JP2019203773A - オートライト用照度センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】照度計の指向特性により近い指向特性を有するデザイン性の自由度に優れたオートライト用照度センサを提供する。【解決手段】オートライト用照度センサ1は、光拡散性を有するレンズ3と、レンズ3の下方に設けられてレンズの光軸3aに一致した中心軸を有し、レンズ3の下面3cの面積よりも小さい面積の受光面2bを有する光検出部2とを、備える。【選択図】図1

Description

本発明は、車両に装備された車載ライトの点灯状態を、車両の周囲の明るさに応じて変更するオートライト用照度センサに関する。
車両に装備された前照灯、車幅灯、車内灯等の車載ライトの点灯状態を車両の周囲の明るさに応じて自動で変更する、オートライトシステムが知られている(例えば特許文献1)。このようなオートライトシステムは、車内のダッシュボード上のフロントガラス近くに配置された照度センサを用いて照度を検出する。照度センサは、レンズと、照度を検出する光検出部とから構成されており、オートライトシステムは、検出した照度に応じて車載ライトの点灯状態を変更させる制御部に接続されている。
照度センサが検出する照度が所定の照度以下になった場合、オートライトシステムは、車両の周囲が暗くなったと判断し、車載ライトを点灯させたり、車載ライトの照度を上げたりする。一方、照度センサが検出する照度が所定の照度以上になった場合、オートライトシステムは、車両の周囲が明るくなったと判断し、車載ライトを消灯させたり、車載ライトの照度を下げたりする。
オートライト用照度センサの指向特性は、標準比視感度に合致するよう校正された照度計の指向特性に合致しているか、または近似していることが好ましい。照度計のレンズには通常、レンズの光軸に対して傾いて入射する弱い光に対する感度を高めるために、上面が凸なドーム状のレンズが使用されている。従来のオートライト用照度センサにも、照度計に用いられるレンズと同様の、上面が凸なレンズが使用されてきた(例えば特許文献2)。
特開2013−141889号公報 特開2015−004666号公報
しかし、上面が凸のレンズをオートライト用照度センサに用いると、照度センサを配置したダッシュボードなどの上面からレンズの凸部分が突出して目立つため、レンズの凸部分がドライバーの視界に入りやすい。そこで発明者らが、平板状のレンズを照度センサに配置したところ、図9に示すように、照度センサの指向特性が校正された照度計の指向特性から大きく相違した。
本発明の目的は、照度計の指向特性により近い指向特性を有するデザイン性の自由度に優れたオートライト用照度センサを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のオートライト用照度センサは、光拡散性を有するレンズと、レンズの下方に設けられてレンズの光軸に一致した中心軸を有し、レンズの下面の面積よりも小さい面積の受光面を有する光検出部とを備える。
本発明によれば、上面が光学的な機能を有さないもしくは不十分な形状であっても、照度計の指向特性により近い指向特性を有するデザイン性の自由度に優れたオートライト用照度センサを提供できる。
実施形態としてのオートライト用照度センサの(a)上面図、(b)A−A断面図、(c)照度センサを備える車両の構成図。 (a)照度センサに配置されるレンズ3Aの側面図、(b)照度センサに配置されるレンズ3Bと光検出部2の側面図、(c)照度センサに配置されるレンズ3Cと光検出部2の側面図。 (a)真上からの光がレンズ3Cを通過して光検出部に入射するときの光路、(b)傾いた光がレンズ3Cを通過して光検出部に入射するときの光路。 (a)〜(d)入射角度の異なる光がレンズ3Aに対して入射するときの光路の違いを示す説明図。 (a)〜(d)入射角度の異なる光がレンズ3Cに対して入射するときの光路の違いを示す説明図。 上面が平坦なレンズの拡散度を変えたときの、照度センサの指向特性と、照度計の指向特性との関係を示すグラフ。 上面が平坦なレンズに対する濃色色素の含有割合を変えたときの照度センサの指向特性と、照度計の指向特性との関係を示すグラフ。 レンズの下面構造を変えたときの、照度センサの指向特性と、照度計の指向特性との関係を示すグラフ。 上面が平坦なレンズを配置した照度センサの指向特性と、照度計の指向特性との関係を示すグラフ。
以下、本発明の実施の形態のオートライト用照度センサについて説明する。
図1(a)、(b)に、オートライト用照度センサ1の上面図および断面図を示す。また、図1(c)に、車内におけるオートライト用照度センサ1の配置例を示す。オートライト用照度センサ1は、光拡散性を有するレンズ3と、レンズ3の下方に設けられてレンズ3の光軸3aに一致した中心軸を有し、レンズ3の下面3cの面積よりも小さい面積の受光面2bを有する光検出部2とを備える。
これにより、光学的な機能を有さないもしくは不十分な形状であっても、照度計の指向特性により近い指向特性を有するデザイン性の自由度に優れたオートライト用照度センサを提供できる。
まず、オートライト用照度センサ1の構成について簡単に説明する。光検出部2は、レンズ3が上面にはめ込まれたケース4内に収納されており、車外からの光を受光する受光面2bが上方(レンズ3側)に向けて配置されている。光検出部2は、半導体素子が樹脂モールドなどにより密封されたり基板に実装されたりしたフォトダイオード、フォトトランジスタ等である。光検出部2は、受光面2bに入射した光を照度に応じた大きさの電流に変換し、その電流を制御部14(図1(c))に出力する。
また、ケース4には、太陽光の到達量を検知する日照センサ15も備えられ、照度センサ1と日照センサ15により、センサ100を構成している。尚、本実施例においては日照センサ15を備えているが、照度センサ1のみを有していてもよい。
レンズ3は、その中心が光検出部2の受光面2bの中心軸2a上に配置されるようにケース4の上部にはめ込まれており、ケース4の天面を形成している。レンズ3の光軸3aは、受光面2bの中心軸2aと一致している。車外からの光は、レンズ3に入射すると屈折され、レンズ3から出射した後、光検出部2に到達する。レンズ3の上面3bと下面3cの面積は光検出部2の受光面2bよりも大きいため、レンズ3の光軸3aに対して大きく傾いた光であっても、光検出部2の受光面2bに対して入射できるようになっている。なお、レンズ3の具体的な構造については、後で説明する。
[レンズ3の材料]
続いて、オートライト用照度センサ1に配置するレンズ3の材料について説明する。以下、レンズ3の具体的な材料の例を示すが、本発明は、以下に限定されない。
レンズ3は、光拡散性を有する材料から構成される。例えば、レンズ3は、光拡散性を有する樹脂またはガラスを主成分とする。具体的には、レンズ3を構成する樹脂としては、成型可能な公知の樹脂を使用することができ、例えばポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂を採用できる。レンズ3は、光拡散性を有することにより、上面3bが平坦や滑らかな膨らみを有する形状であっても、通常上面が凸状の照度計の指向特性に、より近い指向特性を有することができる。そのため、車両のダッシュボードから目立たないレンズを照度センサ1に採用することができ、デザイン性の自由度に優れた照度センサ1を提供することができる。
レンズ3の光拡散性は、例えば、レンズ3に対して、光を拡散させる拡散剤を含有させることで得ることができる。レンズ3に含有させる拡散剤としては、有機物または無機物を採用できる。拡散剤としては、例えば炭酸カルシウム、シリカ、シリコーン、硫化亜鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、リン酸チタン、チタン酸マグネシウム、チタン酸マグネシウム、マイカ、ガラスフィラー、硫酸バリウム、クレー、タルク、シリコーンゴム状弾性体、ポリメチルシルセスオキサンなどの無機系拡散剤、アクリル系、スチレン系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ウレタン系、ナイロン系、メタクリレート−スチレン系、フッ素系、ノルボルネン系、などの有機系拡散剤を使用できる。
光拡散剤の配合量は、レンズ3の主成分100重量部に対して0.1重量部以上10重量部以下程度であることが好ましく、0.2重量部以上6重量部以下であることがより好ましい。光拡散剤の配合量が0.1重量部未満であると十分な光拡散効果が得られにくくなる。一方、光拡散剤の配合量が10重量部を越えると、レンズ3の光の透過性が損なわれ、十分な光拡散性能が得られなくなる。
なお、レンズ3に拡散剤を添加する以外にも、種々の方法によりレンズ3に光拡散性をもたせることができる。例えば、レンズ3を構成する主成分に対して、屈折率の異なる粒子を光拡散層として配合したり、レンズ3の主成分中に細かな気泡を含有させて光拡散性をもたせたりすることができる。
レンズ3は、さらに濃色色素を含有していることが好ましい。例えば、車両のダッシュボードに配置された照度センサ1が白くて目立つような場合に、レンズ3に濃色色素を含有させることにより、ダッシュボードから照度センサ1が目立たなくなるため、ドライバーの視認性が阻害されずかつデザイン性に優れた照度センサ1を提供することができる。濃色色素としては、自社使用の色見本を参照して黒、黒に近い色、灰色、または暗い色となるような、耐光性を有するものを使用することが好ましい。
具体的には、濃色色素としては、カーボンブラック、酸化鉄、ジオキサジン、フタロシアニン、インダンスレン、キナクリドン、アントラキノン等を使用することができる。濃色色素として、上記の顔料またはこれら顔料の2種以上を、レンズ3の主成分100重量部に対して、0.05重量部以下含有することが好ましい。濃色色素を0.05重量部を超えて含有すると、レンズ3の光の透過性が損なわれ、十分な光拡散性能が得られなくなる。
レンズ3は、例えば、上述した材料を混ぜて金型成形することにより作製することができる。
[オートライト用照度センサのレンズ構造]
レンズ3は、いずれも上面3bが平坦であるが、レンズの下面構造は、平坦であってもよいし、レンズを透過した光を光検出部2に集める構造であってもよい。レンズ3は、下面3cの面積が、光検出部2の受光面2bの面積よりも大きくなっている。
図2を参照して、本実施形態のオートライト用照度センサ1のレンズ3の形状例として、3種類のレンズ構造を説明する。図2(a)は、平板状のレンズ3Aを示し、図2(b)は、凹レンズ3Bと光検出部2を示し、図2(c)は、下面に凹凸加工を施したレンズ3Cと光検出部2を示している。
<平板状レンズ>
図2(a)に示すレンズ3Aは、平板状である。平板状のレンズ3Aは、図1(b)に示したように、照度センサが車両に設置されたときに、上面3bと下面3cが水平になるようにケース4に配置される。
レンズ3Aに入射角0°で入射する光は、レンズ3Aを直進して突き抜けて、光検出部2に到達する。図4は、入射角10°、30°、55°、75°において、平板状のレンズ3Aを通る光の進路を示している。図4(a)〜図4(d)に示すように、レンズ3Aに入射角10°以上75°以下で入射した光は、レンズ3Aの上面および下面で屈折して、光検出部2に到達する。レンズ3Aの大きさは、入射角75°で入射した光が光検出部2に入射できるサイズに設計されている。
レンズ3Aに入射した光は、高仰角(入射角10°)のときよりも低仰角(入射角75°)のときのほうが光検出部2に到達する量が少なくなるが、上述のように、レンズ3Aのサイズが設計されているため、0°以上75°以下のいずれの角度においても光検出部2に到達することができる。
<凹レンズ>
図2(b)に示すレンズ3Bは凹レンズであり、その下面3cは、光検出部2に対して凹の形状で、上面は平面である。
レンズ3Bの下面3cは凹形状であるため、レンズ3Bの上面に対して斜めに入射して屈折した光は、上面3bおよび下面3cで屈折して光検出部2に集められる。よって、レンズ3Bを備えた照度センサは、レンズ3Aを配置した照度センサよりも、レンズに対して斜めに入射する光に対する感度を高くすることができる。また、レンズ3Bは、入射角75°の光を光検出部2に到達させるのに必要なレンズサイズ(径)がレンズ3Aよりも小さく、小型な照度センサを提供できる。
また、照度センサに配置されているレンズが濃色色素を含有している場合、レンズに入射した光は、レンズ内を通る間に、濃色色素によって吸収されて減衰する。レンズ3Bでは、真上からレンズ3Bに入射した光がレンズ3B内を通る光路d1と、斜めから入射した光がレンズ3B内を通る光路d2との差が小さいため、レンズ3Bは、レンズに対して入射角75°で入射する光と真上(入射角0°)から入射する光の減衰量の差を小さくすることができる。
<凹凸レンズ>
図2(c)に示すレンズ3Cは、高仰角の光が光検出部2に到達するのを抑制し、光軸3aに対して大きく傾いた低仰角の光が光検出部2に多く到達するように設計されている。これにより照度センサの出力を校正された照度計にさらに近づけることができる。
レンズ3Cの中心は(光軸3a)、光検出部2の受光面2bの中心軸2a上に配置されている。
レンズ3Cの下面には、光軸3aを中心軸として下方に向けて突出した円錐部3dが設けられ、円錐部3dの外側には、第1の傾斜面3fと、平坦面3gと、第2の傾斜面3hがこの順に備えられている。円錐部3dの直径に傾斜面3fの幅を加えた径d7は、光検出部2の幅d9よりも小さく、円錐部3dの直径と傾斜面3fの幅の合計にさらに平坦面3gの幅を加えた径d8は、光検出部2の幅d9よりも大きくなるように設計されている。これにより、レンズ3Cは、高仰角範囲の光が光検出部2に到達するのを抑制し、所定の低仰角範囲の光が光検出部2に到達するように屈折させることができる。また、平坦面3gと上面3bとの間のレンズ3Cの厚さd5は、円錐部3dの先端3d3と上面3bとの間のレンズ3Cの厚さd6よりも薄くなっている。
図3(a)、(b)、図5(a)〜(d)に、レンズ3Cに入射した光の進路を示す。図3(a)のように、光軸3aに沿って(入射角0°)上面3bから入射する光L1は、円錐部3dの先端3d3の中心を直進して突き抜けて、光検出部2に到達する。一方、円錐部3dの傾斜面3d1、3d2は、光軸3aに平行(入射角0°)に上面3bから入射する光L2を全反射する角度であって、光軸3aに対して傾斜面3d1とは反対側に傾斜して所定の角度範囲で入射する光を屈折して光検出部2に到達させる角度に設計されている。具体的には、円錐部3dの傾斜面3d1は、図5(a)〜(d)のように、光軸3aに対して傾斜面3d1とは反対側に傾斜して入射角10°以上75°以下で入射する光を屈折して光検出部2に到達させる角度に設計されている。傾斜面3d2は、傾斜面3d1と対称であるのでその説明を省略する。なお、この円錐部3dの頂点となる先端3d3部分には、適宜な半径とした凸球面が形成されている。
傾斜面3fは、図3(a)に示すように、光軸3aに対して傾斜面3fに接する傾斜面3d2とは反対向きに傾斜している。傾斜面3fの傾斜角は、光軸3aに平行(入射角0°)に上面3bから入射する光L3を全反射させ、図3(b)、および図5(a)〜(d)のように、光軸3aに対して入射角10°以上75°以下で入射する光を屈折して光検出部2に到達させる角度に設計されている。
平坦面3gは、図3(a)、(b)、および図5(a)〜(d)のように、傾斜面3fの光軸3aに対する傾斜角と、傾斜面3hの傾斜角との間の傾斜角を有している。平坦面3gの傾斜角は、光軸3aに平行(入射角0°)に上面3bから入射する光を直進させて光検出部2に到達させ、光軸3aに対して少なくとも入射角10°以上かつ55°以下、好ましくは75°未満で入射する光を屈折して光検出部2に到達させる角度に設計されている。
傾斜面3hは、レンズ3Cの内周側より外周側が厚くなるように光軸3aに対して傾斜面3fよりも急な角度で傾斜している。傾斜面3hの傾斜角は、光軸3aに対して少なくとも入射角55°以上かつ75°以下、好ましくは90°未満で入射する光を屈折して光検出部2に入射させる角度に設計されている。
レンズ3Cはこのような構成であるため、真上(入射角0°)から入射した光の大部分を円錐部3dの傾斜面3d1、3d2と傾斜面3fで全反射させることにより、光検出部2に到達するのを抑制することができる。また入射角10°のとき、円錐部3d、傾斜面3fおよび平坦面3gに到達した光は、屈折されて光検出部2に到達することができる。入射角55°のとき、円錐部3d、傾斜面3f、平坦面3gおよび傾斜面3hに到達した光は、屈折されて光検出部2に到達することができる。入射角75°のとき、円錐部3d、傾斜面3fおよび傾斜面3hに到達した光は、屈折されて光検出部2に到達することができる。
このように、レンズ3Cは、その下面3cの構造により、レンズ3Cの真上からの高仰角の光を拡散させて光検出部2に到達するのを抑制し、レンズ3Cに対して傾いた低仰角の光を集光させて、光検出部2の受光面2bに到達させることができるため、レンズ3Cを備えた照度センサの出力を校正された照度計に近づけることができる。
[オートライト用照度センサの設置例]
ここで、オートライト用照度センサ1の車両への設置例について説明する。図1(c)において、照度センサ1を備えるセンサ100は、車両10のダッシュボード11の上面の前窓ガラス12寄りの位置に設置され、車外から前窓ガラス12を通過して車内へ進入して来る入射光の照度を検出する。照度センサ1は、センサ100がダッシュボード11に設置されたときに、レンズ3の上面3bが水平になるように配置される。
照度センサ1は、検出した照度に応じて前照灯13等の車載ライトの点灯状態を変更させる制御部14に接続されている。具体例には、照度センサ1が検出する照度が所定の照度以下になると、制御部14は、車両10の周囲が暗くなったと判断し、車載ライトを点灯したり、車載ライトの照度を上げたりさせる。一方、照度センサ1が検出する照度が所定の照度以上になると、制御部14は、車両10の周囲が明るくなったと判断し、車載ライトを消灯したり、車載ライトの照度を下げたりさせる。
レンズ3を配置した照度センサ1が車両10のダッシュボード11に設置されると、照度計の指向特性により近い指向特性を有する照度センサ1により、適切なタイミングで車載ライトの点灯状態を変更できるようになる。また、照度センサ1は、ダッシュボード10から目立たないため、ドライバーの視認性を阻害しない上にデザイン性が優れている。
以下、本発明のオートライト用照度センサの実施例について説明する。
[レンズの用意]
まず、以下の表1に示す実施例と比較例のレンズを用意し、これらのレンズを配置したオートライト用照度センサをそれぞれ作製した。なお、以下では、説明のために実施例1のレンズを配置した照度センサのことを実施例1の照度センサという。他の実施例および比較例についても同様に表現する。
Figure 2019203773
*1 LD2050AAH14 (住友ダウ株式会社製)
*2 LD2050AAH12 (住友ダウ株式会社製)
*3 未測定
なお、表1の拡散度(D50)とは、レンズの光軸と平行に入射する光のレンズに対する透過率を100とした場合、透過率が50となるときのレンズに対する光の入射角度である。
実施例3〜4は、上下平坦なレンズ形状でかつレンズを構成する樹脂中に濃色色素を添加した実施例であり、実施例3では、灰色の濃色色素を使用した。実施例4では、黒色の濃色色素を使用した。実施例5では、レンズ3Cの形状でかつ実施例2と同様の白色レンズとした。比較例1のレンズには、拡散剤を添加しなかった。
[指向特性の評価]
これら、実施例1〜5、比較例1の照度センサについて、指向特性を評価した。
<評価方法>
まず、各照度センサについて、真上(入射角0°)から光を当てたときの照度を計測した。続いて、この照度センサに入射させる光の強さを変えずに、入射角度をレンズの真横(入射角±90°)まで10°刻みで変えながら、それぞれの角度における照度を計測した。計測した角度ごとの照度について、入射角0°のときの照度を基準値(相対値1.0)として、各入射角度の照度相対値を算出した。
<評価結果>
1.レンズの拡散度による照度センサの指向特性の比較
一般の凸レンズを用いた照度計で測定した値を目標値として、実施例1、2、比較例1の照度センサの各入射角における照度相対値をプロットしたグラフを図6に示す。以下、図7、8でも同様に一般の凸レンズを用いた照度計で測定した値を目標値としている。
図6に示すように、拡散剤を含有していない比較例1の照度センサの指向特性は、照度計の指向特性から最も大きく離れていた。特に入射角40°〜80°や−40°〜−80°程度の角度において、この照度センサの照度相対値は、照度計の照度相対値から大きく離れた値となった。
実施例1の拡散度が24度のレンズを配置した照度センサの指向特性は、比較例1の照度センサの指向特性よりも、照度計の指向特性に近づいた。さらに、実施例2の拡散度が59度のレンズを配置した照度センサの指向特性は、実施例1の照度センサの指向特性よりも、照度計の指向特性に近づいた。
実施例1、2と比較例1との比較から、上面が平坦なレンズであっても、拡散性を有するレンズであれば、その指向特性が照度計の指向特性に近づくことがわかった。よって、光拡散性を有する上面が平坦なレンズを配置した照度センサは、照度計の指向特性により近い指向特性を有することが確認された。
また実施例2と実施例1との比較から、拡散度が高いレンズを使用した照度センサほど、その指向特性が照度計の指向特性に近似することがわかった。この傾向から、レンズの拡散度は24度以上が好ましく、59度以上だとさらに好ましいといえる。
2.濃色色素の有無による照度センサの指向特性の比較
実施例2〜4、比較例1の照度センサの各入射角における照度相対値をプロットしたグラフを図7に示す。
上述の通り実施例2のレンズは、照度計の指向特性に非常に近くなった。
一方、拡散剤と濃色色素を両方含有する灰色のレンズを配置した実施例3の照度センサの指向特性は、実施例2の照度センサよりも照度計の指向特性から離れたが、拡散剤と濃色色素を含有していない比較例1の照度センサよりは、照度計の指向特性に近くなった。
また、拡散剤と濃色色素を含有する黒色のレンズを配置した実施例4の照度センサの指向特性は、実施例3の照度センサの指向特性より、照度計の指向特性から離れたが、拡散剤と濃色色素を含有していない比較例1の照度センサよりは、照度計の指向特性に近づいた。
これらの結果より、照度センサの指向特性は、レンズに対する濃色色素の含有量が増えるほど照度計の指向特性から離れていくが、光拡散性を有するレンズであれば、レンズに濃色色素を含有させても、光拡散性を有しないレンズを配置した照度センサよりも照度計の指向特性に近づくといえる。よって、レンズは濃色色素を含有することで、指向特性を改善しながら、黒っぽい色みが重要な用途に適用できるようになる。例えば、車両のダッシュボードに配置される照度センサは、レンズに濃色色素を含有することにより、黒っぽいレンズでデザイン性により優れながら、照度計に近い指向特性の照度センサを提供することができる。
3.レンズの下面構造の違いによる照度センサの指向特性の比較
実施例2、5、比較例1の照度センサの各入射角における照度相対値をプロットしたグラフを図8に示す。
図8に示すように、実施例2、5の照度センサの指向特性はともに、比較例1の照度センサの指向特性よりも照度計の指向特性に近くなった。特に、比較例1の照度センサの指向特性が照度計の指向特性と大きく異なった10°〜80°や−10°〜−80°においても、実施例2、5の照度センサの指向特性は、照度計の指向特性に近くなった。
入射角が10°や−10°の高仰角のとき、実施例2、5の照度センサの照度相対値と照度計の照度相対値はほぼ一致した。
実施例2、5の指向特性は、55°〜90°や−55°〜−90°など低仰角でも、比較例1の照度センサの指向特性よりも照度計の指向特性に近かった。特に実施例5の照度センサの指向特性は、照度計の指向特性にほぼ一致した。光拡散性を有するレンズは、照度センサに配置されるレンズの下面構造が平坦なレンズ3Aであっても凹凸加工されたレンズ3Cであっても照度計の指向特性に近くなることがわかった。
上記実施例においては上面が平坦なものを用いたがこれに限られない。例えば緩やかな傾斜形状を有すもの(レンズとしての機能が不十分な形状)であっても光拡散性を有することで所望の指向特性を満たすことができる。
1…オートライト用照度センサ、2…光検出部、3…レンズ、3a…光軸、3b…上面

Claims (13)

  1. 光拡散性を有するレンズと、
    前記レンズの下方に設けられて当該レンズの光軸に一致した中心軸を有し、前記レンズの下面の面積よりも小さい面積の受光面を有する光検出部とを、備えることを特徴とするオートライト用照度センサ。
  2. 請求項1に記載のオートライト用照度センサであって、
    前記レンズを構成する材料は、厚さ2mmの板状に成形した場合、拡散度(D50)が24度以上である(ただし、前記拡散度(D50)は、前記光軸と平行な光の前記レンズに対する透過率を100とした場合、前記透過率が50となるときの前記レンズに対する光の入射角度である)
    ことを特徴とするオートライト用照度センサ。
  3. 請求項1に記載のオートライト用照度センサであって、
    前記レンズを構成する材料は、厚さ2mmの板状に成形した場合、拡散度(D50)が59度以上である(ただし、前記拡散度(D50)は、前記光軸と平行な光の前記レンズに対する透過率を100とした場合、前記透過率が50となるときの前記レンズに対する光の入射角度である)
    ことを特徴とするオートライト用照度センサ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のオートライト用照度センサであって、
    前記レンズが、拡散剤を含有することを特徴とするオートライト用照度センサ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のオートライト用照度センサであって、
    前記レンズが、濃色色素を含有することを特徴とするオートライト用照度センサ。
  6. 請求項5に記載のオートライト用照度センサであって、
    前記レンズの前記濃色色素の含有割合が、0.05%以下であることを特徴とするオートライト用照度センサ。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のオートライト用照度センサであって、
    前記レンズの前記下面は、凹状であることを特徴とするオートライト用照度センサ。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のオートライト用照度センサであって、
    前記レンズの前記下面は、当該レンズの内周側に所定の高仰角範囲の光が前記光検出部に到達するのを抑制し、所定の低仰角範囲の光が前記光検出部に到達するように屈折させる形状を有することを特徴とするオートライト用照度センサ。
  9. 請求項8に記載のオートライト用照度センサであって、
    前記レンズの前記下面は、前記光軸を中心軸とし、下方に向けて突出した円錐部を有し、前記レンズの上面から入射して前記円錐部の傾斜面に到達した前記光軸に平行な光を全反射することを特徴とするオートライト用照度センサ。
  10. 請求項9に記載のオートライト用照度センサであって、
    前記下面には、前記円錐部の外周側に、第1の傾斜面と平坦面と第2の傾斜面がこの順に連続して設けられており、
    前記第1の傾斜面は、前記光軸に対して前記第1の傾斜面に接する前記円錐部の傾斜面とは反対向きに傾斜しており、
    前記第2の傾斜面は、前記レンズの内周側より外周側が厚くなるように、前記光軸に対して前記第1の傾斜面よりも急な角度で傾斜し、
    前記平坦面は、前記第1の傾斜面の傾斜角と前記第2の傾斜面の傾斜角との間の傾斜角であることを特徴とするオートライト用照度センサ。
  11. 請求項10に記載のオートライト用照度センサであって、
    前記平坦面と前記上面との間の前記レンズの厚さは、前記円錐部の下端と前記上面との間の前記レンズの厚さよりも薄いことを特徴とするオートライト用照度センサ。
  12. 請求項10または11に記載のオートライト用照度センサであって、
    前記レンズの前記下面は、前記上面から入射して前記第1の傾斜面に到達した前記光軸に平行な光を全反射することを特徴とするオートライト用照度センサ。
  13. 請求項10から12のいずれか1項に記載のオートライト用照度センサであって、
    前記円錐部の径に前記第1の傾斜面の幅を加えた第1の径は、前記光検出部の前記光軸に直交する方向の幅よりも小さく、前記第1の径に前記平坦面の幅を加えた第2の径は、前記光検出部の前記光軸に直交する方向の幅よりも大きいことを特徴とするオートライト用照度センサ。
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