JP2019206562A - 慢性腎臓病患者の心不全を軽減するためのクエン酸第二鉄 - Google Patents

慢性腎臓病患者の心不全を軽減するためのクエン酸第二鉄 Download PDF

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Abstract

【課題】慢性腎臓病患者において、血清リンレベルを低下させ、かつ/又は制御し、血清重炭酸塩レベルを増加させ、1以上の鉄貯蔵パラメータを改善し(例えば、血清フェリチンレベルを増加させ、トランスフェリン飽和度(TSAT)を増加させ、ヘモグロビン濃度を増加させ)、鉄吸収を増加させ、鉄貯蔵を維持し、鉄欠乏を治療し、貧血を治療し、IV鉄の必要性を低下させ、赤血球生成刺激剤(ESA)の必要性を低下させ、かつ/又は有害心臓事象に関連する死亡率及び罹患率を低下させる方法の提供。【解決手段】末期腎臓病を有する対象における有害心臓事象に関連する死亡率及び罹患率を低下させる方法であって、1日あたり6g〜12gの範囲の量でクエン酸第二鉄を末期腎臓病患者に少なくとも52週間にわたって経口投与することを含む方法。【選択図】なし

Description

本願は、その全体が本明細書中に組み込まれている、2013年11月4日出願の米国仮出願
番号第61/899,866号の優先権を主張するものである。
(分野)
本明細書に開示される方法及び組成物は、一般に、慢性腎臓病(CKD)患者及び関連す
る合併症を治療するためのクエン酸第二鉄の使用に関する。
(背景)
慢性腎臓病(CKD)では、老廃物を排出し、尿を濃縮し、電解質を保持する腎臓の能力
が徐々にかつ次第に失われる。米国国立腎臓財団は、腎臓病の種類(臨床診断)に関わら
ず、腎損傷の有無及び腎機能のレベルに応じて慢性腎臓病を定義している。腎機能の主な
尺度は糸球体濾過量(GFR)であり、これは血清及び尿のクレアチニン濃度からクレアチ
ニンクリアランスとして計算される場合が多い。慢性の腎臓病又は腎不全は、3ヶ月以上
の間、60ml/分未満のGFRを有すると定義されている。米国国立腎臓財団は、GFRに基づい
て腎機能障害を5つのステージに分類することを提案している:
腎機能障害のステージ(出典:米国国立腎臓財団−K/DOQI)
Figure 2019206562
上の表に示されているように、ステージ1は重度が最も低く、ステージ5、すなわちESRD
は重度が最も高い。CKDの初期ステージ、例えば、ステージ1〜4では、透析は、通常、必
要とされない。したがって、CKDの初期ステージを経験している患者は、非透析依存的慢
性腎臓病を有するといわれる。そのような患者は、一般に、非透析慢性腎臓病(ND-CKD)
患者とも呼ばれる。貧血はCKDの全ステージで現れる可能性はあるが、通常、透析が必要
となるはるか前の、GFRが60cc/分未満である場合には、CKDステージ3で最初に現れる。ス
テージ5では、患者は、透析治療を週に数回必要とする場合がある。腎臓の変性プロセス
が開始されると、CKDの腎機能は、不可逆的に末期腎臓病(ESRD、ステージ5)に向かって
悪化する。ESRDに罹患している患者は、透析又は腎移植を行わないと生存できない。
米国国立腎臓財団によると、約2,600万人の米国成人がCKDを有しており、数百万の人た
ちが高いリスクを有している。CKDの初期ステージを経験している患者は、通常、年齢を
一致させた非CKD一般集団と比べて、患者1人当たり年間14,000米国ドル〜22,000米国ドル
の医療費増を負担している。しかしながら、CKDと関連する費用の増加及び有害転帰の一
部を、予防対策、早期発見、及び早期治療により防止するか、又は遅延させることができ
るという証拠が増えつつある。
鉄欠乏及び貧血は、ESRDを含むCKDの一般的な合併症である。貧血は、循環赤血球集団
が減少する臨床症状であり、通常、低い血中ヘモグロビン濃度によって検出される。正常
に機能している腎臓は、赤血球前駆体の増殖及び分化を刺激するホルモンであるエリスロ
ポエチンを産生し、最終的には赤血球生成(赤血球産生)をもたらす。CKDの腎臓では、
エリスロポエチン産生が損なわれ、エリスロポエチン欠乏及びそれに付随する赤血球生成
の欠陥が生じる場合が多い。貧血は、有害な心血管転帰、ESRD、死亡及び生活の質の低下
と関連している(Macdougallの文献、Curr Med Res Opin (2010) 26: 473-482)。腎機能
が低下するにつれて、CKDにおける貧血の罹患率が増加する。非透析慢性腎臓病患者の約5
0%が貧血であり、CKD患者が透析を開始するころには、最高70%が貧血になる(Macdouga
llの文献、前出、及びMcClellanらの文献、Curr Med Res Opin (2004) 20: 1501-1510)。
慢性腎臓病(CKD)患者における死亡の主な(死亡の約50%を占める)原因は心臓血管疾
患である(米国腎臓データシステム(US Renal Data System)、米国立糖尿病・消化器病
・腎臓病研究所における末期腎臓病のアトラス(Atlas of End-Stage Renal Disease in
the United States. National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Disea
ses,Bethesda,MD(2000))。
鉄欠乏は、CKD患者における貧血の大きな一因である。推定有病率は25〜70%の範囲で
ある(Hsuらの文献、J Am Soc Nephrol (2002) 13: 2783-2786; Gotloibらの文献、J Neph
rol (2006) 19: 161-167; Mafraらの文献、J Ren Nutr (2002) 12: 38-41; Kalantar-Zad
ehらの文献、Am J Kidney Dis (1995) 26: 292-299;及びPostらの文献、Int Urol Nephro
l (2006) 38: 719-723)。原因としては、鉄の摂取又は吸収の減少、炎症の結果としての
鉄の利用障害、失血、及び赤血球生成刺激剤(ESA)に応答した赤血球産生のための鉄利
用の増加が挙げられる(Fishbaneらの文献、Am J Kidney Dis (1997) 29: 319-333; Koois
traらの文献、Nephrol Dial Transplant (1998) 13: 82-88;及びAkmalらの文献、Clin Ne
phrol (1994) 42: 198-202)。CKDステージに応じて、CKD患者の20〜70%は、低い鉄指数
を示す(Quinbiらの文献、Nephrol Dial Transplant (2011) 26: 1599-1607)。米国におけ
る100万人を上回るCKDステージ3又は4の患者は、鉄欠乏を患っていると推定されている。
低い鉄貯蔵(「絶対的」鉄欠乏)又は赤血球生成の需要を満たすために利用可能な鉄の不
足(「機能的」鉄欠乏)のいずれかの存在は、CKD患者におけるヘモグロビンレベルの低
下と著しく相関する。鉄欠乏は、例えば、食物摂取から十分な鉄が得られないこと、鉄利
用の増加、胃腸の鉄吸収不良、並びに腎不全及び細菌異常増殖による広範性の吸収不良、
並びに消化管出血を含む任意の1以上の要因から生じ得る(Macdougallの文献、前出)。
CKD患者の貧血及び/又は鉄欠乏に対する現在の標準的ケアは、赤血球生成刺激剤(ESA
)の投与及び/又は鉄補給である。米国立腎臓財団の腎臓病予後改善対策ガイドライン(T
he National Kidney Foundation Kidney Disease Outcomes Quality Initiative guideli
nes)は、CKDステージ1〜5を有し、透析を受けていない患者に対して経口鉄又は静注鉄の
いずれか一方を推奨している(「鉄剤の使用:慢性腎臓病における貧血に対するKDOQI臨床
実践ガイドライン及び臨床実践勧告(Using iron agents: KDOQI clinical practice gui
delines and clinical practice recommendations for anemia in chronic kidney disea
se)」、Am J Kidney Dis (2006) 47: S58-S70を参照されたい)。第二鉄形態の鉄(鉄(
III)又はFe3+としても知られる)は、経口投与した場合に、生物学的利用性が低いこと
が長年知られている。したがって、CKD患者における鉄補給用の経口製剤は、通常、第一
鉄形態の鉄(鉄(II)又はFe2+としても知られている)を含有している。グルコン酸第一
鉄、フマル酸第一鉄、及び硫酸第一鉄を含むいくつかの第一鉄経口鉄製剤が治療に利用可
能である。最も一般的な経口鉄補給剤は硫酸第一鉄であり、これは、鉄欠乏症のCKD患者
の治療に適する用量を提供するために1日3回まで与えることができる。しかしながら、一
部のCKD患者では、経口鉄は、有害な副作用により忍容性が低いか、又は適切な鉄の体内
貯蔵を維持するのに効果がない。副作用としては、一般に、胃腸障害、例えば、下痢、吐
き気、膨満及び腹部不快感が挙げられる。さらに、一般的に、副作用が生じる頻度により
、経口第一鉄形態は、錠剤が患者に負担となり、胃腸の著しい負の副作用を有するので、
経口治療レジメンの不遵守をもたらす(Mehdiらの文献、前出)。
代替案は、CKD患者に鉄を静脈内投与することである。いくつかの研究によって、静注
鉄製剤は、経口第二鉄補給剤又は経口第一鉄補給剤よりも、CKD患者における鉄欠乏及び/
又は貧血の治療により効果的であることが示されている(Mehdiらの文献、前出)。CKD患
者の治療に効果的な静注製剤としては、カルボキシマルトース第二鉄、フェルモキシトー
ル、グルコン酸第二鉄、鉄スクロース、及びデキストラン鉄が挙げられる。しかしながら
、静注鉄は、アナフィラキシー及び死亡などの短期的リスク、並びにアテローム性動脈硬
化症の発症、感染症の発症、及び死亡率の増加を含む長期毒性と関連する(Quinibiの文献
、Arzneimittelforschung (2010) 60: 399-412)。さらに、多くのCKD診療所、特に、コミ
ュニティサイトでは、透析センターのインフラがないために、鉄を静脈内投与するための
設備が整っていない。このため、CKD鉄欠乏患者の大多数は静注鉄治療が施されないまま
になっている。
したがって、CKD患者の治療のための改善された方法を開発する必要がある。
(概要)
本開示の特定の態様は、非透析CKD(ND-CKD)患者及び末期腎臓病(ESRD)患者を含むC
KD患者において、血清リンレベルを低下させ、かつ/又は制御し、血清重炭酸塩レベルを
増加させ、1以上の鉄貯蔵パラメータを改善し(例えば、血清フェリチンレベルを増加さ
せ、トランスフェリン飽和度(TSAT)を増加させ、ヘモグロビン濃度を増加させ)、鉄吸
収を増加させ、鉄貯蔵を維持し、鉄欠乏を治療し、貧血を治療し、IV鉄の必要性を低下さ
せ、かつ/又は赤血球生成刺激剤(ESA)の必要性を低下させるために使用することができ
る、臨床的に安全かつ有効なリン酸塩結合剤を提供する。特定の態様において、該リン酸
塩結合剤は、CKD患者への長期投与、例えば、少なくとも56週間(56週を含む)の連続投与
に臨床的に安全かつ有効である。
本開示の特定の実施態様によれば、リン酸塩結合剤としての行政販売承認の候補は、本
明細書に開示されるクエン酸第二鉄(KRX-0502(クエン酸第二鉄)としても知られている
、実施例1参照)である。前臨床研究によって、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄が
、食餌性リンに結合し、食餌性リンの腸内吸収を減少させ、かつ血清リン酸塩レベルを低
下させることができることが実証された(Mathewらの文献、J Am Soc Nephrol (2006) 17:
357A; Voormolenらの文献、Nephrol Dial Transplant (2007) 22: 2909-2916;及びTonel
liらの文献、Circulation (2005) 112: 2627-2633)。ESRD患者において本明細書に開示さ
れるクエン酸第二鉄(例えば、KRX-0502(クエン酸第二鉄))に関する4つの臨床研究が
、KRX-0502(クエン酸第二鉄)治験薬(IND)申請の一環として行われ、米国食品医薬品
局に報告された。これらの研究の1つである第3相長期研究(本明細書に記載)により、本
明細書に開示されるクエン酸第二鉄(KRX-0502としても知られている)が、4週間の有効
性評価期間にわたって、プラセボと比べた血清リンの統計的に非常に有意な変化を示し、
実薬対照薬と比較したとき、52週間の安全性評価期間にわたって、ESRD患者においてフェ
リチン及びトランスフェリン飽和度(TSAT)を増加させ、静注鉄及び赤血球生成刺激剤の
使用を低下させることができることが確認された。
本開示によれば、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄を臨床的に安全かつ有効なリン
酸塩結合剤として用いて、非透析CKD(ND-CKD)患者及び末期腎臓病(ESRD)患者を含むC
KD患者において、血清リンレベルを制御し、かつ/又は低下させ、血清重炭酸塩レベルを
増加させ、1以上の鉄貯蔵パラメータを改善し(例えば、血清フェリチンレベルを増加さ
せ、トランスフェリン飽和度(TSAT)を増加させ、ヘモグロビン濃度を増加させ、鉄吸収を
増加させ)、鉄貯蔵を維持し、鉄欠乏を治療し、貧血を治療し、IV鉄の必要性を低下させ
、かつ/又は赤血球生成刺激剤(ESA)の必要性を低下させることができることが明らかに
なった。
一態様において、本開示は、それを必要とする患者において血清リンを低下させ、かつ
/又は制御する方法を提供する。いくつかの実施態様において、本方法は、CKD患者、例え
ば、末期腎臓病患者に、210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量でクエン酸第二鉄を経口投
与することを含む方法を提供し、該クエン酸第二鉄は、2.00〜2.50mg/dlの血清リンの平
均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、各剤形が第二鉄
を210mg含む1グラムの錠剤剤形で投与される。いくつかの実施態様において、該患者に、
1日当たり最大18個の錠剤剤形が投与される。いくつかの実施態様において、該患者に、1
日当たり最大12個(12個を含む)の錠剤剤形が投与される。いくつかの実施態様において
、該患者に、1日当たり6個の錠剤剤形が投与される。いくつかの実施態様において、該患
者に、1日当たり6〜12個の錠剤剤形が投与される。いくつかの実施態様において、該クエ
ン酸第二鉄は、該患者による食事又は間食の摂取後1時間以内に投与される。いくつかの
実施態様において、該患者は、該クエン酸第二鉄の投与前の少なくとも3ヶ月間、週3回の
血液透析又は腹膜透析により治療された。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二
鉄は、約16m2/gを超えるBET活性表面積を有する。いくつかの実施態様において、該BET活
性表面積は、約16m2/g〜約20m2/gの範囲である。いくつかの実施態様において、該BET活
性表面積は、約27.99m2/g〜約32.34m2/gの範囲である。いくつかの実施態様において、該
BET活性表面積は、27.99m2/g、28.87m2/g、及び32.34m2/gから選択される。いくつかの実
施態様において、該BET活性表面積は、約30m2/g〜約40m2/gの範囲である。いくつかの実
施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.88〜4.0mg/cm2/分の固有溶解速度を有する。
別の態様において、本開示は、それを必要とする患者において血清リンを低下させる方
法を提供する。いくつかの実施態様において、本方法は、CKD患者、例えば、末期腎臓病
患者に、210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量でクエン酸第二鉄を経口投与することを含
む方法を提供し、該クエン酸第二鉄は、12週間にわたって投与したとき、1.90、1.91、1.
92、1.93、1.94、1.95、1.96、1.97、1.98、1.99、2.00、2.01、2.02、2.03、2.04、2.05
、2.06、2.07、2.08、2.09及び2.10mg/dlから選択される血清リンの平均低下をもたらし
、24週間にわたって投与したとき、2.10、2.11、2.12、2.13、2.14、2.15、2.16、2.17、
2.18、2.19、2.20、2.21、2.22、2.23、2.24及び2.25mg/dlから選択される血清リンの平
均低下をもたらし、36週間にわたって投与したとき、2.10、2.11、2.12、2.13、2.14、2.
15、2.16、2.17、2.18、2.19及び2.20mg/dlから選択される血清リンの平均低下をもたら
し、48週間にわたって投与したとき、1.95、1.96、1.97、1.98、1.99、2.00、2.01、2.02
、2.03、2.04、2.05、2.06、2.07、2.08、2.09、2.10、2.11、2.12、2.13、2.14及び2.15
mg/dlから選択される血清リンの平均低下をもたらし、かつ52週間にわたって投与したと
き、1.95、1.96、1.97、1.98、1.99、2.00、2.01、2.02、2.03、2.04、2.05、2.06、2.07
、2.08、2.09、2.10、2.11、2.12、2.13、2.14、2.15、2.16、2.17、2.18、2.19、2.20、
2.21、2.22、2.23、2.24、2.25、2.26、2.27、2.28、2.29及び2.30mg/dlから選択される
血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、12
週間にわたって投与したとき、2.00mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの
実施態様において、該クエン酸第二鉄は、24週間にわたって投与したとき、2.20mg/dlの
血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、36
週間にわたって投与したとき、2.20mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの
実施態様において、該クエン酸第二鉄は、48週間にわたって投与したとき、2.10mg/dlの
血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、52
週間にわたって投与したとき、2.10mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。
別の態様において、本開示は、静注鉄を受け取る慢性腎臓病患者において血清リンレベ
ルを制御する方法であって、(a)該患者にクエン酸第二鉄を経口投与すること、(b)血
清リンレベルの変化、並びに1以上の鉄貯蔵パラメータ、例えば、血清フェリチンレベル
、TSAT値及びヘモグロビン濃度の変化について該患者を評価すること、並びに(c)該患
者における1以上の鉄貯蔵パラメータに基づいて、該患者が受け取っている静注鉄を1〜10
0%、10〜50%、10〜25%、30〜60%、25〜50%、50〜75%、75〜100%、80%〜95%、又
は90%〜95%低下させること、を含む方法を提供する。具体的な実施態様において、該患
者における1以上の鉄貯蔵パラメータが非CKD患者(例えば、健康なヒト)に見られるレベ
ルを超えた場合に、該患者の静注鉄を低下させる。例えば、TSAT値が50%以上であり、か
つ/又は血清フェリチンレベルが約1000マイクログラム/L以上、約1200マイクログラム/L
以上、約1500マイクログラム/L以上、約1800以上、又は2000マイクログラム/L以上である
場合に、該患者が受け取っているクエン酸第二鉄の量を低下させる場合がある。特定の実
施態様において、該クエン酸第二鉄の投与前に、該患者において1以上の鉄貯蔵パラメー
タを評価する。特定の実施態様において、該クエン酸第二鉄は、錠剤として該患者に投与
される。具体的な実施態様において、該クエン酸第二鉄は、各錠剤が第二鉄を約210mg含
有する錠剤として該患者に投与される。いくつかの実施態様において、該患者に、1日当
たり最大12個(12個を含む)の錠剤が投与される。特定の実施態様において、該患者に、
1日当たり6〜12個の錠剤が投与される。具体的な実施態様において、慢性腎臓病患者は透
析を受けている。いくつかの実施態様において、慢性腎臓病患者は透析を受けていない。
特定の実施態様において、該患者は、慢性腎臓病のステージ1、2、又は3と診断された。
他の実施態様において、該患者は、慢性腎臓病のステージ4又は5と診断された。
別の態様において、本開示は、静注鉄を受け取る慢性腎臓病患者において血清リンレベ
ルを制御する方法であって、(a)該患者の血清フェリチンレベル及び/又はトランスフェ
リン飽和度(TSAT)の値を評価すること、(b)血清フェリチンレベルが500マイクログラ
ム/L未満であり、かつ/又はTSAT値が50%未満である患者にクエン酸第二鉄を経口投与す
ること(いくつかの実施態様において、該患者の血清フェリチンレベルは、300マイクロ
グラム/L〜500マイクログラム/L、350マイクログラム/L〜450マイクログラム/L、もしく
は300マイクログラム/L〜400マイクログラム/Lであり、かつ/又はTSAT値は25%〜50%、2
5%〜50%、20%〜30%、15%〜30%、もしくは15%〜25%であり)、(c)血清リンレベ
ル、血清フェリチンレベル、及びTSAT値の変化について該患者を評価すること、並びに(
d)該患者が受け取っている静注鉄を、該患者の血清フェリチンレベル及び/又はTSAT値に
基づいて、1〜100%、10〜50%、10〜25%、30〜60%、25〜50%、50〜75%、75〜100%、
80%〜95%、又は90%〜95%低下させること、を含む方法を提供する。具体的な実施態様
において、該患者の血清フェリチンレベルが500マイクログラム/Lを超え、かつ/又はTSAT
値が約50%以上(例えば、55%、60%、65%、もしくはそれ以上)である場合に、該患者
の静注鉄を低下させる。特定の実施態様において、該クエン酸第二鉄の投与前に、該患者
における1以上の鉄貯蔵パラメータを評価する。特定の実施態様において、該クエン酸第
二鉄は錠剤として該患者に投与される。具体的な実施態様において、該クエン酸第二鉄は
、各錠剤が第二鉄を約210mg含有する錠剤として該患者に投与される。いくつかの実施態
様において、該患者に、1日当たり最大12個(12個を含む)の錠剤が投与される。特定の
実施態様において、該患者に、1日当たり6〜12個の錠剤が投与される。具体的な実施態様
において、慢性腎臓病患者は透析を受けている。いくつかの実施態様において、慢性腎臓
病患者は透析を受けていない。特定の実施態様において、該患者は、慢性腎臓病のステー
ジ1、2、又は3と診断された。他の実施態様において、該患者は、慢性腎臓病のステージ4
又は5と診断された。
別の態様において、本開示は、静注鉄を受け取る慢性腎臓病患者において血清リンレベ
ルを制御する方法であって、(a)該患者の血清フェリチンレベル及び/又はトランスフェ
リン飽和度(TSAT)の値を評価すること、(b)血清フェリチンレベルが800マイクログラ
ム/L未満であり、かつ/又はTSAT値が50%未満である患者にクエン酸第二鉄を経口投与す
ること(いくつかの実施態様において、該患者の血清フェリチンレベルは、500マイクロ
グラム/L〜800マイクログラム/L、350マイクログラム/L〜600マイクログラム/L、もしく
は300マイクログラム/L〜500マイクログラム/Lであり、かつ/又はTSAT値は25%〜50%、2
0%〜30%、15%〜30%、もしくは15%〜25%であり)、(c)血清リンレベル、血清フェ
リチンレベル、及びTSAT値の変化について該患者を評価すること、並びに(d)該患者が
受け取っている静注鉄を、該患者の血清フェリチンレベル及び/又はTSAT値に基づいて、1
〜100%、10〜50%、10〜25%、30〜60%、25〜50%、50〜75%、75〜100%、80%〜95%
、又は90%〜95%低下させること、を含む方法を提供する。具体的な実施態様において、
該患者の血清フェリチンレベルが800マイクログラム/Lを超え、かつ/又は該患者のTSAT値
が約50%以上(例えば、55%、60%、65%、もしくはそれ以上)である場合に、該患者の
静注鉄を低下させる。特定の実施態様において、該クエン酸第二鉄の投与前に、該患者に
おける1以上の鉄貯蔵パラメータを評価する。特定の実施態様において、該クエン酸第二
鉄は錠剤として該患者に投与される。具体的な実施態様において、該クエン酸第二鉄は、
各錠剤が第二鉄を約210mg含有する錠剤として該患者に投与される。いくつかの実施態様
において、該患者に、1日当たり最大12個(12個を含む)の錠剤が投与される。特定の実
施態様において、該患者に、1日当たり6〜12個の錠剤が投与される。具体的な実施態様に
おいて、慢性腎臓病患者は透析を受けている。いくつかの実施態様において、慢性腎臓病
患者は透析を受けていない。特定の実施態様において、該患者は、慢性腎臓病のステージ
1、2、又は3と診断された。他の実施態様において、該患者は、慢性腎臓病のステージ4又
は5と診断された。
別の態様において、本開示は、静注鉄を受け取る慢性腎臓病患者において血清リンレベ
ルを制御する方法であって、(a)該患者の血清フェリチンレベル及び/又はトランスフェ
リン飽和度(TSAT)の値を評価すること、(b)血清フェリチンレベルが1000マイクログ
ラム/L未満であり、かつ/又はTSAT値が50%未満である患者にクエン酸第二鉄を経口投与
すること(いくつかの実施態様において、該患者の血清フェリチンレベルは、500マイク
ログラム/L〜1000マイクログラム/L、800マイクログラム/L〜1000マイクログラム/L、も
しくは300マイクログラム/L〜1000マイクログラム/Lであり、かつ/又はTSAT値は25%〜50
%、20%〜30%、15%〜30%、もしくは15%〜25%であり)、(c)血清リンレベル、血
清フェリチンレベル、及びTSAT値の変化について該患者を評価すること、並びに(d)該
患者が受け取っている静注鉄を、該患者の血清フェリチンレベル及び/又はTSAT値に基づ
いて、1〜100%、10〜50%、10〜25%、30〜60%、25〜50%、50〜75%、75〜100%、80%
〜95%、又は90%〜95%低下させること、を含む方法を提供する。具体的な実施態様にお
いて、該患者の血清フェリチンレベルが1000マイクログラム/Lを超え、かつ/又は該患者
のTSAT値が約50%以上(例えば、55%、60%、65%、もしくはそれ以上)である場合に、
該患者の静注鉄を低下させる。特定の実施態様において、該クエン酸第二鉄の投与前に、
該患者における1以上の鉄貯蔵パラメータを評価する。特定の実施態様において、該クエ
ン酸第二鉄は錠剤として該患者に投与される。具体的な実施態様において、該クエン酸第
二鉄は、各錠剤が第二鉄を約210mg含有する錠剤として該患者に投与される。いくつかの
実施態様において、該患者に、1日当たり最大12個(12個を含む)の錠剤が投与される。
特定の実施態様において、該患者に、1日当たり6〜12個の錠剤が投与される。具体的な実
施態様において、慢性腎臓病患者は透析を受けている。いくつかの実施態様において、慢
性腎臓病患者は透析を受けていない。特定の実施態様において、該患者は、慢性腎臓病の
ステージ1、2、又は3と診断された。他の実施態様において、該患者は、慢性腎臓病のス
テージ4又は5と診断された。
別の態様において、本開示は、慢性腎臓病患者において血清リンレベルを制御する方法
であって、(a)該患者にクエン酸第二鉄を経口投与すること、(b)血清リンレベルの変
化、並びに1以上の鉄貯蔵パラメータ、例えば、血清フェリチンレベル、ヘモグロビン濃
度、及びTSAT値の変化について該患者を評価すること、並びに(c)該患者に投与される
クエン酸第二鉄の錠剤の数を増加させ、3.5mg/dL〜5.5mg/dLの血清リンレベルを維持する
こと、を含む方法を提供する。特定の実施態様において、該クエン酸第二鉄を投与する前
に、該患者において1以上の鉄貯蔵パラメータを評価する。いくつかの実施態様において
、1以上の鉄貯蔵パラメータが非CKD患者(例えば、健康なヒト)に見られるレベルを超え
た場合に、該患者が受け取っているクエン酸第二鉄の量を低下させる。例えば、TSAT値が
50%以上で、かつ/又は血清フェリチンレベルが、約1000マイクログラム/L以上、約1200
マイクログラム/L以上、約1500マイクログラム/L以上、約1800以上、もしくは2000マイク
ログラム/L以上である場合に、該患者が受け取っているクエン酸第二鉄の量を低下させる
場合がある。特定の実施態様において、該クエン酸第二鉄は、錠剤として該患者に投与さ
れる。具体的な実施態様において、該クエン酸第二鉄は、各錠剤が第二鉄を約210mg含有
する錠剤として該患者に投与される。いくつかの実施態様において、該患者に、1日当た
り最大12個(12個を含む)の錠剤が投与される。特定の実施態様において、該患者に、1
日当たり6〜12個の錠剤が投与される。具体的な実施態様において、慢性腎臓病患者は透
析を受けている。いくつかの実施態様において、慢性腎臓病患者は透析を受けていない。
特定の実施態様において、該患者は、慢性腎臓病のステージ1、2、又は3と診断された。
他の実施態様において、該患者は、慢性腎臓病のステージ4又は5と診断された。
別の態様において、本開示は、慢性腎臓病患者において血清リンレベルを制御する方法
であって、(a)該患者の血清フェリチンレベル及びトランスフェリン飽和度(TSAT)の
値を評価すること、(b)血清フェリチンレベルが2000マイクログラム/L未満、1800マイ
クログラム/L未満、1500マイクログラム/L未満、1000マイクログラム/L未満、800マイク
ログラム/L未満、又は500マイクログラム/L未満であり、TSAT値が50%未満である慢性腎
臓病患者にクエン酸第二鉄を経口投与すること、(c)該クエン酸第二鉄の錠剤を受け取
りながら、血清リンレベル、血清フェリチンレベル及びTSAT値の変化について該患者を評
価すること、並びに(d)該患者に投与されるクエン酸第二鉄の錠剤の数を増加させ、3.5
mg/dL〜5.5mg/dLの血清リンレベルを維持すること、を含む方法を提供する。いくつかの
実施態様において、該クエン酸第二鉄を投与される患者の血清フェリチンレベルは、1500
マイクログラム/L〜2000マイクログラム/L、1000マイクログラム/L〜1500マイクログラム
/L、800マイクログラム/L〜1000マイクログラム/L、500マイクログラム/L〜800マイクロ
グラム/L、500マイクログラム/L〜1500マイクログラム/L、もしくは500マイクログラム/L
〜1000マイクログラム/Lであり、かつ/又はTSAT値は25%〜50%、20%〜30%、15%〜30
%、もしくは15%〜25%である。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄を投与
される患者は、静注鉄及び/又は赤血球生成刺激剤を受け取っていない。特定の実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、錠剤として該患者に投与される。具体的な実施態様にお
いて、該クエン酸第二鉄は、各錠剤が第二鉄を約210mg含有する錠剤として該患者に投与
される。いくつかの実施態様において、該患者に、1日当たり最大12個の錠剤が投与され
る。特定の実施態様において、該患者に、1日当たり6〜12個の錠剤が投与される。具体的
な実施態様において、慢性腎臓病患者は透析を受けている。いくつかの実施態様において
、慢性腎臓病患者は透析を受けていない。特定の実施態様において、該患者は、慢性腎臓
病のステージ1、2、又は3と診断された。他の実施態様において、該患者は、慢性腎臓病
のステージ4又は5と診断された。
別の態様において、本開示は、静注鉄を受け取る慢性腎臓病患者において血清リンレベ
ルを制御する方法であって、(a)該患者の血清フェリチンレベル及びトランスフェリン
飽和度(TSAT)の値を評価すること、(b)血清フェリチンレベルが800マイクログラム/L
未満であり、かつ/又はTSAT値が50%未満である慢性腎臓病患者にクエン酸第二鉄を経口
投与すること(いくつかの実施態様において、該患者の血清フェリチンレベルは、500マ
イクログラム/L〜800マイクログラム/L、350マイクログラム/L〜600マイクログラム/L、
もしくは300マイクログラム/L〜500マイクログラム/Lであり、かつ/又はTSAT値は25%〜5
0%、20%〜30%、15%〜30%、もしくは15%〜25%であり)、(c)該クエン酸第二鉄の
錠剤を受け取りながら、血清リンレベル、血清フェリチンレベル及びTSAT値の変化につい
て該患者を評価すること、並びに(d)該患者の血清フェリチンレベルが800マイクログラ
ム/Lを超えず、かつ/又はTSAT値が50%を超えない(例えば、TSAT値が25%、30%、35%
、40%又は45%である)場合に、患者に投与されるクエン酸第二鉄の錠剤の数を増加させ
、3.5mg/dL〜5.5mg/dLの血清リンレベルを維持すること、を含む方法を提供する。具体的
な実施態様において、本方法に従って、慢性腎臓病患者が受け取っている静注鉄を、該患
者の血清フェリチンレベル及び/又はTSAT値に基づいて、1〜100%、10〜50%、10〜25%
、30%〜60%、25〜50%、50〜75%、75-100%、80%〜95%、又は90%〜95%低下させる
。具体的な実施態様において、患者の血清フェリチンレベルが800マイクログラム/Lを超
え、かつ/又は該患者のTSAT値が約50%以上(例えば、55%、60%、65%、もしくはそれ
以上)である場合に、患者の静注鉄を低下させる。特定の実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、錠剤として該患者に投与される。具体的な実施態様において、該クエン酸第二
鉄は、各錠剤が第二鉄を約210mg含有する錠剤として該患者に投与される。いくつかの実
施態様において、該患者に、1日当たり最大12個の錠剤が投与される。特定の実施態様に
おいて、該患者に、1日当たり6〜12個の錠剤が投与される。具体的な実施態様において、
慢性腎臓病患者は透析を受けている。いくつかの実施態様において、慢性腎臓病患者は透
析を受けていない。特定の実施態様において、該患者は、慢性腎臓病のステージ1、2、又
は3と診断された。他の実施態様において、該患者は、慢性腎臓病のステージ4又は5と診
断された。
別の態様において、本開示は、静注鉄を受け取っている慢性腎臓病患者における血清リ
ンレベルを制御する方法であって、(a)該患者の血清フェリチンレベル及びトランスフ
ェリン飽和度(TSAT)の値を評価すること、(b)血清フェリチンレベルが500マイクログ
ラム/L未満であり、かつ/又はTSAT値が50%未満である慢性腎臓病患者にクエン酸第二鉄
を経口投与すること(いくつかの実施態様において、該患者の血清フェリチンレベルは、
300マイクログラム/L〜500マイクログラム/L、350マイクログラム/L〜450マイクログラム
/L、もしくは300マイクログラム/L〜400マイクログラム/Lであり、かつ/又はTSAT値は25
%〜50%、25%〜50%、20%〜30%、15%〜30%、もしくは15%〜25%であり)、(c)
該クエン酸第二鉄の錠剤を受け取りながら、血清リンレベル、血清フェリチンレベル及び
TSAT値の変化について該患者を評価すること、並びに(d)該患者の血清フェリチンレベ
ルが500マイクログラム/Lを超えず、かつ/又はTSAT値が50%を超えない場合に、該患者に
投与されるクエン酸第二鉄の錠剤の数を増加させ、3.5mg/dL〜5.5mg/dLの血清リンレベル
を維持すること、を含む方法を提供する。具体的な実施態様において、本方法に従って、
慢性腎臓病患者が受け取っている静注鉄を、該患者の血清フェリチンレベル及び/又はTSA
T値に基づいて、1〜100%、10〜50%、10〜25%、30%〜60%、25〜50%、50〜75%、75-
100%、80%〜95%、又は90%〜95%低下させる。具体的な実施態様において、該患者の
血清フェリチンレベルが800マイクログラム/Lを超え、かつ/又は該患者のTSAT値が約50%
以上(例えば、55%、60%、65%、もしくはそれ以上)である場合に、患者の静注鉄を低
下させる。特定の実施態様において、該クエン酸第二鉄は、錠剤として該患者に投与され
る。具体的な実施態様において、該クエン酸第二鉄は、各錠剤が第二鉄を約210mg含有す
る錠剤として該患者に投与される。いくつかの実施態様において、該患者に、1日当たり
最大12個の錠剤が投与される。特定の実施態様において、該患者に、1日当たり6〜12個の
錠剤が投与される。具体的な実施態様において、慢性腎臓病患者は透析を受けている。い
くつかの実施態様において、慢性腎臓病患者は透析を受けていない。特定の実施態様にお
いて、該患者は、慢性腎臓病のステージ1、2、又は3と診断された。他の実施態様におい
て、該患者は、慢性腎臓病のステージ4又は5と診断された。
別の態様において、本開示は、静注鉄を受け取っている慢性腎臓病患者における血清リ
ンレベルを制御する方法であって、(a)該患者の血清フェリチンレベル及びトランスフ
ェリン飽和度(TSAT)の値を評価すること、(b)血清フェリチンレベルが1000マイクロ
グラム/L未満であり、かつ/又はTSAT値が50%未満である慢性腎臓病患者にクエン酸第二
鉄を経口投与すること(いくつかの実施態様において、該患者の血清フェリチンレベルは
、500マイクログラム/L〜1000マイクログラム/L、500マイクログラム/L〜800マイクログ
ラム/L、もしくは300マイクログラム/L〜500マイクログラム/Lであり、かつ/又はTSAT値
は25%〜50%、25%〜50%、20%〜30%、15%〜30%、もしくは15%〜25%であり)、(
c)該クエン酸第二鉄の錠剤を受け取りながら、血清リンレベル、血清フェリチンレベル
及びTSAT値の変化について該患者を評価すること、並びに(d)該患者の血清フェリチン
レベルが1000マイクログラム/Lを超えず、かつ/又はTSAT値が50%を超えない場合に、該
患者に投与されるクエン酸第二鉄の錠剤の数を増加させ、3.5mg/dL〜5.5mg/dLの血清リン
レベルを維持すること、を含む方法を提供する。具体的な実施態様において、本方法に従
って、慢性腎臓病患者が受け取っている静注鉄を、該患者の血清フェリチンレベル及び/
又はTSAT値に基づいて、1〜100%、10〜50%、10〜25%、30%〜60%、25〜50%、50〜75
%、75-100%、80%〜95%、又は90%〜95%低下させる。具体的な実施態様において、該
患者の血清フェリチンレベルが1000マイクログラム/Lを超え(例えば、1200マイクログラ
ム/L、1500マイクログラム/L、1800マイクログラム/L又は2000マイクログラム/L)、かつ
/又は該患者のTSAT値が約50%以上(例えば、55%、60%、65%、もしくはそれ以上)で
ある場合に、患者の静注鉄を低下させる。特定の実施態様において、該クエン酸第二鉄は
、錠剤として該患者に投与される。具体的な実施態様において、該クエン酸第二鉄は、各
錠剤が第二鉄を約210mg含有する錠剤として該患者に投与される。いくつかの実施態様に
おいて、該患者に、1日当たり最大12個の錠剤が投与される。特定の実施態様において、
該患者に、1日当たり6〜12個の錠剤が投与される。具体的な実施態様において、慢性腎臓
病患者は透析を受けている。いくつかの実施態様において、慢性腎臓病患者は透析を受け
ていない。特定の実施態様において、該患者は、慢性腎臓病のステージ1、2、又は3と診
断された。他の実施態様において、該患者は、慢性腎臓病のステージ4又は5と診断された
さらに別の態様において、本開示は、それを必要とする患者において血清重炭酸塩を増
加させる方法を提供する。いくつかの実施態様において、本方法は、CKD患者、例えば、
末期腎臓病患者に、210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量でクエン酸第二鉄を経口投与す
ることを含み、該クエン酸第二鉄は、少なくとも52週間にわたって投与したとき、0.70、
0.71、0.72、0.73、0.74、0.75、0.76、0.77、0.78、0.79及び0.80mEq/Lから選択される
血清重炭酸塩の増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.
71mEq/Lの血清重炭酸塩濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該ク
エン酸第二鉄は、各剤形が第二鉄を210mg含む1グラムの錠剤剤形で投与される。いくつか
の実施態様において、該患者に、1日当たり最大18個の錠剤剤形が投与される。いくつか
の実施態様において、該患者に、1日当たり最大12個(12個を含む)の錠剤剤形が投与さ
れる。いくつかの実施態様において、該患者に、1日当たり6個の錠剤剤形が投与される。
いくつかの実施態様において、該患者に、1日当たり6〜12個の錠剤剤形が投与される。い
くつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、該患者による食事又は間食の摂取後1
時間以内に投与される。いくつかの実施態様において、該患者は、該クエン酸第二鉄の投
与前の少なくとも3ヶ月間、週3回の血液透析又は腹膜透析により治療された。いくつかの
実施態様において、該クエン酸第二鉄は、約16m2/gを超えるBET活性表面積を有する。い
くつかの実施態様において、該BET活性表面積は、約16m2/g〜約20m2/gの範囲である。い
くつかの実施態様において、該BET活性表面積は、約27.99m2/g〜約32.34m2/gの範囲であ
る。いくつかの実施態様において、該BET活性表面積は、27.99m2/g、28.87m2/g及び32.34
m2/gから選択される。いくつかの実施態様において、該BET活性表面積は、約30m2/g〜約4
0m2/gの範囲である。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.88〜4.0mg/c
m2/分の固有溶解速度を有する。
さらに別の態様において、本開示は、それを必要とする患者において鉄貯蔵を維持する
方法を提供する。いくつかの実施態様において、本方法は、CKD患者、例えば、非透析慢
性腎臓病患者又は末期腎臓病患者に、1日当たり約1g〜約18gの範囲の量でクエン酸第二
鉄を経口投与することを含む。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1グ
ラムの錠剤剤形で投与される。いくつかの実施態様において、該患者に、1日当たり最大1
8個の錠剤剤形が投与される。いくつかの実施態様において、該患者に、1日当たり最大12
個(12個を含む)の錠剤剤形が投与される。いくつかの実施態様において、該患者に、1
日当たり6〜12個の錠剤剤形が投与される。いくつかの実施態様において、該クエン酸第
二鉄は、約16m2/gを超えるBET活性表面積を有する。いくつかの実施態様において、該BET
活性表面積は、約16m2/g〜約20m2/gの範囲である。いくつかの実施態様において、該BET
活性表面積は、約27.99m2/g〜約32.34m2/gの範囲である。いくつかの実施態様において、
該BET活性表面積は、27.99m2/g、28.87m2/g及び32.34m2/gから選択される。いくつかの実
施態様において、該BET活性表面積は、約30m2/g〜約40m2/gの範囲である。いくつかの実
施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.88〜4.0mg/cm2/分の固有溶解速度を有する。
さらに別の態様において、本開示は、それを必要とする患者において1以上の鉄貯蔵パ
ラメータを改善する方法を提供する。いくつかの実施態様において、本方法は、CKD患者
、例えば、非透析慢性腎臓病患者又は末期腎臓病患者に、1日当たり約1g〜約18gの範囲
の量でクエン酸第二鉄を経口投与することを含む。いくつかの実施態様において、少なく
とも1つの鉄貯蔵パラメータは、血清フェリチンレベル、トランスフェリン飽和度(TSAT
)、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値、総鉄結合能、鉄吸収レベル、血清鉄レベル、
肝臓鉄レベル、脾臓鉄レベル、及びこれらの組み合わせから選択され得る。いくつかの実
施態様において、該クエン酸第二鉄は、1グラムの錠剤剤形で投与される。いくつかの実
施態様において、該患者に、1日当たり最大18個の錠剤剤形が投与される。いくつかの実
施態様において、該患者に、1日当たり最大12個(12個を含む)の錠剤剤形が投与される
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、約16m2/gを超えるBET活性表面積
を有する。いくつかの実施態様において、該BET活性表面積は、約16m2/g〜約20m2/gの範
囲である。いくつかの実施態様において、該BET活性表面積は、約27.99m2/g〜約32.34m2/
gの範囲である。いくつかの実施態様において、該BET活性表面積は、27.99m2/g、28.87m2
/g及び32.34m2/gから選択される。いくつかの実施態様において、該BET活性表面積は、約
30m2/g〜約40m2/gの範囲である。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.
88〜4.0mg/cm2/分の固有溶解速度を有する。
別の実施態様において、少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータはヘマトクリット値であり
、改善には患者のヘマトクリット値を増加させることが含まれる。他の実施態様において
、少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータはヘモグロビン濃度であり、改善には患者のヘモグ
ロビン濃度を増加させることが含まれる。さらに他の実施態様において、少なくとも1つ
の鉄貯蔵パラメータは総鉄結合能であり、改善には患者の総鉄結合能を低下させることが
含まれる。さらに他の実施態様において、少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータはトランス
フェリン飽和度であり、改善には患者のトランスフェリン飽和度を増加させることが含ま
れる。さらに他の実施態様において、少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータは血清鉄レベル
であり、改善には患者の血清鉄レベルを増加させることが含まれる。さらに他の実施態様
において、少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータは肝臓鉄レベルであり、改善には患者の肝
臓鉄レベルを増加させることが含まれる。さらに他の実施態様において、少なくとも1つ
の鉄貯蔵パラメータは脾臓鉄レベルであり、改善には患者の脾臓鉄レベルを増加させるこ
とが含まれる。さらに他の実施態様において、少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータは血清
フェリチンレベルであり、改善には患者の血清フェリチンレベルを増加させることが含ま
れる。
さらに別の実施態様において、少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータは血清フェリチンレ
ベルであり、本開示は、それを必要とする患者において血清フェリチンを増加させる方法
を提供する。いくつかの実施態様において、本方法は、CKD患者、例えば、末期腎臓病患
者に、210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量でクエン酸第二鉄を経口投与することを含み
、該クエン酸第二鉄は、少なくとも52週間にわたって投与したとき、該患者において150
〜310、151〜309、152〜308、153〜307、154〜306、155〜306、155〜305、155〜304、155
〜303及び155〜302ng/mlから選択される血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつか
の実施態様において、該クエン酸第二鉄は、150〜305ng/mlの血清フェリチンの平均増加
をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、各剤形が第二鉄を210m
g含む1グラムの錠剤剤形で投与される。いくつかの実施態様において、該患者に、1日当
たり最大18個の錠剤剤形が投与される。いくつかの実施態様において、該患者に、1日当
たり最大12個(12個を含む)の錠剤剤形が投与される。いくつかの実施態様において、該
患者に、1日当たり6個の錠剤剤形が投与される。いくつかの実施態様において、該クエン
酸第二鉄は、該患者による食事又は間食の摂取後1時間以内に投与される。いくつかの実
施態様において、該患者は、該クエン酸第二鉄の投与前の少なくとも3ヶ月間、週3回の血
液透析又は腹膜透析により治療された。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄
は、約16m2/gを超えるBET活性表面積を有する。いくつかの実施態様において、該BET活性
表面積は、約16m2/g〜約20m2/gの範囲である。いくつかの実施態様において、該BET活性
表面積は、約27.99m2/g〜約32.34m2/gの範囲である。いくつかの実施態様において、該BE
T活性表面積は、27.99m2/g、28.87m2/g及び32.34m2/gから選択される。いくつかの実施態
様において、該BET活性表面積は、約30m2/g〜約40m2/gの範囲である。いくつかの実施態
様において、該クエン酸第二鉄は、1.88〜4.0mg/cm2/分の固有溶解速度を有する。
さらに別の実施態様において、少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータはトランスフェリン
飽和度(TSAT)であり、本開示は、それを必要とする患者においてトランスフェリン飽和
度(TSAT)を増加させる方法を提供する。いくつかの実施態様において、本方法は、CKD
患者、例えば、末期腎臓病患者に、210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量でクエン酸第二
鉄を経口投与することを含み、該クエン酸第二鉄は、少なくとも52週間にわたって投与し
たとき、5〜10%のTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン
酸第二鉄は、該患者において6〜9%のトランスフェリン飽和度(TSAT)の平均増加をもた
らす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、該患者に8%のトランスフェ
リン飽和度(TSAT)の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第
二鉄は、各剤形が第二鉄を210mg含む1グラムの錠剤剤形で投与される。いくつかの実施態
様において、該患者に、1日当たり最大18個の錠剤剤形が投与される。いくつかの実施態
様において、該患者に、1日当たり最大12個(12個を含む)の錠剤剤形が投与される。い
くつかの実施態様において、該患者に、1日当たり6個の錠剤剤形が投与される。いくつか
の実施態様において、該患者に、1日当たり6〜12個の錠剤剤形が投与される。いくつかの
実施態様において、該クエン酸第二鉄は、該患者による食事又は間食の摂取後1時間以内
に投与される。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、約16m2/gを超えるBE
T活性表面積を有する。いくつかの実施態様において、該BET活性表面積は、約16m2/g〜約
20m2/gの範囲である。いくつかの実施態様において、該BET活性表面積は、約27.99m2/g〜
約32.34m2/gの範囲である。いくつかの実施態様において、該BET活性表面積は、27.99m2/
g、28.87m2/g及び32.34m2/gから選択される。いくつかの実施態様において、該BET活性表
面積は、約30m2/g〜約40m2/gの範囲である。いくつかの実施態様において、該クエン酸第
二鉄は、1.88〜4.0mg/cm2/分の固有溶解速度を有する。
さらに別の実施態様において、少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータはヘモグロビン濃度
であり、本開示は、それを必要とする患者においてヘモグロビン濃度を増加させる方法を
提供する。いくつかの実施態様において、本方法は、CKD患者、例えば、末期腎臓病患者
に、210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量でクエン酸第二鉄を経口投与することを含み、
該クエン酸第二鉄は、少なくとも52週間にわたって投与したとき、該患者において0.3〜0
.6g/dlのヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエ
ン酸第二鉄は、該患者において0.3〜0.5g/dlのヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.4g/dlのヘモグロビン濃度の平均
増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、各剤形が第二鉄を
210mg含む1グラムの錠剤剤形で投与される。いくつかの実施態様において、該患者に、1
日当たり最大18個の錠剤剤形が投与される。いくつかの実施態様において、該患者に、1
日当たり最大12個(12個を含む)の錠剤剤形が投与される。いくつかの実施態様において
、該患者に、1日当たり6個の錠剤剤形が投与される。いくつかの実施態様において、該患
者に、1日当たり6〜12個の錠剤剤形が投与される。いくつかの実施態様において、該クエ
ン酸第二鉄は、該患者による食事又は間食の摂取後1時間以内に投与される。いくつかの
実施態様において、該クエン酸第二鉄は、約16m2/gを超えるBET活性表面積を有する。い
くつかの実施態様において、該BET活性表面積は、約16m2/g〜約20m2/gの範囲である。い
くつかの実施態様において、該BET活性表面積は、約27.99m2/g〜約32.34m2/gの範囲であ
る。いくつかの実施態様において、該BET活性表面積は、27.99m2/g、28.87m2/g及び32.34
m2/gから選択される。いくつかの実施態様において、該BET活性表面積は、約30m2/g〜約4
0m2/gの範囲である。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.88〜4.0mg/c
m2/分の固有溶解速度を有する。
さらに別の態様において、本開示は、それを必要とする患者において鉄吸収を増加させ
る方法を提供する。いくつかの実施態様において、本方法は、CKD患者、例えば、非透析
慢性腎臓病患者又は末期腎臓病患者に、1日当たり約1g〜約18gの範囲の量でクエン酸第
二鉄を経口投与することを含む。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1
グラムの錠剤剤形で投与される。いくつかの実施態様において、該患者に、1日当たり最
大18個の錠剤剤形が投与される。いくつかの実施態様において、該患者に、1日当たり最
大12個(12個を含む)の錠剤剤形が投与される。いくつかの実施態様において、該クエン
酸第二鉄は、約16m2/gを超えるBET活性表面積を有する。いくつかの実施態様において、
該BET活性表面積は、約16m2/g〜約20m2/gの範囲である。いくつかの実施態様において、
該BET活性表面積は、約27.99m2/g〜約32.34m2/gの範囲である。いくつかの実施態様にお
いて、該BET活性表面積は、27.99m2/g、28.87m2/g及び32.34m2/gから選択される。いくつ
かの実施態様において、該BET活性表面積は、約30m2/g〜約40m2/gの範囲である。いくつ
かの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.88〜4.0mg/cm2/分の固有溶解速度を有す
る。
さらに別の態様において、本開示は、それを必要とする患者において鉄欠乏を治療する
方法を提供する。いくつかの実施態様において、本方法は、CKD患者、例えば、非透析慢
性腎臓病患者又は末期腎臓病患者に、1日当たり約1g〜約18gの範囲の量でクエン酸第二
鉄を経口投与することを含む。いくつかの実施態様において、鉄欠乏は貧血である。いく
つかの実施態様において、該治療は、該患者において12.0g/dl及び7.4mmol/Lから選択さ
れるレベル又はそれを上回るヘモグロビンレベルをもたらす。他の実施態様において、該
治療は、該患者において13.0g/dl及び8.1mmol/Lから選択されるレベル又はそれを上回る
ヘモグロビンレベルをもたらす。さらに他の実施態様において、該治療は、該患者におい
て6.8mmol/L、7.1mmol/L、7.4mmol/L、及び8.1mmol/Lから選択されるレベル又はそれを上
回るヘモグロビンレベルをもたらす。さらに他の実施態様において、該治療は、該患者に
おいて11.0g/dl、11.5g/dl、12.0g/dl、及び13.0g/dlから選択されるレベル又はそれを上
回るヘモグロビンレベルをもたらす。いくつかの実施態様において、該治療は、疲労、目
眩、蒼白、脱毛、易刺激性、脱力感、異食症、脆い爪又はすじ爪、プランマー・ヴィンソ
ン症候群、免疫機能障害、氷食症、レストレスレッグ症候群及びこれらの組み合わせから
選択される鉄欠乏のうちの少なくとも1つの症状を軽減する。いくつかの実施態様におい
て、該クエン酸第二鉄は、1グラムの錠剤剤形で投与される。いくつかの実施態様におい
て、該患者に、1日当たり最大18個の錠剤剤形が投与される。いくつかの実施態様におい
て、該患者に、1日当たり最大12個(12個を含む)の錠剤剤形が投与される。いくつかの
実施態様において、該クエン酸第二鉄は、約16m2/gを超えるBET活性表面積を有する。い
くつかの実施態様において、該BET活性表面積は、約16m2/g〜約20m2/gの範囲である。い
くつかの実施態様において、該BET活性表面積は、約27.99m2/g〜約32.34m2/gの範囲であ
る。いくつかの実施態様において、該BET活性表面積は、27.99m2/g、28.87m2/g及び32.34
m2/gから選択される。いくつかの実施態様において、該BET活性表面積は、約30m2/g〜約4
0m2/gの範囲である。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.88〜4.0mg/c
m2/分の固有溶解速度を有する。
さらに別の態様において、本開示は、CKD患者、例えば、末期腎臓病患者において静注
(IV)鉄の使用を低下させる方法を提供する。いくつかの実施態様において、本方法は、
210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量でクエン酸第二鉄を該患者に経口投与することを含
み、該クエン酸第二鉄は、少なくとも52週間にわたって投与したとき、末期腎臓病患者に
IV鉄を投与する必要性を、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59及び60%から選択さ
れる量だけ低下させる。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、51.0、51.1
、51.2、51.3、51.4、51.5、51.6、51.7、51.9及び52.0%から選択される平均累積IV鉄摂
取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、51.6%の
平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二
鉄は、各剤形が第二鉄を210mg含む1グラムの錠剤剤形で投与される。いくつかの実施態様
において、該患者に、1日当たり最大18個の錠剤剤形が投与される。いくつかの実施態様
において、該患者に、1日当たり最大12個(12個を含む)の錠剤剤形が投与される。いく
つかの実施態様において、該患者に、1日当たり6個の錠剤剤形が投与される。いくつかの
実施態様において、該患者に、1日当たり6〜12個の錠剤剤形が投与される。いくつかの実
施態様において、該クエン酸第二鉄は、該患者による食事又は間食の摂取後1時間以内に
投与される。いくつかの実施態様において、該患者は、該クエン酸第二鉄の投与前の少な
くとも3ヶ月間、週3回の血液透析又は腹膜透析により治療された。いくつかの実施態様に
おいて、該クエン酸第二鉄は、約16m2/gを超えるBET活性表面積を有する。いくつかの実
施態様において、該BET活性表面積は、約16m2/g〜約20m2/gの範囲である。いくつかの実
施態様において、該BET活性表面積は、約27.99m2/g〜約32.34m2/gの範囲である。いくつ
かの実施態様において、該BET活性表面積は、27.99m2/g、28.87m2/g及び32.34m2/gから選
択される。いくつかの実施態様において、該BET活性表面積は、約30m2/g〜約40m2/gの範
囲である。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.88〜4.0mg/cm2/分の固
有溶解速度を有する。
さらに別の態様において、本開示は、CKD患者、例えば、末期腎臓病患者において赤血
球生成刺激剤(ESA)の使用を低下させる方法を提供する。いくつかの実施態様において
、本方法は、210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量でクエン酸第二鉄を該患者に経口投与
することを含み、該クエン酸第二鉄は、少なくとも52週間にわたって投与したとき、該患
者に1以上のESAを投与する必要性を、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29及び30%
から選択される量だけ低下させる。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、
27.0、27.1、27.2、27.3、27.4、27.5、27.6、27.7、27.9及び28.0%から選択されるESA
摂取中央値の減少をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、27.1
%の平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、各剤形が第二鉄を210mg含む1グラムの錠剤剤形で投与される。いくつかの実施
態様において、該患者に、1日当たり最大18個の錠剤剤形が投与される。いくつかの実施
態様において、該患者に、1日当たり最大12個(12個を含む)の錠剤剤形が投与される。
いくつかの実施態様において、該患者に、1日当たり6個の錠剤剤形が投与される。いくつ
かの実施態様において、該患者に、1日当たり6〜12個の錠剤剤形が投与される。いくつか
の実施態様において、該クエン酸第二鉄は、該患者による食事又は間食の摂取後1時間以
内に投与される。いくつかの実施態様において、該患者は、該クエン酸第二鉄の投与前の
少なくとも3ヶ月間、週3回の血液透析又は腹膜透析により治療された。いくつかの実施態
様において、該クエン酸第二鉄は、約16m2/gを超えるBET活性表面積を有する。いくつか
の実施態様において、該BET活性表面積は、約16m2/g〜約20m2/gの範囲である。いくつか
の実施態様において、該BET活性表面積は、約27.99m2/g〜約32.34m2/gの範囲である。い
くつかの実施態様において、該BET活性表面積は、27.99m2/g、28.87m2/g及び32.34m2/gか
ら選択される。いくつかの実施態様において、該BET活性表面積は、約30m2/g〜約40m2/g
の範囲である。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.88〜4.0mg/cm2/分
の固有溶解速度を有する。
さらに別の態様において、本開示は、慢性腎臓病を有する対象において有害心臓事象を
治療する方法、又は有害心臓事象の発生率もしくはリスクを低下させる方法を提供する。
他の実施態様において、本開示は、慢性腎臓病を有する対象において有害心臓事象に関連
する死亡率及び罹患率を低下させる方法を提供する。他の実施態様において、本開示は、
慢性腎臓病を有する対象において有害心臓事象に関連する入院の頻度又はリスクを低下さ
せる方法を提供する。いくつかの実施態様において、本方法は、CKDを有する対象、例え
ば、非透析慢性腎臓病患者又は末期腎臓病患者に1日当たり約1g〜約18gの範囲の量でク
エン酸第二鉄を経口投与することを含む。いくつかの実施態様において、本方法は、該対
象のヘモグロビンレベルを、例えば、10g/dLを超える、11g/dLを超える、12g/dLを超える
、又は13g/dLを超えるレベルまで上昇させることを含む。他の実施態様において、本方法
は、該対象のFGF-23レベルを、例えば、少なくとも30%、少なくとも32%、少なくとも35
%、少なくとも37%だけ低下させることを含む。
有害心臓事象には、例えば、心エコー又はECG基準、例えば、Sokolow-Lyon振幅、コー
ネル振幅(Cornell Amplitude)、Sokolow-Lyon積もしくはコーネル積(Cornell Product
)などによって測定されるような、心不全、心室性不整脈、心筋梗塞(MI)、左心室(LV
)駆出率の低下、心臓突然死、大動脈基部拡張、脳血管事象(脳卒中)、左心室肥大(LV
H)が含まれ得る。
また、いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、各剤形が第二鉄を210mg含
む1グラムの錠剤剤形で投与される。いくつかの実施態様において、該患者に、1日当たり
最大18個の錠剤剤形が投与される。いくつかの実施態様において、該患者に、1日当たり
最大12個(12個を含む)の錠剤剤形が投与される。いくつかの実施態様において、該患者
に、1日当たり6個の錠剤剤形が投与される。いくつかの実施態様において、該患者に、1
日当たり6〜12個の錠剤剤形が投与される。いくつかの実施態様において、該クエン酸第
二鉄は、該患者による食事又は間食の摂取後1時間以内に投与される。いくつかの実施態
様において、該患者は、該クエン酸第二鉄の投与前の少なくとも3ヶ月間、週3回の血液透
析又は腹膜透析により治療された。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、
約16m2/gを超えるBET活性表面積を有する。いくつかの実施態様において、該BET活性表面
積は、約16m2/g〜約20m2/gの範囲である。いくつかの実施態様において、該BET活性表面
積は、約27.99m2/g〜約32.34m2/gの範囲である。いくつかの実施態様において、該BET活
性表面積は、27.99m2/g、28.87m2/g及び32.34m2/gから選択される。いくつかの実施態様
において、該BET活性表面積は、約30m2/g〜約40m2/gの範囲である。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、1.88〜4.0mg/cm2/分の固有溶解速度を有する。
(詳細な説明)
いくつかの態様において、本開示は、クエン酸第二鉄を用いて、慢性腎臓病(CKD)患
者において血清リンレベルを低下させ、かつ/又は制御し、血清重炭酸塩レベルを増加さ
せ、1以上の鉄貯蔵パラメータを改善し(例えば、血清フェリチンレベルを増加させ、ト
ランスフェリン飽和度(TSAT)を増加させ、ヘモグロビン濃度を増加させ)、鉄吸収を増加
させ、鉄貯蔵を維持し、鉄欠乏を治療し、貧血を治療し、IV鉄の必要性を低下させ、かつ
/又は赤血球生成刺激剤(ESA)の必要性を低下させる方法を提供する。他の態様において
、本開示は、慢性腎臓病を有する対象において有害心臓事象を治療するため、又は有害心
臓事象の発生率もしくはリスクを低下させるため、有害心臓事象に関連する死亡率及び罹
患率を低下させるため、かつ有害心臓事象に関連する入院の頻度もしくはリスクを低下さ
せるためにクエン酸第二鉄を使用する方法を提供する。
それぞれの場合において、本方法は、非透析CKD(ND-CKD)患者及び末期腎臓病(ESRD
)患者を含むCKD患者にクエン酸第二鉄を投与することを含む。いくつかの態様において
、クエン酸第二鉄の投与は、例えば、最大52週間(52週を含む)を含む長期間にわたって行
われる。いくつかの実施態様において、クエン酸第二鉄の投与は、最大56週間(56週を含
む)にわたって行われる。
これらの開示される方法の各々において、クエン酸第二鉄は、少なくとも52週間、いく
つかの実施態様において、最大56週間(56週を含む)又はそれより長い期間にわたって該CK
D患者に投与することができる。さらに、これらの方法の各々において、該クエン酸第二
鉄は、第二鉄を210mg含有する1グラムの錠剤又はカプレットの剤形で該CKD患者に経口投
与することができる。特定の実施態様において、最大18錠、又はカプレットを1日かけて
投与することができる。他の実施態様において、最大12個(12個を含む)の錠剤、又はカ
プレットを1日かけて投与することができる。
本開示は、CKD患者に投与することができる、鉄補給剤でもあり得る医薬組成物も提供
する。該組成物/鉄補給剤は、クエン酸第二鉄及び下記のような他の医薬として許容し得
る成分を含む。該組成物/鉄補給剤は、CKD患者に鉄を提供するために製剤化され、該組成
物/鉄補給剤によって提供される鉄の量は、CKD患者において鉄吸収を増加させ、1以上の
鉄貯蔵パラメータを改善し、鉄欠乏を治療し、かつ/又は貧血を治療するのに十分である
。該組成物/鉄補給剤は、下記のような任意の数の形態で提供することができる。特に、
該組成物/鉄補給剤は、経口用錠剤剤形として提供することができる。
次に、クエン酸第二鉄の剤形、組成物、合成方法及び使用方法の特定の実施態様につい
て詳細に言及する。開示される実施態様は、特許請求の範囲を限定することを意図するも
のではない。それとは反対に、特許請求の範囲は、全ての代替物、修飾物、及び等価物を
網羅することを意図するものである。
(クエン酸第二鉄の治療的使用)
以下により詳細に記載するように、非透析CKD(ND-CKD)患者及び末期腎臓病(ESRD)
患者を含むCKD患者において、血清リンレベルを低下させ、かつ/又は制御し、血清重炭酸
塩レベルを増加させ、1以上の鉄貯蔵パラメータを改善し(例えば、血清フェリチンレベ
ルを増加させ、トランスフェリン飽和度(TSAT)を増加させ、ヘモグロビン濃度を増加させ
)、鉄吸収を増加させ、鉄貯蔵を維持し、鉄欠乏を治療し、貧血を治療し、IV鉄の必要性
を低下させ、かつ/又は赤血球生成刺激剤(ESA)の必要性を低下させるために使用するこ
とができる方法及び剤形が本明細書に開示される。
したがって、様々な態様において、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄をCKD患者に
投与して、血清リンを低下させ、かつ/又は制御することができる。様々な態様において
、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄をCKD患者に投与して、血清重炭酸塩を増加させ
ることができる。様々な態様において、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄をCKD患者
に投与して、血清フェリチンの増加、トランスフェリン飽和度(TSAT)の増加、及びヘモ
グロビン濃度の増加を含む、1以上の鉄貯蔵パラメータを改善することができる。様々な
態様において、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄をCKD患者に投与して、鉄吸収を増
加させることができる。様々な態様において、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄をCK
D患者に投与して、鉄貯蔵を維持することができる。様々な態様において、本明細書に開
示されるクエン酸第二鉄をCKD患者に投与して、鉄欠乏を治療することができる。様々な
態様において、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄をCKD患者に投与して、貧血を治療
することができる。様々な態様において、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄をCKD患
者に投与して、IV鉄及び/又は赤血球生成刺激剤(ESA)の必要性を低下させることができ
る。
CKD患者を治療する方法も開示される。様々な態様において、本開示は、血清リンを低
下させ、かつ/又は制御する方法であって、CKD患者にクエン酸第二鉄を経口投与すること
を含む方法を提供し、該クエン酸第二鉄は血清リンの低下をもたらす。様々な態様におい
て、本開示は、血清重炭酸塩を増加させる方法であって、CKD患者にクエン酸第二鉄を経
口投与することを含む方法を提供し、該クエン酸第二鉄は血清重炭酸塩の増加をもたらす
。様々な態様において、本開示は、1以上の鉄貯蔵パラメータを改善する方法であって、C
KD患者にクエン酸第二鉄を経口投与することを含む方法を提供し、該クエン酸第二鉄は1
以上の鉄貯蔵パラメータの改善をもたらす。様々な態様において、本開示は、血清フェリ
チンを増加させる方法であって、CKD患者にクエン酸第二鉄を経口投与することを含む方
法を提供し、該クエン酸第二鉄は血清フェリチンの増加をもたらす。様々な態様において
、本開示は、トランスフェリン飽和度(TSAT)を増加させる方法であって、CKD患者にク
エン酸第二鉄を経口投与することを含む方法を提供し、該クエン酸第二鉄はTSATの増加を
もたらす。様々な態様において、本開示は、ヘモグロビン濃度を増加させる方法であって
、CKD患者にクエン酸第二鉄を経口投与することを含む方法を提供し、該クエン酸第二鉄
はヘモグロビン濃度の増加をもたらす。様々な態様において、本開示は、鉄吸収を増加さ
せる方法であって、CKD患者にクエン酸第二鉄を経口投与することを含む方法を提供し、
該クエン酸第二鉄は鉄吸収の増加をもたらす。様々な態様において、本開示は、鉄貯蔵を
維持する方法であって、CKD患者にクエン酸第二鉄を経口投与することを含む方法を提供
し、該クエン酸第二鉄は鉄貯蔵の維持をもたらす。様々な態様において、本開示は、鉄欠
乏を治療する方法であって、CKD患者にクエン酸第二鉄を経口投与することを含む方法を
提供し、該クエン酸第二鉄は鉄欠乏の治療をもたらす。様々な態様において、本開示は、
貧血を治療する方法であって、CKD患者にクエン酸第二鉄を経口投与することを含む方法
を提供し、該クエン酸第二鉄は貧血の治療をもたらす。様々な態様において、本開示は、
CKD患者において静注(IV)鉄の使用を低下させる方法であって、CKD患者にクエン酸第二
鉄を経口投与することを含む方法を提供し、該クエン酸第二鉄は、該CKDにIV鉄を投与す
る必要性を低下させる。様々な態様において、本開示は、CKD患者において赤血球生成刺
激剤(ESA)の使用を低下させる方法であって、該CKD患者にクエン酸第二鉄を経口投与す
ることを含む方法を提供し、該クエン酸第二鉄は、投与された場合、該CKD患者に1以上の
ESAを投与する必要性を低下させる。これらの方法の各々において、該クエン酸第二鉄は
、最大56週間(56週を含む)を含む、最大52週間(52週を含む)の期間にわたって投与するこ
とができる。
(慢性腎臓病患者)
様々な態様において、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄を任意の慢性腎臓病(CKD)
患者に投与して、CKDと関連する状態及び障害のいずれか、例えば、本明細書に記載され
る状態及び障害を治療する。糸球体濾過量(GFR)が3ヶ月間、60ml/分/1.73m2未満である全
ての個体は、腎損傷の有無にかかわらず、CKDを有すると分類される。透析又は腎移植の
いずれかを必要とするCKDを有する個人は、通常、末期腎臓病(ESRD)患者と呼ばれる。し
たがって、患者が、CKDの非透析依存的な初期段階の最後に到達している場合、伝統的に
、ESRD患者と分類される。その時より前は、該患者は、非透析依存的CKD患者と呼ばれる
。しかしながら、透析をまだ開始していない、又は移植が勧められていない、進行期、例
えば、ステージ5のCKDを有する患者も、通常、非透析依存的なCKD患者と呼ばれる。
非透析CKD(ND-CKD)患者は、初期の慢性腎臓病と診断された患者及び透析を受けるよ
うに医学的にまだ指示されていない患者である。上述したように、米国国立腎臓財団は、
慢性腎臓病の5つのステージを定義した。通常、患者は、透析が医学的に必要となる前に
、ステージ1から4を経て進行する。
本明細書で使用されるように、ND-CKDは、慢性腎臓病と診断されたが、クエン酸第二鉄
の投与中は透析を受けていない全ての患者を包含することを意図している。そのような患
者としては、例えば、今まで透析を受けたことがない患者、いくつかの実施態様において
、透析を受けたことがあるが、クエン酸第二鉄の投与中は透析を受けていない患者を挙げ
ることができる。
様々な態様において、ESRD患者とは、通常、後期の慢性腎臓病と診断された患者である
。場合により、「末期腎臓病」という語句は、第5ステージのCKDを示すために使用される
。したがって、本明細書で使用されるように、ESRD患者とは、進行期、例えば、ステージ
5のCKDを有する患者、及び血液透析もしくは腹膜透析のどちらかを開始した患者並びに/
又は医療提供者によって腎移植が勧められている患者である。
いくつかの実施態様において、CKD患者は、次の特徴: 2.5mg/dL〜8.0mg/dLの血清リン
レベル;リン酸塩結合剤の服用をやめたとき、6.0mg/dL以上の血清リンレベル; 3〜18ピル
/日の酢酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸ランタン、セベラマー(炭酸塩もしくは塩酸
塩もしくは同等のセベラマー粉末)、リン酸塩結合剤としての役割を果たす任意の他の薬
剤、又は上記のいずれかの組合せを服用している; 1000mg/L未満の血清フェリチンレベル
を有する;スクリーニング時に50%未満のトランスフェリン飽和度レベル(TSAT)を有する;
1年を超える平均余命を有する;或いは上記のいずれかの組合せのうちの1以上を示す。
さらに、CKD患者は、クエン酸第二鉄以外のリン結合剤を服用していてもよいが、これ
は必須ではない。該CKD患者は、哺乳動物であり得、いくつかの実施態様において、ヒト
である。いくつかの実施態様において、CKD患者は、任意の年齢及び/もしくは体重の女性
又は男性である。いくつかの実施態様において、CKD患者は、少なくとも18歳であり、か
つ少なくとも3ヶ月間、週に3回の血液透析及び/又は腹膜透析を受けている男性又は非妊
娠、非授乳期の女性である。
(血清リン)
リン酸塩は、広範囲の細胞過程に極めて重要である。それは、骨格の主要な構成要素の
うちの1つであり、かつDNA及びRNAを構成する核酸の不可欠な構成要素である。さらに、
アデノシン三リン酸(ATP)のリン酸結合は、全ての細胞機能に必要とされるエネルギーを
担持している。リン酸塩は、骨、血清、及び尿中の緩衝剤として機能し、酵素及びタンパ
ク質へのリン酸基の付加並びに/又は酵素及びタンパク質からのリン酸基の除去は、それ
らの活性の調節のための共通機序である。リン酸塩が有する影響の大きさを考慮すると、
そのホメオスタシスは、当然のことながら、高度に調節された過程である。
CKD患者は、通常、血清リン酸塩のレベルの上昇を示す。非CKD患者では、正常な血清リ
ン酸塩レベルは、0.81mmol/L〜1.45mmol/Lであるべきである。しかしながら、CKD患者で
は、腎機能が失われ、体が尿を介してリン酸塩を排泄するその能力を失うので、血清リン
酸塩レベルは、通常、顕著に増加している。これは、CKD患者が、通常、高リン血症を経
験することを意味し、高リン血症は、血液中のリン酸塩のレベルが異常に上昇している電
解質平衡異常である。高リン血症は、大多数のCKD患者で発症し、通常、二次性副甲状腺
機能亢進症及び腎性骨ジストロフィーの進行を伴う。さらに、高リン血症は、最近、透析
患者における心血管死の増加と関連付けられている。血清リンの適切な制御は、二次性副
甲状腺機能亢進症の進行を軽減するために、並びに血管石灰化及び心血管死のリスクを低
下させるために、CKD患者の臨床管理において重要である。CKD患者において血清リン酸塩
レベルを制御するために取られる典型的な対策としては、食事性リン制限、透析、及び経
口リン酸塩結合剤が挙げられる。残念ながら、食事制限は、進行期のCKD、例えば、ESRD
では限られた効果しかない。したがって、CKD患者においてリンの食事性吸収を制限する
ためには、経口リン酸塩結合剤が必要である。
本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者は、血清リン酸塩レベルの改善
を経験し得る。いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療さ
れるCKD患者は、血清リン酸塩レベルの減少を経験する。いくつかの実施態様において、
本開示は、CKD患者における血清リンを低下させる方法であって、CKD患者、例えば、末期
腎臓病患者又は非透析慢性腎臓病患者にクエン酸第二鉄を経口投与することを含む方法を
提供し、該クエン酸第二鉄は、該患者における血清リンの低下をもたらす。いくつかの実
施態様において、本開示は、CKD患者における高リン血症の治療のための方法であって、C
KD患者、例えば、末期腎臓病患者又は非透析慢性腎臓病患者にクエン酸第二鉄を経口投与
することを含む方法を提供し、該クエン酸第二鉄は、該患者における血清リンの低下をも
たらす。いくつかの実施態様において、本開示は、血清リンを低下させる方法であって、
末期腎臓病患者に、210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量でクエン酸第二鉄を経口投与す
ることを含む方法を提供し、該クエン酸第二鉄は、該患者における血清リンの低下をもた
らす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、12週間にわたって投与される
。いくつかの実施態様において、24週間にわたり、いくつかの実施態様において、36週間
にわたり、いくつかの実施態様において、48週間にわたり、いくつかの実施態様において
、52週間にわたり、かついくつかの実施態様において、最大56週間(56週を含む)にわたる
。いくつかの実施態様において、53週間にわたる。いくつかの実施態様において、54週間
にわたり、かついくつかの実施態様において、55週間にわたる。いくつかの実施態様にお
いて、56週間にわたる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.00〜3.00mg/dlの血清リンの平
均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.10〜2.90mg/d
lの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は
、1.20〜2.80mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、1.30〜2.70mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、1.40〜2.60mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.50〜2.50mg/dlの血清リンの平
均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.60〜2.40mg/d
lの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は
、1.70〜2.30mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、1.80〜2.20mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、1.90〜2.10mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす
。上記の範囲は、効率目的でこの形式で開示されており、上記の範囲のいずれかを、任意
の方法、製剤、又はこれらの組合せと組み合わせることができる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.00〜1.25mg/dl、1.00〜1.50mg/
dlの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は
、1.00〜1.75mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、1.00〜2.00mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、2.00〜2.25mg/dlから選択される血清リンの平均低
下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、2.00〜2.50mg/dlか
ら選択される血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、2.00〜2.75mg/dlから選択される血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの
実施態様において、該クエン酸第二鉄は、2.00〜3.00mg/dlから選択される血清リンの平
均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.00〜2.25mg/d
lから選択される血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエ
ン酸第二鉄は、1.00〜2.50mg/dlから選択される血清リンの平均低下をもたらす。いくつ
かの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.00〜2.75mg/dlから選択される血清リン
の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.00〜3.00
mg/dlから選択される血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、2.00〜2.50mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。上記の範囲は、
効率目的でこの形式で開示されており、上記の範囲のいずれかを、任意の方法、製剤、又
はこれらの組合せと組み合わせることができる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.00を超える血清リンの平均低下
をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.10を超える血清リン
の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.20超から
選択される血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第
二鉄は、1.30を超える血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、1.40を超える血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様に
おいて、該クエン酸第二鉄は、1.50を超える血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの
実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.60を超える血清リンの平均低下をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.70を超える血清リンの平均低下を
もたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.80を超える血清リンの
平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.90を超える
血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、2.
00を超える血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第
二鉄は、2.10を超える血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、2.20を超える血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様に
おいて、該クエン酸第二鉄は、2.30を超える血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの
実施態様において、該クエン酸第二鉄は、2.40を超える血清リンの平均低下をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、2.50を超える血清リンの平均低下を
もたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、2.60を超える血清リンの
平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、2.70を超える
血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、2.
80を超える血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第
二鉄は、2.90mg/dlを超える血清リンの平均低下をもたらす。上記の限度は、効率目的で
この形式で開示されており、上記の限度のいずれかを、任意の方法、製剤、下で開示され
る下限、又はこれらの組合せと組み合わせることができる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、3.00mg/dl未満の血清リンの平均
低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、2.90mg/dl未満の
血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、2.
80mg/dl未満の血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン
酸第二鉄は、2.70mg/dl未満の血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様にお
いて、該クエン酸第二鉄は、2.60mg/dl未満の血清リンの平均低下をもたらす。いくつか
の実施態様において、該クエン酸第二鉄は、2.50mg/dl未満の血清リンの平均低下をもた
らす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、2.40mg/dl未満の血清リンの
平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、2.30mg/dl未
満の血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は
、2.20mg/dl未満の血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該ク
エン酸第二鉄は、2.10mg/dl未満の血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、2.00mg/dl未満の血清リンの平均低下をもたらす。いく
つかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.90mg/dl未満の血清リンの平均低下を
もたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.80mg/dl未満の血清リ
ンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.70mg/d
l未満の血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二
鉄は、1.60mg/dl未満の血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、
該クエン酸第二鉄は、1.50mg/dl未満の血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、1.40mg/dl未満の血清リンの平均低下をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.30mg/dl未満の血清リンの平均低
下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.20mg/dl未満の血
清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.10
mg/dl未満の血清リンの平均低下をもたらす。上記の限度は、効率目的でこの形式で開示
されており、上記の限度のいずれかを、任意の方法、製剤、上で開示された上限、又はこ
れらの組合せと組み合わせることができる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、12週間にわたって投与したとき、
約1.90、1.91、1.92、1.93、1.94、1.95、1.96、1.97、1.98、1.99、2.00、2.01、2.02、
2.03、2.04、2.05、2.06、2.07、2.08、2.09及び2.10mg/dlのうちの1つの血清リンの平均
低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、12週間にわたって
投与したとき、約2.00mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様にお
いて、該クエン酸第二鉄は、24週間にわたって投与したとき、約2.10、2.11、2.12、2.13
、2.14、2.15、2.16、2.17、2.18、2.19、2.20、2.21、2.22、2.23、2.24及び2.25mg/dl
のうちの1つの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン
酸第二鉄は、24週間にわたって投与したとき、約2.20mg/dlの血清リンの平均低下をもた
らす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、36週間にわたって投与したと
き、約2.10、2.11、2.12、2.13、2.14、2.15、2.16、2.17、2.18、2.19及び2.20mg/dlの
うちの1つの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、36週間にわたって投与したとき、約2.20mg/dlの血清リンの平均低下をもたら
す。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、48週間にわたって投与したとき
、約1.95mg/dl、1.96、1.97、1.98、1.99、2.00、2.01、2.02、2.03、2.04、2.05、2.06
、2.07、2.08、2.09、2.10、2.11、2.12、2.13、2.14及び2.15mg/dlのうちの1つの血清リ
ンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、48週間に
わたって投与したとき、約2.10mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、52週間にわたって投与したとき、約1.95mg/dl、1.9
6、1.97、1.98、1.99、2.00、2.01、2.02、2.03、2.04、2.05、2.06、2.07、2.08、2.09
、2.10、2.11、2.12、2.13、2.14、2.15、2.16、2.17、2.18、2.19、2.20、2.21、2.22、
2.23、2.24、2.25、2.26、2.27、2.28、2.29及び2.30mg/dlのうちの1つの血清リンの平均
低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、52週間にわたって
投与したとき、約2.10mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様にお
いて、該クエン酸第二鉄は、56週間にわたって投与したとき、52週のベースラインから測
定して、約0.20、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.30、0.31
、0.32、0.33、0.34及び0.35mg/dlのうちの1つの血清リンの平均低下をもたらす。いくつ
かの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、56週間にわたって投与したとき、52週のベ
ースラインから測定して、0.30mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、20〜35%から選択される血清リン
の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、20〜35%、
22〜33%及び25〜30%から選択される血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態
様において、該クエン酸第二鉄は、27〜28.5%の血清リンの平均低下をもたらす。いくつ
かの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、27〜28.4%の血清リンの平均低下をもたら
す。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、20%超、21%超、22%超、23%
超、24%超、25%超、26%超、27%超、28%超、29%超、30%超、31%超、32%超、33%
超及び34%超から選択される血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様におい
て、該クエン酸第二鉄は、35%未満、34%未満、33%未満、32%未満、33%未満、32%未
満、31%未満、30%未満、29%未満、28%未満、27%未満、26%未満、25%未満、24%未
満、23%未満、22%未満及び21%未満から選択される血清リンの平均低下をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、12週間にわたって投与したとき、
1.90、1.91、1.92、1.93、1.94、1.95、1.96、1.97、1.98、1.99、2.00、2.01、2.02、2.
03、2.04、2.05、2.06、2.07、2.08、2.09及び2.10mg/dlから選択される血清リンの平均
低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、12週間にわたって
投与したとき、2.00mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様におい
て、該クエン酸第二鉄は、24週間にわたって投与したとき、2.10、2.11、2.12、2.13、2.
14、2.15、2.16、2.17、2.18、2.19、2.20、2.21、2.22、2.23、2.24及び2.25mg/dlから
選択される血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第
二鉄は、24週間にわたって投与したとき、2.20mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、36週間にわたって投与したとき、2.
10、2.11、2.12、2.13、2.14、2.15、2.16、2.17、2.18、2.19及び2.20mg/dlから選択さ
れる血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は
、36週間にわたって投与したとき、2.20mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。いくつ
かの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、48週間にわたって投与したとき、1.95、1.
96、1.97、1.98、1.99、2.00、2.01、2.02、2.03、2.04、2.05、2.06、2.07、2.08、2.09
、2.10、2.11、2.12、2.13、2.14及び2.15mg/dlから選択される血清リンの平均低下をも
たらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、48週間にわたって投与した
とき、2.10mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該ク
エン酸第二鉄は、52週間にわたって投与したとき、1.95、1.96、1.97、1.98、1.99、2.00
、2.01、2.02、2.03、2.04、2.05、2.06、2.07、2.08、2.09、2.10、2.11、2.12、2.13、
2.14、2.15、2.16、2.17、2.18、2.19、2.20、2.21、2.22、2.23、2.24、2.25、2.26、2.
27、2.28、2.29及び2.30mg/dlから選択される血清リンの平均低下をもたらす。いくつか
の実施態様において、該クエン酸第二鉄は、52週間にわたって投与したとき、2.10mg/dl
の血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、
56週間にわたって投与したとき、52週のベースラインから測定して、0.20、0.21、0.22、
0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.30、0.31、0.32、0.33、0.34及び0.35mg
/dlから選択される血清リンの平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該ク
エン酸第二鉄は、56週間にわたって投与したとき、52週のベースラインから測定して、0.
30mg/dlの血清リンの平均低下をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、表Aに示すような血清リンの平均
低下をもたらす:
表A:
Figure 2019206562
1最終観察繰越法(Last observation carried forward)を欠測データに用いた。
2LS平均治療差及びp値は、治療を固定効果とし、ベースラインを共変量とするANCOVAモデ
ルによって求められる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、表Bに示すような血清リンの平均
低下をもたらす:
表B:
Figure 2019206562
1最終観察繰越法を欠測データに用いた。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者
、例えば、ESRD患者は、その血清リンレベルの維持を経験し、その結果、その血清リンレ
ベルは、該クエン酸第二鉄の投与の間、実質的に不変であり続ける。
(血清重炭酸塩)
代謝性アシドーシスは、体が過剰な酸を生成する時、かつ/又は腎臓が体から十分な酸
を除去していない時にCKD患者に生じる状態である。抑制されなければ、代謝性アシドー
シスは酸血症を引き起こし、その場合、血液のpHは、体による水素の産生増加及び/又は
体による腎臓での重炭酸塩(HCO3-)形成不能が原因で、7.35未満に下がる。CKD患者にお
ける代謝性アシドーシスの結果は、昏睡及び死を含め、重篤になり得る。したがって、CK
D患者が、その血流中の重炭酸塩の正常なレベルを維持することは重要である。非CKD患者
では、血清重炭酸塩の一般的な基準は、それぞれ、22mEq/L〜28mEq/L、又は22mmol/L〜28
mmol/Lの範囲である。しかしながら、CKD患者では、腎臓が重炭酸塩を産生するその能力
を失うので、血清重炭酸塩濃度は大きく低下し得る。
本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者は、血清重炭酸塩濃度の増加を
経験し得る。いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療され
るCKD患者は、血清重炭酸塩濃度の増加を経験する。いくつかの実施態様において、本開
示は、CKD患者、例えば、ESRD患者又はND-CKD患者において血清重炭酸塩濃度を増加させ
る方法であって、CKD患者にクエン酸第二鉄を経口投与することを含む方法を提供し、該
クエン酸第二鉄は、該患者における血清重炭酸塩濃度の増加をもたらす。いくつかの実施
態様において、本開示は、血清重炭酸塩濃度を増加させる方法であって、CKD患者に210mg
〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量でクエン酸第二鉄を経口投与することを含む方法を提供
し、該クエン酸第二鉄は、該患者における血清重炭酸塩濃度の増加をもたらす。いくつか
の実施態様において、該患者に、1日当たり最大18個の錠剤剤形が投与される。いくつか
の実施態様において、該クエン酸第二鉄は、12週間にわたって、いくつかの実施態様にお
いて、36週間にわたって、いくつかの実施態様において、52週間にわたって、かついくつ
かの実施態様において、最大56週間(56週を含む)にわたって投与される。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、該患者における0.1〜1.0mEq/Lの
血清重炭酸塩濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二
鉄は、該患者における0.70、0.71、0.72、0.73、0.74、0.75、0.76、0.77、0.78、0.79及
び0.80mEq/Lから選択される血清重炭酸塩濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態
様において、該クエン酸第二鉄は、該患者における0.71mEq/Lの血清重炭酸塩濃度の平均
増加をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.70mEq/Lを超える血清重炭酸塩
濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.71mE
q/Lを超える血清重炭酸塩濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、0.72mEq/Lを超える血清重炭酸塩濃度の平均増加をもたらす。いくつ
かの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.73mEq/Lを超える血清重炭酸塩濃度の平
均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.74mEq/Lを超
える血清重炭酸塩濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、0.75mEq/Lを超える血清重炭酸塩濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、0.76mEq/Lを超える血清重炭酸塩濃度の平均増加を
もたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.77mEq/Lを超える血清
重炭酸塩濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は
、0.78mEq/Lを超える血清重炭酸塩濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様にお
いて、該クエン酸第二鉄は、0.79mEq/Lを超える血清重炭酸塩濃度の平均増加をもたらす
。上記の限度は、効率目的でこの形式で開示されており、上記の限度のいずれかを、任意
の方法、製剤、下で開示される下限、又はこれらの組合せと組み合わせることができる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.80mEq/L未満の血清重炭酸塩濃
度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.79mEq/
L未満の血清重炭酸塩濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエ
ン酸第二鉄は、0.78mEq/L未満の血清重炭酸塩濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実
施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.77mEq/L未満の血清重炭酸塩濃度の平均増加を
もたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.76mEq/L未満の血清重
炭酸塩濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、
0.75mEq/L未満の血清重炭酸塩の濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様におい
て、該クエン酸第二鉄は、0.74mEq/L未満の血清重炭酸塩濃度の平均増加をもたらす。い
くつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.73mEq/L未満の血清重炭酸塩濃度の
平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.72mEq/L未
満の血清重炭酸塩濃度の平均増加をもたらす。上記の限度は、効率目的でこの形式で開示
されており、上記の限度のいずれかを、任意の方法、製剤、上で開示された上限、又はこ
れらの組合せと組み合わせることができる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、52週間にわたって投与したとき、
0.71mEq/Lの血清重炭酸塩濃度の平均増加をもたらす。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者
、例えば、ESRD患者は、その血清重炭酸塩濃度の維持を経験し、その結果、その血清重炭
酸塩レベルは、該クエン酸第二鉄の投与の間、実質的に不変であり続ける。
(鉄貯蔵パラメータ)
CKD患者は、全身鉄状態のマーカーの低下又は不足を示し得る。これは、CKD患者が、適
切な鉄レベルを維持するのに十分な鉄をその体内に貯蔵していない可能性があることを意
味する。先進国で暮らしている、栄養状態の良好な大部分の非CKDの人々は、約4〜5グラ
ムの鉄をその体内に貯蔵している。この鉄のうちの約2.5gが、血液を通じて酸素を運ぶヘ
モグロビン中に含まれている。残りの約1.5〜2.5グラムの鉄の大部分は、全ての細胞に存
在する鉄結合複合体中に含まれているが、これは、骨髄並びに臓器、例えば、肝臓及び脾
臓に、より高度に濃縮されている。鉄の肝貯蔵は、非CKDの体における鉄の主な生理的予
備力である。体の全鉄含有量のうち、約400mgが、酸素貯蔵(ミオグロビン)又はエネルギ
ー生成レドックス反応の実行(シトクロムタンパク質)などの細胞過程のために鉄を使用す
るタンパク質に利用される。貯蔵鉄に加えて、通常、約3〜4mgの少量の鉄が、トランスフ
ェリンと呼ばれるタンパク質に結合して血漿中を循環している。その毒性のために、遊離
の可溶性第一鉄(鉄(II)又はFe2+)は、通常、体内では低濃度で維持されている。
鉄欠乏により、体内の貯蔵鉄がまず枯渇する。体によって利用される鉄の大部分は、ヘ
モグロビンに必要とされるので、鉄欠乏性貧血は、鉄欠乏の主な臨床症状である。組織へ
の酸素運搬は人の生命にとって非常に重要であるので、重篤な貧血は、その臓器から酸素
を奪うことによって、ND-CKD患者及びESRD患者を含むCKDの人々を害するか、又は死なせ
る。鉄欠乏症のCKD患者は、細胞が細胞内プロセスに必要とされる鉄を使い果たすよりも
ずっと前に、酸素の枯渇が原因で生じる臓器障害に苦しみ、場合によっては、死ぬことも
ある。
CKD患者が適度な健康を維持するのに十分な鉄貯蔵を有するかどうかを決定するために
測定することができる全身鉄状態のマーカーがいくつか存在する。これらのマーカーは、
循環鉄貯蔵、鉄結合複合体に貯蔵される鉄、又はその両方に関するものであり得、通常、
鉄貯蔵パラメータとも呼ばれる。鉄貯蔵パラメータとしては、例えば、ヘマトクリット値
、ヘモグロビン濃度(Hb)、総鉄結合能(TIBC)、トランスフェリン飽和度(TSAT)、血清鉄レ
ベル、肝臓鉄レベル、脾臓鉄レベル、及び血清フェリチンレベルを挙げることができる。
これらのうち、ヘマトクリット値、ヘモグロビン濃度(Hb)、総鉄結合能(TIBC)、トランス
フェリン飽和度(TSAT)及び血清鉄レベルは、一般に、循環鉄貯蔵として知られている。肝
臓鉄レベル、脾臓鉄レベル、及び血清フェリチンレベルは、一般に、貯蔵鉄又は鉄結合複
合体に貯蔵される鉄と呼ばれる。
いくつかの実施態様において、本開示は、それを必要とする患者において1以上の鉄貯
蔵パラメータを改善する方法を提供する。いくつかの実施態様において、本方法は、CKD
患者、例えば、非透析慢性腎臓病患者又は末期腎臓病患者に1日当たり約1g〜約18gの範囲
の量でクエン酸第二鉄を経口投与することを含む。いくつかの実施態様において、少なく
とも1つの鉄貯蔵パラメータは、血清フェリチンレベル、トランスフェリン飽和度(TSAT
)、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値、総鉄結合能、鉄吸収レベル、血清鉄レベル、
肝臓鉄レベル、脾臓鉄レベル、及びこれらの組み合わせから選択することができる。いく
つかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は1グラムの錠剤剤形で投与される。いくつ
かの実施態様において、該患者に、1日当たり最大18個の錠剤剤形が投与される。いくつ
かの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、12週間にわたって、いくつかの実施態様に
おいて、36週間にわたって、いくつかの実施態様において、52週間にわたって、かついく
つかの実施態様において、最大56週間(56週を含む)にわたって投与される。
別の実施態様において、少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータはヘマトクリット値であり
、改善には患者のヘマトクリット値を増加させることが含まれる。他の実施態様において
、少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータはヘモグロビン濃度であり、改善には患者のヘモグ
ロビン濃度を増加させることが含まれる。さらに他の実施態様において、少なくとも1つ
の鉄貯蔵パラメータは総鉄結合能であり、改善には患者の総鉄結合能を減少させることが
含まれる。さらに他の実施態様において、少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータはトランス
フェリン飽和度であり、改善には患者のトランスフェリン飽和度を増加させることが含ま
れる。さらに他の実施態様において、少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータは血清鉄レベル
であり、改善には患者の血清鉄レベルを増加させることが含まれる。さらに他の実施態様
において、少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータは肝臓鉄レベルであり、改善には患者の肝
臓鉄レベルを増加させることが含まれる。さらに他の実施態様において、少なくとも1つ
の鉄貯蔵パラメータは脾臓鉄レベルであり、改善には患者の脾臓鉄レベルを増加させるこ
とが含まれる。さらに他の実施態様において、少なくとも1つの鉄貯蔵パラメータは血清
フェリチンレベルであり、改善には患者の血清フェリチンレベルを増加させることが含ま
れる。
(血清フェリチン)
フェリチンの肝貯蔵は、体内の貯蔵鉄の主な供給源である。フェリチンは、鉄を貯蔵し
、それを制御された方法で放出する細胞内タンパク質である。医学的に、血液試料中及び
/又は肝組織の試料中に存在するフェリチンの量は、肝臓に貯蔵される鉄の量を反映する(
とはいえ、フェリチンは遍在性であり、肝臓に加えて、体内の多くの他の組織に見出すこ
とができる)。フェリチンは、鉄を肝臓に無毒な形態で貯蔵し、必要とする部位に鉄を輸
送する役割を果たす。非CKD患者では、基準範囲と呼ばれることもある正常フェリチン血
清レベルは、通常、男性で30〜300ng/ml、女性で15〜200ng/mlである。しかしながら、CK
D患者では、フェリチンによって結合され、肝臓に貯蔵できる鉄の量が減少するので、血
清フェリチンレベルは、通常、顕著に低下している。これは、体が鉄を吸収し、かつ貯蔵
するその能力を失うために起こる。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者
は、血清フェリチンレベルの増加を経験する。いくつかの実施態様において、本開示は、
それを必要とする患者において血清フェリチンを増加させる方法であって、CKD患者、例
えば、ESRD患者又はND-CKD患者にクエン酸第二鉄を経口投与することを含む方法を提供し
、該クエン酸第二鉄は、血清フェリチンの増加をもたらす。いくつかの実施態様において
、本開示は、血清フェリチンを増加させる方法であって、CKD患者に210mg〜2,520mgの範
囲の第二鉄の用量でクエン酸第二鉄を経口投与することを含む方法を提供し、該クエン酸
第二鉄は、該患者における血清フェリチンの増加をもたらす。いくつかの実施態様におい
て、該クエン酸第二鉄は、12週間にわたって、いくつかの実施態様において、24週間にわ
たって、いくつかの実施態様において、36週間にわたって、いくつかの実施態様において
、48週間にわたって、かついくつかの実施態様において、52週間にわたって投与される。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、100〜400ng/mlの血清フェリチン
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、110〜390ng
/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、120〜380ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、130〜370ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、140〜360ng/mlの血清フェリチン
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、150〜350ng
/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、160〜340ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、170〜330ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、180〜320ng/mlの血清フェリチン
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、190〜310ng
/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、200〜300ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、210〜290ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、220〜280ng/mlの血清フェリチン
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、230〜270ng
/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、240〜260ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、100〜400ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、100〜375ng/mlの血清フェリチン
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、100〜350ng
/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、100〜325ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、100〜300ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、100〜275ng/mlの血清フェリチン
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、150〜310ng
/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、151〜309ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、152〜308ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、153〜307ng/mlの血清フェリチン
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、154〜306ng
/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、155〜306ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、155〜305ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、155〜304ng/mlの血清フェリチン
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、155〜303ng
/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、155〜302ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、150〜305ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす
。上記の範囲は、効率目的でこの形式で開示されており、上記の範囲のいずれかを、任意
の方法、製剤、又はこれらの組合せと組み合わせることができる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、52週間にわたって投与したときに
、302ng/mlの血清フェリチンの平均増加をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、100ng/mlを超える血清フェリチン
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、110ng/mlを
超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、120ng/mlを超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、130ng/mlを超える血清フェリチンの平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、140ng/mlを超える血清フェリチン
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、150ng/mlを
超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、160ng/mlを超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、170ng/mlを超える血清フェリチンの平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、180ng/mlを超える血清フェリチン
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、190ng/mlを
超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、200ng/mlを超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、210ng/mlを超える血清フェリチンの平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、220ng/mlを超える血清フェリチン
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、230ng/mlを
超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、240ng/mlを超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、250ng/mlを超える血清フェリチンの平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、260ng/mlを超える血清フェリチン
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、270ng/mlを
超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、280ng/mlを超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、290ng/mlを超える血清フェリチンの平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、300ng/mlを超える血清フェリチン
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、310ng/mlを
超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、320ng/mlを超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、330ng/mlを超える血清フェリチンの平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、340ng/mlを超える血清フェリチン
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、350ng/mlを
超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、360ng/mlを超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、370ng/mlを超える血清フェリチンの平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、380ng/mlを超える血清フェリチン
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、390ng/mlを
超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。上記の限度は、効率目的でこの形式で開示
されており、上記の限度のいずれかを、任意の方法、製剤、下で開示される下限、又はこ
れらの組合せと組み合わせることができる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、400ng/ml未満から選択される血清
フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、
390ng/ml未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、380ng/ml未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実
施態様において、該クエン酸第二鉄は、370ng/ml未満の血清フェリチンの平均増加をもた
らす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、360ng/ml未満の血清フェリチ
ンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、350ng/ml
未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、340ng/ml未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様に
おいて、該クエン酸第二鉄は、330ng/ml未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。い
くつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、320ng/ml未満の血清フェリチンの平均
増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、310ng/ml未満の血
清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は
、300ng/ml未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、
該クエン酸第二鉄は、290ng/ml未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの
実施態様において、該クエン酸第二鉄は、280ng/ml未満の血清フェリチンの平均増加をも
たらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、270ng/ml未満の血清フェリ
チンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、260ng/
ml未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン
酸第二鉄は、250ng/ml未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、240ng/ml未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、230ng/ml未満の血清フェリチンの平
均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、220ng/ml未満で
ある血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第
二鉄は、210ng/ml未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様にお
いて、該クエン酸第二鉄は、200ng/ml未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いく
つかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、190ng/ml未満の血清フェリチンの平均増
加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、180ng/ml未満の血清
フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、
170ng/ml未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、160ng/ml未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実
施態様において、該クエン酸第二鉄は、150ng/ml未満の血清フェリチンの平均増加をもた
らす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、140ng/ml未満の血清フェリチ
ンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、130ng/ml
未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、120ng/ml未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様に
おいて、該クエン酸第二鉄は、110ng/ml未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。上
記の限度は、効率目的でこの形式で開示されており、上記の限度のいずれかを、任意の方
法、製剤、上で開示された上限、又はこれらの組合せと組み合わせることができる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、52週間にわたって投与したとき、
約280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295
、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309及び310mg/
dlから選択される血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、
該クエン酸第二鉄は、52週間にわたって投与したとき、302mg/dlの血清フェリチンの平均
増加をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、約1〜100%の血清フェリチンの平
均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、約10〜90%の血
清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は
、約20〜80%の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、約30〜70%の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、約40〜60%の血清フェリチンの平均増加をもたらす
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、40、41、42、43、44、45、46、47
、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59及び60%から選択される血清フェリ
チンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、48.0、
48.1、48.2、48.3、48.4、48.5、48.6、48.7、48.9、49.0、49.1、49.2、49.3、49.4、49
.5、49.6、49.7、49.8、49.9、50.0、50.1、50.2、50.3、50.4、50.5、50.6、50.7、50.8
、50.9及び50.8%から選択される血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、50.8%の血清フェリチンの平均増加をもたらす。い
くつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、52週間にわたって投与したとき、50.8
%の血清フェリチンの平均増加をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1%を超える血清フェリチンの平
均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、10%を超える血
清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は
、20%を超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、30%を超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、40%を超える血清フェリチンの平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、50%を超える血清フェリチンの平
均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、60%を超える血
清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は
、70%を超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、80%を超える血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、90%を超える血清フェリチンの平均増加をもたらす
。上記の限度は、効率目的でこの形式で開示されており、上記の限度のいずれかを、任意
の方法、製剤、下で開示される下限、又はこれらの組合せと組み合わせることができる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、100%未満の血清フェリチンの平
均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、90%未満の血清
フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、
80%未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエ
ン酸第二鉄は、70%未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様に
おいて、該クエン酸第二鉄は、60%未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつ
かの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、50%未満の血清フェリチンの平均増加をも
たらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、40%未満の血清フェリチン
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、30%未満の
血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄
は、20%未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、10%未満の血清フェリチンの平均増加をもたらす。上記の限度は、効
率目的でこの形式で開示されており、上記の限度のいずれかを、任意の方法、製剤、上で
開示された上限、又はこれらの組合せと組み合わせることができる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、52週間にわたって投与したとき、
49.0、49.1、49.2、49.3、49.4、49.5、49.6、39.7、49.8、49.9及び50.0%から選択され
る血清フェリチンの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二
鉄は、52週間にわたって投与したとき、49.2%の血清フェリチンの平均増加をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、表Cに示す血清フェリチンの平均
増加をもたらす:
表C:
Figure 2019206562
1最終観察繰越法を欠測データに用いた。
2LS平均治療差及びp値は、治療を固定効果とし、ベースラインを共変量とするANCOVAモデ
ルによって求められる。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者
、例えば、ESRD患者は、その血清フェリチンレベルの維持を経験し、その結果、その血清
フェリチンレベルは、該クエン酸第二鉄の投与の間、実質的に不変であり続ける。
(トランスフェリン飽和度(TSAT))
貯蔵鉄に加えて、通常、約3〜4mgの少量の鉄が、トランスフェリンと呼ばれるタンパク
質に結合して血漿中を循環している。したがって、血清鉄レベルは、タンパク質トランス
フェリンに結合している、血液中を循環している鉄の量で表すことができる。トランスフ
ェリンは、1個又は2個の第二鉄(鉄(III)又はFe3+)イオンに結合することができる、肝臓
によって産生される糖タンパク質である。トランスフェリンは、最も一般的かつ動的な血
液中の鉄の担体であり、したがって、全身で使用するための貯蔵鉄を輸送する身体能力の
必須構成要素である。トランスフェリン飽和度(又はTSAT)は、百分率として測定され、血
清鉄と総鉄結合能の割合に100を乗じたものとして計算される。この値は、鉄に結合する
ことができるトランスフェリンの総量に対して、どのくらいの血清鉄が実際に結合してい
るかを臨床医に知らせる。例えば、35%のTSAT値は、血液試料中のトランスフェリンの利
用可能な鉄結合部位の35%が鉄によって占められていることを意味する。非CKD患者では
、典型的なTSAT値は、男性で約15〜50%であり、女性で12〜45%である。しかしながら、C
KD患者では、トランスフェリンによって結合できる鉄の量が減少するので、TSAT値は、通
常、顕著に低下している。これは、体が鉄を吸収し、かつ貯蔵するその能力を失うために
起こる。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者
は、TSAT値の増加を経験する。いくつかの実施態様において、本開示は、それを必要とす
る患者においてトランスフェリン飽和度(TSAT)を増加させる方法であって、CKD患者、
例えば、ESRD患者又はND-CKD患者にクエン酸第二鉄を経口投与することを含む方法を提供
し、該クエン酸第二鉄は、該患者におけるTSAT値の増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、本開示は、トランスフェリン飽和度(TSAT)を増加させる方法であって、末期
腎臓病患者に210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量でクエン酸第二鉄を経口投与すること
を含む方法を提供し、該クエン酸第二鉄は、該患者におけるTSATの増加をもたらす。いく
つかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、12週間にわたって、いくつかの実施態様
において、24週間にわたって、いくつかの実施態様において、36週間にわたって、いくつ
かの実施態様において、48週間にわたって、かついくつかの実施態様において、52週間に
わたって投与される。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1〜20%のトランスフェリン飽和
度(TSAT)の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、
1〜15%のトランスフェリン飽和度(TSAT)の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、1〜12%のトランスフェリン飽和度(TSAT)の平均増加
をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、5〜12%のトランスフ
ェリン飽和度(TSAT)の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、5〜10%のトランスフェリン飽和度(TSAT)の平均増加をもたらす。いくつか
の実施態様において、該クエン酸第二鉄は、6〜9%のトランスフェリン飽和度(TSAT)の
平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、8%のトラン
スフェリン飽和度(TSAT)の平均増加をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1%を超えるトランスフェリン飽
和度(TSAT)の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は
、2%を超えるトランスフェリン飽和度(TSAT)の平均増加をもたらす。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、3%を超えるトランスフェリン飽和度(TSAT)の平
均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、4%を超えるト
ランスフェリン飽和度(TSAT)の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、5%を超えるトランスフェリン飽和度(TSAT)の平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、6%を超えるトランスフェリン飽
和度(TSAT)の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は
、7%を超えるトランスフェリン飽和度(TSAT)の平均増加をもたらす。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、8%を超えるトランスフェリン飽和度(TSAT)の平
均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、9%を超えるTSA
Tの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、10%を超
えるTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、11
%を超えるTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄
は、12%を超えるTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、13%を超えるTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該ク
エン酸第二鉄は、14%を超えるTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において
、該クエン酸第二鉄は、15%を超えるTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様に
おいて、該クエン酸第二鉄は、16%を超えるTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、17%を超えるTSATの平均増加をもたらす。いくつか
の実施態様において、該クエン酸第二鉄は、18%を超えるTSATの平均増加をもたらす。い
くつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、19%を超えるTSATの平均増加をもたら
す。上記の限度は、効率目的でこの形式で開示されており、上記の範囲のいずれかを、任
意の方法、製剤、下で開示される下限、又はこれらの組合せと組み合わせることができる
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、20%未満のトランスフェリン飽和
度(TSAT)の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、
19%未満のTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄
は、18%未満のTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第
二鉄は、17%未満のTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン
酸第二鉄は、16%未満のTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該ク
エン酸第二鉄は、15%未満のTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、
該クエン酸第二鉄は、14%未満のTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様におい
て、該クエン酸第二鉄は、13%未満のTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実施態様に
おいて、該クエン酸第二鉄は、12%未満のTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実施態
様において、該クエン酸第二鉄は、11%未満のTSATの平均増加をもたらす。いくつかの実
施態様において、該クエン酸第二鉄は、10%未満のTSATの平均増加をもたらす。いくつか
の実施態様において、該クエン酸第二鉄は、9%未満のTSATの平均増加をもたらす。いく
つかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、8%未満のTSATの平均増加をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、7%未満のTSATの平均増加をもたら
す。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、6%未満のTSATの平均増加をも
たらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、5%未満のTSATの平均増加
をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、4%未満のTSATの平均
増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、3%未満のTSATの
平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、2%未満のTSA
Tの平均増加をもたらす。上記の限度は、効率目的でこの形式で開示されており、上記の
範囲のいずれかを、任意の方法、製剤、上で開示された上限、又はこれらの組合せと組み
合わせることができる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、52週間にわたって投与したとき、
5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%及び18%
から選択されるトランスフェリン飽和度(TSAT)の平均増加をもたらす。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、52週間にわたって投与したとき、8%のトランスフ
ェリン飽和度(TSAT)の平均増加をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、表Dに示すトランスフェリン飽和
度(TSAT)の平均増加をもたらす:
表D:
Figure 2019206562
1最終観察繰越法を欠測データに用いた。
2LS平均治療差及びp値は、治療を固定効果とし、ベースラインを共変量とするANCOVAモデ
ルによって求められる。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者
、例えば、ESRD患者は、そのTSAT値の維持を経験し、その結果、そのトランスフェリン飽
和度(TSAT)の値は、該クエン酸第二鉄の投与の間、実質的に不変であり続ける。
(ヘマトクリット値)
パック細胞容積又は赤血球の体積分率とも呼ばれるヘマトクリット値は、血液中の赤血
球の体積百分率である。非CKD患者では、ヘマトクリット値は、通常、男性では血液体積
の約45%であり、女性では血液体積の約40%である。しかしながら、CKD患者では、ヘマ
トクリット値は、鉄吸収の不足及び/又は鉄貯蔵能の不足が原因で、顕著に減少している
場合が多い。
本明細書に開示されるクエン酸第二鉄をCKD患者に投与して、ヘマトクリット値を増加
させることができる。投与の正確なタイミングは、例えば、CKD患者が経験するCKDの重症
度、患者が経験しているか又は経験していない鉄吸収のレベル、及び治療を施す医療専門
家の判断によって、必然的に患者毎に異なる。いくつかの実施態様において、本開示は、
それを必要とする患者においてヘマトクリット値を増加させる方法であって、CKD患者、
例えば、ESRD患者又はND-CKD患者にクエン酸第二鉄を経口投与することを含む方法を提供
し、該クエン酸第二鉄は、該患者のヘマトクリット値の増加をもたらす。いくつかの実施
態様において、本開示は、CKD患者においてヘマトクリット値を増加させる方法であって
、該患者に210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量でクエン酸第二鉄を経口投与することを
含む方法を提供し、該クエン酸第二鉄は、該患者のヘマトクリット値の増加をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、52週間にわたって投与される。いく
つかの実施態様において、該増加は1%〜30%である。いくつかの実施態様において、該
増加は1%〜20%である。いくつかの実施態様において、該増加は1%〜15%であり、いく
つかの実施態様において、該増加は1%〜12%であり、いくつかの実施態様において、該
増加は1%〜10%であり、いくつかの実施態様において、該増加は1%〜9%であり、いく
つかの実施態様において、該増加は1%〜8%であり、いくつかの実施態様において、該増
加は1%〜7%であり、いくつかの実施態様において、該増加は1%〜6%であり、いくつか
の実施態様において、該増加は1%〜5%であり、いくつかの実施態様において、該増加は
1%〜4%であり、いくつかの実施態様において、該増加は1%〜3%であり、かついくつか
の実施態様において、該増加は1%〜2%である。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者
、例えば、ESRD患者は、そのヘマトクリットレベルの維持を経験し、その結果、その血液
中の赤血球の全体積は、該クエン酸第二鉄の投与の間、実質的に不変であり続ける。
(ヘモグロビン濃度)
平均赤血球ヘモグロビン濃度又はMCHCとも呼ばれるヘモグロビン濃度は、所与の体積の
充填赤血球中のヘモグロビンタンパク質の濃度の尺度である。これは、通常、ヘモグロビ
ンタンパク質の総量をヘマトクリット値で除することにより計算される。ヘモグロビン濃
度は、質量又は重量分率として測定し、百分率(%)として示すこともできる。しかしな
がら、血漿中の1g/mlの赤血球密度及びごくわずかなヘモグロビン損失を仮定すると、数
字上、ヘモグロビン濃度の質量又はモル濃度測定値と質量又は重量分率(%)は、同一で
ある。非CKD患者では、ヘモグロビン濃度の典型的な質量又はモル濃度測定値は、それぞ
れ、32g/dl〜36g/dl、又は4.9mmol/L〜5.5mmol/Lの範囲である。しかしながら、CKD患者
では、体が鉄を吸収し、貯蔵するその能力を失うので、ヘモグロビン濃度は大きく低下し
得る。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者
は、ヘモグロビン濃度の増加を経験する。いくつかの実施態様において、本開示は、それ
を必要とする患者においてヘモグロビン濃度を増加させる方法であって、CKD患者、例え
ば、ESRD患者又はND-CKD患者にクエン酸第二鉄を経口投与することを含む方法を提供し、
該クエン酸第二鉄は該患者におけるヘモグロビン濃度の増加をもたらす。いくつかの実施
態様において、本開示は、ヘモグロビン濃度を増加させる方法であって、CKD患者に210mg
〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量でクエン酸第二鉄を経口投与することを含む方法を提供
し、該クエン酸第二鉄は、該患者におけるヘモグロビン濃度の増加をもたらす。いくつか
の実施態様において、該クエン酸第二鉄は、12週間にわたって、いくつかの実施態様にお
いて、24週間にわたって、いくつかの実施態様において、36週間にわたって、いくつかの
実施態様において、48週間にわたって、かついくつかの実施態様において、52週間にわた
って投与される。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.1〜5.0g/dlのヘモグロビン濃度
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.1〜4.0g/
dlのヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、0.1〜3.0g/dlのヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、0.1〜2.0g/dlのヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.1〜1.0g/dlのヘモグロビン濃度
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.2〜0.9g/
dlのヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、0.3〜0.8g/dlのヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、0.3〜0.7g/dlのヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.3〜0.6g/dlのヘモグロビン濃度
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.3〜0.5g/
dlのヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、0.4g/dlのヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.1g/dlを超えるヘモグロビン濃
度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.2g/dl
を超えるヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエ
ン酸第二鉄は、0.3g/dlを超えるヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実
施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.4g/dlを超えるヘモグロビン濃度の平均増加を
もたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.5g/dlを超えるヘモグ
ロビン濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、
0.6g/dlを超えるヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において
、該クエン酸第二鉄は、0.7g/dlを超えるヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす。いく
つかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.8g/dlを超えるヘモグロビン濃度の平
均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.9g/dlを超え
るヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす。上記の限度は、効率目的でこの形式で開示さ
れており、上記の限度のいずれかを、任意の方法、製剤、下で開示される下限、又はこれ
らの組合せと組み合わせることができる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1.0g/dl未満のヘモグロビン濃度
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.9g/dl未
満のヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、0.8g/dl未満のヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、0.7g/dl未満のヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.6g/dl未満のヘモグロビン濃度
の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.5g/dl未
満のヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、0.4g/dl未満のヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、0.3g/dl未満のヘモグロビン濃度の平均増加をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、0.2g/dl未満のヘモグロビン濃度
の平均増加をもたらす。上記の限度は、効率目的でこの形式で開示されており、上記の限
度のいずれかを、任意の方法、製剤、上で開示された上限、又はこれらの組合せと組み合
わせることができる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、表Eに示すヘモグロビン濃度の平
均増加をもたらす:
表E:
Figure 2019206562
1最終観察繰越法を欠測データに用いた。
2LS平均治療差及びp値は、治療を固定効果とし、ベースラインを共変量とするANCOVAモデ
ルによって求められる。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者
、例えば、ESRD患者は、そのヘモグロビン濃度の維持を経験し、その結果、そのヘモグロ
ビンレベルは、該クエン酸第二鉄の投与の間、実質的に不変であり続ける。
(総鉄結合能(TIBC))
総鉄結合能(TIBC)は、鉄をタンパク質トランスフェリンと結合させる血液の能力の尺
度である。TIBCは、通常、血液試料を採取し、該試料が担持することができる鉄の最大量
を測定することによって測定される。したがって、TIBCは、血液中で鉄を輸送するタンパ
ク質であるトランスフェリンを間接的に測定するものである。非CKD患者では、TIBCの典
型的な質量又はモル濃度測定値は、それぞれ、250〜370μg/dL又は45〜66μmol/Lの範囲
である。しかしながら、CKD患者では、体が、鉄を赤血球前駆細胞に送達して、ヘモグロ
ビンを産生するために、より多くのトランスフェリンを産生しなければならないので、TI
BCは、通常、これらのレベルを上回って増加している。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者
は、TIBCの低下を経験する。いくつかの実施態様において、本開示は、それを必要とする
患者においてTIBCを低下させる方法であって、CKD患者、例えば、ESRD患者又はND-CKD患
者にクエン酸第二鉄を経口投与することを含む方法を提供し、該クエン酸第二鉄は該患者
のTIBCの低下をもたらす。いくつかの実施態様において、本開示は、CKD患者においてTIB
Cを低下させる方法であって、該患者に210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量でクエン酸
第二鉄を経口投与することを含む方法を提供し、該クエン酸第二鉄は、該患者のTIBCの低
下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、52週間にわたって投
与される。いくつかの実施態様において、該低下は0.1%〜30%であり、いくつかの実施
態様において、該低下は0.1%〜28%であり、いくつかの実施態様において、該低下は0.1
%〜26%であり、いくつかの実施態様において、該低下は0.1%〜25%であり、いくつか
の実施態様において、該低下は0.1%〜24%であり、いくつかの実施態様において、該低
下は0.1%〜23%であり、いくつかの実施態様において、該低下は0.1%〜22%であり、い
くつかの実施態様において、該低下は0.1%〜21%であり、いくつかの実施態様において
、該低下は0.1%〜20%であり、いくつかの実施態様において、該低下は0.1%〜15%であ
り、いくつかの実施態様において、該低下は0.1%〜10%であり、かついくつかの実施態
様において、該低下は0.1%〜5%である。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者
、例えば、ESRD患者は、そのTIBCの維持を経験し、その結果、そのTIBCレベルは、該クエ
ン酸第二鉄の投与の間、実質的に不変であり続ける。
(鉄吸収)
CKD患者は、他の健康上の懸念、例えば、鉄枯渇及び貧血につながり得る鉄吸収の低下
又は不足に苦しむことがある。ヒトでは、食品又は栄養補助食品から吸収される鉄の大部
分は、小腸で、特に、十二指腸内膜に存在する特殊な腸細胞によって十二指腸で吸収され
る。これらの細胞は、それらが腸管腔から体内に鉄を移動させるのを可能にする特殊な輸
送体分子を有する。吸収されるためには、食事に含まれる鉄は、タンパク質の一部、例え
ば、ヘムとして存在しなければならないか、又は、第一鉄(鉄(II)又はFe2+)形態でな
ければならない。腸細胞は、第二鉄(鉄(III)又はFe3+)を第一鉄に還元する第二鉄還
元酵素Dcytbを発現する。その後、二価金属輸送体タンパク質は、腸細胞の細胞膜を横切
って、細胞内に鉄を輸送する。
非CKDの人では、体は、これらの段階のうちの1以上に関連するタンパク質の発現レベル
を変化させることにより、鉄レベルを調節する。例えば、鉄欠乏性貧血に応答して、細胞
は、腸管腔から吸収される鉄の量を増加させるために、より多くのDcytb酵素及びより多
くの金属輸送体タンパク質を産生することができる。CKD患者では、これらの段階のうち
の1以上を調節する体の能力が損なわれ、これがさらに、鉄吸収の低下又は不足につなが
る。
本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者は、鉄吸収の増加を経験し得る
。いくつかの実施態様において、吸収される鉄は、該CKD患者に投与されるクエン酸第二
鉄によって提供され;腸管腔から体内に吸収されるのは、第二鉄イオンである。クエン酸
第二鉄は経口投与されるので、鉄吸収の増加は、腸を通じて生じる。いかなる理論にも束
縛されることを望まないが、鉄吸収の増加は、該CKD患者に投与されるクエン酸第二鉄中
のクエン酸塩の存在によるものであり得ると考えられる。いくつかの研究により、クエン
酸塩と組み合わせた鉄(クエン酸の共役塩基)の投与が、食事供給源から吸収される鉄の
量を顕著に(例えば、数倍)増加させるのに役立つことが示されている(例えば、Ballot
らの文献、Br. J. Nutr. (1987) 57, 331-343; Gilloolyらの文献、Br. J. Nutr. (1983)
49, 331-342; Zhangらの文献、Eur. J. Nutr. (2007) 46, 95-102;及びSalovaaraらの文
献、J. Agric. Food Chem. (2002) 50, 6233-6238を参照されたい)。
本明細書に開示されるクエン酸第二鉄をCKD患者に投与して、鉄吸収を増加させること
ができる。投与の正確なタイミングは、例えば、CKD患者が経験するCKDのステージ、患者
が経験しているか又は経験していない鉄吸収のレベル、及び治療を施す医療専門家の判断
によって、必然的に患者毎に異なる。いくつかの実施態様において、本開示は、末期腎臓
病患者において鉄吸収を増加させる方法であって、該患者にクエン酸第二鉄を経口投与す
ることを含む方法を提供し、該クエン酸第二鉄は、該患者によって吸収される鉄の量の増
加をもたらす。いくつかの実施態様において、本開示は、末期腎臓病患者において鉄吸収
を増加させる方法であって、該患者に210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量でクエン酸第
二鉄を経口投与することを含む方法を提供し、該クエン酸第二鉄は、該患者によって吸収
される鉄の量の増加をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、52
週間にわたって投与される。
(鉄欠乏及び貧血)
上述したように、先進国に住んでいる、栄養状態の良好な大部分の非CKDの人々は、何
らかの方法で(例えば、循環鉄又は貯蔵鉄又はその両方として)、その体内に約4〜5グラ
ムの鉄を貯蔵している。この量の減少は、鉄欠乏を表し、これは、CKD患者によく見られ
る。鉄欠乏の症状は、この状態が鉄欠乏性貧血に進行する前に、CKD患者で生じ得る。鉄
欠乏の症状としては、例えば、とりわけ、疲労、目眩、蒼白、脱毛、易刺激性、脱力感、
異食症、脆い爪又はすじ爪、プランマー・ヴィンソン症候群(舌、咽頭及び食道を覆う粘
膜の有痛性萎縮)、免疫機能障害、氷食症、及びレストレスレッグ症候群を挙げることが
できる。
本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者は、鉄欠乏の改善を経験し得る
。いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者
は、鉄欠乏の減少を経験する。この減少は、CKD患者の体内の鉄の総量が本明細書に開示
されるクエン酸第二鉄の投与によって増加するために起こり得る。いくつかの実施態様に
おいて、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者は、鉄欠乏の1以上の症状
の減少を経験し、該症状は、疲労、目眩、蒼白、脱毛、易刺激性、脱力感、異食症、脆い
爪又はすじ爪、プランマー・ヴィンソン症候群(舌、咽頭及び食道を覆う粘膜の有痛性萎
縮)、免疫機能障害、氷食症、レストレスレッグ症候群並びに前記の組合せから選択され
る。いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患
者は、鉄欠乏の1以上の症状の消失を経験し、該症状は、疲労、目眩、蒼白、脱毛、易刺
激性、脱力感、異食症、脆い又はすじ爪、プランマー・ヴィンソン症候群(舌、咽頭、及
び食道を覆う粘膜の有痛性萎縮)、免疫機能障害、氷食症、レストレスレッグ症候群並び
に前記の組合せから選択される。
いくつかの実施態様において、鉄欠乏は、貧血である。いくつかの実施態様において、
鉄欠乏は、鉄欠乏性貧血である。鉄欠乏性貧血は、循環赤血球のレベルの低さを特徴とし
、CKD患者では、鉄の不十分な食事摂取、吸収及び/又は貯蔵によって生じ得る。赤血球は
、ヘモグロビンタンパク質中に結合した鉄を含有し、通常、体内の鉄の量が不足している
ときは形成されない。
鉄欠乏性貧血は、通常、蒼白(皮膚及び粘膜内のオキシヘモグロビンの低下によって生
じる血色の悪さ)、疲労感、立ちくらみ、及び脱力感を特徴とする。しかしながら、鉄欠
乏性貧血の兆候は、CKD患者間で異なり得る。CKD患者における鉄欠乏はゆっくりと発症す
る傾向があるので、該疾患への適応が起こり得、これは、しばらくの間、認識されないま
ま進み得る。場合により、CKD患者は、とりわけ、呼吸困難(dyspnea)(呼吸困難(trou
ble breathing))、異食症(異常な強迫的食物渇望)、OCD型の衝動強迫及び強迫観念を
もたらす場合が多い不安症、易刺激性又は悲嘆、狭心症、便秘、眠気、耳鳴、口腔内潰瘍
、動悸、脱毛、失神又は気が遠くなる感覚、鬱病、労作時の息切れ、筋肉痙攣、淡黄色の
皮膚、ヒリヒリ感(しびれ)又は灼熱感、月経周期(複数可)の停止、月経過多期(複数
可)、社会性の発達の遅れ、舌炎(舌の炎症もしくは感染)、口角炎(口角炎症性病変)
、匙状爪(スプーン形の爪)又は弱い爪もしくは脆い爪、食欲不振、掻痒症(全身の痒み
)、プランマー・ヴィンソン症候群(舌、咽頭及び食道を覆う粘膜の有痛性萎縮)、並び
にレストレスレッグ症候群を発症し得る。
貧血は、通常、患者の血液試料から測定される全血算に基づいて診断される。通常、試
料中の赤血球の総数、ヘモグロビンレベル、及び赤血球のサイズをフローサイトメトリー
によって報告する自動計数器が利用される。しかしながら、試料中の赤血球の総数を計数
し、貧血を診断するために、顕微鏡スライド上の染色された血液スメアを、顕微鏡を用い
て調べることができる。多くの国々では、貧血の存在を決定するために、4つのパラメー
タ(赤血球数、ヘモグロビン濃度、平均赤血球体積及び赤血球分布幅)が測定される。世
界保健機関は、ヘモグロビンレベル(Hb)についての特定の閾値を設定しており、そのた
め、CKD患者のヘモグロビンレベルがその値を下回ったときに、貧血の診断を行うことが
できる。その値は:0.5〜5.0歳の子供では、Hb=11.0g/dL又は6.8mmol/L;5〜12歳の子供で
は、Hb=11.5g/dL又は7.1mmol/L;12〜15歳の十代では、Hb=12.0g/dL又は7.4mmol/L;15歳
以上の非妊娠女性では、Hb=12.0g/dL又は7.4mmol/L;妊娠女性では、Hb=11.0g/dL又は6.8
mmol/L;及び15歳を超える男性では、Hb=13.0g/dL又は8.1mmol/Lである。
本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者は、貧血の改善を経験し得る。
本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者は、鉄欠乏性貧血の改善を経験し
得る。いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD
患者は、貧血又は鉄欠乏性貧血のうちの1以上の症状の減少を経験する。いくつかの実施
態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者は、貧血又は鉄欠
乏性貧血のうちの1以上の症状の消失を経験する。いくつかの実施態様において、貧血又
は鉄欠乏性貧血のうちの1以上の症状は、蒼白、疲労、立ちくらみ、脱力感、呼吸困難、
異食症、不安症、易刺激性又は悲嘆、狭心症、便秘、眠気、耳鳴、口腔内潰瘍、動悸、脱
毛、失神又は気が遠くなる感覚、鬱病、労作時の息切れ、筋肉痙攣、淡黄色の皮膚、ヒリ
ヒリ感(しびれ)又は灼熱感、月経周期(複数可)の停止、月経過多期(複数可)、社会
性の発達の遅れ、舌炎、口角炎、匙状爪、食欲不振、掻痒症、プランマー・ヴィンソン症
候群、レストレスレッグ症候群及び前記の組合せから選択される。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者
は、ヘモグロビンレベルが閾値レベルを超えて上昇し、かつ/又は維持されるので、貧血
及び/又は鉄欠乏性貧血の改善を経験し得る。いくつかの実施態様において、CKD患者にお
いて貧血を治療する方法であって、該CKD患者にクエン酸第二鉄を経口投与することを含
む方法が開示され、該クエン酸第二鉄は、該CKD患者において11.0g/dL、11.5g/dL、12.0g
/dL、及び13.0g/dLから選択されるレベルを含む、11.0g/dL〜13.0g/dLの範囲のレベル又
はそれを上回るヘモグロビンレベルをもたらす。いくつかの実施態様において、CKD患者
において貧血を治療する方法であって、該CKD患者にクエン酸第二鉄を経口投与すること
を含む方法が開示され、該クエン酸第二鉄は、該CKD患者において6.8mmol/L、7.1mmol/L
、7.4mmol/L、及び8.1mmol/Lから選択されるレベル又はそれを上回るヘモグロビンレベル
をもたらす。いくつかの実施態様において、男性CKD患者において貧血を治療する方法で
あって、該男性CKD患者にクエン酸第二鉄を経口投与することを含む方法が開示され、該
クエン酸第二鉄は、該男性CKD患者において13.0g/dL及び8.1mmol/Lから選択されるレベル
又はそれを上回るヘモグロビンレベルをもたらす。いくつかの実施態様において、女性CK
D患者において貧血を治療する方法であって、該女性CKD患者にクエン酸第二鉄を経口投与
することを含む方法が開示され、該クエン酸第二鉄は、該女性CKD患者において12.0g/dL
及び7.4mmol/Lから選択されるレベル又はそれを上回るヘモグロビンレベルをもたらす。
いくつかの実施態様において、CKD患者において貧血を治療する方法で使用するための
クエン酸第二鉄が開示され、該クエン酸第二鉄は、該CKD患者において11.0g/dL、11.5g/d
L、12.0g/dL、及び13.0g/dLから選択されるレベルを含む、11.0g/dL〜13.0g/dLの範囲の
レベル又はそれを上回るヘモグロビンレベルをもたらす。いくつかの実施態様において、
CKD患者において貧血を治療する方法で使用するためのクエン酸第二鉄が開示され、該ク
エン酸第二鉄は、該CKD患者において6.8mmol/L、7.1mmol/L、7.4mmol/L、及び8.1mmol/L
から選択されるレベル又はそれを上回るヘモグロビンレベルをもたらす。いくつかの実施
態様において、男性CKD患者において貧血を治療する方法で使用するためのクエン酸第二
鉄が開示され、該クエン酸第二鉄は、該男性CKD患者において13.0g/dL及び8.1mmol/Lから
選択されるレベル又はそれを上回るヘモグロビンレベルをもたらす。いくつかの実施態様
において、女性CKD患者において貧血を治療する方法で使用するためのクエン酸第二鉄が
開示され、該クエン酸第二鉄は、該女性CKD患者において12.0g/dL及び7.4mmol/Lから選択
されるレベル又はそれを上回るヘモグロビンレベルをもたらす。
(静注鉄)
CKD患者は、鉄欠乏のリスクがあり得るか、又は鉄欠乏を罹患し得る。鉄欠乏症又は低
鉄血症とも呼ばれる鉄欠乏は、よくあるタイプの栄養欠乏であり、体が腸管腔から鉄を吸
収し、かつ/又は長期使用のために鉄を貯蔵するその能力を失うために、CKD患者で起こり
得る。体内の鉄の損失又は減少が、例えば、食事からの十分な鉄の摂取によって補われな
い場合、鉄欠乏が時間とともに発症し得る。鉄欠乏の状態が治されないままでいると、鉄
欠乏性貧血に至り得る。したがって、未治療の長期の鉄欠乏の直接的な結果は、鉄欠乏性
貧血、場合によっては、貧血であり得る。
CKD患者では、通常、鉄欠乏性貧血を治療することが可能な手段が3つある。第一の手法
は、鉄を豊富に含む食品を食べることによるものである。それで不十分ならば、臨床医は
、経口鉄補給剤を処方してもよい。しかしながら、多くの経口鉄補給剤は、CKD患者にお
いて数々の有害な副作用を引き起こし、患者のノンコンプライアンスをもたらす。CKD患
者が経口鉄補給剤を服用することができない場合、該患者は静注鉄補給を受けなければな
らない可能性がある。
静注(IV)鉄補給は、筋肉を通じて、又は静脈内への針による注射によって、鉄を送達
する方法である。IV鉄を受け取っているCKD患者は、経口鉄を服用することができないの
で、通常、そのようにする。特に、ESRD患者は透析を受けており、透析中に血液を失う場
合が多い。これらの患者は、通常、赤血球生成刺激剤(ESA−下記参照)も服用しており
、それが利用で、同じく追加の鉄を必要とする場合がある。静注鉄は、鉄溶液を含有する
IVバッグに取り付けられている針を通してCKD患者の静脈内に送達される。処置は医院又
は診療所で行われ、医師が処方した治療によっては、最長で数時間かかる場合がある。CK
D患者は、通常、その鉄レベルが妥当なものとなるまで、数回の診察にわたって鉄注射を
受ける。場合により、CKD患者は、恒久的なIV鉄補給を必要とする場合がある。
IVの鉄補給の副作用としては、とりわけ、吐き気及び痙攣を含む胃腸痛;呼吸困難;発
疹を含む皮膚の問題;胸痛;低血圧;並びにアナフィラキシーが挙げられる。
本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者は、IV鉄補給の必要性の減少を
経験し得る。いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療され
るCKD患者は、累積IV鉄補給の減少を経験する。いくつかの実施態様において、本開示は
、それを必要とする患者において静注(IV)鉄の使用を低下させる方法であって、CKD患
者、特に、ESRD患者にクエン酸第二鉄を経口投与することを含む方法を提供し、該クエン
酸第二鉄は、該患者におけるIV鉄使用の低下をもたらす。いくつかの実施態様において、
本開示は、末期腎臓病患者において静注(IV)鉄の使用を低下させる方法であって、該患
者に210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量でクエン酸第二鉄を経口投与することを含む方
法を提供し、該クエン酸第二鉄は、該患者におけるIV鉄使用の低下をもたらす。いくつか
の実施態様において、該クエン酸第二鉄は、52週間にわたって投与される。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1〜100%の平均累積IV鉄摂取の平
均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、10〜90%の平均
累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は
、20〜80%の平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、30〜70%の平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。上記の範囲は、
効率目的でこの形式で開示されており、上記の範囲のいずれかを、任意の方法、製剤、又
はこれらの組合せと組み合わせることができる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、40〜60%の平均累積IV鉄摂取の平
均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、50、51、52、53
、54、55、56、57、58、59及び60%から選択される平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたら
す。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、51.0、51.1、51.2、51.3、51.4
、51.5、51.6、51.7、51.9及び52.0%から選択される平均累積IV鉄摂取の平均低下をもた
らす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、51.6%の平均累積IV鉄摂取の
平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、52週間にわた
って投与したとき、51.6%の平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、10%を超える平均累積IV鉄摂取の
平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、20%を超える
平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二
鉄は、30%を超える平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様におい
て、該クエン酸第二鉄は、40%を超える平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつ
かの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、50%を超える平均累積IV鉄摂取の平均低下
をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、100%未満から選択される平均累
積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、
90%未満の平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該ク
エン酸第二鉄は、80%未満の平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態
様において、該クエン酸第二鉄は、70%未満の平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、60%未満の平均累積IV鉄摂取の平均
低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、50%未満の平均累
積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、
40%未満の平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該ク
エン酸第二鉄は、30%未満の平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態
様において、該クエン酸第二鉄は、20%未満の平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、10%未満の平均累積IV鉄摂取の平均
低下をもたらす。上記の限度は、効率目的でこの形式で開示されており、上記の限度のい
ずれかを、任意の方法、製剤、上で開示された上限、又はこれらの組合せと組み合わせる
ことができる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、60%を超える平均累積IV鉄摂取の
平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、70%を超える
平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二
鉄は、%を超える平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において
、該クエン酸第二鉄は、90%を超える平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。上記の限
度は、効率目的でこの形式で開示されており、上記の限度のいずれかを、任意の方法、製
剤、下で開示される下限、又はこれらの組合せと組み合わせることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者
、例えば、ESRD患者は、必要とされるIV鉄補給の量の維持を経験し、その結果、該CKD患
者が受け取るIV鉄補給の総量は、該クエン酸第二鉄の投与の間、実質的に不変であり続け
る。
(赤血球生成刺激剤)
上記のCKD患者における鉄欠乏性貧血を制御する手段に加えて、CKD患者、特に、ESRD患
者は、貧血を制御する試みで、1以上の赤血球生成刺激剤(ESA)を服用することもできる
。ESAは、体が赤血球を産生するのを助けることによって作用する。これらの赤血球は、
その後、骨髄から血流中に放出され、そこで血液鉄レベルの維持を助ける。一般にESAと
略記される赤血球生成刺激剤は、体内での赤血球産生(赤血球生成)を刺激するサイトカイ
ンであるエリスロポエチンと構造及び/又は機能が類似している薬剤である。典型的なESA
は、構造的かつ生物学的に、天然タンパク質のエリスロポエチンと類似している。市販の
ESAの例としては、エリスロポエチン(Epo)、エポエチンアルファ(プロクリット(Procrit
)/エポゲン(Epogen))、エポエチンベータ(ネオレコルモン)、ダルべポエチンアルファ
(アラネスプ(Aranesp))、及びメトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ(ミ
ルセラ(Mircera))が挙げられる。米国での販売が現在許可されている2つのESAは、エポ
エチンアルファ(プロクリット、エポゲン)、及びダルべポエチンアルファ(アラネスプ)で
ある。
ESAは、一般に、ESRD患者に投与される。これらの患者は、十分なエリスロポエチンを
産生することができないので、通常、ヘモグロビンレベルがより低い。ESA使用によって
最もよく生じる副作用としては、とりわけ:高血圧;腫脹;発熱;目眩;吐き気;及び注射部位
での疼痛が挙げられる。これらの副作用に加えて、ESA使用によって生じるいくつかの安
全性の問題がある。ESAは、静脈血栓塞栓症(静脈内の血栓)のリスクを高める。ESAは、ヘ
モグロビンをあまりに高く上昇させることもあり、これにより、患者の心臓発作、脳卒中
、心不全、及び死のリスクがより高まる。
本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者は、ヘモグロビンレベルを維持
するために必要とされるESAの量の減少を経験し得る。いくつかの実施態様において、本
明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者は、ESA使用の減少を経験する。いく
つかの実施態様において、本開示は、CKD患者、特に、ESRD患者においてESA使用を低下さ
せる方法であって、該患者にクエン酸第二鉄を経口投与することを含む方法を提供し、該
クエン酸第二鉄は、該患者におけるESA使用の低下をもたらす。いくつかの実施態様にお
いて、本開示は、末期腎臓病患者においてESA使用を低下させる方法であって、該患者に2
10mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量でクエン酸第二鉄を経口投与することを含む方法を
提供し、該クエン酸第二鉄は、該患者におけるESA使用の低下をもたらす。いくつかの実
施態様において、該クエン酸第二鉄は、52週間にわたって投与される。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1〜50%となるESA摂取中央値の減
少をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、10〜40%となるESA
摂取中央値の減少をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、20〜
30%となるESA摂取中央値の減少をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29及び30%から選択されるESA摂取中
央値の減少をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、27.0、27.1
、27.2、27.3、27.4、27.5、27.6、27.7、27.9及び28.0%から選択されるESA摂取中央値の
減少をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、27.1%のESA摂取中
央値の減少をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、52週間にわ
たって投与したとき、27.1%のESA摂取中央値の減少をもたらす。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、20%を超える平均累積IV鉄摂取の
平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、21%を超える
平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二
鉄は、22%を超える平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様におい
て、該クエン酸第二鉄は、23%を超える平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつ
かの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、24%を超える平均累積IV鉄摂取の平均低下
をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、25%を超える平均累積
IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、26
%を超える平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該ク
エン酸第二鉄は、27%を超える平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、28%を超える平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたら
す。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、29%を超える平均累積IV鉄摂取
の平均低下をもたらす。上記の限度は、効率目的でこの形式で開示されており、上記の限
度のいずれかを、任意の方法、製剤、下で開示される下限、又はこれらの組合せと組み合
わせることができる。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、30%未満である平均累積IV鉄摂取
の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、29%未満で
ある平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、28%未満である平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、27%未満である平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、26%未満である平均累積IV鉄摂取
の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、25%未満で
ある平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸
第二鉄は、24%未満である平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、23%未満である平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、22%未満である平均累積IV鉄摂取
の平均低下をもたらす。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、21%未満で
ある平均累積IV鉄摂取の平均低下をもたらす。上記の限度は、効率目的でこの形式で開示
されており、上記の限度のいずれかを、任意の方法、製剤、上で開示された上限、又はこ
れらの組合せと組み合わせることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者
、特に、ESRD患者は、ヘモグロビンレベルを維持するために必要とされるESAの量の維持
を経験し、その結果、該患者によるESA使用の総量は、該クエン酸第二鉄の投与の間、実
質的に不変であり続ける。
(有害心臓事象)
心臓血管疾患は、慢性腎臓病(CKD)患者における死亡のよくある原因である。CKD患者
においてアテローム性動脈硬化症の伝統的な危険因子の高い有病率にもかかわらず、心不
全、不整脈、及び心臓突然死は、冠動脈疾患(CAD)に比べて、CKD患者における心血管関
連死亡率の不釣り合いに大きな負担になっている。左心室肥大(LVH)及び左心室機能不
全は、CKDにおける心血管傷害の一般的な非アテローム性動脈硬化症のメカニズムである
。冠動脈疾患、左心室肥大(LVH)及び心不全(HF)を含む心疾患は、慢性腎臓病(CKD)
患者で一般的である。LVHは、糸球体濾過量(GFR)が低下するにつれて、かつ透析耐容性
(dialysis vintage)の増加と共にますます増えるように思われる。LVHは、まだ透析を
行っていない慢性腎臓病(CKD)患者の47%ほどに見られ、腎機能の程度がますます低い
人々では有病率が高く、LVHは重篤である(Elias MF, Sullivan LM, Elias PKらの文献、
フラミンガム子孫における左心室質量、血圧、及び認知能力の低下(Left ventricular m
ass, blood pressure, and lowered cognitive performance in the Framingham offspri
ng)、Hypertension 2007; 49:439; Barrios V, Escobar C, Calderon A,らの文献、高血
圧集団におけるコーネル電圧期間製品(Cornell voltage-duration product)によって検
出される左心室肥大の有病率(Prevalence of left ventricular hypertrophy detected
by Cornell voltage-duration product in a hypertensive population)、Blood Press
2008; 17:110; Ang D, Lang C.らの文献、高血圧におけるECGの予後値:我々は今どこにい
るのか?(The prognostic value of the ECG in hypertension: where are we now?)、
J Hum Hypertens 2008; 22: 460; Levy D, Garrison RJ, Savage DD,らの文献、フラミン
ガム心臓研究における心エコーによって決定される左心室質量の予後の影響(Prognostic
implications of echocardiographically determined left ventricular mass in the F
ramingham Heart Study)、 N Engl J Med 1990; 322: 1561)。求心性LVHは、透析の開始
時に患者の42%において(Koren MJ, Devereux RB, Casale PN,らの文献、合併症のない
本態性高血圧症における罹患率及び死亡率と左心室の質量及び形状の関係(Relation of
left ventricular mass and geometry to morbidity and mortality in uncomplicated e
ssential hypertension)、Ann Intern Med 1991; 114: 345))並びに10年間血液透析を
続けている75%もの患者において(Verdecchia P, Carini G, Circo A,らの文献、本態性
高血圧症における左心室質量と心血管疾患の罹患率(Left ventricular mass and cardio
vascular morbidity in essential hypertension):ナビ研究(the MAVI study). J Am
Coll Cardiol 2001; 38: 1829)心エコー検査により立証されている。
LVHは、CKD患者における死亡率の重要な予測因子であり、貧血は、CKDにおけるLVH及び
HFの発症及び進行、並びに死亡率を含む有害心血管転帰の発症及び進行に関する、重要で
、独立した危険因子として浮上している(Verdecchia P, Carini G, Circo A,らの文献、
本態性高血圧症における左心室質量と心血管疾患の罹患率(Left ventricular mass and
cardiovascular morbidity in essential hypertension):ナビ研究(the MAVI study)
、J Am Coll Cardiol 2001; 38: 1829; Beache GM, Herzka DA, Boxerman JL,らの文献、
酸素依存磁気共鳴イメージングによって明らかにされた高血圧肥大症患者における心筋の
血管拡張反応の減弱(Attenuated myocardial vasodilator response in patients with
hypertensive hypertrophy revealed by oxygenation-dependent magnetic resonance im
aging)、Circulation 2001; 104: 1214; Carluccio E, Tommasi S, Bentivoglio M,らの
文献、最初の合併症を伴わない心筋梗塞患者における左室肥大と形状の予後値(Prognost
ic value of left ventricular hypertrophy and geometry in patients with a first,
uncomplicated myocardial infarction)、Int J Cardiol 2000; 74:177)。
LVHの存在は、心不全、心室性不整脈、心筋梗塞後の死亡、LV駆出率の低下、心臓突然
死、大動脈基部拡張、及び脳血管事象の発症率の増加と関連しているため、臨床的に重要
である。一般的に、LVHを伴う心不全の発症は、左室収縮機能の低下及び/又は拡張機能障
害に起因する。左心室リモデリングの有害な影響は、顕性心不全への進行の重要な決定要
因であり得る。
理論に束縛されることを意図するものではないが、貧血及びLVHの発達との関係を説明
できる潜在的なメカニズムには、おそらく筋細胞壊死及びアポトーシスの増加、貧血に関
連した心拍出量の増加及び全身血管抵抗の減少、酸化ストレスの増加、並びに交感神経系
の活性化につながる心筋への酸素送達の低下の影響が含まれる(Burke AP, Farb A, Liang
YH,らの文献、心臓突然死における冠動脈の形態に対する高血圧及び心臓肥大の影響(Ef
fect of hypertension and cardiac hypertrophy on coronary artery morphology in su
dden cardiac death)、Circulation 1996; 94: 3138; Norton GR, Woodiwiss AJ, Gaasc
h WH,らの文献、圧負荷肥大における心不全、心室リモデリング及び心筋機能障害の相対
的な役割(Heart failure in pressure overload hypertrophy. The relative roles of
ventricular remodeling and myocardial dysfunction)、J Am Coll Cardiol 2002; 39:
664; Gardin JM, McClelland R, Kitzman D,らの文献、高齢者コホートにおける冠動脈
性心疾患、脳卒中、うっ血性心不全、及び死亡率の6〜7年の発症のMモード心エコー予測
因子(M-mode echocardiographic predictors of six- to seven-year incidence of cor
onary heart disease, stroke, congestive heart failure, and mortality in an elder
ly cohort(心臓血管の健康調査(the Cardiovascular Health Study))、Am J Cardiol
2001; 87: 1051)。
CKDでは、重篤度が増している貧血は、CKD及び心疾患の患者におけるより高頻度で、重
篤なLVH、LV拡張、HF、及び全心臓の予後不良と関連している。CKDにおける貧血の増加が
、LVH及び心不全の重篤度の増加と関連していることを考慮すると、本開示の態様に従っ
て、貧血に関連する欠乏の修正は、HF及びLVHの臨床的特徴に有益な影響を及ぼす。これ
には、HFの臨床症状並びにLVHのその後の発症及び進行が含まれる。
いくつかの、ほとんど制御されていない短期的な研究により、HF及びCKDの患者におい
てエリスロポエチンを用いて約10〜12g/dLのHgbレベルまで貧血を改善すると、HFの臨床
症状が改善され、入院の割合が減少することが示唆された(Pierdomenico SD, Lapenna D
, Cuccurullo F.らの文献、(本態性高血圧症患者における心血管リスクを低下させる治
療の2年後の心エコー左心室肥大の回帰(Regression of echocardiographic left ventri
cular hypertrophy after 2 years of therapy reduces cardiovascular risk in patien
ts with essential hypertension)、Am J Hypertens 2008; 21:464)。しかしながら、
エリスロポエチンの使用に関連するむしろ予想外の有害転帰を考慮すると、正常又はほぼ
正常なHgbレベルを満たすことを目的としたエリスロポエチン治療による罹患率及び/又は
死亡率のリスクが患者において増加する可能性がある。
LVHは、それ自体はCKD患者における心血管の有害転帰の有力な予後マーカーであるが、
一部の患者においてHgbレベルが10g/dL未満から最高で10g/dL以上のレベルまで改善する
ことで消失するように思われる。再び、限定することを意図するものではないが、Hgbが
より正常なレベルまでさらに上昇すると、LVHのさらなる退行又は臨床的改善がもたらさ
れるとは考えられない。LVHのベースラインの幾何は、LVH患者における貧血是正に対する
その後の臨床応答を決定する上で重要な因子であり得る。
線維芽細胞増殖因子23(FGF-23)レベルの上昇は、心血管疾患の新規な危険因子として
理解されるようになってきた。FGF-23レベルの上昇は、CKD及び非CKD集団における、診断
されている(prevalent)及び新規診断の(incident)LVH、心血管疾患事象、並びに死亡
率と独立して関連している。さらに、最近の研究により、FGF-23がLVHを直接誘導するこ
とが実証され、FGF-23は、単なる心血管系リスクのバイオマーカーではないことが示唆さ
れた(Faul C, Amaral AP, Oskouei B,らの文献、FGF23は左心室肥大を誘導する(FGF23
induces left ventricular hypertrophy)、J Clin Invest. 2011;121(11):4393-4408)
FGF23レベルの上昇は、CKDにおいて正常範囲内に血清リン酸塩を維持するのに役立ち、
FGF-23濃度は、推定糸球体濾過量(eGFR)の減少と共に増加し、より大きなネフロン単位
のリン酸塩排泄を刺激し、1,25-ジヒドロキシビタミンDレベルを減少させることによって
、腎質量が減少するにもかかわらず、正常なリン酸塩の恒常性維持に役立つ。非経口鉄は
、尿細管リン酸塩再吸収及びビタミンDの1-α-ヒドロキシル化を抑制するので、結果とし
て低リン血症になる。データによって、低リン血症がFGF23の増加によって媒介されるこ
とが示されている。
透析前のCKD、新規診断のESRD及び既に診断されているESRD、並びに腎移植レシピエン
トの集団での前向き研究により、FGF23レベルの上昇は、CKDの進行及び心血管事象の発症
並びに死亡率と独立して関連していることが示されている。もともとはこれらの観察は、
リン酸塩に起因する毒性の高感度バイオマーカーとして働くFGF23レベルの上昇によるも
のと考えられていた。しかしながら、FGF23自体は、心臓において「オフターゲット」で
、直接的な末端臓器毒性を媒介することが現在示されており、FGF23レベルの上昇がCKDに
おける有害転帰の新たなメカニズムであり得ることを示唆している。
さらに別の態様において、本開示は、慢性腎臓病を有する対象において有害心臓事象を
治療する方法、又は有害心臓事象の発生率もしくはリスクを低下させる方法を提供する。
他の実施態様において、本開示は、慢性腎臓病を有する対象において有害心臓事象に関連
する死亡率及び有病率を低下させる方法を提供する。他の実施態様において、本開示は、
慢性腎臓病を有する対象において有害心臓事象に関連する入院の頻度又はリスクを低下さ
せる方法を提供する。いくつかの実施態様において、本方法は、CKDを有する対象、例え
ば、非透析慢性腎臓病患者又は末期腎臓病患者に1日当たり約1g〜約18gの範囲の量でクエ
ン酸第二鉄を経口投与することを含む。いくつかの実施態様において、本方法は、CKDを
有する対象、例えば、非透析慢性腎臓病患者又は末期腎臓病患者に1日当たり約6g〜約12g
の範囲の量でクエン酸第二鉄を経口投与することを含む。いくつかの実施態様において、
本方法は、対象のヘモグロビンレベルを、例えば、10g/dLを超える、11g/dLを超える、12
g/dLを超える、又は13g/dLを超えるレベルまで上昇させることを含む。他の実施態様にお
いて、本方法は、対象のFGF-23レベルを、例えば、少なくとも30%、少なくとも32%、少
なくとも35%、少なくとも37%だけ低下させることを含む。特定の実施態様において、血
清又は血漿中の無傷FGF-23レベルが測定される。他の実施態様において、CKD患者の血清
又は血漿中のFGF-23のC末端断片が測定される。いくつかの実施態様において、CKD患者の
血清又は血漿中の無傷FGF-23及びFGF-23のC-末端断片が測定される。当業者に公知の又は
本明細書に記載の技術、例えば、ウェスタンブロット、ELISA及び他のイムノアッセイな
どを用いて、無傷FGF-23及び/又はFGF-23のC-末端断片を測定することができる。特定の
方法において、本方法は、血清リン酸塩濃度を低下させることを含む。
有害心臓事象には、例えば、心エコー又はECG基準、例えば、Sokolow-Lyon振幅(Sokol
ow-Lyon Amplitude)、コーネル振幅(Cornell Amplitude)、Sokolow-Lyon積(Sokolow-
Lyon Product)、又はコーネル積(Cornell Product)によって測定されるような心不全
、心室性不整脈、心筋梗塞(MI)、左心室(LV)駆出率の低下、心臓突然死、大動脈基部
拡張、脳血管事象(脳卒中)、左心室肥大(LVH)が含まれ得る。
特定の実施態様において、CKD患者における1以上の有害心臓事象の発生率を低下させる
方法であって、該患者にクエン酸第二鉄を投与することを含む方法を本明細書に提供する
。特定の実施態様において、CKD患者における1以上の有害心臓事象と関連する1以上の症
状の数及び/又は発症を低下させる方法であって、該患者にクエン酸第二鉄を投与するこ
とを含む方法を本明細書に提供する。特定の実施態様において、CKD患者における1以上の
有害心臓事象を防止するか、又は1以上の有害心臓事象と関連する1以上の症状の発症を防
止する方法であって、該患者にクエン酸第二鉄を投与することを含む方法を本明細書に提
供する。一実施態様において、該有害心臓事象は心不全である。別の実施態様において、
該有害心臓事象は心室性不整脈である。別の実施態様において、該有害心臓事象は心筋梗
塞(MI)である。別の実施態様において、該有害事象は左心室(LV)駆出率の低下である
。別の実施態様において、該有害事象は心臓突然死である。別の実施態様において、該有
害事象は大動脈基部拡張である。別の実施態様において、該有害事象は脳血管事象(脳卒
中)である。具体的な実施態様において、該有害事象は左心室肥大(LVH)である。
具体的な実施態様において、CKD患者における1以上の有害心臓事象を治療する方法であ
って、(a)1以上の有害心臓事象についてCKD患者を評価すること、及び(b)1以上の有
害心臓事象と診断されたCKD患者にクエン酸第二鉄を投与すること、を含む方法を本明細
書に提供する。いくつかの実施態様において、CKD患者における1以上の有害心臓事象を治
療する方法であって、(a)FGF-23レベル(例えば、無傷FGF-23及び/もしくはFGF-23のC-
末端断片)について1以上の有害心臓事象と診断されたCKD患者を評価すること、並びに(
b)FGF-23レベル(例えば、無傷FGF-23及び/もしくはFGF-23のC-末端断片)が上昇した1
以上の有害心臓事象と診断されたCKD患者にクエン酸第二鉄を投与すること、を含む方法
を本明細書に提供する。具体的な実施態様において、1以上の有害心臓事象の治療方法は
、1以上の有害心臓事象と関連する症状の数を低下させ、かつ/又は1以上の有害心臓事象
と関連する1以上の症状の発症を防止する。一実施態様において、この段落で開示される
方法に従って、1日当たり該患者に投与されるクエン酸第二鉄の用量は、(i)FGF-23レベ
ル(例えば、無傷FGF-23及び/もしくはFGF-23のC-末端断片)が該CKD患者において低下し
ている場合には低下するか、もしくは維持され、又は(ii)FGF-23レベル(例えば、無傷
FGF-23及び/もしくはFGF-23のC-末端断片)が該CKD患者において低下しなかった場合には
増加し得る。別の実施態様において、この段落で開示される方法に従って、該患者に投与
されるクエン酸第二鉄の用量は、(i)鉄貯蔵パラメータ(例えば、ヘモグロブリン濃度、
血清フェリチンレベル、及び/もしくはトランスフェリン飽和度)のうちの1つ、2つ又は
それ以上が非CKD患者(例えば、健康なヒト)の正常範囲内のレベルを超えた場合には低
下し、(ii)FGF-23レベル(例えば、無傷FGF-23及び/もしくはFGF-23のC-末端断片)が
該CKD患者において低下し、かつ鉄貯蔵パラメータ(例えば、ヘモグロブリン、血清フェ
リチン、及び/もしくはトランスフェリン飽和度)のうちの1つ、2つ又はそれ以上が非CKD
患者(例えば、健康なヒト)の正常範囲内のレベルを超えた場合には低下し、かつ(iii
)該CKD患者におけるFGF-23レベル(例えば、無傷FGF-23及び/もしくはFGF-23のC-末端断
片)が、正常な健康なヒトの範囲のFGF-23レベル(例えば、無傷FGF-23及び/もしくはFGF
-23のC-末端断片)と比較してなお上昇しているか、又は該CKD患者におけるFGF-23レベル
(例えば、無傷FGF-23及び/もしくはFGF-23のC-末端断片)が、少なくとも15%、20%、
もしくは30%減少しなかった場合には増加し、或いは(iv)鉄貯蔵パラメータ(例えば、
ヘモグロブリン濃度、血清フェリチンレベル、及び/もしくはトランスフェリン飽和度)
のうちの1つ、2つ又はそれ以上が、非CKD患者(例えば、健康なヒト)の正常範囲内のレ
ベルを超えず、該CKD患者におけるFGF-23レベルが正常な健康なヒトの範囲のFGF-23レベ
ル(例えば、無傷FGF-23及び/もしくはFGF-23のC-末端断片)と比較してなお上昇してい
るか、又は該CKD患者におけるFGF-23レベル(例えば、無傷FGF-23及び/もしくはFGF-23の
C-末端断片)が、少なくとも15%、20%、もしくは30%減少しなかった場合には増加し得
る。特定の実施態様において、この段落で開示される方法に従って、該CKD患者は、1以上
の有害心臓事象の進行についても監視される。一実施態様において、該有害心臓事象は心
不全である。別の実施態様において、該有害心臓事象は心室性不整脈である。別の実施態
様において、該有害心臓事象は心筋梗塞(MI)である。別の実施態様において、該有害事
象は左心室(LV)駆出率の低下である。別の実施態様において、該有害事象は心臓突然死
である。別の実施態様において、該有害事象は大動脈基部拡張である。別の実施態様にお
いて、該有害事象は脳血管事象(脳卒中)である。具体的な実施態様において、該有害事
象は左心室肥大(LVH)である。
特定の実施態様において、CKD患者における1以上の有害心臓事象を治療する方法であっ
て、(a)1以上の有害心臓事象についてCKD患者を評価すること、(b)1以上の有害心臓
事象と診断されたCKD患者にクエン酸第二鉄を投与すること、並びに(c)次の(i)1以上の
鉄貯蔵パラメータ、(ii)FGF-23レベル(例えば、無傷FGF-23及び/もしくはFGF-23のC-
末端断片)、及び/もしくは(iii)血清リンレベルのうちの1つ、2つ、又は全部について
該CKD患者を監視すること、を含む方法を本明細書に提供する。いくつかの実施態様にお
いて、CKD患者における1以上の有害心臓事象を治療する方法であって、(a)FGF-23レベ
ル(例えば、無傷FGF-23及び/もしくはFGF-23のC-末端断片)について1以上の有害心臓事
象と診断されたCKD患者を評価すること、(b)FGF-23レベル(例えば、無傷FGF-23及び/
もしくはFGF-23のC-末端断片)が上昇している1以上の有害心臓事象と診断されたCKD患者
にクエン酸第二鉄を投与すること、並びに(c)次の(i)1以上の鉄貯蔵パラメータ、(ii
)FGF-23レベル(例えば、無傷FGF-23及び/もしくはFGF-23のC-末端断片)、及び/もしく
は(iii)リン酸塩レベルのうちの1つ、2つ、又は全部について該CKD患者を監視すること
、を含む方法を本明細書に提供する。具体的な実施態様において、1以上の有害心臓事象
を治療する方法は、1以上の有害心臓事象と関連する症状の数を低下させ、かつ/又は1以
上の有害心臓事象と関連する1以上の症状の発症を防止する。一実施態様において、この
段落で開示される方法に従って、1日当たり該患者に投与されるクエン酸第二鉄の用量は
、(i)FGF-23レベル(例えば、無傷FGF-23及び/もしくはFGF-23のC-末端断片)が該CKD
患者において低下している場合には低下するか、もしくは維持され、又は(ii)FGF-23レ
ベル(例えば、無傷FGF-23及び/もしくはFGF-23のC-末端断片)が該CKD患者において低下
しなかった場合には増加し得る。別の実施態様において、この段落で開示される方法に従
って、該患者に投与されるクエン酸第二鉄の用量は、(i)鉄貯蔵パラメータ(例えば、ヘ
モグロブリン濃度、血清フェリチンレベル、及び/もしくはトランスフェリン飽和度)の
うちの1つ、2つ又はそれ以上が非CKD患者(例えば、健康なヒト)の正常範囲内のレベル
を超えた場合には低下し、(ii)FGF-23レベル(例えば、無傷FGF-23及び/もしくはFGF-2
3のC-末端断片)が該CKD患者において低下し、かつ鉄貯蔵パラメータ(例えば、ヘモグロ
ブリン、血清フェリチン、及び/もしくはトランスフェリン飽和度)のうちの1つ、2つ又
はそれ以上が非CKD患者(例えば、健康なヒト)の正常範囲内のレベルを超えた場合には
低下し、かつ(iii)該CKD患者におけるFGF-23レベル(例えば、無傷FGF-23及び/もしく
はFGF-23のC-末端断片)が、正常な健康なヒトの範囲のFGF-23レベル(例えば、無傷FGF-
23及び/もしくはFGF-23のC-末端断片)と比較してなお上昇しているか、又は該CKD患者に
おけるFGF-23レベル(例えば、無傷FGF-23及び/もしくはFGF-23のC-末端断片)が、少な
くとも15%、20%、もしくは30%減少しなかった場合には増加し、或いは(iv)鉄貯蔵パ
ラメータ(例えば、ヘモグロブリン濃度、血清フェリチンレベル、及び/もしくはトラン
スフェリン飽和度)のうちの1つ、2つもしくはそれ以上が、非CKD患者(例えば、健康な
ヒト)の正常範囲内のレベルを超えず、かつ該CKD患者におけるFGF-23レベル(例えば、
無傷FGF-23及び/もしくはFGF-23のC-末端断片)が正常な健康なヒトの範囲のFGF-23レベ
ル(例えば、無傷FGF-23及び/もしくはFGF-23のC-末端断片)と比較してなお上昇してい
るか、又は該CKD患者におけるFGF-23レベル(例えば、無傷FGF-23及び/もしくはFGF-23の
C-末端断片)が、少なくとも15%、20%、もしくは30%減少しなかった場合には増加し得
る。特定の実施態様において、この段落で開示される方法に従って、該CKD患者は、1以上
の有害心臓事象の進行についても監視される。一実施態様において、該有害心臓事象は心
不全である。別の実施態様において、該有害心臓事象は心室性不整脈である。別の実施態
様において、該有害心臓事象は心筋梗塞(MI)である。別の実施態様において、該有害事
象は左心室(LV)駆出率の低下である。別の実施態様において、該有害事象は心臓突然死
である。別の実施態様において、該有害事象は大動脈基部拡張である。別の実施態様にお
いて、該有害事象は脳血管事象(脳卒中)である。具体的な実施態様において、該有害事
象は左心室肥大(LVH)である。
特定の実施態様において、CKD患者における1以上の有害心臓事象を防止するか、又はCK
D患者における1以上の有害心臓事象と関連する1以上の症状の発症を防止する方法であっ
て、(a)FGF-23レベル(例えば、無傷FGF-23及び/もしくはFGF-23のC-末端断片)につい
てCKD患者を評価すること、(b)FGF-23レベル(例えば、無傷FGF-23及び/もしくはFGF-2
3のC-末端断片)が上昇したCKD患者にクエン酸第二鉄を投与すること、並びに(c)次の(
i)1以上の鉄貯蔵パラメータ、(ii)FGF-23レベル(例えば、無傷FGF-23及び/もしくはFG
F-23のC-末端断片)、及び/もしくは(iii)血清リンレベルのうちの1つ、2つ、又は全部
について該CKD患者を監視すること、を含む方法を本明細書に提供する。具体的な実施態
様において、1以上の有害心臓事象を治療する方法は、1以上の有害心臓事象と関連する症
状の数を低下させ、かつ/又は1以上の有害心臓事象と関連する1以上の症状の発症を防止
する。特定の実施態様において、該CKD患者の血清又は血漿中の無傷FGF-23レベルは、50p
g/mL、75pg/mL、100pg/mL、125pg/mL、150pg/mL、175pg/mL、200pg/mL、250pg/mL、300pg
/mL、325pg/mL又は350pg/mLである。いくつかの実施態様において、該CKD患者の血清又は
血漿中の無傷FGF-23レベルは、50pg/mL〜100pg/mL、100pg/mL〜200pg/mL、200pg/mL〜300
pg/mL、150pg/mL〜250pg/mL、250pg/mL〜350pg/mL、又は300pg/mL〜375pg/mLである。特
定の実施態様において、該CKD患者の血清又は血漿中のFGF-23のC-末端断片レベルは、60R
U/mL、75RU/mL、100RUg/mL、125RU/mL、150RU/mL、175RU/mL、200RU/mL、250RU/mL、300R
U/mL、325RU/mL又は350RU/mLである。いくつかの実施態様において、該CKD患者の血清又
は血漿中のFGF-23のC-末端断片レベルは、60〜100RU/mL、100RU/mL〜200RU/mL、200RU/mL
〜300RU/mL、150〜250RU/mL、250RU/mL〜350RU/mL、又は300RU/mL〜375RU/mLである。一
実施態様において、この段落で開示される方法に従って、1日当たり該患者に投与される
クエン酸第二鉄の用量は、(i)FGF-23レベル(例えば、無傷FGF-23及び/もしくはFGF-23
のC-末端断片)が該CKD患者において低下している場合には低下するか、もしくは維持さ
れ、又は(ii)FGF-23レベル(例えば、無傷FGF-23及び/もしくはFGF-23のC-末端断片)
が該CKD患者において低下しなかった場合には増加し得る。別の実施態様において、この
段落で開示される方法に従って、該患者に投与されるクエン酸第二鉄の用量は、(i)鉄貯
蔵パラメータ(例えば、ヘモグロブリン濃度、血清フェリチンレベル、及び/もしくはト
ランスフェリン飽和度)のうちの1つ、2つ又はそれ以上が非CKD患者(例えば、健康なヒ
ト)の正常範囲内のレベルを超えた場合には低下し、(ii)FGF-23レベル(例えば、無傷
FGF-23及び/もしくはFGF-23のC-末端断片)が該CKD患者において低下し、かつ鉄貯蔵パラ
メータ(例えば、ヘモグロブリン、血清フェリチン、及び/もしくはトランスフェリン飽
和度)のうちの1つ、2つ又はそれ以上が非CKD患者(例えば、健康なヒト)の正常範囲内
のレベルを超えた場合には低下し、かつ(iii)該CKD患者におけるFGF-23レベル(例えば
、無傷FGF-23及び/もしくはFGF-23のC-末端断片)が、正常な健康なヒトの範囲のFGF-23
レベル(例えば、無傷FGF-23及び/もしくはFGF-23のC-末端断片)と比較してなお上昇し
ているか、又は該CKD患者におけるFGF-23レベル(例えば、無傷FGF-23及び/もしくはFGF-
23のC-末端断片)が、少なくとも15%、20%、もしくは30%減少しなかった場合には増加
し、或いは(iv)鉄貯蔵パラメータ(例えば、ヘモグロブリン濃度、血清フェリチンレベ
ル、及び/もしくはトランスフェリン飽和度)のうちの1つ、2つ又はそれ以上が、非CKD患
者(例えば、健康なヒト)の正常範囲内のレベルを超えず、該CKD患者におけるFGF-23レ
ベル(例えば、無傷FGF-23及び/もしくはFGF-23のC-末端断片)が正常な健康なヒトの範
囲のFGF-23レベル(例えば、無傷FGF-23及び/もしくはFGF-23のC-末端断片)と比較して
なお上昇しているか、又は該CKD患者におけるFGF-23レベル(例えば、無傷FGF-23及び/も
しくはFGF-23のC-末端断片)が、少なくとも15%、20%、もしくは30%減少しなかった場
合には増加し得る。特定の実施態様において、この段落で開示される方法に従って、該CK
D患者は、1以上の有害心臓事象についても監視される。一実施態様において、該有害心臓
事象は心不全である。別の実施態様において、該有害心臓事象は心室性不整脈である。別
の実施態様において、該有害心臓事象は心筋梗塞(MI)である。別の実施態様において、
該有害事象は左心室(LV)駆出率の低下である。別の実施態様において、該有害事象は心
臓突然死である。別の実施態様において、該有害事象は大動脈基部拡張である。別の実施
態様において、該有害事象は脳血管事象(脳卒中)である。具体的な実施態様において、
該有害事象は左心室肥大(LVH)である。
特定の実施態様において、1以上の有害心臓事象のために本明細書に記載の方法に従っ
て治療されるCKD患者は、非CKD患者(例えば、健康なヒト)の正常範囲内の血清リン酸塩
レベルを有する。他の実施態様において、1以上の有害心臓事象のために本明細書に記載
の方法に従って治療されるCKD患者は、血清リン酸塩レベルが上昇している。特定の実施
態様において、1以上の有害心臓事象のために本明細書に記載の方法に従って治療されるC
KD患者は、非CKD患者(例えば、健康なヒト)に見られる血清リン酸塩のレベルを約10%
、15%、20%、25%、30%、35%、40%、又はそれ以上超える血清リン酸塩レベルを有す
る。具体的な実施態様において、1以上の有害心臓事象のために本明細書に記載の方法に
従って治療されるCKD患者は、FGF-23レベルが上昇している。いくつかの実施態様におい
て、1以上の有害心臓事象のために本明細書に記載の方法に従って治療されるCKD患者は、
非CKD患者(例えば、健康なヒト)の正常範囲内の血清リン酸塩レベル及び上昇したFGF-2
3レベル(例えば、無傷FGF-23レベル及び/もしくはFGF-23のC-末端断片レベル)を有する
。健康なヒトの血清中の無傷FGF-23の正常レベルは、約26.1pg/mLであり、健康なヒトの
血清中のFGF-23のC末端断片の正常レベルは、約49.0RU/mLである。特定の実施態様におい
て、該CKD患者のFGF-23レベル(例えば、無傷FGF-23及び/もしくはFGF-23のC-末端断片)
は、健康なヒトの正常範囲と比較して上昇している。いくつかの実施態様において、該CK
D患者の血清中の無傷FGF-23レベルは、250pg/mL〜350pg/mL、200pg/mL〜300pg/mL、200pg
/mL〜350pg/mL、300pg/mL〜350pg/mL、300pg/mL〜400pg/mL、又は250pg/mL〜500pg/mLで
ある。特定の実施態様において、該CKD患者の血清中の無傷FGF-23レベルは、200pg/mL、2
25pg/mL、250pg/mL、275pg/mL、300pg/mL、325pg/mL、又は350pg/mLを超える。いくつか
の実施態様において、該CKD患者の血清中のFGF-23のC-末端断片レベルは、60RU/mL〜100R
U/mL、100RU/mL〜200RU/mL、200RU/mL〜300RU/mL、又は250RU/mL〜400RU/mLである。特定
の実施態様において、該CKD患者の血清中のFGF-23のC-末端断片レベルは、60RU/mL、100R
Ug/mL、125RU/mL、150RU/mL、175RU/mL、200RU/mL、225RU/mL、250RU/mL、275RU/mL、又
は300RU/mLを超える。
いくつかの実施態様において、1以上の有害心臓事象のために本明細書に記載の方法に
従って治療されるCKD患者は、静注鉄を受け取っていない。他の実施態様において、本明
細書に記載の方法に従って治療されるCKD患者は、静注鉄を受け取っている。特定の実施
態様において、CKD患者が受け取っている静注鉄の量は、該クエン酸第二鉄投与後に、少
なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、6
5%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又はそれ以上低下する。いくつかの実施態様
において、1以上の有害心臓事象のために本明細書に記載の方法に従って治療されるCKD患
者は、EPOを受け取っていない。他の実施態様において、1以上の有害心臓事象のために本
明細書に記載の方法に従って治療されるCKD患者は、EPOを受け取っていない、受け取って
いる。特定の実施態様において、CKD患者が受け取っているEPOの量は、該クエン酸第二鉄
投与後に、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、5
5%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又はそれ以上低下する。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者
は、ヘモグロビン濃度の増加及び/又はFGF23の減少を経験する。具体的な実施態様におい
て、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者は、該対象のヘモグロビンレ
ベルにおいて10g/dLを超える、11g/dLを超える、12g/dLを超える、13g/dLを超える、又は
15g/dLを超えるレベルまでの増加を経験する。特定の実施態様において、本明細書に開示
される方法に従って治療されるCKD患者は、該対象のヘモグロビンレベルにおいて10g/dL
〜11g/dL、11g/dL〜12g/dL、10g/dL〜13g/dL、11g/dL〜13g/dL、11g/dL〜15g/dL、又は12
g/dL〜15g/dLのレベルまでの増加を経験する。いくつかの実施態様において、本明細書に
開示される方法に従って治療されるCKD患者は、血清又は血漿中の無傷FGF-23レベルの少
なくとも15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、又は60%の減少を経
験する。特定の実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患
者は、血清又は血漿中の無傷FGF-23レベルの15%〜30%、20%〜30%、25%〜50%、30%
〜60%又は15%〜60%の減少を経験する。いくつかの実施態様において、本明細書に開示
される方法に従って治療されるCKD患者は、血清又は血漿中のFGF-23のC-末端断片レベル
の少なくとも15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、又は60%の減少
を経験する。いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療され
るCKD患者は、血清又は血漿中のFGF-23のC-末端断片レベルの15%〜30%、20%〜30%、2
5%〜50%、30%〜60%又は15%〜60%の減少を経験する。
特定の実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者は、
血清リンレベルの減少を経験する。いくつかの実施態様において、本明細書に開示される
方法に従って治療されるCKD患者は、血清リンレベルの少なくとも15%、20%、25%、30
%、35%、40%、45%、50%、55%、又は60%の減少を経験する。いくつかの実施態様に
おいて、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者は、血清リンレベルの15
%〜30%、20%〜30%、25%〜50%、30%〜60%又は15%〜60%の減少を経験する。特定
の実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者は、1以上の
鉄貯蔵パラメータ、例えば、血清フェリチンレベル、TSAT値及び/又はヘモグロビン濃度
の増加を経験する。いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治
療されるCKD患者は、1以上の鉄貯蔵パラメータ、例えば、血清フェリチンレベル、TSAT値
及び/又はヘモグロビン濃度の少なくとも15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、5
0%、55%、又は60%の増加を経験する。いくつかの実施態様において、本明細書に開示
される方法に従って治療されるCKD患者は、1以上の鉄貯蔵パラメータ、例えば、血清フェ
リチンレベル、TSAT値及び/又はヘモグロビン濃度の15%〜30%、20%〜30%、25%〜50
%、30%〜60%又は15%〜60%の増加を経験する。具体的な実施態様において、本明細書
に開示される方法に従って治療されるCKD患者は、1以上の心機能の改善を経験する。特定
の実施態様において、本明細書に開示される方法に従って治療されるCKD患者は、1以上の
有害心臓事象に関連する症状の数の減少及び/又は1以上の有害心臓事象に関連する1以上
の症状の発症の低下を経験する。
いくつかの実施態様において、本開示は、慢性腎臓病を有する対象における有害心臓事
象に関連する死亡率及び罹患率を低下させる方法であって、CKD患者、例えば、ESRD患者
又はND-CKD患者にクエン酸第二鉄を経口投与することを含む方法を提供する。特定の実施
態様において、本開示は、慢性腎臓病を有する対象において有害心臓事象の発生又はリス
クを低下させる方法であって、1g〜18g、6g〜12g、又は3g〜12gの範囲の量で慢性腎臓病
患者にクエン酸第二鉄を経口投与することを含む方法に関する。他の実施態様において、
本開示は、慢性腎臓病を有する対象において有害心臓事象に関する入院の頻度又はリスク
を低下させる方法であって、1g〜18g、6g〜12g、又は3g〜12gの範囲の量で慢性腎臓病患
者にクエン酸第二鉄を経口投与することを含む方法に関する。さらに他の実施態様は、慢
性腎臓病を有する対象において心臓突然死の発生またはリスクを低下させる方法であって
、1g〜18g、6g〜12g、又は3g〜12gの範囲の量で慢性腎臓病患者にクエン酸第二鉄を経口
投与することを含む方法に関する。さらに他の実施態様は、慢性腎臓病を有する対象にお
いて左心室肥大(LVH)を治療する方法であって、1g〜18g、6g〜12g、又は3g〜12gの範囲
の量で慢性腎臓病患者にクエン酸第二鉄を経口投与することを含む方法に関する。
いくつかの実施態様において、本方法は、210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量でCKD
患者にクエン酸第二鉄を経口投与することを含む。いくつかの実施態様において、該クエ
ン酸第二鉄は、12週間にわたって、いくつかの実施態様において、24週間にわたって、い
くつかの実施態様において、36週間にわたって、いくつかの実施態様において、48週間に
わたって、かついくつかの実施態様において、52週間にわたって投与される。
再び、いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、各剤形が第二鉄を210mg含
む1グラムの錠剤剤形で投与される。いくつかの実施態様において、該患者に、1日当たり
最大18個の錠剤剤形が投与される。特定の実施態様において、該患者に、1日当たり3個の
錠剤剤形が投与される。いくつかの実施態様において、該患者に、1日当たり6個の錠剤剤
形が投与される。特定の実施態様において、該患者に、1日当たり3〜12個の錠剤剤形が投
与される。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、該患者による食事又は間
食の摂取後1時間以内に投与される。いくつかの実施態様において、該患者は、該クエン
酸第二鉄の投与前の少なくとも3ヶ月間、週3回の血液透析又は腹膜透析により治療された
。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、約16m2/gを超えるBET活性表面積
を有する。いくつかの実施態様において、該BET活性表面積は、約16m2/g〜約20m2/gの範
囲である。いくつかの実施態様において、該BET活性表面積は、約27.99m2/g〜約32.34m2/
gの範囲である。いくつかの実施態様において、該BET活性表面積は、27.99m2/g、28.87m2
/g及び32.34m2/gから選択される。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1
.88〜4.0mg/cm2/分の固有溶解速度を有する。
(経口鉄補給剤)
いくつかの実施態様において、本開示は、CKD患者において鉄吸収を増加させるのに有
効な量のクエン酸第二鉄を含む経口鉄補給剤を提供する。いくつかの実施態様において、
本開示は、CKD患者において鉄貯蔵を維持するのに有効な量のクエン酸第二鉄を含む経口
鉄補給剤を提供する。いくつかの実施態様において、本開示は、CKD患者において1以上の
鉄貯蔵パラメータを改善するのに有効な量のクエン酸第二鉄を含む経口鉄補給剤を提供す
る。いくつかの実施態様において、該1以上の鉄貯蔵パラメータは、ヘマトクリット値、
ヘモグロビン濃度(Hb)、総鉄結合能(TIBC)、トランスフェリン飽和度(TSAT)、血清鉄レベ
ル、肝臓鉄レベル、脾臓鉄レベル、及び血清フェリチンレベルから選択される。いくつか
の実施態様において、本開示は、CKD患者において鉄欠乏を治療するのに有効な量のクエ
ン酸第二鉄を含む経口鉄補給剤を提供する。いくつかの実施態様において、本開示は、CK
D患者において貧血を治療するのに有効な量のクエン酸第二鉄を含む経口鉄補給剤を提供
する。
いくつかの実施態様において、本開示は、210mgの用量の第二鉄を有するクエン酸第二
鉄を含む経口鉄補給剤を提供する。いくつかの実施態様において、クエン酸第二鉄を含む
経口鉄補給剤は、第二鉄の用量が210mg〜2,520mgの範囲となるように投与することができ
る。
いくつかの実施態様において、本開示は、CKD患者において鉄吸収を増加させるための
経口鉄補給剤の製造で使用するためのクエン酸第二鉄を提供する。いくつかの実施態様に
おいて、本開示は、CKD患者において鉄貯蔵を維持するための経口鉄補給剤の製造で使用
するためのクエン酸第二鉄を提供する。いくつかの実施態様において、本開示は、CKD患
者において1以上の鉄貯蔵パラメータを改善するための経口鉄補給剤の製造で使用するた
めのクエン酸第二鉄を提供する。いくつかの実施態様において、該1以上の鉄貯蔵パラメ
ータは、ヘマトクリット値、ヘモグロビン濃度(Hb)、総鉄結合能(TIBC)、トランスフェリ
ン飽和度(TSAT)、血清鉄レベル、肝臓鉄レベル、脾臓鉄レベル、及び血清フェリチンレベ
ルから選択される。いくつかの実施態様において、本開示は、CKD患者において鉄欠乏を
治療するための経口鉄補給剤の製造で使用するためのクエン酸第二鉄を提供する。いくつ
かの実施態様において、本開示は、CKD患者において貧血を治療するための経口鉄補給剤
の製造で使用するためのクエン酸第二鉄を提供する。
いくつかの実施態様において、本開示は、210mgの用量の第二鉄を含む経口鉄補給剤の
製造で使用するためのクエン酸第二鉄を提供する。
(クエン酸第二鉄)
様々な態様において、本開示は、CKD患者において、血清リンレベルを低下させ、かつ/
又は制御し、血清重炭酸塩レベルを増加させ、1以上の鉄貯蔵パラメータを改善し(例えば
、血清フェリチンレベルを増加させ、トランスフェリン飽和度(TSAT)を増加させ、ヘモグ
ロビン濃度を増加させ)、鉄吸収を増加させ、鉄貯蔵を維持し、鉄欠乏を治療し、貧血を
治療し、IV鉄の必要性を低下させ、かつ/又は赤血球生成刺激剤(ESA)の必要性を低下させ
るためのクエン酸第二鉄の使用に関する。様々な態様において、本開示は、CKD患者にお
いて、血清リンレベルを低下させ、かつ/又は制御し、血清重炭酸塩レベルを増加させ、1
以上の鉄貯蔵パラメータを改善し(例えば、血清フェリチンレベルを増加させ、トランス
フェリン飽和度(TSAT)を増加させ、ヘモグロビン濃度を増加させ)、鉄吸収を増加させ、
鉄貯蔵を維持し、鉄欠乏を治療し、貧血を治療し、IV鉄の必要性を低下させ、かつ/又は
赤血球生成刺激剤(ESA)の必要性を低下させるためのクエン酸第二鉄及び医薬として許容
し得る結合剤を含む医薬組成物の使用に関する。特定の態様において、本開示は、1以上
の有害心臓事象、LVH、左心室機能不全、及び/又は心不全を治療するためのクエン酸第二
鉄及び医薬として許容し得る結合剤を含む医薬組成物の使用に関する。
したがって、クエン酸第二鉄の製剤及び該クエン酸第二鉄を含む医薬組成物が本明細書
に開示される。様々な実施態様において、該クエン酸第二鉄製剤、及び該クエン酸第二鉄
製剤を含む医薬組成物は、特定の溶解、錠剤化、及び崩壊基準を満たす。様々な態様にお
いて、該医薬組成物は、活性成分としてのクエン酸第二鉄と、結合剤とを含むことができ
る。該医薬組成物は、滑沢剤及び/又は崩壊剤(これは、いくつかの実施態様において、結
合剤と同じであり得る)も含むことができる。
使用について本明細書に開示されるクエン酸第二鉄製剤の特定の実施態様は、米国特許
第7,767,851号、同第8,093,423号、同第8,299,298号、同第8,338,642号、同第8,754,258
号、同第8,846,976号、及び同第8,754,257号、並びにPCT公開WO 2004/074444号、WO 2007
/022435号、WO 2007/089571号、WO 2007/089577号及びWO 2011/011541号にも開示されて
いる。しかしながら、該クエン酸第二鉄製剤の特定の実施態様は、本開示に特有である。
本明細書に開示されるクエン酸第二鉄製剤は、市販又は化学グレード形態のクエン酸第二
鉄と比べて増大したBET活性表面積を示す。BET理論は、固体表面上への気体分子の物理的
吸着を説明するものである。この理論は、材料の比表面積の測定の根拠として役立つ。こ
の理論は、非常に正確な方法での材料の表面積の計算を可能にし、それにより、それ以外
の方法では同じ材料であるように見える別々の製剤の違いを見分けることができる。例え
ば、活性炭は、それが極めて多孔性となり、それにより、非常に大きい表面積を有するよ
うに加工されている炭素の形態である。活性炭は、BET理論から導き出される計算を用い
て、約3000m2g-1の表面積を有することが実験的に明らかにされている。この表面積は、
同じ材料でできているとしても、炭素の他の製剤の活性表面積よりも顕著に大きい。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄製剤は、16m2/gを
超えるBET活性表面積を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に開示される高
純度クエン酸第二鉄製剤は、20m2/gを超えるBET活性表面積を有する。いくつかの実施態
様において、本明細書に開示される高純度クエン酸第二鉄製剤は、25m2/gを超えるBET活
性表面積を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に開示される高純度クエン酸
第二鉄製剤は、30m2/gを超えるBET活性表面積を有する。いくつかの実施態様において、
本明細書に開示される高純度クエン酸第二鉄製剤は、35m2/gを超えるBET活性表面積を有
する。いくつかの実施態様において、本明細書に開示される高純度クエン酸第二鉄製剤は
、40m2/gを超えるBET活性表面積を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に開
示される高純度クエン酸第二鉄製剤は、45m2/gを超えるBET活性表面積を有する。いくつ
かの実施態様において、本明細書に開示される高純度クエン酸第二鉄製剤は、50m2/gを超
えるBET活性表面積を有する。具体的な実施態様において、該高純度クエン酸第二鉄製剤
は、不純物、例えば、ベータ−水酸化鉄酸化物を6重量%未満、5重量%未満、4重量%未
満、3重量%未満又は2重量%未満を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄製剤は、16.17m2/
g〜19.85m2/gの範囲のBET活性表面積を有する。いくつかの実施態様において、本明細書
に開示されるクエン酸第二鉄製剤は、16.17m2/g及び19.85m2/gから選択されるBET活性表
面積を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄製剤
は、27m2/gを超えるBET活性表面積を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に
開示されるクエン酸第二鉄製剤は、27.99m2/g〜32.34m2/gの範囲のBET活性表面積を有す
る。いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄製剤は、28.5m2
/g〜31.5m2/gの範囲のBET活性表面積を有する。いくつかの実施態様において、本明細書
に開示されるクエン酸第二鉄製剤は、27.99m2/g、28.87m2/g及び32.34m2/gから選択され
るBET活性表面積を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるクエン
酸第二鉄製剤は、28.5m2/g、29.1m2/g、30.6m2/g及び31.5m2/gから選択されるBET活性表
面積を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄製剤
は、30m2/g〜40m2/gのBET活性表面積を有する。これは、クエン酸第二鉄の他の製剤、例
えば、本開示の出願日の時点で公知かつ市販されている化学グレード製剤とは際立って対
照的である。市販グレードのクエン酸第二鉄製剤は、本開示のクエン酸第二鉄製剤よりも
実質的に小さいBET活性表面積を有する。したがって、本明細書に開示されるクエン酸第
二鉄製剤は、吸着又は化学反応に利用可能な顕著により大きい表面積を有し、本明細書に
開示されるクエン酸第二鉄製剤は、市販の製剤よりも実質的に反応性が高くなっている。
PCT公開WO2004/074444号に開示されている方法によって生成される5つのクエン酸第二
鉄製剤について測定されたBET活性表面積が明らかにされている。これらのBET活性表面積
を、市販グレードのクエン酸第二鉄製剤のBET活性表面積と比較して、下の表1に示す:
表1.様々な形態のクエン酸第二鉄のBET活性表面積
Figure 2019206562
PCT公開WO2011/011541号に開示されている方法によって製造される5つのクエン酸第二
鉄製剤について測定されたBET活性表面積が明らかにされている。これらのBET活性表面積
を、市販グレードのクエン酸第二鉄製剤のBET活性表面積と比較して、下の表2に示す:
表2. BET活性表面積
Figure 2019206562
1 PCT公開WO 2011/011541号の実施例10から引用。
2 PCT公開WO 2011/011541号の実施例10から引用。
3 PCT公開WO 2011/011541号の実施例11から引用。
4 PCT公開WO 2011/011541号の実施例11から引用。
5 PCT公開WO 2011/011541号の実施例11から引用。
本明細書に開示される方法によって生成される4つの追加のクエン酸第二鉄製剤につい
てのBET活性表面積も明らかにされている。これらのBET活性表面積を、市販グレードのク
エン酸第二鉄製剤のBET活性表面積と比較して、下の表3に示す:
表3. BET活性表面積
Figure 2019206562
表1、2、及び3に開示されるクエン酸第二鉄製剤の実施態様のBET活性表面積は、このよ
うに、市販グレードのクエン酸第二鉄のBET活性表面積よりも顕著に大きい。
表4は、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄の第二鉄アッセイ含有量を示す。第二鉄
アッセイ含有量は、表4に示すクエン酸第二鉄製剤のそれぞれの中の第二鉄の量を表す。
いくつかの実施態様において、第二鉄アッセイ含有量は、約20%w/wを上回るか又はそれ
を超える。いくつかの実施態様において、第二鉄アッセイ含有量は、21.2%w/wである。
いくつかの実施態様において、第二鉄アッセイ含有量は、22.1%w/wである。いくつかの
実施態様において、第二鉄アッセイ含有量は、22.4%w/wである。いくつかの実施態様に
おいて、第二鉄アッセイ含有量は、21%w/w〜23%w/wである。
表4:第二鉄含有量
Figure 2019206562
本明細書に開示されるクエン酸第二鉄は、鉄(III)とクエン酸の錯体である。具体的な
態様において、鉄(III)とクエン酸の錯体は水を含む。いくつかの態様において、鉄(III)
対クエン酸のモル比は、1:0.70〜1:0.78である。いくつかの態様において、鉄(III)対ク
エン酸のモル比は、1:0.69〜1:0.87である。いくつかの態様において、鉄(III)対クエン
酸のモル比は、1:0.75〜1:1.10である。いくつかの態様において、鉄(III)対クエン酸の
モル比は、1:0.78〜1:0.95である。いくつかの態様において、鉄(III)対クエン酸のモル
比は、1:0.80〜1:0.92である。いくつかの態様において、鉄(III)対クエン酸のモル比は
、1:0.81〜1:0.91である。いくつかの態様において、鉄(III)対クエン酸のモル比は、1:0
.75〜1:1.15である。いくつかの態様において、鉄(III)対クエン酸のモル比は、1:0.80〜
1:1.10である。
いくつかの態様において、鉄(III)対水のモル比は、1:0.32〜1:0.42である。いくつか
の態様において、鉄(III)対水のモル比は、1:0.32〜1:0.46である。いくつかの態様にお
いて、鉄(III)対水のモル比は、1:1.8〜1:3.2である。いくつかの態様において、鉄(III)
対水のモル比は、1:1.8〜1:3.2である。いくつかの態様において、鉄(III)対水のモル比
は、1:2.4〜1:3.1である。いくつかの態様において、鉄(III)対水のモル比は、1:2.7〜1:
3.1である。
具体的な実施態様において、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄は、鉄(+3),x(1,
2,3-プロパントリカルボン酸、2-ヒドロキシ-),y(水)として化学的に知られている。
Figure 2019206562
x = 0.70〜0.87、y = 1.9〜3.3
具体的な実施態様において、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄は、四鉄トリクエン
酸十水和物(tetraferric tricitrate decahydrate)である。
具体的な実施態様において、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄製剤は、不純物、例
えば、ベータ−水酸化鉄酸化物を実質的に含まない。特定の実施態様において、本明細書
に開示されるクエン酸第二鉄製剤は、クエン酸第二鉄製剤の総重量に基づいて、不純物、
例えば、ベータ−水酸化鉄酸化物を6重量%未満含有する。いくつかの実施態様において
、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄製剤は、該クエン酸第二鉄製剤の総重量に基づい
て、不純物、例えば、ベータ−水酸化鉄酸化物を5重量%未満含有する。特定の実施態様
において、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄製剤は、該クエン酸第二鉄製剤の総重量
に基づいて、不純物、例えば、ベータ−水酸化鉄酸化物を4重量%未満含有する。いくつ
かの実施態様において、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄製剤は、該クエン酸第二鉄
製剤の総重量に基づいて、不純物、例えば、ベータ−水酸化鉄酸化物を3重量%未満含有
する。
本明細書に開示されるクエン酸第二鉄製剤は、市販グレード又は化学グレード形態のク
エン酸第二鉄と比べて、より可溶性である。溶解試験では、5分以内に溶解した本開示の
クエン酸第二鉄のパーセンテージは、装置IIを用いて、USP<711>容器中でクエン酸第二鉄
製剤に対して行われた溶解試験において、91%以上であり、15分以内では96%以上、30分
以内では96%以上、及び60分以内では95%以上である。表5は、本開示によるクエン酸第
二鉄の4つの例示的バッチについての溶解試験データを示す。溶解試験に使用した特定の
標準物質は、100という基準値を設定するものであり、したがって、あるバッチが100%を
超えて溶解し得る程度まで、それは、その標準物質と比較した溶解率である。
表5.溶解試験データ
Figure 2019206562
したがって、いくつかの実施態様において、15分以内に溶解したクエン酸第二鉄のパー
センテージは、装置IIを用いてUSP<711>容器中で行われた溶解試験において80%以上であ
る。いくつかの実施態様において、15分以内に溶解したクエン酸第二鉄のパーセンテージ
は、装置IIを用いてUSP<711>容器中で行われた溶解試験において85%以上である。いくつ
かの実施態様において、15分以内に溶解したクエン酸第二鉄のパーセンテージは、装置II
を用いてUSP<711>容器中で行われた溶解試験において90%以上である。いくつかの実施態
様において、15分以内に溶解したクエン酸第二鉄のパーセンテージは、装置IIを用いてUS
P<711>容器中で行われた溶解試験において91%以上である。いくつかの実施態様において
、15分以内に溶解したクエン酸第二鉄のパーセンテージは、装置IIを用いてUSP<711>容器
中で行われた溶解試験において95%以上である。いくつかの実施態様において、15分以内
に溶解したクエン酸第二鉄のパーセンテージは、装置IIを用いてUSP<711>容器中で行われ
た溶解試験において96%以上である。いくつかの実施態様において、15分以内に溶解した
クエン酸第二鉄のパーセンテージは、装置IIを用いてUSP<711>容器中で行われた溶解試験
において97%以上である。いくつかの実施態様において、15分以内に溶解したクエン酸第
二鉄のパーセンテージは、装置IIを用いてUSP<711>容器中で行われた溶解試験において10
0%以上である。
本明細書に開示されるクエン酸第二鉄製剤は、市販グレード又は化学グレード形態のク
エン酸第二鉄と比べて、より可溶性である。本明細書に開示されるクエン酸第二鉄製剤の
この溶解度の増加は、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄製剤の特有の、顕著に大きい
活性表面積の結果であると考えられる。固有溶解速度は、一定の表面積の条件下での純物
質の溶解速度と定義される。原薬の固有溶解速度及び生体利用率は、その固体状態特性の
影響を受け、該特性には:結晶化度、無定形性、多形性、水和、溶媒和、粒径及び粒子表
面積が含まれる。測定される固有溶解速度は、これらの固体状態特性に依存し、通常、一
定の温度、撹拌速度、及びpHを維持しながら、材料の一定の表面積を適当な溶解媒体に露
出させることによって決定される。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄製剤は、1.88mg/c
m2/分〜4mg/cm2/分の固有溶解速度を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に
開示されるクエン酸第二鉄製剤は、2.28mg/cm2/分を上回る固有溶解速度を有する。いく
つかの実施態様において、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄製剤は、2.28mg/cm2/分
を超える固有溶解速度を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるク
エン酸第二鉄製剤は、2.99mg/cm2/分の固有溶解速度を有する。いくつかの実施態様にお
いて、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄製剤は、2.28mg/cm2/分〜2.99mg/cm2/分の範
囲の固有溶解速度を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるクエン
酸第二鉄製剤は、2.28mg/cm2/分及び2.99mg/cm2/分から選択される固有溶解速度を有する
。これは、クエン酸第二鉄の他の製剤、例えば、公知かつ市販の化学グレード製剤とは際
立って対照的である。市販グレードのクエン酸第二鉄製剤は、本開示のクエン酸第二鉄製
剤よりも実質的に低い固有溶解速度を有する。したがって、本明細書に開示されるクエン
酸第二鉄製剤は、顕著により高い固有溶解速度を有し、本明細書に開示されるクエン酸第
二鉄製剤は、市販の製剤よりも実質的に可溶性が高くなっている。
固有溶解速度を、本開示に従って生成されるクエン酸第二鉄製剤について決定した。平
均固有溶解速度を、市販グレードのクエン酸第二鉄製剤の溶解速度と比較して、下の表6
に示す:
表6.固有溶解速度
Figure 2019206562
表6に開示されるクエン酸第二鉄製剤の固有溶解速度は、このように、市販グレードの
クエン酸第二鉄の固有溶解速度よりも顕著に高い。
(製造方法)
本開示によって提供されるクエン酸第二鉄製剤の例示的な製造方法は、米国特許第7,76
7,851号、同第8,093,423号、同第8,299,298号、同第8,338,642号、同第8,754,258号、同
第8,846,976号、及び同第8,754,257号、並びにPCT公開WO 2004/074444号、WO 2007/02243
5号、WO 2007/089571号、WO 2007/089577号及びWO 2011/011541号に開示されている。
(投与様式)
本明細書に開示されるクエン酸第二鉄は、ヒト用医薬品で有利に使用することができる
。本明細書に開示されるように、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄は、CKD患者にお
いて、血清リンレベルを低下させ、かつ/又は制御し、血清重炭酸塩レベルを増加させ、1
以上の鉄貯蔵パラメータを改善し(例えば、血清フェリチンレベルを増加させ、トランス
フェリン飽和度(TSAT)を増加させ、ヘモグロビン濃度を増加させ)、鉄吸収を増加させ、
鉄貯蔵を維持し、鉄欠乏を治療し、貧血を治療し、IV鉄の必要性を低下させ、かつ/又は
赤血球生成刺激剤(ESA)の必要性を低下させるのに有用である。本明細書に開示されるク
エン酸第二鉄は、鉄補給剤として有利に使用することもできる。様々な態様において、本
明細書に開示されるクエン酸第二鉄は、経口投与することができる。いくつかの実施態様
において、該クエン酸第二鉄は、経口剤形で投与される。いくつかの実施態様において、
該クエン酸第二鉄は、経口錠剤剤形で投与される。いくつかの実施態様において、該錠剤
は、カプレットの形態である。
上記の疾患及び/もしくは状態を治療するために使用する場合、又は鉄補給剤として使
用する場合、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄は、単独で、或いは他の薬剤と組み合
わせて投与するか、又は適用することができる。本明細書に開示されるクエン酸第二鉄は
、単独で、或いはCKD患者において血清リンレベルを低下させ、かつ/又は制御し、血清重
炭酸塩レベルを増加させ、1以上の鉄貯蔵パラメータを改善し(例えば、血清フェリチンレ
ベルを増加させ、トランスフェリン飽和度(TSAT)を増加させ、ヘモグロビン濃度を増加さ
せ)、鉄吸収を増加させ、鉄貯蔵を維持し、鉄欠乏を治療し、貧血を治療し、IV鉄の必要
性を低下させ、かつ/又は赤血球生成刺激剤(ESA)の必要性を低下させることが知られてい
る他の薬剤を含む他の医薬活性薬剤と組み合わせて、投与するか、又は適用することもで
きる。
さらに、該クエン酸第二鉄は、高血圧を含む有害心臓事象を治療することが知られてい
る医薬活性薬剤と組み合わせて投与することができる。適切な高血圧の薬としては、アン
ジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、例えば、カプトプリル(カポテン)、リシノプリ
ル(プリニビル、ゼストリル)及びラミプリル(アルテース);アンジオテンシンII受容
体遮断薬、例えば、ロサルタン(コザール)、オルメサルタン(ベニカー)及びバルサル
タン(ディオバン);ベータ遮断薬、例えば、メトプロロール(ロプレソール、トプロー
ルXL)、ナドロール(コルガード)及びペンブトロール(レバトール);カルシウムチャ
ネル遮断薬、例えば、アムロジピン(ノルバスク)、ジルチアゼム(カルジゼム、ジラコ
ールXR)及びニフェジピン(アダラート、プロカルディア);レニン阻害剤、例えば、ア
リスキレン(テクツルナ(Tekturna));及び利尿薬、例えば、チアジドが挙げられる。
該クエン酸第二鉄及び追加の医薬活性薬剤は、当技術分野で公知の任意の方法、例えば
、単位剤形で、又は治療を必要とする対象への同時投与もしくは連続投与を意図した別々
の剤形で組み合わせることができる。逐次投与する場合、組み合わせは、2回以上の投与
で投与することができる。代替実施態様において、異なる経路によって本発明の1以上の
化合物及び1以上の追加の活性成分を投与することが可能である。
本発明の方法によれば、活性成分の組み合わせは:(1)同時製剤化して、投与するか、
又は複合製剤で同時に送達するか、(2)別々の製剤として交互に又は並行して送達する
か、或いは(3)当技術分野で公知の任意の他の併用療法投与計画によるものであってよ
い。交互療法で送達する場合、本発明の方法は、例えば、別々の剤形で、活性成分を順次
投与するか、又は送達することを含んでよい。一般に、交互療法の間、有効投与量の各活
性成分が、順次、すなわち、連続して投与されるが、同時治療においては、有効投与量の
2種類以上の活性成分が共に投与される。間欠的な併用療法の様々な順序も使用してよい
治療方法は上で開示されており、210mg〜2,520mgの範囲の第二鉄の用量でクエン酸第二
鉄を患者に経口投与することを含む。したがって、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄
は、経口投与することができる。様々な態様において、本明細書に開示されるクエン酸第
二鉄は、1グラムのクエン酸第二鉄及び約210mgの用量の第二鉄を含む経口錠剤剤形で投与
してもよい。
本明細書に開示されるクエン酸第二鉄は、腸管腔からの鉄の吸収を強化し、かつ吸収後
の鉄の貯蔵を強化/維持するのに役立つ。鉄の吸収及び貯蔵の強化は、CKD患者に投与され
るクエン酸第二鉄中のクエン酸塩の存在によるものであり得ると考えられる。いかなる理
論にも束縛されることを望まないが、いくつかの研究により、クエン酸塩と組み合わせた
鉄(クエン酸の共役塩基)の投与が、食事供給源から吸収される鉄の量を顕著に(例えば、
数倍)増加させるのに役立つことが示されている(例えば、Ballotらの文献、Br. J. Nutr.
(1987) 57, 331-343; Gilloolyらの文献、Br. J. Nutr.(1983) 49, 331-342; Zhangらの
文献、Eur. J. Nutr.(2007) 46, 95-102;及びSalovaaraらの文献、J. Agric. Food Chem.
(2002) 50, 6233-6238を参照されたい)。
本明細書に開示されるクエン酸第二鉄は、いくつかの実施態様において、1日に1回、い
くつかの実施態様において、1日に2回、いくつかの実施態様において、1日に3回、かつい
くつかの実施態様において、1日に3回以上投与することができる。様々な態様において、
該クエン酸第二鉄は、1日のうちに、分割される日用量の形態で投与してもよい。例とし
て、クエン酸第二鉄の1日用量は6グラムであってよく、その6グラムを、午前中に2グラム
を服用し、午後に2グラムを服用し、かつ夜に最後の2グラムを服用して、1日で合計6グラ
ムとなるように、1日の間に分散させてもよい。
本明細書に開示されるクエン酸第二鉄を用いて、CKD患者において血清リンレベルを低
下させ、かつ/又は制御し、血清重炭酸塩レベルを増加させ、1以上の鉄貯蔵パラメータを
改善し(例えば、血清フェリチンレベルを増加させ、トランスフェリン飽和度(TSAT)を増
加させ、ヘモグロビン濃度を増加させ)、鉄吸収を増加させ、鉄貯蔵を維持し、鉄欠乏を
治療し、貧血を治療し、IV鉄の必要性を低下させ、かつ/又は赤血球生成刺激剤(ESA)の必
要性を低下させると同時に、既知の形態の経口鉄補給剤(例えば、第一鉄含有補給剤)及び
/又はIV鉄補給剤と関連する薬物副作用を軽減することもできる。
(医薬組成物及び鉄補給剤)
本明細書に開示されるクエン酸第二鉄製剤及び結合剤を含むクエン酸第二鉄含有医薬組
成物が本明細書に開示される。いくつかの実施態様において、該医薬組成物は、CKD患者
に鉄補給剤として提供することができる。いくつかの実施態様において、該医薬組成物は
、CKD患者に、リン酸塩結合剤として提供するか、かつ/又はCKD患者において血清リンレ
ベルを低下させ、かつ/又は制御し、血清重炭酸塩レベルを増加させ、1以上の鉄貯蔵パラ
メータを改善し(例えば、血清フェリチンレベルを増加させ、トランスフェリン飽和度(TS
AT)を増加させ、ヘモグロビン濃度を増加させ)、鉄吸収を増加させ、鉄貯蔵を維持し、鉄
欠乏を治療し、貧血を治療し、IV鉄の必要性を低下させ、かつ/又は赤血球生成刺激剤(ES
A)の必要性を低下させるために提供することができる。様々な実施態様において、該医薬
組成物は、特定の溶解、錠剤化、及び/又は崩壊の基準を満たす。様々な態様において、
該医薬組成物は、活性成分としてのクエン酸第二鉄及び結合剤を含むことができる。該医
薬組成物は、滑沢剤及び/又は崩壊剤(これは、いくつかの実施態様において、結合剤と同
じであり得る)も含むことができる。いくつかの実施態様において、該医薬組成物は、経
口錠剤剤形である。
本開示によって提供される医薬組成物及び経口錠剤剤形の特定の実施態様は、PCT公開W
O 2011/011541号に開示されている。しかしながら、他の実施態様は、本開示に特有であ
る。
(経口錠剤剤形及び経口鉄補給剤)
一態様において、該医薬組成物は、クエン酸第二鉄及び結合剤を含む錠剤である。本明
細書で使用されるように、「錠剤」は、例えば、打錠機を用いた圧縮力により生成される
物質である。他の実施態様において、該錠剤は、クエン酸第二鉄、結合剤、滑沢剤及び崩
壊剤を含むことができる。いくつかの実施態様において、単一の錠剤は、210mg用量の第
二鉄を有する1グラムのクエン酸第二鉄を含む。いくつかの実施態様において、該錠剤を
用いて、CKD患者において、血清リンレベルを低下させ、かつ/又は制御し、血清重炭酸塩
レベルを増加させ、1以上の鉄貯蔵パラメータを改善し(例えば、血清フェリチンレベルを
増加させ、トランスフェリン飽和度(TSAT)を増加させ、ヘモグロビン濃度を増加させ)、
鉄吸収を増加させ、鉄貯蔵を維持し、鉄欠乏を治療し、貧血を治療し、IV鉄の必要性を低
下させ、かつ/又は赤血球生成刺激剤(ESA)の必要性を低下させることができる。いくつか
の実施態様において、該錠剤をCKD患者に経口鉄補給剤として投与することができる。
いくつかの実施態様において、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、製剤の約65重量%を
超える、製剤の約70重量%を超える、製剤の約75重量%を超える、製剤の約80重量%を超
える、製剤の約85重量%を超える、製剤の約90重量%を超える、及び製剤の約92%にも達
する値で錠剤及び/又は経口鉄補給剤中に存在するクエン酸第二鉄の高充填薬物と特徴付
けることができる。中間値、例えば、約80重量%のクエン酸第二鉄、約85重量%のクエン
酸第二鉄、及び約90重量%のクエン酸第二鉄なども、クエン酸第二鉄の錠剤及び/又は経
口鉄補給剤で使用することができる。いくつかの実施態様において、該錠剤及び/又は経
口鉄補給剤は、約75%〜約92%、約80%〜約92%、約85%〜約92%、及び約90%〜約92%
の値で錠剤及び/又は経口鉄補給剤中に存在するクエン酸第二鉄の高充填薬物と特徴付け
ることができる。これらの高充填重量パーセントで生成される錠剤及び/又は経口鉄補給
剤の特徴は、様々なもの、例えば、結合剤、結合剤の量、崩壊剤、崩壊剤の量、使用され
る製剤化方法(例えば、造粒、直接圧縮)、錠剤化パラメータなどによって制御される。し
たがって、錠剤及び/又は経口鉄補給剤が作られ、それが微量のラミネーション又はキャ
ッピングを有する場合、上記の様々なもののうちの1以上を変えることによって、該ラミ
ネーション又はキャッピングを補正することができる。
様々な実施態様において、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、1以上の結合剤、1以上の
滑沢剤、及び1以上の崩壊剤の中から選択される1以上の成分を含有する。
結合剤は、当技術分野で公知の任意の結合剤であり得る。限定するものではないが、結
合剤の例としては、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース(HPMC)、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、グアーガム、アラビアゴム、キサ
ンタンガム、カルボポル(carbolpol)、セルロースゴム(カルボキシメチルセルロース)、
エチルセルロース、マルトデキストリン、PVP/VA、ポビドン、微結晶性セルロース、デン
プン、部分又は完全アルファ化デンプン、及びメチルセルロースのうちの1以上を挙げる
ことができる。該クエン酸第二鉄の錠剤及び/又は経口鉄補給剤中で使用される場合、マ
ルトデキストリン、PVP/VA、及びメチルセルロースは、即放性結合剤として機能する。具
体的な実施態様において、錠剤及び/又は鉄補給剤で使用される結合剤は、アルファ化デ
ンプンを含む。
結合剤の組合せを用いて、結合剤の効果を制御し、かつ変更することができることも理
解されるべきである。例えば、結合剤系を、微結晶性セルロースの有無にかかわらず、ヒ
ドロキシプロピルセルロース及びポリビニルピロリドン(ポビドン)から作製することがで
きる。ヒドロキシプロピルセルロース及びポビドンのうちの一方又は両方をアルファ化デ
ンプンと置き換えることができる。
様々な態様において、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、滑沢剤を含むことができる。
該クエン酸第二鉄の錠剤及び/又は経口鉄補給剤用の滑沢剤の一例として、ステアリン酸
マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム及び組合せを使
用することができる。他の好適な滑沢剤としては、ポリエチレングリコール(3350を上回
る分子量)、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、鉱油、ロイシン、及びポロキサマーのう
ちの1以上が挙げられる。
様々な態様において、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、崩壊剤を含むことができる。
崩壊剤を該錠剤及び/又は経口鉄補給剤に含めることができる。崩壊剤は、結合剤と同じ
もの又は異なるものであり得る。限定するものではないが、例として、微結晶性セルロー
スは、結合剤と崩壊剤の両方の性質を有しており、微結晶性セルロースは、該錠剤及び/
又は経口鉄補給剤中の唯一の結合剤/崩壊剤として使用することができる。他の好適な崩
壊剤の例としては、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、グリコール酸デン
プンナトリウム、及びデンプンが挙げられる。
結合剤は、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤中に、約4.5重量%〜約30重量%の範囲の量で
存在することができる。特定の実施態様において、結合剤は、該錠剤及び/又は経口鉄補
給剤中に、約5重量%〜約15重量%の範囲の量で存在する。いくつかの実施態様において
、結合剤は、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤中に、約10重量%〜約15重量%の範囲の量で
存在する。崩壊剤は、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤中に、約1.5重量%〜約15重量%の範
囲の量で存在することができる。様々な実施態様において、いくつかの非デンプン崩壊剤
は、より低い重量パーセント、例えば、わずか0.25%程度で使用される場合が多く、した
がって、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤中に存在する崩壊剤は、いくつかの条件では、わ
ずか0.25%程度であり得る。
滑沢剤は、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤中に、約0.5重量%〜約3重量%の範囲の量で
存在することができる。特定の実施態様において、滑沢剤は、該錠剤及び/又は経口鉄補
給剤中に、約0.5重量%〜約2重量%の範囲の量で存在する。いくつかの実施態様において
、滑沢剤は、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤中に、約0.5重量%〜約1重量%の範囲の量で
存在する。いくつかの成分、例えば、微結晶性セルロースは、崩壊剤と結合剤の両方の性
質をもって機能することができることが理解されるべきである。
個々の錠剤及び/又は経口鉄補給剤の重量は、生成されるべき最終投与量;例えば、125m
g、250mg、500mg、667mg、750mg及び1,000mgのクエン酸第二鉄に依存し得る。いくつかの
実施態様において、錠剤は、1グラムのクエン酸第二鉄、したがって、210mgの用量の第二
鉄を含む。
様々な実施態様において、錠剤及び/又は経口鉄補給剤を、Opadry懸濁液又は同等物を
穿孔パンコーターで用いて、約2%〜5%の重量増までコーティングする。ステアリン酸カ
ルシウム及びOpadryパープルを、それぞれ、異なる滑沢剤もしくはコーティング系に置き
換えるか、又はそれらとともに使用することができる。
他のバリエーションにおいて、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、含水量が低い。一実
施態様において、LOD%で測定したときの該錠剤の含水量は、20%未満である。別の実施
態様において、LOD%で測定したときの該錠剤の含水量は、19%未満である。別の実施態
様において、LOD%で測定したときの該錠剤の含水量は、18%未満である。別の実施態様
において、LOD%で測定したときの該錠剤の含水量は、17%未満である。別の実施態様に
おいて、LOD%で測定したときの該錠剤の含水量は、16%未満である。別の実施態様にお
いて、LOD%で測定したときの該錠剤の含水量は、15%未満である。別の実施態様におい
て、LOD%で測定したときの該錠剤の含水量は、14%未満である。別の実施態様において
、LOD%で測定したときの該錠剤の含水量は、13%未満である。別の実施態様において、L
OD%で測定したときの該錠剤の含水量は、12%未満である。別の実施態様において、LOD
%で測定したときの含水量は、11%未満である。別の実施態様において、LOD%で測定し
たときの含水量は、10%未満である。別の実施態様において、LOD%で測定したときの該
錠剤の含水量は、9%未満である。別の実施態様において、LOD%で測定したときの該錠剤
の含水量は、8%未満である。別の実施態様において、LOD%で測定したときの該錠剤の含
水量は、7%未満である。別の実施態様において、LOD%で測定したときの該錠剤の含水量
は、6%未満である。別の実施態様において、LOD%で測定したときの該錠剤の含水量は、
5%未満である。
特定の実施態様において、LOD%で測定したときの該錠剤の含水量は、10%〜15%であ
る。いくつかの実施態様において、LOD%で測定したときの該錠剤の含水量は、5%〜10%
である。特定の実施態様において、LOD%で測定したときの該錠剤の含水量は、5%〜14%
である。いくつかの実施態様において、LOD%で測定したときの該錠剤の含水量は、5%〜
12%である。特定の実施態様において、LOD%で測定したときの該錠剤の含水量は、10%
〜14%である。いくつかの実施態様において、LOD%で測定したときの該錠剤の含水量は
、2%〜14%である。特定の実施態様において、LOD%で測定したときの該錠剤の含水量は
、2%〜10%である。いくつかの実施態様において、LOD%で測定したときの該錠剤の含水
量は、2%〜12%である。
LOD(乾燥減量)は、熱重量分析による水分測定法である。熱重量分析過程において、材
料の水分は、加温中に揮発する物質を含み、したがって、該材料の質量損失の一因となる
。水と同時に、これは、アルコール又は分解産物も含み得る。熱重量測定法を使用する(
赤外線、ハロゲン、マイクロ波又はオーブンを用いて乾燥させる)場合、水と他の揮発性
成分とは区別されない。
いくつかの実施態様において、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、約1000mg、約667mg、
約500mg、約250mg及び約125mgから選択される量のクエン酸第二鉄を含む。いくつかの実
施態様において、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、1グラム(1000mg)のクエン酸第二鉄を
含む。いくつかの実施態様において、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、約210mgの第二鉄
を含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含む。
いくつかの実施態様において、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、1.3グラムのクエン酸
第二鉄を含む。いくつかの実施態様において、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、1.5グラ
ムのクエン酸第二鉄を含む。いくつかの実施態様において、該錠剤及び/又は経口鉄補給
剤は、1.6グラムのクエン酸第二鉄を含む。いくつかの実施態様において、該錠剤及び/又
は経口鉄補給剤は、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg
、325mg、350mg、375mg、400mg、425mg、450mg、475mg、500mg、525mg、550mg、575mg、6
00mg、625mg、650mg、675mg、700mg、725mg、750mg、775mg、800mg、825mg、850mg、875m
g、900mg、925mg、950mg、975mg、1000mg、1025mg、1050mg、1075mg、1100mg、1125mg、1
150mg、1175mg、1200mg、1225mg、1250mg、1275mg、1300mg、1325mg、1350mg、1375mg、1
400mg、1425mg、1450mg、1475mg、1500mg、1525mg、1550mg、1575mg、1600mg、1625mg、1
650mg、1675mg、1700mg、1725mg、1750mg、1775mg、1800mg、1825mg、1850mg、1875mg、1
900mg、1925mg、1950mg、1975mg及び2000mgから選択される量のクエン酸第二鉄を含む。
具体的な実施態様において、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、約1グラムのクエン酸第二
鉄を含む。いくつかの実施態様において、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、約1000mg〜1
050mg、975mg〜1050mg、又は950mg〜1050mgのクエン酸第二鉄を含む。
いくつかの実施態様において、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、約65重量%〜92重量%
のクエン酸第二鉄;約4.5重量%〜30重量%の結合剤;及び0.5重量%〜3重量%の滑沢剤を含
む。特定の実施態様において、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、約80重量%〜約92重量%
のクエン酸第二鉄;約5重量%〜約15重量%の結合剤;及び約0.5重量%〜約2重量%の滑沢剤
を含む。いくつかの実施態様において、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、約85重量%〜約
92重量%のクエン酸第二鉄;約5重量%〜約15重量%の結合剤;及び約0.5重量%〜約1重量%の
滑沢剤を含む。いくつかの実施態様において、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウム、ス
テアリン酸カルシウム、及びフマル酸ステアリルナトリウムのうちの1以上から選択され
る。具体的な実施態様において、滑沢剤はステアリン酸カルシウムである。特定の実施態
様において、結合剤はアルファ化でんぷんであり、滑沢剤はステアリン酸カルシウムであ
る。
いくつかの実施態様において、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、65重量%〜92重量%
のクエン酸第二鉄及び4.5重量%〜30重量%の結合剤を含み、前記錠剤の平均表面積対質
量比は、1グラム当たり1m2以上であり、該錠剤のLOD%水は20%水w/w未満である。いくつ
かの実施態様において、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤の平均表面積対質量比は、1グラム
当たり5m2以上であり得る。いくつかの実施態様において、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤
の平均表面積対質量比は、1グラム当たり10m2以上であり得る。いくつかの実施態様にお
いて、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、少なくとも70重量パーセントのクエン酸第二鉄
を含む。いくつかの実施態様において、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、少なくとも80
重量パーセントのクエン酸第二鉄を含む。いくつかの実施態様において、該錠剤及び/又
は経口鉄補給剤は、少なくとも90重量パーセントのクエン酸第二鉄を含む。いくつかの実
施態様において、結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピル
メチルセルロース(HPMC)、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、グアーガム、アラビアゴ
ム、キサンタンガム、カルボポル、セルロースゴム(カルボキシメチルセルロース)、エチ
ルセルロース、マルトデキストリン、PVP/VA、ポビドン、微結晶性セルロース、デンプン
(部分又は完全アルファ化デンプン)及びメチルセルロースのうちの1以上を含む。いくつ
かの実施態様において、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤のLOD%水は、15%水w/w未満であ
る。いくつかの実施態様において、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤のLOD%水は、10%水w/
w未満である。いくつかの実施態様において、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、微結晶性
セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナ
トリウム、及びデンプンのうちの1以上から選択される崩壊剤をさらに含む。いくつかの
実施態様において、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステ
アリン酸カルシウム、及びフマル酸ステアリルナトリウムのうちの1以上から選択される
滑沢剤をさらに含む。いくつかの実施態様において、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、0
.5%〜3%の滑沢剤を含む。いくつかの実施態様において、結合剤は、アルファ化デンプ
ンを含む。いくつかの実施態様において、滑沢剤は、ステアリン酸カルシウム及びフマル
酸ステアリルナトリウムを含む。いくつかの実施態様において、該錠剤及び/又は経口鉄
補給剤中のクエン酸第二鉄の少なくとも80%は、試験法USP<711>で測定したとき60分以下
の時間で溶解する。いくつかの実施態様において、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤中のク
エン酸第二鉄の少なくとも80%は、試験法USP<711>で測定したとき45分以下の時間で溶解
する。いくつかの実施態様において、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、約1000mgのクエ
ン酸第二鉄を含む。いくつかの実施態様において、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、約6
67mgのクエン酸第二鉄を含む。いくつかの実施態様において、該錠剤及び/又は経口鉄補
給剤は、約500mgのクエン酸第二鉄を含む。
特定の実施態様において、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、約80重量%〜約92重量%
のクエン酸第二鉄及び約5重量%〜約15重量%の結合剤を含み、前記錠剤の平均表面積対
質量比は、1グラム当たり1m2以上であり、該錠剤のLOD%水は5%〜14%である。いくつかの
実施態様において、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、約85重量%〜約92重量%のクエン
酸第二鉄及び約5重量%〜約15重量%の結合剤を含み、該錠剤の平均表面積対質量比は、1
グラム当たり1m2以上であり、該錠剤のLOD%水は5%〜14%である。いくつかの実施態様に
おいて、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤の平均表面積対質量比は、1グラム当たり5m2以上
であり得る。いくつかの実施態様において、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤の平均表面積
対質量比は、1グラム当たり10m2以上である。いくつかの実施態様において、該錠剤及び/
又は経口鉄補給剤は、約0.5%〜約3%の滑沢剤を含む。特定の実施態様において、該錠剤
及び/又は経口鉄補給剤は、約0.5%〜約2%の滑沢剤を含む。いくつかの実施態様におい
て、結合剤は、アルファ化デンプンを含む。いくつかの実施態様において、滑沢剤は、ス
テアリン酸カルシウムを含む。いくつかの実施態様において、該錠剤及び/又は経口鉄補
給剤中のクエン酸第二鉄の少なくとも80%は、試験法USP<711>で測定したとき60分以下の
時間で溶解する。いくつかの実施態様において、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤中のクエ
ン酸第二鉄の少なくとも80%は、試験法USP<711>で測定したとき45分以下の時間で溶解す
る。いくつかの実施態様において、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、約1000mgのクエン
酸第二鉄を含む。
特定の実施態様において、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、約80重量%〜約92重量%
のクエン酸第二鉄;約5重量%〜約15重量%の結合剤;及び約0.5重量%〜約2重量%の滑
沢剤を含み、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤中のクエン酸第二鉄の少なくとも80%は、試
験法USP<711>で測定したとき45分以下、又は60分以下の時間で溶解する。いくつかの実施
態様において、該錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、約85重量%〜約92重量%のクエン酸第
二鉄;約5重量%〜約15重量%の結合剤;及び約0.5重量%〜約1重量%の滑沢剤を含み、
該錠剤及び/又は経口鉄補給剤中のクエン酸第二鉄の少なくとも80%は、試験法USP<711>
で測定したとき45分以下、又は60分以下の時間で溶解する。
表7は、本開示の一実施態様によるクエン酸第二鉄の錠剤及び/又は経口鉄補給剤用の製
剤を提供する:
表7.クエン酸第二鉄の錠剤及び/又は経口鉄補給剤の製剤化
Figure 2019206562
−精製水は製造プロセスの乾燥段階中に除去される。
表8は、本開示の一実施態様によるクエン酸第二鉄の錠剤及び/又は経口鉄補給剤用の製
剤を提供する:
表8:
Figure 2019206562
(1)-ステアリン酸カルシウム又はフマル酸ステアリルナトリウムのどちらかを滑沢剤とし
て使用する。
*-精製水は除去される。
表9は、本開示の一実施態様によるクエン酸第二鉄の錠剤及び/又は経口鉄補給剤用の製
剤を提供する:
表9:
Figure 2019206562
表10は、本開示の一実施態様によるクエン酸第二鉄の錠剤及び/又は経口鉄補給剤用の
製剤を提供する:
表10:
Figure 2019206562
*精製水は除去される。
表11は、本開示の一実施態様によるクエン酸第二鉄の錠剤及び/又は経口鉄補給剤用の
製剤を提供する:
表11:
Figure 2019206562
*精製水は除去される。
(投薬)
本明細書に開示される錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、多くの用量のクエン酸第二鉄を
収容するように作製することができる。個々の錠剤及び/又は経口鉄補給剤の重量は、生
成されるべき最終投与量;例えば、1錠当たり125mg、250mg、500mg、667mg、750mg及び1,0
00mgのクエン酸第二鉄によって決まり得る。様々な態様において、該クエン酸第二鉄は、
約210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含む錠剤剤形で提供される。投与
される錠剤及び/又は経口鉄補給剤の数は、投与されるべきクエン酸第二鉄の所望の量に
適合するように調整することができる。例えば、CKD患者が、単回用量で毎日4グラムのク
エン酸第二鉄を服用するように指示される場合、該CKD患者は、各々1グラムのクエン酸第
二鉄を含む4個の錠剤及び/又は経口鉄補給剤を服用してもよいし、又は各々500mgのクエ
ン酸第二鉄を含む8個の錠剤及び/又は経口鉄補給剤を服用してもよい。
いくつかの実施態様において、CKD患者に投与されるクエン酸第二鉄の日用量は、210mg
〜3,780mgの範囲の第二鉄の用量で、1グラム〜18グラムであり得る。いくつかの実施態様
において、各錠剤が210mgの用量の第二鉄を有する1グラムのクエン酸第二鉄を含む1以上
の錠剤は、CKD患者において血清リンレベルを低下させ、かつ/又は制御し、血清重炭酸塩
レベルを増加させ、1以上の鉄貯蔵パラメータを改善し(例えば、血清フェリチンレベルを
増加させ、トランスフェリン飽和度(TSAT)を増加させ、ヘモグロビン濃度を増加させ)、
鉄吸収を増加させ、鉄貯蔵を維持し、鉄欠乏を治療し、貧血を治療し、IV鉄の必要性を低
下させ、かつ/又は赤血球生成刺激剤(ESA)の必要性を低下させるために投与される。
いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1日当たり1錠の日用量で投与され
、該錠剤は、210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含み、総日用量は、1
グラムのクエン酸第二鉄及び210mgの第二鉄になる。いくつかの実施態様において、該ク
エン酸第二鉄は、1日当たり2錠の日用量で投与され、各々の錠剤は、210mgの第二鉄を含
有する1グラムのクエン酸第二鉄を含み、総日用量は、2グラムのクエン酸第二鉄及び420m
gの第二鉄になる。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1日当たり3錠の
日用量で投与され、各々の錠剤は、210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第二鉄を
含み、総日用量は、3グラムのクエン酸第二鉄及び630mgの第二鉄になる。いくつかの実施
態様において、該クエン酸第二鉄は、1日当たり4錠の日用量で投与され、各々の錠剤は、
210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含み、総日用量は、4グラムのクエ
ン酸第二鉄及び840mgの第二鉄になる。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄
は、1日当たり5錠の日用量で投与され、各々の錠剤は、210mgの第二鉄を含有する1グラム
のクエン酸第二鉄を含み、総日用量は、5グラムのクエン酸第二鉄及び1,050mgの第二鉄に
なる。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1日当たり6錠の日用量で投与
され、各々の錠剤は、210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含み、総日用
量は、6グラムのクエン酸第二鉄及び1,260mgの第二鉄になる。いくつかの実施態様におい
て、該クエン酸第二鉄は、1日当たり7錠の日用量で投与され、各々の錠剤は、210mgの第
二鉄を含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含み、総日用量は、7グラムのクエン酸第二鉄
及び1,470mgの第二鉄になる。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1日当
たり8錠の日用量で投与され、各々の錠剤は、210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン
酸第二鉄を含み、総日用量は、8グラムのクエン酸第二鉄及び1,680mgの第二鉄になる。い
くつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1日当たり9錠の日用量で投与され、各
々の錠剤は、210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含み、総日用量は、9
グラムのクエン酸第二鉄及び1,890mgの第二鉄になる。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、1日当たり10錠の日用量で投与され、各々の錠剤は、210mgの第二鉄を
含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含み、総日用量は、10グラムのクエン酸第二鉄及び2
,100mgの第二鉄になる。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1日当たり1
1錠の日用量で投与され、各々の錠剤は、210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第
二鉄を含み、総日用量は、11グラムのクエン酸第二鉄及び2,310mgの第二鉄になる。いく
つかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1日当たり12錠の日用量で投与され、各
々の錠剤は、210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含み、総日用量は、12
グラムのクエン酸第二鉄及び2,520mgの第二鉄になる。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、1日当たり13錠の日用量で投与され、各々の錠剤は、210mgの第二鉄を
含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含み、総日用量は、13グラムのクエン酸第二鉄及び2
,730mgの第二鉄になる。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1日当たり1
4錠の日用量で投与され、各々の錠剤は、210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第
二鉄を含み、総日用量は、14グラムのクエン酸第二鉄及び2,940mgの第二鉄になる。いく
つかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1日当たり15錠の日用量で投与され、各
々の錠剤は、210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含み、総日用量は、15
グラムのクエン酸第二鉄及び3,150mgの第二鉄になる。いくつかの実施態様において、該
クエン酸第二鉄は、1日当たり16錠の日用量で投与され、各々の錠剤は、210mgの第二鉄を
含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含み、総日用量は、16グラムのクエン酸第二鉄及び3
,360mgの第二鉄になる。いくつかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1日当たり1
7錠の日用量で投与され、各々の錠剤は、210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第
二鉄を含み、総日用量は、17グラムのクエン酸第二鉄及び3,570mgの第二鉄になる。いく
つかの実施態様において、該クエン酸第二鉄は、1日当たり18錠の日用量で投与され、各
々の錠剤は、210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含み、総日用量は、18
グラムのクエン酸第二鉄及び3,780mgの第二鉄になる。
(実施例)
以下の実施例は、本明細書に開示されるクエン酸第二鉄の使用を詳細に記載するもので
ある。本開示の範囲を逸脱することなく、材料と方法の両方に対する多くの変更を実施し
てもよいことは当業者には明らかであろう。
実施例1
(透析を受けている末期腎臓病(ESRD)患者におけるリン酸塩結合剤としてのクエン酸第
二鉄の3期の58週間試験)
この試験の第一の目的は、次の通りであった:
1.血液透析又は腹膜透析のいずれかを受けている末期腎臓病患者における最大12(12)カ
プレット/日のKRX-0502(クエン酸第二鉄)の52週間にわたる長期安全性を決定すること
2. 4週間の無作為化非盲検プラセボ対照有効性評価期間におけるKRX-0502(クエン酸第
二鉄)の有効性を決定すること。
(研究の理論的根拠)
以前の臨床試験により、クエン酸第二鉄が、週3回の血液透析を受けているESRD患者に
おいて、血清リンレベルを低下させることができることが示された。これらの試験では、
最大約12g/日のクエン酸第二鉄が4週間使用された。
本臨床試験により、安全性評価期間内の52週間の実薬対照及び4週間の無作為化非盲検
プラセボ対照有効性評価期間内のプラセボと比較したときの56週間の治療期間にわたる血
清リンレベルの制御及び維持におけるクエン酸第二鉄の長期安全性が決定された。
(研究設計)
本試験は、3期の多施設安全性及び有効性臨床試験であった。第1の期間は、2週間の休
薬(休薬期間)であり、第2の期間は、52週間の無作為化非盲検実薬対照安全性評価(安全性
評価期間)であり、第3の期間は、安全性評価期間中、クエン酸第二鉄による治療に割り付
けられた患者のみでの4週間の無作為化非盲検プラセボ対照有効性評価(有効性評価期間)
であった。
第1期(休薬期間)
患者を、最大約2週間、その時点のリン酸塩結合剤から休薬させた。休薬期間中、≧6.0
mg/dLの血清リンを達成する患者のみを安全性評価期間に移した。休薬中、≧6.0mg/dLの
血清リンを達成しなかった患者をスクリーニング不適格者とした。
第2期(安全性評価期間)
休薬後、患者を、PI及び/又は患者の判断により、該クエン酸第二鉄群、又は酢酸カル
シウム、炭酸セベラマー、もしくは酢酸カルシウムと炭酸セベラマーの任意の組合せのい
ずれかの実薬対照群のどちらかに、2:1で無作為に割り付けた。クエン酸第二鉄と実薬対
照薬はどちらも、スポンサーによって提供された。患者は、52週間にわたる安全性評価の
ための無作為化割当てに従った。患者が、少なくとも2回連続診察して、12カプレット/日
のクエン酸第二鉄又は12ピル/日の酢酸カルシウム及び/もしくは炭酸セベラマーを80%以
上順守し、かつ>8.0mg/dLの血清リンを有していた場合、該患者を治療不適格者とみなし
、治験薬を中止したが、引き続き、全ての試験診察を完了した。該クエン酸第二鉄又は実
薬対照薬を中止し、患者をその担当の腎臓専門医のケアに戻したが、引き続き、全ての試
験診察及び転帰について追跡調査した。
第3期(有効性評価期間)
安全性評価期間の後、クエン酸第二鉄による治療に無作為に割り付けられた患者は、4
週間の無作為化非盲検プラセボ対照有効性評価期間に入った。有効性評価期間に入った患
者を、クエン酸第二鉄又はプラセボによる治療に、1:1で再び無作為に割り付けた。
栄養士は、研究で支給されるビタミンDが豊富な食物のリストを、休薬期間中又は無作
為化診察時のどちらかで患者に提供し、該患者に、試験を通してできる限り、ビタミンD
が豊富な食物に関して一貫した食事を維持するように指示した。有効性評価期間の開始前
30日以内に、栄養士は、ビタミンDが豊富な食物のリストを患者とともに再検討し、該患
者に、できれば試験の終わりまで、ビタミンDが豊富な食物に関して一貫した食事を維持
するよう努めるように念を押した。栄養士は、有効性評価期間中のクエン酸第二鉄又はプ
ラセボの割当てについては知らされなかった。
安全性及び有効性を評価するために、研究を通して、検査室測定を実施した。投与され
る用量及び具体的なIV鉄製剤(必要な場合)は、PIの判断に委ねられた。経口鉄療法は許可
されなかった。カルシウム含有薬物は、投与されるにしても、食物摂取の2時間以内には
許可されなかった(カルシウム含有薬物は、血清カルシウムを上昇させる目的で、食物摂
取の2時間以上前又は食物摂取後又は就寝前には許可された)。ビタミンC補給剤は許可さ
れなかった。患者は、少量のビタミンCを含む水溶性ビタミン(例えば、Centrum、Nephroc
aps、Renaphro)を毎日服用することは認められたが、該患者は、それを、食物摂取の2時
間以上前又は食物摂取後又は就寝前に服用するよう指示された。IV鉄療法は、フェリチン
レベルが>1000マイクログラム/Lであるか、又はTSATが>30%である場合には許可されな
かった。これらのパラメータ以外のIV鉄を受け取ることが患者の最善の利益と考えられれ
ば、臨床コーディネーティングセンター(CCC)に相談し、承認及び文書化された場合、プ
ロトコルの例外とみなされなかった。
(研究期間)
試験期間は、約18〜24ヶ月とし、約6〜8ヶ月を患者スクリーニング、休薬期間、及び無
作為化に割り当て、12ヶ月を安全性評価期間に割り当て、1(1)ヶ月を有効性評価期間に割
り当てた。
(研究集団)
スクリーニング診察(0回目の診察)前に少なくとも3ヶ月、週3回の血液透析を受けてい
るか、又は腹膜透析を受けているESRD患者であって、その時点で、≧3かつ<18ピル/日の
酢酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸ランタン、及び/又はセベラマー(炭酸塩もしくは
塩酸塩もしくはセベラマー錠と同等のセベラマー粉末)、或いはリン酸塩結合剤として働
く任意の他の薬剤、或いはこれらの薬剤の任意の組合せを服用している者に登録の資格が
あった。米国に約20〜40施設及びイスラエルに約5〜10施設あると予想された。最大で約7
75人の患者をスクリーニングし、約350人の患者をクエン酸第二鉄群又は実薬対照群に無
作為に割り付けた。約25〜50カ所の各施設は、約35人以下の患者を無作為に割り付けるよ
うに求められた。
組み入れ基準:
・男性又は非妊娠、非授乳期の女性
・18歳以上
・スクリーニング診察(0回目の診察)前の少なくとも直近3ヶ月間、週3回の血液透析を受
けているか、又は腹膜透析を受けている
・スクリーニング診察(0回目の診察)時に、≧2.5mg/dLかつ<8.0mg/dLの血清リンレベル
・休薬期間(2回目又は3回目の診察)中、≧6.0mg/dLの血清リン
・スクリーニング診察(0回目の診察)時に患者によって報告される、3〜18ピル/日の酢酸
カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸ランタン、及び/又はセベラマー(炭酸塩もしくは塩酸
塩もしくは同等のセベラマー粉末)、或いはリン酸塩結合剤として働く任意の他の薬剤、
或いはこれらの薬剤の任意の組合せの服用
・スクリーニング診察(0回目の診察)時に、<1000マイクログラム/Lの血清フェリチン及
び<50%のTSAT
・その時点のリン酸塩結合剤を中止し、クエン酸第二鉄又は実薬対照群に無作為に割り付
けられることを受け入れること
・インフォームドコンセントを受け入れ、それを与えることができること
・1年を超える平均余命
除外基準:
・スクリーニング診察(0回目の診察)前6ヶ月以内の副甲状腺摘出
・活発な症候性消化管出血又は炎症性腸疾患
・スクリーニング診察(0回目の診察)前3ヶ月における(透析部でルーチンに行われる)3ヶ
月に1回の検査の全てにおいて報告される≧10.0mg/dLの血清リンレベル
・最近5年における悪性腫瘍歴(CCCが承認すれば、治療済みの子宮頸癌又は非黒色腫皮膚
癌は許可される場合がある)
・経口鉄療法の絶対的必要性
・ビタミンC(マルチビタミン[Nephrocaps、Renaphroなど]も認められる)の絶対的必要性
・食事と一緒のカルシウム、マグネシウム、又はアルミニウム含有薬物の絶対的必要性
・経口鉄含有製品への不耐性
・経口投与される酢酸カルシウム及び炭酸セベラマーへの不耐性
(治験薬)
KRX-0502(クエン酸第二鉄)は、本研究で検討中の薬物であった。該薬物は、カプレット
として投与され、各々のカプレットは、約210mgの第二鉄を含有する1グラム(1,000mg)の
クエン酸第二鉄を含んでいた。
(治験薬投与)
血清リンの標的目標値は、3.5〜5.5mg/dLであった。
クエン酸第二鉄、実薬対照、及びプラセボを治験薬とみなした。休薬期間後に≧6.0mg/
dLの血清リンレベルを有する適格な患者をクエン酸第二鉄群又は実薬対照群に2:1の比で
無作為に割り付けた。クエン酸第二鉄に割り付けられた患者については、開始用量は6カ
プレット/日であった。実薬対照群に割り付けられた患者については、リン酸塩結合剤の
開始用量は、(患者が同じリン酸塩結合剤を服用し続けた場合)休薬期間の開始直前に投与
された最後の用量であったか、又は患者が結合剤を変えた場合、添付文書の手引きを受け
たPIの判断に委ねられた。しかしながら、リン酸塩結合剤の過去の用量が12ピル/日を超
える患者について、実薬対照群に割り付けられた場合、その実薬対照薬の開始用量は、PI
の判断に委ねられたが、12ピル/日を超えることはない。試験期間中、酢酸カルシウムの6
67mgカプセル及び炭酸セベラマーの800mg錠が使用され、Keryx Biopharmaceuticals社(Ke
ryx)によって供給された。
血清リン及びカルシウムを、5回目の診察(第1週)時に、4回目の診察(無作為化診察)後
の最初の12週間2週間毎に、及び安全性評価期間の残りの期間毎月、チェックした。有効
性評価期間中、血清リン及びカルシウムを毎週採取した。これらの値が、治験薬投与の指
針となった。治験薬の服用中、他のリン酸塩結合剤の使用は許可されなかった。クエン酸
第二鉄の用量調整は、用量設定スケジュールによって導かれた。52週間の安全性評価期間
中の酢酸カルシウム及び炭酸セベラマーの用量設定は、これらの薬剤についてのその時点
の添付文書に準拠し、かつ/又は施設PIの判断に委ねられた。
患者は、治験薬を、食事もしくは間食とともに、又は食事もしくは間食の1時間以内に
経口で服用した。患者は、その食事又は間食を摂取してから1時間以上が経過している場
合、治験薬を服用しないように指示された。各施設のPI又は被委任者は、治験薬を患者に
調剤し、該患者にその投与の仕方を教えた。間食したために、又は食事を取り忘れたため
に、一部の患者は、ある特定の日に異なるピルの分配を必要とすることが認識された。食
事に合わせた分配がどうであれ、患者がプロトコルによって要求される1日当たりのピル
の総数を服用している場合、CCCによる承認の必要はなかった(例えば、開始用量のクエン
酸第二鉄6g/日を服用する患者は、朝食とともに1カプレット、間食とともに1カプレット
、昼食とともに2カプレット、かつ夕食とともに2カプレットを服用してもよい)。
(検査による評価)
血液透析を受けている患者については、血液試料を、可能であれば、その週の第2又は
第3の透析期間の透析前に取得した。月曜日、水曜日又は金曜日に透析される血液透析を
受けている患者については、全ての血液試料を、可能であれば、水曜日又は金曜日の透析
前に採取した。火曜日、木曜日又は土曜日に透析される患者については、全ての血液試料
を、可能であれば、木曜日又は土曜日の透析前に採取した。イスラエルでは、これらの収
集方法は、施設によって異なることが許された。試験関連分析用に各患者から収集される
血液の総量は、1回の診察につき約15mlであった。
腹膜透析を受けている患者については、血液試料を、研究プロトコル通りに、透析部又
は診療所のどちらかで収集した。
血清リン及びカルシウムは、スクリーニング(0回目の診察)時;1回目の診察(第2週)後の
休薬期間中、毎週;4回目の診察(無作為化診察)時;52週間の安全性評価期間の5回目の診察
(第1週)、6回目の診察(第2週)、7回目の診察(第4週)、8回目の診察(第6週)、9回目の診察
(第8週)、10回目の診察(第10週)、11回目の診察(第12週)、12回目の診察(第16週)、13回
目の診察(第20週)、14回目の診察(第24週)、15回目の診察(第28週)、16回目の診察(第32
週)、17回目の診察(第36週)、18回目の診察(第40週)、19回目の診察(第44週)、20回目の
診察(第48週)、及び21回目の診察(第52週)時;並びに有効性評価期間の22回目の診察(第53
週)、23回目の診察(第54週)、24回目の診察(第55週)及び25回目の診察(第56週)時に実施
された。
全血球計算(CBC)(白血球[WBC]数、白血球型[WBC分画]、赤血球[RBC]数、ヘマトクリッ
ト値[HCT]、ヘモグロビン[Hgb]、赤血球指数、血小板(platelet)[血小板(thrombocyte)]
数)は、無作為化診察(4回目の診察)時;52週間の安全性評価期間の11回目の診察(第12週)
、14回目の診察(第24週)、17回目の診察(第36週)、20回目の診察(第48週)、及び21回目の
診察(第52週)時;並びに有効性評価期間の25回目の診察(第56週)時に行われた。
完全化学プロファイル(ナトリウム、カリウム、塩化物、血液尿素窒素(BUN)、クレアチ
ニン、グルコース[無作為]、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ[AST]、アラニン
アミノトランスフェラーゼ[ALT]、アルカリ性リン酸塩[ALP]、総ビリルビン、総タンパク
質、アルブミン、及びアルブミン調整カルシウム)は、無作為化診察(4回目の診察)時;52
週間の安全性評価期間の11回目の診察(第12週)、14回目の診察(第24週)、17回目の診察(
第36週)、20回目の診察(第48週)、及び21回目の診察(第52週)時;並びに有効性評価期間の
25回目の診察(第56週)時に行われた。
血清鉄、フェリチン、TSAT、及び総鉄結合能を含む鉄の検討は、スクリーニング(0回目
の診察)時;無作為化診察(4回目の診察)時;52週間の安全性評価期間の7回目の診察(第4週)
、9回目の診察(第8週)、11回目の診察(第12週)、12回目の診察(第16週)、13回目の診察(
第20週)、14回目の診察(第24週)、15回目の診察(第28週)、16回目の診察(第32週)、17回
目の診察(第36週)、18回目の診察(第40週)、19回目の診察(第44週)、20回目の診察(第48
週)、及び21回目の診察(第52週)時;並びに有効性評価期間の25回目の診察(第56週)時に行
われた。
無傷副甲状腺ホルモン(iPTH)レベルは、無作為化診察(4回目の診察)時;安全性評価期間
中の11回目の診察(第12週)、17回目の診察(第36週)、及び21回目の診察(第52週)時;並び
に有効性評価期間の25回目の診察(第56週)時に行われた。
血清ビタミン(25-ジヒドロキシ-ビタミンD3、ビタミンA、ビタミンB-12、ビタミンE、
ビタミンK、及び葉酸)は、無作為化診察(4回目の診察)時;並びに安全性評価期間中の11回
目の診察(第12週)、17回目の診察(第36週)、及び21回目の診察(第52週)時に行われた。
脂質プロファイル(総コレステロール、低密度リポタンパク質[LDL]、高密度リポタンパ
ク質[HDL]、及びトリグリセリド)は、無作為化診察(4回目の診察)時;安全性評価期間中の
11回目の診察(第12週)、17回目の診察(第36週)、及び21回目の診察(第52週)時に行われた
血清アルミニウムは、無作為化診察(4回目の診察)時及び21回目の診察(第52週)時に行
われた。
血清重炭酸塩は、地域の検査室で実施され、無作為化診察(4回目の診察)時;安全性評価
期間中の11回目の診察(第12週)、14回目の診察(第24週)、17回目の診察(第36週)、20回目
の診察(第48週)及び21回目の診察(第52週)時;並びに有効性評価期間の25回目の診察(第56
週)時に行われた。
地域で収集及び測定される血清重炭酸塩を除き、全ての検査は、Spectra Clinical Res
earch, Rockleigh, NJ, USAによって実施された。
(統計的考察:有効性)
別途明記されない限り、全ての仮説を0.05の両側有意水準で検定し、95%信頼区間を両
側とした。全ての解析を、SASバージョン9を用いて実施した。
データベースロックの前に、詳細な統計解析計画(SAP)を完成させ、ファイルに入れた
。データ解析計画は、統計解析で使用される方法に関する下記のものよりも包括的な説明
を含んでいた。データ解析計画は、該解析を実施するために使用される規則及びデータ取
扱い規約、並びに欠測データを説明するために使用される手順も含んでいた。
まとめの集計では、観察の回数、平均値、標準偏差、中央値、最小値、最大値、及び連
続変数についての適当なパーセンタイル値、並びにカテゴリーデータについてのカテゴリ
ー別の数及びパーセンテージを示した。まとめには、治療群別の、及び適切な場合、全体
的な、データが提示されている。データ一覧には、全ての入手可能な有効性及び安全性デ
ータが含まれる。
有効性解析は、少なくとも1用量の治験薬を服用した全ての患者からなる全解析(FA)集
団に基づくものであり、ベースライン有効性評価及び少なくとも1回のベースライン後有
効性評価を提供した。安全性解析は、少なくとも1用量の治験薬を服用した全ての患者か
らなる安全性集団に基づくものであった。
2つの独特かつ個別のベースライン評価があった。安全性評価期間のベースラインは、
無作為化診察(4回目の診察)であり、「第0週のベースライン」と定義された。有効性評価
期間のベースラインは、安全性評価期間の最後の診察(21回目の診察、第52週)であり、「
研究ベースライン」と定義された。
この試験の主要有効性転帰は、研究ベースライン(21回目の診察、第52週)から有効性評
価期間の終わり(25回目の診察、第56週)までの血清リンの変化に対する、プラセボと比べ
たクエン酸第二鉄の効果であった。主要有効性変数を、治療を固定効果とし、研究ベース
ラインを共変量とするANCOVAモデルで解析した。治療間差を推定し、該差の両側95%信頼
区間を提示した。
この試験の二次エンドポイントは、次のものを含む:
(1.第52週におけるベースラインからのフェリチンの変化)
ベースライン(4回目の診察)と比較したときの第52週におけるベースラインからのフェ
リチンの変化。この変数を、LOCF法を用いて解析する。ANCOVAを利用する。本モデルは、
治療(固定効果)、及びベースライン(共変量)を含む。感度解析を、MMRM法を用いて実施す
る。
(2.第52週におけるベースラインからのTSATの変化)
ベースライン(4回目の診察)と比較したときの第52週におけるベースラインからのTSAT
の変化。この変数を、LOCF法を用いて解析する。ANCOVAを利用する。本モデルは、治療(
固定効果)、及びベースライン(共変量)を含む。感受性解析を、MMRM法を用いて実施する
(3. 52週間にわたるIV鉄の累積使用)
無作為化から第52週までの累積IV鉄摂取を治療群間で比較する。この変数を、ANCOVA法
を用いて、主要有効性変数として同様に解析する。全ての上記の比較についての治療差の
両側95%信頼区間を提示する。
(4. 52週間にわたるEPO(ESA)の累積使用)
無作為化から第52週までに投与される累積的EPO(ESA)を治療群間で比較する。この変数
を、ANCOVA法を用いて、主要有効性変数として同様に解析する。全ての上記の比較につい
ての治療差の両側95%信頼区間を提示する。
クエン酸第二鉄と全ての実薬対照結合剤の治療差、並びに4回目の診察のベースライン
からの血清リン、リン×カルシウムの積、及び血清カルシウムの変化に関する第12週(11
回目の診察)における単剤としてのクエン酸第二鉄と炭酸セベラマーの差を解析する。こ
の変数を、LOCF法を用いて解析する。ANCOVAを利用する。本モデルは、治療(固定効果)及
び4回目の診察のベースライン(共変量)を含む。MMRM法を用いる解析を感度解析として実
施する。治療効果の最小二乗平均推定値及び治療効果の両側95%信頼区間(CI)を導出する
。治療差の両側95%信頼区間の下限が対照の最小二乗平均の20%以内である場合、非劣性
が主張される。
(5.リン目標値を達成する患者のパーセンテージ)
1.第12週、第24週、第36週、第48週、第52週、及び第56週でリン目標値(≦5.5mg/dL)を
達成する患者のパーセンテージ-これらの変数をχ二乗検定で解析する。パーセンテージ
での治療間差を推定し、該差の両側95%信頼区間を、連続性補正なしで正規近似を用いて
算出する。
2. 4週間の有効性評価期間中、治験薬を服用し続けている患者についての、第56週でリ
ン目標値(≦5.5mg/dL)を達成する患者のパーセンテージ-これらの変数をχ二乗検定で解
析する。パーセンテージでの治療間差を推定し、該差の両側95%信頼区間を、連続性補正
なしで正規近似を用いて算出する。
3. 4週間の有効性評価期間中の任意の時点で≧9.0mg/dLの血清リンを得る患者のパーセ
ンテージ-これらの変数をχ二乗検定で解析する。パーセンテージでの治療間差を推定し
、該差の両側95%信頼区間を、連続性補正なしで正規近似を用いて算出する。
(6.血清リン濃度の変化)
1.ベースライン(4回目の診察)と比較したときの第12週、第24週、第36週、第48週、及
び第52週における血清リン濃度の変化。この変数を、LOCF法を用いて解析する。ANCOVAを
利用する。本モデルは、治療(固定効果)、及びベースライン(共変量)を含む。
(7.他の検査測定量の変化)
1.ベースライン(4回目の診察)と比較したときの第12週、第24週、第36週、第48週、及
び第52週における血清カルシウム濃度の変化。この変数を、LOCF法を用いて解析する。AN
COVAを利用する。本モデルは、治療(固定効果)及びベースライン(共変量)を含む。
2.ベースライン(4回目の診察)と比較したときの第12週、第24週、第36週、及び第48週
におけるフェリチン及びTSATの変化。この変数を、LOCF法を用いて解析する。ANCOVAを利
用する。本モデルは、治療(固定効果)及びベースライン(共変量)を含む。
3.ベースライン(4回目の診察)と比較したときの第12週、第24週、第36週、第48週、及
び第52週における血清鉄及びTIBC変化。この変数を、LOCF法を用いて解析する。ANCOVAを
利用する。本モデルは、治療(固定効果)及びベースライン(共変量)を含む。
4.ベースライン(4回目の診察)と比較したときの第12週、第24週、第36週、第48週、及
び第52週におけるCa×Pの積の変化。この変数を、LOCF法を用いて解析する。ANCOVAを利
用する。本モデルは、治療(固定効果)及びベースライン(共変量)を含む。
5.ベースライン(4回目の診察)と比較したときの第12週、第36週、第52週、及び第56週
におけるiPTHの変化。この変数を、LOCF法を用いて解析する。ANCOVAを利用する。本モデ
ルは、治療(固定効果)及びベースライン(共変量)を含む。
6.ベースライン(4回目の診察)と比較したときの第12週、第36週、及び第52週における
血清25-ジヒドロキシ-ビタミンD3、ビタミンA、ビタミンB-12、ビタミンE、ビタミンK、
及び葉酸の変化。この変数を、LOCF法を用いて解析する。ANCOVAを利用する。本モデルは
、治療(固定効果)及びベースライン(共変量)を含む。
7.ベースライン(4回目の診察)と比較したときの第12週、第36週、及び第52週における
血清重炭酸塩濃度の変化。この変数を、LOCF法を用いて解析する。ANCOVAを利用する。本
モデルは、治療(固定効果)及びベースライン(共変量)を含む。
8.ベースライン(4回目の診察)と比較したときの第12週、第24週、第36週、第48週、及
び第52週におけるIV鉄摂取の変化。この変数を、LOCF法を用いて解析する。ANCOVAを利用
する。本モデルは、治療(固定効果)及びベースライン(共変量)を含む。
9.ベースライン(4回目の診察)と比較したときの第12週、第24週、第36週、第48週、及
び第52週における投与されるEPO(ESA)の使用の変化。この変数を、LOCF法を用いて解析す
る。ANCOVAを利用する。本モデルは、治療(固定効果)及びベースライン(共変量)を含む。
10.ベースライン(4回目の診察)と比較したときの第12週、第24週、第36週、第48週、及
び第52週におけるビタミンD補給剤(及びその類似体)並びにセンシパー(Sensipar)(シナ
カルセト)の使用の変化。この変数を、LOCF法を用いて解析する。ANCOVAを利用する。本
モデルは、治療(固定効果)及びベースライン(共変量)を含む。
11.ベースライン(4回目の診察)と比較したときの第12週、第36週、及び第52週における
LDL、HDL、及びトリグリセリドの変化。この変数を、LOCF法を用いて解析する。ANCOVAを
利用する。本モデルは、治療(固定効果)及びベースライン(共変量)を含む。
(統計的考察:安全性)
治療割当て別の有害事象、同時に行われる投薬使用、身体検査、及び連続血液を記録し
、これらをモニタリングすることにより、安全性を評価した。有害事象の割合を、全体と
して、並びに治療割当て別の臓器系の種類、好ましい期間、重症度、及び治験薬との疑わ
しい関係別にまとめた。AEを、治療割り当て別の休薬期間、安全性評価期間、及び有効性
評価期間について個別にまとめた。ベースラインからの検査パラメータの経時的変化を治
療割当て別にまとめた。
(統計的考察:検出力)
約434人の患者を、安全性評価期間中に治療される、クエン酸第二鉄(約288人の患者)又
は実薬対照(約146人の患者)のどちらかに、2:1の比で無作為に割り付けた。この試料サイ
ズは、治療差が1.2であり、共通の標準偏差が2であると仮定すると、5%有意水準でクエ
ン酸第二鉄とプラセボの治療差を検出する少なくとも90%の検出力を提供した。
(結果)
単剤としてのクエン酸第二鉄と炭酸セベラマーの間の第12週における研究ベースライン
からの血清リン、リン×カルシウムの積及び血清カルシウムの変化の治療差(ANCOVA法)、
全解析集団のまとめを表12に示す:
表12:
Figure 2019206562
Figure 2019206562
注記:[1]血清リン、Ca×P及びCaの変化についてのLS平均治療差及びp値は、治療を固定効
果とし、第0日のベースラインを共変量とするANCOVAモデルによって求められる。治療間
の差は、LS平均(KRX-0502)−LS平均(対照)として算出される。関心対象のパラメータのベ
ースライン観測とベースライン後観測の両方を有する対象のみが含まれた。
治療別の第12週、第24週、第36週、第48週、及び第52週における平均血清リン値及び研
究ベースラインからの変化のまとめ(ANCOVA法)、全解析集団を表13に示す:
表13:
Figure 2019206562
Figure 2019206562
注記:[1]フェリチンの変化についてのLS平均治療差及びp値は、治療を固定効果とし、第0
日のベースラインを共変量とするANCOVAモデルによって求められる。治療間の差は、LS平
均(KRX-0502)−LS平均(対照)として算出される。
関心対象のパラメータのベースライン観測とベースライン後観測の両方を有する対象の
みが含まれた。
有効性評価期間中の治療及び診察別の平均血清リン値及び第52週のベースラインからの
変化のまとめ(ANCOVA法)、全解析集団を表14に示す:
表14:
Figure 2019206562
Figure 2019206562
注記:[1]血清リンの変化についてのLS平均治療差及びp値は、治療を固定効果とし、第52
週のベースラインを共変量とするANCOVAモデルによって求められる。治療間の差は、LS平
均(KRX-0502)−LS平均(プラセボ)として算出される。関心対象のパラメータのベースライ
ン観測とベースライン後観測の両方を有する対象のみが含まれた。
治療別の第12週、第24週、第36週、第48週、及び第52週における平均フェリチン並びに
研究ベースラインからの変化のまとめ(ANCOVA法)、全解析集団を表15に示す:
表15:
Figure 2019206562
Figure 2019206562
注記:[1]フェリチンの変化についてのLS平均治療差及びp値は、治療を固定効果とし、第0
日のベースラインを共変量とするANCOVAモデルによって求められる。治療間の差は、LS平
均(KRX-0502)−LS平均(対照)として算出される。
関心対象のパラメータのベースライン観測とベースライン後観測の両方を有する対象の
みが含まれた。
治療別の第12週、第24週、第36週、第48週、及び第52週における平均TSAT並びに研究ベ
ースラインからの変化のまとめ(ANCOVA法)、全解析集団を表16に示す:
表16:
Figure 2019206562
Figure 2019206562
注記:[1]フェリチンの変化についてのLS平均治療差及びp値は、治療を固定効果とし、第0
日のベースラインを共変量とするANCOVAモデルによって求められる。治療間の差は、LS平
均(KRX-0502)−LS平均(対照)として算出される。
関心対象のパラメータのベースライン観測とベースライン後観測の両方を有する対象の
みが含まれた。
治療別の第12週、第24週、第36週、第48週、及び第52週における平均ヘモグロビン並び
に研究ベースラインからの変化のまとめ(ANCOVA法)、全解析集団を表17に示す:
表17:
Figure 2019206562
Figure 2019206562
注記:[1]フェリチンの変化についてのLS平均治療差及びp値は、治療を固定効果とし、第0
日のベースラインを共変量とするANCOVAモデルによって求められる。治療間の差は、LS平
均(KRX-0502)−LS平均(対照)として算出される。
関心対象のパラメータのベースライン観測とベースライン後観測の両方を有する対象の
みが含まれた。
治療別の第12週、第24週、第36週、第48週及び第52週における平均血清重炭酸塩濃度並
びに研究ベースラインからの変化のまとめ(ANCOVA法)、全解析集団を表18に示す:
表18:
Figure 2019206562
Figure 2019206562
注記:[1]フェリチンの変化についてのLS平均治療差及びp値は、治療を固定効果とし、第0
日のベースラインを共変量とするANCOVAモデルによって求められる。治療間の差は、LS平
均(KRX-0502)−LS平均(対照)として算出される。
関心対象のパラメータのベースライン観測とベースライン後観測の両方を有する対象の
みが含まれた。
治療別の第52週までの累積IV鉄摂取、全解析集団、重複用量を取り扱うための方法1の
まとめを表19に示す:
表19:
Figure 2019206562
注記:[1]累積IV鉄摂取についてのLS平均治療差及びp値は、治療を固定効果とするANCOVA
モデルによって求められる。治療間の差は、LS平均(KRX-0502)−LS平均(対照)として算出
される。
注記:[2]第52週までの累積IV鉄摂取に基づく平均1日IV鉄摂取は、全累積IV鉄摂取を、治
験薬を服用した全日数で除したものとして算出される。
注記:[3]重複用量を取り扱うための方法1は、次の通りである:重複用量は、安全性評価期
間で治験薬を服用している期間中の用量のみを含むよう、日数に基づいて配分される。
注記:[4] ANCOVAの基本前提が満たされない場合、ウィルコクソン順位和検定を用いてp値
を算出し、CI及びLS平均を削除する。
治療別の第52週までに投与される累積EPO(ESA)、全解析集団、重複用量を取り扱うため
の方法1のまとめを表20に示す:
表20:
Figure 2019206562
注記:[1]累積EPO(ESA)摂取についてのLS平均治療差及びp値は、治療を固定効果とするANC
OVAモデルによって求められる。治療間の差は、LS平均(KRX-0502)−LS平均(対照)とし算
出される。
注記:[2]第52週までの累積EPO(ESA)摂取に基づく平均1日IV鉄摂取は、全累積EPO(ESA)摂
取を、治験薬を服用した全日数で除したものとして算出される。
注記:[3]重複用量を取り扱うための方法1は、次の通りである:重複用量は、安全性評価期
間で治験薬を服用している期間中の用量のみを含むよう、日数に基づいて配分される。
注記:[4] ANCOVAの基本前提が満たされない場合、ウィルコクソン順位和検定を用いてp値
を算出し、CI及びLS平均を削除する。
試験データはまた、KRX-0502が、実薬対照と比較して、心臓の重篤な有害事象に関連す
る入院を減らすことができたことを示す。
Figure 2019206562
Figure 2019206562
Figure 2019206562
実施例2
(透析を受けていないステージIII〜Vの慢性腎臓病を有する貧血対象での血清リン及び
鉄欠乏の管理におけるKRX-0502(クエン酸第二鉄)の研究)
第2相、概念実証型、多施設無作為化プラセボ対照非盲検臨床試験を実施する。
研究を約5〜7ヶ月継続し、約8〜12週間を対象のスクリーニングに割り当て、2週間を、
対象をその時点のリン酸塩結合剤から休薬させることに(リン酸塩結合剤を服用している
場合)、かつ12週間を治験薬による治療に割り当てる。該治験薬は、本明細書に開示され
るクエン酸第二鉄、又はプラセボのどちらかである。本実施例のために、本明細書に開示
されるクエン酸第二鉄をKRX-0502(クエン酸第二鉄)と呼ぶ。
本研究の目的は、非透析依存的なステージIII〜Vの慢性腎臓病(CKD)を有する貧血対象
での血清リン及び鉄欠乏の管理におけるKRX-0502(クエン酸第二鉄)の有効性及び安全性を
決定することである。
最大で約200人の対象をスクリーニングして、約140人の対象に無作為に割り付ける。有
資格対象を、KRX-0502(クエン酸第二鉄)又はプラセボのどちらかに、1:1の比で無作為に
割り付ける。治療群当たり約70人の対象が無作為に割り付けられる。2週間の休薬期間及
び12週間の治療期間における脱落率は約20%であり、したがって、約110人の対象が治験
薬(KRX-0502(クエン酸第二鉄)又はプラセボ)による12週間の治療を完了する。約55人の対
象が治験薬(KRX-0502(クエン酸第二鉄)又はプラセボ)による12週間の治療を完了すること
になっている。
試験は、3つの期間:スクリーニング期間、2週間の休薬期間、及び12週間の治療期間か
らなる。約200人の対象を約10〜15の施設でスクリーニングするには、約8〜12週間かかる
。2週間の休薬期間は、リン酸塩結合剤をその時点で服用している対象だけのためのもの
である。
試験には、2つの異なるタイプの貧血ステージIII〜VのCKD対象が登録される。該対象は
、次の通りである:1)低リン酸塩食に失敗し、いかなるリン酸塩結合剤の服用も開始して
おらず(デノボ対象)、かつ貧血歴の報告がある、≧4.5mg/dLかつ<6.0mg/dLの血清リンを
有する対象;又は2)その血清リンを管理するためにリン酸塩結合剤をその時点で服用して
おり、かつ貧血歴の報告がある対象。デノボ対象は、休薬期間に入らず、リン酸塩結合剤
をその時点で服用している対象は、2週間の休薬期間に入る。2週間の休薬の後、これらの
対象は、12週間の治療期間に入るために、≧4.5mg/dLかつ<6.0mg/dLの血清リンを有する
登録は、デノボ対象とリン酸塩結合剤をその時点で服用している対象について層別化さ
れない。
(研究設計/方法)
本試験は、スクリーニング期間、2週間の休薬期間、及び12週間の治療期間からなる3期
の臨床試験である。対象に登録の資格があると決定した後、該対象を、KRX-0502(クエン
酸第二鉄)又はプラセボのどちらかに無作為に割り付ける。対象を、KRX-0502(クエン酸第
二鉄)又はプラセボのどちらかに、1:1の比で無作為に割り付ける。
リン酸塩結合剤をその時点で服用している対象を2週間の休薬期間に入れ、該2週間の休
薬期間の終了後、KRX-0502(クエン酸第二鉄)又はプラセボのどちらかに無作為に割り付け
る。リン酸塩結合剤を服用していない有資格対象は、直ちに治験薬(KRX-0502(クエン酸第
二鉄)又はプラセボ)の服用を開始する。この対象集団には休薬期間がない。全ての対象は
、12週間の治療期間に入るために、≧4.5mg/dLの血清リンを有する。
治験薬(KRX-0502(クエン酸第二鉄)又はプラセボ)による治療を開始した後、対象を、治
療目標値(3.0〜4.0mg/dLの血清リン)に用量設定する。対象が、12週間の治療期間中、少
なくとも2回連続診察で、≧6.0mg/dLの血清リンを有する場合、該対象を治療不適格者と
みなし、治験薬をし、研究を終了する。
IV鉄及びエリスロポエチン刺激剤(ESA)の使用は、2週間の休薬期間及び12週間の治療期
間中は許可されない。対象のヘモグロビンレベル(Hgb)が、2週間の休薬中、<9.0g/dLで
ある場合、該対象は、スクリーニング不適格者となる。対象のHgbが、12週間の治療期間
中、少なくとも2回連続診察で<9.0g/dLである場合、該対象を治療不適格者とみなし、治
験薬を中止し、研究を終了する。
血清リン、血清カルシウム、血清クレアチニン(糸球体濾過量を推定するために使用さ
れる)、無傷線維芽細胞成長因子23(FGF23)、無傷副甲状腺ホルモン(iPTH)、並びにいくつ
かの血液学的パラメータ(フェリチン、TSAT、不飽和鉄結合能(UIBC)、TIBC、血清鉄、ヘ
マトクリット値(HCT)及びHgb)を、スクリーニング時、休薬期間中、4回目の診察(第0週)
時の治験薬(KRX-0502(クエン酸第二鉄)又はプラセボ)の投与前、及び12週間の治療期間中
毎週、決定する。
尿中リンを、12週間の治療期間中の4回目の診察(第0週)時、7回目の診察(第4週)時、及
び9回目の診察(第8週)時、並びに12週間の治療期間の最後(11回目の診察、第12週)に、治
験薬(KRX-0502(クエン酸第二鉄)又はプラセボ)の投与前に決定する。
この試験の組み入れ基準は、次の通りである:
1.男性及び非妊娠、非授乳期の女性;
2.18歳を超える年齢;
3.血清リンを制御するための低リン酸塩食に失敗し、かつ:(i)その血清リンを管理する
ためにリン酸塩結合剤をその時点で服用しており、スクリーニング時に>2.5mg/dLかつ<
6.0mg/dLの血清リンを有するか、又は(ii)リン酸塩結合剤を服用しておらず、スクリーニ
ング時に、≧4.5mg/dLかつ<6.0mg/dLの血清リンレベルを有する、透析を受けていないス
テージIII〜VのCKD対象;
4.貧血歴の報告がある;
5.<200ng/mLの血清フェリチン及び20%のTSAT;
6.>9.5g/dLかつ<11.5g/dLのヘモグロビン;
7.<60mL/分の糸球体濾過量(GFR);
8.リン酸塩結合剤をその時点で服用している場合、その時点のリン酸塩結合剤(複数可
)を中止し、休薬期間に入り、KRX-0502(クエン酸第二鉄)又はプラセボのどちらかに無作
為に割り付けられることを受け入れること;並びに
9.インフォームドコンセントを受け入れ、それを与えることができること。
この試験の除外基準は、次の通りである:
1.スクリーニング診察(0回目の診察)前6ヶ月以内の副甲状腺摘出;
2.スクリーニング診察(0回目の診察)前3ヶ月以内の症候性消化管出血及び炎症性腸疾患
;
3.透析を受けている;
4.無作為化(4回目の診察、第0週)前60日以内にIV鉄が投与された;
5.無作為化(4回目の診察、第0週)前60日以内の輸血;
6.無作為化(4回目の診察、第0週)の3(3)ヶ月以内に腎臓移植又は透析の開始が予想され
る;
7.鉄欠乏以外の貧血の原因;
8.>1000pg/mlの血清副甲状腺ホルモン;
9.複数の薬物に対するアレルギー歴;
10.過去5年における悪性腫瘍歴(承認されれば、治療済みの子宮頸癌又は皮膚癌は許可
される場合がある);
11.経口クエン酸第二鉄に対する過去の不耐性;
12.経口鉄療法の絶対的必要性;
13.ビタミンCの絶対的必要性;しかしながら、マルチビタミン(すなわち、Centrum、Nep
hrocaps、Renaphroなど)は認められる;
14.食事と一緒のカルシウム、マグネシウム、又はアルミニウム含有薬物の絶対的必要
性;
15.研究プロトコルに従う対象の能力を妨げる精神障害;
16.研究中に手術又は入院の予定がある(予定された外来内視鏡下手術(outpatient acce
ss surgery)は認められる);
17.対象が研究を終えられないもしくは終えられそうにない状態にするか、又は研究へ
の最適な参加を妨げるか、もしくは対象に重大なリスクをもたらす任意の他の医学的状態
;
18.無作為化(4回目の診察、第0週)から30日以内に何らかの治験薬を受けたこと;並びに
19.研究員と協力することができないこと、又はノンコンプライアンス歴。
(治験薬投与)
KRX-0502(クエン酸第二鉄)を、約210mgの第二鉄を含有するクエン酸第二鉄の1グラムカ
プレットとして、クエン酸第二鉄に割り付けられた対象に供給する。
対応するプラセボを、プラセボに無作為に割り付けられた対象に供給する。
全ての対象が、1日に3カプレットの固定用量のKRX-0502(クエン酸第二鉄)(約630mgの第
二鉄としての約3グラムのクエン酸第二鉄)又はプラセボ(1日に約3個の対応するカプレッ
ト)で治験薬の服用を開始する。血清リンの目標レベルは、3.0〜4.0mg/dLである。対象を
次のように用量設定する:
1.血清リンが目標値(3.0〜4.0mg/dL)である場合、用量を調整する必要はない。
2.血清リンが<3.0mg/dLである場合、KRX-0502(クエン酸第二鉄)又はプラセボの用量を
1日当たり1カプレット減らし、対象の血清リンを7日以内に再検査する。
3.血清リンが>4.0mg/dLである場合、KRX-0502(クエン酸第二鉄)又はプラセボの用量を
1日当たり1カプレット増やし、対象の血清リンを7日以内に再検査する。
1日当たりのKRX-0502(クエン酸第二鉄)又はプラセボのカプレットの最大数は12、すな
わち、クエン酸第二鉄は12g/日である。対象が、12週間の治療期間中、少なくとも2回連
続診察で、≧6.0mg/dLの血清リンを有する場合、該対象を治療不適格者とみなし、治験薬
を中止し、研究を終了する。
対象のHgbが、2週間の休薬中、<9.0g/dLである場合、該対象は、スクリーニング不適
格者である。対象のHgbが、12週間の治療期間中、少なくとも2回連続診察で、<9.0g/dL
である場合、該対象を治療不適格者とみなし、治験薬を中止し、研究を終了する。
対象は、食事もしくは間食とともに、又はその食事もしくは間食後1時間以内に、KRX-0
502(クエン酸第二鉄)又はプラセボを経口的に服用する。対象は、その食事又は間食を摂
取してから1時間以上が経過している場合、KRX-0502(クエン酸第二鉄)又はプラセボを服
用しないように指示される。
(統計的考察:有効性)
ベースラインから12週間後の治療の終わりまでの血清リン、フェリチン及びTSATレベル
の変化を一次エンドポイントとする。
この研究は、ベースライン(4回目の診察、第0週)からエンドポイント(11回目の診察、
第12週)までの、リン酸塩結合剤を必要とする、透析を受けていない、貧血ステージIII〜
VのCKD対象における血清リン及び鉄欠乏の管理において、KRX-0502(クエン酸第二鉄)がプ
ラセボよりも統計的に優れていることを示している。
ベースライン(4回目の診察、第0週)から治療のエンドポイント(11回目の診察、第12週)
までの、カルシウム×リンの積、血清カルシウム、推定糸球体濾過量(eGFR)、尿中リン、
重炭酸塩レベル、血清鉄、UIBC、TIBC、iPTH、及び無傷線維芽細胞成長因子23(FGF23)の
変化も、二次エンドポイントとして評価する。
(統計的考察:試料サイズ)
最大で約200人の対象をスクリーニングして、約140人の対象を無作為に割り付ける。有
資格対象を、KRX-0502(クエン酸第二鉄)又はプラセボのどちらかに、1:1の比で無作為に
割り付ける。治療群当たり約70人の対象が割り付けられる。2週間の休薬期間及び12週間
の治療期間における脱落率は約20%であり、したがって、約110人の対象が治験薬(KRX-05
02(クエン酸第二鉄)又はプラセボ)による12週間の治療を完了する。約55人の対象が治験
薬(KRX-0502(クエン酸第二鉄)又はプラセボ)による12週間の治療を完了することになって
いる。
11回目の診察(第12週)時の終点の血清リンは、KRX-0502(クエン酸第二鉄)群で約4.3mg/
dLであり、プラセボ処置群で4.6mg/dLである。共通の標準偏差は、約0.5mg/dLである。こ
れらのパラメータに基づき、本試験は、2群間の差を検出する少なくとも80%の検出力を
有する(α=0.05、両側)。
11回目の診察(第12週)時の終点のフェリチンレベルは、KRX-0502(クエン酸第二鉄)群で
約300ng/mLであり、プラセボ処置群で150ng/mLである。共通の標準偏差は、約75ng/mLで
ある。これらのパラメータに基づき、本試験は、2群間の差を検出する少なくとも80%の
検出力を有する(α=0.05、両側)。
11回目の診察(第12週)時の終点のTSATレベルは、KRX-0502(クエン酸第二鉄)群で約25%
であり、プラセボ処置群で17%である。共通の標準偏差は、約5%である。これらのパラ
メータに基づき、本試験は、2群間の差を検出する少なくとも80%の検出力を有する(α=
0.05、両側)。
(コプライマリーエンドポイント及び主要セカンダリーエンドポイント)
KRX-0502は、非常に統計的に有意な結果でコプライマリーエンドポイント及び全ての主
要セカンダリーエンドポイントの両方を満たした。治療意図(ITT)群には、KRX-0502又
はプラセボの少なくとも1用量を服用し、少なくとも1つのベースライン後の有効性評価を
与えた全ての対象を表す141人の対象が含まれる。
本試験のコプライマリー有効性エンドポイントは、ITT群におけるプラセボに対するベ
ースラインから12週間の治療期間の終わりまでの血清リン及びTSATの平均変化であった。
Figure 2019206562
1最終観察繰越法を欠測データに用いた。
2p値は、治療を固定効果とし、ベースラインを共変量とするANCOVAモデルによって求めら
れる。
Figure 2019206562
1最終観察繰越法を欠測データに用いた。
2p値は、治療を固定効果とし、ベースラインを共変量とするANCOVAモデルによって求めら
れる。
研究の主要なセカンダリーエンドポイントは、ITT群におけるプラセボに対するベース
ラインから12週間の治療期間の終わりまでのフェリチン、ヘモグロビン及びFGF-23の平均
変化であった。
Figure 2019206562
1最終観察繰越法を欠測データに用いた。
2p値は、治療を固定効果とし、ベースラインを共変量とするANCOVAモデルによって求めら
れる。
Figure 2019206562
1最終観察繰越法を欠測データに用いた。
2p値は、治療を固定効果とし、ベースラインを共変量とするANCOVAモデルによって求めら
れる。
Figure 2019206562
1最終観察繰越法を欠測データに用いた。
2p値は、治療を固定効果とし、ベースラインを共変量とするANCOVAモデルによって求めら
れる。
Figure 2019206562
1最終観察繰越法を欠測データに用いた。
2p値は、治療を固定効果とし、ベースラインを共変量とするANCOVAモデルによって求めら
れる。
KRX-0502は、第12週でのベースラインに対する上記のコプライマリーエンドポイント及
び主要セカンダリーエンドポイントの全ての平均変化においても非常に統計的に有意であ
った。
(治療の失敗)
2回連続診察で患者のヘモグロビン測定値が<9.0g/dLであるか、又は無作為化後の2回
連続診察で患者の血清リン測定値が≧6.0mg/dLであった場合に、試験を中止した。本研究
の治療の失敗は次の通りであった:
Figure 2019206562
(安全性及び忍容性プロファイル)
本研究における安全性集団には、治験薬の少なくとも1用量を服用した、全ての無作為
割り付けされた患者が含まれていた。KRX-0502は、この第2相試験では安全で、かつ良好
な忍容性を示し、治療の失敗を含めてKRX-0502群及びプラセボ群のそれぞれの中止率は19
%及び32%であった。本研究では、低リン血症による研究中止はなかった。
重篤な有害事象は、6人のKRX-0502対象(8%)対10人のプラセボ対象(14%)で生じた
。本試験では、プラセボ群からの2人の死亡を記録した。アラニントランスアミナーゼ(A
LT)及びアスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST)によって測定されるように、血清カ
ルシウムレベル及び肝酵素において臨床的に意味のある、又は統計的に有意な差はなかっ
た。
実施例1及び2は、LVHに対してIV鉄が悪影響を及ぼすことなく、KRX-0502が鉄欠乏性貧
血を治療できることを示している。FGF23の低下及びヘモグロビンの補正は、エリスロポ
エチン刺激剤の負の影響(罹患率及び死亡率のリスクの増加)並びにIV鉄の負の影響(LV
Hの増加)が生じることなく、LVH及び心不全の治療に相乗的に寄与することができる。
最後に、本明細書に開示される実施態様を実施する別の方法があることに留意されたい
。したがって、本実施態様は、制限的なものではなく、例示的なものとみなされるべきで
ある。さらに、特許請求の範囲は、本明細書に示された詳細に限定されるべきではなく、
その完全な範囲及びその同等物が権利として認められる。
本明細書で引用された全ての参考文献は、各個々の刊行物又は特許又は特許出願が具体
的かつ個別に全ての目的のためにその全体が参照により組み込まれていることが示された
場合と同じ程度に、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書中に組み込まれて
いる。

Claims (12)

  1. 慢性腎臓病を有する対象における有害心臓事象に関連する死亡率及び罹患率を低下させ
    る方法であって、1g〜18gの範囲の量でクエン酸第二鉄を慢性腎臓病患者に経口投与す
    ることを含む、前記方法。
  2. 前記慢性腎臓病患者が末期腎臓病患者である、請求項1記載の方法。
  3. 前記慢性腎臓病患者が非透析慢性腎臓病患者である、請求項1記載の方法。
  4. 前記クエン酸第二鉄を錠剤の剤形で投与する、請求項1記載の方法。
  5. 前記錠剤の剤形が前記クエン酸第二鉄を1g含む、請求項4記載の方法。
  6. 前記有害心臓事象が、心不全、心室性不整脈、心筋梗塞、左心室(LV)駆出率の低下、
    心臓突然死、大動脈基部拡張、及び脳血管事象からなる群から選択される、請求項1記載
    の方法。
  7. 前記クエン酸第二鉄が前記対象のヘモグロビンレベルを10g/dLを超えるレベルまで上昇
    させる、請求項1記載の方法。
  8. 前記クエン酸第二鉄が、ベースラインと比較して前記対象のFGF-23レベルを少なくとも
    30%低下させる、請求項1記載の方法。
  9. 慢性腎臓病を有する対象における有害心臓事象の発症率又はリスクを低下させる方法で
    あって、1g〜18gの範囲の量でクエン酸第二鉄を慢性腎臓病患者に経口投与することを
    含む、前記方法。
  10. 慢性腎臓病を有する対象における有害心臓事象に関連する入院の頻度又はリスクを低下
    させる方法であって、1g〜18gの範囲の量でクエン酸第二鉄を慢性腎臓病患者に経口投
    与することを含む、前記方法。
  11. 慢性腎臓病を有する対象における心臓突然死の発症率又はリスクを低下させる方法であ
    って、1g〜18gの範囲の量でクエン酸第二鉄を慢性腎臓病患者に経口投与することを含む
    、前記方法。
  12. 慢性腎臓病を有する対象における左心室肥大(LVH)を治療する方法であって、1g〜18
    gの範囲の量でクエン酸第二鉄を慢性腎臓病患者に経口投与することを含む、前記方法。
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