JP2019184301A - 自動分析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 分析データの悪化を防ぐことができる自動分析装置を提供する。【解決手段】 第1の溶液の吸引動作を行い、第1の溶液の吸引動作の前又は後に第2の溶液の吸引動作を行う吸引部43と吸引部43により吸引された各第1及び第2の溶液中の電解質を検出する検出部40とを有する電解質測定部27と、検出部40の検出信号を、第1の溶液の吸引動作に応じて第1及び第2の時間帯T1,T2に収集して複数の第1及び第2のデータを生成し、第2の溶液の吸引動作に応じて第2の時間帯T2に収集して複数の第3のデータを生成する信号処理部32と、電解質測定部27の異常の有無を判定する判定部33とを備え、判定部33は複数の第1乃至第3のデータに基づいて電解質測定部27の異常の有無を判定する。【選択図】 図8

Description

本発明の実施形態は、被検体から採取された試料に含まれる成分を分析する自動分析装置に関する。
自動分析装置は、生化学検査項目や免疫検査項目等を対象項目とし、試料と試薬との反応によって生ずる色調や濁りの変化を検出することにより、各検査項目の濃度や酵素活性で表される分析データを生成する。また、自動分析装置は、生化学検査項目の電解質項目を対象項目とし、電解質を、この電解質に選択的に応答するイオン選択性電極(ISE)を用いて検出することにより濃度で表される分析データを生成する。
ISEを備えた自動分析装置には、第1又は第2の溶液の一方の溶液をISEまで吸引ポンプで吸引させ、一方の溶液が測定可能な量よりも少ないと、一方の溶液を吸引する前に吸引した他方の溶液がイオン選択性電極に残り、その残った他方の溶液を測定してしまう問題を解決することができる装置が知られている。
しかしながら、測定可能な量の一方の溶液を吸引できた場合に、ISEを有する電解質測定部に異常があっても、その異常を検出することができず、分析データが悪化する問題がある。
特開2012−42359号公報
本発明が解決しようとする課題は、分析データの悪化を防ぐことができる自動分析装置を提供することである。
上記課題を達成するために、実施形態の自動分析装置は、第1の溶液の吸引動作を行い、この吸引動作の前又は後に第2の溶液の吸引動作を行う吸引部と、前記吸引部の吸引動作により吸引された各前記第1及び前記第2の溶液に含まれる特定の成分を検出する検出部と、前記検出部の検出信号を、前記第1の溶液の吸引動作が開始されてから第1の時間が経過するまでの時間帯に収集して時系列的に変化する複数の第1のデータを生成し、前記第1の溶液の吸引動作の開始より前記第1の時間が経過してから第2の時間が経過するまでの時間帯に収集して複数の第2のデータを生成し、前記第2の溶液の吸引動作の開始より前記第1の時間が経過してから前記第2の時間が経過するまでの時間帯に収集して複数の第3のデータを生成する信号処理部と、前記複数の第1乃至第3のデータに基づいて、前記吸引部又は前記検出部の異常の有無を判定する判定部とを備える。
実施形態に係る自動分析装置の構成を示すブロック図。 実施形態に係る分析部の構成の一例を示す斜視図。 実施形態に係る電解質測定部の構成の一例を示す図。 実施形態に係る検出部の構成の一例を示す図。 実施形態に係る吸引ポンプの吸引動作により検出部内に吸引された各溶液を示す図。 実施形態に係る信号処理部で増幅された検出部の信号の一例を示す図。 実施形態に係る信号処理部で生成される判定用のデータの一例を示す図。 実施形態に係る第1の判定の一例を説明するための図。 実施形態に係る第1の判定の一例を説明するための図。 実施形態に係る第1の判定が行われない一例を示す図。 実施形態に係る第2の判定の一例を説明するための図。 実施形態に係る第2の判定の一例を説明するための図。 実施形態に係る標準データ及び管理データの生成の一例を示す図。 実施形態に係る検量データ及び管理分析データの生成の一例を示す図。
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
図1は、実施形態に係る自動分析装置の構成を示したブロック図である。この自動分析装置100は、各検査項目に対応する標準試料、被検試料及び管理試料の各試料と各検査項目に対応する試薬との分注により、各試料及び各試薬の混合液に含まれる当該検査項目の成分を検出する分析部10を備えている。また、自動分析装置100は、分析部10の各試料や各試薬の分注等を行う複数のユニットを駆動する駆動部30と、駆動部30を制御する分析制御部31とを備えている。
また、自動分析装置100は、分析部10での各混合液に含まれる各検査項目成分を検出した信号を収集して複数のデータを生成する信号処理部32を備えている。また、自動分析装置100は、信号処理部32で生成された複数のデータに基づいて分析部10の異常の有無を判定する判定部33を備えている。
また、自動分析装置100は、信号処理部32で生成された複数のデータに基づいて検量データ、分析データ及び管理分析データの各データを生成する演算部34を備えている。また、自動分析装置100は、信号処理部32で生成された複数のデータ、演算部34で生成された各データを保存するデータ記憶部35を備えている。
また、自動分析装置100は、演算部34で生成された各データを表示する表示部36を備えている。また、自動分析装置100は、各検査項目の分析パラメータを設定するための入力、各試料に対して試料IDや各検査項目を設定するための入力等を行う入力部37を備えている。また、自動分析装置100は、分析制御部31、信号処理部32、判定部33、演算部34、データ記憶部35及び表示部36を制御するシステム制御部38を備えている。
図2は、分析部10の構成の一例を示した斜視図である。この分析部10は、標準試料、被検試料及び管理試料の各試料を収容する試料容器11と、試料容器11を保持する試料ラック12とを備えている。また、分析部10は、各試料に含まれる各検査項目の成分と反応する試薬である例えば1試薬系及び2試薬系の第1試薬を収容する第1試薬容器13と、複数の第1試薬容器13を移動可能に保持する第1試薬ラック14とを備えている。また、分析部10は、2試薬系の第1試薬と対をなす第2試薬を収容する第2試薬容器15と、複数の第2試薬容器15を移動可能に保持する第2試薬ラック16とを備えている。また、分析部10は、円周上に配置された複数の反応容器17と、この反応容器17を回転移動可能に保持する反応ディスク18とを備えている。
また、分析部10は、試料ラック12に保持された試料容器11内の各試料を反応容器17内に分注する試料分注プローブ19と、試料分注プローブ19を上下移動及び回動可能に支持する試料分注アーム20とを備えている。また、分析部10は、第1試薬ラック14に保持された各第1試薬容器13内の第1試薬を反応容器17に分注する第1試薬分注プローブ21と、第1試薬分注プローブ21を上下移動及び回動可能に支持する第1試薬分注アーム22とを備えている。また、分析部10は、第2試薬ラック16に保持された各第2試薬容器15内の第2試薬を反応容器17に分注する第2試薬分注プローブ23と、第2試薬分注プローブ23を上下移動及び回動可能に支持する第2試薬分注アーム24とを備えている。
また、分析部10は、各反応容器17に分注された各試料及び各第1試薬の混合液や、各試料、各第1試薬及び各第2試薬の混合液を撹拌する撹拌ユニット25を備えている。また、分析部10は、撹拌ユニット25により撹拌が行われた各反応容器17内の混合液に含まれる検査項目成分を光学的に検出する測光部26を備えている。また、分析部10は、撹拌ユニット25により撹拌が行われた各反応容器17内の混合液を吸引し、その混合液中の電解質項目の成分である例えばナトリウムイオン、カリウムイオン及び塩素イオンの各電解質を電気化学的に検出する電解質測定部27を備えている。また、分析部10は、各反応容器17を洗浄する洗浄ユニット28を備えている。
そして、測光部26は、各反応容器17に光を照射して標準試料を含む混合液、被検試料を含む混合液及び管理試料を含む混合液の各混合液を透過した光を検出し、検出した信号を信号処理部32へ出力する。また、電解質測定部27は、各反応容器17から吸引した標準試料を含む混合液、被検試料を含む混合液及び管理試料を含む混合液の各混合液中の各電解質を検出し、検出した信号を信号処理部32へ出力する。
図1に戻り、駆動部30は、搬送機構及びこの搬送機構を駆動するモータを有し、分析部10の試料ラック12を搬送移動する。また、駆動部30は、第1及び第2試薬ラック14,16をそれぞれ回転駆動するモータを有し、各第1及び第2試薬容器13,15を移動する。また、駆動部30は、反応ディスク18を回転駆動するモータを有し、各反応容器17を移動して各停止位置で停止させる。また、駆動部30は、試料分注アーム20、第1試薬分注アーム22及び第2試薬分注アーム24をそれぞれ回動駆動するモータ及び上下駆動するモータを有し、試料分注プローブ19、第1試薬分注プローブ21、及び第2試薬分注プローブ23を移動する。また、駆動部30は、電解質測定部27の各ユニットを駆動する機構を備えている。
分析制御部31はCPU及び記憶回路を有し、入力部37から入力された各検査項目の分析パラメータ、試料ID、この試料IDで識別される標準試料、被検試料及び管理試料の各試料に設定された検査項目等の入力情報に基づき駆動部30を制御して、分析部10の各ユニットを作動させる。
そして、分析制御部31は、入力部37よりキャリブレーションを開始させる入力が行われると、試料ラック12の移動、第1試薬容器13の移動、第2試薬容器15の移動、標準試料の分注、第1試薬の分注、第2試薬の分注、混合液の撹拌等のキャリブレーション動作を分析部10に実行させる。
また、分析制御部31は、入力部37より検査を開始させる入力が行われると、試料ラック12の移動、第1試薬容器13の移動、第2試薬容器15の移動、被検試料及び管理試料の分注、第1試薬の分注、第2試薬の分注、混合液の撹拌等の検査動作を分析部10に実行させる。
信号処理部32は、増幅回路、マルチプレクサ及びアナログ・デジタル変換回路等を備えている。そして、信号処理部32は、分析部10の測光部26や電解質測定部27の検出信号を増幅して所定の時間間隔で収集し、判定部33や演算部34で用いられる各検査項目の複数のデータを生成する。
判定部33はCPU及び記憶回路を備え、信号処理部32で生成された各検査項目の複数のデータに基づいて、分析部10の異常の有無を判定する。
演算部34はCPU及び記憶回路を備え、信号処理部32で生成された各検査項目の複数のデータを用いて標準データを生成し、各検査項目の標準データと当該検査項目の標準試料に予め設定された標準値との関係を示す検量データを生成する。また、演算部34は、信号処理部32で生成された各検査項目の複数のデータを用いて被検データを生成し、被検データに対して当該検査項目の検量データを用いて活性値や濃度値で表される分析データを生成する。また、演算部34は、信号処理部32で生成された各検査項目の複数のデータを用いて管理データを生成し、管理データに対して当該検査項目の検量データを用いて活性値や濃度値で表される管理分析データを生成する。
データ記憶部35は、例えばハードディスクドライブ(HDD)等のストレージを備えている。そして、データ記憶部35は、信号処理部32で生成された各検査項目の複数のデータを保存する。また、データ記憶部35は、演算部34で生成された各検査項目の検量データ、分析データ及び管理分析データを保存する。
表示部36は例えばCRTや液晶パネルなどのモニタを備えている。そして、表示部36は、各検査項目の標準試料に含まれる成分の濃度等の標準値や、管理試料に含まれる各検査項目成分の濃度等の管理値を設定するための画面、分析部10に各検査項目のキャリブレーション動作や検査動作を実行させるためのパラメータを設定するための画面、試料毎にこの試料を識別する試料ID及び検査項目を設定するための画面等を表示する。また、表示部36は、演算部34で生成された検量データ、分析データ及び管理分析データを表示する。
入力部37は例えばキーボード、マウス、ボタン、タッチキーパネルなどの入力デバイスを備えている。そして、入力部37は、各検査項目に対応する標準試料の標準値や管理試料の管理値を設定するための入力、各検査項目のパラメータを設定するための入力、試料ID及び検査項目を設定するための入力等を行う。
システム制御部38はCPU及び記憶回路を備え、入力部37から入力されたコマンド信号、各検査項目の標準値や管理値、各検査項目のパラメータ、試料ID及び検査項目の情報等の入力情報を記憶回路に記憶した後、これらの入力情報に基づいて、分析制御部31、信号処理部32、判定部33、演算部34、データ記憶部35及び表示部36を統括してシステム全体を制御する。
以下、図1乃至図14を参照して、分析部10における電解質測定部27の構成と、信号処理部32における電解質測定部27の検出信号の処理と、判定部33における判定とについて詳細に説明する。
先ず、図2乃至図5を参照して、電解質測定部27の構成について説明する。
図3は、電解質測定部27の構成の一例を示した図である。この電解質測定部27は、各電解質を検出する検出部40と、所定の濃度の各電解質を含有する校正液を収容する校正液収容部41とを備えている。また、電解質測定部27は、反応容器17内の混合液及び校正液収容部41の校正液の各溶液を検出部40に吸引する吸引部43を備えている。また、電解質測定部27は、検出部40により検出されて不用になった各溶液を貯留する廃液タンク47を備えている。
図4は、検出部40の構成の一例を示した図である。この検出部40は、駆動部30により反応容器17と校正液収容部41の間を移動可能に配置され、例えば37℃等の一定の温度に保持された複合電極45と、複合電極45の下端部に着脱可能に取り付けられた吸引ノズル46とにより構成される。複合電極45は、3つのイオン選択性電極(ISE)451乃至453及び参照電極454により構成され、吸引ノズル46に連通し各ISE451乃至453及び参照電極454を貫通する貫通孔45aを有する。
ISE451は、対象の電解質であるナトリウムイオンに選択的に応答し貫通孔45aの一部を形成する感応膜を有し、各溶液中のナトリウムイオンの活量に応じた電位を発生する。また、ISE452は、対象の電解質であるカリウムイオンに選択的に応答し貫通孔45aの一部を形成する感応膜を有し、各溶液中のカリウムイオンの活量に応じた電位を発生する。また、ISE453は、対象の電解質である塩素イオンに選択的に応答し貫通孔45aの一部を形成する感応膜を有し、各溶液中の塩素イオンの活量に応じた電位を発生する。また、参照電極454は、貫通孔45aの一部を形成する液絡部を有し、各溶液に対して一定の電位を発生する。
そして、各ISE451,452は、吸引部43による各溶液の吸引動作により、貫通孔45aに流入した各溶液の活量係数が一定となる条件で、参照電極454との間で各対象の電解質の濃度の対数に比例する起電力を発生する。また、ISE453は、吸引部43による各溶液の吸引動作により、貫通孔45aに流入した各溶液の活量係数が一定となる条件で、参照電極454との間で対象の電解質の濃度の対数に反比例する起電力を発生する。
図3に示した校正液収容部41は、校正液ボトル411と、貯留容器412と、校正液ポンプ413と、排液ポンプ414とを備えている。校正液ボトル411には、各混合液の校正用の液である校正液が収容されている。校正液ポンプ413は、例えばシリンジ及びプランジャを有し、駆動部30によるプランジャの駆動により校正液ボトル411内の校正液を吸引して貯留容器412内に供給する。貯留容器412は、校正液ポンプ413により供給された校正液を、複合電極45と同じ温度で貯留する容器である。排液ポンプ414は、吸引部43により検出部40内に吸引された後に貯留容器412内に残留する校正液を排出するポンプである。
ここで、電解質項目の標準試料は各電解質の濃度が既知で異なる2種類の第1及び第2の標準試料からなり、キャリブレーション動作が実行されると、試料分注プローブ19が各第1及び第2の標準試料を反応容器17に分注し、第1試薬分注プローブ21が各第1及び第2の標準試料が分注された反応容器17に電解質項目の第1試薬を分注する。また、検査動作が実行されると、試料分注プローブ19が各電解質の濃度が未知の被検試料や各電解質の濃度が既知の管理試料の各試料を反応容器17に分注し、各試料が分注された反応容器17に第1試薬分注プローブ21が電解質項目の第1試薬を分注する。
第1の標準試料及び第1試薬の分注により、反応容器17内では第1の標準試料が第1試薬で希釈され、校正液よりも低濃度の各電解質を含有する混合液(第1の混合液)となる。また、第2の標準試料及び第1試薬の分注により、反応容器17内では第2の標準試料が第1試薬で希釈され、校正液よりも高濃度の各電解質を含有する混合液(第2の混合液)となる。また、被検試料及び第1試薬の分注により、反応容器17内では被検試料が第1試薬で希釈された混合液(第3の混合液)となる。また、管理試料及び第1試薬の分注により、反応容器17内では管理試料が第1試薬で希釈された混合液(第4の混合液)となる。
吸引部43は、吸引ポンプ431と、吸引ポンプ431と検出部40との間を連通するチューブ432とを備えている。吸引ポンプ431は、例えばシリンジ及びプランジャにより構成されるシリンジポンプを有する。そして、吸引ポンプ431は、図5(a)に示すように、駆動部30により検出部40が移動されて吸引ノズル46が反応容器17内の各第1乃至第4の混合液に進入した位置で停止しているとき、駆動部30のプランジャ駆動により各第1乃至第4の混合液を吸引する吸引動作を行う。また、吸引ポンプ431は各第1乃至第4の混合液の吸引動作の前後に、図5(b)に示すように、駆動部30により検出部40が移動されて吸引ノズル46が貯留容器412内の校正液に進入した位置で停止しているとき、駆動部30のプランジャ駆動により校正液を吸引する吸引動作を行う。
次に、図2乃至図7を参照して、信号処理部32の動作について説明する。
信号処理部32は、吸引部43による校正液(前校正液)の吸引動作と、この吸引動作の次の各第1乃至第4の混合液の吸引動作と、この吸引動作の次の校正液(後校正液)の吸引動作との各吸引動作に応じて、検出部40が前校正液、第1の混合液、第2の混合液、第3の混合液、第4の混合液及び後校正液の各溶液に含まれる各電解質を検出した信号を、各吸引動作の開始から第1の時間経過するまでの第1の時間帯及び各吸引動作の開始より第1の時間が経過してから第2の時間が経過するまでの第2の時間帯に、所定の間隔で収集して複数のデータを生成する。
そして、信号処理部32は、判定部33で判定用に用いられる複数のデータとして、第1の溶液の吸引動作に応じて第1の時間帯に収集して複数の第1のデータを生成し、第2の時間帯に収集して複数の第2のデータを生成する。また、信号処理部32は、判定部33で判定用に用いられる複数のデータとして、第1の溶液の吸引動作の前又は後の第2の溶液の吸引動作に応じて、第2の時間帯に収集して複数の第3のデータを生成する。
判定部33で判定用に用いる前述の第1及び第2の溶液について説明する。各電解質の濃度が既知であるか一定の濃度を含有する校正液、第1の混合液、第2の混合液及び第4の混合液の各溶液を第1又は第2の溶液とし、且つ、第1の溶液に対して各電解質の濃度が異なる溶液を第2の溶液とする。従って、各第1及び第2の混合液を第1の溶液とした場合、前校正液又は後校正液が第2の溶液となる。
また、第4の混合液においては、校正液中の各電解質濃度と異なる各電解質を含有するものを第1又は第2の溶液とする。従って、第4の混合液を第1の溶液とした場合、前校正液又は後校正液が第2の溶液となる。
また、後校正液を第1の溶液とした場合、後校正液の吸引動作の前の吸引動作となる第1の混合液、第2の混合液又は校正液中の各電解質濃度と異なる各電解質を含有する第4の混合液のいずれかの混合液が第2の溶液となる。
以下では、第2の混合液を第1の溶液とし前校正液を第2の溶液として、前校正液の吸引動作と、この吸引動作の次の第2の混合液の吸引動作と、この吸引動作の次の後校正液の吸引動作とに応じて、検出部40の例えばISE451が前校正液、第2の混合液及び後校正液の各溶液に含まれる電解質を検出したときの信号処理部32の動作について説明する。
なお、前校正液の吸引動作と、この吸引動作の次の第1の混合液、第3の混合液及び第4の混合液の各混合液の吸引動作と、この吸引動作の次の後校正液の吸引動作とに応じて、ISE451が前校正液、各混合液及び後校正液の各溶液に含まれる電解質を検出したときの信号処理部32の動作は、ISE451が前校正液、第2の混合液及び後校正液の各溶液に含まれる電解質を検出したときの動作と同様に行われるのでその説明を省略する。
また、前校正液の吸引動作と、この吸引動作の次の第1の混合液、第2の混合液、第3の混合液及び第4の混合液の各混合液の吸引動作と、この吸引動作の次の後校正液の吸引動作とに応じて、各ISE452,453が前校正液、各混合液及び後校正液の各溶液に含まれる電解質を検出したときの信号処理部32の動作は、ISE451が前校正液、第2の混合液及び後校正液の各溶液に含まれる電解質を検出したときの動作と同様に行われるのでその説明を省略する。
図6は、信号処理部32で増幅された検出部40の信号の一例を示した図である。この信号50は、前校正液の吸引動作に応じて増幅された信号51と、第2の混合液の吸引動作に応じて増幅された信号52と、後校正液の吸引動作に応じて増幅された信号53とにより構成される。
各信号51,52,53は、各吸引動作の開始から第1の時間経過するまでの第1の時間帯T1と、各吸引動作の開始より第1の時間が経過してから第2の時間が経過するまでの第2の時間帯T2とに区分される。第1の時間帯T1は、各吸引動作の開始により吸引された溶液が貫通孔45aに流入して、貫通孔45aが当該溶液に入れ替わっている時間を含む時間帯に当たる。また、第2の時間帯T2は、各吸引動作が停止して貫通孔45aが吸引された溶液に入れ替わった後の時間帯に当たる。
信号51は、前校正液の吸引動作の前の吸引動作が例えば校正液の吸引動作である場合の前校正液の吸引動作が開始されてから第1及び第2の時間を合計した時間T経過するまでの信号である。信号51は、貫通孔45aが同じ電解質濃度の校正液に入れ替わることによりISE451の電位が変動しないため第1及び第2の時間帯T1,T2に安定している。
信号52は、前校正液の吸引動作の開始より時間T後に第2の混合液の吸引動作が開始され、第2の混合液の吸引動作の開始から時間T経過するまでの信号である。信号52は、貫通孔45aが校正液から電解質濃度の高い第2の混合液に入れ替わることによりISE451の電位が高くなるため第1の時間帯T1に上昇し、貫通孔45aが第2の混合液に入れ替わった後にISE451が第2の混合液に応じた電位を示すため第2の時間帯T2に安定する。
信号53は、第2の混合液の吸引動作の開始より時間T後に後校正液の吸引動作が開始され、後校正液の吸引動作の開始から時間T経過するまでの信号である。信号53は、貫通孔45aが第2の混合液から電解質濃度の低い校正液に入れ替わることによりISE451の電位が低くなるため第1の時間帯T1に下降し、貫通孔45aが校正液に入れ替わった後にISE451が校正液に応じた電位を示すため第2の時間帯T2に安定する。
なお、前校正液の吸引動作の前の吸引動作が第2の混合液の吸引動作である場合、信号51は、信号53と同様に第1の時間帯T1に下降してから第2の時間帯T2に安定する。
図7は、信号処理部32で生成される判定用のデータの一例を示した図である。
信号処理部32は、判定部33で判定用に用いられる複数のデータとして、第2の混合液の吸引動作に応じて信号52を第1の時間帯T1に収集して複数の第1のデータを生成し、第2の時間帯T2に収集して複数の第2のデータを生成する。また、信号処理部32は、判定部33で判定用に用いられる複数のデータとして、前校正液の吸引動作に応じて、信号51を第2の時間帯T2に収集して複数の第3のデータを生成する。
次に、図7乃至図12を参照して、判定部33の動作ついて説明する。
判定部33は、信号処理部32で生成された複数の第1乃至第3のデータに基づいて、電解質測定部27の異常の有無の第1及び第2の判定からなる判定を行う。
先ず、第1の判定について説明する。判定部33は、信号処理部32で第1の時間帯T1の収集により生成された複数の第1のデータのうちの時系列的に変化する初期の複数の第1のデータとこの第1のデータに対応する信号が収集されたときの時間の関係を示す、例えば直線回帰式で表される第1の関係式を求める。また、判定部33は、複数の第1のデータのうちの時系列的に変化する、初期の複数の第1のデータを含むすべての第1のデータとこの第1のデータに対応する信号が収集されたときの時間の関係を示す、例えば隣り合う2つの第1のデータ間を線形補間或いは非線形補間により単調増加する関数で表される第2の関係式を求める。
また、判定部33は、信号処理部32で第2の時間帯T2の収集により生成された複数の第2のデータとこの第2のデータに対応する信号が収集されたときの時間との関係を示す、例えば直線回帰式で表される第3の関係式を求める。また、判定部33は、複数の第2のデータのうちの第2の時間帯T2に最も安定する末期の複数の第2のデータの例えば平均値を求めると共に、信号処理部32で第2の時間帯T2の収集により生成された複数の第3のデータのうちの第2の時間帯T2に最も安定する末期の複数の第3のデータの平均値を求め、2つの平均値の差を第2及び第3のデータ差とする。
なお、第1の溶液が後校正液であり、第2の溶液が第2の混合液である場合、後校正液の吸引動作に応じて第1の時間帯T1の収集により生成される複数の第1のデータのうちの時系列的に変化する、初期の複数の第1のデータを含むすべての第1のデータとこの第1のデータに対応する信号が収集されたときの時間の関係を示す第2の関係式は、単調減少する関数で表される。
判定部33は、第1乃至第3の関係式と第2及び第3のデータ差とに基づいて、第1の判定を行う。
図8及び図9は、第1の判定の一例を説明するための図である。
図8において、第1の関係式で示される第1の線Ls1は直線であり、第2の関係式で示される第2の線Ls2は単調に変化する曲線であり、第3の関係式で示される第3の線Ls3は直線である。第1の線Ls1と第3の線Ls3は第2の線Ls2に接し、第1の線Ls1と第3の線Ls3とは1点で交わる。
判定部33は、第1の線Ls1、第2の線Ls2及び第3の線Ls3により包囲される斜線で示した領域の面積E1と、第2及び第3のデータ差D1とを求め、面積E1が予め設定された第2及び第3のデータ差D1に対応する許容範囲内であるか否かで第1の判定を行う。ここでは、面積E1が予め設定された差D1に対応する許容範囲内であるため、判定部33は電解質測定部27に異常なしと判定する。
なお、各ISE451,452,453は使用頻度により感度が変化するため、使用可能な状態にある各ISE451,452,453の感度に応じた複数の許容範囲が設定されており、第2及び第3のデータ差を求めることによりその差に対応する許容範囲を選んで第1の判定に用いる。
図9において、第1の関係式で示される第1の線Ls4は直線であり、第2の関係式で示される第2の線Ls5は単調に変化する曲線であり、第3の関係式で示される第3の線Ls6は直線である。第1の線Ls4と第3の線Ls6は第2の線Ls5に接し、第1の線Lsと第3の線Ls3とは1点で交わる。
判定部33は、第1の線Ls4、第2の線Ls5及び第3の線Ls6により包囲される斜線で示した領域の面積E2と、第2及び第3のデータ差D2とを求め、面積E2が予め設定され第2及び第3のデータ差D2に対応する許容範囲内であるか否かで第1の判定を行う。
ここでは、差D2と差D1の違いは僅かで、差D1に対応する許容範囲が用いられ、面積E2は面積E1よりも大きく差D1に対応する許容範囲から外れているため、判定部33は電解質測定部27に異常ありと判定し、判定に用いた複数の第1乃至第3のデータからなる判定データに対して、第1のコードを付加する。そして、判定部33は、表示部36に電解質測定部27の異常情報を表示させる。
電解質測定部27では、第1乃至第3の線に包囲された領域が拡大すると、各ISE451,452,453の感応膜の劣化や汚れにより感度や応答速度が低下して分析データの悪化を招くことになる。
このように、第1又は第2の溶液の一方の溶液から他方の溶液への吸引動作毎に第1の判定を行うことにより、電解質測定部27の異常を素早く検出することができる。また、電解質測定部27の異常情報を表示部36に表示させることにより、電解質測定部27の異常を通知して点検や部品の交換を促すことができるため、以後の分析データの悪化を未然に防ぐことができる。
なお、図10に示すように、第1の関係式で示される第1の直線Ls7と第3の関係式で示される第3の線Ls9とが1点で交わる直線であり、第2の関係式で示される第2の線Ls8が第1の線Ls7及び第3の線Ls9に接し且つ第3の線Ls9と1点で交わるような変曲点を有する曲線である場合、第1の線Ls7、第2の線Ls8及び第3の線Ls9に包囲される領域の面積E3と、第2の線Ls8及び第3の線Ls9により包囲される領域の面積E4とを求めることができる。この場合、面積E3又は面積E4のいずれかが、予め設定された第2及び第3のデータ差D3に対応する許容範囲内であっても、第2の線Ls8が異常な曲線であるため、各ISE451,452,453の応答異常と判断し、第1の判定を実行しない。
次に、第2の判定について説明する。判定部33は、第1の時間帯T1の収集により生成された複数の第1のデータのうちの時系列的に変化する初期の複数の第1のデータとこの第1のデータに対応する信号が収集されたときの時間の関係を示す、直線回帰式で表される第1の関係式を求める。また、判定部33は、第2の時間帯T2の収集により生成された複数の第3のデータとこの第3のデータに対応する信号が収集されたときの時間との関係を示す、直線回帰式で表される第4の関係式を求める。そして、判定部33は、第1の関係式で示される第1の線と第4の関係式で示される第4の線との交点における時間と、第2の混合液の吸引動作の開始時間とに基づいて第2の判定を行う。
図11及び図12は、第2の判定の一例を説明するための図である。
図11において、第1の線Ls10は第1の関係式で示される直線であり、第4の線Ls11は第4の関係式で示される直線である。また、第2の混合液の吸引動作は時間t0に開始され、第1の線Ls10と第4の線Ls11とは時間t1で交わる。判定部33は、時間t0と時間t1の差が予め設定された許容範囲W内であるため、電解質測定部27に異常なしと判定する。
図12において、第1の線Ls12は第1の関係式で示される直線であり、第4の線Ls13は第4の関係式で示される直線である。また、第2の混合液の吸引動作は時間t0に開始され、第1の線Ls12と第4の線Ls13とは時間t2で交わる。
ここでは、判定部33は、時間t0と時間t2の差が予め設定された許容範囲Wから外れているため電解質測定部27に異常ありと判定し、判定用の複数の第1乃至第3のデータからなる判定データに対して、第2のコードを付加する。そして、判定部33は、表示部36に電解質測定部27の異常情報を表示させる。
電解質測定部27では、吸引動作の開始時間と第1及び第4の線の交点の時間との差が大きくなると、吸引ポンプ431の劣化や吸引部43のチューブ432と検出部40又は吸引ポンプ431との接続部の接続不良等により送液量の低下や吸引レスポンスが低下して、検出部40内の第1又は第2の溶液の一方の溶液から他方の溶液への入れ替わりが不十分となり、分析データの悪化を招くことになる。
このように、第1又は第2の溶液の一方の溶液から他方の溶液への吸引動作毎に第2の判定を行うことにより、電解質測定部27の異常を素早く検出することができる。また、電解質測定部27の異常情報を表示部36に表示させることにより、電解質測定部27の異常を通知して点検や部品の交換を促すことができるため、以後の分析データの悪化を未然に防ぐことができる。
次に、図13及び図14を参照して、演算部34における各電解質項目の標準データ、検量データ、管理データ及び管理分析データの生成の一例を説明する。以下では、検出部40の例えばISE451の電解質の検出により演算部34で生成する標準データ、検量データ、管理データ及び管理分析データついて説明する。なお、演算部34はISE451の場合と同様にして各ISE452,453の電解質の検出により標準データ、検量データ、管理データ及び管理分析データを生成するのでその説明を省略する。
図13は、標準データ及び管理データの生成の一例を示した図である。また、図14は、検量データ及び管理分析データの生成の一例を示した図である。
図13において、演算部34は、電解質測定部27の前校正液の吸引動作に応じて信号処理部32で生成される複数の第3のデータのうち、第2の時間帯T2の末期に生成される複数の第2のデータを平均処理して第1の校正データELCを生成する。また、演算部34は、第1の混合液の吸引動作に応じて信号処理部32で生成される複数の第2のデータのうち、例えば第2の時間帯T2の末期に生成される複数の第2のデータを平均処理して第1の校正前標準データELを生成する。そして、演算部34は、第1の校正前標準データELから第1の校正データELCを差し引いて第1の標準データΔELを生成する。
演算部34は、前校正液の吸引動作に応じて信号処理部32で生成される複数の第3のデータのうち、第2の時間帯T2の末期に生成される複数の第2のデータを平均処理して第2の校正データEHCを生成する。また、演算部34は、第2の混合液の吸引動作に応じて生成される複数の第2のデータのうち、第2の時間帯T2の末期に生成される複数の第2のデータを平均処理して第2の校正前標準データEHを生成する。次いで、演算部34は、第2の校正前標準データEHから第2の校正データEHCを差し引いて第2の標準データΔEHを生成する。
図14において、演算部34は、第1及び第2の標準データΔEL,ΔEH、並びに予め設定された第1及び第2の標準試料に含まれる電解質の濃度を示す第1及び第2の標準値CL,CHに基づいて、第1の関数{Y=ΔEL+S×(lnX−lnCL)}{S=(ΔEH―ΔEL)/ln(CH/CL)}で示される検量データDを生成する。そして、演算部34は、検量データDの生成に用いた複数の第2及び第3のデータのうち、いずれかのデータに第1又は第2のコードが付加されていると、検量データDに第1又は第2のコードを付加する。表示部36は、検量データD及び第1又は第2のコードを表示する。
図13において、演算部34は、前校正液の吸引動作に応じて生成される複数の第3のデータのうち、第2の時間帯T2の末期に生成される複数の第3のデータを平均処理して第3の校正データESCを生成する。また、演算部34は、第4の混合液の吸引動作に応じて生成される複数の第2のデータのうち、第2の時間帯T2の末期に生成される複数の第2のデータを平均処理して校正前管理データESを生成する。次いで、演算部34は、校正前管理データESから第3の校正データESCを差し引いて管理データΔESを生成する。
図14において、演算部34は、第1の関数の項Yに管理データΔESを代入して項Xを求めることにより、管理試料に含まれる各電解質の濃度に対応する管理分析データCSを生成する。そして、演算部34は、第1又は第2のコードを付加した検量データDを用いて生成した分析データや管理分析データCSには第1又は第2のコードを付加する。また、演算部34は、管理分析データCSの生成に用いた複数の第2及び第3のデータのうち、いずれかのデータに第1又は第2のコードが付加されていると、管理分析データCSに第1又は第2のコードを付加する。表示部36は、管理分析データCS及び第1又は第2のコードを表示する。
なお、各第1乃至第3の校正データELC,EHC,ESCを、各第1乃至第4の混合液の吸引動作の次の後校正液の吸引動作に応じて第2の時間帯T2の収集により生成される複数のデータのうちの末期の複数のデータを平均処理して生成した各第1乃至第3の校正データに置き換えて実施するようにしてもよい。
このように、第1又は第2のコードが付加された検量データD、分析データ、管理分析データCSを表示部36に表示させることにより、電解質測定部27が異常であるときに生成された検量データD、分析データ、管理分析データCSであることを通知することができる。
以上述べた実施形態によれば、検出部40の信号を、第1の溶液の吸引動作に応じて第1及び第2の時間帯T1,T2に収集して複数の第1及び第2のデータを生成し、第2の溶液の吸引動作に応じて第2の時間帯T2に収集して複数の第3のデータを生成し、第1又は第2の溶液の一方の溶液から他方の溶液への吸引動作毎に判定を行うことにより、電解質測定部27の異常を素早く検出することができる。
また、電解質測定部27の異常情報を表示部36に表示させることにより、電解質測定部27の点検や部品の交換を促すことができるため、以後の分析データの悪化を未然に防ぐことができる。
また、第1又は第2のコードが付加された検量データD、分析データ、管理分析データCSを表示部36に表示させることにより、電解質測定部27が異常であるときに生成された検量データD、分析データ、管理分析データCSであることを通知することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
27 電解質測定部
32 信号処理部
33 判定部
40 検出部
43 吸引部

Claims (9)

  1. 第1の溶液の吸引動作を行い、この吸引動作の前又は後に第2の溶液の吸引動作を行う吸引部と、
    前記吸引部の吸引動作により吸引された各前記第1及び前記第2の溶液に含まれる特定の成分を検出する検出部と、
    前記検出部の検出信号を、前記第1の溶液の吸引動作が開始されてから第1の時間が経過するまでの時間帯に収集して時系列的に変化する複数の第1のデータを生成し、前記第1の溶液の吸引動作の開始より前記第1の時間が経過してから第2の時間が経過するまでの時間帯に収集して複数の第2のデータを生成し、前記第2の溶液の吸引動作の開始より前記第1の時間が経過してから前記第2の時間が経過するまでの時間帯に収集して複数の第3のデータを生成する信号処理部と、
    前記複数の第1乃至第3のデータに基づいて、前記吸引部又は前記検出部の異常の有無を判定する判定部とを
    備える自動分析装置。
  2. 前記判定部は、前記複数の第1のデータのうちの時系列的に変化する初期の複数の第1のデータとこの第1のデータに対応する信号が収集されたときの時間との関係を示す第1の関係式と、前記複数の第1のデータのうちの時系列的に変化するすべての第1のデータとこの第1のデータに対応する信号が収集されたときの時間との関係を示す第2の関係式と、前記複数の第2のデータとこの第2のデータに対応する信号が収集されたときの時間との関係を示す第3の関係式とを求め、前記第1乃至前記第3の関係式と予め設定された前記複数の第2及び第3のデータに対応する許容範囲とに基づいて、前記検出部の異常の有無を判定する請求項1に記載の自動分析装置。
  3. 前記判定部は、前記第1の関係式で示される第1の線と、前記第2の関係式で示される第2の線と、前記第3の関係式で示される第3の線とにより包囲される領域の面積を求め、前記面積が前記許容範囲内である場合に前記検出部に異常なしと判定し、前記面積が前記許容範囲から外れている場合に前記検出部に異常ありと判定する請求項2に記載の自動分析装置。
  4. 前記第1及び前記第3の関係式は、直線回帰式であり、
    前記第2の関係式は、隣り合う2つの前記第1のデータ間を線形補間又は非線形補間により単調増加又は単調減少する関数で表され、
    前記許容範囲は、予め設定された複数の許容範囲のうちの前記複数の第2のデータの平均値と前記複数の第3のデータの平均値の差に対応する許容範囲である請求項2又は請求項3に記載の自動分析装置。
  5. 前記判定部は、前記複数の第1のデータのうちの時系列的に変化する初期の複数の第1のデータとこの第1のデータに対応する信号が収集されたときの時間との関係を示す第1の関係式と、前記複数の第3のデータとこの第3のデータに対応する信号が収集されたときの時間との関係を示す第4の関係式を求め、前記第1及び前記第4の関係式と予め設定された許容範囲とに基づいて、前記吸引部の異常の有無を判定する請求項1に記載の自動分析装置。
  6. 前記判定部は、前記第1の関係式で示される第1の線と前記第4の関係式で示される第4の線との交点における時間と、前記第1の溶液の吸引動作の開始時間との差が前記許容範囲から外れている場合、前記吸引部に異常ありと判定する請求項5に記載の自動分析装置。
  7. 前記第1及び前記第4の関係式は、直線回帰式である請求項5又は請求項6に記載の自動分析装置。
  8. 前記第1及び前記第2の溶液中の前記成分の濃度は異なる請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の自動分析装置。
  9. 前記成分は、イオンであり、
    前記検出部は、各前記第1及び前記第2の溶液に含まれる前記イオンを検出するイオンセンサを有する請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の自動分析装置。
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