JP2019195965A - ヒンジ付きデータページ及び冊子類 - Google Patents

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昌彦 藏野
Masahiko Kurano
昌彦 藏野
吉田 崇
Takashi Yoshida
崇 吉田
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Abstract

【課題】ヒンジ部の網目のほころび又は穴の箇所からの破れによりデータページからはずれるおそれがなく、データページ部とヒンジ部の結合強度を高くすることができるヒンジ付きデータページを提供する。【解決手段】複数の第一の熱可塑性樹脂層3を積層して成る情報部2と、情報部に隣接、かつ、情報部の上層の一部に第二の熱可塑性樹脂層6を積層して成連結部を有するデータページ部1と、データページ部に隣接するヒンジ部5を有し、ヒンジ部は、データページ部に隣接、かつ、連結部から突出した情報部の下層から成る突出部7に積層された第二の熱可塑性樹脂層から成り、ヒンジ部と連結部は、第二の熱可塑性樹脂層を介して一体化されていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、ヒンジ付きデータページとパスポートに関する。
国際交流の進展によって人材の移動が活発化している。それに伴って、個人を特定し身元を証明するためのパスポートの必要性が高まっている。
個人を特定する手段としては、IDカードを使用するケースが多くあり、IDカードと類似する仕様をパスポートに付与するために、パスポートの所持人情報を記載したデータページをプラスチック基材とする国が多くなっている。パスポートにプラスチック基材のデータページを綴じる手段として、可とう性を有し、綴じた後は引裂けにくいヒンジを介してプラスチック基材のデータページをパスポートに保持させている。
その一例として、網状の構造のヒンジ部をデータページの上面又は下面に隣接する近傍部において、データページの中に侵入するように配置されていることを特徴とするヒンジ付きデータページが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、データシートをセキュリティドキュメントに取り付けるため、可とう性で曲げ抵抗があるヒンジ部を有し、ヒンジ部が、データページ部の少なくとも2つのシートの間のプラスチック材料内に突き出していることを特徴とするヒンジ付きデータページが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特許第4990906号公報 特許第5367945号公報
しかしながら、特許文献1の技術は、ヒンジ部が網状の織物による構成又はヒンジ部に均一な膜に所望の穴を有する構造であり、当該ヒンジ部を介してデータページを一体化させた構成であるため、ヒンジ部の網目のほころび又は穴の箇所からの破れによりデータページからはずれるおそれがある。そのため、結合強度に問題があった。
また、特許文献2の技術は、一つのヒンジ部によりデータページを結合しているため、当該結合箇所のはがれによるデータページ部とヒンジ部との結合強度において問題があった。
本発明は、前述した問題の解決を目的としたものであり、データページ部を形成する最下層に樹脂層を積層することによってヒンジ部を多層化し、ヒンジ部の網目のほころび又は穴の箇所からの破れによりデータページからはずれるおそれがなく、データページ部とヒンジ部の結合強度を高くすることができるヒンジ付きデータページを提供する。
本発明は、複数の第一の熱可塑性樹脂層を積層して成る情報部と、情報部に隣接、かつ、情報部の上層の一部に第二の熱可塑性樹脂層を積層して成連結部を有するデータページ部と、データページ部に隣接するヒンジ部を有し、ヒンジ部は、データページ部に隣接、かつ、連結部から突出した情報部の下層から成る突出部に積層された第二の熱可塑性樹脂層から成り、ヒンジ部と連結部は、第二の熱可塑性樹脂層を介して一体化されていることを特徴とするヒンジ付きデータページである。
本発明は、ヒンジ部が凹凸模様を有することを特徴とするヒンジ付きデータページである。
本発明は、ヒンジ付きデータページを使用する冊子類において、ヒンジ部を、少なくとも表紙又は裏表紙にミシン綴又は/及び接着して成ることを特徴とする冊子類である。
本発明は、データページ部を形成する最下層に樹脂層を積層することによって、ヒンジ部を多層化し、ヒンジ部の網目のほころび又は穴の箇所からの破れによりデータページからはずれるおそれがなく、データページ部とヒンジ部の結合強度を高くすることができる。
本発明は、多層化したヒンジ部を有するデータページにおいて、連結部以外のヒンジ部と表紙又は裏表紙にミシン綴又は/及び接着することによって、ヒンジ部とデータページ部との接合強度の高い冊子類を得ることができる。
本発明のヒンジ付きデータページ(A1)の一例図。 本発明のヒンジ付きデータページ(A1)の積層例を示す一例図。 ヒンジ部に模様を形成した一例図 ヒンジ部に模様を形成した一例図 ヒンジ部に模様を形成した一例図 本発明の冊子類の一例図。 引張り試験の一例図 ヒンジ部に模様を形成した一例図
(第一の実施形態)
本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は、以下に述べる実施するための形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他のいろいろな実施の形態が含まれる。
(ヒンジ付きデータページ)
図1に、第一の実施の形態における冊子綴じ部を有するヒンジ付きデータページ(A1)を示す。図1(a)は、ヒンジ付きデータページ(A1)の平面図であり、ヒンジ付きデータページ(A1)は、情報部(2)と隣接する連結部(4)とから成るデータページ部(1)と、連結部(4)に接続されたヒンジ部(5)から成る。
詳細には、ヒンジ付きデータページ(A1)は、図1(a)のAA´断面図である図1(b)に示すように、複数の第一の熱可塑性樹脂層(3)を積層して成る情報部(2)と、情報部(2)に隣接し、情報部(2)を形成する第一の熱可塑性樹脂層(3)の上層(3a)の一部に第二の熱可塑性樹脂層(6)を積層した連結部(4)から成るデータページ部(1)を有する。さらに、データページ部(1)は、隣接、かつ、連結部(4)から突出した情報部(2)の下層(3c)から成る突出部(7)に隣接し、連結部(4)に隣接、かつ、突出部(7)に第二の熱可塑性樹脂層(6)を積層して成るヒンジ部(5)を有し、ヒンジ部(5)と連結部(4)は、第二の熱可塑性樹脂層(6)を介して一体化されている。
図1のヒンジ付きデータページ(A1)は、図2(a)に示す構成の材料に対して、図2(b)に示す成型プレス方式を用いて熱圧着することで得られる。詳細には、図2(b)に示すとおり、第一の熱可塑性樹脂層(3)を形成する複数の第一の熱可塑性樹脂層(3a、3b、3c)及びヒンジ部(5)を形成する第二の熱可塑性樹脂層(6)を配置し、プレス方式の図示する形状のプレス板(12)を使用することで構成することができる。
ヒンジ付きデータページ(A1)の作製は、第一の熱可塑性樹脂層(3)を形成する第一の熱可塑性樹脂層(3a、3b、3c)とヒンジ部(5)の第二の熱可塑性樹脂層(6)を熱溶着により形成される。作製方法は、特に限定されず公知の熱成型機、熱圧着機、超音波加工機等を使用し、ポリカーボネート(PC)、ポリビニル塩化物(PVC)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)を溶解温度まで過熱して溶融し、第一の熱可塑性樹脂層(3a、3b、3c)とヒンジ部(5)の第二の熱可塑性樹脂層(6)を一体化する。
(情報部)
情報部(2)は、複数の第一の熱可塑性樹脂層(3a、3b、3c)を積層した第一の熱可塑性樹脂層(3)から成る構成であり、本実施形態では、三種類の第一の熱可塑性樹脂層(3a、3b、3c)により第一の熱可塑性樹脂層(3)を形成した例としているが、更に、複数の熱可塑性樹脂シートで形成してもよい。第一の熱可塑性樹脂層(3a、3b、3c)の例としては、ICシート、レーザ発色シート、保護シート、コアシート、印刷シートやOVDシート(光学変化素子層)等の公知の熱可塑性樹脂シートを使用することができる。
情報部(2)を形成する第一の熱可塑性樹脂層(3a、3b、3c)の材料としては、ポリカーボネート(PC)又はポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリビニル塩化物(PVC)、アクリロニトリル−ブタジェン−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)等の公知の熱可塑性樹脂シートを使用することができる。情報部(2)を形成する第一の熱可塑性樹脂層(3a、3b、3c)は、多層構造でもよく、両面が同系列の材質、好ましくは両面とも同じ材質であり、同系列の材料を2層、3層など複数層で形成してもよい。
(連結部)
連結部(4)は、情報部(2)に隣接、かつ、情報部(2)の上層(3a)の一部に第二の熱可塑性樹脂層(6)を積層して成る。
連結部(4)の長さは、パスポートの標準規格(「Doc9303 Machine Readable Travel Documents Seventh Edition、2015 Part4、以下、「ICAO Doc9303」という。)において、情報部(1)の短編方向長さは、88mmと定められていることから、情報部(1)に付与される情報に影響がないように配慮する必要がある。したがって、情報部(2)との接着面積と結合強度を満足する値として、3〜10mm程度が望ましい。
連結部(5)の厚さは、0.90mmを超えていてもよい。パスポートの標準規格「ICAO Doc9303」において、後述するデータページ部(1)における情報部(2)厚さは、最大0.90mmと定められている。標準規格(「ICAO Doc9303」)によって最大を0.90mmと定めている目的は、データページの外端部のMachine Readable Zone(以下、「MRZ」という。)と呼ばれる領域である情報部(2)に記載のOCR文字を読み取るために、間隙を通してスキャニングするスワイプリーダーに対応するためであり、連結部(5)の厚さが、0.90mmを超えていてもMRZが0.90mm以下であれば、スワイプリーダーによるスキャニングが可能であるからである。
連結部(4)を形成する第二の熱可塑性樹脂層(6)は、後述するヒンジ部(5)を形成する材料と同じである。第二の熱可塑性樹脂層(6)を形成する材料としては、ポリカーボネート(PC)又はポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリビニル塩化物(PVC)、アクリロニトリルーブタジェンースチレン共重合樹脂(ABS樹脂)等の公知の熱可塑性樹脂シート若しくは、熱可塑性エラストマーを使用することができる。連結部(4)を形成する第二の熱可塑性樹脂層(6)は、多層構造でもよく、両面が同系列の材質、好ましくは両面とも同じ材質であり、同系列の材料を2層、3層など複数層で形成してもよい。
(突出部)
突出部(7)は、データページ部(1)に隣接、かつ、連結部(4)から突出した情報部(2)の下層(3c)から成り、後述するヒンジ部(5)を積層するための下層を形成する。
本実施形態の突出部(7)は、第一の熱可塑性樹脂層(3a、3b、3c)の最下層(3c)の1シートのみ連結部(4)から突出して形成しているが、最下層(3c)が複数のシートにより形成されている場合は、複数のシートを連結部(4)から突出して形成してもよい。突出部(7)の長さは、糸綴じ又は接着により組み付けて後述するパスポート(A3)の作業性を考慮した場合に、10mm以上30mm以下であることが望ましい。なお、突出部(5)の厚さは、第一の熱可塑性樹脂層(3a、3b、3c)を形成する最下層(3c)の厚さにより適宜設定の範囲である。
(ヒンジ部)
ヒンジ部(5)は、連結部(4)に隣接し、かつ、突出部(7)に前述の第二の熱可塑性樹脂層(6)を積層して成り、ヒンジ部(5)と連結部(4)は、第二の熱可塑性樹脂層(6)を介して一体化されている。冊子類に縫い合わせるヒンジとしては、データページ部(1)と一体化した強固なものである必要がある一方で、可とう性及びパスポートとして縫い合わせた後の引張り強度や引裂き強度も必要である。そのため、第二の熱可塑性樹脂層(6)は、柔軟かつ引裂きに強い樹脂を用い、ヒンジとしての強度を確保する必要がある。
ヒンジ部(5)の厚さは、前述した突出部(7)の厚さを含めて、耐久性及び糸綴じ又は接着による作業性を考慮して、50μm以上200μm以下であることが望ましい。ヒンジ部(5)の長さは、突出部(7)と同じである。
また、ヒンジ部(5)は、文字、図形、凹凸等の公知の印刷、レーザ、エンボス又は超音波加工等による意匠性を有する模様を形成することが可能であり、更には、光学的変化インキ、蛍光インキ又は光学的吸収インキ等の機能性材料による公知の偽造防止技術を付与することができる。
本発明は、ヒンジ部(5)を第一の熱可塑性樹脂層(3a、3b、3c)の最下層(3c)に積層し、多層化することで、データページ部(1)とヒンジ部(5)の結合強度を高くすることができる。
(第二の実施形態)
次に、図3に示す第二の実施形態におけるヒンジ付きデータページ(A2)について説明する。第二の実施形態におけるヒンジ付きデータページ(A2)は、ヒンジ部(5)に凹凸模様(8)を形成した構造であり、第一の実施形態と異なる点について説明する。
凹凸模様(8)は、ヒンジ部(5)の厚さを部分的に変化させることが可能であり、それによって部分的に強度の強い部分を作ることで、引裂き強度を向上させることが可能となる。
凹凸模様(8)は、ヒンジ部(5)全面又は部分的に形成してもよいが、作業性及び引裂き強度を考慮した場合には、全面に入れる方が好ましい。凹凸模様(8)の高さは、特に制限するものではないが、第二の熱可塑性樹脂層(6)の厚みを超えない方が望ましい。
凹凸模様(8)の形成方法としては、プレス時のプレス板(12)に凹凸模様をあらかじめ形成し、プレスによって転写する形や、プレス形成後にレーザや刃物によって削る形も可能である。
凹凸模様(8)の形状は、図4に示す円形状、図5に示す星形状等の幾何学模様を組み合わせたものや記号を並べたものなど、意匠性を付加した形状も可能である。
(パスポート)
次に、ヒンジ付きデータページ(A1)に使用した冊子類について説明する。なお、本例を示す図6は、図1のヒンジ付きデータページ(A1)のヒンジ部(5)を糸綴じて形成したパスポート(A3)の一例図である。図6(a)に示すように、パスポート(A3)は、ヒンジ付きデータページ(A1)と各ページ(13)により形成され、図6(b)のAA´断面図に示すように、ヒンジ付きデータページ(A1)は、各ページ(13)と表紙(9)又は表紙(9)に貼り付けられる見返し紙(14)とが、ヒンジ部(5)を糸(15)によって縫い合わされることで構成されている。また、パスポートではなく、通帳類などの冊子類に使用してもよい。
本実施形態では、ヒンジ部(5)を、表紙(9)又は見返し紙(14)にミシン綴により糸綴じしてパスポート(A3)を形成しているが、接着剤又は熱圧着によりヒンジ部(5)と一体化しても良い。
本発明の実施例について、前述の実施の形態と同様に、図1、図2、図6を用いて説明をする。なお、本発明の内容は、これらの実施例の範囲に限定されるものではない。
本実施例は、図1に示す第一の熱可塑性樹脂層(3a、3b、3c)にポリカーボネートを使用し、ヒンジ部(5)を形成する第二の熱可塑性樹脂層(6)に熱可塑性エラストマーを使用して作製した水準1である。
(水準1)
第一の熱可塑性樹脂層(3a、3b、3c)を構成する上層(3a)には、ポリカーボネート(PC:商品名「ST−2000M1S」、厚さ0.1mm、寸法100mm×300mm:三菱ガス化学社製)を使用した。
中層(3b)には、ポリカーボネート(PC:商品名「SW−2000M1S」、厚さ0.1mm、寸法100mm×300mm:三菱ガス化学社製)とポリカーボネート(PC:商品名「SW−2000M1S」、厚さ0.4mm、寸法100mm×300mm:三菱ガス化学社製)を使用した。
下層(3c)には、ポリカーボネート(PC:商品名「ST−2000M1S」、厚さ0.1mm、寸法110mm×300mm:三菱ガス化学社製)を使用し、突出部(7)の長さを10mmとした。
第二の熱可塑性樹脂(6)には、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPC:商品名「ハイトレル4001T−X04」、厚さ0.05mm、寸法20mm(縦)×300mm(横):日本マタイ社製)を使用し、連結部(4)の長さを10mm、ヒンジ部(5)を形成する部分の長さを突出部(7)同様に10mmとした。
上層(3a)、中層(3b)、下層(3c)を積層し、超音波溶着機で仮止めし、ヒンジ部(5)及び連結部(4)に第二の熱可塑性樹脂(6)を積層して仮止めした。二枚のプレス板(12)であるSUS板に挟んだ後、SD型成形プレス機(株式会社ダンベル社製「SDOP−1042−2HC−AT−WC1V−PG3」)を使用し、175℃まで加熱後、120秒間保持し、7.0MPaの機械設定で熱圧着を行い、熱溶着後55℃まで冷却した後、取り出すことによって、ヒンジ付きデータページ(A1)を作製した。
(水準2)
同様に、水準2として上層(3a)には、ポリカーボネート(PC:商品名「I−1068」、厚さ0.1mm、寸法100mm×300mm:太平化学製品社製)を使用した。なお、連結部(4)とヒンジ部(5)の長さは、水準1と同様にした。
中層(3b)には、ポリカーボネート(PC:商品名「I−1048W」、厚さ0.1mm、寸法100mm×300mm:太平化学製品社製)、ポリカーボネート(PC:商品名「I−1048W」、厚さ0.1mm、寸法110mm×300mm:太平化学製品社製)及びポリカーボネート(PC:商品名「I−1028W」、厚さ0.4mm、寸法100mm×300mm:太平化学製品社製)を使用した。
オーバー層(3c)には、ポリカーボネート(PC:商品名「I−1068」、厚さ0.1mm、寸法110mm×300mm:太平化学製品社製)を使用した。
第二の熱可塑性樹脂(6)には、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPC:商品名「ハイトレル2551」)とポリカーボネートを、ポリエステル系熱可塑性エラストマー:ポリカーボネート=80:20の比率で混合して成型したシート(厚さ0.1mm、寸法20mm(縦)×300mm(横):太平化学製品社製)を使用した。
上層(3a)、中層(3b)、下層(3c)を積層し、超音波溶着機で仮止めし、ヒンジ部(5)及び連結部(4)に第二の熱可塑性樹脂(6)を積層して仮止めした。二枚のプレス板(12)であるSUS板に挟んだ後、SD型成形プレス機(株式会社ダンベル社製「SDOP−1042−2HC−AT−WC1V−PG3」)を使用し、160℃まで加熱後、120秒間保持し、7.0MPaの機械設定で熱圧着を行い、熱溶着後55℃まで冷却した後、取り出すことによって、ヒンジ付きプラスチックシート(A2)を作製した。
次に、水準1と水準2により作製したヒンジ付きデータページ(A1)に対して、各ページ(13)及び見返し(14)で挟み込み、ミシン(JUKI株式会社製「DDL−9000B−SH」)によりヒンジ部(5)を糸(15)によって縫い合わせた後、見返し(14)と表紙(9)を糊付けしてパスポート(A3)を作製した。
(評価)
次に、本実施例のパスポート(A3)におけるヒンジの引張り強度が、「ICAO Doc9303」に定める60Nで引張り試験に耐えうるか、評価した。引張り強度は、テンシロン万能試験機(株式会社オリエンテック製「RTC−1310A」)を用いて測定した。
具体的には、図7に示すように、パスポート(A3)のデータページ部(1)を残し、糸綴じした線(10)に沿って折曲げて、データページ部(1)、表紙(9)及び各ページ(13)をそれぞれテンシロン万能試験機のクランプ(11)ではさみ、テンシロン万能試験機で引張ることとした。
次に、ヒンジ部(5)が、テンシロン万能試験機で引裂けるまで引張り、水準1と水準2のヒンジ部(5)の最大の引裂き強度(単位:ニュートン(N))を測定した。水準1では275N、水準2では268Nの引張り強度であり、下表1に示すように、「ICAO Doc9303」に定める60Nで引張り試験に対し、十分な強度を有することが確認できた。
Figure 2019195965
○:基準値(60N)以上
1 データページ部
2 情報部
3 第一の熱可塑性樹脂層
3a、3b、3c、3d、3e、3f
4 連結部
5 ヒンジ部
6 第二の熱可塑性樹脂層
7 突出部
8 凹凸模様
9 表紙
10 糸綴じした線
11 クランプ
12 プレス板
13 ページ
14 見返し
15 糸
A1、A2 ヒンジ付きデータページ
A3 パスポート

Claims (3)

  1. 複数の第一の熱可塑性樹脂層を積層して成る情報部と、
    前記情報部に隣接、かつ、前記情報部の上層の一部に第二の熱可塑性樹脂層を積層して成連結部を有するデータページ部と、
    前記データページ部に隣接するヒンジ部を有し、
    前記ヒンジ部は、前記データページ部に隣接、かつ、前記連結部から突出した前記情報部の下層から成る突出部に積層された前記第二の熱可塑性樹脂層から成り、
    前記ヒンジ部と前記連結部は、前記第二の熱可塑性樹脂層を介して一体化されていることを特徴とするヒンジ付きデータページ。
  2. 前記ヒンジ部は、凹凸模様を有することを特徴とする請求項1記載のヒンジ付きデータページ。
  3. 請求項1又は請求項2記載のヒンジ付きデータページを使用する冊子類において、前記ヒンジ部を、少なくとも表紙、又は裏表紙にミシン綴又は/及び接着して成ることを特徴とする冊子類。
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