以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン121(図3を参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図3を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3を参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器(可変表示部)として第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。なお、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、遊技球が入賞可能な第1始動入賞口13と、第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15とが設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。第2始動入賞口(第1始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開放状態とされる。可変入賞球装置15が開放状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞しやすくなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。なお、この実施の形態では、可変入賞球装置15が閉鎖状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成する場合を示しているが、可変入賞球装置15が開放状態である場合にのみ入賞可能となるように構成してもよい。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aと、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bとが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、第1始動入賞口13に対する有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やし、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄保留記憶表示器18bは、第2始動入賞口14に対する有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やし、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、後述する可変入賞球装置(役物)24内に設けられた特定領域(V入賞領域)に遊技球が入賞したときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球は第1カウントスイッチ23で検出される。
なお、この実施の形態では、以下、特別図柄表示器に大当り図柄が導出表示されたことにもとづいて発生する大当り遊技状態を第1大当り遊技状態(または第1大当り遊技)といい、可変入賞球装置(役物)内に設けられた特定領域に遊技球がV入賞したことにもとづいて発生する大当り遊技状態を第2大当り遊技状態(または第2大当り遊技)といって区別する場合がある。また、以下、特別図柄の可変表示および第1大当り遊技を「第1遊技」、作動口17へ遊技球が入賞することによる可変入賞球装置(役物)24の開放制御および第2大当り遊技を「第2遊技」とすることがある。
また、遊技領域7の右下方には作動口17が設けられている。作動口17に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、作動口スイッチ17aによって検出される。
また、作動口17の上方には、可変入賞球装置(役物)24が設けられている。可変入賞球装置24は開閉板を備え、作動口17に遊技球が入賞したときにソレノイド25によって開閉板が開放状態に制御されることによって、可変入賞球装置24が開放状態になる。可変入賞球装置24内に進入した全ての遊技球は役物スイッチ24aで検出される。なお、役物スイッチ24aは、例えば、光センサにより実現可能である。可変入賞球装置24内には特定領域(V入賞領域)が設けられており、可変入賞球装置24内に進入した遊技球のうち特定領域に入賞した遊技球はV入賞スイッチ29で検出される。また、特定領域以外の領域に入賞した遊技球は第2カウントスイッチ30で検出される。
なお、この実施の形態では、作動口17は、遊技球が入賞すれば必ず可変入賞球装置(役物)24が開放状態に制御されるものとして構成される場合を示しているが、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、2つの特別図柄表示器を設けるように遊技機を構成した場合に、作動口17に遊技球が入賞したことにもとづいて一方の特別図柄の変動表示を行い、1/300の確率で大当りとするとともに、残りの299/300の確率で小当りとし、その小当り遊技として可変入賞球装置(役物)24を開放状態に制御するようにしてもよい。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
演出表示装置9の右方には、遊技球が通過可能なゲート32が設けられている。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開放状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞容易な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。なお、この実施の形態では、通常状態と比べて図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)において、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる(高ベース状態となる)。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。また、遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に対応する。特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、時短大当りとなった場合には、遊技状態を時短状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、第2特別図柄表示器8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開放状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開放状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開放状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開放状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開放状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉鎖状態から開放状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開放状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、この実施の形態では、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態(以下、普通図柄時短状態と区別する場合に特別図柄時短状態ともいう)に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
この実施の形態では、遊技状態が通常状態(低ベース状態)に制御されているときには、遊技者は遊技領域の左方を狙って発射操作を行い、遊技状態が時短状態(高ベース状態)に制御されているときには、遊技者は遊技領域の右方を狙って発射操作を行う。また、この実施の形態では、後述するように、通常状態であるときに第2大当り遊技に制御された場合には、その第2大当り遊技終了後も必ず通常状態に制御され、逆に、時短状態であるときに第2大当り遊技に制御された場合には、その第2大当り遊技終了後も必ず時短状態に制御される。
この実施の形態では、遊技状態が通常状態に制御されているときに遊技者が遊技領域の左方を狙って発射操作を行い、第1始動入賞口13に始動入賞したことにもとづいて変動表示が実行されて大当りとなった場合には、その大当り種別が時短大当りである場合には(本例では、50%の割合で時短大当りとなる)、その第1大当り遊技の終了後に時短状態に移行され、遊技者は遊技領域の右方を狙って発射操作する遊技に切り替える。また、遊技状態が時短状態に制御されているときには遊技者は遊技領域の右方を狙って発射操作を行い、所定回数(本例では、100回)の特別図柄の可変表示をおこなうことを契機に通常状態に戻り、再び遊技者は遊技領域の左方を狙って発射操作する遊技に戻る。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、時短フラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、作動口スイッチ17a、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ30、V入賞スイッチ29、役物スイッチ24aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、および可変入賞球装置(役物)24を開閉するソレノイド25を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
なお、演出制御手段には、後述するように、スティックコントローラ122が備えるトリガセンサ125や傾倒方向センサユニット123、バイブレータ用モータ126、およびプッシュボタン120が備えるプッシュセンサ124にも接続されているのであるが(図3参照)、図2では図示を省略している。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果(非時短大当り、時短大当り、またははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(ステップS44)。そして、ステップS14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS44で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S35のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理(電源断処理)を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、作動口スイッチ17a、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ30、役物スイッチ24aおよびV入賞スイッチ29の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS33,S34で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、役物制御プロセス処理を行う(ステップS27)。役物制御プロセス処理では、可変入賞球装置(役物)24の開閉状態を所定の順序で制御するための役物制御プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、役物制御プロセス処理の値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ30、およびV入賞スイッチ29の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ30、またはV入賞スイッチ29のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS32:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S34(ステップS30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに、演出図柄が揃って停止表示される。
図6は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図6に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図6に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4の変動パターンが用意されている。図6に示すように、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。
なお、この実施の形態では、図6に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する非時短大当り、時短大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、第1大当りとするか否かを決定するためのテーブルであり、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。すなわち、図8(A)に記載されている数値が大当り判定値となる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する非時短大当り、時短大当り)にすることに決定する。なお、図8(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器8における停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図8(B)は、ROM54に記憶されている第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを示す説明図である。第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルは、第1特別図柄の可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに(すなわち、第1大当りと決定されたときに)、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、第1大当りの種別を「非時短大当り」、「時短大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。この実施の形態では、図8(B)に示すように、大当り種別として、「非時短大当り」および「時短大当り」があり、第1特別図柄の可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときには、50%の割合で「非時短大当り」に、50%の割合で「時短大当り」に決定するようになっている。
図8(C)は、ROM54に記憶されている第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを示す説明図である。第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルは、第2特別図柄の可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに(すなわち、第1大当りと決定されたときに)、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、第1大当りの種別を「非時短大当り」、「時短大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。この実施の形態では、図8(C)に示すように、第2特別図柄の可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときには、100%の割合で「時短大当り」に決定するようになっている。なお、本実施の形態では、第2特別図柄の可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときには、必ず「時短大当り」に決定することとしたが、これに限るものではなく、第1特別図柄の可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときと同様に、「非時短大当り」にも決定され得ることとしてもよい。また、第1特別図柄の可変表示結果を大当り図柄にする場合、および第2特別図柄の可変表示結果を大当り図柄にする場合における大当り種別の選択割合を異ならせることにより、興趣を向上させるものであってもよい。例えば、第1特別図柄の可変表示結果を大当り図柄にする場合よりも、第2特別図柄の可変表示結果を大当り図柄にする場合の方が、「時短大当り」の選択割合が高いよう構成することにより、第1特別図柄の可変表示よりも第2特別図柄の可変表示の方が遊技者にとって有利な大当りが発生しやすいこととなり、時短状態における遊技者の有利性を高めることにより興趣の向上を図るものであってもよい。なお、発生した大当り種別によって大当り後に制御する遊技状態が決定されるものではなく、大当りが発生したときに制御されている遊技状態にもとづいて、大当り後に制御する遊技状態が決定されるようなものであってもよい。例えば、時短状態(高ベース状態)に制御されているときに第1特別図柄の可変表示により大当りが発生した場合には、時短状態(高ベース状態)に継続して制御されることとしてもよいし、また、通常状態(低ベース状態)に制御されているときに第2特別図柄の可変表示により大当りが発生した場合には、通常状態(低ベース状態)に継続して制御されることとしてもよい。
なお、この実施の形態では、第2大当りが発生した場合には、後述するステップS1532〜S1534,S1576〜S1579の処理が実行されることによって、時短状態(高ベース状態)中に第2大当りが発生した場合には、100%の割合で時短状態(高ベース状態)に制御され、通常状態(低ベース状態)中に第2大当りが発生した場合には、100%の割合で通常状態(低ベース状態)に制御される。
なお、この実施の形態では、第2大当りが発生した場合に100%の割合で時短状態(高ベース状態)または通常状態(低ベース状態)に制御する場合を示しているが、必ずしも100%の割合で制御するものでなくてもよい。ただし、そのように構成する場合でも、通常状態(低ベース状態)中に初めて第2大当りとなった場合よりも、時短状態(高ベース状態)中に第2大当りとなった場合の方が高い割合で時短状態(高ベース状態)に制御されるようにすることが望ましい。
また、この実施の形態では、第1大当りの大当り種別が「非時短大当り」および「時短大当り」の2種類である場合を示しているが、2種類にかぎらず、例えば、3種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。例えば、時短大当りを細分化して時短回数が異なる複数の時短大当り(例えば、時短回数が50回の第1時短大当りと時短回数が100回の第2時短大当り)を設けるようにしてもよい。また、例えば、時短状態中の変動パターンとして変動時間が短い変動パターンを選択しやすい大当りAと変動時間が長い変動パターンを選択しやすい大当りBとを設けるようにし、大当りBとなった方が時短状態が長く続いて第2大当りが発生しやすいことから有利となるようにしてもよい。さらに、例えば、大当り遊技終了後に遊技状態を確変状態に移行させる確変大当りや突然確変大当りを設けるようにしてもよい。また、本実施の形態では、いずれの大当り種別と決定された場合であっても、一律に15ラウンドの大当り遊技状態に制御することとしたが、制御する大当り遊技状態のラウンド数が大当り種別に応じて異なることとしてもよい。さらに、時短大当りや非時短大当りを細分化してラウンド数が異なる複数の時短大当りや非時短大当りを設けることとしてもよい。また、第1大当り遊技状態と第2大当り遊技状態とで、制御するラウンド数が同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。例えば、第2大当り遊技状態におけるラウンド数の方が第1大当り遊技状態におけるラウンド数よりも多い構成とすれば、通常状態よりも第2大当り遊技状態が発生しやすい時短状態における遊技者の有利性を向上させ、興趣を向上させることができる。また、各ラウンドにおける大入賞口の開放態様としては、ラウンドの開始時点から終了時点まで継続して大入賞口を開放状態とする態様としてもよいし、大入賞口を開放状態にするとともに閉鎖状態とする制御をラウンド中に所定回数繰り返す態様としてもよい。また、開放態様は、ラウンド毎に異なるものであっても良いし、大当り種別や、第1大当り遊技状態および第2大当り遊技状態のいずれであるかなどによって異なるものであってもよい。
「非時短大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に遊技状態を時短状態に移行させずに通常状態とする大当りである。
「時短大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に遊技状態を時短状態に移行させる大当りである(ステップS167参照)。そして、時短状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると時短状態が終了する(ステップS168,S137〜S140参照)。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、時短状態を終了する(ステップS132参照)。
各大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「非時短大当り」、「時短大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図9は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図9に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C03(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C03(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8F00(H)は、可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA000,A001(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施の形態では、第1大当り遊技を開始する場合には第1大当り開始指定コマンド(A000(H))が用いられ、第2大当り遊技を開始する場合には第2大当り開始指定コマンド(A001(H))が用いられる。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを終了する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A201(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを終了する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A20A(H))が送信される。
コマンドA300,A301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。この実施の形態では、第1大当り遊技を終了する場合には第1大当り終了指定コマンド(A300(H))が用いられ、第2大当り遊技を終了する場合には第2大当り終了指定コマンド(A301(H))が用いられる。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1特別図柄に対する第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC001(H)は、第2特別図柄に対する第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第1特別図柄に対する第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC101(H)は、第2特別図柄に対する第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、保留記憶情報として、保留記憶数が増加または減少したことを示す演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド、第2保留記憶数加算指定コマンド、第1保留記憶数減算指定コマンド、第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信する場合を示しているが、保留記憶情報の形態は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、保留記憶数の値そのものを指定する保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
コマンドD000(H)は、第1カウントスイッチ23が遊技球の入賞を検出したことを指定する演出制御コマンド(第1カウントスイッチ検出指定コマンド)である。コマンドD100(H)は、第2カウントスイッチ30が遊技球の入賞を検出したことを指定する演出制御コマンド(第2カウントスイッチ検出指定コマンド)である。コマンドD200(H)は、V入賞スイッチ30が遊技球の入賞を検出したことを指定する演出制御コマンド(V入賞スイッチ検出指定コマンド)である。
コマンドD300(H)は、可変入賞球装置(役物)24を開放状態に制御したこと(すなわち、役物開放を開始したこと)を指定する演出制御コマンド(役物開放開始指定コマンド)である。コマンドD400(H)は、可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御したこと(すなわち、役物開放を終了したこと)を指定する演出制御コマンド(役物開放終了指定コマンド)である。コマンドD401(H)は、可変入賞球装置(役物)24を開放制御を終了するか、または第2大当り遊技が終了したこと(すなわち、第2遊技が終了したこと)を指定する演出制御コマンド(第2遊技終了指定コマンド)である。
コマンドD500(H)は、特別図柄の変動表示中に第2大当り遊技が割り込んだことにより特別図柄の変動表示を中断したことを指定する演出制御コマンド(変動中断指定コマンド)である。コマンドD600(H)は、特別図柄の変動表示を中断した後に特別図柄の変動表示を再開したことを指定する演出制御コマンド(変動再開指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図9に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり特別図柄表示器8において特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図10は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンまたは第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。
ステップS312の始動口スイッチ通過処理を実行すると、またはステップS311で第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、CPU56は、役物制御プロセスフラグの値が役物開放中処理〜第2大当り終了処理のいずれかに応じた値である場合には(ステップS313)、すなわち可変入賞球装置(役物)24の開放制御中または第2大当り遊技中であれば、ステップS314,S315の処理を実行した後、特別図柄プロセス処理を終了する。そうでない場合には、ステップS316,S317の処理を実行した後、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。なお、この実施の形態では、役物開放中処理〜第2大当り終了処理に応じた値は連続する値(例えば、1〜5)である。よって、CPU56のステップS313の判定処理を簡易な処理にすることができる。
ステップS314では、CPU56は、特別図柄の変動中であって、かつ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して変動中断指定コマンドを未送信であるか否か確認する。変動中でない場合、または変動中であっても既に変動中断指定コマンドを送信している場合(例えば、変動中断指定コマンドの送信時に送信済みフラグをセットするようにして、送信済みフラグがセットされていた場合)には処理を終了するが、変動中であり、まだ変動中断指定コマンドを送信していない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して変動中断指定コマンドを送信した後に処理を終了する(ステップS315)。
また、ステップS316では、CPU56は、変動中断指定コマンドを送信した後であるか否かを確認する。変動中断指定コマンドを送信した後である場合には(例えば、変動中断指定コマンドの送信時に送信済みフラグをセットするようにして、送信済みフラグがセットされているとき)、変動再開指定コマンドを送信して(ステップS317)、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS313〜S317の処理によって、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、特別図柄の変動表示中に遊技球が作動口17へ進入して可変入賞球装置24が開放状態となった場合または第2大当り遊技状態である場合には、その実行中の特別図柄の変動表示を中断(変動時間の計測を中断)する。これにより、第1特定遊技状態(第1大当り遊技状態)と第2特定遊技状態(第2大当り遊技状態)とが同時に発生することを防止している。また、演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101は、変動中断指定コマンドを受信すると、特別図柄の変動表示に応じた演出図柄の変動表示および変動演出を中断する。なお、特別図柄の変動表示を中断するのではなく、そのまま強制的に特別図柄をはずれ図柄で停止表示するようにしてもよい。そして、その場合、大当り遊技が終了するまで新たな特別図柄の変動表示を開始しないように構成してもよい。そのように構成すれば、ステップS316,S317の処理は不要となる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特別図柄の可変表示が中断された場合、所定の条件を満たすときには演出図柄の可変表示を中断する一方、該所定の条件を満たさないときには演出図柄の可変表示を中断しないものであってもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動中断指定コマンドを受信したとき、リーチに発展しない変動演出やリーチの発展前の変動演出の実行中であれば演出図柄の変動表示および変動演出を中断する一方、リーチ演出の実行中や演出図柄を揺動表示しているときであれば演出図柄の変動表示および変動演出は中断せずに継続して実行することとしてもよい。
ステップS300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、第1大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され(図25参照)、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
第1大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第1大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、タイマによって第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、第1大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第1大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。
第1大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。第1大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
第1大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図11は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、ステップS217に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、ステップS217に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図12参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215)。なお、ステップS215の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)や変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン種別判定用乱数カウンタから値を直接抽出したり、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出したりするようにしてもよい。
図12は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図12に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
そして、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS216)。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS217)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS218)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS219)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS220)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図12参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS221)。なお、ステップS221の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
そして、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS222)。
図13および図14は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされている場合には、時短状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、時短フラグがセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、この実施の形態では、変動ごとに背景指定コマンドを毎回送信する場合を示しているが、例えば、変動開始時に前回の変動時から遊技状態が変化したか否かを判定するようにし、遊技状態が変化した場合にのみ変化後の遊技状態に応じた背景指定コマンドを送信するようにしてもよい。そのように構成すれば、背景指定コマンドの送信回数を低減することができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を軽減することができる。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出図柄コマンド制御処理(ステップS30)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、保留記憶数減算指定コマンドの順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に保留記憶数減算指定コマンドが送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS215,S221で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、具体的には、CPU56は、大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS66に移行する。
ステップS62では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS63)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図8(B)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図8(C)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「非時短大当り」または「時短大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS64)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS215,S221で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図8(B),(C)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、時短大当りが選択される割合が高い。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、遊技価値の高い時短大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS65)。例えば、大当り種別が「非時短大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「時短大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS66)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、「非時短大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「時短大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS67)。
図15は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブルのいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS98に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するときにセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「時短大当り」とすることに決定された場合には、大当り遊技を終了する処理において時短フラグがセットされる。また、大当り遊技終了後、所定回数(この実施の形態では100回)の変動表示を終了したときにリセットされる。なお、所定回数の変動表示を終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、時短フラグがリセットされる。
時短フラグがセットされていなければ(ステップS93のN)、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS94)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS94のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、通常用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS95)。そして、ステップS98に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS94のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS96)。そして、ステップS98に移行する。
時短フラグがセットされている場合(ステップS93のY)には、すなわち、遊技状態が時短状態であれば、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS97)。そして、ステップS98に移行する。
この実施の形態では、ステップS93〜S97の処理が実行されることによって、遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。また、遊技状態が時短状態である場合には、時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。この場合、後述するステップS98の処理で短縮変動用の変動パターン種別が決定される場合があり、短縮変動用の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS100の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(図6参照)。従って、この実施の形態では、遊技状態が時短状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。なお、この実施の形態では、時短状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルと、保留記憶数にもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が時短状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS93でYと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、通常用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、時短状態(高ベース状態)が長く継続した方が第2大当りが発生しやすく有利であるといえることから、短縮変動を行わないように構成してもよい。例えば、時短状態とすることなく普図当り確率を高めたり可変入賞球装置15の開放時間や開放回数を高めるだけで高ベース状態に制御するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S95、S96またはS97の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS98)。
次いで、CPU56は、ステップS98の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル、はずれ変動パターン判定テーブルのうちのいずれかを選択する(ステップS99)。また、乱数バッファ領域(保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS99の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS100)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS101)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS102)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS103)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS93〜S98の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブルと、リーチ用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、保留記憶に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。
図16は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果3指定のいずれかの演出制御コマンド(図9参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS114に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が「非時短大当り」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。なお、「非時短大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS59で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、「非時短大当り」でないときには(すなわち、「時短大当り」であるときには)、CPU56は、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113)。
一方、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS110のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS114)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS115)。
図17は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、まず、保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かを確認する(ステップS1121)。なお、保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かは、例えば、後述するステップS1122で保留記憶数減算指定コマンドを送信する際に保留記憶数減算指定コマンドを送信したことを示す保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグをセットするようにし、ステップS1121では、その保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。また、この場合、セットした保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグは、特別図柄の変動表示を終了する際や大当りを終了する際に後述する特別図柄停止処理や第1大当り終了処理でリセットするようにすればよい。
次いで、保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、CPU56は、保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1122)。
次いで、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS1123)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS1124)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1125)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS1126)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図18は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、時短状態であることを示す時短フラグ、および時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタをリセットし(ステップS132)、演出制御用マイクロコンピュータ100に第1大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS133)。
また、大入賞口開放前タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS134)。また、大当り遊技における大入賞口の開放回数(本例では、ラウンド数)をカウントするための開放回数カウンタに開放回数(例えば、15回)をセットする(ステップS135)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS136)。
また、ステップS131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値が0となっているか否かを確認する(ステップS137)。時短回数カウンタの値が0でなければ、CPU56は、時短回数カウンタの値を−1する(ステップS138)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS139)、時短フラグをリセットする(ステップS140)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS141)。
図19は、特別図柄プロセス処理における第1大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。第1大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、第1大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS164)。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU56は、今回終了する大当りが時短大当りであるか否かを確認する(ステップS166)。なお、「時短大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS59で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。時短大当りであれば、CPU56は、時短フラグをセットして時短状態に移行させる(ステップS167)。また、CPU56は、時短回数カウンタに所定回数(例えば100回)をセットする(ステップS168)。
時短大当りでなければ(すなわち、非時短大当りであれば)、CPU56は、ステップS167,S168の処理を実行することなく、ステップS169に移行する。すなわち、大当り遊技後の遊技状態を通常状態とする。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS169)。
図20は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する役物制御プロセス処理(ステップS27)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、役物制御プロセス処理では可変入賞球装置(役物)24を制御するための処理が実行される。役物制御プロセス処理において、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が第1大入賞口開放前処理〜第1大当り終了処理のいずれかに応じた値である場合には(ステップS1510)、すなわち第1大当り遊技中であれば、そのまま役物制御プロセス処理を終了する。そうでない場合には、内部状態(具体的には、役物制御プロセスフラグの値)に応じて、ステップS1500〜S1504のうちのいずれかの処理を行う。なお、この実施の形態では、第1大入賞口開放前処理〜第1大当り終了処理に応じた値は連続する値(例えば、5〜7)である。よって、CPU56のステップS1510の判定処理を簡易な処理にすることができる。
ステップS1500〜S1504の処理は、以下のような処理である。
役物開放前処理(ステップ1500):役物制御プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、作動口17への遊技球の入賞を検出すると、ソレノイド25を駆動して可変入賞球装置(役物)24を開放状態に制御する。そして、内部状態(役物制御プロセスフラグ)をステップS1501Aに応じた値(この例では1)に更新する。
役物開放中処理(ステップS1501A):役物制御プロセスフラグの値が1であるときに実行される。役物開放中処理では、可変入賞球装置(役物)24内の特定領域(V入賞領域)に遊技球がV入賞すれば、ソレノイド25の駆動を停止して可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御する。そして、内部状態(役物制御プロセスフラグ)をステップS1502に応じた値(この例では2)に更新する。一方、特定領域(V入賞領域)に遊技球がV入賞することなく開放時間を経過した場合にも、ソレノイド25の駆動を停止して可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御する。そして、内部状態(役物制御プロセスフラグ)をステップS1501Bに応じた値(この例では5)に更新する。
役物開放後処理(ステップS1501B):役物制御プロセスフラグの値が5であるときに実行される。役物開放後処理では、可変入賞球装置(役物)24内の特定領域(V入賞領域)に遊技球がV入賞すれば、内部状態(役物制御プロセスフラグ)をステップS1502に応じた値(この例では2)に更新する。一方、特定領域(V入賞領域)に遊技球がV入賞することなく、可変入賞球装置24に入賞した全ての遊技球が排出された場合(役物スイッチ24aに検出された全ての遊技球が第2カウントスイッチ30に検出された場合)、内部状態(役物制御プロセスフラグ)をステップS1500に応じた値(この例では0)に更新する。
第2大入賞口開放前処理(ステップS1502):役物制御プロセスフラグの値が2であるときに実行される。第2大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、タイマによって第2大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(役物制御プロセスフラグ)をステップS1503に対応した値(この例では3)に更新する。なお、第2大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第2大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。
第2大入賞口開放中処理(ステップS1503):役物制御プロセスフラグの値が3であるときに実行される。第2大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(役物制御プロセスフラグ)をステップS1502に対応した値(この例では2)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(役物制御プロセスフラグ)をステップS1504に対応した値(この例では4)に更新する。
第2大当り終了処理(ステップS1504):役物制御プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(役物制御プロセスフラグ)をステップS1500に対応した値(この例では0)に更新する。
図21は、役物制御プロセス処理における役物開放前処理(ステップS1500)を示すフローチャートである。役物開放前処理において、CPU56は、まず、作動口スイッチ17aがオンとなっているか否かを確認する(ステップS1511)。作動口スイッチ17aがオンとなっていれば(すなわち、作動口17への遊技球の進入を検出すれば)、CPU56は、可変入賞球装置(役物)24の開放時間(例えば、5秒)を、可変入賞球装置(役物)24の開放時間を計測するための役物開放時間タイマにセットする(ステップS1512)。
次いで、CPU56は、可変入賞球装置(役物)24を開放状態に制御する(ステップS1513A)。具体的には、ソレノイド25を駆動して可変入賞球装置(役物)24の開閉板を開放状態にする。そして、CPU56は、役物内遊技球個数カウンタに0をセットする(ステップS1513B)。役物内遊技球個数カウンタは、可変入賞球装置(役物)24内に進入してから未だ排出されていない遊技球の個数を示すカウンタである。例えば、役物内遊技球個数カウンタは、可変入賞球装置(役物)24に遊技球が入賞したとき(すなわち、役物スイッチ24aがオンであるとき)に1加算され、可変入賞球装置(役物)24から遊技球が排出されたとき(第2カウントスイッチ30がオンであるとき)に1減算される。したがって、役物内遊技球個数カウンタの値が0である場合は、可変入賞球装置(役物)24内に進入した全ての遊技球が排出された場合である。
次いで、CPU56は、役物開放開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS1514)。
そして、CPU56は、役物制御プロセスフラグの値を、役物開放中処理(ステップS1501A)に対応した値に更新する(ステップS1515)。
図22は、役物制御プロセス処理における役物開放中処理(ステップS1501A)を示すフローチャートである。役物開放中処理において、CPU56は、まず、役物スイッチ24aからの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS1520A)。役物スイッチ24aがオンしたら、すなわち、可変入賞球装置(役物)24内に遊技球が進入したことを検出したら、役物内遊技球個数カウンタの値を1加算する(ステップS1520B)。役物スイッチ24aがオフであれば、ステップS1521へ移行する。
次に、CPU56は、第2カウントスイッチ30からの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS1521)。第2カウントスイッチ30がオンしたら、すなわち可変入賞球装置(役物)24内に進入した遊技球のうち特定領域(V入賞領域)以外の領域に入賞した遊技球を検出したら(ステップS1521のY)、役物内遊技球個数カウンタの値を1減算し(ステップS1522A)、第2カウントスイッチ検出指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS1522B)。
次いで、CPU56は、役物開放時間タイマを1減算し(ステップS1523)、役物開放時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS1524)。役物開放時間タイマがタイムアウトしていなければ、ステップS1528に移行する。役物開放時間がタイムアウトしていれば、CPU56は、可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御する(ステップS1525)。具体的には、ソレノイド25の駆動を停止して可変入賞球装置(役物)24の開閉板を閉鎖状態にする。そして、CPU56は、役物制御プロセスフラグの値を、役物開放後処理(ステップS1501B)に対応した値に更新する(ステップS1526)。
なお、本実施の形態では、可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御するための条件として、役物開放時間タイマのタイムアウト(すなわち、所定時間の経過)としたが、これに限るものではない。例えば、可変入賞球装置(役物)24に対する遊技球の入賞(または排出)を所定回数検出した場合に可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御することとしてもよい。例えば、可変入賞球装置(役物)24に対する遊技球の入賞を検出したとき(例えば、ステップS1520Bの前後)に所定のカウンタを1加算し、該所定のカウンタの値が10となった場合にステップS1525へ移行することとすれば、可変入賞球装置(役物)24に対する遊技球の入賞を10回検出した場合に可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御することとなる。また、例えば、可変入賞球装置(役物)24からの遊技球の排出を検出したとき(例えば、ステップS1521のY〜S1523の間)に所定のカウンタを1加算し、該所定のカウンタの値が10となった場合にステップS1525へ移行することとすれば、可変入賞球装置(役物)24からの遊技球の排出を10回検出した場合に可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御することとなる。また、さらに、可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御するための条件として、所定時間の経過と、可変入賞球装置(役物)24に対する遊技球の入賞(または排出)を所定回数検出することとを併用することとしてもよい。例えば、所定時間が経過していない場合であっても可変入賞球装置(役物)24に対する遊技球の入賞を所定回数検出した場合に、可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御することとしてもよい。
役物開放時間タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS1524のN)、V入賞スイッチ29からの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS1528)。V入賞スイッチ29がオンしたら、すなわち可変入賞球装置(役物)24内に進入した遊技球のうち特定領域(V入賞領域)に入賞した遊技球を検出したら(ステップS1528のY)、V入賞スイッチ検出指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS1529)。
次いで、CPU56は、可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御する(ステップS1530)。具体的には、ソレノイド25の駆動を停止して可変入賞球装置(役物)24の開閉板を閉鎖状態にする。また、CPU56は、役物開放終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS1531)。
次いで、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1532)。時短フラグがセットされていなければ(すなわち、通常状態であれば)、ステップS1535に移行する。時短フラグがセットされていれば(すなわち、時短状態であれば)、CPU56は、時短フラグをリセットする(ステップS1533)。すなわち、可変入賞球装置(役物)24内の特定領域(V入賞領域)へのV入賞が発生し第2大当り遊技が発生する場合であるので、時短フラグをリセットして時短状態を終了する。また、CPU56は、第2大当り遊技の開始時に時短状態に制御されていたことを示す時短記憶フラグをセットする(ステップS1534)。
なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態であるか時短状態であるかにかかわらず、可変入賞球装置(役物)24内の特定領域(V入賞領域)へのV入賞が発生すれば第2大当り遊技を発生させる場合を示しているが、時短状態中に可変入賞球装置(役物)24内の特定領域(V入賞領域)へのV入賞が発生した場合にのみ第2大当り遊技を発生させるようにしてもよい。
次いで、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に第2大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1535)。
また、大入賞口開放前タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS1536)。また、大当り遊技における大入賞口の開放回数(本例では、ラウンド数)をカウントするための開放回数カウンタに開放回数(例えば、15回)をセットする(ステップS1537)。そして、役物制御プロセスフラグの値を第2大入賞口開放前処理(ステップS1502)に対応した値に更新して(ステップS1538)、役物開放中処理を終了する。なお、ステップS1528においてV入賞スイッチがオンである場合、役物内遊技球個数カウンタの値をリセットすることとしてもよい。なお、本実施の形態では、役物開放中処理において、役物開放時間タイマがタイムアウトするか否かを判定した後にV入賞スイッチがオンであるか否かを判定することとしたが、これに限るものではなく、例えば、ステップS1523の直前にV入賞スイッチ29からの検出信号を入力したか否かを確認し、V入賞スイッチ29がオンしたら、ステップS1529以降の処理をおこなうこととしてもよい。
図23は、役物制御プロセス処理における役物開放後処理(ステップS2501B)を示すフローチャートである。役物開放後処理において、CPU56は、まず、役物スイッチ24aからの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS2520A)。役物スイッチ24aがオンしたら、すなわち、可変入賞球装置(役物)24内に遊技球が進入したことを検出したら、役物内遊技球個数カウンタの値を1加算する(ステップS2520B)。役物スイッチ24aがオフであれば、ステップS2521へ移行する。
次に、CPU56は、第2カウントスイッチ30からの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS2521)。第2カウントスイッチ30がオンしたら、すなわち可変入賞球装置(役物)24内に進入した遊技球のうち特定領域(V入賞領域)以外の領域に入賞した遊技球を検出したら(ステップS2521のY)、役物内遊技球個数カウンタの値を1減算し(ステップS2522)、第2カウントスイッチ検出指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS2523)。
次いで、CPU56は、役物内遊技球個数カウンタの値が0であるか否かを判定し(ステップS2524)、0でなければステップS2528へ移行する。役物内遊技球個数カウンタの値が0であれば、CPU56は、役物開放終了指定コマンドおよび第2遊技終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS2525A,S2525B)。そして、CPU56は、役物制御プロセスフラグの値を、役物開放前処理(ステップS1500)に対応した値に更新する(ステップS2526)。
役物内遊技球個数カウンタの値が0でなければ(ステップS2524のN)、V入賞スイッチ29からの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS2528)。V入賞スイッチ29がオンしたら、すなわち可変入賞球装置(役物)24内に進入した遊技球のうち特定領域(V入賞領域)に入賞した遊技球を検出したら(ステップS2528のY)、V入賞スイッチ検出指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS2529)。
次いで、CPU56は、役物開放終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS2531)。次いで、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS2532)。時短フラグがセットされていなければ(すなわち、通常状態であれば)、ステップS2535に移行する。時短フラグがセットされていれば(すなわち、時短状態であれば)、CPU56は、時短フラグをリセットする(ステップS2533)。すなわち、可変入賞球装置(役物)24内の特定領域(V入賞領域)へのV入賞が発生し第2大当り遊技が発生する場合であるので、時短フラグをリセットして時短状態を終了する。また、CPU56は、第2大当り遊技の開始時に時短状態に制御されていたことを示す時短記憶フラグをセットする(ステップS2534)。
次いで、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に第2大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS2535)。
また、大入賞口開放前タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS2536)。また、大当り遊技における大入賞口の開放回数(本例では、ラウンド数)をカウントするための開放回数カウンタに開放回数(例えば、15回)をセットする(ステップS2537)。そして、役物制御プロセスフラグの値を第2大入賞口開放前処理(ステップS2502)に対応した値に更新して(ステップS2538)、役物開放後処理を終了する。なお、ステップS2528においてV入賞スイッチがオンである場合、役物内遊技球個数カウンタの値をリセットすることとしてもよい。
このように、本実施の形態では、可変入賞球装置(役物)24の閉鎖直前に進入した遊技球が少し遅れて特定領域(V入賞領域)などに入賞する場合もあり得るので、多少のマージンをもって役物開放前処理に移行するようにすることとしている。なお、本実施の形態のように、可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御した後、進入した遊技球の数と排出された遊技球の数とが一致するまで、特定領域(V入賞領域)などへの入賞を監視するようにしてもよいし、可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御してから所定期間が経過するまでステップS1521〜S1522B,S1528〜S1529と同様の処理を行って特定領域(V入賞領域)などへの入賞を監視するようにし、可変入賞球装置(役物)24の閉鎖後であっても、所定期間以内に入賞すれば有効な入賞として扱うようにしてもよい。なお、本実施の形態では、可変入賞球装置(役物)24の閉鎖直前に進入した遊技球が特定領域(V入賞領域)へ入賞した場合、第2大当り遊技に制御することとした(ステップS2528〜S2538を参照)が、これに限るものではない。例えば、可変入賞球装置(役物)24の閉鎖直前に進入した遊技球が特定領域(V入賞領域)へ入賞した場合、第2大当り遊技に制御せずに役物内遊技球個数カウンタを1減算することにより、可変入賞球装置(役物)24の閉鎖直前に進入した遊技球が全て排出されることのみを待機するための処理として役物開放後処理を設けることとしてもよい。
なお、可変入賞球装置(役物)24が閉鎖された時点でマージンをもたずに役物開放前処理に移行するような構成の遊技機(すなわち、役物開放中処理のステップS1526において役物開放後処理ではなく役物開放前処理に移行する遊技機)においては、ステップS1524のY〜S1526の間に第2遊技終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御(ステップS2525Bに相当する制御)を行うこととしてもよい。
また、ステップS2520Aにおいて、役物スイッチ24aからの検出信号を入力した場合とは、可変入賞球装置(役物)24が閉鎖された時点で可変入賞球装置(役物)24内には進入していたものの役物スイッチ24aに検出される位置まで到達していなかった遊技球(以下、「遅れ球」という)が、役物スイッチ24aに検出される位置に到達した場合である。すなわち、ステップS2520A,S2520Bの処理をおこなうことにより、遅れ球を考慮して、可変入賞球装置(役物)24内に入賞した全ての遊技球が排出されるまで待機させることができる。ここで、仮に、遅れ球が役物スイッチ24aに検出される位置に到達するよりも前の時点で、ステップS2524において役物内遊技球個数カウンタの値が0であると判定された場合、V入賞スイッチに対する監視をおこなっていない状態(例えば、役物開放前処理の実行中)に制御した後に、該遅れ球が特定領域に入賞してしまう可能性がある。その場合、せっかくV入賞が発生したにもかかわらず第2大当り遊技状態に制御されないこととなってしまい、遊技者に不利な状況となってしまう虞がある。そこで、遅れ球が可変入賞球装置(役物)24に入賞してから役物スイッチ24aに検出される位置に到達するまでの所要時間よりも長いタイマを、可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御した際にセットし、該タイマの計測中は役物内遊技球個数カウンタの値が0であってもV入賞スイッチに対する監視を継続するものとすれば、V入賞スイッチに対する監視をおこなっていない状態で遅れ球が特定領域に入賞してしまうことを防止し、遊技者に不利な状況となってしまうことを防止することができる。その場合、該タイマがタイムアウトした後に役物内遊技球個数カウンタの値が0であると判定された場合にV入賞スイッチに対する監視をおこなわない状態に制御することとなる。
図24は、役物制御プロセス処理における第2大当り終了処理(ステップS1504)を示すフローチャートである。第2大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS1571)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS1574に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、第2大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1572)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS1573)、処理を終了する。
ステップS1574では、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS1574)。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS1575)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS1575のY)、CPU56は、時短記憶フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1576)。時短記憶フラグがセットされていれば(すなわち、第2大当り遊技の開始時に時短状態に制御されていた場合であれば)、CPU56は、その時短記憶フラグをリセットする(ステップS1577)とともに、時短フラグをセットして時短状態に移行させる(ステップS1578)。また、CPU56は、時短回数カウンタに所定回数(例えば100回)をセットする(ステップS1579)。
時短記憶フラグがセットされていなければ(すなわち、第2大当り遊技の開始時に通常状態に制御されていた場合であれば)、CPU56は、ステップS1577〜S1579の処理を実行することなく、ステップS1580に移行する。すなわち、大当り遊技後の遊技状態を通常状態とする。
そして、CPU56は、第2遊技終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行い(ステップS1580)、役物制御プロセスフラグの値を役物開放前処理(ステップS1500)に対応した値に更新する(ステップS1581)。
図23および図24に上述したように、作動口17への遊技球の入賞が発生した場合、V入賞が発生しなかったときには可変入賞球装置(役物)24の閉鎖タイミングにて第2遊技終了指定コマンドを送信する一方、V入賞が発生したときには第2大当り遊技が終了するタイミングにて第2遊技終了指定コマンドを送信するよう構成している。
図25は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS33)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否か(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であるか否か)を確認する(ステップS3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU56は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS3202)。この場合、CPU56は、特別図柄の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否か(すなわち、特別図柄停止処理の実行中であるか否か)を確認する(ステップS3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS3204)。この場合、CPU56は、特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、ステップS3204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、ステップS22の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。また、ステップS3201において特別図柄プロセスフラグの値が2または3のいずれかであれば(すなわち、表示結果指定コマンド送信処理または特別図柄変動中処理のいずれかであれば)、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、特別図柄プロセス処理において、特別図柄の変動開始時に開始フラグをセットするとともに、特別図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、特別図柄表示制御処理(ステップS33)において、CPU56は、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことにもとづいて停止図柄を停止表示さえるための特別図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図26は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU101は、第1演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。第1演出制御プロセス処理では、特別図柄の変動表示および第1大当り遊技を行っているときの制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第1演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第2演出制御プロセス処理を行う(ステップS706)。第2演出制御プロセス処理では、可変入賞球装置(役物)24の開放制御および第2大当り遊技を行っているときの制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第2演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図27は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図9参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図28〜図30は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616A)。そして、セットされていなければ変動中フラグをセットする(ステップS616B)。変動中フラグは、特別図柄の変動が継続して実行されていることを示すフラグである。「特別図柄の変動が継続して実行されている」とは、特別図柄の変動が開始されてから、保留記憶数が0である状態で特別図柄の変動が停止するまでの間のことである。例えば、特別図柄の可変表示中、保留記憶が0でない状態での特別図柄の停止表示中、特別図柄の可変表示の中断中、大当り遊技中などが含まれる。この変動中フラグは、特別図柄の変動が開始される際にセットされ、客待ちデモ指定コマンドが受信される際にリセットされる。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果3指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが第1大当り開始指定コマンド(コマンドA000(H))であれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、第1大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが第2大当り開始指定コマンド(コマンドA001(H))であれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、第2大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624A)。そして、第2大当り遊技がおこなわれていることを示す第2大当り開始フラグをセットする(ステップS624B)。
また、受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば(ステップS685)、演出制御用CPU101は、30秒後に演出表示装置9に客待ちデモ画面を表示するよう制御をおこなう(ステップS686)。具体的には、30秒を計測するタイマをセットし、該タイマがタイムアウトした際に客待ちデモ画面を演出表示装置9に表示する。なお、計測中に変動パターンコマンドなどを受信した場合には、該タイマをリセットし、計測を終了する。ステップS686の後、各保留記憶数保存領域に格納する保留記憶数をクリアする(ステップS687)。そして、変動中フラグをリセットする(ステップS688)。
受信した演出制御コマンドが第1大当り終了指定コマンド(コマンドA300(H))であれば(ステップS625)、演出制御用CPU101は、第1大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。
受信した演出制御コマンドが第2大当り終了指定コマンド(コマンドA301(H))であれば(ステップS627)、演出制御用CPU101は、第2大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば(ステップS679)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を通常状態に応じた背景画面(例えば、青色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS680)。また、演出制御用CPU101は、セットされていれば、遊技状態が時短状態であることを示す時短状態フラグをリセットする(ステップS681)。
また、受信した演出制御コマンドが時短状態背景指定コマンドであれば(ステップS682)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を時短状態に応じた背景画面(例えば、赤色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS683)。また、演出制御用CPU101は、時短状態フラグをセットする(ステップS684)。
受信した演出制御コマンドが役物開放開始指定コマンド(コマンドD300(H))であれば(ステップS629)、演出制御用CPU101は、役物開放開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS630)。
受信した演出制御コマンドが役物開放終了指定コマンド(コマンドD400(H))であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、役物開放終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS632)。
受信した演出制御コマンドが変動中断指定コマンド(コマンドD500(H))であれば(ステップS633)、演出制御用CPU101は、特別図柄の可変表示が中断していることを示す変動中断中フラグをセットする(ステップS634)。
受信した演出制御コマンドが変動再開指定コマンド(コマンドD600(H))であれば(ステップS635)、演出制御用CPU101は、変動中断中フラグをリセットする(ステップS636)。
受信した演出制御コマンドが第1カウントスイッチ検出指定コマンド(コマンドD000(H))であれば(ステップS637)、演出制御用CPU101は、第1カウントスイッチ検出フラグをセットする(ステップS638)。
受信した演出制御コマンドが第2カウントスイッチ検出指定コマンド(コマンドD100(H))であれば(ステップS639)、演出制御用CPU101は、第2カウントスイッチ検出フラグをセットする(ステップS640)。
受信した演出制御コマンドがV入賞スイッチ検出指定コマンド(コマンドD200(H))であれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、V入賞スイッチ検出フラグをセットする(ステップS642)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをセットする(ステップS644)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(ステップS646)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをセットする(ステップS647)。
受信した演出制御コマンドが第2遊技終了指定コマンドであれば(ステップS650)、演出制御用CPU101は、第2大当り開始フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS651)。セットされていれば、すなわち、第2大当り遊技がおこなわれていた場合には、第2大当り開始フラグをリセットし(ステップS652)、変動中フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS653)。セットされていれば、すなわち、特別図柄が継続して変動されているときに第2大当り遊技が発生していた場合には、時短状態フラグがセットされているか否かを判定することで時短状態であるか否かを判定する(ステップS654)。セットされていれば、すなわち、時短状態において特別図柄が継続して変動されているときに第2大当り遊技が発生していた場合には、残余時短回数Kから1を減算する(ステップS655)。残余時短回数Kは、時短状態が終了するまでの識別情報の可変表示の残余回数として演出制御用マイクロコンピュータ100が認識する値であり、演出制御用マイクロコンピュータ100は、残余時短回数Kの値を演出表示装置9に表示する演出(以下「残余回数表示」という)をおこなうことにより、時短状態が終了するまでの識別情報の可変表示の残余回数を遊技者に報知している。ステップS655の後、演出制御用CPU101は、減算した残余時短回数Kの値に残余回数表示を切替表示する(ステップS656)。また、第2遊技終了指定コマンドを受信した場合であっても、第2大当り開始フラグ、変動中フラグおよび時短状態フラグのうちいずれかのフラグがセットされていなかった場合には、残余時短回数Kの減算処理(ステップS655)や、減算結果にもとづく切替表示(ステップS656)はおこなわれない。このように、本実施の形態では、識別情報の可変表示中に第2遊技終了指定コマンドが受信された場合、第2大当り遊技が発生することを条件として残余時短回数Kを更新(減算)する一方、該条件が成立していなければ残余時短回数Kを更新(減算)しない構成としている。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS649)。そして、ステップS611に移行する。
図31は、図26に示されたメイン処理における第1演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。第1演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、第1演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、第1演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、第1演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を第1大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
第1大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を第1ラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
第1ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、第1演出制御プロセスフラグの値を第1ラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
第1ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド開始条件が成立したら、第1演出制御プロセスフラグの値を第1ラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、第1演出制御プロセスフラグの値を第1大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
第1大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図32は、図26に示された第1演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。なお、前述したように、この実施の形態では、停電復旧時にも表示結果指定コマンドの送信が行われる(ステップS44参照)のであるが、図32に示すように、この実施の形態では、通常時には、変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて演出図柄変動開始処理に移行し演出図柄の変動表示を開始するので、変動パターンコマンドを受信することなく表示結果指定コマンドを受信したのみでは演出図柄の変動表示は開始されない。
図33は、図31に示された第1演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8001)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8001で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8002)。すなわち、演出制御用CPU101によってステップS8002の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、ステップS8002において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。なお、ステップS8002において、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
図34は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図34に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが大当り(「非時短大当り」または「時短大当り」)を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドまたは表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として左中右が同じ図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。なお、非時短大当りと時短大当りとで大当り図柄の種類を異ならせてもよい。例えば、非時短大当りとなる場合には同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定するようにし、時短大当りとなる場合には同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定するようにしてもよい。
また、受信した表示結果指定コマンドが「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
次いで、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示中に演出表示装置9において予告演出(連続予告演出以外の予告演出。例えば、本実施の形態における高信頼度示唆演出および解説演出。ステップアップ予告演出やミニキャラ予告演出、可動物予告演出、演出羽根役物予告演出などであってもよい。)を実行するか否かを決定したり予告演出の演出態様を設定する予告演出設定処理を実行する(ステップS8003)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御用CPU101は、変動パターンおよび設定した予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8004)。
そして、演出制御用CPU101は、残余時短回数Kの値が「0」より大きいか否かを判定し(ステップS3301)、「0」であればステップS8005へ移行する。「0」より大きい場合、残余時短回数Kから1を減算する(ステップS3302)。そして、演出制御用CPU101は、ステップS3302において減算した残余時短回数Kの値に切替表示する(ステップS3303)。このように、本実施の形態では、変動パターンコマンドが受信された場合、時短残余回数Kを更新(減算)する構成としている。なお、本実施の形態においては、残余時短回数Kの更新および切替表示の処理について、演出図柄変動開始処理において実行することとしたがこれに限るものではなく、例えば、図31に示した第1演出制御プロセス処理において、第1演出制御プロセスフラグに応じた処理に移行する前に、時短状態フラグおよび変動パターンコマンド受信フラグがセットされていることを条件として、残余時短回数Kの更新および切替表示の処理をおこなうこととしてもよい。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8005)。
図35は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図35に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8006)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8007)。
そして、演出制御用CPU101は、第1演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8008)。
図36は、第1演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動中断中フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS8123)、セットされている場合はステップS8125へ移行する。セットされていない場合、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS8124)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS8126)。変動中断中フラグがセットされていない場合には、ステップS8127へ移行する。このように、変動中断中フラグがセットされている場合にはステップS8124,S8126をおこなわないことにより、演出図柄の可変表示を進展させないこととしている。言い換えれば、特別図柄の可変表示が中断している場合には、演出図柄の可変表示も中断させることとしている。なお、本実施の形態では、上述したように、演出図柄変動中処理において変動中断中フラグがセットされているときにはプロセスタイマおよび変動時間タイマの減算をおこなわないことにより、演出図柄の可変表示の中断を実現することとしたが、これに限るものではない。例えば、図31に示した第1演出制御プロセス処理において、変動中断中フラグがセットされている場合には、ステップS800〜S807をおこなうことなくそのまま第1演出制御プロセス処理を終了することにより、演出図柄の可変表示の中断を実現することとしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8127)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS8131)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS8132)。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS8133)、第1演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS8134)。
図37は、第1演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8301)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、ステップS8306に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS8305で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS8302の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS8306に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、決定されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS8302)。
次いで、ステップS8302の処理で大当り図柄を表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS8304のN)、演出制御用CPU101は、ステップS8321に移行する。
ステップS8302の処理で大当り図柄を停止表示した場合には(ステップS8304のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS8305)、第1大当り開始指定コマンドを受信したことを示す第1大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS8306)。第1大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、その第1大当り開始指定コマンド受信フラグをリセットするとともに、停止図柄表示フラグをリセットする(ステップS8307)。
次いで、演出制御用CPU101は、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8309)。そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS8310)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8311)。
その後、演出制御用CPU101は、第1演出制御プロセスフラグの値を第1大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS8320)。
一方、大当りとしないことに決定されている場合には(ステップS8304のN)、演出制御用CPU101は、第1演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS8321)。
図38は、第1演出制御プロセス処理における第1大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。第1大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、まず、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1901)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS1901のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS1902)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、LED25,28等)の制御を実行する(ステップS1903)。例えば、大当りが発生したことを示す文字やキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS1904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS1905)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1906)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS1901のY)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS1907)、大当り演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1912)。そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS1913)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS1914)。そして、演出制御用CPU101は、第1演出制御プロセスフラグの値を第1ラウンド中処理(ステップS4002)に対応した値に設定する(ステップS1915)。
図39は、第1演出制御プロセス処理における第1大当り終了演出処理(ステップS4004)を示すフローチャートである。第1大当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、まず、エンディング演出の演出期間を計測するための演出期間計測タイマを1減算する(ステップS3901)。そして、減算後の演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS3902)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS3902のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS3904)。また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS3905)。例えば、大当りが終了することを表示したり、所定のキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていない場合には(ステップS3906のN)、処理を終了する。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS3906のY)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS3907)。また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS3908)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていれば(ステップS3902のY)、演出制御用CPU101は、終了した大当りが時短大当りであるか否かを判定し(ステップS3909)、時短大当りであれば回数設定処理(図40参照)をおこない(ステップS3910)、ステップS3913へ移行する。時短大当りでない場合、演出制御用CPU101は、残余時短回数Kに0をセットし(ステップS3911)、残余時短回数Kの表示を終了する(ステップS3912)。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS3913)。なお、本実施の形態では、上述したように、発生した大当りにもとづいて残余時短回数Kの表示を終了するタイミングを第1大当り遊技の終了時(ステップS3912参照)としたが、他のタイミングにて残余時短回数Kの表示を終了することとしてもよい。具体的には、第1大当り遊技の開始の開始タイミング(例えば、第1大当り表示処理)や、演出図柄の変動停止タイミング(例えば、演出図柄変動停止処理中)にて、大当り種別が非時短大当りであれば、残余時短回数Kの表示を終了することとしてもよい。
図40は、回数設定処理を示すフローチャートである。回数設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、残余時短回数Kに100をセットし(ステップS4310)、残余時短回数Kの表示を開始する(ステップS4311)。なお、本実施の形態では、時短大当りである場合には100回の時短が付与されることとしたため、ステップS4310において残余時短回数Kに100をセットすることとしたが、付与される時短回数の異なる複数種類の時短大当りが設けられている場合には、時短大当りの種類に応じた値が残余時短回数Kにセットされる。
図41は、図26に示されたメイン処理における第2演出制御プロセス処理(ステップS706)を示すフローチャートである。第2演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、第2演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS4000〜S4004のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
役物開放表示処理(ステップS4000):可変入賞球装置(役物)24が開放状態に制御されていることを表示する制御を行う。そして、第2大当り開始指定コマンドを受信していれば、第2演出制御プロセスフラグの値を第2大当り表示処理(ステップS4001)に対応した値に更新する。
第2大当り表示処理(ステップS4001):演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、第2演出制御プロセスフラグの値を第2ラウンド中処理(ステップS4002)に対応した値に更新する。
第2ラウンド中処理(ステップS4002):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、第2演出制御プロセスフラグの値を第2ラウンド後処理(ステップS4003)に対応した値に更新する。
第2ラウンド後処理(ステップS4003):ラウンド間の表示制御を行う。そして、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド開始条件が成立したら、第2演出制御プロセスフラグの値を第2ラウンド中処理(ステップS4002)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、第2演出制御プロセスフラグの値を第2大当り終了処理(ステップS4004)に対応した値に更新する。
第2大当り終了演出処理(ステップS4004):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、第2演出制御プロセスフラグの値を役物開放表示処理(ステップS4000)に対応した値に更新する。
図42は、第2演出制御プロセス処理における役物開放表示処理(ステップS4000)を示すフローチャートである。役物開放表示処理において、演出制御用CPU101は、まず、役物開放開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS4101)。役物開放開始指定コマンド受信フラグがセットされていれば(すなわち、役物開放開始指定コマンドを受信した場合であれば)、演出制御用CPU101は、可変入賞球装置(役物)24の開放中であることを示す役物開放演出の実行を開始する。具体的には、役物開放中表示(例えば、「役物開放中」などの文字列)を重畳表示する制御を行う(ステップS4104)。なお、ステップS4104においては、役物開放中表示を重畳表示するものに限らず、この時点まで表示していた画像から役物開放中表示に切り替えて表示することとしてもよい。そして、演出制御用CPU101は、その役物開放開始指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS4105)、役物開放表示処理を終了する。
ステップS4101において、役物開放開始指定コマンド受信フラグがセットされてなければ、演出制御用CPU101は、役物開放終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS4106)。役物開放終了指定コマンド受信フラグがセットされていれば(すなわち、役物開放終了指定コマンドを受信した場合であれば)、演出制御用CPU101は、その役物開放終了指定コマンド受信フラグをリセットするとともに、演出表示装置9において、役物開放中表示を消去する制御を行うことにより、役物開放演出を終了する(ステップS4107)。
次いで、演出制御用CPU101は、第2大当り開始指定コマンドを受信したことを示す第2大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS4108A)。第2大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、その第2大当り開始指定コマンド受信フラグをリセットするとともに(ステップS4108B)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS4109)。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS4110)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS4111)。
その後、演出制御用CPU101は、第2演出制御プロセスフラグの値を第2大当り表示処理(ステップS4001)に応じた値に更新する(ステップS4114)。
図43は、第2演出制御プロセス処理における第2大当り表示処理(ステップS4001)を示すフローチャートである。第2大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、まず、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS4201)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS4201のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS4203)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、LED25,28等)の制御を実行する(ステップS4204)。例えば、大当りが発生したことを示す文字やキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS4205)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS4206)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS4207)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS4201のY)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS4208)、大当り演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS4214)。S4214の後、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS4215)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS4216)。そして、演出制御用CPU101は、第2演出制御プロセスフラグの値を第2ラウンド中処理(ステップS4002)に対応した値に設定する(ステップS4217)。
図44は、第2演出制御プロセス処理における第2大当り終了演出処理(ステップS4004)を示すフローチャートである。第2大当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、まず、エンディング演出の演出期間を計測するための演出期間計測タイマを1減算する(ステップS4501)。そして、減算後の演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS4502)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS4502のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS4504)。また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS4505)。例えば、大当りが終了することを表示したり、所定のキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていない場合には(ステップS4506のN)、処理を終了する。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS4506のY)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS4507)。また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS4508)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていれば(ステップS4502のY)、演出制御用CPU101は、時短状態フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS4510)、セットされていなければステップS4512へ移行する。セットされていれば、回数設定処理(図40参照)をおこない(ステップS4511)、第2演出制御プロセスフラグの値を役物開放表示処理(ステップS4000)に応じた値に更新する(ステップS4512)。このように、演出制御用CPU101は、制御された大当り遊技が第1大当り遊技および第2大当り遊技のいずれであっても、大当り終了指定コマンドにもとづいて回数設定処理をおこなうこととしている。
次に、図45および図46を用いて、残余時短回数Kの値を報知する演出をおこなう際のタイミングチャートについて説明する。図45および図46に示すタイミングチャートには、タイミング毎の、特別図柄の変動(特別図柄変動)、可変入賞球装置(役物)24の開放制御(役物開放制御)、V入賞による大当り遊技(第2大当り遊技)、演出表示装置9を用いて実行する演出内容(演出表示装置)、遊技制御用マイクロコンピュータ560による時短回数カウンタの更新(減算)、および演出制御用マイクロコンピュータによる残余時短回数Kの更新(減算)について示している。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560による時短回数カウンタの更新(減算)については「特別図柄変動」の上部に、演出制御用マイクロコンピュータ100による残余時短回数Kの更新(減算)については「演出表示装置」の下部に、それぞれ示している。
図45は、時短状態において、特別図柄の可変表示中に作動口17へ遊技球が入賞し、V入賞が発生することなく可変入賞装置(役物)24の開放制御が終了するパターン(以下、「パターンA」という)におけるタイミングチャートである。具体的に、パターンAのタイミングチャートにおいて、特別図柄の可変表示が開始されるタイミングa0にて、残余時短回数Kの値が「44」から「43」に更新(減算)され、演出表示装置9に「残り43回」といった文字情報が表示される。そして、特別図柄の可変表示が停止されるタイミングa1にて、時短回数カウンタの値が「44」から「43」に更新(減算)される。
そして、次の特別図柄の可変表示が開始されるタイミングa2にて、残余時短回数Kの値が「43」から「42」に更新(減算)され、演出表示装置9に表示されていた文字情報が「残り42回」に切替表示される。そして、特別図柄の可変表示中のタイミングa3にて作動口17への遊技球の入賞が発生し、特別図柄の可変表示が中断されるとともに、可変入賞球装置(役物)24の開放制御が開始される。このとき、演出図柄の可変表示も中断され、可変入賞球装置(役物)24の開放中であることを示す役物開放中表示(例えば、「チャンス!」といった文字情報の表示)がおこなわれる。そして、V入賞が発生しないまま変入賞球装置(役物)24の開放制御が終了されるタイミングa4にて、特別図柄の可変表示が再開される。このとき、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から第2遊技終了指定コマンドを受信するが、第2大当り遊技が発生していないため残余時短回数Kの更新(減算)はおこなわない。
そして、特別図柄の可変表示が終了するタイミングa5にて、時短回数カウンタの値が「43」から「42」に更新(減算)され、次の可変表示が開始されるタイミングa6にて、残余時短回数Kの値が「42」から「41」に更新(減算)され、演出表示装置9に表示されていた文字情報が「残り41回」に切替表示される。このように、特別図柄の可変表示中に第2大当り遊技に制御されなかった場合、第2遊技終了指定コマンドを受信しても残余時短回数Kを更新しないことにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560が認識する時短状態の残余回数(時短回数カウンタの値)と、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識する時短状態の残余回数(残余時短回数Kの値)とに不整合は生じないこととなる。
次に、図46は、時短状態において、特別図柄の可変表示中に作動口17へ遊技球が入賞し、V入賞が発生するパターン(以下、「パターンB」という)におけるタイミングチャートである。具体的に、パターンBのタイミングチャートにおいて、特別図柄の可変表示が開始されるタイミングb0にて、残余時短回数Kの値が「44」から「43」に更新(減算)され、演出表示装置9に「残り43回」といった文字情報が表示される。そして、特別図柄の可変表示が停止されるタイミングb1にて、時短回数カウンタの値が「44」から「43」に更新(減算)される。
次に、次の特別図柄の可変表示が開始されるタイミングb2にて、残余時短回数Kの値が「43」から「42」に更新(減算)され、演出表示装置9に表示されていた文字情報が「残り42回」に切替表示される。そして、特別図柄の可変表示中のタイミングb3にて作動口17への遊技球の入賞が発生し、特別図柄の可変表示が中断されるとともに、可変入賞球装置(役物)24の開放制御が開始される。このとき、演出図柄の可変表示も中断され、可変入賞球装置(役物)24の開放中であることを示す役物開放中表示(例えば、「チャンス!」といった文字情報の表示)がおこなわれる。そして、可変入賞球装置(役物)24の開放中のタイミングb4にてV入賞が発生し、可変入賞球装置(役物)24の開放制御が終了され、第2大当り遊技が開始される。このとき、演出表示装置9には大当り演出が表示される。そして、第2大当り遊技が終了するタイミングb5にて、時短回数カウンタおよび残余時短回数Kの値として「100」がセットされるとともに、特別図柄の可変表示が再開される。また、このとき、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から第2遊技終了指定コマンドを受信する。そして、第2大当り遊技が発生したことにより、残余時短回数Kの値が「100」から「99」に更新(減算)され、演出表示装置9に「残り99回」といった文字情報が表示される。
そして、特別図柄の可変表示が終了するタイミングb6にて、時短回数カウンタの値が「100」から「99」に更新(減算)され、次の可変表示が開始されるタイミングb7にて、残余時短回数Kの値が「99」から「98」に更新(減算)され、演出表示装置9に表示されていた文字情報が「残り98回」に切替表示される。このように、特別図柄の可変表示中に第2大当り遊技に制御された場合、第2遊技終了指定コマンドを受信したときに残余時短回数Kを更新することにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560が認識する時短状態の残余回数(時短回数カウンタの値)と、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識する時短状態の残余回数(残余時短回数Kの値)との間に不整合は生じないこととなる。
このように、図45および図46に示したタイミングチャートのような制御をおこなうことにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560により認識されている時短状態における残余回数(時短回数カウンタ)と、演出制御用マイクロコンピュータ100により認識されている時短状態における残余回数(残余時短回数K)との間にずれが生じることを防ぐことができる。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、識別情報の可変表示の回数が所定回数(本例では、100回)になるまで通常状態よりも遊技者にとって有利な有利遊技状態(本例では、時短状態)に制御し、演出制御手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100)は、識別情報の可変表示に関連する可変表示関連コマンド(本例では、変動パターンコマンド)を受信した場合、有利遊技状態において識別情報の可変表示の回数が所定回数になるまでの残余回数(本例では、残余時短回数K)を更新し、識別情報の可変表示中に所定コマンド(本例では、第2遊技終了指定コマンド)が受信された場合、所定の条件(本例では、第2大当り遊技に制御されること)が成立していれば残余回数を更新する一方、所定の条件が成立していなければ残余回数を更新しないこととした。これにより、残余回数の不整合を抑制することができる。
なお、有利遊技状態とは、通常状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態であれば時短状態に限るものではなく、例えば、通常状態が低確率低ベース状態であれば、低確率高ベース状態、高確率低ベース状態または高確率高ベース状態など、いずれの遊技状態であってもよい。また、識別情報の可変表示に関連する可変表示関連コマンドを受信した場合に残余回数を更新するものであれば、変動パターンコマンドを受信した場合に残余回数を更新するものに限るものではなく、例えば、表示結果指定コマンドや図柄確定指定コマンドや背景指定コマンドを受信した場合に残余回数を更新するものであってもよい。また、本実施の形態では、演出表示装置9を用いて残余回数の報知をおこなうこととしたが、これに限るものではなく、例えば、スピーカ27やいずれかのLEDを用いて残余回数を報知することとしてもよい。
また、所定コマンドとは、いずれのコマンドであってもよい。例えば、演出制御手段は、変動中フラグがセットされているときに、変動再開指定コマンドや第2大当り終了指定コマンドを所定コマンドとして受信した場合、第2大当り遊技に制御されていれば残余回数を更新する一方、第2大当り遊技に制御されていなければ残余回数を更新しないこととしてもよい。また、例えば、第2遊技終了指定コマンドを受信したときに残余回数の更新をおこなう一方、第2遊技終了指定コマンドを受信していないにもかかわらず第2遊技終了指定コマンド以外のコマンド(具体的には、変動再開指定コマンドや図柄確定指定コマンドなど)を受信したときには、第2遊技終了指定コマンドを取りこぼしたものとみなし、所定の条件の成立の有無にもとづいて残余回数の更新をおこなうこととしてもよい。
また、本実施の形態に示したように、第1領域(本例では、作動口17)に遊技球が入賞したことにもとづいて入賞容易な状態に変化する可変入賞装置(本例では、可変入賞球装置(役物)24)を備えた遊技機において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2領域(本例では、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14)に遊技球が入賞したことにもとづいて識別情報の可変表示をおこない、識別情報の可変表示の表示結果として特定表示結果(本例では、大当り図柄)が導出表示されたときに第1特定遊技状態(本例では、第1大当り遊技)に制御し、可変入賞装置内に設けられた特定領域(本例では、V入賞領域)に遊技球が進入したことにもとづいて第2特定遊技状態(本例では、第2大当り遊技)に制御することとした。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示関連コマンドと、可変入賞装置の動作にかかわる所定コマンド(本例では、第2遊技終了指定コマンド)とを演出制御用マイクロコンピュータ100送信することとした。これにより、イレギュラーに発生する状態に対応して残余回数の不整合を抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、2つの第2領域が設けられていることとしたが、これに限るものではなく、単一の第2領域が設けられているものであっても、3つ以上の第2領域が設けられているものであってもよい。また、単一の第1領域が設けられているものとしたが、複数の第2領域が設けられていることとしてもよい。また、可変入賞装置の動作にかかわる所定コマンドとして第2遊技終了指定コマンドを挙げて説明したが、これに限るものではなく、役物開放開始指定コマンドや役物開放終了指定コマンドを可変入賞装置の動作にかかわる所定コマンドとしてもよい。
また、本実施の形態に示したように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特定遊技状態(本例では、第1大当り遊技)または第2特定遊技状態(本例では、第2大当り遊技)が終了したことを示す特定遊技状態終了コマンド(本例では、大当り終了指定コマンド)を送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特定遊技状態終了コマンドを受信したことにもとづいて所定回数を設定する(本例では、回数設定処理を実行する)こととした。そのような構成によれば、所定回数を設定する設定モジュールの共通化を図ることができる。
また、本実施の形態に示したように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、識別情報の可変表示終了時に残余回数の更新(本例では、時短回数カウンタの減算)をおこない、識別情報の可変表示開始時に可変表示関連コマンド(本例では、変動パターンコマンド)を送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示関連コマンドが受信されたときに残余回数を更新(本例では、残余時短回数Kを減算)することとした。そのような構成によれば、残余回数を1回として報知したときの可変表示開始時に有利遊技状態が終了することにより違和感が生じることを防止することができる。
なお、本実施の形態において、演出制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が継続しておこなわれているときに第2遊技終了指定コマンドを受信した場合、第2大当り開始フラグがセットされていれば残余時短回数Kを更新することとしたが、第2大当り遊技に制御されたことを条件に残余時短回数Kを更新するものであれば、第2大当り遊技に制御されたか否かの判定方法については、他の方法を用いるものであってもよい。
例えば、コマンド受信バッファに格納されているコマンドにもとづいて、第2大当り遊技に制御されたか否かを判定するものであってもよい。具体的には、第2遊技終了指定コマンドの直前に第2大当りに関連する演出制御コマンド(例えば、第2大当り終了指定コマンド)が記憶されていれば第2大当り遊技に制御されたと判定する一方、第2遊技終了指定コマンドの直前に第2大当りに関連する演出制御コマンドが記憶されていなければ(例えば、変動中断指定コマンドが記憶されていれば)、第2大当り遊技に制御されていないと判定することとしてもよい。
また、例えば、第2演出制御プロセスフラグの値にもとづいて、第2大当り遊技に制御されたか否かを判定するものであってもよい。具体的には、第2演出制御プロセスフラグの値が第2大当り終了演出処理に応じた値であれば第2大当り遊技に制御されたと判定する一方、第2演出制御プロセスフラグの値が役物開放表示処理に応じた値であれば第2大当り遊技に制御されていないと判定することとしてもよい。
なお、本実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、時短状態において第2遊技終了指定コマンドを受信した場合、特別図柄の可変表示が継続しておこなわれているとき(すなわち、変動中フラグがセットされているとき)であれば残余時短回数Kを更新することとしたが、少なくとも特別図柄の可変表示がおこなわれているときであれば、これに限るものではない。例えば、時短状態における特別図柄の停止表示中(保留記憶数は0でない)に第2遊技終了指定コマンドを受信した場合には残余時短回数Kを更新しないものとすれば、より正確に残余回数の不整合を抑制することができる。具体的には、変動中フラグがセットされる契機を変動パターンコマンドの受信とし、変動中フラグがリセットされる契機を図柄確定指定コマンドの受信とし、変動中フラグがセットされていないときに第2遊技終了指定コマンドを受信した場合には残余時短回数Kを更新しないものとすればよい。
また、特別図柄の可変表示が中断しているときには、演出図柄の可変表示も同期して中断させることとしたが、これに限るものではない。例えば、特別図柄の可変表示が中断した場合、実行中の演出内容にもとづいて演出図柄の可変表示を中断させることとしてもよい。具体的には、特別図柄の可変表示が中断したときに、非リーチ演出を実行していれば演出図柄の可変表示を中断する一方、リーチ演出を実行していれば演出図柄の可変表示を継続して実行することとしてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560における時短状態の残余回数の更新(時短回数カウンタの減算)をおこなうタイミングについてはいずれのタイミングであってもよいが、仮に、変動開始タイミングに残余回数の更新(時短回数カウンタの減算)する構成とした場合、時短回数カウンタの値が「0」になることを契機に時短フラグをリセットすることとなるため、所定回数(例えば、100回)の時短が付与された場合にも、100回目の変動開始時に時短フラグがリセットされるため、遊技者に所定回数よりも1回少ない回数(例えば、99回)の時短しか付与されていないように誤認させてしまい、不信感を与えてしまう虞がある。そのため、本実施の形態のように、遊技制御用マイクロコンピュータ560における時短状態の残余回数の更新(時短回数カウンタの減算)をおこなうタイミングを、特別図柄の変動停止タイミングとすることにより、時短状態の最後の変動停止時に時短フラグをリセットすることとなり、遊技者に不信感を与えてしまうことを防止することができる。なお、所定回数(例えば、100回)の変動が終了した次の変動(例えば、101回目の変動)の開始タイミングにて時短フラグをリセットする構成としても、遊技者に不信感を与えてしまうことを防止することができるが、その場合、所定回数の変動が終了された時点から次の変動が開始される時点までの間に「残り0回」と表示することとなるため、時短状態の最後の変動が終了したにもかかわらず時短状態が継続していることとなり、遊技者に違和感を与えてしまう虞がある。更に、時短回数より「1」だけ大きい値のデータを時短回数カウンタにセットしなくてはならなくなってしまうため、処理負担が増加することが考えられる。そのため、上述したように、遊技制御用マイクロコンピュータ560における時短状態の残余回数の更新(時短回数カウンタの減算)を特別図柄の変動停止タイミングにおこなうことにより、いずれの不具合をも防止することができる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100における時短状態の残余回数の更新(残余時短回数Kの減算)をおこなうタイミングも、いずれのタイミングであってもよいが、仮に、変動停止タイミングに残余回数の更新(残余時短回数Kの減算)をおこなう構成とした場合、時短状態における最後の演出図柄の可変表示中には「残り1回」と表示されることとなる。そうなった場合、遊技者に対して、通常状態に移行してしまうにもかかわらず、時短状態による変動があと1回残っていると誤認させる虞があり、遊技者に不信感を与えてしまうことがある。そのため、本実施の形態のように、演出制御用マイクロコンピュータ100における時短状態の残余回数の更新(残余時短回数Kの減算)をおこなうタイミングを、演出図柄の変動開始タイミングとすることにより、時短状態の最後の演出図柄の可変表示中に「残り0回」と表示することができ、遊技者に時短状態の残余回数を誤認させて不信感を与えてしまうことを防止することができる。
また、本実施の形態において、各大当り遊技に対応する大当り開始指定コマンドがそれぞれ設けられている構成としたが、第1大当り遊技と第2大当り遊技とで、共通の大当り開始指定コマンドが送信されることとしてもよい。その場合、共通の大当り開始指定コマンドを受信した演出制御用マイクロコンピュータ100は、本実施の形態における第2大当り開始フラグに相当するフラグ(以下「大当り開始フラグ」とする)をセットし、第1大当り遊技であった場合には第1大当り遊技終了を該大当り開始フラグのリセットの契機とする一方、第2大当り遊技であった場合には第2遊技終了指定コマンドを受信することを該大当り開始フラグのリセットの契機とすることとすれば、第1大当り遊技であった場合にも残余時短回数Kを更新したり、残余回数表示を切替表示したりしてしまうことを防ぐことができる。
また、本実施の形態においては、特別図柄通常処理において合算保留記憶数が0であるときに客待ちデモ指定コマンドを送信することとしているが(ステップS51A参照)、他のタイミングにも客待ちデモ指定コマンドを送信することとしてもよく、例えば、エンディング指定コマンドを送信してから次の特別図柄の可変表示を開始するまでの間や、エンディング指定コマンドを送信してから作動口17への入賞が発生するまでの間に客待ちデモ指定コマンドを送信することとしてもよい。
なお、本実施の形態では、作動口17への遊技球の進入タイミングと、可変入賞球装置(役物)24の開放制御が開始されるタイミングとが同じタイミングであるため、作動口17に遊技球が進入した場合に該タイミングにて変動演出から役物開放演出に切り替えることとしたが、作動口17に遊技球が進入したことにもとづくタイミングに切り替えるものであれば、これに限るものではない。例えば、作動口17への遊技球の通過タイミングと、可変入賞球装置(役物)24の開放制御が開始されるタイミングとが異なるタイミングである場合、作動口17への遊技球の進入タイミングにて変動演出から役物開放演出に切り替えることとしてもよいし、可変入賞球装置(役物)24の開放制御が開始されるタイミングにて変動演出から役物開放演出に切り替えることとしてもよい。
なお、本実施の形態では、作動口17に遊技球が進入した場合に必ず可変入賞球装置(役物)24を開放することとしたが、これに限るものではなく、作動口17に遊技球が進入した場合に所定の割合で可変入賞球装置(役物)24を開放することとしてもよい。また、可変入賞球装置(役物)24の開放制御の契機となる入賞口(作動口17)は、特別図柄の変動開始の契機となる始動入賞口として機能するものであってもよい。具体的には、該入賞口に遊技球が進入したことにもとづいて、第1大当り遊技状態とするか、所定の判定結果(以下、「小当り」とする)とするか、はずれとするかを判定し、小当りとすると判定された場合に可変入賞球装置(役物)24を開放する(小当り遊技状態となる)こととしてもよい。そして、変動演出における第1部分の実行中に、該入賞口への遊技球の進入したことにもとづいて、識別情報の可変表示にもとづく演出から該入賞口への遊技球の進入にもとづく演出に切り替え、変動演出における第2部分の実行中に、該入賞口への遊技球の進入したことにもとづいて、実行中の演出を継続して実行することとしてもよい。その際、該入賞口への遊技球の進入にもとづく演出に切り替えるタイミングとしては、該入賞口へ遊技球が入賞したタイミングや、小当り遊技状態の開始タイミングや、可変入賞球装置(役物)24へ遊技球が入賞したタイミングや、特定領域へ遊技球が入賞したタイミングや、該入賞口への遊技球の進入したことにもとづく特別図柄の変動開始タイミングや、特別図柄を小当り図柄にて停止表示するタイミングなどであってもよい。
また、上述したように、識別情報の可変表示にもとづく演出(本例では、変動演出)から作動口17への遊技球の進入にもとづく演出(本例では、役物開放演出)に切り替えた後に再び識別情報の可変表示にもとづく演出を実行する場合には、作動口17への遊技球の進入にもとづく演出に切り替える前の続きから識別情報の可変表示にもとづく演出を実行することとした。これにより、識別情報の可変表示にもとづく演出が再開されるときに、演出の繋がりを遊技者に把握させやすくすることができる。
また、本実施の形態における作動口17へ遊技球が進入した場合には、賞球が払い出されない構成としたが、これに限るものではなく、所定数の賞球が払い出されることとしてもよい。
なお、本実施の形態において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変入賞球装置(役物)24の開閉制御または第2大当り遊技が終了した場合、特別図柄の可変表示の中断中であるか否かにかかわらず、第2遊技終了指定コマンドを送信し、該第2遊技終了指定コマンドを受信した演出制御用マイクロコンピュータ100は、特別図柄の可変表示の中断中であれば残余時短回数Kの更新をおこなうこととした。しかし、特別図柄の可変表示の中断中でない(例えば、客待ち中)ときに可変入賞球装置(役物)24の開閉制御または第2大当り遊技が終了した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560が第2遊技終了指定コマンドを送信しても、演出制御用マイクロコンピュータ100は残余時短回数Kの更新をおこなわない。そこで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示の中断中でない(例えば、客待ち中)ときに可変入賞球装置(役物)24の開閉制御または第2大当り遊技が終了した場合には第2遊技終了指定コマンドを送信しないよう構成すれば、処理負担を軽減することができる。その場合に送信される第2遊技終了指定コマンドは、本実施の形態における変動再開指定コマンドとほぼ同じタイミングで送信されることとなるため、変動再開指定コマンドが設けられているものであれば、第2遊技終了指定コマンドを設けないこととしてもよい。すなわち、本実施の形態における第2遊技終了指定コマンドを送信する処理(ステップS2525B,S1580)を設けずに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動再開指定コマンドを受信したときに特別図柄の可変表示の中断中であれば残余時短回数Kの更新をおこなうこととすれば、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、上述したように、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされないため、電源が一旦切断されて復旧したときには、残余時短回数Kの値が記憶されていないこととなる。そこで、電源復旧時には、「残り?回」のように残余回数を明確にしない画像を表示することとしてもよいし、残余回数表示自体をおこなわないこととしてもよい。また、電源復旧時に、残余回数を特定可能なコマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信することとし、該コマンドを受信した演出制御用マイクロコンピュータ100は、該コマンドにもとづいて残余時短回数Kの値をセットし直し、残余回数表示をおこなうこととしてもよい。その場合も、変動パターンコマンドなどの可変表示関連コマンドや、第2遊技終了指定コマンドを受信することにもとづいて、セットし直した残余時短回数Kの値を更新することとすればよい。また、電源復旧時に残余時短回数Kの値をセットし直した場合であっても、電源復旧直後は、「残り?回」のように残余回数を明確にしない画像を表示したり、残余回数が0回であることを示す画像を表示したり、または残余回数表示自体をおこなわないこととし、新たな可変表示の開始タイミング(例えば、変動パターンコマンド受信時)や第2遊技終了タイミングなどに、残余時短回数Kの値を報知する通常の残余回数表示を復旧させることとしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、電源復旧時ではなく、変動開始時に残余回数を特定可能なコマンドを送信することとすれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、電源復旧後の最初の変動時(例えば、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、背景指定コマンド、図柄確定指定コマンド、または保留記憶数加算/減算指定コマンドの受信時)に該コマンドにもとづいて残余時短回数Kの値をセットし直し、残余回数表示を復旧させることとしてもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMを電源バックアップされることとすれば、電源切断の有無にかかわらず、変動パターンコマンドなどの可変表示関連コマンドや、第2遊技終了指定コマンドを受信することにもとづいて、残余時短回数Kの値を更新して報知することとすればよい。
なお、上述した実施の形態について、特別図柄や演出図柄の可変表示結果にもとづいて第1大当り遊技状態に移行するとともに、遊技領域に設けられた可変入賞球装置(いわゆる役物)内の特定入賞口(V入賞口)に遊技球が入賞(V入賞)したことにもとづいて第2大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第一種および第二種の混合機)について説明したが、特別図柄や演出図柄の可変表示結果にもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第一種の遊技機)において適用することとしてもよい。例えば、二つの識別情報を同時に可変表示可能な構成とし、一方の識別情報が特定表示結果(大当り図柄)となる場合には、他方の識別情報の可変表示を中断する遊技機において適用することとしてもよい。具体的には、演出制御手段が、変動パターンコマンドを受信した場合に残余回数を更新し、他方の識別情報の可変表示を再開する旨を示すコマンドを受信した場合、所定の条件が成立していれば残余回数を更新する一方、該所定の条件が成立していなければ残余回数を更新しないようなこととしてもよい。
また、いわゆる第一種の遊技機において適用する場合においても、いわゆる第一種および第二種の混合機において適用する場合と同様に、電源復旧時に、残余回数を特定可能な特定可能コマンドを遊技制御手段が送信することとし、特定可能コマンドを受信した演出制御手段は、特定可能コマンドにもとづいて残余回数の値をセットし直し、残余回数表示をおこなうこととしてもよい。さらに、特定可能コマンドを正常に受信したにもかかわらず、電源復旧時に受信すべき他のコマンド(例えば、停電復旧指定コマンド、電源投入時の図柄に関するコマンド、保留記憶数に関するコマンド、電源投入時用の背景に関するコマンド、電源投入時用のプロセスデータに関するコマンド、客待ちデモ指定コマンド)を正常に受信できなかった場合には、特定可能コマンドにもとづいた残余回数のセットや残余回数表示をおこなわないこととしてもよい。特定可能コマンドおよび他のコマンドを正常に受信した場合には、電源復旧時に残余回数の値をセットし直し、「残り?回」のように残余回数を明確にしない画像を表示したり、残余回数が0回であることを示す画像を表示したり、または残余回数表示自体をおこなわないこととしてもよい。電源復旧時に残余回数のセットや残余回数表示をおこなわなかった場合には、電源復旧後の最初の変動時(例えば、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、背景指定コマンド、図柄確定指定コマンド、または保留記憶数加算/減算指定コマンドの受信時)に特定可能コマンドにもとづいて残余回数の値をセットし直したり、残余回数表示を復旧させたりすることとしてもよい。特定可能コマンドにもとづいて残余回数をセットした後には、所定コマンド(例えば、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、背景指定コマンド、図柄確定指定コマンドまたは保留記憶数加算/減算指定コマンド)を受信することにもとづいて、残余回数の値を更新することとすればよい。また、遊技制御手段が、電源復旧時ではなく変動開始時に特定可能コマンドを送信することとすれば、演出制御手段は、電源復旧後の最初の変動時(例えば、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、背景指定コマンド、図柄確定指定コマンド、または保留記憶数加算/減算指定コマンドの受信時)に特定可能コマンドにもとづいて残余回数の値をセットし直し、残余回数表示を復旧させることとしてもよい。また、演出制御手段におけるRAMを電源バックアップされることとすれば、電源切断の有無にかかわらず、所定のコマンド(例えば、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、背景指定コマンド、図柄確定指定コマンドまたは保留記憶数加算/減算指定コマンド)を受信することにもとづいて、残余回数の値を更新して報知することとすればよい。
また、いわゆる第一種の遊技機およびいわゆる第一種および第二種の混合機のいずれの遊技機において適用する場合においても、識別情報の可変表示時間を示す可変表示時間コマンド(例えば、変動パターンコマンド)が正常に受信された場合に、所定コマンド(例えば、背景指定コマンド、表示結果指定コマンド)が正常に受信されなくても、識別情報(例えば、演出図柄)の可変表示を実行する一方、特定の遊技状態(例えば、通常状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態、通常状態より短い変動時間が選択されやすい遊技状態、または通常状態とは異なる遊技状態)に制御されているときに可変表示時間コマンドが正常に受信された場合、所定コマンドが正常に受信されたことを条件に、識別情報の可変表示を実行する(例えば、時短状態において変動パターンコマンドを受信したが表示結果指定コマンドを正常に受信しなかった場合には、特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動を実行しない)こととしてもよい。また、可変表示時間コマンドおよび所定コマンドを正常に受信した場合であっても、可変表示時間コマンドと所定コマンドとが示す情報の整合が取れないときには識別情報の可変表示を実行しないこととしてもよい。識別情報の可変表示を実行しなかった場合、可変表示の終了にもとづいた特定のコマンド(例えば、図柄確定指定コマンド、客待ちデモ指定コマンド、大当りに関連したコマンド、次の変動に関連したコマンド)が遊技制御手段から送信され、該特定のコマンドを演出制御手段が正常に受信したことにもとづいて、識別情報を差し替える(例えば、正常に受信した変動パターンコマンドにもとづいた組み合わせの演出図柄を停止表示する)こととしてもよい。
なお、上記の各実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の各実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の各実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の各実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。