WO2011132601A1 - 半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

 ガラス基板にレーザ光を照射することにより、ガラス基板にクラックや変形等を生じさせることなく、複数の貫通孔を適正に形成することが可能な、半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板の製造方法を提供する。本発明は、(1)厚さが0.01mm~5mm、SiO含有量が50wt%~70wt%、50℃から300℃における平均熱膨張係数が10×10-7/K~50×10-7/Kのガラス基板を準備するステップ、(2)前記ガラス基板を、エキシマレーザ光発生装置からのエキシマレーザ光の光路上に配置するステップ、(3)前記エキシマレーザ光発生装置と、前記ガラス基板との間の前記光路上に、貫通開口を有さないマスクを配置するステップ、および、(4)前記エキシマレーザ光発生装置から、前記光路に沿って前記ガラス基板に、前記エキシマレーザ光を照射し、前記ガラス基板に貫通孔を形成するステップを有する半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板の製造方法に関する。

Description

半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板の製造方法
 本発明は、半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板の製造方法に関する。
 高密度実装化に伴うプリント回路基板の高密度化の要求に応えるため、複数のプリント回路基板を積層した多層プリント回路基板が開発されている。このような多層回路基板では、樹脂製の絶縁層にビアホールと呼ばれる直径100μm以下程度の微細な貫通孔を形成し、この内部にメッキを施して、上下に積層されたプリント回路基板間の導電層同士を電気的に接続する。
 このような貫通孔をより容易に形成する方法として、特許文献1、2には、多数の貫通穴が形成されたマスクを介して、絶縁層にレーザ光を照射する方法が記載されている。この方法によれば、樹脂製の絶縁層に複数の貫通孔を同時に空けることができるので、多数の貫通孔(ビアホール)をより容易に形成することができると考えられる。
 また、ICチップの小型化、薄型化の要求に応えるため、近年ウェハレベルパッケージ(WLP)技術が盛んに利用されている。これは、パッケージサイズをICチップと同等に抑えることが可能な技術であり、ICが形成されたウェハ表面において、半導体パッケージとして必要な再配線、ハンダバンプ加工、樹脂封止等を行い、その後にダイシング加工により、各チップを個片化する。WLP技術では、通常シリコンウェハを樹脂で封止したものをダイシング加工により個片化しているが、近年、信頼性の面から陽極接合技術等により、ガラスをシリコンに接着したものが用いられるようになってきた。
 また、半導体デバイスの小型化、高速化、低消費電力化の要求がより一層高まる中、複数のLSIからなるシステムを1つのパッケージに収める、システムインパッケージ(SiP)技術と3次元実装技術を組み合わせた3次元SiP技術の開発も進められている。この場合、ワイヤーボンディング技術では、微細なピッチに対応することができないため、貫通電極を用いたインターポーザと呼ばれる中継基板が必要となる。
日本国特開2005-88045号公報 日本国特開2002-126886号公報
 上記のような樹脂製の絶縁層は、反りや変形等の影響があるため、位置決め精度が悪くなり、高密度実装用には不向きである。従って、上記樹脂製絶縁層の代わりとなる材料を、基板材料に適用することが望まれている。
 例えば、貫通電極を有するインターポーザ材料として、シリコンを使用することが検討されている。シリコンは、ドライエッチングにより比較的容易に微細孔加工を行うことができるからである。しかしながら、シリコンは、半導体であり、絶縁性を確保するためには、貫通孔の内壁を絶縁処理する必要がある。また、このような絶縁処理は、今後、貫通孔の寸法が微細化されるにつれ、より難しくなるものと予想される。
 従って、上記樹脂製絶縁層の代わりに、絶縁性のガラス基板を用いることが要望されている。例えば、ガラス基板に複数の微細な貫通孔を形成することができれば、そのようなガラス基板は、インターポーザとして適用することができる。
 しかしながら、樹脂製の絶縁層に貫通孔を形成する場合と同様の条件で、ガラス基板にレーザ光を照射しても、ガラス基板に、多数の微細な貫通孔を適正に形成することは極めて難しい場合がある。ガラスは、樹脂と比較して加工性が劣る可能性がある。また、ガラスは、脆性材料であるので、適正な条件でレーザ加工を行わない限り、ガラス基板にクラックや変形を発生させずに、微細な貫通孔を形成することは難しい。
 一方、ウェットエッチング技術やドライエッチング技術を使用すれば、ガラス基板にも、複数の貫通孔を同時に形成することは可能であると思われる。しかしながら、この場合、工程が複雑となり、加工時間が長くなるとともに、廃液処理等の問題も発生する可能性がある。
 本発明は、以上のような問題に鑑みなされたものであり、本発明では、ガラス基板にレーザ光を照射することにより、ガラス基板にクラックや変形等を生じさせることなく、複数の貫通孔を適正に形成することが可能な、半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板の製造方法を提供することを目的とする。
 本発明では、以下の半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板の製造方法を提供する。
 [1] 半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板の製造方法であって、
 (1)厚さが0.01mm~5mm、SiO含有量が50wt%~70wt%、50℃から300℃における平均熱膨張係数が10×10-7/K~50×10-7/Kのガラス基板を準備するステップ、
 (2)前記ガラス基板を、エキシマレーザ光発生装置からのエキシマレーザ光の光路上に配置するステップ、
 (3)前記エキシマレーザ光発生装置と、前記ガラス基板との間の前記光路上に、貫通開口を有さないマスクを配置するステップ、および、
 (4)前記エキシマレーザ光発生装置から、前記光路に沿って前記ガラス基板に、前記エキシマレーザ光を照射し、前記ガラス基板に貫通孔を形成するステップ、を有する、半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板の製造方法。
 [2] 前記貫通開口を有さないマスクは、前記エキシマレーザ光に対して透明な基材と、該基材の表面に設置されたパターン化された反射層とを有することを特徴とする[1]に記載の製造方法。
 [3] 前記反射層は、Cr(クロム)、Ag(銀)、Al(アルミニウム)、およびAu(金)からなる群より選ばれた少なくとも一種の金属を含むことを特徴とする[2]に記載の製造方法。
 [4] 前記反射層のパターンは、前記反射層が設置されている部分と、略円形状の前記反射層が設置されていない部分とを有することを特徴とする[2]または[3]に記載の製造方法。
 [5] 前記エキシマレーザ光を照射するステップは、照射フルエンスが1~20J/cmである前記エキシマレーザ光を、前記照射フルエンス(J/cm)とショット数(回)と前記ガラス基板の厚さ(mm)との積が、1,000~30,000となるように照射するステップを有することを特徴とする[1]~[4]のいずれか一つに記載の製造方法。
 [6] 前記エキシマレーザ光を照射するステップにより、前記ガラス基板に、0.1゜~20゜のテーパ角を有するテーパ形状の貫通孔が形成されることを特徴とする[1]~[5]のいずれか一つに記載の製造方法。
 [7] 前記エキシマレーザ光は、KrFレーザ、ArFレーザ、またはFレーザのいずれかであることを特徴とする[1]~[6]のいずれか一つに記載の製造方法。
 本発明では、ガラス基板にレーザ光を照射することにより、ガラス基板にクラックや変形等を生じさせることなく、複数の貫通孔を適正に形成することが可能な、半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板の製造方法を提供することができる。
本発明のガラス基板における貫通孔の拡大断面図である。 本発明の製造方法に使用される製造装置の一構成を概略的に示した図である。 本発明の製造方法のフローを概略的に示した図である。 実施例で用いたマスクを概略的に示した上面図である。
 以下、図面により本発明について説明する。
 (本発明による製造方法によって得られるガラス基板について)
 まず最初に、本発明における半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板の製造方法によって得られるガラス基板について、説明する。
 本発明の製造方法によって得られる半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板(以下、単に「本発明のガラス基板」とも称する)は、厚さが0.01mm以上5mm以下であり、50℃から300℃における平均熱膨張係数(以下、単に「熱膨張係数」ともいう。)が10×10-7/K以上50×10-7/K以下のものである。また、本発明のガラス基板は、SiO含有量が50wt%~70wt%の範囲にある。
 通常のガラス基板は、その性状によっては、前述のような多層回路基板の絶縁層、WLP用ガラス、またはインターポーザとして用いることができない場合があると考えられる。シリコンウェハ上にガラス製絶縁層を積層し、シリコンウェハとガラス製絶縁層を接合したりする際に、絶縁層やWLPガラスがシリコンウェハから剥離したり、ウェハが反ったりしてしまう場合が想定されるからである。また、ガラスをインターポーザとして使用する場合、シリコンで構成されたチップとガラス製インターポーザとの熱膨張差によって、部品に反りが生じる危険性がある。
 これに対して、本発明のガラス基板は、熱膨張係数が前述の範囲にある。従って、本発明のガラス基板は、シリコンウェハ上に積層したり、あるいは逆に、上部にシリコンによって構成されたチップを積層したりしても、ガラス基板とシリコンウェハとの間で剥離が生じたり、シリコンウェハが変形したりすることが生じ難い。
 特に、ガラス基板の熱膨張係数は、25×10-7/K以上45×10-7/K以下であることが好ましく、30×10-7/K以上40×10-7/K以下であることがより好ましい。この場合、よりいっそう剥離および/または変形が抑制される。なお、マザーボードなどの樹脂基板とマッチングを得る必要がある場合は、ガラス基板の熱膨張係数は、35×10-7/K以上であることが好ましい。
 なお、本発明において、50℃から300℃における平均熱膨張係数は、示差熱膨張計(TMA)を用いて測定し、JIS R3102(1995年度)に基づいて求めた値を意味する。
 本発明のガラス基板は、厚さが0.01mm以上5mm以下である。ガラス基板の厚さが5mmよりも厚くなると、貫通孔の形成に時間がかかり、また0.01mm未満になると、割れなどの問題が生じるようになるからである。本発明のガラス基板の厚さは、0.02~3mmであることがより好ましく、0.02~1mmであることがさらに好ましい。ガラス基板の厚さは、0.05mm以上0.4mm以下であることが特に好ましい。
 本発明のガラス基板は、SiO含有量が50wt%以上70wt%以下である。SiO含有量がこれより多くなると、貫通孔の形成の際に、ガラス基板の裏面に、クラックが発生しやすくなる。さらに好ましくは、SiO含有量が55wt%以上62wt%以下である。
 ガラスのクラック発生挙動は、SiO含有量が多いガラスと少ないガラスでは異なることが知られており、SiO含有量が極めて多いガラスは、物体との接触などにより、コーン形状のクラックが生成しやすくなる。一方、SiO含有量が極端に少ないガラスは、物体との接触などにより、割れが生成しやすい。従って、ガラス基板中のSiO含有量を制御することによって、割れやクラックを、生成しにくくすることができる。
 本発明のガラス基板は、アルカリ含有率が低いものであることが好ましい。具体的には、ナトリウム(Na)とカリウム(K)との合計含有量は、酸化物換算で3.5質量%以下であることが好ましい。合計含有量が3.5質量%を超えると、熱膨張係数が50×10-7/Kを超える可能性が高くなる。ナトリウム(Na)とカリウム(K)との合計含有量は、3質量%以下であることがより好ましい。本発明のガラス基板を高周波デバイスに用いる場合、あるいは例えば、50μm以下の貫通孔を200μm以下のピッチで多数形成する場合など、極めて微細なピッチで多数の貫通孔を形成する場合は、ガラス基板は、無アルカリガラスであることが特に好ましい。
 ここで、無アルカリガラスとは、アルカリ金属の総量が、酸化物換算で0.1質量%未満のガラスを意味する。
 本発明のガラス基板は、25℃、1MHzでの誘電率が6以下であることが好ましい。また、本発明のガラス基板は、25℃、1MHzでの誘電損失が0.005以下であることが好ましい。誘電率および誘電損失を小さくすることにより、優れたデバイス特性を発揮することができる。
 ガラス基板の具体例としては、AN100ガラス(旭硝子社製)、EAGLEガラス(コーニング社製)、SWガラス(旭硝子社製)などが挙げられる。これらのガラス基板の熱膨張係数は、10×10-7/K以上50×10-7/K以下である。
 AN100ガラスの特徴は、熱膨張係数が38×10-7/Kの無アルカリガラスであることであり、NaOとKOの合計含有量は、0.1wt%未満である。また、AN100ガラスは、Feの含有量が0.05wt%である。
 SWガラスは、熱膨張係数が36×10-7/Kで、NaOとKOの合計含有量は、3wt%であり、Feの含有量は、50質量ppmである。
 本発明のガラス基板は、複数の貫通孔を有する。各貫通孔は、円形であっても良い。この場合、貫通孔の直径は、本発明のガラス基板の用途によっても異なるが、一般的には、5μm~500μmの範囲にあることが好ましい。貫通孔の直径は、本発明のガラス基板を、上記のような多層回路基板の絶縁層として用いる場合、貫通孔の直径は、0.01mm~0.2mmであることがより好ましく、0.02mm~0.1mmであることがさらに好ましい。また、ウェハレベルパッケージ(WLP)技術を適用し、本発明のガラス基板をウェハ上に積層して、圧力センサー等に用いるICチップを形成することができるが、この場合における空気を取り入れるための貫通孔の直径は0.1~0.5mmであることがより好ましく、0.2~0.4mmであることがさらに好ましい。さらにこの場合、空気孔とは別の電極取り出し用の貫通孔の直径は、0.01~0.2mmであることがより好ましく、0.02~0.1mmであることがさらに好ましい。特に、インターポーザなどの貫通電極として用いる場合には、貫通孔の直径は、0.005~0.075mmであることがより好ましく、0.01~0.05mmであることがさらに好ましい。
 なお、後述するように、本発明のガラス基板において、上記円形の貫通孔の一方開口面における直径と、他方の開口面における直径とは、異なる場合がある。この場合、「貫通孔の直径」とは、両開口面のうちの大きい方の直径を意味するものとする。
 大きいほうの直径(dl)と、小さいほうの直径(ds)の比(ds/dl)は、0.2~0.99であることが好ましく、0.5~0.90であることがより好ましい。
 本発明のガラス基板において、貫通孔の数密度は、本発明のガラス基板の用途によっても異なるが、一般的には0.1個/mm~10,000個/mmの範囲である。本発明のガラス基板を、上記に説明したような多層回路基板の絶縁層として用いる場合、貫通孔の数密度は、3個/mm~10,000個/mmの範囲であることが好ましく、25個/mm~100個/mmの範囲であることがより好ましい。また、ウェハレベルパッケージ(WLP)技術を適用し、本発明のガラス基板をウェハ上に積層して、圧力センサー等に用いるICチップを形成する場合、貫通孔の数密度は、1個/mm~25個/mmであることが好ましく、2個/mm~10個/mmの範囲であることがより好ましい。インターポーザなどの貫通電極として用いる場合には、貫通孔の数密度は、0.1個/mm~1,000個/mmであることがより好ましく、0.5個/mm~500個/mmであることがさらに好ましい。
 本発明のガラス基板において、貫通孔の断面積は、一方の開口から他方の開口に向かって、単調に減少していても良い。この特徴について、図1を用いて説明する。
 図1には、本発明のガラス基板に形成された貫通孔の拡大断面図の一例を示す。
 図1に示すように、本発明のガラス基板1は、第1の表面1aと、第2の表面1bとを有する。また、ガラス基板1は、貫通孔5を有する。この貫通孔5は、ガラス基板1の第1の表面1aに設けられた第1の開口8aから、第2の表面1bに設けられた第2の開口8bまで貫通している。
 貫通孔5の第1の開口8aでの直径は、L1であり、第2の開口8bでの直径は、L2である。
 貫通孔5は、「テーパ角」αを有する。ここで、テーパ角αとは、ガラス基板1の第1の表面1a(および第2の表面1b)の法線(図の点線)と、貫通孔5の壁面7とがなす角度を意味する。
 なお、図1では、ガラス基板1の法線と、貫通孔5の右側の壁面7aとがなす角度をαとしているが、同図において、ガラス基板1の法線と貫通孔の左側の面7bとがなす角も同様にテーパ角αであり、通常は、右側のテーパ角αと左側のテーパ角αとは、ほぼ同じ値を示す。右側のテーパ角αと左側のテーパ角αとの差は、30%程度あっても良い。
 本発明のガラス基板において、テーパ角αは、0.1゜~20゜の範囲にあることが好ましい。ガラス基板の貫通孔がこのようなテーパ角αを有する場合、ワイヤボンディング法を適用する際に、ガラス基板1の第1の表面1a側から貫通孔5の内部にまで、ワイヤを、速やかに挿入することが可能となる。また、これにより、ガラス基板の上下に積層されたプリント回路基板の導電層同士を、ガラス基板の貫通孔を介して、より容易かつ確実に接続することが可能になる。テーパ角αは、特に、0.5゜~10゜の範囲であることが好ましい。
 後述するように、本発明によるガラス基板の製造方法では、テーパ角αを任意に調整することができる。
 なお、本願では、ガラス基板1の貫通孔5のテーパ角αは、以下のようにして求めることができる:
 ガラス基板1の第1の表面1a側の開口8aにおける貫通孔5の直径L1を求める;
 ガラス基板1の第2の表面1b側の開口8bにおける貫通孔5の直径L2を求める;
 ガラス基板1の厚さを求める;
 貫通孔5全体において、テーパ角αは、均一であると仮定して、上記測定値から、テーパ角αが算出される。
 本発明のガラス基板は、エキシマレーザ光の波長に対する吸収係数が、3cm-1以上であることが好ましい。この場合、貫通孔の形成がより容易となる。より効果的にエキシマレーザ光を吸収させるためには、ガラス基板中の鉄(Fe)の含有率は、20質量ppm以上であることが好ましく、0.01質量%以上であることがより好ましく、0.03質量%以上であることがさらに好ましく、0.05質量%以上であることが特に好ましい。一方、Feの含有率が多い場合は、着色が強くなり、レーザ加工時の位置あわせが難しくなるという問題がある。Feの含有率は0.2質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましい。
 本発明のガラス基板は、半導体用デバイス部材用、より詳しくは、多層回路基板の絶縁層、ウェハレベルパッケージ、電極取り出し用の貫通穴、インターポーザなどの用途に好適に用いられる。
 (本発明によるガラス基板の製造方法について)
 次に、前述のような特徴を有する本発明のガラス基板の製造方法について説明する。
 一般に、ガラス板に、単にレーザ光を照射しても、健全な貫通孔を形成することは難しい。レーザ光の照射フルエンス(エネルギー密度)を高めれば、貫通孔を形成することは可能な場合もあるが、ガラスは、脆性材料であるので、通常、この場合、ガラスにクラックや変形が生じてしまう。また、レーザ光の照射フルエンスを弱めると、貫通孔を形成することができなくなり、レーザ光の種類や板状ガラスの性状によっては、クラックが生じる場合もある。
 本願発明者は、鋭意検討を重ね、特定のレーザ光と、特定のガラス基板との組み合わせによっては、ガラス基板にクラックを生じさせずに、貫通孔を有するガラス基板を形成できることを見出し、本発明を完成させた。
 すなわち、本発明では、レーザ光として、エキシマレーザ光が選択され、ガラス基板として、厚さが0.01mm~5mmであり、50℃から300℃における平均熱膨張係数が10×10-7/K~50×10-7/Kの範囲にあり、SiO含有量が50wt%~70wt%のものが使用される。これにより、ガラス基板に、微細な複数の貫通孔を適正に形成することができる。
 また、本願発明者は、貫通孔を有するガラス基板を形成する際の、適切な照射フルエンス条件を見出した。すなわち、照射フルエンスとショット数と板状ガラス基板の厚さとの積が一定範囲内となるようにして、ガラス基板にエキシマレーザ光を照射すると、より適正な貫通孔を形成することができる。さらに、照射フルエンスを調整することで、所望のテーパ角を有する貫通孔を形成することができる。
 以下、図2および図3を参照して、本発明のガラス基板の製造方法について、詳しく説明する。
 図2には、本発明のガラス基板を製造する際に使用される製造装置構成図の一例を示す。
 図2に示すように、製造装置100は、エキシマレーザ光発生装置110と、マスク130と、ステージ140とを備える。エキシマレーザ光発生装置110とマスク130との間には、複数のミラー150~151およびホモジナイザー160が配置される。また、マスク130とステージ140との間には、別のミラー152および投影レンズ170が配置される。
 マスク130は、貫通開口を有さないが、レーザ光に対して透明な基材(透明基材)上に、パターン化された反射層が配置された構成を有する。従って、マスク130において、透明基材上に反射層が設置されている箇所は、レーザ光を遮断し、反射層が設置されていない箇所は、レーザ光を透過することができる。
 ステージ140上には、被加工対象となるガラス基板120が配置される。ステージ140を2次元的に、または3次元的に移動することにより、ガラス基板120を任意の位置に移動することができる。
 このような製造装置100の構成において、エキシマレーザ光発生装置110から生じたエキシマレーザ光190は、第1のミラー150、ホモジナイザー160および第2のミラー151を通り、マスク130に入射される。なお、エキシマレーザ光190は、ホモジナイザー160を通過した際に、均一な強度のレーザ光に調整される。
 マスク130は、前述のように、レーザ光に対して透明な基材上に、反射層のパターンを有する。このため、エキシマレーザ光190は、反射層のパターン(より詳しくは、反射層の設置されていない部分)に対応したパターンで、マスク130から放射される。
 その後、マスク130を透過したレーザ光190は、第3のミラー152によって方向調整され、投影レンズ170によって縮小投影され、ステージ140上に指示されたガラス基板120に入射される。このレーザ光190によって、ガラス基板120に、同時に複数の貫通孔が形成される。
 ガラス基板120に貫通孔が形成された後、ステージ140上でガラス基板120を移動させてから、再度、ガラス基板120にエキシマレーザ光190を照射しても良い。これにより、ガラス基板120の表面の所望の部分に、所望の貫通孔を形成することができる。すなわち、本方法では、公知のステップ・アンド・リピート法を適用することができる。
 なお、投影レンズ170は、ガラス基板120の表面の加工領域の全体に、エキシマレーザ光190を照射し、貫通孔を一度に形成できるものが好ましい。しかしながら、通常、全貫通孔を一度に形成し得る照射フルエンスを得ることは困難である。そこで実際は、マスク130を通過したエキシマレーザ光190を、投影レンズ170によって縮小投影することにより、ガラス基板120の表面におけるエキシマレーザ光190の照射フルエンスを増加させ、貫通孔を形成するために必要な照射フルエンスを確保する。
 投影レンズ170での縮小投影を利用することにより、ガラス基板120の表面におけるエキシマレーザ光190の断面積を、マスク130を通過した直後のエキシマレーザ光190の断面積に対して、1/10とすれば、照射フルエンスを10倍にすることができる。縮小率が1/10の投影レンズを用い、エキシマレーザ光の断面面積を1/100とすることにより、ガラス基板120の表面におけるエキシマレーザ光の照射フルエンスを、発生装置110から発生した直後のエキシマレーザ光の100倍とすることができる。
 図3には、本発明における半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板の製造方法のフローの一例を概略的に示す。
 図3に示すように、本発明による半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板の製造方法は、
 (1)厚さが0.01mm~5mm、SiO含有量が50wt%~70wt%、50℃から300℃における平均熱膨張係数が10×10-7/K~50×10-7/Kのガラス基板を準備するステップ(ステップS110)と、
 (2)前記ガラス基板を、エキシマレーザ光発生装置からのエキシマレーザ光の光路上に配置するステップ(ステップS120)と、
 (3)前記エキシマレーザ光発生装置と、前記ガラス基板との間の前記光路上に、貫通開口を有さないマスクを配置するステップ(ステップS130)と、
 (4)前記エキシマレーザ光発生装置から、前記光路に沿って前記ガラス基板に、前記エキシマレーザ光を照射するステップであって、これにより、前記ガラス基板に前記貫通孔が形成されるステップ(ステップS140)と、を有する。
 以下、各ステップについて説明する。
 (ステップS110)
 最初に、厚さが0.01mm~5mm以下、SiO含有量が50wt%~70wt%、50℃から300℃における平均熱膨張係数が10×10-7/K~50×10-7/Kのガラス基板が準備される。ガラス基板の好ましい組成等は、前述の通りである。
 (ステップS120)
 次に、前記ガラス基板は、エキシマレーザ光発生装置からのエキシマレーザ光の光路上に配置される。図2に示したように、ガラス基板120は、ステージ140上に配置されても良い。
 エキシマレーザ光発生装置110から放射されるエキシマレーザ光190としては、発振波長が250nm以下であれば、使用することができる。出力の観点からは、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、またはFエキシマレーザ(波長157nm)が好ましい。取扱いとガラスの吸収の観点からは、ArFエキシマレーザがより好ましい。
 また、エキシマレーザ光190として、パルス幅が短いものを用いた場合、ガラス基板120の照射部位における熱拡散距離が短くなり、ガラス基板に対する熱影響を抑えることができる。この観点からは、エキシマレーザ光190のパルス幅は、100nsec以下であることが好ましく、50nsec以下であることがより好ましく、30nsec以下であることがさらに好ましい。
 また、エキシマレーザ光190の照射フルエンスは、1J/cm以上とすることが好ましく、2J/cm以上とすることがより好ましい。エキシマレーザ光190の照射フルエンスが低すぎると、アブレーションを誘起することができないおそれがあり、ガラス基板に貫通孔を形成することが難しくなる可能性がある。一方、エキシマレーザ光190の照射フルエンスが20J/cmを超えると、ガラス基板にクラックや割れが発生し易くなる傾向がある。エキシマレーザ光190の照射フルエンスの好適範囲は、使用するエキシマレーザ光190の波長域や加工されるガラス基板の種類等によっても異なるが、KrFエキシマレーザ(波長248nm)の場合、2~20J/cmであることが好ましい。また、ArFエキシマレーザ(波長193nm)の場合、1~15J/cmであることが好ましい。
 なお、特に説明がない限り、エキシマレーザ光190の照射フルエンスの値は、加工されるガラス基板の表面における値を意味するものとする。また、このような照射フルエンスは、加工面上でエネルギーメータを使用して測定した値を意味するものとする。
 (ステップS130)
 次に、前記エキシマレーザ光発生装置110と、前記ガラス基板120との間に、貫通開口を有さないマスク130が配置される。
 マスク130は、前述のように、透明基材上に反射層のパターンを形成することにより構成される。透明基材は、レーザ光190に対して透明である限り、材質は特に限定されない。透明基材の材質は、例えば、合成石英、溶融石英、パイレックス(登録商標)、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス等であっても良い。
 一方、反射層は、レーザ光190を効率的に遮断する性質を有する限り、材質は特に限定されない。反射層は、例えば、クロム、銀、アルミニウム、および/または金等の金属、または誘電体多層膜で構成されても良い。誘電体多層膜としては、例えば、SiO、TiO、HfO、Ta、Al、Cr、MgF、MgO、およびZrO等が挙げられる。
 また、マスク130の大きさ、マスク130の反射層パターンの形状、配置等は、特に限定されない。
 (ステップS140)
 次に、マスク130を介して、エキシマレーザ光発生装置110からガラス基板120に、エキシマレーザ光190が照射される。
 エキシマレーザ光190をガラス基板120に照射する際には、エキシマレーザ光の繰り返し周波数と照射時間とを調整することで、ショット数を調整することができる(ショット数=繰り返し周波数×照射時間)。
 照射フルエンス(J/cm)とショット数(回)とガラス基板の厚さ(mm)との積が、1000~30000となるように、エキシマレーザ光190をガラス基板120に照射することが好ましい。
 この範囲は、ガラス基板120の種類や性状(特にガラス転移温度Tgに関連すると推定する)にもよるが、概ね1,000~20,000であることがより好ましく、2,000~15,000であることがより好ましく、3,000~10,000であることがさらに好ましい。照射フルエンスとショット数との積がこのような範囲であると、よりクラックが形成され難いからである。照射フルエンスは1~20J/cmであることが好ましい。
 また、エキシマレーザ光の照射フルエンスが大きいと、テーパ角αが小さくなる傾向がある。逆に、照射フルエンスが小さいと、テーパ角αは、大きくなる傾向にある。そこで、照射フルエンスを調整することで、所望のテーパ角αの貫通孔を有するガラス基板を得ることができる。テーパ角αは、0.1゜~20゜の範囲であっても良い。
 以上の工程により、半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板を製造することができる。
 なお、通常、半導体回路作製ウェハサイズは、6~8インチ程度である。また、上記のように投影レンズ170によって縮小投影した場合、ガラス基板の表面での加工領域は、通常数mm角程度となる。従って、ガラス基板120の加工希望領域全体にエキシマレーザ光を照射するには、一箇所の加工が終了した後、エキシマレーザ光を移動するか、ガラス基板120を移動する必要がある。どちらかといえば、エキシマレーザ光に対してガラス基板120を移動させることが好ましい。光学系を駆動する必要がなくなるからである。
 また、ガラス基板120にエキシマレーザ光を照射すると、デブリ(飛散物)が発生する場合がある。また、このデブリが貫通孔の内部に堆積すると、加工されたガラス基板の品質や加工レートが劣化する場合がある。従って、ガラス基板へのレーザ照射と同時に、吸引もしくは吹き飛ばし処理により、デブリの除去を行っても良い。
 次に、本発明の実施例について説明する。
 図2に示した製造装置を用いて、以下の手順で、複数の貫通孔を有するガラス基板を製造した。
 初めに、図2に示すように、エキシマレーザ光の発生装置110を配置した。なお、エキシマレーザ光の発生装置110には、LPX Pro 305(コヒレント社製)を用いた。この装置は、最大パルスエネルギー:0.6J、繰り返し周波数:50Hz、パルス幅:25ns、発生時ビームサイズ:10mm×24mm、発振波長:193nmのArFエキシマレーザ光を発生できる装置である。
 次に、図2に示すように、厚さが0.3mmで、熱膨張係数が38×10-7/Kのガラス基板120(AN100、旭硝子社製、SiO含有量59wt%)を、ステージ140上に配置した。ガラス基板120は、ステージ140の上面において、任意の位置に移動させることができる。
 次に、エキシマレーザ光の発生装置110とガラス基板120の間に、マスク130を配置した。図4には、使用したマスク130の構成を概略的に示す。
 図4に示すように、本実施例で用いたマスク130は、縦20mm×横40mm、厚さ1.5mmの合成石英基板132の第1の表面134の一部に、クロム(Cr)の蒸着膜135を有するものである。Crの蒸着膜135は、合成石英基板132の第1の表面134の中央の縦10mm×横24mmの領域に設置した。
 また、図4の右側に示すように、Crの蒸着膜135は、直径0.5mmの円形のCr非蒸着部137が縦横に2次元的に配列された配列パターンを有する。Cr非蒸着部137は、縦横いずれも1.0mmピッチで、縦に9個、横に23個配列した。
 Crの蒸着部135は、ArFエキシマレーザ光を99.9%反射することができる。一方、Cr非蒸着部137は、ArFエキシマレーザ光を92%透過する。
 次に、マスク130とガラス基板120の間に、投影レンズ170を配置した。投影レンズ170は、焦点距離が100mmのレンズであり、光路上におけるマスク130との距離が1100mm、ガラス基板120の加工面(ステージ140に接していない方の表面)との距離が110mmになるように配置した。この場合、投影レンズ170の縮小率は、1/10となり、1/10に縮小されたマスクパターンがガラス基板120に投影される。すなわち、エキシマレーザ光の発生装置110から、10mm×24mmのビームサイズで発生したエキシマレーザ光190は、ガラス基板120の加工面に到達した時点で、1.0mm×2.4mmのビームサイズとなるように縮小される(面積比=1/100)。
 なお、ガラス基板120にレーザ加工を実施する前に、ガラス基板120の加工面におけるエキシマレーザ光190の照射フルエンスをエネルギーメータで測定した。その結果、照射フルエンスは、ビーム伝送系のロス等による減少分と、ビーム縮小による向上分とを併せて、最大11J/cm程度であった。
 このような製造装置を用いて、ガラス基板120の加工面にエキシマレーザ光190を照射した。なお、照射の際には、ガラス基板120の加工面での照射フルエンスが5J/cmとなるように、レーザ光190をアッテネーターで調整した。
 レーザ光190の照射により、ガラス基板120には、9×23=207箇所の貫通孔が同時に形成された。貫通するまでの照射時間は、78秒であった。得られた各貫通孔の直径は、約50μmであり、ピッチは、約100μmであった。また、貫通孔の数密度は、86個/mmであった。
 レーザ光190の照射開始からガラス基板120に貫通孔が形成されるまでの照射時間から、ショット数を求めた。本実施例では、用いたエキシマレーザ光の繰り返し周波数は、50Hzであり、貫通するまでの照射時間は、78秒であったため、ショット数は、3900回と計算された(78秒×50回=3900回)。
 加工後のガラス基板120には、外観上、クラックや変形は、認められなかった。また、ガラス基板120には、残留応力もほとんど認められなかった。
 このように、本発明では、ガラス基板にレーザ光を照射することにより、複数の貫通孔が同時に形成されるため、半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板を容易に製造することができる。また、得られたガラス基板は、シリコンウェハ上に積層し、これと接合しても、シリコンウェハと剥離し難い。さらに、インターポーザとして用いる際に、変形などの問題が生じにくく、優れたデバイス特性が発揮されることが予想される。
 本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは、当業者にとって明らかである。
 本出願は、2010年4月20日出願の日本特許出願2010-097226に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
 本発明の方法は、半導体用デバイス部材用、より詳しくは、多層回路基板の絶縁層、ウェハレベルパッケージ、電極取り出し用の貫通穴、インターポーザなどの用途に好適に用いられるガラス基板の製造方法として利用することができる。
  1  ガラス基板
  1a 第1の表面
  1b 第2の表面
  1c 壁面
  5  貫通孔
  7  壁面
  8a 第1の開口
  8b 第2の開口
  α  テーパ角
  L1 貫通孔の第1の開口の直径
  L2 貫通孔の第2の開口の直径
 100 製造装置
 110 エキシマレーザ光の発生装置
 120 ガラス基板
 130 マスク
 132 合成石英基板
 134 合成石英基板の第1の表面
 135 蒸着膜
 137 Cr非蒸着部
 140 ステージ
 150~152 ミラー
 160 ホモジナイザー
 170 投影レンズ
 190 エキシマレーザ光

Claims (7)

  1.  半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板の製造方法であって、
     (1)厚さが0.01mm~5mm、SiO含有量が50wt%~70wt%、50℃から300℃における平均熱膨張係数が10×10-7/K~50×10-7/Kのガラス基板を準備するステップ、
     (2)前記ガラス基板を、エキシマレーザ光発生装置からのエキシマレーザ光の光路上に配置するステップ、
     (3)前記エキシマレーザ光発生装置と、前記ガラス基板との間の前記光路上に、貫通開口を有さないマスクを配置するステップ、および、
     (4)前記エキシマレーザ光発生装置から、前記光路に沿って前記ガラス基板に、前記エキシマレーザ光を照射し、前記ガラス基板に貫通孔を形成するステップ、を有する、半導体デバイス貫通電極形成用のガラス基板の製造方法。
  2.  前記貫通開口を有さないマスクは、前記エキシマレーザ光に対して透明な基材と、該基材の表面に設置されたパターン化された反射層とを有することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3.  前記反射層は、Cr(クロム)、Ag(銀)、Al(アルミニウム)、およびAu(金)からなる群より選ばれた少なくとも一種の金属を含むことを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
  4.  前記反射層のパターンは、前記反射層が設置されている部分と、略円形状の前記反射層が設置されていない部分とを有することを特徴とする請求項2または3に記載の製造方法。
  5.  前記エキシマレーザ光を照射するステップは、照射フルエンスが1~20J/cmである前記エキシマレーザ光を、前記照射フルエンス(J/cm)とショット数(回)と前記ガラス基板の厚さ(mm)との積が、1,000~30,000となるように照射するステップを有することを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の製造方法。
  6.  前記エキシマレーザ光を照射するステップにより、前記ガラス基板に、0.1゜~20゜のテーパ角を有するテーパ形状の貫通孔が形成されることを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の製造方法。
  7.  前記エキシマレーザ光は、KrFレーザ、ArFレーザ、またはFレーザのいずれかであることを特徴とする請求項1~6のいずれか一つに記載の製造方法。
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