(A)ヒト乳腺CSCのキー表面マーカー;(B)ヒト乳腺CSCのCSC誘導性遺伝子;および(C)細胞培養中の腫瘍様塊のin vitro測定値を示すグラフと写真。
3つのヒトCSCモデルのCD44プロモーター領域にわたるH3K4me1およびLSD1 ChIPアッセイの結果を示すグラフ。(EC、MCF-7上皮細胞株;BC、MDA-MB 231基礎細胞株)。
ヒト正常(A)および乳癌組織(B)のLSD1の核染色とヒト正常(C)および乳癌組織(D)の表面マーカーCD44を示す写真。
siRNAによるLSD1ノックダウンがMDA MB-231基礎転移モデルの乳腺ヒトCD44high CD24low CSCの発現を阻害することを示すグラフ:転写産物(A)、FACS分析(B)、MCF-7 IMモデル:FACS分析(C)、転写産物分析(D)、およびChIP(E)およびFAIRE分析(F)。
siRNAによるLSD2ノックダウンがFACS分析(AおよびB)および腫瘍様塊アッセイ(C)を用いる乳腺ヒトCD44high CD24low CSCの発現を阻害することを示すグラフ。
NCD38がMCF-IMモデルのCSCの形成を阻害することを示すグラフと写真。(A)LSD1特異的阻害剤NCD38はMCF-IMモデルのCD44high CD24low-CSC様サブポピュレーションを阻害する。MCF-7細胞をPMA(0.65ng/μl、60時間)刺激(ST)前にビークル単独またはNCD38(5μM、17hr)でプレインキュベーションした。次いで、細胞をHoechst 33528、APC-抗CD44およびPE-抗CD24で氷上で20分間染色し、FACS分析を行った。FACSプロットのサークルは、CD44high/CD24low CSC様サブポピュレーションの適切なゲーティングを示し、%CSC様サブポピュレーションを各ゲートの上に示す。(B)上記図6Aのデータのグラフ表示。データは、3つの独立した実験の平均±標準誤差(SE)を示す。(C)5μM NCD38はMCF-IMモデルの腫瘍様塊形成を減少させる。腫瘍様塊アッセイを超低接着表面6ウェルプレートを用い4 x 104 MCF-7細胞/ウェルで行った。MCF-7細胞をPMA刺激(0.65ng/ml、6日間)(ST)または非刺激放置(NS)の前にビークル単独またはNCD38(5μM、17hr)でプレインキュベーションした。腫瘍様塊の位相差顕微鏡像を6日間アッセイ後に撮影し、60μmより大きい腫瘍様塊のみをカウントした。(D)上記図6Cのグラフ表示。データは3つの独立した実験の平均±標準誤差(SE)を示す。
特異的LSD 1阻害剤NCD38がヒト転移乳癌細胞の維持を阻害し、該細胞を上皮形に変換することを示すグラフと写真。(A)NCD38は基礎/転移モデルのCD44high CD24low-CSC様サブポピュレーションを阻害する。MDA-MB 231細胞をビークル単独またはNCD38(5μM)とインキュベーションした。次に、細胞をHoechst 33528、APC-抗CD44、およびPE-抗CD24で氷上20分間染色し、FACS分析した。パーセントCSC様サブポピュレーションを棒グラフで示す。データは3つの独立した実験の平均±標準誤差(SE)を示す。(B)上記図7Aのグラフ表示。データは3つの独立した実験の平均±標準誤差(SE)を示す。(C)LSD1阻害剤NCD38は基礎/転移モデルのEMTを阻害する。LSD1特異的阻害剤(-Control)で前処理していないかまたはNCD38(5μM)(+NCD38)で処理したMDA-MB 231細胞の位相差顕微鏡像を撮影した。
化学療法剤ドセタキセルと組み合わせたLSD1阻害剤パルギリンは、in vivoマウス異種移植モデルの腫瘍のサイズを減少させることを示す写真である。5x106 MDA-MB-231細胞を各マウスの乳腺脂肪体に注射した。腫瘍体積50mm3で記載した用量で処置を開始した。(A)4週間処置後の各処置群の代表的マウス。(B)処置第4週で切除した腫瘍の毎週の腫瘍サイズ。
パルギリンとドセタキセルの組み合わせが処置開始7週後のin vivoマウス異種移植モデルの腫瘍の体積と重量が減少することを示すグラフ表示。5x106 MDA-MB-231細胞を各マウスの乳腺脂肪体に注射した。腫瘍体積50mm3で記載した用量で処置を開始した。腫瘍体積を処置7週間まで毎週測定した。(A)7週間処置後の各処置群の腫瘍重量(グラム)。腫瘍重量はマウス3匹の平均±標準誤差(SE)である。(B)毎週の腫瘍体積(mm3)。化学療法処置日をグラフ上に黒矢印で示す。腫瘍体積は5匹またはそれ以上のマウスの平均±標準誤差(SE)である。
パルグリンとドセタキセルの組み合わせがin vivoマウス腫瘍の癌幹細胞を減少させることを示すグラフ。5x106 MDA-MB-231細胞を各マウスの乳腺脂肪体中に注射した。腫瘍体積50mm3で記載した用量で処置を開始した。マウスを7週間処置して屠殺した。単細胞浮遊液を調製し、次いで細胞をHoechst 33528、APC-抗CD44、およびPE-抗CD24で氷上20分間染色し、FACS分析を行った。(A)各処置群の%CSCサブポピュレーション。(B)リアルタイムPCRによる各群の切除腫瘍のCD44 mRNA発現。データは各群マウス5匹の平均±標準誤差(SE)である。
(発明の詳細な説明)
1. 定義
特記しない限り、本明細書に記載のすべての技術および化学用語は、本発明が属する分野の当業者が通常理解するのと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと同様または等価なあらゆる方法および材料を本発明の実施または試験に用いることができるが、好ましい方法と材料を記載する。本発明のために以下の用語を以下に定義する。
本明細書に記載の冠詞「a」および「an」は、該冠詞の文法的目的語の1または1以上(すなわち、少なくとも1を表す。例として、「an要素」は1要素または1以上の要素を表す。
用語「同時投与」または「同時に投与する」、または「同時投与する」などは、2またはそれ以上の活性物質を含む単一組成物の投与、または各活性物質を別の組成物としておよび/または別経路で同時期または同時に、または有効性の結果がすべてのそのような活性物質を単一組成物として投与する時に得られるのと等価である短い充分な期間内に連続して送達する投与を表す。「同時に(simultaneously)」は、活性物質を実質的に同時に、望ましくは同じ製剤で一緒に投与することを意味する。「同時期に(contemporaneously)」は、活性物質を密接な時間内に投与すること、例えばある薬剤を別のものの前または後約1分間以内〜約1日以内に投与することを意味する。あらゆる同時期が有用である。しかしながら、同時に投与しないときは該物質を約1分以内〜約8時間以内、適切には約1〜約4時間以内に投与する場合が多いだろう。同時期に投与するときは、該物質を対象の同部位に適切に投与する。用語「同部位」は、正確な位置を含むが、約0.5〜約15cm、好ましくは約0.5〜約5cm内でありうる。本明細書に記載の用語「分離して」は、該物質を一定間隔、例えば約1日〜数週間または数ヶ月間の間隔で投与することを意味する。活性物質はいずれの順番でも投与することができる。本明細書に記載の用語「連続的に」は、順に、例えば分、時間、日、または週の間隔(単数または複数)で投与することを意味する。適切ならば、活性物質を定期的な反復周期で投与することができる。
用語「薬剤(物質)」または「調節剤(物質)」は、目的とする薬理学的および/または生理学的効果を誘導する化合物を含む。該用語は、限定されるものではないが、塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝物、類似体などを含む本明細書に具体的に記載の該化合物の医薬的に許容される薬理学的活性成分も含む。上記用語を用いる場合は、これは活性物質自体、および医薬的に許容される薬理学的に活性な塩、エステル、アミド、プロドラッグ、代謝物、類似体などを含むと理解すべきである。用語「薬剤」は、狭く解釈すべきではなく、小分子、タンパク質性分子、例えばペプチド、ポリペプチド、およびタンパク質、およびそれらを含む組成物、および遺伝分子、例えばRNA、DNAおよびその模倣物および化学的類似体、および細胞物質に及ぶ。用語「薬剤」は、本明細書に記載のポリペプチドを産生および分泌することができる細胞、および該ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを含む。したがって、用語「薬剤」は、種々の細胞で発現および分泌するためのベクター、例えばウイルスまたは非ウイルスベクター、発現ベクター、およびプラスミドを含む核酸構築物に及ぶ。
あらゆる物質および/または現象のレベルに関して本明細書に記載の用語「変化させる」および文法的等価物は、該物質および/または現象の量が、量を客観的および/または主観的に決定するか否かに関わらず増加および/または減少することを表す。
「抗原結合分子」は、標的抗原に対する結合親和性を有する分子を意味する。この用語は、免疫グロブリン、免疫グロブリン断片、および抗原結合活性を示す非免疫グロブリン由来タンパク質フレームワークに及ぶ。
「抗原性または免疫原性活性」は、投与すると動物、適切には哺乳動物に抗原性または免疫原性反応をもたらす本発明のポリペプチド、断片、変異体、または誘導体の能力を表す(該反応はポリペプチドまたはその断片と特異的に結合する要素の産生を含む)。
本明細書で用いている用語「アルキル」は、炭素数1〜10の直鎖、分岐鎖、または環状飽和炭化水素基を表す。必要に応じて、アルキル基は、直鎖または分岐鎖配列の炭素数1、2、3、4、5、または6のアルキル基を含むC1-6アルキルなどの特定数の炭素原子を有しうる。適切なアルキル基の例は、限定されるものではないが、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、4-メチルブチル、n-ヘキシル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、5-メチルペンチル、2-エチルブチル、3-エチルブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロヘプチルを含む。
本明細書で用いている用語「アルケニル」は、炭素原子間に1またはそれ以上の二重結合を有する炭素数2〜10の直鎖、分岐鎖、または環式炭化水素基を表す。必要に応じて、アルケニル基は特定数の炭素原子を有しうる。例えば、「C2-C6アルケニル」などの場合C2-C6は、直鎖または分岐鎖配置に2、3、4、5、または6炭素原子を有する基を含む。適切なアルケニル基の例は、限定されるものではないが、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、ブタジエニル、ペンテニル、ペンタジエニル、ヘキセニル、ヘキサジエニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニルおよびシクロヘキサジエニルを含む。
「アラルキル」は、上記アリール基、例えば、-CH2フェニル、-(CH2)2フェニル、-(CH2)3フェニル、-H2CH(CH3)CH2フェニルなどで置換された上記アルキルおよびそれらの誘導体を意味する。
本明細書で用いている「芳香族」または「アリール」は、少なくとも1つの環が芳香族である各環が7原子以下のあらゆる安定な単環式または二環式炭素環を意味することを意図する。そのようなアリール要素の例は、限定されるものではないが、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニル、フェナントリル、アントリル、またはアセナフチルを含む。
ある例では、置換基は、ゼロを含む一定範囲の炭素を含むと定義することができる(例えば(C0-C6)アルキレン-アリール)。アリールがフェニルであるとみなすと、この定義はそのフェニル、および例えば-CH2Ph、-CH2CH2Ph、CH(CH3)CH2CH(CH3)Phを含むだろう。
また、本明細書に記載の化合物は不斉中心を有することがあるので2以上の立体異性体が存在しうると認識できる。したがって、本発明は、例えば約90%ee以上(例えば約95%または97%ee)または99%ee以上の1またはそれ以上の不斉中心の実質的に純粋な異性体の化合物(そのラセミ混合物を含む)も表す。そのような異性体は天然であるか、または不斉合成(例えばキラル中間体を用いる)またはキラル分割により製造することができる。
抗原結合分子に言及する場合、本明細書で用いている用語「特異的に結合する」、「特異的に免疫相互作用する」などは、タンパク質の異種ポピュレーションおよび他の生物製剤の存在下で抗原の存在を確定する結合反応を表す。したがって、示したイムノアッセイ条件下で、特定抗原と結合する分子は、特定抗原と結合し、試料中に存在する有意な量の他のタンパク質または抗原と結合しない。そのような条件下の抗原との特異的結合は、特定抗原に対する特異性で選択した抗原結合分子を必要とするかもしれない。例えば試料中に存在する該抗原と結合するが他のタンパク質と結合しない抗原結合分子は選択したタンパク質抗原を増加させることができる。種々のイムノアッセイ形式を用いて特定タンパク質と特異的に免疫相互作用する抗原結合分子を選択することができる。例えば、固相ELISAイムノアッセイを日常的に用い、タンパク質と特異的に免疫相互作用するモノクローナル抗体を選択する。特異的免疫反応性を確定するのに用いることができるイムノアッセイ形式と条件の説明については、Harlow and Lane(1988)Antibodies、A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Publications、New York参照のこと。
用語「癌幹細胞」またはCSCは、広く増殖し、新しい腫瘍を形成し、癌の発達を維持する能力を含む腫瘍発生能と腫瘍維持能有する細胞、すなわち、腫瘍を形成し増殖させる無限の増殖潜在能力を有する細胞を表す。CSCは、バルク腫瘍細胞と生物学的に異なり、幹細胞に関連する特性、特に自己再生および増殖し、特定癌試料中に見られるすべての細胞種を生じる能力を有する。用語「癌幹細胞」またはCSCは、幹細胞(SCS)の遺伝子変化とCSCになる細胞の遺伝子変化の両方を含む。特定の態様において、CSCは、適切にCD24+CD44+である乳腺CSCであり、その実例はCD44high CD24lowを含む。
「コーディング配列」は、遺伝子のポリペプチド産物のコードに関与するあらゆる核酸配列を意味する。それに反して、用語「非コーディング配列」は、遺伝子のポリペプチド産物のコードに関与しないあらゆる核酸配列を表す。
本明細書を通して、特記しない限り、用語「含む(comprise、comprises、およびcomprising)」は、記載した工程または要素または工程群または要素群を含むことを示すが、いかなる他の工程または要素または工程群または要素群も排除しないと理解される。したがって、用語「含む(comprisingなど)」の使用は、記載した要素が必要または必須であるが、他の要素が任意であり存在していてもいなくてもよいことを示す。「からなる」は、用語「からなる」に続くものを含み、それに限定されることを意味する。したがって、用語「からなる」は、記載した要素を必要または必須とし、他の要素は存在しないことを示す。「実質的にからなる」は、該用語後に記載したあらゆる要素を含み、記載した要素の開示で特定した活性または作用に干渉または関与しない他の要素に限定される。したがって、用語「実質的にからなる」は、記載した要素を必要または必須とするが、他の要素は、記載した要素の活性または作用に影響を及ぼすか否かに応じて任意であり、存在することもしないこともあることを示す。
「に対応する(corresponds toまたはcorresponding to)」は、基準核酸配列と実質的に配列同一性を示す核酸配列 (例えば、基準核酸配列のすべてまたは部分と少なくとも約50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、97、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%、または最大100%の配列同一性)、または基準アミノ酸配列と実質的に配列類似性または同一性を示すアミノ酸配列(例えば、基準アミノ酸配列のすべてまたは部分と少なくとも50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、97、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%、または最大100%の配列類似性または同一性)を意味する。
用語「誘導体化する(derivatize、derivatizingなど)」は、化学反応、例えば化合物と官能基付加試薬などを反応させることにより1またはそれ以上の反応基を化合物に付加することにより別の物質から化合物を製造または得ることを表す。
「誘導体」は、修飾、例えば他の化学部分と結合または複合体化によるかまたは当該分野で理解されている翻訳後修飾技術により基礎配列から誘導されたポリペプチドを意味する。用語「誘導体」は、その範囲内に、機能的等価分子をもたらす付加または欠失を含む親配列に対して行った変更も含む。
本明細書に記載の癌幹細胞の用語「分化」は、癌幹細胞の多能性腫瘍前駆細胞への変化、および多能性腫瘍前駆細胞の単能性腫瘍前駆細胞および/または最終分化腫瘍細胞への変化を表す。
病状を治療または予防する文脈において「有効量」は、該病状の、症状の発生を予防し、そのような症状を抑制し、および/または存在する症状を治療するのに有効な単用量または一連ものの部分の薬剤または組成物の量をそのような治療または予防を必要とする個体に投与することを意味する。有効量は、治療する個体の健康および身体状態、治療する個体の分類群、組成物の製剤、医学的状況の評価、および他の関連因子に応じて変化する。該量は、日常的試験により決定することができる比較的広い範囲になると予期される。
本明細書で用いている用語「上皮間葉転換」(EMT)は、胚発生の正常プロセスである上皮表現型から間葉表現型への変換を表す。EMTは、イオンおよび液体輸送体として機能する損傷上皮細胞が間葉細胞を再構成するマトリックスになるプロセスでもある。癌において、この形質転換は、典型的には細胞形態の変化、間葉タンパク質の発現、および侵襲性の増加をもたらす。in vitroでEMTを定義する基準は、上皮細胞の極性の損失、個々の細胞への分離、次いで細胞運動性獲得後の分散を含む(Vincent-Salomon et al.、Breast Cancer Res. 2003;5(2):101-106参照)。EMT中の発現、分散、および/または機能を変化し、因果関係がある分子のクラスは、増殖因子(例えば、形質転換増殖因子(TGF)-β、wnts)、転写因子(例えば、Snail、SMAD、LEF、および核β-カテニン)、細胞対細胞付着軸の分子(カドヘリン、カテニン)、細胞骨格モジュレーター(Rhoファミリー)、および細胞外プロテアーゼ(マトリックスメタロプロテアーゼ、プラスミノーゲンアクチベーター)を含む(Thompson et al.、Cancer Research 65、5991-5995、Jul. 15、2005参照)。
本明細書で用いている用語「上皮」は、血管および他の小腔のライニングを含む身体の内部および外部表面の皮膜を表す。上皮は、細胞対細胞結合により側方に相互に広範に付着している構成細胞による比較的薄いシートまたは層を形成する上皮細胞の集合体からなる。該層は極性があり、頂端側と基底側がある。上皮細胞の密な組織化に関わらず、上皮はかなり適応性があり、上皮層の細胞は、扁平から円柱状に変化しまたは一端でピンチインし他の末端で引き延ばされるなどの形状が変化しうる。しかしながら、これは個々にではなく細胞群に生じる傾向がある(Thompson et al.、2005、上記、参照)。
用語「発現」は、遺伝子産物の生合成を表す。例えば、コーディング配列の場合、発現はコーディング配列のmRNAへの転写とmRNAの1またはそれ以上のポリペプチドへの翻訳を含む。反対に、非コーディング配列の発現は、非コーディング配列の転写産物への転写のみを含む。
「発現ベクター」は、該ベクター内に含まれるポリヌクレオチドの転写と適切にはポリヌクレオチドによってコードされるペプチドまたはポリペプチドの合成を指示することができるあらゆる遺伝子要素を意味する。そのような発現ベクターは当業者に知られている。
本明細書で用いている用語「機能」は、生物学的、酵素的、または治療的機能を表す。
本明細書で用いている用語「遺伝子」は、細胞のゲノムのあらゆるすべての分離したコーディング領域と関連非コーディングおよび調節領域を表す。該用語は、特定ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム、イントロン、および発現の調節に関与する隣接5'および3'非コーディングヌクレオチド配列を意味することを意図する。この点で、該遺伝子は、さらに、特定遺伝子と天然に関連するプロモーター、エンハンサー、終止および/またはポリアデニル化シグナルなどの調節シグナルまたはヘテロローガスな調節シグナルを含みうる。DNA配列は、cDNAまたはゲノムDNA、またはその断片でありうる。該遺伝子は、染色体外維持または宿主への統合のために適切なベクター中に導入することができる。
化学物質種に用いる用語「基」は、分子の部分を形成する一連の原子を表す。ある場合には、基は互いに結合して分子の部分を形成する2またはそれ以上の原子を含みうる。基は、一価または多価(例えば二価)で、分子の1またはそれ以上のさらなる基と結合することができる。例えば、一価の基は、分子の別の基と結合することができるようにその水素原子の1つが除去された分子と考えることができる。基は正または負に荷電しうる。例えば、正に荷電した基は、1またはそれ以上のプロトン(すなわち、H+)が付加した中性基と考えることができ、負に荷電した基は、1またはそれ以上のプロトンが除去された中性基と考えることができる。基の非限定的例は、限定されるものではないが以下の基を含む:アルキル基、アルキレン基、アルケニル基、アルケニレン基、アルキニル基、アルキニレン基、アリール基、アリーレン基、イミニル基、イミニレン基、ヒドリド基、ハロ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、カルボキシ基、チオ基、アルキルチオ基、ジスルフィド基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、シリル基、およびシロキシ基。単独または複合語または基の定義に用いているアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、およびヘテロサイクリルなどの基は、所望により1またはそれ以上の置換基で置換することができる。本明細書で用いている「所望により置換された」は、以下から選ばれる1またはそれ以上の基でさらに置換されているかまたは置換されていない基を表す:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ハロ、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ハロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アルケニルオキシ、アリールオキシ、ベンジルオキシ、ハロアルコキシ、ハロアルケニルオキシ、ハロアリールオキシ、ニトロ、ニトロアルキル、ニトロアルケニル、ニトロアルキニル、ニトロアリール、ニトロヘテロサイクリル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、ベンジルアミノ、ジベンジルアミノ、ヒドラジノ、アシル、アシルアミノ、ジアシルアミノ、アシルオキシ、ヘテロサイクリル、ヘテロシクロキシ、ヘテロシクラミノ、ハロヘテロサイクリル、カルボキシエステル、カルボキシ、カルボキシアミド、メルカプト、アルキルチオ、ベンジルチオ、アシルチオ、およびリン含有基。本明細書で用いている用語「所望により置換された」は、CH2基をカルボニル(C=O)基で置換することを示すこともある。所望の置換基の非限定的例は以下のものを含む:アルキル、好ましくはC1-8アルキル(例えば、C1-6アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシル)、ヒドロキシ C1-8アルキル(例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル)、アルコキシアルキル(例えば、メトキシメチル、メトキシエチル、メトキシプロピル、エトキシメチル、エトキシエチル、エトキシプロピルなど)C1-8アルコキシ、(例えば、C1-6アルコキシ、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、シクロプロポキシ、シクロブトキシ)、ハロ(フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード)、モノフルオロメチル、モノクロロメチル、モノブロモメチル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、ジブロモメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、トリブロモメチル、ヒドロキシ、フェニル(それ自身が本明細書に記載の所望の置換基、例えば、ヒドロキシ、ハロ、メチル、エチル、プロピル、ブチル、メトキシ、エトキシ、アセトキシ、アミノでさらに置換することができる)、ベンジル(ここで、CH2および/またはフェニル基は本明細書に記載のごとくさらに置換することができる)、フェノキシ(ここで、CH2および/またはフェニル基本明細書に記載のごとくさらに置換することができる)、ベンジルオキシ(ここで、CH2および/またはフェニル基は本明細書に記載のごとくさらに置換することができる)、アミノ、C1-8アルキルアミノ(例えば、C1-6アルキル、例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ)、ジC1-8アルキルアミノ(例えば、C1-6アルキル、例えばジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ)、アシルアミノ(例えば、NHC(O)CH3)、フェニルアミノ(ここで、フェニルそれ自体を本明細書に記載のごとくさらに置換することができる)、ニトロ、ホルミル、-C(O)-C1-8アルキル(例えば、C1-6アルキル、例えばアセチル)、O-C(O)-アルキル(例えば、C1-6アルキル、例えばアセチルオキシ)、ベンゾイル(ここで、CH2および/またはフェニル基それ自身をさらに置換することができる)、CH2をC=O、CO2H、CO2 C1-8アルキルで置換(例えば、C1-6アルキル、例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル)、CO2フェニル(ここで、フェニルそれ自身をさらに置換することができる)、CONH2、CONHフェニル(ここで、フェニルそれ自身を本明細書に記載のごとくさらに置換することができる)、CONHベンジル(ここで、CH2および/またはフェニル基を本明細書に記載のごとくさらに置換することができる)、CONH C1-8アルキル(例えば、C1-6アルキル、例えば、メチルアミド、エチルアミド、プロピルアミド、ブチルアミド)、CONH C1-8アルキルアミン(例えば、C1-6アルキル、例えば、アミノメチルアミド、アミノエチルアミド、アミノプロピルアミド、アミノブチルアミド)、-C(O)ヘテロサイクリル(例えば、-C(O)-1-ピペリジン、-C(O)-1-ピペラジン、-C(O)-4-モルホリン)、-C(O)ヘテロアリール(例えば、-C(O)-1-ピリジン、-C(O)-1-ピリダジン、-C(O)-1-ピリミジン、-C(O)-1-ピラジン)、CONHジC1-8アルキル(例えば、C1-6アルキル)。
「ヘテロアラルキル」基は、ヘテロアリール基で置換された上記アルキル、例えば、-CH2ピリジニル、-(CH2)2ピリミジニル、-(CH2)3イミダゾリルなど、およびその誘導体を意味する。
本明細書で用いている用語「ヘテロアリール」または「ヘテロ芳香族」は、少なくとも1の環が芳香族であり、O、N、およびSからなる群から選ばれる1〜4ヘテロ原子を含む各環が7原子以下の安定な単環式または二環式環を表す。この定義の範囲内のヘテロアリール基は、限定されるものではないがいかのものを含む:アクリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、キノキサリニル、ピラゾリル、インドリル、ベンゾトリアゾリル、フラニル、チエニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、インドリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、テトラヒドロキノリン。また、下記複素環の定義において、「ヘテロアリール」は、あらゆる窒素含有ヘテロアリールのN-オキシド誘導体を含むと理解される。
「ヘテロサイクリル」および「ヘテロアリール」のさらなる例は、限定されるものではないが以下のものを含む:ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾキサゾリル、カルバゾリル、カルボリニル、シンノリニル、フラニル、イミダゾイル、インドリニル、インドリル、インドラジニル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、ナフトピリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、オキサゾリン、イソキサゾリン、オキセタニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドピリジニル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、テトラヒドロピラニル、テトラゾリル、テトラゾロピリジル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、アゼチジニル、アジリジニル、1,4-ジオキサニル、ヘキサヒドロアゼピニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾキサゾリル、ジヒドロフラニル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロイソチアゾリル、ジヒドロオキサジアゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロテトラゾリル、ジヒドロチアジアゾリル、ジヒドロチアゾリル、ジヒドロチエニル、ジヒドロトリアゾリル、ジヒドロアゼチジニル、メチレンジオキシベンゾイル、テトラヒドロフラニル、およびテトラヒドロチエニル、およびそのN-オキシド。ヘテロサイクリル置換基の結合は炭素原子またはヘテロ原子を介して生じることができる。
本明細書で用いている「ヘテロアリーレン」は、好ましくは約3〜約15員の、環系中の原子の1またはそれ以上の、より好ましくは1〜3がヘテロ原子、すなわち、炭素以外の要素、例えば、窒素、酸素および硫黄原子である二価の単環式または多環式環系である。ヘテロアリーレン基は、所望により、1またはそれ以上の、好ましくは1〜3のアリール基置換基で置換されうる。典型的なヘテロアリーレン基は、例えば1,4-イミダゾリレンを含む。
本明細書で用いている用語「複素環」、「ヘテロ脂肪族」、または「ヘテロサイクリル」は、O、NおよびSからなる群から選ばれる1〜4ヘテロ原子を含む5〜10員の非芳香族複素環を意味することを意図し、二環式基を含む。
「ヘテロサイクリルアルキル」基は、複素環基、例えば、-CH2ピロリジン-1-イル、-(CH2)2ピペリジン-1-イルなどで置換された上記のアルキル、およびその誘導体を意味する。
本明細書で用いている用語「high(高い)」は、正常より大きい、標準(例えば予め決定した尺度またはサブグループ尺度)より大きい、または別のサブグループ尺度より比較的大きい尺度を表す。例えば、CD44highは、正常CD44尺度より大きいCD44の尺度を表す。
したがって、「CD44high」は、常に、対象の身体の関連部分または対象の身体由来の関連試料中の少なくとも検出可能なCD44に対応する。正常尺度は、当業者が利用可能なあらゆる方法にしたがって決定することができる。用語「high(高い)」は、予め決定した尺度、例えば予め決定したカットオフに等しいかまたはそれより大きい尺度も表しうる。対象が特定マーカーについて「high」でない場合は、該マーカーについて「low(低い)」である。一般的に、対象が「high」であるか「low」であるかを決定するのに用いるカットオフは、区分が臨床的関連性を持つように選択すべきである。
「同族体」は、本明細書において共通の先祖DNA配列由来の十分な別の遺伝子または産物と関連する遺伝子またはその産物を表すのに用いる。
用語「ホルモンレセプター陰性(HR-)腫瘍」は、標準的方法(例えば、患者の生物試料の核の免疫組織染色)により決定したある閾値以上の腫瘍の増殖、生残、または生存を促すホルモンに対するレセプターを発現しない腫瘍を意味する。該閾値は、Allredスコアまたは遺伝子発現を用いて測定することができる。例えば、Harvey et al.(1999. J Clin Oncol 17:1474-1481)およびBadve et al.(2008. J Clin Oncol 26(15):2473-2481)参照。ある態様において、該腫瘍はエストロゲンレセプター(ER-)および/またはプロゲステロンレセプター(PR-)を発現しない。
用語「ホルモンレセプター陽性(HR+)腫瘍」は、標準的方法(例えば、患者の生物試料の核の免疫組織染色)により決定したある閾値以上の腫瘍の増殖、生残、または生存を促すホルモンに対するレセプターを発現する腫瘍を意味する。該閾値は、Allredスコアまたは遺伝子発現を用いて測定することができる。例えば、Harvey et al.(1999. J Clin Oncol 17:1474-1481)およびBadve et al.(2008. J Clin Oncol 26(15):2473-2481)参照。標準的方法(例えば、患者の生物試料の核の免疫組織染色)により決定したエストロゲンレセプター(ER)またはプロゲステロンレセプター(PR)を発現する腫瘍。
本明細書で用いている用語「ホルモン耐性癌」は、非ホルモン耐性癌と比較してホルモン療法またはエンドクリン療法に対する反応が低下しまたは排除された癌を表す。生物学的および臨床的観点から、種々の耐性パターンを区別することができる:A)エンドクリンレセプター発現に関わらずエンドクリンレセプター(例えば、エストロゲンレセプター)標的化に本質的に非感受性の腫瘍(汎エンドクリン療法耐性またはde novo耐性);B)ホルモン依存性であるが、1またはそれ以上の特定のエンドクリン療法に耐性(薬剤選択的耐性;例えば、タモキシフェンに反応し、アロマターゼ阻害剤に反応しない)の腫瘍;およびC)最初にエンドクリン療法に反応するが、次いで進行する(耐性獲得)腫瘍。すべてのタイプの耐性が本明細書に含まれる。ある態様において、ホルモン耐性癌は、ホルモンまたはエンドクリン療法の実施前にホルモン耐性である(すなわち、de novoホルモン耐性である)癌である。他の態様において、ホルモン耐性癌は、最初はホルモン耐性でないが、ホルモンまたはエンドクリン療法の少なくとも1の処置後にホルモン耐性になる癌である。
本明細書で用いている用語「ホルモン療法」または「エンドクリン療法」は、ホルモンの遮断または除去に関する処置と定義される。該処置は、ホルモンまたはプロホルモンを合成する腺を除去し、ホルモン合成を遮断または阻害し、またはホルモンとそのレセプターの結合を抑制または阻害し、またはホルモンレセプターを下方調節または分解することを含む。
本明細書において、「ハイブリダイゼーション」は、DNA-DNAハイブリッドまたはDNA-RNAハイブリッドを生じる相補的ヌクレオチド配列の対合を表すのに用いる。相補的塩基配列は、塩基対合則で関連する配列である。DNAでは、AはTと対合し、CはGと対合する。RNAでは、UはAと対合し、CはGと対合する。この点で、本明細書で用いている用語「マッチ」および「ミスマッチ」は、相補的核酸鎖中の対合ヌクレオチドのハイブリダイゼーション可能性を表す。マッチしたヌクレオチドは効率的にハイブリダイズする(例えば上記伝統的A-TおよびG-C塩基対)。ミスマッチは効率的にハイブリダイズしない他のヌクレオチドの組み合わせである。本発明において、好ましい対合メカニズムは、オリゴマー化合物の鎖の相補的ヌクレオシドまたはヌクレオチド塩基(核酸塩基)間の水素結合(ワトソンクリック、フーグスティーン、または逆フーグスティーン水素結合でありうる)を含む。例えば、アデニンとチミンは、水素結合の形成を介して対合する相補的核酸塩基である。ハイブリダイゼーションは、当業者に知られた種々の環境下で起きうる。
用語「〜と特異的にハイブリダイズする」などは、配列が複合混合物(例えば、全細胞)DNAまたはRNAで存在する場合にストリンジェント条件下で分子が特定ヌクレオチド配列のみと結合、2本鎖形成、またはハイブリダイズすることを表す。
本明細書で用いている用語「ヒドロカルビル」は、飽和、不飽和、芳香族、直鎖または分岐鎖、または環式基(多環基を含む)を含む炭素と水素を含むあらゆるラジカルを含む。ヒドロカルビルは、限定されるものではないが、C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、C2-C8アルキニル、C3-C10シクロアルキル、アリール、例えば、フェニルおよびナフチル、Ar(C1-C8)アルキル、例えば、ベンジル(いずれも所望により置換されうる)を含む。
本明細書において「免疫反応性(の)」への言及は、分子間の相互作用、反応、または他の形の結合、特に該分子の1が免疫系の成分である場合は模倣物への言及を含む。
本明細書で用いている用語「阻害剤」は、LSD ポリペプチド(例えばLSD1(リジン特異的ヒストンデメチラーゼ1Aとしても知られる);リジン(K)特異的デメチラーゼ1(KDM1);リジン(K)特異的デメチラーゼ1A(KDM1A);BRAF35-HDAC複合体タンパク質BHC110;FAD結合タンパク質BRAF35-HDAC複合体、110 kDaサブユニット;アミンオキシダーゼ(フラビン含有)ドメイン2(AOF2);リジン特異的ヒストンデメチラーゼ1;RP1-184J9.1およびLSD2(リジン特異的ヒストンデメチラーゼ1B(KDM1B)としても知られる);アミンオキシダーゼフラビン含有1(AOF1);アミンオキシダーゼ(フラビン含有)ドメイン1;フラビン含有アミンオキシダーゼドメイン含有タンパク質1;リジン特異的ヒストンデメチラーゼ2の機能または生物活性;またはLSD遺伝子の発現(例えば、LSD1(KDM1Aとして知られる);AOF2;BHC110;KDM1およびLSD2(KDM1Bとして知られる);AOF1;bA204B7.3;C6orf193;dJ298J15.2)を減少または阻害する薬剤を意味する。
本明細書で用いている用語「low(低い)」は、正常より低い、標準(例えば予め決定した尺度またはサブグループ尺度)より低いか、または別のサブグループ尺度より比較的低い尺度を表す。例えば、CD24lowは、正常CD24尺度より低いCD24の尺度を表す。正常尺度は、当業者が利用可能なあらゆる方法にしたがって決定することができる。用語「low」は、予め決定した尺度、例えば予め決定したカットオフと等しいかまたはそれより低い尺度も表しうる。
用語「低級アルキル」は、炭素数1〜6の直鎖および分岐鎖アルキル基、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、2-メチルペンチルなどを表す。ある態様において、低級アルキル基はメチルまたはエチルである。
用語「低級アルコキシ」は、炭素数1〜6の直鎖および分岐鎖アルコキシ、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソ-プロポキシ、n-ブトキシ、tert-ブトキシ、sec-ブトキシ、n-ペントキシ、n-ヘキソキシ、2-メチル-ペントキシなどを表す。通常、低級アルコキシ基はメトキシまたはエトキシである。
本明細書で用いている用語「間葉」は、結合組織、骨、軟骨、および循環およびリンパ系が発生するゼラチン状基質中に組み込まれたゆるく充填された未分化の細胞からなる胚子中胚葉の部分を表す。間葉は、比較的びまん性の組織ネットワークを形成する細胞の集合体である。間葉は、完全な細胞層ではなく、該細胞は典型的にはその表面上に隣と接着して結合する点のみを有する。この接着は、カドヘリン結合にも関与しうる(Thompson et al.、2005、上記参照)。
本明細書で用いている用語「上皮細胞間葉転換」(MET)は、運動性、多極性、または紡錘形間葉細胞の上皮という極性細胞の平面アレイへの転換に関与する可逆的生物学的プロセスである。METは、EMTの逆プロセスである。METは、正常発生、癌転移、および誘導多能性幹細胞再プログラミングで起きる。
「調節する(modulating)」は、標的分子のレベルまたは機能的活性を直接または間接的に増加しまたは減少させることを意味する。例えば、ある薬剤は、標的分子以外の分子と相互作用することによりレベル/活性を間接的に調節しうる。この点で、標的ポリペプチドをコードする遺伝子の間接的調節は、その範囲内に第1核酸分子の発現の調節を含み、第1核酸分子の発現産物は標的ポリペプチドをコードする核酸分子の発現を調節する。
本明細書で用いている用語「オリゴヌクレオチド」は、ホスホジエステル結合(またはその関連構造変異体または合成類似体)を介して結合した多様なヌクレオチド残基(デオキシリボヌクレオチド、またはリボヌクレオチド、またはその関連構造変異体または合成類似体)からなるポリマーを表す。したがって、用語「オリゴヌクレオチド」は典型的にはヌクレオチド残基とその間の結合が天然であるヌクレオチドポリマーを表すが、該用語はその範囲内に限定されるものではないが、ペプチド核酸(PNAs)、ホスホルアミデート、ホスホロチオエート、メチルホスホネート、2-O-メチルリボ核酸などを含む種々の類似体も含むと理解される。該分子の正確なサイズは、特定の応用に応じて異なり得る。オリゴヌクレオチドは、典型的には長さがかなり短く、一般的には約10〜30ヌクレオチド残基であるが、該用語はあらゆる長さの分子を表すことができる。しかし、用語「ポリヌクレオチド」または「核酸」は、典型的には長いオリゴヌクレオチドに用いる。
本明細書で用いている用語「操作可能に連結した」または「操作可能に結合した」は、限定されるものではないがプロモーターを含む調節要素の調節管理下に構造遺伝子を置き、次いで該遺伝子の転写および所望により翻訳を調節することを意味する。ヘテロローガスなプロモーター/構造遺伝子の組み合わせの構築では、一般的には、遺伝子配列またはプロモーターは遺伝子の転写開始部位から離れて位置することが好ましく、それが天然環境で調節する遺伝子配列またはプロモーターと該遺伝子(すなわち、遺伝子配列またはプロモーターが由来する遺伝子)間の距離とほぼ同じである。当該分野で知られているように、この距離のいくらかの変化を機能を損失せずに含むことができる。同様に、その調節下に置かれるヘテロローガスな遺伝子に関する調節配列要素の好ましい配置は、その天然環境における該要素(すなわちそれが由来する遺伝子)の配置で定義される。
用語「過剰発現する」、「過剰発現」または「過剰発現した」は、通常、癌細胞で正常細胞と比べて検出可能なより高レベルに転写または翻訳される遺伝子(例えば、LSD遺伝子)を互換性に表す。したがって、過剰発現は、タンパク質とRNAの過剰発現(転写、転写後プロセシング、翻訳、翻訳後プロセシング、安定性変化、およびタンパク質分解変化の増加による)、およびタンパク質トラフィックパターンの変化(核局在性の増加)および機能的活性の増加(例えば、基質の酵素加水分解の増加)による局所的過剰発現を表す。また、過剰発現は、正常細胞または比較細胞(例えば、乳腺細胞)に比べて10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%またはそれ以上でありうる。
本明細書で互換性に用いる用語「患者」、「対象」、「宿主」、または「個体」は、療法または予防が必要なあらゆる対象、特に脊椎動物対象、さらに特に哺乳動物対象を表す。本発明の範囲内に属する適切な脊椎動物は、限定されるものではないが、脊索動物亜門のあらゆるメンバー(霊長目の動物(例えば、ヒト、サル、および類人猿)を含む)を含み、サル種、例えばMacaca属(例えば、カニクイザル、例えばMacaca fascicularis、および/またはアカゲザル(Macaca mulatta))、およびヒヒ(Papio ursinus)、およびマーモセット(Callithrix属の種)、リスザル(Saimiri属の種)、およびシシザル(Saguinus属の種)、および類人猿種、例えばチンパンジー(Pan troglodytes))、齧歯動物(例えば、マウス、ラット、モルモット)、ウサギ目の動物(例えば、ウサギ、野ウサギ)、ウシ亜科の動物(例えばウシ)、ヒツジ種(ovines)(例えば、ヒツジ)、ヤギ種(例えば、ヤギ)、ブタ種(porcines)(例えば、ブタ)、ウマ科動物(例えば、ウマ)、イヌ科動物(例えば、イヌ)、ネコ科動物(例えば、ネコ)、鳥類(例えば、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガン、愛玩鳥(例えばカナリア、セキセイインコなど))、海洋哺乳動物(例えば、イルカ、クジラ)、爬虫類(ヘビ、カエル、トカゲなど)、および魚を含む。特定の態様において、該対象は、霊長類、例えばヒトである。しかしながら、前記用語は症状が存在することを意味しないと理解される。
「医薬的に許容される担体」は、生物学的または非生物学的にも望ましくないものでない物質からなる医薬的ビークルを意味し、すなわち、該物質は、選択した活性薬剤と共にいかなるもしくは実質的な副作用も生じることなく対象に投与することができる。担体は、賦形剤および他の添加剤、例えば、希釈剤、界面活性剤、着色料、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤、保存料、トランスフェクション剤などを含みうる。
同様に、本明細書に記載の化合物の「薬理学的に許容される」塩、エステル、アミド、プロドラッグ、または誘導体は、生物学的または非生物学的にも望ましくないものでない塩、エステル、アミド、プロドラッグ、または誘導体である。
用語「ポリヌクレオチド」、「遺伝子物質」、「遺伝子形」、「核酸」および「ヌクレオチド配列」は、RNA、cDNA、ゲノムDNA、合成形、および混合ポリマー、センスおよびアンチセンス鎖を含み、当業者が容易に認識するように化学的または生化学的に修飾されることがあるか、または非天然または誘導体化ヌクレオチド塩基を含むことがある。
「フェニルアルキル」は、フェニルで置換されている上記アルキル、例えば、-CH2フェニル、-(CH2)2フェニル、-(CH2)3フェニル、CH3CH(CH3)CH2フェニルなど、およびそれらの誘導体を意味する。フェニルアルキルはアラルキル基の一部である。
用語「ポリヌクレオチド変異体」および「変異体」は、基準ポリヌクレオチド配列と実質的な配列同一性を示すポリヌクレオチド、または当該分野で知られたストリンジェント条件下で基準配列とハイブリダイズするポリヌクレオチドを表す(例えば、Sambrook et al.、Molecular Cloning. A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Press、1989参照)。これらの用語は、1またはそれ以上のヌクレオチドが付加または欠失、または異なるヌクレオチドで置換しているポリヌクレオチドも含む。この点で、突然変異、付加、欠失、および置換を含むある種の変化を基準ポリヌクレオチドにもたらすことにより、変化したポリヌクレオチドが基準ポリヌクレオチドの生物学的機能または活性を保持することができることは十分理解される。用語「ポリヌクレオチド変異体」および「変異体」は天然の対立遺伝子変異体も含む。
本明細書で互換性に用いる用語「ポリペプチド」、「タンパク質性分子」、「ペプチド」および「タンパク質」は、アミノ酸残基のポリマーおよびその変異体および合成類似体を表す。したがって、これらの用語は、1またはそれ以上のアミノ酸残基が合成非天然アミノ酸であるアミノ酸ポリマー、例えば、対応する天然アミノ酸の化学類似体、および天然アミノ酸ポリマーに適用する。これらの用語は、修飾、例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸化などを排除しない。可溶性形の対象タンパク質性分子が特に有用である。
該定義内には、例えばアミノ酸の1またはそれ以上の類似体(例えば非天然アミノ酸)を含むポリペプチドまたは置換結合を有するポリペプチドが含まれる。
用語「ポリペプチド変異体」は、1またはそれ以上のアミノ酸が異なるアミノ酸で置換しているポリペプチドを表す。いくつかのアミノ酸を、後記のポリペプチドの活性の性質を変化させずに広く同様の特性を有する他のものに置換することができる(保存的置換)ことは当該分野でよく理解されている。これらの用語は、1またはそれ以上のアミノ酸が付加または欠失し、または別のアミノ酸で置換しているポリペプチドも含む。
用語「プロドラッグ」は、その最も広い意味で用い、in vivoで本発明の化合物に変換されるその誘導体も含む。そのような誘導体は、例えば、遊離ヒドロキシ基がエステル誘導体に変換された化合物を含み、当業者に容易に思い浮かぶだろう。
本明細書で用いている用語「予防する(prevent、prevented、またはpreventing)」は、疾患または病状の発症に対する対象の抵抗性が増加する、すなわち、対象が疾患または病状を発症する可能性が減少する予防的処置、および疾患または病状後の処置がそれを完全に除去または減少させ、またはそれが悪化するのを予防するために開始されることを表す。これらの用語は、その範囲内に該疾患または病状にかかりやすいが、そうであるとまだ診断されていない対象に該疾患または病状が生じるのを予防することも含む。
本明細書で用いている「ラセミ体(racemate)」はエナンチオマーの混合物を表す。
用語「減少する」、「阻害する」、「縮小する」、「抑制する」、「低下する」および文法的等価物は、第2試料に対して第1試料の物質および/または現象のレベルについて用いる場合、第1試料中の物質および/または現象の量が、あらゆる当該分野で認められた統計分析法を用いて統計的に有意なあらゆる量だけ第2試料中より低いことを意味する。ある態様において、該低下は、例えば患者が疾患の症状、例えば痛み、疲労などの主観的知見に言及する場合に主観的に決定することができる。別の態様において、該低下は、患者由来の試料中のCSCおよび/または非CSC腫瘍細胞の数が患者由来の以前の試料より低い場合に客観的に決定することができる。別の態様において、第1試料中の物質および/または現象の量は、第2試料中の同じ物質および/または現象の量より少なくとも10%低い。別の態様において、第1試料中の物質および/または現象の量は、第2試料中の同じ物質および/または現象の量より少なくとも25%低い。さらに別の態様において、第1試料中の物質および/または現象の量は、第2試料中の同じ物質および/または現象の量より少なくとも50%低い。さらなる態様において、第1試料中の物質および/または現象の量は、第2試料中の同じ物質および/または現象の量より少なくとも75%低い。さらに別の態様において、第1試料中の物質および/または現象の量は、第2試料中の同じ物質および/または現象の量より少なくとも90%低い。あるいはまた、差は「n倍」の差として表すことができる。
用語「塩」、「誘導体」および「プロドラッグ」は、あらゆる医薬的に許容される塩、エステル、水和物、またはレシピエントに投与すると本発明の化合物またはその活性代謝物または残基を(直接または間接的に)もたらすことができるあらゆる他の化合物を含む。適切な医薬的に許容される塩は、医薬的に許容される無機酸(例えば、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、炭酸、ホウ酸、スルファミン酸、および臭化水素酸)の塩、または医薬的に許容される有機酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、酒石酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フマル酸、クエン酸、乳酸、粘液酸、グルコン酸、安息香酸、コハク酸、シュウ酸、フェニル酢酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、サリチル酸、スルファニル酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、エデト酸、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ラウリン酸、パントテン酸、タンニン酸、アスコルビン酸、および吉草酸)の塩を含む。塩基性塩は、限定されるものではないが、医薬的に許容されるカチオン、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、およびアルキルアンモニウムを用いて形成されるものを含む。塩基性窒素含有基は、ハロゲン化低級アルキル、例えば、塩化、臭化、およびヨウ化メチル、エチル、プロピル、およびブチル;硫酸ジアルキル、例えば硫酸ジメチルおよびジエチルなどで4級化することもできる。しかしながら、医薬的に許容されない塩も医薬的に許容される塩の製造に有用でありうるので本明細書の範囲内であることは理解されるだろう。塩およびプロドラッグおよび誘導体の製造は、当該分野で知られた方法により行うことができる。例えば、金属塩は本発明の化合物と金属水酸化物を反応させることにより製造することができる。酸塩は適切な酸と本発明の化合物を反応させることにより製造することができる。
用語「選択的」は、別のLSD、または別の酵素、例えばモノアミンオキシダーゼ(MAO)(例えば、MAO AまたはMAO B)に対する実質的な阻害または拮抗を示さずにLSD2対する阻害または拮抗を示す化合物を表す。したがって、LSD1に選択的な化合物は、別のLSD(すなわち、LSD1以外のLSD、例えば、LSD2)、または別の酵素(例えば、MAO)の阻害または拮抗について約2倍、5倍、10倍、20倍、50倍大きい、または約100倍大きいLSD1選択性を示す。
ある態様において、選択的化合物は、別のLSDまたは別の酵素(例えば、MAO)より特定のLSDに対して少なくとも50倍大きい阻害または拮抗を示す。さらに他の態様において、選択的化合物は、別のLSDまたは別の酵素(例えば、MAO)より特定のLSDに対して少なくとも100倍大きい阻害または拮抗を示す。さらに他の態様において、選択的化合物は、別のLSDまたは別の酵素(例えば、MAO)より特定のLSDに対して少なくとも500倍大きい阻害または拮抗を示す。さらに他の態様において、選択的化合物は、別のLSDまたは別の酵素(例えば、MAO)より特定のLSDに対して少なくとも1000倍大きい阻害または拮抗を示す。
本明細書で用いている用語「配列同一性」は、配列が比較のウインドウでヌクレオチド毎ベースまたはアミノ酸毎のベースで同じである程度を表す。したがって、「配列同一性のパーセンテージ」は、比較のウインドウで2つの最適にアラインメントした配列を比較し、同じ核酸塩基(例えば、A、T、C、G、I)または同じアミノ酸残基(例えば、Ala、Pro、Ser、Thr、Gly、Val、Leu、Ile、Phe、Tyr、Trp、Lys、Arg、His、Asp、Glu、Asn、Gln、Cys、およびMet)が両配列に生じる位置の数を決定してマッチした位置の数を得、マッチした位置の数を比較のウインドウ中の位置の総数(すなわち、ウインドウサイズ)で割り、および結果に100をかけて配列同一性のパーセンテージをうることにより計算する。本発明の目的では、「配列同一性」は適切な方法により計算した「マッチパーセンテージ」を意味すると理解される。例えば、配列同一性分析は、DNASISコンピュータープログラム(windows用バージョン2.5(Hitachi Software engineering Co.、Ltd.、South San Francisco、California、USAから入手可能)を用い、ソフトウエア添付の基準マニュアルで用いている標準デフォルトを用いて行うことができる。
「類似性」は、表2に記載の保存的置換と同じかまたはそれを構成するアミノ酸のパーセンテージ数を表す。
類似性は、配列比較プログラム、例えばGAP(Deveraux et al. 1984、Nucleic Acids Research 12、387-395)を用いて決定することができる。このように、本明細書に記載のものと同様または実質的に異なる長さの配列はアラインメントにギャップを挿入することにより比較されるかもしれない。そのようなギャップは例えばGAPで用いた比較アルゴリズムにより決定される。
2またはそれ以上のポリヌクレオチドまたはポリペプチド間の配列の関係を説明するのに用いる用語は、「基準配列」、「比較ウインドウ」、「配列同一性」、「配列同一性のパーセンテージ」、および「実質同一」を含む。「基準配列」は、ヌクレオチドおよびアミノ酸残基の長さが少なくとも12、しばしば15〜18およびしばしば少なくとも25モノマー単位(含む)である。2つのポリヌクレオチドは、それぞれ(1)2ポリヌクレオチド間が同様の配列(すなわち、完全ポリヌクレオチド配列の部分のみ)および(2)2ポリヌクレオチド配列間に不一致がある配列を含みうるので、2(またはそれ以上の)ポリヌクレオチド間の比較は典型的には配列類似性の局在領域を同定および比較するために「比較ウインドウ」の2ポリヌクレオチドの配列を比較することにより行う。「比較ウインドウ」は、2配列を最適にアラインメントした後に配列を隣接位置の同数の基準配列と比較する少なくとも6隣接位置、通常約50〜約100、より通常約100〜約150の概念的断片を表す。比較ウインドウは、2配列の最適なアラインメントのために基準配列(付加または欠失を含まない)と比べて約20%またはそれ以下の付加または欠失(すなわちギャップ)を含みうる。比較ウインドウをアラインメントするための配列の最適なアラインメントは、アルゴリズムのコンピューターでの実施(GAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA(Wisconsin Genetics Software Package Release 7.0、Genetics Computer Group、575 Science Drive Madison、WI、USA))、または検査および最もよいアラインメント(すなわち、比較ウインドウで最も高い相同性パーセンテージをもたらす)により行うことができる。例えば、Altschul et al.、1997、Nucl. Acids Res. 25:3389に記載のプログラムのBLASTファミリーを参照することもできる。配列分析の詳細な考察は、Ausubel et al.、「Current Protocols in Molecular Biology」、John Wiley&Sons Inc、1994-1998、Chapter 15のUnit 19.3にみることができる。
本明細書で用いている「小分子」は、分子量が3キロダルトン(kDa)未満、典型的には1.5キロダルトン未満、適切には約1キロダルトン未満の組成物を表す。小分子は、核酸、ペプチド、ポリペプチド、ペプチド模倣物、炭化水素、脂質、または他の有機(炭素含有)、または無機分子であり得る。当業者は、本明細書に基づいて、化学および/または生物学的混合物の広範なライブラリーを認識することができるので、しばしば、真菌、細菌、または藻類抽出物を、本発明のあらゆるアッセイを用いてスクリーニングし生物活性を調節する化合物を同定することができる。「小有機分子」は、分子量が3キロダルトン未満、1.5キロダルトン未満、または約1kDa未満の有機化合物(または無機化合物(例えば金属)と錯体を形成した有機化合物)である。
本明細書で用いている「ストリンジェンシー」は、ハイブリダイゼーション中の温度とイオン強度条件、およびある有機溶媒の存在の有無を表す。ストリンジェンシーが高いと、より高い配列間の相補性度が観察される。本明細書に記載の「ストリンジェント条件」は、相補的塩基の割合が高い、好ましくは正確な相補性を有するポリヌクレオチドのみがハイブリダイズする温度およびイオン条件を表す。必要なストリンジェンシーは、ヌクレオチド配列依存性であり、ハイブリダイゼーション中に存在する種々の成分に依存し、ヌクレオチド類似体を用いると大きく変化する。一般的には、ストリンジェント条件は、規定のイオン強度およびpHで特定の配列の熱融点(Tm)より約10℃〜20℃低いように選ばれる。Tmは、標的配列の50%が相補的プローブとハイブリダイズする温度(規定のイオン強度およびpH以下)である。ポリヌクレオチドは標的配列と少なくとも低ストリンジェント条件下、好ましくは少なくとも中ストリンジェント条件下、より好ましくは高ストリンジェント条件下でハイブリダイズすると理解される。本明細書において低ストリンジェント条件への言及は、少なくとも約1%v/v〜少なくとも約15%v/vホルムアミド、42℃のハイブリダイゼーションで少なくとも約1M〜少なくとも約2M塩、および42℃の洗浄で少なくとも約1M〜少なくとも約2M塩を含み、包含する。低ストリンジェント条件は、65℃のハイブリダイゼーションで1%ウシ血清アルブミン(BSA)、1 mM EDTA、0.5M NaHPO4(pH 7.2)、7%SDS、および室温での洗浄で(i)2xSSC、0.1%SDS;または(ii)0.5%BSA、1 mM EDTA、40 mM NaHPO4(pH 7.2)、5%SDSも含みうる。中ストリンジェント条件は、少なくとも約16%v/v〜少なくとも約30%v/vホルムアミド、42℃のハイブリダイゼーションで少なくとも約0.5M〜少なくとも約0.9M塩、および42℃の洗浄で少なくとも約0.5M〜少なくとも約0.9M塩を含み、包含する。中ストリンジェント条件は、65℃のハイブリダイゼーションで1%ウシ血清アルブミン(BSA)、1mM EDTA、0.5M NaHPO4(pH 7.2)、7%SDS、および42℃の洗浄で(i)2 x SSC、0.1%SDS;または(ii)0.5%BSA、1mM EDTA、40mM NaHPO4(pH 7.2)、5%SDSも含みうる。高ストリンジェント条件は、少なくとも約31%v/v to 少なくとも約50%v/vホルムアミド、および42℃のハイブリダイゼーションで少なくとも約0.01M〜少なくとも約0.15M塩、および42℃の洗浄で少なくとも約0.01M〜少なくとも約0.15M塩を含み、包含する。高ストリンジェント条件は、65℃のハイブリダイゼーションで1%BSA、1mM EDTA、0.5M NaHPO4(pH 7.2)、7%SDS、および65℃以上の温度の洗浄で(i)0.2 x SSC、0.1%SDS;または(ii)0.5%BSA、1mM EDTA、40mM NaHPO4(pH 7.2)、1%SDSも含みうる。高ストリンジェント条件のある態様は、約45℃で6 X SSC中でハイブリダイズし、次いで65℃で0.2 X SSC、0.1%SDSで1またはそれ以上洗浄することを含む。きわめて高ストリンジェント条件のある態様は、65℃で0.5Mリン酸ナトリウム、7%SDSにてハイブリダイズし、次いで65℃で0.2 X SSC、1%SDSにて1またはそれ以上洗浄することを含む。他のストリンジェント条件は当該分野でよく知られている。当業者は、種々の要因を操作してハイブリダイゼーションの特異性を最適化することができる。最終洗浄のストリンジェンシーの最適化は、高度のハイブリダイゼーションを保証するのに役立ちうる。詳細な例は、CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY(上記)、2.10.1〜2.10.16頁、およびMOLECULAR CLONING. A LABORATORY MANUAL(Sambrook、et al.編)(Cold Spring Harbor Press 1989)、1.101〜1.104項参照。
「実質的に相補的な」は、オリゴヌクレオチドまたはその部分配列が標的配列とハイブリダイズするよう十分相補的であることを意味する。したがって、オリゴヌクレオチドまたは部分配列のヌクレオチド配列が標的配列の正確な相補配列を反映する必要はない。好ましい態様において、オリゴヌクレオチドは標的配列とのミスマッチを含まない。
本明細書で用いている用語「相乗的」は、癌療法または薬剤と組み合わせて投与したときのLSD阻害剤(例えば、LSD1またはLSD2阻害剤)の治療効果(または逆もある)がLSD阻害剤および該癌療法または薬剤を単独で投与したときの予測される付加的治療効果より大きいことを意味する。LSD阻害剤および癌療法剤に適用する用語「相乗的有効量」は、CSCおよび非CSC腫瘍細胞の形成、増殖、生残、生存、または維持を阻害し癌を治療または予防するのに有効な、LSD阻害剤の用量対癌療法剤の用量の用量反応プロット対CSCおよび非CSC腫瘍細胞の形成、増殖、生残、生存、または維持の阻害において、用量LSD阻害剤軸または用量癌療法剤軸が交差しない効果をもたらす組成物(一般的には医薬組成物)中の各成分の量を表す。当該分野で相乗性を決定するのに用いる用量反応曲線は、例えばSande et al.(1080-1105頁、A. Goodman et al.編、the Pharmacological Basis of Therapeutics、MacMillan Publishing Co.、Inc.、New York(1980)参照)に記載されている。最適な相乗的量は、用量レベル、スケジュール、および反応などの因子を変え、LSD阻害剤および癌療法剤の種々の組み合わせに対する用量反応曲線からアイソボログラムを作製するコンピューター作製モデルを用いて95%信頼限界を用いて決定することができる。用量反応曲線のCSCおよび非CSC腫瘍細胞の形成、増殖、生残、生存、または維持の最も高い阻害が最適用量レベルと関連する。
本明細書で用いている用語「治療(処置)」、「治療(処置)する」などは、目的とする薬理学的および/または生理学的効果を得ることを示す。該効果は、疾患または病状(例えば血液悪性腫瘍)、および/または該疾患または病状に起因する副作用の部分的または完全治癒について治療的でありうる。これらの用語は、哺乳動物、特にヒトの病状または疾患のあらゆる治療にも及び、(a)該疾患または病状を阻害し、すなわちその発生を止め、または(b)該疾患または病状を緩和し、すなわち、該疾患または病状の退行をもたらすことを含む。
本明細書で用いている用語「腫瘍」は、悪性または良性に関わらずあらゆる新生物細胞成長および増殖、およびすべての前癌性および癌性細胞および組織を表す。用語「癌」および「癌性」は、典型的には無秩序な細胞増殖を一部特徴とする哺乳動物の生理的状態を示し、または説明する。本明細書で用いている用語「癌」は、初期または末期癌を含む非転移および転移癌を表す。用語「前癌性」は、典型的には癌に先立つかまたは癌に発展する病状または増殖を表す。「非転移」は、良性であるか、または原発部位に止まり、リンパまたは血管系または原発部位以外の組織に侵入しない癌を意味する。一般的には、非転移癌は、0、I、またはII期の癌、時にIII期の癌であるあらゆる癌である。「初期癌」は、侵襲性または転移性でない癌を意味し、または0、I、またはII期の癌に分類される。用語「末期癌」は、一般的にはIII期またはIV期の癌を表すが、II期の癌やII期の癌のサブステージも表すことができる。当業者は、II期の癌の初期癌または末期癌としての分類は、癌の特定のタイプに依存する。癌の実例は、限定されるものではないが、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、頸部癌、膵臓癌、結腸直腸癌、肺癌、肝細胞癌、胃癌、肝臓癌、膀胱癌、尿路の癌、甲状腺癌、腎臓癌、癌、メラノーマ、脳の癌、非小細胞肺癌、頭および首の扁平上皮癌、子宮内膜癌、多発性骨髄腫、直腸癌、および食道癌を含む。典型的な態様において、該癌は乳癌である。
本明細書で用いている用語「腫瘍試料」は、癌患者から得た腫瘍を含む試料を意味する。該用語は、臨床試料、例えば外科的切除により得た組織や、バイオプシー(例えばコアバイオプシーまたは微細針バイオプシー)により得た組織を包含する。該用語は、原発腫瘍以外の部位から得られる腫瘍細胞、例えば循環腫瘍細胞を含む試料、および保存腫瘍試料、例えばホルマリン固定、パラフィン包埋腫瘍試料、または凍結腫瘍試料も包含する。該用語は、患者の腫瘍細胞の子孫、例えば、原発腫瘍細胞または循環腫瘍細胞由来の細胞培養試料である細胞を含む。該用語は、腫瘍細胞in vivo由来のタンパク質または核酸材料を含むことがある試料、例えば、骨髄、血液、血漿、血清などを包含する。該用語は、腫瘍細胞を豊富化しまたはその獲得後に操作された試料、および患者の腫瘍材料から得られるポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドを含む試料も包含する。
「ベクター」は、例えばポリヌクレオチドを挿入またはクローニングすることができるプラスミド、バクテリオファージ、酵母、またはウイルス由来のポリヌクレオチド分子、好ましくはDNA分子を意味する。ベクターは、好ましくは1またはそれ以上のユニークな制限部位を含み、標的細胞または組織、またはその前駆細胞または組織を含む特定の宿主細胞中で自律複製することができるか、またはクローニングした配列が再生可能なように特定宿主のゲノムに統合することができる。したがって、ベクターは、自律複製するベクター、すなわち、その複製が染色体複製と独立している染色体外エンティティとして存在するベクター、例えば、直鎖または閉環状プラスミド、染色体外要素、ミニ染色体、または人工染色体でありうる。ベクターは、自己複製を保証するあらゆる手段を含むことができる。あるいはまた、ベクターは、宿主細胞に導入するとゲノムに統合され、それが統合された染色体と一緒に複製されるものでありうる。ベクター系は、宿主細胞のゲノムに導入される全DNAを一緒に含む単一ベクターまたはプラスミド、2またはそれ以上のベクターまたはプラスミド、またはトランスポゾンを含むことができる。ベクターの選択は、例えばベクターが導入される宿主細胞とベクターの適合性に依存する。本件において、ベクターは好ましくは動物、好ましくは哺乳動物細胞に操作可能に機能的なウイルス、ウイルス由来ベクターである。そのようなベクターは、ポックスウイルス、アデノウイルス、または酵母由来でありうる。ベクターは、適切な形質転換体の選択に用いることができる抗生物質耐性遺伝子などの選択マーカーも含みうる。そのような耐性遺伝子の例は当業者に知られており、抗生物質カナマイシンおよびG418(Geneticin(登録商標))に対する耐性をもたらすnptII遺伝子および抗生物質ヒグロマイシンBに対する耐性をもたらすhph遺伝子を含む。
本明細書で用いている強調またはイタリック体の遺伝子名は、いかなる強調またはイタリック体でない遺伝子名により示すそのタンパク質産物に対して遺伝子を示す。例えば、「LSD1」は、LSD1遺伝子を表し、「LSD1」はタンパク質産物または「LSD1」遺伝子の転写および翻訳および/または代わりのスプライシングから生じる産物を表す。
本明細書に記載の各態様は、特記しない限り各およびすべての態様に準用する。
2. 癌幹細胞の形成、増殖、または生存を減少または抑制するための組成物と方法
本発明は、ホルモン耐性乳癌を含む乳癌はCSCが豊富化され、LSD(例えば、LSD1およびLSD2)が該CSCおよび非CSC腫瘍細胞に過剰発現することが判明したことに一部基づく。これらの知見に基づき、本発明者らは乳腺CSCをLSD(例えば、LSD1およびLSD2)阻害剤で治療し、LSDがCSCの死とCSCのMETを特異的に促進することをみいだした。いかなる理論や実施方法に縛られることも望まないが、LSD1およびLSD2を含むLSDは、その調節領域にわたって活性クロマチンドメインの調節を解除することによりCSC特異的遺伝子の転写に重要な役割を果たし、この調節解除は乳腺CSCの生成と一般的にはCSCの生成を促進することを提唱する。
上記知見に基づいて、本発明者らは、LSD(例えば、LSD1およびLSD2)の阻害がCSCおよび/または非CSC腫瘍細胞の増殖、生残、または生存の減少、および/またはCSCのEMT減少、および/またはCSCのMET増加をもたらすことにより、それらから分化する非CSC腫瘍細胞をわずかにし、非CSC腫瘍細胞の癌療法または薬剤によるより有効な治療をもたらすことを提唱する。
したがって、本発明の方法および組成物は、CSCおよび/または非CSC腫瘍細胞の増殖、生残、または生存を減少または抑制し、および/またはCSCのEMTを減少または抑制し、および/またはCSCのMETを促進または誘導して癌(例えば、転移癌)を治療または予防するためのLSD阻害剤(例えば、LSD1またはLSD2阻害剤)の活用をもたらす。特定の態様において、LSD阻害剤(例えば、LSD1またはLSD2阻害剤)は、それらの細胞の非CSC腫瘍細胞子孫の増殖、生残、または生存を減少させる癌療法または薬剤と組み合わせて用いる。したがって、本発明の方法および組成物は、下記の転移癌を含む癌の治療または予防に特に有用である。
2.1 LSD阻害剤
LSD阻害剤は、LSDの蓄積、機能、または安定性を減少させ、またはLSD遺伝子の発現を減少させるあらゆる活性薬剤を含み、包含し、そのような阻害剤は、限定されるものではないが、小分子および高分子、例えば、核酸、ペプチド、ポリペプチド、ペプチド模倣物、炭化水素、多糖、リポ多糖、脂質、または他の有機(炭素含有)、または無機分子を含む。
ある態様において、LSD阻害剤は、LSD(例えば、LSD1またはLSD2)転写産物の転写または翻訳を阻害するように機能するアンタゴニスト核酸分子である。このタイプの代表的な転写産物は、下記配列のいずれかに対応するヌクレオチド配列を含む:(1)例えば、GenBank登録No. NM_015013.3、NP_001009999.1、およびNM_001009999.2に記載のヒトLSD1 ヌクレオチド配列;例えば、GenBank登録No. NM_153042.3に記載のヒトLSD2 ヌクレオチド配列;(2)(1)に記載の配列のいずれかと少なくとも70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列;(3)(1)に記載の配列と少なくとも低、中、または高ストリンジェント条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列;(4)下記アミノ酸配列のいずれかをコードするヌクレオチド配列:例えば、GenPept登録No. NP_055828.2、NP_001009999.1、およびO60341.2に記載のヒトLSD1アミノ酸配列;例えば、GenPept登録No. NP_694587.3に記載のヒトLSD2 アミノ酸配列;(5)(4)に記載の配列のいずれかと少なくとも70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%の配列類似性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列;および(4)に記載の配列のいずれかと少なくとも70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列。
実例となるアンタゴニスト核酸分子は、アンチセンス分子、アプタマー、リボザイムおよび三重鎖形成分子、RNAiおよび外部ガイド配列を含む。核酸分子は、標的分子が持つ特異活性のエフェクター、阻害剤、モジュレーター、および刺激薬として作用することができるか、または機能的核酸分子はあらゆる他の分子から独立したde novo活性を有することができる。
アンタゴニスト核酸分子は、あらゆる高分子、例えば、DNA、RNA、ポリペプチド、または炭化水素鎖と相互作用することができる。したがって、アンタゴニスト核酸分子は、LSD(例えば、LSD1またはLSD2)mRNAまたはLSD(例えば、LSD1またはLSD2)のゲノムDNAと相互作用するか、またはLSD ポリペプチド(例えば、LSD1またはLSD2)と相互作用することができる。他のアンタゴニスト核酸分子は、標的分子とアンタゴニスト核酸分子の配列相同性に基づいて他の核酸と相互作用するよう設計されている。他の状況において、アンタゴニスト核酸分子と標的分子の特異的認識は、アンタゴニスト核酸分子と標的分子の配列相同性に基づかず、特異的認識が生じるのを可能にする三次構造の形成に基づく。
ある態様では、抗センスRNAまたはDNA分子を、標的mRNAと結合し、タンパク質の翻訳を防ぐことによりLSD(例えば、LSD1またはLSD2)の翻訳を直接ブロックするために用いる。アンチセンス分子は、標準または非標準塩基対合により標的核酸分子と交互作用するよう設計する。アンチセンス分子と標的分子の相互作用は、例えば、RNAseH介在RNA-DNAハイブリッド分解により標的分子の破壊を促進するよう設計することができる。あるいはまた、アンチセンス分子は、通常、標的分子に生じるプロセシング機能、例えば、転写または複製を妨げるよう設計することができる。アンチセンス分子は、標的分子の配列に基づいて設計することができる。標的分子の最も接近可能な領域をみいだすことによりアンチセンス効率を最適化するための多くの方法が存在する。非限定的方法は、DMSおよびDEPCを用いるin vitro選択実験およびDNA修飾試験を含む。特定の態様において、アンチセンス分子は、10-6、10-8、10-10、または10-12と等しいかまたはそれ以下の解離定数(Kd)で標的分子と結合する。特定の態様において、翻訳開始部位、例えば-10〜+10領域由来のアンチセンスオリゴデオキシリボヌクレオチドを用いる。
アプタマーは、標的分子と適切に特異的に交互作用する分子である。アプタマーは、一般的には、明確な二次および三次構造、例えばステムループまたはG-カルテットにホールドする長さ15〜50塩基の小核酸である。アプタマーは、小分子、例えば、ATPおよびテオフィリン、および大分子、例えば、逆転写酵素およびトロンビンと結合することができる。アプタマーは、標的分子の10-12M未満のKdで非常に密接に結合することができる。適切には、アプタマーは、10-6、10-8、10-10、または10-12未満のKdで標的分子と結合する。
アプタマーは、非常に特異性が高い標的分子と結合することができる。例えば、標的分子と該分子の単一位置のみが異なる別の分子との結合親和性に10,000倍以上の差があるアプタマーが単離された。アプタマーがバックグラウンド結合分子のKdより少なくとも10-、100-、1000-、10,000-、または100,000倍低いことが望ましい。目的とする標的に対するアプタマーの適切な製造方法に、「Systematic Evolution of Ligands by EXponential Enrichment」(SELEX(登録商標))がある。SELEX(登録商標)法は米国特許No. 5,475,096および米国特許No. 5,270,163に記載されている(WO 91/19813も参照のこと)。簡単には、核酸混合物は、結合に好都合な条件下で標的分子と接触する。結合しない核酸を結合した核酸と区分し、核酸-標的複合体を分離する。次に、分離した核酸を増幅して結合、区分、分離、および増幅の反復サイクルにかけて核酸のリガンド豊富化混合物を得、標的分子と高い特異性の高親和性核酸リガンドをうることが望ましい。
他の態様において、抗LSD(例えば、抗LSD1またはLSD2)リボザイムは、LSD(例えば、LSD1またはLSD2)RNAの特異的開裂を触媒するのに用いる。リボザイム作用のメカニズムは、リボザイム分子の相補的標的RNAに対する配列特異的ハイブリダイゼーション、次いで、ヌクレオチド鎖切断的開裂を含む。天然系で見られるリボザイム、例えば、ハンマーヘッドリボザイム、ヘアピンリボザイム、およびテトラヒメナリボザイムに基づくヌクレアーゼまたは核酸ポリマーゼ型反応を触媒する種々の異なるタイプのリボザイムがある。天然系にはみられないが、de novoで特異的反応を触媒するように操作された多くのリボザイムもある。典型的なリボザイムはRNAまたはDNA基質を開裂する。ある態様において、RNA基質を開裂するリボザイムを用いる。潜在的RNA標的内の特異的リボザイム開裂部位を、下記配列、GUA、GUU、およびGUCを含む標的分子のリボザイム開裂部位をスキャンニングすることにより最初に同定する。同定したら、該開裂部位を含む標的遺伝子の領域に対応する15〜20リボヌクレオチドの短いRNA配列の予測される構造的特徴、例えば該オリゴヌクレオチド配列を不適切にしうる二次構造を評価することができる。候補標的の適切さは、リボヌクレアーゼ保護アッセイを用いて相補的オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションに対するその利便性を試験することにより評価することもできる。
三重鎖を形成する機能的核酸分子は2本鎖または1本鎖核酸と相互作用することができる分子である。三重分子が標的領域と相互作用すると、ワトソンクリックおよびフーグスティーン塩基対合の両方に依存性の複合体を形成するDNAの3つの鎖がある三重鎖と呼ばれる構造が形成される。高親和性および特異性で標的領域と結合することができるので三重分子が好ましい。一般的には、三重鎖形成分子は10-6、10-8、10-10、または10-12未満のKdで標的分子と結合することが望ましい。
外部ガイド配列(EGS)は、複合体を形成する標的核酸分子と結合する分子であり、この複合体は標的分子を開裂するRNAse Pにより認識される。EGSは、最適なRNA分子を特異的に標的とするよう設計することができる。RNAse Pは細胞内のトランスファーRNA(tRNA)のプロセシングを助ける。細菌RNAse Pは、標的RNA:EGS複合体を天然tRNA基質によく似たものにするEGSを用いることにより事実上あらゆるRNA配列を開裂するよう補充することができる。同様に、RNAの真核性EGS/RNAse P指向性開裂を利用して真核細胞内の目的とする標的を開裂することができる。
他の態様において、LSD(例えば、LSD1またはLSD2)遺伝子またはLSD(例えば、LSD1またはLSD2)転写産物のRNA干渉(RNAi)を仲介するRNA分子を用いて遺伝子発現を減少または抑制することができる。RNAiは、標的遺伝子の転写産物とホモローガスな1本鎖または通常2本鎖RNA(dsRNA)を導入することにより標的遺伝子産物と干渉または破壊することを表す。2本鎖RNA干渉(dsRNAi)または小干渉RNA(siRNA)を含むRNAi法は、哺乳動物細胞および線虫C. elegans(Fire et al.、1998. Nature 391、806-811)を含む多くの生物で広く実証されている。哺乳動物細胞では、RNAiは、小干渉RNA(siRNA)の21〜23ヌクレオチド(nt)2本鎖(Chiu et al.、2002 Mol. Cell. 10:549-561;Elbashir et al.、2001. Nature 411:494-498)、またはミクロRNA(miRNA)、機能的小ヘアピンRNA(shRNA)、またはDNA鋳型とRNAポリマーゼIIIプロモーターを用いてin vivoで発現する他のdsRNAにより(Zeng et al.、2002. Mol. Cell 9:1327-1333;Paddison et al.、2002. Genes Dev. 16:948-958;Lee et al.、2002. Nature Biotechnol. 20:500-505;Paul et al.、2002. Nature Biotechnol. 20:505-508;Tuschl、T.、2002. Nature Biotechnol. 20:440-448;Yu et al.、2002. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 99(9):6047-6052;McManus et al.、2002. RNA 8:842-850;Sui et al.、2002. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 99(6):5515-5520)引き金が引かれる。
特定の態様において、dsRNA自体、特にLSD(例えば、LSD1またはLSD2)遺伝子の少なくとも部分に対応するdsRNA産生構築物を用いてその発現を減少または抑制する。遺伝子発現のRNAi介在阻害は、当該分野で報告されたあらゆる技術を用いて、例えば、ステムループまたはヘアピンRNA構造をコードする核酸構築物を標的細胞のゲノム中にトランスフェクションするか、または収束プロモーターからまたはヘッドツーヘッドまたはテイルツーテイルで単一プロモーターの後からLSD(例えば、LSD1またはLSD2)遺伝子に対する相同性を有するトランスフェクトした酢酸構築物を発現させることにより達成することができる。
それ自身折り畳んでdsRNAを産生する能力を有する単一RNAを生成するかぎり、または2つの分離したRNA転写産物を生成し、次いでアニールして標的遺伝子との相同性を有するdsRNAを形成するかぎり、あらゆる同様な構築物を用いることができる
絶対的相同性はRNAiには必要でなく、下の閾値は約200塩基対のdsRNAと約85%相同性と記載されている(PlasterkおよびKetting、2000、Current Opinion in Genetics and Dev.10:562-67)。したがって、dsRNAの長さに応じて、RNAiをコードする核酸は標的遺伝子転写産物に対する相同性のレベルが異なり、すなわち、100〜200塩基対のdsRNAは標的遺伝子と少なくとも約85%の相同性を有し、より長いすなわち、300〜100塩基対のdsRNAは標的遺伝子と少なくとも約75%の相同性を有する。独立して発現したRNAとアニールするよう設計された単一RNA転写産物を発現するRNAをコードする構築物、または収束プロモーターから分離した転写産物を発現する単一構築物は、適切には長さが少なくとも約100 ヌクレオチドである。内部ホールディングによりdsRNAを形成するよう設計された単一RNAを発現するRNAをコードする構築物は通常、長さが少なくとも約200ヌクレオチドである。
dsRNA形成構築物を発現するために用いたプロモーターは、得られるdsRNAが破壊を目標とした細胞系統中の遺伝子産物に特異的であれば、あらゆるタイプのプロモーターでありうる。あるいはまた、該プロモーターは系統特異的であり得、特定の発生系統の細胞にのみ発現する。これは、相同性のいくらかの重複が非標的細胞系統に発現する遺伝子で観察される場合には有利かもしれない。該プロモーターは、外部調節因子または細胞内環境因子によっても誘導可能であるかもしれない。
ある態様において、例えば、Tuschl et al. U.S.2002/0086356中に記載の対応する特異的mRNAの開裂を指示する約21〜約23ヌクレオチドのRNA分子はRNAiを仲介するのに利用することができる。そのような21〜23-nt RNA分子は3'ヒドロキシル基を含み、1本鎖または2本鎖(2本の21〜23-nt RNA)でありうる(ここで、dsRNA分子は平滑末端であるか、オーバーハング末端(例えば、5'、3')を含みうる。
ある態様において、アンタゴニスト核酸分子はsiRNAである。siRNAは、あらゆる適切な方法で製造することができる。例えば、3'オーバーハング末端を有する塩基対合の場合は標的mRNAを配列特異的分解することができるsiRNAを開示する国際公報WO02/44321(本明細書の一部を構成する)を参照することができる。配列特異的遺伝子サイレンシングは、酵素ダイサーにより生成されるsiRNAに良く似た合成短2本鎖RNAを用いて哺乳動物細胞で達成することができる。siRNAは、化学的にまたはin vitroで合成することができるか、細胞内部でsiRNAにプロセスされる短2本鎖ヘアピン様RNA(shRNA)の結果でありうる。合成siRNAは、一般的にはアルゴリズムおよび従来のDNA/RNA合成装置を用いて設計する。供給者は、Ambion(Austin、Tex.)、ChemGenes(Ashland、Mass.)、Dharmacon(Lafayette、Colo.)、Glen Research(Sterling、Va.)、MWB Biotech(Esbersberg、Germany)、Proligo(Boulder、Colo.)、およびQiagen(Vento、The Netherlands)を含む。siRNAはAmbion's SILENCER(登録商標)siRNA構築キットなどのキットを用いてin vitroで合成することもできる。
ベクターからのsiRNAの製造は、より一般的には、短ヘアピンRNA(shRNA)の転写により行う。例えば、Imgenex's GENESUPPRESSOR(登録商標)構築キットおよびInvitrogen's BLOCK-IT(登録商標)誘導性RNAiプラスミドおよびレンチウイルスベクターなどのshRNAを
含むベクターを製造するためのキットが利用可能である。さらに、siRNAを形成し、対象に送達する方法も当該分野でよく知られている。例えば、US 2005/0282188;US 2005/0239731;US 2005/0234232;US 2005/0176018;US 2005/0059817;US 2005/0020525;US 2004/0192626;US 2003/0073640;US 2002/0150936;US 2002/0142980;およびUS2002/0120129を参照のこと(これらの内容は本明細書の一部を構成する)。
実例となるRNAi分子(例えばLSD(例えば、LSD1またはLSD2)siRNAおよびshRNA)は、文献 (例えば、Yang、et al.、2010. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 107:21499-21504、およびHe et al.、2012. Transcription 3:3:1-16)、またはSanta Cruz Biotechnology、Inc.(Santa Cruz、CA、USA)に記載され、OriGene Technologies、Inc.(Rockville、MD、USA)から市販されている。
本発明は、さらにペプチドまたはポリペプチドベースの阻害剤化合物を予期する。例えば、BHC80(PHDフィンガータンパク質21Aとしても知られる)は、LSD1との複合体の部分を形成し、LSD1デメチラーゼ活性を阻害しうる。したがって、本発明は、さらに、LSD1酵素活性を阻害するためのBHC80またはその生物学的に活性な断片の使用を予期する。BHC80 ポリペプチドのアミノ酸配列、およびBHC80 ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は公的に利用可能である。その際、例えば、Homo sapiens BHC80 アミノ酸配列はGenBank登録No. NP057705;およびGenBank登録No. NP057705に記載のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列はGenBank NM016621;2)Mus musculus BHC80 アミノ酸配列はGenBank登録No. NP620094;およびGenBank登録No. NP620094に記載のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列はGenBank NM138755;3)Gallus gallus BHC80 アミノ酸配列はGenBank登録No. NP00118576.1;およびGenBank登録No. NP00118576.1に記載のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列はGenBank NM001199647;および4)Bos taurus BHC80 アミノ酸配列はGenBank登録No. DAA21793を参照することができる。
実例となるBHC80ポリペプチドは以下からなる群から選ばれる:(1)上記GenBank BHC80ポリペプチドエントリーのいずれかに記載のアミノ酸配列と少なくとも70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%の配列類似性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチド;(2)上記GenBank BHC80ポリペプチドエントリーのいずれかに記載のアミノ酸配列と少なくとも70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチド;(3)上記GenBank BHC80ポリヌクレオチドエントリーのいずれかに記載のヌクレオチド配列と少なくとも低、中、または高ストリンジェント条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列でコードされるアミノ酸配列を含むポリペプチド;(4)上記GenBank BHC80ポリヌクレオチドエントリーのいずれかに記載のヌクレオチド配列と少なくとも70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列でコードされるアミノ酸配列を含むポリペプチド;および(5)LSD1酵素活性を阻害する(1)〜(4)のいずれかのポリペプチドの断片。
BHC80ポリペプチドは、ポリペプチドそれ自体を送達するか、またはBHC80 ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むBHC80核酸を細胞に導入することにより細胞中に導入することができる。ある態様において、BHC80核酸は以下から選ばれるヌクレオチド配列を含む:(1)上記GenBank BHC80ポリヌクレオチドエントリーのいずれかに記載のBHC80 ヌクレオチド配列;(2)(1)に記載の配列のいずれかと少なくとも70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列;(3)(1)に記載の配列と少なくとも低、中、または高ストリンジェント条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列;(4)上記GenBank BHC80ポリペプチドエントリーのいずれかに記載のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列;(5)(4)に記載の配列のいずれかと少なくとも70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%の配列類似性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列;および(4)に記載の配列のいずれかと少なくとも70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列。
BHC80核酸は組換え発現ベクターの形でありうる。BHC80ヌクレオチド配列は、発現ベクター中の転写調節エレメント、例えばプロモーターと操作可能に結合することができる。適切なベクターは、例えば組換えレトロウイルス、レンチウイルス、およびアデノウイルス;レトロウイルス発現ベクター、レンチウイルス発現ベクター、核酸発現ベクター、およびプラスミド発現ベクターを含む。ある場合には、該発現ベクターは、細胞のゲノム内に統合される。他の場合には、発現ベクターは細胞中でエピソーム状態で存続する。
適切な発現ベクターは、限定されるものではないが以下のものを含む:ウイルスベクター(例えば、ワクシニアウイルスに基づくウイルスベクター;ポリオウイルス;アデノウイルス(例えば、Li et al.、Invest Opthalmol V is Sci 35:2543 2549、1994;Borras et al.、Gene Ther 6:515 524、1999;Li and Davidson、PNAS 92:7700 7704、1995;Sakamoto et al.、H Gene Ther 5:1088 1097、1999;WO 94/12649、WO 93/03769;WO 93/19191;WO 94/28938;WO 95/11984およびWO 95/00655参照);アデノ関連ウイルス(例えば、Ali et al.、Hum Gene Ther 9:8186、1998、Flannery et al.、PNAS 94:6916 6921、1997;Bennett et al.、Invest Opthalmol V is Sci 38:2857 2863、1997;Jomary et al.、Gene Ther 4:683 690、1997、Rolling et al.、Hum Gene Ther 10:641 648、1999;Ali et al.、Hum Mol Genet. 5:591 594、1996;Srivastava in WO 93/09239、Samulski et al.、J. Vir.(1989)63:3822-3828;Mendelson et al.、Virol.(1988)166:154-165;およびFlotte et al.、PNAS(1993)90:10613-10617参照);SV40;ヘルペスシンプレックスウイルス;ヒト免疫不全ウイルス(例えば、Miyoshi et al.、PNAS 94:10319 23、1997;Takahashi et al.、J Virol 73:7812 7816、1999参照);レトロウイルスベクター(例えば、ネズミ白血病ウイルス、脾臓壊死ウイルス、およびラウス肉腫ウイルス、ハーベイウイルス、トリ白血病ウイルス、レンチウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、骨髄増殖性肉腫ウイルス、および乳腺腫瘍ウイルスなどのレトロウイルス由来ベクター)など。
本発明は、LSD(例えば、LSD1またはLSD2)の酵素活性を減少させる小分子薬剤も予期する。
本発明に用いるのに適したLSD1の酵素活性を減少させる小分子薬剤は、LSD1酵素活性も阻害するモノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害剤;LSD1酵素活性を阻害するポリアミン化合物;LSD1酵素活性を阻害するフェニルシクロプロピルアミン誘導体などを含む。
MAO阻害剤の非限定的例は、MAO-A-選択的阻害剤、MAO-B-選択的阻害剤、およびMAO 非選択的阻害剤を含む。阻害剤の実例は、5-ヒドロキシトリプタミン(セロトニン)(5-HT)およびノルエピネフリン(NE)を選択的に脱アミノ化するMAO-Aアイソフォーム、および/またはフェニルエチルアミン(PEA)およびベンジルアミンを選択的に脱アミノ化するMAO-Bアイソフォームの報告された阻害剤(MAO-AおよびMAO-Bは共にドーパミン(DA)を代謝する)を含む。種々の態様において、MAO阻害剤は、不可逆的または可逆的(例えばMAO-Aの可逆的阻害剤(RIMA))であり得、MAO-Aおよび/またはMAO-B(例えば、非選択的二重阻害剤またはアイソフォーム-選択的阻害剤)に対する異なる有効性を持ちうる。
ある態様において、MAO阻害剤は以下から選ばれる:クロルギリン;L-デプレニル;イソカルボキサジド(Marplan(登録商標));アヤフアスカ;ニアラミド;イプロニアジド;イプロクロジド;モクロベミド(Aurorix(登録商標);4-クロロ-N-(2-モルホリン-4-イルエチル)ベンズアミド);フェネルジン(Nardil(登録商標);(±)-2-フェニルエチルヒドラジン);トラニルシプロミン(Parnate(登録商標);(±)-trans-2-フェニルシクロプロパン-1-アミン)(フェネルジンの同属);トロキサトン;レボデプレニル(Selegiline(登録商標));ハルマラ;RIMA(例えば、Da Prada et al.(1989. J Pharmacol Exp Ther 248:400-414)記載のモクロベミド;ブロファロミン;およびCuret et al.(1998. J Affect Disord 51:287-30)記載のベフロキサトン;Ann. Neurol.、40(1):99-107(1996)記載のラザベミド(Ro 19 6327)、およびAubin et al.(2004. J. Pharmacol. Exp. Ther. 310:1171-1182)記載のSL25.1131;塩酸セレギリン(1-デプレニル、ELDEPRYL、ZELAPAR);ジメチルセレギレン;サフィナミド;ラザギリン(AZILECT);ビフェメラン;デソキシペガニン;ハルミン(テレパチンまたはバナステリンとしても知られる);リネゾリド(ZYVOX、ZYVOXID);パルギリン(EUDATIN、SUPIRDYL);ジエノリドカバピロンデスメトキシヤンゴニン;5-(4-アリールメトキシフェニル)-2-(2-シアノエチル)テトラゾールなど。
小分子LSD1阻害剤は、Woster et al.のU.S.公開公報No. 2007/0208082(この内容は本明細書の一部を構成する)に記載のポリアミン化合物から選ぶこともできる。LSD1の実例となるポリアミン阻害剤は以下のものを含む:式(I):
(I)
の化合物、
またはその塩、溶媒和物、または水和物
[式中、nは1〜12の整数である;mおよびpは独立して1〜5の整数である;qは0または1である;各R1は独立してC1-C8アルキル、C4-C15シクロアルキル、C3-C15分岐鎖アルキル、C6-C20アリール、C6-C20ヘテロアリール、C7-C24アラルキル、C7-C24ヘテロアラルキル、および
からなる群から選ばれる;
ここで、R3はC1-C8アルキル、C4-C15シクロアルキル、C3-C15分岐鎖アルキル、C6-C20アリール、C6-C20ヘテロアリール、C7-C24アラルキル、およびC7-C24ヘテロアラルキルからなる群から選ばれる;
各R2は独立して水素またはC1-C8アルキルから選ばれる。]。
適切なポリアミン化合物は、式(I)の化合物である(ここで、R1の1または両方がC6-C20アリール、例えば単環アリール(限定されるものではないがフェニルを含む))。ある態様において、該化合物は、R1がフェニルである式(I)の化合物である。ある態様において、qがlであり、mおよびpが3であり、nが4である。別の態様において、qがlであり、mおよびpが3であり、nが7である。
適切なポリアミン化合物は、R1の少なくとも1または両方がC8-C12またはC1-C8アルキル(例えば、直鎖アルキル)である式(I)の化合物である。R1の1または両方がC1-C8直鎖アルキル、例えば、メチルまたはエチルでありうる。ある態様において、各R1はメチルである。1または両R1がC4-C15シクロアルキル基、例えば直鎖アルキル基を含むシクロアルキル基(ここで、シクロアルキル基はそのアルキルまたはシクロアルキル部分を介して該分子と結合している)を含むかまたはである。例えば、1または両R1はシクロプロピルメチルまたはシクロヘキシルメチルでありうる。ある態様において、1のR1がシクロプロピルメチルまたはシクロヘキシルメチルであり、他のR1が直鎖アルキル基、例えば、直鎖C1-C8非置換アルキル基(限定されるものではないがエチル基を含む)である。ある態様において、R1はC3-C15分岐鎖アルキル基、例えばイソプロピルである。R1がC1-C8置換アルキルであるときは、置換アルキルは、第1級、第2級、第3級、または第4級アミンを含むあらゆる置換基で置換されうる。したがって、ある態様において、R1は、R1が例えば、アルキル-NH2、またはアルキル-アミン-アルキル部分、例えば、-(CH2)yNH(CH2)zCH3(ここで、yおよびzは独立して1〜8の整数である)であるようにアミンで置換されたC1-C8アルキル基である。ある態様において、R1は-(CH2)3NH2である。
ある態様において、該化合物は1または両R1がC7-C24置換または非置換アラルキルである式(I)の化合物である(ある態様において、そのアルキル部分(例えば、ベンジル)を介して該分子と結合したアラルキルである)。ある態様において、両R1はアラルキル部分(ここで、該部分のアルキル部分は、2アリール基で置換されており、該部分はそのアルキル基を介して該分子と結合している)である。例えば、ある態様において、1または両R1がC7-C24アラルキル(ここで、アルキル部分は2フェニル基で置換されている)であり、例えば、R1は2,2-ジフェニルエチルまたは2,2-ジベンジルエチルである。ある態様において、式(I)の両R1は2,2-ジフェニルエチルであり、nは1、2、または5である。ある態様において、式(I)の各R1は2,2-ジフェニルエチルであり、nは1、2、または5であり、mおよびpはそれぞれ1である。
ある態様において、少なくとも1のR1が水素である。1のR1が水素である場合は、他のR1はアリール基、例えばベンジルを含むR1の上記のあらゆる部分でありうる。上記式(I)のいずれかの化合物が、少なくとも1または両R2が水素またはC1-C8置換または非置換アルキルである化合物を含む。ある態様において、各R2は非置換アルキル、例えばメチルである。別の態様において、各R2は水素である。上記式(I)のいずれかの化合物はqが1であり、mおよびpが同じである化合物でありうる。したがって、式(I)のポリアミノグアニジンは、ポリアミノグアニジンコア(例えばR1を除く)に関して対称でありうる。あるいはまた、式(I)の化合物は、例えばqが0である場合に非対称でありうる。ある態様において、mおよびpは1である。ある態様において、qは0である。ある態様において、nは1〜5の整数である。
ある態様において、該化合物は、ポリアミノビグアニドまたはN-アルキル化ポリアミノビグアニドである。N-アルキル化ポリアミノビグアニドは、少なくとも1のビグアニドの少なくとも1のイミン窒素がアルキル化されているポリアミノビグアニドを意図する。ある態様において、該化合物は、式(I)のポリアミノビグアニド、またはその塩、溶媒和物、または水和物(ここで、qは1であり、少なくとも1または両R1が構造:
である
(ここで、各R3は独立してC1-C8アルキル、C6-C20アリール、C6-C20ヘテロアリール、C7-C24アラルキル、およびC7-C24ヘテロアラルキルからなる群から選ばれ;各R2は独立して水素またはC1-C8アルキルである。)。
ある態様では、ポリアミノビグアニド化合物中、少なくとも1または各R3はC1-C8アルキルである。例えば、R3がC1-C8アルキルである場合は、該アルキルは第1級、第2級、第3級、または第4級アミンを含むあらゆる置換基で置換されうる。したがって、ある態様において、R3は、R3が、例えば、アルキル-NH2、またはアルキル-アミン-アルキル部分、例えば、-(CH2)yNH(CH2)zCH3(ここで、yおよびzは独立して1〜8の整数である)であるようにアミンで置換されたC1-C8アルキル基である。ある態様において、R3は-(CH2)3NH2である。また、R3はC4-C15シクロアルキルまたはC3-C15分岐鎖アルキルでありうる。ある態様において、少なくとも1または各R3はC6-C20アリールである。ある態様において、qはlであり、mおよびpは3であり、nは4である。別の態様において、qはlであり、mおよびpは3であり、nは7である。
ある態様において、該化合物は、少なくとも1のR3がC7-C24アラルキルである(ある態様において、そのアルキル部分を介して該分子と結合したアラルキルである)式(I)のポリアミノビグアニドである。ある態様において、各R3はアラルキル部分である(ここで、該部分のアルキル部分は1または2アリール基で置換されており、該部分はそのアルキル部分を介して該分子と結合している)。例えば、ある態様において、少なくとも1または各R3は、例えばR3が2,2-ジフェニルエチルまたは2,2-ジベンジルエチルであるようにアルキル部分が2フェニルまたはベンジル基であるアラルキルである。ある態様において、各R3は2,2-ジフェニルエチルであり、nは1、2、または5である。ある態様において、各R3は2,2-ジフェニルエチルであり、nは1、2、または5であり、mおよびpはそれぞれ1である。
上記式(I)のいずれかのポリアミノビグアニドは、少なくとも1または両R2が水素またはC1-C8アルキルである化合物を含む。ある態様において、各R2が非置換アルキル、例えばメチルである。別の態様において、各R2が水素である。
上記式(I)のいずれかのポリアミノビグアニド化合物は、qが1であり、mおよびpが同じである化合物を含む。したがって、式(I)のポリアミノビグアニドは、ポリアミノビグアニドコアに関して対称でありうる。あるいはまた、式(I)の化合物は非対称でありうる。ある態様において、mおよびpは1である。ある態様において、qは0である。ある態様において、nは1〜5の整数である。ある態様において、q、m、およびpはそれぞれ1であり、nは1、2、または5である。
式(I)について記載の各R1、R2、R3、m、n、pおよびqは、R1、R2、R3、m、n、pおよびqの各およびすべての組み合わせを具体的に個々に記載しているのと同じそのすべての組み合わせを意図し、含むことをこの開示により理解し、明確に知らせる。
式(I)の代表的な化合物は、例えば
を含む。
ある態様において、ポリアミン化合物は、式(II):
(II)
で示される構造で示され、
またはその塩、溶媒和物、または水和物である。
(ここで、nは1、2、または3である;
各Lは、独立して長さ約2〜14炭素、例えば、長さ約2、3、4、5、6、8、10、12、または14炭素原子のリンカーであって、リンカー骨格原子が飽和または不飽和であり得、通常1、2、3、または4以下の不飽和原子がテザー骨格に存在し、各骨格原子が置換または非置換(例えばC1-C8アルキルで)であり得、リンカー骨格が環式基(例えば、該間の3原子が該骨格に含まれるシクロヘキサ-1,3-ジイル基)を含むことがあり;
各R12は、独立して水素およびC1-C8アルキルから選ばれ;および
各R11は、独立して以下から選ばれる:水素、C2-C8アルケニル、C1-C8アルキル、またはC3-C8分岐鎖アルキル(例えば、メチル、エチル、tert-ブチル、イソプロピル、ペンチル、シクロブチル、シクロプロピルメチル、3-メチルブチル、2-エチルブチル、5-NH2-ペンタ-1-イル、プロピル-1-イルメチル(フェニル)ホスフィネート、ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプチル)エチル、2-(デカヒドロナフチル)エチルなど)、C6-C20アリールまたはヘテロアリール、C1-C24アラルキルまたはヘテロアラルキル(2-フェニルベンジル、4-フェニルベンジル、2-ベンジルベンジル、3-ベンジルベンジル、3,3-ジフェニルプロピル、3-(ベンゾイミダゾリル)-プロピル、4-イソプロピルベンジル、4-フルオロベンジル、4-tert-ブチルベンジル、3-イミダゾリル-プロピル、2-フェニルエチルなど)、-C(=O)-C1-C8アルキル、-C(=O)-C1-C8アルケニル、-C(=O)-C1-C8アルキニル、アミノ置換シクロアルキル(例えば、第1級、第2級、第3級、または第4級アミンで置換されたシクロアルキル基、例えば、5-NH2-シクロヘプチル、3-NH2-シクロペンチルなど)、およびC2-C8アルカノイル(例えば、メチルおよびアルキルアジド基で置換されたアルカノイル)。
ある態様において、各Lは、独立して以下から選ばれる:-CHR13-(CH2)m-、-CHR13-(CH2)n-CHR13-、-(CH2)mCHR13-、-CH2-A-CH2-および-(CH2)p-
[式中、
mは1〜5の整数である;
Aは、(CH2)m、エタン-1,1-ジイル、またはシクロヘキサ-1,3-ジイルである;
pは2〜14の整数、例えば、1、2、3、4、または5である;
nは1〜12の整数である;および
R13はC1-C8アルキルである。
式(II)に関して置換アラルキルまたはヘテロアラルキルは、アリールまたはヘテロアリール基で置換されたアルカノイル部分、すなわち、-C(=O)-アリール、-C(=O)-アラルキル、-C(=O)-ヘテロアリール、および-C(=O)-ヘテロアラルキルを意図し、含む。ある態様において、アラルキルまたはヘテロアラルキル部分のアルキル部分は、そのアルキル部分を介して該分子と結合している。例えば、少なくとも1または両R11は、アラルキル部分、例えば、2-フェニルベンジル、4-フェニルベンジル、3,3、-ジフェニルプロピル、2-(2-フェニルエチル)ベンジル、2-メチル-3-フェニルベンジル、2-ナプチルエチル、4-(ピレニル)ブチル、2-(3-メチルナプチル)エチル、2-(1,2-ジヒドロアセナフタ-4-イル)エチルなどでありうる。別の態様において、少なくとも1または両R11は、ヘテロアラルキル部分、例えば、3-(ベンゾイミダゾリル)プロパノイル、1-(ベンゾイミダゾリル)メタノイル、2-(ベンゾイミダゾリル)エタノイル、2-(ベンゾイミダゾリル)エチルなどでありうる。
ある態様において、式(II)の化合物は、以下からなる群から選ばれる少なくとも1の部分を含む:t-ブチル、イソプロピル、2-エチルブチル、1-メチルプロピル、1-メチルブチル、3-ブテニル、イソペンタ-2-エニル、2-メチルプロパン-3-オールイル、エチルチイル、フェニルチイル、プロピノイル、1-メチル-1H-ピロール-2-イル;トリフルオロメチル、シクロプロパンカルバルデヒド、ハロ置換フェニル、ニトロ置換フェニル、アルキル置換フェニル、2,4,6-トリメチルベンジル、ハロ-5置換フェニル、例えばパラ-(F3S)-フェニル、アジド、および2-メチルブチル。
ある態様において、式(II)中の各R11は、独立して水素、n-ブチル、エチル、シクロヘキシルメチル、シクロペンチルメチル、シクロプロピルメチル、シクロヘプチルメチル、シクロヘキシルエタ-2-イル、およびベンジルから選ばれる。
ある態様において、ポリアミン化合物は、nが3である式(II)の構造を有し、式(III):
(III)
記載の構造を有する化合物である
[式中、L1、L2、およびL3は独立して-CHR13-(CH2)m-、-CHR13-(CH2)n-CHR13-、-(CH2)m-CHR13-、-CH2-A-CH2-および-(CH2)p-から選ばれる、
m、A、p、n、およびR13は前記と同意義である。]。
ある態様において、ポリアミン化合物は、L1が-CHR13-(CH2)m-でありL2が-CHR13-(CH2)n-CHR13-であり、L3が-(CH2)m-CHR13-であり、R11、R12、R13、mおよびnが善意と同意義である、式(III)の構造を有する。
ある態様において、ポリアミン化合物は、L1、L2およびL3が独立して-CH2-A-CH2-であり、R12が水素であり、R11およびAが前記と同意義である、式(III)の構造を有する。特定の態様において、AおよびR11の少なくとも1がアルケニル部分を含む。
ある態様において、ポリアミン化合物は、L1、L2およびL3が独立して-(CH2)p-(ここで、pは前記と同意義である)であり、R12が水素である式(III)の構造を有する。特定の態様において、L1およびL3についてpは3〜7の整数であり、L3についてpは3〜14の整数である。
ある態様において、ポリアミン化合物は、L1およびL3が独立して-(CH2)p-であり;L2が-CH2-A-CH2-であり;R12が水素であり;R12、pおよびAが前記と同意義である式(III)の構造を有する。特定の態様において、L1およびL3についてpは2〜6の整数であり、L3についてAは(CH2)x(ここで、xは1〜5の整数である)またはシクロヘキサ-1,3-ジイルである。
ある態様において、ポリアミン化合物はnが2である式(II)の構造を有し、式(IV):
(IV)
の構造を有する
[式中、L1およびL2は、独立して-CHR13-(CH2)m-CHR13-(CH2)n-CHR13-、-(CH2)n、CHR13-、-CH2-A-CH2-、および-(CH2)p-から選ばれ、
m、A、p、n、およびR13は前記と同意義である。]。
ある態様において、ポリアミン化合物は、L1が-(CH2)p-であり、L2が-(CH2)m-CHR13-であり、R13、m、およびpが前記と同意義である式(IV)の構造を有する。特定の態様において、L1についてpは3〜10の整数であり、L2についてnは2〜9の整数である。
ある態様において、ポリアミン化合物は、L1およびL2が-(CH2)p-であり;pが前記と同意義である式(IV)の構造を有する。特定の態様において、pは3〜7の整数である。
ある態様において、ポリアミン化合物は、nが1である式(II)の構造を有し、式(V):
(V)
の構造を有する
[式中、L1は-(CH2)p-であり、pは前記と同意義である。]。特定の態様において、pは2〜6の整数である。
特定の態様において、式(V)中の1のR11は、アミノ置換シクロアルキル(例えば、第1級、第2級、第3級、または第4級アミンで置換されたシクロアルキル基)、またはC2-C8アルカノイル(アルカノイルが1またはそれ以上の置換基、例えば、メチルまたはアルキルアジド基で置換されうる);および他のR11がC1-C8アルキルまたはC7-C24アラルキルである。
式(II)の代表的な化合物は、例えば
を含む。
阻害剤であるフェニルシクロプロピルアミン誘導体は、下記式(VI):
(VI)
[式中、
R1〜R5はそれぞれ独立してH、ハロ、アルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、-L-アリール、-L-ヘテロサイクリル、-L-カルボサイクリル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アルキニル、アミノ、アルキルアミノ、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールアルコキシ、アリールオキシ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、シアノ、シアナト、ハロアリール、ヒドロキシル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルコキシ、イソシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、スルフィニル、スルホニル、スルホンアミド、チオカルボニル、チオシアナト、トリハロメタンスルホンアミド、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、およびC-アミドから選ばれる;
R6はHまたはアルキルである;
R7はH、アルキル、またはシクロアルキルである;
R8は、-L-ヘテロサイクリルの環または環系が、ハロ、アルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、-L-アリール、-L-ヘテロサイクリル、-L-カルボサイクリル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アルキニル、アミノ、アルキルアミノ、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールアルコキシ、アリールオキシ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、シアノ、シアナト、ハロアリール、ヒドロキシル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルコキシ、イソシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、スルフィニル、スルホニル、スルホンアミド、チオカルボニル、チオシアナト、トリハロメタンスルホンアミド、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、およびC-アミドから選ばれる0〜3の置換基を有する-L-ヘテロサイクリルであるか;または
R8は、-L-アリールの環または環系がハロ、アルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、-L-アリール、-L-ヘテロサイクリル、-L-カルボサイクリル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アルキニル、アミノ、アルキルアミノ、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールアルコキシ、アリールオキシ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、シアノ、シアナト、ハロアリール、ヒドロキシル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルコキシ、イソシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、スルフィニル、スルホニル、スルホンアミド、チオカルボニル、チオシアナト、トリハロメタンスルホンアミド、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、およびC-アミドから選ばれる1〜3の置換基を有する;-L-アリールである;
各Lは、独立して-(CH2)n-(CH2)n-、-(CH2)nNH(CH2)n-、-(CH2)nO(CH2)n-、および-(CH2)nS(CH2)n-から選ばれる(ここで、各nは独立して0、1、2、および3から選ばれる)]
で示される化合物、またはその医薬的に許容される塩を含む。
ある場合には、Lは共有結合である。ある場合は、R6およびR7はヒドロである。ある場合は、R1〜R5の1が-L-アリール、-L-ヘテロサイクリル、および-L-カルボサイクリルから選ばれる。
式VIの化合物のある態様において、R8環または環系上の置換基(単数または複数)は、ヒドロキシル、ハロ、アルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、-N(C1-3アルキル)2、-NH(C1-3アルキル)、-C(=O)NH2、-C(=O)NH(C1-3アルキル)、-C(=O)N(C1-3アルキル)2、-S(=O)2(C1-3アルキル)、-S(=O)2NH2、-S(O)2NH2、-S(O)2N(C1-3アルキル)2、-S(=O)2NH(C1-3アルキル)、-CN、-NH2、および-NO2から選ばれる。
ある態様において、本発明の化合物は、式(VI)の化合物であって、
各R1〜R5が、所望により置換され、独立して-H、ハロ、アルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、-L-アリール、-L-ヘテロアリール、-L-ヘテロサイクリル、-L-カルボサイクリル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アルキニル、アミノ、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールアルコキシ、アリールオキシ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、シアノ、シアナト、ハロアリール、ヒドロキシル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルコキシ、イソシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、スルフィニル、スルホニル、スルホンアミド、チオカルボニル、チオシアナト、トリハロメタンスルホンアミド、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、およびC-アミドから選ばれ;
R6が-Hおよびアルキルから選ばれ;
R7が-H、アルキル、およびシクロアルキルから選ばれ;
R8が-C(=O)NRxRyおよび-C(=O)Rzから選ばれ;
Rxが存在するときは、-H、アルキル、アルキニル、アルケニル、-L-カルボサイクリル、-L-アリール、および-L-ヘテロサイクリル(そのすべてが所望により置換されている(-Hを除く))から選ばれ;
Ryが存在するときは、-H、アルキル、アルキニル、アルケニル、-L-カルボサイクリル、-L-アリール、および-L-ヘテロサイクリル(そのすべてが所望により置換されている(-Hを除く))から選ばれ、RxおよびRyは環状に結合しうる;
Rzが存在するときは、-H、アルコキシ、-L-カルボサイクリル、-L-ヘテロサイクリル、-L-アリールから選ばれ、アリール、ヘテロサイクリル、またはカルボサイクリルは所望により置換され;各Lは式Iの主骨格とカルボサイクリル、ヘテロサイクリル、またはアリール基を結合するリンカーであり、リンカー-L-の炭化水素部分は飽和、部分飽和、または不飽和であり、独立して-(CH2)n-(CH2)n-、-(CH2)nC(=O)(CH2)-、-(CH2)nC(=O)NH(CH2)n-、-(CH2)nNHC(O)O(CH2)n-、-(CH2)nNHC(=O)NH(CH2)n-、-(CH2)nNHC(=S)S(CH2)n-、-(CH2)nOC(=O)S(CH2)n-、-(CH2)nNH(CH2)n-、-(CH2)n-O-(CH2)n-、-(CH2)nS(CH2)n-、および-(CH2)nNHC(=S)NH(CH2)n-の式を有する飽和親基から選ばれる(ここで、各nは独立して0、1、2、3、4、5、6、7、および8から選ばれる)化合物である。この態様では、所望により置換されたは、独立してアシルアミノ、アシルオキシ、アルケニル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキル、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アルキニル、アミノ、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールアルコキシ、アリールオキシ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、カルボサイクリル、シアノ、シアナト、ハロ、ハロアルキル、ハロアリール、ヒドロキシル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロサイクリル、ヘテロアリールアルコキシ、イソシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、スルフィニル、スルホニル、スルホンアミド、チオカルボニル、チオシアナト、トリハロメタンスルホンアミド、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、およびC-アミドから選ばれる0または1〜4の所望の置換基を表す。この態様のより具体的な局面では、所望の置換基は、ハロ、アルキル、アリール、およびアリールアルキルから選ばれる1または2の所望の置換基である。
ある態様において、式(VI)中のR8は、該化合物が下記構造を有するような-CORzである:
(VI)
[式中、R1〜R7は前記と同意義であり、Rzは、独立してアシルアミノ、アシルオキシ、アルケニル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキル、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アルキニル、アミノ、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールアルコキシ、アリールオキシ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、カルボサイクリル、シアノ、シアナト、ハロ、ハロアルキル、ハロアリール、ヒドロキシル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロサイクリル、ヘテロアリールアルコキシ、イソシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、スルフィニル、スルホニル、スルホンアミド、チオカルボニル、チオシアナト、トリハロメタンスルホンアミド、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、およびC-アミドから選ばれる1〜4の所望の置換基で所望により置換された-L-ヘテロサイクリルであり、該-L-は、独立して-(CH2)n-(CH2)n-、-(CH2)nNH(CH2)n-、-(CH2)n-O-(CH2)n-、および-(CH2)nS(CH2)n-(ここで、各nは独立して0、1、2、および3から選ばれる)から選ばれる。]
この態様の特定の局面において、各Lは、独立して-(CH2)n-(CH2)n-および-(CH2)n-O-(CH2)n(ここで各nは、独立して0、1、2、および3から選ばれる)から選ばれる。この態様のより特定の局面において、各Lは、結合、-CH2-、-CH2CH2-、-OCH2-、-OCH2CH2-、-CH2OCH2-、-CH2CH2CH2-、-OCH2CH2CH2-、および-CH2OCH2CH2-から選ばれる。さらにより特定の局面において、各Lは、結合、-CH2-、-CH2CH2-、OCH2-、および-CH2CH2CH2-から選ばれる。さらにより特定の局面において、Lは結合および-CH2-から選ばれる。
式VIの典型的な化合物は、
を含む。
式VIの典型的な化合物は以下から選ばれる:N-シクロプロピル-2-{[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]アミノ}アセトアミド;2-{[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]アミノ アセトアミド;N-シクロプロピル-2-{[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]アミノ}プロパンアミド;2-{[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]アミノ}-N-プロパ-2-イニルアセトアミド;N-イソプロピル-2-{[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]アミノ}アセトアミド;N-(tert-ブチル)-2-{[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]アミノ}アセトアミド;N-(2-モルホリン-4-イル-2-オキソエチル)-N-[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]アミン;2-{[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]アミノ}プロパンアミド;メチル 2-{[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]アミノ}プロパノエート;N-シクロプロピル-2-{メチル[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]アミノ}アセトアミド;2-{メチル[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]アミノ}アセトアミド;N-メチル-trans-2-(フェニルシクロプロピルアミノ)プロパンアミド;1-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-((trans)-2-フェニルシクロプロピルアミノ)エタノン;1-(4-エチルピペラジン-1-イル)-2-((trans)-2-フェニルシクロプロピルアミノ)エタノン;1-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-2-((trans)-2-フェニルシクロプロピルアミノ)-エタノン;2-((trans)-2-フェニルシクロプロピルアミノ)-1-(4-フェニルピペラジン-1-イル)エタノン;2-((trans)-2-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)シクロプロピルアミノ)-1-(4-メチルピペラジン-1-イル)エタノン;2-((trans)-2-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)シクロプロピルアミノ)-N-シクロプロピルアセトアミド;2-((trans)-2-(4-(3-フルオロベンジルオキシ)フェニル)シクロプロピルアミノ)-1-(4- -メチルピペラジン-1-イル)エタノン;2-((trans)-2-(4-(3-クロロベンジルオキシ)フェニル)シクロプロピルアミノ)-1-(4-メチルピペラジン-1-イル)エタノン;2-((trans)-2-(ビフェニル-4-イル)シクロプロピルアミノ)-1-(4-メチルピペラジン-1-イル)エタノン;1-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-((trans)-2-(4-フェネトキシフェニル)シクロプロピルアミノ)エタノン;2-((trans)-2-(4-(4-フルオロベンジルオキシ)フェニル)シクロプロピルアミノ)-1-(4-メチルピペラジン-1-イル)エタノン;2-((trans)-2-(4-(ビフェニル-4-イルメトキシ)フェニル)シクロプロピルアミノ)-1-(4-メチルピペラジン-1-イル)エタノン;(trans)-N-(4-フルオロベンジル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-(4-フルオロベンジル)-2-フェニルシクロプロパンアミニウム(aminiurn);4-(((trans)-2-フェニルシクロプロピルアミノ)メチル)ベンゾニトリル;(trans)-N-(4-シアノベンジル)-2-フェニルシクロプロパンアミニウム;(trans)-2-フェニル-N-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)シクロプロパンアミン;(trans)-2-フェニル-N-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)シクロプロパンアミニウム;(trans)-2-フェニル-N-(ピリジン-2-イルメチル)シクロプロパンアミン;(trans)-2-フェニル-N-(ピリジン-3-イルメチル)シクロプロパンアミン;(trans)-2-フェニル-N-(ピリジン-4-イルメチル)シクロプロパンアミン;(trans)-N-((6-メチルピリジン-2-イル)メチル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-2-フェニル-N-(チアゾール-2-イルメチル)シクロプロパンアミン;(trans)-2-フェニル-N-(チオフェン-2-イルメチル)シクロプロパンアミン;(trans)-N-((3-ブロモチオフェン-2-イル)メチル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-((4-ブロモチオフェン-2-イル)メチル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-(3,4-ジクロロベンジル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-(3-フルオロベンジル)-2-フェニルシクロプロパンアミニウム;(trans)-N-(2-フルオロベンジル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-2-フェニル-N-(キノリン-4-イルメチル)シクロプロパンアライン;(trans)-N-(3-メトキシベンジル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-2-フェニル-N-((6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)メチル)シクロプロパンアミン;(trans)-N-((6-クロロピリジン-3-イル)メチル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-((4-メチルピリジン-2-イル)メチル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-((6-メトキシピリジン-2-イル)メチル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;2-(((trans)-2-フェニルシクロプロピルアミノ)メチル)ピリジン-3-オール;(trans)-N-((6-ブロモピリジン-2-イル)メチル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;4-(((trans)-2-(4(ベンジルオキシ)フェニル)シクロプロピルアミノ)メチル)ベンゾニトリル;(trans)-N-(4-(ベンジルオキシ)ベンジル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-ベンジル-2-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)シクロプロパンアミン;(trans)-2-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)-N-(4-メトキシベンジル)シクロプロパンアミン;(trans)-2-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)-N-(4-フルオロベンジル)シクロプロパンアミン- ;(trans)-2-フェニル-N-(キノリン-2-イルメチル)シクロプロパンアミン;(trans)-2-フェニル-N-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)メチル)シクロプロパンアミン;(trans)-N-((3-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-2-フェニル-N-(キノリン-3-イルメチル)シクロプロパンアミン;(trans)-N-((6-メトキシピリジン-3-イル)メチル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-((5-メトキシピリジン-3-イル)メチル)-2-フェニルシクロプロパンアミン- ;(trans)-N-((2-メトキシピリジン-3-イル)メチル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-((3H-インドール-3-イル)メチル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;3-(((trans)-2-フェニルシクロプロピルアミノ)メチル)ベンゾニトリル;(trans)-N-(2-メトキシベンジル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;3-(((trans)-2-フェニルシクロプロピルアミノ)メチル)ピリジン-2-アミン;(trans)-N-((2-クロロピリジン-3-イル)メチル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-(3,4-ジメトキシベンジル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-((2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)メチル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イルメチル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-((2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-6-イル)メチル)-2-フェニル-シクロプロパンアミン;(trans)-N-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシベンジル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-2-フェニル-N-(4-(トリフルオロメトキシ)ベンジル)シクロプロパンアミン;(trans)-N-(5-フルオロ-2-メトキシベンジル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-(2-フルオロ-4-メトキシベンジル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-((4-メトキシナフタレン-1-イル)メチル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-(2-フルオロ-6-メトキシベンジル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-((2-メトキシナフタレン-1-イル)メチル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-((4,7-ジメトキシナフタレン-1-イル)メチル)-2-フェニルシクロプロパンアミン- ;(trans)-N-(4-メトキシ-3-メチルベンジル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-(3-クロロ-4-メトキシベンジル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-(3-フルオロ-4-メトキシベンジル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-(4-メトキシ-2-メチルベンジル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-((3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン-6-イル)メチル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-((3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン-7-イル)メチル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-((2,2-ジメチルクロマン-6-イル)メチル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-(4-メトキシ-2,3-ジメチルベンジル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-(4-メトキシ-2,5-ジメチルベンジル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-(2-フルオロ-4,5-ジメトキシベンジル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-(3-クロロ-4,5-ジメトキシベンジル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-(2-クロロ-3,4-ジメトキシベンジル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-(2,4-ジメトキシ-6-メチルベンジル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-(2,5-ジメトキシベンジル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-(2,3-ジメトキシベンジル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-(2-クロロ-3-メトキシベンジル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-((1H-インドール-5-イル)メチル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-2-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)-N-(ピリジン-2-イルメチル)シクロプロパンアミン;(trans)-2-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)-N-(2-メトキシベンジル)シクロプロパンアミン;(trans)-N-(1-(4-メトキシフェニル)エチル)-2-フェニルシクロプロパンアライン;(trans)-N-(1-(3,4-ジメトキシフェニル)エチル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-(1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-6-イル)エチル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-(1-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)エチル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;(trans)-N-(1-(3,4-ジメトキシフェニル)プロパン-2-イル)-2-フェニルシクロプロパン-アミン;(trans)-N-((3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)メチル)-2-フェニルシクロプロパンアミン;
およびその医薬的に許容される塩。
別の小分子LSD阻害剤化合物は、例えば、WO2010/043721(PCT/EP2009/063685)、WO2010/084160(PCT/EP2010/050697)、PCT/EP2010/055131;PCT/EP2010/055103;およびEP出願番号EP10171345(これらすべての内容は本願の開示と矛盾しない範囲で本明細書の一部を構成する)に記載の選択的LSD1およびLSD1/MAOB 二重阻害剤から選ばれうる。このタイプの代表的な化合物は、フェニルシクロプロピルアミン誘導体または同族体を含み、その実例は以下のものを含む:アミン基上に1または2の置換基を有するフェニルシクロプロピルアミン;アミン基上に0、1、または2の置換基およびフェニル基上に1、2、3、4、または5の置換基を有するフェニルシクロプロピルアミン;フェニル基上に1、2、3、4、または5の置換基を有するフェニルシクロプロピルアミン;アミン基上に0、1、または2の置換基を有するフェニルシクロプロピルアミン(ここで、PCPAのフェニル基は、アミン基上に0、1、または2の置換基を有するアリール-またはヘテロアリール-シクロプロピルアミンが得られるようアリールまたはヘテロサイクリルから選ばれる別の環系で置換(交換)される);フェニルシクロプロピルアミン(ここで、PCPAのフェニル基はアリール-またはヘテロサイクリル-シクロプロピルアミンが得られるようアリールまたはヘテロサイクリルから選ばれる別の環系で置換(交換)され、該アリールまたはヘテロサイクリル部分上の該アリール-またはヘテロサイクリル-シクロプロピルアミンはアミン基上に0、1、または2の置換基およびフェニル基上に1、2、3、4、または5の置換基を有する)I;フェニル基上に1、2、3、4、または5の置換基を有するフェニルシクロプロピルアミン;または上記フェニルシクロプロピルアミン類似体または誘導体のいずれか(ここで、シクロプロピルは、1、2、3、または4のさらなる置換基を有する)。適切には、ヘテロサイクリル基はヘテロアリールにおいてこの段落で上記されている。
フェニルシクロプロピルアミン誘導体または類似体の非限定的態様は、「シクロプロピルアミンアミド」誘導体および「シクロプロピルアミン」誘導体を含む。「シクロプロピルアミンアセトアミド」誘導体の特定の例は、限定されるものではないが以下のものを含む:N-シクロプロピル-2-{[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]アミノ}アセトアミド;2-{[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]アミノ}アセトアミド;N-シクロプロピル-2-{[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]アミノ}プロパンアミド;2-{[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]アミノ}-N-プロパ-2-イニルアセトアミド;N-イソプロピル-2-{[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]アミノ}アセトアミド;N-(tert-ブチル)-2-{[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]アミノ}アセトアミド;N-(2-モルホリン-4-イル-2-オキソエチル)-N-[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]アミン;2-{[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]アミノ}プロパンアミド;メチル 2-{[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]アミノ}プロパノエート;1-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-((trans)-2-フェニルシクロプロピルアミノ)エタノン;1-(4-エチルピペラジン-1-イル)-2-((trans)-2-フェニルシクロプロピルアミノ)エタノン;1-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-2-((trans)-2-フェニルシクロプロピルアミノ)エタノン;2-((trans)-2-フェニルシクロプロピルアミノ)-1-(4-フェニルピペラジン-1-イル)エタノン;2-((trans)-2-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)シクロプロピルアミノ)-1-(4-メチルピペラジン-1-イル)エタノン;2-((trans)-2-(1,1'-ビフェニル-4-イル)シクロプロピルアミノ)-1-(4-メチルピペラジン-1-yl)エタノン;2-((trans)-2-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)シクロプロピルアミノ)-N-シクロプロピルアセトアミド;2-((trans)-2-(4-(3-フルオロベンジルオキシ)フェニル)シクロプロピルアミノ)-1-(4- -メチルピペラジン-1-イル)エタノン;2-((trans)-2-(4-(4-フルオロベンジルオキシ)フェニル)シクロプロピルアミノ)-1-(4-メチルピペラジン-1-イル)エタノン;2-((trans)-2-(4-(3-クロロベンジルオキシ)フェニル)シクロプロピルアミノ)-1-(4-メチルピペラジン-1-イル)エタノン;1-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-((trans)-2-(4-フェネトキシフェニル)シクロプロピルアミノ)エタノン;2-((trans)-2-(ビフェニル-4-イル)シクロプロピルアミノ)-1-(4-メチルピペラジン-1-イル)エタノン;N-シクロプロピル-2-{[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]アミノ}アセトアミド;N-メチル-trans-2-(フェニルシクロプロピルアミノ)プロパンアミド;2-{メチル[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]アミノ}アセトアミド;N-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル]-N-[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]アミン;N-シクロプロピル-N'-[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]エタン-1,2-ジアミン;N,N-ジメチル-N'-(2-{[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]アミノ}エチル)エタン-1,2-ジアミン;(3R)-1-(2-{[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]アミノ}エチル)ピロリジン-3-アミン;(3S)-N,N-ジメチル-1-(2-{[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]アミノ}エチル)ピロリジン-3-アミン;(3R)-N,N-ジメチル-1-(2-{[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]アミノ}エチル)ピロリジン-3-アミン;N-[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]-N-(2-ピペラジン-1-イルエチル)アミン;N,N-ジエチル-N'-[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]エタン-1,2-ジアミン;N-[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]-N-(2-ピペリジン-1-イルエチル)アミン;(trans)-2-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)-N-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)シクロプロパンアミン;(trans)-N-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)-2-(3'-(トリフルオロメチル)ビフェニル-4-イル)シクロプロパンアミン;(trans)-2-(3'-クロロビフェニル-4-イル)-N-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)シクロプロパンアミン;(R)-1-(2-((trans)-2-(3'-(トリフルオロメチル)ビフェニル-4-イル)シクロプロピルアミノ)エチル)ピロリジン-3-アミン;and N1-シクロプロピル-N2-((trans)-2-(3'-(トリフルオロメチル)ビフェニル-4-イル- )シクロプロピル)エタン-1,2-ジアミン。
「シクロプロピルアミン」誘導体の特定の例は、限定されるものではないが以下のものを含む:N-4-フルオロベンジル-N-{(trans)-2-[4-(ベンジルオキシ)フェニル]シクロプロピル}アミン、N-4-メトキシベンジル-N-{(trans)-2-[4-(ベンジルオキシ)フェニル]シクロプロピル}アミン、N-ベンジル-N-{(trans)-2-[4-(ベンジルオキシ)フェニル]シクロプロピル}アミン、N-[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]アミノ-メチル)ピリジン-3-オール、N-[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]-N-(3-メチルピリジン-2-イルメチル)アミン、N-[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]-N-(4-クロロピリジン-3-イルメチル)アミン、N-[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]-N-(4-トリフルオロメチルピリジン-3-イル- メチル)アミン、N-(3-メトキシベンジル)-N-[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]アミン、N-[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]-N-(キノリン-4-イルメチル)アミン、N-(2-フルオロベンジル)-N-[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]アミン、N-(3-フルオロベンジル)-N-[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]アミン、N-[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]-N-(3,4-ジクロロ-1-フェニルメチル)アミン、N-[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]-N-(5-ブロモ-チオフェン-2-イルメチル)アミン、N-[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]-N-(3-ブロモ-チオフェン-2-イルメチル)-アミン、N-[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]-N-(チオフェン-2-イルメチル)アミン、N-[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]-N-(1,3-チアゾール-2-イルメチル)アミン、N-[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]-N-(3-メチル-ピリジン-2-イルメチル)アミン、N-[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]-N-(ピリジン-4-イルメチル)アミン、N-[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]-N-(ピリジン-3-イルメチル)アミン、N-[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]-N-(ピリジン-2-イルメチル)アミン、[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]-N-[4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミン、({[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]アミノ}メチル)ベンゾニトリル、N-(4-フルオロベンジル)-N-[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]アミン、N-[(trans)-2-フェニルシクロプロピル]-N-(3-ブロモ-ピリジン-2-イルメチル)アミン、N-4-シアノベンジル-N-{(trans)-2-[4-(ベンジルオキシ)フェニル]シクロプロピル}アミン、N-4-[(ベンジルオキシ)-ベンジル]-N-[(trans)-2-(4-フェニル)シクロプロピル]アミン;2-((trans)-2-(4-(4-シアノベンジルオキシ)フェニル)シクロプロピルアミノ)アセトアミド、2-((trans)-2-(4-(3-シアノベンジルオキシ)フェニル)シクロプロピルアミノ)アセトアミド、2-((trans)-2-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)シクロプロピルアミノ)アセトアミド、2-((trans)-2-(4-(4-フルオロベンジルオキシ)フェニル)シクロプロピルアミノ)アセトアミド、2-((trans)-2-(4-(3-フルオロベンジルオキシ)フェニル)シクロプロピルアミノ)アセトアミド、2-((trans)-2-(4-(3-クロロベンジルオキシ)フェニル)シクロプロピルアミノ)アセトアミド、2-((trans)-2-(4-(4-クロロベンジルオキシ)フェニル)シクロプロピルアミノ)アセトアミド、2-((trans)-2-(4-(3-ブロモベンジルオキシ)フェニル)シクロプロピルアミノ)アセトアミド、2-((trans)-2-(4-(3,5-ジフルオロベンジルオキシ)フェニル)シクロプロピルアミノ)アセトアミド、2-((trans)-2-(4-フェネトキシフェニル)シクロプロピルアミノ)アセトアミド、2-((trans)-2-(3'-(トリフルオロメチル)ビフェニル-4-イル)シクロプロピルアミノ)アセトアミド、および2-((trans)-2-(3'-クロロビフェニル-4-イル)シクロプロピルアミノ)アセトアミド。
LSD1阻害剤の他の例には、例えば、フェネルジン、またはパルギリン(プロパルギルアミン)、またはその誘導体または類似体がある。フェネルジンおよびパルギリン(プロパルギルアミン)の誘導体および類似体は、限定されるものではないが、親化合物のフェニル基がヘテロアリールで交換、または所望により環式基で置換されているか、または親化合物のフェニル基が所望により環式基で置換されている化合物を含む。ある局面において、フェネルジンまたはパルギリン誘導体、またはその類似体は、本明細書に記載の選択的LSD1または二重LSD1/MAOB阻害活性を有する。ある態様において、フェネルジン誘導体または類似体は、フェニル基上に1、2、3、4、または5の置換基を有する。ある局面において、フェネルジン誘導体または類似体は、アリールまたはヘテロサイクリル基で置換(と交換)されたフェニル基を有し、該アリールまたはヘテロサイクリル基は0、1、2、3、4、または5の置換基を有する。ある局面において、パルギリン誘導体または類似体は、フェニル基上に1、2、3、4、または5の置換基を有する。ある局面において、パルギリン誘導体または類似体は、アリールまたはヘテロサイクリル基で置換(と交換)されたフェニル基を有し、該アリールまたはヘテロサイクリル基は0、1、2、3、4、または5の置換基を有する。そのような化合物の製造方法は当業者に知られている。
本発明は、例えば、Binda et al.(2010. J. Am. Chem. Soc. 132:6827-6833(この内容は本明細書の一部を構成する)に記載のLSD(例えば、LSD1および/またはLSD2)酵素機能の阻害剤であるトラニルシプロミン誘導体も予期する。そのような化合物の非限定的例は、
を含む。
あるいはまた、LSD1阻害剤化合物は、Benelkebir et al.(2011. Bioorg. Med. Chem. doi:10.1016/j.bmc.2011.02.017(この内容は本明細書の一部を構成する)に記載のトラニルシプロミン類似体から選ぶことができる。o-、m-およびp-ブロモ類似体を含むこのタイプの代表的な類似体は、(1R,2S)-2-(4-ブロモフェニル)シクロプロパンアミンヒドロクロリド(化合物4c)、(1R,2S)-2-(3-ブロモフェニル)シクロプロパンアミンヒドロクロリド(化合物4d)、(1R,2S)-2-(2-ブロモフェニル)シクロプロパンアミンヒドロクロリド(化合物4e)、(1R,2S)-2-(ビフェニル-4-イル)シクロプロパンアミンヒドロクロリド(化合物4f)を含む。
クロロビニル、エンド-シクロプロピルアミン、およびヒドラジン官能基を含む、Culhane et al.(2010. J. Am. Chem. Soc. 132:3164-3176(この内容は本明細書の一部を構成する))に記載のペプチド骨格化合物にも言及しうる。Culhane et alが開示する非限定的化合物は、プロパルギル-Lys-4、N-メチルプロパルギル-Lys-4 H3-21、cis-3-クロロアリル-Lys-4 H3-21、trans-3-クロロアリル-Lys-4 H3-21、エクソ-シクロプロピル-Lys-4 H3-21、エンドシクロプロピル-Lys-4 H3-21、エンドジメチルシクロプロピル-Lys-4、ヒドラジノ-Lys-4 H3-21、およびヒドラジノ-Lys-4 H3-21を含む。
LSD1を阻害するのに有用な別のシクロプロピルアミン化合物は、Fyfe et al. U.S.公開公報No. 2013/0197013(この内容は本明細書の一部を構成する)に記載のものを含む。LSD1阻害選択性であると記載されているLSD1の実例となるシクロプロピルアミン阻害剤は、下記式VIIで示される化合物を含む:
(VII)
[式中、
Eは、-N(R3)-、-O-、または-S-であるか、または-X3=X4-である;
X1およびX2は独立してC(R2)またはNである;
X3およびX4は存在する時は、独立してC(R2)またはNである;
(G)はサイクリル基(式VIIに示す。サイクリル基(G)はn置換基(R1)を有する);
各(R1)は、独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、サイクリル、-L1-サイクリル、-L1-アミノ、-L1-ヒドロキシル、アミノ、アミド、ニトロ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、スルフィニル、スルホニル、スルホンアミド、ヒドロキシル、アルコキシ、ウレア、カルバメート、アシル、またはカルボキシルから選ばれる;
各(R2)は、独立して-H、アルキル、アルケニル、アルキニル、サイクリル、-L1-サイクリル、-L1-アミノ、-L1-ヒドロキシル、アミノ、アミド、ニトロ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、スルフィニル、スルホニル、スルホンアミド、ヒドロキシル、アルコキシ、ウレア、カルバメート、アシル、またはカルボキシルから選ばれ、ここで各(R2)基は、1、2、または3の独立して選ばれる所望の置換基を有するか、または2の(R2)基が一緒になって1、2、または3の独立して選ばれる所望の置換基を有するヘテロサイクリルまたはアリール基を形成し、該所望の置換基は、独立してアルキル、アルカノイル、ヘテロアルキル、ヘテロサイクリル、ハロアルキル、シクロアルキル、カルボサイクリル、アリールアルコキシ、ヘテロサイクリルアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロサイクリルオキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、オキソ、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、カルボキサミド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アミノアルキル、アミドアルキル、アミド、ニトロ、チオール、アルキルチオ、アリールチオ、スルホンアミド、スルフィニル、スルホニル、ウレア、またはカルバメートから選ばれる;
R3は-Hまたは(C1-C6)アルキル基である;
各L1は、独立してアルキレン、またはヘテロアルキレンである;および
nは、0、1、2、3、4、または5である。]
、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、または混合物、またはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
ある態様において、式VIIの化合物は下記式VIIIで示される:
(VIII)
[式中、
X1はCHまたはNであり;(G)はサイクリル基である;
各(R1)は、独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、サイクリル、-L1-サイクリル、-L1-アミノ、-L1-ヒドロキシル、アミノ、アミド、ニトロ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、スルフィニル、スルホニル、スルホンアミド、ヒドロキシル、アルコキシ、ウレア、カルバメート、アシル、またはカルボキシルから選ばれる;
各(R2)は、独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、サイクリル、-L1-サイクリル、-L1-アミノ、-L1-ヒドロキシル、アミノ、アミド、ニトロ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、スルフィニル、スルホニル、スルホンアミド、ヒドロキシル、アルコキシ、ウレア、カルバメート、アシル、またはカルボキシルから選ばれ、各(R2)基は、1、2、または3の所望の置換基を有し、該所望の置換基は、独立してアルキル、アルカノイル、ヘテロアルキル、ヘテロサイクリル、ハロアルキル、シクロアルキル、カルボサイクリル、アリールアルコキシ、ヘテロサイクリルアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロサイクリルオキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、オキソ、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、カルボキサミド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アミノアルキル、アミドアルキル、アミド、ニトロ、チオール、アルキルチオ、アリールチオ、スルホンアミド、スルフィニル、スルホニル、ウレア、またはカルバメートから選ばれる;
各L1は独立してアルキレンまたはヘテロアルキレンである;
mは、0、1、2、または3であり;nは0、1、2、3、4、または5である(ただし、X1が-CH-であり、(G)がアリールである場合は、nおよびmは、n+mが0より大きいように独立して選ばれる)。]
、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、または混合物、またはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
他の態様において、式VIIの化合物は下記式IXで示される:
(IX)
[式中、
(G)はサイクリル基である;
各(R1)は独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、サイクリル、-L1-サイクリル、-L1-アミノ、-L1-ヒドロキシル、アミノ、アミド、ニトロ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、スルフィニル、スルホニル、スルホンアミド、ヒドロキシル、アルコキシ、ウレア、カルバメート、アシル、またはカルボキシルから選ばれる;
各(R2)は独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、サイクリル、-L1-サイクリル、-L1-アミノ、-L1-ヒドロキシル、アミノ、アミド、ニトロ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、スルフィニル、スルホニル、スルホンアミド、ヒドロキシル、アルコキシ、ウレア、カルバメート、アシル、またはカルボキシルから選ばれ、各(R2)基は0、1、2、または3の所望の置換基を有し、該所望の置換基は、独立してアルキル、アルカノイル、ヘテロアルキル、ヘテロサイクリル、ハロアルキル、シクロアルキル、カルボサイクリル、アリールアルコキシ、ヘテロサイクリルアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロサイクリルオキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、オキソ、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、カルボキサミド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アミノアルキル、アミドアルキル、アミド、ニトロ、チオール、アルキルチオ、アリールチオ、スルホンアミド、スルフィニル、スルホニル、ウレア、またはカルバメートから選ばれる;
各L1は独立してアルキレンまたはヘテロアルキレンであり;mは0、1、2、または3である;および
nは0、1、2、3、4、または5である。]
、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、または混合物、またはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
さらに他の態様において、式VIIの化合物は下記式Xで示される:
(X)
[式中、
Eは-N(R3)-、-O-、または-S-であるか、または-X3=X4-である;
X1、X2、X3およびX4は、独立してC(R2)またはNである(ただし、Eが-X3=X4-である場合はX1、X2、X3およびX4の少なくとも1がNである);
(G)はサイクリル基であり;各(R1)は、独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、サイクリル、-L1-サイクリル、-L1-アミノ、-L1-ヒドロキシル、アミノ、アミド、ニトロ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、スルフィニル、スルホニル、スルホンアミド、ヒドロキシル、アルコキシ、ウレア、カルバメート、アシル、またはカルボキシルから選ばれる;
各(R2)は、独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、サイクリル、-L1-サイクリル、-L1-アミノ、-L1-ヒドロキシル、アミノ、アミド、ニトロ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、スルフィニル、スルホニル、スルホンアミド、ヒドロキシル、アルコキシ、ウレア、カルバメート、アシル、またはカルボキシルから選ばれ、各(R2)基は1、2、または3の所望の置換基を有し、該所望の置換基は、独立してアルキル、アルカノイル、ヘテロアルキル、ヘテロサイクリル、ハロアルキル、シクロアルキル、カルボサイクリル、アリールアルコキシ、ヘテロサイクリルアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロサイクリルオキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、オキソ、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、カルボキサミド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アミノアルキル、アミドアルキル、アミド、ニトロ、チオール、アルキルチオ、アリールチオ、スルホンアミド、スルフィニル、スルホニル、ウレア、またはカルバメートから選ばれる;
R3は-Hまたは(C1-C6)アルキル基であり;各L1はアルキレンまたはヘテロアルキレンであり;nは0、1、2、3、4、または5である。]
、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、または混合物、またはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
さらに他の態様において、式VIIの化合物は下記式XIで示される:
(XI)
[式中、
X1、X2、X3およびX4は、独立してCHまたはNである(ただし、X1、X2、X3およびX4の少なくとも1はNである;
(G)はサイクリル基であり;各(R1)は、独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、サイクリル、-L1-サイクリル、-L1-アミノ、-L1-ヒドロキシル、アミノ、アミド、ニトロ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、スルフィニル、スルホニル、スルホンアミド、ヒドロキシル、アルコキシ、ウレア、カルバメート、アシル、またはカルボキシルから選ばれる;
各(R2)は独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、サイクリル、-L1-サイクリル、-L1-アミノ、-L1-ヒドロキシル、アミノ、アミド、ニトロ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、スルフィニル、スルホニル、スルホンアミド、ヒドロキシル、アルコキシ、ウレア、カルバメート、アシル、またはカルボキシルから選ばれ、各(R2)基は1、2、または3の所望の置換基を有し、該所望の置換基は、独立してアルキル、アルカノイル、ヘテロアルキル、ヘテロサイクリル、ハロアルキル、シクロアルキル、カルボサイクリル、アリールアルコキシ、ヘテロサイクリルアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロサイクリルオキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、オキソ、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、カルボキサミド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アミノアルキル、アミドアルキル、アミド、ニトロ、チオール、アルキルチオ、アリールチオ、スルホンアミド、スルフィニル、スルホニル、ウレア、またはカルバメート;各L1はアルキレン、またはヘテロアルキレンから選ばれる;
mは0、1、2、または3であり;nは0、1、2、3、4、または5である。]
、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、または混合物、またはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
式VIIで示される代表的な化合物は、適切には以下から選ばれる:(trans)-2-(3'-(トリフルオロメチル)ビフェニル-4-イル)シクロプロパンアミン;(trans)-2-(テルフェニル-4-イル)シクロプロパンアミン;4'-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ビフェニル-4-オール;4'-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ビフェニル-3-オール;(trans)-2-(6-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン;(Trans)-2-(6-(3,5-ジクロロフェニル)ピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン;(trans)-2-(6-(4-クロロフェニル)ピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン;(trans)-2-(6-(3-クロロフェニル)ピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン;(trans)-2-(6-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン;(trans)-2-(6-(4-メトキシフェニル)ピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン;(trans)-2-(6-(3-メトキシフェニル)ピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン;4-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)ベンゾニトリル;3-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)ベンゾニトリル;(Trans)-2-(6-p-トリルピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン;(Trans)-2-(6-m-トリルピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン;4-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)フェノール;3-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)フェノール;4-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド;3-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド;2-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)フェノール;3-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)フェノール;(Trans)-2-(6-(3-メトキシ-4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン;5-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)-2-フルオロフェノール;3-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)-5-フルオロフェノール;3-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)-4-フルオロフェノール;3-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)-2-フルオロフェノール;3-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)-2,4-ジフルオロフェノール;3-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)-2,4,6-トリフルオロフェノール;3-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)-5-クロロフェノール;(Trans)-2-(6-(2-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン;(Trans)-2-(6-(5-クロロチオフェン-2-イル)ピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン;(Trans)-2-(6-(5-メチルチオフェン-2-イル)ピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン;(Trans)-2-(6-(1H-インドール-6-イル)ピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン;(Trans)-2-(6-(ベンゾ[b]チオフェン-5-イル)ピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン;3-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)-3-メチルピリジン-2-イル)フェノール;(trans)-2-(6-(3-クロロフェニル)-5-メチルピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン;(trans)-2-(5-メチル-6-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン;(trans)-2-(6-(4-フルオロ-3-メトキシフェニル)ピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン、(trans)-2-(6-(3-フルオロ-5-メトキシフェニル)ピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン;(trans)-2-(6-(2-フルオロ-5-メトキシフェニル)ピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン、(trans)-2-(6-(2-フルオロ-3-メトキシフェニル)ピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン;(trans)-2-(6-(3-クロロ-5-メトキシフェニル)ピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン;(trans)-2-(6-(2-クロロ-5-メトキシフェニル)ピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン;(trans)-2-(6-(3-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン;3-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)-5-メトキシベンゾニトリル;5-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)-2-メチルフェノール;3-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)-4-クロロフェノール;3-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)フェノール;(trans)-2-(6-(2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン;(trans)-2-(6-(2-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン;(trans)-2-(6-(3,5-bis(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン;N-(3-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)フェニル)アセトアミド;N-(3-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)フェニル)メタンスルホンアミド;(trans)-2-(6-(ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)ピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン;(trans)-2-(6-(ベンゾ[b]チオフェン-3-イル)ピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン;5-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)チオフェン-2-カルボニトリル;(trans)-2-(6-(4-メチルチオフェン-3-イル)ピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン;(trans)-2-(2-クロロ-6-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン;(trans)-2-(2-(4-クロロフェニル)-6-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン;4-(3-((trans)-2-アミノシクロプロピル)-6-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2-yl)フェノール;4-(3-((trans)-2-アミノシクロプロピル)-6-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)- ピリジン-2-イル)ベンズアミド;(trans)-2-(2-メチル-6-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン;3-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)-5-ヒドロキシベンゾニトリル;(trans)-2-(6-(3,4-ジフルオロ-5-メトキシフェニル)ピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン;5-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)-2,3-ジフルオロフェノール;(trans)-2-(6-(3-クロロ-4-フルオロ-5-メトキシフェニル)ピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン;5-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)-3-クロロ-2-フルオロフェノール;(trans)-2-(6-(1H-インダゾール-6-イル)ピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン;(trans)-2-(6-(9H-カルバゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)シクロプロパンアミン;6-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)インドリン-2-オン;6-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)ベンゾフラン-2(3H)-オン;4-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)ピリジン-2(1H)-オン;N-(3-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)フェニル)ベンゼンスルホンアミド;N-(3-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)フェニル)プロパン-2-スルホンアミド;4'-((trans)-2-アミノシクロプロピル)-4-フルオロビフェニル-3-オール;4'-((trans)-2-アミノシクロプロピル)-5-クロロビフェニル-3-オール;4'-((trans)-2-アミノシクロプロピル)-5-クロロ-4-フルオロビフェニル-3-オール;N-(4'-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ビフェニル-3-イル)ベンゼンスルホンアミド;N-(4'-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ビフェニル-3-イル)プロパン-2-スルホンアミド;N-(4'-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ビフェニル-3-イル)メタンスルホンアミド;N-(2-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)フェニル)メタンスルホンアミド;3-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)-4-メトキシベンゾニトリル;N-(4'-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ビフェニル-2-イル)メタンスルホンアミド;4'-((trans)-2-アミノシクロプロピル)-6-メトキシビフェニル-3-カルボニトリル;N-(4'-((trans)-2-アミノシクロプロピル)-6-メトキシビフェニル-3-イル)メタンスルホンアミド;4'-((trans)-2-アミノシクロプロピル)-6-ヒドロキシビフェニル-3-カルボニトリル;N-(4'-((trans)-2-アミノシクロプロピル)-6-ヒドロキシビフェニル-3-イル)メタンスルホンアミド;3-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)-4-ヒドロキシベンゾニトリル;N-(3-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル)メタン-スルホンアミド;N-(3-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)フェニル)エタンスルホンアミド;N-(3-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)フェニル)メタンスルホンアミド;3-(6-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-3-イル)フェノール;(Trans)-2-(5-(3-メトキシフェニル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンアミン;4-(6-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-3-イル)フェノール;2-(6-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-3-イル)フェノール;2-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)チオフェン-2-イル)フェノール;3-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)チオフェン-2-イル)フェノール;4-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)チオフェン-2-イル)フェノール;2-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)チアゾール-2-イル)フェノール;3-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)チアゾール-2-イル)フェノール;4-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)チアゾール-2-イル)フェノール;2-(2-((trans)-2-アミノシクロプロピル)チアゾール-5-イル)フェノール;3-(2-((trans)-2-アミノシクロプロピル)チアゾール-5-イル)フェノール;2-(2-((trans)-2-アミノシクロプロピル)チアゾール-5-イル)フェノール;3-(2-((trans)-2-アミノシクロプロピル)チアゾール-5-イル)フェノール;3-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリミジン-2-イル)フェノール;4-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリミジン-2-イル)フェノール;N-(3-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)-4-メトキシフェニル)メタン-スルホンアミド;N-(4'-((trans)-2-アミノシクロプロピル)-5-クロロ-[1,1'-ビフェニル]-3-イル)メタンスルホンアミド;N-(3-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)-5-クロロフェニル)メタンスルホンアミド;N-(4'-((trans)-2-アミノシクロプロピル)-4-フルオロ-[1,1'-ビフェニル]-3-イル)メタンスルホンアミド;N-(5-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)-2-フルオロフェニル)メタンスルホンアミド;N-(3-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)フェニル)エタンスルホンアミド- ;N-(3-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)フェニル)-4-シアノベンゼンスルホンアミド;N-(3-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)フェニル)-3-シアノベンゼンスルホンアミド;N-(3-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)フェニル)-2-シアノベンゼンスルホンアミド;N-(3-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)ピリジン-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-シアノベンゼンスルホンアミド;N-(4'-((trans)-2-アミノシクロプロピル)-[1,1'-ビフェニル]-3-イル)-1,1,1-トリフルオロメタンスルホンアミド;4'-((trans)-2-アミノシクロプロピル)-6-ヒドロキシ-[1,1'-ビフェニル]-3-カルボニトリル;4'-((trans)-2-アミノシクロプロピル)-[1,1'-ビフェニル]-2-オール、4'-((trans)-2-アミノシクロプロピル)-3'-メトキシ-[1,1'-ビフェニル]-3-オール;N-(3-(5-((trans)-2-アミノシクロプロピル)チアゾール-2-イル)フェニル)-2-シアノベンゼンスルホンアミド;またはその医薬的に許容される塩または溶媒和物。
他の態様において、LSD1阻害化合物は、例えば、Ogasawara et al.(2013、Angew. Chem. Int. Ed. 52:8620-8624(この内容は本明細書の一部を構成する)に記載のフェニルシクロプロピルアミン誘導体から選ばれる。このタイプの代表的な化合物は、式XII:
(XII)
[式中、Ar1は5〜7員のアリールまたはヘテロアリール環である;
Ar2およびAr3は、それぞれ独立して所望により1〜3の置換基で置換された5〜7員のアリールまたはヘテロアリール環から選ばれる;
R1およびR2は、独立して水素およびヒドロキシルから選ばれるか、またはR1およびR2が一緒になって=O、=S、または=NR3を形成する;
R3は、水素、-C1-6アルキル、または-OHから選ばれる;
mは、1〜5の整数である;および
nは、1〜3の整数である。]
、またはその医薬的に許容される塩で示される。
式(VII)の特定の態様において、下記の1またはそれ以上を適用する:
Ar1は、6員のアリールまたはヘテロアリール環、特にフェニル、ピリジン、ピリミジン、ピラジン 1,3,5-トリアジン、1,2,4-トラジンおよび1,2,3-トリアジン、特にフェニルである;
Ar2は、6員のアリールまたはヘテロアリール環、特にフェニル、ピリジン、ピリミジン、ピラジン1,3,5-トリアジン、1,2,4-トラジンおよび1,2,3-トリアジン、特にフェニルであり;特に6員のアリールまたはヘテロアリール環が、特に3または4位が1の所望の置換基で所望により置換されている;
Ar3は、6員のアリールまたはヘテロアリール環、特にフェニル、ピリジン、ピリミジン、ピラジン 1,3,5-トリアジン、1,2,4-トラジンおよび1,2,3-トリアジン、特にフェニルであり;特に6員のアリールまたはヘテロアリール環が、特に3または4位が1の所望の置換基で所望により置換されている。
Ar1およびAr2の特に所望の置換基は、-C1-6アルキル、-C2-6アルケニル、CH2F、-CHF2、-CF3、ハロ、アリール、ヘテロアリール、-C(O)NHC1-6アルキル、-C(O)NHC1-6アルキルNH2、-C(O)-ヘテロサイクリル、特にメチル、エチル、プロピル、ブチル、t-ブチル、-CH2F、-CHF2、CH3、Cl、F、フェニル、-C(O)NH(CH2)1-4NH2、および-C(O)-ヘテロサイクリルを含む;
R1およびR2が一緒になって=O、=S、または=NR3、特に=O、または=S、特に=Oを形成する;
R3は、H、-C1-3アルキル、または-OH、特にH、-CH3、または-OHである。
mは、2〜5、特に3〜5、特に4である、
nは、1または2、特に1である。
ある態様において、式(XII)の化合物は、式(XIIa):
(XIIa)
[式中、Ar2およびAr3は式(XII)について定義した通りである。]
の化合物である。
式XIIで示される非限定的化合物は以下のものを含む:
式(VII)の化合物の合成および阻害活性はOgasawara et al.(2013、上記)に記載されている。
他のLSD1阻害剤は、限定されるものではないが、Ueda et al.(2009. J. Am. Chem. Soc. 131(48):17536-17537)(Mimasu i(2010. Biochemistry June 22. [出版前にEpub] PMID:20568732[出版社がPubMedとして提供]を含む)に開示のものを含む。
他のフェニルシクロプロピルアミン誘導体および類似体は、例えば、Kaiser et al.(1962、J. Med. Chem. 5:1243-1265);Zirkle et al.(1962. J. Med. Chem. 1265-1284;米国特許Nos. 3,365,458;3,471,522;3,532,749)およびBolesov et al.(1974. Zhurnal Organicheskoi Khimii 10:8 1661-1669)およびロシア特許No. 230169(19681030)に記載されている。
本発明は、既知のLSD(例えば、LSD1またはLSD2)阻害剤のみならずあらゆる適切なスクリーニングアッセイで同定されたLSD阻害剤も包含する。したがって、本発明は、LSD(例えば、LSD1またはLSD2)を阻害し、LSD-過剰発現細胞(例えば、CSC)の(i)形成;(ii)増殖;(iii)生残;(iv)生存;(v)維持;(vi)EMT;または(vii)METの少なくとも1を変化させ、または癌(例えば、転移癌)を治療または予防するのに有用な修飾物質のスクリーニング方法に及ぶ。ある態様において、該スクリーニング方法は、(1)調製物と被験物質を接触させ、ここで、該調製物は、(i)LSD(例えば、LSD1またはLSD2)の少なくとも生物活性断片またはその変異体または誘導体に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチド;または(ii)LSD遺伝子(例えば、LSD1またはLSD2)またはその部分の転写産物を生成することができるヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド、または(iii)レポーター遺伝子と操作可能に結合しているLSD遺伝子(例えば、LSD1またはLSD2)の発現を調節する遺伝子配列(例えば、転写要素)の少なくとも部分を含むポリヌクレオチドを含む;および(2)被験物質の非存在下の基準レベルまたは機能的活性に対する該ポリペプチド、該ポリヌクレオチド、または該レポーター遺伝子の発現産物のレベルまたは機能的活性の変化を検出することを含む。被験物質非存在下の正常または基準レベルおよび/または機能的活性に対する該ポリペプチド、転写産物、または転写産物部分、または該レポーター遺伝子の発現産物のレベルおよび/または機能的活性の検出された減少は、該物質がLSD-過剰発現細胞(例えば、CSC)の(i)形成;(ii)増殖;(iii)生残;(iv)生存;(v)維持;(vi)EMT;または(vii)METの少なくとも1を変化させ、または癌を治療または予防するのに有用であることを示す。適切には、これは、被験物質が、LSD-過剰発現細胞の(i)形成;(ii)増殖;(iii)生残;(iv)生存;(v)維持;(vi)EMT;または(vii)METの少なくとも1を変化させるかまたは該癌を治療または予防するか否かを分析または決定することにより確認する。
本発明の範囲内にあるモジュレーターは、拮抗的抗原結合分子、および阻害剤ペプチド断片、アンチセンス分子、リボザイム、RNAi分子、および共抑制分子を含むLSD(例えば、LSD1またはLSD2)のレベルまたは機能的活性の阻害剤、およびLSD(例えば、LSD1またはLSD2)の多糖およびリポ多糖阻害剤を含む。
候補物質は、多くの化学物質のクラスを包含するが、典型的には有機分子、好ましくは分子量が50ダルトン以上約2,500ダルトン以下の小有機化合物である。候補物質は、タンパク質との構造的相互作用、特に水素結合に必要な官能基を含み、典型的には少なくともアミン、カルボニル、ヒドロキシル、またはカルボキシル基、望ましくは官能化学基の少なくとも2を含む。候補物質は、上記官能基の1またはそれ以上で置換された環式炭素または複素環式構造、または芳香族またはポリ芳香族構造を含むことが多い。候補物質は、限定されるものではないが、ペプチド、糖類、脂肪酸、ステロイド、プリン、ピリミジン、誘導体、構造類似体、またはそれらの混合物を含む生体分子にもみいだされる。
LSD(例えば、LSD1またはLSD2)の小(非ペプチド)モジュレーターは特に好都合である。その際、小分子は、経口投与後により急速に吸収され、潜在的抗原決定基が少なく、またはより大きなタンパク質ベースの医薬より細胞膜を横切る可能性が高いので望ましい。また、小有機分子は、適切な細胞内に入る能力を有し、遺伝子の発現に影響を及ぼし(例えば、遺伝子発現に関与する調節領域または転写因子と相互作用することにより);または補助分子の結合を阻害または促進することにより遺伝子の活性に影響を及ぼしうる。
あるいはまた、細菌、真菌、植物、および動物抽出物の形の天然化合物のライブラリーが利用可能であるかまたは容易に作成される。さらに、天然または合成的に作成したラブラリーおよび化合物は、従来の化学的、物理的、および生化学的手段により容易に修飾し、これを用いて組み合われライブラリーを作成することができる。既知の薬剤を、指向性または無作為化学修飾(例えば、アシル化、アルキル化、エステル化、アミド化など)して構造類似体を製造することができる。
スクリーニングは、既知の薬理活性化合物およびその化学類似体も対象にすることができる。
本発明の修飾物質のスクリーニングはあらゆる適切な方法で達成することができる。例えば、該方法は、LSD(例えば、LSD1またはLSD2)をコードする遺伝子に対応するポリヌクレオチドを発現する細胞を該修飾活性を有すると疑われる物質と接触させ、LSD(例えば、LSD1またはLSD2)のレベルまたは機能的活性の修飾、または該ポリヌクレオチドによりコードされる転写産物のレベルの修飾、または該ポリペプチドの下流細胞標的または転写産物(以後、標的分子という)の活性または発現の修飾についてスクリーニングすることを含みうる。そのような修飾の検出は、限定されるものではないが、抗原結合分子コンジュゲートまたは蛍光物質(例えばフルオレセインまたはローダミン)の抗原コンジュゲートを用いるELISA、細胞ベースのELISA、阻害ELISA、ウエスタンブロット、免疫沈降、スロット、またはドットブロットアッセイ、免疫染色、RIA、シンチレーション近接アッセイ、蛍光イムノアッセイ、Ouchterlony二重拡散分析、アビジン-ビオチンまたはストレプトアビジン-ビオチン検出系を用いるイムノアッセイ、および逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)を含む核酸検出アッセイを含む技術を用いて達成することができる。
LSD(例えば、LSD1またはLSD2)が調節されるかまたは発現するポリヌクレオチドは試験対象の細胞中で天然に生じるかまたは試験目的で宿主細胞中に導入されると理解される。さらに、天然または導入ポリヌクレオチドは構成的に発現することにより、該配列のコードされた産物の発現を下方調節する(下方調節は核酸または発現産物レベルでありうる)物質のスクリーニングに有用なモデルを提供しうる。さらに、ポリヌクレオチドを細胞内に導入する範囲内において、該ポリヌクレオチドは、LSD(例えば、LSD1またはLSD2)をコードする全コーディング配列を含むか、またはコーディング配列(例えば、LSDの活性部位)の部分、またはLSDをコードする対応する遺伝子の発現を調節する部分(例えば、LSD1プロモーター、またはLSD2プロモーター)を含みうる。例えば、該ポリヌクレオチドと天然に結合するプロモーターを試験対象である細胞内に導入することができる。この場合、該プロモーターのみを用いると、例えば、該プロモーターと適切なレポーターポリヌクレオチド(限定されるものではないが、緑色蛍光タンパク質(GFP)、ルシフェラーゼ、β-ガラクトシダーゼ、およびカテコールアミンアセチルトランスフェラーゼ(CAT)を含む)を操作可能に結合することにより、該プロモーター活性の修飾を検出することができる。発現の修飾は、該レポーターポリヌクレオチドに関する活性を測定することにより決定することができる。
これらの方法は、合成、組み合わせ、化学および天然ライブラリーを含む推定した修飾物質、例えば、タンパク質性、または非タンパク質性物質のハイスループットスクリーニングを実施するためのメカニズムを提供する。これらの方法は、標的分子をコードするポリヌクレオチドと結合するか、または上流分子の発現を修飾し、次いで、標的分子をコードするポリヌクレオチドの発現を修飾する物質の検出も促進するだろう。したがって、これらの方法は、本発明の標的分子の発現または活性を直接または間接的に修飾する物質を検出するメカニズムを提供する。
別の態様において、被験物質を、例としてEpiQuik ヒストンデメチラーゼLSDl阻害剤スクリーニングアッセイキット(Epigentek Group、Brooklyn、NY)、またはLSDl阻害剤スクリーニングアッセイキット(Cayman Chemical Company、Ann Arbor、MI)を含む市販のアッセイを用いてスクリーニングする。
化合物は、さらに最も強力なin vivo効果を有するそれらの化合物を同定するために動物モデルで試験することができる。これらの分子は、例えば該化合物を連続修飾、分子モデリング、および合理的薬物設計に用いる他のルーチン手段に供することにより医薬をさらに開発するための「リード化合物」として役立ちうる。
3. 治療的および予防的使用
本発明によれば、LSD-過剰発現細胞(例えば、CSC、または非CSC腫瘍細胞)の(i)形成;(ii)増殖;(iii)生残、(iv)生存、または(v)維持;LSD-過剰発現細胞(例えば、CSC)の(vi)EMT;またはLSD-過剰発現細胞(例えば、CSC)の(vii)METの少なくとも1を変化させ、または癌(例えば、転移癌)を治療または予防するための活性物質として有用であることを提唱する。したがって、本発明のLSD阻害剤化合物は、適切には医薬組成物において、転移癌を含む癌を治療または予防するために有用である。したがって、本発明は、有効量のLSD(例えば、LSD1および/またはLSD2)阻害剤および医薬的に許容される担体および/または希釈剤を含む、悪性腫瘍、特に転移癌の症状を治療、予防、および/または軽減するための医薬組成物を予期する。
医薬的に活性である限りあらゆるLSD阻害剤を本発明の組成物と方法に用いることができる。「医薬的に活性な」LSD阻害剤は、LSD-過剰発現細胞(例えば、CSCまたは非CSC腫瘍細胞)の(i)形成;(ii)増殖;(iii)生残;(iv)生存;または(v)維持;またはLSD-過剰発現細胞(例えば、CSC)の(vi)EMTの減少、障害、抑止、または予防、および/またはLSD-過剰発現細胞(例えば、CSC)の(vii)METの促進、および/または悪性腫瘍、特に転移癌の治療および/または予防(それを必要とする個体に投与したときに、症状の発生の予防、そのような症状の抑制、または存在する転移癌関連症状の治療を含む)をもたらす形である。
本発明の方法に用いるための投与方法、投与したLSD阻害剤の量、およびLSD阻害剤製剤は、当該分野のルーチンおよび当業者の技術内である。悪性腫瘍、特に転移癌を治療したか否かは、適切なコントロールに比べて疾患の経過を示す1またはそれ以上の診断パラメーターを測定することにより決定する。動物実験の場合において、「適切なコントロール」は、LSD阻害剤で治療されていないか、またはLSD阻害剤を含まない医薬組成物で治療した動物である。ヒト対象の場合は、「適切なコントロール」は、治療前の個体、またはプラセボで処置したヒト(例えば、年齢が適合するかまたは同様のコントロール)でありうる。本発明によれば、転移癌の治療は、限定されるものではないが、(1)患者のLSD-過剰発現細胞(例えば、CSC)の(i)形成;(ii)増殖;(iii)維持;または(iv)EMTの発現を弱め、抑制し、減じ、予防し、または阻止し、またはLSD-過剰発現細胞(例えば、CSC)のMETを増強し;(2)対象の癌(例えば、転移癌)を治療し;(3)癌体質であるがまだ癌と診断されていない(すなわち、処置が癌の予防的処置を構成する)対象の癌(例えば、転移癌)を予防し;または(iii)癌(例えば、転移癌)の退縮をもたらすことを含み、包含する。
本発明の組成物と方法は、転移癌と診断されているか、転移癌があると疑われるか、転移癌に罹りやすいことがわかっており、転移癌が発生する可能性があると考えられるか、または以前に治療した転移癌の再発を生じる可能性があると考えられる個体を治療するのに適している。転移癌はホルモンレセプター陽性またはホルモンレセプター陰性でありうる。ある態様において、該転移癌はホルモンレセプター陰性であり、ホルモンまたはエンドクリン療法に抵抗性である。癌が乳癌であるある態様において、乳癌(例えば、非乳腺CMC腫瘍細胞)はホルモンレセプター陰性(例えば、エストロゲンレセプター(ER)陰性および/またはプロゲステロンレセプター(PR)陰性)である。
ある態様において、意図する投与方法に応じて、LSD阻害剤含有組成物は、一般的には約0.000001%〜90%、約0.0001%〜50%、または約0.01%〜約25%(重量%)のLSD阻害剤を含み、残りは適切な医薬的担体または希釈剤などである。LSD阻害剤の用量は、種々の因子、例えば投与方法、罹患対象の種、年齢、性別、体重、および一般健康状態に依存しうるし、標準的プロトコールを用いて当業者が容易に決定することができる。用量は、LSD阻害剤のその標的分子に対する結合親和性、そのバイオアベイラビリティ、およびそのin vivoおよび薬物動態特性も考慮するだろう。その際、該薬剤の正確な投与量は、施術者の判断にも依存しうる。転移癌の治療または予防において投与する薬剤の有効量の決定において、医師または獣医師は、該疾患または病状の進行を経時的に評価することができる。とにかく、当業者は、過度な実験を行うことなくLSD阻害剤の適切な用量を容易に決定することができる。患者に投与する活性物質の用量は、患者に経時的な有益な反応、例えば、CMC(例えば、乳腺CMC)および/または非CMC腫瘍細胞の形成、増殖、生残、生存、または維持の障害、抑止、または予防、非CMC腫瘍細胞のEMTの阻害、CMC(例えば、乳腺CMC)のMETの促進、および/または転移癌の治療および/または予防をもたらすのに十分であるべきである。該用量を血液悪性腫瘍の症状を軽減するために適切な間隔で投与することができる。そのような間隔は、当業者に知られたルーチン手段を用いて確認することができ、用いる活性物質およびその製剤の種類に応じて変化しうる。例えば、該間隔は、毎日、隔日、毎週、隔週、毎月、隔月、年4回、年2回、または年1回でありうる。
投与量と投与間隔は、LSD-阻害効果を維持するのに充分な活性物質の血漿レベルをもたらすように個々に調整することができる。全身投与のための通常の患者への用量は、1〜2000mg/日、通常1〜250mg/日、典型的には10〜150mg/日、0.02〜25mg/kg/日、通常0.02〜3mg/kg/日、典型的には0.2〜1.5mg/kg/日の範囲である。患者の体表面積では、0.5〜1200mg/m2/日、通常0.5〜150mg/m2/日、典型的には5〜100mg/m2/日の範囲である。
本発明の実施において、LSD(例えば、LSD1およびLSD2)のLSD阻害剤による阻害は、CSCの形成、増殖、生残、生存、または維持の減少をもたらし、同様に、CSCから分化する非CSC腫瘍細胞がわずかになり、非CSC腫瘍細胞の補助癌療法または薬剤によるより有効な治療をもたらすだろう。したがって、本発明は、さらに、LSD阻害剤を非CMC腫瘍細胞増殖、生残、または生存を阻害する少なくとも1の癌療法と同時に投与することを予期する。LSD阻害剤は、該癌療法後に治療的に用いるか、または該療法を施す前または該療法と一緒に用いることができる。したがって、本発明は、LSD阻害剤および癌療法(その非限定的例は、放射線療法、外科手術、化学療法、ホルモン除去療法、アポトーシス促進療法および免疫療法を含む)の同時投与を用いる組み合わせ療法を予期する。
3.1 放射線療法
放射線療法は、DNA損傷、例えば、γ放射線治療、X線、UV放射線治療、マイクロ波、電子放出、ラジオアイソトープなどを誘導する放射腺照射および波を含む。療法は、上記の形の放射腺照射で局所腫瘍部位を照射することにより達成できる。おそらくこれらの因子のすべては、DNA前駆体、DNAの複製と修復、および染色体の組み立てと維持における広範囲の損傷DNAをもたらす。
X線の線量範囲は、50〜200レントゲンを長期間(3〜4週間)毎日から2000〜6000レントゲンの単一線量の範囲である。ラジオアイソトープの線量範囲は大きく変化し、アイソトープの半減期、放射した放射線の強さと種類、および新生物細胞による取り込みに依存する。
放射線療法の非限定的例は、高精度放射線外部照射(50〜100グレイを4〜8週間にわたりフラクションとして照射)、単発または分割高線量率小線源射療法、永続的組織内小線源射療法、全身性ラジオアイソトープ(例えば、ストロンチウム89)を含む。ある態様において、放射線療法は、放射線増感剤と組み合わせて投与することができる。放射線増感剤の実例は、限定されるものではないが、エファプロキシラル、エタニダゾール、フルオゾール、ミソニダゾール、ニモラゾール、テモポルフィン、およびチラパザミンを含む。
3.2 化学療法
化学療法剤は、下記カテゴリーのいずれかまたはそれ以上から選ぶことができる:
(i)内科的腫瘍学に用いる抗増殖/抗新生物薬およびそれらの組み合わせ、例えばアルキル化剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、クロランブシル、ブスルファン、およびニトロソウレア);代謝拮抗物質(例えば、抗葉酸薬、例えばフルオロピリジン、例えば5-フルオロウラシルおよびテガフル、ラルチトレキセド、メトトレキセート、シトシンアラビノシド、およびヒドロキシウレア;抗腫瘍抗生物質(例えば、アントラサイクリン、例えばアドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシンC、ダクチノマイシン、およびミソラマイシン));抗有糸分裂薬(例えば、ビンカアルカロイド、例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、およびビノレルビン、およびタキソイド、例えばパクリタキセルおよびドセタキセル;およびトポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エピポドフィロトキシン、例えばエトポシドおよびテニポシド、アムサクリン、トポテカン、およびカンプトテシン);
(ii)細胞増殖抑制剤、例えば抗エストロゲン(例えば、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、およびヨードキシフェン)、エストロゲンレセプター下方調節剤(例えば、フルベストラント)、抗アンドロゲン(例えば、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、およびシプロテロンアセテート)、UHアンタゴニストまたはLHRHアゴニスト(例えば、ゴセレリン、ロイプロレリン、およびブセレリン)、プロゲストーゲン(例えば、メゲストロールアセテート)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、ボラゾール、およびエキセメスタン)、および5α-レダクターゼ阻害剤、例えばフィナステリド;
(iii)癌細胞浸潤を阻害する薬剤(例えば、メタロプロテアーゼ阻害剤、例えばマリマスタット、およびウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子レセプター機能阻害剤);
(iv)増殖因子機能の阻害剤、例えば、そのような阻害剤は以下を含む:増殖因子抗体、増殖因子レセプター抗体(例えば、抗erbb2抗体トラスツズマブ[Herceptin(登録商標)および抗erbb1抗体セツキシマブ[C225])、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、MEK阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、およびセリン/トレオニンキナーゼ阻害剤、例えば上皮増殖因子ファミリーの他の阻害剤(例えば、他のEGFRファミリーチロシンキナーゼ阻害剤、例えばN-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-メトキシ-6-(3-モルホリノプロポキシ)キナゾリン-4- -アミン(ゲフィチニブ、AZD1839)、N-(3-エチニルフェニル)-6,7-ビス(2-メトキシエトキシ)キナゾリン-4-アミン(エルロチニブ、OSI-774)、および6-アクリルアミド-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(3-モルホリノプロポキシ)キナゾリ-n-4-アミン(CI 1033))、例えば、血小板由来増殖因子ファミリーの阻害剤、例えば肝細胞増殖因子ファミリーの阻害剤;
(v)抗血管新生剤、例えば血管内皮増殖因子の効果を阻害するもの(例えば、抗血管内皮細胞増殖因子抗体ベバシズマブ[Avastin(登録商標)]、例えば、国際特許出願WO 97/22596、WO 97/30035、WO 97/32856およびWO 98/13354に記載の化合物)および他のメカニズムにより作用する化合物(例えば、リノミド、インテグリンαvβ3機能の阻害剤、およびアンギオスタチン);
(vi)血管損傷剤、例えばコンブレスタチンA4および国際特許出願WO 99/02166、WO00/40529、WO 00/41669、WO01/92224、WO02/04434、およびWO02/08213に記載の化合物;
(vii)アンチセンス療法、例えば、上記標的を標的とするもの、例えばISIS 2503、抗ras アンチセンス;および
(viii)以下を含む遺伝子療法アプローチ:例えば、異常遺伝子(例えば異常p53)置換アプローチ、または異常GDEPT(遺伝子標的酵素プロドラッグ療法)アプローチ、例えば、シトシンデアミナーゼ、チミジンキナーゼ、または細菌ニトロレダクターゼ酵素を用いるもの、および化学療法または放射線療法に対する患者の耐容性を増加させるためのアプローチ、例えば多薬剤耐性遺伝子療法。
3.3 免疫療法
免疫療法アプローチは、例えば、患者腫瘍細胞の免疫原性を増加させるex-vivoおよびin-vivoアプローチ、例えば、サイトカイン、例えば、インターロイキン2、インターロイキン4、または顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子によるトランスフェクション、T細胞アネルギーを減少させるアプローチ、トランスフェクションした免疫細胞、例えばサイトカインでトランスフェクションした樹状細胞を用いるアプローチ、サイトカインでトランスフェクション腫瘍細胞株を用いるアプローチ、および抗イデオタイプ抗体を用いるアプローチを含む。これらのアプローチは、一般的には、癌細胞を標的とし破壊する免疫エフェクター細胞および分子の使用に依存する。免疫エフェクターは、例えば悪性細胞表面のあるマーカーに特異的な抗体でありうる。該抗体は単独で療法のエフェクターとして役立つか、細胞の殺滅を実際に促進する他の細胞を補充することができる。また、該抗体は、薬剤または毒素(化学療法剤、放射性核種、リシンA鎖、コレラ毒素、百日咳毒素など)と結合し、単に標的物質として役立ちうる。あるいはまた、該エフェクターは、悪性細胞標的と直接または間接的に相互作用する表面分子を保持するリンパ球でありうる。種々のエフェクター細胞は細胞毒性T細胞およびNK細胞を含む。
3.4 他の療法
他の癌療法の例は、光線療法、冷凍療法、毒素療法、またはアポトーシス促進療法を含む。当業者は、このリストは癌および他の過形成病変に利用可能な治療法の種類を網羅していないことがわかるだろう。
化学療法および放射線療法が急速に分裂する細胞を標的とし、および/または細胞周期または細胞分裂を崩壊させることはよく知られている。これらの治療は、その進行を遅くし、または治癒的治療により疾患の症状を逆転させるために癌の種々の形の治療の部分として提供される。しかしながら、これらの癌治療は、免疫不全状態を生じ、それに続いて病原感染症をもたらすことがあり、したがって、本発明は、癌療法から生じる免疫不全状態から生じる感染症に有効であるかまたはそのリスクの増加があるLSD阻害剤、癌療法、および高感染剤を用いる組み合わせ療法にも及ぶ。抗感染剤は、適切には、限定されるものではないが、微生物、例えば、ウイルス、細菌、酵母、真菌、原虫などを殺すかまたはその増殖を阻害する化合物を含む抗微生物薬から選ばれ、抗生物質、殺アメーバー薬、抗真菌剤、抗原虫薬、抗マラリア薬、抗結核薬、および抗ウイルス薬を含む。抗感染薬は、その範囲内に駆虫薬および抗線虫薬も含む。実例となる抗生物質は以下を含む:キノロン(例えば、アミフロキサシン、シノキサシン、シプロフロキサシン、エノキサシン、フレロキサシン、フルメクイン、ロメフロキサシン、ナリジクス酸、ノルフロキサシン、オフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、オキソリニック酸、ペフロキサシン、ロソキサシン、テマフロキサシン、トスフロキサシン、スパルフロキサシン、クリナフロキサシン、ガチフロキサシン、モキシフロキサシン;ゲミフロキサシン;およびガレノキサシン)、テトラサイクリン、グリシルサイクリン、およびオキサゾリジノン(例えば、クロルテトラサイクリン、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、リメサイクリン、メタサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、テトラサイクリン、チゲサイクリン;リネゾリド、エペロゾリド)、グリコペプチド、アミノグリコシド(例えば、アミカシン、アルベカシン、ブチロシン、ジベカシン、ホルチマイシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、メオマイシン、ネチルマイシン、リボスタマイシン、シソマイシン、スペクチノマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン)、β-ラクタム(例えば、イミペネム、メロペネム、ビアペネム、セファクロール、セファドロキシル、セファマンドール、セファトリジン、セファゼドン、セファゾリン、セフィキシム、セフメノキシム、セフォジジム、セフォニシド、セフォペラゾン、セフォラニド、セフォタキシム、セフォチアム、セフピミゾール、セフピラミド、セフポドキシム、セフスロジン、セフタジジム、セフテラム、セフテゾール、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアゾン、セフロキシム、セフゾナム、セファアセトリル、セファレキシン、セファログリシン、セファロリジン、セファロチン、セファピリン、セファラジン、セフィネタゾール、セフォキシチン、セフォテタン、アズトレオナム、カルモナム、フロモキセフ、モキサラクタム、アミジノシリン、アモキシシリン、アンピシリン、アズロシリン、カルベニシリン、ベンジルペニシリン、カルフェシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、メチシリン、メズロシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペニシリンG、ピペラシリン、スルベニシリン、テモシリン、チカルシリン、セフジトレン、SC004、KY-020、セフジニル、セフチブテン、FK-312、S-1090、CP-0467、BK-218、FK-037、DQ-2556、FK-518、セフォゾプラン、ME1228、KP-736、CP-6232、Ro 09-1227、OPC-20000、LY206763)、リファマイシン、マクロライド(例えば、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、エリスロマイシン、オレアンドロマイシン、ロキタマイシン、ロサラマイシン、ロキシスロマイシン、トロレアンドロマイシン)、ケトリド(例えば、テリスロマイシン、セスロマイシン)、クメルマイシン、リンコサミド(例えば、クリンダマイシン、リンコマイシン)、およびクロラムフェニコール。
実例となる抗ウイルス薬は、硫酸アバカビル、シクロビルナトリウム、塩酸アマンタジン、アンプレナビル、シドフォビル、デラビルジンメシラート、ジダノシン、エファビレンツ、ファンシクロビル、フォミビルセンナトリウム、フォスカルネトナトリウム、ガンシクロビル、硫酸インジナビル、ラミブジン、ラミブジン/ジドブヂン、ネルフィナビルメシラート、ネビラピン、リン酸オセルタミビル、リバビリン、塩酸リマンダジン、リトナビル、サキナビル、サキナビルメシラート、スタブジン、塩酸バラシクロビル、ザルシタビン、ザナミビル、およびジドブジンを含む。
殺アメーバー薬または抗原虫薬の非限定的例は、アトバクオン、塩酸クロロキン、リン酸クロロキン、メトロニダゾール、塩酸メトロニドゾール、およびペンタミジンイセチオネートを含む。駆虫薬は、メベンダゾール、ピランテルパモエート、アルベンダゾール、イベルメクチン、およびチアベンダゾールから選ばれる少なくとも1でありうる。実例となる抗真菌剤は、アンホテリシンB、アンホテリシンB硫酸コレステルイル複合体、アンホテリシンB脂質複合体、アンホテリシンBリポソーマル、フルコナゾール、フルシトシン、グリセオフルビンミクロサイズ、グリセオフルビンウルトラミクロサイズ、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ナイスタチン、および塩酸テルビナフィンから選ぶことができる。抗マラリア薬の非限定的例は、塩酸クロロキン、リン酸クロロキン、ドシサイクリン、硫酸ヒドロキシクロロキン、メフロキンヒドロクロリド、リン酸プリマキン、ピリメタミン、およびピリメタミンとスルファドキシンから選ぶことができる。抗結核薬は、限定されるものではないが、クロファジミン、シクロセリン、ダプゾン、塩酸エタンブトール、イソニアジド、プラジナミド、リファブチン、リファンピン、リファペンチン、および硫酸ストレプトマイシンを含む。
上記のように、本発明は、LSD阻害剤とさらなる薬剤の同時投与を含む。LSD阻害剤を他の薬剤とともに投与することを含む態様において、該組み合わせにおける活性物質の用量は、それら自体の有効量を含むことができ、さらなる薬剤はさらに患者に対する治療または予防的利益を増強しうる。あるいはまた、LSD阻害剤および該さらなる薬剤は、全体として転移癌を予防または治療するための有効量を含みうる。有効量は、例えば投与のタイミングと回数、投与方法、製剤などを含む特定の治療管理の文脈において定義することができる。ある態様において、LSD阻害剤および所望により癌療法は、ルーチンスケジュールで投与する。あるいはまた、該癌療法は、症状が発生したときに投与することができる。本明細書で用いている「ルーチンスケジュール」は、予め決定した指定期間を表す。ルーチンスケジュールは、該スケジュールが予め決定されている限り長さが同じまたは異なる期間を含みうる。例えば、ルーチンスケジュールは、毎日、隔日、3日毎、4日毎、5日毎、6日毎、一週間毎、一月毎に、または2カ月毎、3カ月毎、4カ月毎、5カ月毎、6カ月毎、7カ月毎、8カ月毎、9カ月毎、10カ月毎、11カ月毎、12カ月毎などにあらゆる日数または週数のセットでLSD阻害剤を投与することを含みうる。あるいはまた、予め決定したルーチンスケジュールは、LSD阻害剤と癌療法を、第1週は毎日、次いで数カ月間は毎月、その後3カ月毎に同時投与することを含む。適切なスケジュールがある日に投与することを含むことを予め決定している限り、あらゆる特定の組み合わせがルーチンスケジュールでカバーされる。
さらに、本発明は、CMC細胞の増殖、生残、または生存を減少させるかまたは抑制し、悪性腫瘍、特に転移癌を予防または治療するための、LSD阻害剤および所望により悪性腫瘍の治療に有用な癌療法剤を含む医薬組成物を提供する。本発明の製剤は、医薬的に許容される濃度の塩、緩衝剤、保存料、適合担体、アジュバント、および所望により他の医薬成分をルーチン的に含みうる医薬的に許容される溶液で投与される。治療する特定の病状に応じて、該製剤を全身または局所投与することができる。製剤および投与の技術は、「Remington's Pharmaceutical Sciences」、Mack Publishing Co.、Easton、Pa.、最新版にみることができる。適切な経路は、例えば、経口、直腸、経粘膜、または腸投与;非経口送達(筋肉内、皮下、髄内注射、およびくも膜下、直接脳室内、静脈内、腹腔内、鼻内、または眼内注射を含む)を含む。注射では、本発明の活性物質または薬剤は、適切には生理学的に適合性の緩衝液、例えば、ハンクス溶液、リンゲル溶液、または生理学的食塩水緩衝液中の水性溶液に製剤化することができる。経粘膜投与では、浸透すべき障壁に適した浸透剤を製剤に用いる。そのような浸透剤は一般的に当該分野で知られている。
該薬剤は、当該分野でよく知られた医薬的に許容される担体を用いて経口投与に適した用量に容易に製剤化することができる。そのような担体は、本発明の化合物を、治療する患者が経口摂取するための剤形、例えば、錠剤、丸薬、カプセル、液剤、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液などに製剤化することを可能にする。これらの担体は、糖、デンプン、セルロースおよびその誘導体、麦芽、ゼラチン、タルク、硫酸カルシウム、植物油、合成油、ポリオール、アルギン酸、リン酸緩衝溶液、乳化剤、等張生理食塩水、および発熱物質不含水から選ぶことができる。
非経口投与用の医薬製剤は、水溶性の活性化合物の水性溶液を含む。さらに、活性化合物の懸濁液は、適切な油状注射懸濁液として製造することができる。適切な脂溶性溶媒またはビークルは、脂肪酸油、例えば、ゴマ油、または合成脂肪酸エステル、例えば、オレイン酸エチル、またはトリグリセリド、またはリポソームを含む。水性注射用懸濁液は、懸濁液の粘性を増加させる物質、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトール、またはデキストランを含む。所望により該懸濁液は、適切な安定化剤、または該化合物の可溶性を増大して高濃縮溶液の製造を可能にする薬剤も含みうる。
経口使用のための医薬製剤は、活性化合物と固体賦形剤を混合し、所望により得られた混合物を粉にし、次いで所望により適切な助剤を添加した後に顆粒の混合物を加工して錠剤または糖衣錠コアを得ることにより得ることができる。適切な賦形剤には、特に充填剤、例えば糖(ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを含む);セルロース調製物、例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、ガムトラガカント、メチル セルロース、ヒドロキシプロピルメチル-セルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、またはポリビニルピロリドン(PVP)などがある。必要に応じて、崩壊剤、例えば、架橋ポリビニルピロリドン、カンテン、またはアルギン酸、またはその塩、例えば、アルギン酸ナトリウムを加えることができる。そのような組成物は、あらゆる薬学的方法により製造することができるが、すべての方法は、1またはそれ以上の上記薬剤と1またはそれ以上の必要な成分を構成する該担体を結合する工程を含む。一般的には、本発明の医薬組成物は、それ自体知られた方法で、例えば、従来の混合、溶解、顆粒化、糖衣錠化、研和、乳化、カプセル化、封入、または凍結乾燥プロセスにより製造しうる。
糖衣錠コアは適切にコーティングして提供される。このためには、濃縮糖溶液を用いることができ、これは所望によりアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、または二酸化チタン、ラッカー溶液、および適切な有機溶媒または溶媒混合物を含みうる。活性化合物用量の異なる組み合わせを特徴付けるかまたは識別のために錠剤または糖衣錠コーティングに染料または色素を加えることができる。
経口使用することができる医薬は、ゼラチンでできたプッシュフィットカプセル、およびゼラチンおよび可塑剤(グリセロールまたはソルビトール)でできた軟質密封カプセルを含む。プッシュフィットカプセルは、充填剤、例えばラクトース、結合剤、例えばデンプン、または潤滑剤、例えばタルクまたはステアリン酸マグネシウム、および所望により安定化剤と混合した活性成分を含むことができる。軟質カプセル中の活性化合物は適切な液体、例えば脂肪油、液体パラフィン、または液体ポリエチレングリコールに溶解または懸濁することができる。さらに、安定化剤を加えることができる。
本発明の薬剤の剤形は、このために特に指定された注射または埋込制御放出用具、またはこの方法でさらに作用するよう修飾した他の形の埋込剤も含みうる。本発明の薬剤の制御放出は、それを例えば、アクリル樹脂、ワックス、高級脂肪族アルコール、ポリ乳酸およびポリグリコール酸を含む疎水性ポリマー、およびある種のセルロース誘導体、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースでコーティングすることにより達成することができる。さらに、制御放出は、他のポリマーマトリックス、リポソーム、またはマイクロスフェアを用いて達成することができる。
本発明の薬剤は、医薬的に適合性の対イオンを含む塩として提供することができる。医薬的に適合性の塩は、限定されるものではないが、塩酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸などを含む多くの酸で形成することができる。塩は、対応する遊離塩基型である水性または他のプロトン性溶媒により溶解性である傾向がある。
本発明の方法に用いるあらゆる化合物について、医薬的有効用量は、最初に細胞培養アッセイから推定することができる。例えば、細胞培養で決定したIC50を含む循環濃度範囲を達成するように動物モデルで用量を処方することができる(例えば、LSDポリペプチドの活性を最大の半分の阻害を達成する活性剤の濃度)。そのような情報を用いてヒトで有用な用量をより正確に決定することができる。
そのような薬剤の毒性と治療効果は、LD50(ポピュレーションの50%致死用量)およびED50(ポピュレーションの50%治療的有効用量)を決定することにより、細胞培養または実験動物を用いる標準的医薬的方法により決定することができる。毒性作用と治療効果の用量比は治療指数であり、比LD50/ED50で表すことができる。治療指数が大きい化合物が好ましい。これらの細胞培養アッセイおよび動物試験から得られるデータはヒトで用いる用量範囲を処方するのに用いることができる。そのような化合物の用量は、好ましくはほとんどまたは全く毒性がないED50を含むある範囲の循環濃度内にある。用量は、用いた剤形と用いた投与経路に応じてこの範囲内で変化しうる。正確な処方、投与経路、および用量は、患者の病状を考慮して個々の医師が選ぶことができる。(例えば、Fingl et al.、1975、「The Pharmacological Basis of Therapeutic」、Ch.1 p1参照)
あるいはまた、全身的より局所的に、しばしばデポーまたは持続放出製剤で、例えば組織(皮下組織または大網組織が好ましい)中に化合物を直接注射することにより投与することができる。
さらに、標的とする薬剤送達システムで、例えば組織特異的抗体でコートしたリポソームで薬剤を投与することができる。リポソームは該組織を標的とし、該組織に選択的に取り込まれるだろう。
局所投与または選択的取り込みの場合、該薬剤の有効局所濃度は、血漿濃度と関連しないかもしれない。
本発明を容易に理解し、実用効果を示すために、特定の好ましい態様を下記の非限定的実施例により説明する。
(実施例)
化学療法およびLSD1阻害剤の組み合わせによるCSCサブポピュレーションの阻害
マウスのLSD1阻害剤パルギリンと化学療法剤ドセタキセルとの組み合わせによる処置は、FACS(図10A)および転写産物(図10B)により測定したCSCサブポピュレーションの減少をもたらす。
(材料と方法)
一般試薬
化学薬品
用いたすべての試薬は、分子生物学または分析グレードに分類された。
アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)から得た細胞株
付着性ヒト乳癌細胞株(MCF-7(ATCC(登録商標)番号HTB-22)、MDA-MB-231(ATCC(登録商標)番号HTB-26)、MDA-MB-468(ATCC(登録商標)番号HTB-132)、ヒト付着性乳管癌T-47D(ATCC(登録商標)番号HTB-133)を含む)およびヒト頸癌(HeLa(ATCC(登録商標)番号CCL-2を含む)をATCC(VA、USA)から得た。ストックを、RPMIまたはDMEM完全培地(45%加熱不活化ウシ胎児血清(FCS;Sigma-Aldrich、St. Louis、MO)および9%ジメチルスルホオキサイド(DMSO)溶液(Cambridge Isotope Laboratories、Inc.、Andover、MA)を含む)中の5 x 106細胞/mL部分標本を-196℃で保存した。細胞ストックを完全培地、RPMI、またはDMEM中で解凍し、マイコプラズマ汚染をチェックした。細胞株をクライオチューブ(NUNC、Roskilde、Denmark)中-70℃で一夜ストックとして凍結し、液体窒素中で長期保存するために取り出した。
培地、緩衝液、および溶液
すべての培地、緩衝液、および溶液は、JCSMR Media/Wash-up Facility、ANU、Canberra、Australiaから得るか。Gibco(Invitrogen Corporation、NY)から購入した。RPMI-1640(Gibco #11875-093)またはDulbecco変法イーグル培地(DMEM)(1X、液体、低グルコース、Gibco #12320-32)完全細胞培養液は、RPMI/DMEM+HEPESに10%加熱不活化FCS、0.1%PSN抗生物質、および2mM L-グルタミンを添加して実験的要求により組織培養用に新たに調製した。
抗生物質
抗生物質ストックを0.22μmフィルター(Millipore、NSW、Australia)でろ過したDDMに溶解し、JCSMR Media Facility、ANU、Canberra、Australiaが調製した。ペニシリン、ストレプトマイシン、およびネオマイシン(PSN)抗生物質(1000 x ストック):30.07g/L ペニシリンGナトリウム(MP Biomedicals、LLC)、50g/L硫酸ストレプトマイシン(Sigma-Aldrich、St. Louis、MO)、および50g/L硫酸ネオマイシン(Sigma-Aldrich、St. Louis、MO)。PSNは、特記しない限りすべてのRPMI/DMEM完全培地に加えた。
オリゴヌクレオチド
遺伝子発現分析用のプライマー/プローブセットをTaqman(登録商標)Gene expression Assays(Applied Biosystems、Foster City、CA)からオンラインで購入した。定量的cDNAリアルタイムPCRに用いたヒトTaqMan(登録商標)プローブセットは、ラミニン-5、フィブロネクチン、インテグリン-β、snail-1、uPAR、E-カドヘリン、ビメンチン、MMP-1、Zeb1、CD44、CD24、LSD1、PKC-θ、およびシクロフィリンAを含む。転写産物の定量的cDNAリアルタイムPCR分析に用いたすべてのプライマー配列を表3に示す。
すべてのゲノムDNAオリゴヌクレオチドは、EasyOligoes Australia(Sigma-Aldrich、St. Louis、MO)から保証付きオリゴ(Guaranteed Oligos)として100μMストックでオンラインにて購入した。プライマー濃度を同じ遺伝子の異なるプライマーセット間で同様の増幅効率を達成するために最適化した。定量的リアルタイムPCRに用いたすべてのオリゴヌクレオチドプライマー配列を表4に示す。
抗体およびコンジュゲート
この試験用のすべての抗体は市販供給源から購入した。すべての購入した市販抗体の詳細を表5に示す。
キット
100mM dNTPセット(4x25μmol)キット(Astral scientific Pty. Ltd.、NSW、Australia)
Platinum(登録商標)Taqman DNA ポリメラーゼ(Invitrogen、Carlsbad、CA)
QIAmp(登録商標)血液ミニキット(Qiagen、Valencia、CA)
Superscript(登録商標)III RNaseH-逆転写酵素キット(Invitrogen、Carlsbad、CA)
PowerSYBERグリーンPCRマスターミックス(Applied Biosystems、Foster City、CA)
Taqman(登録商標)ユニバーサルPCRマスターミックス(Applied Biosystems、Foster City、CA)
Taqman(登録商標)MicroRNA逆転写キット
酵素およびマーカー
完全プロテアーゼ阻害剤カクテル錠(Roche Diagnostics、Mannheim、Germany)
DNAse I、RNase不含(Roche Diagnostics、Mannheim、Germany)
プロテアーゼK(溶液)、RNAグレード(Invitrogen、Carlsbad、CA)
Superscript(登録商標)III RNaseH-逆転写酵素(Invitrogen、Carlsbad、CA)
細胞培養
哺乳動物細胞株
付着ヒト乳癌MCF-7細胞株をDMEM完全培地中で増殖させた。解凍後、細胞を無菌75cm
2中のDMEM完全培地中に最初の分割前2日間維持した。コンフルエント(2日後)になったら、細胞を10mLの予め温めたD-PBS(Gibco-BRL、Gaitherburg、MA)で洗浄し、次いで洗浄した細胞の1mLの0.05%トリプシン-EDTA(1X)(Gibco-BRL、Gaitherburg、MA)を加えた。次に、細胞を37℃で3分間インキュベーションして細胞を剥離し、次いで別の10mL DMEM培地を加えた。次に、細胞を300 x gで10分間遠心分離し、次いで1mLの新鮮完全DMEM培地に再浮遊させ、次いでVi-CELL-XRカウンターでカウントした後、望む細胞密度に分割した。次に、細胞を実験の必要に応じて2〜3日間毎に継代し、80%コンフルエントに達したら継代した。ほとんどの実験で、特記しないかぎり、24ウェルプレートで4x10
4細胞/ウェル、4x10
5細胞/75cm
2フラスコ、または4x10
6細胞/375cm
2フラスコを実験1日前に播種した。MDA-MB-231All細胞を5%CO
2/O
2の加湿雰囲気中で増殖させ、Hepa-Filtered Infrared(IR)インキュベーター(Forma Scientific Inc.、Materietta、OH)中37℃でインキュベーションした。用いたすべての他の細胞株はRPMI-1640完全培地を用いる以外は同じように増殖および継代した。
細胞生存率および密度カウント
細胞生存率はVi-CELL-XRカウンター(Beckman Coulter Ireland Inc.、Galway、Ireland)を用いて測定した。市販のVi-CELLカウンター試薬パックをBeckman Coulter Ireland Inc.、Galway、Irelandから購入した。再浮遊細胞(1mL培地中)の50μL部分標本を450μL培地で1:10に希釈し、Vi-CELLカウンターカップにロードして細胞カウントと生存率チェックを行った。細胞生存率カウントは特記しないかぎり常に>98%であった。
マイコプラズマの検出
凍結前と解凍後に、常に細胞のマイコプラズマ汚染をチェックし、マイコプラズマふりーの細胞のみをすべての実験に用いた。マイコプラズマの検出は、MycoAlert Qマイコプラズマ検出キット(Lonza、ME USA)を用いて行った。
刺激条件
MCF-7細胞を実験の必要に応じて規定の密度で刺激1日前に播種した。ホルボール12-ミリステート13-アセテート(PMA)(Sigma-Aldrich、St. Louis、MO)およびTGF β(R&D systems、Minneapolis、MN)を含むEMTの潜在的誘導物質を表6の種々の濃度とインキュベーションの長さで試験した。
LSD1阻害条件
用いた市販LSD1阻害剤と供給元情報を表7に示す。溶解培地またはビークル((特記しないかぎり)通常DMSO)の同濃度の対応するコントロール試料も各実験に含めた。
上皮間葉転換(EMT)アッセイ
EMTアッセイを24ウェルプレート(Costar、Corning Inc.、Corning、NY、USA)中で行った。このアッセイでは、通常、MCF-7細胞を特記しないかぎり実験1日前に4x10
4/ウェル/500μL培地で播種した。細胞を翌日温培地中で調製した種々のEMT刺激物で刺激し、下記のごとく顕微鏡下でEMT変化をモニターした。EMTのパーセンテージは、一般的には、顕微鏡下で視野あたり100細胞でカウントした表現型に基づいて計算した。本明細書で用いているすべての潜在的EMT刺激物質を表6に記載し、供給者の説明書に従って調製および保存した。
腫瘍様塊アッセイ
下記腫瘍様塊培養液成分をStemCell Technologies Inc.、BC、Canadaから購入した:Mammocult基礎培地(Human)(カタログ番号05621)、Mammocult増殖添加物(ヒト)(カタログ番号05622)、ヘパリン(カタログ番号07904)、およびハイドロコルチゾン(カタログ番号07904)。ハイドロコルチゾン粉末を実験日に新たにmammocult基礎培地に溶解して10-4M溶液を得た。次に、50mLのMammocult完全培地を45mL Mammocult基礎培地、5mL mammocult増殖添加物、100μLの0.2%ヘパリンストック、500μLの10-4Mハイドロコルチゾンストック、および50μLのPNSを加えて調製した。Mammocult完全培地は、同日に用いるか、または7日間以下で4℃に保存した。
MCF-7細胞を、175cm2細胞培養フラスコで増殖させ、細胞スクレーパー(Zellschaber、Switzerland)を用いて採取するか、または下記のごとくFACSでソートした。重要なことは、トリプシン処理は腫瘍様塊アッセイを妨げるので細胞の採取に用いなかった。次に、採取した細胞を1mLのmammocult完全培地に再浮遊させ、500 x gにて20℃で3分間遠心分離した。次に、細胞ペレットを1mLのmammocult完全培地に再浮遊し、次いでVi-CELLカウンターで細胞をカウントした。次に、細胞希釈液を調製して40,000細胞/2mLを染色し、2mLの細胞を6ウェル超低付着平底プレート(Costar、Corning Inc、Corning、NY、USA)に播種した。細胞を実験プロトコールに従って刺激するかまたは非処理とし、Hepa-Filtered Infrared(IR)インキュベーター(Forma Scientific Inc.、Materietta、OH)中で5%CO2下、37℃で7日間インキュベーションした。第7日に1ウェル当たりの60μmより大きい腫瘍様塊をカウントし、Olympus顕微鏡で写真を撮影した。すべての腫瘍様塊アッセイをデュプリケートのウェルで行い、全手順を少なくとも2回繰り返した。
免疫蛍光
蛍光活性化セルソーティング(FACS)
各ウェル/フラスコから細胞をトリプシン処理で採取し、次いでPBSで2回洗浄した。次に、洗浄した細胞を1%FCS-PBS溶液中の抗CD44-APC、抗CD24-PE抗体(表5に詳述)およびHoechst 33258染料(最終希釈1:1000)(Invitrogen、Carlsbad、CA)からなる抗体カクテル中に再浮遊させた。抗体カクテルに再浮遊した細胞を4℃で20分間インキュベーションした。次に、細胞をPBSで2回洗浄し、1%FCS-PBS溶液(細胞数に基づく量)に再浮遊し、FACS分析まで氷上に保った。前方散乱(FSC)および側方散乱パラメーターを、488nmアルゴンイオンレーザーで励起したFITC蛍光色素、488nmで励起したPE蛍光色素、および350nmヘリウム-カドミウムUVレーザーで励起したHoechst蛍光色素にて選択した。
フローサイトメトリーデータをBD FACS LSRフローサイトメーター(Becton Dickinson Biosciences)またはBD FACS Aria(登録商標)IIフローサイトメーター(Becton Dickinson Biosciences)を用いて得、データ収集ソフトウエアCellQuest Pro(Becton Dickinson Biosciences)およびFlowJo(Tree Star Inc.、Ashland、OR)ソフトウエア(MCRF機関、JCSMR、ANU、Canberra、Australia)を用いて分析した。単色コントロールを補正パラメーターを設定するのに用いた。アイソトープコントロールを各実験ですべての対応する一次抗体について用いた。
MCF-7細胞におけるCD44およびCD24染色の最適化
このテーマで用いたFACSゲーティング戦略を、CD44highおよびCD24low発現に基づいて細胞をソートした先駆的乳癌幹細胞公表物(Al-Hajj et al.、2003)から選び、修飾する。
CD44highおよびCD24lowの発現は、ヒト乳癌幹細胞(Al-Hajj et al.、2003;Sleeman et al.、2006;Mani. et al.、2008)と関連することが示された。抗CD44-APCおよび抗CD24-PE抗体が特異的であることを確認するため、アイソタイプコントロール抗体を用いた。抗CD24-PEに用いたアイソタイプ(陰性コントロール)はPEマウス抗ヒトIgG2aKであり、抗CD44-APCにはAPC-マウス抗ヒトIgG2bKを用いた。第1に、すべての細胞をHoechst 33258で染色し、細胞生存率をモニターした。さらに、細胞を種々の濃度のAPCまたはPEアイソタイプコントロールで染色した。
顕微鏡検査
蛍光顕微鏡検査
細胞を上記のごとく染色し、カバースリップにマウントした。染色した細胞を、Olympus蛍光1X71顕微鏡(Olympus、Tokyo、Japan)を用い油浸下で倍率X100、または倍率60x、またはLeica共焦点顕微鏡(Leica microsystems)で観察した。Olympus蛍光1X71顕微鏡の画像をDPコントローラーカメラソフトウエアバージョン1.2.1.108(2002 Olympus optical Co.、LTD)を用いて保存し、Leica共焦点顕微鏡の画像をLeicaアプリケーション一式、2.0.0プログラムを用いて保存した。画像をPhotoshop CS3(Adobe Systems Inv.、San Jose、CA)を用いて分析した。GFP/FAMベクターでトランスフェクトしたウェルまたはフラスコを、Olympus蛍光1X71顕微鏡でFITC励起フィルター406-495nMフィルター(WIB)を用いて観察した。
位相差顕微鏡
位相差顕微鏡検査を、EMTおよび癒傷アッセイについてOlympus蛍光1X71顕微鏡の倍率10xまたは20x下で行った。癒傷アッセイ写真をImage Jソフトウエア(NIHが開発した公共ドメイン中の無料ソフトウエア)でも分析した以外は上記のごとく画像保存および分析した。
トランスフェクション
DNAトランスフェクション
市販のトランスフェクション剤、FuGENE 6(Roche Diagnostics、Mannheim、Germany)(FuGENE 6に関する詳細な方法は以下に記載する)によるMCF-7およびT-47D細胞のDNAトランスフェクションのために条件を最適化した。最大トランスフェクション効率を達成するため、最初に、トランスフェクション試薬を種々の試薬:DNA/オリゴ(最適化用のGFP-発現ベクター)比で試験した。すべてのDNAトランスフェクションは、細胞を24ウェルプレートでトランスフェクションを開始する24時間前に抗生物質不含培地500μL中に1 x 105細胞で播種し、製造者の指針に従って行った。トランスフェクション用に用いた希釈培地は、OptiMEM(登録商標)I 低血清培地(1X)、液体(Invitrogen、Carlsbad、CA)であった。トランスフェクションパーセンテージを36〜48時間後に上記FACSによりチェックした。
500μL総容量(24ウェルプレートの1ウェルあたり)中の単回反応について、0.9μL FuGENE 6を10μLのOptiMEM(登録商標)I低血清培地を含む1.5 mL Eppendorfチューブに加えて十分混合し、室温で5分間インキュベーションした。5分後、0.4μgまたは0.3μg GFP標的DNA(DNAの容量は用いる特定のDNAオリゴヌクレオチドの濃度に応じて計算した)をチューブに加え、それぞれFuGENE 6を2.25:1または3:1の割合にした。次に、DNAおよび該複合体を室温で45分間インキュベーションした。45分後、20μLのFuGENE-DNA複合体を細胞の上に滴下し、プレートを旋回させて混合し、次いでプレートを37℃で36〜48時間インキュベーションした。
siRNAトランスフェクション
Lyophilized silencer(登録商標)FITCコンジュゲート陰性コントロールsiRNA(Mock)(sc-36869);有効LSD1 siRNA(sc-60970)およびLSD2 siRNA(sc-95467)はSanta Cruz Biotechnologies、Californiaから購入した。これらのsiRNA特異性は先に公表されている(Sutcliffe et al.、2011. Molecular Cell 6:704-719;Yang et al.、2010. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 107:21499-21504)。10nM siRNAを用いるフォワートトランスフェクションを、MCF-7細胞でLipofectamine 2000(Invitrogen、Carlsbad、CA)を用いて行った。フォワートトランスフェクション法は、EMTアッセイおよび転写産物分析では24ウェルプレート(4 x 104細胞)中で行ったが、より大量の細胞が必要なクロマチン免疫沈降(ChIP)アッセイでは、25cm2フラスコ(4 x 105細胞)中でトランスフェクションを行った。
簡単には、24ウェルプレート中のフォワートトランスフェクション反応を行うために、4 x 104 MCF-7細胞/ウェルをトランスフェクションの24時間前に500μLの抗生物質不含培地に播種した。250μL DEPC-水を20nmol凍結乾燥siRNAストックに加え、20μM濃度のストックを得た。10nMの最終siRNA濃度(24ウェルプレートの1ウェル中の総量500μLの培地中の1反応について)を達成するため、3μLの20μM siRNAストックをさらに50μL Opti-MEM(登録商標)Iで希釈し、室温で5分間インキュベーションした。この工程の直後に50μL Opti-MEM(登録商標)I中の1μL Lipofectamine(1反応について)を加えることによりLipofectamineをさらに希釈し、次いで、室温で5分間インキュベーションした。次に、50μLの希釈siRNAおよび50μLの希釈Lipofectamine溶液を一緒に混合して100μLのsiRNA-Lipofectamine複合体を得た。次に、この複合体を暗部、室温にて20分間インキュベーションした。得られたsiRNA-Lipofectamine複合体を細胞表面に注意深くピペットで移し、プレートを静かに前後に揺らして混合した。プレートを48〜72時間インキュベーションし、トランスフェクション効率をフローサイトメトリー(上記のフローサイトメトリー分析の詳細な方法を参照)によりチェックした。ノックダウンを3つの方法でチェックした:(1)興味ある遺伝子の転写産物分析を行ってTaqManからのリアルタイムPCRについて特定遺伝子のノックダウン(例えば、LSD1オリゴヌクレオチド(表3に記載)を用いるLSD1に対するsiRNAによるLSD1ノックダウン)を確認した。(2)ChIPレベル(特定遺伝子に関するChIPの結果参照)(3)最適化実験を各siRNAについて行い、MCF-7の最大トランスフェクション効率(70〜80%)を確認した。したがって、本明細書に記載の結果は再現性がある。各mock(コントロール)および遺伝子特異的siRNAノックダウン実験は3回独立して行い、1つの代表的な実験のみをこの項に示す。
分子生物学技術
RNA単離手順では、すべてのピペット、チューブホルダー、およびグローブを常にRNase Zap(Ambion、VIC、Australia)で準備した。RNAse、DNAse、パイロジェンフリー無菌マイクロチューブ(Axygen Scientific、Inc.、Union City)および予め滅菌したエアロゾル耐性チップおよび新鮮ベンチコートをこの項に記載のすべての分子生物学実験で日常的に用いた。
総RNA単離
ほとんどの実験で、特記しないかぎり、総RNAを5x105〜1x106MCF-7細胞から抽出した。細胞を最初に1mLのTrizol(登録商標)試薬(Invitrogen、Carlsbad、CA)中、室温で5分間解凍してRNaseを不活化し、次いでトリチュレーションして細胞ペレットを除去した。Tizol(1 mL)に浮遊させた分離細胞を1.5mL Eppendorfチューブに移し5分間ホモゲナイズした。次に、RNAを200μLクロロホルムを加えて抽出し、勢いよく混合し、次いで試料を8,000 x gで4℃30分間遠心分離した。次に、水性層を新鮮1.5mL Eppendorfチューブに回収し、等容量のイソプロパノールを水性層に加え、静かに混合した。室温で5分間後、試料をドライアイスで急速冷凍し、-70℃で一夜または単離手順を再開するまで保存した。試料を急速解凍後、試料を再度8,000 x gにて4℃30分間遠心分離してRNAを沈殿させた。すべての微量のイソプロパノールを水性層を除去するために、次にRNAペレットを1mLの氷冷80%エタノール(Analytical UNIVAR、Seattle、WA)で洗浄し、次いで3,600 x gにて4℃10分間遠心分離した。次にすべてのエタノールを除去し、ペレットを5分間空気乾燥させた。次に、RNA試料を50μLのヌクレアーゼ不含DEPC(ジエチルピロカルボネート処理)水(Ambion、VIC、Australia)に再懸濁して可溶化した。次に、2μLの試料をとり、Nano-drop(登録商標)分光光度計ND 1000(Nanodrop Technologies、Inc.、Wilmington、DE、USA)でND-1000 V3.30ソフトウエアを用いてRNAの質と量を測定した。すべてのRNA試料は、UVスペクトルで吸収される夾雑物(例えばタンパク質)に対するRNAi物質の純度の推定値をもたらすA260/A280比が1.9〜2.1であることから純粋であることがわかった。
第1鎖cDNA合成
Superscript TM(登録商標)IIIキット(Invitrogen、Carlsbad、CA)をcDNA合成に用いた。マスターミックス-1を1μLの5μMオリゴ(dT)および1μLの100mM dNTPを加えて調製し、指ではじいて混合した。マスターミックス-2を、2μLのRT緩衝液、2μLの3mM mgCl2、2μLのDTTミックス、1μLのRNAse out、1μLのスーパースクリプトIIIを加えて調製し、指ではじいて混合した。1μg RNAにつき2μLのマスターミックス-1を試料に加え、65℃で5分間インキュベーションし、次いで、試料を氷上において反応を止めた。この工程に次いで10μLのマスターミックス-2/試料を加え、試料を50℃で50分間インキュベーションした。次に、試料を85℃で5分間インキュベーションし、次いで試料を氷上に2分間おいて反応を止めた。最後に、1μLのRNaseHを各試料に加え、試料を37℃で20分間インキュベーションした。すべての試料をドライアイスで急速凍結するか、または速やかに定量的リアルタイムPCR分析に用いた。
定量的リアルタイムPCR(qRT-PCR)分析
TaqMan(登録商標)遺伝子発現アッセイ(Applied Biosystems、Foster City、CA)を用い、ABI PRISM 7900 HT高速リアルタイムPCR配列検出器(PerkinElmer/PE、Applied Biosystems、Foster City、CA)でFAMプローブチャンネルを用いてqRT-PCRを実施した。総反応容量10μLを、製造業者のガイドライン(PerkinElmer/PE、Applied Biosystems、プロトコールPN 4333458)に記載のごとくPCR用にDEPC水で1:20に希釈したcDNAとともに用いた。すべてのゲノムDNAについて、パワーSYBRグリーンリアルタイムPCR(PerkinElmer/PE、Applied Biosystems、Foster City、CA)反応を行い、ChIP試料を1:5に希釈した。各PCRを以下のごとくサーモサイクラー条件を用いてデュプリケートウェル中で行った:段階1-50℃で2分間を1サイクル;段階2-95℃で10分間を1サイクル;段階3-95℃15秒および60℃1分間を40サイクル。すべてのプライマーセットについて、PCRミックス内のあらゆる夾雑DNAのPCR増幅を試験するためのテンプレートコントロールは通常含まなかった。解離曲線を各プライマーセットで行い、下記PCR条件を用いる単一生成物の増幅を確認した:段階1-95℃で15秒間;段階2-60℃で20秒間;最小傾斜速度で段階3-95℃で15秒間に到達。PCR反応は、Optical PCR 384ウェル反応プレート(Applied Biosystems、Foster City、CA)を用いて行った。
cDNA実験のデータ分析
PCR増幅プロットからのすべての閾値サイクル(Ct)値を、Microsoftエクセルスプレッドシートの式100000/2^(Ct-17)(ここで、Ct値の17を105コピーに設定し、各サイクルの増加がインプットDNAの2倍の増加に等しいと仮定した)を用いて任意のコピー数に変換した。すべてのプライマーをアンプリコン標準曲線に対してチェックし、上記式が増幅標準曲線法で得られた結果と同様の結果をもたらすことを示した。シクロフィリンAプライマー(セクション0)PCR反応を各実験で同時に行い、RNAインプットおよびcDNA合成の差を正規化した。
MicroRNAのcDNA合成
TaqMan(登録商標)MicroRNA逆転写キット(Applied Biosystems、Foster City、CA)を用いて、特異的TaqMan(登録商標)miRNAプライマーアッセイを用いるmicroRNA分析のために総RNAをcDNAに変換した。TaqMan(登録商標)MicroRNA逆転写キットの試薬を氷上で完全に解凍し、次いで下記成分/15μL反応容量を加えてRTマスターミックスを調製した;0.15μL dNTPミックス(100mM)、1μL Multiscribe(登録商標)RT酵素(50U/μL)、1.5μL 10 x RT緩衝液、0.19μL RNase阻害剤(20U/μL)および4.16μLヌクレアーゼ不含水、総容量を7μLとする。各成分を静かに混合し、短時間遠心分離し、次いでこのRTマスターミックスをRT反応プレートを調製するまで氷上においた。次に、RT反応プレートを、総RNA(1〜10ng/15μL反応)と5μL RNA:7μL RTマスターミックスの比のRTマスターミックスを最初に混合することにより調製した。次に、MicroRNA RTプライマーを氷上で解凍し、RT反応に用いるチューブに適切な番号をラベルした。次に、総RNAを含む12μLのRTマスターミックスを各チューブに分注し、次いで3μLの5x RTプライマーを適切なチューブに加えて総容量を15μL/チューブとした。次に、すべてのチューブを静かに混合し、短時間遠心分離し、氷上で5分間または15μL反応容量で以下のサーマルサイクルで逆転写するためにサーマルサイクラーにロードする直前までインキュベーションした:サイクル1で16℃、30分間ホールド;サイクル2で42℃、30分間ホールド;サイクル3で85℃、5分間ホールド;およびサイクル4で4℃、∞。操作が完結した後、試料を-20℃で保存するか、またはすぐにqPCRに用いた。
MicroRNA cDNAのqPCR増幅
以下の成分を適切なチューブに加えて20μL qPCR反応ミックスを調製してqPCR反応行った:1μLのTaqMan(登録商標)小RNAアッセイ(20x);1.33μLのRT反応からの生成物;10μLのTaqMan(登録商標)ユニバーサルPCRマスターミックスII(2X、UNGなし)、および7.67μLヌクレアーゼ不含水。次に、成分を静かに混合し、短時間遠心分離した。すべてのqPCR反応はトリプリケートで行った。次に、20μLの完全qPCR反応ミックス(アッセイおよびRT生成物を含む)を384ウェルプレートの各3ウェルに移した。次に、プレートを密封し、短時間遠心分離し、次いでPCR増幅を2.5.2項に記載のごとく行った。
クロマチンアッセイ
クロマチン免疫沈降(ChIP)アッセイ
1〜5 x 106細胞を実験の必要性に応じて種々に処理して採取し、次いでVi-CELLカウンターでカウント後、室温で10mL DMEM完全培地に再浮遊させた。次に、細胞を、ロータリーホイール上で連続的にゆっくり回転させながら室温で10分間、新たに調製した1%パラホルムアルデヒド(PFA)(Analytical UNIVAR、Seattle、WA)で架橋した。次に、2Mグリシン溶液(AnalaR、Merck、Darmstadt、Germany)を最終濃度125mMに加えて反応を止め、さらにロータリーホイール上で室温で10分間混合した。次に、細胞を10mLの氷冷PBSで3回洗浄し、細胞ペレットをドライアイスで急速凍結するか、またはその後速やかに用いた。SDS溶解緩衝液(Upstate Biotechnology、Billerica、MA)を1 x 完全プロテアーゼ阻害剤溶液(1錠を1mL DEPC水に溶解)(Roche Diagnostics、Mannheim、Germany)を加えて調製し、次いで細胞ペレットを250μLのSDS溶解緩衝液に室温で10分間再浮遊させた。細胞をCole Palmer超音波処理装置(Cole Plamer、Vernon Hills、IL)を用いて超音波処理(1Lの氷冷水(氷と混合)で2分間10秒パルス、70%最大アウトプット)してクロマチンを剪断し、250〜500bpの平均DNA断片サイズを得た。超音波処理後、試料を10,2000 x gにて室温で5分間遠心分離して細胞デブリを除き、次いで上清をChIP希釈緩衝液(Upstate Biotechnology、Billerica、MA)で1:10に希釈した。実験の必要性に応じて抗体を1.5 mL Eppendorfチューブに等分し、次いで希釈緩衝液で希釈した0.5〜1 x 106細胞から得た超音波処理クロマチンを加え、次いで、ロータリーホイール上で4℃で一夜抗体とインキュベーションした。すべての実験について、各条件についていかなる抗体も含まない総ゲノムDNA(総インプットという)を急速凍結して-70℃で保存し、いかなる抗体も含まない試料(無抗体という)もChIP試料と並行して処理した。次に、免疫複合体を、ロータリーホイールで60μLのサケ精子DNA/プロテインAアガロースビーズを4℃で1時間加えて結合させた。次に、試料を2500 x gにて4℃で2分間遠心分離して上清を捨て、次いでビーズを以下の各洗浄用緩衝液(Upstate Biotechnology(Billerica、MA))を同順序で用いロータリーホイール上で4℃で5分間洗浄した:第1洗浄−500μLの低塩免疫複合体洗浄緩衝液;第2洗浄−500μLの高塩免疫複合体洗浄緩衝液;第3洗浄−500μLのLiCi免疫複合体洗浄緩衝液;第4洗浄−500μLの低塩免疫複合体洗浄緩衝液および第4洗浄−1mL TE緩衝液(10mMトリス-HCl pH 8.0、1mM EDTA)。プロテアーゼ阻害剤−完全、1 x(Roche Diagnostics、Mannheim、Germany)を使用直前にすべての洗浄緩衝液に加えた。次に、DNA-タンパク質複合体をビーズから400μLの新たに作製した溶出緩衝液(1%(w/v)SDS、100mM NaHCo3)でロータリーホイール上30分間溶出した。次に、試料および総インプットコントロールを16μLの5M塩化ナトリウム(Sigma-Aldrich、St. Louis、MO)を添加後に66℃で一夜インキュベーションして架橋(または逆架橋)を加水分解した。翌日、試料を1μLのプロテアーゼK溶液(20μg/μL )(Invitrogen、Carlsbad、CA)で45℃で1時間処理した。消化したタンパク質を10mMトリス、pH 8.0、1mM EDTA(Sigma-Aldrich、St. Louis、MO)で飽和した、等量のフェノール−クロロホルム−イソアミルアルコール(25:24:1)を加え、試料を混合し、次いで10,200 x gにて室温で20分間遠心分離して水性層を採取しChIP試料から除去した。ゲノムDNAを2.5容量の氷冷無水エタノール(Analytical UNIVAR、Seattle、WA)、0.1容量の3M酢酸ナトリウム緩衝溶液pH5.2(Sigma-Aldrich、St. Louis、MO)、および25μgのGeneElute(登録商標)直鎖ポリアクリルアミド(Sigma-Aldrich、St. Louis、MO)を-20℃で少なくとも24時間加えて水性分画から沈殿させた。次に、試料を遠心分離によりペレットとし、80%氷冷エタノールで洗浄し、次いでペレットを空気乾燥し、次いで20μLのDEPC水に懸濁し、リアルタイムPCR分析を行った。ChIP試料に対するリアルタイムPCRを行うのに用いたオリゴヌクレオチドを表4に示す。
一連のChIP
一次ChIPをTE緩衝液洗浄工程まで上記のごとく行った。すなわち、一次ChIPからの免疫沈降物をDEPC水中の10mM DTT(Superscript(登録商標)III RNaseH-逆転写酵素キット(Invitrogen、Carlsbad、CA))を含む溶出溶液60μLに溶解し、37℃の水浴中で1時間インキュベーションした。このインキュベーション期間中15分間毎にチューブを軽くたたいた。次に、試料をChIP希釈緩衝液で1:40に希釈し、次いで400μLの試料をとって-70℃で凍結し、二次ChIPのための総ゲノムインプットとして用いた。これらの試料に二次抗体を加え、再度、免疫沈降を、免疫複合体を60μLのサケ精子DNA/プロテインAアガロースビーズと4℃で2時間結合させる以外ChIPプロトコール(上記)のごとく行った。次に、一連のChIP試料を溶出し、架橋を逆転させ、次いでゲノムDNAを上記の方法のごとく沈殿させた。一連のChIP分析は下記のChIP豊富化比法を用いて行い、次いで非刺激試料に対する倍数変化で表した。
ChIP実験用のデータ分析
すべてのChIPアッセイを無抗体コントロールおよびアイソタイプ特異的コントロール抗体の存在下で行った。陰性コントロールは無抗体コントロールであり、これからの濃縮値は日常的に低く、ChIP豊富化比の計算においてバックグラウンド除去に含める。リアルタイムPCR増幅プロットからのCt値を最初に式100000/2^(Ct-17)を用いて任意のコピー数に変換した。試料データを対応する総インプット任意コピー数に正規化した。次に、無抗体コントロールを超える倍数変化を計算し、ChIP豊富化比を得た。ChIP豊富化比値は、ヒストン修飾に対するChIP豊富化比値を除き10倍した。この分析方法は、Pokholok et al.(2006. Science 313:533-536)(均等スケールで示したChIP豊富化比は対数スケール(Pokholok et al.、上記)のChIP-on-ChIPデータの表示のシグナル対ノイズをさらに強調することを確立した)から採用した。したがって、この論文のすべてのChIPデータを均等スケールで表す。すべてのchipアッセイは、3つの独立した実験の平均±標準誤差(SE)を表し、リアルタイムPCRによりデュプリケートで分析した。ある場合には、倍数変化を非刺激試料(1に設定した)に対して計算した。統計的有意性は、Windows用GaraphPad Prism 5.03を用いる両側対応のあるt検定により決定した。
すべてのchip試料を常に各対応試料の総インプット(TI)で正規化した。ChIP試料の回収が刺激細胞およびCSCサブセットで低ければリアルタイムPCR分析で達成した任意のコピーは低く(しかしそうでなかった)、試料からの任意のコピーは他と同じCt範囲であった。「ChIP豊富化比」法を分析に用いたので、異なる試料にわたるChIP DNAの回収はデータの分析と解釈に影響を及ぼさなかった。「ChIP豊富化比」を用いることによるこのChIP分析法は、ChIPデータを計算する最良の方法と考えられる(Pokholok et al.、上記)。したがって、該結果は、ChIP回収が不十分なことによるものではないようであった。
一連のChIP分析では、一連のChIP実験から回収したゲノムDNAをuPARまたはmiR 200cのプロモーター領域に特異的なプライマーを用いるSYBRグリーンリアルタイムPCRにより定量した。PCR増幅プロットからのCt値を式100000/2^(Ct-17)を用いて任意のコピーに変換した。無抗体コントロールを各試料のデータから差引き、次いで、最初の免疫沈降の前に得た対応する総インプット(TI-1)に対して正規化した。次に、得られたデータをそれらの各第2総免疫沈降インプット(TI-2)に対して正規化した。次いで、最後に倍数変化を非刺激試料(1に設定した)に対して計算した。次に、これらの値を用いて図に示す一連のChIPプロットを作製した。この一連のChIP分析法は、Sutcliffe et al.、2009から採用した。統計的有意性は、Windows用GaraphPad Prism 5.03を用いる両側対応のあるt検定により決定した。この一連のChIP分析法は、Sutcliffe et al.、2009から採用した。
IN VIVOネズミ異種移植モデル
in vivoの腫瘍再発に対するLSD1阻害剤の効果をモニターするため、乳癌の再発のin vivoネズミ異種移植モデルを用いた。最もしっかりしたよく確立されたモデルのひとつであるMDA-MB 231細胞株モデルを6週齢のBALB/c雌ヌードマウスに用いた。5x106 MDA MB 231細胞を各マウスの乳腺脂肪体中に注射した。マウスは、腫瘍の出現と増殖を観察した。腫瘍が50mm3体積サイズ(ノギスで測定)に達したら処置を開始した。マウスを腫瘍が500mm3に達するまでモニターし、屠殺して腫瘍を採取した。各処置群は、各14匹のマウスからなった(腫瘍増殖曲線にマウス5匹+3時点−処置開始日−第0週、化学療法腫瘍減少−約第4週、および腫瘍が500mm3に達するまで−約第7週に各マウス3匹)。腫瘍体積を毎週測定し、各群から3匹を上記3時点でIHC、FACS、およびRNA抽出用に屠殺した。
腫瘍の発生
1. 細胞をロット標示MDA-MB-231(9/2/14)から解凍した。
2. 細胞を54 x 150cm2フラスコに増殖させた。
3. 次に、細胞浮遊液を室温で5分間、1500rpmにて遠心沈殿させた。
4. 次に、上清を捨て、細胞ペレットを2.5mLの冷PBSおよび2.5mL冷Matrigel(登録商標)(注:Matrigelは氷上に保ったときのみ液体状態である。)に再浮遊させた。
5. 次に、マウスに50μLのMatrigel(登録商標)+PBS中の5x106細胞浮遊液を26''針および麻酔薬としてイソフルランを用いて注射した。各50μLの混合物は2 x 106 MDA-MB-23
1細胞を含む。
6. マウスを、モニターおよび体重測定し、15/05/2014まで毎日モニターした。
7. 腫瘍体積の測定をMDA-MB-231の注射後第7日に開始した。次に、腫瘍体積を15/05/2014まで毎日測定した。
マウスの治療を、腫瘍がおおよそ50mm3の体積に達したMDA-MB-231注射後第16日に開始した。
マウスの治療
グループA:コントロール-20μlのDMSO
グループB:4mg/kgのドセタキセル(11匹)
グループC:100mg/kgのパルギリン(11匹)
グループD:4mg/kgのドセタキセル+100mg/kgのパルギリン(11匹)
試料の採取
腫瘍、脾臓、肝臓、肺、および腎臓を、(1)IHC用固定剤および(2)2つの異なるRNase不含1.5ml Eppendorfチューブに採取し、第0日に-80冷凍庫中で凍結した(1匹/グループA〜C)。
処置後第4週に、CD44、CD24およびHoechst染色によるフローサイトメトリー用に腫瘍試料を採取した(3マウス/グループ;最大、最小、および平均サイズの腫瘍を採取)。各試料から各単一細胞浮遊液1mlを遠心沈殿し、RNA用に細胞ペレットを回収した。
処置後第7週に、残りの腫瘍試料をCD44、CD24およびHoechst染色によるフローサイトメトリー用に採取した。残りの試料をRNA抽出に用いた。
単一細胞浮遊液およびフローサイトメトリー染色
1. 腫瘍を15mLチューブ中の2.5%FCS添加DMEM 5mLに採取した。
2. 次に、腫瘍の重量を個々に測定し、加えるコラゲナーゼの量を決定した。注:1mgのコラゲナーゼ/1gの腫瘍を使用。コラゲナーゼ濃度=DMEM中100mg/mL。
3. 腫瘍をペトリ皿中外科用ブレードを用いて細かく切り刻み、次いで適切な量の培地を含む15mLチューブに戻した(例えば腫瘍が1gならば培地を10mLまで満たし、100μLのコラゲナーゼストックを加える)。
4. 次に、試料を5分毎にチューブを振盪/傾斜させながら37℃で1時間インキュベーションした。
5. 1時間後、試料を室温で5分間500 x gで遠心沈殿させた。
6. 次に、細胞を10mLの2.5%FCS+DMEMに再浮遊させ、0.2μmフィルターを用いて50mLチューブ中にろ過した。
7. 次に、細胞をトリパンブルー染色を用いてカウントした。
8. 総数2 x 105の細胞をCD44-APC、CD24-PE、およびHoechstで染色した。
染色は、暗所中、4℃で35分間回転させながら、1.5ml Eppendorfチューブ中の100 mLのCD44-APC(1:50)、CD24(1:50)、およびHoechst(1:1000)で行った。
次に、細胞を1mLのFACS緩衝液(1%FCS+PBS)で洗浄し、捕捉用の小RACSチューブ中100μLに再浮遊させた。
フローサイトメトリーをJCSMR、ANUのLSR IIを用いて行った。
本明細書に記載のすべての特許、特許出願、および刊行物の開示は本明細書の一部を構成する。
本明細書におけるあらゆる参考文献への言及は、そのような参考文献を本願に対する「先行技術(Prior Art)として利用可能であることを了承するものと解釈すべきでない。
本明細書を通して、本発明をいずれかの態様または特定の特徴の集合に限定することなく本発明の好ましい態様を述べることを目的とした。したがって、当業者は、本開示に照らして、本発明の範囲から逸脱することなく例示した特定の態様に種々の修飾および変更をなすことができると認識するだろう。すべてのそのような修飾および変更は添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることを意図する。