JP2019198717A - 遊技機 - Google Patents

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Toshiharu Oya
稔治 大矢
後藤 健
Takeshi Goto
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Abstract

【課題】多様な演出を実現し、遊技の興趣性が大いに高めることができる遊技機を提供する。【解決手段】パチンコ機の遊技盤80には、遊技領域PEを流下する遊技球が入球可能な作動入球部84と、同作動入球部84への入球に基づいて図柄列を横方に変動表示する図柄表示装置260とが設けられている。図柄表示装置260の前方には、パチンコ機の正面視において同図柄表示装置260における表示画面261aの周囲を回動可能な装飾部材335を有するリングユニット300が配設されている。遊技盤80の背面側には、図柄表示装置260における表示及びリングユニット300の動作を制御する表示制御装置が設けられている。表示制御装置は、装飾部材335の回動に応じて上記図柄列における変動表示の方向を変化させる手段を有している。【選択図】 図5

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
パチンコ遊技機等の遊技機には、絵柄表示装置を有し、同絵柄表示装置における表示領域に例えば左右方向又は上下方向に並ぶ3つの絵柄列を表示し、各絵柄列毎に絵柄の変動表示を行うものがある。絵柄表示装置においては、遊技領域に設けられた作動口への入球をトリガとして絵柄の変動表示が開始され、その後、所定の変動パターンによる変動表示を経て抽選結果に対応した絵柄組み合わせが停止表示される。
近年では、遊技の興趣を高めるべく、絵柄表示装置に表示される表示内容を複雑なものにしたり、表示領域を拡大して迫力を向上させたりする等、絵柄の表示に関して様々な工夫が施されている。また、例えば絵柄表示装置の周辺に可動部を設け、絵柄列の変動表示態様と可動部の動作態様とに所定の対応関係を付与し、絵柄表示装置と可動部とによる一体的な演出を実現した遊技機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−78904号公報
しかしながら、現在知られている遊技機においては、その多くで似かよった演出が採用されており、遊技者の興味を引くためには新たな演出が必要である。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、多様な演出を実現し、遊技の興趣性が大いに高められる遊技機を提供することを主たる目的とする。
本発明は、
表示領域において複数の絵柄列を変動表示可能な絵柄表示装置と、
前記絵柄表示装置よりも手前側に配設され、第1位置及び第2位置に移動可能な可動部と、
前記絵柄表示装置の表示制御を行う表示制御手段と
を備え、
前記絵柄列が変動表示された後に、抽選結果に対応した絵柄組合せが停止表示される遊技機であって、
前記表示制御手段は、前記絵柄列の変動表示速度を第1速度及び当該第1速度とは異なる第2速度に変化させる変動表示速度可変手段を有し、
前記変動表示速度可変手段は、前記可動部が前記第1位置に配置されている場合の前記絵柄列の変動表示速度を前記第1速度とし、前記可動部が前記第1位置から前記第2位置に移動する特定状況である場合にその特定状況において変動表示中の全ての絵柄列の変動表示速度を前記第2速度とする手段を有していることを特徴とする。
本発明によれば、多様な演出を実現し、遊技の興趣性を大いに高めることができる。
一実施の形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 内枠の構成を示す正面図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 下側可変入球部の内部構成を示す正面図である。 内枠の構成を示す背面図である。 遊技盤の背面構成を示す斜視図である。 主制御装置ユニットを取り外した状態を示す遊技盤の背面図である。 裏パックユニットの構成を示す正面図である。 (a)可変遊技装置の正面図、(b)可変遊技装置の背面図である。 可変遊技装置を正面側から見た斜視図である。 可変遊技装置を主要な構成毎に分解して示す分解斜視図である。 図11(a)のA−A線部分断面図である。 (a)リングユニットを正面側から見た斜視図、(b)リングユニットを背面側から見た斜視図である。 リングユニットを遊技機前方から見た分解斜視図である。 リングユニットの動作説明図である。 リングユニットと図柄表示装置との関係を示す概略図である。 (a)ステージユニットの正面図、(b)ステージユニットの平面図である。 ステージユニットを遊技機前方から見た斜視図である。 ステージユニットを正面側から見た分解斜視図である。 図19(a)のB−B線部分断面図である。 各可動板の動きを示すタイミングチャートである。 可動板の動作説明図である。 可動板の動作説明図である。 可動板同士の関係を示す概略図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 当否抽選等に用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。 (a)〜(j)図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための概略図である。 (a)、(b)図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための概略図である。 (a)主制御装置のMPUにおけるタイマ割込み処理を示すフローチャート、(b)主制御装置のMPUにおけるステージ駆動処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにおける通常処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにおける遊技回制御処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにおける変動開始処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにおける遊技状態移行処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにおける特別当たり用の移行処理を示すフローチャートである。 表示御装置のMPUにおける変動開始用処理を示すフローチャートである。 表示御装置のMPUにおけるリング同期演出用処理を示すフローチャートである。 リング同期演出の様子を示すタイミングチャートである。 当たり種別報知用設定処理を示すフローチャートである。 通常変動用の図柄と特別報知用の絵柄との関係を示す概略図である。 当たり種別報知用表示処理を示すフローチャートである。 特別報知の様子を示すタイミングチャートである。
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10における遊技領域内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
図2及び図3に示すように、外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている。
図2に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、同裏パックユニット15は遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている(図3参照)。
次に、前扉枠14について説明する。図1に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダ24とを備えている。ガラスホルダ24には、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダ24を用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上の観点から、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
同図1に示すように、ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、窓部21の左右両側となる位置には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部29が設けられている。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
遊技球発射ハンドル41の上方、詳しくは後述する図柄表示装置と遊技球発射ハンドル41の間には、多数の発光ドットを有するドット表示器によって構成された表示部45が設けられている。この表示部45においては、遊技に関する各種情報(例えば大当たり等の示唆)が表示される。また、本実施の形態においては、遊技球を図柄表示装置の右側を迂回するようにして流下させる場合と左側を迂回させるようにして流下させる場合とで遊技進行に有利不利の差が生じる構成となっており、表示部45においては遊技球をどのように発射すれば遊技を有利に進めることができるかの情報が表示される。具体的には、後述する低頻度サポートモード中は図柄表示装置の左側を迂回するようにした遊技球の発射を促す情報が表示され、高頻度サポートモード中は図柄表示装置の右側を迂回するようにした遊技球の発射を促す情報が表示され、これら表示される情報に従って遊技球の発射操作を行うことで遊技を有利に進めることができる構成となっている。また、上述の如く操作に関する情報を遊技球発射ハンドル41に近い位置(より詳しく図柄表示装置と遊技球発射ハンドル41との間)にて表示する構成とすることにより、表示部45〜遊技球発射ハンドル41〜図柄表示装置の間での目線の移動量を低減している。
また、表示部45においては、上記図柄表示装置における表示内容に関連付けられた表示を同図柄表示装置における表示と同期して行う表示態様が設定されているとともに、上記図柄表示装置における表示内容と矛盾する表示を行う表示態様とが設定されている。これら両表示態様のうち後者は、後述する大当たりの発生時に選択されやすくなっている。
図2に示すように、前扉枠14の背面には、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路51と、下皿34に通じる前扉側下皿通路52とが形成されている。通路形成ユニット50において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部53が形成されており、当該受口部53を仕切壁54によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路51の入口部分と前扉側下皿通路52の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路51及び前扉側下皿通路52は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路51に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路52に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側には、図2に示すように、後方に延びる鉤金具63が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具63は内枠13に対する施錠機構を構成する。
次に、図2〜図4に基づき内枠13について詳細に説明する。図4は内枠13の正面図である。なお、図4においては図2と同様に便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
図2に示すように、内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす樹脂ベース70を主体に構成されている。樹脂ベース70の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、樹脂ベース70は外枠11の上側枠部に寄せて配置され、外枠11の下側枠部と樹脂ベース70との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、樹脂ベース70(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では樹脂ベース70が幕板の上に載ることとなる。なお、幕板と樹脂ベース70との間に若干のクリアランスを設けてもよい。
図4に示すように、樹脂ベース70の前面における回動基端側(図4の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具71,72には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース70の前面における回動先端側(図4の右側)には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具63(図2参照)を挿入するための挿入孔73がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置75が内枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている(図2参照)。したがって、鉤金具63が挿入孔73を介して施錠装置75(詳しくは前扉用鉤受け部材76)に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置75は、内枠13の後方へ延びる内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11の鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
図4に示すように、樹脂ベース70の右下隅部には、施錠装置75の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置75に一体化されており、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように施錠装置75が構成されている。
樹脂ベース70の中央部には略楕円形状の窓孔74が形成され、樹脂ベース70に装着された遊技盤80によって同窓孔74が遊技機後方から塞がれている。遊技盤80は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が上記窓孔74を通じて樹脂ベース70の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤80の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。既に説明したように遊技領域PEはガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)によって覆われている。
ガラスユニット22は、後側のガラスパネル23と遊技盤80の前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。なお、遊技盤80は木製に限定されるものではなく、合成樹脂製とすることも可能である。
以下、図5に基づき遊技盤80(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図5は遊技盤80の正面図である。
遊技盤80には、ルータ加工が施されることによって自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口には、一般入賞口81、可変入球部82,83、作動入球部84,85、スルーゲート86、主表示ユニット87及び可変遊技装置88等がそれぞれ配設されている。一般入賞口81、可変入球部82,83及び作動入球部84,85に遊技球が入ると、それら遊技球が後述する検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。その他に、遊技盤80の最下部にはアウト口89が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口89を通って遊技領域PEから排出される。以下の説明では、アウト口89への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口81、可変入球部82,83、作動入球部84,85、スルーゲート86への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
また、遊技盤80には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘90が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘90や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
上記可変遊技装置88は遊技盤80の中央に配されており、同可変遊技装置88の周辺に作動入球部84,85等が配設されている。作動入球部84,85は、可変遊技装置88の下方に配設された下側の作動入球部84(以下便宜上、下側作動入球部84と称する)と、同可変遊技装置88の右方に配設された右側の作動入球部85(以下便宜上、右側作動入球部85と称する)とによって構成されており、特に右側作動入球部(抽選契機入球部)85には、可動式の入球補助装置(入球補助手段)又は入球規制装置(入球規制手段)としての電動役物が設けられている。電動役物は右側作動入球部85への入球が可能又は容易となる状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる状態(非補助状態)とに切替可能となっている。右側作動入球部85に関しての詳細は後述する。
この右側作動入球部85の上方に上記スルーゲート86が配置されており、遊技球のスルーゲート86の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物が所定時間だけ開状態となる。
なお、下側作動入球部84への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、右側作動入球部85への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行されるが、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、下側作動入球部84に対する右側作動入球部85の有利性を高める上では、下側作動入球部84に係る払出個数よりも右側作動入球部85に係る払出個数を多く設定することが好ましい。
可変入球部(特別入球装置又は特別入球手段)82,83についても、下側作動入球部84及び右側作動入球部85と同様に、可変遊技装置88の下方及び右方に個別に配置されている。以下便宜上、可変遊技装置88の下方(詳しくは下側作動入球部84の下方)に配置された可変入球部82を「下側可変入球部82」と称し、可変遊技装置88の右方(詳しくは右側作動入球部85の下方)に配置された可変入球部83を「右側可変入球部83」と称する。
下側可変入球部82は、遊技盤80の背面側へと通じる下側可変入球部82を備えているとともに、当該下側可変入球部82を開閉する開閉部材(開閉手段)としての開閉扉82bを備えている。開閉扉82bは、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉82bは、遊技盤80の背面側に設けられた可変入球駆動部82c(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては開閉扉82bは閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に開状態に切り替えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける下側可変入球部82の開放態様としては、例えば所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限とした開閉扉82bの開放が繰り返されるように設定されているものがある。
右側可変入球部83は、下側可変入球部82と同様に、遊技盤80の背面側へと通じる右側大入賞口83aと、当該右側大入賞口を開閉する開閉部材(開閉手段)としての開閉扉83bとを備えている。開閉扉83bは、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉83bは、遊技盤80の背面側に設けられた可変入球駆動部83c(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては、開閉扉83bは閉状態のまま維持され、右側作動入球部85への入球に基づく内部抽選において後述する特別当たりに当選した場合に抽選結果確定モードに切り替えられるようになっている。
抽選結果確定モードとは、右側作動入球部85における抽選結果(特別当たり)が有効となって右側可変入球部83が開閉実行モードへ移行されるか、つまり開閉実行モードへの移行が確定されるか、それとも抽選結果が無効となり開閉実行モードへの移行が回避されるかを抽選するモードである。抽選結果確定モードにおける右側可変入球部83の開放態様としては、後述する右作動入球部用表示部に特別当たりを示す絵柄が表示されたタイミングから所定期間(例えば3sec)が経過するまで開閉扉83bが開放されるように設定されている。
ここで、図6に基づき右側可変入球部83について詳しく説明する。図6は右側可変入球部83の内部構成を示す正面図である。
右側可変入球部83には、右側大入賞口83aから流入した遊技球を遊技盤80の背面側、詳しくは後述する回収通路へと案内する案内通路92が設けられている。案内通路92は、当該案内通路92における同一箇所を複数の遊技球が同時に通過できないように形成されており、その途中位置から2股に分岐している。つまり、案内通路92は、分岐位置の上流側に位置する1条の上流側通路92aと、同分岐位置の下流側に位置する2条の下流側通路92b,92cとを有している。
上流側通路92aにおいて出口部分を含んだ下流側の一部は上下方向に延びており、同出口部分が下方に開放されている。上流側通路92aの下流側への延長上には一方の下流側通路92b(以下便宜上、第1下流側通路92bと称する)の入口部分が位置しており、同入口部分は上流側通路92aの出口部分側(上方)に開放されている。一方、他方の下流側通路92c(以下便宜上、第2下流側通路92cと称する)の入口部分は、上流側通路92aの延長上から外れた位置に配されているとともにその延長方向とは異なる方向に開放されている。このため、上流側通路92aに沿って落下した遊技球は通常、第1下流側通路92bへと流入し、第2下流側通路92cへの流入が回避されることとなる。
また、上記分岐位置には、上流側通路92aから流出した遊技球を第2下流側通路92cへと誘導する誘導状態と同誘導を行わない非誘導状態とに切替可能な切替部材93が設けられている。切替部材93は、非誘導状態においては案内通路92(詳しくは第1下流側通路92bの入口部分)への突出が抑えられており、誘導状態に切り替わることで、同入口部分を覆い当該入口部分への遊技球の流入を不可とする位置へと突出する(図6の2点鎖線参照)。
より具体的には、切替部材93には、誘導状態において上流側通路92aの延長上に位置し、第2下流側通路92cの入口部分へ向けて下り傾斜する誘導傾斜面が形成されている。このため誘導状態においては、上流側通路92aから流出した遊技球は、誘導傾斜面93aに衝突し、同誘導傾斜面93aに沿って移動することで第2下流側通路92cへと導かれることとなる。このように、第2下流側通路92cへ遊技球を誘導する機能に着目すれば切替部材93を「誘導手段93」と称することも可能である。また、第1下流側通路92bへの遊技球の流入を阻止する点に着目すれば、同切替部材93を「シャッタ93」と称することも可能である。
また、右側可変入球部83には、切替部材93の他に、同切替部材93を案内通路92への突出が抑えられた位置に向けて付勢する付勢部材(図示略)と、同付勢部材の付勢力に抗して切替部材93を突出位置へと移動させるソレノイド式の駆動部とが設けられている。駆動部は、後述する主制御装置に対して電気的に接続されており、同主制御装置から出力される信号に基づいて駆動する。
本実施の形態においては、通常は付勢部材の付勢力によって切替部材93が非誘導状態にて保持され、上記右側作動入球部85への入賞に基づく抽選にて特別当たりが発生した場合に駆動部が駆動することで同切替部材93が誘導状態へと切り替る。つまり、第2下流側通路92cへの遊技球の流入が許容されることとなる。
案内通路92においては、分岐位置よりも上流側に上流側検知センサ95aが配設されている。上流側検知センサ95aは、上流側通路92aに設けられた検知領域を遊技球が通過することで入球を検知するものであり、同検知領域を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握する磁気センサが採用されている。上流側検知センサ95aは、主制御装置に対して電気的に接続されており、案内通路92に流入した遊技球が上流側検知センサ95aによって検知されることで予め設定された数の遊技球が払い出される構成となっている。
また、分岐位置よりも下流側には下流側検知センサ95b,95cが設けられている。具体的には、第1下流側通路92bの途中位置には第1下流側検知センサ95bが配されており、第2下流側通路92cの途中位置には第2下流側検知センサ95cが配されている。下流側検知センサ95b,95cは、下流側通路92b,92cに設けられた検知領域を遊技球が通過することで入球を検知するものであり、上記上流側検知センサ95aとは異なりフォトセンサが採用されている。これら下流側検知センサ95b,95cは主制御装置に対して電気的に接続されており、同検知センサ95b,95cから出力される検知情報に基づいて有利入球部としての第2下流側通路92cへの入球の有無が判定される構成となっている。
再び図5を参照して可変遊技装置88について説明する。可変遊技装置88は、下側作動入球部84への入賞をトリガとして図柄を可変表示するとともに右側作動入球部85への入賞をトリガとして所定のキャラクタ画像等を表示する可変表示ユニット96と、同可変表示ユニット96を囲むようにして設けられたセンターフレーム97とを有している。可変表示ユニット96には、下側作動入球部84に対応する下側作動入球部用保留ランプ部98と、右側作動入球部85に対応する右側作動入球部用保留ランプ部99とが設けられている。本実施の形態においては、遊技球が各作動入球部84,85を通過した回数はそれぞれ最大4回まで保留される構成となっているが、保留ランプ部98,99の点灯によって各作動入球部84,85に対応する保留個数が個別に表示されるようになっている。
可変表示ユニット96は、液晶ディスプレイ261を備えた液晶表示装置としての図柄表示装置260を有してなり、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置260の表示画面261aには、上,中,下に並べて複数の図柄(詳しくは図柄列)が表示され、これらの図柄が例えば水平方向(詳しくは左方)にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
なお、上述した保留ランプ部98,99については必須の構成ではなく、保留ランプ部98,99によって表示した保留数にかかる情報を図柄表示装置260によって表示する構成としてもよい。
作動入球部84,85は、可変遊技装置88寄りとなる位置に配置されている。作動入球部84,85への入賞をトリガとして大当たりが発生し得るため、遊技者は各作動入球部84,85に入賞するか否かに注目するとともに、大当たりが発生するか否かを把握するため可変遊技装置88(詳しくは図柄表示装置260)に注目するものと考えられる。各作動入球部84,85を可変遊技装置88寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変遊技装置88周辺に集中させるための工夫である。
可変遊技装置88を挟んで右側可変入球部83とは反対側には、上記主表示ユニット87が配されている。主表示ユニット87は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配置されており、遊技盤80の前面からパチンコ機10前方に突出している。主表示ユニット87の前面は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とする上記ガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)と対向しており、さらに後側のガラスパネル23との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、主表示ユニット87の前面の前方を遊技球が落下することが回避されている。
主表示ユニット87においてガラスユニット22と対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部Dが設けられている。主表示部Dは、下側作動入球部84への入賞に基づいた抽選結果を表示する下作動入球部用表示部DLと、右側作動入球部85への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する右作動入球部用表示部DRとを有してなる。
下作動入球部用表示部DLでは、下側作動入球部84への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下側作動入球部84への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下側作動入球部84への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、下作動入球部用表示部DLにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
右作動入球部用表示部DRでは、右側作動入球部85への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、右側作動入球部85への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。右側作動入球部85への入賞に基づく内部抽選の結果が大当たり又は特別当たりに対応した当選結果であった場合には、右作動入球部用表示部DRにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モード又は抽選結果確定モードに移行される。
ここで、いずれかの作動入球部84,85への入賞に基づいて、対応する表示部DL,DRにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動入球部84,85への入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
また、主表示ユニット87の主表示部Dには両表示部DL,DR以外に、スルーゲート86への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部DSが併設されている。スルーゲート用表示部DSでは、スルーゲート86への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート86への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート86への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部DSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、右側作動入球部85に設けられた上記電動役物が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート86を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット87の主表示部Dにはその保留個数を表示する保留数用表示部DHが設けられている。
これら各表示部DL,DR,DS,DHについては、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部DL,DR,DS,DHの前方を遊技球が移動することが回避されることで視認性が担保されている。なお、これら各表示部DL,DR,DS,DHにおける表示態様については後述する。
再び図4を用いて内枠13の構成について説明すれば、樹脂ベース70における遊技盤80の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が樹脂ベース70に固定されることで、樹脂ベース70に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技盤80側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤80側、詳しくは遊技盤80に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分→出口部分)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技盤80において出口部分の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。
同図3に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤80の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路が配設されている。ファール球通路は前扉枠14の通路形成ユニットに一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路内に入ることとなる。ファール球通路は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
樹脂ベース70において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には樹脂ベース70を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、樹脂ベース70に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニットの受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路51が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路51が配置されている。
樹脂ベース70において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢する付勢部材が設けられている。従って、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路122又は本体側下皿通路123に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット50に設けられた受口部53により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路51とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路52とが連通している。
次に、図7に基づき内枠13(樹脂ベース70及び遊技盤80)の背面構成について説明する。図7は内枠13の背面図である。
樹脂ベース70の背面における回動基端側(図7の右側)には、軸受け金具132が上下に並設されている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部が形成されており、これら軸受け部により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。
樹脂ベース70の背面には、係止金具135が複数設けられており、これら係止金具135によって上述したように樹脂ベース70に対して遊技盤80が取り付けられている。ここで、図8及び図9を参照して遊技盤80の背面の構成を説明する。図8は遊技盤80を遊技機後方から見た斜視図、図9は遊技盤80から主制御装置ユニットを取り外した状態を示す背面図である。
図8に示すように、遊技盤80の中央に配置される可変遊技装置88には、遊技盤80の中央開口80aを背後から覆うとともに、上記可変表示ユニット96の主要な構成を収容する合成樹脂製のハウジング250が後方に突出させて設けられている。このハウジング250に対して後側から上記図柄表示装置260が搭載されているとともに、その図柄表示装置260を駆動するための表示制御装置が搭載されている(図示は省略)。
これら図柄表示装置260及び表示制御装置は前後方向に重ねて配置され(図柄表示装置260が前、表示制御装置が後)、さらにその後方に音声ランプ制御装置ユニット142が配設されている。音声ランプ制御装置ユニット142は、音声ランプ制御装置143と、当該音声ランプ制御装置143が取り付けられた取付台144とを具備する構成となっており、同取付台144がハウジング250に対して固定されることで、上記可変表示ユニット96と一体化されている。
音声ランプ制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声の出力やランプの表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
図9に示すように、可変遊技装置88の下方には一般入賞口81や作動入球部84,85等を介して遊技盤80の背面側に移動した遊技球を回収する集合板ユニット150が設けられている。集合板ユニット150は遊技盤80に固定されており、同集合板ユニット150には当該集合板ユニット150を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が搭載されている(図8参照)。なお、主制御装置ユニット160の搭載対象は、集合板ユニット150に限定されるものではない。例えば、主制御装置ユニット160を遊技盤80に搭載することも可能である。
図8に示すように、主制御装置ユニット160は、合成樹脂製を用いて形成された無色透明な取付台161と、同取付台161に搭載された主制御装置162とによって構成されている。取付台161は、集合板ユニット150によって回動可能に支持されており、取付台161ごと主制御装置ユニット160を回動させることで同取付台161から主制御装置162を取り外すことなく目視による確認作業が可能となっている。
主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部164は、基板ボックス163の長辺部に5つ設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部164を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、5つの封印部164のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片が設けられている。これら結合片は、取付台161に形成された複数の被結合片と1対1で対応しており、結合片と被結合片とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
次に、図3及び図10に基づき裏パックユニット15について説明する。図10は裏パックユニット15の正面図である。
既に説明したように内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている(図3参照)。図10に示すように、裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも上記可変表示ユニット96を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右側の端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた軸受け金具132(詳しくは軸受け部)に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211における回動先端部には、内枠13に設けられた被締結孔に対して締結するための締結具215が設けられており、当該締結具215を被締結孔に嵌め込むことで内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている(図3参照)。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
図10に示すように、制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置243にはRAM消去スイッチ247が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ247を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
ここで、上記集合板ユニット150とそれに関連する構成とについて補足説明する。集合板ユニット150は、上述した一般入賞口81等を介して遊技盤80の背面側に誘導された遊技球を回収する集合板151を備えている。集合板151は、光透過性を有する(具体的には無色透明な)合成樹脂材料によって形成されており、遊技球の流下経路の目視による確認が容易化されている。これにより、仮に集合板151にて球詰まり等が発生した場合であっても、そのような不都合がどの箇所で生じているかを容易に把握することが可能となっている。
図9に示すように、集合板151は、遊技球を回収する機能が付与された本体部と遊技盤80に対する取付部とが一体成形されてなり、全体として遊技盤80の左右両端部に跨って延びる横長状をなしている。取付部は、遊技盤80の背面に対して平行な板状をなしており、同取付部が遊技盤80に面当りした状態でネジ止めされることにより、集合板151と遊技盤80とが一体化されている。
集合板151の本体部には遊技盤80の背面に向けて起立する一対の壁部が設けられており、これら各壁部によって遊技球を回収する回収通路が区画形成されている。回収通路は、一般入賞口81、作動入球部84,85及び可変入球部82,83等の各入球部に対応して複数設けられている。それら各入球部に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤80の下部に集められる。
遊技盤80の下方には上述した排出通路盤203(図3参照)が配置されており、回収通路によって遊技盤80の下部に集められた遊技球は排出通路に導出され、その後パチンコ機10の外部に排出される、詳しくは島設備に返却される。なお、上述したアウト口89についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球は同アウト口89を介して排出通路内に導出され、パチンコ機10の外部に排出される。
各回収通路のうち一般入賞口81及び下側作動入球部84に対応する回収通路の途中位置には、遊技球の通過を検知する検知センサが設けられている。各検知センサは、各回収通路の途中位置に設けられた検知領域を遊技球が通過することで、一般入賞口81等の入球部への入球を検知するものであり、具体的には上記検知領域を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握する磁気センサが採用されている。
これら各検知センサは、遊技盤80の背面側に設けられた主制御装置ユニット160(詳しくは主制御装置162)に電気的に接続されており、それら検知センサにて生成された検知信号が同主制御装置162に対して出力される構成となっている。
<可変遊技装置88>
本実施の形態においては、上述した可変遊技装置88に関して特徴的な構成を有している。そこで以下、図5及び図11〜図14に基づき可変遊技装置88について詳しく説明する。図11(a)は可変遊技装置88の正面図、図11(b)は可変遊技装置88の背面図、図12は可変遊技装置88を正面側から見た斜視図、図13は可変遊技装置88を主要な構成毎に分解して示す分解斜視図、図14は図11(a)のA−A線部分断面図である。なお、図12においては便宜上、遊技盤80を省略した状態でそれら可変表示ユニット96及びセンターフレーム97を一体的に表示しており、図14においては遊技盤80及び表示制御装置170を2点鎖線によって模式的に表示している。
既に説明したように、可変遊技装置88は、その主要な構成として可変表示ユニット96及びセンターフレーム97を有してなる。可変遊技装置88は、遊技盤80に形成された中央開口80a(図11又は図14参照)を遊技機後方から覆うようにして可変表示ユニット96が配置され且つ同中央開口80aを遊技機前方から覆うようにしてセンターフレーム97が配置された状態で遊技盤80に対して一体化されている。
図11に示すように、センターフレーム97はパチンコ機10の正面視において遊技盤80の中央開口80aよりも大きく形成されており(図11(a)及び図14参照)、同中央開口80aの縁部が遊技機前方から視認されにくくなっている。これにより、中央開口80aの縁部が露出して遊技盤80の装飾性が低下するといった不都合を生じにくくしている。更には、可変表示ユニット96において遊技盤80の中央開口80a内に突出している部分に、中央開口80aの内形に合わせた外形の制約が生じることを抑制している。これにより、可変表示ユニット96の設計の自由度を向上し、同可変表示ユニット96の装飾性等の向上を図っている。
可変表示ユニット96の取付構造について補足説明すると、図14に示すように上記ハウジング250は遊技盤80の中央開口80a(図14参照)側に開放された略箱状の本体部251と当該本体部251における開口縁に形成され遊技盤80の背面に当接する板状の取付部252とを有してなり、同取付部252が遊技盤80に対してネジ止めされることで、可変表示ユニット96が遊技盤80に対して固定されている。
本体部251の底部251aにおいて遊技盤80の中央開口80aと対向している部分には、前後に開放された窓部251bと、当該窓部251bを囲む環状をなすとともに遊技機後方に起立する起立部251cとが形成されている。そして、この起立部251cによって囲まれた領域に上記図柄表示装置260が収容されている。
図13に示すように、図柄表示装置260は、表示画面261aを有する液晶ディスプレイ261と、同液晶ディスプレイ261の周縁に沿って形成された枠体262とを有し、枠体262に形成された爪部がハウジング250に固定された表示制御装置170に対して引っ掛かることで(図14参照)、ハウジング250に対して一体化されている。このようにして、搭載された図柄表示装置260によって上記窓部251bが遊技機後方から覆われた状態となっている。つまり、窓部251b及び中央開口80aを通じて上記表示画面261aが遊技機前方へ露出した状態となっている。
ハウジング250の窓部251bを挟んで図柄表示装置260とは反対側、すなわち窓部251bよりも前側には、可動式の役物としてのリングユニット300が設けられている。リングユニット300は、上述したハウジング250及び図柄表示装置260とともに可変表示ユニット96を構成しており、図柄表示装置260の表示画面261aにて実行される演出と、リングユニット300にて実行される演出とに関連性を付与することでパチンコ機10における演出機能の向上が図られている。
<リングユニット300>
ここで、図5,図14〜図16を参照してリングユニット300について説明する。図15(a)はリングユニット300を正面側から見た斜視図、図15(b)リングユニット300を背面側から見た斜視図、図16はリングユニット300を遊技機前方から見た分解斜視図である。
図15に示すように、リングユニット300は、全体として略円環状をなしており、遊技機前方から見て図柄表示装置260における表示画面261a(詳しくは後述する表示領域)を囲む位置に配置されている(図5参照)。これにより、リングユニット300の中央開口301を通じた表示画面261aの視認性が担保されている。
図14に示すように、リングユニット300は、上記センターフレーム97,遊技盤80,ハウジング250によって囲まれた領域に配置され、同領域の外部からのアクセスが規制されている。これは、中央開口80aを通じた遊技機前方からのリングユニット300の視認性を担保するとともに、同リングユニット300(可動役物)に対する不要なアクセスを抑えて機能不全等の発生を抑制するための工夫である。
図16に示すように、リングユニット300は、ハウジング250に対する固定部を構成する環状の固定枠310を有している。この固定枠310はハウジング250の底部251aに対して遊技機前方から対峙するようにして配置されており、同固定枠310がハウジング250に対してネジ止めされることでリングユニット300がハウジング250に対して一体化されている。
固定枠310は有色不透明な合成樹脂材料を用いて成形されており、上記図柄表示装置260の枠体262に対して遊技機前方から重なっている。これにより、ハウジング250の底部を通じて枠体262が遊技機前方から視認されることを回避している。言い換えれば、遊技機前方から図柄表示装置260を見た場合には、固定枠310の中央開口310aを通じた液晶ディスプレイ261の表示画面261a(詳しくは表示領域)の視認性は担保されるものの、同図柄表示装置260における表示画面261a以外の部分については視認困難又は不可となっている。
固定枠310には、当該固定枠310と同様に有色不透明な合成樹脂材料を用いて成形されたレール部材321が固定されている。レール部材321は固定枠310の内側の縁部に沿う円環状をなしている。レール部材321の中央開口321aは、固定枠310の中央開口310aとほぼ同じ大きさで且つそれら中央開口310a,321aによって区画される領域同士が前後に重なるように構成されている。
レール部材321の前方には回動リング331が同レール部材321の中心部を中心として回動可能な状態で配置されている。回動リング331は、レール部材321と同軸となるようにして形成された円環状の本体部332を有し、同本体部332が同レール部材321に対して遊技機前方から対向している。
ここで、回動リング331の取り付けに関する構成について説明する。レール部材321の前面部には、当該レール部材321の周方向に離して複数(詳しくは3つ以上)のローラ325が配設されている。ローラ325は、レール部材321及び回動リング331との並設方向(レール部材321の中心軸線方向)に延びる軸線を中心として回動可能に取り付けされている。ローラ325には、隙間を隔てて相対向する前側大径部及び後側大径部と、両大径部の間に設けられた小径部とが形成されており、それら大径部及び小径部が同軸となるようにして構成されている。そして、回動リング331においては、上記本体部332がローラ325の大径部によって前後に挟まれるとともに小径部に対して当接するようにして配置されることでレール部材321の中心軸線方向への移動が規制されるとともにレール部材321に沿った回動(レール部材321における周方向への回動が許容された状態で保持されている。
レール部材321において図柄表示装置260とは反対側を向いている部分(前面部)には、当該レール部材321の周方向に延びる環状溝部322が形成されている。環状溝部322は、図柄表示装置260とは反対側に開放されており、この開放部位が回動リング331の本体部332によって塞がれている。本体部332には、環状溝部322の底部に向けて突出するようにしてリング側ギア部334が形成されている。リング側ギア部334は、回動リング331の回動方向に複数並設された凸部によって形成されており、環状溝部322の底部には、同リング側ギア部334を後方へ露出させる開放部が形成されている。
レール部材321には、当該開放部の後方に位置するようにしてステッピングモータ341が取り付けられており、同ステッピングモータ341に装着されたモータ側ギア342が同じくレール部材321に固定された中間ギアを介してリング側ギア部334に連結されている。ステッピングモータ341からの動力が中間ギアを介して回動リング331に伝達され、ステッピングモータ341の動作に応じた回動リング331の回動が実現されている。
<リングユニット300の傾斜配置>
本実施の形態においては、図柄表示装置260に対するリングユニット300の配置が特徴的なものとなっている。そこで以下、図14を参照してリングユニット300の配置にかかる構成について説明する。
図14に示すように、リングユニット300は、図柄表示装置260の表示画面261aに対して斜めに傾けた状態で取り付けられている。具体的には、リングユニット300は、当該リングユニット300の上端部が下端部よりも遊技機前方に位置するようにして斜めに傾けた状態で、上記ハウジング250に対して取り付けられている。
レール部材321の上部は遊技盤80の中央開口80a内に位置し、一方レール部材321の下部は遊技盤80の中央開口80aよりも後方に位置している。これにより、遊技盤80の前面と平行となるようにして配置されている図柄表示装置260の表示画面261aとレール部材321との距離寸法については、レール部材321の上部での距離寸法が下部での距離寸法よりも大きくなるように設定されている。
図柄表示装置260については、パチンコ機10が遊技ホール等の島設備に設置されている状態にて、当該図柄表示装置260の表示画面261aが遊技機前方に着座した遊技者の目線と同じ高さ位置となるようにしてその高さ位置が設定されている。これにより、遊技を行う際の表示画面261aの視認性の向上が図られている。また、図柄表示装置260を遊技盤80よりも後方(遊技者から遠い位置)に配置することにより、遊技ホールの天井等に設置された照明からの光が表示画面261aに映りこむことを抑制し、表示画面261aに表示される情報が見えづらくなることを抑制している。
ここで、リングユニット300の上部を遊技盤80の中央開口80aの上部に近づけて配置することにより、上述した光の照射を抑える機能をリングユニット300に対して付与することができ、表示画面261aに対する映り込みを一層好適に抑制することが可能となっている。
また、上記傾斜配置を採用することにより、レール部材321の上部とハウジング250の底部251aとの間にて、当該レール部材321から後方に突出した上記ステッピングモータ341の収容領域を好適に確保することが可能となっている。つまり、リングユニット300の上部を前出しする構成においては、遊技盤80とステッピングモータ341との干渉を回避することを目的として上記中央開口80aが大きくなることは好ましくない。この点、レール部材321の後方にステッピングモータ341の収容領域を確保できれば、可変表示ユニット96を遊技盤80に対して取り付ける際の同可変表示ユニット96の通過領域にステッピングモータ341の挿入経路を加味する必要がなくなり、上記不都合の発生を好適に抑制することができる。
ここで、リングユニット300と図柄表示装置260との隙間が大きくなることは、リングユニット300と図柄表示装置260との一体的な演出を行う上で好ましくない(詳細については後述する)。また、図柄表示装置260の下方には表示画面261aと同様に遊技者の注意が向きやすい下側作動入球部84が存在しているため、遊技者の視線は水平又は水平よりも下向きとなりやすいと想定される。そこで、リングユニット300の下部については上部よりも図柄表示装置260寄りとなるようにして上記隙間の拡がりを抑えることで、演出機能の向上を図っている。
特に、上述の如くステッピングモータ341をリングユニット300の下部ではなく上部に配置することで、当該リングユニット300の下部と図柄表示装置260との隙間を好適に小さくすることが可能となっている。
また、リングユニット300を動作させることで演出効果の向上を図る上では、リングユニット300の大型化やリングユニット300における動作領域の拡張を行うことで同リングユニット300による演出のインパクトを高めることができる。しかしながら、単にリングユニット300の大型化等を図った場合には、それに起因して上下方向におけるリングユニット300の占有領域が拡がる。これは、遊技領域PEを圧迫する要因となり得るため好ましくない。そこで、上述したようにリングユニット300を斜めに傾けて配置すれば、そのような不都合の発生を抑えつつ演出効果の向上に貢献することができる。
なお、リングユニット300を表示画面261aに対して傾けて配置する必要は必ずしもなく、同リングユニット300を表示画面261aに対して正対させる構成を採用することも可能である。但し、このような変更を行った場合上述した各種効果を期待することは難しくなる。
回動リング331の動作に関する構成について補足説明する。図16に示すように、レール部材321の上部には、回動リング331の位置を検知する位置検知センサ345が配設されている。位置検知センサ345は表示制御装置170(図14参照)に対して電気的に接続されており、同表示制御装置においては位置検知センサ345からの検知情報(検知信号)に基づいて回動リング331が初期位置にあるか否かを把握することができる構成となっている。
回動リング331には当該回動リング331の中央開口331aを塞ぐようにして円板状のパネル部材351が取り付けられており、同パネル部材351は回動リング331の動きに合わせて回動する。パネル部材351については透明性を有する合成樹脂材料を用いて形成されており、同パネル部材351を通じた表示画面261aの視認性が担保されている。
なお、パネル部材351については必須の構成ではなく省略することも可能である。但し、パネル部材351によって回動リング331の強度向上を図ることで回動機能の安定化が期待できる点に着目すれば、上述の如く表示画面261aの視認性の担保に起因して回動リング331を回動可能に軸支することが難しくなる構成においては上記パネル部材351を採用することが好ましい。
<発光装置360>
回動リング331の前方には、回動リング331を上記レール部材321との間に挟むようにして発光装置360が配設されている。発光装置360は、前面に複数の発光体361(詳しくはLED)が実装されてなる発光基板362と、同発光基板362に対して前方から対向するようにして配置された拡散板363と、それら発光基板362及び拡散板363を覆う前側カバー部材364a,364b及び後側カバー部材365とを有してなり、全体として円環状をなす構成となっている。そして、同発光装置360は、前側カバー部材364aがレール部材321に対してネジ止めされることでレール部材321に対して一体化されている。なお、発光体361からの光は、拡散板363を通過することで拡散された後、前側カバー部材364aに形成された光透過部を通じて遊技機前方に照射されることとなる。
発光装置360は、当該発光装置360の中央開口360a(図15(a)参照)によって区画される領域のほぼ全域が、レール部材321の中央開口321aによって区画される領域とそれら発光装置360及びレール部材321の並設方向にて重なる構成となっている。これにより、発光装置360によって表示画面261aにおける視認可能となる領域が小さくなることが抑制されている。
ここで、後側カバー部材365,レール部材321及び回動リング331の関係について捕捉する。
レール部材321の外周縁には、発光装置360側(前側)に起立する周壁部324が形成されており、これに対応させて後側カバー部材365の外周縁には周壁部324に向けて(後側に)起立する周壁部366が形成されている。これら周壁部324,366の先端部同士が当接することにより、レール部材321と後側カバー部材365との前後位置が特定され、それらレール部材321及び後側カバー部材365によって上記回動リング331を収容する収容空間が区画されている。
少なくとも後側カバー部材365については、有色不透明な合成樹脂材料を用いて成形されているとともに、その全域にてレール部材321に重なっている。このため、上記収容空間に収容された回動リング331は、発光装置360によって遊技機前方からの視認が妨げられることとなる。
回動リング331が収容された収容空間については、リングユニット300の内側へ開放されており、この開放部分及び中央開口301を通じて回動リング331に装飾部材335が連結されている。装飾部材335は、前側カバー部材364に対して遊技機前方から対向する対向部336と、発光装置360を迂回して回動リング331に連結される連結部337とを有してなり、回動リング331の動きに合わせて回動することとなる。
<リングユニット300の動作>
ここで、図17に基づきリングユニット300の動作について説明する。図17は、リングユニットの動作説明図である。
表示制御装置からステッピングモータ341に対して第1駆動信号が出力されると、同ステッピングモータ341が第1の方向に回動する。このようなステッピングモータ341の動作に基づいて、図17(a)→図17(b)に示すように回動リング331及び同回動リング331に連結された装飾部材335が遊技機正面視にて表示画面261a(詳しくは表示領域)の周りを時計回りに回動する。より詳しくは、リングユニット300の中央開口301の中心部CTP1を中心として回動する。
この際、回動リング331については発光装置360(詳しくは前側カバー部材364)によって視認が妨げられているため、あたかも装飾部材335が単体で移動したかのような印象を遊技者に対して与えることができる。
装飾部材335の移動量(回動量)については、ステッピングモータ341へ出力する駆動信号のステップ数によって管理され、どのタイミングでどの位置に装飾部材335を移動させるかを制御可能となっている。
図17(b)に示す回動位置から図17(a)に示す初期位置へ装飾部材335を復帰させる場合には、上記第1駆動信号とは励磁パターンが逆となるように設定された第2駆動信号がステッピングモータ341に出力される。これにより、同ステッピングモータ341が動作し、回動リング331及び装飾部材335が初期位置に復帰する。具体的には、回動リング331の初期位置への復帰を位置検知センサ345によって監視し、回動リング331が初期位置に復帰したタイミングにて同第2駆動信号の出力を停止する。これにより、回動リング331の初期位置へ復帰が完了する。
一方、図17(a)に示す状態にて表示制御装置からステッピングモータ341に対して第2駆動信号が出力されると、同ステッピングモータ341の動作に基づいて、図17(a)→図17(c)に示すように回動リング331及び装飾部材335が遊技機正面視にて反時計回りに回動する。より詳しくは、リングユニット300の中央開口301の中心部CTP1を中心として回動する。
図17(c)に示す回動位置から図17(a)に示す初期位置へ装飾部材335を復帰させる場合には、上記第2駆動信号とは励磁パターンが逆となるように設定された上記第1駆動信号がステピングモータ341に出力される。これにより、同ステッピングモータ341が動作し、回動リング331及び装飾部材335が初期位置に復帰する。具体的には、回動リング331の初期位置への復帰を位置検知センサ345によって監視し、回動リング331が初期位置に復帰したタイミングにて同第1駆動信号の出力を停止する。これにより、回動リング331の初期位置への復帰が完了する。
<リングユニット300と図柄表示装置260との位置関係>
次に、図18に基づいてリングユニット300と図柄表示装置260との位置関係について説明する。図18(a)はリングユニット300と図柄表示装置260とを遊技機正面から見た概略図、図18(b)はリングユニット300と図柄表示装置260との前後位置を示す概略図である。
既に説明したようにリングユニット300は略円環状をなしており、その中央開口301によって図柄表示装置260(詳しくは表示画面261a)において遊技機前方から視認可能となる領域を区画している。以下便宜上、このように区画された領域を区画領域DE又は表示領域DEと称する。
表示画面261aにおいては図柄や背景等の画像が表示されるが、このうち図柄の変動表示が行われる領域(以下便宜上、変動表示領域MEと称する)の中心部CTP2が区画領域DEの中心部CTP1と前後(すなわち図柄表示装置260とリングユニット300との並設方向)に重なるようにしてリングユニット300が配置されている。
これは、リングユニット300と図柄表示装置260とによる一体的な演出を行う上で、その演出効果を好適に発揮させるための工夫であるが、同演出の詳細については後述する。
ここで、再び図14を参照して、センターフレーム97,リングユニット300,図柄表示装置260の構成について補足説明する。
センターフレーム97は、遊技盤80の中央開口80aに沿って形成された枠体501を有している。枠体501は、遊技盤80の前面から起立しており、その起立量は遊技領域PEを流下する遊技球が当該枠体501を乗り越えて上記可変表示ユニット96の前方を通過することを規制可能となるように設定されている。また、センターフレーム97は、枠体501の開口部分を覆うとともに上記可変表示ユニット96と対向する位置に配置されたパネル部材511を有している。このパネル部材511によって可動式の装飾部材335部材等に対する遊技球の干渉を回避することにより、装飾部材335の位置ずれ等に起因したリングユニット300の機能不全等の発生を抑制可能となっている。
パネル部材511は、透明性を有する合成樹脂材料を用いて形成さており、同パネル部材511を通じた可変表示ユニット96の視認性が担保されている。一方、枠体501については、光の通過を妨げる構成となっており、当該枠体501を通じて図柄表示装置260における表示画面261a以外の部分が遊技機前方から視認可能とならないように規制されている。具体的には、リングユニット300と遊技盤80の中央開口80aとの間には僅かな隙間があるが、そのような隙間を通じて図柄表示装置260や同図柄表示装置260が搭載されているハウジング250等が視認不可となるように形成されている。これにより、可変遊技装置88を遊技機前方から図柄表示装置260における表示画面261a以外の部分や同図柄表示装置260の取り付けに関する構成(ハウジング250等)を視認されることを回避している。言い換えれば、本実施の形態における可変遊技装置88においては、可変表示ユニット96における装飾部分や表示画面261a等の遊技にかかる部分以外の構成(例えば取り付けや機構部分等の各種構成)が遊技者から視認不可となるように構成されている。これによりパチンコ機10における装飾機能の向上が図られている。
以上詳述したリングユニット300の下方には、ステージユニット400が設けられている(図14参照)。具体的には、図13に示すように、上記ハウジング250(詳しくは本体部251)にはリングユニット300を収容するリングユニット収容部253と、ステージユニット400を収容するステージユニット収容部254とが上下に並設されている。そして、ステージユニット400は、ステージユニット収容部254に収容された状態で、ハウジング250に対して固定されることで、同ハウジング250と一体化されている。
<ステージユニット400及びそれに付随する構成>
以下、図5,図12,図19〜図22を参照してステージユニット400及びそれに付随する構成について説明する。図19(a)はステージユニット400の正面図、図19(b)はステージユニット400の平面図、図20はステージユニット400を遊技機前方から見た斜視図、図21はステージユニット400を正面側から見た分解斜視図、図22は図19(a)のB−B線部分断面図である。
図5に示すように上記センターフレーム97の枠体501には、遊技領域PEを流下する遊技球の流入を許容する流入口503と、同流入口503から流入した遊技球を枠体501によって区画された領域のうち可変表示ユニット96の下方となる領域、詳しくはステージユニット400へと誘導するフレーム側誘導通路504とが形成されている。
ステージユニット400は、フレーム側誘導通路504によって誘導された遊技球を一時的に滞留させる滞留機能が付与されたステージ装置410を備えている。ステージ装置410は、前後に並べて配設された複数(本実施の形態においては10枚)の可動板420と、同可動板420を立てた状態(板面が前方を向いた状態)で収容するケース体430とによって構成されている。ケース体430は、上方に開放された略箱状の本体部431を有しており、その開放部分から可動板420の上側の端部が露出した状態となっている。
各可動板420は、1の可動板420の板面が隣り合う他の可動板420の板面と隙間を隔てて相対向するようにして配置されている。可動板420同士の隙間は、遊技球の直径寸法よりも小さく(詳しくは遊技球の半径寸法よりも小さく)設定されており、これら可動板420の上端部によって、遊技球が滞留する滞留部425が構成されている。
可動板420の上端部については、上方に凸となるようにして可動板420の並設方向(前後方向)に湾曲する曲面状をなしている。このため、1の可動板420の上端部に載った遊技球は当該可動板420の上端部に接したまま前方又は後方へ移動し、当該可動板420と隣り合う他の可動板420との両者に当接した状態で滞留することとなる。つまり、滞留中の遊技球が1の可動板420上に載ったままとなることが抑制されている。
遊技球が2つの可動板420に跨るようにして滞留している状態では、同遊技球の前側部分に前側の可動板420が当接し、同遊技球の後側部分に後側の可動板420が当接することとなる。なお、可動板420同士の隙間は、隣り合う2つの可動板420に当接している遊技球と他の可動板420との干渉が回避されるように設定されている。
ケース体430(詳しくは本体部431)において可動板420に側方から対峙する壁部には、上下に延びる溝部431aが形成されている。これら溝部431aは可動板420の収容領域側に開放されており、この開放部分を通じて可動板420の左右の端部が同溝部431aに挿入されている。溝部431aは、可動板420の左右両端部の上下動を許容する一方で、前後方向及び左右方向への移動を不可とするように形成されている。つまり、溝部431aには、可動板420の移動方向を規定する機能が付与されている。
ステージ装置410には、可動板450を個々に駆動することにより滞留部425に高低差を生じさせて滞留中の遊技球を遊技機前方等に誘導する駆動機構440が設けられているが、同駆動機構440についての詳細な説明は後述する。
また、ケース体430には、滞留部425と横並びとなる位置に配され、滞留部425よりも右側及び左側への遊技球の移動を規制する規制部432が設けられている。規制部432には、滞留部425よりも上位に位置し、同滞留部425に向けて下る傾斜面と、上記フレーム側誘導通路504に連通するステージ側誘導通路433を有している。ステージ側誘導通路433の出口部分434については上記傾斜面の上方に位置しており、流入口503→フレーム側誘導通路504→ステージ側誘導通路433→出口部分434を通じて傾斜面上に落下した遊技球は、同傾斜面に沿って滞留部425へと移動し、滞留部425に到達した後は出口部分434を通じた滞留部425からの離脱が不可となる。
図22に示すように、滞留部425の前方には、センターフレーム97(詳しくは枠体501)の下端部が位置しており、この下端部には前方へと誘導された遊技球を受け入れる受入口505が形成されている。
受入口505は上方に開口しており、センターフレーム97には受入口505に連通する球通路506が形成されている。球通路506は、当該球通路506における同一箇所を複数の遊技球が通過可能となるように所定の幅を有しており、球通路506の出口部分は上記下側作動入球部84の上方に配置されている。球通路506における幅方向の中央部分すなわち下側作動入球部84の直上となる部分には、同受入口505には当該受入口505に流入した遊技球を下側作動入球部84へと導くガイド溝507が形成されている。つまり、受入口505に流入した遊技球のうちガイド溝507に到達したものは下側作動入球部84へと導かれる一方、ガイド溝507に到達しなかった遊技球は下側作動入球部84の左側又は右側に振り分けられ、ガイド溝507に沿って移動した遊技球と比較して下側作動入球部84への入球確率が低くなる。
受入口505は滞留部425における左右方向の略中央に位置しており、当該受入口505の左右両側には、遊技機前方への遊技球の移動を妨げるストッパ部508が形成されている(図13参照)。つまり、滞留部425に沿って前方へ移動した遊技球のうち、受入口505へ到達しなかった遊技球は、同滞留部425から流出することなく、受入口505に到達するまで滞留部425上に留まり続けることとなる。
<発光装置470>
滞留部425は、遊技盤80の前面よりも後方に配置されているとともに、上述したリングユニット300や規制部432によってその周囲が囲まれている。これにより、遊技ホールの天井等に設置された照明や図柄表示装置260の表示画面261aからの光が滞留部425に届くことを抑制し、滞留部425やその周辺にて積極的に暗所を作り出している(図14参照)。
ここで、本実施の形態におけるステージユニット400には、上記ステージ装置410における照明機能が付与された発光装置470が設けられている。発光装置470によって滞留部425へ光を照射することにより、滞留部425の発光態様にコントラストを生じさせ、同滞留部425への注目度の向上を図っている。
以下、図21及び図22を参照して発光装置470について説明する。発光装置470は、発光基板471と、同発光基板471の前方に配置され当該発光基板471に実装された発光体472(詳しくはLED)からの光を拡散させる拡散板475と、同拡散板475の前方に配置され同拡散板475に対して遊技機前方から対向する前面カバー481とが組み合わされてなり、滞留部425の後方に配置されている。
前面カバー481及び拡散板475は透明性を有する合成樹脂材料を用いて形成されており、発光体472からの光はそれら拡散板475及び前面カバー481を通じて前方へ射出される。発光体472はパチンコ機10が起動している状態では常時一定の光を発する構成となっている。発光装置470からの光は図22に示すように滞留部425上の遊技球の滞留領域(ドットハッチング部分参照)を通じて遊技機前方に照射される構成となっており、同光の照射は遊技球が滞留している場合には当該遊技球によって遮られることとなる。つまり、遊技球が滞留部425に存在している場合としていない場合とで、ステージユニット400における発光態様を変化させることが可能となっている。具体的には、明暗の差を変化させることでステージユニット400における発光態様を変化させることができる。これにより、遊技球の動きに対する注目度を向上させることが可能となっている。
また、前面カバー481については上記複数の可動板420のうち最後尾に位置している可動板420に対して遊技球の半径寸法よりも小さい隙間を隔てて対向している。滞留部425に沿って遊技機後方に誘導された遊技球は、前面カバー481に当接することによってそれ以上の後方への移動が規制されることとなる。つまり、同前面カバー481には、発光基板471等の保護機能と滞留中の遊技球が遊技機後方へ流出することを阻止する機能とが付与されている。
<駆動機構440>
本実施の形態においては、可動板420を駆動させる上記駆動機構440について特徴的な構成を有している。そこで以下、図21及び図22を参照して駆動機構440について説明する。
図21に示すように、駆動機構440は、可動板420の後方に配置された駆動部としてのステッピングモータ441を有している。ステッピングモータ441は、主制御装置162に対して電気的に接続されており、当該主制御装置162から出力される駆動信号に基づいて動作する構成となっている。
この駆動信号は、パチンコ機10が起動している状態においては常時出力される構成となっている。より詳しくは、当該駆動信号として、励磁パターンの異なる第1駆動信号と第2駆動信号とが設定されており、予め定められた期間の経過を契機として第1駆動信号と第2駆動信号とが交互に出力される構成となっている。具体的には、第1駆動信号の励磁パターンはステッピングモータ441を正転させるように設定されており、第2駆動信号の励磁パターンはステッピングモータ441を逆転させるように設定されており、これら各駆動信号が交互に出力されることでステッピングモータ441の回転方向が変化する構成となっている。
ステッピングモータ441にて発生した動力は、動力伝達手段を構成する各種ギアを介して偏心カム446に伝達される。偏心カム446は、可動板420の並設方向(前後方向)に延びる軸部447と、当該軸部447からその放射方向に突出するようにして形成されたカム部448とを有している。
各可動板420には、偏心カム446が挿通される挿通部421が形成されている。挿通部421は可動板420の厚さ方向に貫通しており、同挿通部421に挿通された偏心カム446(詳しくは軸部447)の両端部が可動板420群から前後に突出している。そして、当該軸部447の前側の端部と後側の端部とがケース体430に形成された軸受け部によって保持されることで同ケース体430に対して回動可能な状態で取り付けられている。
カム部448は、軸部447の中心軸線に対して放射方向にオフセットされた軸線を中心とする略円板状をなしており、挿通部421に対して下側から当接している。挿通部421についてはカム部448の回動を許容する大きさを有しており、偏心カム446の回動によって可動板420が周期的に昇降することとなる。具体的には、カム部448によって挿通部421の上側の壁面が上方へ押されると、上記溝部431aに沿って可動板420が上昇し、カム部448が下方へ移動すると可動板420が自重によって降下することとなる。
カム部448は、各可動板420(詳しくは各挿通部421)に1対1で対応させて設けられているとともに、軸部447の中心軸線周りに等角度(本実施の形態においては60°)となるようにずらして配置されている。ここで、各カム部448の外形(カムプロフィール)は全て共通となっており、更には挿通部421についても全ての可動板420にて同一形状となるように構成されている。これにより、偏心カム446の回転に基づく各可動板420の昇降周期は等間隔でずれることとなる。
可動板420における上端部と挿通部421との位置関係について補足すれば、両者の位置関係(距離)は全ての可動板420にて共通となっている。このため、挿通部421に偏心カム446が挿通された状態においては各カム部448と各挿通部421とが当接することにより、可動板420(詳しくは上端部)に高低差が生じる。
偏心カム446は、図19(b)に示すように、上述した滞留部425の幅方向(左右方向)に複数並べて配置されている。より具体的には、上記受入口505よりも左側となる位置と、同受入口505よりも右側となる位置とにそれぞれ配置されている。以下便宜上、左側の偏心カム446を「左側偏心カム446L」、右側の偏心カム446を「右側偏心カム446R」と称する。
ここで、図21を参照してステッピングモータ441及び偏心カム446R,446Lとともに駆動機構440を構成する動力伝達手段について補足説明する。
ステッピングモータ441の出力軸には駆動ギア442が固定されており、同駆動ギア442は右側偏心カム446Rの軸部447に固定された従動ギア443Rに対して係合している。一方、左側偏心カム446Lの軸部447に固定された従動ギア443Lは伝達ギア444に係合している。伝達ギア444は、回転可能な状態でケース体430の本体部431に対して取り付けられているとともに、上記従動ギア443Rに対して係合している。
駆動ギア442が遊技機正面視において時計回りに回転すると、同駆動ギア442の回転に追従して従動ギア443Rは反時計回りに回転する。これにより、右側偏心カム446Rが反時計回りに回転することとなる。また、駆動ギア442の回転に伴って伝達ギア444が反時計回りに回転し、これに合わせて従動ギア443Lは時計回りに回転する。これにより、左側偏心カム446Lが時計回りに回転することとなる。
一方、駆動ギア442が遊技機正面視において反時計回りに回転すると、従動ギア443Rは時計回りに回転する。これにより、右側偏心カム446Rが時計回りに回転することとなる。また、駆動ギア442の回転に伴って伝達ギア444が時計回りに回転し、これに合わせて従動ギア443Lは反時計回りに回転する。これにより、左側偏心カム446Lが反時計回りに回転することとなる。
上記各ギア442〜444のギア比は、駆動ギア442の回転に基づいて各偏心カム446L,446Rが回転する場合に、各従動ギア443L,443Rの回転速度、すなわち各偏心カム446L,446Rの回転速度が同一となるように設定されている。
ここで、図21及び図22を参照して各可動板420の昇降周期について補足説明する。なお、以下の説明においては、最も前側に位置する可動板420を「第1可動板420a」、前から2番目の可動板420を「第2可動板420b」、前から3番目の可動板420を「第3可動板420c」、・・・、最も後側に位置する可動板420を「可動板420j」と称する。
図21に示すように各カム部448は60°間隔で配置されており、前後の可動板420では位相が1/6周期ずれた構成となっている。また、図22に示すように、可動板420の数は「10」となっている。このため、第1可動板420aの昇降周期と第7可動板420gの昇降周期とが完全に一致し(位相差が0となり)、第2可動板420bの昇降周期と第8可動板420hの昇降周期とが完全に一致し(位相差が0となり)、第3可動板420cの昇降周期と第9可動板420iの昇降周期とが完全に一致し(位相差が0となり)、第4可動板420dの昇降周期と第10可動板420jの昇降周期とが完全に一致する(位相差が0となる)。
なお、上記構成を採用することにより、滞留部425においては、他の部位よりも高位となる部分(上方に凸となる部分)が少なくとも2つ、他の部位よりも低位となる部分が少なくとも1つ形成されることとなる。
<ステージ装置410の動作>
以下、図23〜図25に基づいてステージ装置410(各可動板420)の動作と遊技球の動きの一例について説明する。図23は各可動板420a〜420jの動作周期を示すタイミングチャート、図24及び図25はステージ装置410の動きを示す概略図である。なお、以下の説明においては主として図23を参照し、適宜図24及び図25を参照する。
先ず、上記第1駆動信号に基づいてステッピングモータ441が動作している場合の遊技球の動きについて例示する。
誘導通路433の出口部分434(図24(a1)参照)から流出した遊技球は、滞留部425(詳しくは第9可動板420i)に向けて移動する。遊技球が滞留部425に到達したta1のタイミングにおいては、第10可動板420jが最高位、第9可動板420iは第10可動板420jよりも低位となっており、更に第8可動板420hは第9可動板420iよりも低位となっている。つまり第8可動板420h〜第10可動板420jの上端部が前方へと下る段差状をなしている。また、第7可動板420gについては第8可動板420hと同位となっている。このため、滞留部425に到達した遊技球は、第9可動板420i→第8可動板420hへと移動し、最終的に第8可動板420h及び第7可動板420gの両者に当接した状態で停止する(図24(a)参照)。
ta1のタイミングにおいては、第7可動板420gと第8可動板420hとが同位となっているが、これは第7可動板420gが最低位となる位置へ向けて降下し、且つ第8可動板420hが最低位となる位置から上昇している過程で一時的に高さ位置が揃った状態となっているに過ぎず、それら可動板420g,420hの動きが継続することにより、両可動板420g,420hの上下位置が逆転することとなる。具体的には、ta1のタイミングの後のta2のタイミングでは、第8可動板420hが第7可動板420gよりも上位となり、両可動板420h,420gに跨るようにして滞留していた遊技球は、第8可動板420hによって上方へ持ち上げられることで遊技機前方へと転動することとなる(図24(b)参照)。
この際、第6可動板420fについては第7可動板420gよりも低位、且つ第5可動板420eは第6可動板420fよりも上位となっているため、上記遊技球は第5可動板420eと第6可動板420fとに当接した状態でそれ以上の前方への転動が妨げられる(図24(b)参照)。
その後、第5可動板420eが降下するとともに第6可動板420fが上昇したta3のタイミングにおいては、それら第5可動板420e及び第6可動板420fの上下位置が逆転する。つまり、第6可動板420fが第5可動板420eよりも上位となり、それら両可動板420e,420fに跨るようにして滞留していた遊技球は、遊技機前方へと移動する(図25(c)参照)。
このta3のタイミングにおいては、第5可動板420eと第4可動板420dとが同位となっているため、第6可動板420fによって上方へ押されて遊技機前方へと転がった遊技球はそれら両可動板420e,420dに跨る位置に到達して、同位置にて滞留することとなる(図25(c)参照)。
また、ta3のタイミングにおいては、それら両可動板420e,420dよりも第3可動板420cが上位となっているため、仮に遊技球が遊技機前方へ向けて勢いよく転がった場合であっても、同第3可動板420cに当接することで、それ以上の遊技機前方への移動が妨げられる。
その後、第4可動板420dが降下するとともに第5可動板420eが上昇したta4のタイミングにおいては、それら第4可動板420d及び第5可動板420eの上下位置が逆転する。つまり、第5可動板420eが第4可動板420dよりも上位となり、それら両可動板420d,420eに跨るようにして滞留していた遊技球は、遊技機前方へと移動する(図25(d)参照)。
このta4のタイミングにおいては、第4可動板420dよりも第3可動板420cが低位となっているため、第5可動板420eによって上方に押された遊技球は、遊技機前方へ移動し、第3可動板420cと第4可動板420dとに跨るようにして滞留することとなる(図25(d)参照)。
また、ta4のタイミングにおいては、それら両可動板420c,420dよりも第2可動板420bが上位となっているため、仮に遊技球が遊技機前方へ向けて勢いよく転がった場合であっても、同第2可動板420bに当接することで、それ以上の遊技機前方への移動が妨げられる。
ta4のタイミングの後のta5のタイミングにて遊技球が第1可動板420aと第2可動板420bとに跨る位置に到達すると、遊技球をステージ装置410から上記受入口505へと排出する準備が完了する(図24(a)参照)。このta5のタイミングにおいては、両可動板420a,420bが同位となっており、それら両可動板420a,420bに跨るようにして滞留している遊技球の前方への移動が第1可動板420aによって妨げられた状態となっている。
その後、第1可動板420aが降下するとともに第2可動板420bが上昇すると、両可動板420a,420bの上下関係が逆転し、第2可動板420bによって上方におされた遊技球は第1可動板420aを乗り越えて遊技機前方へと移動することとなる。これにより、同遊技球はステージ装置410(滞留部425)から離脱し、例えば上記受入口505へと流入する。
このようにして、各可動板420の相対位置が変化して、滞留部425において高位となっている対象が及び低位となっている対象が遊技機前方へシフトすることにより、同シフトに合わせて遊技球が遊技機前方へと送られることとなる。このように、遊技球を予め定められた方向に送る機能に着目すればステージ装置410を「球送り装置410」と称することも可能であり、更には遊技球を遊技機前方へと誘導する機能に着目すれば同ステージ装置410を「誘導装置410」と称することも可能である。
次に、上記第2駆動信号に基づいてステッピングモータ441が動作している場合の遊技球の動きについて例示する。
tb1のタイミングにおいては、第1可動板420aと第2可動板420bとが最低位付近にて同位となっている(図24(a)参照)。これら第1可動板420aと第2可動板420bに跨るようにして遊技球が滞留している場合には、その後、第1可動板420aが上昇するとともに第2可動板420bが降下することにより、第1可動板420aによって持ち上げられ、遊技機後方へと移動する。
その後、第2可動板420bが最低位となる位置に到達すると、同第2可動板420bは上昇に転じる。これにより、tb2のタイミングにおいては第2可動板420bと第3可動板420cとの上下位置が逆転し、第2可動板420bが第3可動板420cよりも上位となる。これにより、それまで第2可動板420bと第3可動板420cとに跨るようにして滞留していた遊技球は遊技機後方へと転動し、同遊技球が第3可動板420cと第4可動板420dとに跨るようにして滞留することとなる(図25(d)参照)。
その後、第3可動板420cが上昇するとともに、第4可動板420dが降下することにより、第4可動板420dが第3可動板420cよりも低位となり、両可動板420c,420dに跨るようにして滞留していた遊技球は遊技機後方へ転動する。
そしてtb3のタイミングにおいては、第4可動板420dと第5可動板420eとが同位となり、後方に転動した遊技球はそれら両可動板420d,420eに跨るようにして滞留することとなる(図25(c)参照)。
その後、第4可動板420dが上昇するとともに第5可動板420eが降下すると、第5可動板420eが第4可動板420dよりも低位となり、両可動板420d,420eに跨るようにして滞留していた遊技球は遊技機後方へ転動する。
このようにして後方に転動した遊技球は、続くtb4のタイミングにて、第5可動板420eと同第5可動板420eよりも低位となっている第6可動板420fとに跨るようにして滞留することとなる。
このようにして、各可動板420の相対位置が変化して、滞留部425において高位となっている対象が及び低位となっている対象が遊技機後方へシフトすることにより、同シフトに合わせて遊技球が遊技機前方へと送られることとなる。
ここで、誘導通路433の出口部分434から流出した遊技球が滞留部425へ到達した際の挙動について説明する。本実施の形態においては、上述の如く全可動板420a〜420jのうち最高位となる対象が順にシフトする構成となっており、出口部分434から流出した遊技球の到達対象としての第8可動板420h〜第10可動板420jの高さ関係については到達するタイミングによって変化する。
具体的には、第9可動板420iが第8可動板420h及び第10可動板420jよりも低位となっている場合には、滞留部425に到達した遊技球は、第8可動板420h及び第9可動板420iの両者に跨るようにして、又は第9可動板420i及び第10可動板420jの両者に跨るようにして滞留することとなる。
一方、第9可動板420iが第8可動板420h及び第10可動板420jよりも高位となっている場合には、滞留部425に到達した遊技球は、第9可動板420i上に滞留する事が困難であり同第9可動板420iの前方又は後方に転動することとなる。
また、第8可動板420hよりも第9可動板420iが上位、且つ第9可動板420iよりも第10可動板420jが上位となっている場合には、それら各可動板420h〜420jに沿うようにして遊技球が遊技機前方へと移動し、第7可動板420g及び第8可動板420hに跨るようにして滞留することとなる(図24(a)参照)。
一方、第8可動板420hよりも第9可動板420iが低位、且つ第9可動板420iよりも第10可動板420jが低位となっている場合には、それら各可動板420h〜420jに沿うようにして遊技球が遊技機後方へと移動し、第10可動板420j及び上記発光装置470の前面カバー481に当接するようにして遊技球が滞留することとなる。
このように、遊技球が滞留部425に到達するタイミングによって最初に滞留する位置を多様化することにより、遊技球の動きが単調となることを抑制し、同遊技球の動きに対する注目度の向上に貢献している。
<遊技球を左右に移動させる構成>
以上詳述したように、各可動板420a〜420jを個々に昇降させることにより、遊技球を前後に移動させることが可能となっているが、本実施の形態におけるステージ装置410については、遊技球を前後方向だけではなく左右方向へ移動させることにより、遊技球の動きの更なる多様化が実現されている。以下、図26を参照して遊技球を左右に移動させる構成について説明する。図26は可動板420同士の関係を示す概略図であり、図26(a)はステージ装置410を正面側から見た図、図26(b)はステージ装置410を上方から見た図となっている。
既に説明したように、各可動板420の上端部は曲面状をなしている。より詳細には、当該上端部は、図26(a)に示すように、可動板420の並設方向と直交する方向(詳しくは左右方向)に凹凸を繰り返す波状をなしている。
上端部に形成された起伏パターンについては大別して2種類設定されており、各可動板420においてはそれら2つの起伏パターンのうち何れか一方が採用されている。詳しくは、第1可動板420a,第2可動板420b,第5可動板420e,第6可動板420f,第9可動板420i,第10可動板420j(以下便宜上、第1種可動板群420Aと称する)において採用されている起伏パターンと、第3可動板420c,第4可動板420d,第7可動板420g,第8可動板420h(以下便宜上、第2種可動板群420Bと称する)において採用されている起伏パターンとが相違している。
具体的には、第1種可動板群420Aの上端部においては左右に等間隔となるようにして4つの頂部422Aが形成され、それら各頂部422Aの中間位置に底部423Aが形成されている。第2種可動板群420Bの上端部においても同様に頂部422B及び底部423Bが形成されているが、第2種可動板群420Bの頂部422Bはステージ装置410の正面視において第1種可動板群420Aの底部423Aと前後に並ぶ位置に配置されており、底部423Bについては第1種可動板群420Aの頂部422Aと前後に並ぶ位置に配置されている。つまり、第1種可動板群420Aと第2種可動板群420Bとでは起伏パターンがステージ装置410の幅方向にずれている。言い換えれば、起伏パターンには周期性が付与されており、同起伏パターンの周期が第1種可動板群420Aと第2種可動板群420Bとで半周期ずれた構成となっている。
滞留部425に到達した遊技球は、可動板420上を左右に揺動し、上述した底部423に落ち着くこととなる。前後に並んだ2つの可動板420について同じ起伏パターンを採用することで、遊技球が底部にて滞留させやすくなっている。
例えば底部423Aに滞留中の遊技球が第1種可動板420Aによって押されることで遊技機前方に誘導されると、前方に位置する第2種可動板420Bの頂部422Bに対して当接し、頂部422Bの左右に位置する底部423Bの何れか一方に振り分けられることとなる。底部423Aについては左右における遊技球の移動を許容すべく当該底部423の底面がその全域に亘って高低差0となっている。このため、遊技球が底部423Aにおいて右寄りに位置している場合には頂部422Bに対して右側に位置する底部423Bへ向けて遊技球が移動し、底部423Aにおいて左寄りに位置している場合には頂部422Bに対して左側に位置する底部423Bへ向けて遊技球が移動することなる。
つまり、可動板420の昇降運動によって遊技球が遊技機前方へ誘導される場合には、第1種可動板群420A→第2種可動板群420Bに移る際又は第2種可動板群420B→第2種可動板群420Bに移る際に左右方向への移動を伴うこととなる。このように遊技球の動きを多様化することにより、遊技球の動きに対する注目度の向上を図っている。
<パチンコ機10の電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図27のブロック図に基づき説明する。
主制御装置162に設けられた主制御基板601には、MPU602が搭載されている。MPU602は、当該MPU602により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM603と、そのROM603内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM604と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU602が有する機能の一部、例えば、ROM603の機能やRAM604の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU602には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU602の入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板605、払出制御装置242及び各種検知センサ(例えば検知センサ95a〜95cや位置検知センサ345)などが接続されている。この場合に、停電監視基板605には電源・発射制御装置243が接続されており、MPU602には停電監視基板605を介して電力が供給される。また、センサ群の一部として、一般入賞口81,下側可変入球部82,右側可変入球部83,下側作動入球部84,右側作動入球部85及びスルーゲート86などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置162のMPU602において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU602では、下側作動入球部84及び右側作動入球部85への入賞に基づいて大当たりや特別当たりの発生抽選等を実行するとともに、スルーゲート86への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU602の出力側には、停電監視基板605、払出制御装置242及び音声ランプ制御装置143(詳しくは音声ランプ制御基板651)が接続されている。払出制御装置242には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア625が参照される。そして、一般入賞口81への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入球部82,83への入賞を特定した場合には15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下側作動入球部84への入賞を特定した場合には3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、右側作動入球部85への入賞を特定した場合には4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
音声ランプ制御装置143には、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア625が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU602の出力側には、下側可変入球部82の可変入球駆動部82c、右側可変入球部83の可変入球駆動部83c、右側作動入球部85における電動役物91用の駆動部、及び主表示ユニット87が接続されている。主制御基板601には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU602は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては下側可変入球部82の開閉扉82bが開閉されるように、MPU602において可変入球駆動部82cの駆動制御が実行される。また、右側作動入球部85における電動役物91の開放状態当選となった場合には、電動役物91が受入状態となるように、MPU602において電動役物91用の駆動部の駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU602において主表示部Dの発光制御が実行される。
停電監視基板605は、主制御基板601と電源・発射制御装置243とを中継し、また電源・発射制御装置243から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置242は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置243は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板601や払出制御装置242等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源・発射制御装置243は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110(詳しくはソレノイド111)は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
また、MPU602の出力側には、ステージユニット400(ステージ装置410)のステッピングモータ441が接続されており、パチンコ機10に電力が供給されている状況下においては、同ステッピングモータ441に対して駆動信号が常時出力される構成となっている。
<各種カウンタについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU602は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たりや特別当たりの発生抽選、主表示部Dの表示の設定(すなわち各種発光部DL,DR,DS,DHにおける発光態様の設定)、図柄表示装置260の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図28に示すように、大当たりや特別当たりの発生の抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、後述する高頻度サポートモードの有無を判定する際に使用する当たり種別カウンタC2と、リーチ発生の有無及びその種別を振り分ける際に使用されるリーチ乱数カウンタC3と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、主表示部Dの下作動入球部用表示部DL及び右作動入球部用表示部DR並びに図柄表示装置260における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、右側作動入球部85の電動役物を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物用カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C43,CINI,CSは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM604の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ631に適宜格納される。RAM604には、第1結果表示部用保留エリアRaと、第2結果表示部用保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域とよりなる保留球格納エリア632が設けられている。そして、この保留球格納エリア632に、下側作動入球部84又は右側作動入球部85への遊技球の入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が下側作動入球部84又は右側作動入球部85に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア632に格納される。より詳しくは、下側作動入球部84に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、右側作動入球部85に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
当たり当選となる乱数の値は、ROM603における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア621に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について説明する。当否テーブルとしては、各作動入球部84,85に個別に対応させて2種類設定されている。つまり、下側作動入球部84への入賞が発生した場合に参照される下作動入球部用の当否テーブル(下作動入球部用当否情報群)と、右側作動入球部85への入賞が発生した場合に参照される右作動入球部用の当否テーブル(右作動入球部用当否情報群)とが設定されている。
上記抽選に際して下作動入球部用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」及び「307」の2個である。つまり「0〜599」の当たり乱数カウンタC1の値のうち、「7」及び「307」が大当たり結果に対応しており、それ以外が外れ結果に対応している。
一方、上記抽選に際して右作動入球部用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状況下では、上記下作動入球部用の当否テーブルと同様に、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」及び「307」の2個である。また、「0〜599」の当たり乱数カウンタC1の値のうち「51〜60」,「151〜160」,・・・,「551〜560」が特別当たり結果に対応しており、それ以外が外れ結果に対応している。
ここで、大当たり結果と特別当たり結果と違いについて説明する。各作動入球部84,85への入賞に基づいた抽選により大当たり結果となった場合には、下側可変入球部82が開閉実行モードへ移行される。一方、同抽選により特別当たり結果となった場合には、直ちに下側可変入球部82が開閉実行モードへ移行されるのではなく、もう一度別の抽選を行う権利が付与されることとなり、その抽選に当選することで上記大当たり結果の場合と同様に下側可変入球部82が開閉実行モードへ移行されることとなる。
具体的には、特別当たり結果となった場合には、先ず右側可変入球部83が開状態に移行される。その際、右側大入賞口83aに入賞した遊技球が複数の分岐通路のうち特定の分岐通路に流入することで当たりが確定し、下側可変入球部82が開閉実行モードに移行される。言い換えれば、特別当たりに当選した場合には、特定の分岐通路への入球を契機として大当たりと同様の結果が遊技者に対して付与される。なお、特定の分岐通路(第2下流側通路92c)への入球によって当たりが確定する点に着目すれば、同分岐通路を「有利入球部」と称することも可能である。
次に当たり種別カウンタC2について説明する。当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が下側作動入球部84又は右側作動入球部85に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア632に格納される。より詳しくは、下側作動入球部84に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、右側作動入球部85に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM603における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア622に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。ここで、振分テーブルの内容について説明する。振分テーブルとしては、各作動入球部84,85に個別に対応させて2種類設定されている。つまり、下側作動入球部84への入賞が発生した場合に参照される下作動入球部用の振分テーブル(下作動入球部用振分情報群)と、右側作動入球部85への入賞が発生した場合に参照される右作動入球部用の振分テーブル(右作動入球部用振分情報群)とが個別に設定されている。これら振分テーブルを参照して、開閉実行モード終了後の右側作動入球部85の電動役物91におけるサポートモードの振分が行われる。
右側作動入球部85の電動役物91におけるサポートモードとしては、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、右側作動入球部85の電動役物91が単位時間当たりに受入状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物用カウンタC4を用いた電動役物用抽選における電役受入状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役受入状態当選となった際に電動役物91が受入状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の受入時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役受入状態当選となり電動役物91の受入状態が複数回発生する場合において、1回の受入状態が終了してから次の受入状態が開始されるまでの待ち時間は、1回の受入時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物用抽選が行われてから次の電動役物用抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも右側作動入球部85への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、右側作動入球部85よりも下側作動入球部84への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、下側作動入球部84よりも右側作動入球部85への入賞が発生する確率が高くなる。そして、右側作動入球部85への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役受入状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物用抽選における電役受入状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、受入状態への切替回数を多くする、受入時間を長くする、1回の電動役物用抽選が行われてから次の電動役物用抽選が行われる上で最低限確保される確保時間を短くする(すなわち、スルーゲート用表示部DSにおける1回の変動表示時間を短くする)及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
本パチンコ機10では、大当たり結果又は特別当たり結果となった場合の低頻度サポートモード及び高頻度サポートモードへの振分態様は、下側作動入球部84への入賞に基づいて当たり当選となった場合と、右側作動入球部85への入賞に基づいて当たり当選となった場合とで異なっている。
具体的には、上記振分に際して下作動入球部用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、高頻度サポートモード当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「0〜14」の15個である。一方、上記振分に際して右作動入球部用の振分テーブルが参照されることとなる遊技状況下では、高頻度サポートモード当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「0〜24」の25個である。つまり、下側作動入球部84への入賞により大当たりに当選した場合には1/2の確率で高頻度サポートモードに振り分けられ、右側作動入球部85への入賞により大当たり又は特別当たりに当選した場合には、5/6の確率で高頻度サポートモードに振り分けられることとなる。
なお、当否抽選において外れ結果となった場合、開閉実行モードに移行することはなく、さらにサポートモードの変更は発生しない。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置260における表示演出の一種として期待演出が設定されている。期待演出とは、下側可変入球部82が開閉実行モードとなる遊技回では変動表示後の停止結果が付与対応結果となる遊技機において、図柄表示装置260における図柄(絵柄)の変動表示が開始されてから停止結果が導出表示される前段階で、前記付与対応結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
期待演出には、リーチ表示と、当該リーチ表示が発生する前段階などにおいてリーチ表示の発生や付与対応結果の発生を期待させるための予告表示との2種類が設定されている。
リーチ表示には、図柄表示装置260の表示画面に261aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、リーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
予告表示には、図柄表示装置260の表示画面において図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1〜Z3にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列Z1〜Z3上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様が含まれる。また、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列Z1〜Z3上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。かかる予告表示は、リーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示の行われる場合の方がリーチ表示の行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。
リーチ表示は、開閉実行モードに移行する遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、開閉実行モードに移行しない遊技回では、ROM603のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して、所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。一方、予告表示を行うか否かの決定は、主制御装置162において行うのではなく、音声ランプ制御装置143又は表示制御装置170において行われる。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、主表示ユニット87の下作動入球部用表示部DL及び右作動入球部用表示部DRにおける変動表示時間と、図柄表示装置260における図柄の変動表示時間とをMPU602において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、下作動入球部用表示部DL及び右作動入球部用表示部DRにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置260による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物用カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物用カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート86に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の電役保留エリア633に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物用カウンタC4の値によって右側作動入球部85の電動役物を受入状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C3=0〜199であれば、電動役物を受入状態に制御し、C3=200〜249であれば、電動役物を受入状態に制御しない。
既に説明したように、MPU602では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、下作動入球部用表示部DL及び右作動入球部用表示部DRにおける変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア623が用いられる。また、MPU602では、実行エリアAEに格納されている当たり乱数カウンタC1の値及び当たり種別カウンタC2の値を用いて、下作動入球部用表示部DL及び右作動入球部用表示部DRにおける停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM603の停止結果テーブル記憶エリア624が用いられる。
<音声ランプ制御装置143及び表示制御装置170の電気的構成について>
再び図27のブロック図を参照して、音声ランプ制御装置143及び表示制御装置170の電気的構成について説明する。
音声ランプ制御装置143に設けられた音声ランプ制御基板651には、MPU652が搭載されている。MPU652には、当該MPU652により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM653と、そのROM653内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM654と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。なお、MPU652に対してROM653及びRAM654が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは、他の制御装置のMPUにおいても同様である。
MPU652には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU652の入力側には主制御装置162が接続されており、主制御装置162からの各種コマンドを受信する。MPU652の出力側には、前扉枠14に設けられた各種ランプ部26〜28やスピーカ部29が接続されているとともに表示制御装置170が接続されている。
表示制御装置170では、音声ランプ制御装置143から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置260の表示制御を実行する。この場合に、音声ランプ制御装置143では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置260における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容を決定する。
ここで、表示制御装置170について詳しく説明する。
表示制御装置170は、プログラムROM703及びワークRAM704が複合的にチップ化されたMPU702と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)705と、キャラクタROM706と、ビデオRAM707とがそれぞれ搭載された表示制御基板701を備えている。
MPU702は、音声ランプ制御装置143から、各種コマンドを受信する。そして、それら受信したコマンドを解析し又は受信したコマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP705の制御(具体的にはVDP705に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM703は、MPU702により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。
ワークRAM704は、MPU702による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP705は、図柄表示装置260に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP705はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP705は、MPU702、ビデオRAM707等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM707に記憶させる画像データを、キャラクタROM706から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置260に表示させる。
キャラクタROM706は、図柄表示装置260に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM706には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
なお、キャラクタROM706を複数設け、各キャラクタROM706に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM703に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM706に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM707は、図柄表示装置260に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM707の内容を書き替えることに基づき図柄表示装置260の表示内容が変更される。
<図柄表示装置260における表示内容>
ここで、図柄表示装置260の表示内容について説明する。具体的には、先ず図29及び図30に基づいて下側作動入球部84への入球に基づく表示内容(低頻度サポートモード中の表示内容)について説明し、その後、右側作動入球部85への入球に基づく表示内容(高頻度サポートモード中の表示内容)について説明する。図29は図柄表示装置260にて変動表示される図柄を個々に示す概略図であり、図30は図柄表示装置260の表示画面261aを示す概略図である。
図29(a)〜(j)に示すように、絵柄の一種である図柄は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」〜「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図30(a)に示すように、図柄表示装置260の表示画面261aには、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面261aでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。
図30(b)に示すように、表示画面261aには、図柄列Z1〜Z3毎に3個の図柄が表示されるように待機領域が設定されており、結果として3×3の計9個の図柄が同時に表示されるようになっている。ちなみに、各待機領域には、それぞれ停止位置が含まれており、図柄が最終停止表示される場合には各待機領域にて待機されている図柄が各停止位置にて停止表示される。
また、表示画面261aには、全表示領域に跨り且つ3個の上記待機領域を結ぶように5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、高頻度サポートモード対応の大当たり結果又は低頻度サポートモード対応の大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、高頻度サポートモード対応の大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、低頻度サポートモード対応の大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、図柄表示装置260における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置260にて変動表示される図柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば図柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
次に、右側作動入球部85への入球に基づく表示内容(高頻度サポートモード中の表示内容)について説明する。高頻度サポートモード中においては、上述した各図柄が非表示となり、代わりに表示画面261aには高頻度サポートモード用の第1特定キャラクタ(例えば女の子)が表示される。右側作動入球部85への入球が発生し、同入球に基づく抽選に当選すると、表示画面261aに別の第2特定キャラクタ(例えば宝箱)が表示される。そして、これに合わせて、右側可変入球部83への入球を促すメッセージ(例えば「Vゾーンを狙え」)が表示される。
右側可変入球部83への入球が有効とされる有効期間内にて第2下流側通路92c(有利入球)へ遊技球が流入した場合には、上記第1特定キャラクタ及び第2特定キャラクタが大当たり確定を示す状態に切り替わるとともに(例えば女の子が宝箱を開けて財宝を見つけた状態に切り替わるとともに)表示画面261a上に大当たりが確定した旨のメッセージ(例えば「V」)が表示される。
一方、上記有効期間が経過した場合であって同有効期間中に第2下流側通路92cへの入球が発生しなかった場合には、上記第1特定キャラクタ及び第2特定キャラクタが外れを示す状態に切り替わるとともに(例えば女の子が宝箱を開けて中が空である状態に切り替わるとともに)表示画面261a上に外れが確定した旨のメッセージ(例えば「残念」)が表示される。
<主制御基板601のMPU602にて実行される各種処理について>
次に、主制御基板601のMPU602により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU602の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される通常処理と、通常処理に対して定期的に割り込んで起動されるタイマ割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込み処理を説明し、その後通常処理を説明する。なお、MPU602では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、NMI端子(ノンマスカブル端子)への電断信号の入力により起動され、RAM604の各種フラグ格納エリアにおける電断フラグ格納エリア(電断情報記憶手段)に電断フラグ(電断情報)を格納するNMI割込み処理が実行されるが、同処理についての詳細な説明は省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図31のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU602により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種検知センサの状態を読み込むと共に、同検知センサの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物用カウンタC4の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物用カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
ステップS103の処理を実行した後は、ステップS104にてスルーゲート86への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。
スルー用の入賞処理では、遊技球がスルーゲート86に入賞したか否かを判定する。遊技球がスルーゲート86に入賞したと判定した場合には、役物保留記憶数SNが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。
スルーゲート86に遊技球が入賞したと判定されなかった場合又はステップS202にて役物保留記憶数SNの値が上限値以上と判定された場合には電動役物用カウンタC4の値を格納することなく、本入賞処理を終了する。
一方、遊技球がスルーゲート86に入賞し、且つ、役物保留記憶数SN<4である場合には、役物保留記憶数SNを1インクリメントする。そして、更新した電動役物用カウンタC4の値をRAM604の電役保留エリア633の空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。
なお、スルー用の入賞処理では、保留数用表示部DHを点灯させるための処理を実行する。役物保留記憶数SNに応じて保留数用表示部DHに対応する発光体が順次点灯されるようになっている。
その後、ステップS105にて、作動入球部84,85への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行する。作動入球部用の入賞処理においては、先ずRAM604の各種カウンタエリア634に格納されている第1タイマカウンタの値が「0」よりも大きいか否かを判定する。第1タイマカウンタは、右側作動入球部85への入賞を有効とするか否かの判定する際に参照されるカウンタである。第1タイマカウンタの値が「0」である場合には、RAM604の各種フラグ格納エリア635に切替フラグが格納されているか否かを判定する。切替フラグが格納されている場合には、上記第1タイマカウンタの設定処理を実行する。ここで、切替フラグは、後述する電役サポート処理にて電動役物91の駆動部への駆動信号が出力される際に格納されるフラグである。
第1タイマカウンタの設定値に関しては、上述した高頻度サポートモードに対応した切替であるか否かによって異なる。具体的には、上述の如く駆動信号が出力される期間は、低頻度サポートモード時よりも高頻度サポートモード時のほうが長くなるように設定されており、これに対応させて高頻度サポートモード時に第1タイマカウンタにセットされる値は低頻度サポートモード時に第1タイマカウンタにセットされる値よりも大きく設定されている。詳しくは高頻度サポートモードに対応した切替フラグが格納されている場合には「1000」がセットされ、低頻度サポートモードに対応した切替フラグが格納されている場合には「300」がセットされる。
一方、第1タイマカウンタが「0」でない場合には、第1タイマカウンタの値を「1」減算する。このように減算処理を実行した後、第1タイマカウンタの設定処理を実行した後、又は各種フラグ格納エリア635に切替フラグが格納されている場合には、遊技球が下側作動入球部84に入球(始動入賞)したか否かを下側作動入球部84に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が下側作動入球部84に入賞したと判定すると、払出制御装置242に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、下側作動入球部84に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。そして、当たり乱数カウンタC1及び当たり種別カウンタC2の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、遊技球が下側作動入球部84に入賞していないと判定した場合には、遊技球が右側作動入球部85に入球(始動入賞)したか否かを右側作動入球部85に対応した検知センサの検知状態により判定する。下側作動入球部84及び右側作動入球部85の何れにも遊技球が入球していないと判定した場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
遊技球が右側作動入球部85に入賞したと判定した場合には、第1タイマカウンタの値が「0」よりも大きいか否かを判定する。そして、第1タイマカウンタの値が「0」よりも大きいと判定した場合には、払出制御装置242に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、右側作動入球部85に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく外部信号設定処理を行い、情報取得処理を行った後、本入賞処理を終了する。
なお、上記処理にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理(ステップS301)にて払出制御装置242に対して送信される。
一方、入賞したと判定した場合に第1タイマカウンタの値が「0」となっている場合には、右側作動入球部85が非受入状態となっており実質的に入球が発生しないはずのタイミングにて入球が発生したことを意味する。つまり、係る入賞は正規のものである可能性が低いと想定される。そこで、このような事象が発生した場合には、音声ランプ制御装置143にて異常発生を示す報知を実行するための異常報知用コマンドを設定するとともに、外部端子板681を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して異常が発生した旨の情報を出力するための報知フラグを格納する。異常報知用コマンドが格納されている場合には、同異常放置用コマンドが後述する通常処理の外部出力処理(ステップS301)にて音声ランプ制御装置143に送信される。また、報知フラグが格納されている場合には、同外部出力処理にてホールコンピュータに対して異常発生を示す旨の信号が出力される。
ステップS105にて作動口用の入賞処理を実行した後は、ステップS106に進みステージ駆動用処理を実行する。以下、図31(b)のフローチャートを参照して、ステージ駆動用処理について説明する。
<ステージ駆動用処理>
本実施の形態においては、パチンコ機10が起動している状態においては、主制御装置162からステージユニット400(ステージ装置410)のステッピングモータ441に対して駆動信号が出力され、この駆動信号に基づいてステージ装置410が動作する。
ステージ駆動用処理においては、先ずステップS201にてステッピングモータ441に対して出力されている駆動信号(励磁パターン)を切り替えるタイミングであるか否かを判定する。
ステップS201にて否定判定をした場合にはそのまま本ステージ駆動用処理を終了する。一方、ステップS201にて肯定判定をした場合には、ステップS202に進み駆動信号切替処理を実行する。
具体的には、上記第1駆動信号が出力されている場合には、同第1駆動信号の出力開始タイミングから予め設定された第1特定期間(本実施の形態においては7468msec)が経過したか否かを判定し、同第1特定期間が経過したタイミングにて駆動信号を上記第2駆動信号に切り替える。これにより、ステッピングモータ441の励磁パターンが逆となり、それまで回転していた方向(第1方向)とは逆の方向(第2方向)への回転を開始する。
一方、上記第2駆動信号が出力されている場合には、同第2駆動信号の出力開始タイミングから予め設定された第2特定期間(本実施の形態においては2128msec)が経過したか否かを判定し、同第2特定期間が経過したタイミングにて駆動信号を上記第1駆動信号に切り替える。これにより、ステッピングモータ441の励磁パターンが逆となり、それまで回転していた方向(第2方向)とは逆の方向(第1方向)への回転を開始する。
このようにして励磁パターンを切り替えてステージ装置410の動作パターンを変化させることにより、滞留部425に滞留中の遊技球を遊技機前方や遊技機後方へ誘導することが可能となっている。特に、本実施の形態においては、滞留部425からの遊技球の流出が許容される箇所が限定されている。詳しくは上記受入口505の後方に到達した遊技球の流出は許容されるものの、受入口505から外れた箇所に到達した遊技球は、ストッパ部508に対して当たることにより、それ以上の前方への移動が妨げられることとなる。そこで、励磁パターンの切替によって遊技球をストッパ部508から遠ざかる側に移動させることにより、同遊技球が受入口505に到達することなく滞留し続けることを回避している。
ここで、上記第1特定期間は、ステージ装置410の可動板420において最高位となる対象が第10可動板410jから第1可動板410aにシフトするのに要する期間よりも大きく設定されている。また、上記第2特定期間は第1特定期間よりも短く、具体的には最高位となる対象が第1可動板410aから第10可動板410jにシフトするのに要する期間よりも短く設定されている。このような設定を採用することにより、遊技機前方への誘導機能を遊技機後方への誘導機能よりも支配的としている。これにより、滞留部425上の遊技球が当該滞留部425における奥側に滞留する期間よりも手前側に滞留する期間を長くし、同遊技球の視認性向上を図っている。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図32のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、当該通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS301〜S306の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS308,S309のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては、先ずステップS301にてタイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置242に対して送信する。また、所定の演出用コマンドや各種異常報知用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置143に対して送信する。
次に、ステップS302では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントすると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS303では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たりや特別当たりの当たり判定、図柄表示装置260による図柄の変動表示の設定、変動表示を行う側の各表示部DL,DRの表示制御などを行う。この遊技回制御処理についての詳細は後述する。
その後、ステップS304では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モードや高頻度サポートモードなどに移行する。
ステップS305では、右側作動入球部85に設けられた電動役物91を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM604の電役保留エリア633に格納されている電動役物用カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物91を開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物91の開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、スルーゲート用表示部DSの表示制御などを行う。
ここで、既に説明したとおり、電動役物91によるサポートの態様として、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されており、遊技状態移行処理にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この場合、RAM604の各種フラグ格納エリア635に高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
電役サポート用処理では、RAM604の各種フラグ格納エリア635に高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態当選となった際に、電動役物91が開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放時間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態当選となり電動役物91の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間が、1回の開放時間よりも短くなるように設定する。
ちなみに、開閉実行モードに移行した場合には、RAM604の各種フラグ格納エリア635に高頻度サポートフラグがセットされていたとしても、サポートモードは強制的に低頻度サポートモードに設定される。
その後、ステップS306では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源・発射制御装置243から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
続くステップS307にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS308では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM604の該当するエリアに格納する。また、ステップS309では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM604の該当するエリアに格納する。
ここで、ステップS301〜S307の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS303の遊技回制御処理を図33,図34のフローチャートを参照して説明する。
図33に示すように、遊技回制御処理では、先ずステップS401にて、開閉実行モード中であるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア635における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS402以降の処理、すなわちステップS403〜ステップS405の遊技回開始用処理及びステップS406〜ステップS409の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動入球部84,85への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS402にて、主表示ユニット87の下作動入球部用表示部DL及び右作動入球部用表示部DRのうちいずれか一方が変動表示中であるか否か、すなわち1遊技回分の遊技の実行中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM604の各種フラグ格納エリア635における変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納(記憶)されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、下作動入球部用表示部DL及び右作動入球部用表示部DRのいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
作動入球部用表示部DL,DRが変動表示中でない場合には、ステップS403〜ステップS405の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS403にて、保留球格納エリア632の総保留数記憶領域を参照し、保留記憶されている保留情報の数である共通保留数CRNが「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、下側作動入球部84及び右側作動入球部85のいずれについても始動保留記憶数が「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。
一方、共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS404にて下側作動入球部用保留エリアRa又は右側作動入球部用保留エリアRbに記憶されているデータに基づいて変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行する。
データ設定処理では、先ず右側作動入球部用保留エリアRbに保留記憶されている右側作動入球部用保留記憶数が「0」か否かを判定する。右側作動入球部用保留記憶数が「0」である場合には下側作動入球部用のデータ設定処理を実行し、右側作動入球部用保留記憶数が「0」でない場合には右側作動入球部用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、右側作動入球部用保留記憶数が「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち右作動入球部用表示部DRについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、下側作動入球部用保留記憶数が1以上であるか否かに関係なく、右側作動入球部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するように構成されている。これにより、下側作動入球部用保留エリアRa及び右側作動入球部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、右側作動入球部85に対応した右側作動入球部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
下側作動入球部のデータ設定処理では、先ず下側作動入球部用保留エリアRaの下側作動入球部用保留記憶数を1ディクリメントし、続いて共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、下側作動入球部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動し、下側作動入球部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。
このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。そして、点灯中の下作動保留数表示部HLのLEDを1つ消灯させる。この消灯処理では、上記点灯処理とは逆に、下作動保留数表示部HLのLEDが上側から順に消灯されるようになっている。
RAM604の各種フラグ格納エリア635に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されている場合には、それを消去し、記憶されていない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始が下作動入球部用表示部DL又は右作動入球部用表示部DRのいずれであるかを特定するための情報である。その後、本データ設定処理を終了する。
第2結果表示部用のデータ設定処理では、先ず右側作動入球部用保留エリアRbの右側作動入球部用保留記憶数を1ディクリメントし、共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、右側作動入球部用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、右側作動入球部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。そして、点灯中の右作動保留数表示部HRのLEDを1つ消灯させる。この消灯処理では、上記点灯処理とは逆に、右作動保留数表示部HRのLEDが上側から順に消灯されるようになっている。
消灯処理を行った後は、RAM604の各種フラグ格納エリア635に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されていない場合には第2結果表示部フラグを格納し、記憶されている場合にはその状態を維持する。
以上詳述したデータ設定処理を行った後は、ステップS405にて主表示ユニット87における変動表示及び図柄表示装置260における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
<変動開始処理>
次に、ステップS405の変動開始処理について、図34のフローチャートを参照して説明する。変動開始処理では、主表示ユニット87の各作動入球部用表示部DL,DRにおける変動表示を開始させるとともに、図柄表示装置260における変動表示を開始させるように音声ランプ制御装置143に出力するコマンドを設定する。
先ずステップS501にて当否判定処理を実行する。当否判定処理では、実行エリアAEに格納されている当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり結果、特別当たり結果、又は外れ結果のいずれに対応しているかを判定する。具体的には、先ず入賞先が下側作動入球部84及び右側作動入球部85の何れであるかを判別する。そして判別された入賞先に応じて上記当否テーブルを選択し、その選択した当否テーブルを参照して当たり乱数カウンタC1の値が大当たり結果に対応しているか否かを判定する。大当たり結果に対応していない場合、特別当たり結果に対応しているか否かを判定する。特別当たり結果に対応していない場合、外れ結果に対応しているものと判定する。つまり、当たり乱数カウンタC1の値が外れ結果に対応した値と一致するか否かの判定を行わない。
なお、当否判定処理の方法を変更してもよく、例えば、大当たり結果に対応しているか否か、特別外れ結果に対応しているか否か、及び、完全外れ結果に対応しているか否かの判定をそれぞれ行うようにしてもよい。
続くステップS502では、振分判定処理を実行する。振分判定処理では、ステップS501での当否判定処理の結果が大当たり結果又は特別当たり結果であるか否かを判定し、判定の結果が外れ結果である場合には本処理を終了する。一方、当否判定処理の結果が大当たり結果又は特別当たり結果である場合には、入賞先が下側作動入球部84及び右側作動入球部85の何れであるかを判別する。そして判別された入賞先に応じて上記振分テーブルの選択を行い、その選択された振分テーブルを参照して当たり種別カウンタC2の値が高頻度サポートモードに対応しているか否かを判定する。つまり、当たり種別カウンタC2の値が低頻度サポートモードに対応しているか否かの判定を行わない。
当否判定処理及び振分判定処理を実行したらステップS503〜ステップS511にて、今回の遊技回において作動入球部用表示部DL,DRで実行される変動表示を終了させる場合の停止結果を設定するための処理などを実行する。
具体的には、ステップS503では、当否判定処理の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合、ステップS504に進み、RAM604の各種フラグ格納エリア635に開閉実行モードフラグをセットした後、ステップS505に進む。
ステップS505では振分判定処理の結果が高頻度サポートモードに対応しているか否かを判定する。この結果、高頻度サポートモードに対応している場合には、ステップS506に進み、高頻度サポートモード対応の大当たり(以下便宜上、第1大当たりと称する)当選用の停止結果設定処理を実行する。第1大当たり当選用の停止結果設定処理においては、第1大当たり結果に対応したフラグがセットされる。これにより、今回の遊技回が第1大当たり結果に対応していることを特定できる。第1大当たり結果に対応したフラグは、その遊技回が終了し、変動終了用の移行処理が終了したタイミングでクリアされる。
一方、高頻度サポートモードに対応していない場合には、ステップS507に進み、高頻度サポートモード非対応の大当たり(以下便宜上、第2大当たりと称する)当選用の停止結果設定処理を実行する。第2大当たり当選用の停止結果設定処理においては、第2大当たり結果に対応したフラグがセットされる。これにより、今回の遊技回が第2大当たり結果に対応していることを特定できる。第2大当たり結果に対応したフラグは、その遊技回が終了し、変動終了用の移行処理が終了したタイミングでクリアされる。
ステップS503での当否判定処理の結果が大当たり当選でない場合には、ステップS508に進み、同当否判定処理の結果が特別当たり当選であるか否かを判定する。特別当たり当選である場合、ステップS509に進み、抽選結果確定モードフラグをRAM604の各種フラグ格納エリア635にセットした後、ステップS510に進む。なお、抽選結果確定モードフラグは、特別当たり発生後に、右側可変入球部83を開放することで、上述した有利入球部としての第2下流側通路92cへの入賞を許容するフラグであり、同フラグについての詳細は後述する。
続くステップS510では、振分判定処理の結果が高頻度サポートモードに対応しているか否かを判定する。この結果、高頻度サポートモードに対応している場合には、ステップS511に進み、高頻度サポートモード対応の特別当たり(以下便宜上、第1特別当たりと称する)当選用の停止結果設定処理を実行する。第1特別当たり当選用の停止結果設定処理においては、第1特別当たり結果に対応したフラグがセットされる。これにより、今回の遊技回が第1特別当たり結果に対応していることを特定できる。第1特別当たり結果に対応したフラグは、その遊技回が終了し、変動終了用の移行処理が終了したタイミングでクリアされる。
一方、高頻度サポートモードに対応していない場合には、ステップS512に進み、高頻度サポートモード非対応の特別当たり(以下便宜上、第2特別当たりと称する)当選用の停止結果設定処理を実行する。第2特別当たり当選用の停止結果設定処理においては、第2特別当たり結果に対応したフラグがセットされる。これにより、今回の遊技回が第2特別当たり結果に対応していることを特定できる。第2特別当たり結果に対応したフラグは、その遊技回が終了し、変動終了用の移行処理が終了したタイミングでクリアされる。
ステップS508にて特別当たりに当選していないと判定された場合、ステップS513に進む。ステップS513では、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。本停止結果設定処理では、表示テーブルに記憶された完全外れ結果に対応した表示データが停止結果として設定される。各停止結果設定処理では、変動表示が終了した場合の各表示部DL,DRにおける停止結果を設定する。
ステップS506、ステップS507、ステップS511、ステップS512、ステップS513のいずれかにて停止結果設定処理を実行したら、ステップS514に進む。ステップS514では、変動表示時間の設定処理を実行する。具体的には、RAM604の変動表示時間カウンタエリアに変動表示時間をセットする。変動表示時間カウンタエリアの値は所定期間毎に減算されるようになっており、その値が「0」となった場合にその遊技回が終了される。
変動表示時間の設定処理では、変動種別カウンタCSの値を取得するとともに、ROM603に記憶された変動表示時間テーブルからその変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を選択するようになっている。変動表示時間テーブルには、大当たり結果に対応したものと、特別当たり結果に対応したものと、外れ結果に対応したものと、が設定されている。これにより、変動種別カウンタCSの値が同一であったとしても遊技結果によって変動表示時間を異ならせることが可能となる。この結果、設定される変動表示時間のパターンを多様化できる。
変動表示時間を設定したらステップS515に進む。ステップS515では、変動開始コマンド及び種別コマンドを設定する。変動開始コマンドには、変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、大当たり結果、特別当たり結果、高頻度サポートモード対応の有無の情報などが含まれる。
ステップS515にて設定された変動開始コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図32)におけるステップS301にて、音声ランプ制御装置143に送信される。音声ランプ制御装置143では、受信した変動開始コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置260での図柄の変動表示態様が含まれており、この決定された図柄の変動表示態様は音声ランプ制御装置143を経由して表示制御装置170に出力される。
具体的には変動表示時間を把握させるためのコマンドとして変動開始コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置170に送信する。さらに、上記変動開始コマンド及び種別コマンドに基づいて、大当たりの当否、大当たりに当選している場合の大当たりの種別及び決定した演出の内容に対応した情報を含んだ予告コマンドを決定し、当該予告コマンドを上記変動開始コマンドと合わせて表示制御装置170に送信する。表示制御装置170では、受信した変動開始用コマンド及び予告コマンドに基づいて、その遊技回における図柄表示装置260での変動表示パターンを決定し、その決定した変動表示パターンが実行されるように図柄表示装置260を表示制御する。
その後、ステップS516にて、各表示部DL,DRにおいて絵柄の変動表示を開始させる。その後、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図33)の説明に戻り、主表示部D(詳しくは作動入球部用表示部DL,DR)が変動表示中である場合には、ステップS406〜ステップS409の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS406にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種カウンタエリア634に設けられた表示継続期間カウンタ(変動表示時間情報)の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図31)が起動される度に、1ディクリメントされる。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS407にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、主表示部D(詳しくは下作動入球部用表示部DL又は右作動入球部用表示部DR)における表示態様を変更する。具体的には、変動表示用処理では、今回の遊技回に係る作動入球部用表示部が有するLEDが所定の周期で点灯及び消灯されていくように、また発光色が変化するように当該作動入球部用表示部DL,DRを表示制御(各表示用LEDの発光制御)する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
表示継続時間が経過している場合には、ステップS408にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、現状実行されている遊技回を開始させる場合に実行された変動開始処理(図34)のステップS506、ステップS507,ステップS511,ステップS512,ステップS513のいずれかの処理においてRAM604に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄の態様が主表示部Dの作動入球部用表示部DL,DRにて表示されるように主表示ユニット87を表示制御する。
続くステップS409では変動終了コマンドを設定した後に、本遊技回制御処理を終了する。ステップS409にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図32)におけるステップS301にて、音声ランプ制御装置143に送信される。音声ランプ制御装置143では、変動終了コマンドを受信することに基づいて、その遊技回における演出を終了させるための処理を実行する。また、当該変動終了コマンドは、音声ランプ制御装置143を経由して表示制御装置170に送信され、表示制御装置170では当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを図柄表示装置260の表示画面261aに確定表示(最終停止表示)させる。なお、変動終了コマンドが送信されずに、音声ランプ制御装置143や表示制御装置170にて独自に遊技回用の演出を終了させる構成としてもよい。
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS304の遊技状態移行処理を図35のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS601では、大当たり結果又は特別当たり結果に対応した開閉実行モード中か否かを判定する。大当たり結果又は特別当たり結果に対応した開閉実行モード中でない場合には、ステップS602に進む。ステップS602では、特別当たり結果に対応した抽選結果確定モード中か否かを判定する。つまり、右側作動入球部85への入賞に基づく抽選結果が特別当たり結果となり、右側可変入球部83への遊技球の流入が許容されるモードへ切り替わっているか否かを判定する。
ステップS601及びステップS602のそれぞれでは、各種フラグ格納エリア635に設けられた開閉実行モードフラグ格納エリア及び抽選結果確定モードフラグ格納エリアに対応したフラグがセットされているか否かによって判定する。なお、抽選結果確定モードフラグは、右側作動入球部85への入賞に基づく抽選を行った際に、特別当たりに当選することで上記フラグ格納エリアに格納される。
ステップS602にて特別当たり結果に対応した抽選結果確定モード中であると判定した場合には、ステップS603の特別当たり用の移行処理に進む。この特別当たり用の移行処理については後述する。
一方、ステップS602にて抽選結果確定モード中でないと判定した場合、ステップS604に進む。ステップS604では、1の遊技回の各表示部DL,DRにおける変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS605にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア635に、開閉実行モードフラグが格納されているか否かを判定する。同フラグが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS606にて第1ラウンドカウンタエリアRC1に、「15」をセットする。第1ラウンドカウンタエリアRC1は、下側可変入球部82が開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。
続くステップS607においては、今回の当たり結果が高頻度サポートモードに対応しているか否かを判定し、同高頻度サポートモードに対応している場合には、RAM604の各種フラグ格納エリア635に高頻度サポートモードフラグをセットする。
ステップS607の処理を実行した後は、ステップS608にてオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図32)におけるステップS301にて、音声ランプ制御装置143に送信される。このオープニングコマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報や抽選結果確定モードを経由した大当たりであるかの情報が含まれる。
音声ランプ制御装置143では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。また、当該オープニングコマンドは、音声ランプ制御装置143から表示制御装置170に送信され、表示制御装置170では当該オープニングコマンドを受信することにより、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置260を表示制御する。ステップS608の処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。
<特別当たり用の移行処理>
ここで、図36のフローチャートを参照して特別当たり用の移行処理について説明する。
先ずステップS701では、右側可変入球部83が開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入球駆動部83cの駆動状態に基づいてかかる判定を行う。右側可変入球部83が開放中でない場合には、ステップS702にて切替部材93を非誘導状態から誘導状態に切り替える。具体的には駆動部94を励磁することによって、切替部材93を誘導状態に切り替えることで、第1下流側通路92bへの遊技球の流入を不可とするとともに、第2下流側通路92cへ遊技球を誘導可能な状態とする。
続くステップS703では、RAM604に設けられた第1タイマエリアt1に「1500」をセットする。ここでセットされたカウント値は、所定周期(2msec周期)で1ディクリメントされる。
第1タイマエリアt1に値をセットしたらステップS704に進み、開放コマンドをセットするとともに、右側可変入球部83の開放処理を実行する。開放コマンドは、図32の通常処理における外部出力処理(ステップS301)にて、音声ランプ制御装置143及び表示制御装置170に送信される。音声ランプ制御装置143及び表示制御装置170では、受信した開放コマンドに基づいて、特別当たり結果に対応した抽選確定実行モードにおいて右側可変入球部83が開放中である場合の演出を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。右側可変入球部の開放処理では、右側可変入球部83を開放すべく可変入球駆動部83cを駆動状態とする。ステップS704の処理を実行したら、本特別当たり用の移行処理を終了する。
一方、ステップS701にて右側可変入球部83が開放中であると判定した場合には、ステップS705に進む。ステップS705では、第1タイマエリアt1の値が「500」であるか否かを判定する。すなわち、切替部材93を誘導状態に切り替えた後2秒が経過したか否かを判定する。第1タイマエリアt1の値が「500」であると判定した場合には、ステップS706に進み切替部材93の復帰処理を実行する。切替部材復帰処理においては、駆動部94の励磁を解除することにより、切替部材93が非誘導状態へと切り替わる。これにより、第2下流側通路92cへの遊技球の流入が不可となり、この後のタイミングで右側可変入球部83に流入した遊技球は第1下流側通路92bへ導かれることとなる。
続くステップS707では、第1タイマエリアt1の値が「0」であるか否かを判定する。すなわち、切替部材93を誘導状態に切り替えた後3秒が経過したか否かを判定する。
第1タイマエリアt1の値が「0」でない場合には、ステップS708に進む。ステップS708では、有利入球部としての第2下流側通路92cに遊技球が流入したか否かを判定する。具体的には、上述したタイマ割込み処理におけるステップS101の読み込み処理にて、右側可変入球部83に設けられた第2下流側検知センサ95cが遊技球の入賞を検知していたか否かを判定する。ステップS708にて有利入球部への入賞有りと判定した場合、ステップS709にて下側可変入球部82に対応した開閉実行モード設定処理を実行する。ステップS708にて有利入球部への入賞有りと判定しなかった場合、又は、ステップS707にて開閉実行モード設定処理を実行した場合、そのまま本特別外れ結果用の移行処理を終了する。
一方、ステップS707にて第1タイマエリアt1の値が「0」であると判定した場合、特別当たり結果に対応した抽選結果確定モードが終了したことを意味する。この場合、先ず、ステップS710にて、閉鎖コマンドをセットするとともに、右側可変入球部83の閉鎖処理を実行する。閉鎖コマンドは、外部出力処理(ステップS501)にて、音声ランプ制御装置143及び表示制御装置170に送信される。音声ランプ制御装置143及び表示制御装置170では、受信した閉鎖コマンドに基づいて、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。具体的には、本処理が実行された場合、特別当たり結果に対応した抽選結果確定モードが終了したことを意味するため、特別当たり結果に対応した抽選結果確定モードの終了に対応した演出が実行される。例えば「リトライ!」等のメッセージを図柄表示装置260にて表示する。
右側可変入球部閉鎖処理では、右側可変入球部83を閉鎖すべく可変入球駆動部83cを非駆動状態とする。続くステップS711では、特別当たり結果に対応した抽選結果確定モードフラグをクリアして本特別当たり用の移行処理を終了する。
遊技状態移行処理(図35)の説明に戻り、ステップS601にて大当たり結果又は特別当たり結果に対応した開閉実行モード中であると判定した場合、ステップS606〜ステップS612の大当たり結果又は特別当たり結果に対応した開閉実行モード用の処理を実行する。
ステップS601にて大当たりに対応した開閉実行モード中であると判定した場合、ステップS609に進む。ステップS609では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS610にて下側可変入球部開閉処理を実行する。
下側可変入球部開閉処理では、下側可変入球部82が閉鎖中である場合には、第1ラウンドカウンタエリアRC1が「1」以上であることを条件として、可変入球駆動部82cを駆動状態とすることで下側可変入球部82を開放させる。また、下側可変入球部82が開放中である場合には、当該下側可変入球部82の開放から開放限度時間が経過していること又は開放限度個数が入賞していることを条件として、可変入球駆動部82cの駆動状態を停止し、下側可変入球部82を閉鎖させる。
ステップS610にて下側可変入球部開閉処理を実行した後に、続くステップS611にて第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」か否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合には、ステップS612にて開閉実行モードフラグをクリアする。
ステップS612にて開閉実行モードフラグをクリアしたらステップS613に進み、高頻度サポートモードフラグがセットされているか否かを判定する。高頻度サポートモードフラグがセットされていない場合、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。高頻度サポートモードフラグがセットされている場合、ステップS614に進み、RAM604に設けられた遊技回数カウンタに「100」をセットして本遊技状態移行処理を終了する。遊技回数カウンタに「100」がセットされることにより、高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。但し、高頻度サポートモードは遊技回が100回継続した場合に終了し、その後、サポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態に移行する。なお、高頻度サポート継続回数(制限遊技回数)は、100回に限定されることはなく、10回、20回、30回といった1回以上100回未満であってもよく、101回以上であってもよい。
次に、主制御装置162から音声ランプ制御装置143を経由して表示制御装置170に出力される各種コマンドに基づいて、当該表示制御装置170のMPU702により実行される各種制御を説明する。
<表示制御装置170におけるコマンド入力処理>
先ず、音声ランプ制御装置143からコマンドを入力した場合に起動されるコマンド入力処理について、図37のフローチャートを参照しながら説明する。コマンド入力処理は、音声ランプ制御装置143からコマンドを入力した時点で、他の処理に割り込んで起動される。
コマンド入力処理では、先ずステップS801にて、変動開始コマンドを入力したか否かを判定する。変動開始コマンドは、既に説明したように、1遊技回を開始する場合、すなわち主表示ユニット87の作動入球部用表示部DL,DRにおける表示態様の切り替え表示を開始する場合に出力されるコマンドであり、当該遊技回において大当たり状態が発生するか否か、リーチ変動表示が発生するか否か、リーチ変動表示が発生する場合に複数種設定されているうちのいずれのリーチ変動表示を行うか、図柄の変動表示時間を複数種設定されているうちのいずれの変動表示時間とするか、といった情報が含まれている。
変動開始コマンドを入力している場合には、ステップS801にて肯定判定をし、ステップS802に進む。ステップS802では、変動開始コマンドに含まれた情報から、当該遊技回において特別リーチ(特別リーチ変動表示)や特別リーチ予告を発生させるか否かを判定する。
ここで、リーチ変動表示とは、図柄表示装置260の表示画面261aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止させることで、大当たり状態の発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置260の表示画面261a内の予め設定された有効ライン上に、大当たり状態の発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列(中図柄列)により図柄の変動表示を行うことである。また、リーチ変動表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のリーチ演出表示を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面261aの略全体においてリーチ演出表示を行うものが含まれる。
特別リーチとは、通常のリーチ演出表示よりも発生頻度が低く設定され、且つ大当たり等の特典が付与される期待度が同通常のリーチ演出表示よりも高く設定されたものであり、特別リーチ予告とは、通常のリーチ予告表示よりも発生頻度が低く設定され、且つ大当たり等の特典が付与される期待度が上記通常のリーチ予告表示よりも高く設定されたものである。特別リーチ予告について補足説明すれば、同特別リーチ予告表示とは、可変遊技装置88のリングユニット300が初期状態(図17(a)参照)からリーチ予告用の回動状態(図17(b)参照)に切り替えられるとともに、図柄表示装置260の表示画面261aに表示されている図柄列のスクロール方向等をリングユニット300の動きに合わせて変化させるリーチ予告表示である。この演出に関する詳細については後述する。
特別リーチや特別リーチ予告を発生させない場合には、ステップS803にて第1変動用処理を実行した後に、本コマンド入力処理を終了する。第1変動用処理では、変動開始コマンドに含まれた情報から、最終的に表示させる図柄の組み合わせの種類の情報、リーチ変動表示を行う場合にはそのリーチ変動表示の種類の情報、及び図柄の変動表示時間の情報などを特定し、それら特定した各情報を表示制御装置170のワークRAM704に一時記憶させる。各情報の特定に際しては、表示制御装置170のプログラムROM703に記憶されたテーブル情報が参照され、当該テーブル情報から変動開始コマンドに対応した情報が特定される。また、変動表示中であることを特定するための情報もワークRAM704に一時記憶させる。なお、第1変動用処理にてワークRAM704に一時記憶された情報は、該当する遊技回が終了したタイミングで消去される。
特別リーチや特別リーチ予告を発生させる場合には、ステップS804にて第2変動用処理を実行した後に、本コマンド入力処理を終了する。第2変動用処理では、図柄表示装置260における図柄の変動表示の情報として、特別リーチや特別リーチ予告に対応した変動表示の各情報を特定し、それら特定した各情報をワークRAM704に一時記憶させる。具体的には、最終的に表示させる図柄の組み合わせの種類の情報、特別リーチ用フラグといったようにリーチ変動表示として特別リーチを発生させることを特定するための情報、変動表示の終了後に大当たり状態が発生するか否かを特定するための情報、図柄の変動表示の開始から特別リーチを発生させるまでの変動表示時間の情報、及び特別リーチの開始から最終停止表示までの変動表示時間の情報などを特定し、それら特定した各情報を表示制御装置170のワークRAM704に一時記憶させる。
なお、各情報の特定に際して、プログラムROM703に記憶されたテーブル情報が参照されること、変動表示中であることを特定するための情報をワークRAM704に一時記憶させること、及びワークRAM704に一時記憶された情報が該当する遊技回が終了したタイミングで消去されることは、第1変動用処理と同様である。また、図柄の変動表示の開始から特別リーチを発生させるまでの変動表示時間、及び特別リーチの開始から最終停止表示までの変動表示時間をどのように計測するかは任意であるが、例えば、ワークRAM704の各種カウンタエリア722に第1カウンタエリア(第1計測手段)と第2カウンタエリア(第2計測手段)とを設定しておき、第1カウンタエリアにて図柄の変動表示の開始から最終停止表示までの変動表示時間を計測し、第2カウンタエリアにて図柄の変動表示の開始から特別リーチを発生させるまでの変動表示時間を計測する構成としてもよい。
一方、変動開始コマンドを入力していない場合には、ステップS801にて否定判定をし、ステップS805に進む。ステップS805では、大当たり開始コマンドを入力したか否かを判定する。大当たり開始コマンドは既に説明したように、大当たり状態が発生する遊技回における主表示部Dの作動入球部用表示部DL,DRでの表示色の切り替え表示及び図柄表示装置260での図柄の変動表示が終了し、大当たり状態に移行する場合に出力されるコマンドである。
大当たり開始コマンドを入力している場合には、ステップS806にて開始用処理を実行した後に、本コマンド入力処理を終了する。開始用処理では、大当たり状態用の表示の情報を特定し、その特定した情報を表示制御装置170のワークRAM704に一時記憶させる。また、大当たり状態を開始させることを特定するための情報もワークRAM704に一時記憶させる。
大当たり開始コマンドを入力していない場合には、ステップS807にて大当たり終了コマンドを入力したか否かを判定する。大当たり終了コマンドは、既に説明したように、大当たり状態が終了した場合に出力されるコマンドである。
大当たり終了コマンドを入力している場合には、ステップS808にて終了用処理を実行した後に、本コマンド入力処理を終了する。終了用処理では、大当たり状態終了用の表示の情報を特定し、その特定した情報を表示制御装置170のワークRAM704に一時記憶させる。また、大当たり状態を終了させることを特定するための情報もワークRAM704に一時記憶させる。また、開始用処理にて記憶された大当たり状態用の表示の情報を、ワークRAM704から消去する。また、終了用処理にてワークRAM704に記憶された大当たり状態終了用の表示の情報は、当該表示が完了したタイミングで消去される。
大当たり終了コマンドを入力していない場合には、待機用処理を実行する。待機用処理では、前回の図柄の変動表示が終了したタイミングから待機用に設定された所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過している場合には待機用の表示の情報を特定し、その特定した情報を表示制御装置170のワークRAM704に一時記憶させる。
以上のように、コマンド入力処理が実行されることで、ワークRAM704に対して表示に関する情報が記憶される。表示制御装置170のMPU702では、詳細な説明は省略するが、繰り返し実行される表示用通常処理の一部として表示制御用処理を実行しており、当該表示制御用処理ではワークRAM704に記憶されている情報に基づいてVDP705に対して内部コマンドを生成し、その生成した内部コマンドをVDP705に出力する。VDP705では、MPU702から入力した内部コマンドに基づいて、図柄表示装置260に所定の画像を表示させる処理を実行する。
次に、表示制御装置170のMPU702において表示用通常処理の一部として実行されるリング同期演出用表示処理について、図38のフローチャートを参照しながら説明する。リング同期演出用表示処理については、上記特別リーチ予告が選択された場合に実行される処理であり、具体的には、ワークRAM704の変動表示態様記憶エリア723に格納されている表示態様情報がリング同期演出に対応するものである場合に実行される。
<リング同期演出用表示処理>
リング同期用演出表示処理においては、先ずステップS901にてリング同期演出開始タイミングであるか否かを判定する。具体的には、ワークRAM704の各種カウンタエリア722に格納されているタイミング判定用カウンタの値を参照して、図柄の変動表示が開始されてから第1期間が経過したタイミングであるか否かを判定する。
ステップS901にて肯定判定をした場合には、ステップS902に進みリングユニット駆動処理を実行する。このリングユニット駆動処理では、リングユニット300のステッピングモータ341に対して駆動信号を出力することにより、回動リング331及び装飾部材335を回転させる。具体的には初期位置から遊技機正面視にて時計回りに所定角度(本実施の形態においては凡そ45°)回転させる。
ステップS902の処理を実行した後は、ステップS903に進み、画像回転処理を実行する。この画像回転処理においては、表示画面261aに表示している画像(図柄列及び背景)を回動リング331(装飾部材335)の回転と同期させて回転させる。つまり、遊技機正面視にて時計回りに所定角度(本実施の形態においては凡そ45°)回転させる。これにより、あたかも装飾部材335と図柄等の画像とが一体となって回転したかのような印象を遊技者に対して与えることができる。
ここで、表示画面261aにおける画像の回転中心CTP2は装飾部材335の回転中心CTP1の後方に位置している。このため、表示画面261aをパチンコ機10の正面側から見た場合には、装飾部材335と画像とが同じ箇所を中心として回転したかのような印象を与えやすくなる。これにより、装飾部材335と図柄表示装置260とを用いた演出をより一体的なものとすることが可能となっている。
ステップS902及びステップS903の処理を実行した後は、ステップS904に進み、スクロール速度変更処理を実行する。スクロール速度変更処理においては、ステップS903の処理にて初期状態でのスクロール方向先側に上るように(左側に向けて上り傾斜となるように)スクロール方向が変更されることに合わせて、スクロール速度を低下させる。これにより、図柄列のスクロール速度が通常よりも急速に減速することとなる。
ステップS904の処理を実行した後、又はステップS901にて否定判定をした場合には、ステップS905に進む。ステップS905では、リング同期演出終了タイミングであるか否かを判定する。具体的には、ワークRAM704の各種カウンタエリア722に格納されているタイミング判定用カウンタの値を参照して、図柄の変動表示が開始されてから第1期間よりも長く設定された第2期間が経過したタイミングであるか否かを判定する。
ステップS905にて否定判定をした場合には、そのまま本リング同期演出用表示処理を終了する。一方、ステップS905にて肯定判定をした場合には、続くステップS906に進み、リングユニット復帰処理を実行する。このリングユニット復帰処理においては、リングユニット300のステッピングモータ341に対して駆動信号を出力することにより、回動リング331及び装飾部材335を回転させる。具体的には回動位置から遊技機正面視にて反時計回りに所定角度(本実施の形態においては凡そ45°)回転させる。これにより、回動リング331及び装飾部材335が初期位置に復帰する。
ステップS906の処理を実行した後は、ステップS907に進み、画像回転処理を実行する。この画像回転処理においては、表示画面261aに表示している画像(図柄列及び背景)を回動リング331(装飾部材335)の回転と同期させて回転させる。つまり、遊技機正面視にて反時計回りに所定角度(本実施の形態においては凡そ45°)回転させる。これにより、あたかも装飾部材335と図柄等の画像とが一体となって回転したかのような印象を遊技者に対して与えることができる。
ここで、表示画面261aにおける画像の回転中心CTP2は装飾部材335の回転中心CTP1の後方に位置している。このため、表示画面261aをパチンコ機10の正面側から見た場合には、装飾部材335と画像とが同じ箇所を中心として回転したかのような印象を与えやすくなる。これにより、装飾部材335と図柄表示装置260との演出をより一体的なものとすることが可能となっている。
ステップS906及びステップS907の処理を実行した後は、ステップS908に進み、スクロール速度変更処理を実行する。スクロール速度変更処理においては、ステップS907の処理にてスクロール方向が水平方向となるように変更されることに合わせて、スクロール速度の一時的な減速を解除する。この状態では、リーチ変動表示となっており、中央の図柄列のみがスクロール表示されている状態となるが、スクロール速度の規制を解除することにより、リーチ表示演出に生じる制約を回避している。
ステップS908の処理を実行した後は、本リング同期演出用表示処理を終了する。
<リング同期演出における表示態様>
ここで、図39のタイミングチャートを参照して、リング同期演出における表示態様について説明する。図39(a)は回動リング331及び装飾部材335の回転角度を示す概略図、図39(b)は画像(図柄列や背景)の回転角度を示す概略図、図39(c)は上図柄列のスクロール速度を示す概略図、図39(d)は中図柄列のスクロール速度を示す概略図、図39(e)は下図柄列のスクロール速度を示す概略図、図39(f)は表示画面261aにおける表示態様を示す概略図である。
tc0のタイミングにて前回の遊技回が終了し、各図柄列が停止表示されると、一時的に図柄列が停止表示した状態が維持される。その後、tc1のタイミングにて下側作動入球部84への入球が発生すると、同入球を契機として図柄列の変動表示が開始される。各図柄列のスクロール速度は直後のtc2のタイミングで最大となり、同tc2のタイミングから所定の期間が経過したtc3のタイミングにて先ず上側図柄列のスクロール速度が徐々に低下する。そして、tc4のタイミングにて上図柄列が停止表示されることとなる。
その後、tc5のタイミングにて下図柄列のスクロール速度が低下する。この際、上図柄列において有効ライン上に停止表示されている図柄とともにリーチ状態を構成し得る図柄が有効ラインを通過する前のtc6のタイミングにて回動リング331及び装飾部材335が遊技機正面視にて時計回りに回転を開始する。これに同期して、図柄列のスクロール方向先側に向けて上るように、表示画面261aにおける画像(図柄列及び背景)が回転し、同回転に合わせて、下図柄列及び中図柄列のスクロール速度が低下する。特に、下図柄列に関しては、既に減速を開始しているが、その減速の度合い(減速率)が大きくなることで、急速にその勢いを失うこととなる。
tc7のタイミングにて装飾部材335及び画像の回転が停止すると、それら装飾部材335及び画像が図柄列のスクロール方向先側に上るように傾いた状態となる。そして、その後のtc8のタイミングにて下図柄が停止表示される。この際、通常の減速態様であれば有効ライン上を素通りするはずであった図柄(詳しくは上図柄とともにリーチ表示を実現する図柄)が急激な減速によって有効ライン上に停止する。これにより、上図柄列と下図柄列とによってリーチ表示が実現される(待機図柄が形成される)。
このようにtc8のタイミングにてリーチ表示となると、装飾部材335及び画像(図柄列及び背景)が初期状態への復帰を開始する。これにより、中図柄列の減速が緩和される。
装飾部材335及び画像の復帰が完了した後のtc9のタイミングにて中図柄列のスクロール速度が再び低下し、tc10のタイミングにて停止中の上図柄及び下図柄とともに大当たりに対応する図柄の組み合わせを構成する中図柄が有効ライン上に停止する。これにより、開閉実行モードへ移行されることとなる。
下側作動入球部84への入球に基づく当たり発生時には、各当たりの種別に対応した図柄の組み合わせが停止表示され、当たりの種別が開閉実行モードへの移行前に報知されることとなる。一方、有利入球部への入球に基づく大当たり発生時には、開閉実行モード中に大当たりの種別を報知する構成が採用されている。具体的には、図柄表示装置260の表示画面261aにて当たり種別を報知する構成が採用されている。そこで以下、当たり種別の報知にかかる構成について説明する。
<当たり種別報知用設定処理>
表示制御装置170のMPU702においては、当たり種別報知用の設定処理が実行される。図40のフローチャートに示すように、当たり種別報知用設定処理においては先ず、ステップS1001にて有利入球部への入球による大当たりが発生したか否かを判定する。具体的には、主制御装置162からのオープニングコマンドには大当たりの種別に加え、その大当たりが有利入球部への入球に基づくものであるかそれとも下側作動入球部84への入球に基づくものであるかの情報が含まれており、この情報に基づいてステップS1001の判定を実行する。
ステップS1001にて否定判定をした場合には、そのまま本当たり種別報知用設定処理を終了する。一方、ステップS1001にて肯定判定をした場合には、ステップS1002に進み、今回の当たり種別が高頻度サポートモードの大当たりであるか否かを判定する。ステップS1002にて肯定判定をした場合、すなわち今回の大当たりが高頻度サポートモード対応の大当たりである場合には、ステップS1003にて高頻度サポートモード対応の大当たりに対応した停止絵柄の決定処理を実行する。
一方、ステップS1002にて否定判定をした場合、すなわち今回の大当たりが低頻度サポートモード対応の大当たりである場合には、ステップS1004にて低頻度サポートモード対応の大当たりに対応した停止絵柄の決定処理を実行する。
ステップS1003及びステップS1004の処理を実行した後は、ステップS1005に進み、変動表示態様の決定処理を実行する。変動表示態様決定処理においては、表示制御装置170(プログラムROM703)の変動表示態様決定用テーブル記憶エリアに格納された変動表示態様決定用テーブルを参照して変動表示態様を決定する。この変動表示態様決定用テーブルは、下側作動入球部84への入球が発生した場合に、同入球に基づいて表示制御装置170にて図柄列の変動表示を行う際に参照されるテーブルである。
ステップS1003〜ステップS1005にて停止絵柄及び絵柄の変動表示態様が決定された後は、続くステップS1006にてそれら停止絵柄及び変動表示態様に基づいて割り込み用報知画像設定処理を実行する。ステップS1006の処理においては、開閉実行モード中の動画に対して割り込ませる画像に対応した情報がワークRAM704の変動表示態様記憶エリア723に格納される。
本実施の形態においては、下側作動入球部84への入球に基づいて変動表示される図柄と、開閉実行モード中に当たり種別の報知に使用される絵柄とが類似の構成となっている。ここで、図41を参照し、それら図柄及び絵柄の差違について説明する。図41は通常変動用の図柄と特別報知用の絵柄とを比較した概略図である。
図29を参照して説明したように、下側作動入球部84への入球に基づく変動表示に使用される図柄については9種類の主図柄と1種類の副図柄とによって構成されており、このうち主図柄については、「タコ」や「フグ」等のキャラクタ部と「1」や「2」等の数字部とによって構成されている。
ここで、図41に示すように、特別報知用の絵柄については、上記主図柄のキャラクタ部が採用される一方で数字部については省略されている。キャラクタ部及び数字部については主図柄における占有領域が後者よりも前者の方が大きく設定されている。このため、それら図柄及び絵柄については一見として同一と認識される構成となっている。
なお、特別報知に使用される絵柄についてはキャラクタ部を囲むようにしてエフェクト部が追加されているが、その占有領域はキャラクタ部と比較して十分に小さく設定されており、図柄と絵柄とが同一であるとの認識を否定しないように配慮されている。因みに、同エフェクト部については必須の構成ではなく、同エフェクト部を省略することも可能である。
上述した各図柄については高頻度サポートモード対応の大当たり又は低頻度サポートモード対応の大当たりに対応しており、それら各絵柄に類似する絵柄についても同様の関係となるように設定されている。具体的には、通常時の変動表示に使用される主図柄のうち「タコ&1」,「カメ&3」,「エビ&5」,「ジュゴン&7」,「カニ&9」といった奇数の数字部を有する主図柄については高頻度サポートモード対応の図柄となっており、特別報知に使用される絵柄のうち「タコ」,「カメ」,「エビ」,「ジュゴン」,「カニ」といったキャラクタ部を有する絵柄については高頻度サポートモード対応の絵柄となっている。また、通常時の変動表示に使用される主図柄のうち「フグ&2」,「サメ&4」,「アンコウ&6」,「シマダイ&8」といった奇数の数字部を有する主図柄については低頻度サポートモード対応の図柄となっており、特別報知に使用される絵柄のうち「フグ」,「サメ」,「アンコウ」,「シマダイ」といったキャラクタ部を有する絵柄については低頻度サポートモード対応の絵柄となっている。
有利入球部への入球によって大当たりが確定した場合には、特別報知にて「タコ」の絵柄の組み合わせ,「カメ」の絵柄の組み合わせ,「エビ」の絵柄の組み合わせ,「ジュゴン」の絵柄の組み合わせ,「カニ」の絵柄の組み合わせの何れかが上記有効ライン上に最終停止表示される。
一方、有利入球部への入球によって低頻度サポートモード対応の大当たりが確定した場合には、特別報知にて「フグ」の絵柄の組み合わせ,「サメ」の絵柄の組み合わせ,「アンコウ」の絵柄の組み合わせ,「シマダイ」の絵柄の組み合わせの何れかが上記有効ライン上に最終停止表示される。
<当たり種別報知用表示処理>
上記当たり種別報知用設定処理にて設定された割り込み用報知画像に基づく報知処理について説明する。
図42のフローチャートに示すように、当たり種別報知用表示処理においては先ず、ステップS1101にて開閉実行モード中であるか否かを判定する。ステップS1101にて否定判定した場合にはそのまま本当たり種別報知用表示処理を終了する。
ステップS1101にて肯定判定をした場合には、ステップS1102に進み、ワークRAM721の変動表示態様記憶エリアに特別報知用の画像に対応した情報が格納されているか否かを判定する。ステップS1102にて否定判定した場合には、そのまま本当たり種別報知用表示処理を終了する。
ステップS1102にて肯定判定をした場合には、ステップS1103に進み、特別報知の開始タイミングであるか否かを判定する。具体的には、開閉実行モード中における第2Rの開始タイミングとなっているか否かを判定する。ステップS1103にて否定判定をした場合には、そのまま本当たり種別報知用表示処理を終了する。一方、ステップS1103の処理にて肯定判定した場合には、ステップS1104に進み、報知用画像の割り込み処理を実行する。具体的には、VDP705に特別報知用の画像をセットする。
<図柄の変動表示態様及び特別報知実行時の絵柄の変動表示態様>
ここで、図43を参照して、下側作動入球部84への入球に基づく図柄の変動表示態様と、特別報知実行時の絵柄の変動表示態様とについて説明する。なお、図43(1)群は下側作動入球部84への入球に基づく図柄の変動表示態様を示し、図43(2)群は特別報知実行時の絵柄の変動表示態様を示す。
先ず下側作動入球部84への入球に基づく図柄の変動表示態様の一例について説明する。td0のタイミングにて下側作動入球部84への入球したことを条件として、全ての図柄列の変動表示を開始する(図43(a1)参照)。その後、図43(b1)に示すように、td1のタイミングにて上図柄列の変動表示が終了し、主制御装置162からの変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて設定された図柄が上記有効ライン上に停止する。停止態様の一例としては、高頻度サポートモード対応の図柄(例えば「ジュゴン&7」)と低頻度サポートモード対応の図柄(例えば「アンコウ&6」)とが有効ライン上に停止する。
その後、td2のタイミングにおいては下図柄列の変動表示が終了し、図43(c1)に示すように、有効ライン上に上記各コマンドに基づいて設定された図柄が停止する。具体的には、上図柄列において有効ライン上に停止している各図柄と大当たりに対応する図柄の組み合わせを構成する図柄(例えば「ジュゴン&7」及び「アンコウ&6」)を停止表示する。
停止している上図柄及び下図柄については、変動表示領域MEの中央部分を挟んで斜めに対峙しており、この中央部分に中図柄列におけるどの図柄が停止するかによって、外れ,低頻度サポートモード対応の大当たり,高頻度サポートモード対応の大当たりの何れかに対応する遊技結果が表示されることとなる。
td2にタイミングにてリーチ変動表示が開始された後のtd3のタイミングにおいては、表示画面261aの中央に所定のキャラクタ(本実施の形態においては女の子の画像)が表示される(図43(d1)参照)。そして、続くtd4のタイミングでは、図43(e1)に示すように、中図柄列の変動表示が終了し、上図柄及び下図柄と大当たり図柄の組み合わせを構成する中図柄が上記有効ライン上に停止する。これにより、遊技者は大当たりに当選した旨を把握することができる。
図43の例においては、中図柄列を構成する高頻度サポートモード対応の図柄(ジュゴン&7)が停止することにより、有効ライン上に同一の高頻度サポートモード対応の図柄が揃った状態となる。これにより、遊技者は高頻度サポートモード対応の大当たりに当選した旨を把握することができる。
次に、特別報知実行時の絵柄の変動表示態様の一例について説明する。開閉実行モードへ移行した後のtd0のタイミングにおいては、開閉実行モードにて表示される動画に割り込むようにして絵柄列が表示されるとともにそれら絵柄の変動表示が開始される(図43(a2)参照)。各絵柄列における絵柄の配列は、上記図柄列の配列と同様となっており、更には、表示画面261aにおける各図柄の表示位置及びスクロール方向等も同一となっている。つまり、下側作動入球部84への入球に基づいて実行される図柄の変動表示との差違は、図41を参照して説明した図柄と絵柄との違いとなっている。
絵柄の変動表示を開始した後のtd1のタイミングにおいては、上絵柄列の変動表示が終了し、予め設定された図柄が上記有効ライン上に停止する(図43(b1)参照)。停止態様の一例としては、高頻度サポートモード対応の絵柄(例えば「ジュゴン」)と低頻度サポートモード対応の絵柄(例えば「アンコウ」)とが有効ライン上に停止する。このようにして高頻度サポートモード対応の絵柄と低頻度サポートモード対応の絵柄との両者を有効ライン上に停止させることにより、上図柄列の停止結果によって今回の当たり結果が一義的に把握されることを回避し、その後の当たり種別の報知への注目度が低下することを抑制することが可能となっている。
その後、td2のタイミングにおいては、下絵柄列の変動表示が終了し、図43(c2)に示すように、上絵柄列において有効ライン上に停止している各絵柄と同じ絵柄(例えば「ジュゴン」及び「アンコウ」)を停止表示する。
停止している上絵柄及び下絵柄については、変動表示領域MEの中央部分を挟んで斜めに対峙しており、この中央部分に中絵柄列におけるどの絵柄が停止するかによって、今回の大当たりが低頻度サポートモード対応の大当たり及び高頻度サポートモード対応の大当たりのどちらであるかが報知されることとなる。
td2にタイミングにて擬似リーチ変動表示が開始された後のtd3のタイミングにおいては、表示画面261aの中央に所定のキャラクタ(本実施の形態においては女の子の画像)が表示される(図43(d2)参照)。そして、続くtd4のタイミングでは、図43(e2)に示すように、中絵柄列の変動表示が終了し、上絵柄及び下絵柄と所定の組み合わせを構成する中絵柄が上記有効ライン上に停止する。図43の例においては、中絵柄列を構成する高頻度サポートモード対応の絵柄(ジュゴン)が停止することにより、有効ライン上に同一の高頻度サポートモード対応の絵柄が揃った状態となる。これにより、遊技者は高頻度サポートモード対応の大当たりに当選した旨を把握することができる。
このように、特別報知実行時の絵柄の変動表示態様に対して下側作動入球部84への入球に基づく図柄の変動表示態様と同様の変動表示態様を適用することで、理解の容易化を図っている。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
右側作動入球部85への入球に基づく抽選により大当たりに当選した場合には、右側可変入球部83が開放され、同右側可変入球部83(詳しくは有利入球部)に遊技球が流入することで、上記抽選結果が確定となり、特別遊技状態としての開閉実行モードへ移行される。右側作動入球部85への入球発生時には、大当たり抽選に加え、大当たりの種別の抽選が行われる。この結果、有利度に差が設定された低頻度サポートモード対応の大当たり又は高頻度サポートモード対応の大当たりの何れかに振り分けられる。大当たりの種別に関しては、右側作動入球部85への入球に基づく抽選時や、有利入球部への入球時に報知されるのではなく、開閉実行モード中に報知されることとなる。
このように、開閉実行モードへの移行前に有利度の報知を行うのではなく、同開閉実行モード中に有利度の報知を行うことで、同開閉実行モードへの移行後においても遊技に対する期待感を持続させることができる。これにより、遊技意欲の低下を抑制することができる。
また、本実施の形態においては、通常遊技状態において使用される図柄とほぼ同一となる絵柄の変動表示を行い、同絵柄の停止表示結果によって有利度を報知する構成とすることにより、報知に対する注目度を高めつつ報知内容の理解を容易なものとすることができる。これにより、上記抑制効果を好適に発揮させることが可能となる。
遊技進行に関して補足すれば、普通は遊技機を開始した時点では低頻度サポートモードとなっており、この低頻度サポートモードにおいては下側作動入球部84を狙って遊技球を発射することで、遊技を有利に進めることができる。下側作動入球部84への入球が発生すると、図柄表示装置260の表示画面261aにて図柄の変動表示が行われるとともに、下側作動入球部84への入球に基づく抽選の結果、大当たりに当選した場合には、その当たり結果に応じて予め定められた図柄の組み合わせが停止表示されることとなる。具体的には、高頻度サポートモード対応の大当たりに当選した場合には同大当たりに対応する高頻度サポートモード対応図柄の組み合わせが停止表示され、低頻度サポートモード対応の大当たりに当選した場合には同大当たりに対応する低頻度サポートモード対応図柄が停止表示される。
ここで、開閉実行モード中の特別報知にて使用される絵柄についても、これら高頻度サポートモード対応絵柄と低頻度サポートモード対応絵柄とに個々に対応しており、遊技者が上記遊技を通じて高頻度サポートモード対応図柄と低頻度サポートモード対応図柄とのうちどちらの図柄の組み合わせが停止標示されるかで有利不利の差が生じることを理解していれば、その理解に基づいて上記特別報知の内容を好適に理解することが可能となる。
また、特別報知にて実行される絵柄の変動表示の態様については、通常遊技状態にて実行される図柄の変動表示態様と同様となっている。すなわち、変動表示を開始してから停止表示に到るプロセスが同様となっている。これにより、図柄の変動表示と絵柄の変動表示との関連性を高めることができ、絵柄を用いた特別報知に対する理解度の更なる向上が期待できる。
特別報知を実行する際の絵柄の変動表示態様については、通常遊技状態にて図柄の変動表示態様を決定する際に参照される変動表示態様記憶テーブルを参照して決定される。これにより、上述した各種効果を享受しつつ、それに起因した構成の複雑化を抑えることができる。
上述したように、右側作動入球部85への入球に基づいて当否抽選や振分抽選を行い、その後の右側可変入球部83への入球によって開閉実行モードへの移行が許容される構成においては、抽選結果が遊技者にとって有利であるか否かを開閉実行モードへの移行が確定する前に報知すると、右側可変入球部83への入球が意図的に回避される可能性が生じる。これは、過剰な利益の取得や遊技機における稼働率の低下の要因となり得るため好ましくない。そこで、上述の如く右側可変入球部83への入球により開閉実行モードへ移行した後に、大当たりの種別を報知する構成とすれば、上記不都合の発生を好適に回避することができる。
通常遊技状態にて使用される図柄は数字部NPとキャラクタ部CPとを有してなり、特別報知を実行する際に使用される絵柄は、上記数字部NP及びキャラクタ部CPのうち図柄における占有領域の大きなキャラクタ部CPを有する構成とした。通常遊技状態にて使用される図柄と特別報知時に使用される絵柄とを同一とすることも可能であるが、占有領域の大きなキャラクタ部CPを用いて絵柄を構成することにより、理解度の低下を抑えつつ、通常遊技状態における図柄を用いた報知機能と特別報知時における絵柄を用いた報知機能との差別化を図ることができる。これにより、開閉実行モード中に再び抽選に当選したかのように遊技者が誤認することを抑制することができる。
特別報知を実行する場合には、遊技者に印象付けられた図柄のイメージが薄れる前に上記絵柄を用いた報知を実行することが好ましい。そこで、上記実施の形態においては、開閉実行モードへの移行が行われた後、その移行タイミングに近いタイミングにて絵柄を用いた報知を開始することにより、上述した理解の容易化等の各種効果を好適に発揮させることができる。また、特別報知によって使用される絵柄と通常遊技状態にて使用される図柄との間に若干の差があっても、遊技者によりそれら両絵柄が共通であるとの認識されやすくなるので、第2報知手段によって使用される絵柄の設定自由度を高めることができる。
ステージユニット400(ステージ装置410)を採用し、遊技領域PEを流下する遊技球に動きに変化を与える構成とした。これにより、遊技球の動きが単調となることを抑制し、遊技球の動きに対する注目度を向上している。
ステージ装置410は前後方向に並べて配置された複数の可動板420を有し、それら可動板420の上端部によって遊技球が滞留可能となる滞留部425を形成した。滞留部425においては、可動板420が昇降してそれら滞留部425に相対的に高位/低位となる部分を生じさせる構成となっている。このようにして形成される高低差によって遊技球を少なくとも遊技機前方へと誘導することにより、単に曲面上等を遊技球が揺動して最終的に遊技機前方へ誘導される構成と比較して、遊技球の動きと滞留部425(可動板420)の動きとに関連性を持たせることができる。これにより、遊技球の誘導が単調になることを抑制し、遊技球の動きに対する注目度を好適に向上させることが可能となっている。
可動板420については隣り合う他の可動板420に対して遊技球の直径寸法よりも小さな隙間を隔てて対峙するように配置しており、隣り合う2つ可動板420のうち後側の可動板420が前側の可動板420よりも高位となるようにしてそれら両可動板420を移動させることにより滞留部425に滞留中の遊技球が遊技機前方へ誘導される。このように、可動板420間に隙間を設けることにより、2つの可動板420に対して遊技球を当接させることが可能となり、同可動板420の動きに対する遊技球の動きの追従性を好適に向上させることができる。
滞留部425においては上記複数の可動板420のうち他のものよりも高位とする対象を遊技機前方へとシフトさせることにより滞留部425てに滞留している遊技球が遊技機前方へ誘導される。このように滞留部425において高位となっている部分(詳しくは滞留部425において上方に凸となる部分)が遊技機前方へと変位することとなり、同部分によって滞留中の遊技球を後側から押すことができる。これにより、遊技球の動きと滞留部425の動きとの関連性を好適に向上させることができる。例えば、滞留部を遊技機前方に傾ける等して誘導を行う構成においては、滞留部を傾斜させたことで、遊技球が一気に遊技機前方へと誘導され、滞留期間が極端に短くなる可能性がある。この点、本実施の形態に示すように、遊技球を後側から押す構成とすれば、上述したような遊技球の過度の動きを抑制することができる。
なお、遊技球を後側から押す構成とすることにより、遊技機前方からの視認性が上記高位となっている部分によって妨げられる機会を減らすことができる。これにより、誘導中の遊技球の視認性を好適に向上させることができる。
誘導通路433を経由して滞留部425に到達した遊技球は、第9可動板420iに誘導される。本実施の形態においては、遊技球の到達タイミングに関わらず、必ず第9可動板420iよりも前側には、同第9可動板420iよりも高位となる部位(詳しくは最上位となる部位)が存在することとなる。これにより、第9可動板420iに当たった遊技球がその勢いのまま前方へと移動し滞留部425から流出するといった不都合を好適に回避することができる。故に、遊技球の動きと滞留部425の動きとの関連性が低下したり、滞留部425における遊技球の滞留期間が過度に短くなったりするといった不都合を生じにくくすることができる。
上記実施の形態においては、可動板420において高位となる対象よりも前方に位置しているとともに前記高位となる対象よりも低位となる対象であって隣り合う2つ対象における上側の端部の高さ位置が一時的に同一高さ位置となる。このため、遊技機前方に押された遊技球は低位となる2つの可動板420に跨るようにして落ち着くことで、上記高位となる部分から離れて単独で遊技機前方へ移動することを抑制することができる。これにより、滞留部425の動きと遊技球との動きとの関連性を強めることが可能となっている。
また、低位となる部位では2つの可動板420(詳しくは上端部)の高さ位置が同じになることで、遊技球を遊技機前方へ移動させる場合の同遊技球の上下方向への移動量が大きくなることを好適に抑制することができる。これにより、可動板420の動きに対する遊技球の動きの応答性を好適に向上させることができる。故に、遊技球の遊技機前方への動きの円滑化を図っている。
可動板420の動きを反転させて、滞留部425における遊技球の誘導先を遊技機前方から遊技機後方へと切替可能とした。これにより、滞留部425上での遊技球の動きが単調となることを抑制している。特に、遊技球を遊技機前方へ誘導する期間については、遊技球を遊技機後方へ誘導する期間よりも短く設定されており、遊技球の誘導機能が担保されている。また、遊技球を滞留部425の前部にて滞留させやすくなり、滞留中の遊技球の視認性が低下することを抑制することができる。
また、遊技球の遊技機前方への誘導期間においては、滞留部425の後端から前端まで最高位となる対象がシフトするに要する期間よりも長く設定している。これにより、上記誘導機能と視認性向機能とを好適に発揮させることが可能となっている。
本実施の形態における可動板420については、その上端部が上方に凸となるとともに前後に湾曲する曲面状をなしているため、1の可動板420上に滞留した状態となることを抑制することができる。これにより、遊技球は2つの可動板420に跨るようにして滞留しやすくなり、可動板420による誘導機能が上手く発揮されなくなるといった不都合を生じにくくすることができる。
また、遊技球を前方又は後方へ誘導する際には、前後の可動板420の高低差が大きくなることで、それら可動板420に対して遊技球が当接している箇所が変位する。そして、上記高低差が予め設定された量よりも大きくなることで、高位となる可動板420によって低位となる可動板420側へと遊技球が押され、同遊技球は低位となる可動板420の上端部(詳しくは曲面)にそって高位となる可動板420から離れる側へと移動することとなる。このような構成を採用することにより、遊技機前方への誘導機能と遊技機後方への誘導機能とを好適に両立することができる。
可動板420の上端部は波状をなしているとともに、凹凸の配置が横方向にずれている。これにより、1の可動板420から他の可動板420移る際に同遊技球に対して左右への移動を促すことができ、滞留中の遊技球の動きの多様化を実現している。
遊技球が受入口505から遠い位置で滞留している場合には、同遊技球が利益の発生の絡まないため、遊技球の動きに対する注目度が低下しやすいと想定される。そこで、前後への動きに加えて左右への動きを促すことで、遊技球が受入口505の後方を横切るようにして動く機会を設け、上記不都合の発生を好適に抑えることができる。
上記実施の形態においては、図柄表示装置260(詳しくは表示画面261a)の前方に配置されたリングユニット300の装飾部材335が回転した場合には、それに合わせて、表示画面261aに表示される図柄列のスクロール方向が変化する構成とした。このように、装飾部材335と図柄列のスクロール方向とに関係性を付与することにより、リングユニット300及び図柄表示装置260による演出の一体感を強めることができる。
装飾部材335については、遊技機正面視において表示画面261a(詳しくは表示領域DE)の周囲を回動するため、同装飾部材335と表示領域DEと重なりが増大する等して同表示領域DEの視認性が低下するといった不都合を生じにくくすることができる。これにより、演出の多様化を図りつつ、それによる視認性の低下を抑えることができ、遊技機における興趣向上に好適に貢献することができる。
また、表示画面261aにおいては装飾部材335の回転に追従して図柄列を同装飾部材335と同じ方向に回転させることにより図柄列のスクロール方向が変化する。このため、あたかも図柄表示装置260や装飾部材335によって構成されるユニットが一体となって回転したかのような印象を遊技者に対して与えることができる。これにより、インパクトの強い演出を実現し、遊技機における興趣向上に貢献できる。
確かに、図柄表示装置を回動させることで同じような演出を行うことが可能であるが、このような対応を行った場合には、図柄表示装置用の動作領域の確保や大型の駆動機構等の採用等が必要となる。図柄表示装置は遊技領域PEという限られたスペースに配置されているため、このような対応は周囲の遊技部品等の配置領域を圧迫する要因となり得る。この点、上記構成を採用すれば、演出の多様化を図りつつ、周辺部品との共存を好適に実現することができる。
また、図柄表示装置260の正面視において上記装飾部材335の回動中心部と重なる位置を中心部として図柄列が回転するように設定されているため、装飾部材335の回転と図柄列の回転とをより一体的なものとすることができる。これにより、図柄表示装置260や装飾部材335によって構成されるユニットが一体となって回転したかのような印象を強めることができる。
本実施の形態においては、装飾部材335が回転する際には、図柄列だけでなく背景画像も一体となって回転する。このように、図柄列だけでなく背景画像を一体的に回動させることにより、背景画像と図柄列との位置関係が変わる等して生じる違和感を払拭し、上記擬態効果を好適に発揮させることができる。
装飾部材335が可動した際に、図柄表示装置260が動いているわけではないことが遊技者によって把握されると、演出におけるインパクトが低下すると想定される。そこで、上記実施の形態に示したように、図柄表示装置260における表示画面261a以外の部位をリングユニット300やセンターフレーム97によって覆う構成とすることにより、図柄表示装置260における表示画面261a以外の部位が動いていないことを遊技機前方から目視で確認することが困難になる。これにより、上記擬態効果を好適に発揮させることができる。
本実施の形態においては、図柄列が回転して、スクロール方向における先側に上る状態になることにより、図柄列のスクロール速度が低下する構成とした。このように図柄列の傾きによって変動速度が変化する構成とすれば、同図柄列の動きと図柄列の傾き(装飾部材335の移動)との関連性を強化することができ、より一体的な演出の実現に貢献することができる。特に、図柄表示装置260全体が回動しているかのように擬態させる構成と併用することにより、図柄表示装置260が回動することで、絵柄の変動速度が増したかのような印象を与えることができ、あたかも図柄列に対して重力が作用したかのように擬態させることができる。これにより、演出のインパクトを強めることができる。
リングユニット300と図柄表示装置260との同期演出を実行する際には、待機図柄を構成し得る図柄が有効ラインを通り過ぎる勢いで通過しそうな場合であっても、装飾部材335及び図柄列が回転することで、図柄の変動表示にブレーキがかかり、待機図柄を成立させることができる。これにより、待機図柄の成立に対する期待感が待機図柄が成立しそうにない場合に、早々低下することを抑制することができる。
リーチ予告の一種として、装飾部材335及び図柄表示装置260による同期演出を実行する構成を採用することにより、次の遊技回への移行までに、それら装飾部材335等を元の状態に復帰させておくことができる。これにより、遊技進行の円滑化を図ることができる。
リングユニット300においては、図柄表示装置260の前方に配置されているとともに表示領域DEを囲む円環状をなし、装飾部材335や回動リング331を回動可能に支持するレール部材321を有している。かかる構成によれば、リングユニット300において動作に関連する構成が表示領域DEの前方を横切る等して、同表示領域DEの視認性が低下するといった不都合を好適に回避することができる。
図柄表示装置260において表示領域DEが設けられている表示画面261aは同図柄表示装置260の正面視において略矩形状をなしており、
リングユニット300は、当該リングユニット300によって区画される区画領域の全域が表示画面261aに対して遊技機前方から重なるように形成されている。かかる構成によれば、図柄列を回転させた際に、区画領域に対して表示画面261aが足りなくなることが回避される。これにより、図柄列を回転させる場合であっても、回転後に表示される情報量が少なくなるといった不都合を好適に回避できる。また、図柄表示装置260(詳しくは表示画面261a)を円形状に形成する必要が無くなり、図柄表示装置260の設計・製造等が難しくなることを好適に回避できる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。因みに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)上記実施の形態では、「特別遊技状態」としての大当たり発生中(開閉実行モード中)に当たり種別の報知を行う際に用いられる絵柄が、下側作動入球部84への入球に基づいて変動表示される図柄を構成するキャラクタ部CPを有するとともに数字部NPを有さない構成としたが、これを変更し、キャラクタ部CP及び数字部NPの両者を有する構成としてもよい。また、大当たり発生中(開閉実行モード中)に当たり種別の報知を行う際に用いられる絵柄のエフェクト部EPを省略することも可能である。
つまり、上記絵柄は、上記図柄を構成する各部分のうち当該図柄における占有領域が最も大きい部分(上記実施の形態においてはキャラクタ部CP)を有するとともに、同部分が当該絵柄においても占有領域が最も大きくなるように構成されていればよく、その他の部分をどのように構成するかは任意である。
仮に、作動入球部への入球により変動表示される図柄においてキャラクタ部の占有領域よりも数字部の占有領域のほうが大きい構成を採用した場合には、大当たり発生中(開閉実行モード中)に当たり種別の報知を行う際に用いられる絵柄における主要な構成として上記数字部を採用することが好ましい。
更には、大当たり発生中(開閉実行モード中)に当たり種別の報知を行う際に、下側作動入球部84への入球に基づいて変動表示される図柄と同一であると認識される絵柄を変動表示する構成としたが、これを変更し、大当たり発生中(開閉実行モード中)に当たり種別の報知を行う際に、下側作動入球部84への入球に基づいて変動表示される図柄と同一の図柄(絵柄)を変動表示する構成としてもよい。
(2)上記実施の形態では、下側作動入球部84への入球に基づく抽選において高頻度サポートモード対応大当たりに当選した場合には「特定絵柄」として高頻度サポートモード対応大当たりに対応する図柄(具体的には奇数図柄)の組み合わせが有効ライン上に停止表示され、低頻度サポートモード対応大当たりに当選した場合には「非特定絵柄」として低頻度サポートモード対応大当たりに対応する図柄(具体的には偶数図柄)の組み合わせが有効ライン上に停止表示される構成とした。すなわち、当たり種別と一義的に対応付けられた図柄の組み合わせを停止表示することで、開閉実行モードへの移行前に当たりの種別を報知する構成とした。これを変更し、開閉実行モードへの移行前に擬似的に抽選結果とは異なる情報(図柄の組み合わせ)を報知する構成とすることも可能である。
このような構成を採用した場合には、開閉実行モード中に抽選結果に一義的に対応する大当たりの種別を報知する構成とするとよい。例えば、上記実施の形態に示した有利入球部への入球に基づく大当たりの発生時に当たり種別の報知を行う構成を本変形例に適用すれば実用上好ましい構成を実現できる。但し、このような変更を行う場合には、どの図柄の組み合わせが「特定絵柄」又は「非特定絵柄」に対応しているかの情報を明示する構成を併用することが好ましい。
(3)上記実施の形態では、有利入球部への入球に基づく大当たりとして高頻度サポートモード対応大当たりと低頻度サポートモード対応大当たりとを設定した。つまり、「特別遊技状態」としての開閉実行モード終了後の遊技進行における有利度に差を設定した。これを以下のように変更してもよい。
少なくとも有利不利の差が設けられた複数種の大当たりが設定されていればよく、開閉実行モード中の有利度に差が生じるようにしてもよい。例えば大当たりとしてラウンド数のことなる15R大当たりと8R大当たりとを設定することも可能である。このような構成を採用した場合には、開閉実行モードにおいて両大当たりに共通するラウンド(1R〜8R)にて当たり種別の報知を行うことが望ましい。
また、開閉実行モード終了後の遊技状態が抽選による大当たりの当選確率が遊技者に有利となるように変更される確変状態と、当選確率が通常のままとなる通常大当たりとが設定されているタイプの遊技機では、これら各大当たりにて有利度に差が生じる。そこで、このような遊技機においては、上述した技術的思想(特別遊技状態中の当たり種別の報知)を適用し、開閉実行モード中に今回の大当たりが確変大当たりであるかそれとも通常大当たりであるかを報知する構成とすればよい。
(4)上記実施の形態では、下側作動入球部84への入球に基づく図柄の変動表示態様と特別報知実行時の絵柄の変動表示態様とを同一としたが、これに限定されるものではない。すなわち、特別報知実行時に使用される絵柄が上記図柄と同一であると認識される構成であれば、変動表示態様まで同一にする必要はない。但し、特別報知に対する遊技者の理解度を高める上では、変動表示態様を同一とすることが好ましい。
また、上記実施の形態においては、特別報知における変動表示態様を、下側作動入球部84への入球に基づく図柄の変動表示態様を決定するテーブルを参照して決定する構成としたが、これに限定されるものではなく、特別報知における変動表示態様を決定するためのテーブルを上記テーブルとは別に設けてもよい。但し、表示制御装置170における記憶容量の増大を抑える上では上記実施の形態に示したように両テーブルを共通化することが好ましい。
(5)上記実施の形態では、下側作動入球部84への入球に基づく変動表示にて使用される図柄列の数と、特別報知にて使用される絵柄列の数とを同一にする必要はない。例えば、特別報知にて使用される絵柄列を1つとし、有効ライン上に停止表示する絵柄によって大当たり種別を報知する構成とすることも可能である。
(6)上記実施の形態では、特別報知を実行するタイミングを開閉実行モードとなり得る期間のうち開閉実行モードへの移行タイミング寄りとなるように設定した。具体的には、全15R中の第2R開始タイミングに合わせて特別報知を開始する構成とした。特別報知を実行するタイミングについては任意であり、同開始タイミングを例えば開閉実行モードの終了タイミング寄りに設定してもよい。
但し、遊技者に印象付けられた図柄のイメージが薄れる前に特別報知を実行することで、同特別報知に対する理解度の低下を抑えることができる点を考慮すれば、特別報知の開始タイミングは、開閉実行モードへの移行タイミング寄りとなるように設定することが好ましい。
(7)特別報知の態様を下側可変入球部82への入球状況に応じて変化させる構成としてもよい。具体的には、特別報知が実行される特別報知実行期間を、ラウンド終了条件としてのラウンド期間(詳しくは30msec)よりも長く設定する(すなわち特別報知が複数のラウンドに跨るように設定する)とともに、特別報知実行期間中に下側可変入球部82に流入した遊技球の数が規定数(詳しくは10個)に達することなく上記ラウンド期間が経過してラウンド切替が行われた場合の報知態様と、流入数が上記規定数に達してラウンド切替が行われた場合の報知態様とに差違を設定してもよい。
例えば、規定数の遊技球が流入しなかった場合には、停止する中絵柄が当たりに対応しない絵柄となるように(完全外れに対応する絵柄の組み合わせになるように)絵柄の停止態様を変更し、すべての絵柄が停止表示された後、再び絵柄の変動表示を行うとともに、同絵柄の変動表示態様として選択率が低く設定された特定の変動表示態様(例えばスーパーリーチやプレミアムリーチ等)を採用する構成とすればよい。これにより、上手く下側可変入球部82への入球が発生しなかったことに起因して遊技者が不利益感を抱き、遊技に対する興味が低下することを抑制することができる。
(8)上記実施の形態では、「可動部材」として可動板420を採用したが、「可動部材」は板状のものに限定されるものではない。少なくとも隣り合う他の可動部材との間に高低差が生じるようにして移動可能なものであれば足り、例えば可動部材が横方向に延びる棒状をなす構成とすることも可能である。
なお、可動板420の上端部によって滞留部425を構成したが、これを変更し、可動板420に取り付けられた撓み変形可能なシート材等によって「滞留部」を構成してもよい。
(9)上記実施の形態では、可動板420同士が隙間を隔てて対向する構成とし、前後に並ぶ2つの可動板420に跨るようにして遊技球が滞留する構成としたが、同隙間は必須の構成ではない。すなわち、上記隙間を省略し、前後の可動板420同士を当接させる構成としてもよい。
但し、可動板420の動きに対する遊技球の動きの追従性を向上する上では、上記実施の形態に示したように可動板420間に隙間を設定することが好ましい。
また、可動板420の並設方向は前後方向に限定されるものではない。例えば、可動板420を左右に並べて配置し、滞留中の遊技球を左方や右方に誘導する構成としてもよい。
(10)上記実施の形態では、滞留部425において誘導通路433の出口部分434から流出した遊技球が到達する箇所よりも前側には、必ず同箇所よりも高位となる部位が存在する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、遊技球が滞留部425に到達するタイミングによっては上記到達箇所よりも前側は当該到達箇所よりも低位となるように構成することも可能である。但し、このような構成を採用した場合には、滞留部425に到達した遊技球がその勢いのまま遊技機前方へと移動して、滞留部425における滞在期間が極端に短くなる可能性が高まる。これは、遊技球の動きに対する注目度の向上を難しくする要因となり得る。故に、好ましくは、到達箇所よりも前側には遊技球の前方への移動を規制すべく到達箇所よりも高位となる部位が形成される構成を採用するとよい。
(11)上記実施の形態では、ステッピングモータ441からの動力によって全ての可動板420を動作させる構成としたが、これに限定されるものではない。各可動板420に1対1で対応するモータを採用し、個々の可動板420の動作を個別に制御する構成としてもよい。但し、このような構成を採用した場合には、ステージ装置410の占有領域が拡大し、同ステージ装置410を限られた領域内にて図柄表示装置260等の他の遊技機器と共存させることが難しくなる。故に、好ましくは、上記実施の形態に示したように、1のステッピングモータ441からの動力によって全ての可動板420を動作させる構成とすることが好ましい。
(12)上記実施の形態では、右側偏心カム446R及び左側偏心カム446Lを併有する構成としたが、偏心カム446の数は2つに限定されるものではない。例えば偏心カム446を1つ有する構成としてもよい。
また、受入口505を挟んだ両側に偏心カム446を配置したが、これに限定されるものではなく、偏心カム446の配置は任意である。但し、受入口505の後方での可動板420の動作を安定させるには、少なくとも受入口505を挟んだ両側に配置することが好ましい。
更には、上記実施の形態においては、左側偏心カム446Lの回転方向と右側偏心カム446Rの回転方向とを逆となるように設定したが、これに限定されるものではなく、両偏心カム446L,446Rの回転方向を同一とすることも可能である。
(13)上記実施の形態では、左側偏心カム446Lの動作周期の位相と右側偏心カム446Rの動作周期の位相とを一致させる構成としたが、それら各偏心カム446L,446Rの動作周期の移動をずらす構成としてもよい。かかる変更を行った場合には、滞留部425において受入口505よりも左側となる部位と同受入口505よりも右側となる部位とに高低の位相差が生じることとなる。つまり、滞留部425においては、左側と右側とで昇降タイミングがずれることとなる。これにより、滞留中の遊技球を前後への誘導に伴って左右に移動させることができ、滞留部425上を前後に移動する遊技球の移動距離を長くすることができる。つまり、滞留部425の大型化を抑えつつ遊技球の移動距離を長くし、同遊技球の移動態様の多様化を実現することができる。
また、遊技球を前方への誘導する際と後方へ誘導する際とで位相のずれが逆となるため、上述した昇降タイミングのずれも逆となる。これにより、位相差を生じさせる構成を採用しつつ、それに起因して遊技球の滞留位置が滞留部425における左右の一方に偏りやすくなるとった不都合を好適に抑制することができる。
また、上述の如く遊技球の移動距離を長くした場合であっても、遊技球が受入口505を横切るようにして移動することで、遊技球と受入口505との位置関係の把握が難しくなることを抑制し、遊技球の移動距離を長くすることで受入口505から離れた位置に存在する遊技球への注目度が低下するといった不都合を生じにくくすることができる。
(14)上記実施の形態では、遊技球を前方へ誘導する期間が遊技球を後方へ誘導する期間よりも長くなるように設定したが、これに限定されるものではなく、両期間を同じ長さとなるように設定してもよいし、遊技球を前方へ誘導する期間が遊技球を後方へ誘導する期間よりも短くなるように設定してもよい。このような変更を行うことにより、滞留部425における遊技球の滞留期間を長くすることができる。但し、滞留部425が本来有する受入口505側(遊技機前方)への誘導機能が低下することで、遊技球の動きに対する注目度が低下しやすくなると想定される。故に、望ましくは、遊技機前方へ誘導する期間を後方へ誘導する期間よりも長く設定することが好ましい。
(15)上記実施の形態では、可動板420の上端部を波状とし、凸となる部位と凹となる部位とが前後に並ぶように各可動板420を形成した。すなわち凹凸の位相が半周期ずれるように構成した。各可動板420における凹凸の位相のずれは半周期に限定されるものではなく、任意に設定してよい。但し、遊技球の動きに意外性を付与する上では、上記位相のずれを半周期に設定することが好ましい。
(16)上記実施の形態では、図柄列が横方にスクロールする構成とし、装飾部材335を表示領域DEを上下に配置したが、これに限定されるものではない。例えば、装飾部材335を表示領域DEを左右から挟む位置に配置することも可能である。装飾部材335については表示領域DE側に突出することで、発光装置360(詳しくは前側カバー部材364)との差別化が図られ、視認性の向上が実現されている。そこで、上記変更を行った場合には、装飾部材335が表示領域DEにおける変動表示領域MEを圧迫する要因となり得る。つまり、図柄列のスクロール量が装飾部材335によって制限されやすくなる。故に、望ましくは上記実施の形態に示したように、スクロール方向と直交する方向(詳しくは上下方向)に表示領域DEを挟むようにして配置するとよい。
また、装飾部材335は必ずしも2つである必要はなく、その数は任意である。更には、装飾部材335を円環状に形成することも可能である。
(17)上記実施の形態では、図柄列のスクロール方向を左方としたが、図柄列のスクロール方向については、任意であり、右方,下方,上方等に変更することも可能である。
(18)上記実施の形態では、リングユニット300を図柄表示装置260の表示画面261aに対して斜めに傾けて配置したが、これに限定されるものではなく、リングユニット300を表示画面261aに対して正対させて配置することも可能である。
(19)上記実施の形態では、遊技機正面視にて、リングユニット300によって区画される区画領域DEの全域が表示画面261aに対して重なるように構成したが、これに限定されるものではなく、区画領域DEの一部が表示画面261aに対して重ならない構成とすることも可能である。但し、リングユニット300と表示画面261aに表示される画像との一体的な演出を行う上では、図柄表示装置260において表示画面261a以外の部位が区画領域DEを通じて視認可能となると、リングユニット300の装飾部材335と図柄表示装置260とが個々に動作しているとの印象を遊技者に対して与えやすくなり、演出における一体感が低下しやすくなると想定される。故に、望ましくは、区画領域DEの全域が表示画面261aに対して重なる構成とするとよい。
(20)上記実施の形態では、装飾部材335及び図柄列が回転した場合にはその回転角度に寄らず図柄列のスクロール速度の減少率を一定としたが、これを変更し、装飾部材335や図柄列の回転角度が大きくなるにつれて減少率を大きくし、回転角度が小さくなるにつれて減少率が小さくなる構成を採用することも可能である。これにより、スクロール方向の変更とスクロール速度の変化との関連性を強めることができる。
(21)装飾部材335や図柄列等の回転位置を複数設定してもよい。例えば、回転角度が大きくなる毎に、スクロール速度の低下率が大きくなる構成とすれば、更なる演出の多様化を実現できる。このような変更を行う場合には、回転角度が大きい位置へ装飾部材335が移動する程、リーチ変動表示の発生期待や大当たりの発生期待度が大きくなるように設定することにより、回動リング331を用いた演出への注目度を好適に向上することができる。
(22)上記実施の形態では、図柄列と背景画像とを一体的に回転させる構成としたが、これに限定されるものではない。少なくとも図柄列を回転させる構成であれば足り、背景画像を回転させない構成を採用してもよい。但し、背景画像を回転させずに据え置く構成とした場合には、図柄表示装置260が装飾部材335とともに一体となって回転したかのような印象を遊技者に対して与えることが難しくなると想定される。故に、好ましくは、上記実施の形態に示したように図柄列のみならず背景画像等の表示画面261aに表示される構成については、全て装飾部材335の回転に合わせて回転させる構成とするとよい。
(23)上記実施の形態では、回動リング331が回動した場合に、下図柄列のみならず、中図柄列のスクロール速度が低下する構成としたが、これに限定されるものではない。少なくともリーチ変動表示の発生契機となる下図柄列のスクロール速度が低下する構成であれば足り、中図柄列のスクロール速度を低下させる必要は必ずしも無い。
但し、画像を傾けることにより、あたかも重力が作用して図柄列のスクロール速度が低下したかのように見せる場合、下図柄列のスクロール速度のみが低下すると、上記印象が薄くなると想定される。故に、好ましくは少なくともスクロール中の図柄列に関しては全て減速の対象とするとよい。
(24)上記実施の形態では、表示画面261aに表示されている画像が傾いた場合に、各図柄の模様等を変化させてもよい。例えば、図柄を構成するキャラクタ部CP(「タコ」等の画像)を、傾斜に逆らうようにしてがんばっているかのように変化させたり、キャラクタ部CPの回りにエフェクトを追加したりするとよい。これにより、更なる注目度の向上に貢献することができる。
(25)上記実施の形態においては、リングユニット300を用いたリング同期演出をリーチ予告演出に適用したが、リーチ予告演出以外(例えば特別リーチ演出)にリング同期演出を適用することも可能である。
例えば、下側作動入球部84への入球に基づいて図柄の変動表示を開始し、最終的に外れ図柄を停止させた場合に、全ての図柄を一旦停止させた状態にて装飾部材335及び表示画面261aに表示されている画像を図柄列のスクロール方向先側に下るようにして回転させるとともに、各図柄を再度変動させる構成としてもよい。
このような変更を採用する場合には、所謂擬似連続演出としてリング同期演出を適用することで実用上好ましい構成が実現できる。つまり、主表示部Dにおける下作動入球部用表示部LDにおいて1遊技回に相当する変動表示が実行されている期間中に、表示画面261aにおける図柄の1度目の変動表示〜停止表示〜再変動表示〜停止表示が行われる構成とすればよい。
また、非特定図柄としての偶数図柄の組み合わせが停止表示された状態にて装飾部材335及び表示画面261aに表示されている画像を図柄列のスクロール方向先側に下るようにして回転させるとともに、各図柄を再度変動させる構成としてもよい。そして、再変動後に再び大当たりを示す図柄の組み合わせ(特定図柄の組み合わせ又は非特定図柄の組み合わせ)を停止表示させることにより、遊技者の注目度向上に貢献することができる。
上記各変更を行う場合には、装飾部材335及び画像の回転角度が大きくなるほど、再変動の可能性が高くなるように設定することにより、リング同期演出の多様化に貢献することができる。
(26)上記実施の形態においては、図柄表示装置260の表示画面261aにおける表示内容を表示制御装置170によって制御する構成としたが、これを変更し、音声ランプ制御装置143によって制御する構成としてもよい。更には、表示制御装置170と音声ランプ制御装置143とは、必ずしも別体である必要はなく、これら各制御装置143,170を一体化することも可能である。
(27)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴A1.特別遊技状態を発生させるか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置162のMPU602において当たり抽選を実行する機能)と、
絵柄を変動表示する絵柄表示装置(図柄表示装置620)と、
前記絵柄の変動を制御するとともに、前記抽選手段の抽選結果に応じて前記絵柄の停止を制御する表示制御手段(表示制御装置170等)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別遊技状態の発生に対応する当選結果となった場合に、前記表示制御手段によって前記絵柄が停止表示された後に遊技状態を前記特別遊技状態へ移行させる移行手段(主制御装置162のMPU602において遊技状態移行処理を実行する機能)と
を備え、
前記表示制御手段は、
前記抽選に当選した場合に、前記特別遊技状態への移行に対応して設定された絵柄を停止表示させることにより同特別遊技状態へ移行される旨を報知する第1報知手段(表示制御装置170のMPU702において変動表示処理を実行する機能)と、
前記特別遊技状態中に前記絵柄又は同絵柄と同一であると認識される絵柄を変動表示するとともに、同変動表示の停止表示結果により当該特別遊技状態への移行契機となった抽選結果に基づく同特別遊技状態の有利度及び同特別遊技状態の終了後に移行される遊技状態の有利度の少なくとも何れかを報知する第2報知手段(表示制御装置170のMPU702において当たり種別報知用表示処理を実行する機能)と
を有していることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、抽選手段による抽選結果が当選結果となった場合には、特別遊技状態への移行(当選結果)に対応した絵柄が停止表示され、特別遊技状態へと移行される。特別遊技状態へと移行された後は、特別遊技状態となっている最中に特別遊技状態又は同特別遊技状態の終了後に移行される遊技状態の有利度が今回の特別遊技状態への移行契機となった抽選結果に基づいて報知される。このように、特別遊技状態への移行前に有利度の報知を行うのではなく、特別遊技状態中に有利度の報知を行うことで、同特別遊技状態への移行後も遊技に対する期待感を持続させることができる。これにより、遊技意欲の低下を抑制することができる。
また、本特徴においては、特別遊技状態の発生前に変動/停止される絵柄又は同絵柄と同一であると認識される絵柄の変動表示を行い、同変動表示の停止表示結果によって有利度を報知する構成とすることにより、報知に対する注目度を高めつつ報知内容の理解を容易なものとすることができる。これにより、上記抑制効果を好適に発揮させることが可能となる。
特徴A2.前記第1報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が第1当選結果となった場合には特定絵柄の組み合わせを停止表示することにより前記第1当選結果に当選している旨の報知を行い同抽選結果が前記特別遊技状態又は前記特別遊技状態終了後の遊技状態が前記第1当選結果よりも遊技者に不利な第2当選結果となった場合には非特定絵柄の組み合わせを停止表示することにより前記第2当選結果に当選している旨の報知を行う手段を有し、
前記第2報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1当選結果である場合には前記特定絵柄又は前記特定絵柄と同一であると認識されるような絵柄を停止表示させることにより前記第1当選結果に当選している旨の報知を行い同抽選結果が前記第2当選結果である場合には前記非特定絵柄又は前記非特定絵柄と同一であると認識されるような絵柄を停止表示させることにより前記第2当選結果に当選している旨の報知を行う手段を有していることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、特定絵柄と非特定絵柄とのうちどちらの組み合わせが停止されることかで有利不利の差が生じることを例えば遊技を通じて遊技者が理解していれば、その理解に基づいて特別遊技状態中に行われる報知内容を好適に理解することが可能となる。これにより、特徴A1に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴A3.前記表示制御手段は、前記第2報知手段による変動表示の態様が、前記第1報知手段による変動表示の態様と同様となるように設定されていることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、変動表示の態様、すなわち変動表示を開始してから停止表示に到るプロセスを同様とすることにより、第1報知手段による報知と第2報知手段による報知との関連性を高めることができ、第2報知手段による報知に対する理解度の更なる向上が期待できる。
例えば、第1報知手段及び第2報知手段において、変動表示パターン(リーチ態様等)や変動表示期間を同様とすればよい。
なお、特別遊技状態への移行前の遊技状態において特定絵柄又は非特定絵柄の組み合わせを最終停止表示させる場合に、予め設定された有効ライン上に特定絵柄又は非特定絵柄の組み合わせを構成する待機絵柄が停止表示されるように1の規定絵柄列を除く他の絵柄列の変動表示を終了させ、待機絵柄の停止表示後に規定絵柄列の変動表示を終了させる待機変動表示を行わせるよう絵柄表示装置を表示制御する待機変動表示手段を有するタイプの遊技機においては、特別遊技状態中の報知時においてもこれと同様の変動表示態様を適用すればよい。
特徴A4.前記表示制御手段は、
前記特別遊技状態への移行前の遊技状態における変動表示の態様を決定する変動表示態様情報を記憶した記憶手段(表示制御装置170のMPU702におけるプログラムROM703)と、
前記記憶手段に記憶されている前記変動表示態様情報に基づいて前記特別遊技状態中の変動表示の態様を決定する手段(表示制御装置170のMPU702において変動表示態様決定処理を実行する機能)と
を有していることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4に示すように、特別遊技状態への移行前の遊技状態における表示制御に関する構成と、特別遊技状態における表示制御に関する構成とを共通化することにより、特徴A1等に示した効果を発揮させつつ、それに起因した構成の複雑化を抑えることができる。
特徴A5.前記抽選手段は第1抽選手段、前記移行手段は第1移行手段であり、
遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1入球部(右側作動入球部85)及び第2入球部(右側可変入球部83)と、
前記第1入球部への入球により前記特別遊技状態を発生させるか否かの抽選を行う第2抽選手段(主制御装置162のMPU602において当たり抽選を実行する機能)と、
前記第2抽選手段による抽選にて当選結果となった後に、前記第2入球部に遊技球が入球した場合に、前記特別遊技状態へ移行する第2移行手段(主制御装置162のMPU602において特別当たり用の移行処理を実行する機能)と
を備え、
前記第2報知手段は、前記第2移行手段による前記特別遊技状態への移行が行われた場合に、当該第2報知手段による前記報知を行う手段を有していることを特徴とする特徴A1乃至特徴A4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A5に示すように、先ず第2抽選手段による抽選に当選し、その後第2入球部への入球によって特別遊技状態への移行が許容される構成においては、抽選結果が遊技者にとって有利であるか否かを特別遊技状態への移行が確定する前に報知すると、第2入球部への入球が意図的に回避される可能性が生じる。これは、過剰な利益の取得や遊技機における稼働率の低下の要因となり得るため好ましくない。そこで、このような構成に対して特徴A1等に示した技術的思想を適用し、第2入球部への入球により特別遊技状態へ移行した後に、第2報知手段による報知を行う構成を採用すれば、上記不都合の発生を好適に回避することができる。
特徴A6.前記第1報知手段によって用いられる絵柄は、数字によって構成される数字部(数字部NP)とキャラクタ等の模様によって構成される模様部(キャラクタ部CP)とを有してなり、
前記第2報知手段によって用いられる絵柄は、前記数字部及び前記模様部のうち絵柄における占有領域の大きな一方を有してなることを特徴とする特徴A1乃至特徴A5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴1等に示した構成においては、第1報知手段により用いられる絵柄と第2報知手段により用いられる絵柄とを同一とすることも可能であるが、本特徴に示したように、数字部と模様部とのうち占有領域の大きな一方を用いて第2報知手段によって使用される絵柄を構成することにより、理解度の低下を抑えつつ、第2報知手段による報知機能と第1報知手段による報知機能との差別化を図ることができる。これにより、特別遊技状態中に再び抽選に当選したかのように遊技者が誤認することを抑制することができる。
特徴A7.前記第2報知手段は、前記変動表示の開始タイミングが前記特別遊技状態となり得る期間のうち同特別遊技状態への移行タイミング寄りとなるように設定されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A6のいずれか1つに記載の遊技機。
第2報知手段による報知を実行する場合には、遊技者に印象付けられた絵柄のイメージが薄れる前に第2報知手段による報知を実行することが好ましい。そこで、本特徴に示すように、特別遊技状態への移行が行われた後、その移行タイミングに近いタイミングにて変動表示を開始することにより、特徴A1等に示した効果を好適に発揮させることができる。
また、本特徴によれば、第1報知手段によって使用される絵柄と第2報知手段によって使用される絵柄との間に若干の差があっても、遊技者によりそれら両絵柄が共通であるとの認識されやすくなるので、第2報知手段によって使用される絵柄の設定自由度を高めることができる。
特徴A8.遊技領域を流下する遊技球の流入を規制する規制状態と、遊技球の流入を許容する許容状態とに切替可能な可変入球装置(下側可変入球部82)と、
前記可変入球装置を前記許容状態とした後に前記規制状態に切り替える可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置162のMPU602にて下側可変入球部開閉処理を実行する機能)と
を備え、
前記可変入球制御手段は、前記抽選手段による抽選結果が当選結果となったことに基づいて、前記可変入球装置が前記許容状態となった後に前記規制状態となる切り替えの回数が複数回として予め定められた特定回数となるまで前記可変入球制御を実行するとともに、前記可変入球装置が前記許容状態となっている状況下にて予め設定された第1切替条件又は第2切替条件が成立した場合に前記規制状態への切り替えを行うように設定されており、
前記第2報知手段は、前記第1切替条件が成立した場合と前記第2切替条件が成立した場合とで当該第2報知手段による報知態様を相違させる手段を有していることを特徴とする特徴A1乃至特徴A7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A7によれば、特別遊技状態中の遊技の進行状況等に応じて報知態様を変化させることができる。これにより、第2報知手段による報知への注目度が低下することを抑制することができる。
特徴A9.遊技領域を流下する遊技球の流入を規制する規制状態と、遊技球の流入を許容する許容状態とに切替可能な可変入球装置(下側可変入球部82)と、
前記可変入球装置を前記許容状態とした後に前記規制状態に切り替える可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置162のMPU602にて下側可変入球部開閉処理を実行する機能)と
を備え、
前記可変入球制御手段は、前記抽選手段による抽選結果が当選結果となったことに基づいて、前記可変入球装置が前記許容状態となった後に前記規制状態となる切り替えの回数が複数回として予め定められた特定回数となるまで前記可変入球制御を実行するとともに、前記可変入球装置が前記許容状態となっている状況下にて予め設定された所定期間が経過した場合に前記規制状態への切り替えを行うように設定されており、
前記特別遊技状態中に前記第2報知手段によって変動表示が行われる変動表示期間は、前記所定期間よりも長く設定されており、
前記第2報知手段は、前記変動表示が行われている最中に前記可変入球装置が前記規制状態に切り替えられた場合に、変動表示の態様を変化させることを特徴とする特徴A1乃至特徴A8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A9によれば、特別遊技状態中の遊技の進行状況等に応じて報知態様を変化させることができる。これにより、第2報知手段による報知が単調になることを抑制することができる。
可変入球装置が許容状態→規制状態→許容状態に切り替る場合には、規制状態中に可変入球装置の傍を通過する遊技球は同可変入球装置への流入が不可となる。これが遊技者の目にとまると無駄に遊技球を消費したかのような印象を与えることとなるため好ましくない。そこで、可変入球装置が規制状態に切り替えられた場合に変動表示の態様を変化させれば、遊技者の注意を絵柄表示装置へ引き付け、遊技球への注目を逸らすことが可能となる。これにより、上記不都合の発生を好適に回避することができる。
特徴A10.前記第1報知手段は、
前記当選結果となった場合に、同当選結果に基づいて移行される特別遊技状態の有利度及び同特別遊技状態の終了後に移行される遊技状態の有利度の少なくとも何れかを前記絵柄の停止結果によって報知する手段と、
前記当選結果となった場合に、同当選結果に基づいて移行される特別遊技状態の有利度及び同特別遊技状態の終了後に移行される遊技状態の有利度を報知しない手段と
を有し、
前記第2報知手段は、少なくとも前記第1報知手段による有利度の報知が行われなかった場合に、当該第2報知手段による有利度の報知を行うことを特徴とする特徴A1乃至特徴A9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴10に示すように第1報知手段によって有利度の報知を実行可能な構成においては、遊技を通じて絵柄に有利不利の差が設定されている旨を遊技者に対して示唆することができる。これにより、同絵柄の同一の絵柄又は同一であると認識される絵柄を用いた第2報知手段による報知内容への理解を促すことができる。故に、第2報知手段による報知機能に対する理解を一層容易なものとすることができる。
上記特徴A群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ遊技機等の遊技機においては、表示画面にて絵柄列等を変動表示する絵柄表示装置を備えたものが知られている。かかる遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口を遊技球が通過したことを契機として、特別遊技状態に移行させるか否かの当否抽選が行われるとともに絵柄列等の変動表示が行われる。当否抽選に当選した場合には、表示画面に所定の絵柄が停止表示され、遊技状態が特別遊技状態に移行する。特別遊技状態においては、例えば遊技領域に設けられた可変入球装置が開放され、同可変入球装置への入球に基づいて遊技球が払い出される。
作動口への入球発生時には、上記当否抽選とともに有利度に差が設定された当たりの種別の抽選が実行され、各当たりの種別に一義的に対応付けられた絵柄が抽選結果に応じて停止表示される(例えば特許文献:特開2003−071059号公報参照)。但し、このように当たりの種別と停止表示される絵柄とが一義的に対応付けられた構成の場合、遊技者は停止表示された絵柄を視認することにより、有利度(例えば当たりの種別)を明確に認識することができる。そうすると、遊技内容が一義的で変化に乏しくなり、遊技者の遊技意欲の減退を招きやすくなると懸念される。近年では、例えば特別遊技状態への移行前の絵柄の停止表示時には当たりの種別を隠蔽するとともに特別遊技状態への移行後に有利度を報知するための特定の演出を行うことにより、遊技意欲の減退の抑制を図った遊技機が提案されている。
しかしながら、特別遊技状態中に報知を行う構成においては、例えば上記特定の演出を凝ったものとすることにより演出への注目度を向上することができる反面、同演出の理解が難しくなると想定される。一方、上記特定の演出を簡素なものとすれば同演出の理解を容易なものとすることができる反面、演出への注目度が低下しやすくなると想定される。そして、上述の如く注目度及び理解度の一方が低下すれば、上記抑制効果を好適に発揮させることが難しくなると懸念される。
特徴B1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80)と、
前記遊技領域に設けられ、前後に並べて配置された複数の可動部材(可動板420a〜420j)と、
それら可動部材の上側の端部によって構成され、遊技球が載った状態で滞留可能となるように形成された滞留部(滞留部425)と、
前記可動部材を昇降させて前記滞留部に高低差を生じさせることにより、同滞留部に滞留している遊技球を少なくとも遊技機前方へ誘導する誘導手段(駆動機構440や主制御装置162)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、可動部材が昇降してそれら可動部材の上側の端部(すなわち滞留部)に相対的に高位/低位となる部分が生じる。このようにして形成される高低差によって遊技球を少なくとも遊技機前方へと誘導することにより、単に曲面上等を遊技球が揺動して最終的に遊技機前方へ誘導される構成と比較して、遊技球の動きと滞留部の動きとに関連性を持たせることができる。これにより、遊技球の誘導が単調になることを抑制し、遊技球の動きに対する注目度を好適に向上させることができる。
特徴B2.前記各可動部材は、隣り合う可動部材に対して遊技球の直径寸法よりも小さな隙間をへだてて対峙するようにして配置されており、
前記誘導手段は、隣り合う2つ可動部材のうち後側の可動部材が前側の可動部材よりも高位となるようにしてそれら両可動部材のうち少なくとも一方を移動させることにより前記滞留部に滞留中の遊技球を遊技機前方へ誘導することを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
可動部材間に隙間を設けることにより、2つの可動部材に対して遊技球を当接させることができる。これにより、可動部材の動きに対する遊技球の動きの追従性を好適に向上させることができる。
但し、かかる構成においては、滞留部上にて遊技球が上下動することとなる。これは、遊技球の円滑な動きを妨げる要因となり得るため好ましくない。ここで、本特徴によれば、隣り合う二つの可動部材に高低差を生じさせて遊技球を移動させる構成とすれば、上記隙間が無駄に大きくなることを回避でき、遊技球の円滑な誘導の実現に貢献することができる。
特徴B3.前記誘導手段は、前記複数の可動部材のうち他のものよりも高位とする対象を遊技機前方へとシフトさせることにより前記滞留部てに滞留している遊技球を遊技機前方へ誘導するシフト手段(偏心カム446,ステッピングモータ441,主制御装置162のMPU602において当該偏心カム446を正転させる機能)を有していることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、滞留部において高位となっている部分(例えば滞留部において上方に凸となる部分)が遊技機前方へと変位することとなり、同部分によって滞留中の遊技球を後側から押すことができる。これにより、特徴B1に示した技術的思想を好適に実現することができる。
また、遊技球を後側から押す構成とすることにより、遊技機前方からの視認性が上記高位となっている部分によって妨げられることを抑制することができる。これにより、誘導中の遊技球の視認性を好適に向上させることができる。
特徴B4.前記遊技領域を流下する遊技球を前記滞留部における特定位置(滞留部425を構成する第9可動板420i)に導く球通路(誘導通路433)を備え、
前記シフト手段は、前記滞留部において前記特定位置よりも前側となる位置に少なくとも1の高位となる部位が形成されるようにして前記高位となる対象を遊技機前方へとシフトさせるように構成されていることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B3に示したように、高位となる対象を遊技機前方へシフトさせる構成においては、遊技球が滞留部に到達したタイミングによって誘導機能が上手く発揮されなくなることは好ましくない。例えば、高位となっている部分(上記凸となっている部分)に当たった遊技球が滞留部の変化に関係なく遊技機前方へ移動する可能性がある。
この点、本特徴によれば、特定位置よりも遊技機前方となる位置に高位となる部位が形成されることで、滞留部(詳しくは特定位置に存在する可動板)に当たった遊技球がその勢いのまま滞留部から流出することを抑制できる。これにより、遊技球の動きと滞留部の動きとの関連性が低下したり、滞留部における遊技球の滞留期間が過度に短くなったりするといった不都合を生じにくくすることができる。
特徴B5.前記各可動部材のうち1の可動部材は、隣り合う他の可動部材に対して遊技球の直径寸法よりも小さな隙間をへだてて対峙するようにして配置されており、
前記誘導手段には、前記シフト手段によって高位となる対象よりも遊技球の誘導先側に位置しているとともに前記高位となる対象よりも低位となる対象であって隣り合う2つ対象における上側の端部の高さ位置を揃える手段を有していることを特徴とする特徴B3又は特徴B4に記載の遊技機。
特徴B5によれば、遊技機前方に押された遊技球は低位となる可動部材に跨るようにして落ち着くことで、上記高位となる部分から離れて単独で遊技機前方へ移動することを抑制することができる。これにより、滞留部の動きと遊技球との動きとの関連性を強めることができる。
また、低位となる部位では2つの可動部材(詳しくは上端部)の高さ位置が同じになることで、遊技球を遊技機前方へ移動させる場合の同遊技球の上下方向への移動量が大きくなることを好適に抑制することができる。これにより、可動部材の動きに対する遊技球の動きの応答性を好適に向上させることができる。故に、遊技球の遊技機前方への動きの円滑化が期待できる。
特徴B6.前記シフト手段は、第1シフト手段であり、
前記誘導手段は、
前記複数の可動部材のうち他のものよりも高位とする対象を遊技機後方へとシフトさせることにより前記滞留部に滞留している遊技球を遊技機後方へ誘導する第2シフト手段(偏心カム446,ステッピングモータ441,主制御装置162のMPU602において当該偏心カム446を逆転させる機能)と、
前記第1シフト手段によって遊技機前方への誘導を行う状態、及び前記第2シフト手段によって遊技機後方への誘導を行う状態の切り替えを行う切替手段(主制御装置162のMPU602において駆動信号を切り替える機能)と
を有していることを特徴とする特徴B3乃至特徴B5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B6によれば、滞留部に滞留中の遊技球を前後に揺動させることにより、同遊技球の動きが単調化することを抑制できる。これにより、遊技球の動きに対する注目度の向上に貢献することができる。
なお、本特徴に併せて「可動部材において滞留部を構成している部分(上側の端部)が遊技機上方に凸となる曲面状をなす構成」を採用することにより、以下の効果が期待できる。すなわち、遊技球が隣り合う2つの可動部材に当接し、1の可動部材上に滞留した状態となることを抑制できる。これにより、可動部材の動きに伴う前後への誘導機能を好適に発揮させることができる。
特徴B7.前記各可動部材は、相対向する板状部材であり、
それら各可動部材において前記滞留部を構成している部分は、横方向に連なる波状の起伏を有してなり、
前記起伏は、同起伏の高低位置が前記各可動部材において横方向にずれるようにして形成されており、
前記滞留部の前方において同滞留部の出口部分と並設され、同滞留部からの遊技球の流出を規制する規制部(ストッパ部508)を備えていることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
特徴B7によれば、遊技機前方へと誘導された遊技球は出口部分に到達することで、滞留部から離脱することとなる。一方、出口部分から逸れた位置(詳しくは規制部)へと誘導された遊技球については、同規制部によって滞留部からの流出が規制されることとなる。ここで、流出が規制された遊技球が遊技機後方に誘導されると起伏によって同遊技球の横方向における位置が変化することとなり、滞留上での移動を繰り返すことで、最終的に出口部分からの流出が促されることなる。このように、前後左右への動きを伴いながら遊技球を滞留させることにより、単に滞留期間を長く設定する構成と比較して、遊技球の動きへの注目度を好適に向上させることができる。
特徴B8.前記誘導手段は、
駆動力を発生する駆動部(ステッピングモータ441)と、
回動可能に設けられ、前記駆動部からの駆動力を前記各可動部材に伝達するカム部(偏心カム446)と
を有し、
前記切替手段は、前記第1シフト手段によって遊技機前方への誘導を行う場合には前記カム部を所定の方向に回動させ、前記第2シフト手段によって遊技機後方への誘導を行う場合には前記カム部を前記所定の方向とは逆の方向へ回動させる手段(主制御装置162のMPU602において駆動信号切替処理を実行する機能)を有していることを特徴とする特徴B6又は特徴B7に記載の遊技機。
特徴B8によれば、カム部の回動方向を切り替えることにより、高位となる部分を前後にシフトさせることができる。これにより、特徴B6等に示した技術的思想を好適に具現化することができる。
例えば、駆動部が駆動信号により回動するモータによって構成し、同駆動部への駆動信号を所定方向への回転用の駆動信号と、所定方向とは逆方向への回転用の駆動信号とで切り替える構成とすれば、遊技球の動きの多様化を図りつつ、それに起因した構成の複雑化を抑制することができる。
特徴B9.前記カム部は、前記滞留部の出口部分を挟んで配設された左側カム部材及び右側カム部材を有してなり、
前記左側カム部材及び前記右側カム部材は、前記滞留部において前記出口部分よりも左側となる部位と同出口部分よりも右側となる部位とに高低の位相差が生じるように構成されていることを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
特徴B9によれば、滞留部においては、左側と右側とで昇降タイミングがずれることとなる。これにより、滞留中の遊技球を前後への誘導に伴って左右に移動させることができ、滞留部上を前後に移動する遊技球の移動距離を長くすることができる。つまり、滞留部の大型化を抑えつつ遊技球の移動距離を長くし、同遊技球の移動態様の多様化を実現することができる。また、前方への移動時と後方への移動時とで位相のずれが逆となるため、上述した昇降タイミングのずれも逆となる。これにより、位相差を生じさせる構成を採用しつつ、それに起因して遊技球の滞留位置が滞留部における左右の一方に偏りやすくなるとった不都合を好適に抑制することができる。
また、上述の如く遊技球の移動距離を長くした場合であっても、遊技球が出口部分を横切るようにして移動することで、遊技球と出口部分との位置関係の把握が難しくなることを抑制し、遊技球の移動距離を長くすることで出口部分から離れた位置に存在する遊技球への注目度が低下するといった不都合を生じにくくすることができる。
特徴B10.前記切替手段は、前記第1シフト手段によって遊技球を遊技機前方へ誘導する期間が前記第2シフト手段によって遊技球を遊技機後方へ誘導する期間よりも長くなるように設定されていることを特徴とする特徴B6乃至特徴B9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B10によれば、滞留中の遊技球は前後への揺動を繰り返すことで、最終的に滞留部の前端部に到達することとなる。これにより、特徴B1に示した誘導機能を好適に担保することができる。
特徴B11.前記切替手段は、少なくとも前記滞留部の後側の端部にて形成された1の高位部分が同滞留部の前側の端部に到達するまで前記第1シフト手段による遊技機前方への誘導を継続し、同高位部分が同滞留部の前側の端部に到達した後に前記第2シフト手段による遊技機後方への誘導を実行することを特徴とする特徴B6乃至特徴B10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B11によれば、遊技球の遊技機前方への移動機能を担保しつつ、遊技球の滞留期間が短くなることを抑制できる。
特徴B12.前記各可動部材において前記滞留部を構成している部分は、横方向に延びているとともに、同横方向に連なる波状の起伏を有してなり、
前記起伏は、同起伏の高低位置が前記各可動部材において前記横方向にずれるようにして形成されていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B12によれば、可動部材の昇降によって移動する遊技球は、1の可動部材から他の可動部材へ移ることにより起伏によって横方向へ移動する。このように横方への移動を伴いながら誘導されることにより、遊技球の動きを多様化を実現することができる。
例えば、各可動部材における高低位置を前後で逆となるように設定するとよい。これにより、横方向への遊技球の移動を多様なものとすることができる。
特徴B13.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80)と、
前記遊技領域に設けられ、予め定められた方向に並べて配置された複数の可動部材(可動板420a〜420j)と、
それら可動部材の上側の端部によって構成され、遊技球が載った状態で滞留可能となるように形成された滞留部(滞留部425)と、
前記可動部材を昇降させて前記滞留部に高低差を生じさせることにより、同滞留部に滞留している遊技球を少なくとも前記可動部材の並設方向へ誘導する誘導手段(駆動機構440や主制御装置162)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、可動部材が昇降してそれら可動部材の上側の端部(すなわち滞留部)に相対的に高位/低位となる部分が生じる。このようにして形成される高低差によって遊技球を少なくとも可動部材の並設方向へと誘導することにより、単に曲面上等を遊技球が揺動して最終的に遊技機前方へ誘導される構成と比較して、遊技球の動きと滞留部の動きとに関連性を持たせることができる。これにより、遊技球の誘導が単調になることを抑制し、遊技球の動きに対する注目度を好適に向上させることができる。
上記特徴B群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ遊技機等の遊技機には、遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤を備えているものがある。遊技者により遊技球発射ハンドルが操作されると遊技球が遊技領域に向けて発射され、発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部に入ると、それに基づいて遊技球の払い出し等の特典が遊技者に対して付与される。
このように遊技球の動きに応じて特典の付与が左右される遊技機においては、遊技領域に釘や風車等を配設することにより、遊技球の流下経路を分散させ、遊技球の動きを多様化させることで同遊技球の動きへの注目度を高めているものがある。
また、近年では、遊技球を所定の入球部等へと誘導するステージ部等の誘導部を設け、遊技球の動きに変化を与えることにより、遊技球の動きへの注目度を高めた遊技機が提案されている(例えば、特許文献:特開2003−071059号公報参照)。
しかしながら、遊技領域の広さは限られているため、単に遊技球の動きを多様化したり、遊技球の動きに変化を与えたりすることで、遊技球の動きに対する注目度を高めようとしても限界があり、そのような対応の多くは似かよったものとなりやすい。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技球の動きに対する注目度を好適に高めることができる遊技機を提供することを目的とするものである。
特徴C1.表示領域(表示領域DE)において絵柄列を予め設定された方向に変動表示する絵柄表示装置(図柄表示装置260)と、
前記絵柄表示装置の前方に配され、前記表示領域の周囲を回動可能に設けられた可動部(回動リング331や装飾部材335)と、
前記可動部の回動に応じて前記絵柄列における変動表示の方向を変化させる表示制御手段(表示制御装置170)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、可動部が回動した場合には同可動部の回動に応じて絵柄列の変動表示の方向を変化させることにより、可動部と絵柄列とによる一体的な演出を行うことが可能となる。この場合、可動部は表示領域の周囲を回動するため、同可動部と表示領域と重なりが増大する等して同表示領域の視認性が低下するといった不都合を生じにくくすることができる。これにより、演出の多様化を図りつつ、それによる視認性の低下を抑えることができ、遊技機における興趣向上に好適に貢献することができる。
特徴C2.前記表示制御手段は、前記可動部の回動に追従して前記絵柄列を同可動部材と同じ方向に回動させることにより前記変動表示の方向を変化させるように設定されていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、絵柄表示装置,可動部によって構成されるユニットが一体となって回動したかのような印象を遊技者に対して与えることができる。これにより、インパクトの強い演出を実現し、遊技機における興趣向上に貢献できる。
確かに、絵柄表示装置を回動させることで同じような演出を行うことが可能であるが、このような対応を行った場合には、絵柄表示装置用の動作領域の確保や大型の駆動機構等の採用等が必要となる。絵柄表示装置は遊技領域PEという限られたスペースに配置されているため、このような対応は周囲の遊技部品等の配置領域を圧迫する要因となり得る。この点、本特徴によれば、演出の多様化を図りつつ、周辺部品との共存を好適に実現することができる。
特徴C3.前記表示制御手段は、前記絵柄表示装置の正面視において前記可動部の回動中心部と重なる位置を中心部として前記絵柄列を回動させるように設定されていることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、可動部の動きと絵柄の動きとをより一体的なものとすることができ、特徴C2に示した効果を一層好適に発揮させることができる。
特徴C4.前記表示制御手段は、
前記表示領域に、背景画像を表示する手段と、
前記可動部の動き追従させて前記背景画像を前記絵柄列と一体的に回動させる手段と
を有していることを特徴とする特徴C2又は特徴C3に記載の遊技機。
絵柄表示装置にて背景画像を表示するタイプの遊技機においては、本特徴に示すように、絵柄だけでなく背景画像を一体的に回動させることにより、背景画像と絵柄との位置関係が変わる等して生じる違和感を払拭し、特徴C2に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴C5.前記絵柄表示装置の表示画面に対して遊技機前方から重なる位置に配置されているとともに前記表示領域を囲む円環状をなし、前記可動部を支持する枠部(レール部材321)を備え、
前記枠部又は前記枠部よりも外側に配された遊技部品によって前記絵柄表示装置における前記表示領域以外の部分が遊技機前方から覆われていることを特徴とする特徴C2乃至特徴C4のいずれか1つに記載の遊技機。
可動部が可動した際に、絵柄表示装置が動いているわけではないことが視認可能となれば、演出におけるインパクトが低下すると想定される。そこで、本特徴に示すように、枠部又は同枠部よりも外側に配された遊技部品によって遊技盤における表示領域以外の部分を遊技機前方から覆う構成とすれば、絵柄表示装置における表示画面以外の部分が動いていないことを遊技機前方から目視で確認することが困難になる。これにより、特徴C2に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴C6.前記絵柄列の変動表示方向は、前記可動部が初期位置に配されている状態では横方向となるように設定されており、
前記表示制御手段は、前記可動部の回動位置に応じて前記絵柄列の変動速度を変化させることを特徴とする特徴C1乃至特徴C5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C6に示すように絵柄列の傾きによって変動速度が変化する構成とすれば、絵柄列の表示を多様化することができ、更なる興趣向上に貢献することができる。
特徴C7.前記表示制御手段は、前記可動部の動きに追従して前記絵柄列を変動方向先側に下る状態となるように回動する場合には、同絵柄列の回動量の増加に応じて当該絵柄列の変動速度を増加させることを特徴とする特徴C6に記載の遊技機。
特徴C7によれば、絵柄列の動きと絵柄列の傾き(可動部の移動)との関連性を強めより一体的な演出を行うことができる。
特に、特徴C2(絵柄表示装置全体が回動しているかのように擬態させる構成)等との組み合わせにおいては、絵柄表示装置が回動することで、絵柄の変動速度が増したかのような印象を与えることができ、あたかも絵柄列に対して重力が作用したかのように擬態させることができる。これにより、演出のインパクトを強めることができる。
特徴C8.前記表示制御手段は、
前記絵柄列の変動及び停止を制御する一方、遊技者に有利な特別遊技状態となる際の特定表示態様の前段階として、最終停止絵柄を残して先に停止した少なくとも2つの絵柄列の絵柄により有効ライン上に待機絵柄を成立させるとともに、該待機絵柄の成立後に所定の待機状態変動演出を行う手段と、
最終停止する絵柄列が停止する場合に、それら絵柄列を前記可動部に追従させて前記下る状態となるように回動させるとともに、既に停止表示された絵柄列の変動表示を再開させる手段と
を有していることを特徴とする特徴C7に記載の遊技機。
特徴C8によれば、全ての絵柄列が停止表示される場合に、可動部及び絵柄列が回動することで、再度変動表示が開始される。これにより、今回の変動表示で確定したかのように見えた遊技結果が次回変動に持ち越されることとなる。これにより、所謂リーチ変動表示が行われる場合等に最終的な結果が表示されるまで又は表示されたとしても再び変動表示が行われる可能性が生じ、変動表示の終了タイミングにて遊技者の注目度が低下することを好適に回避することができる。
特に、特徴C2(絵柄表示装置全体が回動しているかのように擬態させる構成)等との組み合わせにおいては、絵柄表示装置及び可動部により待機絵柄を成立させる一体的な演出を行うことができ、更なる興趣向上に貢献できる。
特徴C9.前記表示制御手段は、前記可動部の動きに追従して前記絵柄列を変動方向先側に上る状態となるように回動する場合には、それに応じて前記絵柄列の変動速度を減少させることを特徴とする特徴C6乃至特徴C8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C9によれば、絵柄列の動きと絵柄列の傾き(可動部の移動)との関連性を強めより一体的な演出を行うことができる。
特に、特徴C2(絵柄表示装置全体が回動しているかのように擬態させる構成)等との組み合わせにおいては、絵柄表示装置が回動することで、絵柄の変動速度が減少したかのような印象を与えることができ、あたかも絵柄列に対して重力が作用したかのように擬態させることができる。これにより、演出のインパクトを強めることができる。
特徴C10.前記表示制御手段は、
前記絵柄列の変動及び停止を制御する一方、遊技者に有利な特別遊技状態となる際の特定表示態様の前段階として、最終停止絵柄を残して先に停止した少なくとも2つの絵柄列の絵柄により有効ライン上に待機絵柄を成立させるとともに、該待機絵柄の成立後に所定の待機状態変動演出を行う手段と、
前記待機絵柄を成立させる2つの絵柄列のうち一方が停止され、それに続いて他方の絵柄列が停止される場合に、当該他方の絵柄列のうち前記待機絵柄を成立させる絵柄が前記有効ラインの手前側に到達した際に、それら絵柄列を前記可動部に追従させて前記上る状態となるように回動させるとともに、当該他方の絵柄列の変動速度を減少させることで、当該他方の絵柄列を前記待機絵柄が成立するようにして停止させる手段と
を有していることを特徴とする特徴C9に記載の遊技機。
特徴C10によれば、例えば待機絵柄を構成し得る絵柄が有効ラインを通り過ぎる勢いで通過しそうな場合であっても、可動部及び絵柄列が回動することで、絵柄の変動表示にブレーキがかかり、待機絵柄を成立させることができる。これにより、待機絵柄の成立に対する期待感が待機絵柄が成立しそうにない場合に、早々低下することを抑制することができる。
特に、特徴C2(絵柄表示装置全体が回動しているかのように擬態させる構成)等との組み合わせにおいては、絵柄表示装置及び可動部により待機絵柄を成立させる一体的な演出を行うことができ、更なる興趣向上に貢献できる。
特徴C11.前記表示制御手段は、前記待機絵柄が成立した後に前記可動部の回動前の位置への復帰に伴って前記絵柄列を初期位置に復帰させる手段を有していることを特徴とする特徴C10に記載の遊技機。
特徴C11によれば、可動部及び絵柄列を回動させた場合に、次の遊技回への移行までに、それらを元の位置に復帰させておくことができる。これにより、遊技進行の円滑化を図ることができる。
特徴C12.前記絵柄表示装置の前方に配置されているとともに前記表示領域を囲む円環状をなし、前記可動部を支持する枠部(レール部材321)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C12によれば、可動部又は同可動部に付随する構成が表示領域の前方を横切る等して、同表示領域の視認性が低下するといった不都合を好適に回避することができる。
特徴C13.前記絵柄表示装置において前記表示領域が設けられている表示画面(表示画面261a)は同絵柄表示装置の正面視において略矩形状をなしており、
前記枠部は、当該枠部によって区画される区画領域の全域が前記表示画面に対して遊技機前方から重なるように形成されていることを特徴とする特徴C12に記載の遊技機。
特徴C13によれば、絵柄列を回動させた際に、区画領域に対して表示画面が足りなくなることが回避される。これにより、表示制御手段によって絵柄列を回動させる場合であっても、表示される情報量が少なくなるといった不都合を好適に回避できる。
また、絵柄表示装置(詳しくは表示画面)を円形状に形成する必要が無くなり、絵柄表示装置の設計・製造等が難しくなることを好適に回避できる。
特徴C14.前記可動部は、前記絵柄列に対して前記予め設定された方向と直交する方向に並べて配置されているとともに、前記枠部から当該枠部の内側へ凸となっていることを特徴とする特徴C12又は特徴C13に記載の遊技機。
本特徴に示すように可動部が枠部の内側へ凸となる構成とすれば、同可動部と枠部との差を明確にし、可動部の動きを目で追いやすくなる。このような構成を採用したとしても、絵柄の変動表示方向とは直交する方向に並べて配置されているため、可動部によって変動表示用の領域が圧迫されることを好適に抑制できる。
特徴C15.表示領域(表示領域DE)において絵柄列を横方向に変動表示する絵柄表示装置(図柄表示装置260)と、
前記絵柄表示装置を制御する表示制御手段(表示制御装置170)と
を備え、
前記表示制御手段は、前記絵柄列を変動方向先側に下る状態となるように回動させるとともに同絵柄列の傾斜角度に応じて当該絵柄列の変動速度を増加させる手段と、前記絵柄列を変動方向先側に上る状態となるように回動させるとともに同絵柄列の傾斜角度に応じて前記絵柄列の変動速度を減少させる手段とのうち少なくともいずれかを有していることを特徴とする遊技機。
特徴C15によれば、絵柄列の傾きにより、絵柄列の変動速度が増減する。これにより、絵柄列の動きと絵柄列の傾き(可動部の移動)との関連性を強め、より一体的な演出を行うことができる。
上記特徴C群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ遊技機等の遊技機には、絵柄表示装置を有し、同絵柄表示装置における表示領域に例えば左右方向又は上下方向に並ぶ3つの絵柄列を表示し、各絵柄列毎に絵柄の変動表示を行うものがある。絵柄表示装置においては、遊技領域に設けられた作動口への入球をトリガとして絵柄の変動表示が開始され、その後、所定の変動パターンによる変動表示を経て絵柄の変動表示が停止される。そして、各絵柄列の停止絵柄が確定した際にその絵柄の組み合わせが予め設定された特定の組み合わせ(例えば同一絵柄の組み合わせ)となっている場合には特別遊技状態に移行し、多量の遊技球が払い出される。
近年では、遊技の興趣を高めるべく、絵柄表示装置に表示される表示内容を複雑なものにしたり、表示領域を拡大して迫力を向上させたりする等、絵柄の表示に関して様々な工夫が施されている。また、例えば絵柄表示装置の周辺に可動部を設け、絵柄列の変動表示態様と可動部の動作態様とに所定の対応関係を付与し、絵柄表示装置と可動部とによる一体的な演出を実現した遊技機が提案されている(例えば、特許文献:特開2002−78904号公報参照)。
しかしながら、現在知られている遊技機においては、その多くで似かよった演出が採用されており、遊技者の興味を引くためには新たな演出が必要である。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、多様な演出を実現し、遊技の興趣性が大いに高められる遊技機を提供することを主たる目的とする。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導レール100)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘90等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
10…遊技機としてのパチンコ機、80…遊技盤、82…可変入球装置としての下側可変入球部、83…第2入球部としての右側可変入球部、84…下側作動入球部、85…第1入球部としての右側作動入球部、87…主表示ユニット、88…可変遊技装置、92…案内通路、93…切替部材、96…可変表示ユニット、143…音声ランプ制御装置、162…主制御装置、170…表示制御手段としての表示制御装置、260…絵柄表示装置としての図柄表示装置、261…液晶ディスプレイ、261a…表示画面、300…リングユニット、321…枠部としてのレール部材、331…回動リング、335…可動部としての装飾部材、341…駆動部としてのステッピングモータ、400…ステージユニット、410…ステージ装置、420a〜420j…可動部材としての可動板、422…凸部としての頂部、423…凹部としての底部、425…滞留部、433…球通路としての誘導通路、434…出口部分、440…誘導手段を構成する駆動機構、441…駆動部としてのステッピングモータ、446…シフト手段を構成する偏心カム、448…カム部、503…流入口、504…誘導通路、505…受入口、508…規制部としてのストッパ部、602…MPU、603…ROM、604…RAM、635…各種フラグ格納エリア、702…MPU、703…プログラムROM、704…ワークRAM、705…VDP、706…キャラクタROM、CP…キャラクタ部、D…主表示部、DE…区画領域又は表示領域、DL…下作動入球部用表示部、DR…右作動入球部用表示部、EP…エフェクト部、ME…変動表示領域、NP…数字部、PE…遊技領域。

Claims (2)

  1. 表示領域において複数の絵柄列を変動表示可能な絵柄表示装置と、
    前記絵柄表示装置よりも手前側に配設され、第1位置及び第2位置に移動可能な可動部と、
    前記絵柄表示装置の表示制御を行う表示制御手段と
    を備え、
    前記絵柄列が変動表示された後に、抽選結果に対応した絵柄組合せが停止表示される遊技機であって、
    前記表示制御手段は、前記絵柄列の変動表示速度を第1速度及び当該第1速度とは異なる第2速度に変化させる変動表示速度可変手段を有し、
    前記変動表示速度可変手段は、前記可動部が前記第1位置に配置されている場合の前記絵柄列の変動表示速度を前記第1速度とし、前記可動部が前記第1位置から前記第2位置に移動する特定状況である場合にその特定状況において変動表示中の全ての絵柄列の変動表示速度を前記第2速度とする手段を有していることを特徴とする遊技機。
  2. パチンコ機である請求項1に記載の遊技機。
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