JP2019196681A - 立体駐車装置格納台車及びこれを利用した立体駐車装置の運用方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】立体駐車装置の用途の幅を広げる。【解決手段】立体駐車装置格納台車10は、荷物が載置されるベース部12と、パレット上を移動する際に用いられる車輪14、16とを備え、後方側の車輪16がパレット内に位置し、前方側の車輪14がパレットから前方側にはみ出る態様で、パレットに格納されることで、入出庫位置にあるパレットと入出庫平面との間に段差があっても、円滑に引き出すことができる。加えて、前方側の車輪14が、引き出し方向と幅方向との双方に転動可能に構成されていることで、パレットが入出庫位置において横行動作するものであっても、パレットの移動に追従することができる。このように、荷物の保管場所への転用に適した各構成を備えることで、通常の立体倉庫と比較して、保管する荷物の容量が大きく、使い勝手も良い保管場所へと転用させ、立体駐車装置の用途の幅を広げることができる。【選択図】図2

Description

本発明は、立体駐車装置のパレットに格納する立体駐車装置格納台車、及び、これを利用した立体駐車装置の運用方法に関するものである。
車両を格納する複数のパレットを備える立体駐車装置は、限られたスペースに多くの車両を駐車するために利用され、その発明も多岐にわたっている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2017−089331号公報 特開2016−102343号公報
ところで、上述したような立体駐車装置は、その全体を、他の用途に転用する動向が見られている。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、立体駐車装置の用途の幅を広げることにある。
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではない。そのため、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
(1)複数のパレットを備え、それらのパレットが上下方向又は左右方向の少なくとも一方に移動することで、入出庫に係るパレットが所定の入出庫位置へと呼び出される立体駐車装置において、前記複数のパレットのうち、少なくとも前記入出庫位置と同じ高さ位置にて横行動作を行うパレットに対し車両に代えて格納され、必要に応じて前記入出庫位置にて前記パレットから引き出される台車であって、荷物が載置されるベース部と、前記パレットからの引き出し方向を基準として、前方側及び後方側に各々設けられ、前記パレット上を移動する際に用いられる車輪と、を含み、前記後方側の車輪が前記パレット内に位置し、前記前方側の車輪が前記パレットから前方側にはみ出る態様で、前記パレットに格納され、前記パレットが前記入出庫位置と同じ高さ位置にあるとき、前記前方側の車輪が前記入出庫位置に広がる入出庫平面に接触すると共に、前記後方側の車輪が前記パレットの上面に接触した状態になり、前記前方側の車輪が、少なくとも前記引き出し方向と、該引き出し方向と水平面において直交する方向との、双方の移動に対応する立体駐車装置格納台車(請求項1)。
本項に記載の立体駐車装置格納台車は、立体駐車装置が備える複数のパレットのうち、少なくとも入出庫位置と同じ高さ位置にて横行動作を行うパレットに対し車両に代えて格納され、格納しているパレットが入出庫位置にある状態で、パレットから引き出されて使用されるものである。具体的には、ベース部及び車輪を備え、ベース部には任意の荷物が載置される。車輪は、本立体駐車装置格納台車がパレット上を移動する際に用いられるものであり、パレットから引き出す方向を前方、それと反対方向を後方として、本立体駐車装置格納台車の前方側及び後方側の夫々に設けられている。このような構成により、ベース部に荷物が載置された状態で、立体駐車装置のパレットに格納されることで、立体駐車装置を荷物の保管場所へと転用させるものである。しかも、車輪を介してパレットから引き出されるようになっているため、ベース部への荷物の出し入れが容易に行われるものである。
更に、本項に記載の立体駐車装置格納台車は、後方側の車輪がパレット内に位置し、前方側の車輪がパレットから前方側にはみ出る態様で、パレットに格納されるものである。すなわち、パレットを側方から視ると、本立体駐車装置格納台車の、前方側の車輪を含む前方側の部位が、パレットの前端よりも前方へ突き出た状態になる。そして、パレットが入出庫位置と同じ高さ位置にあるとき、パレットからはみ出た前方側の車輪が、入出庫位置に広がる入出庫平面に接触し、パレット内に位置する後方側の車輪が、パレットの上面に接触した状態になる。すなわち、入出庫平面に接触している前方側の車輪と、パレットの上面に接触している後方側の車輪とにより、本立体駐車装置格納台車が支持される態様となる。この状態では、パレットが入出庫位置にあるときに、例えば利用者によって引っ張られることで、前方側の車輪は入出庫平面上を、後方側の車輪はパレット上を夫々移動して、本立体駐車装置格納台車がパレットから引き出されることとなる。しかも、例えば、入出庫位置にあるパレットの上面と、入出庫位置に広がる入出庫平面との間に段差があるような場合であっても、後方側の車輪が段差に達する手前までは、前方側及び後方側の双方の車輪が段差を通ることはないため、円滑に引き出されるものである。
加えて、本項に記載の立体駐車装置格納台車は、前方側の車輪が、少なくとも本立体駐車装置格納台車の引き出し方向と、この引き出し方向と水平面において直交する方向、すなわち、立体駐車装置の正面視で左右方向との、双方の移動に対応するものである。ここで、「双方の移動に対応する」とは、双方に転動可能に構成されていることを意味する。これにより、立体駐車装置のパレットが、入出庫位置と同じ高さ位置において左右方向に移動(横行動作)するものであっても、左右方向の移動に対応した前方側の車輪が、入出庫平面に接触しているため、パレットの左右方向の移動に問題なく追従するものとなる。
上記のように、本項に記載の立体駐車装置格納台車は、荷物の保管場所への転用に適した各構成を備えることで、通常の立体倉庫と比較して、保管する荷物の容量が大きく、使い勝手も良い保管場所へと転用させ、立体駐車装置の用途の幅を広げるものとなる。
(2)上記(1)項において、前記立体駐車装置は、前記入出庫平面が地上面であり、前記入出庫位置にあるパレットが、前記入出庫平面に対して高くなる態様で段差を有し、前記ベース部の底面と直交する高さ方向に係る、前記前方側及び後方側の車輪の位置について、前記前方側の車輪の先端位置は、前記後方側の車輪の先端位置から、前記入出庫位置にある前記パレットの上面と前記入出庫平面との間の段差の高さ分下方にある位置と等しい立体駐車装置格納台車(請求項2)。
本項に記載の立体駐車装置格納台車は、入出庫平面が地上面であり、入出庫位置にあるパレットが入出庫平面に対して高くなる態様で段差を有する立体駐車装置に格納されるものである。すなわち、例えば、既存の設備等に掘り下げずに構築された立体駐車装置に対応するものである。このような立体駐車装置に対応するために、本立体駐車装置格納台車は、ベース部の底面と直交する高さ方向に係る、前方側及び後方側の車輪の位置について、前方側の車輪の先端位置が、後方側の車輪の先端位置から、入出庫位置にあるパレットの上面と入出庫平面との間の段差の高さ分下方にある位置と等しくなっている。このような構成により、パレットが入出庫位置にあるとき、前方側の車輪が入出庫平面(地上面)に接触すると共に、パレットの上面と入出庫平面との間の段差の高さ分、前方側の車輪よりも先端位置が上方にある後方側の車輪が、パレットの上面に接触するため、ベース部が略水平の状態になる。従って、入出庫位置にあるパレットから、より安定して円滑に引き出されるものとなる。
(3)上記(1)(2)項において、少なくとも前記入出庫位置と同じ高さ位置にあるパレットにおいて、前記引き出し方向への移動を防止するロック状態と、前記引き出し方向への移動を許容する解除状態との切り替えが可能なストッパ部材を備える立体駐車装置格納台車(請求項3)。
本項に記載の立体駐車装置格納台車は、少なくとも入出庫位置と同じ高さ位置にあるパレットにおける、引き出し方向への移動を防止するためのストッパ部材を備えている。このストッパ部材は、本立体駐車装置格納台車の、引き出し方向への移動を防止するロック状態と、引き出し方向への移動を許容する解除状態との切り替えが可能なものである。例えば、ストッパ部材は、利用者の操作によって、パレット上で本立体駐車装置格納台車を固定/解除するものであってもよく、車輪の回転を防止/解除するようなものであってもよい。これにより、パレットからの引き出し時を除いて、ストッパ部材が常にロック状態にされることで、特に入出庫位置と同じ高さ位置にあるパレットにおいて、横行動作時等の不本意なタイミングで、本立体駐車装置格納台車が引き出し方向に移動することが防止されるものである。そして、パレットからの引き出し時には、ストッパ部材がロック状態から解除状態へと切り替えられることで、入出庫位置にあるパレットから問題なく引き出されるものである。
(4)上記(1)から(3)項において、前記前方側の車輪の後方近傍において下方に延び、前記パレットに格納された状態において、前記パレット内に位置する脚部を含み、前記パレットが前記入出庫位置と同じ高さ位置にあるとき、前記前方側の車輪が前記入出庫平面に接触すると共に、前記脚部が前記パレットの上面に接触せずに前記後方側の車輪が前記パレットの上面に接触した状態になり、前記パレットが前記入出庫位置と異なる高さ位置にあるとき、前記前方側の車輪が前記入出庫平面に接触せずに、前記後方側の車輪と前記脚部とが前記パレットの上面に接触する状態になる立体駐車装置格納台車(請求項4)。
本項に記載の立体駐車装置格納台車は、前方側の車輪の後方近傍、すなわち、前方側の車輪の直ぐ後方の位置において、下方に延びる脚部を含むものであり、この脚部は、本立体駐車装置格納台車がパレットに格納された状態において、後方側の車輪と同様にパレット内に位置する。そして、パレットが入出庫位置と同じ高さ位置にあるときは、脚部がパレットの上面に接触せずに、上記(1)項に記載したように、パレットからはみ出た前方側の車輪が入出庫平面に接触し、パレット内に位置する後方側の車輪がパレットの上面に接触した状態になる。この状態では、パレットが入出庫位置にあるときに、例えば利用者によって引っ張られることで、本立体駐車装置格納台車がパレットから引き出されることとなる。
一方、パレットが入出庫位置と異なる高さ位置にあるときは、パレットからはみ出た前方側の車輪が、入出庫平面に接触せずに宙に浮いた状態になり、パレット内に位置する後方側の車輪と脚部とが、パレットの上面に接触した状態になる。すなわち、パレットの上面に接触している後方側の車輪と、前方側の車輪の直ぐ後方で下方に延びた脚部とにより、本立体駐車装置格納台車が支持される態様となる。この状態では、脚部がパレットの上面に接触していることにより、本立体駐車装置格納台車のパレット上での移動が防止されることになる。このように、本項に記載の立体駐車装置格納台車は、脚部を備えた単純な構成で、入出庫位置と異なる高さ位置に移動するパレットにも対応するものとなり、パレットが入出庫位置にあるときには、段差の如何に関わらず円滑に引き出される状態となり、パレットが入出庫位置と異なる高さ位置にあるときには、パレット上での移動が確実に防止されるものである。
(5)上記(1)から(4)項において、前記ベース部の周縁に囲い部が立設されている立体駐車装置格納台車。
本項に記載の立体駐車装置格納台車は、ベース部の周縁に囲い部が立設されていることで、ベース部に載置される荷物が、より確実にベース部上に保管されることとなり、延いては、本立体駐車装置格納台車による荷物の収容量が、高さ方向に増大するものとなる。更に、入出庫位置にあるパレットからの引き出し時に、利用者によって囲い部が掴まれることで、より容易にパレットから引き出されるものとなる。
(6)複数のパレットを備える立体駐車装置の運用方法であって、少なくとも1つのパレットに、上記(1)から(5)項のいずれか1項の立体駐車装置格納台車を格納する立体駐車装置の運用方法(請求項5)。
本項に記載の立体駐車装置の運用方法は、対象の立体駐車装置の少なくとも1つのパレットに、上記(1)から(5)項のいずれか1項の立体駐車装置格納台車を格納するものである。対象の立体駐車装置は、既存のもの、新設するもの、地下空間を含むもの、奥行方向に2つ以上のパレットが配置されるもの、地面を掘り下げずに構築したもの等の、何れの立体駐車装置であってもよく、各立体駐車装置に適した立体駐車装置格納台車を格納すればよい。これにより、上記(1)から(5)項の立体駐車装置格納台車と同等の作用を奏しながら、立体駐車装置を荷物の保管場所として運用するものである。
(7)上記(6)項において、前記立体駐車装置格納台車を格納するパレットに、該パレットに対する前記立体駐車装置格納台車の、前記横行動作の方向への移動を規制する規制手段を設ける立体駐車装置の運用方法(請求項6)。
本項に記載の立体駐車装置の運用方法は、立体駐車装置格納台車を格納するパレットに、このパレットに対する立体駐車装置格納台車の、横行動作の方向(立体駐車装置の正面視で左右方向)への移動を規制する規制手段を設けるものである。すなわち、入出庫位置と同じ高さ位置で横行動作を行うパレットに立体駐車装置格納台車を格納する場合、入出庫平面に接触する立体駐車装置格納台車の前方側の車輪は、横行動作の方向に転動可能に構成されているものの、パレットの横行動作に立体駐車装置格納台車が遅れることが懸念される。そこで、上記のような規制手段をパレットに設け、パレットに対する立体駐車装置格納台車の、横行動作の方向への移動を規制することで、パレットの横行動作に立体駐車装置格納台車を遅れずに追従させるものである。なお、可能であれば、車両のタイヤのガイド等のために、パレットの上面に予め設けられている凸条部や凹条部を、立体駐車装置格納台車用の規制手段として利用してもよい。
(8)上記(6)(7)項において、前記立体駐車装置格納台車を格納するパレットに、少なくとも前記後方側の車輪の移動をガイドするための案内手段を設ける立体駐車装置の運用方法。
本項に記載の立体駐車装置の運用方法は、立体駐車装置格納台車を格納するパレットに、少なくとも後方側の車輪の移動をガイドするための案内手段を設けるものである。このような案内手段としては、例えば、立体駐車装置格納台車の引き出し方向に沿って、パレットの上面に設けられたレール等が挙げられる。これにより、パレットからの立体駐車装置格納台車の引き出しを、より安定して円滑に行うものである。なお、可能であれば、車両のタイヤのガイド等のために、パレットの上面に予め設けられている凸条部や凹条部を、立体駐車装置格納台車用の案内手段として利用してもよい。すなわち、凸条部や凹条部に、案内手段と上記(7)項に記載した規制手段とを兼用させてもよい。
本発明はこのように構成したので、立体駐車装置の用途の幅を広げることが可能となる。
本発明の実施の形態に係る立体駐車装置格納台車を格納した立体駐車装置の正面図である。 本発明の実施の形態に係る立体駐車装置格納台車を示しており、(a)は側面図、(b)は後面図である。 図1の立体駐車装置のパレットに格納された立体駐車装置格納台車を側方から示しており、(a)はパレットが地面に着地した状態、(b)はパレットが地面よりも上にある状態を示している。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。ここで、図面の全体にわたって、同一部分又は対応する部分は、同一符号で示している。又、従来技術と同一部分、若しくは相当する部分については、詳しい説明を省略する。
図1は、本発明の実施の形態に係る立体駐車装置格納台車10を格納した、立体駐車装置30の構成の一例を示している。立体駐車装置格納台車10は、立体駐車装置30が備えるパレット32に車両に代えて格納され、パレット32が後述する入出庫位置36にあるときに、パレット32から図1の紙面と直交する手前方向に引き出されて使用されるものである。まず、図1を参照して、立体駐車装置30について概略的に説明すると、立体駐車装置30は、複数の支柱と複数の梁とによって構成された略矩形の構造体に、複数のパレット32が移動可能に支持された構造である。
図1の例において、立体駐車装置30は、地上3段5連基(図1中上下方向に3段、左右方向に5列)の構造であり、13基のパレット32を備えている。13基のパレット32のうち、図1において一番下の地上段に位置している4基のパレット32は、車両を入出庫する高さ位置で横行動作のみ行い、図1において中段に位置している4基のパレット32は、立体駐車装置30の利用者による呼び出し操作に応じて、何れかの入出庫位置36まで、上下方向及び左右方向に移動可能なものである。一方、図1において一番上の段に位置している5基のパレット32は、昇降動作のみ行うものである。各パレット32の、図1における左右方向の端部には、パレット32に車両が格納される際に、パレット32からの車両の脱輪を防止するための凸条部(40、44)が設けられている。
本実施例の立体駐車装置30は、地面を掘り下げずに構築されたものであり、入出庫に係るパレット32が呼び出される入出庫位置36が、一番下の地上段に設定され、入出庫位置36に広がる入出庫平面36aが地上面になっている。このため、入出庫位置36にあるパレット32の上面32aと、入出庫平面(地上面)36aとの間には、僅かな段差が生じる(図3(a)参照)。入出庫位置36は、立体駐車装置30の縦列毎の5箇所に設けられており、各入出庫位置36には、入出庫位置36に所望のパレット32が呼び出された後に開かれ、利用者の操作により閉じられる開閉ゲート34が設けられている。図1では、便宜上、最も右側にある入出庫位置36を除き、開閉ゲート34の一部を破断して図示している。
又、操作盤38は、立体駐車装置30の各操作を行うための入力が行われるものであり、例えばタッチパネル方式で、開閉ゲート34の開閉操作や、各パレット32の呼び出し操作等が入力されるものである。なお、図1の立体駐車装置30は、最上段にあるパレット32と中段にあるパレット32との上下方向の間隔よりも、中段にあるパレット32と地上段にあるパレット32との上下方向の間隔の方が、大きくなっているが、このような各パレット32間の上下方向の間隔は、立体駐車装置30を構成する支柱が対応する範囲内で、任意に設定可能なものである。
続いて、図2を参照して、本発明の実施の形態に係る立体駐車装置格納台車10の構造について説明する。立体駐車装置格納台車10は、ベース部12、車輪14、16、ストッパ部材18、脚部20、及び、囲い部22を備えている。ベース部12は、荷物が載置されるものであり、本実施例では、例えば各種の金属や強化樹脂製等の、矩形板状のものである。ベース部12の大きさは、ベース部12に載置される荷物の大きさや数量等に応じて任意に設定可能であるが、本実施例では、引き出し方向(図2(a)における左右方向)の長さが、パレット32の同方向の長さの半分程度の長さになっている(図3参照)。又、幅方向(図2(b)における左右方向)の長さは、図1で確認できるように、パレット32の同方向の長さより僅かに小さい長さであることが好ましい。
車輪14、16は、本実施例ではベース部12の底面12aに設けられ、パレット32(図1参照)からの立体駐車装置格納台車10の引き出し方向を基準として、前方側(図2(a)における左側)に設けられた車輪14と、後方側(図2(a)における右側)に設けられた車輪16とを、一対ずつ含む構成である。各車輪14、16の幅方向(図2(b)における左右方向)の位置は、ベース部12の幅方向の端部よりも、僅かにベース部12の幅方向の中心側に設定されている。前方側の一対の車輪14は、立体駐車装置格納台車10の引き出し及び格納方向(図2(a)における左右方向)への移動だけでなく、その方向と水平面において直交する幅方向(図2(b)における左右方向)への移動に対応するようになっている。具体的に、前方側の一対の車輪14は、本実施例では、入出庫平面36aに接触する大球を多数の小球で受けて回転させることで、平面方向の全てに転動可能な構成(例えば、株式会社井口機工製作所製のISBボールベアー)を採用している。
なお、前方側の車輪14は、上述した構成に限定されるものではなく、図2(a)、(b)の双方における左右方向の移動に対応するものであれば、別の構成であってもよい。一例として、前方側の車輪14は、車輪状の2つの本体部が同軸上に重ねられ、本体部の回転軸と直交する回転軸を有する複数の樽型ローラが、各本体部の円周上に等間隔かつ本体部間で互い違いの位置に設けられた構成(例えば、株式会社富士製作所製のオムニホイール(登録商標))であってもよい。この構成の場合、例えば、引き出し方向の移動が、車輪状の2つの本体部の回転で実現され、幅方向の移動が、本体部に設けられた何れかの樽型ローラ(本体部の回転位相に応じて、入出庫平面36aに接触している樽型ローラ)の回転で実現される。更に、前方側の車輪14は、所謂回転式のキャスターの如く、図2における上下方向の軸を中心軸として転回し、車輪の回転方向が変化する構成のものであってもよい。
ストッパ部材18は、立体駐車装置格納台車10を格納しているパレット32が、少なくとも入出庫位置36(図1参照)と同じ高さ位置にあるときに、そのパレット32における立体駐車装置格納台車10の引き出し方向への移動を防止するものである。本実施例において、ストッパ部材18は、後方側の車輪16の回転を防止するものであり、立体駐車装置格納台車10の前方側に設けられ、ベース部12の底面12a側を通してストッパ部材18に接続された操作部18aが、利用者等により操作されることで、後方側の車輪16の回転を防止するロック状態と、後方側の車輪16の回転を許容する解除状態との切り替えが可能になっている。なお、ストッパ部材18は、立体駐車装置格納台車10の引き出し方向への移動を防止/許容できるものであれば、上述した構成に限定されるものではなく、例えば、立体駐車装置格納台車10をパレット上に固定する別の部材であってもよい。更に、立体駐車装置格納台車10を格納するパレット32側に、ストッパ部材18に相当する部材を設けてもよい。
脚部20は、本実施例では2本設けられており、前方側の各車輪14の直ぐ後方において、ベース部12の底面12aから下方へ延びている。これら2本の脚部20の各々は、ベース部12上に荷物が載置された状態の立体駐車装置格納台車10の重量を支えることが可能な、太さや材料で形成されている。又、脚部20の少なくとも先端部20aは、詳しくは後述するが、パレット32の上面32a(図3参照)に接触したときに、パレット32上での立体駐車装置格納台車10の移動を防止できるような摩擦力を発揮する材料で形成されている。
ここで、ベース部12の底面12aと直交する高さ方向(図2における上下方向)に係る、前方側及び後方側の車輪14、16と脚部20との先端位置について言及する。前方側及び後方側の車輪14、16の先端位置14a、16aは、夫々、ベース部12の底面12aから距離L1、L2(以下、「前方側の車輪の長さL1」及び「後方側の車輪16の長さL2」とも言う。)の位置にあり、脚部20の先端位置20bは、ベース部12の底面12aから距離L3(以下、「脚部20の長さL3」とも言う。)の位置にある。そして、距離L1は、入出庫位置36にあるパレット32の上面32aと、入出庫平面(地上面)36aとの間の段差の高さL4(図3(a)参照)を、距離L2に対して加えた距離に等しくなっている。又、距離L3は、距離L2よりも小さくなっている。
一方、囲い部22は、ベース部12の周縁に立設されており、本実施例では、各種の金属や強化樹脂等でメッシュ状に形成されている。囲い部22の高さは、ベース部12に載置される荷物の大きさや数量、立体駐車装置30の各パレット32間の高さ方向の間隔等に応じて、任意に設定される。
上述したような立体駐車装置格納台車10は、図3に示すように、前方側の車輪14がパレット32からはみ出し、脚部20及び後方側の車輪16がパレット32上に位置する状態で、パレット32に格納される。このとき、ストッパ部材18は、後方側の車輪16の回転を防止するロック状態にされる。そして、図3(a)に示すように、パレット32が入出庫位置36(若しくはそれと同じ高さ位置)にあるとき、前方側の車輪14が入出庫位置36の入出庫平面(地上面)36aに接触すると共に、後方側の車輪16がパレット32の上面32aに接触する。すると、図2(a)に示したように、前方側の車輪14の長さL1は、後方側の車輪16の長さL2に、パレット32の上面32aと入出庫位置36の入出庫平面36aとの間の段差の高さL4を加えた長さに等しいため、立体駐車装置格納台車10は水平の状態になる。更に、脚部20の長さL3は、後方側の車輪16の長さL2よりも小さいため、脚部20がパレット32の上面32aから離れた状態になる。
ここで、パレット32及び立体駐車装置格納台車10の幅方向について言及すると、上述したように、パレット32の幅方向端部には凸条部が設けられ、立体駐車装置格納台車10のベース部12の幅方向の長さは、パレット32の同方向の長さより僅かに小さく、各車輪14、16の幅方向の位置は、ベース部12の幅方向の端部よりも僅かにベース部12の幅方向の中心側にある。このため、図1で確認できるように、立体駐車装置格納台車10がパレット32に格納された状態において、各車輪14、16は、パレット32に設けられた凸条部(40、44)に近接して、凸条部の間に位置する態様になる。このため、本実施例では、パレット32に設けられた凸条部が、立体駐車装置格納台車10の後方側の車輪16の移動をガイドする案内手段40と、パレット32に対する立体駐車装置格納台車10の横行動作の方向への移動を規制する規制手段44との役割を果たすことになる。なお、パレット32に予め設けられた凸条部とは別に、後方側の車輪16の位置や大きさ等に合わせて、後方側の車輪16の移動をガイドする専用の案内手段40をパレット32に設けてもよく、同様に、パレット32に対する立体駐車装置格納台車10の横行動作の方向への移動を規制する、専用の規制手段44をパレット32に設けてもよい。
図3(a)に戻ると、図示されているパレット32が、入出庫位置36と同じ高さ位置で横行動作を行う場合、入出庫平面36aに接触している前方側の車輪14が、パレット32の横行動作の方向(図3における紙面と直交する方向)へ転動する。このとき、立体駐車装置格納台車10は、パレット32に対する横行動作の方向への移動が、規制手段44(図1参照)により規制され、引き出し方向への移動が、ロック状態にあるストッパ部材18により防止される。一方、図3(a)に示されているパレット32から、立体駐車装置格納台車10が引き出される場合、入出庫位置36へのパレット32の到着や、操作盤38(図1参照)に対する利用者の操作等に応じて、開閉ゲート34(図1参照)が開かれる。そして、利用者により操作部18aが操作され、ストッパ部材18がロック状態から解除状態へと切り替えられた後、後方側の車輪16が案内手段40(図1参照)によりガイドされながら、図3(a)の左側に仮想線で示すように、パレット32から立体駐車装置格納台車10が引き出されることになる。
他方、図3(b)に示すように、パレット32が入出庫位置36と異なる高さ位置(本実施例では入出庫位置36よりも高い位置)にあるとき、脚部20と後方側の車輪16とが、パレット32の上面32aに接触した状態になり、前方側の車輪14が宙に浮いた状態になる。このとき、図2(a)に示したように、脚部20の長さL3は、後方側の車輪の長さL2よりも小さいため、立体駐車装置格納台車10は、前方側(図3の左側)が僅かに下方に沈んだ状態になる。この状態では、脚部20の先端20aがパレット32の上面32aに接触することで、パレット32上での立体駐車装置格納台車10の移動が防止される。なお、図3において、符号42で図示しているものは、パレット32の昇降動作に係る吊チェーン(吊ワイヤ)である。
さて、上記構成をなす本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能である。すなわち、本発明の実施の形態に係る立体駐車装置格納台車10は、図1及び図3に示すように、立体駐車装置30が備える複数のパレット32のうち、少なくとも入出庫位置36と同じ高さ位置にて横行動作を行うパレット32に対し車両に代えて格納され、格納しているパレット32が入出庫位置36にある状態で、パレット32から引き出されて使用されるものである。具体的には、図2に示すように、ベース部12と車輪14、16とを備え、ベース部12には任意の荷物が載置される。車輪14、16は、立体駐車装置格納台車10がパレット32上を移動する際に用いられるものであり、パレット32から引き出す方向(図2(a)における左方向)を前方、それと反対方向(図2(a)における右方向)を後方として、立体駐車装置格納台車10の前方側及び後方側の夫々に設けられている。このような構成により、ベース部12に荷物が載置された状態で、立体駐車装置30のパレット32に格納されることで、立体駐車装置30を荷物の保管場所へと転用させることができる。しかも、車輪14、16を介してパレット32から引き出すことができるため、ベース部12への荷物の出し入れを容易に行うことができる。
更に、本発明の実施の形態に係る立体駐車装置格納台車10は、図3に示すように、後方側の車輪16がパレット32内に位置し、前方側の車輪14がパレット32から前方側にはみ出る態様で、パレット32に格納されるものである。すなわち、図3のようにパレット32を側方から視ると、立体駐車装置格納台車10の、前方側の車輪14を含む前方側の部位が、パレット32の前端よりも前方へ突き出た状態になる。そして、図3(a)に示すように、パレット32が入出庫位置36(又は入出庫位置36と同じ高さ位置)にあるとき、パレット32からはみ出た前方側の車輪14が、入出庫位置36に広がる入出庫平面36aに接触し、パレット32内に位置する後方側の車輪16が、パレット32の上面32aに接触した状態になる。
すなわち、入出庫平面36aに接触している前方側の車輪14と、パレット32の上面32aに接触している後方側の車輪16とにより、立体駐車装置格納台車10が支持される態様となる。この状態では、例えば利用者によって引っ張られることで、前方側の車輪14は入出庫平面36a上を、後方側の車輪16はパレット32上を夫々移動して、立体駐車装置格納台車10をパレット32から引き出すことができる。しかも、図3(b)に示すように、入出庫位置36にあるパレット32の上面32aと、入出庫位置36に広がる入出庫平面36aとの間に段差があるような場合であっても、後方側の車輪16が段差に達する手前までは、前方側及び後方側の双方の車輪14、16が段差を通ることはないため、円滑に引き出すことが可能となる。
加えて、本発明の実施の形態に係る立体駐車装置格納台車10は、前方側の車輪14が、少なくとも立体駐車装置格納台車10の引き出し方向(図2(a)及び図3における左右方向)と、この引き出し方向と水平面において直交する幅方向(図1及び図2(b)における左右方向)との、双方に転動可能に構成されているものである。これにより、立体駐車装置30のパレット32が、入出庫位置36と同じ高さ位置において幅方向に移動(横行動作)するものであっても、幅方向の移動に対応した前方側の車輪14が、入出庫平面36aに接触しているため、パレット32の幅方向の移動に問題なく追従することができる。
上記のように、本発明の実施の形態に係る立体駐車装置格納台車10は、荷物の保管場所への転用に適した各構成を備えることで、通常の立体倉庫と比較して、保管する荷物の容量が大きく、使い勝手も良い保管場所へと転用させ、立体駐車装置30の用途の幅を広げることが可能となる。
又、本発明の実施の形態に係る立体駐車装置格納台車10は、図1に示すように、入出庫平面36aが地上面であり、入出庫位置36にあるパレット32が入出庫平面36aに対して高くなる態様で段差を有する立体駐車装置30に格納されてもよいものである。すなわち、例えば、既存の設備等に掘り下げずに構築された立体駐車装置30に対応するものである。このような立体駐車装置30に対応するために、立体駐車装置格納台車10は、図2に示すように、ベース部12の底面12aと直交する高さ方向に係る、前方側及び後方側の車輪14、16の位置について、前方側の車輪14の先端位置14aが、後方側の車輪16の先端位置16aから、入出庫位置36にあるパレット32の上面32aと入出庫平面36aとの間の段差の高さL4(図3(a)参照)分下方にある位置と等しく(L1=L2+L4)なっている。このような構成により、図3(a)に示すように、パレット32が入出庫位置36にあるとき、前方側の車輪14が入出庫平面(地上面)36aに接触すると共に、パレット32の上面32aと入出庫平面36aとの間の段差の高さL4分、前方側の車輪14よりも先端位置16aが上方にある後方側の車輪16が、パレット32の上面32aに接触するため、ベース部12が略水平の状態になる。従って、入出庫位置36にあるパレット32から、より安定して円滑に引き出すことが可能となる。
なお、本発明の実施の形態に係る立体駐車装置格納台車10は、パレット32が入出庫位置36にあるとき、前方側の車輪14が入出庫平面36aに接触すると共に、後方側の車輪16がパレット32の上面32aに接触した状態になれば、前方側の車輪14の長さL1が、後方側の車輪16の長さL2に、パレット32の上面32aと入出庫位置36の入出庫平面36aとの間の段差の高さL4を加えた長さに、必ずしも等しくならなくてよい。この場合、パレット32が入出庫位置36にあるとき、ベース部12が水平の状態にならないが、立体駐車装置格納台車10は問題なく利用可能である。
更に、本発明の実施の形態に係る立体駐車装置格納台車10は、図2に示すように、少なくとも入出庫位置36と同じ高さ位置にあるパレットにおける、引き出し方向(図2(a)における左右方向)への移動を防止するためのストッパ部材18を備えている。このストッパ部材18は、立体駐車装置格納台車10の、引き出し方向への移動を防止するロック状態と、引き出し方向への移動を許容する解除状態との切り替えが可能なものである。図2の例において、ストッパ部材18は、利用者によって操作部18aが操作されることで、後方側の車輪16の回転の防止/解除が切り替えられるようになっている。これにより、パレット32からの引き出し時を除いて、ストッパ部材18が常にロック状態にされることで、特に入出庫位置36と同じ高さ位置にあるパレット36において、横行動作時等の不本意なタイミングで、立体駐車装置格納台車10が引き出し方向に移動することを防止することができる。そして、パレット32からの引き出し時には、ストッパ部材18がロック状態から解除状態へと切り替えられることで、入出庫位置36にあるパレット32から問題なく引き出すことができる。
又、本発明の実施の形態に係る立体駐車装置格納台車10は、前方側の車輪14の後方近傍、すなわち、前方側の車輪14の直ぐ後方の位置において、下方に延びる脚部20を含んでいてもよい。この脚部20は、立体駐車装置格納台車10がパレット32に格納された状態において、後方側の車輪16と同様にパレット32内に位置する。そして、図3(a)に示すように、パレット32が入出庫位置36(又はそれと同じ高さ位置)にあるときは、脚部20がパレット32の上面32aに接触せずに、上述したように、パレット32からはみ出た前方側の車輪14が入出庫平面36aに接触し、パレット32内に位置する後方側の車輪16がパレット32の上面32aに接触した状態になる。この状態では、例えば利用者が引っ張ることで、立体駐車装置格納台車10をパレットから引き出すことができる。
一方、図3(b)に示すように、パレット32が入出庫位置36と異なる高さ位置にあるときは、パレット32からはみ出た前方側の車輪14が、入出庫平面36aに接触せずに宙に浮いた状態になり、パレット32内に位置する後方側の車輪16と脚部20とが、パレット32の上面32aに接触した状態になる。すなわち、パレット32の上面32aに接触している後方側の車輪16と、前方側の車輪14の直ぐ後方で下方に延びた脚部20とにより、立体駐車装置格納台車10が支持される態様となる。この状態では、脚部20がパレット32の上面32aに接触していることにより、立体駐車装置格納台車10のパレット32上での移動を防止することができる。
このように、本発明の実施の形態に係る立体駐車装置格納台車10は、脚部20を備えた単純な構成で、入出庫位置36と異なる高さ位置に移動するパレット32にも対応することができ、パレット32が入出庫位置36にあるときには、段差の如何に関わらず円滑に引き出すことができ、パレット32が入出庫位置36と異なる高さ位置にあるときには、パレット32上での移動を確実に防止することが可能となる。なお、本発明の実施の形態に係る立体駐車装置格納台車10は、脚部20の本数が、2本に限定されるものではなく、1本或いは3本以上であってもよい。脚部20は、何れの本数であっても、パレット32が入出庫位置36と異なる高さ位置にあるときに、後方側の車輪16と共に、立体駐車装置格納台車10全体をバランス良く支えることができる位置に設けられる。
加えて、本発明の実施の形態に係る立体駐車装置格納台車10は、図2に示すように、ベース部12の周縁に囲い部22が立設されていることで、ベース部12に載置される荷物を、より確実にベース部12上に保管することができ、延いては、立体駐車装置格納台車10による荷物の収容量を、高さ方向に増大させることができる。更に、入出庫位置36にあるパレット32からの引き出し時に、利用者によって囲い部22が掴まれることで、より容易にパレット32から引き出すことが可能となる。
一方、本発明の実施の形態に係る立体駐車装置の運用方法は、対象の立体駐車装置30の少なくとも1つのパレット32に、上述したような立体駐車装置格納台車10を格納するものである。対象の立体駐車装置30は、既存のもの、新設するもの、地下空間を含むもの、奥行方向に2つ以上のパレット32が配置されるもの、地面を掘り下げずに構築したもの等の、何れの立体駐車装置30であってもよく、各立体駐車装置30に適した立体駐車装置格納台車10を格納すればよい。これにより、上記の立体駐車装置格納台車10と同等の作用効果を奏しながら、立体駐車装置30を荷物の保管場所として運用することが可能となる。
又、本発明の実施の形態に係る立体駐車装置の運用方法は、立体駐車装置格納台車10を格納するパレット32に、このパレット32に対する立体駐車装置格納台車10の、横行動作の方向(図1における左右方向)への移動を規制する規制手段44を設けてもよい。すなわち、入出庫位置36と同じ高さ位置で横行動作を行うパレット32に立体駐車装置格納台車10を格納する場合、入出庫平面36aに接触する立体駐車装置格納台車10の前方側の車輪14は、横行動作の方向に転動可能に構成されているものの、パレット32の横行動作に立体駐車装置格納台車10が遅れることが懸念される。そこで、上記のような規制手段44をパレット32に設け、パレット32に対する立体駐車装置格納台車10の、横行動作の方向への移動を規制することで、パレット32の横行動作に立体駐車装置格納台車10を遅れずに追従させることができる。図1の例では、車両のタイヤのガイド等のために、パレット32の上面に予め設けられている凸条部(44)を、立体駐車装置格納台車10用の規制手段44として利用している。
更に、本発明の実施の形態に係る立体駐車装置の運用方法は、立体駐車装置格納台車10を格納するパレット32に、少なくとも後方側の車輪16の移動をガイドするための案内手段40を設けてもよい。このような案内手段40としては、例えば、立体駐車装置格納台車10の引き出し方向に沿って、パレット32の上面32aに設けられたレール等が挙げられる。これにより、パレット32からの立体駐車装置格納台車10の引き出しを、より安定して円滑に行うことができる。なお、図1の例のように、車両のタイヤのガイド等のために、パレット32の上面に予め設けられている凸条部(40)や凹条部を、立体駐車装置格納台車10用の案内手段40として利用することもできる。すなわち、パレット32に設けられた凸条部に、案内手段40と規制手段44とを兼用させてもよい。
10:立体駐車装置格納台車、12:ベース部、12a:ベース部の底面、14:前方側の車輪、14a:前方側の車輪の先端位置、16:後方側の車輪、16a:後方側の車輪の先端位置、18:ストッパ部材、20:脚部、30:立体駐車装置、32:パレット、32a:パレットの上面、36:入出庫位置、36a:入出庫平面、44:規制手段

Claims (6)

  1. 複数のパレットを備え、それらのパレットが上下方向又は左右方向の少なくとも一方に移動することで、入出庫に係るパレットが所定の入出庫位置へと呼び出される立体駐車装置において、前記複数のパレットのうち、少なくとも前記入出庫位置と同じ高さ位置にて横行動作を行うパレットに対し車両に代えて格納され、必要に応じて前記入出庫位置にて前記パレットから引き出される台車であって、
    荷物が載置されるベース部と、前記パレットからの引き出し方向を基準として、前方側及び後方側に各々設けられ、前記パレット上を移動する際に用いられる車輪と、を含み、
    前記後方側の車輪が前記パレット内に位置し、前記前方側の車輪が前記パレットから前方側にはみ出る態様で、前記パレットに格納され、前記パレットが前記入出庫位置と同じ高さ位置にあるとき、前記前方側の車輪が前記入出庫位置に広がる入出庫平面に接触すると共に、前記後方側の車輪が前記パレットの上面に接触した状態になり、
    前記前方側の車輪が、少なくとも前記引き出し方向と、該引き出し方向と水平面において直交する方向との、双方の移動に対応することを特徴とする立体駐車装置格納台車。
  2. 前記立体駐車装置は、前記入出庫平面が地上面であり、前記入出庫位置にあるパレットが、前記入出庫平面に対して高くなる態様で段差を有し、
    前記ベース部の底面と直交する高さ方向に係る、前記前方側及び後方側の車輪の位置について、前記前方側の車輪の先端位置は、前記後方側の車輪の先端位置から、前記入出庫位置にある前記パレットの上面と前記入出庫平面との間の段差の高さ分下方にある位置と等しいことを特徴とする請求項1記載の立体駐車装置格納台車。
  3. 少なくとも前記入出庫位置と同じ高さ位置にあるパレットにおいて、前記引き出し方向への移動を防止するロック状態と、前記引き出し方向への移動を許容する解除状態との切り替えが可能なストッパ部材を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の立体駐車装置格納台車。
  4. 前記前方側の車輪の後方近傍において下方に延び、前記パレットに格納された状態において、前記パレット内に位置する脚部を含み、
    前記パレットが前記入出庫位置と同じ高さ位置にあるとき、前記前方側の車輪が前記入出庫平面に接触すると共に、前記脚部が前記パレットの上面に接触せずに前記後方側の車輪が前記パレットの上面に接触した状態になり、前記パレットが前記入出庫位置と異なる高さ位置にあるとき、前記前方側の車輪が前記入出庫平面に接触せずに、前記後方側の車輪と前記脚部とが前記パレットの上面に接触する状態になることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の立体駐車装置格納台車。
  5. 複数のパレットを備える立体駐車装置の運用方法であって、少なくとも1つのパレットに、請求項1から4のいずれか1項記載の立体駐車装置格納台車を格納することを特徴とする立体駐車装置の運用方法。
  6. 前記立体駐車装置格納台車を格納するパレットに、該パレットに対する前記立体駐車装置格納台車の、前記横行動作の方向への移動を規制する規制手段を設けることを特徴とする請求項5記載の立体駐車装置の運用方法。
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