JP2019206972A - シリンダ装置の製造方法 - Google Patents

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雄治 中山
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Shigeru Iwata
繁 岩田
誠治 深山
Seiji Miyama
誠治 深山
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Abstract

【課題】精度低下を抑制することができるシリンダ装置の製造方法を提供する。【解決手段】シリンダを、ブランク材から底部18bと筒状の側壁部17bとを有し底部18bの内面側に凹部24または凸部23を有する有底筒状の中間成形体14bを形成する中間成形体加工工程と、中間成形体14bの凹部24または凸部23に係合可能な係合凸部203または係合凹部204を有するマンドレル201を中間成形体14bの内周側に挿入し、凹部24または凸部23に係合凸部203または係合凹部204を係合させて中間成形体14bをマンドレル201に対し回り止めした状態で中間成形体14bの外周側をスピニング加工して中間成形体14bの全長を伸長させるスピニング加工工程と、を含んで形成する。【選択図】図7

Description

本発明は、シリンダ装置の製造方法に関する。
シリンダを深絞り体で形成したショックアブソーバがある(例えば、特許文献1参照)。また、シリンダの底部をクロージング加工によって形成する方法がある(例えば、特許文献2参照)。また、シリンダにキャップを溶接して底部とした複筒型緩衝器がある(例えば、特許文献3参照)。
特開2002−333049号公報 特開2010−234425号公報 特開2012−207674号公報
シリンダを深絞りで成形すると精度が低下してしまう可能性がある。
したがって、本発明は、精度低下を抑制することができるシリンダ装置の製造方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、シリンダを、ブランク材から底部と筒状の側壁部とを有し前記底部の内面側に凹部または凸部を有する有底筒状の中間成形体を形成する中間成形体加工工程と、前記中間成形体の前記凹部または前記凸部に係合可能な係合凸部または係合凹部を有するマンドレルを前記中間成形体の内周側に挿入し、前記凹部または前記凸部に前記係合凸部または前記係合凹部を係合させて前記中間成形体を前記マンドレルに対し回り止めした状態で前記中間成形体の外周側をスピニング加工して前記中間成形体の全長を伸長させるスピニング加工工程と、を含んで形成する。
本発明によれば、精度低下を抑制することができる。
第1実施形態のシリンダ装置の製造方法で製造されたシリンダ装置を示す断面図である。 第1実施形態のシリンダ装置の製造方法で製造されたベースシェルを示す断面図である。 第1実施形態のシリンダ装置の製造方法で製造されたベースシェルを示す平面図である。 第1実施形態のシリンダ装置の製造方法のベースシェル製造の工程図である。 第1実施形態のシリンダ装置の製造方法で成形されたブランク材を示す斜視図である。 第1実施形態のシリンダ装置の製造方法で成形された前段階の中間成形体を示す斜視図である。 第1実施形態のシリンダ装置の製造方法で成形された中間成形体およびマンドレルを示す断面図である。 第1実施形態のシリンダ装置の製造方法のスピニング加工直前の中間成形体およびスピニング加工機を示す断面図である。 第1実施形態のシリンダ装置の製造方法のスピニング加工中の中間成形体およびスピニング加工機を示す断面図である。 第1実施形態のシリンダ装置の製造方法のスピニング加工終了時の中間成形体およびスピニング加工機を示す断面図である。 第2実施形態のシリンダ装置の製造方法で製造されたベースシェルおよび取付アイを示す断面図である。 第2実施形態のシリンダ装置の製造方法の工程図である。 第2実施形態のシリンダ装置の製造方法で成形された中間成形体およびマンドレルを示す断面図である。 第2実施形態のシリンダ装置の製造方法で成形された中間成形体を示す平面図である。 第2実施形態のシリンダ装置の製造方法のスピニング加工直前の中間成形体およびスピニング加工機を示す断面図である。 第2実施形態のシリンダ装置の製造方法で成形された中間成形体およびマンドレルの変形例を示す断面図である。 第2実施形態のシリンダ装置の製造方法で成形された中間成形体の変形例を示す平面図である。
「第1実施形態」
本発明に係る第1実施形態のシリンダ装置の製造方法を図1〜図10を参照して以下に説明する。
まず、第1実施形態の製造方法で製造されるシリンダ装置11を図1を参照して説明する。図1に示すシリンダ装置11は、自動車や鉄道車両等の車両のサスペンション装置に用いられる緩衝器であり、複筒式の緩衝器である。シリンダ装置11は、インナチューブ12(内筒)と、シリンダであるベースシェル14(シリンダ)とを有している。インナチューブ12は、作動液体が封入されるもので、円筒状である。ベースシェル14は、インナチューブ12よりも大径であり、インナチューブ12の外周側に設けられている。ベースシェル14は、インナチューブ12との間に作動液体および作動気体が封入されるリザーバ室13を形成している。
図1,図2に示すように、ベースシェル14は、有底筒状であり、金属製の一部材からなる一体成形品である。ベースシェル14は、側壁部17と底部18とからなっている。側壁部17は円筒状であり、その中心軸線がベースシェル14の中心軸線となる。底部18は側壁部17の軸方向の一端側を閉塞している。底部18は、底本体部21と、外底突出部22と、凸部23と、凹部24とを有している。
底本体部21は、ベースシェル14における軸方向の外側に膨らむように球面状に湾曲している。底本体部21は、ベースシェル14における径方向の中央側ほど軸方向の外側に位置するように膨らんでいる。底本体部21は、外面が球面状のR面31となっており、内面も球面状のR面32となっている。R面31,32も、ベースシェル14における径方向の中央側ほど軸方向の外側に位置するように湾曲している。R面31,32は球面の中心がベースシェル14の中心軸線上に配置されている。底本体部21の形状によって、底部18は、外面側に凸状をなしている。
外底突出部22は、底本体部21の外周部からベースシェル14における軸方向の外側に突出している。外底突出部22は円環状となっている。外底突出部22は、R面31の径方向外側に平面35を有している。平面35は、ベースシェル14の中心軸線つまり側壁部17の中心軸線に直交して広がる平面であり、ベースシェル14の中心軸線を中心とする円環状となっている。
底部18は、底本体部21と外底突出部22とにわたって、円筒面からなる外周面36を有している。外周面36は、ベースシェル14の中心軸線を中心とする円筒面となっている。底部18の軸方向の外面は、中央側にR面31を、外周側に平面35を有している。
凸部23は、底部18の内面側に設けられている。凸部23は、ベースシェル14の内側における底本体部21と側壁部17との境界位置に形成されており、底本体部21からベースシェル14の軸方向内側に突出し、側壁部17からベースシェル14の径方向内側に突出する。よって、凸部23は底部18の内面側に設けられており、側壁部17の内周面側に設けられている。凸部23は、図1に示すように、突出側の先端面38が、ベースシェル14の中心軸線側かつ底本体部21側の端部にあってベースシェル14の中心軸線に沿う立面部39と、立面部39の底本体部21とは反対側に立面部39から離れるほど側壁部17に近づくように傾斜する傾斜面部40とを有している。凸部23は、図3に示すようにベースシェル14の周方向において両側の側面部41がベースシェル14の軸方向および径方向に沿い互いに平行となっている。凸部23は、ベースシェル14の周方向に等間隔で複数、具体的には8カ所形成されている。
ベースシェル14の周方向において隣り合う凸部23と凸部23との間が、凸部23の先端面38よりも、ベースシェル14の軸方向に凹み、ベースシェル14の径方向外側に凹む凹部24となっている。よって、凹部24も、底部18の内面側に設けられており、側壁部17の内周面側に設けられている。凹部24も、ベースシェル14の周方向に等間隔で複数、具体的には8カ所形成されている。凹部24は、凸部23の対向する一対の側面部41と底本体部21のR面32の一部と側壁部17の内周面43の一部とで形成されている。凹部24は、凸部23よりも、ベースシェル14の円周方向の幅が狭くなっている。
図2に示すように、側壁部17は、円筒状の内周面43と、円筒状の同径の外周面44,45とを有する円筒体である側壁本体部46と、側壁本体部46から径方向外方に突出する円環状の側壁突出部47とを有している。側壁本体部46は、側壁突出部47よりも底部18側の底側小径部48と、側壁突出部47よりも底部18とは反対側つまり開口側の開口側小径部49とを有している。外周面44は、底側小径部48の外周面であり、外周面45は、開口側小径部49の外周面である。外周面44,45は、底部18の外周面36と同一の円筒面を構成している。側壁突出部47は、軸方向の底部18側から順に、テーパ部51と、大径部53と、テーパ部55と、中径部57と、テーパ部59と、を有している。
テーパ部51は、外周側に、外周面44から軸方向に離れるほど大径となるテーパ面52を有している。大径部53は、外周側に、外周面44,45よりも大径の一定径の大径面54を有している。テーパ部55は、外周側に、大径面54から軸方向に離れるほど小径となるテーパ面56を有している。中径部57は、外周側に、外周面44,45よりも大径かつ大径面54よりも小径の一定径の中径面58を有している。テーパ部59は、外周側に、中径面58から軸方向に離れるほど小径となるテーパ面60を有している。
側壁突出部47は、図1に二点鎖線で示すスプリングシート65が取り付けられる取付部64を側壁本体部46とで構成する。言い換えれば、側壁突出部47は側壁本体部46の肉厚を厚くすることでスプリングシート65が取り付けられる取付部64を補強する。側壁突出部47には、中径部57にスプリングシート65の円筒状の嵌合部66が圧入されることで、スプリングシート65が取り付けられる。
側壁部17は、その底部18側が車載用のブラケット67の円筒状の嵌合部68に挿入されることになり、この状態で底部18の外底突出部22が平面35の位置において嵌合部68の内周面に溶接される。これにより、外底突出部22と嵌合部68とを繋ぐ溶接部69が形成されることになる。ここで、外底突出部22がなく底本体部21だけであると、底本体部21と嵌合部68の境界近傍の溶接位置が奥深い位置となり、溶接トーチがベースシェル14やブラケット67に干渉しやすく、溶接位置まで届きにくい。これに対して、外底突出部22を設けて底部18の外周側に平面35を形成していることから、溶接トーチがベースシェル14やブラケット67に干渉しにくく、良好に平面35および嵌合部68の境界近傍の溶接位置に届く。ここで、ベースシェル14の中心軸線つまり側壁部17の中心軸線に直交して広がる平面35でなくても、R面31の延長面よりも底部18の軸方向外側に位置する面であれば良い。
インナチューブ12は、円筒状であり、金属製の一部材からなる一体成形品である。インナチューブ12には、その軸方向の一端部にベース部材70が取り付けられている。ベース部材70は円環状である。インナチューブ12は、ベース部材70を介してベースシェル14の底部18に係合している。インナチューブ12には、その軸方向の他端部にロッドガイド71が取り付けられている。ロッドガイド71は円環状である。インナチューブ12は、ロッドガイド71を介してベースシェル14の側壁部17の底部18とは反対側に係合している。
ベース部材70は、インナチューブ12に嵌合し固定されている。ベース部材70は、この状態でベースシェル14の底部18に載置されている。ベース部材70は、底部18の底本体部21のR面32に載置されている。その際に、ベース部材70は、ベースシェル14の底部18の複数の凸部23によって径方向に位置決めされる。つまり、ベース部材70は、複数の凸部23の立面部39の位置に嵌合する。これにより、ベース部材70は、ベースシェル14と同軸状に配置されることになる。その結果、ベース部材70は、インナチューブ12の軸方向の一端部をベースシェル14と同軸状に配置する。
ロッドガイド71は、インナチューブ12とベースシェル14の側壁部17とに嵌合している。これにより、ロッドガイド71は、インナチューブ12の軸方向の他端部をベースシェル14と同軸状に配置している。このロッドガイド71に対して底部18とは反対側には、シール部材73が配置されている。シール部材73は、円環状である。このシール部材73も側壁部17の内周部に嵌合されている。ベースシェル14の底部18とは反対側には、係止部74が形成されている。係止部74は、ベースシェル14の側壁部17の底部18とは反対側が径方向内方に折り曲げられることによって形成されている。シール部材73は、その軸方向の外側がこの係止部74に係止されている。
インナチューブ12内には、ピストン80が摺動可能に嵌装されている。このピストン80は、インナチューブ12内に第1室81と第2室82とを画成している。第1室81は、インナチューブ12内のピストン80とロッドガイド71との間に設けられている。第2室82は、インナチューブ12内のピストン80とベース部材70との間に設けられている。インナチューブ12内の第2室82は、ベース部材70によって、ベースシェル14とインナチューブ12とで形成されるリザーバ室13と画成されている。
ピストン80にはロッド85がナット86によって連結されている。ロッド85は、ロッドガイド71およびシール部材73を通っている。ロッド85は、一端側がベースシェル14およびインナチューブ12内に配置され、他端側がベースシェル14およびインナチューブ12の外部に配置されている。ロッド85は、一端側がベースシェル14およびインナチューブ12内のピストン80に接続され、他端がインナチューブ12およびベースシェル14の外部へと延出されている。ロッド85は、インナチューブ12およびベースシェル14に対して軸方向に移動し、その際に、ピストン80と一体に移動する。シール部材73は、ベースシェル14とロッド85との間を閉塞している。シール部材73は、インナチューブ12内の作動液体と、リザーバ室13内の作動気体および作動液体とが外部に漏出するのを規制している。
ピストン80には、軸方向に貫通する通路91および通路92が形成されている。通路91,92は、第1室81と第2室82とを連通可能となっている。ピストン80には、軸方向の底部18とは反対側にディスクバルブ95が設けられている。ディスクバルブ95は、円環状であり、ピストン80に当接することで通路91を閉塞可能である。ピストン80には、軸方向の底部18側にディスクバルブ96が設けられている。ディスクバルブ96は、円環状であり、ピストン80に当接することで通路92を閉塞可能である。
ロッド85がインナチューブ12およびベースシェル14内への進入量を増やす縮み側に移動すると、ピストン80が第2室82を狭める方向に移動する。これによって、第2室82の圧力が第1室81の圧力よりも所定値以上高くなると、ディスクバルブ95は、通路91を開くことになる。このとき、ディスクバルブ95は、減衰力を発生させる。ロッド85がインナチューブ12およびベースシェル14からの突出量を増やす伸び側に移動すると、ピストン80が第1室81を狭める方向に移動する。これにより、第1室81の圧力が第2室82の圧力よりも所定値以上高くなると、ディスクバルブ96は、通路92を開くことになる。このとき、ディスクバルブ96は、減衰力を発生させる。
ベース部材70は、その軸方向の底部18側に配置されたディスクバルブ101と、その軸方向の底部18とは反対側に配置されたディスクバルブ102とでボデーバルブ103を構成している。
ベース部材70は、インナチューブ12に嵌合する円板状の区画部111と、区画部111の周方向の等間隔位置から底部18側に突出する複数の突出部112とを有している。ベース部材70は、複数の突出部112において、R面32に当接し、複数の凸部23の立面部39に当接している。周方向に隣り合う突出部112と突出部112との間が径方向通路113を構成している。よって、径方向通路113も区画部111の周方向の等間隔位置に複数形成されている。区画部111と底部18との間は中間室114となっている。ここで、複数の凸部23の内側にベース部材70が嵌合しても、径方向通路113が中間室114とリザーバ室13とを流通させる流路となる。また、複数の凸部23の内側にベース部材70を嵌合させる際に、ベース部材70の周方向において、底部18の凹部24とベース部材70の径方向通路113との位相を合わせる。これにより、凹部24内と、凹部24とボデーバルブ103との間とが、中間室114とリザーバ室13とを流通可能な流路となる。ここで、凹部24の数および幅と、径方向通路113の数および幅とは、ボデーバルブ103を周方向において底部18に対し位置決めしなくても、いずれかの凹部24と径方向通路113の位相が必ず合う(周方向の位置が重なり合う)ように設定されている。
区画部111には、軸方向に貫通する通路116および通路117が形成されている。通路116,117は、径方向通路113を介してインナチューブ12内の第2室82と中間室114およびリザーバ室13とを連通可能となっている。その結果、底部18の凹部24内と、凹部24とボデーバルブ103との間とが、第2室82とリザーバ室13とを流通可能な流路となる。
ディスクバルブ101は、円環状であり、ベース部材70に当接することで通路116を閉塞可能である。ディスクバルブ102は、円環状であり、ベース部材70に当接することで通路117を閉塞可能である。ボデーバルブ103は、ベースシェル14内の底部18とインナチューブ12との間に配置されており、そのベース部材70が、インナチューブ12内の第2室82とリザーバ室13とを区画する。シリンダ装置11は、その内部に、インナチューブ12とリザーバ室13とボデーバルブ103と、が設けられている。
ディスクバルブ101は、チェックバルブである。ディスクバルブ101は、通路116を介する第2室82からリザーバ室13側への作動液体の流れを許容し、これとは逆方向の通路116を介する作動液体の流れを規制する。ディスクバルブ101は、ロッド85が縮み側に移動して第2室82の圧力がリザーバ室13の圧力よりも所定値以上高くなると通路116を開く。ディスクバルブ101は、その際に減衰力を発生させる減衰バルブである。
ディスクバルブ102は、チェックバルブである。ディスクバルブ102は、通路117を介するリザーバ室13から第2室82側への作動液体の流れを許容し、これとは逆方向の通路117を介する作動液体の流れを規制する。ディスクバルブ102は、ロッド85が伸び側に移動しピストン80が第1室81側に移動して第2室82の圧力がリザーバ室13の圧力より下降すると通路117を開く。ディスクバルブ102は、その際に、実質的に減衰力を発生させずに、リザーバ室13から第2室82内に作動液体を流すサクションバルブである。
シリンダ装置11は、例えばロッド85が車両の車体側に連結され、ベースシェル14がブラケット67を介して車両の車輪側に連結される。シリンダ装置11は、車輪の車体に対する移動に対して減衰力を発生させる。シリンダ装置11は、ロッド85およびベースシェル14が外部から衝撃力を受ける。
次に、第1実施形態のシリンダ装置の製造方法について説明する。
第1実施形態の製造方法は、シリンダ装置11を製造する方法の一部である。第1実施形態の製造方法は、開口端に係止部74が形成される前の図2,図3に示す有底筒状のベースシェル14を製造する造管方法となっており、図4に示す工程を含んでいる。
まず、所定厚さの平板から、せん断加工により、図5に示すブランク材14aを形成するせん断加工工程を行う(図4に示すステップS1)。ブランク材14aは、一定厚さであり、所定の大きさの平板状である。このせん断加工工程は冷間加工である。
次に、図5に示す平板状のブランク材14aに、深絞り加工を行って、図6に示す有底筒状の中間成形体14a’を形成し、これにさらに深絞り加工を行って、図7に示す有底筒状の中間成形体14bを形成する中間成形体加工工程である絞り加工工程を行う(図4に示すステップS2)。深絞り加工は、絞り加工の一種であり、ダイとポンチとからなる金型を有する図示略のプレス成形機によって行われる。この絞り加工工程S2も冷間加工である。ここで、絞り加工工程S2では複数回に分けて深絞り加工を行って徐々に中間成形体の深さを深くし、徐々に中間成形体の長さを長くする。この絞り加工工程S2後の中間成形体14bは、絞り加工工程S2での天面加工により、円筒状の側壁部17bと側壁部17bの軸方向の一端側を閉塞する底部18bとを有する底付円筒体となる。
底部18bは、絞り加工工程S2での天面加工により、底本体部21bと外底突出部22bと凸部23と凹部24とが形成される。底本体部21bは、R面31,32を有している。R面31,32は絞り加工工程S2において金型で形成される。外底突出部22bは、平面35を有している。平面35は絞り加工工程S2において金型で形成される。図1,図3に示す先端面38、立面部39、傾斜面部40および側面部41を有する凸部23は、絞り加工工程S2において金型で形成される。側面部41、底本体部21のR面32の一部および側壁部17の内周面43の一部とを有する凹部24も、絞り加工工程S2において金型で形成される。つまり、図7に示す底部18bの内面側は、図1〜図3に示す底部18の内面側と同形状になっている。図7に示すように、底部18bの外周側には側壁部17bにかけてテーパ状の外周面36bが形成されている。外周面36bは平面35から軸方向に離れるほど大径となっている。
このように、中間成形体加工工程である絞り加工工程S2は、ブランク材14aから底部18bと筒状の側壁部17bとを有し底部18bの内面側に凹部24および凸部23を有する有底筒状の中間成形体14bを形成する。
ここで、絞り加工工程S2において複数回の深絞り加工のうち、先に行われる深絞り加工である底部加工工程によって、底本体部21bのR面31の全部と、外底突出部22の平面35の全部と、外周面36bと、R面32の凹部24を除く部分と、を形成する。つまり、底部加工工程によって、底部18bの外面に、中央側にR面31を、外周側に平面35を形成する。底部加工工程の後に行われる深絞り加工である凹凸加工工程によって、凸部23および凹部24を形成する。これは、凸部23および凹部24を先に形成して、その後に外底突出部22の平面35を形成すると、外底突出部22の平面35を形成する際に、凸部23および凹部24が潰れる可能性があり、これを避けるために平面35の後に凸部23および凹部24を形成した方が好ましいことによる。また、絞り加工工程S2において、平面35の外側にテーパ状の外周面36bを形成するため、プレス加工時の金属の流れが良くなり、成形上好ましい。テーパ状の外周面36bは、後のスピニング加工により消滅する。
中間成形体14bには、この底部18bと連続する筒状の側壁部17bが形成されている。側壁部17bは、後工程のスピニング加工工程後の図2に示す側壁部17よりも長さが短く全体的に肉厚が厚い。このため、図7に示すように中間成形体14bは比較的短尺となる。側壁部17bは、側壁部17の内周面43とほぼ同径の円筒面からなる内周面43bと、側壁部17の外周面44,45よりも大径の円筒面からなる外周面44bと、テーパ面からなる外周面36bとを有している。
第1実施形態では、中間成形体加工工程として、ブランク材14aから絞り加工の一種である深絞り加工により中間成形体14bを形成する例を示した。しかし、内周側に穴のない中実の低炭素鋼棒から鍛造加工を用いて中間成形体14bを形成しても良い。さらに、中間成形体14bの側壁部17bについては絞り加工の一種であるスピニング加工を用いて形成しても良い。また、これらを適宜組み合わせても良い。
中間成形体加工工程においては、具体的に、後工程のスピニング加工工程を考慮して、中間成形体14bには側壁部17bに厚み(例えば2.6〜5.0mm)を持たせる。絞り加工工程S2は、しわ抑え板でブランク材14aに圧力を加えながら、パンチとダイの隙間(クリアランス)にブランク材14aを引き込み有底円筒形状とする。パンチ先端としわ抑え板とにより側壁部17bは引っ張られて薄くなる。このため、板厚減少量を見込んだ厚み(例えば5.0mm以上)をブランク材14aに持たせても良い。金型のクリアランスを広げ、ブランク材に単純な曲げ変形を与えて、短尺の中間成形体14bを有底円筒形状としても良い。
次に、図7〜図10に一部を示すスピニング加工機によるスピニング加工により、中間成形体14bの側壁部17bを軸方向に伸ばすスピニング加工工程を行う(図4に示すステップS3)。このスピニング加工工程S3も冷間加工である。スピニング加工は、回転加工である。ここで、回転加工には、ねじ転造加工、歯車転造加工、プロフィル転造加工、クロスローリング加工、ヘリカルローリング加工、ディスクローリング加工、回転鍛造加工、ロータリスエージング加工、スピニング加工がある。スピニング加工機は、図7に示すように、円柱状のマンドレル201を有している。
図7に示すように、マンドレル201は、先端側が中間成形体14bの内面形状と同形状の外面形状を有し、中間成形体14bよりも軸方向長さが長い。マンドレル201は、本体軸部202と、係合凸部203と、係合凹部204とを有している。
本体軸部202は、円柱状であり、その中心軸線がマンドレル201の中心軸線となる。本体軸部202は、本体先端部205がマンドレル201における軸方向の外側に膨らむように球面状に湾曲している。この本体先端部205は、マンドレル201における径方向の中央側ほど軸方向の外側に位置するように膨らんでいる。本体先端部205は、外面が球面状のR面211となっている。R面211も、マンドレル201における径方向の中央側ほど軸方向の外側に位置するように湾曲している。R面211は球面の中心がマンドレル201の中心軸線上に配置されている。本体軸部202は、円筒面からなる外周面212を有している。外周面212は、マンドレル201の中心軸線を中心とする円筒面となっている。外周面212は、側壁部17bの内径とほぼ同径の外径の円筒である。
係合凹部204は、本体軸部202の本体先端部205の外周側に設けられており、R面211からマンドレル201の軸方向および径方向に凹んでいる。係合凹部204は、マンドレル201の周方向に等間隔で複数形成されている。係合凹部204は、中間成形体14bの凸部23と同数設けられており、すべての係合凹部204が一つずつ対応する凸部23に係合可能となっている。
マンドレル201の周方向において隣り合う係合凹部204と係合凹部204との間が、係合凹部204の底面よりもマンドレル201の軸方向および径方向外側に突出する係合凸部203となっている。よって、係合凸部203も、マンドレル201の周方向に等間隔で複数形成されている。係合凸部203は、係合凹部204よりも、ベースシェル14の円周方向の幅が狭くなっている。係合凸部203は、中間成形体14bの凹部24と同数設けられており、すべての係合凸部203が一つずつ対応する凹部24に係合可能となっている。係合凸部203は、本体先端部205の一部であり、係合凸部203を含む本体先端部205と係合凹部204とが、マンドレル201の先端部215となっている。
スピニング加工工程S3では、先端部215に係合凸部203および係合凹部204を有するマンドレル201を、先端部215を先頭にして中間成形体14bの内周側に挿入する。その際に、係合凸部203と凹部24との位相を合わせ、係合凹部204と凸部23との位相を合わせる。すると、マンドレル201は、係合凸部203が中間成形体14bの凹部24に入り込んで係合し、係合凹部204が中間成形体14bの凸部23を入り込ませて係合する。そして、本体先端部205のR面211が、底本体部21bのR面32に面接触で当接する。ここで、マンドレル201のR面211を底本体部21bのR面32に面接触で当接させるために、係合凸部203の突出高さを、凹部24の深さよりも若干小さく、凸部23の突出高さを、係合凹部204の深さよりも若干小さくしても良い。係合凸部203を凹部24に係合させ、係合凹部204を凸部23に係合させることで、中間成形体14bがマンドレル201に対し相対回転が規制される状態、つまり回り止めされた状態となる。
なお、基本的に、スピニング加工工程S3では側壁部17bのみを加工するようにし、底部18bは加工しないほうが望ましい。底部18bは軸力が加わるため厚肉であることが望ましい。このため、絞り加工工程S2で底部18bをテーパ状の外周面36bを除いて最終形状にするほうがよい。つまり、ベースシェル14の底部18のうち、底本体部21のR面31,32と外底突出部22の平面35と凸部23と凹部24とについては、スピニング加工工程S3前の中間成形体加工工程である絞り加工工程S2で形成する。
スピニング加工機は、図8に示すセンタ治具200と、複数のローラ221とを有している。センタ治具200は、上記マンドレル201が内側に挿入された状態の中間成形体14bの底部18bを、マンドレル201とで挟持する。センタ治具200は、この状態で、マンドレル201の中心軸線を中心にマンドレル201と一体に回転する。
スピニング加工工程S3では、凹部24に係合凸部203を、凸部23に係合凹部204をそれぞれ係合させて中間成形体14bをマンドレル201に対し回り止めし、センタ治具200とマンドレル201とで中間成形体14bの底部18bを挟持した状態で、センタ治具200とマンドレル201とを一体に回転させる。すると、中間成形体14bも、センタ治具200およびマンドレル201と一体に回転する。
スピニング加工工程S3では、複数のローラ221が、センタ治具200とマンドレル201とで回転させられる中間成形体14bの底部18bおよび側壁部17bの外周側を、底部18bの側壁部17bとは反対側の端部から中間成形体14bの底部18bとは反対側の端部まで、径方向内方に押圧しマンドレル201に押し付けることによって塑性変形させて適宜の厚さに薄肉化するスピニング加工を行う。このスピニング加工は、中間成形体14bの側壁部17bを塑性変形により適宜の厚さに薄肉化することによって、中間成形体14bの全長を伸長させる加工でもある。その際に、複数のローラ221は、中間成形体14bに対する軸方向の位置を揃えて、中間成形体14bの軸方向と半径方向とに同時に移動する。
具体的には、複数のローラ221を底部18bから中間成形体14bの軸方向に移動させることで、図8に示す底部18bおよび側壁部17bのテーパ状の外周面36bの位置を円筒面に加工して、図9に示す一定径の外周面36を形成することで底部18を形成する。これに続いて、複数のローラ221を軸方向に移動させることで、側壁部17bの円筒状の外周面44bを小径の円筒面に加工して、図10に示す一定径の外周面44を有する底側小径部48を形成する。これに続いて、複数のローラ221を径方向外側に逃がしながら軸方向に移動させることで、徐々に大径となるテーパ面52を有するテーパ部51を形成する。これに続いて、複数のローラ221を軸方向に移動させることで一定径の大径面54を有する大径部53を形成する。これに続いて、複数のローラ221を径方向内側に移動させながら軸方向に移動させることで徐々に小径となるテーパ面56を有するテーパ部55を形成する。これに続いて、複数のローラ221を軸方向に移動させることで一定径の中径面58を有する中径部57を形成する。これに続いて、複数のローラ221を径方向内側に移動させながら軸方向に移動させることで徐々に小径となるテーパ面60を有するテーパ部59を形成する。これに続いて、複数のローラ221を軸方向に移動させることで、一定径の外周面45を有する開口側小径部49を形成する。
このようにして、底側小径部48、テーパ部51、大径部53、テーパ部55、中径部57、テーパ部59および開口側小径部49をすべてスピニング加工により形成する。言い換えれば、側壁部17を、全長にわたってスピニング加工により塑性変形させて、側壁本体部46および側壁突出部47を形成する。これにより、従来バルジ加工により拡径させていた取付部64をスピニング加工で同時に形成することができる。よって、生産性を向上させることができる。
以上により、スピニング加工工程S3では、スピニング加工工程S3前の図8に示す中間成形体14bの側壁部17bを、スピニング加工により軸方向に伸ばしつつ、図9から図10に示すように、底側小径部48、テーパ部51、大径部53、テーパ部55、中径部57、テーパ部59および開口側小径部49を形成する。スピニング加工工程S3では、ベースシェル14および側壁部17において、大径部53の大径面54の外径が最大外径となる。
スピニング加工工程S3後の、側壁部17は、その軸方向において、側壁突出部47の長さよりも、底側小径部48および開口側小径部49を合わせた長さの方が長くなる。スピニング加工工程S3では、図7に示す中間成形体14bの側壁部17bの全部をスピニング加工する。言い換えれば、図2に示すベースシェル14は、側壁部17の全部がスピニング加工されて大径面54以下の外径になっている。なお、スピニング加工工程S3は、絞り加工工程S2での天面加工により形成された底部18bを、外周部を除き変形させない。スピニング加工工程S3後の側壁本体部46の底部18とは反対側の端部が、後に図1に示す係止部74が形成される部分となる。
以上により、図2,図3に示すベースシェル14を得る。ベースシェル14は、側壁部17bの肉厚以下の肉厚で軸方向に長い側壁部17を有している。スピニング加工は、板材または管材の回転加工である。スピニング加工には、絞りスピニング加工=へら絞り加工(conventional spinning)と、しごきスピニング加工(shear spinning)と、回転しごき加工(tube spinning,flow forming)とがある。第1実施形態のスピニング加工工程S3は、具体的には、回転しごき加工(フローフォーミング)工程であり、側壁部17bを塑性変形させて薄肉化しつつ軸方向に伸ばして側壁部17とする。
図7に示す中間成形体14bから側壁部17bを軸方向に伸ばすことで、図2に示すベースシェル14とするには、前述の回転しごき加工以外に、平行スエージ加工の適用も考えられる。平行スエージ加工は、管の端部の絞りに用いられる方法である。しかし、平行スエージ加工は、マンドレルとダイとの間で素管の端部をしごき加工する。このため、平行スエージ加工は、管壁を複数の段付きに形成することは難しい。特に、平行スエージ加工は、移動方向に移動するに従って肉厚を減じることはできる。しかし、平行スエージ加工は、図2に示すように、加工移動方向に肉厚を増やすように加工することは難しい。一方、スピニング加工は、素管を挿入したマンドレル201を回転させ、管壁を複数のローラ221によってしごくことで軸方向に延伸させる。スピニング加工では、複数のローラ221を管の軸方向と半径方向とに同時に移動させるように、マンドレル201とのクリアランスを数値制御する。これにより、管壁に複数の段部を持つベースシェル14を形成できる。管にスプリングシートの嵌合部を成形するために、従来は、管を部分的にバルジ加工することが行われていた。スピニング加工工程S3において管壁を段付き形状に形成できれば、このような管を部分的にバルジ加工する工程を止めることができる。これにより、製造コストを低減できる。
具体的な方法について説明する。中間成形体14bと一体に回転するセンタ治具200およびマンドレル201の回転が所定の設定された回転数(例えば100〜3000rpm)に達したことを確認する。すると、複数(2つ以上)のローラ221を、数値制御で移動させて、径方向のマンドレル201との間のクリアランスを軸方向位置に応じて一定させたり、変化させたりして軸方向に移動させる。このクリアランスは、中間成形体14bの側壁部17bの肉厚よりも小さい。このため、ローラ221は、側壁部17bを、しごき加工しながら薄く軸方向に伸ばす回転しごき加工(前方回転しごき加工、後方回転しごき加工)を行う。ここで、中間成形体14bは、上記した絞り加工工程S2で加工硬化している。このため、スピニング加工工程S3の加工条件を最適化して、中間成形体14bの延性低下による表面層剥離の発生、表面性状の悪化を抑制する。スピニング加工工程S3において、加工精度と表面性状の向上とサイクルタイムの短縮が可能な条件を選定する。これらの条件を決める因子には、ローラ221の回転数・形状・送り速度、加工方法(前方、後方、多パス)、潤滑・冷却剤といったものがある。
ここで、スピニング加工工程S3において、大径部53の位置で複数のローラ221を中間成形体14bから径方向外側に離すことも可能である。これにより、大径部53をスピニング加工で形成せずに、スピニング加工工程S3前の絞り加工工程S2後の状態のままで大径部53とする。言い換えれば、側壁突出部47の大径部53はスピニング加工により塑性変形させない。さらに言い換えれば、側壁部17について、底側小径部48、テーパ部51、大径部53、テーパ部55、中径部57、テーパ部59および開口側小径部49のうち、底側小径部48、テーパ部51、テーパ部55、中径部57、テーパ部59および開口側小径部49のみをスピニング加工で形成しても良い。その結果、側壁部17について大径部53以外の部分をスピニング加工により薄く伸ばしながら有底筒状のベースシェル14を製造する。このときも、側壁部17について、スピニング加工により他部位から材料を移動させて厚さを厚くすることはない。これにより、スピニング加工工程S3後の大径部53の位置の厚さが、スピニング加工工程S3前の図7に示す中間成形体14bの側壁部17bの厚さと略等しくなる。
つまり、スピニング加工工程S3では、中間成形体14bが、大径部53の外径以下の外径となる。スピニング加工工程S3後の、ベースシェル14は、その軸方向において、大径部53の長さよりも、他の、底側小径部48、テーパ部51、テーパ部55、中径部57、テーパ部59および開口側小径部49を合わせた長さの方が長くなる。
よって、上述した中間成形体14bの外周の全部をスピニング加工する場合を含めれば、スピニング加工工程S3では、図7に示す中間成形体14bの外周の全部または大半をスピニング加工する。言い換えれば、中間成形体14bは外周の全部または大半がスピニング加工されて大径部53以下の外径になってベースシェル14となる。
スピニング加工工程S3の後、ベースシェル14を洗浄する洗浄工程を行う(図4に示すステップS4)。
以上に述べたベースシェル14の製造工程とは別に、ベースシェル14に組み付ける部品を組み立てておくサブ組立工程を行う。このサブ組立工程では、図1に示すボデーバルブ103のベース部材70にインナチューブ12の一端を嵌合させる。そして、このインナチューブ12内に、ピストン80がナット86により取り付けられた状態のロッド85のピストン80を嵌合させる。次に、ロッド85に支持されたロッドガイド71をインナチューブ12の他端に嵌合させる。
そして、サブ組立工程で別途組み立てられた上記部品を、ベースシェル14に挿入してボデーバルブ103をベースシェル14に組み付けるボデーバルブ組付工程を行う。
このボデーバルブ組付工程では、ボデーバルブ103のベース部材70を、ベースシェル14の底部18の複数の凸部23で囲まれた部分に挿入し、複数の凸部23の立面部39の位置に嵌合させて、底部18のR面32に載置させる。その際に、ボデーバルブ103の周方向において、底部18に対し位置決めすることなく、底部18の凹部24とベース部材70の径方向通路113との位相が合う。これにより、凹部24内と、凹部24とボデーバルブ103との間とが、インナチューブ12内の第2室82とリザーバ室13とを流通可能な流路となる。
この状態で、ロッド85に支持されたシール部材73をロッドガイド71に押し付けながら側壁部17に加締めにより係止部74を形成する加締め工程を行う。
以上の工程を経て、シリンダ装置11が製造される。その後、底部18側にブラケット67を溶接したり、スプリングシート65を中径部57に圧入したりして取り付ける。ブラケット67およびスプリングシート65の取り付けは、洗浄工程後、ボデーバルブ組付工程の前に行っても良い。
上記した特許文献1には、深絞り加工によりピストンシリンダを単純な形状の底付円筒に一体成形するショックアブソーバが記載されている。これにより、このショックアブソーバは、切削工程や溶接工程を必要としなくなっている。しかしながら、シリンダを深絞りで成形すると精度が低下してしまう可能性がある。特に、長尺状のシリンダを深絞り加工で形成すると、金型やプレス機械の真直度が問題となる。長尺状のシリンダを深絞り加工で形成すると、要求される肉厚のばらつきや真直度を確保できない可能性がある。また、深絞り加工による長尺状のシリンダの製造は、ハイストロークのプレス機械が必要である。このため、設備投資額が大きくなり、溶接レス化や検査工程のコスト低減効果が相殺されてしまう。また、深絞り加工は、製品直径を共通化しても長さ別に金型を用意しなければならない。このため、コストがさらに高くなってしまう。
これに対して、第1実施形態の製造方法は、ベースシェル14を、絞り加工工程S2と、スピニング加工工程S3と、を含んで形成する。絞り加工工程S2は、平板状のブランク材14aから絞り加工により底部18bと側壁部17bとを有する有底筒状の中間成形体14bを形成する。スピニング加工工程S3は、中間成形体14bの側壁部17bをスピニング加工により軸方向に伸ばして側壁部17とする。これにより、第1実施形態の製造方法は、精度低下を抑制することができる。特に、長尺状のベースシェル14を深絞り加工のみで形成する場合には、プレス機械および金型の加工圧力による撓みが大きい。このことから、要求される肉厚のばらつきや真直度低下という問題が生じる。しかし、第1実施形態の製造方法は、このような精度低下を抑制することができる。
すなわち、まず、絞り加工工程S2により、複雑な形状の底部18を形成しつつ単純な形状の短尺の側壁部17bを形成して、中間成形体14bを得る。絞り加工工程S2の場合、短尺の中間成形体14bを形成するために必要な圧力負荷は比較的小さくできる。よって、短尺の中間成形体14bは、短いパンチで加工することができる。このため、撓み量が少なく肉厚のばらつきと真直度が改善可能となる。このようにして形成された中間成形体14bの側壁部17bを、スピニング加工工程S3で軸方向に伸ばして長尺のベースシェル14を形成する。スピニング加工工程S3は、肉厚のばらつきと真直度の低下を抑制しつつ加工を行うことができる。そればかりか、スピニング加工工程S3は、高い加工精度で、側壁部17bの肉厚のばらつきと真直度を加工しながら矯正できる。このため、ベースシェル14について、肉厚のばらつきや真直度低下といった精度低下を抑制することができる。熱間圧延鋼板(例えばSPHE)等の安価な低炭素鋼を素材として用いても、加工硬化により高張力鋼板(590級高張力鋼板(HITEN590))等と同程度の強度を確保でき、材料費低減が可能となる。
ここで、シリンダ装置のベースシェルには、特許文献2のように円筒状の素材の端部を熱間スピニング加工によってクロージングして底部を形成するものがある。また、シリンダ装置のベースシェルには、端部をバルジ加工により拡径し、特許文献3のように、シリンダにボトムキャップを圧入しシーム溶接して底部とするものもある。しかし、熱間加工や溶接は条件の不良によりコンタミネーションの発生や液漏れの可能性がある。ボトムキャップを圧入して底部とする場合、部品点数が増えてしまう。これに対して、第1実施形態の製造方法によれば、ベースシェル14を冷間加工で形成することができ、また、溶接レスで形成することができる。よって、コンタミネーションの発生や液漏れの可能性を低減できる。したがって、品質安定化が可能である。また、液漏れ検査の省略が可能となってコスト低減を実現することができる。別部品で底部を形成するものではないため、部品点数を少なくできる。
また、ハイストロークのプレス機械の導入が不要となるため、コスト低減が可能となる。加えて、スピニング加工は、製品全長の自由度が高いため、金型数を減少させることができる。このことから、さらにコスト低減が可能となる。例えば、絞り加工工程S2によって、底部18bおよび側壁部17bの厚さが、2.6mm、2.9mm、3.2mm、5.0mm等の短尺の中間成形体14bを形成する。次に、スピニング加工工程S3により側壁部17bを、例えば1.0mm、1.2mm、1.4mm、2.6mm、2.9mm、3.2mm等に薄肉化して側壁本体部46とすることで、側壁部17の最終長さを調整する。このようにスピニング加工工程S3によって形成することによって複筒式緩衝器の全長の自由度が増すことになり、第1実施形態の製造方法は、多品種量産に適している。なお、第1実施形態では、底部18と側壁部17とが一体に形成されるベースシェル14において、底部18の厚みと比して、小さくなる部分を側壁部17に設ける構成としている。これにより、底部18と側壁部17を一体に形成した場合であっても、軸力が加わる底部18の肉厚を確保することができる。よって、底部18の剛性を確保することができる。
第1実施形態の製造方法において、冷間圧延鋼板(例えばSPCC,SPCD,SPCE)や熱間圧延鋼板(例えばSPHC,SPHD,SPHE)等の低炭素鋼を素材として用いる。この場合も、加工硬化させてベースシェル14を得ることによって、590級高張力鋼板と同程度の200HVのビッカース硬さ(圧縮強さ)を得ることができる。
第1実施形態の製造方法では、中間成形体加工工程である絞り加工工程S2で、ブランク材14aから底部18bと筒状の側壁部17bとを有し底部18bの内面側に凹部24および凸部23を有する有底筒状の中間成形体14bを形成する。そして、スピニング加工工程S3で、マンドレル201を中間成形体14bの内周側に挿入し、マンドレル201の係合凸部203を中間成形体14bの凹部24に、係合凹部204を凸部23にそれぞれ係合させて、中間成形体14bをマンドレル201に対し回り止めした状態で中間成形体14bの外周側をスピニング加工して中間成形体14bの全長を伸長させる。このように中間成形体14bをマンドレル201に対し回り止めした状態でスピニング加工するため、中間成形体14bがマンドレル201に対し回転方向に滑ることがなくなる。よって、スピニング加工における、加工負荷過大による中間成形体14bのスリップが原因の精度低下や加工不良を抑制することができる。ここで、中間成形体14bをマンドレル201に対し回り止めできれば良いため、互いに係合する係合凸部203および凹部24は、それぞれ少なくとも一カ所形成されていれば良いが、複数ずつ設けることで、係合のための位相合わせが容易となり、寿命も向上する。同様に、互いに係合する係合凹部204および凸部23も、それぞれ少なくとも一カ所形成されていれば良いが、複数ずつ設けることで、係合のための位相合わせが容易となり、寿命も向上する。
また、スピニング加工工程S3では、中間成形体14bの外周の大半をスピニング加工により形成するため、精度低下を抑制する効果が高い。また、加工硬化による強度向上および材料費低減の効果が高い。
また、ボデーバルブ組付工程では、ボデーバルブ103をベースシェル14に組み付けると、凹部24内と、ベースシェル14の凹部24とボデーバルブ103との間とが、インナチューブ12内の第2室82とリザーバ室13とを流通可能な流路となる。このため、凹部24の流路面積分、ボデーバルブ103を小型化でき、軽量化が可能となる。
また、中間成形体加工工程である絞り加工工程S2の底部加工工程で、底部18の外面に、中央側にR面31を、外周側に平面35を形成するため、ブラケット67の底部18への溶接時に平面35の位置を溶接することで、溶接トーチのブラケット67および底部18への干渉が少なくなり、容易に安定した溶接ができる。したがって、溶接不良を抑制できる。なお、特許文献2に記載されたクロージングでも、このような平面35を形成することは可能である。
スピニング加工工程S3において、側壁部17bを薄肉化して側壁部17とする際に、軸方向位置によって側壁部17の厚さを部分的に変更している。つまり、側壁部17において、スプリングを支持するスプリングシート65が固定される取付部64に側壁突出部47を形成して、他の部分よりも厚肉化している。これにより、取付部64の強度を高めることが容易にできる。この場合、厚肉部分の角部は組け付け時に応力集中を生じる可能性がある。このため、厚肉部分の角部を、溶接により補強して、応力を分散させても良い。
「第2実施形態」
次に、第2実施形態を主に図11〜図17に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
第2実施形態では、ベースシェル14Aの側壁部17Aが、第1実施形態の側壁突出部47を有しておらず、外周側が一定径の外周面44Aのみとなっている。内周側は第1実施形態と同様に一定径の外周面43Aとなっている。また、底部18Aが、テーパ筒状部301と、円環部302と、テーパ筒状部303と、円板部304とを有して、外面側に凸状をなしている。
テーパ筒状部301は、側壁部17Aの軸方向の端縁部から延出している。テーパ筒状部301は、側壁部17Aから離れるほど縮径している。円環部302は、平板状であり、テーパ筒状部301の側壁部17Aとは反対側の端縁部から径方向内方に延出している。テーパ筒状部303は、円環部302のテーパ筒状部301とは反対側の端縁部から延出している。テーパ筒状部303は、円環部302から離れるほど縮径している。円板部304は、平板状であり、テーパ筒状部303の円環部302とは反対側の端縁部から径方向内方に延出している。底部18Aは、テーパ筒状部301、円環部302、テーパ筒状部303および円板部304のいずれも、厚さが側壁部17Aよりも厚くなっている。テーパ筒状部301,303は、ベースシェル14Aの中心軸線を中心とするテーパ状である。円環部302および円板部304は、ベースシェル14Aの中心軸線に対して直交して広がっている。
第2実施形態では、底部18Aの円板部304の内面側に複数、具体的には二カ所の半球状の凸部23Aが円板部304から突出して形成されている。これら凸部23Aは、底部18Aの中心を通る直径線上の中心から等距離に形成されている。ベースシェル14Aの底部18Aの円板部304の外側には取付アイ311が、溶接により固定されている。取付アイ311は、図11では一部のみを示しているが、全体として円筒状をなしている。
第2実施形態の製造方法も、開口端に係止部が形成される前の図11に示す有底筒状のベースシェル14Aを製造する造管方法となっており、図12に示す工程を含んでいる。
第1実施形態と同様、所定厚さの平板から、冷間加工であるせん断加工により、平板状のブランク材を形成するせん断加工工程を行う(図12に示すステップSA1)。次に、平板状のブランク材に冷間加工である深絞り加工を行って、図13,図14に示す有底筒状の中間成形体14Abを形成する中間成形体加工工程である絞り加工工程を行う(図12に示すステップSA2)。絞り加工工程SA2では複数回(例えば2回)に分けて深絞り加工を行って徐々に中間成形体の深さを深くし、徐々に中間成形体の長さを長くする。第2実施形態においては、この絞り加工工程SA2の天面加工により、中間成形体14Abに、テーパ筒状部301、円環部302、テーパ筒状部303および円板部304が形成された凸状の底部18Abが形成される。この絞り加工工程S2の天面加工により、円板部304に複数の凸部23Aも形成される。中間成形体14Abには、この底部18Abと連続する筒状の側壁部17Abが形成されている。
図13に示すように、側壁部17Abは、後工程のスピニング加工工程SA3後の図11に示す側壁部17Aよりも長さが短く肉厚が厚い。第2実施形態でも、中間成形体加工工程として、ブランク材から深絞り加工により中間成形体14Abを形成する以外に、内周側に穴のない中実の低炭素鋼棒から鍛造加工で中間成形体14Abを形成しても良い。さらに、絞り加工の一種であるスピニング加工により中間成形体14Abを形成しても良い。また、これらを適宜組み合わせても良い。
次に、図13に示すマンドレル201Aを有するスピニング加工機による冷間加工であるスピニング加工により、中間成形体14Abの側壁部17Abを薄肉化しつつ軸方向に伸ばすスピニング加工工程を行う(図12に示すステップSA3)。第2実施形態のマンドレル201Aは、一定径の外周面212Aを有する本体軸部202Aと先端部215Aとを有しており、先端側が、中間成形体14Abの内面形状と同形状の外面形状を有している。よって、マンドレル201Aは、先端部215Aの形状が第1実施形態と相違している。本体軸部202Aは、円柱状であり、その中心軸線がマンドレル201Aの中心軸線となる。
第2実施形態のマンドレル201Aの先端部215Aは、テーパ面部321と、円環平面部322と、テーパ面部323と、円形平面部324とを有している。テーパ面部321は、外周面212Aの軸方向の端縁部から外周面212Aから離れるほど縮径するように延出している。円環平面部322は、平板状であり、テーパ面部321の外周面212Aとは反対側の端縁部から径方向内方に延出している。テーパ面部323は、円環平面部322のテーパ面部321とは反対側の内端縁部から延出している。テーパ面部323は、円環平面部322から離れるほど縮径する。円形平面部324は、テーパ面部323の円環平面部322とは反対側の端縁部から径方向内方に広がっている。円環平面部322および円形平面部324は、マンドレル201Aの中心軸線に対して直交して広がっている。先端部215Aは、円形平面部324から凹む複数、具体的には二カ所の係合凹部204Aを有している。これら係合凹部204Aは、マンドレル201Aの中心軸線を通る直径線上の中心から等距離に形成されている。
マンドレル201Aは、テーパ面部321がテーパ筒状部301に、円環平面部322が円環部302に、テーパ面部323がテーパ筒状部303に、円形平面部324が円板部304に、それぞれ当接し、複数の係合凹部204Aに複数の凸部23Aを係合させる。
スピニング加工工程SA3では、図15に示すように、両方の凸部23Aを対応する係合凹部204Aにそれぞれ係合させて中間成形体14Abをマンドレル201Aに対し回り止めし、センタ治具200Aとマンドレル201Aとで中間成形体14Abの底部18Abを挟持した状態で、センタ治具200Aとマンドレル201Aとを一体に回転させる。すると、中間成形体14Abも、センタ治具200Aおよびマンドレル201Aと一体に回転する。
スピニング加工工程S3では、複数のローラ221が、センタ治具200Aとマンドレル201Aとで回転させられる中間成形体14Abの側壁部17Abの外周側を、底部18Abの側壁部17Abとは反対側の端部から側壁部17Abの底部18Abとは反対側の端部まで、径方向内方に押圧しマンドレル201Aに押し付けることによって塑性変形させて適宜の厚さに薄肉化しつつ全長を伸長させるスピニング加工を行う。その際に、複数のローラ221は、中間成形体14Abに対する軸方向の位置を揃えて、中間成形体14Abの軸方向に移動する。これにより、図11に示すベースシェル14Aを得る。ベースシェル14Aは、側壁部17Abよりも肉厚が薄く軸方向に長く外径が一定の側壁部17Aを有している。言い換えれば、中間成形体14Abをスピニング加工するスピニング加工工程S3において、ベースシェル14Aの側壁部17Aが一定外径となるように複数のローラ221で回転しごき加工する。
スピニング加工工程S3の後、ベースシェル14Aを洗浄する洗浄工程を行う(図12に示すステップSA4)。その後、底部18Aの外側に取付アイ311を溶接するアイ溶接工程を行う(図12に示すステップSA5)。
第2実施形態の製造方法においても、中間成形体加工工程である絞り加工工程SA2で、ブランク材から底部18Abと筒状の側壁部17Abとを有し底部18Abの内面側に凸部23Aを有する有底筒状の中間成形体14Abを形成する。そして、スピニング加工工程S3で、マンドレル201Aを中間成形体14Abの内周側に挿入し、マンドレル201Aの係合凹部204Aを凸部23Aに係合させて、中間成形体14Abをマンドレル201Aに対し回り止めした状態で中間成形体14Abの外周側をスピニング加工して中間成形体14Abの全長を伸長させる。このように中間成形体14Abをマンドレル201Aに対し回り止めした状態でスピニング加工するため、中間成形体14Abがマンドレル201Aに対し回転方向に滑ることがなくなる。よって、スピニング加工における、加工負荷過大による中間成形体14Abのスリップが原因の加工不良を抑制することができる。ここでも、マンドレル201Aの係合凹部204Aおよび中間成形体14Abの凸部23Aの数は、少なくとも一カ所ずつ形成されていれば良い。
第2実施形態において、底部18Abに、凸部23Aではなく凹部を形成しても良い。例えば、図16に示すように、底部18Abの円環部302の内面側に、複数、具体的には図17に示すように四カ所の半球面状に凹む凹部24Aを底部18Abの中心から等距離の位置に周方向に等間隔で形成する。
この場合、絞り加工工程SA2の天面加工により、中間成形体14Abに、テーパ筒状部301、円環部302、テーパ筒状部303および円板部304が形成された凸状の底部18Abが形成され、その際に、円環部302に複数の凹部24Aも形成される。
そして、スピニング加工機による冷間加工であるスピニング加工により、中間成形体14Abの側壁部17Abを軸方向に伸ばすスピニング加工工程を行う(図12に示すステップSA3)。このときのマンドレル201Aは、先端部215Aが、円環平面部322から突出する複数、具体的には四カ所の係合凸部203Aを有している。これら係合凸部203Aは、マンドレル201Aの中心軸線から等距離の位置に周方向に等間隔で形成されている。
マンドレル201Aは、テーパ面部321がテーパ筒状部301に、円環平面部322が円環部302に、テーパ面部323がテーパ筒状部303に、円形平面部324が円板部304に、それぞれ当接し、複数の係合凸部203Aを複数の凹部24Aに係合させる。複数の係合凸部203Aに複数の凹部24Aを係合させることにより中間成形体14Abをマンドレル201Aに対し回り止めした状態で、スピニング加工工程SA3を行う。
この場合も、スピニング加工工程SA3で、マンドレル201Aを中間成形体14Abの内周側に挿入し、マンドレル201Aの係合凸部203Aを中間成形体14Abの凹部24Aに係合させて、中間成形体14Abをマンドレル201Aに対し回り止めした状態で中間成形体14Abの外周側をスピニング加工して中間成形体14Abの全長を伸長させる。このように中間成形体14Abをマンドレル201Aに対し回り止めした状態でスピニング加工するため、中間成形体14Abをマンドレル201Aに対し回転方向に滑ることがなくなる。よって、スピニング加工における、加工負荷過大による中間成形体14Abのスリップが原因の加工不良を抑制することができる。ここでも、マンドレル201Aの係合凸部203Aおよび中間成形体14bの凹部24Aの数は、少なくとも一カ所ずつ形成されていれば良い。
以上のシリンダ装置11は、各種自動車、ロボット、プレス機械、搬送器、椅子の上下部、扉の開閉部等に適用可能である。
以上説明した実施形態に基づくシリンダ装置の製造方法として、例えば、以下に述べる態様が考えられる。
シリンダ装置の製造方法の第1の態様は、有底筒状のシリンダと、一端側が前記シリンダ内のピストンに接続され他端側が前記シリンダの外部に配置されて前記シリンダに対して軸方向に移動するロッドと、を有するシリンダ装置の製造方法であって、前記シリンダを、ブランク材から底部と筒状の側壁部とを有し前記底部の内面側に凹部または凸部を有する有底筒状の中間成形体を形成する中間成形体加工工程と、前記中間成形体の前記凹部または前記凸部に係合可能な係合凸部または係合凹部を有するマンドレルを前記中間成形体の内周側に挿入し、前記凹部または前記凸部に前記係合凸部または前記係合凹部を係合させて前記中間成形体を前記マンドレルに対し回り止めした状態で前記中間成形体の外周側をスピニング加工して前記中間成形体の全長を伸長させるスピニング加工工程と、を含んで形成する。このように、中間成形体をマンドレルに対し回り止めした状態でスピニング加工するため、中間成形体がマンドレルに対し回転方向に滑ることがなくなる。よって、スピニング加工における中間成形体のスリップが原因の精度低下や加工不良を抑制することができる。
第2の態様は、第1の態様において、前記スピニング加工工程では、前記中間成形体の外周の大半をスピニング加工により形成する。このように、中間成形体の外周の大半をスピニング加工により形成するため、精度低下を抑制する効果が高い。また、加工硬化による強度向上および材料費低減の効果が高い。
第3の態様は、第1または第2の態様において、前記シリンダ装置は、内部に、内筒と、前記シリンダと前記内筒とで形成されるリザーバ室と、前記シリンダの底部と前記内筒との間に配されて該内筒内の室と前記リザーバ室とを区画するボデーバルブと、が設けられ、前記中間成形体加工工程では前記凹部を形成し、前記凹部と前記ボデーバルブとの間が、前記内筒内の室と前記リザーバ室とを流通可能な流路となるように前記ボデーバルブを前記シリンダに組み付けるボデーバルブ組付工程をさらに含む。ボデーバルブ組付工程では、ボデーバルブをシリンダに組み付けると、凹部内と、シリンダの凹部とボデーバルブとの間とが、内筒内の室とリザーバ室とを流通可能な流路となる。このため、凹部の流路面積分、ボデーバルブを小型化でき、軽量化が可能となる。
第4の態様は、第1乃至第3のいずれか一態様において、前記中間成形体加工工程は、前記底部の外面に、中央側にR面を、外周側に平面を形成する底部加工工程を含む。このように、底部加工工程で、底部の外面の外周側に平面を形成するため、例えば、底部へブラケットを溶接する際に、平面の位置を溶接することで、溶接トーチのブラケットおよび底部への干渉が少なくなり、容易に安定した溶接ができる。
11 シリンダ装置
12 インナチューブ(内筒)
13 リザーバ室
14 ベースシェル(シリンダ)
14a ブランク材
14b,14Ab 中間成形体
17b,17Ab 側壁部
18b,18Ab 底部
23,23A 凸部
24,24A 凹部
31 R面(外面)
35 平面
80 ピストン
82 第2室(内筒内の室)
85 ロッド
103 ボデーバルブ
201,201A マンドレル
203,203A 係合凸部
204,204A 係合凹部

Claims (4)

  1. 有底筒状のシリンダと、
    一端側が前記シリンダ内のピストンに接続され他端側が前記シリンダの外部に配置されて前記シリンダに対して軸方向に移動するロッドと、を有するシリンダ装置の製造方法であって、
    前記シリンダを、
    ブランク材から底部と筒状の側壁部とを有し前記底部の内面側に凹部または凸部を有する有底筒状の中間成形体を形成する中間成形体加工工程と、
    前記中間成形体の前記凹部または前記凸部に係合可能な係合凸部または係合凹部を有するマンドレルを前記中間成形体の内周側に挿入し、前記凹部または前記凸部に前記係合凸部または前記係合凹部を係合させて前記中間成形体を前記マンドレルに対し回り止めした状態で前記中間成形体の外周側をスピニング加工して前記中間成形体の全長を伸長させるスピニング加工工程と、を含んで形成することを特徴とするシリンダ装置の製造方法。
  2. 前記スピニング加工工程では、前記中間成形体の外周の大半をスピニング加工により形成することを特徴とする請求項1に記載のシリンダ装置の製造方法。
  3. 前記シリンダ装置は、内部に、内筒と、前記シリンダと前記内筒とで形成されるリザーバ室と、前記シリンダの底部と前記内筒との間に配されて該内筒内の室と前記リザーバ室とを区画するボデーバルブと、が設けられ、
    前記中間成形体加工工程では前記凹部を形成し、
    前記凹部と前記ボデーバルブとの間が、前記内筒内の室と前記リザーバ室とを流通可能な流路となるように前記ボデーバルブを前記シリンダに組み付けるボデーバルブ組付工程をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載のシリンダ装置の製造方法。
  4. 前記中間成形体加工工程は、前記底部の外面に、中央側にR面を、外周側に平面を形成する底部加工工程を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシリンダ装置の製造方法。
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