JP2019206460A - レーザを用いて孔を有するガラス基板を製造する方法 - Google Patents
レーザを用いて孔を有するガラス基板を製造する方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019206460A JP2019206460A JP2018103434A JP2018103434A JP2019206460A JP 2019206460 A JP2019206460 A JP 2019206460A JP 2018103434 A JP2018103434 A JP 2018103434A JP 2018103434 A JP2018103434 A JP 2018103434A JP 2019206460 A JP2019206460 A JP 2019206460A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- glass substrate
- laser
- hole
- diameter
- manufacturing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- 239000011521 glass Substances 0.000 title claims abstract description 225
- 239000000758 substrate Substances 0.000 title claims abstract description 216
- 238000000034 method Methods 0.000 title claims abstract description 62
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 title claims abstract description 35
- 238000010521 absorption reaction Methods 0.000 claims abstract description 62
- 238000005530 etching Methods 0.000 claims description 18
- 239000000835 fiber Substances 0.000 claims description 9
- 230000001678 irradiating effect Effects 0.000 claims description 8
- 238000000137 annealing Methods 0.000 claims description 6
- 238000002835 absorbance Methods 0.000 abstract 1
- 230000015572 biosynthetic process Effects 0.000 description 7
- 238000002474 experimental method Methods 0.000 description 7
- 230000003287 optical effect Effects 0.000 description 7
- 238000002360 preparation method Methods 0.000 description 7
- 238000009434 installation Methods 0.000 description 6
- 230000007246 mechanism Effects 0.000 description 6
- 238000011900 installation process Methods 0.000 description 5
- OKTJSMMVPCPJKN-UHFFFAOYSA-N Carbon Chemical compound [C] OKTJSMMVPCPJKN-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 4
- 229910002804 graphite Inorganic materials 0.000 description 4
- 239000010439 graphite Substances 0.000 description 4
- 238000001179 sorption measurement Methods 0.000 description 3
- KRHYYFGTRYWZRS-UHFFFAOYSA-N Fluorane Chemical compound F KRHYYFGTRYWZRS-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 238000002679 ablation Methods 0.000 description 2
- 238000005229 chemical vapour deposition Methods 0.000 description 2
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 2
- 230000003247 decreasing effect Effects 0.000 description 2
- 239000000463 material Substances 0.000 description 2
- 230000010355 oscillation Effects 0.000 description 2
- 239000003973 paint Substances 0.000 description 2
- 239000011148 porous material Substances 0.000 description 2
- 238000003672 processing method Methods 0.000 description 2
- 238000005507 spraying Methods 0.000 description 2
- 238000004544 sputter deposition Methods 0.000 description 2
- 238000007740 vapor deposition Methods 0.000 description 2
- 239000003513 alkali Substances 0.000 description 1
- 238000005452 bending Methods 0.000 description 1
- 239000006229 carbon black Substances 0.000 description 1
- 238000000576 coating method Methods 0.000 description 1
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 1
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 1
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 1
- 238000009499 grossing Methods 0.000 description 1
- 238000003754 machining Methods 0.000 description 1
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 1
- 239000011368 organic material Substances 0.000 description 1
- 230000035515 penetration Effects 0.000 description 1
- 239000000049 pigment Substances 0.000 description 1
- 239000010979 ruby Substances 0.000 description 1
- 229910001750 ruby Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000004065 semiconductor Substances 0.000 description 1
- 238000004904 shortening Methods 0.000 description 1
- 229920003002 synthetic resin Polymers 0.000 description 1
- 239000000057 synthetic resin Substances 0.000 description 1
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P40/00—Technologies relating to the processing of minerals
- Y02P40/50—Glass production, e.g. reusing waste heat during processing or shaping
- Y02P40/57—Improving the yield, e-g- reduction of reject rates
Abstract
Description
相互に対向する第1および第2の表面を有するガラス基板を準備する工程と、
前記ガラス基板の前記第1、第2の表面のうち、少なくとも1つの表面に、レーザの少なくとも一部のエネルギーを吸収する機能を有する吸収層を設置する工程と、
平均出力が50〜500Wの範囲であり、前記ガラス基板の吸収係数が0.5cm−1以下である波長を備えたレーザを連続発振し、前記ガラス基板の、前記第1の表面の側に1ms以下の照射時間で照射することにより、前記ガラス基板に、直径20μm〜80μm、深さ10μm〜700μmの範囲である孔を形成する工程と、
を有することを特徴とする、孔を有するガラス基板の製造方法が提供される。
(1)相互に対向する第1および第2の表面を有するガラス基板を準備する工程(ガラス基板準備工程)と、
(2)前記ガラス基板の前記第1の表面に、レーザの少なくとも一部のエネルギーを吸収する機能を有する吸収層を設置する工程(吸収層設置工程)と、
(3)平均出力が50〜500Wの範囲であり、前記ガラス基板の吸収係数が0.5cm−1以下である波長を備えたレーザを連続発振し、前記ガラス基板の、前記第1の表面の側に1ms以下の照射時間で照射することにより、前記ガラス基板に、直径20μm〜80μm、深さ10μm〜700μmの範囲である孔を形成する工程(レーザ照射工程)と、
を有する方法が提供される。
レーザは、ガラス基板への吸収が小さい波長を有する連続発振レーザが選択される。従って、CO2レーザのようにガラス基板に熱的に孔は形成されず、また高パルスエネルギーを有する短パルスレーザのようにアブレーション現象も観測されない。従って、ガラス基板表面に吸収層を設置することにより、初めて孔形成が可能になる。
本発明に記載の製造方法では、発生したプラズマの熱によりガラス基板表面に凹部が形成される。従来のCO2レーザによる孔加工では、ガラス基板はレーザのエネルギーを直接吸収し、熱溶融するため、孔径60μm以下の孔を形成できなかった。しかし、発生したプラズマの熱による加工する本発明の方法によれば、レーザ照射条件によって、孔径60μm以下の孔加工も実現できる。
レーザの一部が孔内壁で反射され、孔の深さ方向に進行することで、プラズマが孔底部に到達し、深さ方向に加工が進行する。レーザ照射時間や、開口数を調節することで、プラズマの到達深度が変わり、任意の深さの孔を形成できる。特に、低い開口数を選択することで、レーザのガラス基板への入射角度が小さくなり、孔形成中においては、孔内壁に対するレーザの反射角度が大きくなるため、レーザがより深くまで到達でき、高いアスペクト比を有する孔が形成できる。
本発明で使用されるレーザの波長は、レーザの波長に対する被加工ガラスの吸収係数が0.5cm−1以下であれば、特に限られない。ガラスへの吸収係数が小さい波長を有するレーザで加工することにより、ガラス基板への熱影響を抑えられるため、孔径の拡大を防ぐことができる。従って、本発明では、目的とする孔径の孔を加工するために、被加工ガラスの吸収係数が0.5cm−1であるようなレーザ波長を選択することを特徴とする。好ましくは0.3cm−1以下、更に好ましくは0.15cm−1以下であると、熱影響を更に軽減できる。この条件を満たす波長の範囲は、例えば下限が350nm以上、好ましくは500nm以上、より好ましくは1000nm以上であり、上限が3000nm以下、好ましくは2050nm以下、より好ましくは1090nm以下である。
レーザの平均出力は、50W〜300Wの範囲である。レーザの平均出力がこの範囲であれば、本発明に記載の、直径20μm〜80μmの孔が形成できる。レーザの出力の大きさは、特に形成する孔の孔径に与える影響が大きく、出力が大きなレーザをガラス基板に照射することにより、短時間で大きな孔径の孔が形成される傾向にある。更に、クラックの発生を抑制し、高品質の孔を形成するには、レーザの平均出力は250W以下であることが好ましく、150W以下であることがより好ましい。一方、安定的に孔を形成し、孔曲がりを抑制して、孔品質を向上するためには、レーザ平均出力は、70W以上が好ましく、80W以上がより好ましい。
レーザのガラス基板への照射時間は、加工したい孔の孔径、深さに応じて適当な値に調節される。特に、照射時間は形成される孔の深さへの影響が大きい。同じ開口数、出力で、照射時間を長くすると、深く、アスペクト比の大きな孔を形成することができる。本発明に記載の方法では、連続発振されたレーザを使用することにより、1孔の加工時間を従来技術より短くすることが可能であり、生産性を大幅に改善できる。加工時間短縮の観点から言えば、照射時間は短いほど好ましく、例えば1ms以下であり、好ましくは500μs以下であり、より好ましくは300μs以下である。一方で、十分に孔形成を進めるために、照射時間は好ましくは1μs以上であり、より好ましくは10μs以上であり、更に好ましくは50μs以上である。
集光レンズの開口数は、レーザの集光半角の正弦値として与えられる値である。開口数は、加工したい孔の孔径、深さに応じて、適当な値に調節される。例えば、開口数は形成される孔の孔深さやアスペクト比に影響を与える。出力、照射時間が同じであっても、低い開口数ほど深く、アスペクト比が高い孔が形成される傾向にある。深孔を形成するためには、開口数は0.150以下が好ましく、0.130以下がより好ましい。一方、集光エネルギーを確保し、安定して孔を形成するためには、開口数は0.015以上が好ましく、0.020以上がより好ましい。
以上の条件でレーザを照射することにより、ガラス基板に直径20μm〜80μm、深さ10μm〜700μmの範囲である孔を形成することが可能になる。孔は、ガラス基板を貫通していても良く、未貫通で合っても良い。以下で、形成される孔の形状の詳細について説明する。図1には、ガラス基板に形成され得る未貫通孔の模式図を示す。
以下では、本発明の具体的な実施の形態について、詳細を説明する。
本発明の第1の実施形態による孔を有するガラス基板の製造方法について、図2または図3を参照して説明する。
(工程S110)相互に対向する第1および第2の表面を有するガラス基板を準備する工程(ガラス基板準備工程)と、
(工程S120)前記ガラス基板の前記第1の表面に、レーザの少なくとも一部のエネルギーを吸収する機能を有する吸収層を設置する工程(吸収層設置工程)と、
(工程S130)平均出力が50〜500Wの範囲であり、前記ガラス基板の吸収係数が0.5cm−1以下である波長を備えたレーザを連続発振し、前記ガラス基板の、前記第1の表面の側に1ms以下の照射時間で照射することにより、前記ガラス基板に、直径20μm〜80μm、深さ10μm〜700μmの範囲である孔を形成する工程(レーザ照射工程)と、
を有する。
まず、被加工用のガラス基板10が準備される。ガラス基板は相互に対向する第1の表面10および第2の表面10bを有する。
次に、ガラス基板の第1の表面10aに、レーザの少なくとも一部のエネルギーを吸収する機能を有する吸収層が設置される。
次に、吸収層が設置されたガラス基板の第1の表面10aにレーザが照射される。図3には、工程S130で使用され得る装置の構成を概略的に示す。
図3に示すように、レーザ照射装置140は、ステージ150、レーザ発振器160と、ビーム調整光学系170と、集光レンズ180等を有する。
レーザビーム165の波長は、レーザビーム165の波長に対する被加工ガラスの吸収係数が0.5cm−1以下であれば、特に限られない。
NA=n・sinθ・・・(1)
ここで、空気の屈折率n=1であるとすると、上式(1)は、下記式(2)のように表される。
NA=sinθ・・・(2)
ここで、集光半角θは、下記式(3)により算出される値である。
(r/2)/f=tanθ・・・(3)
この時、上式(3)において、rは集光レンズ180に入射するレーザビーム175のビーム径、fは集光レンズ180の焦点距離(図3参照)である。なお、図3は、ガラス基板の第1の表面10a上に焦点が設定された場合を示している。
今、θは充分に小さく、sinθはtanθで近似できるため、(2)、(3)より、開口数NAは下記(4)式で計算できる。
NA=(r/2)/f・・・(4)
本発明では、(4)式を用いて開口数NAの計算を行った。
次に、本発明の第2の実施形態による孔を有するガラス基板の製造方法について、図4を参照して説明する。
(工程S210)相互に対向する第1および第2の表面を有するガラス基板を準備する工程(ガラス基板準備工程)と、
(工程S220)前記ガラス基板の前記第1の表面に、レーザの少なくとも一部のエネルギーを吸収する機能を有する吸収層を設置する工程吸収層を設置する工程(吸収層設置工程)と、
(工程S230)平均出力が50〜500Wの範囲であり、前記ガラス基板の吸収係数が0.5cm−1以下である波長を備えたレーザを連続発振し、前記ガラス基板の、前記第1の表面の側に1ms以下の照射時間で照射することにより、前記ガラス基板に、直径20μm〜80μm、深さ10μm〜700μmの範囲である孔を形成する工程(レーザ照射工程)と、
(工程S240)前記ガラス基板をアニールする工程(アニール工程)と、
(工程S250)前記ガラス基板をエッチングする工程(エッチング工程)と、
を有する。
まず、被加工用のガラス基板が準備される。なお、この工程は前述の第1の実施形態における工程S110と同様であるため、ここではこれ以上詳しく説明しない。
次にガラス基板の表面に、吸収層が設置される。なお、この工程は前述の第1の実施形態における工程S120と同様である。
次に、吸収層が設置されたガラス基板の第1の表面にレーザが照射される。なお、この工程は前述の第1の実施形態における工程S130と同様である。
次に、前記ガラス基板がアニールされる。アニールにより、レーザ照射工程によりガラス基板の孔周辺に生じた応力を緩和できる。これにより、この後のエッチング工程で、孔の内壁を等方的に、均一に除去することが可能になる。
次に、前記ガラス基板がエッチングされる。エッチングにより、孔径の拡大、孔内部の平滑化、ガラス基板表面のデブリ除去等が可能である。本発明の製造方法によると、エッチングを行わずに、レーザ照射のみで孔径20μm〜80μmの孔径を有する孔を得られることが特徴であった。従って、第2の実施形態のように、レーザ照射後、エッチング工程を行う場合であっても、従来の、パルスレーザによりアブレーションを発生させ、1〜15μmの微細孔をあけた後、エッチングで孔径を拡張する方法と比較しても、本発明の方法では、エッチング工程に有するエッチング液の量や、時間、エッチングされるガラス基板の量を少なくすることが可能である。
例1〜16では、厚さ500μmのガラス基板を用いて孔形成実験を行った。実験条件と結果を下記表1にまとめた。下記で、各例の条件について説明する。
まず、対向する第1、第2の表面を有するガラス基板を準備した。ガラス基板は無アルカリガラスであり、波長1070nmのレーザに対する吸収係数は約0.15cm−1であった。ガラス基板の厚さは500μmであった。
例2〜4では、例1と同様に、ガラス基板準備工程、吸収層設置工程を行い、同じ装置を用いてレーザ照射工程を行った。なお、各条件は例1と同様に、レーザビーム波長は1070nm、開口数NAは0.047、スポット径は16μm、出力は50Wであり、レーザビームは連続発振し、レーザビームの焦点はガラス基板の第1の表面上に設定した。例2、3、4ではレーザの照射時間はそれぞれ、100μs、200μs、300μsであった。
例5〜7では、例1と同様にガラス基板準備工程、吸収層設置工程を行い、同じ装置を用いてレーザ出力を88Wに変更し、レーザ照射工程を行った。なお、各条件は例1と同様に、レーザビーム波長は1070nm、開口数NAは0.047、スポット径は16μmであり、レーザビームは連続発振し、レーザビームの焦点はガラス基板の第1の表面上に設定した。例5、6、7ではレーザの照射時間をそれぞれ50μs、100μs、200μsに設定した。
例1と同様にガラス基板準備工程、吸収層設置工程を行い、同じ装置を用いてレーザ出力を100Wに変更し、レーザ照射工程を行った。レーザの照射時間は例8では50μs、例9では100μs、例10では200μsに設定した。なお、その他の各条件は例1と同様に、レーザビーム波長は1070nm、開口数NAは0.047、スポット径は16μmであり、レーザビームは連続発振し、レーザビームの焦点はガラス基板の第1の表面上に設定した。
例1と同様にガラス基板準備工程、吸収層設置工程を行い、同じ装置を用いてレーザ出力を150Wに変更し、レーザ照射工程を行った。レーザの照射時間は、例11では50μs、例12では100μs、例13では200μsに設定した。なお、各条件は例1と同様に、レーザビーム波長は1070nm、開口数NAは0.047、スポット径は16μmであり、レーザビームは連続発振し、レーザビームの焦点はガラス基板の第1の表面上に設定した。
例1と同様にガラス基板準備工程、吸収層設置工程を行い、同じ装置を用いてレーザ出力を200Wに変更し、レーザ照射工程を行った。照射時間は300μsであった。なお、その他の各条件は例1と同様に、レーザビーム波長は1070nm、開口数NAは0.047、スポット径は16μmであり、レーザビームは連続発振し、レーザビームの焦点はガラス基板の第1の表面上に設定した。
次に、ガラス基板の厚さを変更し、貫通孔を形成する実験を行った。ガラス基板は対向する第1の表面と第2の表面を有し、例1〜14と同様の組成、吸収係数を有するものを用いた。ガラス基板の厚さは例15では100μm、例16では200μm、例17では300μm、例18〜20では700μmとした。下記表2に、例15〜20の実験条件と結果をまとめた。
例15では、出力は88W、照射時間は70μsとした結果、厚さ100μmのガラス基板にテーパ形状の貫通孔が形成できた。この時、ガラス基板の第1の表面における開口部の径(以下、TOP孔径と記載する)は30μm、第2の表面における開口部の径(以下、BTM孔径と記載する)は13μmであり、従ってアスペクト比は3.33以上であった。例16では、出力88W、照射時間100μsとした結果、厚さ200μmのガラス基板にテーパ形状の貫通孔が形成できた。この時、TOP孔径は37μm、BTM孔径は11μmであり、従って推定されるアスペクト比は5.41以上である。例17では出力100W、照射時間140μsとした結果、厚さ300μmのガラス基板にテーパ形状の貫通孔が形成できた。この時、TOP孔径は43μm、BTM孔径は10μmであり、従って推定されるアスペクト比は6.98以上であった。なお、各例で10孔を加工したところ、クラックは発生しなかった。
例18〜20では、厚さ700μmのガラス基板を用いて実験を行った。例18では、出力100W、照射時間200μs、例19では、出力100W、照射時間300μs、例20では、出力150W、照射時間300μsとして加工を行った。
次に、レーザ照射工程における、開口数NA、スポット径を例1〜20と異なる値になるよう調節し、実験を行った。下記の表3に、例21〜24におけるレーザ照射条件と、レーザ照射工程によって形成された孔の孔径φ、孔深さd、アスペクト比d/φをまとめた。
次に、レーザ照射工程により、ガラス基板に貫通孔を形成した後、上述の第2の実施形態で示したような、アニール工程とエッチング工程を行った実験結果を示す。図6には、例28における、エッチング後の貫通孔のガラス基板第1の表面における開口部(601)、第2の表面における開口部(603)と孔の断面写真(602)を示した。写真における第1の表面における開口部の直径は57μm、第2の表面における開口部の直径は28μmであり、ガラス基板の厚さは482μmであった。下記の表4には、例25、26、27、28の、レーザ照射条件と、アニール、エッチング工程後の、ガラス基板の第1の表面における孔径(TOP孔径)、第2の表面における孔径(BTM孔径)、エッチングにより減少したガラス基板の厚み、をまとめた。
次に、吸収層の設置位置、レーザ照射工程における、レーザ焦点の形成位置を変更して実験を行った。
例1〜14と同じ、厚さ500μmのガラス基板を用いて、第1の実施形態におけるレーザ照射工程を行う。第1の表面に吸収層を設置し、例1〜14と同様の装置に、第2の表面をステージの側にしてガラス基板を設置する。ガラス基板に入射させたレーザビーム145の波長は1070nm、開口数NAは0.047、スポット径は16μm、出力10W、照射時間50μsとし、レーザビーム185は連続発振し、レーザビーム185の焦点はガラス基板の第1の表面上に設定して加工を行う。
例1〜14と同じ、厚さ500μmのガラス基板を用いて、第1の実施形態におけるレーザ照射工程を行った。第1の表面に吸収層を設置し、例1〜14と同様の装置に、第2の表面をステージの側にしてガラス基板を設置した。ガラス基板に入射させたレーザビーム185の波長は1070nm、開口数NAは0.047、スポット径は16μm、出力300W、照射時間300μsとし、レーザビーム185は連続発振し、レーザビーム185の焦点はガラス基板の第1の表面上に設定して加工を行った。
10a ガラス基板の第1の表面
10b ガラス基板の第2の表面
11 ガラス基板に形成された、第1の表面に開口部を有する孔
140 レーザ照射装置
150 ステージ
160 レーザ発振器
165 レーザ発振器120から発振されたレーザビーム
170 ビーム調整光学系
175 ビーム調整光学系130により調製されたレーザビーム
180 集光レンズ
185 集光レンズ140により集光されたレーザビーム
d ガラス基板に形成された、第1の表面に開口部を有する孔の孔深さ
φ ガラス基板に形成された孔の開口部径(孔径)
t ガラス基板の厚さ
f 集光レンズ180の焦点距離
s レーザビーム185のスポット径
r レーザビーム175のビーム径
θ 集光半角
Claims (12)
- 相互に対向する第1および第2の表面を有するガラス基板を準備する工程と、
前記ガラス基板の前記第1、第2の表面のうち、少なくとも1つの表面に、レーザの少なくとも一部のエネルギーを吸収する機能を有する吸収層を設置する工程と、
平均出力が50〜500Wの範囲であり、前記ガラス基板の吸収係数が0.5cm−1以下である波長を備えたレーザを連続発振し、前記ガラス基板の、前記第1の表面の側に1ms以下の照射時間で照射することにより、前記ガラス基板に、直径20μm〜80μm、深さ10μm〜700μmの範囲である孔を形成する工程と、
を有することを特徴とする、孔を有するガラス基板の製造方法。 - 前記孔のアスペクト比が1〜15となるように、前記レーザを照射することを特徴とする、ガラス基板の製造方法、請求項1に記載の製造方法。
- 前記レーザは、開口数(NA)が0.015〜0.150で照射されることを特徴とする、請求項1乃至2のいずれか一つに記載の製造方法。
- 前記レーザの波長は、350nm〜3000nmであることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の製造方法。
- 前記レーザは、ファイバーレーザである、請求項1乃至4のいずれか一つに記載の製造方法。
- 前記レーザのスポット径が、4μm〜50μmの範囲であることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一つに記載の製造方法。
- 前記レーザの焦点がガラス基板の第1の表面、第2の表面、ガラス基板内部のいずれか一つに形成されることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一つに記載の製造方法。
- 前記レーザのビームはシングルモードであることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一つに記載の製造方法。
- 前記ガラス基板をアニールする工程を有することを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一つに記載の製造方法。
- 前記ガラス基板をエッチングする工程を有することを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一つに記載の製造方法。
- 前記吸収層に、前記レーザが照射されることにより発生したプラズマが、前記ガラス基板に凹部を形成し、更に、前記プラズマが、連続して入射される前記レーザを吸収することにより存続し、前記凹部を拡大し、前記ガラス基板に孔を形成することを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか一つに記載の製造方法。
- 前記吸収層を前記ガラス基板の前記第1の表面に設置することを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか一つに記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018103434A JP7091846B2 (ja) | 2018-05-30 | 2018-05-30 | レーザを用いて孔を有するガラス基板を製造する方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018103434A JP7091846B2 (ja) | 2018-05-30 | 2018-05-30 | レーザを用いて孔を有するガラス基板を製造する方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019206460A true JP2019206460A (ja) | 2019-12-05 |
JP7091846B2 JP7091846B2 (ja) | 2022-06-28 |
Family
ID=68767379
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018103434A Active JP7091846B2 (ja) | 2018-05-30 | 2018-05-30 | レーザを用いて孔を有するガラス基板を製造する方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7091846B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112894141A (zh) * | 2021-01-21 | 2021-06-04 | 天津修船技术研究所(中国船舶重工集团公司第六三一三研究所) | 一种特种发动机进气段部件激光焊接方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3001816B2 (ja) * | 1995-08-16 | 2000-01-24 | サンタ・バーバラ・リサーチ・センター | Nd:YAGレーザを使用するガラス上へのレーザスクライビング |
JP2000301372A (ja) * | 1999-04-23 | 2000-10-31 | Seiko Epson Corp | 透明材料のレーザ加工方法 |
WO2002081142A1 (fr) * | 2001-04-02 | 2002-10-17 | Taiyo Yuden Co., Ltd. | Procede d'usinage de materiau translucide par faisceau laser et materiau translucide usine |
-
2018
- 2018-05-30 JP JP2018103434A patent/JP7091846B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3001816B2 (ja) * | 1995-08-16 | 2000-01-24 | サンタ・バーバラ・リサーチ・センター | Nd:YAGレーザを使用するガラス上へのレーザスクライビング |
JP2000301372A (ja) * | 1999-04-23 | 2000-10-31 | Seiko Epson Corp | 透明材料のレーザ加工方法 |
WO2002081142A1 (fr) * | 2001-04-02 | 2002-10-17 | Taiyo Yuden Co., Ltd. | Procede d'usinage de materiau translucide par faisceau laser et materiau translucide usine |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112894141A (zh) * | 2021-01-21 | 2021-06-04 | 天津修船技术研究所(中国船舶重工集团公司第六三一三研究所) | 一种特种发动机进气段部件激光焊接方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP7091846B2 (ja) | 2022-06-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI692457B (zh) | 藉由電磁輻射及後續蝕刻製程將至少一個凹槽導入材料的方法 | |
US9278886B2 (en) | Methods of forming high-density arrays of holes in glass | |
US20120031883A1 (en) | Laser machining device and laser machining method | |
JP4833773B2 (ja) | 微細穴開け加工方法 | |
US20230086962A1 (en) | Method of producing glass substrate having hole and glass laminate for annealing | |
CN111390380B (zh) | 印刷电路板的激光加工方法及其激光加工机 | |
JP5508533B2 (ja) | 光吸収基板の製造方法、及びそれを製造するための成形型の製造方法 | |
JP2017226581A (ja) | ガラスの加工方法 | |
JP6274284B2 (ja) | パルスレーザを用いてガラス基板に孔を形成する方法、および孔を有するガラス基板を製造する方法 | |
JP2008055478A (ja) | 仕上げ加工方法 | |
JP2018070429A (ja) | 穴あき基板の製造方法、微細構造体の製造方法、およびレーザ改質装置 | |
JP2019206460A (ja) | レーザを用いて孔を有するガラス基板を製造する方法 | |
JP2007175778A (ja) | 透明体のレーザ加工方法 | |
JPH10305374A (ja) | 透明体のレーザ加工方法 | |
JP2001121278A (ja) | レーザ切断方法 | |
JP6110403B2 (ja) | 共振器を作成する方法 | |
US20230017356A1 (en) | Through-glass via-hole formation method | |
TWI725155B (zh) | 玻璃基板之製造方法、於玻璃基板形成孔之方法、及於玻璃基板形成孔之裝置 | |
KR20120108752A (ko) | 미세 요철부를 형성하기 위한 레이저 가공 방법 | |
JP2011228495A (ja) | 半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板の製造方法および半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板 | |
TW202330142A (zh) | 用於玻璃穿孔的貝索爾光束雷射加工方法 | |
WO2011046052A1 (ja) | 電極板の通気孔形成方法 | |
JP2005342749A (ja) | レーザ加工方法 | |
TWI698401B (zh) | 玻璃基板之穿孔製作方法 | |
JP2022137321A (ja) | ガラス物品の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210217 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20211208 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220201 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220221 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20220221 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220517 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220530 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7091846 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |