以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の第一実施形態である容器搬送装置の一部の構成を示す平面図である。
本実施形態の容器搬送装置10は、例えば充填が完了し、キャッピングが施された容器Vを図示しないケーサへと搬送する装置である。容器(物品)Vは、例えば樹脂製の容器であり、ネック部Vnに例えばフランジVfを備えるボトル型の容器である。図1では、図示しないキャッパーから送り出された容器Vが不良品であるか否かを検査し、不良品をリジェクトする検査ホイール12からケーサ手前に配置され、多列に分けられた容器Vを正立した状態で搬送面上に載せて搬送する排出コンベヤ14までの構成が示される。なお、検査ホイール12から容器Vがリジェクトされた際には、どの位置の容器Vがリジェクトしたかを示すリジェクト信号が制御部16へと送られる。
容器搬送装置10は、後述するように、容器VのキャップVcの天面と容器Vの底面とを上下グリッパで挟んで把持する上下把持ホイールと、容器VのフランジVf下のネック部Vnをネックグリッパで把持するネック把持ホイールと備える。上下グリッパは、上下把持ホイールの外周に沿って複数配置され、ネックグリッパは、ネック把持ホイールの外周に沿って複数配置される。各容器Vは、各々ホイールの外周に沿って搬送されるとともに、上下グリッパ、ネックグリッパの間で交互に受け渡されることでホイール間を移動して搬送される。ここで、ネック把持ホイールが特許請求の範囲における第1無端搬送手段、上下把持ホイールが第2無端搬送手段に相当する。
本実施形態において、検査ホイール12は、上下把持ホイールであり、検査ホイール12でリジェクトされなかった容器Vは、隣接して配置され、逆向きに同期回転されるネック把持ホイールである供給ホール18へと受け渡される。供給ホイール18の下流側には隣接して、供給ホイール18とは逆向きに同期回転され、上下把持ホイールである分岐ホイール20(後述)が配置される。
分岐ホイール20は、搬送されてくる容器Vを2つのルートに振り分けるホイールである。すなわち、分岐ホイール20は、容器Vを上下グリッパで把持し、ホイール外周に沿って搬送し、上流側でネック把持ホイールであり、逆向きに同期回転する第1ピッチ変換ホイール(第1排出ホイール)22Aへと受け渡し、後流側でネック把持ホイール、逆向きに同期回転する第1ピッチ変換ホイール(第2排出ホイール)22Bへと受け渡す。これにより分岐ホイール20は、搬送ルートを第1ピッチ変換ホイール22Aから始まる第1ルートIと、第1ピッチ変換ホイール22Bから始まる第2ルートIIとに分岐する。
第1ルートIに受け渡された容器Vは、上下把持ホイールであり、第1ピッチ変換ホイール22Aに対して逆向きに同期回転する排出ホイール24Aを介してキャリアリンクコンベヤ26Aへと受け渡される。キャリアリンクコンベヤ26Aは、その搬送経路が例えば長円形状を呈し、外周に沿って多数のネックグリッパが設けられる。容器Vを把持したネックグリッパは、長円形の外周に沿って排出ホイール24Aと同期して逆向きに搬送され、直線部分において上下把持ホイールである3台のサーボホイール28A、28B、28Cにより、順次上流側から取り分けられる(後述)。
各サーボホイール28A、28B、28Cで受け取られた容器Vは、それぞれネック把持ホイールであり、サーボホイール28A、28B、28Cに同期して逆向きに回転される3台の第2ピッチ変換ホイール30Aへとそれぞれ受け渡される。第2ピッチ変換ホイール30Aの各々は、対応する排出コンベヤ14の各列へ容器Vを略一定のピッチで受け渡す。これにより、第1ルートIに振り分けられた容器Vは、3列に分列して排出コンベヤ14から排出される。
一方、第2ルートIIの第1ピッチ変換ホイール22Bに受け渡された容器Vは、第1ピッチ変換ホイール22Bに対して逆向きに同期回転するホールドチェンジホイール32を介して、上下把持ホイールである排出ホイール24Bへと受け渡される。後述するように、ホールドチェンジホイール32は、上下グリッパとネックグリッパを備え、本実施形態では、第1ピッチ変換ホイール22Bのネックグリッパから上下グリッパで容器Vを受け取り、ネックグリッパに持ち替えて排出ホイール24Bの上下グリッパへと受け渡す。
ここでホールドチェンジホイール32は、これよりも下流側において回転搬送される容器Vの搬送方向(回転方向)と把持方法を、第1ルートIに対して排出コンベヤ14を挟んで対称にすることを目的としたものである。これにより、排出コンベヤ14には、左右両側から容器Vを同じ方式で受け渡すことができる。すなわち、第2ルートIIの容器Vは、排出ホイール24Bを介して長円形状を呈するキャリアリンクコンベヤ26Bのネックグリッパへと受け渡され、直線部分において上下把持ホイールである3台のサーボホイール28D、28E、28Fにより、順次上流側から取り分けられる。
各サーボホイール28D、28E、28Fで受け取られた容器Vは、それぞれネック把持ホイールであり、各サーボホイール28D、28E、28Fに同期して逆向きに回転される3台の第2ピッチ変換ホイール30Bへとそれぞれ受け渡され、各第2ピッチ変換ホイール30Bにより、対応する排出コンベヤ14の各列へ容器Vが略一定のピッチで受け渡される。これにより、第2ルートIIに振り分けられた容器Vは、3列に分列して排出コンベヤ14から排出される。すなわち、分岐ホイール20により2系統に分けられた容器Vは、3台の第1ピッチ変換ホイール30Aおよび3台の第2ピッチ変換ホイール30Bにより、6列にされて排出コンベヤ14の各列14A〜14Fからケーサに向けて排出される。
なお、本実施形態の排出コンベヤ14は、平面視において、例えば左右対称に段状に構成され、中央の2列14C、14Dが最も上流側にまで延出して1段目を形成する。第1段を構成する2列14C、14Dのコンベヤの各側方には、1段目の第2ピッチ変換ホイール30A、30Bが1台ずつ隣接して配置される。2段目は、1段目を構成する中央2列14C、14Dを挟んだ左右2列14B、14Eのコンベヤによって形成され、その各側方には、2段目の第2ピッチ変換ホイール30A、30Bが1台ずつ隣接して配置される。更に3段目は、1段目、2段目の4列14B〜14Eのコンベヤを両側から挟む2列14A、14Fのコンベヤによって形成され、その両脇には3段目の第2ピッチ変換ホイール30A、30Bが1台ずつ隣接して配置される。
また、各段の両側に配置される一対の第2ピッチ変換ホイール30A、30Bは、段毎にペア間の距離が開くので、これに隣接する6台のサーボホイール28A〜28Fおよびキャリアリンクコンベヤ26A、26Bは、Vの字形状に配置される。制御部16は、排出コンベヤ14の各列14A〜14Fの容器Vの数量をセンサ17でモニタし、例えば容器数量信号として取り込むことができ、後述するように、同状況に応じて分岐ホイール20での振り分け動作を制御することができる。
図2は、容器Vの受け渡しを行う検査ホイール12と供給ホイール18の部分断面図である。
上下把持ホイールである検査ホイール12は、昇降自在に保持される固定軸120の周りに回転自在に設けられた回転体122を備える。回転体122は、高さが固定され回転のみ行う固定回転部123と固定軸120と一体的に昇降する昇降回転部124とを備える。固定軸120は、例えばその基端部に設けられたスクリュージャッキ等を用いた昇降機構120Aにより昇降可能であり、昇降機構120Aは、例えば直立するボールネジ120Bに、固定軸120の下端部に設けられたナット120Cを螺合させたもので構成される。なお、固定軸120の高さ、すなわち昇降回転部124の高さは、取り扱う容器Vの高さに合わせて調整される。
固定軸120の周囲には、ベアリング等を介して昇降回転部124が固定軸120に対して回転自在に取り付けられる。また、昇降回転部124は、軸方向に沿ったスプライン機構124Aを備え、固定回転部123が係合する。固定回転部123は、図示しないモータにより固定軸120周りに回転されるギヤ123Aと、ギヤ123Aと一体的に回転する容器Vの底面を支持する支持プレート(下グリップ片)123Bを備える。ギヤ123Aの回転は、スプライン機構124Aを介して昇降回転部124に伝達される。一方、昇降回転部124の固定軸120との一体的な昇降運動は、スプライン機構124Aにより固定回転部123から分離され、固定回転部123の高さ方向の位置は固定されている。
支持プレート123Bは、回転体122の外周に沿って、所定間隔で複数設けられ、その上方には、各々容器VのキャップVcの頂部を上方から押さえるキャップ押え部材(上グリップ片)124Bが配置される。キャップ押え部材124Bには、図3の拡大側面図に示されるように、昇降回転部124に設けられた平行リンク機構124Cを介してカムフォロワ124Dに連結される。キャップ押え部材124Bは、スプリング等の付勢部材124Eにより下方に付勢される。これにより平行リンク機構124Cを介したカムフォロワ124Dは、上向きに付勢され、固定軸120の全周に沿って設けられたカム120Dに押し当てられる(上グリップ片昇降手段)。
図3(a)には、カム120Dとの係合によりカムフォロワ124Dが上昇され、キャップ押え部材124BがキャップVcの頂面に押し当てられた状態が示され、図3(b)には、カム120Dとの係合によりカムフォロワ124Dが下降され、キャップ押え部材124BがキャップVcの頂面から離間された状態が示される。
すなわち、上下把持ホイールである検査ホイール12では、支持プレート123Bとキャップ押え部材124Bとで上下グリッパ125が構成され、上下グリッパ125は、回転体122の円周方向に沿って複数配置される。容器Vは、各上下グリッパ125によりその底面とキャップVcの頂面とが把持され、回転体122が回転することで回転搬送される。
一方、ネック把持ホイールである供給ホイール18は、昇降自在に保持される固定軸180の周りに回転自在に設けられた回転体182を備える。回転体182は、高さが固定され回転のみ行う固定回転部183と固定軸180と一体的に昇降する昇降回転部184とを備える。固定軸180は、例えばその基端部に設けられたスクリュージャッキ等を用いた昇降機構180Aにより昇降可能であり、昇降機構180Aは、例えば直立するボールネジ180Bに、固定軸180の下端部に設けられたナット180Cを螺合させたもので構成される。なお、固定軸180の高さ、すなわち昇降回転部184の高さは、取り扱う容器Vの高さに合わせて調整される。
固定軸180の周囲には、ベアリング等を介して昇降回転部184が固定軸180に対して回転自在に取り付けられる。また、昇降回転部184は、軸方向に沿ったスプライン機構184Aを備え、固定回転部183と係合する。固定回転部183は、図示しないモータにより固定軸180周りに回転されるギヤ183Aを備える。ギヤ183Aの回転は、スプライン機構184Aを介して昇降回転部184に伝達される。一方、昇降回転部184の固定軸180との一体的な昇降運動は、スプライン機構184Aにより固定回転部183から分離され、固定回転部183の高さ方向の位置は固定されている。
昇降回転体184には、その外周に沿って所定間隔でネックグリッパ185が複数設けられる。ネックグリッパ185は、グリッパ開閉機構185Aにより開閉され、供給ホイール18と検査ホイール12とが接する位置(容器受渡位置)において、検査ホイール12の上下グリッパ125により把持される容器VのフランジVf直下のネック部Vnを把持する。これに同期して上下グリッパ125は容器Vを解放し、ネックグリッパ185に把持される容器Vは、昇降回転体184の回転にともなって回転搬送される。ネックグリッパ185よりネック搬送される容器Vは、その後、供給ホイール18が分岐ホイール20と接する位置(容器受渡位置)において分岐ホイール20へと受け渡される。
図2の側面図および図4の平面図に示されるように、グリッパ開閉機構185Aは、一対のグリッパ片を各々軸支し、ギヤ185Bにより連結され、互いに逆向きに回転する一対の回転軸185Cを回転させることによりネックグリッパ185の開閉を行う。回転軸185Cの一方には、回転軸185Cを回動させるレバー185Dが取り付けられ、その先端にはカムフォロワ185Eが設けられる。レバー185Dは、スプリング等の付勢部材185Fによりネックグリッパ185を閉じる方向に付勢され、この付勢力によりカムフォロワ185Eは、固定軸180に設けられた固定カム180D、または、エアシリンダ等のアクチュエータ181Aによって径方向に進退可能な可動カム181Bに押し当てられる。
すなわち、回転体182の回転により、カムフォロワ185Eが固定カム180D上または可動カム181B上を走行し、その形状に合わせてレバー185Dが揺動し、ネックグリッパ185の開閉が行われる(開閉手段)。そして、ネック把持ホイールである供給ホイール18では、回転体182の円周方向に沿って複数配置されるネックグリッパ185により容器VのフランジVfの直下のネック部Vnが把持され、回転体182の回転により容器Vがネック搬送される。
なお、図4では、一部のグリッパ開閉機構185Aのみが示され、カムフォロワ185Eは何れも固定カム180Dと係合した状態が示される。同状態は、可動カム181Bが径方向内側に退避された状態に対応し、検査ホイール12および分岐ホイール20と接する位置(容器受渡位置)のネックグリッパ185は、固定カム180Dとの係合により閉じた状態とされる。一方、図4において、可動カム181Bは、径方向外側に延出された状態が2点鎖線で示される。後述するように同状態では、カムフォロワ185Eは、可動カム181Bと係合し、分岐ホイール20と接する位置(容器受渡位置)のネックグリッパ185は開かれた状態となる。
次に図5〜図8を参照して、本実施形態の分岐ホイール20および第1ピッチ変換ホイール22A、22Bの構成について説明する。図5は、容器Vの各受渡位置における供給ホイール18、分岐ホイール20、第1ピッチ変換ホイール22A(22B)の側面図である。図6は、分岐ホイール20の上下グリッパの拡大側面図であり、図7は、容器受渡位置と分岐ホイール20のカムの配置を示す平面図である。また、図8は、第1ピッチ変換ホイール22A(22B)のネックグリッパの位置を示す平面図である。なお、第1ピッチ変換ホイール22A、22Bの構成は略同一であるため、以下の説明では、基本的に第1ピッチ変換ホイール22Aについてのみ説明する。
分岐ホイール20は上下把持ホイールであり、供給ホイール18のネックグリッパ185により搬送されてきた容器Vは、供給ホイール18と分岐ホイール20が接する位置(容器受渡位置)において、分岐ホイール20の上下グリッパ206によって把持され、供給ホイール18のネックグリッパ185からは解放される。分岐ホイール20の上下グリッパ206の基本的な構成は、検査ホイール12の上下グリッパ125と同一である。
すなわち、分岐ホイール20の回転部200は、固定部201の軸の周りに回転自在に保持され、高さ位置が固定された固定回転部202と昇降可能な昇降回転部204とから構成される。固定回転部202の外周部には、周方向に沿って所定間隔で奇数個の支持プレート(下グリップ片)206Aが配置され、各支持プレート206Aの直上には、各々に対応して容器VのキャップVcの頂面に押し当てられるキャップ押え部材(上グリップ片)206Bが配置される。すなわち、支持プレート206Aとキャップ押え部材206Bは、上下グリッパ206を構成する。
キャップ押え部材206Bには、昇降回転部204に設けられた平行リンク機構206Cを介してカムフォロワ205が連結される。キャップ押え部材206Bは、スプリング等の付勢部材206Eにより下方に付勢され、これにより平行リンク機構206Cを介したカムフォロワ205は、上向きに付勢される。
分岐ホイール20の固定部201には、供給ホイール18との容器受渡位置P1、第1ピッチ変換ホイール22Aとの容器受渡位置(第1排出位置)P2、第1ピッチ変換ホイール22Bとの容器受渡位置(第2排出位置)P3に、各々径方向内側に向けて3つのカム201A、201B、201Cが、エアシリンダ等のアクチュエータ203A、203B、203Cを介して設けられる。アクチュエータ203A、203B、203Cは、例えば制御部16(図1)により、それぞれ独立に駆動でき、カム201A、201B、201Cは、アクチュエータ203A、203B、203Cの駆動により独立して昇降可能である。また、カム201A、201B、201Cは、分岐ホイール20の中心から見ると、逆台形のように形状であり、カムフォロア205A、205B、205Cを徐々に下降させて所定区間直線的に走行させた後、徐々に上昇するように案内する。
本実施形態において、平行リンク機構206Cのカムフォロワ205が設けられる操作レバーの長さは、キャップ押え部材206Bの周方向の位置によって異なる。例えば、キャップ押え部材206Bが固定回転部202の外周に沿って7つ設けられ、これらを1番〜7番で付番するとき、1、3、5番の組に対応するカムフォロワ205Aが設けられる操作レバーは、一番外側のカム201Aと係合する長さを有し、2、4、6番の組に対応するカムフォロワ205Bが設けられる操作レバーは、真中のカム201Bと係合する長さを有する。また、7番目の組に対応するカムフォロワ205Cが設けられる操作レバーは、一番内側のカム201Cと係合する長さを有する。なお、分岐ホイール20の円周方向に設けられた上下グリッパ206の間隔が広くて、1つのカムによって個々の上下グリッパ206に独立して係合可能であれば、カムを201A、201B、201Cと3組配置する必要はなくカムは1組でもよい。
カムフォロワ205A、205B、205Cは、容器受渡位置P1、P2、P3において、付勢部材206Eの付勢力によりカム201A、201B、201Cの各々に押し当てられる。このとき、カム201A、201B、201Cが高低何れの位置にあるかに応じて、その容器受渡位置における各組のキャップ押え部材206Bの昇降が制御され(上グリップ片昇降手段)、上下グリッパ206の開閉が制御される(開閉手段)。すなわち、上下グリッパ206を閉鎖して容器Vを把持する把持状態(閉鎖状態)と、上下グリッパ206を解放して容器Vを把持しない解放状態(開放状態)との間で切り替えが可能である。
具体的には、各容器受渡位置P1、P2、P3において、カムが押下げられている組に対応する上下グリッパ206は、その容器受渡位置において閉鎖状態から開放状態へと変化し、そして閉鎖状態に戻る作動となる。例えば、容器受渡位置P1においてカムが下げられている組の上下グリッパ206は、供給ホイール18が容器Vを保持している場合は、上下グリッパ206は開放状態のときに供給ホイール18のネックグリッパ185が把持する容器Vを上下グリッパ206に招き入れ、そこで閉鎖状態に変位することで、この容器Vを把持して容器Vを受け取る(図2参照)。そして、容器受渡位置P2または容器受渡位置P3においてカムが下げられている組の上下グリッパ206は、閉鎖状態から開放状態へ変位することによって把持していた容器Vを第1ピッチ変換ホイール22Aまたは第1ピッチ変換ホイール22Bへ受け渡す。また、各容器受渡位置P1、P2、P3において、カムが押し上げられている組に対応する上下グリッパ206は、その容器受渡位置において閉鎖状態に維持される。例えば、容器受渡位置P2においてカムが上げられている組の上下グリッパ206は、同位置において容器Vを把持し続け、第1ピッチ変換ホイール22Aへ容器Vを受け渡さず、容器受渡位置P3においてカムが上げられている組の上下グリッパ206は、同位置において容器Vを把持し続け、第1ピッチ変換ホイール22Bへ容器Vを受け渡さない。
なお、本実施形態の分岐ホイール20は通常モードの振り分け動作では、全ての組の上下グリッパ206が、供給ホイール18から容器Vを受け取るように駆動され、上下グリッパ206が保持する容器Vを交互に第1ルートIの第1ピッチ変換ホイール22Aと第2ルートIIの第1ピッチ変換ホイール22Bへと受け渡し、第1ピッチ変換ホイール22A、22Bには各々1つ置きに容器Vが受け渡される。また、本実施形態の分岐ホイール20は、検査ホイール12でのリジェクトに合わせ、振り分けられる容器の数の調整を行う振り分け調整モードも備える(後述)。
図6の上下グリッパ206の拡大側面図に、一番外側のカム201Aの昇降による上下グリッパ206の開閉状態を示す。図6(a)は、カム201Aが高い位置にあり、キャップ押え部材206BがキャップVcに押し当てられて容器Vが上下グリッパ206で把持された状態が示される。図6(b)は、カム201Aが低い位置にあり、キャップ押え部材206BがキャップVcから離間されて容器Vが上下グリッパ206から解放された状態が示される。
なお、カム201A、201B、201Cの高さの制御は、後述するように、検査ホイール12においてリジェクトされた容器Vの発生に対応して、分岐ホイール20による第1ルートI、第2ルートIIへの容器Vの振り分け数の調整に用いられる。
第1ピッチ変換ホイール22A(22B)は、分岐ホイール20から容器Vを受け取るネック把持ホイールである。第1ピッチ変換ホイール22A(22B)は、容器Vを分岐ホイール20から受け取る容器受渡位置P2(P3)と、受け取った容器Vを下流側の排出ホイール24A(またはホールドチェンジホイール32)へ受け渡す容器受渡位置P4、P5(図1参照)との間において、ネックグリッパ220の周方向のピッチを変換できる。
前述したように、分岐ホイール20は、1つ置きに容器Vを第1ピッチ変換ホイール22A、22Bの各々に振り分けるため、分岐ホイール20から各第1ピッチ変換ホイール22A、22Bへの受け渡し時のピッチは、容器Vの元々の基準搬送ピッチPtの2倍となる。そのため、第1ピッチ変換ホイール22A、22Bのネックグリッパ220は、図8に示されるように、分岐ホイール20から容器Vを受け取る容器受渡位置P2、P3では、基準搬送ピッチPtの倍の2Ptのピッチで移送され、下流側のホイール24A、32に容器Vを受け渡す容器受渡位置P4、P5に到達するまでの間に、その向きを変え、例えば元の基準搬送ピッチPtと戻される。
第1ピッチ変換ホイール22A(22B)は、ネックグリッパ220のグリッパ開閉機構221に加え、ネックグリッパ220のピッチを変更するためにネックグリッパ220の向きを変更するグリッパ揺動機構222を備える。
グリッパ開閉機構221は、グリッパ揺動機構222の揺動プレート222Aに搭載される。すなわち、ネックグリッパ220のグリッパ片の開閉を行う一対の回転軸221Aの一端は、各々揺動プレート222Aに回転自在に軸支され、グリッパ片が取り付けられる他端側は、連接部材222Bを介して揺動プレート222Aに固定された軸支部222Cによって回転自在に保持される。回転軸221A同士は、一対のギヤ221Bにより連結され、ネックグリッパ220の開閉を行うように互いに逆向きに回転される。
回転軸221Aの一方には、回転軸221Aを回動させるレバー221Cが取り付けられ、その先端にはグリッパ開閉カムフォロワ221Dが設けられる。レバー221Cには、その一端が揺動プレート222Aに固定されたスプリング等の付勢部材221Eの他端が接続され、ネックグリッパ220を閉じる方向に付勢される。また、この付勢力によりグリッパ開閉カムフォロワ221Dは、ホイールの固定軸224に設けられた固定カム224A、または、エアシリンダ等のアクチュエータ224Bによって径方向に進退可能な可動カム224Cに押し当てられる。
なお、可動カム224Cは、容器受渡位置P2、P3に配置され、可動カム224Cが径方向外側に押し出されると、グリッパ開閉カムフォロワ221Dは可動カム224Cに押し当てられ、ネックグリッパ220は容器受渡位置P2、P3において開いた状態を維持し、分岐ホイール20から容器Vを受け取らない。
揺動プレート222Aは、第1ピッチ変換ホイール22A(22B)の昇降回転部225Aに軸支される揺動軸222Dに保持され、揺動軸222Dが回転することにより揺動軸周りに回転し、揺動プレート222Aの向き、すなわちネックグリッパ220の向きを変更する。揺動軸222Dの上端には、揺動レバー222Eが連結され、揺動レバー222Eの先端には揺動カムフォロワ222Fが設けられる。揺動カムフォロワ222Fは、ホイールの固定軸224の外周に設けられたカム224Dと係合し、昇降回転部225Aが回転すると、揺動カムフォロワ222Fがカム224Dに沿って移動する。これにより揺動軸222Dが回転され、揺動プレート222A、すなわちネックグリッパ220がピッチを変更するように回動される。
次に、図9、図10を参照して、本実施形態のホールドチェンジホイール32の構成について説明する。なお、図9はホールドチェンジホイール32の容器受渡位置P5、P6における縦断面図であり、図10は、ホールドチェンジホイール32に設けられるネックグリッパの構成およびその動作を示す平面図である。
ホールドチェンジホイール32は、ホイールの回転体324の外周に沿って複数の上下グリッパ321と、これに対応する複数ネックグリッパ322とを備える。第1ピッチ変換ホイール22Bのネックグリッパ220によって回転搬送される容器Vは、容器受渡位置P5において、ホールドチェンジホイール32の上下グリッパ321へと受け渡される。
ホールドチェンジホイール32は、昇降可能な固定軸323と、固定軸323の周りに回転自在に保持される回転体324を備える。回転体324は、その高さが固定された固定回転部324Aと、固定軸323とともに昇降可能な昇降回転部324Bとから構成される。なお、固定軸323の昇降機構は例えば検査ホイール12の昇降機構120Aと同様であり、例えば容器Vの高さに合わせてその高さが調整される。固定回転部324Aと昇降回転部324Bとの間は、例えばスプライン機構を介して係合され、回転運動のみ一体的に行われる。
上下グリッパ321は、容器Vの底面を支持する支持プレート(支持プレート)325とキャップVcの頂面に押し当てられるキャップ押え部材(上グリップ片)326とを備える。上下グリッパ321は、分岐ホイール20の上下グリッパ206とは異なり、キャップ押え部材326に加え支持プレート325も上下に昇降自在に構成される。これは、容器受渡位置P6において、後流側の排出ホイール24Bの支持プレートとホールドチェンジホイール32の支持プレート325が干渉することを防止するための機構である。なお、支持プレート325と排出ホイール24の支持プレートとを、それぞれ容器Vの底面の中央から手前までの区間で支持する構成として、支持プレート325と排出ホイール24の支持プレートとが近接する時、すなわち容器Vを受け渡すときに、お互いが干渉しない構成、もしくは支持プレート325と排出ホイール24の支持プレートの形状を櫛歯状としてお互いが干渉しない形状とすれば支持プレート325は昇降させる必要はない。
支持プレート325の昇降には、キャップ押え部材124B、206Bと同様に、平行リンク機構325Aが用いられる。すなわち、支持プレート325は、スプリングなどの付勢部材325Bにより上向きに付勢され、平行リンク機構325Aのカムフォロワ325Cが固定軸323に設けられたカム323Aに押し当てられることにより、カム323Aの高さに応じて昇降される。図9の容器受渡位置P5では、支持プレート325が押し上げられ容器Vの底面が支持プレート325によって支持された状態が示され、容器受渡位置P6では、支持プレート322が押し下げられ容器Vの底面から離間された状態が示される。なお、このとき容器Vの底面は、後流側の排出ホイール24Bの支持プレートにより支持される。
キャップ押え部材326は、キャップ押え部材昇降機構326Aを介して昇降回転体324Bに保持され、キャップ押え部材326の昇降は、キャップ押え部材昇降機構326Aによって行われる。キャップ押え部昇降機構326Aは、キャップ押え部材326が下端に取り付けられる昇降ロッド326Bを備え、昇降ロッド326Bは昇降回転体324Bに対して昇降自在に保持されるとともに、スプリング等の付勢部材326Cにより下向きに付勢される。昇降ロッド326Bの上端には、カムフォロワ326Dが設けられ、固定軸323の外周に沿って設けられたカム323Aと係合し、その高さに応じてキャップ押え部材326を昇降する。図9の容器受渡位置P5では、キャップ押え部材326が押し下げられキャップVcの頂面がキャップ押え部材326に押え付けられた状態が示され、容器受渡位置P6では、キャップ押え部材326が押し上げられキャップVcから離間した状態が示される。
一方、ネックグリッパ322は、グリッパ開閉/進退機構327(移動機構)を介して昇降回転部324Bに保持される。ネックグリッパ322は、グリッパ開閉/進退機構327により、上下グリッパ321が把持する容器Vを把持する把持位置と容器Vと干渉しない退避位置との間で、回転体324の径方向に沿って進退可能であるとともに開閉可能である。すなわち、第1ピッチ変換ホイール22Bから容器Vを受け取る容器受渡位置P5では、ネックグリッパ322は開かれた状態で、上下グリッパ321に保持される容器Vと干渉しないように径方向内側の退避位置に退避されおり、その後、容器Vを把持するグリッパを上下グリッパ321からネックグリッパ322へ変更するため、ネックグリッパ322は把持位置に向けて径方向外側に向けて繰り出されるとともに閉じられる。これにより、ネックグリッパ322は、支持プレート325とキャップ押え部材326に挟まれる容器VのフランジVf下のネック部Vnを把持し、容器Vは上下グリッパ321およびネックグリッパ322の両方のグリッパに把持されたまま回転搬送される。
その後、ネックグリッパ322による容器Vの把持を維持したまま、上下グリッパ321は、下流側の排出ホイール24Bへ容器Vを受け渡す容器受渡位置P6に到るまでの間に容器Vを解放し、支持プレート325は平行リンク機構325Aにより下げられ、キャップ押え部材326はキャップ押え部材昇降機構326Aにより持ち上げられる。容器受渡位置P6では、ネックグリッパ322が保持する容器Vの底面下に、排出ホイール24Bの上下グリッパ240の支持プレート241が滑り込み、同容器Vの底面を支持するとともに、排出ホイール24Bの上下グリッパ240のキャップ押え部材242が下降され、容器VのキャップVcの頂面に押し当てられる。これにより容器Vは、排出ホイール24Bの上下グリッパ240により把持される。これに並行して、ネックグリッパ322は、グリッパ開閉/進退機構327により開きながら退避位置まで戻され、把持していた容器Vを解放する。
図10(a)に示されるように、ネックグリッパ322は、一対のグリッパ片328、329を備える。図10(a)では、ネックグリッパ322が開かれた状態が実線で描かれ、閉じられた状態が破線で描かれる。また、図9の容器受渡位置P5側では、グリッパ開閉/進退機構327の構成のうちグリッパ片328に接続される構成が、容器受渡位置P6側では、グリッパ片329に接続される構成が示される。
グリッパ開閉/進退機構327では、各グリッパ片328、329に平行リンク機構を用いられる。グリッパ片328は、2つの軸328A、328Bを介して、その一端が回転軸328C、328Dに一体的に取り付けられた2枚のリンクプレート328E、328Fによって支持される。一方、グリッパ片329は、2つの軸329A、329Bを介して、その一端が回転軸329C、329Dに一体的に取り付けられた2枚のリンクプレート329E、329Fによって支持される。リンクプレート328E、328Fは、回転軸328C、328D周りの回転により平行を維持したまま回動され、リンクプレート329E、329Fは、回転軸329C、329D周りの回転により平行を維持したまま回動される。
回転軸328D、329Dの回転は、ギア328G、329Gの噛み合いにより連動され、両回転軸328D、329Dは逆向きに同じ角度だけ回転する。したがって、グリッパ片328、329は、それぞれ回転軸328C、328D、回転軸329C、329Dを軸として線対対称に平行移動し、径方向外向き(図10左側)に移動しなが互いに接近して閉じられ、径方向内側(図10右側)に移動しながら互いに離間して開かれる。
図10(b)に示されるように、グリッパ開閉/進退機構327の2つの平行リンク機構は、カムフォロワ327Aが一端に取り付けられた揺動レバー327Bにより駆動される。揺動レバー327Bは、中間付近において回転軸329Dの周りに回転自在に軸支され、他端には軸328Aがリンク機構の作用点として係合される。揺動レバー327Bのカムフォロワ327Aが設けられた側の端部には、昇降回転部324Bに一端が取り付けられたスプリングなどの付勢部材327Cの他端が取り付けられ、ネックグリッパ322が径方向へ押し出され、グリッパが閉じられる方向に揺動レバー327Bを回転軸329D周りに回転付勢する。
すなわち、軸328A(すなわちリンクプレート328E)は揺動レバー327Bにより、図10(a)において回転軸328Cの周りに反時計回りに回動され、これに連動して回転軸328Dがリンクプレート328Fとともに同じ方向に回動される。また、ギア328G、329Gの噛み合いにより、回転軸329Dがリンクプレート329Fとともに逆向き(時計回り)に回転され、これによりリンクプレート329Eも連動して時計回りに回転される。すなわち、ネックグリッパ322は、径方向へ押し出され、グリッパが閉じられる。
なお、カムフォロワ327Aは固定軸323の周囲に沿って設けられたカム323Bに押し当てられ、昇降回転部324Bが回転すると、カムフォロワ327Aはカム323Bに沿って走行し、グリッパ開閉/進退機構327が駆動され、ネックグリッパ322の開閉/進退が制御される。また、本実施形態では、上流に配置されたネック把持ホイールである第1ピッチ変換ホイール22Bのネックグリッパ220によって把持されている容器Vをホールドチェンジホイール32の上下グリッパ321によって受け取り、回転移送中にネックグリッパ322に移し替えてから、下流に配置された上下把持ホイールである排出ホイール24Bの上下グリッパ240へ受け渡す構成であるが、この構成とは逆に上流に上下把持ホイール、下流にネック把持ホイールを配置してもよい。すなわち、上流に配置された上下把持ホイールの上下グリッパが把持する容器Vをホールドチェンジホイール32のネックグリッパ322によって受け取り、回転移送中に上下グリッパ321に移し替えてから、下流に配置されたネック把持ホイールのネックグリッパへ受け渡す構成であってもよい。
第1ピッチ変換ホイール22Aとホールドチェンジホイール32を経た容器Vは、それぞれ排出ホイール24A、24Bを介してキャリアリンクコンベヤ26A、26Bへと受け渡される。排出ホイール24A、24Bは、逆向きに回転する同じ構成の上下把持ホイールであり、図2、図3に示した検査ホイール12の上下グリッパ125と同様の構成を備える上下グリッパ240(図9)を用いて容器Vを排出ホイール24A、24Bの外周に沿って搬送し、ネックグリッパを備えるキャリアリンクコンベヤ26A、26B(第1無端搬送手段)へ容器Vを基準搬送ピッチPtで受け渡す。
すなわち、図11の排出ホイール24A(24B)からキャリアリンクコンベヤ26A(26B)へ容器Vを受け渡す容器受渡位置P7(P8)での部分拡大縦断面図に示されるように、上下グリッパ240は、高さ位置が固定された固定回転部241の外周部に設けられた支持プレート240Aと、上下方向に昇降可能な昇降回転部242の外周部に保持されるキャップ押え部材240Bとから構成される。キャップ押え部材240Bは、平行リンク機構243によって昇降される。
平行リンク機構243は、昇降回転部242に取り付けれたスプリングなどの付勢部材243Aにより、キャップ押え部材240Bを下向き付勢し、平行リンク機構243の操作桿の先端には、カムフォロワ243Bが設けられ、固定軸244の外周部に沿って設けられたカム244Aに押し当てられる。昇降回転部242が回転すると、カムフォロワ243Bがカム244Aに沿って走行し、その形状に応じてキャップ押え部材240Bが昇降され、上下グリッパ240による容器Vの把持およびその解放が制御される。
キャリアリンクコンベヤ26A、26Bのネックグリッパ262は、開閉機構を備えず、スプリングなどの付勢手段により常に閉じる方向へ付勢されている。排出ホイール24A、24Bからキャリアリンクコンベヤ26A、26Bの容器Vの受け渡しでは、上下グリッパ240に保持される容器Vのネック部Vnを付勢力で閉じられたネックグリッパ262の間に押し込み、自らは容器Vを解放することで行われる。なお、キャリアリンクコンベヤのネックグリッパ262を、上述した第1ピッチ変換ホイール22A、22Bのネックグリッパ220と同様にカムやカムフォロワなどの開閉機構を備えた構成を採用してもよい。
一方、キャリアリンクコンベヤ26A(26B)は、鉛直軸周りに回転し水平方向に距離を隔てて配置される一対のスプロケット261に無端ローラチェーン260を掛け回し、チェーンを構成するブロック260Aに外側に向けて延出するネックグリッパ262を設けたネック搬送装置である。各ブロック260Aは、その両端においてローラ260Bの軸を介して隣りのブロック260Aに軸支され、ローラ260Bとスプロケット261の係合により、無端ローラチェーン260は走行される。
また、キャリアリンクコンベヤ26A(26B)の直線部には、ブロック260Aの幅方向への運動を規制するレール263Aが設けられる。また、ブロック260Aの裏面側には、搬送経路(長手方向)に沿って延在するガイド263Bが設けられる。また、各ブロック260Aの裏面側(ネックグリッパ262と反対側)には、ガイド263B上を走行する側面ガイドローラ260Cが各々設けられる。更に、ネックグリッパ262は、ブロック260Aに対して僅かに上下する昇降機構264が設けらるが(後述)、通常は図11に示されるように、チェーン経路に沿って延在するレール263Cを走行するローラ262Aによって、例えば容器Vの受取時等にネックグリッパ262が下がることを防止している。
図12は、キャリアリンクコンベヤ26A(26B)からサーボホイール28A〜28C(28D〜28F)、第2ピッチ変換ホイール30A(30B)、排出コンベヤ14Aまでの容器受渡位置P9、P10、P11における構成を示す縦断面図である。図13は、第1ルートIの最下流に配置されるサーボホイール28Cを例に、図12の縦断面図に対応する模式的な平面図である。また、図14は、サーボホイール28A〜28Fの縦断面図である。本実施形態では、図1に示されるように、第1ルートIにおいて、3台のサーボホイール28A〜28C、3台の第2ピッチ変換ホイール30A、第2ルートIIにおいて、3台のサーボホイール28D〜28F、3台の第2ピッチ変換ホイール30Bが使用されるが、基本的に同一の構成であるので、以下の説明では、第1ルートIにおいて最も下流側のサーボホイール28C、第2ピッチ変換ホイール30Aを例に説明を行なう。
サーボホイール28Cは、上下グリッパ280を備える上下把持ホイールであり、検査ホイール12における容器Vのリジェクトにより、キャリアリンクコンベヤ26Aの容器搬送に歯抜けが生じても、サーボホイール28Cがキャリアリンクコンベヤ26Aから確実に容器Vを受け取れるように、各上下グリッパ280は、独立して回転駆動できるように構成される(後述)。
図示例のサーボホイール28Cは、4つの上下グリッパ280を備え、中心の固定軸281の周りに外側から4つの駆動軸282A、282B、282C、282Dを備える。各駆動軸282A、282B、282C、282Dには、例えばその下端部にギヤ283A、283B、283C、283Dが設けられ、各々独立したサーボモータ284A〜284Dにより回転駆動される。なお、図14には一番外側の駆動軸282Aのギヤ283Aに係合するサーボモータ284Aのみが示されるが、各駆動軸282B、282C、282Dの下端に設けられるギヤ283B〜283Dにも、同様にサーボモータ284B〜284Dが接続され、独立に回転駆動可能である。
図14において、右側の上下グリッパ280は、一番外側の駆動軸282Aの上端から径方向外側に延びるアームの先端に設けられる。上下グリッパ280の支持プレート280Aは、駆動軸282Aのアームに支持され、その上方には、平行リンク機構285を介して駆動軸282Aのアームに支持されるキャップ押え部材280Bが配置される。平行リンク機構285は、スプリング等の付勢部材285Aにより、キャップ押え部材280Bを下方に付勢する。平行リンク機構285の操作桿には、カムフォロワ285Bが設けられ、付勢部材285Aの付勢力により固定軸281の外周に沿って設けられたカム281Aに押し当てられる。カム281Aは、キャリアリンクコンベヤ26Aとの接点である容器受渡位置P9と、第2ピッチ変換ホイール30Aとの接点である容器受渡位置P10において、カムフォロワ285Bを押し下げ、同位置P9、P10において上下グリッパ280は開かれる。
図15、図16は、ネックグリッパ262と上下グリッパ280を中心とする容器受渡位置P9における拡大縦断面図である。図15は、上下グリッパ280が容器Vを把持する直前の状態を表し、図16は、上下グリッパ280により容器Vが把持された状態を表す。図15、図16を参照して本実施形態の昇降機構264の構成およびその機能を説明する。
キャリアリンクコンベヤ26A(26B)の容器Vをサーボホイール28A〜28C(28D〜28F)へ受け渡す容器受渡区間には、ローラ262Aを支持するレール263Cが設けられていない。これにより、ネックグリッパ262は、昇降機構264により僅かに上下することができる。すなわち、ネックグリッパ262は、垂直方向に摺動自在にブロック260Aに取り付けられた垂直シャフト264Aに取り付けられており、スプリング等の付勢部材264Bにより上向きに付勢されている。また、ネックグリッパ262には、垂直方向に延出する支持部材265Cが接続され、その先端にローラ262Aが取り付けられている。レール263Cが設けられた区間では、ローラ262Aがレール263Cに係合するため、ネックグリッパ262の垂直方向の運動は規制されるが、レール263Cが設けられていない容器受渡区間では、ネックグリッパ262に付勢部材264Bの付勢力よりも大きい下向きの力が働くと、ネックグリッパ262は垂直シャフト264Aとともに下降される。
図15では、キャップ押え部材280Bが上昇された状態にあり、ネックグリッパ262も付勢部材264Bの付勢力により高い位置にあり、ネックグリッパ262に把持される容器Vの底面は、支持プレート280Aよりも僅かに高い位置にある。次に図16では、カム281Aとカムフォロワ285Bの係合により、キャップ押え部材280Bが下降され、キャップVcの頂面を押し当てられるため、ネックグリッパ262に下向きの力が掛かり、容器Vが押し下げられて底面が支持プレート280Aに当接し、容器Vは、サーボホイール28A(28B〜28F)の上下グリッパ280により把持される。
昇降機構264がない場合は、容器Vの底面と支持プレート280Aとは間隔が開いた図15の状態で容器Vが受け渡されることとなり、容器Vがネックグリッパ262から取り出される際に容器Vの姿勢が乱れやすくなる。しかし、昇降機構264を設けることにより、サーボホイール28A(28B〜28F)は、ネックグリッパ262に把持される容器Vを上下グリッパ280で確りと把持することができる。これにより、ネックグリッパ262が開閉機構を備えない構成でも、上下グリッパ280で容器Vを把持した後、容器Vをネックグリッパ262から確実に安定した状態で引き抜くことができる。なお、昇降機構264は、カムやカムフォロワなどの開閉機構を備えたネックグリッパにも採用することができる。また、昇降機構264を備えたネックグリッパはキャリアリンクコンベヤ26A(26B)に設けるだけではなく、供給ホイール18のように回転体の周囲に設けることも可能である。
次に図12、図13および図17を参照して、ネック把持ホイールである第2ピッチ変換ホイール30A(30B)の構成について説明する。なお、図17は、グリッパ揺動機構、グリッパ進退機構を備える第2ピッチ変換ホイール30A(30B)のネックグリッパ300の拡大平面図である。
本実施形態において、サーボホイール28A(28B〜28F)は、1台のキャリアリンクコンベヤ26A(26B)に対して複数台(例えば3台)設けられたので、各サーボホイール28A(28B〜28F)は、通常であれば2個置きにキャリアリンクコンベヤ26A(26B)が搬送する容器Vを受け取ることになる。そのため、搬送ピッチは、基準搬送ピッチPtの3倍となる。
第2ピッチ変換ホイール30A(30B)は、このピッチ(3Pt)を元の基準搬送ピッチPtに戻して排出コンベヤ14へ容器Vを受け渡す。そのため第2ピッチ変換ホイール30A(30B)は、ネックグリッパ300のグリッパ開閉機構302に加え、ネックグリッパ300のピッチを変更するためにネックグリッパ300の向きを変更するグリッパ揺動機構304と、ネックグリッパ300を径方向へ進退させるグリッパ進退機構306とを備える。
グリッパ開閉機構302は、グリッパ揺動機構304の揺動プレート304Aに取り付けられたグリッパ進退機構306の進退プレート306Aに搭載される。ネックグリッパ300のグリッパ片の開閉を行う一対の回転軸302Aは、各々進退プレート306Aに回転自在に軸支される。グリッパ片が取り付けられる他端側は、連接部材306Bを介して進退プレート306Aに固定された軸支部306Cによって回転自在に保持される。回転軸302A同士は、一対のギヤ302Bにより連結され、ネックグリッパ300の開閉を行うように互いに逆向きに回転される。
回転軸302Aの一方には、回転軸302Aを回動させるレバー302Cが取り付けられ、その先端にはグリッパ開閉カムフォロワ302Dが設けられる。レバー302Cには、その一端が進退プレート306Aに固定されたスプリング等の付勢部材302Eの他端が接続され、ネックグリッパ300を閉じる方向に付勢される。また、この付勢力によりグリッパ開閉カムフォロワ302Dは、ホイールの固定軸301に設けられた開閉カム301Aに押し当てられる(なお、図12の容器受渡位置P10では、一部構成が省略されている)。
ネックグリッパ進退機構306の進退プレート306Aは、揺動プレート304Aに設けられたレール304Dに沿って摺動可能なスライダ306Dを介して揺動プレート304Aに支持される。揺動プレート304Aには、連絡部材304Hを介して揺動レバー304Eが取り付けられ、その先端には、第2ピッチ変換ホイール30A(30B)の回転により、固定軸301の揺動カム301Bに沿って移動する揺動カムフォロワ304Fが設けられる。すなわち、揺動プレート302A、すなわちネックグリッパ300は、第2ピッチ変換ホイール30A(30B)が回転するにしたがって揺動軸304Gを中心に回動される。
また、進退プレート306Aを保持するスライダ306Dには、連絡部材306Eを介して進退カムフォロワ306Fが設けられる。進退カムフォロワ306Fは、固定軸301の進退カム301Cに係合し、第2ピッチ変換ホイール30A(30B)が回転するにしたがって、スライダ306Dがレール304Dに沿って前後に移動され、これにより、ネックグリッパ300がレール304Dに沿って移動する。
図13には、グリッパ開閉機構302により開閉するネックグリッパ300が、グリッパ揺動機構304、グリッパ進退機構306により、揺動軸304Gを中心に回動しながらレール304Dに沿って進退することで、容器Vのピッチを3Ptから基準搬送ピッチPtへと変換する様子が示される。
また図12に示されるように、第2ピッチ変換ホイール30A(30B)において回転搬送される容器Vの搬送ピッチが基準搬送ピッチPtに変換されると、容器Vは、対応する排出コンベヤ14の各列(例えば列14A)の搬送面上に達し、ネックグリッパ300は、グリッパ開閉機構302により開かれ、把持している容器Vを解放し、排出コンベヤ14に受け渡す。解放された容器Vは、排出コンベヤ14の各列の搬送面上に載置され、下流へと排出される。なお、容器Vの搬送ピッチを3PtからPtへ変換するにあたって、第2ピッチ変換ホイール30A、30Bのみで行うのではなく、例えば、サーボホイール28A〜28Fによって3Ptから2Ptへ変換した後に、第2ピッチ変換ホイール30A、30Bによって2PtからPtへ変換するようにしてもよい。
次に図18を参照して、分岐ホイール20における通常の振り分け動作、および振り分け調整モードにおける動作について説明する。
図18は、分岐ホイール20のキャップ押え部材206Bが固定回転部202の外周に沿って7つ設けられ、これらが順に1番〜7番で付番されるときの通常の振り分け動作を3週目まで例示したものである。表にはキャップ押え部材206Bのヘッド番号、当該ヘッドで把持される容器が振り分けられるルート、各物品受渡位置P1、P2、P3におけるカム201A、201B、201C(カムA、B、Cとして記載)の上、下の状態が示される。
本実施形態では、ヘッドの数が奇数なので、容器Vを交互に第1ルートI、第2ルートIIに振り分けると、1周目と2周目とでは、各ルートに振り当てられるヘッド番号が交番する。例えば1、3、5、7番ヘッドを1周目において第1ルートIに振り分け、2、4、6番ヘッドを第2ルートIIに振り分けると、最後の7番ヘッドが第1ルートIに振り分けられるので、2周目の1、3、5、7番ヘッドが第2ルートに振り分けられ、2、4、6番ヘッドが第1ルートに振り分けられる。そして、3周目では、再び1、3、5、7番ヘッドが第1ルートI、2、4、6番ヘッドが第2ルートIIに振り分けられる。すなわち、周毎に第1、第2ルートI、IIに振り分けられるヘッドが交番する。
一方、本実施形態では、制御部16は、検査ホイール12からのリジェクト信号と、供給ホイール18の例えばエンコーダからの信号に基づき、供給ホイール18において容器Vを保持していないネックグリッパ185を検出する(物品保持状況検出手段)。また、制御部16は、センサ17からの信号により排出コンベヤ14の各列14A〜14Fを搬送される容器Vの数量をモニタし、第1ルートIの排出ホイール22Aと第2ルートIIの排出ホイール22Bから排出された容器Vの数を比較し(物品数比較手段)、排出ホイール22Aと排出ホイール22Bの何れか一方の排出ホイールから排出された容器Vの数の大小を判断する。なお、第1ピッチ変換ホイール22A、22Bから排出される容器Vをカウントすることによって容器Vの数量を把握するようにしてもよい。
制御部16は、第1ルートI、第2ルートIIに振り分けられる容器Vの数が略均等になるように、分岐ホイール20のカム201A、201B、201Cの上下、および供給ホイール18の可動カム181Bの進退、第1ピッチ変換ホイール(第1、第2排出ホイール)22A、22Bの可動カム224Cの進退を制御する。すなわち、通常であれば第1ルートIに振り分ける容器Vを第2ルートIIに振り分け、あるいは通常であれば第2ルートIIに振り分ける容器Vを第1ルートIに振り分けることで各ルートに振り分けられる容器Vの数量を調整する。
例えば、図18の表にしたがって振り分けが行われるときにに、2周目の3番ヘッドが受け取るべき容器がリジェクトされ、供給ホイール18の対応するネックグリッパ185に容器Vが把持されておらず、かつ第2ルートIIに振り分けられた容器Vの数量が第1ルートIよりも所定数以上少ないと制御部16において判断されると、通常であれば、1周目で第1ルートIに振り分けられる3番ヘッドの容器Vを第1ピッチ変換ホイール(第1排出ホイール)22Aに受け渡さず、2周目において第2ルートIIにへ受け渡す。
すなわち、1周目の3番ヘッドに対して容器受渡位置P2(第1排出位置)のカムAの位置を「上」にして、上下グリッパ200を解放状態とせず、閉鎖状態(把持状態)を継続する。このとき同時に、第1ピッチ変換ホイール22Aの可動カム224Cを径方向外側に延出し、ネックグリッパ220を開放状態(解放状態)に維持することにより、ネックグリッパ220と上下グリッパ200が把持する容器Vとが強く干渉することを防止する。また、容器受渡位置P3(第2排出位置)のカムAも「上」に位置されており、上下グリッパ200は容器Vを把持した状態を継続しながら容器受渡位置P3を通過する。なお、容器受渡位置P3を通過するには3番ヘッドの上下グリッパ200と第1ピッチ変換ホイール22Bのネックグリッパ220との位相が異なっているので、第1ピッチ変換ホイール22Bの可動カム224Cを径方向外側に延出して、ネックグリッパ220を開放状態にする必要はない。
そして2周目において3番ヘッドに対して容器受渡位置P1のカムAを「上」にして上下グリッパ200を閉じた閉鎖状態(把持状態)に維持し、同時に3番ヘッドに把持されている容器Vのネックに供給ホイール18のネックグリッパ185が干渉しないように、可動カム181Bを径方向外側に延出し、リジェクトされた容器に対応するネックグリッパ185を開いた状態(解放状態)にする。
容器受渡位置P1を通過した3番ヘッドは容器Vを把持したまま、2周目の容器受渡位置P2(第1排出位置)に到達するが、容器受渡位置P2ではカムAは「上」に維持されているので、把持状態を維持したまま容器受渡位置P2を通過し、容器受渡位置P3(第2排出位置)へ向かう。容器受渡位置P3ではカムAは「下」に位置しているので、上下グリッパ200は容器Vを解放して第2ピッチ変換ホイール22Bのネックグリッパ220へ容器Vを受け渡す。このように、通常であれば第1ルートIへ振り分けられる容器Vを、第2ルートIIへ振り分けることが可能なので、第1ルートIと第2ルートIIへ均等に容器Vを振り分けることができる。
なお、本実施形態において制御部16は、分岐ホイール20の上下グリッパ200の位置を検出するセンサを備える(位置検出手段)。制御部16は、同センサからの信号やリジェクト信号に基づき、リジェクトされた容器Vを把持するネックグリッパ185と受渡位置P1で同期する分岐ホイール20のヘッド(上下グリッパ200)を特定し、各可動カム181B、224Cや、カム201A、201B、201Cを上述のように作動・制御する。
次に、図19〜図22を参照して、キャリアリンクコンベヤ26A、26Bから容器Vを取り上げ、第2ピッチ変換ホイール30A、30Bに受け渡すサーボホイール28A〜28Fの受取/受渡動作について説明する。なお、以下の説明では、第2ルートIIに関わるキャリアリンクコンベヤ26B、サーボホイール28D〜28F、第2ピッチ変換ホイール30Bを例に説明を行うが、第1ルートIに関わるキャリアリンクコンベヤ26A、サーボホイール28A〜28C、第2ピッチ変換ホイール30Aについても同様である。
図19は、第2ルートIIのキャリアリンクコンベヤ26Bから、サーボホイール28D、28E、28F、第2ピッチ変換ホイール30Bを経て排出コンベヤ14に容器を受け渡す部分を拡大した容器搬送装置10の模式的な拡大平面図である。
キャリアリンクコンベヤ26Bのサーボホイール28D、28E、28Fの受取区間よりも上流側にはセンサ19が設けられ、キャリアリンクコンベヤ26Bのネックグリッパ260で搬送される容器Vの有無が検出され制御部16(図1参照)へ送られる。図20、21、22は、サーボホイール28D、28E、28Fが各々キャリアリンクコンベヤ26Bから容器Vを受け取る様子を示す模式的な平面図である。なお、ネックグリッパ260で搬送される容器Vの有無はセンサ19に限るのものではなく、上流に配置されている検査ホイール12からのリジェクト信号を受けて制御装置16が各ホイールのエンコーダ信号により容器Vの有無を判断することも可能である。
図20(a)、図21(a)、図22(a)は、上流でリジェクトされた容器Vがなく、キャリアリンクコンベヤ26Bのネックグリッパ260が歯抜けなく容器Vを搬送する場合のサーボホイール28D、28E、28Fでの容器Vを受け取りの様子を示す図である。図20(a)、図21(a)、図22(a)では、キャリアリンクコンベヤ26B上を連続的に12個の容器V1〜V12搬送されてくる場合に、各サーボホイール28D、28E、28Fが各容器V1〜12を受け取る様子が示される。
キャリアリンクコンベヤ26Bにおいて、容器Vが歯抜けなく連続して搬送されてくる場合は、各サーボホイール28D、28E、28Fに設けられている4つの上下グリッパ280は、取り出すべき容器Vの移動に合わせてそれぞれの移動が制御され、3台のサーボホイール28D、28E、28Fは、上流側から順番に2つ置きに容器を受け取る。すなわち、図20(a)に示される1番上流側のサーボホイール28Dは、2つ置きに容器V1、V4、V7、V10を、図21(a)に示される2番目のサーボホイール28Eは、2つ置きに容器V2、V5、V8、V11を、図22(a)に示される3番目のサーボホイール28Fは、2つ置きに容器V3、V6、V9、V12をキャリアリンクコンベヤ26Bから受け取る。
図20(b)、(c)、図21(b)、(c)、図22(b)、(c)は、キャリアリンクコンベヤ26Bの容器Vの搬送に歯抜けが存在する場合における各サーボホイール28D、28E、28Fの上下グリッパ280の配置を示す図である。
図20(b)、(c)は、容器V1〜V12のうち容器V10が欠損している場合の例である。図20(b)では、図20(a)の通常の状態では容器V10を受け取るサーボホイール28Dの上下グリッパ280が、通常の状態から前進して、通常であればサーボホイール28Fが受け取るはずの容器V9を把持してキャリアリンクコンベヤ26Bのネックグリッパ260から抜き取る様子が示される。また、図20(c)では、図20(a)の通常の状態では容器V10を受け取るサーボホイール28Dの上下グリッパ280が、通常の状態から後退して、通常であればサーボホイール28Eが受け取るはずの容器V11を把持してキャリアリンクコンベヤ26Bのネックグリッパ260から抜き取る様子が示される。
図21(b)、22(b)には、それぞれサーボホイール28E、28Fの上下グリッパ280が、通常の状態から前進して、容器Vを把持してキャリアリンクコンベヤ26Bのネックグリッパ260から抜き取る様子が示され、図21(c)、22(c)には、それぞれサーボホイール28E、28Fの上下グリッパ280が、通常の状態から後退して、容器Vを把持してキャリアリンクコンベヤ26Bのネックグリッパ260から抜き取る様子が示される。
このように、本実施形態ではキャリアリンクコンベヤ26Bの搬送経路に複数の上下グリッパ280を独立して駆動可能なサーボホイール28D、28E、28Fを配置して、それら上下グリッパ280の駆動を制御することにより、キャリアリンクコンベヤ26Bによって供給される容器Vに歯抜けが生じてもサーボホイール28D、28E、28Fへ均等に振り分けるようにしている。制御部16はセンサ17によって排出コンベヤ14D、14E、14Fに排出される容器Vの数量を把握するとともに、センサ19によってキャリアリンクコンベヤ26Bのネックグリッパ260が容器Vを把持しているか否かを把握している。
例えば、サーボホイール28Dによって振り分けられる排出コンベヤ14Dに排出された容器Vの数量が排出コンベヤ14Eや14Fに排出された容器Vの数量ようりも少ないと判断され、かつ、サーボホール28Dへ供給されるべき容器Vに歯抜けが生じた場合、制御部16は図20(b)や図20(c)に示すように、本来であればサーボホイール28Eやサーボホイール28Fへ供給される容器Vをサーボホイール28Dによって取り出し、第2ピッチ変換ホイール30Bを介して排出コンベヤ14Dへ排出する。なお、サーボホイール28Eやサーボホイール28Fのどちらかに供給されるはずであった容器Vを、サーボホイール28Dによって取り出すかは、排出された容器Vの数量が多い方を優先して取り出すようにする。
次に、サーボホイール28Eによって振り分けられる排出コンベヤ14Eに排出された容器Vの数量が排出コンベヤ14Dや14Fに排出された容器Vの数量よりも少ないと判断され、かつ、サーボホイール28Eへ供給されるべき容器Vに歯抜けが生じた場合で、サーボホイール28Dに供給されるべき容器Vをサーボホイール28Eによって取り出す際には、制御部16はサーボホイール28Dの上下グリッパ280には容器を取り出さないように指令するとともに、サーボホイール28Eの上下グリッパ280には図21(b)に示すように、サーボホイール28Dが取り出さなかった容器の移動に合わせて該当する上下グリッパ280の移動を制御し、該当する容器を取り出す。また、サーボホイール28Fに供給されるべき容器Vをサーボホイール28Eによって取り出す際には、制御部16は図21(c)に示すように、サーボホイール28Fに供給されるべき容器の移動に合わせて該当する上下グリッパ280の移動を制御し、該当する容器を取り出す。
さらに、サーボホイール28Fによって振り分けられる排出コンベヤ14Fに排出された容器Vの数量が排出コンベヤ14Dや14Eに排出された容器Vの数量よりも少ないと判断され、かつ、サーボホイール28Fへ供給されるべき容器Vに歯抜けが生じた場合で、サーボホイール28Eに供給されるべき容器Vをサーボホイール28Fによって取り出す際には、制御部16はサーボホイール28Eの上下グリッパ280には容器を取り出さないように指令するとともに、サーボホイール28Fの上下グリッパ280には図21(b)に示すように、サーボホイール28Eが取り出さなかった容器の移動に合わせて該当する上下グリッパ280の移動を制御し、該当する容器を取り出す。また、サーボホイール28Dに供給されるべき容器Vをサーボホイール28Fによって取り出す際には、制御部16はサーボホイール28Dの上下グリッパ280には容器を取り出さないように指令するとともに、サーボホイール28Fの上下グリッパ280には図21(c)に示すように、サーボホイール28Dが取り出さなかった容器の移動に合わせて該当する上下グリッパ280の移動を制御し、該当する容器を取り出す。
以上のように、本実施形態によれば、容器ネック部と容器上下からの把持を交互に繰り返すことで、キャッピングされた容器を交互にグリッパで把持して搬送することができる。これにより、取り扱われる容器の種類やサイズ(胴部形状や胴部径など)が変更されても簡単な作業で容易に対応することができる。
また、本実施形態では、ホイール搬送においても容器を複数のルートに分岐させることができる。また、本実施形態では、ホールドチェンジホイールを設けることで、ホイールの回転方向とネックグリッパ、上下グリッパの組み合わせを変更することができる。更に、本実施形態では、各分岐ルートに対して、略同じ数で容器を振り分けることができる。
次に、図23を参照して本実施形態の変形例について説明する。実施形態では、キャリアコンベヤ26A、26Bのネックグリッパ260に昇降機構264を設けたが、変形例では、昇降機構264の代わりにサーボホイール28A〜28Fの支持プレート280Aに昇降機構を採用する。なお、実施形態と同様の構成に関しては同一の参照符号を用いその説明を省略する。
図23は、変形例のサーボホイール28A(28B〜28F)の上下グリッパ280が容器Vを把持した時点における容器受渡位置P9を中心とするキャリアリンクコンベヤ26A(26B)とサーボホイール28A(28B)の部分拡大縦断面図である。図23に示されるように図15、16に示される昇降機構264が設けられておらず、その代りに支持プレート280Aのプレート昇降機構280Cを備える。
変形例の支持プレート280Aは、各駆動軸282A〜282Dに対してロッド部材280Dを介して昇降自在に取り付けられる。また、各支持プレート280Aには、カムフォロワ280Eが設けられ、カムフォロワ280Eは、固定軸281の外周に沿って設けられるカム281Bに各々当接する。カムフォロワ280Eは、支持プレート280A等の重さによりカムフォロワ280Eに押し当てられ、各駆動軸282A〜282Dの回転に合わせてカム281Bの上を走行する。カム281Bは、容器受渡位置P9においてカムフォロワ280Eを持ち上げ、キャリアリンクコンベヤ26Bのネックグリッパ260に把持される容器Vの底面に当接する。以上の構成により、変形例においても実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本実施形態では、排出コンベヤの容器数から各分岐ルートに振り分けられた容器の数を算出したが、各分岐ルートに振り分けられる容器の数を直接計数してもよい。