JP2011228495A - 半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板の製造方法および半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板 - Google Patents

半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板の製造方法および半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板に比べて、ワレや破損の生じにくいガラス基板を製造する方法。
【解決手段】半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板前駆体の製造方法であって、
厚さが0.01mm〜5mmの、SiO含有量が50wt%〜70wt%のガラス基板であって、平均熱膨張係数が10×10−7/K〜50×10−7/Kのガラス基板を準備し、前記ガラス基板を、エキシマレーザ光発生装置からのエキシマレーザ光の光路上に配置し、前記エキシマレーザ光発生装置と、前記ガラス基板との間の前記光路上に、マスクを配置し、前記エキシマレーザ光発生装置から、前記光路に沿って前記ガラス基板の第1の表面に、前記エキシマレーザ光を照射し、これにより、前記ガラス基板の第1の表面に、複数の凹部を形成する、製造方法。
【選択図】図5

Description

本発明は、半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板に関する。
高密度実装化に伴うプリント回路基板の高密度化の要求に応えるため、複数のプリント回路基板を積層した多層プリント回路基板が開発されている。このような多層回路基板では、樹脂製の絶縁層にビアホールと呼ばれる直径100μm以下程度の微細な貫通孔を形成し、この内部にメッキを施して、上下に積層されたプリント回路基板間の導電層同士を電気的に接続する。
このような貫通孔をより容易に形成する方法として、特許文献1、2には、多数の貫通穴が形成されたマスクを介して、絶縁層にレーザ光を照射する方法が記載されている。この方法によれば、樹脂製の絶縁層に複数の貫通孔を同時に空けることができるので、多数の貫通孔(ビアホール)をより容易に形成することができると考えられる。
また、ICチップの小型化、薄型化の要求に応えるため、近年ウェハレベルパッケージ(WLP)技術が盛んに利用されている。これは、パッケージサイズをICチップと同等に抑えることが可能な技術であり、ICが形成されたウェハ表面において、半導体パッケージとして必要な再配線、ハンダバンプ加工、樹脂封止等を行い、その後にダイシング加工により、各チップを個片化する。WLP技術では、通常シリコンウェハを樹脂で封止したものをダイシング加工により個片化しているが、近年、信頼性の面から陽極接合技術等により、ガラスをシリコンに接着したものが用いられるようになってきた。
また、半導体デバイスの小型化、高速化、低消費電力化の要求がより一層高まる中、複数のLSIからなるシステムを1つのパッケージに収める、システムインパッケージ(SiP)技術と3次元実装技術を組み合わせた3次元SiP技術の開発も進められている。この場合、ワイヤーボンディング技術では、微細なピッチに対応することができないため、貫通電極を用いたインターポーザと呼ばれる中継基板が必要となる。
特開2005−88045号公報 特開2002−126886号公報
前述のような半導体デバイス用の貫通電極を提供するための部材として、ガラス基板を使用することが考えられる。
ここで、通常の場合、そのような半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板は、貫通孔形成後に別の工場に搬送され、この別の工場で半導体デバイスの製造に利用される場合が多いと予想される。例えば、半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板は、ガラスメーカの製品として単独で市場に流通され、その後、半導体メーカにおいて、半導体デバイスの一部に組み込まれる場合などが考えられる。
しかしながら、半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板は、比較的薄い上、多数の貫通孔を有するため、比較的強度が低いという性質がある。このため、このガラス基板を別の場所に搬送中に、ガラス基板にワレが生じたり、ガラス基板が簡単に破損してしまう可能性があるという問題がある。
特に、将来の半導体デバイスの集積密度の増大に対応して、ガラス基板に形成される貫通孔の数は、今後さらに増加すると予想される。この場合、ガラス基板のワレや破損の問題は、より顕著になるおそれがある。
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、本発明では、従来の半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板に比べて、よりワレや破損の生じにくいガラス基板を製造する方法を提供することを目的とする。また、本発明では、従来の半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板に比べて、よりワレや破損の生じにくいガラス基板を提供することを目的とする。
本発明では、半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板前駆体の製造方法であって、
厚さが0.01mm〜5mmの、SiO含有量が50wt%〜70wt%のガラス基板であって、平均熱膨張係数が10×10−7/K〜50×10−7/Kのガラス基板を準備し、前記ガラス基板を、エキシマレーザ光発生装置からのエキシマレーザ光の光路上に配置し、前記エキシマレーザ光発生装置と、前記ガラス基板との間の前記光路上に、マスクを配置し、前記エキシマレーザ光発生装置から、前記光路に沿って前記ガラス基板の第1の表面に、前記エキシマレーザ光を照射し、これにより、前記ガラス基板の第1の表面に、複数の凹部を形成する、製造方法が提供される。
また、本発明では、この製造方法によって得られたガラス基板前駆体において、
前記凹部を利用して、前記ガラス基板に、複数の貫通孔を形成することにより、半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板を製造することを特徴とする製造方法が提供される。
ここで、本発明による製造方法において、前記複数の貫通孔の形成は、前記ガラス基板の前記第1の表面とは反対側の第2の表面を研磨することにより行われても良い。
また、本発明による製造方法において、前記凹部は、前記ガラス基板の厚さの10%〜95%の深さを有しても良い。
また、本発明による製造方法において、前記エキシマレーザ光を照射する工程は、照射フルエンスが2〜20J/cmである前記エキシマレーザ光を、前記照射フルエンス(J/cm)とショット数(回)と前記ガラス基板の厚さ(mm)との積が、1000〜30000となるように照射する工程を有しても良い。
また、本発明による製造方法において、前記エキシマレーザ光は、KrFレーザ、ArFレーザ、またはFレーザのいずれかであっても良い。
さらに、本発明では、半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板の前駆体であって、
当該ガラス基板の前駆体は、第1の表面、および該第1の表面とは反対側の第2の表面を有し、
前記第1の表面には、前記第2の表面まで貫通されていない複数の凹部が形成され、
前記第1の表面の前記凹部の開口の周囲には、高さが10nm〜1000nmの範囲の凸状部が形成されていることを特徴とするガラス基板の前駆体が提供される。
ここで、本発明のガラス基板の前駆体において、リタデーション値は、10nm以下であっても良い。
また、本発明のガラス基板の前駆体において、前記第1の表面の前記凹部の開口は、略円形であり、5μm〜500μmの範囲の直径を有しても良い。
本発明では、従来の半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板に比べて、よりワレや破損の生じにくいガラス基板を製造する方法を提供することができる。また、従来の半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板に比べて、よりワレや破損の生じにくいガラス基板を提供することが可能となる。
従来の半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板の断面図である。 本発明の製造方法に使用される製造装置の一構成を概略的に示した図である。 本発明のガラス基板前駆体の断面図の一例を示した図である。 本発明の別のガラス基板前駆体の断面図の一例を示した図である。 本発明の製造方法のフローを概略的に示した図である。 実施例で用いたマスクのパターンを示す概略図である。
以下、図面により本発明について説明する。
本発明の特徴をより良く理解するため、まず、従来の半導体デバイス貫通電極用多孔ガラス基板の構成について、簡単に説明する。
図1には、従来の半導体デバイス貫通電極用多孔ガラス基板の断面図を示す。
図1に示すように、従来の半導体デバイス貫通電極用多孔ガラス基板1は、第1の表面1aと、第2の表面1bとを有する。また、ガラス基板1は、貫通孔5を有する。この貫通孔5は、ガラス基板1の第1の表面1aから、第2の表面1bまで貫通している。
通常の場合、貫通孔5には、導電性物質が充填され、この導電性物質は、例えば、ガラス基板1の上下に設置された半導体デバイスや素子用の電極として使用される。また、ガラス基板1は、半導体デバイス同士間を絶縁する役割を有する。
従って、ガラス基板1は、半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板として使用することができる。
しかしながら、このような半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板1は、比較的薄い上、多数の貫通孔5を有するため、比較的強度が低いという性質がある。このため、このガラス基板1を別の場所に搬送中に、ガラス基板1にワレが生じたり、ガラス基板1が簡単に破損してしまうという問題がある。
特に、今後、半導体デバイスの集積密度の増大に対応して、ガラス基板に形成される貫通孔の数は、さらに増加すると予想される。この場合、ガラス基板のワレや破損の問題は、より顕著になるおそれがある。
これに対して、本発明では、半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板前駆体の製造方法であって、厚さが0.01mm〜5mmの、SiO含有量が50wt%〜70wt%のガラス基板であって、平均熱膨張係数が10×10−7/K〜50×10−7/Kのガラス基板を準備し、前記ガラス基板を、エキシマレーザ光発生装置からのエキシマレーザ光の光路上に配置し、前記エキシマレーザ光発生装置と、前記ガラス基板との間の前記光路上に、マスクを配置し、前記エキシマレーザ光発生装置から、前記光路に沿って前記ガラス基板の第1の表面に、前記エキシマレーザ光を照射し、これにより、前記ガラス基板の第1の表面に、複数の凹部を形成する、製造方法が提供される。
本発明の方法では、ガラス基板は、貫通孔を有さない状態で製作が完了する(本願では、このような状態のガラス基板を、特に「ガラス基板前駆体」とも称する)。このため、本発明では、従来の半導体デバイス貫通電極用多孔ガラス基板に比べて、よりワレや破損の生じにくいガラス基板を製造する方法を提供することができる。なお、本発明の方法によって得られたガラス基板には、半導体デバイスの製造段階において、凹部を利用することにより、容易に貫通孔を形成することができる。
以下、図2を参照して、本発明による半導体デバイス貫通電極用のガラス基板を製造する方法について、より詳しく説明する。
図2には、本発明のガラス基板を製造する際に使用される製造装置構成図の一例を示す。
図2に示すように、製造装置100は、エキシマレーザ光発生装置110と、マスク130と、ステージ140とを備える。エキシマレーザ光発生装置110とマスク130との間には、複数のミラー150〜151およびホモジナイザー160が配置される。また、マスク130とステージ140との間には、別のミラー152および投影レンズ170が配置される。
マスク130は、例えば、レーザ光に対して透明な基材(透明基材)上に、反射層のパターンが配置された構成を有する。従って、マスク130において、透明基材上に反射層が設置されている箇所は、レーザ光を遮断し、反射層が設置されていない箇所は、レーザ光を透過することができる。
あるいは、マスク130は、貫通開口を有する金属板等で構成されても良い。金属板の材料としては、例えば、クロム(Cr)、およびステンレス鋼等が使用される。
ステージ140上には、被加工対象となるガラス基板120が配置される。ステージ140を2次元的に、または3次元的に移動することにより、ガラス基板120を任意の位置に移動することができる。
このような製造装置100の構成において、エキシマレーザ光発生装置110から生じたエキシマレーザ光190は、第1のミラー150、ホモジナイザー160および第2のミラー151を通り、マスク130に入射される。なお、エキシマレーザ光190は、ホモジナイザー160を通過した際に、均一な強度のレーザ光に調整される。
マスク130は、前述のように、レーザ光に対して透明な基材上に、反射層のパターンを有する。このため、エキシマレーザ光190は、反射層のパターン(より詳しくは、反射層の設置されていない部分)に対応したパターンで、マスク130から放射される。
その後、マスク130を透過したレーザ光190は、第3のミラー152によって方向調整され、投影レンズ170によって縮小投影され、ステージ140上に指示されたガラス基板120に入射される。このレーザ光190によって、ガラス基板120に、同時に複数の凹部が形成される。
ガラス基板120に凹部が形成された後、ステージ140上でガラス基板120を移動させてから、再度、ガラス基板120にエキシマレーザ光190を照射しても良い。これにより、ガラス基板120の表面の所望の部分に、所望の数の凹部を形成することができる。すなわち、本方法では、公知のステップ・アンド・リピート法を適用することができる。
なお、投影レンズ170は、ガラス基板120の表面の加工領域の全体に、エキシマレーザ光190を照射し、ガラス基板120上に、複数の凹部を一度に形成できるものが好ましい。しかしながら、通常、多くの凹部を一度に形成し得る照射フルエンスを得ることは困難である。そこで実際は、マスク130を通過したエキシマレーザ光190を、投影レンズ170によって縮小投影することにより、ガラス基板120の表面におけるエキシマレーザ光190の照射フルエンスを増加させ、凹部を形成するために必要な照射フルエンスを確保する。
投影レンズ170での縮小投影を利用することにより、ガラス基板120の表面におけるエキシマレーザ光190の断面積を、マスク130を通過した直後のエキシマレーザ光190の断面積に対して、1/10とすれば、照射フルエンスを10倍にすることができる。縮小率が1/10の投影レンズを用い、エキシマレーザ光の断面面積を1/100とすることにより、ガラス基板120の表面におけるエキシマレーザ光の照射フルエンスを、発生装置110から発生した直後のエキシマレーザ光の100倍とすることができる。
(本発明によって得られるガラス基板について)
次に、本発明の方法によって得られるガラス基板の構造の一例について、簡単に説明する。
図3には、本発明によるガラス基板の断面図の一例を概略的に示す。
図3に示すように、本発明によるガラス基板200は、第1の表面210aと、第2の表面210bとを有する。また、ガラス基板200は、第1の表面210aの側に開口280を有する、複数の凹部250を有する。なお、これらの凹部250は、貫通孔ではなく、このためガラス基板200の第2の表面210bまでは貫通していない。なお、凹部250の開口280の直径は、L1である。
また、本発明によるガラス基板200では、凹部250の開口280の周囲に、凸状部290が形成されている。これらの凸状部290は、凹部に充填された部材の「ストッパー」として機能する。このため、本発明によるガラス基板200では、例えば、凹部(最終的には、貫通孔となる部分)に電極を充填した際に、ガラス基板から電極が剥離したり脱落したりすることを抑制することが可能になる。
なお、凸状部290の第1の表面210aのレベルからの高さHは、例えば、10nm〜1000nmの範囲である。特に、高さHは、20nm〜500nmの範囲であることが好ましい。また、第1の表面210aにおける凸状部290の幅(外側部分と内側部分の間の領域の幅)は、通常0.1μm〜2μmの範囲である。
本発明では、ガラス基板200の50℃から300℃における平均熱膨張係数は、10×10−7/K〜50×10−7/Kの範囲にある。
通常のガラス基板は、その性状によっては、前述のような多層回路基板の絶縁層またはWLP用ガラスとして用いること、あるいはインターポーザとして用いることができない場合があると考えられる。シリコンウェハ上にガラス製絶縁層を積層し、シリコンウェハとガラス製絶縁層を接合したりする際に、絶縁層やWLPガラスがシリコンウェハから剥離したり、ウェハが反ったりしてしまう場合が想定されるからである。また、ガラスをインターポーザとして使用する場合、シリコンで構成されたチップとガラス製インターポーザとの熱膨張差によって、部品に反りが生じる危険性がある。
これに対して、本発明のガラス基板は、熱膨張係数が前述の範囲にある。従って、本発明のガラス基板は、シリコンウェハ上に積層したり、あるいは逆に、上部にシリコンによって構成されたチップを積層したりしても、ガラス基板とシリコンウェハとの間で剥離が生じたり、シリコンウェハが変形したりすることが生じ難い。
特に、ガラス基板の熱膨張係数は、25×10−7/K以上45×10−7/K以下であることが好ましく、30×10−7/K以上40×10−7/K以下であることがより好ましい。この場合、よりいっそう剥離および/または変形が抑制される。なお、マザーボードなどの樹脂基板とマッチングを得る必要がある場合は、ガラス基板の熱膨張係数は、35×10−7/K以上であることが好ましい。
なお、本発明において、50℃から300℃における平均熱膨張係数は、示差熱膨張計(TMA)を用いて測定し、JIS R3102(1995年度)に基づいて求めた値を意味する。
本発明のガラス基板は、厚さが0.01mm〜5mmの範囲にある。ガラス基板の厚さが5mmよりも厚くなると、凹部の形成に時間がかかり、また0.01mm未満になると、割れなどの問題が生じるおそれがある。本発明のガラス基板の厚さは、0.02〜3mmであることがより好ましく、0.02〜1mmであることがさらに好ましい。ガラス基板の厚さは、0.05mm以上0.4mm以下であることが特に好ましい。
ガラスのクラック発生挙動は、SiO含有量が多いガラスと少ないガラスでは異なることが知られており、SiO含有量が極めて多いガラスは、物体との接触などにより、コーン形状のクラックが生成しやすくなる。一方、SiO含有量が極端に少ないガラスは、物体との接触などにより、割れが生成しやすい。従って、ガラス基板中のSiO含有量を制御することによって、割れやクラックを、生成しにくくすることができる。
本発明のガラス基板は、アルカリ含有率が低いものであることが好ましい。具体的には、ナトリウム(Na)とカリウム(K)との合計含有量は、酸化物換算で3.5質量%以下であることが好ましい。合計含有量が3.5質量%を超えると、熱膨張係数が50×10−7/Kを超える可能性が高くなる。ナトリウム(Na)とカリウム(K)との合計含有量は、3質量%以下であることがより好ましい。本発明のガラス基板を高周波デバイスに用いる場合、あるいは例えば、50μm以下の貫通孔を200μm以下のピッチで多数形成する場合など、極めて微細なピッチで多数の貫通孔を形成する場合は、ガラス基板は、無アルカリガラスであることが特に好ましい。
ここで、無アルカリガラスとは、アルカリ金属の総量が、酸化物換算で0.1質量%未満のガラスを意味する。
本発明のガラス基板は、25℃、1MHzでの誘電率が6以下であることが好ましい。また、本発明のガラス基板は、25℃、1MHzでの誘電損失が0.005以下であることが好ましい。誘電率および誘電損失を小さくすることにより、優れたデバイス特性を発揮することができる。
ガラス基板の具体例としては、AN100ガラス(旭硝子社製)、EAGLEガラス(コーニング社製)、SWガラス(旭硝子社製)などが挙げられる。これらのガラス基板の熱膨張係数は、10×10−7/K以上50×10−7/K以下である。
AN100ガラスの特徴は、熱膨張係数が38×10−7/Kの無アルカリガラスであることであり、NaOとKOの合計含有量は、0.1wt%未満である。また、AN100ガラスは、Feの含有量が0.05wt%である。
SWガラスは、熱膨張係数が36×10−7/Kで、NaOとKOの合計含有量は、3wt%であり、Feの含有量は、50質量ppmである。
本発明のガラス基板は、複数の凹部を有する。各凹部は、円形であっても良い。この場合、凹部の直径は、本発明のガラス基板の用途によっても異なるが、一般的には、5μm〜500μmの範囲にあることが好ましい。凹部の直径は、本発明のガラス基板を、上記のような多層回路基板の絶縁層として用いる場合、0.01mm〜0.2mmであることがより好ましく、0.02mm〜0.1mmであることがさらに好ましい。
凹部の深さは、特に限定されないが、例えば前記凹部は、前記ガラス基板の厚さの10%〜95%の範囲であっても良い。
また、本発明のガラス基板では、凹部を利用して、ガラス基板に容易に貫通孔を形成することができる。
このような貫通孔を有するガラス基板は、ウェハレベルパッケージ(WLP)技術を適用して、ウェハ上に積層することにより、圧力センサー等に用いるICチップを形成することができる。この場合、空気を取り入れるための貫通孔の直径は、0.1〜0.5mmであることがより好ましく、0.2〜0.4mmであることがさらに好ましい。さらに、この場合、空気孔とは別の電極取り出し用の貫通孔の直径は、0.01〜0.2mmであることがより好ましく、0.02〜0.1mmであることがさらに好ましい。特に、インターポーザなどの貫通電極として用いる場合には、貫通孔の直径は、0.005〜0.075mmであることがより好ましく、0.01〜0.05mmであることがさらに好ましい。
なお、本発明のガラス基板において、上記円形の凹部の開口位置における直径と、凹部の底部における直径とは、異なる場合がある。この場合、「凹部の直径」とは、開口と底部のうちの大きい方の直径を意味するものとする。
大きいほうの直径(dl)と、小さいほうの直径(ds)の比(ds/dl)は、0.2〜0.99であることが好ましく、0.5〜0.90であることがより好ましい。
本発明のガラス基板において、凹部の数密度は、本発明のガラス基板の用途によっても異なるが、一般的には0.1個/mm〜10000個/mmの範囲である。本発明のガラス基板を、上記に説明したような多層回路基板の絶縁層として用いる場合、凹部の数密度は、3個/mm〜10000個/mmの範囲であることが好ましく、25個/mm〜100個/mmの範囲であることがより好ましい。また、ウェハレベルパッケージ(WLP)技術を適用し、本発明のガラス基板をウェハ上に積層して、圧力センサー等に用いるICチップを形成する場合、凹部の数密度は、1個/mm〜25個/mmであることが好ましく、2個/mm〜10個/mmの範囲であることがより好ましい。本発明によるガラス基板をインターポーザなどに用いる場合には、凹部の数密度は、0.1個/mm〜1000個/mmであることがより好ましく、0.5個/mm〜500個/mmであることがさらに好ましい。
本発明のガラス基板において、凹部の断面積は、開口から底面に向かって、単調に減少していても良い。
この特徴について、図4を用いて説明する。
図4には、本発明のガラス基板に形成された別の凹部の拡大断面図の一例を示す。
図4に示すように、本発明のガラス基板300は、第1の表面310aと、第2の表面310bとを有する。また、ガラス基板300は、凹部350を有する。この凹部350は、ガラス基板300の第1の表面310aに設けられた開口380aから、凹部350の底部380bまで貫通している。
凹部350の開口380aでの直径は、L1であり、底部380bでの直径は、L2である。
凹部350は、「テーパ角」αを有する。ここで、テーパ角αとは、ガラス基板300の表面310a(および第2の表面310b)の法線(図の点線)と、凹部350の壁面370とがなす角度を意味する。
なお、図4では、ガラス基板300の法線と、凹部350の右側の壁面370aとがなす角度をαとしているが、同図において、ガラス基板300の法線と凹部350の左側の面370bとがなす角も同様にテーパ角αであり、通常は、右側のテーパ角αと左側のテーパ角αとは、ほぼ同じ値を示す。右側のテーパ角αと左側のテーパ角αとの差は、30%程度あっても良い。
本発明のガラス基板において、テーパ角αは、0.1゜〜20゜の範囲にあることが好ましい。特に、テーパ角αは、特に、0.5゜〜10゜の範囲であることがより好ましい。
後述するように、本発明によるガラス基板の製造方法では、テーパ角αを任意に調整することができる。
なお、本願では、ガラス基板300の凹部350のテーパ角αは、以下のようにして求めることができる:
ガラス基板300の第1の表面310a側の開口380aにおける凹部350の直径L1を求める;
ガラス基板300の凹部350の底部380bにおける直径L2を求める;
凹部350の深さを求める;
凹部350の全体において、テーパ角αは、均一であると仮定して、上記測定値から、テーパ角αが算出される。
本発明のガラス基板は、エキシマレーザ光の波長に対する吸収係数が、3cm−1以上であることが好ましい。この場合、凹部の形成がより容易となる。より効果的にエキシマレーザ光を吸収させるためには、ガラス基板中の鉄(Fe)の含有率は、20質量ppm以上であることが好ましく、0.01質量%以上であることがより好ましく、0.03質量%以上であることがさらに好ましく、0.05質量%以上であることが特に好ましい。一方、Feの含有率が多い場合は、着色が強くなり、レーザ加工時の位置あわせが難しくなるおそれがある。Feの含有率は0.2質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましい。
本発明のガラス基板は、半導体用デバイス部材用、より詳しくは、多層回路基板の絶縁層、ウェハレベルパッケージ、電極取り出し用の貫通穴、インターポーザなどの用途に好適に用いられる。
(半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板の製造方法)
次に、本発明による半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板の製造方法について、詳しく説明する。
図5には、本発明における半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板の製造方法のフローの一例を概略的に示す。
図5に示すように、本発明による半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板の製造方法は、
(1)厚さが0.01mm〜5mmの、SiO含有量が50wt%〜70wt%のガラス基板であって、平均熱膨張係数が10×10−7/K〜50×10−7/Kのガラス基板を準備する工程(ステップS110)と、
(2)前記ガラス基板を、エキシマレーザ光発生装置からのエキシマレーザ光の光路上に配置する工程(ステップS120)と、
(3)前記エキシマレーザ光発生装置と、前記ガラス基板との間の前記光路上に、マスクを配置する工程(ステップS130)と、
(4)前記エキシマレーザ光発生装置から、前記光路に沿って前記ガラス基板の第1の表面に、前記エキシマレーザ光を照射する工程であって、これにより、前記ガラス基板の第1の表面に、複数の凹部が形成される工程(ステップS140)と、
を有する。
さらに、本発明による方法は、
(5)前記凹部を利用して、前記ガラス基板に、複数の貫通孔を形成する工程(ステップS150)
を有しても良い。
以下、各工程について説明する。
(ステップS110)
最初に、厚さが0.01mm〜5mm以下の、SiO含有量が50wt%〜70wt%のガラス基板であって、平均熱膨張係数が10×10−7/K〜50×10−7/Kのガラス基板が準備される。ガラス基板の好ましい組成等は、前述の通りである。
(ステップS120)
次に、前記ガラス基板は、エキシマレーザ光発生装置からのエキシマレーザ光の光路上に配置される。図2に示したように、ガラス基板120は、ステージ140上に配置されても良い。
エキシマレーザ光発生装置110から放射されるエキシマレーザ光190としては、発振波長が250nm以下であれば、使用することができる。出力の観点からは、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、またはFエキシマレーザ(波長157nm)が好ましい。取扱いとガラスの吸収の観点からは、ArFエキシマレーザがより好ましい。
また、エキシマレーザ光190として、パルス幅が短いものを用いた場合、ガラス基板120の照射部位における熱拡散距離が短くなり、ガラス基板に対する熱影響を抑えることができる。この観点からは、エキシマレーザ光190のパルス幅は、100nsec以下であることが好ましく、50nsec以下であることがより好ましく、30nsec以下であることがさらに好ましい。
また、エキシマレーザ光190の照射フルエンスは、1J/cm以上とすることが好ましく、2J/cm以上とすることがより好ましい。エキシマレーザ光190の照射フルエンスが低すぎると、アブレーションを誘起することができず、ガラス基板に貫通孔を形成することが難しくなるおそれがある。一方、エキシマレーザ光190の照射フルエンスが20J/cmを超えると、ガラス基板にクラックや割れが発生し易くなる傾向がある。エキシマレーザ光190の照射フルエンスの好適範囲は、使用するエキシマレーザ光190の波長域や加工されるガラス基板の種類等によっても異なるが、KrFエキシマレーザ(波長248nm)の場合、2〜20J/cmであることが好ましい。また、ArFエキシマレーザ(波長193nm)の場合、1〜15J/cmであることが好ましい。
なお、特に説明がない限り、エキシマレーザ光190の照射フルエンスの値は、加工されるガラス基板の表面における値を意味するものとする。また、このような照射フルエンスは、加工面上でエネルギーメータを使用して測定した値を意味するものとする。
(ステップS130)
次に、前記エキシマレーザ光発生装置110と、前記ガラス基板120との間に、マスク130が配置される。
マスク130は、前述のように、透明基材上に反射層のパターンを形成することにより構成されても良い。透明基材は、レーザ光190に対して透明である限り、材質は特に限定されない。透明基材の材質は、例えば、合成石英、溶融石英、パイレックス(登録商標)、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス等であっても良い。
一方、反射層は、レーザ光190を効率的に遮断する性質を有する限り、材質は特に限定されない。反射層は、例えば、クロム、銀、アルミニウム、および/または金等の金属、または誘電体多層膜で構成されても良い。誘電体多層膜としては、例えば、SiO、TiO、HfO、Ta、Al、Cr、MgF、MgO、ZrO等が挙げられる。
また、マスク130の大きさ、マスク130の反射層パターンの形状、配置等は、特に限定されない。
(ステップS140)
次に、マスク130を介して、エキシマレーザ光発生装置110からガラス基板120に、エキシマレーザ光190が照射される。
エキシマレーザ光190をガラス基板120に照射する際には、エキシマレーザ光の繰り返し周波数と照射時間とを調整することで、ショット数を調整することができる(ショット数=繰り返し周波数×照射時間)。
照射フルエンス(J/cm)とショット数(回)とガラス基板の厚さ(mm)との積が、1000〜30000となるように、エキシマレーザ光190をガラス基板120に照射することが好ましい。
この範囲は、ガラス基板120の種類や性状(特にガラス転移温度Tgに関連すると推定する)にもよるが、概ね1000〜20000であることがより好ましく、2000〜15000であることがより好ましく、3000〜10000であることがさらに好ましい。照射フルエンスとショット数との積がこのような範囲であると、よりクラックが形成され難いからである。照射フルエンスは1〜20J/cmであることが好ましい。
また、エキシマレーザ光の照射フルエンスが大きいと、テーパ角αが小さくなる傾向がある。逆に、照射フルエンスが小さいと、テーパ角αは、大きくなる傾向にある。そこで、照射フルエンスを調整することで、所望のテーパ角αの貫通孔を有するガラス基板を得ることができる。テーパ角αは、0.1゜〜20゜の範囲であっても良い。
なお、通常、半導体回路作製ウェハサイズは、6〜8インチ程度である。また、上記のように投影レンズ170によって縮小投影した場合、ガラス基板の表面での加工領域は、通常数mm角程度となる。従って、ガラス基板120の加工希望領域全体にエキシマレーザ光を照射するには、一箇所の加工が終了した後、エキシマレーザ光を移動するか、ガラス基板120を移動する必要がある。どちらかといえば、エキシマレーザ光に対してガラス基板120を移動させることが好ましい。光学系を駆動する必要がなくなるからである。
また、ガラス基板120にエキシマレーザ光を照射すると、デブリ(飛散物)が発生する場合がある。また、このデブリが凹部の内部に堆積すると、加工されたガラス基板の品質や加工レートが劣化する場合がある。従って、ガラス基板へのレーザ照射と同時に、吸引もしくは吹き飛ばし処理により、デブリの除去を行っても良い。
(ステップS150)
以上の工程により、複数の凹部を有するガラス基板を製造することができる。ただし、必要な段階で、さらに、前記凹部を利用して、前記ガラス基板に、複数の貫通孔を形成する処理を実施しても良い。
貫通孔の形成処理は、例えば、ガラス基板の第2の表面の側から、ガラス基板を研磨し、各凹部を貫通させることにより、実施しても良い。
なお、このステップは、通常、ガラス基板を用いて半導体デバイスを製造する直前に行われることが好ましい。そうでなければ、貫通孔を有するガラス基板の搬送および/または取扱の際に、ガラス基板にクラックが生じたり、ガラス基板が割れたりする可能性が高まるからである。
次に、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
図2に示した製造装置を用いて、以下の手順で、複数の凹部を有するガラス基板を製造する。
初めに、図2に示すように、エキシマレーザ光の発生装置110を配置した。なお、エキシマレーザ光の発生装置110には、LPX Pro 305(コヒレント社製)を用いる。この装置は、最大パルスエネルギー:0.6J、繰り返し周波数:50Hz、パルス幅:25ns、発生時ビームサイズ:10mm×24mm、発振波長:193nmのArFエキシマレーザ光を発生できる装置である。
次に、図2に示すように、厚さが0.3mmで、熱膨張係数が38×10−7/Kのガラス基板120(AN100、旭硝子社製、SiO含有量59wt%)を、ステージ140上に配置する。ガラス基板120は、ステージ140の上面において、任意の位置に移動させることができる。
次に、エキシマレーザ光の発生装置110とガラス基板120の間に、マスク130を配置する。図6には、使用したマスク130の構成を概略的に示す。
図6に示すように、本実施例で用いたマスク130は、縦20mm×横40mm、厚さ1.5mmの合成石英基板132の第1の表面134の一部に、クロム(Cr)の蒸着膜135を有するものである。Crの蒸着膜135は、合成石英基板132の第1の表面134の中央の縦10mm×横24mmの領域に設置する。
また、図6の右側に示すように、Crの蒸着膜135は、直径0.2mmの円形のCr非蒸着部137が縦横に2次元的に配列された配列パターンを有する。Cr非蒸着部137は、縦横いずれも0.4mmピッチで、縦に49個、横に99個配列する。
Crの蒸着部135は、ArFエキシマレーザ光を99.9%反射することができる。一方、Cr非蒸着部137は、ArFエキシマレーザ光を92%透過する。
次に、マスク130とガラス基板120の間に、投影レンズ170を配置する。投影レンズ170は、焦点距離が100mmのレンズであり、光路上におけるマスク130との距離が1100mm、ガラス基板120の加工面(ステージ140に接していない方の表面)との距離が110mmになるように配置する。この場合、投影レンズ170の縮小率は、1/10となり、1/10に縮小されたマスクパターンがガラス基板120に投影される。すなわち、エキシマレーザ光の発生装置110から、10mm×24mmのビームサイズで発生したエキシマレーザ光190は、ガラス基板120の加工面に到達した時点で、1.0mm×2.4mmのビームサイズとなるように縮小される(面積比=1/100)。
なお、ガラス基板120にレーザ加工を実施する前に、ガラス基板120の加工面におけるエキシマレーザ光190の照射フルエンスをエネルギーメータで測定する。その結果、照射フルエンスは、ビーム伝送系のロス等による減少分と、ビーム縮小による向上分とを併せて、最大11J/cm程度である。
このような製造装置を用いて、ガラス基板120の加工面にエキシマレーザ光190を照射する。なお、照射の際には、ガラス基板120の加工面での照射フルエンスが5J/cmとなるように、レーザ光190をアッテネーターで調整する。
レーザ光190の照射により、ガラス基板120には、49×99=4851箇所の凹部が同時に形成された。凹部が形成されるまでの照射時間は、26秒である。得られた各凹部の直径は、約20μmであり、ピッチは、約40μmである。また、凹部の深さは、約100μmである。
レーザ光190の照射開始からガラス基板120に凹部が形成されるまでの照射時間から、ショット数を求める。本実施例では、用いたエキシマレーザ光の繰り返し周波数は、50Hzであり、凹部が形成されるまでの照射時間は、26秒であるため、ショット数は、1300回と計算される(26秒×50回=1300回)。
加工後のガラス基板120には、外観上、クラックは、認められない。
複屈折イメージング装置Abrio(HIND Instruments社製)を用いて、得られたガラス基板の応力測定を行う。その結果、リタデーション値は、10nm以下であり、応力は、ほとんど存在しないことが確認される。また凹部の開口部周辺には、開口部と略同心円状に、幅が約1μm程度の凸状部(高さ約0.1μm)が形成されていることが確認される。
(比較例1)
実施例1と同様の方法で、ガラス基板に対してレーザ加工を実施する。ただし、この比較例1では、エキシマレーザ光発生装置110の代わりに、炭酸ガスレーザ発生装置(コヒレント社製、DAIAMOND−C40L)を使用する。炭酸ガスレーザ光の出力は、10Wである。なお、炭酸ガスレーザ発生装置から出射した炭酸ガスレーザ光は、ビーム整形素子(回折光学素子)でガウシアンビーム形状からトップフラットビーム形状に整形する。
また、投影レンズには、焦点距離100mmのZnSe製レンズを使用した。ガラス基板上でのレーザ集光径は、φ50μmである。ガラス基板の表面には、0.1秒間、炭酸ガスレーザ光を照射する。
炭酸ガスレーザ光の照射により、ガラス基板に凹部が形成される。
複屈折イメージング装置Abrio(HIND Instruments社製)を用いて、得られたガラス基板の応力測定を行う。その結果、凹部の周辺には、約20nm程度のリタデーションが発生していることが確認できる。このことから、炭酸ガスレーザ加工では、熱影響のため、加工領域に残留応力が発生することがわかる。このような残留応力は、ガラス基板の後割れやクラックの進展を誘発するおそれがあるため、好ましくない。
(比較例2)
実施例1に使用したガラス基板と同様のガラス基板を使用して、ドライエッチング法により、凹部を形成する。
ドライエッチング用のレジストには、厚さが15μmのFP415フィルムレジストを用いる。このレジストは、ガラス基板の表面に、直径50μmの凹部が、縦横にピッチ100μmで多数形成されるようにパターン化されている。
ドライエッチング処理は、0.33Paの圧力下で、20時間実施する。エッチングガスには、Ar/Cガスを用いる。
その結果、ガラス基板には、直径約50μm、深さ約120μmの凹部が形成される。
複屈折イメージング装置Abrio(HIND Instruments社製)を用いて、得られたガラス基板の応力測定を行う。その結果、リタデーション値は、10nm以下であり、応力は、ほとんど存在しない。
凹部周辺には、凸状部は、認められない。このようなガラス基板は、凹部内に電極を形成する際、ガラスから電極が剥がれやすくなるため好ましくないと考えられる。
本発明は、半導体用デバイス部材用、より詳しくは、多層回路基板の絶縁層、ウェハレベルパッケージ、電極取り出し用の貫通穴、インターポーザなどの用途に好適に用いられるガラス基板に利用することができる。
1 従来の半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板
1a 第1の表面
1b 第2の表面
5 貫通孔
100 製造装置
110 エキシマレーザ光の発生装置
120 ガラス基板
130 マスク
132 合成石英基板
134 第1の表面
135 Cr蒸着膜
137 非蒸着部
140 ステージ
150〜152 ミラー
160 ホモジナイザー
170 投影レンズ
190 エキシマレーザ光
200 本発明のガラス基板
210a 第1の表面
210b 第2の表面
250 凹部
280 開口
290 凸状部
300 本発明のガラス基板
310a 第1の表面
310b 第2の表面
380a 開口
350 凹部
370 壁面
380b 底部。

Claims (9)

  1. 半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板前駆体の製造方法であって、
    厚さが0.01mm〜5mmの、SiO含有量が50wt%〜70wt%のガラス基板であって、平均熱膨張係数が10×10−7/K〜50×10−7/Kのガラス基板を準備し、
    前記ガラス基板を、エキシマレーザ光発生装置からのエキシマレーザ光の光路上に配置し、
    前記エキシマレーザ光発生装置と、前記ガラス基板との間の前記光路上に、マスクを配置し、
    前記エキシマレーザ光発生装置から、前記光路に沿って前記ガラス基板の第1の表面に、前記エキシマレーザ光を照射し、これにより、前記ガラス基板の第1の表面に、複数の凹部を形成する、製造方法。
  2. 請求項1に記載の製造方法によって得られたガラス基板前駆体において、
    前記凹部を利用して、前記ガラス基板に、複数の貫通孔を形成することにより、半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板を製造することを特徴とする製造方法。
  3. 前記複数の貫通孔の形成は、前記ガラス基板の前記第1の表面とは反対側の第2の表面を研磨することにより行われることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記凹部は、前記ガラス基板の厚さの10%〜95%の深さを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の製造方法。
  5. 前記エキシマレーザ光の照射フルエンスが2〜20J/cmである前記エキシマレーザ光を、前記照射フルエンス(J/cm)とショット数(回)と前記ガラス基板の厚さ(mm)との積が、1000〜30000となるように照射するステップを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の製造方法。
  6. 前記エキシマレーザ光は、KrFレーザ、ArFレーザ、またはFレーザのいずれかであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の製造方法。
  7. 半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板の前駆体であって、
    当該ガラス基板の前駆体は、第1の表面、および該第1の表面とは反対側の第2の表面を有し、
    前記第1の表面には、前記第2の表面まで貫通されていない複数の凹部が形成され、
    前記第1の表面の前記凹部の開口の周囲には、高さが10nm〜1000nmの範囲の凸状部が形成されていることを特徴とするガラス基板の前駆体。
  8. リタデーション値は、10nm以下であることを特徴とする請求項7に記載のガラス基板の前駆体。
  9. 前記第1の表面の前記凹部の開口は、略円形であり、5μm〜500μmの範囲の直径を有することを特徴とする請求項7または8に記載のガラス基板の前駆体。
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