JP2019184652A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】、記録材の両面に画像を形成する際に、1面目に形成された画像の影響で2面目の画像形成時に転写ムラが生じることを抑制することのできる画像形成装置を提供する。【解決手段】画像形成装置100は、像担持体7と、転写部材8と、電源D2と、両面搬送部40と、両面搬送部40により転写部T2へと搬送される記録材Pの1面目における第1の領域と第2の領域とのそれぞれに転写されたトナー像のトナー量と相関する指標値の差が、第1の差の場合と、第1の差とは異なる第2の差の場合とで、該記録材Pの2面目にトナー像を転写する際に電源D2により転写部材8に印加する電圧を異ならせる補正を行う補正部151と、を有する構成とする。【選択図】図7

Description

本発明は、電子写真方式や静電記録方式などを用いた複写機、プリンター、ファクシミリ装置などの画像形成装置に関するものである。
従来、例えば電子写真方式の画像形成装置では、像担持体としての感光体や中間転写ベルト上に形成されたトナー像が紙などの記録材に転写されることで、記録材に画像が形成される。像担持体から記録材へのトナー像の転写は、像担持体に当接して転写部を形成する転写部材に電圧を印加することで行うことができる。転写部材としては、金属製の芯金上にゴム層を有するゴムローラや、金属製の芯金上にスポンジ状の発泡層を有するスポンジローラなどの弾性ローラが広く使用されている。この弾性ローラは、ゴム層や発泡層などの弾性層にカーボンブラックなどの導電性粉末が分散されて導電性が付与されている。そして、このローラに定電圧制御又は定電流制御されたバイアスが印加されることで、帯電したトナーが像担持体から記録材へ転写される。
このような画像形成装置において、転写電流が不足すると十分に転写が行われない転写不良が発生する場合があり、逆に転写電流が過剰になっても転写突き抜けなどと呼ばれる適切に転写が行われない現象が発生する場合がある。したがって、転写効率を十分に向上させて、転写を適切に行うには、所望の転写電流を転写部に供給することが望まれる。
特許文献1には、主走査方向や副走査方向に分割したエリアの画像データを取得して画像の印字率を算出し、算出した印字率に応じて転写バイアスを逐次補正する制御が記載されている。特許文献1の制御では、潜像部が転写部に到達するまでの間に分割したエリアの画像データの印字率を算出、記憶し、転写バイアスを逐次補正することにより、適切な転写バイアスを印加することを可能としようとしている。
特開2012−185320号公報
ところで、画像形成装置において両面印刷を行う際に、記録材の1面目に画像濃度段差が存在すると、その記録材の2面目の画像形成時に転写ムラが生じて画像不良となる場合がある。本発明者の検討によれば、この画像不良は、1面目の画像形成時に1面目の画像濃度段差に起因して生じる記録材の電気抵抗の段差が、2面目の画像形成時に転写効率の段差として顕在化するものであると考えられる。なお、転写効率とは、像担持体上に形成したトナー像のトナー量に対する、記録材に転写されたトナー像のトナー量の割合である。
特許文献1に記載される方法では、画像の印字率に基づいた2面目の画像形成時の転写バイアスの補正は行われず、上記課題に対しては未解決である。
したがって、本発明の目的は、記録材の両面に画像を形成する際に、1面目に形成された画像の影響で2面目の画像形成時に転写ムラが生じることを抑制することのできる画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、トナー像を担持する像担持体と、電圧が印加されて転写部で前記像担持体から記録材にトナー像を転写させる転写部材と、前記転写部材に電圧を印加する電源と、1面目にトナー像が転写された記録材を、該記録材の前記1面目とは反対側の2面目にトナー像を転写するために前記転写部へと搬送する両面搬送部と、前記両面搬送部により前記転写部へと搬送される記録材の前記1面目における第1の領域と第2の領域とのそれぞれに転写されたトナー像のトナー量と相関する指標値の差が、第1の差の場合と、前記第1の差とは異なる第2の差の場合とで、該記録材の前記2面目にトナー像を転写する際に前記電源により前記転写部材に印加する電圧を異ならせる補正を行う補正部と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、記録材の両面に画像を形成する際に、1面目に形成された画像の影響で2面目の画像形成時に転写ムラが生じることを抑制することができる。
画像形成装置の概略断面図である。 画像形成装置の要部の制御態様を示す概略ブロック図である。 分割ビデオカウントにおける分割領域を説明するための模式図である。 転写ムラを説明するための模式図である。 低湿環境(温度23℃、湿度5%)における2面目の2次転写IVカーブを示すグラフ図である。 転写電圧と転写不良との関係を調べる画像パターンを示す模式図である。 実施例1の制御のフローチャート図である。 環境に応じて制御を切り換える手順のフローチャート図である。 2面目の画像に応じて補正の要否を判断する手順のフローチャート図である。 高湿環境(温度30℃、湿度80%)における2面目の2次転写IVカーブを示すグラフ図である。 転写電圧と転写不良との関係を調べる画像パターンを示す模式図である。 実施例2の制御のフローチャート図である。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
[実施例1]
1.画像形成装置の全体的な構成及び動作
図1は、本実施例の画像形成装置100の概略断面図である。本実施例の画像形成装置100は、電子写真方式を用いてフルカラー画像を形成することが可能な、中間転写方式を採用したタンデム型のプリンターである。
画像形成装置100は、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の画像を形成する第1〜第4の画像形成ユニットUY、UM、UC、UKを有する。各画像形成ユニットUY、UM、UC、UKにおける同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、いずれかの色用の要素であることを示す符号の末尾のY、M、C、Kを省略して総括的に説明することがある。画像形成ユニットUは、後述する感光ドラム1、帯電ローラ2、露光装置3、現像装置4、1次転写ローラ5、1次転写電源D1、クリーニング装置6などを有して構成される。
画像形成ユニットUは、トナー像を担持する第1の像担持体としての、回転可能なドラム型の感光体(電子写真感光体)である感光ドラム1を有する。感光ドラム1は、図中矢印R1方向(時計回り)に所定の周速度で回転駆動される。回転する感光ドラム1の表面は、帯電手段としてのローラ型の帯電部材である帯電ローラ2により、所定の極性(本実施例では負極性)の所定の電位に一様に帯電処理される。帯電処理された感光ドラム1の表面は、露光手段としての露光装置(レーザースキャナ)3により、画像データ(画像情報信号)に応じて走査露光され、感光ドラム1上に画像データに応じた静電像(静電潜像)が形成される。感光ドラム1上に形成された静電像は、現像手段としての現像装置4により、現像剤としてのトナーが供給されて現像(可視化)され、感光ドラム1上に画像データに応じたトナー像(現像剤像)が形成される。本実施例では、一様に帯電処理された後に露光されることで電位の絶対値が低下した感光ドラム1上の露光部(イメージ部)に、感光ドラム1の帯電極性と同極性に帯電したトナーが付着する。
4個の感光ドラム1に対向するように、トナー像を担持する第2の像担持体としての、回転可能な無端ベルト状の中間転写体である中間転写ベルト7が配置されている。中間転写ベルト7は、複数の張架ローラ(支持ローラ)としての駆動ローラ71、テンションローラ72、アイドラローラ73、74、及び2次転写対向ローラ75に架け渡されて張架されている。中間転写ベルト7は、例えば、ポリイミド、ポリアミドなどの各種樹脂材料又はその化合物や、各種ゴムなどに、カーボンブラックなどの帯電防止剤を適当量含有させた材料で形成された、フィルム状の無端ベルトで構成されている。中間転写ベルト7の表面抵抗率は、1×1011〜1×1013Ω/□とされており、中間転写ベルト7の厚みは、例えば40〜60μm程度とされている。駆動ローラ71は、定速性に優れたモーターにより駆動されて中間転写ベルト7を循環移動(回転)させる。テンションローラ72は、中間転写ベルト7に対して一定の張力を与える。アイドラローラ73、74は、各感光ドラム1Y、1M、1C、1Kの配列方向に沿って延びる中間転写ベルト7を支持する。2次転写対向ローラ75は、後述する2次転写ローラ8の対向部材(対向電極)として機能する。なお、テンションローラ72に対する中間転写ベルト7のテンションは、3〜12kgf程度とされている。中間転写ベルト7は、駆動ローラ71により図中矢印R2方向(反時計回り)に所定の周速度で循環駆動(回転駆動)される。中間転写ベルト7の内周面側には、各感光ドラム1に対応して、1次転写手段としてのローラ型の1次転写部材である1次転写ローラ5が配置されている。1次転写ローラ5は、中間転写ベルト7を介して感光ドラム1側に付勢され、感光ドラム1と中間転写ベルト7とが接触する1次転写部(1次転写ニップ)T1を形成する。
本実施例では、1次転写ローラ5は、金属ローラで構成されている。この1次転写ローラ5の材質としては、SUS又はSUMなどを使用することができる。また、本実施例では、1次転写ローラ5は、外径が8mmで長手方向にストレート形状の金属ローラである。また、本実施例では、1次転写ローラ5は、感光ドラム1、中間転写ベルト7、1次転写ローラ5の全てが接する領域を形成しない状態で、中間転写ベルト7の搬送方向において感光ドラム1と中間転写ベルト7との接触部の下流側に配置されている。
上述のように感光ドラム1上に形成されたトナー像は、1次転写部T1において、1次転写ローラ5の作用により、回転している中間転写ベルト7上に1次転写される。1次転写工程時に、1次転写ローラ5には、1次転写電源D1により、トナーの正規の帯電極性(現像時のトナーの帯電極性)とは逆極性(本実施例では正極性)の直流電圧である1次転写電圧(1次転写バイアス)が印加される。例えば、フルカラー画像の形成時には、各感光ドラム1上に形成されたY、M、C、Kの各色のトナー像が、各1次転写部T1において、中間転写ベルト7上に重ね合わされるようにして順次1次転写される。
中間転写ベルト7の外周面側において、2次転写対向ローラ75と対向する位置には、2次転写手段としてのローラ型の2次転写部材である2次転写ローラ8が配置されている。2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7を介して2次転写対向ローラ75に向けて付勢され、中間転写ベルト7と2次転写ローラ8とが接触する2次転写部(2次転写ニップ)T2を形成する。上述のように中間転写ベルト7上に形成されたトナー像は、2次転写部T2において、2次転写ローラ8の作用により、中間転写ベルト7と2次転写ローラ8とに挟持されて搬送される紙などの記録材(記録媒体、シート)Pに2次転写される。2次転写工程時に、2次転写ローラ8には、2次転写電源D2(図2)により、トナーの正規の帯電極性とは逆極性の直流電圧である2次転写電圧(2次転写バイアス)が印加される。
本実施例では、2次転写対向ローラ75は、芯金(基材)の外周に弾性層としてEPDMゴムなどで形成されたゴム層が形成されて構成されている。本実施例では、2次転写対向ローラ75は、外径が20mm、ゴム層の厚さが0.5mm、ゴム層の硬度が例えば70°(アスカーC)である。また、本実施例では、2次転写ローラ8は、芯金(基材)の周囲に弾性層としてNBRゴムやEPDMゴムなどで形成されたゴム層が形成されて構成されている。本実施例では、2次転写ローラ8は、外径が24mmである。2次転写ローラ8には、2次転写電源(高圧電源回路)D2が接続されており、2次転写電源D2が2次転写ローラ8に印加するバイアスは可変とされている。
記録材Pは、記録材供給部としての記録材供給装置10により2次転写部T2に供給される。記録材供給装置10は、記録材Pを収容する記録材収容部(カセット、トレイなど)11、記録材収容部11から記録材Pを所定のタイミングで1枚ずつ送り出すピックアップローラ12、送り出された記録材Pを搬送する搬送ローラ対13などを有する。搬送ローラ対13により搬送された記録材Pは、レジストレーション補正部としてのレジストレーションローラ対50により、中間転写ベルト7上のトナー像とタイミングが合わされて、2次転写部T2へと搬送される。
トナー像が転写された記録材Pは、定着手段としての定着装置9へと搬送される。定着装置9は、未定着のトナー像を担持した記録材Pを加熱及び加圧することで、トナー像を記録材Pに定着(溶融、固着)させる。画像形成モードが記録材Pの片面にのみ画像を形成する片面モード(片面印刷)の場合は、記録材Pの片面にトナー像が定着された記録材Pは、排出部としての排出ローラ対30により画像形成装置100の装置本体の外部(機外)へと排出(出力)される。
また、画像形成モードが記録材Pの両面に画像を形成する自動両面モード(自動両面印刷)の場合は、1面目に画像が形成(トナー像が定着)された記録材Pは、両面搬送装置40により、再度2次転写部T2へと搬送される。自動両面モードの場合、1面目に画像が形成された記録材Pが機外に排出される前に、排出ローラ対30が所定のタイミングで反転させられる。これにより、記録材Pは、両面搬送装置40の反転パス(両面搬送路)41に導入される。反転パス41に導入された記録材Pは、再給送ローラ対42によりレジストローラ対50に向けて搬送される。この記録材Pは、1面目の画像形成時の場合と同様に、レジストローラ対50により中間転写ベルト7上のトナー像とタイミングが合わされて2次転写部T2へと搬送され、1面目とは反対側の2面目にトナー像が2次転写される。2面目にトナー像が転写された記録材Pは、その後定着装置9により2面目にトナー像が定着された後に、排出ローラ対30により機外に排出される。
また、1次転写工程時に中間転写ベルト7上に転写されずに感光ドラム1上に残留したトナー(1次転写残トナー)は、感光体クリーニング手段としてのドラムクリーニング装置6により感光ドラム1上から除去されて回収される。また、中間転写ベルト7の外周面側において、駆動ローラ71と対向する位置には、中間転写体クリーニング手段としてのベルトクリーニング装置76が配置されている。2次転写工程時に記録材Pに転写されずに中間転写ベルト7上に残留したトナー(2次転写残トナー)や紙粉は、ベルトクリーニング装置76により中間転写ベルト7上から除去されて回収される。
本実施例では、両面搬送装置40により、1面目にトナー像が転写され、定着された記録材Pを、該記録材Pの1面目とは反対側の2面目にトナー像を転写するように転写部T2へと搬送する両面搬送部が構成される。
2.制御態様
図2は、本実施例の画像形成装置100の要部の制御態様を示す概略ブロック図である。制御部としてのコントローラ150は、演算処理を行う中心的素子である制御手段としてのCPU151、記憶手段としてのROM152a、RAM152bなどのメモリ(記憶媒体)152などを有して構成される。書き換え可能なメモリであるRAM152bには、コントローラ150に入力された情報、検知された情報、演算結果などが格納され、ROM152aには制御プログラム、予め求められたデータテーブルなどが格納されている。CPU151とROM152a、RAM152bなどのメモリ152とは互いにデータの転送や読込みが可能となっている。
コントローラ150は、画像形成装置100の各部を統括的に制御してシーケンス動作を行わせる。コントローラ150は、画像読取り装置(図示せず)やパーソナルコンピュータなどの外部のホスト装置(図示せず)から画像形成信号(画像データ、制御指令)などが入力される。そして、コントローラ150は、この画像形成信号に従って画像形成装置100の各部を制御して、画像形成動作を実行させる。
コントローラ150には、コントローラ150の制御のもとで2次転写電源D2が2次転写ローラ8に印加するバイアスを制御するバイアス制御部60が接続されている。本実施例では、2次転写電源D2は、定電流回路と定電圧回路とを備えている。つまり、2次転写電源D2には、2次転写電源D2により2次転写ローラ8にバイアスを印加している際に2次転写ローラ8に流れる電流を検知する電流検知手段としての電流検知回路62が設けられている。そして、バイアス制御回路60は、電流検知回路62により検知される電流値が所定の電流値になるように2次転写電源D2が出力する電圧を制御することで、2次転写電源D2から2次転写ローラ8に印加するバイアスを定電流制御することができる。換言すれば、2次転写電源D2は、バイアス制御回路60により指示される所定の電流値の電流が2次転写ローラ8に流れるように、2次転写ローラ8にバイアスを印加することができる。また、バイアス制御部60には、2次転写電源D2により2次転写ローラ8にバイアス印加している際に出力している電圧値を検知する電圧検知手段としての電圧検知回路61が設けられている。そして、バイアス制御回路60は、電圧検知回路により検知される電圧値が所定の電圧値になるように2次転写電源D2が出力する電圧を制御することで、2次転写電源D2から2次転写ローラ8に印加するバイアスを定電圧制御することができる。換言すれば、2次転写電源D2は、バイアス制御回路60により指示される所定の電圧値のバイアスを2次転写ローラ8に印加することができる。
ここで、本実施例では、2次転写電圧は、ATVC制御(Active Transfer Voltage Control)によって制御される。つまり、導電性粉末を分散したゴム層や発泡層を有する転写部材は、環境変動や耐久変動によって電気抵抗変動が生じる。そのため、所定のタイミングで、2次転写ローラ8に流れる電流(転写電流)が所望の値になるように2次転写電圧を調整する制御を行う。2次転写に必要な転写電流値は、通常、記録材Pの種類や印刷面によって異なり、それぞれの印刷条件に適した目標電流値が得られるように制御が行われる。具体的には、画像形成時に記録材Pが2次転写部T2に到達する前に、2次転写ローラ8に所定の目標電流値が流れるように定電流制御されたバイアスを印加する。その際の2次転写電源D2の出力電圧値をサンプリングする。これにより、2次転写部T2の電気抵抗に関する情報を取得することができる。そして、サンプリングした電圧値、又はこの電圧値に対して所定の演算処理を施した電圧値を、2次転写電圧値として決定し、2次転写時にはその電圧値で定電圧制御されたバイアスを2次転写ローラ8に印加する。
また、コントローラ150には操作部(操作パネル)90が接続されている。操作部90は、記録材Pの選択画面を表示して、ユーザーやサービス担当者などの操作者に、画像形成に使用する記録材Pの種類、画像形成モード(片面モード、自動両面モード)などを選択させることができる。また、画像形成装置100には、画像形成装置100に通信可能に接続されたパーソナルコンピュータなどの外部のホスト装置(図示せず)からジョブの情報が入力される。ジョブの情報には、画像データ(画像情報信号)が含まれている他、画像形成に使用する記録材Pの種類を指定するデータ、画像形成モード(片面モード、自動両面モード)を指定するデータなどが含まれている。上記画像形成に使用する記録材Pの種類や画像形成モードに関する情報は、コントローラ150に入力される。なお、ジョブ(プリントジョブ)とは、一の開始指示により開始される単一又は複数の記録材に画像を形成して出力する一連の動作のことを言う。また、記録材Pの種類とは、普通紙、厚紙、薄紙、光沢紙、コート紙などの一般的特徴に基づく属性、メーカー、銘柄、品番、坪量、厚さ、サイズなど、記録材Pを区別可能な任意の情報を包含するものである。記録材収容部11に収容する記録材Pの種類は、それぞれの記録材収容部11に対して個別に操作者が操作部90によって指定することが可能であり、指定した記録材Pの種類に応じてコントローラ150が適切な制御を行う。操作者による記録材Pの種類の指定がない場合は、所定の記録材Pの種類の設定が選択される。なお、本実施例では、設定可能な記録材Pの種類については、上質紙やコート紙のような材質、表面性などによる分類と、記録材Pの坪量による分類を組み合わせて分類されており、その分類された複数の紙種の中から一つを選択可能である。
また、コントローラ150には、環境センサ80が接続されている。環境センサ80は、画像形成装置100の筐体内の温度及び湿度を検知する。環境センサ80により検知された温度及び湿度の情報は、コントローラ150に入力される。環境センサ80は、画像形成装置100の内部又は外部の少なくとも一方の温度又は湿度の少なくとも一方を検知する環境検知手段の一例である。
3.分割ビデオカウント
本実施例では、画像形成領域を主走査方向及び副走査方向のそれぞれに所定の長さ単位ごとに複数に分割して、分割された領域(ここでは、「分割領域」ともいう。)ごとのビデオカウントの積算値を取得する。特に、本実施例では、ビデオカウントにより画素ごとの画像データの出力レベル(濃度レベル)の積算値を取得し、上記分割領域ごとのトナー載り量に対応する画像比率の情報を取得する。なお、「主走査方向」は、感光ドラム1や中間転写ベルト7の表面の移動方向(記録材Pの搬送方向)と略直交する方向である。また、「副走査方向」は、主走査方向と略直交する方向(記録材Pの搬送方向と略平行な方向)である。また、「画像形成領域」は、画像形成に使用する記録材Pのサイズに応じて設定されている、1枚の記録材Pに形成される画像に関する、感光ドラム1、中間転写ベルト7、あるいは記録材P上の画像が形成され得る領域である。
図3は、A3サイズの記録材Pに画像形成を行う場合を例に画像形成領域の複数の分割領域を模式的に示したものである。本実施例では、記録材Pの搬送方向(副走査方向)に15mm、記録材Pの搬送方向に垂直な方向(主走査方向)に30mmの長さで区切られた領域を単位分割領域とした。ビデオカウントとは、画像形成装置100に入力された画像データを輝度値であるRGBデータから濃度値であるYMCKデータに変換し、色成分ごとに各画素の濃度値データ(0〜255レベル)を積算した値である。ビデオカウント値はコントローラ150のCPU151によって算出される。また、本実施例では、コントローラ150のCPU151は、1つの分割領域に対する最大のビデオカウント値を200%(単色の場合は100%)とし、それに対する割合を画像比率(0〜200%)として算出する。また、本実施例では、コントローラ150のCPU151は、隣接する分割領域の画像比率の差をそれぞれ算出する。CPU151は、算出した各分割領域のビデオカウントの値(分割ビデオカウント値)、算出した隣接する分割領域の画像比率の差の情報をメモリ152に記憶させる。
4.自動両面印刷における1面目の画像パターンと2面目の転写ムラ
次に、本実施例における自動両面印刷における2次転写電圧の制御について説明する。
本実施例の画像形成装置100は、自動両面印刷を行う際に、1面目の画像濃度段差が大きい記録材Pの位置で2面目の画像形成時に転写ムラ(画像濃度ムラ)が生じることを抑制するように、2次転写電圧の制御を行う。特に、本実施例では、画像形成装置100は、「低湿環境」で自動両面印刷を行う際に、1面目に所定値以上の画像濃度段差が存在するかを検知することで、2面目の画像形成時の2次転写バイアスの補正が必要か否かを判断し、2面目の画像形成を行う。以下、更に詳しく説明する。
本実施例の画像形成装置100では、自動両面印刷を行う際に、1面目に画像濃度段差が存在する場合、その画像濃度段差の位置で2面目の画像形成時に転写ムラが発生することがある。図4は、2面目の画像形成時に転写ムラが発生した画像の例を示す模式図である。1面目は、画像比率200%のベタ画像の中に画像比率0%の白抜きパッチが存在する画像、2面目は、全面が画像比率200%のベタ画像である。この場合、2面目における、1面目の白抜きパッチの位置に対応する位置(ここでは「裏面位置」ともいう。)の転写効率が低下し、転写ムラ(画像濃度ムラ)となっている。1面目の画像濃度段差に起因して生じる記録材Pの電気抵抗の段差が、2面目の画像形成時に2次転写効率の段差として顕在化するためである。この転写ムラは、1面目に所定値以上の画像濃度段差が存在する場合に発生しやすい。また、この転写ムラは、2面目の画像形成時に1面目の濃度段差の裏面位置に所定濃度、特に、低湿環境では所定濃度以上の画像を形成する場合に発生しやすい。また、この転写ムラは、例えばコート紙のような平滑度の高い記録材Pにおいて視認しやすい。表1は、このような転写ムラが生じやすい画像条件と2次転写電圧感度との関係を示したものである。2次転写電圧感度とは、2次転写電圧の絶対値を大きくする(上げる)方向又は小さくする(下げる)方向のいずれに補正することで転写ムラが良化するかを示すものである。なお、表1には、本実施例で説明する「低湿環境」での上記関係に加えて、実施例2で説明する「高湿環境」での上記関係についても示している。
図5は、低湿環境(温度23℃、湿度5%)において、記録材Pとしてコート紙に自動両面印刷を行う際の、2面目の2次転写IVカーブを示している。図5中の2つのグラフは、それぞれ1面目の画像パターンが、全面画像比率0%、全面画像比率200%の場合のグラフである。1面目の画像形成後の記録材Pの電気抵抗の変化としては、主に、記録材Pの水分量変化による電気抵抗変化と、記録材P上に載ったトナーそのものの電気抵抗分と、が考えられる。1面目の画像形成時に記録材Pが定着装置9を通過すると、定着装置9によって与えられる熱によって記録材P中の水分が空気中に出ていき、それによって記録材Pの電気抵抗が下がる。また、その記録材P中の水分量の変化は、1面目の画像の画像比率が小さい場合に大きくなる。これは定着装置9によって供給される熱がトナーに奪われることで、記録材Pに対する温度が低くなっているためであると考えられる。一方、1面目の画像の画像比率が大きくなると、トナーそのものの電気抵抗により、1面目の画像形成後の記録材Pの電気抵抗分が大きくなる。
図5から、1面目の画像パターンによってIVカーブが異なり、特に1面目の画像の画像比率が小さい場合にIVカーブの傾きが小さく、記録材Pの電気抵抗が大きくなっていることがわかる。このことから、低湿環境では、上述の2つの因子のうち、記録材Pの水分量変化による電気抵抗の変化が支配的になっていると考えられる。つまり、1面目の画像の画像比率の低い部分は、画像比率の高い部分よりも記録材Pの電気抵抗が高くなっている。それによって、2面目の画像形成時に、その電気抵抗が高くなっている部分で局所的に2次転写電流が不足し、2次転写効率の低下が生じることがある。
本実施例の画像形成装置100にて、記録材Pとしてコート紙を用い、画像パターンは図6のようにして、1面目のエリアAの画像比率を変化させて自動両面印刷を行った。図6の画像パターンは、1面目は、画像比率200%のベタ画像(エリアA)の中に画像比率0%の白抜きパッチ(エリアB)が存在する画像パターンである。また、2面目は、記録材Pの搬送方向の後端側の画像形成領域の半分(1面目のエリアBの裏面位置を含む。)を画像比率200%のベタ画像(エリアC)、先端側の半分を画像比率50%のベタ画像(エリアD)とした画像パターンである。表2は、上記画像パターンの2面目のエリアCにおける転写ムラの発生状況をまとめたものである。転写ムラの発生状況の評価は、目視による主観評価とする。評価基準は、転写ムラが発生しなかったものを「〇」、軽微に発生したものを「△」、明確に発生したものを「×」とする。転写ムラのレベルとしては、「〇」あるいは「△」であることが好ましい。転写ムラは、1面目のエリアAの画像比率が170〜200%(エリアBの画像比率との差が170〜200%)の範囲の場合に発生した。
また、表3は、1面目のエリアAの画像比率が200%の場合における、2面目の2次転写電圧のオフセット量と転写ムラとの関係を示したものである。2次転写電圧のオフセット量とは、2次転写電圧の補正を行わない場合の2次転写電圧の設定(ATVC制御に基づいて決定される通常の設定)からの2次転写電圧の変更量(補正量)のことである。電圧オフセット量を+300Vとすることにより転写ムラは良化した。このとき2面目のエリアDの画像(画像比率50%)の転写効率が、転写電流がやや過剰となるため、通常の2次転写電圧の設定時と比較しておよそ1%下がるが、画像不良として視認されるものではない。このように、低湿環境では、これに限定されるものではないが、2次転写電圧のオフセット量を+300Vとすることにより良好な画像が得られる。
5.2次転写バイアス補正制御フロー
次に、本実施例における2次転写電圧の制御の処理について説明する。図7は、該制御の手順の概略を示すフローチャート図である。図7の手順は、画像形成装置100の使用環境が低湿環境の場合の手順である。
CPU151は、ジョブが開始されると、画像形成モードが自動両面モードであるか否かを判断する(S101)。自動両面モードであるか否かは、例えば、画像形成信号の送信元のパーソナルコンピュータなどで操作者によって指定される。CPU151は、S101で自動両面モードであると判断した場合は、画像形成に使用する記録材Pの種類が、平滑度が所定の光沢度よりも高い記録材Pとしてのコート紙であるか否かを判断する(S102)。CPU151は、S102で記録材Pの種類がコート紙であると判断した場合は、分割ビデオカウント値により算出される、1面目の隣接する分割領域の画像比率の差の最大値が170%以上、200%以下の範囲にあるか否かを判断する(S103)。そして、CPU151は、S103で上記差の最大値が170%以上、200%以下の範囲にある場合は、2面目の画像形成時の2次転写電圧を通常の2次転写電圧に300Vを加算した電圧値として、画像形成を行わせる(S104)。一方、CPU151は、S102で自動両面モードではない、S102でコート紙ではない、あるいはS103で上記差の最大値が170%以上、200%以下の範囲ではないと判断した場合は、通常の2次転写電圧の設定で画像形成を行わせる(S105)。
なお、本実施例では、低湿環境の場合の制御について説明しているため、図7では省略されているが、図7に示す低湿環境の場合の制御と、後述する図12に示す高湿環境の場合の制御とは、図8に示すようにして選択することができる。つまり、CPU151は、ジョブが開始されると、環境センサ80の検知結果を取得する(S201)。また、CPU151は、低湿環境であるか高湿環境であるかを判断する(S202)。そして、CPU151は、S202で低湿環境(例えば、相対湿度が23%以下)であると判断した場合は、図7に示す低湿環境の場合の制御のS101の処理に移行する(S203)。一方、CPU151は、S202で高湿環境(例えば、相対湿度が30%以上)であると判断した場合は、後述する図12に示す高湿環境の場合の制御のS401の処理に移行する(S204)。なお、CPU151は、S202で低湿環境でも高湿環境でもない(「常湿環境」である)と判断した場合は、2面目の画像形成時の2次転写電圧を通常の設定とする図7のS105(あるいは後述する図12のS405)と同様の処理を実行することができる。ここで、本実施例では、環境の湿度情報として相対湿度の情報を用いているが、絶対水分量の情報を用いてもよい。
また、上述のように、2面目の画像形成時の転写ムラは、2面目の画像形成時に1面目の濃度段差の裏面位置に所定濃度、特に、低湿環境では所定濃度以上の画像を形成する場合に発生しやすい。そのため、CPU151は、例えば、図7のS103とS104との間に、図9(a)に示すように、2面目の画像の濃度が所定濃度以上であるか否か(例えば150%以上であるか否かなど)を判断する処理を行うことができる(S301)。そして、CPU151は、S301で所定濃度以上であると判断した場合はS104の処理に移行し、所定濃度未満であると判断した場合はS105の処理に移行することができる。このとき、2面目に所定濃度以上の画像がある場合に、S301で所定濃度以上であると判断してもよいが、2面目の特定の領域に所定濃度以上の画像がある場合に、S301で所定濃度以上であると判断してもよい。この特定の領域は、例えば、1面目の場合と同様にして取得した2面目の分割ビデオカウント値に基づいて、1面目における画像比率の差が170%以上、200%以下の範囲にある隣接する分割領域の裏面位置を含む領域とすればよい。これにより、2面目の画像形成時に、転写ムラが発生しやすい領域に転写ムラが発生しやすい画像がある場合にのみ、2次転写電圧の補正を行うことができる。
また、本実施例では、1面目の画像形成領域の複数の分割領域のうち隣接する分割領域の画像比率の差に基づいて、2面目の画像形成時の2次転写電圧の補正を行うか否かを判断した。これに対し、単数又は複数の分割領域を挟んで近接する分割領域間に所定値以上の画像濃度段差がある場合にも、前述と同様の理由で転写ムラが生じることが考えられる。したがって、例えば単数又は複数の分割領域を挟んで近接する分割領域間に十分な画像濃度段差がある場合にも、本実施例と同様に2面目の画像形成時の2次転写電圧の補正を行うようにしてもよい。
このように、本実施例の画像形成装置100は、次のようにして記録材Pの2面目にトナー像を転写する際に電源D2により転写部材8に印加する電圧を異ならせる補正を行う補正部を有する。つまり、両面搬送部40により転写部T2へと搬送される記録材Pの1面目における第1の領域と第2の領域とのそれぞれに転写されたトナー像のトナー量と相関する指標値の差が、第1の差の場合と、第1の差とは異なる第2の差の場合とで異ならせる。ここで、上記差は、算術差のみではなく、トナー量の格差を表すことのできる任意の値(比率、割合など)を含むものである。本実施例では、コントローラ150のCPU151が、上記補正部の機能を有する。本実施例では、補正部151は、上記差が所定の閾値以上の場合の上記電圧を、上記差が該閾値より小さい場合の上記電圧と異ならせるように、上記補正を行う。特に、本実施例では、上記第1の領域と上記第2の領域とは、互いに隣接する領域である。また、本実施例では、補正部151は、記録材Pの種類が所定の種類の場合に、上記補正を行う。典型的には、該所定の種類は、コート紙である。また、補正部151は、環境に応じて上記電圧の絶対値を大きくする方向に上記補正を行うか又は小さくする方向に上記補正を行うかを変更することができる。典型的には、補正部151は、環境の湿度が第1の湿度の場合には上記電圧の絶対値を大きくする方向に上記補正を行い(本実施例)、環境の湿度が第1の湿度よりも高い第2の湿度の場合には上記電圧の絶対値を小さくする方向に上記補正を行う(実施例2)。また、補正部151は、両面搬送部40により転写部T2へと搬送される記録材Pの2面目における第3の領域と第4の領域とに転写されるトナー像のトナー量と相関する指標値がそれぞれ所定の閾値以上の場合に、上記補正を行うことができる。典型的には、該第3の領域と該第4の領域とは、互いに隣接する領域である。また、典型的には、該第3の領域は上記第1の領域の裏側に位置する領域であり、該第4の領域は上記第2の領域の裏側に位置する領域である。また、本実施例では、画像形成装置100は、画像形成領域を記録材Pの搬送方向及び該搬送方向と略直交する方向のそれぞれに複数に分割した領域ごとに、画像の濃度と相関するビデオカウント値をカウントする分割ビデオカウント部を有する。そして、補正部151は、該分割ビデオカウント部のカウント結果に基づいて、上記指標値を取得する。本実施例では、分割ビデオカウントをカウントしてメモリ152に記憶させるコントローラ150のCPU151が、上記分割ビデオカウント部の機能を有する。
以上のように、本実施例によれば、1面目に所定値以上の画像濃度段差が存在する場合に、2面目において1面目の濃度段差に起因する転写ムラが生じることを抑制することができる。また、1面目に所定値以上の画像濃度段差がない場合、すなわち転写ムラを発生するリスクが少ない場合は、通常の画像形成制御で画像形成が行われるため、2次転写電圧は本来の最適な値を維持することができ、転写効率が低下することを抑制することができる。このように、本実施例によれば、操作者による調整の手間を要せず、1面目に大きい画像濃度段差が存在する場合に2面目の画像形成時に転写ムラが生じて画像不良が発生することを抑制することができる。
[実施例2]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1と同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
本実施例では、画像形成装置100は、「高湿環境」で自動両面印刷を行う際に、1面目に所定値以上の画像濃度段差が存在するかを検知することで、2面目の画像形成時の2次転写バイアスの補正が必要か否かを判断し、2面目の画像形成を行う。以下、更に詳しく説明する。
1.自動両面印刷における1面目の画像パターンと2面目の転写ムラ
次に、本実施例における自動両面印刷における2次転写電圧の制御について説明する。
図10は、高湿環境(温度30℃、湿度80%)において、記録材Pとしてコート紙に自動両面印刷を行う際の、2面目の2次転写IVカーブを示している。図10中の2つのグラフは、それぞれ1面目の画像パターンが、全面画像比率0%、全面画像比率200%の場合のグラフである。図10から、1面目の画像パターンによってIVカーブが異なり、特に1面目の画像の画像比率が大きい場合にIVカーブの傾きが小さく、記録材Pの電気抵抗が大きくなっていることがわかる。このことから、高湿環境では、前述した2つの因子のうち、記録材P上に載ったトナーそのものの電気抵抗分の増加が支配的になっていると考えられる。つまり、1面目の画像の画像比率の低い部分は、画像比率の高い部分よりも記録材Pの電気抵抗が低くなっている。それによって、2面目の画像形成時に、その電気抵抗が低くなっている部分で局所的に2次転写電流が過電流となり、2次転写効率の低下が生じることがある。また、この現象は、前述の表1に示す通り、2面目の画像比率が100%付近(例えば100±30%)の画像で生じやすい。つまり、この現象による転写ムラは、2面目の画像形成時に1面目の濃度段差の裏面位置に所定濃度、特に、高湿環境では所定濃度範囲内の画像を形成する場合に発生しやすい。
本実施例の画像形成装置100にて、記録材Pとしてコート紙を用い、画像パターンは図11のようにして、1面目のエリアAの画像比率を変化させて自動両面印刷を行った。図11の画像パターンは、1面目は、画像比率200%のベタ画像(エリアA)の中に画像比率0%の白抜きパッチ(エリアB)が存在する画像パターンである。また、2面目は、記録材Pの搬送方向の後端側の画像形成領域の半分(1面目のエリアBの裏面位置を含む。)を画像比率100%のベタ画像(エリアC)、先端側の半分を画像比率200%のベタ画像(エリアD)とした画像パターンである。表4は、上記画像パターンの2面目のエリアCにおける転写ムラの発生状況をまとめたものである。評価方法、評価基準は、実施例1で説明したものと同じである。転写ムラは、1面目のエリアAの画像比率が160〜200%(エリアBの画像比率との差が160〜200%)の範囲の場合に発生した。
また、表5は、1面目のエリアAの画像比率が200%の場合における、2面目の2次転写電圧のオフセット量と転写ムラとの関係を示したものである。電圧オフセット量を−150Vとすることにより転写ムラは良化した。このとき2面目のエリアDの画像(画像比率200%)の転写効率が、転写電流がやや不足するため、通常の2次転写電圧の設定時と比較しておよそ1%下がるが、画像不良として視認されるものではない。このように、高湿環境では、これに限定されるものではないが、2次転写電圧のオフセットを−150Vとすることにより良好な画像が得られる。
2.2次転写バイアス補正制御フロー
次に、本実施例における2次転写電圧の制御の処理について説明する。図12は、該制御の手順の概略を示すフローチャート図である。図12の手順は、画像形成装置100の使用環境が高湿環境の場合の手順である。
図12のS401〜S405の処理は、それぞれ図7のS101〜S105の処理と同様である。ただし、図12のS403では、CPU151は、分割ビデオカウント値により算出される、1面目の隣接する分割領域の画像比率の差の最大値が160%以上、200%以下の範囲にあるか否かを判断する。また、図12のS404では、2面目の画像形成時の2次転写電圧を通常の2次転写電圧に−150Vを加算した電圧として、画像形成を行わせる。
なお、上述のように、2面目の画像形成時の転写ムラは、2面目の画像形成時に1面目の濃度段差の裏面位置に所定濃度、特に、高湿環境では所定濃度範囲内の画像を形成する場合に発生しやすい。そのため、CPU151は、例えば、図12のS403とS404との間に、図9(b)に示すように、2面目の画像の濃度が所定濃度範囲内であるか否か(例えば70%以上、130%以下であるか否かなど)を判断する処理を行うことができる(S301)。そして、CPU151は、S301で所定濃度範囲内であると判断した場合はS404の処理に移行し、所定濃度範囲内ではないと判断した場合はS405の処理に移行することができる。このとき、2面目に所定濃度範囲内の画像がある場合に、S301で所定濃度範囲内であると判断してもよいが、2面目の特定の領域に所定濃度範囲内の画像がある場合に、S301で所定濃度範囲内であると判断してもよい。この特定の領域は、例えば、1面目の場合と同様にして取得した2面目の分割ビデオカウント値に基づいて、1面目における画像比率の差が160%以上、200%以下の範囲にある隣接する分割領域の裏面位置を含む領域とすればよい。このように、補正部151は、両面搬送部40により転写部T2へと搬送される記録材Pの2面目における第3の領域と第4の領域とのそれぞれに転写されるトナー像のトナー量と相関する指標値がそれぞれ所定の範囲内の場合に補正を行うことができる。
以上のように、本実施例によれば、低湿環境の場合の実施例1と同様の効果を高湿環境の場合に得ることができる。
[その他]
以上、本発明を具体的な実施例に即して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
例えば、上述の実施例において説明に使用した数値などは一例を示すものであり、本発明はそれらに限定するものではない。
また、上述の実施例では、画像形成装置は、記録材の種類の情報が操作部やホスト装置から入力される構成とされていたが、画像形成装置は、記録材の種類を判別する手段を有しており、記録材の種類を自動で判別する構成とされていてもよい。
また、上述の実施例では、本発明をカラー画像形成装置に適用したが、本発明は単色画像形成装置にも適用することができ、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
7 中間転写ベルト
8 2次転写ローラ
40 両面搬送装置
150 コントローラ
151 CPU
D2 2次転写電源

Claims (12)

  1. トナー像を担持する像担持体と、
    電圧が印加されて転写部で前記像担持体から記録材にトナー像を転写させる転写部材と、
    前記転写部材に電圧を印加する電源と、
    1面目にトナー像が転写された記録材を、該記録材の前記1面目とは反対側の2面目にトナー像を転写するために前記転写部へと搬送する両面搬送部と、
    前記両面搬送部により前記転写部へと搬送される記録材の前記1面目における第1の領域と第2の領域とのそれぞれに転写されたトナー像のトナー量と相関する指標値の差が、第1の差の場合と、前記第1の差とは異なる第2の差の場合とで、該記録材の前記2面目にトナー像を転写する際に前記電源により前記転写部材に印加する電圧を異ならせる補正を行う補正部と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記補正部は、前記差が所定の閾値以上の場合の前記電圧を、前記差が前記閾値より小さい場合の前記電圧と異ならせるように、前記補正を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第1の領域と前記第2の領域とは、互いに隣接する領域であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記補正部は、記録材の種類が所定の種類の場合に、前記補正を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記所定の種類は、コート紙であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記補正部は、環境に応じて前記電圧の絶対値を大きくする方向に前記補正を行うか又は小さくする方向に前記補正を行うかを変更することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記補正部は、環境の湿度が第1の湿度の場合には前記電圧の絶対値を大きくする方向に前記補正を行い、環境の湿度が前記第1の湿度よりも高い第2の湿度の場合には前記電圧の絶対値を小さくする方向に前記補正を行うことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記補正部は、前記両面搬送部により前記転写部へと搬送される記録材の前記2面目における第3の領域と第4の領域とに転写されるトナー像のトナー量と相関する指標値がそれぞれ所定の閾値以上の場合に、前記補正を行うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記補正部は、前記両面搬送部により前記転写部へと搬送される記録材の前記2面目における第3の領域と第4の領域とのそれぞれに転写されるトナー像のトナー量と相関する指標値がそれぞれ所定の範囲内の場合に、前記補正を行うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記第3の領域と前記第4の領域とは、互いに隣接する領域であることを特徴とする請求項8又は9に記載の画像形成装置。
  11. 前記第3の領域は前記第1の領域の裏側に位置する領域であり、前記第4の領域は前記第2の領域の裏側に位置する領域であることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  12. 画像形成領域を記録材の搬送方向及び該搬送方向と略直交する方向のそれぞれに複数に分割した領域ごとに、画像の濃度と相関するビデオカウント値をカウントする分割ビデオカウント部を有し、
    前記補正部は、前記分割ビデオカウント部のカウント結果に基づいて、前記指標値を取得することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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JP2021059901A (ja) * 2019-10-07 2021-04-15 大豊建設株式会社 壁構造、及び壁構造の構築方法

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