JP2019205237A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気的な接続により外部機器への電流ノイズの影響を抑制することが可能な電力変換装置を提供する。【解決手段】電力変換装置700は、スイッチング素子501、503を有するパワー半導体回路部200と、コネクタ705が接続される接続部301およびグランド線43を有する制御基板601と、複数のベース支持部408を有するケース400と、複数の基板支持部407を有するベース402とを備える。複数の基板支持部407のうち、接続部の最寄りの端部に最も近い第1の基板支持部407aは、第1のベース支持部408aと重なる位置に配置され、第1の基板支持部407aと第1のベース支持部408aとがグランド線43に電気的に接続されている。【選択図】図10

Description

本発明は電力変換装置に関する。
ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車、電気自動車などの車両には、モータ駆動用のインバータ、商用電源から高電圧バッテリに充電する充電器、および補機バッテリに給電するDCDCコンバータ等、種々の電力変換装置が搭載されている。インバータやコンバータ等の電力変換装置は、金属ケース内に収納されたスイッチング素子を有するパワーモジュールを備え、スイッチング素子から発生されるEMI(Electro Magnetic Interference 電磁波妨害)を防止する構造を備えている。
モータ駆動用のインバータ等において、グランド線を有する回路基板と金属ケースとの間に金属ベースを配置することによりEMIを防止する構造が知られている。この構造では、回路基板の周縁部に、第1の締結部材を貫通させて金属ケースに固定する。このとき、第1の締結部材をグランド線に接触させてグランド線と金属ケースとを電気的に接続する。次に、金属ケースの周縁部に、第2の締結部材を貫通させて金属ケースに固定する。このとき、第1の締結部材と第2の締結部材とは、両締結部材間の距離が最小となる位置に配置される。このため、金属ケース内に生じる電磁ノイズを抑制することができる。
一方、金属ケースと外部機器との接続は、金属ケース内に光ファイバを配設し、金属ケースに設けた開口の内側に光ファイバポートを設け、金属ケースの開口の外側に光ファイバコネクタを取り付ける構造とされている。これにより、金属ケース内に生じた電磁ノイズの外部への放射を低減し、電磁ノイズによる外部機器への影響を抑制する(例えば、特許文献1参照)。
米国特許第7,911,806号明細書
特許文献1に記載された電力変換装置では、金属ケース内に光ファイバを配設し、外部との接続部は光ファイバポートと光ファイバコネクタによる光通信構造とされている。このため、コストが高く、生産性が低いものであった。
本発明の一態様によると、電力変換装置は、スイッチング素子を有する回路体と、外部機器に接続するためのコネクタが接続される接続部、前記接続部の外周側に設けられたグランド線、および前記回路体を制御する制御回路を有する制御基板と、前記回路体を収納する導電性のケースと、前記回路体と前記制御基板との間に配置された導電性のベースとを備え、前記ケースは、前記ベースを支持する複数のベース支持部を有し、前記ベースは、前記制御基板を支持する複数の基板支持部を有し、前記複数の基板支持部のうち、前記接続部の最寄りの端部に最も近い第1の基板支持部は、前記複数のベース支持部の一つである第1のベース支持部と重なる位置に配置され、前記第1の基板支持部と前記第1のベース支持部とが前記グランド線に電気的に接続されている。
本発明によれば、電気的な接続により外部機器への電流ノイズの影響を抑制することが可能となり、コスト低減、生産性の向上を図ることができる。
図1は、電力変換装置の電気回路の構成を示す回路図。 図2は、本発明の一実施の形態としての電力変換装置の外観斜視図。 図3は、図2に図示された電力変換装置の分解斜視図。 図4は、図3に図示されたケースの斜視図。 図5は、図3に図示されたベースの斜視図。 図6は、図5に図示されたベースの領域VIの平面図。 図7は、図3に図示された制御基板を上方からみた平面図。 図8は、図2に図示された電力変換装置の上カバーを取り外し、内部を図示した上面図。 図9は、図8のIX−IX線断面図。 図10は、図9の領域Xの拡大図。 図11(a)は、導電性部材が回路部材間に電磁ノイズが遮蔽されるように配置された構成の一例を示す模式図、図11(b)は、導電性部材が回路部材間に電磁ノイズを遮蔽するようには配置されていない構成の一例を示す模式図。
以下、図面を参照して、本発明の電力変換装置の一実施の形態を説明する。
図1は、電力変換装置の電気回路の構成を示す回路図である。
電力変換装置700は、バッテリ701と、平滑コンデンサ703と、インバータ回路201と、直流電源端子704と、外部コネクタ705と、交流ターミナル706とを備える。
インバータ回路201は、直流電源端子704および平滑コンデンサ703を介してバッテリ701と電気的に接続されており、バッテリ701とインバータ回路201との相互において電力の授受が行われる。
平滑コンデンサ703は、インバータ回路201に供給される直流電力を平滑化する。
インバータ回路201は、パワー半導体回路部200と、駆動基板600と、制御基板601とを備える。
制御基板601は、外部コネクタ705を介して上位の制御装置から指令を受けたり、上位の制御装置に状態を表すデータを送信する制御回路を有する。また、制御基板601の制御回路は、交流ターミナル706を介してモータジェネレータ702に電気的に接続されており、入力される指令に基づいて、モータジェネレータ702の制御量を演算し、演算結果に基づいて制御信号を発生し、駆動基板600へ制御信号を供給する。
駆動基板600は、制御基板601から受け取った制御信号に基づいてインバータ回路201を制御するための駆動信号を発生し、交流電力のU相、V相、W相からなる3相のそれぞれを並列駆動する。
パワー半導体回路部200は、半導体モジュール200a、200b、200cを有する。半導体モジュール200a、200b、200cは、それぞれ、上アームとして動作するIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)等のスイッチング素子501およびダイオード502と、下アームとして動作するIGBT等のスイッチング素子503およびダイオード504とを有する。上アームのスイッチング素子501と下アームのスイッチング素子503は、直流電力を交流電力に変換する。ダイオード502、504は回生時には、交流電力を直流電力に変換する機能も有する。
半導体モジュール200a、200b、200cは、それぞれ、交流ターミナル706を介してモータジェネレータ702のU相、V相、W相と接続される。
図2は、本発明の一実施の形態としての電力変換装置の外観斜視図であり、図3は、図2に図示された電力変換装置の分解斜視図である。
電力変換装置700は、ケース400と、上カバー401とから構成される筐体を有する。ケース400および上カバー401は、アルミニウム合金等の金属により形成されている。ケース400には、外部コネクタ705が取り付けられている。外部コネクタ705は、ケース400に設けられた開口部400a(図4参照)を覆って取り付けられている。外部コネクタ705は、開口部400a内に挿通されるフレキシブルコネクタ602(図8、図10参照)によりケース400内に収容された内部回路に接続されている。
ケース400内には、図3に図示されるように、制御基板601と、駆動基板600と、ベース402と、パワー半導体回路部200とが収容されている。パワー半導体回路部200は、半導体モジュール200a、200b、200cにより構成される。図示はしないが、パワー半導体回路部200の半導体モジュール200a、200b、200cは、それぞれ、バスバーにより駆動基板600に電気的に接続されている。
制御基板601と駆動基板600とは、ほぼ同一平面に配置され、接続コネクタ803により相互に電気的に接続された状態で一体化されている。
ベース402は、金属などの導電性部材により形成されている。ベース402は、制御基板601と駆動基板600とが一体化された基板領域と、パワー半導体回路部200との間に電磁ノイズを遮蔽するように配置されている。以下に、電磁ノイズを遮蔽するように配置することについて説明する。
図11(a)は、導電性部材が回路部材間に電磁ノイズが遮蔽されるように配置された構成の一例を示す模式図であり、図11(b)は、導電性部材が回路部材間に電磁ノイズを遮蔽するようには配置されていない構成の一例を示す模式図である。
図11(a)では、導電性部材813は、回路部材A811の面の中心O1と回路部材B812の面の中心O2とを結ぶ直線Cに交差する領域を有し、かつ、回路部材A811と回路部材B812とが直接対向する領域が無いように延在されて配置されている。
図11(b)においても、導電性部材813は、回路部材A811の面の中心O1と回路部材B812の面の中心O2とを結ぶ直線Cに交差する領域を有して配置されている。しかし、図11(b)では、導電性部材813の一端側に、回路部材B812の一端縁と回路部材A811とが直接対向する領域814があり、また、導電性部材813の他端側に、回路部材A811の他端縁と回路部材B812とが直接対向する領域815がある。図11(b)のように、導電性部材813の一端側または他端側に回路部材A811と回路部材B812が直接対向する領域814、815があると、電磁ノイズの遮蔽効果は低減する。
本明細書では、導電性部材を、電磁ノイズを遮蔽するように配置するとは、図11(a)に示される構成、すなわち、導電性部材を、各回路部材の面の中心を結ぶ直線に交差する領域を有し、かつ、回路部材が直接対向する領域が無いように延在して配置することと定義される。
図4は、図3に図示されたケースの斜視図である。
ケース400は、アルミダイキャスト等により形成され、半導体モジュール200a、200b、200cを収容する半導体モジュール収容部801および平滑コンデンサ703を収容するコンデンサ収容部802を有する。ケース400には、半導体モジュール収容部801内に収容された半導体モジュール200a、200b、200cを冷却するための冷却水等の冷媒が流れる冷却流路が形成されている。
ケース400には、複数のベース支持部408が形成されている。各ベース支持部408は、上方、すなわち、上カバー401側に向けて突き出して設けられており、その上端部の中央には、雌ねじ部が設けられている。各べース支持部408の上端側には、後述するように、ベース402が配置され、ボルト等の導電性締結部材406(図10参照)により、ベース402がケース400に固定される。
なお、上述したように、ケース400の一側辺には、外部コネクタ705に接続されるフレキシブルコネクタ602(図8、図10参照)が挿通される開口部400aが設けられている。
図5は、図3に図示されたベースの斜視図である。
ベース402は、一体化された制御基板601および駆動基板600の合計面積とほぼ同じか、それ以上の大きさの面積を有する。ベース402には、複数の基板支持部407および複数の貫通孔410が設けられている。各基板支持部407は、上方、すなわち、上カバー401側に向けて突き出して設けられており、その上端部の中央には、雌ねじ部が設けられている。各基板支持部407の上端側には、制御基板601および駆動基板600が配置され、ボルト等の導電性締結部材405(図10参照)により、制御基板601および駆動基板600がベース402に固定される。
なお、詳細は後述するが、ベース402の基板支持部407は、第1、第2の基板支持部407a、407bを含み、ケース400のベース支持部408は、第1、第2のベース支持部408a、408bを含む。第1、第2の基板支持部407a、407bと第1、第2のベース支持部408a、408bとは、それぞれ、同軸に配置される。第1、第2の基板支持部407a、407b以外の基板支持部407と、第1、第2のベース支持部408a、408b以外のベース支持部408とは、それぞれ、平面視で少しずれた位置に配置される。制御基板601は、同軸に配置された第1、第2の基板支持部407a、407bと第1、第2のベース支持部408a、408bのそれぞれに貫通するボルト等の共締め用の第1、第2の導電性締結部材405a、405b(図10参照)によっても、ベース402に固定される。この構造の詳細については後述する。
図6は、図5に図示されたベースの領域VIの平面図であり、図7は、図3に図示された制御基板を上方からみた平面図である。
図7に図示されるように、制御基板601は、平面視で、ほぼ長方形状に形成されている。制御基板601の上面側、すなわち、ベース402側と反対側の面の外周縁には、全周に亘りグランド線43が設けられている。グランド線43は、制御基板601の回路部を囲む閉ループ状に形成されている。制御基板601の一側辺601a側(図7における上辺側)のほぼ中央部には、コネクタ300(図10参照)が接続される接続部301が設けられている。接続部301は、グランド線43の内側に配置されており、平面視で長方形を形成するように配列された複数のコネクタピン301a(図10も参照)により構成されている。制御基板601には、グランド線43の領域内に複数の貫通孔44が設けられている。以下の説明では、貫通孔44のうち、接続部301の一端側に最も近い貫通孔を第1の貫通孔44aとし、接続部301の一端側に対向する他端側に最も近い貫通孔を第2の貫通孔44bとする。第1の貫通孔44aの接続部301の一端側からの距離と、第2の貫通孔44bの接続部301からの距離とは、同一であってもよいし、一方が他方より大きくてもよい。
図6に示されるようにベース402の一側辺402a側(図6における上辺側)のほぼ中央部には、第1の基板支持部407aおよび第2の基板支持部407bが形成されている。第1の基板支持部407aおよび第2の基板支持部407bのそれぞれには、中央部に貫通孔が形成されている。ベース402の一側辺402aは、制御基板601の一側辺601aに対応する位置に配置される。第1の基板支持部407aは、制御基板601の第1の貫通孔44aと同軸に配置され、第2の基板支持部407bは、制御基板601の第2の貫通孔44bと同軸に配置されている。
図4に図示されるように、ケース400の開口部400aの近傍には、第1のベース支持部408aと第2のベース支持部408bが設けられている。第1のベース支持部408aは、ベース402の第1の基板支持部407aおよび制御基板601の第1の貫通孔44aと同軸に配置されている。第2のベース支持部408bは、ベース402の第2の基板支持部407bおよび制御基板601の第2の貫通孔44bと同軸に配置されている。
図8は、図2に図示された電力変換装置の上カバーを取り外し、内部を図示した上面図であり、図9は、図8のIX−IX線断面図である。
ケース400の半導体モジュール収容部801(図8、図9では図示されていない。図4参照)内に半導体モジュール200a、200b、200cが収容され、コンデンサ収容部802内に平滑コンデンサ703が収容されている。
図9に図示されるように、半導体モジュール200a、200b、200cおよび平滑コンデンサ703の上方にベース402が配置されている。ベース402の上部に制御基板601および駆動基板600が配置されている。ケース400に取り付けられた外部コネクタ705は、ケース400の開口部400a内に挿通されたフレキシブルコネクタ602を介してコネクタ300に接続されている。コネクタ300は、雌型のコネクタであり、制御基板601の接続部301のコネクタピン301a(図10参照)に接続されている。
図10は、図9の領域Xの拡大図である。
ベース402は、ケース400の第1のベース支持部408aおよび第2のベース支持部408bを含むベース支持部408の上端面上に載置される。制御基板601は、ベース402の第1の基板支持部407aおよび第2の基板支持部407bを含む基板支持部407の上端面上に配置される。
上述したように、ケース400の第1のベース支持部408a、第2のベース支持部408bと、ベース402の第1の基板支持部407a、第2の基板支持部407bとは、それぞれ、同軸に配置されている。ケース400の第1、第2のベース支持部408a、408b以外のベース支持部408は、ベース402の第1、第2の基板支持部407a、407b以外の基板支持部407とは、それぞれ、平面視で、少しずれた位置に配置されている。
ベース402は、導電性締結部材406をベース402の貫通孔410に挿通してケース400のベース支持部408の雌ねじ部に締結することによりケース400に固定される。制御基板601は、導電性締結部材405を制御基板601の貫通孔44に挿通してベース402の基板支持部407の雌ねじ部に締結することによりベース402に固定される。制御基板601をベース402に固定した状態では、導電性締結部材405の頭部下面が制御基板601のグランド線43に接触する。このため、導電性締結部材405および導電性締結部材406を介してベース402およびケース400がグランド線43に電気的に接続される。
なお、図示はしないが、駆動基板600も同様に、導電性締結部材405によりベース402に固定され、ベース402は導電性締結部材406によりケース400に固定され
る。また、導電性締結部材405の頭部下面が駆動基板600のグランド線(図示せず)に接触し、ベース402およびケース400は、駆動基板600のグランド線に電気的に接続される。
制御基板601の第1の貫通孔44a、ベース402の第1の基板支持部407aおよびケース400の第1のベース支持部408aは、上述したように、同軸に配置されている。制御基板601は、第1の導電性締結部材405aを、制御基板601の第1の貫通孔44aおよびベース402の第1の基板支持部407aの貫通孔に挿通して第1のベース支持部408aの雌ねじ部に締結することによりベース402に固定される。
同様に、制御基板601の第2の貫通孔44b、ベース402の第2の基板支持部407bおよびケース400の第2のベース支持部408bは、上述したように、同軸に配置されている。制御基板601は、第2の導電性締結部材405b、制御基板601の第2の貫通孔44bおよびベース402の第2の基板支持部407bの貫通孔に挿通して第2のベース支持部408bの雌ねじ部に締結することによりベース402に固定される。
すなわち、制御基板601、ベース402の第1の基板支持部407aおよびケース400の第1のベース支持部408aは、第1の導電性締結部材405aにより共締めされる。また、制御基板601、ベース402の第2の基板支持部407bおよびケース400の第2のベース支持部408bは、第2の導電性締結部材405bにより共締めされる。
制御基板601がベース402に固定された状態では、第1の導電性締結部材405aおよび第2の導電性締結部材405bの頭部下面が制御基板601のグランド線43に接触する。このため、第1の導電性締結部材405aおよび第2の導電性締結部材405bを介してベース402およびケース400がグランド線43に電気的に接続される。
制御基板601を、図10に図示されるように実装するには下記の手順により行う。
ベース402をケース400上に配置し、ベース402の貫通孔410、第1、第2の基板支持部407a、407bの各貫通孔を、それぞれ、ケース400のベース支持部408の雌ねじ部、第1、第2のベース支持部408a、408bのそれぞれの雌ねじ部に位置合わせする。そして、導電性締結部材406をベース402の貫通孔410に挿通してベース402のベース支持部408の雌ねじ部に締結する。
次に、制御基板601を、ベース402上に配置し、制御基板601の貫通孔44、第1の貫通孔44a、第2の貫通孔44bを、それぞれ、ベース402の基板支持部407の雌ねじ部、第1、第2の基板支持部407a、407bのそれぞれの雌ねじ部に位置合わせをする。
そして、導電性締結部材405を制御基板601の貫通孔44に挿通して、ベース402の基板支持部407の雌ねじ部に締結する。また、第1の導電性締結部材405aを、制御基板601の第1の貫通孔44aおよびベース402の第1の基板支持部407aの貫通孔に挿通し、第1のベース支持部408aの雌ねじ部に締結する。同様に、第2の導電性締結部材405bを、制御基板601の第2の貫通孔44bおよびベース402の第2の基板支持部407bの貫通孔に挿通し、第2のベース支持部408bの雌ねじ部に締結する。これにより、図5に図示される制御基板601の実装構造が得られる。
なお、導電性締結部材405により制御基板601をベース402の基板支持部407に締結する工程と、第1、第2の導電性締結部材405a、405bにより制御基板601をベース402の第1、第2の基板支持部407a、407bに締結する工程とは、逆の順序で行うようにしてもよい。
電流ノイズは、パワー半導体回路部200のスイッチング素子501、503のスイッチング動作により発生し、駆動基板600および制御基板601を伝達して接続部301の周縁部に集中する。そして、接続部301に接続されるコネクタ300および外部コネクタ705を介して電力変換装置700の外部に伝達される。
本実施形態においては、制御基板601のグランド線43は、導電性締結部材405を介してベース402の基板支持部407に電気的に接続され、ベース402は、導電性締結部材406を介してケース400のベース支持部408に電気的に接続されている。従って、制御基板601に伝達された電流ノイズのケース400への戻り経路は、図10に示すように、導電性締結部材405−基板支持部407−ベース402における基板支持部407とベース支持部408間の領域を介してケース400に戻る第1の経路31を有する。
本実施形態においては、ベース402の第1の基板支持部407aは、平面視で、基板支持部407のうち、制御基板601の接続部301の最寄りの端部である一端に最も近い位置に配置されている。また、ケース400の第1のベース支持部408aは、平面視で、ベース支持部408のうち、接続部301の最寄りの端部である一端に最も近い位置に配置されている。さらに、ケース400の第1のベース支持部408aとベース402の第1の基板支持部407aとは、平面視で、重なる位置に配置されている。
そして、ケース400の第1のベース支持部408aとベース402の第1の基板支持部407aとは、図10に示す配列方向20、すなわち、制御基板601とベース402が積層して配置された方向において、積層して配置され、第1の導電性締結部材405aにより共締めされている。
従って、制御基板601に伝達された電流ノイズのケース400への戻り経路は、第1の導電性締結部材405aを介して、直接、ケース400に戻る第2の経路30を有する。
同様に、ベース402の第2の基板支持部407bは、平面視で、基板支持部407のうち、制御基板601の接続部301の最寄りの端部である他端に最も近い位置に配置されている。また、ケース400の第2のベース支持部408bは、平面視で、ベース支持部408のうち、接続部301の最寄りの端部である他端に最も近い位置に配置されている。さらに、ケース400の第2のベース支持部408bとベース402の第2の基板支持部407bとは、平面視で、重なる位置に配置されている。
そして、ケース400の第2のベース支持部408bとベース402の第2の基板支持部407bとは、図10に示す配列方向20、すなわち、制御基板601とベース402が積層して配置された方向において、積層して配置され、第2の導電性締結部材405bにより共締めされている。
従って、制御基板601に伝達された電流ノイズは、第2の導電性締結部材405bを介して、直接、ケース400に戻る第2の経路30を有する。
第2の経路30は、制御基板601に伝達された電流ノイズを第2の導電性締結部材405bを介して、直接、ケース400に伝達する経路であるので、電流ノイズをケース400に戻す最短経路を形成する。つまり、第2の経路30は、第1の経路31に対し、ベース402の、基板支持部407とベース支持部408間の領域の長さ分、電流ノイズをケース400に戻す経路が短い。このため、経路中におけるインピーダンスが低減され、電力変換装置700の制御基板601の接続部301に接続されるコネクタ300、外部コネクタ705から外部に伝達される電流ノイズを低減することができ、以って、電流ノイズによる影響を低減することが可能となる。
なお、特定する意図ではなく、参考として記載すると、第1、第2の導電性締結部材405a、405bと、接続部301の最寄りの端部である一端または他端との距離は、それぞれ、15mm以下、より好ましくは5mm以下とすることが好ましい。
上記一実施の形態によれば、下記の効果を奏する。
(1)電力変換装置700は、スイッチング素子501、503を有するパワー半導体回路部(回路体)200と、外部機器に接続するための外部コネクタ705が接続される接続部301および該接続部301の外周側に設けられたグランド線43を有する制御基板601と、複数のベース支持部408を有するケース400と、複数の基板支持部407を有するベース402とを備える。複数の基板支持部407のうち、接続部の最寄りの端部に最も近い第1の基板支持部407aは、複数のベース支持部408の一つである第1のベース支持部408aと重なる位置に配置され、第1の基板支持部407aと第1のベース支持部408aとがグランド線43に電気的に接続されている。このため、接続部301の近傍に、スイッチング素子501、503から制御基板601に伝達される電流ノイズをケース400に戻す最短経路である第2の経路30が形成され、経路中におけるインピーダンスが低減される。これにより、電力変換装置700から外部に伝達される電流ノイズを低減することができ、以って、電流ノイズによる影響を低減することが可能となる。
(2)複数の基板支持部407は、接続部301の最寄りの他の端部との距離が第1の基板支持部407aと接続部301の最寄りの端部との距離と等しいか、またはそれよりも大きい位置に配置された第2の基板支持部407bを含み、複数のベース支持部408は、第2の基板支持部407bと重なる位置に配置された第2のベース支持部408bを含み、第2の基板支持部407bと第2のベース支持部408bとがグランド線43に電気的に接続されている。この構成では、制御基板601に伝達される電流ノイズをケース400に戻す第2の経路30が、さらに形成されるため、経路中におけるインピーダンスがさらに低減される。
(3)電力変換装置700は、第1の基板支持部407aと第1のベース支持部408aとを共締めし、グランド線43に電気的に接続する第1の導電性締結部材405aと、第2の基板支持部407bと第2のベース支持部408bとを共締めし、グランド線43に電気的に接続する第2の導電性締結部材405bとをさらに備える。第1の基板支持部407aと第1のベース支持部408aとを1本の第1の導電性締結部材405aにより共締めし、第2の基板支持部407bと第2のベース支持部408bとを1本の第2の導電性締結部材405bにより共締めするので、生産効率を高めることができる。
なお、上記実施形態では、電力変換装置700はインバータ回路201を有するものとして例示した。しかし、本発明は、DCDCコンバータ等、電磁ノイズを発生するスイッチング素子を有する回路体を備える電力変換装置に幅広く適用することができる。
上記実施形態では、ケース400は、半導体モジュール200a、200b、200cを収容する半導体モジュール収容部801を有し、かつ、半導体モジュール200a、200b、200cを冷却するための冷媒が流れる冷却流路が形成されている構造を有するものとして例示した。しかし、本発明は、ケース400に、半導体モジュール収容部801や冷却流路が形成されていない電力変換装置に適用することができる。
上記実施形態では、制御基板601とベース402との固定、ベース402とケース400との固定は、ボルト等の導電性締結部材405、406により行う構造として例示した。しかし、制御基板601とベース402との固定や、ベース402とケース400との固定は、ピン等の圧入や、かしめによる構造としてもよい。また、ベース402とケース400との共締めを第1、第2の導電性締結部材405a、405bにより行うこととして例示したが、同様に、ピン等の圧入や、かしめによる構造としてもよい。
上記実施形態では、制御基板601のグランド線43は、ベース402側と反対側の面に設けられている構成として例示した。しかし、制御基板601のグランド線43は、ベース402側に形成してもよい。
本発明は、上記実施形態および変形例の内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
20 配列方向
30 第2の経路
31 第1の経路
43 グランド線
200 パワー半導体回路部(回路体)
300 コネクタ
301 接続部
400 ケース
402 ベース
405 導電性締結部材
405a 第1の導電性締結部材
405b 第2の導電性締結部材
406 導電性締結部材
407 基板支持部
407a 第1の基板支持部
407b 第2の基板支持部
408 ベース支持部
408a 第1のベース支持部
408b 第2のベース支持部
410 貫通孔
501、503 スイッチング素子
600 駆動基板
601 制御基板
601a 一側辺
700 電力変換装置
705 外部コネクタ

Claims (5)

  1. スイッチング素子を有する回路体と、
    外部機器に接続するためのコネクタが接続される接続部、前記接続部の外周側に設けられたグランド線、および前記回路体を制御する制御回路を有する制御基板と、
    前記回路体を収納する導電性のケースと、
    前記回路体と前記制御基板との間に配置された導電性のベースとを備え、
    前記ケースは、前記ベースを支持する複数のベース支持部を有し、
    前記ベースは、前記制御基板を支持する複数の基板支持部を有し、
    前記複数の基板支持部のうち、前記接続部の最寄りの端部に最も近い第1の基板支持部は、前記複数のベース支持部の一つである第1のベース支持部と重なる位置に配置され、
    前記第1の基板支持部と前記第1のベース支持部とが前記グランド線に電気的に接続されている電力変換装置。
  2. 請求項1に記載の電力変換装置において、
    前記複数の基板支持部は、接続部の最寄りの他の端部との距離が前記第1の基板支持部と前記接続部の最寄りの端部との距離と等しいか、またはそれよりも大きい位置に配置された第2の基板支持部を含み、
    前記複数のベース支持部は、前記第2の基板支持部と重なる位置に配置された第2のベース支持部を含み、
    前記第2の基板支持部と前記第2のベース支持部とが前記グランド線に電気的に接続されている電力変換装置。
  3. 請求項2に記載の電力変換装置において、
    前記第1の基板支持部と前記第1のベース支持部とを共締めし、前記グランド線に電気的に接続する第1の締結部材と、
    前記第2の基板支持部と前記第2のベース支持部とを共締めし、前記グランド線に電気的に接続する第2の締結部材とを、さらに備える電力変換装置。
  4. 請求項2に記載の電力変換装置において、
    前記第1の基板支持部および前記第2の基板支持部は、前記制御基板の一側部に沿って配置され、
    前記複数の基板支持部は、前記制御基板の前記一側部に対向する対向側部側に配置された第3の基板支持部を含み、
    前記複数のベース支持部は、前記第3の基板支持部と重ならない位置に配置された第3のベース支持部を含み、
    前記第3の基板支持部を前記グランド線に電気的に接続する第1の締結部材と、
    前記ベースと前記第3のベース支持部とを電気的に接続する第2の締結部材とを、さらに備える電力変換装置。
  5. 請求項1に記載の電力変換装置において、
    前記グランド線は、前記制御基板の回路部を囲む閉ループ状に形成されている電力変換装置。

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