JP2019187744A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸収性本体の胴回り側の端縁で着用者の肌を傷付けにくい吸収性物品を提供すること。【解決手段】吸収性コア(11A)を備える吸収性本体(10)及び胴回り部(20)を有し、胴回り部(20)は、最も肌側に配置された肌側シート部を備える吸収性物品(1)であって、胴回り部(20)では、肌側シート部(221)のKES法による曲げ剛性は0.0096N・m2/m×10-4以下であり、肌側シート部(221)より非肌側に内層シート部(24)が配置され、内層シート部(24)のKES法による曲げ剛性は、肌側シート部(221)の曲げ剛性より高く、内層シート部(24)は、吸収性本体(10)の肌側において、縦方向における吸収性本体(10)の胴回り側の端縁を跨いで配置されていること。【選択図】図5

Description

本発明は、吸収性物品に関する。
特許文献1には、液透過性表面シート、液不透過性裏面側シート、及びこれらの間に吸収体を有する吸収性本体(本体部)と、吸収性本体の裏面側を覆う外装シートとを備えた吸収性物品が開示されている。また、外装シートのうち最外側不織布のしなやかさが吸収性物品全体としてのしなやかさに対する影響が強いことを知見し、最外側不織布の捻れ度を3.8gf・cm/cm以下と、柔軟な不織布にしたことが開示されている。
さらに、特許文献1では、吸収性本体の前後端部をカバーする前後押えシートについても最外側不織布と同様の柔軟な不織布を採用するのが望ましいとしている。また、柔軟な最外側不織布を内面に折り返した部分を、吸収性本体の前後端部と重なる部分まで延在させて、前後押えシートとしてもよいことが開示されている。
特開2010−131167号公報
上記の場合、吸収性本体の胴回り側の端部(前後端部)より肌側に配置される資材が柔軟な不織布のみとなる。吸収性本体の胴回り側の端部では、複数の資材が積層されていたり、接着剤が塗布されていたりするので、吸収性本体の胴回り側の端部は比較的に硬い。そのため、吸収性本体の胴回り側の端縁の硬さ(すなわち吸収性本体が存在する部位と存在しない部位との段差におけるエッジの硬さ)は柔軟な不織布では吸収緩和されにくい。よって、吸収性本体の胴回り側の端縁で着用者の肌を傷付けてしまうおそれがある。
そこで、本発明は、吸収性本体の胴回り側の端縁で着用者の肌を傷付けにくい吸収性物品を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、縦方向、及び、横方向を有し、吸収性コアを備える吸収性本体、及び、一対の胴回り部を有し、前記胴回り部は、最も肌側に配置された肌側シート部を備える吸収性物品であって、前記一対の胴回り部のうちの少なくとも一方の胴回り部では、前記肌側シート部のKES法による曲げ剛性は0.0096N・m2/m×10-4以下であり、前記肌側シート部より非肌側に内層シート部が配置され、前記内層シート部のKES法による曲げ剛性は、前記肌側シート部の前記曲げ剛性より高く、前記内層シート部は、前記吸収性本体の肌側において、前記縦方向における前記吸収性本体の胴回り側の端縁を跨いで配置されていることを特徴とする吸収性物品である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本発明によれば、吸収性本体の胴回り側の端縁で着用者の肌を傷付けにくい吸収性物品を提供することができる。
パンツ型使い捨ておむつ1の斜視図である。 展開かつ伸長状態のおむつ1の平面図である。 図2のII線での断面図である。 図4Aは比較例の肌側シート部40の収縮状態を示す断面模式図であり、図4Bは本実施形態の肌側シート部221の収縮状態を示す断面模式図である。 図3に示す腹側胴回り部20の断面図を拡大した図である。 胴回り部20の変形例の断面図である。 胴回り部20の変形例の断面図である。 胴回り部20の変形例の断面図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
縦方向、及び、横方向を有し、吸収性コアを備える吸収性本体、及び、一対の胴回り部を有し、前記胴回り部は、最も肌側に配置された肌側シート部を備える吸収性物品であって、前記一対の胴回り部のうちの少なくとも一方の胴回り部では、前記肌側シート部のKES法による曲げ剛性は0.0096N・m2/m×10-4以下であり、前記肌側シート部より非肌側に内層シート部が配置され、前記内層シート部のKES法による曲げ剛性は、前記肌側シート部の前記曲げ剛性より高く、前記内層シート部は、前記吸収性本体の肌側において、前記縦方向における前記吸収性本体の胴回り側の端縁を跨いで配置されていることを特徴とする吸収性物品である。
このような吸収性物品によれば、肌側シート部の曲げ剛性が低いため、着用者への肌当たりをよくでき、また、胴回り部の収縮により形成される凹凸が押しつぶされやすく、着用者の胴回りにギャザー痕が付きにくくなる。また、内層シート部によって、吸収性本体の端縁の硬さ及び段差が吸収緩和されるため、吸収性本体の端縁で着用者の肌を傷付けてしまうことを抑制できる。
かかる吸収性物品であって、前記胴回り部は、最も非肌側に配置された非肌側シート部を備え、前記肌側シート部は、前記縦方向における前記非肌側シート部の胴回り側の端部が肌側に折り返された部分であり、前記内層シート部は、前記縦方向における胴回り側の端部が肌側に折り返された部分である肌側部と、前記肌側部より非肌側に配置された非肌側部とを有し、前記胴回り部の厚さ方向における前記内層シート部の前記非肌側部と前記非肌側シート部との間に、前記横方向に伸縮可能な伸縮性部材が配置され、前記内層シート部の前記肌側部が、前記吸収性本体の肌側において、前記縦方向における前記吸収性本体の胴回り側の端縁を跨いで配置されていることを特徴とする吸収性物品である。
このような吸収性物品によれば、内層シート部によって、吸収性本体の端縁の硬さ及び段差が吸収緩和されるため、吸収性本体の端縁で着用者の肌を傷付けてしまうことを抑制できる。また、非肌側シート部も肌側シート部と同様に曲げ剛性が低くなるため、非肌側からの胴回り部の肌当たりをよくできる。
かかる吸収性物品であって、前記縦方向において、前記内層シート部の前記肌側部の股下側の端縁は、前記吸収性コアの胴回り側の端縁より股下側に位置していることを特徴とする吸収性物品である。
このような吸収性物品によれば、内層シート部によって、吸収性コアの端縁の硬さ及び段差が吸収緩和されるため、吸収性コアの端縁で着用者の肌を傷付けてしまうことを抑制できる。
かかる吸収性物品であって、前記胴回り部の厚さ方向における前記内層シート部の前記肌側部と前記非肌側部との間に、前記横方向に伸縮可能な伸縮性シート部が配置され、前記伸縮性シート部のKES法による曲げ剛性は、前記肌側シート部の前記曲げ剛性より高く、前記伸縮性シート部は、前記吸収性本体の肌側において、前記縦方向における前記吸収性本体の胴回り側の端縁を跨いで配置されていることを特徴とする吸収性物品である。
このような吸収性物品によれば、内層シート部及び伸縮性シート部によって、吸収性本体の端縁の硬さ及び段差が吸収緩和されるため、吸収性本体の端縁で着用者の肌を傷付けてしまうことをより抑制できる。
かかる吸収性物品であって、前記縦方向において、前記内層シート部の前記肌側部の股下側の端縁と、前記肌側シート部の股下側の端縁と、前記伸縮性シート部の股下側の端縁とが、ずれていることを特徴とする吸収性物品である。
このような吸収性物品によれば、各シート部の端縁での段差が小さくなるため、各シート部の端縁で着用者の肌を傷付けてしまうことを抑制できる。
かかる吸収性物品であって、前記縦方向において、前記内層シート部の前記肌側部の股下側の端縁が最も股下側に位置していることを特徴とする吸収性物品である。
このような吸収性物品によれば、剛性の低い肌側シート部が最も股下側に位置してよれてしまったり、伸縮性シート部が最も股下側に位置してカールしてしまったりすることを抑制できる。
かかる吸収性物品であって、前記内層シート部は、前記横方向に伸縮可能な伸縮性シート部であることを特徴とする吸収性物品である。
このような吸収性物品によれば、伸縮性シート部によって、吸収性本体の端縁の硬さ及び段差を吸収緩和しつつ、胴回り部を面で着用者に密着させて局所的な締め付けを抑制できるため、着用者の胴回りをより傷付けにくくすることができる。
かかる吸収性物品であって、前記縦方向において、前記伸縮性シート部の股下側の端縁は、前記吸収性コアの胴回り側の端縁より胴回り側に位置していることを特徴とする吸収性物品である。
このような吸収性物品によれば、伸縮性シート部によって吸収性コアが過度に収縮してしまうことを抑制でき、吸収性コアの平坦性を維持できる。
かかる吸収性物品であって、前記肌側シート部は、前記吸収性本体の肌側において、前記縦方向における前記吸収性本体の胴回り側の端縁を跨いで配置されていることを特徴とする吸収性物品である。
このような吸収性物品によれば、内層シート部及び肌側シート部によって、吸収性本体の端縁の硬さ及び段差が吸収緩和されるため、吸収性本体の端縁で着用者の肌を傷付けてしまうことをより抑制できる。
かかる吸収性物品であって、前記肌側シート部のKES法による曲げ剛性は0.0035N・m2/m×10-4以上であることを特徴とする吸収性物品である。
このような吸収性物品によれば、肌側シート部の引張強度が適度に得られ、着用中に胴回り部が破断してしまうことを抑制できる。
かかる吸収性物品であって、前記肌側シート部のKES法による圧縮回復率RCが15%以上50%以下であることを特徴とする吸収性物品である。
このような吸収性物品によれば、胴回り部の収縮により形成される凹凸が押しつぶされやすく、着用者の胴回りにギャザー痕が付きにくくなる。
かかる吸収性物品であって、前記肌側シート部の坪量は10g/m2以上30g/m2以下であり、49.03hPa荷重時の見掛け密度は0.12g/cm3以上0.2g/cm3以下であることを特徴とする吸収性物品である。
このような吸収性物品によれば、肌側シート部の曲げ剛性を低くでき、柔軟性を高めることができる。
かかる吸収性物品であって、前記肌側シート部は、繊維径が14μm以上22μm以下の繊維を含み、KES法による摩擦係数の変動係数MMD/MIU×100が2%以上6%以下であることを特徴とする吸収性物品である。
このような吸収性物品によれば、肌側シート部において、摩擦係数のバラつきが小さく、ユーザーの指先へまとわりつくように接触する繊維が比較的に多くなり、滑らかな、かつ、柔らかくてソフトな触感となる。
かかる吸収性物品であって、前記肌側シート部の摩擦係数MIUが少なくとも0.25であることを特徴とする吸収性物品である。
このような吸収性物品によれば、肌側シート部において、ユーザーの指先へまとわりつくように接触する繊維が比較的に多くなり、滑らかな、かつ、柔らかくてソフトな触感となる。
かかる吸収性物品であって、前記肌側シート部は、ポリエチレン繊維を含むことを特徴とする吸収性物品である。
このような吸収性物品によれば、ポリエチレン繊維は、例えばポリプロピレン繊維やPET(ポリエチレンテレフタレート)繊維等の他の熱可塑性樹脂繊維に比べて柔軟であるから、肌側シート部の曲げ剛性を低くでき、柔軟性を高めることができる。
===実施形態===
以下、本発明に係る吸収性物品として、乳幼児用のパンツ型使い捨ておむつを例に挙げて実施形態を説明する。ただし、本発明に係る吸収性物品は、乳幼児用のパンツ型使い捨ておむつに限らず、大人用のパンツ型使い捨ておむつや、テープ型の使い捨ておむつや、生理用ショーツ等にも適用できる。
===パンツ型使い捨ておむつ1の構成===
図1は、パンツ型使い捨ておむつ1(以下「おむつ」)の斜視図である。図2は、展開かつ伸長状態のおむつ1の平面図である。図3は、図2のII線での断面図である。
おむつ1は、図1に示すパンツ型状態において、縦方向、横方向、及び、前後方向を有し、胴回り開口部BH、及び、一対の脚回り開口部LHが形成されている。縦方向において、胴回り側を上側とし、股下側を下側とする。前後方向において、着用者の腹側を前側とし、着用者の背側を後側とする。また、図3に示すように、おむつ1を構成する資材が積層された方向を厚さ方向といい、厚さ方向において着用者に接触する側を肌側とし、着用者に接触しない側を非肌側とする。
また、おむつ1は、平面視長方形状の3部材である、吸収性本体10、及び、一対の胴回り部20,30を有する。一対の胴回り部20,30のうち、着用者の腹側部に当てられるものを腹側胴回り部20とし、着用者の背側部に当てられるものを背側胴回り部30とする。
図2に示す展開状態のおむつ1において、腹側胴回り部20及び背側胴回り部30は、それらの長手方向がおむつ1の横方向に沿うように配置されている。そして、横方向における腹側胴回り部20の中央部に、吸収性本体10の長手方向一方側の端部が配置され、横方向における背側胴回り部30の中央部に、吸収性本体10の長手方向他方側の端部が配置されている。
図2に示す展開状態のおむつ1において、吸収性本体10の長手方向がおむつ1の縦方向に沿うように、吸収性本体10が長手方向の略中央で二つ折りされ、おむつ1の横方向における腹側胴回り部20の両側端部と背側胴回り部30の両側端部とが、溶着や接着剤等で接合されることにより、図1に示すパンツ型状態のおむつ1となる。
吸収性本体10は、図3に示すように、吸収体11と、吸収体11よりも肌側に配置された液透過性のトップシート12と、吸収体11よりも非肌側に配置された液不透過性のバックシート13と、バックシート13よりも非肌側に配置された外装シート14とを有する。外装シート14は柔軟なシートであることが好ましい。
吸収体11は、図2に示すように、尿等の排泄液を吸収して保持する吸収性コア11Aと、吸収性コア11Aを覆う液透過性のコアラップシート11Bとを有する。吸収性コア11Aとしては、高吸収性ポリマー(SAP)を含むパルプ等の液体吸収性繊維が所定の形状に成形されたものを例示できる。なお、吸収性コア11Aがコアラップシート11Bで覆われていなくてもよい。
また、図2に示すように、横方向における吸収性本体10の両側部には、脚回り弾性部材15が設けられており、おむつ1は着用者の脚回りにフィットする。脚回り弾性部材15は、例えば、横方向の内側に折り返されて2層となった外装シート14の間において、吸収性本体10の長手方向に伸長状態で固定されている。脚回り弾性部材15としては、糸ゴムや伸縮性不織布を例示できる。
腹側胴回り部20及び背側胴回り部30は、図3に示すように、それぞれ、第1シート21,31と、第2シート22,32と、横方向に伸縮可能な複数の糸ゴム23,33とを有する。複数の糸ゴム23,33は、第1シート21,31と第2シート22,32の間において、縦方向に並んで配置されるとともに、横方向に伸長状態で固定されている。よって、腹側胴回り部20及び背側胴回り部30は横方向に伸縮し、着用者の胴回りにフィットする。糸ゴム23,33としては、糸状の天然ゴムの他、スチレン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン等の各種公知の合成ゴムを適用できる。
背側胴回り部30では、上端部から下端部に亘って糸ゴム33が配置されている。一方、腹側胴回り部20の上端部には、糸ゴム23が配置されておらず、代わりに、横方向に伸縮可能な伸縮性シート24が配置されている。なお、縦方向において、伸縮性シート24及び糸ゴム23が重複して配置されていてもよいし、完全にずれて配置されていてもよい。
このように腹側胴回り部20の上端部に糸ゴム23を配置せずに伸縮性シート部24を配置することで、腹側胴回り部20の上端部が面で着用者に密着する。そのため、局所的な締め付けが抑えられ、伸縮性部材の痕を残りにくくすることができる。特に乳幼児の腹部はぽっこり出ているため、腹側胴回り部20の締め付けを抑えることが好ましい。
また、おむつ1着用時の胴回り開口部BHの広げやすさについては、胴回り部20,30の上端部の伸縮力が大きく影響する。伸縮性シート24は、自然状態から伸長しやすく、伸長状態から収縮しにくい性質を有する。そのため、腹側胴回り部20の上端部に伸縮性シート24を配置することで、おむつ1着用時に胴回り開口部BHを広げやすくなり、また、胴回り部20を着用者にフィットさせた後の腹部の締め付けを防止できる。
伸縮性シート24としては、弾性を有する熱可塑性エラストマー性繊維であるポリウレタン系エラストマーと、非弾性を有する熱可塑性樹脂性繊維であるポリオレフィン系樹脂のポリプロピレン(PP)とを有する、ギア延伸等の適宜な延伸処理が施された不織布やプラスチック製の伸縮性を有するフィルムシート等を例示できる。
なお、本実施形態のおむつ1では、腹側胴回り部20のみ伸縮性シート24を有するとしているが、これに限らない。腹側胴回り部20及び背側胴回り部30が共に伸縮性シート24を有する形態でもよいし、腹側胴回り部20は伸縮性シート24を有さず、背側胴回り部30のみが伸縮性シート24を有する形態でもよい。
また、本実施形態では、パンツ型使い捨ておむつとして、腹側胴回り部20と背側胴回り部30が分離され、腹側胴回り部20と背側胴回り部30と吸収性本体10の3部材を有する所謂3ピースタイプを例示したがこれに限らない。例えば、腹側胴回り部20と背側胴回り部30が股下部を介して連続した一部材で形成されており、腹側胴回り部20と背側胴回り部30が一体化された外装部材と、吸収性本体の2部材を有する所謂2ピースタイプのパンツ型使い捨ておむつであってもよい。
===腹側胴回り部20の特徴部===
図4Aは、比較例の肌側シート部40の収縮状態を示す断面模式図であり、図4Bは、本実施形態の肌側シート部221の収縮状態を示す断面模式図である。図5は、図3に示す腹側胴回り部20の断面図を拡大した図である。
本実施形態のおむつ1が備える一対の胴回り部20,30のうちの少なくとも一方の胴回り部は、以下に説明する特徴部を有するものとする。以下では、腹側胴回り部20を例に挙げて説明するが、背側胴回り部30は以下の特徴部を有さない形態でもよい。また、腹側胴回り部20及び背側胴回り部30が共に以下の特徴部を有する形態でもよいし、背側胴回り部30が以下の特徴部を有し、腹側胴回り部20が以下の特徴部を有さない形態でもよい。
腹側胴回り部20(以下、単に「胴回り部20」ともいう)は、前述のように、第1シート21と、第2シート22と、複数の糸ゴム23と、伸縮性シート24とを有する。第2シート22の一部が、胴回り部20において最も非肌側に配置された非肌側シート部222となっている。そして、縦方向における第2シート22の胴回り側の端部が吸収性本体10より肌側に折り返されている。この折り返された部分が、胴回り部20において最も肌側に配置された肌側シート部221となっている。
第1シート21は、厚さ方向における非肌側シート部222と吸収性本体10との間に配置されている。複数の糸ゴム23は、厚さ方向における非肌側シート部222と第1シート21との間に配置されている。伸縮性シート24は、厚さ方向における肌側シート部221と吸収性本体10との間に配置されている。なお、厚さ方向に隣接する資材は、図5に示す接着剤50によって接合されている。
胴回り部20において肌側シート部221は着用者の肌に直接触れるため、肌側シート部221は曲げ剛性が低く柔軟なシートとする。そうることで、肌側シート部221の着用者への肌当たりをよくできる。
具体的には、発明者による試行の結果、肌側シート部221のKES法による曲げ剛性は0.0096N・m2/m×10-4以下であると好ましいことが分かった。一般に、おむつ1の胴回り部20には、着用者の胴回りにフィットするように、横方向に伸縮する伸縮性部材(伸縮性シート24や糸ゴム23)が設けられている。胴回り部20が伸縮性部材によって横方向に収縮した結果、胴回り部20には、その厚さ方向への凹凸が横方向に繰り返し形成される。この凹凸は縦方向に長く、胴回り部20には縦皺のギャザーが形成されるともいえる。
そのため、図4Aに示す比較例のように、肌側シート部40の曲げ剛性が仮に0.0096N・m2/m×10-4より大きく、肌側シート部40が腰の強いシートであると、肌側シート部40には、伸縮性部材の収縮によって、比較的に大きく均一な凹凸が形成される。また、肌側に突出する凸部41の形状維持性(反発性)が高くなる。そのため、肌側シート部40が着用者に接触した際に、凸部41が押し潰されにくく、凸部41が着用者の肌に深く食い込みやすい。ゆえに、着用者の肌に縦皺のギャザー痕(凸部41による圧迫痕)が付きやすくなってしまう。
これに対して本実施形態では、肌側シート部221の曲げ剛性を0.0096N・m2/m×10-4以下とし、肌側シート部221は、ドレープ性が高く、だらりと垂れ下がりやすいシートとする。そのため、図4Bに示すように、肌側シート部221には、伸縮性部材の収縮によって、細かい起伏を繰り返した不均一な凹凸が形成される。つまり、肌側シート部221の平滑性をよくでき、肌側シート部221と着用者の肌との接触面積を大きくすることができる。よって、伸縮性部材による肌側シート部221の接触圧が分散され、図4Aに示す比較例のような大きな凸部41が着用者の肌に局所的に接触することを抑制できる。また、肌側に突出する凸部25の形状維持性(反発性)も低くなる。そのため、肌側シート部221が着用者に接触した際に、凸部25が押し潰されやすく、凸部25が着用者の肌に食い込みにくい。ゆえに、着用者の肌に縦皺のギャザー痕が付きにくくなる。なお、肌側シート部221は、横方向の曲げ剛性と縦方向の曲げ剛性のうちの少なくとも一方が、0.0096N・m2/m×10-4以下であればよく、好ましくは、ギャザーの形成への影響が大きい横方向の曲げ剛性が0.0096N・m2/m×10-4以下であるとよく、より好ましくは両方向の曲げ剛性が0.0096N・m2/m×10-4以下であるとよい。
しかし、縦方向における吸収性本体10の胴回り側の端部は、複数の資材が積層されていたり、接着剤が塗布されていたりするので、比較的に硬い。そのため、縦方向における吸収性本体10の胴回り側の端縁10a(すなわち吸収性本体10が存在する部位と存在しない部位との段差におけるエッジ)が着用者の肌に食い込みやすい。また、吸収性本体10の端縁10aにも伸縮性部材の収縮によって凹凸が形成されるが、吸収性本体の端縁10aの凸部は硬く押し潰されにくいため、局所的に着用者の肌に食い込みやすい。特に、本実施形態のおむつ1の着用対象者である乳幼児の胴回りはぽっこりと出ている場合が多く、吸収性本体10の端縁10aがぽっこり出た乳幼児の胴回りに食い込みやすい。
図5に示す胴回り部20では、肌側シート部221が、吸収性本体10の肌側において、吸収性本体10の端縁10aを跨いで配置されている。しかし、肌側シート部221の曲げ剛性は0.0096N・m2/m×10-4以下と低く、肌側シート部221のクッション性は低い。そのため、吸収性本体10の端縁10aの硬さ及び段差が肌側シート部221で吸収緩和されにくい。よって、例えば吸収性本体10の端縁10aより肌側に肌側シート部221のみ配置されている場合、吸収性本体10の端縁10aが着用者の肌に食い込み、痕が付く等して、着用者の肌を傷付けてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態のおむつ1では、肌側シート部221より非肌側に、内層シート部として伸縮性シート24を配置し、伸縮性シート24のKES法による曲げ剛性を肌側シート部221の曲げ剛性より高くする(大きくする)。そして、伸縮性シート24が、吸収性本体10の肌側において、縦方向における吸収性本体10の胴回り側の端縁10aを跨ぐようにする。すなわち、伸縮性シート24が吸収性本体10の端縁10aを肌側から覆うようにする。
そうすることで、吸収性本体10の端縁10aより肌側に、肌側シート部221よりもクッション性の高い伸縮性シート24が配置され、吸収性本体10の端縁10aの硬さ及び段差が伸縮性シート24によって吸収緩和される。そのため、吸収性本体10の端縁10aが着用者の肌に食い込みにくくなり、吸収性本体10の端縁10aで着用者の肌を傷付けてしまうことを抑制でき、胴回り部20の肌側面の肌当たりが向上する。なお、伸縮性シート24(内層シート部)の横方向と縦方向のうちの少なくとも一方の曲げ剛性が、肌側シート部221の横方向と縦方向のうちの少なくとも一方の曲げ剛性より高ければよいものとする。
以上のように、本実施形態のおむつ1によれば、着用者の胴回りに、縦皺のギャザー痕が付きにくく、かつ、吸収性本体10の端縁10aの痕も付きにくいため、乳幼児の弱い肌を傷付けてしまうことを抑制できる。また、比較的に剛性の高い伸縮性シート24が最も肌側に位置せず、より柔軟な肌側シート部221が最も肌側に位置するため、着用者への肌当たりのよさも維持される。
肌側シート部221の曲げ剛性は、より好ましくは、0.007N・m2/m×10-4以下であるとよい。これにより、着用者の胴回りに縦皺のギャザー痕がより付きにくくなる。また、内層シート部(図5の場合伸縮性シート24)の曲げ剛性は0.0096N・m2/m×10-4より高く、より好ましくは0.015N・m2/m×10-4以上であるとよい。又は、内層シート部の曲げ剛性が、肌側シート部221の曲げ剛性の倍以上であったり、両シート部の曲げ剛性の差が0.005N・m2/m×10-4以上であったりしてもよい。これにより、吸収性本体10の端縁10aで着用者の肌がより傷付きにくくなる。
また、図5に示す胴回り部20では、縦方向における第2シート22の(非肌側シート部222の)胴回り側の端部が肌側に折り返された部分が、肌側シート部221となっている。そのため、非肌側シート部222も肌側シート部221と同様に、KES法による曲げ剛性が0.0096N・m2/m×10-4以下であり、柔軟なシートとなっている。そのため、胴回り部20の非肌側の肌当たりをよくできる。特に乳幼児用のおむつ1の場合、乳幼児の保護者等はおむつ1を着用しないため、胴回り部20の肌側の肌当たりのよさを実感しにくい。よって、胴回り部20の非肌側の肌当たりをよくすることで、乳幼児の保護者等に、おむつ1が肌当たりのよい製品である印象を付与できる。
ただし、図5に示す胴回り部20の構成に限定されない。例えば、肌側シート部221と非肌側シート部222とが、別体のシートで形成されていてもよい。また、非肌側シート部222の曲げ剛性は0.0096N・m2/m×10-4以下に限定されない。また、第1シート21の曲げ剛性も特に限定されず、0.0096N・m2/m×10-4以下であっても、0.0096N・m2/m×10-4より高くてもよいものとする。
また、図5に示す胴回り部20では、糸ゴム23は非肌側シート部222と第1シート21との間に配置されているのに対して、伸縮性シート24は肌側シート部221と吸収性本体10との間に配置されている。そのため、胴回り部20を面で着用者に密着させるための伸縮性シート24を利用して、吸収性本体10の端縁10aの硬さ及び段差を吸収緩和できている。よって、図5に示す胴回り部20では、伸縮性シート24とは別に、吸収性本体10の端縁10aの硬さ及び段差を吸収緩和する資材を設ける場合に比べて、構成を簡素化できている。
なお、肌側シート部221及び内層シート部(伸縮性シート24)のKES法による曲げ剛性の測定は、カトーテック(株)製KES−FB2−AUTO−A曲げ測定試験機を用いて行うことができる。具体的には、肌側シート部221及び内層シート部のそれぞれを10cm×10cmにカットしてサンプルとする。次に、各サンプルにおいて横方向の曲げ剛性を測定できるように、測定試験機のチャック間に各サンプルを固定する。最大曲率+2.5cm-1まで表側に曲げ、次に、最大曲率−2.5cm-1まで裏側に曲げた後に元に戻す。曲げ剛性値は、表側に曲げはじめて曲率に対する曲げモーメントの傾きがほぼ一定になったときの傾きと、裏側に曲げはじめて曲率に対する曲げモーメントの傾きがほぼ一定になったときの傾きとの平均値から算出する。各サンプルにつき5回繰り返し、その平均値を曲げ剛性とする。後述する他のシート部の曲げ剛性についても同様に測定できる。
また、縦方向において、伸縮性シート24の股下側の端縁24aは、吸収性コア11Aの胴回り側の端縁11Aaより胴回り側に位置していることが好ましい。つまり、厚さ方向において伸縮性シート24と吸収性コア11Aとが重なっていないことが好ましい。そうすることで、吸収性コア11Aが伸縮性シート24によって横方向に過度に収縮してしまうことを抑制でき、吸収性コア11Aの平坦性を維持できる。よって、吸収性本体10と着用者との間に隙間が生じにくく排泄物の漏れを抑制でき、また、着け心地の低下を抑制できる。
また、肌側シート部221の曲げ剛性は低いが、肌側シート部221も、伸縮性シート24と同様に、吸収性本体10の肌側において、吸収性本体10の端縁10aを跨いで配置されていることが好ましい。そうすることで、肌側シート部221及び伸縮性シート24によって、吸収性本体10の端縁10aの硬さ及び段差を吸収できる。よって、吸収性本体10の端縁10aの肌側に伸縮性シート24のみが配置されている場合に比べて、吸収性本体10の端縁10aで着用者の肌を傷付けてしまうことをより抑制できる。
また、縦方向において、肌側シート部221の股下側の端縁221aが、伸縮性シート24の股下側の端縁24aよりも股下側に延びていることで、伸縮性シート24を肌側シート部221にしっかりと固定できる。よって、伸縮性シート24のカールを抑制できる。
===胴回り部20の変形例===
図6から図8は、胴回り部20の変形例の断面図である。
図6に示す胴回り部20では、図5と同様に、第2シート22の一部が非肌側シート部222となっており、第2シート22の胴回り側の端部が折り返された部分が肌側シート部221となっている。ただし、図6では、第2シート22(非肌側シート部222)と共に糸ゴム23を挟んで固定する第1シート21が内層シート部に相当し、第1シート21の曲げ剛性が肌側シート部221の曲げ剛性より高くなっている。
内層シート部21(第1シート)は、縦方向における胴回り側の端部が吸収性本体10より肌側に折り返された部分である肌側部211と、肌側部211より非肌側に配置された非肌側部212とを有する。この内層シート部21の肌側部211が、吸収性本体10の肌側において、縦方向における吸収性本体10の胴回り側の端縁10aを跨いで配置されている。そのため、内層シート部21の肌側部211によって、吸収性本体10の端縁10aの硬さ及び段差が吸収緩和され、吸収性本体10の端縁10aで着用者の肌を傷付けてしまうことを抑制できる。
また、糸ゴム23(伸縮性部材)は、厚さ方向における内層シート部21の非肌側部212と非肌側シート部22との間に配置されているのに対して、伸縮性シート24(伸縮性シート部)は、厚さ方向における内層シート部21の肌側部211と非肌側部212との間に配置されている。この場合、伸縮性シート24のKES法による曲げ剛性を、肌側シート部221の曲げ剛性より高くし、かつ、伸縮性シート24が、吸収性本体10の肌側において、吸収性本体10の端縁10aを跨ぐようにするとよい。
そうすることで、吸収性本体10の端縁10aの硬さ及び段差は、2層の剛性の高いシート部、すなわち内層シート部21の肌側部211及び伸縮性シート24によって吸収緩和される。よって、吸収性本体10の端縁10aで着用者の肌を傷付けてしまうことをより抑制できる。
ただし、図6のように吸収性本体10の端縁10aの肌側に、肌側シート部221以外にシート部が複数配置されている場合、少なくとも何れか1つシート部の曲げ剛性が肌側シート部221の曲げ剛性より高ければよい。つまり、図6の胴回り部20において、内層シート部21の肌側部211の曲げ剛性が肌側シート部221の曲げ剛性以下でもよい。また、伸縮性シート24の曲げ剛性が肌側シート部221の曲げ剛性以下でもよく、その場合には、非肌側シート部222と内層シート部21の非肌側部212との間に伸縮性シート24を配置してもよい。
また、吸収性コア11Aは厚い部材であり、吸収性コア11Aの剛性も比較的に高い。そのため、縦方向における吸収性コア11Aの胴回り側の端縁11Aaは、吸収性本体10の胴回り側の端縁10aに達していないことが好ましい。吸収性コア11Aがコアラップシート11Bで覆われている場合、コアラップシート11Bの胴回り側の端縁(不図示)も、吸収性本体10の端縁10aに達していないことが好ましい。そうすることで、吸収性本体10の端縁10aにおける硬さ及び段差が、吸収性コア11Aやコアラップシート11Bによって増加してしまうことを抑制できる。よって、吸収性本体10の端縁10aを出来る限り柔らかくでき、吸収性本体10の端縁10aで着用者の肌を傷付けてしまうことを抑制できる。
また、縦方向において、内層シート部21の肌側部211の股下側の端縁211aは、吸収性コア11Aの胴回り側の端縁11Aaより股下側に位置していることが好ましい。そうすることで、吸収性コア11の端縁11Aaの硬さ及び段差が、内層シート部21の肌側部211によって吸収緩和される。そのため、吸収性コア11Aの端縁11Aaで着用者の肌を傷付けてしまうことを抑制できる。
一方、図5に示す胴回り部20と同様に、縦方向において、伸縮性シート24の股下側の端縁24aは、吸収性コア11Aの胴回り側の端縁11Aaより胴回り側に位置していることが好ましい。そうすることで、伸縮性シート24によって吸収性コア11Aが横方向に過度に収縮してしまうことを抑制でき、吸収性コア11Aの平坦性を維持できる。
また、図7及び図8に示す胴回り部20は、図6に示す胴回り部20と、肌側シート部221の縦方向の長さが異なるが、それ以外の構成は同じである。図8に示す胴回り部20のように、肌側シート部221の股下側の端221aが、吸収性本体10の端縁10aより胴回り側に位置していてもよい。
また、図6及び図7に示す胴回り部20のように、肌側シート部221が、吸収性本体10の肌側において、吸収性本体10の端縁10aを跨いで配置されていてもよい。この場合、肌側シート部221の曲げ剛性は低いが、内層シート部21の肌側部211とともに、肌側シート部221によっても、吸収性本体10の端縁10aの硬さ及び段差が吸収緩和される。よって、吸収性本体10の端縁10aで着用者の肌を傷付けてしまうことをより抑制できる。
また、図6に示す胴回り部20では、肌側シート部221及び内層シート部21の肌側部211の縦方向の長さが同じである。一方、図7及び図8に示す胴回り部20では、肌側シート部221の縦方向の長さの方が、内層シート部21の肌側部211の縦方向の長さよりも短くなっている。このように、縦方向において、肌側シート部221の股下側の端221aと、内層シート部21の肌側部211の股下側の端211aとがずれている場合、図6のように複数のシート部の股下側の端が一致している場合に比べて、各シート部の股下側の端での段差を小さくできる。よって、各シート部の股下側の端で着用者の肌を傷付けてしまうことを抑制できる。また、シート部の積層枚数が縦方向に1枚ずつ変化するため、着用時の違和感を軽減できる。
同様に、縦方向において、伸縮性シート24の股下側の端24aも、内層シート部21の肌側部211の股下側の端211a、及び、肌側シート部221の股下側の端221aとずれているとよい。そうすることで、各シート部の股下側の端で着用者の肌を傷付けてしまうことを抑制でき、また、着用時の違和感を軽減できる。
また、各シート部の股下側の端がずれている場合、縦方向において、内層シート部21の肌側部211の股下側の端211aが最も股下側に位置していることが好ましい。そうすることで、肌側シート部221や伸縮性シート24を、内層シート部21の肌側部211にしっかりと固定できる。よって、剛性の低い肌側シート部221が最も股下側に位置して、肌側シート部221の股下側の端部がよれたり、伸縮性シート24が最も股下側に位置して、伸縮性シート24の股下側の端部がカールしたりしてしまうことを抑制できる。
なお、図示しないが、伸縮性シート24も、第1シート21や第2シート22と共に、胴回り側の端部が折り返されて、吸収性本体10の肌側及び非肌側に位置する構成であってもよい。また、図6〜図8の胴回り部20の場合、胴回り部20の上端部に、伸縮性シート24の代わりに、糸ゴム23を配置する構成であってもよい。また、胴回り部20の上端部に限らず、その他の一部又は全部に伸縮性シート24が配置されていてもよい。
===肌側シート部221の柔軟性について===
前述のように、胴回り部20の着用者への肌当たりをよくし、着用者の肌に縦皺のギャザー痕を付きにくくするために、肌側シート部221を柔軟性(ドレープ性)の高いシートとする。以下、肌側シート部221の構成について説明する。なお、非肌側シート部222も同様の柔軟性を有することが好ましい。
肌側シート部221としては、熱可塑性合成樹脂を含む繊維不織布であって、スパンメルト繊維不織布、なかでも、スパンボンド繊維不織布、SMS(スパンボンド・メルトブローン・スパンボンド)繊維不織布が好適に使用される。また、これら不織布を構成する連続繊維は、各種公知の合成繊維である、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)を含むポリオレフィン系の熱可塑性繊維が好適に使用される。本実施形態では、ポリエチレン繊維を主として含むスパンボンド繊維不織布を使用するものとする。
肌側シート部221は、連続繊維からなるスパンメルト不織布から形成されることによって、短繊維を含むエアレイド不織布等と異なり、繊維の自由末端が着用者の肌に直接触れることはない。特に、着用者の指先が触れたときに指紋に繊維の自由末端が当たることなく、かつ、連続繊維であって自由度が高いことから指の指紋にまとわりつくように触れて柔らかかつ良好な肌触り性を与えることができる。また、複合繊維等を用いる場合と異なり、繊維の解繊工程を要しないので、製造工程が少なく、製造コストを抑えることができる。
肌側シート部221は、連続繊維から構成されるスパンボンド繊維不織布又はSMS繊維不織布が用いられることによって、短繊維からなるその他の合成繊維に比べて、シート表面において毛羽立ちがなく、滑らかな、かつ、柔らかくてソフトな触感を与えることができる。また、スパンボンド繊維不織布は、他の繊維不織布に比べて繊維配向性をコントロールしやすい。したがって、所望のシート引張強度と伸度とを備えたバランスの良い複合的な胴回り部20を得ることができる。
肌側シート部221は、主としてポリエチレン繊維を含む繊維不織布であって、シート全体に対するポリエチレン繊維の含有率は、70〜100質量%である。ポリエチレン繊維は、ポリプロピレン繊維やPET(ポリエチレンテレフタレート)繊維等の他の熱可塑性樹脂繊維に比べて柔軟であるから、ポリエチレン繊維の含有率が少なくとも70質量%であることによって、ポリエチレン繊維の含有率が70質量%以下である従来の不織布に比べて、柔軟性に優れる。また、ポリエチレン繊維は、繊維径が比較的に大きいことから、繊維間隙が比較的に大きく、通気性に優れる。したがって、胴回り部20の蒸れも抑制することができる。
肌側シート部221が連続したポリエチレン繊維を用いたスパンボンド不織布から形成される場合には、カレンダーエンボス方式による熱処理によって連続繊維が互いに熱融着された複数の融着部分を有する。融着部分では、各構成繊維が熱融着されて繊維形状を維持しておらず、一部がフィルム化しており、各構成繊維の非融着部分に比べて剛性が高くなっている。
肌側シート部221の面積に対する融着部分の総面積率は、シートの風合いやシート強度に関連するが、かかる観点から、融着部分の総面積率は5%以上25%以下であることが好ましい。総面積率が5%未満の場合には、シート強度が低くなって着用中に胴回り部20の一部が破れてしまうおそれがあり、一方、総面積率が25%を超える場合には、シートが全体的に硬くなって、風合いを損ねるおそれがある。
また、肌側シート部221の柔軟性(具体的には、「滑らかさ」や「柔らかくてソフトな触感」)については、肌側シート部221における表面特性、曲げ特性、繊維密度、繊維径、比容積、圧縮特性等によって確認することができる。
肌側シート部221の坪量(単位面積当たりの質量)は、10g/m2以上30g/m2以下であって、好ましくは12g/m2以上25g/m2以下であるとよい。また、微荷重(0.49hPa)下の厚さ寸法は、0.10mm以上0.60mm以下であるとよい。肌側シート部221の坪量が10g/m2未満である場合には、柔軟性に優れるものの十分な引張強度を得ることが困難になり、坪量が30g/m2を超える場合には、比較的に高い引張強度を得ることができるが、十分な柔軟性を得ることができない。
肌側シート部221の0.49hPa(≒0.5gf/cm2)荷重下における見掛け密度は、0.02g/cm3以上0.1g/cm3以下、好ましくは、0.04g/cm3以上0.08g/cm3以下であるとよく、49.03hPa荷重下における見掛け密度は、0.1g/cm3以上0.2g/cm3以下、好ましくは、0.12g/cm3以上0.18g/cm3以下であるとよい。また、肌側シート部221の0.49hPa荷重下における比容積は、10cm3/g以上50cm3/g以下であるとよく、好ましくは、12.0cm3/g以上18.0cm3/g以下であるとよく、49.03hPa荷重下における比容積は5.0cm3/g以上10cm3/g以下、好ましくは4.0cm3/g以上8.0cm3/g以下である。
肌側シート部221の0.49hPa荷重下の見掛け密度が0.02g/cm3未満である場合には、肌側シート部221の融着部分が少なくなることで毛羽立ちやすくなるおそれがある。一方、0.49hPa荷重下の見掛け密度が0.1g/cm3を超える場合には、肌側シート部221の剛性が比較的に高くなる。
肌側シート部221の49.03hPa(≒50gf/cm2)荷重下における比容積が所定の範囲内であって、指先に押されて繊維が圧縮されたときに、潰れやすく反発性が比較的に低いことから密度が高くなり、指先と繊維との接触面積が比較的に多くなって繊維が指先にまとわり付きやすく、ソフトな触感を与えることができ、またギャザー痕が付きにくくなる。
肌側シート部221の坪量は、JISL1096法に基づいて測定した。見掛け密度は、これらの測定によって得られた坪量と厚さ寸法とによって算出された平均値(N=3)から求めた。肌側シート部221の比容積は、不織布の坪量をその厚さで除することによって、算出した。
肌側シート部221の構成繊維(主としてポリエチレン繊維)の平均繊維径は14μm以上22μm以下である。繊維径が比較的に大きいことから、肌側シート部221の面積に対する融着部分の総面積率が比較的に小さくなり、肌側シート部221の曲げ剛性を低くできる。
<曲げ特性>
前述のように、肌側シート部221のKES法による曲げ剛性は0.0096N・m2/m×10-4以下とする。これにより、繊維が曲がり易く、繊維とそれに触れる指先との接触距離が長くなって、摩擦係数MIUが高くなる。ただし、肌側シート部221のKES法に基づく曲げ剛性は0.0035N・m2/m×10-4以上とすることが好ましい。曲げ剛性が0.0035N・m2/m×10-4未満の場合には、肌側シート部221の引張強度が低くなり、着用中に胴回り部20の一部が破断するおそれがある。その結果として、摩擦係数の変動係数MMD/MIU×100が2%以上6%以下となることで、摩擦係数のバラつきが小さくなって滑らかになる。すなわち、指先の指紋にまとわりつく繊維を増やして、なめらかな触感を実現することができる。
<圧縮特性>
肌側シート部221のKES法に基づく圧縮仕事量WCは0.14N・m/m2以上0.2N・m/m2以下、圧縮回復率RCは15%以上50%以下であるとよい。圧縮仕事量WCが0.2N・m/m2より大きいと、胴回り部20が着用者に接触した際に、凸部25が押し潰されにくく、着用者の肌に食い込みやすくなるからである。また、圧縮回復率RCが50%より大きいと、胴回り部20が着用者に接触した際に、押し潰された凸部25が元に戻ろうとする力が強く、着用者の肌への局所的な凸部25の接触圧が高くなるからである。逆に、圧縮仕事量WCが0.14N・m/m2未満であったり、圧縮回復率RCが15%未満であったりすると、胴回り部20の剛性が低過ぎて、着用中に胴回り部20の一部が破断するおそれがある。そこで、肌側シート部221の圧縮仕事量WC及び圧縮回復率RCを上記の範囲にすることで、胴回り部20の引張強度を適度に得つつ、着用者の胴回りにギャザー痕を付きにくくすることができる。
<表面特性>
肌側シート部221は、主としてポリエチレン繊維からなる連続繊維を互いに熱融着させることによって形成された繊維ウエブであって、繊維の自由末端が表面に存在しないことから毛羽立ちが少なく、シート表面が良好な滑らかさを有するといえる。さらに、ポリエチレン繊維は、ポリプロピレン繊維に比して柔軟であるから、表面が柔軟性に優れ、僅かな荷重下においても変形して着用者の身体が動いたときに、その動きに柔らかく追従、フィットすることができる。
肌側シート部221の表面は、その摩擦係数MIUが0.15以上0.40以下、好ましくは0.25以上0.35以下、摩擦係数の平均偏差MMDが0.008以上0.01以下である。摩擦係数MIUが0.15を超えることから、摩擦抵抗が比較的に高く、着用者がシート表面に触れたときに、肌にまとわりつくような滑らかな触感を与えることができる。また、摩擦係数の変動係数MMD/MIU×100は2.0%以上6.0%以下である。既述のとおり、圧縮回復率RCが50%未満であることによって、着用者の指先が触れたときの僅かな荷重下においても繊維が潰れて繊維密度が上がり、指先と接触する繊維量が増えて摩擦係数MIUが高くなる。その結果、摩擦係数の変動係数MMD/MIU×100(%)が比較的に小さな所定値の範囲内となることから、摩擦係数のバラつきが小さくなって全体として良好な滑らかさを有し、ユーザーの指先の指紋へまとわりつくように接触する繊維が比較的に多くなり、滑らかな、かつ、柔らかくてソフトな触感を与えることができる。
肌側シート部221における曲げ特性及び表面特性の所定値の範囲は、胴回り部20の横方向又は縦方向の少なくとも一方において満たされているとよく、好ましくは、両方において満たされているとよい。また、本明細書のKES法に基づく各力学的測定に関しては、「風合い評価の標準化と解析」第2版(社団法人日本繊維機械学会、風合い計量と規格化研究委員会 昭和55年7月10日発行)に詳細が説明されている。
表1は、様々な条件下において、複数の不織布を製造し、その特性及び性能を評価したものである。実施例1〜5の不織布は、連続繊維であるポリエチレン繊維を100質量%含むスパンボンド不織布、比較例1の不織布は、連続繊維であるポリプロピレン繊維を100質量%含むスパンボンド不織布から形成されている。また、実施例1〜5及び比較例1,2の不織布は、製造工程において熱エンボスロールによるカレンダー方式の熱処理を施した。
実施例1〜5及び比較例1〜3の不織布をそれぞれ肌側シート部221としたおむつ1を、被験者が乳幼児に着用させて、ギャザー痕の付きやすさ、及び、引張強度について、二段階で評価した。着用後の乳幼児の肌に基づき、被験者が「ギャザー痕が付きにくい」と感じたものを「○」とし、被験者が「ギャザー痕が付きやすい」と感じたものを「×」とした。また、引張強度については、着用中に胴回り部20が破断したものを「○」とし、破断しなかったものを「×」とした。
Figure 2019187744
<実施例1>
実施例1の不織布として、坪量20.40g/m2であって平均繊維径が14.83μmのポリエチレン繊維から構成されたスパンボンド不織布を使用した。
<実施例2>
実施例2の不織布として、坪量18.98g/m2であって平均繊維径が16.89μmのポリエチレン繊維から構成されたスパンボンド不織布を使用した。
<実施例3>
実施例3の不織布として、坪量20.84g/m2であって平均繊維径が20.28μmのポリエチレン繊維から構成されたスパンボンド不織布を使用した。
<実施例4>
実施例4の不織布として、坪量25.12g/m2であって平均繊維径が16.77μmのポリエチレン繊維から構成されたスパンボンド不織布を使用した。
<実施例5>
実施例5の不織布として、坪量15.14g/m2であって平均繊維径が16.77μmのポリエチレン繊維から構成されたスパンボンド不織布を使用した。
<比較例1>
比較例1の不織布として、坪量20.37g/m2であって平均繊維径が12.19μmのポリプロピレン繊維から構成されたスパンボンド不織布を使用した。
<比較例2>
比較例2の不織布として、坪量15.08g/m2であって平均繊維径が17.35μmの複合繊維から構成されたスパンボンド不織布を使用した。複合繊維は、連続繊維であって、芯部をポリプロピレン、鞘部をポリエチレンとする芯鞘型複合繊維を使用した。
<比較例3>
比較例3の不織布として、坪量23.52g/m2であって、平均繊維径が16.64μmの複合繊維から構成されたエアスルー不織布を使用した。複合繊維には、繊維長が51mmの短繊維であって、芯部をポリエチレンテレフタレート(PET)、鞘部をポリエチレンとする芯鞘型複合繊維を使用した。
各不織布の坪量、繊維径、表面特性(MIU,MMD,MMD/MIU)、曲げ特性(B)、圧縮特性(T0,Tm,WC,RC)の各測定については、以下の方法を用いた。
<坪量の測定方法>
各不織布から100mm×200mmのサンプル(N=10)を得て、それらのサンプルの坪量を求めてその平均値を各不織布の坪量とした。
<平均繊維径の測定方法>
各不織布から10mm×10mmのサンプルを切り出して準備して、プレパラートの上に配置した。次に、各サンプルにグリセリンを適量滴下して、サンプル全体がグリセリンで浸された状態にして、その上からカバーガラスを置いた。次に、公知の光学顕微鏡(例えば、KEYENCE製VHC−100 Digital Microscope Lens VH-Z450)を用いてサンプルのシート表面を倍率1000倍で観察して、シート表面に露出している繊維(N=50)の繊維径を測定し、平均値を平均繊維径とした。
<表面特性の測定方法>
表面特性の測定は、カトーテック(株)製KES−FB4−A−AUTO(自動化表面試験機)を用いて、各不織布の100mm×100mmの範囲をサンプルとし、平滑な金属平面の試験台に配置して行った。各サンプルを0.1cm/secの一定速度で水平に各不織布の製造時の機械方向(繊維の配向する方向)へ0〜2cm移動させ、外形寸法5mm×5mmの摩擦子(測定子)を用いて、初期荷重50gfの条件下において、移動区間内の平均摩擦係数をMIU,そのときの摩擦係数の標準偏差をMMDとして各数値を算出した。サンプルごとに同様の測定を5回行い、その平均を各サンプルのMIU、MMDの値とした。
<厚さ寸法T0,Tm及び圧縮特性の測定方法>
各不織布の厚さ寸法の測定には、カトーテック(株)製KES−FB3−AUTO−A圧縮試験機を用いた。まず、各不織布を100mm×100mmの大きさに切り出してサンプルとし、サンプルの中心を上下に位置する円盤で静かに挟み込み圧縮面積(円盤の面積)2.0cm2、0.49hPa荷重下における各サンプルの厚さ寸法T0を測定する。次に、加圧速度0.02mm/秒で49.03hPa荷重下になるまで測定サンプルを圧縮し、49.03hPa荷重下における厚さ寸法Tmを測定した。また、厚さ寸法T0から厚さ寸法Tmまで圧縮時に要した仕事量(N・m/m2)をWC,厚さ寸法Tmから厚さ寸法T0に復元時に要した仕事量をWC2として、下記の計算式に基づいて圧縮回復率RC(%)を求めた。
RC(%)=WC2/WC×100
<測定結果>
表1の結果から、不織布の曲げ剛性が、比較例1〜3のように0.0096N・m2/m×10-4より大きいと、着用者の肌にギャザー痕が付きやすく、実施例1〜5のように0.0096N・m2/m×10-4以下であると、着用者の肌にギャザー痕が付きにくいといえる。また、実施例5のように曲げ剛性が0.0035N・m2/m×10-4以上であれば、着用中に胴回り部20が破断することなく、実施例5の不織布を肌側シート部221として問題なく使用できるといえる。
また、実施例1〜5の不織布は、比較例1〜3の不織布に比べて、圧縮回復率RCが低く50%以下である。この点からも、曲げ剛性が低く、柔軟性のある不織布は、ギャザーにおける凸部が潰れやすく、ギャザー痕が付きにくいことが分かる。
また、実施例1〜5の不織布は、坪量が10g/m2以上30g/m2以下の範囲内であり、49.03hPa荷重時の見掛け密度が0.12g/cm3以上0.2g/cm3以下の範囲内に収まっている。そのため、不織布の坪量及び見掛け密度が上記の範囲内であれば、適度な引張強度が得られつつ、柔軟性が得られることが分かる。
また、実施例1(繊維径14.83μmのポリエチレン繊維から構成された不織布)と、比較例1(繊維径12.19μmのポリプロピレン繊維から構成された不織布)とを比較すると、実施例1のMIUが0.335であるのに対し、比較例1のMIUが0.238であり、かつ、実施例1の摩擦係数の変動係数MMD/MIU×100が2.57%であるのに対し、比較例1の摩擦係数の変動係数MMD/MIU×100が3.28%であった。このことから、不織布が比較的に柔軟なポリエチレン繊維から構成されていることによって、摩擦係数MIUが比較的に高くなる結果、摩擦係数の変動係数MMD/MIU×100が低くなり、摩擦係数のバラつきが小さくなってシート表面が滑らかであるといえる。それによって、ユーザーが不織布の表面に対して平面方向へ指先を移動させたときには、指紋へまとわりつくように接触する繊維量が比較的に多くなり、なめらかな触感を与えることができる。
また、複合繊維から構成された比較例2,3の不織布では、摩擦係数の変動係数MMD/MIU×100は6%を超えている。そのため、ポリエチレン繊維の単繊維から構成された実施例1〜5の不織布に比べて、シート表面の滑らかさに劣るといえる。逆にいえば、繊維径が14μm以上22μm以下のポリエチレン繊維から構成された実施例1〜5の不織布によれば、KES法による摩擦係数の変動係数MMD/MIU×100が2%以上6%以下である、シート表面が滑らかな柔軟な不織布が得られやすいことが分かる。また、実施例1,2,4,5における摩擦係数MIUの測定結果は、0.268〜0.335であるため、摩擦係数MIUは少なくとも0.25(以上)であることが好ましい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。
1 パンツ型使い捨ておむつ(吸収性物品)、
10 吸収性本体、
11 吸収体、11A 吸収性コア、11B コアラップシート、
12 トップシート、13 バックシート、14 外装シート、
15 脚周り弾性部材、
20 腹側胴回り部(胴回り部)、20A 胴回り側部、
21 第1シート(内層シート部)、
22 第2シート、221 肌側シート部、222 非肌側シート部、
23 糸ゴム(伸縮性部材)、
24 伸縮性シート(伸縮性シート部、内層シート部)、25 凸部
30 背側胴回り部(胴回り部)、31 第1シート、
32 第2シート、33 糸ゴム、
40 比較例の肌側シート部、
50 接着剤、

Claims (15)

  1. 縦方向、及び、横方向を有し、
    吸収性コアを備える吸収性本体、及び、一対の胴回り部を有し、
    前記胴回り部は、最も肌側に配置された肌側シート部を備える吸収性物品であって、
    前記一対の胴回り部のうちの少なくとも一方の胴回り部では、
    前記肌側シート部のKES法による曲げ剛性は0.0096N・m2/m×10-4以下であり、
    前記肌側シート部より非肌側に内層シート部が配置され、
    前記内層シート部のKES法による曲げ剛性は、前記肌側シート部の前記曲げ剛性より高く、
    前記内層シート部は、前記吸収性本体の肌側において、前記縦方向における前記吸収性本体の胴回り側の端縁を跨いで配置されていることを特徴とする吸収性物品。
  2. 請求項1に記載の吸収性物品であって、
    前記胴回り部は、最も非肌側に配置された非肌側シート部を備え、
    前記肌側シート部は、前記縦方向における前記非肌側シート部の胴回り側の端部が肌側に折り返された部分であり、
    前記内層シート部は、前記縦方向における胴回り側の端部が肌側に折り返された部分である肌側部と、前記肌側部より非肌側に配置された非肌側部とを有し、
    前記胴回り部の厚さ方向における前記内層シート部の前記非肌側部と前記非肌側シート部との間に、前記横方向に伸縮可能な伸縮性部材が配置され、
    前記内層シート部の前記肌側部が、前記吸収性本体の肌側において、前記縦方向における前記吸収性本体の胴回り側の端縁を跨いで配置されていることを特徴とする吸収性物品。
  3. 請求項2に記載の吸収性物品であって、
    前記縦方向において、前記内層シート部の前記肌側部の股下側の端縁は、前記吸収性コアの胴回り側の端縁より股下側に位置していることを特徴とする吸収性物品。
  4. 請求項2又は3に記載の吸収性物品であって、
    前記胴回り部の厚さ方向における前記内層シート部の前記肌側部と前記非肌側部との間に、前記横方向に伸縮可能な伸縮性シート部が配置され、
    前記伸縮性シート部のKES法による曲げ剛性は、前記肌側シート部の前記曲げ剛性より高く、
    前記伸縮性シート部は、前記吸収性本体の肌側において、前記縦方向における前記吸収性本体の胴回り側の端縁を跨いで配置されていることを特徴とする吸収性物品。
  5. 請求項4に記載の吸収性物品であって、
    前記縦方向において、前記内層シート部の前記肌側部の股下側の端縁と、前記肌側シート部の股下側の端縁と、前記伸縮性シート部の股下側の端縁とが、ずれていることを特徴とする吸収性物品。
  6. 請求項5に記載の吸収性物品であって、
    前記縦方向において、前記内層シート部の前記肌側部の股下側の端縁が最も股下側に位置していることを特徴とする吸収性物品。
  7. 請求項1に記載の吸収性物品であって、
    前記内層シート部は、前記横方向に伸縮可能な伸縮性シート部であることを特徴とする吸収性物品。
  8. 請求項4から7の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記縦方向において、前記伸縮性シート部の股下側の端縁は、前記吸収性コアの胴回り側の端縁より胴回り側に位置していることを特徴とする吸収性物品。
  9. 請求項1から8の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記肌側シート部は、前記吸収性本体の肌側において、前記縦方向における前記吸収性本体の胴回り側の端縁を跨いで配置されていることを特徴とする吸収性物品。
  10. 請求項1から9の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記肌側シート部のKES法による曲げ剛性は0.0035N・m2/m×10-4以上であることを特徴とする吸収性物品。
  11. 請求項1から10の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記肌側シート部のKES法による圧縮回復率RCが15%以上50%以下であることを特徴とする吸収性物品。
  12. 請求項1から11の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記肌側シート部の坪量は10g/m2以上30g/m2以下であり、49.03hPa荷重時の見掛け密度は0.12g/cm3以上0.2g/cm3以下であることを特徴とする吸収性物品。
  13. 請求項1から12の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記肌側シート部は、繊維径が14μm以上22μm以下の繊維を含み、KES法による摩擦係数の変動係数MMD/MIU×100が2%以上6%以下であることを特徴とする吸収性物品。
  14. 請求項1から13の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記肌側シート部の摩擦係数MIUが少なくとも0.25であることを特徴とする吸収性物品。
  15. 請求項1から14の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記肌側シート部は、ポリエチレン繊維を含むことを特徴とする吸収性物品。
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