JP2019207298A - レジスト組成物及びレジストパターン形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高感度化が図れ、かつ、ラフネスがより低減された良好な形状のレジストパターンを形成できるレジスト組成物及びレジストパターン形成方法の提供。【解決手段】酸解離性基を有する特定のフェノール及びアクリル構成単位を有する樹脂成分、及び一般式(bd1)で表される化合物を含有するレジスト組成物。Rx1〜Rx4、Ry1〜Ry2、Rz1〜Rz4は、炭化水素基もしくは水素原子、又はそれらが相互に結合して環構造を形成していてもよい。Rx1〜Rx4、Ry1〜Ry2及びRz1〜Rz4のうち少なくとも1個はアニオン基を有し、Mm+はm価の有機カチオンを表す。【選択図】なし

Description

本発明は、レジスト組成物及びレジストパターン形成方法に関する。
リソグラフィー技術においては、例えば基板の上にレジスト材料からなるレジスト膜を形成し、該レジスト膜に対して選択的露光を行い、現像処理を施すことにより、前記レジスト膜に所定形状のレジストパターンを形成する工程が行われる。レジスト膜の露光部が現像液に溶解する特性に変化するレジスト材料をポジ型、レジスト膜の露光部が現像液に溶解しない特性に変化するレジスト材料をネガ型という。
近年、半導体素子や液晶表示素子の製造においては、リソグラフィー技術の進歩により急速にパターンの微細化が進んでいる。微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化(高エネルギー化)が行われている。具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザーや、ArFエキシマレーザーを用いた半導体素子の量産が行われている。また、これらのエキシマレーザーより短波長(高エネルギー)のEUV(極端紫外線)や、EB(電子線)、X線などについても検討が行われている。
レジスト材料には、これらの露光光源に対する感度、微細な寸法のパターンを再現できる解像性等のリソグラフィー特性が求められる。
このような要求を満たすレジスト材料として、従来、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分と、露光により酸を発生する酸発生剤成分と、を含有する化学増幅型レジスト組成物が用いられている。
例えば上記現像液がアルカリ現像液(アルカリ現像プロセス)の場合、ポジ型の化学増幅型レジスト組成物としては、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分(ベース樹脂)と酸発生剤成分とを含有するものが一般的に用いられている。かかるレジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜は、レジストパターン形成時に選択的露光を行うと、露光部において、酸発生剤成分から酸が発生し、該酸の作用によりベース樹脂の極性が増大して、レジスト膜の露光部がアルカリ現像液に対して可溶となる。そのためアルカリ現像することにより、レジスト膜の未露光部がパターンとして残るポジ型パターンが形成される。
一方で、このような化学増幅型レジスト組成物を、有機溶剤を含む現像液(有機系現像液)を用いた溶剤現像プロセスに適用した場合、ベース樹脂の極性が増大すると相対的に有機系現像液に対する溶解性が低下するため、レジスト膜の未露光部が有機系現像液により溶解、除去されて、レジスト膜の露光部がパターンとして残るネガ型のレジストパターンが形成される。このようにネガ型のレジストパターンを形成する溶剤現像プロセスをネガ型現像プロセスということがある。
化学増幅型レジスト組成物において使用されるベース樹脂は、一般的に、リソグラフィー特性等の向上のために、複数の構成単位を有している。
例えば、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分の場合、酸発生剤等から発生した酸の作用により分解して極性が増大する酸分解性基を含む構成単位が用いられ、その他、ラクトン含有環式基を含む構成単位、水酸基等の極性基を含む構成単位等が併用されている。
また、レジストパターンの形成においては、露光により酸発生剤成分から発生する酸の挙動がリソグラフィー特性に大きな影響を与える一要素とされる。
化学増幅型レジスト組成物において使用される酸発生剤としては、これまで多種多様なものが提案されている。例えば、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤などが知られている。
オニウム塩系酸発生剤としては、主に、カチオン部にトリフェニルスルホニウム等のオニウムイオンを有するものが用いられている。オニウム塩系酸発生剤のアニオン部には、一般的に、アルキルスルホン酸イオンやそのアルキル基の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されたフッ素化アルキルスルホン酸イオンが用いられている。
また、レジストパターンの形成においてリソグラフィー特性の向上を図るため、オニウム塩系酸発生剤のアニオン部として、芳香族環を含む特定構造をもつアニオン、を有するオニウム塩系酸発生剤も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第5149236号公報
リソグラフィー技術のさらなる進歩、レジストパターンの微細化がますます進むなか、例えば電子線やEUVによるリソグラフィーでは、数十nmの微細なパターン形成を目標とする。このようにレジストパターン寸法が小さくなるほど、レジスト組成物には、露光光源に対して高い感度、及びラフネス低減等の良好なリソグラフィー特性が要求される。
しかしながら、上述したような従来のオニウム塩系酸発生剤を含有するレジスト組成物においては、EUV等の露光光源に対して高感度化を試みると、所望のレジストパターン形状等が得られにくくなるという問題があり、これらの特性をいずれも満足させることが困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、高感度化が図れ、かつ、ラフネスがより低減された良好な形状のレジストパターンを形成できるレジスト組成物及び当該レジスト組成物を用いたレジストパターン形成方法を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。
すなわち、本発明の第1の態様は、露光により酸を発生し、かつ、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化するレジスト組成物であって、下記一般式(a0−1)で表される化合物における、W部位の重合性基が主鎖に変換された構成単位(a0−1)、及び下記一般式(a0−2)で表される化合物における、W部位の重合性基が主鎖に変換された構成単位(a0−2)を有する樹脂成分(A1)と、下記一般式(bd1)で表される、アニオン部とカチオン部とからなる化合物(BD1)と、を含有することを特徴とする、レジスト組成物である。
Figure 2019207298
[式中、Wは重合性基含有基である。Wax0は、置換基を有してもよい(nax0+1)価の芳香族性を有する環状基である。Wax0は、Wと縮合環を形成していてもよい。nax0は、1〜3の整数である。Ra01は、下記一般式(a01−r−1)又は下記一般式(a01−r−2)で表される酸解離性基である。]
Figure 2019207298
[式中、Ra011〜Ra013はそれぞれ独立に、直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、架橋構造を有さない脂環式基、又は芳香族炭化水素基である。Ra014は、一部がハロゲン原子もしくはヘテロ原子含有基で置換されていてもよい直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、又は一部がハロゲン原子もしくはヘテロ原子含有基で置換されていてもよい炭素数6〜12のアリール基である。Ra015はRa014が結合した炭素原子と共に単環式の脂肪族環式基を形成する基である。*は結合手を示す。]
Figure 2019207298
[式中、Rx〜Rxは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭化水素基もしくは水素原子を表すか、又は2個以上が相互に結合して環構造を形成していてもよい。Ry〜Ryは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭化水素基もしくは水素原子を表すか、又は相互に結合して環構造を形成していてもよい。
Figure 2019207298
は二重結合又は単結合である。Rz〜Rzは、それぞれ独立に、原子価が許容する場合、置換基を有してもよい炭化水素基もしくは水素原子を表すか、又は2個以上が相互に結合して環構造を形成していてもよい。但し、Rx〜Rx、Ry〜Ry及びRz〜Rzのうち少なくとも1個はアニオン基を有し、アニオン部全体でn価のアニオンとなる。nは1以上の整数である。mは1以上の整数であって、Mm+は、m価の有機カチオンを表す。]
本発明の第2の態様は、支持体上に、前記第1の態様に係るレジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、及び前記露光後のレジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を有することを特徴とするレジストパターン形成方法である。
本発明のレジスト組成物によれば、高感度化が図れ、かつ、ラフネスがより低減された良好な形状のレジストパターンを形成することができる。
本明細書及び本特許請求の範囲において、「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。アルコキシ基中のアルキル基も同様である。
「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「ハロゲン化アルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基であり、該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
「フッ素化アルキル基」又は「フッ素化アルキレン基」は、アルキル基又はアルキレン基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基をいう。
「構成単位」とは、高分子化合物(樹脂、重合体、共重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「置換基を有していてもよい」又は「置換基を有してもよい」と記載する場合、水素原子(−H)を1価の基で置換する場合と、メチレン基(−CH−)を2価の基で置換する場合との両方を含む。
「露光」は、放射線の照射全般を含む概念とする。
「基材成分」とは、膜形成能を有する有機化合物であり、好ましくは分子量が500以上の有機化合物が用いられる。該有機化合物の分子量が500以上であることにより、膜形成能が向上し、加えて、ナノレベルのレジストパターンを形成しやすくなる。基材成分として用いられる有機化合物は、非重合体と重合体とに大別される。非重合体としては、通常、分子量が500以上4000未満のものが用いられる。以下「低分子化合物」という場合は、分子量が500以上4000未満の非重合体を示す。重合体としては、通常、分子量が1000以上のものが用いられる。以下「樹脂」、「高分子化合物」又は「ポリマー」という場合は、分子量が1000以上の重合体を示す。重合体の分子量としては、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の質量平均分子量を用いるものとする。
「アクリル酸エステルから誘導される構成単位」とは、アクリル酸エステルのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「アクリル酸エステル」は、アクリル酸(CH=CH−COOH)のカルボキシ基末端の水素原子が有機基で置換された化合物である。
アクリル酸エステルは、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該α位の炭素原子に結合した水素原子を置換する置換基(Rα0)は、水素原子以外の原子又は基であり、たとえば炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基等が挙げられる。また、置換基(Rα0)がエステル結合を含む置換基で置換されたイタコン酸ジエステルや、置換基(Rα0)がヒドロキシアルキル基やその水酸基を修飾した基で置換されたαヒドロキシアクリルエステルも含むものとする。なお、アクリル酸エステルのα位の炭素原子とは、特に断りがない限り、アクリル酸のカルボニル基が結合している炭素原子のことである。
以下、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されたアクリル酸エステルを、α置換アクリル酸エステルということがある。また、アクリル酸エステルとα置換アクリル酸エステルとを包括して「(α置換)アクリル酸エステル」ということがある。
「アクリルアミドから誘導される構成単位」とは、アクリルアミドのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
アクリルアミドは、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよく、アクリルアミドのアミノ基の水素原子の一方または両方が置換基で置換されていてもよい。なお、アクリルアミドのα位の炭素原子とは、特に断りがない限り、アクリルアミドのカルボニル基が結合している炭素原子のことである。
アクリルアミドのα位の炭素原子に結合した水素原子を置換する置換基としては、前記α置換アクリル酸エステルにおいて、α位の置換基として挙げたもの(置換基(Rα0))と同様のものが挙げられる。
「ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位」とは、ヒドロキシスチレンのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。「ヒドロキシスチレン誘導体から誘導される構成単位」とは、ヒドロキシスチレン誘導体のエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「ヒドロキシスチレン誘導体」とは、ヒドロキシスチレンのα位の水素原子がアルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、並びにそれらの誘導体を含む概念とする。それらの誘導体としては、α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいヒドロキシスチレンの水酸基の水素原子を有機基で置換したもの;α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいヒドロキシスチレンのベンゼン環に、水酸基以外の置換基が結合したもの等が挙げられる。なお、α位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、ベンゼン環が結合している炭素原子のことをいう。
ヒドロキシスチレンのα位の水素原子を置換する置換基としては、前記α置換アクリル酸エステルにおいて、α位の置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
「ビニル安息香酸若しくはビニル安息香酸誘導体から誘導される構成単位」とは、ビニル安息香酸若しくはビニル安息香酸誘導体のエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「ビニル安息香酸誘導体」とは、ビニル安息香酸のα位の水素原子がアルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、並びにそれらの誘導体を含む概念とする。それらの誘導体としては、α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいビニル安息香酸のカルボキシ基の水素原子を有機基で置換したもの;α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいビニル安息香酸のベンゼン環に、水酸基およびカルボキシ基以外の置換基が結合したもの等が挙げられる。なお、α位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、ベンゼン環が結合している炭素原子のことをいう。
「スチレン誘導体」とは、スチレンのα位の水素原子がアルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、並びにそれらの誘導体を含む概念とする。それらの誘導体としては、α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいヒドロキシスチレンのベンゼン環に置換基が結合したもの等が挙げられる。なお、α位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、ベンゼン環が結合している炭素原子のことをいう。
「スチレンから誘導される構成単位」、「スチレン誘導体から誘導される構成単位」とは、スチレン又はスチレン誘導体のエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
上記α位の置換基としてのアルキル基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、炭素数1〜5のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基)等が挙げられる。
また、α位の置換基としてのハロゲン化アルキル基は、具体的には、上記「α位の置換基としてのアルキル基」の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
また、α位の置換基としてのヒドロキシアルキル基は、具体的には、上記「α位の置換基としてのアルキル基」の水素原子の一部または全部を、水酸基で置換した基が挙げられる。該ヒドロキシアルキル基における水酸基の数は、1〜5が好ましく、1が最も好ましい。
本明細書及び本特許請求の範囲において、化学式で表される構造によっては、不斉炭素が存在し、エナンチオ異性体(enantiomer)やジアステレオ異性体(diastereomer)が存在し得るものがある。その場合は一つの化学式でそれら異性体を代表して表す。それらの異性体は単独で用いてもよいし、混合物として用いてもよい。
(レジスト組成物)
本発明の第1の態様に係るレジスト組成物は、露光により酸を発生し、かつ、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化するものであって、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)(以下「(A)成分」ともいう)と、一般式(bd1)で表される化合物(BD1)(以下「(BD1)成分」ともいう)と、を含有する。
かかるレジスト組成物の一実施形態としては、前記(A)成分と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)(以下「(B)成分」ともいう)と、を含有するレジスト組成物が挙げられる。好ましくは、(A)成分及び(B)成分に加えて、露光により(B)成分から発生する酸をトラップ(すなわち、酸の拡散を制御)する塩基成分(以下「(D)成分」ともいう)をさらに含有するものが挙げられる。
本実施形態のレジスト組成物において、(A)成分は、一般式(a0−1)で表される化合物における、W部位の重合性基が主鎖に変換された構成単位(a0−1)、及び一般式(a0−2)で表される化合物における、W部位の重合性基が主鎖に変換された構成単位(a0−2)を有する樹脂成分(A1)(以下「(A1)成分」ともいう)を含む。
(BD1)成分は、分子内のアニオン基を選択することによって、(B)成分として用いることも(D)成分として用いることもできる。
本実施形態のレジスト組成物を用いてレジスト膜を形成し、該レジスト膜に対して選択的露光を行うと、該レジスト膜の露光部では、例えば(B)成分から酸が発生し、該酸の作用により(A)成分の現像液に対する溶解性が変化する一方で、該レジスト膜の未露光部では(A)成分の現像液に対する溶解性が変化しないため、露光部と未露光部との間で現像液に対する溶解性の差が生じる。そのため、該レジスト膜を現像すると、該レジスト組成物がポジ型の場合はレジスト膜露光部が溶解除去されてポジ型のレジストパターンが形成され、該レジスト組成物がネガ型の場合はレジスト膜未露光部が溶解除去されてネガ型のレジストパターンが形成される。
本明細書においては、レジスト膜露光部が溶解除去されてポジ型レジストパターンを形成するレジスト組成物をポジ型レジスト組成物といい、レジスト膜未露光部が溶解除去されてネガ型レジストパターンを形成するレジスト組成物をネガ型レジスト組成物という。本実施形態のレジスト組成物は、ポジ型レジスト組成物であってもよく、ネガ型レジスト組成物であってもよい。また、本実施形態のレジスト組成物は、レジストパターン形成時の現像処理にアルカリ現像液を用いるアルカリ現像プロセス用であってもよく、該現像処理に有機溶剤を含む現像液(有機系現像液)を用いる溶剤現像プロセス用であってもよい。
本実施形態のレジスト組成物は、露光により酸を発生する酸発生能を有するものであり、(B)成分に加えて、(A)成分が露光により酸を発生してもよい。
(A)成分が露光により酸を発生する場合、この(A)成分は、「露光により酸を発生し、かつ、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分」となる。
(A)成分が露光により酸を発生し、かつ、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分である場合、上述した(A1)成分が、露光により酸を発生し、かつ、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する高分子化合物であることが好ましい。このような高分子化合物としては、露光により酸を発生する構成単位を有する樹脂が挙げられる。露光により酸を発生する構成単位を誘導するモノマーには、公知のものを用いることができる。
<(A)成分>
本実施形態のレジスト組成物において、(A)成分は、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分であり、上述した(A1)成分を含むものである。(A1)成分を用いることにより、露光前後で基材成分の極性が変化するため、アルカリ現像プロセスだけでなく、溶剤現像プロセスにおいても、良好な現像コントラストを得ることができる。
アルカリ現像プロセスを適用する場合、該(A1)成分を含む基材成分は、露光前はアルカリ現像液に対して難溶性であり、例えば、露光により(B)成分から酸が発生すると、該酸の作用により極性が増大してアルカリ現像液に対する溶解性が増大する。そのため、レジストパターンの形成において、該レジスト組成物を支持体上に塗布して得られるレジスト膜に対して選択的に露光すると、レジスト膜露光部はアルカリ現像液に対して難溶性から可溶性に変化する一方で、レジスト膜未露光部はアルカリ難溶性のまま変化しないため、アルカリ現像することによりポジ型レジストパターンが形成される。
一方、溶剤現像プロセスを適用する場合、該(A1)成分を含む基材成分は、露光前は有機系現像液に対して溶解性が高く、例えば、露光により(B)成分から酸が発生すると、該酸の作用により極性が高くなり、有機系現像液に対する溶解性が減少する。そのため、レジストパターンの形成において、当該レジスト組成物を支持体上に塗布して得られるレジスト膜に対して選択的に露光すると、レジスト膜露光部は有機系現像液に対して可溶性から難溶性に変化する一方で、レジスト膜未露光部は可溶性のまま変化しないため、有機系現像液で現像することにより、露光部と未露光部との間でコントラストをつけることができ、ネガ型レジストパターンが形成される。
本実施形態のレジスト組成物において、(A)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
・(A1)成分について
(A1)成分は、後述の一般式(a0−1)で表される化合物における、W部位の重合性基が主鎖に変換された構成単位(a0−1)、及び下記一般式(a0−2)で表される化合物における、W部位の重合性基が主鎖に変換された構成単位(a0−2)を有する樹脂成分である。
また、(A1)成分は、構成単位(a0−1)及び構成単位(a0−2)に加え、必要に応じてその他構成単位を有するものでもよい。
≪構成単位(a0−1)≫
構成単位(a0−1)は、下記一般式(a0−1)で表される化合物における、W部位の重合性基が主鎖に変換された構成単位である。
Figure 2019207298
[式中、Wは重合性基含有基である。Wax0は、置換基を有してもよい(nax0+1)価の芳香族性を有する環状基である。Wax0は、Wと縮合環を形成していてもよい。nax0は、1〜3の整数である。]
前記式(a0−1)中、Wは重合性基含有基である。
W部位の「重合性基」とは、重合性基を有する化合物がラジカル重合等により重合することを可能とする基であり、例えばエチレン性二重結合などの炭素原子間の多重結合を含む基をいう。
「重合性基が主鎖に変換された」とは、重合性基中の多重結合が開裂して主鎖を形成していることをいう。例えば、エチレン性二重結合を有するモノマーの場合、エチレン性二重結合が開裂して、炭素原子間の単結合が主鎖を形成していることを意味する。
W部位の重合性基としては、例えばビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、フルオロビニル基、ジフルオロビニル基、トリフルオロビニル基、ジフルオロトリフルオロメチルビニル基、トリフルオロアリル基、パーフルオロアリル基、トリフルオロメチルアクリロイル基、ノニルフルオロブチルアクリロイル基、ビニルエーテル基、含フッ素ビニルエーテル基、アリルエーテル基、含フッ素アリルエーテル基、スチリル基、ビニルナフチル基、含フッ素スチリル基、含フッ素ビニルナフチル基、ノルボルネニル基、含フッ素ノルボルネニル基、シリル基等が挙げられる。
重合性基含有基としては、重合性基のみから構成される基でもよいし、重合性基と該重合性基以外の他の基とから構成される基でもよい。該重合性基以外の他の基としては、置換基を有してもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基等が挙げられる。
Wとしては、例えば、化学式:C(RX11)(RX12)=C(RX13)−Yax0−で表される基、が好適に挙げられる。
この化学式中、RX11、RX12及びRX13は、それぞれ、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり、Yax0は、単結合または2価の連結基である。
前記の化学式中、RX11、RX12及びRX13における炭素数1〜5のアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基は、前記炭素数1〜5のアルキル基の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基である。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
これらの中でも、RX11及びRX12としては、それぞれ、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子、メチル基がさらに好ましく、水素原子が特に好ましい。
また、RX13としては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子、メチル基がさらに好ましい。
前記の化学式中、Yax0における2価の連結基としては、特に限定されないが、置換基を有してもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基等が好適なものとして挙げられる。
・置換基を有していてもよい2価の炭化水素基:
Yax0が置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である場合、該炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。
・・Yax0における脂肪族炭化水素基
該脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。該脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
前記脂肪族炭化水素基としては、直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、又は構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
・・・直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族炭化水素基
該直鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜6がより好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましく、炭素数1〜3が最も好ましい。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基[−CH−]、エチレン基[−(CH−]、トリメチレン基[−(CH−]、テトラメチレン基[−(CH−]、ペンタメチレン基[−(CH−]等が挙げられる。
該分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が2〜10であることが好ましく、炭素数3〜6がより好ましく、炭素数3又は4がさらに好ましく、炭素数3が最も好ましい。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−C(CHCH−CH−等のアルキルエチレン基;−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
前記の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。該置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、カルボニル基等が挙げられる。
・・・構造中に環を含む脂肪族炭化水素基
該構造中に環を含む脂肪族炭化水素基としては、環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含んでもよい環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子2個を除いた基)、前記環状の脂肪族炭化水素基が直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合した基、前記環状の脂肪族炭化水素基が直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基などが挙げられる。前記の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては前記と同様のものが挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、炭素数3〜12であることがより好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、モノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては、炭素数3〜6のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては、炭素数7〜12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。該置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、カルボニル基等が挙げられる。
前記置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部又は全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、その環構造を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換されてもよい。該ヘテロ原子を含む置換基としては、−O−、−C(=O)−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−が好ましい。
・・Yax0における芳香族炭化水素基
該芳香族炭化水素基は、芳香環を少なくとも1つ有する炭化水素基である。
この芳香環は、4n+2個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は5〜30であることが好ましく、炭素数5〜20がより好ましく、炭素数6〜15がさらに好ましく、炭素数6〜12が特に好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環又は芳香族複素環から水素原子2つを除いた基(アリーレン基又はヘテロアリーレン基);2以上の芳香環を含む芳香族化合物(例えばビフェニル、フルオレン等)から水素原子2つを除いた基;前記芳香族炭化水素環又は芳香族複素環から水素原子1つを除いた基(アリール基又はヘテロアリール基)の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基におけるアリール基から水素原子をさらに1つ除いた基)等が挙げられる。前記のアリール基又はヘテロアリール基に結合するアルキレン基の炭素数は、1〜4であることが好ましく、炭素数1〜2であることがより好ましく、炭素数1であることが特に好ましい。
前記芳香族炭化水素基は、当該芳香族炭化水素基が有する水素原子が置換基で置換されていてもよい。例えば、当該芳香族炭化水素基中の芳香環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基等が挙げられる。
前記置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記置換基としてのアルコキシ基、ハロゲン原子及びハロゲン化アルキル基としては、前記環状の脂肪族炭化水素基が有する水素原子を置換する置換基として例示したものが挙げられる。
・ヘテロ原子を含む2価の連結基:
Yax0がヘテロ原子を含む2価の連結基である場合、該連結基として好ましいものとして、−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−、−NH−C(=NH)−(Hはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。)、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−、一般式−Y21−O−Y22−、−Y21−O−、−Y21−C(=O)−O−、−C(=O)−O−Y21−、−[Y21−C(=O)−O]m”−Y22−、−Y21−O−C(=O)−Y22−または−Y21−S(=O)−O−Y22−で表される基[式中、Y21およびY22はそれぞれ独立して置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、Oは酸素原子であり、m”は0〜3の整数である。]等が挙げられる。
前記のへテロ原子を含む2価の連結基が−C(=O)−NH−、−C(=O)−NH−C(=O)−、−NH−、−NH−C(=NH)−の場合、そのHはアルキル基、アシル等の置換基で置換されていてもよい。該置換基(アルキル基、アシル基等)は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜8であることがさらに好ましく、1〜5であることが特に好ましい。
一般式−Y21−O−Y22−、−Y21−O−、−Y21−C(=O)−O−、−C(=O)−O−Y21−、−[Y21−C(=O)−O]m”−Y22−、−Y21−O−C(=O)−Y22−または−Y21−S(=O)−O−Y22−中、Y21およびY22は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。該2価の炭化水素基としては、前記2価の連結基としての説明で挙げた(置換基を有していてもよい2価の炭化水素基)と同様のものが挙げられる。
21としては、直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基がさらに好ましく、メチレン基又はエチレン基が特に好ましい。
22としては、直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチレン基、エチレン基又はアルキルメチレン基がより好ましい。該アルキルメチレン基におけるアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基がより好ましく、メチル基が最も好ましい。
式−[Y21−C(=O)−O]m”−Y22−で表される基において、m”は0〜3の整数であり、0〜2の整数であることが好ましく、0又は1がより好ましく、1が特に好ましい。つまり、式−[Y21−C(=O)−O]m”−Y22−で表される基としては、式−Y21−C(=O)−O−Y22−で表される基が特に好ましい。中でも、式−(CHa’−C(=O)−O−(CHb’−で表される基が好ましい。該式中、a’は、1〜10の整数であり、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1又は2がさらに好ましく、1が最も好ましい。b’は、1〜10の整数であり、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1又は2がさらに好ましく、1が最も好ましい。
上記の中でも、Yax0としては、エステル結合[−C(=O)−O−、−O−C(=O)−]、エーテル結合(−O−)、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、又はこれらの組合せ、あるいは単結合であることが好ましく、これらの中でもエステル結合[−C(=O)−O−、−O−C(=O)−]、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、又はこれらの組合せ、あるいは単結合であることがより好ましく、エステル結合[−C(=O)−O−、−O−C(=O)−]、単結合が特に好ましい。
前記式(a0−1)中、Wax0は、置換基を有してもよい(nax0+1)価の芳香族性を有する環状基である。
Wax0における芳香族性を有する環状基としては、芳香環から(nax0+1)個の水素原子を除いた基が挙げられる。ここでの芳香環は、4n+2個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は5〜30であることが好ましく、炭素数5〜20がより好ましく、炭素数6〜15がさらに好ましく、炭素数6〜12が特に好ましい。芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
Wax0が有してもよい置換基としては、例えば、カルボキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)、アルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。
前記式(a0−1)中、Wax0は、Wと縮合環を形成していてもよい。
WとWax0とが縮合環を形成する場合、その環構造としては、例えば、脂環式炭化水素と芳香族炭化水素との縮合環が挙げられる。Wax0とWとが形成する縮合環は、ヘテロ原子を有してもよい。
WとWax0とが形成する縮合環における、脂環式炭化水素の部分は単環でもよいし、多環でもよい。
WとWax0とが形成する縮合環としては、W部位の重合性基とWax0とが形成する縮合環、W部位の重合性基以外の他の基とWax0とが形成する縮合環が挙げられる。
WとWax0とが形成する縮合環は、置換基を有してもよい。この置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
以下に、WとWax0とが形成する縮合環の具体例を示す。Wαは重合性基を示す。**は、ヒドロキシ基との結合手を示す。
Figure 2019207298
前記式(a0−1)中、nax0は、1〜3の整数であり、1又は2が好ましく、1がより好ましい。
前記構成単位(a0−1)としては、下記一般式(a0−1−1)で表される構成単位が好適に挙げられる。
Figure 2019207298
[式中、RX11、RX12及びRX13はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。Yax1は、単結合又は2価の連結基である。Wax1は、置換基を有してもよい(nax1+1)価の芳香族性を有する環状基である。但し、Yax1とWax1とは縮合環を形成していてもよいし、又はRX11とYax1とWax1とは縮合環を形成していてもよい。nax1は、1〜3の整数である。]
前記式(a0−1−1)中、RX11、RX12及びRX13はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。
X11、RX12及びRX13における炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基についての説明は、上記と同様である。
前記式(a0−1−1)において、RX11及びRX12としては、それぞれ、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子又はメチル基がより好ましく、水素原子が特に好ましい。
前記式(a0−1−1)において、RX13としては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子又はメチル基が特に好ましい。
前記式(a0−1−1)中、Yax1は、単結合又は2価の連結基である。
Yax1における2価の連結基としては、例えば、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基が好適なものとして挙げられる。Yax1における、置換基を有してもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、上述した前記式(a0−1)中のYax0における2価の連結基(置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基)と同様のものが挙げられる。
この中でも、Yax1としては、エステル結合[−C(=O)−O−、−O−C(=O)−]、エーテル結合(−O−)、−C(=O)−NH−、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、又はこれらの組合せ、あるいは単結合であることが好ましく、これらの中でもエステル結合[−C(=O)−O−、−O−C(=O)−]、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、又はこれらの組合せ、あるいは単結合であることがより好ましく、エステル結合[−C(=O)−O−、−O−C(=O)−]、単結合が特に好ましい。
前記式(a0−1−1)中、Wax1は、置換基を有してもよい(nax1+1)価の芳香族性を有する環状基である。
Wax1における芳香族性を有する環状基としては、前記式(a0−1)中、Wax0における説明と同様である。
但し、前記式(a0−1−1)中の、Yax1とWax1とは縮合環を形成していてもよいし、又はRX11とYax1とWax1とは縮合環を形成していてもよい。
これらの縮合環についての説明は、上述したWとWax0とが形成する縮合環(W部位の重合性基とWax0とが形成する縮合環、W部位の重合性基以外の他の基とWax0とが形成する縮合環)と同様である。
以下に、前記式(a0−1−1)においてRX11とYax1とWax1とが縮合環を形成する場合の具体例を示す。**は、ヒドロキシ基との結合手を示す。
Figure 2019207298
以下に、前記式(a0−1−1)においてYax1とWax1とが縮合環を形成する場合の具体例を示す。*は、主鎖を構成する炭素原子であってRX13が結合している炭素原子との結合手を示す。**は、ヒドロキシ基との結合手を示す。
Figure 2019207298
前記式(a0−1−1)中、nax1は、1〜3の整数であり、1又は2が好ましく、1がより好ましい。
以下に、構成単位(a0−1)の具体例を示す。
下記の式中、Rαは、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。
Figure 2019207298
Figure 2019207298
Figure 2019207298
上記例示の中でも、構成単位(a0−1)は、化学式(a01−1−1)〜(a01−1−33)でそれぞれ表される構成単位からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。これらの中でも、構成単位(a0−1)は、化学式(a01−1−1)、(a01−1−8)、(a01−1−20)でそれぞれ表される構成単位からなる群より選択される少なくとも1種が特に好ましい。
(A1)成分が有する構成単位(a0−1)は、1種であってもよく2種以上であってもよい。
(A1)成分中、構成単位(a0−1)の割合は、該(A1)成分を構成する全構成単位の合計(100モル%)に対して、20〜70モル%が好ましく、25〜65モル%がより好ましく、30〜60モル%が特に好ましい。
構成単位(a0−1)の割合を、前記の好ましい範囲の下限値以上とすることにより、感度、解像性、又はラフネス改善等のリソグラフィー特性が向上する。また、上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスを取ることができ、種々のリソグラフィー特性が良好となる。
≪構成単位(a0−2)≫
構成単位(a0−2)は、下記一般式(a0−2)で表される化合物における、W部位の重合性基が主鎖に変換された構成単位である。
かかる構成単位(a0−2)においては、式(a0−2)中のRa01が酸解離性基であり、この酸解離性基が、式(a0−2)中のカルボニルオキシ基[−C(=O)−O−]のオキシ基(−O−)側を保護している。
ここでの「酸解離性基」は、酸の作用により、当該酸解離性基と該酸解離性基に隣接する酸素原子(O)との間の結合が開裂し得る酸解離性を有する。酸の作用により該酸解離性基が解離した際に、該酸解離性基よりも極性の高い極性基が生じて、極性が増大する。その結果、(A1)成分全体の極性が増大する。極性が増大することにより、相対的に、現像液に対する溶解性が変化し、現像液がアルカリ現像液の場合には溶解性が増大し、現像液が有機系現像液の場合には溶解性が減少する。
Figure 2019207298
[式中、Wは、重合性基含有基である。Ra01は、後述の一般式(a01−r−1)又は一般式(a01−r−2)で表される酸解離性基である。]
前記式(a0−2)中、Wは、重合性基含有基であり、上述した式(a0−1)中のWと同様である。
ここでのWとしては、化学式:C(RX11)(RX12)=C(RX13)−Yax0−で表される基、が好適に挙げられる。
この化学式中、RX11、RX12及びRX13は、それぞれ、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり、Yax0は、単結合または2価の連結基である。
ここでのRX11及びRX12としては、それぞれ、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子、メチル基がさらに好ましく、水素原子が特に好ましい。
ここでのRX13としては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子、メチル基がさらに好ましく、メチル基が特に好ましい。
ここでのYax0としては、エステル結合[−C(=O)−O−、−O−C(=O)−]、エーテル結合(−O−)、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、又はこれらの組合せであることが好ましく、これらの中でもエステル結合[−C(=O)−O−、−O−C(=O)−]、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、又はこれらの組合せであることがより好ましく、エステル結合[−C(=O)−O−、−O−C(=O)−]、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基とエステル結合[−C(=O)−O−、−O−C(=O)−]との組合せが特に好ましい。
前記式(a0−2)中、Ra01は、下記一般式(a01−r−1)又は下記一般式(a01−r−2)で表される酸解離性基である。
Figure 2019207298
[式中、Ra011〜Ra013はそれぞれ独立に、直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、架橋構造を有さない脂環式基、又は芳香族炭化水素基である。Ra014は、一部がハロゲン原子もしくはヘテロ原子含有基で置換されていてもよい直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、又は一部がハロゲン原子もしくはヘテロ原子含有基で置換されていてもよい炭素数6〜12のアリール基である。Ra015はRa014が結合した炭素原子と共に単環式の脂肪族環式基を形成する基である。*は結合手を示す。]
前記式(a01−r−1)中、Ra011〜Ra013はそれぞれ独立に、直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、架橋構造を有さない脂環式基、又は芳香族炭化水素基である。
Ra011〜Ra013における脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基でもよいし、不飽和脂肪族炭化水素基でもよく、飽和脂肪族炭化水素基であることが好ましい。Ra011〜Ra013における飽和脂肪族炭化水素基としては、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
Ra011〜Ra013における、直鎖状のアルキル基としては、炭素数が1〜20であることが好ましく、炭素数1〜15であることがより好ましく、炭素数1〜10がさらに好ましく、炭素数1〜5が特に好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基又はn−ブチル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。
Ra011〜Ra013における、分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数が3〜20であることが好ましく、炭素数3〜15であることがより好ましく、炭素数3〜10がさらに好ましく、炭素数3〜5が特に好ましい。具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,1−ジエチルプロピル基、2,2−ジメチルブチル基等が挙げられ、これらの中でもイソプロピル基であることが好ましい。
Ra011〜Ra013における、架橋構造を有さない脂環式基は、単環式基でもよいし多環式基でもよい。単環式の脂環式基としては、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。該モノシクロアルカンとしては、炭素数3〜6のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。多環式の脂環式基としては、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。該ポリシクロアルカンとしては、デカリン、ペルヒドロアズレン、ペルヒドロアントラセン、ステロイド骨格を有する環構造等の、縮合環系の多環式骨格を有するポリシクロアルカンが挙げられる。これらの中でも、単環式の脂環式基が好ましく、シクロペンタン又はシクロヘキサンから1個以上の水素原子を除いた基がより好ましい。
Ra011〜Ra013における芳香族炭化水素基は、芳香環を少なくとも1つ有する炭化水素基である。この芳香環は、4n+2個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は5〜30であることが好ましく、炭素数5〜20がより好ましく、炭素数6〜15がさらに好ましく、炭素数6〜12が特に好ましい。この芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、ピロール環、チオフェン環等が挙げられる。
Ra011〜Ra013における、芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環又は芳香族複素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基又はヘテロアリール基);2以上の芳香環を含む芳香族化合物(たとえばビフェニル、フルオレン等)から水素原子を1つ除いた基;前記芳香族炭化水素環又は芳香族複素環の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえばベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基など)等が挙げられる。前記芳香族炭化水素環又は芳香族複素環に結合するアルキレン基の炭素数は、1〜4であることが好ましく、炭素数1〜2であることがより好ましく、炭素数1であることが特に好ましい。
前記式(a01−r−2)中、Ra014は、一部がハロゲン原子もしくはヘテロ原子含有基で置換されていてもよい直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、又は一部がハロゲン原子もしくはヘテロ原子含有基で置換されていてもよい炭素数6〜12のアリール基である。
Ra014における脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基でもよいし、不飽和脂肪族炭化水素基でもよい。Ra014における飽和脂肪族炭化水素基としては、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。Ra014における不飽和脂肪族炭化水素基としては、直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基が挙げられる。
Ra014における、直鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜12であり、炭素数1〜10が好ましく、炭素数1〜5が特に好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基又はn−ブチル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。
Ra014における、分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数3〜10が好ましく、炭素数3〜6が特に好ましい。具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,1−ジエチルプロピル基、1,1−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルペンチル基、2,2−ジメチルブチル基等が挙げられ、これらの中でもイソプロピル基、tert−ブチル基であることが好ましい。
Ra014における、直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基としては、炭素数2〜12であり、炭素数2〜10であることが好ましく、炭素数2〜5がより好ましく、炭素数2〜4がさらに好ましく、炭素数2が特に好ましい。直鎖状のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基などが挙げられる。分岐鎖状のアルケニル基としては、例えば、1−メチルビニル基、2−メチルビニル基、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。これらの中でも、直鎖状のアルケニル基が好ましく、ビニル基、プロペニル基がより好ましく、ビニル基が特に好ましい。
Ra014における、直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基は、一部がハロゲン原子もしくはヘテロ原子含有基で置換されていてもよい。例えば、脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部が、ハロゲン原子又はヘテロ原子含有基で置換されていてもよい。また、脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子(メチレン基など)の一部が、ヘテロ原子含有基で置換されていてもよい。
ここでいうハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。ヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子が挙げられる。ヘテロ原子含有基としては、酸素原子(−O−)、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−等が挙げられる。
Ra014におけるアリール基は、炭素数6〜12であり、具体的にはベンゼン、ナフタレン等が挙げられる。このアリール基は、置換基としてアルキル基(好ましくは炭素数1〜5のアルキル基)を有するものであってもよい。
Ra014におけるアリール基は、一部がハロゲン原子もしくはヘテロ原子含有基で置換されていてもよい。例えば、アリール基を構成する水素原子の一部が、ハロゲン原子又はヘテロ原子含有基で置換されていてもよい。また、アリール基を構成する炭素原子の一部が、ヘテロ原子含有基で置換されていてもよい(すなわち、ヘテロアリール基でもよい)。ここでのハロゲン原子、ヘテロ原子、ヘテロ原子含有基は、上記と同様である。
前記式(a01−r−2)中、Ra015はRa014が結合した炭素原子と共に単環式の脂肪族環式基を形成する基である。かかる単環式の脂肪族環式基としては、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。該モノシクロアルカンとしては、炭素数3〜8のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン等が挙げられる。
かかる単環式の脂肪族環式基は、置換基を有していてもよい。該置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基、アシル基、アルキルカルボニルオキシ基、カルボニル基(オキソ基)等が挙げられる。
前記の一般式(a01−r−1)で表される酸解離性基の具体例を以下に挙げる。*は結合手を示す。
Figure 2019207298
Figure 2019207298
前記の一般式(a01−r−2)で表される酸解離性基の具体例を以下に挙げる。*は結合手を示す。
Figure 2019207298
Figure 2019207298
Figure 2019207298
Figure 2019207298
以下に、構成単位(a0−2)の具体例を示す。
下記の式中、Rαは、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。
Figure 2019207298
Figure 2019207298
Figure 2019207298
Figure 2019207298
Figure 2019207298
Figure 2019207298
(A1)成分が有する構成単位(a0−2)は、1種であってもよく2種以上であってもよい。
(A1)成分中、構成単位(a0−2)の割合は、該(A1)成分を構成する全構成単位の合計(100モル%)に対して、
30〜70モル%が好ましく、35〜65モル%がより好ましく、40〜60モル%が特に好ましい。
構成単位(a0−2)の割合を、前記の好ましい範囲の下限値以上とすることにより、容易にレジストパターンを得ることができ、感度、解像性、ラフネス低減等のリソグラフィー特性がより向上し、前記の好ましい範囲の上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとりやすくなる。
≪その他構成単位≫
(A1)成分は、上述した構成単位(a0−1)及び構成単位(a0−2)以外のその他構成単位を有してもよい。
その他構成単位としては、例えば、酸の作用により極性が増大する酸分解性基を含む構成単位(a1)(但し、構成単位(a0−2)に該当するものを除く)、ラクトン含有環式基、−SO−含有環式基又はカーボネート含有環式基を含む構成単位(a2)(但し、構成単位(a1)に該当するものを除く)、極性基含有脂肪族炭化水素基を含む構成単位(a3)(但し、構成単位(a0−2)、構成単位(a1)又は構成単位(a2)に該当するものを除く)、後述の一般式(a9−1)で表される構成単位(a9)、スチレンから誘導される構成単位、スチレン誘導体から誘導される構成単位(但し、構成単位(a0−1)に該当するものを除く)、酸非解離性の脂肪族環式基を含む構成単位などが挙げられる。
構成単位(a1):
(A1)成分は、構成単位(a0−1)及び構成単位(a0−2)に加えて、さらに、酸の作用により極性が増大する酸分解性基を含む構成単位(a1)(但し、構成単位(a0−2)に該当するものを除く)を有してもよい。
「酸分解性基」は、酸の作用により、当該酸分解性基の構造中の少なくとも一部の結合が開裂し得る酸分解性を有する基である。
酸の作用により極性が増大する酸分解性基としては、たとえば、酸の作用により分解して極性基を生じる基が挙げられる。
極性基としては、例えばカルボキシ基、水酸基、アミノ基、スルホ基(−SOH)等が挙げられる。これらのなかでも、構造中に−OHを含有する極性基(以下「OH含有極性基」ということがある。)が好ましく、カルボキシ基または水酸基がより好ましく、カルボキシ基が特に好ましい。
酸分解性基としてより具体的には、前記極性基が酸解離性基で保護された基(たとえばOH含有極性基の水素原子を、酸解離性基で保護した基)が挙げられる。
ここで「酸解離性基」とは、(i)酸の作用により、当該酸解離性基と該酸解離性基に隣接する原子との間の結合が開裂し得る酸解離性を有する基、又は、(ii)酸の作用により一部の結合が開裂した後、さらに脱炭酸反応が生じることにより、当該酸解離性基と該酸解離性基に隣接する原子との間の結合が開裂し得る基、の双方をいう。
酸分解性基を構成する酸解離性基は、当該酸解離性基の解離により生成する極性基よりも極性の低い基であることが必要で、これにより、酸の作用により該酸解離性基が解離した際に、該酸解離性基よりも極性の高い極性基が生じて極性が増大する。その結果、(A1)成分全体の極性が増大する。極性が増大することにより、相対的に、現像液に対する溶解性が変化し、現像液がアルカリ現像液の場合には溶解性が増大し、現像液が有機系現像液の場合には溶解性が減少する。
構成単位(a1)における酸解離性基としては、上述の一般式(a01−r−1)で表される酸解離性基、及び一般式(a01−r−2)で表される酸解離性基をそれぞれ除くものであって、これまで化学増幅型レジスト用のベース樹脂の酸解離性基として提案されているものが挙げられる。
化学増幅型レジスト用のベース樹脂の酸解離性基として提案されているものとして具体的には、以下に説明する「アセタール型酸解離性基」、「第3級アルキルエステル型酸解離性基」、「第3級アルキルオキシカルボニル酸解離性基」等が挙げられる。
・アセタール型酸解離性基:
前記極性基のうちカルボキシ基または水酸基を保護する酸解離性基としては、たとえば、下記一般式(a1−r−1)で表される酸解離性基(以下「アセタール型酸解離性基」ということがある。)が挙げられる。
Figure 2019207298
[式中、Ra’、Ra’は水素原子またはアルキル基である。Ra’は炭化水素基であって、Ra’は、Ra’、Ra’のいずれかと結合して環を形成してもよい。]
式(a1−r−1)中、Ra’及びRa’のうち、少なくとも一方が水素原子であることが好ましく、両方が水素原子であることがより好ましい。
Ra’又はRa’がアルキル基である場合、該アルキル基としては、上記α置換アクリル酸エステルについての説明で、α位の炭素原子に結合してもよい置換基として挙げたアルキル基と同様のものが挙げられ、炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。具体的には、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく挙げられる。より具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられ、メチル基またはエチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
式(a1−r−1)中、Ra’の炭化水素基としては、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、又は環状の炭化水素基が挙げられる。
該直鎖状のアルキル基は、炭素数が1〜5であることが好ましく、炭素数が1〜4がより好ましく、炭素数1または2がさらに好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基またはn−ブチル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。
該分岐鎖状のアルキル基は、炭素数が3〜10であることが好ましく、炭素数3〜5がより好ましい。具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,1−ジエチルプロピル基、2,2−ジメチルブチル基等が挙げられ、イソプロピル基であることが好ましい。
Ra’が環状の炭化水素基となる場合、該炭化水素基は、脂肪族炭化水素基でも芳香族炭化水素基でもよく、また、多環式基でも単環式基でもよい。
単環式基である脂肪族炭化水素基としては、モノシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては、炭素数3〜6のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。
多環式基である脂肪族炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては、炭素数7〜12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
Ra’の環状の炭化水素基が芳香族炭化水素基となる場合、該芳香族炭化水素基は、芳香環を少なくとも1つ有する炭化水素基である。
この芳香環は、4n+2個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は5〜30であることが好ましく、炭素数5〜20がより好ましく、炭素数6〜15がさらに好ましく、炭素数6〜12が特に好ましい。
芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
Ra’における芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基またはヘテロアリール基);2以上の芳香環を含む芳香族化合物(たとえばビフェニル、フルオレン等)から水素原子を1つ除いた基;前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基など)等が挙げられる。前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環に結合するアルキレン基の炭素数は、1〜4であることが好ましく、炭素数1〜2であることがより好ましく、炭素数1であることが特に好ましい。
Ra’における環状の炭化水素基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、−RP1、−RP2−O−RP1、−RP2−CO−RP1、−RP2−CO−ORP1、−RP2−O−CO−RP1、−RP2−OH、−RP2−CN又は−RP2−COOH(以下これらの置換基をまとめて「Ra05」ともいう。)等が挙げられる。
ここで、RP1は、炭素数1〜10の1価の鎖状飽和炭化水素基、炭素数3〜20の1価の脂肪族環状飽和炭化水素基又は炭素数6〜30の1価の芳香族炭化水素基である。また、RP2は、単結合、炭素数1〜10の2価の鎖状飽和炭化水素基、炭素数3〜20の2価の脂肪族環状飽和炭化水素基又は炭素数6〜30の2価の芳香族炭化水素基である。但し、RP1及びRP2の鎖状飽和炭化水素基、脂肪族環状飽和炭化水素基及び芳香族炭化水素基の有する水素原子の一部又は全部はフッ素原子で置換されていてもよい。上記脂肪族環状炭化水素基は、上記置換基を1種単独で1つ以上有していてもよいし、上記置換基のうち複数種を各1つ以上有していてもよい。
炭素数1〜10の1価の鎖状飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等が挙げられる。
炭素数3〜20の1価の脂肪族環状飽和炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基、シクロドデシル基等の単環式脂肪族飽和炭化水素基;ビシクロ[2.2.2]オクタニル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカニル基、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカニル基、アダマンチル基等の多環式脂肪族飽和炭化水素基が挙げられる。
炭素数6〜30の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼン、ビフェニル、フルオレン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環から水素原子1個を除いた基が挙げられる。
Ra’が、Ra’、Ra’のいずれかと結合して環を形成する場合、該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。該環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
・第3級アルキルエステル型酸解離性基:
上記極性基のうち、カルボキシ基を保護する酸解離性基としては、たとえば、下記一般式(a1−r−2)で表される酸解離性基が挙げられる。
尚、下記式(a1−r−2)で表される酸解離性基のうち、アルキル基により構成されるものを、以下、便宜上「第3級アルキルエステル型酸解離性基」ということがある。
Figure 2019207298
[式中、Ra’は、架橋構造を有する脂環式基である。Ra’及びRa’はそれぞれ炭化水素基である。但し、Ra’とRa’とは互いに結合して環を形成していてもよい。]
Ra’における、架橋構造を有する脂環式基としては、環状の不飽和脂環式基、又は、架橋環系の多環式骨格を有するポリシクロアルカンが挙げられる。
Ra’における、環状の不飽和脂環式基としては、炭素数2〜10のアルケニル基が好ましい。Ra’における、架橋環系の多環式骨格を有するポリシクロアルカンとしては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
Ra’、Ra’の炭化水素基としては、前記Ra’と同様のものが挙げられる。
Ra’とRa’とが互いに結合して環を形成する場合、下記一般式(a1−r2−1)で表される基が好適に挙げられる。一方、Ra’とRa’とが互いに結合していない場合、下記一般式(a1−r2−2)で表される基が好適に挙げられる。
Figure 2019207298
[式(a1−r2−1)中、Ra’10は、炭素数1〜10のアルキル基を示す。Ra’11はRa’10が結合した炭素原子と共に、架橋構造を有する脂環式基を形成する基を示す。式(a1−r2−2)中、Ra’12は、架橋構造を有する脂環式基である。Ra’13及びRa’14は、それぞれ独立に、炭素数1〜10の1価の鎖状飽和炭化水素基又は水素原子である。この鎖状飽和炭化水素基が有する水素原子の一部又は全部は置換されていてもよい。*は結合手を示す(以下同じ)。]
前記式(a1−r2−1)中、Ra’10における炭素数1〜10のアルキル基は、直鎖状でもよいし分岐鎖状でもよい。
Ra’10における、直鎖状のアルキル基は、炭素数が1〜5であることが好ましく、炭素数が1〜4がより好ましく、炭素数1または2がさらに好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基またはn−ブチル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。
Ra’10における、分岐鎖状のアルキル基は、炭素数が3〜10であることが好ましく、炭素数3〜5がより好ましい。具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,1−ジエチルプロピル基、2,2−ジメチルブチル基等が挙げられ、イソプロピル基であることが好ましい。
前記式(a1−r2−1)中、Ra’11が、Ra’10が結合した炭素原子と共に形成する、架橋構造を有する脂環式基は、架橋構造を有するポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては、炭素数7〜12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。中でも、アダマンタンから1個の水素原子を除いた基が特に好ましい。
前記式(a1−r2−2)中、Ra’12における、架橋構造を有する脂環式基は、上述したRa’11が、Ra’10が結合した炭素原子と共に形成する、架橋構造を有する脂環式基と同様のものが挙げられる。
Ra’13及びRa’14における、炭素数1〜10の1価の鎖状飽和炭化水素基は、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましく、前記式(a1−r2−1)中のRa’10における炭素数1〜10のアルキル基と同様のものが挙げられる。この鎖状飽和炭化水素基が有する水素原子の一部又は全部は置換されていてもよい。
前記式(a1−r2−1)で表される基の具体例を以下に挙げる。*は結合手を示す(以下本明細書において同じ)。
Figure 2019207298
前記式(a1−r2−2)で表される基の具体例を以下に挙げる。
Figure 2019207298
・第3級アルキルオキシカルボニル酸解離性基:
前記極性基のうち水酸基を保護する酸解離性基としては、たとえば、下記一般式(a1−r−3)で表される酸解離性基(以下便宜上「第3級アルキルオキシカルボニル酸解離性基」ということがある)が挙げられる。
Figure 2019207298
[式中、Ra’〜Ra’はそれぞれアルキル基である。]
式(a1−r−3)中、Ra’〜Ra’は、それぞれ炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましい。
また、各アルキル基の合計の炭素数は、3〜7であることが好ましく、3〜5であることがより好ましく、3〜4であることが特に好ましい。
構成単位(a1)としては、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位、アクリルアミドから誘導される構成単位、ヒドロキシスチレン若しくはヒドロキシスチレン誘導体から誘導される構成単位の水酸基における水素原子の少なくとも一部が前記酸分解性基を含む置換基により保護された構成単位、ビニル安息香酸若しくはビニル安息香酸誘導体から誘導される構成単位の−C(=O)−OHにおける水素原子の少なくとも一部が前記酸分解性基を含む置換基により保護された構成単位等が挙げられる。
構成単位(a1)としては、上記のなかでも、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位が好ましい。
かかる構成単位(a1)の好ましい具体例としては、下記一般式(a1−1)又は(a1−2)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2019207298
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。Vaはエーテル結合を有していてもよい2価の炭化水素基であり、na1は0〜2であり、Raは上記式(a1−r−1)又は(a1−r−2)で表される酸解離性基である。Waはna2+1価の炭化水素基であり、na2は1〜3であり、Raは上記式(a1−r−1)又は(a1−r−3)で表される酸解離性基である。]
前記式(a1−1)中、Rの炭素数1〜5のアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基は、前記炭素数1〜5のアルキル基の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基である。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
Rとしては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
前記式(a1−1)中、Vaは、エーテル結合を有していてもよい2価の炭化水素基である。Vaにおける2価の炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。
Vaにおける2価の炭化水素基としての脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
該脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状もしくは分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、又は、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
前記直鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4がさらに好ましく、1〜3が最も好ましい。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基[−CH−]、エチレン基[−(CH−]、トリメチレン基[−(CH−]、テトラメチレン基[−(CH−]、ペンタメチレン基[−(CH−]等が挙げられる。
前記分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が2〜10であることが好ましく、3〜6がより好ましく、3又は4がさらに好ましく、3が最も好ましい。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−C(CHCH−CH−等のアルキルエチレン基;−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
前記構造中に環を含む脂肪族炭化水素基としては、脂環式炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子を2個除いた基)、脂環式炭化水素基が直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合した基、脂環式炭化水素基が直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基などが挙げられる。前記直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、前記直鎖状の脂肪族炭化水素基又は前記分岐鎖状の脂肪族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
前記脂環式炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
前記脂環式炭化水素基は、多環式であってもよく、単環式であってもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、モノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては炭素数3〜6のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては炭素数7〜12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
Vaにおける2価の炭化水素基としての芳香族炭化水素基は、芳香環を有する炭化水素基である。
かかる芳香族炭化水素基は、炭素数が3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。
芳香族炭化水素基が有する芳香環として具体的には、ベンゼン、ビフェニル、フルオレン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
該芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環から水素原子を2つ除いた基(アリーレン基);前記芳香族炭化水素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基)の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基におけるアリール基から水素原子をさらに1つ除いた基)等が挙げられる。前記アルキレン基(アリールアルキル基中のアルキル鎖)の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
前記式(a1−2)中、Waにおけるna2+1価の炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。該脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味し、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。前記脂肪族炭化水素基としては、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基、或いは直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基と構造中に環を含む脂肪族炭化水素基とを組み合わせた基が挙げられる。
前記na2+1価は、2〜4価が好ましく、2又は3価がより好ましい。
以下に前記式(a1−1)で表される構成単位の具体例を示す。
以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
Figure 2019207298
Figure 2019207298
Figure 2019207298
Figure 2019207298
Figure 2019207298
以下に前記式(a1−2)で表される構成単位の具体例を示す。
Figure 2019207298
(A1)成分が有する構成単位(a1)は、1種でもよく2種以上でもよい。
(A1)成分が構成単位(a1)を有する場合、(A1)成分中の構成単位(a1)の割合は、(A1)成分を構成する全構成単位の合計(100モル%)に対して、1〜50モル%が好ましく、5〜45モル%がより好ましく、5〜30モル%がさらに好ましい。
構成単位(a1)の割合を下限値以上とすることにより、感度、解像性、又はラフネス改善等のリソグラフィー特性が向上する。また、上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスを取ることができ、種々のリソグラフィー特性が良好となる。
構成単位(a2):
(A1)成分は、構成単位(a0−1)及び構成単位(a0−2)に加えて、さらに、ラクトン含有環式基、−SO−含有環式基又はカーボネート含有環式基を含む構成単位(a2)(但し、構成単位(a1)に該当するものを除く)を有するものでもよい。
構成単位(a2)のラクトン含有環式基、−SO−含有環式基またはカーボネート含有環式基は、(A1)成分をレジスト膜の形成に用いた場合に、レジスト膜の基板への密着性を高める上で有効なものである。また、構成単位(a2)を有することで、例えば、酸拡散長を適切に調整する、レジスト膜の基板への密着性を高める、現像時の溶解性を適切に調整する、又はエッチング耐性を向上させる等の効果により、リソグラフィー特性等が良好となる。
「ラクトン含有環式基」とは、その環骨格中に−O−C(=O)−を含む環(ラクトン環)を含有する環式基を示す。ラクトン環をひとつ目の環として数え、ラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。ラクトン含有環式基は、単環式基であってもよく、多環式基であってもよい。
構成単位(a2)におけるラクトン含有環式基としては、特に限定されることなく任意のものが使用可能である。具体的には、下記一般式(a2−r−1)〜(a2−r−7)でそれぞれ表される基が挙げられる。
Figure 2019207298
[式中、Ra’21はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基またはシアノ基であり;R”は水素原子、アルキル基、ラクトン含有環式基、カーボネート含有環式基、又は−SO−含有環式基であり;A”は酸素原子(−O−)もしくは硫黄原子(−S−)を含んでいてもよい炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子または硫黄原子であり、n’は0〜2の整数であり、m’は0または1である。]
前記一般式(a2−r−1)〜(a2−r−7)中、Ra’21におけるアルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。該アルキル基は、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
Ra’21におけるアルコキシ基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましい。該アルコキシ基は、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましい。具体的には、前記Ra’21におけるアルキル基として挙げたアルキル基と酸素原子(−O−)とが連結した基が挙げられる。
Ra’21におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
Ra’21におけるハロゲン化アルキル基としては、前記Ra’21におけるアルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。該ハロゲン化アルキル基としては、フッ素化アルキル基が好ましく、特にパーフルオロアルキル基が好ましい。
Ra’21における−COOR”、−OC(=O)R”において、R”はいずれも水素原子、アルキル基、ラクトン含有環式基、カーボネート含有環式基、又は−SO−含有環式基である。
R”におけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよく、炭素数は1〜15が好ましい。
R”が直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基の場合は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜5であることがさらに好ましく、メチル基またはエチル基であることが特に好ましい。
R”が環状のアルキル基の場合は、炭素数3〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
R”におけるラクトン含有環式基としては、前記一般式(a2−r−1)〜(a2−r−7)でそれぞれ表される基と同様のものが挙げられる。
R”におけるカーボネート含有環式基としては、後述のカーボネート含有環式基と同様であり、具体的には一般式(ax3−r−1)〜(ax3−r−3)でそれぞれ表される基が挙げられる。
R”における−SO−含有環式基としては、後述の−SO−含有環式基と同様であり、具体的には一般式(a5−r−1)〜(a5−r−4)でそれぞれ表される基が挙げられる。
Ra’21におけるヒドロキシアルキル基としては、炭素数が1〜6であるものが好ましく、具体的には、前記Ra’21におけるアルキル基の水素原子の少なくとも1つが水酸基で置換された基が挙げられる。
前記一般式(a2−r−2)、(a2−r−3)、(a2−r−5)中、A” における炭素数1〜5のアルキレン基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基等が挙げられる。該アルキレン基が酸素原子または硫黄原子を含む場合、その具体例としては、前記アルキレン基の末端または炭素原子間に−O−または−S−が介在する基が挙げられ、たとえば−O−CH−、−CH−O−CH−、−S−CH−、−CH−S−CH−等が挙げられる。A”としては、炭素数1〜5のアルキレン基または−O−が好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基がより好ましく、メチレン基が最も好ましい。
下記に一般式(a2−r−1)〜(a2−r−7)でそれぞれ表される基の具体例を挙げる。
Figure 2019207298
Figure 2019207298
「−SO−含有環式基」とは、その環骨格中に−SO−を含む環を含有する環式基を示し、具体的には、−SO−における硫黄原子(S)が環式基の環骨格の一部を形成する環式基である。その環骨格中に−SO−を含む環をひとつ目の環として数え、該環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。−SO−含有環式基は、単環式基であってもよく多環式基であってもよい。
−SO−含有環式基は、特に、その環骨格中に−O−SO−を含む環式基、すなわち−O−SO−中の−O−S−が環骨格の一部を形成するスルトン(sultone)環を含有する環式基であることが好ましい。
−SO−含有環式基として、より具体的には、下記一般式(a5−r−1)〜(a5−r−4)でそれぞれ表される基が挙げられる。
Figure 2019207298
[式中、Ra’51はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基またはシアノ基であり;R”は水素原子、アルキル基、ラクトン含有環式基、カーボネート含有環式基、又は−SO−含有環式基であり;A”は酸素原子もしくは硫黄原子を含んでいてもよい炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子または硫黄原子であり、n’は0〜2の整数である。]
前記一般式(a5−r−1)〜(a5−r−2)中、A”は、前記一般式(a2−r−2)、(a2−r−3)、(a2−r−5)中のA”と同様である。
Ra’51におけるアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基としては、それぞれ前記一般式(a2−r−1)〜(a2−r−7)中のRa’21についての説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。
下記に一般式(a5−r−1)〜(a5−r−4)でそれぞれ表される基の具体例を挙げる。式中の「Ac」は、アセチル基を示す。
Figure 2019207298
Figure 2019207298
Figure 2019207298
「カーボネート含有環式基」とは、その環骨格中に−O−C(=O)−O−を含む環(カーボネート環)を含有する環式基を示す。カーボネート環をひとつ目の環として数え、カーボネート環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。カーボネート含有環式基は、単環式基であってもよく、多環式基であってもよい。
カーボネート環含有環式基としては、特に限定されることなく任意のものが使用可能である。具体的には、下記一般式(ax3−r−1)〜(ax3−r−3)でそれぞれ表される基が挙げられる。
Figure 2019207298
[式中、Ra’x31はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基またはシアノ基であり;R”は水素原子、アルキル基、ラクトン含有環式基、カーボネート含有環式基、又は−SO−含有環式基であり;A”は酸素原子もしくは硫黄原子を含んでいてもよい炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子または硫黄原子であり、p’は0〜3の整数であり、q’は0または1である。]
前記一般式(ax3−r−2)〜(ax3−r−3)中、A”は、前記一般式(a2−r−2)、(a2−r−3)、(a2−r−5)中のA”と同様である。
Ra’ 31におけるアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基としては、それぞれ前記一般式(a2−r−1)〜(a2−r−7)中のRa’21についての説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。
下記に一般式(ax3−r−1)〜(ax3−r−3)でそれぞれ表される基の具体例を挙げる。
Figure 2019207298
構成単位(a2)としては、なかでも、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位が好ましい。
かかる構成単位(a2)は、下記一般式(a2−1)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 2019207298
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。Ya21は単結合または2価の連結基である。La21は−O−、−COO−、−CON(R’)−、−OCO−、−CONHCO−又は−CONHCS−であり、R’は水素原子またはメチル基を示す。ただしLa21が−O−の場合、Ya21は−CO−にはならない。Ra21はラクトン含有環式基、カーボネート含有環式基、又は−SO−含有環式基である。]
前記式(a2−1)中、Rは前記と同じである。Rとしては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子又はメチル基が特に好ましい。
前記式(a2−1)中、Ya21の2価の連結基としては、特に限定されないが、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基等が好適に挙げられる。Ya21における、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基についての説明は、上述の一般式(a0−1−1)中のYax1における、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基についての説明とそれぞれ同様である。
Ya21としては、単結合、エステル結合[−C(=O)−O−]、エーテル結合(−O−)、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、又はこれらの組合せであることが好ましい。
前記式(a2−1)中、Ra21はラクトン含有環式基、−SO−含有環式基またはカーボネート含有環式基である。
Ra21におけるラクトン含有環式基、−SO−含有環式基、カーボネート含有環式基としてはそれぞれ、前述した一般式(a2−r−1)〜(a2−r−7)でそれぞれ表される基、一般式(a5−r−1)〜(a5−r−4)でそれぞれ表される基、一般式(ax3−r−1)〜(ax3−r−3)でそれぞれ表される基が好適に挙げられる。
中でも、ラクトン含有環式基または−SO−含有環式基が好ましく、前記一般式(a2−r−1)、(a2−r−2)、(a2−r−6)または(a5−r−1)でそれぞれ表される基がより好ましい。具体的には、前記化学式(r−lc−1−1)〜(r−lc−1−7)、(r−lc−2−1)〜(r−lc−2−18)、(r−lc−6−1)、(r−sl−1−1)、(r−sl−1−18)でそれぞれ表される、いずれかの基がより好ましい。
(A1)成分が有する構成単位(a2)は、1種でもよく2種以上でもよい。
(A1)成分が構成単位(a2)を有する場合、構成単位(a2)の割合は、当該(A1)成分を構成する全構成単位の合計(100モル%)に対して、1〜50モル%であることが好ましく、5〜45モル%であることがより好ましく、10〜40モル%であることがさらに好ましく、10〜30モル%が特に好ましい。
構成単位(a2)の割合を好ましい下限値以上とすることにより、前述した効果によって、構成単位(a2)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスを取ることができ、種々のリソグラフィー特性が良好となる。
構成単位(a3):
(A1)成分は、構成単位(a0−1)及び構成単位(a0−2)に加えて、さらに、極性基含有脂肪族炭化水素基を含む構成単位(a3)(但し、構成単位(a0−2)、構成単位(a1)又は構成単位(a2)に該当するものを除く)を有するものでもよい。(A1)成分が構成単位(a3)を有することにより、(A)成分の親水性が高まり、解像性の向上に寄与する。また、酸拡散長を適切に調整することができる。
極性基としては、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基等が挙げられ、特に水酸基が好ましい。
脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基(好ましくはアルキレン基)や、環状の脂肪族炭化水素基(環式基)が挙げられる。該環式基としては、単環式基でも多環式基でもよく、例えばArFエキシマレーザー用レジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。該環式基としては多環式基であることが好ましく、炭素数は7〜30であることがより好ましい。
その中でも、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、またはアルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基を含有する脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位がより好ましい。該多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから2個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。これらの多環式基の中でも、アダマンタンから2個以上の水素原子を除いた基、ノルボルナンから2個以上の水素原子を除いた基、テトラシクロドデカンから2個以上の水素原子を除いた基が工業上好ましい。
構成単位(a3)としては、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むものであれば特に限定されることなく任意のものが使用可能である。
構成単位(a3)としては、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であって極性基含有脂肪族炭化水素基を含む構成単位が好ましい。
構成単位(a3)としては、極性基含有脂肪族炭化水素基における炭化水素基が炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基のときは、アクリル酸のヒドロキシエチルエステルから誘導される構成単位が好ましい。
また、構成単位(a3)としては、極性基含有脂肪族炭化水素基における該炭化水素基が多環式基のときは、下記の式(a3−1)で表される構成単位、式(a3−2)で表される構成単位、式(a3−3)で表される構成単位が好ましいものとして挙げられる。
Figure 2019207298
[式中、Rは前記と同じであり、jは1〜3の整数であり、kは1〜3の整数であり、t’は1〜3の整数であり、lは1〜5の整数であり、sは1〜3の整数である。]
式(a3−1)中、jは、1又は2であることが好ましく、1であることがさらに好ましい。jが2の場合、水酸基が、アダマンチル基の3位と5位に結合しているものが好ましい。jが1の場合、水酸基が、アダマンチル基の3位に結合しているものが好ましい。
jは1であることが好ましく、水酸基が、アダマンチル基の3位に結合しているものが特に好ましい。
式(a3−2)中、kは1であることが好ましい。シアノ基は、ノルボルニル基の5位または6位に結合していることが好ましい。
式(a3−3)中、t’は1であることが好ましい。lは1であることが好ましい。sは1であることが好ましい。これらは、アクリル酸のカルボキシ基の末端に、2−ノルボルニル基または3−ノルボルニル基が結合していることが好ましい。フッ素化アルキルアルコールは、ノルボルニル基の5又は6位に結合していることが好ましい。
(A1)成分が有する構成単位(a3)は、1種でも2種以上でもよい。
(A1)成分が構成単位(a3)を有する場合、当該(A1)成分を構成する全構成単位の合計に対して1〜40モル%であることが好ましく、2〜30モル%がより好ましく、5〜25モル%がさらに好ましく、5〜20モル%が特に好ましい。
構成単位(a3)の割合を好ましい下限値以上とすることにより、構成単位(a3)を含有させることによる効果が充分に得られ、一方、好ましい上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとりやすくなり、種々のリソグラフィー特性が良好となる。
構成単位(a9):
構成単位(a9)は、下記の一般式(a9−1)で表される構成単位である。
Figure 2019207298
[式中、Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。Ya91は、単結合又は2価の連結基である。Ya92は、2価の連結基である。R91は、置換基を有していてもよい炭化水素基である。]
前記式(a9−1)中、Rは前記と同じである。
Rとしては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子又はメチル基が特に好ましい。
前記式(a9−1)中、Ya91における2価の連結基は、上述した一般式(a0−1−1)中のYax1における2価の連結基と同様のものが挙げられる。中でも、Ya91としては、単結合であることが好ましい。
前記式(a9−1)中、Ya92における2価の連結基は、上述した一般式(a0−1−1)中のYax1の2価の連結基と同様のものが挙げられる。
Ya92における2価の連結基において、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基としては、直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましい。
また、Ya92における2価の連結基において、ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−、−NH−C(=NH)−(Hはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。)、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−、−C(=S)−、一般式−Y21−O−Y22−、−Y21−O−、−Y21−C(=O)−O−、−C(=O)−O−−Y21、[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−または−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基[式中、Y21およびY22はそれぞれ独立して置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、Oは酸素原子であり、m’は0〜3の整数である。]等が挙げられる。なかでも、−C(=O)−、−C(=S)−が好ましい。
前記式(a9−1)中、R91における炭化水素基としては、アルキル基、1価の脂環式炭化水素基、アリール基、アラルキル基などが挙げられる。
91におけるアルキル基は、炭素数1〜8が好ましく、炭素数1〜6がより好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましく、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等が好ましいものとして挙げられる。
91における1価の脂環式炭化水素基は、炭素数3〜20が好ましく、炭素数3〜12がより好ましく、多環式でもよく、単環式でもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては炭素数3〜6のものが好ましく、具体的にはシクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては炭素数7〜12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
91におけるアリール基は、炭素数6〜18であるものが好ましく、炭素数6〜10であるものがより好ましく、具体的にはフェニル基が特に好ましい。
91におけるアラルキル基としては、炭素数1〜8のアルキレン基と上記「R91におけるアリール基」とが結合したアラルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキレン基と上記「R91におけるアリール基」とが結合したアラルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基と上記「R91におけるアリール基」とが結合したアラルキル基が特に好ましい。
91における炭化水素基は、当該炭化水素基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていることが好ましく、当該炭化水素基の水素原子の30〜100%がフッ素原子で置換されていることがより好ましい。なかでも、上述したアルキル基の水素原子の全部がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキル基であることが特に好ましい。
91における炭化水素基は、置換基を有していてもよい。該置換基としては、ハロゲン原子、オキソ基(=O)、水酸基(-OH)、アミノ基(−NH)、−SO−NH等が挙げられる。また、その炭化水素基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換されてもよい。該ヘテロ原子を含む置換基としては、−O−、−NH−、−N=、−C(=O)−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−が挙げられる。
91において、置換基を有する炭化水素基としては、前記の一般式(a2−r−1)〜(a2−r−7)でそれぞれ表されるラクトン含有環式基が挙げられる。
また、R91において、置換基を有する炭化水素基としては、前記の一般式(a5−r−1)〜(a5−r−4)でそれぞれ表される−SO−含有環式基;下記化学式で表される置換アリール基、1価の複素環式基なども挙げられる。
Figure 2019207298
構成単位(a9)の中でも、下記一般式(a9−1−1)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2019207298
[式中、Rは前記と同様であり、Ya91は単結合または2価の連結基であり、R91は置換基を有していてもよい炭化水素基であり、R92は酸素原子又は硫黄原子である。]
一般式(a9−1−1)中、Ya91、R91、Rについての説明は前記同様である。また、R92は酸素原子又は硫黄原子である。
以下に、前記式(a9−1)又は一般式(a9−1−1)で表される構成単位の具体例を示す。下記式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
Figure 2019207298
Figure 2019207298
Figure 2019207298
(A1)成分が含有する構成単位(a9)は1種であってもよく2種以上であってもよい。
(A1)成分が構成単位(a9)を有する場合、構成単位(a9)の割合は、該(A1)成分を構成する全構成単位の合計(100モル%)に対して、1〜40モル%であることが好ましく、3〜30モル%がより好ましく、5〜25モル%がさらに好ましく、10〜20モル%が特に好ましい。
構成単位(a9)の割合を下限値以上とすることにより、例えば、酸拡散長を適切に調整する、レジスト膜の基板への密着性を高める、現像時の溶解性を適切に調整する、又はエッチング耐性を向上させる等の効果が得られ、上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスを取ることができ、種々のリソグラフィー特性が良好となる。
レジスト組成物が含有する(A1)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態のレジスト組成物において、(A1)成分である樹脂成分は、構成単位(a0−1)と構成単位(a0−2)とを有するものであり、重合体の1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
例えば、(A1)成分としては、構成単位(a0−1)と構成単位(a0−2)と必要に応じてその他構成単位とを有する共重合体(以下この共重合体を「(A1−1)成分」という。)を含むものが好適に挙げられる。
また、(A1)成分としては、例えば、構成単位(a0−1)と必要に応じてその他構成単位とを有する重合体(以下この重合体を「(A1−21)成分」という。)及び構成単位(a0−2)と必要に応じてその他構成単位とを有する重合体(以下この重合体を「(A1−22)成分」という。)をそれぞれ含むもの(混合樹脂)が挙げられる。
これらの中でも、レジスト組成物が含有する(A1)成分は、(A1−1)成分を含むものがより好ましい。
好ましい(A1−1)成分としては、例えば、構成単位(a0−1)と構成単位(a0−2)との繰り返し構造からなる高分子化合物、構成単位(a0−1)と構成単位(a0−2)とその他構成単位との繰り返し構造を有する高分子化合物が挙げられる。
その他構成単位として好ましくは、構成単位(a2)及び構成単位(a3)の少なくとも一方が挙げられる。
かかる(A1)成分は、各構成単位を誘導するモノマーを重合溶媒に溶解し、ここに、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスイソ酪酸ジメチル(たとえばV−601など)等のラジカル重合開始剤を加えて重合することにより製造することができる。あるいは、かかる(A1)成分は、構成単位(a0−1)を誘導する前駆体モノマーと、構成単位(a0−2)を誘導するモノマーと、必要に応じてこれら以外の構成単位を誘導するモノマーと、を重合溶媒に溶解し、ここに、上記のようなラジカル重合開始剤を加えて重合し、その後、脱保護反応を行うことにより製造することができる。尚、重合の際に、例えば、HS−CH−CH−CH−C(CF−OHのような連鎖移動剤を併用して用いることにより、末端に−C(CF−OH基を導入してもよい。このように、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基が導入された共重合体は、現像欠陥の低減やLER(ラインエッジラフネス:ライン側壁の不均一な凹凸)の低減に有効である。
(A1)成分の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算基準)は、特に限定されるものではなく、1000〜50000が好ましく、2000〜30000がより好ましく、3000〜20000がさらに好ましい。
(A1)成分のMwがこの範囲の好ましい上限値以下であると、レジストとして用いるのに充分なレジスト溶剤への溶解性があり、この範囲の好ましい下限値以上であると、耐ドライエッチング性やレジストパターン断面形状が良好である。
(A1)成分の分散度(Mw/Mn)は、特に限定されず、1.0〜4.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.1〜2.0が特に好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
・(A2)成分について
本実施形態のレジスト組成物は、(A)成分として、前記(A1)成分に該当しない、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分(以下「(A2)成分」という。)を併用してもよい。
(A2)成分としては、特に限定されず、化学増幅型レジスト組成物用の基材成分として従来から知られている多数のものから任意に選択して用いればよい。
(A2)成分は、高分子化合物又は低分子化合物の1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)成分中の(A1)成分の割合は、(A)成分の総質量に対し、25質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、75質量%以上がさらに好ましく、100質量%であってもよい。該割合が25質量%以上であると、高感度化や解像性、ラフネス改善などの種々のリソグラフィー特性に優れたレジストパターンが形成されやすくなる。このような効果は、特に電子線やEUVによるリソグラフィーにおいて顕著である。
本実施形態のレジスト組成物中、(A)成分の含有量は、形成しようとするレジスト膜厚等に応じて調整すればよい。
<化合物(BD1)>
本実施形態のレジスト組成物において、(BD1)成分は、下記一般式(bd1)で表される、アニオン部とカチオン部とからなる化合物である。
Figure 2019207298
[式中、Rx〜Rxは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭化水素基もしくは水素原子を表すか、又は2個以上が相互に結合して環構造を形成していてもよい。Ry〜Ryは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭化水素基もしくは水素原子を表すか、又は相互に結合して環構造を形成していてもよい。
Figure 2019207298
は二重結合又は単結合である。Rz〜Rzは、それぞれ独立に、原子価が許容する場合、置換基を有してもよい炭化水素基もしくは水素原子を表すか、又は2個以上が相互に結合して環構造を形成していてもよい。但し、Rx〜Rx、Ry〜Ry及びRz〜Rzのうち少なくとも1個はアニオン基を有し、アニオン部全体でn価のアニオンとなる。nは1以上の整数である。mは1以上の整数であって、Mm+は、m価の有機カチオンを表す。]
・アニオン部について
前記式(bd1)中、Rx〜Rxは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭化水素基もしくは水素原子を表すか、又は2個以上が相互に結合して環構造を形成していてもよい。
Ry〜Ryは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭化水素基もしくは水素原子を表すか、又は相互に結合して環構造を形成していてもよい。
Rz〜Rzは、それぞれ独立に、原子価が許容する場合、置換基を有してもよい炭化水素基もしくは水素原子を表すか、又は2個以上が相互に結合して環構造を形成していてもよい。
Rx〜Rx、Ry〜Ry、Rz〜Rzにおける炭化水素基としてはそれぞれ、脂肪族炭化水素基でもよいし芳香族炭化水素基でもよく、環状の炭化水素基でもよいし鎖状の炭化水素基でもよい。
例えば、Rx〜Rx、Ry〜Ry、Rz〜Rzにおける、置換基を有してもよい炭化水素基としては、置換基を有してもよい環式基、置換基を有してもよい鎖状のアルキル基、又は置換基を有してもよい鎖状のアルケニル基が挙げられる。
置換基を有してもよい環式基:
該環式基は、環状の炭化水素基であることが好ましく、該環状の炭化水素基は、芳香族炭化水素基であってもよく、脂肪族炭化水素基であってもよい。脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。また、脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。また、Rx〜Rx、Ry〜Ry、Rz〜Rzにおける環状の炭化水素基は、複素環等のようにヘテロ原子を含んでもよい。
Rx〜Rx、Ry〜Ry、Rz〜Rzにおける芳香族炭化水素基は、芳香環を有する炭化水素基である。該芳香族炭化水素基の炭素数は、3〜30であることが好ましく、炭素数5〜30であることがより好ましく、炭素数5〜20がさらに好ましく、炭素数6〜15が特に好ましく、炭素数6〜12が最も好ましい。但し、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。
Rx〜Rx、Ry〜Ry、Rz〜Rzにおける芳香族炭化水素基が有する芳香環として具体的には、ベンゼン、フルオレン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ビフェニル、又はこれらの芳香環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環などが挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。Rx〜Rx、Ry〜Ry、Rz〜Rzにおける芳香族炭化水素基が有する芳香環は、(A)成分との相溶性の観点から、ヘテロ原子を含まないことが好ましく、ベンゼン、フルオレン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ビフェニル等の芳香環がより好ましい。
Rx〜Rx、Ry〜Ry、Rz〜Rzにおける芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香環から水素原子を1つ除いた基(アリール基:たとえば、フェニル基、ナフチル基など)、前記芳香環の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基など)等が挙げられる。前記アルキレン基(アリールアルキル基中のアルキル鎖)の炭素数は、1〜4であることが好ましく、炭素数1〜2であることがより好ましく、炭素数1であることが特に好ましい。
Rx〜Rx、Ry〜Ry、Rz〜Rzにおける環状の脂肪族炭化水素基は、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基が挙げられる。
この構造中に環を含む脂肪族炭化水素基としては、脂環式炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子を1個除いた基)、脂環式炭化水素基が直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合した基、脂環式炭化水素基が直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基などが挙げられる。
前記脂環式炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、炭素数3〜12であることがより好ましい。
前記脂環式炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては、炭素数3〜6のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては、炭素数7〜30のものが好ましい。中でも、該ポリシクロアルカンとしては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等の架橋環系の多環式骨格を有するポリシクロアルカン;ステロイド骨格を有する環式基等の縮合環系の多環式骨格を有するポリシクロアルカンがより好ましい。
なかでも、Rx〜Rx、Ry〜Ry、Rz〜Rzにおける環状の脂肪族炭化水素基としては、モノシクロアルカンまたはポリシクロアルカンから水素原子を1つ以上除いた基が好ましく、モノシクロアルカンから水素原子を1つ除いた基がより好ましく、シクロペンタン又はシクロヘキサンから水素原子を1つ除いた基が特に好ましい。
脂環式炭化水素基に結合してもよい、直鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜6がより好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましく、炭素数1〜3が最も好ましい。直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基[−CH−]、エチレン基[−(CH−]、トリメチレン基[−(CH−]、テトラメチレン基[−(CH−]、ペンタメチレン基[−(CH−]等が挙げられる。
脂環式炭化水素基に結合してもよい、分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が2〜10であることが好ましく、炭素数3〜6がより好ましく、炭素数3又は4がさらに好ましく、炭素数3が最も好ましい。分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−C(CHCH−CH−等のアルキルエチレン基;−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
また、Rx〜Rx、Ry〜Ry、Rz〜Rzの該環式基としては、−COORXYZ、−OC(=O)RXYZについて、RXYZがラクトン含有環式基、カーボネート含有環式基又は−SO−含有環式基であるものも挙げられる。
Rx〜Rx、Ry〜Ry、Rz〜Rzの環式基における置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、ニトロ基、カルボニル基等が挙げられる。
置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基が最も好ましい。
置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
置換基としてのカルボニル基は、環状の炭化水素基を構成するメチレン基(−CH−)を置換する基である。
中でも、Rx〜Rx、Ry〜Ry、Rz〜Rzの環式基における置換基としては、(A)成分との相溶性の観点から、アルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基等が好ましく、アルキル基がより好ましい。
置換基を有してもよい鎖状のアルキル基:
Rx〜Rx、Ry〜Ry、Rz〜Rzの鎖状のアルキル基としては、直鎖状又は分岐鎖状のいずれでもよい。
直鎖状のアルキル基としては、炭素数が1〜20であることが好ましく、炭素数1〜15であることがより好ましく、炭素数1〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。
分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数が3〜20であることが好ましく、炭素数3〜15であることがより好ましく、炭素数3〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、1−メチルエチル基、1,1−ジメチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
置換基を有してもよい鎖状のアルケニル基:
Rx〜Rx、Ry〜Ry、Rz〜Rzの鎖状のアルケニル基としては、直鎖状又は分岐鎖状のいずれでもよく、炭素数が2〜10であることが好ましく、炭素数2〜5がより好ましく、炭素数2〜4がさらに好ましく、炭素数3が特に好ましい。直鎖状のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基などが挙げられる。分岐鎖状のアルケニル基としては、例えば、1−メチルビニル基、2−メチルビニル基、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。
鎖状のアルケニル基としては、上記の中でも、直鎖状のアルケニル基が好ましく、ビニル基、プロペニル基がより好ましく、ビニル基が特に好ましい。
Rx〜Rx、Ry〜Ry、Rz〜Rzの鎖状のアルキル基またはアルケニル基における置換基としては、たとえば、アルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、ハロゲン化アルキル基、水酸基、カルボニル基、ニトロ基、アミノ基、上記Rx〜Rx、Ry〜Ry、Rz〜Rzにおける環式基等が挙げられる。中でも、Rx〜Rx、Ry〜Ry、Rz〜Rzの鎖状のアルキル基またはアルケニル基における置換基としては、(A)成分との相溶性の観点から、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、上記Rx〜Rx、Ry〜Ry、Rz〜Rzにおける環式基として挙げた基等が好ましく、上記Rx〜Rx、Ry〜Ry、Rz〜Rzにおける環式基として挙げた基がより好ましい。
Rx〜Rx、Ry〜Ry、Rz〜Rzにおける炭化水素基としては、上記の炭化水素基の中でも、置換基を有していてもよい環式基、置換基を有していてもよい鎖状のアルキル基が好ましい。
前記式(bd1)中、Ry〜Ryは、相互に結合して環構造を形成していてもよい。
かかるRy〜Ryが形成する環構造は、式(bd1)中の六員環の一辺(Ry及びRyがそれぞれ結合している炭素原子間の結合)を共有し、この環構造は脂環式炭化水素であってもよいし芳香族炭化水素であってもよい。また、この環構造は、これ以外の環構造とからなる多環構造であってもよい。
Ry〜Ryが形成する脂環式炭化水素は、多環であってもよいし単環であってもよい。単環の脂環式炭化水素としては、モノシクロアルカンが好ましい。該モノシクロアルカンとしては、炭素数3〜6のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。多環の脂環式炭化水素としては、ポリシクロアルカンが好ましい。該ポリシクロアルカンとしては、炭素数7〜30のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等の架橋環系の多環式骨格を有するポリシクロアルカン;ステロイド骨格を有する環式基等の縮合環系の多環式骨格を有するポリシクロアルカンがより好ましい。
Ry〜Ryが形成する芳香族炭化水素環は、ベンゼン、フルオレン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ビフェニル、又はこれらの芳香環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環などが挙げられる。Ry〜Ryが形成する芳香族炭化水素環は、(A)成分との相溶性の観点から、ヘテロ原子を含まないことが好ましく、ベンゼン、フルオレン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ビフェニル等の芳香環がより好ましい。
Ry〜Ryが形成する環構造(脂環式炭化水素、芳香族炭化水素)は、置換基を有してもよい。ここでの置換基としては、上述したRx〜Rx、Ry〜Ry、Rz〜Rzの環式基における置換基(たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、ニトロ基、カルボニル基等)と同様のものが挙げられる。中でも、Ry〜Ryが形成する環構造における置換基としては、(A)成分との相溶性の観点から、アルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基等が好ましく、アルキル基がより好ましい。
Ry〜Ryが形成する環構造は、中でも、露光により発生する酸の短拡散化、酸の拡散制御性の点から、置換基を有してもよい芳香族炭化水素がより好ましい。
前記式(bd1)中、Rz〜Rzは、2個以上が相互に結合して環構造を形成していてもよい。例えば、Rzは、Rz〜Rzのいずれとも環構造を形成していてもよい。具体的には、式(bd1)中の六員環の一辺(Rz及びRzが結合している炭素原子と、Rz及びRzが結合している炭素原子との結合)を共有する環構造、RzとRzとが結合して形成する環構造、RzとRzとが結合して形成する環構造などが挙げられる。
かかるRz〜Rzのうちの2個以上が形成する環構造は、脂環式炭化水素、であってもよいし芳香族炭化水素であってもよく、芳香族炭化水素であることが特に好ましい。また、この環構造は、これ以外の環構造とからなる多環構造であってもよい。
Rz〜Rzのうち2個以上が形成する脂環式炭化水素は、多環であってもよいし単環であってもよい。単環の脂環式炭化水素としては、モノシクロアルカンが好ましい。該モノシクロアルカンとしては、炭素数3〜6のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。多環の脂環式炭化水素としては、ポリシクロアルカンが好ましい。該ポリシクロアルカンとしては、炭素数7〜30のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等の架橋環系の多環式骨格を有するポリシクロアルカン;ステロイド骨格を有する環式基等の縮合環系の多環式骨格を有するポリシクロアルカンがより好ましい。
炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された複素環構造でもよく、含窒素複素環が特に好ましく、具体的には環状イミド等が挙げられる。
Rz〜Rzのうちの2個以上が形成する芳香族炭化水素環は、ベンゼン、フルオレン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ビフェニル、又はこれらの芳香環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環などが挙げられる。Rz〜Rzのうちの2個以上が形成する芳香族炭化水素環は、(A)成分との相溶性の観点から、ヘテロ原子を含まないことが好ましく、ベンゼン、フルオレン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ビフェニル等の芳香環がより好ましい。
Rz〜Rzが形成する環構造(脂環式炭化水素、芳香族炭化水素)は、置換基を有してもよい。ここでの置換基としては、上述したRx〜Rx、Ry〜Ry、Rz〜Rzの環式基における置換基(たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、ニトロ基、カルボニル基等)と同様のものが挙げられる。中でも、Rz〜Rzが形成する環構造における置換基としては、(A)成分との相溶性の観点から、アルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基等が好ましく、アルキル基がより好ましい。
Rz〜Rzのうちの2個以上が形成する環構造は、中でも、露光により発生する酸の拡散制御性の点から、式(bd1)中の六員環の一辺(Rz及びRzが結合している炭素原子と、Rz及びRzが結合している炭素原子との結合)を共有する環構造が好ましく、芳香環構造がより好ましい。
尚、前記式(bd1)中、「原子価が許容する場合」とは以下のとおりである。
すなわち、Rz及びRzが結合している炭素原子と、Rz及びRzが結合している炭素原子と、の結合が単結合の場合には、Rz、Rz、Rz及びRzの全てが存在する。Rz及びRzが結合している炭素原子と、Rz及びRzが結合している炭素原子と、の結合が二重結合の場合には、Rz又はRzの一方のみが存在し、かつ、Rz及びRzの一方のみが存在する。また、例えばRzとRzとが結合して芳香環構造を形成している場合には、Rz及びRzは存在しない。
前記式(bd1)中、Rx〜Rxは、2個以上が相互に結合して環構造を形成していてもよい。例えば、Rxは、Rx〜Rxのいずれとも環構造を形成していてもよい。
かかるRx〜Rxのうちの2個以上が形成する環構造は、脂環式炭化水素であってもよいし芳香族炭化水素であってもよい。また、この環構造は、これ以外の環構造とからなる多環構造であってもよい。
Rx〜Rxのうち2個以上が形成する脂環式炭化水素は、多環であってもよく単環であってもよい。単環の脂環式炭化水素としては、モノシクロアルカンが好ましい。該モノシクロアルカンとしては、炭素数3〜6のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。多環の脂環式炭化水素としては、ポリシクロアルカンが好ましい。該ポリシクロアルカンとしては、炭素数7〜30のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等の架橋環系の多環式骨格を有するポリシクロアルカン;ステロイド骨格を有する環式基等の縮合環系の多環式骨格を有するポリシクロアルカンがより好ましい。
Rx〜Rxのうちの2個が形成する芳香族炭化水素環は、ベンゼン、フルオレン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ビフェニル、又はこれらの芳香環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環などが挙げられる。Rx〜Rxのうちの2個が形成する芳香族炭化水素環は、(A)成分との相溶性の観点から、ヘテロ原子を含まないことが好ましく、ベンゼン、フルオレン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ビフェニル等の芳香環がより好ましい。
Rx〜Rxが形成する環構造(脂環式炭化水素、芳香族炭化水素)は、置換基を有してもよい。ここでの置換基としては、上述したRx〜Rx、Ry〜Ry、Rz〜Rzの環式基における置換基(たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、ニトロ基、カルボニル基等)と同様のものが挙げられる。中でも、Rx〜Rxが形成する環構造における置換基としては、(A)成分との相溶性の観点から、アルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基等が好ましく、アルキル基がより好ましい。
Rx〜Rxのうちの2個以上が形成する環構造は、中でも、酸の拡散制御性の点から、脂環式炭化水素が好ましい。
また、Rx〜Rxのうちの2個以上が形成する環構造は、中でも、酸の拡散制御性の点から、前記Rx〜Rxのうち少なくとも1個と、前記Rx〜Rxのうち少なくとも1個とが、相互に結合して架橋した環構造を形成しているものが好ましく、この環構造が脂環式炭化水素であるものがより好ましい。
前記Rx〜Rxのうち少なくとも1個と、前記Rx〜Rxのうち少なくとも1個とが、相互に結合して環構造を形成した場合の、二環式構造(Ry、Ry、Rz及びRz、Rz及びRzがそれぞれ結合している炭素原子も含む環構造)を構成する炭素数は、7〜16が好ましい。
前記式(bd1)中、Rx〜Rx、Ry〜Ry及びRz〜Rzのうち少なくとも1個はアニオン基を有し、アニオン部全体でn価のアニオンとなる。nは1以上の整数である。
(BD1)成分は、分子内のアニオン基を選択することによって、レジスト組成物中で、基材成分(A)に作用する酸を発生する酸発生剤成分(B)として、又は露光により(B)成分から発生する酸をトラップ(酸の拡散を制御)する塩基成分(D)として働く。
(BD1)成分においては、Rx〜Rx、Ry〜Ry、Rz〜Rzがそれぞれ前記アニオン基であってもよい。又は、(BD1)成分においては、Rx〜Rxのうちの2個以上が相互に結合して環構造を形成する場合、当該環構造を形成する炭素原子又はこの炭素原子に結合した水素原子が前記アニオン基で置換されていてもよい。Ry〜Ryのうちの2個以上が相互に結合して環構造を形成する場合、当該環構造を形成する炭素原子又はこの炭素原子に結合した水素原子が前記アニオン基で置換されていてもよい。Rz〜Rzのうちの2個以上が相互に結合して環構造を形成する場合、当該環構造を形成する炭素原子又はこの炭素原子に結合した水素原子が前記アニオン基で置換されていてもよい。
Rx〜Rx、Ry〜Ry、Rz〜Rzが有するアニオン基としては、スルホン酸アニオン構造、カルボン酸アニオン構造、イミドアニオン構造、メチドアニオン構造、カーボアニオン構造、ボレートアニオン構造、ハロゲンアニオン構造、リン酸アニオン構造、アンチモン酸アニオン構造、砒素酸アニオン構造等を有するものが挙げられる。これらの中でも、スルホン酸アニオン構造を有するもの、カルボン酸アニオン構造を有するものが好ましい。
前記のカルボン酸アニオン構造を有するアニオン基としては、*−V’10−COO(V’10は、単結合または炭素数1〜20のアルキレン基である。)が好適に挙げられる。
前記のスルホン酸アニオン構造を有するアニオン基としては、*−V’11−SO (V’11は、単結合または炭素数1〜20のアルキレン基である。)及び下記一般式(bd1−r−an1)で表されるアニオン基が好適に挙げられる。
式(bd1−r−an1)中、*は結合手を示す。*は、Rx〜Rx、Ry〜Ry、Rz〜Rzが結合する炭素原子との結合手であることを意味する。
Figure 2019207298
[式中、Rb01は、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基又はフッ素原子を表す。Vb01は、アルキレン基、フッ素化アルキレン基又は単結合を表す。Yb01は、2価の連結基又は単結合を表す。]
前記式(bd1−r−an1)中、Rb01は、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基又はフッ素原子を表す。Rb01は、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基はフッ素原子であることが好ましく、フッ素原子であることがより好ましい。
前記式(bd1−r−an1)中、Vb01は、アルキレン基、フッ素化アルキレン基又は単結合を表す。
b01におけるアルキレン基、フッ素化アルキレン基は、それぞれ、炭素数1〜4であることが好ましく、炭素数1〜3であることがより好ましい。Vb01におけるフッ素化アルキレン基としては、アルキレン基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。なかでも、Vb01は、炭素数1〜4のアルキレン基、炭素数1〜4のフッ素化アルキレン基又は単結合であることが好ましい。
前記式(bd1−r−an1)中、Yb01は、2価の連結基又は単結合を表す。
b01における2価の連結基としては、酸素原子を含む2価の連結基が好適に挙げられる。
b01が酸素原子を含む2価の連結基である場合、該Yb01は、酸素原子以外の原子を含んでもよい。酸素原子以外の原子としては、たとえば炭素原子、水素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
酸素原子を含む2価の連結基としては、たとえば、酸素原子(エーテル結合:−O−)、エステル結合(−C(=O)−O−)、オキシカルボニル基(−O−C(=O)−)、アミド結合(−C(=O)−NH−)、カルボニル基(−C(=O)−)、カーボネート結合(−O−C(=O)−O−)等の非炭化水素系の酸素原子含有連結基;該非炭化水素系の酸素原子含有連結基とアルキレン基との組み合わせ等が挙げられる。この組み合わせに、さらにスルホニル基(−SO−)が連結されていてもよい。
かかる酸素原子を含む2価の連結基としては、たとえば、下記一般式(y−al−1)〜(y−al−8)でそれぞれ表される連結基が挙げられる。
Figure 2019207298
[式中、V’101は単結合または炭素数1〜5のアルキレン基であり、V’102は炭素数1〜30の2価の飽和炭化水素基である。]
V’102における2価の飽和炭化水素基は、炭素数1〜30のアルキレン基であることが好ましく、炭素数1〜10のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基であることがさらに好ましい。
V’101およびV’102におけるアルキレン基としては、直鎖状のアルキレン基でもよく分岐鎖状のアルキレン基でもよく、直鎖状のアルキレン基が好ましい。
V’101およびV’102におけるアルキレン基として、具体的には、メチレン基[−CH−];−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;エチレン基[−CHCH−];−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−等のアルキルエチレン基;トリメチレン基(n−プロピレン基)[−CHCHCH−];−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;テトラメチレン基[−CHCHCHCH−];−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基;ペンタメチレン基[−CHCHCHCHCH−]等が挙げられる。
また、V’101又はV’102における前記アルキレン基における一部のメチレン基が、炭素数5〜10の2価の脂肪族環式基で置換されていてもよい。当該脂肪族環式基は、シクロへキシレン基、1,5−アダマンチレン基、2,6−アダマンチレン基が好ましい。
b01としては、エステル結合を含む2価の連結基、またはエーテル結合を含む2価の連結基が好ましく、上記式(y−al−1)〜(y−al−6)でそれぞれ表される連結基がより好ましい。
前記式(bd1−r−an1)で表されるアニオン基の具体例としては、たとえば、
b01が単結合となる場合、−CHCFSO 、−CFCFSO 、トリフルオロメタンスルホネートアニオンやパーフルオロブタンスルホネートアニオン等のフッ素化アルキルスルホネートアニオンが挙げられる。
b01が酸素原子を含む2価の連結基である場合、下記式(bd1−r−an11)〜(bd1−r−an13)のいずれかで表されるアニオンが挙げられる。
Figure 2019207298
[式中、V”101は、単結合、炭素数1〜4のアルキレン基、又は炭素数1〜4のフッ素化アルキレン基である。R102は、フッ素原子又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基である。v”はそれぞれ独立に0〜3の整数である。q”はそれぞれ独立に1〜20の整数である。n”は0または1である。]
前記式(bd1−r−an11)〜(bd1−r−an13)中、V”101は、単結合、炭素数1〜4のアルキレン基、又は炭素数1〜4のフッ素化アルキレン基である。V”101は、単結合、炭素数1のアルキレン基(メチレン基)、又は炭素数1〜3のフッ素化アルキレン基が好ましい。
前記式(bd1−r−an11)〜(bd1−r−an13)中、R102は、フッ素原子又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基である。R102は、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基はフッ素原子であることが好ましく、フッ素原子であることがより好ましい。
前記式(bd1−r−an11)〜(bd1−r−an13)中、v”は、0〜3の整数であり、好ましくは0又は1である。
q”は、1〜20の整数であり、好ましくは1〜10の整数であり、より好ましくは1〜5の整数であり、さらに好ましくは1、2又は3であり、特に好ましくは1又は2である。
n”は、0または1であり、好ましくは0である。
(BD1)成分中のアニオン基の数は、1個でもよいし2個以上でもよく、1個が好ましい。
(BD1)成分は、アニオン部全体でn価のアニオンとなる。nは、1以上の整数であり、1又は2が好ましく、1がより好ましい。
(BD1)成分におけるアニオン部としては、酸の拡散制御性の点から、下記一般式(bd1−an1)で表されるアニオンが好ましい。
Figure 2019207298
[式中、Rx〜Rxはそれぞれ独立に、置換基を有してもよい炭化水素基又は水素原子を表す。Rx〜Rxは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭化水素基もしくは水素原子を表すか、又は相互に結合して環構造を形成していてもよい。pは、1又は2であり、p=2の場合、複数のRx〜Rxは相互に異なっていてもよい。Ry〜Ryは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭化水素基もしくは水素原子を表すか、又は相互に結合して環構造を形成していてもよい。
Figure 2019207298
は二重結合又は単結合である。Rz〜Rzは、それぞれ独立に、原子価が許容する場合、置換基を有してもよい炭化水素基もしくは水素原子を表すか、又は2個以上が相互に結合して環構造を形成していてもよい。但し、Rx〜Rx、Ry〜Ry及びRz〜Rzのうち少なくとも1個はアニオン基を有し、アニオン部全体でn価のアニオンとなる。nは1以上の整数である。]
前記式(bd1−an1)中、Rx〜Rxはそれぞれ独立に、置換基を有してもよい炭化水素基又は水素原子を表す。Rx〜Rxにおける、置換基を有してもよい炭化水素基は、上述した前記式(bd1)中のRx〜Rxにおける、置換基を有してもよい炭化水素基についての説明と同様である。
前記式(bd1−an1)中、Rx〜Rxは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭化水素基もしくは水素原子を表すか、又は相互に結合して環構造を形成していてもよい。かかるRx〜Rxは、上述した前記式(bd1)中のRx〜Rxについての説明と同様である。
前記式(bd1−an1)中、pは、1又は2であり、p=2の場合、複数のRx〜Rxは相互に異なっていてもよい。一般式(bd1−an1)で表されるアニオンにおいては、p=1の場合、ビシクロヘプタン環構造を有し、p=2の場合、ビシクロオクタン環構造を有する。
前記式(bd1−an1)中、Ry〜Ryは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭化水素基もしくは水素原子を表すか、又は相互に結合して環構造を形成していてもよい。かかるRy〜Ryは、上述した前記式(bd1)中のRy〜Ryと同様である。
Rz〜Rzは、それぞれ独立に、原子価が許容する場合、置換基を有してもよい炭化水素基もしくは水素原子を表すか、又は2個以上が相互に結合して環構造を形成していてもよい。かかるRz〜Rzは、上述した前記式(bd1)中のRz〜Rzと同様である。
但し、前記式(bd1−an1)中、Rx〜Rx、Ry〜Ry及びRz〜Rzのうち少なくとも1個はアニオン基を有し、アニオン部全体でn価のアニオンとなる。nは1以上の整数である。
上記の中でも、(BD1)成分におけるアニオン部としては、酸の拡散制御性の点から、前記式(bd1−an1)中のp=2で表されるアニオン、すなわち、下記一般式(bd1−an2)で表されるアニオンがより好ましい。
Figure 2019207298
[式中、Rx〜Rxはそれぞれ独立に、置換基を有してもよい炭化水素基又は水素原子を表す。複数のRx〜Rxは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭化水素基もしくは水素原子を表すか、又は2個以上が相互に結合して環構造を形成していてもよい。Ry〜Ryは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭化水素基もしくは水素原子を表すか、又は相互に結合して環構造を形成していてもよい。
Figure 2019207298
は二重結合又は単結合である。Rz〜Rzは、それぞれ独立に、原子価が許容する場合、置換基を有してもよい炭化水素基もしくは水素原子を表すか、又は2個以上が相互に結合して環構造を形成していてもよい。但し、Rx〜Rx、Ry〜Ry及びRz〜Rzのうち少なくとも1個はアニオン基を有し、アニオン部全体でn価のアニオンとなる。nは1以上の整数である。]
前記式(bd1−an2)中、Rx〜Rx、Rx〜Rx、Ry〜Ry、Rz〜Rzは、上述した前記式(bd1)中のRx〜Rx、Rx〜Rx、Ry〜Ry、Rz〜Rzとそれぞれ同様である。
但し、前記式(bd1−an2)中、Rx〜Rx、Ry〜Ry及びRz〜Rzのうち少なくとも1個はアニオン基を有し、アニオン部全体でn価のアニオンとなる。nは1以上の整数である。
前記の式(bd1)、式(bd1−an1)、式(bd1−an2)中、Ry〜Ryは、露光により発生する酸の短拡散化、酸の拡散制御性の点から、相互に結合して環構造を形成していることが好ましく、形成する環構造は、置換基を有してもよい芳香族炭化水素(芳香環、芳香族複素環)がより好ましい。
前記の式(bd1)、式(bd1−an1)、式(bd1−an2)中、Rz〜Rzは、露光により発生する酸の拡散制御性の点から、相互に結合して環構造を形成していることが好ましく、形成する環構造は、式中の六員環の一辺(Rz及びRzが結合している炭素原子と、Rz及びRzが結合している炭素原子との結合)を共有する環構造が好ましく、置換基を有してもよい芳香族炭化水素(芳香環、芳香族複素環)がより好ましい。
前記の式(bd1−an1)、式(bd1−an2)中、Rx〜Rxは、露光により発生する酸の短拡散化、酸の拡散制御性の点から、相互に結合して環構造を形成していることが好ましく、形成する環構造は、置換基を有してもよい芳香族炭化水素(芳香環、芳香族複素環)がより好ましい。
前記式(bd1−an2)中、Rx〜Rxにおいて形成する環構造は、式中の六員環の一辺(Rx及びRxが結合している同一の炭素原子間の結合)を共有する環構造が好ましく、置換基を有してもよい芳香族炭化水素(芳香環、芳香族複素環)がより好ましい。
前記の式(bd1−an2)で表されるアニオン全体で、かかるRx〜Rx、Ry〜Ry、Rz〜Rzのそれぞれにおいて、相互に結合して形成する環構造の個数は、1個でもよいし2個以上でもよく、2個又は3個が好ましい。
特に、(BD1)成分におけるアニオン部として、下記一般式(bd1−an3)で表されるアニオンが好適に挙げられる。
Figure 2019207298
[式中、Rx〜Rxはそれぞれ独立に、置換基を有してもよい炭化水素基又は水素原子を表す。
Figure 2019207298
は二重結合又は単結合である。Rz〜Rzは、それぞれ独立に、原子価が許容する場合、置換基を有してもよい炭化水素基もしくは水素原子を表すか、又は2個以上が相互に結合して環構造を形成していてもよい。但し、Rx〜Rx及びRz〜Rzのうち少なくとも1個はアニオン基を有し、アニオン部全体でn価のアニオンとなる。nは1以上の整数である。R021は、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、カルボニル基又はニトロ基である。n1は1〜3の整数である。n11は0〜8の整数である。R022は、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、カルボニル基又はニトロ基である。n2は1〜3の整数である。n21は0〜8の整数である。]
前記式(bd1−an3)中、Rx〜Rx、Rz〜Rzは、前記式(bd1−an1)中のRx〜Rx、Rz〜Rzとそれぞれ同様である。
前記式(bd1−an3)中、R021は、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシ基、カルボニル基又はニトロ基である。
021におけるアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基が最も好ましい。
021におけるアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
021におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
021におけるハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。中でも、R021としては、(A)成分との相溶性の観点から、アルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基等が好ましく、アルキル基がより好ましい。
前記式(bd1−an3)中、n1は、1〜3の整数であり、好ましくは1又は2であり、特に好ましくは1である。
前記式(bd1−an3)中、n11は、0〜8の整数であり、好ましくは0〜4の整数であり、より好ましくは0、1又は2であり、特に好ましくは0又は1である。
前記式(bd1−an3)中、R022は、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシ基、カルボニル基又はニトロ基であり、それぞれ前記のR021と同様のものが挙げられる。中でも、R022としては、(A)成分との相溶性の観点から、アルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基等が好ましく、アルキル基がより好ましい。
前記式(bd1−an3)中、n2は、1〜3の整数であり、好ましくは1又は2であり、特に好ましくは1である。
前記式(bd1−an3)中、n21は、0〜8の整数であり、好ましくは0〜4の整数であり、より好ましくは0、1又は2であり、特に好ましくは0又は1である。
但し、前記式(bd1−an3)中、Rx〜Rx及びRz〜Rzのうち少なくとも1個はアニオン基を有し、アニオン部全体でn価のアニオンとなる。nは1以上の整数である。
アニオン基としては、上述した、*−V’10−COO(V’10は、単結合または炭素数1〜5のアルキレン基である。)、一般式(bd1−r−an1)で表されるアニオン基が好適に挙げられる。
前記の式(bd1)、式(bd1−an1)、式(bd1−an2)、式(bd1−an3)中、本発明の効果に優れる点から、前記Rz〜Rzのうち少なくとも1個は、アニオン基を有することが好ましい。前記Rz〜Rzのうちの2個以上が相互に結合して環構造を形成する場合、当該環構造を形成する炭素原子又はこの炭素原子に結合した水素原子が前記アニオン基で置換されていてもよい。
あるいは、前記の式(bd1−an1)、式(bd1−an2)、式(bd1−an3)中、本発明の効果に優れる点から、前記Rx〜Rxのうち少なくとも1個は、アニオン基を有することが好ましい。
以下に、化合物(BD1)におけるアニオン部の具体例を記載する。
Figure 2019207298
Figure 2019207298
Figure 2019207298
・カチオン部((Mm+1/m)について
前記式(bd1)中、Mm+は、m価の有機カチオンを表す。mは1以上の整数である。
m+の有機カチオンとしては、スルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオンが好ましい。また、(BD1)成分を塩基成分(D)として用いる場合には、アンモニウムカチオンも挙げられる。
好ましいカチオン部((Mm+1/m)としては、下記の一般式(ca−1)〜(ca−4)でそれぞれ表される有機カチオンが挙げられる。
Figure 2019207298
[式中、R201〜R207及びR211〜R212はそれぞれ独立に、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルキル基、又は置換基を有してもよいアルケニル基を表す。R201〜R203、R206〜R207、R211〜R212はそれぞれ、相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成していてもよい。R208〜R209は、それぞれ独立に、水素原子もしくは炭素数1〜5のアルキル基を表すか、又は相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成していてもよい。R210は、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、又は置換基を有してもよい−SO−含有環式基である。L201は、−C(=O)−又は−C(=O)−O−を表す。複数のY201はそれぞれ独立に、アリーレン基、アルキレン基又はアルケニレン基を表す。xは、1又は2である。W201は、(x+1)価の連結基を表す。]
201〜R207およびR211〜R212におけるアリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が挙げられ、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
201〜R207およびR211〜R212におけるアルキル基としては、鎖状又は環状のアルキル基であって、炭素数1〜30のものが好ましい。
201〜R207およびR211〜R212におけるアルケニル基としては、炭素数が2〜10であることが好ましい。
201〜R207およびR211〜R212が有してもよい置換基としては、例えば、アルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、カルボニル基、シアノ基、アミノ基、アリール基、下記の一般式(ca−r−1)〜(ca−r−7)でそれぞれ表される基が挙げられる。
Figure 2019207298
[式中、R’201は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい環式基、置換基を有していてもよい鎖状のアルキル基、又は置換基を有していてもよい鎖状のアルケニル基である。]
R’201の置換基を有していてもよい環式基、置換基を有していてもよい鎖状のアルキル基、又は置換基を有していてもよい鎖状のアルケニル基は、上述の式(bd1)中のRx〜Rx、Ry〜Ry、Rz〜Rzについての説明と同様のものが挙げられる他、置換基を有していてもよい環式基又は置換基を有していてもよい鎖状のアルキル基として、上述の式(a1−r−2)で表される酸解離性基と同様のものも挙げられる。
201〜R203、R206〜R207、R211〜R212はそれぞれ、相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成していてもよい。
201〜R203、R206〜R207、R211〜R212は、相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成する場合、硫黄原子、酸素原子、窒素原子等のヘテロ原子や、カルボニル基、−SO−、−SO−、−SO−、−COO−、−CONH−または−N(R)−(該Rは炭素数1〜5のアルキル基である。)等の官能基を介して結合してもよい。形成される環としては、式中のイオウ原子をその環骨格に含む1つの環が、イオウ原子を含めて、3〜10員環であることが好ましく、5〜7員環であることが特に好ましい。形成される環の具体例としては、たとえばチオフェン環、チアゾール環、ベンゾチオフェン環、チアントレン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾチオフェン環、9H−チオキサンテン環、チオキサントン環、チアントレン環、フェノキサチイン環、テトラヒドロチオフェニウム環、テトラヒドロチオピラニウム環等が挙げられる。
208〜R209は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表し、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、アルキル基となる場合、相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成していてもよい。
210は、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、又は置換基を有してもよい−SO−含有環式基である。
210におけるアリール基としては、炭素数6〜20の無置換のアリール基が挙げられ、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
210におけるアルキル基としては、鎖状又は環状のアルキル基であって、炭素数1〜30のものが好ましい。
210におけるアルケニル基としては、炭素数が2〜10であることが好ましい。
210における、置換基を有していてもよい−SO−含有環式基としては、「−SO−含有多環式基」が好ましく、上記一般式(a5−r−1)で表される基がより好ましい。
201は、それぞれ独立に、アリーレン基、アルキレン基又はアルケニレン基を表す。
201におけるアリーレン基は、上述の式(bd1)中のRx〜Rx、Ry〜Ry、Rz〜Rzにおける芳香族炭化水素基として例示したアリール基から水素原子をさらに1つ除いた基が挙げられる。
201におけるアルキレン基、アルケニレン基は、上述の式(bd1)中のRx〜Rx、Ry〜Ry、Rz〜Rzにおける鎖状のアルキル基、鎖状のアルケニル基として例示した基から水素原子をさらに1つ除いた基が挙げられる。
前記式(ca−4)中、xは、1または2である。
201は、(x+1)価、すなわち2価または3価の連結基である。
201における2価の連結基としては、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基が好ましく、上述の一般式(a0−1−1)中のYax1と同様の、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基が例示できる。W201における2価の連結基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよく、環状であることが好ましい。なかでも、アリーレン基の両端に2個のカルボニル基が組み合わされた基が好ましい。アリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられ、フェニレン基が特に好ましい。
201における3価の連結基としては、前記W201における2価の連結基から水素原子を1個除いた基、前記2価の連結基にさらに前記2価の連結基が結合した基などが挙げられる。W201における3価の連結基としては、アリーレン基に2個のカルボニル基が結合した基が好ましい。
前記式(ca−1)で表される好適なカチオンとして具体的には、下記の化学式(ca−1−1)〜(ca−1−78)、(ca−1−101)〜(ca−1−149)でそれぞれ表されるカチオンが挙げられる。
下記の化学式中、g1は繰返し数を示し、g1は1〜5の整数である。g2は繰返し数を示し、g2は0〜20の整数である。g3は繰返し数を示し、g3は0〜20の整数である。
Figure 2019207298
Figure 2019207298
Figure 2019207298
Figure 2019207298
Figure 2019207298
Figure 2019207298
Figure 2019207298
Figure 2019207298
Figure 2019207298
Figure 2019207298
[式中、R”201は水素原子又は置換基である。該置換基としては、上記R201〜R207およびR211〜R212が有してもよい置換基として挙げた、アルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、カルボニル基、シアノ基、アミノ基、アリール基、一般式(ca−r−1)〜(ca−r−7)でそれぞれ表される基が挙げられる。]
前記式(ca−2)で表される好適なカチオンとして具体的には、下記式(ca−2−1)〜(ca−2−2)でそれぞれ表されるカチオン、ジフェニルヨードニウムカチオン、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムカチオンが挙げられる。
Figure 2019207298
前記式(ca−3)で表される好適なカチオンとして具体的には、下記式(ca−3−1)〜(ca−3−7)でそれぞれ表されるカチオンが挙げられる。
Figure 2019207298
前記式(ca−4)で表される好適なカチオンとして具体的には、下記式(ca−4−1)〜(ca−4−2)でそれぞれ表されるカチオンが挙げられる。
Figure 2019207298
また、(BD1)成分を塩基成分(D)として用いる場合のアンモニウムカチオンとしては、NH 、又はその窒素原子に結合するHを、ヘテロ原子を有してもよい炭化水素基で置換したカチオン(第1〜4級アンモニウムカチオン)もしくはその窒素原子と共に環を形成した環状カチオンが挙げられる。
上記の中でも、カチオン部((Mm+1/m)は、一般式(ca−1)で表されるカチオンが好ましく、化学式(ca−1−1)〜(ca−1−78)、(ca−1−101)〜(ca−1−149)でそれぞれ表されるカチオンがより好ましい。
上述した(BD1)成分のうち、(A)成分に作用する酸を発生する酸発生剤成分(B)(以下これを「(B1)成分」ともいう。)として好適な化合物の具体例を以下に挙げる。
Figure 2019207298
本実施形態のレジスト組成物において、(B1)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態のレジスト組成物中、(B1)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、5〜65質量部であることが好ましく、5〜55質量部であることがより好ましく、10〜45質量部であることがさらに好ましく、10〜40質量部であることが特に好ましい。
レジスト組成物における、(A)成分に作用する酸を発生する酸発生剤成分(B)成分全体のうち、上記(B1)成分の割合は、例えば、50質量%以上であり、好ましくは70質量%以上であり、さらに好ましくは95質量%以上である。なお、100質量%であってもよい。
(B1)成分の含有量が、前記の好ましい範囲の下限値以上であると、レジストパターン形成において、感度、解像性能、LWR(ラインワイズラフネス)低減、形状等のリソグラフィー特性がより向上する。一方、好ましい範囲の上限値以下であると、レジスト組成物の各成分を有機溶剤に溶解した際、均一な溶液が得られやすく、レジスト組成物としての保存安定性がより高まる。
また、レジスト組成物が、前記(B1)成分及び(D)成分((D1)〜(D3)成分の少なくとも1種)をともに含む場合、その割合(モル比)は、良好なリソグラフィー特性及びレジストパターン形状が得られやすい点で、例えば、(B1):(D)=100:0〜50:50であり、(B1):(D)=99:1〜51:49がより好ましく、(B1):(D)=90:10〜60:40がさらに好ましい。
また、上述した(BD1)成分のうち、露光により(B)成分から発生する酸をトラップ(酸の拡散を制御)する塩基成分(D)(以下これを「(D1)成分」ともいう。)として好適な化合物の具体例を以下に挙げる。
Figure 2019207298
本実施形態のレジスト組成物において、(D1)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態のレジスト組成物中、(D1)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、1〜35質量部が好ましく、2〜25質量部がより好ましく、3〜20質量部がさらに好ましく、3.5〜15質量部が特に好ましい。
レジスト組成物における、露光により(B)成分から発生する酸をトラップ(酸の拡散を制御)する塩基成分(D)成分全体のうち、上記(D1)成分の割合は、例えば、50質量%以上であり、好ましくは70質量%以上であり、さらに好ましくは95質量%以上である。なお、100質量%であってもよい。
(D1)成分の含有量が、好ましい範囲の下限値以上であると、良好なリソグラフィー特性及びレジストパターン形状が得られやすい。一方、好ましい範囲の上限値以下であると、他成分とのバランスをとることができ、種々のリソグラフィー特性が良好となる。
また、レジスト組成物が、前記(D1)成分及び(B)成分((B1)〜(B2)成分の少なくとも1種)をともに含む場合、その割合(モル比)は、良好なリソグラフィー特性及びレジストパターン形状が得られやすい点で、例えば、(B):(D1)=100:0〜50:50であり、(B):(D1)=99:1〜51:49がより好ましく、(B):(D1)=90:10〜60:40がさらに好ましい。
[化合物(BD1)の製造方法]
(BD1)成分は、公知の方法を用いて製造できる。
(BD1)成分の製造方法としては、例えば、下記反応式のように、アルケン又はアルキン(下記反応式中の(出発原料2))が共役ジエン(下記反応式中の(出発原料1))に付加して環構造を生じる(下記反応式中の(中間体))ディールス・アルダー反応を用いた方法が挙げられる。具体的には、ディールス・アルダー反応による生成物(中間体)に、所望のアニオン基を導入して前駆体を得た後、塩交換反応によって所望のカチオンを導入することにより目的の(BD1)成分が得られる。または、所望のアニオン基に由来する置換基(所望のアニオン基を導入可能な置換基)を含む、アルケン、アルキン又は共役ジエンを用いてディールス・アルダー反応を行い、中間体を得た後、所望のアニオン基を導入して前駆体を得、塩交換反応によって所望のカチオンを導入することにより目的の(BD1)成分を得てもよい。
共役ジエンは、目的の化合物((BD1)成分)に応じて適宜選択され、例えば、アントラセン又はその誘導体、トリプチセン又はその誘導体を用いたりすればよい。
アニオン基を導入する方法は、例えば、エステル化反応を用いた方法;トシル基を導入したアニオン基を有するアンモニウム塩と、アニオン部骨格(ディールス・アルダー反応由来)の環構造を有するリチウム化合物との反応を用いた方法、又はハロゲン原子を含む中間体をスルフィン化してスルフィン酸塩を得た後に酸化させてスルホン酸塩を得る方法等が挙げられる。
アニオン基を導入する方法としてエステル化反応を用いる場合、例えば、上記一般式(bd1)で表される化合物[一般式(bd1−r−an1)で表されるアニオン基を有する化合物、Yb01=−C(=O)−O−]を製造する方法としては、以下に示す第1〜2工程を含む実施形態の製造方法が挙げられる。
尚、一般式(bd1−r−an1)で表されるアニオン基であって、Yb01=−C(=O)−O−であるものを「一般式(b1−r−an10)で表されるアニオン基」と表記する。かかる第1〜2工程を含む実施形態の製造方法で製造される目的の化合物を、化合物(B1−0)とする。
各工程で用いられる原料は、市販のものを用いてもよく、合成したものを用いてもよい。
第1〜2工程で用いられる有機溶剤としては、各工程で用いられる化合物が溶解可能で、かつ、それら化合物と反応しないものであればよく、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、プロピオニトリル等が挙げられる。
・第1工程
第1工程では、中間体と化合物(I)とを有機溶剤(ジクロロメタン等)に溶解し、塩基の存在下で反応を行う。その後、濾過、濃縮等を行うことにより前駆体(Bpre)を得る。
Figure 2019207298
[式中、Rb01及びVb01は、上記式(bd1−r−an1)中のRb01及びVb01とそれぞれ同様である。(Mm+1/mは、アンモニウムカチオンである。Rx、Rx、Rz〜Rz、R021、n1、n11、R022、n2及びn21は、上記式(bd1−an3)中のRx、Rx、Rz〜Rz、R021、n1、n11、R022、n2及びn21とそれぞれ同様である。但し、Rx〜Rx及びRz〜Rzのうち少なくとも1個は一般式(b1−r−an10)で表されるアニオン基を有し、アニオン部全体でn価のアニオンとなる。nは1以上の整数である。]
第1工程で加えられる塩基としては、例えば、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ピリジン、エチルジイソプロピルアミノカルボジイミド(EDCI)塩酸塩、ジシクロヘキシルカルボキシイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド、カルボジイミダゾール等の有機塩基;水素化ナトリウム、KCO、CsCO等の無機塩基等が挙げられる。
化合物(I)のカチオン部は、脂肪族アミン由来のアンモニウムカチオンであってもよく、芳香族アミン由来のアンモニウムカチオンであってもよい。
化合物(I)の使用量は、中間体に対して、およそ1〜3当量が好ましく、1〜2当量がより好ましい。
反応温度は、0〜50℃が好ましく、5〜40℃がより好ましい。
・第2工程
第2工程では、前駆体(Bpre)と塩交換用の化合物(II)とを、水、ジクロロメタン、アセトニトリル、クロロホルム等の溶媒下で反応させて、前駆体(Bpre)と化合物(II)における有機カチオンとの塩交換により、目的の化合物(B1−0)を得る。
Figure 2019207298
[式中、Rb01及びVb01は、上記式(b1−r−an10)中のRb01及びVb01とそれぞれ同様である。(Mm+1/mは、アンモニウムカチオンである。Rx、Rx、Rz〜Rz、R021、n1、n11、R022、n2及びn21は、上記式(bd1−an3)中のRx、Rx、Rz〜Rz、R021、n1、n11、R022、n2及びn21とそれぞれ同様である。但し、Rx〜Rx及びRz〜Rzのうち少なくとも1個は一般式(b1−r−an10)で表されるアニオン基を有し、アニオン部全体でn価のアニオンとなる。nは1以上の整数である。Zは、非求核性イオンである。(Mm+1/mは、m価の有機カチオンであり、上記と同様である。]
としては、例えば臭素イオン、塩素イオン等のハロゲンイオン;前駆体(Bpre)よりも酸性度が低い酸になり得るイオン、BF 、AsF 、SbF 、PF 又はClO 等が挙げられる。
反応温度は、0〜100℃程度が好ましく、0〜50℃程度がより好ましい。
反応時間は、前駆体(Bpre)と塩交換用の化合物(II)との反応性や反応温度等によっても異なるが、通常、10分間以上24時間以下が好ましく、10分間以上12時間以下がより好ましい。
塩交換反応が終了した後、反応液中の化合物を単離、精製してもよい。単離、精製には、従来公知の方法が利用でき、例えば、濃縮、溶媒抽出、蒸留、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー等を適宜組み合わせて用いることができる。
上記のようにして得られる化合物の構造は、H−核磁気共鳴(NMR)スペクトル法、13C−NMRスペクトル法、19F−NMRスペクトル法、赤外線吸収(IR)スペクトル法、質量分析(MS)法、元素分析法、X線結晶回折法等の一般的な有機分析法により同定できる。
中間体は、目的の化合物(B1−0)に応じて適宜選択され、例えば、下記反応式で表されるディールス・アルダー反応による生成物が挙げられる。下記反応式における(出発原料1)には、アントラセン又はその誘導体を用いることができる。下記反応式における(出発原料2)には、アクリル酸エステル等のエチレン性二重結合を有する化合物を用いることができる。
また、中間体としては、トリプチセン又はその誘導体なども挙げられる。
Figure 2019207298
[式中、Rx’〜Rx’は、前記Rx〜Rxと同様である。Ry’〜Ry’は、前記Ry〜Ryと同様である。
Figure 2019207298
は三重結合又は二重結合である。
Figure 2019207298
は二重結合又は単結合である。Rz’〜Rz’は、前記Rz〜Rzと同様である。但し、Rx’〜Rx’、Ry’〜Ry’及びRz’〜Rz’のうち少なくとも1個は、前記アニオン基を導入し得る、脱離基を含む基である。]
アニオン基を導入する方法として、エステル化反応を用いる場合、前記の脱離基を含む基としては、脱水縮合可能な置換基が挙げられる。例えば、前記第1工程に示す反応式中の中間体は、脱水縮合可能な置換基(水酸基又はカルボキシ基等)を有していることが好ましい。この第1工程でエステル化反応させて、前駆体(Bpre)であるスルホン酸アンモニウム塩を得る。
アニオン基を導入する方法として、トシル基を導入したアニオン基を有するアンモニウム塩と、アニオン部骨格(ディールス・アルダー反応由来)の環構造を有するリチウム化合物との反応を用いる場合、前記の脱離基を含む基としては、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を含む基が挙げられ、好ましくは臭素原子である。ハロゲン原子(好ましくは臭素原子)含有の中間体をLi化してLi化合物とした後に、トシル基を導入したアニオン基を有するアンモニウム塩と反応させて、前駆体であるスルホン酸アンモニウム塩を得る。
アニオン基を導入する方法として、ハロゲン原子を含む中間体をスルフィン化して、スルフィン酸塩を得た後に、酸化させてスルホン酸塩を得る方法を用いる場合、前記の脱離基を含む基としては、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を含む基が挙げられ、好ましくは臭素原子である。ハロゲン原子(好ましくは臭素原子)含有の中間体を、アミンの存在下でスルフィン化剤を用いることによって、スルフィン酸アンモニウム塩とし、さらに酸化剤と反応させて、前駆体であるスルホン酸アンモニウム塩を得る。
それぞれの前駆体であるスルホン酸アンモニウム塩に対し、上述の第2工程の塩交換を行うことにより、目的の化合物((BD1)成分)を得ることができる。
<任意成分>
本実施形態のレジスト組成物は、上述した(A)成分及び化合物(BD1)((B1)成分、(D1)成分)以外の成分(任意成分)をさらに含有してもよい。
かかる任意成分としては、例えば、以下に示す(B2)成分、(D2)成分、(D3)成分、(E)成分、(F)成分、(S)成分などが挙げられる。
≪(B2)成分≫
本実施形態のレジスト組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、上述の(B1)成分以外の酸発生剤成分(以下「(B2)成分」という)を含有してもよい。
(B2)成分としては、特に限定されず、これまで化学増幅型レジスト組成物用の酸発生剤として提案されているものを用いることができる。
このような酸発生剤としては、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤;ビスアルキル又はビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤;ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが挙げられる。
オニウム塩系酸発生剤としては、例えば、下記の一般式(b−1)で表される化合物(以下「(b−1)成分」ともいう)、一般式(b−2)で表される化合物(以下「(b−2)成分」ともいう)又は一般式(b−3)で表される化合物(以下「(b−3)成分」ともいう)が挙げられる。尚、(b−1)成分は、上述の(B1)成分に該当する化合物を含まないものとする。
Figure 2019207298
[式中、R101、R104〜R108はそれぞれ独立に、置換基を有してもよい環式基、置換基を有してもよい鎖状のアルキル基、又は置換基を有してもよい鎖状のアルケニル基である。R104、R105は、相互に結合して環を形成していてもよい。R102はフッ素原子又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基である。Y101は単結合、又は酸素原子を含む2価の連結基である。V101〜V103はそれぞれ独立に単結合、アルキレン基又はフッ素化アルキレン基である。L101〜L102はそれぞれ独立に単結合又は酸素原子である。L103〜L105はそれぞれ独立に単結合、−CO−又は−SO−である。mは1以上の整数であって、M’m+はm価のオニウムカチオンである。]
{アニオン部}
・(b−1)成分のアニオン部
式(b−1)中、R101は、置換基を有してもよい環式基、置換基を有してもよい鎖状のアルキル基、又は置換基を有してもよい鎖状のアルケニル基である。かかるR101についての説明は、前記式(bd1)中のRx〜Rx、Ry〜Ry、Rz〜Rz(以下「Rx〜Rx等」と表記する。)における、置換基を有してもよい炭化水素基(置換基を有してもよい環式基、置換基を有してもよい鎖状のアルキル基、又は置換基を有してもよい鎖状のアルケニル基)についての説明と同様である。
中でも、R101は、置換基を有してもよい環式基が好ましく、置換基を有してもよい環状の炭化水素基であることがより好ましい。より具体的には、フェニル基、ナフチル基、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;前記一般式(a2−r−1)、(a2−r−3)〜(a2−r−7)でそれぞれ表されるラクトン含有環式基;前記一般式(a5−r−1)〜(a5−r−4)でそれぞれ表される−SO−含有環式基などが好ましい。
前記式(b−1)中、Y101は、単結合または酸素原子を含む2価の連結基である。
101が酸素原子を含む2価の連結基である場合、該Y101は、酸素原子以外の原子を含有してもよい。酸素原子以外の原子としては、たとえば炭素原子、水素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
かかる酸素原子を含む2価の連結基としては、たとえば、上記一般式(y−al−1)〜(y−al−8)でそれぞれ表される連結基が挙げられる。
101としては、エステル結合を含む2価の連結基、またはエーテル結合を含む2価の連結基が好ましく、上記一般式(y−al−1)〜(y−al−5)でそれぞれ表される連結基がより好ましい。
前記式(b−1)中、V101は、単結合、アルキレン基又はフッ素化アルキレン基である。V101におけるアルキレン基、フッ素化アルキレン基は、炭素数1〜4であることが好ましい。V101におけるフッ素化アルキレン基としては、V101におけるアルキレン基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。なかでも、V101は、単結合、又は炭素数1〜4のフッ素化アルキレン基であることが好ましい。
前記式(b−1)中、R102は、フッ素原子又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基である。R102は、フッ素原子または炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基であることが好ましく、フッ素原子であることがより好ましい。
(b−1)成分のアニオン部の具体例としては、たとえば、Y101が単結合となる場合、トリフルオロメタンスルホネートアニオンやパーフルオロブタンスルホネートアニオン等のフッ素化アルキルスルホネートアニオンが挙げられ;Y101が酸素原子を含む2価の連結基である場合、下記式(an−1)〜(an−3)のいずれかで表されるアニオンが挙げられる。
Figure 2019207298
[式中、R”101は、置換基を有してもよい脂肪族環式基、上記の化学式(r−hr−1)〜(r−hr−6)でそれぞれ表される1価の複素環式基、又は置換基を有してもよい鎖状のアルキル基である。R”102は、置換基を有してもよい脂肪族環式基、前記一般式(a2−r−1)、(a2−r−3)〜(a2−r−7)でそれぞれ表されるラクトン含有環式基、又は前記一般式(a5−r−1)〜(a5−r−4)でそれぞれ表される−SO−含有環式基である。R”103は、置換基を有してもよい芳香族環式基、置換基を有してもよい脂肪族環式基、又は置換基を有してもよい鎖状のアルケニル基である。V”101は、炭素数1〜4のアルキレン基、又は炭素数1〜4のフッ素化アルキレン基である。R102は、フッ素原子又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基である。v”はそれぞれ独立に0〜3の整数であり、q”はそれぞれ独立に1〜20の整数であり、n”は0または1である。]
R”101、R”102およびR”103の置換基を有してもよい脂肪族環式基は、前記式(bd1)中のRx〜Rx等における環状の脂肪族炭化水素基として例示した基であることが好ましい。前記置換基としては、前記式(bd1)中のRx〜Rx等における環状の脂肪族炭化水素基を置換してもよい置換基と同様のものが挙げられる。
R”103における置換基を有してもよい芳香族環式基は、前記式(bd1)中のRx〜Rx等における環状の炭化水素基における芳香族炭化水素基として例示した基であることが好ましい。前記置換基としては、前記式(bd1)中のRx〜Rx等における該芳香族炭化水素基を置換してもよい置換基と同様のものが挙げられる。
R”101における置換基を有してもよい鎖状のアルキル基は、前記式(bd1)中のRx〜Rx等における鎖状のアルキル基として例示した基であることが好ましい。R”103における置換基を有してもよい鎖状のアルケニル基は、前記式(bd1)中のRx〜Rx等における鎖状のアルケニル基として例示した基であることが好ましい。
・(b−2)成分のアニオン部
式(b−2)中、R104、R105は、それぞれ独立に、置換基を有してもよい環式基、置換基を有してもよい鎖状のアルキル基、または置換基を有してもよい鎖状のアルケニル基であり、それぞれ、前記式(bd1)中のRx〜Rx等における、置換基を有してもよい環式基、置換基を有してもよい鎖状のアルキル基、又は置換基を有してもよい鎖状のアルケニル基と同様のものが挙げられる。また、R104、R105は、相互に結合して環を形成していてもよい。
104、R105は、置換基を有してもよい鎖状のアルキル基が好ましく、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のフッ素化アルキル基であることがより好ましい。
該鎖状のアルキル基の炭素数は、1〜10であることが好ましく、より好ましくは炭素数1〜7、さらに好ましくは炭素数1〜3である。R104、R105の鎖状のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト用溶剤への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。また、R104、R105の鎖状のアルキル基においては、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなるため好ましい。前記鎖状のアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキル基である。
式(b−2)中、V102、V103は、それぞれ独立に、単結合、アルキレン基、またはフッ素化アルキレン基であり、それぞれ、式(b−1)中のV101と同様のものが挙げられる。
式(b−2)中、L101、L102は、それぞれ独立に単結合又は酸素原子である。
・(b−3)成分のアニオン部
式(b−3)中、R106〜R108は、それぞれ独立に、置換基を有してもよい環式基、置換基を有してもよい鎖状のアルキル基、又は置換基を有してもよい鎖状のアルケニル基であり、それぞれ、前記式(bd1)中のRx〜Rx等における、置換基を有してもよい環式基、置換基を有してもよい鎖状のアルキル基、又は置換基を有してもよい鎖状のアルケニル基と同様のものが挙げられる。
103〜L105は、それぞれ独立に、単結合、−CO−又は−SO−である。
{カチオン部}
式(b−1)、(b−2)及び(b−3)中、mは1以上の整数であって、M’m+はm価のオニウムカチオンである。M’m+としては、スルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオンが好適に挙げられ、例えば上記の化学式(ca−1−1)〜(ca−1−78)、(ca−1−101)〜(ca−1−149)でそれぞれ表されるカチオン等が挙げられる。
また、式(b−1)、(b−2)及び(b−3)中のM’m+としては、ジフェニルヨードニウムカチオン、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムカチオン、上記の化学式(ca−2−1)〜(ca−2−2)でそれぞれ表されるカチオン、上記の化学式(ca−3−1)〜(ca−3−7)でそれぞれ表されるカチオン、上記の化学式(ca−4−1)〜(ca−4−2)でそれぞれ表されるカチオンも挙げられる。
上記の中でも、カチオン部[(M’m+1/m]は、化学式(ca−1−1)〜(ca−1−78)、(ca−1−101)〜(ca−1−149)でそれぞれ表される機カチオンがより好ましい。
本実施形態のレジスト組成物において、(B2)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
レジスト組成物が(B2)成分を含有する場合、レジスト組成物中、(B2)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、50質量部以下が好ましく、1〜40質量部がより好ましく、5〜30質量部がさらに好ましい。
また、レジスト組成物が(B2)成分を含有する場合、レジスト組成物中、(A)成分に作用する酸を発生する酸発生剤成分(B)全体のうち、(B2)成分の含有量は、例えば、50質量%以下であり、30質量%以下がより好ましく、0質量%以上5質量%以下がさらに好ましい。
(B2)成分の含有量を上記範囲とすることで、パターン形成が充分に行われる。
≪(D2)成分≫
(D2)成分は、塩基成分であって、露光により分解して酸拡散制御性を失う光崩壊性塩基(但し、上記(D1)成分に該当するものを除く)である。
(D2)成分を含有するレジスト組成物とすることで、レジストパターンを形成する際に、レジスト膜の露光部と未露光部とのコントラストをより向上させることができる。
(D2)成分としては、露光により分解して酸拡散制御性を失うものであれば特に限定されず、下記一般式(d2−1)で表される化合物(以下「(d2−1)成分」という。)、下記一般式(d2−2)で表される化合物(以下「(d2−2)成分」という。)及び下記一般式(d2−3)で表される化合物(以下「(d2−3)成分」という。)からなる群より選ばれる1種以上の化合物が好ましい。
(d2−1)〜(d2−3)成分は、レジスト膜の露光部において分解して酸拡散制御性(塩基性)を失うためクエンチャーとして作用せず、レジスト膜の未露光部においてクエンチャーとして作用する。
Figure 2019207298
[式中、Rd〜Rdは置換基を有してもよい環式基、置換基を有してもよい鎖状のアルキル基、又は置換基を有してもよい鎖状のアルケニル基である。但し、一般式(d2−2)中のRdにおける、S原子に隣接する炭素原子にはフッ素原子が結合していないものとする。Ydは単結合又は2価の連結基である。mは1以上の整数であって、M’m+はそれぞれ独立にm価のオニウムカチオンである。]
{(d2−1)成分}
・アニオン部
式(d2−1)中、Rdは、置換基を有してもよい環式基、置換基を有してもよい鎖状のアルキル基、又は置換基を有してもよい鎖状のアルケニル基であり、それぞれ前記式(bd1)中のRx〜Rx等と同様のものが挙げられる。
これらのなかでも、Rdとしては、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、置換基を有してもよい脂肪族環式基、又は置換基を有してもよい鎖状のアルキル基が好ましい。これらの基が有してもよい置換基としては、水酸基、オキソ基、アルキル基、アリール基、フッ素原子、フッ素化アルキル基、上記一般式(a2−r−1)〜(a2−r−7)でそれぞれ表されるラクトン含有環式基、エーテル結合、エステル結合、またはこれらの組み合わせが挙げられる。エーテル結合やエステル結合を置換基として含む場合、アルキレン基を介していてもよく、この場合の置換基としては、上記式(y−al−1)〜(y−al−5)でそれぞれ表される連結基が好ましい。
前記芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、ビシクロオクタン骨格を含む多環構造(例えば、ビシクロオクタン骨格の環構造とこれ以外の環構造とからなる多環構造など)が好適に挙げられる。
前記脂肪族環式基としては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基であることがより好ましい。
前記鎖状のアルキル基としては、炭素数が1〜10であることが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖状のアルキル基;1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基等の分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
前記鎖状のアルキル基が置換基としてフッ素原子又はフッ素化アルキル基を有するフッ素化アルキル基である場合、フッ素化アルキル基の炭素数は、1〜11が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜4がさらに好ましい。該フッ素化アルキル基は、フッ素原子以外の原子を含有してもよい。フッ素原子以外の原子としては、たとえば酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
Rdとしては、直鎖状のアルキル基を構成する一部又は全部の水素原子がフッ素原子により置換されたフッ素化アルキル基であることが好ましく、直鎖状のアルキル基を構成する水素原子の全てがフッ素原子で置換されたフッ素化アルキル基(直鎖状のパーフルオロアルキル基)であることが特に好ましい。
以下に(d2−1)成分のアニオン部の好ましい具体例を示す。
Figure 2019207298
・カチオン部
式(d2−1)中、M’m+は、m価のオニウムカチオンである。
M’m+のオニウムカチオンとしては、(D1)成分と相違するように、前記式(b−1)〜(b−3)中のM’m+と同様のものの中から適宜選択することができる。
(d2−1)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
{(d2−2)成分}
・アニオン部
式(d2−2)中、Rdは、置換基を有してもよい環式基、置換基を有してもよい鎖状のアルキル基、又は置換基を有してもよい鎖状のアルケニル基であり、前記式(bd1)中のRx〜Rx等と同様のものが挙げられる。
但し、Rdにおける、S原子に隣接する炭素原子にはフッ素原子は結合していない(フッ素置換されていない)ものとする。これにより、(d2−2)成分のアニオンが適度な弱酸アニオンとなり、(D2)成分としてのクエンチング能が向上する。
Rdとしては、置換基を有してもよい鎖状のアルキル基、又は置換基を有してもよい脂肪族環式基であることが好ましい。鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、3〜10であることがより好ましい。脂肪族環式基としては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等から1個以上の水素原子を除いた基(置換基を有してもよい);カンファー等から1個以上の水素原子を除いた基であることがより好ましい。
Rdの炭化水素基は置換基を有してもよく、該置換基としては、前記式(d2−1)のRdにおける炭化水素基(芳香族炭化水素基、脂肪族環式基、鎖状のアルキル基)が有してもよい置換基と同様のものが挙げられる。
以下に(d2−2)成分のアニオン部の好ましい具体例を示す。
Figure 2019207298
・カチオン部
式(d2−2)中、M’m+は、m価のオニウムカチオンであり、前記式(d2−1)中のM’m+と同様である。
(d2−2)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
{(d2−3)成分}
・アニオン部
式(d2−3)中、Rdは置換基を有してもよい環式基、置換基を有してもよい鎖状のアルキル基、又は置換基を有してもよい鎖状のアルケニル基であり、前記式(bd1)中のRx〜Rx等と同様のものが挙げられ、フッ素原子を含む環式基、鎖状のアルキル基、又は鎖状のアルケニル基であることが好ましい。中でも、フッ素化アルキル基が好ましく、前記Rdのフッ素化アルキル基と同様のものがより好ましい。
式(d2−3)中、Rdは、置換基を有してもよい環式基、置換基を有してもよい鎖状のアルキル基、又は置換基を有してもよい鎖状のアルケニル基であり、前記式(bd1)中のRx〜Rx等と同様のものが挙げられる。
なかでも、置換基を有してもよいアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、環式基であることが好ましい。
Rdにおけるアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。Rdのアルキル基の水素原子の一部が水酸基、シアノ基等で置換されていてもよい。
Rdにおけるアルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜5のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が挙げられる。なかでも、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
Rdにおけるアルケニル基は、前記式(bd1)中のRx〜Rx等と同様のものが挙げられ、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基が好ましい。これらの基はさらに置換基として、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基を有してもよい。
Rdにおける環式基は、前記式(bd1)中のRx〜Rx等と同様のものが挙げられ、シクロペンタン、シクロヘキサン、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた脂環式基、又は、フェニル基、ナフチル基等の芳香族基が好ましい。Rdが脂環式基である場合、レジスト組成物が有機溶剤に良好に溶解することにより、リソグラフィー特性が良好となる。
式(d2−3)中、Ydは、単結合または2価の連結基である。
Ydにおける2価の連結基としては、特に限定されないが、置換基を有してもよい2価の炭化水素基(脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基)、ヘテロ原子を含む2価の連結基等が挙げられる。これらはそれぞれ、上記一般式(a0−1−1)中のYax1における2価の連結基についての説明のなかで挙げた、置換基を有してもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基と同様のものが挙げられる。
Ydとしては、カルボニル基、エステル結合、アミド結合、アルキレン基又はこれらの組み合わせであることが好ましい。アルキレン基としては、直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基であることがより好ましく、メチレン基又はエチレン基であることがさらに好ましい。
以下に(d2−3)成分のアニオン部の好ましい具体例を示す。
Figure 2019207298
Figure 2019207298
・カチオン部
式(d2−3)中、M’m+は、m価のオニウムカチオンであり、前記式(d2−1)中のM’m+と同様である。
(d2−3)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D2)成分は、上記(d2−1)〜(d2−3)成分のいずれか1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
レジスト組成物が(D2)成分を含有する場合、レジスト組成物中、(D2)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.5〜10質量部が好ましく、0.5〜8質量部がより好ましく、1〜6質量部がさらに好ましい。
また、レジスト組成物が(D2)成分を含有する場合、レジスト組成物中、露光により(B)成分から発生する酸をトラップ(酸の拡散を制御)する塩基成分(D)全体のうち、(D2)成分の含有量は、例えば、50質量%以下であり、30質量%以下がより好ましく、0質量%以上5質量%以下がさらに好ましい。
(D2)成分の含有量が好ましい下限値以上であると、特に良好なリソグラフィー特性及びレジストパターン形状が得られやすい。一方、上限値以下であると、他成分とのバランスをとることができ、種々のリソグラフィー特性が良好となる。
(D2)成分の製造方法:
前記の(d2−1)成分、(d2−2)成分の製造方法は、特に限定されず、公知の方法により製造することができる。
また、(d2−3)成分の製造方法は、特に限定されず、例えば、US2012−0149916号公報に記載の方法と同様にして製造される。
≪(D3)成分≫
(D3)成分は、塩基成分であって、レジスト組成物中で酸拡散制御剤として作用する含窒素有機化合物成分(但し、上記の(D1)成分及び(D2)成分に該当するものを除く)である。
(D3)成分としては、酸拡散制御剤として作用するもので、かつ、(D1)成分及び(D2)成分に該当しないものであれば特に限定されず、たとえば、アニオン部とカチオン部とからなる化合物、脂肪族アミン等が挙げられる。
(D3)成分における、アニオン部とカチオン部とからなる化合物としては、上記の(d2−1)〜(d2−3)成分におけるカチオン部をアンモニウムカチオンとしたものが挙げられる。ここでのアンモニウムカチオンとしては、NH 、又はその窒素原子に結合するHを、ヘテロ原子を有してもよい炭化水素基で置換したカチオン(第1〜4級アンモニウムカチオン)もしくはその窒素原子と共に環を形成した環状カチオンが挙げられる。
脂肪族アミンは、中でも、第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。
脂肪族アミンとは、1つ以上の脂肪族基を有するアミンであり、該脂肪族基は炭素数が1〜12であることが好ましい。
脂肪族アミンとしては、アンモニアNHの水素原子の少なくとも1つを、炭素数12以下のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基で置換したアミン(アルキルアミンもしくはアルキルアルコールアミン)又は環式アミンが挙げられる。
アルキルアミンおよびアルキルアルコールアミンの具体例としては、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールアミンが挙げられる。これらの中でも、炭素数5〜10のトリアルキルアミンがさらに好ましく、トリ−n−ペンチルアミン又はトリ−n−オクチルアミンが特に好ましい。
環式アミンとしては、たとえば、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環化合物が挙げられる。該複素環化合物としては、単環式のもの(脂肪族単環式アミン)であっても多環式のもの(脂肪族多環式アミン)であってもよい。
脂肪族単環式アミンとして、具体的には、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられる。
脂肪族多環式アミンとしては、炭素数が6〜10のものが好ましく、具体的には、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ヘキサメチレンテトラミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
その他脂肪族アミンとしては、トリス(2−メトキシメトキシエチル)アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシメトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシプロポキシ)エチル}アミン、トリス[2−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミン、トリエタノールアミントリアセテート等が挙げられ、トリエタノールアミントリアセテートが好ましい。
また、(D3)成分としては、芳香族アミンを用いてもよい。
芳香族アミンとしては、4−ジメチルアミノピリジン、ピロール、インドール、ピラゾール、イミダゾールまたはこれらの誘導体、トリベンジルアミン、2,6−ジイソプロピルアニリン、N−tert−ブトキシカルボニルピロリジン等が挙げられる。
(D3)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
レジスト組成物が(D3)成分を含有する場合、レジスト組成物中、(D3)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常、0.01〜5質量部の範囲で用いられる。上記範囲とすることにより、他成分とのバランスをとることができ、種々のリソグラフィー特性が良好となる。
≪(E)成分:有機カルボン酸並びにリンのオキソ酸及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の化合物≫
本実施形態のレジスト組成物には、感度劣化の防止や、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等の向上の目的で、任意の成分として、有機カルボン酸並びにリンのオキソ酸及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(E)(以下「(E)成分」という)を含有させることができる。
有機カルボン酸としては、例えば、酢酸、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸としては、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸等が挙げられ、これらの中でも特にホスホン酸が好ましい。
リンのオキソ酸の誘導体としては、例えば、上記オキソ酸の水素原子を炭化水素基で置換したエステル等が挙げられ、前記炭化水素基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基等が挙げられる。
リン酸の誘導体としては、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステル等のリン酸エステルなどが挙げられる。
ホスホン酸の誘導体としては、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステル等のホスホン酸エステルなどが挙げられる。
ホスフィン酸の誘導体としては、ホスフィン酸エステルやフェニルホスフィン酸などが挙げられる。
本実施形態のレジスト組成物において、(E)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
レジスト組成物が(E)成分を含有する場合、(E)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、通常、0.01〜5質量部の範囲で用いられる。
≪(F)成分:フッ素添加剤成分≫
本実施形態のレジスト組成物は、レジスト膜に撥水性を付与するため、又はリソグラフィー特性を向上させるために、フッ素添加剤成分(以下「(F)成分」という)を含有してもよい。
(F)成分としては、例えば、特開2010−002870号公報、特開2010−032994号公報、特開2010−277043号公報、特開2011−13569号公報、特開2011−128226号公報に記載の含フッ素高分子化合物を用いることができる。
(F)成分としてより具体的には、下記式(f1−1)で表される構成単位(f1)を有する重合体が挙げられる。この重合体としては、下記式(f1−1)で表される構成単位(f1)のみからなる重合体(ホモポリマー);該構成単位(f1)と前記構成単位(a1)との共重合体;該構成単位(f1)とアクリル酸又はメタクリル酸から誘導される構成単位と前記構成単位(a1)との共重合体であることが好ましい。ここで、該構成単位(f1)と共重合される前記構成単位(a1)としては、1−エチル−1−シクロオクチル(メタ)アクリレートから誘導される構成単位、1−メチル−1−アダマンチル(メタ)アクリレートから誘導される構成単位が好ましい。
Figure 2019207298
[式中、Rは前記と同様であり、Rf102およびRf103はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基を表し、Rf102およびRf103は同じであっても異なっていてもよい。nfは1〜5の整数であり、Rf101はフッ素原子を含む有機基である。]
式(f1−1)中、α位の炭素原子に結合したRは、前記と同様である。Rとしては、水素原子またはメチル基が好ましい。
式(f1−1)中、Rf102およびRf103のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。Rf102およびRf103の炭素数1〜5のアルキル基としては、上記Rの炭素数1〜5のアルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましい。Rf102およびRf103の炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基として、具体的には、炭素数1〜5のアルキル基の水素原子の一部または全部が、ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。なかでもRf102およびRf103としては、水素原子、フッ素原子、又は炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、水素原子、フッ素原子、メチル基、またはエチル基が好ましい。
式(f1−1)中、nfは1〜5の整数であり、1〜3の整数が好ましく、1又は2であることがより好ましい。
式(f1−1)中、Rf101は、フッ素原子を含む有機基であり、フッ素原子を含む炭化水素基であることが好ましい。
フッ素原子を含む炭化水素基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のいずれであってもよく、炭素数は1〜20であることが好ましく、炭素数1〜15であることがより好ましく、炭素数1〜10が特に好ましい。
また、フッ素原子を含む炭化水素基は、当該炭化水素基における水素原子の25%以上がフッ素化されていることが好ましく、50%以上がフッ素化されていることがより好ましく、60%以上がフッ素化されていることが、浸漬露光時のレジスト膜の疎水性が高まることから特に好ましい。
なかでも、Rf101としては、炭素数1〜6のフッ素化炭化水素基がより好ましく、トリフルオロメチル基、−CH−CF、−CH−CF−CF、−CH(CF、−CH−CH−CF、−CH−CH−CF−CF−CF−CFが特に好ましい。
(F)成分の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算基準)は、1000〜50000が好ましく、5000〜40000がより好ましく、10000〜30000が最も好ましい。この範囲の上限値以下であると、レジストとして用いるのにレジスト用溶剤への充分な溶解性があり、この範囲の下限値以上であると、この範囲の下限値以上であると、レジスト膜の撥水性が良好である。
(F)成分の分散度(Mw/Mn)は、1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。
本実施形態のレジスト組成物において、(F)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
レジスト組成物が(F)成分を含有する場合、(F)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、通常、0.5〜10質量部の割合で用いられる。
≪(S)成分:有機溶剤成分≫
本実施形態のレジスト組成物は、レジスト材料を有機溶剤成分(以下「(S)成分」という)に溶解させて製造することができる。
(S)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジスト組成物の溶剤として公知のものの中から任意のものを適宜選択して用いることができる。
(S)成分としては、例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤、ジメチルスルホキシド(DMSO)等が挙げられる。
本実施形態のレジスト組成物において、(S)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
なかでも、PGMEA、PGME、γ−ブチロラクトン、EL、シクロヘキサノンが好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶剤も好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。
より具体的には、極性溶剤としてEL又はシクロヘキサノンを配合する場合は、PGMEA:EL又はシクロヘキサノンの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。さらに、PGMEAとPGMEとシクロヘキサノンとの混合溶剤も好ましい。
また、(S)成分として、その他には、PGMEA及びELの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者との質量比が、好ましくは70:30〜95:5とされる。
(S)成分の使用量は、特に限定されず、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定される。一般的にはレジスト組成物の固形分濃度が0.1〜20質量%、好ましくは0.2〜15質量%の範囲内となるように(S)成分は用いられる。
本実施形態のレジスト組成物には、さらに所望により混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤、染料などを適宜、添加含有させることができる。
本実施形態のレジスト組成物は、上述した(A1)成分と、(BD1)成分と、必要に応じて前記の任意成分と、を含有するものである。
例えば、(BD1)成分を(B1)成分として用いる場合、(A1)成分と、(B1)成分と、(D2)成分又は(D3)成分と、を含有するレジスト組成物が好適に挙げられる。例えば、(BD1)成分を(D1)成分として用いる場合、(A1)成分と、(B2)成分と、(D1)成分と、を含有するレジスト組成物が好適に挙げられる。
さらに、例えば、(BD1)成分を(B1)成分及び(D1)成分としてそれぞれ用いる場合、(A1)成分と、(B1)成分と、(D1)成分と、を含有するレジスト組成物が好適に挙げられる。
以上説明した本実施形態のレジスト組成物は、構成単位(a0−1)及び構成単位(a0−2)を有する樹脂成分(A1)と、一般式(bd1)で表される化合物(BD1)と、を含有する。この(BD1)成分については、アニオン部が主として炭化水素からなる特定の構造(嵩高い構造)を持つため、比較的に疎水性が高められている。これにより、化合物(BD1)と樹脂成分(A1)との相溶性が高くなり、また、レジスト膜内の酸拡散性が適度に制御される。加えて、樹脂成分(A1)については、特定の構成単位が組み合わされているため、化合物(BD1)と樹脂成分(A1)との相乗的な効果がより高められている。したがって、実施形態のレジスト組成物によれば、リソグラフィー特性(ラフネス低減等)がより向上するとともに高感度化が図れる、と推測される。
また、実施形態のレジスト組成物を用いると、形成されるレジスト膜内で化合物(BD1)の均一性が高まるため、高解像度でラフネスが低減された良好な形状のレジストパターンを容易に形成できる。
(レジストパターン形成方法)
本発明の第2の態様に係るレジストパターン形成方法は、支持体上に、上述した実施形態のレジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、及び前記露光後のレジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を有する方法である。
かかるレジストパターン形成方法の一実施形態としては、例えば以下のようにして行うレジストパターン形成方法が挙げられる。
まず、上述した実施形態のレジスト組成物を、支持体上にスピンナー等で塗布し、ベーク(ポストアプライベーク(PAB))処理を、例えば80〜150℃の温度条件にて40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施してレジスト膜を形成する。
次に、該レジスト膜に対し、例えば電子線描画装置、EUV露光装置等の露光装置を用いて、所定のパターンが形成されたマスク(マスクパターン)を介した露光またはマスクパターンを介さない電子線の直接照射による描画等による選択的露光を行った後、ベーク(ポストエクスポージャーベーク(PEB))処理を、たとえば80〜150℃の温度条件にて40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。
次に、前記レジスト膜を現像処理する。現像処理は、アルカリ現像プロセスの場合は、アルカリ現像液を用い、溶剤現像プロセスの場合は、有機溶剤を含有する現像液(有機系現像液)を用いて行う。
現像処理後、好ましくはリンス処理を行う。リンス処理は、アルカリ現像プロセスの場合は、純水を用いた水リンスが好ましく、溶剤現像プロセスの場合は、有機溶剤を含有するリンス液を用いることが好ましい。
溶剤現像プロセスの場合、前記現像処理またはリンス処理の後に、パターン上に付着している現像液またはリンス液を、超臨界流体により除去する処理を行ってもよい。
現像処理後またはリンス処理後、乾燥を行う。また、場合によっては、上記現像処理後にベーク処理(ポストベーク)を行ってもよい。
このようにして、レジストパターンを形成することができる。
支持体としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、例えば、電子部品用の基板や、これに所定の配線パターンが形成されたもの等が挙げられる。より具体的には、シリコンウェーハ、銅、クロム、鉄、アルミニウム等の金属製の基板や、ガラス基板等が挙げられる。配線パターンの材料としては、例えば銅、アルミニウム、ニッケル、金等が使用可能である。
また、支持体としては、上述のような基板上に、無機系および/または有機系の膜が設けられたものであってもよい。無機系の膜としては、無機反射防止膜(無機BARC)が挙げられる。有機系の膜としては、有機反射防止膜(有機BARC)や、多層レジスト法における下層有機膜等の有機膜が挙げられる。
ここで、多層レジスト法とは、基板上に、少なくとも一層の有機膜(下層有機膜)と、少なくとも一層のレジスト膜(上層レジスト膜)とを設け、上層レジスト膜に形成したレジストパターンをマスクとして下層有機膜のパターニングを行う方法であり、高アスペクト比のパターンを形成できるとされている。すなわち、多層レジスト法によれば、下層有機膜により所要の厚みを確保できるため、レジスト膜を薄膜化でき、高アスペクト比の微細パターン形成が可能となる。
多層レジスト法には、基本的に、上層レジスト膜と、下層有機膜との二層構造とする方法(2層レジスト法)と、上層レジスト膜と下層有機膜との間に一層以上の中間層(金属薄膜等)を設けた三層以上の多層構造とする方法(3層レジスト法)と、に分けられる。
露光に用いる波長は、特に限定されず、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、Fエキシマレーザー、EUV(極端紫外線)、VUV(真空紫外線)、EB(電子線)、X線、軟X線等の放射線を用いて行うことができる。前記レジスト組成物は、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、EBまたはEUV用としての有用性が高く、ArFエキシマレーザー、EBまたはEUV用としての有用性がより高く、EBまたはEUV用としての有用性が特に高い。すなわち、本実施形態のレジストパターン形成方法は、レジスト膜を露光する工程が、前記レジスト膜に、EUV(極端紫外線)又はEB(電子線)を露光する操作を含む場合に特に有用な方法である。
レジスト膜の露光方法は、空気や窒素等の不活性ガス中で行う通常の露光(ドライ露光)であってもよく、液浸露光(Liquid Immersion Lithography)であってもよい。
液浸露光は、予めレジスト膜と露光装置の最下位置のレンズ間を、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する溶媒(液浸媒体)で満たし、その状態で露光(浸漬露光)を行う露光方法である。
液浸媒体としては、空気の屈折率よりも大きく、かつ、露光されるレジスト膜の屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒が好ましい。かかる溶媒の屈折率としては、前記範囲内であれば特に制限されない。
空気の屈折率よりも大きく、かつ、前記レジスト膜の屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒としては、例えば、水、フッ素系不活性液体、シリコン系溶剤、炭化水素系溶剤等が挙げられる。
フッ素系不活性液体の具体例としては、CHCl、COCH、COC、C等のフッ素系化合物を主成分とする液体等が挙げられ、沸点が70〜180℃のものが好ましく、80〜160℃のものがより好ましい。フッ素系不活性液体が上記範囲の沸点を有するものであると、露光終了後に、液浸に用いた媒体の除去を、簡便な方法で行えることから好ましい。
フッ素系不活性液体としては、特に、アルキル基の水素原子が全てフッ素原子で置換されたパーフロオロアルキル化合物が好ましい。パーフロオロアルキル化合物としては、具体的には、パーフルオロアルキルエーテル化合物、パーフルオロアルキルアミン化合物を挙げることができる。
さらに、具体的には、前記パーフルオロアルキルエーテル化合物としては、パーフルオロ(2−ブチル−テトラヒドロフラン)(沸点102℃)を挙げることができ、前記パーフルオロアルキルアミン化合物としては、パーフルオロトリブチルアミン(沸点174℃)を挙げることができる。
液浸媒体としては、コスト、安全性、環境問題、汎用性等の観点から、水が好ましく用いられる。
アルカリ現像プロセスで現像処理に用いるアルカリ現像液としては、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液が挙げられる。
溶剤現像プロセスで現像処理に用いる有機系現像液が含有する有機溶剤としては、(A)成分(露光前の(A)成分)を溶解し得るものであればよく、公知の有機溶剤の中から適宜選択できる。具体的には、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、ニトリル系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤等の極性溶剤、炭化水素系溶剤等が挙げられる。
ケトン系溶剤は、構造中にC−C(=O)−Cを含む有機溶剤である。エステル系溶剤は、構造中にC−C(=O)−O−Cを含む有機溶剤である。アルコール系溶剤は、構造中にアルコール性水酸基を含む有機溶剤である。「アルコール性水酸基」は、脂肪族炭化水素基の炭素原子に結合した水酸基を意味する。ニトリル系溶剤は、構造中にニトリル基を含む有機溶剤である。アミド系溶剤は、構造中にアミド基を含む有機溶剤である。エーテル系溶剤は、構造中にC−O−Cを含む有機溶剤である。
有機溶剤の中には、構造中に上記各溶剤を特徴づける官能基を複数種含む有機溶剤も存在するが、その場合は、当該有機溶剤が有する官能基を含むいずれの溶剤種にも該当するものとする。たとえば、ジエチレングリコールモノメチルエーテルは、上記分類中のアルコール系溶剤、エーテル系溶剤のいずれにも該当するものとする。
炭化水素系溶剤は、ハロゲン化されていてもよい炭化水素からなり、ハロゲン原子以外の置換基を有さない炭化水素溶剤である。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
有機系現像液が含有する有機溶剤としては、上記の中でも、極性溶剤が好ましく、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、ニトリル系溶剤等が好ましい。
ケトン系溶剤としては、たとえば、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、アセトン、4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、イソホロン、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、メチルアミルケトン(2−ヘプタノン)等が挙げられる。これらの中でも、ケトン系溶剤としては、メチルアミルケトン(2−ヘプタノン)が好ましい。
エステル系溶剤としては、たとえば、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、2−メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、4−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−エチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、2−エトキシブチルアセテート、4−エトキシブチルアセテート、4−プロポキシブチルアセテート、2−メトキシペンチルアセテート、3−メトキシペンチルアセテート、4−メトキシペンチルアセテート、2−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、4−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル、炭酸エチル、炭酸プロピル、炭酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、ピルビン酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキシプロピオネート、プロピル−3−メトキシプロピオネート等が挙げられる。これらの中でも、エステル系溶剤としては、酢酸ブチルが好ましい。
ニトリル系溶剤としては、たとえば、アセトニトリル、プロピオ二トリル、バレロニトリル、ブチロ二トリル等が挙げられる。
有機系現像液には、必要に応じて公知の添加剤を配合できる。該添加剤としては、たとえば界面活性剤が挙げられる。界面活性剤としては、特に限定されないが、たとえばイオン性や非イオン性のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤等を用いることができる。界面活性剤としては、非イオン性の界面活性剤が好ましく、非イオン性のフッ素系界面活性剤、又は非イオン性のシリコン系界面活性剤がより好ましい。
界面活性剤を配合する場合、その配合量は、有機系現像液の全量に対して、通常0.001〜5質量%であり、0.005〜2質量%が好ましく、0.01〜0.5質量%がより好ましい。
現像処理は、公知の現像方法により実施することが可能であり、たとえば現像液中に支持体を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、支持体表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止する方法(パドル法)、支持体表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している支持体上に一定速度で現像液塗出ノズルをスキャンしながら現像液を塗出し続ける方法(ダイナミックディスペンス法)等が挙げられる。
溶剤現像プロセスで現像処理後のリンス処理に用いるリンス液が含有する有機溶剤としては、たとえば前記有機系現像液に用いる有機溶剤として挙げた有機溶剤のうち、レジストパターンを溶解しにくいものを適宜選択して使用できる。通常、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤およびエーテル系溶剤から選択される少なくとも1種類の溶剤を使用する。これらのなかでも、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤及びアミド系溶剤から選択される少なくとも1種類が好ましく、アルコール系溶剤およびエステル系溶剤から選択される少なくとも1種類がより好ましく、アルコール系溶剤が特に好ましい。
リンス液に用いるアルコール系溶剤は、炭素数6〜8の1価アルコールが好ましく、該1価アルコールは直鎖状、分岐状又は環状のいずれであってもよい。具体的には、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−ヘキサノール、2−ヘプタノール、2−オクタノール、3−ヘキサノール、3−ヘプタノール、3−オクタノール、4−オクタノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。これらのなかでも、1−ヘキサノール、2−ヘプタノール、2−ヘキサノールが好ましく、1−ヘキサノール、2−ヘキサノールがより好ましい。
これらの有機溶剤は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、上記以外の有機溶剤や水と混合して用いてもよい。ただし、現像特性を考慮すると、リンス液中の水の配合量は、リンス液の全量に対し、30質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下さらに好ましく、3質量%以下が特に好ましい。
リンス液には、必要に応じて公知の添加剤を配合できる。該添加剤としては、例えば界面活性剤が挙げられる。界面活性剤は、前記と同様のものが挙げられ、非イオン性の界面活性剤が好ましく、非イオン性のフッ素系界面活性剤、又は非イオン性のシリコン系界面活性剤がより好ましい。
界面活性剤を配合する場合、その配合量は、リンス液の全量に対して、通常0.001〜5質量%であり、0.005〜2質量%が好ましく、0.01〜0.5質量%がより好ましい。
リンス液を用いたリンス処理(洗浄処理)は、公知のリンス方法により実施できる。該リンス処理の方法としては、たとえば一定速度で回転している支持体上にリンス液を塗出し続ける方法(回転塗布法)、リンス液中に支持体を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、支持体表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)等が挙げられる。
以上説明した本実施形態のレジストパターン形成方法においては、上述した第1の態様に係るレジスト組成物が用いられているため、レジストパターンを形成する際、感度を高められ、より良好なリソグラフィー特性(ラフネス低減等)のレジストパターンを形成することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
本実施例では、化学式(1)で表される化合物を「化合物(1)」と表記し、他の化学式で表される化合物についても同様に表記する。
<モノマー(a02−7)の製造例>
国際公開第2013/042694号の段落0087及び段落0090に記載の合成例を参照し、原料として2,2−ジメチル−3−メトキシプロピオン酸メチル等を用いて合成を行い、目的のモノマー(a02−7)、すなわち下記のNMR特性を有する1−(2’−メトキシ−1’,1’−ジメチルエチル)シクロペンタン−1−イル=メタクリラートを得た。
Figure 2019207298
得られたモノマー(a02−7)についてNMR測定を行い、以下の結果よりその構造を同定した。
H−NMR(CDCl)δ(ppm)=6.00(m,1H),5.47(m,1H),3.10(s,3H),3.08(s,2H),2.20−2.12(m,2H),2.05−1.95(m,4H),1.93(t,3H),1.60−1.50(m,2H),1.02(s,6H).
<共重合体(A1−1−1)の製造例>
モノマー(a01−1pre)10.0g、モノマー(a02−1)9.5g、重合開始剤としてアゾビス(イソ酪酸)ジメチル(V−601)1.4gを、MEK(メチルエチルケトン)50.0gに溶解させ窒素雰囲気下で85℃に加熱し、5時間撹拌した。その後、反応液に酢酸9.4g、メタノール160gを加え、30℃で8時間脱保護反応を行った。反応終了後、得られた反応液をヘプタン2500gに沈殿させ、洗浄した。得られた白色固体物を濾過し、一晩減圧乾燥することで目的の共重合体(A1−1−1)10.1gを得た。
Figure 2019207298
得られた共重合体(A1−1−1)について、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は7200であり、また、分子量分散度(Mw/Mn)は1.69であった。13C−NMRにより求められた共重合組成比(構造式中の各構成単位の割合(モル比))はl/m=50/50であった。
<共重合体(A1−1−2)〜共重合体(A1−1−22)、共重合体(A2−1)〜共重合体(A2−4)の製造例>
共重合体(A1−1−2)〜共重合体(A1−1−22)、共重合体(A2−1)〜共重合体(A2−4)は、各共重合体を構成する構成単位を誘導する下記モノマーを所定のモル比で用いた以外は、上記<共重合体(A1−1−1)の製造例>と同様の方法により合成した。
Figure 2019207298
Figure 2019207298
Figure 2019207298
<共重合体(A2−5)の製造例>
共重合体(A2−5)は、それぞれ所定量の上記モノマー(a02−1)及び上記モノマー(a2−2)と、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル(V−601)とを用いて、公知のラジカル重合により得た。
以下に、上記の製造例により得られた共重合体(A1−1−1)〜共重合体(A1−1−22)、共重合体(A2−1)〜共重合体(A2−5)を示す。
Figure 2019207298
Figure 2019207298
Figure 2019207298
Figure 2019207298
得られた各共重合体について、13C−NMRにより求められた該共重合体の共重合組成比(各モノマーから誘導される構成単位の割合(モル比))、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)及び分子量分散度(Mw/Mn)を表1に併記した。
尚、上記の共重合体を構成している、下記化学式(a01−1)で表される構成単位は、上記化学式(a01−1pre)で表されるモノマーから誘導される構成単位である。同様に、下記化学式(a01−2)で表される構成単位は、上記化学式(a01−2pre)で表されるモノマーから誘導される構成単位である。下記化学式(a01−3)で表される構成単位は、上記化学式(a01−3pre)で表されるモノマーから誘導される構成単位である。
Figure 2019207298
Figure 2019207298
<化合物の製造>
(製造例1)
100mL三口フラスコに、アントラセン(5.0g、28mmol)と、アクリル酸メチル(3.6g、42mmol)と、塩化アルミニウム(0.37g、2.8mmol)と、トルエン(50g)とを投入し、撹拌下、80℃で4時間反応させた。冷却後、超純水(50g)と、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)(74g)とを加え、30分撹拌後、水層を除去した。有機層を超純水(50g)で3回洗浄し、その有機層を、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。濃縮物を2−イソプロパノールで再結晶して、中間体1を得た(5.9g、収率=79.6%)。
100mL三口フラスコに、水酸化ナトリウム(3.8g、95mmol)と、超純水(38g)とを投入し、撹拌溶解後、中間体1(5.0g、19mmol)を分散させ、90℃で4時間反応させた。室温まで冷却後、溶液が酸性になるまで塩酸を加えて中和し、その後、MTBE(50g)を加え、30分撹拌後、水層を除去した。有機層を超純水(50g)で3回洗浄し、有機層を、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮して、中間体2を得た(4.6g、収率=97.2%)。
Figure 2019207298
100mL三口フラスコに、中間体2(4.0g、16mmol)と、化合物(I−1)(5.7g、16mmol)と、ジクロロメタン(87g)とを投入し、室温下で撹拌して溶解させた。
次に、ジイソプロピルカルボジイミド(2.2g、18mmol)とジメチルアミノピリジン(0.098g、0.8mmol)とを投入し、室温下で5時間反応させた。反応液をろ過し、ろ液を、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。濃縮物をアセトニトリル(17g)で溶解した後、MTBE(170g)に滴下し、析出した固体をろ過した。ろ物を再度アセトニトリル(17g)で溶解し、MTBE(170g)に滴下し、析出した固体をろ過した。この操作を2回繰り返した後、ろ物を、減圧乾燥することにより前駆体(Bpre−1)を得た(6.2g、収率=65.4%)。
Figure 2019207298
(製造例2)
アクリル酸メチル(3.6g、42mmol)を無水マレイン酸(4.0g、42mmol)に変更したこと以外は、中間体1の製造例と同様にして、中間体3を得た(6.4g、収率=82.3%)。
Figure 2019207298
100mL三口フラスコに、中間体3(6.0g、22mmol)と、5−ヒドロキシノルボルナン2,6−ラクトン(4.0g、26mmol)と、ジクロロメタン(120g)とを投入し、室温下で撹拌して溶解させた。次に、ジメチルアミノピリジン(0.13g、1mmol)と、トリエチルアミン(5.5g、54mmol)とを投入し、室温下で24時間反応させた。超純水(120g)を投入して撹拌後、水層が酸性になるまで塩酸を加えて中和し、さらに30分撹拌後、水層を除去した。有機層を超純水(120g)で3回洗浄し、有機層を、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮して、中間体4を得た(7.2g、収率=77.1%)。
Figure 2019207298
100mL三口フラスコに、中間体4(4.0g、16mmol)と、化合物(I−2)(6.0g、16mmol)と、ジクロロメタン(87g)とを投入し、室温下で撹拌して溶解させた。
次に、ジイソプロピルカルボジイミド(2.2g、18mmol)とジメチルアミノピリジン(0.098g、0.8mmol)とを投入し、室温下で5時間反応させた。反応液をろ過し、ろ液を、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。濃縮物をアセトニトリル(17g)で溶解した後、MTBE(170g)に滴下し、析出した固体をろ過した。ろ物を再度アセトニトリル(17g)で溶解し、MTBE(170g)に滴下し、析出した固体をろ過した。この操作を2回繰り返した後、ろ物を、減圧乾燥することにより前駆体(Bpre−2)を得た(6.6g、収率=53.1%)。
Figure 2019207298
(製造例3)
100mL三口フラスコに、中間体2(4.8g、19mmol)とテトラヒドロフラン(THF)(50g)とを投入し、室温下で撹拌して溶解させた。次に、LiAlH(0.86g、23mmol)を投入し、室温下で3時間反応させた。次に、超純水(50g)と、MTBE(50g)とを加え、30分撹拌後、水層を除去した。その後、有機層を超純水(50g)で3回洗浄し、有機層を、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮して、中間体5を得た(4.1g、収率=91.0%)。
100mL三口フラスコに、中間体5(4.0g、19mmol)と、化合物(I−3)(3.6g、18mmol)と、p−トルエンスルホン酸一水和物(0.18g、0.9mmol)と、トルエン(40g)とを投入し、110℃で24時間還流した。冷却後、ろ過し、残渣にアセトニトリル(160g)を加え、室温で30分撹拌し、ろ過した。ろ液を濃縮し、残渣にメチルエチルケトン(78g)を加えて撹拌した。その後、ろ過し、ろ物を乾燥させることにより前駆体(Bpre−3)を得た(4.9g、収率=62.4%)。
Figure 2019207298
(製造例4)
100mL三口フラスコに、中間体2(4.0g、16mmol)と、化合物(I−4)(5.0g、16mmol)と、ジクロロメタン(87g)とを投入し、室温下で撹拌して溶解させた。次に、ジイソプロピルカルボジイミド(2.2g、18mmol)とジメチルアミノピリジン(0.098g、0.8mmol)とを投入し、室温下で5時間反応させた。反応液をろ過し、ろ液を、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。濃縮物をアセトニトリル(17g)で溶解した後、MTBE(170g)に滴下し、析出した固体をろ過した。ろ物を再度アセトニトリル(17g)で溶解し、MTBE(170g)に滴下し、析出した固体をろ過した。この操作を2回繰り返した後、ろ物を、減圧乾燥することにより前駆体(Bpre−4)を得た(5.8g、収率=66.8%)。
Figure 2019207298
(製造例5)
中間体4(4.0g、16mmol)を中間体2(4.0g、16mmol)に変更したこと以外は、前駆体(Bpre−2)の製造例と同様にして、前駆体(Bpre−5)を得た(7.6g、収率=78.2%)。
Figure 2019207298
(製造例6)
300mLの耐圧反応容器に、4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン(8.7g、42mmol)と、アントラセン(5.0g、28mmol)と、トルエン(100g)とを投入し、150℃で24時間反応させた。次に、室温まで冷却後、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。この濃縮物に、メタノール(50g)を加えて撹拌し、析出した固体をろ過した。その後、減圧下で乾燥させることにより、中間体6を得た(6.0g、収率=55.6%)。
Figure 2019207298
200mL三口フラスコに、中間体6(5.8g、15mmol)と、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド(2.9g、16mmol)と、亜ジチオン酸ナトリウム(6.7、38mmol)と 、炭酸水素ナトリウム(3.8g、45mmol)と、アセトニトリル(16g)と、HO(16g)とを投入し、撹拌下、65℃で4時間反応させた。次に、室温まで冷却後、反応液をろ過し、ろ液にHO(16g)と、ジクロロメタン(25g)とを加え、30分撹拌した後、水層を除去した。次に、超純水(160g)で2回洗浄し、有機層を、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。濃縮物にアセトニトリル(77g)を加えて溶解させ、30%過酸化水素水(2.7g、24mmol)を加え、45℃で7時間反応させた。室温まで冷却した後、ジクロロメタン(78g)と、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液(78g)とを加え、超純水で30分撹拌した後、水層を除去した。超純水(78g)で2回洗浄した後、MTBE(156g)を加えて30分撹拌した。析出物をろ過し、減圧下で乾燥させることにより、前駆体(Bpre−6)を得た(5.8g、収率=66.8%)。
Figure 2019207298
(製造例7)
100mL三口フラスコに、水酸化ナトリウム(3.6g、90mmol)と、超純水(36g)とを投入し、撹拌溶解後、中間体3(5.0g、18mmol)を分散させ、90℃で4時間反応させた。室温まで冷却後、20%塩酸(13.2g、72.4mmol)とベンジルトリメチルアンモニウムクロリド(5.0g、27mmol)を加え、その後、MTBE(50g)を加えて30分撹拌後、水層を除去した。有機層を超純水(50g)で3回洗浄し、有機層を、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮して、前駆体(Bpre−7)を得た(5.7g、収率=71.0%)。
Figure 2019207298
(製造例8)
100mL三口フラスコに、水酸化ナトリウム(3.6g、90mmol)と、超純水(36g)とを投入し、撹拌溶解後、中間体1(4.8g、18mmol)を分散させ、90℃で4時間反応させた。室温まで冷却後、20%塩酸(13.2g、72.4mmol)とベンジルトリメチルアンモニウムクロリド(5.0g、27mmol)を加え、その後、MTBE(50g)を加えて30分撹拌後、水層を除去した。有機層を超純水(50g)で3回洗浄し、有機層を、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮して、前駆体(Bpre−8)を得た(5.7g、収率=71.0%)。
Figure 2019207298
(製造例9)
9−ブロモトリプチセン(20.0g、60mmol)と、マグネシウム(1.6g、66mmol)と、THF(400g)とを用いて常法により作製したGrignard試薬に、25〜35℃で二酸化炭素を導入し、室温で2時間反応させた。反応液に超純水(400g)を加え、1時間撹拌した後、溶液が酸性になるまで塩酸を加え、析出物をろ過した。ろ物を超純水(100g)で2回洗浄し、メタノール(50g)で2回洗浄した。減圧下、乾燥させることにより中間体7を得た。中間体7(5.0g、17mmol)、水酸化ナトリウム(0.74g、18mmol)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド(3.1g、17mmol)を超純水(100g)に溶解させた。その後、ジクロロメタン(50g)を加えて30分撹拌後、水層を除去した。有機層を超純水(50g)で3回洗浄し、有機層を、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮して、前駆体Bpre−9を得た(2.6g、収率=34.0%)。
Figure 2019207298
(化合物(B1−3)の製造例
前駆体(Bpre−3)(3.8g、9.2mmol)と塩交換用化合物A(2.8g、9.2mmol)とをジクロロメタン(60g)に溶解し、超純水(60g)を加え、室温下で30分間反応させた。反応終了後、水相を除去した後、有機相を超純水(60g)で4回洗浄した。有機相を、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮乾固することにより、化合物(B1−3)を得た(5.4g、収率=89.0%)。
Figure 2019207298
(その他化合物の製造例)
上記の前駆体(Bpre−1)〜前駆体(Bpre−9)と、塩交換用化合物Aとの組合せを変更したこと以外は、上記の「化合物(B1−1)の製造例」と同様にして、以下に示す化合物(B1−1)〜化合物(B1−6)、化合物(D1−1)〜化合物(D1−3)をそれぞれ得た。
得られた各化合物についてNMR測定を行い、以下の分析結果からその構造を同定した。
Figure 2019207298
Figure 2019207298
化合物(B1−1):前駆体(Bpre−1)と塩交換用化合物Aとの組合せ
H−NMR(DMSO,400MHz):δ(ppm)=7.74-7.90 (m, ArH, 15H), 7.01-7.47(m, ArH, 8H), 5.08(m, CFCH, 1H), 4.71(s, CH, 1H), 4.42(s, CH, 1H), 4.23(m, CH2, 2H), 2.90(m, CH, 1H), 2.45(m, CFCH, 1H), 1.82-2.07 (m, CH2, CFCH, 3H)
19F−NMR(DMSO,376MHz):δ(ppm)=-112.5, -121.2, -203.2
化合物(B1−2):前駆体(Bpre−2)と塩交換用化合物Aとの組合せ
H−NMR(DMSO,400MHz):δ(ppm)=7.74-7.90 (m, 15H, ArH), 7.01-7.47(m, ArH, 8H), 4.70(d, OCH(lactone), 1H), 4.58(t, COOCH(lactone), 1H), 4.50(d, CH, 2H), 4.22 (t, COOCH2, 2H), 3.32(m, CH(lactone),1H), 3.20(t, COCH, 2H), 2.63-2.73, (m, CF2CH2,CH(lactone), 4H), 1.60-2.20(m, CH2(lactone),4H)
19F−NMR(DMSO,376MHz):δ(ppm)=-111.3, -117.4
化合物(B1−3):前駆体(Bpre−3)と塩交換用化合物Aとの組合せ
H−NMR(DMSO,400MHz):δ(ppm)=7.74-7.90 (m, ArH, 15H), 7.01-7.45(m, ArH, 8H), 4.71(s, CH, 1H), 4.44(s, CH, 1H) , 4.31(s, CH2, 2H) , 2.93-3.00 (m, CH, 1H) , 1.87-2.07 (m, CH2, 2H) , 0.98-1.03 (m, CH, 1H)
19F−NMR(DMSO,376MHz):δ(ppm)=-107.9
化合物(B1−4):前駆体(Bpre−4)と塩交換用化合物Aとの組合せ
H−NMR(DMSO,400MHz):δ(ppm)=7.74-7.90 (m, ArH, 15H), 7.00-7.48(m, ArH, 8H), 4.70(s, CH, 1H), 4.31-4.58(m, CH, CF2CH2, 3H), 2.95-3.02 (m, CH, 1H), 1.85-2.05 (m, CH2, 2H)
19F−NMR(DMSO,376MHz):δ(ppm)=-111.4
化合物(B1−5):前駆体(Bpre−5)と塩交換用化合物Aとの組合せ
H−NMR(DMSO,400MHz):δ(ppm)=7.74-7.90 (m, ArH, 15H), 7.01-7.47(m, ArH, 8H) , 4.72(s, CH, 1H) , 4.43(s, CH, 1H), 4.23, (t, CH2, 2H), 2.95-3.02(m, CH, 1H), 2.63-2.73, (m, CF2CH2, 2H), 1.86-2.07 (m, CH2, 2H)
19F−NMR(DMSO,376MHz):δ(ppm)=-111.3, -117.4
化合物(B1−6):前駆体(Bpre−6)と塩交換用化合物Aとの組合せ
H−NMR(DMSO,400MHz):δ(ppm)=7.74-7.90 (m, ArH, 15H), 7.00-7.48(m, ArH, 8H), 4.70 (s, CH, 1H), 4.40(s, CH, 1H), 3.15-3.22 (m, CF2CH, 1H), 1.95-2.15 (m, CH2, 2H)
19F−NMR(DMSO,376MHz):δ(ppm)=-111.3, -117.4
化合物(D1−1):前駆体(Bpre−7)と塩交換用化合物Aとの組合せ
H−NMR(DMSO,400MHz):δ(ppm)=7.74-7.90 (m, ArH, 15H), 7.00-7.48 (m, ArH, 8H), 4.85 (s, ArCH, 2H), 3.16 (s, CH, 2H)
化合物(D1−2):前駆体(Bpre−8)と塩交換用化合物Aとの組合せ
H−NMR(DMSO,400MHz):δ(ppm)=7.74-7.90 (m, ArH, 15H), 7.00-7.48 (m, ArH, 8H), 4.68(s, CH, 1H), 4.41(s, CH, 1H) , 2.95-3.02 (m, CH, 1H), 1.86-2.04 (m, CH2, 2H)
化合物(D1−3):前駆体(Bpre−9)と塩交換用化合物Aとの組合せ
H−NMR(DMSO,400MHz):δ(ppm)=7.74-7.90 (m, ArH, 15H), 7.68-7.82 (m, Ph, 6H), 6.60-6.80 (m, Ph, 6H), 5.47(s, CH, 1H)
<レジスト組成物の調製>
(実施例1〜27、比較例1〜11)
表2〜4に示す各成分を混合して溶解し、各例のレジスト組成物をそれぞれ調製した。
Figure 2019207298
Figure 2019207298
Figure 2019207298
表2〜4中、各略号はそれぞれ以下の意味を有する。[ ]内の数値は配合量(質量部)である。
(A1)−1〜(A1)−22:上記の共重合体(A1−1−1)〜(A1−1−22)。
(A2)−1〜(A2)−5:上記の共重合体(A2−1)〜(A2−5)。
(B1)−1〜(B1)−6:上記化学式(B1−1)〜(B1−6)でそれぞれ表される化合物からなる酸発生剤。
(D1)−1〜(D1)−3:上記化学式(D1−1)〜(D1−3)でそれぞれ表される化合物からなる酸拡散制御剤。
(B2)−1:下記化学式(B2−1)で表される化合物からなる酸発生剤。
(D2)−1〜(D2)−3:下記化学式(D2−1)〜(D2−3)でそれぞれ表される化合物からなる酸拡散制御剤。
(S)−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノメチルエーテル=6/4(質量比)の混合溶剤。
Figure 2019207298
<レジストパターンの形成>
ヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理を施した8インチシリコン基板上に、各例のレジスト組成物をそれぞれ、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で、温度110℃で60秒間のプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚50nmのレジスト膜を形成した。
次に、前記レジスト膜に対し、電子線描画装置JEOL JBX−9300FS(日本電子株式会社製)を用い、加速電圧100kVにて、ターゲットサイズをライン幅50nmの1:1ラインアンドスペースパターン(以下「LSパターン」)とする描画(露光)を行った。その後、100℃で60秒間の露光後加熱(PEB)処理を行った。
次いで、23℃にて、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液「NMD−3」(商品名、東京応化工業株式会社製)を用いて、60秒間のアルカリ現像を行った。
その後、純水を用いて15秒間水リンスを行った。
その結果、ライン幅50nmの1:1のLSパターンが形成された。
[最適露光量(Eop)の評価]
前記のレジストパターンの形成方法によってターゲットサイズのLSパターンが形成される最適露光量Eop(μC/cm)を求めた。これを「Eop(μC/cm)」として表5及び表6に示した。
[LWR(ラインワイズラフネス)の評価]
上記<レジストパターンの形成>で形成したLSパターンについて、LWRを示す尺度である3σを求めた。これを「LWR(nm)」として表5及び表6に示した。
「3σ」は、走査型電子顕微鏡(加速電圧800V、商品名:S−9380、日立ハイテクノロジーズ社製)により、ラインの長手方向にラインポジションを400箇所測定し、その測定結果から求めた標準偏差(σ)の3倍値(3σ)(単位:nm)を示す。
該3σの値が小さいほど、ライン側壁のラフネスが小さく、より均一な幅のLSパターンが得られたことを意味する。
Figure 2019207298
Figure 2019207298
表5及び表6に示す結果から、本発明を適用した実施例のレジスト組成物によれば、レジストパターンの形成において高感度化が図れ、かつ、ラフネスが低減された良好な形状のレジストパターンを形成できること、が確認できる。

Claims (6)

  1. 露光により酸を発生し、かつ、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化するレジスト組成物であって、
    下記一般式(a0−1)で表される化合物における、W部位の重合性基が主鎖に変換された構成単位(a0−1)、及び下記一般式(a0−2)で表される化合物における、W部位の重合性基が主鎖に変換された構成単位(a0−2)を有する樹脂成分(A1)と、下記一般式(bd1)で表される、アニオン部とカチオン部とからなる化合物(BD1)と、を含有することを特徴とする、レジスト組成物。
    Figure 2019207298
    [式中、Wは重合性基含有基である。Wax0は、置換基を有してもよい(nax0+1)価の芳香族性を有する環状基である。Wax0は、Wと縮合環を形成していてもよい。nax0は、1〜3の整数である。Ra01は、下記一般式(a01−r−1)又は下記一般式(a01−r−2)で表される酸解離性基である。]
    Figure 2019207298
    [式中、Ra011〜Ra013はそれぞれ独立に、直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、架橋構造を有さない脂環式基、又は芳香族炭化水素基である。Ra014は、一部がハロゲン原子もしくはヘテロ原子含有基で置換されていてもよい直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、又は一部がハロゲン原子もしくはヘテロ原子含有基で置換されていてもよい炭素数6〜12のアリール基である。Ra015はRa014が結合した炭素原子と共に単環式の脂肪族環式基を形成する基である。*は結合手を示す。]
    Figure 2019207298
    [式中、Rx〜Rxは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭化水素基もしくは水素原子を表すか、又は2個以上が相互に結合して環構造を形成していてもよい。Ry〜Ryは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭化水素基もしくは水素原子を表すか、又は相互に結合して環構造を形成していてもよい。
    Figure 2019207298
    は二重結合又は単結合である。Rz〜Rzは、それぞれ独立に、原子価が許容する場合、置換基を有してもよい炭化水素基もしくは水素原子を表すか、又は2個以上が相互に結合して環構造を形成していてもよい。但し、Rx〜Rx、Ry〜Ry及びRz〜Rzのうち少なくとも1個はアニオン基を有し、アニオン部全体でn価のアニオンとなる。nは1以上の整数である。mは1以上の整数であって、Mm+は、m価の有機カチオンを表す。]
  2. 前記構成単位(a0−1)は、下記一般式(a0−1−1)で表される構成単位である、請求項1に記載のレジスト組成物。
    Figure 2019207298
    [式中、RX11、RX12及びRX13はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。Yax1は、単結合又は2価の連結基である。Wax1は、置換基を有してもよい(nax1+1)価の芳香族性を有する環状基である。但し、Yax1とWax1とは縮合環を形成していてもよいし、又はRX11とYax1とWax1とは縮合環を形成していてもよい。nax1は、1〜3の整数である。]
  3. 前記構成単位(a0−2)の割合は、前記樹脂成分(A1)を構成する全構成単位(100モル%)に対して30〜70モル%である、請求項1又は2に記載のレジスト組成物。
  4. 前記一般式(bd1)中のRz〜Rzのうち、少なくとも1個はアニオン基を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のレジスト組成物。
  5. 支持体上に、請求項1〜4のいずれか一項に記載のレジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、及び前記露光後のレジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を有する、レジストパターン形成方法。
  6. 前記のレジスト膜を露光する工程において、前記レジスト膜に、EUV(極端紫外線)又はEB(電子線)を露光する、請求項5に記載のレジストパターン形成方法。
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