JP2019184184A - 熱輸送システム - Google Patents

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Abstract

【課題】熱輸送流体による熱伝達率等を調整できる熱輸送システムを得る。【解決手段】本熱輸送システム10では、微小粒子22を含む熱輸送流体18と、微小粒子22とが合流されて燃料電池スタック14側へ流れる。また、微小粒子22を含まない熱輸送流体18は、第5流路76と第6流路86との間の比例弁80によって流量が調整される。これによって、燃料電池スタック14側へ流れる熱輸送流体18の微小流体22の濃度を調整でき、熱輸送流体18の熱伝達率等を調整できる。【選択図】図1

Description

本発明は、熱輸送流体が流れる熱輸送システムに関する。
下記特許文献1に開示された熱輸送システムでは、熱輸送流体を構成するベース流体に微小粒子が混在されており、この熱輸送流体が流路を流れる。ところで、このような熱輸送システムでは、熱輸送流体の温度等の諸条件が変わることによって熱輸送流体による熱伝達率等が変化する。
特開2013−249981号公報
本発明は、上記事実を考慮して、熱輸送流体による熱伝達率等を調整できる熱輸送システムを得ることが目的である。
請求項1に記載の熱輸送システムは、ベース流体と共に流動可能な微小粒子が前記ベース流体に混在された熱輸送流体と、内側を前記熱輸送流体が流れる流路と、前記流路の中間に設けられ、前記熱輸送流体が前記流路を流れることによって前記熱輸送流体との間で熱交換可能な熱交換部と、前記流路を流れる前記熱輸送流体の前記微小粒子の濃度を調節可能な濃度調節手段と、を備えている。
請求項1に記載の熱輸送システムによれば、流路を流れる熱輸送流体の微小粒子の濃度を濃度調節手段によって調節でき、熱輸送流体の微小粒子の濃度を調節することによって熱輸送流体による熱伝達率等を調整できる。
請求項2に記載の熱輸送システムは、請求項1に記載の熱輸送システムにおいて、前記流路の前記熱交換部よりも上流側を流れる前記熱輸送流体の温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段での前記温度の検出結果に基づいて前記濃度調節手段を操作して前記熱輸送流体の前記微小粒子の濃度を調節する制御手段と、を備えている。
請求項2に記載の熱輸送システムによれば、流路の熱交換部よりも上流側を流れる熱輸送流体の温度が温度検出手段によって検出される。濃度調節手段は、温度検出手段での検出結果に基づいて制御手段によって操作される。これによって、熱輸送流体と熱交換部との間で熱交換される前の状態の熱輸送流体の温度に基づいて熱輸送流体の微小粒子の濃度が調節される。
請求項3に記載の熱輸送システムは、請求項1又は請求項2に記載の熱輸送システムにおいて、前記濃度調節手段は、前記流路の前記熱交換部よりも上流側に設けられて前記熱輸送流体を第1流体と前記第1流体よりも前記微小粒子の濃度が低い第2流体とに分離する分離手段と、前記流路の前記分離手段よりも前記熱交換部側で前記第1流体と前記第2流体とが合流された際の前記第1流体と前記第2流体との混合比を調整する調整手段と、を備えている。
請求項3に記載の熱輸送システムによれば、熱輸送流体は、濃度調節手段を構成する分離手段によって第1流体と第1流体よりも微小粒子の濃度が低い第2流体とに分離される。さらに、流路における分離手段よりも熱交換部側では、第1流体と第2流体とが合流される。このように、第1流体と第2流体とが合流された際の第1流体と第2流体との混合比は、調整手段によって調整される。これによって、流路を流れる熱輸送流体の微小粒子の濃度を濃度調節手段によって調節できる。
請求項4に記載の熱輸送システムは、請求項3に記載の熱輸送システムにおいて、前記流路は、前記熱交換部よりも上流側に設けられて前記第1流体のみが流れる第1流体流路と、前記熱交換部よりも上流側に設けられて前記第2流体のみが流れる第2流体流路と、を備え、前記調整手段は、前記流路における前記第1流体流路と前記第2流体流路との接続部分又は前記第1流体流路及び前記第2流体流路の少なくとも一方における前記接続部分よりも上流側に設けられて前記第1流体流路を流れる前記第1流体及び前記第2流体流路を流れる前記第2流体の少なくとも一方の流量を増減させる弁装置とされている。
請求項4に記載の熱輸送システムによれば、第1流体のみが流れる第1流体流路は、第2流体のみが流れる第2流体流路に接続され、第1流体流路を流れた第1流体と第2流体流路を流れた第2流体とが第1流体流路と第2流体流路との接続部分で合流される。さらに、第1流体流路と第2流体流路との接続部分又は第1流体流路及び第2流体流路の少なくとも一方における接続部分よりも上流側には、弁装置が設けられ、第1流体流路を流れる第1流体及び第2流体流路を流れる第2流体の少なくとも一方の流量は、弁装置によって増減され、このようにして、第1流体と第2流体との混合比が調整されて熱輸送流体の微小粒子の濃度が調節される。
請求項5に記載の熱輸送システムは、請求項3又は請求項4に記載の熱輸送システムにおいて、前記分離手段は、所定の大きさ以上の粒径の前記微小粒子の通過が不能とされ、一方の側から他方の側へ前記熱輸送流体が流れるフィルタを備え、前記熱輸送流体は、所定の大きさ未満の粒径の前記微小粒子よりも所定の大きさ以上の粒径の前記微小粒子が多く含まれている。
請求項5に記載の熱輸送システムによれば、分離手段は、フィルタを備えており、フィルタは、所定の大きさ以上の粒径の微小粒子の通過が不能とされる。ここで、熱輸送流体は、所定の大きさ未満の粒径の微小粒子よりもの大きさ以上の粒径の微小粒子が多く含まれる。このため、フィルタの一方の側から他方の側へ熱輸送流体が流れると、フィルタの他方の側の熱輸送流体は、フィルタの一方の側よりも微小粒子の濃度が低い第2流体にできる。
請求項6に記載の熱輸送システムは、請求項5に記載の熱輸送システムにおいて、前記フィルタは、前記微小粒子の通過が不能とされている。
請求項6に記載の熱輸送システムによれば、フィルタは、微小粒子の通過が不能なフィルタとされる。このため、フィルタの一方の側から他方の側へ流れた熱輸送流体は、微小流体を含まない第2流体にできる。
請求項7に記載の熱輸送システムは、請求項5又は請求項6に記載の熱輸送システムにおいて、内側に前記フィルタが設けられ、前記流路の前記熱交換部側から流れた前記熱輸送流体が内側における前記フィルタの一方の側に流入されて溜められると共に、内側における前記フィルタの一方の側及び他方の側の各々から個別に前記熱輸送流体を前記流路の前記熱交換部側へ流出可能なタンクを備えている。
請求項7に記載の熱輸送システムは、タンクを備えており、タンクの内側にはフィルタが設けられる。タンクの内側におけるフィルタの一方の側には、熱交換部から流れた熱輸送流体が流入されて溜められる。また、タンクは、フィルタの一方の側と他方の側の各々から個別に熱輸送流体の流出が可能とされている。これによって、熱輸送流体を溜めるタンクから熱輸送流体が流出される際に、熱輸送流体を第1流体と第2流体とに分離できる。
請求項8に記載の熱輸送システムは、請求項1から請求項7の何れか1項に記載の熱輸送システムにおいて、前記流路の前記熱交換部側から流れた前記熱輸送流体が内側に溜められると共に、前記熱輸送流体を前記流路の前記熱交換部側へ流出可能なタンクと、作動されることによって前記タンクの内側で前記熱輸送流体を動かして前記タンクの内側での前記微小粒子の沈殿を抑制する沈殿抑制手段と、を備えている。
請求項8に記載の熱輸送システムは、沈殿抑制手段が作動されると、タンクの内側で熱輸送流体が動かされる。これによって、タンクの内側での熱輸送流体の微小粒子の沈殿を抑制できる。
以上、説明したように、請求項1に記載の熱輸送システムでは、熱輸送流体の流動停止状態で、微小粒子が流路、熱交換部等に残ることを抑制できる。
本発明の一実施の形態に係る熱輸送システムの熱輸送流体の回路図である。 本発明の一実施の形態に係る熱輸送システムの制御の概要を示すブロック図である。
次に、本発明の一実施の形態を図1及び図2の各図に基づいて説明する。なお、以下の各実施の形態に係る熱輸送システム10は、車両(図示省略)に搭載された燃料電池システム12の熱交換部としての燃料電池スタック14の冷却に用いられる構成であるが、各図における紙面左右方向、紙面上下方向等と、車両前後方向、車幅方向等の車両を基準とする各方向とは基本的に関係ない。
<本実施の形態の構成>
図1に示されるように、熱輸送システム10は、タンクを構成するタンク16を備えており、熱輸送流体18がタンク16の内側に溜められている。図1において熱輸送流体18を拡大した図である二点鎖線の円Aで示されるように、熱輸送流体18は、ベース流体20を備えている。ベース流体20は、例えば、エチレングリコール等の有機溶媒又は水によって構成されている。
また、熱輸送流体18は、多数の微小粒子22を備えている。微小粒子22は、例えば、黒鉛、ダイヤモンド等の炭素系粉末粒子によって形成されており、微小粒子22の粒径は、例えば、100μm以上1000μm以下とされている。熱輸送流体18には、本熱輸送システム10中のベース流体20の全体積に対して所定の体積の微小粒子22が混ぜられており、例えば、ベース流体20の全体積に対する微小粒子22の体積の比率は、10%程度とされている。
タンク16には、沈殿抑制手段としての攪拌装置24の羽26が設けられている。羽26は、タンク16の内側における底壁部28の近傍に設けられており、羽26は、タンク16の上下方向を軸方向とする軸周り方向へ回転できる。攪拌装置24は、モータ30(図2参照)を備えており、モータ30が作動されると、羽26が回転される。これによって、熱輸送流体18が攪拌され、例えば、タンク16の底壁部28側へ沈殿した微小粒子22がベース流体20の上側部分等へ分散される。
図2に示されるように、攪拌装置24のモータ30は、モータドライバ32へ電気的に接続されている。モータドライバ32は、制御手段としての制御装置34へ電気的に接続されていると共に、車両に搭載されたバッテリー(図示省略)へ電気的に接続されており、制御装置34から出力されてモータドライバ32へ入力されるモータ制御信号MsがLowレベルからHighレベルに切り替わると、モータ30が作動され、羽26が回転される。
また、タンク16は、第1流出ポート36を備えている。第1流出ポート36は、例えば、タンク16の周壁部38におけるタンク16の上下方向下側端部に設けられており、タンク16内に溜められた熱輸送流体18は、第1流出ポート36からタンク16の外部へ流出できる。この第1流出ポート36には、流路としての循環流路40を構成すると共に第1流体流路を構成する第1流路42の一端が接続されている。
第1流路42の他端は、調整手段の一態様である弁装置として濃度調節手段を構成する電磁弁44の流入ポートへ接続されている。図2に示されるように、電磁弁44において弁体を移動させる電磁弁駆動部46は、電磁弁駆動ドライバ48へ電気的に接続されている。この電磁弁駆動ドライバ48は、制御装置34へ電気的に接続されていると共に、車両に搭載されたバッテリー(図示省略)へ電気的に接続されており、例えば、制御装置34から出力されて電磁弁駆動ドライバ48へ入力される電磁弁制御信号Vs1がLowレベルからHighレベルに切り替わると、電磁弁44の弁体が移動され、流入ポートと流出ポートとの間が開放され、電磁弁制御信号Vs1がHighレベルからLowレベルに切り替わると、電磁弁44の弁体が移動され、流入ポートと流出ポートとの間が閉塞される。
図1に示されるように、電磁弁44の流出ポートには、第1流路42と共に第1流体流路を構成し、更には、循環流路40を構成する第2流路50の一端が接続されている。第2流路50の他端は、流体送給装置としてのポンプ52の供給ポートへ接続されており、ポンプ52が作動されると、第2流路50側からポンプ52へ熱輸送流体18が吸い込まれる。
図2に示されるように、ポンプ52は、ポンプドライバ54へ電気的に接続されている。このポンプドライバ54は、制御装置34へ電気的に接続されていると共に、車両に搭載されたバッテリー(図示省略)へ電気的に接続されており、例えば、制御装置34から出力されてポンプドライバ54へ入力されるポンプ制御信号PsがLowレベルからHighレベルに切り替わると、ポンプ52が作動され、ポンプ制御信号PsがHighレベルからLowレベルに切り替わると、ポンプ52が停止される。
一方、図2に示されるように、制御装置34は、車両のイグニッションスイッチ56へ電気的に接続されている。イグニッション装置が操作されてイグニッションスイッチ56がON状態になり、イグニッションスイッチ56から出力されるイグニッション信号IsがLowレベルからHighレベルに切り替わると、燃料電池システム12の燃料電池スタック14での発電が開始される。これに対して、イグニッション装置が操作されてイグニッションスイッチ56がOFF状態になり、イグニッションスイッチ56から出力されるイグニッション信号IsがHighレベルからLowレベルに切り替わると、燃料電池システム12の燃料電池スタック14での発電が停止される。
また、制御装置34は、車両の速度を検出する速度センサ58へ電気的に接続されている。車両の走行が開始されると(すなわち、車両の走行速度が0よりも大きくなると)、速度センサ58から出力される速度検出信号SsがLowレベルからHighレベルに切り替わり、車両が停止されると(すなわち、車両の走行速度が0になると)、速度センサ58から出力される速度検出信号SsがHighレベルからLowレベルに切り替わる。以上のイグニッションスイッチ56から出力されたイグニッション信号Is及び速度センサ58から出力された速度検出信号Ssは、制御装置34に入力される。
一方、図1に示されるポンプ52の吐出ポートには、循環流路40を構成する第3流路60の一端が接続されており、ポンプ52が作動されることによって第2流路50側からポンプ52へ吸い込まれた熱輸送流体18は、ポンプ52の吐出ポートから第3流路60へ送り出される。
第3流路60の中間部(第3流路60の一端と他端との間)は、燃料電池システム12の熱交換部としての燃料電池スタック14を通っている。燃料電池スタック14は、複数のセルを備えている。燃料ガスとしての水素がセルの正極(アノード、燃料極)と正極側のセパレータとの間を流れ、酸化剤としての酸素を含む空気がセルの負極(カソード、空気極)と負極側のセパレータとの間を流れることによって電気化学反応が生じ、これによって、発電される。
燃料電池スタック14は、車両に搭載された駆動ドライバを介して駆動装置としての車両駆動モータへ電気的に接続されており、燃料電池スタック14から車両駆動モータへ電力が供給されることによって車両駆動モータが駆動される。車両駆動モータの出力軸は、車両の駆動輪へ機械的に接続されており、車両駆動モータの駆動力が駆動輪へ伝わることによって、車両は、走行できる。
燃料電池スタック14のセルにおいて水素と酸素との電気化学反応が生じると、燃料電池スタック14は、発熱される。第3流路60の中間部が燃料電池スタック14を通っていることで、燃料電池スタック14と第3流路60内を流れる熱輸送流体18との間で熱が交換される。これによって、燃料電池スタック14が冷却されると共に熱輸送流体18が加熱される。
また、第3流路60の燃料電池スタック14よりも上流側には、温度検出手段としての液温センサ62が接続されており、第3流路60の燃料電池スタック14よりも上流側を流れる熱輸送流体18の液温(温度)Tが液温センサ62によって検出される。図2に示されるように、液温センサ62からは、熱輸送流体18の液温Tに応じた電気信号である液温検出信号Tsが出力される。また、液温センサ62は、制御装置34へ電気的に接続されており、液温センサ62から出力された液温検出信号Tsは制御装置34に入力される。
さらに、第3流路60の液温センサ62よりも上流側には、濃度検出手段としての固体濃度計測器64が接続されており、第3流路60の液温センサ62よりも上流側を流れる熱輸送流体18に含まれる微小粒子22の濃度Cが固体濃度計測器64によって検出される。図2に示されるように、固体濃度計測器64からは、熱輸送流体18に含まれる微小粒子22の濃度に応じた電気信号である濃度検出信号Csが出力される。また、固体濃度計測器64は、制御装置34へ電気的に接続されており、固体濃度計測器64から出力された濃度検出信号Csは制御装置34に入力される。
一方、制御装置34は、ROM等の記憶装置66へ電気的に接続されている。記憶装置66には、熱輸送流体18の液温Tに対して熱輸送流体18中の微小粒子22の好適な濃度データCdが記憶されている。制御装置34は、記憶装置66に記憶された濃度データCdを読み込むことができる。さらに、制御装置34は、濃度データCdを読み込むと、濃度データCdに基づく微小粒子22の濃度と、固体濃度計測器64から出力された濃度検出信号Csに基づく微小粒子22の濃度との濃度差ΔCを演算する。
また、第3流路60の他端は、熱交換部としてのラジエータ68へ接続されており、第3流路60を流れる熱輸送流体18は、ラジエータ68へ送給される。ラジエータ68は、例えば、車両のエンジンルーム内におけるラジエータグリルの車両後側に配置される。車両が走行すると、走行風がラジエータグリルを通ってエンジンルーム内に入る。このようにエンジンルーム内に入った走行風がラジエータ68を通過する。走行風がラジエータ68を通過した際に、走行風とラジエータ68を通過する熱輸送流体18との間で熱が交換されることによって、熱輸送流体18が冷却される。ラジエータ68には、循環流路40を構成する第4流路70の一端が接続されており、ラジエータ68を流れた熱輸送流体18は、第4流路70へ送給されて第4流路70を流れる。
第4流路70の他端は、タンク16に設けられた流入ポート72へ接続されている。流入ポート72は、例えば、タンク16の蓋等の上壁部、タンク16の周壁の上端部等、タンク16の上側部分に設けられており、第4流路70を流れた熱輸送流体18は、流入ポート72を通ってタンク16の内部に供給され、熱輸送流体18がタンク16の内部に溜まる。
ここで、タンク16の内側には、分離手段として濃度調節手段を構成する複数のフィルタ74が設けられている。各フィルタ74は、円筒状に形成されており、フィルタ74の中心軸方向は、タンク16の上下方向とされている。フィルタ74の上壁、周壁、底壁の各々は、例えば、メッシュ状とされており、フィルタ74の上壁、周壁、底壁の各々には、フィルタ74の内外を連通する多数の孔が形成されている。このフィルタ74の孔の直径寸法は、上述した微小粒子22の最小粒径寸法未満とされており、例えば、上記のように、微小粒子22の粒径が100μm以上1000μm以下とされているのであれば、フィルタ74の孔の直径寸法は、100μm未満とされている。このため、微小粒子22は、フィルタ74を通ることができない。
フィルタ74の中心軸線方向全域又は中心軸線方向中間部よりも下側部分は、タンク16内に溜められた熱輸送流体18に浸されている。このため、フィルタ74の内側におけるタンク16内の熱輸送流体18の液面よりも下側部分には、熱輸送流体18のベース流体20がフィルタ74の外側(フィルタ74の一方の側)から内側(フィルタ74の他方の側)へ通ってフィルタ74の内側に入っている。
また、各フィルタ74には、循環流路40及び第2流体流路を構成する第5流路76が設けられている。第5流路76の一端側は、タンク16の内側におけるフィルタ74の外側で複数に分岐されており、このように分岐された第5流路76の各一端側部分は、タンク16の内側におけるフィルタ74の外側から各フィルタ74の上壁を通ってフィルタ74の内側に入っており、更に、第5流路76の各一端は、各フィルタ74の内側におけるフィルタ74の底壁の近傍に配置されている。
一方、タンク16は、第2流出ポート78を備えている。第2流出ポート78は、タンク16の周壁部におけるタンク16の上下方向上側部分、例えば、タンク16の周壁部において、タンク16内に熱輸送流体18が全て溜められた状態での熱輸送流体18の液面よりも上側に設けられている。この第2流出ポート78には、第5流路76における上記の分岐部分よりも他端側部分が通ってタンク16の外側へ延びている。
さらに、第5流路76の他端は、調整手段の一態様である弁装置として濃度調節手段を構成する比例弁80の流入ポートへ接続されている。比例弁80は、電磁弁の一種とされている。しかしながら、上述した電磁弁44とは異なり、比例弁80は、比例弁駆動ドライバ82に入力される比例弁制御信号Vs2の信号レベルに応じて複数段階又は無段階に弁体を移動でき、複数段階又は無段階に弁開度を調整できる。このため、比例弁80は、電磁弁44とは異なり、比例弁80を流れる熱輸送流体18(第2流体)の流量を複数段階又は無段階に調整できる。
図2に示されるように、比例弁80の比例弁駆動部84は、比例弁駆動ドライバ82へ電気的に接続されている。比例弁駆動ドライバ82は、制御装置34へ電気的に接続されていると共に、車両に搭載されたバッテリー(図示省略)へ電気的に接続されており、制御装置34から出力された比例弁制御信号Vs2が比例弁駆動ドライバ82に入力される。
制御装置34に接続されている記憶装置66には、制御装置34での濃度データCdに基づく微小粒子22の濃度と、固体濃度計測器64から出力された濃度検出信号Csに基づく微小粒子22の濃度との濃度差ΔCの演算結果に対応する比例弁制御信号Vs2のレベルが記憶されており、濃度差ΔCが制御装置34によって演算されると、制御装置34は、濃度差ΔCに対応する比例弁制御信号Vs2の信号レベルを読み込んで、当該信号レベルの比例弁制御信号Vs2を出力する。これによって、比例弁80の比例弁駆動部84が作動されると、比例弁80の弁は、比例弁制御信号Vs2の信号レベルに応じた量だけ開方向又は閉方向へ移動される。
比例弁80の流出ポートには、循環流路40及び第5流路76と共に第2流体流路を構成する第6流路86の一端が接続されている。第6流路86の他端は、第2流路50の電磁弁44とポンプ52との間に設定された接続部88へ接続されている。このため、比例弁80の閉塞状態で電磁弁44が開放され、この状態でポンプ52が作動されると、第1流路42から電磁弁44を通って第2流路50に流れた第1流体(熱輸送流体18)が接続部88を通る。これに対して、電磁弁44の閉塞状態で比例弁80が開放され、この状態でポンプ52が作動されると、第5流路76から比例弁80を通って第6流路86に流れた第2流体(熱輸送流体18)が接続部88を通る。
さらに、比例弁80及び電磁弁44の双方の開放状態でポンプ52が作動されると、電磁弁44を通った第1流体(熱輸送流体18)及び比例弁80を通った第2流体(熱輸送流体18)の双方が接続部88で合流される。
ここで、上記のように、比例弁80は、複数段階又は無段階に弁体を移動でき、複数段階又は無段階に弁開度を調整できる。このため、ポンプ52の出力に変化が生じなければ、電磁弁44の開放状態で比例弁80の弁体が開方向へ移動され、これによって、比例弁80を通る第2流体(熱輸送流体18)の流量が増加すると、電磁弁44を通る第1流体(熱輸送流体18)の流量が減少する。また、電磁弁44の開放状態で比例弁80の弁体が閉方向へ移動され、これによって、比例弁80を通る第2流体(熱輸送流体18)の流量が減少すると、電磁弁44を通る第1流体(熱輸送流体18)の流量が増加する。
このように、電磁弁44の開放状態で比例弁80の弁体を開方向又は閉方向へ移動させ、電磁弁44を通る第1流体(熱輸送流体18)及び比例弁80を通る第2流体(熱輸送流体18)の流量を増減させることができる。これによって、接続部88での第1流体(熱輸送流体18)と第2流体(熱輸送流体18)との混合比を変えることができ、循環流路40における接続部88より下流側での熱輸送流体18中の微小粒子22の濃度を変えることができる。
<本形態の作用、効果>
次に、本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
本熱輸送システム10では、車両のイグニッション装置が操作されて、イグニッションスイッチ56から出力されるイグニッション信号IsがLowレベルからHighレベルに切り替わると、
制御装置34から出力されるモータ制御信号MsがLowレベルからHighレベルに切り替わる。これによって、攪拌装置24のモータ30が作動され、タンク16の内側で攪拌装置24の羽26が回転される。これによって、タンク16内の熱輸送流体18においてタンク16の底壁部28側に沈殿していた微小粒子22が動き、タンク16内の熱輸送流体18中における微小粒子22の偏りが抑制される。
また、この状態では、制御装置34からLowレベルの電磁弁制御信号Vs1が出力されると共に、最大レベルの比例弁制御信号Vs2が出力される。これによって、電磁弁44は、流入ポートと流出ポートとの間が閉塞され、比例弁80は、流入ポートと流出ポートとの間が最大に開放される。
さらに、この状態では、制御装置34から出力されるポンプ制御信号PsがLowレベルからHighレベルに切り替わり、これによって、ポンプ52が作動される。ポンプ52が作動されることによって、熱輸送流体18が循環流路40を流れる。ここで、この状態では、電磁弁44は、流入ポートと流出ポートとの間が閉塞され、比例弁80は、流入ポートと流出ポートとの間が最大に開放されている。このため、この状態では、微小粒子22が含まれない第2流体(すなわち、ベース流体20)が熱輸送流体18として循環流路40を流れる。
このように、熱輸送システム10が作動されると、液温センサ62から出力される液温検出信号Ts及び固体濃度計測器64から出力される濃度検出信号Csが制御装置34に入力される。
この状態で、例えば、車両の走行が開始されると、燃料電池システム12の燃料電池スタック14における発電量Gが増加し、燃料電池スタック14が発熱する。さらに、燃料電池スタック14での発電量Gは、車両の走行速度Sの増減に応じて増減し、燃料電池スタック14の発熱量Qは、燃料電池スタック14での発電量Gの増減に応じて増減する。したがって、第3流路60における燃料電池スタック14よりも下流側での熱輸送流体18の液温は、燃料電池スタック14での発電量Gの増減に応じて昇降される。
一方、ラジエータ68を通過する走行風の速度は、車両の走行速度の増減に応じて増減する。ラジエータ68を通過する走行風の速度が速いほど、走行風とラジエータ68を通る熱輸送流体18との間での熱の交換量が多くなり、熱輸送流体18が冷却される。循環流路40の第4流路70の一端からタンク16を介して第3流路60の燃料電池スタック14よりも上流側での熱輸送流体18の液温は、概ね、熱輸送流体18が燃料電池スタック14から受けた熱と、熱輸送流体18がラジエータ68において走行風に受け渡した熱との収支に応じた高さになる。
(液温T<設定値T1の場合)
循環流路40におけるタンク16と燃料電池スタック14との間を流れる熱輸送流体18の液温Tが予め設定された液温の設定値T1未満になると、液温センサ62から設定値T1未満の液温Tに対応する液温検出信号Tsが出力される。この設定値T1未満の液温Tに対応する液温検出信号Tsが制御装置34に入力されると、この状態で制御装置34から出力される電磁弁制御信号Vs1がLowレベルであれば、電磁弁制御信号Vs1の出力レベルは、制御装置34によって維持され、制御装置34から出力される電磁弁制御信号Vs1がHighレベルであれば、電磁弁制御信号Vs1は、制御装置34によってLowレベルに切り替えられる。
これによって、電磁弁44は、流入ポートと流出ポートとの間が閉塞されるため、この状態では、第1流体(すなわち、微小粒子22を含んだ熱輸送流体18)の電磁弁44の通過が抑制される。
また、この状態では、制御装置34から出力される比例弁制御信号Vs2のレベルが最大値であれば、比例弁制御信号Vs2の出力レベルは、制御装置34によって維持され、制御装置34から出力される比例弁制御信号Vs2のレベルが最大値未満であれば、比例弁制御信号Vs2のレベルは、制御装置34によって最大値にされる。これによって、比例弁80は、流入ポートと流出ポートとの間が最大に開放される。
したがって、この状態では、微小粒子22が含まれない第2流体(すなわち、ベース流体20)が熱輸送流体18として循環流路40を流れる。このような微小粒子22が含まれない熱輸送流体18は、微小粒子22を含む熱輸送流体18に比べて循環流路40及びラジエータ68を流れる際の圧力損失が小さい。このため、ポンプ52の出力を熱輸送流体18の流動に効率よく利用できる。
また、この状態では、燃料電池スタック14の発熱量Qが予め設定された発熱量の設定値Q1未満とされ、発熱量は、小さい。このため、微小粒子22が含まれない熱輸送流体18が第3流路60を流れても、燃料電池スタック14の発熱を抑制できる。
(設定値T2≦液温Tの場合)
循環流路40におけるタンク16と燃料電池スタック14との間を流れる熱輸送流体18の液温Tが予め設定された液温の設定値T2以上になると、液温センサ62から設定値T2以上の液温Tに対応する液温検出信号Tsが出力される。この設定値T2以上の液温Tに対応する液温検出信号Tsが制御装置34に入力されると、この状態で制御装置34から出力される電磁弁制御信号Vs1がHighレベルであれば、電磁弁制御信号Vs1の出力レベルは、制御装置34によって維持され、制御装置34から出力される電磁弁制御信号Vs1がLowレベルであれば、電磁弁制御信号Vs1は、制御装置34によってHighレベルに切り替えられる。
これによって、電磁弁44は、流入ポートと流出ポートとの間が開放されるため、この状態では、第1流体(すなわち、微小粒子22を含んだ熱輸送流体18)が電磁弁44を通る。
また、この状態では、制御装置34から出力される比例弁制御信号Vs2のレベルが最小値であれば、比例弁制御信号Vs2の出力レベルは、制御装置34によって維持され、制御装置34から出力される比例弁制御信号Vs2のレベルが最小値以上であれば、比例弁制御信号Vs2のレベルは、制御装置34によって最小値にされる。これによって、比例弁80は、流入ポートと流出ポートとの間が閉塞される。
ところで、微小粒子22がベース流体20と共に流れている際に、微小粒子22が循環流路40の内壁やラジエータ68における熱輸送流体18の流路の内壁へ接触されると、微小粒子22を含むベース流体20は、ベース流体20単体(すなわち、微小粒子22を含まないベース流体20)よりも多くの熱が微小粒子22と燃料電池スタック14及びラジエータ68を通過する走行風との間で交換される。
ここで、電磁弁44の流入ポートと流出ポートとの間が開放され、比例弁80の流入ポートと流出ポートとの間が閉塞された状態では、第2流路50と第6流路86との接続部88で第1流体と第2流体とが混ざらない。このため、この状態では、第2流路50と第6流路86との接続部88よりも循環流路40の下流側を流れる熱輸送流体18は、第1流体のみで構成され、この状態では、熱輸送流体18中の微小粒子22の濃度は、最大になる。これにより、熱輸送流体18と燃料電池スタック14及びラジエータ68を通過する走行風との間での熱の交換効率を最も高くできる。
(設定値T1≦液温T<設定値T2の場合)
循環流路40におけるタンク16と燃料電池スタック14との間を流れる熱輸送流体18の液温Tが予め設定された液温の設定値T1以上T2未満になり、この液温Tに対応する液温検出信号Tsが制御装置34に入力されると、記憶装置66から液温Tに対して熱輸送流体18中の微小粒子22の好適な濃度データCdが制御装置34によって記憶装置66から読み込まれる。さらに、濃度データCdを読み込んだ制御装置34では、濃度データCdに基づく熱輸送流体18中の微小粒子22の濃度と、固体濃度計測器64から出力された濃度検出信号Csに基づく熱輸送流体18中の微小粒子22の濃度との濃度差ΔCが演算される。
このように、濃度差ΔCが制御装置34において演算されると、制御装置34では、濃度差ΔCに応じた比例弁制御信号Vs2の信号レベルが記憶装置66から読み込まれ、記憶装置66から読み込んだ信号レベルの比例弁制御信号Vs2が制御装置34から出力される。この比例弁制御信号Vs2が比例弁駆動ドライバ82に入力されると、比例弁80の比例弁駆動部84が作動され、比例弁駆動部84によって比例弁80の弁体が移動される。
例えば、記憶装置66から読み込んだ濃度データCdに基づく熱輸送流体18中の微小粒子22の濃度が、固体濃度計測器64から出力された濃度検出信号Csに基づく熱輸送流体18中の微小粒子22の濃度よりも大きい場合には、比例弁80の弁体は、比例弁80の比例弁駆動部84によって閉方向へ移動される。これによって、比例弁80を通る第2流体(熱輸送流体18)が減少され、電磁弁44を通る第2流体(熱輸送流体18)が増加される。このため、循環流路40における第2流路50と第6流路86との接続部88よりも循環流路40の下流側では、熱輸送流体18中の微小粒子22の濃度が高くなる。
これに対して、記憶装置66から読み込んだ濃度データCdに基づく熱輸送流体18中の微小粒子22の濃度が、固体濃度計測器64から出力された濃度検出信号Csに基づく熱輸送流体18中の微小粒子22の濃度よりも小さい場合には、比例弁80の弁体は、比例弁80の比例弁駆動部84によって開方向へ移動される。これによって、比例弁80を通る第2流体(熱輸送流体18)が増加され、電磁弁44を通る第2流体(熱輸送流体18)が減少される。このため、循環流路40における第2流路50と第6流路86との接続部88よりも循環流路40の下流側では、熱輸送流体18中の微小粒子22の濃度が低くなる。
このように、本実施の形態では、循環流路40におけるタンク16と燃料電池スタック14との間を流れる熱輸送流体18の液温Tが予め設定された液温の設定値T1以上T2未満の場合に熱輸送流体18中の微小粒子22の濃度が変化される。
ところで、熱輸送流体18の熱伝達率は、基本的に微小粒子22の濃度が高いほど高くなる。しかしながら、微小粒子22の濃度が一定の高さを越えると、熱輸送流体18の熱伝達率は、それ以上高くなり難くなる(熱輸送流体18の熱伝達率が飽和状態になる)。これに対して、熱輸送流体18が、循環流路40及びラジエータ68を通る際に生じる圧力損失は、微小粒子22の濃度が高いほど大きくなる。
これらのことから、同じ大きさの圧力損失では、熱輸送流体18中の微小粒子22の濃度が所定の高さになると、熱輸送流体18の熱伝達率が最も大きなピーク値を示す。したがって、熱輸送流体18中の微小粒子22の濃度を、熱伝達率が最も大きなピーク値を示す値に設定すると、熱輸送流体18と燃料電池システム12の燃料電池スタック14との間及び熱輸送流体18とラジエータ68を通る走行風との間で効率よく熱交換できる。
しかしながら、熱伝達率がピーク値を示す熱輸送流体18中の微小粒子22の濃度は、熱輸送流体18の液温Tによって異なる(例えば、熱輸送流体18の液温Tが高くなると、熱伝達率がピーク値を示す熱輸送流体18中の微小粒子22の濃度が高くなる)。
ここで、本実施の形態では、循環流路40におけるタンク16と燃料電池スタック14との間を流れる熱輸送流体18の液温Tが予め設定された液温の設定値T1以上T2未満の場合に熱輸送流体18中の微小粒子22の濃度を変えることができる。したがって、制御装置34が記憶装置66から読み込む濃度データCdを、その液温Tで熱伝達率がピーク値を示す熱輸送流体18中の微小粒子22の濃度とすれば、熱輸送流体18で熱伝達率を高くでき、しかも、ポンプ52の出力によって効率よく熱輸送流体18を流動させることができる。
また、本実施の形態では、液温センサ62が循環流路40の第3流路60における燃料電池スタック14よりも上流側に設けられている。このため、燃料電池スタック14及びラジエータ68との間で熱交換される前の熱輸送流体18の温度に基づいて熱輸送流体18の微小粒子22の濃度を調節できる。
なお、本実施の形態は、本熱輸送システム10が作動開始されると、攪拌装置24のモータ30が作動される構成であったが、この攪拌装置24は、攪拌装置24の作動開始から所定時間経過後に停止されてもよいし、本熱輸送システム10が停止されるまで攪拌装置24が作動される構成であってもよい。
また、本実施の形態では、羽26を回転させて熱輸送流体18を攪拌する攪拌装置24を沈殿抑制手段としていた。しかしながら、例えば、タンク16において微小粒子22を含む熱輸送流体18が貯留される部分で、熱輸送流体18又は空気等の噴流等を生じさせて熱輸送流体18中の微小粒子22が沈殿することを抑制してもよい。すなわち、沈殿抑制手段は、タンク16内で熱輸送流体18を動かすことによって熱輸送流体18中での微小粒子22の沈殿を抑制できる構成であれば、その具体的な態様に限定されるものではない。
さらに、本実施の形態は、沈殿抑制手段として攪拌装置24を備える構成だったが、沈殿抑制手段を備えない構成であってもよい。
また、本実施の形態では、循環流路40を構成する第3流路60の燃料電池スタック14よりも上流側を流れる熱輸送流体18の液温Tに基づいて濃度調節手段を構成する電磁弁44及び比例弁80を操作する構成であった。しかしながら、例えば、本熱輸送システム10の作動開始から所定の時間が経過するまでは、比例弁80を最大開放状態とし、微小粒子22を含まない又は微小粒子22の濃度が低い熱輸送流体18を第3流路60の燃料電池スタック14側へ流す構成としてもよい。
上述したように、熱輸送システム10の停止状態では、タンク16内の熱輸送流体18中の微小粒子22がタンク16の底壁部28側に沈殿している。このため、この状態で、電磁弁44を開放すると、電磁弁44を通る熱輸送流体18の微小粒子22の濃度は、熱輸送流体18中に平均的に微小粒子22が分散された状態よりも高くなる可能性がある。したがって、上記のように、本熱輸送システム10の作動開始から所定の時間が経過するまでは、比例弁80が最大開放状態とされ、微小粒子22を含まない又は微小粒子22の濃度が低い熱輸送流体18が循環流路40を流れることによって、過剰な微小粒子22が循環流路40、ラジエータ68に流れることを抑制できる。
また、本実施の形態では、固体濃度計測器64を設けた構成であった。しかしながら、例えば、第3流路60の燃料電池スタック14よりも上流側を流れる熱輸送流体18の微小粒子22の濃度Cと、比例弁80の弁体の弁開度(比例弁80における弁体の位置)との関係を測定等によって予め把握して制御関数として保持しておくことによって固体濃度計測器64を設けない構成にすることもできる。
さらに、本実施の形態では、循環流路40における第1流路42と第2流路50との間に電磁弁44を設け、第5流路76と第6流路86との間に比例弁80を設けた構成であった。しかしながら、例えば、第5流路76と第6流路86との間に電磁弁44を設け、第1流路42と第2流路50との間に比例弁80を設ける構成にしてもよい。また、2つの流入ポートと1つの流出ポートを有する比例三方弁が電磁弁44及び比例弁80に代えて濃度調節手段の調整手段とされ、比例三方弁の2つの流入ポートの一方がタンク16の第1流出ポート36に接続され、他方がタンク16の第2流出ポート78に接続され、流出ポートがポンプ52の吸入ポートへ接続される構成としてもよい。
また、本実施の形態は、フィルタ74が円筒状とされていた。しかしながら、例えば、フィルタ74は、シート状とされて、タンク16の内側がフィルタ74によって第1流出ポート36及び流入ポート72側と、第2流出ポート78側に仕切られる構成であってもよく、また、このようにタンク16の内側がフィルタ74によって仕切られる構成の場合、フィルタ74の厚さ方向は、タンク16の上下方向であってもよいし、タンク上下方向に対して傾斜した方向であってもよい。
さらに、本実施の形態では、第2流体は、微小粒子22を含まない熱輸送流体18(すなわち、ベース流体20だけで構成された熱輸送流体18)であった。しかしながら、第1流体の微小粒子22の濃度が、第2流体よりも充分に低ければ、第1流体が微小粒子22を含む構成であってもよい。
また、本実施の形態では、フィルタ74は、微小粒子22の通過が不能な構成であった。しかしながら、例えば、熱輸送流体18含まれる全微小粒子22のうち、所定の大きさ未満の微小粒子22の量を充分に少なくし、フィルタ74は、この所定の大きさ未満の微小粒子22の通過を許容する構成にしてもよい。
さらに、熱輸送流体18に含まれる微小粒子22は、黒鉛、ダイヤモンド等の炭素系粉末粒子によって形成された構成であった。しかしながら、微小粒子22は、シリカ(二酸化珪素)、アルミナ等の金属酸化物系粉末粒子、窒化アルミニウム等のセラミックス系粉末粒子、銅等の金属系粉末粒子によって形成されてもよい。すなわち、微小粒子22の材質については、本熱輸送システム10の具体的な仕様、例えば、タンク16の容積、ポンプ52の性能、循環流路40の材質や大きさ、燃料電池システム12の燃料電池スタック14での発熱量、ラジエータ68の冷却能力等に基づいて適宜に選択できる。
また、本実施の形態では、微小粒子22の粒径が、100μm以上1000μm以下とされていたが、微小粒子22の粒径に関しても、上述したような本熱輸送システム10の具体的な仕様に基づいて適宜に選択できる。
さらに、上記の各実施の形態では、ベース流体20の全体積に対する微小粒子22の体積の比率は、10%程度とされていた。しかしながら、ベース流体20の全体積に対する微小粒子22の体積の比率は、上述したような本熱輸送システム10の具体的な仕様に基づいて適宜に選択できる。
また、本実施の形態は、熱輸送流体18の微小粒子22の濃度Cを熱輸送流体18の液温Tに基づいて変える構成であった。しかしながら、例えば、車両の走行速度S、車両の外気温、燃料電池システム12の燃料電池スタック14での発電量G、燃料電池スタック14の発熱量Q等に基づいて熱輸送流体18の微小粒子22の濃度Cを変える構成にしてもよく、熱輸送流体18の微小粒子22の濃度Cを決めるための物理量等のパラメータについては特に限定されるものではない。
さらに、本実施の形態では、熱輸送流体18の微小粒子22の濃度を同じ圧力損失で熱輸送流体18の熱伝達率が最も高くなる濃度に設定するために熱輸送流体18の微小粒子22の濃度を変えていた。しかしながら、熱輸送流体18の微小粒子22の濃度を変える目的がこのような目的に限定されるものではなく、熱輸送流体18の微小粒子22の濃度を変えることによって達成できる目的であれば本実施の形態、ひいては、本発明の適用が可能である。
また、上記の実施の形態は、燃料電池システム12の燃料電池スタック14の冷却用として適用される熱輸送システム10であった。しかしながら、例えば、車両等の駆動源として適用されるガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等の冷却用の熱輸送システムに本発明を適用してもよいし、住宅、工場等に設置される燃料電池システムの冷却用として本発明を適用してもよい。すなわち、微小粒子を含んだ熱輸送流体が流路を流れることによって、冷却対象又は加熱対象と熱輸送流体との間で熱が交換される構成の熱輸送システムであれば、具体的な態様に限定されることはない。
10 熱輸送システム
14 燃料電池スタック(熱交換部)
16 タンク
18 熱輸送流体
20 ベース流体
22 微小粒子
24 攪拌装置(沈殿抑制手段)
34 制御装置(制御手段)
40 循環流路(流路)
42 第1流路(流路、第1流体流路)
44 電磁弁(弁装置、調整手段、濃度調節手段)
50 第2流路(流路、第1流体流路)
62 液温センサ(温度検出手段)
64 固体濃度計測器
68 ラジエータ(熱交換部)
74 フィルタ(分離手段、濃度調節手段)
76 第5流路(流路、第2流体流路)
80 比例弁(弁装置、調整手段、濃度調節手段)
86 第6流路(流路、第2流体流路)
88 接続部(第1流体流路と第2流体流路との接続部分)

Claims (8)

  1. ベース流体と共に流動可能な微小粒子が前記ベース流体に混在された熱輸送流体と、
    内側を前記熱輸送流体が流れる流路と、
    前記流路の中間に設けられ、前記熱輸送流体が前記流路を流れることによって前記熱輸送流体との間で熱交換可能な熱交換部と、
    前記流路を流れる前記熱輸送流体の前記微小粒子の濃度を調節可能な濃度調節手段と、
    を備える熱輸送システム。
  2. 前記流路の前記熱交換部よりも上流側を流れる前記熱輸送流体の温度を検出する温度検出手段と、
    前記温度検出手段での前記温度の検出結果に基づいて前記濃度調節手段を操作して前記熱輸送流体の前記微小粒子の濃度を調節する制御手段と、
    を備える請求項1に記載の熱輸送システム。
  3. 前記濃度調節手段は、
    前記流路の前記熱交換部よりも上流側に設けられて前記熱輸送流体を第1流体と前記第1流体よりも前記微小粒子の濃度が低い第2流体とに分離する分離手段と、
    前記流路の前記分離手段よりも前記熱交換部側で前記第1流体と前記第2流体とが合流された際の前記第1流体と前記第2流体との混合比を調整する調整手段と、
    を備える請求項1又は請求項2に記載の熱輸送システム。
  4. 前記流路は、
    前記熱交換部よりも上流側に設けられて前記第1流体のみが流れる第1流体流路と、
    前記熱交換部よりも上流側に設けられて前記第2流体のみが流れる第2流体流路と、
    を備え、
    前記調整手段は、前記流路における前記第1流体流路と前記第2流体流路との接続部分又は前記第1流体流路及び前記第2流体流路の少なくとも一方における前記接続部分よりも上流側に設けられて前記第1流体流路を流れる前記第1流体及び前記第2流体流路を流れる前記第2流体の少なくとも一方の流量を増減させる弁装置とされた請求項3に記載の熱輸送システム。
  5. 前記分離手段は、所定の大きさ以上の粒径の前記微小粒子の通過が不能とされ、一方の側から他方の側へ前記熱輸送流体が流れるフィルタを備え、
    前記熱輸送流体は、所定の大きさ未満の粒径の前記微小粒子よりも所定の大きさ以上の粒径の前記微小粒子が多く含まれる請求項3又は請求項4に記載の熱輸送システム。
  6. 前記フィルタは、前記微小粒子の通過が不能とされる請求項5に記載の熱輸送システム。
  7. 内側に前記フィルタが設けられ、前記流路の前記熱交換部側から流れた前記熱輸送流体が内側における前記フィルタの一方の側に流入されて溜められると共に、内側における前記フィルタの一方の側及び他方の側の各々から個別に前記熱輸送流体を前記流路の前記熱交換部側へ流出可能なタンクを備える請求項5又は請求項6に記載の熱輸送システム。
  8. 前記流路の前記熱交換部側から流れた前記熱輸送流体が内側に溜められると共に、前記熱輸送流体を前記流路の前記熱交換部側へ流出可能なタンクと、
    作動されることによって前記タンクの内側で前記熱輸送流体を動かして前記タンクの内側での前記微小粒子の沈殿を抑制する沈殿抑制手段と、
    を備える請求項1から請求項7の何れか1項に記載の熱輸送システム。
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