カメラは産業上の用途において、例えば物品の検査や測定等の目的で、物品の特性を自動的に捕らえるために多様な方法で用いられる。その場合、物品の画像が撮影され、業務に応じた画像処理法により評価される。カメラの別の用途としてコードの読み取りがある。画像センサを用いて、表面にコードが付された物品が撮影され、その画像内でコード領域が識別され、復号される。カメラベースのコードリーダは1次元バーコード以外の種類のコードでも問題なく処理できる。そのコードをマトリックスコードのように2次元的に構成すればより多くの情報を利用できる。印刷された住所や手書き文書の自動的なテキスト認識(光学式文字認識:OCR)も原理的にはコードの読み取りである。コードリーダの典型的な利用分野としては、スーパーマーケットのレジ、荷物の自動識別、郵便物の仕分け、空港での荷物の発送準備、その他の物流での利用が挙げられる。
よくあるのは、カメラをベルトコンベアの上方に取り付けて物品を検出するという状況である。カメラはベルトコンベア上で物品の流れが相対運動している間、画像を撮影し、取得された物品特性に応じてその後の処理ステップを開始する。このような処理ステップでは、搬送中の物品に作用する機械の上で具体的な物品に合わせて更なる処理を行ったり、物品の流れの中から品質管理の枠組み内で特定の物品を通過させること又は物品の流れを複数の物品の流れに分岐させることにより物品の流れを変化させたりする。カメラがカメラベースのコードリーダである場合、物品の正しい選別といった処理ステップのために、各物品がそれに付されたコードに基づいて識別される。
変化しやすい光条件に左右されないようにするため、産業用カメラシステムには独自の照明を使用するものが多い。光る物体や鏡面状の物体をより良好に扱うためには偏光が用いられる。その場合、発光路及び受光路にそれぞれ直線偏光フィルタが設けられる。2つの偏光フィルタの方向は互いに90度ずらされている。産業用のカメラではこれらの偏光フィルタがカメラシステム内に固定的に組み込まれている。事後的な組み込みや交換が可能な場合もあるが、その際は機器が分解され、前面部を保護するカメラのカバーのネジが抜かれる。
特許文献1から、発射光線及び受信光線の光路内に薄膜偏光フィルタが配置されたバーコードスキャナが知られている。
特許文献2は刻印されたコード(ダイレクトパーツマーキング:DPM)を読み取るための手持ち式機器を開示している。この種のコードは非常に低い照射角で光を当てて読み取られる。そのため、照明は画像センサに対して若干距離を空けて斜めに向いている。発光路と受光路にそれぞれ偏光フィルタが配置されている。
特許文献3に、偏光した光源と無偏光の光源を含み、必要に応じて適切な照明を選択できるようにしたコードリーダが紹介されている。
特許文献4は偏光フィルタを有する別のバーコードスキャナに関するものである。このスキャナでは、発光器の偏光フィルタがレーザ光線の一部を偏光させ、該レーザ光線の別の一部を透過させる。
これら従来の装置のいずれにおいても偏光フィルタの交換は想定されていない。
また、対物レンズに装着される写真装置用の偏光フィルタが知られている。しかしこれは受光路にしか関係していない。
故に、本発明の課題は、カメラを用いた検出を改善することである。
この課題は請求項1に記載のカメラにより解決される。本カメラは画像センサを用いて受信光から画像データを生成する。そのために、少なくとも1つの光源を有する照明ユニットがカメラの検出領域を照明する。偏光フィルタが発射光と受信光を偏光させる。偏光フィルタは好ましくは直線偏光を生じさせるように構成され、しかも受信光と発射光を互いに90度だけずらすようになっている。
本発明の出発点となる基本思想は、偏光フィルタを事後的に交換するということである。ここでいう「交換」の概念は、付け足し又は取り外し、つまり偏光した光から無偏光の光への変更及びその逆、更には異なる偏光状態の光を得るために他の偏光フィルタと取り換えたり予め組み込まれた偏光フィルタを別のものにしたりすることも含む。この交換を著しく簡単にするため又はそもそもそれを可能にするために、偏光フィルタは事後的に外側から交換可能な追加モジュールとして構成されている。
本発明には、交換により新たな要求や新たな用途に対して迅速且つ柔軟に適応できるという利点がある。取り換えは非常に素早く、工具なしで行われる。そのために特別な資格は一切必要ない。
偏光フィルタはスナップ式結合部を有する装着モジュールとして構成されていることが好ましい。そのために例えばスナップ式鉤部を装着モジュールに設ける。カメラ乃至はそのケーシングの前面にはそれに合った受け部、突出部又は掛合用の溝を設けることができる。しかし、好ましくは、追加モジュールのないカメラを見たときに追加モジュールの取り付けができるようには見えないようなデザインにする。その場合、偏光用の追加モジュールを用いた事後的な装備の変更は完全に追加的に且つ任意選択で行うことができる。
偏光フィルタは磁石式結合部を有する装着モジュールとして構成されていることが好ましい。そのためには磁石を追加モジュール及びカメラの表面に設けてもよいし、一方にのみ磁石があり、他方には磁性材料を備えるようにしてもよい。磁石は追加モジュール側にあることが特に好ましい。そうすればカメラの方では対応する金属領域がケーシングの前面側にありさえすればよいからである。これは追加モジュール用の特別なデザインでなくてもよくあることである。
偏光フィルタはカメラの前面パネルの前に配置されていることが好ましい。このようにすれば、追加モジュールを付け加えるためにカメラに変更を加えたり開けたりする必要が全くない。あるいは前面パネルそのものが追加モジュールを備えるようにする。この場合、配置の順序は、偏光フィルタが外側で前面パネルが内側、又はその逆という、両方が考えられる。また、偏光フィルタを前面パネルに統合することも考えられる。このような追加モジュールを取り付けるには前面パネルを該追加モジュールと交換する。前面パネルが例えばスナップ機構又は磁石機構により既に工具なしで固定可能になっていれば、その交換を非常に素早く、問題なく行うことができる。
追加モジュールはカメラのケーシングをその前面に向かって閉じる取り換え枠を備えていることが好ましい。取り換え枠はカメラの方を向いて該カメラのケーシング及び/又は回路基板の上に取り付けられる。外側に向けては取り換え枠上の前面パネルがカメラを閉じるが、そこに受光対物レンズ用の開口を残しておいてもよい。偏光フィルタは実施形態に応じて取り換え枠上の内側又は外側にあり、その偏光フィルタの位置は前面パネルの内側及び外側のいずれでもよく、該パネル内に統合することもできる。取り換え枠は照明ユニットの光源を取り囲んでいることが好ましい。
追加モジュールは長方形状であることが好ましい。これは、略直方体状のカメラであって、その長方形状の前面の全体又は大部分が、照明ユニットの光出射部を有する前面パネルのため、あるいは照準装置、光表示器又は投影式ユーザフィードバック等に用いられる他の照明装置のために利用されているようなカメラに特に好適である。その場合、取り換え枠を有する追加モジュールはその長方形状の前面を成す。
照明ユニットは別々に駆動可能な複数グループの光源を備えていることが好ましい。好ましくは同じサイズであるこれらのグループはいずれも少なくとも1つの光源を含む。狙いを付けて各グループを作動させたり強度の適合化を行ったりすることにより様々な照明のシナリオが出来る。このシナリオはパラメータで予め設定してもよいし、画像データの評価をフィードバックして調節又は教え込みを行ったりしてもよい。好ましくは、長方形状の枠体として構成された方向転換素子の辺又は角ごとに4つのグループを設ける。このようにすれば、各グループの個別の駆動により4方向からの全ての照明光が変更可能になる。
1つのグループの光源が別の1つのグループの光源とは異なる色を呈することが好ましい。従って、少なくとも2つのグループと少なくとも2つの色がある。より多くのグループとより多くの色も考えられるが、その場合、全てのグループが異なる色を呈する必要はない。構造物の中には、とりわけ特定の下地の上にある特定の色のコードのように、それに合った照明スペクトルでより良好に読み取ることができるものがかなりある。これは光源の色の調節により達成してもよいし、混色によってもよい。実施形態に応じて、異なる色の光源を設けるか、多色LEDのように色の切り換えができる光源を設ける。
追加モジュールは発射光を偏光させるための第1の面と受信光を偏光させるための第2の面とを備えるように構成されていることが好ましい。2つの面の偏光方向は90度だけ互いに捻転していることが好ましい。このようにすれば、偏光の回転がない光沢反射がほぼ検出されなくなる。2つの面は同一平面内にあることが特に好ましい。これにより非常にコンパクトな構造が可能となる。
追加モジュールは発射光を無偏光で通過させるための面を備えていることが好ましい。これはまず、複数の光源又は複数グループの光源が別々に駆動可能である場合に有益である。追加モジュールのうち偏光のある面又は無偏光の面に配置された光源を作動させることで、それに応じた発射光が狙いを定めて生成される。多色光源の場合は色の選択や色と偏光の組み合わせの選択もできる。また、第1の面とは異なる偏光方向で発射光を偏光させる別の面を設けることも考えられる。そうすれば、発光側と受光側の偏光方向を一致させて光沢反射だけを通過させるか、90度ずらして光沢反射に狙いを定めてフィルタリングで除去するかを選択できる。一方、発射光の選択を特定の光源の駆動によってではなく光源に対する追加モジュールの特定の配置によって行うこともできる。
追加モジュールは異なる向きでカメラに取り付け可能であることが好ましい。特に180度回転させることが考えられるが、カメラと追加モジュールの形状によっては90度又は他の角度もあり得る。その場合、偏光フィルタはそれと同じ回転対称ではない形で追加モジュール内に配置することが好ましい。追加モジュールを取り付ける向きを通じて、どの光源の光を偏光させ、どの光源の光を無偏光にするかを選択したり、特定の偏光方向に固定したりすることができる。
本カメラは、追加モジュールがカメラの光路内に配置されているかどうかを検知するための存在センサを備えていることが好ましい。存在センサは、どの追加モジュールが装着されているか、あるいは追加モジュールがどの状態でどの方向に偏光を生じさせるかという情報を出力することもできる。存在センサは、例えば、偏光フィルタの枠を認識する少なくとも1つのホールセンサ又は誘導センサを基にして構成される。多重的な配置と複数の材料又は材料の厚みを通じて、様々な追加モジュール及び/又は向きを区別するための一種の簡単な符号化を行うことができる。存在センサにより、発光器の出力、画像センサの露出時間又は感度を狙い通りに且つ自動的に追加モジュールに適合させるといった制御が可能になる。また、上位のシステムから、現在認識されている追加モジュールとともにカメラがどのような設定になっているか問い合わせることができる。
本カメラは、画像データの中でコード領域を識別してそのコード内容を読み出すように構成された制御及び評価部を備えていることが好ましい。これにより、本カメラは様々な規格のバーコード及び/又は2次元コードに対応したカメラベースのコードリーダとなり、場合によってはテキスト認識(OCR、光学的文字読み取り)にも対応する。なお、コード読み取り機能を持たず、画像の撮影、照明、実際の焦点位置と所要の焦点位置の測定及びその表示等、カメラ内の様々な作業を制御したり実行したりする制御及び評価部を設けてもよい。
以下、本発明について、更なる特徴及び利点をも考慮しつつ、模範的な実施形態に基づき、添付の図面を参照しながら詳しく説明する。
図1はカメラ10の概略断面図である。検出領域14からの受信光12が受光光学系16に入射し、該光学系が受信光12を画像センサ18へ導く。受光光学系16の光学素子は複数のレンズ及び他の光学素子(絞り、プリズム等)から形成されていること好ましいが、ここでは簡単のため1枚のレンズだけで表されている。
カメラ10での撮影中に検出領域14を照明するため、カメラ10は照明ユニットを備えている。図1ではこれが2つの光源20として描かれている。光源は例えばLEDやレーザダイオードである。照明ユニットは発射光22を生成し、この光が検出領域14内へ送出される。発射光22に所望のやり方で影響を与えるため、光源20には発光光学系(図示せず)が割り当てられている。
発射光22の出射領域及び受信光の入射領域において、カメラ10内に偏光フィルタ24が配置されている。偏光フィルタ24は発射光22を偏光させるための第1の面24aと受信光12を偏光させるための第2の面24bを備えている。2つの面24a〜bは互いに90度ずれた直線偏光を生じさせるように構成されていることが好ましい。
偏光フィルタ24は装着枠26内に配置されている。この枠はカメラ10の前面パネル28も保持している。このようにしてカメラのケーシング30の前面が閉じられている。偏光フィルタ24と前面パネル28とを有するこの装着枠26が装着モジュール又は追加モジュールとなっており、これを用いて事後的にカメラ10の偏光特性を変更することができる。そのためには幾つかの可能なやり方がある。即ち、図示したような追加モジュールの使用又は前面パネル28だけを有する装着枠26の使用による偏光のある駆動と無偏光の駆動との切り替え、別の偏光フィルタ24を有する追加モジュールとの交換による偏光特性の切り替え、あるいは別の配置(特に受光光学系16の光軸を中心として180度捻転させた状態)での追加モジュールの装着である。
図1では偏光フィルタ24が前面パネル28の後ろで内側に配置されている。順序を入れ替えて偏光フィルタ24を外側にすることも可能である。別の実施形態では、偏光フィルタ24が前面パネル28に統合されたり、該パネルと直接結合されたり、前面パネル28として機能したりする。
制御及び評価部32は照明ユニット及び画像センサと接続されており、カメラ10内の制御、評価及びその他の調整的な任務を担当している。即ち、制御及び評価部32は画像センサ18から画像データを読み出し、それを処理してインターフェース34に出力する。画像データを独自に評価することも考えられる。特に、画像データ内のコード領域の復号を行えば、カメラ10はカメラベースのコードリーダとなる。
図2は、スナップ機構によってカメラ10に装着された追加モジュールを有するカメラ10の3次元図である。カメラ10は長方形状の前面を備えている。ただし、角を丸める等の変形はまだ可能である。装着枠26と前面パネル28の形状は前記長方形に合わされている。図から分かるように、照明ユニットと偏光フィルタ24のための前面領域を非常に平らにすることが可能である。受光光学系16と電子機器(制御及び評価部32等)の複雑さによっては全体的な機器構造も図のように平らにしたり、奥行きをもっと小さくしたりできる。
図2の実施形態の追加モジュール乃至は装着枠26はケーシング30の表面に掛合する複数(ここでは4個)のスナップ式鉤部36を備えている。スナップ式鉤部36がより確実に保持されるようにするため、前記表面に溝や突出部等を設けてもよい。スナップ式鉤部36は追加モジュールの位置を安定させつつも、追加モジュールの取り外しや別の追加モジュールを取り付けのためにいつでも工具なしで外すことができる。
図3は磁石式ホルダによりカメラ10に取り付けられた追加モジュールを有するカメラ10の3次元図である。磁石で固定するこの構成ではカメラ10又は装着枠26の表面に硬磁性材料がある。相手側は軟磁性又は硬磁性材料を用いて作製する。好ましくは、装着枠26にだけ活性な磁石を設けて、ケーシング30の方は予め定めた接触領域に単に磁性材料があるだけにする。そうすれば、カメラ10のケーシング30が十分に磁性金属を含んでさえいれば、カメラにそれ以上変更を加えなくてもよいからである。
図2及び3は工具なしで非常に簡単に追加モジュールを交換する機構の2つの例を示したものである。他にも例えば、内側で開口と噛み合う鉤部や、外周にスナップ方式でケーシング30の前面に装着される縁部を有する装着枠26が考えられる。つまり、図の例が全てではない。原理的には装着枠26を一又は複数のネジで固定することもできる。それでも従来の構造よりは簡単である。なぜなら、ネジを用いたとしても、外側から非常に簡単に偏光フィルタ24にアクセスできるため、他の部品を取り外す必要はないからである。ただし、ネジはそもそも揺れや振動による機械的な負荷が大きい場合に考慮の対象となるものであり、カメラ10の場合、そのような条件はいずれにせよ普通は避けるべきである。追加モジュールの交換は工具なしで行うこと、従って特にネジは使わないことが原則として好ましい。
図4(a)〜(c)はカメラ10の前面図である。このうち図4(a)には追加モジュールがなく、図4(b)では3つの面24a〜cがある偏光フィルタ24を有する追加モジュールが装着されており、図4(c)では図4(b)の追加モジュールが180度回転して装着されている。即ち、この装着枠26は180度だけ回転させて固定することもできるという好ましい構成になっている。
図示した実施形態では、ハッチングで示したように異なる色の光源20a〜b(例えば赤と青)が用いられている。あるいは、多色LEDのように各光源20a〜bの内部で既に複数の色を作り出せるようにすることや、異なる色の光源20a〜bを並べて組み込み、それを選択的に作動させることで特定の色を生じさせることも考えられる。構造物のなかには、例えば印刷色と下地に応じて赤色又は青色光でコードがより良く読み取られるというように、色を変えるとより良く認識できるようになるものがかなりある。
好ましくは光源20a〜bが別々に駆動可能であり、それにより照明域を変化させることができる。スイッチングの複雑さを低減させるため、場合によっては光源20a〜bのグループをまとめて操作するだけで十分である。図示した実施形態では2つのグループをそれぞれ同色の光源20a〜bで構成することができる。より多くのグループや他のグループ分けも同様に考えられる。例えば、扇形に対応した4つのグループや、内側と外側のグループなどである。このようにすれば、特に制御及び評価部32における画像センサ18の画像データの画像処理部と共同して、特定の方向から狙いを定めて照明光を生じさせることにより、用途ごとに最高の照明設定を見出すことができる。
図4(a)の構成では偏光フィルタ24を有する追加モジュールではなく、例えば前面パネル28だけを有する装着枠が取り付けられている。従ってカメラ10は無偏光の発射光22と受信光12で作動する。色及び/又は照明域を変えることはなお可能である。
図4(b)の構成では偏光フィルタを有する追加モジュールが装着されている。偏光フィルタは、光源20aの発射光22を第1の方向に(ここでは例として上方へ)直線偏光させる第1の面24aと、受信光12を90度だけ(ここでは例として下方へ)回転した方向に直線偏光させる第2の面24bと、光源20bの発射光22を無偏光で通す第3の面24cとを備えている。上の光源20a又は下の光源20bを作動させることにより、偏光あり又は偏光無しの発射光で画像を撮影することができる。もちろん、光源20a〜bの色の配置を変えることや、偏光の選択が色の選択と結びつかないように1色の光源20a〜bだけを用いることも可能である。いずれにせよ前記偏光フィルタ24の構成は単なる有利な例に過ぎない。より多くの面、特にそれぞれ偏光方向が異なる面を設けることで偏光方向も選択可能にすることや、逆に、全ての光源20a〜bに対して偏光を生じさせる面を1つだけ設けてその中央に受信光24b用の第2の面24bを配置することもできる。
偏光フィルタ24を偏光特性の異なる面24a〜cに分割し、特定のグループの光源20a〜bを駆動することにより、他の追加モジュールを用いた更なる改造を行わずに照明域と偏光特性を選択することができる。複数色の光源20a〜bと組み合わせれば、偏光特性及び/又は照明スペクトルを駆動中に適応させることができる。
1つの同じ追加モジュールによる可変性では不十分であれば、それを所望の特性を持つ他の追加モジュールと交換すればよい。それに関する特に有利な実施形態の1つが図4(c)に例示した構成である。そこでは、新たな追加モジュールではなく図4(b)の追加モジュールを180度回転させて装着している。そうすると、役割が入れ替わり、上の光源20aの発射光22が偏光されずに面24cを通過し、下の光源20bの発射光22は面24aで直線偏光される。その際に偏光方向が180度変化するのは問題ない。なぜなら、まず受信光12の偏光方向も同様に回転しているからであり、そして何より、重要なのは発射光22と受信光12の間で偏光方向が相対的に90度だけ捻転されるということだけだからである。
図5はカメラ10の別の実施形態の概略断面図である。図1とは違ってここでは存在センサ38が追加されている。このセンサは偏光フィルタ24を有する装着枠26が装着されているか否かを認識する。図では概略的にしか示されていないが、存在センサ38は例えば一又は複数のホールセンサ又は誘導センサで構成され、これらが適宜の磁化された又は金属製の装着枠26を認識する。装着枠26の複数の点とそれに対応する箇所における枠の材料及び幾何学的形状の形態を認識することにより、変化する存在信号を用いて一種の簡単な符号を作り出し、それを用いて異なる装着枠26及びその偏光フィルタ24を識別することができる。このような識別性を持った存在検出により、図4を参照して説明したような異なる方向も識別することができる。
その都度の偏光フィルタ24を識別すること乃至は偏光フィルタ24が装着されていないことを認識すれば、カメラのパラメータを自動的に狙いをつけて適合させることが可能になる。このようなカメラ10の調整値の例として光源20の明るさや画像センサ18の感度(ゲイン)が挙げられる。また、これはカメラ10が上位システムに接続されている場合に有益である。インターネット経由でのメンテナンスや、特にクラウドや他のネットワークにおける遠隔からのデータの伝送及び評価のために、カメラ10の現在の構成を知ること、そしてそのために存在センサ38に問い合わせを行うことが重要になる可能性がある。
図6はカメラ10をベルトコンベア40の近くに取り付けて利用できることを示している。ベルトコンベア40は、矢印44で示したように、カメラ10の検出領域14を通り抜けるように物品42を搬送する。物品42はその外面にコード領域46を持っている可能性がある。カメラ10の課題は物品42の特性を捕らえること、そしてコードリーダとしての好ましい利用形態においては、コード領域46を認識し、そこに付されたコードを読み取り、それを復号して、該当する物品42に割り当てることである。側面に付されたコード領域48も検出するために、異なる視点から追加のカメラ10(図示せず)を用いることが好ましい。