JP2019184338A - 磁気センサ及びこれを用いた材料評価方法、磁気センサの製造方法 - Google Patents

磁気センサ及びこれを用いた材料評価方法、磁気センサの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】試料の磁気特性を精密かつ容易に高温の状態で測定し、これによって高温の試料における劣化を、試料を測定のために冷却することなく検知する。【解決手段】磁気センサは、コの字形状のヨーク10と、ヨーク10に巻回された励磁コイル21と、励磁コイル21と異なる箇所でヨーク10に巻回された検出コイルを具備する。ヨーク10においては、ヨーク本体11に対して予め測定温度において安定な保護膜12が設けられる。保護膜12としては、ヨーク本体11をパーメンジュールで構成した場合には、パーメンジュールを、高温で酸化(熱酸化)した酸化膜を特に好ましく用いることができる。【選択図】図3

Description

本発明は、試料の磁気特性を評価する磁気センサ、及びこれを用いて材料の劣化等を評価する材料評価方法に関する。また、この磁気センサの製造方法に関する。
金属材料の劣化を、その磁気特性を測定することによって評価する技術が知られている。例えば、特許文献1においては、励磁コイルと検出コイルがヨークに巻回された磁気センサを用い、ヨークの先端(両端)を試料に近接させた際の特性を測定する技術が記載されている。ヨークは、この中に磁路を形成させるために、強磁性体(軟磁性体)で構成されている。この場合、励磁コイルによってヨークを介して試料中に磁路の一部が構成されるため、検出コイルで検出された誘導電圧(誘導起電力)には試料の磁気特性が反映される。試料にクリープ等の劣化が発生している場合には試料の微細な内部構造が変化するため、試料の磁気特性が劣化前と比べて変化し、例えば実質的な透磁率が低下する。このため、検出コイルで検出される電圧によって、劣化の有無を判定することができる。
例えば、ヨークを用いずに、試料に励磁コイル、検出コイルを巻回して同様の測定を行うことも可能である。しかしながら、この場合には、励磁コイルや検出コイルを巻回することが可能な形態の試料に対してのみ測定が可能となるため、例えば板状の試料に対する測定は困難である。また、これらを巻回する作業が必要となる。これに対して、上記の磁気センサを用いた場合には、励磁コイルと検出コイルが固定されたヨークの先端を試料と近接(当接)させて測定を行うことができるため、様々な形態の試料に対して容易に測定を行うことができる。測定精度を高めるためには試料内における磁束密度を十分に高くする必要があり、このためにはヨークを強磁性体(軟磁性体)で構成する必要がある。また、ヨークの先端を十分に試料に近接させる(接触させる)ことによって、磁束の漏洩を抑制することが必要である。
この測定の際には、試料に対して全く加工を施す必要がない。このため、使用中の装置を構成する材料に対しても、装置を破壊することなしにこの測定を容易に行うことができる。このため、特許文献1に記載のように、原子炉の圧力容器等の劣化を調べるために、こうした磁気センサを特に好ましく用いることができる。
特開平7−128294号公報
前記のように使用中の装置を構成する材料を上記の方法によって測定する場合、試料の状態は様々であり、試料の表面の温度が高く、その温度が500℃を超える場合もある。従来、一般的にヨークに用いられてきた高透磁率材は、比較的キュリー温度が低く、200℃以上での評価においてはヨーク材としての十分な磁気特性を発揮できなかった。また電磁鋼板等のような組織制御をされた材料等においては、キュリー温度以下においても結晶粒成長等の組織変化や素材の熱変形が生じるため、高温使用のための磁気ヨークとしての適用には問題があり、正確な測定が困難であった。
また、上記の測定を精密に行うためには、ヨークの先端を試料と接触あるいは近接させて測定が行われる。一方、ヨークを構成する強磁性体を構成する元素(Fe等)は、高温で酸化しやすい(酸化物を形成しやすい)材料である。このため、試料の温度がこの強磁性体のキュリー温度未満であり強磁性特性が維持される場合であっても、空気中においては、測定中に試料に接触するヨークの先端に酸化層が徐々に形成されるため、試料とヨークとの接触状態が変動し、結果として得られる検出出力が変動し、精密な測定が困難となる場合があった。
このため、試料の磁気特性を精密かつ容易に高温の状態で測定することができ、これによって高温の試料における劣化を、試料を測定のために冷却することなく検知することができる技術が望まれた。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決する発明を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
本発明の磁気センサは、励磁コイルと、端面が試料と当接または近接することにより前記励磁コイルによって形成された磁場による磁路の一部が前記試料の内部に形成されるように設けられたヨークと、前記磁場による誘導電圧を検出する検出コイルと、を具備し、使用温度における前記誘導電圧の波形により、前記試料の磁気的特性を評価する磁気センサであって、前記ヨークは、キュリー温度が500℃以上である強磁性体材料で構成されたヨーク本体と、少なくとも前記端面における前記ヨーク本体の表面において前記試料と対向するように形成され、厚さが5μm以上40μm未満であり前記使用温度下での前記ヨーク本体を構成する材料の酸化の進行を抑制する保護膜と、を具備することを特徴とする。
本発明の磁気センサにおいて、前記保護膜は、前記ヨーク本体を構成する材料を構成する元素の反応生成物で構成される。
本発明の磁気センサにおいて、前記反応生成物は、前記ヨーク本体を構成する材料を構成する元素の酸化物であることを特徴とする。
本発明の磁気センサにおいて、前記励磁コイル及び前記検出コイルは前記ヨークに巻回され、前記ヨークにおける前記励磁コイルが巻回された箇所の表面、及び前記ヨークにおける前記検出コイルが巻回された箇所の表面に絶縁層が形成されていることを特徴とする。
本発明の磁気センサは、前記励磁コイル及び前記検出コイルを覆い、前記保護膜よりも厚い絶縁コーティングが、前記ヨークにおける前記端面以外に形成されたことを特徴とする。
本発明の磁気センサにおいて、前記ヨーク本体を構成する材料は、FeCo合金であることを特徴とする。
本発明の磁気センサにおいて、前記強磁性体材料は導電性であり、前記ヨークは、前記強磁性体材料で構成された板状の前記ヨーク本体が絶縁層を介して厚さ方向で複数積層された構成を具備することを特徴とする。
本発明の磁気センサにおいて、前記ヨーク本体の厚さは、前記励磁コイルに流される交流電流の周波数で定まる前記薄板ヨーク本体の表皮厚さの2倍以上とされたことを特徴とする。
本発明の材料評価方法は、前記磁気センサを用いて、200℃以上であり前記ヨークのキュリー温度より100℃以上低い前記使用温度の前記試料の磁気的特性を評価することによって、前記試料の劣化を評価することを特徴とする。
本発明の材料評価方法は、電流値が周期的に変動する交流成分に対して、一定の電流値をもつ直流バイアス成分を重畳させた電流を前記励磁コイルに流すことを特徴とする。
本発明の磁気センサの製造方法は、前記磁気センサの製造方法であって、前記ヨーク本体を構成する材料を測定時における前記試料の温度よりも高い温度で熱処理することによって前記保護膜を形成することを特徴とする。
本発明は以上のように構成されているので、試料の磁気特性を精密かつ容易に高温の状態で測定し、これによって高温の試料における劣化を、試料を測定のために冷却することなく検知することができる。
本発明の実施の形態に係る磁気センサの主要な構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサが使用される際の形態を示す図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサの部分的な断面図である。 実施例、比較例で用いられたヨークの形状を示す図である。 非劣化材と劣化材に対する、比較例1における検出コイルの検出電圧波形のギャップ依存性を測定した例である。 非劣化材と劣化材に対する、実施例と比較例1における検出コイルの室温での検出電圧波形を測定した例である。 非劣化材と劣化材に対する室温と500℃の測定において実施例における検出コイルの検出電圧波形を測定した例である。 パーメンジュールにおける透磁率μ、抵抗率ρと、これから算出した、表皮厚さδの温度依存性を示すグラフである。 積層ヨークを本願発明に用いた場合の形態(a)、積層ヨークの断面構造(b)を示す図である。 ヨーク中の磁束の温度依存性を、ヨークの積層分割数を変えて計算した結果である。
本発明の実施の形態に係る磁気センサの主要な構成を図1に示す。この磁気センサ1は、特許文献1に記載の磁気センサと同様に、コの字形状のヨーク10と、ヨーク10に巻回された励磁コイル21と、励磁コイル21と異なる箇所でヨーク10に巻回された検出コイル22を具備する。なお、後述するように、実際にはこの磁気センサ1においては、ヨーク10に励磁コイル21、検出コイル22が巻回された状態で絶縁コーティング30が形成されているが、図1では絶縁コーティング30の記載は省略されている。
また、上記の磁気センサ1を用いて試料Sに対して測定を行う際のヨーク10と試料Sの形態を図2に示す。励磁コイル21、検出コイル22の記載は省略されている。また、ここでは、ヨーク10における2つの端面10Aを試料Sと当接させた状態で試料S上で磁気センサ1を安定させるために、ヨーク10に固定され非磁性体で構成された板状のガイド23が用いられている。ここで、励磁コイル21に交流電流(あるいは直流成分が重畳された交流電流)が流され、検出コイル22の出力電圧(誘導電圧)が測定される。励磁コイル21に流される電流によって、図2における磁路Rが形成される。検出コイル22の出力電圧(波形)と励磁コイル21の入力電流の関係、あるいは励磁コイル21の入力電流を定めた場合の検出コイル22の出力電圧(波形)により、試料Sの磁気特性が測定される。この点については、特許文献1に記載の技術と同様である。
ここで、この磁気センサ1においては、ヨーク10の構造に特徴を有する。図3は、図1におけるヨーク10の先端部(端面10A)付近の断面構造(a)、励磁コイル21が巻回された箇所における断面構造(b)を示す。ここでは、図1で省略された絶縁コーティング30も記載されている。ここで示されるように、このヨーク10は、強磁性体(軟磁性体)で構成されたヨーク本体11と、その表面において薄膜状に形成された保護膜12で構成される。
上記のような測定を高温の試料Sに対して行うためには、ヨーク本体11は、高温においても高い磁束密度を自己の中に形成でき、これによって試料S中における磁束密度も高く維持できるような強磁性体(軟磁性体)材料で構成される。ただし、試料Sが強磁性体であるが測定温度がキュリー温度を超えている場合には、試料S中の磁化測定をすることは困難となる。しかしながら、高温においても、ヨーク本体11として高キュリー点材料を用いることにより強磁性特性を焼失させずにヨーク10中の磁化を大きくする(磁束密度を高くする)ことによって、測定精度の低下を抑制することができる。このため、ヨーク本体11のキュリー温度は、十分に高いことが好ましい。
このため、ヨーク本体11を構成する材料には、キュリー温度が室温よりも十分に高く、測定温度が高温である場合においても飽和磁束密度が高いことが要求され、例えば測定温度下においても飽和磁束密度が室温時の80%以上あることが好ましい。こうした条件を満たす材料として、パーメンジュール(Fe50%:Co50%の合金)が特に好ましい。パーメンジュールのキュリー温度は約980℃であるために、少なくともこのキュリー温度より100℃以上低い温度においては、ヨーク10の内部における磁束密度を高くすることができる。
一方で、パーメンジュールを構成するFe、Coは高温下では酸化する材料として知られている。このため、パーメンジュールが空気中で高温とされると、その表面には、主にFeの酸化物、Coの酸化物からなる酸化被膜が形成される。この酸化被膜の磁気特性は元のパーメンジュールからは大きく異なる。このため、試料S中の磁化(磁束密度)はこの酸化被膜の有無やその厚さによって大きく影響を受ける。特に、この酸化被膜が非磁性体であり厚い場合には、この部分で磁気抵抗が高くなるためにヨーク10から試料Sへの流入磁束量が減少する。
このため、上記のようにヨーク10をパーメンジュールで構成した場合には、空気中(酸化雰囲気中)での測定でありかつ測定温度が高温である場合には、測定時において上記の酸化被膜が成長するために、ヨーク10の磁気特性が変動(劣化)し、これによって、試料Sの磁気特性を正確に測定することが困難となる。あるいは、この酸化被膜の厚さの変動に起因して測定再現性が悪くなる。
これに対して、上記のヨーク10においては、ヨーク本体11に対して予め測定温度において安定な保護膜12が設けられる。保護膜12としては、測定時の高温においてヨーク10の端部を高温での酸化より保護できる絶縁膜が好ましく用いられる。特に、保護膜12としては、上記のようにヨーク本体11をパーメンジュールで構成した場合には、パーメンジュールを、高温で酸化(熱酸化)した酸化膜を特に好ましく用いることができる。
ここで測定温度あるいは使用温度において酸化被膜の成長を抑制させるためにも、この酸化膜としては、測定を実施する温度(測定温度あるいは使用温度)よりも十分に高い温度で熱酸化によって形成したものを用いることが好ましい。具体的には、この酸化温度を、測定温度よりも100℃程度高い温度とすることができる。例えば、測定温度が500℃である場合には、この酸化温度を600℃とすることができる。また、このこの温度でパーメンジュールを熱酸化することによって、この熱酸化膜で構成された保護膜12の厚さを5μm以上とすることができる。この場合、酸化温度および酸化時間を調整することによって、保護膜12の厚さを調整することができ、その厚さを8〜15μmとすることができる。一方、このように酸化温度を測定時の温度よりも高くすることによって、熱酸化膜の厚さを厚くしてより低温での酸化膜の増加を抑制することで、測定時においては保護膜12の膜厚変動は小さくなるため、ヨーク10の磁気特性の変動は抑制される。
ただし、保護膜12が厚く強磁性体ではない場合には保護膜12における磁気抵抗が高くなるため、試料S中の磁化を大きくすることが困難となり、高い測定精度を得ることが困難となる。このため、この厚さは40μm未満とすることが好ましい。
励磁コイル21、検出コイル22を構成する金属材料としては、共通の材料を用いることができる。こうした材料としては、測定時の高温でも酸化せずに安定な低抵抗の金属材料として、Au、Ag、Pt等がある。ただし、測定時の温度が400℃以下であれば、Al等を用いてもよい。また、励磁コイル21、検出コイル22とヨーク本体11の間は電気的に絶縁されている必要があるが、図3(b)に示されるように、前記の保護膜12が絶縁性の物質で構成される場合には、この絶縁性を確保することができる。特に、上記のような測定時におけるヨーク10端部の磁気特性の安定化のためにはヨーク10の試料Sと接する端面10Aにおいてのみ保護膜12が形成されていればよいのに対して、こうした絶縁性は、図1において励磁コイル21、検出コイル22が巻回される箇所で要求される。こうした点において、上記のような熱酸化による保護膜12は、ヨーク本体11の全面にわたり一様に形成されるため、特に好ましい。
ただし、上記のような金属配線の代わりに、例えば特公昭62−48329号公報に記載されたような耐熱絶縁配線、あるいはこれ以外の耐熱性のある絶縁被膜が設けられた金属配線を用いることもできる。この場合には、ヨーク10の試料Sと接する端面10Aにおいてのみ保護膜12を形成してもよく、この場合には、保護膜12の種類や成膜方法として、より多くのものが設定可能となる。
励磁コイル21にはヨーク10及び試料S中に磁界を発生させるように電流が流され、かつ検出コイル22でその誘導起電力を検出するために、励磁コイル21には周期的に変動する電流(正弦波、三角波等)が流される。一方、試料Sを構成する材料に保磁力がある場合には、電流の極性(磁化の極性)が変動する際に、試料Sとヨーク10の先端との間で反発力が生じこれらの間の状態が不安定となる可能性がある。交流電流に対して直流バイアス成分が重畳された電流を励磁コイル21に流すことにより、こうした反発力の発生を抑制しつつ誘導起電力を検出することができる。
また、図3(b)に示されるように、励磁コイル21、検出コイル22が巻回された状態で全体を保護する絶縁コーティング30を設けることにより、励磁コイル21、検出コイル22において、上記のように金属配線に絶縁被膜が設けられない場合でも、各コイル内、コイルとヨーク間あるいはコイルと外部との間のショート、リークを抑制し、磁気センサ1の動作を安定に行わせることができる。絶縁コーティング30は、例えば各種の耐熱性絶縁性ペーストを塗布、乾燥させることによって得ることができる。絶縁コーティング30の厚さは例えば0.2〜数mm程度であり、保護膜12と比べると大幅に厚い。
この場合には、前記の保護膜12が厚い場合と同様の理由により、図3(a)に示されるように、ヨーク10における試料Sと接する端面10Aにおいては絶縁コーティング30を形成しない、あるいはこれを形成後にこの端面10Aにおいて除去することが必要である。すなわち、試料S側の端面10Aには保護膜12以外の層は形成されないことが好ましい。
逆に、励磁コイル21、検出コイル22において、絶縁被膜が設けられない金属配線が用いられ、かつ巻回時にこれらとヨーク10との間に絶縁性の保護膜12が設けられていない場合においても、各コイルとヨーク本体11との間に絶縁コーティング30が存在する場合には、励磁コイル21、検出コイル22の内部及び相互線間とヨーク本体11との間の絶縁性が保たれる。すなわち、こうした場合には励磁コイル21、検出コイル22の箇所における保護膜12は必ずしも必要ではない。
なお、図1の構成においては、右側に励磁コイル21、上側に検出コイル22が巻回されたが、構成を複雑化せず、かつヨーク10内の磁束密度を十分に高くすることができる限りにおいて、これらの構成は任意である。例えば、図1における励磁コイル21、上側に検出コイル22の位置を入れ替えてもよい。また、励磁コイル21を図1における左側にも同様に設けてもよい。あるいは、ヨーク10に巻回されたコイルを、励磁コイル21、検出コイル22として共通に用いてもよい。
実際に上記の磁気センサ1を製造し、高温で測定を行った結果について説明する。図4は、ここで用いられたヨーク10の形態を示す図である。ここで、L1は25mm、L2は16mm、L3は10mm、L4は13mm、L5、L6は6mmとされた。ヨーク10の母材(ヨーク本体11の材料)は、前記のパーメンジュールとされた。
ここでは、大気中での試料Sに対しての500℃環境下での測定を行うため、実施例では、保護膜12を、図4に示された形態に切り出されたヨーク本体11に対してこの測定温度よりも100℃高い600℃で2時間の酸化雰囲気での熱処理を行うことによって形成した。これによる保護膜12の厚さは6μmであった。励磁コイル21、検出コイル22の材料としては、共にPtを用いた。励磁コイル21は、総巻回数を増やすために図1における左右両側に設けられ、0.5mm径のものを38ターン(19ターンづつの計38ターン)としたものを用いた。検出コイル22としては、0.2mm径のものを左右合計で3層巻で50ターンとしたものを用いた。絶縁コーティング30としては、500℃よりも高い耐熱温度を持つアルミナ系セラミックス接着剤を用いた。
試料Sとしては、9Cr−1Mo鋼を用いた。ここで、製造直後のもの(非劣化材)と、ストレスを長時間(クリープ破断寿命に対して15%)印加してクリープ劣化を発生させたもの(劣化材)を用い、両者の測定結果を比較した。なお、評価のためにはヨーク10の端部との間の界面状態が一様であることが好ましいため、試料Sの測定対象の表面には鏡面加工が施された。
比較例1としては、ヨーク10(ヨーク本体11)に対して前記の保護膜12を形成するための酸化雰囲気での熱処理を行わず、必要となる他の熱処理(絶縁コーティング30の固化等)は同様の温度で非酸化雰囲気中で行ったこと以外については、実施例と同様の構成のものを用いた。比較例2としては、保護膜12を具備しない通常のソフトフェライト材(キュリー温度200℃)で構成されたヨークを用いた。比較例3としては、ヨーク10の両端面10Aにおいても絶縁コーティング30を形成した(両端部において絶縁コーティング30を付加したこと以外は実施例と同様とした)ものを用いた。
まず、比較例1の磁気センサを用い、測定結果に対する、ヨーク10の端部と試料Sとの間の間隔の影響を調べた。ここでは、厚さ約30μmの薬包紙を、図2におけるヨーク10の端面10Aのうち片方、又は両方と試料Sの間に挿入した上で固定した場合(ギャップがある場合)と、シリコーン樹脂耐油紙を挿入しない場合(ギャップがない場合)との比較を、室温での測定において行った。図5は、この際に励磁コイル21に電流振幅(ピークtoピーク値)3A、周波数10Hzの正弦波に対して1.5Aのバイアス電流に重畳させた場合の検出コイル22で検出された電圧波形を示す。この結果より、特にギャップがない場合においては、出力電圧が非劣化材と劣化材との間で大きく異なる、すなわち、劣化をこの特性から認識することが可能であることが明らかである。この差は、劣化材においてクリープの存在によって透磁率が低下していることに起因する。この際、ヨークの両端部と試料Sとの間の間隔は小さいことが好ましい(ギャップがないことが好ましい)ことが明らかである。なお、前記のバイアス電流を流さない交流成分のみを用いた場合にはヨーク10に振動が発生したが、前記のバイアス電流の印加により、ヨークと試料Sとの間には常時引力が働き、前記の振動の発生は抑制され、これらの間の位置関係は安定であった。
次に、実施例の磁気センサを用い、ギャップを設けない状態で同様の測定を行なった結果を図6に示す。ここでは、比較例1をギャップを設けないで用いた場合の結果(図5)も同時に表示されている。この結果より、保護膜12を設けることによって出力電圧、あるいは非劣化材と劣化材の出力電圧の差はやや低下するものの、識別は十分に可能である。すなわち、実施例の磁気センサを室温の試料Sに対して好ましく用いることができる。
また、比較例2についても、比較例1、実施例と同等の結果が得られた。一方、比較例3については、ヨークと試料Sの間に厚い絶縁コーティングが存在するために、非劣化材、劣化材共に検出電圧が低くなり、試料Sの磁気特性が磁気センサにおいて認識されるインダクタンス成分に寄与する割合が小さくなり、非劣化材と劣化材との間の検出電圧の差は有意に認識されなかった。
次に、測定温度300℃の環境下で測定を行った。その結果、比較例2においては、試料Sの温度がヨークのキュリー温度を超えていたために、ヨークの強磁性体特性は消失し、検出電圧における信号電圧が大幅に低下し、非劣化材、劣化材のどちらに対しても有意な検出信号は得られなかった。一方、実施例と比較例1の磁気センサを用いた場合には、図6の特性とは検出電圧や波形が異なるものの、劣化材においては非劣化材よりも検出電圧が低くなるという図6と同様の傾向が見られた。すなわち、実施例、比較例1においては、300℃において、非劣化材と劣化材の識別をすることが可能である。
300℃での測定後の試料Sと磁気センサ(実施例、比較例1)を室温まで冷却した後に、測定温度を500℃まで上昇させて、再度の測定を行った 。この場合において、実施例の場合には測定時間が数時間にわたっても検出電圧/波形が前回に対しても変化が無かったのに対して、比較例1においては、測定初期から検出電圧が前回の値と異なると共に、時間の経過とともに検出電圧が徐々に低下していく傾向が認められた。また、実施例においてはヨークの外観に変化が認められなかったのに対し、比較例1のヨークの端部は前記(初回の)測定前と比べて変色が認められた。これは、比較例1においては、ヨークの端部が500℃で酸化したことに起因する。
また、500℃の試料Sの測定後に磁気センサ(実施例、比較例1)を室温まで冷却し、前記の測定に用いられた試料Sと同じ母体から予め分取した熱処理の施されていない試料Sに対する測定を行った。その結果、実施例においては、前記の室温での特性と有意な差のない特性が得られたのに対し、比較例1では、前記の室温での結果と同等の特性は得られなかった。
このため、上記のヨーク本体11と保護膜12とを組み合わせたヨーク10を用いることにより、高温下での測定においても、高出力であり、かつ加熱環境下での劣化の小さな磁気センサを得ることができる。また、これにより、磁気特性に影響を及ぼす試料の劣化(クリープ等)を、高温下で認識することができる。
また、実施例の磁気センサを、同一の試料S(非劣化材、劣化材)に対して、測定温度を室温、500℃とし、測定温度以外は同条件で測定を行った結果を図7に示す。この結果より、実施例においては、室温よりも500℃において非劣化材と劣化材の検出電圧の差異が大きく、劣化を検知する感度が高まっている。
この結果について考察した結果について説明する。上記においては、ヨーク10における試料Sと接する面の測定時の安定性(酸化被膜の成長)が問題とされた。また、測定温度がキュリー点より低くとも、ヨーク本体10等を構成する鋼材等においては、一般的には温度上昇に伴い透磁率は低下し、これにより検出に寄与する磁束は小さくなるため、この変化は高温で検出感度を低下させる方向に働く。
一方、ヨーク10における高温下で変化があるパラメータであり上記のような磁気特性の測定に影響を与えるものとして、ヨーク本体11の導電性に起因する表皮深さがある。周知のように、導電性のヨーク本体11に交流磁界が流れた場合には、誘導電流(渦電流)がヨーク本体11中の磁束変化を抑制する(検出に寄与する磁束を低下させる)ように流れる。この渦電流はヨーク本体11の表面近くを流れるため、この渦連流が流れる深さよりも深い箇所における磁束変化あるいは磁束は、渦電流が形成する磁場の影響を受け低減する。このため、ヨーク本体11の内部では、表面からの深さに応じて実質的な透磁率は低下するとみなすことができる。この実質的な透磁率(見かけの透磁率)μ’は、ヨーク本体11を構成する材料の透磁率をμ、表層を流れる磁束に対する磁束が1/eとなる深さ(表皮深さ)をδとして、(1)式で表される。また、表皮厚さδは、この材料の抵抗率をρ、交流磁界の周波数をfとして、(2)式で表される。
図8は、パーメンジュールにおけるρ、μの温度依存性と、この場合における表皮厚さδの温度依存性を(2)式によって算出した結果を示す。ここで、周波数fは10Hzとしている。この結果より、温度の上昇と共に抵抗率ρの増加と透磁率μの低下のために表皮深さδは温度の上昇と共に大きくなる。このため、ある条件下においては温度が上昇することによる透磁率μの低下による表皮磁束の低下より表皮深さδの増加によるヨーク内部に浸透する磁束の増加の方が上回りトータルとしてヨークに流れる磁束が増加する。すなわち、図7に示されたように高温で検出感度が向上した原因は、表皮深さδの増加による浸透磁束の増大に起因すると考えられる。
この点を考慮した、上記のヨーク10の変形例について説明する。ヨークを構成する材料が導電性である場合において渦電流の発生を抑制して内部の磁束を高めるためには、図1におけるヨーク10の代わりに図9(a)に示されたような積層ヨーク50を用いることが有効である。ここで、積層ヨーク50は、その図9(a)におけるA−A方向の断面構造が図9(b)に示されるように、薄板ヨーク50A〜50Eが積層して構成されており、薄板ヨーク50A〜50Eの各々は、前記のヨーク本体11に対応した材料で構成された薄板ヨーク本体(ヨーク本体)51、その表面に形成された薄板ヨーク表面絶縁層(絶縁層)52を具備し、前記のヨーク10と同様に保護膜12も形成されている。この構成においては、薄板ヨーク表面絶縁層52の存在により、隣接する薄板ヨーク間を渦電流が流れることが抑制されるため、積層ヨーク50中における渦電流による実質的な透磁率の低下を抑制することができる。保護膜12を設けること以外については、こうした構造は、同様にヨークとコイルとが組み合わされる、電磁鋼板等による積層トランスでも用いられている。
この場合においては、例えば薄板ヨーク50A〜50Eが積層された形態で 励磁コイル21と検出コイル22を図9(a)に示されたように巻回し、その上で図3(b)に示されたように絶縁コーティング30を形成すれば、全体が固定される。このため、薄板ヨーク間を接着するための接着剤等は必ずしも必要ではない。また、単一の薄板ヨークにおいて、図9(b)における薄板ヨーク表面絶縁層52を両面に形成することも不要である。
図8の結果を用いて、共通の断面形状(5mm角)を持つヨーク本体を単体で構成した場合(図1、3におけるヨーク10)と、積層構造とした場合(図9における積層ヨーク50)にした場合におけるヨーク本体中の磁束Φの温度依存性を計算した結果を図10に示す。ここで、各特性に示された数字は積層数を示し、1は積層構造でない場合を示している。積層構造における薄板ヨークの構造(図9(b))の薄板ヨーク絶縁層52の厚さは20μmとし、薄板ヨーク本体51の厚さは、積層数に応じて、積層後の断面厚さが5mmとなるように設定された。ここで、磁束Φは、上記のμ’のヨークの磁場と垂直な断面(全体で5mm角)における積分値として計算した。
この結果より、前記のような解析条件下においては積層数を大きくすることにより、磁束Φの絶対値を高めることができる一方で、高温における磁束Φの低下が大きくなる。逆に、単層(積層数が1)の場合には、これに比べて磁束Φの絶対値は小さくなるが、温度の上昇と共に磁束Φは大きくなる。このため、温度の上昇と共に、積層構造と単層構造の差は小さくなる。すなわち、単層構造を用いた場合でも、上記の実施例1においては、高温で高い感度が得られる。
また、前記のように、トランスにおいて上記のような積層構造が用いられる場合においては、渦電流を抑制するためには、各層の厚さは前記の表皮深さよりも薄くすることが必要となる。これに対して、図8の特性をもつ材料を用いて図9に示されたような積層ヨーク50を構成し、これを用いて高温下で上記の測定を行う場合には、トランスの場合とは逆に、薄板ヨーク本体51を少なくとも室温での表皮深さよりも厚く設定することにより、図8に示されたような、高温下において増大する表皮深さによる浸透磁束の増大を有効に用いて磁束Φを大きくすることができる。図8より、薄板ヨーク本体(ヨーク本体)51の厚さは、室温における表皮深さの2倍以上とすることが好ましく、特に4倍以上とすることが好ましい。図1に記載のように、ヨーク10が単層構造である場合においても、ヨーク本体11の厚さについては、同様である。
なお、上記の例では、ヨーク本体11を構成する材料として、パーメンジュールが用いられた。しかしながら、同様にキュリー温度が高い、特にキュリー温度が高い強磁性体材料を同様に用いることができる。例えば、パーメンジュール(Fe:50,Co:50)以外のFeCo合金を用いてもよく、これに他の元素(V等)が添加されていてもよい。また、電磁軟鉄やCo及びケイ素鋼板等であってもよい。こうした場合であっても、一般的に、キュリー温度の高い強磁性体材料にはFe等の酸化しやすい元素が含まれるため、上記の構成は有効である。また、上記の場合には、上記の磁気センサ1の使用温度(測定温度)は500℃とされたが、少なくとも、ヨークを構成する材料の大気中での熱酸化の影響が現れる200℃以上であり、かつこの材料のキュリー温度よりも100℃以上低い使用温度であれば、上記の構成は有効である。
この際、上記の例では、保護膜12として、ヨーク本体11を構成する材料の高温での熱酸化膜が用いられたが、高温で安定な他の耐酸化性の薄膜を保護膜として用いることができる。この場合、その種類に応じてその成膜方法は任意であり、スパッタリングや蒸着によってこの保護膜を形成してもよい。また、上記のような熱酸化膜ではなく、他の熱処理によって形成される反応生成物(例えば窒化膜)を代わりに用いてもよい。上記のような熱酸化膜を形成するための熱処理の温度は使用温度よりも高くされたが、熱酸化膜以外の反応生成物からなる保護膜を用いる場合には、その成膜の際の温度(熱処理温度等)は、上記のような耐酸化性の特性が得られる限りにおいて、使用温度とは無関係に設定できる。この場合においても、その厚さを5μm以上、40μm未満とすることが好ましい。ただし、保護膜12が高透磁率の材料である場合には、これよりも厚くすることができ、例えば100μm以下とすることができる。なお、ヨーク本体11と保護膜12の熱膨張係数に大きな違いがある場合は、センサの熱履歴に伴って発生する熱応力にて保護膜12が剥離する可能性もあり、保護膜12の素材選定については、耐酸化性及び透磁率に加えて熱膨張係数についても考慮する必要性がある。
また、上記と同様に端面を試料に当接(近接)させて磁路の一部を試料内に形成することができる限りにおいて、ヨークの形状は任意である。また、励磁コイルと検出コイルとを兼用とした単一のコイルを用いてもよい。
1 磁気センサ
10 ヨーク
10A 端面
11 ヨーク本体
12 保護膜
21 励磁コイル
22 検出コイル
23 ガイド
30 絶縁コーティング
50 積層ヨーク
50A〜50E 薄板ヨーク
51 薄板ヨーク本体(ヨーク本体)
52 薄板ヨーク表面絶縁層(絶縁層)
R 磁路
S 試料

Claims (11)

  1. 励磁コイルと、端面が試料と当接または近接することにより前記励磁コイルによって形成された磁場による磁路の一部が前記試料の内部に形成されるように設けられたヨークと、前記磁場による誘導電圧を検出する検出コイルと、を具備し、使用温度における前記誘導電圧の波形により、前記試料の磁気的特性を評価する磁気センサであって、
    前記ヨークは、
    キュリー温度が500℃以上である強磁性体材料で構成されたヨーク本体と、
    少なくとも前記端面における前記ヨーク本体の表面において前記試料と対向するように形成され、厚さが5μm以上40μm未満であり前記使用温度下での前記ヨーク本体を構成する材料の酸化の進行を抑制する保護膜と、
    を具備することを特徴とする磁気センサ。
  2. 前記保護膜は、前記ヨーク本体を構成する材料を構成する元素の反応生成物で構成されることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ。
  3. 前記反応生成物は、前記ヨーク本体を構成する材料を構成する元素の酸化物であることを特徴とする請求項2に記載の磁気センサ。
  4. 前記励磁コイル及び前記検出コイルは前記ヨークに巻回され、前記ヨークにおける前記励磁コイルが巻回された箇所の表面、及び前記ヨークにおける前記検出コイルが巻回された箇所の表面に絶縁層が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の磁気センサ。
  5. 前記励磁コイル及び前記検出コイルを覆い、前記保護膜よりも厚い絶縁コーティングが、前記ヨークにおける前記端面以外に形成されたことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の磁気センサ。
  6. 前記ヨーク本体を構成する材料は、FeCo合金であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の磁気センサ。
  7. 前記強磁性体材料は導電性であり、
    前記ヨークは、
    前記強磁性体材料で構成された板状の前記ヨーク本体が絶縁層を介して厚さ方向で複数積層された構成を具備することを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の磁気センサ。
  8. 前記ヨーク本体の厚さは、前記励磁コイルに流される交流電流の周波数で定まる前記薄板ヨーク本体の表皮厚さの2倍以上とされたことを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の磁気センサ。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の磁気センサを用いて、200℃以上であり前記ヨークのキュリー温度より100℃以上低い前記使用温度の前記試料の磁気的特性を評価することによって、前記試料の劣化を評価することを特徴とする材料評価方法。
  10. 電流値が周期的に変動する交流成分に対して、一定の電流値をもつ直流バイアス成分を重畳させた電流を前記励磁コイルに流すことを特徴とする請求項9に記載の材料評価方法。
  11. 請求項2又は3に記載の磁気センサの製造方法であって、前記ヨーク本体を構成する材料を測定時における前記試料の温度よりも高い温度で熱処理することによって前記保護膜を形成することを特徴とする磁気センサの製造方法。
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