以下に添付図面を参照して、本発明の段ボールシートの切断システム及び方法並びに段ボールシートの製造装置の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
図1は、本実施形態の段ボールシートの製造装置としてのコルゲートマシンを表す概略図である。
本実施形態において、図1に示すように、段ボールシートの製造装置としてのコルゲートマシン10は、まず、波形加工された中芯B1に裏ライナ(第2ライナ)C1を貼り合わせて片面段ボールシートD1を製造する。次に、製造された片面段ボールシートD1の中芯B1に表ライナ(第1ライナ)Aを貼り合わせて連続した両面段ボールシートE1を製造する。そして、連続した両面段ボールシートE1を所定長さに切断することで、板状の両面段ボールシートF1を製造することができる。また、コルゲートマシン10は、まず、上述した片面段ボールシートD1を製造すると共に、波形加工された中芯B2に裏ライナ(第2ライナ)C2を貼り合わせて片面段ボールシートD2を製造する。次に、製造された片面段ボールシートD1の中芯B1に片面段ボールシートD2の裏ライナC2を貼り合せると共に、片面段ボールシートD2の中芯B2に表ライナ(第1ライナ)Aを貼り合わせて連続した複両面段ボールシートE2を製造する。そして、連続した複両面段ボールシートE2を所定長さに切断することで、板状の複両面段ボールシートF2を製造することができる。
コルゲートマシン10は、中芯B1のミルロールスタンド11と、裏ライナC1のミルロールスタンド12と、シングルフェーサ13と、ブリッジ14と、中芯B2のミルロールスタンド15と、裏ライナC2のミルロールスタンド16と、シングルフェーサ17と、ブリッジ18と、表ライナAのミルロールスタンド19と、プレヒータ20と、グルーマシン21と、ダブルフェーサ22と、ロータリシャ23と、スリッタスコアラ(裁断装置、罫線装置)24と、カットオフ(切断装置)25と、不良品排出装置26と、スタッカ27を有している。
各ミルロールスタンド11,15は、両側にそれぞれ中芯B1,B2が形成される中芯がロール状に巻かれたロール紙が装着されており、各ロール紙の間に紙継ぎを行うスプライサが設けられている。一方のロール紙から給紙されているときに、他方のロール紙が装着されて紙継ぎ準備がなされ、スプライサは、一方のロール紙が残り少なくなると、一方のロール紙に他方のロール紙が紙継ぎされる。そのため、各ミルロールスタンド11,15から下流側へ向けて連続的に給紙されることになる。
また、ミルロールスタンド12,16は、両側にそれぞれ裏ライナC1,C2がロール状に巻かれたロール紙が装着されており、各ロール紙の間に紙継ぎを行うスプライサが設けられている。一方のロール紙から給紙されているときに、他方のロール紙が装着されて紙継ぎ準備がなされ、スプライサは、一方のロール紙が残り少なくなると、一方のロール紙に他方のロール紙が紙継ぎされる。そのため、各ミルロールスタンド12,16から下流側へ向けて連続的に給紙されることになる。
各ミルロールスタンド11,15から繰り出される中芯B1,B2と、ミルロールスタンド12,16から繰り出される裏ライナC1,C2は、それぞれ図示しないプレヒータにより予熱される。各プレヒータは、内部に蒸気が供給される加熱ロールを有し、中芯B1,B2や裏ライナC1,C2を加熱ロールに巻き付けて搬送することで、所定温度まで昇温する。
シングルフェーサ13は、加熱された中芯B1を波状に加工した後に各段頂部に糊付けし、加熱された裏ライナC1を貼り合わせて片面段ボールシートD1を形成する。シングルフェーサ13は、搬送方向下流側の斜め上方に取上げコンベアが設けられており、シングルフェーサ13で形成された片面段ボールシートD1をブリッジ14に搬送する。このブリッジ14は、シングルフェーサ13とダブルフェーサ22との速度差を吸収するため、片面段ボールシートD1を一次的に滞留させることができる。
また、シングルフェーサ17は、加熱された中芯B2を波状に加工した後に各段頂部に糊付けし、加熱された裏ライナC2を貼り合わせて片面段ボールシートD2を形成する。シングルフェーサ17は、搬送方向下流側の斜め上方に取上げコンベアが設けられており、シングルフェーサ17で形成された片面段ボールシートD2をブリッジ18に搬送する。このブリッジ18は、シングルフェーサ17とダブルフェーサ22との速度差を吸収するため、片面段ボールシートD2を一次的に滞留させることができる。
ミルロールスタンド19は、両側にそれぞれ表ライナAがロール状に巻かれたロール紙が装着されており、各ロール紙の間に紙継ぎを行うスプライサが設けられている。一方のロール紙から給紙されているときに、他方のロール紙が装着されて紙継ぎ準備がなされ、スプライサは、一方のロール紙が残り少なくなると、一方のロール紙に他方のロール紙が紙継ぎされる。そのため、ミルロールスタンド19から下流側へ向けて連続的に給紙されることになる。
プレヒータ20は、3個の予熱ロール31,32,33が鉛直方向に並んで配置されている。予熱ロール31は、表ライナAを加熱するものであり、予熱ロール32は、片面段ボールシートD2を加熱するものであり、予熱ロール33は、片面段ボールシートD1を加熱するものである。また、各予熱ロール31,32,33は、巻き付け量調整装置(図示略)を有すると共に、内部に蒸気が供給されて所定の温度に加熱されており、周面に表ライナA、片面段ボールシートD2、片面段ボールシートD1が巻き付けられることで、予加熱することができる。
グルーマシン21は、糊付けロール34,35が鉛直方向に並んで配置されている。糊付けロール34は、予熱ロール32で加熱された片面段ボールシートD2における中芯B2の段の各頂部に接触して糊付けを行うものである。糊付けロール35は、予熱ロール33で加熱された片面段ボールシートD1における中芯B1の段の各頂部に接触して糊付けを行うものである。グルーマシン21により糊付けされた片面段ボールシートD1,D2は、次工程のダブルフェーサ22に移送される。また、予熱ロール31で加熱された表ライナAもグルーマシン21内を通ってダブルフェーサ22に移送される。
ダブルフェーサ22は、各片面段ボールシートD1,D2及び表ライナAの走行ラインに沿って、上流側のヒーティングセクション36と、下流側のクーリングセクション37とを有している。グルーマシン21で糊付けされた片面段ボールシートD1,D2及び表ライナAは、ヒーティングセクション36にて、加圧ベルトと熱板との間に搬入され、互いに重なりあった状態で一体となってクーリングセクション37へ向けて移送される。この移送中、各片面段ボールシートD1,D2と表ライナAは、加圧されながら加熱されることで、互いに貼り合わされて連続した複両面段ボールシートE2となり、その後、搬送されながら自然冷却される。なお、両面段ボールシートE1を製造するときには、片面段ボールシートD2を製造しないことから、片面段ボールシートD1及び表ライナAが加圧されながら加熱されることで、互いに貼り合わされて連続した両面段ボールシートE1となる。
ダブルフェーサ22で製造された複両面段ボールシートE2(両面段ボールシートE1)は、ロータリシャ23に移送される。このロータリシャ23は、稼動初期段階で貼合せが安定するまでといった場合に、複両面段ボールシートE2を幅方向に全幅切断あるいは部分切断する。スリッタスコアラ24は、幅広の複両面段ボールシートE2を所定の幅を持つように搬送方向に沿って裁断し、且つ、搬送方向に延在する罫線を加工するものである。このスリッタスコアラ24は、複両面段ボールシートE2の搬送方向に沿って配列された略同一構造をした第1スリッタスコアラユニット38と第2スリッタスコアラユニット39とから構成されている。幅広の複両面段ボールシートE2は、このスリッタスコアラ24により裁断されることで、所定幅の複両面段ボールシートE2が形成される。
カットオフ25は、スリッタスコアラ24によって搬送方向に裁断された複両面段ボールシートE2を幅方向に沿って切断し、所定長さをもった板状の複両面段ボールシートF2(両面段ボールシートF1)に形成するものである。不良品排出装置26は、不良検出装置により不良品と判定された複両面段ボールシートF2を搬送ラインから排出するものである。この不良検出装置は、コルゲートマシンにおける複両面段ボールシートE2の製造工程において不良シートを検出する。例えば、スプライサでの紙継ぎ不良、シングルフェーサ13,17での波型加工された中芯の変形、スリッタに入る手前での段ボールシートの表面検査など、複数個所に設置されている。スタッカ27は、良品と判定された複両面段ボールシートF2を積み上げて製品として機外に排出するものである。
なお、本実施形態のコルゲートマシン10は、上述したように、板状の両面段ボールシートF1と板状の複両面段ボールシートF2を製造することができるものである。しかし、以下に説明する裁断工程や切断工程などでは、ほぼ同様の作業工程である。そのため以下の説明では、連続する両面段ボールシートE1及び連続する複両面段ボールシートE2を連続する両面段ボールシートEとして表し、板状の両面段ボールシートF1及び板状の複両面段ボールシートF2を板状の両面段ボールシートFとして表す。
ここで、本実施形態の段ボールシートの切断システム及び方法について説明する。段ボールシートの切断システムは、ダブルフェーサ22により製造された連続する両面段ボールシートEに対して、スリッタスコアラ24が所定の幅に裁断すると共に所定の位置に罫線を加工し、カットオフ25が所定の長さに切断することで、板状の段ボールシートFを製造する。この場合、スリッタスコアラ24は、予め設定された両面段ボールシートEの裁断幅に応じて裁断刃を所定の位置に位置決めすると共に、予め設定された両面段ボールシートEの罫線寸法に応じて罫線加工刃を所定の位置に位置決めし、両面段ボールシートEを所定の幅に裁断すると共に罫線加工する。また、カットオフ25は、計測装置41,42により両面段ボールシートEの搬送量を計測し、計測装置41,42の計測結果に基づいて切断刃により両面段ボールシートEを所定の長さに切断する。
図2は、計測装置を表す側面図、図3は、計測装置を表す正面図である。
計測装置41,42は、計測ロールを有し、両面段ボールシートEの搬送に伴って連れ回りするように両面段ボールシートEの幅方向の中央に配置される。計測装置41は、ダブルフェーサ22とロータリシャ23に間に配置され、計測装置42は、スリッタスコアラ24とカットオフ25との間に配置される。この場合、計測装置41,42は、いずれか一方だけ配置してもよい。計測装置42は、カットオフ25の直上流側で近くに配置されるため、カットオフ25に進入する両面段ボールシートEの搬送量を高精度に計測できる一方、カットオフ25の作動による振動の影響を受けやすい。計測装置41は、ロータリシャ23の直上流側でカットオフ25から離間して配置されるため、カットオフ25に進入する両面段ボールシートEの搬送量を高精度に計測できないものの、カットオフ25の作動による振動の影響を受けにくい。そのため、カットオフ25の非作動時には、計測装置42の計測データを採用し、カットオフ25の作動時には、計測装置41の計測データを採用する。
以下、計測装置41,42について説明するが、計測装置41,42は、ほぼ同様の構成であることから、一方の計測装置41について説明する。図2及び図3に示すように、支持構造物51は、コルゲートマシン10の図示しないフレームに支持され、一対の支持アーム52が下方に延出されている。この一対の支持アーム52は、下部に両面段ボールシートEの幅方向及び水平方向に沿う支持軸53が支持されている。ロール支持部材54は、一対の支持アーム52の間に配置され、長手方向の中間部が支持軸53に回動自在に支持されており、下方に延設された一対のロール支持アーム55を有している。
計測ロール56は、一対のロール支持アーム55の間に配置され、回転軸57がロール支持アーム55の下部に回転自在に支持されている。そのため、計測ロール56は、回転軸57によりロール支持部材54に回転自在に支持されると共に、支持構造物51(支持アーム52)に対してロール支持部材54により支持軸53を中心に上下に揺動自在に支持される。そして、一方のロール支持アーム55にロータリエンコーダ58が装着され、回転軸57の一端部がロータリエンコーダ58内に進入している。ロータリエンコーダ58は、回転軸57を介して計測ロール56の回転数及び回転位相を計測することができる。
支持構造物51は、下方にエアシリンダ59が配置され、基端部が支持構造物51に連結軸60により回動自在に支持されている。エアシリンダ59は、先端部からピストンロッド61が伸縮自在であり、ピストンロッド61の先端部がロール支持部材54の上部に連結軸62により回動自在に連結されている。エアシリンダ59は、内部へのエアの吸排によりピストンロッド61を伸縮させることができる。そのため、エアシリンダ59の作動によりロール支持部材54を介して計測ロール56を上下に揺動し、両面段ボールシートEへの接触圧を調整することができる。
図4は、本実施形態の段ボールシートの製造装置におけるカットオフからスタッカまでの構成を表す概略図、図5は、撮像装置の詳細を表す概略図、図6は、本実施形態の段ボールシートの切断システムを表す概略構成図である。
図4に示すように、カットオフ25は、両面段ボールシートEを幅方向に沿って切断し、所定長さの板状の両面段ボールシートFを形成するものである。カットオフ25は、搬送コンベア71と上下一対の切断ロール72,73を有している。そのため、カットオフ25は、搬送コンベア71により搬送された両面段ボールシートEを上下一対の切断ロール72,73により切断することで、板状の両面段ボールシートFにすることができる。不良品排出装置26は、不良検出装置により不良品と判定された両面段ボールシートFを搬送ラインから排出するものである。不良品排出装置26は、第1搬送コンベア74と第2搬送コンベア75を有し、第1搬送コンベア74は、水平搬送部76と下向き搬送部77とを有している。また、不良品排出装置26は、下向き搬送部77の上方に対向して振分ロール78が配置され、下方に対向して排出コンベア79が配置されている。そのため、不良品排出装置26は、不良検出装置により不良品と判定された両面段ボールシートFに対して振分ロール78を下降することで、不良品の両面段ボールシートFを下向き搬送部77から排出コンベア79に振り分けて排出することができる。
また、不良品排出装置26は、各搬送コンベア74,75により搬送される両面段ボールシートFを各搬送コンベア74,75の上面に押付ける複数の紙押え板(シート押え装置)80が設けられている。紙押え板80は、ばね板により構成され、基端部が不良品排出装置26フレーム81に固定され、他端部が搬送コンベア74,75上の両面段ボールシートFを弾性力により押える。スタッカ27は、良品と判定された両面段ボールシートFを積み上げて製品として機外に排出するものである。スタッカ27は、搬送コンベア82と積み上げ台83を有している。良品の両面段ボールシートFは、スタッカ27に送られ、搬送コンベア82で重ねられて搬送された後、積み上げ台83上に積み上げられる。
本実施形態の段ボールシートの切断システム及び方法は、カットオフ25により切断された板状の両面段ボールシートFを撮像し、撮影画像に基づいて板状の両面段ボールシートFの搬送方向における長さと幅方向における長さと罫線寸法を算出し、この算出された板状の両面段ボールシートFの搬送方向における長さと幅方向における長さと罫線寸法が予め設定された許容範囲内にあるかを判定し、その判定結果に基づいてスリッタスコアラ24とカットオフ25を制御する。
コルゲートマシン10は、不良品排出装置26における紙押え板80の間を搬送される板状の両面段ボールシートFを撮像する撮像装置101が設けられている。なお、撮像装置101の位置は、図4に実線で表した不良品排出装置26における紙押え板80の間に限らず、例えば、図4に一点鎖線で表した不良品排出装置26の第2搬送コンベア75とスタッカ27の搬送コンベア82との間、不良品排出装置26における振分ロール78と紙押え板80との間(下向き搬送部77の上方対向位置。つまり、良品と不良品が分岐する位置。)などであってもよい。また、撮像装置101は複数個所に配置してもよい。
なお、本実施形態の段ボールシートの切断システム及び方法は、カットオフ25により切断された板状の両面段ボールシートFを撮像し、撮影画像に基づいて板状の両面段ボールシートFの状態を検出し、この検出結果に基づいて板状の両面段ボールシートFの品質を判定してもよい。板状の両面段ボールシートFの品質の判定とは、皺、汚れ、破れなどの発生による品質不良の有無を判定することである。この場合、図5に示すように、撮像装置101として、不良品排出装置26とスタッカ27との間に上方撮像装置101Aと下方撮像装置101Bを設けると共に、上方撮像装置101Aと下方撮像装置101Bに隣接して、第1照射装置102として上方照射装置102Aと下方照射装置102B、第2照射装置103として上方照射装置103Aと下方照射装置103Bを配置する。
上方撮像装置101Aは、カットオフ25により切断された板状の両面段ボールシートFを上方から撮像するものであり、下方撮像装置101Bは、カットオフ25により切断された板状の両面段ボールシートFを下方から撮像するものである。各撮像装置101A,101Bは、板状の両面段ボールシートFの全幅の領域を撮像することができる。この撮像装置101A,101Bは、例えば、1個または複数個のラインカメラであって、板状の両面段ボールシートFの幅方向に沿って複数画素の画像を取り込むことができる。
第1照射装置102と第2照射装置103は、板状の両面段ボールシートFの搬送方向の上流側から所定の照射角度で板状の両面段ボールシートFの表面及び裏面に対して光を照射する。上方照射装置102Aと下方照射装置102Bは、通常の照射角度θ1,θ11(板状の両面段ボールシートFの表面及び裏面に対して90度より小さい角度)から光を照射し、撮像装置101A,101Bが板状の両面段ボールシートFの表面と裏面を撮影する。このときの撮影画像からは、板状の両面段ボールシートFの汚れや破れなどの有無を判定することができる。なお、第1照射装置の照射角度θ1,θ11は、適宜変更することができ、照射角度θ1と照射角度θ11は、同じ角度であるが、異なる角度であってもよい。また、上方照射装置103Aと下方照射装置103Bは、上方照射装置102Aと下方照射装置102Bの照射角度θ1,θ11よりも小さい照射角度θ2,θ21から光を照射し、撮像装置101A,101Bが板状の両面段ボールシートFの表面と裏面の影を撮像する。このときの画像からは、板状の両面段ボールシートFの皺や凹凸の有無を判定することができる。なお、上方照射装置103Aと下方照射装置103Bの照射角度θ2,θ21は、判定する皺(凹凸)の高さによって、適宜変更することができる。照射角度θ2,θ21を小さくすることで、より細かい皺の有無を確認判定することができる。また、照射角度θ2と照射角度θ21は、同じ角度であるが、異なる角度であってもよい。
図6に示すように、制御装置111は、撮像装置101が撮像した板状の両面段ボールシートFの撮影画像に基づいてスリッタスコアラ制御部(裁断位置制御部、罫線位置制御部)24Aとカットオフ制御部(切断位置制御部)25Aを制御する。
制御装置111は、画像処理装置112と、シート長さ算出部113と、シート長さ判定部114と、シート幅算出部115と、シート幅判定部116と、罫線寸法算出部117と、罫線寸法判定部118とを有している。また、制御装置111は、撮像装置101と、生産管理装置121と、操作装置122と、表示装置123と、記憶装置124と、スリッタスコアラ制御部24Aと、カットオフ制御部25Aとが接続されている。
撮像装置101は、前述したように、カットオフ25により切断された板状の両面段ボールシートFを上方から撮像するものである。画像処理装置112は、撮像装置101により撮像された撮影画像に基づいて板状の両面段ボールシートFの長さ方向(搬送方向)における前後の端部、板状の両面段ボールシートFの幅方向における左右の端部、板状の両面段ボールシートFの幅方向における罫線の位置を規定するものである。画像処理装置112は、板状の両面段ボールシートFにおける長さ方向及び幅方向の所定長さを1画素とし、板状の両面段ボールシートFにおける長さ方向及び幅の全域の長さを複数画素の画像として取り込んでいる。
シート長さ算出部113は、画像処理装置112により規定された板状の両面段ボールシートFの長手方向の端部に基づいて、板状の両面段ボールシートFの搬送方向における長さを算出するものである。シート長さ判定部114は、シート長さ算出部113により算出された板状の両面段ボールシートFの搬送方向における長さが予め設定された許容範囲内にあるかを判定するものである。具体的に、シート長さ判定部114は、板状の両面段ボールシートFの長さと板状の両面段ボールシートFの基準長さとの長さずれ量を算出し、この長さずれ量が長さ判定値以下にあると正常であると判定する。ここで、板状の両面段ボールシートFの基準長さは、生産管理装置121から入力され、記憶装置124に格納されている。
本実施形態では、両面段ボールシートEの搬送量を計測する計測装置41,42が設けられ、計測装置41,42が計測した両面段ボールシートEの搬送量に基づいて両面段ボールシートEの切断基準位置が設定される。計測装置41,42は、計測ロール56の外周面が両面段ボールシートEの表面に押付けられて回転することから、長期間の使用により計測ロール56の外周面が摩耗する。計測ロール56の外周面が摩耗すると、周長が短くなることから、計測装置41,42の計測誤差が発生する。そこで、撮像装置101が板状の両面段ボールシートFを撮像し、画像処理装置112が撮影画像に基づいて板状の両面段ボールシートFの長さ方向の端部を規定し、シート長さ算出部113が規定された板状の両面段ボールシートFの長手方向の端部に基づいて両面段ボールシートFの実際の搬送方向における長さを算出し、板状の両面段ボールシートFの基準長さと実際の長さのずれ量に基づいて両面段ボールシートFの切断基準位置を補正する。
また、シート幅算出部115は、画像処理装置112により規定された板状の両面段ボールシートFの幅方向の端部に基づいて、板状の両面段ボールシートFの幅方向における長さを算出するものである。シート幅判定部116は、シート幅算出部115により算出された板状の両面段ボールシートFの幅方向における長さが予め設定された許容範囲内にあるかを判定するものである。具体的に、シート幅判定部116は、板状の両面段ボールシートFの幅と板状の両面段ボールシートFの基準幅との幅ずれ量を算出し、この幅ずれ量が幅判定値以下にあると正常であると判定する。
更に、罫線寸法算出部117は、画像処理装置112により規定された板状の両面段ボールシートFの幅方向における罫線の位置に基づいて、板状の両面段ボールシートFの罫線寸法(両面段ボールシートFの幅方向に端部から罫線までの寸法)を算出するものである。罫線寸法判定部118は、罫線寸法算出部117により算出された板状の両面段ボールシートFの罫線寸法が予め設定された許容範囲内にあるかを判定するものである。具体的に、罫線寸法判定部118は、板状の両面段ボールシートFの罫線寸法と板状の両面段ボールシートFの基準罫線寸法との罫線寸法ずれ量を算出し、この罫線寸法ずれ量が罫線寸法判定値以下にあると正常であると判定する。
また、生産管理装置121は、これから製造する板状の両面段ボールシートFの搬送方向の長さ、幅方向の長さ、罫線寸法などを制御装置111に出力する。操作装置122は、作業者が必要に応じて制御装置111に指令値を入力するものである。表示装置123は、シート長さ算出部113、シート長さ判定部114、シート幅算出部115、シート幅判定部116、罫線寸法算出部117、罫線寸法判定部118の結果などを表示するものである。記憶装置124は、シート長さ算出部113、シート長さ判定部114、シート幅算出部115、シート幅判定部116、罫線寸法算出部117、罫線寸法判定部118の結果などを格納するものである。
更に、制御装置111は、品質判定部119を有している。品質判定部119は、画像処理装置112が取り込んだ板状の両面段ボールシートFにおける表面及び裏面の画像に基づいて板状の両面段ボールシートFの汚れ、破れ、皺、凹凸などの有無を検出し、板状の両面段ボールシートFの不良の有無を判定するものである。品質判定部119は、判定結果に基づいて不良品排出装置26を制御し、不良品と判定された両面段ボールシートFを搬送ラインから排出する。また、品質判定部119の結果は、表示装置123に表示され、記憶装置124に格納される。
ここで、制御装置111によるスリッタスコアラ制御部24Aとカットオフ制御部25Aと不良品排出装置26の制御処理について詳細に説明する。図7は、両面段ボールシートの切断方法を説明するためのフローチャートである。
制御装置111によるスリッタスコアラ制御部24Aとカットオフ制御部25Aと不良品排出装置26の制御処理において、図4、図6及び図7に示すように、ステップS11にて、撮像装置101は、カットオフ25により切断された板状の両面段ボールシートFを撮像する。ステップS12にて、画像処理装置112は、撮像装置101により撮像された撮影画像に基づいて板状の両面段ボールシートFの長さ方向における前後の端部の位置と、幅方向における左右の端部の位置と、罫線位置を検出して規定する。
ステップS13にて、シート長さ算出部113は、画像処理装置112により規定された板状の両面段ボールシートFの長手方向の端部に基づいて、板状の両面段ボールシートFの搬送方向における長さを算出する。また、シート幅算出部115は、画像処理装置112により規定された板状の両面段ボールシートFの幅方向の端部に基づいて、板状の両面段ボールシートFの幅方向における長さを算出する。更に、罫線寸法算出部117は、画像処理装置112により規定された板状の両面段ボールシートFの幅方向における罫線の位置に基づいて、板状の両面段ボールシートFの罫線寸法(罫線位置)を算出する。
そして、ステップS14にて、シート長さ判定部114は、シート長さ算出部113により算出された板状の両面段ボールシートFの搬送方向における長さLが予め設定された許容範囲(長さ上限値LS<L<長さ下限値LL)内にあるかを判定する。ここで、板状の両面段ボールシートFの長さLが許容範囲内にあると判定(Yes)されると、何もしないでこのルーチンを抜ける。一方、板状の両面段ボールシートFの長さLが許容範囲内にないと判定(No)されると、ステップS15にて、制御装置111は、板状の両面段ボールシートFの長さLと板状の両面段ボールシートFの基準長さとの長さずれ量に基づいてカットオフ25の調整量を算出し、ステップS16にて、カットオフ制御部25Aによりカットオフ25を制御し、板状の両面段ボールシートFの搬送方向における切断位置を調整する。
本実施形態にて、計測装置41,42は、両面段ボールシートEの搬送量を計測しており、カットオフ制御部25Aは、板状の両面段ボールシートFの搬送方向の長さが生産管理装置121から入力された板状の両面段ボールシートFの搬送方向の長さになるように、計測装置41,42が計測した両面段ボールシートEの搬送量に基づいて両面段ボールシートEの切断基準位置を設定し、カットオフ25を作動制御する。しかし、計測装置41,42を構成する計測ロール56の外周面が摩耗すると計測誤差が発生する。制御装置111は、カットオフ25による切断後の板状の両面段ボールシートFの実際の長さを算出し、板状の両面段ボールシートFの基準長さと実際の長さのずれ量に基づいて両面段ボールシートFの切断基準位置を補正する。
また、ステップS17にて、シート幅判定部116は、シート幅算出部115により算出された板状の両面段ボールシートFの幅方向における長さ(幅)Wが予め設定された許容範囲(幅上限値WS<W<幅下限値WL)内にあるかを判定する。ここで、板状の両面段ボールシートFの幅Wが許容範囲内にあると判定(Yes)されると、何もしないでこのルーチンを抜ける。一方、板状の両面段ボールシートFの幅Wが許容範囲内にないと判定(No)されると、ステップS18にて、制御装置111は、板状の両面段ボールシートFの幅Wと板状の両面段ボールシートFの基準幅との幅ずれ量に基づいてスリッタスコアラ24の調整量を算出する。
更に、ステップS19にて、罫線寸法判定部118は、罫線寸法算出部117により算出された板状の両面段ボールシートFの罫線寸法Rが予め設定された許容範囲(罫線寸法上限値RS<R<罫線寸法下限値RL)内にあるかを判定する。ここで、板状の両面段ボールシートFの罫線寸法Rが許容範囲内にあると判定(Yes)されると、何もしないでこのルーチンを抜ける。一方、板状の両面段ボールシートFの罫線寸法Rが許容範囲内にないと判定(No)されると、ステップS20にて、制御装置111は、板状の両面段ボールシートFの罫線寸法Rと板状の両面段ボールシートFの基準罫線寸法との罫線寸法ずれ量に基づいてスリッタスコアラ24の調整量を算出する。そして、ステップS21にて、スリッタスコアラ制御部24Aによりスリッタスコアラ24を制御し、板状の両面段ボールシートFの幅方向における裁断位置と、板状の両面段ボールシートFの幅方向における罫線加工位置を調整する。
また、ステップS22にて、品質判定部119は、画像処理装置112が取り込んだ板状の両面段ボールシートFの検査処理を実行する。即ち、板状の両面段ボールシートFにおける表面及び裏面の画像に基づいて板状の両面段ボールシートFの汚れ、破れ、皺、凹凸などの有無を検出する。ステップS23にて、品質判定部119は、板状の両面段ボールシートFの汚れ、破れ、皺、凹凸などが予め設定された良品の領域内にあるかどうかを判定する。ここで、板状の両面段ボールシートFの汚れ、破れ、皺、凹凸などが良品の領域内にあると判定(No)されたら、何もしないでこのルーチンを抜ける。一方、板状の両面段ボールシートFの汚れ、破れ、皺、凹凸などが良品の領域内にないと判定(Yes)されると、ステップS24にて、品質判定部119は、不良品排出装置26を作動し、不良品と判定された両面段ボールシートFを搬送ラインから排出する。
ここで、この検査処理について詳細に説明する。図8は、両面段ボールシートの品質検査のための画像処理方法を説明するための概略図、図9は、両面段ボールシートの品質検査のための画像格納方法を説明するための概略図である。
図8及び図9に示すように、例えば、各照射装置102,103は、ロータリエンコーダ58からの信号により切替えて光を照射する。即ち、ロータリエンコーダ58から1回目の信号を受け取ると、第1照射装置102が照射角度θ1,θ11で光を照射し、撮像装置101が光の照射位置の画像A1を取得する。ロータリエンコーダ58から2回目の信号を受け取ると、第2照射装置103が照射角度θ2,θ21で光を照射し、撮像装置101が光の照射位置の画像B1を取得する。このとき、画像A1と画像B1は、板状の両面段ボールシートFの搬送方向に1/2画素だけずれた画像である。同様に、ロータリエンコーダ58から3回目の信号を受け取ると、第1照射装置102が照射角度θ1,θ11で光を照射し、撮像装置101が光の照射位置の画像A2を取得する。このとき、画像B1と画像A2とは、板状の両面段ボールシートFの搬送方向に1/2画素だけずれた画像である。これらの画像は、各照射装置102,103の照射時に撮像装置101が撮像した画像として記憶装置124に格納される。
そのため、1回目と3回目と5回目というようなロータリエンコーダ58からの奇数回の信号を受け取ったときに取得した画素を繋ぎ合わせると、板状の両面段ボールシートFに対して照射角度θ1,θ11で光が照射されたときの全体画像となる。また、2回目と4回目と6回目というようなロータリエンコーダ58からの偶数回の信号を受け取ったときに取得した画素を繋ぎ合わせると、板状の両面段ボールシートFに対して照射角度θ2,θ21で光が照射されたときの全体画像となる。そのため、品質判定部119は、照射角度θ1,θ11のときの画像により板状の両面段ボールシートFの表面的な汚れや破れの判定を行い、照射角度θ2,θ21のときの画像により皺のような凹凸の有無の判定を行う。即ち、板状の両面段ボールシートFの表面的な汚れや破れの判定と皺のような凹凸の有無の判定を1度に行うことができる。
このように本実施形態の段ボールシートの切断システムにあっては、波形加工された中芯B1,B2の両側に表ライナAと裏ライナC1,C2を貼り合わせて形成される両面段ボールシートEを幅方向に沿って所定長さに切断するカットオフ25と、カットオフ25により切断された板状の両面段ボールシートFを撮像する撮像装置101と、撮像装置101により撮像された撮影画像に基づいて板状の両面段ボールシートFの搬送方向における長さを算出するシート長さ算出部113と、シート長さ算出部113により算出された板状の両面段ボールシートFの長さが予め設定された許容範囲内にあるかを判定するシート長さ判定部114と、板状の両面段ボールシートFの長さが許容範囲内にないときにカットオフ25による切断位置を調整するカットオフ制御部25Aとを設けている。
従って、撮像装置101が板状の両面段ボールシートFを撮像し、シート長さ算出部113が撮影画像に基づいて板状の両面段ボールシートFの長さを算出し、シート長さ判定部114が板状の両面段ボールシートFの長さが許容範囲内にあるかを判定し、板状の両面段ボールシートFの長さが許容範囲内にないときにカットオフ制御部25Aが両面段ボールシートFの切断位置を調整する。そのため、計測装置41,42などの構成部材の経時的な変化などにより板状の両面段ボールシートFの長さが変動しても、自動的に両面段ボールシートEの切断位置を調整し、板状の両面段ボールシートFの長さを修正することができ、両面段ボールシートEの切断精度を向上することができる。
本実施形態の段ボールシートの切断システムでは、シート長さ判定部114は、シート長さ算出部113により算出された板状の両面段ボールシートFの長さと予め設定された板状の両面段ボールシートFの基準長さとの長さずれ量を算出し、長さずれ量が長さ判定値以下にあると正常であると判定する。従って、板状の両面段ボールシートFの実際の長さと基準長さとの長さずれ量が長さ判定値より大きくなったときに正常ではないとし、両面段ボールシートFの切断位置を調整することから、容易に板状の両面段ボールシートFの長さを常時許容範囲内に維持することができる。
本実施形態の段ボールシートの切断システムでは、撮像装置101による板状の両面段ボールシートFの撮像時に、板状の両面段ボールシートFを板厚方向に押える紙押え板80を設けている。従って、板状の両面段ボールシートFが紙押え板80により板厚方向に押えられた状態で、撮像装置101が板状の両面段ボールシートFを撮像することから、鮮明な板状の両面段ボールシートFの画像を得ることができる。
本実施形態の段ボールシートの切断システムでは、両面段ボールシートFの搬送量を計測する計測装置41,42を設け、計測装置41,42が計測した両面段ボールシートEの搬送量に基づいて両面段ボールシートEの切断基準位置を設定し、シート長さ判定部114により板状の両面段ボールシートFの長さが許容範囲内にないと判定されたとき、カットオフ制御部25Aは、シート長さ判定部114の判定結果に基づいて切断基準位置を補正する。従って、カットオフ25は、計測装置41,42が計測した両面段ボールシートEの搬送量に基づいて設定された切断基準位置で両面段ボールシートEを切断する。しかし、計測装置41,42は、経時的変化により両面段ボールシートEの搬送量の計測誤差が発生することがある。このとき、シート長さ判定部114が板状の両面段ボールシートFの長さが許容範囲内にないと判定すると、カットオフ制御部25Aは、切断基準位置を補正することから、計測装置41,42の経時的変化による計測誤差が発生しても、板状の両面段ボールシートFの長さを常時許容範囲内に維持することができる。また、計測ロール56の径の補正値が限界を超えたことがわかると、磨耗した計測ロール56の外周面の取替え時期を知ることができる。
本実施形態の段ボールシートの切断システムでは、両面段ボールシートEを長さ方向に沿って所定幅に裁断するスリッタスコアラ24と、撮像装置101により撮像された撮影画像に基づいて板状の両面段ボールシートFの幅方向における長さを算出するシート幅算出部115と、シート幅算出部115により算出された板状の両面段ボールシートFの幅が予め設定された許容範囲内にあるかを判定するシート幅判定部116と、板状の両面段ボールシートFの幅が許容範囲内にないときにスリッタスコアラ24による裁断位置を調整するスリッタスコアラ制御部24Aとを設けている。従って、スリッタスコアラ24などの構成部材の経時的な変化などにより板状の両面段ボールシートFの幅が変動しても、自動的に両面段ボールシートEの裁断位置を調整し、板状の両面段ボールシートFの幅を修正することができ、両面段ボールシートEの裁断精度を向上することができる。
本実施形態の段ボールシートの切断システムでは、両面段ボールシートEを長さ方向に沿って罫線を形成するスリッタスコアラ24と、撮像装置101により撮像された撮影画像に基づいて板状の両面段ボールシートFの幅方向における罫線寸法を算出する罫線寸法算出部117と、罫線寸法算出部117により算出された板状の両面段ボールシートFの罫線寸法が予め設定された許容範囲内にあるかを判定する罫線寸法判定部118と、板状の両面段ボールシートFの罫線寸法が許容範囲内にないときにスリッタスコアラ24による罫線位置を調整するスリッタスコアラ制御部24Aとを設けている。従って、スリッタスコアラ24などの構成部材の経時的な変化などにより板状の両面段ボールシートFの罫線寸法が変動しても、自動的に両面段ボールシートEの罫線位置を調整し、板状の両面段ボールシートFの罫線寸法を修正することができ、両面段ボールシートEの折精度を向上することができる。
本実施形態の段ボールシートの切断システムでは、板状の両面段ボールシートFに対して異なる照射角度で光を照射する複数の照射装置102,103と、撮像装置101が撮像した複数の照射装置102,103による板状の両面段ボールシートFにおける光の照射位置の画像に基づいて板状の両面段ボールシートFの不良を判定する品質判定部119とを設けている。従って、異なる照射角度で光が照射された板状の両面段ボールシートFの複数の画像に基づいて板状の両面段ボールシートFの汚れ、破れ、皺などの品質検査を同時に行うことができる。
本実施形態の段ボールシートの切断システムでは、複数の照射装置102,103は、板状の両面段ボールシートFに対する光の照射時期が相違している。従って、撮像装置101が異なる時期に板状の両面段ボールシートFにおける光の照射位置を撮像することから、板状の両面段ボールシートFの汚れ、破れ、皺などの品質検査を同時に行うことができる。
また、本実施形態の段ボールシートの切断方法にあっては、波形加工された中芯B1,B2の両側に表ライナAと裏ライナC1,C2を貼り合わせて形成される両面段ボールシートEを幅方向に沿って所定長さに切断する工程と、切断された板状の両面段ボールシートFを撮像する工程と、撮像された撮影画像に基づいて板状の両面段ボールシートFの搬送方向における長さを算出する工程と、板状の両面段ボールシートFの長さが予め設定された許容範囲内にあるかを判定する工程と、板状の両面段ボールシートFの長さが許容範囲内にないときに両面段ボールシートEの切断位置を調整する工程とを有する。
従って、計測装置41,42などの構成部材の経時的な変化などにより板状の両面段ボールシートFの長さが変動しても、自動的に両面段ボールシートEの切断位置を調整し、板状の両面段ボールシートFの長さを修正することができ、両面段ボールシートEの切断精度を向上することができる。
また、本実施形態の段ボールシートの製造装置にあっては、波形加工された中芯B1,B2に裏ライナC1,C2を貼り合わせて片面段ボールシートD1,D2を製造するシングルフェーサ13,17と、シングルフェーサ13,17で製造される片面段ボールシートD1,D2における中芯B1,B2側に表ライナAを貼り合わせて両面段ボールシートE1,E2を製造するダブルフェーサ22と、段ボールシートの切断システムとを備える。
従って、板状の両面段ボールシートFの長さが変動しても、自動的に両面段ボールシートEの切断位置を調整し、板状の両面段ボールシートFの長さを修正することができ、両面段ボールシートEの切断精度を向上することができる。
なお、上述した実施形態にて、撮像装置101をラインカメラとしたが、CCDカメラやその他のカメラであってもよい。また、撮像装置101を設ける位置は、カットオフ25より下流側であれば、いずれの位置でもよいが、不良品排出装置26より上流側に設けることで、板状の両面段ボールシートFの長さ、幅、罫線位置が許容範囲から外れたものや汚れ、破れ、皺などにより品質が不良のものを不良品排出装置26により排除することができる。また、本実施形態以外に、品質が不良の板状の両面段ボールシートFは、両面段ボールシートE(板状の両面段ボールシートF)にマーキング装置でマーキングして、スタッカ後の後工程で抜き出すことができる。その他、画像処理装置に保存された履歴情報(不良シートの位置情報)からも、追跡して抜き出すことができる。
また、上述した実施形態にて、コルゲートマシン10は、片面段ボールシートD1と片面段ボールシートD2と表ライナAを貼り合せた複両面段ボールシートを製造するものとしたが、片面段ボールシートD2(D1)と表ライナAを貼り合せた両面段ボールシートを製造するものとしてもよい。