JP2014176527A - 使い捨て吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【課題】汗を効果的に吸収でき、かつ、装着する際に破損しにくい使い捨て吸収性物品を提供する。
【解決手段】表面シート11、裏面シートおよび吸収体13を有する吸収本体5を備える。この吸収本体5の裏面側に吸汗性を有する外装シート6を配設する。そして、使い捨て吸収性物品1は、腹側胴回り部2、股下部3および背側胴回り部4を有し、1つの胴回り開口部および1対の脚回り開口部が形成されたパンツタイプ形状で装着される。外装シート6は、背側胴回り部4を構成する背側部15を有する。また、腹側胴回り部2を構成する腹側部14を有する。さらに、これら背側部15および腹側部14の少なくとも一方に親水性を有する補強シート24を配設する。
【選択図】図1
【解決手段】表面シート11、裏面シートおよび吸収体13を有する吸収本体5を備える。この吸収本体5の裏面側に吸汗性を有する外装シート6を配設する。そして、使い捨て吸収性物品1は、腹側胴回り部2、股下部3および背側胴回り部4を有し、1つの胴回り開口部および1対の脚回り開口部が形成されたパンツタイプ形状で装着される。外装シート6は、背側胴回り部4を構成する背側部15を有する。また、腹側胴回り部2を構成する腹側部14を有する。さらに、これら背側部15および腹側部14の少なくとも一方に親水性を有する補強シート24を配設する。
【選択図】図1
Description
本発明は、子供用、大人用或いは失禁用の使い捨て吸収性物品に関する。
通常、使い捨て吸収性物品としての使い捨ておむつは、下着とは異なり汗や蒸れによって着用感が悪化して装着者が不快に感じやすい。また、これら汗や蒸れが一因となって、汗疹や湿疹などの皮膚疾患が発生しやすい。
そこで、蒸れの軽減および皮膚疾患の防止を目的とした使い捨ておむつとしては、吸収体の前後端縁から延出するエンドフラップの肌当接面に親水性かつ通気性の吸汗シートと、この吸汗シートの肌当接面の反対側に位置し透湿性および撥水性を有する部位とを有する構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、着用感を改善するため、外装シートが吸湿性を有する繊維と疎水性繊維とを含む不織布で形成された構成が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、上述の特許文献1の構成では、吸汗シートと撥水性の部位とが重なっているため、吸汗シートにおける吸収性素材による汗吸収効果が撥水性の部位によって阻害される可能性があり、汗を効果的に吸収できない可能性がある。
また、特許文献2の構成では、外装シートが吸収性を有する繊維と疎水性繊維とを含んだ不織布にて形成されているため、外装シートが疎水性繊維のみの不織布にて形成された場合に比べて、外装シートの引張強度が低下してしまい、装着する際に、引っ張り上げることによって破損してしまう可能性がある。
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、汗を効果的に吸収でき、かつ、装着する際に破損しにくい使い捨て吸収性物品を提供することを目的とする。
請求項1に記載された使い捨て吸収性物品は、表面側に位置する表面シート、裏面側に位置する裏面シートおよびこれら表面シートと裏面シートとの間に位置する吸収体を有する吸収本体と、この吸収本体の裏面側に配置され少なくとも一部に吸湿性を有する繊維が用いられた吸汗性を有する外装シートとを具備し、装着者の腹部側に配置される腹側胴回り部、装着者の股下に配置される股下部および装着者の背部側に配置される背側胴回り部が長手方向に沿って順次配置され、前記腹側胴回り部と前記背側胴回り部とが対向した状態でこれら腹側胴回り部および背側胴回り部の幅方向両端部同士が接合されて、1つの胴回り開口部および1対の脚回り開口部が形成される使い捨て吸収性物品であって、前記外装シートは、前記背側胴回り部を構成する背側部と、前記腹側胴回り部を構成する腹側部とを有し、これら背側部および腹側部の少なくとも一方に親水性を有する補強シートが配設されているものである。
請求項2に記載された使い捨て吸収性物品は、請求項1記載の使い捨て吸収性物品において、外装シートは、吸収本体より長手方向に長く形成され、補強シートは、一部が前記吸収本体と断面方向に重なった状態にて前記吸収本体から長手方向の外側へ向かって配設されているものである。
請求項3に記載された使い捨て吸収性物品は、請求項1または2記載の使い捨て吸収性物品において、外装シートは、吸収本体側に位置する外装内面シートと、装着者の衣服側に位置する外装表面シートと、腹側部および背側部の少なくとも一方における装着者側の面に位置し吸収本体の長手方向端部を覆うように配設された吸汗性を有する押さえシートとを有し、補強シートは、前記外装表面シートより装着者側でかつ前記押さえシートより装着者の衣服側に配設されているものである。
請求項4に記載された使い捨て吸収性物品は、請求項1ないし3のいずれか一記載の使い捨て吸収性物品において、補強シートは、幅方向に離間して複数配設されているものである。
請求項5に記載された使い捨て吸収性物品は、請求項1ないし4のいずれか一記載の使い捨て吸収性物品において、補強シートは、少なくとも一方の面が複数の接合部にて外装シートと接合され、これら接合部は、互いに幅方向に離間しているものである。
請求項1に記載された発明によれば、外装シートの背側部および腹側部の少なくともいずれか一方に補強シートが配設されているため、外装シートの引張強度を向上でき、装着する際に破損しにくい。また、補強シートが親水性を有するため、外装シートの吸汗性が補強シートに阻害されにくく、汗を効果的に吸収できる。
請求項2に記載された発明によれば、外装シートにおいて装着する際に破断し易い箇所である吸収本体の長手方向の外側に補強シートが配設されているため、外装シートの引張強度を向上でき、装着する際の破断を防止できる。
請求項3に記載された発明によれば、押さえシートが配設されているため、吸収本体と外装シートと補強シートとが剥がれることを防止でき、着用感の悪化を防止できる。
請求項4に記載された発明によれば、複数の補強シートにより外装シートの引張強度を向上できるとともに、これら補強シートが離間しているため、外装シートにおけるシート同士が重なる部分の面積を抑えることができ、外装シートの吸汗性の悪化を抑制できる。
請求項5に記載された発明によれば、接合部が互いに幅方向に離間し、これら接合部にて補強シートが外装シートに接合されているため、接合による通気性や吸汗性の悪化を抑制できる。
以下、本発明の第1の実施の形態の構成について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1において、1は使い捨て吸収性物品を示す。この使い捨て吸収性物品1は、例えば子供用、大人用或いは失禁用の使い捨ておむつなどである。
使い捨て吸収性物品1は、展開状態にて長手方向および幅方向を有している。また、使い捨て吸収性物品1は、装着された状態にて、装着者の腹部側に配置される腹側胴回り部2と、装着者の股下に配置される股下部3と、装着者の背部側に配置される背側胴回り部4とが長手方向に沿って順次配置されている。
この使い捨て吸収性物品1は、幅方向の略中央部に長手方向に沿って配置された略矩形状の吸収本体5を備えている。また、吸収本体5における装着者の衣服側となる裏面側には外装シート6が配設されている。
また、使い捨て吸収性物品1は、吸収本体5が内側になるように腹側胴回り部2と背側胴回り部4とが対向した状態で、これら腹側胴回り部2および背側胴回り部4の幅方向の両端部同士が接合されることによって、図2に示すような、1つの胴回り開口部7および1対の脚回り開口部8が形成されたパンツタイプ形状となる。
そして、使い捨て吸収性物品1は、図1に示す展開状態から図2に示すパンツタイプ形状にして、装着者の胴周りにおける腹部、股下および背部に亘って身体に沿って装着される。
吸収本体5は、装着者側である表面側に位置する略矩形状の表面シート11、および、装着者の衣服側である裏面側に位置する略矩形状の裏面シート12を有している。また、これら表面シート11と裏面シート12との間には、長手方向の略中央部が幅方向の内側へ向かって切り欠かれたいわゆる略砂時計型の吸収体13が配設されている。
そして、吸収本体5は、表面シート11と裏面シート12との間に吸収体13が挟まれた状態にて、表面シート11および裏面シート12の周縁部を例えば接着剤などにて接合することにより封着されている。
表面シート11は、例えば尿などの排泄液を透過可能な略矩形状の液透過性シートであり、裏面シート12は、排泄液を透過させない略矩形状の液不透過性シートである。なお、これら表面シート11および裏面シート12は、例えば織布、不織布、フィルムおよび合成樹脂などのシート材にて適宜形成される。
吸収体13は、例えばパルプなどの吸収性繊維および高吸水性ポリマなどから形成され、排泄液を十分に吸収可能である。
そして、装着者の排泄液は、表面シート11を透過して吸収体13に吸収され、吸収された排泄液が装着者の衣服側である裏面側へ漏出しないように裏面シート12にて保持される。
図3に示すように、外装シート6は、吸収本体5の裏面シート12における装着者の衣服側である外側に配設され、吸収本体5および外装シート6が断面方向に層状に配設されている。
この外装シート6は、少なくとも一部に例えばレーヨンなどの吸湿性を有する繊維が用いられた織布または不織布にて構成されて、装着者の汗や蒸れによる不快感を軽減し、汗疹や湿疹などの皮膚疾患を防止できるように吸汗性を有している。
吸湿性を有する繊維とは、公定水分率(20℃、65%R.H.の環境下で繊維が有する水分率[%])が5.0以上の繊維である。
なお、外装シート6は、吸汗性を有していれば、吸湿性を有する繊維のみで形成された構成、および、吸湿性を有する繊維と吸湿性を有さない繊維とを組み合わせて形成された構成のいずれでもよい。
外装シート6が、吸湿性を有さない繊維、例えば撥水性の繊維を含んでいたとしても、吸湿性を有する繊維が吸湿効果および吸水効果を奏するため、シートとしては吸湿するとともに、液体を吸収して透過でき、結果として親水性を有することになる。
親水性とは、一方の面に水滴を落とした場合に、加圧せず他方の面側に水分を透過できることを意味する。
外装シート6は、腹側胴回り部2を構成する腹側部14と、背側胴回り部4を構成する背側部15とを有している。これら腹側部14と背側部15との間には、腹側部14および背側部15より幅方向内側へ凹弧状に切り欠かれ、吸収本体5とともに股下部3を構成する股間部16が配置されている。
腹側部14および背側部15には、複数例えば5本の糸状の胴回り弾性体17が、胴回り方向すなわち幅方向に沿って伸張した状態で配設されている。
また、腹側部14から背側部15に亘って、複数例えば3本の糸状の脚回り弾性体18が、股間部16の凹弧状に切り欠かれた側縁部に沿って伸張した状態で配設されている。
そして、これら胴回り弾性体17および脚回り弾性体18は常時収縮し、この収縮によって胴回り開口部7および脚回り開口部8が装着者の胴回りおよび脚回りに密着する。なお、これら胴回り弾性体17および脚回り弾性体18は、糸状の弾性糸に限定されず、例えばシート状の弾性シートであってもよい。
また、外装シート6は、吸収本体5側に位置する外装内面シート21と、装着者の衣服側に位置する外装表面シート22とを有している。
外装内面シート21は、吸収本体5の裏面シート12における装着者の衣服側に配設され、外装表面シート22は、外装内面シート21における装着者の衣服側に配設されて、互いに断面方向に層状に配設されている。
また、外装表面シート22は、長手方向の長さが外装内面シート21の長手方向の長さより長く、使い捨て吸収性物品1の長手方向の両端部では、外装表面シート22が装着者側である表面側に折り返されて折返し部23が形成されている。
なお、胴回り弾性体17および脚回り弾性体18は、これら外装内面シート21と外装表面シート22との間に挟まれるように配設されている。
外装シート6の腹側部14および背側部15には、矩形状の補強シート24が配設されている。
この補強シート24は、腹側部14および背側部15より小さく、腹側部14および背側部15の全体を覆うものではない。
また、補強シート24は、親水性でないシートであると外装シート6の吸汗性を阻害してしまい、吸汗性能が低下する可能性があるため、親水性シートまたは親水性不織布で形成されている。
なお、補強シート24は、外装内面シート21や外装表面シート22のように吸汗性を有するシートを用いると、外装シート6の吸汗性が損なわれないため好ましい。
補強シート24は、外装シート6の強度を向上させて、使い捨て吸収性物品1を装着する際に引っ張り上げることによる外装シート6の破損を防止するためのものである。
具体的には、補強シート24が配設された部分の強度、すなわち、外装内面シート21と外装表面シート22と補強シート24との引張強度の合計が30N以上となるように、補強シート24の素材を選択することが好ましい。
なお、引張強度を測定する際には、外装シート6の腹側部14または背側部15において、装着時に引っ張り上げる方向すなわち長手方向に5cm、胴回り方向すなわち幅方向に2.5cmの大きさで切断して試験片とした。
そして、チャック間を3cmとし、引張速度を300mm/minとして引張試験を行う。
引張強度を向上させるには補強シート24の目付を高くする方法が考えられるが、目付が高すぎると装着状態にて、いわゆるごわつきや蒸れの原因になるため、補強シート24の目付は低い方が好ましい。具体的には、補強シート24の目付は、10g/m2以上30g/m2以下が好ましい。
ここで、補強シート24は、一部が吸収本体5と断面方向に重なった状態にて、吸収本体5から長手方向の外側へ向かって配設されていることが好ましい。すなわち、補強シート24は、長手方向の一端側が裏面シート12と外装内面シート21との間に位置し、長手方向の他端側が外装表面シート22の折返し部23と外装内面シート21との間に位置するように、吸収本体5の長手方向の延長線上に配置されていることが好ましい。
次に、上記第1の実施の形態の作用および効果を説明する。
パンツタイプ形状にした使い捨て吸収性物品1を装着する際には、まず、装着者の両脚を胴回り開口部7を通して脚回り開口部8へ挿入する。
脚回り開口部8に脚を挿入した状態で、外装シート6を引っ張り上げるようにして、使い捨て吸収性物品1を引き上げて、胴回り開口部7が装着者の胴回りに密着し、脚回り開口部8が装着者の脚回りに密着し、吸収本体5が装着者の排泄部に密着した状態にする。
そして、上記使い捨て吸収性物品1によれば、外装シート6の背側部15および腹側部14に補強シート24が配設されているため、外装シート6の引張強度を向上できる。したがって、装着する際に、外装シート6を引っ張り上げるように使い捨て吸収性物品1を引き上げても、その負荷により破損しにくい。
特に、外装シート6の引張強度、すなわち外装内面シート21、外装表面シート22および補強シート24の引張強度の合計が30N以上であると、装着する際の破損をより確実に防止できる。
また、補強シート24は、親水性を有するため、汗などの水分を透過できる。したがって、外装シート6の吸汗性が補強シート24によって阻害されにくく、汗を効果的に吸収でき、汗や蒸れによる皮膚疾患の発生や着用感の悪化を防止できる。
さらに、補強シート24が腹側部14および背側部15より小さいため、補強シート24にて外装シート6が硬くなることやごわつきによる着用感の悪化を防止できる。
また、補強シート24は、目付が10g/m2以上30g/m2以下であることにより、補強シート24によるごわつきや蒸れによる着用感の悪化を防止できる。
ここで、吸収本体5は使い捨て吸収性物品1における幅方向の略中央部に長手方向に沿って配設されているため、使い捨て吸収性物品1を装着する際には、吸収本体5が装着者の排泄部に密着するように、外装シート6の幅方向中心部すなわち吸収本体5の延長線上の部分を把持した状態で引っ張られることが多く、吸収本体5の長手方向の延長線上の箇所に負荷がかかりやすい。
したがって、補強シート24は、吸収本体5から長手方向の外側へ配設されていることにより、負荷がかかりやすい吸収本体5の延長線上の箇所における強度を向上できるため、破損を効果的に防止できる。
また、装着する際に負荷がかかりやすく破損しやすい箇所に補強シート24が配設され、破損しにくい箇所に補強シート24が配設されないことにより、補強シート24による通気性の悪化や着用感の悪化を最小限に抑えることができる。
さらに、補強シート24が吸収本体5と断面方向に重なっていることにより、装着する際に外装シート6を引っ張り上げることによって、補強シート24とともに吸収本体5が引き上げられ、装着者の排泄部に吸収本体5を密着させやすい。
なお、上記第1の実施の形態では、外装シート6は、腹側部14、背側部15および股間部16を有する構成としたが、このような構成には限定されず、腹側部14および背側部15を有していれば、股間部16を有さない構成にしてもよい。すなわち、外装シート6がそれぞれ別体の帯状の腹側部14と帯状の背側部15とから構成された構成などにしてもよい。この構成では、帯状の腹側部14および背側部15を吸収本体5の長手方向の両端部の裏面側にそれぞれ接合し、腹側部14および背側部15の幅方向の両端部を接合してパンツタイプ形状にする。この場合は、股下部3は吸収本体5のみで構成される。
吸収本体5は、幅方向両端部に不透液性の立体ギャザが設けられた構成にしてもよい。このように立体ギャザが設けられた構成では、排泄液が吸収本体5の幅方向から流出することを立体ギャザにより防止できる。
補強シート24は、外装シート6の腹側部14および背側部15の両方に配設された構成としたが、このような構成には限定されず、腹側部14および背側部15の少なくとも一方に配設された構成であればよい。
また、補強シート24は、外装内面シート21の装着者側に配設された構成としたが、このような構成には限定されず、補強シート24の配設位置は適宜選択できる。例えば、図4に示す変形例のように、外装内面シート21と外装表面シート22との間に補強シート24が配設された構成や、外装表面シート22における装着者の衣服側に補強シート24が配設された構成にしてもよい。また、複数の補強シート24が、断面方向の異なる位置にそれぞれ配設された構成にしてもよい。
次に、第2の実施の形態を図5ないし図7を参照して説明する。なお、上記第1の実施の形態と同一の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
この第2の実施の形態では、図5に示すように、外装シート6には、吸汗性を有する押さえシート26が背側部15および腹側部14に配設されている。
押さえシート26は、外装シート6の腹側部14および背側部15における装着者側の面に位置するように、吸収本体5の長手方向の端部および外装内面シート21を覆った状態で接合されている。また、押さえシート26の吸収本体5とは反対側の端部は、折返し部23にて覆われている。
なお、押さえシート26は、外装内面シート21および外装表面シート22とは別体のシートである構成には限定されず、例えば折返し部23を吸収本体5の長手方向端部まで覆うように延出させ、折返し部23を押さえシート26とする構成にしてもよい。
ここで、外装シート6の強度を向上させるための補強シート24が装着者の肌との当接面や衣服との当接面に位置していると、着用感が悪化する場合がある。
そこで、補強シート24は、図5に示すように外装内面シート21と外装表面シート22との間に配設され、使い捨て吸収性物品1における装着者側の面および装着者の衣服側の面には露出していない。
なお、補強シート24は、外装内面シート21と外装表面シート22との間に配設された構成には限定されず、断面方向における外装表面シート22より装着者側でかつ押さえシート26より装着者の衣服側に配設されていればよい。すなわち、例えば、図6および図7に示す変形例のように、補強シート24が外装内面シート21の装着者側に配設された構成などにしてもよい。この場合、補強シート24の装着者側に押さえシート26が配設され、補強シート24が使い捨て吸収性物品1の内面側に露出していない。
そして、上記第2の実施の形態によれば、押さえシート26が吸収本体5の長手方向の端部および外装内面シート21を覆うように配設されているため、吸収本体5と外装シート6と補強シート24とが剥がれてしまうことを防止でき、剥がれによる着用感の悪化を防止できる。
また、押さえシート26が外装シート6における装着者側の面に配設され、補強シート24が断面方向における押さえシート26より装着者の衣服側に配設されることによって、補強シート24が肌当接面に露出せず、補強シート24による着用感や通気性の悪化を防止できる。
さらに、補強シート24が装着者の衣服当接面に露出していると、補強シート24と衣服との摩擦により補強シート24が剥がれてしまう可能性があり、補強シート24の剥がれを防止するには、補強シート24の接着量を多くする必要がある。補強シート24の接着量が多くなると、通気性や柔軟性の低下を招くおそれがある。
そこで、補強シート24が断面方向における外装表面シート22より装着者側に配設されることによって、補強シート24が衣服当接面に位置せず、接着量を増加させずに補強シート24の剥がれを防止できる。
次に、第3の実施の形態を図8を参照して説明する。なお、上記実施の形態と同一の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
この第3の実施の形態では、図8に示すように、腹側部14および背側部15それぞれに複数例えば3つの補強シート24が配設されている。
これら補強シート24は、腹側部14および背側部15において互いに幅方向に離間して配置されている。すなわち、腹側部14および背側部15の吸収本体5の延長線上に位置する箇所において、幅方向両端部に補強シート24が配設されているとともに、幅方向中央部に補強シート24が配設され、幅方向両端部の各補強シート24と幅方向中央部の補強シート24との間に離間部分28が設けられている。
なお、補強シート24の数や配設位置は適宜選択でき、例えば、吸収本体5の延長線上より幅方向の外側に補強シート24が配設された構成などにしてもよい。
このように、複数の補強シート24が配設されることにより、複数の補強シート24で外装シート6の引張強度を向上できる。
また、外装シート6における補強シート24が設けられた箇所は、補強シート24自体が親水性を有していても、シート同士が重なって接着などが施されることで、外装シート6の吸汗性や通気性などの機能が低下してしまう。
そこで、各補強シート24が幅方向に離間していることにより、外装シート6におけるシート同士が重なる部分の面積を抑えることができ、補強シート24を配設することによる吸汗性や通気性などの機能の低下を防止できる。
また、これら補強シート24の離間部分28の幅は、補強シート24の幅方向の長さより長いことが好ましい。
なお、使い捨て吸収性物品1を装着する際の破損を防止するには、外装シート6における補強シート24上または補強シート24の延長線上を把持して引っ張ることが有効だか、装着者が補強シート24の位置を確認できない場合も考えられる。
そこで、装着する際に外装シート6のどの部分を把持しても補強シート24上または補強シート24の延長線上となるように、補強シート24が配設されることが好ましい。
具体的には、通常、手の幅は10cm以下であることが多いので、離間部分28の幅は10cm以下であると好ましい。
一方、離間部分28の幅が狭くなると、吸汗性や通気性が低下してしまうため、吸汗性や通気性を考慮すると離間部分28の幅が1cm以上であると好ましい。
ここで、補強シート24は、少なくとも一方の面が複数の接合部29にて外装シート6に接合されている。具体的には、補強シート24の装着者の衣服側面が、接合部29にて外装内面シート21に接合されている。
接合部29は、使い捨て吸収性物品1における長手方向に連続的にかつ幅方向に間欠的に配置されている。すなわち、連続線状の複数の接合部29が互いに幅方向に離間して配置されている。
補強シート24の接合方法は、ホットメルト、熱融着および超音波接着などの方法で適宜選択されるが、補強シート24の全面を接合すると、接合により吸汗性や通気性を低下させる可能性がある。
そこで、補強シート24が外装シート6に幅方向に間欠的に接合されることにより、接合面積を最小限に抑え、接合による吸汗性や通気性の低下を防止できる。
また、使い捨て吸収性物品1を引っ張り上げる際には補強シート24へ長手方向に負荷がかかりやすい。そのため、例えば接合部29を長手方向に間欠的に配置した場合には、接合部29が剥がれやすくなってしまい、補強シート24が外装シート6に固定されずに補強シート24による引張強度向上効果を奏しにくくなる可能性がある。
そこで、補強シート24を長手方向に連続的にかつ幅方向に間欠的に接合することにより、接合による吸汗性や通気性の低下を防止できるだけでなく、補強シート24による引張強度向上効果を確保しやすい状態にできるので好ましい。
なお、補強シート24は、長手方向に連続的にかつ幅方向に間欠的に接合された構成には限定されず、補強シート24による引張強度向上効果を十分に確保できれば、例えば長手方向に間欠的にしてもよく、接合部29の形状は適宜設定できる。
また、補強シート24は、少なくとも一方の面が外装シート6に接合されていれば、他方の面は外装シート6または押さえシート26に接合しても接合しなくてもよい。しかし、例えば、補強シート24の一方の面が外装内面シート21に接合され、他方の面が全て外装表面シート22に接合されていないと、補強シート24が外装表面シート22から離間してしまい、強度が低下する可能性や外観が悪化する可能性があるため、補強シート24の両方の面が接合されていることが好ましい。
1 使い捨て吸収性物品
2 腹側胴回り部
3 股下部
4 背側胴回り部
5 吸収本体
6 外装シート
7 胴回り開口部
8 脚回り開口部
11 表面シート
12 裏面シート
13 吸収体
14 腹側部
15 背側部
21 外装内面シート
22 外装表面シート
24 補強シート
26 押さえシート
29 接合部
2 腹側胴回り部
3 股下部
4 背側胴回り部
5 吸収本体
6 外装シート
7 胴回り開口部
8 脚回り開口部
11 表面シート
12 裏面シート
13 吸収体
14 腹側部
15 背側部
21 外装内面シート
22 外装表面シート
24 補強シート
26 押さえシート
29 接合部
Claims (5)
- 表面側に位置する表面シート、裏面側に位置する裏面シートおよびこれら表面シートと裏面シートとの間に位置する吸収体を有する吸収本体と、この吸収本体の裏面側に配置され少なくとも一部に吸湿性を有する繊維が用いられた吸汗性を有する外装シートとを具備し、装着者の腹部側に配置される腹側胴回り部、装着者の股下に配置される股下部および装着者の背部側に配置される背側胴回り部が長手方向に沿って順次配置され、前記腹側胴回り部と前記背側胴回り部とが対向した状態でこれら腹側胴回り部および背側胴回り部の幅方向両端部同士が接合されて、1つの胴回り開口部および1対の脚回り開口部が形成される使い捨て吸収性物品であって、
前記外装シートは、前記背側胴回り部を構成する背側部と、前記腹側胴回り部を構成する腹側部とを有し、これら背側部および腹側部の少なくとも一方に親水性を有する補強シートが配設されている
ことを特徴とする使い捨て吸収性物品。 - 外装シートは、吸収本体より長手方向に長く形成され、
補強シートは、一部が前記吸収本体と断面方向に重なった状態にて前記吸収本体から長手方向の外側へ向かって配設されている
ことを特徴とする請求項1記載の使い捨て吸収性物品。 - 外装シートは、吸収本体側に位置する外装内面シートと、装着者の衣服側に位置する外装表面シートと、腹側部および背側部の少なくとも一方における装着者側の面に位置し吸収本体の長手方向端部を覆うように配設された吸汗性を有する押さえシートとを有し、
補強シートは、前記外装表面シートより装着者側でかつ前記押さえシートより装着者の衣服側に配設されている
ことを特徴とする請求項1または2記載の使い捨て吸収性物品。 - 補強シートは、幅方向に離間して複数配設されている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の使い捨て吸収性物品。 - 補強シートは、少なくとも一方の面が複数の接合部にて外装シートと接合され、
これら接合部は、互いに幅方向に離間している
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載の使い捨て吸収性物品。
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