JP2019191178A - Mainspring of timepiece component - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、時計用の様な精密機器に用いられる機械部品に関する。 The present invention relates to a machine part used in precision equipment such as a watch.
近年、シリコン基板に、成膜、露光、エッチング等の微細加工を行うMEMS(Micro−Electro−Mechanical Systems)技術を適用して、精密な機械部品を製造する工法が使われている。 2. Description of the Related Art In recent years, a method of manufacturing a precise mechanical component by applying MEMS (Micro-Electro-Mechanical Systems) technology for performing fine processing such as film formation, exposure, and etching on a silicon substrate has been used.
一般に、MEMS技術を用いてシリコン基板に加工を施したあとは、耐久性や特性を向上するため、加工したシリコン基板の表面に、金属メッキや樹脂で被膜を形成することが多い。 In general, after processing a silicon substrate using MEMS technology, in order to improve durability and characteristics, a film is often formed on the surface of the processed silicon substrate with metal plating or resin.
この際に金属や樹脂の被膜が剥がれない様に、シリコン基板の表面を粗面化する技術が開示されている。(例えば特許文献1)
特許文献1に記載された半導体基板のメッキの前処理方法は、シリコン基板に銅メッキ層による反射防止膜を形成するため、シリコン基板をあらかじめアルカリ溶液に浸漬し、シリコン基板の表面を粗面化するとともに凹凸部を形成し、銅メッキ層とシリコン基板の表面との密着性を高めている。
In this case, a technique for roughening the surface of the silicon substrate is disclosed so that the metal or resin coating is not peeled off. (For example, Patent Document 1)
In the pretreatment method for plating a semiconductor substrate described in
しかし、特許文献1に示した従来技術では、光学部品のシリコン基板の表面を粗面化するとともに凹凸部を形成したので銅メッキ層とシリコン基板の表面との接触面積は増加するものの、凹凸部の形状がV溝形状であるため、アンカー効果が少なく、銅メッキ層とシリコン基板の表面との固着の構造は変わらないので、光学部品に伸縮運動や外部衝撃が加わると銅メッキが剥がれるという課題がある。
However, in the conventional technique shown in
このように、機械部品の素材であるシリコン基板の表面に凹凸部を設け、メッキや保護の薄膜を形成する公知の技術は、機械部品自体の伸縮運動や機械部品に加わる外部からの衝撃によって薄膜が剥がれ、その剥がれた個所に応力が集中するため、耐衝撃性の低下や特性の劣化が生じやすい。さらに外部からの衝撃等で剥離した薄膜片が他の機構に侵入し、悪影響を生じるという課題もある。また、開口部や外形形状を形成してからアルカリ溶液に浸漬して粗面化するため、先に形成した開口部の表面も粗面化され、最終形状の寸法精度を制御することが難しいという課題もあった。 As described above, a known technique for forming a concavo-convex portion on the surface of a silicon substrate, which is a material of a mechanical component, and forming a thin film for plating or protection is based on the expansion and contraction motion of the mechanical component itself or an external impact applied to the mechanical component Peeling off, and stress concentrates on the peeled portion, so that impact resistance and characteristics are likely to deteriorate. Furthermore, there is a problem that the thin film piece peeled off by an impact from the outside penetrates into another mechanism to cause an adverse effect. In addition, since the opening and outer shape are formed and then roughened by immersion in an alkaline solution, the surface of the opening formed earlier is also roughened, and it is difficult to control the dimensional accuracy of the final shape. There were also challenges.
本発明の目的は上記課題を解決し、シリコン基板をエッチング等によって加工したのち表面にメッキや保護のための薄膜を形成する方法において、シリコン基板の表面に、メッキや保護のための薄膜を剥がれ難く形成する製造方法を提供することである。 The object of the present invention is to solve the above-mentioned problems, and in a method of forming a thin film for plating and protection on the surface after processing the silicon substrate by etching or the like, the thin film for plating or protection is peeled off on the surface of the silicon substrate. It is to provide a manufacturing method that is difficult to form.
上記課題を解決するため本発明の時計部品のぜんまいは、
単結晶材料で構成され、表面には、開口幅が内周幅より小さい凹部を複数備え、
該凹部に入り込むように、前記表面に薄膜が形成されており、
前記凹部は、外周部と内周部にそれぞれ配置されていることを特徴とする。
In order to solve the above problems, the mainspring of the watch part of the present invention is:
Consists of a single crystal material, the surface is provided with a plurality of recesses whose opening width is smaller than the inner circumferential width,
A thin film is formed on the surface so as to enter the recess,
The recess, characterized in that it is arranged on the inner peripheral portion and the outer peripheral portion.
本発明によれば、シリコン基板の表面に、複数の凹部が形成されているので、メッキや保護のための薄膜を剥がれ難くすることができる。 According to the present invention, since a plurality of recesses are formed on the surface of the silicon substrate, the thin film for plating and protection can be made difficult to peel off.
本発明は、機械部品の素材であるシリコン基板の表面に、メッキや保護のための薄膜を形成する際に、シリコン基板の表面に複数の凹部を設け、この凹部の開口部の幅より内部の幅を広く形成し、この凹部に薄膜が入り込みアンカー効果を生じることで、薄膜を剥がれ難く形成するものである。 In the present invention, when a thin film for plating or protection is formed on the surface of a silicon substrate which is a material of a machine part, a plurality of recesses are provided on the surface of the silicon substrate, and the inner part is formed from the width of the opening of the recess. The thin film is formed with a wide width, and the thin film enters the concave portion to produce an anchor effect, so that the thin film is hardly peeled off.
以下、図1から図8を用いて本発明の機械部品を詳述する。図1は本発明の第1実施形態における機械部品の構造を示す平面図及び断面図、図2は図1に示す機械部品の一部分の平面図及び断面図、図3は図2に示す機械部品の一部を拡大して示す断面図、図4は図1に示す機械部品の製造工程を示すフローチャート、図5は図1に示す機械部品の製造方法を示す断面図、図6は図5に続く機械部品の製造方法を示す断面図、図7は図6に続く機械部品の製造方法を示す断面図、図8は図7に続く機械部品の製造方法及び完成した機械部品を示す断面図である。 Hereinafter, the mechanical parts of the present invention will be described in detail with reference to FIGS. FIG. 1 is a plan view and a cross-sectional view showing the structure of a mechanical component in the first embodiment of the present invention, FIG. 2 is a plan view and a cross-sectional view of a part of the mechanical component shown in FIG. 1, and FIG. FIG. 4 is a flowchart showing a manufacturing process of the machine part shown in FIG. 1, FIG. 5 is a cross-sectional view showing a method of manufacturing the machine part shown in FIG. 1, and FIG. FIG. 7 is a cross-sectional view showing a machine part manufacturing method following FIG. 6, and FIG. 8 is a cross-sectional view showing a machine part manufacturing method and a completed machine part following FIG. is there.
〔第1実施形態〕
図1〜図3を用いて本発明の第1実施形態における機械部品の構造について説明する。以下、本発明の実施形態における機械部品として機械式腕時計用の部品である「ひげぜんまい」を例に説明するが、本発明はこれに限らず、他の機械部品に広く適用可能である。[ひげぜんまいの構成の説明:図1〜図3]
図1を用いて本実施形態を詳述する。図1(a)は、本発明の第1実施形態におけるひげぜんまい1の平面図であって、ひげぜんまい1を図示しない機械式腕時計の回転軸体の軸方向から平面視したときの様子を示している。説明のため、ひげぜんまい1は4巻きの
みを示している。
[First Embodiment]
The structure of the machine component according to the first embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. Hereinafter, although the description will be given by taking “hairspring” as a mechanical wristwatch component as an example of the mechanical component in the embodiment of the present invention, the present invention is not limited to this and can be widely applied to other mechanical components. [Description of the configuration of the hairspring: FIGS. 1 to 3]
This embodiment will be described in detail with reference to FIG. Fig.1 (a) is a top view of the
図1(a)において、ひげぜんまい1は、中心部に図示しない機械式腕時計の回転軸体であるてん真と嵌合するための貫通孔3aを有するひげ玉3と、貫通孔3aを中心にしてひげ玉3に巻回されるように設計されたコイル形状のぜんまい部2と、ぜんまい部2の巻き終わりと接続しているひげ持4とから構成されている。ぜんまい部2の巻き始めとひげ玉3とは接続部3bで接続している。ひげ持4には、ひげぜんまい1を機械式腕時計の筐体に固定するための貫通孔4aが設けられている。
In FIG. 1 (a), a
ひげぜんまい1の材料としては、水晶、シリコン、シリコン酸化物、などを主成分とする単結晶材料から構成することができる。ここで、単結晶材料とは、エッチング工程を経て、外形形成をすることができる材料であり、複数の材料からなっていても構わない。材料をシリコンとすれば、軽いひげぜんまいを構成できて便利である。以後の説明にあっては、ひげぜんまい1の材料を、軽くて加工しやすいという特徴を有するシリコンとする場合を例にして説明する。
The material of the
ひげぜんまい1を構成する材料がシリコンであるとすると、ひげぜんまい1の製造や加工に際して、シリコン半導体基板の加工工程として知られている深堀りRIE技術を用いることができ、半導体装置を製造する際と同様な公知の製造技術を用いることができる。
Assuming that the material constituting the
ぜんまい部2は一体で形成されており、ひげ玉3の周囲を巻回されているような形状を有している。図1(b)は、図1(a)に示すぜんまい部2のA−A‘における断面図である。図1(b)ではぜんまい部2の4つの部分を拡大して示してあり、4つの部分にぜんまい腕20a、20b、20c、20dの名称を付与して説明する。
The
図1(b)に示すように、ひげぜんまい1のバネ部の断面は矩形であり、この矩形形状を変えてひげぜんまい1のバネ定数を調整する。図1(b)に示すように、ぜんまい部2は間隔k1の渦巻きを形成しており、ぜんまい腕20a〜20dの各々の形状は、ぜんまいによって異なるが、おおよそ幅eは30〜80μm、高さhは70〜300μmの範囲である。
As shown in FIG. 1B, the spring section of the
図2を用いてひげぜんまい1の細部の構造を説明する。図2(a)、(b)は図1に示すぜんまい1の図から、ぜんまい腕20aのみを示している。図2(a)は、ぜんまい腕20aの平面図、図2(b)は、図2(a)の線Lmにおける断面図である。
The detailed structure of the
図2(a)から分かるように、ひげぜんまい1の表面にはひげぜんまい1の長寿命と高耐久性を確保するため高分子材を用いた薄膜6で表面が覆われている。また、図2(a)の平面図や図2(b)の断面図に示すように各ぜんまい腕20a〜20dの一方の面2P及び反対側の面2Tには複数の凹部7が間隔K2で形成されており、薄膜6との結合においてアンカー効果を生じ接着が強固になっている。ここでは、上面の面2Pと下面の面2Tの両方に凹部7を形成したが、効果は減少するが、どちらか一方の面だけに凹部7を形成しても構わない。なお、図1(a)ではこの凹部7の図示は省略してあり、図1(b)のぜんまい腕20a〜20dにおいても同様に凹部7が形成してある。
As can be seen from FIG. 2A, the surface of the
薄膜6はシリコンよりも剛性が低い樹脂であるパラキシリレン系樹脂を用いる。しかし、これに限定されない。例えば無機材料のメッキ膜や蒸着膜であってもよい。ぜんまい腕20a〜20dの表面の凹部7に入り込むように薄膜6を形成することによって、ぜんまい部2のもろさを緩和し耐久性が向上する。
The
凹部7の配置について図2(a)を用いて詳述する。ひげぜんまい1における複数の凹
部7は、図示していないひげぜんまい1の中心を通り互いに角度θの間隔をなす2本の線Lm、Ln上に2個ずつ、間隔K2で設けられている。ぜんまい腕20b〜20dにおいても同様に複数の凹部が設けられており、角度θは、ぜんまい腕20a、20bでは略45度、ぜんまい腕20c、20dでは略30度としている。凹部7の形状は入口より奥が広いので、図2(a)では凹部7の、入口側の外形線を実線、奥側の外形線を破線で図示してある。
The arrangement of the
凹部7と薄膜6の構造について、図3(a)及び図3(b)を用いて更に説明する。図3(a)は、図2(b)に示した断面図の凹部7の周辺を拡大した図である。ぜんまい腕20aの一方の面2Pに形成された凹部7の開口幅dは4.5μmで、内周幅Dは5μmである。すなわち凹部7の入口の直径は、内部の直径より500nm狭い。
The structure of the
凹部7の入口の直径は内部の直径より狭いことにより、薄膜6が凹部7の内部に入り込み、入口部分で引っかかる構造となる。つまり、薄膜6とぜんまい腕20aの基材であるシリコン基板200との界面においてアンカー効果が生じ、薄膜6は基材のシリコン基板200から剥がれ難くなる。薄膜の厚さt1は3μmで、凹部7の深さt2は1μmである。なお、他方の面である面T2についても同様に凹部と薄膜が形成され、アンカー効果が生じている。
Since the diameter of the entrance of the
なお図3(a)に示す様に、凹部7に薄膜6が入り込むため、凹部7周辺の薄膜6には陥没部Xが生じるが、特に必要な場合を除き陥没部Xの図示は説明のため省略する。
As shown in FIG. 3A, since the
次に図3(b)を用いてぜんまい腕20aの側面の構造を説明する。図3(b)は図2(b)に示したぜんまい腕20aの断面図の、側部2s周辺を拡大した図である。図3(b)に示すように、ぜんまい腕20aの側部2sには薄膜6が厚さt1(3μm)で形成され、側部2sの表面は、深掘りRIE加工時に形成されるスキャロップ面esが形成されている。スキャロップ面esとは波状の凹凸面である。このぜんまい腕20aのスキャロップ面esにより、ぜんまい腕20aと薄膜6との接触面積が増大する。接着面積が増すことで、面2Pに形成した凹部7の効果ほどではないが、薄膜6のぜんまい腕20ahの接着力が増し、薄膜6は剥がれ難くなる。
Next, the structure of the side surface of the
[第1実施形態における効果の説明:図3(a)]
図3(a)を用いて第1実施形態における効果を説明する。図3(a)に示すように、本発明のひげぜんまい1の製造方法によれば、ひげぜんまい1の素材のシリコン基板200に複数の凹部7を設け、複数の凹部7の開口幅dは凹部の内周幅Dより小さくし、ひげシリコン基板200及び複数の凹部の内部に薄膜6が入り込むように形成したので、薄
膜6とシリコン基板200との間でアンカー効果を生じる。このアンカー効果によって、ひげぜんまい1の収縮や外部からの衝撃等に対して薄膜6はひげぜんまい1から剥がれ難くなり、従来生じていた薄膜の破片による悪影響や、薄膜6の特性の劣化を防ぎ、ひげぜんまい1としての耐久性が向上する。また薄膜6の下地としての中間膜やカップリング剤を不要とすることが可能となる。
[Description of Effects in First Embodiment: FIG. 3A]
The effect in 1st Embodiment is demonstrated using Fig.3 (a). As shown in FIG. 3 (a), according to the method of manufacturing the
また、ひげぜんまい1の表面に設けられた複数の凹部7の深さt2は、薄膜6の厚さより小さいので、アンカー部である凹部が十分に薄膜材料で埋め尽くされ、アンカー効果が十分に発揮され、剥がれ難さは確実になる。さらに表面の凹形状が目立ちにくく、美観を損ねることもない。
In addition, since the depth t2 of the plurality of
さらに、アルカリ溶液に素材を浸漬して表面を粗面化したのちメッキや保護のための薄膜を形成するという従来の技術では、最終形状の寸法精度を制御することが難しかったが、この課題も解決することが可能である。 Furthermore, it is difficult to control the dimensional accuracy of the final shape with the conventional technique of forming a thin film for plating or protection after immersing the material in an alkaline solution to roughen the surface. It is possible to solve.
[第1の製造方法の説明:図4]
図4を用いて本発明の機械部品の製造方法を説明する。図4は本発明の機械部品であるひげぜんまい1の製造工程を示すフローチャートである。図4に示すように、ひげぜんまい1の製造方法はステップST10〜ステップST30で構成される。
[Description of First Manufacturing Method: FIG. 4]
A method for manufacturing a machine part according to the present invention will be described with reference to FIG. FIG. 4 is a flowchart showing a manufacturing process of the
ステップST10は、ひげぜんまい1の素材であるシリコン基板に後述する外形形成用マスクより開口部の狭い凹部形成用マスク8を用い、複数の凹部7を形成する複数凹部形成工程であって、ステップST1の凹部マスク形成工程とステップST2の凹部エッチング工程とから構成される。ステップST20は、凹部形成用マスク8の開口部より広い開口部を備えた外形形成用マスク9を用い、シリコン基板からひげぜんまい1の全体の形状を形成する外形形成工程であって、ステップST3の外形マスク形成工程とステップST4の外形エッチング工程とから構成される。ステップST30は、全体の形状が形成されたひげぜんまい1の表面に薄膜6を形成する薄膜形成工程である。
Step ST10 is a multiple recess forming step for forming a plurality of
[各工程の説明:図5〜図8]
以下、図5〜図8を用いてステップST10〜ステップST30の詳細を説明する。図5〜図6(a)はステップST10に関し、図6(b)〜図8(b)はステップST20に関し、図8(c)はステップST30に関する。
[Description of each step: FIGS. 5 to 8]
The details of steps ST10 to ST30 will be described below with reference to FIGS. 5 to 6A relate to step ST10, FIGS. 6B to 8B relate to step ST20, and FIG. 8C relates to step ST30.
[複数凹部形成工程(ステップST10)の説明:図5〜図6(a)]
図5〜図6(a)はひげぜんまい1の複数凹部形成工程(ステップST10)を説明する断面図である。なお説明のため、図5〜図6(a)に示す断面図は、図1(a)に示すひげぜんまい1の、A−A‘断面に対応する部分を図示しており、他の部分についても同様である。
[Description of Multiple Recess Forming Step (Step ST10): FIGS. 5 to 6 (a)]
FIG. 5 to FIG. 6A are cross-sectional views for explaining the step of forming a plurality of recesses (step ST10) of the
<凹部マスク形成工程(ステップST1)>
図5(a)に示すように、少なくともひげぜんまい1が取り出せる大きさの面積と厚みとを有するシリコン基板200の上面200u及び下面200bにレジストRを塗付する。シリコン基板200は、ひげぜんまい1が多数個取り出せる大きさが好ましい。またレジストRはフォトリソグラフィで多用される樹脂系の液体レジストを用い、1μmの厚みでシリコン基板200に塗付する。ここでは、上面200uと下面200bにレジストを形成したが、一方の面だけに凹部7を形成する場合には、一方の面だけにレジストを塗布すればよい。
<Recess mask forming step (step ST1)>
As shown in FIG. 5A, a resist R is applied to the upper surface 200u and the lower surface 200b of the
次に図5(b)に示すように、塗付したレジストRを硬化処理後、フォトリソグラフィでパターニングし、露光ののちアルカリ水溶液で不要なパターンを除去して、シリコン基板200にひげぜんまい1のぜんまい部2に複数の凹部7を形成するための複数の開口部8wを備えた凹部形成用マスク8を形成する。以上でステップST1が完了する。
Next, as shown in FIG. 5B, the applied resist R is cured and then patterned by photolithography, and after exposure, unnecessary patterns are removed with an alkaline aqueous solution. A recess-forming
<凹部エッチング工程(ステップST2)>
次に図5(c)に示すように、複数の開口部8wを有する凹部形成用マスク8を形成したシリコン基板200に、エッチング用ガスG1を所定の時間印加し、凹部形成用マスク8の複数の開口部8wに沿って、シリコン基板200を平面視で下方向に等方性ドライエッチングを行う。すると図5(c)に示すように、基板200の、凹部形成用マスク8の複数の開口部8wの個所がエッチングされ、複数の凹部7が形成される。
<Recess etching process (step ST2)>
Next, as shown in FIG. 5C, an etching gas G1 is applied for a predetermined time to the
図5(d)は、図5(c)の部分図M5を拡大して示す断面図である。図5(d)に示すように、シリコンの等方性ドライエッチングを行うと、側面方向にもエッチングが進み、またレジスト膜直下のエッチング量は少ないため、シリコン基板200に内周幅Dが開
口幅dより大きい凹部7が複数形成される。
FIG. 5D is an enlarged cross-sectional view of the partial view M5 of FIG. As shown in FIG. 5D, when isotropic dry etching of silicon is performed, the etching proceeds in the lateral direction, and the etching amount directly under the resist film is small, so that the inner peripheral width D is opened in the
なお図示しないが、必要に応じパッシベーション用ガスG2によって凹部底面7sを保護しながらエッチング用ガスG1によって再度凹部内側面7nのエッチングを行う。この過程で凹部内側面7nがエッチングされ、内周幅Dが開口幅dよりさらに大きい凹部7が複数形成される。
Although not shown, the recess inner side surface 7n is etched again with the etching gas G1 while protecting the recess bottom surface 7s with the passivation gas G2 if necessary. In this process, the inner surface 7n of the recess is etched, and a plurality of
こののち図6(a)に示すように、アルカリ水溶液を用いてレジストRを除去する。シリコン基板200の上面200uと下面200bとには1対の凹部7が8か所形成され、ステップST2が完了する。ステップST1、ステップST2が終了し、ステップST10が終了する。
Thereafter, as shown in FIG. 6A, the resist R is removed using an alkaline aqueous solution. Eight pairs of
[外形形成工程(ステップST20)の説明:図6(b)〜図8(b)]
図6(b)〜図8(b)は外形形成工程(ステップST20)を説明する断面図である。なお説明のため、図6(b)〜図8(b)に示す断面図は、図1(a)に示すひげぜんまい1の、A−A‘断面に沿った部分のみを図示している。
[Description of Outline Forming Step (Step ST20): FIGS. 6B to 8B]
FIG. 6B to FIG. 8B are cross-sectional views for explaining the outer shape forming process (step ST20). For the sake of explanation, the cross-sectional views shown in FIGS. 6B to 8B show only the portion along the AA ′ cross section of the
<外形マスク形成工程(ステップST3)>
まず図6(b)に示すように、1対の凹部7が8か所形成されたシリコン基板200の上面200u及び下面200bに、樹脂系の液体レジストRを1μmの厚みで塗付する。液体レジストRの凹部7周辺の液体レジストRには、凹部7に液体レジストRが入り込むため、陥没部Xが生じる。
<Outer shape mask formation process (step ST3)>
First, as shown in FIG. 6B, a resin-based liquid resist R is applied to a thickness of 1 μm on the upper surface 200u and the lower surface 200b of the
次に図6(c)に示すように、シリコン基板200のぜんまい部2となるぜんまい腕20a〜20dの幅eに相当する部分を覆うように、液体レジストRをフォトリソグラフィでパターニングし、開口部9wを備えた外形形成用マスク9を形成する。上述の通りこの外形形成用マスク9は図示しないがひげぜんまい1の全体を形作る形状である。
Next, as shown in FIG. 6C, the liquid resist R is patterned by photolithography so as to cover a portion corresponding to the width e of the
<外形エッチング工程(ステップST4)>
次に図7(a)に示すように、ボッシュプロセスとして知られた方法を用いてシリコン基板200をエッチングする。詳細には外形形成用マスク9を形成したシリコン基板200にエッチング用ガスG1とパッシベーション用ガスG2とを交互に各々所定の時間印加し、シリコン基板200を図7(a)に示す外形線cに沿ってエッチングする。
<Outline etching process (step ST4)>
Next, as shown in FIG. 7A, the
図7(b)に上述のボッシュプロセスによる外形形状の詳細を示す。図7(b)は、図7(a)の部分図M6を拡大して示す断面図である。図7(b)に示すように、シリコン基板200の、外形形成用マスク9の開口部9wで露出された部分は、図面視で上から下にエッチングされる。ボッシュプロセスでは、側壁20bs及び側壁20csをパッシベーション用ガスG2によって保護しつつ、底面200gをエッチング用ガスG1によってエッチングするので、シリコン基板200は、エッチングによって図7(b)に示すように細長い形状にエッチングされ、最終的には外形線cで切断される。
FIG. 7B shows details of the outer shape by the above-described Bosch process. FIG. 7B is an enlarged cross-sectional view of the partial view M6 of FIG. As shown in FIG. 7B, the portion of the
さらに図7(b)に示すように、エッチング用ガスG1が底面200gをエッチングする過程では等方性のエッチングが行われるため、側壁20bs及び側壁20csは、図7(b)の図面視で水平方向にもエッチングされる。2種のガスを切り替える度に水平方向へのエッチングの痕が発生するので、側壁20bsと側壁20csには、ガスの切り替え数と同じ数の波型を有するスキャロップ面esが形成される。 Further, as shown in FIG. 7B, since the isotropic etching is performed in the process in which the etching gas G1 etches the bottom surface 200g, the side wall 20bs and the side wall 20cs are horizontal as viewed in the drawing of FIG. It is also etched in the direction. Since an etching mark is generated in the horizontal direction every time the two kinds of gases are switched, scallop surfaces es having the same number of corrugations as the number of gas switches are formed on the side walls 20bs and the side walls 20cs.
図8(a)に示すように、最終的に基板200からぜんまい腕20a〜20dがエッチ
ングにより離断される。
As shown in FIG. 8A, the
こののち図8(b)に示すように、アルカリ水溶液を用いて外形形成用マスク9を除去する。ステップST10によってぜんまい腕20a〜20dには1対の凹部7が8か所形成されている。説明のため、この状態のぜんまい腕20a〜20dを含むぜんまい部2とひげ玉3とひげ持4とからなる要素を、未処理ひげぜんまい1pと称する。図8(b)において図示していないが未処理ひげぜんまい1pは、シリコン基板200からエッチングによってぜんまい部2が切り出され、ひげ玉3の貫通穴3a及びひげ持4の貫通穴4aは貫通して形成されている。以上でステップST4が終了し、ST20が終了する。
After that, as shown in FIG. 8B, the
[薄膜形成工程(ステップST30)の説明:図8(c)]
図8(c)は薄膜形成工程(ステップST30)を説明する断面図である。ステップST30では、未処理ひげぜんまい1pに、薄膜6を形成する。
[Description of Thin Film Forming Step (Step ST30): FIG. 8 (c)]
FIG. 8C is a cross-sectional view for explaining the thin film forming step (step ST30). In step ST30, the
<ステップST30>
図示していないが、未処理ひげぜんまい1pを純水等で洗浄し不純物を除去する。次に図8(c)に示すように、気相蒸着重合法の薄膜形成プロセスによって、未処理ひげぜんまい1pに、パラキシリレン系樹脂膜からなる樹脂層である薄膜6を形成する。詳細には未処理ひげぜんまい1pの全表面を含め未処理ひげぜんまい1pに形成された複数の凹部7に入り込むように薄膜形成プロセスによって薄膜6を形成する。本実施形態では薄膜6の厚さは3μmである。以上でステップST30が終了する。なお図8(c)に示すひげぜんまい1には、説明のため薄膜6の陥没部Xは図示していない。以上述べたステップST10〜ステップST30の工程の後、ひげぜんまい1の完成形を得る。
<Step ST30>
Although not shown, the untreated hairspring 1p is washed with pure water or the like to remove impurities. Next, as shown in FIG. 8C, a
以上の説明において、本発明の製造方法による機械部品として機械式腕時計用のひげぜんまいを例に説明したが、本発明はこれに限るものではなく、小型情報端末などで多用されている各種物理量のセンサーを製造する上で広く利用可能である。 In the above description, the balance spring for a mechanical wristwatch has been described as an example of a mechanical part by the manufacturing method of the present invention, but the present invention is not limited to this, and various physical quantities frequently used in small information terminals and the like. It is widely available for manufacturing sensors.
[第2実施形態]
図9A及び図9Bを用いて本発明の第2実施形態におけるひげぜんまい1の構造について説明する。第2実施形態におけるひげぜんまい1は、ぜんまい部2aに形成した複数の凹部7の配置又は形状を、第1実施形態におけるぜんまい1の位置又は形状を変更したものである。
[Second Embodiment]
The structure of the
[第2実施形態におけるひげぜんまい1の構造の説明:図9A(a)〜図9A(b)]
以下、図9A(a)及び図9A(b)を用いてひげぜんまい1の構造を詳述する。図9A(a)は、ひげぜんまい1のぜんまい腕21aの平面図であり、図9A(b)は、図9A(a)の線Lm’に沿った断面図である。
[Description of the structure of the
Hereinafter, the structure of the
図9A(b)に示すように、ぜんまい腕21aの一方の面2Pa及び他方の面2Taに
は、各々1個の凹部7が形成されている。図示していないが、ぜんまい腕21b〜21dにおいても同様である。
As shown in FIG. 9A (b), one
凹部7の配置について図9A(a)を用いて詳述する。ひげぜんまい1における複数の凹部7は、図示していないひげぜんまい1の中心を通り互いにθ1の間隔をなす線Ln‘と線Lm’上に1個ずつ互い違いに、言い換えれば1個ずつ千鳥状に設けられている。
The arrangement of the
図示していないが、ぜんまい腕21b〜21dにおいても同様である。θ1は、ぜんまい腕21a〜21bでは略30度で、ぜんまい腕21c、21dでは略20度としている。また凹部間の直線状の間隔k2は略10〜30μmである。ひげぜんまい1における他の要素や構造は、第1実施形態におけるひげぜんまい1と同様なので説明は省略する。
Although not shown, the same applies to the mainspring arms 21b to 21d. θ1 is approximately 30 degrees for the mainspring arms 21a to 21b and approximately 20 degrees for the mainspring arms 21c and 21d. The linear interval k2 between the recesses is approximately 10 to 30 μm. Since other elements and structures in the
[第2実施形態におけるひげぜんまい1の効果の説明:図9A(a)、図9A(c)]
図9A(a)及び図9A(c)を用いて第2実施形態におけるひげぜんまい1の効果を説明する。図9A(a)に示すように、ひげぜんまい1の複数の凹部7は、図9A(b)に示すぜんまい腕21aの一方の面2Pa及び他方の面2Taに、互い違いに設けられているので、アンカー効果を与える凹部の位置が分散され、より薄膜6が剥がれ難くなる。
[Description of the effect of the
The effect of the
また、図9A(c)に示すように、ぜんまい部2aaの様に凹部7aの径を大きく設定することも可能になる。凹部7aの径が大きくできれば、内周幅Daと開口幅dの差を大きく設定でき、薄膜6のぜんまい腕21aに対するアンカー効果がより大きくなり、ひげぜんまい1の耐久性が更に改善される。
Further, as shown in FIG. 9A (c), the diameter of the concave portion 7a can be set to be large like the mainspring portion 2aa. If the diameter of the recess 7a can be increased, the difference between the inner peripheral width Da and the opening width d can be set large, the anchor effect of the
[第2実施形態の他の変形例におけるひげぜんまい1の構造の説明:図9B(a)〜図9B(c)]
図9B(a)〜図9B(c)を用いて第2実施形態の他の変形例におけるひげぜんまい1の構造を説明する。図9B(a)〜図9B(c)は第2実施形態の第1変形例〜第3変形例におけるひげぜんまい1の複数の凹部7の構造を示す平面図である。
[Description of the structure of the
The structure of the
<第1変形例>
図9B(a)は、第2実施形態の第1変形例である。図9B(a)に示す様に、ぜんまい部2a1において、ぜんまい腕21a1の外周部の複数の凹部7Lの径は、内周部の複数の凹部7の径より大きい。この理由は、ぜんまい駆動時に薄膜6に加わる応力など、薄膜6を剥離させる力は、ぜんまい腕21a1の外周部の方が内周部より大きいので、薄膜6とぜんまい腕21a1の外周部とに、より大きなアンカー効果を生じさせるためである。
<First Modification>
FIG. 9B (a) is a first modification of the second embodiment. As shown in FIG. 9B (a), in the mainspring portion 2a1, the diameters of the plurality of concave portions 7L on the outer peripheral portion of the mainspring arm 21a1 are larger than the diameters of the plurality of
<第2変形例>
図9B(b)は、第2実施形態の第2変形例である。図9B(b)に示す様に、ぜんまい部2a2において、ぜんまい腕21a2の外周部の複数の凹部7は、内周部の複数の凹部7より多数であって密集して設けられている。この理由は第2実施形態の第1変形例と同様に、薄膜6とぜんまい腕21a1の外周部とに、より大きなアンカー効果を生じさせるためである。
<Second Modification>
FIG. 9B (b) is a second modification of the second embodiment. As shown in FIG. 9B (b), in the mainspring portion 2a2, the plurality of
<第3変形例>
図9B(c)は、第2実施形態の第3変形例である。図9B(c)に示す様に、ぜんまい部2a3において、ぜんまい腕21a3の外周部の複数の凹部7Fは、例として星形の形状を有している、この理由は第2実施形態の第2変形例と同様に、薄膜6とぜんまい腕21a1の外周部との結合面積を拡大し、より大きなアンカー効果を生じさせるためである。なお複数の凹部7Fの形状は星形以外でも可能であって、一般的にはより複雑な形状であれば、さらにアンカー効果を高めることが可能になる。
<Third Modification>
FIG. 9B (c) is a third modification of the second embodiment. As shown in FIG. 9B (c), in the mainspring portion 2a3, the plurality of concave portions 7F on the outer peripheral portion of the mainspring arm 21a3 have a star shape as an example. This is because the second embodiment of the second embodiment. This is because, as in the modified example, the coupling area between the
[第3実施形態]
図10A及び図10Bを用いて本発明の第3実施形態におけるひげぜんまい1の構造について説明する。第3実施形態におけるひげぜんまい1は、ぜんまい部22aに形成した複数の凹部の形状を先の実施形態から変更したものである。
[Third Embodiment]
The structure of the
[第3実施形態におけるひげぜんまい1の構造の説明:図10A(a)〜図10A(c)]
以下、図10A(a)〜図10A(c)を用いてひげぜんまい1の構造を詳述する。図10A(a)は、ひげぜんまい1のぜんまい腕22aの平面図であり、図10A(b)は
図10A(a)のB−B‘断面図である。また、図10A(c)は、図10A(a)のB−B‘断面を模式的に示した斜視図である。なお説明のため、図10A(a)及び図10A(c)には薄膜6を図示していない。以下、図10A(a)〜図10A(c)を用いて複数の凹部7bの形状について説明する。
[Description of the structure of the
Hereinafter, the structure of the
図10A(a)及び図10A(b)に示すように、ひげぜんまい1における複数の凹部7bは、ぜんまい腕22aの一方の面2Pb及び他方の面2Tbに、回廊状に形成されている。図10A(a)に示すように、斜線を施して図示した凹部7bは、ぜんまい部2bの形状に沿って回廊状に形成されている。
As shown in FIGS. 10A (a) and 10A (b), the plurality of recesses 7b in the
また図10A(c)に示すように、凹部7bは、長円状の断面を有する回廊状に形成されている。凹部7bの間隔K2は略10〜20μmである。図示していないが、ぜんまい腕22b〜22dにおいても同様である。ひげぜんまい1における他の要素や構造は第1実施形態と同様なので説明は省略する。
Moreover, as shown to FIG. 10A (c), the recessed part 7b is formed in the corridor shape which has an elliptical cross section. The interval K2 between the recesses 7b is approximately 10 to 20 μm. Although not shown, the same applies to the mainspring arms 22b to 22d. Since other elements and structures in the
[第3実施形態におけるひげぜんまい1の効果の説明:図10A(a)]
図10A(a)を用いて第3実施形態におけるひげぜんまい1の効果を説明する。図10A(a)に示すように、ひげぜんまい1における複数の凹部7bは、線状の回廊形状に形成されている。
[Description of the effect of the
The effect of the
すなわち第1実施形態におけるひげぜんまい1の凹部7や、第2実施形態におけるひげぜんまい1の凹部7aは、点状に形成されていたが、本実施形態におけるひげぜんまい1の凹部7bは線状に形成されているので、薄膜6とひげぜんまい1とのアンカー効果は長い範囲で生じ、ひげぜんまい1の耐久性をさらに向上させる。
That is, the
[第3実施形態の他の変形例におけるひげぜんまい1の構造の説明:図10B(a)〜図10B(b)]
図10B(a)及び図10B(b)を用いて第3実施形態の他の変形例におけるひげぜんまい1の構造を説明する。図10B(a)及び図10B(b)は、第3実施形態の第1変形例及び第2変形例におけるひげぜんまい1の複数の凹部7b1、7b2の構造を示す平面図である。
[Description of the structure of the
The structure of the
<第1変形例>
図10B(a)は、第3実施形態の第1変形例である。図10B(a)に示す様に、ぜんまい部2b1において、ぜんまい腕22a1の外周部の回廊状の凹部7b1の幅w2は、内周部の回廊状の凹部7bの幅w1より広い。この理由は、ぜんまい駆動時に薄膜6に加わる応力などの薄膜6を剥離させる力は、ぜんまい腕22a1の外周部の方が内周部より大きいので、薄膜6とぜんまい腕22a1の外周部とに、より大きなアンカー効果を生じさせるためである。
<First Modification>
FIG. 10B (a) is a first modification of the third embodiment. As shown in FIG. 10B (a), in the mainspring portion 2b1, the width w2 of the gallery-like recess 7b1 in the outer peripheral portion of the mainspring arm 22a1 is wider than the width w1 of the gallery-like recess 7b in the inner peripheral portion. The reason for this is that the force that peels the
<第2変形例>
図10B(b)は、第3実施形態の第2変形例である。図10B(b)に示す様に、ぜんまい部2b2において、ぜんまい腕22a2の外周部の回廊状の凹部7b2は、内周部の回廊状の凹部7bより幅が狭く、かつ2本平行して設けられている。この理由は、ぜんまい腕22a2の外周部において、薄膜6とぜんまい腕21a1とのアンカー効果を拡大するためである。なお外周部の回廊状の凹部7b2は、3本あるいはそれ以上でも良い。
<Second Modification>
FIG. 10B (b) is a second modification of the third embodiment. As shown in FIG. 10B (b), in the mainspring portion 2b2, the corridor-like concave portion 7b2 in the outer peripheral portion of the mainspring arm 22a2 is narrower than the corridor-like concave portion 7b in the inner peripheral portion, and two are provided in parallel. It has been. This is because the anchor effect between the
[第2の製造方法]
図11〜図12を用いて本発明にかかる第2の製造方法について説明する。以下、ひげぜんまいを例に第2の製造方法を説明するが、第2の製造方法の特徴は、複数凹部形成工
程と外形形状形成工程とを同時に行うものである。図11は、製造工程のフローチャート、図12は、の製造工程を説明する断面図である。
[Second manufacturing method]
The 2nd manufacturing method concerning this invention is demonstrated using FIGS. 11-12. Hereinafter, the second manufacturing method will be described by taking the hairspring as an example. The second manufacturing method is characterized in that the multiple recess forming step and the outer shape forming step are performed simultaneously. FIG. 11 is a flowchart of the manufacturing process, and FIG. 12 is a cross-sectional view illustrating the manufacturing process.
[第2の製造方法におけるフローチャートの説明:図11]
以下、図11を用いて製造工程を示すフローチャートを詳述する。図11に示すように、ひげぜんまい1の製造方法はステップST10aとステップST30とで構成される。
[Description of Flowchart in Second Manufacturing Method: FIG. 11]
Hereinafter, a flowchart showing the manufacturing process will be described in detail with reference to FIG. As shown in FIG. 11, the manufacturing method of the
ステップST10aは、ひげぜんまい1の素材であるシリコン基板に、凹部・外形マスクを用いて複数の凹部を形成し同時にひげぜんまい1の外形形状を形成する工程であって、ステップST1aの、凹部・外形マスク形成工程と、ステップST2aの、複数の凹部と外形形状とを同時にエッチングする凹部・外形エッチング工程とから構成される。ステップST30は凹部・外形を形成した未処理ひげぜんまい1pに薄膜を形成する薄膜形成工程であり、第1実施形態と同じである。
Step ST10a is a step of forming a plurality of recesses on the silicon substrate, which is a material of the
<凹部・外形マスク形成工程(ステップST1a)>
次に図12を用いてステップST1aの製造工程を説明する。まず図12(a)に示すように、シリコン基板200の上面200u及び下面200bに、レジストRを1μmの厚みで塗付する。シリコン基板200の大きさやレジストRについては第1実施形態と同じなので説明は省略する。
<Recess / Outside Mask Formation Step (Step ST1a)>
Next, the manufacturing process of step ST1a is demonstrated using FIG. First, as shown in FIG. 12A, a resist R is applied to the upper surface 200u and the lower surface 200b of the
次に図12(b)に示すように、塗付したレジストRを硬化処理後、フォトリソグラフィでパターニングし、露光ののちアルカリ水溶液で不要なパターンを除去して、シリコン基板200に、複数の開口部8wと複数の開口部9wとを備えた凹部・外形形成用マスク89を形成する。
Next, as shown in FIG. 12B, the applied resist R is cured, and then patterned by photolithography. After the exposure, unnecessary patterns are removed with an alkaline aqueous solution, and a plurality of openings are formed in the
なお、凹部・外形形成用マスク89の開口部8wは、ひげぜんまい1の素材であるシリコン基板200に複数の凹部を形成するための開口部であり、開口部9wはシリコン基板200からひげぜんまい1の外形形状を形成するための開口部であって、開口部8wは開口部9wより狭い開口部を有している。以上でステップST1aが完了する。
The opening 8w of the recess /
<凹部・外形エッチング工程(ステップST2a)>
次に図12(c)に示すように、凹部・外形形成用マスク89を形成したシリコン基板200に、等方性ドライエッチング用ガスG1を所定の時間印加し、凹部・外形形成用マスク89の複数の開口部8w及び複数の開口部9wに等方性ドライエッチングを行う。すると図12(c)に示すように、シリコン基板200の凹部・外形形成用マスク89の複数の開口部8wと複数の開口部9wが等方性ドライエッチングされ、複数の開口部8wに複数の凹部7が形成されるとともに、複数の開口部9wに複数のへこみ部分9dが形成される。なお等方性ドライエッチング用ガスG1としては、SF6などを用いることができる。
<Recess / Outline Etching Process (Step ST2a)>
Next, as shown in FIG. 12C, isotropic dry etching gas G <b> 1 is applied for a predetermined time to the
次にシリコン基板200に形成されたへこみ部分9dに、知られているボッシュプロセスを適用し、シリコン基板200からひげぜんまい1を形作るためのドライエッチングを行う。すなわち、図12(d)に示す様に、まず凹部・外形形成用マスク89を形成したシリコン基板200にパッシベーション用ガスG2を所定の時間印加し、シリコン基板200全体を覆う保護膜を形成する。パッシベーション用ガスG2としてはC4F8などを用いることができる。
Next, a known Bosch process is applied to the recessed portion 9 d formed in the
次に図12(d)に示す様に、シリコン基板200に異方性エッチング用ガスG1を印加して異方性ドライエッチングを行い、シリコン基板200のへこみ部分9dの底部9dbに形成されたパッシベーション層を破壊する。異方性エッチング用ガスG1としては、
酸素プラズマやフッ素系ラジカルなどを用いることができる。
Next, as shown in FIG. 12D, the anisotropic dry etching is performed by applying the anisotropic etching gas G1 to the
Oxygen plasma, fluorine radicals, or the like can be used.
次にシリコン基板200に等方性ドライエッチング用ガスG1を印加して等方性ドライエッチングを行う。これによって、既に保護膜を失ったシリコン基板200のへこみ部分9dの底面9dbが集中的にエッチングされ、シリコン基板200のへこみ部分9dは図12(d)の図面視で下方に集中的にエッチングされる。一方、シリコン基板200の複数の凹部7は、開口部8wが開口部9wより狭いため、パッシベーション用ガスG2によって所定時間内はエッチングが行われない。
Next, isotropic dry etching is performed by applying an isotropic dry etching gas G1 to the
以上のように、パッシベーション用ガスG2と異方性ドライエッチング用ガスG1と等方性ドライエッチング用ガスG1とを、順に所定時間印加することによって、図12(d)に示した基板200の外形線cに沿って離断される。
As described above, by applying the passivation gas G2, the anisotropic dry etching gas G1, and the isotropic dry etching gas G1 in order for a predetermined time, the outer shape of the
なお図12(d)以降の外形形状の形成については第1の製造方法と同じなので説明は省略する。以上でシリコン基板200からぜんまい腕20a〜20dがドライエッチングにより離断される。
The formation of the outer shape after FIG. 12D is the same as that in the first manufacturing method, and a description thereof will be omitted. Thus, the
こののち凹部・外形形成用マスク89を除去し、未処理ひげぜんまい1pを形成する。詳細は第1実施形態と同じなので説明は省略する。以上でステップST2a及びステップST10aが終了する。またこののちステップST30において薄膜形成工程により未処理ひげぜんまい1pの表面に薄膜6を形成する。詳細は第1の製造方法と同じなので説明は省略する。以上述べたステップST10a〜ステップST30の工程の後、ひげぜんまい1の完成形を得る。
After that, the recess /
[第2の製造方法の効果の説明:図11]
図11及び図12を用いて本製造方法における効果を説明する。図11に示すように、ひげぜんまい1における製造工程のステップ数は、第1の製造方法におけるひげぜんまい1における製造工程のステップ数より2ステップ少なく、工程が短縮され生産効率が向上する。また図12に示すように凹部形成と外形形成のエッチングを同時に行うので、シリコン基板200に与える化学的かつ機械的ストレスが減り、ひげぜんまい1の特性の安定化につながる。
[Description of Effects of Second Manufacturing Method: FIG. 11]
The effect in this manufacturing method is demonstrated using FIG.11 and FIG.12. As shown in FIG. 11, the number of steps of the manufacturing process in the
[第4実施形態]
図13を用いて本発明の第4実施形態における機械部品の構造を説明する。図13はシリコン基板を用い、本発明の機械部品の製造方法を腕時計の他の部品に適用した例を示す斜視図であって、機械部品の表面に薄膜6を形成する前の状態を示している。
[Fourth Embodiment]
The structure of the machine component according to the fourth embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. FIG. 13 is a perspective view showing an example in which the mechanical part manufacturing method of the present invention is applied to other parts of a wristwatch using a silicon substrate, and shows a state before the
なお、図13(a)はガンギ歯車体11p、図13(b)はアンクル体31pと知られている腕時計の部品である。図13(a)に示す様に、ガンギ歯車体11pの一方の面11uには複数の凹部7が設けられ、反対側の面11bにも図示していないが複数の凹部7が設けられている。また図13(b)に示す様に、アンクル体31pの一方の面31uには複数の凹部7が設けられ、反対側の面31bにも図示していないが複数の凹部7が設けられている。なお説明のため、複数の凹部7の形状は実際より大きく、数は実際より少なく図示している。
FIG. 13A shows the parts of the wristwatch known as the escape gear body 11p, and FIG. 13B shows the ankle body 31p. As shown in FIG. 13A, a plurality of
図13(c)は、ガンギ歯車体11p及びアンクル体31pに形成された凹部7の斜視図であって、例として、図13(b)に示すアンクル体31pの凹部7を拡大して示す。図13(c)において、凹部7の形状は入口より奥が広いので、凹部7の入口側の外形線を実線、奥側の外形線を破線で図示してある。凹部7の入口側の開口幅dは4.5μmで、奥側の内周幅Dは5μmである。
FIG. 13C is a perspective view of the
[第5実施形態における効果の説明:図13(c)]
図13(c)に示す様に、ガンギ歯車体11p及びアンクル体31pに形成された凹部7の開口幅dは内周幅Dより500nm狭いので凹部7に薄膜6が入り込み、薄膜6とガンギ歯車体11p及びアンクル体31pとの結合においてアンカー効果を生じ、ガンギ歯車体11p及びアンクル体31pの耐久性や信頼性が向上する。
[Description of Effects in Fifth Embodiment: FIG. 13C]
As shown in FIG. 13 (c), the opening width d of the
以上説明した実施形態は、これに限定されるものではなく、それぞれの実施形態を組み合わせて構成しても構わない。また、本発明の要旨を満たすものであれば任意に変更することができることはいうまでもない。 Embodiment described above is not limited to this, You may comprise combining each embodiment. Needless to say, the present invention can be arbitrarily changed as long as it satisfies the gist of the present invention.
1 ひげぜんまい
11p (未処理の)ガンギ歯車体
11u、31u 一方の面
11b、31b 反対側の面
31p (未処理の)アンクル体
1p 未処理ひげぜんまい
2、2a、2a、2a1、2a2、2a3、2b、2b1、2b2 ぜんまい部
2s ぜんまい腕側部
20a、20b、20c、20d、21a、21a1〜21a3、22a1〜22a2
ぜんまい腕
20bs、20cs 側壁
2P 一方の面
2T 他方の面
2b 平面
3 ひげ玉
3b ひげ玉固定部
3a、4a 貫通孔
3b 接続部
4 ひげ持
6 薄膜
7、7b、7b1、7b2、7L、7F 凹部
7s 凹部底面
7n 凹部内側面
8 凹部形成用マスク
8w マスク1開口部
9 外形形成用マスク
89 凹部・外形形成用マスク
9w マスク2開口部
9d へこみ部分
200 シリコン基板
200u 上面
200b 下面
200g 底面
R レジスト
c 外形線
t1 薄膜厚さ
t2 凹部深さ
t3 凹部切込み幅
d 開口幅
D 凹部の内周幅
e ぜんまい腕幅
h ぜんまい高さ
k1 ぜんまい部間隔
k2 凹部間隔
θ、θ1 凹部間角度
es スキャロップ面
G1 エッチング用ガス(SF6)
G2 パッシべーション用ガス(C4F8)
M5、M6 部分図
Z 回廊
X 陥没部
w1、w2 回廊の幅
100 光学部品
101A シリコン基板表面
DESCRIPTION OF
Mainspring arm 20bs, 20cs Side wall 2P One side 2T The other
t3 Recess cut width d Opening width
D Inner circumferential width of recess e Mainspring arm width h Mainspring height k1 Mainspring interval k2 Recess interval θ, θ1 Recess angle es Scallop surface G1 Etching gas (SF6)
G2 Passivation gas (C4F8)
M5, M6 Partial view Z Corridor X Depression w1, w2 Corridor width 100 Optical component 101A Silicon substrate surface
Claims (6)
該凹部に入り込むように、前記表面に薄膜が形成されており、
前記凹部は、外周部と内周部にそれぞれ配置されている
ことを特徴とする時計部品のぜんまい。 Consists of a single crystal material, the surface is provided with a plurality of recesses whose opening width is smaller than the inner circumferential width,
A thin film is formed on the surface so as to enter the recess,
The timepiece component mainspring according to claim 1, wherein the concave portions are arranged on an outer peripheral portion and an inner peripheral portion, respectively .
ことを特徴とする請求項1に記載の時計部品のぜんまい。 The timepiece mainspring according to claim 1 , wherein a diameter of the plurality of recesses in the outer peripheral portion is larger than a diameter of the plurality of recesses in the inner peripheral portion .
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の時計部品のぜんまい。 The timepiece component according to claim 1 or 2 , wherein the plurality of recesses in the outer peripheral portion are more densely provided than the plurality of recesses in the inner peripheral portion . spring.
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の時計部品のぜんまい。 The timepiece component mainspring according to claim 1 or 2 , wherein the concave portion of the outer peripheral portion is different in shape from the concave portion of the inner peripheral portion .
ことを特徴とする請求項4に記載の時計部品のぜんまい。The mainspring of the timepiece part according to claim 4, wherein the mainspring is a mainspring.
ことを特徴とする請求項5に記載の時計部品のぜんまい。The mainspring of the timepiece part according to claim 5, wherein the mainspring is a mainspring.
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