JP2019190862A - 飲食品の風味の評価用システムおよび飲食品の風味の評価方法 - Google Patents

飲食品の風味の評価用システムおよび飲食品の風味の評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】呼吸の測定データに基づいて飲食品の風味を評価できる、新規な飲食品の風味の評価用システムの提供。【解決手段】下記手段(a)、手段(b)、手段(c)および手段(d)を含む、飲食品の風味の評価用システムを提供する:手段(a) 被験者の、飲食品を飲食する際の呼息時間を測定する手段;手段(b) 被験者が飲食品を飲食する際の開口タイミングおよび嚥下タイミングを捕捉する手段;手段(c) 被験者が飲食品の風味を官能評価した官能評価データを記録する手段;手段(d) 手段(a)で測定した呼息時間と、手段(b)で測定した開口タイミングおよび嚥下タイミングと、を組み合わせて、飲食中の呼息時間および嚥下直後の呼息時間からなる群から選択される1以上を算出する手段。ただし、飲食中とは、開口タイミングから嚥下タイミングまでの期間である。【選択図】なし

Description

本発明は、飲食品の風味の評価用システムおよび飲食品の風味の評価方法に関する。
従来、飲食品の風味の評価は、ヒトが官能的に行うのが主流であった。しかし、ヒトの感覚疲労や個人の評価軸の違いから、飲食品の風味の評価結果は、客観性が十分に担保されるものではなかった。
昨今は、各種類の生理応答データを取得可能なセンサーで得たデータに基づいた官能評価が試みられている。例えば、飲食品の風味の評価の技術分野ではないものの、ヒトが香りを嗅いだ際に感じる感覚と呼吸時間との関係の利用を試みた技術が提案されている(例えば特許文献1および2参照)。
特許文献1には、複数の異なる香りを用意する工程と、1名以上の被験者で構成される被験者グループが香りを嗅ぎ、香りを嗅いだ状態における被験者グループの呼吸1回あたりの呼息時間データを、香りごとに取得する第一取得工程と、以下の(A)または(B)のいずれかの方法で、複数の異なる香りの中から香りを選択する第一の選択工程とを含む香りの選択方法が記載されている。
(A)香りを嗅いだ際の呼息時間データから各香りについて香りの呼息時間値を算出し、香りの呼息時間値が基準値を超える香りを選択する。
(B)被験者が複数であり、各香りについて、香りを嗅いだ際の呼息時間データから被験者ごとの香りの呼息時間値を算出し、各香りについて基準値を超える被験者ごとの香りの呼息時間値を選択し、選択した被験者ごとの香りの呼息時間値の数に対応する被験者数を算出し、被験者数が一定値以上となる香りを選択する。
特許文献1の実施例には、「感動」、「爽快感」などの官能評価用語のうち、「感動」を与える香りのみが香りを嗅いだ際の呼息時間と相関があることが示されている。ただし、香りを嗅いだ際の呼息時間と嗜好性とには関連が見出されないと記載されている(例えば、明細書段落[0047]を参照)。
特許文献2には、鼻口に当接した状態で呼吸が可能なマスク部と、吸息時にのみ開く吸気用弁体を備え、吸気を吸気用弁体を経てマスク部に送る吸息系と、呼息時にのみ開く呼気用弁体を備え、マスク部からの呼気を呼気用弁体を経て外部に排出する呼息系と、吸気用弁体の開動作を検出する検出手段と、吸気用弁体を通過する吸気の流路に香り刺激噴霧部を臨ませた香り刺激付与手段と、検出手段の検出信号を基に香り刺激付与手段を動作させ、吸息に同期して香り刺激を吸気に付与する制御手段と、を有する吸息同期香り刺激による呼吸パターン改善装置が記載されている。
この特許文献には、良い香りを嗅ぐことにより呼吸パターンを改善することが提案されている。
しかし、引用文献1も2も、飲食品の飲食中に呼吸時間を測定することや、呼吸時間を飲食品の風味評価の指標とすることについて、記載も示唆もしていない。さらに、飲食行為は香りを嗅ぐ行為と異なり、呼息や吸息の途中に飲食のための開口、嚥下などの動作が入るため、飲食中の吸息や呼息時間を正確に求めることが難しく、飲食品の風味評価に、生理応答パラメータとして呼吸時間などの呼吸測定データを利用することが困難であった。
特開2014−112050号公報 特開2006−325756号公報
上述したとおり、これまで、呼吸の測定データを飲食品の風味評価の指標として利用することは全く着目されていなかった。つまり、特許文献1では、前述の通り「感動」を与える香り、という香りの限定的な感覚の指標のみの検討であるし、引用文献2では、「好きな香り」が「呼吸を整える」ことが記載されているに過ぎない。そして、開口や嚥下のタイミングを踏まえた飲食中の呼吸の測定についても、全く検討されていなかった。
本発明が解決しようとする課題は、呼吸の測定データに基づいて飲食品の風味を評価できる、新規な飲食品の風味の評価用システムを提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を行った結果、被験者が飲食品を飲食する際の呼吸時間を測定し、被験者の飲食品の飲食の際の開口タイミングおよび嚥下タイミングを捕捉し、飲食品の官能評価データを記録できるシステムにより、被験者の特定の呼吸時間に基づいて飲食品の風味を評価できることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題を解決するための具体的な手段である本発明およびその好ましい態様は以下のとおりである。
[1] 下記手段(a)、手段(b)、手段(c)および手段(d)を含む、飲食品の風味の評価用システム:
手段(a) 被験者の、飲食品を飲食する際の呼吸時間を測定する手段;
手段(b) 被験者が前記飲食品を飲食する際の開口タイミングおよび嚥下タイミングを捕捉する手段;
手段(c) 被験者が飲食品の風味を官能評価した官能評価データを記録する手段;
手段(d) 手段(a)で測定した前記呼吸時間と、手段(b)で測定した前記開口タイミングおよび前記嚥下タイミングと、を組み合わせて、飲食中の呼息時間および嚥下直後の呼息時間からなる群から選択される1以上を算出する手段;
ただし、飲食中とは、前記開口タイミングから前記嚥下タイミングまでの期間である。
[2] 手段(a)が、温度センサーを備えた呼吸計であり;
温度センサーによって被験者の鼻孔直前の空気温度を測定して呼吸時間を測定できる、[1]に記載の飲食品の風味の評価用システム。
[3] 手段(a)が、温度センサーを被験者の鼻孔の直前に配置して被験者の呼吸時間を測定できる、[1]または[2]に記載の飲食品の風味の評価用システム。
[4] 手段(b)が、筋電位計および/または動画記録装置である[1]〜[3]のいずれか一つに記載の飲食品の風味の評価用システム。
[5] 手段(c)が、官能評価アンケートであり、
官能評価アンケートが、飲食品の風味の嗜好性を点数化できる[1]〜[4]のいずれか一つに記載の飲食品の風味の評価用システム。
[6] さらに下記手段(e)を含む[1]〜[5]のいずれか一つに記載の飲食品の風味の評価用システム;
手段(e) 手段(c)で記録された飲食品の前記官能評価データと、手段(d)で算出した前記飲食中の呼息時間または前記嚥下直後の呼息時間との相関を解析する手段。
[7] 下記段階(A)、段階(B)、段階(C)および段階(D)を含む、飲食品の風味の評価方法;
段階(A) 被験者の、飲食品を飲食する際の呼吸時間を測定する段階;
段階(B) 被験者が前記飲食品を飲食する際の開口タイミングおよび嚥下タイミングを捕捉する段階;
段階(C) 被験者が飲食品の風味を官能評価した官能評価データを記録する段階;
段階(D) 段階(A)で測定した前記呼吸時間と、段階(B)で測定した前記開口タイミングおよび前記嚥下タイミングと、を組み合わせて、飲食中の呼息時間および嚥下直後の呼息時間からなる群から選択される1以上を算出する段階;
ただし、飲食中とは、前記開口タイミングから前記嚥下タイミングまでの期間である。
[8] 段階(A)が、温度センサーを備えた呼吸計を用いて、該温度センサーによって被験者の鼻孔直前の空気温度を測定して呼吸時間を測定する段階である、[7]に記載の飲食品の風味の評価方法。
[9] 段階(A)が、温度センサーを被験者の鼻孔の直前に配置して被験者の呼吸時間を測定する段階である、[7]または[8]に記載の飲食品の風味の評価方法。
[10] 段階(B)が、筋電位計および/または動画記録装置を用いて前記開口タイミングおよび前記嚥下タイミングを補足する段階である、[7]〜[9]のいずれか一つに記載の飲食品の風味の評価方法。
[11] 段階(C)が、官能評価アンケートに基づいて飲食品の風味の嗜好性を点数化して記録する段階である、[7]〜[10]のいずれか一つに記載の飲食品の風味の評価方法。
[12] さらに下記段階(E)を含む[7]〜[11]のいずれか一つに記載の飲食品の風味の評価方法;
段階(E) 段階(C)で記録した飲食品の前記官能評価データと、段階(D)で算出した前記飲食中の呼息時間または前記嚥下直後の呼息時間との相関を解析する段階。
本発明によれば、呼吸の測定データに基づいて飲食品の風味を評価できる、新規な飲食品の風味の評価用システムを提供することができる。
本発明に用いられる、生理応答(呼吸および筋電位)計測の一例を示す図である。 呼吸波形において呼息開始点、吸息開始点、呼息時間、吸息時間などを説明する模式図である。 官能評価アンケートの一例を示す図である。 呼吸波形および表面筋電図において嚥下タイミングと嚥下直後の呼息時間との関係を示す模式図である。 飲食中の呼息時間(相対値)を示す図の一例である。 飲食中の呼息時間(相対値)を示す図の一例である。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。
[飲食品の風味の評価用システム]
本発明の風味の評価用システムは、下記手段(a)、手段(b)、手段(c)および手段(d)を含む。
手段(a) 被験者の、飲食品を飲食する際の呼吸時間を測定する手段;
手段(b) 被験者が前記飲食品を飲食する際の開口タイミングおよび嚥下タイミングを捕捉する手段;
手段(c) 被験者が飲食品の風味を官能評価した官能評価データを記録する手段;
手段(d) 手段(a)で測定した呼吸時間と、手段(b)で測定した前記開口タイミングおよび前記嚥下タイミングと、を組み合わせて、飲食中の呼息時間および嚥下直後の呼息時間からなる群から選択される1以上を算出する手段;
ただし、飲食中とは、前記開口タイミングから前記嚥下タイミングまでの期間である。
飲食中の呼息時間とは、開口タイミングから嚥下タイミングまでの期間における呼息時間の合計を意味し、嚥下直後の呼息時間とは、嚥下タイミングを含む呼息において、嚥下タイミングを始点とし、当該呼息の終了時点を終点とする期間を意味する(詳しくは後述)。
このような構成により、本発明の飲食品の風味の評価用システムは、呼吸の測定データに基づいて飲食品の風味を評価できる。
呼吸時間は、生理応答計測手段によって測定されるデータであるため、恣意性がなく客観性が高い。呼息時間を測定する手段に加えて、被験者の飲食の際の開口タイミングおよび嚥下タイミングを捕捉する手段と、被験者が飲食品の風味を官能評価した官能評価データを記録する手段と、を含むシステムにより、後述の本発明の飲食品の風味の評価方法により、飲食品の風味の嗜好性を呼吸の測定データに基づいて客観的に評価できる。
以下、本発明の好ましい態様について説明する。
<飲食品の風味>
飲食品の風味は、総合的な風味(味、香りなどが総合的に評価されたもの)を意味する。「飲食品の風味」には、「味(味覚)」、「香り(嗅覚)」などが含まれ、「香り」には、香りの好ましさ、香りの完成度(「完成度」とは、香りが飲食品やその素材そのものを想起させる程度であって、天然感と称される場合がある)、香りの強さの好ましさなどが含まれ、「味」には、味の好ましさ、味の完成度、味の強さの好ましさなどが含まれる。「好ましさ」は、嗜好性と称することもある。
(飲食品)
飲食品は特に制限はない。ある特定の相違点について複数種類の飲食品を比較する場合、比較すべき相違点以外の要素を統一することが好ましい。例えば、飲食品の香りの違いによる風味の評価に本発明の飲食品の風味の評価方法を用いる場合、飲食品は、テクスチャー(かたさ、粘度等の機械的特性)や被験者が飲食する重量など、香り以外の要素が統一されていることが、香りの好ましさや香りによる風味改善を純粋に評価でき、好ましい。
被験者が飲食する飲食品の量(重量)は、被験者が無理なく口腔内で咀嚼および/または嚥下できる程度であることが好ましい。具体的には、被験者が飲食する飲食品の量は20g以下であることが好ましく、15g以下であることがより好ましく、10g以下であることが特に好ましい。ただし、被験者の年齢や身体的特徴などに応じて、適宜最適な量を決定することができる。
飲食品の具体例としては、例えば、せんべい、あられ、おこし、餅類、饅頭、ういろう、あん類、羊かん、水羊かん、錦玉、ゼリー、カステラ、飴玉、ビスケット、クラッカー、ポテトチップス、クッキー、パイ、プリン、バタークリーム、カスタードクリーム、シュークリーム、ワッフル、スポンジケーキ、ドーナツ、チョコレート、チューインガム、キャラメル、キャンディー、ピーナッツペーストなどのペースト類、などの菓子類;
コーラ飲料、果汁入り炭酸飲料、乳類入り炭酸飲料などの炭酸飲料類;果汁飲料、野菜飲料、スポーツドリンク、ハチミツ飲料、豆乳、ビタミン補給飲料、ミネラル補給飲料、栄養ドリンク、滋養ドリンク、乳酸菌飲料、乳飲料などのソフト飲料類;緑茶、紅茶、ウーロン茶、ハーブティー、ミルクティー、コーヒー飲料などの嗜好飲料類;チューハイ、カクテルドリンク、発泡酒、果実酒、薬味酒などのアルコール飲料類;などの飲料類;
パン、うどん、ラーメン、中華麺、すし、五目飯、チャーハン、ピラフ、餃子の皮、シューマイの皮、お好み焼き、たこ焼き、などのパン類、麺類、ご飯類;
糠漬け、梅干、福神漬け、べったら漬け、千枚漬け、らっきょう、味噌漬け、たくあん漬け、及び、それらの漬物の素、などの漬物類;
サバ、イワシ、サンマ、サケ、マグロ、カツオ、クジラ、カレイ、イカナゴ、アユなどの魚類、スルメイカ、ヤリイカ、紋甲イカ、ホタルイカなどのイカ類、マダコ、イイダコなどのタコ類、クルマエビ、ボタンエビ、イセエビ、ブラックタイガーなどのエビ類、タラバガニ、ズワイガニ、ワタリガニ、ケガニなどのカニ類、アサリ、ハマグリ、ホタテ、カキ、ムール貝などの貝類、などの魚介類;
缶詰、煮魚、佃煮、すり身、水産練り製品(ちくわ、蒲鉾、あげ蒲鉾、カニ足蒲鉾など)、フライ、天ぷら、などの魚介類の加工飲食品類;
鶏肉、豚肉、牛肉、羊肉、馬肉などの畜肉類;
カレー、シチュー、ビーフシチュー、ハヤシライスソース、ミートソース、マーボ豆腐、ハンバーグ、餃子、釜飯の素、スープ類、肉団子、角煮、畜肉缶詰などの畜肉を用いた加工飲食品類;
卓上塩、調味塩、醤油、粉末醤油、味噌、粉末味噌、もろみ、ひしお、ふりかけ、お茶漬けの素、マーガリン、マヨネーズ、ドレッシング、食酢、三杯酢、粉末すし酢、中華の素、天つゆ、麺つゆ、ソース、ケチャップ、焼肉のタレ、カレールー、シチューの素、スープの素、だしの素、複合調味料、新みりん、唐揚げ粉・たこ焼き粉などのミックス粉、などの調味料類、など;
その他、チーズ、バターなどの乳製品、野菜の煮物、筑前煮、おでん、鍋物などの煮物類、持ち帰り弁当の具や惣菜類、トマトジュースなどが例示できる。
飲食品には、その香りおよび/または味(総じて風味とも称する)を変化させる化合物および/または組成物(すなわち、いわゆるフレーバー)を添加してもよい。例えば、香料化合物、香料組成物、動植物の抽出物、天然精油などが例示できる。「特許庁公報、周知・慣用技術集(香料)第II部食品用香料、平成12年1月14日発行」、「日本における食品香料化合物の使用実態調査」(平成12年度厚生科学研究報告書、日本香料工業会、平成13年3月発行)、および「合成香料 化学と商品知識」(2016年12月20日増補新版発行、合成香料編集委員会編集、化学工業日報社)に記載されている天然精油、天然香料化合物、合成香料化合物などを挙げることができるが、これらに限定されない。
例えば、飲食品に香味を付与乃至増強させる化合物および/または組成物でよく、具体例としては、飲食品がゼリーの場合は、ゼリーの風味に感じる好ましさ(本明細書では嗜好度とも称することがある)に影響を及ぼすと推測できる、フルーツ風味などを付与乃至増強できる香料化合物または香料組成物を使用することができる。
<手段(a)>
飲食品の風味の評価用システムは、下記手段(a)を含む。
手段(a) 被験者の、飲食品を飲食する際の呼吸時間を測定する手段。
手段(a)は、被験者の飲食品を飲食する際に、当該被験者の呼吸に起因する変化を測定して、呼吸時間を測定できる手段であることが好ましい。
本発明において、呼吸時間とは、呼息時間、または呼息時間および吸息時間の両方を意味し、後述の手段(d)で飲食中の呼息時間または嚥下直後の呼息時間の算出に使用できるものである。
また、本発明において、特に後述の手段(d)で嚥下直後の呼息時間を算出する場合、飲食後も呼吸時間を測定してよく、その測定時間の長さは特に限定されず、例えば、約10秒、30秒、1分、3分、またはそれ以上の時間測定することができる。
ここで、飲食中とは、飲食品を口に入れるために開口した時点(開口タイミング)から当該飲食品を嚥下した時点(嚥下タイミング)までの期間を意味し、飲食後とは、嚥下タイミングより後を意味する。
(手段(a)による呼吸の測定)
本発明において、呼吸に起因する変化の測定によって得られるデータは、口呼吸波形、口鼻呼吸波形および/または鼻呼吸波形の場合は、呼息および吸息の温度(呼吸温度;呼吸器近傍の雰囲気の温度)や換気量(呼吸圧;呼吸器近傍の雰囲気の圧力)などを、呼吸努力波形の場合は、腹部および/または胸部の運動量(例えば、腹式呼吸の際に腹部側で検出される呼吸由来の体圧)などを測定して得られるものである。
呼吸の測定は、呼吸器近傍の雰囲気の温度の測定によって行うことが好ましく、被験者の呼息および吸息を温度センサー(サーミスタセンサー、もしくは、熱電対センサーなど)が検出する雰囲気(例えば、鼻孔直前などの呼吸器近傍)の連続的な温度変化として記録するものであることがより好ましい。呼息および吸息の測定は、被験者の鼻のみを覆う(口を覆わない)マスク型の呼吸計による、呼息および吸息の換気量の測定であってもよい。
本発明では、手段(a)が、温度センサーを備えた呼吸計であり、温度センサーによって被験者の呼息および吸息によって変化する呼吸器近傍の雰囲気温度を連続的に測定し、この雰囲気温度の時間的変化から呼吸時間を得ることが好ましい。
(呼吸波形)
手段(a)は、呼吸の測定から呼吸波形を得るものであってよい。呼吸波形は、手段(a)によって被験者の呼吸の測定によって得られる変化値の時間に対する関係を示したグラフの形状を意味する。
呼吸波形としては、口呼吸波形、口鼻呼吸波形、鼻呼吸波形、呼吸努力波形などが挙げられる。本発明では、呼吸波形として、口呼吸波形、口鼻呼吸波形および/または鼻呼吸波形を用いることが好ましく、鼻呼吸波形(鼻孔直前の空気の温度変化波形)を用いることがより好ましい。
すなわち、本発明では、手段(a)が、被験者の鼻孔の直前に配置して被験者の鼻孔から呼息および吸息を測定して鼻呼吸波形を得るものであることが、より自然な状態で飲食時の生理応答(呼吸および嚥下)が計測できる観点から好ましく、被験者の鼻孔の直前に配置して被験者の鼻孔直前の空気の温度変化から呼息および吸息を測定して鼻呼吸波形を得るものであることがより好ましい。
本発明の一実施態様によれば、呼吸波形は鼻呼吸波形であり、被験者の鼻孔の直前に配置した温度センサーにより得られる、鼻孔直前の雰囲気温度の経時的な温度変化を示すものである。図1に例示するように被験者の鼻孔の直前に温度センサーを配置することで、温度センサーに、呼息の際は肺で温められた空気が、吸息の際は外界からの空気が当たり、図2に例示するような、時間に対する温度変化を表す呼吸波形を取得することができる。本実施態様の場合、図2のように、温度センサーが測定する空気温度が、温度上昇から温度下降に移りかわる時点を、吸息開始点とし、その後の温度下降相を吸息相と定義する。温度センサーが測定する温度が、温度下降から温度上昇に移りかわる時点を、呼息開始点とし、その後の温度上昇相を呼息相とする。そして、連続する1つの呼息相および1つの吸息相を合せて1回の呼吸とする。ただし、1回の呼吸は、呼息相とそれに続く吸息相でも、吸息相とそれに続く呼息相でも、どちらでもよい。
(呼吸時間)
本発明では、手段(a)によって、被験者の呼吸時間を測定することができる。呼吸時間は、上述のとおり呼吸波形から求めることができる。
いかなる理論に拘泥するものでもないが、呼吸において、「吸息」は外界からの情報を取り入れるフェーズであり、「呼息」は情動などの脳の内部状態を反映しているフェーズであると考えられている(例えば、Manabe and Mori, Sniff rhythm-paced fast and slow gamma-oscillations in the olfactory bulb: relation to tufted and mitral cells and behavioral states, Journal of Neurophysiol., Vol.110, pp.1593-1599., (2013)およびKensaku Mori (Ed), The Olfactory System; From Odor Molecules to Motivational Behaviors, Springer (2014)などを参照)ことから、飲食した飲食品に対して感じた被験者の嗜好度が呼息時間に反映されているという推測が可能である。
作業性の向上や手作業による誤操作の回避などの観点から、吸息開始点や呼息開始点などを、AI(マクロや機械学習等)を用いて自動的に呼吸波形から求めることが好ましい。
<手段(b)>
飲食品の風味の評価用システムは、下記手段(b)を含む。
手段(b) 被験者が前記飲食品を飲食する際の開口タイミングおよび嚥下タイミングを捕捉する手段。
手段(b)としては、特に制限はなく、公知の手段を採用することができる。
本発明において、開口タイミングとは、被験者が飲食品の飲食の際に、当該飲食品を口に入れるために開口するタイミングであって、嚥下タイミングとは、被験者が口に入れた飲食品を嚥下するタイミングである。
本発明では、手段(b)が、筋電位計および/または動画記録装置であることが好ましい。開口タイミングおよび嚥下タイミングが補足できるものであれば、どちらか一方を備えていればよいが、より確実に被験者が飲食品を嚥下するタイミングを捕捉する観点から、手段(b)として筋電位計および動画記録装置の両方を備えてもよい。
−筋電位計−
筋電位計としては特に制限はないが、表面筋電位計であることが好ましい。
被験者の喉の皮膚に表面電極を貼り付けることが好ましい。例えば、図1のように貼り付けることができる。
飲食品が飲料品である場合は嚥下前に咀嚼が不要であるため、嚥下のみを記録する目的で喉の皮膚(例えば、前頸部またはオトガイ下部の皮膚)に表面電極を貼り付ければよい。このことで、被験者の嚥下運動に関与する筋肉、例えば舌骨下筋群または舌骨上筋群の表面筋電位が測定可能となる。
飲食品が食料品である場合は嚥下前に咀嚼が必要であるため、喉の皮膚表面に加えて、被験者の咀嚼運動に関与する筋肉(例えば、咬筋)の表面筋電位を測定可能な皮膚領域に表面電極を貼り付けることが好ましい。例えば、被験者の頬部に表面電極を貼り付けてよい。
筋電位計として、市販の筋電位計を用いてもよい。
−動画記録装置−
動画記録装置としては特に制限はない。
例えば、撮影部および記録部を備える公知のビデオを用いることができる。
なお、動画記録装置の記録部は、飲食品の風味の評価用システムが備える他の手段の記録部と一体化され、記録開始のタイミングが同期されていることが好ましく、例えばパーソナルコンピューター(PC)などの電子計算機に接続されていてもよい。
動画記録装置は、動画をビデオ映像(例えば、PC上で再生や編集ができる映像)として記録できるものが好ましい。ただし、動画は、アナログであっても、デジタルであってもよい。動画記録装置に録音機能が付いていることが好ましい。
動画記録装置は、少なくとも被験者の喉の動きを記録できればよく、被験者の喉および口の動きを記録できることが好ましい。さらに、被験者が飲食を開始するための開口タイミングも記録できることがより好ましい。
または、動画記録装置が録音機能を有し、当該動画録音装置で嚥下音を記録し、嚥下音発生時を嚥下タイミングと判定してもよい。
または、動画記録装置が録音機能を有し、当該動画記録装置で記録した映像および音声に基づいて、嚥下タイミングを判定してもよい。
動画記録装置として、市販の動画記録装置を用いてもよい。例えば、動画記録装置として、市販のwebカメラを任意の手段(例えば、USBケーブル)でPCなどに接続したものを用いることができる。
<手段(c)>
飲食品の風味の評価用システムは、下記手段(c)を含む。
手段(c) 被験者が飲食品の風味を官能評価した官能評価データを記録する手段。
本発明では、官能評価データとは、飲食品に対する好ましさ(嗜好性)の度合い(本明細書では、嗜好度とも称する)を意味するものであり、手段(c)が、被験者が飲食品に対して感じた嗜好度を記録できるものであって、例えば、官能評価アンケートであることが好ましい。
官能評価アンケートの内容は、被験者が感じた嗜好度に関する問いが含まれていればよく、その他の点については特に限定されず、例えば、被験者が感じた嗜好度を点数化できるものであってよい。具体例として、嗜好度を尺度法または視覚的評価スケール(Visual Analog Scale;VAS)法で記録するアンケートが挙げられ、例えば、「非常に好ましくない」から「非常に好ましい」まで点数が上昇していくものが挙げられる。
官能評価アンケートの別の態様として、「好き」か「嫌い」か、などの嗜好性に関わる用語を提示し、どれに当てはまるかを回答させるアンケートでもよい。当てはまるものに点数や記号を割り振っておいてもよく、例えば、「好ましい」と感じた場合は1点、「好ましくない」と感じた場合は0点を被験者に選択させるアンケートでもよいし、「好ましい」と感じた場合は記号A、「好ましくない」と感じた場合は記号Bを被験者に選択させるアンケートでもよい。
官能評価アンケートの記録方法としては、紙面への記載や、PC等の記録装置への入力を挙げることができるが、特に限定されない。
図3は官能評価アンケートの一例である。
被験者が飲食品の嗜好度を考える行為、すなわち被験者の官能評価自体は、飲食中でも飲食後でも任意のタイミングでよいが、その嗜好度の記録、すなわち官能評価データの記録(例えば、官能評価アンケートへの嗜好度の記録)は飲食後に行うことが、呼吸の不要な乱れを防止する観点から好ましい。
また、官能評価アンケートは、嗜好性以外の他の質問項目、例えば香りの強さや飲食品の硬さ、飲み込みやすさなどの官能評価項目を、必要に応じて同時に記録できるものであってもよい。
<手段(d)>
本発明の飲食品の風味の評価用システムは、下記手段(d)を含む。
手段(d) 手段(a)で測定した呼吸時間と、手段(b)で測定した前記開口タイミングおよび前記嚥下タイミングと、を組み合わせて、飲食中の呼息時間および嚥下直後の呼息時間からなる群から選択される1以上を算出する手段。
本発明は、飲食品の嗜好度の客観的指標となり得る生理応答パラメータとして呼吸パラメータを採用するものであり、そのような呼吸パラメータの好ましい例として、以下が挙げられる。
・飲食中の呼息時間
・嚥下直後の呼息時間
なお、飲食品の嚥下が呼息中に起こる場合が多い。本発明では、呼息および吸息の測定とともに被験者の嚥下タイミングを捕捉することで、嚥下タイミングを含む呼息相をその嚥下タイミングで前後に2分割し、嚥下直後の呼息時間を算出できる。図4に、呼吸波形および表面筋電図から、嚥下タイミングを捕捉し、嚥下直後の呼息時間を算出する一例を示した。
−飲食中の呼息時間−
本発明では、呼吸パラメータが、飲食中の呼息時間であってよい。
ただし、飲食中の呼息時間とは、飲食中の期間のうち呼息時間を合計した時間のことをいう。
飲食中とは、上述の通り、被験者が飲食品を口中に入れるために開口した時点(開口タイミング)を始点とし、飲食品を嚥下する時点(嚥下タイミング)を終点とする期間のことをいう。開口タイミングおよび嚥下タイミングは、上述の通り、手段(b)によって捕捉することができる。
呼息の途中で嚥下が起こる、すなわち、飲食中の期間が終了する場合は、この嚥下直前の呼息時間は、嚥下タイミングを含む呼息のうち、当該呼息の開始から嚥下タイミングまでの時間とすればよい。すなわち、飲食中の呼息時間を、嚥下直前の呼息時間と、開口タイミングからこの呼息直前までの呼息時間と、の合計として求めればよい。または、飲食中の呼息時間は、飲食中の期間の長さから吸息時間を減算して求めてもよい。
−嚥下直後の呼息時間−
本発明において、嚥下直後の呼息時間とは、手段(b)によって補足した嚥下タイミングから、当該嚥下タイミングを含む呼息の終了時点までの時間を意味する。
呼吸時間は被験者間の個人差、または同じ個人でも状況(例えば体調や時間帯)差があり得ることから、標準化して呼息時間の相対値を求めてもよい。呼息時間の相対値は、例えば、呼息時間の長さを安静時の呼息時間の長さの平均値など(中央値または最頻値等でもよい)で割り算することで、安静時の呼息時間に対する比率または割合として算出できる。
<手段(e)>
本発明の飲食品の風味の評価用システムは、さらに下記手段(e)を含むことが好ましい。
手段(e) 手段(c)で記録された飲食品の官能評価データと、手段(d)で算出した前記飲食中の呼息時間または前記嚥下直後の呼息時間との相関を解析する手段。
手段(e)としては特に制限はなく、公知の手段を用いることができ、手段(d)で算出した飲食中の呼息時間または嚥下直後の呼息時間と、官能評価データとの関連性を把握できる手段であれば任意である。
例えば、エクセル(Microsoft社製)などの表計算ソフトを使用することができ、手段(d)で算出した呼吸パラメータと官能評価データとの関連性を可視化した表、グラフなどであってよく、さらに、手段(d)で算出した呼吸パラメータと官能評価データとの相関係数を算出可能なものであってもよい。
例えば、飲食品の風味の評価方法を同一被験者が複数回行うか、複数の被験者が行うことにより、呼吸パラメータ(すなわち、飲食中の呼息時間または嚥下直後の呼息時間)と官能評価データのセットを複数用意し、呼吸パラメータと官能評価データとの間に相関があることを、帰納法(複数回の評価の結果から理論を導出し、結論を合理的に推測する方法)を行う手段によって導出することができる。帰納法による呼吸パラメータと官能評価データの相関があることの導出は、確率の計算、公知の知見からの理論の導出などによって導出することができる。
例えば、本発明では、呼吸パラメータが飲食中の呼息時間であり、これを飲食品の嗜好度と負の相関を示す指標として、飲食品の風味を評価するものであってよい。または、本発明では、呼吸パラメータが嚥下直後の呼息時間であり、これを飲食品の嗜好度と正の相関を示す指標として、飲食品の風味を評価するものであってよい。
<その他の手段>
本発明の飲食品の風味の評価用システムは、その他の手段を備えていてもよい。
例えば、飲食品の風味の評価用システムは、官能評価データや呼吸パラメータなどのデータを記録する手段を備えることが好ましい。
飲食品の風味の評価用システムは、手段(a)の測定開始点および手段(b)の測定開始点を同期できる手段を備えることが好ましい。
その他、飲食品の風味の評価用システムは、ディスプレイや、入力手段(マウスやタッチパネル等)を備えることが好ましい。
飲食品の風味の評価用システムのうち、手段(a)、手段(b)、手段(c)および手段(d)以外のその他の手段を備えるシステムとして、市販のシステムを用いてもよい。例えば、生理応答データ収録システムPowerLab26T(ADInstruments社製、型番:ML4856)および生理応答データ収録システムに付属のソフトウェアLabChart Pro V8(ADInstruments社製、型番:MLU260/8。PowerLab26Tの制御もしている)を用いることができる。
[飲食品の風味の評価方法]
本発明の飲食品の風味の評価方法は、下記段階(A)、段階(B)、段階(C)および段階(D)を含む。
段階(A) 被験者の、飲食品を飲食する際の呼吸時間を測定する段階;
段階(B) 被験者が前記飲食品を飲食する際に開口タイミングおよび嚥下タイミングを捕捉する段階;
段階(C) 被験者が飲食品の風味を官能評価した官能評価データを記録する段階;
段階(D) 段階(A)で測定した呼吸時間と段階(B)で測定した前記開口タイミングおよび前記嚥下タイミングとを組み合わせて、飲食中の呼息時間および嚥下直後の呼息時間からなる群から選択される1以上を算出する段階;
ただし、飲食中とは、前記開口タイミングから嚥下タイミングまでの期間である。
以下、本発明の飲食品の風味の評価方法の好ましい態様を、順に説明する。
<飲食前の安静>
段階(A)を行う前に、被験者に安静させる段階を行うことが、測定時における被験者の呼吸を安定させる観点から好ましい。
飲食前の安静の時間は特に制限はないが、例えば10秒間〜5分間とすることができ、30秒間〜1分間であることが好ましい。
<段階(A)、段階(B)、段階(C)および段階(D)>
段階(A)、段階(B)、段階(C)および段階(D)は、この順で行う場合に限定されない。一般的には、段階(A)および段階(B)を同時に開始することが好ましい。
段階(C)において、被験者が飲食品を官能評価する(例えば、飲食品の嗜好度について考える)タイミングは、特に限定されない。例えば、段階(A)を行っている間、または段階(A)が終了した後に行ってよい。被験者の開口タイミングおよび嚥下タイミングは、特に制限せず、吸息相、呼息相のどちらでもよい。段階(C)において、官能評価データを記録する段階(例えば、官能評価アンケートへの嗜好度の記録)は、手段(c)の説明で述べたように、呼吸の不要な乱れを防止する観点から、段階(A)が終了した後に行うことが好ましい。
その他の段階(A)、段階(B)、段階(C)および段階(D)の好ましい態様は、それぞれ手段(a)、手段(b)、手段(c)および手段(d)の好ましい態様と同様である。
<段階(E)>
本発明の飲食品の風味の評価方法は、さらに下記段階(E)を含むことが好ましい。
段階(E) 段階(C)で記録した飲食品の官能評価データと、段階(D)で算出した前記飲食中の呼息時間または前記嚥下直後の呼息時間との相関を解析する段階。
段階(E)の好ましい態様は、手段(e)の好ましい態様と同様である。
<飲食品の風味の評価の繰り返し>
帰納法によって相関を求める場合などは、必要に応じて、飲食品の風味の評価方法を繰り返し行ってもよい。
飲食品の風味の評価方法を繰り返し行う場合、段階(A)、段階(B)および段階(C)までを繰り返してデータを取得し、得られたデータをまとめて段階(D)および段階(E)を行ってもよい。また、段階(A)、段階(B)、段階(C)、段階(D)および段階(E)までを繰り返してもよい。
段階(A)、段階(B)および段階(C)までを繰り返してデータを取得する場合、同じ被験者が飲食品の風味の評価を繰り返す場合は、飲食品の情報は一切開示せずに(いわゆるブラインドで)行うことが、被験者に先入観を与えず飲食品に対して感じた嗜好度に対する本来の生理応答を計測できるという観点から好ましい。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
<ゼリーの風味を評価する方法>
(飲食品)
飲食品として、以下の2つの食料品サンプルを準備した。クエン酸およびグラニュー糖を配合した糖酸水、ならびにゼラチンを用いて、常法に従って糖酸味のゼリー(サンプル(1))を調製した。加えて、フレーバーとしてピーチフレーバー(長谷川香料株式会社製)を配合してピーチ風味としたこと以外はサンプル(1)と同様にして、賦香ゼリー(サンプル(2))を調製した。
・サンプル(1) 糖酸ゼリー、10g
・サンプル(2) 糖酸+ピーチフレーバーゼリー、10g
(飲食品の風味の評価用システム)
呼吸時間を測定する手段(a)として、鼻呼吸気温計測用のサーミスタセンサー(ADInstruments社製、型番:MLT415)を用いた。サーミスタセンサーは、生理応答データ収録システムに接続した。サーミスタセンサーの先端に鼻息が当たるように、被験者にサーミスタセンサーを装着した。
被験者を2名とし、被験者が飲食品を口に入れるために開口するタイミング(開口タイミング)、および当該飲食品を嚥下するタイミング(嚥下タイミング)を捕捉する手段(b)として、筋電位計、動画記録装置HD Webcam C615(logicool社製のwebカメラを付属のUSBケーブルでノートPCに接続したもの)、生理応答データ収録システムPowerLab26T(ADInstruments社製、型番:ML4856)および生理応答データ収録システムに付属のLabChart Pro V8(ADInstruments社製、型番:MLU260/8)を用いた。ゼリーの場合は飲食の際に咀嚼が必要であるため、被験者の頬部と前頸部とに表面電極を貼り付けた。頬部の電極では咀嚼に関与する咬筋の表面筋電位を、前頸部の電極では嚥下に関与する舌骨下筋群の表面筋電位を測定することができる。
被験者が飲食品の風味を官能評価した官能評価データを記録する手段(c)として、紙面の官能評価アンケートを用いた。官能評価アンケートは、嗜好度を点数化できるものであり、スケールバーに書かれた「大嫌い」(−6点)から「大好き」(+6点)までの13段階で点数をつけられる(図3参照)。官能評価アンケートの結果は、生理応答データ収録システムに手動で入力され、生理応答データ収録システムの記録部に記録される。
以上のシステムを、実施例1の飲食品の風味の評価用システムとした。
(段階(A)および段階(B))
段階(A)として、被験者がサンプル(1)を飲食する前から飲食中を経て飲食後(すなわち嚥下後)まで呼吸を計測するとともに、段階(B)として、被験者の開口タイミングおよび嚥下タイミングを捕捉した。具体的には、以下の通り行った。
まず、呼吸計および筋電位計によって呼息時間および表面筋電位を測定している被験者に、約30秒から1分安静にさせて安静時の呼吸を測定した後、サンプル(1)の情報を一切与えずに、サンプル(1)を飲食すること、すなわち、口に入れ、咀嚼し、嚥下することを求めた。開口タイミングおよび嚥下のタイミングは、吸息時、呼息時のどちらでも任意のタイミングでよいと被験者に伝え、特に制限はしなかった。
サンプル(1)の飲食中の期間の終了(すなわち嚥下タイミング後)から約1分間の安静後に、呼吸測定を終了した。
次いで、サンプル(2)についても同様にして段階(A)および(B)を行った。
以下、段階(A)および(B)の詳細について説明する。
(呼吸時間の測定)
段階(A)としてサーミスタセンサーによって呼吸を測定し、呼吸波形を得た。ここで、実施例1では、呼息時および吸息時の鼻孔直前の空気温度(呼吸温度;呼吸器近傍の雰囲気の温度)を測定して得られるパラメータの時間に対する関係を示したグラフの形状を呼吸波形とした。図2に示すように、温度上昇から温度下降に移りかわる時点を、吸息開始点とし、温度下降から温度上昇に移りかわる時点を、呼息開始点と定義した。また、吸息開始点から呼息開始点までを吸息相と、呼息開始点から吸息開始点までを呼息相と定義した。測定された呼吸波形から呼吸時間を得た。
(開口および嚥下タイミングの補足)
また、段階(B)として、開口タイミングおよび嚥下タイミングを補足した。開口タイミングは、ビデオ映像の開口運動により判定した。嚥下タイミングは、舌骨下筋群(喉)の筋電図の最大振幅値のときとして判定し、あわせてビデオ映像の喉の嚥下運動およびビデオ音声の嚥下音により確認した。
(段階(C))
飲食後の安静後に、被験者に、飲食品に対して感じた嗜好度を官能評価アンケートに記録させて、官能評価データとして得た。官能評価アンケートは、図3に示すものと同様のものを用い、被験者が感じた嗜好度に対応する点数付きのスケールバー上の任意の位置を選択させ、嗜好度を表す点数とした。
サンプル(1)糖酸ゼリーの嗜好度は+3であり、サンプル(2)糖酸+ピーチフレーバーゼリーの嗜好度は+4であった。このデータを、生理応答データ収録システムに手動で入力し、生理応答データ収録システムの記録部に記録した。
(段階(D))
段階(D)として、段階(A)で測定した呼吸時間と、段階(B)で補足した開口タイミングおよび嚥下タイミングとを組み合わせて、呼吸パラメータを算出した。
呼吸パラメータを算出する手段(d)として、生理応答データ収録システムに付属のLabChart Pro V8(ADInstruments社製、型番:MLU260/8)を用いた。
実施例1では、呼吸パラメータとして、飲食中の呼息時間を以下の方法で求めた。
まず、被験者の安静時の呼吸時間のうち、各呼息相の時間の平均を得て、これに対する、飲食中(開口タイミングから嚥下タイミングまで)の呼息時間の比率を求めた。本実施例では、呼息時間は上記呼吸波形のうち呼息相の時間としたが、呼吸時間から吸息時間を減算したものを呼息時間としてもよい。
なお、安静時の呼息時間の平均は、約30秒〜1分間の安定的な呼吸時(咳や嚥下などの呼吸運動以外の際の呼息は除く)における各呼息時間の平均とした。また、飲食中の呼息時間は、飲食中の期間のうち呼息時間を合計して算出した。
サンプル(1)糖酸ゼリーの飲食中の呼息時間(相対値)は4.00であり、サンプル(2)糖酸+ピーチフレーバーゼリーの飲食中の呼息時間(相対値)は2.83であった。
同じ被験者が2回評価を行った結果、同様の傾向の結果が得られた。すなわち、サンプル(1)糖酸ゼリーの嗜好度は+1であり、サンプル(2)糖酸+ピーチフレーバーゼリーの嗜好度は+4であり、サンプル(1)糖酸ゼリーの飲食中の呼息時間(相対値)は3.43であり、サンプル(2)糖酸+ピーチフレーバーゼリーの飲食中の呼息時間(相対値)は2.92であったので、嗜好度が高いサンプルを食べた場合の方が、飲食中の呼息時間が短かった。
(段階(E))
飲食中の呼息時間と、飲食品の官能評価データ(嗜好度)との相関を解析した。
実施例1の飲食品の風味の評価用システムを用い、生理応答データ収録システムの記録部に記録された、段階(D)で得た飲食中の呼息時間および段階(C)で得た嗜好度との関連性を比較するため、これらのデータを前記記録部から取り出して比較した。
その結果、嗜好度が高いサンプルを食べた場合(糖酸+ピーチフレーバーのゼリー)の方が、嗜好度が低いサンプルを食べた場合(糖酸ゼリー)よりも、飲食中の呼息時間が短いことがわかった。
段階(E)として、さらに、表計算ソフトのエクセル(Microsoft社製)を用いて、段階(D)で得た飲食中の呼息時間と段階(C)で得た嗜好度との相関係数を算出した。具体的には、エクセルに、生理応答データ収録システムに付属のLabChart Pro V8(ADInstruments社製、型番:MLU260/8)に格納されている、上記2回の試験の飲食中の呼息時間および嗜好度の数値をエクセルに入力し、相関解析を行った。その結果、官能評価データと飲食中の呼息時間(相対値)との相関係数は−0.65であった。
[実施例2]
<ゼリーの風味を評価する方法>
(飲食品)
実施例1とは他の被験者で、実施例1と同じサンプルおよび方法にて評価を行ったところ、やはり同様の傾向の結果が得られた。
すなわち、サンプル(1)糖酸ゼリーの嗜好度は+2であり、サンプル(2)糖酸+ピーチフレーバーゼリーの嗜好度は+5であり、サンプル(1)糖酸ゼリーの飲食中の呼息時間(相対値)は1.75であり、サンプル(2)糖酸+ピーチフレーバーゼリーの飲食中の呼息時間(相対値)は1.47であった。
この被験者で再度同じ評価を行ったところ、サンプル(1)糖酸ゼリーの嗜好度は+2であり、サンプル(2)糖酸+ピーチフレーバーゼリーの嗜好度は+5であり、サンプル(1)糖酸ゼリーの飲食中の呼息時間(相対値)は1.94であり、サンプル(2)糖酸+ピーチフレーバーゼリーの飲食中の呼息時間(相対値)は1.78であった。
以上の2回の評価における、官能評価データと飲食中の呼息時間(相対値)との相関係数は−0.48であった。
以上より、飲食中の呼息時間はそれぞれ飲食品の嗜好度と負の相関を示す指標として使用できると考えられた。いかなる理論に拘泥するものでもないが、上述のとおり、飲食中の期間のうち、飲食中の呼息時間は脳による飲食品の判断(情動などの脳の内部状態を反映しているフェーズ)に関与する時間であると考えられるため、判断する飲食品の嗜好度が飲食品を嚥下するまでの影響を与えているという推測が可能である。
[実施例3]
<ゼリーの風味を評価する方法>
(飲食品)
飲食品として、以下の2つの食料品サンプル各10gを準備した。(3)のサンプルは、水およびゼラチンのみを用いて、常法により調製した無味のゼリーである。(2)のサンプルは、(3)のサンプルに対して調味料としてクエン酸およびグラニュー糖を添加し、さらにピーチフレーバー(長谷川香料株式会社製)を用いて賦香してピーチ風味としたものであり、実施例1のサンプル(2)と同じものである。なお、サンプル(2)および(3)は、風味以外にもpHの違いにより硬さが異なる。
・サンプル(2)糖酸+ピーチフレーバーゼリー、10g
・サンプル(3)無味(ゼラチンのみ)ゼリー、10g
被験者を1名とし、実施例1と同様に呼吸パラメータとして飲食品の飲食中の呼息時間を求めて、飲食品の風味の評価方法を行った結果、実施例1と同様の傾向の結果が得られた。
すなわち、サンプル(2)糖酸+ピーチフレーバーゼリーの嗜好度は+4、サンプル(3)無味ゼリーの嗜好度は−3であった。飲食中の呼息時間(相対値)については、サンプル(2)糖酸+ピーチフレーバーゼリーの飲食中の呼息時間(相対値)は1.15であり、サンプル(3)無味ゼリーの飲食中の呼息時間(相対値)は2.82であった。
同じ被験者で再度同じ評価を行ったところ、サンプル(2)糖酸+ピーチフレーバーゼリーの嗜好度は+3、サンプル(3)無味ゼリーの嗜好度は−3であり、飲食中の呼息時間(相対値)については、サンプル(2)糖酸+ピーチフレーバーゼリーの飲食中の呼息時間(相対値)は0.88であり、サンプル(3)無味ゼリーの飲食中の呼息時間(相対値)は2.50であった。
以上から、本実施例からも、実施例1と同様に、飲食中の呼息時間を被験者の嗜好度と負の相関を示す指標として使用できることが分かった。
以上の2回の評価における、官能評価データと飲食中の呼息時間(相対値)との相関係数は−0.97であった。
[実施例4]
<ゼリーの風味を評価する方法>
(飲食品)
飲食品として、実施例2と同様にして以下のゼリーを用意した。
・サンプル(2)糖酸+ピーチフレーバーゼリー、10g
・サンプル(3)無味(ゼラチンのみ)ゼリー、10g
(段階(A)、段階(B)、段階(C)、段階(D))
複数人の被験者で実施例3と同様の傾向が見られるかを確認した。
実施例3と異なる被験者2名(被験者A、被験者B)に対し、実施例3と同様にして、段階(A)として、呼息および吸息を計測して、各被験者の呼吸波形を得た。なお、本実施例では、まずサンプル(2)について試験を行ったあとサンプル(3)について試験を行い、これを1セットとして、各被験者2セットの試験を行った。
段階(B)として、各被験者の開口タイミングおよび嚥下タイミングを捕捉した。
段階(C)として、各サンプルの嗜好度の点数を官能評価データとして記録した。
段階(D)として、飲食中の呼息時間を算出した。
以上の実施例4の結果および実施例3の結果を、まとめて下記表1に示す。なお、実施例3の被験者は被験者Cと記載する。また、「サンプル」列に記載の末尾のカッコはセット数を示し、例えば「(2)糖酸+ピーチフレーバーゼリー(1)」はサンプル(2)の1セット目のデータであることを意味する。
(段階(E))
実施例1と同様にして、飲食中の呼息時間と、飲食品の嗜好度とを比較して関連性を解析した。
以上の結果から、嗜好度が高いサンプル(2)を食べた場合の方が、それより嗜好度が低いサンプル(3)を食べた場合よりも、飲食中の呼息時間が短いことがわかった。図5は、本実施例で得られた嗜好度の異なるサンプル(2)および(3)の飲食中の呼息時間を示す図であり、確かに嗜好度が高いサンプルの方が飲食中の呼息時間が有意に短くなることが示されている。
以上より、本実施例においても、飲食中の呼息時間を被験者の嗜好度と負の相関を示す指標として使用できることが確認できた。以上の評価における、官能評価データと飲食中の呼息時間(相対値)との相関係数は−0.75であった。
[実施例11]
<飲料の風味を評価する方法>
(飲食品)
飲食品として、以下の2つの飲料品サンプルを準備した。
・サンプル(11) 水
・サンプル(12) 2質量%食塩水
(段階(A)、段階(B)、段階(C)、段階(D))
実施例1の飲食品の風味の評価用システムを用い、被験者の前頸部の皮膚のみに筋電位計の表面電極を貼り付け、咀嚼に関与する筋肉の表面筋電位を測定するための頬部への表面電極貼り付けは行わなかった。
その他は実施例1と同様にして、段階(A)として被験者(1名)の飲食中の呼吸時間を測定するとともに、段階(B)として被験者の開口タイミングおよび嚥下タイミングを捕捉し、段階(C)として官能評価アンケートによって得た各サンプルの嗜好度を記録して、段階(D)として飲食中の呼息時間(相対値)を求めた。なお、サンプルの飲食順は、サンプル(11)からサンプル(12)の順とし、これを1セットとした。
(段階(E))
実施例1と同様にして、段階(E)として、飲食中の呼息時間と、飲食品の官能評価データとの関連性を確認した。
同じ被験者で各飲料品サンプル(11)および(12)について6セット評価を行った結果、同様の傾向の結果が得られた。この場合の飲食中の呼息時間(相対値)と嗜好度との相関係数は−0.71であった。
図6に示すように、嗜好度が低いサンプル(12)(2質量%食塩水)を飲んだ場合の方が、それよりも嗜好度が高いサンプル(11)(水)を飲んだ場合よりも、飲食中の呼息時間が有意に長いことがわかった。
すなわち、飲食中の呼息時間を被験者の嗜好度と負の相関を示す指標として使用できることが分かった。
[実施例12]
<飲料の風味を評価する方法>
被験者を2名にし、サンプルの飲食順を、サンプル(11)水については連続して計11回、サンプル(12)2質量%食塩水については連続して計9回とした以外は実施例11と同様にして飲食品の風味の評価方法を行った。
その結果、複数人においても、図6に示すように、飲食中の呼息時間において、実施例11と同様に、嗜好度の低いサンプルは飲食品の呼息時間が短かった。
以上より、本実施例においても、飲食中の呼息時間を被験者の嗜好度と負の相関を示す指標として、被験者の飲食品の風味を評価できることが確認された。本実施例において、飲食中の呼息時間(相対値)と嗜好度との相関係数は−0.61であった。
[実施例21]
<飲料の風味を評価する方法>
(飲食品)
飲食品として、以下の通り2つの飲料品サンプルを準備した。
まず、クエン酸、ブドウ糖、およびクアシン(苦味成分)を含む水溶液(以下、糖酸苦水とも略称する)を用意し、そこに、(21)のサンプルではフレーバーとしてグレープフルーツフレーバー(長谷川香料株式会社製)を用いて賦香し、グレープフルーツ風味のサンプル飲料品を調製した。(22)のサンプルは、フレーバーとして、(21)のグレープフルーツフレーバーに代えてエッグフレーバー(長谷川香料株式会社製)を用いて賦香した以外は(21)のサンプルと同じとした。
・サンプル(21)糖酸苦水+グレープフルーツフレーバー、10g
・サンプル(22)糖酸苦水+エッグフレーバー、10g
(段階(A)、段階(B)、段階(C)、段階(D))
被験者を1名として、実施例11と同様にして、段階(A)としてサンプル(21)の呼吸時間を計測し、段階(B)としてサンプル(21)の被験者の開口タイミングおよび嚥下タイミングを捕捉し、段階(C)として、被験者にサンプル(21)の官能評価アンケートから得た官能評価データを記録し、段階(D)として、サンプル(21)の飲食中の呼息時間を求めた。次いで、サンプル(22)についても同様に行った。以上の2種類のサンプルの試験を1セットとし、4セット行った。
以上の結果を下記表2に示す。表中、サンプル名末尾のカッコは表1と同じくセット数を表す。
(段階(E))
実施例1と同様にして、飲食中の呼息時間と、嗜好度との関連性を確認した。表2から分かるように、本実施例においても、飲食中の呼息時間を被験者の嗜好度と負の相関を示す指標として使用できることが確認された。すなわち、嗜好度が高いサンプル(21)を飲んだ場合の方が、嗜好度が低いサンプル(22)を飲んだ場合よりも、飲食中の呼息時間が短いことがわかった。以上の評価における、官能評価データと飲食中の呼息時間(相対値)との相関係数は−0.70であった。
[実施例22]
<飲料の風味を評価する方法>
実施例21とは別の被験者に対して、サンプル(22)(糖酸苦水+エッグフレーバー)10gの代わりに、嗜好度の低い飲料として、サンプル(22)と同じ糖酸苦水にチーズフレーバー(長谷川香料株式会社製)を配合して得たサンプル(23)10gを用いた以外は実施例21と同様にして、飲食品の風味の評価方法を行った。
・サンプル(21)糖酸苦水+グレープフルーツフレーバー、10g
・サンプル(23)糖酸苦水+チーズフレーバー、10g
その結果、実施例21と同様の傾向の結果が得られた。結果を下記表3に示す。
(段階(E))
実施例1と同様にして、飲食中の呼息時間と、嗜好度との関連性を確認した。表3から分かるように、本実施例においても、飲食中の呼息時間を被験者の嗜好度と負の相関を示す指標として使用できることが確認された。すなわち、嗜好度が高いサンプル(21)を飲んだ場合の方が、嗜好度が低いサンプル(23)を飲んだ場合よりも、飲食中の呼息時間が短いことがわかった。
以上の評価における、官能評価データと飲食中の呼息時間(相対値)との相関係数は−0.45であった。
[実施例23]
<飲料の風味を評価する方法>
(飲食品)
本実施例に使用するサンプルとして、クエン酸及びブドウ糖を配合した糖酸水、およびそれにアップルフレーバー(長谷川香料株式会社製)を用意した。
・サンプル(24) 糖酸水
・サンプル(25) 糖酸水+アップルフレーバー
(段階(A)、段階(B)、段階(C)、段階(D))
被験者を1名として、実施例11と同様にして、段階(A)としてサンプル(24)の飲食中の呼吸時間を計測し、段階(B)としてサンプル(24)の被験者の開口タイミングおよび嚥下タイミングを捕捉し、段階(C)として、サンプル(24)の官能評価アンケートで得た官能評価データを記録し、段階(D)として、サンプル(24)の飲食中の呼息時間を求めた。サンプル(25)も同様に行った。以上を1セットとし、3セット行った。
以上の結果を下記表4に示す。
(段階(E))
実施例1と同様にして、飲食中の呼息時間と、嗜好度との関連性を確認した。表4から分かるように、本実施例においても、飲食中の呼息時間を被験者の嗜好度と負の相関を示す指標として使用できることが確認された。すなわち、嗜好度が高いサンプル(25)を飲んだ場合の方が、嗜好度が低いサンプル(24)を飲んだ場合よりも、飲食中の呼息時間が短いことがわかった。
以上の評価における、官能評価データと飲食中の呼息時間(相対値)との相関係数は−0.82であった。
[実施例24]
<飲料の風味を評価する方法>
(飲食品)
本実施例に使用するサンプルとして、実施例23と同様の以下の2種類のサンプルを用意した。
・サンプル(24) 糖酸水
・サンプル(25) 糖酸水+アップルフレーバー
(段階(A)、段階(B)、段階(C)、段階(D))
被験者を実施例11とは別の1名とした以外は同様にして、実施例11と同様にして、段階(A)としてサンプル(24)および(25)の飲食中の呼息および吸息を計測し、段階(B)としてサンプル(24)および(25)被験者の開口タイミングおよび嚥下タイミングを捕捉し、段階(C)として、被験者にサンプル(24)および(25)の官能評価をさせ、段階(D)として、サンプル(24)および(25)の飲食中の呼息時間を求めた。これを1セットとして2セット行った。
以上の結果を下記表5に示す。
(段階(E))
実施例1と同様にして、飲食中の呼息時間と、嗜好度との関連性を確認した。表5から分かるように、本実施例においても、飲食中の呼息時間を被験者の嗜好度と負の相関を示す指標として使用できることが確認された。すなわち、嗜好度が高いサンプル(25)を飲んだ場合の方が、嗜好度が低いサンプル(24)を飲んだ場合よりも、飲食中の呼息時間が短いことがわかった。
以上の評価における、官能評価データと飲食中の呼息時間(相対値)との相関係数は−0.42であった。
[実施例31]
<飲料の風味を評価する方法>
(飲食品)
本実施例で使用する飲食品サンプルとして、実施例23のサンプル(24)と同じ糖酸水を用意して、サンプル(31)とした。また、この糖酸水にアップルフレーバー(長谷川香料株式会社製)を賦香した実施例23のサンプル(25)と同じものを用意して、サンプル(32)とした。
・サンプル(31) 糖酸水
・サンプル(32) 糖酸水+アップルフレーバー
(段階(A)、段階(B)、段階(C)、段階(D))
被験者を1名として、段階(D)で算出する呼吸パラメータを飲食中の呼息時間に代えて嚥下直後の呼息時間にした以外は実施例11と同様にして、まずサンプル(31)について段階(A)〜(D)を行い、次いでサンプル(32)について段階(A)〜(D)を行った。以上を1セットとし、7セット行った。
段階(D)としては、本実施例では、サンプル(31)および(32)の飲食時の被験者の嚥下直後の呼息時間(ただし上述の相対値)を求めた。なお、本実施例では、被験者の嚥下は呼息中に起こった。ここで、嚥下直後の呼息時間とは、前述のように、段階(B)で補足した嚥下タイミングから、当該嚥下タイミングを含む呼息の終了時点までの時間を意味する。
具体的には、被験者の安静時の呼息相それぞれの時間の平均を得て、これに対する、嚥下直後の呼息時間の比率を求めた。安静時の呼息時間の平均は、実施例1と同様、約30秒〜1分間の安定的な呼吸時(咳や嚥下などの呼吸運動以外の際の呼息は除く)における各呼息時間の平均とした。
得られた官能評価データ(嗜好度)および嚥下直後の呼息時間を、下記表6に示す。
(段階(E))
実施例1と同様にして、嚥下直後の呼息時間と、嗜好度との関連性を確認した。表6から分かるように、嚥下直後の呼息時間を被験者の嗜好度と正の相関を示す指標として使用できることが確認された。すなわち、嗜好度が高いサンプル(32)を飲んだ場合の方が、嗜好度が低いサンプル(31)を飲んだ場合よりも、嚥下直後の呼息時間が長いことがわかった。
以上の評価における、官能評価データと嚥下直後の呼息時間(相対値)との相関係数は0.51であった。
[実施例32]
<飲料の風味を評価する方法>
(飲食品)
本実施例で使用する飲食品サンプルとして、実施例31と同じ糖酸水+アップルフレーバーを用意してサンプル(32)とし、また実施例11のサンプル(11)と同じ水を用意してサンプル(33)とした。
・サンプル(32) 糖酸水+アップルフレーバー
・サンプル(33) 水
(段階(A)、段階(B)、段階(C)、段階(D))
サンプルが異なる以外は実施例31と同様にして、段階(A)〜(D)を行った。すなわち、被験者を1名として、まずサンプル(32)について段階(A)〜(D)を行い、次いでサンプル(33)について段階(A)〜(D)を行った。以上を1セットとし、7セット行った。
段階(D)では、実施例31と同様、サンプル(32)および(33)の飲食時の被験者の嚥下直後の呼息時間(ただし上述の相対値)を求めたが、本実施例でも、被験者の嚥下は呼息中に起こった。
得られた官能評価データ(嗜好度)および嚥下直後の呼息時間を、下記表7に示す。
(段階(E))
実施例1と同様にして、嚥下直後の呼息時間と、嗜好度との関連性を確認した。表7から分かるように、本実施例においても、嚥下直後の呼息時間を被験者の嗜好度と正の相関を示す指標として使用できることが確認された。すなわち、嗜好度が高いサンプル(32)を飲んだ場合の方が、嗜好度が低いサンプル(33)を飲んだ場合よりも、嚥下直後の呼息時間が長いことがわかった。
以上の評価における、官能評価データと嚥下直後の呼息時間(相対値)との相関係数は0.48であった。
[実施例33]
<飲料の風味を評価する方法>
(飲食品)
本実施例で使用する飲食品サンプルとして、実施例23のサンプル(24)と同じ糖酸水を用意し、それにキウイフレーバー(長谷川香料株式会社製)を配合したものをサンプル(34)とし、それにコンブフレーバー(長谷川香料株式会社製)を配合したものをサンプル(35)とした。
・サンプル(34) 糖酸水+キウイフレーバー飲料
・サンプル(35) 糖酸水+コンブフレーバー飲料
(段階(A)、段階(B)、段階(C)、段階(D))
サンプルが異なる以外は実施例31と同様にして、段階(A)〜(D)を行った。すなわち、被験者を1名として、まずサンプル(34)について段階(A)〜(D)を行い、次いでサンプル(35)について段階(A)〜(D)を行った。以上を1セットとし、4セット行った。
段階(D)では、実施例31と同様、サンプル(34)および(35)の飲食時の被験者の嚥下直後の呼息時間(ただし上述の相対値)を求めたが、本実施例でも、被験者の嚥下は呼息中に起こった。
得られた官能評価データ(嗜好度)および嚥下直後の呼息時間を、下記表8に示す。
(段階(E))
実施例1と同様にして、飲食中の呼息時間と、飲食品の官能評価データとの関連性を確認した。表8から分かるように、本実施例においても、嚥下直後の呼息時間を被験者の嗜好度と正の相関を示す指標として使用できることが確認された。すなわち、嗜好度が高いサンプル(34)を飲んだ場合の方が、嗜好度が低いサンプル(35)を飲んだ場合よりも、嚥下直後の呼息時間が長いことがわかった。
以上の評価における、官能評価データと嚥下直後の呼息時間(相対値)との相関係数は0.56であった。
以上の実施例1〜33に示すように、本発明者らによって、飲食品の嗜好度と相関を示す生理応答パラメータとして、特定の呼吸パラメータ、すなわち飲食中の呼息時間および嚥下直後の呼息時間が新たに発見された。実施例では、これらのパラメータの有用性が様々な風味や嗜好度を有する飲食品を用いて示されており、飲食品の風味、種類、飲食順などによらずに使用可能なパラメータであることが分かる。
また、従来では、飲食状態の際には開口や嚥下によって呼吸が乱れ解析が困難であったため、単なる匂い嗅ぎなどの安静時もしくは安静に近い状態のときしか解析できておらず、飲食品の嗜好性において呼吸と嗜好性との関連が不明であったところ、飲食時の複雑な呼吸波形を解析する場合は、筋電図や動画・音声のような他の生理応答計測手段と呼吸計測を同時計測して組み合わせて解析することで、呼吸を利用して飲食品の官能評価の客観性を担保することを初めて可能にした。
本発明の飲食品の風味の評価用システムによれば、飲食品の風味を呼吸の測定データに基づいて客観的に担保できる。また、本発明の飲食品の風味の評価方法によれば、飲食品の風味を呼吸の測定データに基づいて客観的に担保できる。このような客観的に担保された飲食品の風味の官能評価結果は、飲食品の製品開発の際の資料や飲食品の広告等に利用することができ、産業上の利用性が高い。

Claims (12)

  1. 下記手段(a)、手段(b)、手段(c)および手段(d)を含む、飲食品の風味の評価用システム:
    手段(a) 被験者の、飲食品を飲食する際の呼吸時間を測定する手段;
    手段(b) 被験者が前記飲食品を飲食する際の開口タイミングおよび嚥下タイミングを捕捉する手段;
    手段(c) 被験者が飲食品の風味を官能評価した官能評価データを記録する手段;
    手段(d) 手段(a)で測定した前記呼吸時間と、手段(b)で測定した前記開口タイミングおよび前記嚥下タイミングと、を組み合わせて、飲食中の呼息時間および嚥下直後の呼息時間からなる群から選択される1以上を算出する手段;
    ただし、飲食中とは、前記開口タイミングから前記嚥下タイミングまでの期間である。
  2. 手段(a)が、温度センサーを備えた呼吸計であり;
    温度センサーによって被験者の鼻孔直前の空気温度を測定して呼吸時間を測定できる、請求項1に記載の飲食品の風味の評価用システム。
  3. 手段(a)が、温度センサーを被験者の鼻孔の直前に配置して被験者の呼吸時間を測定できる、請求項1または2に記載の飲食品の風味の評価用システム。
  4. 手段(b)が、筋電位計および/または動画記録装置である請求項1〜3のいずれか一項に記載の飲食品の風味の評価用システム。
  5. 手段(c)が、官能評価アンケートであり、
    官能評価アンケートが、飲食品の風味の嗜好性を点数化できる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の飲食品の風味の評価用システム。
  6. さらに下記手段(e)を含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の飲食品の風味の評価用システム;
    手段(e) 手段(c)で記録された飲食品の前記官能評価データと、手段(d)で算出した前記飲食中の呼息時間または前記嚥下直後の呼息時間との相関を解析する手段。
  7. 下記段階(A)、段階(B)、段階(C)および段階(D)を含む、飲食品の風味の評価方法;
    段階(A) 被験者の、飲食品を飲食する際の呼吸時間を測定する段階;
    段階(B) 被験者が前記飲食品を飲食する際の開口タイミングおよび嚥下タイミングを捕捉する段階;
    段階(C) 被験者が飲食品の風味を官能評価した官能評価データを記録する段階;
    段階(D) 段階(A)で測定した前記呼吸時間と、段階(B)で測定した前記開口タイミングおよび前記嚥下タイミングと、を組み合わせて、飲食中の呼息時間および嚥下直後の呼息時間からなる群から選択される1以上を算出する段階;
    ただし、飲食中とは、前記開口タイミングから前記嚥下タイミングまでの期間である。
  8. 段階(A)が、温度センサーを備えた呼吸計を用いて、該温度センサーによって被験者の鼻孔直前の空気温度を測定して呼吸時間を測定する段階である、請求項7に記載の飲食品の風味の評価方法。
  9. 段階(A)が、温度センサーを被験者の鼻孔の直前に配置して被験者の呼吸時間を測定する段階である、請求項7または8に記載の飲食品の風味の評価方法。
  10. 段階(B)が、筋電位計および/または動画記録装置を用いて前記開口タイミングおよび前記嚥下タイミングを補足する段階である、請求項7〜9のいずれか一項に記載の飲食品の風味の評価方法。
  11. 段階(C)が、官能評価アンケートに基づいて飲食品の風味の嗜好性を点数化して記録する段階である、請求項7〜10のいずれか一項に記載の飲食品の風味の評価方法。
  12. さらに下記段階(E)を含む請求項7〜11のいずれか一項に記載の飲食品の風味の評価方法;
    段階(E) 段階(C)で記録した飲食品の前記官能評価データと、段階(D)で算出した前記飲食中の呼息時間または前記嚥下直後の呼息時間との相関を解析する段階。
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