以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。本発明に係る遊技機の具体例として、メダルを遊技媒体として用いて遊技を実行可能なスロットマシンを挙げて説明する。しかし、遊技機は、このようなスロットマシンに限定されず、遊技球を遊技媒体として用いて遊技を実行可能な遊技機や、遊技媒体(メダルなど有体物の価値)を用いるものではなく内部的に付与される得点(電磁的方法により記録された情報など無体物の価値)を用いて遊技を実行可能な遊技機などの他の遊技機であってもよい。
<スロットマシンの構成例>
図1および図2を参照してスロットマシンの全体構成を説明する。図1は、スロットマシンの正面図である。図2は、スロットマシンの前面扉が開放された状態を示す斜視図である。
スロットマシン1は、前面に開口を有する箱状の筐体3と、筐体3の一辺において開閉自在に取り付けられた前面扉5とを含む部材から構成される。筐体3の前面は、前面扉5が筐体3に対して閉じられることにより閉塞される。前面扉5は、遊技場の管理者が管理する扉用鍵により筐体3に対して施錠・解除が可能となる。前面扉5が筐体3に対して閉じられた状態であるか否かは、扉センサ20により検出される。
図1に示すように、前面扉5の中央部分には、表示窓7が設けられている。表示窓7からは、複数種類の図柄が配列されているリール11L、11M、11R(以下、まとめてリール11L〜11Rともいう)を視認できる。リール11L〜11Rが回転すると、表示窓7からは、リール11L〜11R各々に配列されている図柄が可変表示している状態を視認できる。このように、表示窓7およびリール11L〜11Rにより、複数の図柄を可変表示する可変表示部13が形成される。
可変表示部13は、複数の可変表示列10を備えている。具体的に、可変表示部13は、表示窓7のうちリール11Lの前方に相当する部分とリール11Lとから構成される左可変表示列10L、表示窓7のうちリール11Mの前方に相当する部分とリール11Mとから構成される中可変表示列10M、および、表示窓7のうちリール11Rの前方に相当する部分とリール11Rとから構成される右可変表示列10Rを備えている。リール11L〜11Rが停止している状態において、左可変表示列10L、中可変表示列10M、および右可変表示列10R各々は、上段・中段・下段に図柄を停止表示できる。このため、表示窓7からは、9つの図柄を視認できる。
本実施形態では、役の入賞判定対象となる入賞ラインとして、左可変表示列10Lの下段、中可変表示列10Mの下段、右可変表示列10Rの下段により構成されるいわゆる下段ラインが設定されている。表示窓7には、入賞ラインNLが描かれている。
前面扉5の表示窓7の上方には、液晶表示器27が設けられている。液晶表示器27は、遊技(ゲーム)の進行に応じて、所定の画像を表示することにより演出を実行する。また、前面扉5の液晶表示器27の上方には、予め定められた役の図柄組合せや払出枚数等が刷られた説明パネル29が設けられ、さらに、説明パネル29の上方および左右各々には、ランプ部33L、33M、33Rが設けられている。ランプ部33L、33M、33Rは、LEDなどの光源を備え、遊技の進行に応じて発光することにより演出を実行する。
前面扉5の表示窓7の左側には、クレジット表示器45と、ペイアウト表示器46と、報知用表示器60と、有利期間報知ランプ80とが配設されている。クレジット表示器45は、遊技者所有のメダルのうち、スロットマシン1内において貯留(記憶)されているメダルの枚数であるクレジットを表示する。クレジットの上限枚数は50に設定されている。
ペイアウト表示器46は、役の入賞が発生したときにメダル(遊技媒体)の払出枚数を表示するとともに、エラー情報や設定示唆情報など各種情報の表示にも兼用される表示器である。設定示唆情報とは、設定値1〜6のうちの少なくともいずれかの設定値を特定可能にする情報であって、設定されている設定値を示唆する情報をいう。報知用表示器60は、遊技者にとって有利となる操作態様(例えば、操作タイミング、押し順など。以下、有利操作態様ともいう)や役抽選の結果などを特定するための所定情報を報知する表示器である。有利期間報知ランプ80は、有利操作態様を報知可能なAT遊技を許容できる有利な期間(以下、有利期間という)であることを報知する表示器である。
クレジット表示器45、ペイアウト表示器46、および報知用表示器60は、各々、例えば7セグメントLEDにより構成され、各セグメントの点灯態様に応じて情報を報知する。また、有利期間報知ランプ80は、例えばLEDにより構成され、有利期間において点灯し、有利期間ではない通常期間において消灯する。
前面扉5の表示窓7の下方には、各種の操作部が設けられている。操作部としては、ベットスイッチ15、最大ベットスイッチ17、演出操作部81、スタートスイッチ19、精算スイッチ23、ストップスイッチ21L、21M、21R(以下、まとめてストップスイッチ21L〜21Rともいう)、および、メダル投入口25が設けられている。
ベットスイッチ15は、クレジットを用いて1枚分のメダルを賭数設定するための操作を検出するスイッチである。最大ベットスイッチ17は、クレジットを用いて最大賭け枚数分のメダルを賭数設定するための操作を検出するスイッチである。最大賭け枚数とは、1回の遊技(以下、1遊技ともいう)について賭数設定できる最大の枚数(本実施形態では、「ボーナス状態中」以外は「3」、「ボーナス状態中」は「2」に設定。)をいう。
演出操作部81は、演出に関わる操作を検出するスイッチである。演出に関わる操作には、演出を実行・発展させるための操作、演出モードやキャラクタ等を選択するための操作、および遊技履歴等を表示させる遊技者メニュー状態や設定履歴等を表示させる管理者メニュー状態へ移行させるための操作等を含む。
スタートスイッチ19は、リール11L〜11R各々を回転させて図柄の可変表示を開始させるための操作を検出するスイッチである。精算スイッチ23は、クレジットあるいは設定済の賭数に相当する枚数分のメダルを払い出させるための操作を検出するスイッチである。ストップスイッチ21L〜21Rは、各々、リール11L〜11Rのうちの対応するリールの回転を停止させて図柄の可変表示を停止させるための操作を検出するスイッチである。メダル投入口25は、遊技者がメダルを投入するための開口である。
前面扉5における各種の操作部の下方には、キャラクタなどが刷られた下部パネル35が設けられている。また、下部パネル35の左右には、それぞれ下部ランプ部37L、37Rが設けられている。下部ランプ部37L、37Rは、例えばLEDなどの光源を備え、遊技の進行に応じて発光することにより演出を実行する。
また、下部パネル35の下方には、役入賞の発生等に応じてメダルを払い出すためのメダル払出口39、および、メダル払出口39から払い出されるメダルを受けるメダル受け41が設けられている。メダル払出口39の左右には、各々、遊技の進行に応じて効果音や音声などを出力することによる演出を行うためのスピーカ31L、31Rが設けられている。
次に、スロットマシン1の筐体3の内部構成について説明する。図2に示すように、スロットマシン1の筐体3内の中央には、リール11L〜11Rを横並びに収容するためのリールユニット9が設けられている。リールユニット9は、筐体3内の後壁に固定されている。リールユニット9は、リールモータ14L、14M、14R(図4参照。以下、リールモータ14L〜14Rともいう。)と、位置センサ55L、55M、55R(図4参照。以下、位置センサ55L〜55Rともいう)とを備えている。
リールモータ14L〜14Rは、各々、リールユニット9のフレームに対して横並びに固定されており、その回転軸にリール11L〜11Rのうちの対応するリールが固定されている。これにより、リールモータ14L〜14Rが駆動制御されることにより回転・停止する。リールモータ14L〜14Rは、例えばステッピングモータにより構成されている。
位置センサ55L〜55Rは、各々、リール11L〜11Rに設けられた突起部がリール回転に伴って所定位置を通過したことを検出するためのセンサである。位置センサ55L〜55Rは、例えばフォトインタラプタにより構成されている。位置センサ55L〜55Rは、各々対応するリールの突起部を検出したときに、そのリールの所定位置の図柄(例えば、図3の図柄番号19番の図柄)が表示窓7の中段に位置するように構成されている。
リールユニット9の上方には、メイン制御基板63およびサブ制御基板73が各々基板ケースに収納された状態で設置されている。基板ケースは、収納されている制御基板などに対して仮に不正が行われた場合、その痕跡を容易に判別可能にするために、たとえば一部の部材を破壊等しなければ制御基板に接触できない構造を有している。また、メイン制御基板63とサブ制御基板73とは、基板間を接続する信号線により電気的に接続されている。
リールユニット9の下方には、ホッパーユニット43が設けられている。ホッパーユニット43は、ホッパー容器42と、満タンセンサ58(図4参照)と、ホッパーモータ57(図4参照)と、払出センサ54(図4参照)とを備えている。
ホッパー容器42は、メダル投入口25から受け入れられたメダルを貯留するための容器である。満タンセンサ58は、ホッパー容器42の所定位置に設けられ、ホッパー容器42に貯留されたメダルが所定量に達した満タン状態であることを検出するセンサである。
ホッパーモータ57は、所定の払出条件が成立したときに駆動し、ホッパー容器42に貯留されたメダルを所定枚数排出するために駆動するモータである。ホッパーモータ57は、たとえばDCモータ(Direct Current Motor)により構成されている。払出センサ54は、ホッパーモータ57によりホッパー容器42から排出されるメダルを1枚ずつ検出するセンサである。払出センサ54により検出されたメダルは、前面扉5の裏面側の下方に設けられたメダルシュート47を介して、メダル払出口39から払い出される。
ホッパーユニット43の左側方には、スロットマシン1が備える各種装置に電力を供給するための電源ユニット49が配設されている。電源ユニット49には、電源スイッチ50、リセットスイッチ52、および、変更処理開始スイッチ56が配設されている。
電源スイッチ50は、スロットマシン1への電力供給の有無を切り換えるスイッチである。リセットスイッチ52は、設定値を変更可能な設定変更処理中において設定値の切り換え操作を検出するためのスイッチである。リセットスイッチ52は、エラーが発生した際のエラー解除するためのスイッチとしても用いられる。変更処理開始スイッチ56は、設定変更処理用のキーシリンダからなり、設定変更処理に移行させるための操作を検出するスイッチである。変更処理開始スイッチ56を含む筐体3の内部に設けられているスイッチは、前面扉5を開放しているときに操作可能となるスイッチである。このため、基本的には、遊技場の管理者のみが操作可能となる。
設定値は、遊技者にとっての有利度合いを特定するための値である。具体的に、設定値は、役抽選において予め定められている役に当選する当選確率を特定するための値である。役抽選においては、設定されている設定値に応じた当選確率を用いることにより役に当選する確率を異ならせることができる。つまり、設定されている設定値が異なるときには、同じ役であっても、役抽選において当選する当選確率が異なる場合が生じる。その結果、設定されている設定値に応じて、遊技を所定回数実行する間に払出されるメダルの枚数が異なり、その結果、払出率を異ならせることができる。このため、設定値は、遊技者にとっての有利度合いを特定するための値であるとともに、払出率を特定するための値であるともいえる。設定値としては、例えば、当選確率が異なる1〜6(本実施形態においては、設定値1、2、5、6の4段階)が設けられており、設定値1が最も低い払出率であり、設定値6が最も高い払出率となっている。なお、設定値は、1〜6の6段階に設けられているものであってもよい。設定値の変更は、遊技場の管理者が管理する設定変更用鍵により変更処理開始スイッチ56をONにした状態で電源を投入することにより設定変更処理に移行させることにより可能となる。
設定値は、設定変更処理中にリセットスイッチ52を操作することにより順次切替える(例えば…5→6→1→2→5…)ことができる。設定変更処理中は、ペイアウト表示器46に設定値が表示される。設定変更処理では、スタートスイッチ19への操作が検出された後、変更処理開始スイッチ56をOFFにすることにより、そのときに表示されていた設定値を記憶する。これにより、設定値の変更が完了し、以降の遊技においては、記憶された設定値に基づき後述する役抽選等が行われる。なお、設定変更処理が行われたときには、スロットマシン1のRAM65が初期化される。
前面扉5の裏面側には、メダル投入口25の裏側に相当する位置にメダルセレクタ48が配設されている。メダルセレクタ48は、メダル投入口25に投入されたメダルが正規のものであるか否かを物理的に選別し、正規のメダルについてはホッパー容器42に貯留させるための第1流路40側に誘導する一方、非正規のメダルについては外部へ排出させるための第2流路44側に誘導する構造を有する。
また、メダルセレクタ48は、切替ソレノイド51(図4参照)と、投入センサ53(図4参照)とを備えている。切替ソレノイド51は、遊技状況(例えばリール回転中、クレジット上限到達時等)に応じて投入されたメダルを強制的に第2流路44側に切替えるためのソレノイドである。投入センサ53は、メダル投入口25から投入されたメダルのうち第1流路40側に誘導されたメダルを1枚ずつ検出するセンサである。投入センサ53により検出されたメダルは、前面扉5が閉じられた状態においてホッパー容器42に貯留される。これに対し、第2流路44側に誘導されたメダルは、メダルシュート47を介してメダル払出口39から排出される。
次に、図3を参照して、リール11L〜11R各々の図柄配列の構成について説明する。リール11L〜11Rには、各々、図3に示すとおり複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。図3では、説明の便宜上、複数種類の図柄を「R7」「G7」「BR」「C1」「C2」「BE」「RP」「MD」「T1」「T2」などといった文字列で示しているが、実際にはこれら文字列に対応する絵柄が配列されている。例えば、「R7」として赤色の「7」の絵柄、「G7」として緑色の「7」の絵柄、「BR」として「BAR」の絵柄、「BE」として「ベル」の絵柄、「RP」として「リプレイ」の絵柄などが配列されている。複数種類の図柄は、他の図柄と識別可能な態様であれば絵柄に限るものではなく、模様や、記号、数字など、どのようなものであってもよい。なお、「C1」および「C2」は、外観が類似する絵柄により構成されているため、これらをまとめて「C」ともいう。同様に、「T1」および「T2」も外観が類似する絵柄により構成されているため、これらをまとめて「T」ともいう。
図3においては、その左端に、リール11L〜11R各々に図柄が配置されている図柄配置領域に対応させて図柄番号0〜19を示している。図柄番号0〜19は、本実施形態のリール11L〜11R各々において、どの図柄配置領域の図柄であるかを特定するための番号である。
本実施形態の場合、例えば、図柄番号0〜19までの図柄が印刷されたリールテープがリール11L〜11R各々の周面に貼り付けられている。このため、リール11L〜11Rが回転すると、図柄番号…19→18→17→…2→1→0→19→18…といったように、予め定められた順に複数の図柄を表示窓7において可変表示させることができる。
以上のような構成を備えるスロットマシン1は、まずメダル投入口25へのメダル投入あるいはベットスイッチ15等が操作されて1ゲームの開始に必要な規定数(本実施形態では、「ボーナス状態中」以外は「3」、「ボーナス状態中」は「2」に設定)分のメダルが賭数設定されることにより回転開始可能な状態になり、スタートスイッチ19が操作されることにより、リール11L〜11Rを回転させて図柄を可変表示して1遊技を開始する。本実施形態においては、「ボーナス状態」以外の遊技状態の規定数として「3」が設定され、「ボーナス状態」の規定数として「2」が設定されている。なお、規定数は、これに限らず、他の値であってもよく、また、遊技状態にかかわらず同じ値が設定されるものであってもよい。
1遊技が開始された後においては、リール回転中においてストップスイッチ21L〜21Rが操作されることにより対応するリールの回転を停止させ、リール11L〜11Rすべての回転が停止することにより1遊技を終了する。スロットマシン1は、リール11L〜11Rすべての回転が停止したときの図柄組合せなど(表示結果)に応じて遊技者に対して所定の特典を新たに付与する。所定の特典としては、例えば、遊技状態の移行、メダル等を新たに用いることなく次回遊技の賭数を自動設定、遊技価値の付与である所定枚数のメダル払出(あるいはクレジット加算)等が挙げられるが、これらに限るものではない。
次に、図4を参照して、スロットマシン1の電気的な構成について説明する。図4に示すとおり、スロットマシン1には、メイン制御基板63、サブ制御基板73、電源ユニット49、および、外部出力基板90などが設けられている。
メイン制御基板63は、遊技の進行に関する制御を行うメインCPU61が実装された基板である。サブ制御基板73は、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブCPU71が実装された基板である。電源ユニット49は、外部から供給される電力を用いて、スロットマシン1に搭載された各種電気部品を駆動するための電源を生成する。外部出力基板90は、遊技の進行に応じた信号をスロットマシン1の外部(例えば、ホールコンピュータ、台毎データ表示器等)に出力する基板である。
メインCPU61は、遊技の進行を制御するための遊技制御プログラムを記憶するROM67と、遊技に関するデータなどを一時的に記憶するRAM65とを備え、ROM67に格納された遊技制御プログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を有している。
メインCPU61は、タイマ割込などの割込機能を有し、ROM67に記憶されている遊技制御プログラムを実行し、メイン制御基板63に接続されたスイッチ(操作手段)やセンサ(検出手段)からの信号に基づいて遊技の進行に関する処理を行う。また、メインCPU61は、スロットマシン1においてエラーが発生しているか否かを判定する。エラーには、例えば、投入センサ53により所定時間以上検知されているセレクターエラー、満タンセンサ58によりホッパー容器42が満タンであることが検知されている満タンエラー、ホッパーモータ57を駆動しているにもかかわらず払出センサ54により所定時間以上検知されていないメダル切れエラーなどを含む。
メイン制御基板63に接続されたスイッチやセンサには、図4に示される、投入センサ53、ベットスイッチ15、最大ベットスイッチ17、スタートスイッチ19、扉センサ20、ストップスイッチ21L〜21R、精算スイッチ23、リセットスイッチ52、変更処理開始スイッチ56、位置センサ55L〜55R、払出センサ54、満タンセンサ58などが含まれる。
また、メインCPU61は、遊技の進行に関する処理を行って、メイン制御基板63に接続された機器類を駆動制御する。メイン制御基板63に接続された機器類には、図4に示される、切替ソレノイド51、クレジット表示器45、ペイアウト表示器46、報知用表示器60、有利期間報知ランプ80、リールモータ14L〜14R、ホッパーモータ57、および、各種LEDなどが含まれる。また、メイン制御基板63には、7セグメントLEDからなる表示器が搭載されている。メイン制御基板63には、全遊技期間に対して有利期間に滞在している有利期間滞在比率、総払出枚数に対するボーナスでの払出枚数の役物比率、メダルの総払出枚数に対して有利期間中におけるナビ演出(指示)による払出枚数とボーナス状態中における払出枚数との合計払出枚数が占める比率(例えば、指示込役物比率ともいう)などを表示する表示器が搭載されている。なお、有利期間滞在比率、役物比率、および指示込役物比率などは、メイン制御基板63に搭載されている表示器に表示するものに限らず、別個に設けられた表示器(例えば、ペイアウト表示器46等)に表示するものであってもよい。この場合、メインCPU61は、例えばリセットスイッチ52が操作されたときに、有利期間滞在比率、役物比率、および指示込役物比率などを表示器に表示するようにしてもよい。
メイン制御基板63は、遊技の進行に応じて、サブ制御基板73に対して各種のコマンドを送信する。サブ制御基板73は、メイン制御基板63からのコマンドに基づいて演出の制御を行う。一方、サブ制御基板73からメイン制御基板63に対しては、コマンドを送ることはできない。コマンドは、メイン制御基板63からサブ制御基板73に対して一方向にのみ送信される。
サブ制御基板73に搭載されているサブCPU71は、演出を制御するための演出制御プログラムを記憶するROM77と、演出に関するデータなどを一時的に記憶するRAM75とを備え、ROM77に格納された演出制御プログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を有している。
サブCPU71は、タイマ割込などの割込機能を有し、メイン制御基板63からのコマンドに基づいて、ROM77に記憶されている演出制御プログラムを実行し、遊技の進行に応じた演出内容の決定等を行い、その結果に基づいてサブ制御基板73に接続された機器類を駆動制御して演出を行う。サブ制御基板73に接続された機器類には、図4に示される、スピーカ31L、31R、液晶表示器27、各種ランプ・LED、および演出操作部81などが含まれる。液晶表示器27は、表示領域に画像を表示させるための表示処理を実行する表示制御部を含む。表示制御部は、サブ制御基板73からの表示制御用のコマンドに基づいて表示処理を実行して、液晶表示器27の表示領域に所定の画像を表示する。また、表示制御部は、表示内容に応じてコマンドをサブ制御基板73に送信することも可能である。サブ制御基板73は、表示制御部からのコマンドに基づいて、スピーカ31L、31Rおよび各種ランプ・LED等に対応するコマンドを送信することにより、表示領域に表示する画像に対応する音や光による演出を実行させる。
演出操作部81には、決定用の決定スイッチ81aと、選択用の左選択スイッチ81b、右選択スイッチ81c、上選択スイッチ81d、および下選択スイッチ81e(これらをまとめて上下左右スイッチともいう)とが設けられている。サブCPU71は、予め定められた演出を実行させるときや発展させる際に決定スイッチ81aへの操作を促す促進演出を実行し、決定スイッチ81aが操作されることにより予め定められた演出を実行あるいは発展させる制御を行う。また、サブCPU71は、液晶表示器27などにより実行する演出(キャラクタや背景)の種類が異なる複数種類の演出モードのうちからいずれかを設定できる演出モード選択可能状態(演出モード選択画面表示中)において、上下左右スイッチが操作されることによりいずれかの演出モードを選択し、決定スイッチ81aが操作されることにより選択されている演出モードを設定する。
さらに、サブCPU71は、変更処理開始スイッチ56が操作されて設定変更処理に移行されているときに決定スイッチ81aが操作されることにより管理者メニュー状態に移行させて、管理者メニュー画面を液晶表示器27において表示可能にする。また、サブCPU71は、リール11L〜11Rのいずれも回転しておらず、かつ遊技の進行に応じて発生する特定の演出(例えば、複数遊技にわたって連続する連続演出、特定のボタンへの操作を促すチャンスボタン演出など)が実行されていないとき(以下では、遊技待機中ともいう)において決定スイッチ81aが操作されることにより遊技者メニュー状態に移行させて、遊技者メニュー画面を液晶表示器27において表示可能にする。また、遊技者メニュー画面においては、演出操作部81への操作に応じて、例えば、入賞の発生回数や発生確率などの役履歴の確認や、遊技者の遊技履歴を蓄積するための携帯連動サービス(以下では、携帯連動ともいう)の設定を行うことができる。
サブCPU71は、管理者メニュー状態および遊技者メニュー状態において上下左右スイッチが操作されることにより表示する項目や対象を選択し、決定スイッチ81aが操作されることにより選択されている項目や対象に応じた処理を実行する。なお、サブCPU71は、特定の演出を実行しているときであっても、決定スイッチ81aが操作されることにより遊技者メニュー状態に移行させるようにしてもよい。この場合、サブCPU71は、特定のレイヤに特定の演出の画像を描き、決定スイッチ81aが操作されることにより、特定のレイヤよりも優先度が高いレイヤにおいて、遊技者メニュー状態における遊技者メニュー画面の画像を描くことにより、遊技者メニュー画面を優先して表示するようにしてもよい。なお、遊技者メニュー画面表示中においては、特定のレイヤにおける特定の演出を継続して実行するものであってもよく、また特定のレイヤにおける特定の演出を一旦終了するものであってもよい。
また、遊技者メニュー画面表示中に特定のレイヤで特定の演出を継続して実行する場合であって、当該演出が特定のボタンへの操作を促すチャンスボタン演出を伴わない連続演出であるときには、決定スイッチ81aの操作で遊技者メニュー画面を表示可能にする一方、当該演出が特定のボタンへの操作を促すチャンスボタン演出であるときには、決定スイッチ81aが操作されたとしても遊技者メニュー画面を表示しないようにしてもよい。このようにすることで、遊技者メニュー画面表示中における決定スイッチ81aの操作によって、意図せずにチャンスボタン演出を次の段階に発展させてしまうことを未然に防止できる。また、遊技者メニュー画面を表示させるためのスイッチと、チャンスボタン演出を発展させるためのスイッチとは、同じスイッチであってもよく、物理的に異なるスイッチであってもよい。なお、遊技者メニュー画面を表示させるためのスイッチと、チャンスボタン演出を発展させるためのスイッチとが異なるスイッチであっても、遊技者メニュー画面表示中においてチャンスボタン演出を発展させるためのスイッチを操作してしまい意図せずに演出を発展させてしまうことを防止できる。
<遊技制御処理>
メインCPU61は、ROM67に記憶されている遊技制御プログラムに基づいて、遊技の進行を制御するための遊技制御処理を行う。図5は、遊技制御処理の一例を説明するための図である。
(賭数設定処理)
S100の賭数設定処理では、投入センサ53からの検出信号、ベットスイッチ15あるいは最大ベットスイッチ17からの操作信号、および再遊技役の入賞時に設定される再遊技フラグなどに応じて、賭数を設定するための処理が行われる。賭数設定処理では、賭数が設定されたときに賭数設定コマンドを出力する。設定された賭数が規定数に達しているときには、スタートスイッチ19への操作を有効に受け付ける回転開始可能な状態(有効化)にする。
また、賭数設定処理では、精算スイッチ23からの操作信号に基づいて、ホッパーモータ57を駆動させる駆動信号を出力して、クレジット分あるいは設定済の賭数分に相当する枚数のメダルを払い出すための精算処理が行われる。賭数設定処理は、回転開始可能な状態においてスタートスイッチ19からの操作信号を受信することにより終了し、S200の内部抽選処理へ移行する。賭数設定処理では、スタートスイッチ19からの操作信号を受信して内部抽選処理へ移行する際に、実際に設定された賭数(メダル枚数)を特定可能なベットコマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においても1遊技に対して賭数設定されたメダル枚数を特定可能となる。
(内部抽選処理)
S200の内部抽選処理では、所定範囲(例えば0〜65535)で乱数値を更新する乱数回路から役抽選用の乱数値を抽出し、抽出した値(以下、抽出値という)に基づいて予め定められた複数種類の役のいずれかに当選するか否かを抽選する役抽選が行われる。図6を参照して、スロットマシン1において設定されている役の種別および役名称について説明する。
役の種別としては、ボーナス役と、再遊技役と、小役とが設けられている。ボーナス役は、小役の当選確率が高いボーナス状態への移行を伴う移行役である。再遊技役(以下、リプレイともいう)は、入賞したときに前述の再遊技フラグを設定する役である。賭数設定処理では、再遊技フラグが設定されている場合、遊技者所有のメダル(あるいはクレジット)を新たに用いることなく、次に(今から)開始される遊技(今回遊技)の規定数に対応した賭数を次回遊技の賭数として自動設定する役である。小役は、所定枚数のメダルの払い出し(あるいはクレジット加算)を伴う役である。
ボーナス役としては、役名称「RBB1」「RBB2」(以下、まとめてボーナス役、あるいは「RBB」ともいう)が設けられている。「RBB1」「RBB2」の図柄組合せには、各々、「R7」の3つ揃い、「G7」の3つ揃いとなる組合せが定められている。「RBB1」および「RBB2」に入賞したときには、ボーナス状態に制御される。ボーナス状態は、払出されたメダルの枚数が、入賞したボーナス役に対応するメダル枚数(図6の備考欄に記載の枚数)を超えた遊技で終了する。
再遊技役としては、役名称「RPC」「RTT1」〜「RTT9」が設けられている。「RPC」の図柄組合せには、「RP」の3つ揃いとなる組合せが定められている。「RTT1」〜「RTT9」についても、各々、図6に記載のとおりの図柄組合せが定められている。「RTT1」〜「RTT9」の図柄組合せが入賞ラインNLに停止したときには、リール11L〜11R各々の下段・中段・上段に「T」図柄が停止、若しくは、リール11Lの下段に「BR」図柄、リール11Mの中段、リール11Rの上段に「T」図柄が停止し、見た目上は、少なくとも一部に「T」図柄が斜めに揃う。また、「RTT1」〜「RTT9」は、有利RTに制御する契機となる役であるため、昇格リプレイともいう。
小役としては、役名称「BEL」「ATA1」〜「ATA12」および「CH」が設けられている。「BEL」の図柄組合せには、「BE」の3つ揃いとなる組合せが定められている。「ATA1」〜「ATA12」および「CH」についても、各々、図6に記載のとおりの図柄組合せが定められている。「BEL」は、規定数が「3」に設定されている遊技状態(「ボーナス状態」以外)においては、押し順が正解したときに入賞となり、メダルが9枚払い出されるのに対し、規定数が「2」に設定されている「ボーナス状態」においては、押し順にかかわらず入賞となりメダルが12枚払い出される。「ATA1」〜「ATA12」は、押し順が不正解(失敗)したときであってストップスイッチ21L〜21Rへの操作タイミングに応じて入賞可能であり、メダルが1枚払出される。「CH」は、入賞するとメダルが1枚払い出される。
内部抽選処理では、図6に示す役のうち予め定められた役から構成される複数種類の当選役グループ毎に役抽選が行われる。図7を参照して、本実施形態における当選役グループおよび役構成について説明する。
ボーナス役を含む当選役グループとしては、「ボーナス1」「ボーナス2」が設けられている。「ボーナス1」「ボーナス2」は、それぞれ1つのボーナス役から構成される当選役グループである。なお、ボーナス役を含む当選役グループは、ボーナス役のみならず、他の役(例えばCHなど)と同時に当選する当選役グループを含むものであってもよい。
再遊技役の当選役グループとしては、「通常リプ」および「昇格リプ」が設けられている。「通常リプ」は、「RPC」のみから構成される当選役グループである。一方、「昇格リプ」は、「RTT1」〜「RTT9」から構成される当選役グループである。
小役の当選役グループとしては、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」および「1枚役」が設けられている。「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」は、「BEL」に加えて、「ATA1」〜「ATA12」のうちの2種類以上の役であって、互いに異なる組合せとなる役を含むように構成される当選役グループである。「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」は、まとめて「押し順ベル」ともいう。「1枚役」は、「CH」から構成される当選役グループである。
これら複数種類の当選役グループのうち役抽選の対象となる当選役グループは、複数種類の遊技状態毎に定められている。また、役抽選における当選確率にかかわる判定値は、当選役グループ、制御されている遊技状態、および設定されている設定値に応じて定められている。
スロットマシン1において制御可能となる遊技状態としては、「初期RT」、「通常RT」、「有利RT」、「RBB」が当選している「RBB内部当選状態」、およびボーナス役の入賞に伴う「ボーナス状態」などが設けられている。「初期RT」、「通常RT」、および「有利RT」は、まとめて一般遊技状態ともいう。
ボーナス役を含む当選役グループのうち「ボーナス1」「ボーナス2」は、一般遊技状態において役抽選の対象となる。ボーナス役を含む当選役グループは、各々、例えば設定値1のときには当選確率が1/1000となるように判定値が定められている。ボーナス役を含む当選役グループの判定値は、設定値に応じて異なる判定値が定められており、設定値が高くなるに連れて当選確率が高くなる。例えば、設定値6のときには当選確率が1/900となるように判定値が定められている。なお、「ボーナス1」「ボーナス2」は、設定値にかかわらず一律の確率で当選するように判定値が定められているものであってもよい。
次に、再遊技役を含む当選役グループのうち「通常リプ」は、一般遊技状態、「RBB内部当選状態」において役抽選の対象となり、「有利RT」中の当選確率が1/1.7となり「通常RT」および「初期RT」中における当選確率が1/8となり、「RBB内部当選状態」中における当選確率が1/3となるように判定値が定められている。また、「昇格リプ」は、「通常RT」においてのみ役抽選の対象となり、1/20の当選確率となるように判定値が定められている。再遊技役を含む当選役グループの当選確率は、制御されているRTの種類に応じた当選確率となる。
通常リプおよび昇格リプのいずれかに当選する確率は、「通常RT」≦「初期RT」<「RBB内部当選状態」<「有利RT」の関係となるように判定値が記憶されている。このため、一般遊技状態のうち「有利RT」は、他の遊技状態と比較して再遊技役の当選確率が向上するため、遊技者にとって有利な状態であるといえる。
小役を含む当選役グループのうち「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」は、一般遊技状態、「RBB内部当選状態」、および「ボーナス状態」において役抽選の対象となる。一般遊技状態中などにおいて「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選する確率は、1/5となり、かつ「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」各々の当選確率が同一となるように、判定値が均等に振分けられている。「ボーナス状態」中においては、1/1の確率で「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のすべてに当選するように判定値が定められており、1遊技毎に「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のすべてに当選して「BEL」に入賞する。「ボーナス状態」は、一般遊技状態などと比較して「BEL」に入賞する確率が向上するため、遊技者にとって有利な状態であるといえる。
「1枚役」は、一般遊技状態、「RBB内部当選状態」において役抽選の対象となる。一般遊技状態中などにおいて「1枚役」に当選する確率は、いずれの設定値が設定されているときでも1/50の確率で当選するように、設定値にかかわらず共通の判定値が定められている。当選役グループは、図7に示す種類に限るものではない。また、設定差が設けられている当選役グループと、設定差が設けられていない当選役グループとは、図7を用いて説明した当選役グループに限るものではない。
内部抽選処理では、現在の遊技状態において役抽選の対象となる当選役グループの判定値(設定されている設定値に応じた判定値)を読み出し、抽出値から減算した値(抽出値を更新)が所定値(例えば0)よりも小さい値になっているか否かを判定する判定処理を行い、小さい値になっていなければ(例えば0以上のとき)次の当選役グループについての判定処理を行うというサイクルを繰り返す。
いずれかの当選役グループについての判定処理において所定値よりも小さい値になっていると判定したときには、この当選役グループに当選していると判定し、当該当選役グループに含まれる役の当選フラグをRAM65の所定領域に設定して役抽選を終了する。このため、当選役グループに当選する確率は、「当選役グループの判定値/65536」となる。役抽選において読み出される判定値が大きいほど所定値よりも小さい値になりやすくなるため、当選確率が高い当選役グループであるといえる。一方、役抽選の対象となるすべての当選役グループについて判定処理を行ったが所定値よりも小さい値になっていないと判定されたときには、いずれの当選役グループにも当選していない「はずれ」であると判定する。本実施形態における「はずれ」となる確率は、有利RT中においては約19%となるように定められているが、これに限るものではなく、例えば極めて低い確率(5%等)となるように定められているものであってもよい。
内部抽選処理は、いずれかの当選役グループに当選していると判定されるか、いずれの当選役グループにも当選しておらず「はずれ」であると判定されると役抽選を終了して、S300の有利期間関連処理に移行する。
内部抽選処理では、役抽選において当選した当選役グループの種別を特定可能な当選種別コマンドをサブ制御基板73に出力するための処理を行う。例えば、「ボーナス1」「ボーナス2」に当選したときにはいずれかの「RBB」に当選していることを特定可能な当選種別コマンドを出力し、「通常リプ」「昇格リプ」に当選したときにはいずれかの再遊技役に当選していることを特定可能な当選種別コマンドを出力し、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選したときには押し順ベルに当選していることを特定可能な当選種別コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においては、当選役グループの種別に応じた演出を実行可能となる。
(有利期間関連処理)
S300の有利期間関連処理では、有利期間にかかわる処理を行う。本実施形態においては、通常期間において、所定の有利期間移行条件が成立することにより有利期間に制御可能となる。有利期間は、有利一般、チャンスゾーン(以下、CZという)、および、アシストタイム(以下、ATという)を含む。有利一般は、CZに移行するか否かのCZ移行抽選を実行可能な期間である。CZは、AT遊技を実行可能なATに移行するか否かのAT移行抽選を実行可能な期間である。なお、有利一般においてもCZ移行抽選に加えてAT移行抽選が実行されるものであってもよく、この場合、例えば、AT移行抽選において当選する確率は、有利一般中よりもCZ中であるときの方が高くなるように定められているものであってもよい。
有利期間のうちの有利一般およびCZは、当該期間中の払出率が1を超えない期間(例えば、有利期間中非出玉期間ともいう)であるのに対し、ATは、AT遊技が行われることや有利RT(再遊技役の当選確率が高いRT1)を維持できる結果、AT中の払出率が1を超える期間(例えば、有利期間中出玉期間ともいう)であるといえる。有利期間においては、まず有利一般に制御される。また、有利一般中においては、所定のCZ移行抽選条件が成立することにより行われるCZ移行抽選において当選することによりCZに制御可能となる。また、CZ中においては、所定のAT移行抽選条件が成立することにより行われるAT移行抽選において当選することによりATに制御可能となる。よって、有利期間は、ATに制御可能な期間であるといえる。また、有利期間のうちのATは、遊技者にとって有利な有利状態であるといえる。
所定の有利期間移行条件は、内部抽選処理における役抽選の結果に基づいて成立する条件であって、例えば図7で示した当選役グループのいずれかに当選することにより成立する条件などを含む。有利期間への移行条件は、当選確率に設定差が設けられている当選役グループに当選することによっても成立し、当選確率に設定差が設けられていない当選役グループに当選することによっても成立する。有利期間への移行条件は、役抽選における当選確率が制御されている状態の種類にかかわらず一律に定められている特定の当選役グループに当選することにより成立するものであってもよい。「役抽選における当選確率が制御されている状態の種類にかかわらず一律に定められている」とは、図8を用いて後述するいずれの状態においても役抽選における当選確率が一律に定められているものをいう。
また、所定のCZ移行抽選条件および所定のAT移行抽選条件各々についても、例えば「1枚役」当選により成立する条件や「ボーナス1」または「ボーナス2」当選により成立する条件などを含む。このため、例えば、「1枚役」や「ボーナス1」または「ボーナス2」に当選したときには、有利移行条件が成立するとともに、CZ移行抽選条件およびAT移行抽選条件が成立する。その結果、通常期間であっても、「1枚役」や「ボーナス1」または「ボーナス2」に当選することにより、CZ移行抽選およびAT移行抽選で当選することにより、有利期間のうちATに制御される場合も生じ得る。なお、有利期間移行条件、CZ移行抽選条件およびAT移行抽選条件は、全く同じ条件であってもよく、また全く異なる条件であってもよく、さらには共通する条件を含むものであってもよい。
有利期間を終了させる条件は、後述するように有利期間の上限値(例えば上限ゲーム数:1500)到達を示す有利期間カウンタ=1500となることにより成立する第1の条件と、有利期間において賭数とメダル付与数とに基づく差数を累計した累計数が最低となる最下値を0として基点とし、該基点からの現在の累計数が有利期間の上限値(例えば上限累計数:2400)に到達することにより成立する第2の条件を含む。累計数は、有利期間中において更新される累計数カウンタの値に応じて特定される。有利期間カウンタおよび累計数カウンタは、ともに、RAM65の所定領域において更新される。
有利期間を終了させる条件としては、さらに、有利一般中においてCZに移行されることなく遊技を所定回数消化すること(CZ非当選)により成立する第3の条件や、CZ中においてATに移行されることなく遊技を所定回数消化すること(AT非当選)により成立する第4の条件、AT中において後述する残りATゲーム数カウンタ=0となりAT終了となることにより成立する第5の条件などを含む。以下においては、有利期間(有利一般、CZおよびATのいずれか)を終了させる条件をまとめて「有利期間を終了させる条件」ともいう。有利期間を終了させる条件は、少なくとも第1の条件と第2の条件とを含むものであれば、本実施形態において例示したものに限らず、他の特定事象により成立し得る条件であってもよい。
有利期間関連処理では、有利期間中において、所定のCZ移行抽選条件、所定のAT移行抽選条件(例えば所定の当選役グループに当選)、および今回遊技の終了に伴って当該有利期間が終了し得る状況(例えば今回遊技により有利期間の上限遊技回数(1500)あるいは上限累計数(2400)に到達等)であるか否かを判定し、成立させ得る状況であるときには当該条件が成立する可能性があることを煽る演出を実行する。例えば、メインCPU61は、すべてのセグメントを点滅させる態様でペイアウト表示器46、報知用表示器60等を駆動制御する。
また、有利期間関連処理では、有利期間中において、所定のCZ移行抽選条件、所定のAT移行抽選条件、および今回遊技の終了に伴って当該有利期間が終了し得る状況であるときには、メインCPU61は成立する可能性がある条件を特定可能な条件関連コマンドをサブ制御基板73に出力する。これにより、例えば、所定のCZ移行抽選条件、所定のAT移行抽選条件、および有利期間を終了させる条件各々について成立する可能性を液晶表示器27により報知することができる。このように、有利期間関連処理は、有利期間にかかわる条件等が成立し得るか否かに応じた処理を実行するものである。実際に有利期間に移行させるための処理、および有利期間を終了させる条件が成立したか否かを判定して有利期間を終了させるための処理等については、後述するS700の有利期間設定処理により行われる。
また、有利期間関連処理では、有利期間のうちのAT中における役抽選の結果に応じて、有利操作態様を報知用表示器60により報知するための報知処理を実行可能とする。例えば、当選役グループのうち「左正解ベル1」に当選しているときには、後述するように「BEL」を入賞させるために左のリール11Lから停止させるように、報知用表示器60を構成する7セグメントのうちアルファベットの大文字「L」に対応する位置のセグメント(左辺の上下2つ下辺の1つ)を点灯させる態様で報知用表示器60を駆動制御する。さらに、有利期間関連処理では、当該有利操作態様を特定可能な有利操作態様コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においても有利操作態様を報知するための演出を液晶表示器27等において実行可能となる。有利期間関連処理が終了すると、S400のリール制御処理に移行する。
(リール制御処理)
S400のリール制御処理では、リールモータ14L〜14Rを駆動制御して、リール11L〜リール11Rを回転させて停止させる処理が行われる。リール制御処理では、ウェイトタイムが経過しているか否かを判定する。ウェイトタイムは、例えば4.1秒に定められており、前回遊技のリール制御処理においてリール11L〜11R各々の回転が開始されてから計測が開始される。
リール制御処理では、ウェイトタイムが経過していると判定されたときに、リール11L〜11Rの回転を開始させるリール回転処理が行われる。これにより、前回遊技においてリール11L〜11R各々の回転が開始されてから少なくとも4.1秒経過するまで今回遊技におけるリール11L〜11Rを回転開始させるタイミングを遅延させることができる。リール回転処理においては、リール11L〜11Rの回転が開始すると、リール回転開始コマンドを出力する。
リール制御処理では、リール11L〜11R各々の回転を開始させて一定速度に到達した後(例えば、リールモータ14L〜14Rの励磁パターンが一定速度となる励磁パターンとなった後)、リール11L〜11R各々の基準位置が位置センサ55L〜55R各々により検出されることにより停止操作可能な状態となり、ストップスイッチ21L〜21Rへの操作を有効に受け付ける状態(有効化)になる。
また、リール制御処理では、停止操作可能な状態においてストップスイッチを操作したときに、例えば当該ストップスイッチに対応するリールの入賞ラインNL上に位置する図柄から予め定められた引込み可能範囲内に配列されている図柄のいずれかを入賞ラインNLに引き込んで当該リールを停止させるリール停止処理を行う。引込み可能範囲は、4図柄先までの範囲であって、ストップスイッチが操作されたときに入賞ラインNL上にある図柄から4図柄先までに配列されている図柄を入賞ラインNL上に停止可能となる。
役抽選においていずれかの役に当選している場合は、当選している役を構成する図柄を引込み可能範囲内で入賞ライン上に引き込むことができるときに、当該図柄を入賞ライン上に引き込んで停止させる。これに対して、いずれの役にも当選していない場合は、いずれの役にも入賞しないはずれ図柄組合せとなる図柄を入賞ライン上に引き込み停止させる。このため、ストップスイッチへの操作が行われたときに、当選している役を構成する図柄を引込み可能範囲内で入賞ラインNL上に引込み可能であれば当該図柄を引込んで入賞ラインNL上に停止させることができる一方、当選していない役の図柄組合せを入賞ラインNL上に停止させてしまうことがない。
なお、本実施形態は、上述の通り、「役抽選においていずれかの役に当選している場合は、当選している役を構成する図柄を引込み可能範囲内で入賞ライン上に引き込むことができる」ものである。ここで、役抽選は「当選役グループ」毎に行われるものであるため、前記「当選している役」は、詳しくは、当選した「当選役グループ」を構成するいずれかの役に相当するものとなる。
リール停止処理では、引込み可能範囲内の図柄を入賞ラインNL上に停止させることができるものの、引込み可能範囲外の図柄については入賞ラインNL上に停止させることができない。このため、リール11L〜11Rの図柄配列において、役を構成する図柄が引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する役については、役抽選において当選していても、操作タイミングが合わなければ入賞ラインNL上に当該役を構成する図柄を引き込むことができずに、当該役を取りこぼしてしまう場合(非入賞)が生じる。
「ボーナス役」を構成する図柄は、図3に示すとおり、リールの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する。例えば、「RBB1」を構成する図柄「R7」は、リール11L〜11Rに1つしか配列されていない。また、「RBB2」を構成する図柄についても、少なくとも1つのリールにおいて引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する。このため、「ボーナス役」は、当選していてもストップスイッチ21L〜21Rの操作タイミングによっては入賞ラインにボーナス役を構成する図柄を引き込むことができない場合があり、取りこぼす可能性がある。よって、図7に示すように、「ボーナス役」のいずれかに当選しているときには、当選しているボーナス役を引込み可能範囲内で引込むリール制御を行うものの、いずれの役にも入賞しない場合が生じる。なお、「RBB1」「RBB2」については、当選した遊技において入賞させることができなかった場合、RBB内部当選状態に制御されて当該ボーナス役に入賞するまで当該ボーナス役の当選フラグを持ち越す処理が行われる。
「通常リプ」に含まれる「RPC」を構成する図柄「RP」は、図3に示すように、リール11L〜11Rのすべてにおいて引込み可能範囲内に配列されている。また、「昇格リプ」に含まれる「RTT1」〜「RTT9」各々を構成する図柄は、リールの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在するが、「昇格リプ」当選時には「RTT1」〜「RTT9」のすべてに当選する。その結果、「昇格リプ」に当選したときには、ストップスイッチ21L〜21Rの操作タイミングにかかわらず、必ず「RTT1」〜「RTT9」のうちのいずれかを入賞させることができる。
小役のうち「1枚役」に含まれる「CH」を構成する図柄(「R7」「MD」)は、図3に示すとおり、リールの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する。このため、「1枚役」は、当選していてもストップスイッチ21L〜21Rの操作タイミングによっては入賞ラインに「CH」を構成する図柄を引き込むことができない場合があり、取りこぼす可能性がある。
また、リール停止処理では、複数種類の役に当選しているときには、当選している役の種類(役抽選の結果)およびストップスイッチ21L〜21Rの操作タイミングおよび押し順(操作態様)に応じて、優先して引き込む対象が予め定められている。
ここで、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選しているときのリール停止処理について説明する。「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選しているときには、第1停止されたリールの種類に応じて優先して引き込む対象が異なるように定められている。第1停止とは、すべてのリール11L〜11Rが回転しているときに最初にリールを停止させることをいう。また、第1停止されたリールは、第1停止リールともいう。また、第2停止とは、第1停止により一のリールが停止し残り2つのリールが回転しているときに停止させることをいい、第3停止とは、残り1つのリールが回転しているときに停止させることをいう。第1停止、第2停止、および第3停止のためのストップスイッチへの操作を、第1停止操作、第2停止操作、および第3停止操作ともいう。
例えば、「左正解ベル1」に当選しているときにおいて、図7に示すように、左第1停止(左のリール11Lを第1停止)したときには、「BEL」を他の役よりも優先して引き込むように定められている。「BEL」を構成する図柄「BE」は、引込み可能範囲内に配列されているために、「BEL」の取りこぼしが発生することはない。よって、「左正解ベル1」に当選しているときにおいて、左第1停止したときには、必ず「BEL」に入賞するようにリール制御が行われる。
一方、「左正解ベル1」に当選しているときにおいて、中あるいは右第1停止(中あるいは右のリール11Mあるいは11Rを第1停止)したときには、「BEL」よりも同時当選している「ATA1」または「ATA4」を優先して引き込むように定められている。「ATA1」および「ATA4」を構成する図柄「R7」「T1」および「T2」は、いずれも、図3に示されるようにリール11L〜11Rの図柄配列から引込み可能範囲内に配列されていない箇所が存在する。このため、ストップスイッチの操作タイミングによっては、入賞ラインに「ATA1」および「ATA4」を構成する図柄を引き込むことができず、「左正解ベル1」に当選してもいずれの役にも入賞させることができない場合が生じる。
また、「左正解ベル2」〜「左正解ベル4」当選時においても、左第1停止したときには必ず「BEL」を入賞させることができるものの、中あるいは右第1停止したときには「BEL」よりも同時当選している他の役が優先して引き込まれ、かつリール11L〜11Rの図柄配列が当該他の役を構成する図柄を引き込むことができない箇所が存在する図柄配列であるため、ストップスイッチの操作タイミングによってはいずれの役にも入賞させることができない場合が生じる。同様に、「中正解ベル1」〜「中正解ベル4」当選時においても、中第1停止したときには必ず「BEL」を入賞させることができる。しかし、左あるいは右第1停止したときには、「BEL」よりも同時当選している他の役が優先して引き込まれ、かつリール11L〜11Rの図柄配列が当該他の役を構成する図柄を引き込むことができない箇所が存在する図柄配列であるため、ストップスイッチの操作タイミングによってはいずれの役にも入賞させることができない場合が生じる。また、「右正解ベル1」〜「右正解ベル4」当選時においても、右第1停止したときには必ず「BEL」を入賞させることができるものの、左あるいは中第1停止したときには「BEL」よりも同時当選している他の役が優先して引き込まれ、かつリール11L〜11Rの図柄配列が当該他の役を構成する図柄を引き込むことができない箇所が存在する図柄配列であるため、ストップスイッチの操作タイミングによってはいずれの役にも入賞させることができない場合が生じる。なお、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のすべてに当選しているとき(例えば、「ボーナス状態」中など)には、ストップスイッチ21L〜21Rの操作態様にかかわらず、必ず「BEL」に入賞するようにリール制御が行われる。
「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選しているときにおいて「BEL」を入賞させる押し順は、正解手順ともいう。前述したAT中において「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選したときには、有利操作態様として正解手順を特定可能な情報が報知される。
「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選しているときにおいて、正解手順で操作できず、かつ「ATA1」〜「ATA12」のうちの当選している役のいずれも入賞させることができないタイミングで停止操作されたときには、「はずれ」図柄組合せのうち、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」に当選していないときには入賞ライン上に停止することがない特定の「はずれ」図柄組合せを入賞ライン上に引き込むリール制御が行われる。特定の「はずれ」図柄組合せは、「初期RT」あるいは「有利RT」において入賞ラインNL上に停止すると「通常RT」への移行を伴う。このため、特定の「はずれ」図柄組合せは、通常移行出目ともいう(図7参照)。
また、ボーナス役の当選が持ち越されている状態(RBB内部当選状態)において再遊技役や小役に当選したときにおけるリール停止処理では、ボーナス役よりも再遊技役や小役を優先して引き込むように定められている。
リール停止処理においては、リール11L〜11Rのいずれかが停止する毎に、停止したリール、および停止位置(例えば、中段に停止されている図柄の図柄番号等)などを特定可能なリール停止コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73は、停止したリール、および停止位置が特定可能となり、対応する演出を実行可能となる。リール11L〜11Rすべてが停止すると、S500の出目判定処理に移行する。
(出目判定処理)
S500の出目判定処理では、入賞ラインNL上の図柄組合せに基づいて、当該図柄組合せに対応する処理を実行する。例えば、小役が入賞したときには、図6の払出欄に記載のメダルを払い出すか、あるいはクレジット加算するための払出処理を実行する。払出処理では、メダル払出あるいはクレジット加算により遊技者に付与されたメダル枚数(0枚を含む)を特定可能な払出コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においても1遊技の結果として遊技者に付与されたメダル枚数を特定可能となる。また、再遊技役が入賞したときには、再遊技フラグを設定するための処理を実行する。出目判定処理では、入賞ラインNL上の図柄組合せ、入賞の有無、入賞した役の種類等を特定可能な遊技結果コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においては、入賞ラインNL上の図柄組合せに応じた演出を実行可能となる。また、出目判定処理では、遊技の結果に応じて、有利期間滞在比率および役物比率を更新してRAM65の所定領域に記憶する。出目判定処理が終了すると、S600の遊技状態設定処理に移行する。
(遊技状態設定処理)
S600の遊技状態設定処理では、役抽選あるいは遊技の結果等に基づいて、次回以降の遊技状態を特定可能な遊技状態フラグを設定する。遊技状態フラグは、RAM65の所定領域に記憶される。メインCPU61は、遊技状態フラグに基づいて、現在制御されている遊技状態を特定する。図8(a)には、遊技状態の遷移が示されている。
遊技状態設定処理は、「初期RT」または「有利RT」において通常移行出目が入賞ラインNL上に停止されたときに、「通常RT」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。また、遊技状態設定処理は、「通常RT」において昇格リプレイである「RTT1」〜「RTT9」に入賞したときに、「有利RT」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。
また、遊技状態設定処理は、「初期RT」「通常RT」および「有利RT」のいずれかにおいて「RBB」に当選した遊技において入賞しなかったときに、「RBB内部当選状態」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。また、遊技状態設定処理は、「RBB」に入賞したときに、「ボーナス状態」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。遊技状態設定処理は、「ボーナス状態」中における払出枚数を計数し、払出枚数が所定枚数を超えたときに「初期RT」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。また、スロットマシン1は、設定変更等により初期化されると「初期RT」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。遊技状態設定処理が終了すると、S700の有利期間設定処理に移行する。
ここで、図8(a)を参照して、遊技状態の遷移について説明する。以下では、まず、有利期間のうちのATに制御されないとき(以下、非ATともいう)の遊技状態の遷移について説明する。
スロットマシン1は、設定変更等により初期化されると遊技状態として初期RTに設定されて遊技が開始される。初期RTにおいては、「押し順ベル」が比較的高確率(1/5)で当選する一方、「押し順ベル」当選時において有利操作態様を報知するAT遊技が行われることがない。このため、比較的早いタイミングで押し順ベルを取りこぼして通常移行出目が停止されることになり、通常RTに制御されることになる。
通常RTでは、「昇格リプ」に当選して「昇格リプレイ」が入賞すると有利RTに制御される。しかし、有利RTに制御された後においも非AT中であるため、初期RT中と同様、「押し順ベル」が比較的高確率で当選する結果、比較的早いタイミングで通常移行出目が停止されて「通常RT」に制御されることになる。よって、非AT中においては、遊技の大半を通常RTにおいて行うことになる。
また、通常RT中等において「RBB」に当選したとしても、当該「RBB」を構成する図柄を入賞ラインNL上に引き込むことができるタイミングで停止操作しなければ入賞させることができない。その結果、「RBB」に当選した遊技において入賞させることができなかった場合、「RBB内部当選状態」に制御される。
「RBB」に入賞すると、「ボーナス状態」に制御される。RBB中においては、高確率で「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のすべてに当選する結果、操作態様にかかわらず「BEL」を入賞させることができるため、効率的にメダルを獲得できる。払出枚数が所定枚数を超えるとボーナス終了となり「初期RT」に制御される。
一方、有利期間のうちのATに制御されているときには、「通常RT」「有利RT」中において「押し順ベル」に当選したときに、「BEL」を入賞させるための有利操作態様が報知用表示器60および液晶表示器27により報知される。これにより、停止操作を誤らない限り、確実に「BEL」を入賞させることができる。その結果、メダルが9枚払い出される割合が高まる。また、通常移行出目を回避できるため、「有利RT」から「通常RT」に転落してしまうことも防止でき、「再遊技役」に当選・入賞する割合も高まった状態を保った有利な状態で遊技を行うことができる。なお、有利期間のうちのCZは、所定回数遊技が行われた後において「押し順ベル」当選時に有利操作態様を報知することにより終了する。
また、AT中に当選したRBBが終了した後においては、ATゲーム数が持ち越されるため再びAT中となり、有利操作態様が報知されて「有利RT」に制御される。AT中に当選したRBBが終了した後において「有利RT」に制御されるまでの「初期RT」および「通常RT」に制御される期間は、「有利RT」に制御されるまでの準備段階であるため、準備期間ともいう。なお、AT中に当選したRBBが終了した後に制御される「初期RT」中において「押し順ベル」に当選したときには、「通常RT」へ移行可能となるようにするため、「ベル」を入賞させるための有利操作態様が報知されることはない。
(有利期間設定処理)
S700の有利期間設定処理では、通常期間において有利期間移行条件が成立したことに基づいて有利期間に制御する。有利期間設定処理では、有利期間移行条件が成立したことに基づいて、有利一般フラグを設定し、図8(b)に示すように有利一般に制御する。有利一般に制御するときには、有利一般に制御可能となる遊技回数を特定するための有利一般ゲーム数カウンタを設定する。有利一般に制御可能となる遊技回数は、例えば0〜750のゲーム数から抽選で決定される。なお、有利一般に制御可能となる遊技回数は、これらのゲーム数から決定されるものに限らず、また、予め定められている回数であってもよい。また、有利期間に制御されるときには、有利期間が開始されてから実行された遊技回数を特定するための有利期間カウンタとして上限値である1500を設定する。
また、有利期間設定処理においては、有利一般中にCZ移行抽選に当選したと判定したときに、CZフラグを設定してCZに制御する。このときに、有利期間のうちのCZに制御可能となる遊技回数を特定するためのCZゲーム数カウンタが設定される。CZに制御可能となる遊技回数は、例えば0〜750のゲーム数から抽選で決定される。なお、CZに制御可能となる遊技回数は、これらのゲーム数から決定されるものに限らず、また、予め定められている回数であってもよい。また、有利期間設定処理においては、CZ中においてAT移行抽選に当選したと判定したときに、ATフラグを設定してATに制御する。このときに、有利期間設定処理において、有利期間のうちのATに制御可能となる遊技回数を特定するための残りATゲーム数カウンタを設定する。メインCPU61は、これらのカウンタの値に基づき、有利一般、CZ、およびATを含む有利期間を制御する。有利一般ゲーム数カウンタ、CZゲーム数カウンタ、残りATゲーム数カウンタ、および有利期間カウンタは、RAM65の所定領域に記憶される。メインCPU61は、有利期間カウンタに基づいて現在が有利期間であるか通常期間であるかを特定し、有利一般フラグ、CZフラグ、およびATフラグに基づいて有利期間のうちのいずれの状態であるかを特定する。
以下に、有利期間の設定および遷移について、図8(b)を参照しつつ説明する。なお、サブ制御基板73は、後述するように制御されている状態や期間を特定するための状態コマンドに基づき演出を実行する。例えば、液晶表示器27などにおいては、制御されている状態や期間に応じた背景画像が表示されるものであってもよい。具体的に、通常期間においては、昼間を想起させる背景画像を表示する。これに対し、有利期間のうちの有利一般においては、夕方や夜を想起させる背景画像を表示するものであってもよい。さらに、CZにおいては、バトル演出に対応する背景画像を表示し、ATにおいては、ATに対応する背景画像(図20等参照)を表示するものであってもよい。このように、演出の内容から制御されている状態や期間を特定できるようにしてもよい。
通常期間における有利期間設定処理では、今回遊技で所定の有利期間移行条件が成立していたときに、有利一般の遊技回数を決定して当該遊技回数を有利一般ゲーム数カウンタに設定するとともに有利一般フラグを設定して、有利期間(有利期間のうちの有利一般)に制御する。これにより、図8(b)に示すように、通常期間から有利期間のうちの有利一般に制御される。前述したとおり、有利期間を開始するときには、有利期間カウンタの値に、有利期間の上限値である1500を設定する。
有利期間に制御された以降における有利期間設定処理では、1遊技が実行される毎に有利一般ゲーム数カウンタを1減算するとともに、有利期間カウンタの値を1減算する。本実施形態では、有利一般ゲーム数カウンタを1遊技毎に減算して0に到達したか否か(減算方式)により、有利一般の終了判定を行う例について説明するが、有利一般の終了判定については、減算方式に限らず、例えば1遊技毎に有利一般ゲーム数カウンタを1加算して、当該カウント値が所定値(有利一般の遊技回数)に到達したか否かにより行うもの(加算方式)であってもよい。なお、後述するCZおよびAT各々の終了判定についても同様に、本実施形態では減算方式を例示するが、これに限らず、CZおよびAT各々の終了判定を加算方式で行うものであってもよい。また、本実施形態では、1遊技毎に有利期間カウンタを1減算して、当該カウント値が0に到達したか否かにより、有利期間の終了判定を行う例について説明するが、有利期間の終了判定については、減算方式に限らず、例えば、1遊技毎に有利期間カウンタを1加算して、当該カウント値が上限値(有利期間の上限値1500)に到達したか否か(加算方式)により、有利期間の終了判定を行うものであってもよい。
有利一般における有利期間設定処理では、今回遊技でCZ移行抽選条件あるいは有利期間を終了させる条件のいずれかが成立しているか否かを判定する。今回遊技で所定のCZ移行抽選条件が成立していたときには、CZに制御するか否か、およびCZに制御可能となる遊技回数(つまりCZの有利度)を決定するCZ移行抽選を実行する。
CZ移行抽選は、ROM67に記憶されている所定のCZ移行抽選用テーブルを参照して行われる。CZ移行抽選用テーブルは、成立したCZ移行抽選条件に応じた割合に従ってCZ移行抽選が行われるように定められている。例えば、「1枚役」に当選することによりCZ移行抽選条件が成立したときには、10%の割合で「非当選」に決定され、90%の割合でCZに制御する旨が決定される。また、CZに制御する場合は、CZに制御可能となる遊技回数を決定する。CZに制御可能となる遊技回数は、例えば0〜750のゲーム数から抽選で決定される。なお、CZに制御可能となる遊技回数は、これらのゲーム数から決定されるものに限らず、また、予め定められている回数であってもよい。
CZに制御する旨の決定が行われた場合、有利期間設定処理では、所定演出(例えば連続演出)を実行する遊技回数(例えば3回)を消化した後に、CZ移行抽選により決定された遊技回数をCZゲーム数カウンタに設定しCZフラグを設定する。なお、有利一般ゲーム数カウンタおよび有利一般フラグはリセットされる。これにより、図8(b)に示すように、有利期間のうちのCZに制御される。
CZ移行抽選は、役抽選のために抽出した抽出値を用いて一括して行う(以下では、一括抽選方式ともいう)。例えば、「1枚役」当選となる判定値については、前述した振分率となるように判定値が定められており、抽出値がいずれに属するかによって有利期間移行抽選を行う。有利期間移行抽選は、1遊技の終了時に行うが、これに限らず、内部抽選処理における役抽選の際に一括して行うものであってもよい。なお、CZ移行抽選は、役抽選の結果に応じて行うものであれば一括抽選方式に限らず、例えば、役抽選において「1枚役」に当選したときに、CZ移行抽選用の乱数を別途抽出して、当該乱数を用いてCZ移行抽選を行うものであってもよい。
CZ移行抽選によりCZに制御する旨が決定されることなく有利一般ゲーム数カウンタが「0」となり決定されていた遊技回数を消化したときには、有利期間設定処理においてCZ非当選である旨のCZ非当選報知を行うためのCZ非当選報知処理を行う。CZ非当選報知処理は、例えば、「−−」を表示するように報知用表示器60等を駆動制御する処理や、CZ非当選を特定可能なCZ非当選コマンドをサブ制御基板73に出力して、液晶表示器27において「残念!」といったメッセージを表示させるための処理や、有利一般に対応する背景画像(夕方や夜の背景)から通常期間に対応する背景画像(昼間の背景)に切り替えるための処理を含む。これにより、CZ非当選を遊技者に報知することができる。また、有利期間設定処理では、CZにおいて有利期間を終了させる条件が成立したか否かを判定する。
CZ非当選となり有利一般を終了させる条件が成立すると、有利期間設定処理では、有利一般フラグを消去して図8(b)に示すように有利期間を終了させて通常期間に移行する。
一方、有利一般中におけるCZ移行抽選においてCZに制御する旨が決定された場合、例えば、CZ当選を特定可能なCZ当選コマンドをサブ制御基板73に出力して、液晶表示器27において連続演出を実行させる。CZ当選時には、所定のCZ開始タイミング(例えば連続演出が終了する3遊技消化後)からCZに制御する。CZに制御されると、所定演出に引続いてバトル演出などが実行される。
CZにおける有利期間設定処理では、今回遊技でAT移行抽選条件あるいは有利期間を終了させる条件のいずれかが成立しているか否かを判定する。AT移行抽選条件が成立したと判定したときには、成立したAT移行抽選条件に応じてATに制御するか否か、およびATに制御される期間であるATゲーム数を決定するためのAT移行抽選を行う。AT移行抽選は、ROM67に記憶されている所定のAT移行抽選用テーブルを参照して行われる。AT移行抽選用テーブルは、成立したAT移行抽選条件に応じた割合に従ってAT移行抽選が行われるように定められている。例えば、CZ中において「1枚役」に当選することによりAT移行抽選条件が成立したときには、10%の割合で「非当選」に決定され、90%の割合でATに制御する旨が決定される。いずれのAT移行抽選条件が成立したかに応じて、ATの有利度として異なる有利度(AT当選確率が異なる)となるように振分率などが設定されている。
AT移行抽選は、CZ移行抽選と同様に、一括抽選方式で行う。例えば、「1枚役」当選となる判定値については、前述した振分率となるように判定値が定められており、抽出値がいずれに属するかによってAT移行抽選を行う。AT移行抽選は、1遊技の終了時に行うが、これに限らず、内部抽選処理における役抽選の際に一括して行うものであってもよい。なお、AT移行抽選は、役抽選の結果に応じて行うものであれば一括抽選方式に限らず、例えば、役抽選において「1枚役」に当選したときに、AT移行抽選用の乱数を別途抽出して、当該乱数を用いてAT移行抽選を行うものであってもよい。
AT移行抽選によりATに制御する旨が決定されることなくCZゲーム数カウンタが「0」となり決定されていた遊技回数を消化したときには、有利期間設定処理においてAT非当選である旨のAT非当選報知を行うためのAT非当選報知処理を行う。AT非当選報知処理は、例えば、「−−」を表示するように報知用表示器60等を駆動制御する処理や、AT非当選を特定可能なAT非当選コマンドをサブ制御基板73に出力して、液晶表示器27において実行していたバトル演出を終了した後に、「残念!」といったメッセージを表示する結果報知演出を実行するための処理を含む。これにより、AT非当選を遊技者に報知することができる。また、有利期間設定処理では、CZにおいて有利期間を終了させる条件が成立したか否かを判定する。AT非当選となりCZを終了させる条件が成立すると、有利期間設定処理では、CZフラグを消去して図8(b)に示すように有利期間を終了させて通常期間に移行する。なお、有利期間に制御された場合であってもATに制御せずに有利期間が終了する場合には、有利期間報知ランプ80が点灯することがないため、ナビ演出を実行することなく有利期間が終了した場合であっても遊技者に違和感を抱かせてしまうことを防止できる。
一方、CZ中におけるAT移行抽選においてATに制御する旨が決定された場合、ATに制御される旨のAT当選報知を行うためのAT当選報知処理を行って、所定のAT開始タイミング(例えば次の遊技開始タイミング)からATに制御する。AT当選報知処理は、例えば、「77」を表示するように報知用表示器60等を駆動制御する処理や、AT当選を特定可能なAT当選コマンドをサブ制御基板73に出力して、液晶表示器27において実行していたバトル演出を終了した後に、「AT当選」といったメッセージを表示させる結果報知演出を実行するための処理を含む。これにより、AT当選を遊技者に報知することができる。AT当選報知は、CZの遊技回数を消化したときに行う。このため、CZの遊技回数を消化するまでの間においてAT当選していることに対する期待感を抱かせることができる。AT当選報知が行われたときに、有利期間報知ランプ80を点灯させる。
また、有利期間設定処理では、AT当選報知を行ったときには、AT移行抽選において決定されたATゲーム数を残りATゲーム数カウンタに設定するとともにATフラグを設定してATに制御する。また、有利期間設定処理では、1遊技が実行される毎に有利期間カウンタを1加算する。また、有利期間設定処理では、AT当選報知を行った後、ATへの制御が開始されてから1遊技が実行される毎に残りATゲーム数カウンタを1減算する。
AT中における有利期間設定処理では、所定の上乗せ抽選条件(例えば、「押し順ベル」当選時、「1枚役」当選時、「ボーナス1」または「ボーナス2」当選時など)が成立したときに、ATゲーム数に上乗せするための上乗せ抽選を行う。また、AT中における有利期間設定処理では、有利期間を終了させる条件が成立しているときに、ATフラグを消去しATを含む有利期間を終了させて通常期間に制御する。AT中において有利期間を終了させる条件は、例えば、図8(b)に示すように、残りATゲーム数カウンタ=0となるか、有利期間カウンタ=0となるか、有利期間における累計数の最下値を基点(0)として該基点からの現在の累計数が2400を超えることにより成立する。AT中において有利期間を終了させる条件が成立して通常期間に移行するときに、有利期間報知ランプ80は消灯する。
有利期間設定処理では、遊技状態設定処理および有利期間設定処理により設定された結果、次回以降の遊技がいずれの遊技状態であるのか、通常期間、有利期間のうちの有利一般(有利一般ゲーム数カウンタの値を含む)、有利期間のうちのCZ(CZゲーム数カウンタの値を含む)、有利期間のうちのAT(残りATゲーム数カウンタの値を含む)のうちのいずれであるのかなどを特定可能な状態コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においては、次回以降の状態に応じた演出を実行可能となる。有利期間設定処理が終了すると、S100の賭数設定処理に移行して次回の遊技に備える。スロットマシン1は、1遊技毎にS100〜S700の処理を繰り返し実行する。また、メインCPU61は、スロットマシン1においてエラーが発生しているか否かを判定し、エラーが発生していると判定したときには当該エラーの種類を特定可能なエラーコマンドを出力する。
ここで、図5のS300の有利期間関連処理のうちAT中に実行される処理について、図9等を用いて説明する。図9は、有利期間関連処理のうちAT中に実行されるAT中処理の一例を説明するための図である。メインCPU61は、ATフラグが設定されているときには有利期間関連処理のうちのAT中処理を実行する。
SA01においては、有利期間カウンタの値を1減算する。有利期間カウンタは、前述の通り、予め定められた有利期間に制御可能な上限期間を特定するためのカウンタである。図9では、ATフラグが設定されているAT中における有利期間カウンタの更新処理を示しているが、有利期間が開始されてから終了するまでの間、つまりATフラグが設定されているAT中のみならず、有利一般中や、CZ中、有利期間中に当選したRBB中、当該RBB終了後から再び「有利RT」に移行されるまでの間などにおいても1遊技毎に有利期間カウンタの値を1減算するための処理が実行される。
SA02においては、残りATゲーム数カウンタの値を1減算する。残りATゲーム数カウンタの値は、ATフラグが設定されているAT中の1遊技毎に1減算され、有利期間中に当選したRBB中やAT中に当選したRBB終了後から再び「有利RT」に移行されるまでの間においては遊技が行われたとしても更新されない。なお、SA01およびSA02に示すような減算方式に限らず、例えば1遊技毎に残りATゲーム数カウンタおよび有利期間カウンタを1加算して、当該カウント値が所定値(獲得しているATゲーム数、1500)に到達したか否かにより行うもの(加算方式)であってもよい。
SA03においては、所定の上乗せ抽選条件が成立したか否かを判定する。所定の上乗せ抽選条件が成立していると判定されなかったときには、SA07に移行する。一方、所定の上乗せ抽選条件が成立していると判定されたときには、SA04において上乗せ抽選処理を実行する。SA04において上乗せ抽選処理は、SA01やSA02において更新される有利期間カウンタの値や残りATゲーム数カウンタの値にかかわらず、上乗せ抽選条件が成立したときに実行される。このため、残りATゲーム数カウンタの値が有利期間カウンタの値以上となるゲーム数が上乗せされたとしても実質的に利益が付与され得ない状況であるか否かなどの判断処理を行うことなく、上乗せ抽選条件が成立したときには一律に上乗せ抽選処理を実行するため、処理負担が増大してしまうことを防止できる。
上乗せ抽選処理は、図10に示す上乗せ抽選用テーブルを参照して行われる。上乗せ抽選用テーブルは、ROM67に記憶されている。上乗せ抽選用テーブルは、成立した上乗せ抽選条件に応じた割合に従って上乗せ抽選が行われるように定められている。上乗せ抽選条件としては、押し順ベル当選、1枚役当選、およびボーナス役当選が定められている。
押し順ベル当選により上乗せ抽選条件が成立したときには、95%の割合で上乗せ非当選となるが、残り5%のうち図10に示す割合で「10」「20」「50」「100」のいずれかが上乗せするATゲーム数である上乗せゲーム数に決定される。1枚役当選により上乗せ抽選条件が成立したときには、30%の割合で上乗せ非当選となるが、残り70%のうち図10に示す割合で「10」〜「150」のいずれかが上乗せゲーム数に決定される。また、ボーナス役当選により上乗せ抽選条件が成立したときには、必ず上乗せ当選となり、図10に示す割合で「10」〜「150」のいずれかが上乗せゲーム数に決定される。このように、成立した上乗せ抽選条件の種類によって上乗せ当選する割合、および上乗せゲーム数として多いゲーム数に決定される割合が異なるため、いずれの上乗せ抽選条件が成立するかに遊技者を注目させることができる。
上乗せ抽選は、役抽選のために抽出した抽出値を用いて一括して行う(一括抽選方式)。例えば、「1枚役」当選となる判定値については、図10に示す「1枚役当選」に対応する振分率となるように判定値が定められており、抽出値がいずれに属するかによって上乗せ抽選を行う。上乗せ抽選は、1遊技の終了時に行うが、これに限らず、内部抽選処理における役抽選の際に一括して行うものであってもよい。なお、上乗せ抽選は、役抽選の結果に応じて行うものであれば一括抽選方式に限らず、例えば、役抽選において「1枚役」に当選したときに、上乗せ抽選用の乱数を別途抽出して、当該乱数を用いて上乗せ抽選を行うものであってもよい。
図9に戻りSA05では、上乗せ抽選において上乗せ当選したか否かが判定される。上乗せ当選したと判定されなかったときには、SA07へ移行する。一方、上乗せ当選したと判定したときには、SA06において現在の残りATゲーム数カウンタの値に上乗せ抽選において決定された上乗せゲーム数の値を加算する。これにより、残りATゲーム数カウンタの値は、上乗せゲーム数分だけ増加する。SA07においては、上乗せされたATゲーム数を特定可能な上乗せゲーム数コマンドを出力設定する。なお、上乗せされていない場合には、「0」を特定可能な上乗せゲーム数コマンドが出力設定される。
SA08においては、残りATゲーム数カウンタの値であって残りATゲーム数を特定可能な残りATゲーム数コマンドが出力設定される。SA04における上乗せ抽選処理の結果、SA06においてATゲーム数が上乗せされたときには、上乗せ後の残りATゲーム数を特定可能な残りATゲーム数コマンドが出力設定される。また、SA09においては、有利期間カウンタの値であって有利期間の上限回数までの残り上限ゲーム数を特定可能な残り上限ゲーム数コマンドが出力設定され、AT中処理を終了する。SA08およびSA09によりコマンドが出力されることにより、サブ制御基板73側においては、AT中における残りATゲーム数や、有利期間の上限回数までの残りゲーム数を特定可能となる。サブ制御基板73側においては、SA07、SA08、およびSA09などに例示されるメイン制御基板63から出力されるコマンドに基づき所定の演出を実行する。
次に、図11および図12等を参照して、図5のS700の有利期間設定処理のうち有利期間中に実行される処理について説明する。図11は、有利期間設定処理において有利期間中に実行される処理のうち、累計数を特定するための累計数カウンタを更新するための累計数カウンタ処理の一例を説明するための図である。また、図12は、有利期間設定処理において有利期間中に実行される処理のうち、有利期間の終了判定を行うための終了判定処理の一例を説明するための図である。メインCPU61は、有利期間中の有利期間設定処理において、累計数カウンタ処理を実行し、その後における処理として終了判定処理を実行する。
累計数カウンタ処理では、まず、SA11において、今回の遊技(今回終了した遊技)で再遊技役のいずれかに入賞したか否かを判定する。再遊技役のいずれかに入賞していると判定されたときには、SA13へ移行する。再遊技役のいずれにも入賞していないと判定されたときには、SA12において累計数カウンタに今回の遊技において払い出された(あるいはクレジット加算された)メダルの払出数を加算する。例えば、小役に入賞したときには、当該小役に対応する払出数が加算され、小役に入賞しなかったときには、払出数が「0」であるため加算更新されない。これにより、今回の遊技において小役に入賞しなかったとき(再遊技役入賞、あるいはボーナス役入賞したときを含む)には累計数カウンタが更新されず、小役入賞していたときに当該小役に対応する払出数が累計数カウンタに加算更新される。
SA13においては、前回の遊技(今回終了した遊技のひとつ前の遊技)で再遊技役のいずれかに入賞していたか否かを判定する。つまり、今回の遊技が、再遊技役の入賞に伴う遊技であったか否かを判定する。SA13において前回の遊技で再遊技役のいずれかに入賞することにより行われた遊技であると判定されたときには、SA15へ移行する。一方、SA13において前回の遊技で再遊技役のいずれも入賞しておらず、今回の遊技が遊技者所有のメダル(クレジットを含む)を用いて賭数設定されて行われた遊技であると判定されたときには、SA14において累計数カウンタから今回の遊技に設定された賭数(投入枚数)を減算する。例えば、遊技者所有のメダルあるいはクレジットを用いて賭数として「3」が設定されて今回の遊技が行われていたときには、累計数カウンタの値から「3」を減算する。これにより、今回の遊技が再遊技役入賞に伴う遊技であったときには累計数カウンタが更新されず、投入操作(最大ベットスイッチ操作、メダル投入等)により賭数設定されて行われた遊技であったときには当該賭数を累計数カウンタから減算更新される。
なお、図11においては、SA11およびSA13において、再遊技役の入賞が判定されたときには、SA12における加算処理あるいはSA14における減算処理を行わない例を示している。しかし、SA11およびSA13を行うことなく、例えば、SA12およびSA14において再遊技役に入賞していたときには0を加算する加算処理あるいは0を減算する減算処理を行う(つまり、加算処理あるいは減算処理を行うものの、実質的に累計数カウンタの値が更新されない)ようにしてもよい。なお、SA12における加算処理あるいはSA14における減算処理を行わない場合であっても、SA12およびSA14において再遊技役に入賞していたときには0を加算する加算処理あるいは0を減算する減算処理を行う場合であっても、後述する図12のSA22における判定処理(累計数の上限到達判定)を行う。
SA15においては、累計数カウンタの値が0以下の値であるか否かを判定する。累計数カウンタの値が0以下であると判定されなかったときには、累計数カウンタの値が正の値であり、当該有利期間における現時点の累計数が最低となる最下値ではないため、そのまま累計数カウンタ処理を終了する。一方、累計数カウンタの値が0以下であると判定されたときには、累計数カウンタの値が0か負の値であり、現時点の累計数が今回の有利期間において最低となる最下値であるため、SA16において累計数カウンタをクリア(0設定)する。これにより、有利期間における累計数が最下値となる毎にゼロクリアされて、当該時点における累計数を基点として、当該時点から増えたメダル枚数を以降の累計数から特定することができる。なお、SA15においては、累計数カウンタの値が0以下の値であるか否かを判定するものに限らず、累計数カウンタの値が0未満(負の値)であるか否かを判定するようにしてもよい。また、SA17においては、現在の累計数カウンタの値を特定可能な累計数コマンドを出力設定し、累計数カウンタ処理を終了する。累計数コマンドが出力されることにより、サブ制御基板73側においては、累計数を特定可能となる。サブ制御基板73側においては、特定した累計数に基づき所定の演出を実行可能となる。
次に、終了判定処理を説明する。終了判定処理では、まずSA21において有利期間カウンタの値が0であるか否かを判定する。有利期間カウンタの値は、図9のSA01等で説明したように、有利期間において遊技が行われる毎に1減算される。SA21においては、減算の結果、有利期間の値が0となり、今回の遊技で有利期間の上限に到達したか否か、つまり有利期間を終了させる条件のうちの第1の条件の成否を判定する。SA21において有利期間カウンタの値が0であると判定されたときには、第1の条件が成立しているときであるためSA26へ移行する。
一方、SA21において有利期間カウンタの値が0であると判定されなかったときには、SA22において累計数カウンタの値が2400に到達したか否かを判定する。累計数カウンタの値は、図11で示した累計数カウンタ処理において更新される。SA22においては、更新の結果、累計数カウンタの値が2400に到達し、今回の遊技で有利期間の上限に到達したか否か、つまり有利期間を終了させる条件のうちの第2の条件の成否を判定する。なお、第2の条件は、累計数カウンタの値が2400を超えたときに成立する条件であってもよく、この場合、SA21においては、累計数カウンタの値>2400であるか否かを判定するようにしてもよい。SA22において累計数カウンタの値が2400以上であると判定されたときには、第2の条件が成立しているときであるためSA26へ移行する。
SA22において累計数カウンタの値が2400以上であると判定されなかったときには、SA23において有利期間のうちAT中であるか否かを判定する。なお、SA22の判定は、例えば、図11のSA12およびSA14が行われなかった場合、つまり、図11のSA11あるいはSA13においてYESと判定されたときであっても実行される。このため、再遊技役の入賞にかかわらず、処理を共通化することができる。SA23においてAT中であると判定されたときには、SA24において残りATゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判定する。残りATゲーム数カウンタの値は、図9のSA02等で説明したように、AT中において遊技が行われる毎に1減算される。SA24において残りATゲーム数カウンタの値が0であると判定されたときには、第5の条件が成立しているときであるためSA26へ移行する。
一方、SA23においてAT中であると判定されなかったときには、SA25へ移行して、有利期間を終了させる条件のうちの、有利一般中において成立し得る第3の条件かCZ中において成立し得る第4の条件が成立したか否かを判定する。SA25において第3の条件および第4の条件のいずれについても成立しているとは判定されなかったときは、有利期間を終了させる条件が成立していないため、そのまま終了判定処理を終了する。これにより、有利期間への制御が継続される。
これに対して、SA25において第3の条件および第4の条件のいずれかが成立していると判定されたときには、SA26へ移行する。SA26においては、有利期間を終了させるための有利期間終了処理を行って終了判定処理を終了する。有利期間終了処理では、有利期間に関する各種カウンタ(有利期間カウンタ、累計数カウンタ等を含む)や各種フラグ(ATフラグ、CZフラグ等を含む)など、当該有利期間中の遊技の進行に応じて更新されるとともに当該遊技の進行に用いた遊技用データを初期化する。また、有利期間終了処理では、初期化する直前の遊技用データを特定可能なコマンドを出力設定する。これにより、有利期間を終了させることができるとともに、終了した有利期間における遊技用データが以降におけるメインCPU61による遊技制御に引き継がれてしまうことを防止できる。また、サブ制御基板73側においては、有利期間における各種の遊技用のデータを特定して各種演出に反映させることが可能となる。
<演出制御処理>
サブCPU71は、メイン制御基板63からのコマンドに基づいて、ROM77に記憶されている演出制御プログラムを実行し、遊技の進行に応じて演出実行の有無および種類を乱数抽選により決定する演出抽選を行い、その抽選結果に基づいてサブ制御基板73に接続された液晶表示器27、スピーカ31L、31R、および各種ランプ・LEDなどの演出手段を駆動制御するための演出制御処理を行う。演出制御処理により実行される演出例を以下に説明する。
(当選役グループに関する演出)
演出制御処理では、役抽選において当選した当選役グループの種別を特定可能な当選種別コマンドを受信したときには、当選役グループの種別に応じた演出を実行可能となる。演出制御処理は、当選種別コマンドを受信したことに基づいて、例えば、「RBB」の当選種別コマンド受信時は「ボーナス確定!」などを含む確定画面を液晶表示器27に表示する演出や、「押し順ベル」を特定可能な当選種別コマンドに基づいてベルと類似色の「黄色い風船」の画像を液晶表示器27に表示する演出を実行する。これにより、遊技者は当選した当選役グループを推測しながら遊技を進行させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、演出制御処理では、AT中に有利操作態様を特定可能な有利操作態様コマンドを受信したときには、当該コマンドから特定される有利操作態様を特定可能な画像を液晶表示器27に表示する演出を実行する。これにより、AT中において「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選したときに正解手順で停止操作を行って、確実に「BEL」を入賞させることが可能となる。また、「有利RT」かつAT中であるART中は、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選したときでも「BEL」を入賞させることができるため、通常移行出目が停止してしまい「通常RT」に転落してしまうことを確実に防止できる。なお、有利操作態様を特定可能な画像は、ナビ演出ともいう。
(各種条件に関連する演出)
前述したとおり、S300の有利期間関連処理においては、所定の有利期間移行条件、所定のCZ移行抽選条件、所定のAT移行抽選条件、有利期間を終了させる条件各々を成立させ得る状況となったときに条件関連コマンドがサブ制御基板73に出力される。
演出制御処理では、例えば、有利期間のうち有利一般においてCZ移行抽選条件が成立してCZ当選したときに、液晶表示器27等において所定演出として連続演出を実行する。また、連続演出が実行された後においてCZに移行されるときには、CZ中の背景画面を表示するとともに、連続演出に引続く特定演出として、バトル演出を実行する。バトル演出は、例えばCZゲーム数を消化する間に亘って行われる演出である。CZゲーム数を消化したときには、バトル演出を終了した後、AT抽選の結果に応じてATに移行されるか否かの結果を示唆する結果報知演出を実行する。
また、演出制御処理では、AT中においては、液晶表示器27の表示領域において、AT中の背景画面を表示する。AT中の背景画面では、残りATゲーム数および当該AT中における純増枚数を表示する。残りATゲーム数とは、ATに制御可能となる旨が報知された遊技回数を特定するための残りATゲーム数カウンタの値をいう。また、純増枚数とは、予め定められた純増枚数算出期間において、実際に付与されたメダル枚数から賭数設定に用いたメダル枚数を差し引いたメダル枚数をいう。純増枚数算出期間とは、ATに制御されかつ有利RTに制御されてARTが開始されてから、有利期間(CZおよびATを含む)が終了することにより所定の終了条件が成立するまでの期間をいう。以下では、純増枚数表示に関連する処理および表示例について説明する。
(純増枚数表示関連について)
演出制御処理は、AT中において純増枚数を表示するための純増枚数表示処理として、図13および図14各々に示す処理を含む。図13は、賭数が設定(BET、再遊技役入賞による自動BETを含む)されて1遊技が開始されたときに実行される純増枚数表示処理を説明するためのフローチャートである。図14は、メダルが付与されたときに実行される純増枚数表示処理を説明するためのフローチャートである。サブCPU71は、ベットコマンドを受信したときに図13の純増枚数表示処理を実行し、払出コマンドを受信したときに図14の純増枚数表示処理を実行する。以下において、図13および図14を参照して純増枚数表示処理について説明する。
まず、SB01においては、純増枚数算出期間であるか否かが判定される。つまり、ATに制御されかつ有利RTに制御されてARTが開始されてから、図8(b)で示す条件が成立して有利期間が終了するまでの期間であるか否かが判定される。純増枚数算出期間は、一旦ARTに制御されると、例えばRBB当選あるいはRBB制御によっては終了せず、図8(b)で示す条件が成立して通常期間に制御されるまで継続する。純増枚数算出期間であるか否かは、例えばメインCPU61から出力されるコマンドに基づき特定される。
SB01において純増枚数算出期間であると判定されなかったときには、純増枚数を表示することなく、そのまま純増枚数表示処理を終了する。一方、SB01において純増枚数算出期間であると判定されたときには、SB02において前回の遊技(今回終了した遊技のひとつ前の遊技)で再遊技役のいずれかに入賞していたか否かを判定する。SB02において前回の遊技で再遊技役のいずれかに入賞することにより行われた遊技であると判定されたときには、SB04へ移行する。一方、SB02において前回の遊技で再遊技役のいずれも入賞しておらず、今回の遊技が遊技者所有のメダル(クレジットを含む)を用いて賭数設定されて行われた遊技であると判定されたときには、SB03において、純増枚数から賭数(つまりベット数)を減算する。なお、純増枚数は、RAM75の所定領域において更新可能に記憶されている。賭数は、メインCPU61から出力されるベットコマンドに基づき特定される。
SB04においては、確定画面表示中または終了テロップ表示中(終了テロップフラグセット中)であるか否かが判定される。確定画面とは、RBB1またはRBB2のいずれかに当選している旨を報知する画面であり、例えば液晶表示器27に「ボーナス確定!」といったメッセージなどを表示する画面をいう。サブCPU71は、「RBB」に当選していることを特定可能な当選種別コマンドを受信したときに、遊技を何回消化後に確定画面を表示するか決定(表示タイミング決定)し、当該タイミングに到達したときに確定画面を表示する。
また、終了テロップ表示とは、累計数コマンドから特定される累計数が上限である2400まで所定数(例えば30)未満となる所定累計数(例えば、2370)に到達するか、有利期間カウンタが上限(0。まもなく1500回遊技を消化。)の直前となる数値(例えば、5)に到達することにより、まもなく有利期間を終了させる条件のうちの第1の条件または第2の条件が成立する旨を報知する表示である。終了テロップ表示は、液晶表示器27において、まもなく成立する条件に応じたメッセージを表示する。サブCPU71は、累計数カウンタや有利期間カウンタの値を特定するためのコマンドに基づき、終了テロップ表示を行うタイミングであるか否かを判定し、当該タイミングに到達したときに終了テロップを表示する。
AT中において確定画面あるいは終了テロップが表示されると純増枚数の表示を一旦終了する。なお、確定画面が表示されているときには、残りATゲーム数の表示も一旦終了するとともに、残りATゲーム数の減算も一旦停止される。確定画面が表示された後は、RBBに制御されたときに純増枚数の表示が再開され、RBB終了後において有利RTに制御されるまでの初期RTおよび通常RTなどの準備期間においてもAT中となるため更新表示される。一方、残りATゲーム数については、RBB終了後の準備期間中においても表示はするものの、減算更新表示はされない。また、減算更新表示がされないことが遊技者に特定できるように、純増枚数の表示部分や数字をグレーアウトさせたり、純増枚数の表示部分に「HOLD」等の表記を重ねたりしてもよい。準備期間中は、有利RTであるときと比較して、再遊技役の当選確率が低確率となっており遊技者所有のメダルが減少するために、ATゲーム数が減算されないように定められているからである。残りATゲーム数の減算表示は、準備期間を経過して有利RT(ART)に制御されてから再開されることになる。終了テロップの表示は、累計数が上限である2400に到達するか、有利期間カウンタが上限となる0に到達することにより有利期間が終了する際に終了テロップフラグがクリアされることにより終了する。なお、終了テロップの表示を終了するときにおいて有利期間中に開始されたRBBに継続して制御されているときには、当該RBB中における純増枚数が継続して表示される。
図13に戻りSB04において確定画面表示中または終了テロップ表示中であると判定されなかったとき(いずれも表示されていないとき)には、SB05において、現在がAT中あるいはRBB中のいずれかであるか否かが判定される。なお、AT中には、ART中のみならず、ARTが一旦開始された後におけるAT+準備状態中をも含む。SB05において、現在がAT中あるいはボーナス中であると判定されたときには、SB06において、液晶表示器27での純増枚数表示をSB03において減算後の純増枚数に更新する。
一方、SB04において確定画面表示中または終了テロップ表示中であると判定されたとき、あるいはSB05においてAT中でもRBB中でもないと判定されたときには、SB07において純増枚数表示を非表示にする。つまり純増枚数を表示しないように制御する。これにより、純増枚数は、純増枚数算出期間中であって確定画面も、累計数に基づく終了テロップも表示されておらず、かつAT中あるいはRBB中であるときに液晶表示器27に表示される。
次に、図14の純増枚数表示処理について説明する。SB08においては、純増枚数算出期間であるか否かが判定され、純増枚数算出期間でないと判定されたときには、純増枚数を表示することなく、そのまま純増枚数表示処理を終了する。一方、SB08において純増枚数算出期間であると判定されたときには、SB09において、今回の遊技(今回終了した遊技)で再遊技役のいずれかに入賞したか否かを判定する。再遊技役のいずれかに入賞していると判定されたときには、SB11へ移行する。再遊技役のいずれにも入賞していないと判定されたときには、SB10において純増枚数に払出枚数を加算する。払出枚数は、メインCPU61から出力される払出コマンドに基づき特定される。図13のSB03および図14のSB10により、純増枚数算出期間における純増枚数が算出される。
SB11においては、終了テロップフラグが設定されているか否かを判定する。終了テロップフラグとは、終了テロップを表示するためのフラグであって、SB13においてセットされる。SB11において終了テロップフラグが設定されていると判定されたときには、すでに終了テロップフラグが設定されているため、累計数を判定することなく、純増枚数表示処理を終了する。一方、SB11において終了テロップフラグが設定されていると判定されなかったときには、SB12において累計数が2370に到達したか否かを判定する。累計数は、メインCPU61からの累計数コマンドに基づき特定される。なお、SB12においては、累計数が2370を超えたか否か(累計数>2370?)を判定するものであってもよい。SB12においては、AT中においてRBBに当選したRBB内部当選状態であるかや、RBB中であるかにかかわらず、同じ数値(つまり2370)に基づいて判定を行う。SB12において累計数が2370に到達したと判定されたときには、SB13に移行する。
SB13においては、対応する終了テロップを表示するための終了テロップフラグをセットする。累計数が2370に到達したと判定されたときの終了テロップとしては、液晶表示器27において例えば「まもなく、有利期間上限の2400枚に到達します」といったメッセージを表示する。なお、終了テロップの表示は、その後の累計数にかかわらず(例えば2370を下回ったか否か等にかかわらず)、有利期間の終了に伴って終了テロップフラグが消去されるまで継続し、有利期間が終了したときに表示を終了する。なお、終了テロップフラグがセットされているときであっても、RBB中においては、RBBに対応する演出および純増枚数表示等が行われるため、終了テロップが表示されない。また、特定演出としての終了テロップの表示態様は、このようなテロップ表示に限らず、メッセージを字幕表示(あるいはスクロール表示)するようにしてもよく、また、液晶表示器27の表示領域全面を用いて表示するものであってもよい。本実施形態では、SB12において累計数が2370に到達していると判定されたことを契機として、終了テロップが表示される。
SB14においては、累計数が2370到達により終了テロップを表示する場合、純増枚数算出期間中における純増枚数の表示を非表示にして純増枚数表示処理を終了する。これにより、累計数が2370に到達することによる終了テロップ表示中においては、純増枚数算出期間中における純増枚数を表示しないように制御する。その結果、累計数の上限である2400枚以上(2400に1遊技の最大払出枚数を加算した値)が純増枚数として表示されることを防止できる。本実施形態において純増枚数を非表示とするための処理は、SB12において累計数が2370に到達していると判定されたことを契機として実行されているといえ、また、SB13において終了テロップフラグが設定されて終了テロップが表示されることを契機として実行されているということもできる。
なお、図14においては、サブCPU71が、累計数を判定し(SB12)、累計数が2370に到達していると判定したときにSB13およびSB14を行うことにより、終了テロップの表示と純増枚数算出期間中における純増枚数の非表示とを指示するための表示制御用コマンドを液晶表示器27に出力し、当該表示制御用コマンドに基づいて液晶表示器27の表示制御部が、終了テロップを表示するとともに純増枚数算出期間中における純増枚数を非表示とする例について説明した。しかし、例えば、サブCPU71が、SB13を行うことにより、終了テロップの表示を指示するための表示制御用コマンドのみを液晶表示器27に出力することにより、当該表示制御用コマンドに基づいて液晶表示器27の表示制御部が、終了テロップを表示し、当該終了テロップを表示することに合せて(終了テロップを表示すると判定したときにはこれに合せて)純増枚数算出期間中における純増枚数を非表示とするようにしてもよい。
SB12に戻り、累計数が2370に到達したと判定されなかったときには、SB15に移行する。SB15においては、確定画面表示中であるか否かが判定される。SB15において確定画面表示中であると判定されなかったときには、SB16において、現在がAT中あるいはRBB中のいずれかであるか否かが判定される。なお、AT中には、ART中のみならず、ARTが一旦開始された後におけるAT+準備状態中をも含む。SB16において現在がAT中あるいはRBB中であると判定されたときには、SB17において純増枚数が設定済のOVER表示枚数に到達しているか否かが判定される。
図15(a)は、OVER表示枚数およびOVER表示の表示態様を説明するための図である。OVER表示枚数とは、500、1000、1500、2000といったように、500枚毎に段階的に定められた値をいう。AT中あるいはボーナス中においては、図13のSB03および図14のSB10により算出された純増枚数に応じて、図15に示すOVER表示枚数のうち次に目指すべきOVER表示枚数が設定される。例えば、純増枚数が500に到達していないときには、「500」がOVER表示枚数として設定され、純増枚数が500に到達したものの1000に到達していないときには、「1000」がOVER表示枚数として設定される。OVER表示枚数は、RAM75の所定領域に格納され、初期値として「500」が設定され、以降は後述するSB21において次の段階の値が設定される。
図14に戻りSB17において、純増枚数が設定済のOVER表示枚数に到達していると判定されなかったときには、SB22において、液晶表示器27での純増枚数表示をSB10において加算後の純増枚数に更新する。一方、SB17において、純増枚数が設定済のOVER表示枚数に到達していると判定されたときには、SB18において、対応するOVER表示の実行フラグをセットする。OVER表示とは、設定済のOVER表示枚数に算出された純増枚数が到達した旨を報知するための表示である。サブCPU71は、実行フラグがセットされることにより、液晶表示器27においてOVER表示を実行するための処理を行う。図15(a)の表示態様の欄に示すように、OVER表示の表示用データとしては、ROM77において、「1500」までは通常態様(赤色の文字等)の表示用データが記憶されており、予め定められた大台となる「2000」はレインボー態様(レインボー柄の文字等)の表示用データが記憶されている。よって、「1500」までのOVER表示は、通常態様で表示され、「2000」のOVER表示は、レインボー態様で表示される。
SB19においては、到達したOVER表示枚数が「2000」のOVER表示枚数であったか否かが判定される。「2000」であると判定されなかったときには、SB21へ移行する。一方、「2000」であると判定されたときには、SB20においてレインボーフラグをRAM75の所定領域にセットする。レインボーフラグとは、純増枚数表示等の所定演出の表示態様をレインボー柄で表示するためのフラグである。純増枚数表示等の所定演出は、レインボーフラグがセットされていないときには通常態様(赤色の文字等)で表示され、レインボーフラグがセットされているときにはレインボー態様(レインボー柄の文字等)で表示される。純増枚数表示等の所定演出とは、純増枚数表示、およびATやボーナスなどが終了する際の終了画面(エンディング演出ともいう)を含む。純増枚数表示等の所定演出は、図15(b)に示すように、算出された純増枚数が「2000」に到達するまでは通常態様で表示され、算出された純増枚数が「2000」に到達した後においてはレインボー態様で表示される。
SB21においては、現在設定済のOVER表示枚数に対して次の段階のOVER表示枚数を設定する。例えば、設定済のOVER表示枚数が「500」であるときには、「1000」が次の段階のOVER表示枚数として設定され、設定済のOVER表示枚数が「1000」であるときには、「1500」が次の段階のOVER表示枚数として設定される。このように、算出された純増枚数が設定済のOVER表示枚数に一旦到達したと判定されると、次の段階のOVER表示枚数が設定される。このため、例えば、純増枚数が「500」到達により一旦「500」のOVER表示が行われた後に、遊技者所有のメダルが減少して「500」未満となった後に再度「500」に到達したとしても、SB17においてYESと判定されず、再度「500」のOVER表示が行われてしまうようなことを防止できる。
SB22においては、液晶表示器27での純増枚数表示をSB10において加算後の純増枚数に更新する。ROM77には、純増枚数を表示するための表示データとして、通常態様用の表示データと、レインボー態様用の表示データとが各々格納されている。よって、SB22では、レインボーフラグがセットされていないときには通常態様用の表示データを用いて純増枚数表示を更新し、レインボーフラグがセットされているときにはレインボー態様用の表示データを用いて純増枚数表示を更新する。
一方、SB15において確定画面表示中であると判定されたとき、あるいはSB16においてAT中でもRBB中でもないと判定されたときには、図13のSB07において既に純増枚数表示が非表示になっているため、純増枚数を表示することなく、純増枚数表示処理を終了する。
図13および図14では、純増枚数算出期間中における純増枚数を算出して表示する例について説明した。次に、RBB中における純増枚数を算出して表示する例について説明する。図16(a)は、RBB中において賭数が設定されて1遊技が開始されたときに実行されるRBB中純増枚数表示処理を説明するためのフローチャートであり、図16(b)は、RBB中においてメダルが付与されたときに実行される純増枚数表示処理を説明するためのフローチャートである。サブCPU71は、ベットコマンドを受信したときに図16(a)のRBB中純増枚数表示処理を実行し、払出コマンドを受信したときに図16(b)のRBB中純増枚数表示処理を実行する。
まず、図16(a)のRBB中純増枚数表示処理を説明する。SB23においては、RBB中であるか否かが判定される。SB23においてRBB中であると判定されなかったときには、RBB中における純増枚数を表示することなく、そのままRBB中純増枚数表示処理を終了する。一方、SB23においてRBB中であると判定されたときには、SB24においてRBB中における純増枚数から今回遊技の賭数(つまりベット数)を減算する。RBB中における純増枚数は、RAM75の所定領域において更新可能に記憶されている。SB25においては、液晶表示器27でのRBB中における純増枚数表示をSB24において減算後の純増枚数に更新して、RBB中純増枚数表示処理を終了する。
次に、図16(b)のRBB中純増枚数表示処理を説明する。SB26においては、RBB中であるか否かが判定される。SB26においてRBB中であると判定されなかったときには、RBB中における純増枚数を表示することなく、そのままRBB中純増枚数表示処理を終了する。一方、SB26においてRBB中であると判定されたときには、SB27においてRBB中における純増枚数に払出枚数を加算する。SB28においては、液晶表示器27でのRBB中における純増枚数表示をSB27において加算後の純増枚数に更新して、RBB中純増枚数表示処理を終了する。
SB23およびSB26におけるRBBには、例えば、AT中でないときに制御されているRBBのみならず、純増枚数算出期間中に制御されているBBや、終了テロップ表示中に制御されているRBBも含まれる。よって、RBB中における純増枚数は、例えば、純増枚数算出期間中においては当該純増枚数算出期間中における純増枚数とともに表示され、終了テロップ表示中においては当該RBB中における純増枚数のみが表示されることになる。例えば、純増枚数算出期間中におけるRBB中においては、後述するように(図22(c)等)、純増枚数算出期間中における純増枚数と、RBB中における純増枚数とが表示されるが、終了テロップフラグがセットされており終了テロップが表示されているときにおけるRBB中においては当該RBB中における純増枚数のみが表示されることになる。なお、終了テロップは、RBB中に対応する純増枚数を含む演出よりも優先度が高いレイヤにおいて表示するようにしてもよく、また、RBB中においては液晶表示器27の例えば左上領域において通常よりも小さい態様で表示するようにしてもよい。また、終了テロップフラグがセットされているときであっても、RBB中においては、終了テロップフラグに基づき終了テロップが所定期間(例えば5秒間、あるいは1遊技消化する間)表示されていることを条件として、終了テロップを非表示としてもよい。なお、RBB中において液晶表示器27に表示する払出に関する情報として純増枚数を算出して表示する例について説明するが、これに限らず、払出されたメダル枚数や、RBB終了となるまでの残り払出枚数などであってもよい。
次に、ATまたはボーナスが終了するとき、および純増枚数算出期間が終了するときの処理について説明する。図17は、ATまたはボーナスの終了に際して終了画面を表示するための終了画面処理を説明するためのフローチャートである。
SB30においては、ATまたはボーナスが終了したか否かが判定される。ATもボーナスも終了していないと判定されたときには、そのまま終了画面処理を終了する。一方、SB30においてATまたはボーナスのいずれかが終了していると判定されたときには、SB31においてレインボーフラグがセットされているか、あるいは累計数に基づく終了テロップフラグがセットされているかが判定される。SB31においてレインボーフラグもセットされていると判定されず、かつ累計数に基づく終了テロップフラグもセットされていると判定されなかったときには、SB32において終了画面として通常態様で遊技結果を表示する。これに対し、SB31においてレインボーフラグあるいは累計数に基づく終了テロップフラグがセットされていると判定されたときには、SB33において累計数に基づく終了テロップフラグがセットされているか否かが判定される。累計数に基づく終了テロップフラグがセットされていると判定されたときには、SB34において終了画面として累計数に基づく終了テロップ表示時の態様で遊技結果を表示する(図24、図25を用いて後述する)。一方、SB33において累計数に基づく終了テロップフラグがセットされていると判定されなかったときには、SB35において終了画面としてレインボー態様で遊技結果を表示する。
通常態様あるいはレインボー態様での遊技結果としては、ATが終了したときには、純増枚数算出期間において算出された純増枚数と、純増枚数算出期間のうちATに制御されていたATゲーム数とが表示される。また、ボーナスが終了したとき(有利期間中に開始されたが当該有利期間終了後に終了するボーナスを含む)には、ボーナス中に獲得したメダル数が表示される。また、AT中に制御されたボーナス終了時の遊技結果としては、ボーナス中に獲得したメダル数の他、純増枚数算出期間において算出された純増枚数が表示された後に、ATの再開が報知される。
これに対して、終了テロップ表示時の態様での遊技結果としては、ATが終了したときには、純増枚数算出期間において算出された純増枚数を表示せずに、純増枚数算出期間のうちATに制御されていたATゲーム数のみが表示される。また、AT中に当選あるいは制御されたRBB中において、終了テロップが表示された後に当該RBBが終了したときの遊技結果としては、純増枚数算出期間において算出された純増枚数を表示せず、当該RBB中における純増枚数のみが表示される。つまり、純増枚数算出期間における純増枚数とRBB単体における純増枚数を合算した値を表示されずに、RBB単体における純増枚数が表示されることとなる。
次に、演出制御処理のうち、各種データを更新するための各種データ更新処理について説明する。図18は、各種データ更新処理の一例を説明するための図である。各種データには、サブCPU71により実行する演出の種類や内容を決定する際に用いる演出データ、および遊技者の遊技履歴を蓄積するための携帯連動サービスの提供に用いる遊技履歴データを含む。サブCPU71は、例えば、1遊技が終了する毎、および携帯連動サービス(遊技履歴の蓄積)を終了するための操作を受け付けたときに各種データ更新処理を実行する。
各種データ更新処理では、まず、SB40において終了した遊技の進行(例えば、遊技結果)に応じて、演出データを更新する。各種データ更新処理において更新(特定)される演出データには、遊技が実行された回数である遊技回数、図6に示す役毎に入賞した回数や入賞確率(あるいは当選確率)等を示す役履歴、RBBの入賞確率やRBB中の純増枚数などを含む。また、有利期間においては、さらに、ATに制御された合計回数であるAT回数、ATにおいて遊技を消化した回数であるATゲーム回数、累計数コマンドから特定される有利期間中における累計数、遊技の進行に応じて実行されたストーリーの話数、前回AT終了から遊技を100回消化するまでに再びATに制御された連チャン回数などが含まれる。なお、演出データには、SB40において更新されるものの他、図13、図14、および図17などで更新(特定)される純増枚数、OVER表示枚数、レインボーフラグ、終了テロップフラグなども含まれる。
SB41においては、携帯連動中であるか否かが判定される。携帯連動は、管理サーバにより発行されるパスワードを入力することにより開始されるモードである。パスワードは、遊技者所有の通信端末(携帯電話、スマートフォン等)を用いて、当該遊技者を識別するためのログイン情報を管理サーバに送信することにより、当該管理サーバに蓄積されている当該遊技者の遊技履歴に応じて発行されて、遊技者所有の通信端末に表示される。スロットマシン1においては、後述する携帯連動設定画面において当該パスワードを入力することにより携帯連動の開始条件が成立し、管理サーバに蓄積されていた当該遊技者の遊技履歴から遊技の進行に応じて更新可能となる。
SB41において携帯連動中であると判定されなかったときには、SB45へ移行する。一方、SB41において携帯連動中であると判定されたときには、SB42において、終了した遊技の遊技結果に応じて、携帯連動用の遊技履歴データを更新し、SB43へ移行する。携帯連動用の遊技履歴データには、前述した各種の演出データに加えて、遊技者により設定されたキャラクタやコスチューム、達成したミッションの種類などが含まれる。
SB43においては、携帯連動が終了したか否かを判定する。携帯連動は、例えば、携帯連動中の携帯連動設定画面において、携帯連動終了を選択するための操作を受け付けることにより終了する。SB43において携帯連動が終了したと判定されなかったときには、SB45へ移行する。一方、SB43において携帯連動が終了したと判定されたときには、SB44に移行し、SB42において更新された携帯連動用の遊技履歴データに基づき当該遊技履歴を特定可能となる2次元コードを生成して液晶表示器27に表示するとともに、携帯連動用の遊技履歴データを初期化する。これにより、2次元コードを生成・表示した以降において、当該遊技履歴データが持ち越されることを防止できる。
SB45においては、携帯連動中であるか否かにかかわらず、有利期間が終了したか否かを判定する。有利期間が終了したと判定されなかったときには、SB47へ移行する。一方、有利期間が終了したと判定されたときには、SB46に移行して、有利期間中において払出されたメダルの枚数と直接的な関連性を有する演出データ(以下、枚数関連演出データともいう)が初期化される。具体的には、有利期間中にSB40において更新される演出データのうち有利期間中における累計数と、図13、図14、および図17などで更新(特定)される純増枚数、OVER表示枚数、レインボーフラグ、終了テロップフラグが初期化される。これにより、有利期間中に払出されたメダルの枚数に関する演出データが以降に持ち越されることを防止できる。また、純増枚数として0が設定され、OVER表示枚数として「500」を設定される。これにより、次回ATに制御されて純増枚数算出期間が開始されたときの表示に備えることができる。
演出データのうち、有利期間中において払出されたメダルの枚数と直接的な関連性を有していない演出データ(以下、枚数非関連演出データともいう)については、有利期間が終了した後においても引き継ぐことができる。枚数非関連演出データには、例えば、遊技回数、役履歴、RBBの入賞確率、AT回数、ATゲーム回数、ストーリーの話数、連チャン回数、RBB中における純増枚数などを含む。有利期間が終了した後に引き継いだ演出データは、次の有利期間中に実行する演出の種類や内容を決定する際に用いられる。なお、有利期間の終了によっては、携帯連動用の遊技履歴データは初期化されない。その結果、携帯連動用の遊技履歴データについては、有利期間中において払出されたメダルの枚数と直接的な関連性を有するデータであっても以降に持ち越して、携帯連動終了の際の2次元コードに含ませて、遊技者の通信端末等に表示させることが可能となる。
SB47においては、携帯連動中であるか否かにかかわらず、前回の有利期間が終了してから新たにAT当選することなく遊技を100回消化したか否かを判定する。前回の有利期間が終了してから新たにAT当選することなく遊技を100回消化したと判定されなかったときには、そのまま各種データ更新処理を終了する。一方、前回の有利期間が終了してから新たにAT当選することなく遊技を100回消化したと判定されたときには、SB48に移行して、前回の有利期間における枚数関連演出データが初期化される。これにより、いわゆる連チャンしていないときにまで、前回の有利期間終了から引き継いだ演出データに基づき実行する演出の種類や内容が決定されてしまうような不都合の発生を防止できる。ただし、携帯連動中に更新される携帯連動用の遊技履歴データ(遊技履歴データを記憶する記憶領域)については、SB48において初期化されることはない。なお、SB47においては前回の有利期間が終了してから新たにAT当選することなく遊技を100回消化したか否かを判定する例について説明したが、これに限らず、AT当選することまでを要件とせずに、例えば、前回の有利期間が終了してから新たに次の有利期間へ移行されることなく遊技を100回消化したか否かを判定するようにしてもよい。
図12のSA21、SA22、およびSA15で示したように、少なくとも、有利期間において遊技を1500回消化することにより第1の条件が成立したとき、および有利期間における累計数の最下値を基点として現在の累計数が2400に到達することにより第2の条件が成立したときには、残りATゲーム数が存在している場合であっても、有利期間が終了する。また、図14のSB12〜SB14で示したように、第1の条件および第2の条件がまもなく成立するときには、対応する終了テロップが表示される。この点について、図19を参照してより詳細に説明する。
図19は、有利期間における累計数カウンタおよび純増枚数の増減の一例を説明するための図である。図19においては、縦軸に、上から、制御されている期間の種類、累計数カウンタ、終了テロップの有無、純増枚数、および純増枚数をグラフ化したスランプグラフが示され、横軸には、左から右にかけて時間の経過(遊技消化)が示されている。図19では、通常期間から有利期間(図19では第1の有利期間と称している)に制御されて、当該第1の有利期間において第2の条件がまもなく成立するときにRBB1に入賞してRBBに制御され、当該RBB中に第2の条件が成立して第1の有利期間が終了した後、通常期間において所定期間経過したときに再び有利期間(図19では第2の有利期間と称している)に制御された場合を例として示す。
まず、通常期間から有利期間(第1の有利期間)に制御されると、図9のSA01や図11のSA12およびSA14に示されるように、遊技の進行に応じて有利期間カウンタおよび累計数カウンタの値が更新される。図19の第1の有利期間では、当該有利期間に制御されるとともにATに制御されている例を示している。AT(純増枚数算出期間)に制御されると、図13のSB03および図14のSB10に示すように、遊技の進行に応じて純増枚数が更新される。AT中においては、例えば押し順ベル当選時にナビ演出が実行されるため、累計数カウンタの値が増加するとともに、純増枚数およびスランプグラフに示されるように純増枚数も増加する。また、AT中においては、図13のSB06や図14のSB22に示されるように、液晶表示器27において純増枚数が更新表示される。
その後、遊技の進行に応じて有利期間における遊技回数が上限値(1500)に到達するまでに累計数カウンタの値が2370に到達すると、図14のSB13およびSB14に示されるように、累計数カウンタの上限到達に対応する終了テロップフラグがセットされて、対応する終了テロップが表示されるとともに、ATに制御されたからの純増枚数が非表示となる。すなわち、第2の条件がまもなく成立するタイミングに到達した時点で、終了テロップを表示することによりその旨を報知できるとともに、純増枚数として2400を超える数値を表示してしまうことを確実に防止することができる。終了テロップは、第1の有利期間が累計数カウンタの上限到達により終了するまで表示される。
図19では、第2の条件がまもなく成立するタイミングに到達したAT中においてRBB1に入賞してRBBに制御された場合を示している。RBB1入賞に伴うRBBは、図6で示したように、200枚払出されるまで継続する。このため、第1の有利期間が累計数カウンタの上限到達により終了した後においても、RBBに制御されることにより実際の純増枚数が増加する。具体的に、第2の条件がまもなく成立するタイミングに到達したAT中において、例えばRBB1に入賞してRBBに制御されている場合には、図19に示すように、累計数が2400のリミッタに到達して有利期間が終了した後においても、実際の純増枚数が2400に1遊技の最大払出枚数を加算した値を超える場合が生じる。
しかし、前述したように、第2の条件がまもなく成立するタイミングに到達した時点で純増枚数が非表示となる。また、累計数カウンタの値が2400に到達して第2の条件が成立して有利期間が終了するときに、図12のSA15において有利期間中の遊技用データが初期化されるとともに、図18のSB46において有利期間における枚数関連演出データが初期化される。このため、実際の純増枚数が2400に1遊技の最大払出枚数を加算した値を超えてしまうような場合であっても、純増枚数として2400を超える数値を表示してしまうことを確実に防止することができる。なお、第2の条件がまもなく成立するタイミングに到達したAT中においてRBBに入賞して制御されたRBB中においては、図19の純増枚数表示欄に示すように、AT中からの実際の純増枚数ではなく、当該RBB開始以後におけるRBB中における純増枚数のみを表示する。また、当該RBBが終了したときに表示される終了画面においては、AT中からの実際の純増枚数ではなく、当該RBB開始以後におけるRBB中における純増枚数のみを表示する。
第1の有利期間の終了間際に制御されたRBBが終了したときには、すでに通常期間に制御されている。図19では、RBB終了後の通常期間において所定回数遊技を消化することにより、再び有利期間(図19では第2の有利期間と称している)に制御されている。第2の有利期間では、所定期間に亘って有利一般とCZに制御された後に、ATに制御されている例を示している。有利期間に制御されると、前述したとおり、遊技の進行に応じて有利期間カウンタおよび累計数カウンタの値が新たに更新される。有利期間に制御されたとしても、有利一般やCZ中においてはナビ演出が実行されないため、累計数カウンタが0または負の値となり、図11のSA16で示したとおり「0」が設定される。また、スランプグラフに示されるように、有利一般やCZ中においては通常期間と同様に純増枚数も減少する。
図19の第2の有利期間においては、有利一般やCZを経た後、ATに制御されたものとする。ATに制御されると、純増枚数が更新表示される。AT中においては、押し順ベル当選時においてナビ演出が実行されて純増枚数が増加するため、累計数カウンタの値および純増枚数が増加する。その後、遊技の進行に応じて有利期間における遊技回数が上限値に到達するまでに累計数カウンタの値が2370に到達すると、第1の有利期間と同様に、対応する終了テロップが表示されるとともに、ATに制御されたからの純増枚数が非表示となる。すなわち、第2の条件がまもなく成立するタイミングに到達した時点で、終了テロップを表示することによりその旨を報知できるとともに、純増枚数として2400を超える数値を表示してしまうことを確実に防止することができる。終了テロップは、第2の有利期間が累計数カウンタの上限到達により終了するまで表示される。
累計数カウンタの値が2400に到達して第2の条件が成立して第2の有利期間が終了するときには、第2の有利期間中の遊技用データが初期化されるとともに、第2の有利期間中における枚数関連演出データが初期化される。また、第2の有利期間が終了した後においては、通常期間に制御されるため、押し順ベル当選してもナビ演出が実行されない。このため、純増枚数は、図19の点線で示すように継続的に増加することはなく、実線で示すように遊技の進行に応じて減少することになる。
次に、液晶表示器27における表示例について説明する。まず、図20〜図22を参照して、液晶表示器27における純増枚数等の表示例について説明する。図20は、ARTが開始されてから純増枚数が「2000」に到達するまでにATが終了したときの表示例を示している。図20(a)および(b)は、ARTが開始されたときの表示例である。昇格リプレイ入賞により有利RTに制御されてARTが開始されたときには、図20(a)に示すように、カメラのシャッターが閉まったような画像が背景に表示されるとともに、「AT突入!」といったメッセージが表示され、その後、図20(b)に示すようにAT用の背景画像に切り替わる。以降においては、純増枚数算出期間となり、図13のSB03および図14のSB10において純増枚数の算出が開始される。
AT用の背景画像としては、画面中央に例えば二人のキャラクタが表示されるとともに、表示領域の左上において残りATゲーム数(LAST:100G)が表示され、表示領域の右上に当該AT中における純増枚数(TOTAL:0)が表示される。また、有利操作態様を報知する当選状況であるときには、図20(b)において丸付きの数字画像で示す有利操作態様が報知される。
図20(c)は、図20(b)で示した遊技においてBE(以下、ベルともいう)入賞したときの表示例を示している。ベル入賞したときには、画面中央に「ベルGET!」といったメッセージが表示されるとともに、メダルが9枚付与されたことに伴って純増枚数が「9」に加算表示される。
図20(d)は、純増枚数が「500」に到達する直前時の表示例である。表示領域の右上の純増枚数が「493」と表示され、押し順ベル当選により有利操作態様が報知されている。図20(e)は、図20(d)で示した遊技においてベル入賞して純増枚数が「500」に到達したときの表示例である。ベル入賞によりメダルが9枚払い出されるため、純増枚数が「502」に加算表示される。また、「500」のOVER表示枚数に到達したことにより、図14のSB18において「500」のOVER表示として「500枚OVER!」といったメッセージが表示される。なお、図20(e’)および(e”)は、各々、「1000」および「1500」各々のOVER表示(通常態様)の例を示している。
図20(f)は、図20(e)で示した遊技の次の遊技(ゲーム)が開始されたときの表示例である。新たな遊技が開始されることにより残りATゲーム数が「35G」に減算表示されるとともに、賭数として「3」が設定されるため純増枚数が「499」に減算表示される。
図20(g)は、図20(f)の遊技以降においてメダルが付与されて純増枚数が再び「500」に到達したときの表示例である。図14のSB17およびSB21で示したように、純増枚数が設定済のOVER表示枚数に一旦到達すると、次の段階のOVER表示枚数が設定される。このため、図20(g)に示すように、再び「500」に到達したとしても「500」のOVER表示が再度行われてしまうことを防止できる。
図20(h)は、残りATゲーム数が0となりATが終了したときの終了画面の表示例である。終了画面としては、カメラのシャッターが閉まったような画像が背景に表示されるとともに、遊技結果として「Result ATゲーム数:300 TOTAL:594枚」といったメッセージが通常態様で表示される(図17のSB32参照)。ATが終了したときには、有利期間が終了し、その結果純増枚数算出期間も終了する。
また、スロットマシン1では、所定の報知条件が成立したときに、過度な遊技への注意喚起を促して遊技者が遊技にのめり込み過ぎてしまうことを防止するために注意表示を行う。注意表示は、図20(h)に示すように、液晶表示器27の画面中央において、例えば「のめり込みに注意しましょう!」といったメッセージを所定態様(四角い枠で囲んだ態様)で少なくとも所定時間経過するまで表示される。所定の報知条件は、遊技の進行に応じて成立する条件である。サブCPU71は、例えば、メイン制御基板63からの状態コマンドに基づき、ATやRBBなど遊技者にとって有利な状態が終了するときに報知条件が成立すると判定し、注意表示を液晶表示器27において表示する。注意表示については、図27〜図34を用いて後述する。
図21は、ARTが開始されてからAT中に純増枚数が「2000」に到達したときの表示例および終了画面の表示例を示している。図21(a)は、純増枚数が「2000」に到達する直前時の表示例である。表示領域の右上の純増枚数が「1993」と表示され、押し順ベル当選により有利操作態様が報知されている。
図21(b)は、図21(a)で示した遊技においてベル入賞して純増枚数が「2000」に到達したときの表示例である。純増枚数が「2000」に到達したときには、図14のSB18において「2000」のOVER表示(レインボー態様)の実行フラグがセットされるとともに、SB20においてレインボーフラグがセットされる。このため、図21(b)に示すように、純増枚数および「2000」のOVER表示がレインボー態様で表示される。以下において、図面におけるグラデーションは、レインボー柄で表示されていることを示している。
図21(c)は、図21(b)における遊技の次の遊技(ゲーム)が開始されたときの表示例である。新たな遊技が開始されることにより残りATゲーム数が「34G」に減算表示されるとともに、賭数として「3」が設定されるため純増枚数が「1999」に減算表示される。図21(c)に示すように、純増枚数の表示が一旦レインボー態様で表示された後においては、純増枚数が「2000」未満となったとしてもレインボー態様での表示が維持される。
図21(d)は、図21(c)での遊技以降においてメダルが付与されて純増枚数が再び「2000」に到達したときの表示例である。図21(d)においては、OVER表示が行われることなく、「ベルGET!」といったメッセージ(以下、獲得メッセージとも言う)が表示されている。前述したように、純増枚数が「2000」に最初に到達した時点において既に次の段階のOVER表示枚数が設定されるため、図21(d)に示すように、再び「2000」のOVER表示が行われてしまうことを防止できる。
図21(e)は、残りATゲーム数が0となりATが終了したときの終了画面の表示例である。終了画面としては、図20(h)と同様にカメラのシャッターが閉まったような画像が背景に表示される一方、注意表示とともに遊技結果として「Result ATゲーム数:1075 TOTAL:2145枚」といったメッセージがレインボー態様で表示される(図17のSB35参照)。
図21(e’)は、純増枚数が「2000」に到達した後の遊技において純増枚数が「2000」未満となった状態で、残りATゲーム数が0となりATが終了したときの終了画面の表示例である。この場合においても、レインボーフラグがセットされているため、図21(e’)に示すように、遊技結果がレインボー態様で表示される(図17のSB35参照)。
図22は、ARTが開始された後、AT中においてRBB(図22ではRBB1)に当選して制御されたボーナス中に純増枚数が「2000」に到達したときの表示例および終了画面の表示例を示している。図22(a)は、純増枚数が「2000」に到達する直前時の表示例である。表示領域の右上の純増枚数が「1990」と表示されている。また、図22(a)では、表示領域の下部においてボーナス当選に対する期待感を抱かせるための期待感演出(「超チャンス!」といったメッセージのスクロール表示)が実行されている。なお、期待感演出は、ボーナスに当選していないときにも所定確率で実行され得る。
図22(b)は、確定画面の表示例である。サブCPU71は、ボーナス当選後において決定した表示タイミングに到達したときに、背景画像を確定画面用の背景画像に切り替える。確定画面用の背景画像としては、画面中央に例えばひとりのキャラクタが表示されるとともに、「ボーナス確定!」および「7を狙え!777」(なお、図22(b)ではRBB1当選時であるため赤色の「7」図柄を示している)といったメッセージが表示される。図13のSB04およびSB07で示したように、確定画面表示中においては、純増枚数表示が非表示となるが、純増枚数算出期間であるため純増枚数の算出は継続して行われる。
当選したRBB1に入賞してボーナスが開始されると、ボーナス用の背景画像に切り替わる。ボーナス用の背景画像としては、画面中央に例えばひとりのキャラクタが表示されるとともに、表示領域の右上に純増枚数とボーナス終了となるまでの残り払出枚数(例えば、残り枚数:200)とが表示される。図22(c)は、ボーナス開始後、初めて小役に入賞してメダル払出が発生したときの表示例である。賭数の規定数が「2」となるボーナス中においてベル入賞が発生した場合には、メダルが12枚払出される。このため、図22(c)に示すように、表示領域の中央において「12枚GET!」といったメッセージが表示されるとともに、純増枚数が加算表示(TOTAL:1992)され、残り払出枚数が減算表示(残り枚数:188)される。なお、図22(c)では、RBB中において残り払出枚数を表示する例を示しているが、前述したとおりこれに限らず、例えば、純増枚数や、払出された払出枚数などであってもよい。
図22(d)は、ボーナス中においてベル入賞して純増枚数が「2000」に到達したときの表示例である。ボーナス中において純増枚数が「2000」に到達したときには、図22(d)に示すように、純増枚数および「2000」のOVER表示がレインボー態様で表示される。
図22(e)は、払出枚数が200枚を超えたことによりボーナスが終了したときの終了画面の表示例である。AT中に発生したボーナス終了時の終了画面としては、図22(e)に示すように、カメラのシャッターが閉まったような画像が背景に表示されるとともに、純増枚数算出期間において算出されている純増枚数(TOTAL:2169)と、ボーナス中における純増枚数(ボーナス中:170)とがレインボー態様で表示される。その後、AT再開を報知する「ボーナス完了 AT再突入!」といったメッセージをレインボー態様で表示してATが再開される。
図22(f)は、ボーナス用の背景画像から再びAT用の背景画像に切り替わったときの表示例である。AT用の背景画像に切り替わった後においては、図22(f)に示すように、純増枚数がレインボー態様で表示されるとともに、確定画面が表示される直前の残りATゲーム数が表示される。なお、AT中に当選したボーナスが終了してATが再開されるときに表示する残りATゲーム数は、確定画面が表示される直前の残りATゲーム数に限らず、例えば、ボーナス当選したときの残りATゲーム数から1減算させたゲーム数としてもよい。具体的に、例えば、残りATゲーム数が「340」となる遊技においてボーナス当選して、その後確定画面が表示されるまで表示上の残りATゲーム数が減算されていたとしても、ボーナス終了後においてATが再開するときには、「339」から残りATゲーム数を表示するようにしてもよい。
以降、有利期間が終了するまでの間におけるOVER表示および終了画面は、いずれもレインボー態様で表示されることになる。なお、ボーナス終了後においては、AT中であっても初期RTとなり準備期間となる。準備期間においては、残りATゲーム数の減算はされず、有利RTに制御されてから減算表示が再開される。
図23は、ARTが開始された後、AT中においてRBBの確定画面表示中に純増枚数が「2000」に到達したときの表示例および終了画面の表示例を示している。図23(a)は、純増枚数が「2000」に到達する直前においてRBB当選時の表示例である。表示領域の右上の純増枚数が「1990」と表示されている。また、図23(a)では、表示領域の下部において期待感演出が実行されている。
図23(b)は、ボーナス当選後において決定した表示タイミングに到達して、確定画面用の背景画像に切替えられたときの表示例である。図23(c)は、確定画面表示中においてベル入賞して純増枚数が「2000」に到達したときの表示例である。確定画面表示中において純増枚数が「2000」などのOVER表示枚数に到達したときであっても、図14のSB16においてNOと判定されてSB17以降の処理が行われない。このため、OVER表示が行われることなく、「ベルGET!」といったメッセージが表示される。
図23(d)は、確定画面表示中において純増枚数が「2000」に到達した後において、当選したRBBに入賞してボーナス開始が報知されたときの表示例である。ボーナス用の背景画像に切り替わるとともに、「ボーナス開始!」といったメッセージが表示される。なお、表示領域の右上における純増枚数は、「2000」を超えているが、未だレインボーフラグがセットされていないため、通常態様で表示されている。
図23(e)は、ボーナス中において初めて小役に入賞したときの表示例である。純増枚数は、図23(d)の状態から賭数「2」を設定した後に、メダルが12枚払い出されたため、純増枚数が「2017」となる。これにより、図14のSB16においてYESと判定されてSB18で「2000」のOVER表示の実行フラグが設定されるとともに、SB20においてレインボーフラグがセットされる。その結果、図23(e)に示すように、純増枚数および「2000」のOVER表示がレインボー態様で表示される。このように、ボーナス当選の確定画面表示中にOVER表示枚数あるいは「2000」に到達したときには、そのときにOVER表示を実行することもレインボーフラグをセットすることなく、ボーナスに制御されてから最初のメダル払い出しがあったときにOVER表示を実行するとともに、レインボーフラグがセットされてレインボー態様での表示が行われる。
図24は、ARTが開始されてから純増枚数が通常態様で表示されているときに、累計数が「2370」に到達したときの表示例および終了画面の表示例を示している。なお、図24および後述する図25では、液晶表示器27の表示画面例の右側において、当該表示画面であるときの純増枚数および累計数カウンタの値を示している。図24(a)は、累計数が「2370」に到達する直前時の表示例である。表示領域の右上の純増枚数が「1593」と表示され、押し順ベル当選により有利操作態様が報知されている。
図24(b)は、図24(a)で示した遊技においてベル入賞して累計数が「2370」に到達したときの表示例である。累計数が「2370」に到達したとき(図24(b)では「2372」に到達した場合を例示する)には、純増枚数にかかわらず、図14のSB13において累計数到達に対応する終了テロップフラグがセットされるとともに、SB14において純増枚数が非表示に設定される。このため、図24(b)に示すように、液晶表示器27の画面中央において、終了テロップとして例えば「まもなく、有利期間上限の2400枚に到達します」といったメッセージが表示されるとともに、純増枚数が非表示となる。また、終了テロップ表示が表示されるタイミングであるときや、終了テロップが表示中であるときは、図24(B)に示すように、ベル入賞に伴う「ベルGET!」といった獲得メッセージは表示されない。なお、終了テロップ表示が表示されるタイミングであるときや、終了テロップが表示中であっても、ベル入賞に伴う「ベルGET!」といった獲得メッセージを表示するようにしてもよい。この場合、終了テロップは、獲得メッセージよりも優先度が高いレイヤにおいて表示するようにしてもよい。これにより、獲得メッセージよりも終了テロップを遊技者が認識し易くすることができる。
図24(c)は、図24(b)における遊技の次の遊技(ゲーム)が開始されたときの表示例である。新たな遊技が開始されることにより残りATゲーム数が「34G」に減算表示されるとともに、賭数として「3」が設定されるため累計数が「2369」となり「2370」未満となる。しかし、図24(c)に示すように、累計数が「2370」に到達した後においては、その後の遊技の進行に応じて累計数が「2370」未満となったとしても終了テロップの表示および純増枚数の非表示が維持される。
また、終了テロップ表示中においては、図14のSB12においてYESと判定される。このため、例えば、純増枚数が設定済のOVER表示枚数に到達したときであってもOVER表示が行われることはない。また、純増枚数が「2000」に到達したときであっても図14のSB20に移行されることがなく、レインボーフラグもセットされないためレインボーレインボー態様で純増枚数が表示されることもない。また、AT中においてRBB当選して確定画面表示中や、RBB入賞してRBBに制御中であるときであっても、終了テロップ表示が維持される。
図24(d)は、図24(c)での遊技以降においてメダルが付与されて累計数が上限の「2400」に到達してATが終了したときの終了画面の表示例である。終了画面としては、図20(h)と同様にカメラのシャッターが閉まったような画像が背景に表示される一方、注意表示とともに遊技結果として「Result ATゲーム数:815」といったメッセージが表示された後に、通常期間に移行する。このように、終了テロップが表示された後における遊技結果においては、純増枚数が表示されない。これにより、累計数の上限「2400」(2400に1遊技の最大払出枚数を加算した値)を超えた数値が純増枚数として表示されてしまうことを防止できる。
また、図18のSB46で示したとおり、有利期間が終了するときには、当該有利期間中における枚数関連演出データが初期化される。このため、有利期間が終了した後において、当該有利期間中における枚数関連演出データに基づき演出が実行されてしまうことを未然に防止できる。例えば、初期化される演出データには、図13、図14、および図17などで更新(特定)される純増枚数が含まれる。このため、次に制御される有利期間中において、例えば終了した有利期間中における純増枚数を加味した純増枚数を表示してしまうことを防止でき、その結果、次に制御される有利期間中においても、累計数の上限「2400」を超えた数値が純増枚数として表示されてしまうことを防止できる。
これに対し、有利期間が終了するときであっても、当該有利期間以前における枚数非関連演出データについては、図18のSB46で示したように以降においても持ち越される。有利期間以前における枚数非関連演出データには、前述したとおり、遊技回数、役履歴、ボーナス入賞確率、AT回数、ATゲーム回数、ストーリーの話数、連チャン回数、RBB中における純増枚数などが含まれる。これらの演出データについては、図18のSB47およびSB48で示したように、有利期間が終了してからAT当選することなく遊技を100回消化するまで持ち越され、有利期間が終了してから遊技を100回消化するまでに次の有利期間に制御されてAT当選したときには、当該AT中において前回の有利期間中における演出データに基づき、実行する演出の種類や内容を決定することができる。サブCPU71は、ATに制御するときに前回有利期間の演出データが残っている場合に、100回消化するまでに再び制御されたATであることを特定し、例えば連チャンしている旨などを報知する画像を表示する。
図24(e)は、有利期間が終了してから遊技を100回消化するまでにATに制御されたときの当該AT中における表示例である。図24(e)に示すように、ATに対応する背景画像が表示され、純増枚数については「0」から新たに更新表示されるとともに、純増枚数表示の左側に星マークの画像が表示される。星マークは、100回消化するまでに再びATに制御されて連チャンしている旨を報知する演出例である。2連チャン目においては、星マークが2つ表示される。これにより、現在のATが2連チャン目であることを特定可能となる。以後、連チャンを重ねる毎に、演出データのうちの連チャン回数を更新するとともに、星マークの数を1つずつ増やして表示される。
図24(e’)は、有利期間が終了してからAT当選することなく遊技を100回消化した後に制御されたAT中における表示例である。有利期間が終了してからAT当選することなく遊技を100回消化したときには、図18のSB47およびSB48で示したように、前回の有利期間以前における枚数非関連演出データについても初期化される。このため、図24(e’)に示すように、図24(a)等で示した背景画像と同様の画像が表示され、星マーク等の画像については表示されない。
図25は、ARTが開始されてから純増枚数がレインボー態様で表示されているときに、累計数が「2370」に到達したときの表示例および終了画面の表示例を示している。なお、AT中においては、所定のストーリー展開を有する演出が液晶表示器27において表示される。この点は、説明を省略しているものの、他のAT中における表示画面についても同様である。ストーリーは、例えば、1話目に対応する演出から開始し、その後、AT中において遊技を100回消化する毎に次の話数に対応する演出に更新されるものとする。このため、ATゲーム数が例えば「1100」を超えると第12話に対応する演出が開始される。図25(a)は、累計数が「2370」に到達する直前時の表示例である。表示領域の右上の純増枚数がレインボー態様で「2193」と表示され、押し順ベル当選により有利操作態様が報知されている。図25(a)においては、ATゲーム数が「1100」を超えているものとする。このため、液晶表示器27の右下領域において「第12話」と表示され、第12話に対応するストーリー演出が実行されていることを示している。ストーリーが進む毎に、演出データのうちのストーリーの話数が更新される。
図25(b)は、図25(a)で示した遊技においてベル入賞して累計数が「2370」に到達したときの表示例である。純増枚数がレインボー態様で表示されている場合において、累計数が「2370」に到達したとき(図25(b)では「2372」に到達した場合を例示する)には、図25(b)に示すように、液晶表示器27の画面中央において、終了テロップがレインボー態様で表示されるとともに、純増枚数が非表示となる。また、終了テロップが表示されることにより、話数についても非表示となる。
図25(c)は、次の遊技が開始されたときの表示例である。新たな遊技が開始されることにより残りATゲーム数が「34G」に減算表示されるとともに、賭数として「3」が設定されるため累計数が「2369」となり「2370」未満となる。しかし、図25(c)に示すように、累計数が「2370」に到達した後においては、その後の遊技の進行に応じて累計数が「2370」未満となったとしても終了テロップの表示および純増枚数の非表示が維持される。
図25(d)は、図25(c)での遊技以降においてメダルが付与されて累計数が上限の「2400」に到達してATが終了したときの終了画面の表示例である。終了画面としては、カメラのシャッターが閉まったような画像が背景に表示される一方、注意表示とともに遊技結果として「Result ATゲーム数:1105」といったメッセージがレインボー態様で表示された後に、通常期間に移行する。このように、終了テロップがレインボー態様で表示された後における遊技結果においても、純増枚数が表示されない。
図25(e)は、有利期間が終了してから遊技を100回消化するまでにATに制御されたときの当該AT中における表示例である。図25(e)では、前回の有利期間中において実行された演出の話数に対応する画像が表示される場合を説明する。図25(e)に示されるように、ATに対応する背景画像が表示され、純増枚数については「0」から新たに更新表示されるとともに、純増枚数表示の左側に星マークの画像が表示される(図24と同様)とともに、純増枚数表示の下方に「第12話到達!」といったように、前回の有利期間において何話まで進んだかを特定するための話数画像が表示される。これにより、現在のATが2連チャン目であることを特定するとともに、前回の有利期間においてストーリーが第12話まで進んだことを特定可能となる。なお、今回のAT中における演出としては、第12話または第13話から開始してもよく、また、再び第1話から開始するものであってもよい。
図25(e’)は、有利期間が終了してからAT当選することなく遊技を100回消化した後に制御されたAT中における表示例である。有利期間が終了してからAT当選することなく遊技を100回消化したときには、前回の有利期間以前における枚数非関連演出データについても初期化される。このため、図25(e’)に示すように、図25(a)等で示した背景画像と同様の画像が表示され、星マークや話数画像等の画像については表示されない。
次に、携帯連動について説明する。図26は、遊技者メニュー状態において液晶表示器27に表示される携帯連動設定画面、および遊技者所有の通信端末の表示部に表示される画面を説明するための図である。図26(a)は、携帯連動設定画面のうち、管理サーバにより発行されるパスワードを入力して携帯連動を開始するための携帯連動開始画面である。携帯連動開始画面では、図26(a)に示されるように、パスワードの入力を促すメッセージが表示され、下方において文字列が表示される。演出操作部81を操作することにより、発行されたパスワードを入力して、決定アイコンを選択することにより携帯連動が開始され、以降の遊技の進行に応じて図18のSB42で示したように携帯連動用の遊技履歴データが蓄積される。
図26(b)は、携帯連動設定画面のうち、演出操作部81を操作することにより携帯連動を終了させて、携帯連動用の遊技履歴データに基づき生成された2次元コードが表示されたときの携帯連動終了画面である。携帯連動終了画面では、図26(b)に示されるように、2次元コードが表示される。図18のSB44で示したように、表示される2次元コードは、携帯連動用の遊技履歴データを特定可能なコードである。遊技者は、通信端末により当該2次元コードを読み取ることにより、携帯連動用の遊技履歴データに基づき通信端末の表示部に表示された遊技履歴を確認することができる。また、通信端末は、当該2次元コードを読み取ることにより、携帯連動用の遊技履歴データを管理サーバに送信し、当該遊技者の遊技履歴として蓄積させることができる。
図26(c)は、2次元コードを遊技者所有の通信端末により読み取ることにより当該通信端末の表示部に表示される遊技履歴画面である。通信端末の表示部には、2次元コードを読み取ることにより、今回の携帯連動中に蓄積された今回の遊技履歴と、過去に蓄積された遊技履歴と合算したトータル遊技履歴とが表示される。携帯連動用の遊技履歴データには、例えば、携帯連動中に制御された有利期間において払出されたメダルの枚数と直接的な関連性を有していない遊技履歴データのみならず、有利期間において払出されたメダルの枚数と直接的な関連性を有する遊技履歴データをも含む。このため、遊技履歴画面では、図26(c)に示すように、有利期間において払出されたメダルの枚数と直接的な関連性を有していない遊技履歴(例えば、ゲーム数、AT回数、ATゲーム数、ストーリーの話数など)に加えて、有利期間において払出されたメダルの枚数と直接的な関連性を有している遊技履歴(AT純増枚数)などを表示することができる。
(注意表示について)
次に、図20等で示した注意表示について詳細に説明する。サブCPU71は、遊技の進行に応じて表示する画像と画像毎のレイヤ・表示位置などを特定可能な情報を液晶表示器27に出力し、画像が描かれたレイヤをレイヤの優先度に応じて重ね合わせた画像を液晶表示器27に表示させる。本実施形態におけるスロットマシン1は、注意表示による注意喚起の機能を十分に発揮させるために、液晶表示器27に表示する他の画像(演出)との関係(レイヤ、表示位置など)を定めている。
図27は、注意表示および他の画像表示各々について、液晶表示器27の表示領域のうち表示に用いる領域およびレイヤの優先度などを説明するための図である。図27(a)は、液晶表示器27の表示領域を5つに分けた領域1〜5を示す図である。図27(b)は、画像の種類毎に表示に用いる領域およびレイヤの優先度を示す図である。
注意表示は、図27(a)に示す表示領域の中央に相当する領域2が用いられ、かつ、レイヤの優先度として最も高い「1」が設定される。このため、液晶表示器27に他の画像が表示されたとしても、必ず注意表示の画像を遊技者が視認可能となるように表示することができる。
エラー報知は、サブCPU71がエラーコマンドに基づきエラーが発生したと判定したときに当該エラーの種類を報知するものである。エラー報知は、表示領域の上部および下部に相当する領域1と領域3が用いられ、かつ、レイヤの優先度として「2」が設定される。
ナビ演出は、サブCPU71がメインCPU61からの有利操作態様コマンドに基づき有利操作態様を報知するものである。ナビ演出は、表示領域の下部に相当する領域3が用いられ、かつ、レイヤの優先度として「3」が設定される。
履歴表示は、ATやRBBなど遊技者にとって有利な状態が終了するときに、当該有利な状態中における純増枚数や、当該有利な状態における遊技数(例えば、ATゲーム数など)を表示するものである。履歴表示は、表示領域の下部に相当する領域3が用いられ、かつ、レイヤの優先度として「4」が設定される。
示唆表示は、スロットマシン1において設定されている設定値を示唆するものである。示唆表示には、例えば、設定されている設定値が偶数のいずれかである可能性が高いことを示唆する示唆A、設定されている設定値が5以上であることを確定報知する示唆B、設定されている設定値が6であることを確定報知する示唆Cなどを含む。メインCPU61は、設定値が設定されたときに当該設定値を特定可能なコマンドをサブCPU71に出力する。サブCPU71は、当該コマンドに基づき設定値を特定し、当該設定値に基づき、示唆表示の実行の有無、示唆表示の種類などを乱数抽選により決定する(以下、示唆表示抽選ともいう)。示唆表示は、表示領域の左右に相当する領域4、5のいずれかが用いられ、かつ、レイヤの優先度として「5」が設定される。
セリフ表示は、複数ゲームに亘って3段階まで発展可能な演出である。セリフ表示の1段階目においては、スロットマシン1において発生する演出等の説明・解説を表示する。セリフ表示の2段階目以降の表示は、1段階目の表示が行われた遊技が終了した後、次の遊技が開始されたときに行われる。セリフ表示の2段階目以降の表示は、示唆表示と同様に、スロットマシン1において設定されている設定値を示唆するものである。2段階目のセリフ表示は、設定されている設定値が5以上である可能性を示唆する。3段階目のセリフ表示は、設定されている設定値が6である可能性を示唆する。よって、セリフ表示の1段階目の演出からは、演出等の理解を深める材料になるに過ぎない。しかし、セリフ表示の2段階目以降の演出からは、設定されている設定値を遊技者が予測する材料となる。
サブCPU71は、設定値を特定可能なコマンドに基づき設定値を特定し、当該設定値に基づき、セリフ表示の実行の有無、セリフ表示の種類(何段階目まで発展させるか、およびセリフの内容等)を乱数抽選などにより決定する(以下、セリフ表示抽選ともいう)。セリフ表示は、段階に応じて異なる領域を用いる。セリフ表示の1段階目の画像は、表示領域の上部に相当する領域1が用いられる。セリフ表示の2段階目の画像は、表示領域の中央部に相当する領域2が用いられる。セリフ表示の3段階目の画像は、表示領域の下部に相当する領域3が用いられる。セリフ表示は、いずれの段階の画像であっても、レイヤの優先度として「6」が設定される。
背景は、スロットマシン1において制御されている状態(一般遊技状態、RBB、CZ、AT、エラーなど)に応じた画像を表示するものである。サブCPU71は、状態コマンドなどから特定される状態に応じた背景画像を表示する。背景は、表示領域全面が用いられ、かつ、レイヤの優先度として最も低い「7」が設定される。このため、液晶表示器27の表示領域全面に背景画像を表示したとしても、その上に重ね合わせて他の画像を優先して表示することができる。
ここで、終了テロップの表示に関する優先度等について説明する。終了テロップの表示は、少なくとも、履歴表示、示唆表示、セリフ表示、および背景よりもレイヤの優先度が高いレイヤにおいて表示される。また、終了テロップの表示は、注意表示、エラー報知、およびナビ演出のいずれかと同じレイヤに表示されるものであってもよく、また、いずれかよりも優先度が高いレイヤにおいて表示されるものであってもよい。
また、終了テロップは、図24等で示したように、図27(a)の領域2において表示されるため、例えば、ナビ演出を表示する領域3とは重畳しない例を示している。しかし、終了テロップの領域とナビ演出の領域とはその一部が重畳し合うものであってもよい。この場合であっても、終了テロップの表示とナビ演出の表示との双方が遊技者にとって認識あるいは特定できるように表示されるものであればよい。
また、終了テロップと演出操作部81への操作に応じて遊技者メニュー画面との関係については、終了テロップを表示しているときであっても遊技者メニュー画面を表示することができ、この場合、遊技者メニュー画面は、終了テロップよりも優先度が高いレイヤにおいて表示するようにしてもよい。これにより、終了テロップによって遊技者メニュー画面におけるメニュー項目などの視認性を低下させてしまうことを防止しつつも、終了テロップを表示して有利期間の終了間際であることも報知できる。
図28および図29は、注意表示に関する演出例を説明するためのタイミングチャートである。図28および図29では、有利な状態としてATが終了することにより注意表示の報知条件が成立した場合について説明する。図28および図29には、複数の演出例を示しているが、各々、上段から、遊技状態の種類、ゲーム数、リール11L〜11Rの回転状態、演出のうち背景、特定、示唆、注意の実行状況を示している。なお、背景には、背景画像が対応している。示唆には、示唆表示が対応している。注意には、注意表示が対応している。特定には、これら以外のエラー報知、ナビ演出、履歴表示、セリフ表示(1段階目)などが対応している。示唆は、遊技の進行に応じて表示される画像である。特定は、遊技の進行に応じて成立し得る条件であって遊技に関する特定条件が成立することにより表示される画像である。なお、注意表示の説明において参照する図28〜図42においては、終了テロップを表示する条件が成立していない例について説明するが、累計数が「2370」に到達しているときや有利期間カウンタの値が5以下であるときには、図27までの図面を用いて説明したように終了テロップ表示が行われる。終了テロップ表示中において図28〜図42において説明する注意表示が行われる場合には、注意表示が行われるタイミングにおいて終了テロップ表示を終了するものとする。
本実施形態におけるスロットマシン1では、有利な状態における最終ゲームが開始されると、当該最終ゲーム中において有利な状態終了用のエンディング演出が行われる。有利な状態終了用のエンディング演出中には、注意表示および履歴表示が行われ、当選状況や示唆表示抽選の結果に応じてナビ演出および示唆表示が行われる。また、エンディング演出終了後の次の遊技以降においては、セリフ表示抽選の結果に応じてセリフ表示が行われる。まず、図28を参照して、エンディング演出中に注意表示が完了する演出例(以下、注意完了パターンともいう)について説明する。
図28(a)は、特定表示として履歴表示およびセリフ表示が行われる演出例1を説明するためのタイミングチャートである。タイミング1は、残りATゲーム数カウンタの値が「1」であるときに、リール回転が開始されて1遊技(最終ゲーム)が開始されたタイミングを示している。最終ゲームが開始されるまでは、背景画像として、AT用の背景(例えば、稲妻が落ちる画像、物語的な要素を含むストーリー画像など)が表示されるのに対し、最終ゲームが開始されるとAT終了用のエンディング背景に切替えられる。AT終了用のエンディング背景としては、例えば、カメラのシャッターが閉まったような画像が表示される(図30(a)等参照して後述する)。
図28(a)においてゲーム数が「N+1」の最終ゲームでは、例えば押し順ベルに当選していないために、ナビ演出が行われておらず、かつ示唆表示抽選で当選しなかったために示唆表示も行われない。タイミング2は、最終ゲームが開始されてから予め定められた時間(例えば1秒)が経過したタイミングであって注意表示が開始されたタイミングを示している。
注意表示は、領域2であって、優先度が最も高いレイヤにおいて表示される。注意表示は、表示を開始してから所定時間(本実施形態では3秒間)経過するまで表示される。サブCPU71は、注意表示を表示している時間を特定可能な注意表示カウンタの値を所定間隔毎に1ずつ加算し、当該注意表示カウンタの値が「3秒」に相当する値に到達したときに注意表示を終了する。注意表示カウンタは、RAM75の所定領域において加算更新される。
タイミング3は、ストップスイッチ21L〜21R各々が操作されてリール11L〜11Rすべての回転が停止し、最終ゲームが終了したタイミングを示している。最終ゲームが終了すると履歴表示が行われて、終了する有利な状態中におけるメダルの純増枚数やAT遊技数が報知される。履歴表示は、領域3であって優先度が「4」のレイヤにおいて表示される。このため、注意表示は、履歴表示により阻害されることがない。
タイミング4は、注意表示カウンタに基づき注意表示を開始してから所定時間が経過したとサブCPU71が判定し、当該注意表示を終了したタイミングを示している。注意表示は、領域2において表示開始当初の表示態様を維持したまま所定時間経過するまで継続させることができ、かつ他の画像(履歴表示、背景など)によっても阻害されることがない。このため、注意表示による注意喚起の機能を十分に発揮させることができる。
タイミング5は、AT終了後の通常期間において遊技が開始されたタイミングを示している。通常期間における遊技が開始されると、背景が通常用の背景画像に切替えられる。また、AT終了後の通常期間の1遊技目においては、セリフ表示が行われる。これにより、セリフ表示が2段階目まで発展することにより設定値を推測するといった面白みを提供することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図28(b)は、最終ゲームにおいて押し順ベルなどに当選することにより、特定表示としてナビ演出が行われる演出例2を説明するためのタイミングチャートである。最終ゲームが開始されると、タイミング1に示されるように、AT用の背景からAT終了用のエンディング背景に切替えられるとともに、ナビ演出が表示される。ナビ演出が表示されているときであっても、図28(a)の演出例1と同様に、タイミング2において注意表示が行われる。ナビ演出は、領域3であって優先度が「3」のレイヤにおいて表示される。このため、注意表示がナビ演出により阻害されることがない。なお、タイミング2以降は、図28(a)の演出例1と同様であるため、説明を省略する。
図28(c)は、最終ゲームにおいて示唆表示が行われる演出例3を説明するためのタイミングチャートである。タイミング2は、図28(a)と同様に、最終ゲームが開始されてから予め定められた時間(例えば1秒)が経過したタイミングを示している。示唆表示は、タイミング2において開始する。示唆表示が行われる場合には、タイミング2において注意表示が行われない。このため、最終ゲームにおいては、タイミング2において示唆表示が行われるか注意表示が行われるかに遊技者を注目させることができる。
タイミング2’は、示唆表示が終了したタイミングを示している。示唆表示が終了すると、注意表示が開始される。示唆表示は、スロットマシン1の設定値(有利度)を示唆する表示であるため、遊技者の視線を集中させてしまう傾向にある。このため、スロットマシン1では、注意表示を示唆表示と併行させずに、示唆表示が終了した後において注意表示を行う。また、注意表示を、示唆表示が行われていた領域4,5とは異なる領域2において表示するため、表示内容が変化していることを遊技者が気付きやすくすることができる。その結果、注意表示が見逃されてしまうことを防止できるとともに、注意表示に注目させることにより注意喚起の機能を十分に発揮させることができる。
図28(d)は、最終ゲームにおいてナビ演出および示唆表示が行われる演出例4を説明するためのタイミングチャートである。図28(d)の説明においては、図30を参照する。図30は、液晶表示器27における演出例4の表示内容を説明するための図である。
最終ゲームが開始されたタイミング1では、エンディング背景に切り替わるとともにナビ演出が行われる。図30(a)に示すように、表示領域全面においてカメラのシャッターのようなAT終了用のエンディング背景画像が表示されるとともに、領域3においてナビ演出の画像が表示される。
タイミング2では、示唆表示が行われる。図30(b)の例では、示唆表示として領域5においてキャラクタAの画像が表示されている。キャラクタAを表示する示唆表示は、例えば、設定されている設定値が偶数(2,6)のいずれかである可能性が高いことを示唆する示唆Aの例である。これにより、遊技者に対してスロットマシン1の有利度を示唆することができ、遊技者に推測させるといった面白みを提供することができる。
タイミング2’では、示唆表示を終了して、注意表示が行われる。図30(c)に示すように、領域5における示唆表示が終了し、領域2において注意表示が行われる。タイミング3では、最終ゲームが終了して履歴表示が行われる。図30(d)に示すように、領域3において履歴表示として「TOTAL:540枚」といった表示が行われるとともに、当該履歴表示によって阻害されることなく領域2における注意表示が継続して行われる。
タイミング5では、AT終了後の通常期間において遊技が開始されて、背景が通常用の背景に切替えられるとともに、セリフ表示が行われる。通常用の背景画像としては、例えば、図30(e)に示すように表示領域の右上において太陽の画像が表示され、図30(e)では図示していないが表示領域全面において対応する画像が表示される。また、セリフ表示の1段階目としては、図30(b)で表示された示唆表示を説明するメッセージとして「キャラAはまずまずだ」といったセリフが表示されている。これにより、示唆表示の内容を遊技者が理解し易くすることができる。
セリフ表示として2段階目以降を行わない場合には、次のゲームが開始されたときにセリフ表示を終了する。一方、セリフ表示として2段階目以降を行う場合には、次のゲームが開始されたときに、図30(f)で示すように領域2において「期待してるよ!」といったセリフが表示される。2段階目以降のセリフの内容に応じて、設定されている設定値が4以上である可能性、設定されている設定値が6である可能性が異なる。これにより、遊技者に対して設定値を示唆する材料を提供して予測させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図29(a)および(b)を参照して、エンディング演出中に注意表示が完了しない演出例(以下、注意未完了パターンともいう)について説明する。図29(a)は、エンディング演出中に示唆表示が行われない場合の演出例5を説明するためのタイミングチャートであり、図29(b)は、エンディング演出中に示唆表示が行われる場合の演出例6を説明するためのタイミングチャートである。
注意表示は、表示を開始してから所定時間経過するまで継続して表示される。このため、注意表示を開始してから所定時間が経過するまでに、最終ゲームを終了させかつ次の遊技を開始するための操作(賭数設定、スタートスイッチ19操作)がされると、エンディング演出中に示唆表示が行われたか否かにかかわらず、図29(a)および(b)に示すように、エンディング演出中に注意表示が完了しない。
タイミング6は、AT終了後の通常期間において遊技が開始されたタイミングを示している。図28と同様に、タイミング6においては、背景が通常用の背景画像に切替えられる。また、AT終了後の通常期間における1回目の遊技においては、セリフ表示が行われる。また、図29(a)および(b)では、タイミング6において注意表示が開始されてから未だ所定時間経過していないため、当該注意表示が継続して行われる。
ここで、図30(g)および(h)を参照して、液晶表示器27における演出例6の表示内容を説明する。タイミング6では、セリフ表示が行われるとともに、注意表示が継続して行われる。セリフ表示の1段階目は、領域1であって優先度が「6」のレイヤにおいて表示されるのに対し、注意表示は、領域2であって優先度が最も高い「1」のレイヤにおいて表示される。このため、図30(g)に示すように、注意表示がセリフ表示により阻害されることを防止できる。
タイミング7は、注意表示を開始してから所定時間経過し、当該注意表示を終了したタイミングを示している。図30(h)では、次のゲームが開始されたときに、セリフ表示として2段階目以降が行われたときの表示内容が示されている。注意表示はタイミング7において既に終了している。このため、図30(h)に示すように、注意表示に影響を与えることなく、領域2において2段階目のセリフを表示することができる。
次に、図29(c)を参照して、エンディング演出中に注意表示が完了せず、かつAT終了後の通常期間における1回目の遊技開始のための操作時においてエラーが発生したときの演出例7を説明するためのタイミングチャートである。図29(c)では、セレクターエラーが発生した場合を例示する。タイミング8は、通常期間における1回目の遊技開始のためにメダル投入口25にメダルを投入したものの、メダルがセレクター内で詰まってセレクターエラーが発生したタイミングを示している。つまり、タイミング8は、メインCPU61から出力されるエラーコマンドに基づきセレクターエラーが発生している旨をサブCPU71が特定したタイミングである。エラーが発生している旨を特定したときには、エラー用の背景に切替えられて、エラーの種類に応じたエラーメッセージが表示される。また、タイミング8では、特定表示としてエラー報知が行われるとともに、注意表示が開始されてから未だ所定時間経過していないために当該注意表示が継続して行われる。
ここで、図30(i)を参照して、液晶表示器27における演出例7の表示内容を説明する。タイミング8では、エラー用の背景画像として、画面の右上に困った表情をしたキャラクタ画像が表示され、図30(i)では図示していないが表示領域全面において対応する画像が表示される。
また、エラー報知として、領域1に「セレクターエラー!!」、領域3に「店員を呼んで下さい!」といったメッセージ画像が優先度「2」のレイヤにおいて表示される。一方、注意表示は、領域2であって優先度が最も高いレイヤに継続して表示される。このため、図30(i)に示すように、注意表示がエラー報知などにより阻害されてしまうことを防止できる。なお、注意表示は、図29(c)に示すように、所定時間が経過したタイミング9において終了する。
図29(c)および図30(i)では、エラー報知中においても注意表示を継続して行う例について説明した。しかし、エラー報知中においては、これに限らず、例えば、図29(d)に示すようにエラー報知中(タイミング8’〜10’)においては注意表示を一旦中止し、エラー報知終了後において注意表示を再開するものであってもよい。
再開される注意表示は、一旦中止したときの所定時間までの残り時間で表示するものであってもよい。具体的には、一旦中止したときの注意表示カウンタの値を維持し、再開後に当該値から更新して、所定時間に相当する値に到達したときに注意表示を終了するようにしてもよい。また、注意表示を再開したときには、その再開時点から所定時間(3秒)経過するまで注意表示を行うようにしてもよい。具体的には、サブCPU71において、注意表示を所定時間(3秒)表示したかどうかを判定するための判定用情報を備えており、エラー報知終了後に当該判定用情報に基づいて所定時間表示済みである場合は注意表示を行わず、当該判定用情報に基づいて所定時間表示済みでない場合は注意表示を再開するようにすればよい。また、エラー報知が行われたときには、注意表示を終了して、エラー報知終了後においても注意表示を行わないようにしてもよい。
上記実施形態においては、注意表示を、有利な状態のうちATが終了するときに行う例について具体的に説明したが、スロットマシン1は、RBB入賞により制御されるボーナスが終了するときにも注意表示を行う。スロットマシン1は、注意表示を少なくともATやボーナスなどの有利な状態が終了するときに行うものであれば、その他のタイミングにおいて注意表示を行うものであってもよい。
(上乗せ演出に関する処理について)
次に、上乗せ演出に関する処理について詳細に説明する。演出制御処理では、図9で示したAT中処理のSA07、SA08、およびSA09などにおいて、メインCPU61側からAT中において遊技毎に出力されるコマンドに基づき、AT中の演出のうち上乗せに関連する演出を制御する。図31は、演出制御処理のうち上乗せに関連する演出を制御するための上乗せ関連演出制御処理の一例を説明するための図である。
SB50においては、AT中の1遊技毎に出力(図9のSA07、SA08、SA09)される上乗せゲーム数コマンド、残りATゲーム数コマンド、および残り上限ゲーム数コマンドを受信して、SB51以降の処理を実行する。SB51においては、終了テロップフラグが設定されているか否かを判定する。SB51において終了テロップフラグが設定されていると判定されたときには、すでに終了テロップフラグが設定されているため、有利期間の上限回数までの残り上限ゲーム数を判定することなく、上乗せ関連演出制御処理を終了する。一方、SB51において終了テロップフラグが設定されていると判定されなかったときには、SB52において有利期間の上限回数までの残り上限ゲーム数が5以下であるか否かを判定する。有利期間の上限回数までの残り上限ゲーム数は、メインCPU61からの残り上限ゲーム数コマンドに基づき特定される。SB52において有利期間の上限回数までの残り上限ゲーム数が5以下であると判定されたときには、SB53に移行する。
SB53においては、対応する終了テロップを表示するための終了テロップフラグをセットする。有利期間の上限回数までの残り上限ゲーム数が5以下であると判定されたときの終了テロップとしては、液晶表示器27において例えば「まもなく、有利期間上限の1500Gに到達します」といったメッセージを表示する。これにより、有利期間が終了するまで終了テロップが表示される。
一方、SB52において有利期間の上限回数までの残り上限ゲーム数が5以下であると判定されなかったときには、SB54に移行する。SB54においては、上乗せゲーム数コマンドから特定される今回遊技において上乗せされた上乗せゲーム数が0より大きい値であるか否かが判定される。SB54において今回上乗せゲーム数が0より大きい値であると判定されなかったときには、そのまま上乗せ関連演出制御処理を終了する。
一方、SB54において今回上乗せゲーム数が0より大きい値であると判定されたときには、SB55において残りATゲーム数が残り上限ゲーム数以上であるか否かが判定される。残りATゲーム数は、SB50において受信した残りATゲーム数コマンドから特定される。また、残り上限ゲーム数は、SB50において受信した残り上限ゲーム数コマンドから特定される。
SB55において残りATゲーム数(上乗せゲーム数が加算された後のゲーム数)が残り上限ゲーム数以上であると判定されなかったとき、つまり、残りATゲーム数を消費しても未だ残り上限ゲーム数に到達しない状況においては、SB56において上乗せゲーム数コマンドから特定される上乗せゲーム数を報知するための上乗せ演出を設定する。これにより、上乗せ演出が実行される。上乗せ演出としては、例えば、上乗せゲーム数が「100」であったときに、「100ゲームGET!」といったメッセージを液晶表示器27に表示するとともに、「ドーン!」といった効果音をスピーカ31L、31Rから出力する。
一方、SB55において残りATゲーム数が残り上限ゲーム数以上であると判定されたとき、つまり、残りATゲーム数を消費するまでに残り上限ゲーム数に到達してしまう状況においては、SB57において特別背景が設定済であり特別背景実行中であるか否かが判定される。SB57において特別背景が設定済であり特別背景実行中であると判定されたときには、そのまま上乗せ関連演出制御処理を終了する。
これに対し、SB57において特別背景が設定済であり特別背景実行中であると判定されなかったときには、SB58において特別背景を設定して上乗せ関連演出制御処理を終了する。これにより、ATゲーム数が上乗せされかつ有利期間における遊技の上限回数(1500)まで有利期間を継続できることが確定した状況においてのみ、プレミア的に特別背景が実行される。特別背景としては、例えば、残り上限ゲーム数までの間に亘り、ストーリー性を有する特別な背景画面を液晶表示器27に表示するとともに、対応する音楽・効果音をスピーカ31L、31Rから出力する。これにより、有利期間を完走することへの優越感を遊技者に抱かせることができる。なお、特別背景については、図33を用いて後述する。また、特別背景が設定されるまでの期間であっても、累計数が「2370」に到達したときや、残り上限ゲーム数が5以下となったときには、対応する終了テロップが表示される。また、終了テロップ表示中において、上乗せ演出を実行する条件や特別背景を設定するための条件が成立したとしても、上乗せ演出の実行および特別背景への切替を規制し、終了テロップ表示を継続するものとする。
次に、残りATゲーム数を消費するまでに残り上限ゲーム数に到達してしまう状況であるか否かに応じて、上乗せ演出や特別背景などを含む所定の演出を制御する例を、図32に示すタイミングチャートを用いて説明する。図32(a)は、残りATゲーム数を消費しても残り上限ゲーム数に到達しない上限到達未確定時の例を示し、図32(b)は、残りATゲーム数を消費するまでに残り上限ゲーム数に到達してしまう上限到達確定時の例を示している。図32(a)および(b)は、各々、上から、リール11L〜11Rの回転状況、残りATゲーム数、残り上限ゲーム数、上乗せ抽選の実行の有無、上乗せ演出の実行の有無、および特別背景の実行の有無を示している。
図32(a)では、リール欄に示す遊技Aにおいて上乗せ抽選条件が成立した場合を示している。遊技Aが開始されたときの残りATゲーム数は、「431」であり、残り上限ゲーム数は、「497」である。この場合において、上乗せ抽選により上乗せゲーム数として「50」が決定されたときには、上乗せ後の残りATゲーム数が「481」となり未だ残り上限ゲーム数に到達しない上限到達未確定時となるため、図31のSB56において上乗せゲーム数「50」を報知する上乗せ演出が実行される。
図32(b)では、リール欄に示す遊技Bにおいて上乗せ抽選条件が成立した場合を示している。遊技Bが開始されたときの残りATゲーム数は、「468」であり、残り上限ゲーム数は、「497」である。この場合において、上乗せ抽選により上乗せゲーム数として「50」が決定されたときには、上乗せ後の残りATゲーム数が「518」となり残り上限ゲーム数に到達してしまう上限到達確定時となるため、図31のSB55においてYESと判定されることにより上乗せ演出の実行が規制される(図32(b)の上乗せ演出欄参照)。上限到達確定時においては、図31のSB58により特別背景が設定されるため、特別背景が実行可能となる(図32(b)の特別背景欄参照)。また、特別背景が実行されているときであっても、累計数が「2370」に到達したときや、残り上限ゲーム数が5以下となったときには、対応する終了テロップを優先して表示する。
図33は、AT中の背景画面が通常演出から特別背景に切替えられたときの表示例を説明するための図である。図33(a)には、AT中の背景画面が通常演出から特別背景に切替えられる場合の一例を示したタイミングチャートである。図33(a)では、上段から、遊技状態の種類、ゲーム数、液晶表示器27において実行する演出のうち、背景、残りゲーム数、ナビ演出の実行状況を示し、最下段に遊技進行として上乗せの有無を示している。また、図33(a)には、N+4の遊技中におけるタイミングとして(b)を示し、N+5の遊技が開始されたタイミングとして(c)を示している。図33(b)および(c)には、図33(a)中で示すタイミング(b)および(c)各々に対応するAT中の背景例を示している。
有利期間におけるAT(ART)中においては、図33(a)の背景欄に示すように、AT中の背景として通常演出および特別背景のうちのいずれかを実行する。図33(a)の例では、N+4の遊技においてATゲーム数が上乗せされて有利期間の上限回数までAT継続することが確定したものとする。よって、図33(a)では、N+4までは通常演出による背景が表示され、N+5以降において特別背景が表示されている。図33(b)は、通常演出の背景表示例を示しており、図33(c)は、特別背景の背景表示例を示している。
通常演出による背景では、図33(b)に示すように、画面中央に例えば二人のキャラクタが表示されるとともに、表示領域の左上において残りゲーム数として残りATゲーム数(残りATゲーム数が350の場合は、LAST:350G)が表示され、AT中において消化したトータルゲーム数(TOTAL:535G)が表示され、表示領域の右上に当該AT中における純増枚数(GET:1105)が表示される。トータルゲーム数は、AT中において消化した遊技の合計回数である。一方、有利期間において消化した遊技回数は、AT中のみならずCZやボーナスなどいずれの状態であるかにかかわらず有利期間中の遊技を消化したすべての回数を含む。よって、トータルゲーム数と有利期間において消化した遊技回数とは必ずしも一致するものではない。なお、通常演出においては、残りゲーム数として有利期間の上限回数までの残り上限ゲーム数については表示されない。
一方、特別背景では、図33(c)に示すように画面中央に例えば二人のキャラクタが表示された以降において、特別なストーリー性を有する演出が開始される。また、特別背景では、表示領域の左上における残りゲーム数が、残りATゲーム数から残り上限ゲーム数に切替えられる。残り上限ゲーム数が例えば440であった場合、図33(c)に示すように「エンディングまで:440G」が表示される。なお、特別背景においても、純増枚数が継続して表示される。一方、トータルゲーム数については、特別背景において表示されないが、特別背景開始後においても継続して表示するようにしてもよい。
また、表示領域の上部中央においては、「完走確定!〜Congratulation〜」といったメッセージが表示されることにより、有利期間の上限回数までAT継続確定した旨が報知される。また、図33(c)に示すように、表示領域の上部であって各種情報が表示される帯状領域の背景が特別な態様(例えば、レインボー態様)で表示される。図面におけるグラデーションは、特別な態様で表示されていることを示している。これにより、有利期間の上限回数までAT継続することが確定していることを強調して報知することができ、遊技者の優越感を向上させることができる。
<スロットマシン1により奏される効果の例>
(1−1) 上記実施形態におけるスロットマシン1では、図24および図25で示したとおり、累計数が2370となり有利期間がまもなく終了するときに、特定演出として終了テロップを液晶表示器27に表示する。これにより、累計数の上限到達によりATが終了してしまう場合であっても、終了テロップによりその旨が報知されるため、ATが突然終了してしまったということを回避でき、スロットマシン1に対して不信感を抱かせてしまうことを防止できる。また、終了テロップが表示されることに応じて液晶表示器27における純増枚数の表示が終了する。これにより、AT中において純増枚数の表示が終了することに対する違和感を低減しつつ、2400(あるいは2400に1遊技の最大払出枚数を加算した値)以上の純増枚数が液晶表示器27において表示されてしまうことを防止できる。その結果、遊技者の射幸心を抑制することができる。
(1−2) 上記実施形態におけるスロットマシン1では、累計数に基づき終了テロップが一旦表示された後においては、図14のSB11においてYESと判定されることにより、累計数にかかわらず終了テロップの表示および純増枚数の非表示が維持されるため、遊技者を混乱させてしまうことを防止できる。また、終了テロップを表示した後においては、累計数に応じた処理を行う必要が無いため、処理負担を軽減できる。
(1−3) 上記実施形態におけるスロットマシン1における、終了テロップの表示により純増枚数を非表示とした以降の終了画面では、図24および図25で示したとおり、その後の累計数にかかわらず、純増枚数が表示されない。これにより、終了画面においても2400以上の純増枚数が表示されてしまうことを防止できる。また、終了テロップの表示に応じて純増枚数が非表示となったにもかかわらず、終了画面において純増枚数が表示されてしまうことにより違和感を生じさせてしまうような不都合の発生を防止できる。
(1−4) 上記実施形態におけるスロットマシン1においては、AT中において表示されている純増枚数にかかわらず、累計数に応じて一律に終了テロップの表示および純増枚数の非表示を実行する。これにより、表示されている純増枚数にかかわらず、ATが突然終了してしまうことがなく、遊技機に対して不信感を抱かせてしまうことを防止できる。また、表示されている純増枚数に応じた処理を行う必要が無いため、処理負担を軽減できる。
(1−5) 上記実施形態におけるスロットマシン1においては、図14のSB12で示したとおり、AT中であるときには、RBB中であるか否か等にかかわらず、累計数が同じ2370に到達することにより終了テロップを表示する。このため、RBB中であるか否かに応じた処理を行う必要が無いため、処理負担を軽減できる。
(1−5) 上記実施形態におけるスロットマシン1においては、図19の第1の有利期間などで説明したとおり、AT中において純増枚数を表示していないときに制御されたRBB中においては、当該RBB中における純増枚数のみを表示する。これにより、AT中に関する純増枚数として2400以上の純増枚数が表示されてしまうことを防止しつつ、RBB中の純増枚数のみを遊技者に報知できる。
(1−6) 上記実施形態におけるスロットマシン1においては、図19の第1の有利期間などで説明したとおり、AT中において終了テロップが表示されているときに制御されたRBBが終了する際に表示される終了画面としては、AT中の純増枚数を表示せず、当該RBB中の純増枚数のみが表示される。これにより、ATの遊技履歴として2400以上の純増枚数が表示されてしまうことを防止しつつ、RBBの遊技履歴としての純増枚数については遊技者に報知できる。
(2−1) 上記実施形態におけるスロットマシン1においては、メインCPU61側において、有利期間中における遊技の進行に応じて複数種類の遊技用データを更新し、有利期間が終了することにより複数種類の遊技用データが初期化される(図12のSA26)。これにより、有利期間終了後において複数種類の遊技用データが持ち越されて、以降における遊技の進行に用いられてしまうことを防止できる。一方、サブCPU71側においては、複数種類の遊技用データを特定可能にするためのメインCPU61からのコマンドに基づき、複数種類の演出データを更新し、遊技の進行に応じた演出を実行可能としつつ、有利期間が終了することにより複数種類の演出データのうち、有利期間中において払出されたメダルの枚数と直接的な関連性を有する枚数関連演出データについては初期化される(図18のSB46)。これにより、有利期間終了後において枚数関連演出データが持ち越されて、以降における遊技の進行に応じた演出の実行に用いられてしまうことを防止できる。このため、例えば、既に終了している有利期間中における枚数関連演出データから特定可能となる純増枚数を現在制御中の有利期間の純増枚数に合算して表示することなどを防止できる。その結果、遊技者の射幸心を抑制することができる。
これに対して、複数種類の演出データのうち、遊技者の射幸心を煽る可能性を有する枚数関連演出データとは異なり、有利期間中において払出されたメダルの枚数と直接的な関連性を有していない枚数非関連演出データについては、有利期間が終了することによっては初期化されない。このため、例えば、既に終了している有利期間以前における枚数非関連演出データを加味した演出を、現在制御中の有利期間中において実行することができる。その結果、遊技者の射幸心を煽ることのない範囲で終了した有利期間中の遊技履歴を踏まえた演出を実行可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
(2−2) 上記実施形態におけるスロットマシン1においては、図18のSB47およびSB48で示したとおり、有利期間の終了から遊技を100回消化するまでに当選して制御されたAT中においては、前回の有利期間以前において更新された枚数非関連演出データに応じた演出を実行可能である。このため、有利期間の終了から遊技を100回消化するまでに新たにAT当選することに対する期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(2−3) 上記実施形態におけるスロットマシン1において、有利期間の終了からAT当選せずに遊技を100回消化したときには、図18のSB48で示したように、前回有利期間以前における演出データが初期化される。これにより、前回の有利期間との関係性がすでに低下しているような状況下において、当該有利期間以前の枚数非関連演出データに基づいて演出が実行されてしまい、遊技の興趣を低下させてしまうような不都合の発生を防止できる。
(2−4) 上記実施形態におけるスロットマシン1においては、図24(e)等で示したように、前回の有利期間以前における枚数非関連演出データのうちの連チャン回数に基づいて、星マークの数により連チャン回数を報知できる。また、図25(e)等で示したように、前回の有利期間以前における枚数非関連演出データのうちの話数に基づいて、何話までストーリーが進んだかを報知できる。これにより、遊技者の射幸心を煽ることなく、遊技の興趣を向上させることができる。
(3−1) 上記実施形態におけるスロットマシン1において、終了テロップが表示されて純増枚数が非表示となっているときであっても、携帯連動用の遊技履歴データについては累計数にかかわらず図18のSB42において更新される。その結果、例えば、2370や2400を超える純増枚数を通信端末に表示可能な2次元コードを生成して表示することが可能となる。これにより、スロットマシン1における純増枚数の表示・非表示を制御することにより遊技者の射幸心を抑制しつつも、遊技者所有の通信端末においてはスロットマシン1において非表示となった純増枚数や表示不可能な純増枚数を表示可能となるとともに、管理サーバにおける自身の遊技履歴を更新可能となる。このため、過去に行った遊技者自身の遊技履歴を振り返って確認したいといった要望や遊技履歴の記録を残しておきたいといった要望に応えることが可能となる。
(3−2) 上記実施形態におけるスロットマシン1は、2次元コードの生成に用いる携帯連動用の遊技履歴データについては、図18で示したように、有利期間が終了することによっては初期化されない。このため、有利期間が終了した後においても携帯連動用の遊技履歴データに基づき生成された2次元コードを生成でき、遊技者所有の通信端末や管理サーバに反映させることができる。その結果、有利期間が終了した後であっても、通信端末においては純増枚数のみならず他の遊技履歴についても表示可能となる。このため、遊技者は、通信端末を介して、すでに終了した有利期間における遊技履歴を振り返り確認等することが可能となる。
(4) 上記実施形態におけるスロットマシン1は、図13のSB03および図14のSB10により、ARTに制御されてから有利期間が終了するまでの純増枚数算出期間における純増枚数を算出し、図13のSB06および図14のSB22により、AT中またはボーナス中において当該純増枚数を表示する。また、算出された純増枚数が特定数である「2000」のOVER表示枚数に到達するまでは、純増枚数が図20や図21(a)などで示した通常態様で表示されるのに対し、純増枚数が「2000」のOVER表示枚数に到達したときには当該純増枚数が図21(b)などで示したレインボー態様で表示され、それ以降において図21(c)に示すように純増枚数が「2000」未満となったときであってもレインボー態様での表示が維持される。これにより、純増枚数が「2000」のOVER表示枚数に到達した以降においては純増枚数が「2000」未満となったか否かにかかわらずレインボー態様で表示される。その結果、純増枚数がレインボー態様で表示されているか否かにより「2000」のOVER表示枚数に到達したか否かを把握できるとともに、「2000」のOVER表示等を仮に遊技者が見逃したとしても、それ以降においても純増枚数がレインボー態様で表示されていることによりスロットマシン1が正常に動作していることについても把握でき、スロットマシン1に対して不信感を抱かせてしまうことを防止できる。
また、AT中に当選して制御されたボーナス中においても純増枚数が継続して算出されるとともに、ボーナス中において純増枚数が「2000」のOVER表示枚数に到達したときにも、図22(d)に示すように当該純増枚数がレインボー態様で表示され、それ以降において仮に純増枚数が「2000」未満となったときであっても当該レインボー態様での表示が維持される。その結果、純増枚数を算出および表示する点においてATとボーナスとに関連性を持たせることができ遊技の興趣を向上できるとともに、ボーナスに制御されたときであっても、純増枚数がレインボー態様で表示されているか否かにより「2000」のOVER表示枚数に到達したか否かを把握でき、純増枚数がレインボー態様で表示されていることによりスロットマシン1が正常に動作していることについても把握でき、スロットマシン1に対して不信感を抱かせてしまうことを防止できる。
また、ボーナス当選しているRBB内部当選状態中においても純増枚数が継続して算出される。一方、図23の(b)および(c)に示すように、ボーナス当選の確定画面が表示されてからボーナスに制御されるまでにおいては純増枚数の表示が中断される。これにより、ボーナス当選の確定画面が表示されているときには当選しているボーナスを入賞させてボーナスに制御させることに遊技者を集中させることができる。また、ボーナス当選の確定画面が表示されてからボーナスに制御されるまでにおいて純増枚数が「2000」のOVER表示枚数に到達したときには、図23(d)に示すように当該ボーナスに制御されてから純増枚数を通常態様で表示させた後において、図23(e)に示すように小役入賞などによりメダルが付与されたときに純増枚数がレインボー態様で表示される。これにより、ボーナスに制御された瞬間に突然純増枚数がレインボー態様で表示されてしまうことにより、特別な演出(例えば高設定示唆等)が実行されたのではないかといった心証を抱かせてしまうことを防止できる。また、遊技者を困惑させてしまうような不都合の発生を防止できる。
また、ボーナス当選の確定画面が表示されてからボーナスに制御されるまでの間においては、純増枚数が設定済のOVER表示枚数に到達したときであってもOVER表示を実行せず、ボーナスに制御されてから後において、図23(e)に示すように小役入賞などによりメダルが付与されたときにOVER表示を実行する。これにより、ボーナス当選の確定画面が表示されているときには当選しているボーナスを入賞させてボーナスに制御させることに遊技者を集中させることができるとともに、ボーナスに制御された瞬間に突然OVER表示が実行されてしまうことにより、特別な演出が実行されたのではないかといった心証を抱かせてしまうことを防止できる。また、遊技者を困惑させてしまうような不都合の発生を防止できる。
また、図15等で示したように、純増枚数が「2000」未満のOVER表示枚数に到達したときにはOVER表示を通常態様で表示し、純増枚数が「2000」以上のOVER表示枚数に到達したときにはOVER表示をレインボー態様で表示する。つまり、スロットマシン1は、前記有利状態における純増数が前記特定数未満の数と前記特定数以上の数とを含む予め複数種類定められた段階数のいずれかに到達したときに、当該段階数に到達した旨の到達演出を表示する到達演出表示手段を備え、前記到達演出表示手段は、前記純増数が前記特定数未満の段階数に到達したときには前記到達演出を前記所定表示態様で表示し、前記純増数が前記特定数以上の段階数に到達したときには前記到達演出を前記特別表示態様で表示する。これにより、OVER表示の表示態様を純増枚数表示の表示態様と連動させることにより、純増枚数が「2000」未満であるのか以上であるのかを視覚的にわかりやすく遊技者に報知することができる。
また、算出した純増枚数が「2000」のOVER表示枚数に到達せずにATまたはボーナスが終了するときには、図20(h)で示したように終了画面を通常態様で表示するのに対し、算出した純増枚数が「2000」のOVER表示枚数に到達した後においてATまたはボーナスが終了するときには、図21(e)および(e’)で示したように、「2000」未満であるか以上であるかにかかわらず、終了画面をレインボー態様で表示する。つまり、スロットマシン1は、前記有利状態が終了するときに前記純増数算出手段が算出した純増数を含む遊技結果を表示する遊技結果表示手段を備え、前記遊技結果表示手段は、前記純増数が前記特定数に到達せずに前記有利状態が終了するときには前記遊技結果を前記所定表示態様で表示し、前記純増数が前記特定数に到達した以降において前記有利状態が終了するときには、当該有利状態が終了するときの純増数が前記特定数に到達しているか否かにかかわらず前記遊技結果を前記特別表示態様で表示する。これにより、終了画面の表示態様を純増枚数表示の表示態様と連動させることにより、純増枚数表示がレインボー態様であったにもかかわらず終了画面表示時の純増枚数に基づいて終了画面が異なる表示態様で表示されることにより遊技者を混乱させてしまうような不都合の発生を防止できる。また、終了画面表示時における純増枚数に応じて終了画面の表示態様を変化させる必要がないため、終了画面表示時における処理負担を軽減できる。
また、「2000」のOVER表示枚数に到達したときの純増枚数の表示態様は、到達時の状態がAT中、ボーナス中、および確定画面表示中のいずれであっても、図21(b)、図22(d)、および図23(e)に示すように、共通のレインボー態様である。つまり、スロットマシン1は、前記純増数の表示態様のうちの特別表示態様は、純増数が特定数に到達したときの状態にかかわらず同じ表示態様である。これにより、「2000」のOVER表示枚数に到達してから以降において純増枚数の表示に用いる表示用データの記憶容量を極端に増大させてしまうことを防止できる。
また、図21(b)〜(d)などで示したように、純増枚数が「2000」のOVER表示枚数に到達して「2000」のOVER表示をした後においては、純増枚数が「2000」未満となった後に再度「2000」に到達したときであっても「2000」のOVER表示を再び行うことはない一方、純増枚数表示をレインボー態様で表示した後においては「2000」未満となるか否かにかかわらず、レインボー態様での表示を維持する。つまり、スロットマシン1は、前記有利状態における前記純増数が前記特定数に到達したときに特定数到達演出を表示する特定数到達演出表示手段を備え、前記特定数到達演出表示手段は、前記純増数が前記特定数に到達して前記特定数到達演出を表示した後においては、前記純増数が前記特定数未満となって再び前記特定数に到達したときであっても前記特定数到達演出を再表示せず、前記純増数表示手段は、前記純増数が前記特定数に到達して当該純増数を前記特別表示態様で表示した後においては、前記純増数が前記特定数未満となるか否かにかかわらず、前記特別表示態様での表示を維持する。これにより、「2000」のOVER表示が短期間のうちに頻発してしまうことを防止しつつも、純増枚数表示の表示態様により「2000」に到達したか否かを確実に遊技者に報知できる。
また、純増枚数表示に用いる表示用データとして、通常態様の表示用データと、レインボー態様の表示用データとをROM77に予め記憶している。また、OVER表示の表示用データについては、純増枚数が「2000」未満の通常態様の表示用データと、純増枚数が「2000」以上のレインボー態様の表示用データとを各々ROM77に予め記憶している。このため、画像処理によりレインボー態様の表示用データを生成する必要がないため、画像処理負担を軽減できる。
(5) 上記実施形態におけるスロットマシン1は、図28等で示したように、有利な状態終了用のエンディング背景表示中に注意表示を行う。しかし、図27で示したように、エンディング背景よりも優先度が高いレイヤにおいて注意表示を行う。また、注意表示は、所定時間(3秒)が経過するまで行う。このため、エンディング背景により注意表示が阻害されることを防止できる。
また、注意表示を行っている所定時間が経過するまでの間においても、図30(c)(d)(g)および(i)などで示したように、特定表示としてナビ演出、履歴表示、セリフ表示(1段階目)、エラー報知などが行われる。しかし、図27(b)で示したように、注意表示に用いる領域と重ならない領域において当該特定表示が行われる。このため、特定表示によっても注意表示が阻害されることを防止しつつ特定表示を行うことができる。その結果、注意表示中は遊技者が当該注意表示を視認できることにより注意喚起の機能を十分に発揮させることができるとともに、特定表示の種類に応じた情報を遊技者あるいは遊技場の店員などに対して確実に報知することができる。
また、示唆表示はスロットマシン1の有利度を示唆する画像であるために遊技者を注目させる画像であるところ、注意表示と示唆表示とが表示されるときには、図28〜図30に示すように、まず示唆表示が行われた後に、注意表示が行われる。このため、注意表示と示唆表示とが同時に表示されるものと比較し、示唆表示に注目してしまい注意表示を見逃してしまうことを防止できる。その結果、注意表示を行っている間は遊技者が当該注意表示を視認できることにより注意喚起の機能を十分に発揮させることができるとともに、示唆表示によって有利度を示唆することにより遊技の興趣を向上させることができる。
また、有利な状態が終了したときには、当該有利な状態において比較的多くのメダルを遊技者が獲得している。そのような状況下におけるエンディング背景表示中において、注意表示が行われる。このため、効果的な場面において注意喚起の機能を発揮させることができる。
また、上記実施形態におけるスロットマシン1は、図30(c)で示したように注意表示を開始してから、図30(d)(g)および(i)などで示すように注意表示を終了するまで、表示開始当初からの表示態様(所定態様)を維持している。このため、途中において注意表示の表示態様が変化(表示位置の移動など)するようなものと比較して、注意表示が見落とされてしまうことを防止できる。
また、上記実施形態におけるスロットマシン1は、図29(a)および(b)のタイミング6で示したように、遊技を開始するための操作(賭数設定、スタートスイッチ19操作)がされたとしても、所定時間が経過するまで注意表示が維持される。このため、遊技操作が受付けられることにより注意表示を変化(表示位置の移動など)させてしまうようなものと比較して、注意表示が見落とされてしまうことを防止できる。
また、上記実施形態におけるスロットマシン1は、図27などで示したように、注意表示と示唆表示とが異なる領域において表示される。このため、示唆表示が行われていた領域とは異なる領域において注意表示が行われるため、表示内容が変化していることを遊技者に気付かせやすくすることができる。その結果、注意表示が見逃されてしまうことを防止できる。
(6) 上記実施形態におけるスロットマシン1は、図5のS700および図9等で示したように、ATに関する設定処理等をメインCPU61側において実行する。しかし、メインCPU61は、AT中において、図9のSA04および図32の上乗せ抽選欄で示すように、残りATゲーム数を消費するまでに残り上限ゲーム数に到達してしまう状況であるか否かにかかわらず、上乗せ抽選条件が成立したときには上乗せ抽選を一律に行う。例えば、残りATゲーム数が残り上限ゲーム数を既に超えている場合であっても、上乗せ抽選条件が成立したときには、残りATゲーム数が残り上限ゲーム数を超えていないときと同様に、上乗せ抽選を行う。また、有利期間の上限回数に到達したときには、ATおよび有利期間を終了させる。これにより、残りATゲーム数を消費するまでに残り上限ゲーム数に到達してしまう状況であるか否かを判定する処理ステップなどを設けていないため、メインCPU61側の処理負担および記憶容量を増大させることなく、ATおよび有利期間に上限を設けて射幸性が高まり過ぎてしまうことを防止できる。
一方、サブCPU71側においては、残りATゲーム数を消費するまでに残り上限ゲーム数に到達してしまう状況であるか否かに応じて、上乗せ演出や特別背景などを含む所定の演出を制御する。これにより、ATおよび有利期間における遊技状況に応じた演出を実行することができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、図32等で示したように、ATに制御される期間が実際に延長されるときには上乗せ演出を実行し、有利期間の上限回数に到達することによりATに制御される期間が実際には延長されないときには上乗せ演出を規制する。これにより、上乗せ演出により報知されたATゲーム数分を消化していないにもかかわらず、有利期間の上限回数に到達してATが終了してしまうといった状況の発生を未然に防止できる。
また、メインCPU61は、図9で示したように1遊技毎に、上乗せゲーム数コマンド、残りATゲーム数コマンド、および残り上限ゲーム数コマンドを出力する。また、残りATゲーム数コマンドから特定される残りATゲーム数は、当該遊技において上乗せされた上乗せゲーム数を含む。これにより、当該コマンドを受信するサブCPU71側では、残りATゲーム数を消費するまでに有利期間の上限回数に到達して終了する状態であるか否かを、今回の上乗せゲーム数を含めて判定できるため、より正確に上乗せ演出の有無を決定できる。
また、ATが終了するまでにボーナス当選して制御されたボーナス中は、図9のSA01およびSA02において説明したように、残りATゲーム数を減算更新(消費)させない一方、残り上限ゲーム数については減算更新(消費)させる。これにより、ATが終了するまでにボーナスに制御されたとしても、当該ボーナスに制御されることにより実質的にATに制御される期間が短くなってしまい遊技者に不利益を与えてしまうことを防止できる一方、有利期間の上限回数については実質的に延長されてしまうことがないため射幸性が高まり過ぎてしまうことを防止できる。
<変形例>
上記実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。以下に、実施形態に対する変更を例示する。
上記実施形態においては、演出データのうち枚数非関連演出データについては、有利期間終了後において遊技を100回消化するまで持ち越し、当該期間内にAT当選することを条件としてそれ以降においても持ち越すことができる例について説明した。しかし、枚数非関連演出データを持ち越す期間は、遊技を100回消化する期間に限るものではない。また、枚数非関連演出データを持ち越す期間の経過後においても持ち越す条件は、当該期間内にAT当選することに限らず、例えば、当該期間内にAT当選しかつATに制御されることや、当該期間内に再度有利期間に制御されること、当該期間内に有利期間に制御されかつCZに制御されることなどであってもよい。
上記実施形態および変形例においては、携帯連動用の遊技履歴データについては、携帯連動が終了するまで初期化されることなく、継続して更新され持ち越される例について説明した。しかし、これに限らず、携帯連動用の遊技履歴データについても、枚数非関連演出データと同様に、持ち越す期間が定められているものであってもよい。携帯連動用の遊技履歴データについても、例えば、有利期間が終了してから遊技を100回消化するまで持ち越すものであってもよい。また、携帯連動用の遊技履歴データを持ち越す期間の経過後においても持ち越す条件は、例えば、当該期間内にAT当選することや、当該期間内にAT当選しかつATに制御されること、当該期間内に再度有利期間に制御されること、当該期間内に有利期間に制御されかつCZに制御されることなどであってもよい。
上記実施形態および変形例においては、RBB当選により確定画面を表示する例について説明した。しかし、終了テロップ表示中においてRBB当選したときには、確定画面を表示せずに終了テロップ表示を継続してもよく、終了テロップ表示を継続しつつ確定画面を表示してもよく、終了テロップ表示を終了させて確定画面を表示するようにしてもよい。また、確定画面表示中に終了テロップを表示するための条件が成立したときには、確定画面表示を終了させて終了テロップを表示してもよく、確定画面表示を継続させつつ終了テロップを表示してもよい。また、確定画面においては、図22(b)において当選しているRBB図柄を報知(当選RBB報知ともいう)する例について説明したが、当選RBB報知の表示領域は、終了テロップの表示領域の一部と重畳し合うものであってもよい。この場合であっても、終了テロップの表示と当選RBB報知の表示との双方が遊技者にとって認識あるいは特定できるように表示されるものであればよい。
上記実施形態および変形例においては、終了テロップ表示中においては、純増枚数が設定されているOVER表示枚数に到達したときであっても、OVER表示を実行しない例について説明した。しかし、終了テロップ表示中であって純増枚数を表示していないときであっても、内部的に更新されている純増枚数が設定されているOVER表示枚数に到達したときには、対応するOVER表示を実行するようにしてもよい。図15で示したように、OVER表示枚数が2400未満の数が定められているため、OVER表示を実行したとしても、2400以上の純増枚数が表示されることはない。
上記実施形態および変形例においては、図24および図25等で示したように、累計数に基づく終了テロップを表示したときに純増枚数については非表示にするものの、ATゲーム数については継続して表示させる例について説明した。しかし、累計数に基づく終了テロップを表示したときには、純増枚数のみならずATゲーム数についても非表示となるようにしてもよい。つまり、終了テロップを表示するときには、遊技の進行にかかわる情報について一切表示しないようにしてもよい。また、遊技回数に基づく終了テロップを表示するときにも、純増枚数を非表示としてもよく、また、純増枚数およびATゲーム数のいずれをも非表示とするようにしてもよい。
上記実施形態および変形例において、終了テロップは、表示が一旦開始されると有利期間が終了するまで継続して表示される例について説明した。しかし、終了テロップ表示中においてRBBに入賞してRBBが開始されたときには、終了テロップ表示を終了させて、RBBに対応する演出を開始するようにしてもよい。
上記実施形態および変形例においては、一の有利期間において1回だけATに制御され、ATが終了したときには当該有利期間をも終了させて通常期間に制御される例について説明した。しかし、これに限らず、一の有利期間において、ATに複数回制御可能となるようにしてもよい。例えば、ATが終了した後は、CZに制御し、当該CZにおいてAT当選することにより再度ATに制御する一方、CZにおいてAT当選せずにCZに制御可能なゲーム数を消化したときに有利期間を終了させて通常期間に制御するようにしてもよい。また、一の有利期間においてATに複数回制御可能となる場合において、例えば、枚数非関連演出データを持ち越す期間は、一の有利期間内であっても、ATが終了してから遊技を100回消化する期間に限るものであってもよい。つまり、AT終了から遊技を100回消化するまでに再度ATに制御されないときには、一の有利期間内であっても、以降において枚数非関連演出データを持ち越さないようにしてもよい。
上記実施形態および変形例において、累計数に基づく終了テロップ表示は、累計数が2400を超えたときに終了する。つまり、前もって終了テロップ表示を終了することがない。例えば、1遊技における最大払出枚数(12枚)加算で2400を超える累計数であって「BEL」当選した遊技が開始されたときに終了テロップ表示を終了してしまう場合には、遊技者の操作態様次第で累計数が2400を超えない場合が生じ、再度の終了テロップを表示する必要性が生じる。このような無駄な処理が行われることや、違和感を抱かせてしまうような表示が行われてしまうことを防止できる。なお、累計数に基づく終了テロップ表示は、1遊技における最大払出枚数(12枚)加算で2400を超える累計数であって「BEL」当選した遊技において、正解手順で操作されることが確定した時点で終了するようにしてもよく、また、正解手順で操作されることが確定したときに表示態様を変化させてもよい(「有利期間上限の2400枚に到達しました」といったメッセージに切り替える)。また、終了テロップ表示は、例えば、累計数が2400を超えたときに、表示態様を変化させた後に終了させるようにしてもよい。例えば、終了テロップ表示中において、累計数が2400を超えたときに、「有利期間上限の2400枚に到達しました」といったメッセージに切り替えた後に終了テロップ表示を終了させるようにしてもよい。また、終了テロップは、終了条件が成立した遊技において、第3停止操作が離反したときに終了するようにしてもよい。
上記実施形態および変形例において、図31のSB55において、残りATゲーム数が残り上限ゲーム数以上であるときに特別背景が設定される例について説明した。しかし、特別背景を設定する条件は、これに替えてあるいは加えて、残りATゲーム数に対して、役の当選確率などから算出されるAT中の1遊技当りの平均純増枚数を掛け合わせることにより「予測純増枚数」を算出し、「予測純増枚数」が「(上限2400)−(現時点における累計数)」以上の値であるか否かを判定し、「予測純増枚数」≧「(上限2400)−(現時点における累計数)」であるときにSB58に移行させて特別背景を設定するようにしてもよい。
上記実施形態および変形例において、累計数に基づく終了テロップ表示中にRBB入賞してRBBに制御されたときには、RBBに制御されたときに終了テロップ表示を終了してもよく、また当該RBB中に有利期間が終了するときに終了テロップ表示を終了するようにしてもよい。また、RBB中においては、図19に示されるように、終了テロップが表示されているときであても当該RBB中における純増枚数等に関する情報については表示されるが、終了テロップが表示されているときには当該RBB中における純増枚数等に関する情報をも表示しないようにしてもよい。また、累計数に基づく終了テロップ表示中に制御されたRBBが終了したときの終了画面では、当該RBB中における純増枚数等に関する情報を表示する例について説明したが、これに限らず、当該RBBの終了画面においては純増枚数等に関する情報が一切表示されないようにしてもよい。
上記実施形態および変形例における累計数に基づく終了テロップを表示するときには、当該終了テロップが表示される可能性を示す予告演出を実行するようにしてもよい。予告演出としては、例えば、「上限の2400にまもなく到達かも」といったメッセージを表示するものであってもよい。また、予告演出は、例えば、終了テロップの表示契機となる累計数の値よりも少ない所定値(例えば2350)に現時点の累計数が到達することにより実行されるようにしてもよい。これにより、終了テロップが表示される可能性を報知でき、遊技者を困惑させてしまうことを防止できる。また、予告演出と同じ態様の演出は、累計数が所定値未満の値であるときにも所定の抽選で当選することにより実行されるようにしてもよい。これにより、予告演出と同じ態様の演出が実行されたときに、上限到達で有利期間が終わるかもしれないといったドキドキ感を遊技者に抱かせることができる。
上記実施形態および変形例においては、累計数に基づく終了テロップを表示する契機となる値は、一律2370に定められている例について説明した。しかし、累計数に基づく終了テロップを表示する契機となる値は、有利期間に制御される毎あるいはATに制御される毎に複数の値(例えば、2000、2100、2200、2300、2370など)から乱数抽選により決定するようにしてもよい。いずれの値に決定された場合であっても、終了テロップの表示態様(メッセージ内容等)は、同じ態様となるようにしてもよい。これにより、終了テロップが表示された後であっても、上限となるまでの値が異なるため、ATが継続することに期待感を抱かせることができる。
上記実施形態および変形例におけるスロットマシン1においては、有利期間や携帯連動の終了等により記憶した演出データや遊技履歴データを初期化する例について説明した。しかし、スロットマシン1は、これらの演出データや遊技履歴データとは別に、当該スロットマシン1において行われたすべての遊技履歴を特定するための解析データを更新するものであってもよい。当該解析データは、例えば、メーカー等がスロットマシン1を回収して解析にのみ用いるデータであって、スロットマシン1の遊技の進行や演出の実行に用いることができないデータである。
上記実施形態および変形例では、有利期間終了後に持ち越された枚数非関連演出データに基づいて、次の有利期間やAT中において実行する演出の種類や内容を決定する際に用いる例について説明した。しかし、次の有利期間やAT中に限らず、有利期間終了後に持ち越された枚数非関連演出データに基づいて、通常期間や有利一般、CZにおいて実行する演出の種類や内容を決定するようにしてもよい。
上記実施形態および変形例では、枚数非関連演出データについては有利期間終了後に持ち越す例について説明した。しかし、終了した有利期間における遊技履歴が特別条件を満たしているときにのみ枚数非関連演出データを有利期間終了後に持ち越すようにしてもよい。特別条件は、例えば、ストーリーが15話まで到達することや、プレミアム演出が実行されたこと、純増枚数が所定枚数(例えば、500)以上であることなどにより成立する条件であってもよい。
上記実施形態および変形例では、実行する演出の種類や内容を決定する際に、携帯連動用の遊技履歴データを用いない例について説明したが、これに限らず、携帯連動中においては、演出データのみならず携帯連動用の遊技履歴データを用いて実行する演出の種類や内容を決定するようにしてもよい。
上記実施形態および変形例では、終了テロップの表示に応じて、純増枚数を非表示とする例について説明したが、非表示とするものに限らず、例えば、表示態様を変更して純増枚数を表示するものであってもよく、純増枚数に対応するアイテム画像等を表示するものであってもよい。
上記実施形態および変形例では、有利期間の終了によっては初期化されない枚数非関連演出データに応じて、次の有利期間(AT)中において実行する演出の内容等を決定する例について説明した。決定される演出の対象は、液晶表示器27に表示することにより実行する表示演出に限らず、ランプやLEDにより実行する光演出であってもよく、スピーカ31L、31Rから出力される音演出であってもよい。
上記実施形態および変形例において、AT中の演出として、遊技の進行に応じてストーリーの話数が進む例について説明した。しかし、AT中の演出としては、これに限らず、例えば、格闘バトルを行い、遊技の進行に応じてラウンド数が進む演出であってもよく、特別な条件が成立したとき(純増枚数が2000到達、ATゲーム数が1000到達等)にのみ実行されるエンディング演出を実行するようなものであってもよい。このような場合、枚数非関連演出データとして、ラウンド数や、エンディング演出の実行の有無などを特定するデータを更新し、有利期間が終了した後において当該ラウンド数やエンディング演出の有無に応じた演出を実行するようにしてもよい。例えば、エンディング演出が実行されていたときには、次の有利期間におけるAT中においてトロフィーを模した画像を表示するようにしてもよい。
上記実施形態および変形例における図26では、携帯連動用の遊技履歴データに基づいて、遊技者所有の通信端末の表示部にAT純増枚数そのものを表示する例について説明したが、これに限らず、AT純増枚数に対応する画像(例えば、100枚に対応して1つのドル箱画像)を表示するものであってもよい。
(A)メダルと直接的な関連性を有する演出データを持ち越す場合について
上記実施形態においては、液晶表示器27などにおいて報知される有利期間中の純増枚数として、累計数の上限値である「2400」に対して1遊技の最大払出枚数を加算した値以上を報知しないようにするために、有利期間中における累計数の上限値にまもなく到達(累計数が「2370」に到達)する場合に終了テロップを表示し、有利期間が終了する毎に図18のSB46において有利期間中において払出されたメダルの枚数と直接的な関連性を有する演出データが初期化される例について説明した。しかし、累計数の上限値である「2400」に対して1遊技の最大払出枚数を加算した値以上が報知しないものであれば、これに限らず、例えば、有利期間が終了した場合であっても、有利期間中において払出されたメダルの枚数と直接的な関連性を有する演出データ(例えば、累計数、純増枚数等)を初期化せずに以降に持ち越すようにしてもよく、サブCPU71は、当該演出データに基づいて実行する演出の種類や内容を決定し、実行するようにしてもよい。例えば、有利期間における累計数(あるいは純増枚数)が「2400」(あるいは「2370」)に到達していないときには、当該有利期間中において払出されたメダルの枚数と直接的な関連性を有する演出データ(例えば、累計数、純増枚数等)を初期化せずに以降に持ち越すようにしてもよい。この場合であっても、図18のSB47およびSB48で示したように、前回有利期間終了からAT当選することなく100回遊技を消化したときには、前回有利期間から引き継いだ演出データを初期化するようにし、持ち越さないことにより以降の演出に反映できないようにしてもよい。以下においては、有利期間中において払出されたメダルの枚数と直接的な関連性を有する演出データを以降に引き継ぐ例を説明する。
・純増枚数表示に反映させる例
前回有利期間中における純増枚数を以降に引き継ぐ例について説明する。図34は、有利期間における累計数カウンタおよび純増枚数の増減の一例を説明するための図である。図34においては、縦軸に、上から、制御されている期間の種類、累計数カウンタ、終了テロップ、純増枚数、および純増枚数をグラフ化したスランプグラフが示され、横軸には、左から右にかけて時間の経過(遊技を消化)が示されている。図34では、1回目の有利期間(図34では第1の有利期間と称している)が終了してから、所定期間経過したときに再び有利期間(図34では第2の有利期間と称している)に制御された場合を一例として示す。
まず、通常期間から有利期間(第1の有利期間)に制御されると、図9のSA01や図11のSA12およびSA14に示されるように、遊技の進行に応じて有利期間カウンタおよび累計数カウンタの値が更新される。図34の第1の有利期間では、当該有利期間に制御されるとともにATに制御されている例を示している。AT(純増枚数算出期間)に制御されると、図13のSB03および図14のSB10に示すように、遊技の進行に応じて純増枚数が更新される。AT中においては、例えば押し順ベル当選時にナビ演出が実行されるため、累計数カウンタの値が増加するとともに、純増枚数およびスランプグラフに示されるように純増枚数も増加する。また、AT中においては、図13のSB06や図14のSB22に示されるように、液晶表示器27において純増枚数が更新表示される。
図34においては、その後の遊技の進行に応じて、遊技を500回消化し累計数および純増枚数が「900」に到達したときに、第1の有利期間が終了して通常期間に制御された場合が示されている。第1の有利期間が終了したときには、第1の有利期間中の遊技用データが初期化される一方、図18のSB45およびSB46の処理が行われないため、第1の有利期間中において払出されたメダルの枚数と直接的な関連性を有する演出データを含む演出データ(サブCPU71側において管理される演出データ)が以降に引き継がれる。なお、累計数(あるいは純増枚数)が上限となる「2400」に到達していないことを条件として、有利期間中において払出されたメダルの枚数と直接的な関連性を有する演出データを含む演出データを以降に引き継ぎ、累計数(あるいは純増枚数)が上限となる「2400」に到達しているときには、少なくとも有利期間中において払出されたメダルの枚数と直接的な関連性を有する演出データを以降に引き継がないようにしてもよい。
図34では、通常期間に制御されてから所定回数(100)遊技を消化するまでに、再び有利期間(図19では第2の有利期間と称している)に制御されたものとする。本変形例では、当該通常期間においても遊技の進行に応じて、第1の有利期間から引き継いだ純増枚数を更新する。第2の有利期間では、所定期間に亘って有利一般とCZに制御された後に、ATに制御されている。有利期間に制御されると、純増枚数を引き継いでいる場合であっても、遊技の進行に応じて有利期間カウンタおよび累計数カウンタの値については新たに更新が開始される。有利期間に制御されたとしても、有利一般やCZ中においてはナビ演出が実行されないため、累計数カウンタが0または負の値となり、図11のSA16で示したとおり「0」が設定される。また、スランプグラフに示されるように、有利一般やCZ中においては通常期間と同様に純増枚数も減少する。
図34の第2の有利期間においては、有利一般やCZを経た後、ATに制御されたものとする。ATに制御されると、第1の有利期間から引き継いで更新された純増枚数から更新表示される。なお、通常期間に制御されてから所定回数(100)遊技を消化するまでにAT当選あるいはAT制御されることにより第1の有利期間から引き継いだ純増枚数から更新表示されるようにしてもよい。図34では、第1の有利期間終了時からメダルを150枚消費してATに制御されているため、液晶表示器27において「750」(=900−150)から純増枚数が更新表示される。
図34では、その後の遊技の進行に応じて、有利期間における累計数が上限値に到達することなく、第1の有利期間から引き継ぎ更新された純増枚数が例えば「2090」を超えたときに、有利期間カウンタの値が5以下となった場合を示している。有利期間カウンタの値が5以下となったときには、図14のSB12〜SB13で示すように、対応する終了テロップが表示される。終了テロップが有利期間カウンタの値に応じて表示されている場合は、純増枚数の更新表示を継続する。終了テロップは、第2の有利期間の遊技回数が上限の1500に到達して終了するまで表示される。
有利期間カウンタの値が0に到達して第1の条件が成立して第2の有利期間が終了するときには、第2の有利期間中の遊技用データが初期化される一方、図18のSB45およびSB46の処理が行われないため、第1の有利期間からの演出データが以降に引き継がれる。また、第2の有利期間が終了した後においては、通常期間に制御されるため、押し順ベル当選してもナビ演出が実行されない。このため、純増枚数は、図34の点線で示すように継続的に増加することはなく、実線で示すように遊技の進行に応じて減少することになる。
このように有利期間中における純増枚数を以降に引き継ぐ場合には、次の有利期間中においても引き継いで純増枚数の更新表示を行うことができる。なお、この場合であっても、純増枚数として累計数の上限値である「2400」に対して1遊技の最大払出枚数を加算した値が表示されないように、純増枚数が例えば「2370」に到達したときには、純増枚数を非表示とするようにしてもよく、純増枚数を非表示とするとともに特別な演出を実行するようにしてもよい。なお、純増枚数が「2370」に到達した以降においても、サブCPU71は、遊技の進行に応じて純増枚数を更新する。図35は、特別な演出の一例を説明するための図である。
純増枚数が「2370」に到達したときには、図35(a)に示すように、液晶表示器27の右上領域に表示していた純増枚数を非表示にするとともに、特別な演出として「おめでとう!」といったメッセージを表示するようにしてもよい。また、さらに純増枚数が「3000」に到達したときには、図35(b)に示すように、特別な演出として「さらにおめでとう!」といったメッセージを表示するようにしてもよい。その他の特別な演出としては、「すばらしい!」といったメッセージなどを含むものであってもよい。なお、サブCPU71は、現在制御されている有利期間中において制御されたAT中における純増枚数を別途算出する処理を行い、純増枚数を非表示として特別な演出を実行する場合には、現在制御されている有利期間中のAT中における純増枚数のみを表示するようにしてもよい。
・純増枚数表示以外の演出に反映させる例
図34では、前回有利期間からの純増枚数を引き継いで、次の有利期間における純増枚数に反映させる例について説明したが、純増枚数そのものに反映させるものに限らず、例えば引き継いだ純増枚数に対応する演出(以下では、純増枚数対応演出ともいう)を次の有利期間中において実行するようにしてもよい。図36は、純増枚数対応演出の一例を説明するための図である。
図36では、前回の有利期間中における純増枚数として「250」枚を引き継いだ状態で、次の有利期間において制御されたAT中の表示画面例を示している。純増枚数対応演出としては、例えば、◎マークの画像を用い、引き継いだ純増枚数を100で除算して得られる商の個数分、当該◎マークを表示する。図36では、商が2(=250/100)となるため、◎マークが2つ表示される。つまり、100枚1マークとして表示される。これにより、前回有利期間における純増枚数の概算を把握することができる。なお、図34と同様に、前回の有利期間から引き継いだ純増枚数を通常期間等においても継続して更新し、次の有利期間中におけるATでは、継続して更新された純増枚数に応じて◎マークを表示するようにしてもよい。いずれの場合においても、今回の有利期間中におけるATの純増枚数は、図36に「TOTAL:15」と示されるように、◎マークとは別個に表示するようにしてもよい。また、純増枚数の表示自体を具体的な数字ではなく、このようなマークを用いて行ってもよい。
・有利期間等の終了画面に反映させる例
上記実施形態では、図20(h)や図24(d)などで示したように、ATが終了して有利期間が終了するときの終了画面として、今回有利期間中におけるATゲーム数や純増枚数を含む遊技履歴情報を表示する例について説明した。しかし、終了画面において表示する遊技履歴情報は、今回有利期間中における遊技履歴に限るものではない。図37は、終了画面の変形例を説明するための図である。
前回の有利期間が終了してから遊技を100回消化するまでに制御されたATが終了するときには、図37(a)に示すように、《前回結果》として前回の有利期間中における遊技履歴情報を表示し、《今回結果》として今回の有利期間中における遊技履歴情報を表示するようにしてもよい。
このように終了画面を表示する場合であっても、各有利期間中における遊技の進行に応じて累計数が「2370」に到達したときには、図24等で説明したように、純増枚数を非表示としつつ終了テロップを表示し、終了テロップが表示された後の終了画面においては遊技履歴情報として純増枚数を表示しないようにしてもよい。これにより、純増枚数(TOTAL)として累計数の上限値である「2400」に対して1遊技の最大払出枚数を加算した値以上が報知されてしまうことを防止できる。
終了画面の他の例として、今回有利期間中における遊技履歴、あるいは前回有利期間中における遊技履歴を合算した遊技履歴が、特定条件を満たしているときには、図37(b)に示すように、遊技履歴の詳細情報について報知せずに、レインボー態様の背景において「完走達成 Congratulations!」といったメッセージを表示するような特別な終了画面を表示するようにしてもよい。特定条件は、例えば、今回有利期間中における遊技履歴、あるいは前回有利期間中における遊技履歴を合算した遊技履歴のうちの純増枚数が累計数の上限値である「2400」に対して1遊技の最大払出枚数を加算した値以上となっていることや、有利期間中において終了テロップ(遊技回数の上限到達により表示される終了テロップ、累計数の上限到達により表示される終了テロップのいずれをも含む)が表示されること、ストーリーが最終話まで発展したことなどにより成立する条件を含むものであってもよい。
・携帯連動中の遊技画面に反映させる例
図38は、携帯連動中における遊技画面の一例を説明するための図である。携帯連動中においては、有利期間中における純増枚数に応じた演出を実行するようにしてもよい。図38(a)は、携帯連動中において純増枚数が「1000」に到達してOVER表示が行われた後の画面例を示している。OVER表示が行われた後は、液晶表示器27の純増枚数表示の下方において例えば「獲得!」といったメッセージをポップアップ表示させるようにしてもよい。
また、携帯連動中においては、前回有利期間中において払出されたメダルの枚数と直接的な関連性を有する演出データを以降に引き継いで、遊技画面に反映させるようにしてもよい。図38(b)は、前回有利期間から引き継いで更新された合算の純増枚数が、次の有利期間のAT中において「2000」に到達したときの画面例を示している。今回の有利期間のAT中における純増枚数が「120」と比較的少ない段階であっても、前回有利期間から引き継いで更新された合算の純増枚数が「2000」に到達したときには、液晶表示器27の純増枚数表示の下方において例えば「獲得!」といったメッセージをポップアップ表示させるようにしてもよい。
(B)OVER表示に関する変形例
(a) 純増枚数算出期間における純増枚数非表示期間について
上記実施形態では、純増枚数算出期間ではあるが純増枚数を表示しない純増枚数非表示期間として、確定画面を例示し、当該確定画面中において純増枚数が「2000」に到達したときであって、当選しているRBBに入賞してボーナスが開始されたときには、図23で示したように、純増枚数およびOVER表示を一旦通常態様で表示した後、最初のメダル払出時において純増枚数が「2000」に到達している場合に純増枚数およびOVER表示をレインボー態様で表示する例について説明した。これと同様に、確定画面表示中とは異なる純増枚数非表示期間において純増枚数が「2000」に到達したときであって、純増枚数を表示する期間に制御されたときには、通常態様で純増枚数を一旦表示した後、最初のメダル払出時においても純増枚数が「2000」に到達している場合に純増枚数をレインボー態様で表示するようにしてもよい。例えば、純増枚数を表示しないCZ中において、仮に純増枚数が「2000」に到達したときであって、当該CZ中に再びAT当選してATに制御されたときには、通常態様で純増枚数を一旦表示した後、最初のメダル払出時においても純増枚数が「2000」に到達している場合に純増枚数およびOVER表示をレインボー態様で表示するようにしてもよい。これにより、純増枚数表示が再開された瞬間に突然純増枚数等がレインボー態様で表示されてしまうことがないため、遊技者を勘違いさせてしまうことや困惑させてしまうような不都合の発生を防止できる。
また、上記実施形態では、SB20においてレインボーフラグが一旦セットされると、その後の純増枚数にかかわらず、有利期間が終了するまで純増枚数およびOVER表示がレインボー態様で表示される例について説明した。しかし、純増枚数非表示期間において遊技が比較的長く行われるように設計されている遊技機においては、一旦純増枚数表示等がレインボー態様で表示された後に、例えばCZなどの純増枚数非表示期間となり、当該純増枚数非表示期間において純増枚数が大きく減少してしまうことが予想され、この場合において純増枚数表示を再開するときに純増枚数が「2000」に大きく届かない値(例えば、1900等)になるケースも考えられる。このような場合にまで上記実施形態で示したように純増枚数等をレインボー態様で表示してしまうと、純増枚数が「2000」に大きく届いていないにもかかわらず純増枚数表示等だけがレインボー態様で表示されてしまうことにより、遊技者の機嫌を損ねてしまう虞がある。このような課題を解決するために、例えば、純増枚数が「2000」に一旦到達したときであっても、その後の遊技の進行において純増枚数が「2000」に対して所定範囲内の所定値(例えば「1950」)未満となったときには、レインボーフラグをリセットすることにより、再び「2000」に到達するまではレインボー態様で純増枚数表示等が行われないようにしてもよい。これにより、例えば純増枚数が「2000」に到達してレインボー態様で表示された後であっても、遊技の進行に応じて純増枚数が減少し、純増枚数が所定値(「1950」)未満となったときには、純増枚数表示等が通常態様で行われるため、遊技者の機嫌を損ねてしまうといった不都合の発生を防止できる。なお、レインボーフラグをリセットする場合であっても、OVER表示枚数を再設定せずにそのまま維持するものであってもよく、「2000」のOVER表示枚数を再設定し直すものであってもよい。
また、上記実施形態では、純増枚数算出期間として、ATに制御されかつ有利RTに制御されてARTが開始されてから、有利期間(CZおよびATを含む)が終了することにより所定の終了条件が成立するまでの期間を例示した。しかし、純増枚数算出期間は、払出率が1を超える状態を含む期間であればこれに限らず、例えば、AT当選してATへの制御が開始されてから、有利期間が終了することにより所定の終了条件が成立するまでの期間であってもよい。また、払出率が1を超える状態でなくても、AT当選が告知されてから有利期間が終了することにより所定の終了条件が成立するまでの期間でもよく、またAT開始が告知されてから有利期間が終了することにより所定の終了条件が成立するまでの期間であってもよい。
(b) 有利状態および特別状態について
上記実施形態におけるスロットマシン1では、有利状態としてATを例示し、特別状態としてボーナスを例示したが、有利状態および特別状態は、各々これに限るものではなく、例えば再遊技役の当選確率が向上したRTなど、遊技者にとって有利な状態であればよい。ここで、図45を参照して、有利状態としてボーナスが、特別状態としてRTが適用された例について説明する。図45は、変形例における遊技状態の遷移を説明するための図である。なお、図45における、「RBB」、「RBB内部当選状態」、「有利RT」、および「通常RT」は、各々、遊技状態の遷移を除き、上記実施形態における遊技状態と同じであるものとする。
図45の例では、設定変更等により初期化されると遊技状態として通常RTに設定されて遊技が開始される。通常RTは、RBB当選してRBBかRBB内部当選状態に制御されるまで継続する。RBBの当選確率は、約1/200となるように定められている。当選しているRBBに入賞すると、ボーナスである「RBB」に制御される。RBB中においては、高確率でベル入賞となるため効率的にメダルを獲得できる。
ボーナス中におけるメダルの払出枚数が所定枚数を超えるとボーナス終了となり「有利RT」に制御される。「有利RT」では、再遊技役が高確率で当選するため、平均的な払出率が1となる。このため、「有利RT」中においては、「通常RT」中と比較して、遊技者所有のメダルを消費することなく遊技を行うことができる。「有利RT」は、遊技が所定回数(100)行われるまで継続する。「有利RT」において遊技が所定回数行われた後においては「通常RT」へ制御される。このため、ボーナス終了後においては、遊技者所有のメダルを消費しない「有利RT」中において再度RBBに当選してボーナスに制御されることに対する期待感を抱かせることができるとともに、ボーナスと有利RTとに繰り返し制御されることにより遊技者のメダルを増やすといった遊技性を提供することができる。
図45に示すように遊技状態が遷移する遊技機における純増枚数算出期間の開始条件は、例えば「通常RT」においてRBBに当選して当該RBBに入賞してボーナスに制御されることにより成立する。また、純増枚数算出期間の終了条件は、例えばボーナス終了から遊技が所定回数実行されるまで継続し得る「有利RT」中において、RBB当選することなく当該「有利RT」が終了することにより成立する。純増枚数算出期間は、「有利RT」中においてRBB当選したときには、遊技が所定回数実行されて本来であれば「有利RT」が終了するタイミングに到達した以降においても継続し得る。例えば、純増枚数算出期間は、「有利RT」における99回目の遊技にてRBB当選したときには、次の100回目に相当する遊技以降の遊技においても継続する。このように設定されているため、本変形例における純増枚数算出期間は、ボーナスが開始されてから、その後に制御される「有利RT」中においてRBB当選する限り継続し、「有利RT」中においてRBB当選しなかったときに終了する。なお、本変形例における純増枚数算出期間は、払出率が1を超えるボーナスや払出率が通常RTよりも高い有利RTなどを含む期間であればこれに限らず、例えば、ボーナスが開始されてから、ボーナス終了から遊技が所定回数実行されて「有利RT」が終了した後の「通常RT」において遊技が予め定められた回数(例えば10回等)実行されるまでの期間であってもよい。つまり、純増枚数算出期間は、ボーナスが開始されてから、その後の「有利RT」中および当該「有利RT」終了後から遊技が予め定められた回数実行されるまでの間にRBB当選する限り継続し、「有利RT」中および当該「有利RT」終了後から遊技が予め定められた回数実行されるまでの間にRBB当選しなかったときに終了する期間であってもよい。
また、本変形例の遊技機におけるサブCPU71は、図13〜図17で示した処理と同様の処理を実行する。ただし、図13のSB05、図14のSB16においては、ボーナスまたはボーナス終了後の有利RT中であるか否かを判定するようにし、ボーナス中か有利RT中であるときに純増枚数表示を更新する。また、図17のSB30においては、ボーナスまたは有利RTが終了したか否かを判定するようにして、ボーナスか有利RTが終了したときにSB32またはSB35において遊技結果を表示する。
これにより、「通常RT」においてRBBに当選し、その後入賞してボーナスに制御されてから、ボーナス終了後における「有利RT」で遊技が所定回数実行されることにより終了するまでの純増枚数を算出するとともに、当該純増枚数を液晶表示器27において表示(確定画面表示中は除く)することができる。また、ボーナス中であるか有利RT中であるかにかかわらず、純増枚数に応じてOVER表示を行うとともに、純増枚数が「2000」に到達したときにはレインボーフラグが設定されて、その後の純増枚数が「2000」未満となるか否かにかかわらずレインボー態様で純増枚数表示およびOVER表示を行うことができる。その結果、純増枚数がレインボー態様で表示されているか否かにより「2000」のOVER表示枚数に到達したか否かを把握できるとともに、「2000」のOVER表示等を仮に遊技者が見逃したとしても、それ以降においても純増枚数がレインボー態様で表示されていることにより遊技機が正常に動作していることについても把握でき、遊技機に対して不信感を抱かせてしまうことを防止できる。また、純増枚数を算出および表示する点においてボーナスと有利RTとに関連性を持たせることができ遊技の興趣を向上できる。
また、上記のような例においても同様に、ボーナス当選しているRBB内部当選状態中においても純増枚数が継続して算出される。一方、ボーナス当選の確定画面が表示されてからボーナスに制御されるまでにおいては純増枚数の表示が中断される。これにより、ボーナス当選の確定画面が表示されているときには当選しているボーナスを入賞させてボーナスに制御させることに遊技者を集中させることができる。また、ボーナス当選の確定画面が表示されてからボーナスに制御されるまでにおいて純増枚数が「2000」のOVER表示枚数に到達したときには、図23(d)と同様に当該ボーナスに制御されてから純増枚数を通常態様で表示させた後において、図23(e)と同様に小役入賞などによりメダルが付与されたときに純増枚数がレインボー態様で表示される。これにより、ボーナスに制御された瞬間に突然純増枚数がレインボー態様で表示されてしまうことがないため、遊技者を困惑させてしまうような不都合の発生を防止できる。
また、ボーナス当選の確定画面が表示されてからボーナスに制御されるまでの間においては、純増枚数が設定済のOVER表示枚数に到達したときであってもOVER表示を実行せず、ボーナスに制御されてから後において、図23(e)と同様に小役入賞などによりメダルが付与されたときにOVER表示を実行する。これにより、ボーナス当選の確定画面が表示されているときには当選しているボーナスを入賞させてボーナスに制御させることに遊技者を集中させることができるとともに、ボーナスに制御された瞬間に突然OVER表示が実行されてしまうことがないため、遊技者を困惑させてしまうような不都合の発生を防止できる。
なお、上記のような変形例の遊技機の「有利RT」中においては、「押し順ベル」に当選したときに、「BEL」を入賞させるための有利操作態様が報知用表示器60および液晶表示器27により報知するようにしてもよい。これにより、「有利RT」中における遊技者のとっての有利度合いをより一層向上させることができる。
また、図45では、有利RT中においてRBB当選したときに、有利RTの残りゲーム数にかかわらずRBB内部当選状態に制御する例について説明したが、これに限らず、例えば有利RTの残りゲーム数を消化(有利RTを完走)した後においてRBB内部当選状態に制御するようにしてもよい。これにより、RBB当選した後においても有利RTが継続するため、RBBに当選したタイミングにかかわらず有利RTにおいて所定ゲーム消化する間に得られるであろうメダル等の特典を遊技者に提供可能となる。その結果、RBBに早いタイミングで当選した場合であっても遊技者に不利益が生じてしまうことを防止できる。
また、上記実施形態および図45を参照して説明した変形例においては、ボーナスの一例として、小役の当選確率が向上するRBBを例示した。しかし、ボーナスは、払出率が1を超える状態であればこれに限るものではなく、例えば、メダルが所定枚数払出されるまで有利操作態様を報知するAT(以下、擬似ボーナスともいう)であってもよい。このような擬似ボーナスへの制御は、メインCPU61により、例えば図5の有利期間関連処理(S300)および有利期間設定処理(S700)等において行われる。擬似ボーナスへ制御することが決定されたときには、サブCPU71により決定されたタイミングで、擬似ボーナスに当選した旨を報知する確定画面が表示される。
(c) 純増枚数算出期間について
上記実施形態における純増枚数算出期間の開始契機は、ARTに制御されることにより成立する例を示した。しかし、純増枚数算出期間の開始契機は、これに限らず、例えば、ボーナスに制御されることにより成立するものであってもよく、また、ARTまたはボーナスのいずれかに制御されることにより成立するものであってもよい。また、純増枚数算出期間の終了契機は、有利期間が終了することにより成立する例を示したが、これに限らず、ボーナス終了後にATに制御されないことにより成立するものであってもよく、また、ATが終了すること(ATゲーム数が0となること)や、有利期間が終了してから遊技が所定回数(例えば30)行われることなどにより成立するものであってもよい。
(d) 所定表示態様および特別表示態様について
上記実施形態では、所定表示態様として、純増枚数表示、OVER表示、および終了画面各々において共通の赤色の文字等を主体とする通常態様を例示した。しかし、所定表示態様は、通常の表示態様であれば、純増枚数表示、OVER表示、および終了画面各々において共通の態様である必要はなく、異なる態様(例えば、純増枚数表示は赤色の文字、OVER表示はピンク色の文字、終了画面は銀色の文字等)が定められているものであってもよい。また、特別表示態様として、純増枚数表示、OVER表示、および終了画面各々において共通のレインボー柄の文字等を主体とするレインボー態様を例示した。しかし、特別表示態様は、所定表示態様と異なる態様であればよく、純増枚数表示、OVER表示、および終了画面各々において共通の態様である必要はなく、異なる態様(例えば、純増枚数表示はレインボー柄の文字、OVER表示は花柄の文字、終了画面は金色の文字等)が定められているものであってもよい。これにより、純増枚数表示、OVER表示、および終了画面各々の表示態様のバリエーションを豊富にすることができる。
また、特別表示態様は、遊技の進行に応じて実行され得る他の遊技演出においても用いられる態様であって、当該遊技演出が他の態様で実行されたときよりも遊技者にとっての有利度度合いが高くなるように定められている態様であってもよい。ここでは、遊技演出として、AT当選あるいはボーナス当選している可能性を報知する演出であって、レインボー態様を含む複数種類の態様のうちのいずれかにより実行可能な可能性報知演出を例示する。可能性報知演出がレインボー態様で実行されたときには、他の態様で実行されたときよりも、AT当選あるいはボーナス当選している可能性が高くなるように定められているものであってもよい。これにより、演出の種類にかかわらず一貫して、特別表示態様で実行されたときには遊技者に対して期待感や優越感を抱かせることができる。
また、特別表示態様として、レインボー態様の1態様を例示したが、これに限らず、複数種類定められている(例えば、レインボー態様、花柄態様、動物柄態様など)ものであってもよい。また、純増枚数表示が複数種類の特別表示態様のうちのいずれで行われるかに応じて、遊技者にとっての有利度合いが異なるように定められているものであってもよい。遊技者にとっての有利度合いとしては、例えば、設定されている設定値の高低、未だ報知されていないATゲーム数の多さなどをいう。例えば、純増枚数が「2000」に到達したときに特別表示態様としてレインボー態様で表示されたときには、特別表示態様として花柄態様で表示されたときよりも、高い設定値が設定されている可能性が高くなるようにしてもよい。これにより、純増枚数表示がいずれの特別表示態様で行われるかに遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(e) 終了画面について
上記実施形態においては、図21(e)などに示すように、特別表示態様での終了画面では、純増枚数のみならず、ATゲーム数などその他の遊技結果についてもレインボー態様で表示する例について説明した。しかし、特別表示態様での終了画面では、純増枚数のみをレインボー態様で表示し、その他の遊技結果については通常態様で表示するものであってもよい。また、終了画面は、レインボーフラグがセットされているか否かにかかわらず、通常態様(図20(h)参照)で表示するものであってもよい。
(f) 特別表示態様となる特定数について
上記実施形態においては、特定数として純増枚数「2000」が定められている例について説明したが、これに限らず、「1500」や「2200」等が定められているものであってもよい。また、特定数として1つの値が定められている例について説明したが、これに限らず、複数の値(1500、2000、2200)が定められており、純増枚数表示がいずれの純増枚数に到達したときに特別表示態様となるかにより、遊技者にとっての有利度合いが異なるように定められているものであってもよい。例えば、純増枚数が「2200」に到達したときに特別表示態様で表示されたときには、「2000」に到達したときに特別表示態様で表示されたときよりも、高い設定値が設定されている可能性が高くなるようにしてもよい。これにより、純増枚数が特別表示態様で表示されるタイミングかに遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(C)注意表示に関する変形例
上記実施形態におけるスロットマシン1は、有利な状態の最終ゲームが開始されてから次の遊技が開始されるまでに亘ってエンディング演出が行われ、当該エンディング演出の所定タイミングから所定時間経過するまで注意表示を行う例について説明した。また、次の遊技を開始するための操作が早々に行われた場合には、その時点でエンディング演出を終了させるものの、注意表示については継続して行うため、次の遊技に跨って注意表示が行われ得る。しかし、エンディング演出は、遊技の進行を停止させるウェイトを発生させて、当該ウェイト期間(以下、エンディングウェイト期間ともいう)において行われるものであってもよい。つまり、エンディング演出中は、遊技を進行させるための操作がされたとしても有効に受付けずに、当該エンディング演出を継続させるようにしてもよい。また、エンディングウェイト期間(5秒)は、注意表示を行う所定時間(3秒)よりも長く設定する。これにより、エンディングウェイト期間中に注意表示が必ず完了するようにしてもよい。また、示唆表示は、エンディング演出中において注意表示を行っている期間以外の期間において行うものであれば、注意表示の前後のいずれで行うものであってもよい。これらの変形例について、図39および図40を参照して説明する。
図39は、エンディングウェイト期間中の注意表示に関する演出例を説明するためのタイミングチャートである。また、図40は、液晶表示器27における演出例の表示内容を説明するための図である。
図39(a)は、エンディングウェイト期間中に示唆表示が行われた後に注意表示が行われる演出例を説明するためのタイミングチャートである。タイミング1は、ATにおける最終ゲームが開始されたタイミングを示し、タイミング2は、リール11L〜11Rすべての回転が停止されたタイミングを示している。最終ゲームにおいては、リール11L〜11Rすべての回転が停止するタイミング2まで、AT用の背景が継続して表示される。また、最終ゲームにおいて押し順ナビ等に当選したときには、ナビ演出が行われる。図40(a)に示されるように、AT用の背景表示中においてナビ演出が行われる。
また、タイミング2以降においては、エンディングウェイト期間となる。エンディング期間になると、背景がAT終了用の背景に切り替わる。また、エンディングウェイト期間における所定のタイミング(タイミング3)において、履歴表示が行われる。図40(b)に示されるように、AT終了用の背景表示中に、領域3において履歴表示として「TOTAL:540枚」といった表示が行われる。
タイミング4では、履歴表示とともに示唆表示が行われる。図40(c)の例では、示唆表示として領域5においてキャラクタAの画像が表示されている。これにより、遊技者に対してスロットマシン1の有利度を示唆することができ、遊技者に推測させるといった面白みを提供することができる。示唆表示はタイミング5で終了する。
タイミング6では、履歴表示とともに注意表示が行われる。図40(d)に示すように、領域2において注意表示が行われる。このように、遊技者の視線を領域5から領域2に移動させることにより、表示内容が変化したことを遊技者に気付かせやすくすることができ、注意表示が見逃されてしまうことを防止できる。
タイミング7は、注意表示が開始されてから所定時間経過したタイミングを示している。示唆表示を注意表示よりも先に行う場合において注意表示を開始するタイミング6は、例えば、エンディングウェイト期間が開始されてから2秒以内のタイミングに定められている。このため、注意表示をエンディングウェイト期間において必ず完了させることができる。
タイミング8は、AT終了後の通常期間において遊技が開始されたタイミングであって、背景が通常用の背景に切替えられるとともに、セリフ表示が行われる。図40(e)に示すように、通常用の背景画像として表示領域の右上において太陽の画像等が表示されるとともに、セリフ表示の1段階目としては、図40(c)で表示された示唆表示を説明するメッセージとして「キャラAはまずまずだ」といったセリフが表示されている。これにより、示唆表示の内容を遊技者が理解し易くすることができる。
図39(b)は、エンディングウェイト期間中に注意表示が行われた後に示唆表示が行われる演出例を説明するためのタイミングチャートである。タイミング6’は、履歴表示が行われているときに注意表示が行われたタイミングを示している。図40(f)に示すように、領域3において履歴表示として「TOTAL:540枚」といった表示が行われるとともに、当該履歴表示によって阻害されることなく領域2における注意表示が行われる。
タイミング7’は、注意表示が開始されてから所定時間経過したタイミングを示している。注意表示を示唆表示よりも先に行う場合において注意表示を開始するタイミング6’は、例えば、エンディングウェイト期間が開始されてから1秒以内のタイミングに定められている。このため、注意表示をエンディングウェイト期間において必ず完了させることができる。また、図39(b)のタイミング4’、5’および図40(g)に示すように、エンディングウェイト期間において、注意表示を終了した後に示唆表示を完了することができる。
このように、まず注意表示を行った後に示唆表示を行う場合であっても、注意表示と示唆表示とが同時に行われるものと比較し、例えば遊技者を示唆表示に注目させてしまい注意表示を見逃してしまうことを防止できる。その結果、注意表示を行っている間は遊技者が当該注意表示を視認できることにより注意喚起の機能を十分に発揮させることができるとともに、示唆表示により有利度を示唆することにより遊技の興趣を向上させることができる。
図39(c)は、エンディングウェイト期間中に示唆表示が行われた後に注意表示が行われ、さらにその後に示唆表示が行われる演出例を説明するためのタイミングチャートである。タイミング6は、エンディングウェイト期間中において、示唆表示(タイミング4〜5、図40(h)参照)が行われた後、図40(i)に示すように注意表示が開始されたタイミングを示している。
タイミング7は、注意表示が開始されてから所定時間経過したタイミングを示している。示唆表示が行われた後に注意表示が行われ、さらにその後に示唆表示が行われる場合において注意表示を開始するタイミング6は、例えば、エンディングウェイト期間が開始されてから1秒以内のタイミングに定められている。このため、注意表示をエンディングウェイト期間において必ず完了させることができる。また、エンディングウェイト期間中における注意表示の前後の期間において、示唆表示を完了することができる。
また、図39(c)のタイミング4’、5’および図40(j)に示すように、エンディングウェイト期間において注意表示を終了した後に、示唆表示として領域4においてキャラクタBの画像が表示されている。キャラクタBを表示する示唆表示は、例えば、設定されている設定値が4以上であることを確定報知する例である。これにより、遊技者に対してスロットマシン1の設定値が4以上であることを報知することができる。
また、図39(c)に示すように、注意表示前に行われた示唆表示の表示態様とは異なる表示態様で、注意表示後の示唆表示が行われる場合がある。その結果、示唆表示が既に行われて注意表示が行われた後であっても、再び示唆表示が行われることに対する期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、注意表示を行っている所定時間内に示唆表示の表示態様が変化してしまうようでは、遊技者は注意表示よりも示唆表示に注目してしまう可能性があり、注意表示の存在意義が薄れてしまう。しかし、注意表示を所定時間行った後において示唆表示の表示態様を変化させることによって、注意表示にも注目させつつ、示唆表示にも注目させることができる。
タイミング8は、AT終了後の通常期間において遊技が開始されたタイミングであって、背景が通常用の背景に切替えられるとともに、セリフ表示が行われる。図40(k)に示すように、通常用の背景画像として表示領域の右上において太陽の画像等が表示されるとともに、セリフ表示の1段階目としては、図40(j)で表示された示唆表示を説明するメッセージとして「キャラBはいいぞ」といったセリフが表示されている。これにより、示唆表示の内容を遊技者が理解し易くすることができる。
なお、エンディング演出を、変形例のようにエンディングウェイト期間において行うか、上記実施形態のように有利な状態の最終ゲームにおいて行うかについては、予めいずれか一方に定められているものであってもよく、また、有利な状態毎に乱数抽選でその都度決定するものであってもよい。また、上記実施形態におけるスロットマシン1においても、図39で示したように、注意表示を行った後に示唆表示を行うものであってもよく、示唆表示を行った後に注意表示を行いさらにその後に示唆表示を行うものであってもよい。示唆表示をいずれのパターンによって行うかおよび示唆表示の種類については、前述した示唆表示抽選において決定するものであってもよい。
上記の実施形態および変形例においては、背景画像として、遊技状態などに応じて1種類ずつ定められている例について説明したが、これに限らず、複数種類定められているものであってもよい。例えば、注意表示を行うAT終了用のエンディング背景として、カメラのシャッターが閉まったような背景画像と、宝箱から財宝が溢れ出ているような背景画像とを設けて、これらのいずれかをAT終了用のエンディング背景として表示するものであってもよい。例えば、サブCPU71は、AT中の純増枚数に応じていずれのエンディング背景を表示するかを乱数抽選によって決定するものであってもよい。背景を複数種類定めた場合であっても、図27(b)で示したように、いずれの背景が表示された場合であっても、当該背景が表示されるレイヤよりも優先度が高いレイヤにおいて注意表示を行うものであればよい。これにより、いずれの背景が表示されたとしても、当該背景により注意表示が阻害されることを防止できる。
上記の実施形態および変形例における遊技機においては、さらに次のような構成を備えるものであってもよい。遊技機は、前記表示領域と重なる位置と重ならない位置とに変化可能な可動部材と、前記表示領域と重なる領域が多くなるように前記可動部材を複数段階に亘って変化させる可動部材演出の実行を制御する可動部材演出制御手段とを備え、前記可動部材演出のうち所定段階までに前記可動部材が変化する領域は、前記注意画像が表示される領域と重ならず、前記可動部材演出のうち前記所定段階以降において前記可動部材が変化する領域は、前記注意画像が表示され得る領域と重なる。この構成によると、注意画像を表示しているときであっても、可動部材演出のうち所定段階までの可動部材の変化を遊技者が視認できるため、遊技性を損なうことなく注意画像を表示させることができる。以下、具体的に説明する。例えば、液晶表示器27の表示領域と重なる位置と、全く重ならない位置とに変化可能な可動部材を備え、サブCPU71は、所定の演出条件が成立したときに、可動部材が液晶表示器27の表示領域と重なる領域が複数段階(3段階)に亘って多くなるように可動部材を駆動制御させることによる可動部材演出を実行するようにしてもよい。所定の演出条件は、例えば、有利な状態終了後の1遊技目において「CH」役に当選したときなどに成立する。
また、可動部材演出のうち1段階目においては、セリフ表示と同様に、例えば図27(a)に示す領域1のみに重なる位置まで変化し、2段階目以降において、図27(a)に示す領域2であって注意表示が行われる領域に重なる位置まで変化可能となるようにしてもよい。この場合であっても、2段階目以降の可動部材演出は、セリフ表示と同様に、1段階目の駆動制御が行われた遊技が終了した後、次の遊技が開始されたときに行われる。これにより、可動部材演出を開始するときに領域2において注意表示が行われているときであっても、可動部材演出のうち1段階目の演出を実行することができるため、遊技性を損なうことなく注意表示を行うことができる。また、可動部材演出のうち1段階目の演出が実行されても注意表示が阻害されることを防止できる。なお、可動部材は、例えば、液晶表示器27の表示領域の四辺を囲むように設けられており、四辺各々から覆うことが可能なシャッター部材であってもよく、また、液晶表示器27の上方に設けられており、液晶表示器27の表示領域に部材を落下させるような役物部材であってもよい。
上記の実施形態および変形例における遊技機では、セリフ表示や可動部材演出の2段階目以降の表示あるいは動作が、1段階目の表示あるいは動作が行われた遊技が終了した後、次の遊技が開始されるときに実行されることにより、注意表示とセリフ表示や可動部材とが重ならない例について説明した。しかし、注意表示を表示する領域にセリフ表示や可動部材を重ねないようにする手法としては、これに限らず、例えば、サブCPU71により注意表示を行っているか否か(所定時間が経過していないか否か)を判定し、注意表示を行っていると判定したときにセリフ表示や可動部材演出の2段階目以降の表示あるいは動作を規制・禁止し、注意表示を行っていないと判定したときにセリフ表示や可動部材演出の2段階目以降の表示あるいは動作を許容するようにしてもよい。また、予め演出の実行時間を定めておいてもよく、この場合、2段階目以降の表示あるいは動作は所定時間が経過してから実行されるように定めてもよい。具体的には、1段階目の表示あるいは動作は、注意表示が行われてから所定時間が経過するまでに実行され得るものであって、2段階目以降の表示あるいは動作は、注意表示が行われてから所定時間が経過した後に実行されるものであってもよい。また、セリフ表示や可動部材演出は、複数ゲームに亘って実行される例について説明したが、注意表示がされてから所定時間経過した後において2段階目以降の表示あるいは動作が行われるものであれば、例えば1遊技内において実行されて終了するものであってもよい。
上記の実施形態および変形例における遊技機においては、注意表示の表示態様の一例として、図30等で示したように、注意表示におけるメッセージを四角い枠で囲った表示態様を例示した。しかし、注意表示の表示態様は、これに限るものではない。図41は、注意表示の表示態様の変形例を説明するための図である。注意表示の表示態様は、図41(a)に示すように、注意表示におけるメッセージを四角い枠で囲い、当該枠を点滅表示させるような態様であってもよい。なお、図41(a)では、四角い枠を点線にすることにより点滅表示していることを表わしている。また、注意表示の表示態様は、図41(b)に示すように、注意表示におけるメッセージをギザギザの枠で囲んだ目立つ態様であってもよい。また、注意表示の表示態様は、図41(c)に示すように、注意表示のメッセージ画像を領域2に表示し、当該メッセージ画像を内包するギザギザの大きな枠を表示領域全面に表示するような態様であってもよい。この場合、ギザギザの大きな枠と注意表示のメッセージ画像とは連続するようになっており、当該連続するギザギザの大きな枠の色や形などの表示態様が有利度に応じて変化するようにしてもよい。これにより、注意表示に注目させつつ有利度を示唆することができる。また、視認性の確保から注意表示の色は背景画像の色とは同系色ではない方が好適である。
また、注意表示のレイヤは、複数のレイヤのうち最も優先度が高いレイヤにおいて表示する例について説明した。しかし、注意表示は、背景画像のレイヤよりも優先度が高いレイヤであれば、特定表示としてのナビ演出や履歴表示等のレイヤよりも優先度が低いレイヤにおいて表示するようにしてもよい。この場合であっても、背景により注意表示が阻害されることを防止できる。また、注意表示と特定表示との関係においては、図27(b)で示したとおり、表示に用いる領域が重なっていないため、特定表示により注意表示が阻害されることを防止できる。なお、図41(b)で示した態様で注意表示を行う場合においても、注意表示のうち少なくともメッセージ画像は特定表示と重ならないため、特定表示により注意表示のメッセージ画像が阻害されることを防止しつつ、注意表示の大きな枠により特定表示が阻害されてしまうことをも防止できる。
上記の実施形態および変形例における遊技機においては、背景画像が遊技状態に応じた画像のみを含む画像である例について説明した。しかし、背景画像は、注意表示の画像を含むものであってもよい。また、注意表示と示唆表示とを、図27で示したように異なる領域を用いて表示する例について説明した。しかし、注意表示と示唆表示とは、図28〜図40等で示したように、同時に行われることがない。このため、注意表示に用いる領域を示唆表示に用いてもよく、例えば、注意表示については領域2を用いて表示し、示唆表示についても領域2を用いて表示するようにしてもよい。この場合であっても、注意表示と示唆表示とが同時に行われることはないため、注意表示が示唆表示により阻害されることはなく、かつ遊技者を混乱させてしまうことを防止できる。また、示唆表示は、注意表示を行っている間において、示唆表示を新たに開始することや示唆表示の表示態様を変化させないものであれば、示唆表示を継続して行いつつ注意表示を併行するものであってもよい。
また、上記の実施形態および変形例における遊技機では、実行タイミングやレイヤを調整することにより、注意表示中において示唆表示が行われないかあるいは更新されない例について説明した。しかし、これに限らず、サブCPU71により注意表示中であるか否かを判定し、注意表示中でないときには示唆表示が行われることや更新されることを許容し、注意表示中であるときには示唆表示が新たに行われることや更新されることを規制・禁止するようにしてもよい。
上記の実施形態および変形例における遊技機では、注意表示を予め定められた領域2に表示する例について説明した。しかし、注意表示は、表示開始時から終了するまで表示位置や表示態様を維持するものであれば、これに限るものではなく、例えば、ボーナス終了時であるかAT終了時であるかに応じて、注意表示の表示態様を異ならせるようにしてもよい。
上記の実施形態および変形例における遊技機では、注意表示を所定時間経過するまで行った後に、当該注意表示を終了する例について説明した。しかし、注意表示は、所定時間経過した後においても、所定の報知終了条件が成立するまで継続して行うようにしてもよい。所定の報知終了条件は、例えば次の遊技を開始するための操作を検出すること(メダル投入を検出、ベットスイッチへの操作を検出、スタートスイッチへの操作を検出など)により成立するものであってもよい。これにより、注意表示を所定時間行った後においてもさらに注意表示を継続できるため、注意喚起の効果を増大させることができる。
また、上記の実施形態および変形例における遊技機では、注意表示の表示態様が表示開始から終了まで変化しない例について説明した。しかし、注意表示の表示態様は、所定の変化条件が成立したときに変化するようにしてもよい。所定の変化条件は、例えば、示唆表示が行われることにより成立するものであってもよい。図42(a)は、注意表示の表示態様が変化する例を説明するための図である。図42(a)に示すように、ATの最終ゲームであるN+1遊技目において注意表示を上記実施形態で示した表示態様で行い、所定時間が経過したときに示唆表示が行われることにより所定の変化条件が成立したとして、注意表示の表示態様を図41(b)で示した目立つ態様に変化させて当該注意表示を強調して行ってもよい。これにより、注意喚起の機能を十分に発揮させた後においても、示唆表示を行いつつ目立つ態様で注意表示を行うため、注意表示にも遊技者を注目させることができる。
また、図39(c)において、注意表示を行う場合には、それまでに行っていた示唆表示を終了させ、注意表示後に示唆表示を行う場合には、当該注意表示を終了させる例について説明した。しかし、注意表示までの示唆表示を終了させずに継続させたまま、注意表示を行ってもよい。また、注意表示を終了させずに継続させたまま、注意表示後の示唆表示を行うようにしてもよい。図42(b)は、注意表示や示唆表示を終了させずに継続させたまま、他の表示を行う例を説明するための図である。まず、示唆表示として示唆Aが行われ、所定タイミングにおいて注意表示を行っている。図42(b)に示すように、ATの最終ゲームであるN+1遊技目において注意表示が開始された後においても示唆Aが継続している。また、注意表示を所定時間行ったときに、示唆表示を示唆Bに変化させている。図42(b)に示すように、示唆Bが開始された後においても注意表示が継続している。このように、注意表示を所定時間行っている期間において、示唆表示の表示態様を変化させないものであれば、示唆表示と注意表示とを併行させたとしても、所定時間経過するまでの間においては注意表示に遊技者を注目させることができるため、注意喚起の機能を十分に発揮させることができる。なお、図42(b)では、示唆Aが行われた後に注意表示が行われているが、示唆表示と注意表示とは同時に開始されるものであってもよい。
また、上記の実施形態および変形例における遊技機では、有利な状態としてCZとATとが含まれる有利期間を例示し、このうちのATが終了したときに注意表示を行う例について説明した。しかし、有利期間に制御されたとしても、ATに必ず制御されるとは限らず、CZに制御されたもののATに制御されずに有利期間が終了する場合が生じ得る。このように、有利期間に制御されたもののATに制御されずにCZが終了してしまったときには、注意表示を行わないようにしてもよい。図42(c)に示すCZ中のM遊技目は、次のM+1遊技目が通常状態であるため、CZの最終ゲームである。しかし、※印に示されるように、M遊技目においては、注意表示が行われない。一方、ATの最終ゲームであるN+1遊技目においては、上記実施形態と同様に、注意表示が行われる。このように、実際にはメダルが増加しないCZの最終ゲームでは注意表示を行わず、実際にメダルが増加するATの最終ゲームでは注意表示を行うことにより、注意表示が頻発してしまうことを防止できるとともに、注意表示に対する遊技者の注目度合いが低下してしまうことをも未然に防止できる。
上記の実施形態および変形例における遊技機では、優先度が最も高いレイヤを用いて注意表示を表示する例について説明した。しかし、注意表示は、少なくとも背景よりも優先度が高いレイヤを用いて表示するものであれば、これに限るものではない。例えば、エラー報知については、遊技を進行させることが不可能となるエラー中に行われるものであるため、注意表示よりも優先度が高いレイヤを用いて表示するようにしてもよい。これにより、遊技を進行させることができない状態においてまで注意表示が行われてしまうことを防止できる。なお、注意表示中においてエラー報知が行われる場合には、例えば、図29(d)を参照して説明したように、エラー報知中(タイミング8’〜10’)においては注意表示を一旦中止し、エラー報知終了後において注意表示を再開するものであってもよい。また、再開される注意表示は、一旦中止したときの所定時間までの残り時間で表示するものであってもよく、再開時点から所定時間(3秒)経過するまで注意表示を行うようにしてもよい。また、エラー報知が行われたときには、注意表示を終了して、エラー報知終了後においても注意表示を行わないようにしてもよい。
上記の実施形態および変形例における遊技機では、注意表示が有利な状態終了時に行われる例について説明した。しかし、注意表示は、これに限らず、所定期間に亘り有利な状態に制御されていないことにより行うものであってもよい。具体的には、500枚投入する間において一度もボーナスやATに制御されていないことにより注意表示を所定時間が経過するまで行うものであってもよい。また、注意表示は、遊技が一定時間行われていないときに実行されるデモ画面(客待ち画面ともいう)を表示するときに行うものであってもよい。
上記の実施形態および変形例における遊技機では、履歴表示として有利な状態における純増枚数を表示する例について説明したが、これに限らず、ATゲーム数や、AT中に上乗せされたゲーム数などを表示するものであってもよい。また、示唆表示として設定値を示唆する例について説明したが、これに限らず、遊技モードを示唆するものなどであってもよい。
(D)上乗せに関する変形例
上記実施形態においては、図31のSB55においてYESと判定されたときに上乗せ演出を規制する例について説明した。しかし、図31のSB55においてYESと判定されたときであっても、今回の上乗せにより残りATゲーム数が残り上限ゲーム数以上となったときには、今回の上乗せゲーム数のうち残り上限ゲーム数に到達するまでのゲーム数を報知する上乗せ演出を実行するようにしてもよい。これにより、有利期間の上限回数の範囲内において、遊技者に対してATゲーム数を報知することができる。
また、上記実施形態における上乗せ演出は、上乗せゲーム数コマンドから特定される上乗せゲーム数を報知する演出である例について説明した。しかし、上乗せ演出は、これに限らず、上乗せゲーム数コマンドから特定される上乗せゲーム数以下のゲーム数を報知するものであってもよい。例えば、サブCPU71は、上乗せゲーム数コマンドから特定される上乗せゲーム数が「100」であったときに、上乗せ演出不実行、「10ゲームGET!」、「20ゲームGET!」、「50ゲームGET!」、および「100ゲームGET!」のうちのいずれかに決定し、当該決定結果に基づいて上乗せ演出を制御するようにしてもよい。これにより、上乗せ演出により報知されたゲーム数以上に実際には上乗せされているかもしれないことに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
このように構成する場合、サブCPU71は、例えば、残りATゲーム数が残り上限ゲーム数以上となっている場合であっても、上乗せ演出等により遊技者に対して実際に報知された報知済の残りATゲーム数が残り上限ゲーム数以上となっていないときに、上乗せ演出を実行可能となるようにしてもよい。図43および図44を用いて、その一例を説明する。なお、図43および図44では、図31および図32と異なる部分について説明する。
図43は、上乗せ関連演出制御処理の変形例を説明するための図である。SB54において今回上乗せゲーム数が0より大きい値であると判定されたときには、SB54aにおいて上乗せ演出決定処理を実行する。上乗せ演出決定処理では、上乗せ演出を実行するか否かを決定するとともに、上乗せ演出を実行する場合には上乗せゲーム数以下のゲーム数から報知するゲーム数を決定する。なお、上乗せ演出決定処理において上乗せ演出を実行すると決定された場合であっても後述するSB55aの判定結果に応じて上乗せ演出が実行される場合と、実行されない場合とが生じ得る。
SB54bでは、SB54aにおいて報知すると決定されたゲーム数を報知済残りATゲーム数に加算してSB55へ移行する。報知済残りATゲーム数とは、残りATゲーム数のうち、上乗せ演出等により遊技者に報知されたゲーム数を特定するための値である。報知済残りATゲーム数は、RAM75の所定領域において記憶され、AT中において1遊技毎に1減算される。報知済残りATゲーム数が所定値(例えば0)となったときなど所定の報知条件が成立したときにおいて、実際の残りATゲーム数が所定値以上存在するときには、サブCPU71により残りATゲーム数以下となるゲーム数が上乗せゲーム数として報知される。
液晶表示器27においては、本変形例においても残りATゲーム数が表示される。液晶表示器27における残りATゲーム数は、基本的に、RAM75において更新される報知済残りATゲーム数の値に基づき更新表示される。しかし、上乗せされて報知済残りATゲーム数の値が加算されたときには、例外的に、当該上乗せに対応する上乗せ演出が実際に実行されるまで液晶表示器27における残りATゲーム数の値を維持し、上乗せ演出が実際に実行された後に液晶表示器27における残りATゲーム数の値に更新表示される。これにより、上乗せ演出が実行されていないにもかかわらず、液晶表示器27における残りATゲーム数の表示だけが先に更新表示されてしまうといった不都合の発生を防止できる。
SB55においては、残りATゲーム数が残り上限ゲーム数以上であるか否かが判定される。SB55において残りATゲーム数が残り上限ゲーム数以上であると判定されなかったときには、SB56aにおいてSB54aで報知すると決定されたゲーム数を報知するための上乗せ演出を設定する。これにより、SB54aの決定結果に応じた上乗せ演出が実行される。一方、SB55において残りATゲーム数が残り上限ゲーム数以上であると判定されたときには、SB55aにおいて報知済残りATゲーム数が残り上限ゲーム数以上であるか否かが判定される。SB55aにおいて報知済残りATゲーム数が残り上限ゲーム数以上であると判定されなかったときには、SB56aにおいてSB54aの結果に応じて上乗せ演出を設定する。これに対し、SB55aにおいて報知済残りATゲーム数が残り上限ゲーム数以上であると判定されたときには、SB57に移行する。これにより、SB54aにおいて上乗せ演出を実行すると決定されていたとしても、当該上乗せ演出は実行されない。
次に、上乗せ演出を制御する変形例を、図44に示すタイミングチャートを用いて説明する。図44では、残りATゲーム数を消費するまでに残り上限ゲーム数に到達してしまう上限到達確定時であるが、報知済残りATゲーム数が未だ残り上限ゲーム数に到達していないときの例を示している。なお、図44では、残りATゲーム数欄の下に報知済残りATゲーム数の欄を示している。
図44(a)では、リール欄に示す遊技Cにおいて上乗せ抽選条件が成立した場合を示している。遊技Cが開始されたときの残りATゲーム数は、「468」であり、報知済残りATゲーム数は、「438」であり、残り上限ゲーム数は、「497」である。この場合において、上乗せ抽選により上乗せゲーム数として「50」が決定されたときには、上乗せ後の残りATゲーム数が「518」となり残り上限ゲーム数に到達している上限到達確定時となる。しかし、SB54aにおいて上乗せゲーム数分を報知するゲーム数として決定されたとしても、報知済残りATゲーム数は、「488」までにしか到達せず、その結果、残り上限ゲーム数に到達することはない。このため、図43のSB55aにおいてNOと判定されて、上乗せゲーム数分以下の上乗せ演出が実行される。図44(a)では、上乗せゲーム数「50」を報知する上乗せ演出が実行されている例を示している。なお、前述したように液晶表示器27における残りATゲーム数は、「50」を報知する上乗せ演出が実行された後において、報知済残りATゲーム数の値に基づき更新表示される。
図44(b)では、リール欄に示す遊技Dにおいて上乗せ抽選条件が成立した場合を示している。遊技Dが開始されたときの残りATゲーム数は、「468」であり、報知済残りATゲーム数は、「457」であり、残り上限ゲーム数は、「497」である。この場合において、上乗せ抽選により上乗せゲーム数として「50」が決定されたときには、上乗せ後の残りATゲーム数が「518」となり残り上限ゲーム数に到達している上限到達確定時となる。また、報知済残りATゲーム数が「457」であるため、SB54aにおいて報知するゲーム数として「40」以上に決定されると、報知済残りATゲーム数が残り上限ゲーム数に到達する。図44(b)では、SB54aにおいて報知するゲーム数として「40」が決定されたとする。そうすると、図43のSB55aにおいてYESと判定されてSB54aで決定されていた上乗せ演出が実行されずに、SB58において特別背景が実行されることになる。このようにして、サブCPU71は、残りATゲーム数、残り上限ゲーム数に加えて、報知済残りATゲーム数に基づいて、上乗せ演出を含む所定の演出を制御してもよい。
なお、上記変形例において上乗せにより報知済残りATゲーム数が残り上限ゲーム数以上となる場合には、上乗せ演出を実行することなく、特別背景を実行する例について説明したが、これに限らず、上乗せ演出を実行した後に特別背景を実行するようにしてもよい。これにより、上乗せによって有利期間の上限に到達したことを遊技者に対してわかりやすく報知することができる。また、このように構成する場合、当該上乗せ演出により報知するゲーム数は、「“残り上限ゲーム数”−“SB54bにおいて上乗せ分が更新される前の報知済残りゲーム数”」の値となるようにしてもよい。つまり、報知されるゲーム数を、残り上限ゲーム数と一致するゲーム数となるようにしてもよい。例えば、報知済残りATゲーム数が「100」であり、残り上限ゲーム数が「130」であるときに、SB54aにおいて「50」の上乗せ演出を実行すると決定された場合においては、SB54aの決定結果にかかわらず、130−100=30の上乗せ演出を実行するようにしてもよい。また、上乗せ演出により報知するゲーム数は、「“残り上限ゲーム数”−“SB54bにおいて上乗せ分が更新される前の報知済残りゲーム数”」以下の値から決定するようにしてもよい。つまり、報知されるゲーム数を、残り上限ゲーム数以下となるゲーム数となるようにしてもよい。具体的には、図43のSB55aにおいてYESと判定されたときに、「“残り上限ゲーム数”−“SB54bにおいて上乗せ分が更新される前の報知済残りゲーム数”」以下の値からゲーム数を決定し、当該ゲーム数を報知する上乗せ演出を実行するようにしてもよい。
上記実施形態におけるスロットマシン1は、上限到達特定用情報として、有利期間の上限回数までの残り上限ゲーム数を特定可能な残り上限ゲーム数コマンドと、残りATゲーム数を特定可能な残りATゲーム数コマンドとをメインCPU61からサブCPU71へ出力する例について説明した。しかし、上限到達特定用情報は、複数のコマンドにより構成されるものに限らず、例えば、残り上限ゲーム数と残りATゲーム数とを一つのコマンドにより構成されるものであってもよい。
上記実施形態においては、有利状態としてATを例示し、有利状態に制御可能な期間として有利期間を例示した。しかし、有利状態および有利状態に制御可能な期間とは、これに限るものではない。例えば、有利状態は、再遊技役の当選確率が通常状態よりも向上するRT(上記実施形態における有利RTと有利度合いが同程度の状態)であり、有利状態に制御可能な期間は、当該RTに制御する契機となる入賞役(例えば、昇格リプレイのような役)が内部抽選の対象となる状態に制御可能な期間(例えば、昇格リプレイに当選可能となる通常RTのような状態に制御可能となる期間)であってもよい。
また、有利状態に制御される有利状態制御期間は、AT抽選および上乗せ抽選において決定されたATゲーム数を消費する期間である例について説明したが、これに限らず、例えば、メダルが所定枚数払出されるまでの期間であってもよく、また払出されたメダルから賭数設定に用いたメダルを差し引いた純増枚数が所定枚数に到達するまでの期間であってもよく、AT遊技など遊技者にとって有利となる遊技を所定回数行うまでの期間などであってもよい。また、有利状態制御可能期間の上限値は、遊技回数(1500回)や累計数(2400枚)である例について説明したが、これに限らず、例えば、払出されたメダル枚数(3000枚)であってもよく、AT遊技など遊技者にとって有利となる遊技回数(1000回)などであってもよい。
上記実施形態におけるメインCPU61は、図9等で示したように、残りATゲーム数を消費するまでに残り上限ゲーム数に到達してしまう状況であるか否かにかかわらず上乗せ抽選処理を実行する例について説明した。しかし、メインCPU61は、上乗せ抽選処理において所定確率で上乗せ当選する通常モードと所定確率よりも高い確率で上乗せ当選する高確率モード(通常モードよりも有利な態様で上乗せ抽選を実行する状態)とのいずれにも制御可能であって、制御されたモードに従って上乗せ抽選を行う場合、残りATゲーム数を消費するまでに残り上限ゲーム数に到達してしまう状況であるか否かにかかわらず、モードを制御するとともに、制御されたモードに従って上乗せ抽選を行うようにしてもよい。具体的には、モードを制御する処理、およびモードに応じた上乗せ抽選を行う処理については、残りATゲーム数を消費しても残り上限ゲーム数に到達しない状況であるときと、残りATゲーム数を消費するまでに残り上限ゲーム数に到達してしまう状況であるときとで同じ態様で実行するようにしてもよい。これにより、残りATゲーム数を消費するまでに残り上限ゲーム数に到達してしまう状況であるか否かを判定する処理ステップなどを設けていないため、メインCPU61側の処理負担および記憶容量を増大させることなく、モード制御による遊技の興趣を向上させることができる。
一方、制御されているモードに応じて背景画像を表示(例えば、通常モード中は昼の背景画像を表示、高確率モード中は夕方の背景画像を表示)するものにおいては、次のように制御するようにしてもよい。例えば、残りATゲーム数を消費するまでに残り上限ゲーム数に到達してしまう状況でないときには、制御されているモードに応じて背景画像を切替える制御を行うのに対し、残りATゲーム数を消費するまでに残り上限ゲーム数に到達してしまう状況であるときには、モード変化によっては背景画像を変化させない(例えば、特別背景を維持)ようにしてもよい。
また、メインCPU61は、AT中においてボーナスに当選してから少なくとも当該ボーナスに入賞するまでの間においては、残りATゲーム数を消費するまでに残り上限ゲーム数に到達してしまう状況であるか否かにかかわらず、上乗せ抽選処理を実行しないようにしてもよい。これにより、メインCPU61側の処理負担を増大させることなく、当選しているボーナスへの入賞に遊技者を注目させることができる。
また、メインCPU61は、内部抽選における当選確率が設定値にかかわらず同じ確率(設定差なし)に定められているボーナス(上記実施形態における「RBB」等)に当選して当該ボーナスに制御された場合、残りATゲーム数を消費するまでに残り上限ゲーム数に到達してしまう状況であるか否かにかかわらず、当該ボーナス中においても上乗せ抽選処理を実行するようにしてもよい。これに対し、メインCPU61は、内部抽選における当選確率が設定値に応じて異なる確率(設定差あり)に定められているボーナスに当選して当該ボーナスに制御された場合、残りATゲーム数を消費するまでに残り上限ゲーム数に到達してしまう状況であるか否かにかかわらず、当該ボーナス中においては上乗せ抽選処理を実行しないようにしてもよい。
上記実施形態におけるサブCPU71は、図31および図43で示したように、残りATゲーム数を消費するまでに残り上限ゲーム数に到達してしまう状況であるか否かに応じて、上乗せ演出を実行するか特別背景を実行するかを制御する例について説明した。しかし、サブCPU71は、残りATゲーム数を消費するまでに残り上限ゲーム数に到達してしまう状況であるか否かに応じて所定の演出を制御するものであればよく、残りATゲーム数を消費するまでに残り上限ゲーム数に到達してしまう状況であるか否かに応じて、所定の演出(上乗せ演出を含む)の実行割合を異ならせるものであってもよい。例えば、設定されている設定値を遊技者に示唆する設定値示唆演出を実行可能な遊技機において、サブCPU71は、残りATゲーム数を消費するまでに残り上限ゲーム数に到達してしまう状況でないときよりも、残りATゲーム数を消費するまでに残り上限ゲーム数に到達してしまう状況であるときの方が、高い割合で設定値示唆演出を実行するようにしてもよい。これにより、残りATゲーム数を消費するまでに残り上限ゲーム数に到達してしまう状況になったときには設定値示唆演出が実行されやすくなるため、内部的に上乗せされた上乗せゲーム数が消去されてしまうことを補完することができる。また、終了テロップ表示が表示されてATを終了する場合や図37(b)のように特別な終了画面の場合には、終了テロップ表示が表示されずにATを終了する場合や、図20(h)のように通常の終了画面の場合よりも設定値示唆演出が実行され易くなっていたり、より有利な設定値示唆演出(設定値5または6確定の示唆演出は、設定値2以上確定の示唆演出よりも有利であると言える)が実行され易くなっていたりするようにしてもよい。また、サブCPU71は、残りATゲーム数を消費するまでに残り上限ゲーム数に到達してしまう状況であるか否かにかかわらず、所定の演出を制御するものであってもよい。
上記実施形態においては、上乗せゲーム数コマンド、残りATゲーム数コマンド、および残り上限ゲーム数コマンドを1遊技が終了するときにメインCPU61から出力される例について説明した。しかし、上乗せゲーム数コマンド、残りATゲーム数コマンド、および残り上限ゲーム数コマンドは、1遊技における所定タイミングで出力されるものであればこれに限らず、例えば、スタートスイッチ19が操作されてリールの回転が開始されるタイミングで出力されるものであってもよい。
(その他)
上記実施形態および変形例において、有利状態としてのATに制御可能となる期間は、AT抽選および上乗せ抽選において決定されたATゲーム数を消費する期間である例について説明したが、これに限らず、例えば、メダルが所定枚数払出されるまでの期間であってもよく、また払出されたメダルから賭数設定に用いたメダルを差し引いた純増枚数が所定枚数に到達するまでの期間であってもよく、AT遊技など遊技者にとって有利となる遊技を所定回数行うまでの期間などであってもよい。
上記実施形態においては、上乗せゲーム数コマンド、残りATゲーム数コマンド、および残り上限ゲーム数コマンドを1遊技が終了するときにメインCPU61から出力される例について説明した。しかし、上乗せゲーム数コマンド、残りATゲーム数コマンド、および残り上限ゲーム数コマンドは、1遊技における所定タイミングで出力されるものであればこれに限らず、例えば、スタートスイッチ19が操作されてリールの回転が開始されるタイミングで出力されるものであってもよい。
上記実施形態においては、AT当選報知が行われたときに有利期間報知ランプ80を点灯させる例について説明した。しかし、有利期間報知ランプ80の点灯開始は、有利期間中における予め定められたタイミングであればこれに限らず、例えば、CZが開始されたときや、いわゆる出玉率が1以上の区間に制御されるタイミングや、有利期間のうちATや、いわゆる出玉率が1以上の区間に制御されて最初のナビ演出が実行されるタイミング、有利期間のうちATや、いわゆる出玉率が1以上の区間に制御されて最初のナビ演出が実行されて賭数よりも多いメダルが付与されるタイミングなどであってもよい。
上記実施形態においては、所定の有利期間移行条件、所定のCZ移行抽選条件および所定のAT移行抽選条件として、例えば「1枚役」当選により成立する条件や「ボーナス1」または「ボーナス2」当選により成立する条件としていたが、例えば、有利期間移行条件としては、「1枚役」当選により成立する条件と、「ボーナス1」または「ボーナス2」当選により成立する条件であって、CZ移行抽選条件およびAT移行抽選条件としては、これらに加えて、「通常リプ」当選により成立する条件や、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかの当選により成立する条件となってもよい。この場合、「通常リプ」当選により成立する条件や、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかの当選により成立する条件では、「1枚役」当選により成立する条件や「ボーナス1」または「ボーナス2」当選によりCZまたはATに制御する旨を決定する確率よりも低い確率でCZまたはATに制御する旨を決定するようにしてもよい。
上記実施形態においては、有利状態としてATを例示し、有利状態に制御可能な期間として有利期間を例示した。しかし、有利状態および有利状態に制御可能な期間とは、これに限るものではない。例えば、有利状態は、ATゲーム数が上乗せされる確率が向上する上乗せ特化期間であってもよく、また、ボーナス状態や、再遊技役の当選確率が通常状態よりも向上するRT(上記実施形態における有利RTと有利度合いが同程度の状態)であり、有利状態に制御可能な期間は、当該RTに制御する契機となる入賞役(例えば、昇格リプレイのような役)が内部抽選の対象となる状態に制御可能な期間(例えば、昇格リプレイに当選可能となる通常RTのような状態に制御可能となる期間)であってもよい。
なお、上記実施形態および変形例においては、有利操作態様報知画像(ナビ演出)を報知する対象となる当選役グループとして押し順ベルを例示した。しかし、有利操作態様報知画像の対象は、これに限らず、例えば、リプレイ当選確率が高い有利RTに制御可能となる有利な再遊技役を含む当選役グループであって、有利な再遊技役を入賞させる操作態様(押し順)が異なる複数種類の当選役グループ(いわゆる押し順リプレイ)を対象とするものであってもよい。また、有利操作態様報知画像の対象は、例えば、リプレイ当選確率が低い不利RTに制御可能となる不利な再遊技役を含む当選役グループであって、不利な再遊技役の入賞を回避させる操作態様(押し順)が異なる複数種類の当選役グループ(いわゆる押し順リプレイ)を対象とするものであってもよい。
上記実施形態では、可変表示部13が3つの左可変表示列10L〜右可変表示列10Rを備える例について説明するが、これに限らず、1つの可変表示列を備える遊技機であっても、4つ以上の可変表示列を備える遊技機であってもよい。また、可変表示部13は、リール11L〜11Rにより構成される例を示したが、これに限らず、液晶表示器や7セグメントLEDなどの表示装置により構成されるものであってもよい。また、可変表示部13に対して入賞ラインとして1本のみ設定されている例について説明したが,これに限らず、複数の入賞ラインが設定されているものであってもよい。
また、上記実施形態および変形例におけるスロットマシンとしての遊技機は以下の構成を備えるものであってもよい。
好ましくは、1遊技に対する賭数として所定数の遊技価値を設定することにより複数種類の図柄を可変表示可能となり、可変表示が停止したときの図柄に応じて遊技価値を付与可能な遊技機において、遊技者にとって有利な有利状態に制御する有利状態制御手段と、前記有利状態に制御されてから所定の終了条件が成立するまでの間において、付与された遊技価値から賭数として設定された遊技価値を差し引いた純増数を算出する純増数算出手段と、前記有利状態中においては前記純増数算出手段が算出した純増数を表示する純増数表示手段とを備え、前記純増数表示手段は、前記純増数が特定数に到達するまでは当該純増数を所定表示態様で表示し、前記純増数が前記特定数に到達したときには当該純増数を前記所定表示態様とは異なる特別表示態様で表示し、それ以降において前記純増数が前記特定数未満となったときであっても当該特別表示態様での表示を維持する。
この構成によると、有利状態に制御されてから所定の終了条件が成立するまでの間において算出された純増数が特定数に到達するまでは当該純増数が所定表示態様で表示されるのに対し、純増数が特定数に到達したときには当該純増数が所定表示態様とは異なる特別表示態様で表示され、それ以降において特定数未満となったときであっても当該特別表示態様での表示が維持される。これにより、純増数が特定数に到達した以降においては純増数が特定数未満となったか否かにかかわらず特別表示態様で表示される。その結果、純増数が特別表示態様で表示されているか否かにより特定数に到達したか否かを把握できるとともに、純増数が特定数に到達した旨の報知等を仮に遊技者が見逃したとしても、純増数が特別表示態様で表示されていることにより遊技機が正常に動作していることについても把握でき、遊技機に対して不信感を抱かせてしまうことを防止できる。
好ましくは、前記有利状態とは異なる状態であって遊技者にとって有利な特別状態に制御する特別状態制御手段を備え、前記純増数算出手段は、前記所定の終了条件が成立するまでに制御された前記特別状態中においても純増数を継続して算出し、前記純増数表示手段は、前記特別状態中においても前記純増数を表示し、前記特別状態中において前記純増数が前記特定数に到達したときにも当該純増数を前記所定表示態様とは異なる前記特別表示態様で表示し、それ以降において前記純増数が前記特定数未満となったときであっても当該特別表示態様での表示を維持する。
この構成によると、特別状態中においても純増数が継続して算出されるとともに、当該純増数が特定数に到達したときにも当該純増数が特別表示態様で表示され、それ以降において純増数が特定数未満となったときであっても当該特別表示態様での表示が維持される。その結果、純増数を算出および表示する点において有利状態と特別状態とに関連性を持たせることができ遊技の興趣を向上できるとともに、有利状態とは異なる特別状態に制御されたときであっても、純増数が特別表示態様で表示されているか否かにより特定数に到達したか否かを把握でき、純増数が特別表示態様で表示されていることにより遊技機が正常に動作していることについても把握でき、遊技機に対して不信感を抱かせてしまうことを防止できる。
好ましくは、前記特別状態制御手段は、前記特別状態への制御が許容されている特別許容期間において前記特別状態に制御可能であり、遊技機は、前記特別許容期間中であることを条件として当該特別許容期間中である旨の特別許容演出を実行する特別許容演出実行手段を備え、前記純増数算出手段は、前記所定の終了条件が成立するまでにおいては前記特別許容期間中においても前記純増数を継続して算出し、前記純増数表示手段は、前記特別許容演出を実行してから前記特別状態に制御されるまでにおいては前記純増数の表示を中断し、前記特別状態に制御されたときに前記純増数の表示を再開し、前記特別許容演出を実行してから前記特別状態に制御されるまでにおいて前記純増数が前記特定数に到達したときには、当該特別状態に制御されてから前記純増数を前記所定表示態様で表示し、その後において前記遊技価値が付与されたときに前記純増数を前記特別表示態様で表示する。
この構成によると、特別許容期間中においても純増数が継続して算出される一方、特別許容演出が実行されてから特別状態に制御されるまでにおいては純増数の表示が中断される。これにより、特別許容演出が実行されているときには特別状態に制御されることに遊技者を集中させることができる。また、特別許容演出が実行されてから特別状態に制御されるまでにおいて純増数が特定数に到達したときには、当該特別状態に制御されてから純増数を所定表示態様で表示させた後において、遊技価値が付与されたときに純増数が特別表示態様で表示される。これにより、特別状態に制御された瞬間に突然純増数が特別表示態様で表示されてしまうことがない。その結果、特別な演出が実行されたのではないかといった心証を抱かせてしまうことを防止でき、かつ、遊技者を困惑させてしまうような不都合の発生を防止できる。
好ましくは、前記特別状態制御手段は、前記特別状態への制御が許容されている特別許容期間において前記特別状態に制御可能であり、遊技機は、前記特別許容期間中であることを条件として当該特別許容期間中である旨の特別許容演出を実行する特別許容演出実行手段と、前記純増数が予め複数種類定められた段階数のいずれかに到達したときに、当該段階数に到達した旨の到達演出を表示する到達演出表示手段とを備え、前記純増数算出手段は、前記所定の終了条件が成立するまでにおいては前記特別許容期間中においても前記純増数を継続して算出し、前記到達演出表示手段は、前記純増数が前記複数種類定められた段階数のいずれかに到達したときであっても、前記特別許容演出を実行してから前記特別状態に制御されるまでの間においては前記到達演出を表示せず、当該特別状態に制御されてから後において前記遊技価値が付与されたときに前記到達演出を表示する。
この構成によると、特別許容期間中においても純増数が継続して算出されるが、当該純増数が複数種類定められた段階数のいずれかに到達したときであっても、特別許容演出が実行されてから特別状態に制御されるまでの間においては到達演出が表示されず、当該特別状態に制御されてから後において遊技価値が付与されたときに到達演出が表示される。これにより、特別許容演出が実行されているときには特別状態に制御されることに遊技者を集中させることができるとともに、特別状態に制御された瞬間に突然到達演出が表示されてしまうことがない。その結果、特別な演出が実行されたのではないかといった心証を抱かせてしまうことを防止でき、かつ、遊技者を困惑させてしまうような不都合の発生を防止できる。
好ましくは、複数種類の図柄を可変表示する表示手段を備え、可変表示が停止したときの図柄に応じて特典を付与可能な遊技機において、画像を表示可能な複数のレイヤを重ね合わせて表示領域に表示可能な画像表示手段を備え、前記画像表示手段は、前記複数のレイヤのうちの所定レイヤにおいて、遊技者に有利な有利状態の終了に伴う所定画像を表示し、前記所定レイヤにおいて前記所定画像を表示する場合に、当該所定レイヤよりも優先度が高いレイヤにおいて過度な遊技への注意を遊技者に促す注意画像を少なくとも所定時間が経過するまで表示し、遊技に関する特定条件が成立することにより特定画像を表示し、前記特定画像は、前記特定条件が成立することによって前記所定時間が経過するまでの間においても前記表示領域のうち前記注意画像が表示される領域と重ならない領域に表示される画像である。
この構成によると、所定画像が表示される所定レイヤよりも優先度が高いレイヤにおいて注意画像が少なくとも所定時間経過するまで表示される。このため、所定画像により注意画像が阻害されることを防止できる。また、注意画像を表示している所定時間が経過するまでの間においても特定画像が表示されるところ、注意画像が表示される領域と重ならない領域において当該特定画像が表示される。このため、特定画像によっても注意画像が阻害されることを防止しつつ特定画像を表示することができる。その結果、注意画像を表示している間は遊技者が当該注意画像を視認できることにより注意喚起の機能を十分に発揮させることができるとともに、少なくとも特定画像により特定条件が成立したことに関する情報を遊技者あるいは遊技場の店員などに対して確実に報知することができる。
好ましくは、遊技機は、前記有利状態に制御する有利状態制御手段を備え、前記特定条件は、前記有利状態が終了するときに成立する条件を含み、前記特定画像は、前記有利状態中における遊技履歴に関する情報を報知する履歴報知画像を含む。
この構成によると、注意画像を表示しているときであっても履歴報知画像を遊技者が視認できるため、遊技履歴に関する情報を確実に遊技者に報知することができる。
好ましくは、遊技機は、遊技機に異常が発生しているか否かを判定する異常判定手段を備え、前記特定条件は、前記異常判定手段により異常が発生していると判定されることにより成立する条件を含み、前記特定画像は、異常が発生している旨を報知する異常報知画像を含む。
この構成によると、注意画像を表示しているときであっても異常報知画像を遊技者が視認できるため、確実に異常が発生している旨を報知することができる。
好ましくは、遊技機は、可変表示を停止させる停止操作手段と、複数の役のうちのいずれの役に当選したか否かを決定する役抽選を行う役抽選手段とを備え、前記特定条件は、前記役抽選の抽選結果が前記停止操作手段の操作態様によって遊技者にとっての有利度が異なる特定抽選結果となることにより成立する条件を含み、前記特定画像は、遊技者にとって有利度が高くなる有利操作態様を特定可能に報知する有利操作態様報知画像を含む。
この構成によると、注意画像を表示しているときであっても有利操作態様報知画像を遊技者が視認できるため、有利操作態様を確実に遊技者に報知することができる。
好ましくは、遊技機は、複数段階に亘って演出画像を更新する更新演出を含む複数種類の演出の実行を制御する演出制御手段を備え、前記特定条件は、前記更新演出が実行されることにより成立する条件を含み、前記特定画像は、前記更新演出において更新される演出画像のうち、所定段階までに更新される演出画像を含み、前記更新演出において更新される演出画像のうち前記所定段階以降に更新される演出画像は、前記注意画像が表示され得る領域と重なる領域に表示される画像である。
この構成によると、注意画像を表示しているときであっても、更新演出のうち所定段階までに更新される演出画像を遊技者が視認できるため、遊技性を損なうことなく注意画像を表示させることができる。
好ましくは、前記画像表示手段は、前記注意画像として所定態様の画像を表示した後、前記特定条件が成立したか否かにかかわらず少なくとも前記所定時間が経過するまで前記注意画像の表示態様を前記所定態様のまま維持する。
この構成によると、注意画像の表示が開始されてから終了するまで注意画像の表示態様が所定態様に維持することができる。このため、途中において表示態様が変化(表示位置の移動など)するようなものと比較して、注意画像が見落とされてしまうことを防止できる。
好ましくは、遊技機は、遊技を進行させるための遊技操作を受付ける遊技操作受付手段を備え、前記画像表示手段は、前記注意画像を表示しているときに前記遊技操作受付手段が遊技操作を受付けたとしても、少なくとも前記所定期間が経過するまで当該注意画像の表示を維持する。
この構成によると、注意画像を表示しているときに遊技操作が受付けられたとしても、少なくとも所定時間が経過するまで当該注意画像の表示が維持される。このため、遊技操作が受付けられることにより注意画像の表示を変化(表示位置の移動など)させてしまうようなものと比較して、注意画像が見落とされてしまうことを防止できる。
好ましくは、前記画像表示手段は、前記複数のレイヤのうちの所定レイヤにおいて前記所定画像とは異なる特別画像を表示可能であり、前記特別画像を表示する場合においても、前記所定レイヤよりも優先度が高いレイヤにおいて前記注意画像を少なくとも前記所定時間が経過するまで表示する。
この構成によると、所定画像とは異なる特別画像が表示されたとしても、所定レイヤよりも優先度が高いレイヤにおいて注意画像が少なくとも所定時間経過するまで表示される。このため、特別画像により注意画像が阻害されることを防止できる。
好ましくは、複数種類の図柄を可変表示する表示手段を備え、可変表示が停止したときの表示結果に応じて特典を付与可能な遊技機において、遊技の進行を制御するとともに、遊技の進行に応じて情報を出力する遊技制御手段と、前記情報に基づき演出を制御する演出制御手段を備え、前記遊技制御手段は、遊技者にとって有利な有利状態に制御される期間である有利状態制御期間を決定する有利状態制御期間決定手段と、決定された有利状態制御期間が終了する終了条件が成立したとき、または、前記終了条件が成立する前に前記終了条件とは異なる特別終了条件が成立したときに前記有利状態を終了する有利状態制御手段とを含み、前記特別終了条件は、前記有利状態に制御可能な期間である有利状態制御可能期間が上限値に到達することであり、前記有利状態制御期間決定手段は、前記有利状態において所定の上乗せ条件が成立したときに有利状態制御期間を上乗せする上乗せ制御を実行可能であり、当該有利状態制御期間を消費するまでに前記特別終了条件が成立する状態であるか否かにかかわらず前記所定の上乗せ条件が成立したときには前記上乗せ制御を実行し、前記有利状態制御手段は、前記特別終了条件が成立して前記有利状態を終了することにより、消費されなかった残余の有利状態制御期間に関わらず当該残余の有利状態制御期間を初期化する。
この構成によると、遊技制御手段側においては、有利状態制御期間を消費するまでに特別終了条件が成立する状態であるか否かにかかわらず、所定の上乗せ条件が成立したときには上乗せ制御を実行する。また、特別終了条件が成立して有利状態を終了することにより、消費されなかった残余の有利状態制御期間に関わらず当該残余の有利状態制御期間は初期化される。これにより、遊技制御手段側の処理負担および記憶容量を増大させることなく、有利状態における射幸性が高まり過ぎてしまうことを防止できる。
好ましくは、前記遊技制御手段は、前記有利状態制御期間を消費するまでに前記特別終了条件が成立する状態であるか否かを特定可能にするための情報である上限到達特定用情報と、前記有利状態中において前記上乗せ制御が実行されたことを特定可能にするための上乗せ特定用情報とを含む複数種類の特定用情報を出力する特定用情報出力手段を含み、前記演出制御手段は、前記有利状態中において前記上乗せ特定用情報を受信したときに前記上乗せ制御が実行されたことを報知する上乗せ演出を実行可能な上乗せ演出制御手段を含み、前記上乗せ演出制御手段は、前記有利状態制御期間を消費するまでに前記特別終了条件が成立する状態であることを前記上限到達特定用情報に基づき特定しているときにおいて前記上乗せ特定用情報を受信したときには、前記上乗せ演出の実行を規制する。
この構成によると、演出制御手段は、遊技制御手段側からの上乗せ特定用情報を受信したときには上乗せ演出を実行する一方、有利状態制御期間を消費するまでに特別終了条件が成立する状態であることを上限到達特定用情報に基づき特定しているときには上乗せ演出の実行を規制する。つまり、有利状態に制御される期間が実際に延長されるときには上乗せ演出が実行され、有利状態に制御される期間が実際には延長されないときには上乗せ演出が規制される。これにより、上乗せ演出により報知された有利状態制御期間が経過していないにもかかわらず、特別終了条件が成立して有利状態が終了してしまうといった状況の発生を未然に防止できる。
好ましくは、前記上限到達特定用情報は、前記有利状態制御可能期間が上限値に到達するまでの残り上限期間と、前記有利状態制御期間を消費するまでの残り制御期間とを特定可能な情報であり、前記特定用情報出力手段は、1遊技毎に当該遊技における前記残り上限期間と前記残り制御期間とを特定可能な情報を前記上限到達特定用情報として出力し、前記残り制御期間は、前記上限到達特定用情報を出力する遊技において前記上乗せ制御が実行された場合には上乗せされた期間を含む。
この構成によると、1遊技毎に出力される上限到達特定用情報から特定される残り制御期間は、当該遊技において上乗せ制御が実行された場合には上乗せされた期間を含む。これにより、演出制御手段は、有利状態制御期間を消費するまでに特別終了条件が成立する状態であるか否かを、上乗せされた期間を含めて判定できるため、より正確に上乗せ演出の有無を決定できる。
好ましくは、前記有利状態とは異なる状態であって遊技者にとって有利な特別状態に制御する特別状態制御手段を備え、前記有利状態が終了するまでに制御された前記特別状態中は、前記有利状態制御期間については経過させない一方、前記有利状態制御可能期間については経過させる。
この構成によると、有利状態が終了するまでに特別状態に制御されたとしても、当該特別状態に制御されることにより実質的に有利状態に制御される期間が短くなってしまい遊技者に不利益を与えてしまうことを防止できる一方、有利状態制御可能期間については実質的に延長されてしまうことがないため射幸性が高まり過ぎてしまうことを防止できる。