JP2019186074A - 触媒層の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】有害物質の発生及び触媒層の破損を抑制しつつ、触媒層に識別パターンを形成することができる触媒層の製造方法を提供する。【解決手段】基材シート4に触媒インクを塗工することによって、発電領域1a及び非発電領域1bを有する触媒層1を形成する形成工程(ステップS12)と、触媒層1を電解質膜2にローラー8を用いて転写する転写工程(ステップS13)と、を備える、触媒層の製造方法であって、形成工程(ステップS12)において、非発電領域1bに対応する微細な凹凸領域4cが基材シート4に設けられているか、又は、転写工程(ステップS23)において、非発電領域1bに対応する凹部8cがローラー8に設けられていることによって、非発電領域1bに識別パターン1cが形成される、触媒層の製造方法。【選択図】図2
Description
本発明は、触媒層の製造方法に関する。
燃料電池用セルは、触媒層や拡散層を備える。近年、燃料電池のロット情報を燃料電池用セル自体に記録する技術が開発されている。
例えば、特許文献1には、拡散層にレーザーや金型等を用いてパターンを形成することによって、拡散層自体にロット情報を記録する技術が開示されている。
例えば、特許文献1には、拡散層にレーザーや金型等を用いてパターンを形成することによって、拡散層自体にロット情報を記録する技術が開示されている。
発明者らは、触媒層の製造方法について、以下の課題を見出した。
拡散層にパターンを形成する場合、触媒層にはロット情報が記録されていない。したがって、例えば、触媒層が拡散層から剥離した場合、触媒層は、ロット情報を失う。そこで、触媒層自体にパターン形成することによって、ロット情報を記録する。
拡散層にパターンを形成する場合、触媒層にはロット情報が記録されていない。したがって、例えば、触媒層が拡散層から剥離した場合、触媒層は、ロット情報を失う。そこで、触媒層自体にパターン形成することによって、ロット情報を記録する。
触媒層にパターンを形成する方法として、例えば、触媒層にレーザーを照射する方法が考えられる。しかしながら、触媒層は、フッ素を含有している。したがって、触媒層にレーザーを照射すると、フッ素ガスが発生する。フッ素ガスは、有毒物質である。そのため、触媒層の製造方法において発生しないことが望ましい。
また、触媒層にパターンを形成する方法として、触媒層に金型を押圧する方法が考えられる。しかしながら、触媒層は、応力を加えられると、応力を受けた範囲の周縁部に亀裂が入る虞がある。つまり、金型で押圧すると、触媒層の発電領域等が破損する虞がある。
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、有害物質の発生及び触媒層の破損を抑制しつつ、触媒層に識別パターンを形成することができる触媒層の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する一態様は、基材シートに触媒インクを塗工することによって、発電領域及び非発電領域を有する触媒層を形成する形成工程と、前記触媒層を電解質膜にローラーを用いて転写する転写工程と、を備える、触媒層の製造方法であって、前記形成工程において、前記非発電領域に対応する微細な凹凸領域が前記基材シートに設けられているか、又は、前記転写工程において、前記非発電領域に対応する凹部が前記ローラーに設けられていることによって、前記非発電領域に識別パターンが形成される。
本発明に係る触媒層の製造方法では、形成工程において、非発電領域に対応する微細な凹凸領域が基材シートに設けられているか、又は、転写工程において、非発電領域に対応する凹部がローラーに設けられていることによって、非発電領域に識別パターンが形成される。つまり、レーザー照射や金型による押圧を行うことなく識別パターンを触媒層に形成することができる。したがって、有害物質の発生及び触媒層の破損を抑制しつつ、触媒層に識別パターンを形成することができる。
本発明によれば、有害物質の発生及び触媒層の破損を抑制しつつ、触媒層に識別パターンを形成することができる触媒層の製造方法を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
(第1の実施の形態)
まず、図1及び図2を参照して、第1の実施の形態に係る触媒層の製造方法を用いて製造された触媒層(第1の実施の形態に係る触媒層)の構成について説明する。図1は、第1の実施の形態に係る触媒層の平面図である。触媒層1は、図1に示すように、発電領域1a及び非発電領域1bを有する。また、触媒層1は、電解質膜2の上面に設けられている。図2は、第1の実施の形態に係る触媒層の拡大平面図である。非発電領域1bには、図2に示すように、識別パターン1cが設けられている。
まず、図1及び図2を参照して、第1の実施の形態に係る触媒層の製造方法を用いて製造された触媒層(第1の実施の形態に係る触媒層)の構成について説明する。図1は、第1の実施の形態に係る触媒層の平面図である。触媒層1は、図1に示すように、発電領域1a及び非発電領域1bを有する。また、触媒層1は、電解質膜2の上面に設けられている。図2は、第1の実施の形態に係る触媒層の拡大平面図である。非発電領域1bには、図2に示すように、識別パターン1cが設けられている。
なお、当然のことながら、図1及びその他の図面に示した右手系xyz直交座標は、構成要素の位置関係を説明するための便宜的なものである。通常、z軸正方向が鉛直上向き、xy平面が水平面であり、図面間で共通である。
触媒層1は、図1に示すように、電解質膜2の上面に貼付けられている。触媒層1の形状は特に限定されない。触媒層1は、例えば、図1に示すように、矩形状である。触媒層1は、触媒インクを用いて形成される。触媒インクは、炭素粒子と、炭素粒子に担持される金属粒子と、を含有する。金属粒子は、例えば、白金を用いて構成される。
触媒インクは、フッ素系樹脂を含有している。フッ素系樹脂が炭素粒子を被覆している触媒インクを用いて形成された触媒層1は、フッ素系樹脂を含有しない触媒層よりも、反応効率が良い。電解質膜2は、例えば、フッ素系樹脂等を用いて構成される膜である。電解質膜2は、触媒インクに含有されるフッ素系樹脂を用いて構成されることが好ましい。
触媒層1は、図1に示すように、発電領域1a及び非発電領域1bを有する。発電領域1aは、触媒層1の中央に設けられている。非発電領域1bは、発電領域1aの周囲に設けられている。発電領域1aは、上面に拡散層(不図示)が設けられることによって、発電領域として機能する。発電領域1aでは、拡散層と反応物質の授受が行われる。したがって、発電領域1aは、反応物質を用いて発電することができる。
一方、非発電領域1bの上面には、拡散層や反応物質の流路が設けられない。したがって、非発電領域1bでは、反応物質の授受が行われない。つまり、非発電領域1bでは、発電が行われない。したがって、非発電領域1bの一部を切削しても、燃料電池の性能には影響が及ばない。
そこで、図2に示すように、非発電領域1bにロット情報を識別するための識別パターン1cを形成する。具体的には、非発電領域1bにおいて、触媒層の非形成領域を設けることにより、識別パターン1cを形成する。これによって、燃料電池の性能を低下させることなく、ロット情報を触媒層1に記録することができる。
識別パターン1cの形状は、ロット情報を記録することができる形状であれば、特に限定されない。識別パターン1cは、例えば、図2に示すように、バーコード形状である。この場合、複数の線状の非形成領域を設け、それぞれの非形成領域の太さや間隔等に変化をつけることで、識別可能なロット情報を表している。
識別パターン1cは、バーコード形状でなくとも、ドット形状であってもよい。さらに、図2では、非発電領域1bの一辺に識別パターン1cを形成した。しかしながら、識別パターン1cは、非発電領域1bの複数の辺に形成されてもよい。
次に、図3〜図9を参照して、第1の実施の形態に係る触媒層の製造方法について説明する。図3は、第1の実施の形態に係る触媒層の製造方法を示すフローチャートである。図4は、触媒層の形成装置の斜視図である。触媒層の形成装置3は、図4に示すように、ダイコーター5及びローラー6を備える。なお、図4においては、触媒層1及び基材シート4も図示している。また、図4において矢印の向きは、ローラー6が回転する方向を示す。
図5は、触媒層の転写装置の斜視図である。触媒層の転写装置7は、図5に示すように、ローラー8及び9を備える。なお、図5においては、触媒層1及び電解質膜2も図示している。また、図5において矢印は、ローラー8が回転する方向を示す。
ローラー8及び9は、基材シート4の上面に形成された触媒層1を、電解質膜2に転写することができる一対のローラーである。ローラー8及び9の少なくとも一方は、加熱ローラーである。ローラー8及び9は、図5に示すように、触媒層1が形成された基材シート4と電解質膜2とを挟持しつつ加熱することによって、触媒層1を電解質膜2に転写する。
図6は、微細な凹凸領域が設けられた基材シートの平面図である。基材シート4の上面には、図6に示すように、微細な凹凸領域4cが設けられている。図7は、触媒インクが塗工された基材シートの平面図である。図8は、触媒層が転写された電解質膜の平面図である。図9は、触媒層が電解質膜に転写された基材シートの平面図である。なお、図7〜図9には、触媒層1も図示している。
第1の実施の形態に係る触媒層の製造方法では、まず、基材シートに微細な凹凸領域を設ける工程(ステップS11)を行う。具体的には、図6に示すように、基材シート4の上面に微細な凹凸領域4cを設ける。微細な凹凸領域4cを設ける方法は、特に限定されない。微細な凹凸領域4cは、例えば、レーザーを用いて設けられる。微細な凹凸領域4cの形状及び位置は、識別パターン1cを構成する触媒層1の非形成領域の形状及び位置に対応する。
微細な凹凸領域4cの形状は、ダイコーター5に投入される触媒インクのロット情報を反映している。ダイコーター5に投入される触媒インクのロット情報は、例えば、センサー(不図示)を用いて感知される。センサーにおいて感知された触媒インクのロット情報は、制御部(不図示)において変換されて、基材シート4に設けられる微細な凹凸領域4cに記録される。
次に、触媒層を形成する形成工程(ステップS12)を行う。具体的には、微細な凹凸領域4cが設けられた基材シート4の上面に、ダイコーター5を用いて触媒インクを塗工する。形成工程(ステップS12)を行う際には、図4に示すように、ローラー6を回転することによって、基材シート4を送りつつ、触媒インクを塗工する。
形成工程(ステップS12)を行う際には、図7に示すように、微細な凹凸領域4cに識別パターン1cが対応するように触媒インクを塗工する。微細な凹凸領域4cは、他の領域に比較して、表面積が大きい。したがって、微細な凹凸領域4cに塗工された触媒インクは、他の領域に塗工された触媒インクよりも、基材シート4から剥離しにくい。
次に、触媒層を転写する転写工程(ステップS13)を行う。具体的には、図5に示すように、ローラー8及び9を用いて、基材シート4の上面に形成された触媒層1を、電解質膜2に転写する。転写工程(ステップS13)を行うと、微細な凹凸領域4c以外に形成された触媒層1は、電解質膜2に転写される。したがって、図8に示すように、識別パターン1cが形成された触媒層1が、電解質膜2の上面に貼付けられる。微細な凹凸領域4cに形成された触媒層1は、電解質膜2に転写されない。そのため、微細な凹凸領域4cに形成された触媒層1は、図9に示すように、基材シート4の上面に残留部1dを形成する。
第1の実施の形態に係る触媒層の製造方法では、上記で説明した構成によって、触媒層1や電解質膜2に、レーザーを照射したり高い圧力を加えることなく、触媒層1に識別パターン1cを設けることができる。したがって、有害物質の発生及び触媒層1の破損を抑制しつつ、触媒層1自体に識別パターン1cを形成することができる。
触媒層1自体にロット情報を記録することができるため、例えば、電解質膜2から触媒層1が剥離しても、触媒層1は、ロット情報を保持することができる。また、触媒層1は、炭素粒子を含有しているため、有色である。したがって、触媒層1に識別パターン1cが形成されていることを目視で確認することができる。
第1の実施の形態に係る触媒層の製造方法では、触媒層1自体にロット情報を記録しているため、触媒インクのロット情報を、電解質膜2等のロット情報と、別途の情報として記録することができる。したがって、例えば、触媒インクのロット切替えのタイミングが電解質膜2等のロット切替えのタイミングと異なる場合であっても、触媒インクのロット情報及び電解質膜2のロット情報をどちらも記録することができる。
(第2の実施の形態)
次に、図10及び図11を参照して、第2の実施の形態に係る触媒層の製造方法について説明する。図10は、第2の実施の形態に係る触媒層の製造方法を示すフローチャートである。図11は、ローラーの斜視図である。ローラー8には、図11に示すように、凹部8cが設けられている。
次に、図10及び図11を参照して、第2の実施の形態に係る触媒層の製造方法について説明する。図10は、第2の実施の形態に係る触媒層の製造方法を示すフローチャートである。図11は、ローラーの斜視図である。ローラー8には、図11に示すように、凹部8cが設けられている。
第2の実施の形態に係る触媒層の製造方法は、第1の実施の形態に係る触媒層の製造方法において示した基材シートに微細な凹凸領域を設ける工程(ステップS11)を行わずに、図10に示すように、ローラーに凹部を設ける工程(ステップS21)を行う。その他の工程については、第1の実施の形態で説明した構成と同様であるため、重複した説明は適宜省略する。
第2の実施の形態に係る触媒層の製造方法では、まず、ローラーに凹部を設ける工程(ステップS21)を行う。具体的には、図11に示すように、軸方向に凹部の位置が異なる複数の部材を、ローラー8の表面の一部に埋め込むことによって、凹部8cを設ける。凹部8cの形状及び位置は、識別パターン1cを構成する触媒層1の非形成領域の形状及び位置に対応する。凹部8cの形状の切替えを行うタイミングは、基材シート4の端からの触媒層1の位置情報に基づいて行う。
次に、触媒層を形成する形成工程(ステップS22)を行う。具体的には、基材シート4の上面に、ダイコーター5を用いて触媒インクを塗工する。なお、形成工程(ステップS22)は、ローラーに凹部を設ける工程(ステップS21)よりも先に行われてもよい。また、ローラーに凹部を設ける工程(ステップS21)及び触媒層を形成する工程(ステップS22)は、並行して行ってもよい。
次に、触媒層を転写する転写工程(ステップS23)を行う。具体的には、ローラー8及び9を用いて基材シート4の上面に形成された触媒層1を、電解質膜2に転写する。転写工程(ステップS23)を行う際には、ローラー8には、凹部8cが設けられている。したがって、凹部8cに対応する領域に形成された触媒層1には、転写に必要な圧力や熱が加えられない。したがって、凹部8cに対応する領域に形成された触媒層1は、電解質膜2に転写されない。
一方、凹部8cに対応する領域以外に形成された触媒層1は、ローラー8及び9によって挟持される際に十分な圧力及び十分な熱を受ける。したがって、凹部8cに対応する領域以外に形成された触媒層1は、電解質膜2に転写される。また、電解質膜2に転写される際に、凹部8cに対応する領域が識別パターン1cとなる。
第2の実施の形態に係る触媒層の製造方法では、上記で説明した構成によって、触媒層1や電解質膜2にレーザー照射や高い圧力を加えることなく、触媒層1に識別パターン1cを設けることができる。したがって、有害物質の発生及び触媒層1の破損を抑制しつつ、触媒層1自体に識別パターン1cを形成することができる。そのため、触媒層1自体にロット情報を記録することができる。第2の実施の形態に係る触媒層の製造方法によって製造された触媒層は、第1の実施の形態で説明した効果と同様の効果を奏することができる。
以上で説明した実施の形態に係る発明によって、有害物質の発生及び触媒層の破損を抑制しつつ、触媒層に識別パターンを形成することができる触媒層の製造方法を提供することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
1 触媒層
1a 発電領域
1b 非発電領域
1c 識別パターン
1d 残留部
2 電解質膜
3 触媒層の形成装置
4 基材シート
4c 微細な凹凸領域
5 ダイコーター
6 ローラー
7 触媒層の転写装置
8 ローラー
8c 凹部
9 ローラー
1a 発電領域
1b 非発電領域
1c 識別パターン
1d 残留部
2 電解質膜
3 触媒層の形成装置
4 基材シート
4c 微細な凹凸領域
5 ダイコーター
6 ローラー
7 触媒層の転写装置
8 ローラー
8c 凹部
9 ローラー
Claims (1)
- 基材シートに触媒インクを塗工することによって、発電領域及び非発電領域を有する触媒層を形成する形成工程と、
前記触媒層を電解質膜にローラーを用いて転写する転写工程と、を備える、触媒層の製造方法であって、
前記形成工程において、前記非発電領域に対応する微細な凹凸領域が前記基材シートに設けられているか、又は、前記転写工程において、前記非発電領域に対応する凹部が前記ローラーに設けられていることによって、前記非発電領域に識別パターンが形成される、触媒層の製造方法。
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JP2018076684A JP2019186074A (ja) | 2018-04-12 | 2018-04-12 | 触媒層の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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