JP2019206044A - アシスト装置 - Google Patents

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孔孝 吉見
俊貴 粂野
Toshiki Kumeno
俊貴 粂野
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Abstract

【課題】対象者への装着が容易であり、よりシンプルな構成及びよりシンプルな制御にて、荷物の持ち上げの動作、あるいは荷物の持ち下げの動作を、より適切にアシストすることができるアシスト装置を提供する。【解決手段】対象者の少なくとも腰周りに装着される身体装着具と、身体装着具と対象者の大腿部とに装着されるアクチュエータユニットと、を有し、対象者の大腿部に対する腰部の前傾角度を検出する角度検出手段と、アクチュエータユニットを制御する制御手段と、を備えている。制御手段は、対象者の持ち下げ作業時において、角度検出手段を用いて検出した前傾角度と、当該前傾角度の変化に基づいた角速度関連量と、に基づいて、持ち上げ方向へのトルクである持ち下げアシストトルクを求め、求めた持ち下げアシストトルクをアシストトルクとして、アシストトルクに基づいてアクチュエータユニットを駆動する。【選択図】図30

Description

本発明は、対象者のアシスト対象身体部の動作を支援するアシスト装置に関する。
例えば特許文献1には、対象者が、腰の屈伸で重量物を持ち上げる際や、通常の歩行の際に、腰に対する大腿部の動作をアシストする装着式動作補助装置が記載されている。装着式動作補助装置は、対象者の腰に装着される腰フレーム、背当て部、腹当て部、背当て部と腹当て部を結合する結合部材、大腿部に固定される大腿固定部、腰フレームに対して大腿固定部を駆動する駆動機構を備えている。さらに装着式動作補助装置は、対象者の皮膚に貼り付けられる生体信号検出センサ、生体信号検出センサから出力された生体信号に基づいて駆動機構を制御する制御部、を備えている。生体信号検出センサは、筋電位信号や神経伝達信号などの生体電位信号を皮膚から検出するために、微弱電位を検出するための電極を有している。そして生体信号検出センサは、対象者の腰の近傍における左右の大腿部の前側、腰の近傍における左右の大腿部の内側、左右の臀部、腰のやや上方の背中の左右等に、電極の周囲を覆う粘着シールにより、対象者の皮膚に貼り付けられる。
特開2013−173190号公報
特許文献1に記載の装着式動作補助装置では、多数の生体信号検出センサが必要であり、対象者の左右の大腿部前側、左右の大腿部内側、左右の臀部、左右の背中、という具合に非常に多くの個所に生体信号検出センサを貼り付けなければならない。従って、対象者が利用する際の装着時に、非常に手間がかかる。また生体信号検出センサを貼り付ける前に、貼り付ける位置、及び貼り付ける個数(計測個所の1個所に対して、近接させた3個のセンサを貼り付ける等)を決めるのにも手間がかかる。また、多数の生体信号検出センサのそれぞれからの微弱な生体信号からノイズを除去する処理、各生体信号検出センサからの生体信号に基づいて、どのような動作を行っているのか(重量物の持ち上げをしているのか歩行をしているのか等)推測してアシストする処理が、非常に複雑になる可能性がある。
また、特許文献1に記載の装着式動作補助装置では、特に、対象者が荷物を持ち上げる動作や、荷物を持ち下げる(荷物を下ろす)動作をアシストする場合、対象者のアシスト対象身体部の動作がゆっくりとした動作である場合では、どのような動作であるか推測する処理が遅れて、アシストトルクが不足する可能性がある。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、対象者への装着が容易であり、よりシンプルな構成及びよりシンプルな制御にて、荷物の持ち上げの動作、あるいは荷物の持ち下げの動作を、より適切にアシストすることができるアシスト装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の発明は、対象者の少なくとも腰周りに装着される身体装着具と、前記身体装着具と、対象者の大腿部と、に装着されて、対象者の腰部に対する大腿部あるいは対象者の大腿部に対する腰部、の動作を支援するアシストトルクを発生するアクチュエータユニットと、を有するアシスト装置であって、対象者の大腿部に対する腰部の前傾角度を検出する角度検出手段と、前記アクチュエータユニットを制御する制御手段と、を備えている。そして、前記制御手段は、対象者が、手にした荷物を、前記前傾角度を徐々に大きくさせながら持ち上げ方向とは反対側となる持ち下げ方向へと下ろす、持ち下げ作業時において、前記角度検出手段を用いて検出した前記前傾角度と、当該前傾角度の変化に基づいた角速度関連量と、に基づいて、前記持ち上げ方向へのトルクである持ち下げアシストトルクを求め、求めた前記持ち下げアシストトルクを前記アシストトルクとして、前記アシストトルクに基づいて前記アクチュエータユニットを駆動する、アシスト装置である。
次に、本発明の第2の発明は、上記第1の発明に係るアシスト装置であって、対象者が自身の力にて腰部に対して大腿部を動作あるいは大腿部に対して腰部を動作させることで対象者から前記アクチュエータユニットに入力されたトルクである対象者トルクの変化量である対象者トルク変化量を検出可能なトルク検出手段を有し、前記制御手段は、前記持ち下げ作業時において、対象者が直立状態から前記前傾角度を徐々に大きくしていく前傾動作の最中の場合、所定時間間隔にて、前記トルク検出手段を用いて検出した前記角速度関連量に基づいて、前記対象者トルク変化量を検出し、検出した前記対象者トルク変化量に応じたアシスト量を求め、求めた前記アシスト量を積算した積算アシスト量に基づいて前記持ち下げアシストトルクを求める、アシスト装置である。
次に、本発明の第3の発明は、上記第2の発明に係るアシスト装置であって、前記制御手段は、前記持ち下げ作業時において、対象者が前記前傾動作を停止させて前記前傾角度の変化が停止した場合、あるいは、対象者が前傾状態から前記前傾角度を徐々に小さくしていく直立動作の最中の場合、前記積算アシスト量の更新を停止して保持し、保持した前記積算アシスト量に基づいて前記持ち下げアシストトルクを求める、アシスト装置である。
次に、本発明の第4の発明は、上記第1の発明〜第3の発明のいずれか1つに係るアシスト装置であって、記憶手段を有し、前記記憶手段には、前記前傾角度に応じたトルク制限値が設定された、前傾角度・持下トルク制限値特性が記憶されており、前記制御手段は、前記持ち下げ作業時において、前記前傾角度と、前記記憶手段に記憶されている前記前傾角度・持下トルク制限値特性と、に基づいて前記トルク制限値を求め、前記積算アシスト量と、求めた前記トルク制限値と、の小さなほうを前記持ち下げアシストトルクとする、アシスト装置である。
次に、本発明の第5の発明は、上記第1の発明〜第4の発明のいずれか1つに係るアシスト装置であって、対象者から前記持ち下げアシストトルクのゲインを変更可能なゲイン変更手段と、対象者から前記持ち下げアシストトルクの増量速度を変更可能な増量速度変更手段と、の少なくとも一方が設けられているとともに前記身体装着具及び前記アクチュエータユニットに対して別体とされた操作ユニットを備え、前記制御手段は、前記持ち下げ作業時において、前記操作ユニットに前記ゲイン変更手段が設けられている場合、対象者からの前記ゲイン変更手段への入力に基づいて、前記持ち下げアシストトルクを求める際のゲインと、前記前傾角度に応じた前記トルク制限値の値と、の少なくとも一方を増減し、前記操作ユニットに前記増減速度変更手段が設けられている場合、対象者からの前記増減速度変更手段への入力に基づいて、前記持ち下げアシストトルクの増減速度を変更する、アシスト装置である。
次に、本発明の第6の発明は、上記第1の発明〜第4の発明のいずれか1つに係るアシスト装置であって、前記持ち下げ作業時の対象者の動作を支援する持ち下げアシストと、持ち上げ作業時の対象者の動作を支援する持ち上げアシストと、を切替可能な動作切替手段が設けられているとともに前記身体装着具及び前記アクチュエータユニットに対して別体とされた操作ユニットを備え、前記制御手段は、前記持ち下げ作業時において、前記動作切替手段が前記持ち下げアシストとされている場合に、前記持ち下げアシストトルクを求め、求めた前記持ち下げアシストトルクを前記アシストトルクとして、前記アシストトルクに基づいて前記アクチュエータユニットを駆動する、アシスト装置である。
第1の発明によれば、身体装着具を少なくとも対象者の腰周りに装着し、アクチュエータユニットを身体装着具と対象者の大腿部とに装着すればよいだけであるので、特許文献1に記載の装着式動作補助装置と比較して、対象者へのアシスト装置の装着は非常に容易である。また、角度検出手段を用いて検出した前傾角度と、前傾角度の変化に基づいた角速度関連量と、に基づいて、持ち上げ方向への持ち下げアシストトルクを求めるので、特許文献1に記載の装着式動作補助装置と比較して、構造はシンプルであり、制御もシンプルである。
第2の発明によれば、対象者トルク変化量に応じたアシスト量を求め、アシスト量を積算した積算アシスト量に基づいて持ち下げアシストトルクを求めることで、シンプルな制御にすることができる。
第3の発明によれば、例えば、直立状態にて荷物を持ち、徐々に前傾させて荷物を下ろす持ち下げ作業の際、前傾動作を途中で停止させた場合であっても、持ち上げ方向への持ち下げアシストトルクを保持するので、持ち下げ作業を適切にアシストすることができる。
第4の発明によれば、前傾角度に応じたトルク制限値を有することで、過剰な持ち下げアシストトルクを抑制し、前傾角度に応じた適切な大きさの持ち下げアシストトルクを求めることができる。
第5の発明によれば、ゲイン変更手段と増量速度変更手段と、の少なくとも一方が設けられた操作ユニットを有することで、対象者の持ち下げ作業の動作に合わせて、ゲインまたは増量速度、の少なくとも一方を調整できるので便利である。
第6の発明によれば、操作ユニットにて、持ち下げアシストと、持ち上げアシストと、を切替可能であるので便利である。また、動作切替手段で持ち上げアシストと持ち下げアシストを切り替えるので、持ち下げ作業時に誤って持ち上げアシストが行われることがない。
アシスト装置の全体構成の例を説明する斜視図である。 図1のアシスト装置に対して、ジャケット部の一部を変更したアシスト装置の全体構成の例を説明する斜視図である。 図1に示すアシスト装置の分解斜視図である。 図1に示すアシスト装置における身体装着具の外観の例を説明する斜視図である。 図1に示すアシスト装置におけるアクチュエータユニットの外観の例を説明する斜視図である。 身体装着具の構成要素であるフレーム部の外観の例を説明する斜視図である。 身体装着具の構成要素である腰サポート部の外観の例を説明する斜視図である。 腰サポート部の構造の例を説明する展開図である。 身体装着具の構成要素であるバックパック部(及びフレーム部の一部)の外観の例を説明する斜視図である。 身体装着具の構成要素であるジャケット部を、バックパック部及びフレーム部に接続した状態の外観の例を説明する斜視図である。 ジャケット部の構造の例を説明する展開図である。 図1に示すアシスト装置における(右)アクチュエータユニットの斜視図である。 図12に示す(右)アクチュエータユニットの別の例を説明する斜視図である。 大腿装着部(身体保持部)の周囲の構造を説明する斜視図である。 図14に示す身体保持部に対して、膝下ベルトを追加した例を説明する図である。 図13に示す(右)アクチュエータユニットにて、大腿装着部(身体保持部)の第3ジョイント部を、対象者の大腿部の前面に配置した例を説明する図である。 図13に示す(右)アクチュエータユニットにて、大腿装着部(身体保持部)の第3ジョイント部を、対象者の大腿部の外側となる側面に配置した例を説明する図である。 図13に示す(右)アクチュエータユニットにて、大腿装着部(身体保持部)の第3ジョイント部を、対象者の大腿部の背面に配置した例を説明する図である。 アクチュエータユニットの内部構造の例を説明する分解斜視図である。 アクチュエータユニットの内部構造の例を説明する断面図である。 アシスト装置を装着した対象者が背筋を伸ばしている直立状態を説明する図である。 図21に示す状態から、対象者が前傾姿勢となり、仮想回動軸線回りにフレーム部等が回動した状態を説明する図である。 操作ユニットの外観の例を説明する図である。 制御装置の入出力を説明する図である。 操作ユニットからの、動作モード、ゲイン、増量速度、の変更(調整)を説明する図である。 制御装置にてアクチュエータユニットを制御する制御ブロック図である。 図26に示した制御ブロック図に基づいた処理手順の全体を説明するフローチャートである。 図27に示したフローチャートにおける[S100:調整判定、入力処理、トルク変化量等計算]の処理の詳細を説明するフローチャートである。 図27に示したフローチャートにおける[S200:動作種類判定]の処理の詳細を説明するフローチャートである。 図27に示したフローチャートにおける[SD000R:(右)持ち下げ]の処理の詳細を説明するフローチャートである。 対象者の持ち下げ作業の様子を説明する図である。 対象者トルク変化量・アシスト量特性の例を説明する図である。 前傾角度・持下トルク制限値特性の例を説明する図である。 対象者が持ち下げ作業を行った際、時間に対する、前傾角度及び持ち下げアシストトルクの変化の様子を説明する図である。 図27に示したフローチャートにおける[SU000:持ち上げ]の処理の詳細を説明するフローチャートである。 図35に示したフローチャートにおける[SS000:動作状態判定]の処理の詳細を説明する状態遷移図である。 対象者が持ち上げ作業を行った際、動作状態の遷移に対する、前傾角度及び持ち上げアシストトルクの変化の様子を説明する図である。 図35に示したフローチャートにおける[SS100R:(右)増量速度の切り替え判定]の処理の詳細を説明するフローチャートである。 時間・切替下限特性、時間・切替上限特性の例を説明する図である。 増量速度・遷移時間特性の例を説明する図である。 時間・アシスト量特性の例を説明する図である。 図35に示したフローチャートにおける[SS170R:(右)アシストトルク算出]の処理の詳細を説明するフローチャートである。 時間・持上トルク特性、前傾角度・持上最大トルク特性の例を説明する図である。 ゲイン・減衰係数特性の例を説明する図である。 アシスト比率・トルク減衰率特性の例を説明する図である。
以下、図1〜図25に基づいて、アシスト装置1の全体構造について説明する。アシスト装置1は、例えば、対象者が荷物を持ち上げる際(あるいは荷物を持ち下げる際)に腰部に対する大腿部(あるいは大腿部に対する腰部)の回動をアシストしたり、対象者が歩行する際に腰部に対する大腿部の回動をアシストしたりする装置である。なお、各図中のX軸、Y軸、Z軸は、互いに直交しており、アシスト装置を装着した対象者から見て、X軸方向は前方向、Y軸方向は左方向、Z軸方向は上方向、に対応している。
●[アシスト装置1の全体構造(図1〜図3)]
図1は、アシスト装置1の全体の外観を示している。また図2は、図1における右腋ベルト25Rと左腋ベルト25Lを、密着ベルト25RLに変更したアシスト装置1Aの全体の外観を示している。図2に示すアシスト装置1A(及び身体装着具2A、ジャケット部20A)は、図1に示すアシスト装置1(及び身体装着具2、ジャケット部20)に対して、密着ベルト25RLが異なるのみである。従って、以下では図1に示すアシスト装置1について説明し、図2に示すアシスト装置1Aについての説明は省略する。また図3は、図1に示すアシスト装置1の分解斜視図を示している。
図3の分解斜視図に示すように、アシスト装置1は、腰サポート部10、ジャケット部20、フレーム部30、バックパック部37、クッション37G、右アクチュエータユニット4R、左アクチュエータユニット4L等にて構成されている。そして腰サポート部10、ジャケット部20、フレーム部30、バックパック部37、クッション37Gにて身体装着具2(図4参照)が構成され、右アクチュエータユニット4R、左アクチュエータユニット4Lにてアクチュエータユニット4が構成されている。また、アシスト装置1は、対象者が、動作モード(持ち下げアシスト、持ち上げアシスト等)や、アシストトルクのゲインや、アシストトルクの増量速度の調整を行ったり、調整した状態等の確認を行ったりするための、操作ユニットR1(いわゆるリモコン)と、操作ユニットR1を収容する収容部R1Sを有している。
身体装着具2(図4参照)は、対象者の少なくとも腰周りに装着されるものである。右アクチュエータユニット4R及び左アクチュエータユニット4L(図5参照)は、身体装着具2と、対象者の大腿部と、に装着されて、対象者の腰部に対する大腿部あるいは対象者の大腿部に対する腰部、の動作を支援(アシスト)する。以下、身体装着具2とアクチュエータユニット4を順に説明する。
●[身体装着具2の外観(図4)]
図3及び図4に示すように、身体装着具2は、対象者の腰周りに装着される腰サポート部10と、対象者の肩周り及び胸周りに装着されるジャケット部20と、ジャケット部20が接続されるフレーム部30と、フレーム部30に取り付けられたバックパック部37及びクッション37Gと、を有している。フレーム部30は、対象者の背中及び腰周りに配置される。
●[フレーム部30の全体構成(図3、図4、図6)]
フレーム部30は、図3及び図6に示すように、メインフレーム31と、右サブフレーム32Rと、左サブフレーム32L等を有している。メインフレーム31は、図6に示すように、複数のベルト接続孔31Hが上下方向に配置された支持体31SR、31SLと、接続部31R(右回動軸部)と、接続部31L(左回動軸部)と、を有している。接続部31Rには、右サブフレーム32Rの一方端(上端)が接続され、接続部31Lには、左サブフレーム32Lの一方端(上端)が接続されている。接続部31Rは、いわゆる円筒ダンパであり、同軸に配置された内筒と外筒とを有し、内筒と外筒との間には筒状弾性体が配置されている。そして外筒はメインフレーム31に固定され、内筒には右サブフレーム32Rの一方端(上端)が固定されている。同様に、接続部31Lの外筒はメインフレーム31に固定され、内筒には左サブフレーム32Lの一方端(上端)が固定されている。これにより、右サブフレーム32Rは回動軸線31RJ回りに回動可能であり、左サブフレーム32Lは回動軸線31LJ回りに回動可能である。
また図1に示すように、右サブフレーム32Rの下端部は、右アクチュエータユニット4Rの接続部41RSに接続(固定)され、左サブフレーム32Lの下端部は、左アクチュエータユニット4Lの接続部41LSに接続(固定)される。
●[腰サポート部10の全体構成(図3、図4、図7、図8)]
腰サポート部10は、図7及び図8に示すように、対象者の右半身の腰周りに装着される右腰装着部11Rと、対象者の左半身の腰周りに装着される左腰装着部11Lとを有している。図8に示すように、右腰装着部11Rと左腰装着部11Lは、背面腰ベルト16A、臀部上ベルト16B、臀部下ベルト16Cにて接続されている。
腰サポート部10は、図1及び図3に示すように、ジャケット部20の連結部29RSと連結される連結リング19RSを有する連結ベルト19Rと、ジャケット部20の連結部29LSと連結される連結リング19LSを有する連結ベルト19Lとを有している。また図3に示すように、腰サポート部10は、仮想回動軸線15Yと交差する位置に、右アクチュエータユニット4Rの連結部40RSに接続するための取付孔15Rと、左アクチュエータユニット4Lの連結部40LSに接続するための取付孔15Lとを有している。
また図8に示すように、右腰装着部11Rにおける対象者の背面側となる位置は、切欠部11RCが形成されて、右腰部11RAと右臀部11RBとに分割されている。左腰装着部11Lにおける対象者の背面側となる位置は、切欠部11LCが形成されて、左腰部11LAと左臀部11LBとに分割されている。
また図7及び図8に示すように、腰サポート部10は、右腰締めベルト13RA、腰ベルト保持部材13RB(腰バックル)、左腰締めベルト13LA、腰ベルト保持部材13LB(腰バックル)、右骨盤上ベルト17RA、右骨盤下ベルト17RB、左骨盤上ベルト17LA、左骨盤下ベルト17LB、右上ベルト保持部材17RC(右上コキ)、右下ベルト保持部材17RD(右下コキ)、引張部13RAH、左上ベルト保持部材17LC(左上コキ)、左下ベルト保持部材17LD(左下コキ)、引張部13LAH等、対象者の腰周りにズレることなく密着させるための、長さを調整可能な種々のベルト等を有している。
●[バックパック部37、及びバックパック部37の周辺の構成(図3、図4、図9、図10)]
バックパック部37は、図3に示すように、フレーム部30の上端部となるメインフレーム31に取り付けられている。そしてメインフレーム31またはバックパック部37には、ジャケット部20の右肩ベルト24R、右腋ベルト25R、左肩ベルト24L、左腋ベルト25Lが接続されている。
バックパック部37は、図9及び図10に示すように、シンプルな箱状の形状を有し、制御装置や電源ユニットや通信手段等が収容されている。バックパック部37は、図9に示すように、メインフレーム31の側に背当て部37Cを有している。そして背当て部37Cは、メインフレーム31に固定されている。メインフレーム31における対象者の背中側の両肩に対向する位置には、複数のベルト接続孔31H(ベルト接続部に相当)が上下方向に配置された支持体31SR、31SLが設けられている。つまり、ベルト接続孔31H(ベルト接続部)は、対象者の体格に応じて、フレーム部30に対するジャケット部20の高さ方向の位置を調整可能とするように、複数設けられている。従って、対象者の体格に合わせてジャケット部20の高さを適切な位置に調整できる。
また、対象者の上半身が前に傾いた場合であっても、背中に接触するクッション37G(または背当て部37C)を、対象者の肩から腰の方向へと長くすることで、アシストトルクを出力するアクチュエータユニット(4R、4L)を適切に支持することができる。さらに、対象者の上半身が左右に傾いた場合であっても、対象者の背中の曲がり中心にクッション37G(または背当て部37C)が接触することで、アシストトルクを出力するアクチュエータユニット(4R、4L)をより適切に支持することができる(支持剛性が高くなる)。
また、支持体31SRのいずれかのベルト接続孔31H(ベルト接続部)には、図10に示すように、右肩ベルト24Rのベルト接続部24RSが接続される。同様に、支持体31SLのいずれかのベルト接続孔31H(ベルト接続部)には、図10に示すように、左肩ベルト24Lのベルト接続部24LSが接続される。なお、支持体31SR、31SLは、バックパック部37に設けられていてもよい。
バックパック部37の下端の左右には、図9及び図10に示すように、ベルト接続部37FR、37FLが設けられている。ベルト接続部37FRには、図10に示すように、右腋ベルト25Rのベルト接続部25RSが接続される。同様に、ベルト接続部37FLには、図10に示すように、左腋ベルト25Lのベルト接続部25LSが接続される。なお、ベルト接続部37FR、37FLは、メインフレーム31に設けられていてもよい。
●[ジャケット部20の全体構成(図3、図4、図10、図11)]
ジャケット部20は、図4に示すように、対象者の右半身の胸周りに装着される右胸装着部21Rと、対象者の左半身の胸周りに装着される左胸装着部21Lとを有している。右胸装着部21Rは、左胸装着部21Lと、例えば面ファスナ21Fや、バックル21Bによって接続されており、対象者へのジャケット部20の着脱を容易にしている。
右胸装着部21Rは、メインフレーム31(またはバックパック部37)のベルト接続孔31Hに接続される右肩ベルト24R及びベルト接続部24RSと、バックパック部37(またはメインフレーム31)のベルト接続部37FR、37FLに接続される右腋ベルト25R及びベルト接続部25RSと、を有している。また、左胸装着部21Lは、メインフレーム31(またはバックパック部37)に接続される左肩ベルト24L及びベルト接続部24LSと、バックパック部37(またはメインフレーム31)に接続される左腋ベルト25L及びベルト接続部25LSと、を有している。また図11に示すように、右胸装着部21Rは、右腰装着部11Rと連結するための連結ベルト29R及び連結部29RSを有しており、左胸装着部21Lは、左腰装着部11Lと連結するための連結ベルト29L及び連結部29LSを有している。
また図10及び図11に示すように、ジャケット部20は、固定部28R、固定部28L、右肩ベルト23R、右肩ベルト保持部材23RK(右肩コキ)、左肩ベルト23L、左肩ベルト保持部材23LK(左肩コキ)、右腋ベルト26R、右腋ベルト保持部材26RK(右腋コキ)、左腋ベルト26L、左腋ベルト保持部材26LK(左腋コキ)等、対象者の胸周りにズレることなく密着させるための、長さを調整可能な種々のベルト等を有している。
●[右アクチュエータユニット4R、左アクチュエータユニット4Lの全体構成(図3、図5、図12〜図18)]
図5は、図3に示す右アクチュエータユニット4Rと、左アクチュエータユニット4Lの外観を示している。なお、左アクチュエータユニット4Lは、右アクチュエータユニット4Rを左右対称としたものであるので、以降の説明では、左アクチュエータユニット4Lについては説明を省略する。
図5に示すように、右アクチュエータユニット4Rは、トルク発生部40Rと、トルク伝達部である出力リンク50Rと、を有している。トルク発生部40Rは、アクチュエータベース部41Rと、カバー41RBと、連結ベース4ARと、を有している。図5に示すように、出力リンク50Rは、アシスト対象身体部(この場合、大腿部)の関節(この場合、股関節)回りに回動してアシスト対象身体部(この場合、大腿部)に装着される。なお、出力リンク50Rを介してアシスト対象身体部の回動をアシストするアシストトルクは、トルク発生部40R内の電動モータ(アクチュエータ)にて発生される。
出力リンク50Rは、アシストアーム51R(第1リンクに相当)と、第2リンク52Rと、第3リンク53Rと、大腿装着部54R(身体保持部に相当)と、を有している。アシストアーム51Rは、トルク発生部40R内の電動モータによって発生したアシストトルクと、対象者の大腿部の動作による対象者トルクと、が合成された合成トルクによって、回動軸線40RY回りに回動する。アシストアーム51Rの先端には第2リンク52Rの一方端が回動軸線51RJ回りに回動可能に接続され、第2リンク52Rの他方端には第3リンク53Rの一方端が回動軸線52RJ回りに回動可能に接続されている。そして第3リンク53Rの他方端には、第3ジョイント部53RS(この場合、球面ジョイント)を介して大腿装着部54Rが接続されている。
次に図5、図12〜図18を用いて、右アクチュエータユニット4Rのリンク機構の詳細について説明する。リンク機構の例として、図12に示す出力リンク50Rの例と、図13に示す出力リンク50RAの例について説明する。
図12に示す出力リンク50Rは、アシストアーム51R(第1リンクに相当)と、第2リンク52Rと、第3リンク53Rと、大腿装着部54R(身体保持部に相当)とが、それぞれジョイント部にて連結されて構成されることで、複数の連結部材にて構成されている。なお、図12に示す大腿装着部54Rは、図14に示す大腿ベルト55Rの記載を省略している。
アシストアーム51Rの先端には、回動軸線51RJ回りに回動可能となるように、第2リンク52Rの一方端が、第1ジョイント部51RSにて連結されている。第1ジョイント部51RSは、アシストアーム51Rに対して第2リンク52Rを、回動軸線51RJ回りに回動可能な自由度1を有する連結構造とされている。
第2リンク52Rの他方端には、回動軸線52RJ回りに回動可能となるように、第3リンク53Rの一方端が、第2ジョイント部52RSにて連結されている。第2ジョイント部52RSは、第2リンク52Rに対して第3リンク53Rを、回動軸線52RJ回りに回動可能な自由度1を有する連結構造とされている。
第3リンク53Rの他方端は、第3ジョイント部53RS(図14の例では球面ジョイント)にて大腿装着部54Rと連結されている。従って、第3リンクと大腿装着部54R(身体保持部)との間の第3ジョイント部53RSは、自由度3の連結構造とされている。以上より、図12に示す出力リンク50Rの自由度の総数は、1+1+3=5である。
なお、出力リンク50Rの自由度の総数は、3以上であればよい。例えば、図14に示すように、第3リンク53Rの他方端に対して、回動軸線53RJ回りに大腿装着部54Rが回動可能となるように第3ジョイント部53RSを構成してもよい。図14の例では、第3ジョイント部53RSは、第3リンク53Rに対して大腿装着部54Rを、回動軸線53RJ回りに回動可能な自由度1を有する連結構造とされている。従って、この場合の出力リンクの自由度の総数は、第1ジョイント部51RSの自由度が「1」、第2ジョイント部52RSの自由度が「1」であるので、1+1+1=3となる。なお、第2リンクや第3リンクの回動範囲を制限するストッパを設けると、より好ましい。
なお、図14に示すように、第3リンク53Rに連結されて対象者の大腿部に装着される大腿装着部54Rと、対象者の大腿部を一周するように大腿装着部54Rに設けられて伸縮可能な大腿ベルト55Rと、にて身体保持部が構成されている。大腿ベルト55Rは伸縮する弾性体で形成されており、一方端の側は大腿装着部54Rに固定され、他方端の側は面ファスナ55RMとされている。また大腿装着部54Rにおける大腿ベルト55Rの他方端の側と対向する位置には、面ファスナ54RMが設けられている。
また図14は大腿装着部54R及び大腿ベルト55Rにて身体保持部を構成した例を示しているが、図15は大腿装着部54R及び大腿ベルト55Rと、膝下ベルト57Rと、にて身体保持部を構成した例を示している。図15に示すように、大腿ベルト55Rは、対象者の膝上部の大腿部を一周するように大腿装着部54Rに設けられている。また膝下ベルト57Rは、対象者の膝下部を一周するように設けられている。また、膝下ベルト57Rは、大腿ベルト55Rと同じ材質で形成され、大腿ベルト55Rと同様、面ファスナを有して膝下部に密着される。そして大腿ベルト55Rと膝下ベルト57Rは、対象者の膝の裏側において、対象者の大腿部から足先方向に延びる連結部材56Rにて連結されている。連結部材56Rは、対象者の膝の裏に配置され、対象者の膝の曲げ伸ばしに追従して曲がることが可能な材質とされている。このように、大腿ベルト55Rは対象者の膝上側に密着されて保持され、膝下ベルト57Rは対象者の膝下側に密着されて保持される。
図13に示す出力リンク50RAは、アシストアーム51R(第1リンクに相当)と、第2リンク52RA(及び第2ジョイント部52RS)と、第3リンク53RAと、大腿装着部54R(身体保持部に相当)とが、それぞれジョイント部にて連結されて構成されることで、複数の連結部材にて構成されている。なお、図13に示す大腿装着部54Rは、図14に示す大腿ベルト55Rの記載を省略している。
アシストアーム51Rの先端には、回動軸線51RJ回りに回動可能となるように、第2リンク52RAの端部が、第1ジョイント部51RSにて連結されている。第1ジョイント部51RSは、アシストアーム51Rに対して第2リンク52RAを、回動軸線51RJ回りに回動可能な自由度1を有する連結構造とされている。
第2リンク52RAと第2ジョイント部52RSは一体化されており、第2リンク52RAには、長手方向であるスライド軸線52RSJに沿って往復スライド可能な第3リンク53RAの一方端の側が、第2ジョイント部52RSにて連結されている。第2ジョイント部52RSは、第2リンク52RAに対して第3リンク53RAを、スライド軸線52RSJに沿ってスライド可能な自由度1を有する連結構造とされている。
第3ジョイント部53RS(図13の例では球面ジョイント)にて大腿装着部54Rと連結されている。従って、第3リンク53RAと大腿装着部54R(身体保持部)との間の第3ジョイント部53RSは、自由度3の連結構造とされている。以上より、図13に示す出力リンク50RAの自由度の総数は、1+1+3=5である。
なお自由度の総数は3以上であればよいので、図14に示すように、第3ジョイント部を、大腿装着部54Rが回動軸線53RJ回りに回動可能となるように自由度1の連結構造としてもよい。なお、第2リンク52RAの回動範囲や第3リンク53RAのスライド範囲を制限するストッパを設けると、より好ましい。
また、図16〜図18は、図12に示すリンク機構において、第3リンク53RAと大腿装着部54Rとの連結部である第3ジョイント部53RSの位置を、対象者の大腿部の前面に配置した例(図16)、対象者の大腿部の外側となる側面に配置した例(図17)、対象者の大腿部の背面に配置した例(図18)、を説明する図である。第3ジョイント部53RSの位置は、対象者の大腿部の前面、側面、背面、のいずれであってもよい。
●[右アクチュエータユニット4Rにおけるトルク発生部40Rの内部構造(図19、図20)]
次に、図19及び図20を用いて、トルク発生部40R(図5参照)のカバー41RBに収容されている各部材について説明する。なお図20は、図19におけるA−A断面図である。図19及び図20に示すように、カバー41RB内には、減速機42R、プーリ43RA、伝達ベルト43RB、フランジ部43RDを有するプーリ43RC、渦巻バネ45R、軸受46R、電動モータ47R(アクチュエータ)、サブフレーム48R等が収容されている。またカバー41RBの外側には、軸部51RAを有するアシストアーム51Rが配置されている。
また、アクチュエータユニット(4R、4L)におけるフレーム部30に近い部分に、アクチュエータ駆動用、制御用、通信用、の各ケーブルの取出口33RS、33LS(接続口)が設けられている。そして、ケーブルの取出口33RS、33LSに接続されたケーブル(図示省略)は、フレーム部30に沿って配置され、バックパック部37に接続される。
なお、トルク発生部40Rは、図20に示すように、電動モータ47R等を搭載したサブフレーム48Rが取り付けられたアクチュエータベース部41Rと、アクチュエータベース部41Rの一方側に取り付けられるカバー41RBと、アクチュエータベース部41Rの他方側に取り付けられる連結ベース4ARと、を有している。連結ベース4ARには、回動軸線40RY回りに回動可能な連結部40RSが設けられている。
図19及び図20に示すように、アクチュエータベース部41Rに対するアシストアーム51Rの回動角度を検出する出力リンク回動角度検出手段43RS(回動角度センサ等)が、減速機42Rの増速軸42RBに接続されたプーリ43RAに接続されている。出力リンク回動角度検出手段43RSは、例えばエンコーダや角度センサであり、回転角度に応じた検出信号を制御装置61(図24参照)に出力する。また電動モータ47Rには、モータ軸(出力軸に相当)の回転角度を検出可能なモータ回転角度検出手段47RSが設けられている。モータ回転角度検出手段47RSは、例えばエンコーダや角度センサであり、回転角度に応じた検出信号を制御装置61(図24参照)に出力する。
図19に示すように、サブフレーム48Rには、減速機42Rの減速機ハウジング42RCを固定する貫通孔48RAと、電動モータ47Rの出力軸47RAを挿通する貫通孔48RBと、が形成されている。アシストアーム51Rの軸部51RAは、減速機42Rの減速軸42RAの穴部42RDに嵌め込まれ、減速機42Rの減速機ハウジング42RCはサブフレーム48Rの貫通孔48RAに固定される。これにより、アシストアーム51Rは、アクチュエータベース部41Rに対して、回動軸線40RY回りに回動可能に支持され、減速軸42RAと一体となって回動する。また、電動モータ47Rはサブフレーム48Rに固定され、出力軸47RAはサブフレーム48Rの貫通孔48RBに挿通されている。サブフレーム48Rは、ボルト等の締結部材にて、アクチュエータベース部41Rの取付部41RHに固定される。
図19に示すように、減速機42Rの増速軸42RBには、プーリ43RAが接続され、プーリ43RAには出力リンク回動角度検出手段43RSが接続されている。そして出力リンク回動角度検出手段43RSには、サブフレーム48Rに固定される支持部材43RTが接続されている。これにより、出力リンク回動角度検出手段43RSは、サブフレーム48Rに対する(すなわち、アクチュエータベース部41Rに対する)増速軸42RBの回動角度を検出することができる。しかも、アシストアーム51Rの回動角度は、減速機42Rの増速軸42RBによって増加された回動角度となるので、出力リンク回動角度検出手段43RS及び制御装置は、より高い分解能にて、アシストアーム51Rの回動角度を検出することができる。出力リンクの回動角度をより高い分解能で検出することで、制御装置は、より高精度な制御を実行することができる。なお、アシストアーム51Rの軸部51RA、減速機42R、プーリ43RA、出力リンク回動角度検出手段43RSは、回動軸線40RYに沿って同軸となるように配置されている。
減速機42Rは、減速比n(1<n)が設定されており、減速軸42RAが回動角度θだけ回動された場合に、増速軸42RBを回動角度nθだけ回動させる。また減速機42Rは、増速軸42RBが回動角度nθだけ回動された場合に、減速軸42RAを回動角度θだけ回動させる。減速機42Rの増速軸42RBが接続されたプーリ43RAと、プーリ43RCには、伝達ベルト43RBが掛けられている。従って、アシストアーム51Rからの対象者トルクは増速軸42RBを介してプーリ43RCに伝達され、電動モータ47Rからのアシストトルクは、渦巻バネ45Rとプーリ43RCを介して増速軸42RBに伝達される。
渦巻バネ45Rは、バネ定数Ksを有し、中心側に内側端部45RC、外周側に外側端部45RAを有する渦巻き形状を有している。渦巻バネ45Rの内側端部45RCは、電動モータ47Rの出力軸47RAに形成された溝部47RBに嵌め込まれている。渦巻バネ45Rの外側端部45RAは、円筒状に巻回されて、プーリ43RCのフランジ部43RDに設けられた伝達軸43REが嵌め込まれ、当該伝達軸43REにて支持されている(プーリ43RCは、フランジ部43RDと伝達軸43REが一体とされている)。プーリ43RCは、回動軸線47RY回りに回動可能に支持され、一体とされたフランジ部43RDの外周縁部の近傍には、渦巻バネ45Rの側に突出する伝達軸43REが設けられている。伝達軸43REは、渦巻バネ45Rの外側端部45RAに嵌め込まれ、外側端部45RAの位置を回動軸線47RY回りに移動させる。また、電動モータ47Rの出力軸47RAとプーリ43RCとの間には、軸受46Rが設けられている。つまり、プーリ43RCに出力軸47RAは固定されておらず、出力軸47RAは、プーリ43RCに対して自由に回転できる。プーリ43RCは、渦巻バネ45Rを介して電動モータ47Rから回転駆動される。以上の構成にて、電動モータ47Rの出力軸47RA、軸受46R、フランジ部43RDを有するプーリ43RC、渦巻バネ45R、は回動軸線47RYに沿って同軸となるように配置されている。
渦巻バネ45Rは、電動モータ47Rから伝達されたアシストトルクを蓄えるとともに、対象者の大腿部の動作によってアシストアーム51Rと減速機42Rとプーリ43RA及びプーリ43RCを経由して伝達された対象者トルクを蓄え、その結果として、アシストトルクと対象者トルクとを合成した合成トルクを蓄える。そして、渦巻バネ45Rに蓄えられた合成トルクは、プーリ43RC及びプーリ43RAと減速機42Rを介してアシストアーム51Rを回動させる。以上の構成により、電動モータ47Rの出力軸47RAは、出力軸47RAの回転角度を減量する減速機42Rを介して出力リンク(図19の場合、アシストアーム51R)に接続されている。
渦巻バネ45Rに蓄えられている合成トルクは、無負荷状態からの角度変化量とバネ定数に基づいて求められ、例えば、アシストアーム51Rの回動角度(出力リンク回動角度検出手段43RSにて求められる)と、電動モータ47Rの出力軸47RAの回転角度(モータ回転角度検出手段47RSにて求められる)と、渦巻バネ45Rのバネ定数Ksと、に基づいて求められる。そして求められた合成トルクから対象者トルクが抽出され、当該対象者トルクに応じたアシストトルクが電動モータから出力される。
また図20に示すように、右アクチュエータユニットのトルク発生部40Rは、回動軸線40RY(すなわち仮想回動軸線15Y)回りに回動可能な連結部40RSを有している。そして連結部40RSは、図3及び図1に示すように、腰サポート部10の取付孔15Rを介してボルト等の連結部材にて連結(固定)される。また、図3及び図1に示すように、右アクチュエータユニット4Rの接続部41RSには、フレーム部30の右サブフレーム32Rの下端部が接続(固定)される。同様に、左アクチュエータユニットのトルク発生部40Lの連結部40LSは、腰サポート部10の取付孔15Lを介してボルト等の連結部材にて連結(固定)され、左アクチュエータユニット4Lの接続部41LSには、フレーム部30の左サブフレーム32Lの下端部が接続(固定)される。つまり、図3において、右アクチュエータユニット4Rのトルク発生部40Rに、腰サポート部10とフレーム部30が固定され、左アクチュエータユニット4Lのトルク発生部40Lに、腰サポート部10とフレーム部30が固定される。そして右アクチュエータユニット4Rと左アクチュエータユニット4Lとフレーム部30は一体とされ、仮想回動軸線15Y回りに回動可能な連結部40RS、40LSにて、腰サポート部10に対して回動可能である(図21、図22参照)。
●[操作ユニットR1の外観と構成等(図23〜図25)]
次に図23〜図25を用いて、対象者がアシスト装置1のアシスト状態を容易に調整等するための操作ユニットR1について説明する。図24に示すように、操作ユニットR1は、バックパック部37(図1参照)内の制御装置61と有線または無線の通信回線R1Tにて接続されている。操作ユニットR1の制御装置R1Eは、通信手段R1EAを介して制御装置61と情報の送受信が可能であり、制御装置61は、通信手段64を介して操作ユニットR1内の制御装置R1Eと情報の送受信が可能である。なお、図1に示すように、対象者は、操作ユニットR1を操作しない場合、例えば、ジャケット部20に設けられたポケット等の収容部R1Sに収容しておくことができる(図1参照)。
図23に示すように、操作ユニットR1は、メイン操作部R1A、ゲインUP操作部R1BU、ゲインDOWN操作部R1BD、増量速度UP操作部R1CU、増量速度DOWN操作部R1CD、表示部R1D等を有している。なお、ゲインUP操作部R1BUとゲインDOWN操作部R1BDはゲイン変更手段に相当しており、増量速度UP操作部R1CUと増量速度DOWN操作部R1CDは増量速度変更手段に相当している。また図24に示すように、操作ユニットR1内には、制御装置R1E、操作ユニット用電源R1F等を有している。なお、メイン操作部R1A、ゲインUP操作部R1BU、ゲインDOWN操作部R1BD、増量速度UP操作部R1CU、増量速度DOWN操作部R1CDは、操作ユニットR1が収容部R1S(図1参照)に収容されている際の誤操作を防止するために、配置されている面から突出していないことが好ましい。
メイン操作部R1Aは、対象者からの操作によって、アシスト装置1によるアシスト制御の開始と停止を行うためのスイッチである。なお図24に示すように、アシスト装置1そのもの(全体)の起動と停止を行うための主電源スイッチ65が、例えばバックパック部37に設けられており、主電源スイッチ65がON側に操作されると、制御装置61及び制御装置R1Eが起動し、主電源スイッチ65がOFF側に操作されると、制御装置61及び制御装置R1Eの動作が停止される。図23に示すように、例えば、操作ユニットR1の表示部R1Dにおける表示エリアR1DBには、現在のアシスト装置の運転状態がON(運転)であるかOFF(停止)であるかが表示される。
ゲインUP操作部R1BUは、対象者からの操作によって、アシスト装置が発生するアシストトルクのゲインを大きくするスイッチであり、ゲインDOWN操作部R1BDは、対象者からの操作によって、アシスト装置が発生するアシストトルクのゲインを小さくするスイッチである。例えば図25の「操作ユニットゲイン」に示すように、制御装置R1Eは、ゲインUP操作部R1BUが操作される毎に、記憶しているゲイン番号を1つずつ増加し、ゲインDOWN操作部R1BDが操作される毎に、ゲイン番号を1つずつ減少する。図25の例では、ゲイン番号が0〜3の4個の例を示しているが、4個に限定されるものではない。図24に示すように、制御装置R1Eは、例えば、操作ユニットR1の表示部R1Dにおける表示エリアR1DCに、現在のゲイン番号に応じた表示を行う。
なお、ゲインUP操作部R1BUを、例えば5[sec]以上長押しした場合、ゲインUP操作部R1BUは、動作モード切替スイッチとして機能する。ゲインUP操作部R1BUを長押しした場合、ゲインUP操作部R1BUを押す毎に、図25の「操作ユニット動作モード」に示すように、動作モード(モード番号)が「1(持ち下げアシスト)」――>「2(自動調整持ち上げアシスト)」――>「3(手動調整持ち上げアシスト)」へと、順番に切り替わる。この場合、ゲインUP操作部R1BUは、動作切替手段に相当している。図23に示すように、制御装置R1Eは、例えば、操作ユニットR1の表示部R1Dにおける表示エリアR1DBに、現在の動作モードに応じた表示を行う。なお、「歩行」モードは、ゲインUP操作部R1BUから指示することはできないが、制御装置61が、対象者が「歩行」していることを認識した場合に、自動的に切り替わる動作モードである。
増量速度UP操作部R1CUは、対象者からの操作によって、アシスト装置が発生するアシストトルクの増量速度を速くするスイッチであり、増量速度DOWN操作部R1CDは、対象者からの操作によって、アシスト装置が発生するアシストトルクの増量速度を遅くするスイッチである。例えば図25の「操作ユニット増量速度」に示すように、制御装置R1Eは、増量速度UP操作部R1CUが操作される毎に、記憶している速度番号を1つずつ増加し、増量速度DOWN操作部R1CDが操作される毎に、速度番号を1つずつ減少する。図25の例では、速度番号が−1〜4の6個の例を示しているが、6個に限定されるものではない。図24に示すように、制御装置R1Eは、例えば、操作ユニットR1の表示部R1Dにおける表示エリアR1DDに、現在の速度番号に応じた表示を行う。
そして操作ユニットR1の制御装置R1Eは、所定時間間隔(例えば数[ms]〜数100[ms]間隔)、または、メイン操作部R1AとゲインUP操作部R1BUとゲインDOWN操作部R1BDと増量速度UP操作部R1CUと増量速度DOWN操作部R1CDのいずれかが操作される毎に、通信手段R1EA(図24参照)を介して操作情報を送信する。操作情報には、上記の停止指示または起動指示、モード番号、ゲイン番号、速度番号等が含まれている。
バックパック部37の制御装置61は、操作情報を受信すると、受信した操作情報を記憶し、アシスト装置の駆動に用いる電源ユニット63の電池の状態を示す電池情報と、アシスト状態を示すアシスト情報等を含む応答情報を、通信手段64(図24参照)を介して送信する。なお、応答情報に含まれている電池情報には、電源ユニット63の残量等が含まれており、応答情報に含まれているアシスト情報には、例えばアシスト装置に異常が発見された場合には異常の内容を示すエラー情報が含まれている。図24に示すように、制御装置R1Eは、例えば、操作ユニットR1の表示部R1Dにおける表示エリアR1DAに、電池残量等を表示し、エラー情報が含まれていた場合は、表示部R1Dのいずれかの位置に、エラー情報を表示する。
また、制御装置R1Eからの操作情報を受信した制御装置61(図24参照)は、受信した操作情報に起動指示が含まれていた場合にはアシスト装置を起動し、受信した操作情報に停止指示が含まれていた場合にはアシスト装置を停止する。また制御装置61は、例えば図25の「制御装置動作モード」に示すように、受信したモード番号に対応させて動作モードを記憶する。また制御装置61は、例えば図25の「制御装置ゲイン」に示すように、ゲイン番号に対応させてゲインCpの値(0〜3)を記憶し、速度番号に対応させて(右)増量速度CsR(右用速度番号:−1〜4)、(左)増量速度CsL(左用速度番号:−1〜4)を記憶する。上述した動作モード、Cp、CsR、CsL、は、以降に説明する処理手順にて使用される。
以上に説明したように、操作ユニットR1の操作によって、対象者は、所望するアシスト状態とするための調整を、容易に行うことができる。また、操作ユニットR1の表示部R1Dに電池残量やエラー情報等を表示させるので、対象者は、アシスト装置の状態を容易に把握することができる。なお、表示部R1Dに表示される各種の情報の形態は、図23の例に限定されるものではない。
●[制御装置61の入出力(図24)]
制御装置61は、図24に示すように、バックパック部37内に収容されている。図24に示す例では、バックパック部37内に、制御装置61、モータドライバ62、電源ユニット63等が収容されている。制御装置61は、例えば制御手段66(CPU)や、記憶手段67(制御プログラム等を格納)を有している。なお制御装置61は、後述する調整判定部61A、入力処理部61B、トルク変化量等計算部61C、動作種類判定部61D、選択部61E、持ち下げアシストトルク計算部61F、持ち上げアシストトルク計算部61G、歩行アシストトルク計算部61H、制御指令値計算部61I、通信手段64等を有している。モータドライバ62は、制御装置61からの制御信号に基づいて、電動モータ47Rを駆動する駆動電流を出力する電子回路である。電源ユニット63は、例えばリチウム電池であり、制御装置61とモータドライバ62に電力を供給する。なお通信手段64の動作等については後述する。
制御装置61には、操作ユニットR1からの操作情報と、モータ回転角度検出手段47RSからの検出信号(電動モータ47Rの実モータ軸角度θrMに応じた検出信号)と、出力リンク回動角度検出手段43RSからの検出信号(アシストアーム51Rの実リンク角度θLに応じた検出信号)等が入力されている。制御装置61は、入力された信号に基づいて、電動モータ47Rの回転角度を求め、求めた回転角度に応じた制御信号をモータドライバ62に出力する。
●[制御ブロック(図26)と、制御装置61の処理手順(図27)]
次に、図27に示すフローチャートと、図26に示す制御ブロックを用いて、制御装置61の処理手順について説明する。図26に示す制御ブロックは、調整判定ブロックB10、入力処理ブロックB20、トルク変化量等計算ブロックB30、動作種類判定ブロックB40、選択ブロックB54、持ち下げアシストトルク計算ブロックB51、持ち上げアシストトルク計算ブロックB52、歩行アシストトルク計算ブロックB53、制御指令値計算ブロックB60、切替スイッチS51、S52等を有している。各ブロックの処理内容については、図27に示すフローチャートにて説明する。
●[処理全体の流れ(図27)]
図27に示すフローチャートは、(右)アクチュエータユニット4Rと(左)アクチュエータユニット4Lを制御する処理手順を示している。図27に示す処理は、所定時間間隔(例えば数[ms]間隔)に起動され、当該処理が起動されると制御装置61(制御手段に相当)は、ステップS010へと処理を進める。
ステップS010にて制御装置61は、S100(図28参照)の処理を実行して、ステップS020へと処理を進める。S100の処理は、図26に示す調整判定ブロックB10、入力処理ブロックB20、トルク変化量等計算ブロックB30に相当しており、図24に示す調整判定部61A、入力処理部61B、トルク変化量等計算部61Cに相当している。なお、S100の処理の詳細については後述する。
ステップS020にて制御装置61は、S200(図29参照)の処理を実行して、ステップS030へと処理を進める。S200の処理は、図26に示す動作種類判定ブロックB40に相当しており、図24に示す動作種類判定部61Dに相当している。なお、S200の処理の詳細については後述する。
ステップS030にて制御装置61は、ステップS020にて判定した動作種類が荷物持上・持下作業であるか否かを判定し、動作種類が荷物持上・持下作業である場合(Yes)はステップS035へ処理を進め、そうでない場合(No)はステップS050へと処理を進める。
ステップS035に処理を進めた場合、制御装置61は、ステップS010による動作モード(操作ユニットからの動作モード)が持ち下げアシストであるか否かを判定し、動作モードが持ち下げアシストである場合(Yes)はステップS040Rへと処理を進め、そうでない場合(No)はステップS045へと処理を進める。ステップS030,S035の処理は、図26に示す選択ブロックB54に相当しており、図24に示す選択部61Eに相当している。
ステップS040Rに処理を進めた場合、制御装置61は、SD000R(図30参照)の処理を実行して、ステップS040Lへと処理を進める。SD000Rの処理は、持ち下げ動作時における(右)アクチュエータユニット4Rの制御指令値を求める処理であり、図26に示す持ち下げアシストトルク計算ブロックB51に相当しており、図24に示す持ち下げアシストトルク計算部61Fに相当している。なお、SD000Rの処理の詳細については後述する。
ステップS040Lにて制御装置61は、SD000L(図示省略)の処理を実行して、ステップS060Rへと処理を進める。SD000Lの処理は、持ち下げ動作時における(左)アクチュエータユニット4Lの制御指令値を求める処理であり、図26に示す持ち下げアシストトルク計算ブロックB51に相当しており、図24に示す持ち下げアシストトルク計算部61Fに相当している。なお、SD000Lの処理は、SD000Rと同様であるので、詳細な説明については省略する。
ステップS045に処理を進めた場合、制御装置61は、SU000(図35参照)の処理を実行して、ステップS060Rへと処理を進める。SU000の処理は、持ち上げ動作時における(右)アクチュエータユニット4R、(左)アクチュエータユニット4Lの制御指令値を求める処理であり、図26に示す持ち上げアシストトルク計算ブロックB52に相当しており、図24に示す持ち上げアシストトルク計算部61Gに相当している。なお、SU000の処理の詳細については後述する。
ステップS050に処理を進めた場合、制御装置61は、SW000(図示省略)の処理を実行して、ステップS060Rへと処理を進める。SW000の処理は、歩行動作時における(右)アクチュエータユニット4R、(左)アクチュエータユニット4Lの制御指令値を求める処理であり、図26に示す歩行アシストトルク計算ブロックB53に相当しており、図24に示す歩行アシストトルク計算部61Hに相当している。なお、SW000の処理の詳細については省略する。
ステップS060Rにて制御装置61は、SD000RまたはSU000またはSW000にて求めた(右)アシストトルク指令値に基づいて、(右)電動モータをフィードバック制御して、ステップS060Lへと処理を進める。
ステップS060Lにて制御装置61は、SD000LまたはSU000またはSW000にて求めた(左)アシストトルク指令値に基づいて、(左)電動モータをフィードバック制御して、処理を終了する。ステップS060R、S060Lの処理は、図26に示す制御指令値計算ブロックB60に相当しており、図24に示す制御指令値計算部61Iに相当している。
●[S100:調整判定、入力処理、トルク変化量等計算の詳細(図28)]
次に図28を用いて、図27に示すステップS010によるS100の処理の詳細について説明する。S100の処理にて制御装置61は、操作ユニットからの情報に基づいて、動作モードに、持ち下げアシスト、自動調整持ち上げアシスト、手動調整持ち上げアシスト、のいずれかを記憶する(図25の「制御装置動作モード」参照)。また制御装置61は、操作ユニットからの情報に基づいて、ゲインCpに、0、1、2、3のいずれかを記憶する(図25の「制御装置ゲイン」参照)。また制御装置61は、「動作種類=荷物持上・持下作業、かつ、動作状態S=1〜4の場合」を除いて、操作ユニットからの情報に基づいて、(右)増量速度CsR、(左)増量速度CsLに、−1、0、1、2、3、4のいずれかを記憶する(図25の「制御装置増量速度」参照)。以上が、図26に示す調整判定ブロックB10、図24に示す調整判定部61Aに相当している。
また制御装置61は、更新前の(右)リンク角度θLR(t)を、前回(右)リンク角度θLR(t−1)に記憶し、更新前の(左)リンク角度θLL(t)を、前回(左)リンク角度θLL(t−1)に記憶する。また制御装置61は、(右)アクチュエータユニットの出力リンク回動角度検出手段43RS(角度検出手段に相当、図19、図20参照)を用いて現在の(右)リンク角度を検出し、(右)リンク角度θLR(t)を記憶する(更新する)。同様に制御装置61は、(左)アクチュエータユニットの出力リンク回動角度検出手段(角度検出手段に相当)を用いて現在の(左)リンク角度を検出し、(左)リンク角度θLL(t)を記憶する(更新する)。以上が、図26に示す入力処理ブロックB20、図24に示す入力処理部61Bに相当している。なお、(右)リンク角度θLR(t)は、大腿部に対する腰部の(右)前傾角度であり(図31参照)、(左)リンク角度θLL(t)は、大腿部に対する腰部の(左)前傾角度である(図31参照)。
また制御装置61は、以下の(式1)にて(右)リンク角度変化量ΔθLR(t)を求めて記憶し、(式2)にて(左)リンク角度変化量ΔθLL(t)を求めて記憶する。なお、(右)リンク角度変化量ΔθLR(t)、(左)リンク角度変化量ΔθLL(t)は、角速度関連量に相当する。そして出力リンク回動角度検出手段43RSは、トルク検出手段に相当している。
(右)リンク角度変化量ΔθLR(t)=(右)リンク角度θLR(t)−(右)リンク角度θLR(t−1) (式1)
(左)リンク角度変化量ΔθLL(t)=(左)リンク角度θLL(t)−(左)リンク角度θLL(t−1) (式2)
また制御装置61は、以下の(式3)にて(右)対象者トルク変化量τSR(t)を求めて記憶し、(式4)にて(左)対象者トルク変化量τSL(t)を求めて記憶する。なお、Ksは渦巻バネ45Rのバネ定数である。
(右)対象者トルク変化量τSR(t)=Ks*ΔθLR(t) (式3)
(左)対象者トルク変化量τSL(t)=Ks*ΔθLL(t) (式4)
また、制御装置61は、以下の(式5)にて(右)合成トルク(t)を求めて記憶し、(式6)にて(左)合成トルク(t)を求めて記憶する。以上が、図26に示すトルク変化量等計算ブロックB30、図24に示すトルク変化量等計算部61Cに相当している。
(右)合成トルク(t)=Ks*θLR(t) (式5)
(左)合成トルク(t)=Ks*θLL(t) (式6)
●[S200:動作種類判定の詳細(図29)]
次に図29を用いて、図27に示すステップS020によるS200の処理の詳細について説明する。S200にて制御装置61は、対象者の動作種類を判定する。判定された動作種類には、「歩行」、「荷物持ち上げ・持ち下げ」が有る。「歩行」は対象者の歩行動作であり、「荷物持ち上げ・持ち下げ」は対象者が重量物を持ち上げる動作、または持っている重量物をおろす動作である。S200の処理は、図26に示す動作種類判定ブロックB40、図24に示す動作種類判定部61Dに相当している。
S200の処理にて制御装置61は、ステップS210へと処理を進める。そしてステップS210にて制御装置61は、[(右)リンク角度θLR(t)+(左)リンク角度θLL(t)]/2が第1動作判定角度θ1以下であり、かつ、(右)合成トルク(t)*(左)合成トルク(t)が第1動作判定トルクτ1未満であるか否かを判定する。制御装置61は、[(右)リンク角度θLR(t)+(左)リンク角度θLL(t)]/2が第1動作判定角度θ1以下であり、かつ、(右)合成トルク(t)*(左)合成トルク(t)が第1動作判定トルクτ1未満である場合(Yes)はステップS230Aへと処理を進め、そうでない場合(No)はステップS220へと処理を進める。
ステップS220へと処理を進めた場合、制御装置61は、(右)合成トルク(t)*(左)合成トルク(t)が第2動作判定トルクτ2以上であるか否かを判定し、(右)合成トルク(t)*(左)合成トルク(t)が第2動作判定トルクτ2以上である場合(Yes)はステップS230Bへと処理を進め、そうでない場合(No)はS200の処理を終了してリターンする(図27のステップS030へ処理を進める)。
ステップS230Aへと処理を進めた場合、制御装置61は、動作種類に「歩行」を記憶してS200の処理を終了してリターンする(図27のステップS030へ処理を進める)。
ステップS230Bへと処理を進めた場合、制御装置61は、動作種類に「荷物持上・持下作業」を記憶してS200の処理を終了してリターンする(図27のステップS030へ処理を進める)。
●[SD000R:(右)持ち下げの詳細(図30〜図34)]
次に図30を用いて、図27に示すステップS040RによるSD000Rの処理の詳細について説明する。SD000Rにて制御装置61は、対象者の持ち下げ作業を支援するため、アシスト装置にて発生させる(右)持ち下げアシストトルクを算出する。なお、SD000Rの処理は、(右)アクチュエータユニット4R(図1参照)にて発生させる(右)持ち下げアシストトルクを算出する処理手順を示しているが、(左)アクチュエータユニット4L(図1参照)にて発生させる(左)持ち下げアシストトルクを算出するSD000L(図27参照)の処理手順については同様であるので説明を省略する。なお、図31に示すように、対象者が手にしている荷物を下ろす持ち下げ作業において、(右)リンク角度θLR(t)、(左)リンク角度θLL(t)は、大腿部に対する腰部の前傾角度である。また、対象者の持ち下げ方向(図31における「対象者トルク」の方向)への作業を支援する持ち下げアシストトルクは、対象者に対して持ち上げ方向(図31における「アシストトルク」の方向)に発生させる。また、以降の説明では、持ち上げ方向のトルクの符号を−(負)、持ち下げ方向のトルクの符号を+(正)、として説明する。
SD000Rの処理にて制御装置61は、ステップSD010Rへと処理を進める。そしてステップSD010Rにて制御装置61は、(右)リンク角度θLR(t)が第1持ち下げ角度θd1以下であるか否かを判定し、(右)リンク角度θLR(t)が第1持ち下げ角度θd1以下である場合(Yes)はステップSD015Rに処理を進め、そうでない場合(No)はステップSD020Rへ処理を進める。例えば第1持ち下げ角度θd1は、10[°]程度の前傾角度であり、θLR(t)≦θd1の場合、制御装置61は、持ち下げ開始、または持ち下げ終了と判定する。
ステップSD015Rに処理を進めた場合、制御装置61は、(右)積算アシスト量を初期化(ゼロにリセット)して、ステップSD020Rへ処理を進める。
ステップSD020Rに処理を進めた場合、制御装置61は、(右)増量速度CsRと、(右)対象者トルク変化量τSR(t)と、対象者トルク変化量・アシスト量特性(図32)と、に基づいて、(右)アシスト量を算出してステップSD025Rへ処理を進める。図32に示すように、例えば、(右)増量速度CsR=1、(右)対象者トルク変化量τSR(t)=τ11の場合、Cs=1のf11(x)の特性を用い、τ11に対応するτd1が、求める(右)アシスト量となる。
ステップSD025Rにて制御装置61は、(右)積算アシスト量に、ステップSD020Rにて求めた(右)アシスト量を加算して(つまり、求めた(右)アシスト量を積算して)ステップSD030Rに処理を進める。
ステップSD030Rにて制御装置61は、ゲインCpと、(右)リンク角度(前傾角度)θLR(t)と、前傾角度・持下トルク制限値特性(図33参照)と、に基づいて、(右)持下トルク制限値を算出してステップSD035Rへ処理を進める。図33に示すように、例えば、ゲインCp=1、(右)リンク角度(前傾角度)θLR(t)=θ11の場合、Cp=1のf21(x)の特性を用い、θ11に対応するτmax1が、求める(右)持下トルク制限値となる。
ステップSD035Rにて制御装置61は、|(右)積算アシスト量|が|(右)持下トルク制限値|以下であるか否かを判定し、|(右)積算アシスト量|が|(右)持下トルク制限値|以下である場合(Yes)はステップSD040Rへ処理を進め、そうでない場合(No)はステップSD045Rへ処理を進める。
ステップSD040Rに処理を進めた場合、制御装置61は、(右)積算アシスト量を(右)持ち下げアシストトルク(すなわち、(右)アシストトルク指令値τscmdR(t))に記憶して処理を終了してリターンする(図27のステップS060Rへ処理を進める)。
ステップSD045Rに処理を進めた場合、制御装置61は、(右)持下トルク制限値を(右)持ち下げアシストトルク(すなわち、(右)アシストトルク指令値τscmdR(t))に記憶して処理を終了してリターンする(図27のステップS060Rへ処理を進める)。
上記のステップSD035R、SD040R、SD045Rにて、制御装置61は、|(右)積算アシスト量|と|(右)持下トルク制限値|と、の小さなほうを(右)持ち下げアシストトルクとする。
以上の処理にて、持ち下げ作業の際の前傾角度に対応させた持ち下げアシストトルクの様子を図34に示す。図34に示す例は、時間0にて対象者が直立状態にて荷物を持っており、前傾角度を徐々に大きくしながら時間T1にて荷物の持ち下げを完了し、時間T2まで前傾状態を維持し、前傾角度を徐々に小さくしながら直立状態に戻った場合を示している。この場合、持ち上げ方向(図34中の−(負)側)への持ち下げアシストトルクは、図34に示すものとなり、対象者の腰部の負荷を低減し、持ち下げ作業を適切にアシストすることができる。
なお、対象者が前傾動作を停止させて前傾角度の変化が停止(ΔθLR(t)=0、ΔθLL(t)=0)した場合(図34の例では、時間T1から時間T2の間)、あるいは、対象者が前傾状態から前傾角度を徐々に小さくしていく直立動作(図34の例では、時間T2から時間T3の間)の最中の場合、対象者トルク変化量はゼロまたは反対方向となるので、対象者トルク変化量・アシスト量特性(図32参照)から求められるアシスト量はゼロとなる。つまり、この場合では、制御装置61は、積算アシスト量の更新を停止して保持し、保持した積算アシスト量と、持下トルク制限値と、に基づいて、(右)持ち下げアシストトルク((右)アシストトルク指令値)を求める。
●[SU000:持ち上げの詳細(図35〜図43)]
次に図35を用いて、図27に示すステップS045によるSU000の処理の詳細について説明する。SU000にて制御装置61は、対象者の持ち上げ作業を支援するため、アシスト装置にて発生させる持ち上げアシストトルクを算出する。なお、対象者が荷物を持ち上げる持ち上げ作業において、(右)リンク角度θLR(t)、(左)リンク角度θLL(t)(図31参照)は、大腿部に対する腰部の前傾角度である。また、対象者の持ち上げ方向への作業を支援する持ち上げアシストトルクは、対象者に対して持ち上げ方向(図31における「アシストトルク」の方向)に発生させる。また、以降の説明では、持ち上げ方向のトルクの符号を−(負)、持ち下げ方向のトルクの符号を+(正)、として説明する。
SU000の処理にて制御装置61は、ステップSU010へと処理を進める。そしてステップSU010にて制御装置61は、SS000(図36参照)の処理を実行して、ステップSU015へ処理を進める。なお、SS000の処理は、図36の状態遷移図に示すように、持ち上げ開始から持ち上げ終了までの持ち上げ動作の全体を、動作状態S=0〜5に分割した場合において、現在の動作状態Sを判定する処理であり、詳細については後述する。
ステップSU015にて制御装置61は、動作状態Sが0から1に遷移したタイミングであるか否かを判定し、動作状態Sが0から1に遷移したタイミングである場合(Yes)はステップSU020に処理を進め、そうでない場合(No)はステップSU030に処理を進める。
ステップSU020に処理を進めた場合、制御装置61は、(右)仮想経過時間tmapR(t)、(左)仮想経過時間tmapL(t)に0(ゼロ)を代入し、(右)持ち上げアシストトルク((右)アシストトルク指令値τscmdR(t))、(左)持ち上げアシストトルク((左)アシストトルク指令値τscmdL(t))に0(ゼロ)を代入する。その後、制御装置61は、ステップSU030に処理を進める。
●[動作状態S=1の判定と、動作状態S=1の場合の処理(図35)]
ステップSU030に処理を進めた場合、制御装置61は、ステップSU020にて判定した動作状態Sが1であるか否かを判定し、動作状態Sが1である場合(Yes)はステップSU031へ処理を進め、そうでない場合(No)はステップSU040へ処理を進める。
ステップSU031に処理を進めた場合、制御装置61は、(右)仮想経過時間tmapR(t)にタスク周期(例えば、図27に示す処理が2[ms]毎に起動される場合は、2[ms])を加算し、(左)仮想経過時間tmapL(t)にタスク周期を加算し、ステップSU032に処理を進める。(右)仮想経過時間tmapR(t)、(左)仮想経過時間tmapL(t)は、動作状態S=1になってからの(仮想的な)経過時間を示す。
ステップSU032にて制御装置61は、動作モードが「自動調整持ち上げアシスト」であるか否かを判定し、動作モードが「自動調整持ち上げアシスト」である場合(Yes)はステップSU033Rに処理を進め、そうでない場合(No)はステップSU034に処理を進める。
ステップSU033Rに処理を進めた場合、制御装置61は、SS100R(図38参照)の処理を実行して、ステップSU033Lへ処理を進める。なお、SS100Rの処理(図38参照)は、(右)増量速度CsRと、(右)仮想経過時間tmapR(t)と、を変更または維持する処理であるが、(左)増量速度CsLと、(左)仮想経過時間tmapL(t)と、を変更または維持する処理であるSS100Lの処理については同様であるので説明を省略する。ステップSU033Lにて制御装置61は、SS100Lの処理を実行して、ステップSU034へ処理を進める。なお、ステップSS100Rの処理の詳細については後述する。
ステップSU034にて制御装置61は、(右)増量速度CsRと(左)増量速度CsLとが等しいか否かを判定し、(右)増量速度CsRと(左)増量速度CsLが等しい場合(Yes)はステップSU037Rに処理を進め、そうでない場合(No)はステップSU035に処理を進める。
ステップSU035に処理を進めた場合、制御装置61は、(右)増量速度CsRが(左)増量速度CsLよりも大きいか否かを判定し、(右)増量速度CsRが(左)増量速度CsLよりも大きい場合(Yes)はステップSU036Aに処理を進め、そうでない場合(No)はステップSU036Bに処理を進める。
ステップSU036Aに処理を進めた場合、制御装置61は、(右)増量速度CsRを(左)増量速度CsLに代入してステップSU037Rに処理を進める。
ステップSU036Bに処理を進めた場合、制御装置61は、(左)増量速度CsLを(右)増量速度CsRに代入してステップSU037Rに処理を進める。
ステップSU037Rに処理を進めた場合、制御装置61は、SS170R(図42参照)の処理を実行して、ステップSU037Lへ処理を進める。なお、SS170Rの処理(図42参照)は、動作状態S=1の場合における(右)持ち上げアシストトルク((右)アシストトルク指令値τscmdR(t))を求める処理であるが、動作状態S=1の場合における(左)持ち上げアシストトルク((左)アシストトルク指令値τscmdL(t))を求める処理であるSS170Lの処理については同様であるので説明を省略する。ステップSU037Lにて制御装置61は、SS170Lの処理を実行して、処理を終了してリターンする(図27のステップS060Rへ処理を進める)。なお、ステップSS170Rの処理の詳細については後述する。
●[動作状態S=2の判定と、動作状態S=2の場合の処理(図35)]
ステップSU040に処理を進めた場合、制御装置61は、ステップSU020にて判定した動作状態Sが2であるか否かを判定し、動作状態Sが2である場合(Yes)はステップSU041へ処理を進め、そうでない場合(No)はステップSU050へ処理を進める。
ステップSU041に処理を進めた場合、制御装置61は、(前回)動作状態Sが1であるか否かを判定し、(前回)動作状態Sが1である場合(Yes)はステップSU042に処理を進め、そうでない場合(No)はステップSU047に処理を進める。
ステップSU042に処理を進めた場合、制御装置61は、(右)仮想経過時間tmapR(t)、(左)仮想経過時間tmapL(t)に0(ゼロ)を代入してステップSU047に処理を進める。ステップSU042の処理は、動作状態Sが1――>2に遷移した場合に実行される処理である。
ステップSU047に処理を進めた場合、制御装置61は、ゲインCpと、時間・持上トルク特性(図43参照)と、に基づいて、ゲインCpに対応する|最大値|を求め、求めた最大値を、(右)持ち上げアシストトルク((右)アシストトルク指令値τscmdR(t))、(左)持ち上げアシストトルク((左)アシストトルク指令値τscmdL(t))に代入して処理を終了してリターンする(図27のステップS060Rへ処理を進める)。例えば、ゲインCp=1の場合、図43のCp=1のf42(x)の特性を用い、当該|f42(x)|の最大値であるτmax11が、求める最大値である。図43に示すように、時間・持上トルク特性(持ち上げ基準特性の1つ)は、ゲインCpに応じて用意されており、制御装置61は、ゲインCpに応じて持ち上げ基準特性を変更する。
●[動作状態S=3の判定と、動作状態S=3の場合の処理(図35)]
ステップSU050に処理を進めた場合、制御装置61は、ステップSU020にて判定した動作状態Sが3であるか否かを判定し、動作状態Sが3である場合(Yes)はステップSU051へ処理を進め、そうでない場合(No)はステップSU060へ処理を進める。
ステップSU051に処理を進めた場合、制御装置61は、ゲインCpと、時間・持上トルク特性(図43参照)と、に基づいて、ゲインCpに対応する最大値を求め、求めた最大値を、(仮)(右)持ち上げアシストトルク((仮)τscmdR(t))、(仮)(左)持ち上げアシストトルク((仮)τscmdL(t))に代入してステップSU057に処理を進める。例えば、ゲインCp=1の場合、図43のCp=1のf42(x)の特性を用い、当該|f42(x)|の最大値であるτmax11が、求める最大値である。
ステップS057にて制御装置61は、ゲインCpと、(右)対象者トルク変化量τSR(t)と、アシスト比率・トルク減衰率特性(図45参照)と、に基づいて、(右)トルク減衰率τdRを求める。同様に制御装置61は、ゲインCpと、(左)対象者トルク変化量τSL(t)と、アシスト比率・トルク減衰率特性(図45参照)と、に基づいて、(左)トルク減衰率τdLを求める。そして制御装置61は、以下の(式7)にて(右)アシストトルク指令値τscmdR(t)を求めて記憶し、以下の(式8)にて(左)アシストトルク指令値τscmdL(t)を求めて記憶する。そして制御装置61は、処理を終了してリターンする(図27のステップS060Rへ処理を進める)。
(右)アシストトルク指令値τscmdR(t)=(仮)τscmdR(t)*(右)トルク減衰率τdR (式7)
(左)アシストトルク指令値τscmdL(t)=(仮)τscmdL(t)*(左)トルク減衰率τdL (式8)
例えば、ゲインCp=1の場合、制御装置61は、図44に示すゲイン・減衰係数特性に基づいて、減衰係数τsmapthre=Tb2を求める。そして制御装置61は、下記の(式9)にて、(右)アシスト比率を算出し、(式10)にて、(左)アシスト比率を算出する。
(右)アシスト比率=[τsmapthre−(右)対象者トルク変化量τSR(t)]/τsmapthre (式9)
(左)アシスト比率=[τsmapthre−(左)対象者トルク変化量τSL(t)]/τsmapthre (式10)
そして制御装置61は、(右)アシスト比率と、アシスト比率・トルク減衰率特性(図45参照)と、に基づいて、(右)トルク減衰率τdRを求め、(左)アシスト比率と、アシスト比率・トルク減衰率特性(図45参照)と、に基づいて、(左)トルク減衰率τdLを求める。そして制御装置61は、(仮)τscmdR(t)*(右)トルク減衰率τdRを(右)持ち上げアシストトルク((右)アシストトルク指令値τscmdR(t))に記憶し、(仮)τscmdL(t)*(左)トルク減衰率τdLを(左)持ち上げアシストトルク((左)アシストトルク指令値τscmdL(t))に記憶する。
●[動作状態S=4の判定と、動作状態S=4の場合の処理(図35)]
ステップSU060に処理を進めた場合、制御装置61は、ステップSU020にて判定した動作状態Sが4であるか否かを判定し、動作状態Sが4である場合(Yes)はステップSU061へ処理を進め、そうでない場合(No)はステップSU077へ処理を進める。
ステップSU061に処理を進めた場合、制御装置61は、(右)仮想経過時間tmapR(t)にタスク周期(例えば、図27に示す処理が2[ms]毎に起動される場合は、2[ms])を加算し、(左)仮想経過時間tmapL(t)にタスク周期を加算し、ステップSU062に処理を進める。(右)仮想経過時間tmapR(t)、(左)仮想経過時間tmapL(t)は、動作状態S=4になってからの(仮想的な)経過時間を示す。
ステップSU062にて制御装置61は、現在のτscmdR(t)を、(前回)τscmdR(t−1)に代入し、現在のτscmdL(t)を、(前回)τscmdL(t−1)に代入してステップSU067に処理を進める。
ステップSU067にて制御装置61は、以下の(式11)にて(右)アシストトルク指令値τscmdR(t)を求めて記憶し、(式12)にて(左)アシストトルク指令値τscmdL(t)を求めて記憶する。なお、減衰係数K1は予め設定した係数であり、例えば0.9に設定されている。そして制御装置61は、処理を終了してリターンする(図27のステップS060Rへ処理を進める)。
(右)アシストトルク指令値τscmdR(t)=K1*(前回)τscmdR(t−1) (式11)
(左)アシストトルク指令値τscmdL(t)=K1*(前回)τscmdL(t−1) (式12)
●[動作状態S=5の場合の処理(図35)]
ステップSU077に処理を進めた場合、制御装置61は、以下の(式13)にて(右)アシストトルク指令値τscmdR(t)を求めて記憶し、(式14)にて(左)アシストトルク指令値τscmdL(t)を求めて記憶する。そして制御装置61は、処理を終了してリターンする(図27のステップS060Rへ処理を進める)。
(右)アシストトルク指令値τscmdR(t)=0 (式13)
(左)アシストトルク指令値τscmdL(t)=0 (式14)
以上に説明したように、持ち上げ作業時には、制御装置61は、持ち上げ状態に応じて動作状態Sを0から5へと順番に遷移させ、それぞれの動作状態Sに対応させて予め設定された算出方法に従って、(右)持ち上げアシストトルク((右)アシストトルク指令値τscmdR(t))、(左)持ち上げアシストトルク((左)アシストトルク指令値τscmdL(t))を求める。
●[SS000:動作状態判定の詳細(図36)]
次に図36を用いて、図35に示すステップSU020によるSS000の処理の詳細について説明する。SS000にて制御装置61は、対象者の持ち上げ作業における持ち上げ状態に応じた動作状態S=0〜5を判定する。動作状態Sの概略は、図37に示すように、対象者が直立状態から前傾を開始した(前作業の前傾が終了した状態)、持ち上げ動作を開始した時点である動作状態S=0、持ち上げ動作を開始した後に遷移する動作状態S=1、荷物の持ち上げ動作状態S=2、徐々に前傾角度を小さくする動作状態S=3、4、荷物の持ち上げを完了して直立状態となった動作状態S=5、である。動作状態Sは、(右)仮想経過時間tmapR(t)、(左)仮想経過時間tmapL(t)、(右)リンク角度(前傾角度)θLR(t)、(左)リンク角度(前傾角度)θLL(t)、(右)対象者トルク変化量τSR(t)、(左)対象者トルク変化量τSL(t)、の少なくとも1つを含む持ち上げ状態に対応させて設定されている。
●[動作状態S=0の場合]
以下、図36に示す状態遷移図を用いて、動作状態Sの判定手順について説明する。図36に示すように、持ち上げを開始したというイベントev00にて、制御装置61は、動作状態Sが0であると判定する。なお、持ち上げを開始したか否かの判定は、(右)リンク角度θLR(t)、(左)リンク角度θLL(t)、(右)リンク角度変化量ΔθLR(t)、(左)リンク角度変化量ΔθLL(t)、(右)対象者トルク変化量τSR(t)、(左)対象者トルク変化量τSL(t)等に基づいて判定することができる。動作状態S=0の場合、制御装置61は、イベントev01が検出されると、動作状態Sを0から1に遷移させる。なお、イベントev01は、「常時」であり、図35のステップSU015に示すように、制御装置61は、動作状態S=0にした後、無条件に動作状態S=1に遷移させる。
●[動作状態S=1の場合]
制御装置61は、動作状態S=1の場合、イベントev12が検出されると、動作状態Sを1から2に遷移させる。なお、制御装置61は、イベントev12が検出されない場合、動作状態S=1を維持する。イベントev12は、例えば、(右)仮想経過時間tmapR(t)≧(右)tmapthre1が成立時、または、(左)仮想経過時間tmapL(t)≧(左)tmapthre1が成立時、または、持ち上げ作業の終了に近い前傾角度に(右)リンク角度(前傾角度)θLR(t)、(左)リンク角度(前傾角度)θLL(t)のいずれかがなった時、が成立時である。なお、(右)tmapthre1は、(右)増量速度CsRと、増量速度・遷移時間特性(図40参照)と、に基づいて決定され、(左)tmapthre1は、(左)増量速度CsLと、増量速度・遷移時間特性(図40参照)と、に基づいて決定される。
●[動作状態S=2の場合]
制御装置61は、動作状態S=2の場合、イベントev23が検出されると、動作状態Sを2から3に遷移させる。なお、制御装置61は、イベントev23が検出されない場合、動作状態S=2を維持する。イベントev23は、例えば、(右)対象者トルク変化量τSR(t)または(左)対象者トルク変化量τSL(t)が持ち上げ作業の終了に近い相対的に弱くなったとき、または、(右)リンク角度(前傾角度)θLR(t)または(左)リンク角度(前傾角度)θLL(t)が持ち上げ作業の終了に近い前傾角度になった時、が成立時である。
●[動作状態S=3の場合]
制御装置61は、動作状態S=3の場合、イベントev34が検出されると、動作状態Sを3から4に遷移させる。なお、制御装置61は、イベントev34が検出されない場合、動作状態S=3を維持する。イベントev34は、例えば、(右)対象者トルク変化量τSR(t)≧τsmapthre、または、(左)対象者トルク変化量τSL(t)≧τsmapthre、または、(右)リンク角度(前傾角度)θLR(t)または(左)リンク角度(前傾角度)θLL(t)が持ち上げ作業の終了に近い前傾角度になった時、が成立時である。なお、τsmapthreは、ゲインCpと、ゲイン・減衰係数特性(図44参照)と、に基づいて決定される。
●[動作状態S=4の場合]
制御装置61は、動作状態S=4の場合、イベントev45が検出されると、動作状態Sを4から5に遷移させる。なお、制御装置61は、イベントev45が検出されない場合、動作状態S=4を維持する。イベントev45は、例えば、(右)仮想経過時間tmapR(t)≧状態判定時間t41(例えば、0.15[sec]程度)、または、(左)仮想経過時間tmapL(t)≧状態判定時間t41(例えば、0.15[sec]程度)、が成立時である。
●[動作状態S=5の場合]
制御装置61は、動作状態S=5の場合、イベントev50が検出されると、動作状態Sを5から0に遷移させる。なお、制御装置61は、イベントev50が検出されない場合、動作状態S=5を維持する。イベントev50は、持ち上げ作業の開始であるが、持ち上げ作業が終了したのち、S=0へ戻る。
●[SS100R:(右)増量速度の切り替え判定の詳細(図38)]
次に図38を用いて、図35に示すステップSU033RによるSS100Rの処理の詳細について説明する。SS100Rにて制御装置61は、対象者の持ち上げ動作に応じて、(右)増量速度CsRを−1〜4における適切な値へと自動的に切り替える。なお、SS100Rの処理は、(右)増量速度CsRを自動的に切り替える処理手順を示しているが、(左)増量速度CsLを自動的に切り替えるSS100L(図35参照)の処理手順については同様であるので説明を省略する。
SS100Rの処理にて制御装置61は、ステップSS110Rへと処理を進める。そしてステップSS110Rにて制御装置61は、現在の(右)増量速度CsRを前回CsRに記憶してステップSS115Rに処理を進める。
ステップSS115Rにて制御装置61は、切替停止カウンタが起動中であるか否かを判定し、切替停止カウンタが起動中である場合(Yes)はステップSS120Rへ処理を進め、そうでない場合(No)はステップSS125Rへ処理を進める。なお、切替停止カウンタは、ステップSS140R、SS145Rにて、(右)増量速度CsRを切り替え(変更)た際に起動されるカウンタである。
ステップSS120Rに処理を進めた場合、制御装置61は、切替停止カウンタが切替待機時間以上であるか否かを判定し、切替停止カウンタが切替待機時間以上である場合(Yes)はステップSS125Rへと処理を進め、そうでない場合(No)はステップSS150Rへ処理を進める。
ステップSS125Rに処理を進めた場合、制御装置61は、持上経過時間tup(t)と、時間・切替下限特性(図39参照)と、に基づいて、現在の持上経過時間tup(t)に対応する切替下限τsmas1(t)を求める。また制御装置61は、現在の(右)増量速度CsRと、持上経過時間tup(t)と、時間切替上限特性(図39参照)と、に基づいて、現在の持上経過時間tup(t)に対応する切替上限τsmas2(t)を求める。なお、持上経過時間tup(t)は、持ち上げを開始した(動作状態Sが0――>1に遷移した)タイミングからの経過時間である。そして制御装置61、ステップSS130Rへ処理を進める。なお図39に示す例は、時間T1にて(P1の位置にて)|(右)対象者トルク変化量τSR(t)|>|切替上限τsmas2(t)|となった状態、及び、時間T3にて(P2の位置にて))|(右)対象者トルク変化量τSR(t)|<|切替上限τsmas1(t)|となった状態の例を示している。
ステップSS130Rにて制御装置61は、|(右)対象者トルク変化量τSR(t)|が|切替下限τsmas1(t)|未満であるか否かを判定し、|(右)対象者トルク変化量τSR(t)|が|切替下限τsmas1(t)|未満である場合(Yes)はステップSS145Rへ処理を進め、そうでない場合(No)はステップSS135Rへ処理を進める。
ステップSS135Rに処理を進めた場合、制御装置61は、|(右)対象者トルク変化量τSR(t)|が|切替上限τsmas2(t)|より大きいか否かを判定し、|(右)対象者トルク変化量τSR(t)|が|切替上限τsmas2(t)|より大きい場合(Yes)はステップSS140Rへ処理を進め、そうでない場合(No)はステップSS150Rへ処理を進める。
ステップSS140Rに処理を進めた場合、制御装置61は、(右)増量速度CsRの値を1だけ増加(ただし、最大値=4にガード)させ、切替停止カウンタを起動して、ステップSS150Rに処理を進める。
ステップSS145Rに処理を進めた場合、制御装置61は、(右)増量速度CsRの値を1だけ減少(ただし、最小値=−1にガード)させ、切替停止カウンタを起動して、ステップSS150Rに処理を進める。
ステップSS150Rに処理を進めた場合、制御装置61は、(右)増量速度CsRと、増量速度・遷移時間特性(図40参照)と、に基づいて、(右)tmapthre1を求め、ステップS155Rに処理を進める。なお、(右)tmapthre1は、動作状態の判定(動作状態1――>2への遷移の判定)等に使用される。
ステップSS155Rにて制御装置61は、今回の(現在の)(右)増量速度CsRが前回CsR(ステップSS110R参照)と等しいか否かを判定し、等しい場合(Yes)は処理を終了してリターンし(図35のステップSU033Lへ戻り)、等しくない場合(No)はステップSS160Rへ処理を進める。
ステップSS160Rに処理を進めた場合、制御装置61は、前回CsRと、(右)仮想経過時間tmapR(t)と、時間・アシスト量特性(図41参照)と、ゲインCpと、時間・持上トルク特性(図43参照)と、に基づいて、仮持上アシストトルクA1(t)を算出する。例えば制御装置61は、前回CsR=3の場合、図41に示すように、CsR=3に対応するf33(x)と(右)仮想経過時間tmapR(t)から仮持上アシストトルクA1(t)を算出する。図41に示すように、時間・アシスト量特性(持ち上げ基準特性の1つ)は、(右)増量速度CsR、(左)増量速度CsL、に応じて用意されており、制御装置61は、(右)増量速度CsR、(左)増量速度CsL、に応じて持ち上げ基準特性を変更する。
そして制御装置61は、今回の(現在の)(右)増量速度CsRと、時間・アシスト量特性(図41参照)と、ゲインCpと、時間・持上トルク特性(図43参照)と、に基づいて、仮持上アシストトルクA1(t)となる、トルク偏差縮小仮想経過時間tmapR(s)を算出し、算出したトルク偏差縮小仮想経過時間tmapR(s)を、(右)仮想経過時間tmapR(t)に代入する(書き替える)。例えば制御装置61は、今回の(現在の)(右)増量速度CsR=4の場合、図41に示すように、CsR=4に対応するf34(x)と仮持上アシストトルクA1(t)からトルク偏差縮小仮想経過時間tmapR(s)を算出し、トルク偏差縮小仮想経過時間tmapR(s)を(右)仮想経過時間tmapR(t)に代入する。そして制御装置61は、処理を終了してリターンする(図35のステップSU033Lへ戻る)。(右)仮想経過時間tmapR(t)の書き替えは、所定動作状態Sに遷移している場合(この場合、動作状態S=1に遷移している場合)、前記選定した持ち上げ基準特性(前回の(右)増量速度CsRに対応する、時間・アシスト量特性(図41参照))に基づいて求めた持ち上げアシストトルク(仮持上アシストトルクA1(t))と、現在選定している持ち上げ基準特性(今回(現在)の(右)増量速度CsRに対応する、時間・アシスト量特性(図41参照))と、の偏差を縮小する切替時トルク偏差縮小補正に相当する。
以上の説明において、時間・アシスト量特性(図41参照)、時間・持上トルク特性及び前傾角度・持上最大トルク特性(図43参照)は、持ち上げ方向へのトルクである持ち上げアシストトルクが設定された、複数の持ち上げ基準特性に相当している。そして制御装置61は、適切な持ち上げ基準特性を選定し、選定した持ち上げ基準特性に基づいて、持ち上げアシストトルクを求め、求めた持ち上げアシストトルクをアシストトルクとして、アシストトルクに基づいてアクチュエータユニットを駆動する。
●[SS170R:(右)アシストトルク算出の詳細(図42)]
次に図42を用いて、図35に示すステップSU037RによるSS170Rの処理の詳細について説明する。SS170Rにて制御装置61は、(右)持ち上げアシストトルク((右)アシストトルク指令値)τscmdR(t)を求める。なお、SS170Rの処理は、(右)持ち上げアシストトルク((右)アシストトルク指令値)τscmdR(t)を求める処理手順を示しているが、(左)持ち上げアシストトルク((左)アシストトルク指令値)τscmdL(t)を求めるSS170L(図35参照)処理手順については同様であるので説明を省略する。
SS170Rの処理にて制御装置61は、ステップSS175Rへと処理を進める。そしてステップSS175Rにて制御装置61は、今回の(現在の)(右)増量速度CsRと、(右)仮想経過時間tmapR(t)と、ゲインCpと、時間・アシスト量特性(図41参照)と、時間・持上トルク特性(図43参照)と、に基づいて、(仮)τscmdR(t)を算出し、ステップSS177Rへ処理を進める。例えば制御装置61は、今回の(現在の)(右)増量速度CsR=3の場合、図41に示すように、CsR=3に対応するf33(x)と(右)仮想経過時間tmapR(t)から求めたアシストトルクA1(t)を、(仮)τscmdR(t)に記憶する。
ステップSS177Rにて制御装置61は、前傾角度と、前傾角度・持上最大トルク特性(図43参照)と、に基づいて、(右)トルク上限値τsmaxR(t)を算出し、ステップSS180Rへ処理を進める。例えば制御装置61は、図43に示す前傾角度・持上最大トルク特性と(右)リンク角度(前傾角度)θLR(t)から求めた持上最大トルクB1(t)を、(右)トルク上限値τsmaxR(t)に記憶する。持上トルクは、前傾角度が小さいときに大きくなり過ぎないように「前傾角度・持上最大トルク特性」によって、トルク値が制限される。
ステップSS180Rにて制御装置61は、|(仮)τscmdR(t)|が|(右)トルク上限値τsmaxR(t)|より大きいか否かを判定し、大きい場合(Yes)はステップSS185Rに処理を進め、そうでない場合(No)はステップSS187Rに処理を進める。
ステップSS185Rに処理を進めた場合、制御装置61は、(右)持ち上げアシストトルク((右)アシストトルク指令値τscmdR(t))に(右)トルク上限値τsmaxR(t)を記憶し、処理を終了してリターンする(図35のステップSU037Lへ戻る)。
ステップSS187Rに処理を進めた場合、制御装置61は、(右)持ち上げアシストトルク((右)アシストトルク指令値τscmdR(t))に(仮)τscmdR(t)を記憶し、処理を終了してリターンする(図35のステップSU037Lへ戻る)。
以上、本実施の形態にて説明したアシスト装置1は、シンプルな構成で対象者への装着が容易である。また、持ち下げ作業に対するアシスト制御、持ち上げ作業に対するアシスト制御が、シンプルな制御とされており、荷物の持ち上げ作業、荷物の持ち下げ作業を、適切にアシストすることができる。
本発明のアシスト装置の構造、構成、形状、外観、処理手順等は、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、制御装置の処理手順は、本実施の形態にて説明したフローチャート等に限定されるものではない。また、本実施の形態の説明では、渦巻バネ45R(図19参照)を用いた例を説明したが、渦巻バネの代わりにトーションバネ(torsion barやtorsion bar spring)を用いてもよい。
本実施の形態にて説明したアシスト装置1では、ベルトを締めた状態に保持するベルト保持部材として、コキまたはバックルを用いる例を説明した。そして、ベルト等の接続と解放をバックルにて行う例を説明したが、バックルとは異なるベルト保持部材にてベルト等の接続と解放を行うようにしてもよい。また、コキにベルトを通すことで、引っ張ったベルトが緩まないようにしたが、コキ以外のベルト保持部材を用いてもよい。また、コキとバックルの双方の機能を有するベルト保持部材を用いてもよい。
本実施の形態の説明では、操作ユニットR1に、ゲインUP操作部R1BU及びゲインDOWN操作部R1BDと、増量速度UP操作部R1CU及び増量速度DOWN操作部R1CDと、の双方を有する例を説明した。しかし、ゲインUP操作部R1BU及びゲインDOWN操作部R1BDと、増量速度UP操作部R1CU及び増量速度DOWN操作部R1CDと、の少なくとも一方を有するように構成してもよい。
本実施の形態にて説明したアシスト装置1は、操作ユニットR1から、動作モード、ゲイン、増量速度、等を変更可能とした例を説明したが、制御装置61に(無線または有線で通信する)通信手段64(図24参照)を設け、スマートフォン等からの通信にて変更できるようにしてもよい。また、制御装置61に(無線または有線で通信する)通信手段64(図24参照)を備え、制御装置61にて種々のデータを収集し、収集したデータを所定タイミング(常時、一定時間間隔、アシスト動作の終了後など)で解析システムに送信するようにしてもよい。例えば収集したデータには、対象者情報とアシスト情報とが有る。対象者情報は、例えば、対象者トルクや対象者の姿勢などを含み、対象者に関する情報である。アシスト情報は、例えば、アシストトルク、電動モータ(アクチュエータ)の回転角度(図24中の実モータ軸角度θrM)、出力リンク回動角度(図24中の実リンク角度θL)、動作モード、ゲイン、増量速度などを含み、左右のアクチュエータユニットの入出力に関する情報である。また解析システムは、アシスト装置とは別に用意されたシステムであり、例えば、ネットワーク(LAN)で接続する外部のパーソナルコンピュータ、サーバ、PLC(Programmable Logic Controller)、CNC(Computerized Numerical Control)装置などの組み込みシステムである。そして解析システムにて、アシスト装置1に固有(すなわち、対象者に固有)の最適な設定値(ゲイン、増量速度等の最適な値)を解析(算出)させ、解析結果(算出した結果)である最適な設定値を含む解析情報を、アシスト装置1の制御装置61(通信手段64)に送信するようにしてもよい。解析システムで対象者の動作、アシスト力等を解析することで、作業の種類(繰り返しや、持ち上げ高さなど)や、対象者の能力を考慮した最適なアシストトルクを出力できる。そして左右のアクチュエータユニットは、解析システムから受信した解析情報(例えば、ゲイン、増量速度)に基づいて、自身の動作を調整する(例えば、ゲイン、増量速度を、受信したゲイン、増量速度に変更する)。
1、1A アシスト装置
2 身体装着具
4 アクチュエータユニット
4AR 連結ベース
4L 左アクチュエータユニット
4R 右アクチュエータユニット
10 腰サポート部
11L 左腰装着部
11LA 左腰部
11LB 左臀部
11R 右腰装着部
11RA 右腰部
11RB 右臀部
11RC、11LC 切込み
13LA 左腰締めベルト
13LB 腰ベルト保持部材(腰バックル)
13RA 右腰締めベルト
13RB 腰ベルト保持部材(腰バックル)
15R、15L 取付孔
15Y 仮想回動軸線
16A 背面腰ベルト
16B 臀部上ベルト
16C 臀部下ベルト
17LA 左骨盤上ベルト
17LB 左骨盤下ベルト
17LC 左上ベルト保持部材(左上コキ)
17LD 左下ベルト保持部材(左下コキ)
17RA 右骨盤上ベルト
17RB 右骨盤下ベルト
17RC 右上ベルト保持部材(右上コキ)
17RD 右下ベルト保持部材(右下コキ)
19R、19L 連結ベルト
19RS、19LS 連結リング
20、20A ジャケット部
21L 左胸装着部
21R 右胸装着部
21F 面ファスナ
23L、24L 左肩ベルト
23R、24R 右肩ベルト
23LK 左肩ベルト保持部材(左肩コキ)
23RK 右肩ベルト保持部材(右肩コキ)
24RS、24LS ベルト接続部
25L、26L 左腋ベルト
25R、26R 右腋ベルト
25RS、25LS ベルト接続部
25RL 密着ベルト
26LK 左腋ベルト保持部材(左腋コキ)
26RK 右腋ベルト保持部材(右腋コキ)
28R、28L 固定部
29R、29L、29RD、29LD 連結ベルト
29RK、29LK 連結ベルト保持部材(連結コキ)
29RS、29LS 連結部
30 フレーム部
31 メインフレーム
31H ベルト接続孔
31SR、31SL 支持体
31L 接続部(左回動軸部)
31R 接続部(右回動軸部)
32L 左サブフレーム
32R 右サブフレーム
33RS、33LS 取出口
37 バックパック部
37C 背当て部
37FL、37FR ベルト接続部
37G クッション
40R、40L トルク発生部
40RY 回動軸線
40RS 連結部
41R アクチュエータベース部
41RB カバー
42R 減速機
42RA 減速軸
42RB 増速軸
43RA、43RC プーリ
43RD フランジ部
43RE 伝達軸
43RS 出力リンク回動角度検出手段(角度検出手段、トルク検出手段)
45R 渦巻バネ
47R 電動モータ(アクチュエータ)
47RA 出力軸
47RS モータ回転角度検出手段
48R サブフレーム
50R、50RA 出力リンク
51R アシストアーム(第1リンク)
51RJ、52RJ、53RJ 回動軸線
51RS 第1ジョイント部
52R、52RA 第2リンク
52RS 第2ジョイント部
53R、53RA 第3リンク
53RS 第3ジョイント部
54R 大腿装着部(身体保持部)
55R 大腿ベルト
56R 連結部材
57R 膝下ベルト
61 制御装置(制御手段)
61A 調整判定部
61B 入力処理部
61C トルク変化量等計算部
61D 動作種類判定部
61E 選択部
61F 持ち下げアシストトルク計算部
61G 持ち上げアシストトルク計算部
61H 歩行アシストトルク計算部
61I 制御指令値計算部
62 モータドライバ
63 電源ユニット
64 通信手段
66 制御手段(CPU)
67 記憶手段
p ゲイン
sR (右)増量速度
sL (左)増量速度
Ks (渦巻バネ45Rの)バネ定数
R1 操作ユニット
R1BU ゲインUP操作部(ゲイン変更手段、動作切替手段)
R1BD ゲインDOWN操作部(ゲイン変更手段)
R1CU 増量速度UP操作部(増量速度変更手段)
R1CD 増量速度DOWN操作部(増量速度変更手段)
S 動作状態
mapR(t) (右)仮想経過時間
mapL(t) (左)仮想経過時間
mapR(s) トルク偏差縮小仮想経過時間
θrM 実モータ軸角度
θL 実リンク角度(姿勢角度)
θLR(t) (右)リンク角度(前傾角度)
θLL(t) (左)リンク角度(前傾角度)
ΔθLR(t) (右)リンク角度変化量(角速度関連量)
ΔθLL(t) (左)リンク角度変化量(角速度関連量)
τSR(t) (右)対象者トルク変化量
τSL(t) (左)対象者トルク変化量
τscmdR(t) (右)アシストトルク((右)アシストトルク指令値)
τscmdL(t) (左)アシストトルク((左)アシストトルク指令値)

Claims (6)

  1. 対象者の少なくとも腰周りに装着される身体装着具と、
    前記身体装着具と、対象者の大腿部と、に装着されて、対象者の腰部に対する大腿部あるいは対象者の大腿部に対する腰部、の動作を支援するアシストトルクを発生するアクチュエータユニットと、
    を有するアシスト装置であって、
    対象者の大腿部に対する腰部の前傾角度を検出する角度検出手段と、
    前記アクチュエータユニットを制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    対象者が、手にした荷物を、前記前傾角度を徐々に大きくさせながら持ち上げ方向とは反対側となる持ち下げ方向へと下ろす、持ち下げ作業時において、
    前記角度検出手段を用いて検出した前記前傾角度と、当該前傾角度の変化に基づいた角速度関連量と、に基づいて、前記持ち上げ方向へのトルクである持ち下げアシストトルクを求め、
    求めた前記持ち下げアシストトルクを前記アシストトルクとして、前記アシストトルクに基づいて前記アクチュエータユニットを駆動する、
    アシスト装置。
  2. 請求項1に記載のアシスト装置であって、
    対象者が自身の力にて腰部に対して大腿部を動作あるいは大腿部に対して腰部を動作させることで対象者から前記アクチュエータユニットに入力されたトルクである対象者トルクの変化量である対象者トルク変化量を検出可能なトルク検出手段を有し、
    前記制御手段は、
    前記持ち下げ作業時において、
    対象者が直立状態から前記前傾角度を徐々に大きくしていく前傾動作の最中の場合、
    所定時間間隔にて、
    前記トルク検出手段を用いて検出した前記角速度関連量に基づいて、前記対象者トルク変化量を検出し、
    検出した前記対象者トルク変化量に応じたアシスト量を求め、
    求めた前記アシスト量を積算した積算アシスト量に基づいて前記持ち下げアシストトルクを求める、
    アシスト装置。
  3. 請求項2に記載のアシスト装置であって、
    前記制御手段は、
    前記持ち下げ作業時において、
    対象者が前記前傾動作を停止させて前記前傾角度の変化が停止した場合、あるいは、対象者が前傾状態から前記前傾角度を徐々に小さくしていく直立動作の最中の場合、
    前記積算アシスト量の更新を停止して保持し、保持した前記積算アシスト量に基づいて前記持ち下げアシストトルクを求める、
    アシスト装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のアシスト装置であって、
    記憶手段を有し、
    前記記憶手段には、前記前傾角度に応じたトルク制限値が設定された、前傾角度・持下トルク制限値特性が記憶されており、
    前記制御手段は、
    前記持ち下げ作業時において、
    前記前傾角度と、前記記憶手段に記憶されている前記前傾角度・持下トルク制限値特性と、に基づいて前記トルク制限値を求め、
    前記積算アシスト量と、求めた前記トルク制限値と、の小さなほうを前記持ち下げアシストトルクとする、
    アシスト装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のアシスト装置であって、
    対象者から前記持ち下げアシストトルクのゲインを変更可能なゲイン変更手段と、対象者から前記持ち下げアシストトルクの増量速度を変更可能な増量速度変更手段と、の少なくとも一方が設けられているとともに前記身体装着具及び前記アクチュエータユニットに対して別体とされた操作ユニットを備え、
    前記制御手段は、
    前記持ち下げ作業時において、
    前記操作ユニットに前記ゲイン変更手段が設けられている場合、
    対象者からの前記ゲイン変更手段への入力に基づいて、前記持ち下げアシストトルクを求める際のゲインと、前記前傾角度に応じた前記トルク制限値の値と、の少なくとも一方を増減し、
    前記操作ユニットに前記増減速度変更手段が設けられている場合、
    対象者からの前記増減速度変更手段への入力に基づいて、前記持ち下げアシストトルクの増減速度を変更する、
    アシスト装置。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のアシスト装置であって、
    前記持ち下げ作業時の対象者の動作を支援する持ち下げアシストと、持ち上げ作業時の対象者の動作を支援する持ち上げアシストと、を切替可能な動作切替手段が設けられているとともに前記身体装着具及び前記アクチュエータユニットに対して別体とされた操作ユニットを備え、
    前記制御手段は、
    前記持ち下げ作業時において、
    前記動作切替手段が前記持ち下げアシストとされている場合に、
    前記持ち下げアシストトルクを求め、求めた前記持ち下げアシストトルクを前記アシストトルクとして、前記アシストトルクに基づいて前記アクチュエータユニットを駆動する、
    アシスト装置。

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