JP2019187251A - 発酵物の製造方法及び発酵物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ムチンへの付着性が高い乳酸菌、並びに当該乳酸菌によりミカン属に属する植物の果皮を発酵させてなる発酵物及びその製造方法等を提供する。【解決手段】ミカン属(Citrus)に属する植物の果皮を、ラクトバチルス(Lactobacillus)属に属する細菌を用いて発酵させることを含む、発酵物の製造方法であって、前記ラクトバチルス属に属する細菌は、ラクトバチルス・パラプランタラム(Lactobacillus paraplantarum)及びラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)からなる群より選択され、ミカン属に属する植物の果皮の発酵能を有し、且つブタ胃由来ムチンへの付着能が、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus) GG株(ATCC 53103)よりも高いことを特徴とする、発酵物の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、発酵物の製造方法及び発酵物に関する。また、前記発酵物の製造方法に用いる新規乳酸菌、並びに前記乳酸菌を含む食品及び飼料に関する。
シークヮーサーの果皮にはノビレチン等の抗酸化物質が多く含まれるにも関わらず、そのほとんどが廃棄されている。食品廃棄物を減らすためには、シークヮーサー果皮の利用性の向上が求められる。
一方、乳酸菌は農産物の発酵に用いられるだけでなく、代表的なプロバイオティクス(適量摂取により宿主の健康維持に寄与する生きた微生物)として知られている。プロバイオティクス機能のうち消化管上皮への付着性は、プロバイオティクスとして利用する上で重要な性質とされている。例えば、消化管上皮に付着することにより乳酸菌の消化管への定着力が向上する。
また、ピロリ菌やサルモネラ菌等の病原菌の感染はヒトや家畜にとって健康を維持する上で大きな問題である。消化管上皮への付着性の高い乳酸菌は、前記のような病原菌の消化管上皮への付着を、競合的に阻害する能力が高いと期待される。
特許文献1には、シークヮーサーの果皮を乳酸菌を用いて発酵処理する試みが記載されている。特許文献1では、乳酸菌によるシークヮーサー果皮の発酵処理により、抗酸化活性が向上し、シークヮーサー果皮の食味が改善する等の効果があったことが報告されている。
特開2004−73050号公報
しかしながら、特許文献1に記載の乳酸菌は、ムチンへの付着性については調べられていない。そのため、特許文献1に記載の発酵処理物を摂取したとしても、乳酸菌が消化管に定着し、プロバイオティクス機能を発揮できるかは不明である。
そこで、本発明は、ムチンへの付着性が高い乳酸菌、並びに当該乳酸菌によりミカン属に属する植物の果皮を発酵させてなる発酵物及びその製造方法等を提供することを課題とする。
本発明は、以下の態様を含む。
[1]ミカン属(Citrus)に属する植物の果皮を、ラクトバチルス(Lactobacillus)属に属する細菌を用いて発酵させることを含む、発酵物の製造方法であって、前記ラクトバチルス属に属する細菌は、ラクトバチルス・パラプランタラム(Lactobacillus paraplantarum)及びラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)からなる群より選択され、ミカン属に属する植物の果皮の発酵能を有し、且つブタ胃由来ムチンへの付着能が、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus) GG株(ATCC 53103)よりも高いことを特徴とする、発酵物の製造方法。
[2]前記ラクトバチルス・パラプランタラムが、ラクトバチルス・パラプランタラム E07株(NITE P−02636)及びその変異株からなる群より選択され、前記ラクトバチルス・プランタラムが、ラクトバチルス・プランタラム E58株(NITE P−02637)及びその変異株からなる群より選択される、[1]に記載の発酵物の製造方法。
[3]前記ミカン属に属する植物が、シークヮーサー(Citrus depressa)である、[1]又は[2]に記載の発酵物の製造方法。
[4]ミカン属(Citrus)に属する植物の果皮を、ラクトバチルス属に属する細菌により発酵させてなる発酵物であって、前記ラクトバチルス属に属する細菌は、ラクトバチルス・パラプランタラム(Lactobacillus paraplantarum)又はラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)に属する細菌であり、ミカン属に属する植物の果皮の発酵能を有し、且つブタ胃由来ムチン(タイプIII)への付着能が、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus) GG株(ATCC 53103)よりも高いことを特徴とする、発酵物。
[5]前記ラクトバチルス・パラプランタラムが、ラクトバチルス・パラプランタラム E07株(NITE P−02636)及びその変異株からなる群より選択され、前記ラクトバチルス・プランタラムが、ラクトバチルス・プランタラム E58株(NITE P−02637)及びその変異株からなる群より選択される、[4]に記載の発酵物。
[6]前記ミカン属に属する植物が、シークヮーサーである、[4]又は[5]に記載の発酵物。
[7]ラクトバチルス属に属する細菌を含む、飼料であって、前記前記ラクトバチルス属に属する細菌は、ラクトバチルス・パラプランタラム(Lactobacillus paraplantarum)及びラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)からなる群より選択され、ミカン属に属する植物の果皮の発酵能を有し、且つブタ胃由来ムチンへの付着能が、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus) GG株(ATCC 53103)よりも高いことを特徴とする、飼料。
[8]前記ラクトバチルス・パラプランタラムが、ラクトバチルス・パラプランタラム E07株(NITE P−02636)及びその変異株からなる群より選択され、前記ラクトバチルス・プランタラムが、ラクトバチルス・プランタラム E58株(NITE P−02637)及びその変異株からなる群より選択される、[7]に記載の飼料。
[9]さらに、ミカン属に属する植物の果皮及び/又はその発酵物を含む、[7]又は[8]に記載の飼料。
[10]前記ミカン属に属する植物が、シークヮーサーである、[9]に記載の飼料。
[11]ブタ用飼料である、[7]〜[10]のいずれか一つに記載の飼料。
[12]ラクトバチルス属に属する細菌を含む、食品であって、前記ラクトバチルス属に属する細菌は、ラクトバチルス・パラプランタラム(Lactobacillus paraplantarum)及びラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)からなる群より選択され、ミカン属に属する植物の果皮の発酵能を有し、且つブタ胃由来ムチンへの付着能が、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus) GG株(ATCC 53103)よりも高いことを特徴とする、食品。
[13]前記ラクトバチルス・パラプランタラムが、ラクトバチルス・パラプランタラム E07株(NITE P−02636)及びその変異株からなる群より選択され、前記ラクトバチルス・プランタラムが、ラクトバチルス・プランタラム E58株(NITE P−02637)及びその変異株からなる群より選択される、[12]に記載の食品。
[14]さらに、ミカン属に属する植物の果皮及び/又はその発酵物を含む、請求項[12]又は[13]に記載の食品。
[15]前記ミカン属に属する植物が、シークヮーサーである、[14]に記載の食品。
[16]ラクトバチルス・パラプランタラム E07株(NITE P−02636)又はその変異株。
[17]ラクトバチルス・プランタラム E58株(NITE P−02637)又はその変異株。
本発明によれば、ムチンへの付着性が高い乳酸菌、並びに当該乳酸菌によりミカン属に属する植物の果皮を発酵させてなる発酵物及びその製造方法等が提供される。
シークヮーサー果皮の発酵能が確認された乳酸菌株について、ムチンへの付着性試験を行った結果である。
[発酵物の製造方法]
1実施形態において、本発明は、ミカン属(Citrus)に属する植物の果皮を、ラクトバチルス(Lactobacillus)属に属する細菌を用いて発酵させることを含む、発酵物の製造方法を提供する。本実施形態の発酵物の製造方法においては、前記ラクトバチルス属に属する細菌は、ラクトバチルス・パラプランタラム(Lactobacillus paraplantarum)及びラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)からなる群より選択される。また、前記ラクトバチルス属に属する細菌は、ミカン属に属する植物の果皮の発酵能を有し、且つブタ胃由来ムチンへの付着能が、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus) GG株(ATCC 53103)よりも高いことを特徴とする。
なお、本明細書において、「発酵物」とは、作物残渣や食物残渣等の有機資材を、微生物により発酵させて得られる組成物を意味する。発酵物は、発酵基質である有機資材、発酵産物、及び発酵処理に用いた微生物を含有し得る。好ましくは、発酵物は、発酵産物、及び発酵処理に用いた微生物を含有する。
<ミカン属に属する植物の果皮>
本実施形態の発酵物の製造方法では、ミカン属(Citrus)に属する植物の果皮を用いる。ミカン属に属する植物は、特に限定されないが、例えば、シークヮーサー(Citrus depressa Hayata)、ウンシュウミカン(Citrus unshiu)、イヨカン(Citrus iyo)、グレープフルーツ(Citrus paradisi)、 ナツミカン(Citrus natsudaidai)、ユズ(Citrus junos)、ライム(Citrus aurantifolia)、レモン(Citrus limon)等が例示される。これらの中でも、ミカン属に属する植物としては、シークヮーサー(Citrus depressa)が好ましい。
本実施形態の発酵物の製造方法で用いる果皮は、外果皮、中果皮、及び内果皮のいずれであってもよいが、外果皮であることが好ましい。例えば、果実の果汁を搾った後の搾り残渣を好適に用いることができる。本明細書において、「搾り残渣」とは、果汁を搾った後の果実の残渣をいう。搾り残渣は、通常、廃棄物として廃棄されるため、搾り残渣を原材料として用いることにより廃棄物の有効活用に寄与する。
果皮は、生体であってもよく、乾燥体であってもよいが、乾燥体が好ましい。果皮の乾燥体は、例えば、自然乾燥(天日乾燥等)、熱風乾燥、低温乾燥、凍結乾燥等により得ることができる。
<ラクトバチルス属に属する細菌>
本実施形態の発酵物の製造方法で用いるラクトバチルス属に属する細菌は、(1)ミカン属に属する植物の果皮の発酵能を有し、且つ(2)ブタ胃由来ムチン(タイプIII)への付着能が、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus) GG株(ATCC 53103)よりも高いことを特徴とする。そのようなラクトバチルス属に属する細菌は、ラクトバチルス・パラプランタラム及びラクトバチルス・プランタラムからなる群より選択される。
ラクトバチルス・パラプランタラム及びラクトバチルス・プランタラムは、漬物などの植物由来の発酵物から分離される乳酸菌であり、グラム陽性の桿菌である。
本実施形態の発酵物の製造方法で用いるラクトバチルス・パラプランタラム及びラクトバチルス・プランタラムは、ミカン属に属する植物の果皮の発酵能を有する。「ミカン属に属する植物の果皮の発酵能」とは、ミカン属に属する植物の果皮を基質として増殖することができる乳酸菌の能力をいう。乳酸菌がミカン属に属する植物の果皮の発酵能を有するか否かは、後述する実施例1に記載の方法により確認することができる。具体的には、ミカン属に属する植物(例、シークヮーサー)の搾り残渣の乾燥体1質量部に対して5質量部程度の水分(水、生理食塩水、リン酸緩衝液等)を加え、高圧滅菌処理(121℃、15分間)した後、MRS培地等の適切な培地で一昼夜前培養した試験対象の乳酸菌を1%(v/v)で接種し、30℃で5日間程度培養する。5日間程度の培養後、培養液を滅菌した食塩水(0.85%)で希釈し、MRS寒天培地に塗布して30℃で2日間程度培養する。その後、MRS寒天培地上に出現したコロニー数を数え、培養開始時の接種菌数と比較して、増加している場合には、当該乳酸菌はミカン属に属する植物の果皮の発酵能を有すると判断することができる。培養5日後の菌数は、培養開始時の菌数に対して、例えば8倍以上、好ましくは10倍以上であるとき、培養開始時の接種菌数と比較して増加していると評価することができる。好ましい態様において、例えば、10 cfu/mL程度の乳酸菌を接種して、培養5日後に10 cfu/mL以上の菌数となった場合、当該乳酸菌は、ミカン属に属する植物の果皮を基質として良好に増殖すると評価することができ、ミカン属に属する植物の果皮の発酵能を有すると判断することができる。
本実施形態の発酵物の製造方法で用いるラクトバチルス・パラプランタラム及びラクトバチルス・プランタラムは、さらに、ブタ胃由来ムチン(III)への付着能が、ラクトバチルス・ラムノーサス GG株(ATCC 53103)よりも高いことを特徴とする。ブタ胃由来ムチン(タイプIII)への付着能は、後述する実施例2に記載の方法により確認することができる。具体的には、乳酸菌をMRS培地で一昼夜にわたり前培養して濁度を1.0(OD620nm)に調製した菌液100μlを、ブタ胃ムチンを固定してブロッキングしたイムノアッセイプレートのウェルに加え、37℃で2時間インキュベートした後、洗浄して付着していない菌体を取り除いて乾燥させ、1%クリスタルバイオレット溶液(33%酢酸)100μlを添加し、室温で45分間放置し、洗浄後、50mM クエン酸(pH4.0)100μlを添加し、室温で45分間放置し、595nmでの吸光度を測定すればよい。ブタ胃由来ムチン(タイプIII)への付着能は、ブランク値(ブタ胃由来ムチンをコーティングしていないウェルの菌体付着量)を差し引いた測定値として求めることができる。ブタ胃由来ムチン(タイプIII)は、例えば、Sigma Aldlichから販売されているもの等を用いることができる。
ラクトバチルス・ラムノーサス GG株は、American Type Culture Collection(ATCC)(Manassas, VA, USA)に、アクセッション番号ATCC 53103として登録されているものを用いることができる。ラクトバチルス・ラムノーサス GG株についても、上記と同様の方法でブタ胃由来ムチン(タイプIII)への付着能を測定することができる。そして、ミカン属に属する植物の果皮の発酵能を有するラクトバチルス・パラプランタラム及びラクトバチルス・プランタラムのうち、ブタ胃由来ムチン(タイプIII)への付着能が、ラクトバチルス・ラムノーサス GG株よりも高いものを選択して、本実施形態の発酵物の製造方法に用いることができる。例えば、ブタ胃由来ムチン(タイプIII)への付着能が、ラクトバチルス・ラムノーサス GG株の付着能の1.1倍以上、好ましくは1.2倍以上、より好ましくは1.3倍以上のものを選択することができる。
ラクトバチルス・ラムノーサス GG株は、ブタ胃由来ムチンへの付着能が高いことが知られており、プロバイオティクス乳酸菌として広く用いられている。本実施形態の発酵物の製造方法では、ラクトバチルス・ラムノーサス GG株よりもブタ胃由来ムチンへの付着能が高い乳酸菌を用いるため、プロバイオティクス機能の高い発酵物を得ることができる。なお、本実施形態の発酵物の製造方法では、ブタ胃由来ムチン(タイプIII)への付着能を指標として用いるが、胃ムチンへの付着性が高い乳酸菌は、腸管ムチンへの付着性も高い傾向にある(Carasi et al. 2014. J Dairy Res ;81(1):16-23))。そのため、ブタ胃由来ムチン(タイプIII)への付着能を指標として選択された乳酸菌は、腸管(小腸、大腸等)ムチンへの付着性も高いと考えられる。したがって、胃におけるプロバイオティクス効果(例、有害菌排除等)のみならず、腸管におけるプロバイオティクス効果も期待できる。
また、ブタムチンへの付着能を指標として選択された乳酸菌は、他の哺乳類の消化管ムチンへの付着性も高いと考えられる。特に、ヒト由来ムチンは、ブタ由来ムチンと類似性が高いため、ブタ胃由来ムチンへの付着性により選択される乳酸菌は、ヒト由来ムチンへの付着性も高い。また、他の哺乳類、例えば、ヒト以外の霊長類、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ウマなどの家畜類等の消化管においても、消化管ムチンに付着してプロバイオティクス効果を発揮することが期待される。
ラクトバチルス・パラプランタラム及びラクトバチルス・プランタラムは、乳酸菌の培養に一般的に用いられる培地を使用して、乳酸菌の培養に一般的に使用される条件下で培養することにより、増殖させることができる。
培養培地は、炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、上記菌株が増殖可能な培地であれば、天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。炭素源としては、例えば、グルコース、フラクトース等を用いることができる。窒素源としては、例えば、カゼイン加水分解物、ホエータンパク質加水分解物、大豆タンパク質加水分解物、酵母エキス、肉エキス、ペプトン、アンモニウム塩等を用いることができる。無機塩類としては、例えば、リン酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、マンガン、鉄、亜鉛等を用いることができる。好適な培地としては、例えば、MRS液体培地、GAM培地、TYG培地等が挙げられる。中でも、MRS培地が好ましい。培地のpHは、例えば、4.0〜7.0とすることができ、pH5.0〜7.0が好ましい。TYG培地の組成は、0.5%トリプトン、0.5%酵母エキス、1%コハク酸ナトリウム、1%塩化ナトリウム、1%グルコースである。
また、培養培地としては、ミカン属に属する植物の果皮に、水分(水、生理食塩水、リン酸緩衝液等)を加えて、高圧滅菌処理(例、121℃、15分間)したものを用いてもよい。ミカン属に属する植物としては、上記と同様のものが例示される。これらの中でも、ミカン属に属する植物としては、シークヮーサー(Citrus depressa)が好ましい。ミカン属に属する植物の果皮は、生体及び乾燥体のいずれも用いることができるが、乾燥体を用いることが好ましい。果皮に対する水分の添加量は、特に限定されないが、果皮1質量部に対して、例えば、1〜10質量部、好ましくは2〜8質量部等が挙げられる。
培養の温度条件としては、ラクトバチラス・パラプランタラム及びラクトバチルス・プランタラムの生育が可能な温度である15〜45℃であることが好ましく、25〜40℃であることがより好ましい。25〜37℃がさらに好ましい。一例として、培養温度は、30℃とすることができる。
培養は、嫌気条件下で行うことが好ましい。嫌気条件下とは、乳酸菌が増殖可能な程度の低酸素環境下のことであり、例えば、嫌気チャンバー、嫌気ボックス、又は脱酸素剤を入れた密閉容器若しくは袋などを使用することにより、あるいは単に培養容器を密閉することにより、嫌気条件とすることができる。培養の形式は、静置培養であってもよく、振とう培養であってもよい。
(ラクトバチルス・パラプランタラム E07株、ラクトバチルス・プランタラム E58株)
(1)ミカン属に属する植物の果皮の発酵能を有し、且つ(2)ブタ胃由来ムチン(タイプIII)への付着能が、ラクトバチルス・ラムノーサス GG株よりも高い、ラクトバチルス・パラプランタラムとしては、ラクトバチルス・パラプランタラム E07株(以下、単に「E07株」ともいう。)が例示される。また、(1)ミカン属に属する植物の果皮の発酵能を有し、且つ(2)ブタ胃由来ムチン(タイプIII)への付着能が、ラクトバチルス・ラムノーサス GG株よりも高い、ラクトバチルス・プランタラムとしては、ラクトバチルス・パラプランタラム E58株(以下、単に「E58株」ともいう。)が例示される。これらは、後述する実施例で示すように、シークヮーサー果皮の発酵能を有し、且つムチンへの付着性が高い乳酸菌として見いだされた菌である。1実施形態において、本発明は、E07株及びE58株もまた提供する。
E07株は、2018年3月19日付で、受託番号NITE P−02636として、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8)に寄託されている。E58株は、2018年3月19日付で、受託番号NITE P−02637として、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに寄託されている。
(E07株、E58株の変異株)
上記(1)及び(2)の機能を有するラクトバチルス・パラプランタラム及びラクトバチルス・プランタラムとしては、E07株又はE58株の変異株もまた例示される。「変異株」とは、自然発生的又は人為的に、元の菌株のDNAに変異が生じた菌株を意味する。DNA変異を生じさせる人為的手法は、特に限定されず、紫外線照射、放射線照射、亜硝酸などによる化学的処理、遺伝子導入などの遺伝子工学的手法等が例示される。E07株又はE58株の変異株は、上記(1)及び(2)の機能を有する限り、変異の種類は特に限定されない。1実施形態において、本発明は、E07株又はE58株の変異株もまた提供する。
E07株の変異株の好適な例としては、外来遺伝子が導入されたE07株の変異株;サイレント突然変異(コードするタンパク質のアミノ酸配列が変化しない遺伝子変異)が生じたE07株の変異株;ミカン属に属する植物の果皮の発酵能を有し、且つブタ胃由来ムチン(タイプIII)への付着能が、E07株と同等又はそれ以上である、E07株の変異株;ミカン属に属する植物の果皮の発酵能がE07株と同等又はそれ以上であり、且つブタ胃由来ムチン(タイプIII)への付着能が、E07株と同等又はそれ以上である、E07株の変異株;等が挙げられる。
E58株の変異株の好適な例としては、外来遺伝子が導入されたE58株の変異株;サイレント突然変異(コードするタンパク質のアミノ酸配列が変化しない遺伝子変異)が生じたE58株の変異株;ミカン属に属する植物の果皮の発酵能を有し、且つブタ胃由来ムチン(タイプIII)への付着能が、E58株と同等又はそれ以上である、E58株の変異株;ミカン属に属する植物の果皮の発酵能がE58株と同等又はそれ以上であり、且つブタ胃由来ムチン(タイプIII)への付着能が、E58株と同等又はそれ以上である、E58株の変異株;等が挙げられる。
上記(1)及び(2)の機能を有するラクトバチルス・パラプランタラム及びラクトバチルス・プランタラムとしては、E07株又はE58株の近縁株もまた例示される。
E07株の近縁株としては、例えば、全ゲノムのDNA配列が、E07株の全ゲノムのDNA配列と95%以上の配列同一性を有し、且つ上記(1)及び(2)の機能を有するラクトバチルス・パラプランタラムの菌株が挙げられる。また、E58株の近縁株としては、例えば、全ゲノムのDNA配列が、E58株の全ゲノムのDNA配列と95%以上の配列同一性を有し、且つ上記(1)及び(2)の機能を有するラクトバチルス・プランタラムの菌株が挙げられる。全ゲノムDNA配列の配列同一性は、96%以上が好ましく、97%以上がより好ましく、98%以上がさらに好ましく、99%以上が特に好ましい。
なお、塩基配列同士の配列同一性(又は相同性)は、2つの塩基配列を、対応する塩基が最も多く一致するように、挿入及び欠失に当たる部分にギャップを入れながら並置し、得られたアラインメント中のギャップを除く塩基配列全体に対する一致した塩基の割合として求められる。塩基配列同士の配列同一性は、当該技術分野で公知の各種相同性検索ソフトウェアを用いて求めることができる。例えば、塩基配列の配列同一性の値は、公知の相同性検索ソフトウェアBLASTnにより得られたアライメントを元にした計算によって得ることができる。
乳酸菌の全ゲノムのDNA配列解析は、例えば、次世代シーケンサーを用いた公知の方法により行うことができる。
(1)ミカン属に属する植物の果皮の発酵能を有し、且つ(2)ブタ胃由来ムチン(タイプIII)への付着能が、ラクトバチルス・ラムノーサス GG株よりも高い、ラクトバチルス・パラプランタラム又はラクトバチルス・プランタラム(以下、まとめて「本乳酸菌」という場合がある。)は、1種類の菌株を単独で用いてもよく、2種類以上の菌株を併用してもよい。
好ましい態様において、本乳酸菌は、E07株及びその変異株、並びにE58株及びその変異株からなる群より選択される。
<発酵処理>
本実施形態の発酵物の製造方法は、ミカン属に属する植物の果皮を、本乳酸菌を用いて発酵させることを含む。発酵方法は、特に限定されず、乳酸菌による発酵に通常用いられる方法を用いることができる。例えば、ミカン属に属する植物の果皮の生体又は乾燥体を、適宜適当な大きさ(例えば、0.5〜1.0mm程度)に切断又は破砕し、適量の水分(水、生理食塩水、リン酸緩衝液等)を添加して、本乳酸菌を接種する。前記水分の添加量は、特に限定されないが、果皮の乾燥体1質量部に対して、例えば、1〜10質量部、好ましくは2〜8質量部等が例示される。果皮の生体を用いる場合には、果皮に含まれる水分量を考慮して、添加水分量を調整すればよい。また、本乳酸菌の接種量は、特に限定されないが、例えば、果皮の乾燥体100質量部に対して、0.1〜10質量部とすることができる。
本乳酸菌を接種後は、適宜、果皮と本乳酸菌とを混合して、好ましくは嫌気条件下で培養を行なう。培養中の温度は、15℃〜45℃とすることができ、25℃〜40℃が好ましく、25〜37℃がより好ましい。一例として、培養温度は、30℃とすることができる。培養中のpHは、4.0〜7.0に維持することが好ましく、pH5.0〜7.0に維持することがより好ましい。培養の形式は、静置培養であってもよく、振とう培養であってもよいが、静置培養が好ましい。また、培養中に、適宜撹拌を行ってもよい。
発酵させる期間は、特に限定されず、発酵に用いる果皮の量及び本乳酸菌の接種量に応じて適宜設定することができる。例えば、発酵期間は、1〜30日間とすることができる。発酵期間は、例えば、2日以上、好ましくは3日以上、より好ましくは4日以上、さらに好ましくは5日以上とすることができる。発酵期間の上限は、特に限定されないが、例えば、20日以下、15日以下、又は10日以下としてもよい。
上記発酵処理では、ミカン属に属する植物の果皮に加えて、本乳酸菌の炭素源及び窒素源として他の成分を添加してもよい。他の成分としては、例えば、炭水化物、タンパク質、栄養塩等が挙げられる。これらは、例えば、前記「<ラクトバチルス属に属する細菌>」の項で挙げた培地成分等が例示される。
発酵処理終了後は、脱水、乾燥等により、水分量を減少させてもよい。また、栄養成分等の添加を行なうこともできる。
本実施形態の発酵物の製造方法によれば、ミカン属に属する植物の搾り残渣等の廃棄物を有効利用して、プロバイオティクス効果の高い発酵物を得ることができる。
[発酵物]
1実施形態において、本発明は、ミカン属(Citrus)に属する植物の果皮を、ラクトバチルス属に属する細菌により発酵させてなる発酵物を提供する。本実施形態の発酵物は、前記ラクトバチルス属に属する細菌が、ミカン属に属する植物の果皮の発酵能を有し、且つブタ胃由来ムチン(タイプIII)への付着能が、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus) GG株(ATCC 53103)よりも高いことを特徴とする。そのようなラクトバチルス属に属する細菌は、ラクトバチルス・パラプランタラム及びラクトバチルス・プランタラムからなる群より選択される。
本実施形態の発酵物は、上記実施形態の発酵物の製造方法により製造することができる。本実施形態の発酵物において、ミカン属に属する植物の果皮は、上記「[発酵物の製造方法]」の項で記載したものと同様である。ミカン属に属する植物としては、シークヮーサーが好ましい。また、発酵処理に用いるラクトバチルス属に属する細菌は、上記本乳酸菌である。本乳酸菌は、E07株及びその変異株、並びにE58株及びその変異株からなる群より選択されることが好ましい。
本実施形態の発酵物は、消化管ムチンへの付着能が高い乳酸菌を含んでいるため、消化管におけるプロバイオティクス効果の高い発酵物である。さらに、ミカン属(Citrus)に属する植物の果皮に由来する抗酸化物質等を豊富に含むため、飼料や食品の原材料として有用である。また、本実施形態の発酵物は、後述する実施例で示されるように、未発酵の果皮と比較して、苦味雑味が低下し、食味が改善されている。そのため、未発酵の果皮を用いるよりも、食味の改善された飼料や食品を製造することができる。
[飼料]
1実施形態において、本発明は、ラクトバチルス属に属する細菌を含む、飼料を提供する。
前記ラクトバチルス属に属する細菌は、ミカン属に属する植物の果皮の発酵能を有し、且つブタ胃由来ムチンに対する付着能が、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus) GG株(ATCC 53103)よりも高いことを特徴とする。そのようなラクトバチルス属に属する細菌は、ラクトバチルス・パラプランタラム及びラクトバチルス・プランタラムからなる群より選択される。
本実施形態の飼料が含むラクトバチルス属に属する細菌は、上記本乳酸菌である。本乳酸菌は、E07株及びその変異株、並びにE58株及びその変異株からなる群より選択されることが好ましい。
本実施形態の飼料は、本乳酸菌に加えて、他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、ミカン属に属する植物の果皮及び/又はその発酵物が挙げられる。ミカン属に属する植物の果皮は、上記「[発酵物の製造方法]」の項で挙げたものと同様のものが挙げられる。ミカン属に属する植物としては、シークヮーサーが好ましい。また、発酵物は、上記実施形態の発酵物の製造方法により製造したものを用いることができる。あるいは、他の乳酸菌により発酵させたものであってもよい。好ましい態様において、本実施形態の飼料は、上記実施形態の発酵物を含有する。
本実施形態の飼料は、さらに、飼料で通常用いられる他の有機資材や添加物等を含んでいてもよい。例えば、水、穀物類、ぬか類、油粕、根菜類、青草、牧草、野菜屑、作物残渣等を含んでいてもよい。
本実施形態の飼料は、例えば、一般的に用いられる家畜飼料に、本乳酸菌を添加することにより製造することができる。あるいは、一般的に用いられる家畜飼料に、本乳酸菌、並びにミカン属に属する植物の果皮及び/又はその発酵物を添加することにより製造することができる。あるいは、上記実施形態の発酵物をそのまま本実施形態の飼料として用いてもよく、一般的に用いられる家畜飼料に上記実施形態の発酵物を添加して本実施形態の飼料としてもよい。さらに、適宜、ビタミン類、タンパク質、炭水化物等の栄養成分等を添加してもよい。
本実施形態の飼料が与えられる動物の種類は特に限定されない。好ましい例としては、例えば、ブタ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギなどの家畜類が挙げられる。中でも、本実施形態の飼料は、ブタ用試料として用いることが好ましい。
本実施形態の飼料は、本乳酸菌を含むため、消化管におけるプロバイオティクス機能が期待され、動物の健康増進に有用である。さらに、本乳酸菌に加えて、ミカン属に属する植物の果皮及び/又はその発酵物を含有させれば、当該果皮に由来する抗酸化物質等によりさらなる健康増進効果が期待できる。また、果皮として、搾り残渣を用いる場合には、廃棄物の低減にも寄与する。
[食品]
1実施形態において、本発明は、ラクトバチルス属に属する細菌を含む、食品を提供する。前記ラクトバチルス属に属する細菌は、ミカン属に属する植物の果皮の発酵能を有し、且つブタ胃由来ムチンに対する付着能が、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus) GG株(ATCC 53103)よりも高いことを特徴とする。そのようなラクトバチルス属に属する細菌は、ラクトバチルス・パラプランタラム及びラクトバチルス・プランタラムからなる群より選択される。
本実施形態の食品が含むラクトバチルス属に属する細菌は、上記本乳酸菌である。本乳酸菌は、E07株及びその変異株、並びにE58株及びその変異株からなる群より選択されることが好ましい。
本実施形態の食品は、本乳酸菌に加えて、他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、ミカン属に属する植物の果皮及び/又はその発酵物が挙げられる。ミカン属に属する植物の果皮は、上記「[発酵物の製造方法]」の項で挙げたものと同様のものが挙げられる。ミカン属に属する植物としては、シークヮーサーが好ましい。また、発酵物は、上記実施形態の発酵物の製造方法により製造したものを用いることができる。あるいは、他の乳酸菌により発酵させたものであってもよい。好ましい態様において、本実施形態の食品は、上記実施形態の発酵物を含有する。
本実施形態の食品は、さらに、食品分野で通常用いられる他の食材や食品添加物を含んでいてもよい。例えば、水、タンパク質、糖質、脂質、ビタミン類、ミネラル類、有機酸、有機塩基、果汁、フレーバー類等を配合することもできる。本実施形態の食品は、また、食品サプリメント等の調剤に使用される製剤補助剤(例えば、希釈剤、賦形剤、保存剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁化剤、コーティング剤等)を含んでいてもよい。
本実施形態の食品は、固体、液体、懸濁液、ペースト、ゲル状、粉末、顆粒、カプセル等の任意の食品形態であってよい。例えば、本乳酸菌又は上記実施形態の発酵物を、当業者が利用可能である任意の適切な食品加工技術を利用して、食品に含有させることができる。本実施形態の食品は、食品の形態は特に限定されず、例えば、加工食品、惣菜、菓子、調味料、飲料等の任意の形態であってよい。
また、本実施形態の食品は、機能性食品であってもよい。本明細書において、「機能性食品」とは、生体に対して一定の機能性を有する食品を意味し、例えば、特定保健用食品(条件付きトクホ[特定保健用食品]を含む)及び栄養機能食品を含む保健機能食品、特別用途食品、栄養補助食品、健康補助食品、サプリメント製品(例えば、錠剤、被覆錠、糖衣錠、カプセル及び液剤などの各種剤形のもの)及び美容食品(例えばダイエット食品)などのいわゆる健康食品全般を包含する。機能性食品はまた、コーデックス(FAO/WHO合同食品規格委員会)の食品規格に基づく健康強調表示(Health claim)が適用される健康食品を包含する。
本実施形態の食品の好ましい例としては、発酵食品、乳酸菌飲料、及び乳酸菌含有サプリメント等が挙げられる。発酵食品としては、例えば、ヨーグルトなどの発酵乳、チーズ、キムチ、漬物、サワークラウト、豆乳ヨーグルト、植物発酵ジュース、発酵ソーセージ、発酵バター、サワーブレッド等が挙げられる。また、本実施形態の食品は、調製粉乳、流動食、病者用食品、冷凍食品、加工食品等であってもよい。
本実施形態の食品は、本乳酸菌を含むため、消化管におけるプロバイオティクス機能が期待され、健康増進に有用である。さらに、本乳酸菌に加えて、ミカン属に属する植物の果皮及び/又はその発酵物を含有させれば、当該果皮に由来する抗酸化物質等によりさらなる健康増進効果が期待できる。また、果皮として、搾り残渣を用いる場合には、廃棄物の低減にも寄与する。
他の実施態様において、本発明は、ミカン属に属する植物の果皮を、本乳酸菌を用いて発酵させることを含む、飼料の製造方法もまた提供する。
他の実施態様において、本発明は、ミカン属に属する植物の果皮を、本乳酸菌を用いて発酵させることを含む、食品の製造方法もまた提供する。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]シークヮーサー搾り残渣発酵能を有する乳酸菌のスクリーニング
シークヮーサー発酵のための使用菌株は、MRS培地(1%(w/v) プロテオースペプトンNo.3;1%(w/v) ビーフエキス;0.5%(w/v) 酵母エキス;2%(w/v) グルコース;0.1%(w/v) Tween80;0.2%(w/v) クエン酸アンモニウム;0.5%(w/v) 酢酸ナトリウム;0.01%(w/v)硫酸マグネシウム;0.005%(w/v) 硫酸マンガン;0.2%(w/v) リン酸二カリウム(pH6.5))を用いて、30℃で一昼夜前培養を行った。使用菌株は農研機構畜産研究部門の保存株である。
乾燥させたシークヮーサー搾り残渣に5倍量の水を加えた後、121℃、15分間の高圧滅菌処理をした。これをシークヮーサー培地として用いた。前記シークヮーサー培地に、一昼夜培養後に滅菌した食塩水(0.85%)で洗浄した乳酸菌体を、1%(v/v)濃度で添加し、30℃で5日間保温した。生菌数測定のため、培養液を滅菌した食塩水で希釈し、MRS寒天培地に塗布後、30℃で2日間培養した。その後、MRS寒天培地上に出現したコロニー数を生菌数として測定した。
生菌数の測定結果を表1及び表2に示した。表1は、植物素材由来乳酸菌により発酵したシークヮーサー搾り残渣中の乳酸菌数である。表2は、乳由来乳酸菌により発酵したシークヮーサー搾り残渣中の乳酸菌数である。
漬物などの植物材料由来の乳酸菌では、供試したすべての菌株で、シークヮーサー発酵後に、接種菌数である10 cfuレベルから10 cfuレベルに菌数が増加した(表1)。
一方、乳や乳製品由来の乳酸菌では供試した7株のうち、3株でシークヮーサーの発酵能が認められた(表2)。
Figure 2019187251
Figure 2019187251
[実施例2]付着性試験
実施例1で、シークヮーサー搾り残渣の発酵能が認められた乳酸菌について、ムチンへの付着性試験を行った。供試菌株は、付着性試験の前に、MRS培地を用いて、30℃で一昼夜にわたり前培養を行った。
付着性試験では、まず、胃ムチン(ブタ胃由来;タイプIII;部分精製物)(Sigma−Aldrich,Saint Quentin Fallavier,France)を96ウェルのイムノマイクロプレート(Maxisorp Nunc,Roskilde,Denmark)に固定した。具体的には、0.5mg/ml濃度でムチンを50mM 炭酸塩・重炭酸塩バッファー(pH9.6)に懸濁し、100μl/ウェルでプレートに分注し、4℃で一昼夜放置して固定した。ウェルをPBSで3回洗浄し、1%Tween 20を含むPBSにて37℃で1時間、ブロッキングを行った。
続いて、濁度を1.0(OD620nm)に調製した菌液100μlをウェルに添加し、37℃で2時間インキュベートした。0.05%のTween 20を含むPBS 200μlにて3回洗浄し、付着していない菌体を取り除いた。その後、プレートを55℃で乾燥させた。1%クリスタルバイオレット溶液(33%酢酸)(Narisawa et al., (2005) J. Biosci. Bioeng., 99:78-80)100 μlをウェルに添加し、室温で45分間放置した。PBSで2回洗浄後、50mM クエン酸(pH4.0)100μlをウェルに添加し、室温で45分間放置した。吸光度計(iMark,BioRad,CA,USA)を用いて595nmでの吸光度を測定した。ブランクは、ムチンを固定していないウェルを用いて行った。
結果を図1に示す。供試菌株の中から、ブタ胃ムチンへの付着性を有する乳酸菌3株(E07(ラクトバチルス・パラプランタラム(Lactobacillus paraplantarum))、E58(ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum))、No.57(ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum))を見出した。このうち、E07株及びE58株は、世界的に有名なプロバイオティック乳酸菌であるラクトバチルス・ラムノーサスGG株よりも高い付着性を示した。
ラクトバチルス・パラプランタラム E07株及びラクトバチルス・プランタラム E58株は、2018年3月19日付で、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8)に、以下の受託番号で寄託された。
乳酸菌株 受託番号
E07株 … NITE P−02636
E58株 … NITE P−02637
[実施例3]発酵物の風味評価試験
未発酵物とE07株又はE58株を利用した発酵物について風味の違いを味覚センサー(Toko, K. 1996. Taste sensor with global selectivity. Mater. Sci. Eng. C4: 69-82)を用いて調べた。E07株又はE58株を用いて、実施例1と同様の方法で培養した後の培養液を水で10倍量に希釈した後、2,800 ×g、4℃で、20分間の遠心分離を行った。その上清を味覚センサーSA402(INSENT,Tokyo,Japan)に供した。対照として、シークヮーサー搾り残渣に10倍量の水を添加し、2,800 ×g、4℃で、20分間の遠心分離を行って得られた上清を用いた(未発酵物)。
結果を表3に示す。E07株又はE58株による発酵物は、未発酵物と比較して、全ての味で統計的に有意な差が見られた。ヒトが感知できる数値の差は1.0とされていることから、E07株による発酵物では、未発酵物と比較して、「酸味」が強く、「塩味」及び「旨味」が弱く感じられる。E58株による発酵物では、未発酵物と比較して、「酸味」が強く、「塩味」及び「旨味」が弱く、「苦味雑味」も弱く感じられる。
Figure 2019187251
本発明によれば、ムチンへの付着性が高い乳酸菌、並びに当該乳酸菌によりミカン属に属する植物の果皮を発酵させてなる発酵物及びその製造方法等が提供される。本発明に係る発酵物は、プロバイオティクス機能を付加した食品や飼料の原材料として有用である。また、原材料として搾り残渣等の廃棄物を用いることにより、廃棄物の有効利用にも寄与する。

Claims (17)

  1. ミカン属(Citrus)に属する植物の果皮を、ラクトバチルス(Lactobacillus)属に属する細菌を用いて発酵させることを含む、発酵物の製造方法であって、
    前記ラクトバチルス属に属する細菌は、
    ラクトバチルス・パラプランタラム(Lactobacillus paraplantarum)及びラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)からなる群より選択され、
    ミカン属に属する植物の果皮の発酵能を有し、且つブタ胃由来ムチンへの付着能が、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus) GG株(ATCC 53103)よりも高いことを特徴とする、
    発酵物の製造方法。
  2. 前記ラクトバチルス・パラプランタラムが、ラクトバチルス・パラプランタラム E07株(NITE P−02636)及びその変異株からなる群より選択され、
    前記ラクトバチルス・プランタラムが、ラクトバチルス・プランタラム E58株(NITE P−02637)及びその変異株からなる群より選択される、
    請求項1に記載の発酵物の製造方法。
  3. 前記ミカン属に属する植物が、シークヮーサー(Citrus depressa)である、請求項1又は2に記載の発酵物の製造方法。
  4. ミカン属(Citrus)に属する植物の果皮を、ラクトバチルス属に属する細菌により発酵させてなる発酵物であって、
    前記ラクトバチルス属に属する細菌は、
    ラクトバチルス・パラプランタラム(Lactobacillus paraplantarum)又はラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)に属する細菌であり、
    ミカン属に属する植物の果皮の発酵能を有し、且つブタ胃由来ムチン(タイプIII)への付着能が、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus) GG株(ATCC 53103)よりも高いことを特徴とする、
    発酵物。
  5. 前記ラクトバチルス・パラプランタラムが、ラクトバチルス・パラプランタラム E07株(NITE P−02636)及びその変異株からなる群より選択され、
    前記ラクトバチルス・プランタラムが、ラクトバチルス・プランタラム E58株(NITE P−02637)及びその変異株からなる群より選択される、
    請求項4に記載の発酵物。
  6. 前記ミカン属に属する植物が、シークヮーサーである、請求項4又は5に記載の発酵物。
  7. ラクトバチルス属に属する細菌を含む、飼料であって、
    前記前記ラクトバチルス属に属する細菌は、
    ラクトバチルス・パラプランタラム(Lactobacillus paraplantarum)及びラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)からなる群より選択され、
    ミカン属に属する植物の果皮の発酵能を有し、且つブタ胃由来ムチンへの付着能が、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus) GG株(ATCC 53103)よりも高いことを特徴とする、
    飼料。
  8. 前記ラクトバチルス・パラプランタラムが、ラクトバチルス・パラプランタラム E07株(NITE P−02636)及びその変異株からなる群より選択され、
    前記ラクトバチルス・プランタラムが、ラクトバチルス・プランタラム E58株(NITE P−02637)及びその変異株からなる群より選択される、
    請求項7に記載の飼料。
  9. さらに、ミカン属に属する植物の果皮及び/又はその発酵物を含む、請求項7又は8に記載の飼料。
  10. 前記ミカン属に属する植物が、シークヮーサーである、請求項9に記載の飼料。
  11. ブタ用飼料である、請求項7〜10のいずれか一項に記載の飼料。
  12. ラクトバチルス属に属する細菌を含む、食品であって、
    前記ラクトバチルス属に属する細菌は、
    ラクトバチルス・パラプランタラム(Lactobacillus paraplantarum)及びラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)からなる群より選択され、
    ミカン属に属する植物の果皮の発酵能を有し、且つブタ胃由来ムチンへの付着能が、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus) GG株(ATCC 53103)よりも高いことを特徴とする、
    食品。
  13. 前記ラクトバチルス・パラプランタラムが、ラクトバチルス・パラプランタラム E07株(NITE P−02636)及びその変異株からなる群より選択され、
    前記ラクトバチルス・プランタラムが、ラクトバチルス・プランタラム E58株(NITE P−02637)及びその変異株からなる群より選択される、
    請求項12に記載の食品。
  14. さらに、ミカン属に属する植物の果皮及び/又はその発酵物を含む、請求項12又は13に記載の食品。
  15. 前記ミカン属に属する植物が、シークヮーサーである、請求項14に記載の食品。
  16. ラクトバチルス・パラプランタラム E07株(NITE P−02636)又はその変異株。
  17. ラクトバチルス・プランタラム E58株(NITE P−02637)又はその変異株。
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