行われている(例えば、表示処理例1における残回数のカウント更新と情報設定のタイミングを参照)。
これにより、例えば更新手段による回数情報の更新については特定の指示情報の受信を契機として行い、表示情報の設定については該特定の指示情報とさらに別の指示情報との受信を契機として行うようにする等、回数情報の種類に応じて、回数情報の更新を行う条件と表示情報の設定を行う条件とを適切に設定することが可能とされる。
従って、図柄の変動に係る回数情報について適切な表示制御を行うことができる。
さらに、実施形態としての第一の遊技機においては、第一、第二回数情報のうち一方は、図柄の変動表示の累積回数を表す累積回数情報とされ、他方は前記図柄の変動表示を行う総回数が規定された特定の遊技状態における変動の残り回数を表す残回数情報とされている。
これにより、累積回数情報と残回数情報とで、情報更新の契機となる指示情報の種類が異なる。
従って、累積回数と残回数とについて正確な回数情報の表示を行うことが可能とされ、図柄の変動に係る回数情報について適切な表示制御を行うことができる。
さらにまた、実施形態としての第一の遊技機においては、演出制御手段は、更新手段が更新した第一、第二回数情報を表示手段に表示させるための表示情報の設定を行う情報設定手段を有し、情報設定手段は、累積回数情報についての表示情報の設定を、主制御手段が図柄の変動終了の際に送信する指示情報の受信を契機に実行している。
これにより、例えばデータランプ等の外部表示装置が累積回数情報の表示更新を変動終了の際に行う場合において、外部表示装置側と累積回数情報の表示更新タイミングを揃えることが可能とされる。
従って、遊技機の表示手段と外部表示装置との間で累積回数情報の更新タイミングがずれることによる違和感の緩和を図ることができる。
また、実施形態としての第一の遊技機においては、演出制御手段は、更新手段が更新した第一、第二回数情報を表示手段に表示させるための表示情報の設定を行う情報設定手段を有し、情報設定手段は、第一、第二回数情報についての表示情報の設定を、主制御手段が送信する同一の指示情報の受信を契機に実行している(例えば、表示処理例1における回転数と残回数の情報設定タイミング:S2230を参照)。
すなわち、第一、第二回数情報の表示上の更新は、主制御手段が送信する共通の指示情報の受信を条件として実行される。例えば、図柄の変動表示を行うために必要とされる情報を指示する指示情報としての、共通の指示情報の受信を条件として実行されるようにすることが可能であり、これにより、第一、第二回数情報の表示上の更新は、図柄の変動表示が正常に行われることを一条件として実行されるようにすることが可能とされる。
従って、正常に変動表示が行われた場合のみを対象として第一、第二回数情報の表示上の更新を行うという面で、適切な表示制御を行うことができる。
実施形態としての第二の遊技機(パチンコ遊技機1)は、始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示される図柄が所定の組み合わせにより停止表示された場合に遊技者にとって有利な有利状態に制御する遊技機であって、有利状態に制御するか否かを決定する処理を行う主制御手段と、主制御手段が送信する指示情報に基づき、図柄の変動表示が行われる表示手段の制御を行う演出制御手段と、を備え、図柄の変動表示ごとに更新されるべき回数を表す情報である回数情報を表示手段に表示可能とされいる。
そして、演出制御手段は、主制御手段が図柄の変動表示ごとに送信する指示情報である変動時指示情報に基づいて回数情報の更新を行う更新手段と、変動時指示情報の異常有無の判定により、変動表示を正常に行うことが不能な変動エラー状態か否かを判定する変動エラー判定手段と、を有する。
さらに、演出制御手段は、変動エラー判定手段により変動エラー状態であると判定される場合において、表示手段に図柄の変動表示を実行させない一方、更新手段による回数情報の更新を行うものである。
変動エラー状態と判定される場合であっても、主制御手段から何らかの変動時指示情報が送信されている場合には、主制御手段側では図柄の変動表示が行われたものとして管理されている。そのため、変動エラー状態との判定に応じて、表示手段に変動表示を行わない場合であっても、上記のように回数情報の更新は行っておく。
これにより、図柄の変動に係る回数情報について、主制御手段側での管理状態と一致させるという面で、適切な表示制御を行うことができる。
実施形態としての第三の遊技機(パチンコ遊技機1)は、始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示される図柄が所定の組み合わせにより停止表示された場合に遊技者にとって有利な有利状態に制御する遊技機であって、有利状態に制御するか否かを決定する処理を行う主制御手段と、主制御手段が送信する指示情報に基づき、図柄の変動表示が行われる表示手段の制御を行う演出制御手段と、を備え、図柄の変動表示ごとに更新されるべき回数を表す情報である回数情報を表示手段に表示可能とされている。
そして、演出制御手段は、主制御手段が図柄の変動表示ごとに送信する指示情報である変動時指示情報に基づいて回数情報の更新を行う更新手段と、変動時指示情報の異常有無の判定により、変動表示を正常に行うことが不能な変動エラー状態か否かを判定する変動エラー判定手段と、を有している。
さらに、演出制御手段は、変動エラー判定手段により変動エラー状態であると判定される場合において、表示手段に図柄の変動表示を実行させず、更新手段による回数情報の更新を行わないものである。
変動エラー状態と判定される場合には、上記のように表示手段に変動表示が行われないため、回数情報としても更新されるべきでないと考えることができる。
従って、上記構成によれば、変動に係る回数情報について、正常に変動表示が行われた場合のみを対象として回数の更新を行うという面で、適切な表示制御を行うことができる。
実施形態としての第四の遊技機(パチンコ遊技機1)は、始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示される図柄が所定の組み合わせにより停止表示された場合に遊技者にとって有利な有利状態に制御する遊技機であって、有利状態に制御するか否かを決定する処理を行う主制御手段と、主制御手段が送信する指示情報に基づき、図柄の変動表示が行われる表示手段の制御を行う演出制御手段と、を備え、図柄の変動表示ごとに更新されるべき回数を表す情報である回数情報を前記表示手段に表示可能とされている。
そして、演出制御手段は、主制御手段が前記図柄の変動表示ごとに送信する指示情報である変動時指示情報に基づいて回数情報の更新を行う更新手段と、変動時指示情報の異常有無の判定により、変動表示を正常に行うことが不能な変動エラー状態か否かを判定する変動エラー判定手段と、を有している。
さらに、演出制御手段は、変動エラー判定手段により変動エラー状態であると判定される場合において、表示手段に図柄の変動表示を実行させる一方、更新手段による回数情報の更新を行わないものである。
変動エラー状態と判定される場合には、変動時指示情報に異常があるため、正常な変動表示を行うことはできず、変動エラー時に対応した態様での変動表示を行うことになる。しかし、正常な変動表示が行われたものではないため、上記のように、回数情報の更新は行わない。
これにより、変動に係る回数情報について、正常に変動表示が行われた場合のみを対象として回数の更新を行うという面で、適切な表示制御を行うことができる。
実施形態としての第五の遊技機(パチンコ遊技機1)は、始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示される図柄が所定の組み合わせにより停止表示された場合に遊技者にとって有利な有利状態に制御する遊技機であって、有利状態に制御するか否かを決定する処理を行う主制御手段と、主制御手段が送信する指示情報に基づき、図柄の変動表示が行われる表示手段の制御を行う演出制御手段と、を備え、図柄の変動表示ごとに更新されるべき回数を表す情報である回数情報を表示手段に表示可能とされている。
そして、演出制御手段は、主制御手段が図柄の変動表示ごとに送信する指示情報である変動時指示情報に基づいて回数情報の更新を行う更新手段と、変動時指示情報の異常有無の判定により、変動表示を正常に行うことが不能な変動エラー状態か否かを判定する変動エラー判定手段と、を有している。
さらに、演出制御手段は、変動エラー判定手段により変動エラー状態であると判定される場合において、表示手段に図柄の変動表示を実行させ、更新手段による回数情報の更新を行うものである。
変動エラー状態と判定される場合には、変動時指示情報に異常があるため、正常な変動表示を行うことはできず、変動エラー時に対応した態様での変動表示を行うことになる。しかしながら、変動エラー状態と判定される場合であっても、主制御手段から何らかの変動時指示情報が送信されている場合には、主制御手段側では図柄の変動表示が行われたものとして管理されている。そのため、上記のように回数情報の更新は行っておく。
これにより、図柄の変動に係る回数情報について、主制御手段側での管理状態と一致させるという面で、適切な表示制御を行うことができる。
また、上記した第二から第五の遊技機においては、回数情報は、図柄の変動表示の累積回数を表す累積回数情報、又は図柄の変動表示を行う総回数が規定された特定の遊技状態における変動の残り回数を表す残回数情報である。
これにより、累積回数情報、残回数情報の少なくとも何れかについて、適切な表示制御を行うことができる。
さらに、上記した第二から第五の遊技機においては、回数情報として、図柄の変動表示の累積回数を表す累積回数情報と、図柄の変動表示を行う総回数が規定された特定の遊技状態における変動の残り回数を表す残回数情報を表示手段に表示可能とされ、演出制御手段は、変動エラー判定手段により変動エラー状態であると判定される場合において、残回数情報については更新手段による更新を行う一方、累積回数情報については更新手段による更新を行わない。
残回数については、遊技進行に密接に関連する情報であるため、主制御手段側で回数を管理し、演出制御手段に該管理された残回数を指示する指示情報を送信することが考えられる。このため、残回数については、変動エラー時に更新しても、次の図柄変動表示時に更新が行われた際に、結果として主制御手段側で管理される値と同値が保持されるため、問題はない。
一方、累積回数については、残回数と比較して遊技進行に密接に関連する情報ではなく、厳密な正確性が求められるものでもないため、変動エラー時に更新しなかったとしても問題はない。
従って、上記構成によれば、累積回数情報と残回数情報について、適切な表示制御を行うことができる。
さらにまた、上記した第三又は第四の遊技機においては、回数情報として、図柄の変動表示の累積回数を表す累積回数情報と、図柄の変動表示を行う総回数が規定された特定の遊技状態における変動の残り回数を表す残回数情報を表示手段に表示可能とされ、演出制御手段は、変動エラー判定手段により変動エラー状態であると判定される場合において、残回数情報と累積回数情報の双方について更新手段による更新を行わない。
上述のように残回数については、主制御手段が管理する回数と一致するように更新されるため、変動エラー時に更新しなくても、次の図柄変動表示時に更新が行われた際に、結果として主制御手段側で管理される値と同値に更新されるため、問題はない。また、累積回数については、上述のように厳密な正確性が求められるものでもないため、変動エラー時に更新しなかったとしても問題はない。
従って、上記構成によれば、累積回数情報と残回数情報について、適切な表示制御を行うことができる。
また、上記した第二又は第五の遊技機においては、回数情報として、図柄の変動表示の累積回数を表す累積回数情報と、図柄の変動表示を行う総回数が規定された特定の遊技状態における変動の残り回数を表す残回数情報を表示手段に表示可能とされ、演出制御手段は、変動エラー判定手段により変動エラー状態であると判定される場合において、残回数情報と累積回数情報の双方について更新手段による更新を行っている。
変動エラー状態と判定される場合であっても、主制御手段から何らかの変動時指示情報が送信されている場合には、主制御手段側では図柄の変動表示が行われたものとして管理されている。そのため、上記のように累積回数情報及び残回数情報の更新を行っておく。
これにより、図柄の変動に係る回数情報について、主制御手段側での管理状態と一致させるという面で、適切な表示制御を行うことができる。