本発明の第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る洗濯乾燥機100について説明する。図1は、洗濯乾燥機100の斜視図である。
図1に示すように、洗濯乾燥機100は、筐体1と、蓋2と、入力部3とを備える。筐体1は、中空の形状を有する。筐体1は、例えば、金属、又は合成樹脂により形成される。筐体1の上部には、開口部1aが形成される。蓋2は、開口部1aを開閉する。蓋2及び入力部3の各々は、筐体1の上部に設けられる。入力部3は、洗濯乾燥機100に対する指示を受け付ける。入力部3は、例えば、操作キーを含む。
次に、図2及び図3を参照して、洗濯乾燥機100についてさらに説明する。図2は、洗濯乾燥機100の断面図である。図3は、洗濯乾燥機100のブロック図である。
図2及び図3に示すように、洗濯乾燥機100は、上面板4と、ベース5と、水槽6と、洗濯槽7と、攪拌翼8と、バランサ9とをさらに備える。
上面板4は、例えば、合成樹脂で形成される。上面板4は、筐体1の上部に固定されている。上面板4は、蓋2を回転可能に支持する。上面板4には、入力部3が設けられる。
ベース5は、例えば、合成樹脂で形成される。ベース5は、筐体1の底部に固定されている。
水槽6及び洗濯槽7の各々は、中空の形状を有する。水槽6及び洗濯槽7の各々は、上部が開口している。水槽6及び洗濯槽7の各々は、筐体1に収容される。
洗濯槽7は、水槽6の内側に設置される。洗濯槽7は、回転可能に支持される。洗濯槽7には、水を溜めることができる。
蓋2が開いた状態で、開口部1aを介して洗濯槽7に洗濯物が投入される。
攪拌翼8は、洗濯槽7の内部に設けられ、洗濯槽7の底部に位置する。攪拌翼8は、回転可能に支持される。
バランサ9は、洗濯槽7が高速回転したときに、洗濯槽7の振動を抑制する。バランサ9は、環状に形成される。バランサ9は、洗濯槽7の上部に設置される。
洗濯乾燥機100は、送風部10と、給水部13とをさらに備える。
送風部10は、吐出部11と、吸引部12とを有する。吐出部11は、洗濯槽7内に空気を吐出する。吸引部12は、洗濯槽7内の空気を吸引する。吐出部11と吸引部12とは、洗濯槽7の上方に設置される。
給水部13は、水栓に接続され、水栓から放出された水を洗濯槽7に供給する。給水部13は、例えば、給水路(不図示)と、給水弁(不図示)とを有する。給水路は、洗濯槽7に連通される管状の部材である。給水路は、洗濯槽7に水を案内する。給水弁は、給水路を開閉する。
洗濯乾燥機100は、運転部20をさらに備える。
運転部20は、洗濯物に対する処理を行う。運転部20は、例えば、洗い運転、すすぎ運転、脱水運転、及び乾燥運転のうちの少なくとも1つを行うことで、洗濯物に対する処理を行う。洗い運転は、洗濯物を洗う処理を示す。第1実施形態では、洗濯槽7内に洗濯物、水、及び洗剤が供給された状態で、攪拌翼8が回転することで洗い運転が行われる。すすぎ運転は、洗濯物をすすぐ処理を示す。第1実施形態では、洗濯槽7内に洗濯物、及び水が供給された状態で、攪拌翼8が回転することですすぎ運転が行われる。脱水運転は、洗濯物を脱水する処理を示す。第1実施形態では、洗濯槽7内に洗濯物が供給された状態で、洗濯槽7が回転することで脱水運転が行われる。乾燥運転は、洗濯物を乾燥させる処理を示す。乾燥運転の説明は後述する。
運転部20は、第1駆動部21と、伝達機構22と、排水弁23と、第2駆動部24と、ファン25と、ヒータ26とを有する。
第1駆動部21は、本発明の駆動部の一例である。
第1駆動部21及び伝達機構22の各々は、水槽6の下側に設置される。
第1駆動部21は、攪拌翼8及び洗濯槽7の各々を回転させる。第1駆動部21は、例えば、第1モータ21aを含む。第1モータ21aは、第1駆動部21の動力源の一例である。
伝達機構22は、例えば、ギア、及びクラッチを含む。伝達機構22は、第1駆動部21と、攪拌翼8及び洗濯槽7との間に介在する。伝達機構22は、例えば、電磁力で作動する。伝達機構22は、攪拌翼8及び洗濯槽7の各々に対し、第1駆動部21の動力を伝達することができる。また、伝達機構22は、攪拌翼8及び洗濯槽7の各々に対し、第1駆動部21の動力の伝達を遮断することができる。
伝達機構22は、攪拌軸22aと、脱水軸22bとを含む。攪拌軸22a及び脱水軸22bは、2重軸構造を有する。攪拌軸22aの外側には、脱水軸22bが設置される。攪拌軸22a及び脱水軸22bの各々は、第1駆動部21に接続される。
攪拌翼8は、洗濯槽7内の水を攪拌して流動させる。攪拌翼8は、攪拌軸22aに取り付けられる。攪拌翼8は、攪拌軸22aを介して第1駆動部21の動力を伝達される。その結果、攪拌翼8が攪拌軸22aと共に回転する。
洗濯槽7は、脱水軸22bに取り付けられる。洗濯槽7には、脱水軸22bを介して第1駆動部21の動力が伝達される。その結果、洗濯槽7が脱水軸22bと共に回転する。
洗濯槽7の下側には、排水路(不図示)が設置される。排水路は、洗濯槽7の内部と、洗濯乾燥機100の外部とに連通される管状の部材である。排水路は、洗濯槽7内の水を洗濯乾燥機100の外部に排出する。
排水弁23は、排水路(不図示)に設けられる。排水弁23は、排水路を開閉する。
第2駆動部24は、伝達機構22と、排水弁23とを動作させる。第2駆動部24は、例えば、第2モータ24aを含む。第2モータ24aは、第2駆動部24の動力源の一例である。第2駆動部24は、運転部20の状態を、「第1状態」、及び「第2状態」のうちのいずれかに切り替える。第2駆動部24は、例えば、第2モータ24aの回転角度を調整することで、伝達機構22のクラッチの入切と、排水弁23の開閉とを操作する。その結果、第2駆動部24は、運転部20の状態を切り替える。
「第1状態」は、脱水運転が行われるときの運転部20の状態を示す。第1状態において、第1駆動部21の動力が、洗濯槽7に伝達可能になり、かつ、攪拌翼8に伝達可能になる。また、「第1状態」において、排水弁23が開いている。排水弁23が開くと、洗濯槽7内の水が排水路を介して洗濯乾燥機100の外部に排出される。
「第2状態」は、洗濯運転、及び濯ぎ運転が行われるときの運転部20の状態を示す。第2状態において、第1駆動部21の動力が、洗濯槽7に伝達不能になり、かつ、攪拌翼8に伝達可能になる。また、「第2状態」において、排水弁23が閉じている。排水弁23が閉じると、洗濯槽7内の水が排水路を介して洗濯乾燥機100の外部に排出されない。
ファン25とヒータ26とは、送風部10に設置される。
乾燥運転時において、ファン25が回転して吸引部12から洗濯槽7内の空気を吸引し、風を発生する。また、ヒータ26が通電されて発熱する。ファン25で発生した風は、ヒータ26に送られる。ヒータ26に送られた風は、ヒータ26で加熱されて温風になる。温風は、吐出部11を介して洗濯槽7内に吐出される。その結果、洗濯槽7内の洗濯物が、温風により乾燥される。
洗濯乾燥機100は、温度検出部30と、湿度検出部40とをさらに備える。
温度検出部30は、洗濯乾燥機100内の温度を検出するセンサである。温度検出部30は、例えば、洗濯槽7内に設置される。なお、温度検出部30の設置場所は、洗濯槽7内に限定されない。温度検出部30は、洗濯乾燥機100内において、乾燥運転時に温風の影響を受けて温度が変化する場所に設置されていればよい。例えば、第2実施形態では、温度検出部30は、吐出部11の近傍に設置されてもよい。
湿度検出部40は、洗濯乾燥機100内の湿度を検出するセンサである。湿度検出部40は、例えば、洗濯槽7内に設置される。なお、湿度検出部40の設置場所は、洗濯槽7内に限定されない。湿度検出部40は、洗濯乾燥機100内において、乾燥運転時に洗濯物から生じる蒸気の影響を受けて湿度が変化する場所に設置されていればよい。例えば、第3実施形態では、湿度検出部40は、吐出部11の近傍に設置されてもよい。
洗濯乾燥機100は、記憶部50と、制御装置60とをさらに備える。
記憶部50は、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)のような主記憶装置(例えば、半導体メモリー)を含み、補助記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)をさらに含んでもよい。記憶部50は、制御装置60によって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。
記憶部50は、運転履歴51を示す情報を記憶する。運転履歴51は、運転部20が行った運転の履歴を示す。
制御装置60は、CPU(Central Processing Unit)及びMPU(Micro Processing Unit)のようなプロセッサーを含む。制御装置60は、洗濯乾燥機100の各要素を制御する。具体的には、制御装置60のプロセッサーは、記憶部50に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、入力部3と、運転部20と、温度検出部30と、湿度検出部40と、記憶部50とを制御する。
制御装置60は、制御部61と、種類判定部62と、決定部63と、条件判定部64と、容量センシング部65とを有する。具体的には、制御装置60のプロセッサーが、記憶部50に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、制御部61、種類判定部62、決定部63、条件判定部64、及び容量センシング部65として機能する。
次に、図2から図4を参照して、乾燥運転について説明する。図4は、運転部20が乾燥運転を行うときのタイムチャートである。
図2から図4に示すように、第1駆動部21が「R:ON」のとき、第1駆動部21が攪拌軸22aを第1方向に回転させる。第1駆動部21が「L:ON」のとき、第1駆動部21が攪拌軸22aを第1方向とは反対の第2方向に回転させる。第1駆動部21が「OFF」のとき、第1駆動部21が攪拌軸22aの回転を停止させる。
ヒータ26が「ON」のとき、ヒータ26が発熱する。ヒータ26が「OFF」のとき、ヒータ26が発熱しない。ファン25が「ON」のとき、ファン25が風を発生する。ファン25が「OFF」のとき、ファン25が風を発生しない。
乾燥運転は、初期処理と、脱水処理と、温風処理と、最終処理とを含む。
乾燥運転において、まず、初期処理が行われる。
初期処理は、排水処理と、布はがし処理と、容量センシング処理と、バランス処理とを含む。初期処理において、運転部20は、排水処理、布はがし処理、容量センシング処理、及びバランス処理の順に処理を行う。
排水処理は、洗濯槽7内の水を洗濯乾燥機100の外部に排出する処理を示す。排水処理において、第1駆動部21が「OFF」になり、第2駆動部24が「第1状態」になり、ヒータ26が「OFF」になり、かつ、ファン25が「OFF」になるように、運転部20が動作する。
布はがし処理は、洗濯槽7に貼り付いた洗濯物を洗濯槽7から剥離するための処理を示す。布はがし処理において、第1駆動部21が間欠状態になり、第2駆動部24が「第2状態」になり、ヒータ26が「OFF」になり、かつ、ファン25が「OFF」になるように、運転部20が動作する。間欠状態は、第1駆動部21が「R:ON」、「OFF」、「L:ON」、及び「OFF」の順に動作する処理を繰り返している状態を示す。第1駆動部21が間欠状態になると、攪拌翼8は、第1方向に回転する動作と、第2方向に回転する動作とを交互に繰り返す。
容量センシング処理は、洗濯物を乾燥させる温風処理の所要時間を算出するための処理である。容量センシング処理において、第1所定期間だけ第1駆動部21が「OFF」から「R:ON」に切り替わり、第2駆動部24が「第2状態」になり、ヒータ26が「OFF」になり、かつ、ファン25が「OFF」になるように、運転部20が動作する。
以下では、容量センシング処理について説明する。
容量センシング処理において、第1駆動部21が攪拌翼8を回転させるように、容量センシング部65が第1駆動部21を制御する。第1実施形態では、第1駆動部21の第1モータ21aが攪拌翼8を回転させる。この場合、攪拌翼8が洗濯物から負荷を受ける。そして、洗濯物が重くなる程、攪拌翼8に対する負荷が大きくなるので、攪拌翼8の回転速度が遅くなる。なお、洗濯物が重くなる場合は、例えば、洗濯物が乾いておらず、洗濯物が水分を多く含んでいる場合を示す。
第1実施形態では、攪拌翼8の回転速度が遅くなることは、言い換えれば、第1駆動部21の第1モータ21aの回転速度が遅くなることを示す。そして、容量センシング部65は、第1モータ21aの回転速度が遅くなる程、温風処理の所要時間が長くなるように、温風処理の所要時間を算出する。
なお、第1モータ21aの回転速度は、例えば、第1所定期間内に第1モータ21aに入力されたパルス信号の個数に基づいて、容量センシング部65が算出する。
また、第1モータ21aの回転速度と、温風処理の所要時間とを対応付けた対応情報は、予め記憶部50に記憶されている。そして、容量センシング部65が算出した第1モータ21aの回転速度と、記憶部50に記憶されている対応情報とに基づいて、温風処理の所要時間を算出する。
容量センシング部65が温風処理の所要時間を算出すると、容量センシング処理が終了する。
第1モータ21aの回転速度は、本発明の駆動部の駆動量の一例である。
なお、本発明の駆動部の駆動量の二例として、第1モータ21aのトルクを用いてもよい。また、本発明の駆動部の駆動量の三例として、第1駆動部21に供給される電流の値を用いてもよい。
バランス処理は、洗濯槽7に洗濯物を均等に貼り付けるための処理を示す。バランス処理において、第1駆動部21が間欠状態になり、第2駆動部24が「第2状態」になり、ヒータ26が「OFF」になり、かつ、ファン25が「OFF」になるように、運転部20が動作する。
バランス処理が終了すると、脱水処理が行われる。
脱水処理は、排水処理と、脱水処理とを含む。脱水処理において、運転部20は、排水処理、次に脱水処理の順に処理を行う。
脱水処理時の排水処理において、運転部20は、初期処理時の排水処理を行うときと同じ内容の動作を行う。
脱水処理において、第1駆動部21が「R:ON」になり、かつ、第2駆動部24が「第1状態」になるように運転部20が動作する。従って、洗濯槽7が回転する。その結果、洗濯物に含まれる水分が遠心力により洗濯物の外部に放出される。
洗濯槽7が回転してから第2所定期間が経過すると、第1駆動部21が「R:ON」から「OFF」に切り替わるように運転部20が動作する。その結果、洗濯槽7の回転が停止する。また、第1駆動部21が「R:ON」から「OFF」に切り替わると、第2駆動部24が「第1状態」から「第2状態」に切り替わるように運転部20が動作する。
脱水処理において、第1駆動部21が「R:ON」になるタイミングで、ヒータ26が「ON」になると共に、ファン25が「ON」になるように、運転部20が動作する。その結果、洗濯槽7内に温風が供給される。
脱水処理が終了すると、温風処理が行われる。
温風処理は、温風により洗濯物を乾燥させるための運転である。運転部20は、容量センシング部65が算出した温風処理の所要時間が経過するまで温風処理を行う。
温風処理は、単数又は複数の単位処理を含む。単位処理の個数は、容量センシング部65が算出した温風処理の所要時間の長さに応じて変化する。温風処理の所要時間の長い程、単位処理の個数が多くなる。
単位処理が複数の場合、複数の単位処理が1つずつ順番に行われる。
単位処理は、ほぐし処理と、槽回転処理とを含む。単位処理において、運転部20は、ほぐし処理、及び槽回転処理の順に処理を行う。
ほぐし処理において、第1駆動部21が間欠状態になり、第2駆動部24が「第2状態」になり、ヒータ26が「ON」になり、かつ、ファン25が「ON」になるように、運転部20が動作する。その結果、洗濯物が攪拌翼8で攪拌されつつ、洗濯物に対して温風が吹き付けられる。
槽回転処理において、第2駆動部24が「第2状態」から「第1状態」に切り替えられた状態で、第1駆動部21が「R:ON」になるように、運転部20が動作する。さらに、ヒータ26が「ON」になり、かつ、ファン25が「ON」になるように、運転部20が動作する。その結果、洗濯槽7が回転している状態で、洗濯物に対して温風が吹き付けられる。
なお、単位処理時の洗濯槽7の回転速度は、脱水処理時の洗濯槽7の回転速度よりも遅い。
温風処理が終了すると、最終処理が行われる。
最終処理において、第1駆動部21が間欠状態になり、第2駆動部24が「第2状態」になり、ヒータ26が「ON」から「OFF」になり、かつ、ファン25が「ON」になるように、運転部20が動作する。
最終処理が終了すると、乾燥運転が終了する。
なお、乾燥運転は、少なくとも、容量センシング処理と、脱水処理と、温風処理とを含んでいればよい。
次に、図5を参照して、省略乾燥運転について説明する。図5は、運転部20が省略乾燥運転を行うときのタイムチャートである。
省略乾燥運転は、乾燥運転(図4参照)から脱水処理を省いた運転である。運転部20は、所定の場合に、乾燥運転に代えて省略乾燥運転を行う。省略乾燥運転は、初期処理と、温風処理と、最終処理とを含む。
次に、図3及び図6を参照して、乾燥運転に代えて省略乾燥運転が行われる手順について説明する。図6は、制御装置60の動作を示すフロー図である。
図3及び図6に示すように、ステップS1において、入力部3が乾燥運転指示を受け付ける。乾燥運転指示は、運転部20に乾燥運転(図4参照)を行わせる指示を示す。
ステップS2において、条件判定部64が条件処理を実行する。条件処理の説明は後述する。
ステップS3において、条件判定部64は、所定条件が満たされたか否かを判定する。所定条件は、直近運転が乾燥運転であったか否かを判定するための条件である。直近運転は、入力部3が乾燥運転指示を受け付けた時点の直近に運転部20が行った運転を示す。
第1実施形態では、所定条件には、第1条件、第2条件、第3条件、及び第4条件のうちの少なくとも1つの条件が採用される。
第1条件は、洗濯乾燥機100内の温度に関する条件を示す。第2条件は、洗濯物の容量センシング処理(図4参照)に関する条件を示す。第3条件は、運転部20の運転履歴51に関する条件を示す。第4条件は、洗濯乾燥機100内の湿度に関する条件を示す。
以下では、第1条件から第4条件のうち、所定条件に採用された条件を採用条件と記載する。
所定条件が満たされることは、採用条件のうちの全ての条件が満たされることを示す。これに対し、所定条件が満たされないことは、採用条件のうちの少なくとも1つの条件が満たされないことを示す。
例えば、第1条件が採用条件である場合、第1条件が満たされると、所定条件が満たされたと条件判定部64が判定する。これに対し、第1条件が採用条件である場合、第1条件が満たされないと、所定条件が満たされていないと条件判定部64が判定する。
また、第1条件から第4条件が採用条件である場合、第1条件から第4条件の全てが満たされると、所定条件が満たされたと条件判定部64が判定する。これに対し、第1条件から第4条件が採用条件である場合、第1条件から第4条件のうち少なくとも1つが満たされないと、所定条件が満たされていないと条件判定部64が判定する。
所定条件が満たされたと条件判定部64が判定すると(ステップS3で、Yes)、処理がステップS4に移行する。所定条件が満たされていないと条件判定部64が判定すると(ステップS3で、No)、処理がステップS7に移行する。
ステップS4において、直近運転が乾燥運転ではなかったと種類判定部62が判定する。
ステップS5において、運転部20がスキップ処理を行わないことを決定部63が決定する。スキップ処理は、運転部20が指示運転を行う際に、脱水処理の実行を省略する処理を示す。指示運転は、ステップS1に示す乾燥運転指示に基づいて運転部20が行う乾燥運転を示す。
運転部20がスキップ処理を行わないことは、言い換えれば、運転部20が乾燥運転(図4参照)を行うことを示す。
ステップS6において、運転部20が乾燥運転を行うように、制御部61が運転部20を制御する。その結果、運転部20が乾燥運転を行う。乾燥運転が完了すると、処理が終了する。
ステップS7において、直近運転が乾燥運転であったと種類判定部62が判定する。
ステップS8において、運転部20がスキップ処理を行うことを決定部63が決定する。
運転部20がスキップ処理を行うことは、言い換えれば、運転部20が省略乾燥運転(図5参照)を行うことを示す。
ステップS9において、運転部20が省略乾燥運転を行うように、制御部61が運転部20を制御する。その結果、運転部20が省略乾燥運転を行う。省略乾燥運転が完了すると、処理が終了する。
以上、図3及び図6を参照して説明したように、決定部63は、種類判定部62の判定結果に基づいて、指示運転の内容を決定する。従って、乾燥運転が連続して行われる場合、2回目の乾燥運転において、運転部20に省略乾燥運転を行わせることができる(ステップS7、ステップS8、ステップS9、及び図5参照)。その結果、2回目の乾燥運転において、生乾きの洗濯物に対して脱水処理が行われることを抑制できるので、洗濯乾燥機100の消費電力、及び洗濯乾燥機100の稼働時間が増大することを抑制できる。よって、乾燥運転を効率的に行うことができる。
また、生乾きの洗濯物に対して乾燥運転が行われると、乾燥運転のうちの脱水処理時に洗濯物が洗濯槽7から洗濯槽7の外部に出てくるおそれがある。理由は、生乾きの洗濯物は、濡れている洗濯物よりも重量が軽いので、脱水処理時の洗濯槽7の回転により生じる遠心力で飛ばされやすくなるからである。しかし、第1実施形態では、乾燥運転が連続して行われる場合、2回目の乾燥運転において、運転部20に省略乾燥運転を行わせる(ステップS7、ステップS8、ステップS9、及び図5参照)。従って、生乾きの洗濯物に対して脱水処理が行われることを抑制できる。その結果、乾燥運転時に、洗濯物が洗濯槽7から洗濯槽7の外部に出てくることを抑制できる。
次に、図7から図10を参照して、ステップS2の条件処理(図6参照)について説明する。
条件処理は、採用条件が満たされているか否かを条件判定部64が判定する処理を示す。
まず、図7を参照して、第1条件が採用条件である場合の条件処理について説明する。図7は、第1条件が採用条件である場合の条件処理を示すフロー図である。
ステップS11において、温度検出部30が洗濯乾燥機100内の温度を検出する。
ステップS12において、温度検出部30が検出した洗濯乾燥機100内の温度が所定温度以上であるか否かを条件判定部64が判定する。
所定温度を示す情報は、予め記憶部50に記憶されている。所定温度は、例えば、温度40°Cである。
温度検出部30が検出した洗濯乾燥機100内の温度が所定温度以上である場合(ステップS12で、Yes)、処理がステップS13に移行する。温度検出部30が検出した洗濯乾燥機100内の温度が所定温度以上ではない場合(ステップS12で、No)、処理がステップS14に移行する。
ステップS13において、第1条件が満たされたと条件判定部64が判定する。
ステップS14において、第1条件が満たされていないと条件判定部64が判定する。
以上、図7を参照して説明したように、乾燥運転終了時において、通常は、乾燥運転で用いられた温風により洗濯乾燥機100内の温度が洗濯乾燥機100の周囲の温度よりも上昇している。従って、ステップS13において、洗濯乾燥機100内の温度が所定温度以上である場合、条件判定部64は、直近運転が乾燥運転であったと推定して、第1条件が満たされたと判定する。なお、所定温度は、例えば、乾燥運転終了時の洗濯乾燥機100内の温度と、洗濯乾燥機100の周囲の温度との差に基づいて決定される。
これに対し、洗い運転のような乾燥運転以外の運転の終了時において、通常は、洗濯乾燥機100内の温度が洗濯乾燥機100の周囲の温度と略同じである。従って、ステップS14において、洗濯乾燥機100内の温度が所定温度以上ではない場合、条件判定部64は、直近運転が乾燥運転ではなかった推定して、第1条件が満たされていないと判定する。
次に、図8を参照して、第2条件が採用条件である場合の条件処理について説明する。図8は、第2条件が採用条件である場合の条件処理を示すフロー図である。
ステップS21において、運転部20が乾燥運転の排水処理(図4参照)を行うように、制御部61が運転部20を制御する。その結果、排水処理が行われる。
ステップS22において、運転部20が乾燥運転の布剥がし処理を行うように、制御部61が運転部20を制御する。その結果、布剥がし処理が行われる。
ステップS24において、運転部20が乾燥運転の容量センシング処理を行うように、制御部61が運転部20を制御する。その結果、容量センシング処理が行われる。
ステップS24において、容量センシング部65が、第1駆動部21の第1モータ21aの回転速度を算出する。
ステップS25において、第1モータ21aの回転速度が所定値以上であるか否かを、条件判定部64が判定する。所定値を示す情報は、予め記憶部50に記憶されている。
容量センシング部65が算出した第1モータ21aの回転速度が所定値以上である場合(ステップS25で、Yes)、処理がステップS26に移行する。容量センシング部65が算出した第1モータ21aの回転速度が所定値以上ではない場合(ステップS25で、No)、処理がステップS27に移行する。
ステップS26において、第2条件が満たされたと条件判定部64が判定する。
ステップS27において、第2条件が満たされていないと条件判定部64が判定する。
以上、図8を参照して説明したように、直近運転が乾燥運転であった場合、通常は、洗濯物の水分が低減している。従って、容量センシングが行われる際、第1モータ21aの回転に対する洗濯物の負荷が小さくなるで、第1モータ21aの回転速度が所定値以上になりやすい。その結果、ステップS26において、容量センシング時の第1モータ21aの回転速度が所定値以上である場合、条件判定部64は、直近運転が乾燥運転であったと推定して、第2条件が満たされたと判定する。
これに対し、直近運転が乾燥運転ではなかった場合、通常は、乾燥運転が行われた場合に比べて洗濯物の水分が低減していない。従って、容量センシングが行われる際、第1モータ21aの回転に対する洗濯物の負荷が大きくなるので、第1モータ21aの回転速度が所定値以上になりにくい。その結果、ステップS27において、容量センシング時の第1モータ21aの回転速度が所定値以上ではない場合、条件判定部64は、直近運転が乾燥運転ではなかったと推定して、第2条件が満たされていないと判定する。
なお、本発明の駆動部の駆動量の二例として、第1モータ21aのトルクを用いた場合、ステップS25において、第1モータ21aのトルクが所定トルク以下であるか否かを条件判定部64が判定する。所定トルクを示す情報は、予め記憶部50に記憶される。この場合、洗濯物が乾燥済みであると、洗濯物が軽くなるので、第1モータ21aのトルクが小さくなる。従って、第1モータ21aのトルクが所定トルク以下の場合、ステップS26に移行する。これに対し、第1モータ21aのトルクが所定トルク以下ではない場合、ステップS27に移行する。
また、本発明の駆動部の駆動量の三例として、第1駆動部21に供給される電流の値を用いた場合、ステップS25において、第1駆動部21に供給される電流が所定の電流値以下であるか否かを条件判定部64が判定する。所定の電流値を示す情報は、予め記憶部50に記憶される。この場合、洗濯物が乾燥済みであると、第1モータ21aのトルクが小さくなるので、第1駆動部21に供給される電流が小さくなる。従って、第1駆動部21に供給される電流が所定の電流値以下の場合、ステップS26に移行する。これに対し、第1駆動部21に供給される電流が所定の電流値以下ではない場合、ステップS27に移行する。
なお、第2条件が採用条件である場合、初期処理のうちの容量センシング処理の終了後に、第2条件が満たされたか否かが判定される。従って、図6のステップS2に示す条件処理が終了した時点で、容量センシング処理が終了している。その結果、ステップS6に示す乾燥運転(図4参照)、及びステップS9に示す省略乾燥運転(図5参照)の各々は、初期処理のうちのバランス処理から開始される。
次に、図9を参照して、第3条件が採用条件である場合の条件処理について説明する。図9は、第3条件が採用条件である場合の条件処理を示すフロー図である。
ステップS31において、条件判定部64が、記憶部50から運転履歴51を示す情報を取得する。そして、運転履歴51が乾燥運転情報を有するか否かを、条件判定部64が判定する。乾燥運転情報は、直近運転が乾燥運転であったことを示す情報である。
運転履歴51が乾燥運転情報を有する場合(ステップS31で、Yes)、処理がステップS32に移行する。運転履歴51が乾燥運転情報を有しない場合(ステップS31で、No)、処理がステップS33に移行する。
ステップS32において、第3条件が満たされたと条件判定部64が判定する。
ステップS33において、第3条件が満たされていないと条件判定部64が判定する。
なお、第1実施形態では、ステップS31において、直近運転が省略乾燥運転(図5参照)であった場合、ステップS32に移行して、第3条件が満たされたと条件判定部64が判定する。つまり、第1実施形態では、省略乾燥運転は乾燥運転(図4参照)の変形例であり、乾燥運転の一種であると解釈している。しかし、本発明は、これに限定されない。ステップS31において、直近運転が省略乾燥運転であった場合、ステップS33に移行して、第3条件が満たされていないと条件判定部64が判定してもよい。
次に、図10を参照して、第4条件が採用条件である場合の条件処理について説明する。図10は、第4条件が採用条件である場合の条件処理を示すフロー図である。
ステップS41において、湿度検出部40が洗濯乾燥機100内の湿度を検出する。
ステップS42において、湿度検出部40が検出した洗濯乾燥機100内の湿度が所定湿度以上であるか否かを条件判定部64が判定する。
所定湿度を示す情報は、予め記憶部50に記憶されている。
湿度検出部40が検出した洗濯乾燥機100内の湿度が所定湿度以上である場合(ステップS42で、Yes)、処理がステップS43に移行する。湿度検出部40が検出した洗濯乾燥機100内の湿度が所定湿度以上ではない場合(ステップS42で、No)、処理がステップS44に移行する。
ステップS43において、第4条件が満たされたと条件判定部64が判定する。
ステップS44において、第4条件が満たされていないと条件判定部64が判定する。
以上、図10を参照して説明したように、乾燥運転終了時において、通常は、乾燥運転時に洗濯物から発生した蒸気により洗濯乾燥機100内の湿度が洗濯乾燥機100の周囲の湿度よりも上昇している。従って、ステップS43において、洗濯乾燥機100内の湿度が所定湿度以上である場合、条件判定部64は、直近運転が乾燥運転であった、かつ直近の乾燥運転が生乾きで終了したと推定して、第4条件が満たされたと判定する。なお、所定湿度は、例えば、乾燥運転終了時の洗濯乾燥機100内の湿度と、洗濯乾燥機100の周囲の湿度との差に基づいて決定される。
これに対し、洗い運転のような乾燥運転以外の運転の終了時において、通常は、洗濯乾燥機100内の湿度が洗濯乾燥機100の周囲の湿度と略同じである。従って、ステップS44において、洗濯乾燥機100内の温度が所定湿度以上ではない場合、条件判定部64は、直近運転が乾燥運転ではなかった推定して、第4条件が満たされていないと判定する。
以上、図面(図1〜図10)を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、(1))。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の個数等は、図面作成の都合から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(1)第1実施形態の洗濯乾燥機100は、縦型洗濯乾燥機である。しかし、本発明はこれに限定されない。第4実施形態では、洗濯乾燥機100は、ドラム式洗濯乾燥機であってもよい。