JP2019191081A - 分析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】様々なラジカルを効率よく生成可能な分析装置を実現する。【解決手段】分析装置は、試料成分由来のイオンが導入される反応部と、プラズマ原料が導入される原料導入室を備え、真空放電によりラジカルを生成するラジカル生成部と、ラジカル生成部で生成されたラジカルを、原料導入室の圧力よりも低い圧力を有し反応部に接続された真空室へと導入する接続部と、接続部を介して反応部に導入されたラジカルとの反応により生成されたイオンをm/z、および/または、イオン移動度に基づいて分離する分離部と、を備え、接続部の断面の内径は20mm以下である。【選択図】図2

Description

本発明は、分析装置に関する。
質量分析において、試料成分をイオン化して得られたイオン(以下、試料成分由来のイオンと呼び、解離等の反応を起こす前のものを適宜プリカーサーイオンと呼ぶ)を解離させたり、当該イオンに原子または原子団を付着させたりして得られたプロダクトイオンに対応するピークが示されたマススペクトルを用いて、試料成分を解析することが行われている。例えば、プリカーサーイオンを解離して得られたフラグメントイオンを解析する場合、試料成分に含まれる分子の一部をそれぞれ構成する複数のフラグメントイオンから、アミノ酸配列等の、当該分子の構造についての詳細な情報が得られる。
ここで、例えばペプチドを解析する場合、得られるフラグメントイオンには、N末端側由来のもの、C末端側由来のもの、ペプチド主鎖上のN−Cα結合の開裂由来のもの、側鎖開裂によるもの等、様々な種類のイオンが含まれる可能性がある。そのため、特定の解離方法により生成されるフラグメントイオンの特徴を利用して、マススペクトルのピークの同定を行うことが提案されている。特許文献1においては、ペプチド主鎖上における水素ラジカルの特異的な反応性を利用し、低エネルギーの衝突誘起解離(Collision−induced dissociation:CID)では生成されにくい、N−Cα結合の開裂由来のc系列フラグメントイオンを生成する点が示されている。
国際公開第2015/133259号
プリカーサーイオンを解離させたり、プリカーサーイオンに原子または原子団を付着させたりして解析する場合には、水素ラジカル以外のラジカルも効率的に使用できることが好ましい。水素ラジカル以外のラジカルを効率的に生成するためには、高周波電圧により生成されたプラズマを利用してラジカルを生成することが考えられる。しかし、高い真空度が必要とされるイオントラップ等の反応室と、放電のために一定の原料ガスの圧力が必要なラジカル源とを、それぞれの真空度を保ちながら接続する必要がある等の問題があり、適切な装置構成を見出す必要があった。
本発明の好ましい実施形態による分析装置は、試料成分由来のイオンが導入される反応部と、プラズマ原料が導入される原料導入室を備え、真空放電によりラジカルを生成するラジカル生成部と、前記ラジカル生成部で生成された前記ラジカルを、前記原料導入室の圧力よりも低い圧力を有し前記反応部に接続された真空室へと導入する接続部と、前記接続部を介して前記反応部に導入されたラジカルとの反応により生成されたイオンをm/z、および/または、イオン移動度に基づいて分離する分離部と、を備え、前記接続部の断面の内径は20mm以下である。
さらに好ましい実施形態では、前記ラジカル生成部は、交流結合回路を備え、前記交流結合回路は、前記交流結合回路に高周波電圧を入力する高周波入力部と、前記交流結合回路の電気的特性を変化させる整合部とを備える。
さらに好ましい実施形態では、前記高周波電圧の周波数は、1MHz以上300GHz以下である。
さらに好ましい実施形態では、前記高周波入力部と、前記高周波電圧の電源とは整合器を介さずに接続されている。
さらに好ましい実施形態では、前記整合部は、移動により前記交流結合回路のインピーダンスを変化させる可動部を備える。
さらに好ましい実施形態では、前記原料導入室は、前記プラズマ原料が内部に導入される管状の第1導電体を含み、前記第1導電体は、前記交流結合回路の一部を構成する。
さらに好ましい実施形態では、前記整合部は、前記管状の第1導電体のうち、前記交流結合回路の一部を構成する部分を変化させる。
さらに好ましい実施形態では、前記管状の第1導電体の端部において前記真空放電が発生する。
さらに好ましい実施形態では、前記原料導入室は、前記プラズマ原料が内部に導入される管状の誘電体を備え、前記ラジカル生成部は、前記誘電体に巻かれた第2導電体を備え、前記第2導電体は、前記交流結合回路の一部を構成する。
さらに好ましい実施形態では、前記整合部は、前記管状の第2導電体のうち、前記交流結合回路の一部を構成する部分を変化させる。
さらに好ましい実施形態では、前記管状の誘電体の内部において前記真空放電が発生する。
さらに好ましい実施形態では、前記原料導入室は、外壁が大気圧下に配置される。
さらに好ましい実施形態では、前記プラズマ原料は、水素ガス、水蒸気、窒素ガスおよび空気からなる群から選択される少なくとも一種類の原料ガスを含む。
さらに好ましい実施形態では、前記反応部で生成されたイオンは、前記ラジカルとの反応により、前記試料成分由来のイオンが解離された第1イオン、または前記試料成分由来のイオンに原子若しくは原子団が付着した第2イオン若しくは前記第2イオンが解離されたイオンである。
本発明によれば、イオントラップ等の反応室と、ラジカル源とを適切な圧力に保つことを可能にする等、適切な装置構成により、高周波電圧により生成されたプラズマを利用して様々な種類のラジカルを生成することができる。
図1は、一実施形態の分析装置の構成を示す概略図である。 図2は、一実施形態の分析装置のラジカル生成部を模式的に示す断面図である。 図3は、一実施形態の分析方法の流れを示すフローチャートである。 図4は、変形例におけるラジカル生成部を模式的に示す断面図である。 図5は、変形例におけるラジカル生成部を模式的に示す断面図である。 図6は、フラーレンイオンへのラジカルの付着を示すマススペクトルである。 図7は、フラーレンイオンへのラジカルの付着を示すマススペクトルである。 図8は、ラジカルにより開裂された物質P(substanceP)のフラグメントイオンのピークを示すマススペクトルである。 図9(A)は、水素を原料ガスとした場合の実施例のラジカル源の放電特性を示すグラフである。図9(B)は、水蒸気を原料ガスとした場合の実施例のラジカル源の放電特性を示すグラフである。 図10(A)および10(B)は、実施例のラジカル源において、水素を原料ガスとして生成されたガスの分光スペクトルである。 図11(A)および11(B)は、実施例のラジカル源において、水蒸気を原料ガスとして生成されたガスの分光スペクトルである。 図12は、実施例のラジカル源において、窒素を原料ガスとして生成されたガスの分光スペクトルである。 図13(A)は、水素を原料ガスとした場合の実施例のラジカル源の放電特性を示すグラフである。図13(B)は、窒素を原料ガスとした場合の実施例のラジカル源の放電特性を示すグラフである。 図14(A)および14(B)は、実施例のラジカル源において、水素を原料ガスとして生成されたガスの分光スペクトルである。 図15(A)および15(B)は、実施例のラジカル源において、水蒸気を原料ガスとして生成されたガスの分光スペクトルである。 図16は、実施例のラジカル源において、窒素を原料ガスとして生成されたガスの分光スペクトルである。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本実施形態の分析装置の構成を示す概念図である。分析装置1は、測定部100と、情報処理部40とを備える。
測定部100は、イオン化部10と、試料成分由来のイオンSを格納する反応部20と、電圧印加部21と、クーリングガス/CIDガス供給部22と、ラジカル供給部23と、質量分離部31と、検出部32とを備える。
反応部20は、入口側エンドキャップ電極211と、出口側エンドキャップ電極212と、リング電極213と、イオン導入口214と、イオン射出口215と、ラジカル導入部216と、ラジカル排出部217とを備える。クーリングガス/CIDガス供給部22は、クーリングガス/CIDガス供給源220と、バルブ221と、クーリングガス/CIDガス導入部222とを備える。ラジカル供給部23は、原料供給源230と、バルブ231と、高周波電源232と、同軸ケーブル233と、ラジカル生成部300aとを備える。
情報処理部40は、入力部41と、通信部42と、記憶部43と、出力部44と、制御部50とを備える。制御部50は、解析部51と、装置制御部52と、出力制御部53とを備える。図1では、検出される試料成分由来のイオンSの移動経路および検出信号の流れを矢印A1およびA2でそれぞれ模式的に示した。また、装置制御部52による測定部100の制御を矢印A3で模式的に示した。加えて、ラジカル供給部23から供給されるラジカルの移動方向を一点鎖線の矢印A4で模式的に示した。
測定部100のイオン化部10は、イオン源を備えて構成され、試料成分をイオン化する。イオン化の方法は特に限定されず、例えばマトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)法やエレクトロスプレー(ESI)法等を用いることができる。イオン化部10でイオン化された試料成分由来のイオンSは、不図示の電極に印加された電圧に基づく電磁気学的作用により移動し、入口側エンドキャップ電極211に設けられたイオン導入口214を通って反応部20に導入される。
反応部20は、イオントラップ等のイオンを収容可能な真空室を備える。反応部20は、試料成分由来のイオンSと反応部20に導入されたガスとを反応させ、試料成分由来のイオンSを解離させたり、試料成分由来のイオンSに原子や原子団を付着させたりしてプロダクトイオンを生成する。従って、反応部20の真空室は反応室として機能する。反応部20は、試料成分由来のイオンSに上記付着を行ったあと、さらに解離を行ってプロダクトイオンを生成してもよい。反応部20は、電圧印加部21が入口側エンドキャップ電極211、出口側エンドキャップ電極212およびリング電極213に印加する電圧ならびにクーリングガス等により試料成分由来のイオンSを制御し、適宜保持または排出する。
なお、図1に示したような三次元イオントラップではなく、リニアイオントラップや衝突セルを用いて反応部20を構成してもよい。
反応部20は、反応部20に導入された試料成分由来のイオンSと、ラジカル供給部23からラジカル導入部216を介して導入されたラジカルとを反応させる。図1では、ラジカル導入部216およびラジカル排出部217は、リング電極213に形成された孔として示されているが、その態様は特に限定されない。試料成分由来のイオンSは、ラジカルとの反応(以下、ラジカル反応と呼ぶ)により酸素原子や水素原子が付着したり、水素原子等の引抜が起きたりして質量の異なるイオン(以下、質量変化イオンと呼ぶ)となる。
分析装置1は、質量変化イオンを質量分離して検出してもよいし、質量変化イオンが解離されたイオンを質量分離して検出してもよい。質量変化イオンは、その内部にラジカル化した部位が有る場合、このラジカル化した部位の不安定性により自発的に解離を起こしてフラグメントイオンとなる場合がある。あるいは、質量変化イオンは、反応部20にCIDガスが導入され、CIDにより質量変化イオンが解離されてフラグメントイオンとなる。その他、質量変化イオンは、ガス衝突解離、レーザー照射解離、電子イオン化解離または電子移動解離等により解離され得る。
電圧印加部21は、交流および直流を印加可能な電源を備える。電圧印加部は、後述する装置制御部52の制御により、入口側エンドキャップ電極211、出口側エンドキャップ電極212およびリング電極213に電圧を印加し、反応部20に導入された試料成分由来のイオンSの動きを制御する。イオン導入口214が形成された入口側エンドキャップ電極211は、イオン射出口215が形成された出口側エンドキャップ電極212と、環状のリング電極213を挟んで対向している。電圧印加部21の電圧制御により、試料成分由来のイオンSは反応部20にトラップされ、反応部20で生成されたプロダクトイオンはイオン射出口215から質量分離部31へ排出される。
クーリングガス/CIDガス供給部22は、反応部20にクーリングガスおよび/またはCIDガスを供給する。クーリングガス/CIDガス供給源220は、ヘリウム等のクーリングガスを収容したクーリングガス貯蔵容器(不図示)および/またはアルゴン等のCIDガスを収容したCIDガス貯蔵容器(不図示)を備える。クーリングガスおよびCIDガスの組成は特に限定されない。クーリングガスおよび/またはCIDガスの導入は、これらのガスの管路の途中に設けられ、後述する装置制御部52に制御されるバルブ221の開閉によって制御される。クーリングガス/CIDガス導入部222は、反応部20まで伸びた管路を備え、クーリングガスおよび/またはCIDガスを反応部20に導入する。クーリングガスによりプリカーサーイオンがクーリングされ、反応部20の中心付近に収束した後、ラジカル供給部23からラジカルが導入されることが好ましい。
なお、図1にはクーリングガス/CIDガス導入部222等として模式的に1本の管路しか示されていないが、クーリングガスとCIDガスをそれぞれ異なる複数の管路を通して反応部20に導入することができる。
ラジカル供給部23は、反応部20にラジカルを供給する。ラジカル供給部23のラジカル生成部300aは、後に詳述するように、真空放電により高周波プラズマを生成し、これによりラジカルを生成する。
原料供給源230は、プラズマ原料である原料ガスの貯蔵容器(不図示)を備える。プラズマ原料は、塩化物、硫黄化合物、フッ化物、水酸化物、酸化物、炭化物からなる群から選択される1つ以上の分子群に属する分子を含むことが好ましい。プラズマ原料は、塩酸、塩化ナトリウム、硫酸、硫化ナトリウム、フッ酸、フッ化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、過酸化水素、二酸化炭素、炭水化物、炭化水素からなる群から選択される1つ以上の種類の分子を含むことがより好ましい。プラズマ原料は、入手の容易さから、水、酸素、窒素、空気および水素からなる群から選択される少なくとも一種類の分子が特に好ましい。プラズマ原料は、取扱いや、プリカーサーイオンに付着した分子を利用して解析を行いやすい観点から、水、酸素、窒素、空気からなる群から選択される少なくとも一種類の分子がさらに好ましい。
プラズマ原料は、ガスであることが好ましく、以下ではプラズマ原料をガス(原料ガスと呼ぶ)として説明する。原料供給源230からのガスの排出は、原料ガスの管路の途中に設けられ、後述する装置制御部52に制御されるバルブ231の開閉によって制御される。バルブ231を通過したガスはラジカル生成部300aに導入される。
高周波電源232は、ラジカル生成部300aに高周波電圧を印加する。高周波電源232が発振する高周波電圧の周波数は、ラジカル生成部300aで真空放電を起こすことができれば特に限定されない。一般的な大きさの質量分析装置にラジカル源が配置されること等を考慮し、当該周波数は、1MHz以上が好ましく、30MHz以上がより好ましく、1GHz以上がさらに好ましい。周波数が高い程、プラズマの発生や維持を行いやすくなり、また、高周波により誘起される電子の振動の振幅が短くなるため、放電管の内壁からの二次電子放出が抑えられ、装置の寿命が長くなる。高周波電源232が発振する高周波電圧の周波数は、あまり高すぎるとプラズマの発生や維持が難しくなるため、300GHz以下が好ましく、10GHz以下がより好ましい。当該周波数は、公衆により使用される他の通信等に影響を与えにくい観点から、13.56MHzおよび2.45GHzが最も好ましい。高周波電源232とラジカル生成部300aは、同軸ケーブル233により電気的に接続される。
ラジカル生成部300aは、ラジカル源として機能し、原料供給源230から供給された原料ガスに、高周波電源232から入力された高周波を加え、真空放電によりプラズマを生成して原料ガス由来のラジカルを生成する。
図2は、ラジカル生成部300aの縦断面を模式的に示す概念図である。本実施形態において、ラジカル生成部300aは容量結合型の高周波ラジカル源である。ラジカル生成部300aは、導電性の原料導入管311aと、導電性キャピラリ312aと、原料ガス導入口313aと、接地電極320と、接続部321aと、ガラス管330と、整合部340aと、高周波入力部350と、フランジ360とを備える。原料導入管311aと、導電性キャピラリ312aと、原料ガス導入口313aは、原料導入室310aを構成する。試料導入管311aおよび導電性キャピラリ312aは円筒状の構造を有し、これらの中心軸を一点鎖線Axで示した。
高周波入力部350と、原料導入管311aと、導電性キャピラリ312aと、接地電極320と、整合部340aとは、交流結合回路を構成する。高周波入力部350はN型コネクタ等の同軸コネクタを備える。高周波入力部350は同軸ケーブル233を介して高周波電源232と接続されており、交流結合回路に高周波電圧を印加する。
分析装置1は、反応部真空容器200と、接続真空容器24とを備える。接続真空容器24は、反応部真空容器200とラジカル生成部300aとを接続する。ラジカル生成部300aは、フランジ360を介し接続真空容器24に固定されている。反応部真空容器200は、不図示の真空ポンプに接続されており、10−3Pa以下等の高真空または超高真空に制御される。接続真空容器24は、不図示の真空ポンプに接続されており、数十Pa以下の圧力に制御される。原料導入室310aは、不図示の真空ポンプに接続されており、原料ガスのガス圧を含め内部の圧力は100Pa等の接続真空容器24よりも高い圧力に制御される。
接続部321aは、ラジカル生成部300aと接続真空容器24とを接続する接続口からなり、それぞれ異なる圧力を有する接続真空容器24および原料導入室310aを、両方の圧力を維持しながら接続する。接続部321aは、この接続口からラジカル生成部300aで生成されたラジカルを接続真空容器24に導入する。
接続部321aの内径、特に接続部321aの最も細い部分の内径は、20mm以下であることが好ましい。理由は以下のとおりである。ラジカル生成部300aで生成されたラジカルは、接続真空容器24の内部を飛行した後に、反応部真空容器200内の反応部20に導入される。接続真空容器24および反応部真空容器200は、それぞれターボ分子ポンプ等を用いて差動排気され真空が維持される。ラジカルを効率よく生成する観点から原料ガスの流量は多い程好ましいが、その場合、原料導入室310aの真空度が悪化し、生成されたラジカルはバックグランドガスと衝突することでその輸送効率は著しく悪化する。
例えば、原料ガスを空気とした場合、10Paにおける平均自由行程は1mm程度である。従って、ラジカルが放出される接続部321aから反応部真空容器200までの距離を1mm程度に近づけた場合でも、原料導入室310aの真空度を10Pa程度以下に維持しなければ、生成されたラジカルはバックグランドガスとの衝突により効率的に輸送されない。
原料導入室310aの真空度を10Paとするには、一般的な質量分析装置で用いられる1000L/s程度以下のターボ分子ポンプ等で排気すると考えた場合、以下の式(1)により原料ガスの流量は1×10Pa・L/s(=6000sccm(standard cc/min))以下に維持しなければならない。
10Pa×1000L/s=1×10Pa・L/s …(1)
一方、マイクロ波等による高周波放電を維持するには原料導入室310aに100Pa程度のガス圧が必要である。そして、上記のように1×10Pa・L/s以下の流量を導入した接続部321aの半径をa[mm]、長さをL[mm]とすると、この接続部321aの空気のコンダクタンスCは、係数をαとして以下の式(2)で表される。
C=α×a/L [L/s] …(2)
ここで、αの値は空気に対しては約12.1である。流量Qは、原料導入室310aの圧力と接続真空容器24の圧力との差をΔPとすると、以下の式(3)で表される。
Q=ΔP×C [Pa・L/s]…(3)
ここで、接続真空容器24の圧力が十分低いとして原料導入室310aの圧力PをΔPに代入し、式(2)および(3)から、以下の式(4)が導かれる。
=QL/αP …(4)
従って、一般的な分析装置等に配置されるプラズマ系の大きさを考慮してLを100mmとした場合、原料導入室310aのガス圧を放電可能な100Pa以上に維持するには、aはおおよそ20mm以下である必要がある。
接続部321aの内径、特に接続部321aの最も細い部分の内径は、20mm以下が好ましく、12mm以下がより好ましく、6mm以下がさらに好ましく、3mm以下であることがより一層好ましい。接続部321aの内径が短い程、接続真空容器24または反応部真空容器200の圧力と、原料導入室310aの圧力との差を維持しやすい。接続部321aの内径、特に接続部321aの最も細い部分の内径は、加工性の観点から、10−9m以上が好ましく、10−6m以上がより好ましく、0.1mm以上がさらに好ましい。
原料導入室310aには、原料供給源230から原料導入口313aを介して原料ガスが導入される。高周波電圧の印加前に予め原料導入室310aに原料ガスを導入しておいてもよいし、高周波電圧の印加と略同時に導入してもよい。原料導入管311aおよび導電性キャピラリ312aは銅等の金属を含む管状の導電体である。導電性キャピラリ312aは、高周波放電のアンテナを構成する。原料導入管311aおよび導電性キャピラリ312aには、高周波入力部350から、高周波電圧が印加される。原料導入管311aや導電性キャピラリ312aの外壁は大気圧下にあり、周囲雰囲気により空冷される。
接地電極320は、アルミニウム等の金属を含む導電性材料からなり、接地されている。接地電極320の内壁は、反応部真空容器200側の一部を除いてガラス管330により被覆されている。接地電極320と、導電性キャピラリ312aとの間で真空放電が発生し、原料ガスがプラズマとなり、ラジカルが生成される。生成されたラジカルは、接続部321aを通って接続真空容器24に導入される。その後、当該ラジカルは、反応部真空容器200と接続真空容器24との間に設置されたスキマー等の孔240、およびラジカル導入口216を通過して反応部20に導入され、プリカーサーイオンに照射される。
整合部340aは、可動部を備え、この可動部の移動により、交流結合回路の電気的特性を変化させ、出力インピーダンスと入力インピーダンスとを整合させる。本実施形態において、可動部は、プランジャーであり、プランジャーを原料導入管311aの中心軸Axを回転軸として回転させると、プランジャーは当該中心軸Axに沿って移動する(矢印A20)。プランジャーを含む整合部340aは接地されており、原料導入室310aのうち、導電性キャピラリ312aの接続真空容器側の端部から、プランジャーにより接地される位置までが交流結合回路に含まれる。整合部340aの移動により、原料導入室310aにおける交流結合回路を構成する部分の長さLaが変化し、交流結合回路のインピーダンスが変化する。整合部340aの可動部を構成するプランジャーは、手動で動かしてもよいし、不図示のモータ等の駆動装置により動かしてもよい。手動で動かすと、簡便に整合を行うことができる。モータ等の駆動装置により動かすと、精密に調整を行うことができる。
整合部340aにおけるプランジャーによる整合の調整は、プランジャーが移動することで変化する、高周波電源232に流入するマイクロ波等の反射高周波の増減に基づいて整合をとる事もできる。これにより、交流結合回路からの電気的応答に基づいて適切に整合を行うことができる。あるいは、整合部340aにおいて、不図示のカメラ等の撮像装置やフォトディテクター等の検出器で真空放電が実際に発生したかをモニターしながらプランジャーを調整することで整合をとる事もできる。これにより、放電の状態に基づいて適切に整合を行うことができる。さらに、反応部20にあるイオントラップ等における、ラジカルとイオンとの反応をモニターしながら、ラジカル反応に最適な位置にプランジャーを調整することもできる。これにより、生成されたラジカルの量に基づいて、適切に整合を行うことができる。この場合、モニターに使用するイオンとして、実施例で記載するラジカル反応を明確に確認することができるフラーレンイオン(C60)が望ましい。
従来の分析装置において、高周波電源と、高周波電圧が入力される回路とのインピーダンス整合を行う際にスリースタブチューナーやE−Hチューナー等の外部整合器を用いると、以下の(A)〜(E)のような問題があった。(A)スタブや中心導体が経年劣化し、十分な整合精度を得るためには頻繁にメンテナンスが必要である。(B)経年変化により整合特性が変化することで、使用者は頻繁に調整を行う必要があり煩雑である。(C)外部整合器を接続するとシステム自体が大型化する。(D)全体として同軸ケーブル長が長くなるため,損失も大きくなる。(E)スリースタブチューナーは原理的にどんな負荷であろうと整合を取ることが可能であるが,3本のスタブを独立に操作するため,整合のための操作に要する時間も長く、それだけ余分な高周波電力を負荷に供給してしまう。
本実施形態におけるプラズマ生成部300aは、励起構造と一体化した交流結合回路を備え、大気圧側に原料導入管311aを配置しているため、空冷により安定性を高めたラジカル源を実現している。また、整合部340aにより整合を行うため、外部整合器を必要とせず、高周波電源232と高周波入力部350とが外部整合器を介さずに接続されており、ラジカル生成部300aの小型化や同軸ケーブル233を短くすることを可能にしている。さらに整合部340aのプランジャー一箇所を調整することにより整合を行うため、迅速に整合を行うことができる。実施例に示したように、本実施形態の分析装置は、10W以下の入力電力で放電およびラジカルの生成が可能である。
図1の質量分離部31は、反応部20から出射されたイオンを当該イオンのm/z(質量電荷比)に基づいて質量分離する。以下では、質量分離部31は、タンパク質等の高質量の分子を好適に分離できるため飛行時間型質量分離部として説明する。質量分離部31は、フライトチューブ等の内部をイオンが飛行する真空室を備え、イオン射出口215から射出され加速されたプロダクトイオンを飛行時間に基づいて分離する。質量分離部31の態様は特に限定されず、図示されたリニア型の他、マルチターン型やリフレクトロン型等を適宜採用することができる。
なお、反応部20で生成された異なるm/z値を有するプロダクトイオンを所望の分解能で分離して検出することができれば、質量分離の方法は特に限定されず、例えば反応部20のイオントラップ等による分離機能を利用してもよい。
検出部32は、マイクロチャンネルプレート等のイオン検出器を備え、質量分離部31で飛行時間に基づいて分離されたプロダクトイオンを検出する。検出部32で検出された検出信号は、不図示のA/D変換器によりA/D変換され、測定データとして制御部50に出力される(矢印A2)。
情報処理部40は、電子計算機等の情報処理装置を備え、適宜ユーザーとのインターフェースとなる他、様々なデータに関する通信、記憶、演算等の処理を行う。
なお、情報処理部40は、測定部100と一体になった一つの装置として構成してもよい。また、分析装置1が用いるデータの一部は遠隔のサーバー等に保存してもよく、分析装置1で行う演算処理の一部は遠隔のサーバー等で行ってもよい。測定部100の各部の動作の制御の少なくとも一部は、情報処理部40が行ってもよいし、各部を構成する装置がそれぞれ行ってもよい。
情報処理部40の入力部41は、マウス、キーボード、各種ボタンおよび/またはタッチパネル等の入力装置を含んで構成される。入力部41は、測定部100の動作の制御に必要な情報、および制御部50の行う処理に必要な情報等を、ユーザから受け付ける。
情報処理部40の通信部42は、インターネット等のネットワークを介して無線や有線の接続により通信可能な通信装置を含んで構成される。通信部42は、解析部51の解析結果等を送信したり、適宜必要なデータを送受信する。
情報処理部40の記憶部43は、不揮発性の記憶媒体で構成され、測定部100の測定条件、測定部100から出力された測定データ、制御部50が処理を実行するためのプログラム、および解析部51の解析結果等を記憶する。
情報処理部40の出力部44は、液晶モニタ等の表示モニタやプリンター等を含んで構成され、測定部100の測定に関する情報や、解析部51の解析結果や出力制御部53が作成した画像等を、表示モニタに表示したり、紙媒体に印刷したりする。
情報処理部40の制御部50は、CPU等のプロセッサを含んで構成され、分析装置1を制御する動作の主体として機能する。制御部50は、測定条件を設定する処理等を行う処理装置となる。制御部50は、記憶部43等に記憶されたプログラムをプロセッサが実行することにより各種処理を行う。
制御部50の解析部51は、検出部32から出力された測定データを解析し、各プロダクトイオンを定量する。測定データは、飛行時間と、各飛行時間に検出されたイオンの強度についての情報を含む。解析部51は、較正データ等に基づいて飛行時間と対応するm/zを算出し、m/zと検出強度とを対応付けてマススペクトルに対応するデータを構築する。解析部51は、例えば、特定のプリカーサーイオンから生成されたフラグメントイオンのピークを含むMS/MSスペクトルに対応するデータを構築することができる。
解析部51は、過去に得られたマススペクトル、または、数値計算に基づく理論若しくは経験的な開裂規則に基づき推定されるマススペクトル等のデータに基づいて、マススペクトル上の各プロダクトイオンに対応するピークを同定する。解析部51は、ラジカル反応および/または解離により生じるプロダクトイオンについて、質量の変化の態様に特徴がある場合には、当該特徴を用いてマススペクトルのピークの同定を行うことができる。
例えば、解析部51は、酸素ラジカルとプリカーサーイオンを反応させた場合には、メチオニンや芳香族アミノ酸に酸素原子が付着しやすいことを利用して解析することができる。解析部51は、酸素原子に対応する質量だけずれた複数のピークが観察された場合に、これらがメチオニンの数や芳香族アミノ酸の数の違う分子として同定することができる。このように、解析部51は、ラジカル反応により付着する物質の特異性に基づいてピークの同定等の解析を行うことができる。他の例として、試料がペプチドを含む場合、解析部51は、特定のラジカルにより解離が起きた場合の切断されやすいアミノ酸配列上の位置に基づいて解析を行うことができる。
なお、マススペクトルのピークを同定する方法は特に限定されない。また、出力部44に表示されたマススペクトルを見てユーザーが解析してもよい。
制御部50の装置制御部52は、入力部41からの入力等に基づく測定条件に関する情報や、記憶部43に記憶されている情報に基づいて、測定部100の動作を制御する(矢印A3)。装置制御部52は、電圧印加部21が印加する電圧、クーリングガスおよび/またはCIDガスならびにラジカルを含むガスの供給、検出部32の検出条件等を制御する。
制御部50の出力制御部53は、解析部51が構築したマススペクトルに対応するデータ、測定部100の測定条件および/または解析部51の解析結果等から出力画像を作成し、出力部44に出力し、表示モニタへの表示等を行わせる。
図3は、本実施形態に係る分析方法の流れを示すフローチャートである。ステップS1001において、イオン化部10は、試料成分をイオン化し、反応部20に導入する。ステップS1001が終了したら、ステップS1003が開始される。
ステップS1003において、高周波入力部350は、高周波電圧をラジカル生成部300aの交流結合回路に印加し、整合部340aは、移動によりインピーダンス整合を行ってラジカルを発生させる。ステップS1003が終了したら、ステップS1005が開始される。ステップS1005において、分析装置1は、ラジカルを接続部321aおよびラジカル導入口216を介して反応部20に導入し、試料成分由来のイオンSを解離させたり、試料成分由来のイオンSに原子または原子団を付着させて、質量変化イオンを生成する。ステップS1005が終了したら、ステップS1007が開始される。
ステップS1007において、制御部50は、ステップS1005で生成した質量変化イオンを開裂する必要があるかを、予め入力部41から入力されたユーザーからの指示等により判定する。質量変化イオンを開裂する必要がある場合、制御部50はステップS1007を肯定判定し、ステップS1009が開始される。質量変化イオンを開裂する必要が無い場合、制御部50はステップS1007を否定判定し、ステップS1011が開始される。
ステップS1009において、クーリングガス/CIDガス導入部222は、CIDガスを反応部20に導入し、反応部20は、CIDにより質量変化イオンを開裂させる。ステップS1009が終了したら、ステップS1011が開始される。ステップS1011において、質量分離部31および検出部32は、質量変化イオンまたは質量変化イオンが解離されたイオンをプロダクトイオンとして、質量分析により検出する。ステップS1011が終了したら、ステップS1013が開始される。
ステップS1013において、解析部51は、質量分析の測定データを解析する。ステップS1013が終了したら、ステップS1015が開始される。ステップS1015において、出力部44は、解析部51による解析結果を表示する。ステップS1015が終了したら、処理が終了される。
上述の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)本実施形態の分析装置1は、試料成分由来のイオンSが導入される反応部20と、プラズマ原料が導入される原料導入室310aを備え、真空放電によりラジカルを生成するラジカル生成部300aと、ラジカル生成部300aで生成されたラジカルを、原料導入室310aの圧力よりも低い圧力を有し反応部20に接続された接続真空容器24へと導入する接続部321aと、接続部321aを介して反応部20に導入されたラジカルとの反応により生成されたイオンをm/zに基づいて分離する質量分離部31と、を備え、接続部321の断面の内径は20mm以下である。これにより、分離部側に配置された真空容器(反応部真空容器200および接続真空容器24)において圧力を低くして質量分析等の分析を可能にする一方、原料導入室310aの圧力を高めて効率的にラジカルを生成し、様々なラジカルを利用して分析対象のイオンを分析することができる。
(2)本実施形態の分析装置1において、ラジカル生成部300aは、交流結合回路を備え、この交流結合回路は、当該交流結合回路に高周波電圧を入力する高周波入力部350と、当該交流結合回路の電気的特性を変化させる整合部340aとを備える。これにより、ラジカル生成部300aに配置された整合部340aにより整合を行うため、ラジカルを利用可能でコンパクトな分析装置1を実現することができる。
(3)本実施形態の分析装置1において、高周波入力部350と、高周波電圧の電源(高周波電源232)とは整合器を介さずに接続されている。これにより、外部整合器が無いため、コンパクトな分析装置1を実現することができる。
(4)本実施形態の分析装置1において、整合部340aは、移動により交流結合回路のインピーダンスを変化させる可動部(プランジャー)を備える。これにより、わかりやすい操作で容易に整合を行うことができる。
(5)本実施形態の分析装置1において、交流結合回路の整合のための可動部は1か所である。これにより、スリースタブチューナー等の複数の部分を操作することにより整合を行う場合と比べて、迅速かつ容易に整合を行うことができる。
(6)本実施形態の分析装置1において、原料導入室310aは、プラズマ原料が内部に導入される管状の第1導電体(原料導入管311aおよび導電性キャピラリ312a)を含み、第1導電体は、交流結合回路の一部を構成する。これにより、原料導入室310aの一部を利用して効率的にラジカルの生成を行うことができる。
(7)本実施形態の分析装置1において、整合部340aは、管状の第1導電体のうち、交流結合回路の一部を構成する部分を変化させる。これにより、交流結合回路と一体化した原料導入室310aの管状構造を利用して、迅速かつ容易な整合を実現することができる。
(8)本実施形態の分析装置では、管状の第1導電体の端部において真空放電が発生する。これにより、生成されたラジカルが導電性の原料導入管311aや導電性キャピラリ312aに再結合して損失することを防ぐことができる。
(9)本実施形態の分析装置において、原料導入室311aは、外壁が大気圧下に配置される。これにより、空冷により冷却を行うことができるため、冷却装置を設ける必要が無く、コンパクトな分析装置1を実現することができる。
なお、ラジカル生成部300aの空冷による冷却では、圧縮空気を利用することで冷却効率を向上させることもできる。また、ラジカル生成部300aのうち、外気に接触している導電性部分が加熱により酸化することを防ぐため、乾燥窒素など酸素や水分が含まれないガスで冷却することがさらに望ましい。
(10)本実施形態の分析装置において、反応部20で生成されたイオンは、ラジカルとの反応により、試料成分由来のイオンSが解離された第1イオン、または試料成分由来のイオンSに原子若しくは原子団が付着した第2イオン若しくは第2イオンが解離されたイオンである。これにより、ラジカルによる解離において切断されやすい位置や、付着する原子または原子団の質量を利用して、測定データに基づくマススペクトルにおけるピークの同定を行うことができる。
次のような変形も本発明の範囲内であり、上述の実施形態と組み合わせることが可能である。以下の変形例において、上述の実施形態と同様の構造、機能を示す部位に関しては、同一の符号で参照し、適宜説明を省略する。
(変形例1)
上述の実施形態では、分析装置1が容量結合型の高周波ラジカル源であるラジカル生成部300aを備える構成としたが、誘導結合型の高周波ラジカル源を備える構成としてもよい。
図4は、本変形例のラジカル生成部300bの縦断面を模式的に示す概念図である。本変形例において、ラジカル生成部300bは誘導結合型の高周波ラジカル源である。ラジカル生成部300bは、原料導入管311bと、原料ガス導入口313bと、導電性リボン315と、接続部321bと、整合部340bと、高周波入力部350と、フランジ360と、磁石370,371とを備える。原料導入管311bと、原料ガス導入口313bと、接続部321bは、原料導入室310bを構成する。原料導入管311bは円筒状の構造を有し、この中心軸を一点鎖線Axで示した。中心軸Axは、磁石370および整合部340bの中心軸とも略一致している。
原料導入室310bには、原料供給源230から原料導入口313bを介して原料ガスが導入される。原料導入管311bは管状の誘電体であり、アルミナ等を含んで構成される。原料導入管311bは、中空の円筒形状の磁石370の中心軸に沿って配置されている。原料導入管311bにおいて磁石370と対向する部分は、導電性リボン315が巻かれており、当該導電性リボン315が高周波のアンテナとなる。
高周波入力部350と、導電性リボン315とは、交流結合回路を構成する。高周波入力部350は、高周波電源233から出力された高周波電圧を導電性リボン315に印加する。磁石370,371は、原料導入管311bの中心軸Axに沿って一方の端部にN極が、他方の端部にS極が配置されている。磁石370,371は、原料導入管311bの内部に磁場を発生させ、この磁場に基づく電磁気学的作用により、導電性リボン315に印加された高周波電圧によるプラズマの発生、維持を容易にする。
整合部340bは、可動部であるプランジャーを備える。このプランジャーは、金属等の導電性材料を含み、接地されている。当該プランジャーは、磁石370と原料導入管311bとの間において導電性リボン315と接触している。整合部340bは、当該プランジャーの中心軸Axに沿った方向の移動により交流結合回路のインダクタンスを変化させ、高周波電源232および交流結合回路についてのインピーダンス整合を行う(矢印A40)。
図5は、整合部340bのプランジャーが図4における位置から移動した後の本変形例のラジカル生成部300bを示す概念図である。整合部340bは、中心軸Axを回転軸として回転させることにより中心軸Axに沿って移動する。プランジャーが移動すると、磁石370と原料導入管311bとの間において、間隙341が形成される。この間隙341と対向する導電性リボン315の一部は、導電性のプランジャーと接触していないため、接地されておらず、交流結合回路の一部を構成するアンテナとして機能する。プランジャーと接触していない導電性リボン315の一部の長さが変化することにより、交流結合回路のインダクタンスが変化し、これによりインピーダンス整合が行われる。
なお、誘電体からなる原料導入管311bの周囲に高周波のアンテナとして機能する金属層を配置できれば、アンテナの態様はリボンに限られない。
整合部340bにより整合が行われ、原料導入管311bの内部で真空放電が起きると、高周波プラズマによって生成されたラジカルは接続部321bから接続真空容器24(図2)に導入される。
接続部321bは、ラジカル生成部300bと接続真空容器24とを接続する接続口からなり、それぞれ異なる圧力を有する接続真空容器24および原料導入室310bを、両方の圧力を維持しながら接続する。接続部321bの内径、特に接続部321bの最も細い部分の内径は、上述の実施形態と同様、20mm以下であることが好ましく、12mm以下がより好ましく、6mm以下がさらに好ましく、3mm以下であることがより一層好ましい。また、接続部321bの内径、特に接続部321bの最も細い部分の内径は、0.1mm以上が好ましく、1mm以上がより好ましい。接続部321bは、上記接続口からラジカル生成部300bで生成されたラジカルを接続真空容器24に導入する。
接続真空容器24に導入されたラジカルは、反応部真空容器200と接続真空容器24との間に設置された孔240、およびラジカル導入部216を通過して反応部20に導入される(図2参照)。
本変形例の分析装置において、原料導入室310bは、プラズマ原料が内部に導入される管状の誘電体(原料導入管311b)を備え、ラジカル生成部300bは、この誘電体に巻かれた第2導電体(導電性リボン315)を備え、この第2導電体は、交流結合回路の一部を構成する。これにより、原料導入管311bの内部で真空放電が起きるようにするとともに、原料導入管311bの内壁が金属製ではないため、当該真空放電により生成されたラジカルが、原料導入管311bの内壁に再結合して損失となるのを防ぐことができる。
本変形例の分析装置において、整合部340bは、原料導入管311bに巻かれた第2導電体のうち、交流結合回路の一部を構成する部分を変化させる。これにより、交流結合回路と一体化した導電性リボン315の構造を利用して、迅速かつ容易な整合を実現することができる。
本変形例の分析装置において、管状の誘電体(原料導入管311b)の内部において真空放電が発生する。これにより、広い範囲において真空放電を行うことができ、効率的にラジカルを生成することができる。
(変形例2)
上述の実施形態では、ラジカル供給部23を質量分析装置に適用し、ラジカル反応により生成されたイオンを質量分離部31によりm/zに基づいて分離して、検出部32が検出した。しかし、ラジカル供給部23をイオン移動度分析装置に適用し、ラジカル反応により生成されたイオンをイオン移動度に基づいて分離して検出してもよい。さらに、ラジカル反応で生成されたイオンを、m/zとイオン移動度との両方に基づいて分離する分離部により分離して検出してもよい。これにより、ラジカルにより生成されたイオンをイオン移動度に基づいてより詳細に分析することができる。
本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
以下に、実施例を示すが、本発明は下記の実施例における分析条件等に限定されるものではない。
(実施例1)
図2の例で示されたものと同様の構造を有する容量結合型マイクロ波ラジカル源に水蒸気を導入し、高周波(2.45GHz)真空放電により生成された原子等を含むガスをイオントラップに保持されたフラーレンイオンに照射した。照射を行わなかった場合(0s)、0.25秒照射した場合(0.25s)および1秒照射した場合(1s)のそれぞれについて、飛行時間型質量分析計で質量分離を行ってマススペクトルを取得した。
図6は、本実施例で得られたマススペクトルを示す図である。上段が照射時間0秒の場合、中段が照射時間0.25秒の場合、下段が照射時間1秒の場合にそれぞれ対応する。ここで、一価のフラーレンイオンとn個の水素ラジカルまたは酸素ラジカルとの反応は以下の反応式(10)で示される。
Figure 2019191081

…(10)
フラーレンイオンの分子量はおよそ720であり、水素ラジカルが付着すると約1、酸素ラジカルが付着すると約16変化する。図6のマススペクトルから、照射時間が増加するにしたがって、フラーレンイオンに付着する水素原子の個数が増え、また、酸素原子が付着したフラーレンイオンの割合が増えていることが分かる。このことから、マイクロ波プラズマ源由来の原子種を質量分析の際にプロダクトイオンを生成するための反応に利用できることが確認できた。
(実施例2)
実施例1と同様の方法でラジカルを生成し、フラーレンイオンに照射した。ラジカルの照射時間は1秒とし、高周波電源からの入力電力を0Wから45Wまで変化させ、それぞれの場合について飛行時間型の質量分析計で質量分離を行いマススペクトルを取得した。本実施例での原料ガスの導入量は100sccmであり、ラジカル生成部におけるイオントラップ側の真空容器(上述の接続真空容器24に相当)への接続口の半径は1.5mmであった。
図7は、本実施例で得られたマススペクトルを示す図である。図7では、上から入力電圧が0W、2W、6W、8W、17Wおよび45Wの場合のマススペクトルをそれぞれ示している。図中の「x2」は、線B1で示された範囲のm/zに対応するグラフが、それ以外の部分と比較して2倍に拡大されていることを示す。反応時間が1秒の場合、入力電力が2W程度であっても明確な水素原子および酸素原子の付着反応が見られている。この結果から、極めて低い電力であってもイオントラップ中でのイオン反応を生じさせるに十分な量のラジカルを生成できることがわかる。
(実施例3)
図2の例で示されたものと同様の構造を有する容量結合型マイクロ波ラジカル源に水蒸気を導入し、高周波(2.45GHz)真空放電により生成された原子等を含むガスをイオントラップに保持されたペプチド(物質P(Substance P)、分子量1346Da)に照射した。照射時間は1秒であった。得られたイオンを飛行時間型の質量分析計で質量分離して検出し、マススペクトルを作成した。
図8は、本実施例で得られたマススペクトルを示す図である。図中の「x100」は、線B2で示された範囲のm/zに対応するグラフが、それ以外の部分と比較して100倍に拡大されていることを示す。マススペクトル中のC〜C10は、ラジカルにより誘起された開裂により生成されたc−系列イオンに対応するピークを示す。本実施例のマススペクトルも数Wの印加電力で得られたものであり、実際のペプチド開裂においてもマイクロ波ラジカル源の半径を小径にすることの効果が明らかである。
(実施例4)
図2の例で示されたものと同様の構造を有する容量結合型マイクロ波ラジカル源に水素、水蒸気および窒素のそれぞれを原料ガスとして導入し、高周波(2.45GHz)真空放電を起こしてラジカルを生成した。容量結合型マイクロ波ラジカル源の、接続真空容器との接続部を構成する開口部の内径(半径)は4mmであり、当該開口部から17mmの位置において、10msecの露光時間で発光スペクトルを取得した。
図9(A)は、水素を原料ガスとした場合の本実施例のラジカル源の放電特性を示すグラフである。水素ガスの圧力に対する、放電開始時の入力電力と、放電終了時の入力電圧とが示されている。図9(B)は、水蒸気を原料ガスとした場合の本実施例のラジカル源の放電特性を示すグラフである。水蒸気の圧力に対する、放電開始時の入力電力が示されている。
図10(A)および10(B)は、本実施例のラジカル源において、水素を原料ガスとして生成されたガスの分光スペクトルである。ラジカル源に導入された水素ガスの圧力は1.3Paであった。
図11(A)および11(B)は、本実施例のラジカル源において、水蒸気を原料ガスとして生成されたガスの分光スペクトルである。ラジカル源に導入された水蒸気の圧力は4.2×10−1Paであった。
図12は、本実施例のラジカル源において、窒素を原料ガスとして生成されたガスの分光スペクトルである。ラジカル源に導入された窒素ガスの圧力は3.0×10−3Paであった。5Σg+分子状態由来の第一励起正帯(第一正帯)および、よりエネルギー順位の高いC3Πu+分子状態由来の第二励起正帯(第二正帯)に対応するピークが観察された。
(実施例5)
図4の例で示されたものと同様の構造を有する誘導結合型マイクロ波ラジカル源に水素、水蒸気および窒素のそれぞれを原料ガスとして導入し、高周波(2.45GHz)真空放電を起こしてラジカルを生成した。誘導結合型マイクロ波ラジカル源の、接続真空容器との接続部を構成する開口部の内径(半径)は4.4mmであり、当該開口部から17mmの位置において、10msecの露光時間で発光スペクトルを取得した。
図13(A)は、水素を原料ガスとした場合の本実施例のラジカル源の放電特性を示すグラフである。水素ガスの圧力に対する、放電開始時の入力電力と、放電終了時の入力電圧とが示されている。図13(B)は、窒素を原料ガスとした場合の本実施例のラジカル源の放電特性を示すグラフである。窒素ガスの圧力に対する、放電開始時の入力電力と、放電終了時の入力電圧とが示されている。
図14(A)および14(B)は、本実施例のラジカル源において、水素を原料ガスとして生成されたガスの分光スペクトルである。ラジカル源に導入された水素ガスの圧力は1.6×10−2Paであった。
図15(A)および15(B)は、本実施例のラジカル源において、水蒸気を原料ガスとして生成されたガスの分光スペクトルである。ラジカル源に導入された水蒸気の圧力は4.1×10−3Paであった。
図16は、本実施例のラジカル源において、窒素を原料ガスとして生成されたガスの分光スペクトルである。ラジカル源に導入された窒素ガスの圧力は2.9×10−3Paであった。
1…分析装置、10…イオン化部、20…反応部、22…クーリングガス/CIDガス供給部、23…ラジカル供給部、24…接続真空容器、31…質量分離部、32…検出部、40…情報処理部、50…制御部、51…解析部、52…装置制御部、100…測定部、216…ラジカル導入部、232…高周波電源、233…同軸ケーブル、300a,300b…ラジカル生成部、310a,310b…原料導入室、311a,311b…原料導入管、312a…導電性キャピラリ、313a,313b…原料ガス導入口、315…導電性リボン、320…接地電極、321a,321b…接続部、330…ガラス管、340a,340b…整合部、341…間隙、350…高周波入力部、360…フランジ、370…磁石、Ax…原料導入管の中心軸、S…試料成分由来のイオン。

Claims (14)

  1. 試料成分由来のイオンが導入される反応部と、
    プラズマ原料が導入される原料導入室を備え、真空放電によりラジカルを生成するラジカル生成部と、
    前記ラジカル生成部で生成された前記ラジカルを、前記原料導入室の圧力よりも低い圧力を有し前記反応部に接続された真空室へと導入する接続部と、
    前記接続部を介して前記反応部に導入されたラジカルとの反応により生成されたイオンをm/z、および/または、イオン移動度に基づいて分離する分離部と、
    を備え、
    前記接続部の断面の内径は20mm以下である分析装置。
  2. 請求項1に記載の分析装置において、
    前記ラジカル生成部は、交流結合回路を備え、
    前記交流結合回路は、
    前記交流結合回路に高周波電圧を入力する高周波入力部と、
    前記交流結合回路の電気的特性を変化させる整合部とを備える分析装置。
  3. 請求項2に記載の分析装置において、
    前記高周波電圧の周波数は、1MHz以上300GHz以下である分析装置。
  4. 請求項2または3に記載の分析装置において、
    前記高周波入力部と、前記高周波電圧の電源とは整合器を介さずに接続されている分析装置。
  5. 請求項2から4までのいずれか一項に記載の分析装置において、
    前記整合部は、移動により前記交流結合回路のインピーダンスを変化させる可動部を備える分析装置。
  6. 請求項2から5までのいずれか一項に記載の分析装置において、
    前記原料導入室は、前記プラズマ原料が内部に導入される管状の第1導電体を含み、前記第1導電体は、前記交流結合回路の一部を構成する分析装置。
  7. 請求項6に記載の分析装置において、
    前記整合部は、前記管状の第1導電体のうち、前記交流結合回路の一部を構成する部分を変化させる分析装置。
  8. 請求項6または7に記載の分析装置において、
    前記管状の第1導電体の端部において前記真空放電が発生する分析装置。
  9. 請求項2から5までのいずれか一項に記載の分析装置において、
    前記原料導入室は、前記プラズマ原料が内部に導入される管状の誘電体を備え、
    前記ラジカル生成部は、前記誘電体に巻かれた第2導電体を備え、前記第2導電体は、前記交流結合回路の一部を構成する分析装置。
  10. 請求項9に記載の分析装置において、
    前記整合部は、前記管状の第2導電体のうち、前記交流結合回路の一部を構成する部分を変化させる分析装置。
  11. 請求項9または10に記載の分析装置において、
    前記管状の誘電体の内部において前記真空放電が発生する分析装置。
  12. 請求項2から11までのいずれか一項に記載の分析装置において、
    前記原料導入室は、外壁が大気圧下に配置される分析装置。
  13. 請求項2から12までのいずれか一項に記載の分析装置において、
    前記プラズマ原料は、水素ガス、水蒸気、窒素ガスおよび空気からなる群から選択される少なくとも一種類の原料ガスを含む分析装置。
  14. 請求項1から13までのいずれか一項に記載の分析装置において、
    前記反応部で生成されたイオンは、前記ラジカルとの反応により、前記試料成分由来のイオンが解離された第1イオン、または前記試料成分由来のイオンに原子若しくは原子団が付着した第2イオン若しくは前記第2イオンが解離されたイオンである分析装置。
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