JP2019194506A - 制御装置、熱源システム - Google Patents

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Abstract

【課題】運転台数を増減させる演算を簡略化することができるとともに、運転台数が変更された際に運転効率が低下することを抑制できる制御装置、熱源システムを提供する。【解決手段】実施形態の熱源システム1に設けられているポンプコントローラ18(制御装置)は、二次ポンプ16(ポンプ)の運転台数(n)および運転周波数(f)と、定格周波数(F)および定格周波数(F)において運転効率が最大となる流量(Q)とから運転効率が最大になる目標流量(q)を求め、負荷装置3側に流れる負荷側流量(Ql)と目標流量(q)との比率(rq)が予め設定されている増台比率(rup)を超えると二次ポンプ16の運転台数を1台増やす一方、比率(rq)が予め設定されている減台比率(rdn)を下回ると二次ポンプ16の運転台数を1台減らす処理を実行する台数演算部23を備える。【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、並列接続された複数のポンプによって熱搬送流体を送水する方式の熱源システムにおいてポンプの運転台数を制御する制御装置、およびその制御装置を備える熱源システムに関する。
従来、熱源機と負荷装置との間に並列接続された複数台のポンプが設けられているポンプ方式の熱源システムが知られている。このような熱源システムでは、消費電力の削減等を目的として、同時に運転するポンプの運転台数を制御することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
特開2014−145493号公報
しかしながら、従来の手法では、各ポンプについて流量と圧力との関係や流量と運転効率との関係等の特性データを設定し、それらに基づいて複雑な演算をする必要があることに加えて、運転台数毎に増加させる条件や減少させる条件が設定されていることから、吐出圧力の設定が変更されたなどの運転条件が変化した場合に運転効率が低下するおそれがある。
そこで、運転台数を増減させる演算を簡略化することができるとともに、運転台数が変更された際に運転効率が低下することを抑制できる制御装置、熱源システムを提供する。
実施形態の制御装置は、ポンプの運転台数(n)および運転周波数(f)と、ポンプの既知の定格周波数(F)および定格周波数(F)において運転効率が最大となる既知の流量(Q)とから、運転周波数(f)において運転効率が最大になる目標流量(q=n・Q・(f/F))を求め、負荷装置側に流れる負荷側流量(Ql)と目標流量(q)との比率(rq)が予め設定されている増台比率(rup)を超えるとポンプの運転台数を1台増やす一方、比率(rq)が予め設定されている減台比率(rdn)を下回るとポンプの運転台数を1台減らす処理を実行する台数演算部を備える。
実施形態における熱源システムの構成を模式的に示す図 送水側ヘッダの構成を模式的に示す図 二次ポンプの効率と流量との関係を模式的に示す図 二次ポンプを制御する処理の流れを示す図 二次ポンプの運転台数を増減させる際の条件の一例を示す図
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、熱源システム1は、熱源機2、負荷装置3、熱源機2と負荷装置3との間で水を循環させるための送水管4および還水管5、送水管4と環水管との間を負荷装置3と並列に接続するフリーバイパス管6、送水管4において熱源機2側と負荷装置3側との間に設けられている送水側ヘッダ7、還水管5において熱源機2側と負荷装置3側との間に設けられている還水側ヘッダ8、還水管5を流れる水に圧力を加えるための膨張タンク9等が設けられている。また、熱源システム1は、各熱源機2に設けられる一次ポンプ11と、送水側ヘッダ7に複数設けられる二次ポンプ16とによって水を循環させるように構成された複式ポンプ式の熱源システムとなっている。
このような熱源システム1は、熱源機2によって所定の温度に調整した水を、送水管4を介して例えばビルを空調する空調装置や工場に設置される洗浄装置や乾燥装置などの様々な負荷装置3側に送るとともに、負荷装置3側からの水が還水管5を通って熱源機2側に環流する構成となっている。なお、図1では、水が流れる向きを便宜的に白抜きの矢印を用いて示している。
熱源機2は、要求される仕様に基づいて、また、故障した際にバックアップが可能となるように、例えば2台から十数台程度の複数台が設置されている。各熱源機2は、熱交換器10、一次ポンプ11、熱源機2を個別に制御するユニットコントローラ12等を備えている。
熱交換器10は、本実施形態では各熱源機2に複数個が設けられており、例えば水と冷媒との間で熱交換を行う。なお、熱交換器10としては、いわゆる温水を生成可能なもの、いわゆる冷水を生成可能なもの、温水および冷水のいずれも生成可能なものを目的に応じて適宜採用することができる。
一次ポンプ11は、図示しないインバータによって制御されるものであり、熱交換器10の入口側において還水管5と熱交換器10との間に設けられている。この一次ポンプ11は、還水管5を流れる水を所定の圧力に調整した後に熱交換器10に送っている。これにより、熱交換器10に一定の圧力で水が送られるようになり、熱交換器10において適切な熱交換を行うことが可能になる。
ユニットコントローラ12は、熱源機2を個別に制御するものであり、熱交換器10内を流れる水の流量の制御等を行っている。このユニットコントローラ12は、熱源システム1全体を制御するモジュールコントローラ13に接続されている。
モジュールコントローラ13は、本実施形態では複数台設置されている熱源機2のうちの1台に内蔵されており、熱源システム1を制御するための制御指令を各熱源機2に出力するとともに、各熱源機2の運転状態を取得する。また、モジュールコントローラ13は、送水側ヘッダ7および負荷装置3にも接続されており、二次ポンプ16の駆動状態や負荷装置3の運転状態を取得可能になっている。以下、このモジュールコントローラ13を内蔵した熱源機2を便宜的に代表機とも称する。
フリーバイパス管6は、弁体が設けられていない配管部材であり、白抜きの矢印にて示すように、送水管4を流れる水の圧力が還水管5を流れる水の圧力よりも高ければ送水管4から還水管5に向かって水が流れる一方、送水管4を流れる水の圧力が還水管5を流れる水の圧力よりも低ければ還水管5から送水管4に向かって水が流れる構成となっている。
送水側ヘッダ7は、熱源機2側に位置する上流側ヘッダ14、負荷装置3側に位置する下流側ヘッダ15、上流側ヘッダ14と下流側ヘッダ15の間に設けられている1台以上の二次ポンプ16、過剰な水を上流側ヘッダ14に環流させる圧力逃がし弁17、二次ポンプ16を制御するポンプコントローラ18、下流側ヘッダ15から負荷装置3側に送られる水の量を検出する流量計19等を備えている。以下、下流側ヘッダ15から負荷装置3側に送られて流量計19によって検出される水の量を負荷側流量と称する。
この熱源機2側と負荷装置3側とにそれぞれポンプを備える構成は、複式ポンプ方式と呼ばれている。なお、複式ポンプ方式の作動は周知であるので詳細な説明は省略するが、熱源機2側から送られた水が上流側ヘッダ14に貯留し、その上流側ヘッダ14に貯留している水を二次ポンプ16で負荷装置3側に送り、負荷装置3を通った水が還水側ヘッダ8を介して熱源機2に環流する。
二次ポンプ16は、図2に示すように、送水側ヘッダ7に複数台、本実施形態では4台設けられている。各二次ポンプ16にはそれぞれインバータ20が設けられており、ポンプコントローラ18がインバータ20を制御することによって、二次ポンプ16を設定された運転周波数で運転させている。このとき、同時に運転される二次ポンプ16は、いずれも同じ運転周波数が設定されている。
ポンプコントローラ18は、図示しないマイクロコンピュータ、記憶部21、周波数演算部22、および台数演算部23等を備えており、インバータ20を制御する処理や、流量計19から取得した負荷側流量に基づく制御等を実行する。なお、本実施形態では、周波数演算部22および台数演算部23は、マイクロコンピュータで実行されるプログラムによってソフトウェアで実現されている。このポンプコントローラ18は、制御装置に相当する。
記憶部21は、例えば半導体メモリ等により構成されており、マイクロコンピュータで実行するプログラム、周波数演算部22や台数演算部23で利用する各種のデータ、後述する二次ポンプ16の運転台数を増減させる際の条件(図5参照)などの記憶している。周波数演算部22は、二次ポンプ16の運転周波数を演算する処理を実行する。台数演算部23は、詳細は後述するが、同時に運転する二次ポンプ16の運転台数を演算する処理を実行する。
次に、上記した構成の作用について説明する。
まず、二次ポンプ16の流量と運転効率との関係について説明する。二次ポンプ16は、図3にグラフ(G)にて示すように、運転効率が流量によって変化するとともに、運転効率が最大となる流量が存在するという特性を有している。なお、このような二次ポンプ16の特性は、二次ポンプ16を定格周波数で運転した時の流量と運転効率との関係が、一般的に二次ポンプ16の仕様書等によって提供される。
このグラフ(G)から、流量がq0[L/min](リットル毎分)であるときに、二次ポンプ16の運転効率が最大(E0[%])になることが分かる。そして、一般的なポンプの場合、運転周波数と運転効率が最大となる流量との比が一定値になることが知られている。換言すると、二次ポンプ16は、定格周波数をF、定格周波数で運転する際に運転効率が最大となる流量をQ、実際の二次ポンプ16の運転周波数をf0、その際に運転効率が最大となる流量をq0とすると、F/Q=f0/q0の関係になっている。
そのため、ある運転周波数(f0)で二次ポンプ16を運転している場合に運転効率が最大となる流量(q0)は、定格周波数(F)と最大効率となる流量(Q)とが既知であることから、q0=(f0/F)・Q[L/min]として求めることができる。
ただし、この流量(q0)は1台の二次ポンプ16についての値である。そのため、複数台の二次ポンプ16を同時に運転している場合には、運転台数をn台とすると、各二次ポンプ16から送り出される水の総流量は、運転周波数が同じであれば、n・q0[L/min]になる。なお、二次ポンプ16の設置台数をN台とすると、1≦n≦Nとなる。
そして、二次ポンプ16から送り出される水の量は、流量計19によって負荷装置3側に流れる負荷側流量(Ql)として検出されることから、負荷側流量(Ql)が求めた総流量(n・q0)に近い値であれば、各二次ポンプ16が最大効率もしくは最大効率に近い状態で運転されていると考えることができる。以下、各二次ポンプ16を最大効率もしくは最大効率に近い状態で運転可能な範囲を、最適な範囲とも称する。逆に、負荷側流量(Ql)が総流量から遠い値になるほど、二次ポンプ16が最大効率もしくは最大効率に近い状態から外れて、運転効率が低下していると考えることができる。
このように、現在の運転周波数(f)における各二次ポンプ16が最大効率もしくは最大効率に近い状態での総水量を取得できれば、従来のような複雑な演算をしなくても、負荷側流量(Ql)に基づいて二次ポンプ16が効率的に運転されているか否かを判定することが可能である。この総水量は、各二次ポンプ16を最大効率で運転するための言わば目標値となるものであり、目標流量(q)に相当する。
そこで、制御装置は、図4に示す台数演算処理を実行することにより、二次ポンプ16の運転周波数(f)と負荷側流量(Ql)とに基づいて効率的な運転が可能な二次ポンプ16の運転台数を演算している。この演算は台数演算部23によって行われるものであるが、以下では説明の簡略化のために、制御装置を主体として説明する。なお、台数演算処理は二次ポンプ16の運転台数を増減させるための専用の処理であり、台数が増減した後の運転周波数の制御は、周波数演算部22において別途行われる。
具体的には、制御装置は、台数演算処理において、現在の二次ポンプ16の運転台数(n)を取得し(S1)、現在の二次ポンプ16の運転周波数(f)を取得し(S2)、現在の負荷側流量(Ql)を取得する(S3)。このうち、運転台数(n)および運転周波数(f)は周波数演算部22から取得でき、負荷側流量(Ql)は流量計19から取得できる。なお、ステップS1〜S3については、その実行順序は順不同である。
続いて、制御装置は、二次ポンプ16の運転台数(n)と運転周波数(f)とから、上記したように目標流量(q)を演算し(S4)、負荷側流量(Ql)と目標流量(q)との比である比率(rq)を演算する(S5)。そして、制御装置は、運転周波数(f)が最大周波数(Fmax)を超えているかを判定する(S6)。この最大周波数(Fmax)は、二次ポンプ16が定格運転の上限の周波数、より平易に言えば、二次ポンプ16を安定して運転することができる周波数範囲の上限として設定されている周波数である。
制御装置は、運転周波数(f)が最大周波数(Fmax)を超えていると判定すると(S6:YES)、運転台数を1台増やす(S7)。これにより、運転効率が低下している二次ポンプ16の運転台数が増え、効率的な運転が可能になる。なお、運転台数を増やすのは、現在の運転台数(n)が設置台数(N)未満の場合である。その後、制御装置は、現在の負荷側流量(Ql)を一次流量(qt)として記憶した後(S8)、ステップS1に移行する。なお、一次流量(qt)の詳細については後述する。
一方、制御装置は、運転周波数(f)が最大周波数(Fmax)を超えていないと判定すると(S6:NO)、比率(rq)が増台比率(rup)を超えているかを判定する(S9)。この増台比率(rup)は、運転台数を増やす際の基準値として予め設定されている。
具体的には、記憶部21には、図5に示すように、二次ポンプ16の運転台数を増やすための増台条件として、増台比率(rup)が運転台数毎に設定および記憶されているとともに、二次ポンプ16の運転台数を減らすための減台条件として、減台比率(rdn)が運転台数毎に設定および記憶されている。
本実施形態の場合、増台比率(rup)はそれぞれ105%に設定されており、運転台数が1〜3台の場合には、演算した比率(rq)が増台比率(rup)を超えたら運転台数を1台増やすことになる。この図5に示す増台比率(rup)は一例であり、現在の運転台数(n)によって異なる値に設定する等、二次ポンプ16の運転に支障がない範囲で適宜設定することができる。
また、減台比率(rdn)は、本実施形態では現在の運転台数(n)が多い程大きく、運転台数(n)が少ない程小さい値に設定されている。例えば、現在の運転台数(n)が2台であれば50%、3台であれば66.7%、4台であれば75%に設定されている。そのため、運転台数(n)が2〜4台の場合には、比率(rq)が減台比率(rdn)を下回ったら運転台数を1台減らすことになる。この図5に示す減台比率(rdn)は一例であり、二次ポンプ16の運転に支障がない範囲で適宜設定することができるものの、運転台数を減らした際にそのまま増台条件が満たされないようにするために、100・(n−1)/n[%]を超えない範囲で設定するとよい。
また、記憶部21は、運転台数を減らすための他の条件として減台偏差(Δqdn)を記憶している。この減台偏差(Δqdn)は、上記した減台比率(rdn)のような割合ではなく、流量の値そのものが運転台数毎に設定されている。この減台偏差(Δqdn)は、運転停止を繰り返してハンチング状態となって非効率な運転となることを回避するために設定されている。これは、減台偏差(Δqdn)を設定した場合には減台偏差(Δqdn)以上流量が減らないと運転台数は減らなくなるため、その間は運転停止が抑制されるためである。
さて、制御装置は、比率(rq)が増台比率(rup)を超えていると判定すると(S9:YES)、二次ポンプ16の運転台数を1台増やす(S10)。これにより、運転効率が低下している二次ポンプ16の運転台数が増え、効率的な運転が可能になる。
一方、制御装置は、比率(rq)が増台比率(rup)を超えていないと判定すると(S9:NO)、比率(rq)が減台比率(rup)を下回ったかを判定し(S11)、比率(rq)が減台比率(rup)を下回っていないと判定すると(S11:NO)、現在の運転台数で二次ポンプ16が効率的に運転されていることから、運転台数を変更することなくステップS1に移行する。
これに対して、制御装置は、比率(rq)が減台比率(rup)を下回ったと判定すると(S11:YES)、一次流量(qt)が記憶されているかを判定する(S12)。一次流量(qt)は、上記したように二次ポンプ16の運転周波数(f)が最大周波数(Fmax)を超えた際に記憶される流量であり、二次ポンプ16の能力不足によって運転台数が増やされたことを示すフラグであると考えることができる。換言すると、一次流量(qt)が記憶されているということは、運転台数を減らすと非効率的な運転になってしまう可能性があることを示していると考えることができる。
そのため、制御装置は、一次流量(qt)が記憶されていると判定すると(S12:YES)、運転台数を減らすと二次ポンプ16が能力不足になる可能性があり、安定した運転ができないことから、運転台数を減らすことなくステップS1に移行する。これにより、二次ポンプ16は最適な運転効率からは多少ずれた状態になるものの、運転台数を減らして効率的あるいは安定した運転ができない状態になってしまうことを回避できる。
一方、制御装置は、一次流量(qt)が記憶されていないと判定すると(S12:NO)、運転台数を1台減らして(S16)、ステップS1に移行する。これにより、二次ポンプ16の運転状態を、運転効率が低下している状態から運転効率が良い状態に遷移させることができる。
このように、制御装置は、効率的な運転を行うことができるように、二次ポンプ16の台数を演算により求めている。
以上説明した熱源システム1、熱源機2およびモジュールコントローラ13によれば、次のような効果を得ることができる。
制御装置は、二次ポンプ16の運転台数(n)および運転周波数(f)と、定格周波数(F)および定格周波数(F)において運転効率が最大となる流量(Q)とから、運転周波数(f)において運転効率が最大になる目標流量(q=n・Q・(f/F))を求め、負荷装置3側に流れる負荷側流量(Ql)と目標流量(q)との比率(rq)が予め設定されている増台比率(rup)を超えると二次ポンプ16の運転台数を1台増やす一方、負荷側流量(Ql)と目標流量(q)との比率(rq)が予め設定されている減台比率(rdn)を下回ると二次ポンプ16の運転台数を1台減らす処理を実行する台数演算部23を備えている。
これにより、従来のように多くのパラメータを事前に用意することなく、また、複雑な演算を行うことなく、運転効率が良い二次ポンプ16の運転台数を求めることが可能になるとともに、運転台数を増減させた場合に最適な範囲で運転することが可能になるため、搬送動力の削減を図ることができる。したがって、運転台数を増減させる演算を簡略化することができるとともに、運転台数が変更された際に運転効率が低下することを抑制できる。
また、制御装置は、二次ポンプ16の運転周波数(f)が最大周波数(Fmax)に達すると、演算を行うことなく二次ポンプ16の運転台数を1台増やす。これにより、運転能力が不足した状態で二次ポンプ16が運転されることを防止することができる。
また、制御装置は、二次ポンプ16の運転台数を1台減らす際には、一時流量(qt)が記憶されていなければ運転台数を1台減らす一方、一時流量(qt)が記憶されていれば、一時流量(qt)から予め設定されている減台偏差(Δqdn)を減算した値を負荷側流量(Ql)が下回った場合に運転台数を1台減らす。これにより、運転台数を減らすと効率的な運転ができないことが分かっている際に、不必要に運転台数を減らしてしまうことを防止することができる。
また、上記した制御装置を用いて、熱源機2と負荷装置3との間に設けられている複数台の二次ポンプ16の運転台数を制御する熱源システム1によっても、運転台数を増減させる演算を簡略化することができるとともに、運転台数が変更された際に運転効率が低下することを抑制できる。
また二次ポンプ16の台数は少なくとも3台以上であって、減台比率(rdn)は、運転台数が多い程大きく、運転台数が少ない程小さい値に設定されている。これにより、運転台数を減らした際に非効率な運転になることを抑制できる。
(その他の実施形態)
実施形態では、二次ポンプ16の運転台数を負荷側流量(Ql)と目標流量(q)との比率(rq=Ql/q)に基づいて演算する手法について説明したが、二次ポンプ16の運転台数は、比率(rq)ではなく、流量そのもの(以下、実数値と称する)を用いて演算することができる。
具体的には、二次ポンプ16の運転台数(n)および運転周波数(f)と、二次ポンプ16の既知の定格周波数(F)および定格周波数(F)において運転効率が最大となる既知の流量(Q)とから、運転周波数(f)において運転効率が最大になる目標流量(q=n・Q・(f/F))を求め、負荷装置3側に流れる負荷側流量(Ql)が、目標流量(q)に予め設定されている実数値である増台偏差(Δqup)を加算した値を超えると二次ポンプ16の運転台数を1台増やす一方、負荷側流量(Ql)が、目標流量(q)から予め設定されている実数値である減台偏差(Δqdn)を減算した値を超えると二次ポンプ16の運転台数を1台減らすことで、運転する二次ポンプ16の台数を演算する処理を実行する台数演算部23を備える制御装置を用いる構成とすることができる。
この場合、制御装置は、基本的には図4に示した台数演算処理と同様の処理を実行し、ステップS5において比率(rq)の代わりに負荷側流量(Ql)と目標流量(q)との差分を求め、ステップS9において負荷側流量(Ql)と目標流量(q)との差分が増台偏差(Δqup)を超えるかを判定し、ステップS11において負荷側流量(Ql)と目標流量(q)との差分が減台偏差(Δqdn)を下回るかを判定することにより、運転効率が最適な範囲となる運転台数を演算することができる。
実施形態では台数演算部23をポンプコントローラ18に設ける構成を例示したが、台数演算部23は、モジュールコントローラ13に設ける構成とすることもできる。すなわち、モジュールコントローラ13も制御装置として機能させることができる。あるいは、台数演算部23は、熱源システム1の上位に設置される管理装置等に設ける構成とすることもできる。
実施形態ではポンプコントローラ18とモジュールコントローラ13とを別体に設ける構成を例示したが、モジュールコントローラ13に周波数演算部22を設け、モジュールコントローラ13によりポンプコントローラ18の機能を実現する構成とすることもできる。つまり、モジュールコントローラ13が制御装置を兼用する構成とすることができる。
また、上記幾つかの実施形態では一次ポンプ11と二次ポンプ16によって水を循環させる熱源システム1として説明したが、これに限定されず単式ポンプ式の熱源システムであってもよい。例えば、各熱源機に一次ポンプを備えず、送水ヘッダ7に複数のポンプを有する複数の送水ポンプを備えた単式ポンプ式の熱源システムであってもよい。
また、上記実施形態では熱源機2から負荷装置3側へ送水する構成としたが、これに限らず負荷装置3側から熱源機2側へ送水する方向としてもよい。また、複式単式ポンプ方式か単式ポンプ方式かを問わず、外付け熱源ポンプや冷却水ポンプ、遠方の一部系統への送水を行うブースターポンプなどに適用することもできる。
また、実施形態では、負荷装置3として空調装置や工場に設置される洗浄装置や乾燥装置等の熱利用機器等について説明したが、負荷装置としては熱源機で生成された加熱/冷却された流体と熱交換を行う装置も含むことができる。
以上、本発明の幾つかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
図面中、1は熱源システム、2は熱源機、3は負荷装置、13はモジュールコントローラ(制御装置)、16は二次ポンプ(ポンプ)、18はポンプコントローラ(制御装置)、23は台数演算部を示す。

Claims (6)

  1. 熱源機と負荷装置との間で流体を循環させる配管に並列接続される複数台のポンプが設けられている熱源システムにおいて、前記ポンプの運転台数を制御する制御装置であって、
    前記ポンプの運転台数(n)および運転周波数(f)と、前記ポンプの既知の定格周波数(F)および定格周波数(F)において運転効率が最大となる既知の流量(Q)とから、運転周波数(f)において運転効率が最大になる目標流量(q=n・Q・(f/F))を求め、
    負荷装置側に流れる負荷側流量(Ql)と目標流量(q)との比率(rq)が予め設定されている増台比率(rup)を超えると前記ポンプの運転台数を1台増やす一方、前記比率(rq)が予め設定されている減台比率(rdn)を下回ると前記ポンプの運転台数を1台減らす処理を実行する台数演算部を備えることを特徴とする制御装置。
  2. 熱源機と負荷装置との間で流体を循環させる配管に並列接続される複数台のポンプが設けられている熱源システムにおいて、前記ポンプの運転台数を制御する制御装置であって、
    前記ポンプの運転台数(n)および運転周波数(f)と、前記ポンプの既知の定格周波数(F)および定格周波数(F)において運転効率が最大となる既知の流量(Q)とから、運転周波数(f)において運転効率が最大になる目標流量(q=n・Q・(f/F))を求め、
    負荷装置側に流れる負荷側流量(Ql)が、目標流量(q)に予め設定されている増台偏差(Δqup)を加算した値を超えると前記ポンプの運転台数を1台増やす一方、負荷側流量(Ql)が、目標流量(q)から予め設定されている減台偏差(Δqdn)を減算した値を超えると前記ポンプの運転台数を1台減らすことで、運転する前記ポンプの台数を演算する処理を実行する台数演算部を備えることを特徴とする制御装置。
  3. 前記台数演算部は、前記ポンプの運転周波数(f)が、最大周波数(Fmax)に達すると、前記ポンプの運転台数を1台増やすことを特徴とする請求項1または2記載の制御装置。
  4. 前記台数演算部は、
    前記ポンプの運転周波数(f)が最大周波数(Fmax)に達したことにより前記ポンプの運転台数を1台増やす際には、負荷側流量(Ql)を一時流量(qt)として記憶し、
    一時流量(qt)が記憶されていれば、一時流量(qt)から予め設定されている減台偏差(Δqdn)を減算した値を負荷側流量(Ql)が下回った場合に運転台数を1台減らすことを特徴とする請求項3記載の制御装置。
  5. 前記ポンプの台数は少なくとも3台以上であって、前記減台比率(rdn)は、運転台数が多い程大きく、運転台数が少ない程小さい値に設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の制御装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項記載の制御装置を用いて、熱源機と負荷装置との間に設けられている複数台のポンプの運転台数を制御することを特徴とする熱源システム。
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