本明細書には、親水基、「頭(head)」(例えば、ポリオール(例えば、糖類))に共有結合的に付けられたペプチド及び/又はタンパク質を含む、修飾されたペプチド及び/又はタンパク質が提供され;親水基は、疎水基、「尾(tail)」に共有結合的に付けられ、それによって、界面活性物質を生成する。幾つかの実施形態では、ペプチドまたはタンパク質の共有結合修飾のための疎水性結合のグリコシド界面活性物質(例えば、アルキルグリコシド)部分の使用は、身体内の投与の部位での薬物の沈着物(depots)の形成および疎水性担体タンパク質に対する結合を含む、複数の機構によるペプチドまたはタンパク質の作用の持続時間を延長する。幾つかの実施形態では、ペプチド及び/又はタンパク質構造への立体障害の組み込みによって、ペプチド及び/又はタンパク質生成物へのプロテアーゼの接近を防ぐことができ、それによって、タンパク質分解を防ぐ。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるようなペプチド及び/又はタンパク質の界面活性物質の修飾(例えば、界面活性物質のアルキルグリコシドクラスの共有結合的な付着)は、粘膜関門にわたる移動を増加させる。したがって、本明細書に記載されるペプチド及び/又はタンパク質の修飾は、限定されないが、タンパク質分解からの保護、および投与の部位からの遅延した運動を含む、望ましい恩恵を提供し、それによって、持続性の薬物動態学的行動(例えば、循環するt1/2の延長)および改善された口腔粘膜のバイオアベイラビリティにつながる。
幾つかの実施形態では、改善されたペプチド及び/又はタンパク質のそれらの受容体との相互作用は、配列のトランケーション、制約(constraint)の導入、及び/又は立体障害の組み込みによる有益な方法で修飾される。本明細書には、修飾されたペプチド及び/又はタンパク質における剛性および立体の障害の両方の組み込みを可能にする、新しいアルキルグリコシド試薬が記載される。幾つかの実施形態では、立体障害は、本明細書に記載される修飾されたペプチド及び/又はタンパク質に対する受容体選択性を与える。幾つかの実施形態では、立体障害は、タンパク質分解からの保護を提供する。
タンパク質およびペプチドは、効能および安全性に影響を与え得る、多数の物理的および化学的な変化を受ける。これらの中では、凝集があり、これは、二量体形成、三量体形成、およびアミロイドなどの高次凝集の形成を含む。凝集は、ペプチド及び/又はタンパク質ベースの治療に対する複数の潜在的に有害な作用の根底にある、主要問題であり、これは、効力の損失、変更された薬物動態、減少した安定性または生成物の貯蔵寿命、および望ましくない免疫原性の誘発を含む。自己会合(self−associating)ペプチドのバイオアベイラビリティおよび薬物動態は、凝集の大きさ、および皮下の部位での非共有結合的な分子間相互作用の破壊(disruption)の容易性による影響を受け得る(Maji, S.K., et al. (2008) PLoS Biol 6: e17)。幾つかの例では、ペプチドは、30日以上のt1/2で分離する(disassociate with)皮下の貯蔵所へと凝集することができる。このようなゆっくりした分解は、単一の皮下注射からの1か月間の送達などの、好ましい効果につながり得、低い血中濃度を引き起こすため、ペプチドはインビボで不活性であるように見える。したがって、疎水性の凝集は、ペプチドのバイオアベイラビリティおよび有効性を完全に排除するように見える(Clodfelter, D.K., et al. (1998) Pharm Res 15: 254−262)。
凝集は、投与されたペプチド及び/又はタンパク質の治療薬の増加した免疫原性に関係している。この問題を回避する1つの手段は、より低い濃度の溶液と作用させることであるが、濃縮されたペプチドおよびタンパク質溶液は、投与の容易性のための幾つかの例において望ましい。幾つかの例では、精製と濃縮の間にペプチド及び/又はタンパク質溶液にポリオール(例えば、単糖またはオリゴ糖)またはアルキルグリコシドを加えることによって、凝集は減少または除去され、製造プロセス中のより大きな有効性が提供され、免疫原でない可能性がより少ない最終生産物が提供される。
FDAおよび他の取り締まり機関は、特に、望ましくない免疫原性に対するこの潜在的な結合のために、凝集の精査を拡大している。自己会合ペプチドの免疫原性は、非共有結合的な分子間相互作用の結果としての凝集の形成による影響を受け得る。例えば、インターフェロンは、凝集すると示され、結果的に抗体反応がもたらされる(Hermeling, S., et al. (2006) J Pharm Sci 95: 1084−1096)。エリスロポエチンに対する抗体反応は、血清アルブミンの源および濃度を変更した製剤の変化後に、組換えEPO(Casadevall, N., et al. (2002) N Engl J Med 346: 469−475)を受ける多くの患者において、潜在的に生命を脅かす副作用である、「 赤血球糸無形成症」をもたらした。インスリンは、冷蔵貯蔵において見られる温度を超える温度で撹拌後にタンパク質凝集が原因で活性を失う(Pezron, I., et al. (2002) J Pharm Sci 91: 1135−1146, Sluzky, V., et al. (1991) Proc Natl Acad Sci U S A 88: 9377−9381)。モノクローナル抗体ベース治療は、タンパク質凝集の結果として不活性になりやすい(King, H.D., et al. (2002) J Med Chem 45: 4336−4343)。高濃度のモノクローナル抗体製剤は、これらの抗体の凝集する潜在性に関連した、安定性、製造、および送達の難題をもたらしている。酵素もまた、凝集の結果として活性を失い得る。例えば、ウロキナーゼの熱失活は、凝集を介して生じることが報告されている(Porter, W.R., et al. (1993) Thromb Res 71: 265−279)。
凍結乾燥中のタンパク質の安定化もまた、問題を引き起こしている。タンパク質治療は、しばしば、凝集の形成および沈澱の結果として、凍結乾燥と再構成の後に生物学的活性を失う。幾つかの例では、(例えば、多糖類、ポリリン酸塩、アミノ酸、ポリエチレングリコール(PEG)および様々な界面活性物質を含む)再構成の添加剤(Zhang, M.Z., et al. (1995) Pharm Res 12: 1447−1452, Vrkljan, M., et al. (1994) Pharm Res 11: 1004−1008)を加えることによって、凝集が減少される。幾つかの場合では、アルコール、または他の有機溶媒の組み合わせが、溶解化に使用される。トリフルオロエタノールは、ペプチド構造の維持に有効であり、様々なペプチドを安定させるために、混合物中で使用されてきた(Roccatano, D., et al. (2002) Proc Natl Acad Sci U S A 99: 12179−12184)。このような薬剤が、粘膜組織に厳しい効果があり得、その結果、患者の不快感または局所的な毒性作用を引き起こす危険がある。米国特許第7,390,788号および米国特許第7,425,542号は、優しい、非イオン性界面活性物質のような効果のために安定剤としてのアルキルグリコシドの使用を記載する。しかしながら、ペプチド及び/又はタンパク質構造自体へのアルキルグリコシドの共有結合的な組み込みが、これまでには記載されてこなかった。
タンパク質に共有結合的に付けられている、頻繁に自然発生するオリゴ糖には、界面活性物質の特徴はない。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるペプチド及び/又はタンパク質生成物は、共有結合的に付けられた糖類、および修飾されたペプチドに対して界面活性物質の特徴を与える、追加の疎水基を有し、それによって、界面活性物質で修飾されたペプチドの、バイオアベイラビリティ、免疫原性、及び/又は薬物動態学行動の同調が可能となる。
オリゴ糖で修飾されたタンパク質およびプチドは、酵素を使用する、糖類またはオリゴ糖の組み込み(Gijsen, H.J., et al. (1996) Chem Rev 96: 443−474; Sears, P. and Wong, C.H. (1998) Cell Mol Life Sci 54: 223−252; Guo, Z. and Shao, N. (2005) Med Res Rev 25: 655−678)、または化学的な手法(Urge, L. , et al. (1992) Biochem Biophys Res Commun 184: 1125−1132; Salvador, L.A., et al. (1995) Tetrahedron 51: 5643−5656; Kihlberg, J., et al. (1997) Methods Enzymol 289: 221−245; Gregoriadis, G., et al. (2000) Cell Mol Life Sci 57: 1964−1969; Chakraborty, T.K., et al. (2005) Glycoconj J 22: 83−93; Liu, M., et al. (2005) Carbohydr Res 340: 2111−2122; Payne, R.J., et al. (2007) J Am Chem Soc 129: 13527−13536; Pedersen, S.L., et al. (2010) Chembiochem 11: 366−374)を介して、例えば、Jensen, K.J. and Brask, J. (2005) Biopolymers 80: 747−761に記載されている。タンパク質と同様にペプチドも、グリコシル化によって修飾されてきた(Filira, F., et al. (2003) Org Biomol Chem 1: 3059−3063); (Negri, L., et al. (1999) J Med Chem 42: 400−404); (Negri, L., et al. (1998) Br J Pharmacol 124: 1516−1522); Rocchi, R., et al. (1987) Int J Pept Protein Res 29: 250−261; Filira, F., et al. (1990) Int J Biol Macromol 12: 41−49; Gobbo, M., et al. (1992) Int J Pept Protein Res 40: 54−61; Urge, L., et al. (1992) Biochem Biophys Res Commun 184: 1125−1132; Djedaini−Pilard, F., et al. (1993) Tetrahedron Lett 34: 2457 − 2460; Drouillat, B., et al. (1997) Bioorg Med Chem Lett 7: 2247−2250; Lohof, E., et al. (2000) Angew Chem Int Ed Engl 39: 2761−2764; Gruner, S.A., et al. (2001) Org Lett 3: 3723−3725; Pean, C., et al. (2001) Biochim Biophys Acta 1541: 150−160; Filira, F., et al. (2003) Org Biomol Chem 1: 3059−3063; Grotenbreg, G.M., et al. (2004) J Org Chem 69: 7851−7859; Biondi, L., et al. (2007) J Pept Sci 13: 179−189; Koda, Y., et al. (2008) Bioorg Med Chem 16: 6286−6296; Lowery J.J., et al. (2011) J Pharmacol Exptl Therap 336: 767−78; Yamamoto, T., et al. (2009) J Med Chem 52: 5164−5175)。
しかしながら、前述の試みは、ペプチドに結合したオリゴ糖に付けられた追加の疎水基を記載していない。したがって、本明細書には、ペプチド及び/又はタンパク質に共有結合的に付けられ、バイオアベイラビリティ、免疫原性および薬物動態学的行動の同調を可能にする、糖類及び/又はオリゴ糖に付けられた疎水基を組み込む、修飾されたペプチド及び/又はタンパク質が提供される。したがって、本明細書にはまた、オリゴ糖および疎水基を含む、界面活性物質の試薬が提供され、これは、ペプチド及び/又はタンパク質の修飾を可能にする。
本明細書には、ペプチド及び/又はタンパク質の特性を改善するためのペプチドに対する共有結合における糖類ベースの界面活性物質の使用が提供される。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるようなペプチド及び/又はタンパク質の界面活性物質の修飾(例えば、界面活性物質のアルキルグリコシドクラスの共有結合的な付着)は、粘膜関門にわたる移動を増加させる。幾つかの実施形態では、ペプチド及び/又はタンパク質生成物に対して界面活性物質を共有結合的に付けることによって、ペプチド及び/又はタンパク質の凝集が防がれる。
本明細書に記載される界面活性物質で修飾されたペプチド及び/又はタンパク質は、新しいペプチドおよびタンパク質の修飾因子としてのアルキルグリコシドなどの界面活性物質の共有結合的な組み込みを介して、限定されないが、作用の短い持続時間、乏しいバイオアベイラビリティ、凝集、免疫原性、および受容体サブタイプの特異性の欠如を含む、ペプチド製剤の限界を克服する。
特定の例では、界面活性物質の効果は、医薬製剤の物理的な性質または効能に対して有益であるが、皮膚及び/又は他の組織に対して刺激的であり、特に、鼻、口、眼、膣、直腸、バッカルまたは舌下の領域において見られるなど、粘膜に対して刺激的である。さらに、幾つかの例では、界面活性物質は、タンパク質を変性させるため、それらの生体機能を破壊する。界面活性物質が、臨界ミセル濃度(CMC)上に効果を発揮するため、低いCMCを有する界面活性物質は望ましく、その結果、それらは、低濃度で、または医薬製剤中の少量で効果を有して利用され得る。したがって、幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるペプチド修飾に適した界面活性物質(例えば、アルキルグリコシド)は、純水または水溶液中で約1mM未満のCMCを有している。ほんの一例として、水中のアルキルグリコシドに対する特定のCMCの値は:オクチルマルトシド 19.5mM;デシルマルトシド 1.8mM;ドデシル−β−D−マルトシド 0.17mM;トリデシルマルトシド 0.03mM;テトラデシルマルトシド 0.01mM;スクロースドデカノアート 0.3mM、である。当然のことながら、適切な界面活性物質は、修飾されるペプチド及び/又はタンパク質によって、より高い又はより低いCMCを有し得る。本明細書で使用されるように、「臨界ミセル濃度」または「CMC」は、溶液中のミセル(球状ミセル、円形ロッド、ラメラ構造など)の形成が開始される溶液中での両親媒性の成分(アルキルグリコシド)の濃度である。特定の実施形態では、アルキルグリコシドドデシル、トリデシル、およびテトラデシルマルトシドまたはグルコシドは、スクロースドデカノアート、トリデカノアート、およびテトラデカノアートと同様に、より低いCMCを有し、本明細書に記載されるペプチド及び/又はタンパク質の修飾に適している。
<オピオイドペプチドおよびアナログ>
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるペプチド修飾の方法に適用可能なペプチド治療薬のクラスは、ペプチドオピオイドのクラスである。このクラスは、ミュー(MOR)、デルタ(DOR)、およびカッパ(KOR)のオピオイド受容体に対する結合を介して実行される、身体における非常に広範囲な機能を有している、内因性のペプチドオピオイドに由来する(Schiller, P.W. (2005) AAPS J 7: E560−565)。ほとんどの対象のそれらの役割は、疼痛信号を修飾することであり、特に、疼痛信号の伝達および感知を抑止することである。このような薬剤の開発において、中枢副作用(呼吸抑制、自己投与からの恩恵を示す場所選択性(place preference indicating reward from self administration))は、主要な問題であり、そのため、周囲で作用する薬剤が魅力的であろう(Stein, C., et al. (2009) Brain Res Rev 60: 90−113)。多くの研究所からの研究は、最適なクラスの薬剤が、デルタ受容体拮抗の可能性を有する、ミューオピオイド受容体のアゴニズムを有するであろうと示唆してきた(Schiller, P.W. (2010) Life Sci 86: 598−603)。
エンドモルフィン(Janecka, A., et al. (2007) Curr Med Chem 14: 3201−3208)は、主として、ミュー受容体に特異的であるが、フレームワーク(framework)の賢明な修飾は、結果的に、ミューおよびデルタの選択性の両方を有する分子をもたらすことができる(Lazarus, L.H. and Okada, Y. (2012) Expert Opin Ther Patents 22: 1−14; Keresztes, A., et al. (2010) ChemMedChem 5: 1176−96)。デルモルフィンファミリーに由来するのは、アナログのDALDAクラスである(Schiller, P.W. (2010) Life Sci 86: 598−603)。またデルモルフィンファミリーに由来するのは、ペプチドのTIPPファミリーである(Schiller, P.W., et al., (1999) Biopolymers 51:411−25)。本明細書には、アルキルグリコシド界面活性物質の糖類群に共有結合的に付けられ、改善された薬学的特性を有する、特定のオピオイドペプチドが記載される。
本明細書に記載される典型的な合成ペプチドアナログは、エンドモルフィンに由来するものもあれば、デルモルフィンに由来するものもあり、天然のペプチドオピオイド配列の2つのクラスがある。1つの態様では、天然の配列の本発明のペプチドアナログは、EU−A101乃至EU−A115によって例証されるような、エンドルフィン関連の配列である。別の態様では、ペプチドアナログは、EU−A133までの、EU−A107、EU−A108およびEU−A120などの、デルモルフィン関連の配列である。オピオイドペプチドアナログの関連するクラスは、配列EU−A134乃至EU−A142によって例証され、ここで、Tic残基は、デルモルフィン構造(TIPPファミリー)で見られるD−Ala残基に取って代わる。特殊化した結合のさらなるクラスは、結合を完了するために相補的な残基Ψ−Pheを必要とするために、TicがTic(Ψ[CH2−NH])と交換されるときに示される。
幾つかの実施形態では、界面活性物質で修飾されたペプチド生成物は、以下の一般的な式IIIに相当するアミノ酸配列を有し:
式中、
aa1は、Tyr、Dmt、N−アルキル−Tyr、N−アルキル−Dmt、N−ジアルキル−Tyr、N−ジアルキル−Dmtなどであり;
aa2は、Pro、D−Arg、D−U(X)、D−Ala、Tic、Tic(Ψ[CH2−NH])であり;
aa3は、Phe、Typ、Tmp、D−またはL−Nal(1)、D−またはL−Nal(2)、CαMePhe、Ψ−Pheであり;
aa4は、Phe、Tmp、D−またはL−Nal(1)、D−またはL−Nal(2)、U(X)、D−またはL−CαMeU(X)であり;
aa5は、存在しない、またはPro、Aib、U(X)、D−またはL−CαMeU(X)であり、
アルキルまたはジアルキルは、独立して、置換または非置換のC1−C10の分枝鎖または直鎖、または置換または非置換のアラルキル鎖であり;
Uは、結合するアミノ酸であり;
Xは、Uの側鎖に結合された、官能化にされた界面活性物質であり;
Zは、−OHまたはNH2である。
式IIIの幾つかの具体的な実施形態では、Xは、以下の構造を有し:
式中:
Aは、置換または非置換のC1−C30アルキル基であり;
R1b、R1c、およびR1dは、Hであり;
W1は、−(C=O)−NH−であり;
W2は、−O−であり;および
R2は、単結合である。
1つの実施形態では、N−アルキルは、N−メチルがあり;
Uは、LysまたはOrnなどの、二塩基性のアミノ酸であり;
ここで、Xは、1−アルキルグリコシドクラスの修飾された非イオン性界面活性物質であり、ここで、アルキルは、C1−C20アルキルまたはアルコキシアリール置換基であり、糖類の環に対するグリコシド結合は、−O−または他のヘテロ原子(例えば、SまたはN)を介し;
Zは、NH2である。
別の実施形態では、1−アルキル−グリコシドにおける1−アルキル基は、置換または非置換のC1−C16アルキルであり;
UはLysであり、ZはNH2であり;
aa1は、Tyr、Dmt、Nα−Me−Tyr、Nα−Me−Dmtであり;
aa2は、Proであり;
aa3は、Phe、Trp、Tmpであり;
aa4は、Phe、Lys(X)であり;
aa5は、存在しない、またはLys(X)である。
さらなる実施形態では、1−アルキルグリコシドにおける1−アルキル基では、置換または非置換のC1−C20アルキルであり;Zは、NH2であり;
aa1は、Tyr、Dmtであり;
aa2は、D−Arg、D−Lys(X)、Tic、Tic(Ψ[CH2−NH])であり;
aa3は、Phe、Trp、Tmp、CαMePhe、Ψ−Pheであり;
aa4は、Phe、Tmp、Lys(X)であり;
aa5は、存在しない、またはPro、Aib、Lys(X)、D−またはL−CαMeLys(X)である。
エンドモルフィンクラスの親構造は、以下である:
エンドモルフィン1 − Tyr−Pro−Trp−Phe−NH2
エンドモルフィン2 − Tyr−Pro−Phe−Phe−NH2
特定のアナログファミリーの置換基は、以下に示される:
特定の配列は、以下のアミノ酸を含有している:
具体的な実施形態では、付けられた界面活性物質を有するアナログは、限定しないが、以下を含む:
デルモルフィンクラスの親構造は、以下である:
親の(Parent)デルモルフィン − Tyr−D−Ala−Phe−Gly−Tyr−Pro−Ser−NH2。
特定のアナログファミリーの構成は、以下に示される:
幾つかの実施形態では、界面活性物質の付着に適した特定のアナログは、限定されないが、以下を含む:
具体的な実施形態では、界面活性物質の付着に適したアナログは、限定されないが、以下を含む:
本明細書に提示される実施形態の範囲内では、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、3−フェニルプロパン酸などの脂肪酸との、例えば、Lysのε−位置でのリンカーアミノ酸上のアシル化による、本明細書で請求されるアナログの、飽和または不飽和のアルキル鎖との置換によって、適切な位置で置換されたペプチド鎖が熟慮される(Nestor, J.J., Jr. (2009) Current Medicinal Chemistry 16: 4399 − 4418; Zhang, L and Bulaj, G. (2012) Curr Med Chem 19: 1602−18)。このようなアナログの限定しない、例示的な例は以下の通りである。
H−Dmt−Tic−Phe−Lys(N−イプシロン−アセチル)−NH2、(SEQ.ID.NO.161)。
H−Dmt−Tic−Phe−Lys(N−イプシロン−ドデカノイル)−NH2、(SEQ.ID.NO.162)。
H−Dmt−Tic−Phe−Lys(N−イプシロン−テトラデカノイル)−NH2、(SEQ.ID.NO.163)。
H−Dmt−Tic−Phe−Lys(N−イプシロン−(ガンマ−グルタミル)−N−アルファ−ドデカノイル))−NH2、(SEQ.ID.NO.164)。
H−Dmt−Tic−Phe−Lys(N−イプシロン−(ガンマ−グルタミル)−N−アルファ−テトラデカノイル))−NH2、(SEQ.ID.NO.165)。
H−Dmt−Tic−Phe−Lys(N−イプシロン−アセチル)−NH−ベンジル、(SEQ.ID.NO.166)。
H−Dmt−Tic−Phe−Lys(N−イプシロン−ドデカノイル)−NH−ベンジル、(SEQ.ID.NO.167)。
本発明の他の実施形態では、ペプチド鎖は、スペーサー、およびステロイド核、例えば、コレステロール部分などの疎水性の部分との、リンカーアミノ酸、例えば、Cysのスルフヒドリル上の反応によって、適切な位置で置換され得る。このような実施形態の幾つかでは、修飾されたペプチドはさらに、1つ以上のPEG鎖を含む。このような分子の限定しない例は、以下のものを含む:
H−Dmt−Tic−Phe−Cys(S−(3−(PEG4−アミノエチルアセトアミド−コレステロール)))−NH2、(SEQ.ID.NO.168)。
H−Dmt−Tic−Phe−Cys(S−(3−(PEG4−アミノエチルアセトアミド−コレステロール)))−NH−ベンジル、(SEQ.ID.NO.169)など。
式I、式II、または式IIIの化合物は、細胞アッセイ中のミューオピオイド受容体活性(アゴニストおよびアンタゴニストのモードにおけるMOP)に関して、および実施例12に記載されるような細胞アッセイ中のデルタ2のオピオイド受容体活性(アゴニストおよびアンタゴニストのモードにおけるDOP)に関してアッセイされる。
特定の実施形態では、実施例12に示されるように、純粋なDOPのアンタゴニスト活性と共に、純粋なMOPアゴニスト活性を有する化合物は、臨床応用のための適切な特性である。本明細書の開示の範囲ではまた、低い溶解性および低い明白なインビトロでの効能を有しているが、インビボでの作用の延長された持続時間を示す化合物が熟慮される。
本明細書に提示される実施形態の範囲内では、式I、式IIまたは式IIIのペプチド生成物が熟慮され、ここで、ペプチド生成物は、1つまたはそれ以上の界面活性物質の基(例えば、式Iの構造を有している基X)を含む。1つの実施形態では、式I、式IIまたは式IIIのペプチド生成物は、1つの界面活性物質の基を含む。別の実施形態では、式I、式IIまたは式IIIのペプチド生成物は、2つの界面活性物質の基を含む。また別の実施形態では、式I、式IIまたは式IIIのペプチド生成物は、3つの界面活性物質の基を含む。
<PTHペプチドおよびアナログ>
本明細書には、幾つかの実施形態において、界面活性物質の組み込みを介する、修飾されたペプチド及び/又はタンパク質(例えば、修飾されたPTH、PTHrPなど)の合成のための、試薬および中間物が提供される。
本明細書には、幾つかの実施形態において、ペプチドに共有結合的に付けられた、界面活性物質Xを含むペプチド生成物が提供され、ペプチドは、リンカーアミノ酸Uおよび少なくとも1つの他のアミノ酸を含み:
式中、界面活性物質Xは、以下の式2−Iの基であり:
式中:
R1aは、各々の出現で独立して、単結合、H、置換または非置換のC1−C30アルキル基、置換または非置換のアルコキシアリール基、置換または非置換のアラルキル基、またはステロイド核を含有する部分であり;
R1b、R1c、およびR1dは、各々の出現で独立して、単結合、H、置換または非置換のC1−C30アルキル、置換または非置換のアルコキシアリール基、または置換または非置換のアラルキル基であり;
W1は、各々の出現で独立して、−CH2−、−CH2−O−、−(C=O)、−(C=O)−O−、−(C=O)−NH−、−(C=S)−、−(C=S)−NH−、または−CH2−S−であり;
W2は、−O−、−CH2−、または−S−であり;
R2は、各々の出現で独立して、H、置換または非置換のC1−C30アルキル基、置換または非置換のアルコキシアリール基、または置換または非置換のアラルキル基、−NH2、−SH、C2−C4−アルケン、C2−C4−アルキン、−NH(C=O)−CH2−Br、−(CH2)m−マレイミド、または−N3であり;
nは、1、2または3であり;および
mは、1−10であり;
ペプチドは、以下の式2−IIから選択され:
式中:
Zは、OH、または−NH−R3であり、
R3は、H、置換または非置換のC1−C12アルキル、または10Da未満のPEG鎖であり;
aa1は、Aib、Ac5c、またはDegであり;
aa3は、Aib、Ac4c、またはDegであり;
aa5は、His、またはIleであり;
aa6は、Gln、またはCitであり;
aa7は、Leu、またはPheであり;
aa8は、Leu、またはNleであり;
aa10は、Asp、Asn、Gln、Glu、Cit、Ala、またはAibであり;
aa11は、Arg、またはhArgであり;
aa12は、グリシン、グルタミン酸、リース、翼、AibまたはAc5cである;
aa13は、Lys、またはArgであり;
aa14は、Ser、His、Trp、Phe、Leu、Arg、Lys、Glu、またはNal(2)であり;
aa15は、Ile、Leu、またはAibであり;
aa16は、Gln、Asn、Glu、Lys、Ser、Cit、Aib、またはUであり;
aa17は、Asp、Ser、Aib、Ac4c、Ac5cまたはUであり;
aa18は、存在しない、またはLeu、Gln、Cit、Aib、Ac5c、Lys、Glu、またはUであり;
aa19は、存在しない、またはArg、Gln、Aib、Ac4c、Ac5c、またはUであり;
aa20は、存在しない、またはArg、Gln、Lys、Aib、Ac4c、Ac5c、またはUであり;
aa21は、存在しない、またはArg、Val、Aib、Ac5C、Deg、またはUであり;
aa22は、存在しない、またはPhe、Glu、Aib、Ac5C、Lys、またはUであり;
aa23は、存在しない、またはLeu、Phe、Trp、またはUであり;
aa24は、存在しない、またはHis、Arg、またはUであり;
aa25は、存在しない、またはHis、Lys、またはUであり、および
aa26は、存在しない、またはAib、Ac5c、Lysであり;
Uは、界面活性物質Xに共有結合的に付けるため使用される、官能基を含む天然または非天然のアミノ酸であり;
ここで、aa1−aa26のいずれか2つは、それらの側鎖を介して随意に環化されることで、ラクタム結合を形成し;
但し、aa16−aa26の1つ、または少なくとも1つが、Xに共有結合的に付けられたリンカーアミノ酸Uであることを条件とする。
幾つかの実施形態では、nは1である。幾つかの実施形態では、nは2であり、第1グリコシドは、第1グリコシドのW2と、第2グリコシドのOR1b、OR1cまたはOR1dの任意の1つとの間の単結合を介して第2グリコシドに付けられる。
幾つかの実施形態では、nは3であり、第1グリコシドは、第1グリコシドのW2と、第2グリコシドのOR1b、OR1cまたはOR1dの任意の1つとの間の単結合を介して第2グリコシドに付けられ、第2グリコシドは、第2グリコシドのW2と、第3グリコシドのOR1b、OR1cまたはOR1dの任意の1つとの間の単結合を介して第3グリコシドに付けられる。
1つの実施形態化合物では、式I−Aは、Xが以下の構造を有する化合物であり:
式中:
R1aは、H、保護基、置換または非置換のC1−C30アルキル基、またはステロイド核を含有する部分であり;
R1b、R1c、およびR1dは各々、各々の出現で独立して、H、保護基、または置換または非置換のC1−C30アルキル基であり;
W1は、各々の出現で独立して、−CH2−、−CH2−O−、−(C=O)、−(C=O)−O−、−(C=O)−NH−、−(C=S)−、−(C=S)−NH−、または−CH2−S−であり;
W2は、−O−、または−S−であり;
R2は、単結合、C2−C4アルケン、C2−C4アルキン、または−(CH2)m−マレイミドであり;および
mは、1−10である。
別の実施形態では、式I−Aの化合物は、Xが以下の構造を有する化合物であり:
したがって、上に記載される実施形態では、R2は、単結合である。
例えば、上に記載されるXの構造の典型的な実施形態では、W1は、−C(=O)NH−であり、R2は、W1と、ペプチド内のアミノ酸残基Uとの間の単結合(例えば、ペプチドに存在するリジン残基の側鎖中のアミノ基)である。
さらなる実施形態では、式I−Aの化合物は、Xが以下の構造を有する化合物である:
例えば、上に記載されるXの構造の典型的な実施形態では、W1は、−CH2−であり、R2は、X上のアルキル結合したマレイミド官能基であり、R2は、ペプチド内のアミノ酸残基Uの適切な部分に付けられる(例えば、ペプチドのシステイン残基中のチオール基は、X上のマレイミドとチオエーテルを形成する)。
また別の実施形態では、式I−Aの化合物は、Xが以下の構造を有する化合物であり:
式中:
R1aは、H、保護基、置換または非置換のC1−C30アルキル基、またはステロイド核を含有する部分であり;
R1b、R1c、およびR1dは各々、各々の出現で独立して、H、保護基、または置換または非置換のC1−C30アルキル基であり;
W1は、−(C=O)−NH−であり;
W2は、−O−であり;および
R2は、単結合である。
さらなる実施形態では、式I−Aの化合物は、Xが以下の構造を有する化合物であり:
式中:
R1aは、置換または非置換のC1−C30アルキル基であり;
R1b、R1c、およびR1dは、Hであり;
W1は、−(C=O)−NH−であり;
W2は、−O−であり;および
R2は、単結合である。
上に又は本明細書に記載される幾つかの実施形態では、R1aは、置換または非置換のC1−C30アルキル基である。
上に又は本明細書に記載される幾つかの実施形態では、R1aは、置換または非置換のC6−C20アルキル基である。
本明細書にはまた、式2−I−A中のXが以下の構造を有する、代替の実施形態が熟慮される:
例えば、上に記載されるXの構造の典型的な実施形態では、W1は−S−であり、R2はC1−C30アルキル基であり、W2はSであり、R1aは、W2と、ペプチド内のアミノ酸残基Uの適切な部分との間の単結合である(例えば、ペプチドのシステイン残基中のチオール基は、Xとチオエーテルを形成する)。
上に記載されるXの構造の別の典型的な交互の実施形態では、W1は−S−であり、R2はC1−C30アルキル基であり、W2はOであり、R1aは、W2と、ペプチド内のアミノ酸残基Uの適切な部分との間の単結合である(例えば、ペプチドのセリンまたはテレオニン残基中のヒドロキシル基は、Xとエーテルを形成する)。
幾つかの実施形態では、Uは、Xに共有結合的に付けるために使用され、二塩基性の天然または非天然のアミノ酸、チオールを含む天然または非天然のアミノ酸、−N3基を含む非天然のアミノ酸、アセチレン基を含む非天然のアミノ酸、または−NH−C(=O)−CH2−Brまたは−(CH2)m−マレイミドを含む非天然のアミノ酸であり、ここで、mは、1−10である。
ペプチド生成物の幾つかの実施形態では、界面活性物質は、1−アルキルグリコシドクラスの界面活性物質である。ペプチド生成物の幾つかの実施形態では、界面活性物質は、アミド結合を介してペプチドに付けられる。
ペプチド生成物の幾つかの実施形態では、界面活性物質Xは、1−アイコシルベータ−D−グルクロン酸、1−オクタデシルベータ−D−グルクロン酸、1−ヘキサデシルベータ−D−グルクロン酸、1−テトラデシルベータ D−グルクロン酸、1−ドデシルベータ D−グルクロン酸、1−デシルベータ−D−グルクロン酸、1−オクチルベータ−D−グルクロン酸、1−アイコシルベータ−D−ジグルクロン酸、1−オクタデシルベータ−D−ジグルクロン酸、1−ヘキサデシルベータ−D−ジグルクロン酸、1−テトラデシルベータ−D−ジグルクロン酸、1−ドデシルベータ−D−ジグルクロン酸、1−デシルベータ−D−ジグルクロン酸、1−オクチルベータ−D−ジグルクロン酸、または官能化された1−アイコシルベータ−D−グルコース、1−オクタデシルベータ−D−グルコース、1−ヘキサデシルベータ−D−グルコース、1−テトラデシルベータ−D−グルコース、1−ドデシルベータ−D−グルコース、1−デシルベータ−D−グルコース、1−オクチルベータ−D−グルコース、1−アイコシルベータ−D−マルトシド、1−オクタデシルベータ−D−マルトシド、1−ヘキサデシルベータ−D−マルトシド、1−ドデシルベータ−D−マルトシド、1−デシルベータ−D−マルトシド、1−オクチルベータ−D−マルトシドなどから成り、ペプチド生成物は、前述の基とペプチド上の基(例えば、前述の基における−COOH基およびペプチドのアミノ基)との間の結合の形成によって調製される。
ペプチド生成物の幾つかの実施形態では、Uは、ペプチドの末端アミノ酸である。ペプチド生成物の幾つかの実施形態では、Uは、ペプチドの非末端アミノ酸である。ペプチド生成物の幾つかの実施形態では、Uは、天然のD−またはL−アミノ酸である。ペプチド生成物の幾つかの実施形態では、Uは、非天然のアミノ酸である。ペプチド生成物の幾つかの実施形態では、Uは、Lys、Cys、Orn、または界面活性物質Xに共有結合的に付けるために使用される官能基を含む非天然のアミノ酸から選択される。
ペプチド生成物の幾つかの実施形態では、ペプチドを界面活性物質Xに共有結合的に付けるために使用される官能基は、−NH2、−SH、−OH、−N3、ハロアセチル、−(CH2)m−マレイミド(ここで、mは1−10である)、またはアセチレン基である。
幾つかの実施形態では、2つの異なるアミノ酸残基の側鎖官能基は、環状ラクタムを形成するために連結される。例えば、Lys14側鎖は、Glu18の側鎖と環状ラクタムを形成し得るか、またはLys18は、Glu22の側鎖とラクタムを形成し得る。幾つかの実施形態では、このようなラクタム構造は、反転され、例えば、Glu14およびLys18から形成される。このようなラクタム結合は、幾つかの例において、ペプチドにおいてアルファヘリックス構造を安定させる(Condon, S.M., et al. (2002) Bioorg Med Chem 10: 731−736)。
幾つかの実施形態では、共有結合的に結合されたアルキルグリコシドを含むペプチド生成物は、共有結合的に修飾されたPTHまたはそのアナログである。このような実施形態の幾つかでは、ペプチド生成物は、共有結合的に結合した1−O−アルキル β−D−グルクロン酸を含有し、ペプチドは、PTHのアナログである。
幾つかの実施形態では、共有結合的に結合されたアルキルグリコシドを含むペプチド生成物は、共有結合的に修飾されたPTHrP、またはそのアナログである。このような実施形態の幾つかでは、ペプチド生成物は共有結合的に結合した1−O−アルキル β−D−グルクロン酸を含み、ペプチドは、PTHrPのアナログである。
幾つかの実施形態において、ペプチド生成物は、以下の式2−IIの構造を有し:
式中:
Zは、OHまたは−NH2であり;
aa1は、Aib、またはAc5cであり;
aa12は、Ala、Glu、Lys、Aib、またはAc5cであり;
aa14は、Trp、Phe、Lys、Glu、またはNal(2)であり;
aa16は、Gln、Asn、Glu、Lys、Cit、またはU(X)であり;
aa17は、Asp、Ser、Aib、Ac4c、Ac5C、またはU(X)であり;
aa18は、存在しない、またはLeu、Gln、Aib、Lys、Glu、またはU(X)であり;
aa19は、存在しない、またはArg、Glu、Aib、Ac4c、またはAc5cであり;
aa20は、存在しない、またはArg、Glu、Lys、Aib、Ac4c、Ac5cであり;
aa21は、存在しない、またはArg、Val、Aib、Ac5C、またはDegであり;
aa22は、存在しない、またはPhe、Glu、Lys、またはU(X)であり。
aa23は、存在しない、またはLeu、Phe、Trp、またはU(X)であり。
aa24は、存在しない、またはHis、Arg、またはU(X)であり;
aa25は、存在しない、またはHis、Lys、またはU(X)であり;および
aa26は、存在しない、またはAib、Ac5cであり;
ここで、aa1−aa26のいずれか2つは、それらの側鎖を介して随意に環化されることで、ラクタム結合を形成し;
但し、aa16、aa17、aa18、aa22、aa23、aa24またはaa25の1つ、または少なくとも1つが、Xに共有結合的に付けられたリンカーアミノ酸Uであることを条件とする。
式2−IIIの幾つかの実施形態では、Uは、本明細書に記載される任意のリンカーアミノ酸である。幾つかの実施形態では、式2−IIIの化合物は、aa12およびaa16が、ラクタム結合を形成するために、それらの側鎖を介して環化される化合物である。幾つかの実施形態では、式2−IIIの化合物は、aa16およびaa20が、ラクタム結合を形成するため、にそれらの側鎖を介して環化される化合物である。
幾つかの実施形態では、ペプチド生成物は、以下の構造を有する:
Ac5c1−Val2−Aib3−Glu4−Ile5−Gln6−Leu7−Nle8−His9−Gln10−hArg11−Ala12−Arg13−Trp14−Ile15−Gln16−Aib17−Lys(N−イプシロン−1’−ドデシル ベータ−D−グルクロニル)18−NH2(SEQ ID No.180)。
幾つかの実施形態では、ペプチド生成物は、以下の構造を有する:
Ac5c1−Val2−Aib3−Glu4−Ile5−Gln6−Leu7−Nle8−His9−Gln10−hArg11−Ala12−Arg13−Trp14−Ile15−Gln16−Aib17−Lys(N−イプシロン−1’−アルキル ベータ−D−グルクロニル)18−Aib19−NH2。ここで、アルキルは、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、またはオクタデシルである(SEQ ID No.283)。
幾つかの実施形態では、ペプチド生成物は、以下の構造を有する:
Ac5c1−Val2−Aib3−Glu4−Ile5−Gln6−Leu7−Nle8−His9−Gln10−hArg11−Ala12−Arg13−Trp14−Ile15−Gln16−Aib17−Lys(N−イプシロン−1’−アルキル ベータ−D−グルクロニル)18−Ac4c19−NH2。ここで、アルキルは、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、またはオクタデシルである(SEQ ID No.284)。
幾つかの実施形態では、ペプチド生成物は、以下の構造を有する:
Ac5c1−Val2−Aib3−Glu4−Ile5−Gln6−Leu7−Nle8−His9−Gln10−hArg11−Ala12−Arg13−Trp14−Ile15−Gln* 16−Aib17−Lys(N−イプシロン−1’−アルキル ベータ−D−グルクロニル)18−Aib19−Lys* 20−NH2。ここで、Glu* 16およびLys* 20は、ラクタムによってそれらの側鎖を介して結合され、アルキルは、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、またはオクタデシルである(SEQ ID No.285)。
幾つかの実施形態では、ペプチド生成物は、以下の構造を有する:
Ac5c1−Val2−Aib3−Glu4−Ile5−Gln6−Leu7−Nle8−His9−Gln10−hArg11−Glu* 12−Arg13−Trp14−Ile15−Lys* 16−Aib17−Lys(N−イプシロン−1’−アルキル ベータ−D−グルクロニル)18−Aib19−NH2。ここで、Glu* 12およびLys* 16は、ラクタムによってそれらの側鎖を介して結合され、アルキルは、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、またはオクタデシルである(SEQ ID No.286)。
幾つかの実施形態では、ペプチド生成物は、以下の構造を有する:
Ac5c1−Val2−Aib3−Glu4−Ile5−Gln6−Leu7−Nle8−His9−Gln10−hArg11−Ala12−Arg13−Phe14−Ile15−Gln16−Aib17−Lys(N−イプシロン−1’−アルキル ベータ−D−グルクロニル)18−Aib19−NH2。ここで、アルキルは、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、またはオクタデシルである(SEQ ID No.287)。
幾つかの実施形態では、ペプチド生成物は、以下の構造を有する:
Ac5c1−Val2−Aib3−Glu4−Ile5−Gln6−Leu7−Nle8−His9−Gln10−hArg11−Ala12−Arg13−Trp14−Ile15−Gln16−Aib17−Lys(N−イプシロン−1’−アルキル ベータ−D−グルクロニル)18−Aib19−Aib20−NH2。ここで、アルキルは、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、またはオクタデシルである(SEQ ID No.288)。
幾つかの実施形態では、ペプチド生成物は、以下の構造を有する:
Ac5c1−Val2−Aib3−Glu4−Ile5−Gln6−Leu7−Nle8−His9−Gln10−hArg11−Glu* 12−Arg13−Trp14−Ile15−Lys* 16−Aib17−Lys(N−イプシロン−1’−アルキル ベータ−D−グルクロニル)18−Aib19−Aib20−NH2。ここで、Glu* 12およびLys* 16は、ラクタムによってそれらの側鎖を介して結合され、アルキルは、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、またはオクタデシルである(SEQ ID No.289)。
幾つかの実施形態では、ペプチド生成物は、以下の構造を有する:
Ac5c1−Val2−Aib3−Glu4−Ile5−Gln6−Leu7−Nle8−His9−Gln10−hArg11−Ala12−Arg13−Trp14−Ile15−Gln16−Aib17−Lys(N−イプシロン−1’−ドデシル ベータ−D−グルクロニル)18−Aib19−NH2(SEQ ID No.207)。
幾つかの実施形態では、ペプチド生成物は、以下の構造を有する:
Ac5c1−Val2−Aib3−Glu4−Ile5−Gln6−Leu7−Nle8−His9−Gln10−hArg11−Ala12−Arg13−Trp14−Ile15−Gln16−Aib17−Lys(N−イプシロン−1’−テトラデシル ベータ−D−グルクロニル)18−Aib19−NH2(SEQ ID No.260)。
幾つかの実施形態では、ペプチド生成物は、以下の構造を有する:
Ac5c1−Val2−Aib3−Glu4−Ile5−Gln6−Leu7−Nle8−His9−Gln10−hArg11−Ala12−Arg13−Trp14−Ile15−Gln16−Aib17−Lys(N−イプシロン−1’−ヘキサデシル ベータ−D−グルクロニル)18−Aib19−NH2(SEQ ID No.261)。
幾つかの実施形態では、ペプチド生成物は、以下の構造を有する:
Ac5c1−Val2−Aib3−Glu4−Ile5−Gln6−Leu7−Nle8−His9−Gln10−hArg11−Ala12−Arg13−Trp14−Ile15−Gln16−Aib17−Lys(N−イプシロン−1’−オクタデシル ベータ−D−グルクロニル)18−Aib19−NH2(SEQ ID No.262)。
幾つかの実施形態では、ペプチド生成物は、以下の構造を有する:
Ac5c1−Val2−Aib3−Glu4−Ile5−Gln6−Leu7−Nle8−His9−Gln10−hArg11−Ala12−Arg13−Trp14−Ile15−Gln16−Aib17−Lys(N−イプシロン−1’−ドデシル ベータ−D−グルクロニル)18−Aib19−Aib20−NH2(SEQ ID No.275)。
幾つかの実施形態では、ペプチド生成物は、以下の構造を有する:
Ac5c1−Val2−Aib3−Glu4−Ile5−Gln6−Leu7−Nle8−His9−Gln10−hArg11−Ala12−Arg13−Trp14−Ile15−Gln16−Aib17−Lys(N−イプシロン−1’−ヘキサデシル ベータ−D−グルクロニル)18−Aib19−Aib20−NH2(SEQ ID No.277)。
幾つかの実施形態では、ペプチド生成物は、PTH受容体(PTHR1)に結合する活性ペプチド生成物である。
具体的な実施形態では、上に及び本明細書に記載される式2−I−Aのペプチド生成物は、以下の構造を有し:
式中、R1aは、図2−1乃至図2−4の表2に記載されるようなC1−C20アルキル鎖であり、R’は、図2−1乃至図2−4の表2に記載されるようなペプチドであり、式I−AのW2は、−O−であり、および式2−I−AのW1は、−(C=O)NH−である且つペプチドR’に対するアミド結合の一部である。このような実施形態の幾つかにおいて、R1aは、C6−C20アルキル鎖である。このような実施形態の幾つかにおいて、R1aは、C8−C20アルキル鎖である。このような実施形態の幾つかにおいて、R1aは、C8−C20アルキル鎖である。このような実施形態の幾つかにおいて、R1aは、C8−C18アルキル鎖である。このような実施形態の幾つかにおいて、R1aは、C8−C16アルキル鎖である。
上に記載される実施形態では、アミノ酸及び/又はペプチドR’のアミノ部分(例えば、リジンなどのアミノ酸残基のアミノ基、またはペプチドR’内のリジン)は、以下の構造の化合物との共有結合を形成するために使用され:
式中、R1aは、図2−1乃至図2−4の表2に記載されるようなC1−C20アルキル鎖である。
このような場合において、上に記載される化合物Aに対する共有結合を形成するに使用される、アミノ部分(例えば、ペプチドR’内のリジン残基)を有するアミノ酸は、式2−Aの構造を有する界面活性物質Xに付けられるリンカーアミノ酸Uである。したがって、1つの例として、図2−1乃至図2−4の表2のLys(C12)は、以下の構造を有する:
本明細書に提示される実施形態の範囲内ではまた、カルボン酸官能基のいずれか又は両方での結合を介する、マルツロン酸ベースの界面活性物質に由来する、式2−I−Aのペプチド生成物が熟慮される。したがって、1つの例として、図2−1乃至図2−4の表2におけるペプチドは、マルツロン酸ベースの界面活性物質Xに結合した、および以下の構造を有する、リジンリンカーアミノ酸を含む:
1つの実施形態では、式2−I−Aの化合物は、リジンを基Xに付け、その後、式2−I−Aの化合物を得るために追加のアミノ酸残基及び/又はペプチドを、リジン−X化合物に付けることによって調製されることが理解されるであろう。本明細書に記載される他の天然または非天然のアミノ酸は、界面活性物質Xに付けることにも適しており、式2−I−Aの化合物を得るために、追加のアミノ酸/ペプチドを付けることに適していることが理解されるであろう。別の実施形態では、式2−I−Aの化合物は、全長または部分的な長さのペプチドを基Xに付け、その後、式2−I−Aの化合物を得るために追加のアミノ酸残基及び/又はペプチドを付けることによって調製されることが理解されるであろう。
具体的な実施形態では、本明細書には、図2−1乃至図2−4の表2の化合物から選択される化合物が提供される。
本明細書にはまた、上に記載される治療上有効な量のペプチド生成物、またはその許容可能な塩、および少なくとも1つの薬学的に許容可能な担体または賦形剤を含む、医薬組成物が提供される。
医薬組成物の幾つかの実施形態では、担体は、水性ベースの担体である。医薬組成物の幾つかの実施形態では、担体は、非水性ベースの担体である。医薬組成物の幾つかの実施形態では、非水性ベースの担体は、サブミクロンの無水のα−ラクトースを含むヒドロフルオロアルカン様の溶媒、または他の賦形剤である。
本明細書に提示される実施形態の範囲内では、求核試薬を運ぶリンカーアミノ酸Uを含む、アミノ酸及び/又はペプチドと、脱離基または脱離基を含有するために活性化することができる官能基、例えば、カルボン酸、または任意の他の反応基を含む基Xとの反応が熟慮され、それによって、リンカーアミノ酸Uを介する、界面活性物質Xに対するアミノ酸及び/又はペプチドの共有結合が可能となり、式2−I−Aのペプチド生成物を提供する。
本明細書に提示される実施形態の範囲内ではまた、脱離基または脱離基を含有するために活性化することができる官能基、例えば、カルボン酸、または任意の他の反応基を運ぶリンカーアミノ酸Uを含む、アミノ酸及び/又はペプチドと、求核基を含む基Xとの反応が熟慮され、それによって、リンカーアミノ酸Uを介する、界面活性物質Xに対するアミノ酸及び/又はペプチドの共有結合が可能となり、式2−I−Aのペプチド生成物を提供する。
1つの実施形態では、式2−I−Aの化合物は、リンカーアミノ酸UのXとの反応によって調製され、その後、式2−I−Aのペプチド生成物を得るために、さらなる残基をUに加えることが理解されるであろう。代替的な実施形態では、式2−I−Aの化合物は、リンカーアミノ酸Uを含む適切なペプチドのXとの反応によって調製され、その後、式2−I−Aのペプチド生成物を得るために、さらなる残基をUに随意に加えることが理解されるであろう。
本明細書には、上に記載される治療上有効な量のペプチド生成物を、それを必要としている被験体に投与する工程含む、副甲状腺機能低下症を処置する方法が提供される。幾つかの実施形態では、副甲状腺機能低下症は、骨量減少に関係する。
本明細書にはまた、上に記載される治療上有効な量のペプチド生成物を、それを必要としている被験体に投与する工程を含む、骨修復を刺激する又は骨インプラントの生着を支持する方法が提供される。
本明細書にはまた、本明細書に記載されるような親水基;および親水基に共有結合的に付けられた疎水基を含む、共有結合的に修飾されたPTHまたはPTHrPペプチドまたはそのアナログが提供される。具体的な実施形態では、共有結合的に修飾されたペプチド及び/又はタンパク質生成物は、糖類である親水基、およびC1−C20アルキル鎖またはアラルキル鎖である疎水基を含む。
1つの実施形態では、組成物または分子の生物作用(例えば、受容体結合または酵素活性)を増加させる又は保持するために、界面活性物質に対する共有結合によって化学的に分子を修飾するための方法が提供される。幾つかの実施形態では、分子は、ペプチドである。方法はさらに、ポリエチレングリコールなどのポリマーに組成物中の分子を共有結合的に付ける工程を含む、さらなる修飾を含むことができる。
別の実施形態では、少なくとも1つのアルキルグリコシドにペプチド鎖を共有結合的に結合することによって、ペプチド及び/又はタンパク質の薬物の免疫原性を減少または除去する方法が提供され、ここで、アルキルは、1乃至30の炭素原子を有する。
副甲状腺機能低下症、を処置する方法である、骨粗鬆症、骨減少症、閉経後骨粗鬆症、パジェット病、グルココルチコイド誘発性の骨粗鬆症、老年骨粗鬆症、液性高カルシウム血症などを処置する方法も提供され、該方法は、少なくとも1つのアルキルグリコシドに共有結合的に結合され、脊椎動物に送達された、ペプチドを含む薬剤組成物を投与する工程を含み、ここで、アルキルは、1乃至30の炭素原子を有し、またはさらに6乃至16の炭素原子の範囲内で有し、ここで、ペプチドに対するアルキルグリコシドの共有結合は、薬物の安定性、バイオアベイラビリティ及び/又は作用の持続時間を増加させる。
幾つかの実施形態では、共有結合的に修飾されたペプチド及び/又はタンパク質は、共有結合的に修飾されたPTHまたはPTHrP、またはそのアナログであり、アルキルグリコシドの界面活性物質部分との共有結合修飾によってそれらの薬学的および医療的特性を改善するために修飾される。これらの界面活性物質で修飾されたアナログは、身体から、タンパク質分解を妨害し、吸収を遅らせ、クリアランスを遅らせる立体障害を増加させた。
いくつかの研究は、骨粗鬆症を患う患者のおよそ50パーセントが、1年以内に経口のビスホスホネート治療を中止することを示す。これらの処置を中止する患者の多くは、不耐症を含む副作用が原因で中止している。切断型の(truncated)組換え副甲状腺ホルモン1−34(rhPTH1−34)は、テリパラチド(Lilly)のような骨のタンパク質同化剤(Brixen, K.T., et al. (2004) Basic Clin Pharmacol Toxicol 94: 260−270; Dobnig, H. (2004) Expert Opin Pharmacother 5: 1153−1162)として、市販で入手可能であるが、低いコンプライアンスは、大きな問題である。より最近では、破骨細胞機能を制御するリガンドに対する抗体(denosumab, Amgen)が認可されてきているが、それは、深刻な既知の副作用(重大な皮膚感染、観察された顎の骨壊死の事例、および深刻な骨リモデリングの抑制)を有し、中にはまだ不明瞭な長期間の作用を有し得るものもある。
<骨構造>
ヒトにおける骨のアーキテクチャーは、骨吸収を引き起こす、破骨細胞、および新しい骨基質を下へ置く、骨芽細胞の同調した(coordinated)機能によって維持されるか又は精巧にされる(elaborated)。骨は、身体におけるカルシウム(重大なシグナル伝達イオン)の貯蔵のための重要な貯蔵所であり、周囲の細胞外のCaレベルの減少は、甲状腺傍の細胞膜上のCa感知受容体を介したPTH分泌の増加を引き起こす。PTHは、骨芽細胞の細胞膜上に存在する、その受容体(PTHR1)に結合し、「核因子−κBの受容体活性化因子のリガンド」(RANKL)の発現をもたらす。RANKLは、破骨細胞前駆細胞上のその受容体、RANKに結合し、それらの分化および増殖を刺激する(Boyce, B.F. and Xing, L. (2007) Arthritis Res Ther 9 Suppl 1: S1)。これは、骨吸収(骨からのカルシウムの動員)につながる。PTHはまた、腎尿細管性のCa再吸収を増加させ、(循環するカルシトリオールを増加させる)腎臓の1−αコレカルシフェロールヒドロキシラーゼに対するその刺激性の作用を介して腸のCa吸収を間接的に増強させるように作用する。両方の作用は、循環するカルシウムイオンをより長期的に増加させるように働く。
ヒト副甲状腺ホルモン(hPTH)の天然型は、哺乳動物におけるカルシウム恒常性の維持に重要な役割を果たす、84−アミノ酸ペプチドである(Rosen, C.J. and Bilezikian, J.P. (2001) J Clin Endocrinol Metab 86: 957−964)。構造的に関連するが独立したホルモン(副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTHrP))は、局所的な組織における骨成長に焦点を置いた、パラクリンの役割を果たす。両方のホルモンは、骨芽細胞、PTHR1上の同じ受容体に結合し、および増加したcAMPレベルによって調節されたものを含む、複数のシグナル経路の活性をもたらす。
しかしながら、PTH(1−34)の間欠性の存在は、骨芽細胞の刺激、RANKL発現の欠如、および増加した骨密度につながるだけである。PTH(1−34)は、間欠注射によって外因的に与えられたときに、骨格に対する強力な同化作用を示す。小集団の患者は、6−24か月の間、毎日の皮下注射によってテリパラチドを受け(Reeve, J., et al. (1980) Br Med J 280: 1340−1344)、対の骨生検は、骨新形成の証拠、および骨形成と吸収の間の速度(rates)間の解離(dissociation)があったという示唆とともに、腸の海綿骨の量の大きな増加を明らかにした。多数の研究は、PTHアナログの毎日の注射剤の後の骨組織の発達を確認した(Hodsman, A.B., et al. (2005) Endocr Rev 26: 688−703; Cheng, Z., et al. (2009) J Bone Miner Res 24: 209−220)。骨代謝を減少させるために主として骨芽細胞の活性の阻害によって作用する、したがって、新しい骨を構築するよりもむしろ保存する再吸収阻害薬での治療後に観察された骨格のアーキテクチャーとは対照的に、アーキテクチャー上の改善が、毎日のテリパラチド注射後の骨格内に生じるという観察を、文献のレビューは支持している。
外因性のPTH(1−34)の間欠投与よりもむしろ継続投与が、結果的に骨吸収をもたらす。したがって、6時間未満のPTH(1−34)の注入での処置は、結果的に、骨密度の増加をもたらすが、8時間以上の注入は、結果的に、骨吸収をもたらす(Frolik, C.A., et al. (2003) Bone 33: 372−379)。PTH(1−34)の長期投与は、RANKL(骨芽細胞前駆細胞上の活性化するRANK)の発現を引き起こし、それ故、それらの分化および増殖を刺激する(Boyce, B.F. and Xing, L. (2007) Arthritis Res Ther 9 Suppl 1: S1)。この観察は、現在の治療パラダイム(皮下注射によるPTH(1−34)の毎日1回の投与)につながった。より最近では、1日のPTH(1−34)の注入および1週間の中止による研究は、骨密度の重要な増加を示した(Etoh, M. and Yamaguchi, A. (2010) J Bone Miner Metab, 28: 641−9))。テリパラチドは、10分のCmaxおよび19分の半減期を有する(Frolik, C.A., et al. (2003) Bone 33: 372−379)。より効果的なPTHアナログが、より実質的な骨密度の増加をもたらすと予期され得る。
PTH(1−34)、およびPTH(1−84)での毒性学的研究の間に、かなりの割合のラットが、骨肉腫を発病し、それはおよそ20か月目に始まったことが観察された(Tashjian, A.H., Jr. and Goltzman, D. (2008) J Bone Miner Res 23: 803−811)。組換えPTH(1−34)、テリパラチド(Forteo(登録商標))での人体試験において、処置関連の肉腫は報告されていない。しかしながら、現在の治療での処置は、<2年の継続的な毎日の皮下注射に限定されている。
<PTHおよびPTHrP>
幾つかの実施形態では、本明細書に記載される方法および組成物は、PTH及び/又はPTHrPのペプチド及び/又はタンパク質及び/又はそれらのアナログの使用を含む。インタクトなヒトPTH(hPTH1−84)の生物学的活性のすべては、N末端配列に存在し;ほとんどの臨床研究は、テリパラチドとして知られている、34−アミノ酸ペプチドhPTH(1−34)を使用している。最初の2つのアミノ酸は、生物学的活性には不可欠であり、骨のタンパク質同化特性が、縮小されたフラグメントhPTH(1−31)またはその環化されたラクタムによって十分に維持されるようである(Whitfield, J.F. and Morley, P. (1995) Trends Pharmacol Sci 16: 382−386)。より最近では、hPTH(1−11)ほど短い配列の研究は、活性を示しており、それらのEC50を低いnM範囲まで減少させるためにさらに修正され得る(Shimizu, M., et al. (2000) J Biol Chem 275: 21836−21843; Shimizu, N., et al. (2004) J Bone Miner Res 19: 2078−2086)。
PTHおよびPTHrPのPTH1Rとの相互作用の研究は、リガンドが各々、2つの結合領域を有し、1つはN末端1−14領域に、もう1つはC末端15−34領域に有することを示唆している。1−14の部分は、より局所的に秩序化した構造を有し、受容体の7−細胞膜貫通領域と相互作用する一方で、15−34領域は、アルファヘリックスであり、細胞外の、受容体のN末端伸長と相互作用する。これらのペプチドのN末端領域は、この膜近接領域の相互作用による受容体活性の主要な役割を有するようであるが、一方で、C末端のヘリックス領域は、受容体の細胞外領域との相互作用によって(Dean, T., et al. (2006) J Biol Chem 281: 32485−32495; Potetinova, Z., et al. (2006) Biochemistry 45: 11113−11121)、リガンドのより高い効能を生じさせる(Gardella, T.J., et al. (1994) Endocrinology 135: 1186−1194; Luck, M.D., et al. (1999) Mol Endocrinol 13: 670−680)、重要な結合相互作用(図2−1乃至図2−4)を有する。これは、クラスB GPCRのファミリーの他のメンバーにも伸長された、結合の2つのドメインモデルにつながる(Holtmann, M.H., et al. (1995) J Biol Chem 270: 14394−14398; Bergwitz, C., et al. (1996) J Biol Chem 271: 26469−26472; Runge, S., et al. (2003) J Biol Chem 278: 28005−28010)。
したがって、本明細書には、PTH1Rに対する結合を可能にする配列を有する、共有結合的に修飾されたペプチドまたはペプチドアナログが提供される。PTH/PTHrPクラスにおけるリガンドの共有結合修飾は、界面活性物質部分(例えば、グルコース由来の1−アルキルグルクロン酸などの、1−アルキル−グルクロン酸部分)の使用によって切断または単純化されたC末端領域に連結されたPTHR1の膜近接部分と相互作用する、N末端リガンド配列の発達に依存する。非常に、C末端領域の相互作用のほとんどが、受容体の細胞外領域における疎水性のチャネル(Pioszak, A.A. and Xu, H.E. (2008) Proc Natl Acad Sci U S A 105: 5034−5039; Pioszak, A.A., et al. (2009) J Biol Chem 284: 28382−28391)との一般的な疎水的相互作用に関係するため、本明細書に記載される共有結合修飾は、低い特異性の相互作用による増加した結合相互作用を可能にする。
本明細書に記載される界面活性物質で修飾されたペプチドによる改善された細胞刺激の一例は、図4に例証される。したがって、実質的により大きなcAMP出力(125%;超敵対的な刺激)は、内部標準、ヒトPTHrPによるよりも、EU−232(図5)の用量で刺激された細胞によって示される。同様に、ヒトPTHrPのコード化されたサンプル(図6;EU−285)は、内部アッセイ標準、ヒトPTHrPの最大の刺激のわずか100%しか達成しない。EU−232は、C末端領域において1−ドデシル β−D−グルクロン酸部分によって修飾される。重要なことに、より短いペプチド鎖、または1−ドデシル β−D−グルクロン酸部分によって修飾されていない、この大きさのペプチド鎖は、減少した効力を示すと予想することができる。
同様に、この界面活性物質で修飾されたアナログEU−232に対するインビボの反応は、高い効能および延長した作用の持続時間を示す(図7)。血中リン酸塩レベルは、生理食塩水(G1)、1kg当たり80マイクログラムのPTH(G2)、1kg当たり80マイクログラムのEU−232(G3)、または1kg当たり320マイクログラムのEU−232(G4)でのラットに対する投薬後に、様々な時点で試験された。EU−232は、最大の統計的に有意な効果が、アッセイにおける最後の時点(投薬の5時間後)で見られる、延長した作用の持続時間を実証する。
図7に示されるように、血中カルシウムレベルは、生理食塩水(G1)、1kg当たり80マイクログラムのPTH(G2)、1kg当たり80マイクログラムのEU−232(G3)、または1kg当たり320マイクログラムのEU−232(G4)でのラットに対する投薬後に、様々な時点で試験された。対照(G1)とは統計的に有意に異なる群はなかった。重要なことに、EU−232に対する最大に有効な用量および時間点(G4;5時間で)は、上昇を示さず、それ故、最大に有効な用量での高カルシウム血症の傾向は示されない。高カルシウム血症は、PTH1−34、およびPTHの強力なアナログの投与後に見られる(see)、重要な副作用である。
本明細書に記載されるペプチドをもたらすための界面活性物質の修飾に関係する、上に及び図面に記載される、改善は、医療でのそれらの使用に重要な影響をもたらす。このような分子は、PTH(皮下注射によるT1/2 30分)またはPTHrPなどの短時間作用型の天然ホルモンでの処置と比較して、増強された生物学的結果を与えるための、毎日1回、またはそれほど頻繁でない投与による使用に適している。EU−232などの界面活性物質で修飾されたペプチドは、鼻のバイオアベイラビリティに対する界面活性物質の周知の効果が原因で、鼻腔内吸入によって投与されるときに、より大きな生物学的作用を示すと予想され得る。
したがって、幾つかの実施形態では、本明細書に記載される界面活性物質で修飾されたペプチド生成物は、タンパク質分解の発生を減少させる。幾つかの実施形態では、PTH及び/又はPTHrP及び/又はそれらのアナログの共有結合修飾によって、治療薬の生産コストを減少させることが可能であり、共有結合的に付けられた界面活性物質部分の存在によって好都合な薬学的特性が提供される。幾つかの実施形態では、本明細書に記載される界面活性物質で修飾されたPTH及び/又はPTHrPは、このような共有結合修飾を欠く他の既知のペプチドリガンド(Dean, et al.(Dean, T., et al. (2006) J Biol Chem 281: 32485−32495)のリガンドなど)と比較して、結果として生じるリガンドのPKおよび作用持続時間(PD)の作用を延長させる。本明細書に提示される実施形態の範囲内ではまた、界面活性物質で修飾したPTH及び/又はPTHrP及び/又はそれらのアナログの長期的で安全な投与が熟慮される。
幾つかの例では、N末端結合領域は、残基14あたりで終了し、ヘリックス領域は、残基16以降(onward)を囲む(encompasses)。したがって、15以降の領域で1−アルキルグルクロン酸の修飾によって1−14領域で最適化されたリガンドは、高い効能(1−アルキル修飾)を有して高い特異的結合(N末端)を有する。C末端領域におけるα−ヘリックスの安定化する置換(Kaul, R. and Balaram, P. (1999) Bioorg Med Chem 7: 105−117)の使用は、より高いヘリックス含量およびより高い効能につながる。一般に使用されるα−ヘリックスの安定剤は、Ala、およびAib、Ac4c、Ac5cなどの1,1−ジアルキルアミノ酸のクラスである(下記の定義を参照)。PTH構造の最小化は、短くされたアナログにつながり、ここで、抑制されたα−ヘリックスの安定剤は、重要な効能の増加につながった(Shimizu, M., et al. (2000) J Biol Chem 275: 21836−21843)。例えば、PTH1−14およびPTH1−11のアナログの位置1および3へのAibの置換は、増加した効能につながった(Shimizu, N., et al. (2001) J Biol Chem 276: 49003−49012)。位置1でのより多くの妨害されたα−ヘリックスの安定剤の組み込みは、さらなる効能の増加につながる(Shimizu, N., et al. (2004) J Bone Miner Res 19: 2078−2086)。PTH1−34アナログの様々な位置へのAibの置換、特に位置12および13での置換も、効能の改善につながった(Peggion, E., et al. (2003) Biopolymers 68: 437−457)。しかしながら、単純なPTH1−11配列の位置1および3でのAibが、許容可能ではなかったが示された(Barazza, A., et al. (2005) J Pept Res 65: 23−35)。したがって、幾つかの実施形態では、PTH及び/又はPTHrPのα−ヘリックス含量は、ペプチド生成物の安定性の決定子である(Marx, U.C., et al. (1995) J Biol Chem 270: 15194−15202; Schievano, E., et al. (2000) Biopolymers 54: 429−447)。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載される共有結合ペプチドの修飾における、Nε−(1’−ドデシルベータ−D−グルクロニル)−リジンなどの、長側鎖の使用は、α−ヘリックスを不安定にする。したがって、また本明細書に提示される実施形態の範囲内ではまた、α−ヘリックスの安定剤を含む修飾である。したがって、幾つかの実施形態では、本明細書に記載される界面活性物質で修飾されたペプチド生成物は、(例えば、界面活性物質の置換のちょうどN末端及び/又はC末端の位置で)ヘリックス安定剤を含む。幾つかの実施形態では、α−ヘリックス安定剤は、PTH及び/又はPTHrPの鎖における位置12に位置する。ほんの一例として、下記の表は、がα−ヘリックス安定剤を含む、EU−212乃至EU−282の特定の界面活性物質で修飾されたペプチド生成物(EU−212乃至EU−282)を記載する。
1つの態様では、共有結合的に修飾され、本明細書に記載される方法に適したペプチドは、PTHrP及び/又はその関連するホルモンPTHの切断されたアナログであり、該アナログは、限定されないが:
hPTH(1−34):Ser1−Val2−Ser3−Glu4−Ile5−Gln6−Leu7−Met8−His9−Asn10−Leu11−Gly12−Lys13−His14−Leu15−Asn16−Ser17−Met18−Glu19−Arg20−Val21−Glu22−Trp23−Leu24−Arg25−Lys26−Lys27−Leu28−Gln29−Asp30−Val31−His32−Asn33−Phe34−OH;(SEQ ID NO.290)または、
hPTHrP(1−34):Ala1−Val2−Ser3−Glu4−His5−Gln6−Leu7−Leu8−His9−Asp10−Lys11−Gly12−Lys13−Ser14−Leu15−Gln16−Asp17−Leu18−Arg19−Arg20−Arg21−Phe22−Phe23−Leu24−His25−His26−Leu27−Ile28−Ala29−Glu30−Ile31−His32−Thr33−Ala34−OH(SEQ ID NO.291)、を含む。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるペプチド生成物は、以下の式2Vの構造を有し:
式中:
Zは、OH、または−NH−R3であり、ここで、R3は、HまたはC1−C12アルキル;または10Da未満のPEG鎖であり;
aa1は、Ala、Ser、Val、Pro、Aib、Ac5c、またはDegであり;
aa2は、Valであり;
aa3は、Ser、Ala、Aib、Ac4c、またはDegであり;
aa4は、Gluであり;
aa5は、His、またはIleであり;
aa6は、Gln、またはCitであり;
aa7は、Leu、またはPheであり;
aa8は、Leu、Met、またはNleであり;
aa9は、Hisであり;
aa10は、Asp、Asn、Gln、Glu、Cit、Ala、またはAibであり;
aa11は、Lys、Leu、Ile、Arg、またはhArgであり;
aa12は、Gln、Ala、Glu、Lys、Aib、またはAc5cであり;
aa13は、Lys、またはArgであり;
aa14は、Ser、His、Trp、Phe、Leu、Arg、Lys、Glu、Nal(2)、または位置aa18に環化され;
aa15は、Ile、Leu、Aibであり;
aa16は、Gln、Asn、Glu、Lys、Ser、Cit、Aib、Ac5c、U(X)であり;
aa17は、Asp、Ser、Aib、Ac4c、Ac5c、U(X)、Zであり;
aa18は、存在しない、Leu、Gln、Cit、Aib、Ac5c、Lys、Glu、またはU(X)、または位置aa14に環化され;
aa19は、存在しない、Arg、Glu、Aib、Ac4c、Ac5c、またはU(X)であり;
aa20は、存在しない、Arg、Glu、Lys、Aib、Ac4c、Ac5c、またはU(X)であり;
aa21は、存在しない、Arg、Val、Aib、Ac5c、Deg、またはU(X)であり;
aa22は、存在しない、Phe、Glu、Aib、Ac5c、Lys、U(X)、または位置aa18またはaa26に環化され;
aa23は、存在しない、またはLeu、Phe、Trp、またはU(X)であり;
aa24は、存在しない、His、Arg、Leu、Aib、Ac5c、またはU(X)であり;
aa25は、存在しない、His、Lys、Arg、またはU(X);
aa26は、存在しない、His、Lys、Arg、Aib、Ac5c、または位置aa22に環化され;
aa27は、存在しない、Leu、またはLysであり;
aa28は、存在しない、Ile、またはLeuであり;
aa29は、存在しない、Ala、Gln、Cit、またはAibであり;
aa30は、存在しない、Glu、Asp、またはAibであり;
aa31は、存在しない、Ile、Val、Aib、Ac5C、またはU(X)であり;
aa32は、存在しない、His、Aib、Ac5C、またはU(X)であり;
aa33は、存在しない、Thr、Asn、Aib、Ac5C、またはU(X)であり;
aa34は、存在しない、Ala、Phe、Aib、Ac5C、またはU(X)であり;
aa35は、存在しない、Aib、Ac5C、またはU(X)であり;
aa36は、存在しない、Aib、Ac5C、またはU(X)であり;
Uは、結合するアミノ酸であり;および
Xは、Uの側鎖に界面活性物質で結合され;
ここで、aa1−aa36のいずれか2つは、それらの側鎖を介して随意に環化されることで、ラクタム結合を形成し;
但し、aa1−aa36の1つ、または少なくとも1つは、Uであることを条件とする。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるペプチド生成物は、上に記載されるような(SEQ ID NO.292)式Vのaa1−aa20を含む。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるペプチド生成物は、上に記載されるような(SEQ ID NO.293)式Vのaa1−aa19を含む。
具体的な実施形態では、結合アミノ酸Uは、LysまたはOrnなどのジアミノ酸であり、Xは、Uに結合された1−アルキルグリコシドクラスからの修飾された界面活性物質であり、Zは、OH、または−NH−R3)であり、ここで、R3は、HまたはC1−C12;または10Da未満のPEG鎖である。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるペプチド生成物は、以下の式2−VIの構造を有し:
式中:
Zは、OH、または−NH−R3であり、R3は、H、C1−C12アルキルまたは10da未満のPEG鎖であり;
aa1は、Aib、Ac5c、Degであり;
aa3は、Aib、Ac4c、Degであり;
aa5は、His、Ileであり;
aa6は、Gln、キットであり;
aa7は、Leu、Pheであり;
aa8は、Leu、Nleであり;
aa10は、Asp、Asn、Gln、Glu、Cit、Ala、Aibであり;
aa11は、Arg、hArgであり;
aa12は、Gly、Ala、Glu、Lys、Aib、Ac5cであり;
aa13は、Lys、Argであり;
aa14は、Ser、His、Trp、Phe、Leu、Arg、Lys、Nal(2)であり;
aa15は、Ile、Leu、Aibであり;
aa16は、Gln、Asn、Glu、Lys、Ser、Cit、Aib、U(X)であり;
aa17は、Asp、Ser、Aib、Ac4c、Ac5c、U(X)であり;
aa18は、存在しない、またはLeu、Gln、Cit、Aib、Ac5c、Lys、Glu、U(X)であり;
aa19は、存在しない、またはArg、Glu、Aib、Ac4c、Ac5c、U(X)であり;
aa20は、存在しない、またはArg、Glu、Lys、Aib、Ac4c、Ac5c、U(X)であり;
aa21は、存在しない、またはArg、Val、Aib、Ac5C、Deg、U(X)であり;
aa22は、存在しない、またはPhe、Glu、LysまたはU(X)であり;
aa23は、存在しない、またはLeu、Phe、TrpまたはU(X)であり;
aa24は、存在しない、またはLeu、His、Arg、またはU(X)であり;
aa25は、存在しない、またはHis、Lys、またはU(X)であり、および
aa26は、存在しない、またはAib、Ac5cであり;
Uは、結合するアミノ酸であり;
Xは、Uに結合された1−アルキルグリコシドクラスからの修飾された界面活性物質であり、ここで、1−アルキル基は、置換または非置換のC1−C20アルキルまたは置換または非置換のC1−C20アラルキルであり;
但し、aa1−aa26の1つ、または少なくとも1つは、Uであることを条件とする。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるペプチド生成物は、以下の式2−VIIの構造を有し;
式中:
Zは、OHまたは−H2であり;
aa1は、Aib、Ac5cであり;
aa12は、Ala、Glu、Lys、Aib、Ac5cであり;
aa14は、Trp、Phe、Nal(2)であり;
aa16は、Gln、Asn、Glu、Lys、Cit、U(X)であり;
aa17は、Asp、Ser、Aib、Ac4c、Ac5c、U(X)であり;
aa18は、存在しない、またはLeu、Gln、Aib、U(X)であり;
aa19は、存在しない、またはArg、Glu、Aib、Ac4c、Ac5cであり;
aa20は、存在しない、またはArg、Glu、Lys、Aib、Ac4c、Ac5cであり;
aa21は、存在しない、またはArg、Val、Aib、Ac5C、Degであり;
aa22は、存在しない、またはPhe、Glu、LysまたはU(X)であり;
aa23は、存在しない、またはLeu、Phe、TrpまたはU(X)であり;
aa24は、存在しない、またはHis、Arg、またはUであり;
aa25は、存在しない、またはHis、Lys、またはUであり、および
aa26は、存在しない、またはAib、Ac5cであり;
Uは、結合するアミノ酸であり;
Xは、Uに結合された1−アルキルグリコシドクラスからの修飾された界面活性物質であり、ここで、1−アルキル基は、置換または非置換のC1−C20アルキルまたは置換または非置換のC1−C20アラルキルであり;
但し、aa1−aa26の1つ、または少なくとも1つは、Uであることを条件とする。
幾つかの実施形態において、ペプチド生成物は、以下の式IIIの構造を有し:
式中:
Zは、OHまたは−NH2であり;
aa1は、Aib、またはAc5cであり;
aa12は、Ala、Aib、Glu、Lys、またはAc5cであり;
aa14は、Trp、Phe、Lys、GluまたはNal(2)であり;
aa16は、Gln、Asn、Glu、Lys、Cit、またはU(X)であり;
aa17は、Asp、Ser、Aib、Ac4c、Ac5c、またはU(X)であり;
aa18は、存在しないまたはLeu、Gln、Aib、Lys、GluまたはU(X)であり;
aa19は、存在しないまたはArg、Glu、Aib、Ac4c、またはAc5cであり;
aa20は、存在しないまたはArg、Glu、Lys、Aib、Ac4c、Ac5cであり;
aa21は、存在しないまたはArg、Val、Aib、Ac5C、またはDegであり;
aa22は、存在しないまたはPhe、Glu、LysまたはU(X)であり;
aa23は、存在しないまたはLeu、Phe、TrpまたはU(X)であり;
aa24は、存在しないまたはHis、Arg、またはU(X)であり;
aa25は、存在しないまたはHis、Lys、またはU(X)であり;および
aa26は、存在しないまたはAib、Ac5cであり;
ここで、aa1−aa26のいずれか2つは、それらの側鎖を介して随意に環化されることで、ラクタム結合を形成し;
但し、aa16、aa17、aa18、aa22、aa23、aa24またはaa25の1つまたは少なくとも1つが、Xに共有結合的に付けられたリンカーアミノ酸Uであることを条件とする。
上の式2−IIIの具体的な実施形態では、Xは、以下の構造を有し:
式中:
R1aは、置換または非置換のC1−C30アルキル基であり;
R1b、R1c、およびR1dは、Hであり;
W1は、−(C=O)−NH−であり;
W2は、−O−であり;および
R2は、単結合である。
上に記載される実施形態の幾つかでは、R1aは、C1−C20アルキル基、C1−C18アルキル基、C1−C16アルキル基、またはC1−C12アルキル基である。式2−IIIの幾つかの実施形態では、Uは、本明細書に記載される任意のリンカーアミノ酸である。
本明細書に提示される実施形態の範囲内では、式2−I−A、式2−III、式2−V、式2−VIまたは式2−VIIのペプチド生成物が熟慮され、ここで、ペプチド生成物は、1つ、または1つを超える界面活性物質の基(例えば、式Iの構造を有する基X)を含む。1つの実施形態では、式2−I−A、式2−III、式2−V、式2−VIまたは式2−VIIのペプチド生成物は、1つの界面活性物質の基を含む。別の実施形態では、式2−I−A、式2−III、式2−V、式2−VIまたは式2−VIIのペプチド生成物は、2つの界面活性物質の基を含む。また別の実施形態では、式2−I−A、式2−III、式2−V、式2−VIまたは式2−VIIのペプチド生成物は、3つの界面活性物質の基を含む。
図2−1乃至図2−4の表2は、本明細書に記載されるような界面活性物質との共有結合に適している、ペプチドの特定の例を例証する。
本明細書には、限定されないが、骨粗鬆症、骨減少症、閉経後骨粗鬆症、パジェット病、グルココルチコイド誘発性の骨粗鬆症、炎症性の骨損失、インプラントの定着、顎の骨壊死、幹細胞増殖、老年骨粗鬆症、液性高カルシウム血症などを含む、骨損失及び/又は副甲状腺機能亢進症に関係する疾病の処置のための、SEQ ID NO.170の特定の部分の重要性が認識されている。
したがって、本明細書には、SEQ ID NO.170のアミノ酸残基aa1−aa17を含む、治療上有効な量のPTHアナログを、それを必要としている個体に投与する工程を含む、それを必要としている個体において、骨損失(例えば、骨粗鬆症)及び/又は副甲状腺機能亢進症に関係する疾病を処置する方法が提供される。
さらなる実施形態において、本明細書には、SEQ ID NO.170のアミノ酸残基aa1−aa18を含む、治療上有効な量のPTHアナログを、それを必要としている個体に投与する工程を含む、それを必要としている個体において、骨損失(例えば、骨粗鬆症)及び/又は副甲状腺機能亢進症に関係する疾病を処置する方法が提供される。
別の実施形態において、本明細書には、SEQ ID NO.170のアミノ酸残基aa1−aa19を含む、治療上有効な量のPTHアナログを、それを必要としている個体に投与する工程を含む、それを必要としている個体において、骨損失(例えば、骨粗鬆症)及び/又は副甲状腺機能亢進症に関係する疾病を処置する方法が提供される。
別の実施形態において、本明細書には、SEQ ID NO.170のアミノ酸残基aa1−aa20を含む、治療上有効な量のPTHアナログを、それを必要としている個体に投与する工程を含む、それを必要としている個体において、骨損失(例えば、骨粗鬆症)及び/又は副甲状腺機能亢進症に関係する疾病を処置する方法が提供される。
さらなる実施形態において、上に記載される前記PTHアナログの投与は、骨密度の増加を引き起こす。
本明細書には、限定されないが、骨粗鬆症、骨減少症、閉経後骨粗鬆症、パジェット病、グルココルチコイド誘発性の骨粗鬆症、炎症性の骨損失、インプラントの定着、顎の骨壊死、幹細胞増殖、老年骨粗鬆症、液性高カルシウム血症などを含む、骨損失及び/又は副甲状腺機能亢進症に関係する疾病の処置のための、SEQ ID NO.171、173、174、645または646の特定の部分の重要性が認識されている。
したがって、本明細書には、SEQ ID NO.171、173、174、290または291のアミノ酸残基aa1−aa17を含む、治療上有効な量のPTHアナログを、それを必要としている個体に投与する工程を含む、それを必要としている個体において、骨損失及び/又は副甲状腺機能亢進症に関係する疾病を処置する方法が提供される。
さらなる実施形態において、本明細書には、SEQ ID NO.171、173、174、290または291のアミノ酸残基aa1−aa18を含む、治療上有効な量のPTHアナログを、それを必要としている個体に投与する工程を含む、それを必要としている個体において、骨損失(例えば、骨粗鬆症)及び/又は副甲状腺機能亢進症に関係する疾病を処置する方法が提供される。
別の実施形態において、本明細書には、SEQ ID NO.171、173、174、290または291のアミノ酸残基aa1−aa19を含む、治療上有効な量のPTHアナログを、それを必要としている個体に投与する工程を含む、それを必要としている個体において、骨損失(例えば、骨粗鬆症)及び/又は副甲状腺機能亢進症に関係する疾病を処置する方法が提供される。
別の実施形態において、本明細書には、SEQ ID NO.171、173、174、290または291のアミノ酸残基aa1−aa20を含む、治療上有効な量のPTHアナログを、それを必要としている個体に投与する工程を含む、それを必要としている個体において、骨損失(例えば、骨粗鬆症)及び/又は副甲状腺機能亢進症に関係する疾病を処置する方法が提供される。
さらなる実施形態では、上に記載される前記PTHアナログの投与は、骨密度の増加を引き起こす。
上に記載される実施形態のいずれかでは、前記PTHアナログは、式2−Iの界面活性物質Xによって修飾され:
式中:
R1aは、各々の出現で独立して、単結合、H、非天然の、置換または非置換のC1−C30アルキル基、置換または非置換のアルコキシアリール基、置換または非置換のアラルキル基、またはステロイド核を含有する部分であり;
R1b、R1c、およびR1dは、各々の出現で独立して、単結合、H、非天然の、置換または非置換のC1−C30アルキル基、置換または非置換のアルコキシアリール基、または置換または非置換のアラルキル基であり;
W1は、各々の出現で独立して、−CH2−、−CH2−O−、−(C=O)、−(C=O)−O−、−(C=O)−NH−、−(C=S)−、−(C=S)−NH−、または−CH2−S−であり;
W2は、−O−、−CH2−、または−S−であり;
R2は、各々の出現で独立して、Uに対する単結合、H、置換または非置換のC1−C30アルキル基、置換または非置換のアルコキシアリール基、または置換または非置換のアラルキル基、−NH2、−SH、C2−C4−アルケン、C2−C4−アルキン、−NH(C=O)−CH2−Br、−(CH2)m−マレイミド、または−N3であり;
nは、1、2または3であり;
mは、1−10である。
具体的な実施形態では、前記PTHアナログは、以下の構造を有する界面活性物質Xによって修飾され:
式中:
R1aは、置換または非置換のC1−C30アルキル基であり;
R1b、R1c、およびR1dは、Hであり;
W1は、−(C=O)−NH−であり;
W2は、−O−であり;および
R2は、単結合である。
上に記載される実施形態の幾つかでは、R1aは、C1−C20アルキル基、C8−C20アルキル基、C12−C18アルキル基またはC14−C18アルキル基である。
アミノ末端またはカルボキシル末端での修飾は、ペプチド(例えば、PTHまたはPTHrP)へと随意に導入され得る(Nestor, J.J., Jr. (2009) Current Medicinal Chemistry 16: 4399 − 4418)。
例えば、ペプチドは、幾つかのペプチドに対して見られるように、低い効力、部分アゴニストおよびアンタゴニストの活性を示すペプチドアナログを与えるために、N末端上で切断またはアシル化され得(Gourlet, P., et al. (1998) Eur J Pharmacol 354: 105−111, Gozes, I. and Furman, S. (2003) Curr Pharm Des 9: 483−494)、それらの内容は、引用によって本明細書に組み込まれる。例えば、最初のbPTHの6つの残基の欠失によって、アンタゴニストのアナログがもたらされ(Mahaffey, J.E., et al. (1979) J Biol Chem 254: 6496−6498; Goldman, M.E., et al. (1988) Endocrinology 123: 2597−2599)、本明細書に記載されるペプチドに対する類似した作用によって、強力なアンタゴニストのアナログが生じる。D−PheなどのD−アミノ酸の欠失または組み込みのような、ペプチドのN末端に対する他の修飾によってもまた、長鎖アルキルグリコシドなど、本明細書に記載される修飾によって置換されるときの、強力で長期的に作用するアゴニストまたはアンタゴニストを得ることができる。このようなアゴニストおよびアンタゴニストはまた、商業上有用であり、本明細書に記載される熟慮された実施形態の範囲内にある。
本明細書に提示される実施形態の範囲内では、PTH(例えば7−34の残基アナログ)またはPTHrPのN末端切断が熟慮され、それによって、インバースアゴニスト(Gardella, T.J., et al. (1996) Endocrinology 137: 3936−3941)またはアンタゴニストが提供される。幾つかの実施形態では、PTH及び/又はPTHrPのインバースアゴニスト及び/又はアンタゴニストは、広範囲の腫瘍に関係する「液性高カルシウム血症」の処置に有用である。
本明細書に記載される実施形態の範囲内ではまた、ペプチドアナログに共有結合的に付けられた界面活性物質が熟慮され、ここで、天然のペプチドは、アセチル化、アシル化、ペグ化、ADPリボシル化、アミド化、脂質または脂質の誘導体の共有結合的な付着、ホスホチジルイノシトール(phosphotidylinositol)の共有結合的な付着、交差結合、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、システインの共有結合的な交差結合形成の形成、ピログルタミン酸の形成、フォルミル化、ガンマ−カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質プロセシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、グリコシル化、脂質の付着、硫酸化、グルタミン酸残基のガンマ−カルボキシル化、ヒドロキシル化およびADPリボシル化、セレニル化(selenoylation)、硫酸化、アルギニル化(arginylation)などの、アミノ酸のタンパク質への転移RNA媒介性の付加、およびユビキチン化によって修飾される。例えば、(Nestor, J.J., Jr. (2007) Comprehensive Medicinal Chemistry II 2: 573−601, Nestor, J.J., Jr. (2009) Current Medicinal Chemistry 16: 4399 − 4418, Creighton, T.E. (1993, Wold, F. (1983) Posttranslational Covalent Modification of Proteins 1−12, Seifter, S. and Englard, S. (1990) Methods Enzymol 182: 626−646, Rattan, S.I., et al. (1992) Ann N Y Acad Sci 663: 48−62)を参照。
本明細書に記載される実施形態の範囲内ではまた、分枝形成のある又はない、分枝される又は環状であるペプチドが熟慮される。環式の、分枝した及び分枝した環状ペプチドは、翻訳後の自然工程から結果として生じ、適切な合成方法によっても作られる。幾つかの実施形態では、本明細書に記載される任意のペプチド生成物は、その後、アルキル−グリコシドの界面活性物質部分に共有結合的に付けられる、上に記載されるペプチドアナログを含む。
本明細書に提示される実施形態の範囲内ではまた、本明細書に請求されるアナログの修飾によって、例えば、オクタン、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、3−フェニルプロパン酸などの、脂肪酸との、または飽和または不飽和のアルキル鎖との、例えば、Lysのε−位置での、リンカーアミノ酸上のアシル化によって、適切な位置で置換される、ペプチド鎖が熟慮される(Zhang, L. and Bulaj, G. (2012) Curr Med Chem 19: 1602−1618)。このようなアナログの限定しない、例示的な例は、以下のとおりである:
Ac5c1―Val2−Aib3−Glu4−Ile5−Gln6−Leu7−Nle8−His9−Gln10−hArg11−Ala12−Arg13−Trp14−Ile15−Gln16−Aib17−Lys(N−イプシロン−ドデカノイル)18−Aib19−NH2(SEQ ID NO.294)
Ac5c1−Val2−Aib3−Glu4−Ile5−Gln6−Leu7−Nle8−His9−Gln10−hArg11−Ala12−Arg13−Trp14−Ile15−Gln16−Aib17−Lys(N−イプシロン−ドデカノイル)18−NH2(SEQ ID NO.295)
Ac5c1−Val2−Aib3−Glu4−Ile5−Gln6−Leu7−Nle8−His9−Gln10−hArg11−Ala12−Arg13−Trp14−Ile15−Gln16−Aib17−Lys(N−イプシロン−パルミトイル)18−Aib19−NH2(SEQ ID NO.296)
Ac5c1−Val2−Aib3−Glu4−Ile5−Gln6−Leu7−Nle8−His9−Gln10−hArg11−Ala12−Arg13−Phe14−Ile15−Gln16−Aib17−Lys(N−イプシロン−ドデカノイル)18−Aib19−NH2(SEQ ID NO.297)
Ac5c1−Val2−Aib3−Glu4−Ile5−Gln6−Leu7−Nle8−His9−Gln10−hArg11−Ala12−Arg13−Trp14−Ile15−Gln16−Aib17−Lys(N−イプシロン−テトラデカノイル)18−Aib19−NH2(SEQ ID NO.298)
Ac5c1−Val2−Aib3−Glu4−Ile5−Gln6−Leu7−Nle8−His9−Gln10−hArg11−Ala12−Arg13−Trp14−Ile15−Gln16−Aib17−Lys(N−イプシロン−テトラデカノイル)18−Aib19−Aib20−NH2(SEQ ID NO.299)
Ac5c1−Val2−Aib3−Glu4−Ile5−Gln6−Leu7−Nle8−His9−Gln10−hArg11−Ala12−Arg13−Trp14−Ile15−Gln16−Aib17−Lys(N−イプシロン−(Nアルファ−ドデカノイル−L−グルタミル))18−Aib19−NH2(SEQ ID NO.300)など。
他の実施形態では、ペプチド鎖は、ステロイド核(例えばコレステロール部分)など、スペーサーおよび疎水性の部分でリンカーアミノ酸(例えばシステインのメルカプト基)上の反応によって適切な位置で置換される。そのような実施形態のうちのいくつかでは、変更されたペプチドはさらに1つ以上のPEG鎖を含む。ナノカプセル化の限定しない例は、次のものである。
<GLPペプチドおよびアナログ>
また本明細書において提供されるものは、幾つかの実施形態において、界面活性剤の結合によって変更されるペプチド及び/又はタンパク質(例えば、GLP−1、グルカゴン、グルカゴンまたはGLP−1のアナログなどを変更した)の合成用、試薬および中間物である。
本明細書で与えられたものは、幾つかの実施形態において、ペプチド、リンカーアミノ酸Uを含むペプチド、および少なくとも1つの他のアミノ酸に共有結合で愛情を持っていた界面活性剤Xを含むペプチド産物である。
ここで、界面活性剤Xは化学式Iの基である。
ここで、R1aは、各々の発生において、単結合、H、置換または非置換のC1−C30アルキル基、置換または非置換のアルコキシアルキル基または置換または非置換のアラルキル基に、独立して存在し、
R1b、R1cおよびR1dは、各々の発生において、単結合、H、置換または非置換のC1−C30アルキル基、置換または非置換のアルコキシアルキル基、または置換または非置換のアラルキル基に各々独立して存在し、
W1は、各々の発生において、―CH2―、―CH2−O−、―(C=O)、―(C=O)―O−、―(C=O)―NH−、―(C=S)―、―(C=S)―NH−、或いは―CH2S―に独立して存在し、
W2は―O―、―CH2−あるいは―S―であり、
R2は、各々の発生において、単結合、H、置換または非置換のC1−C30アルキル基、置換または非置換のアルコキシアルキル基、または置換または非置換のアラルキル基、―NH2、―SH、C2−C4−アルケン、C2−C4−アルキン、―NH(C=O)−CH2−Br、―(CH2)m ―マレイミド、あるいは―N3であり、
nは、1、2又は3であり、
mは1−10であり、
ペプチドは、化学式3−IIから選択され、
ここで、
Zは、OH(あるいは―NH−R3)であり、ここで、R3はHまたはC1−C12置換又は非置換アルキル、あるいは10Da未満のPEG鎖であり、
aa1はHis、N−Ac−His、pGlu−His、あるいはN−R3−Hisであり、
aa2はSer、Ala、Gly、Aib、Ac4cまたはAc5cであり、
aa3はGlnまたはCitであり、
aa4はGlyまたはD−Alaであり、
aa5はThrまたはSerであり、
aa6はPhe、Trp、F2Phe、Me2PheまたはNal2であり、
aa7はThrまたはSerであり、
aa8はSerまたはAspであり、
aa9はAspまたはGluであり、
aa10はTyr、Leu、Met、Nal2、BipまたはBip2EtMeOであり、
aa11はSer、AsnまたはUであり、
aa12はLys、Glu、Ser、ArgまたはUであり、
aa13は存在しない、あるいはTyr、Gln、CitまたはUであり、
aa14は存在しない、あるいはLeu、Met、Nle、またはUであり、
aa15は存在しない、あるいはAsp、GluまたはUであり、
aa16は存在しない、あるいはSer、Gly、Glu、Aib、Ac5c、Lys、ArgまたはUであり、
aa17は存在しない、あるいはArg、hArg、Gln、Glu、Cit、Aib、Ac4c、Ac5cまたはUであり、
aa18は存在しない、あるいはArg、hArg、Ala、Aib、Ac4c、Ac5cまたはUであり、
aa19は存在しない、あるいはAla、Val、Aib、Ac4c、Ac5cまたはUであり、
aa20は存在しない、あるいはGln、Lys、Arg、Cit、Glu、Aib、Ac4c、Ac5cまたはUであり、
aa21は存在しない、あるいはAip、Glu、Leu、Aib、Ac4c Ac5cまたはU;
aa22は存在しない、あるいはPhe、Trp、Nal2、Aib、Ac4c、Ac5cまたはUであり、
aa23は存在しない、あるいはVal、Ile、Aib、Ac4c、Ac5cまたはUであり、
aa24は存在しない、あるいはGln、Ala、Glu、CitまたはUであり、
aa25は存在しないか、またはTrp、Nal2、またはUであり、
aa26は存在しない、あるいはLeu、またはUであり、
aa27は存在しないかまたはMet、Val、Nle、Lys、あるいはUであり、
aa28は存在しない、あるいはAsn、LysまたはUであり、
aa29は存在しない、あるいはThr、グリシン、Aib、Ac4c、Ac5cまたはUであり、
aa30は存在しない、あるいはリース、Aib、Ac4c、Ac5cまたはUであり、
aa31は存在しない、あるいはアルギニン、Aib、Ac4c、Ac5cまたはUであり、
aa32は存在しない、あるいはアスパラギン、Aib、Ac4c、Ac5cまたはUであり、
aa33は存在しない、あるいはアルギニン、Aib、Ac4c、Ac5cまたはUであり、
aa34は存在しない、あるいはアスパラギン、Aib、Ac4c、Ac5cまたはUであり、
aa35は存在しない、あるいはアスパラギン、Aib、Ac4c、Ac5cまたはUであり、
aa36は存在しない、あるいは塩化ピクリル、Aib、Ac4c、Ac5CまたはUであり、
aa36は存在しない、あるいは翼、Aib、Ac4c、Ac5CまたはU;
aa37は存在しないか、またはUであり、
Uは、界面活性剤Xに対する共有結合の取付けに使用された官能基を含む天然か不自然なアミノ酸である;
ここで、aa1−aa37のうちの任意の2はラクタム結合を形成するためにそれらの側鎖によって随意に環化される;
そして、aa11―aa37の1つ、または少なくとも1つがXに共有結合で付けられたリンカーアミノ酸Uであると規定した。
幾つかの実施形態では、nは1である。幾つかの実施形態では、nは2である。また、第1の配糖体は、第1の配糖体、および第2の配糖体のOR1b、OR1cまたはOR1dのうちの任意の1つのW2の間の結合によって第2配糖体に付けられている。
幾つかの実施形態では、nは3である。また、第1の配糖体は、第1の配糖体、および第2の配糖体のOR1b、OR1cまたはOR1dのうちの任意の1つのW2の間の結合による第2配糖体および第2の配糖体に付けられている、第2の配糖体、および第3の配糖体のOR1b、OR1cまたはOR1dのうちの任意の1つのW2の間の結合によって第3の配糖体に付けられている。
一実施形態において、 化学式I−Aの化合物は、Xが化学式3−Iの構造を有し:
ここで、
R1aは、H、保護基、置換または非置換のC1−C30アルキル基またはステロイド核含有部分であり;
R1b、R1cおよびR1dは、各々の発生、H、保護基または置換または非置換のC1−C30アルキル基に各々独立して存在し;
W1は、各々の発生(―CH2)―、―CH2O、―(C=O)、―(C=O)―O、―(C=O)―NH、―(C=S)―、―(C=S)―NH、あるいは―CH2S―に、独立して存在し;
W2は―O―、―S―であり;
R2は、単結合、C2−C4アルケン、C2−C4アルキンまたは―(CH2)m ―マレイミドであり;
及び、m1乃至10である。
別の実施形態において、化学式I−Aの化合物は、Xが前記構造を有する化合物である。
したがって、上に記載された実施形態では、R2は単結合である。
例えば、上に記載されたXの構造の典型的な実施形態では、W1は―C(=O)NH―であり、R2は、W1と、ペプチド(例えばペプチドの中にあるリジン残基の側鎖中のアミノ基)内のアミノ酸残基Uとの間の単結合である。
さらなる実施形態において、化学式I−Aの化合物は前記構造を有する化合物である。
例えば、上に記載されたXの構造の典型的な実施形態では、W1は−CH2−である。また、R2はXのアルキルリンクしたマレイミド官能基である。また、R2は、ペプチド(例えば、ペプチドのシステイン残基中のチオール基は、Xの上でマレイミドを有するチオエーテルを形成する)内のアミノ酸残基Uの適切な部分に付けられている。
さらに他の実施形態において、化学式I−Aの化合物は前記構造を有する化合物であり、
ここで、R1aは、H、保護基、置換または非置換のC1−C30アルキル基またはステロイド核含有部分であり;
R1b、R1cおよびR1dは、各々の発生において、H、保護基または置換または非置換のC1−C30アルキル基に各々独立して存在し;
W1はで−(C=O)−NH―であり;
W2は―O―であり;
R2は、単結合である。
追加の実施形態では、化学式I−Aの化合物はXが構造を有している化合物である:
ここで、R1aは、置換又は非置換のC1−C6アルキルであり;
R1b、R1cおよびR1dはHであり;
W1は−(C=O)−NH―であり;
W2は―O―であり;
及び、R2は単結合である。
上述した、本明細書に記載された幾つかの実施形態において、R1aは置換または非置換のC1−C30アルキル基である。
上述した、本明細書に記載された幾つかの実施形態において、R1aは置換または非置換のC6−C20アルキル基である。
また本明細書において熟慮したものは、代替の実施形態であり、ここで化学式3−I−AにおけるXは、つぎの構造を有している:
例えば、上述したXの構造の典型的な実施形態ではW1は―S―であり、R2はC1−C30アルキル基であり、W2はSであり、R1aは、W2と、ペプチド(例えば、ペプチドのシステイン残基中のチオール基はXとチオエーテルを形成する)内のアミノ酸残基Uの適切な部分との間の単結合である。
上述したXの構造の別の典型的な実施形態ではW1は−O−であり、R2はC1−C30アルキル基であり、W2はOであり、R1aは、W2と、ペプチド(例えば、ペプチドのセリンまたはトレオニンの残基中の水酸基は、Xとエーテルを形成する)内のアミノ酸残基Uの適切な部分の間の単結合である。
幾つかの実施形態では、UはXに付加する共有結合に使用され、また二塩基の天然または人工のアミノ酸であり、天然又は人工のアミノ酸はチオールを含み、人工のアミノ酸は、―N3基を含み、人工のアミノ酸はアセチレン基を含み、あるいは人工のアミノ酸は、―NHC(=O)−CH2−Br若しくは―(CH2)−(CH2)m−マレイミドを含み、ここで、mは1−10である。
ペプチド生成物の幾つかの実施形態において、界面活性剤は1−アルキルグリコシドクラスの界面活性剤である。
ペプチド生成物のいくつかの実施形態では、界面活性剤はアミド結合によってペプチドに付加されている。
ペプチド生成物の幾つかの実施形態において、界面活性剤Xは、1−アイコシルベータ−D−グルクロン酸、および1−オクタデシルベータ−D−グルクロン酸、1−ヘキサデシルベータ−D−グルクロン酸、1−テトラデシルベータ−D−グルクロン酸、1−ドデシルベータ−D−グルクロン酸、1−デシルベータ−D−グルクロン酸、1−オクチルベータ−D−グルクロン酸、1−アイコシルベータ−ジグルクロン酸、1−オクタデシルベータ−D−ジグルクロン酸、1−ヘキサデシルベータ−D−ジグルクロングルクロン酸、1−テトラデシルベータ−D−ジグルクロン酸、1−ドデシルベータ−D−ジグルクロン酸、1−デシルベータ−D−ジグルクロン酸、1−オクチルベータ−D−ジグルクロン酸、あるいは官能化された1−アイコシルベータ−D−グルコース、1−オクタデシルベータ−D−グルコース、1−ヘキサデシルベータ−D−グルコース、1−テトラデシルベータ−D−グルコース、1−ドデシルベータ−D−グルコース、1−デシルベータ−D−グルコース、1−オクチルベータ−D−グルコース、1−アイコシルベータ−D−マルトシド、1−オクタデシルベータ−D−マルトシド、1−ヘキサデシルベータ−D−マルトシド、1−ドデシルベータ−Dマルトシド、1−デシルベータ−D−マルトシド、1−オクチルベータ−D−マルトシドなどから構成され、ペプチド生成物は、前述の基と、ペプチド上の基(例えば、前述の―COOH基およびペプチドのアミノ基)との間の結合の形成によって調製される。
ペプチド生成物のいくつかの実施形態では、Uはペプチドの末端のアミノ酸である。ペプチド生成物のいくつかの実施形態では、Uはペプチドの不定期のアミノ酸である。ペプチド生成物のいくつかの実施形態では、Uは天然のD−アミノ酸又はL−アミノ酸である。ペプチド生成物のいくつかの実施形態では、Uは人工のアミノ酸である。ペプチド生成物の幾つかの実施形態において、Uは、Lys、Cys、Orn、または界面活性剤Xに対する共有結合の取付けに使用された官能基を含む人工のアミノ酸から選択される。
ペプチド生成物の幾つかの実施形態において、界面活性剤Xへのペプチドの共有結合の付加に使用される官能基は、―NH2、―SH、―OH、―N3、ハロアセチル ―(CH2)m−マレイミド(ここで、mは1−10である)、またはアセチレン基である。
幾つかの実施形態において、2つの異なるアミノ酸残基の側鎖官能基は周期性のラクタムを形成するために連結される。例えば、幾つかの実施形態では、Lys側鎖は、Gluの側鎖を有する周期性のラクタムを形成する。幾つかの実施形態において、そのようなラクタム構造は逆転され、グルタミン酸とリースから形成される。いくつかの実例中のそのようなラクタム結合は、ペプチド中のアルファらせん構造を安定させると知られている(Condon、S.M.ら著(2002年)Bioorg Med Chem、10号、731−736頁;Murage、E.N.ら著(2008年)、Bioorg はシン16をメドした:10106−12);Murage、E.N.ら著、(2010年)、J Med Chem 53号、(6412−20頁)。幾つかの実施形態において、システイン残基は立体構造の制限の類似した形態を達成し、かつらせん構造の形成を助けるために、ジThrフィド形成を介して連結され得る(Li,Yら、(2011年)Peptide 32号:1400−1407頁。幾つかの実施形態において、2つの異なるアミノ酸残基の側鎖官能基は立体構造の制限の類似した形態を達成するために、側鎖アジ化物とアルキン官能基の間の「クリック反応」を通じて生じたヘテロ環を形成するために連結され、螺旋の立体構造を安定させた(Le Chevalier Isaad A.ら著(2009年)J Peptide Sci15号:451−4頁)。
幾つかの実施形態では、共有結合されたアルキルグリコシドを含むペプチド生成物は共有結合で修飾されるグルカゴンまたはそのアナログである。そのような実施形態のうちのいくつかでは、ペプチド生成物は共有結合された1−O−アルキル・ベータ−D−グルクロン酸を含み、ペプチドはグルカゴンのアナログである。
幾つかの実施形態では、共有結合されたアルキルグリコシドを含むペプチド生成物は、共有結合で修飾されるGLP−1またはそのアナログである。そのような実施形態のうちのいくつかでは、ペプチド生成物は共有結合でリンクした1−O−アルキル・ベータ−D−グルクロン酸を含み、ペプチドはGLP−1のアナログである。
幾つかの実施形態では、化学式I−Aのペプチド生成物が化学式III−A、すなわち
ここで、ZはOH、又は―NHR3であり、ここで、R3はH、またはC1−C12置換又は非置換アルキル、若しくは10Da未満のPEG鎖であり;
aa1は、His、N−Ac−His、pGlu−His、あるいはN−R3−Hisであり;
aa2は、Ser、Ala、Gly、Aib、Ac4cまたはAc5cであり;
aa3はGln、またはCitであり;
aa4はGly、またはD−Alaであり;
aa5はThr、またはSerであり;
aa6はPhe、Trp、F2Phe、Me2PheまたはNal2であり;
aa7はThr、またはSerであり;
aa8はSer、またはAspであり;
aa9はASp、またはGluであり;
aa10は、Tyr、Leu、Met、Nal2、BipまたはBip2EtMeOであり;
aa11はSer、AsnまたはUであり;
aa12はLys、Glu、Ser、ArgまたはU(X)であり;
aa13は存在しない、あるいはTyr、Gln、CitまたはU(X)であり;
aa14は存在しない、あるいはLeu、Met、Nle、またはU(X)であり;
aa15は存在しない、あるいはAsp、GluまたはU(X)であり;
aa16は存在しない、あるいはSer、Gly、Glu、Aib、Ac5c、Lys、ArgまたはU(X)であり;
aa17は存在しない、あるいはArg、hArg、Gln、Glu、Cit、Aib、Ac4c、Ac5cまたはU(X)であり;
aa18は存在しない、あるいはArg、hArg、Ala、Aib、Ac4c、Ac5cまたはU(X)であり;
aa19は存在しない、あるいはAla、Val、Aib、Ac4c、Ac5cまたはU(X)であり;
aa20は存在しない、あるいはGln、Lys、Arg、Cit、Glu、Aib、Ac4c、Ac5cまたはU(X)であり;
aa21は存在しない、あるいはAsp、Glu、Leu、Aib、Ac4c、Ac5cまたはU(X)であり;
aa22は存在しない、あるいはPhe、Trp、Nal2、Aib、Ac4c、Ac5cまたはU(X)であり;
aa23は存在しない、あるいはVal、Ile、Aib、Ac4c、Ac5cまたはU(X)であり;
aa24は存在しない、あるいはGln、Ala、Glu、CitまたはU(X)であり;
aa25は存在しない、またはTrp、Nal2、またはU(X)であり;
aa26は存在しない、あるいはLeu、またはU(X)であり;
aa27は存在しない、あるいはMet、Val、Nle、Lys若しくはU(X)であり;
aa28は存在しない、あるいはAsn、LysまたはU(X)であり;
aa29は存在しない、あるいはThr、Gly、Aib、Ac4c、Ac5cまたはU(X)であり;
ここで、aa1−aa29のうちの任意の2つはラクタム結合を形成するためにそれらの側鎖によって随意に環化され;
そして、aa16、aa17、aa18、aa19、aa20、aa21、aa22、aa23、aa24、aa25、aa26、aa27、aa28またはaa29の1つ、または少なくとも1つが、Xに共有結合で付加された天然若しくは人工の自アミノ酸Uであると規定した。
幾つかの実施形態では、化学式I−Aのペプチド生成物は、化学式3−III−Bの構造を有し:すなわち、
ここで、ZはOHあるいは―NHR3であり、ここでR3はHまたは置換または非置換のC1−C12アルキルであり;
あるいは10Da未満のPEG鎖であり;
aa2は、Ser、Ala、Gly、Aib、Ac4cまたはAc5cであり;
aa3はGln、またはCitであり;
aa6は、Phe、Trp、F2Phe、Me2Phe、MePheまたはNal2であり;
aa10は、Tyr、Leu、Met、Nal2、BipまたはBip2EtMeOであり;
aa11はSer、AsnまたはU(X)であり;
aa12はLys、Glu、SerまたはU(X)であり;
aa13は存在しない、あるいはTyr、Gln、CitまたはU(X)であり;
aa14は存在しない、あるいはLeu、Met、Nle、またはU(X)であり;
aa15は存在しない、あるいはAsp、GluまたはU(X)であり;
aa16は存在しない、あるいはSer、Gly、Glu、Aib、Ac4c、Ac5c、Lys、RまたはU(X)であり;
aa17は存在しない、あるいはArg、hArg、Gln、Glu、Cit、Aib、Ac4c、Ac5cまたはU(X)であり;
aa18は存在しない、あるいはArg、hArg、Ala、Aib、Ac4c、Ac5cまたはU(X)であり;
aa19は存在しない、あるいはAla、Val、Aib、Ac4c、Ac5cまたはU(X)であり;
aa20は存在しない、あるいはGln、Lys、Arg、Cit、Glu、Aib、Ac4c、Ac5cまたはU(X)であり;
aa21は存在しない、あるいはAsp、Glu、Leu、Aib、Ac4c、Ac5cまたはU(X)であり;
aa22は存在しない、若しくはPhe、Aib、Ac4c、Ac5cであるか、またはU(X)であり、
aa23は存在しない、あるいはVal、Ile、Aib、Ac4c、Ac5cまたはU(X)であり;
ここで、aa1−aa23のうちの任意の2つはラクタム結合を形成するためにそれらの側鎖によって随意に環化され;
及び、aa16、aa17、aa18、aa19、aa20、aa21、aa22、aa23またはaa24の1つ、または少なくとも1つがXに共有結合で付加された天然又は人工のアミノ酸Uであると規定した。
化学式3−I−A、3−III−A、3−III−Bまたは化学式3−Vの幾つかの実施形態において、Uは本明細書に記載されている任意のリンカーアミノ酸である。
化学式3−I−A、3−III−A、3−III−Bまたは化学式3−Vの幾つかの実施形態において、Uは本明細書に記載されている任意のリンカーアミノ酸である。化学式3−I−A、3−III−A、3−III−Bまたは化学式3−Vのいくつかの実施形態では、aa12はリジンである。化学式3−I−A、3−III−A、3−III−Bまたは化学式3−Vのいくつかの実施形態では、aa14はロイシンである。
化学式3−I−A、3−III−A、3−III−Bまたは化学式3−Vのいくつかの実施形態では、aa12はリジンである。化学式I−A、III−A、III−Bまたは化学式Vのいくつかの実施形態では、aa14はロイシンである。
化学式3−I−A、3−III−A、3−III−Bまたは化学式3−Vのいくつかの実施形態では、aa18はXに付加されたリジン残基である。
化学式3−I−A、3−III−A、3−III−Bまたは化学式3−Vのいくつかの実施形態では、aa17はホモ・アルギニン(hArg)残基である。
化学式I−A、III−A、III−Bまたは化学式Vのいくつかの実施形態では、aa17はグリシン残基である。
化学式3−I−A、3−III−A、3−III−Bまたは化学式3−Vのいくつかの実施形態では、aa2はAibまたはAc4c残基である。
化学式3−I−A、3−III−A、3−III−Bまたは化学式3−Vの幾つかの実施形態において、ペプチドは1つ以上のAib残基を含む。
化学式3−I−A、3−III−A、3−III−Bまたは化学式3−Vの幾つかの実施形態において、ペプチドはC末端において1つ以上のAib残基を含む。
化学式3−I−A、3−III−A、3−III−Bまたは化学式3−Vの幾つかの実施形態において、ペプチド生成物は、つぎの構造を有する(SEQ.ID.NO.619):すなわち、
ここで、aa2はAibまたはAc4cであり;
aa17はArg、hArgまたはGlnであり;
aa19はAib、Ac4cまたはAc5cである;
及び、アルキルはC20の直鎖のアルキル鎖に対するC8である。
化学式3−I−A、3−III−A、3−III−Bまたは化学式3−Vの幾つかの実施形態において、ペプチド生成物は、つぎの構造を有する(SEQ.ID.NO.620):
ここで、aa2はAibまたはAc4cである、
aa17はアルギニン、hArgまたは、グルタミン、aa19およびaa20である、個々にAib、Ac4cまたはAc5cであり;
また、アルキルはC8乃至C20の直鎖のアルキル鎖である。
化学式3−I−A、3−III−A、3−III−Bまたは化学式3−Vの幾つかの実施形態において、ペプチド生成物は、つぎの構造(SEQ.ID.NO.621)を有する:すなわち、
ここで、aa2はAibまたはAc4cであり;
aa16はAibまたはAc4cであり;
aa17はArg、hArgまたはGlnであり;
aa19はAib、Ac4cまたはAc5cであり;
また、アルキルはC9乃至C20の直鎖のアルキル鎖である。
化学式3−I−A、3−III−A、3−III−Bまたは化学式3−Vの幾つかの実施形態において、aa16およびaa20はラクタム結合を形成するために環化される。
化学式3−I−A、3−III−A、3−III−Bまたは化学式3−Vの幾つかの実施形態において、ペプチド生成物は、つぎの構造を有する:(SEQ.ID.No.622)
ここで、aa2はAibまたはAc4cであり;
aa16とaa20も各々個々にLysまたはGluであり、またラクタム結合を形成するためにそれらの側鎖によって環化され;
aa17はArg、hArgまたはGlnであり;
aa27はMetまたはNleであり;
また、アルキルはC8−C20の直鎖のアルキル鎖である。
化学式3−I−A、3−III−A、3−III−Bまたは化学式3−Vの幾つかの実施形態において、ペプチド生成物は、つぎの構造(SEQ.ID.NO.623)を有する:
ここで、aa2はAibまたはAc4cであり、aa29はThr、Aib、Ac4cまたはAc5cであり、また、1’−アルキル基はドデシル、テトラデシル、ヘキサデシルまたはオクタデシルから選択され;また、位置16および20のアミノ酸上の側鎖は側鎖ラクタムを形成するために環化される。
化学式3−I−A、3−III−A、3−III−Bまたは化学式3−Vの幾つかの実施形態において、aa12およびaa16はラクタム結合を形成するために環化される。
化学式3−I−A、3−III−A、3−III−Bまたは化学式3−Vの幾つかの実施形態において、ペプチド生成物は、つぎの構造(SEQ.ID.NO.624)を有する:すなわち、
ここで、aa2はAibまたはAc4cであり;
aa12とaa16は、各々個々にLysまたはGluのいずれかであり、またラクタム結合を形成するためにそれらの側鎖を介して環化され;
aa17はArg、またはhArgであり;
aa19とaa20は、個々にAib、Ac4cまたはAc5cのいずれかであり;
また、アルキルはC8−C20の直鎖のアルキル鎖である。
化学式3−I−A、3−III−A、3−III−Bまたは化学式3−Vの幾つかの実施形態において、ペプチド生成物は、つぎの構造(SEQ.ID.NO.625)を有する:すなわち、
ここで、aa12とaa16はラクタム結合を形成するためにそれらの側鎖によって環化され;
aa17はArgまたはhArgであり;また、アルキルは、C12、C14、C16またはC18の直鎖のアルキル鎖である。
化学式3−I−A、3−III−A、3−III−Bまたは化学式3−Vの幾つかの実施形態において、ペプチド生成物は、つぎの構造(SEQ.ID.NO.626)を有する:すなわち、
ここで、
aa12とaa16は、各々、個々にLysまたはGluのいずれかであり、およびaa12およびaa16はラクタム結合を形成するためにそれらの側鎖によって環化され;aa17はArgまたはhArgであり;aa19とaa20は個々にAib、Ac4cまたはAc5cのいずれかであり;また、1’−アルキル基はドデシル、テトラデシル、ヘキサデシルまたはオクタデシルから選択される。
化学式3−I−A、3−III−A、3−III−Bまたは化学式3−Vの幾つかの実施形態において、ペプチド生成物は、構造(SEQ.ID.NO.627)を有する:すなわち、
ここで、aa2はAibまたはAc4cであり、aa6はMe2Phe、MePheまたはフェニルアラニンであり;また、aa19はAib、Ac4cまたはAc5cである。
化学式3−I−A、3−III−A、3−III−Bまたは化学式3−Vの幾つかの実施形態において、ペプチド生成物は、つぎの構造(SEQ.ID.NO.628)を有する:すなわち、
ここで、aa2はAibまたはAc4cであり、aa6はMe2Phe、MePheまたはPheであり;
aa17はArgまたはhArgであり、また、aa19またはaa20はAib、Ac4cまたはAc5cである。
化学式3−I−A、3−III−A、3−III−Bまたは化学式3−Vの幾つかの実施形態において、ペプチド生成物は、構造(SEQ.ID.NO.629)を有する:すなわち、
ここで、aa23はAib、Ac4cまたはAc5cであり、また、1’−アルキル基はドデシル、テトラデシル、ヘキサデシルまたはオクタデシルから選択される。
化学式3−I−A、3−III−A、3−III−Bまたは化学式3−Vの幾つかの実施形態において、ペプチド生成物は、つぎの構造(SEQ.ID.NO.630)を有する:すなわち、
ここで、aa2はAibまたはAc4cであり:
aa6はMe2Phe、MePheまたはPheであり;
aa12とaa16は、各々、個々にLysまたはGluのいずれかであり;
また、aa16とaa20はラクタム結合を形成するために、それらの側鎖によって環化され;
aa17はArg、hArgまたはGlnであり;
aa18はAibまたはAlaであり;
aa23はAib、Ac4cまたはAc5cであり、また、1’−アルキル基はドデシル、テトラデシル、ヘキサデシルまたはオクタデシルから選択される。
化学式3−I−A、3−III−A、3−III−Bまたは化学式3−Vの幾つかの実施形態において、ペプチド生成物は、つぎの構造(SEQ.ID.NO.631)を有する:すなわち、
ここで、aa2はAibまたはAc4cであり:
aa6はフェニルアラニンである;
aa12とaa16は、各々、個々にLysまたはGluのいずれかであり;
また、aa12とaa16はラクタム結合を形成するために、それらの側鎖によって環化され;
aa17はArgまたはhArgであり;
aa19はAib、Ac4cまたはAc5cであり;
aa20はAib、Ac4cまたはAc5cであり、そして、1’−アルキル基はドデシル、テトラデシル、ヘキサデシルまたはオクタデシルから選択される。
幾つかの実施形態では、化学式3−I−A、3−III−A、3−III−Bまたは化学式3−Vの任意の化合物については、Xはドデシル・アルキル鎖で構成される。
幾つかの実施形態では、ペプチド生成物は、GLP1Rに結合する及び/又はGLCRに結合する生物学的に活性を有するペプチド生成物である。
具体的な実施形態では、上述された、本明細に記載された化学式3−I−A、3−III−A又は3−III−B若しくは化学式3−Vのペプチド生成物は、以下の構造を有する:
ここで、R1aは、図1−1乃至図1−7の表1に記載されているとおりのC1−C20アルキル鎖であり、R’は、図8−1乃至図8−5の表3および図9−1乃至図9−7の表4に記載されているとおりのペプチドであり、化学式I−AのW2は―O―であり、また、化学式I−AのW1は−(C=O)NH−であり、ペプチドR’へのアミド結合の一部である。
このような実施形態の幾つかにおいて、R1aは、C6−C20アルキル鎖であり、
このような実施形態の幾つかにおいて、R1aは、C8−C20アルキル鎖であり、
このような実施形態の幾つかにおいて、R1aは、C12−C20アルキル鎖であり、
このような実施形態の幾つかにおいて、R1aは、C12−C16アルキル鎖である。
上述された実施形態で、アミノ酸及び/又はペプチドR’(例えば、リジンなどアミノ酸残基のアミノ基、またはペプチドR’内のリジン残基)のアミノ部分は、以下の構造の化合物を有する共有結合を形成するために使用される:
ここで、R1aは、上述されたとおりの、かつ図8−1乃至図8−5の表3および図9−1乃至図9−7の表4に記載されるとおりのC1−C20アルキル鎖である。
そのような場合、アミノ部分(例えば、ペプチドR’内のリジン)を有するアミノ酸残基は、上述された化合物Aへの共有結合を形成するために使用される、リンカーアミノ酸Uであり、界面活性剤Xに付加されている。界面活性剤Xは化学式Aの構造を有する。したがって、一実施例として、図8−1乃至図8−5の表3および図9−1乃至図9−7の表5のLys(C12)は以下の構造を有する:
また、カルボン酸官能基のいずれかで、または両方での結合を介してマルトウロン(maltouronic)酸をベースにした界面活性剤から誘導された化学式3−I−Aのペプチド生成物が本明細書に提示された実施形態の範囲内で熟考される。それゆえ、一実施例として、図8−1乃至図8−5の表3及び図9−1乃至図9−7の表4におけるペプチドは、マルトウロン酸をベースにした界面活性剤Xに結合したリジンリンカーアミノ酸を含み、以下の構造を有する:すなわち、
一実施形態において、化学式3−I−Aの化合物は基Xにリジンを付付加することにより調製され、ついで化学式3−I−Aの化合物を得るために、リジン−X化合物にアミノ酸残基及び/又はペプチドが付加されることが理解されよう。また、本明細書に記載された他の天然または人工のアミノ酸が界面活性剤Xへの付加に適していて、化学式3−I−Aの化合物を得るために追加のアミノ酸/ペプチドを付加するのに適切なことが理解されよう。別の実施形態において、化学式3−I−Aの化合物は、基Xに全長又は部分長のペプチドを付加することによって調製され、ついで追加のアミノ酸残基を随意に付加し及び/又は化学式3−I−Aの化合物を得るためにペプチドが付加される。
特定の実施形態において、図8−1乃至図8−5の表3の化合物および図9−1乃至図9−7の表4の化合物から選択された化合物が本明細書で提供される。
また、本明細書で提供されるものは、上述された治療上効果的な量のペプチド産、またはその許容可能な塩、および少なくとも1つの薬学的に許容可能な担体若しくは賦形剤物を含む医薬組成物である。
医薬組成物のいくつかの実施形態では、担体は水溶性に基づいた担体である。医薬組成物の幾つかの実施形態において、担体は非水溶性に基づいた担体である。医薬組成物の幾つかの実施形態において、非水性の基づいた担体はであるである、1つの、ヒドロフルオロアルカンのよう、溶解力のある、それはサブミクロンの無水のα−ラクトースまたは他の賦形剤を含んでもよい。
本明細書に提示された実施形態の範囲内で熟慮したものは、アミノ酸及び/又はペプチドの反応であり、当該アミノ酸及び/又はペプチドは、求核分子を運ぶリンカーアミノ酸Uと、および脱離基または官能基を運ぶもの(bearing)を含む基Xとを含み、当該基Xは、例えば、カルボン酸、又は他の反応する基などの脱離基を包含するために活性化することができ、それによって、化学式3−I−Aのペプチド生成物を提供する、リンカーアミノ酸Uを介して界面活性剤Xに対するアミノ酸及び/又はペプチドの共有結合を可能にする。
また本明細書に提示された実施形態の範囲内で熟慮したものは、アミノ酸及び/又はペプチドの反応であり、当該アミノ酸及び/又はペプチドは脱離基または官能基を運ぶ、リンカーアミノ酸Uを含み、当該脱離基または官能基は例えば、カルボン酸、又は他の反応する基などの脱離基を包含するために活性化することができ、また当該脱離基または官能基は求核基を含む基Xを含み、それによって、化学式I−Aのペプチド生成物を提供する、リンカーアミノ酸Uを介して界面活性剤Xに対するアミノ酸及び/又はペプチドの共有結合を可能にする。
一実施形態では、化学式3−I−Aの化合物は、Xとリンカーアミノ酸Uとの反応と、それに続くUに対する残基の付加によって調製され、化学式3−I−Aのペプチド生成物を得ることが理解されよう。代替の実施形態では、化学式3−I−Aのペプチド生成物を得るために、Xとリンカーアミノ酸Uを含む適切なペプチドとの反応と、それに続くUに対するさらなる残基の随意の付加によって、化学式3−I−Aの化合物が調製されることが理解されよう。
本明細書で提供されるのは、化学式3−I−A、3−III−A、3−III−Bまたは化学式3−Vの化合物の投与を含むインスリン抵抗性により関係する治療症状のための方法である。
本明細書で提供されるものは、糖尿病、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、創傷治癒、インスリン抵抗性、高血糖症、高インスリン血症、メタボリック症候群、糖尿病合併症、遊離脂肪酸またはグリセロールの高い血中濃度、高脂血症、肥満症、高トリグリセリド血症、アテローム性動脈硬化、急性心臓血管の症候群、梗塞、虚血再灌流または高血圧症を治療するための方法であり、当該方法は、上述した本明細書に記載された、治療上効果的な量のペプチド生成物を、それについて必要としている固体に投与することを含む。
本明細書で提供されるものは、体重増加を減少させるか、減量を誘発する方法であり、当該方法は、上述した本明細に記載された治療上効果的な量のペプチド生成物を、それについて必要としている被験体に投与することを含む。
本明細書で提供されるものは、哺乳類症状を処置する方法であり、当該方法は、肥満症にリンクされるインスリン抵抗性またはメタボリック症候群によって特徴づけられ、上述した本明細書に記載された減量を引き起こすか、インスリン敏感になる量のペプチド生成物を、必要としている個体に投与することを含む。
幾つかの実施形態では、処置される症状はメタボリック症候群(症候群X)である。幾つかの実施形態では、処置される症状は糖尿病である。幾つかの実施形態では、処置される症状は高脂血症である。幾つかの実施形態では、処置される症状は高血圧症である。幾つかの実施形態では、処置される症状は、アテローム性動脈硬化を含む道管病、または高いC反応性タンパク質によって特徴付加された全身性の炎症である。
方法のいくつかの実施形態では、投与のための有効な量のペプチド生成物は、約0.1μg/kg/日から約100.0μg/kg/日まで、0.01μg/kg/日から約1mg/kg/日、あるいは0.1μg/kg/日から約50mg/kg/日までである。
本明細書で提供されるものはメタボリック症候群、またはその成分の疾患を処置する方法であり、当該方法は上述した治療上効果的な量のペプチド生成物をそれについて必要としている被験体に投与することを含む。幾つかの実施形態では、メタボリック症候群症状は糖尿病に進行した。
また、本明細書で提供されたものは共有結合で修飾されるGLCR及び/又はGLP1R結合ペプチドまたはそのアナログであり、本明細書に記載されたとおりの親水基と;および、当該親水基に共有結合で付加された疎水基とを含む。具体的な実施形態では、共有結合で修飾されるペプチド及び/又は蛋白質製品は、糖類である親水基、およびC1−C20アルキル鎖またはアラルキル鎖である疎水基を含む。
<インスリン抵抗性>
延長された高血糖症により関係する危険は、微小血管の合併症、感覚ニューロパチー、心筋梗塞、脳卒中、大血管性の死亡率および全原因死亡率の増加した危険を含む。2型糖尿病も、付加的な世界的な流行病である肥満症の原因となって結び付けられる。2007年において世界中の糖尿病の処置および予防に、少なくとも2320億ドルが費やされた、その4分の3の金額により、微小血管性及び大血管性の合併症を予防するための努力など、長期的合併症の処置及び一般的なケアに工業先進国で費やされた。2007年には、米国の経済に対する糖尿病の推定された間接費(生産性を失われた障害、および糖尿病による若死)は580億ドルであった。
肥満は、インスリン抵抗性、インシュリン受容体の減少した数を介したインスリン刺激に反応する身体の細胞の減少した能力、および臨界的な細胞内シグNal伝達システムに対する前記受容体の減少した結合へと導く。肥満状態は、さらに「メタボリック症候群」、非常に大きな健康管理結果を有する疾患の群(constellation)(インスリン抵抗性、高血圧症、アテローム性動脈硬化など)へと導く。インスリン抵抗性が十分に初期に診断されるとき、2型糖尿病は、血糖の対照を標準化するために、カロリー摂取量と体脂を減少させることを目標とし、かつ薬物療法を介してライフスタイルによって、予防するか遅延させることができる。早期の攻撃的な介入を推奨する処置ガイドラインにもかかわらず、多くの患者が、血糖の対照の標的に達しない。多くの因子が、利用可能な抗糖尿病薬の効能、利便性および耐性特性における心理社会的並びに経済の影響および欠点を含む2型糖尿病をうまく管理するための失敗の一因となる。本明細書に記載されているペプチド及び/又はプロテイン製品は、これらの欠点を克服するように設計されている。
<インクレチン効果>
「インクレチン効果」は、それによってグルコース負荷が経口的に送達されたグルコース負荷が、静脈中に投与される同じグルコース負荷よりはるかに大きいインスリン分泌を生成する現象を記載するために使用される。この効果は、腸のL細胞によって分泌された少なくとも2つのインクレチン・ホルモンによって媒介される。グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)およびグルカゴンのようなペプチド1(GLP−1)は、インクレチンであると識別され、健康な個体はインクレチン効果からの食事のインスリンの分泌の反応の70%まで誘導し得ると考えられる。
通常は、インクレチン・ペプチドは、摂取された栄養素に応答して、必要に応じて分泌され、かつジペプチジルペプチダーゼ−IV(DPP−4)酵素による分解により短い血漿半減期を有している。2型糖尿病をもつ人々は、GLP−1に対する膵臓の反応性が損なわれるが、インスリン分泌の反応は、ヒトGLP−1の薬理学の用量により回復することができる(Kieffer、T.J.ら(1995年)Endocrinology136:3585−3596)。加えて、GLP−1は、ベータ細胞ネオゲネシスおよび貯蔵性を促進する(Aaboe、K.ら(2008)Diabates Obes Metab 10:994−1003)。GLP−1は心臓機能上などで追加の有益な効果がある:例えば、それはヒト被験体において左室機能を改善する(Sokos、G.G.ら(2006)JCard Fail 12:694−699)。GLP−1は、また人体内の胃排出を減速させ、食欲を減退させる(Toft−Nielsen、M.B.ら(1999年)Diabates Care、22:1137−1143)。
代謝的に安定し、かつGLP−1の長時間作用性のアナログをもつ糖尿病患者の処置は、例えば、S.R.(2010)Pharmacotherapy 30: 609−624に述べられ、使用の利便性と関係する問題、および吐き気、膵臓炎および甲状腺癌の危険性などの副作用に苦しむ。GLP−1アナログはインスリン分泌のグルコース依存の刺激を提供し、低血糖症の減少させられた危険性へと導く。加えて、以下に述べられるように、糖尿病の多くの現在の処置は体重増加を引き起こしている一方で、GLP−1アナログは満腹および軽度の減量を誘発する。したがって、幾つかの実施形態では、本明細書で提供されたものは、長く作用しており、低薬量で投与されるGLP−1アナログであり、それによって、現在の処置により関係する副作用を減じる。
多くのペプチド消化管ホルモンは、食欲を調節すると知られている(Sanger、G.J.およびLee、K.(2008年)Nat Rev Drug、Discov 7:241−254)。いくつかのペプチドは、つぎのような、前プログルカゴン遺伝子生成物の組織に特異的な酵素の処理(プロホルモン・コンベルターゼ; PC)から誘導され、すなわち、例えば、グルカゴン、GLP−1およびグルカゴンのようなペプチド−2(GPL−2)、グリセンチン、オキシントモジュリン(OXM)(Drucker、D.J.(2005年)Nat・Clin Pract Endocrinol Metab、1:22−31;Sinclair,E.M.およびDrucker,D.J.(2005年)Physiology(Bethesda)20:357−365)。GLP−1、GLP−2、グリセンチンおよびOXMは摂食に応じて腸内でのL細胞から共同分泌される。前プログルカゴンは代替的に、膵島中のα細胞のグルカゴンを生成するために処理される(PC2)。OXMの構造は、本質的に8つの残基のC末端延長を有するグルカゴンである。
インスリン生合成、およびグルコース依存のインスリン分泌の刺激に加えて、GLP−1およびその安定したミメティック(例えば、Byetta)は、また動物モデル(Mack、C.M.ら(2006年)Int J Obes(Lond)30:1332−1340)、およびタイプ2糖尿病患者(DeFronzo、R.A.ら(2005)Diabates Care、28:1092−1100;Buse、J.B.ら(2010)Diabates Care、33:1255−1261)において、適度の減量を引き起こす。グルカゴン注入は、人における食物摂取量を減らす(Geary、N.,ら(1992年)Am J Physiol 262:R975−980一方で、脂肪組織の一続きのグルカゴン処置はまた脂肪分解(Heckemeyer、C.M.ら(1983年)Endocrinology 113:270−276)および減量(Salter、J.M.ら(1960年)Metabolism 9:753−768;Chan、E.K.ら(1984)Exp mol Pathol 40:320−327)を促進する。
グルカゴンは、エネルギー代謝(ヘップナー、K.M.ら(2010)Physiol Behav)に広範な効果がある。グルカゴンあるいはアナログは、胃管の一時的麻痺のための診断のモードで使用することができる。したがって、前プログルカゴン・タンパク質のPC処理からの生成物の少なくとも2つは、満腹と代謝効果に結び付けられる。
齧歯類において、OXMの繰り返された腹腔内投与、前プログルカゴンの第3の生成物は、制御部と比較して、減少した白色脂肪組織および減量に関係している(Dakin,C.L.ら(2004)内分泌内科学145:2687−2695)。Oxmは標準体重人体に点滴投与の間に食物摂取量を19.3%減らし、この効果は、注入の後に12時間以上継続する(Cohen、M.A.ら(2003年)J Clin Endocrinol Metab 88:4696−4701)。4週の期間にわたるボランティアの処置は、体脂の減少を反映する、持続した満腹効果および減量を結果として生じた(Wynne、K.ら(2005年)Diabates 54:2390−2395)。
OXMは、構造上GLP−1およびグルカゴンにより相同性を有し、グルカゴン受容体(GCGR)およびGLP−1受容体(GLP1R)の両方を活性化する、しかし、名祖のリガンドより10〜100倍効能が少ない。加えて、GLP1Rを有するOXM相互作用に関する研究は、ベータ−アレスチンの補充がGLP−1と比較して異なる効果を有し得ることを示唆しており(Jorgensen、R.ら(2007年)J Pharmacol Exp Ther 322:148−154)、それゆえ「偏見的である」リガンドとして作用する。OXMのための特有の受容体は数年間追及されたが、まだ解明されていない。また、GLP1RとGCGRの経路を通って作用すると仮定される。したがって、本明細書で提供されるのは、糖尿病前症の進行のインスリン抵抗性及び/又は遅延の満腹、減量、緩和の誘発を可能にする腸ペプチドの界面活性剤修飾のための方法である。
<GLP−1>
上述された満腹と代謝についての前プログルカゴン・タンパク質の生成物の複雑で相互に作用する挙動を考慮して、複数のグループからの職員が、GLP−1およびグルカゴン構造上の構造活性関連性を調査した。配列の全体にわたる残基は置換を受け入れることを示した。例えば、Alaによる置換は、特に2、3、5、8、11および12においてGLP−1のN末端領域に十分に受け入れられる(Adelhorst、K.ら(1994)J Biol Chem 269:6275−6278)。
グルカゴンのN末端にGLP−1からC末端残基を接ぐことにより、GLP1RとGLCRに結合する能力を有するキメラ的なアナログを達成し得ることが示された(Hjorth、S.A.ら(1994)J Biolシン269:30121−30124)。位置3での残基(グルカゴンまたはOXM中のGLP1または中性のグルタミンでの酸性のグルタミン酸)は、GlP1Rのためにグルカゴン(Runge、S.ら(2003年)J Biol Chem 278:28005−28010)またはOXM(Pocai、A.ら(2009年)Diabates 58:2258−2266)の親和性を減少させる。
位置3におけるGlnによりGLP−1またはグルカゴン若しくはOXMの安定したアナログまたはOXMによって処置される動物の代謝性特性に対する効果が調査された(Day、J.W.ら(2009年)Nat Chem Biol 5:749−757;Druce、M.R.ら(2009年)Endocrinology 150:1712−1722;Pocai、A。ら(2009年)Diabates 58:2258−2266)。これらのアナログは、GLP1RおよびGCGRの両方上に反発的な作用をもつように設計された(Day、J.W.ら、米国特許出願公開第2010/0190701A1)。
キメラ的なアナログはそれらの受容体に作用する親ホルモンの望ましい効果があるべきである、そしてそれ故、それは明らかにGLP−1RとGLCR両方に作用するOXMの効果に類似している:脂肪分解と、グルカゴンによる増加した脂肪の燃焼に結び付けられたグルコース依存のインスリン分泌および満腹。アナログは減少した体重の所望の効果および脂肪の増加した燃焼を引き起こすと示された。そのような特性は肥満症の処置において魅力的である。しかし、肥満治療での主要なチャレンジはコンプライアンスである。グルカゴンとOXMの現在知られている全長のアナログは、それぞれ、GLP−1RおよびGLCRの両方への親和性により、結果として減量を生じ得るが、これらのアナログは、最適な薬物治療レジメンに必要な患者に対する、高いバイオアベイラビリティ、薬学の特性および好都合な送達のために最適化されない。したがって、本明細書で提供されたものは、高いバイオアベイラビリティ及び/又は肥満症及び/又は糖尿病及び/又はメタボリック症候群などの症状の処置での改善された治療上の結果用の長期の永続的な効果を可能にする腸ペプチド(例えばGLP、OXM、グルカゴンなど)のアナログである。
OXMのような分子によるメタボリック症候群および糖尿病の最適化された処置の追加の因子は、処置の持続期間およびグルカゴン作用の量に関連する。例えば、GLP−1およびグルカゴン受容体(OXM薬理学的特性)を活性化するアナログを有する連続的な処置は、非常に大きく迅速な脂肪の量の損失を生じ得る(Day、J.W.ら(2009年)Nat Chem Biol 5:749−757)、しかし、また、それは、細い筋腫瘤の損失敗北を引き起こし得る(Kosinski、J.R.ら(2012年)Obesity(Silver Sppring):doi:10.1038/oby.2012.67)。それはこのクラスでの薬剤には不利である。例えば、Kosinsli、J.R.らによる研究論文では、天然抽出ホルモンOxmは、Alzetのミニポンプから14日間続けて投与され、脂肪の量の30%の減少を結果として生じただけでなく、除脂肪量(筋肉)の7%の減少を引き起こした。
グルカゴン作用は、グリコーゲン分解、脂肪分解および脂肪の増加した燃焼を刺激すると知られているが、筋肉にまた異化の効果があり得る。GLP−1およびグルカゴン作用(OXM特性)を組み合わせる薬剤を使用する成功した処置は、賢明な量のグルカゴン作用(脂肪燃焼)を有するGLP−1アナログの満腹および強められたグルコース依存のインスリン分泌を最良に引き起こす必要がある。加えて、そのような薬剤の不連続使用は、除脂肪量の最小限の損失で、脂肪の量の損失によって、中程度で一続きの減量の所望の臨床的な特性を提供する。本明細書で提供されるのは、療法での最適の使用を認める、調整可能な薬物動態学/薬理学の特性と同様にGLP−1およびOXMの作用の望ましい組み合わせを有する分子である(例えばメタボリック症候群、糖尿病、肥満症など中の)。
1つの実施形態では、化学式3−I−A、3−III−A、3−III−Bおよび3Vの化合物は、グルカゴンのような活性またはGLP−1のような活性のいずれかを提供するために設計される。化学式3−I−A、3−III−A、3−III−Bおよび3Vの化合物は、調整可能な活性を提供する。例えば、1つの実例では、本明細書に記載されているペプチド生成物は、グルカゴンとGLP−1の両方のための受容体において、約500nM未満、好ましくは約50nM未満、より好ましくは約20nM未満のEC50を有している(例えば図8−1乃至図8−5の表3および図9−1乃至図9−7の表4の化合物)。別の実例では、本明細書に記載されているペプチド生成物(例えば図8−1乃至図8−5の表3および図9−1乃至図9−7の表4の化合物)は、GLP−1受容体のためにより強力であり(例えば、10nM未満、好ましくは10nM未満、より好ましくは1nM未満)、グルカゴン受容体のためにより強力ではない(例えば、50nM好未満、好ましくは約20nM未満、より好ましくは5nM未満のEC50)。生物学的活性のこの調和は、賢明な量のグルカゴン作用のある貯留を可能にし、それによって、また強められたグルコース依存のインスリン分泌の有益な効果を保持している一方で、脂肪燃焼が生じることを可能にする。OXMは、構造上GLP−1およびグルカゴンにより相同性を有し、グルカゴン受容体(GCGR)およびGLP−1受容体(GLP1R)の両方を活性化する。したがって、幾つかの実施形態では、化学式3−I−A、3−III−A、3−III−Bおよび3Vの化合物は、調整可能なOXMのような生物学的活性を提供する。特定の実施形態では、本明細書に記載されているペプチド生成物は、GLP−1のアミノ酸残基1−17及び/又はそのアナログを有するペプチドを含む(例えば、本明細書に記載されているとおりの修飾された人工のアミノ酸置換、本明細書に記載されている環化されたラクタム結合、本明細書に記載されている界面活性剤の修飾、またはそれらの組み合わせ)。他の特定の実施形態では、本明細書に記載されているペプチド生成物は、GLP−1のアミノ酸残基1−16及び/又はそのアナログを有するペプチドを含む(例えば、本明細書に記載されているとおりの修飾された人工のアミノ酸置換、本明細書に記載されている環化されたラクタム結合、本明細書に記載されている界面活性剤の修飾、またはそれらの組み合わせ)。追加の実施形態では、本明細書に記載されているペプチド生成物は、GLP−1のアミノ酸残基1−186及び/又はそのアナログを有するペプチドを含む(例えば、本明細書に記載されているとおりの修飾された人工のアミノ酸置換、本明細書に記載されている環化されたラクタム結合、本明細書に記載されている界面活性剤の修飾、またはそれらの組み合わせ)。さらに、本明細書に記載されているペプチド生成物は1つ以上の残基を含み(例えば、Aib、Ac4C)、化学式3−I−A、3−III−A、3−III−Bおよび3Vの設計された化合物の螺旋安定化と、および図8−1乃至図8−5の表3および図9−1乃至図9−7の表4での化合物を提供する。
リガンドのグルカゴン亜科が受容体のクラスBの数に共通の2つのドメイン・モードにおける受容体に結合されると信じられる(セクレチン・クラス(Gのタンパク質を連結する受容体(GPCR))。GLP−1については、残基1から大体残基16までの、膜貫通性の螺旋状体(helicies)(膜近傍領域)の頂部に結合するN末端領域と、および受容体の大きく、細胞外で、N末端延長(ECD)に結合する17から31までの螺旋状のC末端領域が存在すると思われる。これらのリガンドの結合は、これらのペプチドリガンドのN−末端で先を切られたアナログが今までどおり単なる受容体の分離されたECD領域用の本質的な結合能および選択性を保持することができるという事実に注目する。それ故、N末端領域が受容体起動の原因で、その一方でC末端領域が結合の原因であることが示唆された。GLP−1の短いN末端アナログが両方とも受容体活性化因子と同様に強力な結合剤になりえることが最近示された(Mapelli、C.ら(2009年)J Med Chem 52:7788−7799;Haque、T.S.ら(2010年)Peptide 31:950−955;Haque、T.S.ら(2010年)Peptide 31:1353−1360)。
加えて、この領域において結合された模倣GLP−1のアナログであるexendin−4(Byetta社)の先を切られたアンタゴニストをもつGLP1RのN末端領域のX線結晶構造(Runge、S.ら(2008年)J Biol Chem 283:11340−7)の研究は、ECDでの臨界的なリガンド結合領域が高い疎水性をもつことを示している(図10)。Glu15の向こうのexendin−4の配列は、このまさに疎水性領域(Val19*、Phe22*、Trp25*、Leu26*)を有する両親媒性の螺旋として相互に作用する。N末端フラグメントを切り詰められた1つの実施形態では、GLP−1またはグルカゴンはGLCRに結合するために修飾され、界面活性剤に共有結合で連結される。界面活性剤の疎水性の1’−アルキル部分は、ネイティブホルモン・リガンドのC末端領域を模倣し取って代わり、ペプチド効能、効力および作用持続時間を増加させる。付加では、そのようなアナログはそれらのより少人数の大きさにより主要な利点を有する。それはそれらの複雑性、合成コストおよび感受性をタンパク質分解にする。付加では、より少人数のペプチドは、鼻粘膜または腸細胞バリアによってより容易に吸収される。
低血糖症は生命を脅かし得る低い血糖の症状であり、強化インスリン療法によって高い血糖のより多くの積極的治療が、より多くの患者の中で使用されていると見られる。血糖レベルがあまりにも低く落ちて、身体の活性のために脳および筋肉に十分なエネルギーを与えることができないとき、低血糖症が見られる。グルカゴンはこの疾病を処置するために使用することができ、グルコースを生じさせ、かつ血糖レベルを平年値の方へ上昇させるグリコーゲンを分解するために肝臓を刺激することによりそのようにする。GLCRを活性化する能力を保持するグルカゴンのアナログは、血糖レベルへの望ましい効果を達成するために使用され得る。
GLP1Rを活性化するGLP−1のアナログは生成を刺激し、高くなった血糖レベルがある状態で、膵臓からインスリンに放出する。exenatide(Byetta(登録商標))など現在の生成物により見られるように、この作用は血糖レベルの効果的な対照および正常化を生じる。加えて、そのような生成物は、食欲減退を生成し、かつ胃からの食物の運動を遅くするように見える。したがって、それらは複数の機構によって糖尿病の処置に効果的である。GLCRとGLP1Rの両方を活性化するグルカゴンおよびGLP−1の効果を組み合わせるアナログは、食欲を抑制するために共同行為を介する糖尿病の処置での恩恵を提供し得、グルコース依存の方法でインスリンを放出し、低血糖症からの保護を助けて、脂肪のバーニングを加速する。
糖尿病、真性糖尿病タイプI、真性糖尿病タイプII、又は妊娠性糖尿病、インスリン依存性若しくは非インスリン依存性を含む高血糖症を治療するそのような方法は、腎症、網膜症及び道管病を含む糖尿病の合併症を低減するのに役立つことが予想される。循環器疾患における適用は、大血管性と同様に微小血管性の疾患を包含する(Davidson、M.H.(2011)、J Cardiol 108である[suppl]:33B−41B;Gejl、M.ら(2012年) J Clin Endocrinol Metab 97:doi:10.1210/jc.2011−3456)、および心筋梗塞の処置を含む。
食欲を減退させるか、体重の損失を促進するそのような方法が、体重を減少させるか、体重増加を予防するか、薬剤性の肥満症を含む様々な原因の処置する肥満症に役立ち、道管病(冠動脈疾患、脳卒中、末梢血管疾患、虚血再灌流など)高血圧症、II型糖尿病の開始、高脂血症および筋骨格の疾患を含む肥満症に関係する合併症を減少させていると予想される。
本明細書で使用されているように、用語グルカゴンまたはGLP−1アナログは薬学的に許容可能な塩またはそのエステルをすべて含む。
1つの態様では、共有結合で修飾され、本明細書に記載されている方法に適しているペプチドは、グルカゴンの先を切られたアナログ及び/又は関連するホルモンGLP−1であり、限定されないが、以下のものを含む:
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されているペプチド生成物は化学式3−Vの構造を有する:
ここで、Uは結合アミノ酸であり;
XはUの側鎖に界面活性剤連結されたものであり;
ZはOHあるいは―NHR3であり、ここでR3はHまたはC1−C12の置換又は非置換アルキルであり;
aa1はHis、N−Ac−His、pGlu−His、あるいはN−R3−Hisであり;
aa2は、Ser、Ala、Gly、Aib、Ac4cまたはAc5cであり;
aa3はGln、またはCitであり;
aa4はGly、またはD−Alaであり;
aa5はThr、またはSerであり;
aa6はPhe、Trp、F2Phe、Me2PheまたはNal(2)であり;
aa7はThr、またはSerであり;
aa8はSer、またはAspであり;
aa9はAsp、またはGluであり;
aa10は、Tyr、Leu、Met、Nal(2)、BipまたはBip2EtMeOであり;
aa11はSer、AsnまたはU(X)であり;
aa12はLys、Glu、Ser、ArgまたはU(X)であり;
aa13は存在しない、Tyr、Gln、CitまたはU(X)であり;
aa14は存在しない、Leu、Met、Nle、またはU(X)であり;
aa15は存在しない、Asp、GluまたはU(X)であり;
aa16は存在しない、Ser、Gly、Glu、Aib、Ac5c、Lys、Arg、あるいはU(X)であり;
aa17は存在しない、Arg、hArg、Gln、Glu、Cit、Aib、Ac4c、Ac5c、あるいはU(X)であり;
aa18は存在しない、Arg、hArg、Ala、Aib、Ac4c、Ac5c、あるいはU(X)であり;
aa19は存在しない、Ala、Val、Aib、Ac4c、Ac5cまたはU(X);
aa20は存在しない、Gln、Lys、Arg、Cit、Glu、Aib、Ac4c、Ac5c、あるいはU(X)であり;
aa21は存在しない、Asp、Glu、Leu、Aib、Ac4c、Ac5c、あるいはU(X)であり;
aa22は存在しない、Phe、Trp、Nal(2)、Aib、Ac4c、Ac5c、あるいはU(X)であり;
aa23は存在しない、Val、Ile、Aib、Ac4c、Ac5c、あるいはU(X)であり;
aa24は存在しない、Gln、Ala、Glu、Cit、あるいはU(X)であり;
aa25は存在しない、Trp、Nal(2)またはU(X)であり;
aa26は存在しない、Leu、U(X)であり;
aa27は存在しない、Met、Val、Nle、Lys、あるいはU(X)であり;
aa28は存在しない、Asn、LysまたはU(X)であり;
aa29は存在しない、Thr、Gly、Aib、Ac4c、Ac5c、あるいはU(X)であり;
aa30は存在しない、Lys、Aib、Ac4c、Ac5c、あるいはU(X)であり;
aa31は存在しない、Arg、Aib、Ac4c、Ac5c、あるいはU(X)であり;
aa32は存在しない、Asn、Aib、Ac4c、Ac5c、あるいはU(X)であり;
aa33は存在しない、Arg、Aib、Ac5c、あるいはU(X)であり;
aa34は存在しない、Asn、Aib、Ac4c、Ac5c、あるいはU(X)であり;
aa35は存在しない、Asn、Aib、Ac4c、Ac5c、あるいはU(X)であり;
aa36は存在しない、Ile、Aib、Ac4c、Ac5C、あるいはU(X)であり;
aa36は存在しない、Ala、Aib、Ac4c、Ac5C、あるいはU(X)であり;
aa37は存在しないまたはU(X)であり;
但し、aa11乃至aa37の1つ、または少なくとも1つがU(X)であると規定した。
具体的な実施形態で、結合アミノ酸Uはリンパ球またはオルニチンのようなジアミノ酸である、Xは、Uに連結された1−アルキルグリコシドクラスから修飾される界面活性剤である。また、ここで、ZはOHあるいは―NHR3であり、ここでR3はHまたはC1−C12である;あるいは10Da未満のPEG鎖である。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されているペプチド生成物は、化学式III−Bの構造を有する:
、
ここで、ZはOH(あるいは―NHR3)であり、ここでR3はHまたは置換または非置換のC1−C12アルキルであり;
あるいは10Da未満のPEG鎖;
aa2は、Ser、Ala、Gly、Aib、Ac4cまたはAc5cであり;
aa3はGln、またはCitであり;
aa6は、Phe、Trp、F2Phe、Me2Phe、MePheまたはNal2であり;
aa10は、Tyr、Leu、Met、Nal2、BipまたはBip2EtMeOであり;
aa11はSer、AsnまたはUであり;
aa12はLys、Glu、SerまたはU(X)であり;
aa13は存在しない、あるいはTyr、Gln、CitまたはU(X)であり;
aa14は存在しない、あるいはLeu、Met、Nle、またはU(X)であり;
aa15は存在しない、あるいはAsp、GluまたはU(X)であり;
aa16は存在しない、あるいはSer、Gly、Glu、Aib、Ac4c、Ac5c、Lys、RまたはU(X)であり;
aa17は存在しない、あるいはArg、hArg、Gln、Glu、Cit、Aib、Ac4c、Ac5cまたはU(X)であり;
aa18は存在しない、あるいはArg、hArg、Ala、Aib、Ac4c、Ac5cまたはU(X)であり;
aa19は存在しない、あるいはAla、Val、Aib、Ac4c、Ac5cまたはU(X)であり;
aa20は存在しない、あるいはGln、Lys、Arg、Cit、Glu、Aib、Ac4c、Ac5cまたはU(X)であり;
aa21は存在しない、あるいはAsp、Glu、Leu、Aib、Ac4c、Ac5cまたはU(X)であり;
aa22は存在しない。あるいは、Phe、Aib、Ac4c、Ac5cまたはU(X)aa23は存在しない、あるいはVal、Ile、Aib、Ac4c、Ac5cまたはU(X)であり;
ここで、aa1乃至aa23のうちの任意の2つはラクタム結合を形成するためにそれらの側鎖によって随意に環化され;および、aa16、aa17、aa18、aa19、aa20、aa21、aa22、aa23またはaa24の1つ、または少なくとも1つがXに共有結合で付加された天然又は人工のアミノ酸Uであると規定した。
化学式3−III−A、化学式3−III−Bおよび化学式3−Vのいくつかの具体的な実施形態では、Xはつぎの構造を有している:
ここで、
R1aは、置換又は非置換のC1−C6アルキルであり;及び
R1b、R1cおよびR1dはHであり;
W1は−(C=O)−NH−であり;
W2は―O―であり;
および、R2は単結合である。
上述された実施形態のうちのいくつかでは、R1aは、C1−C20アルキル基、C8−C20アルキル基、C12−C18アルキル基またはC14−C18アルキル基である。
化学式3−III−Bの幾つかの実施形態において、Uは本明細書に記載されている任意のリンカーアミノ酸である。図8−1乃至図8−5の表3および図9−1乃至図9−7の表4は、本明細書に記載されたとおりの界面活性剤により共有結合で連結したペプチドの特定の実施例を例証する。
本明細書に提示された実施形態の範囲内で熟慮したものは、化学式3−I−A、化学式3−III−A、化学式3−III−Bまたは化学式3−Vのペプチド生成物であり、ここで、ペプチド生成物は1つ、あるいは2つ以上の界面活性剤基を含む(例えば、化学式3−Iの構造を有する基X)。1つの実施形態で、化学式3−I−A、化学式3−III−A、化学式3−III−Bまたは化学式3−Vのペプチド生成物、1つの界面活性剤基を含む。
別の実施形態では、化学式3−I−A、化学式3−III−A、化学式3−III−Bまたは化学式3Vのペプチド生成物は、2つの界面活性剤基を含む。さらに別の実施形態では、化学式3−I−A、化学式3−III−A、化学式3−III−Bまたは化学式3Vのペプチド生成物は、3つの界面活性剤基を含む。
インスリン抵抗性及び/又は心臓血管性症状により関係する症状の処置のためにSEQ.ID.No.632の特定の部分の重要性が、本明細書において認識される。したがって、本明細書で提供されたものは、必要のある個体に対するSEQ.ID.NO.632のアミノ酸残基aa1−aa17を含む、治療上効果的な量のグルカゴン・アナログの投与を含む必要中の個体内での糖尿病を治療する方法である。
さらなる実施形態において本明細書において提供されたものは、必要のある個体に対するSEQ.ID.NO.632のアミノ酸残基aa1−aa18を含む、治療上有効な量のグルカゴン・アナログの投与を含む必要中の個体の糖尿病を治療する方法である。
別の実施形態において、本明細書で提供されたものは、必要のある個体に対するSEQ.ID.NO.632のアミノ酸残基aa1−aa19を含む、治療上効果的な量のグルカゴン・アナログの投与を含む必要中の個体内での糖尿病を処理する方法である。
別の実施形態において、本明細書で提供されたものは、必要のある個体に対するSEQ.ID.NO.632のアミノ酸残基aa1−aa20を含む、治療上効果的な量のグルカゴン・アナログの投与を含む必要中の個体内での糖尿病を処理する方法である。
追加の実施形態では、上に記載された前記グルカゴン・アナログの投与は減量を引き起こす。
インスリン抵抗性及び/又は心臓血管性症状により関係する症状の治療に対してSEQQ.ID.NO.303の特定の部分の重要性が、本明細書に認識される。したがって、本明細書で提供されたものは、必要のある個体に対するSEQ.ID.NO.303のアミノ酸残基aa1−aa17を含む、治療上効果的な量のグルカゴン・アナログの投与を含む必要中の個体内での糖尿病を処理する方法である。したがって、本明細書で提供されたものは、必要のある個体に対するSEQ.ID.NO.303のアミノ酸残基aa1−aa17を含む、治療上効果的な量のグルカゴン・アナログの投与を含む必要中の個体内での糖尿病を処理する方法である。したがって、本明細書で提供されたものは、必要のある個体に対するSEQ.ID.NO.303のアミノ酸残基aa1−aa17を含む、治療上効果的な量のグルカゴン・アナログの投与を含む必要中の個体内での糖尿病を処理する方法である。したがって、本明細書で提供されたものは、必要のある個体に対するSEQ.ID.NO.303のアミノ酸残基aa1−aa17を含む、治療上効果的な量のグルカゴン・アナログの投与を含む必要中の個体内での糖尿病を処理する方法である。
追加の実施形態では、上述された前記グルカゴン・アナログの投与は減量を引き起こす。
上述された実施形態のうちのいずれにおいても、前記グルカゴン・アナログは、化学式3−Iの界面活性剤Xによって修飾される:
ここで、
R1aは、各々の発生で、単結合、H、置換または非置換C1−C30アルキル基、置換または非置換のアルコキシアルキル基、置換または非置換アラルキル基またはステロイド核含有部分に、独立して存在し;
R1b、R1cおよびR1dは、各々の発生で、単結合、H、置換または非置換C1−C30アルキル基、置換または非置換アルコキシアルキル基または置換または非置換アラルキル基に各々独立して存在し;
W1は、各々の発生で、―CH2−、―CH2O−、―(C=O)、―(C=O)―O−、―(C=O)―NH−、―(C=S)―、―(C=S)―NH−、あるいは―CH2S―に独立して存在し;
W2は―O−、―CH2−あるいは―S―であり;
R2は、各々の発生に、Uに対する単結合、H、置換または非置換C1−C30アルキル基、置換または非置換アルコキシアルキル基、あるいは置換または非置換アラルキル基、―NH2、―SH、C2−C4−アルケン、C2−C4−アルキン、―NH(C=O)−CH2−Br、―(CH2)m ―マレイミド、あるいは―N3に独立して存在し;
nは1、2又は3であり、
mは1乃至10である。
特定の実施形態では、前記グルカゴン・アナログは、界面活性剤(構造を有しているX)により修飾される:
ここで、
R1aは、置換又は非置換のC1−C6アルキルであり;及び
R1b、R1cおよびR1dはHである;
W1はであるである(C=O)−NH―;
W2は―O―である;
また、R2は単結合である。
上に記載された実施形態のうちのいくつかでは、R1aは、C1−C20アルキル基、C8−C20アルキル基、C12−C18アルキル基またはC14−C18アルキル基である。
また、本明細書で提供されたものは、必要のある個体に対するSEQ.ID.NO.632のアミノ酸残基aa1−aa17を含む、治療上効果的な量のグルカゴン・アナログの投与を含む必要中の個体内での心臓血管の疾病を治療する方法である。
また、本明細書で提供されたものは、必要のある個体に対するSEQ.ID.NO.632のアミノ酸残基aa1−aa18を含む、治療上効果的な量のグルカゴン・アナログの投与を含む必要中の個体内での心臓血管の疾病を治療する方法である。
また、本明細書で提供されたものは、必要のある個体に対するSEQ.ID.NO.632のアミノ酸残基aa1−aa19を含む、治療上効果的な量のグルカゴン・アナログの投与を含む必要中の個体内での心臓血管の疾病を治療する方法である。
また、本明細書で提供されたものは、必要のある個体に対するSEQ.ID.NO.632のアミノ酸残基aa1−aa20を含む、治療上効果的な量のグルカゴン・アナログの投与を含む必要中の個体内での心臓血管の疾病を治療する方法である。
上述した実施形態に記載された幾つかの場合では、循環器疾患が虚血のイベントにより関係するとき、前記グルカゴン・アナログは投与される。
また、本明細書で提供されたものは、必要のある個体に対するSEQ.ID.NO.303のアミノ酸残基aa1−aa17を含む、治療上効果的な量のグルカゴン・アナログの投与を含む必要中の個体内での心臓血管の疾病を治療する方法である。
また、本明細書で提供されたものは、必要のある個体に対するSEQ.ID.NO.303のアミノ酸残基aa1−aa18を含む、治療上効果的な量のグルカゴン・アナログの投与を含む必要中の個体内での心臓血管の疾病を治療する方法である。
また、本明細書で提供されたものは、必要のある個体に対するSEQ.ID.NO.303のアミノ酸残基aa1−aa19を含む、治療上効果的な量のグルカゴン・アナログの投与を含む必要中の個体内での心臓血管の疾病を治療する方法である。
また、本明細書で提供されたものは、必要のある個体に対するSEQ.ID.NO.303のアミノ酸残基aa1−aa20を含む、治療上効果的な量のグルカゴン・アナログの投与を含む必要中の個体内での心臓血管の疾病を治療する方法である。
上述した実施形態のためのいくつかの場合では、循環器疾患が虚血のイベントにより関係するとき、前記グルカゴン・アナログは投与される。
上述した実施形態のうちのいずれにおいても、前記グルカゴン・アナログは、化学式3−Iの界面活性剤Xによって修飾される:
ここで、
R1aは、各々の発生において、単結合、H、置換または非置換C1−C30アルキル基、置換または非置換アルコキシアルキル基、置換または非置換アラルキル基またはステロイド核含有部分に、独立して存在し;
R1b、R1cおよびR1dは、各々の発生において、単結合、H、置換または非置換のC1−C30アルキル基、置換または非置換のアルコキシアルキル基または置換または非置換のアラルキル基に各々独立して存在し;
W1は、各々の発生において、―CH2―、―CH2O−、―(C=O)、―(C=O)―O−、―(C=O)―NH−、―(C=S)―、―(C=S)―NH−、あるいは―CH2S―において独立して存在し;
W2は―O―、―CH2−あるいは―S―であり;
R2は、各々の発生に、Uに対する単結合、H、置換または非置換C1−C30アルキル基、置換または非置換のアルコキシアルキル基、あるいは置換または非置換アラルキル基、―NH2、―SH、C2−C4アルケン、C2−C4アルキン、―NH(C=O)−CH2−Br、―(CH2)m―マレイミド、あるいは―N3であり;
nは1、2又は3であり、
mは1乃至10である。
特定の実施形態では、前記グルカゴン・アナログは、つぎの構造を有する界面活性剤Xにより修飾される:
ここで、
R1aは、置換又は非置換C1−C6アルキルであり;及び
R1b、R1cおよびR1dはHであり;
W1は−(C=O)−NH―であり;
W2は―O―であり;
および、R2は単結合である。
上述した実施形態のうちのいくつかでは、R1aは、C1−C20アルキル基、C8−C20アルキル基、C12−C18アルキル基またはC14−C18アルキル基である。
アミノ末端またはカルボキシル末端での修飾は、ペプチドへ随意に導入されるかもしれない(例えば、グルカゴンまたはGLP−1)(Nestor、J.J.Jr.(2009年)Current Medicinal Chemistry 16: 4399−4418)。例えば、ペプチドはいくつかのペプチドに対して見られたとおり、低い効能、半アゴニストおよびアンタゴニスト活性を示すアナログをペプチドにもたらすために、N末端の上で先端を切るか、又はアシル化することができ(Gourlet P.ら(1998年)Eur J Pharmacol 354:105−111、Gozes、I.およびFurman、S.(2003年)Curr Pharm Des 9:483−494)、その内容を参照によって本明細書に取り入れた。例えば、bPTHの第1の6つの残基の欠失は、相反するアナログをもたらし(Mahaffey、J.E.ら(1979年)J Biol Chem 254:6496−6498;Goldman、M.E.ら(1988年)Endocrinology 123:2597−2599)、および本明細書に記載されているペプチドに類似した操作は強力に相反するアナログを生じさせる。D−PheなどのD−アミノ酸の欠失または結合などのペプチドのN末端に対する他の修飾は、長鎖アルキルグリコシドなどの本明細書に記載された修飾により置換されたとき、強力で長く作用するアゴニストまたはアンタゴニストを与え得る。そのようなアゴニストおよびアンタゴニストは、また商用有用性を有しており、本明細書に記載された熟慮された実施形態の範囲内である。
また本明細書に記載された実施形態の範囲内で熟慮したものは、ペプチドアナログに共有結合で付加された界面活性剤であり、ここでネイティブペプチドは、アセチル化、アシル化、ペグ化(PEGylation)、ADPリボシル化、アミド化、脂質または脂質の誘導体の共有結合の取付け、ホスファチジルイノシトールの共有結合の付加、架橋、環化、ジスルフィド結合生成、脱メチル化、システインの共有結合の架橋形成の形成、ピログルタミン酸の形成、フォルミル化、γ−カルボキシル化、γ−カルボキシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、蛋白質分解を生ずる処理、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、グリコシル化、脂質付加、硫酸化、グルタミン酸残基のグリコシル化、ヒドロキシル化およびADPリボシル化、セレノイル化、硫酸化、アルギニン化やユビキチン化などタンパク質へのアミノ酸の転移RNA媒介された付加である。例えば、Nestor,J.J.Jr.(2007年)Comprehensive Medicinal Chemistry II2:573−601、Nestor,J.J.Jr.(2009年)Current Medicinal Chemistry 16:4399―4418、Creighton,T.E.(1993年, Wold,F.(1983年)Posttranlational Covalent Modification of Proteins 1−12、Seifter,S.およびEnglard,S.(1990年)Methods Enzymol 182:626−646、Rattan,S.I.ら(1992年)Ann NY AcadSci 663:48−62)参照。また、本明細書に記載された実施形態の範囲内で熟考されるのは、分枝されるか、あるいは周期性であるペプチドが分岐、または分岐なしであることである。環式の、分枝したポリペプチドおよび分枝した環式のペプチドは、翻訳後の自然工程から結果として生じてもよく、または合成方法によって作られてもよい。幾つかの実施形態では、本明細書に記載された任意のペプチド生成物は、上述のペプチドアナログを含み、その後、共有結合でアルキルグリコシドの界面活性剤部分に付けられている。
また本明細書に提示された実施形態の範囲内で熟慮したものは、例えば、飽和或いは不飽和のアルキル鎖を有する、オクタン、デカン、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、3−フェニルプロパン酸など脂肪酸を有するLysのε−位置でリンカーアミノ酸上のアシル化によって、本明細書において請求されたアナログの置換によって適切な位置で置換されたペプチド鎖である(Zhang,L.およびBulaj,G.(2012年)Curr Med Chem 19:1602−1618)。そのようなアナログの限定されない例証的な実施例は次のとおりである:
さらなる実施形態では、ペプチド鎖は、ステロイド核、例えばコレステロール部分など、スペーサーおよび疎水性の部分で、Cysのスルフヒドリル基などのリンカーアミノ酸上の反応によって適切な位置で随意に置換される。そのような実施形態のうちのいくつかでは、修飾されるペプチドは、さらに1つ以上のPEG鎖を含む。ナノカプセル化の限定しない例は、次のとおりである:
20の標準のアミノ酸に加えて、「非標準のアミノ酸」、または膨大な数の人工のアミノ酸が存在し、当該技術で知られており、上述のとおり本明細に記載された化合物に組み入れた。他の非標準のアミノ酸は、結合のための反応性の側鎖により修飾される(Gauthier,M.A.及びKlok,H.A.(2008年)Chem Commun(Camb)2591−2611;de Graaf,A.J.ら(2009年)Bioconjug Chem 20:1281−1295)。1つの手法、発展した転移リボ核酸/転移RNA合成酵素対は、アンバー・サプレッサー・コドンによって発現プラスミドにおいてコード化した(Deiters,Aら(2004年).Bio−org.Med.Chem.lett.14,5743−5)。例えば、p‐アジドフェニルアラニンは、ペプチドに組み入れられ、次に、官能化された界面活性剤、または「Huisgen[3+2]付加環化」として知られている有機反応を促進するために、還元剤と銅イオンの存在中にアセチレン部分を有するPEGポリマーにより反応した。アセチレン修飾アルキルグリコシドまたはPEG修飾グリコシドを含有する本明細書に記載された試薬を使用する類似した反応配列は、ペグ化された、或いはアルキルグリコシド修飾ペプチドを生じる。約50未満の残基のペプチドについて、標準の固相合成は、鎖における所望の位置に前記反応的なアミノ酸残基の結合のために使用される。界面活性剤修飾ペプチド及び/又はタンパク質は、PEG結合によって単独で修飾されるペプチドより薬理学的および薬効成分の異なるスペクトルを提示する。
当業者は、ペプチドアナログの多数の置換が起こり得ることを認識する、もし、アミノ酸配列に組み入れられた界面活性剤部分があれば、本明細書に記載されている界面活性剤修飾されたペプチド生成物の望ましい特質を持つ。
<特定の定義>
明細書の中で使用されているように、「1つの(a)」あるいは「1つの(an)」は1つ以上を意味する。
特許請の範囲において使用されているように、単語「含む(comprising)」と併用して使用された時、単語「1つの(a)」あるいは「1つの(an)」は1つ以上を意味する。本明細書で使用されているように、「別の(another)」は、少なくとも2または3以上を意味する。
本明細書で使用されているように、様々な共通のアミノ酸のための1および3文字の略語は、Pure Appl.Chem 31,639−645(1972年)および40,277−290(1974年)で推奨された通りであり、37のCFR§1.822の規定に準拠する(55 FR 18245,1990年5月1日)。もしD−あるいはDLとして明示されなければ、その略語はLアミノ酸を表わす。天然及び人工の両方の特定のアミノ酸は、アキラル、例えばグリシン、α−アミノ−イソ酪酸(Aib)である。すべてのプチド配列は、左のN−末端アミノ酸および右のC末端アミノ酸が提示される。
「アルキル」基は、脂肪族炭化水素基を指す。アルキル基への言及は、「飽和アルキル」及び/又は「不飽和アルキル」すなわちアルケン又はアルキンを含む。アルキル基は、飽和であろうと不飽和であろうと、分岐鎖、直鎖又は環状の基を含む。アルキル基は、置換基を含むことにより随意に置換され、当該置換基は、限定されない、オキソ、ハロゲン、アリール、シクロアルキル、ステロイドなどの疎水性の天然物、アラルキル鎖(アルコキシアリルを含む)、アシル部分を含有するアルキル鎖などを含む。幾つかの実施形態では、アルキル基はペプチド中の残基(例えば、TyrまたはDmt)のNα−位置に連結される。このクラスはN−アルキルと呼ばれ、C1−C10からの直鎖状の、あるいは、分岐鎖状のアルキル基、またはベンジル、フェニルエチルなどのアリール置換アルキル基を含む。幾つかの実施形態では、アルキル部分は1−アルキル基であり、糖類部分へのグリコシド結合(典型的には、例えばグルコースの1ー位置に)に存在する。そのような1つのアルキル基はC1−C30アルキル基である。
「アリール」基は芳香環を指し、環を形成する原子の各々が炭素原子である。本明細書に記載されるアリール環は、5、6、7、8、9、又は10以上の炭素原子を有する環を含む。アリール基は、ハロゲン、アルキル、アシル、アルコキシ、アルキルチオ、Thrフォニル、ジアルキルアミノおよびカルボキシル・エステルから選択された置換基、シアノなどにより随意に置換される。アリール基の例は、限定されないが、フェニル、およびナフタレニルを含む。
用語「アシル」はC1−C20アシル鎖を指す。この鎖は、直鎖の脂肪鎖、分岐した脂肪鎖、周期性のアルキル部分を包含する鎖、ステロイドなど疎水性の天然物、アラルキル鎖またはアシル部分を包含しているアルキル鎖を含み得る。
用語「ステロイド核」は、以下に示されるとおりのA、B、CおよびDに指定された4つの融合環を含むステロイドのコアを指す。
部分を含むステロイドの例は、限定されないが、コレステロールなどを含む。
本明細書で使用されているように、治療上の組成物」は、水溶性又は有機担体若しくは賦形剤を有する混合物を含み得、錠剤、ペレット剤、カプセル、凍結乾燥体、坐剤、溶液、乳剤、懸濁液または使用に適している他の形態用の通常の無毒で、薬学的に許容可能な担体で調合することができる。担体は、上に開示されたものに加えて、アルギナート、コラーゲン、グルコース、ラクトース、マンノース、アラビアゴム、ゼラチン、マンニトール、デンプン糊、三珪酸マグネシウム、タルク、コーンスターチ、ケラチン、コロイドシリカ、ジャガイモ澱粉、尿素、媒体鎖長トリグリセリド、デキストラン、および固形物、半固体物質または液体の形態で、製剤の製造に使用するに適している他の担体を含むことができる。加えて、補助的安定化、増粘または着色剤が、使用することができる、ジヒドロキシアセトン(triulose)など安定化する乾燥した薬剤。
例えば、本明細書で使用されているように、「薬学的に許容可能な担体」または「治療上の効果的な担体」は、水溶性か、または非水性(固形物)、例えば、アルコール若しくはか油性の、あるいはその混合物であり、界面活性剤、皮膚軟化薬、潤滑剤、安定剤、色素、芳香、防腐剤、pHの調整用の酸またはベース、溶媒、分散剤、ゲル化剤、モイスチャライザー、安定剤、湿潤剤、限時解錠器薬剤、保湿剤、あるいは医薬組成物の特定の形態に一般に含まれる他の構成要素を含み得る。薬学的に許容可能な担体は、当業者には周知で、例えば、水または生理学的に緩衝食塩水など水溶液またはグリコール、グリセロール、およびオリーブオイルまたは注射可能な有機酸エステルなど油など他の溶媒または、ビヒクルを含む。
薬学的に許容可能な担体は、例えば、特異的阻止因子、例えばグルコース、スクロースまたはデキストランなど炭水化物、アスコルビン酸またはグルタチオンなど抗酸化剤、キレート剤、低分子量タンパク質、他の安定剤、賦形剤の吸収を安定させるか増加させるために作用する生理学的に許容可能な化合物を包含することができる。
医薬組成物は、また生理学的症状に近づくのに所望の他の薬学的に許容可能な補助の物質を包含することができ、そのような「物質」は、限定されないが、pH調節および緩衝剤、等張化剤およびその他同種のもの、例えば、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムなど含んでいる。さらに、ペプチド、あるいはその変異体、懸濁液は、保管上のフリーラジカルおよび脂質過酸化破損から脂質を保護する脂質保護剤を含み得る。フェリオキサミンなどアルファ−トコフェロールと水溶性の鉄の特異的なキレート化剤など脂肪親和性の強いフリーラジカル消光剤は適切である。
本明細書で使用されているように、「界面活性剤」は水の界面張力を修飾する界面活性剤である。典型的には、界面活性剤は分子の中に1つの親油性、1つの親水基または領域を有している。広く、基は石鹸、清浄剤、分散剤、分散および湿潤剤、および防腐剤のいくつかの基を含む。より具体的には、界面活性剤はステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムおよびグリセリンモノステアリン酸塩;及びポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール(PEG)、カルボキシメチルセルロース、ナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びヒドロキシプロピルセルロース若しくはアルキルグリコシドなどの親水性重合体を含む。幾つかの実施形態では、界面活性剤は非イオン性の界面活性剤(例えば、アルキルグリコシド界面活性剤)である。幾つかの実施形態において、界面活性剤は、イオン界面活性剤である。
本明細書で使用されているように「アルキルグリコシド」は、当該技術で知られているように、結合によって任意の疎水性のアルキルにつながれた任意の糖を指す。疎水性のアルキルは、所望の疎水性および糖類部分の親水性に依存するので、任意の所望の大きさから選択され得る。1つの態様では、アルキル鎖の範囲は1〜30の炭素原子である;あるいは6〜16の炭素原子である。
本明細書で使用されているように「糖類」は、直鎖または環状体中の単糖類、オリゴ糖または多糖類を含む。オリゴ糖は2つ以上の単糖類残基がある糖類である。官能化された形態で使用するに適している多くの起こり得る糖類のいくつかの実施例は、グルコース、ガラクトース、マルトース、マルトトリオース、マルトテトラオース、スクロース、トレハロースなどを含む。
本明細書で使用されているように、「ショ糖エステル類」は脂肪酸のショ糖エステル類である。ショ糖エステル類は、スクロースにより反応させることができる、より大きく、より多くのかさばった脂肪まで上の酢酸塩から、反応に利用可能なスクロース中の8つの水酸基および多くの脂肪酸群のために多くの形態をとることができる。この柔軟性は、使用される脂肪酸部分に基づいて、多くの生成物および機能性を調整することができることを意味する。ショ糖エステル類は、薬剤、化粧品、清浄剤および飼料添加剤中の成長している適用により、特に界面活性剤と乳化剤として、食物および食料品以外の用途を有する。
それらは生分解性で、無毒で、皮膚に対して刺激性が少ない。
本明細書で使用されているように、「適切な」アルキルグリコシドは、無毒で、非イオン性のものを意味する。幾つかの例においては、適切なアルキルグリコシドは、眼、鼻、鼻涙、舌下腺、バッカル、吸入経路を介して、あるいは皮下、筋肉内、静脈内経路などの注入経路によって化合物により投与されるとき、免疫原性または凝集を減少させ、化合物のバイオアベイラビリティを増加させる。適切な化合物は、当該技術において知られた方法及び実施例において述べられた方法を使用して、測定され得る。
「リンカーアミノ酸」は、官能化された界面活性剤を有する共有結合に使用される反応性官能基(de Graaf,A.J.ら(2009年)Bioconjug Chem 20:1281−1295)を含む任意の天然又は人工のアミノ酸である。一例として、幾つかの実施形態では、リンカーアミノ酸はLys、または反応性官能基―NH2を有するCysである;あるいは反応性官能基―SHがあるシステイン;あるいは反応性の官能基−C(=O)―OHを有するAspまたはGluである。一例として、他の特定の実施形態では、リンカーアミノ酸は、―OH、―N3、ハロアセチル、または適切に官能化された界面活性剤を有する共有結合の形成に使用されるアセチレン基などの反応性官能基を有する任意のアミノ酸である。
本明細書で使用されているように、「官能化された界面活性剤」は、リンカーアミノ酸を有する共有結合に適している反応性基を含む界面活性剤である。一例として、幾つかの実施形態では、官能化された界面活性剤は、リンカーアミノ酸を有する共有結合に適している反応性基としてカルボン酸基(例えば、単糖類の6−位置での)を含む。一例として、幾つかの実施形態では、官能化された界面活性剤は―NH2基、―N3基、アセチレン基、ハロアセチル基、―O−NH2基または−(CH2−)m−マレイミド基を含む、例えば、単糖類(模式図6に示されたように)の6−位置では、それは、適切なリンカーアミノ酸を有する共有結合を可能にする。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されているように、官能化された界面活性剤は化学式IVの化合物である。
本明細書で使用されているように、用語「ペプチド」は2つ以上のアミノ酸を含む任意のペプチドである。用語「ペプチド」は短いペプチド(例えば2乃至14の間のアミノ酸を含むペプチド)、中間鎖長ペプチド(15−50)または長鎖ペプチド(例えばタンパク質)を含む。ペプチド、中間鎖長ペプチドおよびタンパク質という用語は交換可能に本明細書に使用されてもよい。本明細書で使用されているように、用語「ペプチド」は、自然発生の構造変異種、およびペプチド結合を介してリンクした合成の非自然発生のアナログに関連づけられたアミノ酸残基から構成するポリマーを意味すると解釈される。合成ペプチドは自動化ペピチド合成機を使用するので、例えば合成することができる。ペプチドは、20の遺伝子にコード化されたアミノ酸以外にアミノ酸を含み得る。「ペプチド」は、処理および他の翻訳後修飾などナチュラル・プロセスのいずれかのみならず、化学的修飾技術によって修飾されるものを含む。そのような修飾は、基本的なテキストにおいて、およびより詳細な研究書に記載され、かつ当業者には周知である。同じタイプの修飾は、与えられたペプチド中のいくつかの部位で同じ程度または異なる度まで存在し得ることが認識される。また、定められたペプチドは幾つかの実施形態では2以上のタイプの修飾を包含している。修飾は、ペプチド骨格、アミノ酸側鎖およびアミノ末端またはカルボキシル末端を含むペプチドのあらゆる場所で生じ得る。
したがって、また本明細書に記載されている実施形態の範囲内で熟慮したのは、ペプチドに共有結合で付加された界面活性剤であり、当該ペプチドは、例えば、アセチル化、アシル化、ペグ化、脂質または脂質の誘導体のADPリボシル化、アミド化、共有結合の付加、ホスファチジルイノシトールの共有結合の付加、架橋、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、システインの共有結合の架橋形成の形成、ピログルタミン酸形成、フォルミル化、γ−カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、蛋白質分解を生ずる処理、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、グリコシル化、グルタミン酸残基の脂質取付け(硫酸化)、ヒドロキシル化およびADPリボシル化、セレノイル化、硫酸化、アルギニン化およびユビキチン化などタンパク質に対するアミノ酸の転移RNA媒介された付加を含む修飾によって修飾される。例えば、(Nestor,J.J.Jr.(2007年)Comprehensive Medinal Chemistry II 2:573−601、Nestor,J.J.Jr.(2009年)Current Medicinal Chemistry 16:4399―4418、Creighton,T.E.(1993年、Wold,F.(1983年)Posttranslational Covalent Modification of Proteins 1−12、Seifter,S.およびEnglard,S.(1990)Methods Enzymol 182:626−646、Rattan,S.I.ら(1992)Ann N Y Acad Sci 663:48−62)。また、本明細書に記載されている実施形態の範囲内で熟考されるのは、分岐したか、或いは周期性のペプチドが、分岐を有するか、または分岐を有しないことである。環式の、分枝したポリペプチドおよび分枝した環式のペプチドは、翻訳後の自然工程から結果として生じてもよいし、または合成方法によって作られてもよい。
用語「ペプチド」は、天然及び人工のアミノ酸または天然のアミノ酸のアナログを含むペプチドまたはタンパク質を含む。本明細書で使用されているように、ペプチド及び/又はタンパク質「アナログ」は、p−置換チロシン、o−置換チロシンおよびm−置換チロシンを含むチロシンアナログなど、天然のアミノ酸をベースにした人工のアミノ酸を含み、ここで、チロシン上の置換基は、アセチル基、ベンゾイル基、アミノ基、ヒドラジン、ヒドロキシアミン、チオール基、カルボキシ基、メチル基、イソプロピル基、C2−C20直鎖または分岐した炭化水素、1つの、飽和、あるいは不飽和炭化水素、O−メチル基、ポリエーテル基、ハロゲン、ニトロ基などを含む。Tyr・アナログの実施例は、2,4−ジメチル−チロシン(Dmt)、2,4−ジエチル−チロシン、O−4−アリールを含む−チロシン、4−プロピル−チロシン、Cα−メチル−チロシンなどを含む。リジン・アナログの実施例は、オルニチン(Orn)、ホモ−リジン、Cα−メチル−リジン(CMeLys)などを含む。フェニルアラニン・アナログの実施例は限定されないが、メタ置換されたフェニルアラニンを含み、ここで置換基はメトキシ基、C1−C20アルキル基、例えばメチル基、アリール基、アセチル基などを含む。特定の実施例は、限定されないが、2,4,6−トリメチル−L−フェニルアラニン(Tmp)およびO−メチル―チロシン、3−(2−ナフチル)アラニン(Nal(2))、3−(1−ナフチル)アラニン(Nal(1))、3−メチル−フェニルアラニン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸(Tic)、フッ素で処理されたフェニルアラニン、イソプロピル−フェニルアラニン、p−azido−フェニルアラニン、p−アシル−フェニルアラニン、p−ベンゾイル−フェニルアラニン、p−ヨード−フェニルアラニン、p−ブロモフェニルアラニン、p−アミノ−・フェニルアラニン、またイソプロピル− フェニルアラニンなどを含む。当該技術において知られており、ペプチドアナログの設計で使用される非標準或いは人工のアミノ酸の膨大なアレイの中で、Aib、Cα―ジエチルグリシン(Deg)、アミノシクロペンタン−1−カルボン酸(Ac4c)、アミノシクロペンタン−1−カルボン酸(Ac5c)などのC−アルファ−2置換アミノ酸である。そのようなアミノ酸は、しばしば、アルファらせん構造にバイアスされる抑制された構造へと導く(Kaul,R.およびBalaram,P.(1999年)Bio Med Chem 7:105−117)。アナログ設計に役立つそのような人工のアミノ酸の追加の実施例は、ホモ−アルギニン(Har)などである。特定の実例における減少したアミド結合の置換は、酵素の破壊からの改善された保護へと導くか、あるいは受容体結合を修飾する。一例として、残基(Tic―Ψ[CH2−NH]−Ψ−Phe)間の減少したアミド結合をもつTic−Pheジペプチド系の結合は、酵素の分解を減少させる。したがって、本明細書に記載されている実施形態の範囲内で熟慮したのは、上述したに記載された、修飾されるアミノ酸及び/又はペプチドアナログを含むペプチドに共有結合で付加された界面活性剤である。特定の人工のアミノ酸は以下に示される。
本明細書で使用されているように、「オピオイドペプチド」は、身体中のオピオイド受容体に結合するアミノ酸の短い配列である。幾つかの実施形態では、オピオイドペプチドは、例えばエンドルフィン、エンケファリン、エンドモルフィン、デルモルフィンまたはその他同種のものなど、内因性のペプチドである。幾つかの実施形態では、オピオイドペプチドは、内因性モルヒネ様ペプチドから誘導されている(例えば、偽ペプチド、抑制されたペプチド、アルファ・メチル・アナログなど)。幾つかの実施形態では、オピオイドペプチドは、外因性及び/又は合成であり、修飾されるアミノ酸及び/又は人工のアミノ酸を含み、該人工のアミノ酸はオピオイドペプチドの効果を模倣する。
本明細書で使用されているように、用語「変異体」は参照ペプチドと異なるが、不可欠な特性を保持するペプチドを意味すると理解される。ペプチドの典型的な変異体は、アミノ酸配列において他の参照ペプチドと異なる。一般に、違いは限定的であり、その結果、参照ペプチドおよび変異体の配列が全体として類似しており、および多くの領域では同一である。変異体および参照ペプチドは、任意の組み合わせにおいて、1以上の置換、付加、欠失によってアミノ酸配列において異なることがある。置換された、または挿入されたアミノ酸残基は、遺伝暗号によってコード化されたものかもしれないし、そうではないかもしれない。ペプチドの人工的に発生する変異体は、突然変異生成技術によって、直接合成、および他の適切な組み換え法によって作られ得る。
ここで、本明細書に記載されている共有結合で修飾されるペプチド及び/又はタンパク質の様々な実施形態および特定の適用について詳細に言及する。共有結合で修飾されるペプチド及び/又はタンパク質は、様々な実施形態および適用と併用して記載されるが、そのような実施形態および適用が例証的であり、本明細書に記載されている実施形態の範囲を限定するように意図されないことが理解される。加えて、この開示の全体にわたって、様々な特許、特許出願、ウェブサイトおよび刊行物が参照され、また、もし他の方法で示されなかったならば、関連する開示のために各々は参照により本明細書に組み入れられる。
<ペプチド>
身体中のペプチドによって果たされる多くの重要な役割がある。また、いくつかの商取引の機会が利用された(Nestor,J.J.Jr.(2009年)Current Medicinal Chemistry 16:4399−4418;Stevenson,C.L.(2009年)Curr Pharm Biotechnol 10:122−137)。しかしながら、これらの認識された標的および生成物さえ(Tyndall,J.D.ら(2005年)Chem Rev 105:793−826)、作用持続時間とバイオアベイラビリティの欠損症から苦しみ続ける。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されている改善されたペプチドは現在入手可能な商品と比較したので、より長期の作用持続時間及び/又はバイオアベイラビリティ及び/又は治療上の効力を提供する。臨床的な発達のアナログ設計(アゴニストとアンタゴニスト)の魅力的な商用標的を表わすペプチドのいくつかの例示的な実施例は、例えば、クラスBの部材、G蛋白質連結受容体(GPCR)リガンドおよび関連するペプチド(「セクレチン・ファミリー」)を含む:セクレチン、副甲状腺ホルモン(PTH)、副甲状腺ホルモン関連タンパク(PTHrP)、グルカゴン、タンパク質−1および−2(GLP−1、GLP−2)のようなグルカゴン、グルコース依存インシュリン様ポリペプチド(GIP)、オキシントモジュリン、脳下垂体のアデニル酸シクラーゼを起動するペプチド(PACAP)、血管作用性小腸ペプチド(VIP)、アミリン(またプラムリンチド、デバリンチドなどのアナログ)、カルシトニン(またサケ・カルシトニン、エルカトニンなどのアナログ)、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、アドレノメジュリン、副腎皮質刺激ホルモン放出因子ファミリーなど(CRF、Xerecept; ウロコルチン)などで、本明細書に記載の方法によるさらなる修飾による臨床的な生成物として改善される合成類似体を含む。また、本明細書に提示された実施形態の範囲内で熟考されるのは、オピオイドペプチド・ファミリーであり;そのようなペプチドは、増加した作用持続時間および増加した特異性を与えるのに本明細書に記載されているペプチド修飾の方法から利益を得る。一例として、エンドモルフィン、ダイノルフィン、エンケファリン、デルモルフィン、カソモルフィンなどのアナログ、ペプチド・ファミリーは疼痛、依存らの処置に魅力的な治療上の手法を提供する。本明細書に記載されているペプチド生成物をもたらす修飾の追加の魅力的なペプチド標的は、視床下部ホルモン、例えばゴナドトロピン・ホルモン放出ホルモン及びそのアナログ(例えば、ナファレリン、ゴセレリン、トリプトレリン、リュープロレリン、フェルチレリン、ヒストレリン、ブセレリン、ガニレリックス、セトロレリックス、デガレリクス、デスロレリン、など)、副腎皮質刺激ホルモン、ソマトスタチン(例えば、オクトレオチド、ランレオチド、バプレオチドなど)、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン、成長ホルモン放出ホルモン、ニューロテンシンである。魅力的な商用標的のさらなる実施例、バソプレシン(デスモプレシン、など)、オキシトシンおよびアナログなど脳下垂体ホルモンおよびアナログである、甲状腺ホルモンの刺激的なホルモン、プロラクチン、成長ホルモン、黄体形成ホルモン、袋果状の刺激的なホルモン、アルファ・メラニン細胞刺激ホルモン・アナログ(メラノタンアナログ)など、並びにそれらのアナログ。成長因子は本明細書に記載された方法を使用して、有利に修飾され得る重要なクラスの分子である、改善された薬学の候補、例えばインスリン(またリスプロ、レベミル、グラルギンなどのアナログ)、インスリン様成長因子I(IGF−IまたはソマトメジンC)、神経成長因子(NGF)、線維芽細胞成長因子(FGF;FGF−18、FGF−20、FGF−21など)、角化細胞成長因子(KGF)および血管内皮細胞増殖因子(VEGF)など。特に魅力的な標的は腸機能および食欲を制御するが、作用(それらのうちのいくらかは上に言及される)の短い期間を有するペプチドで、限定されないが、グレリン、膵臓のペプチド、ペプチドYY、ニューロペプタイドY、コレシストキニン(シンカリドなど)、メラノコルチンなどを含む。本明細書に記載されている方法から利益を得る追加の標的は、肥満症に関連する炎症誘発性の脂肪組織生成物で、レプチン(及びOB−3ペプチドなど関連付けられたアナログ)、アディポカイン、アディポネクチン、ケメリン、ビスファチン、ネスファチン、レジスチン、腫瘍壊死因子アルファ、ケモキネス、単球走化性のあるタンパク質−1(MCP−1)、オメンチン、インターロイキン、などである。改善された薬学・薬理学的な挙動から利益を得る重要な標的は免疫機能を制御するタンパク質である、その中で、以下の実施例が挙げられるが、それらは限定することが意味されておらず、単に例証的なものである:インターフェロン・ファミリーのメンバー(IL−10、IL−19、IL−20、IL−22、IL−24、IL−26などを含む、インターフェロン・アルファ、―ベータ、―ガンマ、―カッパ、―オメガ)、チモペンチン、サイモシン アルファ1などである。循環するもの、または血液凝固を制御する重要なペプチド生成物は、本明細書に記載された方法によって改善されるだろう、それによって増加した作用持続時間が達成されるだろう、ビバリルジン(Angiomaxアンジオマックス)、エプチフィバチド(インテグレリン)、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP、ウラリチド)、脳性ナトリウム利尿ペプチド、C型ナトリウム利尿ペプチド、b−タイプ・ナトリウム利尿ペプチド(ネシリチド)、アンギオテンシン、血液造成阻害剤、ロチガプチド、トロンボスポンジンとその他同種のもの。幹細胞増殖および分化を刺激するペプチドは本明細書に記載されている修飾によって改善されるかもしれない重要な薬剤である。例えば、エリスロポエチン、ヘマタイド、トロンボポイエチン、マクロファージコロニー刺激因子(M−コロニー刺激因子)、白血病抑制因子(LIF)、インターロイキン6(IL−6)顆粒球コロニー刺激因子(G−コロニー刺激因子)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子など(GM−コロニー刺激因子)はであるである、界面活性剤(例えばアルキルグリコシド界面活性剤)に対する共有結合の取付けに適しているペプチドとして熟慮する。神経栄養因子は、作用持続時間と効力を増加させるのに本明細書に記載されている修飾から大幅に利益を得る、別のクラスの少人数のタンパク質である。例えばグリア細胞を派生した神経栄養因子(GDNF)およびファミリー(ニュールツリン、アルテミン、パースフィン)(神経成長因子(NGF)、BDNFおよびその他同種のものなどニューロトロフィン)。炎症誘発性で、疼痛引き起こすペプチドは本明細書に記載されている修飾によって改善される重要なペプチド標的である。例えば、ブラジキニン(あるいはその放出(例えばエカランチド))およびサブスタンスPの阻害剤、特にアンタゴニストは重要な治療上の標的(イカチバントら)を提供する、界面活性剤(例えばアルキルグリコシドの界面活性剤)の共有結合の取付けに適している。ウイルスの融合(フゼオン)、タンパク質成熟(プロテアーゼ阻害剤)または統合の阻害剤は、作用の短い期間に苦しむ。界面活性剤(例えばアルキルグリコシドの界面活性剤)の共有結合の取付けによるそのような阻害剤の修飾は、より長期の作用持続時間を可能にする。多くのプロテアーゼが疾患に関係することが見出された(本明細書に記載されている修飾およびそのような標的によってさらに改善されるだろう)。また、それらの作用の阻害剤は診療室(Abbenante、G.およびFairlie,D.P.(2005年)Med Chem 1:71−104)に達し、そのような標的は本明細書に記載された実施形態の範囲内で熟慮する。追加の天然のペプチド生成物、およびその疼痛、抗菌剤デフェンシンなど用のコノトキシン・ペプチドなどアナログは、またバイオアベイラビリティの欠如、および生理液内での作用の短期間から苦しみ、それ故、本明細書に記載されているペプチド修飾から利益を得る。当業者は、本明細書に記載されている修飾に適用可能で、増加した作用持続時間およびバイオアベイラビリティを提供する多くの追加の商業上重要なペプチドを認識する。また、そのようなペプチドはまたある、現在の開示の範囲内で熟慮する。
アミノまたはカルボキシル末端の修飾は、本ペプチドへ随意に導入されるかもしれない(Nestor,J.J.Jr.(2009年)Current Medicinal Chemistry 16:4399―4418)。例えば、本ペプチドはいくつかのペプチドに対して見られるように、低い効力、半アゴニストおよびアンタゴニスト活性を示すペプチドをもたらすためにN末端で上端を切り取るかアシル化することができ(Gourlet(P)。ら(1998年)Eur J Pharmacol 354:105−111、Gozes、I.およびFurman,S.(2003年)Curr Pharm Des 9:483−494)、それらの内容は、参照により本明細書に組み入れられる。D−フェニルアラニンなどD−アミノ酸の欠失または結合などのペプチドのN末端に対する他の修飾は、長鎖アルキルグリコシドなど本明細書に記載された修飾により置換されたときにも、強力で長く作用するアゴニストまたはアンタゴニストを与えることができる。そのようなアゴニストおよびアンタゴニストはまた商用有用性を有しており、本明細書に記載されている熟慮された実施形態の範囲内である。
20の標準のアミノ酸に加えて、「非標準のアミノ酸」、または当該技術分野で知られており、組み入れられ得る膨大な数のアミノ酸が存在し、上述のとおり本明細書に記載された化合物に組み入れられ得る。他の非標準のアミノ酸は、結合のための反応的な側鎖により修飾される(Gauthier、M.A.およびKlok,H.A.(2008年)Chem Commun(Camb)2591−2611;de Graaf,A.J.ら(2009年)Bioconjug Chem 20:1281−1295)。1つの手法、発展した転移リボ核酸/転移RNA合成酵素対で、発現プラスミドにおいてアンバーサプレッサーによってコドンがコード化した(Deiters,Aら(2004年)Bio−org.Med.Chem.Lett.14,5743−5)。例えば、p−アジドフェニルアラニンはペプチドに組み入れられ、次に、官能化された界面活性剤、または「Huisgen[3+2]付加環化として知られている有機反応を促進するために還元剤と銅イオンが存在する状態の中にアセチレン部分を有しているPEGポリマーによって反応した。
アセチレン修飾アルキルグリコシドまたはPEG修飾グリコシドを含む本明細書に記載された試薬を使用する類似した反応配列は、ペグ化された、或いはアルキルグリコシド修飾ペプチド結果として生じる。約50未満の残基のペプチドについては、標準の固相合成は鎖の中で所望位置に前記反応的なアミノ酸残基の結合のために使用される。界面活性剤修飾されるペプチド及び/又はタンパク質は、PEG結合によって単独で修飾されるペプチドと、薬理学的および薬効成分の異なるスペクトルを提示する。
<中間体>
1つの実施形態において、本明細書では、界面活性剤部分、および天然又は人工のアミノ酸上で反応性官能基を有する単結合を形成し得る反応性官能基を含む中間体及び/又は試薬が提供される。これらの中間体及び/又は試薬は、ヒト、また家畜の疾病に使用するペプチド及び/又はタンパク質のバイオアベイラビリティと、薬剤の、薬物動態学的及び/又は薬理学的な挙動行動における利用を可能にする。例えば、Lysのイプシロン・アミノ官能基上、Cysのスルフヒドリル基、またはペプチド及び/又はタンパク質標的のアミノ末端又はカルボキシ末端でのメルカプト基での、アミノ酸の側鎖上の官能基によるそのような中間体及び/又は試薬の共有結合の付加が、本明細書に記載されているペプチド生成物の合成を可能にする。具体的な実施形態では、非イオン性の界面活性剤部分はO−アルキルグリコシドの置換を有する、単糖類または二糖類であり、前記グリコシド結合はアルファまたはβ構造をある。具体的な実施形態では、O−アルキル鎖はC1−C20アルキル鎖、またはC6−C16アルキル鎖からである。
別の実施形態において、本明細書で、特定のアルキルグリコシド結合をもつ非イオン性の界面活性剤部分を含む中間体及び/又は試薬が提供され、該アルキルグリコシド結合はO−アルキルグリコシド結合、および天然又は人工のアミノ酸上で反応性官能基を有する単結合を形成することができる反応性官能基を模倣する。そのような中間体及び/又は試薬は、S−リンク・アルキル鎖またはN−リンク・アルキル鎖を包含しており、酵素の安定性がO−リンク・アルキルグリコシド・リンクした生成物と比較して、化学的な及び/又は酵素的安定性を修飾した。
幾つかの実施形態では、本明細書で提供された中間体及び/又は試薬は化合物であり、ここで、親水基は、修飾されるグルコース、ガラクトース、マルトース、グルクロン酸、ジグルクロン酸、マルタウロン(maltouronic)酸などである。幾つかの実施形態では、親水基はグルコース、マルトース、グルクロン酸、ジグルクロン酸又はマルタウロン酸であり、疎水基はC1−C20アルキル鎖またはアラルキル鎖である。幾つかの実施形態において、疎水基に対するグリコシド結合はアルファ構造であり、いくつかでは、結合は糖類上のアノメリック中心でベータ構造である。
幾つかの実施形態では、親水基はグルコース、マルトース、グルクロン酸、ジグルクロン酸、あるいはマルタウロン酸であり、疎水基はC1−C20アルキル鎖またはアラルキル鎖である。
幾つかの実施形態では、本明細書で提供された中間体及び/又は試薬は、カルボン酸基、アミノ基、アジ化物、アルデヒド、マレイミド、メルカプト基、ヒドロキシルアミノ群、アルキンまたはその他同種のものである反応性官能基を包含する界面活性剤を含む。
幾つかの実施形態では、中間体及び/又は試薬は、カルボン酸またはアミノ官能基となるために修飾される水酸基のうちの1つを有するO−リンク・アルキルグリコシドである。
幾つかの実施形態では、試薬は、アルファ構造またはベータ構造の1−O−アルキルグルクロン酸であり、アルキル鎖は長さでC1乃至C20までである。そのような実施形態のうちのいくらかでは、アルキル基は長さでC6乃至C18までである。そのような実施形態のうちのいくらかでは、アルキル基は長さでC6乃至C16までである。
幾つかの実施形態では、試薬は、アルファ構造またはベータ構造の1−O−アルキルジグルクロン酸を含み、アルキル鎖は長さでC1乃至C20までである。そのような実施形態のうちのいくらかでは、アルキル基は長さでC6乃至C16までである。
幾つかの実施形態では、試薬は、カルボン酸またはアミノ官能基であるために修飾される水酸基のうちの1つを有する、アルファ構造またはベータ構造のS−リンク・アルキルグリコシドである。
幾つかの実施形態では、試薬は、カルボン酸またはアミノ官能基であるために修飾される水酸基のうちの1つを有する、アルファ構造またはベータ構造のN−リンク・アルキルグリコシドである。
さらに別の実施形態において、本明細書で、ヒト及び家畜の疾病で使用するために許容可能な特性を有する共有結合で連鎖性のアルキルグリコシドを包含するペプチド及び/又は蛋白質生成物が存在する。模式図1は、本明細書に記載されている界面活性剤に修飾されるペプチド生成物の合成に有用な試薬及び/又は中間体をもたらすために修飾することができる典型的な非イオン性の界面活性剤を挙げる。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載の共有結合で修飾されるペプチド及び/又はタンパク質は、ペプチド構造に界面活性剤部分を合併する。特定の実施形態では、共有結合で修飾される本明細書に記載されているペプチド及び/又はタンパク質は、アルキル、アルコキシアルキルまたはアラルキルグリコシドクラスの非イオン性の界面活性剤を組み入れる。アルキルグリコシドは重要な商品で、食物、サービスおよびクリーニング産業で広く使用される。したがって、商業上有意な規模のそれらの生成は広範囲な研究の被験体だった。酵素及び化学の両方のプロセスは、非常に低コストでそれらの製造に利用可能である(Park,D.W.ら(2000年)Biotechnology Letters 22:951−956)。これらのアルキルグリコシドは本明細書に記載されている共有結合で修飾されるペプチド及び/又はタンパク質の合成用の中間体を生じさせるためにさらに修飾することができる。したがって、酸素の存在状態で保護されていない物質および白金黒触媒を使用するときに、高収率で対応するグルクロン酸アナログをもたらす6−位置上で、1−ドデシルベータ−D−グルコシドが優先的に酸化することは知られている(van Bekkum,H.(1990年)Carbohydrates as Organic Raw Materials 289−310)。アルキルグルコシドの6−位置での第1アルコールの酸化のための追加の化学種選択的な方法が利用可能である。例えば、有機酸化剤[bia(アセトキシ)ヨード]ベンゼン(BAIB)(De Mico,A.ら(1997年」)J Org Chem 1997:6974−6977)の化学量を有する触媒の量をもつ2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジルオキシル(TEMPO)の使用は、主要なヒドロキシルの酸化によってヌクレオシド−5’−カルボン酸の顕著な収率を与えた(Epp,J.B.及びWidlanski,T.S.(1999年)J Org Chem 64:293−295)。この酸化は、第2のヒドロキシルが保護されてないときでさえ、第1のヒドロキシルには化学種選択的である(Codee、J.D.ら(2005年)J Am ChemSoc 127:3767−3773)。類似した方法で、1−ドデシルβ−D−グルコピラノシドおよび1−テトラデシルβ−D−グルコピラノシドは、水中の化学量論の酸化剤として、KBrと次亜塩素酸ナトリウムを使用して、TEMPOを有する酸化によって対応するウロン酸(1−ドデシルβ−D−グルクロン酸、1−テトラデシルβ−D−グルクロン酸)に酸化した(Milkereit,G.ら(2004年)Chem Phys Lipids 127:47−63)。(ジアセトキシヨード)ベンゼン(DAIB・アルカ・BAIB)を使用する軽度の酸化処理は、実施例において与えられる。これらのグルクロン酸中間体の特定のものは、市場で入手可能である(例えば、オクチルb−D−グルクロン酸;Carbosynth、MO 07928)及び、示されるように、広範囲で、ルティンの方法または請求によって調製がなされる(Schamann,M.及びSchafer,H.J.(2003年)Eur J Org Chem 351−358;Van den Bos,L.J.ら(2007年)Eur J Org Chem 3963−3976)。模式図2は、本明細書に記載されている中間体及び/又は試薬を調製するために使用される反応性官能基として―COOH基を含む、特定の官能化された界面活性剤中間体を例証する。
同様に、アラルキルグリコシド(アルコキシアルキルを含む)は、密接に関連する非イオン性界面活性剤試薬の基礎を形成することができる。例えば4−アルコキシフェニルβ−D−グルコピラノシドは、三弗化硼素エーテラートの存在下でペンタ−O−アセチルβ−D−グルコースと4−アルキシルオキシフェノールとの反応によって容易に合成される。上述され、実施例に記載されているように、メタノール/水中でトリメチルアミンを使用して脱アセチル化し、選択的酸化の後に、試薬およびペプチドを形成するのに適切なアルコキシアリルグルクロン酸試薬をもたらす(Smits,E.ら(1996年)J Chem Soc,Parkin Trans I 2873−2877;Smits,E.ら(1997年)Liquid Crystal 23:481−488)。
グルクロン酸クラスの中間体は、アミノ酸側鎖(例えば、Lysの側鎖)に対する結合のための標準のカップリング剤によって容易に活性化される。したがって、Fmoc−Lys−O−Tm(トリメチルシリル=TMS)は、カップリング剤の存在下で、オクチルベータ−D−グルクロン酸により反応させることができ、およびその後、水性の後処理で加水分解することができ、模式図4に示されるようにFmoc−Lys(1−オクチル・β−D−グルクロン酸アミド)をもたらす。この試薬は、分子のN末端領域の近くの界面活性剤部分を組込むことが望まれるとき、標準連結プロトコルを使用して、ペプチドの結合強力発破相合成に使用することができる。第2の水酸基は、Lysアミノ官能基の非常に高い反応性により、無保護備にしておくことができるか、あるいは、第2の水酸基は過汗チル化によって保護することができる。アセチル保護された形態が使用されるとき、アセチル保護基はMeOH/NaOMeによる処置、またはMeOH/Et3Nによって、高収率では除去することができる。模式図4は、本明細書に記載されている試薬の製剤を例証する。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されている活性ペプチド生成物の製剤用の試薬及び/又は中間体は、合成ペプチド生成物への結合のための界面活性剤に修飾されるリンカーアミノ酸のファミリーを含む。したがって、一実施形態において、本明細書に記載されているペプチド生成物は直鎖の方法で合成され、ここで、官能化された界面活性剤は、リンカーアミノ酸(例えばリジン残基のアミノ基)の側鎖上の官能基によって可逆的に保護されたリンカーアミノ酸に付加されて、独自の試薬(模式図4に示されるように)をもたらし、いる、成長しているペプチド鎖に組み込まれ、ついで残りのペプチドは、さらなるシステイン残基に対するアミノ酸の付加によって合成される。本明細書に記載されている修飾されるペプチド及び/又はタンパク質の合成に適している保護基は、例えば「T.W.Green,P.G.M.Wuts、Protective Group in Organic Synthesis,Wiley−Interscience,New York,1999年,503−507,736−739」に記載され、その開示は、参照により本明細書に組み入れられる。
別の実施形態において、本明細書に記載されているペプチド生成物は、ペプチド鎖にあるリンカーアミノ酸上の適切な官能基によって省略がないペプチドに対する官能化された界面活性剤の共有結合の付加によって合成される。
代替的に、官能化された界面活性剤は、ペプチドの固相合成の間に脱保護されたリンカーアミノ酸側鎖に加えることができる。実施例として、アルキルグルクロニル基は、ペプチドの固相合成中にリンカーアミノ酸側鎖(例えば脱保護されたリース側鎖)に直接加えることができる。例えば、サブユニットとしてのFmoc−Lys(Alloc)−OHの使用が、ペプチドがまだ樹脂上にある間除去することができる垂直の保護を提供する。
したがって、Pd/チオバルビタールまたは他のalloc脱保護レシピを使用するリース側鎖の脱保護は、保護されたアシルまたは無防備の1−オクチルβ−D−グルクロン酸ユニットにより連結されるためにアミノ基の曝露を許可する。その後、低い% CF3CO2H(TFA)開裂カクテルを有する最終的な脱保護は所望生成物を運ぶ。グリコシド結合は強酸に不安定であるが、本明細書で、他のものによる経験は、それが低い%のTFA開裂症状に対して比較的安定しているということである。代替的に、糖類OH官能基上のアシル保護(例えばアセチル、Ac; ベンゾイル、Bz)またはトリアルキルシリル保護はグリコシド結合に増加した保護を与えるために使用されてもよい。ベース(NH2NH2/MeOH;NH3/MeOH、NaOMe/MeOH)によって後に脱保護は、所望の脱保護された生成物をもたらす。模式図4は本明細書に記載されている試薬を例証する。
模式図5は本明細書に記載されているペプチド中間体を例証する。
模式図6に以下に示されるように、アミノ酸側鎖官能基への結合の様々な手段を与えるために、追加の試薬は6−位置官能基の修飾によって生じさせられる。したがって、アミノ置換基は、Asp側鎖またはGlu側鎖に対する結合に使用することができる。Azido置換基またはアルキン置換基は、Huisgen 3+2付加環化のための相補的な受容体を包含している人工のアミノ酸に対する結合に使用することができる(Gauthier、M.A.およびKlok、H.A.(2008)Chem Commun(Camb)2591−2611)。アミノキシまたはアルデヒド官能基はアルデヒド(すなわちオキシム結合)またはアミノ官能基(すなわち縮小するアルキル化)にそれぞれ連結するために使用することができる。マレイミドまたは―NH(C=O)−CH2−Br官能基は、Cysまたは他のSH官能基により化学選択的に結合することができる。本明細書に記載されている試薬と併用して使用された時、これらのタイプの結合方策は有利である。官能基の相互転換は、有機合成で広く実施され、本明細書にリストされた官能基修飾の各々に対する複数の経路の総覧は、利用可能である(Larock、R.C.(1999年)”Comprehensive Organic Transformations”、VCH Publishers,New York)。
したがって、オクチル1―β―D−グルコシドの位置6上の第1のヒドロキシルがアジドアニオンを備えた、賦活および置換、炭水化物化学の中で使用される反応のような反応によってアジ化物に変換される(例えばNaN3が後続するトシル化による)。対応するアジ化物は、ピリジン中のチオ酢酸による還元によって(Elofsson,M.ら(1997年)Tetrahedron 53:369−390)、あるいはアミノ基生成の類似した方法によってアミノ機能になる(Stangier,P.ら(1994年)Liquid Crsytal 17:589−595)。アセチレン、アミノキシおよびアルデヒド部分への手法は、第一アミンの軽度の加水分解が後続するAc2Oによる処置によって市場で入手できるグルコシドから利用可能なトリアセトキシ形態に対して最良に実行される。この6−ヒドロキシ形態は、選択的にアルデヒドに酸化するか、トシラートまたはトリフラートとして活性化され、NH2OH、またはナトリウム・アセチリドによって置き換えることができる。マレイミド結合は示されるような炭素結合によって、好ましくは、Oまたはアミド結合を介して、活性化されたヒドロキシルの変位または、グルクロン酸誘導体のアミノリンクした当該技術で周知のマレイミド試薬との連結によって再び存在する場合がある。追加の官能基変換は、薬化学の当業者に周知で、本明細書に記載されている実施形態の範囲内である。
また本明細書に記載されている合成方法の範囲内で熟慮したものは界面活性剤であり、ここで糖類および疎水性鎖は、アルファ・グリコシド結合によって共有結合で付けられる。主にα―リンク・グリコシドへの合成の経路は、当該技術において周知で、典型的には過アセチル化糖に由来し、酸性の触媒(例えば、SnCl4、BF3またはHCl)を使用して、α−グリコシル化を産出する(Cudic、M.およびBurstein、G.D.(2008年)Methods Mol Biol 494:187−208、Vill,V.ら(2000年)Chem Phys Lipids 104:75−91、そのような開示のための言及によって本明細書に組み入れた)類似した合成の経路は、二糖グリコシドのために存在する(von Minden、H.M.ら(2000年)Chem Phys Lipids 106:157−179)そのような開示のための言及によって本明細書に組み入れた)。ついで官能基変換は上述のとおり進み、その後、対応するα−リンク試薬の生成のために、6−カルボン酸等へと導く。
模式図6は本明細書に記載されている共有結合で修飾されるペプチド及び/又はタンパク質の合成に役立つ一定の化合物および試薬をリストする。アミノ酸のための正式名称を使用する単一の文字略語が使用される。
多くのアルキルグリコシドは既知の手続きによって合成することができる。例えば(Rosevear、P.ら(1980年)Biochemistry 19:4108−4115、Li、Y.T.ら(1991年)J Biol Chem 266:10723−10726)あるいはKoeltzowおよびUrfer、J.Am.Oil Chem、Soc.61:1651−1655(1984年)、米国特許第3,219,656号明細書および米国特許第3,839,318号明細書に記載されるとおりであり、あるいは酵素学的に記載される。例えば(Li、Y.T.ら(1991)J Biol Chem 266:10723−10726、Gopalan、V.ら(1992年)J Biol Chem 267:9629−9638)に記載される。Serなどno天然のアミノ酸に対するO−アルキル結合はNα−Fmoc−4−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノジル)−L−セリンをもたらすために過アセチルグルコースを使用してFmoc−Ser−OH上で実行することができる。この材料は、第一級炭素原子(位置6)に選択的に脱保護され、新しいクラスの非イオン性界面活性剤および試薬(模式図7)を生じさせるために脂肪親和性の強いアミンに連結され得る、対応する6−カルボキシル機能をもたらすために上述されるようなTEMPO/BAIBを使用して、選択的に酸化する。
疎水性アルキルと親水性の糖類との間の結合は、他の可能性の中で、グリコシド、チオグリコシド、アミドを含むことができる(Carbohydrate as Organic Raw Materials、F.W.Lichtenthaler ed.VCH Publishers、New York、1991年)、ureid(Austrian Pat.386,414(1988年);Chem.Abstr.110:137536p(1989年);see Gruber、H.およびGreber,G.,”Reactive Sucrose Derivatives”in Carbohydrates as Organic Raw Materials,pp.95−116)または、エステルリンケージ(Sugar Esters:Preparation and Application、J.C.Colbert ed(Noyes Data Corp.(New Jersey)(1974年)。
本明細書に記載された試薬に対する修飾または生成物の製剤のために有用なアルキルグリコシドが選択され得る実施例は、次のものを含む:アルキルグリコシド、オクチル−、ノニル−、デシル−、ウンデシル−、ドデシル−、トリデシル−、テトラデシル−、ペンタデシル−、ヘキサデシル−、ヘプタデシル−、及びオクタデシル−D−マルトコシド、−グルコシドまたは−スクロシドe(すなわちスクロース・エステル)(Koeltzow and Urfer;Anatrace、Maumee,Ohio;Calbiochem、San Diego,Calf.;Fluka Chemie、Switzerlandに従って合成される);
ヘプチル、オクチル、ドデシル−、トリデシル−、及びテトラデシル−β−D−チオマルトシド;(Defaye、J.およびPederson、C.、「Hydrogen Fluoride, Solvent and Reagent for Carbohydrate Conversion Technology」 in Carbohydrates as Organic Raw Materials, 247−265(F.W.Lichtenthaler、ed.)VCH Publishers, New York(1991);Ferenci、T.J.Bacteriol、144:7−11(1980));1−ドデシルあるいは−1−オクチル・チオα−またはβ−D−グルコピラノシドなどのアルキル・チオグルコシド(Anatrace、(Maumee、Ohio;see Saito、S.およびTsuchiya、T.Chem Pahrm.Bull.33:503−508(1985));アルキル・チオスクロース(例えば、Binder、T.P.およびRobyt、J.F.Carbohydr.Res.140:9−20(1985))に従って合成される。アルキル・マルトリオシド(KoeltzowとUrferに従って合成される);スクロースβアミノ−アルキルエーテルの長鎖脂肪族炭酸アミド;(オーストリア特許第382,381号(1987年)に従って合成された;Chem.Abstr.108:114719(1988年)およびGruber及びGreber 95−116;アミド結合によってアルキル鎖に連結されたパラチノースとイソマルトアミンの誘導体(Kunz、M著、有機原料としての炭水化物中の「界面活性剤とポリマーの合成用中間体としてのスクロースに基づいた親水性のビルディングブロック」、127−153に従って合成された;尿素によってアルキル鎖に連結されたイソマルトアミンの誘導体(クンツに従って合成された);スクロース・アミノ・アルキル・エーテル(グルーバーおよびGreber(pp.95−116)に従って合成された)の長鎖脂肪族炭酸ウレイド;及びスクロース・アミノ・アルキル・エーテルの長鎖脂肪族炭酸アミド(オーストリアの特許382,381(1987)Chem.Abstr108:114719(1988)およびグルーバーおよびグレーバー(pp.95−116.に従って合成された。
いくつかの好ましいグリコシドは糖類マルトース、スクロース、グルコース、および6、8、10、12、または14炭素原子のアルキル鎖に対するグリコシドまたはエステルリンケージによってリンクしたガラクトースを含む、例えば、ヘキシル−、オクチル−、デシル−、ドデシル−、及びテトラデシル−、マルトシド、スクロシド、グルコシド及びガラクトシド。身体では、これらのグリコシドは、無毒なアルコールまたは脂肪酸、および少糖類または、糖類に分解される。上述の実施例は、本明細書に請求された方法中で使用されるアルキルグリコシドのタイプの例証となる。しかしながら、目録は、網羅したようになるように意図されない。
一般に、これらの界面活性剤(例えばアルキルグリコシド)は、バイオアベイラビリティを調節するように、随意に計画されているか、またはペプチドの生物学的な特性を修飾するのに選択されている、半減期、受容体選択性、毒性、生体内分布、溶解性、安定性、例えば、熱、加水分解、酸化、酵素の分解に対する耐性など、精製と処理用の設備、構造用特性、分光器の特性、化学的な及び/又は光化学の特性、触媒能力、酸化還元電位、他の分子により反応する能力、例えば、共有結合で、あるいは、非共有で、など。
<界面活性剤>
用語「界面活性剤」は、「表面活性剤(surface active agen)」を短くすることから由来する。薬学の適用では、界面活性剤は、それらが分散剤、可溶化剤および湿潤剤として作用するので、多くの目的に役立つ液体の医薬製剤に役立つ。
乳化剤は、脂肪親和性が強いか、部分的に脂肪親和性の強い物質の水溶液を安定させる。
可溶化剤は、達成することができる濃度を増加させる医薬組成物の構成要素の溶解性を増加させる。湿潤剤は、したがって、適用される表面に容易に広がるために、誘発する流体の表面張力を減少させる添加剤で、流体を有する表面をさらに「湿る」こと引き起こす。
湿潤剤は、液剤が粘膜との親密な関係、または医薬製剤が接触する他の表面積を達成する手段を提供する。したがって、界面活性剤は、ペプチド自体の特性の修飾と同様に本明細書に記載されているペプチド生成物の製剤の安定化のための有用な添加剤であり得る。
具体的な実施形態では、本明細書に記載されているように、スクロースドデカノアートと同様に合成的に疎通性を有し(例えばアルキルグリコシドドデシル)、トリデシル、テトラデシル・マルトースグリコシドまたはグルコシド、アルキルグリコシド、トリデカノアートおよびテトラデカノアートは、ペプチドに対する共有結合の取付けに適している。同様に、対応するアルキルチオグリコシドは製剤開発には許容可能に安定して、合成的に利用可能な界面活性剤である。
広範囲の物理的な界面活性剤特性は、界面活性剤(例えば、アルキルグリコシド)の疎水性か親水性の領域の適切な修飾によって達成することができる。例えば、ドデシル・マルトースグリコシド(DM)の二分子層活性をドデシル・グルコシド(DG)のそれと比較する研究は、DMの疎水性の尾(Lopez、O.ら(2002年)コロイド・ポリマー Sci280:352−357)の同じ長さをもつにもかかわらず、DGより3倍以上高いことが分かった。特にこの実例では、極領域(polar region)(二糖類vs単糖類)の同一性は界面活性剤行動に影響を及ぼす。ペプチドに連結された界面活性剤の場合には、例えば、ペプチド生成物、本明細書に記載されている、ペプチド領域は、また全体的な分子に疎水性か親水性の特徴を寄付し得る。したがって、物理的な界面活性剤特性のチューニングは個々のペプチド標的に適している特定の物理的・薬学の特性を達成するために使用されてもよい。
<PEG修飾>
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されている界面活性剤に修飾されるペプチド生成物は1つ以上のPEG部分(ベロネーゼ、F.M.およびメロ、A.(2008)BioDrugs 22: 315−329)を組込むためにさらに修飾される。いくつかの実例では、大きなPEG鎖の合体は、そこに生ずる薄い尿の中への腎臓中の糸球体中のペプチドの濾過を防ぐ(ネストール、J.J.(Jr.の(2009)の現在の医薬品化学16):4399−4418、Caliceti、P.およびベロネーゼ、F.M.(2003)Adv、Deliv Rev 55:1261−1277)。幾つかの実施形態では、随意のPEG、親水性鎖はペプチドまたはタンパク質の溶解性および物理的性質の平衡を保つことを可能にし、それはレンダリングされた、より長期のチェーンの結合によって疎水性、アルキルグリコシド部分。
タンパク質のペグ化には同様に潜在的に負の効果があり得る。したがって、ペグ化は、いくつかのタンパク質のための生物学的活性の本質的な敗北を引き起こす場合がある。また、これは具体的なクラスの受容体用リガンドに関連するかもしれない。そのような実例では、可逆的なペグ化に利点があり得る(ペレグ−シュルマン、ティーら(2004)J Med Chem 47:4897−4904、グリーンウォルドら(2003)Adv Drug Rev 55:217−250、ロバーツ、M.J.およびハリス、J.M.(1998)J Pharm Sci 87:1440−1445)。
加えて、増加した分子量は、糸球体の細胞膜バリア以外の生理的なバリアの浸透を予防するかもしれない。例えば、ペグ化の高分子量形態がいくつかの組織に対する浸透を予防するかもしれないし、その結果として、治療上の効力を減少させるかもしれないことが示唆された。加えて、高分子量は、粘膜の細胞膜バリア、鼻、バッカル、膣、経口、直腸、肺送達を超えて取り込みを予防するかもしれない。どんなに遅れた取り込みも、実質的に作用持続時間を延長する肺に対する、安定した分子の投与には非常に有利かもしれない。本明細書に記載されているペプチド及び/又は蛋白質製品は口腔粘膜なバイオアベイラビリティを増加させた。また、これは、鼻腔内か他の口腔粘膜な経路に従う商業上有意なバイオアベイラビリティの達成を有する界面活性剤修飾と併用してより長期の鎖PEG修飾が使用されることを可能にする。
幾つかの実施形態では、長鎖PEGポリマー、また、短鎖PEGポリマーは本明細書に記載されているタンパク質およびペプチドの修飾に適している。吸入によって糖尿病の処置の管理はドラッグデリバリーのための新しい手法であり、肺には高度に透過性のバリア(例えばエクスベラ)がある。この適用については、肺バリアの浸透を遅らせた、ペグ化の好ましい形態は、C400(10,000Daに対するおよそ250)に対するC10のよりより低い分子量範囲にある。したがって、PEGによって延長に対する主要な経路は糸球体濾過切断(68kDaより大きな)の上の「有効分子量」の達成であるが、より短いチェーンの使用は、肺疾患および他の呼吸器の症状の処置用の肺内での滞留の延長用の経路であり得る。したがって、約500〜3000daのPEG鎖は、末梢循環への侵入を遅くする十分な大きさの、だがそれらに非常に延長された循環時間を有させるのに不十分であるである。幾つかの実施形態では、ペグ化は全身性副作用の減少させられた可能性を持った肺組織に増加した局所効力を与える本明細書に記載されている共有結合で修飾されるペプチド及び/又はタンパク質のために適用される。そのような実施形態PEGのうちのいくらかでは、約750から約1500daまでの範囲中の鎖は、「PEG1K」としてまとめて指される。
加えて、他のポリマーは、それらの物理的性質を最適化するために本明細書に記載されていることの化合物と併用して使用されてもよい。例えば、ポリ(2−エチル2−オキサゾリン)共役は、作用持続時間を増強するために可変的な疎水性および十分な大きさを有している(Mero、A.ら(2008)J Control Release:87−95)。糖類に対するそのようなポリマーの結合は、本明細書に記載されているペプチド及び/又はタンパク質の修飾で使用するに適している界面活性剤のクラスをもたらす。
ポリエチレングリコール鎖はペプチド及び/又はタンパク質鎖上の反応性基に対するそれらの結合を許可するために官能化される。典型的な官能基は、ポリエチレングリコール・チェーン上でアミノ、対応するカルボキシルによるペプチド上のカルボキシルまたは、スルフィドリル基、アミノまたはマレイミド基など)を有する反応を許可する。実施形態では、PEGはC10−C3000鎖を含む。別の実施形態では、PEGには40,000Daltonを超える分子量がある。さらに別の実施形態では、PEGには10,000Dalton未満の分子量がある。タンパク質修飾としてのPEGは当該技術において周知であり、その使用は例えば米国特許第4,640,835号;米国特許第4,496,689号;米国特許第4,301,144号;米国特許第4,670,417号;米国特許第4,791,192号;及び米国特許第4,179,337号に記載される。
非伝統的なタイプのPEG鎖は本来両親媒性のために修飾される。すなわち、両方の親水性のPEG構造を有しているが、脂肪酸エステルおよび他の疎水性の構成要素など疎水性領域を包含するために修飾される。例えば(Miller、M.A.ら(2006)Bioconjug Chem 17:267−274)参照;Ekwuribeらの米国特許第6,309,633号;Ekwuribeらの米国特許第6,815,530号;Ekwuribeらの米国特許第6,835,802号。タンパク質に対するこれらの両親媒性のPEG共役は経口のバイオアベイラビリティを増加させるために元来開発されたが、それらはこの役割において比較的無効性だった。しかしながら、両親媒性のペプチドを有するそのような両親媒性のPEG共役の使用は、これらの薬剤の有用な生物学的活性を拡大するために肺内での著しく延長された滞留を与える。好ましいPEG鎖は、3000Daに対する500Daの分子量範囲にある。これらの共役の合成の方法の詳述は上述引用文で与えられる。その十分な内容物は組み入れられた本明細書である。
PEGの実体には、ペプチドのように標的分子に付けられている官能基が存在しない。したがって、PEG付加を作成するために、PEG実体を最初に官能化しなければならず、官能化された付加はペプチドのような標的分子にPEG実体を付けるために使用される(グリーンウォルド、R.B.ら(2003)Adv Drug Deliv Rev55:217−250、ベロネーゼ、F.M.およびPasut、G.(2005)、Drug Discov Today、10:1451−1458、ロバーツ、M.J.ら(2002)Adv、Deliv Rev 54に薬品を混ぜる:459−476)。1つの具体化では、部位特異的なペグ化は、ペプチド分子上のシステイン代理形成によって達成することができる。ここに記述されるように、目標ペプチドは固相法、組み換えの手段あるいは他の手段によって合成することができる。
したがって、いくつかの具体化では、ここに記述されたペプチド生成物は、少なくとも1つのシステイン残渣、リース残渣あるいは他の反応的なアミノ酸残基上のアルキル基のグリコシドおよび特定のペグ化で分子のどこか他のところに修正済のリースあるいは他の反応残基を含む。
別の具体化では、Lysあるいは求核性の側鎖を備えた他の残渣残渣は、PEG残渣の合体のために使用されてもよい。これは、PEGカルボキシルあるいはPEG炭酸塩鎖へのアミドまたはカルバマートのリンケージの使用を通じて遂行され得る。記載されるとおりの例を参照されたい(Veronese、F.M.およびPasut、G.(2005) Drug Discov Today10:1451−1458)。代替アプローチはリース側鎖を修正することである、メルカプトアセチル、メルカプトプロピオニルなど(CO−CH2−CH2−CH2−SH)のようなSHを含んでいる残渣の付属によるアミノの機能。あるいは、PEG鎖は合成の間にアミドとしてC末端で組込まれ得る。PEG鎖を付ける追加の方法は、HisとTrpの側鎖を備えた反応を利用する。PEG鎖の付属を許可するためにペプチド鎖を修正する他の同様の方法は、当技術の中で知られており、(Roverts、M.J.ら(2002)Adv、Deliv Rev 54:459−476)によってここに具体化される。
<処方>
1つの具体化では、共有結合で修正済のペプチドあるいはここに示されるようなタンパク質は、それがペプチド、タンパク質関連あるいは組成中の凝集を例えばさらに縮小するか、防ぐか、減少させるか、ペプチド、タンパク質自己会合あるいは自己会合を縮小するか、主題に処理された時他のペプチドあるいはタンパク質との関連あるいは凝集を縮小することを処方で提供される。
高いタンパク濃度の自己会合は治療の処方において問題である。例えば、自己会合は、水溶液中の濃縮単クローン抗体の粘性を増加させる。濃縮インスリン製剤は、自己凝集によって不活性化される。これらの自己を関連させるタンパク質相互作用は、特に高いタンパク濃度で、多くの治療学(Clodfelter、D.K.ら(1998)遺伝子操作による生物製造事実15:254−262)の生物活性を縮小するか、調整するか、消す。注入あるいは他の手段によって分娩用高濃度で公式化された治療のタンパク質は、物理的に不安定になるか、あるいはこれらのタンパク質相互作用の結果不溶性になることができる。
ペプチドとタンパク質の処方の準備での重要な挑戦は、製造可能で安定した剤形を開発することである。処理と取り扱いには重大な物理的な安定特性は予測するためにしばしば貧弱に特徴づけられ困難である。
タンパク質相互作用および溶解度特性によって決定されるように、連合、凝集、結晶化および沈澱反応のように様々な物理的な不安定性現象に遭遇する。これは重要な生産に帰着する、安定、分析的、また分娩の挑戦である。ペプチドのための処方、および高い薬注(mg/kgの命令の)を要求するタンパク薬物の開発は、多くの臨床の状況で必要である。例えば、SCルートを使用して、およそ<1.5 mLは許し得る投与ボリュームである。これは、適切な薬注を達成することを>100mg/mLのタンパク濃度に要求し得る。同様の考察は単クローン抗体のための高濃度凍結乾燥された処方を開発する際に存在する。一般に、より高いタンパク濃度は、より小さな注入ボリュームが使用されることを可能にするが、それは患者の安心、便宜およびコンプライアンスにとって非常に重要である。ここに記述された界面活性剤に修正済の化合物は、そのような凝集の出来事を最小化することを目指しており、ここに記述されるような少量の界面活性剤の使用を通じてさらに促進され得る。
注入が多くの人々のための投与の不快なモードであるので、ペプチド治療学を処理する他の手段は求められた。例えば、特定のペプチドおよびタンパク質治療学は鼻腔内、バッカル、口、膣、吸入、あるいは他の口腔粘膜な投与によって、処理され得る。例は、商用鼻内噴霧処方として処理されるナファレリン(Synarel(登録商標))およびカルシトニンである。共有結合で修飾済のペプチドおよび(または)ここに記述されたタンパク質は、そのような口腔粘膜な投与を促進することを目指しており、そのような処方は、ここに記述されるような少量の界面活性剤の使用を通じてさらに促進されるかもしれない。
典型的な処方パラメーターは、最適解水素指数、バッファーおよび安定する添加剤の淘汰を含む。さらに、凍結乾燥されたケーキ再構成は、凍結乾燥された処方あるいは粉末の処方にとって重要である。一層で重要な問題は、自己会合上のタンパク質処方の粘性の変化を含む。粘性の変化は、例えば、鼻腔内のスプレー、肺性のスプレー、あるいは口腔スプレーのためのスプレー(エーロゾル)分娩で著しく分娩特性を修飾することができる。更に、増加した粘性は、注射器かivラインによる注入分娩をより困難か不可能にすることができる。
ペプチドの完全性及び生理活性を安定させ維持する多くの試みが報告されている。幾つかの試みは、特にインシュリンポンプ・システムのために、熱変性と凝集に対する安定化を生んでいる。ポリマー界面活性物質が記載されている。(Thurow, H. and Geisen, K. (1984) Diabetologia 27: 212−218; Chawla, A.S., et al. (1985) Diabetes 34: 420−424)。これらの化合物によるインスリンの安定化は立体的性質であると考えられた。使用される他のシステムの中に、糖類(Arakawa, T. and Timasheff, S.N. (1982) Biochemistry 21: 6536−6544)、アミノ酸などのオスモライト (Arakawa, T. and Timasheff, S.N. (1985) Biophys J 47: 411−414)、及び尿素などの水構造ブレーカー (Sato, S., et al. (1983) J Pharm Sci 72: 228−232)である。タンパク質又はペプチドの分子内の疎水的相互作用を調節することにより、これらの化合物は、その作用を及ぼす。
様々なペプチド、ペプチド又はタンパク質は本明細書に記載され、本明細書に記載されている共有結合型界面活性試薬のいずれかで修正され得る。好都合に、本明細書に記載されているペプチド修飾は、親水性(例えば糖類)及び疎水性(例えばアルキル鎖)の基を含む界面活性物質の共有結合を含み、それによって、生理学的条件におけるペプチドの安定化を可能にする。幾つかの実施形態において、ペプチドに対する親水基及び疎水基(例えば配糖体界面活性物質)を含む部分の共有結合、及び/又は本明細書に記載されているタンパク質は、ペプチドのアミノ酸配列を修飾する必要性、及び/又は安定性を増強する(例えば、凝集を減少させる)ためのタンパク質を取り除く。
幾つかの実施形態において、製剤は、本明細書に記載されている界面活性物質由来の試薬により変更され、さらに製剤中で界面活性物質と関連するペプチドを含む、少なくとも1つの薬物を含み、ここで、界面活性物質は、例えば糖類、アルキル配糖体又は他の賦形剤でさらに構成され、点滴剤、噴霧剤、エアロゾル、凍結乾燥物、噴霧剤乾製品、注入物質、及び持続放出フォーマットからなる群から選択されたフォーマットで投与することができる。噴霧剤及びエアロゾルは、適切な調剤者の使用を通じて達成され、鼻腔内、トランスバッカル、吸入又は他の経粘膜な経路によって投与され得る。凍結乾燥物は、マンニトール、糖類、サブミクロンの無水α−ラクトース、ゼラチン、生学適合性ゲル剤又はポリマーなどの他の化合物を含有し得る。持続放出フォーマットは、眼球インサート、受食性微小粒子、加水分解性ポリマー、腫脹粘膜付着性微粒子、pH感受性微小粒子、ナノ粒子/ラテックス・システム、イオン交換樹脂、及び他のポリマー・ゲル剤及びインプラントであり得る(Ocusert, Alza Corp., California; Joshi, A., S. Ping and K. J. Himmelstein, Patent Application WO 91/19481)。有意な経口バイオアベイラビリティも達成可能である。
本明細書に記載されているペプチドとタンパク質の修飾は緩和し、ある場合には、有機溶媒の必要性を取り除き得る。トレハロース、ラクトース、及びマンニトール及び他の糖類は凝集を予防するために使用されている。抗IgEヒト化モノクローナル抗体の凝集は、300:1乃至500:1(賦形剤:タンパク質)の範囲又はそれ以上の分子比で、トレハロースとともに製剤によって最小化された。しかしながら、粉末剤は、エアロゾル投与には過度に密着力があり不適当であったか、あるいは保管中に望まれないタンパク質糖化反応を示した(Andya, J.D., et al. (1999) Pharm Res 16: 350−358)。発見された添加剤の各々は、異物代謝、刺激又は毒性など治療学に対する添加剤としての限界を有し、又は高コストである。本明細書に記載されている共有結合的に修飾された及び/又はタンパク質との使用のために考えられるのは、効果的で、非刺激性かつ無毒な賦形剤であり、該賦形剤は自身が自然な糖、脂肪酸、又は長鎖アルコールから成り、水溶液中や、乾燥ペプチドの水性再構成及び/又は、血漿又は唾液など水性の体液による生理的水性再構成によるインサイツのタンパク質製剤上で、凝集を最小化するために使用され得るため、異物代謝を必要としない。
他の製剤の構成要素は、バッファー及び生理的食塩、アプロチニン及び大豆トリプシン阻害剤、アルファ−1−アンチトリプシンなどの無毒なプロテアーゼ阻害剤、及びプロテアーゼを不活性化するモノクローナル抗体などを含む可能性もある。バッファーは、酢酸塩、シトラート、グルコン酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩、ポリリシン、ポリグルタミン酸、キトサン、デキストラン硫酸塩などの有機物、又はリン酸塩などの無機物、及び硫酸塩を含む可能性もある。そのような製剤は、ベンジルアルコールのような低濃度の静菌剤及びその他同種のものを追加的に含有し得る。
鼻腔内投与に適している製剤は、ヒドロフルオロアルカンなど許容可能な蒸発溶剤中の、本明細書に記載されている修飾ペプチド及び/又はタンパク質の溶液又は懸濁液も含む。そのような製剤は、定量吸入器(MDI)からの投与に適しており、投与の部位からの運動の欠如、低刺激及び殺菌の必要性がないことといった利点を有する。そのような製剤は、許容可能な賦形剤又はサブミクロンの無水α−ラクトースなどの充填剤も含有し得る。
さらに別の態様において、本明細書に記載されている共有結合的に修飾された及び/又はタンパク質は増加した貯蔵寿命を示す。本明細書で使用されているように、句「貯蔵寿命」は、生成物が使用又は摂取に不適当とならずに、保存され得る時間の長さとして広く記載される。本明細書に記載されている組成物の「貯蔵寿命」は、組成物の品質の容認できる喪失に相当する時間を示すこともできる。本明細書で使用されているように、組成上の貯蔵寿命は、使用期限とは区別される;「貯蔵寿命」は、本明細書に記載されている組成物の品質に関連する一方、「使用期限」は組成物の製造要件及び試験要件について、より関係する。例えば、その「使用期限」を経過した組成物はまだ安全で効果的かもしれないが、最適な品質はもはや製造業者によって保証されない。
<方法>
1つの態様において、本明細書に記載されている治療用組成物の効果的な量を必要とする被験体に投与する方法が提供される。本明細書で使用されているように、「治療上効果的な量」は、本明細書の目的のために「効果的な量」と交換可能であり、技術分野で知られているような考察によって決定される。量はその疾患に苦しんでいる処置被験体で、所望の薬物媒介効果を達成するのに効果的でなければならない。治療上効果的な量は、限定されないが、当業者によって選択された適切な測定、例えば、改善された生存率、より迅速な回復、症状の改善又は除去、又は他の許容可能なバイオマーカー又は代用マーカーも含む。
本明細書に記載されている組成物は、限定されないが、例えばヒトなど、処置を必要としている脊椎動物の被験体へ送達される。その上、処理されている条件次第で、これらの治療用組成物は処方され、全身又は局部的に処方され投与され得る。製剤と投与用の技術は、”Remington’s Pharmaceutical Sciences” (Mack Publishing Co, Easton Pa.)の最新版において見られ得る。適切な経路は、筋肉内、皮下、静脈内、又は腹腔内の投与を含む非経口送達だけでなく、例えば、経口、又は、鼻腔内、バッカル、眼、膣、直腸などの経粘膜の投与を含み得る。
方法の幾つかの実施形態において、投与用のペプチド生成物の効果的な量は、約0.1μg/kg/日乃至約100.0μg/kg/日、又は0.01μg/kg/日乃至約1mg/kg/日、又は0.1μg/kg/日乃至約50mg/kg/日である。幾つかの実施形態において、ペプチド生成物は非経口的に投与される。幾つかの実施形態において、ペプチド生成物は、皮下に投与される。幾つかの実施形態において、ペプチド生成物の投与の方法は経鼻吸入法である。
しかしながら、処置を必要としている任意の特定の被験体用の、具体的な用量レベル及び投与量の頻度は変動し得、また、使用された具体的な化合物の活性、その化合物の代謝安定性及び作用持続時間、年齢、体重、健康状態、性別、食事、投与の様式及び時間、分泌の割合、複合薬、特定の疾病の重症度、及び療法を受ける宿主などの様々な要因に依存するだろうということを理解されたい。
ひとつの実施形態において、例えば、受容体結合又は酵素活性といった、組成物又は分子の生物作用を増加又は維持するために、界面活性物質に対する共有結合によって分子を化学的に修飾する方法が提供される。幾つかの実施形態において、分子はペプチドである。方法は、ポリエチレングリコールなどのポリマーに対する組成物中の分子の共有結合を含むさらなる修飾を含むことができる。
方法は、限定されないが、ペプチド及び/又はタンパク薬物の免疫原性を減少又は除去し、無刺激性で、抗細菌又は抗菌の活性を有し、薬物の安定性又はバイオアベイラビリティを増加させており、その薬物のバイオアベイラビリティ変動を減少させ、初回通過肝臓クリアランスを防ぎ、任意の副作用を減少又は除去する組成物を含む、本明細書に記載されている組成物のすべての態様を含む。本明細書で使用されているように、用語「免疫原性」は、免疫反応を刺激する特定の物質又は組成物、又は薬剤の能力である。本明細書に記載されている、共有結合的に修飾された及び/又はタンパク質の免疫原性は、技術分野で既知の方法によって確認される。
少なくとも1つのアルキル配糖体に共有的に結合され、脊椎動物へ送達されるペプチドを含む薬物組成物を投与する方法も提供され、ここで、アルキルは1乃至30の炭素原子を有するか、又さらには6乃至16の炭素原子の範囲内にあり、アルキル配糖体は、薬物の安定性、バイオアベイラビリティ及び/又は作用持続時間を増加させる。
別の実施形態において、アルキルが1乃至30の炭素原子を有する、少なくとも1つのアルキル配糖体に対してペプチド鎖を共有的に結合することにより、ペプチド及び/又はタンパク薬物の免疫原性を減少又は除去する方法が提供される。
本出願の全体にわたって、様々な刊行物が参照される。当業者は、これらの刊行物の参照された開示が、本明細書での参照によって本出願へ組み入れられると理解するだろう。
<処置の方法>
幾つかの実施形態において、手術後又は慢性的な疼痛を含む疼痛の処置のための方法が本明細書で提供され、本明細書に記載されている界面面活性剤修飾ペプチド及び/又はタンパク質生成物(例えば、式I、II又はIIIのペプチド生成物)をそれらを必要としている個体へ投与することを含む。そのような実施形態の幾つかにおいて、本明細書に記載されているオピオイドアナログは、依存性又は習慣性でなく、及び/又は、現在の薬剤(例えばコデイン)に比べてより低い投与量で投与され、かつ現在の薬剤に比べてより長く持続する。
幾つかの実施形態において、副甲状腺機能低下症及び/又は骨量密度の減少に関連する疾病の予防又は処置のための方法が提供され、本明細書に記載されている界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質生成物(例えば、式2−I−A、2−III、2−V、2−VI又は2−VIIのペプチド生成物)の治療上効果的な量を、それらを必要とする個体へ投与することを含む。幾つかの実施形態において、骨量密度の減少によって特徴付けられた疾病は、限定されないが、骨粗鬆症、オステオペニア、閉経後骨粗鬆症、パジェット病、グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症、老年骨粗鬆症、体液性高カルシウム血症、又はその他同種のものを含む。
幾つかの実施形態において、副甲状腺機能低下症の処置のための方法が本明細書に提供され、本明細書に記載されている界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質生成物(例えば、式2−I−A、2−III、2−V、2−VI又は2−VIIのペプチド生成物)の治療上効果的な量を、それらを必要としている個体へ投与することを含む。幾つかの実施形態において、副甲状腺機能低下症は骨量密度の減少に関連する。
骨修復を刺激し及び/又は骨インプラントの移植を促すための方法が本明細書でさらに提供され、本明細書に記載されている界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質生成物(例えば、式2−I−A、2−III、2−V、2−VI又は2−VIIのペプチド生成物)の治療上効果的な量を、それらを必要としている個体へ投与することを含む。
またさらなる実施形態において、骨密度を増加させ及び/又は骨折(例えば脊椎骨骨折、股関節部骨折、又はその他同種のもの)の発生を減少させるための方法が本明細書に提供され、本明細書に記載されている界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質生成物(例えば、式2−I−A、2−III、2−V、2−VI又は2−VIIのペプチド生成物)の治療上効果的な量を、それらを必要としている個体へ投与することを含む。
幾つかの実施形態において、体液性高カルシウム血症の処置のための方法が本明細書に提供され、本明細書に記載されている界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質生成物(例えば、式2−I−A、2−III、2−V、2−VI又は2−VIIのペプチド生成物)の治療上効果的な量を、それらを必要としている個体へ投与することを含む。幾つかの実施形態において、体液性高カルシウム血症は腫瘍に関連する。そのような実施形態の幾つかにおいて、ペプチド生成物(例えば、化学式2−I−A、2−III、2−V、2−VI又は2−VIIのペプチド生成物)は、PTH又はPTHrPのインバースアゴニスト或いはアンタゴニストである。
上記の方法の幾つかの実施形態において、界面活性物質に共有的に付着しているペプチド及び/又はタンパク質は、PTH、PTHrP又はそのアナログである。幾つかの実施形態において、界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質(例えば、式2−I−A、2−III、2−V、2−VI又は2−VIIのペプチド生成物)は、予防的に投与され、限定されないが、骨粗鬆症、骨減少症、閉経後骨粗鬆症、パジェット病、グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症、老年骨粗鬆症、又はその他同種のものを含む、骨密度の損失に関連する任意の疾病の発生を遅らせる。幾つかの実施形態において、界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質(例えば、式2−I−A、2−III、2−V、2−VI又は2−VIIのペプチド生成物)は、治療的に投与され、限定されないが、骨粗鬆症、骨減少症、閉経後骨粗鬆症、パジェット病、グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症、体液性高カルシウム血症、又はその他同種のものを含む、骨密度の損失に関連する任意の疾病の進行を遅らせる。幾つかの実施形態において、界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質(例えば、式2−I−A、2−III、2−V、2−VI又は2−VIIのペプチド生成物)は、予防的及び/又は治療的に投与され、骨減少症から骨粗鬆症への進行を遅らせる。幾つかの実施形態において、界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質(例えば、式2−I−A、2−III、2−V、2−VI又は2−VIIのペプチド生成物)は、予防的及び/又は治療的に投与され、骨密度のさらなる損失を減少させるか停止させ、その結果疾患を安定化させる。
幾つかの実施形態において、界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質(例えば、式2−I−A、2−III、2−V、2−VI又は2−VIIのペプチド生成物)は非経口的に投与される。幾つかの実施形態において、界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質(例えば、式2−I−A、2−III、2−V、2−VI又は2−VIIのペプチド生成物)は皮下に投与される。幾つかの実施形態において、界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質(例えば、式2−I−A、2−III、2−V、2−VI又は2−VIIのペプチド生成物)は、経鼻吸入法によって投与される。
上記の方法の幾つかの実施形態において、界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質(例えば、式2−I−A、2−III、2−V、2−VI又は2−VIIのペプチド生成物)は、現在知られている治療学(例えば組み換えPTH、ビスホスホネート、抗体デノスマブ、又は同種のもの)を含む製薬に比べてより長い作用時間を有する。幾つかの実施形態において、界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質(例えば、式2−I−A、2−III、2−V、2−VI又は2−VIIのペプチド生成物)は、現在知られている治療学(例えば組み換えPTH、ビスホスホネート、抗体デノスマブ、又は同種のもの)に関連する副作用(例えば顎内の骨壊死、皮膚感染、又は同種のもの)を減少又は改善させている間、現在知られている治療学(例えば組み換えPTH、ビスホスホネート、抗体デノスマブ、又は同種のもの)を含む製剤に比べて、より長い期間(例えば>2年)投与される。上記の方法の幾つかの実施形態において、界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質(例えば、式2−I−A、2−III、2−V、2−VI又は2−VIIのペプチド生成物)は、PTH又はPTHrPのアゴニストである。上記の方法の幾つかの実施形態において、界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質(例えば、式2−I−A、2−III、2−V、2−VI又は2−VIIのペプチド生成物)は、PTH又はPTHrPのアンタゴニストである。上記の方法の幾つかの実施形態において、界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質(例えば、式2−I−A、2−III、2−V、2−VI又は2−VIIのペプチド生成物)は、PTH又はPTHrPのインバースアゴニストである。
幾つかの実施形態において、インスリン感受性の減少に関連する疾病の予防及び/又は処置のための方法が本明細書に提供され、本明細書に記載されている界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質生成物(例えば、式3−I−A、3−III−A、3−III−B、又は式3−Vのペプチド生成物)の治療上効果的な量を、それらを必要としている個体へ投与することを含む。幾つかの実施形態において、インスリン感受性の減少によって特徴付けられた疾病は、限定されないが、メタボリック症候群、肥満症関連のインスリン抵抗性、高血圧症、高C反応性タンパク質に関連する全身性炎症、糖尿病、又は同種のものを含む。
限定されないが、肥満症、メタボリック症候群、2型糖尿病、高血圧症、アテローム性動脈硬化又は同種のものを含む、インスリン抵抗性に関連する疾病を処置する方法が本明細書に提供され、少なくとも1つのアルキル配糖体に共有的に結合され、脊椎動物に送達されるペプチドを含む医薬組成物を投与することを含み、ここでアルキルは1乃至30の炭素原子を有するか、又はさらに6乃至18の炭素原子(例えば、式3−I−A、3−III−A、3−III−B又は式3−Vのペプチド生成物)の範囲内にあり、ここで、ペプチドに対するアルキル配糖体の共有結合は、薬物の安定性、バイオアベイラビリティ及び/又は作用持続時間を増加させる。
また、インスリン抵抗性の処置のための方法が本明細書に記載され、本明細書に記載されている界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質生成物(例えば、式3−I−A、3−III−A、3−III−B、又は式3−Vのペプチド生成物)の治療上効果的な量を、それらを必要としている個体へ投与することを含む。幾つかの実施形態において、インスリン抵抗性はメタボリック症候群(症候群X)及び/又は糖尿病に関連する。
インスリンに対する身体の再感作を刺激するための方法が本明細書にさらに提供され、本明細書に記載されている界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質生成物(例えば、式3−I−A、3−III−A、3−III−B、又は式3−Vのペプチド生成物)の治療上効果的な量を、それらを必要としている個体へ投与することを含む。
またさらなる実施形態において、減量によってインスリン感受性を高めるための方法が本明細書に提供され、本明細書に記載されている界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質生成物(例えば、式3−I−A、3−III−A、3−III−B、又は式3−V、及び図1−1乃至図1−7の表1内、及び図2−1乃至図2−4の表2内のペプチド生成物)の治療上効果的な量を、それらを必要としている個体へ投与することを含む。
また、糖尿病又は糖尿病前症を処置する方法が本明細書に提供され、上記及び本明細書、及び図1−1乃至図1−7の表1内及び図2−1乃至図2−4の表2内に記載されているペプチド生成物の治療上効果的な量を、それらを必要としている個体へ投与することを含む。
糖尿病、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎障害、インスリン抵抗性、高血糖症、高インスリン血症、メタボリック症候群、糖尿病合併症、遊離脂肪酸又はグリセロールの高い血中濃度、高脂血症、肥満症、高トリグリセリド血症、アテローム性動脈硬化、急性心循環器症候群、梗塞、虚血再灌流高血圧症から選択される疾病の進行又は開始を処置又は遅らせるための方法が本明細書に提供され、本明細書、及び図1−1乃至図1−7の表1内、及び図2−1乃至図2−4の表2内に記載されているペプチド生成物の治療上効果的な量を、それらを必要とする個体へ投与することを含む。追加の実施形態において、創傷治癒の遅れを処置するための方法が提供され、本明細書、及び図1−1乃至図1−7の表1内、及び図2−1乃至図2−4の表2内に記載されているペプチド生成物の治療上効果的な量を、それらを必要とする個体へ投与することを含む。
1つの実施形態において、処置されるべき前記疾病は糖尿病である。1つの実施形態において、処置されるべき前記疾病はインスリン抵抗性である。1つの実施形態において、処置されるべき前記疾病はメタボリック症候群である。1つの実施形態において、前記ペプチドの前記効果的な量は約0.1μg/kg/日乃至約100.0μg/kg/日である。
1つの実施形態において、投与の方法は非経口である。1つの実施形態において、投与の方法は経口である。1つの実施形態において、投与の方法は皮下である。1つの実施形態において、投与の方法は経鼻吸入法である。
体重増加を減少させ、減量を誘発する方法が本明細書にさらに提供され、本明細書及び図1−1乃至図1−7の表1内及び図2−1乃至図2−4の表2に記載されているペプチド生成物の治療上効果的な量を、それを必要している個体へ投与することを含む。幾つかの実施形態において、体重増加は、メタボリック症候群に関連する。
低血糖症を処置する方法が本明細書にさらに提供され、本明細書及び図1−1乃至図1−7の表1内及び図2−1乃至図2−4の表2内に記載されているペプチド生成物の治療上効果的な量を、それを必要している個体へ投与することを含む。
糖尿病の処置のための方法も本明細書に提供され、本明細書及び図1−1乃至図1−7の表1内及び図2−1乃至図2−4の表2内に記載されているペプチド生成物の治療上効果的な量を、それを必要している個体へ投与することを含み、ここで、前記治療剤は、糖尿病薬、抗肥満剤、満腹薬剤、抗炎症剤、抗血圧治療薬、抗アテローム性動脈硬化剤及び脂質低下剤から選択される。
上記の方法の幾つかの実施形態において、界面活性物質に共有的に結合されているペプチド及び/又はタンパク質は、グルカゴン又はGLP−1ペプチド、又はそのアナログである。幾つかの実施形態において、界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質(例えば式3−I−A、3−III−A、3−III−B又は式3−Vのペプチド生成物)は、予防的に投与され、限定されないが、メタボリック症候群、高血圧症、糖尿病、2型糖尿病、妊娠性糖尿病、高脂血症、アテローム性動脈硬化、全身性の炎症又はその他同種のものを含む、インスリン抵抗性関連の任意の疾病の発生を遅らせる。幾つかの実施形態において、界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質(例えば式3−I−A、3−III−A、3−III−B又は式3−Vのペプチド生成物)は、治療上投与され、メタボリック症候群、高血圧症、糖尿病、2型糖尿病、妊娠性糖尿病、高脂血症、アテローム性動脈硬化、全身性の炎症又はその同種のものに関連する任意の疾病の進行を遅らせる。幾つかの実施形態において、界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質(例えば式3−I−A、3−III−A、3−III−B又は式3−Vのペプチド生成物)は、予防的及び/又は治療的に投与され、糖尿病に対するインスリン抵抗性の進行を遅らせる。幾つかの実施形態において、界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質(例えば式3−I−A、3−III−A、3−III−B又は式3−Vのペプチド生成物)は、予防的及び/又は治療的に投与され、インスリン抵抗性のさらなる損失を減少又は一時停止させ、その結果疾患を安定化させる。
幾つかの実施形態において、界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質(例えば式3−I−A、3−III−A、3−III−B又は式3−Vのペプチド生成物)は、非経口的に投与される。幾つかの実施形態において、界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質(例えば式3−I−A、3−III−A、3−III−B又は式3−Vのペプチド生成物)は、皮下に投与される。幾つかの実施形態において、界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質(例えば式3−I−A、3−III−A、3−III−B又は式3−Vのペプチド生成物)は、経鼻吸入法によって投与される。
上記の方法の幾つかの実施形態において、界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質(例えば、式3−I−A、3−III−A、3−III−B又は式3−Vのペプチド生成物)は、現在知られている治療学(例えばエクセナチド、メトホルミン、又は同種のもの)を含む薬剤に比べてより長期の作用持続時間を有する。
<PTHアナログによる併用療法>
上記の方法の幾つかの実施形態において、界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質(例えば、式2−I−A、2−III、2−V、2−VI又は2−VIIのペプチド生成物)は、ビスホスホネート(例えばアレンドロネート)又はストロンチウム塩を含む骨吸収阻害剤、あるいはエストロゲン様効果を有する物質(例えばエストロゲン)、あるいは選択的エストロゲン受容体モジュレーター(例えばラロキシフェン、タモキシフェン、ドロロキシフェン、トレミフェン、イドキシフェン、又はレボルメロキシフェン)、あるいはカルシトニン様物質(例えばカルシトニン)、あるいはビタミンDアナログ、又はカルシウム塩と組み合わせて投与される。治療剤は、任意の順で同時又は連続して随意に投与される。一例として、上記の方法の幾つかの実施形態において、界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質(例えば、式2−I−A、2−III、2−V、2−VI又は2−VIIのペプチド生成物)の第1のレジメンは、それらを必要としている個体に投与され、該レジメンの後にビスホスホネート療法の第2のレジメンが続く。一例として、他の幾つかの実施形態において、界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質(例えば、式2−I−A、2−III、2−V、2−VI又は2−VIIのペプチド生成物)の第1のレジメンは、それらを必要としている個体に投与され、続いて休薬期間があり、その後エストロゲン受容体モジュレーターの第2レジメンが続く。
<GLPアナログによる併用療法>
上記の方法の幾つかの実施形態において、界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質(例えば、式3−I−A、3−III−A、3−III−B又は式3−Vのペプチド生成物)は、抗糖尿病薬、抗肥満剤、抗高圧症薬、抗アテローム性動脈硬化剤、及び脂質低下剤を含む群から選択されたメタボリック症候群の処置の他の方法と組み合わせて投与される。一例として、本明細書に記載されている界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質生成物と組み合わせた投与に適している有効な抗糖尿病薬は、ビグアニド、スルホニル尿素誘導体、グルコシダーゼ阻害剤、PPARγアゴニスト、PPARα/γデュアル・アゴニスト、aP2阻害剤、DPP4阻害剤、インスリン増感剤、GLP−1アナログ、インスリン、及びメグリチニドを含む。追加の例は、メトホルミン、グリブライド、グリメピリド、グリピリド(glipyride)、グリピジド、クロルプロパミド、グリクラジド、アカルボース、ミグリトール、ピオグリタゾン、トログリタゾン、ロシグリタゾン、ムラグリタザール(muraglitazar)、インスリン、Gl−262570、イサグリタゾン(isaglitazone)、JTT−501、NN−2344、L895 645、YM−440、R−119702、A19677、レパグリニド、ナテグリニド、KAD 1129、AR−HO 39242 、GW−40 I 5 44、KRP2 I 7、AC2993、LY3 I 5902、NVP−DPP−728A、及びサクサグリプチン(saxagliptin)を含む。
上記の方法の幾つかの実施形態において、界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質(例えば、式3−I−A、3−III−A、3−III−B又は式3−Vのペプチド生成物)は、有効な抗肥満剤の群から選択されたメタボリック症候群の処置の他の方法と組み合わせて投与される。一例として、本明細書に記載されているペプチド生成物との投与に適している有効な抗肥満剤は、ベータ3アドレナリンアゴニスト、リパーゼ阻害剤、セロトニン(及びドーパミン)再取込み阻害剤、甲状腺受容体ベータ化合物(thyroid receptor beta compound)、CB−1アンタゴニスト、NPY−Y2及びNPY−Y4受容体アゴニスト、及び食欲抑制剤を含む。これらの類の具体的なメンバーは、オルリスタット、AfL−962、A1967l、L750355、CP331648、シブトラミン、トピラマート、アキソキン(axokine)、デキサンフェタミン、フェンテルミン、フェニルプロパノラミン、リモナバント(rimonabant)(SR1 4I7164)及びマジンドールを含む。
上記の方法の幾つかの実施形態において、界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質(例えば、式3−I−A、3−III−A、3−III−B又は式3−Vのペプチド生成物)は、有効な脂質低下剤の群から選択されたメタボリック症候群の他の治療法と組み合わせて投与される。一例として、本明細書に記載されているペプチド生成物との投与に適している有効な脂質低下剤は、MTP阻害剤、コレステロールエステル転送タンパク質、HMG CoAリダクターゼ阻害剤、スクワレン合成酵素阻害剤、フィブリン酸誘導体、LDL受容体活性の上向き調節因子(upregulator)、リポキシゲナーゼ阻害剤、及びACAT阻害剤から成る群から選択された薬剤を含む。これらのクラスからの具体的な例は、プラバスタチン、ロバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ニスバスタチン、ビサスタチン、フェノフィブラート、ゲムフィブロジル、クロフィブレート、アバシミブ(avasimibe)、TS−962、MD−700、CP−52941 4及びLY295 427を含む。
上記の方法の幾つかの実施形態において、界面活性物質修飾ペプチド及び/又はタンパク質(例えば、式3−I−A、3−III−A、3−III−B又は式3−Vのペプチド生成物)は、動物モデルとヒトにおいて前満腹感を示すことが知られているペプチドホルモン及びそのアナログと組み合わせて投与される。本明細書に記載されているペプチド生成物と肥満症の処置のための長時間作用性の満腹剤の組み合わせが、本明細書に提示された実施形態の範囲内で熟慮される。そのようなペプチド満腹剤の例は、GLP−1、膵臓ポリペプチド(PP)、コレシストキニン(CCK)、ペプチドYY(PYY)、アミリン、カルシトニン、OXM、神経ペプチドY(NPY)、及びそのアナログ含む(Bloom, S.R., et al. (2008) Mol Interv 8: 82−98; Field, B.C., et al. (2009) Br J Clin Pharmacol 68: 830−843)。
限定されないが、レプチン、グレリン及びCART(コカイン及びアンフェタミン調節転写)アナログ及びアンタゴニストを含むペプチドホルモンと組み合わせた、本明細書に記載されたペプチド生成物の投与を含む肥満症の処置のための方法もまた本明細書に提示された実施形態の範囲内で熟考される。
身体中の追加のペプチド生成物は脂肪細胞又は肥満状態(アディポカイン)に関連し、炎症誘発効果があると知られている(Gonzalez-Periz, A. and Claria, J. (2010) ScientificWorldJournal 10: 832-856).そのような薬剤は、本明細書に記載されているペプチド生成物と組み合わせて使用された時、追加の好都合な作用を有する。本明細書に記載されているペプチド生成物と組み合わせて使用された時に有益な効果を提供する薬剤の例は、アディポネクチン、ケメリン、ビスファチン、ネスファチン、オメンチン(omentin)、レジスチン、TNFアルファ、IL−6及びオベスタチンのアナログ及びアンタゴニストを含む。
<投薬>
本明細書に記載されている共有結合的に修飾された及び/又はタンパク質は、多くの疾患状態で有益な治療効果を与えるために、任意の量で投与され得る。幾つかの実施形態において、本明細書に記載されている共有結合的に修飾された及び/又はタンパク質は、炎症の処置に役立つ。実施形態において、本明細書に提示された化合物は、手術後又は慢性的な疼痛の調節に有益な活性を与える。実施形態において、本発明のペプチドは、疼痛を調節する処置の他の形態よりも高い又は低い濃度で患者に投与される。また別の実施形態において、本発明のペプチドは相乗的な治療効果をもたらすために他の化合物と投与される。
代表的な送達レジメンは、経口、非経口(皮下、筋肉内及び静脈注入を含む)、直腸、バッカル(舌下を含む)、経皮、吸入、眼性、及び鼻腔内を含む。ペプチドの送達のために魅力的かつ広く使用される方法は、徐放注入可能な製剤の皮下注入を要する。幾つかの実施形態において、本明細書に記載されている共有結合的に修飾された及び/又はタンパク質は、皮下、鼻腔内、及び吸入投与に役立つ。
正確な用量及び組成物、及び最も適切な送達レジメンの選択は、とりわけ、選択されたペプチドの薬理学的性質、処理されている疾病の性質及び重症度、及びレシピエントの健康状態及び知力に影響される。追加的に、投与経路は吸収される物質の差異量をもたらす。異なる経路によるペプチドの投与に関するバイオアベイラビリティは、特に可変的であり、1%未満から約100%に近い量が見られる。典型的には、静脈内、腹腔内又は皮下の注入以外の経路からのバイオアベイラビリティは、50%以下である。
一般に、本明細書に記載されている共有結合的に修飾された及び/又はタンパク質、又はその塩は、1日当たり約0.001から20mg/kg体重の間、1日当たり約0.01から10mg/kg体重の間、1日当たり約0.1から1000μg/kg体重の間、又は1日当たり約0.1から約100μg/kg体重の間の量で投与される。投与経路は異なる。例えば、本明細書に記載されている共有的な修飾オピオイドペプチド及び/又はタンパク質、又はその塩は、1日当たり約0.1から1000μg/kg体重の間、又は1日当たり約0.1から約100μg/kg体重までの間の量で皮下注入によって投与される。一例として、50kgのヒトの女性の被験者については、活性成分の一日の用量は、約5から約5000μg、又は約5から約5000μgまでで皮下注入によるものである。投与経路、複合の効能、観察された薬物動態特性及び適用可能なバイオアベイラビリティ、及び処置されている活性剤及び疾患次第で、異なる用量が必要となるだろう。投与が吸入によるものである代替的な実施形態において、一日の用量は毎日2回、1000から約20,000μgである。馬、イヌ及び家畜などの他の哺乳動物においては、より高い用量が必要とされ得る。最も効果的な結果を達成するために必要とされるように、この投与量は、単一の投与によって、複数の適用によって、又は徐放によって、従来の医薬組成物で送達され得る。
薬学的に許容可能な塩は、毒性副作用のない親ペプチドの所望の生物学的活性を保持する。そのような塩の例は、(a)例えば塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸及び同種のものの無機酸で形成された酸付加塩;及び、例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルコン酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パモン酸、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタリンスルホン酸、ナフタレン二スルホン酸、ポリガラクツロン酸及びその他同種のものなどの有機酸で形成された塩;(b)亜鉛、カルシウム、ビスマス、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、銅、コバルト、ニッケル、カドミウム、及び同種のものなどの多価金属カチオン;又はN,N’−ジベンジルエチレンジアミン又はエチレンジアミンから形成された有機カチオンで形成された塩基付加塩又は複合物、又は(c)例えば、亜鉛タンニン酸塩及び同種のものである、(a)と(b)の組み合わせである。
幾つかの実施形態において、薬学的に許容可能で無毒な担体を有する混合物中の、活性成分としての本明細書に記載されている共有結合的に修飾された及び/又はタンパク質、又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物もまた考慮される。上記のように、そのような組成物は、非経口(皮下、筋肉内、又は静脈内の)投与用に特に溶液又は懸濁液の形態で調製され得、経口又はバッカルの投与用に特に錠剤又はカプセルの形態で調製され得、鼻腔内の投与用に特に粉末剤、点鼻液、蒸発性溶液又はエアロゾルの形態で調製され得、吸入用に、特に広く定義された溶液又は賦形剤を有する乾燥粉末剤の形態で調製され得、及び直腸又は経皮的な投与用に調製され得る。
組成物は、単位剤形で好都合に投与され得、例えば、参照によって本明細書に組み込まれている、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 17th ed., Mack Publishing Company, Easton, Pa., (1985)に記載されているように、製薬の技術分野において周知の方法のいずれかによって調製され得る。非経口投与用製剤は賦形剤として、滅菌水又は塩水、プロピレングリコールなどのアルキレングリコール、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール、糖類、野菜由来の油、水素化ナフタレン、(Abraxane(商標),American Pharmaceutical Partners, Inc. Schaumburg ILで使用されているような)血清アルブミン・ナノ粒子および同種のものを含み得る。経口投与について、製剤は、胆汁塩又はアシルカルニチンの付加によって増強することができる。経鼻投与用の製剤は、ハイドロフルオロカーボンなどの蒸発溶剤中で固体又は溶液であり得、例えば糖類、界面活性物質、サブミクロンのα−ラクトース又はデキストランといった安定化のための賦形剤を含有し得、あるいは点鼻液又は定量(metered)噴霧剤の形態での使用のために水溶性又は油性の溶液であり得る。バッカル投与について、典型的な賦形剤は、糖、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、アルファ化デンプン(pregelatinated starch)、及び同種のものを含む。
経鼻投与用に製剤されるとき、鼻粘膜を通しての吸収は、約0.1から15重量パーセント、約0.5から4重量パーセントの間、又は約2重量パーセントの範囲の量の、例えばグリココール酸、コール酸、タウロコール酸、エトコール酸(ethocholic acid)、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、デヒドロコール酸、グリコデオキシコール酸、シクロデキストリン、及び同種のものなどの界面活性物質によってさらに促進され得る。減少した刺激を有するより大きな効力を示すと報告された吸収促進剤の追加のクラスは、テトラデシルマルトシド(tetradecylmaltoside)(Arnold, J.J., et al. (2004) J Pharm Sci 93: 2205−2213, Ahsan, F., et al. (2001) Pharm Res 18: 1742−1746)及び、参照によって本明細書中にすべてが組み入れられているその中の引用などの、アルキルマルトシドの類である。
吸入による送達用に処方されるとき、多くの製剤には利点がある。ジケトピペラジン(例えばテクノスフェア粒子(Pfutzner, A. and Forst, T. (2005) Expert Opin Drug Deliv 2: 1097−1106))又は類似構造などの容易に分散した固形物に対する活性ペプチドの吸着は、治療剤の迅速な最初の取り込みをもたらす製剤を与える。冷凍乾燥した(Lyophylized)粉末剤、特に活性ペプチド及び賦形剤を含有するガラス質の粒子は、優れたバイオアベイラビリティを有する肺への送達に役立ち、例えば、エクスベラ(商標)(Pfizer and Aventis Pharmaceuticals Inc.による吸引インスリン)である。吸入によるペプチドの送達用の追加のシステムは記載される(Mandal, T.K., Am. J. Health Syst. Pharm. 62: 1359−64 (2005))。
長期間、例えば1週間から1年間にわたる、本明細書に記載されている共有結合的に修飾された及び/又はタンパク質の被験体への送達は、所望の放出期間に十分な活性成分を含有する徐放システムの単一の投与によって達成され得る。一体(monolithic)又はリザーバー型のマイクロカプセル、デポ剤インプラント、ポリマー・ヒドロゲル、浸透圧のポンプ、ベシクル、ミセル、リポソーム、経皮パッチ、イオン導入デバイス及び代替の注入可能な剤形などの様々な徐放システムは、この目的のために利用され得る。活性成分の送達が望まれる部位での局在化は、幾つかの徐放デバイスの追加的な特徴であり、それは特定の障害の処置において有益であると証明し得る。
徐放製剤の1つの形態は、参照によって本明細書に組み込まれている、Kent, Lewis, Sanders, and Tice, U.S. Pat. No. 4,675,189の先導的研究に記載されているように、緩慢に分解し無毒な共重合(copoly)(乳/グリコール)酸などの非抗原性ポリマーへ分散又は封入される、ペプチド又はその塩を含有する。化合物、又はそれらの塩もまた、コレステロール又は他の脂質マトリックス・ペレット剤、又はシラストマー(silastomer)マトリックス・インプラントへ処方され得る。追加的な徐放性の、デポ剤インプラント又は注入可能な製剤は、熟練した職人に明白であるだろう。例えば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems, J. R. Robinson ed., Marcel Dekker, Inc., New York, 1978, and R. W. Baker, Controlled Release of Biologically Active Agents, John Wiley & Sons, New York, 1987.を参照のこと。
徐放製剤の追加の形態は、乳酸とPEGの共重合(乳/グリコール酸)又はブロックコポリマーなどの生分解性ポリマーの溶液を含み、生体許容可能な(bioacceptable)溶媒であり、それはデポ製剤を達成するために皮下に又は筋肉内に注入される。そのようなポリマー製剤と本明細書に記載されているペプチドとの混合は、作用製剤の非常に長い期間を達成するのに適切である。
本明細書で言及されるすべての刊行物及び特許出願は、それぞれの個々の刊行物又は特許出願が、引用によって組み込まれるように明確に且つ個々に示されるのと同じ程度まで、引用によって本明細書に組み込まれる。
多数の変更及び変化は通常の当業者へ明らかであるため、本明細書に記載されている共有的なペプチド及び/又はタンパク質、及びその合成用の試薬は、例示のみを意図した以下の実施例により特に記載される。
<実施例1:試薬−N−α―Fmoc(N)−ε−(1−オクチル β−D−グルクロニド−6−イル)−L−リジン>
炉内乾燥した250mLのエルレンマイヤーフラスコ内に、1−オクチルβ−D−グルクロン酸(Carbosynth Ltd.,3.06g、10mmol)、50mLの無水DMF、及び無水の1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.62g、12mmol)がある。50mLのDMFにおけるN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(2.48g、12mmol)の冷却した(4°C)溶液が撹拌しながら加えられ、反応を5分間進ませる。N,N’−ジシクロヘキシル尿素の豊富な白降汞は、フリットガラス漏斗上で濾過され、濾液は25mlの無水DMF内のN−α−Fmoc−L−リジン(3.68g、10mmol)の溶液に加えられる。反応を、室温まで温めながら25分間、又はニンヒドリン色が非常に薄くなるまで進ませる。反応混合物は濾過され、乾燥に曝され、MeOH内の溶解及びEt2Oでの曇り点までの緩慢な希釈によってMeOH/Et2Oから結晶化され、その後再冷却される。さらなる精製は、EtOAcからEtOAc/EtOH/AcOHまでの溶媒勾配を使用するシリカゲル・クロマトグラフィーによって達成することができる。
類似した手法で、しかしN−α−Boc−L−リジンを代わりに用いて、N末端取り込み及び遊離N末端に対する開裂に適したN−α―Boc,N−ε−(1−オクチルβ−D−グルクロニド−6−イル)−L−リジンが得られる。類似した手法で、しかしN−α−Ac−L−リジンを代わりに用いて、遮断されたN末端を有するペプチドのN末端での取り込みに適したN−α−Ac,N−ε−(1−オクチルβ−D−グルクロニド−6−イル)−L−リジンが得られる。類似した手法で、しかし適性量のN−α−Fmoc−L−オルニチンを代わりに用いて、N−α−Fmoc,N−δ−(1−オクチルβ−D−グルクロニド−6−イル)−L−オルニチンが得られる。類似した手法で、しかし他のN−モノ−保護ジアミノ酸oneを使用して、対応する試薬を得る。代替的に、連結中で、1−オクチルβ−Dグルクロン酸の前作動のない、一過性のMe3Siエステル保護基の使用は、試薬の形成に容易な経路を与える。一過性のMe3Siエステルは、ジクロロメタン(CH2Cl2)におけるFmoc−Lys−OHと等モル量のN,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミドとの反応によって生成される。有機質層は、上記のように1−アルキルグルコロニドとの結合の準備ができているCH2Cl2内で、溶液として所望の試薬を含有している。濾過された反応混合物は、Me3Siエステルを加水分解するために水溶性NaHSO4で洗浄され、MgSO4上で乾燥させ、溶媒は取り除かれる。
同様に、しかしペルアセチル又はペルベンゾイル 1−オクチルβ−D−グルクロン酸oneを使用して、試薬(例えば、Ac2Oとの処置で形成された、2,3,4−トリスアセチル 1−オクチルβ−D−グルクロン酸、および同種のもの)のAc又はBz保護形態を得る。そのような試薬は、樹脂からの酸開裂中に安定性を増加させ、脱保護中に不安定性が検出されるときに使用される(Kihlberg, J., et al. (1997) Methods Enzymol 289: 221−245)及びその中の引用を参照のこと。そのような生成物の最終的な脱保護は、上記のように、MeOH/NH3、MeOH/NaOMe、MeOH/NH2NH2の使用による、開裂後の塩基触媒化エステル転移反応によって実行される。
<実施例2:合成ペプチドアナログ>
一般に、ペプチド合成方法は、成長しているペプチド鎖に対する保護されたアミノ酸の連続的付加を含む。通常は、アミノ又は第1アミノ酸のカルボキシル基のいずれか、及び任意の反応的な側鎖基は保護される。この保護されたアミノ酸は、次に不活性固形支持体へ取り付けられるか、又は溶液中で利用され、配列における次のアミノ酸もまた適切に保護され、アミノ連結の形成に適用可能な条件下で加えられる。所望のアミノ酸がすべて適切な配列で連結された後、保護基及び任意の固形支持体は粗製ペプチドを提供するために除去される。ペプチドはクロマトグラフィーで脱塩され精製される。
約50以下のアミノ酸を有する、生理的に活性な切断型(truncated)ペプチドのアナログを調製する好ましい方法は、固相ペプチド合成を含む。この方法では、α―アミノ(Nα)官能基及び任意の反応的な側鎖は、酸感受性又は塩感受性の基によって保護される。保護基は、残存するペプチド鎖に影響を与えずに容易に除去可能である一方、ペプチド連結形成の条件に対して安定していなければならない。適切なα―アミノ保護基は、限定されないが、t−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、o−クロロベンジルオキシカルボニル、ビフェニルイソプロピルオキシカルボニル、t−アミルオキシカルボニル(Amoc)、イソボルニルオキシカルボニル、α,α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジルオキシ−カルボニル、o−ニトロフェニルスルフェニル、2−シアノ−t−ブトキシカルボニル、9−フルオレニル−メトキシカルボニル(Fmoc)及び同種のもの、好ましくはBoc又はより好ましくはFmocを含む。最適な側鎖保護基は、限定されないが、アセチル、ベンジル(Bzl)、ベンジルオキシメチル(Bom)、Boc、t−ブチル、o−ブロモベンジルオキシカルボニル、t−ブチル、t−ブチルジメチルシリル、2−クロロベンジル(Cl−z)、2,6−ジクロロベンジル、シクロヘキシル、シクロペンチル、イソプロピル、ピバリル(pivalyl)、テトラヒドロピラン−2−イル、トシル(Tos)、2,2,4,6,7−ペンタメチルジヒドロベンゾフラン−5−スルホニル(Pbf)、トリメチルシリル及びトリチルを含む。化合物の合成に好ましいNα保護基は、Fmoc基である。好ましい側鎖保護基は、Glu、Tyr、Thr、Asp、及びSer用のO−t−ブチル基;Lys及びTrp側鎖用のBoc基;Arg用のPbf基;Asn、Gln、及びHis用のTrt基である。Lys残基の選択的な変更については、Fmoc又はt−ブチルベースの保護基を開裂する試薬によって除去されない保護基を有する直交の保護が好ましい。Lys側鎖の修飾についての好ましい例は、限定されないが、ピペリジンではなくヒドラジンによって除去されたもの、例えば1−(4,4−ジメチル−2,6−dioxocyclohex−1−ylidene)−3−メチルブチル(ivDde)又は1−(4,4−ジメチル−2,6−dioxocyclohex−1−ylidene)エチル(Dde)及びアリルオキシカルボニル(Alloc)を含む。
Fmoc−Lys(ivDde)又はFmoc−Lys(Dde)保護基スキームは、側鎖ラクタム形成が所望される場合において好ましい。(Houston, M.E., Jr., et al. (1995) J Pept Sci 1:274−282;Murage, E.N., et al.(2010) J Med Chem)この場合、Lys(Dde)保護基が後の除去及び機能化された界面活性物質との反応のために残存する一方、Fmoc−Glu(O−アリル)及びFmoc−Lys(Alloc)は組み入れられて一過性の保護を提供するために使用され、ラクタム形成のために脱保護することが出来るからである。
固相合成では、C末端アミノ酸は、まず適切な樹脂支持体に取り付けられる。適切な樹脂支持体は、使用される培地において不溶性であると同様に、段階的な濃縮及び脱保護反応の試薬及び反応条件に対して不活性な物質である。市販の樹脂の例は、例えばco−ポリ−(スチレン−ジビニルベンゼン)、ヒドロキシメチル化co−ポリ−(スチレン−ジビニルベンゼン)、及び同種のものといった反応性基により変更されるスチレン/ジビニルベンゼン樹脂を含む。ベンジル化した、ヒドロキシメチル化フェニルアセトアミドメチル(PAM)樹脂は、ペプチド酸の調製に好ましい。化合物のC末端がアミドであるとき、好ましい樹脂は、p−メチルベンズヒドリルアミノ−co−ポリ(スチレン−ジビニル−ベンゼン)樹脂、2,4ジメトキシベンズヒドリルアミノベースの樹脂(「Rinkアミド」)、及び同種のものである。より大きなペプチドの合成に特に好ましい支持体は、Rinkアミド−PEG及びPAL−PEG−PS樹脂(アプライド・バイオシステムズ)、又はFmocプロトコルを使用したペプチドアミド合成のために指定された類似樹脂などの他のポリマーマトリックス上に移植されたPEG配列を含有する市販の樹脂である。したがって、特定の場合においては、PEG鎖に対してアミド連結を有していることが望ましい。それらの場合においては、N−Fmoc−アミノ−PEG−カルボン酸を上記のアミド形成樹脂(例えばRinkアミド樹脂及び同種のもの)へ連結することは都合がいい。鎖の第1のアミノ酸は、PEG鎖のアミノ官能基にN−Fmoc−アミノ酸として連結することができる。最終的な脱保護は所望のペプチド−NH−PEG−CO−NH2生成物をもたらすだろう。
PAM樹脂に対する取付けは、Nα保護アミノ酸、例えばBocアミノ酸など、そのアンモニウム、セシウム、トリエチルアンモニウム、1,5−ジアザビシクロ−[5.4.0]undec−5−ene、テトラメチルアンモニウム,又はエタノール中の類似する塩、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、及び同種のもの、好ましくはDMF中のセシウム塩を、例えば、約40°Cと60°Cの間、好ましくは約50°Cの高温で、約12乃至72時間、好ましくは約48時間、樹脂と反応させることによって達成され得る。これによって最終的に、酸開裂に続いてペプチド酸産生物、又はアミノリシスに続いてアミドがもたらされる。
Nα−Boc−アミノ酸は、CH2Cl2又はDMF、好ましくはCH2Cl2などの溶媒中で、約10乃至50°Cの間、好ましくは25°Cの温度で、約2乃至24時間、好ましくは約2時間、例えば、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)/1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)媒介の連結(coupling)によって、ベンズヒドリルアミン樹脂に取り付けられ得る。
Bocベースのプロトコルについては、保護されたアミノ酸の連続連結(successive coupling)は、典型的に自動ペプチドシンセサイザー内において、当該技術分野で周知の方法によって実行され得る。トリエチルアミン、N,N−ジ−イソプロピルエチルアミン(DIEA)、N−メチルモルホリン(NMM)、コリジン、又は類似した塩基との中和に続き、各々の保護アミノ酸は、およそ約1.5乃至2.5倍モル過剰に導入され、連結は、好ましくは周囲温度のジクロロメタン内の、CH2Cl2、DMF、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、又はそれらの混合物などの、不活性かつ非水性の極性溶媒内で行われる。Fmocベースのプロトコルについて、酸は脱保護用に一切使用されないが、塩基、好ましくはDIEA又はNMMは、通常、連結混合物へと組み込まれる。連結は、DMF、NMP、DMA又は混合溶媒、好ましくはDMFにおいて典型的になされる。単独、又はHOBt、Oアシル尿素、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(PyBop)、N−ヒドロキシスクシンイミド、他のN−ヒドロキシイミド、又はオキシムの存在下のいずれかで、代表的なカップリング剤は、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N,N’−ジイソプロピル−カルボジイミド(DIC)、又は他のカルボジイミドである。代替的に、保護アミノ酸活性エステル(例えばp−ニトロフェニル、ペンタフルオロフェニル、及び同種のもの)又は対称的な無水物類が使用され得る。好ましいカップリング剤は、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルアルミニウムヘキサフルオロホスファート(HBTU)、O−(7−アザベンゾトリアゾール(azabenzotraiazole)−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(HATU)、2−(6−クロロ−1H−ベンゾトリアゾール(benzotraiazole)−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルアルミニウムヘキサフルオロホスファート(HCTU)、及び同種のものなどのアルミニウム/ウロニウム(供給者によって使用される代替的な命名法)類のものである。
Fmoc−PAL−PEG−PS樹脂に対する取付けの好ましい方法は、DMF内の20%のピペリジンでの樹脂リンカーの脱保護によって達成され得、その後、5分間の最大75°の連結サイクルを有するマイクロ波関連のペプチドシンセサイザー内で、DMF内のHBTU:ジ−イソプロピルエチルアミン(DIEA)(1:2)を使用して、N−α−Fmoc−アミノ酸の約5倍モル超過したN−α−Fmoc保護アミノ酸の反応が続く。
マイクロ波関連のペプチドシンセサイザー内のこのFmocベースのプロトコルに関して、N−α−Fmocアミノ酸保護基は、二重脱保護プロトコルで30秒間、次に75°Cに設定された最高温度で3分間、0.1M 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)を含有しているDMF内の20%のピペラジンにより除去される。HOBtは、アスパルトイミド形成を減少させるために脱保護溶液に加えられる。その後、次のアミノ酸の連結は、5分間、最大75°Cの二重連結サイクルにより、HBTU:DIEA(1:2)を使用する、5倍モル超過を利用する。
固相合成の終わりに、十分に保護されたペプチドは、樹脂から取り除かれる。樹脂支持体に対する結合が、ベンジルエステル型であるとき、開裂は、約−10°Cと50°Cの間、好ましくは約25°Cの温度で、約12乃至24時間、好ましくは約18時間、アルキルアミドC末端を有するペプチド用のアルキルアミン又はフルオロアルキルアミンでのアミノリシスによって、又は非置換型アミドC末端を有するペプチド用のアンモニア/メタノール又はアンモニア/エタノールでのアンモノリシスによって影響を受け得る。ヒドロキシC末端を有するペプチドは、HF又は他の強く酸性の脱保護レジメン、又は鹸化によって開裂され得る。代替的に、ペプチドは、例えばメタノールでのエステル転移反応によって樹脂から取り除かれ得、その後アミノリシス又は鹸化が続く。保護ペプチドは、シリカゲル又は逆相HPLCによって精製され得る。
側鎖保護基は、約−10°から+10°Cの間、好ましくは約0°Cの温度で、約15分から2時間の間、好ましくは約1.5時間、アミノリシス生成物を、例えば、アニソール又は他のカルボニウムイオン・スカベンジャーの存在下で無水の液体フッ化水素で処理することによって、フッ化水素/ピリジン複合物での処理によって、トリス(トリフルオロアセチル)ホウ素とトリフルオロ酢酸での処理によって、炭素又はポリビニルピロリドン上の水素及びパラジウムによる減少によって、あるいは液体アンモニア中のナトリウム、好ましくは液体フッ化水素及びアニソールによる減少によって、ペプチドから取り除かれ得る。
ベンズヒドリルアミン型樹脂上のペプチドについては、樹脂開裂及び脱保護の工程は、上記のように液体フッ化水素及びアニソールを利用する単一様式で、又は好ましくはより軽度の開裂カクテルの使用を通じて組み合わせられ得る。例えば、PAL−PEG−PS樹脂について、好ましい方法は、毎回38°Cで18分間、TFA/水/トリ−イソ−プロピルシラン/3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール(DODT)(92.5/2.5/2.5/2.5)などの、当該技術分野で既知の軽度の開裂カクテルのうちの1つを使用する、マイクロ波関連のペプチドシンセサイザー中での二重脱保護プロトコルの使用によるものである。材料を含有しているアルキル配糖体の開裂は、9/1乃至19/1の範囲内のTFA/水比率を有するプロトコルを使用する、アルキルグリコシド結合の生存を示している。典型的なカクテルは94%のTFA:2%のEDT、2%のH2O、2%のTISである。典型的には、十分に脱保護された生成物は、冷たい(−70°C乃至4°C)ジエチルエーテルにより沈殿し洗浄され、脱イオン水に溶解され、凍結乾燥される。
ペプチド溶液は脱塩され得(例えば、BioRad AG−3(登録商標)陰イオン交換樹脂により)、ペプチドは、以下のタイプの何か又はすべてを使用する一連のクロマトグラフィーの工程によって精製される:酢酸塩形態の弱塩基性樹脂上のイオン交換、非誘導化co−ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)、例えばアンバーライト(登録商標)XAD上の疎水性吸着クロマトグラフィー、シリカゲル吸着クロマトグラフィー、カルボキシメチルセルロース上のイオン交換クロマトグラフィー、G−25上の分配クロマトグラフィー(例えば、セファデックス(登録商標))、向流分配、超臨界流体クロマトグラフィー、又はHPLC、特にオクチル−又はオクタデシルシリルシリカ(ODS)結合相カラム充填上の逆相HPLC。
また、本明細書に記載されている共有結合的に修飾された及び/又はタンパク質、及びその薬学的に許容可能な塩を調製するための工程も本明細書に提供され、その工程は、本明細書に記載されている共有結合的に修飾された及び/又はタンパク質の生理活性な切断ホモログ及びアナログを得るために、適切な樹脂支持体上で保護アミノ酸を連続して凝縮する工程、保護基及び樹脂支持体を除去する工程、及び生成物を精製する工程を含む。幾つかの実施形態において、本明細書に記載されている共有結合的に修飾された及び/又はタンパク質は、上に定義されるようにアルキル配糖体修飾を組み込む。
別の態様は、本明細書に記載されている共有結合的に修飾された及び/又はタンパク質、及びその薬学的に許容可能な塩を調製するための工程に関し、その工程は、上に定義されているように、生理活性なペプチドのアナログを得るために、マイクロ波関連の固相合成ベースの工程又は、適切な樹脂支持体上で保護アミノ酸を連続して濃縮するための標準のペプチド合成プロトコルの使用、保護基及び樹脂支持体を除去する工程、及び生成物を精製する工程を含む。
<実施例3:N−末端エンドモルフィン−1 アナログ−AcLys(1−オクチル β−D−グルクロニド−6−イル)エンドモルフィン 1(Ac−Lys(1−オクチルβ−D−グルクロニド−6−イル)−Tyl−Pro−Trp−Phe−NH2(AcLys(1−オクチルβ−D−グルクロニド−6−イル)エンドモルフィン1)>
上記のように、Fmoc−Tyr(t−Bu)−Pro−Trp(Boc)−Phe−NH−RinkアミドMBHA樹脂は、(Koda, Y. , et al. (2008) Bioorg Med Chem 16: 6286−6296)に記載されているように調製される。樹脂は、ピペラジン/DMF溶液でNα脱保護され、溶媒で洗浄され、標準の連結混合物(例えば、HBTU/DIPEA)を使用してN−α−Ac、N−ε−(1−オクチルβ−D−グルクロニド−6−イル)−L−リジンの2つの等価物と連結される。連結の完成に続いて、ペプチドは、脱保護混合物(95%のTFA/5%H2O又はDODT)を使用して、樹脂から脱保護され開裂される。溶媒は、窒素の流れによって除去され、粗製のペプチドは冷たいEt2Oにより沈殿され、収集され、20%のアセトニトリルに溶解され、凍結乾燥される。精製は、0.1%のTFA又はNH4OAc緩衝系を使用して、H2OからH2O/アセトニトリルまでの勾配を含有する移相hplcによる。その混合物はH2Oから複数の凍結乾燥にさらされる。
<実施例4:N末端エンドモルフィン−1アナログ−AcLys(1−オクチルβ−D−グルクロニド−6−イル)エンドモルフィン1(Ac−Lys(1−オクチルβ−D−グルクロニド−6−イル)−Tyl−Pro−Trp−Phe−NH2(AcLys(1−オクチルβ−D−グルクロニド−6−イル)エンドモルフィン1)>
上記のように、Ac−Lys(Boc)−Tyr(t−Bu)−Pro−Trp(Boc)−Phe−NH−RinkアミドMBHA樹脂は本明細書に記載されているように調製される。合成の完成に続き、ペプチドは、脱保護混合物(95%のTFA/5%のH2O又はDODT)を使用して、樹脂から脱保護され開裂される。溶媒は窒素の流れによって取り除かれ、粗製のペプチドは、冷たいEt2Oにより沈殿され、収集され、20%のアセトニトリルに溶解され、凍結乾燥される。脱保護されたLysε−アミノ官能基を含有するペプチドは、DMF又は類似した無水の非プロトン性溶媒の中で標準の連結混合物(例えばHBTU/DIPEA)を使用して、1−オクチルβ−D−グルコロン酸の2つの等価物と連結される。溶媒は真空内で取り除かれ、生成物は20%のアセトニトリル又はH2Oから凍結乾燥される。精製は、0.1%のTFA又はNH4OAc緩衝系を使用して、H2OからH2O/アセトニトリルまでの勾配を含有する移動相中の逆相hplcによる。その混合物はH2Oから複数の凍結乾燥にさらされる。
<実施例5:2’,6’−ジメチル−L−チロシル−プロリル−2’,4’,6’−トリメチル−L−フェニルアラニル−Nε(1’−オクチルβ−D−グルクロニル)−L−リジンアミド(EU−A102)>
Fmoc−Rink−アミド樹脂(0.5mmol/g)の0.3mmolのサンプルは、標準のDIC/HOBt固相連結プロトコル(DIC/HOBt及びアミノ酸の3つの等価物)を使用して、アミノ酸の以下の配列と連結された:Fmoc−L−リジン(Nε―Alloc)、Fmoc−2’,4’,6’−トリメチル−L−フェニルアラニン、Fmoc−L−プロリン、Fmoc−2’,4’−ジメチル−L−チロシン。
2’,6’−ジメチル−L−チロシル−プロリル−2’,4’,6’−トリメチル−L−フェニルアラニル−Nε−(Alloc)−L−リジンアミド樹脂は、室温の暗やみの中で一晩かけた、DMF/CH2Cl2(1:1)内でのPd(PPh3)4(0.5 eq)とDMBA(20eq)との培養によって、Lys−Nε位置上で脱保護された。DMF/CH2Cl2による洗浄に続き、Lys側鎖は、DIC/HOBtの使用を通じたDMF/CH2Cl2内で、1’−オクチルβ−D−グルコロン酸によりアシル化された(Carbosynth)。連結の完成はニンヒドリンによって検査され、生成物はCH2Cl2により広範囲にわたり洗浄された。
生成物樹脂(0.77g)は、室温で240分間の開裂カクテル(94%のTFA:2%のEDT;2%のH2O;2%のTIS)による処置によって、樹脂からの最終的な脱保護及び開裂を受けた。生成物を沈殿させるために、その混合物はEt2Oにより処理され、真空内で乾燥させた後に290mgの粗製の表題ペプチド生成物をもたらすためにEt2Oにより広範囲に洗浄された。
精製は、逆相(C18)hplcによって2つのバッチで実行された。粗製のペプチドは、15mL/分の流量(15%の有機変性剤;酢酸バッファー)で4.1x25cm hplcカラムに充填され、50°Cで60分内に15乃至45%のバッファーBから勾配により溶出された。生成物画分は、分析的なhplc/質量分析法(M+1ピーク=911.87)によって>96%の純度を有する100mgの表題生成物ペプチドをもたらすために凍結乾燥された。全体的な合成収率は18%で計算された。
類似した方法で、しかし試薬1’−メチルβ−D−グルクロン酸及び1’−ドデシルβ−D−グルクロン酸を使用して、表題化合物の対応するNε−(1’−メチルβ−D−グルクロニル)−L−リジン4(EUA−101)及びNε−(1’ドデシルβ−D−グルクロニル)−L−リジン4(EU−A103)アナログが調製された。
分析は。下記の表で与えられた溶離液勾配を使用して、陽イオンモードのHPLC/質量分析法によって行われた。
<実施例6:2’,6’−ジメチル−L−チロシル−プロリル−2’,4’,6’−トリメチル−L−フェニルアラニル−L−フェニルアラニル−Nε−(1’−ドデシルβ−D−グルクロニル)− L−リジンアミド(EU−A106)>
上に設けられた実施例5における、固相合成及びリジン側鎖修飾のために与えられたものと類似した手法で、しかしリジンNεアシル化のために1−ドデシルβ−D−グルクロン酸(Milkereit, G., et al. (2004) Chem Phys Lipids 127: 47−63)を使用して、粗製生成物として表題ペプチドが調製された。上記のような逆相hplc精製に続き、hplc/質量分析法(M+1=1114.8)によって96.1%の純度の、白色の粉体としての表題生成物を得る。
類似した方法で、しかし試薬1’−メチルβ−D−グルクロン酸を使用して、表題化合物の対応するNε−(1’−メチルβ−D−グルクロニル)−L−リジン5(EUA−105)アナログが調製された。
分析は下記の表に与えられた勾配溶離液を使用して、陽イオンモードのHPLC/質量分析法によって行われた。
<実施例7:2’,6’−ジメチル−L−チロシル−Nε−(1’−ドデシルβ−D−グルクロニル)−D−リシル−2’,4’,6’−トリメチル−L−フェニルアラニル−L−フェニルアラニン−アミド(EU−A108)>
実施例6において与えられたものと類似した方法で、hplc/質量分析法(M=1017.07)によって95.8%の純度の白色粉体として表題ペプチドが調製された。
類似した方法で、しかし試薬1’−メチルβ−D−グルクロン酸を使用して、表題化合物の対応するNε−(1’−メチルβ−D−グルクロニル)−L−リジン(EU−A107)アナログが調製された。
分析は下記の表に与えられる溶離液勾配を使用して、陽イオンモードのHPLC/質量分析法によって行われた。
<実施例8:2’,6’−ジメチル−L−チロシル−L−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボニル−L−フェニルアラニル−Nε−(1’−メチルβ−D−グルクロニル)−L−リシル−アミド(EU−A178)>
実施例6において与えられたものと類似した方法で、hplc/質量分析法(M=832.33)によって95.5%の純度の白色粉体として、表題ペプチドが調製された。
類似した方法で、しかし試薬1’−ドデシルβ−D−グルクロン酸を使用して、表題化合物の対応するNε−(1’−ドデシルβ−D−グルクロニル)−L−リジンアナログ(EU−A179)が調製された。類似した方法で、しかし、対応する1−アルキルグルクロン酸試薬を使用して、本発明に対応するペプチド、EU−A180、EU−A181、EU−A182、EU−A183、EU−A184、EU−A185、及び同種のものが作られた。
分析は、下記の表に与えられた溶離液勾配を使用して、陽イオンモードのHPLC/質量分析法によって行われた。
<実施例9:2’,6’−ジメチル−L−チロシル−L−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボニル−L−フェニルアラニル−L−フェニルアラニス(phenylalanys)−Nε−(1’−メチルβ−D−グルクロニル)−L−リシル−アミド)(EU−A189)>
実施例6において与えられたものと類似した方法で、hplc/質量分析法(M=979.53)によって98.99%の純度の白色粉体として表題ペプチドが精製された。
類似した方法で、しかし試薬1’−ドデシルβ−D−グルクロン酸を使用して、表題化合物の対応するNε−(1’−ドデシルβ−D−グルクロニル)−L−リジン(EU−A190)アナログが調製された。
分析は、下記の表に与えられる溶離液勾配を使用して、陽イオンモードのHPLC/質量分析法によって行われた。
<実施例10:本発明の追加のアナログ>
実施例6において与えられたがものと類似する手法で、しかし対応する1−アルキルβ−D−グルクロン酸試薬を使用して、hplc/質量分析によって95%よりも高い純度の白色粉体として本発明の追加のアナログが提供される。
分析は、下記の表に与えられるものなどの適切な溶離液勾配を使用して、陽イオンモードのHPLC/質量分析法によって行われる。
<実施例11:ウロン酸の一般的な酸化方法>
[0578] 20mLのアセトニトリル中の1−ドデシルβ−D−グルコピラノシド(Carbosynth)[2.0g、5.74mmol]と20mLのDI水との溶液に、(ジアセトキシヨード)ベンゼン(Fluka)[4.4g、13.7mmol]及びTEMPO(SigmaAldrich)[0.180g、1.15mmol]が加えられた。結果として生じる混合物を室温で20時間撹拌した。1.52gの粗製生成物(粗収率73.1%)、さらなる精製をせずに固相合成に直接使用された白色粉体としての1−ドデシルβ−D−グルコロン酸を与えるために、反応混合物は水で希釈され、乾燥まで凍結乾燥された。類似の方法で、しかし対応する1−テトラデシル、1−ヘキサデシル、及び1−オクタデシルβ−D−グルコピラノシド(Anatrace、Maumee、OHから購入)を使用して、本明細書に記載されている生成物や試薬を作るために使用される、所望のアルキル糖類ウロン酸が調製された。この生成物は、酸化剤としてNaOClを使用する代替的な工程により以前に調製され、より長いアルキル基用に使用されている。
<実施例12:化合物の細胞アッセイ>
化合物は、およそ2mgの量で正確に量られ、自身の子会社Cerep SA (Le Bois l’Eveque, France)で実行されるような、受託試験機関Cerep社 (Pullman, WA)による標準の細胞アッセイでアッセイされた。読出された情報は、アゴニスト又はアンタゴニスト型のいずれかで、試験化合物により処置された細胞内で産生されたcAMPの量である。使用されるアッセイは、ミューオピオイド受容体細胞アッセイ(アゴニスト及びアンタゴニスト型におけるMOP)、デルタ2オピオイド受容体細胞アッセイ(アゴニスト及びアンタゴニスト型におけるDOP)及びカッパオピオイド受容体細胞アッセイ(アゴニスト及びアンタゴニスト型におけるKOP)である。使用されるアッセイはWang, J.B., et al. (1994) FEBS Lett 338: 217−222, Law, P.Y. 及びLoh, H.H. (1993) Mol Pharmacol 43: 684−693, 及びAvidor−Reiss, T., et al. (1995) FEBS Lett 361: 70−74.に記載されている。DORアンタゴニストアッセイにおける細胞用の覚醒薬は、十分に許容するDOR文献標準、3x10E−8M DPDPEであった。
界面活性物質(1−アルキルグルクロン酸)の疎水性部分がC1からC12で長さが変化する、一連の化合物EU−A101からEU−A103に関して、受容体選択性及び起動(以下を参照)の形質は全体的作用薬(C1)から純粋なアンタゴニスト(C12)まで異なる。活性はDOP又はKOPアッセイのために使用された細胞で見られず、ゆえにアゴニストとしてミューオピオイド受容体用に十分な選択性を示す。この行動は、受容体相互作用の基本特性を変える本明細書に記載されている修飾の能力を実証する。分子内のどこか他のところにおける(例えば、アミノ酸アナログを使用する)修飾は、薬物候補の相互作用の効能及び特徴をさらに変更するために使用される。
DOP拮抗活性は、3x10E−8M DPDPEの刺激的なcAMP反応の阻害によって評価された。
<実施例13:化合物の使用>
本明細書に記載されている共有結合的に修飾された及び/又はタンパク質は、どの類が考慮されるかに依存する様々な疾患の予防及び処置に役立つ。例えば、本明細書に記載されている共有結合的に修飾された及び/又はタンパク質は、慢性及び急性の疼痛及びMOR又はDORに関連する疾患状態の予防及び治療上の処置のために示される。日焼け、痒症、癌、免疫機能、炎症、循環器疾患に関する出願も文書化されている(Lazarus, L.H., et al. (2012) Expert Opin Ther Patents 22: 1−14)。
代表的な送達レジメンは、経口、非経口(皮下、筋肉内及び静脈注入を含む)、直腸、バッカル(舌下を含む)、経皮、吸入、眼、及び鼻腔内を含む。ペプチドの送達のための魅力的かつ広く使用される方法は、徐放注入可能な製剤の皮下注入を要する。本明細書に記載されている共有結合的に修飾された及び/又はタンパク質の適用のための他の投与経路は、皮下、鼻腔内、及び吸入投与である。
<実施例14:疼痛の処置のための製薬の使用>
急性又は慢性的な疼痛を有するヒトの患者は、0.5から10mg/mLの医薬品、及びベンジルアルコールなどの標準の賦形剤を含有する生理食塩水内の医薬品の溶液の技術分野で使用される標準の噴霧器からの鼻腔内投与(200μL)によってEU−A178で処置される。疼痛の緩和のために必要に応じて、処置が繰り返される。代替的に、ヒドロフルオロアルカンなどを含有する蒸発溶媒における、EU−A178の溶液及び選択された賦形剤は、疼痛を緩和するために必要とされるようなMDIによって鼻腔内で投与される。代替的に、EU−A178の水溶液は、選択された賦形剤とともに、疼痛を緩和するために必要とされるような皮下注入によって投与される。
処置の効果は、生活の質の質問表を含む、患者の評価から測定される。疼痛スケールは、自己報告、観測上(行動)又は生理的なデータに基づく。臨床設定での使用に適切な幾つかの疼痛スケールは、アルダー・ヘイトリアージ疼痛スコア、簡易な疼痛目録(BPI)、ダラス疼痛質問表、痛覚計疼痛インデックス(DPI)、マギル疼痛質問表(MPQ)、数値11のポイントボックス(Numerical 11 point box)(BS−11)、数値評定尺度(NRS−11)、ローランド−モリス背痛質問表、視覚的アナログ尺度(VAS)、及び同種のものを含む。
類似した方法で、トランスバッカル、膣内、吸入、皮下、静脈内、眼内、又は経口経路による調整された量の投与は、疼痛の軽減を測定するために試験される。
<実施例21:試薬−N−α―Fmoc,N−ε−(1−オクチルβ−D−グルクロニド−6−イル)−L−リジン>
炉内乾燥した250mLのエルレンマイヤーフラスコ内に、1−オクチルβ−D−グルクロン酸(Carbosynth Ltd.、3.06g、10mmol)、50mLの無水DMF、及び無水の1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.62g、12mmol)が置かれる。 50mLのDMF中のN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(2.48g、12mmol)の冷却された(4°C)溶液は、撹拌しながら加えられ、反応は5分間進む。N,N’−ジシクロヘキシル尿素の豊富な白降汞は、フリットガラス漏斗上で濾過され、濾液は25mlの無水DMF内のN−α−Fmoc−L−リジン(3.68g、10mmol)の溶液に加えられる。反応は、室温まで温めながら25分間、又はニンヒドリン色が非常に薄くなるまで進ませる。反応混合物は濾過され、乾燥に曝され、MeOH内の溶解及びEt2Oでの曇り点までの緩慢な希釈によってMeOH/Et2Oから結晶化され、その後再冷却される。さらなる精製は、EtOAcからEtOAc/EtOH/AcOHまでの溶媒勾配を使用するシリカゲル・クロマトグラフィーによって達成することができる。
類似した手法で、しかしN−α−Boc−L−リジンを代わりに用いて、N末端取り込み及び遊離N末端に対する開裂に適したN−α―Boc,N−ε−1−オクチルβ−D−グルクロニド−6−イル)−L−リジンが得られる。類似した手法で、しかしN−α−Ac−L−リジンを代わりに用いて、遮断されたN末端を有するペプチドのN末端での取り込みに適したN−α−Ac,N−ε−(1−オクチルβ−D−グルクロニド−6−イル)−L−リジンが得られる。類似した手法で、しかし適性量のN−α−Fmoc−L−オルニチンを代わりに用いて、N−α−Fmoc,N−δ−(1−オクチルβ−D−グルクロニド−6−イル)−L−オルニチンが得られる。類似した手法で、しかし他のN−モノ−保護ジアミノ酸oneを使用して、対応する試薬を得る。代替的に、連結中で、1−オクチルβ−Dグルクロン酸の前作動のない、一過性のMe3Siエステル保護基の使用は、試薬の形成に容易な経路を与える。一過性のMe3Siエステルは、ジクロロメタン(CH2Cl2)におけるFmoc−Lys−OHと等モル量のN,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミドとの反応によって生成される。有機質層は、上記のように1−アルキルグルコロニドとの結合の準備ができているCH2Cl2内で、溶液として所望の試薬を含有している。濾過された反応混合物は、Me3Siエステルを加水分解するために水溶性NaHSO4で洗浄され、MgSO4上で乾燥させ、溶媒は取り除かれる。
同様に、しかしペルアセチル又はペルベンゾイル 1−オクチルβ−D−グルクロン酸oneを使用して、試薬(例えば、Ac2Oとの処置で形成された、2,3,4−トリスアセチル 1−オクチルβ−D−グルクロン酸、および同種のもの)のAc又はBz保護形態を得る。そのような試薬は、樹脂からの酸開裂中に安定性を増加させ、脱保護中に不安定性が検出されるときに使用される(Kihlberg、J。ら(1997)方法Enzymol 289:221−245)及びその中の引用を参照のこと。そのような生成物の最終的な脱保護は、上記のように、MeOH/NH3、MeOH/NaOMe、MeOH/NH2NH2の使用による、開裂後の塩基触媒化エステル転移反応によって実行される。
<実施例2−2:合成ペプチドアナログ>
一般に、ペプチド合成方法は、成長しているペプチド鎖に対する保護されたアミノ酸の連続的付加を含む。通常は、アミノ又は第1アミノ酸のカルボキシル基のいずれか、及び任意の反応的な側鎖基は保護される。この保護されたアミノ酸は、次に不活性固形支持体へ取り付けられるか、又は溶液中で利用され、配列における次のアミノ酸もまた適切に保護され、アミノ連結の形成に適用可能な条件下で加えられる。所望のアミノ酸がすべて適切な配列で連結された後、保護基及び任意の固形支持体は粗製ペプチドを提供するために除去される。ペプチドはクロマトグラフィーで脱塩され精製される。
約50以下のアミノ酸を有する、生理的に活性な切断型(truncated)ペプチドのアナログを調製する好ましい方法は、固相ペプチド合成を含む。この方法では、α―アミノ(Nα)官能基及び任意の反応的な側鎖は、酸感受性又は塩感受性の基によって保護される。保護基は、残存するペプチド鎖に影響を与えずに容易に除去可能である一方、ペプチド連結形成の条件に対して安定していなければならない。適切なα―アミノ保護基は、限定されないが、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、o−クロロベンジルオキシカルボニル、ビフェニルイソプロピルオキシカルボニル、t−アミルオキシカルボニル(Amoc)、イソボルニルオキシカルボニル、α、α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジルオキシ−カルボニル、o−ニトロフェニルスルフェニル、2−シアノ−t−ブトキシカルボニル、9−フルオレニル−メトキシカルボニル(Fmoc)、及び同種のもの、好ましくはBoc、又はより好ましくはFmocを含む。最適な側鎖保護基は、限定されないが、アセチル、ベンジル(Bzl)、ベンジルオキシメチル(Bom)、Boc、t−ブチル、o−ブロモベンジルオキシカルボニル、t−ブチル、t−ブチルジメチルシリル、2−クロロベンジル(Cl−z)、2,6−ジクロロベンジル、シクロヘキシル、シクロペンチル、イソプロピル、ピバリル(pivalyl)、テトラヒドロピラン−2−イル、トシル(Tos)、2,2,4,6,7−ペンタメチルジヒドロベンゾフラン−5−スルホニル(Pbf)、トリメチルシリル及びトリチルを含む。化合物の合成に好ましいNα保護基は、Fmoc基である。好ましい側鎖保護基は、Glu、Tyr、Thr、Asp、及びSer用のO−t−ブチル基;Lys及びTrp側鎖用のBoc基;Arg用のPbf基;Asn、Gln、及びHis用のTrt基である。Lys残基の選択的な変更については、Fmoc又はt−ブチルベースの保護基を開裂する試薬によって除去されない保護基を有する直交の保護が好ましい。Lys側鎖の修飾用の好ましい例は、限定されないが、ピペリジンではなくヒドラジンによって除去されたもの、例えば1−(4,4−ジメチル−2,6−dioxocyclohex−1−ylidene)−3−メチルブチル(ivDde)又は1−(4,4−ジメチル−2,6−dioxocyclohex−1−ylidene)エチル(Dde)及びアリルオキシカルボニル(Alloc)を含む。
Fmoc−Lys(ivDde)又はFmocLys(Dde)保護基スキームは、側鎖ラクタム形成が所望される場合において好ましい。(Houston, M.E., Jr., et al. (1995) J Pept Sci 1:274−282;Murage, E.N., et al.(2010) J Med Chem)この場合、Lys(Dde)保護基が後の除去及び機能化された界面活性物質との反応のために残存する一方、Fmoc−Glu(O−アリル)及びFmoc−Lys(Alloc)は組み入れられて一過性の保護を提供するために使用され、ラクタム形成のために脱保護することが出来るからである。
固相合成では、C末端アミノ酸は、まず適切な樹脂支持体に付けられる。適切な樹脂支持体は、使用される培地において不溶性であると同様に、段階的な濃縮及び脱保護反応の試薬及び反応条件に対して不活性な材料である。市販の樹脂の例は、例えばco−ポリ−(スチレン−ジビニルベンゼン)、ヒドロキシメチル化co−ポリ−(スチレン−ジビニルベンゼン)、及び同種のものといった反応性基により変更されるスチレン/ジビニルベンゼン樹脂を含む。ベンジル化した、ヒドロキシメチル化フェニルアセトアミドメチル(PAM)樹脂は、ペプチド酸の調製に好ましい。化合物のC末端がアミドであるとき、好ましい樹脂は、p−メチルベンズヒドリルアミノ−co−ポリ(スチレン−ジビニル−ベンゼン)樹脂、2,4ジメトキシベンズヒドリルアミノベースの樹脂(「Rinkアミド」)、及び同種のものである。より大きなペプチドの合成に特に好ましい支持体は、Rinkアミド−PEG及びPAL−PEG−PS樹脂(アプライド・バイオシステムズ)、又はFmocプロトコルを使用したペプチドアミド合成のために指定された類似樹脂などの他のポリマーマトリックス上に移植されたPEG配列を含有する市販の樹脂である。したがって、特定の場合においては、PEG鎖に対してアミド連結を有していることが望ましい。それらの場合においては、N−Fmoc−アミノ−PEG−カルボン酸を上記のアミド形成樹脂(例えばRinkアミド樹脂及び同種のもの)へ連結することは都合がいい。鎖の第1のアミノ酸は、PEG鎖のアミノ官能基にN−Fmoc−アミノ酸として連結することができる。最終的な脱保護は所望のペプチド−NH−PEG−CO−NH2生成物をもたらすだろう。
PAM樹脂に対する取付けは、Nα保護アミノ酸、例えばBocアミノ酸など、そのアンモニウム、セシウム、トリエチルアンモニウム、1,5−ジアザビシクロ−[5.4.0]undec−5−ene、テトラメチルアンモニウム,又はエタノール中の類似する塩、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、及び同種のもの、好ましくはDMF中のセシウム塩を、例えば、約40°Cと60°Cの間、好ましくは約50°Cの高温で、約12乃至72時間、好ましくは約48時間、樹脂と反応させることによって達成され得る。これによって最終的に、酸開裂に続いてペプチド酸産生物又はアミノリシスに続いてアミドがもたらされる。
Nα−Boc−アミノ酸は、CH2Cl2又はDMF、好ましくはCH2Cl2などの溶媒中で、約10乃至50°Cの間、好ましくは25°Cの温度で、約2乃至24時間、好ましくは約2時間、例えば、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)/1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)媒介の連結(coupling)によって、ベンズヒドリルアミン樹脂に取り付けられ得る。
Bocベースのプロトコルについては、保護されたアミノ酸の連続連結(successive coupling)は、典型的に自動ペプチドシンセサイザー内において、技術分野で周知の方法によって実行され得る。 トリエチルアミン、N,N−ジ−イソプロピルエチルアミン(DIEA)、N−メチルモルホリン(NMM)、コリジン、又は類似した塩基との中和に続き、各々の保護アミノ酸は、およそ約1.5乃至2.5倍モル過剰に導入され、連結は、好ましくは周囲温度のジクロロメタン内の、CH2Cl2、DMF、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、又はそれらの混合物などの、不活性かつ非水性の極性溶媒内で行われる。Fmocベースのプロトコルについて、酸は脱保護用に一切使用されないが、塩基、好ましくはDIEA又はNMMは、通常、連結混合物へと組み込まれる。連結は、DMF、NMP、DMA又は混合溶媒、好ましくはDMFにおいて典型的になされる。単独、又はHOBt、Oアシル尿素、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(PyBop)、N−ヒドロキシスクシンイミド、他のN−ヒドロキシイミド、又はオキシムの存在下のいずれかで、代表的なカップリング剤は、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N,N’−ジイソプロピル−カルボジイミド(DIC)、又は他のカルボジイミドである。代替的に、保護アミノ酸活性エステル(例えばp−ニトロフェニル、ペンタフルオロフェニル、及び同種のもの)又は対称的な無水物類が使用され得る。好ましいカップリング剤は、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルアルミニウムヘキサフルオロホスファート(HBTU)、O−(7−アラベンゾトリアゾール(azabenzotraiazole)−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(HATU)、2−(6−クロロ−1H−ベンゾトリアゾール(benzotraiazole)−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルアルミニウムヘキサフルオロホスファート(HCTU)、及び同種のものなどのアルミニウム/ウロニウム(供給者によって使用される代替的な命名法)類のものである。
Fmoc−PAL−PEG−PS樹脂に対する取付けの好ましい方法は、5分間の最大75°の連結サイクルを有するマイクロ波関連のペプチドシンセサイザー内で、DMF内のHBTU:ジ−イソプロピルエチルアミン(DIEA)(1:2)を使用して、N−α−Fmoc−アミノ酸の約5倍モル超過したN−α−Fmoc保護アミノ酸の反応に続く、DMF内の20%のピペリジンでの樹脂リンカーの脱保護によって達成され得る。
マイクロ波関連のペプチドシンセサイザー内のこのFmocベースのプロトコルに関して、N−α−Fmocアミノ酸保護基は、二重脱保護プロトコルで30秒間、次に75°Cに設定された最高温度で3分間、0.1M 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)を含有しているDMF内の20%のピペラジンにより除去される。HOBtは、アスパルトイミド形成を減少させるために脱保護溶液に加えられる。その後、次のアミノ酸の連結は、5分間、最大75°Cの二重連結サイクルにより、HBTU:DIEA(1:2)を使用する、5倍モル超過を利用する。
固相合成の終わりに、十分に保護されたペプチドは、樹脂から取り除かれる。樹脂支持体に対する結合が、ベンジルエステル型であるとき、開裂は、約−10°Cと50°Cの間、好ましくは約25°Cの温度で、約12乃至24時間、好ましくは約18時間、アルキルアミドC末端を有するペプチド用のアルキルアミン又はフルオロアルキルアミンでのアミノリシスによって、又は非置換型アミドC末端を有するペプチド用のアンモニア/メタノール又はアンモニア/エタノールでのアンモノリシスによって影響を受け得る。ヒドロキシC末端を有するペプチドは、HF又は他の強く酸性の脱保護レジメン、又は鹸化によって開裂され得る。代替的に、ペプチドは、例えばメタノールでのエステル転移反応、後続するアミノリシス又は鹸化によって樹脂から取り除かれ得る。保護ペプチドは、シリカゲル又は逆相HPLCによって精製され得る。
側鎖保護基は、約−10°から+10°Cの間、好ましくは約0°Cの温度で、約15分から2時間の間、好ましくは約1.5時間、アミノリシス生成物を、例えば、アニソール又は他のカルボニウムイオン・スカベンジャーの存在下での無水の液体フッ化水素で処理することによって、フッ化水素/ピリジン複合物での処理によって、トリス(トリフルオロアセチル)ホウ素とトリフルオロ酢酸での処理によって、炭素又はポリビニルピロリドン上の水素及びパラジウムによる減少によって、あるいは液体アンモニア中のナトリウム、好ましくは液体フッ化水素及びアニソールによる減少によって、ペプチドから取り除かれ得る。
ベンズヒドリルアミン型樹脂上のペプチドについては、樹脂開裂及び脱保護の工程は、上記のように液体フッ化水素及びアニソールを利用する単一様式で、又は好ましくはより軽度の開裂カクテルの使用を通じて組み合わせられ得る。例えば、PAL−PEG−PS樹脂について、好ましい方法は、毎回38°Cで18分間、TFA/水/トリ−イソ−プロピルシラン/3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール(DODT)(92.5/2.5/2.5/2.5)などの、技術分野で既知の軽度の開裂カクテルのうちの1つを使用する、マイクロ波関連のペプチドシンセサイザー中での二重脱保護プロトコルの使用によるものである。材料を含有しているアルキル配糖体の開裂は、9/1乃至19/1の範囲内のTFA/水比率を有するプロトコルを使用する、アルキルグルコシド結合の生存を示している。典型的なカクテルは94%のTFA:2%のEDT、2%のH2O、2%のTISである。典型的には、十分に脱保護された生成物は、冷たい(−70°C乃至4°C)ジエチルエーテルにより沈殿し洗浄され、脱イオン水に溶解され、凍結乾燥される。
ペプチド溶液は脱塩され得(例えば、BioRad AG−3(登録商標)陰イオン交換樹脂により)、ペプチドは、以下のタイプの何か又はすべてを使用する一連のクロマトグラフィーの工程によって精製される:酢酸塩形態の弱塩基性樹脂上のイオン交換、誘導されていないco−ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)、例えばアンバーライト(登録商標)XAD上の疎水性吸着クロマトグラフィー、シリカゲル吸着クロマトグラフィー、カルボキシメチルセルロース上のイオン交換クロマトグラフィー、G−25上の分配クロマトグラフィー(例えば、セファデックス(登録商標))、向流分配、超臨界流体クロマトグラフィー、又はHPLC、特にオクチル−又はオクタデシルシリルシリカ(ODC)結合相カラム充填上の逆相HPLC。
また、本明細書に記載されている共有結合的に修飾された及び/又はタンパク質、及びその薬学的に許容可能な塩を調製するための工程も本明細書に提供され、その工程は、本明細書に記載されている共有結合的に修飾された及び/又はタンパク質の生理活性な切断ホモログ及びアナログを得るために、適切な樹脂支持体上で保護アミノ酸を連続して凝縮する工程、保護基及び樹脂支持体を除去する工程、及び生成物を精製する工程を含む。幾つかの実施形態において、本明細書に記載されている共有結合的に修飾された及び/又はタンパク質は、上に定義されるようにアルキル配糖体修飾を組み込む。
別の態様は、本明細書に記載されている共有結合的に修飾された及び/又はタンパク質、及びその薬学的に許容可能な塩を調製するための工程に関し、その工程は、上に定義されているように、生理活性なペプチドのアナログを得るために、マイクロ波関連の固相合成ベースの工程又は、適切な樹脂支持体上で保護アミノ酸を連続して濃縮するための標準のペプチド合成プロトコルの使用、保護基及び樹脂支持体を除去する工程、及び生成物を精製する工程を含む。
<実施例2−3.ウロン酸用の一般的な酸化法>
20mLのアセトニトリル内の1−ドデシルβ−D−グルコピラノシド(Carbosynth)[2.0g、5.74mmol]と20mLのDIとの溶液に、(ジアセトキシヨード)ベンゼン(Fluka)[4.4g、13.7mmol]及びTEMPO(SigmaAldrich)[0.180g、1.15mmol]が加えられた。結果として生じる混合物を室温で20時間撹拌した。1.52gの粗製生成物(粗収率73.1%)、さらなる精製をせずに固相合成に直接使用された白色粉体としての1−ドデシルβ−D−グルコロン酸を与えるために、反応混合物は水で希釈され、乾燥まで凍結乾燥された。この生成物は、本明細書に記載されるように、酸化剤としてNaOClを使用する代替的な工程により以前に調製され、より長いアルキル基用にも使用されている。類似の方法で、しかし対応する1−テトラデシル、1−ヘキサデシル、及び1−オクタデシルβ−D−グルコピラノシド(Anatrace、Maumee、OHから購入)を使用して、本明細書に記載されている生成物や試薬を作るために使用される、所望のアルキル糖類ウロン酸が調製された。
<実施例24:PTHrPアナログEU−204の調製>
Fmoc− Ac5c−Val−Aib−Glu−Ile−Gln−Leu−Nle−His−Gln−Arg−Ala−Arg−Trp−Ile−Gln−Lys(Alloc)−Rinkアミド樹脂のサンプルは、室温の暗やみの中で一晩、DMF/CH2Cl2(1:1)内でのPd(PPh3)4(0.5 eq)とDMBA(20eq)との培養によって、Lys−Nε−エプシロン位置上で脱保護された。DMF/CH2Cl2による洗浄に続き、Lys側鎖は、DIC/HOBtの使用を通じてDMF/CH2Cl2内で、1’−オクチルドデシルβ−D−グルコロン酸(Carbosynth)によりアシル化された。連結の完成はニンヒドリンによって検査され、生成物はCH2Cl2により広範囲にわたり洗浄された。
生成物樹脂は、室温で240分間、開裂カクテル(94%のTFA:2%のEDT;2%のH2O;2%のTIS)による処置によって、樹脂からの最終的な脱保護及び開裂を受けた。生成物を沈殿させるために、その混合物はEt2Oにより処理され、真空内で乾燥させた後に粗製の表題ペプチド生成物をもたらすためにEt2Oにより広範囲に洗浄された。
精製は、逆相(C18)hplcによって2つのバッチで実行された。粗製のペプチドは、15mL/分の流量(15%の有機変性剤;酢酸バッファー)で4.1x25cm hplcカラムに充填され、50°Cで60分内に15乃至45%のバッファーBから勾配により溶出された。生成物画分は、分析的なhplc(12.0分;0.1%TFA中の35乃至65%CH3CN)/質量分析法(M+1ピーク=2473.9)によって>97%の純度を有する表題の生成物ペプチドをもたらすために凍結乾燥された。
対応する、1−メチル、1−オクチル、1−デシル、1−ドデシル、1−テトラデシル、1−ヘキサデシル、1−オクタデシル、及び1−アイコシルアナログは、対応するグルコロン酸を使用して、上記のように調製された。代替的に、1−アルキルグルクロニル、又は他のウロン酸アシル化アナログは、所望のウロン酸試薬によるアシル化が後続する、脱保護された、もしくは部分的に脱保護されたペプチドの最初の精製によって調製され得る。
分析は、下記の表に与えられた溶離液勾配を使用して、陽イオンモードのHPLC/質量分析法によって行われた。
<実施例2−5:化合物の細胞アッセイ>
化合物は、およそ1mgの量で正確に量られ、標準の細胞アッセイ(Cerep SA)でアッセイされた。読み出された情報は、アゴニスト又はアンタゴニスト型のいずれかで、試験化合物により処理された細胞内で産生されたcAMPの量である。使用されるPTH1細胞アッセイは、Orloff, J.J., et al. (1992) Endocrinol 131: 1603−1611に記載されている。
界面活性物質(1−アルキルグルクロン酸)の疎水性部分がC1からC12で長さが変化する、一連の化合物EU−201からEU−203に関して、細胞応答は、増加した鎖長による効能及び効果で増加する。アナログの全てはアゴニストであった。
受容体選択性及び起動(以下を参照)の形質は全的作用薬(C1)から純粋なアンタゴニスト(C12)まで異なる。活性はDOP又はKOPアッセイのために使用された細胞で見られず、ゆえにアゴニストとしてミューオピオイド受容体用に十分な選択性を示す。この行動は、受容体相互作用の基本特性を変える本明細書に記載されている修飾の能力を実証する。分子内のどこか他のところにおける(例えば、アミノ酸アナログを使用する)修飾は、薬物候補の相互作用の効能及び特徴をさらに変更するために使用される。PTH1−34に類似するEC50と有するが、超拮抗活性(例えば、EU−232)を有する分子となる更なる置換、及びそのような分子は医療において重要な応用がある。追加のアナログは、インビボにおける非常に長い作用期間を有するように設計されている。(つまりEU−286、EU−287及びEU−288)。このアッセイにおいて、PTHには1.4nMのEC50及び105%の最大の反応のEC50があった一方、PTHrP(コード化サンプル)には、2.9nMのEC50及び100%の最大の反応があった。化合物は水に溶かされ、1%のウシ血清アルブミンを含有しているアッセイ・バッファーで希釈された。以下の表は、本明細書に記載されている一定のペプチド生成物の効能及び効力を示す。
アンタゴニストモードで試験された時、追加PTHrPにより、最大の効果はさらに大きかった(C−12化合物、EU−203に関してPTHrPの最大の146%まで)。この行動は、受容体相互作用の基本特性を変える本明細書に記載されている修飾の能力を実証する。分子のどこか他の修飾は、薬物候補の相互作用の効能及び特徴を変更するために使用することができる。
<実施例2−6:化合物のインビボでのアッセイ>
Frolik, C.A., et al. (2003) Bone 33: 372−379の方法を受けて、中英SIPPR/BKLab Animal Ltdからの20匹の雄のラットが、標準の実験室条件に7日間の間順化された。順化の後、動物は5つの群へ年齢によって分類された。群内の各動物は、ビヒクル又は検査薬のいずれかの単一の皮下注入により処置された。
2つの試験群内の動物は、80mcg/動物のhuPTH1−34(Bachem)又は80mcg/動物のEU−23により処置された。第4の群は320mcg/動物でEU−232により処理された。血液サンプルは、注入後0.5、1、2、4及び5時間に眼窩後の静脈を介して収集され、血液サンプルは血液PO4及びCaレベルに関して遠心分離と試験の前に、氷上で貯蔵された。
80mcg群(PTH及びEU−232)において、PTH又はEU−232に応じて血液PO4レベルの一時的だが統計的に有意ではない減少があり、PO4レベルは1時間後それ以上縮小することはなかった。EU−232による処置に応じて、血液PO4レベルは、5時間の時点で、時間及び最大の減少(時間0時間レベルから25−35%の減少)を有する統計的に優位なより低いレベルまで減少し、EU−232について効能と作用持続時間を示している。任意の時点でのビヒクルと比較した統計的に異なる血液Caレベルを示す群はなく、それゆえ、投与を受けての高カルシウム血症の傾向の指標はなかった。
類似した方法で、本明細書に記載されているアナログ(図1−1乃至図1−7内の表1の化合物を含む)は、インビボでのそれらの効能及び作用持続時間を評価するために試験される。
本明細書に記載されている共有結合的に修飾された及び/又はタンパク質は、様々な疾患の予防及び処置に役立つ。PTHR1アゴニストは、閉経後又は老人性骨粗鬆症、副甲状腺機能低下症(hypoparathroidism)、骨減少症、インプラント凝固、及び一定の転移性腫瘍などの骨密度疾患の処置において効果的である。拮抗アナログは、副甲状腺機能亢進症又は悪性高カルシウム血症に特に関するように、高カルシウム血症の処置に適している。PTHとPTHrPのアゴニストは、骨髄移植、及び低血液細胞濃度に関する疾患症候群での使用のために、インビボ又はインビトロでの骨髄において造血幹細胞(HSC)の増殖を動態化するために使用することができる。拡張移植後もまた魅力的な適用である。血液中の多くの細胞がHSCから生じるため、広範囲の適用は可能である。適切に標識化された界面活性物質修飾ペプチドは、診断プローブとして使用することができる。
代表的な送達レジメンは、経口、非経口、(皮下、筋肉内、及び静脈注入を含む)、直腸、バッカル(舌下を含む)、経皮、吸入、眼、及び鼻腔内を含む。ペプチドの送達のための魅力的かつ広く使用されている方法は、徐放注入可能な製剤の皮下注入を要する。本明細書に記載されている共有結合的に修飾された及び/又はタンパク質の適用の他の投与経路は、皮下、鼻腔内、及び吸入投与である。
<実施例2−7.骨粗鬆症の処置のための薬学の使用>
骨粗鬆症又は骨減少症の証拠のあるヒト患者は、0.5乃至10mg/mLの医薬品及びネンジルアルコールなどの標準の賦形剤を含有している生理食塩水内を、当該技術分野において使用される標準の噴霧器から鼻腔内投与(200μL)することによってEU−204により処置される。処置は、骨痛、骨減少症、低骨密度又は骨折などの症状の緩和に必要なだけ繰り返される。類似した手法で、ドロフルオロアルカンなどを含む蒸発溶剤内のEU−204の溶液及び選択された賦形剤は、骨付加成長を刺激するために必要とされる定量吸入器(MDI)によって鼻腔内に投与される。処置の効果は、骨ミネラル密度試験(BMD試験)を含む標準試験の使用によって測定される。
図1−1乃至図1−7の表1に記載されている化合物のすべては、類似したプロトコルを使用して試験される。類似した方法で、トランスバッカル、膣内、吸入、皮下、静脈内、眼内、又は経口経路による調整量の投与は、身体中の細胞上でのPTHR1の刺激のレベルを測地するために、そして治療効果を測定するために試験される。
<実施例3−1:試薬−N−α―Fmoc,N−ε−(1−オクチルβ−D−グルクロニド−6−イル)L−リジン>
炉内乾燥した250mLのエルレンマイヤーフラスコ内に、1−オクチルβ−D−グルクロン酸(Carbosynth Ltd.、3.06g、10mmol)、50mLの無水DMF、及び無水の1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.62g、12mmol)が置かれる。 50mLのDMF中のN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(2.48g、12mmol)の冷却された(4°C)溶液は、撹拌しながら加えられ、反応は5分間進む。N,N’−ジシクロヘキシル尿素の豊富な白降汞は、フリットガラス漏斗上で濾過され、濾液は25mlの無水DMF内のN−α−Fmoc−L−リジン(3.68g、10mmol)の溶液に加えられる。反応は、室温まで温めながら25分間、又はニンヒドリン色が非常に薄くなるまで進ませる。反応混合物は濾過され、乾燥に曝され、MeOH内の溶解及びEt2Oでの曇り点までの緩慢な希釈によってMeOH/Et2Oから結晶化され、その後再冷却される。さらなる精製は、EtOAcからEtOAc/EtOH/AcOHまでの溶媒勾配を使用するシリカゲル・クロマトグラフィーによって達成することができる。
類似した手法で、しかしN−α−Boc−L−リジンを代わりに用いて、N末端取り込み及び遊離N末端に対する開裂に適した、N−α―Boc,N−ε−1−オクチルβ−D−グルクロニド−6−イル)−L−リジンが得られる。類似した手法で、しかしN−α−Ac−L−リジンを代わりに用いて、遮断されたN末端を有するペプチドのN末端での取り込みに適したN−α−Ac,N−ε−(1−オクチルβ−D−グルクロニド−6−イル)−L−リジンが得られる。類似した手法で、しかし適性量のN−α−Fmoc−L−オルニチンを代わりに用いて、N−α−Fmoc,N−δ−(1−オクチルβ−D−グルクロニド−6−イル)−L−オルニチンが得られる。類似した手法で、しかし他のN−mono−保護ジアミノ酸oneを使用して、対応する試薬を得る。代替的に、連結中で、1−オクチルβ−D−グルクロン酸の前作動のない、一過性のMe3Siエステル保護基の使用は、試薬の形成に容易な経路を与える。一過性のMe3Siエステルは、ジクロロメタン(CH2Cl2)におけるFmoc−Lys−OHと等モル量のN,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミドとの反応によって生成される。有機層は、上記のように1−アルキルグルコロニドとの結合の準備ができているCH2Cl2内で、溶液として所望の試薬を含有している。濾過された反応混合物は、Me3Siエステルを加水分解するために水溶性NaHSO4で洗浄され、MgSO4上で乾燥させ、溶媒は取り除かれる。
同様に、しかしペルアセチル又はペルベンゾイル 1−オクチルβ−D−グルクロン酸oneを使用して、試薬(例えば、Ac2Oとの処置で形成された、2,3,4−トリスアセチル 1−オクチルβ−D−グルクロン酸、および同種のもの)のAc又はBz保護形態を得る。そのような試薬は、樹脂からの酸開裂中に安定性を増加させ、脱保護中に不安定性が検出されるときに使用される(Kihlberg, J., et al. (1997) Methods Enzymol 289: 221−245)及びその中の引用を参照のこと。そのような生成物の最終的な脱保護は、上記のように、MeOH/NH3、MeOH/NaOMe、MeOH/NH2NH2の使用による、開裂後の塩基触媒化エステル転移反応によって実行される。
<実施例3−2:合成ペプチドアナログ>
一般に、ペプチド合成方法は、成長しているペプチド鎖に対する保護されたアミノ酸の連続的付加を含む。通常は、アミノ又は第1アミノ酸のカルボキシル基のいずれか、及び任意の反応的な側鎖基は保護される。この保護されたアミノ酸は、次に不活性固形支持体へ取り付けられるか、又は溶液中で利用され、配列における次のアミノ酸もまた適切に保護され、アミノ連結の形成に適用可能な条件下で加えられる。所望のアミノ酸がすべて適切な配列で連結された後、保護基及び任意の固形支持体は粗製ペプチドを提供するために除去される。ペプチドはクロマトグラフィーで脱塩され精製される。
約50以下のアミノ酸を有する、生理的に活性な切断型(truncated)ペプチドのアナログを調製する好ましい方法は、固相ペプチド合成を含む。この方法では、α―アミノ(Nα)官能基及び任意の反応的な側鎖は、酸感受性又は塩感受性の基によって保護される。保護基は、残存するペプチド鎖に影響を与えずに容易に除去可能である一方、ペプチド連結形成の条件に対して安定していなければならない。適切なα―アミノ保護基は、限定されないが、t−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、o−クロロベンジルオキシカルボニル、ビフェニルイソプロピルオキシカルボニル、t−アミルオキシカルボニル(Amoc)、イソボルニルオキシカルボニル、α,α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジルオキシ−カルボニル、o−ニトロフェニルスルフェニル、2−シアノ−t−ブトキシカルボニル、9−フルオレニル−メトキシカルボニル(Fmoc)及び同種のもの、好ましくはBoc又はより好ましくはFmocを含む。最適な側鎖保護基は、限定されないが、アセチル、ベンジル(Bzl)、ベンジルオキシメチル(Bom)、Boc、t−ブチル、o−ブロモベンジルオキシカルボニル、t−ブチル、t−ブチルジメチルシリル、2−クロロベンジル(Cl−z)、2,6−ジクロロベンジル、シクロヘキシル、シクロペンチル、イソプロピル、ピバリル(pivalyl)、テトラヒドロピラン−2−イル、トシル(Tos)、2,2,4,6,7−ペンタメチルジヒドロベンゾフラン−5−スルホニル(Pbf)、トリメチルシリル及びトリチルを含む。化合物の合成に好ましいNα保護基は、Fmoc基である。好ましい側鎖保護基は、Glu、Tyr、Thr、Asp、及びSer用のO−t−ブチル基;Lys及びTrp側鎖用のBoc基;Arg用のPbf基;Asn、Gln、及びHis用のTrt基である。Lys残基の選択的な変更については、Fmoc又はt−ブチルベースの保護基を開裂する試薬によって除去されない保護基を有する直交の保護が好ましい。Lys側鎖の修飾についての好ましい例は、限定されないが、ピペリジンではなくヒドラジンによって除去されたもの、例えば1−(4,4−ジメチル−2,6−dioxocyclohex−1−ylidene)−3−メチルブチル(ivDde)又は1−(4,4−ジメチル−2,6−dioxocyclohex−1−ylidene)エチル(Dde)及びアリルオキシカルボニル(Alloc)を含む。Fmoc−Lys(ivDde)又はFmoc−Lys(Dde)保護基スキームは、側鎖ラクタム形成が所望される場合において好ましい。(Houston, M.E., Jr., et al. (1995) J Pept Sci 1:274−282;Murage, E.N., et al.(2010) J Med Chem)この場合、Lys(Dde)保護基が後の除去及び機能化された界面活性物質との反応のために残存する一方、Fmoc−Glu(O−アリル)及びFmoc−Lys(Alloc)は組み入れられて一過性の保護を提供するために使用され、ラクタム形成のために脱保護することが出来るからである。
Fmoc−Lys(ivDde)又はFmoc−Lys(Dde)保護基スキームは、側鎖ラクタム形成が所望される場合において好ましい。(Houston, M.E., Jr., et al. (1995) J Pept Sci 1:274−282;Murage, E.N., et al.(2010) J Med Chem)この場合、Lys(Dde)保護基が後の除去及び機能化された界面活性物質との反応のために残存する一方、Fmoc−Glu(O−アリル)及びFmoc−Lys(Alloc)は組み入れられて一過性の保護を提供するために使用され、ラクタム形成のために脱保護することが出来るからである。
固相合成では、C末端アミノ酸は、まず適切な樹脂支持体に取り付けられる。適切な樹脂支持体は、使用される培地において不溶性であると同様に、段階的な濃縮及び脱保護反応の試薬及び反応条件に対して不活性な材料である。市販の樹脂の例は、例えばクロロメチル化co−ポリ−(スチレン−ジビニルベンゼン)、ヒドロキシメチル化co−ポリ−(スチレン−ジビニルベンゼン)、及び同種のものといった反応性基により変更されるスチレン/ジビニルベンゼン樹脂を含む。ベンジル化した、ヒドロキシメチル化フェニルアセトアミドメチル(PAM)樹脂は、ペプチド酸の調製に好ましい。化合物のC末端がアミドであるとき、好ましい樹脂は、p−メチルベンズヒドリルアミノ−co−ポリ(スチレン−ジビニル−ベンゼン)樹脂、2,4ジメトキシベンズヒドリルアミノベースの樹脂(「Rinkアミド」)、及び同種のものである。より大きなペプチドの合成に特に好ましい支持体は、Rinkアミド−PEG及びPAL−PEG−PS樹脂(アプライド・バイオシステムズ)、又はFmocプロトコルを使用したペプチドアミド合成のために指定された類似樹脂などの他のポリマーマトリックス上に移植されたPEG配列を含有する市販の樹脂である。したがって、特定の場合においては、PEG鎖に対してアミド連結を有していることが望ましい。それらの場合においては、N−Fmoc−アミノ−PEG−カルボン酸を上記のアミド形成樹脂(例えばRinkアミド樹脂及び同種のもの)へ連結することは都合がいい。鎖の第1のアミノ酸は、PEG鎖のアミノ官能基にN−Fmoc−アミノ酸として連結することができる。最終的な脱保護は所望のペプチド−NH−PEG−CO−NH2生成物をもたらすだろう。
PAM樹脂に対する取付けは、Nα保護アミノ酸、例えばBocアミノ酸など、そのアンモニウム、セシウム、トリエチルアンモニウム、1,5−ジアザビシクロ−[5.4.0]undec−5−ene、テトラメチルアンモニウム,又はエタノール中の類似する塩、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、及び同種のもの、好ましくはDMF中のセシウム塩を、例えば、約40°Cと60°Cの間、好ましくは約50°Cの高温で、約12乃至72時間、好ましくは約48時間、樹脂と反応させることによって達成され得る。これによって最終的に、酸開裂に続いてペプチド酸産生物又はアミノリシスに続いてアミドがもたらされる。
Nα−Boc−アミノ酸は、CH2Cl2又はDMF、好ましくはCH2Cl2などの溶媒中で、約10乃至50°Cの間、好ましくは25°Cの温度で、約2乃至24時間、好ましくは約2時間、例えば、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)/1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)媒介の連結(coupling)によって、ベンズヒドリルアミン樹脂に取り付けられ得る。
Bocベースのプロトコルについては、保護されたアミノ酸の連続連結(successive coupling)は、典型的に自動ペプチドシンセサイザー内において、当該技術分野で周知の方法によって実行され得る。トリエチルアミン、N,N−ジ−イソプロピルエチルアミン(DIEA)、N−メチルモルホリン(NMM)、コリジン、又は類似した塩基との中和に続き、各々の保護アミノ酸は、およそ約1.5乃至2.5倍モル過剰に導入され、連結は、好ましくは周囲温度のジクロロメタン内の、CH2Cl2、DMF、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、又はそれらの混合物などの、不活性かつ非水性の極性溶媒内で行われる。Fmocベースのプロトコルについて、酸は脱保護用に一切使用されないが、塩基、好ましくはDIEA又はNMMは、通常、連結混合物へと組み込まれる。連結は、DMF、NMP、DMA又は混合溶媒、好ましくはDMFにおいて典型的になされる。単独、又はHOBt、Oアシル尿素、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(PyBop)、N−ヒドロキシスクシンイミド、他のN−ヒドロキシイミド、又はオキシムの存在下のいずれかで、代表的なカップリング剤は、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N,N’−ジイソプロピル−カルボジイミド(DIC)、又は他のカルボジイミドである。代替的に、保護アミノ酸活性エステル(例えばp−ニトロフェニル、ペンタフルオロフェニル、及び同種のもの)又は対称的な無水物類が使用され得る。好ましいカップリング剤は、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルアルミニウムヘキサフルオロホスファート(HBTU)、O−(7−アザベンゾトリアゾール(azabenzotraiazole)−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(HATU)、2−(6−クロロ−1H−ベンゾトリアゾール(benzotraiazole)−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルアルミニウムヘキサフルオロホスファート(HCTU)、及び同種のものなどのアルミニウム/ウロニウム(供給者によって使用される代替的な命名法)類のものである。
Fmoc−PAL−PEG−PS樹脂に対する取付けの好ましい方法は、DMF内の20%のピペリジンによる樹脂リンカーの脱保護によって達成され得、その後、5分間の最大75°の連結サイクルを有するマイクロ波関連のペプチドシンセサイザー内で、DMF内のHBTU:ジ−イソプロピルエチルアミン(DIEA)(1:2)を使用して、N−α−Fmoc−アミノ酸の約5倍モル超過したN−α−Fmoc保護アミノ酸の反応が続く。
マイクロ波関連のペプチドシンセサイザー内のこのFmocベースのプロトコルに関して、N−α−Fmocアミノ酸保護基は、二重脱保護プロトコルで30秒間、次に75°Cに設定された最高温度で3分間、0.1M 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)を含有しているDMF内の20%のピペラジンにより除去される。HOBtは、アスパルトイミド形成を減少させるために脱保護溶液に加えられる。その後、次のアミノ酸の連結は、5分間、最大75°Cの二重連結サイクルにより、HBTU:DIEA(1:2)を使用する、5倍モル超過を利用する。
固相合成の終わりに、十分に保護されたペプチドは、樹脂から取り除かれる。樹脂支持体に対する結合が、ベンジルエステル型であるとき、開裂は、約−10°Cと50°Cの間、好ましくは約25°Cの温度で、約12乃至24時間、好ましくは約18時間、アルキルアミドC末端を有するペプチド用のアルキルアミン又はフルオロアルキルアミンでのアミノリシスによって、又は非置換型アミドC末端を有するペプチド用のアンモニア/メタノール又はアンモニア/エタノールでのアンモノリシスによって影響を受け得る。ヒドロキシC末端を有するペプチドは、HF又は他の強く酸性の脱保護レジメン、又は鹸化によって開裂され得る。代替的に、ペプチドは、例えばメタノールでのエステル転移反応によって樹脂から取り除かれ得、その後アミノリシス又は鹸化が続く。保護ペプチドは、シリカゲル又は逆相HPLCによって精製され得る。
側鎖保護基は、約−10°から+10°Cの間、好ましくは約0°Cの温度で、約15分から2時間の間、好ましくは約1.5時間、アミノリシス生成物を、例えば、アニソール又は他のカルボニウムイオン・スカベンジャーの存在下で無水の液体フッ化水素で処理することによって、フッ化水素/ピリジン複合物での処理によって、トリス(トリフルオロアセチル)ホウ素とトリフルオロ酢酸での処理によって、炭素又はポリビニルピロリドン上の水素及びパラジウムによる減少によって、あるいは液体アンモニア中のナトリウム、好ましくは液体フッ化水素及びアニソールによる減少によって、ペプチドから取り除かれ得る。
ベンズヒドリルアミン型樹脂上のペプチドについては、樹脂開裂及び脱保護の工程は、上記のように液体フッ化水素及びアニソールを利用する単一様式で、又は好ましくはより軽度の開裂カクテルの使用を通じて組み合わせられ得る。例えば、PAL−PEG−PS樹脂について、好ましい方法は、毎回38°Cで18分間、TFA/水/トリ−イソ−プロピルシラン/3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール(DODT)(92.5/2.5/2.5/2.5)などの、当該技術分野で既知の軽度の開裂カクテルのうちの1つを使用する、マイクロ波関連のペプチドシンセサイザー中での二重脱保護プロトコルの使用によるものである。材料を含有しているアルキル配糖体の開裂は、9/1乃至19/1の範囲内のTFA/水比率を有するプロトコルを使用する、アルキルグリコシド結合の生存を示している。典型的なカクテルは94%のTFA:2%のEDT、2%のH2O、2%のTISである。典型的には、十分に脱保護された生成物は、冷たい(−70°C乃至4°C)ジエチルエーテルにより沈殿し洗浄され、脱イオン水に溶解され、凍結乾燥される。
ペプチド溶液は脱塩され得(例えば、BioRad AG−3(登録商標)陰イオン交換樹脂により)、ペプチドは、以下のタイプの何か又はすべてを使用する一連のクロマトグラフィーの工程によって精製される:酢酸塩形態の弱塩基性樹脂上のイオン交換、非誘導化co−ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)、例えばアンバーライト(登録商標)XAD上の疎水性吸着クロマトグラフィー、シリカゲル吸着クロマトグラフィー、カルボキシメチルセルロース上のイオン交換クロマトグラフィー、G−25上の分配クロマトグラフィー(例えば、セファデックス(登録商標))、向流分配、超臨界流体クロマトグラフィー、又はHPLC、特にオクチル−又はオクタデシルシリルシリカ(ODS)結合相カラム充填上の逆相HPLC。
また、本明細書に記載されている共有結合的に修飾された及び/又はタンパク質、及びその薬学的に許容可能な塩を調製するための工程も本明細書に提供され、その工程は、本明細書に記載されている共有結合的に修飾された及び/又はタンパク質の生理活性な切断ホモログ及びアナログを得るために、適切な樹脂支持体上で保護アミノ酸を連続して凝縮する工程、保護基及び樹脂支持体を除去する工程、及び生成物を精製する工程を含む。幾つかの実施形態において、本明細書に記載されている共有結合的に修飾された及び/又はタンパク質は、上に定義されるようにアルキル配糖体修飾を組み込む。別の態様は、本明細書に記載されている共有結合的に修飾された及び/又はタンパク質、及びその薬学的に許容可能な塩を調製するための工程に関し、その工程は、上に定義されているように、生理活性なペプチドのアナログを得るために、マイクロ波関連の固相合成ベースの工程又は、適切な樹脂支持体上で保護アミノ酸を連続して濃縮するための標準のペプチド合成プロトコルの使用、保護基及び樹脂支持体を除去する工程、及び生成物を精製する工程を含む。
<実施例3−3.ウロン酸の一般的な酸化法>
20mLのアセトニトリル中の1−ドデシルβ−D−グルコピラノシド(Carbosynth)[2.0g、5.74mmol]と20mLのDI水との溶液に、(ジアセトキシヨード)ベンゼン(Fluka)[4.4g、13.7mmol]及びTEMPO(SigmaAldrich)[0.180g、1.15mmol]が加えられた。結果として生じる混合物を室温で20時間撹拌した。1.52gの粗製生成物(粗収率73.1%)、さらなる精製をせずに固相合成に直接使用された白色粉体としての1−ドデシルβ−D−グルコロン酸を与えるために、反応混合物は水で希釈され、乾燥まで凍結乾燥された。この生成物は、酸化剤としてNaOClを使用する代替的な工程により以前に調製され、より長いアルキル基用に使用されている。類似した方法で、本明細書に記載されている生成物及び試薬作るために使用される所望のアルキル糖類ウロン酸が調製される。
類似の方法で、しかし対応する1−テトラデシル、1−ヘキサデシル、及び1−オクタデシルβ−D−グルコピラノシド(Anatrace、Maumee、OHから購入)を使用して、本明細書に記載されている生成物や試薬を作るために使用される、所望の1−アルキル糖類ウロン酸が調製された。
<実施例3−4:アナログEU−A387の調製>
Fmoc−His−Aib−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Bip−Ser−Lys−Tyr−Leu−Glu−Ser−Lys(Alloc)−Rinkアミド樹脂のサンプルは、実施例1に記載されているようにN−アルファ−Fmoc保護アミノ酸の連続付加によって調製され、室温の暗やみの中で一晩、DMF/CH2Cl2(1:1)内でPd(PPh3)4(0.5 eq)とDMBA(20eq)との培養によって、Lys−Nε−エプシロン位置上で脱保護された。DMF/CH2Cl2による洗浄に続き、Lys側鎖は、DIC/HOBtの使用を通じてDMF/CH2Cl2内で、1’−ドデシルβ−D−グルコロン酸(Carbosynth)によりアシル化された。連結の完成はニンヒドリンによって検査され、生成物はCH2Cl2により広範囲にわたり洗浄された。
生成物樹脂は、室温で240分間、開裂カクテル(94%のTFA:2%のEDT;2%のH2O;2%のTIS)による処置によって、樹脂からの最終的な脱保護及び開裂を受けた。生成物を沈殿させるために、その混合物はEt2Oにより処理され、真空内で乾燥させた後に粗製の表題ペプチド生成物をもたらすためにEt2Oにより広範囲に洗浄された。
精製は、逆相(C18)hplcによって2つのバッチで実行された。粗製のペプチドは、15mL/分の流量(15%の有機変性剤;酢酸バッファー)で4.1x25cm hplcカラムに充填され、50°Cで60分内に15乃至45%のバッファーBから勾配により溶出された。生成物画分は、分析的なhplc(18.6分;0.1%TFA中30乃至60%のCH3CN)/質量分析法(M+1ピーク=2382.14)によって98.03%の純度を有する表題の生成物ペプチドをもたらすために凍結乾燥された。
表題化合物の対応する1−メチル及び1−オクチルアナログは、同様の手法、しかし試薬1’−メチルβ−D−グルクロン酸及び1’−オクチルβ−D−グルコロン酸(Carbosynth)を使用して調製された。対応する1−デシル、1−ドデシル、1−テトラデシル、1−ヘキサデシル、1−オクタデシル、及び1−アイコシルアナログは、対応するグルコロン酸を使用して、上記のように調製された。代替的に、1−アルキルグルクロニル、又は他のウロン酸アシル化アナログは、所望のウロン酸試薬によるアシル化が後続する、脱保護された、もしくは部分的に脱保護されたペプチドの最初の精製によって調製され得る。
分析は、下記の表に与えられた溶離液勾配を使用して、陽イオンモードのHPLC/質量分析法によって行われた。
<実施例3−5:化合物の細胞アッセイ>
化合物は、およそ1mgの量で正確に量られ、標準の細胞アッセイ(Cerep SA)でアッセイされた。読み出された情報は、アゴニスト又はアンタゴニスト型のいずれかで、試験化合物により処理された細胞内で産生されたcAMPの量である。使用されるアッセイは、グルカゴン及びGLP−1細胞アッセイ中のcAMPレベルの刺激であった。アッセイはChicchi, G.G., et al. (1997) J Biol Chem 272: 7765−7769 and Runge, S., et al. (2003) Br J Pharmacol 138: 787−794.に記載されている。
化合物EU−A391に関しては、GLCR細胞応答は変化せず、GLP1R細胞応答は420nMのEC50により急速に上昇する。
<実施例36:化合物のインビボでのアッセイ>
60匹の食餌性肥満C57BL/6J雄のマウスは、年齢14週目でJAX研究所から受け取られた。マウスは、識別用に耳に刻み目があり、HEPA濾過空気で個々に積極的に換気されるポリカーボネート・ケージに1ケージ当たり1マウスの密度で収容される。動物飼育室は、制御された12時間の明/暗サイクルで、人工の蛍光照明により完全に照らされている。動物飼育室内の標準温度及び相対湿度範囲は、それぞれ22±4°C及び50±15%である。2.8乃至3.1のpHの濾過された水道水、及び高脂肪食(60kcal%)は適宜提供された。
2週間の環境順化に続き、40匹のマウスは所望の体重範囲に基づいて選択され、マウスは下記のように群(n=10)へ無作為化される。群1.ビヒクル処置;群2.低用量の試験化合物;群3.中用量の試験化合物;群4.高用量の試験化合物。マウスは、28日間SCによって毎日投薬される。体重及びケージ側観察は毎日記録される。食物及び水分摂取量は毎週記録される。マウスは、1日目(投与前)及び26日目に、全体の体脂肪及び脂肪の少ない化合物を測定するためにNMR測定を受ける。0、14及び27日目に、マウスは経口ブドウ糖負荷試験のために一晩絶食される。翌日、第1の血液サンプルは尾の切れ目(tail nick)から収集される(t=0)。その後、マウスは、1.0g/kgのグルコースのボーラスを投与される。グルコースと血漿グルコースがグルコミター(glucometer)を使用してすぐに測定された後、血液サンプルは5、30、60及び120分に尾の切れ目から得られる。
屠殺及び組織収集:マウスは29日目に屠殺される。末端の血液は血清/血漿に処理され、アリコートはグルコース、インスリン及び脂質特性の分析のために送られる。脂肪組織は分析のために収集され、量られ、冷凍される。最適な化合物特性は、OGTTにおけるグルコース可動域の減少、増強されたグルコース依存インスリン分泌による基礎インスリン分泌の減少、体重増加の減少を示すが、除脂肪量には最小の効果を示す。
<実施例37:化合物の使用>
本明細書に記載されている共有結合的に修飾された及び/又はタンパク質は、肥満症、メタボリック症候群、循環器疾患及び糖尿病に関係する様々な疾患の予防及び処置に役立つ。適切に標識化された界面活性物質修飾ペプチドは、診断プローブとして使用することができる。
代表的な送達レジメンは、経口、非経口、(皮下、筋肉内、及び静脈注入を含む)、直腸、バッカル(舌下を含む)、経皮、吸入、眼、及び鼻腔内を含む。ペプチドの送達のための魅力的かつ広く使用される方法は、徐放注入可能な製剤の皮下注入を要する。本明細書に記載されている共有結合的に修飾された及び/又はタンパク質の適用のための他の投与経路は、皮下、鼻腔内、及び吸入投与である。
<実施例3−8.インスリン抵抗性の処置のための薬学の使用>
インスリン又はメタボリック症候群の証拠のあるヒト患者は、0.5乃至10mg/mLの医薬品及びベンジルアルコールなどの標準の賦形剤を含有している生理食塩水内の、当該技術分野において使用される標準の噴霧器から鼻腔内投与(200μL)することによってEU−A596により処置される。肥満症、高血糖及びその他同種のものなどの症状の緩和に必要なだけ繰り返される。類似した手法で、ヒドロフルオロアルカンなどを含む蒸発溶剤内のEU−A596の溶液及び選択された賦形剤は、インスリン抵抗性を減少させるために必要とされる定量吸入器(MDI)によって鼻腔内に投与される。処置の効果は、血糖レベル、体容量指数、及び/又は体重の測定及び/又はウエスト・ヒップ比の測定を含む標準試験を使用して測定される。
類似した方法で、トランスバッカル、膣内、吸入、皮下、静脈内、眼内、又は経口経路による調整量の投与は、身体中の細胞上のGLP1R及び/又はGLCRの刺激のレベルを測定するため、及び治療効果を測定するために検査される。
<配列>
図1−1乃至図1−7内での表1は、本明細書に記載されている方法によって調製された化合物を表わす。明細書はSEQ.ID.Nos.1及び149乃至169に関する配列を提供する。追加的に、図1−1乃至図1−7の表1は、図1−1乃至図1−7の表1に示されるように、それぞれSEQ.ID.Nos.2乃至148とSEQ.ID.NO.645を有する、化合物EU−A101乃至EU−A199とEU−A600乃至EU−A649に関するSEQ.ID番号を提供する。図1−1乃至図1−7の表1内の化合物、及び図1−1乃至図1−7の表1に示されるそれらのそれぞれのSEQ.ID.番号は、出願された明細書へとこれによって組み入れられる。
図2−1乃至図2−4内での表2は、本明細書に記載されている方法によって調製された化合物を表わす。明細書はSEQ.ID.Nos.170乃至174及び283乃至302に関する配列を提供する。追加的に、図2−1乃至図2−4の表2は、図2−1乃至図2−4の表2に示されるようにSEQ.ID.Nos.175乃至282を有する、化合物EU−201乃至EU−299及びEU−900乃至EU−908に関するSEQ.ID番号を提供する。図2−1乃至図2−4の表2内の化合物、及び図2−1乃至図2−4の表2に示されるそれらのそれぞれのSEQ.ID.番号は、出願された明細書へとこれにより組み入れられる。
図8−1乃至図8−5内での表3は、本明細書に記載されている方法によって調製された化合物を表わす。明細書はSEQ.ID.Nos.303乃至305及びSEQ.ID.Nos.619乃至644に関する配列を提供する。追加的に、図8−1乃至図8−5の表3は、図8−1乃至図8−5の表3に示されるように、それぞれSEQ.ID.Nos.306乃至431を有する、化合物EU−A300乃至EU−A425に関するSEQ.ID番号を提供する。図8−1乃至図8−5の表3内の化合物、及び図8−1乃至図8−5の表3に示されるそれらのそれぞれのSEQ.ID.番号は、出願された明細書へこれにより組み入れられる。
図9−1乃至図9−7内での表4は、本明細書に記載されている方法によって調製された化合物を表わす。明細書はSEQ.ID.Nos.303乃至305及びSEQ.ID.Nos.619乃至644に関する配列を提供する。追加的に、図9−1乃至図9−7の表4は、図9−1乃至図9−7の表4に示されるように、それぞれSEQ.ID.Nos.432乃至520を有する、化合物EU−A426乃至EU−599に関するSEQ.ID番号を提供する。図9−1乃至図9−7の表4内の化合物、及び図9−1乃至図9−7の表4に示されるそれらのそれぞれのSEQ.ID.番号は、出願された明細書へこれにより組み入れられる。