JP2019199083A - 樹脂塗装金属板 - Google Patents

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Abstract

【課題】摺動性に優れた樹脂塗装金属板であって、かつ、樹脂塗装金属板に塗料を塗布した塗装板としたときに、耐塩水性及び塗膜と樹脂皮膜との密着性に優れた塗装板となる樹脂塗装金属板を提供する。【解決手段】本発明の樹脂塗装金属板は、金属板の少なくとも片面に、コロイダルシリカと樹脂成分とが含有された樹脂皮膜が積層された樹脂塗装金属板であって、上記コロイダルシリカと上記樹脂成分との合計100質量部中、上記コロイダルシリカの含有量が30〜80質量部であり、かつ、粒子径10nm未満のコロイダルシリカの含有量が15質量部を超えており、上記樹脂塗装金属板を100℃の脱イオン水に10秒間浸漬したときに溶出するナトリウムの量が4mg/m2以下であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂皮膜が積層された樹脂塗装金属板であって、摺動性に優れた樹脂塗装金属板に関する。また、樹脂塗装金属板に塗料を塗布した塗装板(以下、単に塗装板という)としたときに、耐塩水性及び塗膜と樹脂皮膜との密着性(以下、塗膜密着性という)に優れた塗装板となる樹脂塗装金属板に関する。
建材用途に使用される溶融亜鉛めっき金属板には、金属板に純亜鉛をめっきした溶融亜鉛めっき金属板(GI)やそれを合金化した合金化溶融亜鉛めっき金属板(GA)等がある。そして、これらの金属板に塗料を塗布する方法としては、金属板を目的の形に曲げ加工やロール成形加工された後、金属板表面に、浸漬、スプレー等の手段により、スプレー塗料、粉体塗料、電着塗料などを塗布した後、常温乾燥又は焼付けを行う方法、いわゆるポストコート法が用いられている。
また、従来、GIやGA等の表面にはクロメート処理が施されてきた。そうすることによって、塗装板において、塗膜密着性を高くしたり、耐食性を高めることができる。しかし、近年、環境意識の高まりから、クロメート処理を施さない処理方法(ノンクロメート処理)の検討が行われており、溶融亜鉛めっき金属板上にクロメートフリーの樹脂皮膜が形成された樹脂塗装金属板であって、耐食性、塗膜密着性、加工性等に優れた樹脂塗装金属板が開発されている。
例えば、特許文献1及び2には、金属材の上層に、有機樹脂、リン酸化合物、微粒シリカ等を含む皮膜を有する非クロム型表面処理金属材が開示されている。
特許文献1及び2の非クロム型表面処理金属材は、円筒深絞り加工、ドロービード加工、エリクセン加工など単発の加工に対して優れている。しかし、建材用途では、一列に並んだ複数組の成形ロールに連続的に金属材を通過(成形速度約20〜70m/分)させることにより、平板から目的の断面形状の成形品に変形加工(ロール成形)されることが多く、繰返し摺動を受けることになるが、特許文献1及び2の非クロム型表面処理金属材は、繰返し摺動を受けると、非クロム型表面処理金属材に塗布した塗料が剥がれやすく、摺動性が不十分である。
また、特許文献1及び2の非クロム型表面処理金属材は、表面処理金属板に塗布した塗料を焼付けて硬化した塗装板の塗膜密着性は優れている。しかし、建材用途では、スプレー塗装を行った後、塗膜を常温で乾燥させる場合が多く、特許文献1及び2の非クロム型表面処理金属材に塗布した塗料を常温乾燥させて硬化した塗装板の塗膜密着性は不十分である。
一方、特許文献3及び4には、表面処理組成物から得られた樹脂皮膜を備える樹脂塗装金属板が開示されている。特許文献3及び4の表面処理組成物には、コロイダルシリカ、オレフィン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体、α,β−不飽和カルボン酸重合体、オキサゾリン基含有共重合体などが含まれている。
しかし、特許文献3及び4の樹脂塗装金属板も、樹脂塗装金属板に塗布した塗料を焼付けて硬化した塗装板の塗膜密着性は優れているが、樹脂塗装金属板に塗布した塗料を常温乾燥させて硬化した塗装板の塗膜密着性は不十分である。
また、特許文献5にも、表面処理組成物から得られた樹脂皮膜を備える樹脂塗装金属板が開示されている。特許文献5の表面処理組成物には、コロイダルシリカ、オレフィン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体、α,β−不飽和カルボン酸重合体などが含まれており、コロイダルシリカとしては、表面積平均粒子径の異なる複数種のコロイダルシリカが用いられている。
特許文献5では、建材用途で多用されているスプレー型の鉛酸カルシウム錆止め塗料を用いて塗膜密着性を評価している。しかし、近年の環境意識の高まりから、樹脂塗装金属板に塗布する塗料についても、クロムや鉛等を含有しない有害物質フリー塗料の開発が行われている。鉛酸カルシウムは、塗膜中において、水分や酸性物質が透過してきた場合でも、塗膜や金属界面を弱アルカリ性に保ち、塗膜膨れ等の腐食を抑制することができるが、有害物質フリー塗料では、鉛に替えて亜鉛やチタン等の化合物が用いられるため、塗膜膨れ等の腐食が起こりやすい。また、特許文献5の樹脂塗装金属板は、有害物質フリー塗膜と樹脂塗装金属板との密着性、特に、沸騰水浸漬後における有害物質フリー塗膜と樹脂塗装金属板との密着性には改善の余地があった。
特開2000−248384号公報 特開2000−248369号公報 特開2009−061608号公報 特開2009−255549号公報 特開2011−092837号公報
本発明は上記の様な事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、摺動性に優れた樹脂塗装金属板であって、かつ、樹脂塗装金属板に塗料をポストコートしたとき(特に、樹脂塗装金属板に有害物質フリー塗料を塗布し、常温乾燥させて硬化したとき)に、耐塩水性及び塗膜密着性に優れた塗装板となる樹脂塗装金属板を提供することにある。
上記課題を解決し得た本発明の樹脂塗装金属板は、金属板の少なくとも片面に、コロイダルシリカと樹脂成分とが含有された樹脂皮膜が積層された樹脂塗装金属板であって、上記コロイダルシリカと上記樹脂成分との合計100質量部中、上記コロイダルシリカの含有量が30〜80質量部であり、かつ、粒子径10nm未満のコロイダルシリカの含有量が15質量部を超えており、上記樹脂塗装金属板を100℃の脱イオン水に10秒間浸漬したときに溶出するナトリウムの量が4mg/m2以下であることを特徴とする。
上記コロイダルシリカが、アンモニアで安定化されたコロイダルシリカを含むことが好ましい。また、上記コロイダルシリカが、平均粒子径の異なる複数種のコロイダルシリカから構成されることが好ましく、上記コロイダルシリカは、平均粒子径4〜6nmのコロイダルシリカと、平均粒子径10〜15nmのコロイダルシリカとを含み、平均粒子径4〜6nmのコロイダルシリカと平均粒子径10〜15nmのコロイダルシリカとの質量比が80:20〜30:70であることがより好ましい。
上記樹脂成分は、オレフィン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体を含有することが好ましく、さらに、α,β−不飽和カルボン酸重合体を含有することが好ましい。
本発明の樹脂塗装金属板は、所定の表面処理組成物から得られる樹脂皮膜を備えることによって、摺動性に優れた樹脂塗装金属板とすることができる。また、樹脂塗装金属板に塗料をポストコートしたとき(特に、樹脂塗装金属板に有害物質フリー塗料を塗布し、常温乾燥させて硬化したとき)に、耐塩水性及び塗膜密着性に優れた塗装板とすることができる。
本発明の樹脂塗装金属板は、金属板の少なくとも片面に、コロイダルシリカと樹脂成分とが含有された樹脂皮膜が積層されたものである。以下、本発明の樹脂塗装金属板について詳細に説明する。なお、本発明の皮膜はコロイダルシリカが樹脂成分よりもかなり多く含まれる場合もあるが、当該分野においては「樹脂皮膜」ということが多いので、本発明でも「樹脂皮膜」という用語を用いる。また、本明細書では、「摺動性」とは、樹脂塗装金属板の摺動性のことであり、「耐塩水性」とは、樹脂塗装金属板に塗料を塗布した塗装板の耐塩水性のことである。さらに、本明細書では、「一次密着性」とは、樹脂塗装金属板に塗料を塗布した塗装板における塗膜と樹脂皮膜との密着性(塗膜密着性)のことであり、「二次密着性」とは、樹脂塗装金属板に塗料を塗布した塗装板の沸騰水浸漬後における塗膜と樹脂皮膜との密着性(塗膜密着性)のことであり、「塗膜密着性」とは、一次密着性及び二次密着性の両方の密着性のことである。
<金属板>
本発明で用いる金属板には、特に限定は無く、例えば非めっき冷延金属板、溶融亜鉛めっき金属板(GI)、合金化溶融亜鉛めっき金属板(GA)、電気亜鉛めっき金属板(EG)、アルミ板およびチタン板等を挙げることができる。これらの中でも、クロメート処理が行われていない溶融亜鉛めっき金属板(GI)や合金化溶融亜鉛めっき金属板(GA)に本発明を適用するのが好ましい。
<コロイダルシリカ>
皮膜中に含まれるコロイダルシリカは、コロイダルシリカと樹脂成分との合計100質量部中、30〜80質量部であり、より好ましくは40〜75質量部であり、さらに好ましくは50〜70質量部である。コロイダルシリカが上記範囲内にある表面処理組成物を用いると、形成される樹脂皮膜の造膜性が良好なため、皮膜剥離が発生し難く、摺動性が向上する。また、表面処理組成物の表面張力が低くなって、表面の粗度が粗く水濡れ性に劣るGAの表面(凹部)にも表面処理組成物が侵入して、GAの粗面に沿って樹脂皮膜が形成されるため、塗膜密着性も向上する。
コロイダルシリカの成分量が80質量部を超えると、樹脂成分が不足するため、形成される皮膜の造膜性が不十分になって、正常な皮膜を形成できない。その結果、皮膜が硬くなりすぎて脆くなり、クラックが発生して、ロール成形の際に皮膜剥離が発生し易くなり、摺動性が低下する。さらに、コロイダルシリカ(無定形シリカ粒子が水中に分散してコロイド状をなしている)は表面張力が高いため、コロイダルシリカの成分量が80質量部を超えると表面処理組成物の表面張力が大きくなり、樹脂皮膜が形成される金属板との濡れ性も悪くなって、薄膜皮膜の均一形成が困難になる場合がある。特に、GA表面の凹凸部に均一かつ極薄膜の皮膜を形成するのが困難になるため、塗膜密着性が低下する。
コロイダルシリカの成分量が30質量部よりも少ないと、皮膜の硬度が不足して、繰返し行われる摺動における皮膜損傷が著しくなるとともに、皮膜の比重がさほど増大しないため樹脂皮膜の薄膜化が困難となって、ロール成形の際に皮膜剥離が発生し易くなる。さらに、樹脂皮膜の比重が増大しないことに起因して、皮膜カスをクーラント液受槽の中で沈降させることができなくなって、水切りパッド表面への堆積を抑制する効果が不足し、結果として操業性や製品形状を悪化させる場合がある。
樹脂皮膜にはコロイダルシリカが含まれているが、コロイダルシリカと樹脂成分との合計100質量部中、粒子径10nm未満のコロイダルシリカ(以下、小粒径のコロイダルシリカという)の含有量は15質量部を超えて必要である。小粒径のコロイダルシリカが少ない場合は、コロイダルシリカ同士の間に空隙が出来易くなり、水分が浸透して、皮膜中のナトリウムの量を制御した場合でも、常温乾燥させた塗膜の耐塩水性や二次密着性が劣化するおそれがある。皮膜中のナトリウムの量についての詳細は後述するが、皮膜中のナトリウムの量を制御するために、アンモニアで安定化されたコロイダルシリカを用いることが好ましい。
また、平均粒子径の異なる複数種のコロイダルシリカを用いることが好ましい。これにより、バインダー樹脂(樹脂成分)とコロイダルシリカとの親和性(馴染み)が良くなり、形成される樹脂皮膜の造膜性(コロイダルシリカ粒子同士の結合力)が向上するとともに、緻密な皮膜を形成することができる。
より好ましくは、小粒径のコロイダルシリカと粒子径10nm以上のコロイダルシリカ(以下、大粒径のコロイダルシリカという)とを用いることである。コロイダルシリカ同士の結合力が増して緻密な皮膜になると同時に、大粒径のコロイダルシリカ同士の間に小粒径のコロイダルシリカが分散したミクロな凹凸表面構造となり、繰返し摺動冶具を凸部で受けることにより転がり性が向上し、さらに、凹凸により一次密着性が向上する。また、小粒径のコロイダルシリカが必須であることは上述したが、その一方で、小粒径のコロイダルシリカは表面活性度が大きいため、小粒径のコロイダルシリカのみを用いると、表面処理組成物の液安定性が経時で劣化(約48時間で増粘)し、緻密な皮膜が形成できない場合があり、樹脂皮膜中におけるコロイダルシリカの含有率を上げて樹脂皮膜の比重を増大させることができないおそれがある。しかし、小粒径のコロイダルシリカと表面活性度が小さい大粒径のコロイダルシリカとを併用すれば、表面処理組成物の液安定性を低下させることなくコロイダルシリカの含有率を上げることができる。
さらに好ましくは、平均粒子径4〜6nmのコロイダルシリカ(以下、コロイダルシリカ(A)という)と、平均粒子径10〜15nmのコロイダルシリカ(以下、コロイダルシリカ(B)という)とを含んで構成されることが好ましく、コロイダルシリカ(A)とコロイダルシリカ(B)とから構成されることが最も好ましい。大粒径のコロイダルシリカとして、平均粒子径が15nmを超えるコロイダルシリカが含まれていてもよいが、大粒径のコロイダルシリカとして、平均粒子径が15nmを超えるもののみを用いた場合、小粒径のコロイダルシリカとの粒径差が大きく成り過ぎて、かえって造膜性が低下し、二次密着性や摺動性が低下するおそれがある。
コロイダルシリカ(A)とコロイダルシリカ(B)の混合比は、質量比で80:20〜30:70が好ましく、75:25〜40:60がより好ましく、65:35〜45:55がさらに好ましい。コロイダルシリカ(A)の質量比が上記割合より多くなると、樹脂成分との親和性が悪くなり、表面処理組成物の液安定性が劣化するとともに、均一で緻密な皮膜形成ができなくなる場合がある。これに伴い、ポストコートした塗装板の塗膜密着性が劣化する。コロイダルシリカ(A)の質量比が上記割合より少なくなると、造膜性の低下により皮膜の緻密さが低下し、二次密着性や耐塩水性が劣化するおそれがある。
樹脂皮膜の形成に使用する表面処理組成物が水系である場合、コロイダルシリカを良好に分散させるために、表面処理組成物のpHに合わせて、コロイダルシリカの種類を選択することが好ましい。
コロイダルシリカは市販されており、例えば、小粒径のコロイダルシリカであるコロイダルシリカ(A)に相当する平均粒子径4〜6nmのものとしては、日産化学工業社製の「スノーテックス(登録商標)XS」、「スノーテックス(登録商標)NXS」、「スノーテックス(登録商標)OXS」等が挙げられる。皮膜中のナトリウムの量を制御するためには、特に、アンモニアで安定化された「スノーテックス(登録商標)NXS」が好適に用いられる。
また、大粒径のコロイダルシリカであるコロイダルシリカ(B)に相当する平均粒子径10〜15nmのものとしては、同じく日産化学工業社製の「スノーテックス(登録商標)30」、「スノーテックス(登録商標)40」、「スノーテックス(登録商標)N30G」、「スノーテックス(登録商標)N」、「スノーテックス(登録商標)O」等が挙げられる。皮膜中のナトリウムの量を制御するためには、特に、アンモニアで安定化された「スノーテックス(登録商標)N30G」、「スノーテックス(登録商標)N」が好適に用いられる。
さらには、平均粒子径20〜25nmのものとしては、同じく日産化学工業社製の「スノーテックス(登録商標)50」、「スノーテックス(登録商標)N−40」、「スノーテックス(登録商標)O−40」が、平均粒子径8〜11nmのものとしては、同じく日産化学工業社製の「スノーテックス(登録商標)S」、「スノーテックス(登録商標)NS」、「スノーテックス(登録商標)OS」等が挙げられる。皮膜中のナトリウムの量を制御するためには、特に、アンモニアで安定化された、「スノーテックス(登録商標)N−40」、「スノーテックス(登録商標)NS」が好適に用いられる。
他には、平均粒子径10〜20nmのものとしては、ADEKA社製の「アデライト(登録商標)AT−20」、「アデライト(登録商標)AT−30」、「アデライト(登録商標)AT−40」、「アデライト(登録商標)AT−20N」等が挙げられる。皮膜中のナトリウムの量を制御するためには、特に、アンモニアで安定化された、「アデライト(登録商標)AT−20N」が好適に用いられる。
なお、本明細書におけるコロイダルシリカの平均粒子径は、平均粒子径が1〜10nm程度の場合にはシアーズ法、10〜100nm程度の場合にはBET法により測定された値である。また、製造者のパンフレットに公証値が記載されている場合、公証値を平均粒子径とする。
また、表面処理組成物のpHがアルカリ性の場合は、酸性タイプのコロイダルシリカにアンモニアやアミンを添加することにより、好適に使用することもできる。添加するアミンの例としては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルブチルアミン、N,N−ジメチルアリルアミン、N−メチルピロリジン、テトラメチルジアミノメタン、トリメチルアミン等の3級アミン;N−メチルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジエチルアミン等の2級アミン;プロピルアミン、t−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、イソブチルアミン、1,2−ジブチルプロピルアミン、3−ペンチルアミン等の1級アミン等が挙げられ、1種または2種以上を混合して使用することができる。これらの中でも3級アミンが好ましく、最も好ましいものはトリエチルアミンである。
酸性タイプのコロイダルシリカの市販品としては、「スノーテックス(登録商標)OXS」、「スノーテックス(登録商標)O」、「スノーテックス(登録商標)O−40」、「スノーテックス(登録商標)OS」等が挙げられる。
また、アミンで安定化されたコロイダルシリカの市販品も好適に用いることができる。例えば、平均粒子径10〜15nm、日産化学工業社製の「スノーテックス(登録商標)QAS−25」、「スノーテックス(登録商標)QAS−40」等が挙げられる。
(樹脂皮膜から溶出するナトリウムの量)
コロイダルシリカは、水ガラス(Na2SiO3)からナトリウムをイオン交換によって除去して製造されるのが一般的であり、コロイダルシリカを安定化させるために、微量のナトリウムが残存する。また、樹脂成分が水系エマルション(水性分散液)である場合、エマルションを安定化させるためにナトリウムが添加される場合がある。
ポストコートした塗装板について、耐塩水性試験や二次密着性試験を行った場合、塗膜を透過した水分が皮膜中のナトリウム分を再溶解させ、塗膜や樹脂皮膜界面にアルカリ成分が発生する。アルカリ成分は、塗膜のエステル結合などに作用して、これを切断し、塗膜密着不良を発生させる。
皮膜中のナトリウムは微量(多くても皮膜質量の1%強程度)であり、焼付けタイプの塗料では、塗膜の重合度が高いため、塗膜や樹脂皮膜界面で少量のアルカリ成分が生成しても問題が顕在化することはなかった。また、焼付けタイプの塗料より塗膜重合度が低い常温乾燥タイプの塗料の場合でも、鉛酸カルシウム塗料の場合は、鉛酸カルシウムがpH緩衝作用を示すため、実害は認められなかった。しかし、常温乾燥タイプの鉛フリー塗料を用いる場合には、耐塩水性や二次密着性が不十分となるおそれがあり、皮膜中の微量のナトリウム量を制御する必要がある。
樹脂塗装金属板を100℃の脱イオン水に10秒間浸漬したときに樹脂皮膜から溶出するナトリウムの量は、4mg/m2以下であり、好ましくは、3mg/m2以下であり、更に好ましくは2.5mg/m2以下である。樹脂皮膜から溶出するナトリウムの定量方法は実施例に詳述する。
<樹脂成分>
皮膜中に含まれる樹脂成分は、コロイダルシリカと樹脂成分との合計100質量部中、20〜70質量部であり、より好ましくは25〜60質量部であり、さらに好ましくは30〜50質量部である。樹脂成分が上記範囲内にある表面処理組成物は、形成される樹脂皮膜の造膜性が良好なため、皮膜剥離が発生し難く、摺動性が向上する。
樹脂成分としては、特に限定されるものではなく、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、及びそれらの混合又は変性した樹脂等を適宜使用することができる。中でも、優れた液状安定性を得ることができる点で、ポリオレフィン系樹脂(より好ましくはポリエチレン系樹脂)、ポリウレタン系樹脂が好ましい。樹脂は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(ポリオレフィン系樹脂)
本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂は、特に限定されないが、ポリオレフィン系樹脂は、オレフィン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体(以下「オレフィン−酸共重合体」と称することがある)を含むことが好ましく、オレフィン−酸共重合体から構成されることがより好ましい。樹脂成分がオレフィン−酸共重合体を含むことにより、耐塩水性や摺動性が向上する。
なお、本発明における「オレフィン−酸共重合体」とは、オレフィンとα,β−不飽和カルボン酸との共重合体であって、オレフィン由来の構成単位が、共重合体中に50質量%以上(すなわち、α,β−不飽和カルボン酸由来の構成単位が50質量%以下)であるものを意味する。
(オレフィン−酸共重合体)
オレフィン−酸共重合体は、オレフィンとα,β−不飽和カルボン酸とを既知の方法で共重合させることにより製造でき、また市販されている。オレフィン−酸共重合体は、1種または2種以上を使用することができる。
オレフィン−酸共重合体の製造に使用できるオレフィンとしては、特に限定はないが、エチレン、プロピレン等が好ましく、エチレンがより好ましい。オレフィン−酸共重合体は、オレフィン構成単位が1種のオレフィンのみに由来するものであってもよいし、2種以上のオレフィンに由来するものであってもよい。
オレフィン−酸共重合体の製造に使用できるα,β−不飽和カルボン酸も、特に限定はなく、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等のモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のジカルボン酸等が挙げられる。これらの中でもアクリル酸が好ましい。オレフィン−酸共重合体は、α,β−不飽和カルボン酸の構成単位が、1種のα,β−不飽和カルボン酸のみに由来するものであってもよいし、2種以上のα,β−不飽和カルボン酸に由来するものであってもよい。
オレフィン−酸共重合体中のα,β−不飽和カルボン酸は、樹脂皮膜と金属板との密着性を向上させる作用をなすものであり、かかる作用を効果的に発揮するには、共重合体中のα,β−不飽和カルボン酸は、5質量%以上であることが好ましく、より好ましくは10質量%以上である。一方、共重合体中のα,β−不飽和カルボン酸の上限は、耐食性の観点からは30質量%以下が好ましく、より好ましくは25質量%以下である。
上記オレフィン−酸共重合体は、本発明の効果である摺動性、塗膜密着性等に悪影響を及ぼさない範囲で、その他の単量体に由来する構成単位を有していても良い。オレフィン−酸共重合体中において、その他の単量体に由来する構成単位量は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下であり、最も好ましいオレフィン−酸共重合体は、オレフィン−およびα,β−不飽和カルボン酸のみから構成されるものである。好ましいオレフィン−酸共重合体として、エチレン−アクリル酸共重合体が挙げられる。
上記オレフィン−酸共重合体の重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算で、好ましくは1,000〜10万、より好ましくは3,000〜7万、さらに好ましくは5,000〜3万である。このMwは、ポリスチレンを標準として用いるGPCにより測定することができる。
(α,β−不飽和カルボン酸重合体)
ポリオレフィン系樹脂は、オレフィン−酸共重合体及びα,β−不飽和カルボン酸重合体(以下「カルボン酸重合体」と称することがある)を含むことが好ましく、オレフィン−酸共重合体及びカルボン酸重合体から構成されることがより好ましい。樹脂成分がさらにカルボン酸重合体を含むことにより、耐塩水性や摺動性がより向上する。その正確なメカニズムは不明であるが、これらの重合体とコロイダルシリカとの結合力が増し、緻密な樹脂皮膜が形成され、さらには、水の透過が効果的に抑制されるためであると推定される。
なお、本発明における「カルボン酸重合体」とは、α,β−不飽和カルボン酸を単量体として用い重合して得られる重合体(共重合体も含む)であって、α,β−不飽和カルボン酸由来の構成単位が重合体中に90質量%以上であるものを意味する。また、「α,β−不飽和カルボン酸」には、後述の中和剤でカルボキシル基の一部が中和された「α,β−不飽和カルボン酸塩」も含まれる。
上記カルボン酸重合体としては、1種または2種以上のα,β−不飽和カルボン酸の単独重合体もしくは共重合体、またはさらに他の単量体(オレフィンを除く)を共重合させた共重合体が挙げられる。このようなカルボン酸重合体は、既知の方法で製造でき、また市販されている。カルボン酸重合体は、1種または2種以上を使用することができる。
カルボン酸重合体の製造に使用できるα,β−不飽和カルボン酸には、上記オレフィン−酸共重合体の合成に使用できるものとして例示したα,β−不飽和カルボン酸がいずれも使用可能である。これらの中でもアクリル酸又はマレイン酸が好ましく、マレイン酸がより好ましい。
カルボン酸重合体は、α,β−不飽和カルボン酸以外の単量体に由来する構成単位を含有していても良いが、その他の単量体に由来する構成単位量は、重合体中に10質量%以下、好ましくは5質量%以下であり、α,β−不飽和カルボン酸のみから構成されるカルボン酸重合体がより好ましい。
好ましいカルボン酸重合体として、例えばポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリマレイン酸等を挙げることができ、これらの中でも塗膜密着性、樹脂皮膜と金属板との密着性等の観点から、ポリマレイン酸がより好ましい。ポリマレイン酸を使用することにより、生成する樹脂エマルションの粒子径が小さくなり(20〜60nm)、造膜して得られる皮膜が緻密になるため、摺動性等が向上する。また、ポリマレイン酸はカルボキシル基量が多いため、樹脂皮膜と金属板との密着性が向上する。
上記カルボン酸重合体の重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算で、好ましくは500〜3万、より好ましくは800〜1万、さらに好ましくは900〜3,000、最も好ましくは1,000〜2,000である。このMwは、ポリスチレンを標準として用いるGPCにより測定することができる。
ポリオレフィン系樹脂中のオレフィン−酸共重合体とカルボン酸重合体との含有比率(質量比)は、好ましくは1,000:1〜10:1、より好ましくは200:1〜20:1、さらに好ましくは100:1〜100:3である。カルボン酸重合体の含有比率が低すぎると、オレフィン−酸共重合体とカルボン酸重合体とを組み合わせた効果が充分に発揮されない場合があり、逆にカルボン酸重合体の含有比率が過剰であると、組成物中でオレフィン−酸共重合体とカルボン酸重合体とが相分離し、樹脂皮膜が均一に形成されなくなるおそれがある。
(ポリウレタン系樹脂)
本発明で用いられるポリウレタン系樹脂は、特に限定されないが、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂であることがより好ましい。上記カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂は、ウレタンプレポリマーを鎖延長剤で鎖延長反応して得られるものであり、上記ウレタンプレポリマーは、後述するポリイソシアネート成分とポリオール成分とを反応させて得られる。上記ウレタンプレポリマーを構成するポリイソシアネート成分としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)およびジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI)よりなる群から選択される少なくとも1種のポリイソシアネートを使用することが好ましい。かかるポリイソシアネートを使用することにより、耐食性、反応制御の安定性に優れる樹脂皮膜が得られるからである。上記好適ポリイソシアネートの他にも、耐食性や反応制御の安定性を低下させない範囲で他のポリイソシアネートを使用することができるが、好適ポリイソシアネート成分の含有率は、全ポリイソシアネート成分の70質量%以上としておくことが望ましい。好適ポリイソシアネート成分の含有率が70質量%未満であると、耐食性・反応制御の安定性が低下する傾向があるからである。上記好適ポリイソシアネート成分以外のポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカンメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネートなどを挙げることができる。上記ポリイソシアネートは、単独、或いは、少なくとも2種以上を混合して使用してもよい。
上記ウレタンプレポリマーを構成するポリオール成分としては、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエーテルポリオール、及び、カルボキシル基を有するポリオールの3種類の全てのポリオールを好適的に使用することが好ましく、3種類全てをジオールとすることがよい。かかるポリオール成分を使用することにより、耐食性や摺動性に優れる樹脂皮膜が得られるからである。また、ポリオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノールを使用することによって、得られるポリウレタン樹脂の防錆効果を高めることができる。
上記ポリエーテルポリオールは、分子鎖にヒドロキシル基を少なくとも2以上有し、主骨格がアルキレンオキサイド単位によって構成されているものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリオキシエチレングリコール(単に、「ポリエチレングリコール」と言われる場合がある)、ポリオキシプロピレングリコール(単に、「ポリプロピレングリコール」と言われる場合がある)、ポリオキシテトラメチレングリコール(単に、「ポリテトラメチレングリコール」或いは「ポリテトラメチレンエーテルグリコール」と言われる場合がある)などを挙げることができ、市販されているものを使用することができる。上記ポリエーテルポリオールの中でも、ポリオキシプロピレングリコール又はポリテトラメチレンエーテルグリコールを使用することが好ましい。上記ポリエーテルポリオールの官能基数は、少なくとも2以上であれば特に限定されず、例えば、3官能、4官能以上の多官能であってもよい。
上記ポリエーテルポリオールは、例えば、活性水素を有する化合物を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを付加させることにより得られる。上記活性水素を有する化合物としては、例えば、プロピレングリコール、エチレングリコールなどのジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、トリエタノールアミンなどのトリオール、ジグリセリン、ペンタエリスリトールなどのテトラオール、その他、ソルビトール、ショ糖、リン酸などを挙げることができる。この際、使用する開始剤として、ジオールを使用すれば、2官能のポリエーテルポリオールが得られ、トリオールを使用すれば、3官能のポリエーテルポリオールが得られる。
また、ポリオキシテトラメチレングリコールは、例えば、テトラヒドロフランの開環重合により得られる。
上記ポリエーテルポリオールは、例えば、平均分子量が約400〜4000程度までの市販のものを使用することが好ましい。平均分子量が約400未満だと樹脂皮膜が硬く、4000を超えると軟らかくなりすぎるからである。尚、平均分子量は、ポリオールのOH価(水酸基価)から求められる。
本発明において、上記1,4−シクロヘキサンジメタノールとポリエーテルポリオールの質量比を、1,4−シクロヘキサンジメタノール:ポリエーテルポリオール=1:1〜1:19とすることも好ましい態様である。防錆効果を有する1,4−シクロヘキサンジメタノールを、一定比率使用することによって、得られるポリウレタン樹脂の防錆効果を一層高めることができるからである。
本発明で使用するカルボキシル基を有するポリオールは、少なくとも1以上のカルボキシル基と少なくとも2以上のヒドロキシル基を有するものであれば、特に限定されず、例えば、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジヒドロキシプロピオン酸、ジヒドロキシコハク酸などが挙げられる。
上記好適ポリオール成分の他にも、耐食性を低下させない範囲で他のポリオールを使用することができるが、好適ポリオール成分の含有率は、全ポリオール成分の70質量%以上であることが望ましい。好適ポリオール成分の含有率が70質量%未満であると、耐食性が低下する傾向があるからである。上述した好適ポリオール成分以外のポリオールとしては、ヒドロキシル基を複数有するものであれば特に限定されず、例えば、低分子量のポリオールや高分子量のポリオールなどを挙げることができる。低分子量のポリオールは、分子量が500程度以下のポリオールであり、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール;グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールなどのトリオールが挙げられる。
高分子量のポリオールは、分子量が500程度を超えるポリオールであり、例えば、ポリエチレンアジぺート(PEA)、ポリブチレンアジペート(PBA)、ポリヘキサメチレンアジペート(PHMA)などの縮合系ポリエステルポリオール;ポリ−ε−カプロラクトン(PCL)のようなラクトン系ポリエステルポリオール;ポリヘキサメチレンカーボネートなどのポリカーボネートポリオール;及びアクリルポリオールなどが挙げられる。
また、上述したウレタンプレポリマーを鎖延長反応する鎖延長剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリアミン、低分子量のポリオール、アルカノールアミンなどを挙げることができる。上記低分子量のポリオールとしては、上述したのと同じものを使用することができ、上記ポリアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどの脂肪族ポリアミン;トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタンなどの芳香族ポリアミン;ジアミノシクロヘキシルメタン、ピペラジン、イソホロンジアミンなどの脂環式ポリアミン;ヒドラジン、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジドなどのヒドラジン類などを挙げることができる。これらの中でも、エチレンジアミン及び/又はヒドラジンを鎖延長剤成分として使用することが好ましい。また、上記アルカノールアミンとしては、例えば、ジエタノールアミン、モノエタノールアミンなどを挙げることができる。
本発明では、上記カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂の水性分散液を使用することが好ましい態様である。上記カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂の水性分散液は、公知の方法で作製することができ、例えば、カルボキシル基含有ウレタンプレポリマーのカルボキシル基を塩基で中和して、水中に乳化分散して鎖延長反応させる方法、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂を乳化剤の存在下で、高せん断力で乳化分散して鎖延長反応させる方法などにより作製でき、既知の方法(例えば、特開2005−199673号公報)に基づき作製することもできる。
<グリシドキシ基含有シランカップリング剤>
本発明の表面処理組成物には、グリシドキシ基含有シランカップリング剤(より詳細には、末端にグリシドキシ基を有するシランカップリング剤)が含まれることが好ましい。グリシドキシ基含有シランカップリング剤を用いると、樹脂皮膜と金属板との密着性が向上する。また、樹脂皮膜中のコロイダルシリカと樹脂成分との結合力を向上させる効果も併せ持つと考えられ、摺動性や塗膜密着性の向上効果が大きい。さらに、グリシドキシ基含有シランカップリング剤を添加しておくと、表面処理組成物の表面張力が低下するため金属板との濡れ性が良くなって表面処理組成物の塗布性が向上し、均一な樹脂皮膜の形成が可能になる。また、表面処理組成物をスプレーリンガー方式(表面処理組成物を金属板の表面にスプレーした後、リンガーロールで絞る塗布方法)で循環使用した場合に、組成物中の界面活性剤に起因する発泡を抑制する効果も発現する。
グリシドキシ基含有シランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
表面処理組成物中のグリシドキシ基含有シランカップリング剤量は、コロイダルシリカと樹脂成分との合計100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは7質量部以上であり、好ましくは15質量部以下、より好ましくは13質量部以下である。シランカップリング剤量が5質量部未満であると、樹脂皮膜と金属板との密着性向上効果が認められないおそれがある。また、樹脂皮膜成分中のコロイダルシリカと樹脂成分との結合力が低下して、皮膜硬度や皮膜の緻密性が低下して、摺動性や塗膜密着性が不十分となるおそれがある。グリシドキシ基含有シランカップリング剤量が15質量部を超えても、樹脂皮膜と金属板との密着性向上効果、及び樹脂皮膜成分中のコロイダルシリカと樹脂成分との結合力向上効果は頭打ちとなるため、コストアップの要因となる。逆に、摺動性や塗膜密着性が低下したり、表面処理組成物の液安定性が低下してゲル化やコロイダルシリカの沈殿を引き起こす場合がある。
<メタバナジン酸塩>
本発明の表面処理組成物には、さらにメタバナジン酸塩が含まれることが好ましい。メタバナジン酸塩は溶出することによって金属板の溶解・溶出を抑制し、耐塩水性などを高める効果を有する。この効果を有効に発揮させるためには、コロイダルシリカと樹脂成分の合計100質量部に対し、メタバナジン酸塩を0.5〜3質量部用いるとよい。0.5質量部より少ないと、上記効果が不充分となる。また、3質量部を超えて添加すると、塗膜密着性が著しく低下する傾向が認められる。これは、過剰のメタバナジン酸塩がグリシドキシ基含有シランカップリング剤の加水分解反応を抑制し、若干であるがコロイダルシリカと樹脂成分の結合力に影響を及ぼしたためであると推定される。さらに、表面処理組成物の液安定性も悪化する傾向がある。メタバナジン酸塩量は0.7〜2.0質量部がより好ましい。なお、このメタバナジン酸塩の好適量は、V25化合物換算量である。
メタバナジン酸塩としては、例えば、メタバナジン酸ナトリウム(NaVO3)、メタバナジン酸アンモニウム(NH4VO3)、メタバナジン酸カリウム(KVO3)等が挙げられ、中でも一価の金属を含有しないメタバナジン酸アンモニウム(NH4VO3)が好ましい。これらは単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのメタバナジン酸塩は市販されており、容易に入手することができる。
<アクリル変性エポキシ樹脂>
上記樹脂成分には、さらに添加剤としてアクリル変性エポキシ樹脂を含むことが好ましい。塗膜を常温で乾燥させる場合、樹脂成分として、低温で造膜が可能なアクリル変性エポキシ樹脂を併用することによって、塗膜密着性を向上させることができる。
従来、ポストコートされた塗装板の塗膜密着性を向上させる方法として、樹脂成分としてブロックイソシアネート(感熱架橋剤)を皮膜中に存在させ、ポストコートの際の焼付け時の熱(焼付け温度)を利用してブロックイソシアネートのブロック剤を解離させ活性イソシアネート基を再生させて、皮膜と塗膜とを硬化・架橋させる技術が知られている。しかしながら、ポストコート用塗料として建材分野で使用されている鉛酸カルシウム錆止め塗料は、熱による焼付け(乾燥)が不要な常温乾燥タイプが主流であり、上記技術を使用できなかった。
アクリル変性エポキシ樹脂を併用することにより塗膜密着性が向上する正確なメカニズムは不明であるが、アクリル変性エポキシ樹脂はコロイダルシリカのバインダーとして機能するのではなく、樹脂皮膜の最表面に造膜(縞状に点在)することによって、ポストコート後の塗膜密着性の向上に寄与しているものと推定される。アクリル変性エポキシ樹脂が樹脂皮膜の最表面に造膜するのは、オレフィン−酸共重合体やカルボン酸重合体のエマルション粒子径が20〜60nmであるのに対し、アクリル変性エポキシ樹脂のエマルション粒子径は約100nm以上と大きいからであると考えられる。
本発明で用いるアクリル変性エポキシ樹脂は、例えば、エポキシ樹脂と不飽和脂肪酸とを反応させて得られる重合性不飽和基含有エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを共重合させたり、エポキシ樹脂とグリシジル基含有ビニルモノマーとアミン類とを反応させて得られる重合性不飽和基含有エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを共重合させることにより製造できる。
特に、水性のアクリル変性エポキシ樹脂は市販されており、例えば、荒川化学工業株式会社製の「モデピクス(登録商標)301」、「モデピクス(登録商標)302」、「モデピクス(登録商標)303」、「モデピクス(登録商標)304」等が挙げられる。上記アクリル変性エポキシ樹脂は、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アクリル変性エポキシ樹脂は、樹脂成分100質量%中、1質量%以上(より好ましくは3質量%以上)含まれていることが好ましく、15質量%以下(より好ましくは7質量%以下)含まれていることが好ましい。上記範囲内において、ポストコートされた塗装板の塗膜密着性を向上させることができる。
アクリル変性エポキシ樹脂の含有率が1質量%未満の場合には、ポストコートされた塗装板の塗膜密着性の向上効果は認められない。また、アクリル変性エポキシ樹脂の含有率が15質量%を超える場合には、塗膜密着性が低下する傾向がある。特に、GAにおいて塗膜密着性が大幅に劣化するとともに、ブリスターが発生する場合がある。アクリル変性エポキシ樹脂の含有率が15質量%を超える場合にポストコートされた塗装板の塗膜密着性が低下する正確なメカニズムは不明であるが、アクリル変性エポキシ樹脂が過剰に存在することにより、オレフィン−酸共重合体とカルボン酸重合体エマルションの造膜を阻害したためであると推定される。
<他の成分>
本発明の表面処理組成物は、さらにカルボジイミド基含有化合物を含んでいても良い。カルボジイミド基は、オレフィン−酸共重合体およびカルボン酸重合体中のカルボキシル基と反応して、樹脂皮膜中のカルボキシル基量を減少させて、耐アルカリ性を向上させることができる。本発明において、1種または2種以上のカルボジイミド基含有化合物を使用できる。
カルボジイミド基含有化合物は、イソシアネート類、例えばヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添キシリレンジイソシアネート(HXDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)またはトリレンジイソシアネート(TDI)等をカルボジイミド化触媒の存在下で加熱することにより製造することができ、また変性により水性(水溶性、水乳化性または水分散性)にすることができる。表面処理組成物が水系である場合、水性のカルボジイミド基含有化合物が好ましい。また1分子中に複数のカルボジイミド基を含有する化合物が好ましい。1分子中に複数のカルボジイミド基を有すると、樹脂成分中のカルボキシル基との架橋反応により、皮膜の緻密性をさらに向上させることができる。
市販されているカルボジイミド基含有化合物として、例えばN,N−ジシクロへキシルカルボジイミド、N,N−ジイソプロピルカルボジイミド等や、日清紡社製のポリカルボジイミド(1分子中に複数のカルボジイミド基を有する重合体)である「カルボジライト(登録商標)」シリーズを挙げることができる。「カルボジライト(登録商標)」のグレードとしては、水溶性の「SV−02」、「V−02」、「V−02−L2」、「V−04」や、エマルションタイプの「E−01」、「E−02」等がある。
カルボジイミド基含有化合物の量は、架橋相手であるオレフィン−酸共重合体とカルボン酸重合体の量に応じて設定する。すなわち、オレフィン−酸共重合体とカルボン酸重合体の合計100質量部に対し、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、さらに好ましくは8質量部以上である。一方、カルボジイミド基含有化合物量が過剰になると、オレフィン−酸共重合体およびカルボン酸重合体の組合せの効果が低下する。また水系の表面処理組成物中で水性カルボジイミド基含有化合物を過剰に使用すると、耐水性に悪影響を及ぼし得る。このような観点から、カルボジイミド基含有化合物量は、前記100質量部に対し、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、さらに好ましくは16質量部以下である。
本発明の表面処理組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、ワックス、架橋剤、希釈剤、皮張り防止剤、界面活性剤、乳化剤、分散剤、レベリング剤、消泡剤、浸透剤、造膜助剤、染料、顔料、増粘剤、潤滑剤等を含有することもできる。
以上、本発明で用いる表面処理組成物について詳細に説明したが、以下において、表面処理組成物の製造方法について説明する。
<表面処理組成物の製造方法>
本発明の表面処理組成物は、金属板の表面に塗布することができる溶剤系組成物または水系組成物のいずれでも良いが、環境上の問題から、水系組成物であることが好ましい。表面処理組成物は、有機溶剤(溶剤系組成物の場合)または水、好ましくは脱イオン水(水系組成物の場合)、コロイダルシリカ、オレフィン−酸共重合体、カルボン酸重合体、アクリル変性エポキシ樹脂、グリシドキシ基含有シランカップリング剤、メタバナジン酸塩、必要に応じてカルボジイミド基含有化合物またはその他の成分を所定量配合して撹拌することによって調製することができる。
表面処理組成物を調製する際には、オレフィン−酸共重合体とカルボン酸重合体の乳化物(エマルション)に、グリシドキシ基含有シランカップリング剤の一部とカルボジイミド基含有化合物を添加して、これらの混合物を調製しておき、これに、コロイダルシリカ(好ましくは、表面積平均粒子径の小さいものから順に添加)、残りのグリシドキシ基含有シランカップリング剤、メタバナジン酸塩、アクリル変性エポキシ樹脂を、この順で添加するのが好ましい。グリシドキシ基含有シランカップリング剤よりも先にメタバナジン酸塩を添加すると、シランカップリング剤の加水分解反応が抑制され、シランカップリング剤の効果を阻害することがある。また、グリシドキシ基含有シランカップリング剤は、上記のように二度に分けて添加することが好ましい。先に添加するシランカップリング剤は、エマルション粒子の微細化や、その結果として、樹脂皮膜を緻密にして耐食性向上に寄与し、後に添加するシランカップリング剤は、樹脂皮膜と金属板との密着性確保及び塗膜密着性の向上に寄与するからである。なお、先に添加するシランカップリング剤の量は、オレフィン−酸共重合体とカルボン酸重合体との合計100質量部に対し、0.1質量部以上(より好ましくは2質量部以上)が好ましく、10質量部以下(より好ましくは7質量部以下)が好ましい。また、後に添加するシランカップリング剤の量は、前述の通りである。
上記成分の撹拌の際には加熱しても良い。特にオレフィン−酸共重合体をカルボン酸重合体の存在下で乳化する際には、加熱することが好ましい。
水系の表面処理組成物を製造する場合、樹脂成分の主成分であるオレフィン−酸共重合体を乳化させることが好ましい。オレフィン−酸共重合体は、乳化剤を使用したり、共重合体中のカルボキシル基を中和することにより、乳化させることができる。乳化剤を使用すると、オレフィン−酸共重合体の水性エマルションの平均粒子径を小さくすることができ、造膜性、およびそれにより樹脂皮膜の緻密さ等を向上させることができる。
ただし、オレフィン−酸共重合体中のカルボキシル基を中和して乳化する方が好ましい。カルボキシル基を中和して乳化することにより、乳化剤の使用量を低減でき、または乳化剤を使用せずに済み、樹脂皮膜の耐水性及び耐食性に対する乳化剤による悪影響を減らす、または無くすことができるからである。オレフィン−酸共重合体中のカルボキシル基を中和する場合、カルボキシル基に対して、好ましくは0.5〜0.95当量程度、より好ましくは0.6〜0.8当量程度の塩基を用いることが好ましい。中和度が少なすぎると、乳化性があまり向上せず、一方、中和度が大きすぎると、オレフィン−酸共重合体を含む組成物の粘度が、高くなりすぎることがある。
中和のための塩基として、例えばアルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物(例えばNaOH、KOH、Ca(OH)2等、好ましくはNaOH)よりなる群から構成される強塩基、アンモニア水、第1級、第2級、第3級アミン(好ましくはトリエチルアミン)を挙げることができる。NaOH等の強塩基を用いると、乳化性は向上するが、使用量が多すぎると耐塩水性、二次密着性が低下するおそれがある。一方、沸点の低いアミン(好ましくは大気圧下での沸点が100℃以下のアミン;例えばトリエチルアミン)は、樹脂皮膜の上記性能をあまり低下させない。この理由として、表面処理組成物を塗布した後、加熱乾燥して樹脂皮膜を形成する際に、低沸点アミンが揮発すること等が考えられる。しかし、アミンは乳化性の向上効果が小さいので、前記強塩基とアミンとを組合せて中和することが好ましい。最適な組み合わせは、トリエチルアミンとの組合せである。アミンとNaOHなどの強塩基とを組み合わせて用いる場合、オレフィン−酸共重合体のカルボキシル基量に対して、強塩基は0.01〜0.3当量程度使用し、アミンは0.4〜0.8当量程度使用するのが好ましい。
水系の表面処理組成物を用いる場合、界面張力を低下させ、金属板への濡れ性を向上させるために、少量の有機溶剤を配合しても良い。このための有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール類、ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等を挙げることができる。
<表面処理組成物の固形分>
本発明で用いる表面処理組成物の固形分は、特に限定は無く、金属板への表面処理組成物の塗布方法にあわせて調整すれば良い。表面処理組成物の固形分は、一般に5〜30質量%程度であり、例えばスプレーリンガー法(表面処理組成物を金属板の表面にスプレーした後、リンガーロールで絞る塗布方法)により塗布する場合、10〜25質量%程度が好適である。
<樹脂皮膜の形成方法>
本発明において、金属板上に樹脂皮膜を形成する方法および条件には特に限定は無く、既知の塗布方法で、表面処理組成物を金属板表面の片面または両面に塗布し、加熱乾燥することにより樹脂塗装金属板を製造することができる。表面処理組成物の塗布方法として、例えばバーコーター法、カーテンフローコーター法、ロールコーター法、スプレー法、スプレーリンガー法等を挙げることができ、これらの中でも、コスト等の観点からバーコーター法やスプレーリンガー法が好ましい。また加熱乾燥条件にも特に限定は無く、加熱乾燥温度として50〜120℃程度、好ましくは70〜100℃程度を例示することができる。あまりに高い加熱乾燥温度は、樹脂皮膜が劣化するので好ましくない。
<樹脂皮膜の付着量>
樹脂塗装金属板における樹脂皮膜の付着量は、乾燥質量で、好ましくは0.2〜1.5g/m2、より好ましくは0.3〜1.0g/m2である。付着量が0.2g/m2未満の場合には、金属板表面を覆うことが困難となり、摺動性や塗膜密着性が大きく損なわれる。一方、付着量が1.5g/m2を超えると、ロール成形時に剥離する皮膜量が増加するため、水切りパッドへの皮膜カスの堆積量が増加して、トラブルの原因となるおそれがあって好ましくない。また、塗膜密着性が大きく損なわれるおそれがある。なお、本発明の樹脂皮膜は、コロイダルシリカを多く含む場合があり、その場合には比重が大きくなるため、樹脂成分リッチな従来の樹脂皮膜に比べ、付着量が同じでも薄膜化に成功している。このことも、皮膜カスの低減に寄与している。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは全て本発明の技術的範囲に包含される。
以下では、「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を示すものとする。
まず、実施例で用いた測定・評価方法について、以下説明する。
<皮膜中から溶出するナトリウムの量>
20×20mmの樹脂塗膜金属板を、沸騰させた超純水(比抵抗値≧18.2MΩ)15mLに10秒間浸漬した後、取出して水洗した。次に、溶出後の超純水を希酸にて希釈した後、パーキンエルマー社製 ELAN DRC IIを用いてICP質量分析法によりナトリウムの量を定量した。
<塗膜密着性試験>
鉛・クロムフリーのさび止めペイント(大日本塗料社製サッシ用OZグリーンプライマー)をシンナー(大日本塗料社製OZグリーンシンナー)で希釈し、粘度調整(フォードカップ#4で20秒)した後、樹脂塗装金属板に希釈液をスプレー圧0.4MPaでスプレー塗装した。その後、常温で1週間エージングして、塗膜厚30〜40μmの塗装材を作製した。この塗装材に対して、以下の一次密着性試験、二次密着性試験を行った。
(一次密着性試験)
上記塗装材の塗装面にカッターナイフで1mm角の碁盤目を100升刻み、この塗装面に対してテープ剥離試験(使用したテープはニチバン社製「セロテープ(登録商標)品番No.405」)を実施した。このテープ剥離試験を2回行い、塗膜の残存升目数の平均値によって下記基準で塗膜密着性を評価した。
◎:残存升目数が98升以上
○:残存升目数が90升以上98升未満
△:残存升目数が70升以上90升未満
×:残存升目数が70升未満
(二次密着性試験)
上記塗装材を沸騰水に1時間浸漬した後、取り出し、1時間放置後に、塗装面にカッターナイフで1mm角の碁盤目を100升刻み、この塗装面に対してテープ剥離試験(使用したテープはニチバン社製「セロテープ(登録商標)品番No.405」)を実施した。このテープ剥離試験を2回行い、塗膜の残存升目数の平均値によって下記基準で塗膜密着性を評価した。
◎:残存升目数が98升以上
○:残存升目数が90升以上98升未満
△:残存升目数が70升以上90升未満
×:残存升目数が70升未満
<耐塩水性試験>
上記塗装材の裏面・エッジにシールを施した後、カッターナイフでクロスカットを入れ、液温23℃±2℃の塩化ナトリウム水溶液(30g/L)に96時間浸漬した後、水洗し、次いで表面の水分を拭き取り、直ちにクロスカット部のテープ剥離試験(使用したテープはニチバン社製「セロテープ(登録商標)品番No.405」)を実施した。剥離試験後の塗装材について、クロスカット部からの片側最大剥離幅を測定し、下記基準で評価した。
◎:剥離幅1.0mm未満
○:剥離幅1.0mm以上1.5mm未満
△:剥離幅1.5mm以上3.0mm未満
×:剥離幅3.0mm以上
<摺動性試験>
樹脂塗装金属板から、40mm×300mmの試料を切り出し、引張試験機に垂直にセットし、試料背面に平板ダイス(材質:SKD11)を当接させた。次いで、当該平板ダイスと当接する試料の反対面(正面)に、先端半径R=9.1mmの凸部を有する治具(半円柱ダイス、材質:SKD11)を当接させ、治具に2940N(300kgf)の負荷を水平方向にかけつつ、治具を下方へ300mm/minで、試料背面に平板ダイスが当接している範囲内で引き下げた。その後、平板ダイスを試料から離して摺動前の位置に戻した後、上記と同様の摺動操作を6回繰り返した(合計7回)。その後、平板ダイスを繰り返し摺動させた部分(W1)と未摺動部分(W0)の皮膜付着量を、蛍光X線分析装置でそれぞれ分析して、下記式(1)から皮膜残存率を算出して、下記基準で評価した。
皮膜残存率(%)=W1/W0×100・・・(1)
◎:皮膜残存率85%以上
○:皮膜残存率75%以上85%未満
×:皮膜残存率75%未満
なお、皮膜付着量は、皮膜中に含まれるコロイダルシリカ(SiO2)のSi元素を分析し、下記式(2)に基づいて、皮膜中に含まれるSi元素の割合から計算した。なお、下記式(2)中のCは、皮膜中のコロイダルシリカ(SiO2)の割合(質量%)である。
皮膜付着量(g/m2)=Si(mg/m2)×(60/28)×(100/C)/1000・・・(2)
(樹脂水性液Aの調製)
撹拌機、温度計、温度コントローラーを備えた乳化設備を有するオートクレイブ(内容量0.8L)に、水626部、エチレン−アクリル酸共重合体(アクリル酸20質量%、メルトインデックス(MI)300)160部を加え、さらに、エチレン−アクリル酸共重合体のカルボキシル基1モルに対して、トリエチルアミンを0.4モル、水酸化ナトリウムを0.15モル加えて、150℃および0.5MPaで3時間高速撹拌してから、40℃まで冷却した。その後、オートクレイブに、エチレン−アクリル酸共重合体の不揮発性樹脂成分100部に対して、架橋剤として、4,4’−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン(日本触媒製ケミタイト(登録商標)DZ−22E)を5部添加し、10分間撹拌して、ポリエチレン系樹脂が分散された水性分散液(ポリエチレン系樹脂水性液)Aを得た。
(樹脂水性液Bの調製)
撹拌機、温度計、温度コントローラーを備えた乳化設備を有するオートクレイブに、オレフィン−酸共重合体としてエチレン−アクリル酸共重合体(ダウケミカル社製「プリマコール(登録商標)5990I」、アクリル酸由来の構成単位:20%、質量平均分子量(Mw):20,000、メルトインデックス:1300、酸価:150)200.0部、スチレン−アクリル酸共重合体(Mw:約7000[ポリスチレン換算])8.0質量部、トリエチルアミン35.5部(エチレン−アクリル酸共重合体のカルボキシル基に対して0.63当量)、トール油脂肪酸(ハリマ化成社製「ハートールFA3」)3.5部、イオン交換水792.6部を加えて密封し、150℃および0.5MPaで3時間高速撹拌してから、30℃まで冷却した。次いで、カルボジイミド基含有化合物(日清紡ケミカル社製「カルボジライト(登録商標)SV−02」、ポリカルボジイミド、Mw:2,700、固形分40%)31.2部、イオン交換水72.8部を添加し、10分間撹拌して、オレフィン−酸共重合体とカルボン酸重合体の乳化物(エマルション)を調製し(固形分濃度約20%、JIS K 6833に準じて測定)、ポリエチレン系樹脂が分散された水性分散液(ポリエチレン系樹脂水性液)Bを得た。
(樹脂水性液Cの調製)
撹拌機、温度計、温度コントローラーを備えた乳化設備を有する内容量0.8Lのオートクレイブに、オレフィン−酸共重合体としてエチレン−アクリル酸共重合体(ダウケミカル社製「プリマコール(登録商標)5990I」、アクリル酸由来の構成単位:20%、質量平均分子量(Mw):20,000、メルトインデックス:1300、酸価:150)200.0部、カルボン酸重合体としてポリマレイン酸水溶液(日油社製「ノンポール(登録商標)PMA−50W」、Mw:約1100(ポリスチレン換算)、50%品)8.0部、トリエチルアミン35.5部(エチレン−アクリル酸共重合体のカルボキシル基に対して0.63当量)、トール油脂肪酸(ハリマ化成社製「ハートールFA3」)3.5部、イオン交換水792.6部を加えて密封し、150℃および0.5MPaで3時間高速撹拌してから、30℃まで冷却した。次いで、グリシドキシ基含有シランカップリング剤(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ(旧社名:GE東芝シリコーン)社製「TSL8350」、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)10.4部、カルボジイミド基含有化合物(日清紡ケミカル社製「カルボジライト(登録商標)SV−02」、ポリカルボジイミド、Mw:2,700、固形分40%)31.2部、イオン交換水72.8部を添加し、10分間撹拌して、オレフィン−酸共重合体とカルボン酸重合体の乳化物(エマルション)を調製し(固形分濃度約20%、JIS K 6833に準じて測定)、ポリエチレン系樹脂が分散された水性分散液(ポリエチレン系樹脂水性液)Cを得た。
(樹脂水性液Dの調製)
撹拌機、温度計、温度コントローラーを備えた乳化設備を有するオートクレイブ(内容量0.8L)にポリオール成分としてポリテトラメチレンエーテルグリコール(保土谷化学工業社製、数平均分子量1000)60g、1,4−シクロヘキサンジメタノール14g、ジメチロールプロピオン酸20gを仕込み、さらに反応溶媒としてN−メチルピロリドン30.0gを加えた。イソシアネート成分としてトリレンジイソシアネートを104g仕込み、80〜85℃に昇温し5時間反応させた。得られたプレポリマーのNCO含有率は、8.9%であった。さらにトリエチルアミン16gを加えて中和を行い、エチレンジアミン16gと水480gの混合水溶液を加えて、50℃で4時間乳化し、鎖延長反応させ、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂が分散された水性分散液D(不揮発性樹脂成分29.1%、酸価41.4)を得た。
<コロイダルシリカ>
以下の7種類のコロイダルシリカを用いており、小粒径のコロイダルシリカとしては3種類を、大粒径のコロイダルシリカとしては4種類を用いた。
(小粒径のコロイダルシリカ)
アンモニアで安定化されたシリカゾルである日産化学工業社製スノーテックス(登録商標)NXS(平均粒子径4〜6nm(公証値)、固形分濃度15%)
ナトリウムで安定化されたシリカゾルである日産化学工業社製スノーテックス(登録商標)XS(平均粒子径4〜6nm(公証値)、固形分濃度20%)
酸性ゾルである日産化学工業社製スノーテックス(登録商標)OXS(平均粒子径4〜6nm(公証値)、固形分濃度10%)
(大粒径のコロイダルシリカ)
アンモニアで安定化されたシリカゾルである日産化学工業社製スノーテックス(登録商標)N30G(平均粒子径10〜15nm(公証値)、固形分濃度30%)
ナトリウムで安定化されたシリカゾルである日産化学工業社製スノーテックス(登録商標)40(平均粒子径10〜15nm(公証値)、固形分濃度40%)
ナトリウムで安定化されたシリカゾルである日産化学工業社製スノーテックス(登録商標)50(平均粒子径20〜25nm(公証値)、固形分濃度50%)
酸性ゾルである日産化学工業社製スノーテックス(登録商標)O(平均粒子径10〜15nm(公証値)、固形分濃度20%)
なお、スノーテックス(登録商標)OXS及びOについては、トリエチルアミン(和光純薬製)を、スノーテックス(登録商標)OXSの100%に対して0.7%、スノーテックス(登録商標)Oの100%に対して0.5%添加して、アミン安定化シリカとして使用した。
<メタバナジン酸塩>
以下の2種類のメタバナジン酸塩を用いた。
メタバナジン酸アンモニウム(和光純薬工業製メタバナジン(V)酸アンモニウム(固形分濃度約99%))
メタバナジン酸ナトリウム(新興化学工業社製、メタバナジン酸ソーダ(固形分濃度約66%))
(No.1〜38)
<表面処理組成物の調製>
樹脂水性液A〜Dのいずれかに、上記コロイダルシリカの少なくとも一つを加え、コロイダルシリカと樹脂水性液中の乳化物とをよく混合し、混合液を作成した。No.1〜9では、この混合液を表面処理組成物とした。また、No.10〜38では、上記混合液にグリシドキシ基含有シランカップリング剤(信越化学工業社製KBM403(固形分濃度100%))を添加し、必要に応じ、上記メタバナジン酸塩、アクリル変性エポキシ樹脂(荒川化学工業社製モデピクス(登録商標)302(固形分濃度33.5%))を加え、表面処理組成物を作製した。上記表面処理組成物における各成分の混合比(質量%)を表1に示す。なお、No.20〜21では、小粒径のコロイダルシリカを2種類用いており、スノーテックス(登録商標)NXSが21%、スノーテックス(登録商標)XSが11%である。No.19〜21では、大粒径のコロイダルシリカを2種類用いており、No.19では、スノーテックス(登録商標)N30Gが21%、スノーテックス(登録商標)40が11%であり、No.20〜21では、スノーテックス(登録商標)N30Gが16%、スノーテックス(登録商標)40が16%である。
<樹脂塗装金属板の作製>
金属板として、アルカリ脱脂した冷延原板溶融亜鉛めっき金属板(GI)(Zn付着量45g/m2)、または合金化溶融亜鉛めっき金属板(GA)(Zn付着量45g/m2)を使用した。この金属板の表面に、上記表面処理組成物を塗布した後、余剰の処理液を絞りロールにて除去し、約12秒間加熱乾燥して(到達板温(Peak Metal Temperature:PMT)90℃)、樹脂皮膜付着量が0.3〜0.8g/m2の樹脂塗装金属板を製造した。得られた樹脂塗装金属板の評価結果を表1に示す。
Figure 2019199083
本発明の樹脂塗装金属板は、所定の表面処理組成物から得られる樹脂皮膜を備えることによって、摺動性に優れた樹脂塗装金属板とすることができる。また、樹脂塗装金属板に塗料をポストコートしたとき(特に、樹脂塗装金属板に有害物質フリー塗料を塗布し、常温乾燥させて硬化したとき)に、耐塩水性及び塗膜密着性に優れた塗装板となる樹脂塗装金属板とすることができる。そのため、本発明の樹脂塗装金属板は、建材用途等に用いることができる。

Claims (6)

  1. 金属板の少なくとも片面に、コロイダルシリカと樹脂成分とが含有された樹脂皮膜が積層された樹脂塗装金属板であって、
    上記コロイダルシリカと上記樹脂成分との合計100質量部中、上記コロイダルシリカの含有量が30〜80質量部であり、かつ、粒子径10nm未満のコロイダルシリカの含有量が15質量部を超えており、
    上記樹脂塗装金属板を100℃の脱イオン水に10秒間浸漬したときに溶出するナトリウムの量が4mg/m2以下である
    ことを特徴とする樹脂塗装金属板。
  2. 上記コロイダルシリカが、アンモニアで安定化されたコロイダルシリカを含む請求項1に記載の樹脂塗装金属板。
  3. 上記コロイダルシリカが、平均粒子径の異なる複数種のコロイダルシリカから構成される請求項1又は2に記載の樹脂塗装金属板。
  4. 上記コロイダルシリカは、平均粒子径4〜6nmのコロイダルシリカと、平均粒子径10〜15nmのコロイダルシリカとを含み、平均粒子径4〜6nmのコロイダルシリカと平均粒子径10〜15nmのコロイダルシリカとの質量比が80:20〜30:70である請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂塗装金属板。
  5. 上記樹脂成分は、オレフィン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂塗装金属板。
  6. 上記樹脂成分は、さらに、α,β−不飽和カルボン酸重合体を含有する請求項5に記載の樹脂塗装金属板。
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