JP2024009311A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供すること。【解決手段】大当たりに当選して特別遊技状態が発生した場合に、所定のラウンド(例えば、大当たり種別「潜伏確率変動B」の1R目)において、第2可変入賞装置74の第2開閉板74aが開放された場合、確変領域ソレノイド75b(図8参照)によって確変領域開閉板75aが開放状態であるタイミングで球が確変領域開閉板75aの配設位置まで到来した場合には、確変領域スイッチ75cが配設された確変領域75が確変領域開閉板75aによって開放されていることから、上記球が確変領域スイッチ75cによって検知された後、排出通路76へと流入する。【選択図】図6

Description

本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられ、遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段が配置された複数の入球口のいずれかへ遊技球が入球することに基づいて所定の遊技価値をそれぞれ付与するとともに、特定の入球口への入賞に基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、入球手段に遊技球を入球可能にして、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている(例えば、特許文献1)。
特開2017-148264号公報
しかしながら、上記遊技機では、遊技の興趣向上を図る必要があるが、この点について未だ改良の余地がある。
本発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、遊技球を発射する発射手段と、前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な第1入球手段と、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに起因して所定情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段と、遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段がそれぞれ配置された第2入球手段および第3入球手段と、前記第1入球手段に遊技球が進入した場合に、遊技者に所定の第1遊技価値を付与する第1遊技価値付与手段と、前記第2入球手段または前記第3入球手段に遊技球が進入した場合に、前記第1遊技価値と異なる第2遊技価値を付与する第2遊技価値付与手段と、を備えており、前記第2入球手段または前記第3入球手段から流入した遊技球が通過可能な第1領域と、前記第1領域への遊技球の流入に基づいて、遊技に関する情報を出力可能な遊技情報出力手段と、を備えている。
請求項1記載の遊技機によれば、遊技球を発射する発射手段と、前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な第1入球手段と、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに起因して所定情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段と、遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段がそれぞれ配置された第2入球手段および第3入球手段と、前記第1入球手段に遊技球が進入した場合に、遊技者に所定の第1遊技価値を付与する第1遊技価値付与手段と、前記第2入球手段または前記第3入球手段に遊技球が進入した場合に、前記第1遊技価値と異なる第2遊技価値を付与する第2遊技価値付与手段と、を備えており、前記第2入球手段または前記第3入球手段から流入した遊技球が通過可能な第1領域と、前記第1領域への遊技球の流入に基づいて、遊技に関する情報を出力可能な遊技情報出力手段と、を備えている。これにより、遊技の興趣を向上できる、という効果がある。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の背面図である パチンコ機の遊技盤の正面図である。 第1可変入賞装置、第2可変入賞装置および確変領域を備えたアタッカーユニットの正面視を模式的に表した正面拡大図である。 (a)は、第1可変入賞装置が開放状態であって、かつ、確変領域開閉板が閉鎖状態である場合に、アタッカーユニット内に流入した球の挙動を説明するためのアタッカーユニットの模式的断面図であり、(b)は、第1可変入賞装置が開放状態であって、かつ、確変領域開閉板が開放状態である場合に、アタッカーユニット内に流入した球の挙動を説明するためのアタッカーユニットの模式的断面図である。 (a)は、第2可変入賞装置が開放状態であって、かつ、確変領域開閉板が閉鎖状態である場合に、アタッカーユニット内に流入した球の挙動を説明するためのアタッカーユニットの模式的断面図であり、(b)は、第2可変入賞装置が開放状態であって、かつ、確変領域開閉板が開放状態である場合に、アタッカーユニット内に流入した球の挙動を説明するためのアタッカーユニットの模式的断面図である。 (a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 各種カウンタ、カウンタ用バッファ、第1保留球格納エリア、第2保留球格納エリア、保留球実行エリア、普図保留球格納エリア、普図保留球実行エリアの構成を模式的に示した図である。 大当たり乱数テーブルの一例を模式的に示した図である。 (a)は、特図1用大当たり種別テーブルの一例を模式的に示した図であり、(b)は、特図2用大当たり種別テーブルの一例を模式的に示した図である。 大入賞口開閉テーブルの一例を模式的に示した図である。 確変領域開閉テーブルの一例を模式的に示した図である。 第1特別図柄の大当たり種別「時短A」の各ラウンドにおける第1大入賞口ソレノイド、第2大入賞口ソレノイド及び確変領域ソレノイドの作動タイミングと、第1大入賞口スイッチ、第2大入賞口スイッチ及び確変領域スイッチにおける球の検知タイミングと、インターバルと確変移行フラグの設定タイミングとを模式的に示したタイミングチャートである。 第1特別図柄の大当たり種別「時短A」の1ラウンド目から3ラウンド目における第1大入賞口ソレノイド、第2大入賞口ソレノイド及び確変領域ソレノイドの作動タイミングと、第1可変入賞装置及び第2可変入賞装置の閉鎖期間であるインターバルのタイミングと、第1可変入賞装置又は第2可変入賞装置に入賞した球が確変領域開閉板まで到達するまでの時間と、第1大入賞口スイッチ、第2大入賞口スイッチ及び確変領域スイッチにおける球の検知タイミングと、確変移行フラグの設定タイミングとの各時間の関係を模式的に示したタイミングチャートである。 第1特別図柄の大当たり種別「時短B」のの各ラウンドにおける第1大入賞口ソレノイド、第2大入賞口ソレノイド及び確変領域ソレノイドの作動タイミングと、第1大入賞口スイッチ、第2大入賞口スイッチ及び確変領域スイッチにおける球の検知タイミングと、インターバルと確変移行フラグの設定タイミングとを模式的に示したタイミングチャートである。 第1特別図柄の大当たり種別「潜伏確率変動A」の各ラウンドにおける第1大入賞口ソレノイド、第2大入賞口ソレノイド及び確変領域ソレノイドの作動タイミングと、第1大入賞口スイッチ、第2大入賞口スイッチ及び確変領域スイッチにおける球の検知タイミングと、インターバルと確変移行フラグの設定タイミングとを模式的に示したタイミングチャートである。 第1特別図柄の大当たり種別「潜伏確率変動A」の1ラウンド目から3ラウンド目における第1大入賞口ソレノイド、第2大入賞口ソレノイド及び確変領域ソレノイドの作動タイミングと、第1可変入賞装置及び第2可変入賞装置の閉鎖期間であるインターバルのタイミングと、第1可変入賞装置又は第2可変入賞装置に入賞した球が確変領域開閉板まで到達するまでの時間と、第1大入賞口スイッチ、第2大入賞口スイッチ及び確変領域スイッチにおける球の検知タイミングと、確変移行フラグの設定タイミングとの各時間の関係を模式的に示したタイミングチャートである。 第1特別図柄の大当たり種別「潜伏確率変動B」の各ラウンドにおける第1大入賞口ソレノイド、第2大入賞口ソレノイド及び確変領域ソレノイドの作動タイミングと、第1大入賞口スイッチ、第2大入賞口スイッチ及び確変領域スイッチにおける球の検知タイミングと、インターバルと確変移行フラグの設定タイミングとを模式的に示したタイミングチャートである。 第1特別図柄および第2特別図柄の大当たり種別「確率変動A」の各ラウンドにおける第1大入賞口ソレノイド、第2大入賞口ソレノイド及び確変領域ソレノイドの作動タイミングと、第1大入賞口スイッチ、第2大入賞口スイッチ及び確変領域スイッチにおける球の検知タイミングと、インターバルと確変移行フラグの設定タイミングとを模式的に示したタイミングチャートである。 第2特別図柄の大当たり種別「時短C」の各ラウンドにおける第1大入賞口ソレノイド、第2大入賞口ソレノイド及び確変領域ソレノイドの作動タイミングと、第1大入賞口スイッチ、第2大入賞口スイッチ及び確変領域スイッチにおける球の検知タイミングと、インターバルと確変移行フラグの設定タイミングとを模式的に示したタイミングチャートである。 第2特別図柄の大当たり種別「潜伏確率変動C」の各ラウンドにおける第1大入賞口ソレノイド、第2大入賞口ソレノイド及び確変領域ソレノイドの作動タイミングと、第1大入賞口スイッチ、第2大入賞口スイッチ及び確変領域スイッチにおける球の検知タイミングと、インターバルと確変移行フラグの設定タイミングとを模式的に示したタイミングチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特図変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される変動開始処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大入賞口開閉制御処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される開放設定処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される通過判別処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される閉鎖条件判別処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり終了処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示すフローチャートである。 (a)は、大当たり状態のインターバル期間中に第3図柄表示装置において「キャラクタA」が選択されているキャラクタ選択画面が現出された「キャラクタ選択」演出を例示した図であり、(b)は、(a)の状態から、選択対象が変更されて「キャラクタB」が選択されているキャラクタ選択画面が現出された「キャラクタ選択」演出を例示した図である。 大当たり状態における第3図柄表示装置の表示内容を示した図であって、(a)は、ラウンド数、発射態様、獲得賞球数等が表示された状態を例示した図であり、(b)は、ラウンド数、発射態様、獲得賞球数等に加え、確変領域入賞発射態様が表示された状態を例示した図である。 (a)は、第2実施形態の第1可変入賞装置、第2可変入賞装置および確変領域を備えたアタッカーユニットの正面視を模式的に表した正面拡大図であり、(b)は、(a)のA方向からのアタッカーユニットの側面視を模式的に表した右側面拡大図である。 (a)は、第3実施形態の第1可変入賞装置、第2可変入賞装置および確変領域を備えたアタッカーユニットの正面視を模式的に表した正面拡大図であり、(b)は、(a)のB方向からのアタッカーユニットの側面視を模式的に表した右側面拡大図である。 第4実施形態の第1可変入賞装置、第2可変入賞装置および確変領域を備えたアタッカーユニットの正面視を模式的に表した正面拡大図である。 第5実施形態の第1可変入賞装置、第2可変入賞装置および確変領域を備えたアタッカーユニットの正面視を模式的に表した正面拡大図である。 第6実施形態の各大当たり種別において開放され得る上可変入賞装置および下可変入賞装置と、該上可変入賞装置および下可変入賞装置における1入賞あたりの賞球数を説明するための図である。 第6実施形態の大入賞口開閉テーブルの一例を模式的に示した図である。 第7実施形態の第1可変入賞装置、第2可変入賞装置および確変領域を備えたアタッカーユニットの正面視を模式的に表した正面拡大図である。 第8実施形態のパチンコ機の遊技盤の正面図である。 第9実施形態の第1可変入賞装置、第2可変入賞装置および確変領域を備えたアタッカーユニットの正面視を模式的に表した正面拡大図である。 (a)は、第10実施形態における第1可変入賞装置及び第2可変入賞装置がともに閉鎖状態である場合に、右打ち遊技された球の挙動を説明するための遊技盤右側部分の模式的断面図であり、(b)は、第10実施形態における第1可変入賞装置が開放状態であって、かつ、第2可変入賞装置が閉鎖状態である場合に、右打ち遊技された球の挙動を説明するための遊技盤右側部分の模式的断面図であり、(c)は、第10実施形態における第1可変入賞装置が閉鎖状態であって、かつ、第2可変入賞装置が開放状態である場合に、右打ち遊技された球の挙動を説明するための遊技盤右側部分の模式的断面図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1~図40を参照し、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の背面図であり、図3はパチンコ機10の遊技盤13の正面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口(入球口)63,64a,64b等を有する遊技盤13(図3参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図8参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。なお、遊技盤13の詳細については、図3において後述する。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図8参照)へと案内される。また、上皿17の上面の正面視左側には、枠ボタン22が設けられている。
枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図3参照)で表示される演出のステージを変更する場合や、大当たり遊技中のインターバル時間が発生する場合に表示される後述する「キャラクタ選択」演出時に、遊技者により押下操作されるボタンである。また、枠ボタン22は、第1抽選遊技で使用する第1特別図柄に対応する、又は、第2抽選遊技で使用する第2特別図柄に対応する第3図柄の変動表示(以下、第3図柄の変動表示を「変動演出」という。)において実行される予告表示での演出内容を遊技者に選択させるための操作ボタンとしても使用される。
なお、第1抽選遊技とは、後述する第1始動口64a(図3参照)への球の入球(以下、球の入球を「入賞」と称する場合がある)に起因する抽選遊技である。また、第2抽選遊技とは、後述する第2始動口64b(図3参照)への入賞に起因する抽選遊技である(以下、第1抽選遊技と第2抽選遊技とを総称して、単に「抽選遊技」と表現する場合がある)。
また、変動演出とは、後述する第3図柄表示装置81(図3参照)にて表示される演出であり、後述の通り、遊技盤13の前面領域に発射された球が特定の入賞口(例えば、後述の第1始動口64a又は第2始動口64b。図3参照。)へ入賞したことを契機として実行され、図柄(後述の第3図柄)が所定時間変動された後、停止表示された図柄の組み合わせによって、当該入賞に対して行われる抽選の結果(大当たりか否か)を遊技者に提示する演出である。なお、第1実施形態では、第3図柄表示装置81では、1の抽選遊技のみが実行可能に構成されており、第1抽選遊技に基づく第1特別図柄と第2抽選遊技に基づく第2特別図柄(以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを総称して、単に「特別図柄」と表現する場合がある)とで第3図柄を共通して使用して、第1抽選遊技に基づく抽選結果又は第2抽選遊技に基づく抽選結果のいずれかを表示するように構成されている。
さらに、ステージとは、後述する第3図柄表示装置81(図3参照)に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」の3つのステージが設けられている。上述の変動演出や、変動演出中に実行される「リーチ表示」などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。
また、「リーチ表示」とは、後述する第3図柄表示装置81(図3参照)において実行される変動演出において、大当たりが発生することを示す「大当たり表示」の一歩手前の表示のことをいう。具体的には、後述する左図柄列Z1及び右図柄列Z3(図7参照)の第3図柄が同一図柄で停止し、中図柄列Z2(図7参照)が未だ停止せず変動を継続している状態のことをいう。
本実施形態のパチンコ機10では、「リーチ表示」として、大別して、「ノーマルリーチ」の演出を構成する一単位の要素(以下、演出を構成する一単位の要素を「変動要素」という)と、該「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して実行され、該「ノーマルリーチ」の変動要素より大当たり期待度が高い「スーパーリーチ」の変動要素と、同じく「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して実行され、「スーパーリーチ」の変動要素より大当たり期待度が高い「スペシャルリーチ」の変動要素とが用意されている。
ステージの変更は、変動演出が行われていない期間(即ち、デモ表示中)や、変動演出において第3図柄が遊技者に視認不能に高速に変動される「高速変動」の変動要素中に、遊技者によって枠ボタン22が押下操作された場合に行われる。そして、枠ボタン22が操作される度に「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入直後は、初期ステージとして「街中ステージ」が設定される。
また、後述する第3図柄表示装置81(図3参照)にて行われる変動演出において「ノーマルリーチ」の変動要素が開始された場合に、「ノーマルリーチ」の変動要素から「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するときは、「ノーマルリーチ」の変動要素中に「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素の選択画面が第3図柄表示装置81に表示されるように構成してもよい。
具体的には、選択画面では、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素として選択可能な複数の候補が表示され、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に押下操作された場合に、選択された候補が変更されるように構成する。そして、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素へ発展するときに選択されていた演出候補に基づいて、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素が決定され、その決定に従って「スーパーリーチ」の変動要素は「スペシャルリーチ」の変動要素が第3図柄表示装置81にて実行される。
なお、第1実施形態では、枠ボタン22を押下操作されるボタンとして構成したが、枠ボタン22に代えて、遊技者によりパチンコ機10に対して所定方向(例えば、パチンコ機10に対して、前方、後方、右方および左方)に傾倒操作可能な、操作レバーにより構成してもよい。そして、操作レバーが傾倒操作された方向に基づいて、演出ステージが選択変更されたり、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素が決定されたりしてもよい。
また、枠ボタン22を上皿17の側面視正面側に配置するように構成しているが、枠ボタン22の配置位置は、遊技者が押下操作可能な位置であれば如何様な配置位置でも良く、例えば、上皿17の上面側に配置してもよいし、後述する下皿50の近傍(上面又は側面)に配置してもよい。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定の「リーチ表示」時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、発光ダイオード(ライト・エミッティング・ダイオード(Light Emitting Diode)。以下、「LED」と略す。)等の発光手段を内蔵した電飾部29~33が設けられている。
パチンコ機10においては、これら電飾部29~33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時や「リーチ表示」時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29~33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前の「リーチ表示」中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図3参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29~33の周りの領域にクロムメッキを施したアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(Acrylonitrile Butadiene Styrene。以下、「ABS」と略す。)樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット。図示せず。)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。
なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112a(図8参照)の駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。
操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで連続的に球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。具体的には、上皿17に球が貯留されている状態で、遊技者が操作ハンドル51を操作し続けた場合、1分間に100発(0.6秒間隔で1発ずつ)の球が発射されるように構成されている。そして、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「ドル箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
次に、図2に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのマイクロ・プロセッシング・ユニット(Micro-Processing Unit。以下、「MPU」と略す)、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100~104に収納されている。基板ボックス100~104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図8参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図8参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図3に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した透明樹脂製のベース板60に、流下方向変更手段として、それぞれ、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、球が入賞することで所定の賞球を得ることができる一般入賞口63、第1抽選遊技用の第1始動口64aと第2抽選遊技用の第2始動口64bと普通電役64cとを有した始動口ユニット64、第1抽選遊技又は第2抽選遊技による大当たりが発生した場合に開放される第1可変入賞装置72と第2可変入賞装置74とを有したアタッカーユニット71、普通電役64cの駆動抽選用の普通図柄ゲート67、第3図柄表示装置81を有した可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。
一般入賞口63、始動口ユニット64、アタッカーユニット71、普通図柄ゲート67、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側からネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図3を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図8参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図3の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球を再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図3の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される(以下、返しゴム69に当たる勢い等で球を発射して、該球を可変表示装置ユニット80の正面視右側を通過させる行為を「右打ち」と称する一方、発射した球が可変表示装置ユニット80の正面視左側を通過させる行為を「左打ち」と称する)。第1実施形態では、左打ちの遊技において、第1始動口64aへ球が入球し得る一方、第2始動口64bやアタッカーユニット71の第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74に球が入球し難いように構成されている。また、右打ちの遊技において、アタッカーユニット71の第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74や、普通図柄ゲート67を球が通過することに起因して普通電役64cが開放されることで第2始動口64bへ球が入球し得る一方、第1始動口64aに球が入球し難いよう(不可)に構成されている。
また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図3の右側上部)には、発光手段である複数のLEDで構成された第1LED群37aと第2LED群37bとが設けられた特別図柄表示装置37が配設されている。特別図柄表示装置37は、後述する主制御装置110(図8参照)で行われる各制御に応じた各特別図柄の変動表示(以下、特別図柄の変動表示を「動的表示」という)がなされると共に、パチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。
第1LED群37aは、後述する第1始動口64a又は第2始動口64bに入賞(入球)した球のうち、変動表示が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。また、大当たりのラウンド数やエラー表示も、該状態に対応する第1LED群37aの点灯状態により示される。なお、第1LED群37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるように構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
なお、大当たりにおける「ラウンド」とは、大当たりの賞球個数を区切るために後述する第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74のいずれかが開放されてから閉鎖されるまでのことをいい、第1実施形態のパチンコ機10では、第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74のいずれかが開放開始されてから「30秒」経過するか、第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74のいずれかの開放中に、該第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74に球が10個入賞することで1回の「ラウンド」が実行されるように構成されている。
第2LED群37bは、8個のLEDで構成された上方LED群と、同じく8個のLEDで構成された下方LED群との計16個のLEDで構成されている。上方LED群は、第1抽選遊技の判定結果を示す第1特別図柄(以下、第1特別図柄を、「特図1」と略す場合がある)が変動表示される。また、下方LED群は、第2抽選遊技の判定結果を示す第2特別図柄(以下、第2特別図柄を、「特図2」と略す場合がある)が変動表示される。
具体的には、上方LED群には、始動口ユニット64に設けられた第1始動口64aへの入賞に基づいて決定された変動時間(動的表示時間)が経過するまで変動表示(第1実施形態では、上方LED群の最も左側のLEDから右側のLEDを1つずつ順番に点灯し、該点灯パターンの繰り返し表示)した後に、判定結果を示す図柄(第1実施形態では、8個のLEDの各点灯パターンの組み合わせによって計256種類の停止図柄のいずれか)で停止表示される。
また、下方LED群には、始動口ユニット64に設けられた第2始動口64bへの入賞に基づいて決定された変動時間(動的表示時間)が経過するまで変動表示(第1実施形態では、下方LED群の最も左側のLEDから右側のLEDを1つずつ順番に点灯し、該点灯パターンの繰り返し表示)した後に、判定結果を示す図柄(第1実施形態では、8個のLEDの各点灯パターンの組み合わせによって計256種類の停止図柄のいずれか)で停止表示される。
いずれのLED群においても、判定結果がハズレである場合には、最も左側のLEDのみが点灯表示され、判定結果が大当たりである場合には、大当たりに対応した点灯パターンで各LED群が点灯表示される。各LED群の停止パターンの詳細については、後述する。
なお、本パチンコ機10では、第1始動口64a又は第2始動口64bへの入球に対して大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合は、入賞した始動口64a,64bに応じてその大当たり種別の判定も行う。
ここで判定される大当たり種別としては、第1始動口64aへの入賞に基づいて、「10ラウンド(以下、ラウンドを、単に「R」と表現する場合がある)確変大当たり」に対応する「確率変動A」、「5R潜伏確変大当たり」に対応する「潜伏確率変動A」及び「潜伏確率変動B」、並びに、「5R時短大当たり」に対応する「時短A」及び「時短B」が用意されている(図11(a)参照)。また、第2始動口64bへの入賞に基づいて、「10R確変大当たり」に対応する「確率変動A」、「10R潜伏確変大当たり」に対応する「潜伏確率変動C」、及び、「10R時短大当たり」に対応する「時短C」が用意されている(図11(b)参照)。
ここで、「10R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たりの後に「確率変動状態」へ移行する大当たりのことである。また、「10R潜伏確変大当たり」とは、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たりの後に「確率変動状態」へ移行するが、該「確率変動状態」が付与されていることを報知しない大当たりのことである。さらに「10R時短大当たり」とは、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たりの後に「時間短縮状態」へ移行する大当たりのことである。また、「5R潜伏確変大当たり」とは、最大ラウンド数が5ラウンドの大当たりの後に「確率変動状態」へ移行するが、該「確率変動状態」が付与されていることを報知しない大当たりのことである。さらに、「5R時短大当たり」とは、最大ラウンド数が5ラウンドの大当たりの後に「時間短縮状態」へ移行する大当たりのことである。
ここで、「通常遊技状態」とは、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」でない低確率状態の時をいい、特別図柄の大当たり確率、及び、普通図柄の当たり確率が通常の状態をいう。即ち、「通常遊技状態」は、「確率変動状態」の時より特別図柄の大当たり確率が低く、また、「確率変動状態」および「時間短縮状態」の時より普通図柄の当たり確率が低い状態であって、第2始動口64bへ球が入賞し易い遊技状態(以下、第2始動口64bへ球が入賞し易い状態のことを、「入賞補助状態」という場合がある)ではなく、遊技者にとって最も不利な遊技状態である。
次いで、「時間短縮状態」とは、特別図柄の大当たり確率が「通常遊技状態」と同様に低確率状態であるが、普通図柄の当たり確率がアップした所謂「時短機能」が付与された状態をいう。即ち、「時間短縮状態」は、始動口ユニット64に設けられた後述する普通電役64cが開放状態となり易くなり、その結果、始動口ユニット64内の第2始動口64bへ球が入球し易い遊技状態、即ち、入賞補助状態である。
第1実施形態のパチンコ機10では、「時間短縮状態」は、大当たり種別「時短A」、「時短B」又は「時短C」(図11(a)及び図11(b)参照)の大当たり後に、該大当たり毎に予め定められた規定回数(第1実施形態では、50回又は100回)の特別図柄の変動演出が実行されるまで維持される。そして、上記規定回数の特別図柄の動的表示が実行された後は、「時間短縮状態」から上記「通常遊技状態」に移行するように構成されている。
次いで、「確率変動状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の特別図柄の大当たり確率がアップした高確率状態をいう。即ち、「確率変動状態」は、いわゆる確変中の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。
第1実施形態のパチンコ機10では、大当たり種別「確率変動A」、「潜伏確率変動A」、「潜伏確率変動B」又は「潜伏確率変動C」(図11(a)及び図11(b)参照)の大当たり後に、特別図柄の変動演出が50回又は100回実行されるまで(所謂、スペシャル・タイム。以下、Special Time(スペシャル・タイム)の頭文字を略して「ST」と略す場合がある。)の間、特別図柄の大当たり確率が高確率状態となる。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、「確率変動状態」として、上記「時短機能」が付与されている「時短有り確変状態」と、「時短機能」が付与されてない「時短無し確変状態」(以下、「時短無し確変状態」のことを、「潜伏確率変動状態」と称する場合がある)とが設けられている。即ち、「時短有り確変状態」は、特別図柄の大当たり確率が高確率状態であると共に、後述する普通電役64cが開放状態となり易くなり、その結果、始動口ユニット64内の第2始動口64bへ球が入賞し易い入賞補助状態となる。一方、「時短無し確変状態」は、特別図柄の大当たり確率が高確率状態であるが、普通電役64cが開放状態となり難い(なり易くない)ため、「通常遊技状態」と同様、第2始動口64bへの入賞補助状態ではない非入賞補助状態となる。
「時短有り確変状態」は、大当たり種別「確率変動A」、「潜伏確率変動A」、「潜伏確率変動B」又は「潜伏確率変動C」(図11(a)及び図11(b)参照)の大当たり後に、該大当たり毎に予め定められた規定回数(第1実施形態では、50回又は100回)の特別図柄の変動演出が実行されるまで維持される。一方、上記規定回数の特別図柄の動的表示が実行された後は、大当たり種別「潜伏確率変動A」又は「潜伏確率変動B」(図11(a)及び図11(b)参照)の大当たりに基づく「時短有り確変状態」である場合は、「時短無し確変状態」に移行し、大当たり種別「確率変動A」又は「潜伏確率変動C」(図11(a)及び図11(b)参照)の大当たりに基づく「時短有り確変状態」である場合は、「通常遊技状態」に移行するように構成されている。
ここで、第1実施形態のパチンコ機10では、「確率変動状態」の演出態様として、特別図柄の大当たり確率がアップした高確率状態であることを遊技者に報知する「確変報知演出態様」と、大当たり確率がアップした高確率状態であることを遊技者に報知しない「潜伏確変演出態様」とが設けられている。
「確変報知演出態様」は、該「確変報知演出態様」の間、特別図柄の大当たり確率がアップした高確率状態であることを、後述する第3図柄表示装置81等によって遊技者に報知するように構成されている。第1実施形態では、大当たり種別「確率変動A」(図11(a)及び図11(b)参照)に当選した場合に、該大当たりの終了後に「確変報知演出態様」が実行される。
一方、「潜伏確変演出態様」は、該「潜伏確変演出態様」の間、特別図柄の大当たり確率がアップした高確率状態であることを、後述する第3図柄表示装置81等によって遊技者に報知しないように構成されている。即ち、「潜伏確変演出態様」は、「時短報知演出態様」又は「通常報知態様」に対応する演出と同等の演出を行い、遊技者に、「確率変動状態」であるのか「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」であるのかを識別不可(困難)にして、いずれの遊技状態に滞在しているかを予想させる遊技性を付与するように構成されている。
第1実施形態では、大当たり種別「潜伏確率変動A」、「潜伏確率変動B」又は「潜伏確率変動C」(図11(a)及び図11(b)参照)に当選した場合に、該大当たりの終了後に「潜伏確変演出態様」が実行される。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、「時間短縮状態」の演出態様として、上記「時短機能」が付与されていることを遊技者に報知する「時短報知演出態様」が設けられている。この「時短報知演出態様」は、該「時短報知演出態様」の間、普通図柄の当たり確率がアップした状態であることを、後述する第3図柄表示装置81等によって遊技者に報知するように構成されている。第1実施形態では、大当たり種別「時短A」、「時短B」又は「時短C」(図11(a)及び図11(b)参照)に当選した場合に、該大当たりの終了後に「時短報知演出態様」が実行される。
さらに、第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態」の演出態様として、「時短報知演出態様(潜伏確変演出態様)」や「確変報知演出態様」と異なる「通常演出態様」が設けられている。この「通常演出態様」は、該「通常演出態様」の間、遊技者にとって有利な状態に移行していない状態であることを、後述する第3図柄表示装置81等によって遊技者に報知するように構成されている。第1実施形態では、パチンコ機10が初期化された場合や、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」が終了した場合、或いは、大当たり種別「潜伏確率変動A」若しくは「潜伏確率変動B」(図11(a)及び図11(b)参照)の大当たり終了後、特別図柄の変動演出が50回終了した場合に、「通常演出態様」が実行される。
即ち、第1実施形態のパチンコ機10は、「潜伏確変演出態様」が、「時短報知演出態様」又は「通常演出態様」と同等の演出を実行するように構成されている。このように構成することで、遊技者は、現在の遊技状態が、「確率変動状態」であるのか「時間短縮状態」であるのか、又は、「確率変動状態」であるのか「通常遊技状態」であるのかを識別不可(困難)として、いずれの遊技状態に滞在しているかを明確に認識することができない。このように構成することで、「潜伏確変演出態様」が実行されている間、遊技者にいずれの遊技状態であるか否かを推測させる遊技性が生まれ、遊技の興趣を向上することができる。
また、大当たり種別「潜伏確率変動A」又は「潜伏確率変動B」(図11(a)及び図11(b)参照)の大当たり終了後、特別図柄の変動演出が50回終了した場合に、その後の遊技状態は、次の特別図柄の変動演出が50回実行されるまで、内部的に「確率変動状態」となって遊技者にとって有利な状態であるが、演出上は「通常演出態様」が実行されている状態となる。一方、大当たり種別「時短A」又は「時短B」(図11(a)参照)の大当たり終了後、特別図柄の変動演出が50回終了した場合に、その後の遊技状態は、内部的に「通常遊技状態」であって、演出上も「通常演出態様」が実行されている状態となる。このため、遊技者は、大当たり種別「時短A」又は「時短B」の大当たり終了後の特別図柄の変動演出が50回行われて、「時間短縮状態」が終了した後も、該大当たりが大当たり種別「時短A」又は「時短B」に基づく大当たりなのか、大当たり種別「潜伏確率変動A」又は「潜伏確率変動B」に基づく大当たりなのかを識別することができない。
このように構成することで、遊技者に「確率変動状態」であるのか「通常遊技状態」あるのかを認識させないことによって、「通常遊技状態」を示す「通常演出態様」が実行されている状況であっても、内部的に「確率変動状態」になっている可能性を遊技者に推測させて、遊技を継続的に実行させることが可能となる。よって、「時間短縮状態」が終了した後であっても、遊技者の遊技の継続意欲を向上させ、パチンコ機10の稼働を促進させることができる。
ここで、各大当たり種別毎の第2LED群37bの表示態様について説明する。第1特別図柄用の上方LED群の停止表示(点灯表示)として、ハズレに対応する表示パターンは1種類、大当たり種別「時短A」に対応する表示パターンは63種類、大当たり種別「時短B」に対応する表示パターンは63種類、大当たり種別「潜伏確率変動A」に対応する表示パターンは64種類、大当たり種別「潜伏確率変動B」に対応する表示パターンは64種類、大当たり種別「確率変動A」に対応する表示パターンは1種類、の計256種類の表示パターンが設けられている。そして、各表示パターンは、大当たり種別毎に特定の規則性を有さず、無作為な表示パターンが予め対応付けられている。よって、遊技者が上方LED群の表示パターンを見た場合に、ハズレの停止表示および大当たり種別「確率変動A」の停止表示は認識することができる一方、大当たり種別「時短A」、「時短B」、「潜伏確率変動A」又は「潜伏確率変動B」のいずれの停止表示であるかを識別困難に構成されている。
また、第2特別図柄用の下方LED群の停止表示(点灯表示)として、ハズレに対応する表示パターンは1種類、大当たり種別「時短C」に対応する表示パターンは127種類、大当たり種別「潜伏確率変動C」に対応する表示パターンは127種類、大当たり種別「確率変動A」に対応する表示パターンは1種類、の計256種類の表示パターンが設けられている。そして、各表示パターンは、上方LED群と同様、大当たり種別毎に特定の規則性を有さず、無作為な表示パターンが予め対応付けられている。よって、遊技者が下方LED群の表示パターンを見た場合に、ハズレの停止表示および大当たり種別「確率変動A」の停止表示は認識することができる一方、大当たり種別「時短C」又は「潜伏確率変動C」のいずれの停止表示であるかを識別困難に構成されている。
このように構成することで、特別図柄表示装置37の第2LED群37bの停止表示において各大当たり種別を表示した場合であっても、各停止表示に対応する大当たり種別を全て把握していないければ、当選した大当たり種別を遊技者が認識することが困難となるため、「潜伏確変演出態様」が実行されている間、遊技者にいずれの遊技状態であるか否かを推測させる遊技性が生まれ、遊技の興趣を向上することができる。
図3に戻って説明を続ける。遊技盤13の遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される(1又は)複数(3の)の一般入賞口63が配設されている。
この複数の一般入賞口63は、1の一般入賞口ユニットの上部、中部又は下部にそれぞれ1つずつ配設されている。各一般入賞口63の入り口上部には、球と衝突して該球の流下方向を変更させ得る流下方向変更手段としての複数の釘がそれぞれ植設されており、第1始動口64a又は第2始動口64b等の入賞口に入賞しなかった球が、各一般入賞口63の上部に植設された複数の釘の間の釘間流路を通過した場合にのみが各一般入賞口63に流入可能となる一方、各釘の間の釘間流路を通過しない球、即ち、各釘によって釘間流路以外の流路に弾かれた球は、該一般入賞口63へは流入しないように構成されている。なお、各一般入賞口63は、上部の一般入賞口63に入賞しなかった球は、中部又は下部の一般入賞口63に、上部及び中部の一般入賞口63に入賞しなかった球は、下部の一般入賞口63に入賞し得るような配置で構成されている。
各一般入賞口63に入賞した球は、上記一般入賞口ユニットの背面側に設けられた各案内通路が合流する合流部を経て該合流部の下流側に設けられた集合通路を流下し、該集合通路に配設(埋設)された1の一般入賞口スイッチ(図示せず)によって検知可能に構成されている。各一般入賞口63は、1の球の入賞に対して同等の価値(賞球)を付与する(払い出す)ように構成されているので、各一般入賞口63から入賞した球を集約してから1の一般入賞口スイッチによって該球を検出しても問題が生じない。その結果、各案内通路毎に一般入賞口スイッチを配設する場合に比べ部品コストを削減することができる。
なお、一般入賞口スイッチによって検出された球は、後述する各入賞口スイッチ72c,74c,75c(図4参照)等によって検知された球と同様、遊技盤13の背面側に設けられた集合板(図示せず)によって1のアウト通路(図示せず)に集約され、後述するアウトスイッチ66a(図8参照)によって検知されるように構成されている。また、上記一般入賞口スイッチによって球が検出された後、所定期間(例えば、5秒)以内にアウトスイッチ66aによって球が検出されない場合、集合板において球詰まり等が発生しているものとみなして、所定の異常報知を行うように構成してもよい。
遊技領域の中央下部には、遊技領域を流下する球が入球し得る第1始動口64a、第2始動口64b及び普通電役64cが一体化された始動口ユニット64が配設されている。この始動口ユニット64は、主に、球が入球可能な第1始動口64aと、普通電役64cが開状態となることで球が入球可能な第2始動口64bと、該第2始動口64bへの球の入球を阻止可能な流下方向変更手段としての普通電役64cとにより構成されている。
この始動口ユニット64に設けられた第1始動口64aへ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1始動口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1始動口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図8参照)で第1特別図柄の大当たりの抽選(即ち、第1抽選遊技)がなされる。そして、その抽選結果に応じた特別図柄の動的表示が、特別図柄表示装置37の第2LED群37bにおける上方LED群で示されると共に、第3図柄表示装置81にて第3図柄の変動演出が実行される。なお、第1始動口64aは、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
なお、第1始動口スイッチ(図示せず)によって検出された球は、後述する各入賞口スイッチ72c,74c,75c(図4参照)等によって検知された球と同様、遊技盤13の背面側に設けられた集合板(図示せず)によって1のアウト通路(図示せず)に集約され、後述するアウトスイッチ66a(図8参照)によって検知されるように構成されている。また、上記第1始動口スイッチによって球が検出された後、所定期間(例えば、5秒)以内にアウトスイッチ66aによって球が検出されない場合、集合板において球詰まり等が発生しているものとみなして、所定の異常報知を行うように構成してもよい。
第1始動口64aの下方には、普通電役64cが開放状態である場合にのみ球が入球し得る第2始動口64bが配設されている。この第2始動口64bへ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2始動口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2始動口スイッチのオンに起因して後述する主制御装置110(図8参照)で第2特別図柄の大当たりの抽選がなされる。そして、その抽選結果に応じた表示が特別図柄表示装置37の第2LED群37bの下方LED群で示されると共に、第3図柄表示装置81にて第2特別図柄に対応する第3図柄の変動演出が実行される。なお、第2始動口64bは、球が入球すると1個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
なお、第2始動口スイッチ(図示せず)によって検出された球は、後述する各入賞口スイッチ72c,74c,75c(図4参照)等によって検知された球と同様、遊技盤13の背面側に設けられた集合板(図示せず)によって1のアウト通路(図示せず)に集約され、後述するアウトスイッチ66a(図8参照)によって検知されるように構成されている。また、上記第2始動口スイッチによって球が検出された後、所定期間(例えば、5秒)以内にアウトスイッチ66aによって球が検出されない場合、集合板において球詰まり等が発生しているものとみなして、所定の異常報知を行うように構成してもよい。
上述したように、第2始動口64bの正面視上方には、その第2始動口64bへ球が入球する開口部を覆う2枚の羽根部材を開閉することによって、第2始動口64bを開放状態(拡大状態)又は閉鎖状態(縮小状態)に変位可能な普通電役64cが設けられている。普通電役64cは、通常時において羽根が閉じた(羽根が上方に起立した)閉鎖状態となっており、球が第2始動口64bへ入球できない、または、入球しづらい状態となっている。
一方、普通図柄表示装置83における可変表示が「○」の図柄で停止すると、普通電役64cが所定時間だけ作動される。普通電役64cが作動されている間、普通電役64cの羽根が上方に起立した状態から。略V字形(逆ハの字形)に可動した状態となり、第2始動口64bが開放状態となる。第2始動口64bが開放状態になると、球が第2始動口64bへ入球できる状態、または、閉鎖状態に比して球が入球しやすい状態となる。つまり、普通図柄表示装置83における可変表示の結果として「○」の図柄で停止して当たりとなり、第2始動口64bが開放状態となった場合に、第2始動口64bへ球が入球して大当たり抽選が多く行える状態とすることができる。
始動口ユニット64の正面視右側にはアタッカーユニット71が配設されており、該アタッカーユニット71の正面視上方側には、球と衝突することで球の流下方向を変化させ得て横長矩形状に形成された第1開閉板72aを有する第1可変入賞装置72が設けられ、該第1可変入賞装置72の正面視下方側には、球と衝突することで球の流下方向を変化させ得る横長矩形状の第2開閉板74aを有する第2可変入賞装置74が設けられている。
第1実施形態のパチンコ機10においては、大当たりに当選していない通常時(例えば、「通常遊技状態」時等)では、第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74への球の流入を、流下方向変更手段としての第1開閉板72a及び第2開閉板74aを起立保持することで、第1可変入賞装置72内又は第2可変入賞装置74内へ流入しようとする球の流下方向を第1開閉板72a又は第2開閉板74aの前面(閉鎖面)と衝突させて変更させることで、第1可変入賞装置72内及び第2可変入賞装置74内に球が進入しないように構成されている。一方、主制御装置110(図8参照)での第1特別図柄又は第2特別図柄の抽選が大当たりとなる場合、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるように特別図柄表示装置37の第2LED群37bを点灯表示させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、発生した大当たりの種類(種別)に応じて、第1可変入賞装置72の第1開閉板72a、又は、第2可変入賞装置74の第2開閉板74aが開放されて、遊技領域を流下する球が、第1開閉板72a又は第2開閉板74aの後面(開放面)と衝突させて変更させることで、第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74内に球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている第1開閉板72a又は第2開閉板74aが、所定時間(例えば、「30秒」経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この開放された第1開閉板72a又は第2開閉板74aは、所定時間が経過した場合、或いは、所定数の球が入賞した場合に閉鎖され、その閉鎖後、先ほどは開放されていなかった第2開閉板74a又は第1開閉板72aが所定時間開放される。即ち、1の大当たりにおいて第1開閉板72aと第2開閉板74aとは交互に開放され、第1可変入賞装置72と第2可変入賞装置74とに対して交互に球が入賞し得るように構成されている。この第1開閉板72a及び第2開閉板74aの開閉動作は、最高で例えば合計10回(10ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態(大当たり状態)の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
また、アタッカーユニット71内(即ち、第1可変入賞装置72内及び第2可変入賞装置74内)には、第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74内に流入した球が流入可能な確変領域75(所謂「V領域」。図4参照。)が設けられている。第1実施形態のパチンコ機10では、特別遊技状態(大当たり状態)において、確変領域75に設けられた確変領域開閉板75aにより、該確変領域75へ球が流入可能か否かを切り替えるように構成されている。また、確変領域開閉板75aが開放されている間において、確変領域スイッチ75cにおける球検知の有効又は無効を切替制御し、確変領域75に流入した球が、確変領域スイッチ75cが有効に設定されている場合に通過することで、確変領域75を球が通過したことを報知(例えば、「確変A」の大当たり時にのみV入賞報知演出を実行)するとともに、該特別遊技状態が終了した後に「確率変動状態」が発生するように構成されている。
なお、第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74内に流入した球は、確変領域75への通過如何を問わず、排出通路76により遊技盤13の背面側からパチンコ機10外に排出されるように構成されている。より詳細には、後述する第1大入賞口スイッチ72c(図4参照)によって検出された球は、上記一般入賞口スイッチ等によって検知された球と同様、遊技盤13の背面側に設けられた集合板(図示せず)によって1のアウト通路(図示せず)に集約され、後述するアウトスイッチ66a(図8参照)によって検知されるように構成されている。第1実施形態のパチンコ機10では、第1大入賞口スイッチ72c又は第2大入賞口スイッチ72cによって球が検出された後、所定期間(例えば、10秒又は5秒)以内に、後述する排出スイッチ76a(又はアウトスイッチ66a)によって球が検出されない場合、アタッカーユニット71内(集合板)において球詰まり等が発生しているものとみなして、所定の異常報知を行うように構成されている。
ここで、図4を参照して、第1実施形態のアタッカーユニット71の詳細について説明する。図4は、アタッカーユニット71の正面視を模式的に表した正面拡大図である。図4で示すように、アタッカーユニット71は、主に、第1可変入賞装置72と第2可変入賞装置74と確変領域75と排出通路76とで構成されている。また、上述したように、この第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74には、所謂右打ち遊技で発射された球が流入可能に構成されており、所謂左打ち遊技で発射された球が流入不可に構成されている。
第1可変入賞装置72は、主に、第1大入賞口検知前通路72dを覆う横長矩形状の第1開閉板72aと、その第1開閉板72aの下辺を軸として前方側に該第1開閉板72aを開閉駆動するための第1大入賞口ソレノイド72b(図8参照)と、第1可変入賞装置72内に入賞した球を検知する第1大入賞口スイッチ72cと、該第1大入賞口スイッチ72cに検知される前の球が流下する第1大入賞口検知前通路72dと、第1大入賞口スイッチ72cで検知された後の球が流下する第1大入賞口検知後通路72eと、該第1大入賞口検知後通路72e内を流下する球を減速させる減速リブ72fとが設けられている。そして、第1大入賞口検知後通路72eは、合流部73において、後述する第2可変入賞装置74の第2大入賞口検知後通路74eと合流するように構成されている。
第1大入賞口スイッチ72cは、第1可変入賞装置72の通路内に埋設され、この第1大入賞口スイッチ72cによって球が検知されることによって、15個の賞球が払い出される。また、第1開閉板72aが開放されてから、この第1大入賞口スイッチ72cによって球が10個検出された場合に、開放中の第1開閉板72aが閉鎖されて、1のラウンドが終了するように構成されている。
第1実施形態のパチンコ機10では、第1大入賞口スイッチ72cによって球が検知された後、第1所定期間(滞留許容時間。後述する第1大入賞口検知後通路72e及び排出通路76を球が流下し得る期間。例えば、10秒)経過後に後述する排出スイッチ76aによって球が検出された場合、即ち、第1大入賞口スイッチ72cによって球が検出されてから所定期間以内に排出スイッチ76aによって球が検知されない場合、第1可変入賞装置72内に球が滞留したものとみなして、第3図柄表示装置81等によって第1可変入賞装置72内に球が滞留してしまっていることを遊技者又はホール関係者に示唆する入賞異常報知を実行可能に構成されている。このように構成することで、例えば、第1大入賞口スイッチ72cのみに球を連続的に検知させる不正行為が行われた場合であっても、該不正行為を迅速に発見することが可能となる。
第1大入賞口検知前通路72dは、第1開閉板72aが開放されている場合に、第1可変入賞装置72内に流入した球を、正面視右側に緩やかに傾斜した底部により第1大入賞口スイッチ72cに向けて案内するように構成されている。第1開閉板72aが開放されている間に、右打ち遊技によって発射された球は、アタッカーユニット71の正面視直上に設けられた左側釘群77及び右側釘群78の間から流下し、その後、第1開閉板72aの正面視最左端部分と衝突して第1大入賞口検知前通路72dへと流入する。そして、該球は、第1大入賞口検知前通路72dの正面視最左端の底部から正面視右側へと転動して、第1大入賞口スイッチ72cへと到達して該第1大入賞口スイッチ72cによって検知される。
ここで、右打ち遊技によって第1可変入賞装置72の正面視右側方向から左側方向へ流下してきた球が、左側釘群77及び右側釘群78の間を流下した後、第1開閉板72aと衝突してから、正面視左側方向へ流下する勢いを維持したまま、第1開閉板72aの上面および第1大入賞口検知前通路72dを正面視左側方向へと転動する。そして、左側方向へと転動した球の勢いが第1大入賞口検知前通路72dの右下がり傾斜によって打ち消され、第1大入賞口検知前通路72dの右下がり傾斜に沿って正面視右側方向へと流下する。従って、第1大入賞口検知前通路72dの正面視最左端から第1大入賞口スイッチ72cまで到達する時間は、第1大入賞口検知前通路72dの傾斜を正面視左側方向へ上ることでやや滞留するため、約0.8秒程度要するように構成されている。
第1大入賞口検知後通路72eは、第1大入賞口スイッチ72cによって検知された球を、アタッカーユニット71内に設けられた確変領域75側へと案内するための通路である。この第1大入賞口検知後通路72eには、その一部分に、該通路内を流下する球の流下速度を減速する減速リブ72fが設けられている。この減速リブ72fは、第1大入賞口検知後通路72eの正面視奥側に設けられた複数の奥側リブと、第1大入賞口検知後通路72eの正面視手前側に設けられた複数の手前側リブとが、交互かつ均等な距離となるように配置され、球が第1大入賞口検知後通路72eを流下(転動)する際に、球が各リブと衝突を繰り返して蛇行して減速しながら流下するように構成されている。従って、第1大入賞口検知後通路72eの最上流側から確変領域75まで到達する時間は、約2.5秒程度要するように構成されている。
即ち、第1可変入賞装置72内に流入した球は、アタッカーユニット71内の確変領域75に到達するまでに、少なくとも、第1大入賞口検知前通路72dを流下する時間約0.8秒と、第1大入賞口検知後通路72eを流下する時間約2.5秒との計約3.3秒を要するように構成されている。これにより、例えば、第1開閉板72aが開放された直後に第1可変入賞装置72内に球が流入した場合でも、該球が確変領域75に到達するまでに少なくとも約3.3秒要することから、確変領域75の確変領域開閉板75aの開放時間が第1開閉板72aの開放開始から約3.3秒以上開放されていない場合は、確変領域75内に球が流入しないように構成されている。
よって、第1可変入賞装置72の第1開閉板72aが開放された場合に、例えば、その第1開閉板72aの開放から、少なくとも、約3.3秒以内に確変領域開閉板75aが閉鎖されてしまったときは、第1可変入賞装置72に球が入賞した場合であっても確変領域75へ球が流入し得ない設定となっている。
第2可変入賞装置74は、主に、第2大入賞口検知前通路74dを覆う横長矩形状の第2開閉板74aと、その第2開閉板74aの下辺を軸として前方側に該第2開閉板74aを開閉駆動するための第2大入賞口ソレノイド74b(図8参照)と、第2可変入賞装置74内に入賞した球を検知する第2大入賞口スイッチ74cと、該第2大入賞口スイッチ74cに検知される前の球が流下する第2大入賞口検知前通路74dと、第2大入賞口スイッチ74cで検知された後の球が流下する第2大入賞口検知後通路74eとが設けられている。そして、第2大入賞口検知後通路74eは、合流部73において、第1可変入賞装置72の第1大入賞口検知後通路72eと合流するように構成されている。
第2大入賞口スイッチ74cは、第2可変入賞装置74の通路内に埋設され、この第2大入賞口スイッチ74cによって球が検知されることによって、第1大入賞口スイッチ72cと同様、15個の賞球が払い出される。また、第2開閉板74aが開放されてから、この第2大入賞口スイッチ74cによって球が10個検出された場合に、第2開閉板74aが閉鎖されて、1のラウンドが終了するように構成されている。
第1実施形態のパチンコ機10では、第2大入賞口スイッチ74cによって球が検知された後、第1所定期間と異なる第2所定期間(滞留許容時間。後述する第2大入賞口検知後通路74e及び排出通路76を球が流下し得る期間。例えば、5秒)経過後に後述する排出スイッチ76aによって球が検出された場合、即ち、第2大入賞口スイッチ74cによって球が検出されてから所定期間以内に排出スイッチ76aによって球が検知されない場合、第2可変入賞装置74内に球が滞留したものとみなして、第3図柄表示装置81等によって第2可変入賞装置74内に球が滞留してしまっていることを遊技者又はホール関係者に示唆する入賞異常報知を実行可能に構成されている。このように構成することで、例えば、第2大入賞口スイッチ74cのみに球を連続的に検知させる不正行為が行われた場合であっても、該不正行為を迅速に発見することが可能となる。また、第2大入賞口スイッチ74cは、第1大入賞口スイッチ72cより排出スイッチ76aの近くに配設されているため、第1大入賞口スイッチ72cによって球が検知された場合より短い時間で上記異常検知処理を行うように構成することで、第2可変入賞装置74に入賞した球の監視を的確に行うことが可能となる。
第2大入賞口検知前通路74dは、第2開閉板74aが開放されている場合に、第2可変入賞装置74内に流入した球を、正面視左下がりに緩やかに傾斜した底部により第2大入賞口スイッチ74cに案内するように構成されている。第2開閉板74aが開放されている間に、アタッカーユニット71の正面視直上に設けられた左側釘群77及び右側釘群78の間から流下した球は、第2開閉板74aの正面視最右端部分と衝突して第2大入賞口検知前通路74dへと流入し、その後、第2大入賞口検知前通路74dの正面視最左端の底部から正面視右側へと転動して、第2大入賞口スイッチ74cへと到達して該第2大入賞口スイッチ74cによって検知される。
ここで、右打ち遊技によって第1可変入賞装置72の正面視右側方向から流下してきた球が、左側釘群77及び右側釘群78の間を流下した後、第2開閉板74aと衝突してから、正面視左側方向へ流下する勢いを維持したまま、第2開閉板74aの上面および第2大入賞口検知前通路74dを正面視左側方向へと転動する。そして、第2大入賞口検知前通路74dの左下がり傾斜によって、左側方向へと転動した球の勢いが増幅されながら、第2大入賞口検知前通路74dの左下がり傾斜に沿って正面視左側方向へと流下する。従って、第2大入賞口検知前通路74dの正面視最右端から第2大入賞口スイッチ74cまで到達する時間は、第2大入賞口検知前通路74dの傾斜によって流下速度が加速されるため、約0.3秒程度要するように構成されている。
第2大入賞口検知後通路74eは、第2大入賞口スイッチ74cによって検知された球を、アタッカーユニット71内に設けられた確変領域75側へと案内するための通路である。この第2大入賞口検知後通路74eは、第1大入賞口検知後通路72eと異なり、球の流下速度を減速するような部材(例えば、減速リブ72f)が設けられていない。また、第2大入賞口検知後通路74eは、第1大入賞口検知後通路72eより短く(例えば、第1大入賞口検知後通路72eの長さの1/4の長さ)構成されている。従って、第2大入賞口検知後通路74eの最上流側から確変領域75まで到達する時間は、約0.7秒程度要するように構成されている。
即ち、第2可変入賞装置74内に流入した球は、アタッカーユニット71内の確変領域75に到達するまでに、少なくとも、第2大入賞口検知前通路74dを流下する時間約0.3秒と、第2大入賞口検知後通路74eを流下する時間約0.7秒との計約1.0秒を要するように構成されている。これにより、例えば、第2開閉板74aが開放された直後に第2可変入賞装置74内に球が流入した場合、該球が確変領域75に到達するまでに少なくとも約1.0秒で到達することから、確変領域75の確変領域開閉板75aの開放時間が、第2開閉板74aの開放開始から約1.0秒以上開放されていない場合は、確変領域75内に球が流入しないように構成されている一方、第2開閉板74aの開放開始から3秒程度開放された場合は、0.6秒間隔で1発ずつ球が発射されている場合は、最大で5発程度の球が確変領域75内へ流入可能に構成されている。
よって、第2可変入賞装置74の第2開閉板74aが開放された場合に、例えば、その第2開閉板74aの開放から、少なくとも約3.0秒程度、確変領域開閉板75aが開放されているときは、第2可変入賞装置74に入賞した球が確変領域75へ流入し得る設定となっている。
確変領域75は、第1大入賞口検知後通路72eと第2大入賞口検知後通路74eとの合流部73の下流側に位置し、主に、確変領域開閉板75aと、該確変領域開閉板75aを開閉駆動可能な確変領域ソレノイド75b(図8参照)と、確変領域スイッチ75cと、から構成されている。
確変領域開閉板75aは、遊技者によりパチンコ機10正面側から視認可能な位置に配設され、確変領域スイッチ75cの上流側を覆う出没式の開閉板であり、上述したように、確変領域ソレノイド75bによって開閉駆動可能に構成されている。
この確変領域開閉板75aは、閉鎖状態(突出状態)でその上面がアタッカーユニット71内の通路の底面(球の転動面)と面一となるように配設されて、第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74内に流入した球を排出通路76へと案内する。なお、排出通路76に案内された球は、後述する排出通路76へと案内されて排出スイッチ76aによって検知された後、アタッカーユニット71外(遊技盤13背面側)へ排出される。
一方、確変領域開閉板75aが開放状態(没入状態)の場合は、確変領域スイッチ75cの上流側(上方側)が開放されて、第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74内に流入した球を確変領域スイッチ75cが配設された通路へと案内した後に、排出通路76へと案内する。確変領域スイッチ75cによって球が検知された場合、該確変領域75が有効であることを条件、かつ、所定の大当たり種別(例えば、大当たり種別「確変A」)であることを条件に、有効設定されている確変領域75を球が通過したことを遊技者に示唆するV入賞報知演出を実行可能に構成されている。なお、確変領域開閉板75aを、没入状態では確変領域スイッチ75cに球を案内せず、突出状態で確変領域スイッチ75cへ球を案内する出没式の開閉板で構成してもよい。また、確変領域開閉板75aを、回動して開放された場合に確変領域スイッチ75cへ球を案内し、回動せずに閉鎖されている場合には確変領域スイッチ75cへ球を案内しない回動開放式の開閉板で構成してもよい。
第1実施形態のパチンコ機10では、第1大入賞口スイッチ72c又は第2大入賞口スイッチ74cによって球が検知された後、所定期間(滞留許容時間。第1大入賞口検知後通路72e又は第2大入賞口検知後通路74eを球が流下し得る期間。例えば、10秒)経過前に確変領域スイッチ75cによって球が検出された場合に、大当たり中であって開放されている確変領域75に球が流入したものとして「確率変動状態」を発生し得る一方、上記所定期間経過後に確変領域スイッチ75cによって球が検出された場合、大入賞口スイッチ72c,74cによって球が検出されずに確変領域スイッチ75cによって球が検出された場合、或いは、「確率変動状態」を付与し得る大当たり種別における上記所定期間内に確変領域スイッチ75cによって球が検出されない場合は、大当たり中又は確変領域75が開放されていない状況で確変領域75に球が不正又は異常に流入したものとして、所定の異常報知を行うように構成されている。このように構成することで、例えば、非大当たり中又は確変領域75が開放されていない状態で該確変領域75に球を検知させる不正行為が行われた場合であっても、該不正行為を迅速に発見することが可能となる。
また、確変領域開閉板75aは、透明又は略透明の樹脂により構成されている。よって、確変領域開閉板75aの位置(駆動態様)を遊技者が認識困難に構成することで、確変領域開閉板75aによって確変領域スイッチ75cへの通路が開放されているか閉鎖されているかを遊技者に判別し難くすることができる。なお、確変領域開閉板75aを有色の樹脂により構成してもよい。
ここで、図5及び図6を参照して、アタッカーユニット71の第1可変入賞装置72内に流入した球の流入パターンについて説明する。図5(a)は、第1可変入賞装置72が開放状態であって、かつ、確変領域開閉板75aが閉鎖状態である場合に、アタッカーユニット71内に流入した球の挙動を説明するためのアタッカーユニット71の模式的断面図であり、図5(b)は、第1可変入賞装置72が開放状態であって、かつ、確変領域開閉板75aが開放状態である場合に、アタッカーユニット71内に流入した球の挙動を説明するためのアタッカーユニット71の模式的断面図である。また、図6(a)は、第2可変入賞装置74が開放状態であって、かつ、確変領域開閉板75aが閉鎖状態である場合に、アタッカーユニット71内に流入した球の挙動を説明するためのアタッカーユニット71の模式的断面図であり、図6(b)は、第2可変入賞装置74が開放状態であって、かつ、確変領域開閉板75aが開放状態である場合に、アタッカーユニット71内に流入した球の挙動を説明するためのアタッカーユニット71の模式的断面図である。
図5(a)で示すように、大当たりに当選して特別遊技状態が発生した場合に、所定のラウンド(例えば、大当たり種別「潜伏確率変動A」の1R目)において、第1可変入賞装置72の第1開閉板72aが開放されて、左側釘群77及び右側釘群78との間から流下した球がアタッカーユニット71(第1可変入賞装置72)内に流入可能となる。そして、第1可変入賞装置72からアタッカーユニット71内に流入した球は、まず、第1大入賞口スイッチ72cによって検知され、その後、第1大入賞口検知後通路72eに設けられた減速リブ72fと衝突しながら該第1大入賞口検知後通路72e内を流下する。このとき、確変領域ソレノイド75b(図8参照)によって確変領域開閉板75aが閉鎖状態(突出状態)である場合に、確変領域スイッチ75cが配設された通路(確変領域75)が確変領域開閉板75aによって閉鎖(突出)されていることから、上記球が確変領域開閉板75aの上面を通過して、排出通路76へと流入する。
排出通路76に流入した球は、排出通路76に設けられた排出スイッチ76aによって検知され、アタッカーユニット71外へと排出される。第1実施形態のパチンコ機10では、第1大入賞口スイッチ72c又は第2大入賞口スイッチ74cによって検知された球の数と、排出スイッチ76aによって検知された球の数が一致するか否かを監視し、一致する場合には、アタッカーユニット71に流入した球が該アタッカーユニット71内に滞留せずに排出されたものと判断可能となる一方、一致しない場合には、アタッカーユニット71内に球が滞留しているものと判断して、所定の異常報知(例えば、アタッカーユニット71への入賞異常報知)を行うように構成されている。このように、所定の異常報知を行うことで、遊技者にアタッカーユニット71への入賞に基づく異常が発生していることを認識させることができるとともに、ホール関係者に対してもアタッカーユニット71への入賞異常が発生していることを知らせて、該異常状態を迅速に解消させることが可能となる。
なお、アタッカーユニット71外へと排出された球は、その後、アウトスイッチ66a(図8参照)によって検知され、遊技盤13外へと排出される。ここで、遊技領域に発射した球数と、アウトスイッチ66aによって検出された球の数が一致するか否かを判別することで、遊技領域に発射された球が、遊技領域内で滞留(所謂、ブドウ現象(遊技盤13の盤面上に球が連なって詰まる現象))したことを検知可能となる。そして、遊技領域内で球が滞留しているような場合は、所定の異常報知(例えば、ブドウ発生報知)を行うことで、遊技者に異常が発生していることを認識させることができるとともに、ホール関係者に対しても遊技領域での異常が発生していることを知らせて、該異常状態を迅速に解消させることが可能となる。
一方、図5(b)で示すように、大当たりに当選して特別遊技状態が発生した場合に、所定のラウンド(例えば、大当たり種別「時短B」の1R目)において、第1可変入賞装置72の第1開閉板72aが開放された場合、確変領域ソレノイド75b(図8参照)によって確変領域開閉板75aが開放状態(没入状態)であるタイミングで球が確変領域開閉板75aの配設位置まで到来した場合には、確変領域スイッチ75cが配設された通路(確変領域75)が確変領域開閉板75aによって開放(没入)されていることから、上記球が確変領域スイッチ75cによって検知された後、排出通路76へと流入する。なお、排出通路76に流入した球は、上述したように、排出通路76に設けられた排出スイッチ76aによって検知され、アタッカーユニット71外へと排出される。
なお、第1実施形態において、確変領域開閉板75aは、第1開閉板72aの開放と同期して開放駆動され、その開放状態が3秒間のみ維持される構成である一方、第1可変入賞装置72に流入した球が確変領域開閉板75aの配設位置まで到来するまでに要する時間は、少なくとも約3.3秒以上かかるように構成されている。従って、第1可変入賞装置72へ流入した球が確変領域開閉板75aが開放されているタイミングに該確変領域開閉板75aの配設位置まで到来することが無いように設定されているため、第1可変入賞装置72への入賞に伴って確変領域75へ球が流入しないように構成されている。
次いで、図6(a)で示すように、大当たりに当選して特別遊技状態が発生した場合に、所定のラウンド(例えば、大当たり種別「時短A」の2R目)において、第2可変入賞装置74の第2開閉板74aが開放されて、左側釘群77及び右側釘群78との間から流下した球がアタッカーユニット71(第2可変入賞装置74)内に流入可能となる。そして、第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に流入した球は、まず、第2大入賞口スイッチ74cによって検知され、その後、合流部73において第1大入賞口検知後通路72eと合流する。このとき、確変領域ソレノイド75b(図8参照)によって確変領域開閉板75aが閉鎖状態(突出状態)である場合に、確変領域スイッチ75cが配設された通路(確変領域75)が確変領域開閉板75aによって閉鎖(突出)されていることから、上記球が確変領域開閉板75aの上面を通過して、排出通路76へと流入する。なお、排出通路76に流入した球は、上述したように、排出通路76に設けられた排出スイッチ76aによって検知され、アタッカーユニット71外へと排出される。
一方、図6(b)で示すように、大当たりに当選して特別遊技状態が発生した場合に、所定のラウンド(例えば、大当たり種別「潜伏確率変動B」の1R目)において、第2可変入賞装置74の第2開閉板74aが開放された場合、確変領域ソレノイド75b(図8参照)によって確変領域開閉板75aが開放状態(没入状態)であるタイミングで球が確変領域開閉板75aの配設位置まで到来した場合には、確変領域スイッチ75cが配設された通路(確変領域75)が確変領域開閉板75aによって開放(没入)されていることから、上記球が確変領域スイッチ75cによって検知された後、排出通路76へと流入する。なお、排出通路76に流入した球は、上述したように、排出通路76に設けられた排出スイッチ76aによって検知され、アタッカーユニット71外へと排出される。
即ち、第1実施形態のパチンコ機10では、第2可変入賞装置74から入賞した球は、確変領域開閉板75aの開放中に該確変領域開閉板75aの配設位置まで到達し得るため、確変領域スイッチ75cによって検知可能に構成されている一方、第1可変入賞装置72から入賞した球は、確変領域開閉板75aの開放中に該確変領域開閉板75aの配設位置まで到達し得ないため、確変領域スイッチ75cによって検知不能に構成されている。このように構成することで、1の大当たり中に第1可変入賞装置72および第2可変入賞装置74(以下、第1可変入賞装置72および第2可変入賞装置74を総称して、「可変入賞装置72,74」と称する場合がある)を交互に開放させることで、ラウンドを区画するための可変入賞装置72,74の閉鎖期間(以下、「インターバル期間」)を削減させて1の大当たりに要する時間を削減させて遊技者に迅速に遊技価値を付与しながら、該2の可変入賞装置72,74において確変領域75を共用させて、各可変入賞装置72,74毎に確変領域75や排出通路76を設ける必要がなくなり、アタッカーユニット71の部品点数を削減させ、パチンコ機10における製造コストを削減することができる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74とは別に開閉される大開放口(図示せず)を遊技領域に設け、特別図柄表示装置37において大当たりに対応した第2LED群37bが点灯した場合に、大開放口が所定時間開放され、その大開放口の開放中に、球が大開放口内へ入賞することを契機として第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、1の可変入賞装置のみを遊技領域に設け、特別図柄表示装置37において大当たりに対応した第2LED群37bが点灯した場合に、該1の可変入賞装置が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
図3に戻って説明を続ける。アタッカーユニット71の正面視上方であって、後述する可変表示装置ユニット80の正面視右側には、普通図柄ゲート67が設けられている。この普通図柄ゲート67には、球が通過するための貫通孔(図示せず)が上下方向に設けられている。この普通図柄ゲート67を球が通過すると、貫通孔に設けられた普通図柄スイッチ(図示せず)がオンとなり、そのオンに起因して主制御装置110で普通図柄の当たり抽選が行われる。なお、この普通図柄ゲート67は、普通図柄の可変表示の抽選契機となるのみであり、球が通過した場合であっても賞球等の払い出しは行われないように構成されている。
上述したように、始動口ユニット64には、普通電役64cが配設されている。この普通電役64cは、主に、回動板と、該回動板を開閉駆動する回動ソレノイド(図示せず)と、により構成されている。
第1実施形態の主制御装置110は、通常時、普通電役64cの回動板を直立状態に維持して、第2始動口64bの左右両側を覆うことで、該第2始動口64bへの球の流入を防止している。そして、普通図柄の可変表示で当たりに当選した場合に、上記回動用ソレノイド(図示せず)を所定時間駆動し、普通電役64cの回動板を上記所定時間の間、回動板を直立状態から右側に所定角度(例えば、45度)傾倒した開放状態(傾倒状態)に駆動させて、第2始動口64bへの球の流入を可能に構成して、始動口ユニット64近傍を流下する球が第2始動口64bへ入賞し易い状態、即ち、入賞補助状態となるように構成されている。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、遊技状態に応じて、普通図柄の可変表示での当たりに当選する確率が変化するように構成されている。具体的には、「通常遊技状態」又は「時短無し確変状態」では、普通図柄の当選確率を低確率状態(例えば、1/10)とし、普通図柄の可変表示において当たりに当選し難くすることで、普通電役64cの回動板を開放状態(傾倒状態)とし難くして、第2始動口64bへ入賞し難いように構成する。一方、「時間短縮状態」又は「時短有り確変状態」では、普通図柄の当選確率を高確率状態(例えば、9/10)とし、普通図柄の可変表示において当たりに当選し易くすることで、普通電役64cの回動板を開放状態(傾倒状態)とし易くし、第2始動口64bへ容易に入賞し得るように構成する。
なお、「時間短縮状態」又は「時短有り確変状態」のように、普通図柄の当たり確率を「通常遊技状態」又は「時短無し確変状態」から変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、普通電役64cの回動板が回動する時間や、1回の当たりで普通電役64cの回動板が回動する回数を変更するものとしても良い。具体的には、「時短有り確変状態」又は「時間短縮状態」において、普通電役64cの回動板が回動する時間を「通常遊技状態」又は「時短無し確変状態」よりも長くしたり、1回の当たりで普通電役64cの回動板が回動する回数を「通常遊技状態」又は「時短無し確変状態」よりも多くしたりしてもよい。また、「時短有り確変状態」又は「時間短縮状態」において、普通図柄の当たり確率のアップと、普通電役64cの回動板の回動時間の長時間化と、普通電役64cの回動板の回動回数の多回数化との少なくとも2つを同時に行うようにしてもよい。
遊技領域の中央部分から右側領域にかけて、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1始動口64a又は第2始動口64bへの入球(始動入賞)をトリガとして、特別図柄表示装置37における動的表示と同期させながら、第3図柄の変動演出を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通図柄ゲート67の球の通過をトリガとして普通図柄を可変表示するLEDで構成される普通図柄表示装置83とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は17インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114(図8参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列Z1~Z3(図7参照)が表示される。
各図柄列Z1~Z3(図7参照)は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列Z1~Z3毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変的に表示されるようになっている。第1実施形態の第3図柄表示装置81は、第1特別図柄の第1抽選遊技および第2特別図柄の第2抽選遊技で共通的に使用されるものであり、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が特別図柄表示装置37で行われるのに対して、その特別図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を第3図柄表示装置81の第3図柄を用いて行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図7を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図7は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図7(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図7(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(「1」,「3」,「5」,「7」,「9」)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(「0」,「2」,「4」,「6」,「8」)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、第1実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図8参照)によるいずれかの特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動演出が行われ、その変動演出が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。後述する「確率変動A」の大当たり種別に当選した場合は、「7」の数字を付した主図柄(「確変報知図柄」に相当)が揃う変動演出が行われる。一方、後述する「確率変動A」以外の大当たり種別、即ち、「時短A」、「時短B」、「時短C」、「潜伏確率変動A」、「潜伏確率変動B」又は「潜伏確率変動C」の大当たり種別に当選した場合は、「7」の数字以外の数字を付した主図柄、即ち、「1」~「6」、「8」又は「9」の数字を付した主図柄(「非確変報知図柄」に相当)が揃う変動演出が行われる。このように構成することで、遊技者は、変動演出で揃った主図柄(「7」の数字を付した主図柄を除く)を確認しただけでは、発生する大当たりの大当たり種別を識別することができない。
図7(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下方向に3分割され、下側の2/3が第3図柄を変動演出する主表示領域Dmと保留球数などを表示するコクピット表示領域Dbとで構成され、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタなどを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1~Dm3に区分けされており、その表示領域Dm1に左図柄列Z1が表示され、表示領域Dm2に中図柄列Z2が表示され、表示領域Dm3に右図柄列Z3が表示される。
各図柄列Z1~Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1~Z3には、数字の昇順(または降順)に主図柄が配列され、各図柄列Z1~Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動演出が行われる。なお、各図柄列Z1~Z3において、数字の配列をそれぞれ異ならせるように構成してもよい。例えば、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列する一方、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列してもよい。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1~Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の変動演出に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(同一の主図柄の組合せ。以下、「大当たり表示」という。)で揃えば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、第3図柄表示装置81(特別図柄表示装置37)にて第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する第3図柄の変動演出(動的表示)が行われている間に球が第1始動口64aへ入球した場合、その入球回数(保留球数)は最大4回まで保留される。その保留球数は特別図柄表示装置37により示されると共に、コクピット表示領域Dbの第1特別図柄に対応する第1保留図柄表示領域Db1の特図1第1~第4保留図柄表示領域Db1a~Db1dおいても示される。特図1第1~第4保留図柄表示領域Db1a~Db1dには、第1特別図柄の保留球1球(保留球数1回)につき1つの保留図柄(通常の表示態様では「○」図柄(白丸図柄))がそれぞれ表示され、特図1第1~第4保留図柄表示領域Db1a~Db1dに表示された保留図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。
即ち、特図1第1~第4保留図柄表示領域Db1a~Db1dにおいて、特図1第1保留図柄表示領域Db1aに1つの保留図柄が表示されている場合は、第1特別図柄の保留球数が1回であることを示し、特図1第1・第2保留図柄表示領域Db1a,Db1bにそれぞれ1つずつ計2つの保留図柄が表示されている場合は、第1特別図柄の保留球数が2回であることを示し、特図1第1~第3保留図柄表示領域Db1a~Db1cにそれぞれ1つずつ計3つの保留図柄が表示されている場合は、第1特別図柄の保留球数が3回であることを示し、特図1第1~第4保留図柄表示領域Db1a~Db1dにそれぞれ1つずつ計4つの保留図柄が表示されている場合は、第1特別図柄の保留球数が4回であることを示す。また、特図1第1~第4保留図柄表示領域Db1a~Db1dに保留図柄が表示されていない場合は、第1特別図柄の保留球数が0回であって保留されている変動演出が存在しないことを示す。
また、第3図柄表示装置81(特別図柄表示装置37)にて第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する第3図柄の変動演出(動的表示)が行われている間に球が第2始動口64bへ入球した場合、その入球回数(保留球数)は最大4回まで保留される。その保留球数は特別図柄表示装置37により示されると共に、コクピット表示領域Dbの第2特別図柄に対応する第2保留図柄表示領域Db2の特図2第1~第4保留図柄表示領域Db2a~Db2dおいても示される。特図2第1~第4保留図柄表示領域Db2a~Db2dには、第2特別図柄の保留球1球(保留球数1回)につき1つの保留図柄(通常の表示態様では「○」図柄(白丸図柄))がそれぞれ表示され、特図2第1~第4保留図柄表示領域Db2a~Db2dに表示された保留図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。
即ち、特図2第1~第4保留図柄表示領域Db2a~Db2dにおいて、特図2第1保留図柄表示領域Db2aに1つの保留図柄が表示されている場合は、第2特別図柄の保留球数が1回であることを示し、特図2第1・第2保留図柄表示領域Db2a,Db2bにそれぞれ1つずつ計2つの保留図柄が表示されている場合は、第2特別図柄の保留球数が2回であることを示し、特図2第1~第3保留図柄表示領域Db2a~Db2cにそれぞれ1つずつ計3つの保留図柄が表示されている場合は、第2特別図柄の保留球数が3回であることを示し、特図2第1~第4保留図柄表示領域Db2a~Db2dにそれぞれ1つずつ計4つの保留図柄が表示されている場合は、第2特別図柄の保留球数が4回であることを示す。また、特図2第1~第4保留図柄表示領域Db2a~Db2dに保留図柄が表示されていない場合は、第2特別図柄の保留球数が0回であって保留されている変動演出が存在しないことを示す。
なお、第1実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄の第1抽選遊技と第2特別図柄の第2抽選遊技とが同時に実行されず、いずれか一方の抽選遊技のみが実行されるように構成されている。また、第1実施形態のパチンコ機10では、実行中のいずれかの抽選遊技が終了した場合に、第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球とがそれぞれ記憶されているとき、第2特別図柄の第2抽選遊技を第1特別図柄の第1抽選遊技より優先的に実行(所謂、特図2優先変動)するように構成されている。なお、入賞した順で抽選遊技を実行してもよいし、第1特別図柄の第1抽選遊技と第2特別図柄の第2抽選遊技とを同時に実行させるように構成してもよい。
コクピット表示領域Dbの中央部分には、主表示領域Dmで変動演出が実行されていることを示す実行図柄が表示される実行図柄表示領域Db0が設けられている。この実行図柄表示領域Db0は、コクピット表示領域Dbの中央部分、即ち、特図1第1保留図柄表示領域Db1aの右側であって、特図2第1保留図柄表示領域Db2aの左側に設けられ、各保留図柄表示領域Db1a~Db1d,Db2a~Db2dに表示される各保留図柄より大きい実行図柄が表示されるように構成されている。また、この実行図柄表示領域Db0は、特図1第1保留図柄表示領域Db1a又は特図2第1保留図柄表示領域Db2aに表示されていた保留図柄が移動(シフト)して実行図柄として表示される。
実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄は、変動演出が終了すると消去され、その実行図柄の消去に伴って、表示されている保留図柄が下位側(第1特別図柄であれば右側、第2特別図柄であれば左側)の保留図柄として移動して表示される。具体的には、例えば、第2特別図柄の保留図柄が存在しない状況であって第1特別図柄の保留図柄が4つ存在する状況において、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の終了に伴って実行図柄表示領域Db0に表示されていた実行図柄が消去された場合、特図1第1保留図柄表示領域Db1aに保留図柄が表示されていたとき、実行図柄表示領域Db0における実行図柄として移動(シフト)して表示される。また、特図1第2保留図柄表示領域Db1bに保留図柄が表示されていた場合、特図1第1保留図柄表示領域Db1aにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。さらに、特図1第3保留図柄表示領域Db1cに保留図柄が表示されていた場合、特図1第2保留図柄表示領域Db1bにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。また、特図1第4保留図柄表示領域Db1dに保留図柄が表示されていた場合、特図1第3保留図柄表示領域Db1cにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。
また、例えば、第2特別図柄の保留図柄が4つ存在する状況において、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の終了に伴って実行図柄表示領域Db0に表示されていた実行図柄が消去された場合、特図2第1保留図柄表示領域Db2aに保留図柄が表示されていたとき、実行図柄表示領域Db0における実行図柄として移動(シフト)して表示される。また、特図2第2保留図柄表示領域Db2bに保留図柄が表示されていた場合、特図2第1保留図柄表示領域Db2aにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。さらに、特図2第3保留図柄表示領域Db2cに保留図柄が表示されていた場合、特図2第2保留図柄表示領域Db2bにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。また、特図2第4保留図柄表示領域Db2dに保留図柄が表示されていた場合、特図2第3保留図柄表示領域Db2cにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。
第1実施形態のパチンコ機10では、主表示領域Dmにおいて変動演出が実行されている間、実行図柄表示領域Db0に実行図柄を表示し続ける(「スーパーリーチ」の変動要素中又は「スペシャルリーチ」の変動要素中を除く)。一方、該変動演出が終了した場合、又は、「スーパーリーチ」の変動要素若しくは「スペシャルリーチ」の変動要素の実行中の場合には、実行図柄が消去されるように構成されている。即ち、実行図柄表示領域Db0に実行図柄が表示されている場合は、主表示領域Dmで変動演出が実行されている(継続している)ことを示し、実行図柄表示領域Db0に実行図柄が表示されていない場合は、主表示領域Dmで変動演出が実行されていない(継続されていない)か、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素が実行されていることを示す。
また、コクピット表示領域Dbでは、該コクピット表示領域Dbに表示される保留図柄及び実行図柄を用いて、「保留変化予告」を実行可能に構成されている。この「保留変化予告」とは、主表示領域Dmで実行される変動演出の大当たり期待度を、該変動演出の実行前から実行中にかけて保留図柄及び実行図柄の表示色を複数段階に変化させることで示唆する予告である。
第1実施形態のパチンコ機10では、「保留変化予告」として、保留図柄及び実行図柄の表示色を、通常の表示態様である「白色」から、青色の表示態様の「青色」、赤色の表示態様の「赤色」、又は、虹色の表示態様の「虹色」に変化可能に構成されている。本パチンコ機10では、変動演出において「大当たり表示」が発生する場合や、「リーチ表示」が発生する場合に、保留図柄及び実行図柄の表示色の選択割合が異なるように構成されているため、この保留図柄及び実行図柄の表示色が、通常の表示態様(「白色」)から別の表示態様(例えば、「青色」)に変化することで、その保留図柄及び実行図柄が示す変動演出において「リーチ表示」や「大当たり表示」が発生する可能性を各表示色ごとに遊技者に示唆することができる。
具体的には、「保留変化予告」において、保留図柄及び実行図柄が、通常の表示態様(「白色」)より「青色」の表示態様である場合の方がその保留図柄及び実行図柄が示す変動演出において「リーチ表示」や「大当たり表示」となる割合が高く設定される。また、保留図柄及び実行図柄が、「青色」より「赤色」の表示態様である場合の方がその保留図柄及び実行図柄が示す変動演出において「リーチ表示」や「大当たり表示」となる割合が高く設定される。さらに、保留図柄及び実行図柄が、「赤色」より「虹色」の表示態様である場合の方がその保留図柄及び実行図柄が示す変動演出において「リーチ表示」や「大当たり表示」となる割合が高く設定される。
また、保留図柄及び実行図柄の表示態様が「赤色」である場合には、その「赤色」の保留図柄又は実行図柄が示す変動演出において「スーパーリーチ」を主とする演出の態様(主とする演出の態様を「演出態様」という)又は「スペシャルリーチ」演出態様(以下、「スーパーリーチ」演出態様又は「スペシャルリーチ」演出態様のことを総称して「スーパーリーチ以上」演出態様という場合がある)の実行が確定するように設定されている。さらに、保留図柄及び実行図柄の表示態様が「虹色」である場合には、その「虹色」の保留図柄又は実行図柄が示す変動演出において「大当たり表示」の現出が確定するように設定されている。従って、本実施形態では、保留図柄及び実行図柄の表示態様が、通常(「白色」)→「青色」→「赤色」→「虹色」の順に段階的に「リーチ表示」や「大当たり表示」の現出期待度が高いように設定されている。
なお、「保留変化予告」の「虹色」の表示態様は、保留図柄では現出せず、実行図柄でのみ現出可能に設定されている。これは、保留図柄で大当たりの発生が確定する「虹色」の表示態様を現出させた後に、何らかの異常(例えば、電源断)によりその保留図柄が実行されなかった場合、遊技者は、得られるべき大当たりが得られないことによる不満が発生してしまう。よって、保留図柄において、大当たりの発生が確定する「虹色」の表示態様を予め現出しないように構成しておくことで、上記不満が発生することを未然に防止することができる。
また、この「保留変化予告」により、保留図柄の表示態様が変化した状態において、変動演出の実行(消化)に伴って保留図柄がシフトする場合に、その変化した保留図柄の表示態様が、シフト先の保留図柄又は実行図柄に対しても引き継がれて(受け継いで)反映されるように構成されている。即ち、保留図柄の表示態様が変化した場合、その変化した保留図柄が変動演出の実行に伴って他の保留図柄表示領域Db1~Db3又は実行図柄表示領域Db0へシフトしたときも、シフト前の表示態様がシフト後の保留図柄又は実行図柄の表示態様としてそのまま維持されるように構成されている。
従って、例えば、特図1第4保留図柄表示領域Db1dにおいて保留図柄の表示色が「赤色」に変化した場合、該保留図柄が特図1第3保留図柄表示領域Db1c→特図1第2保留図柄表示領域Db1b→特図1第1保留図柄表示領域Db1a→実行図柄表示領域Db0とそれぞれシフトしていくときに、「赤色」の保留図柄又は実行図柄が継続して表示され続けるように構成される。
なお、第1実施形態においては、第1始動口64a又は第2始動口64bへの入球に基づく変動演出の保留球数は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、それぞれ3回以下、又は、それぞれ5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、コクピット表示領域Dbにおける保留図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、特別図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させなくてもよい。なお、第3図柄表示装置81に保留球数に関する情報(保留図柄等)を表示させない場合は、保留図柄による「保留変化予告」を実行することができないため、他のキャラクタ図柄等を追加的に現出させることによって「保留変化予告」と同様の先読み予告を実行させるように構成してもよい。
さらに、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを第1特別図柄および第2特別図柄の最大保留数分の4つそれぞれ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。なお、保留ランプによって保留球数を表示するように構成した場合、保留ランプの表示色を複数種類設けることによって、第1実施形態の「保留変化予告」と同様の先読み予告を実行することは当然に可能である。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1~Ds3に等区分されている。小領域Ds1~Ds3は、それぞれ、キャラクタや予告演出画像を表示する領域である。小領域Ds1~Ds3のそれぞれに表示される画像によって、主表示領域Dmにて行われる変動演出の結果として大当たりとなる期待感を遊技者に与えている。コクピット表示領域Dbは、第1始動口64a又は第2始動口64bに入球された球のうち変動演出が未実行である球(保留球)の数である保留球数を示す保留図柄と、実行中の変動演出に関する実行図柄とを表示する領域である。
実際の表示画面では、図7(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、左小領域Ds1では、予告図柄が現出する等の動画が表示され、主表示領域Dmにおいて行われている変動演出が通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。
また、副表示領域Dsにおいて、中央小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(第1実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、主表示領域Dmで行われている変動演出に基づいて所定動作とは別の特別な動作をしたり、通常は黒色の少年の髪の毛の色や、通常は白色のハチマキの色が変化したり、別のキャラクタが現出するなどして予告演出が行われる。
さらに、副表示領域Dsにおいて、右小領域Ds3では、主表示領域Dmで行われている変動演出において大当たりが発生するか否かを段階的に示唆するレベルメータ(図示せず)が現出して表示される。このレベルメータは、変動演出において、予告図柄等が現出することに基づいて実行中の変動演出における「リーチ表示」の発生期待度や大当たり期待度が増す毎に増加(加算)していき、該レベルメータの表示限度(MAX表示)まで到達した場合に大当たりが確定することを示唆するように構成されている。従って、副表示領域Dsは、主表示領域Dmにおける「リーチ表示」の発生を示唆する機能を担っている。
図3に戻って、説明を続ける。普通図柄表示装置83は、球が普通図柄ゲート67を通過する毎に表示図柄(普通図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる可変表示を行うものである。パチンコ機10は、普通図柄表示装置83における可変表示が所定図柄(第1実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、普通電役64cが遊技状態に応じた作動状態となる(回動板が回動される)よう構成されている。
普通図柄ゲート67の保留球数は最大4回まで保留され、その保留球数が普通図柄保留ランプ84において点灯表示される。普通図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の上方に配設されている。そして、普通図柄保留ランプ84の点灯された数により、保留数を表示する。
なお、普通図柄の可変表示は、第1実施形態のように、普通図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、特別図柄表示装置37又は第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、普通図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通図柄ゲート67の通過は、第1始動口64a又は第2始動口64bと同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、特別図柄表示装置37により保留球数を示す場合は、普通図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
さらに、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口(入球口)63,64a,64b,71にも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。また、上述したように、アウト口66に流入した球は、遊技盤13の背面側に設けられた集合板(図示せず)に配設されたアウトスイッチ66a(図8参照)によって検知され、遊技領域内に打ち込まれた球が遊技領域外へ排出されたことを検知可能に構成されている。さらに、各入賞口(入球口)63,64a,64b,71に入球した球は、上記集合板によって集約され、アウトスイッチ66aによって検知されるように構成されている。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために流下方向変更手段としての多数の釘が植設されているとともに、流下方向変更手段としての風車等の各種部材(役物)が配設されている。
次に、図8を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図8は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したリード・オンリー・メモリー(Read Only Memory。以下、「ROM」と略す)202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるランダム・アクセス・メモリー(Random Access Memory。以下、「RAM」と略す。)203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における動的表示および変動演出の設定、普通図柄表示装置83における可変表示の表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ203cが設けられている。
また、ROM202は、大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、保留数テーブル202c、停止パターンテーブル202d、変動パターンテーブル202e、大入賞口開閉テーブル202f、確変領域開閉テーブル202gを少なくとも格納している。RAM203に格納された各種カウンタと、ROM202に格納された各種テーブルとによって、主制御装置110は、上記の主要な制御を実行する。
ここで、図9を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や、特別図柄表示装置37の動的表示の設定、および第3図柄表示装置81の変動演出の設定、普通図柄表示装置83における可変表示の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。また、各種カウンタの説明の中で、図10乃至図13を参照して、主制御装置110のROM202に格納された各種テーブルについても説明する。
大当たり抽選や、特別図柄表示装置37の動的表示の設定、および、第3図柄表示装置81の変動演出の設定には、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の停止種別の選択に使用する大当たり種別カウンタC2と、変動演出の演出態様の選択に使用する停止パターン選択カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。
また、普通図柄表示装置83の抽選には、普図当たり乱数カウンタC4が用いられ、普図当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後「0」に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図23参照)の実行間隔である「4ミリ秒」間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図35参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファ203cに適宜格納される。詳細については後述するが、RAM203には、第1特別図柄に関する4つの保留エリア(第1保留第1~第4エリア)からなる第1保留球格納エリア203dと、第2特別図柄に関する4つの保留エリア(第2保留第1~第4エリア)からなる第2保留球格納エリア203eとが設けられており、これらの各エリアには、第1始動口64a又は第2始動口64bへの入球タイミングに合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。大当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、「0~899」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0~899」の値を取り得るカウンタの場合は「899」)に達した後「0」に戻る構成となっている。特に、大当たり乱数カウンタC1の更新が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれ、その初期値から大当たり乱数カウンタC1の更新が行われる。
第1初期値乱数カウンタCINI1は、大当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、大当たり乱数カウンタC1が「0~899」の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、「0~899」の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図23参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図35参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
大当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(第1実施形態では、タイマ割込処理(図23参照)毎に1回)更新される。そして、球が第1始動口64aに入賞(始動入賞)したタイミングで、第1始動口64a(第1特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第1保留球格納エリア203dに設けられた第1保留第1~第4エリアのいずれかの第1保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1に格納される。また、球が第2始動口64bに入賞(始動入賞)したタイミングで、第2始動口64b(第2特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第2保留球格納エリア203eに設けられた第2保留第1~第4エリアのいずれかの第2保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1に格納される。
大当たり乱数カウンタC1が大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される大当たり乱数テーブル202aによって設定されており、保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1,203e1に格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、大当たりと判定される。
ここで、図10を参照して、大当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。図10は、ROM202に記憶される大当たり乱数テーブル202aの一例を模式的に示した模式図である。大当たり乱数テーブル202aは、パチンコ機10の遊技状態が、「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」である特別図柄の低確率状態(「確率変動状態」ではない期間)の場合に使用される低確率状態用と、パチンコ機10の遊技状態が、低確率状態より大当たりとなる確率の高い特別図柄の高確率状態である「確率変動状態(確変中)」の場合に使用される高確率状態用との2種類に分けられる。そして、低確率状態用と高確率状態用とのそれぞれに含まれる大当たりとなる乱数の数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の数を異ならせることにより、低確率状態と高確率状態とで、大当たりとなる確率が変更される。
第1実施形態のパチンコ機10では、低確率状態の場合に大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)の数は3個で、その値「7,307,582」が、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。つまり、低確率状態(即ち、「通常遊技状態」及び「時間短縮状態」)における特別図柄の大当たり確率は、3/900=1/300となるように設定されている。
一方で、高確率状態の場合に大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は9個で、その値「28,122,298,390,486,567,656,750,866」が、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。つまり、高確率状態(即ち、「確率変動状態」)における特別図柄の大当たり確率は、9/900=1/100となるように設定されている。
なお、第1実施形態では、大当たり乱数テーブル202aに格納されている低確率状態用の大当たり乱数値と、高確率状態用の大当たり乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれ大当たり乱数値を設定している。ここで、パチンコ機10の状況にかかわらず大当たり乱数値となる値が存在すれば、その値が外部から予測されやすくなるので、不正に大当たりを引き当てられる可能性が高くなる恐れがある。これに対して、第1実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が高確率状態か低確率状態か、に応じて)、大当たりとなる乱数の値を変えることで、大当たりとなる乱数の値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
図9に戻って、説明を続ける。大当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合の大当たり種別を決定するものであり、所定の範囲(例えば、「0~99」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0~99」の値を取り得るカウンタの場合は「99」)に達した後に「0」に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(第1実施形態では、タイマ割込処理(図23参照)毎に1回)更新される。そして、球が第1始動口64aに入賞(始動入賞)したタイミングで、第1始動口64a(第1特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第1保留球格納エリア203dに設けられた第1保留第1~第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第1保留エリアと同じ第1保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203d2に格納される。また、球が第2始動口64bに入賞(始動入賞)したタイミングで、第2始動口64b(第2特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第2保留球格納エリア203eに設けられた第2保留第1~第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第2保留エリアと同じ第2保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203e2に格納される。
ここで、例えば、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203e内の1の保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、ハズレとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、ハズレ時のものとなる。一方で、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203e内の1の保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや停止種別は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ保留エリアに格納された大当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別に対応して決定される。
第1実施形態のパチンコ機10における大当たり種別カウンタC2の値は、「0~99」の範囲のループカウンタとして構成されている。この大当たり種別カウンタC2とROM202に格納された大当たり種別テーブル202bとに基づいて、大当たり種別が決定される。この大当たり種別テーブル202bには、第1特別図柄の第1抽選遊技で参照される特図1用大当たり種別テーブル202b1と、第2特別図柄の第2抽選遊技で参照される特図2用大当たり種別テーブル202b2とが設けられている。
ここで、図11(a)及び図11(b)を参照して、特図1用大当たり種別テーブル202b1及び特図2用大当たり種別テーブル202b2について説明する。図11(a)は、ROM202に記憶される第1特別図柄に対応する特図1用大当たり種別テーブル202b1の一例を模式的に示した図であり、図11(b)は、同じくROM202に記憶される第2特別図柄に対応する特図2用大当たり種別テーブル202b2の一例を模式的に示した図である。図11(a)及び図11(b)に示すように、大当たり種別テーブル202bは、特別図柄の種別と、該特別図柄の種別に応じた大当たり種別と、大当たり種別カウンタC2の値とを対応付けたテーブルである。
なお、大当たりとなった場合にそれぞれの大当たり種別が選択される確率は、機種によって適宜設定される。そして、その設定された確率に応じて、大当たり種別テーブル202bにて、各大当たり種別に対して対応付けられる大当たり種別カウンタC2の値が規定される。
また、大当たり種別が選択される確率は、パチンコ機10の遊技状態に応じて変更されてもよい。この場合、各遊技状態に対応する大当たり種別テーブル202bを用意し、それぞれの大当たり種別テーブル202bにおいて、各大当たり種別に対して対応付ける大当たり種別カウンタC2の値の数を変更すればよい。
大当たり種別としては、上述したように、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たり後に、特別図柄の変動演出が100回実行されるまでの間、特別図柄の大当たり確率及び普通図柄の当たり確率が共に高確率状態(所謂、ST100回、かつ、時短100回)となり、かつ、「確率変動状態」であることを報知する「10R確変大当たり」である「確率変動A」と、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たり後に、特別図柄の変動演出が100回実行されるまでの間、特別図柄の大当たり確率及び普通図柄の当たり確率が共に高確率状態(所謂、ST100回、かつ、時短100回)となるが、「確率変動状態」であることを報知しない「10R潜伏確変大当たり」である「潜伏確率変動C」と、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たり後に、特別図柄の変動演出が100回実行されるまでの間、普通図柄の当たり確率が高確率状態となるが、特別図柄の大当たり確率が低確率状態(所謂、時短100回)となる「時間短縮状態」へ移行する「10R時短大当たり」である「時短C」と、最大ラウンド数が5ラウンドの大当たりの後に、特別図柄の変動演出が100回実行されるまでの間、特別図柄の大当たり確率が高確率状態(所謂、ST100回)となると共に、特別図柄の変動演出が50回実行されるまでの間、普通図柄の当たり確率が高確率状態(所謂、時短50回)となるが、「確率変動状態」であることを報知しない「5R潜伏確変大当たり」である「潜伏確率変動A」及び「潜伏確率変動B」と、最大ラウンド数が5ラウンドの大当たりの後に、特別図柄の変動演出が50回実行されるまでの間、普通図柄の当たり確率が高確率状態となるが、特別図柄の大当たり確率が低確率状態(所謂、時短50回)となる「時間短縮状態」へ移行する「5R時短大当たり」である「時短A」及び「時短B」とがある。
特図1用大当たり種別テーブル202b1及び特図2用大当たり種別テーブル202b2では、それぞれ、各大当たり種別に対して、その大当たり種別を決定する大当たり種別カウンタC2の取り得る値が対応付けられている。
図11(a)の特図1用大当たり種別テーブル202b1の例では、「5R時短大当たり」である「時短A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「0~19」が対応付けられ、同じく「5R時短大当たり」である「時短B」に対して大当たり種別カウンタC2の値「20~39」が対応付けられ、「5R潜伏確変大当たり」である「潜伏確率変動A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「40~59」が対応付けられ、同じく「5R潜伏確変大当たり」である「潜伏確率変動B」に対して大当たり種別カウンタC2の値「60~79」が対応付けられ、「10R確変大当たり」である「確率変動A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「80~99」が対応付けられている。
第1実施形態における第1特別図柄の当否抽選において、第1保留球格納エリア203dのいずれかの第1保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1に格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ第1保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203d2に格納された大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が特図1用大当たり種別テーブル202b1から決定される。
例えば、大当たり種別カウンタC2の値が「15」であれば、大当たり種別として「5R時短大当たり」に対応する「時短A」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「35」であれば、大当たり種別として「5R時短大当たり」に対応する「時短B」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「48」であれば、大当たり種別として「5R潜伏確変大当たり」に対応する「潜伏確率変動A」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「77」であれば、大当たり種別として「5R潜伏確変大当たり」に対応する「潜伏確率変動B」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「95」であれば、大当たり種別として「10R確変大当たり」に対応する「確率変動A」が決定される。
即ち、第1特別図柄の第1抽選遊技(即ち、第1始動口64aへの入球に基づく抽選)において大当たりに当選した場合には、「時短A」、「時短B」、「潜伏確率変動A」、「潜伏確率変動B」及び「確率変動A」の各大当たり種別がそれぞれ20%の割合で均等に選択されるように構成されている。
また、図11(b)の特図2用大当たり種別テーブル202b2の例では、「10R時短大当たり」である「時短C」に対して大当たり種別カウンタC2の値「0~39」が対応付けられ、「10R潜伏確変大当たり」である「潜伏確率変動C」に対して大当たり種別カウンタC2の値「40~59」が対応付けられ、「10R確変大当たり」である「確率変動A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「60~99」が対応付けられている。
第1実施形態における第2特別図柄の当否抽選において、第1特別図柄の当否抽選と同様、第2保留球格納エリア203eのいずれかの保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1に格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203e2に格納された大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が特図2用大当たり種別テーブル202b2から決定される。
例えば、大当たり種別カウンタC2の値が「10」であれば、大当たり種別として「10R時短大当たり」に対応する「時短C」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「55」であれば、大当たり種別として「10R潜伏確変大当たり」に対応する「潜伏確率変動C」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「80」であれば、大当たり種別として「10R確変大当たり」に対応する「確率変動A」が決定される。
即ち、第2特別図柄の第2抽選遊技(即ち、第2始動口64bへの入球に基づく抽選)において大当たりに当選した場合には、「時短C」の大当たり種別が40%の割合で選択され、「潜伏確率変動C」の大当たり種別が20%の割合で選択され、「確率変動A」の大当たり種別が40%の割合で選択されるように構成されている。
従って、第1実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄による抽選遊技より、第2特別図柄による抽選遊技の方が、遊技者にとって遊技価値が大きいため、遊技者は、如何にして第2特別図柄による抽選を受けるか、即ち、第1始動口64aに入球させるより第2始動口64bへ入球させるかという遊技性が生まれ、遊技にバリエーションを設け、遊技の興趣が高められている。
ここで、各大当たり種別における可変入賞装置72,74(大入賞口)の開放パターンと、確変領域75の開放パターンとについて説明する。第1実施形態のパチンコ機10では、各特別図柄の大当たりに当選した場合に、該大当たりの大当たり種別に基づいて、大当たり時の各ラウンド(1ラウンド乃至5ラウンド、又は、1ラウンド乃至10ラウンド。以下同様。)毎の可変入賞装置72,74の開放パターン(第1開閉板72aおよび第2開閉板74aの駆動パターン)が設定されると共に、各ラウンド毎の確変領域75の開放パターン(確変領域開閉板75aの駆動パターン)が設定されるように構成されている。
第1実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄の大当たり種別に対応する可変入賞装置72,74の開閉パターンとして、「時短A」では開閉パターンが「X1」となるように設定され、「時短B」では開閉パターンが「X2」となるように設定され、「潜伏確率変動A」では、「時短A」と同様、開閉パターンが「X1」となるように設定され、「潜伏確率変動B」では、「時短B」と同様、開閉パターンが「X2」となるように設定され、「確率変動A」では開閉パターンが「Y1」となるように構成されている(図11(a)参照)。また、第2特別図柄の大当たり種別毎に対応する可変入賞装置72,74の開閉パターンとして、「時短C」では開閉パターンが「Y2」となるように設定され、「潜伏確率変動C」では、「時短C」と同様、開閉パターンが「Y2」となるように設定され、「確率変動A」では開閉パターンが「Y1」となるように構成されている(図11(b)参照)。
ここで、図12を参照して、大当たり種別毎の可変入賞装置72,74の開閉パターンについて説明する。図12は、大入賞口開閉テーブル202fの一例を模式的に示した図である。図12で示す大入賞口開閉テーブル202fでは、各特別図柄における大当たり種別毎において、各ラウンド毎に開放される可変入賞装置72,74を示しており、各ラウンド毎に、アタッカーユニット71の正面視右側に配置される第1可変入賞装置72が開放される場合には「右」と表現し、アタッカーユニット71の正面視左側に配置される第2可変入賞装置74が開放される場合には「左」と表現している。なお、第1実施形態では、一方の可変入賞装置72,74(例えば、第1可変入賞装置72)が開放されている場合は、他方の可変入賞装置74,72(例えば、第2可変入賞装置74)が閉鎖されるように構成されており、いずれか一方の可変入賞装置72,74のみが開放し、同時に2の可変入賞装置72,74が開放することがないように構成されている。
図12で示すように、第1特別図柄の最大5ラウンドの大当たりである大当たり種別「時短A」及び「潜伏確率変動A」に対応する各可変入賞装置72,74の開閉パターン「X1」は、奇数ラウンド(即ち、1ラウンド、3ラウンド及び5ラウンド)において、「右」、即ち、第1可変入賞装置72が開放されて該第1可変入賞装置72からアタッカーユニット71内に球が流入可能になるとともに、第2可変入賞装置74は閉鎖されており、第2可変入賞装置74からはアタッカーユニット71内に球が流入不可能となっている。
また、開閉パターン「X1」は、偶数ラウンド(即ち、2ラウンド及び4ラウンド)において、「左」、即ち、第2可変入賞装置74が開放されて該第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に球が流入可能になるとともに、第1可変入賞装置72は閉鎖されており、第1可変入賞装置72からはアタッカーユニット71内に球が流入不可能となっている。
即ち、開閉パターン「X1」では、大当たりの1ラウンド目において第1可変入賞装置72からアタッカーユニット71内に球が流入可能となり、次ラウンド(即ち、2ラウンド)において第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に球が流入可能となり、その後、大当たりの終了(即ち、5ラウンド目の終了)まで各ラウンド毎に交互に第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に球が流入可能となる。従って、第1可変入賞装置72の開放ラウンド数は「3」であり、第2可変入賞装置74の開放可能ラウンド数は「2」となる。
次いで、図12で示すように、第1特別図柄の最大5ラウンドの大当たりである大当たり種別「時短B」及び「潜伏確率変動B」に対応する各可変入賞装置72,74の開閉パターン「X2」は、奇数ラウンド(即ち、1ラウンド、3ラウンド及び5ラウンド)において、「左」、即ち、第2可変入賞装置74が開放されて該第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に球が流入可能になるとともに、第1可変入賞装置72は閉鎖されており、第1可変入賞装置72からはアタッカーユニット71内に球が流入不可能となっている。
また、開閉パターン「X2」は、偶数ラウンド(即ち、2ラウンド及び4ラウンド)において、「右」、即ち、第1可変入賞装置72が開放されて該第1可変入賞装置72からアタッカーユニット71内に球が流入可能になるとともに、第2可変入賞装置74は閉鎖されており、第2可変入賞装置74からはアタッカーユニット71内に球が流入不可能となっている。
即ち、開閉パターン「X2」では、大当たりの1ラウンド目において第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に球が流入可能となり、次ラウンド(即ち、2ラウンド)において第1可変入賞装置72からアタッカーユニット71内に球が流入可能となり、その後、大当たりの終了(即ち、5ラウンド目の終了)まで各ラウンド毎に交互に第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に球が流入可能となる。従って、第1可変入賞装置72の開放ラウンド数は「2」であり、第2可変入賞装置74の開放可能ラウンド数は「3」となる。
次いで、図12で示すように、第1特別図柄および第2特別図柄の最大10ラウンドの大当たりである大当たり種別「確率変動A」に対応する各可変入賞装置72,74の開閉パターン「Y1」は、奇数ラウンド(即ち、1ラウンド、3ラウンド、5ラウンド、7ラウンド及び9ラウンド)において、「左」、即ち、第2可変入賞装置74が開放されて該第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に球が流入可能になるとともに、第1可変入賞装置72は閉鎖されており、第1可変入賞装置72からはアタッカーユニット71内に球が流入不可能となっている。
また、開閉パターン「Y1」は、偶数ラウンド(即ち、2ラウンド、4ラウンド、6ラウンド、8ラウンド及び10ラウンド)において、「右」、即ち、第1可変入賞装置72が開放されて該第1可変入賞装置72からアタッカーユニット71内に球が流入可能になるとともに、第2可変入賞装置74は閉鎖されており、第2可変入賞装置74からはアタッカーユニット71内に球が流入不可能となっている。
即ち、開閉パターン「Y1」では、大当たりの1ラウンド目において第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に球が流入可能となり、次ラウンド(即ち、2ラウンド)において第1可変入賞装置72からアタッカーユニット71内に球が流入可能となり、その後、大当たりの終了(即ち、10ラウンド目の終了)まで各ラウンド毎に交互に第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に球が流入可能となる。従って、第1可変入賞装置72の開放ラウンド数は「5」であり、第2可変入賞装置74の開放可能ラウンド数は「5」となる。
次いで、図12で示すように、第1特別図柄および第2特別図柄の最大10ラウンドの大当たりである大当たり種別「時短C」及び「潜伏確率変動C」に対応する各可変入賞装置72,74の開閉パターン「Y2」は、奇数ラウンド(即ち、1ラウンド、3ラウンド、5ラウンド、7ラウンド及び9ラウンド)において、「右」、即ち、第1可変入賞装置72が開放されて該第1可変入賞装置72からアタッカーユニット71内に球が流入可能になるとともに、第2可変入賞装置74は閉鎖されており、第2可変入賞装置74からはアタッカーユニット71内に球が流入不可能となっている。
また、開閉パターン「Y2」は、偶数ラウンド(即ち、2ラウンド、4ラウンド、6ラウンド、8ラウンド及び10ラウンド)において、「左」、即ち、第2可変入賞装置74が開放されて該第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に球が流入可能になるとともに、第1可変入賞装置72は閉鎖されており、第1可変入賞装置72からはアタッカーユニット71内に球が流入不可能となっている。
即ち、開閉パターン「Y2」では、大当たりの1ラウンド目において第1可変入賞装置72からアタッカーユニット71内に球が流入可能となり、次ラウンド(即ち、2ラウンド)において第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に球が流入可能となり、その後、大当たりの終了(即ち、10ラウンド目の終了)まで各ラウンド毎に交互に第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に球が流入可能となる。従って、第1可変入賞装置72の開放ラウンド数は「5」であり、第2可変入賞装置74の開放可能ラウンド数は「5」となる。
このように、開閉パターンが同等となる大当たり種別(即ち、大当たり種別「時短A」及び「潜伏確率変動A」、大当たり種別「時短B」及び「潜伏確率変動B」、並びに、大当たり種別「時短C」及び「潜伏確率変動C」)をそれぞれ設け、各可変入賞装置72,74の開閉パターンのみでは大当たり種別を判別できないようにして、遊技者にいずれの大当たり種別に当選しているかを認識し難く(不可に)構成し、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。
図11に戻って、説明を続ける。第1実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄および第2特別図柄の各大当たり種別に対応する確変領域75の開放パターンとして、「時短A」、「潜伏確率変動B」及び「時短C」では開放パターンが「A」となるように設定され、「時短B」、「潜伏確率変動A」及び「潜伏確率変動C」では開放パターンが「B」となるように設定され、「確率変動A」では開放パターンが「C」となるように設定されている(図11(a)及び図11(b)参照)。
ここで、図13を参照して、大当たり種別毎の確変領域75の開放パターンについて説明する。図13は、確変領域開閉テーブル202gの一例を模式的に示した図である。図13で示す確変領域開閉テーブル202gでは、各特別図柄における大当たり種別毎において、各ラウンド毎に確変領域75が開放されるか否かを示しており、確変領域75が開放される場合には「開」と表現し、確変領域75が開放されずに閉鎖されている場合は空白(ブランク)で表現している。
なお、該当するラウンドが行われない大当たり種別(6ラウンド以降が行われない「時短A」、「時短B」、「潜伏確率変動A」及び「潜伏確率変動B」)では、実行されないラウンドにおいて「-」と表現している。
図13で示すように、第1特別図柄の大当たり種別「時短A」及び「潜伏確率変動B」、並びに、第2特別図柄の大当たり種別「時短C」における確変領域75の開放パターン「A」は、1ラウンド目と3ラウンド目において確変領域75が所定時間(例えば、可変入賞装置72,74の開放開始から3秒間)開放され、その後、当該ラウンドにおいて、確変領域75が閉鎖される。なお、有効パターン「A」は、その他のラウンド(即ち、2ラウンド、4ラウンド及び5ラウンド)では確変領域75が閉鎖状態を維持するように設定されている。
即ち、確変領域75の開放パターン「A」の場合に、1ラウンド目又は3ラウンド目において開放されている確変領域75を球が通過することによって該大当たり終了後に「確率変動状態」が付与される。
ここで、大当たり種別「時短A」及び「時短C」は、確変領域75が開放される1ラウンド目及び3ラウンド目において、アタッカーユニット71内に流入した球が確変領域75に到達するまでの時間が長い(例えば、約3.3秒以上)第1可変入賞装置72が開放されている。よって、大当たり種別「時短A」及び「時短C」の1ラウンド目及び3ラウンド目において、確変領域75が開放された場合であっても、第1可変入賞装置72へ入賞した球が確変領域75配設位置まで到達するまでには、該確変領域75の開放時間が終了して閉鎖されてしまっているため、確変領域75へ球が流入しない設定となっている。このため、該大当たり終了後に「確率変動状態」が発生しないように構成されている。
なお、大当たり種別「時短A」及び「時短C」において、アタッカーユニット71内に流入した球が確変領域に到達するまでの時間が短い(例えば、約1.0秒)第2可変入賞装置74は、確変領域75が閉鎖されている2ラウンド、4ラウンドにおいて開放されるように設定されている。
一方、大当たり種別「潜伏確率変動B」は、確変領域75が開放される1ラウンド目及び3ラウンド目において、アタッカーユニット71内に流入した球が確変領域75に到達するまでの時間が短い第2可変入賞装置74が開放されている。よって、大当たり種別「時短A」及び「時短C」の1ラウンド目及び3ラウンド目において、確変領域75が開放された場合に、第2可変入賞装置74へ入賞した球が確変領域75配設位置に到達するタイミングで、該確変領域75が開放状態を維持しており、確変領域75へ球が流入し得る設定となっている。このため、大当たり種別「潜伏確率変動B」では、大当たり終了後に「確率変動状態」が発生し得るように構成されている。
次いで、図13で示すように、第1特別図柄の大当たり種別「時短B」及び「潜伏確率変動A」、並びに、第2特別図柄の大当たり種別「潜伏確率変動C」における確変領域75の開放パターン「B」は、2ラウンド目と4ラウンド目において確変領域75が所定時間(例えば、可変入賞装置72,74の開放開始から3秒間)開放され、その後、当該ラウンドにおいて、確変領域75が閉鎖される。なお、有効パターン「B」は、その他のラウンド(即ち、1ラウンド、3ラウンド及び5ラウンド)では確変領域75が閉鎖状態を維持するように設定されている。
即ち、確変領域75の開放パターン「B」の場合に、2ラウンド目又は4ラウンド目において開放されている確変領域75を球が通過することによって該大当たり終了後に「確率変動状態」が付与される。
ここで、大当たり種別「時短B」は、確変領域75が開放される2ラウンド目及び4ラウンド目において、アタッカーユニット71内に流入した球が確変領域75に到達するまでの時間が長い(例えば、約3.3秒以上)第1可変入賞装置72が開放されている。よって、大当たり種別「時短B」の2ラウンド目及び4ラウンド目において、確変領域75が開放された場合であっても、第1可変入賞装置72へ入賞した球が確変領域75配設位置まで到達するまでには、該確変領域75の開放時間が終了して閉鎖されてしまっているため、確変領域75へ球が流入しない設定となっている。このため、該大当たり終了後に「確率変動状態」が発生しないように構成されている。
なお、大当たり種別「時短B」において、アタッカーユニット71内に流入した球が確変領域75に到達するまでの時間が短い(例えば、約1.0秒)第2可変入賞装置74は、確変領域75が閉鎖されている1ラウンド、3ラウンド及び5ラウンドにおいて開放されるように設定されている。
一方、大当たり種別「潜伏確率変動A」及び「潜伏確率変動C」は、確変領域75が開放される2ラウンド目及び4ラウンド目において、アタッカーユニット71内に流入した球が確変領域75に到達するまでの時間が短い第2可変入賞装置74が開放されている。よって、大当たり種別「潜伏確率変動A」及び「潜伏確率変動C」の2ラウンド目及び4ラウンド目において、確変領域75が開放された場合に、第2可変入賞装置74へ入賞した球が確変領域75配設位置に到達するタイミングで、該確変領域75が開放状態を維持しており、確変領域75へ球が流入し得る設定となっている。このため、大当たり種別「潜伏確率変動A」及び「潜伏確率変動C」では、大当たり終了後に「確率変動状態」が発生し得るように構成されている。
次いで、図13で示すように、第1特別図柄および第2特別図柄の大当たり種別「確率変動A」における確変領域75の開放パターン「C」は、1ラウンド目と3ラウンド目と9ラウンド目において確変領域75が所定時間(例えば、可変入賞装置72,74の開放開始から3秒間)開放され、その後、当該ラウンドにおいて、確変領域75が閉鎖される。なお、有効パターン「C」は、その他のラウンド(即ち、2ラウンド、4ラウンド乃至8ラウンド及び10ラウンド)では確変領域75が閉鎖状態を維持するように設定されている。
即ち、確変領域75の開放パターン「C」の場合に、1ラウンド目、3ラウンド目又は9ラウンド目において開放されている確変領域75を球が通過することによって該大当たり終了後に「確率変動状態」が付与される。
ここで、大当たり種別「確率変動A」は、確変領域75が開放される1ラウンド目、3ラウンド目及び9ラウンド目において、アタッカーユニット71内に流入した球が確変領域75に到達するまでの時間が短い第2可変入賞装置74が開放されている。よって、大当たり種別「確率変動A」の1ラウンド目、3ラウンド目及び9ラウンド目において、確変領域75が開放された場合に、第2可変入賞装置74へ入賞した球が確変領域75配設位置に到達するタイミングで、該確変領域75が開放状態を維持しており、確変領域75へ球が流入し得る設定となっている。このため、大当たり種別「確率変動A」では、大当たり終了後に「確率変動状態」が発生し得るように構成されている。
このように、各大当たり種別において、各ラウンド毎で開放される可変入賞装置72,74を設定すると共に、該ラウンドに対応して確変領域75の開放又は閉鎖を設定する。そして、可変入賞装置72,74の開放パターンのみでは大当たり種別を判別できないようにして、遊技者にいずれの大当たり種別に当選しているかを認識し難く(不可に)構成し、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。
また、第1実施形態では、大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させる大当たり種別に当選した場合に、その大当たりにおける複数のラウンドにおいて、確変領域75が開放されるラウンドで第2可変入賞装置74が開放されるように構成されている。よって、仮に、確変領域75が開放されているいずれか1のラウンドにおいて、確変領域75へ球を通過させれなかった場合であっても、他のラウンドにおいて再び確変領域75を開放することで、確変領域75に球を通過させることが可能となる。従って、急なトラブル(例えば、発射異常等の遊技異常や、遊技者の体調不良等)によって、確変領域75が開放される1のラウンドにおいて確変領域75へ球を通過させることに支障が生じた場合であっても、他のラウンドにおいて再び確変領域75を開放して、確変領域75へ球を通過させる可能性を設けることで、不測の事態によって遊技者が不利益を被ることなく、快適な遊技を実現することができ、遊技の興趣を向上することができる。なお、1の大当たり中において、1度でも確変領域75に球が流入した場合、以降のラウンドにおいて確変領域75に球が流入しないように構成してもよい。
さらに、第1実施形態のパチンコ機10では、大当たりにおいて、確変領域75が有効に設定されている状況において球が通過することによって、該大当たり終了後に「確率変動状態」が付与(発生)するように構成され、無効に設定されている確変領域75を球が通過しても「確率変動状態」が付与(発生)しないように構成されている。
従来、大当たり時に開放されるアタッカーユニット71内に、球が通過可能な確変領域を設け、該確変領域を開閉レバー等で開閉制御し、アタッカーユニット71内に流入した球が確変領域を通過した場合に、該大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させる(付与する)パチンコ機がある。
このようなパチンコ機では、大当たりの発生時には、「確率変動状態」が発生するか否かを遊技者に報知せずに、例えば、「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」に対応する大当たり図柄を第3図柄表示装置81に表示する等、「潜伏確変演出態様(即ち、「時短報知演出態様」又は「通常報知演出態様」。以下同様。)」を行い、遊技者には「確率変動状態」ではなく「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」が発生されるかのような演出を実行する。そして、該大当たり中に、大当たり種別に基づいて所定タイミングで開放レバーを開閉制御する。
具体的には、例えば、「確率変動状態」を発生させる大当たり種別である場合には、アタッカーユニット71内に流入した球が上記確変領域を通過するように開閉レバーを開閉制御して、該大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させるように構成する。一方、「確率変動状態」を発生させない大当たり種別である場合には、アタッカーユニット71内に流入した球が上記確変領域を通過しないように開閉レバーを開閉制御して、該大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させず、「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」を発生させるように構成する。
このように構成することで、大当たり終了後の遊技状態が「確率変動状態」であるのか、「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」であるのか遊技者に認識し難く(不可に)構成し、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。また、「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」であっても、演出態様に反して(内部的に)「確率変動状態」かもしれないと遊技者に推測させ、継続的に遊技を実行させることで、パチンコ機の稼働率を向上することができる。
しかしながら、上記パチンコ機では、「潜伏確変演出態様」を実行していた場合であっても、確変領域を球が通過したときにはもれなく「確率変動状態」を発生させる構成であるため、アタッカーユニット71内の確変領域を球が通過するか否かに対して遊技者が着目し続け、確変領域を球が通過したことを遊技者が視認した段階で、「確率変動状態」が発生することを遊技者に認識されてしまい、想定していた遊技性が崩壊してしまう。また、遊技者に「確率変動状態」の発生が認識された後に「潜伏確変演出態様」を継続的に実行してしまうと、遊技の興趣を遊技者に与えることができず、むしろ、遊技に対して興醒めするおそれがある。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、アタッカーユニット71内に設けられた確変領域75の有効状態又は無効状態を切り替え可能に構成し、大当たり種別に応じて、大当たりの各ラウンド毎に確変領域75に設けられた確変領域開閉板75aを開放するように駆動制御すると共に、確変領域75の有効又は無効の設定を遊技者に認識できない状態で(内部的に)切り替えるように制御する。そして、大当たり中において、有効に設定されている確変領域75を球が通過した場合には、該大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させるように構成する。一方、無効に設定されている確変領域75を球が通過したとしても、該大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させないように構成する。
即ち、例えば、確変領域開閉板75aが開放されて確変領域75へ球が流入可能な状態において、該確変領域75を有効に設定している場合、確変領域75(確変領域スイッチ75c)を球が通過したときには、該大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させるように構成する。一方、確変領域開閉板75aが開放されて確変領域75へ球が流入可能な状態において、該確変領域75を無効に設定している場合、確変領域75(確変領域スイッチ75c)を球が通過しても、該大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させないように構成する。
このように構成することで、確変領域75を球が通過したとしても、内部的にその確変領域75が有効に設定されていなければ、大当たり終了後に「確率変動状態」が発生しないため、確変領域75への球の通過を遊技者に視認された場合であっても、大当たり終了後に「確率変動状態」の発生が確定しないように構成することができる。このように構成することで、「潜伏確変演出態様」を実行している場合であっても、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる。また、「確率変動状態」の付与を想定していない状況において、イレギュラー的に確変領域75へ球が流入した場合であっても、該確変領域75を無効に設定しておくことで、意図しない遊技価値が付与されてしまうことを未然に防止することができる。
図9に戻って、各種カウンタの説明を続ける。停止パターン選択カウンタC3は、例えば「0~99」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値(つまり「99」)に達した後「0」に戻る構成となっている。
第1実施形態では、保留されている変動演出の保留数と停止パターン選択カウンタC3の値とによって、第3図柄表示装置81で表示される大当たり時およびハズレ時の変動演出の大まかな演出態様が選択される。具体的には、「リーチ表示」が発生しない「非リーチ(短縮)」演出態様又は「非リーチ(通常)」演出態様と、「リーチ表示」として「ノーマルリーチ」の変動要素のみが実行される「ノーマルリーチ」演出態様と、該「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スーパーリーチ」の変動要素が実行される「スーパーリーチ」演出態様と、同じく「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スペシャルリーチ」の変動要素が実行される「スペシャルリーチ」演出態様との5つの演出態様が選択される。
ここで、各演出態様について詳細に説明する。演出態様の中で、「非リーチ(短縮)」演出態様と「非リーチ(通常)」演出態様とは、主表示領域Dmの各表示領域Dm1~Dm3(図7(a)参照)にて「高速変動」の変動要素が行われた後に、該左表示領域Dm1及び右表示領域Dm3に同一の第3図柄が停止せずに「リーチ表示」を発生しない演出態様である。
「高速変動」の変動要素とは、第3図柄表示装置81の主表示領域Dm(図7参照)で行われる変動演出において、各図柄列Z1~Z3(図7(a)参照)に表示される第3図柄が、表示画面縦方向下方に高速にスクロールされている変動要素をいう。この「高速変動」では、遊技者によって第3図柄の表示内容を明確に認識できないように第3図柄を変動させ、前回停止表示された変動演出の停止結果を不規則に混ぜる(シャッフルする)演出として実行される。
第1実施形態のパチンコ機10では、「高速変動」の変動要素が行われた後、特定の演出態様(「非リーチ(短縮)」演出態様)を除いて「低速変動」の変動要素が行われるように構成されている。「低速変動」の変動要素とは、第3図柄表示装置81の主表示領域Dm(図7(a)参照)で行われる変動演出において、上記「高速変動」の変動要素後、遊技者に視認可能な速度で第3図柄を低速にスクロールしている変動要素をいう。この「低速変動」の変動要素では、遊技者に第3図柄の表示内容を認識させながら、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2(図7(a)参照)の順に第3図柄を停止表示する。左図柄列Z1及び右図柄列Z3において同一の第3図柄が停止した場合は「リーチ表示」が発生したとして「ノーマルリーチ」の変動要素へと発展する一方、左図柄列Z1及び右図柄列Z3において異なる第3図柄が停止した場合は、中図柄列Z2を停止表示して、その変動演出を終了するように構成されている(後述する「疑似連」に発展する場合は除く)。
従って、「非リーチ(通常)」演出態様では、「高速変動」の変動要素が行われた後に「低速変動」の変動要素が行われて、各図柄列Z1~Z3(図7(a)参照)がそれぞれ順番に停止し、1の変動演出が終了する。一方、「非リーチ(短縮)」演出態様では、「高速変動」が行われた後に「低速変動」の変動要素が行われず、該「高速変動」の変動要素の終了後、各図柄列Z1~Z3が同時に停止し、1の変動演出が終了する。
演出態様の中で、「ノーマルリーチ」演出態様とは、主表示領域Dmの各図柄列Z1~Z3(図7(a)参照)の変動演出において、左図柄列Z1及び右図柄列Z3に同一の第3図柄が停止した直後に「ノーマルリーチ」の変動要素が実行され、他の「リーチ表示」、即ち、「スーパーリーチ」の変動要素や「スペシャルリーチ」の変動要素に発展しない「リーチ表示」の演出態様の1つである。この「ノーマルリーチ」の変動要素では、上述したように、主表示領域Dmの左図柄列Z1(左表示領域Dm1)及び右図柄列Z3(右表示領域Dm3)に停止表示している第3図柄が通常時より拡大して表示される。また、中図柄列Z2(中表示領域Dm2)の第3図柄が低速で表示画面縦方向下方へスクロールして、遊技者により該中表示領域Dm2の第3図柄が視認可能な状態で表示される。さらに、この「ノーマルリーチ」の変動要素では、主表示領域Dmの拡大表示に伴って、副表示領域Dsが消去される(図示せず)。
演出態様の中で、「スーパーリーチ」演出態様とは、「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スーパーリーチ」の変動要素が実行される「リーチ表示」の演出態様の1つである。この「スーパーリーチ」演出態様において、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中は、「ノーマルリーチ」の変動要素の表示状態から、コクピット表示領域Db(図7(a)参照)が消去され、この「リーチ表示」の発生要因であった第3図柄のリーチ形成図柄が表示画面の表示領域左上に縮小表示される。そして、主表示領域Dmの背景表示が「ノーマルリーチ」の変動要素から変化すると共に、複数のキャラクタ図柄を現出させて「バトル演出(例えば、キックボクシング)」を行う(図示せず)。
第1実施形態では、その「バトル演出」の結果(勝敗)に基づいて、変動演出の当否を示唆するように構成されている。具体的には、例えば、上記「バトル演出」において、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に勝利した場合には、その変動演出が「大当たり表示」となることを示唆し、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に負けた場合には、その変動演出が「ハズレ表示」となることを示唆するように構成されている。
演出態様の中で、「スペシャルリーチ」演出態様とは、「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スペシャルリーチ」の変動要素が実行される「リーチ表示」の演出態様の1つである。この「スペシャルリーチ」演出態様において、「スペシャルリーチ」の変動要素の実行中は、上記「スーパーリーチ」の変動要素と同様、「ノーマルリーチ」の変動要素の表示状態から、コクピット表示領域Db(図7(a)参照)が消去され、この「リーチ表示」の発生要因であった第3図柄のリーチ形成図柄が表示画面の表示領域左上に縮小表示される。そして、主表示領域Dm(図7(a)参照)の背景表示が「ノーマルリーチ」の変動要素から変化すると共に、「スーパーリーチ」の変動要素とは異なる複数のキャラクタを現出させて「競争演出(例えば、自動車レース)」を行う(図示せず)。
第1実施形態では、その「競争演出」の結果(勝敗)に基づいて、変動演出の当否を示唆するように構成されている。具体的には、例えば、上記「競争演出」において、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に勝利した場合には、その変動演出が「大当たり表示」となることを示唆し、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に負けた場合には、その変動演出が「ハズレ表示」となることを示唆するように構成されている。
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(第1実施形態では、タイマ割込処理(図23参照)毎に1回)更新される。そして、球が第1始動口64aに入賞(始動入賞)したタイミングで、第1始動口64a(第1特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第1保留球格納エリア203dに設けられた第1保留第1~第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第1保留エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3に格納される。また、球が第2始動口64bに入賞(始動入賞)したタイミングで、第2始動口64b(第2特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第2保留球格納エリア203eに設けられた第2保留第1~第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第2保留エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3に格納される。
第1実施形態のパチンコ機10では、変動演出の当否と、現在の遊技状態と、現在保留中の変動演出の数(保留球数)とに応じて、停止パターン選択カウンタC3の値を参照する停止パターンテーブル202dが異なるように構成されている。即ち、停止パターンテーブル202dは、複数種類設けられ、待機中の変動演出の数(保留球数)等によって選択されるように構成されている。
また、第1実施形態では、変動演出の詳細な変動パターンを決定する場合に、まず、ROM202に備えられた保留数テーブル202cに基づいて、変動演出の当否と、現在の遊技状態と、現在の変動演出の数(保留球数)とに対応したいずれかの停止パターンテーブル202dが選択される。そして、選択された停止パターンテーブル202dと停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて変動演出の大まかな演出態様を選択する。その後、選択された演出態様と後述する変動種別カウンタCS1の値とに基づいて、変動演出の詳細な変動パターン(変動時間)が決定される。
この複数種類設けられた停止パターンテーブル202dは、各停止パターンテーブル202d毎に演出態様が選択される停止パターン選択カウンタC3の乱数値の範囲が異なるように設定されている。この停止パターンテーブル202dが複数用意されているのは、変動演出の当否、遊技状態及び保留球数に応じて変動演出の演出態様の選択比率を変更するためである。即ち、(1)取得した第3図柄の変動演出において大当たりが発生するか、(2)現在のパチンコ機10の遊技状態が「確率変動状態」、「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」であるか、及び、(3)保留されている変動演出の保留球数がいくつあるか、に応じて、演出態様の選択比率を変更するためである。
これは、第1の理由として、各演出態様毎に大当たりとなる期待度を変化させるためである。即ち、大当たり抽選に当選した場合と大当たり抽選にハズレた場合とで、「非リーチ」演出態様、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様、及び、「スペシャルリーチ」演出態様の選択する割合を異ならせるように構成することで、各演出態様毎に大当たりとなる期待度を変化させる。具体的には、例えば、大当たり抽選に当選した場合に「スーパーリーチ」演出態様や「スペシャルリーチ」演出態様を選択し易く構成し、大当たり抽選に当選しなかった場合には、「非リーチ」演出態様や「ノーマルリーチ」演出態様を選択し易く構成する。このように構成することで、「スーパーリーチ」演出態様や「スペシャルリーチ」演出態様は、大当たりし易い演出とすることができ、「ノーマルリーチ」演出態様や「非リーチ」演出態様は、大当たりし難い演出若しくは大当たりしない演出とすることができ、各演出態様毎の大当たり期待度を差別化することができる。従って、変動演出に大当たりし易い演出が現出した場合に、その大当たりし易い演出が行われている間、大当たりが発生する可能性が高いことを遊技者に示唆し、遊技の興趣を高めている。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、取得した抽選結果が大当たりである場合には、大当たりし易い演出を選択し易く、かつ、大当たりし難い演出を選択し難い停止パターンテーブル202dに基づいて変動演出の演出態様を選択するように構成する。一方、取得した抽選結果がハズレである場合には、大当たりし易い演出を選択し難く、かつ、大当たりし難い演出を選択し易い停止パターンテーブル202dするように構成する。これにより、変動演出において第3図柄の抽選結果を遊技者に報知する場合に、大当たりし易い演出が実行されている場合にはその変動演出で大当たりが発生し易く、大当たりし難い演出が実行されている場合にはその変動演出で大当たりが発生し難くし、演出態様ごとに大当たり期待値に差を設けることで、その変動演出の実行中に遊技の興趣を高めることができる。
また、第2の理由として、第1特別図柄の変動演出の待機回数が上限に達している状態における第1始動口64aへの入球、又は、第2特別図柄の変動演出の待機回数が上限に達している状態における第2始動口64bへの入球に基づく無駄球(所謂、オーバーフロー入賞による無抽選)を極力削減するためである。具体的に説明すると、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動演出の待機回数はそれぞれ最大4回と上限が設けられていると共に、変動演出は少なくとも一定時間が実行されることから、「確率変動状態」における第2始動口64bへ球が入球し易い遊技状態では、第2特別図柄の最大保留球数に到達し易い。これらの遊技状態において、長い変動時間の変動演出を選択すると、第2特別図柄の最大保留球数に到達した状態での第2始動口64bへの入球が頻発し、折角、第2始動口64bへ入球したにもかかわらず、第2特別図柄の抽選契機を取得できない。また、「通常遊技状態」においても、第1特別図柄の最大保留球数に到達している状態で、長い変動時間の変動演出を選択すると、その変動演出の実行中は第1特別図柄の保留球数が消化されないため、その間に第1始動口64aへの入球が発生しても、第1特別図柄の抽選契機を取得できない。このような状態になると、遊技者は、第1始動口64aへ球を入球させても遊技価値が得られないと判断し、変動演出が消化されて再び保留球数を取得できる状態になるまで球の発射を停止して遊技を中断してしまう。遊技が中断されると、パチンコ機10の稼働率が低下してしまい、遊技場の経営に影響を与えてしまう。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、第3図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の最大保留球数へ到達し易い遊技状態や、最大保留球数に近い(又は一致する)保留球数では、比較的短い変動時間が選択され易い停止パターンテーブル202dに基づいて変動演出の演出態様を選択するように構成されている。これにより、第3図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の最大保留球数に到達している状態での第1始動口64a又は第2始動口64bへの入球を防止することができる。
さらに、第3の理由として、実行時間を長く設定して、変動演出の終了を遅らせることで、変動演出が実行されている状態を長く維持するためである。具体的に説明すると、変動演出の保留球数が少ない(無い)場合に、実行中の変動演出の変動時間内に新たに第1始動口64a又は第2始動口64bのいずれかに球を入球させないと、次の変動演出を開始することができず、第3図柄表示装置81でデモ画面等を表示しなければいけない。遊技者は、球を発射して遊技を行っているにもかかわらず第3図柄表示装置81において変動演出が行われない場合、遊技者が求めている大当たりの抽選に係る興趣を得ることができず、遊技に興醒めしてしまう。また、遊技者は、第3図柄表示装置81において変動演出が行われていないことで、第1始動口64a又は第2始動口64bへ球が入球し難いパチンコ機10であると認識し、遊技価値を得難い台と判断して、そのパチンコ機10での遊技を止めてしまうおそれがある。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、変動演出の保留球数が少ない場合に、比較的長い変動時間が選択され易い停止パターンテーブル202dに基づいて変動演出の演出態様を選択するように構成されている。これにより、第3図柄表示装置81において変動演出が行われていない状況を起こり難く構成し、第3図柄表示装置81における変動演出の実行状態を長く維持することができる。
変動種別カウンタCS1は、例えば「0~199」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値(つまり「199」)に達した後「0」に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1の値は、後述するタイマ割込処理(図23参照)が1回実行される毎に1回更新され、メイン処理(図35参照)内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、球が第1始動口64aに入賞(始動入賞)したタイミングで、第1始動口64a(第1特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第1保留球格納エリア203dに設けられた第1保留第1~第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第1保留エリアの変動種別カウンタ格納エリア203d4に格納される。また、球が第2始動口64bに入賞(始動入賞)したタイミングで、第2始動口64b(第2特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第2保留球格納エリア203eに設けられた第2保留第1~第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第2保留エリアの変動種別カウンタ格納エリア203e4に格納される。
変動種別カウンタCS1は、変動演出の詳細な変動パターンの決定に用いられる。即ち、主制御装置110のMPU201は、停止パターンテーブル202d及び停止パターン選択カウンタC3によって選択された演出態様において、変動種別カウンタCS1の値と、ROM202に格納された変動パターンテーブル202eとによって、詳細な変動パターンを決定する。変動パターンの決定は、具体的には、変動演出の変動時間の決定である。音声ランプ制御装置113および表示制御装置114は、変動種別カウンタCS1により決定された変動パターン(変動時間)に基づいて、第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様を決定し、また予告演出実行の有無や予告演出の実行態様を決定する。
このように、主制御装置110のMPU201は、変動演出の大まかな変動パターンを選択して変動時間のみを決定する。このように構成することで、主制御装置110のMPU201において、変動演出を実行するために必要な詳細な予告抽選等の制御を行う必要がなくなるので、変動演出に関するMPU201の処理を軽減することができる。また、主制御装置110において変動演出の全変動パターンのコマンドを用意する必要がなくなり、主制御装置110のROM容量を削減することができる。
また、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114において、主制御装置110で決定された変動時間(大まかな変動パターン)に基づいて、変動演出における詳細な変動パターンを決定することで、変動演出を選択する自由度を高めるができる。さらに、遊技状態が刻々と変化するパチンコ機10において、該変化に対応して随時、変動演出の演出内容の選択又は変更することが可能となり、遊技状態に応じて適切な演出を実行することができる。
ここで、変動パターンを構成する各変動要素について説明する。変動要素とは、1の変動演出の一部分を構成するものであり、各変動要素を組み合わせて1の変動演出が構成される。第1実施形態のパチンコ機10では、変動要素として、「高速変動」の変動要素、「低速変動」の変動要素、「疑似連」の変動要素、「ノーマルリーチ」の変動要素、「スーパーリーチ」の変動要素、「スペシャルリーチ」の変動要素および「再変動」の変動要素が設けられている。
「高速変動」の変動要素とは、遊技者によって第3図柄の内容を明確に認識できないように高速にスクロール変動する変動要素である。この「高速変動」の変動要素は、「非リーチ(短縮)」演出態様が選択された場合は、変動演出の冒頭に「3秒」行われ、「非リーチ(短縮)」以外の変動要素(例えば、「非リーチ(通常)」)の演出態様が選択された場合は、変動演出の冒頭に「7秒」行われる。なお、この「高速変動」の変動要素が終了した場合、後述する「低速変動」の変動要素が開始(実行)されるか、或いは、そのまま変動演出が終了するように構成されている。
「低速変動」の変動要素とは、「7秒」の「高速変動」の変動要素の実行後に開始され、第3図柄を視認可能にスクロール変動して「リーチ表示」を発生するか否かを見せる変動要素である。この「低速変動」の変動要素は、「非リーチ(短縮)」演出態様が選択された場合は実行されず、「非リーチ(短縮)」演出態様以外の演出態様(例えば、「非リーチ(通常)」演出態様)が選択された場合は、「高速変動」の変動要素の後に「3秒」行われる。即ち、「非リーチ(短縮)」演出態様では、「高速変動」の変動要素が行われた後、主表示領域Dmの各図柄列Z1~Z3が「低速変動」の変動要素を経由せずに急速に停止(所謂、ビタ止まり)するように構成されている。なお、この「低速変動」の変動要素が終了した場合は、後述する「疑似連」の変動要素が開始(実行)されるか、後述する「ノーマルリーチ」の変動要素が開始(実行)されるか、或いは、そのまま変動演出が終了するように構成されている。
従って、第1実施形態のパチンコ機10では、「非リーチ(通常)」演出態様は、「7秒」の「高速変動」の変動要素と「3秒」の「低速変動」の変動要素とを含む変動パターンで変動演出が構成される。また、「非リーチ(短縮)」演出態様は、「3秒」の「高速変動」の変動要素のみの変動パターンで変動演出が構成される。
「疑似連」の変動要素とは、1回の変動演出の中で変動演出の開始が複数回(疑似停止が1回)発生する変動要素である。具体的には、第3図柄表示装置81の各図柄列Z1~Z3にて「高速変動」の変動要素が開始されて「低速変動」の変動要素に切り替わり、その後に全図柄列Z1~Z3における変動演出が終了されて所定の停止結果(例えば、疑似連チャンス目「677」)が表示されるという単位の演出が行われる変動要素である。この「疑似連」の変動要素は、「低速変動」の変動要素後に、上記所定の停止結果が停止することで、その停止結果から再び「高速変動」の変動要素が始まって、あたかももう1回変動演出が開始されたかのような演出が実行される。
この「疑似連」の変動要素は、「低速変動」の変動要素の実行後に所定の停止結果(所謂、疑似連チャンス目)が現出し、再び2回目の「高速変動」の変動要素が実行され、その後、「ノーマルリーチ」の変動要素に発展する変動要素である。即ち、「疑似連」の変動要素は、疑似連チャンス目が表示される疑似的な変動停止(以下、「疑似停止」という)が1回行われ、その後、その疑似停止において所定の停止結果が現出して、再度、「高速変動」の変動要素を開始する変動要素である。第1実施形態のパチンコ機10では、この「疑似連」の変動要素の終了後は、少なくとも「ノーマルリーチ」の変動要素に必ず発展するように構成されている。この「疑似連」の変動要素は、「低速変動」の変動要素後に「10秒」行われる。
なお、第1実施形態では、「疑似連」の変動要素において、疑似停止の回数を1回としたが、疑似停止の回数を2回以上行われる「疑似連」の変動要素を実行するように構成してもよい。また、「疑似連」の変動要素の発生前に、疑似連チャンス目が停止するか否かの演出を行う変動要素(所謂、「疑似ガセ」の変動要素)を行うように構成してもよい。この「疑似ガセ」の変動要素では、「低速変動」の変動要素の実行後に所定の停止結果が現出するか否かの演出(例えば、上記所定の停止結果を形成する図柄が有効ラインL1(図7(a)参照)上を往復変動して停止するか否かの演出。以下、「疑似変動」という。)を行い、その「疑似変動」にて上記所定の停止結果が現出せず、「疑似連」の変動要素まで発展しないように構成してもよい。この「疑似ガセ」の変動要素を設けることで、該「疑似ガセ」の変動要素の終了後、「ノーマルリーチ」の変動要素に発展するか、或いは、「ハズレ表示」が現出(例えば、「687」)してそのまま変動演出が終了するかの遊技性を付与することができる。
「ノーマルリーチ」の変動要素は、「低速変動」の変動要素又は「疑似連」の変動要素(以下、「「低速変動」の変動要素又は「疑似連」の変動要素」を総称して、「低速変動等」の変動要素という場合がある)において左図柄列Z1及び右図柄列Z3にリーチ形成図柄が停止表示した場合に、中図柄列Z2の変動結果によって大当たりが発生するか否かを見せる変動要素である。この「ノーマルリーチ」の変動要素は、「低速変動等」の変動要素後に「10秒」行われる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、「スーパーリーチ」の変動要素に発展するパターンと、「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するパターンと、一旦、仮の「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」の変動要素を実行するパターンと、が用意されている。
「スーパーリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素において「ハズレ表示」が停止せずに中図柄列Z2の変動が継続された場合に発展して実行され、主表示領域Dmにおいて「バトル演出」を行って大当たりが発生するか否かを見せる変動要素である。この「スーパーリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に「10秒」行われる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「スーパーリーチ」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、一旦、仮の「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」の変動要素を実行するパターンと、が用意されている。
「スペシャルリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素において「ハズレ表示」が停止せずに中図柄列Z2の変動が継続された場合に発展して実行され、主表示領域Dmにおいて「競争演出」を行って大当たりが発生するか否かを見せる変動要素である。この「スペシャルリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に「20秒」行われる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「スペシャルリーチ」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、一旦、仮の「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」するパターンと、が用意されている。
なお、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するように構成されているが、この構成に代えて、「低速変動」後にリーチ形成図柄が停止した場合に、「ノーマルリーチ」の変動要素を経由せず、いきなり「スーパーリーチ」の変動要素や「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するように構成してもよい。また、「スーパーリーチ」の変動要素の実行後に「スペシャルリーチ」の変動要素が行われるように構成してもよい。
「再変動」の変動要素は、いずれかの「リーチ表示」において一旦「ハズレ表示」が現出した後に発展して実行され、「大当たり表示」を現出する変動要素である。この「再変動」の変動要素は、いずれかの「リーチ表示」後に「10秒」行われる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「再変動」の変動要素の実行後は、「大当たり表示」が現出するパターンが用意されている。
また、この「再変動」の変動要素は、大当たりに当選した場合にのみ発生するように構成されている。即ち、「ハズレ表示」の場合には、「再変動」の変動要素は実行されないように構成されている。これは、「再変動」の変動要素は、仮に停止表示された「ハズレ表示」をいずれかの「大当たり表示」に変更する変動要素であるため、大当たりに当選していない「ハズレ表示」の場合に行ってしまうと、演出上の齟齬が発生してしまう。よって、この「再変動」の変動要素は、大当たり用の変動パターンテーブル202eでのみ選定され、ハズレ用の変動パターンテーブル202eでは選定されないように構成されている。
普図当たり乱数カウンタC4は、例えば「0~99」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「99」)に達した後「0」に戻るループカウンタとして構成されている。また、普図当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該普図当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。
なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、普図当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=「0~99」)、タイマ割込処理(図23参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図35参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
普図当たり乱数カウンタC4の値は、例えば定期的(第1実施形態では、タイマ割込処理(図23参照)毎に1回)更新され、球が普通図柄ゲート67を通過したことが検知されたタイミングで、RAM203の普図保留球格納エリア203jに設けられた普図保留第1~第4エリアのいずれかの普図保留エリアに格納される。そして、普図保留球格納エリア203jに格納された順に順次普図保留球実行エリア203kにデータをシフトし、該普図保留球実行エリア203kに格納されている普図当たり乱数カウンタC4の値に対して当たり判定を行う。
普通図柄の当たりとなる乱数の値は、遊技状態毎に主制御装置110のROM202に格納される普図当たり乱数テーブル(図示せず)によって設定(例えば、低確率状態で「1/10」、高確率状態で「9/10」)されており、普図保留球実行エリア203kに格納されている普図当たりカウンタC4の値が、普図当たり乱数テーブルによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、当たりと判定される。そして、遊技状態に応じて主制御装置110のROM202に格納される普図変動時間テーブル(図示せず)が参照されて、普通図柄の可変表示時間(例えば、「3秒」又は「0.5秒」)が設定され、普通図柄表示装置83において該可変表示時間の経過後、停止図柄(普通図柄)として「○」の図柄が点灯表示される。その後、遊技状態に応じて主制御装置110のROM202に格納される普通電役制御テーブル(図示せず)が参照されて、普通電役64cの回動板の開放時間(例えば、「0.5秒」又は「5秒」)が設定され、該開放時間の間、回動板が回動作動し、その間、回動板の上面を球が転動可能に構成される。
一方、普図保留球実行エリア203kに格納されている普図当たりカウンタC4の値が、普図当たり乱数テーブル(図示せず)によって設定された当たりとなる乱数の値と一致しない場合には、ハズレと判定される。そして、遊技状態に応じて普図変動時間テーブル(図示せず)が参照されて可変表示時間(例えば、「3秒」又は「0.5秒」)が設定され、普通図柄表示装置83において該可変表示時間の経過後、停止図柄(普通図柄)として「×」の図柄が点灯表示される。
第1実施形態のパチンコ機10では、普通図柄の当否確率、普通図柄の可変表示時間および普通電役64cの回動板の開放時間のバリエーションが各遊技状態に応じてそれぞれ異なるように構成される。具体的には、例えば、「時短機能」を有さない「通常遊技状態」では、普通図柄の当否確率が低確率であって、普通図柄の可変表示時間が長時間であり、回動板の開放時間が短時間となるように設定されている。また、「時間機能」を有する「確率変動状態」又は「時間短縮状態」では、普通図柄の当否確率が高確率であって、普通図柄の可変表示時間が短時間であり、回動板の開放時間が長時間となるように設定されている。
このように、主制御装置110のRAM203には種々のカウンタ等が設けられていると共に、主制御装置110のROM202には各種テーブルが設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値と上述した各テーブル202a~202gとに応じて大当たり抽選や特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における動的表示および変動演出の設定、普通図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図8に戻り、説明を続ける。RAM203は、図9に図示したカウンタ用バッファ203cのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、インプット/アウトプット(Input/Output。以下、「I/O」と略す。)等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図35参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図34参照)において実行される。なお、MPU201のノンマスカブル割込(Non-Maskable Interrupt。以下、「NMI」と略す。)端子には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図33参照)が即座に実行される。
RAM203は、さらに、第1保留球数カウンタ203a、第2保留球数カウンタ203b、第1保留球格納エリア203d、第2保留球格納エリア203e、保留球実行エリア203f、確変領域開放タイマ203g、確変領域有効フラグ203h、確変移行フラグ203iを少なくとも有している。
第1保留球数カウンタ203aは、「4ミリ秒」毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図23参照)の中で検出される第1始動口64aへの入球(以下、第1始動口64a又は第2始動口64bへの球の入球を「始動入賞」という場合がある)に基づいて、特別図柄表示装置37で行われる第1特別図柄の動的表示(第3図柄表示装置81で行われる第1特別図柄に対応する第3図柄の変動演出)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
この第1保留球数カウンタ203aは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図34のS913)によって、初期値として「0」が設定される。そして、第1始動口64aへの始動入賞が検出されて第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)の保留球数が増加する毎に、最大値「4」まで1加算される(図24のS203参照)。一方、第1保留球数カウンタ203aは、第1特別図柄の動的表示(変動演出)が実行される毎に1減算される(図25のS308参照)。
第2保留球数カウンタ203bは、第1保留球数カウンタ203aと同様、「4ミリ秒」毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図23参照)の中で検出される第2始動口64bへの始動入賞に基づいて、特別図柄表示装置37で行われる第2特別図柄の動的表示(第3図柄表示装置81で行われる第2特別図柄に対応する第3図柄の変動演出)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
この第2保留球数カウンタ203bは、第1保留球数カウンタ203aと同様、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図34のS913)によって、初期値として「0」が設定される。そして、第2始動口64bへの始動入賞が検出されて第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)の保留球数が増加する毎に、最大値「4」まで1加算される(図24のS207参照)。一方、第2保留球数カウンタ203bは、第2特別図柄の動的表示(変動演出)が実行される毎に1減算される(図25のS305参照)。
この第1保留球数カウンタ203aの値(即ち、第1特別図柄の保留球数)又は第2保留球数カウンタ203bの値(即ち、第2特別図柄の保留球数)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図24のS210参照)。保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された第1特別図柄又は第2特別図柄の動的表示(変動演出)の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110へアクセスすることなく各特別図柄の動的表示(変動演出)の保留回数を管理することができる。また、始動入賞が検出される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ保留球数コマンドを送信することにより、音声ランプ制御装置113において管理される各特別図柄の動的表示(変動演出)の保留球数が、ノイズ等の影響によって主制御装置110に保留された実際の動的表示(変動演出)の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、その内部で管理する保留球数が変化する度に、表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Dbに保留図柄を表示する。
また、第1実施形態では、主制御装置110が音声ランプ制御装置113に対して保留球数コマンドを送信する場合、その保留球数コマンドにおいて、1加算された第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの値だけでなく、その第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの加算の契機となった上記始動入賞に伴い、カウンタ用バッファ203c(図9参照)より取得される大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値も含める。
つまり、始動入賞があった場合に、主制御装置110にてカウンタ用バッファ203cより取得した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値が、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に伝えられる。
音声ランプ制御装置113では、保留球数コマンドにより伝えられた大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を、その各値に基づく変動演出が実行される前に先読みし、当該変動演出がどうなるか(大当たりとなるか否か、変動時間はどうなるか等)をその変動演出の実行前に判断する。そして、その先読みによる判断結果に基づき、各種の演出の実行を決定したり、「保留変化予告」の演出内容及び実行時期(タイミング)を決定できるようになっている。
なお、変動演出の保留球数を示す保留球数コマンドと、大当たり乱数カウンタC1等の値を示すコマンドとを別々に送信するように構成してもよい。保留球数コマンドとは別の大当たり乱数カウンタC1等の値を示すコマンドとしては、第1始動口64a又は第2始動口64bへの球の入球タイミングで保留球数コマンドを生成すると共に、該入球に基づく変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドに類するコマンド(事前変動パターンコマンド及び事前停止種別コマンド)を生成し、音声ランプ制御装置113へ送信するように構成してもよい。この場合に、事前変動パターンコマンド及び事前停止種別コマンドの生成のプログラムに関し、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドのプログラムを流用することで、プログラムの作成を容易にすることができる。
第1保留球格納エリア203dは、上述したように、第1始動口64aへの始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ203cより取得した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。MPU201は、タイマ割込処理(図23参照)の中で、球が第1始動口64aへ入賞(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファ203cから各カウンタC1~C3,CS1の値を取得し、第1保留球格納エリア203dに格納する。第1保留球格納エリア203dは、第1特別図柄の一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC1~C3,CS1の各値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリア(第1保留第1~第4エリア)を有している(図9参照)。
第2保留球格納エリア203eは、上述したように、第2始動口64bへの始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ203cより取得した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。MPU201は、タイマ割込処理(図23参照)の中で、球が第2始動口64bへ入賞(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファ203cから各カウンタC1~C3,CS1の値を取得し、第2保留球格納エリア203eに格納する。第2保留球格納エリア203eは、第2特別図柄の一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC1~C3,CS1の各値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリア(第2保留第1~第4エリア)を有している(図9参照)。
保留球実行エリア203fは、上述したように、実行を開始する、或いは、実行中の第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選や、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等の処理において参照すべきデータ(カウンタC1~C3,CS1の各値)を記憶するためのメモリである。
MPU201は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の実行開始タイミングであることを検出すると、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選や、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等の処理を実行するために、上述した第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(カウンタC1~C3,CS1の各値)のうち、第2保留球格納エリア203eに第2特別図柄に関する始動入賞に対応するデータが記憶されている場合は、該データの一の始動入賞に対応するデータを、この保留球実行エリア203fへシフトする。一方、第2保留球格納エリア203eに第2特別図柄に関する始動入賞に対応するデータが記憶されておらず、第1保留球格納エリア203dに第1特別図柄に関する始動入賞に対応するデータが記憶されている場合は、該データの一の始動入賞に対応するデータを、この保留球実行エリア203fへシフトする。即ち、第1実施形態のパチンコ機10では、第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)が優先的に実行され、第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)は、第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)が保留されていないことを条件に実行されるように構成されている。なお、第1実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
ここで、再び図9を参照して、第1保留球格納エリア203d、第2保留球格納エリア203eおよび保留球実行エリア203fの詳細について説明する。第1保留球格納エリア203d、第2保留球格納エリア203eおよび保留球実行エリア203fは、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選や特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等を行うために、主制御装置110のMPU201により使用される。
上述したように、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選や特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定には、大当たり抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別の決定に使用する大当たり種別カウンタC2と、変動演出の演出態様の決定に使用する停止パターン選択カウンタC3と、変動パターンの決定に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。第1保留球格納エリア203dは、球が第1始動口64aへ入賞(始動入賞)した場合にMPU201によってカウンタ用バッファ203cから取得される上記カウンタC1~C3,CS1の各値をそれぞれ記憶し、第2保留球格納エリア203eは、球が第2始動口64bへ入賞(始動入賞)した場合にMPU201によってカウンタ用バッファ203cから取得される上記カウンタC1~C3,CS1の各値を記憶する。
第1保留球格納エリア203dは、4つの保留エリア(第1保留第1~第4エリア)で構成されている。4つの保留エリア(第1保留第1~第4エリア)にはそれぞれ、大当たり乱数カウンタC1の値を格納する大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1と、大当たり種別カウンタC2の値を格納する大当たり種別カウンタ格納エリア203d2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3と、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203d4とが設けられている。
また、第2保留球格納エリア203eは、第1保留球格納エリア203dと同様、4つの保留エリア(第2保留第1~第4エリア)で構成されている。4つの保留エリア(第2保留第1~第4エリア)にはそれぞれ、第1保留球格納エリア203dと同様、大当たり乱数カウンタC1の値を格納する大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1と、大当たり種別カウンタC2の値を格納する大当たり種別カウンタ格納エリア203e2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3と、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203e4とが設けられている。
なお、第1実施形態では、大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1,203e1と、大当たり種別カウンタ格納エリア203d2,203e2と、停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3,203e3と、変動種別カウンタ格納エリア203d4,203e4とを1つの保留球格納エリア203d,203eの中にそれぞれまとめて設けているが、各カウンタC1~C3,CS1毎に保留球格納エリアを複数設けるようにしてもよい。
上述した通り、第1保留球格納エリア203dには、球が第1始動口64aへ入賞(始動入賞)したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1~C3,CS1の各値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(第1保留第1~第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い第1始動口64aへの始動入賞に対応するデータが記憶され、第1保留第1エリアには、時間的に最も古い第1始動口64aへの始動入賞に対応するデータが記憶されることになる。
また、第2保留球格納エリア203eには、球が第2始動口64bへ入賞(始動入賞)したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1~C3,CS1の各値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(第2保留第1~第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い第2始動口64bへの始動入賞に対応するデータが記憶され、第2保留第1エリアには、時間的に最も古い第2始動口64bへの始動入賞に対応するデータが記憶されることになる。
一方、保留球実行エリア203fは、1つのエリアのみで構成されている。この保留球実行エリア203fには、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eと同様に、大当たり乱数カウンタC1の値を格納する大当たり乱数カウンタ格納エリア203f1と、大当たり種別カウンタC2の値を格納する大当たり種別カウンタ格納エリア203f2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203f3、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203f4とが設けられている。
MPU201は、変動演出の実行開始タイミングになったことを判断すると、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータ(各カウンタC1~C3,CS1の各値)が記憶されている場合は、該第2保留第1エリアに記憶されているデータを、この保留球実行エリア203fの各エリア203f1~203f4にそれぞれシフトする。一方、MPU201は、変動演出の実行開始タイミングとなった場合に、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータが記憶されておらず、第1保留球格納エリア203dの第1保留第1エリアにデータが記憶されているとき、該第1保留第1エリアに記憶されているデータを、この保留球実行エリア203fの各エリア203f1~203f4にそれぞれシフトする。
そして、保留球実行エリア203fにシフトされたデータを、変動開始処理(図26参照)において参照し、その参照データと遊技状態とに基づいて大当たり抽選を行うと共に、その抽選結果に対応する変動パターン及び停止種別を決定する。特別図柄表示装置37では、主制御装置110の制御により、この決定された変動パターンおよび停止種別に基づいて、動的表示が行われる。
また、ここで決定された変動パターン及び停止種別は、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドによって、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ通知される。そして、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御によって、第3図柄表示装置81では、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドにより通知された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動演出が行われる。
データのシフトの詳細について説明する。MPU201は、変動演出の実行開始タイミングとなったことを判断すると、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータが格納されているか否かを判断する。判断の結果、第2保留第1エリアにデータが格納されていると判断された場合は、第2保留第1エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1の乱数値を、保留球実行エリア203fの大当たり乱数カウンタ格納エリア203f1へシフトする。同様に、第2保留第1エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203e2の乱数値を、大当たり種別カウンタ格納エリア203f2へシフトし、第2保留第1エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3の乱数値を、停止パターン選択カウンタ格納エリア203f3へシフトし、第2保留第1エリアの変動種別カウンタ格納エリア203e4の乱数値を、変動種別カウンタ格納エリア203f4へシフトする。
そして、保留球実行エリア203fへのデータのシフトが終了すると、第2保留第1エリアが空き状態となるため、第2保留球格納エリア203eの各エリア(第2~第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号の1小さいエリア(第1~第3)に詰めるシフト処理を行う。なお、第1実施形態では、第2保留球格納エリア203eにおいて、データが記憶(保留)されている第2保留エリア(第1~第4)についてのみデータのシフトを行う。
ここで、第2保留球格納エリア203e内の各保留エリアに対して行われるデータシフトについて説明する。例えば、変動演出の開始判断が行われた時の第2保留球数カウンタ203bの値が「4」であり、第2保留球格納エリア203eの全エリア(第1~第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、第2保留第1エリアのデータが、保留球実行エリア203fへシフトされ、第2保留第1エリアが空き状態となると、MPU201は、他のエリア(第2~第4)のデータをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1~第3)にシフトする。すなわち、第2保留第2エリアのデータを、第2保留第1エリアへシフトし、第2保留第3エリアのデータを、第2保留第2エリアへシフトし、第2保留第4エリアのデータを、第2保留第3エリアへシフトする。
また、例えば、変動演出の開始判断が行われた時の第2保留球数カウンタ203bの値が「2」であれば、MPU201は、第2保留第2エリアのデータのみを、第2保留第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、第1実施形態では、データが記憶(保留)されていない第2保留エリア(第3~第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、第2保留エリア(第2~第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、第2保留エリア(第2~第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムの作成を容易とすることができる。
一方、MPU201は、変動演出の実行開始タイミングとなったときに、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータが格納されていないと判断された場合は、次いで、第1保留球格納エリア203dの第1保留第1エリアにデータが格納されているか否かを判断する。判断の結果、第1保留第1エリアにデータが格納されていれば、該第1保留第1エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1の乱数値を、保留球実行エリア203fの大当たり乱数カウンタ格納エリア203f1へシフトする。同様に、第1保留第1エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203d2の乱数値を、大当たり種別カウンタ格納エリア203f2へシフトし、第1保留第1エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3の乱数値を、停止パターン選択カウンタ格納エリア203f3へシフトし、第1保留第1エリアの変動種別カウンタ格納エリア203d4の乱数値を、変動種別カウンタ格納エリア203f4へシフトする。
そして、保留球実行エリア203fへのデータのシフトが終了すると、第1保留第1エリアが空き状態となるため、第1保留球格納エリア203dの各エリア(第2~第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号の1小さいエリア(第1~第3)に詰めるシフト処理を行う。なお、第1実施形態では、第1保留球格納エリア203dにおいて、データが記憶(保留)されている第1保留エリア(第1~第4)についてのみデータのシフトを行う。
ここで、第1保留球格納エリア203d内の各保留エリアに対して行われるデータシフトについて説明する。例えば、変動演出の開始判断が行われた時の第1保留球数カウンタ203aの値が「4」であり、第1保留球格納エリア203dの全エリア(第1~第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、第1保留第1エリアのデータが、保留球実行エリア203fへシフトされ、第1保留第1エリアが空き状態となると、MPU201は、他のエリア(第2~第4)のデータをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1~第3)にシフトする。すなわち、第1保留第2エリアのデータを、第1保留第1エリアへシフトし、第1保留第3エリアのデータを、第1保留第2エリアへシフトし、第1保留第4エリアのデータを、第1保留第3エリアへシフトする。
また、例えば、変動演出の開始判断が行われた時の第1保留球数カウンタ203aの値が「2」であれば、MPU201は、第1保留第2エリアのデータのみを、第1保留第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、第1実施形態では、データが記憶(保留)されていない第1保留エリア(第3~第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、第1保留エリア(第2~第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、第1保留エリア(第2~第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムの作成を容易とすることができる。
ここで、普図保留球格納エリア203jおよび普図保留球実行エリア203kの詳細について説明する。普図保留球格納エリア203jおよび普図保留球実行エリア203kは、普通図柄の当たり抽選や普通図柄表示装置83の可変表示の設定等を行うために、主制御装置110のMPU201により使用される。
普図保留球格納エリア203jは、普通図柄ゲート67への球の通過の検出に伴ってカウンタ用バッファ203cより取得した普図当たりカウンタC4を記憶するためのメモリである。MPU201は、タイマ割込処理(図23参照)の中で、球が普通図柄ゲート67を通過したことを検出すると、カウンタ用バッファ203cから普図当たりカウンタC4の値を取得し、普図保留球格納エリア203jに格納する。普図保留球格納エリア203jは、普通図柄の一の保留球に対応するデータ(普図当たりカウンタC4の値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリア(普図保留第1~第4エリア)を有している(図9参照)。
普図保留球実行エリア203kは、実行を開始する、或いは、実行中の普通図柄の当たり抽選や可変表示の処理において参照すべきデータ(普図当たり乱数カウンタC4の値)を記憶するためのメモリである。
MPU201は、普通図柄の可変表示の実行開始タイミングであることを検出すると、普通図柄の当たり抽選や普通図柄表示装置83の可変表示の設定等の処理を実行するために、上述した普図保留球格納エリア203jに記憶されているデータ(普図当たり乱数カウンタC4の値)のうち、一のデータをこの普図保留球実行エリア203kへシフトする。なお、第1実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
上述したように、普通図柄の当たり抽選や普通図柄表示装置83の可変表示の設定には、普通図柄の当たり抽選に使用する普図当たり乱数カウンタC4が用いられる。普図保留球格納エリア203jは、球が普通図柄ゲート67を通過した場合にMPU201によってカウンタ用バッファ203cから取得される普図当たり乱数カウンタC4の値を記憶する。
また、上述した通り、普図保留球格納エリア203jには、球が普通図柄ゲート67を通過したタイミングで取得されるデータ(普図当たり乱数カウンタC4の値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(普図保留第1~第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号が小さいエリアほど、時間的に古い普通図柄ゲート67への球の通過に対応するデータが記憶され、普図保留第1エリアには、時間的に最も古い普通図柄ゲート67への球の通過に対応するデータが記憶されることになる。
一方、普図保留球実行エリア203kは、1つのエリアのみで構成されている。この普図保留球実行エリア203kには、普図保留球格納エリア203jと同様に、普図当たり乱数カウンタC4の値を格納する普図当たり乱数カウンタ格納エリア(図示せず)が設けられている。
MPU201は、普通図柄の可変表示の実行タイミングになったことを判断すると、普図保留球格納エリア203jの普図保留第1エリアに記憶されているデータを、この普図保留球実行エリア203kにシフトする。
そして、普図保留球実行エリア203kにシフトされたデータを、普図変動処理(図23のS111参照)において参照し、その参照データと遊技状態とに基づいて、当たり抽選を行うと共に、可変表示の内容を決定する。普通図柄表示装置83では、主制御装置110の制御により、この決定された内容に基づいて、可変表示が行われる。
データのシフトの詳細について説明する。MPU201は、普通図柄の可変表示の実行開始タイミングとなったことを判断すると、普図保留球格納エリア203jの普図保留第1エリアの普図当たり乱数カウンタ格納エリア(図示せず)の乱数値を、普図保留球実行エリア203kの普図当たり乱数カウンタ格納エリア(図示せず)へシフトする。
そして、普図保留球実行エリア203kへのデータのシフトが終了すると、普図保留第1エリアが空き状態となるため、普図保留球格納エリア203jの各エリア(第2~第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号が1小さいエリア(第1~第3)に詰めるシフト処理を行う。なお、第1実施形態では、普図保留球格納エリア203jにおいて、データが記憶(保留)されている普図保留エリア(第1~第4)についてのみデータのシフトを行う。
ここで、普図保留球格納エリア203j内の各保留エリアに対して行われるデータシフトについて説明する。例えば、普通図柄の可変表示の開始判断が行われた時の普通図柄の保留数が4個であり、普図保留球格納エリア203jの全エリア(第1~第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、普図保留第1エリアのデータが、普図保留球実行エリア203kへシフトされ、普図保留第1エリアが空き状態となると、MPU201は、他のエリア(第2~第4)のデータをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1~第3)にシフトする。すなわち、普図保留第2エリアのデータを、普図保留第1エリアへシフトし、普図保留第3エリアのデータを、普図保留第2エリアへシフトし、普図保留第4エリアのデータを、普図保留第3エリアへシフトする。
また、例えば、普通図柄の可変表示の開始判断が行われた時の普通図柄の保留数2個であれば、MPU201は、普図保留第2エリアのデータのみを、普図保留第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、第1実施形態では、データが記憶(保留)されていない普図保留エリア(第3~第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、普図保留エリア(第2~第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、普図保留エリア(第2~第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムの作成を容易とすることができる。
図8に戻り、説明を続ける。RAM203に設けられた確変領域開放タイマ203gは、確変領域開閉板75aの開放期間を判別するためのタイマである。この確変領域開放タイマ203gは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図34のS913参照)によって、初期値として「0」が設定される。そして、大当たりにおける各ラウンドの開放設定処理(図29参照)において、確変領域75の開放タイミングと判別された場合(例えば、大当たり種別「確率変動A」の1ラウンド目)において、確変領域75の開放時間に対応する所定の値(例えば、「7500」)が設定され(図29のS438参照)、それに伴い確変領域ソレノイド75bがオンに設定される(図29のS439参照)。確変領域ソレノイド75bがオフからオンに設定されると、確変領域開閉板75aが突出状態から没入状態へと変化し、確変領域75が開放状態となる。
その後、この確変領域開放タイマ203gに値が設定されていることを前提として、「4ミリ秒」毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図23参照)の中で実行される大当たり時の開放中処理(図30参照)が実行される毎に、該確変領域開放タイマ203gの値が1減算される(図30のS442参照)。そして、確変領域開放タイマ203gの値が「0」となった場合に、確変領域75の開放時間が経過したとして、確変領域ソレノイド75bをオフに設定される(図30のS444参照)。確変領域ソレノイド75bがオンからオフに設定されると、確変領域開閉板75aが没入状態から突出状態へと変化し、確変領域75が閉鎖状態となる。
確変領域有効フラグ203hは、オン状態で確変領域75が有効に設定されていることを示すためのフラグである。第1実施形態では、確変領域有効フラグ203hがオンに設定されている状況において、確変領域スイッチ75cによって球が検知された場合に、後述する確変移行フラグ203iがオンに設定され、大当たり終了後に「確率変動状態」が発生するように構成されている。
この確変領域有効フラグ203hは、パチンコ機10の電源投入時に初期値としてオフに設定される。そして、特別図柄の大当たりに当選した場合に、該大当たりの大当たり種別に基づいて、大当たり中の各ラウンド開始毎に、確変領域75の開放に伴って確変領域75を有効にするタイミングか否かを判別し、該確変領域75を有効にするタイミングと判別された場合に、この確変領域有効フラグ203hがオンに設定される(図29のS441参照)。
具体的には、確変領域有効フラグ203hは、大当たり種別「潜伏確率変動A」、「潜伏確率変動B」、「潜伏確率変動C」及び「確率変動A」における確変領域75の開放開始時においてオンに設定される。また、上述した大当たり種別以外の大当たり種別のすべてのラウンド、即ち、確変領域75は閉鎖されている場合であっても確変領域75が開放される場合であってもすべてオフに設定される。また、可変入賞装置72,74の開放中に、確変領域75を無効にすべきタイミングが到来した場合(例えば、可変入賞装置72,74の開放開始から5秒が経過した場合や、可変入賞装置72,74が閉鎖された場合、或いは、大当たり終了時)に、この確変領域有効フラグ203hがオフに設定される(図30のS454参照)。
確変移行フラグ203iは、オン状態で「確率変動状態」が発生することを示すためのフラグである。この確変移行フラグ203iは、パチンコ機10の電源投入時に初期値としてオフに設定される。そして、大当たり中において、確変領域有効フラグ203hがオンに設定されている場合に確変領域スイッチ75cによって球が検知されることにより(図30のS446:Yes)、オフ状態の確変移行フラグ203iがオンに設定される(図30のS447参照)。その後、大当たり終了処理(図32参照)において、この確変移行フラグ203iがオンされていることによって「確率変動状態」を設定する場合、即ち、後述するSTカウンタの値に「100」を設定した場合に(図30のS472参照)、確変移行フラグ203iがオフに設定される(図32のS473参照)。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111と、音声ランプ制御装置113と、特別図柄表示装置37と、普通図柄表示装置83と、普通図柄保留ランプ84と、アタッカーユニット71とが接続されている。
アタッカーユニット71には、駆動装置として、第1可変入賞装置72の第1開閉板72aの下辺を軸として前方側に開閉駆動するための第1大入賞口ソレノイド72bと、第2可変入賞装置74の第2開閉板74aの下辺を軸として前方側に開閉駆動する第2大入賞口ソレノイド74bと、確変領域75の確変領域開閉板75aを開閉駆動するための確変領域ソレノイド75bと、が設けられている。そして、入出力ポート205には、上述したソレノイド72b,74b,75bの他、その他の駆動装置(図示せず)を駆動させるためのその他ソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、検出装置として、アタッカーユニット71の第1可変入賞装置72に設けられて、該第1可変入賞装置72に入賞した球を検知する第1大入賞口スイッチ72cと、アタッカーユニット71の第2可変入賞装置74に設けられて、該第2可変入賞装置74に入賞した球を検知する第2大入賞口スイッチ74cと、アタッカーユニット71の確変領域75内に設けられて、該確変領域75を通過する球を検知する確変領域スイッチ75cと、アタッカーユニット71の排出通路76内を通過する球を検知する排出スイッチ76aと、アウト口66(図3参照)に流入した球を検知するアウトスイッチ66aと、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなるその他スイッチ208と、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253とが接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
ここで、図14から図22を参照して、各大当たり種別の各ラウンド毎における球の検出態様と、第1可変入賞装置72の開閉状況(即ち、第1開閉板72aを開閉駆動する第1大入賞口ソレノイド72bのオン又はオフ)と、第1可変入賞装置72に流入した球の検知状況(即ち、第1大入賞口スイッチ72cのオン又はオフ)と、第2可変入賞装置74の開閉状況(即ち、第2開閉板74aを開閉駆動する第2大入賞口ソレノイド74bのオン又はオフ)と、第2可変入賞装置74に流入した球の検知状況(即ち、第2大入賞口スイッチ74cのオン又はオフ)と、第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74が共に閉鎖されている期間であるインターバル期間(以下、単に「インターバル」と称する場合がある)の状況と、確変領域75の開閉状況(即ち、確変領域開閉板75aを開閉駆動する確変領域ソレノイド75bのオン又はオフ)と、確変領域75への球の流入状況(即ち、確変領域スイッチ75cのオン又はオフ)と、「確率変動状態」へ移行状況(即ち、確変移行フラグ203iのオン又はオフ)とを説明する。
なお、図14から図22において、説明の便宜上、確変領域75の有効又は無効の設定状況(即ち、確変領域有効フラグ203hのオン又はオフ)は、確変領域ソレノイド75bがオンされている場合は常に確変領域有効フラグ203hがオン、即ち、確変領域75が開放されている間は、確変領域スイッチ75cによる球の検知によって確変移行フラグ203iがオンされる場合について説明する。
まず、図14及び図15を参照して、大当たり種別「時短A」の各ラウンド毎における球の検出態様等について説明する。図14は、第1特別図柄の大当たり種別「時短A」の各ラウンドにおける第1大入賞口ソレノイド72b、第2大入賞口ソレノイド74b及び確変領域ソレノイド75bの作動タイミングと、第1大入賞口スイッチ72c、第2大入賞口スイッチ74c及び確変領域スイッチ75cにおける球の検知タイミングと、インターバルと確変移行フラグ203iの設定タイミングとを模式的に示したタイミングチャートである。また、図15は、第1特別図柄の大当たり種別「時短A」の1ラウンド目から3ラウンド目における第1大入賞口ソレノイド72b、第2大入賞口ソレノイド74b及び確変領域ソレノイド75bの作動タイミングと、第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74の閉鎖期間であるインターバルのタイミングと、第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74に入賞した球が確変領域開閉板75aまで到達するまでの時間と、第1大入賞口スイッチ72c、第2大入賞口スイッチ74c及び確変領域スイッチ75cにおける球の検知タイミングと、確変移行フラグ203iの設定タイミングとの各時間の関係を模式的に示したタイミングチャートである。以下、図14において各タイミングを説明しながら、図15を適宜参照して詳細な時間について説明する。
図14で示すように、大当たり種別「時短A」では、計5ラウンドの大当たり遊技が実行され、各ラウンド毎の開始時に開放パターン「X1」にて第1大入賞口ソレノイド72b又は第2大入賞口ソレノイド74b(以下、第1大入賞口ソレノイド72b及び第2大入賞口ソレノイド74bを総称して、「大入賞口ソレノイド72b,74b」と称する場合がある)がオンされて、対応する第1開閉板72a又は第2開閉板74a(以下、第1開閉板72a及び第2開閉板74aを総称して、「開閉板72a,74a」と称する場合がある)が開放される。即ち、大当たり種別「時短A」では、奇数ラウンドにおいて第1大入賞口ソレノイド72bがオンされて第1開閉板72aが開放され、偶数ラウンドにおいて第2大入賞口ソレノイド74bがオンされて第2開閉板74aが開放される。そして、各ラウンドにおいて、所定条件(第1実施形態では、開放から最大で「30秒」経過(図15のMax t1参照。Max t1<「30000ミリ秒(以下、ミリ秒を「ms」と略す場合がある)」。)、又は、第1大入賞口スイッチ72c又は第2大入賞口スイッチ74c(以下、第1大入賞口スイッチ72c及び第2大入賞口スイッチ74cを総称して、「大入賞口スイッチ72c,74c」と称する場合がある)によって球を10個検出、のいずれか一方の事象)が成立した場合に、大入賞口ソレノイド72b,74bがオフされて開閉板72a,74aが閉鎖され、1のラウンドが終了する。
また、大当たり種別「時短A」では、確変領域75の開閉パターンが「A」である。このため、1ラウンド目において、第1大入賞口ソレノイド72bがオンされるのと同期して確変領域ソレノイド75bが初動動作として一瞬(例えば、「50ms」)オンされ、確変領域ソレノイド75bが正常に駆動するか否かを認識可能に構成されている。なお、第1実施形態のパチンコ機10では、確変領域ソレノイド75bが「50ms」オンされた場合であっても、確変領域開閉板75aの開放時間が極めて短時間であるため、確変領域ソレノイド75bの初動動作期間中は、球が確変領域75へ流入困難に構成されている(以下、各ラウンドについて同様)。
この初動動作において、仮に、確変領域ソレノイド75bが正常に駆動しない場合は、所定のエラー報知(例えば、「可変入賞装置72,74駆動異常発生」等のエラーメッセージの表示)等のエラー処理を実行し、該エラー処理に伴い、現在の遊技状態をバックアップしつつ、遊技の進行を停止するように構成されている。このように、エラーに伴い遊技の進行を止めることで、「確率変動状態」が付与されないといった遊技者に不利益を被らせる事態を防止することができる。なお、確変領域ソレノイド75bの初動動作の開始契機は、大入賞口ソレノイド72b,74bのオンではなく、大入賞口スイッチ72c,74cによって1カウント目の球が検出された場合に、実行されるように構成してもよい。
確変領域ソレノイド75bの初動動作の後は、一旦、所定時間(例えば、「50ms」)の間、確変領域ソレノイド75bをオフし、その後、確変領域ソレノイド75bが一定時間(第1実施形態では、「3000ms」)オンされる(図15のt2参照。t2=「3000ms」。)なお、確変領域ソレノイド75bのオフ契機は、大入賞口ソレノイド72b,74bのオンから一定期間後ではなく、大入賞口スイッチ72c,74cによって所定カウント目(例えば、3カウント目)の球が検出された場合に、実行されるように構成してもよい。
このとき、大当たり種別「時短A」の可変入賞装置72,74の開放パターンは「X1」であるため、確変領域75が開放されている1ラウンド目には、該確変領域75の配設位置から遠い第1可変入賞装置72から球がアタッカーユニット71内に流入するように設定されている。第1可変入賞装置72に入賞した球は、上述したように、第1大入賞口検知前通路72d(図15における「右前」参照)を約0.8秒(図15のt3参照。t3=「800ms」。)で流下するとともに、第1大入賞口検知後通路72e(図15における「右後」参照)を約2.5秒(図15のt4参照。t4=「2500ms」。)で流下するように構成されている。即ち、第1可変入賞装置72から球が流入した場合であっても、該球が確変領域開閉板75aの配設位置に到達するまでに少なくとも約3.3秒(即ち、「3300ms」)以上要する。このため、第1大入賞口ソレノイド72bのオンと同期して「3.1秒」(初動動作「50ms」+初動動作後閉鎖時間「50ms」+確変領域75開放時間「3000ms」=「3100ms」)の間、オンされる確変領域ソレノイド75bのオン中に、第1可変入賞装置72から流入した球が、該確変領域開閉板75aの配設位置まで到達し得ない。よって、大当たり種別「時短A」の1ラウンド目において、確変領域75が開放されるものの、該確変領域75に球が流入し得ず、確変領域スイッチ75cによって球が検出されないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる(図14及び図15参照)。
次いで、大当たり種別「時短A」の2ラウンド目において、第2大入賞口ソレノイド74bが所定時間(図15のMax t1参照)オンされ、確変領域75の配設位置から近い第2可変入賞装置74から球がアタッカーユニット71内に流入し得る。第2可変入賞装置74に入賞した球は、上述したように、第2大入賞口検知前通路74d(図15における「左前」参照)を約0.3秒(図15のt5参照。t5=「300ms」。)で流下するとともに、第2大入賞口検知後通路74e(図15における「左後」参照)を約0.7秒(図15のt6参照。t6=「700ms」。)で流下するように構成されている。即ち、第2可変入賞装置74から球が流入した場合、該球が確変領域開閉板75aの配設位置に到達するまでに少なくとも約1.0秒(即ち、t5+t6=「1000ms」)以上を要するが、約3.0秒以内には該確変領域開閉板75aの配設位置まで到達可能に構成されている。
しかしながら、大当たり種別「時短A」の確変領域75の開放パターンは「A」であるので、大当たり種別「時短A」の2ラウンド目において、確変領域ソレノイド75bはオンされず、確変領域75へ球が流入し得ないように設定されている。即ち、確変領域75の配設位置から近い第2可変入賞装置74から球が流入し得るものの、確変領域75が開放されていないことから、確変領域75に球が流入し得ず、確変領域スイッチ75cによって球が検出されないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる(図14及び図15参照)。
ここで、大当たり種別「時短A」における2ラウンド目と3ラウンド目の間には、アタッカーユニット71内に入賞した球が該アタッカーユニット71外へ排出されるための待機時間として、第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74が共に開放されないインターバルが所定時間(図15のt7参照。第1実施形態では、「2秒」。)が実行されるように構成されている。即ち、2ラウンド目において、第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に入賞した球が、少なくとも確変領域開閉板75aの配設位置を通過し得るまで、次ラウンドを実行し得ないように構成されている。具体的には、第2可変入賞装置74に入賞した球が確変領域開閉板75aの配設位置に到達するまでの時間(即ち、t5+t6=「1000ms」)以上の時間(即ち、t5+t6<t7となるt7の時間)が、インターバル時間として設定されている。
これは、2ラウンド目において第2可変入賞装置74から入賞した球がアタッカーユニット71内に存在している状況で3ラウンド目が開始され、該3ラウンド目の開始と同期して確変領域ソレノイド75bをオンしてしまった場合、2ラウンド目において第2可変入賞装置74から入賞した球が、3ラウンド目において開放されている確変領域75へ流入してしまい、意図しない「確率変動状態」が発生し得るおそれがある。
そこで、「確率変動状態」を発生し得ない大当たり種別「時短A」において、確変領域75が開放され得る大当たりの途中ラウンド(即ち、3ラウンド目)の開始前にインターバルを実行して、アタッカーユニット71内に球が存在しない状態にしてから、確変領域75を開放するラウンドを実行する。このように構成することで、意図しない「確率変動状態」の付与を阻止できる。よって、遊技仕様の想定通りの遊技価値を遊技者に付与し、遊技場に不測の損失が発生することを防止することができる。
なお、第1実施形態のパチンコ機10において、少なくともインターバルが実行されている期間(例えば、2ラウンド目、インターバル及び3ラウンド目を含む期間)において、遊技者によって大当たり終了後の演出態様を決定するための「キャラクタ選択」演出が実行されるように構成されている。インターバル期間中に「キャラクタ選択」演出を実行することで、遊技者に「キャラクタ選択」演出に着目させ、相対的に第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74への注目度を低下させることで、インターバルが実行されていることを察知し難くすることができる。この「キャラクタ選択」演出の詳細については、後述する。
次いで、インターバル時間の終了後、大当たり種別「時短A」の3ラウンド目において、第1大入賞口ソレノイド72bが所定時間(図15のMax t1参照)オンされ、確変領域75の配設位置から遠い第1可変入賞装置72から球がアタッカーユニット71内に流入するように設定されている。第1可変入賞装置72に入賞した球は、1ラウンド目と同様、該球が確変領域開閉板75aの配設位置に到達するまでに少なくとも約3.3秒(即ち、t3+t4=「3300ms」)以上要する。このため、第1大入賞口ソレノイド72bのオンと同期して「3.1秒」(初動動作「50ms」+初動動作後閉鎖時間「50ms」+確変領域75開放時間「3000ms」=「3100ms」)の間、オンされる確変領域ソレノイド75bのオン中に、第1可変入賞装置72から流入した球が、該確変領域開閉板75aの配設位置まで到達し得ない。よって、大当たり種別「時短A」の3ラウンド目においても、確変領域75が開放されるものの、該確変領域75に球が流入し得ず、確変領域スイッチ75cによって球が検出されないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる(図14及び図15参照)。
なお、大当たり種別「時短A」の4ラウンド目及び5ラウンド目では、確変領域ソレノイド75bがオンされず、確変領域75へ球が流入し得ないように設定されている。即ち、いずれの可変入賞装置72,74から球が流入したとしても、確変領域75が開放されていないことから、確変領域75に球が流入し得ず、確変領域スイッチ75cによって球が検出されないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる(図14及び図15参照)。
よって、大当たり種別「時短A」では、アタッカーユニット71内に球が流入した場合であっても、確変領域開閉板75aが開放されているタイミングで該確変領域開閉板75aの配設位置に球が到来しないように構成されている。このため、確変領域スイッチ75cによって球が検出されないことから、確変移行フラグ203iもオフのままとなり、該大当たり種別「時短A」の終了後に「確率変動状態」が発生し得ないように構成される。
次に、図16を参照して、大当たり種別「時短B」の各ラウンド毎における球の検出態様等について説明する。図16は、第1特別図柄の大当たり種別「時短B」の各ラウンドにおける第1大入賞口ソレノイド72b、第2大入賞口ソレノイド74b及び確変領域ソレノイド75bの作動タイミングと、第1大入賞口スイッチ72c、第2大入賞口スイッチ74c及び確変領域スイッチ75cにおける球の検知タイミングと、インターバルと確変移行フラグ203iの設定タイミングとを模式的に示したタイミングチャートである。
図16で示すように、大当たり種別「時短B」では、計5ラウンドの大当たり遊技が実行され、各ラウンド毎の開始時に開放パターン「X2」にて大入賞口ソレノイド72b,74bがオンされて、対応する開閉板72a,74aが開放される。即ち、大当たり種別「時短B」では、奇数ラウンドにおいて第2大入賞口ソレノイド74bがオンされて第2開閉板74aが開放され、偶数ラウンドにおいて第1大入賞口ソレノイド72bがオンされて第1開閉板72aが開放される。そして、各ラウンドにおいて、所定条件(第1実施形態では、開放から最大で「30秒」経過、又は、大入賞口スイッチ72c,74cによって球を10個検出、のいずれか一方の事象)が成立した場合に、大入賞口ソレノイド72b,74bがオフされて開閉板72a,74aが閉鎖され、1のラウンドが終了する。
また、大当たり種別「時短B」では、可変入賞装置72,74の開閉パターンが「X2」である。このため、まず、大当たり種別「時短B」の1ラウンド目において、第2大入賞口ソレノイド74bが所定時間オンされ、確変領域75の配設位置から近い第2可変入賞装置74から球がアタッカーユニット71内に流入し得る。第2可変入賞装置74に入賞した球は、上述したように、第2大入賞口検知前通路74dを約0.3秒で流下するとともに、第2大入賞口検知後通路74eを約0.7秒で流下するように構成されている。即ち、第2可変入賞装置74から球が流入した場合、該球が確変領域開閉板75aの配設位置に到達するまでに少なくとも約1.0秒(即ち、t5+t6=「1000ms」)以上を要するが、約3.0秒以内には該確変領域開閉板75aの配設位置まで到達可能に構成されている。
しかしながら、大当たり種別「時短B」の確変領域75の開放パターンは「B」であるので、大当たり種別「時短B」の1ラウンド目において、確変領域ソレノイド75bはオンされず、確変領域75へ球が流入し得ないように設定されている。即ち、確変領域75の配設位置から近い第2可変入賞装置74から球が流入し得るものの、確変領域75が開放されていないことから、確変領域75に球が流入し得ず、確変領域スイッチ75cによって球が検出されないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる(図16参照)。
次いで、大当たり種別「時短B」における1ラウンド目と2ラウンド目の間には、アタッカーユニット71内に入賞した球が該アタッカーユニット71外へ排出されるための待機時間として、大当たり種別「時短A」の場合と同様、第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74が共に開放されないインターバルが所定時間が実行されるように構成されている。即ち、1ラウンド目において、第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に入賞した球が、少なくとも確変領域開閉板75aの配設位置を通過し得るまで、次ラウンドを実行し得ないように構成されている。具体的には、第2可変入賞装置74に入賞した球が確変領域開閉板75aの配設位置に到達するまでの時間以上の時間が、インターバル時間として設定されている。
次いで、インターバル時間の終了後、大当たり種別「時短B」の2ラウンド目において、第1大入賞口ソレノイド72bが所定時間オンされ、確変領域75の配設位置から遠い第1可変入賞装置72から球がアタッカーユニット71内に流入するように設定されている。第1可変入賞装置72に入賞した球は、該球が確変領域開閉板75aの配設位置に到達するまでに少なくとも約3.3秒以上要する。
ここで、大当たり種別「時短B」の確変領域75の開閉パターンは「B」であるので、2ラウンド目において確変領域75が第1開閉板72aの開放と同期して開放される。このため、第1大入賞口ソレノイド72bのオンと同期して「3.1秒」の間、オンされる確変領域ソレノイド75bのオン中に、第1可変入賞装置72から流入した球が、該確変領域開閉板75aの配設位置まで到達し得ない。よって、大当たり種別「時短B」の2ラウンド目において、確変領域75が開放されるものの、該確変領域75に球が流入し得ず、確変領域スイッチ75cによって球が検出されないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる(図16参照)。
次いで、大当たり種別「時短B」の3ラウンド目において、第2大入賞口ソレノイド74bが所定時間オンされ、確変領域75の配設位置から近い第2可変入賞装置74から球がアタッカーユニット71内に流入し得る。第2可変入賞装置74に入賞した球は、上述したように、第2大入賞口検知前通路74dで流下するとともに、第2大入賞口検知後通路74eで流下するように構成されている。即ち、第2可変入賞装置74から球が流入した場合、該球が確変領域開閉板75aの配設位置に到達するまでに少なくとも約1.0秒以上を要するが、約3.0秒以内には該確変領域開閉板75aの配設位置まで到達可能に構成されている。
しかしながら、大当たり種別「時短B」の確変領域75の開放パターンは「B」であるので、大当たり種別「時短B」の3ラウンド目において、確変領域ソレノイド75bはオンされず、確変領域75へ球が流入し得ないように設定されている。即ち、確変領域75の配設位置から近い第2可変入賞装置74から球が流入し得るものの、確変領域75が開放されていないことから、確変領域75に球が流入し得ず、確変領域スイッチ75cによって球が検出されないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる(図16参照)。
ここで、大当たり種別「時短B」の3ラウンド目では、確変領域ソレノイド75bがオンされないため、該3ラウンド目では如何様に可変入賞装置72,74を開放した場合であっても確変領域75へ球が流入し得ない。このため、2ラウンド目と3ラウンド目との間にインターバルが設ける必要がなく、2ラウンド目の第1可変入賞装置72の閉鎖後、インターバルを経ることなく直ちに3ラウンド目の第2可変入賞装置74が開放される。このように構成することで、大当たりに要する時間を短縮化し、遊技者に遊技価値の付与を迅速に行うことができる。
一方、大当たり種別「時短B」における3ラウンド目と4ラウンド目の間には、アタッカーユニット71内に入賞した球が該アタッカーユニット71外へ排出されるための待機時間として、第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74が共に開放されないインターバルが所定時間が実行されるように構成されている。なお、このインターバル時間は、大当たり種別「時短A」のインターバル時間と同等である。
次いで、インターバル時間の終了後、大当たり種別「時短B」の4ラウンド目において、第1大入賞口ソレノイド72bが所定時間オンされ、確変領域75の配設位置から遠い第1可変入賞装置72から球がアタッカーユニット71内に流入するように設定されている。第1可変入賞装置72に入賞した球は、2ラウンド目と同様、該球が確変領域開閉板75aの配設位置に到達するまでに少なくとも約3.3秒以上要する。このため、第1大入賞口ソレノイド72bのオンと同期して「3.1秒」の間、オンされる確変領域ソレノイド75bのオン中に、第1可変入賞装置72から流入した球が、該確変領域開閉板75aの配設位置まで到達し得ない。よって、大当たり種別「時短B」の4ラウンド目においても、確変領域75が開放されるものの、該確変領域75に球が流入し得ず、確変領域スイッチ75cによって球が検出されないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる(図16参照)。
なお、大当たり種別「時短B」の5ラウンド目では、確変領域ソレノイド75bがオンされず、確変領域75へ球が流入し得ないように設定されている。即ち、いずれの可変入賞装置72,74から球が流入したとしても、確変領域75が開放されていないことから、確変領域75に球が流入し得ず、確変領域スイッチ75cによって球が検出されないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる(図16参照)。
よって、大当たり種別「時短B」では、アタッカーユニット71内に球が流入した場合であっても、確変領域開閉板75aが開放されているタイミングで該確変領域開閉板75aの配設位置に球が到来しないように構成されている。このため、大当たり種別「時短A」と同様、確変領域スイッチ75cによって球が検出されないことから、確変移行フラグ203iもオフのままとなり、該大当たり種別「時短B」の終了後に「確率変動状態」が発生し得ないように構成される。
次に、図17及び図18を参照して、大当たり種別「潜伏確率変動A」の各ラウンド毎における球の検出態様等について説明する。図17は、第1特別図柄の大当たり種別「潜伏確率変動A」の各ラウンドにおける第1大入賞口ソレノイド72b、第2大入賞口ソレノイド74b及び確変領域ソレノイド75bの作動タイミングと、第1大入賞口スイッチ72c、第2大入賞口スイッチ74c及び確変領域スイッチ75cにおける球の検知タイミングと、インターバルと確変移行フラグ203iの設定タイミングとを模式的に示したタイミングチャートである。また、図18は、第1特別図柄の大当たり種別「潜伏確率変動A」の1ラウンド目から3ラウンド目における第1大入賞口ソレノイド72b、第2大入賞口ソレノイド74b及び確変領域ソレノイド75bの作動タイミングと、第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74の閉鎖期間であるインターバルのタイミングと、第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74に入賞した球が確変領域開閉板75aまで到達するまでの時間と、第1大入賞口スイッチ72c、第2大入賞口スイッチ74c及び確変領域スイッチ75cにおける球の検知タイミングと、確変移行フラグ203iの設定タイミングとの各時間の関係を模式的に示したタイミングチャートである。以下、図17において各タイミングを説明しながら、図18を適宜参照して詳細な時間について説明する。
図17で示すように、大当たり種別「潜伏確率変動A」では、計5ラウンドの大当たり遊技が実行され、各ラウンド毎の開始時に開放パターン「X1」にて大入賞口ソレノイド72b,74bがオンされて、対応する開閉板72a,74aが開放される。即ち、大当たり種別「潜伏確率変動A」では、奇数ラウンドにおいて第1大入賞口ソレノイド72bがオンされて第1開閉板72aが開放され、偶数ラウンドにおいて第2大入賞口ソレノイド74bがオンされて第2開閉板74aが開放される。そして、各ラウンドにおいて、大当たり種別「時短A」等と同様、所定条件(第1実施形態では、開放から最大で「30秒」経過(図18のMax t1参照。Max t1<「30000ms」。)、又は、大入賞口スイッチ72c,74cによって球を10個検出、のいずれか一方の事象)が成立した場合に、大入賞口ソレノイド72b,74bがオフされて開閉板72a,74aが閉鎖され、1のラウンドが終了する。
また、大当たり種別「潜伏確率変動A」では、可変入賞装置72,74の開閉パターンが「X1」である。このため、まず、大当たり種別「潜伏確率変動A」の1ラウンド目において、第1大入賞口ソレノイド72bが所定時間オンされ、確変領域75の配設位置から遠い第1可変入賞装置72から球がアタッカーユニット71内に流入し得る。
第1可変入賞装置72に入賞した球は、上述したように、第1大入賞口検知前通路72dを約0.8秒(図18のt3参照)で流下するとともに、第1大入賞口検知後通路72eを約2.5秒(図18のt4参照)で流下するように構成されている。即ち、第1可変入賞装置72から球が流入した場合、該球が確変領域開閉板75aの配設位置に到達するまでに少なくとも約3.3秒(即ち、t3+t4=「3300ms」)以上を要する。このとき、大当たり種別「潜伏確率変動A」の確変領域75の開閉パターンは「B」であるので、該大当たり種別「潜伏確率変動A」の1ラウンド目では、確変領域75が開放されていないことから、確変領域75に球が流入し得ず、確変領域スイッチ75cによって球が検出されないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる(図17及び図18参照)。
次いで、大当たり種別「潜伏確率変動A」の2ラウンド目において、第2大入賞口ソレノイド74bが所定時間(図18のMax t1参照)オンされ、確変領域75の配設位置から近い第2可変入賞装置74から球がアタッカーユニット71内に流入し得る。第2可変入賞装置74に入賞した球は、上述したように、第2大入賞口検知前通路74d(図18における「左前」参照)を約0.3秒(図18のt5参照。t5=「300ms」。)で流下するとともに、第2大入賞口検知後通路74e(図18における「左後」参照)を約0.7秒(図18のt6参照。t6=「700ms」。)で流下するように構成されている。即ち、第2可変入賞装置74から球が流入した場合、該球が確変領域開閉板75aの配設位置に到達するまでに少なくとも約1.0秒(即ち、t5+t6=「1000ms」)以上を要するが、約3.0秒以内には該確変領域開閉板75aの配設位置まで到達可能に構成されている。
ここで、大当たり種別「潜伏確率変動A」では、確変領域75の開閉パターンが「B」である。そして、2ラウンド目において、第2大入賞口ソレノイド74bがオンされるのと同期して確変領域ソレノイド75bが初動動作を行い、その後、確変領域ソレノイド75bが一定時間(第1実施形態では、「3000ms」)オンされる(図18のt2参照。t2=「3000ms」。)。このため、第2大入賞口ソレノイド74bのオンと同期して「3.1秒」(初動動作「50ms」+初動動作後閉鎖時間「50ms」+確変領域75開放時間「3000ms」=「3100ms」)の間、オンされる確変領域ソレノイド75bのオン中に、第2可変入賞装置74から流入した球が、該確変領域開閉板75aの配設位置まで到達し得る(t5+t6<t2)。よって、大当たり種別「潜伏確率変動A」の2ラウンド目において、確変領域75の開放中に、第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に流入した球が、該確変領域75に流入し得て、確変領域スイッチ75cによって検出されて、該検出に伴って確変移行フラグ203iがオンに設定される(図17及び図18参照)。
また、大当たり種別「潜伏確率変動A」の1ラウンド目と2ラウンド目との間には、インターバル時間が設定されていない。このため、1ラウンド目において、第1可変入賞装置72が閉鎖された直後に、直ちに2ラウンド目の第2可変入賞装置74が開放されるとともに、該開放に伴って確変領域75も開放される。即ち、1ラウンド目において、第1可変入賞装置72の閉鎖条件を達成した入賞球(例えば、10カウント目)がアタッカーユニット71内に残存している状態で、2ラウンド目における確変領域75の開放が行われる。このため、該1ラウンド目で入賞した入賞球が、2ラウンド目で開放される確変領域75に流入可能に構成される。
このように、「確率変動状態」を付与し得る大当たり種別の場合において、確変領域75を開放するラウンドの開始前にインターバル時間を設定しないことで、確変領域75を開放するラウンドの前ラウンドにおいてアタッカーユニット71内に入賞した球を確変領域75へ流入させることが可能となる。その結果、「確率変動状態」を付与し得る大当たり種別において、より確実に確変領域75へ球を流入させ易く構成し、「確率変動状態」を的確に発生させることができる。
次いで、大当たり種別「潜伏確率変動A」における2ラウンド目と3ラウンド目の間には、大当たり種別「時短A」と同様のタイミングで、第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74が共に開放されないインターバルが所定時間(図18のt7参照。第1実施形態では、「2秒」。)が実行されるように構成されている。即ち、大当たり種別「潜伏確率変動A」では、大当たり種別「時短A」における可変入賞装置72,74の開閉態様と同等の可変入賞装置72,74の開閉が行われる。これにより、可変入賞装置72,74の開閉パターンのみでは大当たり種別を判別できないようにして、遊技者にいずれの大当たり種別に当選しているかを認識し難く(不可に)構成し、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。
次いで、インターバル期間の経過後、大当たり種別「潜伏確率変動A」の3ラウンド目において、第1大入賞口ソレノイド72bが所定時間オンされ、確変領域75の配設位置から遠い第1可変入賞装置72から球がアタッカーユニット71内に流入し得る。第1可変入賞装置72に入賞した球は、上述したように、第1大入賞口検知前通路72dを約0.8秒(図18のt3参照)で流下するとともに、第1大入賞口検知後通路72eを約2.5秒(図18のt4参照)で流下するように構成されている。即ち、第1可変入賞装置72から球が流入した場合、該球が確変領域開閉板75aの配設位置に到達するまでに少なくとも約3.3秒(即ち、t3+t4=「3300ms」)以上を要する。このとき、大当たり種別「潜伏確率変動A」の3ラウンド目では、確変領域75が開放されていないことから、確変領域75に球が流入し得ず、確変領域スイッチ75cによって球が検出されないように構成されている(図17及び図18参照)。
次いで、大当たり種別「潜伏確率変動A」の4ラウンド目において、第2大入賞口ソレノイド74bが所定時間オンされ、確変領域75の配設位置から近い第2可変入賞装置74から球がアタッカーユニット71内に流入し得る。第2可変入賞装置74に入賞した球は、2ラウンド目と同様、該球が確変領域開閉板75aの配設位置に到達するまでに少なくとも約1.0秒(即ち、t5+t6=「1000ms」)以上を要するが、約3.0秒以内には該確変領域開閉板75aの配設位置まで到達可能に構成されている。
ここで、大当たり種別「潜伏確率変動A」では、確変領域75の開閉パターンが「B」である。そして、4ラウンド目において、2ラウンド目と同様、第2大入賞口ソレノイド74bがオンされるのと同期して確変領域ソレノイド75bが初動動作を行い、その後、確変領域ソレノイド75bが一定時間(第1実施形態では、「3000ms」)オンされる。このため、第2大入賞口ソレノイド74bのオンと同期して「3.1秒」(初動動作「50ms」+初動動作後閉鎖時間「50ms」+確変領域75開放時間「3000ms」=「3100ms」)の間、オンされる確変領域ソレノイド75bのオン中に、第2可変入賞装置74から流入した球が、該確変領域開閉板75aの配設位置まで到達し得る(t5+t6<t2)。よって、大当たり種別「潜伏確率変動A」の4ラウンド目においても、2ラウンド目と同様、確変領域75の開放中に、第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に流入した球が、該確変領域75に流入し得て、確変領域スイッチ75cによって検出され得るように構成されている。このため、2ラウンド目において確変移行フラグ203iがオンされていない場合、4ラウンド目における上記確変領域スイッチ75cによる球の検出に伴って確変移行フラグ203iがオンに設定され得る(図17参照)。
なお、大当たり種別「潜伏確率変動A」の5ラウンド目では、確変領域ソレノイド75bがオンされず、確変領域75へ球が流入し得ないように設定されている。即ち、いずれの可変入賞装置72,74から球が流入したとしても、確変領域75が開放されていないことから、確変領域75に球が流入し得ず、確変領域スイッチ75cによって球が検出されないように構成されている(図17参照)。
よって、大当たり種別「潜伏確率変動A」では、2ラウンド目と4ラウンド目とでそれぞれ確変領域75が開放され、さらに、第2可変入賞装置74(第1可変入賞装置72)から流入した球が確変領域75の開放中に該確変領域75へ流入可能に構成されているため、各ラウンドにおいてそれぞれ確変移行フラグ203iがオンに設定され得る。そして、該大当たりの終了時に、この確変移行フラグ203iを参照して、「確率変動状態」が設定される。
また、大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させる大当たり種別「潜伏確率変動A」に当選した場合に、その大当たりにおける複数のラウンド(即ち、2ラウンド目及び4ラウンド目)において、確変領域75へ球が流入可能に構成されている。よって、仮に、確変領域75が開放されている先のラウンド(即ち、2ラウンド目)において、何らかの事情(例えば、発射球不足等)により確変領域75へ球を通過させれなかった場合であっても、後にラウンド(即ち、4ラウンド目)までに当該事情を解消し、該後のラウンドにおいて確変領域75に球を通過させることが可能となる。従って、急なトラブル(例えば、発射異常等の遊技異常や、遊技者の体調不良等)によって、1のラウンドにおいて開放されている確変領域75へ球を通過させることに支障が生じた場合であっても、他のラウンドにおいて開放されている確変領域75へ球を通過させる可能性を設けることで、不測の事態によって遊技者が不利益を被ることなく、快適な遊技を実現することができる。
次に、図19を参照して、大当たり種別「潜伏確率変動B」の各ラウンド毎における球の検出態様等について説明する。図19は、第1特別図柄の大当たり種別「潜伏確率変動B」の各ラウンドにおける第1大入賞口ソレノイド72b、第2大入賞口ソレノイド74b及び確変領域ソレノイド75bの作動タイミングと、第1大入賞口スイッチ72c、第2大入賞口スイッチ74c及び確変領域スイッチ75cにおける球の検知タイミングと、インターバルと確変移行フラグ203iの設定タイミングとを模式的に示したタイミングチャートである。
図19で示すように、大当たり種別「潜伏確率変動B」では、計5ラウンドの大当たり遊技が実行され、各ラウンド毎の開始時に開放パターン「X2」にて大入賞口ソレノイド72b,74bがオンされて、対応する開閉板72a,74aが開放される。即ち、大当たり種別「潜伏確率変動B」では、奇数ラウンドにおいて第2大入賞口ソレノイド74bがオンされて第2開閉板74aが開放され、偶数ラウンドにおいて第1大入賞口ソレノイド72bがオンされて第1開閉板72aが開放される。そして、各ラウンドにおいて、大当たり種別「時短A」等と同様、所定条件(第1実施形態では、開放から最大で「30秒」経過、又は、大入賞口スイッチ72c,74cによって球を10個検出、のいずれか一方の事象)が成立した場合に、大入賞口ソレノイド72b,74bがオフされて開閉板72a,74aが閉鎖され、1のラウンドが終了する。
また、大当たり種別「潜伏確率変動B」では、可変入賞装置72,74の開閉パターンが「Y1」である。このため、まず、大当たり種別「潜伏確率変動B」の1ラウンド目において、第2大入賞口ソレノイド74bが所定時間オンされ、確変領域75の配設位置から近い第2可変入賞装置74から球がアタッカーユニット71内に流入し得る。第2可変入賞装置74に入賞した球は、上述したように、第2大入賞口検知前通路74dを約0.3秒で流下するとともに、第2大入賞口検知後通路74eを約0.7秒で流下するように構成されている。即ち、第2可変入賞装置74から球が流入した場合、該球が確変領域開閉板75aの配設位置に到達するまでに少なくとも約1.0秒以上を要するが、約3.0秒以内には該確変領域開閉板75aの配設位置まで到達可能に構成されている。
ここで、大当たり種別「潜伏確率変動B」では、確変領域75の開閉パターンが「A」である。そして、1ラウンド目において、第2大入賞口ソレノイド74bがオンされるのと同期して確変領域ソレノイド75bが初動動作を行い、その後、確変領域ソレノイド75bが一定時間(第1実施形態では、「3000ms」)オンされる。このため、第2大入賞口ソレノイド74bのオンと同期して「3.1秒」(初動動作「50ms」+初動動作後閉鎖時間「50ms」+確変領域75開放時間「3000ms」=「3100ms」)の間、オンされる確変領域ソレノイド75bのオン中に、第2可変入賞装置74から流入した球が、該確変領域開閉板75aの配設位置まで到達し得る。よって、大当たり種別「潜伏確率変動B」の1ラウンド目において、確変領域75の開放中に、第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に流入した球が、該確変領域75に流入し得て、確変領域スイッチ75cによって検出されて、該検出に伴って確変移行フラグ203iがオンに設定される(図19参照)。
次いで、大当たり種別「潜伏確率変動B」における1ラウンド目と2ラウンド目の間には、大当たり種別「時短B」と同様のタイミングで、第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74が共に開放されないインターバルが所定時間が実行されるように構成されている。即ち、大当たり種別「潜伏確率変動B」では、大当たり種別「時短B」における可変入賞装置72,74の開閉態様と同等の可変入賞装置72,74の開閉が行われる。これにより、可変入賞装置72,74の開閉パターンのみでは大当たり種別を判別できないようにして、遊技者にいずれの大当たり種別に当選しているかを認識し難く(不可に)構成し、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。
次いで、インターバル期間の経過後、大当たり種別「潜伏確率変動B」の2ラウンド目において、第1大入賞口ソレノイド72bが所定時間オンされ、確変領域75の配設位置から遠い第1可変入賞装置72から球がアタッカーユニット71内に流入し得る。第1可変入賞装置72に入賞した球は、上述したように、第1大入賞口検知前通路72dを約0.8秒で流下するとともに、第1大入賞口検知後通路72eを約2.5秒で流下するように構成されている。即ち、第1可変入賞装置72から球が流入した場合、該球が確変領域開閉板75aの配設位置に到達するまでに少なくとも約3.3秒以上を要する。このとき、大当たり種別「潜伏確率変動B」の2ラウンド目では、確変領域75が開放されていないことから、確変領域75に球が流入し得ず、確変領域スイッチ75cによって球が検出されないように構成されている(図19参照)。
次いで、大当たり種別「潜伏確率変動A」の3ラウンド目において、第2大入賞口ソレノイド74bが所定時間オンされ、確変領域75の配設位置から近い第2可変入賞装置74から球がアタッカーユニット71内に流入し得る。第2可変入賞装置74に入賞した球は、1ラウンド目と同様、該球が確変領域開閉板75aの配設位置に到達するまでに少なくとも約1.0秒以上を要するが、約3.0秒以内には該確変領域開閉板75aの配設位置まで到達可能に構成されている。
ここで、大当たり種別「潜伏確率変動B」では、確変領域75の開閉パターンが「A」である。そして、3ラウンド目において、1ラウンド目と同様、第2大入賞口ソレノイド74bがオンされるのと同期して確変領域ソレノイド75bが初動動作を行い、その後、確変領域ソレノイド75bが一定時間(第1実施形態では、「3000ms」)オンされる。このため、第2大入賞口ソレノイド74bのオンと同期して「3.1秒」(初動動作「50ms」+初動動作後閉鎖時間「50ms」+確変領域75開放時間「3000ms」=「3100ms」)の間、オンされる確変領域ソレノイド75bのオン中に、第2可変入賞装置74から流入した球が、該確変領域開閉板75aの配設位置まで到達し得る。よって、大当たり種別「潜伏確率変動B」の3ラウンド目においても、1ラウンド目と同様、確変領域75の開放中に、第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に流入した球が、該確変領域75に流入し得て、確変領域スイッチ75cによって検出され得るように構成されている。このため、1ラウンド目において確変移行フラグ203iがオンされていない場合、3ラウンド目における上記確変領域スイッチ75cによる球の検出に伴って確変移行フラグ203iがオンに設定され得る(図19参照)。
また、大当たり種別「潜伏確率変動B」の2ラウンド目と3ラウンド目との間には、インターバル時間が設定されていない。このため、2ラウンド目において、第1可変入賞装置72が閉鎖された直後に、直ちに3ラウンド目の第2可変入賞装置74が開放されるとともに、該開放に伴って確変領域75も開放される。即ち、2ラウンド目において、少なくとも第1可変入賞装置72の閉鎖条件を達成した入賞球(例えば、10カウント目)がアタッカーユニット71内に残存している状態で、3ラウンド目における確変領域75の開放が行われる。このため、該2ラウンド目で入賞した入賞球が、3ラウンド目で開放される確変領域75に流入可能に構成される。
次いで、大当たり種別「潜伏確率変動B」における3ラウンド目と4ラウンド目の間には、大当たり種別「時短B」と同様のタイミングで、第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74が共に開放されないインターバルが所定時間が実行されるように構成されている。即ち、大当たり種別「潜伏確率変動B」では、大当たり種別「時短B」における可変入賞装置72,74の開閉態様と同等の可変入賞装置72,74の開閉が行われる。
なお、大当たり種別「潜伏確率変動B」の4ラウンド目及び5ラウンド目では、確変領域ソレノイド75bがオンされず、確変領域75へ球が流入し得ないように設定されている。即ち、いずれの可変入賞装置72,74から球が流入したとしても、確変領域75が開放されていないことから、確変領域75に球が流入し得ず、確変領域スイッチ75cによって球が検出されないように構成されている(図19参照)。
よって、大当たり種別「潜伏確率変動B」では、1ラウンド目と3ラウンド目とでそれぞれ確変領域75が開放され、さらに、第2可変入賞装置74(第1可変入賞装置72)から流入した球が確変領域75の開放中に該確変領域75へ流入可能に構成されているため、各ラウンドにおいてそれぞれ確変移行フラグ203iがオンに設定され得る。そして、該大当たりの終了時に、この確変移行フラグ203iを参照して、「確率変動状態」が設定される。
次に、図20を参照して、大当たり種別「確率変動A」の各ラウンド毎における球の検出態様等について説明する。図20は、第1特別図柄及び第2特別図柄の大当たり種別「確率変動A」の各ラウンドにおける第1大入賞口ソレノイド72b、第2大入賞口ソレノイド74b及び確変領域ソレノイド75bの作動タイミングと、第1大入賞口スイッチ72c、第2大入賞口スイッチ74c及び確変領域スイッチ75cにおける球の検知タイミングと、インターバルと確変移行フラグ203iの設定タイミングとを模式的に示したタイミングチャートである。
図20で示すように、大当たり種別「確率変動A」では、計10ラウンドの大当たり遊技が実行され、各ラウンド毎の開始時に開放パターン「Y1」にて大入賞口ソレノイド72b,74bがオンされて、対応する開閉板72a,74aが開放される。即ち、大当たり種別「確率変動A」では、奇数ラウンドにおいて第2大入賞口ソレノイド74bがオンされて第2開閉板74aが開放され、偶数ラウンドにおいて第1大入賞口ソレノイド72bがオンされて第1開閉板72aが開放される。そして、各ラウンドにおいて、大当たり種別「時短A」等と同様、所定条件(第1実施形態では、開放から最大で「30秒」経過、又は、大入賞口スイッチ72c,74cによって球を10個検出、のいずれか一方の事象)が成立した場合に、大入賞口ソレノイド72b,74bがオフされて開閉板72a,74aが閉鎖され、1のラウンドが終了する。
また、大当たり種別「確率変動A」では、可変入賞装置72,74の開閉パターンが「Y1」である。このため、まず、大当たり種別「確率変動A」の1ラウンド目において、第2大入賞口ソレノイド74bが所定時間オンされ、確変領域75の配設位置から近い第2可変入賞装置74から球がアタッカーユニット71内に流入し得る。第2可変入賞装置74に入賞した球は、上述したように、第2大入賞口検知前通路74dを約0.3秒で流下するとともに、第2大入賞口検知後通路74eを約0.7秒で流下するように構成されている。即ち、第2可変入賞装置74から球が流入した場合、該球が確変領域開閉板75aの配設位置に到達するまでに少なくとも約1.0秒以上を要するが、約3.0秒以内には該確変領域開閉板75aの配設位置まで到達可能に構成されている。
ここで、大当たり種別「確率変動A」では、確変領域75の開閉パターンが「C」である。そして、1ラウンド目において、第2大入賞口ソレノイド74bがオンされるのと同期して確変領域ソレノイド75bが初動動作を行い、その後、確変領域ソレノイド75bが一定時間(第1実施形態では、「3000ms」)オンされる。このため、第2大入賞口ソレノイド74bのオンと同期して「3.1秒」(初動動作「50ms」+初動動作後閉鎖時間「50ms」+確変領域75開放時間「3000ms」=「3100ms」)の間、オンされる確変領域ソレノイド75bのオン中に、第2可変入賞装置74から流入した球が、該確変領域開閉板75aの配設位置まで到達し得る。よって、大当たり種別「確率変動A」の1ラウンド目において、確変領域75の開放中に、第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に流入した球が、該確変領域75に流入し得て、確変領域スイッチ75cによって検出されて、該検出に伴って確変移行フラグ203iがオンに設定される(図20参照)。
次いで、大当たり種別「確率変動A」の2ラウンド目において、第1大入賞口ソレノイド72bが所定時間オンされ、確変領域75の配設位置から遠い第1可変入賞装置72から球がアタッカーユニット71内に流入し得る。第1可変入賞装置72に入賞した球は、上述したように、第1大入賞口検知前通路72dを約0.8秒で流下するとともに、第1大入賞口検知後通路72eを約2.5秒で流下するように構成されている。即ち、第1可変入賞装置72から球が流入した場合、該球が確変領域開閉板75aの配設位置に到達するまでに少なくとも約3.3秒以上を要する。このとき、大当たり種別「確率変動A」の2ラウンド目では、確変領域75が開放されていないことから、確変領域75に球が流入し得ず、確変領域スイッチ75cによって球が検出されないように構成されている(図20参照)。
次いで、大当たり種別「確率変動A」の3ラウンド目において、第2大入賞口ソレノイド74bが所定時間オンされ、確変領域75の配設位置から近い第2可変入賞装置74から球がアタッカーユニット71内に流入し得る。第2可変入賞装置74に入賞した球は、1ラウンド目と同様、該球が確変領域開閉板75aの配設位置に到達するまでに少なくとも約1.0秒以上を要するが、約3.0秒以内には該確変領域開閉板75aの配設位置まで到達可能に構成されている。
ここで、大当たり種別「確率変動A」では、確変領域75の開閉パターンが「C」である。そして、3ラウンド目において、1ラウンド目と同様、第2大入賞口ソレノイド74bがオンされるのと同期して確変領域ソレノイド75bが初動動作を行い、その後、確変領域ソレノイド75bが一定時間(第1実施形態では、「3000ms」)オンされる。このため、第2大入賞口ソレノイド74bのオンと同期して「3.1秒」(初動動作「50ms」+初動動作後閉鎖時間「50ms」+確変領域75開放時間「3000ms」=「3100ms」)の間、オンされる確変領域ソレノイド75bのオン中に、第2可変入賞装置74から流入した球が、該確変領域開閉板75aの配設位置まで到達し得る。よって、大当たり種別「確率変動A」の3ラウンド目においても、1ラウンド目と同様、確変領域75の開放中に、第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に流入した球が、該確変領域75に流入し得て、確変領域スイッチ75cによって検出され得るように構成されている。このため、1ラウンド目において確変移行フラグ203iがオンされていない場合、3ラウンド目における上記確変領域スイッチ75cによる球の検出に伴って確変移行フラグ203iがオンに設定され得る(図20参照)。
また、大当たり種別「確率変動A」の2ラウンド目と3ラウンド目との間(大当たり種別「確率変動A」のすべてのラウンド間で同様)には、インターバル時間が設定されていない。このため、2ラウンド目において、第1可変入賞装置72が閉鎖された直後に、直ちに3ラウンド目の第2可変入賞装置74が開放されるとともに、該開放に伴って確変領域75も開放される。即ち、2ラウンド目において、少なくとも第1可変入賞装置72の閉鎖条件を達成した入賞球(例えば、10カウント目)がアタッカーユニット71内に残存している状態で、3ラウンド目における確変領域75の開放が行われる。このため、該2ラウンド目で入賞した入賞球が、3ラウンド目で開放される確変領域75に流入可能に構成される。
次いで、大当たり種別「潜伏確率変動B」の4ラウンド目乃至8ラウンド目、及び、10ラウンド目では、確変領域ソレノイド75bがオンされず、確変領域75へ球が流入し得ないように設定されている。即ち、いずれの可変入賞装置72,74から球が流入したとしても、確変領域75が開放されていないことから、確変領域75に球が流入し得ず、確変領域スイッチ75cによって球が検出されないように構成されている(図20参照)。
一方、大当たり種別「確率変動A」の9ラウンド目において、第2大入賞口ソレノイド74bが所定時間オンされ、確変領域75の配設位置から近い第2可変入賞装置74から球がアタッカーユニット71内に流入し得る。第2可変入賞装置74に入賞した球は、1ラウンド目及び3ラウンド目と同様、該球が確変領域開閉板75aの配設位置に到達するまでに少なくとも約1.0秒以上を要するが、約3.0秒以内には該確変領域開閉板75aの配設位置まで到達可能に構成されている。
ここで、大当たり種別「確率変動A」では、確変領域75の開閉パターンが「C」である。そして、9ラウンド目において、1ラウンド目及び3ラウンド目と同様、第2大入賞口ソレノイド74bがオンされるのと同期して確変領域ソレノイド75bが初動動作を行い、その後、確変領域ソレノイド75bが一定時間(第1実施形態では、「3000ms」)オンされる。このため、第2大入賞口ソレノイド74bのオンと同期して「3.1秒」(初動動作「50ms」+初動動作後閉鎖時間「50ms」+確変領域75開放時間「3000ms」=「3100ms」)の間、オンされる確変領域ソレノイド75bのオン中に、第2可変入賞装置74から流入した球が、該確変領域開閉板75aの配設位置まで到達し得る。よって、大当たり種別「確率変動A」の9ラウンド目においても、1ラウンド目及び3ラウンド目と同様、確変領域75の開放中に、第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に流入した球が、該確変領域75に流入し得て、確変領域スイッチ75cによって検出され得るように構成されている。このため、1ラウンド目及び3ラウンド目において確変移行フラグ203iがオンされていない場合、9ラウンド目における上記確変領域スイッチ75cによる球の検出に伴って確変移行フラグ203iがオンに設定され得る(図20参照)。
よって、大当たり種別「確率変動A」では、1ラウンド目と3ラウンド目と9ラウンド目とでそれぞれ確変領域75が開放され、さらに、第2可変入賞装置74(第1可変入賞装置72)から流入した球が確変領域75の開放中に該確変領域75へ流入可能に構成されているため、大当たり種別「潜伏確率変動A」等より多くのラウンドにおいてそれぞれ確変移行フラグ203iがオンに設定され得る。そして、該大当たりの終了時に、この確変移行フラグ203iを参照して、「確率変動状態」が設定される。このように構成することで、大当たり種別「確率変動A」において、より確実に確変領域75へ球を流入させ易く構成し、「確率変動状態」を的確に発生させることができる。
次に、図21を参照して、大当たり種別「時短C」の各ラウンド毎における球の検出態様等について説明する。図21は、第2特別図柄の大当たり種別「時短C」の各ラウンドにおける第1大入賞口ソレノイド72b、第2大入賞口ソレノイド74b及び確変領域ソレノイド75bの作動タイミングと、第1大入賞口スイッチ72c、第2大入賞口スイッチ74c及び確変領域スイッチ75cにおける球の検知タイミングと、インターバルと確変移行フラグ203iの設定タイミングとを模式的に示したタイミングチャートである。
図21で示すように、大当たり種別「時短C」では、計10ラウンドの大当たり遊技が実行され、各ラウンド毎の開始時に開放パターン「Y2」にて大入賞口ソレノイド72b,74bがオンされて、対応する開閉板72a,74aが開放される。即ち、大当たり種別「時短C」では、奇数ラウンドにおいて第1大入賞口ソレノイド72bがオンされて第1開閉板72aが開放され、偶数ラウンドにおいて第2大入賞口ソレノイド74bがオンされて第2開閉板74aが開放される。そして、各ラウンドにおいて、所定条件(第1実施形態では、開放から最大で「30秒」経過、又は、大入賞口スイッチ72c,74cによって球を10個検出、のいずれか一方の事象)が成立した場合に、大入賞口ソレノイド72b,74bがオフされて開閉板72a,74aが閉鎖され、1のラウンドが終了する。
また、大当たり種別「時短C」では、可変入賞装置72,74の開閉パターンが「Y2」である。このため、まず、大当たり種別「時短C」の1ラウンド目において、第1大入賞口ソレノイド72bが所定時間オンされ、確変領域75の配設位置から遠い第1可変入賞装置72から球がアタッカーユニット71内に流入し得る。第1可変入賞装置72に入賞した球は、該球が確変領域開閉板75aの配設位置に到達するまでに少なくとも約3.3秒以上要する。
ここで、大当たり種別「時短C」の確変領域75の開閉パターンは「A」であるので、1ラウンド目において確変領域75が第1開閉板72aの開放と同期して開放される。このため、第1大入賞口ソレノイド72bのオンと同期して「3.1秒」の間、オンされる確変領域ソレノイド75bのオン中に、第1可変入賞装置72から流入した球が、該確変領域開閉板75aの配設位置まで到達し得ない。よって、大当たり種別「時短C」の1ラウンド目において、確変領域75が開放されるものの、該確変領域75に球が流入し得ず、確変領域スイッチ75cによって球が検出されないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる(図21参照)。
次いで、大当たり種別「時短C」の2ラウンド目において、第2大入賞口ソレノイド74bが所定時間オンされ、確変領域75の配設位置から近い第2可変入賞装置74から球がアタッカーユニット71内に流入し得る。第2可変入賞装置74に入賞した球は、上述したように、第2大入賞口検知前通路74dで流下するとともに、第2大入賞口検知後通路74eで流下するように構成されている。即ち、第2可変入賞装置74から球が流入した場合、該球が確変領域開閉板75aの配設位置に到達するまでに少なくとも約1.0秒以上を要するが、約3.0秒以内には該確変領域開閉板75aの配設位置まで到達可能に構成されている。
しかしながら、大当たり種別「時短C」の確変領域75の開放パターンは「A」であるので、大当たり種別「時短C」の2ラウンド目において、確変領域ソレノイド75bはオンされず、確変領域75へ球が流入し得ないように設定されている。即ち、確変領域75の配設位置から近い第2可変入賞装置74から球が流入し得るものの、確変領域75が開放されていないことから、確変領域75に球が流入し得ず、確変領域スイッチ75cによって球が検出されないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる(図21参照)。
次いで、大当たり種別「時短C」における2ラウンド目と3ラウンド目の間には、アタッカーユニット71内に入賞した球が該アタッカーユニット71外へ排出されるための待機時間として、大当たり種別「時短A」等の場合と同様、第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74が共に開放されないインターバルが所定時間が実行されるように構成されている。即ち、2ラウンド目において、第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に入賞した球が、少なくとも確変領域開閉板75aの配設位置を通過し得るまで、次ラウンドを実行し得ないように構成されている。具体的には、第2可変入賞装置74に入賞した球が確変領域開閉板75aの配設位置に到達するまでの時間以上の時間が、インターバル時間として設定されている。
次いで、インターバル時間の終了後、大当たり種別「時短C」の3ラウンド目において、第1大入賞口ソレノイド72bが所定時間オンされ、確変領域75の配設位置から遠い第1可変入賞装置72から球がアタッカーユニット71内に流入するように設定されている。第1可変入賞装置72に入賞した球は、該球が確変領域開閉板75aの配設位置に到達するまでに少なくとも約3.3秒以上要する。
ここで、大当たり種別「時短C」の確変領域75の開閉パターンは「A」であるので、3ラウンド目において確変領域75が第1開閉板72aの開放と同期して開放される。このため、第1大入賞口ソレノイド72bのオンと同期して「3.1秒」の間、オンされる確変領域ソレノイド75bのオン中に、第1可変入賞装置72から流入した球が、該確変領域開閉板75aの配設位置まで到達し得ない。よって、大当たり種別「時短C」の3ラウンド目において、確変領域75が開放されるものの、該確変領域75に球が流入し得ず、確変領域スイッチ75cによって球が検出されないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる(図21参照)。
なお、大当たり種別「時短C」の4ラウンド目乃至10ラウンド目では、確変領域ソレノイド75bがオンされず、確変領域75へ球が流入し得ないように設定されている。即ち、いずれの可変入賞装置72,74から球が流入したとしても、確変領域75が開放されていないことから、確変領域75に球が流入し得ず、確変領域スイッチ75cによって球が検出されないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる(図21参照)。
よって、大当たり種別「時短C」では、アタッカーユニット71内に球が流入した場合であっても、確変領域開閉板75aが開放されているタイミングで該確変領域開閉板75aの配設位置に球が到来しないように構成されている。このため、大当たり種別「時短A」及び「時短B」と同様、確変領域スイッチ75cによって球が検出されないことから、確変移行フラグ203iもオフのままとなり、該大当たり種別「時短B」の終了後に「確率変動状態」が発生し得ないように構成される。
次に、図22を参照して、大当たり種別「潜伏確率変動C」の各ラウンド毎における球の検出態様等について説明する。図22は、第2特別図柄の大当たり種別「潜伏確率変動C」の各ラウンドにおける第1大入賞口ソレノイド72b、第2大入賞口ソレノイド74b及び確変領域ソレノイド75bの作動タイミングと、第1大入賞口スイッチ72c、第2大入賞口スイッチ74c及び確変領域スイッチ75cにおける球の検知タイミングと、インターバルと確変移行フラグ203iの設定タイミングとを模式的に示したタイミングチャートである。
図22で示すように、大当たり種別「潜伏確率変動C」では、計10ラウンドの大当たり遊技が実行され、各ラウンド毎の開始時に開放パターン「Y2」にて大入賞口ソレノイド72b,74bがオンされて、対応する開閉板72a,74aが開放される。即ち、大当たり種別「潜伏確率変動C」では、奇数ラウンドにおいて第1大入賞口ソレノイド72bがオンされて第1開閉板72aが開放され、偶数ラウンドにおいて第2大入賞口ソレノイド74bがオンされて第2開閉板74aが開放される。そして、各ラウンドにおいて、大当たり種別「時短C」等と同様、所定条件(第1実施形態では、開放から最大で「30秒」経過、又は、大入賞口スイッチ72c,74cによって球を10個検出、のいずれか一方の事象)が成立した場合に、大入賞口ソレノイド72b,74bがオフされて開閉板72a,74aが閉鎖され、1のラウンドが終了する。
また、大当たり種別「潜伏確率変動C」では、可変入賞装置72,74の開閉パターンが「Y2」である。このため、まず、大当たり種別「潜伏確率変動A」の1ラウンド目において、第1大入賞口ソレノイド72bが所定時間オンされ、確変領域75の配設位置から遠い第1可変入賞装置72から球がアタッカーユニット71内に流入し得る。
第1可変入賞装置72に入賞した球は、上述したように、第1大入賞口検知前通路72dを約0.8秒で流下するとともに、第1大入賞口検知後通路72eを約2.5秒で流下するように構成されている。即ち、第1可変入賞装置72から球が流入した場合、該球が確変領域開閉板75aの配設位置に到達するまでに少なくとも約3.3秒以上を要する。このとき、大当たり種別「潜伏確率変動C」の確変領域75の開閉パターンは「B」であるので、該大当たり種別「潜伏確率変動C」の1ラウンド目では、確変領域75が開放されていないことから、確変領域75に球が流入し得ず、確変領域スイッチ75cによって球が検出されないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる(図22参照)。
次いで、大当たり種別「潜伏確率変動C」の2ラウンド目において、第2大入賞口ソレノイド74bが所定時間オンされ、確変領域75の配設位置から近い第2可変入賞装置74から球がアタッカーユニット71内に流入し得る。第2可変入賞装置74に入賞した球は、上述したように、第2大入賞口検知前通路74dを約0.3秒で流下するとともに、第2大入賞口検知後通路74eを約0.7秒で流下するように構成されている。即ち、第2可変入賞装置74から球が流入した場合、該球が確変領域開閉板75aの配設位置に到達するまでに少なくとも約1.0秒以上を要するが、約3.0秒以内には該確変領域開閉板75aの配設位置まで到達可能に構成されている。
ここで、大当たり種別「潜伏確率変動C」では、確変領域75の開閉パターンが「B」である。そして、2ラウンド目において、第2大入賞口ソレノイド74bがオンされるのと同期して確変領域ソレノイド75bが初動動作を行い、その後、確変領域ソレノイド75bが一定時間(第1実施形態では、「3000ms」)オンされる。このため、第2大入賞口ソレノイド74bのオンと同期して「3.1秒」(初動動作「50ms」+初動動作後閉鎖時間「50ms」+確変領域75開放時間「3000ms」=「3100ms」)の間、オンされる確変領域ソレノイド75bのオン中に、第2可変入賞装置74から流入した球が、該確変領域開閉板75aの配設位置まで到達し得る。よって、大当たり種別「潜伏確率変動C」の2ラウンド目において、確変領域75の開放中に、第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に流入した球が、該確変領域75に流入し得て、確変領域スイッチ75cによって検出されて、該検出に伴って確変移行フラグ203iがオンに設定される(図22参照)。
また、大当たり種別「潜伏確率変動C」の1ラウンド目と2ラウンド目との間には、大当たり種別「潜伏確率変動A」の1ラウンド目と2ラウンド目と同様、インターバル時間が設定されていない。このため、1ラウンド目において、第1可変入賞装置72が閉鎖された直後に、直ちに2ラウンド目の第2可変入賞装置74が開放されるとともに、該開放に伴って確変領域75も開放される。即ち、1ラウンド目において、第1可変入賞装置72の閉鎖条件を達成した入賞球(例えば、10カウント目)がアタッカーユニット71内に残存している状態で、2ラウンド目における確変領域75の開放が行われる。このため、該1ラウンド目で入賞した入賞球が、2ラウンド目で開放される確変領域75に流入可能に構成される。
次いで、大当たり種別「潜伏確率変動C」における2ラウンド目と3ラウンド目の間には、大当たり種別「時短C」と同様のタイミングで、第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74が共に開放されないインターバルが所定時間(第1実施形態では、「2秒」)が実行されるように構成されている。即ち、大当たり種別「潜伏確率変動C」では、大当たり種別「時短C」における可変入賞装置72,74の開閉態様と同等の可変入賞装置72,74の開閉が行われる。これにより、可変入賞装置72,74の開閉パターンのみでは大当たり種別を判別できないようにして、遊技者にいずれの大当たり種別に当選しているかを認識し難く(不可に)構成し、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。
次いで、インターバル期間の経過後、大当たり種別「潜伏確率変動C」の3ラウンド目において、第1大入賞口ソレノイド72bが所定時間オンされ、確変領域75の配設位置から遠い第1可変入賞装置72から球がアタッカーユニット71内に流入し得る。第1可変入賞装置72に入賞した球は、上述したように、第1大入賞口検知前通路72dを約0.8秒で流下するとともに、第1大入賞口検知後通路72eを約2.5秒で流下するように構成されている。即ち、第1可変入賞装置72から球が流入した場合、該球が確変領域開閉板75aの配設位置に到達するまでに少なくとも約3.3秒以上を要する。このとき、大当たり種別「潜伏確率変動C」の3ラウンド目では、確変領域75が開放されていないことから、確変領域75に球が流入し得ず、確変領域スイッチ75cによって球が検出されないように構成されている(図22参照)。
次いで、大当たり種別「潜伏確率変動C」の4ラウンド目において、第2大入賞口ソレノイド74bが所定時間オンされ、確変領域75の配設位置から近い第2可変入賞装置74から球がアタッカーユニット71内に流入し得る。第2可変入賞装置74に入賞した球は、2ラウンド目と同様、該球が確変領域開閉板75aの配設位置に到達するまでに少なくとも約1.0秒以上を要するが、約3.0秒以内には該確変領域開閉板75aの配設位置まで到達可能に構成されている。
ここで、大当たり種別「潜伏確率変動C」では、確変領域75の開閉パターンが「B」である。そして、4ラウンド目において、2ラウンド目と同様、第2大入賞口ソレノイド74bがオンされるのと同期して確変領域ソレノイド75bが初動動作を行い、その後、確変領域ソレノイド75bが一定時間(第1実施形態では、「3000ms」)オンされる。このため、第2大入賞口ソレノイド74bのオンと同期して「3.1秒」(初動動作「50ms」+初動動作後閉鎖時間「50ms」+確変領域75開放時間「3000ms」=「3100ms」)の間、オンされる確変領域ソレノイド75bのオン中に、第2可変入賞装置74から流入した球が、該確変領域開閉板75aの配設位置まで到達し得る。よって、大当たり種別「潜伏確率変動C」の4ラウンド目においても、2ラウンド目と同様、確変領域75の開放中に、第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に流入した球が、該確変領域75に流入し得て、確変領域スイッチ75cによって検出され得るように構成されている。このため、2ラウンド目において確変移行フラグ203iがオンされていない場合、4ラウンド目における上記確変領域スイッチ75cによる球の検出に伴って確変移行フラグ203iがオンに設定され得る(図22参照)。
なお、大当たり種別「潜伏確率変動C」の5ラウンド目乃至10ラウンド目では、確変領域ソレノイド75bがオンされず、確変領域75へ球が流入し得ないように設定されている。即ち、いずれの可変入賞装置72,74から球が流入したとしても、確変領域75が開放されていないことから、確変領域75に球が流入し得ず、確変領域スイッチ75cによって球が検出されないように構成されている(図22参照)。
よって、大当たり種別「潜伏確率変動C」では、2ラウンド目と4ラウンド目とでそれぞれ確変領域75が開放され、さらに、第2可変入賞装置74(第1可変入賞装置72)から流入した球が確変領域75の開放中に該確変領域75へ流入可能に構成されているため、各ラウンドにおいてそれぞれ確変移行フラグ203iがオンに設定され得る。そして、該大当たりの終了時に、この確変移行フラグ203iを参照して、「確率変動状態」が設定される。
また、大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させる大当たり種別「潜伏確率変動C」に当選した場合に、その大当たりにおける複数のラウンド(即ち、2ラウンド目及び4ラウンド目)において、確変領域75へ球が流入可能に構成されている。よって、仮に、確変領域75が開放されている先のラウンド(即ち、2ラウンド目)において、何らかの事情(例えば、発射球不足等)により確変領域75へ球を通過させれなかった場合であっても、後にラウンド(即ち、4ラウンド目)までに当該事情を解消し、該後のラウンドにおいて確変領域75に球を通過させることが可能となる。従って、急なトラブル(例えば、発射異常等の遊技異常や、遊技者の体調不良等)によって、1のラウンドにおいて開放されている確変領域75へ球を通過させることに支障が生じた場合であっても、他のラウンドにおいて開放されている確変領域75へ球を通過させる可能性を設けることで、不測の事態によって遊技者が不利益を被ることなく、快適な遊技を実現することができる。
このように、開閉パターンが同等となる大当たり種別(即ち、大当たり種別「時短A」及び「潜伏確率変動A」、大当たり種別「時短B」及び「潜伏確率変動B」、並びに、大当たり種別「時短C」及び「潜伏確率変動C」)をそれぞれ設け、可変入賞装置72,74の開閉パターンのみでは大当たり種別を判別できないようにして、遊技者にいずれの大当たり種別に当選しているかを認識し難く(不可に)構成し、該大当たり後にいずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。
一方で、「確率変動状態」であることを報知する大当たり種別「確率変動A」は、他の大当たり種別とは異なる固有の開閉パターン(即ち、「Y1」)で可変入賞装置72,74を開閉制御する。従って、遊技者は、可変入賞装置72,74の開閉パターンを認識することで、「確率変動状態」が付与されることを認識することができる。
図8に戻って説明を続ける。払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図33参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチ217が接続されている。なお、該賞球検出スイッチ217は、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さになるように球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29~33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出や連続予告演出、「キャラクタ選択」演出といった第3図柄表示装置81にて行われる演出の表示態様の設定などを制御するものである。
演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、及び、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。第1実施形態では、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ一方向にのみコマンドが送信されるように構成され、音声ランプ制御装置113から主制御装置110へコマンド送信ができないように構成されている。一方、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とは、互いにコマンドの送受信が可能に構成されている。
また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示される演出のステージを変更したり、「スーパーリーチ」演出態様等の背面画像を変更したり、「キャラクタ選択」演出における選択キャラクタを変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御すると共に、表示制御装置114へ枠ボタン22の押下に基づいた表示を第3図柄表示装置81に表示させるように指示する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図2参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110~114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110~114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111のNMI端子へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理(図33参照)を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図2参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図23から図35のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理(図34参照)と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(図35参照)と、定期的(第1実施形態では、「4ミリ秒」周期)に起動されるタイマ割込処理(図23参照)と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理(図33参照)とがある。ここでは、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理(図23参照)とNMI割込処理(図33参照)とを説明し、その後立ち上げ処理(図34参照)とメイン処理(図35参照)とを説明する。
図23は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば「4ミリ秒」毎に繰り返し実行される定期処理である。MPU201がこのタイマ割込処理を実行することによって、定期的に実行すべき各種の処理が行われる。
このタイマ割込処理では、まず、外部出力処理を実行する(S101)。タイマ割込処理やメイン処理では、各種処理に基づいて、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等へ送信すべきコマンド等を生成し、RAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦記憶する。S101の外部出力処理では、このコマンド送信用リングバッファに記憶されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する。
例えば、後述する始動入賞処理(図24参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、特図変動処理(図25参照)や特図変動処理の一処理である変動開始処理(図26)で設定された変動パターンコマンド、停止種別コマンド、確定コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。その他、後述のS112の発射制御処理において球の発射を行う場合に設定された球発射信号を、発射制御装置112に送信する。
次に、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S102)、次いで、第1特別図柄又は第2特別図柄に基づく大当たり時における処理を実行する大当たり処理を実行する(S103)。この大当たり処理(S103)の詳細は、図27を参照して後述する。
次いで、普通電役64cの回動板の駆動制御処理を実行する普通電役制御処理を実行する(S104)。簡単に説明すると、球が普通図柄ゲート67を通過したことを条件に普通図柄表示装置83にて普通図柄の可変表示が実施され、普通図柄の可変表示の結果、普通図柄の当たり図柄(例えば、「○」図柄)が現出して当たり状態になると、普通電役64cの回動板を所定時間開放駆動する。
次いで、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S105)。即ち、主制御装置110に接続されている第1大入賞口スイッチ72c、第2大入賞口スイッチ74c、確変領域スイッチ75c、及び、各種スイッチ208の状態を読み込むと共に、当該スイッチ208の状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。また、入賞検知情報に基づいて払出制御装置111に対して送信すべき獲得球数に対応する賞球コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の処理によって、賞球コマンドが払出制御装置111に向けて送信される。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S106)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第1実施形態では、「899」)に達した際、「0」にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第1実施形態では、「99」)に達した際、「0」にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域に格納する。
さらに、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1及び普図当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S107)。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1及び普図当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(第1実施形態では、それぞれ、「899」,「99」,「99」,「199」,「99」)に達した際、それぞれ「0」にクリアする。また、大当たり乱数カウンタC1又は普図当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1又は第2初期値乱数カウンタCINI2の値を当該大当たり乱数カウンタC1又は普図当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込み、その初期値を大当たり乱数カウンタC1又は普図当たり乱数カウンタC4に設定する。そして、各カウンタC1~C4の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域に格納する。
次に、第1始動口64a又は第2始動口64bへの入賞に伴う始動入賞処理を実行し(S108)、次いで、普通図柄ゲート67への球の通過に伴って普通図柄の当否および可変表示の内容等を決定するゲート通過処理を実行する(S109)。なお、始動入賞処理の詳細は、図24を参照して後述する。
ゲート通過処理(S109)を実行した後は、上記始動入賞処理(S108)の処理内容に基づいて特別図柄表示装置37による特別図柄の動的表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特図変動処理を実行する(S110)。なお、特図変動処理(S110)の詳細は図25を参照して後述する。
次いで、上記ゲート通過処理(S109)の処理内容に基づいて普通図柄表示装置83による普通図柄の可変表示を行うための処理を実行する普図変動処理を実行する(S111)。普図変動処理(S111)では、後述する時短カウンタの値に応じて、普通図柄の抽選確率が高確率(例えば、9/10)か低確率(1/10)のいずれかで行われる。
普図変動処理(S111)を実行した後は、発射制御処理を実行し(S112)、さらに、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S113)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理(S112)は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。そして、球の発射がオンである場合、発射制御装置112へ球発射信号を送信するために、その球発射信号の情報を、RAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の処理によって、球発射信号が払出制御装置111を介して発射制御装置112へ送信される。
次に、図24のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図23参照)の一処理である始動入賞処理(S108)を説明する。図24は、この始動入賞処理(S108)を示すフローチャートである。始動入賞処理は、第1始動口64a又は第2始動口64b(以下、第1始動口64aと第2始動口64bとを総称して、「始動口64a,64b」と称する場合がある)への球の入賞の有無を判断し、入賞があった場合は、各カウンタC1~C3,CS1の値を入賞した始動口64a,64bに対応する第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに格納する(保留する)処理を実行する。また、保留する各カウンタC1~C3,CS1の値を保留球数と合わせて音声ランプ制御装置113へ送信するための処理を実行する。
MPU201は、この始動入賞処理(S108)では、まず、球が第1始動口64aに入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S201)。ここでは、スイッチ読み込み処理(図23のS105参照)において読み込んだ、第1始動口64aへの入球(入賞)を検出する特図1入球口スイッチ(図示せず)の出力信号に基づいて、第1始動口64aへの入球を3回のタイマ割込処理(図23参照)にわたって検出する。
球が第1始動口64aに入賞した(始動入賞があった)と判別されると(S201:Yes)、次いで、第1保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている第1特別図柄の動的表示(変動演出)の作動保留球数N1)が上限値(第1実施形態では、「4」)未満であるか否かを判別する(S202)。そして、第1始動口64aへの入賞があっても作動保留球数N1<4でなければ(S202:No)、この始動入賞処理(S108)を終了し、タイマ割込処理(図23参照)へ戻る。
一方、作動保留球数N1<4であれば(S202:Yes)、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)を1加算する(S203)。そして、今回、第1特別図柄に対応する第1始動口64aへの入賞であるので、第1保留球格納エリア203dを各乱数値C1~C3,CS1の格納先として設定し(S204)、処理をS209へ移行する。
S201の処理において、球が第1始動口64aへ入賞していないと判別された場合(S201:No)、次いで、球が第2始動口64bに入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S205)。ここでは、第1始動口64aと同様、スイッチ読み込み処理(図23のS105参照)において読み込んだ、第2始動口64bへの入球(入賞)を検出する特図2入球口スイッチ(図示せず)の出力信号に基づいて、第2始動口64bへの入球を3回のタイマ割込処理(図23参照)にわたって検出する。
球が第2始動口64bに入賞した(始動入賞があった)と判別されると(S205:Yes)、次いで、第2保留球数カウンタ203bの値(主制御装置110において保留されている第2特別図柄の動的表示(変動演出)の作動保留球数N2)が上限値(第1実施形態では、「4」)未満であるか否かを判別する(S206)。そして、第2始動口64bへの入賞がないか(S205:No)、或いは、第2始動口64bへの入賞があっても作動保留球数N2<4でなければ(S206:No)、この始動入賞処理(S108)を終了して、タイマ割込処理(図23参照)へ戻る。
一方、作動保留球数N2<4であれば(S206:Yes)、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)を1加算する(S207)。そして、今回、第2特別図柄に対応する第2始動口64bへの入賞であるので、第2保留球格納エリア203eを各乱数値C1~C3,CS1の格納先として設定し(S208)、処理をS209へ移行する。
S209の処理では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値をカウンタ用バッファ203c(図9参照)から読み出し、S204又はS208で格納先として設定された第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに設けられた第1保留第1~第4エリア又は第2保留第1~第4エリアのうち、第1保留球格納エリア203dが格納先として指定されている場合は第1保留球数カウンタ203aで示される値に対応するエリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1、大当たり種別カウンタ格納エリア203d2、停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3及び変動種別カウンタ格納エリア203d4に各々保留(格納)する(S209)。また、第2保留球格納エリア203eが格納先として指定されている場合は第2保留球数カウンタ203bで示される値に対応するエリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1、大当たり種別カウンタ格納エリア203e2、停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3及び変動種別カウンタ格納エリア203e4に各々保留(格納)する(S209)。
具体的には、例えば、第1始動口64aへの入賞に基づいてS204の処理において第1保留球格納エリア203dが格納先として設定され、また、S203の処理による加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「1」であれば、第1保留第1エリアの各格納エリアにそれぞれカウンタC1~C3,CS1の値が保留される。また、加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「2」であれば第1保留第2エリアの各格納エリアに、加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「3」であれば第1保留第3エリアの各格納エリアに、加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「4」であれば第1保留第4エリアの各格納エリアに、各々カウンタC1~C3,CS1の値が保留される。
また、例えば、第2始動口64bへの入賞に基づいてS208の処理において第2保留球格納エリア203eが格納先として設定され、また、S207の処理による加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「1」であれば、第2保留第1エリアの各格納エリアにそれぞれカウンタC1~C3,CS1の値が保留される。また、加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「2」であれば第2保留第2エリアの各格納エリアに、加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「3」であれば第2保留第3エリアの各格納エリアに、加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「4」であれば第2保留第4エリアの各格納エリアに、各々カウンタC1~C3,CS1の値が保留される。
次に、S203又はS207の処理による加算後の第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N1又は作動保留球数N2)と、S209の処理により第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに格納(保留)した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値を含む保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信するために、該保留球数コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する(S210)。これにより、次に実行されるタイマ割込処理(図23参照)のS101の外部出力処理によって、保留球数コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信される。S210の処理を終えると、タイマ割込処理(図23参照)に戻る。
なお、S210の処理において保留球数コマンドに含める各カウンタC1~C3,CS1の値は、S209の処理によりカウンタ用バッファ203cから読み出した値そのものを用いてもよいし、S209の処理において第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに格納(保留)された値を読み出したものを用いてもよい。
次に、図25を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図23参照)の一処理である特図変動処理(S110)について説明する。図25は、この特図変動処理(S110)を示すフローチャートである。この特図変動処理(S110)は、特別図柄表示装置37における動的表示や第3図柄表示装置81にて行う変動演出に関する制御を行うものである。
この特図変動処理(S110)では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び特別図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301:Yes)、そのまま特図変動処理(S110)を終了し、タイマ割込処理(図23参照)に戻る。
大当たり中でなければ(S301:No)、特別図柄表示装置37の表示態様が動的表示中であるか否かを判別し(S302)、特別図柄表示装置37の表示態様が動的表示中でなければ(S302:No)、次いで、特別図柄表示装置37における動的表示が停止後、所定時間経過したか否かを判別する(S303)。その結果、動的表示の停止後、所定時間経過していなければ(S303:No)、タイマ割込処理(図23参照)へ戻る。これにより、動的表示(変動演出)における停止図柄が所定時間だけ特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者に対して、その停止図柄を視認させることができる。
一方、S303の処理の結果、動的表示の停止後、所定時間経過していれば(S303:Yes)、第2保留球数カウンタ203bの値(主制御装置110において保留されている第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)の作動保留球数N2)が「0」よりも大きいか否かを判別する(S304)。その結果、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)が「0」でなければ(S304:Yes)、第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)の実行開始タイミングであると判断し、まず、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)を1減算する(S305)。これは、後述する変動開始処理(S310)によって、保留されていた第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)のうち1の動的表示(変動演出)の実行が開始されるため、第2特別図柄に関する保留球数が1つ減少するためである。
次いで、第2保留球格納エリア203eに格納されたデータをシフト処理する(S306)。このデータシフト処理は、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1~第4エリアに格納されているデータを保留球実行エリア203fへ向けて順にシフトさせる処理であって、第2保留第1エリア→保留球実行エリア203f、第2保留第2エリア→第2保留第1エリア、第2保留第3エリア→第2保留第2エリア、第2保留第4エリア→第2保留第3エリアといった具合に、各エリア内のデータがシフトされる。
一方、S304の処理において、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)が「0」であると判別されると(S304:No)、次に、第1保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)の作動保留球数N1)が「0」よりも大きいか否かを判別する(S307)。その結果、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)が「0」でなければ(S307:Yes)、第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)の実行開始タイミングであると判断し、まず、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)を1減算する(S308)。これは、後述する変動開始処理(S310)によって、保留されていた第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)のうち1の動的表示(変動演出)の実行が開始されるため、保留球数が1つ減少するためである。
次いで、第1保留球格納エリア203dに格納されたデータをシフト処理する(S309)。このデータシフト処理は、第1保留球格納エリア203dの第1保留第1~第4エリアに格納されているデータを保留球実行エリア203fへ向けて順にシフトさせる処理であって、第1保留第1エリア→保留球実行エリア203f、第1保留第2エリア→第1保留第1エリア、第1保留第3エリア→第1保留第2エリア、第1保留第4エリア→第1保留第3エリアといった具合に、各エリア内のデータがシフトされる。
S306又はS309のデータシフト処理の後は、データシフト処理により保留球実行エリア203fに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81に対する変動開始処理を実行し(S310)、タイマ割込処理(図23参照)に戻る。なお、変動開始処理(S310)については、図26を参照して後述する。
S307の処理において、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)が「0」であると判別されると(S307:No)、第3図柄表示装置81においてデモ演出が行われている状態であるか否か、即ち、デモ中であるか否かを判別する(S311)。この判別処理では、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114にデモコマンドを送信した後、第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N1又は作動保留球数N2)のいずれかの値が「0」より大きいと判断されるまでの間をデモ中として判別する。
そして、デモ中ではないと判別された場合は(S311:No)、音声ランプ制御装置113へ送信すべきデモコマンドを設定して(S312)、タイマ割込処理(図23参照)に戻る。一方、デモ中であると判別された場合は(S311:Yes)、そのままタイマ割込処理(図23参照)に戻る。S312の処理で設定されたデモコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図23のS101参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
音声ランプ制御装置113は、デモコマンドを受信すると、表示用デモコマンドを表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114は、表示用デモコマンドの受信に基づいて、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示するように制御を行う。
ここで、デモコマンドが設定されるのは、上述したように、変動停止後、所定時間が経過したときに保留球が1つも存在しない場合である。よって、変動停止後、所定時間経過しても変動演出が開始されない場合は、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示される。
なお、S311の処理においてデモ中ではない(S311:No)と判断された場合に、さらに、変動停止後、前記所定時間よりも長い第2の所定時間が経過したか否かを判断する処理を実行し、変動停止後、第2の所定時間が経過したことをもってS312の処理を実行してデモコマンドを設定するようにしてもよい。これにより、変動停止後、保留球が1つも存在しない場合に、すぐにデモ演出を開始することなく、比較的長い時間、その停止した変動演出の停止図柄を遊技者に見せることができる。
S302の処理において、特別図柄表示装置37の表示態様が動的表示中であると判別されると(S302:Yes)、動的表示時間(変動時間)が経過したか否かを判別する(S313)。特別図柄表示装置37の動的表示中の表示時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この動的表示時間(変動時間)が経過していなければ(S313:No)、特別図柄表示装置37の表示を更新して(S314)、タイマ割込処理(図23参照)に戻る。
第1実施形態では、特別図柄表示装置37の第2LED群37bにおいて、動的表示が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、第2LED群37bの表示態様が設定される。
一方、特別図柄表示装置37における動的表示の動的表示時間(変動時間)が経過していれば(S313:Yes)、特別図柄表示装置37に対して、停止図柄に対応した表示態様を設定する(S315)。停止図柄は、図26を参照して後述する変動開始処理(S310)によって予め設定される。変動開始処理では、S306又はS309の処理によって保留球実行エリア203fに格納された大当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定され、大当たりである場合には、大当たり種別カウンタC2の値により、大当たり時におけるラウンド数と、大当たり後に発生し得る遊技状態とが決定される。
S315の処理で停止図柄に対応した特別図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81における変動演出の停止図柄を、特別図柄表示装置37における第2LED群37bの表示と同調して確定表示させるために、確定コマンドを設定して(S316)、処理をS317へ移行する。確定コマンドは、第3図柄表示装置81にて実行中の変動演出を確定表示させるためコマンドである。音声ランプ制御装置113は、この確定コマンドを受信すると、表示制御装置114に対して表示用確定コマンドを送信する。表示制御装置114は、表示用確定コマンドを受信することによって、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出を停止して、停止図柄を確定表示させるように構成されている。
S317の処理では、「確率変動状態」か否かを判別するために、RAM203に設けられたSTカウンタ(図示せず)の値が「0」よりも大きいか否かを判別する(S317)。このSTカウンタは、後述する大当たり処理内の大当たり終了処理(図27のS415参照)において、確変移行フラグ203iがオンに設定されていることで「確率変動状態」が開始される場合に「100」がセットされるように構成されている(図32のS472参照)。
S317の処理において、STカウンタの値が「0」でなければ(S317:Yes)、「確率変動状態」であり、いずれかの特別図柄の動的表示(変動演出)が1回終了したので、STカウンタの値を1減算し(S318)、処理をS319へ移行する。ここで、S318の処理により、STカウンタの値が「0」となった場合、遊技状態を「確率変動状態」から「通常遊技状態」へと遷移させるとともに、音声ランプ制御装置113等に対して遊技状態が変化(「確率変動状態」が終了、「通常遊技状態」が発生、「確率変動状態」から「通常遊技状態」へ変化等)することを示す遊技状態コマンドを送信する。一方、S317の処理において、STカウンタの値が「0」であれば(S317:No)、「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」であるので、S318の処理をスキップして、処理をS319へ移行する。
S319の処理では、「時短機能」が付加されている遊技状態か否かを判別するために、RAM203に設けられた時短カウンタ(図示せず)の値が「0」よりも大きいか否かを判別する(S319)。この時短カウンタは、後述する大当たり処理内の大当たり終了処理(図27のS415参照)において、大当たり種別「確率変動A」、「時短C」又は「潜伏確率変動C」と判別された場合に「100」がセットされ(図32のS475参照)、大当たり種別「時短A」「時短B」、「潜伏確率変動A」又は「潜伏確率変動B」と判別された場合に「50」がセットされるように構成されている(図32のS476参照)。
S319の処理において、時短カウンタの値が「0」でなければ(S319:Yes)、「時短機能」が付加されている遊技状態であり、いずれかの特別図柄の動的表示(変動演出)が1回終了したので、時短カウンタの値を1減算し(S320)、この特図変動処理(S110)を終了し、タイマ割込処理(図23参照)に戻る。ここで、S320の処理により、時短カウンタの値が「0」となった場合、遊技状態を「時間短縮状態」又は「時短有り確変状態」から「通常遊技状態」又は「時短無し確変状態」へと遷移させるとともに、音声ランプ制御装置113等に対して遊技状態が変化(「時間短縮状態」が終了、「通常遊技状態」が発生、「時短有り確変状態」から「時短無し確変状態」へ変化等)することを示す遊技状態コマンドを送信する。一方、S319の処理において、時短カウンタの値が「0」であれば(S319:No)、「時短機能」が付加されていないため、S320の処理をスキップして、この特図変動処理(S110)を終了し、タイマ割込処理(図23参照)に戻る。
上記遊技状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理(図23参照)のS101の処理で、該遊技状態コマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、遊技状態コマンドを受信すると、それに基づき表示用遊技状態コマンドを生成して、表示制御装置114へ送信する。
次に、図26を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特図変動処理(S110)の一処理である変動開始処理(S310)について説明する。図26は、変動開始処理(S310)を示したフローチャートである。この変動開始処理(S310)は、遊技状態に応じて保留球実行エリア203fに格納された各種カウンタの値に基づき、大当たり又はハズレの抽選(大当たり抽選)を行うと共に、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる動的表示および変動演出の動的パターン(変動パターン及び停止種別)等を決定する。
変動開始処理(S310)では、まず、遊技状態を判別するために、RAM203に設けられたSTカウンタ(図示せず)の値が「0」よりも大きいか否かを判別する(S321)。判別の結果、STカウンタの値が「0」であれば(S321:No)、遊技状態が「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」であり、特別図柄の大当たり確率が低確率状態であるので、低確率状態用の大当たり乱数テーブル202aを設定し(S322)、処理をS324へ移行する。一方、STカウンタの値が「0」よりも大きい値であると判別された場合は(S323:Yes)、遊技状態が「確率変動状態」(即ち、「時短有り確変状態」および「時短無し確変状態」)であり、特別図柄の大当たり確率が高確率状態であるので、高確率状態用の大当たり乱数テーブル202aを設定し(S323)、処理をS324へ移行する。
S324の処理では、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値と、S322又はS323において設定された大当たり乱数テーブル202a(図10参照)とに基づいて大当たりか否かを判別する大当たり抽選(当否判定)処理を行う(S324)。
第1実施形態のパチンコ機10では、大当たりか否かは大当たり乱数カウンタC1の値とその時々の遊技状態(モード)との関係に基づいて判別される。上述した通り、大当たり乱数テーブル202aにおいて、パチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が通常の低確率状態(「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」)にある場合には、「7,307,582」が大当たり乱数値として規定される。また、パチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が高確率状態(「確率変動状態」)にある場合には「28,122,298,390,486,567,656,750,866」が大当たり乱数値として規定される。
S324の処理では、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値と、これら大当たり乱数テーブル202aにて規定される大当たり乱数値とを比較して、それらが一致する場合に、大当たりであると判別する。S324の処理の結果、大当たりであると判別された場合(S324:Yes)、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値と、第1特別図柄に対応する特図1用大当たり種別テーブル202b1(図11(a)参照)又は第2特別図柄に対応する特図2用大当たり種別テーブル202b2(図11(b)参照)とに基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S325)。
この処理では、大当たり種別テーブル202bによって、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別、即ち、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たり後に「確率変動状態」へ移行する「10R確変大当たり」に対応する「確率変動A」か、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たり後に「確率変動状態」へ移行する「10R潜伏確変大当たり」に対応する「潜伏確率変動C」か、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たり後に「時間短縮状態」へ移行する「10R時短大当たり」に対応する「時短C」か、最大ラウンド数が5ラウンドの大当たり後に「確率変動状態」へ移行する「5R潜伏確変大当たり」に対応する「潜伏確率変動A」又は「潜伏確率変動B」か、最大ラウンド数が5ラウンドの大当たり後に「時間短縮状態」へ移行する「5R時短大当たり」に対応する「時短A」又は「時短B」か、が判別される。そして、判別された大当たり種別に基づいて、特別図柄表示装置37における大当たり時の表示態様(第2LED群37bの表示態様)が設定される。
具体的には、保留球実行エリア203fに格納されているデータが第1保留球格納エリア203dからシフトされたデータであった場合、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値と、特図1用大当たり種別テーブル202b1(図11(a)参照)とに基づいて大当たり種別が決定される。また、保留球実行エリア203fに格納されているデータが第2保留球格納エリア203eからシフトされたデータであった場合、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値と、特図2用大当たり種別テーブル202b2(図11(b)参照)とに基づいて大当たり種別が決定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定し(S326)、S329の処理へ移行する。具体的には、S325で決定された大当たり種別(表示態様)と、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて大まかな演出態様を選択し、その選択された大まかな演出態様の中から変動種別カウンタCS1の値に基づいて具体的な動的表示(変動演出)の動的時間(変動時間)が決定される。この大当たり時の変動パターンの決定では、まず、その大当たり種別(表示態様)に応じて、使用する停止パターンテーブル202dを選択する。
具体的には、S325の処理において大当たり種別として「10R確変大当たり」に対応する「確率変動A」が設定された場合は、「確率変動A」用に設けられた停止パターンテーブル202d(例えば、確率変動A用停止パターンテーブル)において、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に対応付けられた演出態様を選択する。また、大当たり種別として「10R潜伏確変大当たり」に対応する「潜伏確率変動C」が設定された場合は、「潜伏確率変動C」用に設けられた停止パターンテーブル202d(例えば、潜伏確率変動C用停止パターンテーブル)において、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に対応付けられた演出態様を選択する。また、大当たり種別として「10R時短大当たり」に対応する「時短C」が設定された場合は、「時短C」用に設けられた停止パターンテーブル202d(例えば、時短C用停止パターンテーブル)において、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に対応付けられた演出態様を選択する。また、大当たり種別として「5R潜伏確変大当たり」に対応する「潜伏確率変動A」又は「潜伏確率変動B」が設定された場合は、「潜伏確率変動A・B」用に設けられた停止パターンテーブル202d(例えば、潜伏確率変動A・B用停止パターンテーブル)において、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に対応付けられた演出態様を選択する。また、大当たり種別として「5R時短大当たり」に対応する「時短A」又は「時短B」が設定された場合は、「時短A・B」用に設けられた停止パターンテーブル202d(例えば、時短A・B用停止パターンテーブル)において、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に対応付けられた演出態様を選択する。
そして、S326の処理において設定された演出態様毎に設けられた変動パターンテーブル202eのグループにおいて、保留球実行エリア203fに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される。なお、「確率変動状態」である「時短有り確変状態」と「時短無し確変状態」とで変動パターンの選択割合が異なるように構成してもよい。また、「時短無し確変状態」と「時間短縮状態」とで変動パターンの選択割合が同等となるように構成してもよい。
一方、S324の処理で大当たりではないと判別された場合には(S324:No)、ハズレ時の表示態様を設定する(S327)。S327の処理では、特別図柄表示装置37の表示態様をハズレ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値と第1保留球数カウンタ203a又は(及び)第2保留球数カウンタ203bの値と現在の遊技状態とに基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる演出態様として、「非リーチ(短縮)」演出態様、「非リーチ(通常)」演出態様、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様、「スペシャルリーチ」演出態様のいずれかを設定する。
第1実施形態では、パチンコ機10の遊技状態が「確率変動状態」であるか、「時間短縮状態」であるか、「通常遊技状態」であるかに応じて、各演出態様に対応する停止パターン選択カウンタC3の値の範囲が異なるように停止パターンテーブル202dが設定されている。
次に、ハズレ時の変動パターンを決定し(S328)、S329の処理へ移行する。S328の処理では、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81において、ハズレ図柄で停止表示するまでの変動時間が決定される。具体的には、S327の処理において決定されたハズレ時の表示態様(演出態様)毎に設けられた変動パターンテーブル202eのグループにおいて、保留球実行エリア203fに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される。なお、「確率変動状態」である「時短有り確変状態」と「時短無し確変状態」とで変動パターンの選択割合が異なるように構成してもよい。また、「時短無し確変状態」と「時間短縮状態」とで変動パターンの選択割合が同等となるように構成してもよい。
このように、大当たり時における演出態様および変動パターンの設定処理と、ハズレ時における演出態様および変動パターンの設定処理とを、同じ乱数値C3,CS1を用いて同じ判定プログラムによって判定して決定することで、プログラムを共通化することができ、開発時における開発工数を削減することができる。
S329の処理では、S326及びS328の処理によって決定された変動パターンの応じた変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113を介してその変動パターンに応じた変動時間を表示制御装置114へ通知する変動パターンコマンドを設定する(S329)。具体的には、例えば、大当たり抽選に当選し、該大当たりが「10R確変大当たり」に対応する「確率変動A」であって、さらに、「25秒」の「スーパーリーチ」の変動パターンが選択されていた場合は、大当たり・「確率変動A」・「25秒」の「スーパーリーチ」を示す変動パターンコマンドが設定される。また、大当たり抽選にハズレて、さらに、「25秒」の「スーパーリーチ」の変動パターンが選択されていた場合は、ハズレ・「25秒」の「スーパーリーチ」を示す変動パターンコマンドが設定される。このように、変動演出が同じ変動時間であっても、変動パターンコマンドに変動演出の当否と大まかな変動パターンの内容も併せて設定することで、音声ランプ制御装置113は、当否を含む演出態様の内容と変動時間とを把握して、それらの情報を基により詳細は変動演出の変動パターンを決定することができる。
また、S325又はS327の処理で設定された停止種別を、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定し(S330)、特図変動処理(図25参照)へ戻る。具体的には、例えば、大当たりに当選し、その大当たりの内容が「10R確変大当たり」である「確率変動A」であれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「7」図柄等)は特定せずに、「確率変動A」であることを示す停止種別コマンドを設定する。また、大当たりに当選し、その大当たりの内容が「5R潜伏確変大当たり」である「潜伏確率変動A」であれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「3」図柄等)は特定せずに、「潜伏確率変動A」であることを示す停止種別コマンドを設定する。
一方、大当たりに当選せず、さらに、「スーパーリーチ」演出態様が選択されていれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「787」等)は特定せずに、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様であることを示す停止種別コマンドを設定する。また、大当たりに当選せず、さらに、「ノーマルリーチ」演出態様が選択されていれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「737」等)は特定せずに、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様であることを示す停止種別コマンドを設定する。さらに、大当たりに当選せず、さらに、「非リーチ」演出態様が選択されていれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「258」等)は特定せずに、ハズレ時の「非リーチ」演出態様であることを示す停止種別コマンドを設定する。
このように、停止種別コマンドに変動演出の当否に基づいた大まかな停止種別を設定することで、音声ランプ制御装置113(表示制御装置114)は、当否に基づいた停止種別を把握して、それらの情報を基により詳細は変動演出の停止結果を決定することができる。
これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理(図23参照)のS101の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、変動パターンコマンドや停止種別コマンドを受信すると、それに基づき表示用変動パターンコマンドや表示種別コマンドを生成して、表示制御装置114へ送信する。
次に、図27を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である大当たり処理(S103)について説明する。図27は、大当たり処理(S103)を示したフローチャートである。
この大当たり処理(S103)は、上述したように、特別図柄の大当たりが発生する場合に、大当たりの種類に応じて、各ラウンド毎に開放する第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74の開放回数(ラウンド数)を設定するために大入賞口開閉テーブル202f(図12参照)を設定すると共に、第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74の開放時間を設定する。また、大当たり種別に基づいて、各ラウンド別に開放する確変領域75を設定するために確変領域開閉テーブル202g(図13参照)を設定する。なお、この大当たり処理において、各ラウンド毎(ラウンド経過時間)における確変領域75の有効又は無効を設定するための確変領域有効テーブル(図示せず)を設定するように構成してもよい。
また、大当たり処理(S103)では、大当たり状態である場合において、可変入賞装置72,74を開放又は閉鎖するための大入賞口開閉制御処理(図28参照)を実行する。即ち、大当たり状態のラウンド毎に可変入賞装置72,74のいずれか一方を開放し、各可変入賞装置72,74の最大開放時間(第1実施形態では、「30秒」)が経過したか、又は、各可変入賞装置72,74に球が規定数(第1実施形態では、10個)入賞したか、の閉鎖条件を判定する。そして、これら何れかの閉鎖条件が成立すると、開放中の可変入賞装置72,74を閉鎖する。この可変入賞装置72,74の開放に関する制御と閉鎖に関する制御とを所定ラウンド数繰り返し実行する。
また、この大入賞口開閉処理内で、設定された確変領域開閉テーブル202g(図13参照)に基づいて確変領域75の開放又は閉鎖するための処理を実行する。即ち、大当たり状態の各ラウンド毎に、設定された確変領域開閉テーブル202gに応じて、確変領域75の確変領域開閉板75aを駆動制御する。
この大当たり処理(S103)では、まず、大当たり中か否かを判別する(S401)。判別の結果、大当たり中でない場合には(S401:No)、次に、特別図柄の動的表示(変動演出)が終了したか否かを判別する(S402)。
S402における判別の結果、特別図柄の動的表示(変動演出)が終了していなければ(S402:No)、この大当たり処理(S103)を終了して、タイマ割込処理(図23参照)へ戻る一方、特別図柄の動的表示(変動演出)が終了していれば(S402:Yes)、次いで、該動的表示(変動演出)において大当たりに当選したか否かを判別する(S403)。
S403における判別の結果、動的表示(変動演出)において大当たりに当選していないと判別された場合は(S403:No)、この大当たり処理(S103)を終了して、タイマ割込処理(図23参照)へ戻る。一方、動的表示(変動演出)において大当たりに当選していると判別された場合は(S403:Yes)、当選した大当たりに関する制御を実行するために、まず、当選した大当たりのラウンド数は10Rか否か、即ち、「10R確変大当たり」に対応する「確率変動A」か、「10R潜伏確変大当たり」に対応する「潜伏確率変動C」か、「10R時短大当たり」に対応する「時短C」に当選したか否かを判別する(S404)。
S404における判別の結果、当選した大当たりのラウンド数が10Rであれば(S404:Yes)、本大当たりにおいて可変入賞装置72,74の開放制御を10回行うべく、ラウンドカウンタに「10」をセットして(S405)、処理をS407へ移行する。一方、当選した大当たりのラウンド数が10Rでない場合、即ち、「5R潜伏確変大当たり」に対応する「潜伏確率変動A」若しくは「潜伏確率変動B」、又は、「5R時短大当たり」に対応する「時短A」若しくは「時短B」に当選していた場合は(S404:No)、本大当たりにおいて可変入賞装置72,74の開放制御を5回行うべく、ラウンドカウンタに「5」をセットして(S406)、処理をS407へ移行する。MPU201は、該ラウンドカウンタの値を確認して、ラウンドカウンタに値が設定されている場合(即ち、「1」以上)は、可変入賞装置72,74を開放制御しつつ、該ラウンドカウンタの値を1減算する。そして、ラウンドカウンタの値が「0」になった場合に、実行中の大当たりを終了するように構成されている。
S407の処理では、オープニングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信するために、オープニングコマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する(S407)。次いで、該大当たりのオープニング時間(例えば、「10秒」)を設定し(S408)、処理をS409へ移行する。S407の処理で設定されたオープニングコマンドは、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図23のS101参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
音声ランプ制御装置113は、オープニングコマンドを受信すると、大当たりが開始されたことを示す音声の出力やランプ制御等を行うと共に、表示用オープニングコマンドを表示制御装置114へ送信する。そして、表示制御装置114は、表示用オープニングコマンドの受信に基づいて、第3図柄表示装置81にオープニング演出(例えば、総ラウンド数の報知等)を表示するように制御を行う。
S409の処理では、大当たりの種類(大当たり種別)に応じて大入賞口開閉テーブル202f(図12参照)を設定して(S409)、処理をS410へ移行する。具体的には、大当たり種別「時短A」及び「潜伏確率変動A」であれば、可変入賞装置72,74の開閉パターンを「X1」に設定し、大当たり種別「時短B」及び「潜伏確率変動B」であれば、可変入賞装置72,74の開閉パターンを「X2」に設定し、大当たり種別「確率変動A」であれば、可変入賞装置72,74の開閉パターンを「Y1」に設定し、大当たり種別「時短C」及び「潜伏確率変動C」であれば、可変入賞装置72,74の開閉パターンを「Y2」に設定する。
次いで、S410の処理では、大当たりの種類(大当たり種別)に応じて確変領域開閉テーブル202g(図13参照)を設定して(S410)、処理をS411へ移行する。具体的には、大当たり種別「時短A」、「時短C」及び「潜伏確率変動B」であれば確変領域75の開閉パターンを「A」に設定し、大当たり種別「時短B」、「潜伏確率変動A」及び「潜伏確率変動C」であれば確変領域75の開閉パターンを「B」に設定し、大当たり種別「確率変動A」であれば確変領域75の開閉パターンを「C」に設定する。
S411の処理では、今回の大当たりにおける大当たり種別が「確率変動A」か否かを判別する(S411)。判別の結果、「確率変動A」であると判別された場合は(S411:Yes)、「確率変動状態」であることを遊技者に報知するために、確変報知コマンドを設定して(S412)、大当たり処理(S103)を終了して、タイマ割込処理(図23参照)に戻る。
S412の処理で設定された確変報知コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図23のS101参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、確変報知コマンドを受信した場合には、「確率変動状態」であることを遊技者に報知すべく、「確変報知演出態様」を実行するように構成されている。
一方、S411の処理において、「確率変動A」ではないと判別された場合は(S411:No)、遊技状態を明確に報知しないため、確変報知コマンドを設定しないようにS412の処理をスキップして、本大当たり処理(S103)を終了し、タイマ割込処理(図23参照)に戻る。
第1実施形態のパチンコ機では、音声ランプ制御装置113が上記確変報知コマンドを受信していない場合において、実行中の大当たりが終了したとき、大当たり後の演出をもれなく「時短報知演出態様」を実行するように構成されており、遊技者に「確率変動状態」であるのか「時間短縮状態」であるのかを認識し難い(できない)ように構成されている。
S401の処理において、既に大当たり中であると判別された場合は(S401:Yes)、第1可変入賞装置72および第2可変入賞装置74の開閉制御を実行する大入賞口開閉制御処理(S413)を実行する。
ここで、図28を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり処理(S103)の一処理である大入賞口開閉制御処理(S413)について説明する。図28は、大入賞口開閉制御処理(S413)を示したフローチャートである。上述したように、この大入賞口開閉制御処理(S413)では、大当たり処理(S103)で設定された可変入賞装置72,74の開放回数に基づいて、可変入賞装置72,74の開閉制御と、確変領域75の開閉制御と、可変入賞装置72,74又は確変領域75への球通過に基づく各処理とを実行する。なお、この大入賞口開閉制御処理(S413)において、確変領域75の有効設定処理又は無効設定処理を行うように構成してもよい。
この大入賞口開閉制御処理(S413)では、まず、今回の大当たり時におけるオープニング時間、又は、各ラウンド間のインターバル時間(例えば、「1秒」)が経過したか否かを判別する(S421)。判別の結果、オープニング時間又はインターバル時間が経過していなければ(S421:No)、未だいずれの可変入賞装置72,74の開放条件が成立していないので、S422の処理をスキップして、処理をS423へ移行する。一方、オープニング時間又はインターバル時間が経過していれば(S421:Yes)、いずれかの可変入賞装置72,74の開放条件が成立したので、可変入賞装置72,74の開放設定処理を行い(S422)、処理をS423へ移行する。
ここで、図29を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される開放設定処理(S422)について説明する。図29は、開放設定処理(S422)を示したフローチャートである。上述したように、この開放設定処理(S422)では、可変入賞装置72,74および確変領域75の開放するための各種設定処理等を実行する。
この開放設定処理(S422)では、まず、可変入賞装置72,74の開放タイミングか否かを判別する(S431)。判別の結果、可変入賞装置72,74の開放タイミングではないと判別された場合は(S431:No)、S432~S437の処理をスキップして、処理をS438へ移行する一方、可変入賞装置72,74の開放タイミングであると判別された場合は(S431:Yes)、いずれの可変入賞装置72,74の開放タイミングか否かを判別する(S432)。判別の結果、第1可変入賞装置72の開放タイミングであると判別された場合は(S432:「第1可変入賞装置」)、第1可変入賞装置72の第1開閉板72aを開放するための第1可変入賞装置開放設定を行い(S433)、処理をS435へ移行する。この第1可変入賞装置開放設定処理を行うことで、第1大入賞口ソレノイド72bが駆動されて第1開閉板72aが開放され、第1可変入賞装置72内に球が流入可能となる。
一方、S432の処理において、第2可変入賞装置74の開放タイミングであると判別された場合は(S432:「第2可変入賞装置」)、第2可変入賞装置74の第2開閉板74aを開放するための第2可変入賞装置開放設定を行い(S434)、処理をS435へ移行する。この第2可変入賞装置開放設定処理を行うことで、第2大入賞口ソレノイド74bが駆動されて第2開閉板74aが開放され、第2可変入賞装置74内に球が流入可能となる。
次いで、S435の処理では、開放された可変入賞装置72,74へ入賞した球を計数するため、入賞カウンタに「10」をセットして(S435)、処理をS436へ移行する。第1実施形態において、この入賞カウンタの値は、開放されている可変入賞装置72,74へ球が1球入球する毎に1減算されるように構成され、MPU201は、いずれかの可変入賞装置72,74の開放後、所定の開放時間が経過した場合か、或いは、該入賞カウンタの値が「0」になった場合に、開放している可変入賞装置72,74を閉鎖するように構成されている。
次いで、S436の処理では、可変入賞装置72,74の最大開放時間(例えば、「30秒」)の設定を行い(S436)、音声ランプ制御装置113に対して可変入賞装置72,74が開放中であることを示す開放コマンドを設定し(S437)、処理をS438へ移行する。S437の処理で設定された開放コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図23のS101参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
音声ランプ制御装置113は、開放コマンドを受信すると、ラウンドが開始されたことを示す音声の出力やランプ制御等を行うと共に、表示用開放コマンドを表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114は、表示用開放コマンドの受信に基づいて、第3図柄表示装置81にラウンド演出(例えば、ラウンド数報知や、開放されている可変入賞装置72,74の示唆等)を表示するように制御を行う。
次いで、S438の処理では、大当たり処理(図27参照)内において大当たり種別に応じて設定された確変領域開閉テーブル202gに基づいて、当該ラウンドにおいて確変領域75の開放タイミングか否かを判別する(S438)。判別の結果、確変領域75の開放タイミングでない(例えば、大当たり種別「時短A」の2ラウンド目)と判別された場合は(S438:No)、S439~S443の処理をスキップして、この開放設定処理(S422)を終了して、大入賞口開閉制御処理(図28参照)に戻る。一方、S438の処理において、確変領域75の開放タイミング(例えば、大当たり種別「確率変動A」における1ラウンド目開始時)であれば(S438:Yes)、確変領域75の開放時間を計数する確変領域開放タイマ203gの値に「7500」を設定して(S439)、処理をS440へ移行する。
このS439の処理において、確変領域開放タイマ203gの値に確変領域75の開放時間である「3秒」に相当する「7500」(即ち、7500×4ms(タイマ割込処理の実行間隔)=30000ms)を設定し、後に実行される通過判別処理(図30参照)が実行される毎にこの確変領域開放タイマ203gの値を「1」ずつ減算する(図30のS458参照)。そして、該確変領域開放タイマ203gの値が「0」より大きい値である場合は、確変領域75の開放状態を維持する一方、確変領域開放タイマ203gの値が「0」となった場合に、開放中の確変領域75を閉鎖する制御を行う。
次いで、S440の処理では、確変領域ソレノイド75bをオンして(S440)、処理をS441へ移行する。ここでオンされた確変領域ソレノイド75bは、確変領域開放タイマ203gの値が「0」になるまでオン状態が維持され、確変領域開放タイマ203gの値が「0」となった場合にオン状態からオフ状態へと切り替えられる(図30のS460参照)。
次いで、S441の処理では、音声ランプ制御装置113に対して確変領域75が開放されたことを示す確変領域開放コマンドを設定し(S441)、処理をS442へ移行する。S441の処理で設定された確変領域開放コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図23のS101参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
音声ランプ制御装置113は、確変領域開放コマンドを受信すると、所定の条件が成立(例えば、「キャラクタ選択」演出の非実行時)している場合に、確変領域75が開放されたことを示す音声の出力やランプ制御等を行うと共に、確変領域75が開放中であることを示す確変領域開放報知(例えば、「Vを狙え!」や「V開放中」、確変領域75が開放されている残り時間報知等)を実行(表示又は音声出力)するように制御を行う。
次いで、S442の処理では、確変領域75を有効にするタイミングか否かを判別する(S442)。第1実施形態では、確変領域75の開放タイミングと有効タイミングとが同期するように構成されている。S442の判別の結果、確変領域75を有効にするタイミングであると判別された場合(S442:Yes)、即ち、確変領域75の開放開始タイミングであると判別された場合は、確変領域有効フラグ203hをオンに設定し(S443)、この開放設定処理(S422)を終了して、大入賞口開閉制御処理(図28参照)に戻る。一方、S442の処理において、確変領域75を有効にするタイミングでないと判別された場合は(S442:No)、S443の処理をスキップして、この開放設定処理(S422)を終了して、大入賞口開閉制御処理(図28参照)に戻る。
図28に戻って説明を続ける。S423の処理では、各可変入賞装置72,74、確変領域75又は排出通路76に球が流入(入賞又は通過)したか否かを判別して、該判別結果に基づいた各処理を実行する通過判別処理(S423)を行い、処理をS424へ移行する。
ここで、図30を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される通過判別処理(S423)について説明する。図30は、通過判別処理(S423)を示したフローチャートである。上述したように、この通過判別処理(S423)では、可変入賞装置72,74、確変領域75又は排出通路76に設けられた各スイッチ72c,74c、75c,76aによって球を検知球が流入(入賞又は通過)したか否かを検知し、該検知結果に基づいて各処理を実行する。
この通過判別処理(S423)では、まず、第1大入賞口スイッチ72cがオンされたか否かを判別する(S451)。この判別は、第1可変入賞装置72が開放されている状態のみならず、第1可変入賞装置72が閉鎖されている状態でも行う。このように構成することで、第1可変入賞装置72が開放されている間に流入した球が、該第1大入賞口スイッチ72cによって検知される前に第1可変入賞装置72が閉鎖された場合であっても、該球に基づいて賞球を払い出すことが可能となる。よって、第1可変入賞装置72の開放中に流入した球を有効判定して遊技価値を付与することで、如何に多くの球を該第1可変入賞装置72に流入させ、多くの遊技価値を獲得するかという遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる。
S451の処理において、第1大入賞口スイッチ72cがオンされていれば(S451:Yes)、音声ランプ制御装置113に対して第1大入賞口スイッチ72cによって球が検知されたことを示す第1大入賞口入賞コマンドを設定し(S452)、処理をS455へ移行する。S452の処理で設定された第1大入賞口入賞コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図23のS101参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
音声ランプ制御装置113は、第1大入賞口入賞コマンドを受信すると、第1可変入賞装置72に球が入賞したことを示す音声の出力やランプ制御等を行うと共に、該入賞に基づく獲得賞球数の報知を実行(表示又は音声出力)するように制御を行う。
一方、S451の処理において、第1大入賞口スイッチ72cがオンされていなければ(S451:No)、次いで、第2大入賞口スイッチ74cがオンされたか否かを判別する(S453)。この判別は、第1大入賞口スイッチ72cの同様、第2可変入賞装置74が開放されている状態のみならず、第2可変入賞装置74が閉鎖されている状態でも行う。このように構成することで、第2可変入賞装置74が開放されている間に流入した球が、該第2大入賞口スイッチ74cによって検知される前に第2可変入賞装置74が閉鎖された場合であっても、該球に基づいて賞球を払い出すことが可能となる。よって、第2可変入賞装置74の開放中に流入した球を有効判定して遊技価値を付与することで、如何に多くの球を該第2可変入賞装置74に流入させ、多くの遊技価値を獲得するかという遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる。
S453の処理において、第2大入賞口スイッチ74cがオンされていれば(S453:Yes)、音声ランプ制御装置113に対して第2大入賞口スイッチ74cによって球が検知されたことを示す第2大入賞口入賞コマンドを設定し(S454)、処理をS455へ移行する。S454の処理で設定された第2大入賞口入賞コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図23のS101参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
音声ランプ制御装置113は、第2大入賞口入賞コマンドを受信すると、第2可変入賞装置74に球が入賞したことを示す音声の出力やランプ制御等を行うと共に、該入賞に基づく獲得賞球数の報知を実行(表示又は音声出力)するように制御を行う。
次いで、S455の処理では、アタッカーユニット71(即ち、第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74)に球が流入してから該球が確変領域スイッチ75cによって検出可能となる許容時間である滞留(可能)時間の計測を開始し(S455)、その後、処理をS456へ移行する。
第1実施形態のパチンコ機10では、第1大入賞口スイッチ72c又は第2大入賞口スイッチ74cによって球が検知された場合、所定の滞留許容時間(例えば、第1大入賞口スイッチ72cであれば10秒、第2大入賞口スイッチ74cであれば5秒)以内に確変領域スイッチ75cの配設位置へ球が流入可能に構成されている。換言すれば、第1大入賞口スイッチ72c又は第2大入賞口スイッチ74cの球の検出に基づいて滞留許容時間が設定されていない状態(即ち、滞留許容時間以上経過した後)で確変領域スイッチ75cがオンされた場合は、不正行為や異常によって確変領域スイッチ75cがオンされた可能性がある。よって、S455の処理において、第1大入賞口スイッチ72c又は第2大入賞口スイッチ74cによる球の検知に基づいてアタッカーユニット71に流入した球の該アタッカーユニット71内における滞留許容時間を設定し、滞留許容時間以内の確変領域スイッチ75cの検出のみに基づいて「確率変動状態」を設定するように構成することで、不正行為や異常による「確率変動状態」の発生を抑制することができる。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、第1大入賞口スイッチ72c又は第2大入賞口スイッチ74cによって球が検知された場合、上記滞留許容時間以内に排出スイッチ76aの配設位置へ球が流入可能に構成されている。換言すれば、第1大入賞口スイッチ72c又は第2大入賞口スイッチ74cの球の検出に基づいて滞留許容時間が設定されていない状態(即ち、滞留許容時間以上経過した後)で排出スイッチ76aがオンされた場合、若しくは、第1大入賞口スイッチ72c又は第2大入賞口スイッチ74cの球の検出に基づいて設定された滞留許容時間以内に排出スイッチ76aによって球が検知されない場合、アタッカーユニット71内で球が詰まっている可能性がある。よって、S455の処理において、第1大入賞口スイッチ72c又は第2大入賞口スイッチ74cによる球の検知に基づいてアタッカーユニット71に流入した球の該アタッカーユニット71内における滞留許容時間を設定し、滞留許容時間以内に排出スイッチ76aによって球が検出されない場合に、アタッカーユニット71内で球詰まり等の入賞異常が発生していることを示唆するように構成されている。このように構成することで、アタッカーユニット71内における球詰まり等の異常状態を早期に発見することが可能となる。
次いで、S456の処理では、払出制御装置111及び音声ランプ制御装置113に対して、第1大入賞口スイッチ72c又は第2大入賞口スイッチ74cへの球の通過に基づいて15個の賞球を払い出すことを示す15個賞球コマンドを設定し(S456)、処理をS457へ移行する。S456の処理で設定された15個賞球コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図23のS101参照)の中で、払出制御装置111及び音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
払出制御装置111は、15個賞球コマンドを受信すると、払出ユニット93(図2参照)を駆動させて、15個の賞球を払い出す払出制御を行う。
また、音声ランプ制御装置113は、15個賞球コマンドを受信すると、15個の賞球が払い出されたことを示す音声の出力やランプ制御等を行うと共に、第3図柄表示装置81に対して遊技者が獲得した積算賞球数を加算するための賞球数コマンドを表示制御装置114に向けて送信する。表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113から賞球数コマンドを受信した場合、該賞球数コマンドが示す賞球数を積算賞球数表示の値に加算する表示制御を実行する。
次いで、S457の処理では、確変領域開放タイマ203gの値が「0」より大きいか否かを判別する(S457)。確変領域開放タイマ203gの値が「0」より大きければ(S457:Yes)、確変領域75が開放中であるので、S458~S460において確変領域75に関する開閉制御を行い、処理をS461へ移行する。一方、確変領域開放タイマ203gの値が「0」であれば(S457:No)、S458~S460の処理をスキップして、処理をS461へ移行する。
S458~S460の確変領域75の開閉制御としては、確変領域開放タイマ203gの値が「0」より大きいことを前提として、確変領域開放タイマ203gの値を「1」減算し(S458)、次いで、S458で「1」減算した確変領域開放タイマ203gの値が未だ「0」より大きい値か否かを判別する(S459)。判別の結果、確変領域開放タイマ203gの値が「0」より大きい値でなければ(S459:No)、即ち、確変領域開放タイマ203gの値が「0」となった場合、確変領域75の閉鎖タイミングが到来したと判断して、確変領域ソレノイド75bをオフに設定し(S460)、処理をS461へ移行する。一方、S459の処理において、確変領域開放タイマ203gの値が「0」より大きい値であると判別された場合は(S459:Yes)、未だ確変領域75の閉鎖タイミングが到来していないので、S460の処理をスキップして、処理をS461へ移行する。
次いで、S461の処理では、確変領域スイッチ75cがオンされたか否かを判別する(S461)。判別の結果、確変領域スイッチ75cがオンされていれば(S461:Yes)、確変領域75に球が流入したので、次いで、上記S455で設定された滞留許容時間が経過していないか否かを判別する(S462)。判別の結果、滞留許容時間内でなければ(S462:No)、即ち、滞留許容時間を経過していれば、滞留許容時間を超えての確変領域スイッチ75cの球の検知であって、異常入賞であるので、処理をS468へ移行する。一方、S462の処理において、滞留許容時間内であれば(S462:Yes)、アタッカーユニット71開放中の正常な確変領域スイッチ75cの検出であるので、処理をS463へ移行する。
次いで、S463の処理では、確変領域有効フラグ203hがオンに設定されているか否かを判別する(S463)。判別の結果、確変領域有効フラグ203hがオンに設定されていれば(S463:Yes)、確変領域75が有効に設定されている状況での確変領域75への球の流入であるので、該大当たりの終了後に「確率変動状態」を発生させるために、確変移行フラグ203iをオンに設定して(S464)、処理をS465へ移行する。一方、S463の処理において、確変領域有効フラグ203hがオンに設定されていなければ(S463:No)、確変領域75が有効に設定されていない状況での確変領域75への球の流入であるため、S464の処理をスキップして、処理をS465へ移行する。
なお、S461に処理において、確変領域スイッチ75cがオンされていなければ(S461:No)、確変領域スイッチ75cが球を検知しておらず、確変領域75へ球が流入していないため、S462~S464の処理をスキップして、処理をS465へ移行する。
次いで、S465の処理では、排出スイッチ76aがオンされたか否かを判別する(S465)。判別の結果、排出スイッチ76aがオンされていなければ(S465:No)、S466~S468の処理をスキップして、この通過判別処理(S423)を終了し、処理を図28の大入賞口開閉制御処理(S413)のS424へ移行する。一方、排出スイッチ76aがオンされていれば(S465:Yes)、排出通路76を球が通過したということなので、音声ランプ制御装置113に対して、排出通路76の球の通過を示す排出検知コマンドを設定し(S466)、処理をS467へ移行する。S466の処理で設定された排出検知コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図23のS101参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
音声ランプ制御装置113は、排出検知コマンドを受信すると、アタッカーユニット71に流入した球が該アタッカーユニット71外へ排出されたことを示す音声の出力やランプ制御等を行う。
次いで、S467の処理では、第1大入賞口スイッチ72c又は第2大入賞口スイッチ74cによる球の検知に基づいて設定された滞留許容時間以内か否かを判別し(S467)、滞留許容時間以内における排出スイッチ76aによる球の検出か否かを判別する(S467)。判別の結果、滞留許容時間以内であれば(S467:Yes)、正常な排出スイッチ76aによる球の検出であるので、S468の処理をスキップして、この通過判別処理(S423)を終了し、処理を図28の大入賞口開閉制御処理のS424へ移行する。一方、滞留許容時間を経過していた場合は(S467:No)、滞留許容時間を経過した後の排出スイッチ76aによる球の検出であって、異常入賞であるので、処理をS468へ移行する。
S468の処理では、滞留許容時間を経過した後の確変領域スイッチ75c又は排出スイッチ76aによる球の検出に基づいて、アタッカーユニット71における不正行為或いは球詰まり等の入賞異常が発生したことを示す入賞異常コマンドを設定し(S468)、この通過判別処理(S423)を終了し、処理を図28の大入賞口開閉制御処理のS424へ移行する。
S468の処理で設定された入賞異常コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図23のS101参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
音声ランプ制御装置113は、入賞異常コマンドを受信すると、アタッカーユニット71における不正行為或いは球詰まり等の異常状態が発生していることを示す音声の出力やランプ制御等を行う。このように構成することで、アタッカーユニット71に対する不正行為或いは球詰まり等の入賞異常を早期に発見することが可能となる。
なお、通過判別処理(S423)において、滞留許容時間を計数し、該滞留許容時間を経過した時点で、アタッカーユニット71内に球詰まり等の入賞異常が発生していることを示す入賞異常コマンドを出力するように構成してもよい。
図28に戻って、説明を続ける。S424の処理では、いずれかの可変入賞装置72,74が開放中か否かを判別する(S424)。判別の結果、いずれの可変入賞装置72,74も開放中でないと判別された場合は(S424:No)、S425の処理をスキップして、この大入賞口開閉制御処理(S413)を終了して、大当たり処理(図27参照)のS414へ移行する。一方、いずれかの可変入賞装置72,74が開放中であると判別された場合は(S424:Yes)、開放中の可変入賞装置72,74の閉鎖条件が成立したか否かの判別処理と、該判別処理に基づく可変入賞装置72,74の閉鎖処理を行う閉鎖条件判別処理(S424)を行う。
ここで、図31を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される閉鎖条件判別処理(S424)について説明する。図31は、閉鎖条件判別処理(S424)を示したフローチャートである。上述したように、この閉鎖条件判別処理(S424)では、開放されている可変入賞装置72,74のいずれかの閉鎖条件が成立したか否かを判別し、該判別結果に基づいて開放中の可変入賞装置72,74の閉鎖処理を実行する。
この閉鎖条件判別処理(S424)では、まず、上述した開放時間設定処理(図29のS436参照)で設定された可変入賞装置72,74の1回の開放時間が経過したタイミングか否かを判別する(S471)。S471の処理において、可変入賞装置72,74の開放時間が経過したタイミングであれば(S471:Yes)、開放していた可変入賞装置72,74の閉鎖条件が成立し、そのラウンドにおける可変入賞装置72,74の閉鎖タイミングであるため、入賞カウンタの値を「0」クリアして(S472)、可変入賞装置72,74を閉鎖させるために、処理をS478へ移行する。S478からの可変入賞装置72,74の閉鎖処理については、後述する。一方、S471の処理において、可変入賞装置72,74の開放時間が経過したタイミングでなければ(S471:No)、次いで、開放中の可変入賞装置72,74へ球が入賞して、いずれかの大入賞口スイッチ72c,74cがオンされたか否かを判別する(S473)。
S473の処理において、いずれかの大入賞口スイッチ72c,74cがオンされていれば(S473:Yes)、いずれかの可変入賞装置72,74へ球が入賞しているので、入賞カウンタの値を1減算して(S474)、次いで、1減算した入賞カウンタの値が「0」より大きい値か否かを判別する(S475)。入賞カウンタの値が「0」より大きい値でない場合(S475:No)、即ち、入賞カウンタの値が「0」以下である場合は、開放中の可変入賞装置72,74に球が10個入賞して該可変入賞装置72,74の閉鎖条件が成立しているので、開放中の可変入賞装置72,74を閉鎖させるために、処理をS478へ移行する。なお、第1実施形態では、通過判別処理(図30参照)における各大入賞口スイッチ72c,74cの検出に基づいて賞球の付与等の制御を行うように構成しているが、S473の処理において各大入賞口スイッチ72c,74cの検出に基づいて賞球の付与等の制御を行うように構成してもよい。
一方、S473の処理において、いずれの大入賞口スイッチ72c,74cがオンされていない場合は(S473:No)、次いで、確変領域75を無効にするタイミングか否かを判別する(S476)。第1実施形態では、確変領域75の開閉と同期して確変領域75の有効又は無効が設定されるように構成されており、確変領域75を無効にするタイミング、即ち、確変領域75が閉鎖されたタイミングと判別された場合は(S476:Yes)、確変領域有効フラグ203hをオフに設定し(S477)、この閉鎖条件判別処理(S424)を終了して、処理を大入賞口開閉制御処理(図28参照)へ戻る。
なお、S476において、確変領域75を無効にするタイミングではない(そもそも確変領域75が無効な状態を含む)と判別された場合(S476:No)、S477の処理を行わず、この閉鎖条件判別処理(S424)を終了して、処理を大入賞口開閉制御処理(図28参照)へ戻る。また、S475の処理において、入賞カウンタの値が「0」より大きい値であると判別された場合は(S475:Yes)、開放中の可変入賞装置72,74の閉鎖条件が成立しておらず、可変入賞装置72,74の開放を継続するために、この閉鎖条件判別処理(S424)を終了して、大入賞口開閉制御処理(図28参照)へ戻る。
S478からの可変入賞装置72,74の閉鎖処理では、まず、可変入賞装置72,74の閉鎖設定を行い(S478)、大入賞口ソレノイド72b,74bをオフして開閉板72a,74aを閉鎖する。次いで、音声ランプ制御装置113に対して可変入賞装置72,74が閉鎖されたことを示す閉鎖コマンドを設定して(S479)、処理をS480へ移行する。なお、S479の処理で設定された閉鎖コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図23のS101参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
音声ランプ制御装置113は、閉鎖コマンドを受信すると、1のラウンドが終了したことを示す音声の出力やランプ制御等を行うと共に、表示用閉鎖コマンドを表示制御装置114へ送信する。そして、表示制御装置114は、表示用閉鎖コマンドの受信に基づいて、第3図柄表示装置81で実行中のラウンド演出(例えば、ラウンド数報知)を終了し、大当たりが継続する場合は、インターバル時間の有無に応じてインターバル演出(即ち、後述する「キャラクタ選択」演出等)に切り替えて表示するように制御を行ったり、次ラウンドの開始を示すラウンド演出を行い、大当たりが終了する場合は、大当たりを終了させるための制御を行う。
次いで、S480の処理では、大当たりにおける1のラウンドが消化されたことから、ラウンドカウンタの値を1減算し(S480)、1減算したラウンドカウンタの値が「0」より大きい値か否かを判別する(S481)。ラウンドカウンタの値が「0」より大きい値である場合(S481:Yes)、該大当たりにおけるラウンド回数(第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74の残り開放回数)が残存している状態であるので、次の第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74を開放させるまでのインターバル時間(例えば、「2秒」)の有無を判別する(S482)。判別の結果、インターバル時間がある場合は(S482:Yes)、所定のインターバル時間(第1実施形態では、「2秒」)を設定して(S483)、次いで、音声ランプ制御装置113に対して可変入賞装置72,74が共に閉鎖されている状態であることを示すインターバルコマンド設定し(S484)、この閉鎖条件判別処理(S424)を終了し、大入賞口開閉制御処理(図28参照)に戻る。なお、S484の処理で設定されたインターバルコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図23のS101参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
音声ランプ制御装置113は、インターバルコマンドを受信すると、可変入賞装置72,74が共に閉鎖されていることを認識するとともに、当該大当たりにおいて最初のインターバルコマンドである場合には、「キャラクタ選択」演出に関する制御等を行うと共に、表示用キャラクタ選択演出コマンドを表示制御装置114へ送信する。そして、表示制御装置114は、表示用キャラクタ選択演出コマンドの受信に基づいて、第3図柄表示装置81で「キャラクタ選択」演出に切り替えて表示するように制御を行う。
第1実施形態のパチンコ機10では、各大当たり種別ごとに第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74の開放パターン(開放タイミング)が異なるように構成されているとともに、各大当たり種別毎に確変領域75の開放パターン(開放タイミング)が異なるように構成されている。従って、音声ランプ制御装置113は、大当たり種別を認識することで各可変入賞装置72,74の開放パターンおよび確変領域75の開放パターンを認識することもでき、その結果、インターバル時間を算出することも可能であるが、音声ランプ制御装置113が、主制御装置110から送信された大当たり種別のコマンドのみに基づいて各大当たり種別毎に各可変入賞装置72,74の開放パターン、確変領域75の開放パターン及びインターバル時間を判別しながら演出等の制御を行うと処理が煩雑となり制御負担が増大になってしまう。そこで、主制御装置110から各可変入賞装置72,74が開放されたことを示す開放コマンド、確変領域75が開放されたことを示す確変領域開放コマンド、及び、各可変入賞装置72,74が共に閉鎖されていることを示すインターバルコマンドを受信して、各コマンドを受信したタイミングに基づいて各コマンドに基づいた各制御を行うように構成することで、音声ランプ制御装置113での制御負担を軽減しつつ、各事象のタイミングに応じた適切な演出を実行することができる。
一方、S482の処理において、インターバル時間がないと判別された場合は(S482:No)、S483及びS484の処理をスキップして、この閉鎖条件判別処理(S424)を終了し、大入賞口開閉制御処理(図28参照)に戻る。
なお、S481の処理において、ラウンドカウンタの値が「0」より大きい値でない場合(S481:No)、即ち、ラウンドカウンタの値が「0」以下である場合は、この大当たりにおける可変入賞装置72,74の開放動作がすべて終了したので、大当たり状態を終了させるために、閉鎖条件判別処理(S424)を終了し、大当たり処理(図27参照)のS414の処理を行う。
図27に戻って、説明を続ける。大入賞口開放制御処理(S413)の処理の実行後は、ラウンドカウンタの値が「0」より大きい値であるか否かを判別する(S414)。上述した大入賞口開閉制御処理の閉鎖条件判別処理(図31参照)では、可変入賞装置72,74の閉鎖に伴ってラウンドカウンタの値が減算されるように構成されているため(図31のS480参照)、ラウンドカウンタの値が「0」より大きい値である場合は(S414:Yes)、継続して大当たりを実行するために、S415の処理をスキップして、この大当たり処理(S103)を終了し、タイマ割込処理(図23参照)に戻る。
一方、ラウンドカウンタの値が「0」より大きい値でない場合、即ち、ラウンドカウンタの値が「0」以下であれば(S414:No)、大当たりの終了条件が成立しているので、該大当たりを終了させるために、大当たり終了処理を実行して(S415)、この大当たり処理(S103)を終了し、タイマ割込処理(図23参照)に戻る。
ここで、図32を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり処理の一処理である大当たり終了処理(S415)について説明する。図32は、大当たり終了処理(S415)を示したフローチャートである。上述したように、この大当たり終了処理(S415)では、エンディング時間の設定(例えば、「5秒」)等、大当たりの終了設定制御と、大当たり中に確変領域75への球の流入及び大当たり種別に基づく大当たり後の遊技状態の設定制御とを実行する。
この大当たり終了処理(S415)では、まず、確変移行フラグ203iがオンされているか否かを判別する(S491)。判別の結果、確変移行フラグ203iがオンされていれば(S491:Yes)、この大当たり中において、有効に設定された確変領域75へ球が通過したことを示す。よって、この段階で「確率変動状態」への移行条件が成立しているため、大当たり終了時の遊技状態を、特別図柄の動的表示(変動演出)が100回実行されるまで「確率変動状態」にするため、STカウンタの値に「100」をセットし(S492)、確変移行フラグ203iをオフに設定して(S493)、処理をS494へ移行する。
一方、S491の処理において、確変移行フラグ203iがオンされていなければ(S491:No)、この大当たり中において、有効に設定された確変領域75を球が通過しなかったため、「確率変動状態」への移行条件が成立していないので、S492及びS493の処理をスキップして、処理をS494へ移行する。
S494の処理では、今回の大当たり種別が「確率変動A」、「潜伏確率変動C」又は「時短C」であるか否かを判別する(S494)。判別の結果、今回の大当たり種別が「確率変動A」、「潜伏確率変動C」又は「時短C」のいずれかであると判別された場合は(S494:Yes)、大当たり終了後の遊技状態を、特別図柄の動的表示(変動演出)が100回実行されるまで「時短機能」を付加するため、時短カウンタの値に「100」をセットし(S495)、処理をS497へ移行する。
一方、S494の処理において、今回の大当たり種別が「確率変動A」、「潜伏確率変動C」又は「時短C」でないと判別された場合(S494:No)、即ち、今回の大当たり種別が「時短A」、「時短B」、「潜伏確率変動A」又は「潜伏確率変動B」であると判別された場合は、大当たり終了後の遊技状態を、特別図柄の動的表示(変動演出)が50回実行されるまで「時短機能」を付加するため、時短カウンタの値に「50」をセットし(S496)、処理をS497へ移行する。
次いで、S497の処理では、音声ランプ制御装置113に対して大当たりのエンディング演出の開始を示すエンディングコマンドを設定する(S497)。そして、エンディング時間等を設定する大当たりの終了設定処理を行い(S498)、この大当たり終了処理(S415)を終了して、大当たり処理(図27参照)に戻る。なお、S497の処理で設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図23のS101参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、大当たりが終了することを示す音声の出力やランプ制御等を行うと共に、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114は、表示用エンディングコマンドの受信に基づいて、第3図柄表示装置81にエンディング演出(例えば、大当たり終了後の遊技状態の示唆等)を表示するように制御を行う。
このように、大当たり処理(図27参照)の中の各処理で可変入賞装置72,74の開閉制御を行うと共に、確変領域75の開閉制御とを実行し、有効に設定されている確変領域75を球が通過した場合に、該大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させるように構成する。このように構成することで、各ラウンドにおいて、確変領域75が開放されるか否か、及び、確変領域75が開放されるタイミングで該確変領域75に球を流入させることが可能な可変入賞装置72,74(即ち、第2可変入賞装置74)が開放されるか否かかの遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる。
次いで、図33を参照して、停電等の発生した場合に主制御装置110において実行されるNMI割込処理について説明する。図33は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。
このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。NMI端子に停電信号SG1が入力されたMPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S801)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図34を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図34は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。
立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(第1実施形態では、「1秒」)を実行する(S902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S903)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図2参照)がオンされているか否かを判別し(S904)、オンされていれば(S904:Yes)、処理をS911へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S904:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S905)、記憶されていなければ(S905:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS911へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S905:Yes)、RAM判定値を算出し(S906)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S907:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS911へ移行する。
なお、図35のS926でも説明するが、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S911の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S911)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S912,S913)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAM203の初期化処理(S912,S913)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S912,S913)を実行する。RAM203の初期化処理(S912,S913)では、RAM203の使用領域を「0」クリアし(S912)、その後、RAM203に初期値を設定する(S913)。RAM203の初期化処理の実行後は、S910の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S904:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S905:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S907:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S908)。そして、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S909)、S910の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S910の処理では、割込みを許可する(S910)。そして、後述するメイン処理(図35参照)に移行する。
次に、図35を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図35は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では、大別してカウンタの更新処理と電源断時処理とが実行される。
メイン処理では、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S921)。そして、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S921:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S922,S923)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S922)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第1実施形態では「899」、「99」)に達した際、「0」にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S107(図23参照)の処理と同一の方法によって実行し(S923)、S921の処理へ移行する。
ここで、このメイン処理が実行されている間、図23を参照して説明したタイマ割込処理が所定時間間隔(第1実施形態では、「4ミリ秒」)で起動され実行される。タイマ割込処理では、遊技の状態に応じて異なる処理が実行される。例えば、大当たり中には、可変入賞装置72,74の開閉を制御する実行が行われ、普通図柄ゲート67への球の通過があれば、普通図柄表示装置83による普通図柄の可変表示に関する表示制御が行われる。また、特別図柄表示装置37での動的表示を開始する場合に実行される大当たり抽選では、高確率状態か低確率状態かによって、取得した大当たり乱数カウンタC1と比較する大当たり乱数値の数が異なってくる。よって、1回のタイマ割込処理の実行にかかる時間は、遊技の状態に応じて変化することになる。従って、一のタイマ割込処理が終了してから次のタイマ割込処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく、その時々の遊技の状態に応じて変化する。
メイン処理の一処理である上記のS922,S923の処理は、このタイマ割込処理の残余時間の中で実行されることになる。つまり、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新が繰り返し実行されることになるので、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、大当たり乱数カウンタC1の初期値、普図当たり乱数カウンタC4の初期値)とをランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。特に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2とをランダムに更新することによって、これらを更新の初期値として使用する大当たり乱数カウンタC1及び普図当たり乱数カウンタC4の更新に、ランダム性を持たせることができる。
また、S921の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S921:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図33のNMI割込処理が実行されたので、S924以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S924)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S925)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S926)、RAM203のアクセスを禁止して(S927)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S921の処理は、タイマ割込処理(図23参照)の残余時間内に行われるS922とS923の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。これにより、主制御装置110のメイン処理において、タイマ割込処理(図23参照)による各種設定が終了し、また、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新が終わったタイミングで、電源断の発生情報を確認している。よって、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理(図34参照)の終了後、処理をS921の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS921の処理から開始することができる。
従って、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S901)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S921の処理から開始することができる。その結果、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
第1実施形態では、定期的に実行する処理をタイマ割込処理(図23参照)で実行し、メイン処理(図35参照)において、タイマ割込処理(図23参照)の残余時間に各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新を実行する場合について説明したが、タイマ割込処理(図23参照)にて実行していた処理の一部または全部を、メイン処理(図35参照)の中で所定時間(例えば、「4ミリ秒」)毎に実行するように構成してもよい。例えば、第1実施形態においてタイマ割込処理(図23参照)にて実行していた賞球計数信号,払出異常信号読み込み処理(S102)、大当たり処理(S103)、普通電役制御処理(S104)及びスイッチ読み込み処理(S105)、始動入賞処理(S108)、ゲート通過処理(S109)、特図変動処理(S110)、普図変動処理(S111)、発射制御処理(S112)の一部または全部を、タイマ割込処理(図23参照)ではなく、メイン処理(図35参照)の中で「4ミリ秒」毎に実行するように構成してもよい。
この場合、メイン処理(図35参照)の中で所定時間(「4ミリ秒」)経過したか否かを判断するステップを設け、所定時間経過したと判断された場合のみ、所定時間毎に実行する処理を実行し、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新は、所定時間の経過の有無にかかわらず実行するようにしてもよい。これにより、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新は、所定時間毎に実行する処理の残余時間に実行されることになるが、所定時間毎に実行する処理は、遊技の状態に応じてその実行にかかる時間が変化するため、このように構成した場合であっても、各カウンタCINI1,CINI2,CS1をランダムに更新することができる。
次に、図36から図38を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理(図36参照)と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(図37参照)とがある。
まず、図36を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図36は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1115の電源断処理(図37参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1002)。図37を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると、S1115の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1115の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1115の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1003:Yes)、S1004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1003:No)、S1008へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1003:Yes)、S1004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1115の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1003:No)、S1008へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1115の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が「0」クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1005:No)、RAM223の異常を報知して(S1007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1008)。電源断フラグはS1116の電源断処理の実行時にオンされる(図37のS1115参照)。つまり、電源断フラグは、S1116の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1116の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAM223の作業エリアをクリアし(S1009)、RAM223の初期値を設定した後(S1010)、割込み許可を設定して(S1011)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1004からS1006の処理を経由してS1008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1009をスキップして、処理をS1010へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1010)、割込み許可を設定して(S1011)、メイン処理へ移行する。
なお、S1009のクリア処理をスキップするのは、S1004からS1006の処理を経由してS1008の処理へ至った場合には、S1004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図37を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図37は、このメイン処理を示したフローチャートである。
メイン処理が実行されると、まず、前回S1101の処理が実行されてから「1ミリ秒」以上が経過したか否かが判別され(S1101)、「1ミリ秒」以上経過していなければ(S1101:No)、S1102~S1109の処理を行わずにS1110の処理へ移行する。S1101の処理で、「1ミリ秒」経過したか否かを判別するのは、S1102~S1109が短い周期(「1ミリ秒」以内)で処理する必要がないものであるのに対して、S1110の変動演出処理やS1111のコマンド判定処理は、短い周期で実行する方が好ましい処理であるからである。S1111の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1110の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1101の処理において、前回S1101の処理が実行されてから「1ミリ秒」以上経過していると判断される場合は(S1101:Yes)、S1102の処理へ移行する。なお、S1101の処理が、図36に示す立ち上げ処理の後初めて実行された場合は、そのままS1102の処理へ移行する。
S1102の処理では、S1103~S1112の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1107の処理で編集されるランプの点灯態様になるように各ランプの出力を設定し(S1103)、その後電源投入報知処理を実行する(S1104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば、「30秒」)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1105の処理へ移行する。
次いで、S1105の処理では、後述するS1111のコマンド判定処理によって設定される大当たりに関する演出を実行する大当たり演出処理を行い(S1105)、S1106の処理へ移行する。
次いで、S1106の処理では、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1106)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22の有効期間において、該枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、上記有効期間に枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。
枠ボタン入力監視・演出処理(S1106)が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S1107)、その後音編集・出力処理を実行する(S1108)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29~33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1108の処理後、液晶演出実行管理処理を実行し(S1109)、S1110の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動演出に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1107のランプ編集処理が実行され、また、S1108の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動演出に要する時間と同期した時間で実行される。
S1110の処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドに基づいて変動演出を開始するための処理である変動演出処理を実行する。そして、変動演出処理の後、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行い(S1111)、S1112の処理へ移行する。このコマンド判定処理の詳細については、図38を参照して後述する。
S1112では、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた各種カウンタを更新するカウンタ更新処理を実行する(S1112)。例えば、変動演出の詳細な変動パターンを決定するカウンタの更新が、このカウンタ更新処理の中で行われる。該カウンタの更新は、所定の範囲(本実施形態では、「0~99」)内で順に1ずつ加算され、最大値(「99」)に達した後「0」に戻すことによって行われる。
S1112の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1113)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1113の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1113:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1115)、電源断処理を実行する(S1116)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1117)、その後、処理を無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1113の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1113:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1114)、RAM223が破壊されていなければ(S1114:No)、S1101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1114:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼び、パチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図38を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1111)について説明する。図38は、このコマンド判定処理(S1111)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1111)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図37参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110又は表示制御装置114から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理(S1111)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域に、主制御装置110からのコマンドを受信しているか否かを判別する(S1201)。判別の結果、主制御装置110からコマンドを受信していなければ(S1201:No)、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(図37参照)に戻る。
一方、S1201の処理において、主制御装置110からコマンドを受信していれば(S1201:Yes)、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、主制御装置110より確変報知コマンドを受信したか否かを判別する(S1202)。そして、確変報知コマンドを受信したと判別された場合(S1202:Yes)、「確率変動状態」であることを遊技者に報知するために、「確変報知演出態様」を設定する(S1203)。
ここで、「確変報知演出態様」とは、大当たり時であれば、該大当たり後に「確率変動状態」が発生する報知態様(例えば、「SUPER LUCKY!」の文字表示等)を第3図柄表示装置81に表示し、変動演出中であれば、「確率変動状態」が発生していることを第3図柄表示装置81において文字表示で表示したり、第3図柄表示装置81の背景色を通常とは異なる背景色(例えば、青色から赤色)に変更することで、遊技者に「確率変動状態」であることを認識させる。その後、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(図37参照)に戻る。
なお、第1実施形態のパチンコ機10では、大当たり終了時において音声ランプ制御装置113が確変報知コマンドを受信していない場合は、大当たり終了後の演出として「時間短縮状態」を示す「時短報知演出態様」をもれなく実行するように構成されている。即ち、大当たり種別「潜伏確率変動A」、「潜伏確率変動B」又は「潜伏確率変動C」での大当たりであっても、「確率変動状態」であることを遊技者には報知せず、大当たり種別「時短A」、「時短B」又は「時短C」と同等の演出が実行される。
一方、S1202の処理において、主制御装置110より確変報知コマンドを受信していなければ(S1202:No)、次に、主制御装置110よりインターバルコマンドを受信したか否かを判別する(S1204)。判別の結果、主制御装置110よりインターバルコマンドを受信していれば(S1204:Yes)、このインターバル時間において「キャラクタ選択」演出を実行するか否かを確認するべく、大当たり終了後における演出態様を決める要因となるキャラクタ(例えば、キャラクタA、キャラクタB、キャラクタC、キャラクタD又はキャラクタE)が当該大当たりの中で未設定か否か(換言すれば、既に選択済みか否か)を判別する(S1205)。
判別の結果、当該大当たりの中で未だ「キャラクタ選択」演出が実行されておらず、大当たり終了後の演出態様を決定するための要因となるキャラクタが未設定の場合は(S1205:Yes)、遊技者にキャラクタを選択させるための「キャラクタ選択」演出を設定(例えば、表示制御装置114に対する表示用キャラクタ選択演出コマンドの生成及び送信等)する(S1206)。
なお、インターバルコマンドを受信していなくても、可変入賞装置72,74が共に閉鎖されていることを認識した場合、即ち、閉鎖コマンドの受信後、ただちに開放コマンドが受信されないような場合に、インターバル時間が発生していると判断して、「キャラクタ選択」演出を行うように構成してもよい。また、1の大当たりにおける2回目のインターバルコマンドの受信に基づいて、「キャラクタ選択」演出を再び実行してもよいし、該「キャラクタ選択」演出とは異なる演出(例えば、選択したキャラクタが登場する遊技者参加型のミニゲームや、選択したキャラクタに関する詳細なムービー演出等)を行うように構成してもよい。
ここで、図39を参照して、インターバル期間中に実行される「キャラクタ選択」演出について説明する。図39は、「キャラクタ選択」演出の変遷を示した模式図であり、図39(a)は、大当たり状態のインターバル期間中に第3図柄表示装置81において「キャラクタA」が選択されているキャラクタ選択画面が現出された「キャラクタ選択」演出を例示した図であり、図39(b)は、図39(a)の状態から、選択対象が変更されて「キャラクタB」が選択されているキャラクタ選択画面が現出された「キャラクタ選択」演出を例示した図である。
第1実施形態のパチンコ機10では、大当たり(大当たり種別「確率変動A」以外の大当たり種別。以下、同様。)において、当該大当たりにおける最初のインターバル時間の開始時に、第3図柄表示装置81にて副表示領域Dsおよびコクピット表示領域Dbが消去され、第3図柄表示装置81の表示領域全体で「キャラクタ選択」演出が実行されるように構成されている。この「キャラクタ」演出では、5つのキャラクタ(「キャラクタA」、「キャラクタB」、「キャラクタC」、「キャラクタD」および「キャラクタE」)の楽曲が選択可能に構成されている。
そして、この「キャラクタ選択」演出において、選択可能なキャラクタに対応する複数のキャラクタアイコン81aを重畳的かつ識別可能に表示し、一番手前側に表示されているキャラクタアイコン81aが、現在選択中のキャラクタを示すように構成されており、例えば、図39(a)の状態では、キャラクタAアイコン81a1が最も手前側に表示されると共に強調的に表示(例えば、文字が拡大)された状態を示している。そして、そのキャラクタAアイコン81a1の後方側に、該キャラクタAアイコン81a1とその一部が重なりつつ、その内容が識別可能な状態で、キャラクタBアイコン81a2、キャラクタCアイコン81a3、キャラクタDアイコン81a4及びキャラクタEアイコン81a5の順に表示されている。
この「キャラクタ選択」演出におけるキャラクタ選択画面には、上記キャラクタアイコン81aの他に、枠ボタン22を模した枠ボタンアイコン81bと、キャラクタアイコン81aの変更方向を示す矢印アイコン(図左上参照)とが表示されるように構成されている。
枠ボタンアイコン81bは、枠ボタン22に対応する表示物であり、キャラクタ選択画面の画面右下において枠ボタン22の形状を模した態様で表示される。「キャラクタ選択」演出のキャラクタ選択画面において、この枠ボタンアイコン81bを表示することで、枠ボタン22に対応する押下操作が有効であることを遊技者に示唆するように構成されている。
矢印アイコンは、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合のキャラクタアイコン81aが変更される方向を示す表示物であり、枠ボタンアイコン81bの近傍(左側)に表示される。この矢印アイコンは、画面の奥行方向から手前側方向を指し示すように表示されており、本パチンコ機10では、枠ボタン22が遊技者により押下操作された場合、該矢印アイコンの表示に対応するように、キャラクタアイコン81aの表示位置が変更される。
具体的には、例えば、図39(a)のように、「キャラクタ選択」演出において、キャラクタAアイコン81a1が最も手前側に表示され、その後方側に、手前側から順に、キャラクタBアイコン81a2、キャラクタCアイコン81a3、キャラクタDアイコン81a4、キャラクタEアイコン81a5が表示されている。この状態で、枠ボタン22が遊技者により押下操作された場合に、最も手前側に表示されていたキャラクタAアイコン81a1は、最後方に移動表示し、手前から2番目に表示されていたキャラクタBアイコン81a2が最も手前側に移動表示され、手前から3番目に表示されていたキャラクタCアイコン81a3が手前から2番目に移動表示され、手前から4番目に表示されていたキャラクタDアイコン81a4が手前から3番目に移動表示され、手前から5番目(即ち、最も後方側)に表示されていたキャラクタEアイコン81a5が手前から4番目に移動表示される(図39(b)参照)。
即ち、「キャラクタ選択」演出中に枠ボタン22が遊技者により押下操作された場合は、手前から2番目以降の各キャラクタアイコン81aが奥行き方向から1段階手前側に向かってそれぞれ移動表示されると共に、最も手前側に表示されていたキャラクタアイコン81aが最も後方側に移動表示されるように構成されている。このように構成することで、「キャラクタ選択」演出において遊技者がキャラクタを変更可能になる。
そして、予め設定された「キャラクタ選択」演出の実行時間の間、即ち、インターバル期間の開始から終了までと、少なくとも次ラウンドの途中までの時間が含まれる所定時間(例えば、「10秒」)の間、該「キャラクタ選択」演出が実行され、当該所定期間が経過したタイミングで、最も手前側に表示されているキャラクタアイコン81aに対応するキャラクタが選択されたものと判別される。即ち、所定期間経過後に、キャラクタAアイコン81a1が最も手前側に表示されていた場合はキャラクタAが選択され、キャラクタBアイコン81a2が最も手前側に表示されていた場合はキャラクタBが選択され、キャラクタCアイコン81a3が最も手前側に表示されていた場合はキャラクタCが選択され、キャラクタDアイコン81a4が最も手前側に表示されていた場合はキャラクタDが選択され、キャラクタEアイコン81a5が最も手前側に表示されていた場合はキャラクタEが選択される。
この「キャラクタ選択」演出によって選択されたキャラクタ毎に、大当たり終了後の演出態様が異なるように構成されている。具体的には、例えば、キャラクタAが選択されている場合は、キャラクタAに関連する演出が実行されるとともに、「時間短縮状態」又は「潜伏確率変動状態」であることの示唆演出として直接的な表現を含む第1直接示唆演出(例えば、『「時短」かもね!』や『「潜伏」してるっぽい!』等)が第1間隔(例えば、変動演出20回ごと)に第1割合(例えば、1/10の確率)で実行される。また、キャラクタBが選択されている場合は、キャラクタBに関連する演出が実行されるとともに、「時間短縮状態」又は「潜伏確率変動状態」であることの示唆演出として間接的な表現を含む第1間接示唆演出(例えば、『時は短い』や『何か潜んでいる』等)が第1間隔より長い第2間隔(例えば、変動演出50回ごと)に第1割合より高い第2割合(例えば、1/3の確率)で実行される。さらに、キャラクタCが選択されている場合は、キャラクタCに関連する演出が実行されるとともに、「時間短縮状態」又は「潜伏確率変動状態」であることの示唆演出として第1間接示唆演出よりさらに抽象的な表現で実行される第2間接示唆演出(例えば、『時間だよ』や『伏せて!』等)が常時第1割合より低い第3割合(例えば、1/20の確率)で実行される。また、キャラクタDが選択されている場合は、キャラクタDに関連する演出が実行されるとともに、「時間短縮状態」又は「潜伏確率変動状態」であることの示唆演出として「時間短縮状態」が終了する場合の変動回数、即ち、大当たり終了後100回のタイミングで、第1直接示唆演出よりさらに直接的な表現を含む第2直接示唆演出(例えば、『時短だったね』や『まだ止めちゃだめ!』等)が必ず実行される。さらに、キャラクタEが選択されている場合は、キャラクタEに関連する演出が実行されるとともに、1回の変動演出ごとに1回ずつ、遊技者が枠ボタン22を押下することで第3割合と同等の確率(即ち、1/20の確率)で上述した第2間接示唆演出が実行される。なお、示唆演出において、実際の遊技状態とは真逆の示唆内容である逆示唆演出(例えば、「時間短縮状態」であるにも関わらず「潜伏確率変動状態」に関連する示唆である『伏せて!』等)は、各示唆演出の実行割合よりも低い割合でそれぞれ実行される。
このように、確変領域75が開放されるラウンドの開始前に実行されるインターバル期間において、少なくともインターバルが実行されている期間(例えば、インターバル及び3ラウンド目を含む期間)において、遊技者によって大当たり終了後の演出態様を決定するための「キャラクタ選択」演出が実行されるように構成されている。インターバル期間中に「キャラクタ選択」演出を実行することで、遊技者を「キャラクタ選択」演出に着目させ、相対的に第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74の開放態様への注目度を低下させるとともに、確変領域75の開放態様への注目度も低下させることができる。即ち、インターバル期間中に遊技者が着目し易い「キャラクタ選択」演出を実行することで、開放される確変領域75に対する球の流入結果を遊技者に認識し難くなるように構成する。このように構成することで、確変領域75を球が通過したか否かを遊技者に認識し難くして、大当たり終了後の遊技状態がいずれの遊技状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。また、「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」であっても、演出態様に反して(内部的に)「確率変動状態」かもしれないと遊技者に推測させ、継続的に遊技を実行させることで、パチンコ機の稼働率を向上することができる。
また、大当たりに当選した場合に、遊技者によって大当たり後の演出態様を決定する要因となるキャラクタを選択可能に構成することで、大当たり後の演出において遊技者の嗜好に合った演出態様(キャラクタ)を実行することができる。また、実行される遊技状態の内容を示唆する演出を遊技者自らの意思によって選択することができ、遊技者参加型のバリエーション豊富な演出を提供することができる。よって、大当たりという遊技者が悦楽を感じている状況において更なる興趣を付与し、遊技の興趣を向上させることができる。
図38に戻って、説明を続ける。S1206の「キャラクタ選択」演出の設定後は、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(図37参照)に戻る。また、S1205の処理において、当該大当たりの中で「キャラクタ選択」演出が未設定でない場合、即ち、当該大当たり中に既に「キャラクタ選択」演出が実行されている場合は(S1205:No)、S1206の処理をスキップして、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(図37参照)に戻る。
なお、インターバルコマンドが出力されない場合、即ち、大当たり種別「確率変動A」の場合に、インターバルコマンドを受信しなくても、所定ラウンド(例えば、最終ラウンドである10ラウンド目)において「キャラクタ選択」演出が実行されるように構成してもよい。
一方、S1204の処理において、主制御装置110よりインターバルコマンドを受信していなければ(S1204:No)、次に、主制御装置110より開放コマンドを受信したか否かを判別する(S1207)。判別の結果、主制御装置110より開放コマンドを受信していれば(S1207:Yes)、当該大当たりにおけるいずれかのラウンドの開始時期なので、開始されるラウンド数を遊技者に報知するためのラウンド数表示(例えば、表示制御装置114に対する表示用ラウンド数コマンドの生成及び送信)の設定を行う(S1208)。このラウンド数表示の設定(S1208)後は、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(図37参照)に戻る。
一方、S1207の処理において、主制御装置110より受信したコマンドが開放コマンドでなければ(S1207:No)、次に、主制御装置110より入賞異常コマンドを受信したか否かを判別する(S1209)。判別の結果、主制御装置110より入賞異常コマンドを受信していれば(S1209:Yes)、アタッカーユニット71に対して入賞異常(不正行為或いは球詰まり等)が発生していることを遊技者及びホール関係者に示すアタッカーユニット入賞異常報知を設定し(S1210)、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(図37参照)に戻る。このアタッカーユニット入賞異常報知では、上述したように、アタッカーユニット71における不正行為或いは球詰まり等の異常状態が発生していることを示す音声の出力やランプ制御、及び第3図柄表示装置81において異常時演出等を行う。このように構成することで、アタッカーユニット71に対する不正行為或いは球詰まり等の入賞異常を早期に発見することが可能となる。
一方、S1209の処理において、主制御装置110より入賞異常コマンドを受信していなければ(S1209:No)、次に、主制御装置110より確変領域開放コマンドを受信したか否かを判別する(S1211)。判別の結果、主制御装置110より確変領域開放コマンドを受信していれば(S1211:Yes)、確変領域開放報知を実行可能な状態か否かを判別すべく、まず、「キャラクタ選択」演出の実行中か否かを判別する(S1212)。第1実施形態では、「キャラクタ選択」演出が実行されている場合、確変領域75の開放態様への注目度を下げている演出であるので、該「キャラクタ選択」演出の位置付けと相反する確変領域開放報知を実行しないように構成されている。よって、S1212の処理において、「キャラクタ選択」演出の実行中であると判別された場合は(S1212:Yes)、S1213の処理をスキップして、確変領域開放報知を行わず、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(図37参照)に戻る。
一方、S1212の処理において、「キャラクタ選択」演出が実行されていなければ(S1212:No)、確変領域開放報知の実行が可能な状態であるので、確変領域開放報知を設定し(S1213)、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(図37参照)に戻る。この確変領域開放報知では、確変領域75が開放されていることを第3図柄表示装置81において「Vを狙え!」文字表示を現出させるとともに、該「Vを狙え!」の音声の出力制御を行う。このように構成することで、遊技者に「確率変動状態」を獲得可能な確変領域75の開放を認識させ、球の発射を促すことができる。
なお、一方、S1211の処理において、主制御装置110より確変領域開放コマンドを受信していなければ(S1211:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S1214)、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(図36参照)に戻る。
ここで、図40を参照して、大当たり状態中に実行される確変領域解放報知について説明する。図40は、確変領域開放報知の実行有無を示した模式図であり、図40(a)は、大当たり状態中における第3図柄表示装置81において確変領域開放報知が実行されていない状態を例示した図であり、図40(b)は、大当たり状態中における第3図柄表示装置81において確変領域開放報知が実行されている状態を例示した図である。
第1実施形態のパチンコ機10では、大当たり中の第3図柄表示装置81において、該大当たりの経過(即ち、ラウンド数)を示すラウンド数表示と、該大当たりにおいて獲得した賞球の総数を示す総獲得賞球数表示と、可変入賞装置72,74へ入賞可能な球の発射態様を示す発射態様示唆表示と、確変領域75が開放されていることを示す確変領域開放報知としての開放示唆表示とが表示可能に構成されている。
図40(a)で示す例では、第3図柄表示装置81の表示領域の左上部分にラウンド数表示としての「ラウンド1」が表示され、第3図柄表示装置81の表示領域の左下部分に総獲得賞球数表示としての「0080発」が表示され、第3図柄表示装置81の表示領域の右上部分に発射態様示唆表示としての「右打ち」及び画面右側方向を指す矢印表示が表示されている。なお、図40(a)では、確変領域開放報知としての開放示唆表示は表示されていない。
一方、図40(b)で示す例では、図40(a)と同様、第3図柄表示装置81の表示領域の左上部分にラウンド数表示としての「ラウンド2」が表示され、第3図柄表示装置81の表示領域の左下部分に総獲得賞球数表示としての「0150発」が表示され、第3図柄表示装置81の表示領域の右上部分に発射態様示唆表示としての「右打ち」及び画面右側方向を指す矢印表示が表示され、さらに、確変領域開放報知としての開放示唆表示である「Vを狙え!」及びアタッカーユニット71の配設位置に対応する画面右下方向を指す矢印表示が表示されている。また、開放示唆表示である「Vを狙え!」の現出に合わせて「Vを狙え!」の音声の出力制御を行うように構成されている。このように構成することで、遊技者に「確率変動状態」を獲得可能な確変領域75の開放を認識させ、球の発射を促すことができる。
以上、説明したように、第1実施形態のパチンコ機10によれば、第2可変入賞装置74から入賞した球は、確変領域開閉板75aの開放中に該確変領域開閉板75aの配設位置まで到達し得るため、確変領域スイッチ75cによって検知可能に構成されている一方、第1可変入賞装置72から入賞した球は、確変領域開閉板75aの開放中に該確変領域開閉板75aの配設位置まで到達し得ないため、確変領域スイッチ75cによって検知不能に構成されている。このように構成することで、1の大当たり中に第1可変入賞装置72および第2可変入賞装置74を交互に開放させることで、ラウンドを区画するための可変入賞装置72,74のインターバル期間を削減させて1の大当たりに要する時間を削減させて遊技者に迅速に遊技価値を付与しながら、該2の可変入賞装置72,74において確変領域75を共用させて、各可変入賞装置72,74毎に確変領域75や排出通路76を設ける必要がなくなり、アタッカーユニット71の部品点数を削減させ、パチンコ機10における製造コストを削減することができる。
また、第1実施形態のパチンコ機10によれば、大当たり処理(図27参照)の中の各処理で可変入賞装置72,74の開閉制御を行うと共に、確変領域75の開閉制御とを実行し、有効に設定されている確変領域75を球が通過した場合に、該大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させるように構成する。このように構成することで、各ラウンドにおいて、確変領域75が開放されるか否か、及び、確変領域75が開放されるタイミングで該確変領域75に球を流入させることが可能な可変入賞装置72,74(即ち、第2可変入賞装置74)が開放されるか否かかの遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる。
さらに、第1実施形態のパチンコ機10によれば、開閉パターンが同等となる大当たり種別(即ち、大当たり種別「時短A」及び「潜伏確率変動A」、大当たり種別「時短B」及び「潜伏確率変動B」、並びに、大当たり種別「時短C」及び「潜伏確率変動C」)をそれぞれ設け、各可変入賞装置72,74の開閉パターンのみでは大当たり種別を判別できないようにして、遊技者にいずれの大当たり種別に当選しているかを認識し難く(不可に)構成し、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。
また、第1実施形態のパチンコ機10によれば、各大当たり種別において、各ラウンド毎で開放される可変入賞装置72,74を設定すると共に、該ラウンドに対応して確変領域75の開放又は閉鎖を設定する。そして、可変入賞装置72,74の開放パターンのみでは大当たり種別を判別できないようにして、遊技者にいずれの大当たり種別に当選しているかを認識し難く(不可に)構成し、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。
さらに、第1実施形態では、大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させる大当たり種別に当選した場合に、その大当たりにおける複数のラウンドにおいて、確変領域75が開放されるラウンドで第2可変入賞装置74が開放されるように構成されている。よって、仮に、確変領域75が開放されているいずれか1のラウンドにおいて、確変領域75へ球を通過させることができなかった場合であっても、他のラウンドにおいて再び確変領域75を開放することで、確変領域75に球を通過させることが可能となる。従って、急なトラブル(例えば、発射異常等の遊技異常や、遊技者の体調不良等)によって、確変領域75が開放される1のラウンドにおいて確変領域75へ球を通過させることに支障が生じた場合であっても、他のラウンドにおいて再び確変領域75を開放して、確変領域75へ球を通過させる可能性を設けることで、不測の事態によって遊技者が不利益を被ることなく、快適な遊技を実現することができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、大当たりにおいて、確変領域75が有効に設定されている状況において球が通過することによって、該大当たり終了後に「確率変動状態」が付与(発生)するように構成され、無効に設定されている確変領域75を球が通過しても「確率変動状態」が付与(発生)しないように構成されている。
従来、大当たり時に開放されるアタッカーユニット71内に、球が通過可能な確変領域を設け、該確変領域を開閉レバー等で開閉制御し、アタッカーユニット71内に流入した球が確変領域を通過した場合に、該大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させる(付与する)パチンコ機がある。
このようなパチンコ機では、大当たりの発生時には、「確率変動状態」が発生するか否かを遊技者に報知せずに、例えば、「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」に対応する大当たり図柄を第3図柄表示装置81に表示する等、「潜伏確変演出態様(即ち、「時短報知演出態様」又は「通常報知演出態様」。以下同様。)」を行い、遊技者には「確率変動状態」ではなく「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」が発生されるかのような演出を実行する。そして、該大当たり中に、大当たり種別に基づいて所定タイミングで開放レバーを開閉制御する。
具体的には、例えば、「確率変動状態」を発生させる大当たり種別である場合には、アタッカーユニット71内に流入した球が上記確変領域を通過するように開閉レバーを開閉制御して、該大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させるように構成する。一方、「確率変動状態」を発生させない大当たり種別である場合には、アタッカーユニット71内に流入した球が上記確変領域を通過しないように開閉レバーを開閉制御して、該大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させず、「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」を発生させるように構成する。
このように構成することで、大当たり終了後の遊技状態が「確率変動状態」であるのか、「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」であるのか遊技者に認識し難く(不可に)構成し、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。また、「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」であっても、演出態様に反して(内部的に)「確率変動状態」かもしれないと遊技者に推測させ、継続的に遊技を実行させることで、パチンコ機の稼働率を向上することができる。
しかしながら、上記パチンコ機では、「潜伏確変演出態様」を実行していた場合であっても、確変領域を球が通過したときにはもれなく「確率変動状態」を発生させる構成であるため、アタッカーユニット71内の確変領域を球が通過するか否かに対して遊技者が着目し続け、確変領域を球が通過したことを遊技者が視認した段階で、「確率変動状態」が発生することを遊技者に認識されてしまい、想定していた遊技性が崩壊してしまう。また、遊技者に「確率変動状態」の発生が認識された後に「潜伏確変演出態様」を継続的に実行してしまうと、遊技の興趣を遊技者に与えることができず、むしろ、遊技に対して興醒めするおそれがある。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、アタッカーユニット71内に設けられた確変領域75の有効状態又は無効状態を切り替え可能に構成し、大当たり種別に応じて、大当たりの各ラウンド毎に確変領域75に設けられた確変領域開閉板75aを開放するように駆動制御すると共に、確変領域75の有効又は無効の設定を遊技者に認識できない状態で(内部的に)切り替えるように制御する。そして、大当たり中において、有効に設定されている確変領域75を球が通過した場合には、該大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させるように構成する。一方、無効に設定されている確変領域75を球が通過したとしても、該大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させないように構成する。
即ち、例えば、確変領域開閉板75aが開放されて確変領域75へ球が流入可能な状態において、該確変領域75を有効に設定している場合、確変領域75(確変領域スイッチ75c)を球が通過したときには、該大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させるように構成する。一方、確変領域開閉板75aが開放されて確変領域75へ球が流入可能な状態において、該確変領域75を無効に設定している場合、確変領域75(確変領域スイッチ75c)を球が通過しても、該大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させないように構成する。
このように構成することで、確変領域75を球が通過したとしても、内部的にその確変領域75が有効に設定されていなければ、大当たり終了後に「確率変動状態」が発生しないため、確変領域75への球の通過を遊技者に視認された場合であっても、大当たり終了後に「確率変動状態」の発生が確定しないように構成することができる。このように構成することで、「潜伏確変演出態様」を実行している場合であっても、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる。また、「確率変動状態」の付与を想定していない状況において、イレギュラー的に確変領域75へ球が流入した場合であっても、該確変領域75を無効に設定しておくことで、意図しない遊技価値が付与されてしまうことを未然に防止することができる。
また、第1実施形態のパチンコ機10によれば、開閉パターンが同等となる大当たり種別(即ち、大当たり種別「時短A」及び「潜伏確率変動A」、大当たり種別「時短B」及び「潜伏確率変動B」、並びに、大当たり種別「時短C」及び「潜伏確率変動C」)をそれぞれ設け、可変入賞装置72,74の開閉パターンのみでは大当たり種別を判別できないようにして、遊技者にいずれの大当たり種別に当選しているかを認識し難く(不可に)構成し、該大当たり後にいずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。一方で、「確率変動状態」であることを報知する大当たり種別「確率変動A」は、他の大当たり種別とは異なる固有の開閉パターン(即ち、「Y1」)で可変入賞装置72,74を開閉制御する。従って、遊技者は、可変入賞装置72,74の開閉パターンを認識することで、「確率変動状態」が付与されることを認識することができる。
さらに、「確率変動状態」を発生し得ない大当たり種別「時短A」において、確変領域75が開放され得る大当たりの途中ラウンド(即ち、3ラウンド目)の開始前にインターバルを実行して、アタッカーユニット71内に球が存在しない状態にしてから、確変領域75を開放するラウンドを実行する。このように構成することで、意図しない「確率変動状態」の付与を阻止できる。よって、遊技仕様の想定通りの遊技価値を遊技者に付与し、遊技場に不測の損失が発生することを防止することができる。
また、第1実施形態のパチンコ機10によれば、確変領域75が開放されるラウンドの開始前に実行されるインターバル期間において、少なくともインターバルが実行されている期間(例えば、インターバル及び3ラウンド目を含む期間)において、遊技者によって大当たり終了後の演出態様を決定するための「キャラクタ選択」演出が実行されるように構成されている。インターバル期間中に「キャラクタ選択」演出を実行することで、遊技者に「キャラクタ選択」演出に着目させ、相対的に第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74の開放態様への注目度を低下させるとともに、確変領域75の開放態様への注目度も低下させることができる。即ち、インターバル期間中に遊技者が着目し易い「キャラクタ選択」演出を実行することで、開放される確変領域75に対する球の流入結果を遊技者に認識し難くなるように構成する。このように構成することで、確変領域75を球が通過したか否かを遊技者に認識し難くして、大当たり終了後の遊技状態がいずれの遊技状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。また、「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」であっても、演出態様に反して(内部的に)「確率変動状態」かもしれないと遊技者に推測させ、継続的に遊技を実行させることで、パチンコ機の稼働率を向上することができる。
さらに、大当たりに当選した場合に、遊技者によって大当たり後の演出態様を決定する要因となるキャラクタを選択可能に構成することで、大当たり後の演出において遊技者の嗜好に合った演出態様(キャラクタ)を実行することができる。また、実行される遊技状態の内容を示唆する演出を遊技者自らの意思によって選択することができ、遊技者参加型のバリエーション豊富な演出を提供することができる。よって、大当たりという遊技者が悦楽を感じている状況において更なる興趣を付与し、遊技の興趣を向上させることができる。
<第2実施形態>
次いで、図41を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1実施形態におけるパチンコ機10では、第1可変入賞装置72の一部分(即ち、正面視右側)と第2可変入賞装置74の一部分(即ち、正面視左側)が鉛直方向に重なるように遊技盤13に対して配置し、該一部分以外は鉛直方向に重ならないように配置されている。
ここで、パチンコ機10は、パチンコ機10全体の横幅より縦幅の方が大きく、左右の幅にかかる設計上の制約が上下の幅にかかる設計上の制約より大きい構成となっている。従って、第1可変入賞装置72と第2可変入賞装置74との横方向への配置領域が大きくなってしまうと、遊技盤13の遊技領域における所定の領域を上記第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74で占有してしまい、他の遊技部品の設計自由度を低くしてしまう要因となるおそれがある。
また、パチンコ機10は、遊技ホールに設置するための遊技島に対して取付ける場合、該遊技島の設備等と当接しないように、奥行方向の設計寸法に制約が設けられている。よって、各部品ごとにそれぞれ奥行寸法を制限しつつ設計する必要が生じ、第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74並びに確変領域75を有するアタッカーユニット71に対しても同様の制約が生じ、該アタッカーユニット71の奥行寸法が大きくなってしまうと、他の遊技部品の設計自由度を低くしてしまう要因となるおそれがある。
これに対し、第2実施形態のパチンコ機10では、アタッカーユニット71の横幅寸法を第1可変入賞装置72の横幅寸法と同等にし、第2可変入賞装置74の横幅寸法を第1可変入賞装置72の横幅寸法内に収まる大きさにしつつ、確変領域75も第1可変入賞装置72の横幅寸法内に収まるように構成する。また、第1可変入賞装置72からの各通路72d,72eと、第2可変入賞装置74からの各通路74d,74eと、確変領域75及び排出通路76とを、アタッカーユニット71の横幅寸法内に収まるように配置しつつ、上記各通路72d,72e,74d,74e、確変領域75及び排出通路76の奥行寸法も、遊技盤13の盤表面からパチンコ機10の奥方向に約球1個分程度となるように構成する。このように構成することで、アタッカーユニット71の横幅寸法および奥行寸法を削減して、他の遊技部品の設計自由度を向上しつつ、2の可変入賞装置72,74に対して確変領域75を設けたことによる第1実施形態の効果を奏する。
以下、第2実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
図41を参照して、第2実施形態のアタッカーユニット71の詳細について説明する。図41は、第2実施形態のアタッカーユニット71を模式的に表した図であり、図41(a)は、第2実施形態の第1可変入賞装置72、第2可変入賞装置74および確変領域75を備えたアタッカーユニット71の正面視を模式的に表した正面拡大図であり、図41(b)は、図41(a)のA方向からのアタッカーユニット71の側面視を模式的に表した右側面拡大図である。
図41(a)および図41(b)で示すように、第2実施形態のアタッカーユニット71は、主に、第1可変入賞装置72と第2可変入賞装置74と確変領域75と排出通路76とで構成され、第1可変入賞装置72の横幅寸法内に、第2可変入賞装置74、確変領域75及び排出通路76の横幅寸法が収まる大きさ及び位置に構成されている。
また、アタッカーユニット71は、遊技盤13の盤表面より球1個分程度の奥行範囲内に、球を案内するすべての部品(各ソレノイド72b等を除く)が収まるように構成されている。
さらに、第1実施形態と同様、この第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74には、所謂右打ち遊技で発射された球が流入可能に構成されており、所謂左打ち遊技で発射された球が流入不可に構成されている。
ここで、第2実施形態のアタッカーユニット71では、右打ち遊技によって第1可変入賞装置72の正面視右側方向から左側方向へ流下してきた球が、第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置の横幅内に万遍なく流下可能に構成されている。よって、第1実施形態のように、第1可変入賞装置72と第2可変入賞装置74とが鉛直方向で重なる部位に球を誘導する左側釘群77及び右側釘群78のような誘導手段が不要となり、左側釘群77及び右側釘群78のような誘導手段を配置せずに済み、アタッカーユニット71の正面視上部側の領域を有効活用(の設計自由度を向上)することができる。
第1大入賞口検知前通路72dは、第1開閉板72aが開放されている場合に、第1可変入賞装置72内に流入した球を、正面視右側に緩やかに傾斜した底部により第1大入賞口スイッチ72cに向けて案内するように構成されている。第1開閉板72aが開放されている間に、右打ち遊技によって発射された球は、アタッカーユニット71の正面視上方から万遍なく流下し、その後、第1開閉板72aと衝突して第1大入賞口検知前通路72dへと流入する。そして、該球は、第1大入賞口検知前通路72dの底部を正面視右側へと転動して、第1大入賞口スイッチ72cへと到達して該第1大入賞口スイッチ72cによって検知される。なお、第1大入賞口検知前通路72dから第1大入賞口スイッチ72cまで到達する時間は、平均で約0.4秒程度要するように構成されている。
第1大入賞口検知後通路72eは、第1大入賞口スイッチ72cによって検知された球を、アタッカーユニット71内に設けられた確変領域75側へと案内するための通路である。この第1大入賞口検知後通路72eには、第1実施形態と異なり、該通路内を流下する球の流下速度を減速する減速リブ72fが設けられていない。従って、第1大入賞口検知後通路72eの最上流側から確変領域75まで到達する時間は、約1.6秒程度要するように構成されている。
即ち、第2実施形態の第1可変入賞装置72内に流入した球は、アタッカーユニット71内の確変領域75に到達するまでに、少なくとも、第1大入賞口検知前通路72dを流下する時間約0.4秒と、第1大入賞口検知後通路72eを流下する時間約1.6秒との計約2.0秒を要するように構成されている。これにより、例えば、第1開閉板72aが開放された直後に第1可変入賞装置72内に球が流入した場合でも、該球が確変領域75に到達するまでに少なくとも約2.0秒要することから、確変領域75の確変領域開閉板75aの開放時間が第1開閉板72aの開放開始から約2.0秒以上開放されていない場合は、確変領域75内に球が流入しないように構成されている。
よって、第1可変入賞装置72の第1開閉板72aが開放された場合に、例えば、その第1開閉板72aの開放から、少なくとも、約2.0秒以内に確変領域開閉板75aが閉鎖されてしまったときは、第1可変入賞装置72に球が入賞した場合であっても確変領域75へ球が流入し得ない設定となっている。
第2可変入賞装置74は、主に、第2大入賞口検知前通路74dを覆う横長矩形状であって、第1可変入賞装置72の横幅寸法より短い横幅寸法の第2開閉板74aと、その第2開閉板74aの下辺を軸として前方側に該第2開閉板74aを開閉駆動するための第2大入賞口ソレノイド74b(図8参照)と、第2可変入賞装置74内に入賞した球を検知する第2大入賞口スイッチ74cと、該第2大入賞口スイッチ74cに検知される前の球が流下する第2大入賞口検知前通路74dと、第2大入賞口スイッチ74cで検知された後の球が流下する第2大入賞口検知後通路74eとが設けられている。そして、第2大入賞口検知後通路74eは、合流部73において、第1可変入賞装置72の第1大入賞口検知後通路72eと合流するように構成されている。
第2大入賞口検知前通路74dは、第2開閉板74aが開放されている場合に、第2可変入賞装置74内に流入した球を、正面視右側に緩やかに傾斜した底部により第2大入賞口スイッチ74cに向けて案内するように構成されている。第2開閉板74aが開放されている間に、右打ち遊技によって発射された球は、アタッカーユニット71の正面視上方から万遍なく流下し、その後、第2開閉板74aと衝突して第2大入賞口検知前通路74dへと流入する。そして、該球は、第2大入賞口検知前通路74dの底部を正面視右側へと転動して、第2大入賞口スイッチ74cへと到達して該第2大入賞口スイッチ74cによって検知される。なお、第2大入賞口検知前通路74dから第2大入賞口スイッチ74cまで到達する時間は、第2開閉板74aが第1開閉板72aより横幅が短いため、平均で約0.3秒程度要するように構成されている。
第2大入賞口検知後通路74eは、第2大入賞口スイッチ74cによって検知された球を、アタッカーユニット71内に設けられた確変領域75側へと案内するための通路である。この第2大入賞口検知後通路74eは、第1大入賞口検知後通路72eより短く構成されており(例えば、第1大入賞口検知後通路72eの長さの1/3の長さ)構成されている。従って、第2大入賞口検知後通路74eの最上流側から確変領域75まで到達する時間は、約0.7秒程度要するように構成されている。
即ち、第2可変入賞装置74内に流入した球は、アタッカーユニット71内の確変領域75に到達するまでに、少なくとも、第2大入賞口検知前通路74dを流下する時間約0.3秒と、第2大入賞口検知後通路74eを流下する時間約0.7秒との計約1.0秒を要するように構成されている。これにより、例えば、第2開閉板74aが開放された直後に第2可変入賞装置74内に球が流入した場合、該球が確変領域75に到達するまでに少なくとも約1.0秒で到達することから、確変領域75の確変領域開閉板75aの開放時間が、第2開閉板74aの開放開始から約1.0秒以上開放されていない場合は、確変領域75内に球が流入しないように構成されている一方、第2開閉板74aの開放開始から2秒程度開放された場合は、0.6秒間隔で1発ずつ球が発射されている場合は、最大で3発程度の球が確変領域75内へ流入可能に構成されている。
よって、第2可変入賞装置74の第2開閉板74aが開放された場合に、例えば、その第2開閉板74aの開放から、少なくとも約2.0秒程度、確変領域開閉板75aが開放されているときは、第2可変入賞装置74に入賞した球が確変領域75へ流入し得る設定となっている。
なお、第1大入賞口検知後通路72eの通路内に、第1実施形態のような減速リブを設け、第1大入賞口スイッチ72cによって検知されてから確変領域75まで流下するまでの時間を遅延させるように構成してもよい。
確変領域75全体の横幅寸法および配置と、排出通路76の横幅寸法および配置は、第1可変入賞装置72の横幅寸法以内に収まるように構成されている。
以上、説明したように、第2実施形態のパチンコ機10によれば、アタッカーユニット71の横幅寸法を第1可変入賞装置72の横幅寸法と同等にし、第2可変入賞装置74の横幅寸法を第1可変入賞装置72の横幅寸法内に収まる大きさにしつつ、確変領域75も第1可変入賞装置72の横幅寸法内に収まるように構成する。また、第1可変入賞装置72からの各通路72d,72eと、第2可変入賞装置74からの各通路74d,74eと、確変領域75及び排出通路76とを、アタッカーユニット71の横幅寸法内に収まるように配置しつつ、上記各通路72d,72e,74d,74e、確変領域75及び排出通路76の奥行寸法も、遊技盤13の盤表面からパチンコ機10の奥方向に約球1個分程度となるように構成する。このように構成することで、アタッカーユニット71の横幅寸法および奥行寸法を削減して、他の遊技部品の設計自由度を向上しつつ、2の可変入賞装置72,74に対して確変領域75を設けたことによる第1実施形態の効果を奏する。
その他、第2実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
<第3実施形態>
次いで、図42を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第2実施形態におけるパチンコ機10では、アタッカーユニット71内の確変領域75と排出通路76とを正面視横方向となる位置に配置して構成している。
ここで、パチンコ機10の正面側からアタッカーユニット71内に流入した球を視認する場合において、確変領域75と排出通路76とが正面視において横方向に並列的に配置されている。このため、パチンコ機10の前面側からアタッカーユニット71内に流下した球を目で追うことで、該球が、確変領域75へ球が流入したか、排出通路76へ球が流入したかを判別し得る(し易い)ように構成されている。
これに対し、第3実施形態のパチンコ機10では、確変領域75のパチンコ機10奥側に排出通路76を設け、該確変領域75及び排出通路76とを共に光透過性の透明樹脂(例えば、ポリカーボネート又はアクリル)により構成する。また、確変領域開閉板75aも光透過性の透明樹脂(例えば、ポリカーボネート又はアクリル)によって構成する。即ち、確変領域75と排出通路76とがパチンコ機10の正面視前後方向(奥行方向)に重複するように構成する。一般的に人間の視覚は、平面画像の差分より奥行画像の差分を認識し難いため、確変領域75及び排出通路76を平面的(正面視横方向)に配置した場合に比べて、確変領域75及び排出通路76を正面視前後方向に配置した場合、パチンコ機10の正面側からこの確変領域75及び排出通路76を視認する遊技者に確変領域75又は排出通路76へ流入したか否かを認識困難にすることができる。特に、確変領域75(確変領域開閉板75aや確変領域ソレノイド75bに関する部材も含む)と排出通路76とを透明部材により構成することで、確変領域75に球が流入し得る状態か、排出通路76に球が流入する状態かを認識し難くすることができる。よって、アタッカーユニット71内に流入した球が確変領域75へ流入したのか排出通路76に流入したのかを遊技者から識別困難にすることができ、確変領域75を通過したことによって発生し得る「確率変動状態」が付与されたか否かを把握し難くすることできる。その結果、「潜伏確変演出態様」を実行している場合であっても、「確率変動状態」であるのか、「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」であるのかを遊技者に認識困難にさせて、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる。
以下、第3実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態及び第2実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態及び第2実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
図42を参照して、第3実施形態のアタッカーユニット71の詳細について説明する。図42は、第3実施形態のアタッカーユニット71を模式的に表した図であり、図42(a)は、第3実施形態の第1可変入賞装置72、第2可変入賞装置74および確変領域75を備えたアタッカーユニット71の正面視を模式的に表した正面拡大図であり、図42(b)は、図42(a)のB方向からのアタッカーユニット71の側面視を模式的に表した右側面拡大図である。
図42(a)および図42(b)で示すように、第3実施形態のアタッカーユニット71は、主に、第1可変入賞装置72と第2可変入賞装置74と確変領域75と排出通路76とで構成され、第1可変入賞装置72の横幅寸法内に、第2可変入賞装置74、確変領域75及び排出通路76の横幅寸法が収まる大きさ及び位置に構成されている。
また、確変領域75と排出通路76とがパチンコ機10の正面視奥行き方向に重畳するように構成されている。即ち、アタッカーユニット71は、遊技盤13の盤表面より球2個分程度の奥行範囲内に、球を案内するすべての部品(各ソレノイド72b等を除く)が収まるように構成されている。
さらに、第1実施形態及び第2実施形態と同様、この第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74には、所謂右打ち遊技で発射された球が流入可能に構成されており、所謂左打ち遊技で発射された球が流入不可に構成されている。
ここで、第3実施形態のアタッカーユニット71は、少なくとも、確変領域75と排出通路76とが共に光透過性の透明樹脂材料によって構成され、確変領域75又は排出通路76を流下する球が、パチンコ機10の正面側から認識可能に構成されている。さらに、確変領域75を覆う確変領域開閉板75aは、閉鎖状態(初期状態)において、確変領域スイッチ75cへ流下する通路を覆うとともに、その上面が排出通路76側に傾斜し、確変領域開閉板75aに衝突した球を、該確変領域開閉板75aの上面を排出通路76側へ転動させることで、排出通路76へと案内するように構成されている。一方、確変領域開閉板75aは、開放状態(駆動状態)において、排出通路76へ流下する通路を覆うとともに、確変領域スイッチ75cへ流下する通路を開放して、合流部73からアタッカーユニット71内を流下する球が確変領域スイッチ75c側へと流下される。
この場合に、確変領域75と排出通路76とが共に光透過性の透明樹脂で形成されているとともに、確変領域開閉板75aも光透過性の透明樹脂で形成されている。よって、確変領域開閉板75aがいずれの確変領域75又は排出通路76を開放(閉鎖)しているかを、遊技者がパチンコ機10の正面側から把握し難く構成するとともに、確変領域75と排出通路76とをパチンコ機10の奥行方向に重畳させることで、アタッカーユニット71内を流下する球が、確変領域75を流下しているのか、排出通路76を流下しているのかを、パチンコ機10の正面側から把握困難に構成する。このように構成することで、アタッカーユニット71内に流入した球が確変領域75へ流入したのか排出通路76に流入したのかを遊技者から識別困難にすることができ、確変領域75を通過したことによって発生し得る「確率変動状態」が付与されたか否かを把握し難くすることできる。その結果、「潜伏確変演出態様」を実行している場合であっても、「確率変動状態」であるのか、「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」であるのかを遊技者に認識困難にさせて、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる。
なお、排出通路76をパチンコ機10の手前側、確変領域75をパチンコ機10の奥側に配置するように構成してもよい。具体的には、通常時は、確変領域開閉板75aを没入状態にして、確変領域75を覆うことで、確変領域75に球が流下せず、排出通路76にのみ球が流下するように構成しつつ、確変領域75へ球を流入させたい場合にのみ、確変領域開閉板75aを突出させて、該確変領域開閉板75aによって排出通路76を覆い、アタッカーユニット71内を流下する球を確変領域開閉板75aと衝突させて、確変領域75へ球を流下可能となるように構成する。
また、第1可変入賞装置72の第1大入賞口検知後通路72e、及び、第2可変入賞装置74の第2大入賞口検知後通路74eを流下する球を視認不可又は視認困難にするように、所定の塗装や視認困難加工(例えば、シボ加工やローレット加工)を施すように構成してもよい。このように構成することで、アタッカーユニット71の合流部73で視認可能となる球が、いずれの可変入賞装置72,74から流入したか判別困難に構成することができる。
以上説明したように、第3実施形態のパチンコ機10によれば、確変領域75のパチンコ機10奥側に排出通路76を設け、該確変領域75及び排出通路76とを共に光透過性の透明樹脂により構成する。また、確変領域開閉板75aも光透過性の透明樹脂によって構成する。即ち、確変領域75と排出通路76とがパチンコ機10の正面視前後方向(奥行方向)に重複するように構成する。一般的に人間の視覚は、平面画像の差分より奥行画像の差分を認識し難いため、確変領域75及び排出通路76を平面的(正面視横方向)に配置した場合に比べて、確変領域75及び排出通路76を正面視前後方向に配置した場合、パチンコ機10の正面側からこの確変領域75及び排出通路76を視認する遊技者に確変領域75又は排出通路76へ流入したか否かを認識困難にすることができる。特に、確変領域75(確変領域開閉板75aや確変領域ソレノイド75bに関する部材も含む)と排出通路76とを透明部材により構成することで、確変領域75に球が流入し得る状態か、排出通路76に球が流入する状態かを認識し難くすることができる。よって、アタッカーユニット71内に流入した球が確変領域75へ流入したのか排出通路76に流入したのかを遊技者から識別困難にすることができ、確変領域75を通過したことによって発生し得る「確率変動状態」が付与されたか否かを把握し難くすることできる。その結果、「潜伏確変演出態様」を実行している場合であっても、「確率変動状態」であるのか、「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」であるのかを遊技者に認識困難にさせて、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる。
その他、第3実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態又は第2実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
<第4実施形態>
次いで、図43を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第2実施形態におけるパチンコ機10では、第1可変入賞装置72に流入した球と、第2可変入賞装置74に流入した球との合流地点である合流部73の下流側に確変領域75を設け、該合流部73の下流側を球が流下するタイミングにおいて、確変領域開閉板75aが開放しているか否かに応じて、確変領域75内に球が流入し得るように構成している。
これに対し、第4実施形態のパチンコ機10では、第1可変入賞装置72の第1大入賞口検知後通路72eの直下、かつ、第2可変入賞装置74の第2大入賞口検知後通路74eの直下に跨るように、確変領域開閉板75aを配置する。そして、第1可変入賞装置72の第1大入賞口検知後通路72eを球が流下した直後、又は、第2可変入賞装置74の第2大入賞口検知後通路74eを球が流下した直後に、確変領域開閉板75aが開放されている場合には、該球が確変領域スイッチ75cが配設されている通路へ流入するように構成される。一方、第1可変入賞装置72の第1大入賞口検知後通路72eを球が流下した直後、又は、第2可変入賞装置74の第2大入賞口検知後通路74eを球が流下した直後に、確変領域開閉板75aが閉鎖されている場合には、確変領域開閉板75aの上面を球が排出通路76側へと転動し、該排出通路76へ流入するように構成される。このように構成することで、第1可変入賞装置72の第1大入賞口検知後通路72e、第2可変入賞装置74の第2大入賞口検知後通路74e、確変領域75及び排出通路76の通路長さを削減して、アタッカーユニット71全体の寸法(特に、縦寸法)を小さくして、他の遊技部品の設計自由度を向上しつつ、2の可変入賞装置72,74に対して確変領域75を設けたことによる第1実施形態乃至第3実施形態の効果を奏する。
以下、第4実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態乃至第3実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態乃至第3実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
図43を参照して、第4実施形態のアタッカーユニット71の詳細について説明する。図43は、第4実施形態の第1可変入賞装置72、第2可変入賞装置74および確変領域75を備えたアタッカーユニット71の正面視を模式的に表した正面拡大図である。
図43で示すように、第4実施形態のアタッカーユニット71は、主に、第1可変入賞装置72と第2可変入賞装置74と確変領域75と排出通路76とで構成され、第1可変入賞装置72の横幅寸法内に、第2可変入賞装置74、確変領域75及び排出通路76の横幅寸法が収まる大きさ及び位置に構成されている。
また、確変領域75を覆う確変領域開閉板75aが、少なくとも、第1大入賞口検知後通路72eの通路幅と、第2大入賞口検知後通路74eの通路幅との直下に跨がる位置(範囲)に連続して配置されている。よって、確変領域開閉板75aが開放している場合に、第1可変入賞装置72に流入した球が、第1大入賞口検知後通路72eを流下した直後に確変領域75内に流入し得るとともに、第2可変入賞装置74に流入した球が、第2大入賞口検知後通路74eを流下した直後に確変領域75内に流入し得るように構成されている。
即ち、確変領域の配設位置を、少なくとも、第1大入賞口検知後通路72eの通路幅と第2大入賞口検知後通路74eの通路幅とに跨がる位置に配置し、例えば、該確変領域開閉板75aの配設位置を第1大入賞口検知後通路72eの通路幅と第2大入賞口検知後通路74eの通路幅との鉛直方向直下の範囲のみに収めることで、確変領域75と排出通路76との配設位置をコンパクトにすることができる。このように構成することで、アタッカーユニット71全体の横寸法および縦寸法を削減して、他の遊技部品の設計自由度を向上しつつ、2の可変入賞装置72,74に対して確変領域75を設けたことによる第1実施形態乃至第3実施形態の効果を奏する。
その他、第4実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態乃至第3実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
<第5実施形態>
次いで、図44を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1実施形態におけるパチンコ機10では、回動式の第1開閉板72a又は第2開閉板74aを回動することで、第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74内に球が流入可能となるように構成されている。
これに対し、第5実施形態のパチンコ機10では、出没式の第1開閉板72a及び第2開閉板74aを設け、大当たり時に、初期状態として突出状態である該第1開閉板72a又は第2開閉板74aのいずれか一方を没入させることで、第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74内に球が流入可能となるように構成する。また、第1開閉板72aの上面を転動する球が衝突し得る手前側減速リブ79aを設け、第1開閉板72aの上面を転動する球が該第1開閉板72a上に存在する時間が長くなるように構成する。さらに、第2開閉板74aの上面を転動する球が衝突し得る奥側減速リブ79bを設け、第2開閉板74aの上面を転動する球が該第2開閉板74a上に存在する時間が長くなるように構成する。そして、第2可変入賞装置74には、第1可変入賞装置72の第1開閉板72aを渡りきった球のみが入賞可能に構成する。
このように構成することで、第1可変入賞装置72と第2可変入賞装置74とを交互に開閉する場合に、第1可変入賞装置72が閉鎖して直ちに第2可変入賞装置74を開放したときでも、第2可変入賞装置74に球が入賞するためには、第1可変入賞装置72の第1開閉板72aを渡りきるための時間を要するため、第2可変入賞装置74への入賞を遅延させることができる。よって、例えば、第1可変入賞装置72に入賞した球が確変領域75まで到達するまで所定時間かかるような場合において、第2可変入賞装置74の開放から上記所定時間経過後に確変領域75を開放するように構成することで、インターバル時間を設けることなく第1可変入賞装置72と第2可変入賞装置74とを間断なく連続的に開放することができる。従って、見た目上、いずれかの可変入賞装置72,74が開放していることから、インターバル時間をなくすことで遊技の間延びを抑制しつつ、遊技者には迅速に遊技価値が付与可能な状態と認識させることができる。
以下、第5実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態乃至第4実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態乃至第4実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
図44を参照して、第5実施形態のアタッカーユニット71の詳細について説明する。図44は、第5実施形態の第1可変入賞装置72、第2可変入賞装置74、確変領域75及び排出通路76を備えたアタッカーユニット71の正面視を模式的に表した正面拡大図である。
図44で示すように、第5実施形態のアタッカーユニット71は、主に、第1可変入賞装置72と第2可変入賞装置74と確変領域75と排出通路76とで構成され、第1可変入賞装置72の正面視左側(下流側)に、第2可変入賞装置74が配置されるように構成されている。
また、第1実施形態等と同様、この第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74には、所謂右打ち遊技で発射されて正面視右側からアタッカーユニット71の右上部分に形成された右上転動部71aの傾斜に沿って転動する球が、アタッカーユニット71の右側から流入可能に構成される一方、所謂左打ち遊技で発射された球が流入不可に構成されている。
第5実施形態の第1可変入賞装置72は、主に、第1大入賞口検知前通路72dを覆う板状の第1開閉板72aと、その第1開閉板72aを出没駆動するための第1大入賞口ソレノイド72b(図8参照)と、第1可変入賞装置72内に入賞した球を検知する第1大入賞口スイッチ72cと、該第1大入賞口スイッチ72cに検知される前の球が流下する第1大入賞口検知前通路72dと、第1大入賞口スイッチ72cで検知された後の球が流下する第1大入賞口検知後通路72eとが設けられている。そして、第1大入賞口検知後通路72eは、合流部73において、後述する第2可変入賞装置74の第2大入賞口検知後通路74eと合流するように構成されている。
第1開閉板72aは、その上面を球が転動可能に構成され、特別図柄における大当たり時に、後述する第2可変入賞装置74の第2開閉板74aと交互に突出状態又は没入状態に駆動制御されるように構成されている。そして、第1開閉板72aが突出状態(即ち、閉鎖状態)である場合に、該第1開閉板72aの上面を傾斜に沿って左方向へ転動し、該第1開閉板72aが突出状態を維持している間に球が該第1開閉板72aの左端まで転動されると、後述する第2可変入賞装置74の第2開閉板74a側へ球を誘導可能に構成されている。
一方、第1開閉板72aが没入状態(即ち、開放状態)である場合に、右打ち遊技によって発射された球は、アタッカーユニット71の正面視右側から転動し、第1可変入賞装置72内へと流入する。また、右打ち遊技によって発射された球が第1開閉板72aの上面を転動している最中に、該第1開閉板72aが没入(開放)された場合に、該第1開閉板72aの上面を転動している球が一度に第1可変入賞装置72内へと流入する。
ここで、第1開閉板72aの正面視上部左側には、該第1開閉板72aの上面を転動する球の転動(流下)速度を減速する手前側減速リブ79aが設けられている。この手前側減速リブ79aは、正面視奥側に設けられた奥側リブと、正面視手前側に設けられた複数の手前側リブとが、交互かつ均等な距離となるように配置され、球が第1開閉板72aの上面を転動する際に、球が各リブと衝突を繰り返して蛇行して減速しながら流下するように構成されている。従って、第1開閉板72aの最右端から最左端まで到達する時間は、約2.0秒程度要するように構成されている。
第1大入賞口検知前通路72dは、第1開閉板72aが開放されている場合に、第1可変入賞装置72内に流入した球を、正面視右側に緩やかに傾斜した底部により第1大入賞口スイッチ72cに向けて案内するように構成されている。第1開閉板72aが突出状態から没入状態へと変位している間、即ち、第1可変入賞装置72が開放されている間に、右打ち遊技によって発射された球は、アタッカーユニット71の正面視右側から転動し、その後、第1開閉板72aが閉鎖状態(突出状態)である場合には、該第1開閉板72aの上面を転動して、下流側(第2可変入賞装置74側)へと流下する。一方、第1開閉板72aが開放状態(没入状態)である場合には、第1大入賞口検知前通路72dへと流入する。そして、該球は、流入した勢いによって第1大入賞口検知前通路72dの底部を正面視左側へと転動した後、該球の自重により第1大入賞口検知前通路72dの底部を正面視右側へと転動して、第1大入賞口スイッチ72cへと到達して該第1大入賞口スイッチ72cによって検知される。即ち、第1大入賞口検知前通路72dは、第1可変入賞装置72に流入した球を、一旦、確変領域75の配設位置から離間する方向へと案内する。なお、第1開閉板72aと第1大入賞口検知前通路72dの底部との幅(高さ)は、球2個程度離れて構成されており、第1開閉板72aが突出しようとした場合に、球によって第1開閉板72aの突出が阻害され難く構成されている。
ここで、右打ち遊技によって打ち出された球は、第1可変入賞装置72の右上転動部71aから正面視左側方向へ転動し、該第1可変入賞装置72の第1開閉板72aが開放されていれば第1可変入賞装置72内に流入する。第1可変入賞装置72内に流入した球は、正面視左側方向へ流下する勢いを維持したまま、第1大入賞口検知前通路72dを正面視左側方向へと転動する。そして、左側方向へと転動した球の勢いが第1大入賞口検知前通路72dの右下がり傾斜によって打ち消され、第1大入賞口検知前通路72dの右下がり傾斜に沿って正面視右側方向へと流下する。従って、第1大入賞口検知前通路72dの正面視最左端から第1大入賞口スイッチ72cまで到達する時間は、第1大入賞口検知前通路72dの傾斜を正面視左側方向へ上ることでやや滞留するため、約1.0秒程度要するように構成されている。
第1大入賞口検知後通路72eは、第1大入賞口スイッチ72cによって検知された球を、アタッカーユニット71内に設けられた確変領域75側へと案内するための通路である。この第1大入賞口検知後通路72eには、後述する第2大入賞口検知後通路74eより通路長さが長く(例えば、5倍)構成されている。従って、第1大入賞口検知後通路72eの最上流側から確変領域75まで到達する時間は、約1.5秒程度要するように構成されている。
即ち、第1可変入賞装置72内に流入した球は、アタッカーユニット71内の確変領域75に到達するまでに、少なくとも、第1大入賞口検知前通路72dを流下する時間約1.0秒と、第1大入賞口検知後通路72eを流下する時間約1.5秒との計約2.5秒を要するように構成されている。これにより、例えば、第1開閉板72aが開放(没入)された直後に第1可変入賞装置72内に球が流入した場合でも、該球が確変領域75に到達するまでに少なくとも約2.5秒要することから、確変領域75の確変領域開閉板75aの開放時間が第1開閉板72aの開放開始から約2.5秒以上開放されていない場合は、確変領域75内に球が流入しないように構成されている。
よって、第1可変入賞装置72の第1開閉板72aが開放(没入)された場合に、例えば、その第1開閉板72aの開放から、少なくとも、約2.5秒以内に確変領域開閉板75aが閉鎖されてしまったときは、第1可変入賞装置72に球が入賞した場合であっても確変領域75へ球が流入し得ない設定となっている。
なお、第5実施形態の第1大入賞口検知後通路72eには、第1実施形態のような減速リブ72f(図4参照)が設けられていない。これにより、第1大入賞口検知後通路72e内の構成を簡易化して設計工数を削減できるとともに、第1大入賞口検知後通路72eにおける球詰まり等が発生してしまうことを抑制することができる。
また、第1可変入賞装置72に流入した球は、第1大入賞口スイッチ72cによって検知された後、第1所定期間(例えば、10秒)以内に、確変領域75への流入如何を問わず、排出通路76に設けられた排出スイッチ76aによって検知され得るように構成されている。換言すれば、第1大入賞口スイッチ72cによって検知された球は、第1所定期間以内に排出スイッチ76aによって検知され得るように構成されている。このように構成することで、仮に、第1所定期間以内に第1大入賞口スイッチ72cによって検知された球が排出スイッチ76aによって検知されない場合、何らかの不正行為或いは球詰まり等の入賞異常が発生している可能性を検出することができる。
第5実施形態の第2可変入賞装置74は、主に、第2大入賞口検知前通路74dを覆う第2開閉板74aと、その第2開閉板74aを出没駆動するための第2大入賞口ソレノイド74b(図8参照)と、第2可変入賞装置74内に入賞した球を検知する第2大入賞口スイッチ74cと、該第2大入賞口スイッチ74cに検知される前の球が流下する第2大入賞口検知前通路74dと、第2大入賞口スイッチ74cで検知された後の球が流下する第2大入賞口検知後通路74eとが設けられている。そして、第2大入賞口検知後通路74eは、合流部73において、第1可変入賞装置72の第1大入賞口検知後通路72eと合流するように構成されている。
第2開閉板74aは、第1開閉板72aと同様、右打ち遊技で発射されてアタッカーユニット71の右上転動部71a及び第1開閉板72aの上面を転動してきた球がその上面を転動可能に構成され、特別図柄における大当たり時に、第1可変入賞装置72の第1開閉板72aと交互に突出状態又は没入状態に駆動制御されるように構成されている。そして、第2開閉板74aが突出状態(即ち、閉鎖状態)である場合に、該第2開閉板74aの上面を傾斜に沿って左方向へ転動し、該第2開閉板74aが突出状態を維持している間に球が該第2開閉板74aの左端まで転動されると、遊技盤13の中央側(始動口ユニット64の配設位置方向)へ球を誘導可能に構成されている。
一方、第2開閉板74aが没入状態(即ち、開放状態)である場合に、右打ち遊技によって発射された球は、アタッカーユニット71の右上転動部71aから正面視左側へ転動し、さらに、第1可変入賞装置72の第1開閉板72aの上面を転動した後、第2可変入賞装置74内へと流入する。また、右打ち遊技によって発射された球が第2開閉板74aの上面を転動している最中に、該第2開閉板74aが没入(開放)された場合に、該第2開閉板74aの上面を転動している球が一度に第2可変入賞装置74内へと流入する。
ここで、第2開閉板74aの正面視上部左側には、該第2開閉板74aの上面を転動する球の転動(流下)速度を減速する奥側減速リブ79bが設けられている。この奥側減速リブ79bは、手前側減速リブ79aと同様、正面視奥側に設けられた奥側リブと、正面視手前側に設けられた複数の手前側リブとが、交互かつ均等な距離となるように配置され、球が第2開閉板74aの上面を転動する際に、球が各リブと衝突を繰り返して蛇行して減速しながら流下するように構成されている。従って、第2開閉板74aの最右端から最左端まで到達する時間は、約2.0秒程度要するように構成されている。即ち、アタッカーユニット71の最右端から最左端まで転動するために、約4.0秒程度の時間を要するように構成されている。
第2大入賞口検知前通路74dは、第2開閉板74aが没入(開放)されている場合に、第2可変入賞装置74内に流入した球を、正面視左下がりに緩やかに傾斜した底部により第2大入賞口スイッチ74cに案内するように構成されている。即ち、第2可変入賞装置74が閉鎖(突出)されている間に、右打ち遊技によって発射された球は、アタッカーユニット71の正面視右側から転動し、その後、閉鎖されている第1開閉板72aの上面を転動した後、該第2開閉板74aの上面を転動して、下流側(始動口ユニット64側)へと流下する。一方、第2開閉板74aが開放状態(没入状態)である場合には、第2大入賞口検知前通路74dへと流入する。そして、該球は、流入した勢いによって第2大入賞口検知前通路74dの底部をさらに正面視左側へと転動して、第2大入賞口スイッチ74cへと到達して該第2大入賞口スイッチ74cによって検知される。
ここで、第2可変入賞装置74の正面視右側方向(即ち、第1開閉板72aの上面)から転動してきた球が、正面視左側方向へ流下する勢いを維持したまま、第2大入賞口検知前通路74dを正面視左側方向へと転動する。そして、第2大入賞口検知前通路74dの左下がり傾斜によって、左側方向へと転動した球の勢いが増幅されながら、第2大入賞口検知前通路74dの左下がり傾斜に沿って正面視左側方向へと流下する。従って、第2大入賞口検知前通路74dの正面視最右端から第2大入賞口スイッチ74cまで到達する時間は、第2大入賞口検知前通路74dの傾斜によって流下速度が加速されるため、約0.3秒程度要するように構成されている。
第2大入賞口検知後通路74eは、第2大入賞口スイッチ74cによって検知された球を、アタッカーユニット71内に設けられた確変領域75側へと案内するための通路であり、該第2大入賞口検知後通路74eの直下に確変領域75が配置されている。この第2大入賞口検知後通路74eは、第1大入賞口検知後通路72eより短く(例えば、第1大入賞口検知後通路72eの長さの1/5の長さ)構成されている。従って、第2大入賞口検知後通路74eの最上流側から確変領域75まで到達する時間は、約0.3秒程度要するように構成されている。
即ち、第2可変入賞装置74内に流入した球は、アタッカーユニット71内の確変領域75に到達するまでに、少なくとも、第2大入賞口検知前通路74dを流下する時間約0.3秒と、第2大入賞口検知後通路74eを流下する時間約0.3秒との計約0.6秒を要するように構成されている。これにより、例えば、第2開閉板74aが開放された直後に第2可変入賞装置74内に球が流入した場合、該球が確変領域75に到達するまでに少なくとも約0.6秒で到達することから、確変領域75の確変領域開閉板75aの開放時間が、第2開閉板74aの開放開始から約0.6秒以上開放されていない場合は、確変領域75内に球が流入しないように構成されている一方、第2開閉板74aの開放開始から3秒程度開放された場合は、0.6秒間隔で1発ずつ球が発射されている場合は、最大で4発程度の球が確変領域75内へ流入可能に構成されている。
よって、第2可変入賞装置74の第2開閉板74aが開放された場合に、例えば、その第2開閉板74aの開放から、少なくとも約3.0秒程度、確変領域開閉板75aが開放されているときは、第2可変入賞装置74に入賞した球が確変領域75へ流入し得る設定となっている。
また、第2可変入賞装置74に流入した球は、第2大入賞口スイッチ74cによって検知された後、第1所定期間より短い第2所定期間(例えば、5秒)以内に、確変領域75への流入如何を問わず、排出通路76に設けられた排出スイッチ76aによって検知され得るように構成されている。換言すれば、第2大入賞口スイッチ74cによって検知された球は、第2所定期間以内に排出スイッチ76aによって検知され得るように構成されている。このように構成することで、仮に、第2所定期間以内に第2大入賞口スイッチ74cによって検知された球が排出スイッチ76aによって検知されない場合、何らかの不正行為或いは球詰まり等の入賞異常が発生している可能性を検出することができる。
確変領域75は、第1大入賞口検知後通路72eと第2大入賞口検知後通路74eとの合流部73の直下に位置し、主に、確変領域開閉板75aと、該確変領域開閉板75aを開閉駆動可能な確変領域ソレノイド75b(図8参照)と、確変領域スイッチ75cと、から構成されている。
以上説明したように、第5実施形態のパチンコ機10によれば、出没式の第1開閉板72a及び第2開閉板74aを設け、大当たり時に、初期状態として突出状態である該第1開閉板72a又は第2開閉板74aのいずれか一方を没入させることで、第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74内に球が流入可能となるように構成する。また、第1開閉板72aの上面を転動する球が衝突し得る手前側減速リブ79aを設け、第1開閉板72aの上面を転動する球が該第1開閉板72a上に存在する時間が長くなるように構成する。さらに、第2開閉板74aの上面を転動する球が衝突し得る奥側減速リブ79bを設け、第2開閉板74aの上面を転動する球が該第2開閉板74a上に存在する時間が長くなるように構成する。そして、第2可変入賞装置74には、第1可変入賞装置72の第1開閉板72aを渡りきった球のみが入賞可能に構成する。このように構成することで、第1可変入賞装置72と第2可変入賞装置74とを交互に開閉する場合に、第1可変入賞装置72が閉鎖して直ちに第2可変入賞装置74を開放したときでも、第2可変入賞装置74に球が入賞するためには、第1可変入賞装置72の第1開閉板72aを渡りきるための時間を要するため、第2可変入賞装置74への入賞を遅延させることができる。よって、例えば、第1可変入賞装置72に入賞した球が確変領域75まで到達するまで所定時間かかるような場合において、第2可変入賞装置74の開放から上記所定時間経過後に確変領域75を開放するように構成することで、インターバル時間を設けることなく第1可変入賞装置72と第2可変入賞装置74とを間断なく連続的に開放することができる。従って、見た目上、いずれかの可変入賞装置72,74が開放していることから、インターバル時間をなくすことで遊技の間延びを抑制しつつ、遊技者には迅速に遊技価値が付与可能な状態と認識させることができる。
その他、第5実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態乃至第4実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
<第6実施形態>
次いで、図45及び図46を参照して、第6実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1実施形態におけるパチンコ機10では、第1可変入賞装置72への入賞に基づく賞球数と、第2可変入賞装置74への入賞に基づく賞球数とを、共に15個となるように設定している。また、すべての大当たり種別において、第1可変入賞装置72と第2可変入賞装置74とが交互に開放されるように構成されている。
この場合、大当たり種別毎のラウンド数が同等であるとき、遊技者に付与される遊技価値は同等となり、遊技価値付与のバリエーションが単調となり、遊技者が遊技に対して興醒めするおそれがある。
これに対し、第6実施形態のパチンコ機10では、第1可変入賞装置72への入賞に基づく賞球数を10個に設定するとともに、第2可変入賞装置74への入賞に基づく賞球数を15個に設定し、可変入賞装置72,74毎に付与される遊技価値が異なるように構成する。また、大当たりした場合に、第1可変入賞装置72のみが開放される大当たり種別と、第2可変入賞装置74のみが開放される大当たり種別と、第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74がともに開放される大当たり種別とを設けるように構成する。このように構成することで、ラウンド数が同等の大当たり種別であっても、開放される可変入賞装置72,74が異なることで、大当たりに要する時間(大当たり消化時間)が同等(ほぼ同様)であっても付与される遊技価値を明確に異ならせることができる。即ち、同じ5ラウンドの大当たりであっても、第1可変入賞装置72のみが開放される大当たり種別か、第2可変入賞装置74のみが開放される大当たり種別か、第1可変入賞装置72と第2可変入賞装置74とが共に(交互に)開放される大当たり種別かで、同等(ほぼ同等)の大当たり消化時間であっても遊技者に付与し得る遊技価値を異ならせることができる。このように構成することで、付与される遊技価値の時間効率を異ならせ、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる。
以下、第6実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態乃至第5実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態乃至第5実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
まず、図45を参照して、第6実施形態における第1可変入賞装置72と第2可変入賞装置74との賞球数について説明する。図45は、第6実施形態の各大当たり種別において開放され得る第1可変入賞装置72および第2可変入賞装置74と、該第1可変入賞装置72および第2可変入賞装置74における1入賞あたりの賞球数を説明するための図である。以下、説明の便宜上、第1可変入賞装置72を「上」と表現し、該第1可変入賞装置72より遊技盤13下方側に配置される第2可変入賞装置74を「下」と表現する場合がある。
図45で示すように、第6実施形態のパチンコ機10では、大当たり種別毎に開放される第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74のバリエーションが異なるように構成されている。具体的には、大当たり種別「時短A」および大当たり種別「潜伏確率変動A」の場合は、第1可変入賞装置72のみが5ラウンドに亘って開放され、大当たり種別「時短B」及び大当たり種別「潜伏確率変動B」の場合は、第2可変入賞装置74のみが5ラウンドに亘って開放され、大当たり種別「確率変動A」、大当たり種別「時短C」及び大当たり種別「潜伏確率変動C」の場合は、第1可変入賞装置72と第2可変入賞装置74とが交互に開放される。
また、第6実施形態では、第1可変入賞装置72に球が入賞した場合、1入賞につき10個の賞球が払い出されるように構成され、第2可変入賞装置74に球が入賞した場合には、1入賞につき15個の賞球が払い出されるように構成されている。よって、同一ラウンド数の大当たりの場合、第1可変入賞装置72が開放される大当たり種別より、第2可変入賞装置が開放される大当たり種別の方が遊技者に付与される遊技価値が大きいように構成される。
より詳細には、大当たり種別「時短A」又は大当たり種別「潜伏確率変動A」では、第1可変入賞装置72のみが5ラウンドに亘って開放されるため、10個×10球×5ラウンド=500発の賞球が払い出される。また、大当たり種別「時短B」又は大当たり種別「潜伏確率変動B」では、第2可変入賞装置74のみが5ラウンドに亘って開放されるため、15個×10球×5ラウンド=750発の賞球が払い出される。さらに、大当たり種別「確率変動A」、大当たり種別「時短C」又は大当たり種別「潜伏確率変動C」では、第1可変入賞装置72と第2可変入賞装置74とが交互に10ラウンドに亘って開放され、各可変入賞装置72,74がそれぞれ5ラウンド開放されるため、(10個×10球×5ラウンド)+(15個×10個×5ラウンド)=1250発の賞球が払い出される。
このように構成することで、ラウンド数が同等の大当たり種別であっても、開放される可変入賞装置72,74が異なることで、大当たりに要する時間(大当たり消化時間)が同等(ほぼ同様)であっても付与される遊技価値を明確に異ならせることができる。このように構成することで、付与される遊技価値の時間効率を異ならせ、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる。
次に、図46を参照して、第6実施形態における大当たり種別毎の可変入賞装置72,74の開閉パターンについて説明する。図46は、第6実施形態の大入賞口開閉テーブル202fの一例を模式的に示した図である。図46で示す大入賞口開閉テーブル202fでは、各特別図柄における大当たり種別毎において、各ラウンド毎に開放される可変入賞装置72,74を示しており、各ラウンド毎に、アタッカーユニット71の正面視右側に配置される第1可変入賞装置72が開放される場合には「上」と表現し、アタッカーユニット71の正面視左側に配置される第2可変入賞装置74が開放される場合には「下」と表現している。なお、第6実施形態では、第1実施形態と同様、一方の可変入賞装置72,74(例えば、第1可変入賞装置72)が開放されている場合は、他方の可変入賞装置74,72(例えば、第2可変入賞装置74)が閉鎖されるように構成されており、いずれか一方の可変入賞装置72,74のみが開放し、同時に2の可変入賞装置72,74が開放することがないように構成されている。
図46で示すように、第1特別図柄の最大5ラウンドの大当たりである大当たり種別「時短A」及び「潜伏確率変動A」に対応する各可変入賞装置72,74の開閉パターン「上のみ」は、すべてのラウンドにおいて、「上」、即ち、1入賞あたりの賞球数が10個である第1可変入賞装置72のみが開放されて、該第1可変入賞装置72からアタッカーユニット71内に球が流入可能になるとともに、第2可変入賞装置74は閉鎖されており、第2可変入賞装置74からはアタッカーユニット71内に球が流入不可能となっている。
即ち、開閉パターン「上のみ」では、大当たりの1ラウンド目乃至5ラウンド目において第1可変入賞装置72からアタッカーユニット71内に球が流入可能となる。従って、第1実施形態のように、確変領域75の配設位置から遠い第1可変入賞装置72から球がアタッカーユニット71内に流入する場合、「確率変動状態」を発生し得ない大当たり種別(即ち、大当たり種別「時短A」)では、第1可変入賞装置72から流入した球が確変領域75の配設位置まで到達する前に確変領域75を閉鎖する(全く開放しない場合も含む)ように構成する一方、「確率変動状態」を発生し得る大当たり種別(即ち、大当たり種別「潜伏確率変動A」)では、第1可変入賞装置72から流入した球が確変領域75の配設位置に到達し得るまで確変領域75を開放するように構成する。
次いで、図46で示すように、第1特別図柄の最大5ラウンドの大当たりである大当たり種別「時短B」及び「潜伏確率変動B」に対応する各可変入賞装置72,74の開閉パターン「下のみ」は、すべてのラウンドにおいて、「下」、即ち、1入賞あたりの賞球数が15個である第2可変入賞装置74のみが開放されて、該第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に球が流入可能になるとともに、第1可変入賞装置72は閉鎖されており、第1可変入賞装置72からはアタッカーユニット71内に球が流入不可能となっている。
即ち、開閉パターン「下のみ」では、大当たりの1ラウンド目乃至5ラウンド目において第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に球が流入可能となる。従って、第1実施形態のように、確変領域75の配設位置から近い第2可変入賞装置74から球がアタッカーユニット71内に流入する場合、「確率変動状態」を発生し得ない大当たり種別(即ち、大当たり種別「時短B」)では、第2可変入賞装置74から流入した球が確変領域75の配設位置まで到達する前に確変領域75を閉鎖する(全く開放しない場合も含む)ように構成する一方、「確率変動状態」を発生し得る大当たり種別(即ち、大当たり種別「潜伏確率変動B」)では、第2可変入賞装置74から流入した球が確変領域75の配設位置に到達し得るまで確変領域75を開放するように構成する。
次いで、図46で示すように、第1特別図柄および第2特別図柄の最大10ラウンドの大当たりである大当たり種別「確率変動A」に対応する各可変入賞装置72,74の開閉パターン「上下交互」は、奇数ラウンド(即ち、1ラウンド、3ラウンド、5ラウンド、7ラウンド及び9ラウンド)において、「上」、即ち、第1可変入賞装置72が開放されて該第1可変入賞装置72からアタッカーユニット71内に球が流入可能になるとともに、第2可変入賞装置74は閉鎖されており、第2可変入賞装置74からはアタッカーユニット71内に球が流入不可能となっている。
また、開閉パターン「上下交互」は、偶数ラウンド(即ち、2ラウンド、4ラウンド、6ラウンド、8ラウンド及び10ラウンド)において、「下」、即ち、第2可変入賞装置74が開放されて該第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に球が流入可能になるとともに、第1可変入賞装置72は閉鎖されており、第1可変入賞装置72からはアタッカーユニット71内に球が流入不可能となっている。
即ち、開閉パターン「上下交互」では、大当たりの1ラウンド目において第1可変入賞装置72からアタッカーユニット71内に球が流入可能となり、次ラウンド(即ち、2ラウンド)において第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に球が流入可能となり、その後、大当たりの終了(即ち、10ラウンド目の終了)まで各ラウンド毎に交互に第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に球が流入可能となる。従って、第1可変入賞装置72の開放ラウンド数は「5」であり、第2可変入賞装置74の開放可能ラウンド数は「5」となる。
なお、第6実施形態の大当たり種別「確率変動A」は、第1実施形態と同様、確変領域75が開放される1ラウンド目、3ラウンド目及び9ラウンド目において、アタッカーユニット71内に流入した球が確変領域75に到達するまでの時間が短い第2可変入賞装置74が開放されている。よって、大当たり種別「確率変動A」の1ラウンド目、3ラウンド目及び9ラウンド目において、確変領域75が開放された場合に、第2可変入賞装置74へ入賞した球が確変領域75配設位置に到達するタイミングで、該確変領域75が開放状態を維持しており、確変領域75へ球が流入し得る設定となっている。このため、大当たり種別「確率変動A」では、大当たり終了後に「確率変動状態」が発生し得るように構成されている。
次いで、図46で示すように、第2特別図柄の最大10ラウンドの大当たりである大当たり種別「時短C」及び大当たり種別「潜伏確率変動C」に対応する各可変入賞装置72,74の開閉パターン「下上交互」は、奇数ラウンド(即ち、1ラウンド、3ラウンド、5ラウンド、7ラウンド及び9ラウンド)において、「下」、即ち、第2可変入賞装置74が開放されて該第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に球が流入可能になるとともに、第1可変入賞装置72は閉鎖されており、第1可変入賞装置72からはアタッカーユニット71内に球が流入不可能となっている。
また、開閉パターン「下上交互」は、偶数ラウンド(即ち、2ラウンド、4ラウンド、6ラウンド、8ラウンド及び10ラウンド)において、「上」、即ち、第1可変入賞装置72が開放されて該第1可変入賞装置72からアタッカーユニット71内に球が流入可能になるとともに、第2可変入賞装置74は閉鎖されており、第2可変入賞装置74からはアタッカーユニット71内に球が流入不可能となっている。
即ち、開閉パターン「下上交互」では、大当たりの1ラウンド目において第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に球が流入可能となり、次ラウンド(即ち、2ラウンド)において第1可変入賞装置72からアタッカーユニット71内に球が流入可能となり、その後、大当たりの終了(即ち、10ラウンド目の終了)まで各ラウンド毎に交互に第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に球が流入可能となる。従って、第1可変入賞装置72の開放ラウンド数は「5」であり、第2可変入賞装置74の開放可能ラウンド数は「5」となる。
ここで、大当たり種別「時短B」において、アタッカーユニット71内に流入した球が確変領域75に到達するまでの時間が短い(例えば、約1.0秒)第2可変入賞装置74は、確変領域75が閉鎖されている1ラウンド、3ラウンド及び5ラウンドにおいて開放されるように設定されている。
一方、大当たり種別「潜伏確率変動C」は、確変領域75が開放される2ラウンド目及び4ラウンド目において、アタッカーユニット71内に流入した球が確変領域75に到達するまでの時間が短い第2可変入賞装置74が開放されている。よって、大当たり種別「潜伏確率変動C」の2ラウンド目及び4ラウンド目において、確変領域75が開放された場合に、第2可変入賞装置74へ入賞した球が確変領域75配設位置に到達するタイミングで、該確変領域75が開放状態を維持しており、確変領域75へ球が流入し得る設定となっている。このため、大当たり種別「潜伏確率変動C」では、大当たり終了後に「確率変動状態」が発生し得るように構成されている。
なお、第6実施形態の大当たり種別「確率変動A」、「時短C」又は「潜伏確率変動C」において、該大当たりにおける第1可変入賞装置72と第2可変入賞装置74の開放回数が異なるように構成してもよい。具体的には、例えば、大当たり種別「時短C」では、第1可変入賞装置72の開放回数が3回、かつ、第2可変入賞装置74の開放回数が7回の計10ラウンドを行う一方、大当たり種別「確率変動A」では、第1可変入賞装置72の開放回数が8回、かつ、第2可変入賞装置74の開放回数が2回の計10ラウンドを行うように構成してもよい。このように構成することで、遊技者に付与される遊技価値のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる。
以上、説明したように、第6実施形態のパチンコ機10によれば、第1可変入賞装置72への入賞に基づく賞球数を10個に設定するとともに、第2可変入賞装置74への入賞に基づく賞球数を15個に設定し、可変入賞装置72,74毎に付与される遊技価値が異なるように構成する。また、大当たりした場合に、第1可変入賞装置72のみが開放される大当たり種別と、第2可変入賞装置74のみが開放される大当たり種別と、第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74がともに開放される大当たり種別とを設けるように構成する。このように構成することで、ラウンド数が同等の大当たり種別であっても、開放される可変入賞装置72,74が異なることで、大当たりに要する時間(大当たり消化時間)が同等(ほぼ同様)であっても付与される遊技価値を明確に異ならせることができる。即ち、同じ5ラウンドの大当たりであっても、第1可変入賞装置72のみが開放される大当たり種別か、第2可変入賞装置74のみが開放される大当たり種別か、第1可変入賞装置72と第2可変入賞装置74とが共に(交互に)開放される大当たり種別かで、同等(ほぼ同等)の大当たり消化時間であっても遊技者に付与し得る遊技価値を異ならせることができる。このように構成することで、付与される遊技価値の時間効率を異ならせ、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる。
その他、第6実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態乃至第5実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
<第7実施形態>
次いで、図47を参照して、第7実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第5実施形態におけるパチンコ機10では、出没式の第1開閉板72a及び第2開閉板74aを設け、大当たり時に、初期状態として突出状態である該第1開閉板72a又は第2開閉板74aのいずれか一方を没入させることで、第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74内に球が流入可能となるように構成する。そして、下流側に配置される第2可変入賞装置74のさらに下流側(正面視下側及び左側)に配置された確変領域75又は排出通路76に球が流入するように構成されている。
これに対し、第7実施形態のパチンコ機10では、第5実施形態と同様、出没式の第1開閉板72a及び第2開閉板74aを設け、大当たり時に、初期状態として突出状態である該第1開閉板72a又は第2開閉板74aのいずれか一方を没入させることで、第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74内に球が流入可能となるように構成する。一方、確変領域75及び排出通路76を第1可変入賞装置72の正面視下側及び右側に配置し、第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74に流入した球が流入可能に構成する。即ち、第1可変入賞装置72に流入した球は、比較的早期に所定の時間経過後に確変領域75又は排出通路76に到達し得る一方、第2可変入賞装置に流入した球は、上記所定の時間より長い時間経過後に確変領域75又は排出通路76に到達し得るように構成される。また、第2可変入賞装置74に球が流入するためには、第1可変入賞装置72の第1開閉板72aが閉鎖されてから、該第1開閉板72aの上面を正面視右側から左側へと転動しきる必要が生じるように構成する。
このように構成することで、第1可変入賞装置72に流入した球が確変領域75又は排出通路76に到達するまでの時間と、第2可変入賞装置74に流入した球が確変領域75又は排出通路76に到達するまでの時間との時間差を大きくすることが可能となる。その結果、例えば、第1可変入賞装置72と第2可変入賞装置74とを交互に開放する大当たりであって該大当たり後に「確率変動状態」を発生し得ない大当たり種別(例えば、大当たり種別「時短A」)に当選した場合において、第2可変入賞装置74の開放時に確変領域75を開放する際、該第2可変入賞装置74の開放前にインターバル時間を設けなくても(の時間を短くしても)、開放されている確変領域75の配設位置まで球が到達する時間を十分に確保することができ、第2可変入賞装置74から流入した球が確変領域75に到達するまでの間に確変領域75を閉鎖することで、大当たり種別に応じた「確率変動状態」の付与を実現することが可能となる。よって、大当たり中にインターバル時間を設けることなく(を短く設定して)、迅速な遊技価値の付与を実現することができる。
以下、第7実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態乃至第6実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態乃至第6実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
図47を参照して、第7実施形態のアタッカーユニット71の詳細について説明する。図47は、第7実施形態の第1可変入賞装置72、第2可変入賞装置74、確変領域75及び排出通路76を備えたアタッカーユニット71の正面視を模式的に表した正面拡大図である。図47で示すように、第7実施形態のアタッカーユニット71は、主に、第1可変入賞装置72と第2可変入賞装置74と確変領域75と排出通路76とで構成され、第1可変入賞装置72の正面視左側に、第2可変入賞装置74が配置されるように構成されている。
また、第1実施形態等と同様、この第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74には、所謂右打ち遊技で発射されて正面視右側からアタッカーユニット71の右上部分に形成された右上転動部71aの傾斜に沿って転動する球が、アタッカーユニット71の右側から流入可能に構成される一方、所謂左打ち遊技で発射された球が流入不可に構成されている。
第7実施形態の第1可変入賞装置72の第1大入賞口検知後通路72eは、第1大入賞口スイッチ72cによって検知された球を、アタッカーユニット71内の第1大入賞口スイッチ72cの直下に設けられた確変領域75側へと案内するための通路である。この第1大入賞口検知後通路72eには、後述する第2大入賞口検知後通路74eより通路長さが短く(例えば、1/5)構成されている。従って、第1大入賞口検知後通路72eの最上流側から確変領域75まで到達する時間は、約0.3秒程度要するように構成されている。
即ち、第1可変入賞装置72内に流入した球は、アタッカーユニット71内の確変領域75に到達するまでに、少なくとも、第1大入賞口検知前通路72dを流下する時間約1.0秒と、第1大入賞口検知後通路72eを流下する時間約0.3秒との計約1.3秒を要するように構成されている。これにより、例えば、第1開閉板72aが開放(没入)された直後に第1可変入賞装置72内に球が流入した場合でも、該球が確変領域75に到達するまでに少なくとも約1.3秒要することから、確変領域75の確変領域開閉板75aの開放時間が第1開閉板72aの開放開始から約1.3秒以上開放されていない場合は、確変領域75内に球が流入しないように構成されている。
なお、第1可変入賞装置72に入賞する球の流入パターンを、第1大入賞口スイッチ72cの直上から流下(落下)するような位置から流入させることで、第1大入賞口検知前通路72dでの滞留時間を短くするように構成してもよい。即ち、右打ち遊技で発射された球を、アタッカーユニット71の第1大入賞口スイッチ72cの直上位置から第1開閉板72aに向けて落下させることで、第1可変入賞装置72内に流入した球を直ちに第1大入賞口スイッチ72cによって検知可能にすることができる。このように構成することで、第1可変入賞装置72に流入した球を早期に確変領域75の配設位置まで到達することが可能となる。
また、第1可変入賞装置72に流入した球は、第1大入賞口スイッチ72cによって検知された後、第1所定期間(例えば、5秒)以内に、確変領域75への流入如何を問わず、確変領域75の正面視右側に配設された排出通路76に設けられた排出スイッチ76aによって検知され得るように構成されている。換言すれば、第1大入賞口スイッチ72cによって検知された球は、第1所定期間以内に排出スイッチ76aによって検知され得るように構成されている。このように構成することで、仮に、第1所定期間以内に第1大入賞口スイッチ72cによって検知された球が排出スイッチ76aによって検知されない場合、何らかの不正行為或いは球詰まり等の入賞異常が発生している可能性を検出することができる。
第7実施形態の第2可変入賞装置74の第2大入賞口検知後通路74eは、第2大入賞口スイッチ74cによって検知された球を、アタッカーユニット71内に設けられた確変領域75側へと案内するための通路であり、この第2大入賞口検知後通路74eには、上述した第1大入賞口検知後通路72eより通路長さが長く(例えば、5倍)構成されている。従って、第2大入賞口検知後通路74eの最上流側から確変領域75まで到達する時間は、約1.5秒程度要するように構成されている。
即ち、第2可変入賞装置72内に流入した球は、アタッカーユニット71内の確変領域75に到達するまでに、少なくとも、第2大入賞口検知前通路74dを流下する時間約0.3秒と、第2大入賞口検知後通路74eを流下する時間約1.5秒との計約2.5秒を要するように構成されている。さらに、第2可変入賞装置74の配設位置に球が到達するまでには、第1可変入賞装置72の第1開閉板72aが閉鎖され、該第1開閉板72aの上面を最右端から最左端まで約2.0秒かけて転動しきった後に流入し得るように構成されている。これにより、例えば、第1開閉板72aが閉鎖(突出)された直後に第2可変入賞装置74の第2開閉板74aを開放した場合でも、右打ち遊技で発射された球は、確変領域75に到達するまでに少なくとも約4.5秒要することから、確変領域75の確変領域開閉板75aの開放時間が第2開閉板74aの開放開始(第1開閉板72aの閉鎖)から約4.5秒以上開放されていない場合は、確変領域75内に球が流入しないように構成されている。
以上、説明したように、第7実施形態のパチンコ機10では、確変領域75及び排出通路76を第1可変入賞装置72の正面視下側及び右側に配置し、第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74に流入した球が流入可能に構成する。即ち、第1可変入賞装置72に流入した球は、比較的早期に所定の時間経過後に確変領域75又は排出通路76に到達し得る一方、第2可変入賞装置に流入した球は、上記所定の時間より長い時間経過後に確変領域75又は排出通路76に到達し得るように構成される。また、第2可変入賞装置74に球が流入するためには、第1可変入賞装置72の第1開閉板72aが閉鎖されてから、該第1開閉板72aの上面を正面視右側から左側へと転動しきる必要が生じるように構成する。このように構成することで、第1可変入賞装置72に流入した球が確変領域75又は排出通路76に到達するまでの時間と、第2可変入賞装置74に流入した球が確変領域75又は排出通路76に到達するまでの時間との時間差を大きくすることが可能となる。その結果、例えば、第1可変入賞装置72と第2可変入賞装置74とを交互に開放する大当たりであって該大当たり後に「確率変動状態」を発生し得ない大当たり種別(例えば、大当たり種別「時短A」)に当選した場合において、第2可変入賞装置74の開放時に確変領域75を開放する際、該第2可変入賞装置74の開放前にインターバル時間を設けなくても(の時間を短くしても)、開放されている確変領域75の配設位置まで球が到達する時間を十分に確保することができ、第2可変入賞装置74から流入した球が確変領域75に到達するまでの間に確変領域75を閉鎖することで、大当たり種別に応じた「確率変動状態」の付与を実現することが可能となる。よって、大当たり中にインターバル時間を設けることなく(を短く設定して)、迅速な遊技価値の付与を実現することができる。
その他、第7実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態乃至第6実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
<第8実施形態>
次いで、図48を参照して、第8実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1実施形態におけるパチンコ機10では、遊技盤13における可変表示装置ユニット80の正面視右側に第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74を有するアタッカーユニット71を設け、所謂右打ち遊技で発射された球のみが第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74に入賞し得て、所謂左打ち遊技で発射された球は第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74に入賞し得ないように構成されている。
これに対し、第8実施形態では、アタッカーユニット71のうち、第1可変入賞装置72を所謂左打ち遊技で発射された球が入賞し得る位置に配設するとともに、第2可変入賞装置74を所謂右打ち遊技で発射された球が入賞し得る位置に配設する。そして、アタッカーユニット71内に確変領域75及び排出通路76を設け、左打ち遊技で第1可変入賞装置72内に流入した球と、右打ち遊技で第2可変入賞装置74内に流入した球とが、ともに確変領域75又は排出通路76に流入可能に構成する。このように構成することで、球の発射態様に応じて入賞し得る可変入賞装置72,74を異ならせて、遊技のバリエーションを豊富にするとともに、異なる発射態様でアタッカーユニット71内に球が入賞した場合でも、確変領域75及び排出通路76を共用することで、アタッカーユニット71の部品点数を削減することができる。
以下、第8実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態乃至第7実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態乃至第7実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
図48を参照して、第8実施形態における遊技盤13に関し、第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74を有するアタッカーユニット71の配設位置について説明する。図48は、第8実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13の正面図である。
図48で示すように、第8実施形態のアタッカーユニット71において、第1可変入賞装置72は、始動口ユニット64の正面視下方に位置するように配置されており、左打ち遊技で発射された球が入賞可能である一方、右打ち遊技で発射された球が入賞不可(困難)に構成されている。よって、第1可変入賞装置72が開放される大当たり種別又は大当たり種別における所定ラウンドにおいて、遊技者は左打ち遊技を行って、該第1可変入賞装置72に球を入賞させる遊技性が創出される。
第1可変入賞装置72に流入した球は、第1大入賞口検知前通路72dを流下した後、第1大入賞口スイッチ72cによって検知され、その後、第1大入賞口検知後通路72eを流下して確変領域75の配設位置まで流下し得るように構成されている。そして、該球は、確変領域75の確変領域開閉板75aが開放されている場合は確変領域スイッチ75cによって検知された後、又は、確変領域75の確変領域開閉板75aが閉鎖されている場合は確変領域75へと流入せずに、排出通路76へと流下し、排出スイッチ76aによって検知され、その後、アウトスイッチ66a(図8参照)によって検知されたのち、遊技盤13外へと排出される。
次いで、第8実施形態のアタッカーユニット71において、第2可変入賞装置74は、可変表示装置ユニット80の正面視右下側(普通図柄ゲート67の正面視下方側)に位置するように配置されており、右打ち遊技で発射された球が入賞可能である一方、左打ち遊技で発射された球が入賞不可(困難)に構成されている。よって、第2可変入賞装置74が開放される大当たり種別又は大当たり種別における所定ラウンドにおいて、遊技者は右打ち遊技を行って、該第2可変入賞装置74に球が入賞させる遊技性が創出される。
第2可変入賞装置74に流入した球は、第2大入賞口検知前通路74dを流下した後、第2大入賞口スイッチ74cによって検知され、その後、第2大入賞口検知後通路74eを流下して確変領域75の配設位置まで流下し得るように構成されている。そして、該球は、確変領域75の確変領域開閉板75aが開放されている場合は確変領域スイッチ75cによって検知された後、又は、確変領域75の確変領域開閉板75aが閉鎖されている場合は確変領域75へと流入せずに、排出通路76へと流下し、排出スイッチ76aによって検知され、その後、アウトスイッチ66a(図8参照)によって検知されたのち、遊技盤13外へと排出される。
このように構成することで、大当たり種別又は大当たり種別における所定ラウンドにおいて、開放される第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74に球を入賞させるために球の発射態様を変化させることで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。特に、1の大当たりにおいて第1可変入賞装置72と第2可変入賞装置74とを交互に開閉する場合、開閉される第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74に合わせて遊技者に発射態様を変化させ、遊技の単調化を抑制することができる。
また、開放される第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74に応じて確変領域75を開閉することで、いずれの発射態様のいずれのタイミングで可変入賞装置72,74に球を入賞させるか否かによって、確変領域75に球を流入可能となるか否かという遊技性を創出することができる。具体的には、例えば、第1可変入賞装置72と第2可変入賞装置74とを交互に開閉する大当たり種別に当選した場合において、第2可変入賞装置74が開放された場合にのみ確変領域75が開放して該確変領域75に球が流入可能となるように構成し、さらに、第2可変入賞装置74が開放されてから確変領域75を開放するものの、該確変領域75の開放が比較的短期間で終了し、第2可変入賞装置74が閉鎖されている状態から右打ち遊技を行っていないと、該確変領域75に球を流入させることが困難なように確変領域75の開放時間を設定する(例えば、2秒)。即ち、左打ち遊技を行って第1可変入賞装置72に球を入賞させ、該第1可変入賞装置72が閉鎖されたタイミングで左打ち遊技から右打ち遊技に切り替えた場合には、確変領域75が開放されているタイミングで第2可変入賞装置74に球を流入させることを困難な(間に合わない)ように設定する。このように構成することで、遊技者は、該大当たり種別において、左打ち遊技と右打ち遊技とを交互に行って、第1可変入賞装置72と第2可変入賞装置74とに球を確実に入賞させて遊技価値を獲得するか、右打ち遊技のみを行って、第1可変入賞装置72への入賞は諦めて第2可変入賞装置74への入賞に基づく確変領域75へ球を通過させて「確率変動状態」を得るか、ということを選択することが可能となる。その結果、同一の大当たり種別であっても遊技者に付与する遊技価値を遊技者自らが選択できるという遊技性を創出し、遊技のバリエーションを豊富にして遊技の興趣向上を図ることができる。
その他、第8実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態乃至第7実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
<第9実施形態>
次に、図49を参照して、第9実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第5実施形態のパチンコ機10では、アタッカーユニット71内の確変領域75において、確変領域スイッチ75cへの球の流入を可変的にするために確変領域開閉板75aを配設し、確変領域ソレノイド75b(図8参照)によって該確変領域開閉板75aを開閉駆動する。そして、確変領域開閉板75aが没入(開放)されている場合には確変領域75に球を流入させる一方、確変領域開閉板75aが突出(閉鎖)されている場合には確変領域75へ球を流入させずに排出通路76へと球を流入させる。このように構成することで、アタッカーユニット71内に流入した球が確変領域スイッチ75cによって検出されるか否かを変化させるように構成している。
これに対し、第9実施形態のパチンコ機10では、第1可変入賞装置72からアタッカーユニット71内に流入した球が流入可能な第1排出通路79aと、第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に流入した球が流入可能な第2排出通路79bとを設け、該第1排出通路79aと第2排出通路79bとの間であって、該第1排出通路79a及び第2排出通路79bの下流側に位置する部位に確変領域75を配設する。また、第1排出通路79aを開閉可能な第1排出開閉板79a1を設けるとともに、第2排出通路79bを開閉可能な第2排出開閉板79b1を設ける。さらに、確変領域75には、確変領域スイッチ75cの上流側を覆わず常時開放するように構成する。また、第1排出通路79a、第2排出通路79b及び確変領域75とが排出通路76に設けられた排出スイッチ76aの上流側で合流するように構成される。そして、第1排出開閉板79a1が開放(没入)されている場合は、第1可変入賞装置72からアタッカーユニット71内に流入した球が第1排出通路79aへと流下して排出通路76に設けられた排出スイッチ76aによって検知される一方、第1排出開閉板79a1が閉鎖(突出)されている場合は、第1可変入賞装置72からアタッカーユニット71内に流入した球が第1排出開閉板79a1の上面を転動してその下流側に配設される確変領域75へと流入し、確変領域スイッチ75cによって検知され、その後、排出通路76の排出スイッチ76aによって検知される。また、第2排出開閉板79b1が開放(没入)されている場合は、第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に流入した球が第2排出通路79bへと流下して排出通路76に設けられた排出スイッチ76aによって検知される一方、第2排出開閉板79b1が閉鎖(突出)されている場合は、第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に流入した球が第2排出開閉板79b1の上面を転動してその下流側に配設される確変領域75へと流入し、確変領域スイッチ75cによって検知され、その後、排出通路76の排出スイッチ76aによって検知される。
以下、第9実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態乃至第8実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態乃至第8実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
図49を参照して、第9実施形態のアタッカーユニット71の詳細について説明する。図49は、第9実施形態の第1可変入賞装置72、第2可変入賞装置74、確変領域75、第1排出通路79a、第2排出通路79b及び排出通路76を備えたアタッカーユニット71の正面視を模式的に表した正面拡大図である。
図49で示すように、第9実施形態のアタッカーユニットは、主に、第1可変入賞装置72と第2可変入賞装置74と確変領域75と第1排出通路79aと第2排出通路79bと排出通路76とで構成され、第1可変入賞装置72の正面視左側(下流側)に、第2可変入賞装置74が配置されるように構成されている。
第1排出通路79aは、第1大入賞口検知後通路72eに設けられ、主に、第1排出開閉板79a1と、第1排出開閉ソレノイド(図示せず)と、から構成されている。
第1排出開閉板79a1は、遊技者によりパチンコ機10正面側から視認可能な位置に配設され、第1排出通路79aの上流側を覆う出没式の開閉板であり、第1排出開閉ソレノイドによって開閉駆動可能に構成されている。
この第1排出開閉板79a1は、第1排出開閉板79a1が開放状態(没入状態)の場合は、第1排出通路79aの上流側(上方側)が開放されて、第1可変入賞装置72に流入した球を、第1排出通路79aへと案内した後、排出通路76へと案内する。一方、第1排出開閉板79a1が閉鎖状態(突出状態)でその上面がアタッカーユニット71内の通路の底面(球の転動面)と面一となるように配設されて、第1可変入賞装置72内に流入した球を確変領域75へと案内する。なお、確変領域75に案内された球は、排出通路76を経由した後、アタッカーユニット71外(遊技盤13背面側)へ排出される。
第2排出通路79bは、第2大入賞口検知後通路74eに設けられ、主に、第2排出開閉板79b1と、第2排出開閉ソレノイド(図示せず)と、から構成されている。
第2排出開閉板79b1は、遊技者によりパチンコ機10正面側から視認可能な位置に配設され、第2排出通路79bの上流側を覆う出没式の開閉板であり、第2排出開閉ソレノイドによって開閉駆動可能に構成されている。
この第2排出開閉板79b1は、第2排出開閉板79b1が開放状態(没入状態)の場合は、第2排出通路79bの上流側(上方側)が開放されて、第2可変入賞装置74に流入した球を、第2排出通路79bへと案内した後、排出通路76へと案内する。一方、第2排出開閉板79b1が閉鎖状態(突出状態)でその上面がアタッカーユニット71内の通路の底面(球の転動面)と面一となるように配設されて、第2可変入賞装置74内に流入した球を確変領域75へと案内する。なお、確変領域75に案内された球は、排出通路76を経由した後、アタッカーユニット71外(遊技盤13背面側)へ排出される。
そして、第9実施形態のパチンコ機10では、各大当たり種別において、各ラウンド毎で開放される可変入賞装置72,74を設定すると共に、該ラウンドに対応して第1排出通路79a又は第2排出通路79bの開放又は閉鎖を設定する。そして、開閉される可変入賞装置72,74と閉鎖状態(突出状態)となる第1排出通路79a又は第2排出通路79bとの関係に応じて確変領域75へ球を流入可能状態とすることで、第1可変入賞装置72,74の開放パターンのみでは大当たり種別を判別できないようにして、遊技者にいずれの大当たり種別に当選しているかを認識し難く(不可に)構成し、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。
その他、第9実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態乃至第8実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
<第10実施形態>
次いで、図50を参照して、第10実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1実施形態におけるパチンコ機10では、1のアタッカーユニット71に第1可変入賞装置72と第2可変入賞装置74とを設け、各可変入賞装置72,74に流入した球を合流させた下流側に確変領域75及び排出通路76を設けて、いずれの可変入賞装置72,74から流入した球でも確変領域75へ流入可能となるように構成している。
これに対し、第10実施形態のパチンコ機10では、第1可変入賞装置72と第2可変入賞装置74とをそれぞれ別の部材で構成する一方、第1可変入賞装置72から流入した球が流下する流路と、第2可変入賞装置74から流入した球が流下する流路とを合流部73で合流させ、該合流部73の下流側に確変領域75及び排出通路76が位置するように構成する。このように構成することで、それぞれ別々に構成された可変入賞装置72,74において確変領域75を共用させて、各可変入賞装置72,74毎に確変領域75や排出通路76を設ける必要がなくなり、アタッカーユニット71の部品点数を削減させ、パチンコ機10における製造コストを削減することができる。
以下、第10実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態乃至第9実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態乃至第9実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
図50を参照して、第10実施形態の第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74について説明する。図50は、第10実施形態の第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74並びに確変領域75及び排出通路76が配設された遊技盤13の右側部分を拡大した正面図を模式的に示した模式的断面図であり、図50(a)は、第10実施形態における第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74がともに閉鎖状態である場合に、右打ち遊技された球の挙動を説明するための遊技盤13右側部分の模式的断面図であり、図50(b)は、第10実施形態における第1可変入賞装置72が開放状態であって、かつ、第2可変入賞装置74が閉鎖状態である場合に、右打ち遊技された球の挙動を説明するための遊技盤13右側部分の模式的断面図であり、図50(c)は、第10実施形態における第1可変入賞装置72が閉鎖状態であって、かつ、第2可変入賞装置74が開放状態である場合に、右打ち遊技された球の挙動を説明するための遊技盤13右側部分の模式的断面図である。
図50(a)~(c)で示すように、第10実施形態では、遊技盤13の正面視右側には、右打ち遊技で発射された球の全て又はほぼ全てが流下され得る右側流路87が形成されている。この右側流路87の正面視左側下方には、第1開閉板72aを有する第1可変入賞装置72が形成(配設)されている。また、右側流路87の正面視右側上方(及び正面視左側上方)には、第2右側開閉板74a1及び第2左側開閉板74a2を有する第2可変入賞装置74が形成(配設)されている。
第10実施形態の第1可変入賞装置72は、右側流路87の左側側壁下方部分に形成され、主に、第1大入賞口検知前通路72dが形成された空間を起立状態で覆って下部を軸として回動可能に構成された第1開閉板72aと、その第1開閉板72aの下部を軸として正面視左側に該第1開閉板72aを開閉(起立又は傾倒)駆動するための第1大入賞口ソレノイド(図示せず)と、第1可変入賞装置72内に入賞した球を検知する第1大入賞口スイッチ72cと、該第1大入賞口スイッチ72cに検知される前の球が流下する第1大入賞口検知前通路72dと、第1大入賞口スイッチ72cで検知された後の球が流下する第1大入賞口検知後通路72eとが設けられている。そして、第1大入賞口検知後通路72eは、合流部73において、後述する第2可変入賞装置74の第2大入賞口検知後通路74eと合流するように構成されている。
ここで、第1可変入賞装置72内に流入した球は、アタッカーユニット71内の確変領域75に到達するまでに、少なくとも、第1大入賞口検知前通路72dを流下する時間約0.3秒と、第1大入賞口検知後通路72eを流下する時間約2.5秒との計約2.8秒を要するように構成されている。これにより、例えば、第1開閉板72aが開放された直後に第1可変入賞装置72内に球が流入した場合でも、該球が確変領域75に到達するまでに少なくとも約2.8秒要することから、確変領域75の確変領域開閉板75aの開放時間が第1開閉板72aの開放開始から約2.8秒以上開放されていない場合は、確変領域75内に球が流入しないように構成されている。
よって、第1可変入賞装置72の第1開閉板72aが開放された場合に、例えば、その第1開閉板72aの開放から、少なくとも、約2.8秒以内に確変領域開閉板75aが閉鎖されてしまったときは、第1可変入賞装置72に球が入賞した場合であっても確変領域75へ球が流入し得ない設定となっている。
第10実施形態の第2可変入賞装置74は、右側流路87の右側側壁上方部分及び左側側面上方部分に形成され、主に、第2大入賞口検知前通路74dが形成された空間を起立状態で覆って下部を軸として回動可能に構成された第2右側開閉板74a1と、右側流路87の左側側面上方部分に配置されて、上記第2右側開閉板74a1と同期して下部を軸として回動可能に構成された第2左側開閉板74a2と、その第2右側開閉板74a1及び第2左側開閉板74a2のそれぞれの下部を軸として正面視右側又は正面視左側に該第2右側開閉板74a1及び第2左側開閉板74a2を開閉(起立又は傾倒)駆動するための第2大入賞口ソレノイド(図示せず)と、第2可変入賞装置74内に入賞した球を検知する第2大入賞口スイッチ74cと、該第2大入賞口スイッチ74cに検知される前の球が流下する第2大入賞口検知前通路74dと、第2大入賞口スイッチ74cで検知された後の球が流下する第2大入賞口検知後通路74eとが設けられている。そして、第2大入賞口検知後通路74eは、合流部73において、上述した第1可変入賞装置72の第1大入賞口検知後通路72eと合流するように構成されている。
ここで、第2可変入賞装置74へ球が流入可能となる場合に、右側流路87の右側側壁に形成された第2右側開閉板74a1が下部を軸として正面視左側に傾倒するとともに、右側流路87の左側側壁に形成された第2左側開閉板74a2が下部を軸として正面視右側に傾倒する。このとき、第2右側開閉板74a1と第2左側開閉板74a2とは、図示しない1の第2大入賞口ソレノイドによって同期して回動駆動されるが、図示しない各カムによってその回動量が異なるように構成されている。具体的には、第2左側開閉板74a2の回動量は、起立状態から約110度右側に傾倒するように構成され、第2右側開閉板74a1の回動量は、起立状態から約70度左側に傾倒するように構成されている。そして、右側流路87の右側流路流入口88から流下した球は、まず、第2左側開閉板74a2の傾斜面と衝突し、その傾斜に沿って第2左側開閉板74a2の傾斜面を正面視右側へと転動し、続いて、第2右側開閉板74a1の傾斜面を正面視右側へと転動して、第2可変入賞装置74内へと流入するように構成されている。このように、第2左側開閉板74a2と第2右側開閉板74a1とで右側流路87の大部分を閉塞するように構成して、右側流路87を流下する球を第2可変入賞装置74へと流入させることで、右側流路87を流下する球を効率よく第2可変入賞装置74へと入賞させることが可能となる。なお、第2可変入賞装置74の第2右側開閉板74a1及び第2左側開閉板74a2は、第1可変入賞装置72の第1開閉板72aより上流側に配置されているため、仮に、第1開閉板72aと、第2右側開閉板74a1及び第2左側開閉板74a2とが共に開放されていた場合であっても、上流側に位置する第2可変入賞装置74へ球が流入するように構成されている。
ここで、第2可変入賞装置74内に流入した球は、アタッカーユニット71内の確変領域75に到達するまでに、少なくとも、第2大入賞口検知前通路74dを流下する時間約0.3秒と、第1大入賞口検知後通路72eを流下する時間約0.5秒との計約0.8秒を要するように構成されている。これにより、例えば、第2右側開閉板74a1及び第2左側開閉板74a2が開放(傾倒)された直後に第1可変入賞装置72内に球が流入した場合でも、該球が確変領域75に到達するまでに少なくとも約0.8秒要することから、確変領域75の確変領域開閉板75aの開放時間が第2右側開閉板74a1及び第2左側開閉板74a2の開放開始から約0.8秒以上開放されていない場合は、確変領域75内に球が流入しないように構成されている。
よって、第2可変入賞装置74の第2右側開閉板74a1及び第2左側開閉板74a2が開放された場合に、例えば、その第2右側開閉板74a1及び第2左側開閉板74a2の開放から、少なくとも、約0.8秒以内に確変領域開閉板75aが閉鎖されてしまったときは、第2可変入賞装置74に球が入賞した場合であっても確変領域75へ球が流入し得ない設定となっている。
第10実施形態の確変領域開閉板75aは、閉鎖状態(突出状態)でその上面がアタッカーユニット71内の通路の底面(球の転動面)と面一となるように配設されて、第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74内に流入した球を排出通路76へと案内する。なお、排出通路76に案内された球は、後述する排出通路76へと案内されて排出スイッチ76aによって検知された後、アタッカーユニット71外(遊技盤13背面側)へ排出される。
一方、確変領域開閉板75aが開放状態(没入状態)の場合は、確変領域スイッチ75cの上流側(上方側)が開放されて、第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74内に流入した球を確変領域スイッチ75cが配設された通路へと案内した後に、排出通路76へと案内される。
ここで、図50(a)で示すように、第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74が共に閉鎖されている場合において、右打ち遊技で発射された球は、右側流路流入口88から右側流路87内へと流入し、その流下方向において第1可変入賞装置72の第1開閉板72a又は第2可変入賞装置74の第2左側開閉板74a2が存在しないため、下流側に設けられた右側流路排出口89へと流下するように構成されている。なお、右側流路排出口89へ流下した球は、遊技盤13のアウト口66(図3参照)へと流下するように構成されている。
次いで、図50(b)で示すように、第2可変入賞装置74が閉鎖されている一方、第1可変入賞装置72が開放されている場合において、右打ち遊技で発射された球は、右側流路流入口88から右側流路87内へと流入し、その流下方向において第1可変入賞装置72の第1開閉板72aが傾倒して存在することで、該第1開閉板72aの傾斜面と衝突して、該傾斜面に沿って第1可変入賞装置72内へと流入するように構成されている。
次いで、図50(c)で示すように、第1可変入賞装置72が閉鎖されている一方、第2可変入賞装置74が開放されている場合において、右打ち遊技で発射された球は、右側流路流入口88から右側流路87内へと流入し、その流下方向において第2可変入賞装置74の第2左側開閉板74a2が傾倒して存在するとともに、該第2左側開閉板74a2と第2大入賞口検知前通路74dの間の空間を第2右側開閉板74a1が橋渡しするように傾倒していることで、該第2左側開閉板74a2の傾斜面と衝突して、第2左側開閉板74a2及び第2右側開閉板74a1の傾斜面に沿って第2可変入賞装置74内に流入するように構成されている。
以上、説明したように、第10実施形態のパチンコ機10では、第1可変入賞装置72と第2可変入賞装置74とをそれぞれ別の部材で構成する一方、第1可変入賞装置72から流入した球が流下する流路と、第2可変入賞装置74から流入した球が流下する流路とを合流部73で合流させ、該合流部73の下流側に確変領域75及び排出通路76が位置するように構成する。このように構成することで、それぞれ別々に構成された可変入賞装置72,74において確変領域75を共用させて、各可変入賞装置72,74毎に確変領域75や排出通路76を設ける必要がなくなり、アタッカーユニット71の部品点数を削減させ、パチンコ機10における製造コストを削減することができる。
以上、上記各実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記各実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、上記各実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
また、以下に示す変形例のいずれかの構成に対して、上記各実施形態の各構成を組み合わせて構成することは当然に可能である。さらに、以下に示す変形例のいずれかの構成に対して、他の1又は複数の変形例の各構成を組み合わせて構成することは当然に可能である。これらの場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
<変形例1:連続的に同一の可変入賞装置72,74を開放>
上記第1実施形態では、大当たり時における各ラウンドにおいて、第1可変入賞装置72と第2可変入賞装置74とを交互に開放していた。これに代えて、いずれか一方の可変入賞装置72,74を連続して開放し、その後、他方の可変入賞装置74,72を開放するように構成してもよい。このように構成することで、大当たり種別に応じて可変入賞装置72,74の開閉パターンのバリエーションを豊富にして、遊技者にいずれの大当たり種別に当選しているかを認識し難く(不可に)構成し、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。特に、第8実施形態において、第1可変入賞装置72と第2可変入賞装置74との開放パターンを不規則な(交互開放や一方のみ開放等の規則性を有しない)開放パターンで第1可変入賞装置72又は第2可変入賞装置74を開放させることで、左打ち遊技でのみ入賞可能な第1可変入賞装置72が開放するか、右打ち遊技でのみ入賞可能な第2可変入賞装置74が開くかを推測する遊技性が創出されるとともに、開放された可変入賞装置72,74に入賞可能な発射態様の調整を行うという遊技性が創出され、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例2:確変領域75の開放ラウンドと有効ラウンドとを異ならせる>
上記実施形態では、確変領域75が開放される場合に、該確変領域75が必ず有効設定となるように構成していた。これに代えて、確変領域75が開放された場合であっても該確変領域75が無効な場合や、確変領域75が開放されていない場合であっても該確変領域75が有効な場合を設けるように構成してもよい。このように構成することで、大当たり種別に応じて確変領域75の開放パターンと有効パターンとのバリエーションを豊富にして、遊技者にいずれの大当たり種別に当選しているかを認識し難く又は不可に構成し、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。特に、確変領域75を可変入賞装置72,74の開放と同期して開放した場合に、その時点で開放されていない可変入賞装置72,74から流入した残存球が排出されるまでの排出時間は確変領域75を無効に設定し、該排出時間の経過後に確変領域75を有効に設定することで、インターバル時間が不要となり、遊技価値の付与を迅速に行うことができる。
<変形例3:確変領域75の無効時に球通過で所定の報知>
上記実施形態では、確変領域75の無効時に、該確変領域スイッチ75cによって球が検知された場合、確変移行フラグ203iをオンせずに、他の処理は何も実行しないように構成していた。これに代えて、確変領域75の無効時に、該確変領域スイッチ75cによって球が検知された場合に、所定の演出を実行するように構成してもよい。具体的には、例えば、実行中の演出内容に変化を与える追加演出や、パチンコ機10の遊技状況(例えば、大当たり確率や遊技状態、保留中の変動演出に対する先読み演出、或いは、設定値等)を示唆する示唆演出、又は、パチンコ機10に何らかの異常が発生したことを示す異常報知演出等を実行するように構成してもよい。このように構成することで、無効時の確変領域75への球の通過に何かしらの意味を持たせることができ、遊技の興趣向上、又は、遊技状況の的確な報知を行うことができる。
<変形例4:確変領域75から遠い第1可変入賞装置72から入賞した場合でも確変領域75へ流入可能なタイミングで確変領域開閉板75aを開放>
上記第1実施形態では、確変領域75の配設位置から近い位置に配設された第2可変入賞装置74から入賞した球のみが確変領域75内に流入可能である一方、確変領域75の配設位置から遠い位置に配設された第1可変入賞装置72から入賞した球が確変領域75内に流入し得ないように確変領域75の開放パターンを設定していた。これに代えて、確変領域75の配設位置から遠い位置に配設される第1可変入賞装置72から入賞した球も確変領域75内に流入可能なように確変領域75の開放パターンを設定するように構成してもよい。このように構成することで、確変領域75への入賞パターンのバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる。
<変形例5:排出通路76を確変領域75の上流側に配置、排出通路76に開閉板>
上記実施形態では、アタッカーユニット71の排出通路76の上流側に確変領域75を配置し、確変領域開閉板75aによって確変領域75が閉鎖された状態において確変領域75に流入しなかった球が排出通路76に流入するように構成していた。これに代えて、排出通路76を確変領域75の上流側に配置し、上流側に配置された排出通路76への流入を阻止する排出通路開閉板を設け、「確率変動状態」を付与しない場合は該排出通路開閉板を非駆動状態にして排出通路76を開放し、「確率変動状態」を付与したい場合、即ち、確変領域75へ球を流入させたい場合は、排出通路開閉板を駆動状態にして排出通路76を閉鎖することで、確変領域75まで球が流入可能な構成にしてもよい。
<変形例6:突確、小当たり>
上記各実施形態において、各特別図柄の抽選において、「10R確変大当たり」、「10R潜伏確変大当たり」、「5R潜伏確変大当たり」、「10R時短大当たり」、「5R時短大当たり」のいずれかの大当たりが付与されるように構成されていた。これに対し、上記大当たりとは異なる大当たり(例えば、所謂「突然確変大当たり(2R確変大当たり)」)や、大当たりとは異なる「小当たり」の抽選を行うように構成してもよい。このように構成することで、大当たり又は小当たりに当選した場合に、遊技者に付与される遊技価値を異ならせることで、遊技にバリエーションを設け、多様な遊技性を実現することで遊技の興趣向上を図ることができる。
特に、特別図柄の抽選において「小当たり」を設けた場合、小当たりに当選したときには、「潜伏確率変動状態」が付与される大当たりと同様又は近似した可変入賞装置72,74等の開閉態様(即ち、「5R潜伏確変大当たり」であれば、該「5R潜伏確変大当たり」と同様に5回可変入賞装置72,74の開閉動作を実行する「5R小当たり」等)とすることで、遊技者に「通常遊技状態」か「潜伏確率変動状態」かを識別困難とする。このように構成することで、いずれの遊技状態かを推測させる遊技性が生まれ、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、「小当たり」とは、可変入賞装置72,74等の開閉が実行されるが、「10R確変大当たり」や「5R潜伏確変大当たり」と異なり、遊技状態の移行が実行されない抽選結果である。
<変形例7:潜伏確変示唆演出>
上記実施形態では、「確率変動状態」が付与されていることを「確変報知演出態様」でのみ遊技者に報知するように構成されていた。これに代えて、「確率変動状態」が付与されていること、或いは、付与されることを特殊演出によって遊技者に示唆するように構成してもよい。特殊演出としては、例えば、第3図柄表示装置81において、「確率変動状態」が付与されている状況ほど選択され易く、「確率変動状態」が付与されていない場合には選択され難い特殊キャラクタを所定タイミング(例えば、大当たり中や大当たり終了時、或いは、変動演出中)に現出させたり、有効に設定されている確変領域75を通過した場合に出力され易く、無効に設定されている確変領域75を通過した場合には出力され難い特殊効果音等の演出を実行する。このように構成することで、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる。
<変形例8:確変領域75の開放開始又は有効時を示唆>
上記実施形態では、大当たり中に、確変領域75が開放されるタイミング、及び、確変領域75が有効に設定されているタイミングに関して、遊技者に対して何ら示唆等を行っていなかった。これに代えて、確変領域75が開放されるタイミング、又は、確変領域75が有効に設定されるタイミングを遊技者に示唆するように構成してもよい。このように構成することで、開放されている、又は、有効に設定されている確変領域75への球の流入機会を増やし、「確率変動状態」を権利を遊技者に付与し易くすることができる。
<変形例9:大入賞口スイッチ72c,74cのカウント数に応じて確変領域75を開放又は有効>
上記実施形態では、いずれかの可変入賞装置72,74の開放契機と同期するように確変領域75を開放及び有効に設定するように構成していた。これに代えて、可変入賞装置72,74の開放契機ではなく、大入賞口スイッチ72c,74cのカウント数に応じて確変領域75を開放又は/及び有効に設定するように構成してもよい。具体的には、例えば、1のラウンド中における3カウント目、即ち、1回の可変入賞装置72,74の開放時において、大入賞口スイッチ72c,74cによって最大入賞個数未満の所定の第1個数(例えば、3個目)の球が検知された場合に、確変領域75を開放又は/及び有効に設定し、大入賞口スイッチ72c,74cによって最大入賞個数未満かつ上記第1個数以上の第2個数(例えば、8個目)の球が検知された場合に、確変領域75を閉鎖又は/及び無効に設定するように構成する。このように構成することで、2の可変入賞装置72,74を間断なく連続して開放して、インターバル時間がないように可変入賞装置72,74を開放した場合であっても、意図しないタイミングで確変領域75へ球が流入することを抑制可能にできる。即ち、可変入賞装置72,74の開放と同期して確変領域75を開放した場合、開放していない可変入賞装置72,74から流入した残存球が開放された確変領域75へ流入するといったことを防止するためにインターバル時間を設定しているが、上記構成にすることで、開放していない可変入賞装置72,74から流入した残存球が開放された確変領域75へ流入するといったことを未然に防止できるとともに、一方の可変入賞装置72,74が閉鎖された場合に早期に(直ちに)他方の可変入賞装置74,72を開放することができ、インターバル時間を不要とし、迅速な遊技価値の付与を実現できる。また、この場合、確変領域75へ球を入賞させたい所望の可変入賞装置72,74以外の他方の可変入賞装置74,72の開放に基づいて流入した球が、該確変領域75へ流入することを大入賞口スイッチ72c,74cの検出個数に基づいて行うことができるので、第1可変入賞装置72の第1大入賞口検知前通路72d若しくは/及び第1大入賞口検知後通路72e、又は/並びに、第2可変入賞装置74の第2大入賞口検知前通路74d若しくは/及び第2大入賞口検知後通路74eの通路距離を短くした場合であっても、意図しない確変領域75への球の流入を抑制することができる。その結果、アタッカーユニット71全体の大きさを縮小化でき、その縮小分、他の部品に関する遊技盤13の設計自由度を向上することができる。
<変形例10:確変領域75を一定駆動する駆動装置で構成>
上記実施形態では、球が通過(入賞)することで「確率変動状態」を発生し得る確変領域スイッチ75cを確変領域開閉板75aによって覆い、可変入賞装置72,74の開放と連動して開閉することによって確変領域75を形成していた。これに対し、常時一定駆動する駆動装置(例えば、確変領域75を覆う開閉板を一定駆動、又は、確変領域75を含む複数の入球口を備えた回転体等)に確変領域75を設け、確変領域75に球が流入した場合に「確率変動状態」を発生し得るように構成してもよい。
<変形例11:確変領域75を非駆動のクルーンで構成>
上記実施形態では、球が通過(入賞)することで「確率変動状態」を発生し得る確変領域スイッチ75cを電気的に駆動する確変領域開閉板75aによって覆い、可変入賞装置72,74の開放と連動して開閉することによって確変領域75を形成していた。これに対し、上面を球が転動可能な円形状の転動手段(所謂、クルーン)に確変領域75を含む複数の入球口を形成し、確変領域75に対応する入球口に球が入球した場合に「確率変動状態」を発生し得るように構成してもよい。
<変形例12:アタッカーユニット71内の通路をy字に形成>
上記実施形態では、第1可変入賞装置72から流入した球の流下方向と、第2可変入賞装置74から流入した球の流下方向とが同一方向(例えば、正面視左側)に流下するように第1大入賞口検知後通路72e及び第2大入賞口検知後通路74eを構成していた。これに代えて、第1可変入賞装置72から流入した球の流下方向と、第2可変入賞装置74から流入した球の流下方向とが異なる方向、即ち、例えば、第1可変入賞装置72から流入した球の流下方向が正面視左側に流下するように第1大入賞口検知後通路72eを形成し、第2可変入賞装置74から流入した球の流下方向が正面視右側に流下するように第2大入賞口検知後通路74eを形成する。そして、第1大入賞口検知後通路72eと第2大入賞口検知後通路74eとを合流部で合流させ、所謂y字形状となるように各通路72e,74eを連通させる。そして、その合流部の下流側に確変領域75と排出通路76とを配置する。このように構成することで、アタッカーユニット71全体の設計自由度を向上させることができる。
特に、第5実施形態のアタッカーユニット71において、第1可変入賞装置72から流入する球の流下方向を正面視左側となるように第1大入賞口検知後通路72eを形成し、第2可変入賞装置74から流入する球の流下方向を正面視右側となるように第2大入賞口検知後通路74eを形成する。そして、第1大入賞口検知後通路72eと第2大入賞口検知後通路74eとを、第2大入賞口スイッチ74cより第1大入賞口スイッチ72cに近い位置、即ち、第2大入賞口検知後通路74eの通路長さより第1大入賞口検知後通路72eの通路長さの方が短くなる地点で合流させ、その合流地点の下流側に確変領域75及び排出通路76を配置する。よって、第1可変入賞装置72から流入した球は、比較的早期に確変領域75の配設位置まで到達する一方、第2可変入賞装置74から流入し得る球は、まず、第1可変入賞装置72の第1開閉板72aの上面を転動しきった後、第2可変入賞装置74内へ流入し、その後、第1大入賞口検知後通路72eより長い第2大入賞口検知後通路74eを通過してから、確変領域75の配設位置まで到達する。このように構成することで、第2可変入賞装置74からアタッカーユニット71内に流入する球が確変領域75に到達するまでの時間と、第1可変入賞装置72からアタッカーユニット71内に流入する球が確変領域75に到達するまでの時間との時間差を拡大させ、確変領域75し得るか否かの可変入賞装置72,74及び確変領域75の開放パターンを豊富にし、遊技のバリエーションを豊富にすることができる。
<変形例13:ループタイプ>
上記各実施形態では、「確率変動状態」として、大当たり終了後の特別図柄の変動回数が所定回数到達するまで「確率変動状態」が維持される一方、所定回数終了後に該「確率変動状態」が終了する所謂STタイプの遊技仕様で構成されていた。これに対し、大当たり終了後に、次回の大当たりが発生するまで「確率変動状態」を維持する所謂ループタイプの遊技仕様で構成してもよい。次回の大当たりが確約される所謂ループタイプのパチンコ機において、本発明の構成を適用することにより、確変領域75に球が通過するか否かの遊技性の興趣向上を図ることができる。
<変形例14:2以上の確変領域>
上記実施形態では、アタッカーユニット71内に1の確変領域75を設け、大当たり中にいずれかの可変入賞装置72,74からアタッカーユニット71内に入賞した球が、確変領域75へ流入し得るように構成されていた。これに代えて、アタッカーユニット71内に2つ以上の確変領域を設け、アタッカーユニット71に入賞した球がいずれか1の確変領域へ流入するように構成してもよい。このように構成することで、確変領域75の流入パターンのバリエーションを豊富にして、遊技者にいずれの大当たり種別に当選しているかを認識し難く(不可に)構成し、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。
<変形例15:インターバル時間に他演出>
上記実施形態では、大当たり中のインターバル時間に「キャラクタ選択」演出を実行するように構成していた。これに代えて、ミニゲームや希少画像の表示等の特別演出を実行するように構成してもよい。このように構成することで、遊技者を特別演出に着目させ、相対的に第1可変入賞装置72及び第2可変入賞装置74の開放態様への注目度を低下させるとともに、確変領域75の開放態様への注目度も低下させることができる。即ち、インターバル期間中に遊技者が着目し易い特別演出を実行することで、開放される確変領域75に対する球の流入結果を遊技者に認識し難くなるように構成する。その結果、確変領域75を球が通過したか否かを遊技者に認識し難くして、大当たり終了後の遊技状態がいずれの遊技状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。また、「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」であっても、演出態様に反して(内部的に)「確率変動状態」かもしれないと遊技者に推測させ、継続的に遊技を実行させることで、パチンコ機の稼働率を向上することができる。
<変形例16:疑似インターバル>
上記第1実施形態では、確変領域75が開放されるラウンドの開始前にインターバル時間が発生し得るように構成していた。これに代えて、確変領域75が開放し得ないラウンドの開始前にもインターバル時間が発生するように構成してもよい。このように構成することで、インターバル時間が実行されることで確変領域75が必ずしも開放されないことから、確変領域75を球が通過したか否かを遊技者に認識し難くして、大当たり終了後の遊技状態がいずれの遊技状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。
<変形例17:1のラウンドで1の可変入賞装置72,74の開閉が複数回>
上記実施形態では、大当たり中の1のラウンドにおいて、いずれかの可変入賞装置72,74が1回開放され、開放されている可変入賞装置72,74が閉鎖されることで、1のラウンドが終了するように構成されていた。これに代えて、大当たり中の1のラウンドにおいて、いずれかの可変入賞装置72,74の開放及び閉鎖が複数回実行されるように構成してもよい。このように構成することで、遊技者に実行中のラウンド数を認識し難く構成し、仮に、確変領域75が開放するラウンド数を認識されてしまった場合でも、実行中のラウンド数が認識し難いことで、確変領域75が開放されて球が通過可能か否かを遊技者に認識し難くして、大当たり終了後の遊技状態がいずれの遊技状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。
<変形例18:確変領域75が開放されない大当たり種別>
上記実施形態では、いずれの大当たり種別であっても、いずれかのラウンドにおいて必ず確変領域75が開放されるように構成していた。これに代えて、確変領域75が全く開放されない大当たり種別を設けるように構成してもよい。
<変形例19:電チュー式のアタッカー>
上記実施形態では、通常時には第1開閉板72a及び第2開閉板74aが閉鎖されていることでアタッカーユニット71内へ球が入賞せず、大当たりに基づいて第1開閉板72a又は第2開閉板74aが開放することよってアタッカーユニット71内に球が入賞し、該アタッカーユニット71内に確変領域75を設け、確変領域75を球が通過した場合に、「確率変動状態」を付与するように構成していた。これに対し、回動時に球が入賞し易く、非回動時には球が回動時より入賞し難い所謂電チュータイプで少なくとも1の可変入賞装置72,74によってアタッカーユニット71を構成し、そのアタッカーユニット71内部に確変領域75を設けるように構成してもよい。なお、通常時(即ち、「通常遊技状態」等)には、確変領域75を閉鎖したり、無効設定にすることで、有効に設定されている確変領域75を球が通過しないように構成することで、通常時に球が入賞し得た場合であっても、「確率変動状態」を付与しないようにできる。
<変形例20:可変入賞装置72,74と確変領域が別体>
上記実施形態では、アタッカーユニット71に第1可変入賞装置72、第2可変入賞装置74及び確変領域75を一体的にユニット化して構成していた。これに対し、各可変入賞装置72,74とは別体の遊技盤13の背面側の機構(例えば、入賞球を集合させる集合経路板)に確変領域75を配置するように構成してもよい。このように構成することで、可変入賞装置72,74および確変領域75の設計自由度を向上させることができる。なお、可変入賞装置72,74に流入した球は、別体で配置されている確変領域75が配設されている部位まで到達可能に構成する。
<変形例21:奥行通路の正面視左右に確変領域75及び排出通路76をそれぞれ配置して、振分板によって振分>
上記実施形態では、確変領域75と排出通路76とを正面視左右方向又は奥行前後方向に配置して、確変領域開閉板75aによってアタッカーユニット71の内部に流入した球をいずれかの経路に振り分けるように構成していた。これに対し、アタッカーユニット71内に正面視奥行き方向に球を流下させる奥行通路を設け、その奥行通路の奥側に駆動式の振分板を設ける。そして、振分板の正面視左側及び右側に確変領域75と排出通路76とをそれぞれ配列(例えば、振分板(奥行通路)の、正面視左側に確変領域75、正面視右側に排出通路76)し、振分板の駆動形態によってアタッカーユニット71内に流入した球を確変領域75又は排出通路76に流入させるように構成してもよい。
<変形例22:確変領域75に近い第2可変入賞装置74の通路内に減速リブ>
上記第1実施形態では、確変領域75から遠い位置に配設された第1可変入賞装置72の第1大入賞口検知後通路72eに、球の流下速度を減速させるための減速リブ72fを設ける一方、確変領域75から近い位置に配設された第2可変入賞装置74の第2大入賞口検知後通路74e(第2大入賞口検知前通路74d)には減速リブのような球の流下速度を減速させる手段を設けず、第1可変入賞装置72から入賞した球が確変領域75に到達するまでの時間と、第2可変入賞装置74から入賞した球が確変領域75に到達するまでの時間との時間差を生じさせるように構成していた。これに対し、確変領域75から近い位置に配設された第2可変入賞装置の第2大入賞口検知後通路74eに、球の流下速度を減速させるための減速リブを設ける一方、確変領域75から遠い位置に配設された第1可変入賞装置72の第1大入賞口検知後通路72e(第1大入賞口検知前通路72d)には減速リブのような球の流下速度を減速させる手段を設けず、第1可変入賞装置72から入賞した球が確変領域75に到達するまでの時間と、第2可変入賞装置74から入賞した球が確変領域に到達するまでの時間との時間差を生じない若しくは少なくなるように構成してもよい。このように構成することで、いずれの可変入賞装置72,74を開放してアタッカーユニット71内に球を流入させた場合でも、確変領域75に到達するまでの時間をそれぞれ同等(近似)させることができるので、確変領域75の開放パターンに関する制御を簡易化できる。
<変形例23:V大当たり>
上記実施形態では、大当たり遊技中に確変領域75に遊技球が入球するか否かで、大当たり終了後の遊技状態を「確率変動状態」にするか否かを決定していた。これに対し、確変領域75に代えて、V入賞口を設け、該V入賞口に球が入球するか否かで「確率変動状態」とは異なる遊技価値、例えば、V入賞口への球の入賞によって大当たりを発生するように構成してもよい。
<変形例24:オープニング時間・エンディング時間>
上記実施形態では、大当たり状態中に第1可変入賞装置72および第2可変入賞装置74がともに開放されていない期間として、インターバル時間を設定するように構成していた。これに代えて、大当たり状態中に第1可変入賞装置72および第2可変入賞装置74がともに開放されていない期間として、大当たり時におけるオープニング時間又はエンディング時間としてもよい。
<変形例25:一方がダッシュアタッカーでもう一方が回動式アタッカー>
上記第1実施形態では、2の可変入賞装置72,74をいずれも開閉板が回動する回動開閉式で構成していた。これに対し、いずれか一方の可変入賞装置72,74を回動開閉式で構成する一方、他方の可変入賞装置74,72を開閉板が遊技盤13の盤面に出没する出没式開閉板で構成してもよい。
<変形例26:一方のアタッカーに球を入賞させたことに基づいて、該球によって確変領域が物理的に開放され、他方のアタッカーから流入した球が開放された確変領域へ流入可能>
上記実施形態では、確変領域開閉板75aの開閉を確変領域ソレノイド75bによって開閉駆動(出没駆動)可能に構成していた。これに代えて、アタッカーユニット71内の確変領域75を、閉鎖状態では球を確変領域75へ流入させず、開放状態では球を確変領域75へ流入させ得る開閉弁で覆い、該開閉弁を球の自重によって開閉駆動可能に構成してもよい。具体的には、例えば、一方の可変入賞装置72,74(例えば、上流側の第1可変入賞装置72又は下流側の第2可変入賞装置74)内に流入した球の自重によって開閉弁の所定部に負荷をかけて該開閉弁を回動させて確変領域75を開放する。そして、該開閉弁が回動して確変領域75が開放されている間に、他方の可変入賞装置74,72(例えば、下流側の第2可変入賞装置74又は上流側の第1可変入賞装置72)内に球を流入させ、開放されている確変領域75へ球を流入させることで「確率変動状態」が発生するように構成する。このように構成することで、各可変入賞装置72,74に球をそれぞれ流入させることで遊技価値を付与可能な遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例27:小当たり専用アタッカー>
上記実施形態では、大当たりに当選した場合に各可変入賞装置72,74を開放するように構成していた。これに代えて、大当たりの抽選以外に小当たりの抽選を同時に行い、大当たりに当選した場合に、一方又は両方の可変入賞装置72,74を開放可能に構成するとともに、小当たりに当選した場合に、いずれか一方の可変入賞装置72,74を開放可能に構成してもよい。また、いずれか一方の可変入賞装置72,74を小当たりに当選した場合にのみ開放し得るように構成してもよい。そして、いずれの可変入賞装置72,74が開放される場合も確変領域75が開放され得るように構成する。このように構成することで、大当たり以外に小当たりに当選した場合にも確変領域75へ球を入賞し得て、遊技価値を獲得することができるので、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例28:音声ランプ制御装置が大当たり種別のみで可変入賞装置の開閉パターンを認識>
上記実施形態では、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して、大当たり種別のみならず、可変入賞装置72,74の開放タイミング及び閉鎖タイミング、確変領域75の開放タイミング及び閉鎖タイミング、並びに、インターバル時間の発生タイミングを判別可能なコマンドを出力して、音声ランプ制御装置113は該コマンドを受信することで、可変入賞装置72,74及び確変領域75の開閉タイミングを把握し、各種制御を実行するように構成されていた。これに代えて、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から送信される大当たり種別に関するコマンドに基づいて、可変入賞装置72,74又は/及び確変領域75の開閉タイミングを把握し、確変領域開放報知等の各種制御を実行するように構成してもよい。このように構成することで、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して出力するコマンド数を削減することができるので、主制御装置110及び/又は音声ランプ制御装置113の制御負担を軽減することが可能となる。
<変形例29:確変領域開放報知を行わない大当たり種別>
上記第1実施形態では、「キャラクタ選択」演出が実行されていない状態において確変領域75が開放される場合に、いずれの大当たり種別であっても確変領域開放報知を行うように構成されている。これに代えて、大当たり種別「確変A」における確変領域75の開放時のみ確変領域開放報知を実行し、他の大当たり種別「時短A」、「時短B」、「時短C」、「潜伏確率変動A」、「潜伏確率変動B」及び「潜伏確率変動C」における確変領域75の開放時には確変領域開放報知を実行しないように構成してもよい。第1実施形態において、大当たり終了後に「確率変動状態」が発生し得ない大当たり種別「時短A」、「時短B」及び「時短C」は、確変領域75が開放されるものの、該開放タイミングでは確変領域75へ球が流入しないように構成されている。従って、大当たり種別「時短A」、「時短B」及び「時短C」における確変領域75の開放に伴って確変領域開放報知を行った場合、該確変領域開放報知が行われている間に確変領域75へ球が流入しないことを認識した遊技者は、遊技に興醒めしてしまうおそれがある。また、第1実施形態では、大当たり種別「潜伏確率変動A」、「潜伏確率変動B」及び「潜伏確率変動C」は、大当たり終了後の遊技状態が「確率変動状態」であることを遊技者に明確に示唆しないように構成されている。従って、大当たり種別「潜伏確率変動A」、「潜伏確率変動B」及び「潜伏確率変動C」における確変領域75の開放に伴って確変領域開放報知を行った場合、該確変領域開放報知の実行中に確変領域75へ球が流入したことを認識した遊技者は、大当たり終了後に「確率変動状態」が発生することを認識してしまい、「確率変動状態」が付与されているか否かを不明確にすることによって遊技状態を推測する遊技性が損なわれてしまう。そこで、大当たり種別「時短A」、「時短B」、「時短C」、「潜伏確率変動A」、「潜伏確率変動B」及び「潜伏確率変動C」における確変領域75の開放時には確変領域開放報知を実行しないように構成することで、遊技に対して興醒めしてしまうことを抑制するとともに、設定した遊技性を維持して、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例30:確変領域開放報知をズラす>
上記第1実施形態では、確変領域75が開放されるタイミングと同期するように確変領域開放報知を実行するように構成している。これに代えて、確変領域75が開放されるタイミングより前若しくは後にタイミングをズラして所定の演出(確変領域開放報知)を実行するように構成してもよい。このように構成することで、所定の演出の実行時(前後)に確変領域75が開放されているか否かを推測する遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例31:大当たり種別に応じた可変入賞装置又は確変領域の開放パターンのバリエーション>
上記(第6)実施形態では、5ラウンドの大当たり種別(即ち、「時短A」、「時短B」、「潜伏確率変動A」又は「潜伏確率変動B」)において一方の可変入賞装置72,74のみを開放するように構成しているが、該5ラウンドの大当たり種別において両可変入賞装置72,74を共に(交互に、所定の規則で、若しくは、不規則に)開放するように構成してもよい。また、10ラウンドの大当たり種別(即ち、「確率変動A」、「時短C」又は「潜伏確率変動C」)において両可変入賞装置72,74を共に(交互に、所定の規則で、若しくは、不規則に)開放するように構成しているが、該10ラウンドの大当たり種別においていずれか一方の可変入賞装置72,74のみを開放するように構成してもよい。このように構成することで、ラウンド数が同等の大当たり種別であっても、開放される可変入賞装置72,74が異なることで、大当たりに要する時間(大当たり消化時間)が同等(ほぼ同様)であっても付与される遊技価値を明確に異ならせることができる。その結果、付与される遊技価値の時間効率を異ならせ、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる。
上記実施形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしてもよい。また、表示制御装置114に音声ランプ制御装置113を接続して、表示制御装置114から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置113に送信するよう構成してもよい。さらに、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とを1の制御装置として構成するものとしてもよい。これらを1つの制御装置とすることで、部品点数が削減でき、パチンコ機のコスト増加を抑制することができる。
上記実施形態では、第1始動口64a又は第2始動口64bへの入球(始動入賞)を契機として保留され実行される第3図柄(特別図柄)の変動演出中に大当たりとなる変動演出があるか否かを、実行図柄及び保留図柄において「保留変化予告」を行う場合について説明した。これに対し、普通図柄ゲート67を球が通過したこと(始動入賞)を契機として保留され実行される普通図柄の可変表示の中に当たり(「○」の図柄で停止)となるものがあるか否かを、普通図柄保留ランプ84や第3図柄表示装置81等を用いて、第3図柄の変動演出中に大当たりとなる変動演出があるか否かとあわせて、又は、その代わりに、遊技者に報知してもよい。これにより、保留中の普通図柄の可変表示の中に、又は、実行中および保留中の普通図柄の可変表示の中に、当たりとなる可変表示があるか否かを遊技者が把握できる。よって、普通図柄の可変表示の実行前に普通図柄が当たりとなるか否かを推測できる。遊技機の中には、普通図柄の当たりの有無にて遊技性を高めているものがあり、そのような遊技機において特に有効である。
上記実施形態では、デモ演出が「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄を停止表示させるものである場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、数字の付された主図柄または数字の付されていない主図柄からなる第3図柄を、半透明状態で停止表示させるものであってもよい。また、第3図柄を表示させずに背面画像だけを変化させるものであってもよい。また、変動演出で用いられる第3図柄や背面画像とは全く異なるキャラクタや背面画像を表示させるものであってもよい。
上記実施形態では、変動演出が行われる第3図柄表示装置81にて連続予告演出の1形態である「保留変化予告」を実行する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、パチンコ機10に第3図柄表示装置81とは別の第4図柄表示装置を設け、第3図柄表示装置81で実行される変動演出と合わせて、第4図柄表示装置に第4図柄を表示させることによって、「保留変化予告」又は「保留変化予告」とは異なって複数の変動演出に跨って実行される連続予告演出(以下、「保留変化予告」を含めて「連続予告演出」という)を実行してもよい。この場合、第4図柄表示装置の制御を表示制御装置114で行ってもよいし、音声ランプ制御装置113で行ってもよい。また、各種演出に応じて作動する各可動役物とは異なる役物をパチンコ機10に設け、その役物を変動演出と合わせて所定の態様で作動させることによって、連続予告演出を実行してもよい。また、音声ランプ制御装置113の制御により、パチンコ機10の音声出力装置226から連続予告演出用の音声を出力させることによって、連続予告演出を実行してもよいし、パチンコ機10の電飾部29~33を変動演出と合わせて点灯または点滅させることによって、連続予告演出を実行してもよい。
これにより、第3図柄表示装置81(および特別図柄表示装置37)において変動演出(動的表示)が行われる度に、連続して第4図柄表示装置に図柄が表示されたり、役物が所定の態様で作動したり、音声出力装置226から音声が出力されたり、若しくは、電飾部29~33が点灯または点滅することによって、遊技者に対して大当たりの期待感を持たせることができる。また、遊技者は、通常、変動演出が行われる第3図柄表示装置81を注視して遊技を継続して行うが、第3図柄表示装置81とは別の第4図柄表示装置による図柄の表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、若しくは電飾部29~33の点灯・点滅によって連続予告演出が行われるので、遊技者に対して、通常とは異なる演出が行われたことを容易に認識させることができる。また、連続予告演出を、第4図柄表示装置による図柄の表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、または電飾部29~33の点灯・点滅といった簡単な制御で容易に連続予告演出を行わせることができる。
また、連続予告演出を音声出力装置226からの音声出力や、電飾部29~33の点灯または点滅によって行えば、その連続予告演出の制御は音声ランプ制御装置113によって行われるので、始動入賞時における当否判定や変動開始時の抽選処理を主制御装置110に行わせ、連続予告演出を音声ランプ制御装置113に行わせ、変動演出を表示制御装置114に行わせることで、パチンコ機10により連続予告演出を行う場合、それぞれの制御装置に各処理を分担させることができる。よって、1つの制御装置に負荷が集中するのを防ぐことができるので、各制御装置のMPUに求められる性能を低く抑えることができる。
なお、第3図柄表示装置81における連続予告演出用の図柄の表示、第4図柄表示装置における連続予告演出用の図柄の表示、役物の所定の態様での作動、音声出力装置226からの音声出力、及び、電飾部29~33の点灯または点滅のうち、少なくとも2以上を組み合わせ、それぞれを連動させて制御することにより、連続予告演出を実行してもよい。これにより、より多彩な連続予告演出を実行させることができる。また、連続予告演出の実行方法(第3図柄表示装置81による表示、第4図柄表示装置による表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、電飾部29~33の点灯または点滅、又は、それらの組み合わせ)を変えることで、連続予告演出終了後の遊技状態(「10R確変大当たり」、「10R潜伏確変大当たり」、「10R時短大当たり」、「5R潜伏確変大当たり」、「5R時短大当たり」、外れ)に応じて選定される連続予告演出態様を複数用意してもよい。
上記実施形態において、主制御装置110は、第1始動口64a又は第2始動口64bへの入賞(始動入賞)があった場合に、「1」加算された保留球数を音声ランプ制御装置113へ通知する保留球数コマンドに対して、該始動入賞に伴いカウンタ用バッファ203cより取得された各カウンタC1~C3,CS1をそのまま含めて、音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、保留球数コマンドに含めるカウンタの種類は、カウンタC1~C3,CS1の一部であってもよいし、その他のカウンタの値を含めてもよい。また、主制御装置110より音声ランプ制御装置113に対して始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を通知する場合に、これらの各カウンタの値を示す情報を保留球数コマンドに含めて通知するのではなく、保留球数コマンドとは別のコマンドに各カウンタの値を示す情報を含めて、これらの値を音声ランプ制御装置113に対して通知してもよい。別のコマンドとしては、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を音声ランプ制御装置113へ通知する専用のコマンドであってもよいし、変動パターンコマンドや停止図柄コマンド等、別の情報を音声ランプ制御装置113へ通知するためのコマンドに、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値が加えられたものであってもよい。別のコマンドとして、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を音声ランプ制御装置113へ通知する場合、該コマンドに、その通知する各カウンタの値が、いずれの保留回数に対応する変動演出に係るものであるかを示す情報を含めてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113は、該コマンドに含まれる保留回数に関する情報に基づいて、その保留回数に対応する保留情報第1~第4エリアのいずれかのエリアに、該コマンドに含まれる各カウンタの値を格納することができる。
上記実施形態においては、第1始動口64aおよび第2始動口64bへの入賞、並びに、普通図柄ゲート67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1始動口64a又は第2始動口64bへの入賞に基づく変動演出の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、特別図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記実施形態に示すように、第3図柄の変動表示である変動演出は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、図柄の変動表示としては、図柄の変動演出に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
上記各実施形態では、変動演出を実行する場合に、全図柄列Z1~Z3を遊技者が視認不可な程度に高速にスクロールする高速変動を表示させる場合について説明したが、この高速変動の表示に代えて、全図柄列Z1~Z3をそれぞれ視認不可な程度に縮小して表示したり、全図柄列Z1~Z3をそれぞれ多数の白い点がランダムに表示されるスノーノイズ状の画像として表示してもよい。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<A群:ダブルアタッカーで1の確変領域を共用>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられ、遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段が配置された複数の入球口のいずれかへ遊技球が入球することに基づいて所定の遊技価値をそれぞれ付与するとともに、特定の入球口への入賞に基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、入球手段に遊技球を入球可能にして、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2017-148264号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、遊技の興趣向上を図る必要があるが、この点について未だ改良の余地がある。
A群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な第1入球手段(例えば、第1始動口64a)と、
前記第1入球手段に遊技球が入球したことに起因して所定情報を取得する情報取得手段(例えば、第1保留球格納エリア203d)と、
前記情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段(例えば、大当たり乱数テーブル202a)と、
遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段(例えば、第1開閉板72a又は第2開閉板74a)がそれぞれ配置された第2入球手段(例えば、第1可変入賞装置72)および第3入球手段(例えば、第2可変入賞装置74)と、
前記第1入球手段に遊技球が進入した場合に、遊技者に所定の第1遊技価値を付与する第1遊技価値付与手段(例えば、第1始動口スイッチによる球の検出に基づく賞球(3個))と、
前記第2入球手段または前記第3入球手段に遊技球が進入した場合に、前記第1遊技価値と異なる第2遊技価値を付与する第2遊技価値付与手段(例えば、第1大入賞口スイッチ72c又は第2大入賞口スイッチ74cによる球の検出に基づく賞球(15個))と、を備えた遊技機において、
前記第2入球手段または前記第3入球手段から流入した遊技球が通過可能な第1領域(例えば、確変領域75)と、
前記第1領域への遊技球の流入に基づいて、遊技に関する情報を出力可能な遊技情報出力手段(例えば、第3図柄表示装置81におけるV入賞報知演出の実行)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機A0。
遊技機A0によれば、発射手段により遊技球が発射され、この発射手段により発射された遊技球が第1入球手段に入球可能に構成され、この第1入球手段に遊技球が入球したことに起因して情報取得手段により所定情報が取得される。そして、判定手段により、情報取得手段により取得された所定情報が判定される。また、遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段がそれぞれ配置された第2入球手段および第3入球手段が設けられる。そして、第1入球手段に遊技球が進入した場合に、第1遊技価値付与手段により、遊技者に所定の第1遊技価値が付与され、第2入球手段または第3入球手段に遊技球が進入した場合に、第2遊技価値付与手段により、第1遊技価値と異なる第2遊技価値が付与される。ここで、第2入球手段または第3入球手段から流入した遊技球が通過可能な第1領域が設けられる。そして、第1領域への遊技球の流入に基づいて、遊技情報出力手段により、遊技に関する情報が出力可能に構成される。これにより、少なくとも2の入球手段からそれぞれ第1領域へ遊技球が流入可能に構成して、各入球手段ごとに第1領域を設ける必要がなくなるので、遊技機に関する部品点数を削減しつつ、第1領域を遊技球が出力したことに基づいて遊技に関する情報を出力し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A0において、
前記第1領域を遊技球が通過した場合に、前記第1遊技価値及び前記第2遊技価値と異なる第3遊技価値を付与し得る第3遊技価値付与手段(例えば、確変移行フラグ203i)、を備えている
ことを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、遊技機A0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1領域を遊技球が通過した場合に、第3遊技価値付与手段により、第1遊技価値及び第2遊技価値と異なる第3遊技価値が付与され得る。これにより、少なくとも2の入球手段からそれぞれ第1領域へ遊技球が流入可能に構成して、各入球手段ごとに第1領域を設ける必要がなくなるので、遊技機に関する部品点数を削減しつつ、第2入球手段または第3入球手段への遊技球の進入に基づいて第2遊技価値を付与するとともに、第1領域を遊技球が通過した場合に第2遊技価値に加えて第3遊技価値をも付与することができる。その結果、第2入球手段または第3入球手段に進入した遊技球を第1領域へ流入させるか否かという遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A0又はA1において、
前記第2入球手段は、
前記流下方向変更手段として、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態と、遊技球が進入可能な状態とに変化可能な第1可変手段(例えば、第1開閉板72a)、を備え、
前記第3入球手段は、
前記流下方向変更手段として、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態と、遊技球が進入可能な状態とに変化可能な第2可変手段(例えば、第2開閉板74a)、を備え、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記第1可変手段または前記第2可変手段を、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態から、遊技球が進入可能な状態に変化する有利状態(例えば、大当たり状態)にする有利状態手段(例えば、大当たり処理(S103))と、
前記第1領域へ遊技球が流入可能な流入可能状態にするか否かを切り替える第1領域切替手段(例えば、確変領域開閉板75a)と、
前記判定手段の判定結果を使用することにより、前記第1領域切替手段によって前記第1領域が流入可能状態となるタイミングを設定するタイミング設定手段(例えば、確変領域開閉テーブル202g)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A0又はA1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2入球手段に、流下方向変更手段として、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態と、遊技球が進入可能な状態とに変化可能な第1可変手段が設けられ、第3入球手段に、流下方向変更手段として、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態と、遊技球が進入可能な状態とに変化可能な第2可変手段が設けられる。判定手段による判定結果を使用することによって、有利状態手段により、第1可変手段または第2可変手段が、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態から、遊技球が進入可能な状態に変化する有利状態とされる。ここで、第1領域切替手段により、第1領域へ遊技球が流入可能な流入可能状態にするか否かが切り替えられる。そして、タイミング設定手段により、判定手段の判定結果を使用することで、第1領域切替手段によって第1領域が流入可能状態となるタイミングが設定される。これにより、2の入球手段からそれぞれ第1領域へ遊技球が流入可能に構成して、各入球手段ごとに第1領域を設ける必要がなくなるので、遊技機に関する部品点数を削減しつつ、有利状態中に第1領域へ遊技球が流入するか否かという遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A2において、
前記有利状態手段は、
1の前記有利状態において、前記第1可変手段または前記第2可変手段のいずれか一方を、所定条件の成立(例えば、最大30秒若しくは10個入賞)するまで、遊技球が進入可能な状態となる有利期間(例えば、1ラウンド)を複数回実行する複数有利期間実行手段(例えば、ラウンドカウンタ)と、
前記判定手段の判定結果を使用することにより、前記有利期間ごとに遊技球が進入可能な状態となる前記第1可変手段または前記第2可変手段を設定する状態設定手段(例えば、大入賞口開閉テーブル202f)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有利状態手段に設けられた複数有利期間実行手段により、1の有利状態において、第1可変手段または第2可変手段のいずれか一方を、所定条件の成立するまで、遊技球が進入可能な状態となる有利期間が複数回実行される。また、同じく有利状態手段に設けられた状態設定手段により、判定手段の判定結果を使用することにより、有利期間ごと遊技球が進入可能な状態となる第1可変手段または第2可変手段が設定される。これにより、1の有利状態において、各有利期間ごとに遊技球が進入可能な状態となる第1可変手段または第2可変手段を変化させることができ、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A3において、
前記状態設定手段は、
前記有利期間ごとに前記第1可変手段と前記第2可変手段とを交互に遊技球が進入可能な状態にする交互状態手段(例えば、大当たり種別「確率変動A」に当選)、を備えている
ことを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、状態設定手段に設けられた交互状態手段により、有利期間ごとに第1可変手段と第2可変手段とが交互に遊技球が進入可能な状態とされる。これにより、1の有利状態において、第1可変手段によって第2入球手段へ遊技球が進入する場合と、第2可変手段によって第3入球手段へ遊技球が進入する場合とを設け、各入球手段への遊技球の進入パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A4において、
前記交互状態手段は、
遊技球が進入可能な状態である前記第1可変手段または前記第2可変手段を遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態にした場合に、該遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態であった前記第2可変手段または前記第1可変手段を、所定期間(例えば、0.001秒から1秒)以内に遊技球が進入可能な状態とする所定期間内状態手段(例えば、インターバル時間無し)、を備えている
ことを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が進入可能な状態である第1可変手段または第2可変手段が遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態となった場合に、交互状態手段に設けられた所定期間内状態手段により、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態であった第2可変手段または第1可変手段が、所定期間以内に遊技球が進入可能な状態とされる。これにより、第1可変手段および第2可変手段がともに遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態、即ち、第2入球手段および第3入球手段のいずれにも遊技球が進入し得ない状態を少なくすることができる。その結果、1の有利状態において規定されている第1可変手段および第2可変手段を遊技球が進入可能な状態とする回数を迅速に行うことができるので、1の有利状態に要する時間を短縮できるとともに、遊技者に迅速に遊技価値を付与することができる、という効果がある。
遊技機A0からA5のいずれかにおいて、
前記第2遊技価値付与手段は、
前記第2入球手段に遊技球が進入した場合に、遊技者に所定の所定価値(例えば、賞球10個)を付与する所定価値付与手段(例えば、第1大入賞口スイッチ72c)と、
前記第3入球手段に遊技球が進入した場合に、遊技者に前記所定価値と異なる特定価値(例えば、賞球15個)を付与する特定価値付与手段(例えば、第2大入賞口スイッチ74c)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A0からA5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2入球手段に遊技球が進入した場合に、第2遊技価値付与手段に設けられた所定価値付与手段により、遊技者に所定の所定価値が付与される。また、第3入球手段に遊技球が進入した場合に、第2遊技価値付与手段に設けられた特定価値付与手段により、遊技者に所定価値と異なる特定価値が付与される。これにより、遊技球が進入する入球手段ごとに遊技者に付与される遊技価値を異ならせることで、いずれの入球手段に遊技球が進入するかという遊技性を創出し、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A0からA6のいずれかにおいて、
前記第2入球手段に進入した遊技球を前記第1領域側に案内する第1案内手段(例えば、第1大入賞口検知前通路72d及び第1大入賞口検知後通路72e)と、
前記第3入球手段に進入した遊技球を前記第1領域側に案内する第2案内手段(例えば、第2大入賞口検知前通路74d及び第2大入賞口検知後通路74e)と、
前記第1案内手段と前記第2案内手段とが合流する合流部(例えば、合流部73)と、を備え、
前記第1領域は、
前記合流部の下流側に配置される
ことを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A0からA6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1案内手段により、第2入球手段に進入した遊技球が第1領域側に案内され、第2案内手段により、第3入球手段に進入した遊技球が第1領域側に案内される。また、合流部において、第1案内手段と第2案内手段とが合流される。そして、合流部の下流側に第1領域が配置される。これにより、各入球手段へ進入したそれぞれの遊技球を、各案内手段の合流部の下流側に配置される1の第1領域へ入球可能にすることができる。その結果、各入球手段ごとに第1領域を設ける必要がなくなるので、遊技機に関する部品点数を削減しつつ、第1領域に遊技球が流入するか否かという遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A0からA7のいずれかにおいて、
少なくとも、前記第2入球手段および前記第3入球手段が配設される遊技盤(例えば、遊技盤13)と、
前記遊技盤に配設され、遊技球が進入可能な状態である前記第1可変手段または前記第2可変手段のいずれにも遊技球が進入し得る所定位置に該遊技球を案内する遊技球案内手段(例えば、左側釘群77および右側釘群78)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A0からA7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技盤に、少なくとも、第2入球手段および第3入球手段が配設される。また、遊技盤に配設された遊技球案内手段により、遊技球が進入可能な状態である第1可変手段または第2可変手段のいずれにも遊技球が進入し得る位置に遊技球が案内される。これにより、遊技球案内手段によって遊技盤の所定位置に遊技球を案内することで、遊技球が進入可能な状態である第1可変手段または第2可変手段に遊技球を進入させることができる。よって、同様の遊技球の発射方法で2の入球手段に遊技球を進入させることができるので、複数の入球手段が配設されている場合であっても、有利状態における遊技方法を簡易なものとし、遊技者に分かり易い遊技を提供して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A3からA8のいずれかにおいて、
前記第1領域切替手段は、
1の前記有利状態において、2以上の前記有利期間で前記第1領域を前記流入可能状態にする複数流入可能状態手段(例えば、大当たり種別「確率変動A」の1ラウンド、3ラウンド及び9ラウンド)、を備えている
ことを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A3からA8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1領域切替手段に設けられた複数流入可能状態手段により、1の有利状態において、2以上の有利期間で第1領域が流入可能状態とされる。これにより、仮に、第1領域が流入可能状態となっているいずれか1の有利期間において、第1領域へ遊技球を流入させれなかった場合であっても、他の有利期間において再び第1領域を流入可能状態とすることで、第1領域へ遊技球を流入させることが可能となる。従って、急なトラブル(例えば、発射異常等の遊技異常や、遊技者の体調不良等)によって、第1領域が流入可能状態となる1の有利期間において第1領域へ遊技球を流入させることに支障が生じた場合であっても、他の有利期間において再び第1領域を流入可能状態にして、第1領域へ遊技球を流入させる可能性を設けることで、不測の事態によって遊技者が不利益を被ることなく、快適な遊技を実現することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A1からA9のいずれかにおいて、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記第3遊技価値付与手段により前記第3遊技価値が付与されることを遊技者に認識し得る認識可能態様(例えば、「確率変動状態」)を実行する認識可能態様実行手段(例えば、第3図柄表示装置81における「確率変動状態」の専用背景)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記第3遊技価値付与手段により前記第3遊技価値が付与されることを遊技者に認識困難又は認識不可な認識困難態様(例えば、「潜伏確率変動状態」)を実行する認識困難態様実行手段(例えば、第3図柄表示装置81における「潜伏確率変動状態」と「時間短縮状態」との共通背景)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A1からA9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、認識可能態様実行手段により、判定手段の判定結果を使用することによって、第3遊技価値付与手段により第3遊技価値が付与されることを遊技者に認識させ得る認識可能態様が実行される。また、認識困難態様実行手段により、判定手段の判定結果を使用することによって、第3遊技価値付与手段により第3遊技価値が付与されることを遊技者に認識困難又は認識不可な認識困難態様が実行される。これにより、第1領域へ遊技球が流入することによって第3遊技価値が付与され得ることが、認識可能態様が実行されれば遊技者は認識し得る一方、認識困難態様が実行された場合は遊技者は認識困難又は不可となる。よって、いずれの遊技価値が付与されるのか遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
<B群:各可変入賞装置から入賞する確変領域の開放パターン>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられ、遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段が配置された複数の入球口のいずれかへ遊技球が入球することに基づいて所定の遊技価値をそれぞれ付与するとともに、特定の入球口への入賞に基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、入球手段に遊技球を入球可能にして、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2017-148264号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、遊技の興趣向上を図る必要があるが、この点について未だ改良の余地がある。
B群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な第1入球手段(例えば、第1始動口64a)と、
前記第1入球手段に遊技球が入球したことに起因して所定情報を取得する情報取得手段(例えば、第1保留球格納エリア203d)と、
前記情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段(例えば、大当たり乱数テーブル202a)と、
遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段(例えば、第1開閉板72a又は第2開閉板74a)がそれぞれ配置された第2入球手段(例えば、第1可変入賞装置72)および第3入球手段(例えば、第2可変入賞装置74)と、
前記第2入球手段または前記第3入球手段に遊技球が進入した場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技価値付与手段(例えば、第1大入賞口スイッチ72c又は第2大入賞口スイッチ74c)と、を備えた遊技機において、
前記第2入球手段または前記第3入球手段から流入した遊技球が通過可能な第1領域(例えば、確変領域75)、を備え、
前記第3入球手段は、
前記第2入球手段の配設位置より前記第1領域の近くに配設され、
少なくとも前記第3入球手段から進入した遊技球を、前記第1領域へ流入可能にする流入可能手段(例えば、大当たり種別「潜伏確率変動A」の2ラウンド目及び4ラウンド目、又は、大当たり種別「潜伏確率変動B」の1ラウンド目及び3ラウンド目)、を備えている
ことを特徴とする遊技機B0。
遊技機B0によれば、発射手段により遊技球が発射され、この発射手段により発射された遊技球が入球手段に入球可能に構成され、この入球手段に遊技球が入球したことに起因して情報取得手段により所定情報が取得される。そして、判定手段により、情報取得手段により取得された所定情報が判定される。また、遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段がそれぞれ配置された第2入球手段および第3入球手段が設けられる。第2入球手段または第3入球手段に遊技球が進入した場合に、遊技価値付与手段により、遊技者に所定の遊技価値が付与される。ここで、第2入球手段または第3入球手段から流入した遊技球が通過可能な第1領域が設けられる。また、第3入球手段が、第2入球手段の配設位置より第1領域の近くに配設される。また、流入可能手段により、少なくとも第3入球手段から進入した遊技球が、第1領域へ流入可能に構成される。これにより、2の入球手段からそれぞれ第1領域へ遊技球が流入可能に構成して、各入球手段ごとに第1領域を設ける必要がなくなるので、遊技機に関する部品点数を削減しつつ、第2入球手段より第1領域の近くに配設された第3入球手段に遊技球を進入させ、該遊技球を第1領域へ進入させるか否かという遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B0において、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記第2入球手段または前記第3入球手段へ遊技球を進入させ得る有利状態(例えば、大当たり状態)にする有利状態手段(例えば、大当たり処理(S103))と、
前記第1領域へ遊技球が流入可能な流入可能状態か、前記第1領域へ遊技球が流入困難若しくは流入不可な流入困難状態かに切り替える第1領域切替手段(例えば、確変領域開閉板75a)と、
前記第1領域切替手段によって流入可能状態とされた前記第1領域に遊技球が流入した場合に、前記有利状態の終了後に該有利状態と異なる第2有利状態を発生し得る第2有利状態発生手段(例えば、確変移行フラグ203i)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、遊技機B0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段による判定結果を使用することによって、有利状態手段により、第2入球手段または第3入球手段へ遊技球を進入させ得る有利状態とされる。ここで、第1領域切替手段により、第1領域へ遊技球が流入可能な流入可能状態か、第1領域へ遊技球が流入困難若しくは不可な流入困難状態かに切り替えられる。そして、第1領域切替手段によって流入可能状態とされた第1領域に遊技球が流入した場合に、第2有利状態発生手段により、有利状態の終了後に該有利状態と異なる第2有利状態が発生され得る。これにより、2の可変入球手段からそれぞれ特別領域へ遊技球が流入可能に構成して、各可変入球手段ごとに特別領域を設ける必要がなくなるので、遊技機に関する部品点数を削減しつつ、第1可変入球手段より特別領域の近くに配設された第2可変入球手段から進入した遊技球を特別領域へ進入させて第2有利状態が発生するか否か、即ち、第2可変入球手段が第2状態となっている場合に特別領域が流入可能状態となるか否かという遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B1において、
前記流入可能手段は、
前記第3入球手段から進入した遊技球が前記第1領域に到達するタイミングにおいて、前記第1領域を前記流入可能状態とする
ことを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、流入可能手段により、第3入球手段から進入した遊技球が第1領域に到達するタイミングにおいて、第1領域が流入可能状態とされる。これにより、第2入球手段より第1領域の近くに配設された第3入球手段から進入した遊技球を第1領域へ進入させて第2有利状態が発生するか否か、即ち、第3入球手段が遊技球が進入可能な状態となっている場合に第1領域が流入可能状態となるか否かという遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B0からB2のいずれかにおいて、
前記第2入球手段に進入した遊技球を前記第1領域側に案内する第1案内手段(例えば、第1大入賞口検知前通路72d及び第1大入賞口検知後通路72e)と、
前記第3入球手段に進入した遊技球を前記第1領域側に案内する第2案内手段(例えば、第2大入賞口検知前通路74d及び第2大入賞口検知後通路74e)と、
前記第1案内手段は、
前記第2入球手段に遊技球が進入してから前記第1領域に到達するまでに所定の第1時間(例えば、2.5秒)を要するように構成され、
前記第2案内手段は、
前記第3入球手段に遊技球が進入してから前記第1領域に到達するまでに前記第1時間より短い第2時間(例えば、0.7秒)を要するように構成され、
前記流入可能手段は、
前記第2入球手段または前記第3入球手段が遊技球が進入可能な状態となってから前記第1時間経過するまでに、前記第1領域を前記流入困難状態にする第1時間困難手段(例えば、確変領域開閉板75aの開放時間が2.5秒以内)と、
前記第2入球手段または前記第3入球手段が遊技球が進入可能な状態となってから前記第2時間経過するまで、前記第1領域を前記流入可能状態にする第2時間流入手段(例えば、確変領域開閉板75aの開放時間が0.7秒以上)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B0からB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1案内手段により、第2入球手段に進入した遊技球が第1領域側に案内され、第2案内手段により、第3入球手段に進入した遊技球が第1領域側に案内される。また、第1案内手段により、第2入球手段に遊技球が進入してから第1領域に到達するまでに所定の第1時間が要され、第2案内手段により、第3入球手段に遊技球が進入してから第1領域に到達するまでに第1時間より短い第2時間が要される。ここで、流入可能手段に設けられた第1時間困難手段より、第2入球手段または第3入球手段が遊技球が進入可能な状態となってから第1時間経過するまでに、第1領域が流入困難状態とされる。一方、第2時間流入手段により、第2入球手段または第3入球手段が遊技球が進入可能な状態となってから第2時間経過するまで、第1領域が流入可能状態とされる。これにより、第2入球手段から進入した遊技球が第1領域に到達する第1時間では第1領域が流入困難状態である一方、第3入球手段から進入した遊技球が第1領域に到達する第2時間では第1領域が流入可能状態とされるため、第3入球手段から進入した遊技球を第1領域へ進入させて第2有利状態が発生するか否か、即ち、第3入球手段が遊技球が進入可能な状態となっている場合に第1領域が流入可能状態となるか否かという遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B0からB3のいずれかにおいて、
前記流入可能手段は、
前記第2入球手段から進入した遊技球を、前記第1領域へ流入可能にする第2流入可能手段(例えば、変形例4の構成)、を備えている
ことを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B0からB3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、流入可能手段に設けられた第2流入可能手段により、第2入球手段から進入した遊技球が、第1領域へ流入可能に構成される。これにより、2の入球手段からそれぞれ第1領域へ遊技球が流入可能に構成して、各入球手段ごとに第1領域を設ける必要がなくなるので、遊技機に関する部品点数を削減しつつ、第3入球手段より第1領域の遠くに配設された第2入球手段から進入した遊技球も第1領域へ進入させることができるので、いずれの入球手段に遊技球が進入した場合でも、第1領域に遊技球が流入するか否かという遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B4において、
前記第2流入可能手段は、
前記第2入球手段から進入した遊技球が前記第1領域に到達するタイミングにおいて、前記第1領域を前記流入可能状態とする
ことを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2流入可能手段により、第2入球手段から進入した遊技球が第1領域に到達するタイミングにおいて、第1領域が流入可能状態とされる。これにより、第3入球手段より第1領域の遠くに配設された第2入球手段から進入した遊技球を第1領域へ進入させるか否か、即ち、第2入球手段が遊技状態が進入可能な状態となっている場合でも第1領域が流入可能状態となるか否かという遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B1からB5のいずれかにおいて、
前記第1領域切替手段は、
前記第2入球手段または前記第3入球手段が遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態から遊技球が進入可能な状態となったことに起因して、前記第1領域を前記流入困難状態から前記流入可能状態に切り替える
ことを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B1からB5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1領域切替手段により、第2入球手段または第3入球手段が遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態から遊技球が進入可能な状態となったことに起因して、第1領域が流入困難状態から流入可能状態に切り替えられる。これにより、第2入球手段または第3入球手段の遊技球が流入可能な状態に起因して流入可能状態となった第1領域へ遊技球を流入させて第2有利状態が発生するか否かという遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B1からB5のいずれかにおいて、
前記第2入球手段は、
該第2入球手段に進入した遊技球を検知可能な第1検知手段(例えば、第1大入賞口スイッチ72c)、を備え、
前記第3入球手段は、
該第3入球手段に進入した遊技球を検知可能な第2検知手段(例えば、第2大入賞口スイッチ74c)、を備え、
前記第1領域切替手段は、
前記第1検知手段または前記第2検知手段によって遊技球が検知されたことに起因して、前記第1領域を前記流入困難状態から前記流入可能状態に切り替える
ことを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B1からB5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2入球手段に設けられた第1検知手段により、第2入球手段に進入した遊技球が検知可能に構成される。また、第3入球手段に設けられた第2検知手段により、第3入球手段に進入した遊技球が検知可能に構成される。そして、第1領域切替手段により、第1検知手段または第2検知手段によって遊技球が検知されたことに起因して、第1領域が流入困難状態から流入可能状態に切り替えられる。これにより、第2入球手段または第3入球手段への遊技球の進入に起因して流入可能状態となった第1領域へ遊技球を流入させて第2有利状態が発生するか否かという遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B0からB7のいずれかにおいて、
少なくとも、前記第2入球手段および前記第3入球手段が配設される遊技盤(例えば、遊技盤13)と、
前記遊技盤に配設され、遊技球が進入可能な状態である前記第2入球手段または前記第3入球手段のいずれにも遊技球が進入し得る所定位置に該遊技球を案内する遊技球案内手段(例えば、左側釘群77および右側釘群78)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B0からB7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技盤に、少なくとも、第2入球手段および第3入球手段が配設される。また、遊技盤に配設された遊技球案内手段により、遊技球が進入可能な状態である第2入球手段または第3入球手段のいずれにも遊技球が進入し得る位置に遊技球が案内される。これにより、遊技球案内手段によって遊技盤の所定位置に遊技球を案内することで、遊技球が進入可能な状態である第2入球手段または第3入球手段に遊技球を進入させることができる。よって、同様の遊技球の発射方法で2の入球手段に遊技球を進入させることができるので、複数の入球手段が配設されている場合であっても、有利状態における遊技方法を簡易なものとし、遊技者に分かり易い遊技を提供して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B1からB8のいずれかにおいて、
前記有利状態手段は、
1の前記有利状態において、前記第2入球手段または前記第3入球手段のいずれか一方を、所定条件の成立(例えば、最大30秒若しくは10個入賞)するまで、遊技球が進入可能な状態となる有利期間(例えば、1ラウンド)を複数回実行する複数有利期間実行手段(例えば、ラウンドカウンタ)、を備え、
前記第1領域切替手段は、
1の前記有利状態において、2以上の前記有利期間で前記第1領域を前記流入可能状態にする複数流入可能状態手段(例えば、大当たり種別「確率変動A」の1ラウンド、3ラウンド及び9ラウンド)、を備えている
ことを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B1からB8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有利状態手段に設けられた複数有利期間実行手段により、1の有利状態において、第2入球手段または第3入球手段のいずれか一方を、所定条件の成立するまで、遊技球が進入可能な状態となる有利期間が複数回実行される。そして、第1領域切替手段に設けられた複数流入可能状態手段により、1の有利状態において、2以上の有利期間で第1領域が流入可能状態とされる。これにより、仮に、第1領域が流入可能状態となっているいずれか1の有利期間において、第1領域へ遊技球を流入させれなかった場合であっても、他の有利期間において再び第1領域を流入可能状態とすることで、第1領域へ遊技球を流入させることが可能となる。従って、急なトラブル(例えば、発射異常等の遊技異常や、遊技者の体調不良等)によって、第1領域が流入可能状態となる1の有利期間において第1領域へ遊技球を流入させることに支障が生じた場合であっても、他の有利期間において再び第1領域を流入可能状態にして、第1領域へ遊技球を流入させる可能性を設けることで、不測の事態によって遊技者が不利益を被ることなく、快適な遊技を実現することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B1からB9のいずれかにおいて、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記第2有利状態発生手段によって前記第2有利状態が発生することを遊技者に認識し得る認識可能態様(例えば、「確率変動状態」)を実行する認識可能態様実行手段(例えば、第3図柄表示装置81における「確率変動状態」の専用背景)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記第2有利状態発生手段によって前記第2有利状態が発生することを遊技者に認識困難又は認識不可な認識困難態様(例えば、「潜伏確率変動状態」)を実行する認識困難態様実行手段(例えば、第3図柄表示装置81における「潜伏確率変動状態」と「時間短縮状態」との共通背景)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B1からB9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、認識可能態様実行手段により、判定手段の判定結果を使用することによって、第3遊技価値付与手段により第3遊技価値が付与されることを遊技者に認識させ得る認識可能態様が実行される。また、認識困難態様実行手段により、判定手段の判定結果を使用することによって、第3遊技価値付与手段により第3遊技価値が付与されることを遊技者に認識困難又は認識不可な認識困難態様が実行される。これにより、第1領域へ遊技球が流入することによって第3遊技価値が付与され得ることが、認識可能態様が実行されれば遊技者は認識し得る一方、認識困難態様が実行された場合は遊技者は認識困難又は不可となる。よって、いずれの遊技価値が付与されるのか遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
<C群:インターバル時間中に遊技者操作演出>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられ、遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段が配置された複数の入球口のいずれかへ遊技球が入球することに基づいて所定の遊技価値をそれぞれ付与するとともに、特定の入球口への入賞に基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、入球手段に遊技球を入球可能にして、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2017-148264号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、遊技の興趣向上を図る必要があるが、この点について未だ改良の余地がある。
C群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な第1入球手段(例えば、第1始動口64a)と、
前記第1入球手段に遊技球が入球したことに起因して所定情報を取得する情報取得手段(例えば、第1保留球格納エリア203d)と、
前記情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段(例えば、大当たり乱数テーブル202a)と、
遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段(例えば、第1開閉板72a又は第2開閉板74a)がそれぞれ配置された第2入球手段(例えば、第1可変入賞装置72)および第3入球手段(例えば、第2可変入賞装置74)と、
前記第2入球手段または前記第3入球手段に遊技球が進入した場合に、遊技者に所定の第1遊技価値を付与する第1遊技価値付与手段(例えば、第1大入賞口スイッチ72c又は第2大入賞口スイッチ74c)と、を備えた遊技機において、
前記第2入球手段または前記第3入球手段から流入した遊技球が通過可能な第1領域(例えば、確変領域75)と、
前記第2入球手段と前記第3入球手段とがともに遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態となる特別期間(例えば、インターバル期間)を実行可能な特別期間実行手段と、
前記第2入球手段または前記第3入球手段が遊技球が進入可能な状態となる場合に、前記第1領域へ遊技球が流入可能な流入可能状態か、前記第1領域へ遊技球が流入困難若しくは流入不可な流入困難状態かを切り替える第1領域切替手段(例えば、確変領域開閉板75a)と、
前記第1領域切替手段によって流入可能状態とされた前記第1領域に遊技球が流入した場合に、遊技者に前記第1遊技価値と異なる第2遊技価値を付与する第2遊技価値付与手段(例えば、確変移行フラグ203i)と、を備え、
前記特別期間実行手段は、
前記第2入球手段または前記第3入球手段から進入した遊技球が前記第1領域に到達するまでに要する流下時間以上の間、前記特別期間を実行可能に構成される
ことを特徴とする遊技機C0。
遊技機C0によれば、発射手段により遊技球が発射され、この発射手段により発射された遊技球が第1入球手段に入球可能に構成され、この第1入球手段に遊技球が入球したことに起因して情報取得手段により所定情報が取得される。そして、判定手段により、情報取得手段により取得された所定情報が判定される。また、遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段がそれぞれ配置された第2入球手段および第3入球手段が設けられ、第2入球手段または第3入球手段に遊技球が進入した場合に、第1遊技価値付与手段により、遊技者に所定の第1遊技価値が付与され、第2入球手段または第3入球手段から流入した遊技球が通過可能な第1領域が設けられる。ここで、特別期間実行手段により、第2入球手段と第3入球手段とがともに遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態となる特別期間が実行可能に構成される。そして、第1領域切替手段により、第2入球手段または第3入球手段が遊技球が進入可能な状態となる場合に、第1領域へ遊技球が流入可能な流入可能状態か、第1領域へ遊技球が流入困難若しくは流入不可な流入困難状態かが切り替えられる。また、第1領域切替手段によって流入可能状態とされた第1領域に遊技球が流入した場合に、第2遊技価値付与手段により、遊技者に第1遊技価値と異なる第2遊技価値が付与される。ここで、特別期間実行手段により、第2入球手段または第3入球手段から進入した遊技球が第1領域に到達するまでに要する流下時間以上、特別期間が実行可能に構成される。これにより、例えば、第2遊技価値が付与され得ない場合において、第1領域が流入可能状態となる前に、第2入球手段または第3入球手段から進入した遊技球が第1領域に到達するまでに要する流下時間以上、特別期間を設けることで、第2入球手段または第3入球手段が遊技球が進入可能な状態となる場合に流入可能状態となる第1領域に対して、第2入球手段または第3入球手段内に残存している遊技球が第1領域に流入してしまうことを抑制することができる。よって、意図しない第2遊技価値の付与を阻止でき、遊技仕様の想定通りの遊技価値を遊技者に付与し、遊技場に不測の損失が発生することを防止して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機C0において、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記第2入球手段または前記第3入球手段を、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態から遊技球が進入可能な状態に変化する有利状態(例えば、大当たり状態)にする有利状態手段(例えば、大当たり処理(S103))と、
1の前記有利状態において、前記第2入球手段または前記第3入球手段のいずれか一方を、所定条件の成立(例えば、最大30秒若しくは10個入賞)するまで、遊技球が進入可能な状態となる有利期間(例えば、1ラウンド)を複数回実行する複数有利期間実行手段(例えば、ラウンドカウンタ)と、を備え、
前記特別期間実行手段は、
前記第1領域切替手段によって前記第1領域を前記流入可能状態とする前記有利期間の開始前に、前記特別期間を実行する
ことを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、遊技機C0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段による判定結果を使用することで、有利状態手段により、第2入球手段または第3入球手段を、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態から遊技球が進入可能な状態に変化する有利状態とされる。そして、有利状態手段に設けられた複数有利期間実行手段により、1の有利状態において、第2入球手段または第3入球手段のいずれか一方を、所定条件の成立するまで、遊技球が進入可能な状態となる有利期間が複数回実行される。そして、特別期間実行手段により、第1領域切替手段によって第1領域を流入可能状態とする有利期間の開始前に、特別期間が実行される。これにより、例えば、第2遊技価値を付与し得ない場合において、第1領域が流入可能状態となる有利期間の開始前に、第2入球手段または第3入球手段から進入した遊技球が第1領域に到達するまでに要する流下時間以上、特別期間を実行することで、第2入球手段または第3入球手段が遊技球が進入可能な状態となる場合に流入可能状態となる第1領域に対して、第2入球手段または第3入球手段内に残存している遊技球が第1領域に流入してしまうことを抑制することができる。よって、意図しない第2遊技価値の付与を阻止でき、遊技仕様の想定通りの遊技価値を遊技者に付与し、遊技場に不測の損失が発生することを防止して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機C1において、
前記有利状態であることを遊技者に示唆する有利状態演出を実行可能な表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)と、
少なくとも前記特別期間の実行中に、前記有利状態演出と異なる特別演出(例えば、「キャラクタ選択」演出)を前記表示手段で実行可能な特別演出実行手段(例えば、音声ランプ制御装置113)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示手段により、有利状態であることを遊技者に示唆する有利状態演出が実行可能に構成される。そして、少なくとも特別期間の実行中に、特別演出実行手段により、有利状態演出と異なる特別演出が表示手段で実行可能に構成される。これにより、有利状態演出と異なる特別演出が表示手段で実行されることにより、遊技者に該特別演出に注目させることができ、第2入球手段および第3入球手段がともに遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態である特別期間が実行されていることに対する注目を相対的に低下させることができる。よって、遊技者に遊技価値が付与されない特別期間を実行した場合でも、遊技者に違和感のない遊技を提供して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機C2において、
遊技者が操作可能な操作手段(例えば、枠ボタン22)、を備え、
前記特別演出実行手段は、
前記特別演出として、遊技者による前記操作手段の操作を促す操作催促演出(例えば、「キャラクタ選択」演出)を実行する
ことを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、操作手段が、遊技者により操作可能に構成され、特別演出実行手段により、特別演出として、遊技者による操作手段の操作を促す操作催促演出が実行される。即ち、特別領域が流入可能状態とされる有利期間の開始前に実行される特別期間において、少なくとも特別期間が実行されている間において、遊技者による操作手段の操作が促される操作催促演出が実行されるように構成されている。これにより、遊技者に遊技価値が付与されない特別期間中に操作催促演出を実行することで、単純に有利状態演出を実行している場合より遊技者を操作催促演出に着目させ、相対的に第2入球手段および第3入球手段が遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態である特別期間への注目度を低下させるとともに、第1領域への遊技球の流入態様への注目度も低下させることができる。即ち、特別期間中に遊技者が着目し易い操作催促演出を実行することで、第1領域に対する遊技球の流入結果を遊技者に認識し難くなるように構成する。このように構成することで、第1領域へ遊技球が流入したか否かを遊技者に認識し難くして、有利状態中に第1領域へ遊技球が流入したか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機C3において、
前記操作催促演出は、
前記有利状態終了後の遊技における演出内容を決定可能に構成される
ことを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、操作催促演出により、有利状態終了後における演出内容が決定可能に構成される。これにより、有利状態終了後の遊技に関する演出内容を遊技者自らの意思で決定することができる演出を、特別期間の実行中に行うことで、遊技者を操作催促演出により着目させ、相対的に第2入球手段および第3入球手段が遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態である特別期間への注目度を低下させるとともに、第1領域への遊技球の流入態様への注目度も低下させることができる。即ち、特別期間中に遊技者が着目し易い操作催促演出を実行することで、第1領域に対する遊技球の流入結果を遊技者に認識し難くなるように構成する。このように構成することで、第1領域へ遊技球が流入したか否かを遊技者に認識し難くして、有利状態中に第1領域へ遊技球が流入したか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機C4において、
前記表示手段は、
遊技者に遊技の内容を示唆可能な示唆演出(例えば、「潜伏確率変動状態」であるか否かの示唆)を実行可能な示唆演出実行手段、を備え、
前記操作催促演出によって決定される演出内容に基づいて、前記示唆演出の実行態様が異なる
ことを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示手段に設けられた示唆演出実行手段により、遊技者に遊技の内容を示唆可能な示唆演出が実行可能に構成される。そして、操作催促演出によって決定される演出内容に基づいて、示唆演出の実行態様が異なるように構成される。これにより、遊技の内容の示唆に影響する演出内容を遊技者自らの意思で決定することができる演出を、特別期間の実行中に行うことで、遊技者を操作催促演出により着目させ、相対的に第2入球手段および第3入球手段が遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態である特別期間への注目度を低下させるとともに、第1領域への遊技球の流入態様への注目度も低下させることができる。即ち、特別期間中に遊技者が着目し易い操作催促演出を実行することで、第1領域に対する遊技球の流入結果を遊技者に認識し難くなるように構成する。このように構成することで、第1領域へ遊技球が流入したか否かを遊技者に認識し難くして、有利状態中に第1領域へ遊技球が流入したか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機C0からC5のいずれかにおいて、
前記第2入球手段に進入した遊技球を前記第1領域側に案内する第1案内手段(例えば、第1大入賞口検知前通路72d及び第1大入賞口検知後通路72e)と、
前記第3入球手段に進入した遊技球を前記第1領域側に案内する第2案内手段(例えば、第2大入賞口検知前通路74d及び第2大入賞口検知後通路74e)と、
前記第1案内手段は、
前記第2入球手段に遊技球が進入してから前記第1領域に到達するまでに所定の第1時間(例えば、2.5秒)を要するように構成され、
前記第2案内手段は、
前記第3入球手段に遊技球が進入してから前記第1領域に到達するまでに前記第1時間より短い第2時間(例えば、0.7秒)を要するように構成され、
前記特別期間は、
少なくとも前記第2時間以上行われる
ことを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C0からC5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1案内手段により、第2入球手段に進入した遊技球が第1領域側に案内され、第2案内手段により、第3入球手段に進入した遊技球が第1領域側に案内される。また、第1案内手段により、第2入球手段に遊技球が進入してから第1領域に到達するまでに所定の第1時間が要され、第2案内手段により、第3入球手段に遊技球が進入してから第1領域に到達するまでに第1時間より短い第2時間が要される。ここで、特別期間が、少なくとも第2時間以上行われる。これにより、例えば、第2遊技価値を付与し得ない場合において、第1領域が流入可能状態となる前に、第1領域に到達するまでの時間が短い第3入球手段から進入した遊技球が第1領域に到達する特別期間を実行することで、第2入球手段が遊技球が進入可能な状態となる場合に流入可能状態となる第1領域に対して、第3入球手段から流入して残存している遊技球が第1領域に流入してしまうことを抑制することができる。よって、意図しない第2遊技価値の付与を阻止でき、遊技仕様の想定通りの遊技価値を遊技者に付与し、遊技場に不測の損失が発生することを防止して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機C0からC6のいずれかにおいて、
前記第2入球手段および前記第3入球手段が配設される遊技盤(例えば、遊技盤13)と、
前記遊技盤に配設され、遊技球が進入可能な状態である前記第2入球手段または前記第3入球手段のいずれにも遊技球が進入し得る所定位置に該遊技球を案内する遊技球案内手段(例えば、左側釘群77および右側釘群78)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C0からC6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技盤に第2入球手段および第3入球手段が配設される。また、遊技盤に配設された遊技球案内手段により、遊技球が進入可能な状態である第2入球手段または第3入球手段のいずれにも遊技球が進入し得る位置に遊技球が案内される。これにより、遊技球案内手段によって遊技盤の所定位置に遊技球を案内することで、遊技球が進入可能な状態である第2入球手段または第3入球手段に遊技球を進入させることができる。よって、同様の遊技球の発射方法で2の入球手段に遊技球を進入させることができるので、複数の入球手段が配設されている場合であっても、有利状態における遊技方法を簡易なものとし、遊技者に分かり易い遊技を提供して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機C1からC7のいずれかにおいて、
前記第1領域切替手段は、
1の前記有利状態において、2以上の前記有利期間で前記第1領域を前記流入可能状態にする複数流入可能状態手段(例えば、大当たり種別「確率変動A」の1ラウンド、3ラウンド及び9ラウンド)、を備えている
ことを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C1からC7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1領域切替手段に設けられた複数流入可能状態手段により、1の有利状態において、2以上の有利期間で第1領域が流入可能状態とされる。これにより、仮に、第1領域が流入可能状態となっているいずれか1の有利期間において、第1領域へ遊技球を流入させれなかった場合であっても、他の有利期間において再び第1領域を流入可能状態とすることで、第1領域へ遊技球を流入させることが可能となる。従って、急なトラブル(例えば、発射異常等の遊技異常や、遊技者の体調不良等)によって、第1領域が流入可能状態となる1の有利期間において第1領域へ遊技球を流入させることに支障が生じた場合であっても、他の有利期間において再び第1領域を流入可能状態にして、第1領域へ遊技球を流入させる可能性を設けることで、不測の事態によって遊技者が不利益を被ることなく、快適な遊技を実現することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機C0からC8のいずれかにおいて、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記第2遊技価値付与手段によって前記第2遊技価値が付与されることを遊技者に認識し得る認識可能態様(例えば、「確率変動状態」)を実行する認識可能態様実行手段(例えば、第3図柄表示装置81における「確率変動状態」の専用背景)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記第2遊技価値付与手段によって前記第2遊技価値が付与されることを遊技者に認識困難又は認識不可な認識困難態様(例えば、「潜伏確率変動状態」)を実行する認識困難態様実行手段(例えば、第3図柄表示装置81における「潜伏確率変動状態」と「時間短縮状態」との共通背景)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C0からC8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、認識可能態様実行手段により、判定手段の判定結果を使用することによって、第2遊技価値付与手段によって第2遊技価値が付与されることを遊技者に認識させ得る認識可能態様が実行される。また、認識困難態様実行手段により、判定手段の判定結果を使用することによって、第2遊技価値付与手段によって第2遊技価値が付与されることを遊技者に認識困難又は認識不可な認識困難態様が実行される。これにより、第1領域へ遊技球が流入することによって付与し得る第2遊技価値が、認識可能態様が実行されれば遊技者は認識し得る一方、認識困難態様が実行された場合は遊技者は認識困難又は不可となる。よって、いずれの遊技価値が付与されるのか遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
<D群:1の可変入賞装置の横幅内に他の可変入賞装置および確変領域を含める>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられ、遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段が配置された複数の入球口のいずれかへ遊技球が入球することに基づいて所定の遊技価値をそれぞれ付与するとともに、特定の入球口への入賞に基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、入球手段に遊技球を入球可能にして、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2017-148264号公報))。
しかしながら、上記遊技機は、遊技機全体の横幅より縦幅の方が大きく、左右の幅にかかる設計上の制約が上下の幅にかかる設計上の制約より大きい構成となっている。従って、横方向に延設される部品を配置した場合、遊技盤の遊技領域における所定の領域を上記部品で占有してしまい、他の遊技部品の設計自由度が低くなるおそれがある。
D群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技部品の設計自由度の向上に貢献できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な第1入球手段(例えば、第1始動口64a)と、
前記第1入球手段に遊技球が入球したことに起因して所定情報を取得する情報取得手段(例えば、第1保留球格納エリア203d)と、
前記情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段(例えば、大当たり乱数テーブル202a)と、
遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段(例えば、第1開閉板72a又は第2開閉板74a)がそれぞれ配置された第2入球手段(例えば、第1可変入賞装置72)および第3入球手段(例えば、第2可変入賞装置74)と、
前記第1入球手段に遊技球が進入した場合に、遊技者に所定の第1遊技価値を付与する第1遊技価値付与手段(例えば、第1始動口スイッチによる球の検出に基づく賞球(3個))と、
前記第2入球手段または前記第3入球手段に遊技球が進入した場合に、前記第1遊技価値と異なる第2遊技価値を付与する第2遊技価値付与手段(例えば、第1大入賞口スイッチ72c又は第2大入賞口スイッチ74cによる球の検出に基づく賞球(15個))と、を備えた遊技機において、
前記第2入球手段または前記第3入球手段から流入した遊技球が通過可能な第1領域(例えば、確変領域75)と、
前記第1領域を遊技球が通過した場合に、前記第1遊技価値及び前記第2遊技価値と異なる第3遊技価値を付与し得る第3遊技価値付与手段(例えば、確変移行フラグ203i)と、を備え、
前記第2入球手段の正面視横寸法の範囲内に、前記第3入球手段および前記第1領域の正面視横寸法がそれぞれ収まる大きさに形成される
ことを特徴とする遊技機D0。
遊技機D0によれば、発射手段により遊技球が発射され、この発射手段により発射された遊技球が第1入球手段に入球可能に構成され、この第1入球手段に遊技球が入球したことに起因して情報取得手段により所定情報が取得される。そして、判定手段により、情報取得手段により取得された所定情報が判定される。また、遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段がそれぞれ配置された第2入球手段および第3入球手段が設けられる。そして、第1入球手段に遊技球が進入した場合に、第1遊技価値付与手段により、遊技者に所定の第1遊技価値が付与され、第2入球手段または第3入球手段に遊技球が進入した場合に、第2遊技価値付与手段により、第1遊技価値と異なる第2遊技価値が付与される。ここで、第2入球手段または第3入球手段から流入した遊技球が通過可能な第1領域が設けられる。また、第1領域を遊技球が通過した場合に、第3遊技価値付与手段により、第1遊技価値及び第2遊技価値と異なる第3遊技価値が付与され得る。そして、第2入球手段の正面視横寸法の範囲内に、第3入球手段および第1領域の正面視横寸法がそれぞれ収まる大きさに形成される。即ち、第2遊技価値を付与する第2入球手段と第3入球手段、及び、第2遊技価値(第1遊技価値)と異なる第3遊技価値を付与し得る第1領域との正面視横方向の寸法を、第2入球手段の正面視横寸法の範囲内の収められるように構成される。これにより、遊技者に所定の遊技価値を付与し得る第2入球手段、第3入球手段および第1領域との正面視横方向の寸法を、最大でも第2入球手段の正面視横寸法の範囲内に収めることで、第2入球手段、第3入球手段および第1領域のそれぞれの正面視横寸法の占有領域を小さくし、遊技機の設計自由度の向上に貢献できる、という効果がある。
遊技機D0において、
前記第2入球手段に進入した遊技球を前記第1領域側に案内する第1案内手段(例えば、第1大入賞口検知前通路72d及び第1大入賞口検知後通路72e)と、
前記第3入球手段に進入した遊技球を前記第1領域側に案内する第2案内手段(例えば、第2大入賞口検知前通路74d及び第2大入賞口検知後通路74e)と、
前記第1案内手段と前記第2案内手段とが合流する合流部(例えば、合流部73)と、
前記第2入球手段または前記第3入球手段に進入した遊技球を、該第2入球手段または前記第3入球手段外へ排出する排出手段(例えば、排出通路76)と、を備え、
前記第2入球手段の正面視横寸法の範囲内に、前記第3入球手段、前記第1領域および前記排出手段の正面視横寸法がそれぞれ収まる大きさに形成される
ことを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、遊技機D0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1案内手段により、第2入球手段に進入した遊技球が第1領域側に案内され、第2案内手段により、第3入球手段に進入した遊技球が第1領域側に案内される。また、合流部において、第1案内手段と第2案内手段とが合流され、排出手段により、第2入球手段または第3入球手段に進入した遊技球が、該第2入球手段または第3入球手段外へ排出される。ここで、第2入球手段の正面視横寸法の範囲内に、第3入球手段、第1領域および排出手段の正面視横寸法がそれぞれ収まる大きさに形成される。即ち、第2遊技価値を付与する第2入球手段と第3入球手段、及び、第2遊技価値と異なる第3遊技価値を付与し得る第1領域、並びに、第2入球手段または第3入球手段に進入した遊技球を排出する排出手段との正面視横方向の寸法を、第2入球手段の正面視横寸法の範囲内の収められるように構成される。これにより、遊技者に所定の遊技価値を付与し得る第2入球手段、第3入球手段および第1領域と、その第2入球手段または第3入球手段に進入した遊技球を排出するまでの一連の機構の正面視横方向の寸法を、最大でも第2入球手段の正面視横寸法の範囲内に収めることで、第2入球手段、第3入球手段および第1領域、並びに、排出手段のそれぞれの正面視横寸法の占有領域を小さくし、遊技機の設計自由度の向上に貢献できる、という効果がある。
遊技機D1において、
前記第1案内手段、前記第2案内手段、前記第1領域および前記排出手段の正面視奥行き寸法は、遊技球の直径1個分以上、かつ、直径2個分未満の範囲内の大きさに形成される
ことを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D0又はD1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1案内手段、第2案内手段、第1領域および排出手段の正面視奥行き寸法が、遊技球の直径1個分以上、かつ、直径2個分未満の範囲内の大きさに形成される。これにより、第1案内手段、第2案内手段、第1領域および排出手段の正面視横寸法を第2入球手段の正面視横寸法の範囲内に収めるとともに、第2入球手段に進入した遊技球を第1領域に案内する第1案内手段、第3入球手段に進入した遊技球を第1領域へ案内する第2案内手段、第1領域および排出手段の正面視奥行き寸法を、遊技球の直径1個分以上、かつ、直径2個分未満の大きさに形成して、第2入球手段、第3入球手段、及び、第1領域、並びに、排出手段のそれぞれの正面視横寸法および正面視奥行き寸法の占有領域を小さくし(最小限にし)、遊技機の設計自由度の向上に貢献できる、という効果がある。
遊技機D0からD2のいずれかにおいて、
前記第2入球手段および前記第3入球手段が配設される遊技盤(例えば、遊技盤13)、を備え、
前記第2入球手段は、
前記遊技盤において、前記第3入球手段より上流側に配置される
ことを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D0からD2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技盤に、第2入球手段および第3入球手段が配設され、第2入球手段が、遊技盤において、第3入球手段より上流側に配設される。これにより、遊技者に所定の遊技価値を付与し得る第2入球手段、第3入球手段および第1領域との正面視横方向の寸法を、最も上流側に位置する第2入球手段の正面視横寸法の範囲内に収めることで、第2入球手段、第3入球手段および第1領域のいずれにも遊技球が入球し得る配置において、第2入球手段、第3入球手段および第1領域のそれぞれの正面視横寸法の占有領域を小さくし、遊技機の設計自由度の向上に貢献することができる、という効果がある。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、
前記第1領域と前記排出手段とを正面視奥行き方向に重複するように配置する
ことを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1領域と排出手段とが正面視奥行き方向に重複するように配置される。これにより、第1領域又は排出手段のいずれか一方の正面視横寸法が削減されるため、第2入球手段、第3入球手段、及び、第1領域、並びに、排出手段の正面視横寸法をより削減することができる。よって、第2入球手段、第3入球手段および第1領域、並びに、排出手段のそれぞれの正面視横寸法の占有領域をより小さくし、遊技機の設計自由度の向上に貢献することができる、という効果がある。
遊技機D4において、
前記第1領域および前記排出手段を、光透過性の素材(例えば、ポリカーボネート)で形成する
ことを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1領域および排出手段が、光透過性の素材で規制される。これにより、第1領域と排出手段とを正面視奥行き方向に重複させた場合に、遊技球が第1領域へ流入したのか、排出手段へ流入したかを、遊技機正面側から視認する遊技者に認識し難くすることができる。その結果、第1領域を遊技球が通過することに基づいて付与される第3遊技価値が、有利状態終了後に発生するか否かを遊技者に認識し難くして、第3遊技価値が付与されるか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機D0からD5のいずれかにおいて、
前記第1領域へ遊技球が流入可能な流入可能状態にするか否かを切り替える第1領域切替手段(例えば、確変領域開閉板75a)、を備え、
前記第1領域切替手段を、光透過性の素材(例えば、ポリカーボネート)で形成する
ことを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D0からD5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1領域切替手段により、第1領域へ遊技球が流入可能な流入可能状態とするか否かが切り替えられ、第1領域切替手段が、光透過性の素材で形成される。これにより、第1領域切替手段が、流入可能状態となっているか流入困難状態となっているかを遊技者に認識し難くすることができる。その結果、第1領域を遊技球が通過することに基づいて付与される第3遊技価値が、有利状態終了後に発生するか否かを遊技者に認識し難くして、第3遊技価値が付与されるか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機D1からD6のいずれかにおいて、
前記第1領域は、
前記合流部の下流側に配置される
ことを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D1からD6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、合流部の下流側に第1領域が配置される。これにより、各入球手段へ進入したそれぞれの遊技球を、各案内手段の合流部の下流側に配置される1の第1領域へ入球可能にすることができる。その結果、各入球手段ごとに第1領域を設ける必要がなくなるので、遊技機に関する部品点数を削減しつつ、有利状態中に第1領域に遊技球が流入することで第3遊技価値が付与されるか否かという遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機D3からD7のいずれかにおいて、
前記遊技盤に配設され、遊技球が進入可能な状態である前記第2入球手段または前記第3入球手段のいずれにも遊技球が進入し得る所定位置に該遊技球を案内する遊技球案内手段(例えば、左側釘群77および右側釘群78)、を備えている
ことを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D3からD7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技盤に配設された遊技球案内手段により、遊技球が進入可能な状態である第2入球手段または第3入球手段のいずれにも遊技球が進入し得る位置に遊技球が案内される。これにより、遊技球案内手段によって遊技盤の所定位置に遊技球を案内することで、遊技球が進入可能な状態である第2入球手段または第3入球手段に遊技球を進入させることができる。よって、同様の遊技球の発射方法で2の入球手段に遊技球を進入させることができるので、複数の入球手段が配設されている場合であっても、有利状態における遊技方法を簡易なものとし、遊技者に分かり易い遊技を提供して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
<E群:ダブルアタッカーの確変領域を有効・無効に切り替え>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられ、遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段が配置された複数の入球口のいずれかへ遊技球が入球することに基づいて所定の遊技価値をそれぞれ付与するとともに、特定の入球口への入賞に基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、入球手段に遊技球を入球可能にして、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2017-148264号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、遊技の興趣向上を図る必要があるが、この点について未だ改良の余地がある。
E群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な第1入球手段(例えば、第1始動口64a)と、
前記第1入球手段に遊技球が入球したことに起因して所定情報を取得する情報取得手段(例えば、第1保留球格納エリア203d)と、
前記情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段(例えば、大当たり乱数テーブル202a)と、
遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段(例えば、第1開閉板72a又は第2開閉板74a)がそれぞれ配置された第2入球手段(例えば、第1可変入賞装置72)および第3入球手段(例えば、第2可変入賞装置74)と、
前記第1入球手段に遊技球が進入した場合に、遊技者に所定の第1遊技価値を付与する第1遊技価値付与手段(例えば、第1始動口スイッチによる球の検出に基づく賞球(3個))と、
前記第2入球手段または前記第3入球手段に遊技球が進入した場合に、前記第1遊技価値と異なる第2遊技価値を付与する第2遊技価値付与手段(例えば、第1大入賞口スイッチ72c又は第2大入賞口スイッチ74cによる球の検出に基づく賞球(15個))と、を備えた遊技機において、
前記第2入球手段または前記第3入球手段から流入した遊技球が通過可能な第1領域(例えば、確変領域75)と、
前記第1領域を有効に設定するか否かを切り替える有効切替手段(例えば、確変領域有効フラグ203h)と、
前記有効切替手段によって有効に設定されている前記第1領域に遊技球が流入した場合に、前記第1遊技価値および前記第2遊技価値と異なる第3遊技価値を付与する第3遊技価値付与手段(例えば、確変移行フラグ203i)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機E0。
遊技機E0によれば、発射手段により遊技球が発射され、この発射手段により発射された遊技球が第1入球手段に入球可能に構成され、この第1入球手段に遊技球が入球したことに起因して情報取得手段により所定情報が取得される。そして、判定手段により、情報取得手段により取得された所定情報が判定される。また、遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段がそれぞれ配置された第2入球手段および第3入球手段が設けられる。そして、第1入球手段に遊技球が進入した場合に、第1遊技価値付与手段により、遊技者に所定の第1遊技価値が付与され、第2入球手段または第3入球手段に遊技球が進入した場合に、第2遊技価値付与手段により、第1遊技価値と異なる第2遊技価値が付与される。ここで、第2入球手段または第3入球手段から流入した遊技球が通過可能な第1領域が設けられる。そして、有効切替手段により、第1領域を有効に設定するか否かが切り替えられ、第3遊技価値付与手段により、有効切替手段によって有効に設定されている第1領域に遊技球が流入した場合に、第1遊技価値および第2遊技価値と異なる第3遊技価値が付与される。これにより、第1領域が有効に設定されている場合にのみ、第3遊技価値を付与し得るため、第3遊技価値を的確に付与し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機E0において、
前記有効切替手段によって有効に設定されていない(無効に設定されている)前記第1領域に遊技球が流入した場合に、前記第3遊技価値を付与しない
ことを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、遊技機E0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有効切替手段によって有効に設定されていない第1領域に遊技球が流入した場合に、第3遊技価値を付与しない。これにより、仮に、第1領域への遊技球の通過を遊技者に認識された場合であっても、第3遊技価値を付与し得ない状況を創り出すことができる。即ち、第1領域の遊技球の通過のみでは第3遊技価値が付与される否かを認識することができない。その結果、第3遊技価値が付与されるのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することが可能となり、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機E0又はE1において、
前記有効切替手段は、
前記判定手段の判定結果を使用することにより、前記第1領域を有効に設定するタイミングを決定する有効タイミング決定手段(例えば、大当たり種別カウンタC2)、を備えている
ことを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E0又はE1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有効タイミング決定手段により、判定手段の判定結果を使用することによって、第1領域を有効に設定するタイミングが決定される。これにより、判定手段の判定結果に応じて第1領域を有効にするタイミングを変化させることができ、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機E0からE2において、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記第2入球手段または前記第3入球手段を、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態から、遊技球が進入可能な状態に変化する有利状態(例えば、大当たり状態)にする有利状態手段(例えば、大当たり処理(S103))と、
1の前記有利状態において、前記第2入球手段または前記第3入球手段のいずれか一方を、所定条件の成立(例えば、最大30秒若しくは10個入賞)するまで、遊技球が進入可能な状態となる有利期間(例えば、1ラウンド)を複数回実行する複数有利期間実行手段(例えば、ラウンドカウンタ)と、
前記判定手段の判定結果を使用することにより、前記有利期間ごとに遊技球が進入可能な状態となる前記第2入球手段または前記第3入球手段を設定する状態設定手段(例えば、大入賞口開閉テーブル202f)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E0からE2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段による判定結果を使用することによって、有利状態手段により、第2入球手段または第3入球手段が、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態から、遊技球が進入可能な状態に変化する有利状態とされる。また、複数有利期間実行手段により、1の有利状態において、第2入球手段または第3入球手段のいずれか一方を、所定条件の成立するまで、遊技球が進入可能な状態となる有利期間が複数回実行される。また、状態設定手段により、判定手段の判定結果を使用することにより、有利期間ごと遊技球が進入可能な状態となる第2入球手段または第3入球手段が設定される。これにより、1の有利状態において、各有利期間ごとに遊技球が進入可能な状態となる第2入球手段または第3入球手段を変化させることができ、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機E3において、
前記状態設定手段は、
前記有利期間ごとに前記第2入球手段と前記第3入球手段とを交互に遊技球が進入可能な状態にする交互状態手段(例えば、大当たり種別「確率変動A」に当選)、を備えている
ことを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、状態設定手段に設けられた交互状態手段により、有利期間ごとに第2入球手段と第3入球手段とが交互に遊技球が進入可能な状態とされる。これにより、1の有利状態において、第2入球手段へ遊技球が進入する場合と、第3入球手段へ遊技球が進入する場合とを設け、各入球手段への遊技球の進入パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機E4において、
前記交互状態手段は、
遊技球が進入可能な状態である前記第2入球手段または前記第3入球手段を遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態にした場合に、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態であった前記第3入球手段または前記第2入球手段を、所定期間(例えば、0.001秒から1秒)以内に遊技球が進入可能な状態とする所定期間内状態手段(例えば、インターバル時間無し)、を備えている
ことを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が進入可能な状態である第2入球手段または第3入球手段が遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態となった場合に、交互状態手段に設けられた所定期間内状態手段により、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態であった第3入球手段または第2入球手段が、所定期間以内に遊技球が進入可能な状態とされる。これにより、第2入球手段および第3入球手段がともに遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態である状態、即ち、いずれの入球手段にも遊技球が進入し得ない状態を少なくすることができる。その結果、1の有利状態において規定されている第2入球手段および第3入球手段を遊技球が進入可能な状態とする回数を迅速に行うことができるので、1の有利状態に要する時間を短縮できるとともに、遊技者に迅速に遊技価値を付与することができる、という効果がある。
遊技機E3からE5のいずれかにおいて、
前記有効切替手段は、
1の前記有利状態において、2以上の前記有利期間で前記第1領域を有効に設定可能な複数有効可能手段(例えば、大当たり種別「確率変動A」の1ラウンド、3ラウンド及び9ラウンド)、を備えている
ことを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E3からE5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有効切替手段に設けられた複数有効可能手段により、1の有利状態において、2以上の有利期間で第1領域が有効に設定可能とされる。これにより、仮に、第1領域が遊技球が流入し得るいずれか1の有利期間において、第1領域へ遊技球を流入させれなかった場合であっても、他の有利期間において再び第1領域を有効に設定して遊技球を流入させることで、1の有利状態において複数回有効な第1領域へ遊技球を流入させることが可能となる。従って、急なトラブル(例えば、発射異常等の遊技異常や、遊技者の体調不良等)によって、第1領域が有効に設定されている1の有利期間において第1領域へ遊技球を流入させることに支障が生じた場合であっても、他の有利期間において再び第1領域を有効に設定にして、有効に設定された第1領域へ遊技球を流入させる可能性を設けることで、不測の事態によって遊技者が不利益を被ることなく、快適な遊技を実現することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機E0からE6のいずれかにおいて、
前記第2入球手段に進入した遊技球を前記第1領域側に案内する第1案内手段(例えば、第1大入賞口検知前通路72d及び第1大入賞口検知後通路72e)と、
前記第3入球手段に進入した遊技球を前記第1領域側に案内する第2案内手段(例えば、第2大入賞口検知前通路74d及び第2大入賞口検知後通路74e)と、
前記第1案内手段と前記第2案内手段とが合流する合流部(例えば、合流部73)と、を備え、
前記第1領域は、
前記合流部の下流側に配置される
ことを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E0からE6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1案内手段により、第2入球手段に進入した遊技球が第1領域側に案内され、第2案内手段により、第3入球手段に進入した遊技球が第1領域側に案内される。また、合流部において、第1案内手段と第2案内手段とが合流される。そして、合流部の下流側に第1領域が配置される。これにより、各入球手段へ進入したそれぞれの遊技球を、各案内手段の合流部の下流側に配置される1の第1領域へ入球可能にすることができる。その結果、各入球手段ごとに第1領域を設ける必要がなくなるので、遊技機に関する部品点数を削減しつつ、有利状態中に第1領域に遊技球が流入することで第3遊技価値が付与されるか否かという遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機E0からE7のいずれかにおいて、
前記第2入球手段および前記第3入球手段が配設される遊技盤(例えば、遊技盤13)と、
前記遊技盤に配設され、遊技球が進入可能な状態である前記第2入球手段または前記第3入球手段のいずれにも遊技球が進入し得る所定位置に該遊技球を案内する遊技球案内手段(例えば、左側釘群77および右側釘群78)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E0からE7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技盤に第2入球手段および第3入球手段が配設される。また、遊技盤に配設された遊技球案内手段により、遊技球が進入可能な状態である第2入球手段または第3入球手段のいずれにも遊技球が進入し得る位置に遊技球が案内される。これにより、遊技球案内手段によって遊技盤の所定位置に遊技球を案内することで、遊技球が進入可能な状態である第2入球手段または第3入球手段に遊技球を進入させることができる。よって、同様の遊技球の発射方法で2の入球手段に遊技球を進入させることができるので、複数の入球手段が配設されている場合であっても、有利状態における遊技方法を簡易なものとし、遊技者に分かり易い遊技を提供して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機E0からE8のいずれかにおいて、
前記有利状態手段は、
前記第1領域へ遊技球が流入可能な流入可能状態にするか否かを切り替える第1領域切替手段(例えば、確変領域開閉板75a)、を備え、
前記第1領域切替手段は、
1の前記有利状態において、2以上の前記有利期間で前記第1領域を前記流入可能状態にする複数流入可能状態手段(例えば、大当たり種別「確率変動A」の1ラウンド、3ラウンド及び9ラウンド)、を備えている
ことを特徴とする遊技機E9。
遊技機E9によれば、遊技機E0からE8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有利状態手段に設けられた第1領域切替手段により、第1領域へ遊技球が流入可能な流入可能状態にするか否かが切り替えられる。そして、第1領域切替手段に設けられた複数流入可能状態手段により、1の有利状態において、2以上の有利期間で第1領域が流入可能状態とされる。これにより、仮に、第1領域が流入可能状態となっているいずれか1の有利期間において、第1領域へ遊技球を流入させれなかった場合であっても、他の有利期間において再び第1領域を流入可能状態とすることで、第1領域へ遊技球を流入させることが可能となる。従って、急なトラブル(例えば、発射異常等の遊技異常や、遊技者の体調不良等)によって、第1領域が流入可能状態となる1の有利期間において第1領域へ遊技球を流入させることに支障が生じた場合であっても、他の有利期間において再び第1領域を流入可能状態にして、第1領域へ遊技球を流入させる可能性を設けることで、不測の事態によって遊技者が不利益を被ることなく、快適な遊技を実現することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機E0からE9のいずれかにおいて、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記第3遊技価値付与手段によって前記第3遊技価値を付与することを遊技者に認識し得る認識可能態様(例えば、「確率変動状態」)を実行する認識可能態様実行手段(例えば、第3図柄表示装置81における「確率変動状態」の専用背景)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記第3遊技価値付与手段によって前記第3遊技価値を付与することを遊技者に認識困難又は認識不可な認識困難態様(例えば、「潜伏確率変動状態」)を実行する認識困難態様実行手段(例えば、第3図柄表示装置81における「潜伏確率変動状態」と「時間短縮状態」との共通背景)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機E10。
遊技機E10によれば、遊技機E0からE9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、認識可能態様実行手段により、判定手段の判定結果を使用することによって、第3遊技価値付与手段にょって第3遊技価値を付与することを遊技者に認識させ得る認識可能態様が実行される。また、認識困難態様実行手段により、判定手段の判定結果を使用することによって、第3遊技価値付与手段によって第3遊技価値を付与することを遊技者に認識困難又は認識不可な認識困難態様が実行される。これにより、第1領域へ遊技球が流入することによって付与され得る第3遊技価値が、認識可能態様が実行されれば遊技者は認識し得る一方、認識困難態様が実行された場合は遊技者は認識困難又は不可となる。よって、いずれの遊技価値が付与されるのか遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
<F群:可変入賞装置内に減速リブ>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられ、遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段が配置された複数の入球口のいずれかへ遊技球が入球することに基づいて所定の遊技価値をそれぞれ付与するとともに、特定の入球口への入賞に基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、入球手段に遊技球を入球可能にして、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2017-148264号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、多くの遊技部品が配設されるため、各遊技部品の設計自由度を向上する必要があるが、この点について未だ改良の余地がある。
F群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技部品の設計自由度の向上に貢献できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な第1入球手段(例えば、第1始動口64a)と、
前記第1入球手段に遊技球が入球したことに起因して所定情報を取得する情報取得手段(例えば、第1保留球格納エリア203d)と、
前記情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段(例えば、大当たり乱数テーブル202a)と、
遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段(例えば、第1開閉板72a又は第2開閉板74a)がそれぞれ配置された第2入球手段(例えば、第1可変入賞装置72)および第3入球手段(例えば、第2可変入賞装置74)と、
前記第1入球手段に遊技球が進入した場合に、遊技者に所定の第1遊技価値を付与する第1遊技価値付与手段(例えば、第1始動口スイッチによる球の検出に基づく賞球(3個))と、
前記第2入球手段または前記第3入球手段に遊技球が進入した場合に、前記第1遊技価値と異なる第2遊技価値を付与する第2遊技価値付与手段(例えば、第1大入賞口スイッチ72c又は第2大入賞口スイッチ74cによる球の検出に基づく賞球(15個))と、を備えた遊技機において、
前記第2入球手段または前記第3入球手段から流入した遊技球が通過可能な第1領域(例えば、確変領域75)と、
前記第1領域へ遊技球が流入可能な流入可能状態にするか否かを切り替える第1領域切替手段(例えば、確変領域開閉板75a)と、
前記第1領域切替手段によって流入可能状態とされた前記第1領域に遊技球が流入した場合に、前記第1遊技価値及び前記第2遊技価値と異なる第3遊技価値を付与する第3遊技価値付与手段(例えば、確変移行フラグ203i)と、を備え、
前記第2入球手段または前記第3入球手段から進入した遊技球の流下速度を減速させる減速手段(例えば、減速リブ72f)、を備えている
ことを特徴とする遊技機F0。
遊技機F0によれば、発射手段により遊技球が発射され、この発射手段により発射された遊技球が第1入球手段に入球可能に構成され、この第1入球手段に遊技球が入球したことに起因して情報取得手段により所定情報が取得される。そして、判定手段により、情報取得手段により取得された所定情報が判定される。また、遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段がそれぞれ配置された第2入球手段および第3入球手段が設けられる。そして、第1入球手段に遊技球が進入した場合に、第1遊技価値付与手段により、遊技者に所定の第1遊技価値が付与され、第2入球手段または第3入球手段に遊技球が進入した場合に、第2遊技価値付与手段により、第1遊技価値と異なる第2遊技価値が付与される。ここで、第2入球手段または第3入球手段から流入した遊技球が通過可能な第1領域が設けられる。また、第1領域切替手段により、第1領域へ遊技球が流入可能な流入可能状態にするか否かが切り替えられる。そして、第1領域切替手段によって流入可能状態とされた第1領域に遊技球が流入した場合に、第3遊技価値付与手段により、第1遊技価値及び第2遊技価値と異なる第3遊技価値が付与される。ここで、減速手段により、第2入球手段または第3入球手段から進入した遊技球の流下速度が減速される。これにより、第2入球手段または第3入球手段内を流下する遊技球の流下速度が過度な速度にならないようにすることができ、第2入球手段または第3入球手段内を流下する遊技球の流下態様を安定化することができる。よって、第2入球手段または第3入球手段に流入した遊技球を減速させる減速手段を設けることで、第2入球手段または第3入球手段に対する第1領域の配置の制約を緩和することができるので、遊技部品の設計自由度を向上することができる、という効果がある。
遊技機F0において、
前記第2入球手段に進入した遊技球を前記第1領域側に案内する第1案内手段(例えば、第1大入賞口検知前通路72d及び第1大入賞口検知後通路72e)と、
前記第3入球手段に進入した遊技球を前記第1領域側に案内する第2案内手段(例えば、第2大入賞口検知前通路74d及び第2大入賞口検知後通路74e)と、
前記第1案内手段と前記第2案内手段とが合流する合流部(例えば、合流部73)と、を備え、
前記第1領域は、
前記合流部の下流側に配置され、
前記減速手段は、
前記合流部の上流側に配置される
ことを特徴とする遊技機F1。
遊技機F1によれば、遊技機F0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1案内手段により、第2入球手段に進入した遊技球が第1領域側に案内され、第2案内手段により、第3入球手段に進入した遊技球が第1領域側に案内される。また、合流部において、第1案内手段と第2案内手段とが合流される。そして、合流部の下流側に第1領域が配置される。また、合流部の上流側に減速手段が配置される。これにより、各入球手段へ進入したそれぞれの遊技球を、各案内手段の合流部の下流側に配置される1の第1領域へ入球可能にすることができる。その結果、各入球手段ごとに第1領域を設ける必要がなくなるので、遊技機に関する部品点数を削減しつつ、第2入球手段または第3入球手段内を流下する遊技球の流下速度が過度な速度にならないようにすることができ、第2入球手段または第3入球手段内を流下する遊技球の流下態様を安定化することができる。よって、第2入球手段または第3入球手段に流入した遊技球を減速させる減速手段を設けることで、第2入球手段または第3入球手段に対する第1領域の配置の制約を緩和することができるので、遊技部品の設計自由度を向上することができる、という効果がある。
遊技機F1において、
前記減速手段は、
前記第1案内手段または前記第2案内手段のいずれか一方のみに設けられる
ことを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、減速手段が、第1案内手段または第2案内手段のいずれか一方のみに設けられる。これにより、第1案内手段または第2案内手段を流下する遊技球のうち、いずれか一方の第1案内手段または第2案内手段にのみに設けられた減速手段により、一方の遊技球の流下速度のみを減速させることができる。その結果、例えば、第1案内手段と第2案内手段とを流下する遊技球の流下時間差を大きくしたい場合や、反対に、第1案内手段と第2案内手段とを流下する遊技球の流下時間差を少なくしたい場合等、所望の(一方の)案内手段に減速手段を設けることで、上記要望を実現することが可能となる。よって、第2入球手段または第3入球手段に流入した遊技球を減速させる減速手段を設けることで、第2入球手段または第3入球手段に対する第1領域の配置の制約を緩和することができるので、遊技部品の設計自由度を向上することができる、という効果がある。
遊技機F2において、
前記減速手段は、
前記第1案内手段または前記第2案内手段のうち、前記第1領域までの距離が長い方の前記第1案内手段または前記第2案内手段にのみ設けられる(例えば、第1実施形態における第1大入賞口検知後通路72e)
ことを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、減速手段が、第1案内手段または第2案内手段のうち、第1領域までの距離が長い方の第1案内手段または第2案内手段にのみ設けられる。これにより、第2入球手段または第3入球手段に進入した遊技球のうち、第1領域までの距離が長い第1案内手段または第2案内手段から第1領域まで流下する流下時間を、第1領域までの距離が短い第2案内手段または第1案内手段から第1領域まで流下する流下時間との差を大きくすることができる。その結果、第1案内手段と第2案内手段とを流下する遊技球の流下時間差を大きくしたい場合に、第1領域までの距離が長い方の案内手段に減速手段を設けることで、上記要望を実現することが可能となる。よって、第2入球手段または第3入球手段に流入した遊技球を減速させる減速手段を設けることで、第2入球手段または第3入球手段に対する第1領域の配置の制約を緩和することができるので、遊技部品の設計自由度を向上することができる、という効果がある。
遊技機F2において、
前記減速手段は、
前記第1案内手段または前記第2案内手段のうち、前記第1領域までの距離が短い方の前記第1案内手段または前記第2案内手段にのみ設けられる(例えば、変形例22の構成)
ことを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、減速手段が、第1案内手段または第2案内手段のうち、第1領域までの距離が短い方の第1案内手段または第2案内手段にのみ設けられる。これにより、第2入球手段または第3入球手段の進入した遊技球のうち、第1領域までの距離が短い第1案内手段または第2案内手段から第1領域まで流下する流下時間を、第1領域までの距離が長い第2案内手段または第1案内手段から第1領域まで流下する流下時間との差を小さくすることができる。その結果、第1案内手段と第2案内手段とを流下する遊技球の流下時間差を少なくしたい場合に、第1領域までの距離が短い方の案内手段に減速手段を設けることで、上記要望を実現することが可能となる。よって、第2入球手段または第3入球手段に流入した遊技球を減速させる減速手段を設けることで、第2入球手段または第3入球手段に対する第1領域の配置の制約を緩和することができるので、遊技部品の設計自由度を向上することができる、という効果がある。
遊技機F1からF4のいずれかにおいて、
前記減速手段は、
前記第1案内手段または前記第2案内手段の通路(例えば、第1大入賞口検知後通路72e)を形成する側壁から該通路内に突出する突出手段(例えば、1の減速リブ72f)である
ことを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F1からF4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、減速手段としての突出手段が、第1案内手段または第2案内手段の通路を形成する側壁から該通路内に突出される。第1案内手段または第2案内手段内を流下する遊技球は、該遊技球の自重により下流側へと転動するため、第1案内手段または第2案内手段の通路を形成する底面や天井面に減速手段としての突出手段を形成した場合、上記自重による転動に与える影響が大きいことで、第1案内手段または第2案内手段内における球詰まりが発生してしまうおそれがある。そこで、第1案内手段または第2案内手段の通路を形成する底面又は天井面ではなく、側壁に突出手段を形成することで、底面や天井面に突出手段を形成する場合に比べて第1案内手段または第2案内手段内における球詰まりの発生を抑制することができる、という効果がある。
遊技機F5において、
前記突出手段は、
前記第1案内手段または前記第2案内手段の正面視奥側の前記側壁に設けられた奥側突出手段(例えば、減速リブ72fの正面視奥側のリブ)と、
前記第1案内手段または前記第2案内手段の正面視手前側の前記側壁に設けられた手前側突出手段(例えば、減速リブ72fの正面視手前側のリブ)と、を備え、
前記奥側突出手段および前記手前側突出手段は、
前記第1案内手段または前記第2案内手段内を流下する遊技球が、前記奥側突出手段と前記手前側突出手段との間を蛇行するように配設される
ことを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、突出手段に設けられた奥側突出手段が、第1案内手段または第2案内手段の正面視奥側の側壁に設けられる。また、同じく突出手段に設けられた手前側突出手段が、第1案内手段または第2案内手段の正面視手前側の側壁に設けられる。そして、奥側突出手段および手前側突出手段が、第1案内手段または第2案内手段内を流下する遊技球が、該奥側突出手段と手前側突出手段との間を蛇行するように配設される。これにより、複数の突出手段の間を蛇行させるように遊技球を流下させ、第1案内手段または第2案内手段内を流下する遊技球を効率よく減速させることができ、球詰まり等が発生することを抑制できる、という効果がある。
遊技機F0からF6のいずれかにおいて、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記第2入球手段または前記第3入球手段を、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態から、遊技球が進入可能な状態に変化する有利状態(例えば、大当たり状態)にする有利状態手段(例えば、大当たり処理(S103))と、
1の前記有利状態において、前記第2入球手段または前記第3入球手段のいずれか一方を、所定条件の成立(例えば、最大30秒若しくは10個入賞)するまで、遊技球が進入可能な状態となる有利期間(例えば、1ラウンド)を複数回実行する複数有利期間実行手段(例えば、ラウンドカウンタ)と、
前記判定手段の判定結果を使用することにより、前記有利期間ごとに遊技球が進入可能な状態となる前記第2入球手段または前記第3入球手段を設定する状態設定手段(例えば、大入賞口開閉テーブル202f)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F0からF6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段による判定結果を使用することによって、有利状態手段により、第2入球手段または第3入球手段が、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態から、遊技球が進入可能な状態に変化する有利状態とされる。そして、複数有利期間実行手段により、1の有利状態において、第2入球手段または第3入球手段のいずれか一方を、所定条件の成立するまで、遊技球が進入可能な状態となる有利期間が複数回実行される。また、状態設定手段により、判定手段の判定結果を使用することにより、有利期間ごとに遊技球が進入可能な状態となる第2入球手段または第3入球手段が設定される。これにより、1の有利状態において、各有利期間ごとに遊技球が進入可能な状態となる第2入球手段または第3入球手段を変化させることができ、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機F7において、
前記状態設定手段は、
前記有利期間ごとに前記第2入球手段と前記第3入球手段とを交互に遊技球が進入可能な状態にする交互状態手段(例えば、大当たり種別「確率変動A」に当選)、を備えている
ことを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、状態設定手段に設けられた交互状態手段により、有利期間ごとに第2入球手段と第3入球手段とが交互に遊技球が進入可能な状態とされる。これにより、1の有利状態において、第2入球手段へ遊技球が進入する場合と、第3入球手段へ遊技球が進入する場合とを設け、各入球手段への遊技球の進入パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機F0からF8のいずれかにおいて、
前記第2入球手段および前記第3入球手段が配設される遊技盤(例えば、遊技盤13)と、
前記遊技盤に配設され、遊技球が進入可能な状態である前記第2入球手段または前記第3入球手段のいずれにも遊技球が進入し得る所定位置に該遊技球を案内する遊技球案内手段(例えば、左側釘群77および右側釘群78)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機F9。
遊技機F9によれば、遊技機F0からF8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技盤に第2入球手段および第3入球手段が配設される。また、遊技盤に配設された遊技球案内手段により、遊技球が進入可能な状態である第2入球手段または第3入球手段のいずれにも遊技球が進入し得る位置に遊技球が案内される。これにより、遊技球案内手段によって遊技盤の所定位置に遊技球を案内することで、遊技球が進入可能な状態である第2入球手段または第3入球手段に遊技球を進入させることができる。よって、同様の遊技球の発射方法で2の入球手段に遊技球を進入させることができるので、複数の入球手段が配設されている場合であっても、有利状態における遊技方法を簡易なものとし、遊技者に分かり易い遊技を提供して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機F8又はF9において、
前記第1領域切替手段は、
1の前記有利状態において、2以上の前記有利期間で前記第1領域を前記流入可能状態にする複数流入可能状態手段(例えば、大当たり種別「確率変動A」の1ラウンド、3ラウンド及び9ラウンド)、を備えている
ことを特徴とする遊技機F10。
遊技機F10によれば、遊技機F8又はF9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1領域切替手段に設けられた複数流入可能状態手段により、1の有利状態において、2以上の有利期間で第1領域が流入可能状態とされる。これにより、仮に、第1領域が流入可能状態となっているいずれか1の有利期間において、第1領域へ遊技球を流入させれなかった場合であっても、他の有利期間において再び第1領域を流入可能状態とすることで、第1領域へ遊技球を流入させることが可能となる。従って、急なトラブル(例えば、発射異常等の遊技異常や、遊技者の体調不良等)によって、第1領域が流入可能状態となる1の有利期間において第1領域へ遊技球を流入させることに支障が生じた場合であっても、他の有利期間において再び第1領域を流入可能状態にして、第1領域へ遊技球を流入させる可能性を設けることで、不測の事態によって遊技者が不利益を被ることなく、快適な遊技を実現することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機F0からF10のいずれかにおいて、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記第3遊技価値付与手段によって前記第3遊技価値を付与することを遊技者に認識し得る認識可能態様(例えば、「確率変動状態」)を実行する認識可能態様実行手段(例えば、第3図柄表示装置81における「確率変動状態」の専用背景)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記第3遊技価値付与手段によって前記第3遊技価値を付与することを遊技者に認識困難又は認識不可な認識困難態様(例えば、「潜伏確率変動状態」)を実行する認識困難態様実行手段(例えば、第3図柄表示装置81における「潜伏確率変動状態」と「時間短縮状態」との共通背景)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機F11。
遊技機F11によれば、遊技機F0からF10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、認識可能態様実行手段により、判定手段の判定結果を使用することによって、第3遊技価値付与手段にょって第3遊技価値を付与することを遊技者に認識させ得る認識可能態様が実行される。また、認識困難態様実行手段により、判定手段の判定結果を使用することによって、第3遊技価値付与手段にょって第3遊技価値を付与することを遊技者に認識困難又は認識不可な認識困難態様が実行される。これにより、特別領域へ遊技球が流入することによって発生し得る第2有利状態であることが、認識可能態様が実行されれば遊技者は認識し得る一方、認識困難態様が実行された場合は遊技者は認識困難又は不可となる。よって、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
<G群:ダブルダッシュアタッカーに確変領域>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられ、遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段が配置された複数の入球口のいずれかへ遊技球が入球することに基づいて所定の遊技価値をそれぞれ付与するとともに、特定の入球口への入賞に基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、入球手段に遊技球を入球可能にして、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2017-148264号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、遊技の興趣向上を図る必要があるが、この点について未だ改良の余地がある。
G群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な第1入球手段(例えば、第1始動口64a)と、
前記第1入球手段に遊技球が入球したことに起因して所定情報を取得する情報取得手段(例えば、第1保留球格納エリア203d)と、
前記情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段(例えば、大当たり乱数テーブル202a)と、
遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段(例えば、第1開閉板72a又は第2開閉板74a)がそれぞれ配置された第2入球手段(例えば、第1可変入賞装置72)および第3入球手段(例えば、第2可変入賞装置74)と、
前記第1入球手段に遊技球が進入した場合に、遊技者に所定の第1遊技価値を付与する第1遊技価値付与手段(例えば、第1始動口スイッチによる球の検出に基づく賞球(3個))と、
前記第2入球手段に遊技球が進入した場合に、前記第1遊技価値と異なる第2遊技価値を付与する第2遊技価値付与手段(例えば、第1大入賞口スイッチ72cによる球の検出に基づく賞球(10個))と、
前記第3入球手段に遊技球が進入した場合に、前記第1遊技価値と異なる第3遊技価値を付与する第3遊技価値付与手段(例えば、第2大入賞口スイッチ74cによる球の検出に基づく賞球(15個))と、を備えた遊技機において、
前記第2入球手段は、
前記第3入球手段より上流側に配置され、
前記第2入球手段または前記第3入球手段から流入した遊技球が通過可能な第1領域(例えば、確変領域75)と、
前記第1領域へ遊技球が流入可能な流入可能状態にするか否かを切り替える第1領域切替手段(例えば、確変領域開閉板75a)と、
前記第1領域に遊技球が流入した場合に、前記第1遊技価値、前記第2遊技価値および前記第3遊技価値と異なる前記第4遊技価値を付与する第4遊技価値付与手段(例えば、確変移行フラグ203i)と、
前記判定手段の判定結果を使用することにより、前記第2入球手段の遊技球が進入可能な状態、又は、前記第3入球手段の遊技球が進入可能な状態と、前記第1領域切替手段による前記第1領域の前記流入可能状態との組み合わせパターンを選定するパターン選定手段(例えば、大当たり種別カウンタC2)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機G0。
遊技機G0によれば、発射手段により遊技球が発射され、この発射手段により発射された遊技球が第1入球手段に入球可能に構成され、この第1入球手段に遊技球が入球したことに起因して情報取得手段により所定情報が取得される。そして、判定手段により、情報取得手段により取得された所定情報が判定される。また、遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段が配置された第2入球手段および第3入球手段が設けられる。さらに、第1入球手段に遊技球が進入した場合に、第1遊技価値付与手段により、遊技者に所定の第1遊技価値が付与され、第2入球手段に遊技球が進入した場合に、第2遊技価値付与手段により、遊技者に第1遊技価値と異なる第2遊技価値が付与され、第3入球手段に遊技球が進入した場合に、第3遊技価値付与手段により、遊技者に第1遊技価値と異なる第3遊技価値が付与される。ここで、第2入球手段が、第3入球手段より上流側に配置され、また、第2入球手段または第3入球手段から流入した遊技球が通過可能な第1領域が設けられる。また、第1領域切替手段により、第1領域へ遊技球が流入可能な流入可能状態にするか否かが切り替えられる。そして、第1領域に遊技球が流入した場合に、第4遊技価値付与手段により、第1遊技価値、第2遊技価値および第3遊技価値と異なる第4遊技価値が付与される。ここで、判定手段の判定結果を使用することで、パターン選定手段により、第2入球手段の遊技球が進入可能な状態、又は、第3入球手段の遊技球が進入可能な状態と、第1領域切替手段による第1領域の流入可能状態との組み合わせパターンが選定される。これにより、上流側に配置される第2入球手段、及び、該第2入球手段より下流側に配設される第3入球手段からそれぞれ第1領域へ遊技球が流入可能に構成して、各入球手段ごとに第1領域を設ける必要がなくなるので、遊技機に関する部品点数を削減しつつ、いずれの入球手段に進入するか否かと、いずれかの入球手段から進入した遊技球が第1領域へ流入して第4遊技価値が付与されるか否かという遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G0において、
前記第2入球手段は、
前記流下方向変更手段としての、遊技球の流下方向を変更する第1可動手段(例えば、第1開閉板72a)と、
前記第1可動手段を開放状態又は閉鎖状態に変位可能に駆動する第1駆動手段(例えば、第1大入賞口ソレノイド72b)と、を備え、
前記第1可動手段は、
前記第2入球手段を遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態とする前記閉鎖状態である場合に、その上面を遊技球が転動可能に構成され、
前記第3入球手段は、
前記第1可動手段が前記閉鎖状態である場合に、前記第1可動手段の上面を遊技球が上流側から下流側へと転動した後に入球可能な位置に配置される
ことを特徴とする遊技機G1。
遊技機G1によれば、遊技機G0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2入球手段に設けられた流下方向変更手段としての第1可動手段により、遊技球の流下方向が変更され、同じく第2入球手段に設けられた第1駆動手段により、第1可動手段が開放状態又は閉鎖状態に変位可能に駆動される。ここで、第1可動手段が、第2入球手段を遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態とする閉鎖状態である場合に、その上面を遊技球が転動可能に構成される。そして、第1可動手段が閉鎖状態である場合に、第1可動手段の上面を遊技球が上流側から下流側へと転動した後に入球可能な位置に、第3入球手段が配置される。即ち、第2入球手段が遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態(閉鎖状態)である場合に、遊技球が第1可動手段の上面を上流側から下流側へと転動し切らないと第3入球手段へ流入しないように構成される。これにより、例えば、第2入球手段が遊技球が進入可能な状態から遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態へと変化して、次いで、第3入球手段が遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態から遊技球が進入可能な状態へと変化した場合に、第3入球手段に遊技球が入球するためには、第2入球手段の第1可動手段の上面を上流側から下流側へと転動するための時間を要することとなる。よって、第2入球手段が遊技球が進入可能な状態とされてから遊技球が第1領域まで到達するまでの時間と、第3入球手段が遊技球が進入可能な状態とされてから遊技球が第1領域まで到達するまでの時間との時間差を大きくすることができ、第1領域への遊技球の到達パターンにバリエーションを設け、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G0又はG1において、
前記第2入球手段に進入した遊技球を前記第1領域側に案内する第1案内手段(例えば、第1大入賞口検知前通路72d及び第1大入賞口検知後通路72e)と、
前記第3入球手段に進入した遊技球を前記第1領域側に案内する第2案内手段(例えば、第2大入賞口検知前通路74d及び第2大入賞口検知後通路74e)と、
前記第1案内手段と前記第2案内手段とが合流する合流部(例えば、合流部73)と、を備え、
前記第1領域は、
前記合流部の下流側に配置される
ことを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G0又はG1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1案内手段により、第2入球手段に進入した遊技球が第1領域側に案内され、第2案内手段により、第3入球手段に進入した遊技球が第1領域側に案内される。また、合流部において、第1案内手段と第2案内手段とが合流される。そして、合流部の下流側に第1領域が配置される。これにより、各入球手段へ進入したそれぞれの遊技球を、各案内手段の合流部の下流側に配置される1の第1領域へ入球可能にすることができる。その結果、各入球手段ごとに第1領域を設ける必要がなくなるので、遊技機に関する部品点数を削減しつつ、第1領域に遊技球が流入することで第4遊技価値を付与するか否かという遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G2において、
前記第1領域切替手段は、
前記第2入球手段の遊技球が進入可能な状態、又は、前記第3入球手段の遊技球が進入可能な状態に関連して前記第1領域を前記流入可能状態とし、
前記第1案内手段は、
前記第2入球手段に遊技球が進入してから前記第1領域に到達するまでに所定の第1時間(例えば、0.5秒)を要するように構成され、
前記第2案内手段は、
前記第3入球手段に遊技球が進入してから前記第1領域に到達するまでに所定の第2時間(例えば、2.5秒)を要するように構成され、
前記第1時間は、
前記第2時間より短い
ことを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1領域切替手段により、第2入球手段の遊技球が進入可能な状態、又は、第3入球手段の遊技球が進入可能な状態に関連して第1領域が流入可能状態とされる。そして、第1案内手段により、第2入球手段に遊技球が進入してから第1領域に到達するまでに所定の第1時間を要するように構成され、第2案内手段により、第3入球手段に遊技球が進入してから第1領域に到達するまでに所定の第2時間を要するように構成される。そして、第1時間が第2時間より短くなる。これにより、第2入球手段が遊技球が進入可能な状態とされてから遊技球が第1領域まで到達するまでの時間と、第3入球手段が遊技球が進入可能な状態とされてから遊技球が第1領域まで到達するまでの時間との時間差を大きくすることができ、第1領域への遊技球の到達パターンにバリエーションを設け、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G0からG3のいずれかにおいて、
前記第3入球手段は、
前記流下方向変更手段としての、遊技球の流下方向を変更する第2可動手段(例えば、第2開閉板74a)と、
前記第2可動手段を開放状態又は閉鎖状態に変位可能に駆動する第2駆動手段(例えば、第2大入賞口ソレノイド74b)と、を備え、
前記第2可動手段は、
前記第3入球手段を遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態とする前記閉鎖状態である場合に、その上面を遊技球が転動可能に構成される
ことを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G0からG3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第3入球手段に設けられた流下方向変更手段としての第2可動手段により、遊技球の流下方向が変更され、同じく第3入球手段に設けられた第2駆動手段により、第2可動手段が開放状態又は閉鎖状態に変位可能に駆動される。ここで、第2可動手段が、第3入球手段を遊技球が進入し難い若しくは進入困難な状態とする閉鎖状態である場合に、その上面を遊技球が転動可能に構成される。これにより、閉鎖状態の第2可動手段の上面を遊技球が転動している場合に、該第2可動手段を開放状態にすることで、転動中の遊技球を第3入球手段に流入させることができる。よって、第3入球手段が遊技球が進入可能な状態となる場合に、第3入球手段の下流側に遊技球を流下させ難くして、該遊技球を第3入球手段に進入させ易くし、遊技者に的確に遊技価値を付与することで、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G0からG4のいずれかにおいて、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記第2入球手段または前記第3入球手段を、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態から、遊技球が進入可能な状態に変化する有利状態(例えば、大当たり状態)にする有利状態手段(例えば、大当たり処理(S103))と、
1の前記有利状態において、前記第2入球手段または前記第3入球手段のいずれか一方を、所定条件の成立(例えば、最大30秒若しくは10個入賞)するまで、遊技球が進入可能な状態となる有利期間(例えば、1ラウンド)を複数回実行する複数有利期間実行手段(例えば、ラウンドカウンタ)と、
前記判定手段の判定結果を使用することにより、前記有利期間ごとに遊技球が進入可能な状態となる前記第2入球手段または前記第3入球手段を設定する状態設定手段(例えば、大入賞口開閉テーブル202f)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G0からG4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段による判定結果を使用することによって、有利状態手段により、第2入球手段または第3入球手段が、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態から、遊技球が進入可能な状態に変化する有利状態とされる。また、複数有利期間実行手段により、1の有利状態において、第2入球手段または第3入球手段のいずれか一方を、所定条件の成立するまで、遊技球が進入可能な状態となる有利期間が複数回実行される。また、状態設定手段により、判定手段の判定結果を使用することにより、有利期間ごと遊技球が進入可能な状態となる第2入球手段または第3入球手段が設定される。これにより、1の有利状態において、各有利期間ごとに遊技球が進入可能な状態となる第2入球手段または第3入球手段を変化させることができ、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G5において、
前記状態設定手段は、
前記有利期間ごとに前記第2入球手段と前記第3入球手段とを交互に遊技球が進入可能な状態にする交互手段(例えば、大当たり種別「確率変動A」に当選)、を備えている
ことを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、状態設定手段に設けられた交互手段により、有利期間ごとに第2入球手段と第3入球手段とが交互に遊技球が進入可能な状態とされる。これにより、1の有利状態において、第2入球手段へ遊技球が進入する場合と、第3入球手段へ遊技球が進入する場合とを設け、各入球手段への遊技球の進入パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G6において、
前記交互手段は、
遊技球が進入可能な状態である前記第2入球手段または前記第3入球手段を遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態にした場合に、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態であった前記第3入球手段または前記第2入球手段を、所定期間(例えば、0.001秒から1秒)以内に遊技球が進入可能な状態とする所定期間内手段(例えば、インターバル時間無し)、を備えている
ことを特徴とする遊技機G7。
遊技機G7によれば、遊技機G6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が進入可能な状態である第2入球手段または第3入球手段が遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態となった場合に、交互手段に設けられた所定期間内手段により、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態であった第3入球手段または第2入球手段が、所定期間以内に遊技球が進入可能な状態とされる。これにより、第2入球手段および第3入球手段がともに遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態である状態、即ち、いずれの入球手段にも遊技球が進入し得ない状態を少なくすることができる。その結果、1の有利状態において規定されている第2入球手段および第3入球手段を遊技球が進入可能な状態とする回数を迅速に行うことができるので、1の有利状態に要する時間を短縮できるとともに、遊技者に迅速に遊技価値を付与することができる、という効果がある。
遊技機G5からG7のいずれかにおいて、
前記第1領域切替手段は、
1の前記有利状態において、2以上の前記有利期間で前記第1領域を前記流入可能状態にする複数流入可能状態手段(例えば、大当たり種別「確率変動A」の1ラウンド、3ラウンド及び9ラウンド)、を備えている
ことを特徴とする遊技機G8。
遊技機G8によれば、遊技機G5からG7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1領域切替手段に設けられた複数流入可能状態手段により、1の有利状態において、2以上の有利期間で第1領域が流入可能状態とされる。これにより、仮に、第1領域が流入可能状態となっているいずれか1の有利期間において、第1領域へ遊技球を流入させれなかった場合であっても、他の有利期間において再び第1領域を流入可能状態とすることで、第1領域へ遊技球を流入させることが可能となる。従って、急なトラブル(例えば、発射異常等の遊技異常や、遊技者の体調不良等)によって、第1領域が流入可能状態となる1の有利期間において第1領域へ遊技球を流入させることに支障が生じた場合であっても、他の有利期間において再び第1領域を流入可能状態にして、第1領域へ遊技球を流入させる可能性を設けることで、不測の事態によって遊技者が不利益を被ることなく、快適な遊技を実現することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G0からG8のいずれかにおいて、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記第4遊技価値付与手段によって前記第4遊技価値が付与されることを遊技者に認識し得る認識可能態様(例えば、「確率変動状態」)を実行する認識可能態様実行手段(例えば、第3図柄表示装置81における「確率変動状態」の専用背景)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記第4遊技価値付与手段によって前記第4遊技価値が付与されることを遊技者に認識困難又は認識不可な認識困難態様(例えば、「潜伏確率変動状態」)を実行する認識困難態様実行手段(例えば、第3図柄表示装置81における「潜伏確率変動状態」と「時間短縮状態」との共通背景)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機G9。
遊技機G9によれば、遊技機G0からG8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、認識可能態様実行手段により、判定手段の判定結果を使用することによって、第4遊技価値付与手段によって第4遊技価値が付与されることを遊技者に認識させ得る認識可能態様が実行される。また、認識困難態様実行手段により、判定手段の判定結果を使用することによって、第4遊技価値付与手段によって第4遊技価値が付与されることを遊技者に認識困難又は認識不可な認識困難態様が実行される。これにより、特別領域へ遊技球が流入することによって発生し得る第2有利状態であることが、認識可能態様が実行されれば遊技者は認識し得る一方、認識困難態様が実行された場合は遊技者は認識困難又は不可となる。よって、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
<H群:球の流下方向に対して2の可変入賞装置内通路の球案内傾斜が異なる>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられ、遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段が配置された複数の入球口のいずれかへ遊技球が入球することに基づいて所定の遊技価値をそれぞれ付与するとともに、特定の入球口への入賞に基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、入球手段に遊技球を入球可能にして、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2017-148264号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、多くの遊技部品が配設されるため、各遊技部品の設計自由度を向上する必要があるが、この点について未だ改良の余地がある。
H群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技部品の設計自由度の向上に貢献できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な第1入球手段(例えば、第1始動口64a)と、
前記第1入球手段に遊技球が入球したことに起因して所定情報を取得する情報取得手段(例えば、第1保留球格納エリア203d)と、
前記情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段(例えば、大当たり乱数テーブル202a)と、
遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段(例えば、第1開閉板72a又は第2開閉板74a)がそれぞれ配置された第2入球手段(例えば、第1可変入賞装置72)および第3入球手段(例えば、第2可変入賞装置74)と、
前記第1入球手段に遊技球が進入した場合に、遊技者に所定の第1遊技価値を付与する第1遊技価値付与手段(例えば、第1始動口スイッチによる球の検出に基づく賞球(3個))と、
前記第2入球手段または前記第3入球手段に遊技球が進入した場合に、前記第1遊技価値と異なる第2遊技価値を付与する第2遊技価値付与手段(例えば、第1大入賞口スイッチ72c又は第2大入賞口スイッチ74cによる球の検出に基づく賞球(15個))と、を備えた遊技機において、
前記第2入球手段または前記第3入球手段から流入した遊技球が通過可能な第1領域(例えば、確変領域75)と、
前記第1領域に遊技球が流入した場合に、前記第1遊技価値及び前記第2遊技価値と異なる第3遊技価値を付与する第3遊技価値付与手段(例えば、確変移行フラグ203i)と、を備え、
前記第2入球手段は、
前記第2入球手段に進入した遊技球を前記第1領域側に案内する第1案内手段(例えば、第1大入賞口検知前通路72d及び第1大入賞口検知後通路72e)、を備え、
前記第3入球手段は、
前記第3入球手段に進入した遊技球を前記第1領域側に案内する第2案内手段(例えば、第2大入賞口検知前通路74d及び第2大入賞口検知後通路74e)、を備え、
前記第1案内手段は、
前記第2入球手段に進入した遊技球を、前記第1領域から遠ざかる方向に案内する離反案内手段(例えば、第1大入賞口検知前通路72d)、を有し、
前記第2案内手段は、
前記第3入球手段に進入した遊技球を、前記第1領域に近づく方向に案内する接近案内手段(例えば、第2大入賞口検知前通路74d)、を有している
ことを特徴とする遊技機H0。
遊技機H0によれば、発射手段により遊技球が発射され、この発射手段により発射された遊技球が第1入球手段に入球可能に構成され、この第1入球手段に遊技球が入球したことに起因して情報取得手段により所定情報が取得される。そして、判定手段により、情報取得手段により取得された所定情報が判定される。また、遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段がそれぞれ配置された第2入球手段および第3入球手段が設けられる。そして、第1入球手段に遊技球が進入した場合に、第1遊技価値付与手段により、遊技者に所定の第1遊技価値が付与され、第2入球手段または第3入球手段に遊技球が進入した場合に、第2遊技価値付与手段により、第1遊技価値と異なる第2遊技価値が付与される。ここで、第2入球手段または第3入球手段から流入した遊技球が通過可能な第1領域が設けられる。また、第1領域に遊技球が流入した場合に、第3遊技価値付与手段により、第1遊技価値及び第2遊技価値と異なる第3遊技価値が付与される。ここで、第1案内手段により、第2入球手段に進入した遊技球が第1領域側に案内され、第2案内手段により、第3入球手段に進入した遊技球が第1領域側に案内される。そして、第1案内手段に設けられた離反案内手段により、第2入球手段に進入した遊技球が、第1領域から遠ざかる方向に案内される。また、第2案内手段に設けられた接近案内手段により、第3入球手段に進入した遊技球が、第1領域に近づく方向に案内される。これにより、第2入球手段から進入した遊技球が、第1領域まで流下する流下時間と、第3入球手段から進入した遊技球が、第1領域まで流下する流下時間との差分を大きくすることができる。その結果、例えば、第1案内手段と第2案内手段とを流下する遊技球の流下時間差を大きくしたい場合に、離反案内手段により第2入球手段から進入した遊技球を第1領域から遠ざかる方向に案内する一方、近接案内手段により第3入球手段から進入した遊技球は第1領域へ近づく方向に案内することで、上記要望を実現することが可能となる。よって、第2入球手段または第3入球手段に対する第1領域の配置の制約を緩和することができるので、遊技部品の設計自由度を向上することができる、という効果がある。
遊技機H0において、
前記第1案内手段は、
前記離反案内手段によって前記第1領域から遠ざかる方向に案内された遊技球を、前記第1領域に近づく方向に案内する離反後接近案内手段(例えば、第1大入賞口検知後通路72e)、を備えている
ことを特徴とする遊技機H1。
遊技機H1によれば、遊技機H0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1案内手段に設けられた離反後接近案内手段により、離反案内手段によって第1領域から遠ざかる方向に案内された遊技球が、第1領域に近づく方向に案内される。これにより、第2入球手段から進入した遊技球も第1領域へ進入させて第3遊技価値が付与されることが可能となるので、いずれの入球手段(第1入球手段を除く)に遊技球が進入した場合でも、第1領域に遊技球が流入することで第3遊技価値が付与されるか否かという遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機H0又はH1において、
前記第1案内手段は、
前記第2入球手段への遊技球の流入方向に対して登り傾斜となる登り傾斜手段(例えば、第5実施形態の第1大入賞口検知前通路72dの登り傾斜)、を備えている
ことを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H0又はH1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1案内手段に設けられた登り傾斜手段が、第2入球手段への遊技球の流入方向に対して登り傾斜となるように形成される。これにより、第2入球手段に進入した遊技球は、所定の流入方向から流下する勢いを維持したまま、登り傾斜手段へと流入し、その遊技球の流入した勢いが登り傾斜手段によって徐々に打ち消され、その後、遊技球の自重により該登り傾斜手段の下流側へと流下する。従って、第2入球手段に進入した遊技球は、流入方向に対して登り傾斜である登り傾斜手段を流下している場合に、該登り傾斜手段を登っている間、第1案内手段内でやや滞留するため、第2入球手段から進入した遊技球が第1領域まで流下する流下時間と、第3入球手段から進入した遊技球が第1領域まで流下する流下時間との差分を大きくすることができる。その結果、例えば、第1案内手段と第2案内手段とを流下する遊技球の流下時間差を大きくしたい場合に、離反案内手段により第2入球手段から進入した遊技球を第1領域から遠ざかる方向に案内する一方、近接案内手段により第3入球手段から進入した遊技球は第1領域へ近づく方向に案内することで、上記要望を実現することが可能となる。よって、第2入球手段または第3入球手段に対する第1領域の配置の制約を緩和することができるので、遊技部品の設計自由度を向上することができる、という効果がある。
遊技機H0からH2のいずれかにおいて、
前記第2案内手段は、
前記第3入球手段への遊技球の流入方向に対して下り傾斜となる下り傾斜手段(例えば、第5実施形態の第2大入賞口検知前通路74d)、を備えている
ことを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H0からH2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2案内手段に設けられた下り傾斜手段が、第3入球手段への遊技球の流入方向に対して下り傾斜となるように形成される。これにより、第3入球手段に進入した遊技球は、所定の流入方向から流下する勢いを維持したまま、下り傾斜手段へと流入し、その遊技球の流入した勢いが下り傾斜手段によってさらに増幅されつつ、遊技球の自重により該下り傾斜手段の下流側へと流下する。従って、第3入球手段に進入した遊技球は、流入方向に対して下り傾斜である下り傾斜手段を流下している場合に、該下り傾斜手段を下ることで、第2案内手段内で加速するため、第2入球手段から進入した遊技球が第1領域まで流下する流下時間と、第3入球手段から進入した遊技球が第1領域まで流下する流下時間との差分を大きくすることができる。その結果、例えば、第1案内手段と第2案内手段とを流下する遊技球の流下時間差を大きくしたい場合に、離反案内手段により第2入球手段から進入した遊技球を第1領域から遠ざかる方向に案内する一方、近接案内手段により第3入球手段から進入した遊技球は第1領域へ近づく方向に案内することで、上記要望を実現することが可能となる。よって、第2入球手段または第3入球手段に対する第1領域の配置の制約を緩和することができるので、遊技部品の設計自由度を向上することができる、という効果がある。
遊技機H0からH3のいずれかにおいて、
前記第2入球手段および前記第3入球手段が配設される遊技盤(例えば、遊技盤13)と、
前記遊技盤に配設され、遊技球が進入可能な状態である前記第2入球手段または前記第3入球手段のいずれにも遊技球が進入し得る所定位置に該遊技球を案内する遊技球案内手段(例えば、左側釘群77および右側釘群78)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H0からH3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技盤に第2入球手段および第3入球手段が配設される。また、遊技盤に配設された遊技球案内手段により、遊技球が進入可能な状態である第2入球手段または第3入球手段のいずれにも遊技球が進入し得る位置に遊技球が案内される。これにより、遊技球案内手段によって遊技盤の所定位置に遊技球を案内することで、遊技球が進入可能な状態である第2入球手段または第3入球手段に遊技球を進入させることができる。よって、同様の遊技球の発射方法で2の入球手段に遊技球を進入させることができるので、複数の入球手段が配設されている場合であっても、有利状態における遊技方法を簡易なものとし、遊技者に分かり易い遊技を提供して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機H0からH4のいずれかにおいて、
前記第1案内手段と前記第2案内手段とが合流する合流部(例えば、合流部73)、を備え、
前記第1領域は、
前記合流部の下流側に配置される
ことを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H0からH4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、合流部において、第1案内手段と第2案内手段とが合流される。そして、合流部の下流側に第1領域が配置される。これにより、各入球手段へ進入したそれぞれの遊技球を、各案内手段の合流部の下流側に配置される1の第1領域へ入球可能にすることができる。その結果、各入球手段ごとに第1領域を設ける必要がなくなるので、遊技機に関する部品点数を削減しつつ、第1領域に遊技球が流入することで第3遊技価値が付与されるか否かという遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機H0からH5のいずれかにおいて、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記第2入球手段または前記第3入球手段へ遊技球を進入させ得る有利状態(例えば、大当たり状態)にする有利状態手段(例えば、大当たり処理(S103))と、
1の前記有利状態において、前記第2入球手段または前記第3入球手段のいずれか一方を、所定条件の成立(例えば、最大30秒若しくは10個入賞)するまで、遊技球が進入可能な状態となる有利期間(例えば、1ラウンド)を複数回実行する複数有利期間実行手段(例えば、ラウンドカウンタ)と、
前記判定手段の判定結果を使用することにより、前記有利期間ごとに遊技球が進入可能な状態となる前記第2入球手段または前記第3入球手段を設定する状態設定手段(例えば、大入賞口開閉テーブル202f)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H0からH5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段による判定結果を使用することによって、有利状態手段により、第2入球手段または第3入球手段へ遊技球を進入させ得る有利状態とされる。また、複数有利期間実行手段により、1の有利状態において、第2入球手段または第3入球手段のいずれか一方を、所定条件の成立するまで、遊技球が進入可能な状態となる有利期間が複数回実行される。また、状態設定手段により、判定手段の判定結果を使用することにより、有利期間ごと遊技球が進入可能な状態となる第2入球手段または第3入球手段が設定される。これにより、1の有利状態において、各有利期間ごとに遊技球が進入可能な状態となる第2入球手段または第3入球手段を変化させることができ、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機H6において、
前記状態設定手段は、
前記有利期間ごとに前記第2入球手段と前記第3入球手段とを交互に遊技球が進入可能な状態にする交互状態手段(例えば、大当たり種別「確率変動A」に当選)、を備えている
ことを特徴とする遊技機H7。
遊技機H7によれば、遊技機H6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、状態設定手段に設けられた交互状態手段により、有利期間ごとに第2入球手段と第3入球手段とが交互に遊技球が進入可能な状態とされる。これにより、1の有利状態において、第2入球手段へ遊技球が進入する場合と、第3入球手段へ遊技球が進入する場合とを設け、各入球手段への遊技球の進入パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機H6又はH7において、
1の前記有利状態において、2以上の前記有利期間で前記第1領域を前記流入可能状態にする複数流入可能状態手段(例えば、大当たり種別「確率変動A」の1ラウンド、3ラウンド及び9ラウンド)、を備えている
ことを特徴とする遊技機H8。
遊技機H8によれば、遊技機H6又はH7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数流入可能状態手段により、1の有利状態において、2以上の有利期間で第1領域が流入可能状態とされる。これにより、仮に、第1領域が流入可能状態となっているいずれか1の有利期間において、第1領域へ遊技球を流入させれなかった場合であっても、他の有利期間において再び第1領域を流入可能状態とすることで、第1領域へ遊技球を流入させることが可能となる。従って、急なトラブル(例えば、発射異常等の遊技異常や、遊技者の体調不良等)によって、第1領域が流入可能状態となる1の有利期間において第1領域へ遊技球を流入させることに支障が生じた場合であっても、他の有利期間において再び第1領域を流入可能状態にして、第1領域へ遊技球を流入させる可能性を設けることで、不測の事態によって遊技者が不利益を被ることなく、快適な遊技を実現することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機H0からH8のいずれかにおいて、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記3遊技価値付与手段により前記第3遊技価値が付与されることを遊技者に認識し得る認識可能態様(例えば、「確率変動状態」)を実行する認識可能態様実行手段(例えば、第3図柄表示装置81における「確率変動状態」の専用背景)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記3遊技価値付与手段により前記第3遊技価値が付与されることを遊技者に認識困難又は認識不可な認識困難態様(例えば、「潜伏確率変動状態」)を実行する認識困難態様実行手段(例えば、第3図柄表示装置81における「潜伏確率変動状態」と「時間短縮状態」との共通背景)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機H9。
遊技機H9によれば、遊技機H0からH8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、認識可能態様実行手段により、判定手段の判定結果を使用することによって、第3遊技価値付与手段により第3遊技価値が付与されることを遊技者に認識させ得る認識可能態様が実行される。また、認識困難態様実行手段により、判定手段の判定結果を使用することによって、第3遊技価値付与手段により第3遊技価値が付与されることを遊技者に認識困難又は認識不可な認識困難態様が実行される。これにより、特別領域へ遊技球が流入することによって発生し得る第2有利状態であることが、認識可能態様が実行されれば遊技者は認識し得る一方、認識困難態様が実行された場合は遊技者は認識困難又は不可となる。よって、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
<I群:上流側のスイッチと下流側のスイッチとの検出態様に応じた情報出力>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられ、遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段が配置された複数の入球口のいずれかへ遊技球が入球することに基づいて所定の遊技価値をそれぞれ付与するとともに、特定の入球口への入賞に基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、入球手段に遊技球を入球可能にして、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2017-148264号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、遊技に関する状態を早期に把握する必要があるが、この点について未だ改良の余地がある。
I群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技に関する情報を早期に把握可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な第1入球手段(例えば、第1始動口64a)と、
前記第1入球手段に遊技球が入球したことに起因して所定情報を取得する情報取得手段(例えば、第1保留球格納エリア203d)と、
前記情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段(例えば、大当たり乱数テーブル202a)と、
遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段(例えば、第1開閉板72a又は第2開閉板74a)が配置された第2入球手段(例えば、第1可変入賞装置72)と、
前記第1入球手段に遊技球が進入した場合に、遊技者に所定の第1遊技価値を付与する第1遊技価値付与手段(例えば、第1始動口スイッチによる球の検出に基づく賞球(3個))と、
前記第2入球手段に遊技球が進入した場合に、前記第1遊技価値と異なる第2遊技価値を付与する第2遊技価値付与手段(例えば、第1大入賞口スイッチ72cによる球の検出に基づく賞球(15個))と、を備えた遊技機において、
前記第2入球手段から流入した遊技球が通過可能な第1領域(例えば、確変領域75)と、
前記第2入球手段に遊技球が流入したことを検知可能な第1検知手段(例えば、第1大入賞口スイッチ72c)と、
前記第1領域を遊技球が通過したことを検知可能な第2検知手段(例えば、確変領域スイッチ75c又は排出スイッチ76a)と、
前記第1検知手段および前記第2検知手段の検知態様に基づいて、遊技に関する情報を出力可能な遊技情報出力手段(例えば、入賞異常報知)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機I0。
遊技機I0によれば、発射手段により遊技球が発射され、この発射手段により発射された遊技球が第1入球手段に入球可能に構成され、この第1入球手段に遊技球が入球したことに起因して情報取得手段により所定情報が取得される。そして、判定手段により、情報取得手段により取得された所定情報が判定される。また、遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段が配置された第2入球手段が設けられる。そして、第1入球手段に遊技球が進入した場合に、第1遊技価値付与手段により、遊技者に所定の第1遊技価値が付与され、第2入球手段に遊技球が進入した場合に、第2遊技価値付与手段により、第1遊技価値と異なる第2遊技価値が付与される。ここで、第2入球手段から流入した遊技球が通過可能な第1領域が設けられる。また、第1検知手段により、第2入球手段に遊技球が流入したことが検知可能に構成され、第2検知手段により、第1領域を遊技球が通過したことが検知可能に構成される。そして、第1検知手段および第2検知手段の検知態様に基づいて、遊技情報出力手段により、遊技に関する情報が出力可能に構成される。これにより、第2入球手段へ遊技球が流入したこと、及び、第1領域を遊技球が通過したことに基づいて遊技に関する情報を出力して、第2入球手段および第1領域への遊技球の流入態様を報知し、遊技に関する情報を早期に把握することができる、という効果がある。
遊技機I0において、
前記遊技情報出力手段は、
前記第1検知手段によって遊技球が検知されたタイミングからの時間を計測する時間計測手段(例えば、第1大入賞口スイッチ72cによる球の検知から10秒)と、
前記時間計測手段によって計測される所定の第1時間を超えて前記第2検知手段によって遊技球が検知された場合に、所定の異常報知を実行する異常報知実行手段(例えば、入賞異常報知)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機I1。
遊技機I1によれば、遊技機I0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技情報出力手段に設けられた時間計測手段により、第1検知手段によって遊技球が検知されたタイミングからの時間が計測され、時間計測手段によって計測される所定の第1時間を超えて第2検知手段によって遊技球が検知された場合、異常報知実行手段により、所定の異常報知が実行される。第1検知手段によって遊技球が検知された後、本来(正常)であれば第1時間以内に第2検知手段によって該遊技球が検知されるように構成されている場合に、第1時間を超えて2検知手段によって球が検知された場合は、不正行為、或いは、球詰まり等による入賞異常が発生している蓋然性が高い。これにより、第1検知手段によって遊技球が検知されてから第1時間を経過した後に第2検知手段によって検知された場合に、所定の異常報知を実行することで、不正行為若しくは入賞異常の発生を早期に認識し、遊技に関する情報を早期に把握することができる、という効果がある。
遊技機I1において、
前記遊技情報出力手段は、
前記時間計測手段によって計測される前記第1時間以内に前記第2検知手段によって遊技球が検知された場合に、所定の正常報知を実行する正常報知実行手段(例えば、V入賞報知演出)、を備えている
ことを特徴とする遊技機I2。
遊技機I2によれば、遊技機I1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、時間計測手段によって計測される第1時間以内に第2検知手段によって遊技球が検知された場合に、遊技情報出力手段に設けられた正常報知実行手段により、所定の正常報知が実行される。これにより、第1検知手段によって遊技球が検知されたから第1時間以内に第2検知手段によって検知された場合に、所定の正常報知を実行することで、不正行為若しくは入賞異常が発生していないことを認識することができ、遊技に関する情報を早期に把握することができる、という効果がある。
遊技機I1又はI2において、
前記異常報知実行手段は、
前記時間計測手段によって計測される前記第1時間以内に前記第2検知手段によって遊技球が検知されない場合に、前記異常報知を実行する
ことを特徴とする遊技機I3。
遊技機I3によれば、遊技機I1又はI2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、時間計測手段によって計測される第1時間以内に第2検知手段によって遊技球が検知されない場合に、異常報知実行手段により、異常報知が実行される。これにより、第1検知手段によって遊技球が検知されてから第1時間以内に第2検知手段によって検知されない場合に、所定の異常報知を実行することで、不正行為若しくは入賞異常の発生を早期に認識し、遊技に関する情報を早期に把握することができる、という効果がある。
遊技機I1からI3のいずれかにおいて、
前記異常報知実行手段は、
前記第1検知手段によって遊技球が検知されずに前記第2検知手段によって遊技球が検知された場合に、前記異常報知を実行する
ことを特徴とする遊技機I4。
遊技機I4によれば、遊技機I1からI3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1検知手段によって遊技球が検知されずに第2検知手段によって遊技球が検知された場合に、異常報知実行手段により、異常報知を実行する。第2検知手段によって遊技球が検知される場合に、本来(正常)であれば第1検知手段によって遊技球が検知された後、第1時間以内に第2検知手段によって該遊技球が検知されるように構成されているとき、第1検知手段によって遊技球が検知されずに2検知手段によって球が検知された場合は、不正行為、或いは、球詰まり等による入賞異常が発生している蓋然性が高い。これにより、第1検知手段によって遊技球が検知されずに第2検知手段によって遊技球が検知された場合に、所定の異常報知を実行することで、不正行為若しくは入賞異常の発生を早期に認識し、遊技に関する情報を早期に把握することができる、という効果がある。
遊技機I0からI4のいずれかにおいて、
前記第1領域を遊技球が通過した場合に、前記第1遊技価値および前記第2遊技価値と異なる第3遊技価値を付与し得る第3遊技価値付与手段(例えば、確変移行フラグ203i)、を備えている
ことを特徴とする遊技機I5。
遊技機I5によれば、遊技機I0からI4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1領域を遊技球が通過した場合に、第3遊技価値付与手段により、第1遊技価値及び第2遊技価値と異なる第3遊技価値が付与され得る。これにより、第2入球手段への遊技球の進入に基づいて第2遊技価値を付与するとともに、第1領域を遊技球が通過した場合に第2遊技価値に加えて第3遊技価値をも付与することができる。その結果、第2入球手段に進入した遊技球を第1領域へ流入させるか否かという遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機I0からI5のいずれかにおいて、
遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段(例えば、第2開閉板74a)が配置された第3入球手段(例えば、第2可変入賞装置74)と、
前記第3入球手段に遊技球が進入した場合に、少なくとも前記第1遊技価値と異なる第4遊技価値を付与する第4遊技価値付与手段(例えば、第2大入賞口スイッチ74cによる球の検出に基づく賞球(15個))と、
前記第3入球手段に遊技球が流入したことを検知可能な第3検知手段(例えば、第2大入賞口スイッチ74c)と、を備え、
前記遊技情報出力手段は、
前記第1検知手段または第3検知手段、および、前記第2検知手段の検知態様に基づいて、遊技に関する情報を出力可能に構成され、
前記第1領域は、
前記第3入球手段から流入した遊技球が通過可能に構成される
ことを特徴とする遊技機I6。
遊技機I6によれば、遊技機I0からI5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段が配置された第3入球手段が設けられる。また、第3入球手段に遊技球が進入した場合に、第3遊技価値付与手段により、少なくとも第1遊技価値と異なる第3遊技価値が付与される。さらに、第3検知手段により、第3入球手段に遊技球が流入したことが検知可能に構成される。そして、遊技応報出力手段が、第1検知手段または第3検知手段、及び、第2検知手段の検知態様に基づいて、遊技に関する情報を出力可能に構成される。ここで、第1領域が、第3入球手段から流入した遊技球が通過可能に構成される。即ち、第1領域は、第2入球手段および第3入球手段へ流入した遊技球がそれぞれ通過可能に構成される。これにより、少なくとも2の入球手段からそれぞれ第1領域へ遊技球が流入可能に構成して、各入球手段ごとに第1領域を設ける必要がなくなるので、遊技機に関する部品点数を削減しつつ、第2入球手段または第3入球手段へ遊技球が流入したこと、及び、第1領域を遊技球が通過したことに基づいて遊技に関する情報を出力して、第2入球手段または第3入球手段、および、第1領域への遊技球の流入態様を報知し、遊技に関する情報を早期に把握することができる、という効果がある。
遊技機I6において、
前記第2入球手段は、
前記流下方向変更手段として、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態と、遊技球が進入可能な状態とに変化可能な第1可変手段(例えば、第1開閉板72a)、を備え、
前記第3入球手段は、
前記流下方向変更手段として、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態と、遊技球が進入可能な状態とに変化可能な第2可変手段(例えば、第2開閉板74a)、を備え、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記第1可変手段または前記第2可変手段を、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態から、遊技球が進入可能な状態に変化する有利状態(例えば、大当たり状態)にする有利状態手段(例えば、大当たり処理(S103))と、
前記第1領域へ遊技球が流入可能な流入可能状態にするか否かを切り替える第1領域切替手段(例えば、確変領域開閉板75a)と、
前記判定手段の判定結果を使用することにより、前記第1領域切替手段によって前記第1領域が流入可能状態となるタイミングを設定するタイミング設定手段(例えば、確変領域開閉テーブル202g)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機I7。
遊技機I7によれば、遊技機I6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2入球手段に、流下方向変更手段として、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態と、遊技球が進入可能な状態とに変化可能な第1可変手段が設けられ、第3入球手段に、流下方向変更手段として、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態と、遊技球が進入可能な状態とに変化可能な第2可変手段が設けられる。判定手段による判定結果を使用することによって、有利状態手段により、第1可変手段または第2可変手段が、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態から、遊技球が進入可能な状態に変化する有利状態とされる。ここで、第1領域切替手段により、第1領域へ遊技球が流入可能な流入可能状態にするか否かが切り替えられる。そして、タイミング設定手段により、判定手段の判定結果を使用することで、第1領域切替手段によって第1領域が流入可能状態となるタイミングが設定される。これにより、2の入球手段からそれぞれ第1領域へ遊技球が流入可能に構成して、各入球手段ごとに第1領域を設ける必要がなくなるので、遊技機に関する部品点数を削減しつつ、有利状態中に第1領域へ遊技球が流入するか否かという遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機I7において、
前記有利状態手段は、
1の前記有利状態において、前記第1可変手段または前記第2可変手段のいずれか一方を、所定条件の成立(例えば、最大30秒若しくは10個入賞)するまで、遊技球が進入可能な状態となる有利期間(例えば、1ラウンド)を複数回実行する複数有利期間実行手段(例えば、ラウンドカウンタ)と、
前記判定手段の判定結果を使用することにより、前記有利期間ごとに遊技球が進入可能な状態となる前記第1可変手段または前記第2可変手段を設定する状態設定手段(例えば、大入賞口開閉テーブル202f)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機I8。
遊技機I8によれば、遊技機I7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有利状態手段に設けられた複数有利期間実行手段により、1の有利状態において、第1可変手段または第2可変手段のいずれか一方を、所定条件の成立するまで、遊技球が進入可能な状態となる有利期間が複数回実行される。また、同じく有利状態手段に設けられた状態設定手段により、判定手段の判定結果を使用することにより、有利期間ごと遊技球が進入可能な状態となる第1可変手段または第2可変手段が設定される。これにより、1の有利状態において、各有利期間ごとに遊技球が進入可能な状態となる第1可変手段または第2可変手段を変化させることができ、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機I8において、
前記状態設定手段は、
前記有利期間ごとに前記第1可変手段と前記第2可変手段とを交互に遊技球が進入可能な状態にする交互状態手段(例えば、大当たり種別「確率変動A」に当選)、を備えている
ことを特徴とする遊技機I9。
遊技機I9によれば、遊技機I8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、状態設定手段に設けられた交互状態手段により、有利期間ごとに第1可変手段と第2可変手段とが交互に遊技球が進入可能な状態とされる。これにより、1の有利状態において、第1可変手段によって第2入球手段へ遊技球が進入する場合と、第2可変手段によって第3入球手段へ遊技球が進入する場合とを設け、各入球手段への遊技球の進入パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
<J群:発射態様に応じて入賞する可変入球手段が変わる>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられ、遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段が配置された複数の入球口のいずれかへ遊技球が入球することに基づいて所定の遊技価値をそれぞれ付与するとともに、特定の入球口への入賞に基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、入球手段に遊技球を入球可能にして、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2017-148264号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、製造コストの削減を図る必要があるが、この点について未だ改良の余地がある。
J群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、製造コストを削減可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な第1入球手段(例えば、第1始動口64a)と、
前記第1入球手段に遊技球が入球したことに起因して所定情報を取得する情報取得手段(例えば、第1保留球格納エリア203d)と、
前記情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段(例えば、大当たり乱数テーブル202a)と、
遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段(例えば、第1開閉板72a又は第2開閉板74a)がそれぞれ配置された第2入球手段(例えば、第1可変入賞装置72)および第3入球手段(例えば、第2可変入賞装置74)と、
前記第1入球手段に遊技球が進入した場合に、遊技者に所定の第1遊技価値を付与する第1遊技価値付与手段(例えば、第1始動口スイッチによる球の検出に基づく賞球(3個))と、
前記第2入球手段に遊技球が進入した場合に、少なくとも前記第1遊技価値と異なる第2遊技価値を付与する第2遊技価値付与手段(例えば、第1大入賞口スイッチ72cによる球の検出に基づく賞球(15個))と、
前記3入球手段に遊技球が進入した場合に、少なくとも前記第1遊技価値と異なる第3遊技価値を付与する第3遊技価値付与手段(例えば、第2大入賞口スイッチ74cによる球の検出に基づく賞球(15個))と、を備えた遊技機において、
前記第2入球手段は、
前記発射手段によって所定の第1発射態様(例えば、左打ち遊技)で発射された遊技球が入球可能な位置に配置される一方、前記第1発射態様と異なる第2発射態様(例えば、右打ち遊技)で発射された遊技球が入球し難い若しくは入球不可な位置に配置され、
前記第3入球手段は、
前記発射手段によって前記第2発射態様で発射された遊技球が入球可能な位置に配置される一方、前記第1発射態様で発射された遊技球が入球し難い若しくは入球不可な位置に配置され、
前記第2入球手段または前記第3入球手段から流入した遊技球が通過可能な第1領域(例えば、確変領域75)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機J0。
遊技機J0によれば、発射手段により遊技球が発射され、この発射手段により発射された遊技球が第1入球手段に入球可能に構成され、この第1入球手段に遊技球が入球したことに起因して情報取得手段により所定情報が取得される。そして、判定手段により、情報取得手段により取得された所定情報が判定される。また、遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段がそれぞれ配置された第2入球手段および第3入球手段が設けられる。そして、第1入球手段に遊技球が進入した場合に、第1遊技価値付与手段により、遊技者に所定の第1遊技価値が付与され、第2入球手段に遊技球が進入した場合に、第2遊技価値付与手段により、少なくとも第1遊技価値と異なる第2遊技価値が付与され、第3入球手段に遊技球が進入した場合に、第3遊技価値付与手段により、少なくとも第1遊技価値と異なる第3遊技価値が付与される。ここで、第2入球手段が、発射手段によって所定の第1発射態様で発射された遊技球が入球可能な位置に配置される一方、第1発射態様と異なる第2発射態様で発射された遊技球が入球し難い若しくは入球不可な位置に配置される。また、第3入球手段が、発射手段によって第2発射態様で発射された遊技球が入球可能な位置に配置される一方、第1発射態様で発射された遊技球が入球し難い若しくは入球不可な位置に配置される。そして、第2入球手段または第3入球手段から流入した遊技球が通過可能な第1領域が設けられる。これにより、異なる発射態様で発射された遊技球が流入する第2入球手段および第3入球手段からそれぞれ第1領域へ遊技球が流入可能に構成して、各入球手段ごとに第1領域を設ける必要がなくなるので、遊技機に関する部品点数を削減し、製造コストを削減することができる、という効果がある。
遊技機J0において、
前記第1領域を遊技球が通過した場合に、前記第1遊技価値、第2遊技価値及び前記第3遊技価値と異なる第4遊技価値を付与し得る第4遊技価値付与手段(例えば、確変移行フラグ203i)、を備えている
ことを特徴とする遊技機J1。
遊技機J1によれば、遊技機J0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1領域を遊技球が通過した場合に、第4遊技価値付与手段により、第1遊技価値、第2遊技価値及び第3遊技価値と異なる第4遊技価値が付与され得る。これにより、少なくとも2の入球手段からそれぞれ第1領域へ遊技球が流入可能に構成して、各入球手段ごとに第1領域を設ける必要がなくなるので、遊技機に関する部品点数を削減しつつ、第2入球手段または第3入球手段への遊技球の進入に基づいて第2遊技価値又は第3遊技価値を付与するとともに、第1領域を遊技球が通過した場合に第2遊技価値又は第3遊技価値に加えて第4遊技価値をも付与することができる。その結果、第2入球手段または第3入球手段に進入した遊技球を第1領域へ流入させるか否かという遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機J0又はJ1において、
前記第2遊技価値は、
前記第3遊技価値と異なる
ことを特徴とする遊技機J2。
遊技機J2によれば、遊技機J0又はJ1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技価値が、第3遊技価値と異なるように構成されている。これにより、発射態様ごとに得られる遊技価値を変化させ、例えば、第1発射態様で得られる遊技価値より第2発射態様で得られる遊技価値の方を多くすることで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機J0からJ2のいずれかにおいて、
前記第1入球手段は、
前記第1発射態様で入球可能な位置に配置される
ことを特徴とする遊技機J3。
遊技機J3によれば、遊技機J0からJ2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1入球手段が、第1発射態様で入球可能な位置に配置される。これにより、第1発射態様により第1入球手段へ遊技球を入球させて判定手段による判定を受け、該判定結果に基づいて第2入球手段が遊技球を入球可能な状態となった際には、該第1発射態様を維持したまま遊技を行うことができる。よって、同様の遊技球の発射方法で2の入球手段に遊技球を進入させることができるので、複数の入球手段が配設されている場合であっても、遊技方法を簡易なものとし、遊技者に分かり易い遊技を提供して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機J0からJ3のいずれかにおいて、
前記第2入球手段は、
前記流下方向変更手段として、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態と、遊技球が進入可能な状態とに変化可能な第1可変手段(例えば、第1開閉板72a)、を備え、
前記第3入球手段は、
前記流下方向変更手段として、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態と、遊技球が進入可能な状態とに変化可能な第2可変手段(例えば、第2開閉板74a)、を備え、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記第1可変手段または前記第2可変手段を、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態から、遊技球が進入可能な状態に変化する有利状態(例えば、大当たり状態)にする有利状態手段(例えば、大当たり処理(S103))と、
前記第1領域へ遊技球が流入可能な流入可能状態にするか否かを切り替える第1領域切替手段(例えば、確変領域開閉板75a)と、
前記判定手段の判定結果を使用することにより、前記第1領域切替手段によって前記第1領域が流入可能状態となるタイミングを設定するタイミング設定手段(例えば、確変領域開閉テーブル202g)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機J4。
遊技機J4によれば、遊技機J0からJ3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2入球手段に、流下方向変更手段として、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態と、遊技球が進入可能な状態とに変化可能な第1可変手段が設けられ、第3入球手段に、流下方向変更手段として、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態と、遊技球が進入可能な状態とに変化可能な第2可変手段が設けられる。判定手段による判定結果を使用することによって、有利状態手段により、第1可変手段または第2可変手段が、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態から、遊技球が進入可能な状態に変化する有利状態とされる。ここで、第1領域切替手段により、第1領域へ遊技球が流入可能な流入可能状態にするか否かが切り替えられる。そして、タイミング設定手段により、判定手段の判定結果を使用することで、第1領域切替手段によって第1領域が流入可能状態となるタイミングが設定される。これにより、2の入球手段からそれぞれ第1領域へ遊技球が流入可能に構成して、各入球手段ごとに第1領域を設ける必要がなくなるので、遊技機に関する部品点数を削減しつつ、有利状態中に第1領域へ遊技球が流入するか否かという遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機J4において、
前記有利状態手段は、
1の前記有利状態において、前記第1可変手段または前記第2可変手段のいずれか一方を、所定条件の成立(例えば、最大30秒若しくは10個入賞)するまで、遊技球が進入可能な状態となる有利期間(例えば、1ラウンド)を複数回実行する複数有利期間実行手段(例えば、ラウンドカウンタ)と、
前記判定手段の判定結果を使用することにより、前記有利期間ごとに遊技球が進入可能な状態となる前記第1可変手段または前記第2可変手段を設定する状態設定手段(例えば、大入賞口開閉テーブル202f)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機J5。
遊技機J5によれば、遊技機J4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有利状態手段に設けられた複数有利期間実行手段により、1の有利状態において、第1可変手段または第2可変手段のいずれか一方を、所定条件の成立するまで、遊技球が進入可能な状態となる有利期間が複数回実行される。また、同じく有利状態手段に設けられた状態設定手段により、判定手段の判定結果を使用することにより、有利期間ごと遊技球が進入可能な状態となる第1可変手段または第2可変手段が設定される。これにより、1の有利状態において、各有利期間ごとに遊技球が進入可能な状態となる第1可変手段または第2可変手段を変化させることができ、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機J5において、
前記状態設定手段は、
前記有利期間ごとに前記第1可変手段と前記第2可変手段とを交互に遊技球が進入可能な状態にする交互状態手段(例えば、大当たり種別「確率変動A」に当選)、を備えている
ことを特徴とする遊技機J6。
遊技機J6によれば、遊技機J5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、状態設定手段に設けられた交互状態手段により、有利期間ごとに第1可変手段と第2可変手段とが交互に遊技球が進入可能な状態とされる。これにより、1の有利状態において、第1可変手段によって第2入球手段へ遊技球が進入する場合と、第2可変手段によって第3入球手段へ遊技球が進入する場合とを設け、各入球手段への遊技球の進入パターンを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機J6において、
前記交互状態手段は、
遊技球が進入可能な状態である前記第1可変手段または前記第2可変手段を遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態にした場合に、該遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態であった前記第2可変手段または前記第1可変手段を、所定期間(例えば、0.001秒から1秒)以内に遊技球が進入可能な状態とする所定期間内状態手段(例えば、インターバル時間無し)、を備えている
ことを特徴とする遊技機J7。
遊技機J7によれば、遊技機J6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が進入可能な状態である第1可変手段または第2可変手段が遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態となった場合に、交互状態手段に設けられた所定期間内状態手段により、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態であった第2可変手段または第1可変手段が、所定期間以内に遊技球が進入可能な状態とされる。これにより、第1可変手段および第2可変手段がともに遊技球が進入し難い若しくは進入不可な状態、即ち、第2入球手段および第3入球手段のいずれにも遊技球が進入し得ない状態を少なくすることができる。その結果、1の有利状態において規定されている第1可変手段および第2可変手段を遊技球が進入可能な状態とする回数を迅速に行うことができるので、1の有利状態に要する時間を短縮できるとともに、遊技者に迅速に遊技価値を付与することができる、という効果がある。
遊技機J0からJ7のいずれかにおいて、
前記第2入球手段に進入した遊技球を前記第1領域側に案内する第1案内手段(例えば、第1大入賞口検知前通路72d及び第1大入賞口検知後通路72e)と、
前記第3入球手段に進入した遊技球を前記第1領域側に案内する第2案内手段(例えば、第2大入賞口検知前通路74d及び第2大入賞口検知後通路74e)と、
前記第1案内手段と前記第2案内手段とが合流する合流部(例えば、合流部73)と、を備え、
前記第1領域は、
前記合流部の下流側に配置される
ことを特徴とする遊技機J8。
遊技機J8によれば、遊技機J0からJ7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1案内手段により、第2入球手段に進入した遊技球が第1領域側に案内され、第2案内手段により、第3入球手段に進入した遊技球が第1領域側に案内される。また、合流部において、第1案内手段と第2案内手段とが合流される。そして、合流部の下流側に第1領域が配置される。これにより、各入球手段へ進入したそれぞれの遊技球を、各案内手段の合流部の下流側に配置される1の第1領域へ入球可能にすることができる。その結果、各入球手段ごとに第1領域を設ける必要がなくなるので、遊技機に関する部品点数を削減しつつ、第1領域に遊技球が流入するか否かという遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機J4からJ8のいずれかにおいて、
前記第1領域切替手段は、
1の前記有利状態において、2以上の前記有利期間で前記第1領域を前記流入可能状態にする複数流入可能状態手段(例えば、大当たり種別「確率変動A」の1ラウンド、3ラウンド及び9ラウンド)、を備えている
ことを特徴とする遊技機J9。
遊技機J9によれば、遊技機J4からJ8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1領域切替手段に設けられた複数流入可能状態手段により、1の有利状態において、2以上の有利期間で第1領域が流入可能状態とされる。これにより、仮に、第1領域が流入可能状態となっているいずれか1の有利期間において、第1領域へ遊技球を流入させれなかった場合であっても、他の有利期間において再び第1領域を流入可能状態とすることで、第1領域へ遊技球を流入させることが可能となる。従って、急なトラブル(例えば、発射異常等の遊技異常や、遊技者の体調不良等)によって、第1領域が流入可能状態となる1の有利期間において第1領域へ遊技球を流入させることに支障が生じた場合であっても、他の有利期間において再び第1領域を流入可能状態にして、第1領域へ遊技球を流入させる可能性を設けることで、不測の事態によって遊技者が不利益を被ることなく、快適な遊技を実現することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
なお、上記遊技機A0~A10のいずれかの構成に対して、上記遊技機B0~B10,C0~C9,D0~D8,E0~E10,F0~F11,G0~G9,H0~H9,I0~I9,J0~J9のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機B0~B10のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0~A10,C0~C9,D0~D8,E0~E10,F0~F11,G0~G9,H0~H9,I0~I9,J0~J9のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機C0~C9のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0~A10,B0~B10,D0~D8,E0~E10,F0~F11,G0~G9,H0~H9,I0~I9,J0~J9のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機D0~D8のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0~A10,B0~B10,C0~C9,E0~E10,F0~F11,G0~G9,H0~H9,I0~I9,J0~J9のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機E0~E10のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0~A10,B0~B10,C0~C9,D0~D8,F0~F11,G0~G9,H0~H9,I0~I9,J0~J9のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機F0~F11のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0~A10,B0~B10,C0~C9,D0~D8,E0~E10,G0~G9,H0~H9,I0~I9,J0~J9のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機G0~G9のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0~A10,B0~B10,C0~C9,D0~D8,E0~E10,F0~F11,H0~H9,I0~I9,J0~J9のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機H0~H9のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0~A10,B0~B10,C0~C9,D0~D8,E0~E10,F0~F11,G0~G9,I0~I9,J0~J9のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機I0~I9のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0~A10,B0~B10,C0~C9,D0~D8,E0~E10,F0~F11,G0~G9,H0~H9,J0~J9のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機J0~J9のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0~A10,B0~B10,C0~C9,D0~D8,E0~E10,F0~F11,G0~G9,H0~H9,I0~I9のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
これらの場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
遊技機A0からA10,B0からB10,C0からC9、D0からD8、E0からE10、F0からF11、G0からG9、H0からH9、I0からI9、J0からJ9のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機I1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A0からA10,B0からB10,C0からC9、D0からD8、E0からE10、F0からF11、G0からG9、H0からH9、I0からI9、J0からJ9のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機I2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(大入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A0からA10,B0からB10,C0からC9、D0からD8、E0からE10、F0からF11、G0からG9、H0からH9、I0からI9、J0からJ9のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機I3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
10 パチンコ機(遊技機)
13 遊技盤(遊技盤の一部)
22 枠ボタン(操作手段の一部)
64a 第1始動口(第1入球手段の一部、第1遊技価値付与手段の一部)
66a アウトスイッチ(第2検知手段の一部)
72 第1可変入賞装置(第2入球手段の一部)
72a 第1開閉板(流下方向変更手段の一部、第1可変手段の一部、第1可動手段の一部)
72b 第1大入賞口ソレノイド(第1駆動手段の一部)
72c 第1大入賞口スイッチ(第2遊技価値付与手段の一部、所定価値付与手段の一部、遊技価値付与手段の一部、第1検知手段の一部、第1遊技価値付与手段の一部)
72d 第1大入賞口検知前通路(第1案内手段の一部、離反案内手段の一部、登り傾斜手段の一部)
72e 第1大入賞口検知後通路(第1案内手段の一部、通路の一部、離反後接近案内手段の一部)
72f 減速リブ(減速手段の一部、突出手段の一部、奥側突出手段の一部、手前側突出手段の一部)
73 合流部(合流部の一部)
74 第2可変入賞装置(第3入球手段の一部)
74a 第2開閉板(流下方向変更手段の一部、第2可変手段の一部、第2可動手段の一部)
74b 第2大入賞口ソレノイド(第2駆動手段の一部)
74c 第2大入賞口スイッチ(第2遊技価値付与手段の一部、特定価値付与手段の一部、遊技価値付与手段の一部、第2検知手段の一部、第1遊技価値付与手段の一部、第3遊技価値付与手段の一部、第4遊技価値付与手段の一部、第3検知手段の一部)
74d 第2大入賞口検知前通路(第2案内手段の一部、接近案内手段の一部、下り傾斜手段の一部)
74e 第2大入賞口検知後通路(第2案内手段の一部)
75 確変領域(第1領域の一部)
75a 確変領域開閉板(第1領域切替手段の一部)
75c 確変領域スイッチ(第2検知手段の一部)
76 排出通路(排出手段の一部)
76a 排出スイッチ(第2検知手段の一部)
77 左側釘群(遊技球案内手段の一部)
78 右側釘群(遊技球案内手段の一部)
81 第3図柄表示装置(遊技情報出力手段の一部、認識可能態様実行手段の一部、認識困難態様実行手段の一部、表示手段の一部)
110 主制御装置(判定手段の一部)
112a 球発射ユニット(発射手段の一部)
113 音声ランプ制御装置(特別演出実行手段の一部)
202a 大当たり乱数テーブル(判定手段の一部)
202f 大入賞口開閉テーブル(状態設定手段の一部)
202g 確変領域開閉テーブル(タイミング設定手段の一部)
203d 第1保留球格納エリア(情報取得手段の一部)
203h 確変領域有効フラグ(有効切替手段の一部)
203i 確変移行フラグ(第3遊技価値付与手段の一部、第2有利状態発生手段の一部、第2遊技価値付与手段の一部、第4遊技価値付与手段の一部)
C2 大当たり種別カウンタ(パターン選定手段の一部、有効タイミング決定手段の一部)
S103 大当たり処理(有利状態手段の一部)

Claims (1)

  1. 遊技球を発射する発射手段と、
    前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な第1入球手段と、
    前記第1入球手段に遊技球が入球したことに起因して所定情報を取得する情報取得手段と、
    前記情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段と、
    遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段がそれぞれ配置された第2入球手段および第3入球手段と、
    前記第1入球手段に遊技球が進入した場合に、遊技者に所定の第1遊技価値を付与する第1遊技価値付与手段と、
    前記第2入球手段または前記第3入球手段に遊技球が進入した場合に、前記第1遊技価値と異なる第2遊技価値を付与する第2遊技価値付与手段と、を備えた遊技機において、
    前記第2入球手段または前記第3入球手段から流入した遊技球が通過可能な第1領域と、
    前記第1領域への遊技球の流入に基づいて、遊技に関する情報を出力可能な遊技情報出力手段と、を備えている
    ことを特徴とする遊技機。
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