JP2019193349A - 充電方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のセルを含む蓄電モジュールの充電において、より簡易な構成によってセル間の容量のばらつきを低減できる充電方法を提供する。【解決手段】一実施形態の充電方法は、直列接続された複数のセル11を含む蓄電モジュール1の充電方法である。この充電方法は、充電電圧が第1電圧値に到達するまで、第1電流値に設定された充電電流により蓄電モジュール1の定電流充電を行う第1ステップと、第1ステップの後に、第1電流値よりも小さい第2電流値に設定された充電電流により蓄電モジュール1の第2の定電流充電を更に行う第2ステップと、を含む。【選択図】図2
Description
本発明の一側面は、充電方法に関する。
従来、直列接続された複数の電池(セル)を含む蓄電モジュールを充電する際に各セルの容量(電圧)を均等化する手法が知られている。例えば、特許文献1,2は、セル毎に並列接続された均等化回路を設けることにより上述した均等化を行う手法を開示している。均等化回路は、直列接続されたスイッチング素子と抵抗素子とから構成されている。
上述した均等化回路によって各セルの容量を均等化する手法では、セル毎に均等化回路を設けるための工数及びコストが発生する。また、例えば蓄電モジュールが非常に多くのセル(例えば100個のセル)を含むバイポーラ電池である場合等、セル毎に均等化回路を設けることが困難であり現実的ではない場合もある。
そこで、本発明の一側面は、複数のセルを含む蓄電モジュールの充電において、より簡易な構成によってセル間の容量のばらつきを低減できる充電方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る充電方法は、直列接続された複数のセルを含む蓄電モジュールの充電方法であって、充電電圧が第1電圧値に到達するまで、第1電流値に設定された充電電流により蓄電モジュールの第1の定電流充電を行う第1ステップと、第1ステップの後に、第1電流値よりも小さい第2電流値に設定された充電電流により蓄電モジュールの第2の定電流充電を更に行う第2ステップと、を含む。
上記充電方法では、第1の定電流充電の完了後、更に第1の電流値よりも小さい第2電流値に設定された充電電流による第2の定電流充電(低レート充電)が実施される。第1の定電流充電の完了時点では、蓄電モジュールに含まれる複数のセル間で、充電容量(すなわち開放電圧(OCV))にばらつきが生じている場合がある。このようなばらつきが生じている場合、容量が大きいセル(高容量セル)は、容量が小さいセル(低容量セル)よりも内部抵抗が大きいため、発熱によって消費されるエネルギー量が大きい。このため、第1の定電流充電の後に更に低レート充電を行うことにより、低容量セルの方が、高容量セルよりも効率良く充電されることになる。その結果、低容量セルと高容量セルとの間の容量差を小さくすることができ、セル間の容量のばらつきが低減される。また、上記充電方法では、従来技術のようにセル毎に並列接続される均等化回路を設ける必要がない。従って、上記充電方法によれば、複数のセルを含む蓄電モジュールの充電において、より簡易な構成によってセル間の容量のばらつきを低減することができる。
第2ステップでは、第1電圧値よりも低い電圧値まで一旦低下した充電電圧が第1電圧値に到達するまで、第2の定電流充電を行ってもよい。この場合、第2の定電流充電において第1の定電流充電と同じ上限電圧(第1電圧値)を用いることにより、充電制御を簡易化できる。
上記充電方法は、第2ステップの後に、充電電圧が第1電圧値に維持されるように充電電流を徐々に絞ることにより、蓄電モジュールの定電圧充電を行う第3ステップを更に含んでもよい。この場合、定電圧充電を更に行うことにより、充電完了後に蓄電モジュールに生じるIRドロップを、定電圧充電を行わない場合よりも小さくすることができるため、蓄電モジュールの充電率をより高めることができる。
第2ステップでは、第1電圧値よりも低い電圧値まで一旦低下した充電電圧が第1電圧値よりも高い第2電圧値に到達するまで、第2の定電流充電を行ってもよい。この場合、第2の定電流充電において第1の定電流充電の上限電圧(第1電圧値)よりも高い上限電圧(第2電圧値)を用いることにより、蓄電モジュールの充電率をより高めることができる。
上記充電方法は、第2ステップの後に、充電電圧が第2電圧値に維持されるように充電電流を徐々に絞ることにより、蓄電モジュールの定電圧充電を行う第3ステップを更に含んでもよい。この場合、定電圧充電を更に行うことにより、充電完了後に蓄電モジュールに生じるIRドロップを、定電圧充電を行わない場合よりも小さくすることができるため、蓄電モジュールの充電率をより高めることができる。
上記充電方法は、第1ステップの後の蓄電モジュールの電圧値に基づいて、蓄電モジュールに含まれる複数のセル間で容量のばらつきが生じているか否かを判定する判定ステップを更に含んでもよい。第2ステップは、判定ステップにおいてばらつきが生じていると判定された場合に実行され、判定ステップにおいてばらつきが生じていると判定されなかった場合には実行されない。この場合、不要な過充電(すなわち、セル間の容量のばらつきが生じていない場合に第2ステップを実行すること)を適切に防止することができる。
上記充電方法は、直列接続された複数の蓄電モジュールに対して実行されてもよく、判定ステップでは、第1ステップの後に複数の蓄電モジュールの各々の電圧値を取得し、蓄電モジュール間の電圧値の比較結果に基づいて、複数の蓄電モジュールのうちにばらつきが生じている蓄電モジュールが存在するか否かを判定してもよい。第2ステップは、判定ステップにおいてばらつきが生じている蓄電モジュールが存在すると判定された場合に実行され、判定ステップにおいてばらつきが生じている蓄電モジュールが存在すると判定されなかった場合には実行されない。この場合、蓄電モジュール間の電圧値の比較結果に基づいて、セル間の容量のばらつきが生じている蓄電モジュールが存在するか否かを簡易に判定できる。その結果、不要な過充電(すなわち、セル間の容量のばらつきが生じている蓄電モジュールが存在しない場合に第2ステップを実行すること)を適切に防止することができる。
上記充電方法は、第1ステップと判定ステップとの間に、充電電流の電流値が0となる期間を設けるステップを更に含んでもよい。この場合、判定ステップの前に充電電流の電流値を0にする(すなわち、電流を蓄電モジュールに流さないようにする)ことにより、蓄電モジュールに電流が流れているときに生じる電圧変動をなくすことができる。その結果、判定ステップにおいて、セル間の容量のばらつきが生じているか否かをより一層精度良く判定することが可能となる。
上記充電方法の充電対象となる蓄電モジュールは、チタン酸リチウムを負極材料として用いたリチウムイオン二次電池であってもよい。第2ステップ以降の充電は、第1ステップ完了時点において十分に充電されているセルにとっては過充電となる。そこで、過充電耐性の高いチタン酸リチウムを負極材料として用いたリチウムイオン二次電池を充電対象とすることにより、既に十分に充電されているセルに対する過充電による悪影響を抑制しつつ、セル間の容量のばらつきを低減できる。
本発明の一側面によれば、複数のセルを含む蓄電モジュールの充電において、より簡易な構成によってセル間の容量のばらつきを低減することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態の充電方法が実施される充電システムの概略構成図である。同図に示される充電システム100は、充電対象となる蓄電モジュール1と、蓄電モジュール1に対する充電を制御する制御装置2と、制御装置2からの指示(制御信号)に基づいて蓄電モジュール1の充電を行う充電装置3と、を含んで構成されている。
蓄電モジュール1は、直列接続された複数のセル11を含んでいる。蓄電モジュール1は、例えば、セパレータを介して複数の電極(正極、負極)が積層されてなるバイポーラ電池である。蓄電モジュール1は、例えば、ニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池等の二次電池である。本実施形態では、蓄電モジュール1は、チタン酸リチウム(LTO)を負極材料として用いたリチウムイオン二次電池である。
制御装置2は、充電装置3の動作を制御することにより、蓄電モジュール1に流れる充電電流を制御する装置である。制御装置2は、物理的には、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)等のメモリ、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置等を備えたコンピュータ装置として構成され得る。また、蓄電モジュール1が車両に搭載されている場合には、制御装置2は、当該車両のシステムを統括的に管理するECU(Electronic Control Unit)であってもよい。制御装置2は、蓄電モジュール1に含まれる複数のセル11間の容量(すなわち開放電圧(以下「OCV(Open Circuit Voltage)」))のばらつきを低減するための充電制御を行うように構成されている。具体的には、制御装置2において、上記メモリ等に読み込まれた所定の充電制御プログラムが上記プロセッサ等によって実行されることにより、制御装置2から充電装置3に対して、充電方法を指示する制御信号が出力される。
充電装置3は、蓄電モジュール1と接続されて、制御装置2からの指示に応じて、当該蓄電モジュール1に所定の電流値の充電電流を流すことにより、当該蓄電モジュール1の充電を行う装置である。
電圧センサ4は、蓄電モジュール1の端子間にかかる電圧を測定するセンサである。制御装置2は、電圧センサ4の測定値を参照することが可能なように、電圧センサ4と接続されている。制御装置2は、電圧センサ4の測定値を参照することにより、蓄電モジュール1の電圧値を適宜把握することができる。
まず、図2を参照して、本実施形態の充電方法の概要について説明する。図2は、複数のセル11間で容量のばらつきがある場合において、容量が高いセル11(以下「高容量セル」)及び容量が低いセル11(以下「低容量セル」)のそれぞれの充電時における閉回路電圧(以下「CCV(Closed Circuit Voltage)」)及びOCVの一例を模式的に示した図である。図2において、CCV1及びOCV1は、高容量セルのCCV及びOCVである。CCV2及びOCV2は、低容量セルのCCV及びOCVである。
時刻t1から時刻t2までの期間P1は、充電電圧(蓄電モジュール1の端子間にかかる電圧)が予め定められた電圧値V1に到達するまで、一定の電流値C1に設定された充電電流により蓄電モジュール1の第1の定電流充電(CC(Constant Current)充電)を行う期間である。ここで、電圧値V1は、例えば、蓄電モジュール1の満充電時のOCV(全てのセル11のOCVの総和)と安全率とに基づいて設定された電圧閾値である。具体的には、電圧値V1は、蓄電モジュール1の満充電電圧(つまり、100[%]の充電状態(SOC)に相当する電圧)であってもよいし、安全率を考慮して満充電電圧よりも低い電圧に設定されてもよい。当該第1の定電流充電のみを行う充電方式は、従来一般的な充電方式である。
図2に示されるように、第1の定電流充電が完了した時点(時刻t2)では、高容量セルの容量(OCV1)と低容量セルの容量(OCV2)との差(OCV1−OCV2)が比較的大きい。そこで、本実施形態の充電方法では、第1の定電流充電の完了後に、更に低レート充電(時刻t2から時刻t3までの期間P2における充電)を実行する。低レート充電は、電流値C1よりも小さい充電電流を用いた充電である。ここでは、低レート充電は、電流値C1よりも小さい電流値C2に設定された電流による第2の定電流充電である。このような低レート充電を実施することにより、高容量セルと低容量セルとの容量差(OCV1−OCV2)を低減できる。これについて、以下に詳細に説明する。
図2に示されるように、第1の定電流充電の後に一旦充電電流を切った場合、各セルの閉回路電圧CCV1,CCV2は、充電電流を切る直前の開放電圧OCV1,OCV2まで低下する。その後、第2の定電流充電により、IRドロップ及び充電量に応じて、再び各セルの閉回路電圧CCV1,CCV2が上昇する。ここで、図3は、高容量セル及び低容量セルの電圧及び抵抗の関係を示す図である。図3において、3つの実線は、ほぼ理想的な充電がされているセル(すなわち、上述した高容量セル)の電圧又は抵抗を示している。一方、1つの破線は、容量ずれが生じているセル(すなわち、上述した低容量セル)の電圧又は抵抗を示している。図3の(A)は、充電時間に対する電圧を示している。図3の(B)は、充電時間に対する抵抗値を示している。図3に示されるように、時刻tにおいて、電圧が高く充電状態(SOC)が高い高容量セル(3つの実線)は、電圧が低く充電状態(SOC)が低い低容量セル(1つの破線)よりも大きい抵抗を有する。また、各セルは直列接続されているため、高容量セル及び低容量セルには、同じ大きさの電流が流れる。このため、高容量セルにおいて発熱によって消費されるエネルギー量(電流の2乗と抵抗との積)は、低容量セルにおいて発熱によって消費されるエネルギー量よりも大きくなる。従って、高容量セルと低容量セルとが混在する状態(すなわち、セル間の容量のばらつきがある状態)で上述した低レート充電を実行することにより、高容量セルよりも低容量セルの方が効率的に充電されることになる。その結果、図2に示されるように、上述した低レート充電(ここでは第2の定電流充電)を実施することにより、高容量セルの電圧(OCV1,CCV1)と低容量セルの電圧(OCV2,CCV2)との差を小さくすることができる。すなわち、図2に示されるように、高容量セルの電圧の傾きよりも低容量セルの電圧の傾きの方が大きくなるため、高容量セルと低容量セルとの間の電圧差が小さくなる。このように、本実施形態の充電方法は、高容量セルと低容量セルとの間で発熱によるエネルギー消費量の差が生じるという知見に基づいて、通常の充電(ここではCC充電)の完了後に更に低レート充電を実施することにより、高容量セルと低容量セルとの容量差(OCV1−OCV2)を低減する。
続いて、図4及び図5を参照して、本実施形態の充電方法(特に上述した低レート充電)の充電パターン(第1例及び第2例)について説明する。なお、第1例及び第2例において、上述した期間P1(第1の定電流充電)は共通である。すなわち、第1例及び第2例のいずれにおいても、まず、期間P1(時刻t1〜t2)において、充電電圧が予め定められた電圧値V1(第1電圧値)に到達するまで、予め定められた電流値C1(第1電流値)に設定された充電電流により、蓄電モジュール1の定電流充電を行う(第1ステップ)。
(第1例)
図4に示されるように、第1例は、第1の定電流充電(期間P1)の完了後に、電流値C1よりも小さい電流値C2(第2電流値)に設定された充電電流により蓄電モジュール1の第2の定電流充電を更に行う第2ステップを含む。第1例では、第2の定電流充電は、電圧値V1よりも低い電圧値まで一旦低下した充電電圧が電圧値V1に到達するまで行われる。すなわち、第1例では、第1の定電流充電が完了する時刻t2から充電電圧が電圧値V1となる時刻t3までの期間P2において、上述した低レート充電の一部として第2の定電流充電が実施される。このような第2の定電流充電によれば、第1の定電流充電と同じ上限電圧(電圧値V1)を用いることにより、充電制御を簡易化できる。
図4に示されるように、第1例は、第1の定電流充電(期間P1)の完了後に、電流値C1よりも小さい電流値C2(第2電流値)に設定された充電電流により蓄電モジュール1の第2の定電流充電を更に行う第2ステップを含む。第1例では、第2の定電流充電は、電圧値V1よりも低い電圧値まで一旦低下した充電電圧が電圧値V1に到達するまで行われる。すなわち、第1例では、第1の定電流充電が完了する時刻t2から充電電圧が電圧値V1となる時刻t3までの期間P2において、上述した低レート充電の一部として第2の定電流充電が実施される。このような第2の定電流充電によれば、第1の定電流充電と同じ上限電圧(電圧値V1)を用いることにより、充電制御を簡易化できる。
また、第1例は、第2の定電流充電の後に、充電電圧が電圧値V1に維持されるように充電電流を徐々に絞ることにより、蓄電モジュール1の定電圧(CV:Constant Voltage)充電を行う第3ステップを更に含む。ここでは一例として、上記定電圧充電は、充電電流が電流値C2よりも小さい電流値C3まで低下する時刻t4まで実行される。電流値C3は、終止電流値として予め定められた電流値である。すなわち、第1例では、第2の定電流充電が完了する時刻t3から上記時刻t4までの期間P3において、上述した低レート充電の一部として上記定電圧充電が実施される。上記定電圧充電を更に行うことにより、充電完了後に蓄電モジュール1に生じるIRドロップを、上記定電圧充電を行わない場合よりも小さくすることができるため、蓄電モジュール1の充電率をより高めることができる。
(第2例)
図5に示されるように、第2例は、第1例とは異なる電圧条件を用いて第2の定電流充電を行う点において第1例と相違している。第2例のその他の点は、第1例と同様である。具体的には、第2例では、第2の定電流充電は、電圧値V1よりも低い電圧値まで一旦低下した充電電圧が電圧値V1よりも高い電圧値V2(第2電圧値)に到達するまで行なわれる。すなわち、第2例では、第1の定電流充電が完了する時刻t2から充電電圧が電圧値V2となる時刻t3までの期間P2において、上述した低レート充電の一部として第2の定電流充電が実施される。このような第2の定電流充電によれば、第1の定電流充電の上限電圧(電圧値V1)よりも高い上限電圧(電圧値V2)を用いることにより、蓄電モジュール1の充電率をより高めることができる。なお、低レートの電流(電流値C1よりも小さい電流)によって充電を行うことにより、IRドロップを抑えることができ、その結果として電圧測定誤差を小さくすることができるため、このように電圧制御の閾値(上限電圧)を高くすることができる。
図5に示されるように、第2例は、第1例とは異なる電圧条件を用いて第2の定電流充電を行う点において第1例と相違している。第2例のその他の点は、第1例と同様である。具体的には、第2例では、第2の定電流充電は、電圧値V1よりも低い電圧値まで一旦低下した充電電圧が電圧値V1よりも高い電圧値V2(第2電圧値)に到達するまで行なわれる。すなわち、第2例では、第1の定電流充電が完了する時刻t2から充電電圧が電圧値V2となる時刻t3までの期間P2において、上述した低レート充電の一部として第2の定電流充電が実施される。このような第2の定電流充電によれば、第1の定電流充電の上限電圧(電圧値V1)よりも高い上限電圧(電圧値V2)を用いることにより、蓄電モジュール1の充電率をより高めることができる。なお、低レートの電流(電流値C1よりも小さい電流)によって充電を行うことにより、IRドロップを抑えることができ、その結果として電圧測定誤差を小さくすることができるため、このように電圧制御の閾値(上限電圧)を高くすることができる。
また、第2例は、第1例と同様に、第2の定電流充電の後に、充電電圧が電圧値V2に維持されるように充電電流を徐々に絞ることにより、蓄電モジュール1の定電圧充電を行う第3ステップを更に含む。ここでは一例として、上記定電圧充電は、充電電流が電流値C3まで低下する時刻t4まで実行される。すなわち、第2例では、第2の定電流充電が完了する時刻t3から上記時刻t4までの期間P3において、上述した低レート充電の一部として上記定電圧充電が実施される。
なお、上述した第1例及び第2例においては、上記定電圧充電(期間P3)は省略されてもよい。すなわち、第1の定電流充電(期間P1)の完了後に、低レート充電として、第2の定電流充電(期間P2)のみが実施されてもよい。
以上述べた本実施形態の充電方法では、第1ステップの充電(期間P1における第1の定電流充電)の完了後、更に電流値C1よりも小さい充電電流による充電(期間P2,P3における低レート充電)が実施される。上述したように、第1ステップの完了時点(時刻t2)では、蓄電モジュール1に含まれる複数のセル11間で、充電容量(OCV)にばらつきが生じている場合がある。このようなばらつきが生じている場合、容量が大きいセル(高容量セル)は、容量が小さいセル(低容量セル)よりも内部抵抗が大きいため、発熱によって消費されるエネルギー量が大きい。このため、第1の定電流充電の後に更に低レート充電を行うことにより、低容量セルの方が、高容量セルよりも効率良く充電されることになる。その結果、セル11間の容量のばらつきが低減される。つまり、上述した低レート充電は、セル11間の容量のばらつきを補正するための充電モードとして機能する。また、上記充電方法では、従来技術のようにセル11毎に並列接続される均等化回路を設ける必要がない。従って、上記充電方法によれば、複数のセル11を含む蓄電モジュール1の充電において、より簡易な構成によってセル11間の容量のばらつきを低減することができる。これにより、低容量セルの容量を高容量セルの容量に近づけることができ、蓄電モジュール1全体の使用可能容量を増やすことができる。
なお、上述した低レート充電(第2ステップ及び第3ステップ)は、第1ステップ完了時点(時刻t2)において十分に充電されているセル11にとっては過充電となるが、本実施形態では、過充電耐性の高いLTOを負極材料として用いたリチウムイオン二次電池を充電対象としている。これにより、既に十分に充電されているセル11に対する過充電による悪影響を抑制しつつ、セル11間の容量のばらつきを低減できる。すなわち、本実施形態の充電方法は、過充電耐性の高いLTOを負極材料として用いたリチウムイオン二次電池に対して好適な充電方法である。
[変形例]
図6は、変形例に係る充電方法の手順を示すフローチャートである。図6に示されるように、変形例に係る充電方法は、上述した期間P1におけるCC充電(第1の定電流充電)を行う第1ステップ(S1)を実行した後に、上述した期間P2以降の低レート充電(S3)を行う第2ステップ(上述した定電圧充電を更に実行する場合は、第2ステップ及び第3ステップ)を実行するか否かを判定する判定ステップ(S2)を含む。本実施形態では、第1ステップと判定ステップとの間に、充電電流の電流値が0となる期間が設けられる。具体的には、判定ステップにおいては、第1ステップの後の蓄電モジュール1の電圧値(充電電流を切った後(電圧降下後)の電圧値)に基づいて、蓄電モジュール1に含まれる複数のセル11間で容量のばらつきが生じているか否かが判定される。そして、上述した低レート充電は、判定ステップにおいてばらつきが生じていると判定された場合(S2:YES)に実行される。一方、判定ステップにおいてばらつきが生じていると判定されなかった場合(S2:NO)には、上述した低レート充電は実行されない。この場合には、従来の充電方式と同様に、通常のCC充電(第1の定電流充電)のみが実行されることになる。
図6は、変形例に係る充電方法の手順を示すフローチャートである。図6に示されるように、変形例に係る充電方法は、上述した期間P1におけるCC充電(第1の定電流充電)を行う第1ステップ(S1)を実行した後に、上述した期間P2以降の低レート充電(S3)を行う第2ステップ(上述した定電圧充電を更に実行する場合は、第2ステップ及び第3ステップ)を実行するか否かを判定する判定ステップ(S2)を含む。本実施形態では、第1ステップと判定ステップとの間に、充電電流の電流値が0となる期間が設けられる。具体的には、判定ステップにおいては、第1ステップの後の蓄電モジュール1の電圧値(充電電流を切った後(電圧降下後)の電圧値)に基づいて、蓄電モジュール1に含まれる複数のセル11間で容量のばらつきが生じているか否かが判定される。そして、上述した低レート充電は、判定ステップにおいてばらつきが生じていると判定された場合(S2:YES)に実行される。一方、判定ステップにおいてばらつきが生じていると判定されなかった場合(S2:NO)には、上述した低レート充電は実行されない。この場合には、従来の充電方式と同様に、通常のCC充電(第1の定電流充電)のみが実行されることになる。
上記判定ステップは、例えば以下のようにして実施される。図1に示されるように、本実施形態では一例として、制御装置2は、蓄電モジュール1の端子間電圧を測定するための電圧センサ4と接続されている。これにより、制御装置2は、第1ステップの後の蓄電モジュール1の電圧値を取得することができる。ここで、複数のセル11間で容量のばらつきが生じている場合(すなわち、他のセルと比較して一定以上容量が小さい低容量セルが存在する場合)、複数のセル11間で容量が均等になるように充電されている場合と比較して、蓄電モジュール1全体の容量(電圧)は小さくなる。制御装置2は、このような特性を利用することにより、例えば以下のようにして上記判定を実行してもよい。例えば、制御装置2は、複数のセル11間で容量のばらつきが生じていない場合(すなわち、理想的な充電が完了した場合)における蓄電モジュール1の電圧値(理想電圧値IV)を予め保持しておく。そして、制御装置2は、電圧センサ4により測定された第1ステップの後の蓄電モジュール1の電圧値Vと理想電圧値IVとを比較することにより、複数のセル11間で容量のばらつきが生じているか否かを判定し得る。例えば、制御装置2は、理想電圧値IVと電圧値Vとの差(理想電圧値IV−電圧値V)が予め定められた閾値以上である(或いは閾値より大きい)場合に、複数のセル11間で容量のばらつきが生じていると判定し、上記差が上記閾値未満(或いは上記閾値以下)である場合に、複数のセル11間で容量のばらつきは生じていないと判定し得る。また、他の一例として、充電システム100は、蓄電モジュール1の端子間電圧を測定するための電圧センサ4以外に、任意の1つのセル11の電圧を測定するための電圧センサを備えていてもよい。この場合、1つのセル11の電圧値がセル満充電電圧(セル11のSOC=100[%]に相当する電圧)であるときに、蓄電モジュール1の電圧値Vと理想電圧値IVとを比較することにより、複数のセル11間で容量のばらつきが生じているか否かを判定し得る。その後の判定手順は、上述した判定手順と同じである。また、他の一例として、蓄電モジュール1の電圧値Vが理想電圧値IVであるときに、1つのセル11の電圧値とセル満充電電圧とを比較することにより、複数のセル11間で容量のばらつきが生じているか否かを判定し得る。例えば、制御装置2は、1つのセル11の電圧値とセル満充電電圧との差が予め定められた閾値以上である(或いは閾値より大きい)場合に、複数のセル11間で容量のばらつきが生じていると判定し、上記差が上記閾値未満(或いは上記閾値以下)である場合に、複数のセル11間で容量のばらつきは生じていないと判定し得る。
上記変形例に係る充電方法によれば、不要な過充電(すなわち、セル11間の容量のばらつきが生じていない場合に上述した低レート充電を実行すること)を適切に防止することができる。すなわち、セル11間のばらつき補正(容量均等化)が必要な場合にのみ上述した低レート充電を適切に実行することが可能となる。また、上記のように、判定ステップの前に充電電流の電流値を0にする(すなわち、電流を蓄電モジュール1に流さないようにする)ことにより、蓄電モジュール1に電流が流れているときに生じる電圧変動をなくすことができる。その結果、判定ステップにおいて、セル11間の容量のばらつきが生じているか否かをより一層精度良く判定することが可能となる。
図7は、変形例に係る充電システム100Aを示す概略構成図である。充電システム100Aでは、複数の蓄電モジュール1が充電装置3と直列接続されている。これにより、充電システム100Aでは、充電装置3から供給される充電電流によって、複数の蓄電モジュール1が同時に充電される。また、蓄電モジュール1毎に、各蓄電モジュール1の端子間電圧を測定するための電圧センサ4が設けられている。制御装置2は、各電圧センサ4と接続されている。これにより、制御装置2は、各蓄電モジュール1の電圧値を取得することができる。
充電システム100Aにおいては、制御装置2は、例えば以下のようにして上記判定ステップ(図6のS2)における判定処理を実行し得る。すなわち、制御装置2は、第1ステップの後に複数の蓄電モジュール1の各々の電圧値を取得し、蓄電モジュール1間の電圧値の比較結果に基づいて、複数の蓄電モジュール1のうちにばらつきが生じている蓄電モジュール1が存在するか否かを判定する。そして、上述した低レート充電は、判定ステップにおいてばらつきが生じている蓄電モジュール1が存在すると判定された場合(S2:YES)に実行される。一方、判定ステップにおいてばらつきが生じている蓄電モジュール1が存在すると判定されなかった場合(S2:NO)には、上述した低レート充電は実行されない。
例えば、制御装置2は、複数の電圧値のうちから最大の電圧値Vmaxと最小の電圧値Vminとを抽出する。そして、制御装置2は、最大の電圧値Vmaxと最小の電圧値Vminとの差(Vmax−Vmin)が予め定められた閾値以上である(或いは閾値より大きい)場合に、ばらつきが生じている蓄電モジュール1(すなわち、最小の電圧値Vminの蓄電モジュール1)が存在すると判定し、上記差が上記閾値未満(或いは上記閾値以下)である場合に、ばらつきが生じている蓄電モジュール1は存在しないと判定し得る。
上述したように、複数の蓄電モジュール1が充電装置3と直列接続される充電システム100Aにおいては、蓄電モジュール1間の電圧値の比較結果に基づいて、セル11間の容量のばらつきが生じている蓄電モジュール1が存在するか否かを簡易に判定できる。その結果、不要な過充電(すなわち、セル11間の容量のばらつきが生じている蓄電モジュール1が存在しない場合に上述した低レート充電を実行すること)を適切に防止することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られない。例えば、上記実施形態(変形例)では、第1ステップの後の蓄電モジュール1の電圧値に基づいて低レート充電を実施するか否かが決定されたが、低レート充電を実施するか否かの判断基準は、上記に限定されない。例えば、蓄電モジュール1の使用年数又は充電回数等に基づいて低レート充電を実施するか否かが決定されてもよい。例えば、蓄電モジュール1の使用年数又は充電回数等が増加すると蓄電モジュール1の劣化が進み、セル間の容量のばらつきが生じ易くなるという観点に基づいて、使用年数又は充電回数等が所定の閾値以上である場合に、低レート充電が実施されてもよい。
また、低レート充電を実施するか否かは、オペレータ等の手動操作(例えば制御装置2に対する入力操作)によって選択されてもよい。また、低レート充電を実施するか否かの判定結果は、オペレータが確認できるように制御装置2が備える出力装置(モニタ等)に一旦出力されてもよい。この場合、その後のオペレータからの入力操作に基づいて低レート充電が開始されてもよい。
また、充電システム100Aのように複数の蓄電モジュール1を直列接続して充電を行う場合には、ばらつきが生じていると判定された蓄電モジュール1(例えば、他の蓄電モジュール1と比較して電圧が一定の基準以上低い蓄電モジュール1)を抽出し、抽出された蓄電モジュール1のみを充電装置3と直列接続した後に上述した低レート充電を実施してもよい。
1…蓄電モジュール、2…制御装置、3…充電装置、4…電圧センサ、11…セル、100,100A…充電システム、C1…電流値(第1電流値)、C2…電流値(第2電流値)、V1…電圧値(第1電圧値)、V2…電圧値(第2電圧値)。
Claims (9)
- 直列接続された複数のセルを含む蓄電モジュールの充電方法であって、
充電電圧が第1電圧値に到達するまで、第1電流値に設定された充電電流により前記蓄電モジュールの第1の定電流充電を行う第1ステップと、
前記第1ステップの後に、前記第1電流値よりも小さい第2電流値に設定された前記充電電流により前記蓄電モジュールの第2の定電流充電を更に行う第2ステップと、
を含む、充電方法。 - 前記第2ステップでは、前記第1電圧値よりも低い電圧値まで一旦低下した前記充電電圧が前記第1電圧値に到達するまで、前記第2の定電流充電を行う、
請求項1に記載の充電方法。 - 前記第2ステップの後に、前記充電電圧が前記第1電圧値に維持されるように前記充電電流を徐々に絞ることにより、前記蓄電モジュールの定電圧充電を行う第3ステップを更に含む、
請求項2に記載の充電方法。 - 前記第2ステップでは、前記第1電圧値よりも低い電圧値まで一旦低下した前記充電電圧が前記第1電圧値よりも高い第2電圧値に到達するまで、前記第2の定電流充電を行う、
請求項1に記載の充電方法。 - 前記第2ステップの後に、前記充電電圧が前記第2電圧値に維持されるように前記充電電流を徐々に絞ることにより、前記蓄電モジュールの定電圧充電を行う第3ステップを更に含む、
請求項4に記載の充電方法。 - 前記第1ステップの後の前記蓄電モジュールの電圧値に基づいて、前記蓄電モジュールに含まれる前記複数のセル間で容量のばらつきが生じているか否かを判定する判定ステップを更に含み、
前記第2ステップは、前記判定ステップにおいて前記ばらつきが生じていると判定された場合に実行され、前記判定ステップにおいて前記ばらつきが生じていると判定されなかった場合には実行されない、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の充電方法。 - 前記充電方法は、直列接続された複数の前記蓄電モジュールに対して実行され、
前記判定ステップでは、前記第1ステップの後に複数の前記蓄電モジュールの各々の電圧値を取得し、前記蓄電モジュール間の前記電圧値の比較結果に基づいて、複数の前記蓄電モジュールのうちに前記ばらつきが生じている蓄電モジュールが存在するか否かを判定し、
前記第2ステップは、前記判定ステップにおいて前記ばらつきが生じている蓄電モジュールが存在すると判定された場合に実行され、前記判定ステップにおいて前記ばらつきが生じている蓄電モジュールが存在すると判定されなかった場合には実行されない、
請求項6に記載の充電方法。 - 前記第1ステップと前記判定ステップとの間に、前記充電電流の電流値が0となる期間を設けるステップを更に含む、
請求項6又は7に記載の充電方法。 - 充電対象となる前記蓄電モジュールは、チタン酸リチウムを負極材料として用いたリチウムイオン二次電池である、
請求項1〜8のいずれか一項に記載の充電方法。
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JP2018080672A JP2019193349A (ja) | 2018-04-19 | 2018-04-19 | 充電方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021039949A1 (ja) | 2019-08-30 | 2021-03-04 | 富士フイルム株式会社 | 無機固体電解質含有組成物、全固体二次電池用シート及び全固体二次電池並びに、全固体二次電池用シート及び全固体二次電池の製造方法 |
-
2018
- 2018-04-19 JP JP2018080672A patent/JP2019193349A/ja active Pending
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