JP2023114113A - 質量分析装置及び質量分析装置の調整方法 - Google Patents

質量分析装置及び質量分析装置の調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ラジカル生成部における共振器の調整を簡便に且つ的確に行う。【解決手段】本発明に係る質量分析装置の一態様は、ラジカル種を利用してイオンを解離させ、その解離により生じたイオンを分析する質量分析装置であって、ラジカル生成室(400)と、該ラジカル生成室の内部に高周波電力を供給するためのアンテナと、作業者の操作に応じて前記アンテナのインピーダンスを調整するインピーダンス調整部と、前記ラジカル生成室の内部に原料ガスを供給する原料ガス供給部と、を含み、前記ラジカル生成室に前記原料ガス及び前記高周波電力を供給し、該ラジカル生成室の内部でプラズマを生じさせることによって、前記原料ガスからラジカル種を生成するラジカル生成部(4、40)と、前記ラジカル生成室の内部におけるプラズマの生成状態を反映した電気信号を生成し、該電気信号に基いた可視情報又は可聴情報を作業者に提供する情報提供部(148、46、47)と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は質量分析装置及び質量分析装置の調整方法に関し、さらに詳しくは、ラジカル種を利用してイオンに対する解離操作等を行う質量分析装置及び該装置の調整方法に関する。
試料成分由来のイオンに、水素ラジカル、酸素ラジカル、窒素ラジカルなどのラジカル種を付着させることで該イオンを解離させ、それにより生成されたプロダクトイオンを質量分析する質量分析装置が知られている(特許文献1など参照)。例えばペプチド由来のイオンに対し、こうしたラジカル種を用いた解離操作を行うことで、ペプチドのアミノ酸配列等の構造を反映した様々な種類のプロダクトイオンを生成することができる。そうした種々のプロダクトイオンが観測されるマススペクトルを解析することにより、ペプチドの構造を推定することができる。
ラジカル種を生成するラジカル生成装置にはいくつかの方式があるが、上述したような質量分析装置に搭載されるラジカル生成装置は、できるだけ小形で軽量であることが好ましい。こうしたラジカル生成装置として、非特許文献1、2等に記載のものが知られている。このラジカル生成装置では、石英等の誘電体から成るキャピラリー管の周囲に螺旋状に巻回された導電体であるアンテナ(スパイラルアンテナ)にマイクロ波電力を供給し、渦電流によってキャピラリー管内に放電を生じさせてプラズマを生成しラジカル種を生成する。また、キャピラリー管の外側に磁石を配置し、この磁石による磁場を利用した電子サイクロトロン共鳴(Electron Cyclotron Resonance:ECR)現象によって、プラズマの密度を高め且つ安定化させる。こうしたラジカル生成装置は、プラズマの生成・維持に、局所的な誘導型放電と共鳴サイクロトロン共鳴とを利用しているため、ECR-LICP(Electron Cyclotron Resonance-Localized Inductively Coupled Plasma)型と呼ばれている。
特開2019-191081号公報 国際公開第2019/155725号
Yuji Simabukuro、ほか4名、「タンデム・マス・スペクトロメトリー・オブ・ペプタイド・イオンズ・バイ・マイクロウェイブ・エキサイテッド・ハイドロジェン・アンド・ウォーター・プラズマズ(Tandem Mass Spectrometry of Peptide Ions by Microwave Excited Hydrogen and Water Plasmas)」、Analytical Chemistry、2018年、Vol.90、No.12、pp.7239-7245 Hidenori Takahashi、ほか7名、「アイデンティファイイング・ダブル・ボンド・ポジションズ・イン・フォスフォリピッズ・ユージング・リキッド・クロマトグラフィー-トリプル・クァドルポール・タンデム・マス・スペクトロメトリー・ベースド・オン・オキシジェン・アタッチメント・ディソシエイション(Identifying Double Bond Positions in Phospholipids Using Liquid Chromatography-Triple Quadrupole Tandem Mass Spectrometry Based on Oxygen Attachment Dissociation)」、Mass Spedctrometry、2020年、Vol. 8、Issue 2、pp. S0080
上述したECR-LICP型のラジカル生成装置では、スパイラルアンテナの外側に、それと同軸である略円筒状の外側導体が設けられ、該外側導体は接地される。そして、スパイラルアンテナの長手方向の適宜の部位と外側導体との間の間隙に挿入された導電性の部品によって、該スパイラルアンテナの当該部位と接地電位である外側導体とが電気的に接続される。これにより、スパイラルアンテナのインピーダンス(つまりは給電点のインピーダンス)が決まり、該インピーダンスを含むECR共振回路が形成される。
こうしたラジカル生成装置では、上記ECR共振回路において適切な共振が生じるようにスパイラルアンテナのインピーダンスを調整するべく、該スパイラルアンテナにおいて外側導体と電気的に接続される長手方向の位置を、装置毎に調整する必要がある。以下、このインピーダンスの調整をマッチング調整という。このマッチング調整を適切に行わないと、スパイラルアンテナから放射される電力が不足し、プラズマを生成するのに十分な強度の高周波電場が形成されず、ラジカルの発生量が減少する又は全くラジカルが発生しなくなるおそれがある。そのため、こうしたラジカル生成装置を利用した質量分析装置では、ラジカル生成装置を装置に組み込む前に及び/又は組み込んだ後にマッチング調整を行う必要がある。
本発明はこうした課題を解決するものであり、その主たる目的は、ラジカル生成装置におけるプラズマ生成のためのマッチング調整を簡便に且つ的確に、つまりは十分な量のラジカル種が生成されるように実施することができる質量分析装置、及び質量分析装置の調整方法を提供することである。
本発明に係る質量分置装置の一態様は、ラジカル種を利用してイオンを解離させ、その解離により生じたイオンを分析する質量分析装置であって、
ラジカル生成室と、該ラジカル生成室の内部に高周波電力を供給するためのアンテナと、作業者の操作に応じて前記アンテナのインピーダンスを調整するインピーダンス調整部と、前記ラジカル生成室の内部に原料ガスを供給する原料ガス供給部と、を含み、前記ラジカル生成室の内部に前記原料ガス及び前記高周波電力を供給し、該ラジカル生成室の内部でプラズマを生じさせることによって、前記原料ガスからラジカル種を生成するラジカル生成部と、
前記ラジカル生成室の内部におけるプラズマの生成状態を反映した電気信号を生成し、該電気信号に基いた可視情報又は可聴情報を作業者に提供する情報提供部と、
を備える。
また、本発明に係る質量分置装置の調整方法の一態様は、ラジカル種を利用してイオンを解離させ、その解離により生じたイオンを分析する質量分析装置の調整方法であって、
ラジカル生成室に原料ガスを供給するとともにアンテナを介して高周波電力を供給し、該ラジカル生成室の内部でプラズマを生じさせることによって、前記原料ガスからラジカル種を生成するラジカル生成ステップと、
前記ラジカル生成室の内部におけるプラズマの生成状態を反映した電気信号を生成し、該電気信号に基いた可視情報又は可聴情報を作業者に提供する情報提供ステップと、
提供された前記可視情報又は可聴情報に応じた作業者の操作を受けて、前記アンテナのインピーダンスを調整する調整ステップと、
を有する。
また、本発明に係る質量分置装置の他の態様は、ラジカル種を生成するラジカル生成部を具備し、該ラジカル種を利用してイオンを解離させ、その解離により生じたイオンを分析する質量分析装置であって、前記ラジカル生成部は、
ラジカル生成室と、
前記ラジカル生成室の内部にラジカル種の元となる原料ガスを供給する原料ガス供給部と、
前記ラジカル生成室の内部に高周波電力を供給するためのアンテナと、
作業者による操作子の移動操作に応じて前記アンテナの接地点を変化させることにより、該アンテナのインピーダンスを調整するインピーダンス調整部と、
前記操作子の移動操作の方向に沿って目盛りが設けられた位置指示部と、
を含む。
本発明に係る質量分析装置及び質量分析装置の調整方法の上記態様によれば、ラジカル生成部におけるラジカル種生成のためのマッチング調整を簡便に且つ的確に、つまりは十分な量のラジカル種が生成されるように実施することができる。これにより、例えば当該装置の製造段階や調整段階において、或いは装置のメンテナンス時において、ラジカル生成部の調整に要する手間及び時間を短縮し、これに要するコストを圧縮することができる。また、ラジカル生成部を的確に調整することで、十分な量のラジカル種を安定的に供給することができるので、目的試料由来のイオンを高い効率で解離させ、検出感度等の分析性能を十分に発揮させることができる。
本発明の一実施態様である質量分析装置の全体構成図。 本実施形態の質量分析装置におけるラジカル生成部の本体部の概略断面図。 図2に示したラジカル生成部における本体部の概略断面斜視図。 図2に示したラジカル生成部における本体部の断面拡大図。 図2に示したラジカル発生部に含まれる共振器調整機構の構造を示す斜視一部断面図。 上記実施形態の一変形例である質量分析装置の全体構成図。 本発明の他の実施形態である質量分析装置の全体構成図。 不飽和結合を有するリン脂質由来のプリカーサーイオンに対し、酸素ラジカルを照射した場合としない場合とのマススペクトルの相違を示す図。
本発明に係る質量分析装置及びその調整方法の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態である質量分析装置の概略構成図である。この質量分析装置は、大気圧イオン源を備えた四重極-飛行時間型(Q-TOF型)質量分析装置である。この質量分析装置は、しばしば、その前段に液体クロマトグラフ(LC)が接続され、液体クロマトグラフ質量分析装置として利用される。
図1に示すように、この質量分析装置は、イオン化室10と真空チャンバー1とを有する。イオン化室10内は略大気圧雰囲気である。真空チャンバー1の内部は複数(本例では4室)に区切られ、各室はそれぞれ図示しない真空ポンプ(ロータリーポンプ及び/又はターボ分子ポンプ)により真空排気され、第1中間真空室11、第2中間真空室12、第1分析室13、及び第2分析室14となっている。即ち、この質量分析装置は、略大気圧雰囲気であるイオン化室10から高真空雰囲気である第2分析室14まで順に真空度が高まる、多段差動排気系の構成を有する。
イオン化室10には、液体試料に電荷を付与して噴霧するエレクトロスプレイイオン化(ESI)プローブ101が設置されている。ESIプローブ101には、例えば図示しないLCのカラムで分離された試料成分を含む試料液が連続的に導入される。
イオン化室10と第1中間真空室11とは細径の脱溶媒管102を通して連通している。第1中間真空室11には、径が異なる複数のリング状の電極で構成され、イオンの通過経路の中心軸であるイオン光軸Cの近傍にイオンを収束させるイオンガイド111が配置されている。
第1中間真空室11と第2中間真空室12とは、頂部に小孔を有するスキマー112で隔てられている。第2中間真空室12には、イオン光軸Cを取り囲むように配置された複数のロッド電極で構成され、該イオン光軸Cの近傍にイオンを収束させるイオンガイド121が配置されている。
第1分析室13には、イオン光軸Cに沿って、イオンを質量電荷比(m/z)に応じて分離する四重極マスフィルター131、多重極イオンガイド133を内部に備えたコリジョンセル132、及びコリジョンセル132から吐き出されたイオンを輸送するためのイオンガイド134、が配置されている。イオンガイド134は、同一径の複数のリング状の電極で構成されている。
コリジョンセル132には、ラジカル生成部4が接続されている。コリジョンセル132はラジカル生成部4から供給される酸素ラジカル等のラジカル種によってイオンを解離する機能を有する。ラジカル生成部4についてはあとで詳しく述べる。なお、コリジョンセル132には、ラジカル生成部4以外に、衝突誘起解離を生じさせるための衝突ガス(通常はアルゴンなどの不活性ガス)を供給するガス供給部も接続することができる。
第2分析室14には、第1分析室13から入射したイオンを輸送するためのイオン輸送電極141、イオンの入射光軸(直交加速領域)を挟んで対向配置された1組の押し出し電極と引き込み電極とを含む直交加速部142、該直交加速部142により飛行空間に送出されるイオンを加速する加速電極143、飛行空間においてイオンの折り返し軌道を形成する反射電極144、イオン検出器145、及び飛行空間を内部に形成するフライトチューブ146、を備えている。イオン検出器145は、例えば電子増倍管やマルチチャンネルプレートである。
また、この質量分析装置は、制御・処理部5、入力部6、及び表示部7を備える。制御・処理部5は、各部の動作を制御するとともに、イオン検出器145による検出信号を受けて、所定のデータ処理を実施する機能を有する。一般的に、制御・処理部5は汎用のパーソナルコンピューター(PC)により構成され、該コンピューターにインストールされた専用の制御・処理ソフトウェアを該コンピューターで実行することにより、所望の機能が実現される。
この質量分析装置における、典型的なMS/MS分析動作を概略的に説明する。
ESIプローブ101は、供給される液体試料に電荷を付与しながら該液体試料をイオン化室10内に噴霧する。噴霧された帯電液滴中の試料成分は、液滴が微細化されるとともに溶媒が気化する過程でイオン化される。生成された試料成分由来のイオンは、脱溶媒管102の両端の圧力差によって形成されるガス流に乗って脱溶媒管102中に吸い込まれ、第1中間真空室11へ送られる。第1中間真空室11に入射したイオンは概ねイオン光軸Cに沿って進行し、イオンガイド111、スキマー112の小孔、イオンガイド121を経て、第1分析室13まで送られ、四重極マスフィルター131に導入される。
四重極マスフィルター131を構成する複数のロッド電極には、図示しない電源から直流電圧とRF電圧とを加算した電圧が印加される。この印加電圧に応じた特定のm/z値を有するイオンのみが選択的に四重極マスフィルター131を通過し、コリジョンセル132に導入される。コリジョンセル132内にはラジカル生成部4からラジカル種が供給され、コリジョンセル132に導入されたイオン(一般的にプリカーサーイオンという)はラジカル種と反応して解離する。解離により生成された各種のプロダクトイオンは、多重極イオンガイド133により形成される電場の作用によって収束され、コリジョンセル132から出てイオンガイド134、イオン輸送電極141を経て直交加速部142に導入される。
直交加速部142の電極には、図示しない電源から所定のタイミングでパルス電圧が印加され、これによって、直交加速部142に導入されたイオンはイオン光軸Cに略直交する方向に射出される。射出されたイオンは加速電極143で加速され、フライトチューブ146内の飛行空間に導入される。イオンは、反射電極144により形成される電場により折り返し飛行し、イオン検出器145に到達する。イオン検出器145は、入射したイオンの量に応じた検出信号を制御・処理部5へと出力する。イオンが直交加速部142を出発した時点からイオン検出器145に到達する時点までの飛行時間は、イオンの速度に依存し、そのイオン速度はそのイオンのm/z値に依存する。そこで、制御・処理部5では、イオン検出器145により得られた検出信号に基いて飛行時間とイオン強度との関係を示す飛行時間スペクトルを作成し、飛行時間をm/z値に換算することでマススペクトルを作成することができる。
例えば、既知の試料成分の構造解析を行いたい場合、四重極マスフィルター131で選択するイオンのm/z値を目的の試料成分に対応する代表的なイオンのm/z値に設定し、その特定のプリカーサーイオンから生成されるプロダクトイオンをm/z値に応じて分離しつつ網羅的に検出する。そうして得られるマススペクトル(プロダクトイオンスペクトル)には、目的の試料成分分子の様々な部分構造に対応するイオンが観測される。制御・処理部5は、そうしたマススペクトルを解析することにより試料成分の構造推定を実施することができる。
次に、ラジカル種をコリジョンセル132に供給するラジカル生成部4の構成及び動作を説明する。
ラジカル生成部4は上述したECR-LICP型のラジカル生成装置であり、図1に示すように、ラジカル生成室400を含む本体部40と、原料供給部42と、マイクロ波電源43と、を含む。原料供給部42からラジカル生成室400に至る流路には、原料ガスの流量を調整するためのバルブ41が設けられている。また、この例では、ラジカル生成部4は表示処理部46及び表示部47を含む。
図2は、本体部40の構造を模式的に示す概略断面図である。図3は、本体部40の一部の概略断面斜視図である。図4は、本体部40の一部の断面拡大図である。図5は、本体部40の一部である共振器調整機構の構造を示す部分断面斜視図である。
本体部40は、原料供給部42から供給される原料ガスを基にプラズマを生成し、該プラズマ中で発生したラジカル種を外部へ、具体的にはコリジョンセル132へと送り出すものである。マイクロ波電源43は、プラズマを生成するためのマイクロ波電力を供給するものである。ここでは、原料ガスは例えば水蒸気である。
本体部40は、絶縁体で且つ誘電体である石英(又はそのほかの誘電体)から成る中心円筒管410と、中心円筒管410の周囲に螺旋状に巻回された帯状の導電体(通常は金属)であるスパイラルアンテナ411と、中心円筒管410と同軸で、その内径が中心円筒管410の外径よりも一回り大きい円筒開口を有する、導電体からなる外側導体部412と、外側導体部412に埋設された磁石413、415と、外側導体部412を保持する第1ケーシング414と、第1ケーシング414に取り付けられたマイクロ波供給コネクター416と、後述する内筒421と外筒424とを含む共振器調整機構420と、を含む。スパイラルアンテナ411には、例えば、導電性と成形性が高い純銅に近い材料(無酸素銅、タフピッチ銅など)が用いられる。また、酸化防止のために、その表面に金メッキが施されることが好ましい。
中心円筒管410の内部は、原料ガスが導入される原料導入管であるとともにラジカル生成室である。具体的には、中心円筒管410の内部空間で、スパイラルアンテナ411が巻回された部分とその近傍がラジカル生成室400である。マイクロ波供給コネクター416は同軸コネクターであり、図示しない同軸ケーブルを介してマイクロ波電源43に接続される。同軸コネクターの導電線は、スパイラルアンテナ411の一端に接続されている。また、外側導体部412は、図示しないものの接地されている。後述するが、スパイラルアンテナ411の一部と外側導体部412とは共振器調整機構420を介して電気的に接続されており、その接続位置がスパイラルアンテナ411の接地点である。スパイラルアンテナ411、外側導体部412、共振器調整機構420などはECRの共振器を構成する。マイクロ波電源43は、同軸ケーブル及びマイクロ波供給コネクター416を介して、この共振器に電力を供給する。
また、第1ケーシング414にあってラジカル生成室400を臨む位置には、中心円筒管410に所定の波長の光を照射する光源417と、光検出器418と、が設けられている。光検出器418は、ラジカル生成室400におけるプラズマから発せられる光の波長を含む所定の波長帯域の光を検出する。光検出器418には、光源417から発せられる光に対して感度を持たないものを用いることが好ましい。本例では、光源417として深紫外光を発するLED光源を使用し、光検出器418として可視光領域に感度を有する(紫外光を検出しない)フォトダイオードを用いる。これにより、光検出器418は、光源417から発せられる光の影響を受けることなくプラズマの発光を検出することができる。但し、光検出器418は、入射光の強度に応じた測定値を取得できるものであればよく、フォトダイオードと同様に動作するフォトトランジスターや、入射光の強度に応じて抵抗値が変化する、CdS(硫化カドミウム)を用いたフォトレジスターなどを光検出器418として用いることができる。
本体部40において、外側導体部412の上部には、外側導体部412及び第1ケーシング414と略同外径の円筒形状の第2ケーシング440が着脱可能に取り付けられている。第2ケーシング440には、中心円筒管410を囲むように設けられた後述する固定ノブ423及び可動ノブ425を操作するために作業者が指を挿入することが可能である開口部441が形成されている。さらに、第2ケーシング440の外周面であって開口部441の側方には、中心円筒管410の延伸方向に沿って、所定間隔で目盛り442が描かれている。
本体部40の中心円筒管410の出口端にはバルブ45を介して、ラジカル生成室400内で生成されたラジカルをコリジョンセル132に輸送するための輸送管44が接続されている。輸送管44は絶縁管であり、例えば石英ガラス管やホウケイ酸ガラス管を用いることができる。
このラジカル生成部4では、次のようにしてラジカル種が生成される。
原料供給部42は、原料ガスを中心円筒管410へ供給する。マイクロ波電源43は、例えば2.4GHz~2.5GHzの範囲に中心周波数を有するマイクロ波電流をスパイラルアンテナ411に供給する。続いて、ラジカル生成室400内の原料ガスに対し、マイクロ波電源43からマイクロ波電力が供給されている状態で、光源417から中心円筒管410に深紫外光が照射される。深紫外光を受けると中心円筒管410の壁面から電子が放出され、この電子によりラジカル生成室400において原料ガスからプラズマが生成される。このとき、共振器調整機構420によって、磁石413、415による磁場の周りを運動する電子の電子サイクロトロン周波数とマイクロ波の周波数とが一致するように共振器が調整されていると、ECRによってプラズマの密度が高まるとともに安定化する。そして、プラズマ中の酸素ラジカル等のラジカル種は、新たな原料ガスの導入に伴って中心円筒管410中を移動し、末端の開口端から放出される。
共振器調整機構420の構造及びそれを用いた調整の手順は次の通りである。
共振器調整機構420は、図3に示すように、同軸の二重円筒管構造である内筒421と外筒424、及び、可動ノブ425、を含む。内筒421は外筒424よりも所定長さだけ長い。内筒421及び外筒424はいずれも弾性変形する部品であり、ばね用の銅合金(ベリリウム銅、リン青銅など)を用いるとよい。また、接触抵抗を減らすために、内筒421及び外筒424の表面には金メッキを施すことが好ましい。なお、便宜的に、内筒421及び外筒424について、中心円筒管410に先行して挿入される側の端部(図3では下側の端部)を先端部、反対側の端部を基部ということとする。
図5に示すように、内筒421の先端部は軸に平行である切れ込み部421aによって複数(本例では四つ)に分割され、分割片421bを形成している。各分割片421bの先端には、基部側から先端部に向かうに従って徐々に外方に膨出するテーパー部421cが形成されている。また、図3に示すように、内筒421の基部には固定ノブ423が取り付けられ、固定ノブ423との接続端から軸方向に所定長さの範囲に亘り、内筒421の外周には雄ネジ部422が設けられている。
一方、外筒424の先端部も、内筒421と同様に、軸に平行な切れ込み部424aによって複数(本例では四つ)に分割され、分割片424bを形成している。内筒421及び外筒424の先端部の各分割片421b、424bは、それぞれ独立した板ばねとして機能する。可動ノブ425は、内筒421の雄ネジ部422に螺合する雌ネジ部が内周面に形成された貫通穴を有する。
図3及び図5に示すように、可動ノブ425は内筒421の雄ネジ部422に螺合するように取り付けられ、内筒421は外筒424中に挿通される。内筒421を外筒424中に挿通する際には、テーパー部421cが障害にならないように分割片421bを内方に弾性変形させればよい。
調整時に、作業者は、図3に示すように、一体化された状態の共振器調整機構420の内筒421及び外筒424を、中心円筒管410の周囲のスパイラルアンテナ411と外側導体部412の内周面との間の間隙431に徐々に進出させる。このときには、内筒421及び外筒424の分割片421b、424bは弾性変形しておらず、内筒421の内周面はスパイラルアンテナ411とごく僅かな空隙を保ちながら、また外筒424の外周面は外側導体部412の内周面を擦りながら、スムーズに挿入される。
図4に示すように、外筒424の先端が内筒421のテーパー部421cに接触した状態であれば、そのときに弾性変形した内筒421が接触している部分でスパイラルアンテナ411は接地される。このスパイラルアンテナ411の接地位置が軸方向において変化すると該アンテナ411のインピーダンスが変化し、共振状態が変化する。それに伴い、生成されるプラズマの状態が変化する。そこで、作業者は、共振器調整機構420全体を移動させることによってスパイラルアンテナ411の接地位置を変更し、プラズマが良好に生成される位置、つまりマッチング調整が適切になされた位置を見つける。
マッチングが適切であるか否かは、原料ガス及びマイクロ波電力がラジカル生成室400に供給された状態におけるプラズマの発光状態で確認することができる。しかしながら、例えばOHラジカルの放電プラズマには、人間の目に悪影響を及ぼすおそれがある309nmの紫外線スペクトルが含まれており、目視での確認は好ましくない。これに対し、本実施形態の質量分析装置では、光検出器147、表示処理部46、及び表示部47を含む、調整用モニターが設けられている。この例では、表示部47は例えば所定の桁数の7セグメントLED表示器である。表示処理部46及び表示部47は本体部40自体に取り付けられていてもよいし、本体部40とは別体であってもよい。
即ち、プラズマ生成時、光検出器418は、ラジカル生成室400内から発せられる所定波長の光の強度を連続的に又は間欠的に測定する。表示処理部46は、光検出器418による電流信号を電圧信号に変換し、その電圧値をデジタル化して表示部47を駆動する。これにより、表示部47には、光検出器147で受けた光の強度を反映した電圧値が数値で表示される。従って、作業者はこの数値を目視で確認しながら、その数値ができるだけ大きくなるように、或いは、予め定められた基準値よりも大きくなるように、スパイラルアンテナ411の接地位置を調整すればよい。
こうしてスパイラルアンテナ411の最適な接地位置が見いだせたならば、作業者は、固定ノブ423を摘まんで内筒421の位置を固定したまま、可動ノブ425を回動させる。すると、可動ノブ425は外筒424の基部を押し、内筒421に対して外筒424を軸方向に進出させる。図4及び図5に示すように、外筒424の分割片424bの先端は内筒421のテーパー部421cに当接してこれを押すため、内筒421の分割片421bは内方に弾性変形する。逆に、外筒424の分割片424bは外方に弾性変形する。それにより、内筒421の分割片421bはスパイラルアンテナ411に密着し、外筒424の分割片424bは外側導体部412の内周面に密着する。また、分割片421b、424bはスパイラルアンテナ411と外側導体部412とからそれぞれ押されるため、内筒421の分割片421bと外筒424の分割片424bも強く密着する。
こうして、それぞれの密着面において電気的な接続が良好になり、且つ、その軸方向の接触位置も固定されるから、プラズマは良好に生成され続ける。共振器の調整をやり直す際には、可動ノブ425を先とは反対方向に回し、内筒421に対し外筒424を軸方向に後退させる(図2及び図4では引き上げる)ようにすればよい。
なお、表示部47は電圧値や電流値等を数値で示すものでなくてもよく、例えば電圧値や電流値のレベルをバーの長さや色で示すバー状のレベルインジケーター等、適宜の形態の表示器を利用することができる。また、表示するのみならず、又は表示はせずに、適宜の音の情報によって光の強度の情報を作業者に伝えるものであってもよい。この場合、例えば、電圧値に応じて音の鳴り方が変化するブザーなどを用いることができる。
以上のようにして、本実施形態の質量分析装置では、作業者が直接、目視でプラズマの発光状態を確認することなく、共振器調整機構420を利用してプラズマが良好に発生するように、つまりはラジカル種が効率良く生成されるように、ラジカル生成部4のECR共振器におけるマッチング調整を実施することができる。
特に数値を利用した表示によれば、作業者の主観に頼ることなく、定量的な基準に従って調整を行うことができる。また、調整終了時の電圧値などを記録しておくことで、装置の使用に伴うラジカル生成部4の劣化状況や、装置のメンテナンスに伴う調整のずれなどを容易に把握することができる。勿論、表示処理部46は、作業者により指示された時点における電圧値等の数値を記憶しておく記憶部を備えていてもよい。
また、本実施形態の質量分析装置では、次のようにしてマッチング調整を行うことも可能である。
固定ノブ423及び可動ノブ425はいずれも中心円筒管410の延伸方向(軸方向)に直線的に移動し、その軸方向におけるそれらの位置はスパイラルアンテナ411と外側導体部412との接触位置に応じて変化する。そこで、予め実験的に、十分な(例えば所定量以上の)ラジカル量が生成され得るプラズマが生成されるような固定ノブ423及び/又は可動ノブ425の位置の範囲を正常範囲として目盛り442上で決めておく。調整時、作業者は、目盛り442を見ながら固定ノブ423及び/又は可動ノブ425がその正常範囲に入るように調整を行う。
これにより、プラズマによる発光強度が必ずしも最大になる状態とは限らないものの、十分な量のラジカル種が生成され得る良好な状態にラジカル生成部4を調整することができる。また、調整終了時における固定ノブ423及び/又は可動ノブ425の目盛り442上の位置を記録しておくことで、装置のメンテナンス等のために固定ノブ423及び/又は可動ノブ425の位置がずれてしまった場合であっても、速やかに元の状態に近い状態に戻すことができる。
上記説明では、可動ノブ425自体を作業者が指で回して調整を行っていたが、こうした手作業に依らず、可動ノブ425を自動的に回動させる駆動源を設けてもよい。
また、上記実施形態では、内筒421にテーパー部421cを設けたが、外筒424にテーパー部を設けることでも同様の調整が可能である。
上記実施形態の質量分析装置において、ラジカル生成部4のマッチング調整は、当該装置の製造工程の中でラジカル生成部4を装置本体に組み込む前の段階で、つまりラジカル生成部4単体で実施され、さらに、装置本体に組み込まれた後の最終的な装置全体の調整の段階でも実施される。このようにラジカル生成部4単体でマッチング調整が実施される場合、表示処理部46及び表示部47が装置本体とは分かれており、且つ、装置の動作とは全く無関係にラジカル生成部4のみで調整が可能であることは非常に有利である。
一方で、最終的な装置全体の調整の段階でラジカル生成部4のマッチング調整を実施したり、分解を伴わない装置のメンテナンス作業の際にラジカル生成部4のマッチング調整の良否を確認したりするには、装置の標準的なユーザーインターフェイスである表示部7でプラズマから発せられる光の強度に対応した情報を確認できる方が都合がよい場合がある。図6は、上記実施形態の質量分析装置の一変形例の全体構成図である。
図6において図1の構成と異なるのは、ラジカル生成部4の本体部40に設けられている光検出器418による検出信号が制御・処理部5に入力され、制御・処理部5が調整用表示処理部51を備えており、この調整用表示処理部51により、例えば光の強度を反映した電圧値が表示部7に表示される点である。調整用表示処理部51は、PCにインストールされた制御・処理ソフトウェアを該PCで実行することで実現される機能ブロックであるものとすることができる。勿論、図1に示した構成と図6に示した構成を併せ持つ構成としてもよいことは当然である。
次に、本発明に係る質量分析装置及びその調整方法の他の実施形態について、図7を参照して説明する。図7は、この実施形態の質量分析装置の全体構成図である。図1、図6に示した質量分析装置と同じ構成要素には同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
この質量分析装置では、ラジカル生成部4の本体部40には光検出器148、表示処理部46、及び表示部47が設けられていない。即ち、この質量分析装置は、プラズマによる発光強度を検出し、それに応じた表示を行う機能を有さない。それに代えて、この質量分析装置は、所定の試料を測定した結果に基いて、ラジカル生成室400内のプラズマの生成状態を反映した表示を行う機能を有する。
この機能を実現するために、この質量分析装置において、制御・処理部5は、ラジカル調整時制御部52及びラジカル調整時データ処理部53を機能ブロックとして備える。ラジカル調整時データ処理部53は下位の機能ブロックとして、特定マスピーク抽出部531、強度差算出部532、ラジカル調整用表示処理部533を備える。これら機能ブロックは、PCにインストールされた制御・処理ソフトウェアを該PCで実行することにより実現されるものとすることができる。
例えば特許文献2に記載されているように、不飽和結合を有するリン脂質に由来する特定のm/z値を有するプリカーサーイオンに酸素ラジカルを照射すると、該プリカーサーイオンに酸素原子が付着したアダクトイオンが生成される。
即ち、不飽和結合を有するリン脂質を含む試料に対し、コリジョンセル132に酸素ラジカルを供給せずに質量分析を行いマススペクトルを取得すると、図8(A)に示すように、プリカーサーイオンのみ(いま、他のプロダクトイオンは無視する) が観測される。これに対し、同じ試料に対し、コリジョンセル132に酸素ラジカルを十分に供給して質量分析を行いマススペクトルを取得すると、図8(B)に示すように、プリカーサーイオンから16Da離れた位置に酸素原子が付加したアダクトイオンが現れる。このアダクトイオンの信号強度は酸素ラジカルの供給量に依存するから、間接的にではあるが、それはプラズマの生成状態を反映している。つまり、アダクトイオンの信号強度は、上記実施形態における光検出器418の検出信号と実質的に同等の意味を持つ。本実施形態の質量分析装置では、これを利用してマッチング調整のためのモニター表示を行う。
具体的には、不飽和結合を有するリン脂質を含む調整用試料を用意し、該試料を連続的にESIプローブ101に供給する。作業者が入力部6で所定の操作を行うと、ラジカル調整時制御部52は、ラジカル生成部4において例えばバルブ45を閉じてコリジョンセル132へのラジカル種の供給を停止した状態での、所定のm/z値のプリカーサーイオンに対するプロダクトイオンスキャン測定と、バルブ45を開放してコリジョンセル132へラジカル種を供給し得る状態での、所定のm/z値のプリカーサーイオンに対するプロダクトイオンスキャン測定とを交互に実行するように各部を制御する。
ラジカル調整時データ処理部53において特定マスピーク抽出部531は、得られたマススペクトルデータから例えば上記のアダクトイオンのm/z値におけるマスピークの信号強度を抽出する。強度差算出部532は、コリジョンセル132へラジカル種の供給が停止された状態とコリジョンセル132へラジカル種が供給され得る状態とで各々得られたアダクトイオンのm/z値におけるマスピークの信号強度の差を求める。ラジカル調整用表示処理部533は、算出された信号強度の差に対応する数値を表示部7に表示する。
上記の信号強度の差は、コリジョンセル132に供給される酸素ラジカルの量が増加するほど大きくなり、その酸素ラジカルはラジカル生成室400におけるプラズマの生成状態が良好であるほど多くなる。そこで、作業者は、表示部7に表示された数値を見ながら、それができるだけ大きくなるように固定ノブ423及び可動ノブ425を調整することで適切なマッチング調整を実施する。
また、プリカーサーイオンに酸素原子が付着したアダクトイオンのm/z値におけるマスピークの信号強度の差に代えて、元のプリカーサーイオンのm/z値におけるマスピークの信号強度の差(酸素ラジカルの量が多いほど信号強度の減少度合が大きい)を利用してもよい。また、プリカーサーイオンに酸素原子が付着したアダクトイオンではなく、酸素ラジカルの作用で解離を生じたイオンに酸素原子が付着したプロダクトイオンなど、酸素ラジカルの作用によって生成され得る様々なイオンのm/z値におけるマスピークの信号強度を利用してもよい。
勿論、調整用試料としては、不飽和結合を有するリン脂質のみならず、酸素ラジカル等のラジカル種によって特徴的に様々なプロダクトイオンが生成される化合物を含む試料を利用することができる。
上述したように、本実施形態の質量分析装置においても上述した質量分析装置と同様に、ラジカル生成部4のマッチング調整を的確に実施することができる。特に強度信号という数値の表示を用いて調整を行うことで、作業者の主観に頼ることなく、定量的な基準に従って調整を行うことができる。また、調整終了時の電圧値などを記録しておくことで、装置の使用に伴うラジカル生成部4の劣化状況や、装置のメンテナンスに伴う調整のずれなどを容易に把握することができる。
なお、上記実施形態や変形例の質量分析装置は四重極-飛行時間型質量分析装置であるが、例えばトリプル四重極型質量分析装置等、ラジカル種を利用してイオンを解離させるコリジョンセルやイオントラップを備える、他の方式の質量分析装置にも本発明を適用できることは明らかである。
また、上記実施形態や変形例はあくまでも本発明の一例であり、本発明の趣旨の範囲で適宜変形、修正、追加等を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは当然である。
[種々の態様]
上述した複数の例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(第1項)本発明に係る質量分析装置の一態様は、ラジカル種を利用してイオンを解離させ、その解離により生じたイオンを分析する質量分析装置であって、
ラジカル生成室と、該ラジカル生成室の内部に高周波電力を供給するためのアンテナと、作業者の操作に応じて前記アンテナのインピーダンスを調整するインピーダンス調整部と、前記ラジカル生成室の内部に原料ガスを供給する原料ガス供給部と、を含み、前記ラジカル生成室に前記原料ガス及び前記高周波電力を供給し、該ラジカル生成室の内部でプラズマを生じさせることによって、前記原料ガスからラジカル種を生成するラジカル生成部と、
前記ラジカル生成室の内部におけるプラズマの生成状態を反映した電気信号を生成し、該電気信号に基いた可視情報又は可聴情報を作業者に提供する情報提供部と、
を備える。
(第9項)本発明に係る質量分析装置の調整方法の一態様は、ラジカル種を利用してイオンを解離させ、その解離により生じたイオンを分析する質量分析装置の調整方法であって、
ラジカル生成室に原料ガスを供給するとともにアンテナを介して高周波電力を供給し、該ラジカル生成室の内部でプラズマを生じさせることによって、前記原料ガスからラジカル種を生成するラジカル生成ステップと、
前記ラジカル生成室の内部におけるプラズマの生成状態を反映した電気信号を生成し、該電気信号に基いた可視情報又は可聴情報を作業者に提供する情報提供ステップと、
提供された前記可視情報又は可聴情報に応じた作業者の操作を受けて、前記アンテナのインピーダンスを調整する調整ステップと、
を有する。
第1項に記載の質量分析装置及び第9項に記載の質量分析装置の調整方法の一態様によれば、ラジカル生成部におけるラジカル種生成のためのマッチング調整を簡便に且つ的確に、つまりは十分な量のラジカル種が生成されるように実施することができる。これにより、例えば当該装置の製造段階や調整段階において、或いは装置のメンテナンス時において、ラジカル生成部の調整に要する手間及び時間を短縮し、これに要するコストを圧縮することができる。また、ラジカル生成部を的確に調整することで、十分な量のラジカル種を安定的に供給することができるので、目的試料由来のイオンを高い効率で解離させ、検出感度等の分析性能を十分に発揮させることができる。
(第2項)第1項に記載の質量分析装置において、前記情報提供部は、前記ラジカル生成室の内部におけるプラズマから発せられる光の強度を測定する光検出部と、前記光検出部で得られた光の強度を反映した可視情報を表示する表示部、又は該光の強度を反映した可聴情報を発する音発生部の少なくともいずれか一方、を含むものとすることができる。
(第10項)また第9項に記載の質量分析装置の調整方法において、前記情報提供部ステップは、前記ラジカル生成室の内部におけるプラズマから発せられる光の強度を測定する光検出ステップと、前記光検出ステップで得られた光の強度を反映した可視情報を表示する表示ステップ、又は該光の強度を反映した可聴情報を発する音発生ステップの少なくともいずれか一方、を含むものとすることができる。
第2項に記載の質量分析装置では、光検出部で得られた検出信号を処理して表示又は音の出力を行うために、当該質量分析装置全体の動作を司る制御部を介する構成を採ることも可能であるが、該制御部を介さずに簡単な処理回路と表示器とをラジカル生成部自体に組み込む構成とすることも可能である。特にこの後者の構成によれば、装置を組み立てる前の段階で、ラジカル生成部単体でマッチング調整を行うことが可能である。そのため、例えば、ラジカル生成部そのものの不具合を早期に発見することができる。
(第3項)第2項に記載の質量分析装置において、前記表示部は、前記光検出部で得られた電圧値若しくは電流値を数値又は該数値に基く標識として表示するものとすることができる。
第3項に記載の質量分析装置によれば、定量的な基準に基いて調整を行うことができるので、装置毎の差を小さくすることができる。また、基準に満たないラジカル生成部が使用されることを回避することができる。また、或るラジカル生成部についてマッチング調整が実施されたときの数値を記録しておくことで、そのラジカル生成部の使用に伴う劣化度合を確認することができる。
(第4項)第1項に記載の質量分析装置において、前記情報提供部は、前記ラジカル生成部で生成されたラジカル種を利用したイオンに対する操作によってその量が変化するイオンを検出することで得られる検出信号に基いて、前記可視情報又は可聴情報を作成し作業者に提供するものとすることができる。
(第11項)第9項に記載の質量分析装置の調整方法において、前記情報提供ステップは、前記ラジカル生成ステップにおいて生成されたラジカル種を利用したイオンに対する操作によってその量が変化するイオンを検出することで得られる検出信号に基いて、前記可視情報又は可聴情報を作成し作業者に提供するものとすることができる。
第4項に記載の質量分析装置及び第11項に記載の質量分析装置の調整方法では、実際に所定の試料に対する分析を実施した結果を作業者が確認しながら、マッチング調整を実行する。従って、装置が組み上がった状態でのみしか調整が行えないという制約はあるものの、目的のラジカル種が十分な量だけ生成されるように、適切に調整することができる。また、プラズマから発せられる光を検出する光検出部のような特別なハードウェアを付加する必要がなく、基本的にソフトウェアのみの追加によって対応することができる。
(第5項)第1項~第4項のいずれか1項に記載の質量分析装置において、前記インピーダンス調整部は、作業者による操作子の移動操作に応じて前記アンテナの接地点を変化させることにより、該アンテナのインピーダンスを調整するものであり、前記ラジカル生成部は、前記操作子の移動操作の方向に沿って目盛りが設けられた位置指示部、をさらに備えるものとすることができる。
第5項に記載の質量分析装置では、作業者は、情報提供部による表示や音のほか、位置指示部における目盛りによる操作子の位置の指示によって、マッチング調整の状態を知ることができる。これにより、例えば、マッチング調整が適切であるときの操作子の位置を記録しておくことで、装置のメンテナンス等の際に意図せず操作子の位置がずれてしまったような場合でも、作業者はそのずれを速やかに把握して元の状態に戻すことができる。また、位置指示部における目盛りの範囲を基準とした粗調整を行うこともできる。
(第6項)第1項~第4項のいずれか1項に記載の質量分析装置において、前記ラジカル生成部は、
その内部に原料ガスが導入され、その長手方向の一部が前記ラジカル生成室である、誘電体からなる円筒管と、
前記円筒管の周囲に巻回される導電体である前記アンテナと、
前記円筒管がその内部に挿通され、該円筒管と同軸で断面が同心円状である導電性の内周面を有する外側導体部と、
前記外側導体部の内周面と前記円筒管の外周面との間の間隙にあって、該外側導体部の内周面と前記アンテナとに共に接触して両者を電気的に接続し、且つその電気的な接続点が前記外側導体部の長手方向にスライド移動可能である、前記インピーダンス調整部を構成する接続部と、
を含むものとすることができる。
第6項に記載の質量分析装置では、接続部を外側導体部の長手方向にスライド移動させるという簡単な操作で、マッチング調整を達成することができる。
(第7項)第6項に記載の質量分析装置において、前記接続部は、内筒体及び外筒体を含む二重円筒管構造であり、該内筒体及び外筒体のそれぞれの同じ側の端部が軸方向に延びる切れ込みによって周方向に分割されて複数の分割片が形成され、且つ、該内筒体の分割片の外側に先端側に向かうに従って外方に膨出する又は該外筒部の分割片の内側に先端側に向かうに従って内方に膨出するテーパー部が形成されてなり、
前記インピーダンス調整部は、前記内筒体に対し前記外筒体を又はその逆に前記外筒体に対し前記内筒体を、それらの先端部の方向に移動させる移動機構、をさらに含むものとすることができる。
第7項に記載の質量分析装置では、内筒体及び外筒体にそれぞれ形成された複数の分割片が板ばねとして機能し、内筒体に対し外筒体を軸方向に相対的に移動させたときに、板ばねの作用によって内筒体と外筒体とがそれぞれアンテナと外部導体部とに密着する。このため、第7項に記載の質量分析装置によれば、接続部を介した接続箇所をアンテナの軸方向の任意の位置で固定することができる。また同時に、接続部を介したアンテナと外側導体部との安定的な電気的接触を確保して、その両者を確実に導通させることができる。それにより、適切にマッチング調整がなされた状態を簡便に実現し、その状態を維持することができる。その結果、ラジカル生成室において所望のラジカル種を安定的に且つ効率的に発生させることができる。
(第8項)第7項に記載の質量分析装置において、前記移動機構は作業者が操作する操作子を含み、
前記ラジカル生成部は、前記移動機構による前記外筒体又は前記内筒体の移動に伴う前記操作子の移動の方向に沿って目盛りが設けられた位置指示部、を備えるものとすることができる。
第8項に記載の質量分析装置によれば、第5項に記載の質量分析装置と同様の効果を達成し得る。
(第12項)本発明に係る質量分析装置の他の態様は、ラジカル種を生成するラジカル生成部を具備し、該ラジカル種を利用してイオンを解離させ、その解離により生じたイオンを分析する質量分析装置であって、前記ラジカル生成部は、
ラジカル生成室と、
前記ラジカル生成室の内部にラジカル種の元となる原料ガスを供給する原料ガス供給部と、
前記ラジカル生成室の内部に高周波電力を供給するためのアンテナと、
作業者による操作子の移動操作に応じて前記アンテナの接地点を変化させることにより、該アンテナのインピーダンスを調整するインピーダンス調整部と、
前記操作子の移動操作の方向に沿って目盛りが設けられた位置指示部と、
を含むものとすることができる。
第12項に記載の質量分析装置では、作業者は、位置指示部における特定の目盛りの位置や目盛りの範囲を基準として操作子の移動動作を行うことで、マッチング調整を達成することができる。これにより、マッチング調整を簡単に行うことができる。また、装置のメンテナンス等の際に意図せず操作子の位置がずれてしまったような場合でも、作業者はそのずれを速やかに把握して元の状態に戻すことができる。
(第13項)第12項に記載の質量分析装置において、前記ラジカル生成部は、
その内部に原料ガスが導入され、その長手方向の一部が前記ラジカル生成室である、誘電体からなる円筒管と、
前記円筒管の周囲に巻回される導電体である前記アンテナと、
前記円筒管がその内部に挿通され、該円筒管と同軸で断面が同心円状である導電性の内周面を有する外側導体部と、
前記外側導体部の内周面と前記円筒管の外周面との間の間隙にあって、該外側導体部の内周面と前記アンテナとに共に接触して両者を電気的に接続し、且つその電気的な接続点が、作業者の操作子の移動操作に応じて前記外側導体部の長手方向にスライド移動可能である、前記インピーダンス調整部を構成する接続部と、
を含むものとすることができる。
第13項に記載の質量分析装置によれば、第6項に記載の質量分析装置と同様に、接続部を外側導体部の長手方向にスライド移動させるという簡単な操作で、マッチング調整を達成することができる。
1…真空チャンバー
10…イオン化室
101…ESIプローブ
102…脱溶媒管
11…第1中間真空室
111…イオンガイド
112…スキマー
12…第2中間真空室
121…イオンガイド
13…第1分析室
131…四重極マスフィルター
132…コリジョンセル
133…多重極イオンガイド
134…イオンガイド
14…第2分析室
141…イオン輸送電極
142…直交加速部
143…加速電極
144…反射電極
145…イオン検出器
146…フライトチューブ
4…ラジカル生成部
40…本体部
400…ラジカル生成室
410…中心円筒管
411…スパイラルアンテナ
412…外側導体部
413、415…磁石
414…第1ケーシング
416…マイクロ波供給コネクター
417…光源
418…光検出器
420…共振器調整機構
421…内筒
421a…切れ込み部
421b…分割片
421c…テーパー部
422…雄ネジ部
423…固定ノブ
424…外筒
424a…切れ込み部
424b…分割片
425…可動ノブ
431…間隙
440…第2ケーシング
441…開口部
442…目盛り
41、45…バルブ
42…原料供給部
43…マイクロ波電源
44…輸送管
46…表示処理部
47…表示部
5…制御・処理部
51…調整用表示処理部
52…ラジカル調整時制御部
53…ラジカル調整時データ処理部
531…特定マスピーク抽出部
532…強度差算出部
533…ラジカル調整用表示処理部
6…入力部
7…表示部
C…イオン光軸

Claims (13)

  1. ラジカル種を利用してイオンを解離させ、その解離により生じたイオンを分析する質量分析装置であって、
    ラジカル生成室と、該ラジカル生成室の内部に高周波電力を供給するためのアンテナと、作業者の操作に応じて前記アンテナのインピーダンスを調整するインピーダンス調整部と、前記ラジカル生成室の内部に原料ガスを供給する原料ガス供給部と、を含み、前記ラジカル生成室に前記原料ガス及び前記高周波電力を供給し、該ラジカル生成室の内部でプラズマを生じさせることによって、前記原料ガスからラジカル種を生成するラジカル生成部と、
    前記ラジカル生成室の内部におけるプラズマの生成状態を反映した電気信号を生成し、該電気信号に基いた可視情報又は可聴情報を作業者に提供する情報提供部と、
    を備える質量分析装置。
  2. 前記情報提供部は、
    前記ラジカル生成室の内部におけるプラズマから発せられる光の強度を測定する光検出部と、
    前記光検出部で得られた光の強度を反映した可視情報を表示する表示部、又は該光の強度を反映した可聴情報を発する音発生部の少なくともいずれか一方、
    を含む、請求項1に記載の質量分析装置。
  3. 前記表示部は、前記光検出部で得られた電圧値若しくは電流値を数値又は該数値に基く標識として表示する、請求項2に記載の質量分析装置。
  4. 前記情報提供部は、前記ラジカル生成部で生成されたラジカル種を利用したイオンに対する操作によってその量が変化するイオンを検出することで得られる検出信号に基いて、前記可視情報又は可聴情報を作成し作業者に提供する、請求項1に記載の質量分析装置。
  5. 前記インピーダンス調整部は、作業者による操作子の移動操作に応じて前記アンテナの接地点を変化させることにより、該アンテナのインピーダンスを調整するものであり、
    前記ラジカル生成部は、前記操作子の移動操作の方向に沿って目盛りが設けられた位置指示部、をさらに備える、請求項1~4のいずれか1項に記載の質量分析装置。
  6. 前記ラジカル生成部は、
    その内部に原料ガスが導入され、その長手方向の一部が前記ラジカル生成室である、誘電体からなる円筒管と、
    前記円筒管の周囲に巻回される導電体である前記アンテナと、
    前記円筒管がその内部に挿通され、該円筒管と同軸で断面が同心円状である導電性の内周面を有する外側導体部と、
    前記外側導体部の内周面と前記円筒管の外周面との間の間隙にあって、該外側導体部の内周面と前記アンテナとに共に接触して両者を電気的に接続し、且つその電気的な接続点が前記外側導体部の長手方向にスライド移動可能である、前記インピーダンス調整部を構成する接続部と、
    を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の質量分析装置。
  7. 前記接続部は、内筒体及び外筒体を含む二重円筒管構造であり、該内筒体及び外筒体のそれぞれの同じ側の端部が軸方向に延びる切れ込みによって周方向に分割されて複数の分割片が形成され、且つ、該内筒体の分割片の外側に先端側に向かうに従って外方に膨出する又は該外筒部の分割片の内側に先端側に向かうに従って内方に膨出するテーパー部が形成されてなり、
    前記インピーダンス調整部は、前記内筒体に対し前記外筒体を又はその逆に前記外筒体に対し前記内筒体を、それらの先端部の方向に移動させる移動機構、をさらに含む、請求項6に記載の質量分析装置。
  8. 前記移動機構は作業者が操作する操作子を含み、前記ラジカル生成部は、前記移動機構による前記外筒体又は前記内筒体の移動に伴う前記操作子の移動の方向に沿って目盛りが設けられた位置指示部、を備える、請求項7に記載の質量分析装置。
  9. ラジカル種を利用してイオンを解離させ、その解離により生じたイオンを分析する質量分析装置の調整方法であって、
    ラジカル生成室に原料ガスを供給するとともにアンテナを介して高周波電力を供給し、該ラジカル生成室の内部でプラズマを生じさせることによって、前記原料ガスからラジカル種を生成するラジカル生成ステップと、
    前記ラジカル生成室の内部におけるプラズマの生成状態を反映した電気信号を生成し、該電気信号に基いた可視情報又は可聴情報を作業者に提供する情報提供ステップと、
    提供された前記可視情報又は可聴情報に応じた作業者の操作を受けて、前記アンテナのインピーダンスを調整する調整ステップと、
    を有する質量分析装置の調整方法。
  10. 前記情報提供部ステップは、
    前記ラジカル生成室の内部におけるプラズマから発せられる光の強度を測定する光検出ステップと、
    前記光検出ステップで得られた光の強度を反映した可視情報を表示する表示ステップ、又は該光の強度を反映した可聴情報を発する音発生ステップの少なくともいずれか一方、
    を含む、請求項9に記載の質量分析装置の調整方法。
  11. 前記情報提供ステップは、前記ラジカル生成ステップにおいて生成されたラジカル種を利用したイオンに対する操作によってその量が変化するイオンを検出することで得られる検出信号に基いて、前記可視情報又は可聴情報を作成し作業者に提供する、請求項9に記載の質量分析装置の調整方法。
  12. ラジカル種を生成するラジカル生成部を具備し、該ラジカル種を利用してイオンを解離させ、その解離により生じたイオンを分析する質量分析装置であって、前記ラジカル生成部は、
    ラジカル生成室と、
    前記ラジカル生成室の内部にラジカル種の元となる原料ガスを供給する原料ガス供給部と、
    前記ラジカル生成室の内部に高周波電力を供給するためのアンテナと、
    作業者による操作子の移動操作に応じて前記アンテナの接地点を変化させることにより、該アンテナのインピーダンスを調整するインピーダンス調整部と、
    前記操作子の移動操作の方向に沿って目盛りが設けられた位置指示部と、
    を含む質量分析装置。
  13. 前記ラジカル生成部は、
    その内部に原料ガスが導入され、その長手方向の一部が前記ラジカル生成室である、誘電体からなる円筒管と、
    前記円筒管の周囲に巻回される導電体である前記アンテナと、
    前記円筒管がその内部に挿通され、該円筒管と同軸で断面が同心円状である導電性の内周面を有する外側導体部と、
    前記外側導体部の内周面と前記円筒管の外周面との間の間隙にあって、該外側導体部の内周面と前記アンテナとに共に接触して両者を電気的に接続し、且つその電気的な接続点が、作業者の操作子の移動操作に応じて前記外側導体部の長手方向にスライド移動可能である、前記インピーダンス調整部を構成する接続部と、
    を含む、請求項12に記載の質量分析装置。
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