実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1に係る給湯装置について説明する。本実施の形態1に係る給湯装置は、冷凍サイクルを利用して水を加熱し、水を加熱することによって得られる湯を貯留するものである。
[給湯装置1の構成]
図1は、本実施の形態1に係る給湯装置1の構成の一例を示す概略図である。図1に示すように、給湯装置1は、ヒートポンプユニット10、貯湯ユニット20およびリモートコントローラ(以下、「リモコン」と称する)40で構成されている。ヒートポンプユニット10および貯湯ユニット20は、出湯配管2および入水配管3で接続されている。
(ヒートポンプユニット10)
ヒートポンプユニット10は、圧縮機11、水熱交換器12、膨張弁13および室外熱交換器14を備えている。そして、圧縮機11、水熱交換器12、膨張弁13および室外熱交換器14が冷媒配管で順次接続されることにより、冷凍サイクルが形成される。冷凍サイクルを流れる冷媒として、例えば、プロパンなどのHC(ハイドロカーボン)またはHFO(ハイドロフルオロオレフィン)等の可燃性冷媒が用いられる。
圧縮機11は、低温低圧の冷媒を吸入し、吸入した冷媒を圧縮し、高温高圧の冷媒を吐出する。圧縮機11は、例えば、運転周波数を変化させることにより、単位時間あたりの送出量である容量が制御されるインバータ圧縮機等からなる。圧縮機11の運転周波数は、加熱能力が設定値となるように、後述するヒートポンプコントローラ5によって制御される。
水熱交換器12は、冷媒側流路に接続された冷媒回路を流れる冷媒と、水側流路に接続された水回路を流れる水との間で熱交換を行う。水熱交換器12は、冷媒の熱を水に放熱して冷媒を凝縮させる凝縮器として機能する。
膨張弁13は、冷媒を膨張させる。膨張弁13は、例えば、電子式膨張弁等の開度の制御が可能な弁で構成される。膨張弁13の開度は、貯湯運転時において、圧縮機11の吸入側の過熱度が予め設定された過熱度となるように、あるいは、圧縮機11から吐出される冷媒の吐出温度が予め設定された温度となるように、ヒートポンプコントローラ5によって制御される。室外熱交換器14は、図示しない送風機等によって供給される室外空気と冷媒との間で熱交換を行う。室外熱交換器14は、冷媒を蒸発させ、その際の気化熱により室外空気を冷却する蒸発器として機能する。
また、ヒートポンプユニット10は、入水温度センサ15、出湯温度センサ16および外気温度センサ17を備えている。入水温度センサ15は、水熱交換器12の水側流路に流入する水の温度を検知する。出湯温度センサ16は、水熱交換器12の水側流路から流出する水の温度を検知する。外気温度センサ17は、ヒートポンプユニット10の外気の温度を検知する。
さらに、ヒートポンプユニット10は、ヒートポンプコントローラ5を備えている。ヒートポンプコントローラ5は、ヒートポンプユニット10に設けられた各部を制御する。特に、本実施の形態1において、ヒートポンプコントローラ5は、圧縮機11の運転周波数および膨張弁13の開度等を制御する。また、ヒートポンプコントローラ5は、ヒートポンプユニット10におけるヒートポンプの運転状態を把握する。
図2は、図1のヒートポンプコントローラ5の構成の一例を示す機能ブロック図である。図2に示すように、ヒートポンプコントローラ5は、外気温度取得部51、温度比較部52、時間比較部53、機器制御部54、通信部55、タイマ56および記憶部57を備えている。
外気温度取得部51は、外気温度センサ17で検知された外気温度を取得する。温度比較部52は、外気温度取得部51で取得した外気温度と、記憶部57に予め記憶された凍結温度とを比較し、水熱交換器12が凍結する状態にあるか否かを判断する。凍結温度は、水熱交換器12が凍結する可能性のある温度を示す。
時間比較部53は、タイマ56によりカウントされた凍結温度継続時間と記憶部57に予め記憶された設定時間とを比較し、水熱交換器12が凍結する可能性があるか否かを判断する。機器制御部54は、時間比較部53の判断結果に基づき、給湯装置1の運転を決定する。また、機器制御部54は、通信部55を介して後述する貯湯ユニットコントローラ6から受信した指令に応じて、圧縮機11の運転周波数および膨張弁13の開度を制御する。
通信部55は、貯湯ユニットコントローラ6と接続され、貯湯ユニットコントローラ6との間で情報の送受信を行う。タイマ56は、外気温度が凍結温度よりも低い状態が継続される時間を示す凍結温度継続時間のカウントを行う。
記憶部57は、ヒートポンプコントローラ5の各部で用いられる各種の値を予め記憶している。具体的には、記憶部57は、温度比較部52で用いられる凍結温度、時間比較部53で用いられる設定時間等を予め記憶する。
(貯湯ユニット20)
図1の貯湯ユニット20は、貯湯タンク21、三方弁22、送水ポンプ23、四方弁24、膨張水切換弁25、圧力逃がし弁26、排気ファン27、一般給湯混合弁28、風呂給湯混合弁29、湯張り開閉弁30、風呂熱交換器31、および浴槽循環ポンプ32を備えている。貯湯タンク21、三方弁22、送水ポンプ23、ヒートポンプユニット10の水熱交換器12および四方弁24が配管で接続されることにより、水回路が形成される。
貯湯ユニット20には、外部から水が供給される給水端20aと、外部に湯を供給する給湯端20bと、ユニット内の空気を外部に排出する排気口20cとが設けられている。また、貯湯ユニット20には、浴槽4が接続されている。
貯湯タンク21は、給水端20aを介して供給される水および水熱交換器12で加熱された湯を貯留する。貯湯タンク21の下部には、給水口21a、下部流出口21bおよび下部流入出口21cが設けられている。貯湯タンク21の上部には、上部流入出口21dおよび上部流出口21eが設けられている。
給水口21aは、給水配管を介して給水端20aに接続されている。下部流出口21bは、三方弁22の第1の流入口22aに接続されている。下部流入出口21cは、タンク下部戻り配管を介して四方弁24の第1の流出口24cおよび膨張水切換弁25の第2の流入口25bのそれぞれに接続されている。
上部流入出口21dは、送湯配管を介して四方弁24の第2の流出口24dおよび膨張水切換弁25の第1の流入口25aに接続されている。また、上部流入出口21dは、給湯配管を介して一般給湯混合弁28の第1の流入口28aおよび風呂給湯混合弁29の第1の流入口29aに接続されている。上部流出口21eは、温水導入配管を介して風呂熱交換器31における温水側流路の流入側に接続されている。
貯湯タンク21の内部には、上部から下部に向かって高温域から低温域となる温度の層が形成される。すなわち、貯湯タンク21に貯留される湯は、上部から下部に向かうに従って温度が低くなっている。
三方弁22は、第1の流入口22a、第2の流入口22bおよび流出口22cを有している。三方弁22は、第1の流入口22aまたは第2の流入口22bに流入する水または湯を、流出口22cから流出させる。三方弁22は、貯湯ユニットコントローラ6によって制御される。
第1の流入口22aは、貯湯タンク21の下部流出口21bに接続されている。第2の流入口22bは、温水導出配管を介して風呂熱交換器31における温水側流路の流出側に接続されている。流出口22cは、送水ポンプ23の吸入側に接続されている。
送水ポンプ23は、図示しないモータによって駆動され、三方弁22の流出口22cから流出した水または湯を送出し、水熱交換器12の水側流路に供給する。送水ポンプ23の回転数は、水熱交換器12から流出する湯の温度が目標貯湯温度となるように、貯湯ユニットコントローラ6によって制御される。
四方弁24は、第1の流入口24a、第2の流入口24b、第1の流出口24cおよび第2の流出口24dを有している。四方弁24は、第1の流入口24aまたは第2の流入口24bに流入する水または湯を、第1の流出口24cまたは第2の流出口24dから流出させる。四方弁24は、貯湯ユニットコントローラ6によって制御される。
第1の流入口24aは、出湯配管2を介して水熱交換器12における水側流路の流出側に接続されている。第2の流入口24bは、送水ポンプ23の吐出側に接続されている。第1の流出口24cは、タンク下部戻り配管を介して貯湯タンク21の下部流入出口21cに接続されている。第2の流出口24dは、送湯配管を介して貯湯タンク21の上部流入出口21dおよび膨張水切換弁25の第1の流入口25aに接続されている。
膨張水切換弁25は、例えば三方弁であり、第1の流入口25a、第2の流入口25bおよび流出口25cを有している。膨張水切換弁25は、貯湯ユニットコントローラ6によって制御される。第1の流入口25aは、送湯配管を介して上部流入出口21dに接続されている。第2の流入口25bは、タンク下部戻り配管を介して貯湯タンク21の下部流入出口21cに接続されている。流出口25cは、圧力逃がし弁26に接続されている。すなわち、第1の流入口24aには、貯湯タンク21に貯留されている高温の湯が流入する。第2の流入口24bには、貯湯タンク21に貯留されている低温の水が流入する。
圧力逃がし弁26は、開閉弁であり、低温の水を高温の湯に加熱することによって体積膨張が生じ、貯湯タンク21内の圧力が設定圧力以上となった場合に、体積膨張分した分の水を外部に排出する。圧力逃がし弁26の開閉は、貯湯ユニットコントローラ6によって制御される。
排気ファン27は、図示しないモータによって駆動され、貯湯ユニット20内の空気を、排気口20cを介して外部に排出する。特に、本実施の形態1において、排気ファン27は、水回路中に混入した冷媒が圧力逃がし弁26を介して排出された際に、冷媒が貯湯ユニット20内に充満しないように、冷媒を排気口20cから外部へ排出する。排気ファン27の駆動は、貯湯ユニットコントローラ6によって制御される。
一般給湯混合弁28は、例えば三方弁であり、第1の流入口28a、第2の流入口28bおよび流出口28cを有している。一般給湯混合弁28は、第1の流入口28aに流入する高温の湯と、第2の流入口28bに流入する水を混合し、流出口28cから流出させる。一般給湯混合弁28は、貯湯ユニットコントローラ6によって制御される。第1の流入口28aは、給湯配管を介して上部流入出口21dに接続されている。第2の流入口28bは、給水端20aに接続されている。流出口28cは、給湯端20bに接続されている。
風呂給湯混合弁29は、例えば三方弁であり、第1の流入口29a、第2の流入口29bおよび流出口29cを有している。風呂給湯混合弁29は、第1の流入口29aに流入する高温の湯と、第2の流入口29bに流入する水を混合し、流出口28cから流出させる。風呂給湯混合弁29は、貯湯ユニットコントローラ6によって制御される。第1の流入口29aは、給湯配管を介して上部流入出口21dに接続されている。第2の流入口29bは、給水端20aに接続されている。流出口29cは、湯張り開閉弁30に接続されている。
湯張り開閉弁30は、浴槽4に湯張りする際の流路を開閉するために設けられている。湯張り開閉弁30は、貯湯ユニットコントローラ6によって制御される。湯張り開閉弁30の流入側は、風呂給湯混合弁29の流出口29cに接続されている。湯張り開閉弁30の流出側は、浴槽4および風呂熱交換器31における風呂側流路の流出側に接続されている。
風呂熱交換器31は、温水側流路に接続された温水導入配管から流入する温水と、風呂側流路に接続された浴槽戻り配管から流入する風呂水との間で熱交換を行う。温水側流路の流入側には、温水導入配管を介して貯湯タンク21の上部流出口21eが接続されている。温水側流路の流出側には、温水導出配管を介して三方弁22の第2の流入口22bが接続されている。風呂側流路の流入側には、浴槽戻り配管を介して浴槽循環ポンプ32が接続されている。風呂側流路の流出側には、浴槽往き配管を介して浴槽4が接続されている。
浴槽循環ポンプ32は、図示しないモータによって駆動され、浴槽戻り配管を介して浴槽4から流出した風呂水を送出し、風呂熱交換器31の風呂側流路に供給する。浴槽循環ポンプ32の駆動は、貯湯ユニットコントローラ6によって制御される。
また、貯湯ユニット20は、貯湯温度センサ33、冷媒センサ34、浴槽往き温度センサ35および浴槽温度センサ36を備えている。貯湯温度センサ33は、貯湯タンク21の表面の高さ方向に複数設置された温度センサで構成されている。それぞれの貯湯温度センサ33は、設置された高さに存在する、貯湯タンク21内に貯留された水または湯の温度を検知する。
冷媒センサ34は、圧力逃がし弁26の近傍に設けられ、圧力逃がし弁26から排出された水に混入する冷媒を検知する。浴槽往き温度センサ35は、浴槽往き配管に設けられ、浴槽4に流入する風呂水の温度を検知する。浴槽温度センサ36は、浴槽戻り配管に設けられ、浴槽4から流出し、風呂熱交換器31に流入する風呂水の温度を検知する。
さらに、貯湯ユニット20は、貯湯ユニットコントローラ6を備えている。貯湯ユニットコントローラ6は、貯湯ユニット20に設けられた各部を制御する。特に、本実施の形態1において、貯湯ユニットコントローラ6は、貯湯温度センサ33および冷媒センサ34による検知結果に基づき、三方弁22、送水ポンプ23、四方弁24および膨張水切換弁25を制御する。
図3は、図1の貯湯ユニットコントローラ6の構成の一例を示す機能ブロック図である。図3に示すように、貯湯ユニットコントローラ6は、情報取得部61、比較演算部62、機器制御部63、通信部64、タイマ65および記憶部66を備えている。
情報取得部61は、貯湯温度センサ33および冷媒センサ34等の各種センサで検知された情報を取得する。例えば、情報取得部61は、貯湯温度センサ33で検知された貯湯タンク21のそれぞれの位置におけるタンク温度を取得する。また、情報取得部61は、冷媒センサ34で検知された冷媒漏洩を示す情報を取得する。
比較演算部62は、情報取得部61で取得された各種の情報と、それぞれの情報に対応して記憶部66に記憶された情報とを比較する処理と、比較結果に応じて判断する処理とを行う。また、比較演算部62は、貯湯温度センサ33で検知されたタンク温度に基づき、貯湯タンク21の貯油量を算出するといった演算処理を行う。
機器制御部63は、比較演算部62での判断結果に応じて、三方弁22、送水ポンプ23、四方弁24、膨張水切換弁25、圧力逃がし弁26および排気ファン27を制御する。タイマ65は、機器制御部63の制御によって起動される送水ポンプ23の運転時間をカウントする。
通信部64は、ヒートポンプコントローラ5およびリモコン40と接続され、ヒートポンプコントローラ5およびリモコン40との間で情報の送受信を行う。本実施の形態1において、通信部64は、ヒートポンプの起動または停止を行うための指令をヒートポンプコントローラ5に送信する。また、通信部64は、冷媒漏洩を示す情報をリモコン40に送信する。
記憶部66は、貯湯ユニットコントローラ6の各部で用いられる各種の値を予め記憶している。具体的には、記憶部66は、比較演算部62で用いられる沸き上げ閾値、最低温度および冷媒検知時間等を記憶する。沸き上げ閾値は、貯湯タンク21に貯留される湯の最低貯湯量を示す。冷媒検知時間は、水熱交換器12を循環する水に漏洩した冷媒が混入した場合に、水熱交換器12で冷媒が混入してから冷媒センサ34で検知されるまでの時間を考慮して設定される時間を示す。
(リモコン40)
リモコン40は、ユーザにより操作され、給湯装置1の運転および給湯設定温度等の設定を行う。リモコン40は、通信を行う通信手段を備え、設定された各種の情報等の送受信を貯湯ユニットコントローラ6との間で行う。また、リモコン40は、表示装置または音声出力装置等の報知手段を備え、報知手段を用いて給湯設定温度等の各種の情報をユーザに対して報知することができる。
[給湯装置1の動作]
次に、上記構成を有する給湯装置1の動作について、図1を参照しながら説明する。本実施の形態1に係る給湯装置1では、貯湯運転、凍結検知運転、および凍結検知貯湯運転が行われる。
(貯湯運転)
給湯装置1による貯湯運転について、図1を参照しながら説明する。貯湯運転は、ヒートポンプによって低温の水を高温に沸き上げ、沸き上げられた湯を貯湯タンク21に貯留する運転である。
貯湯運転において、リモコン40は、ユーザの操作等により設定された給湯設定温度に応じて、貯湯タンク21の貯湯温度を決定する。貯湯温度は、例えば65℃とされる。リモコン40は、設定された給湯設定温度に基づき決定された貯湯温度を、貯湯ユニットコントローラ6に送信する。
貯湯ユニットコントローラ6の通信部64は、リモコン40から貯湯温度を受信すると、受信した貯湯温度を目標貯湯温度として記憶部66に記憶する。そして、機器制御部63は、出湯温度センサ16によって検知される水熱交換器12の出湯温度が目標貯湯温度となるように、送水ポンプ23の回転数を制御する。
また、比較演算部62は、貯湯タンク21の貯湯量が予め設定された沸き上げ閾値を下回った場合に、貯湯運転を開始する。このとき、貯湯ユニットコントローラ6は、ヒートポンプコントローラ5に対して貯湯温度である目標沸き上げ温度を指令する。
貯湯運転が開始された場合、ヒートポンプユニット10では、低温低圧の冷媒が圧縮機11によって圧縮され、高温高圧のガス冷媒となって吐出される。圧縮機11から吐出された高温高圧のガス冷媒は、水熱交換器12に流入し、水回路を流れる水と熱交換して放熱しながら凝縮し、高圧の液冷媒となって水熱交換器12から流出する。
水熱交換器12から流出した高圧の液冷媒は、膨張弁13によって減圧されて低温低圧の気液二相冷媒となる。低温低圧の気液二相冷媒は、室外熱交換器14に流入し、図示しない送風機によって取り込まれた室外空気と熱交換して吸熱および蒸発し、低圧のガス冷媒となって圧縮機11へ吸入される。
このとき、ヒートポンプコントローラ5は、加熱能力が予め設定された設定能力値となるように、圧縮機11の運転周波数を制御する。また、ヒートポンプコントローラ5は、圧縮機11に吸入側における冷媒の過熱度が予め設定された設定過熱度となるように、もしくは、圧縮機11の吐出温度が予め設定された設定温度となるように、膨張弁13の開度を制御する。
一方、貯湯ユニット20において、機器制御部63は、三方弁22の第1の流入口22aと流出口22cとが連通するように、三方弁22を制御する。また、機器制御部63は、四方弁24の第1の流入口24aと第1の流出口24cとが連通するように、四方弁24を制御する。
貯湯タンク21の下部に存在する低温の水は、三方弁22に流入し、第1の流入口22aおよび流出口22cを介して送水ポンプ23の吸入側に吸入される。送水ポンプ23に吸入された水は、加圧されて送水され、入水配管3を介して水熱交換器12に流入する。
水熱交換器12に流入した水は、冷媒側流路を流れる冷媒と熱交換して湯となり、水熱交換器12から流出する。水熱交換器12から流出した湯は、出湯配管2を介して四方弁24に流入し、第1の流入口24aおよび第1の流出口24cを介して貯湯タンク21の上部に流入する。
なお、貯湯運転の際には、水が加熱されることによって体積膨張し、貯湯タンク21内の圧力が上昇する。そのため、機器制御部63は、外部に湯を排出するように、圧力逃がし弁26を制御する。
このようにして、貯湯運転は、貯湯タンク21の貯湯量が予め設定された目標貯湯量に達するまで継続される。このときの目標貯湯量は、例えば、現在から予め設定された設定時間までに予測される給湯負荷と、現在の貯湯タンク21の貯湯量との差から算出される。給湯負荷は、例えば、過去数日間の給湯負荷を学習することによって決定されるとよい。
貯湯タンク21の貯湯量が目標貯湯量に達すると、貯湯ユニットコントローラ6は、貯湯運転を停止する。
(凍結検知運転)
給湯装置1による凍結検知運転について説明する。外気温度が低い状態でヒートポンプが停止している場合には、水熱交換器12が凍結し、水熱交換器12の冷媒側流路と水側流路との間の隔壁が破損する可能性がある。水熱交換器12の隔壁が破損した場合、冷媒側流路を流れる冷媒が水側流路に漏洩し、漏洩した冷媒が水回路を流れる水に混入する。そのため、給湯時に冷媒が外部に放出される可能性がある。
そこで、本実施の形態1では、水熱交換器12の凍結を検知した場合に、解凍するとともに、凍結によって水回路側に冷媒が漏洩したか否かを検知する凍結検知運転を行う。凍結検知運転では、水熱交換器12が凍結したか否かを判断する凍結検知処理と、水熱交換器12の凍結が検知された場合に、解凍するとともに冷媒の漏洩を検知する漏洩検知処理とが行われる。
まず、凍結検知運転に移行するか否かを判断する凍結検知処理について説明する。図4は、本実施の形態1に係る給湯装置1による凍結検知処理の流れの一例を示すフローチャートである。凍結検知処理は、ヒートポンプが停止しているときに継続して行われる。
ステップS1において、ヒートポンプコントローラ5の外気温度取得部51は、外気温度センサ17で検知された外気温度を取得する。ステップS2において、温度比較部52は、取得した外気温度と、記憶部57に予め記憶された凍結温度とを比較する。凍結温度は、水熱交換器12が凍結する可能性のある温度であり、例えば2℃に設定されている。
比較の結果、外気温度が凍結温度よりも低い場合(ステップS2;Yes)、タイマ56は、ステップS3において、外気温度が凍結温度よりも低い状態が継続される時間を示す凍結温度継続時間のカウントを開始する。一方、外気温度が凍結温度以上である場合(ステップS2;No)には、処理がステップS1に戻る。
ステップS4において、時間比較部53は、タイマ56によりカウントされた凍結温度継続時間と記憶部57に予め記憶された設定時間とを比較する。比較の結果、凍結温度継続時間が設定時間よりも長い場合(ステップS4;Yes)、貯湯ユニットコントローラ6は、ステップS5において、漏洩検知処理を行う。一方、凍結温度継続時間が設定時間以下である場合(ステップS4;No)には、処理がステップS1に戻る。
なお、この例において、ヒートポンプコントローラ5は、外気温度センサ17を用いて外気温を検知し、検知結果に基づいて水熱交換器12の凍結を判断しているが、これはこの例に限られない。例えば、ヒートポンプコントローラ5は、入水温度センサ15または出湯温度センサ16で検知される温度に基づき外気温を推定し、推定された外気温に基づいて水熱交換器12の凍結を判断してもよい。
次に漏洩検知処理について説明する。図5は、本実施の形態1に係る給湯装置1による漏洩検知処理の流れの一例を示すフローチャートである。
ステップS11において、機器制御部63は、膨張水が貯湯タンク21の高温側から排出されるようにするため、膨張水切換弁25の第1の流入口25aと流出口25cとを連通させる。ステップS12において、機器制御部63は、送水ポンプ23が貯湯タンク21の下部から水を吸入するようにするため、三方弁22の第1の流入口22aと流出口22cとを連通させる。
ステップS13において、比較演算部62は、貯湯温度センサ33で検知され、情報取得部61で取得された貯湯タンク21下部のタンク下部温度と、記憶部66に予め記憶された最低温度とを比較する。タンク下部温度は、貯湯タンク21の高さ方向に複数設けられた貯湯温度センサ33のうち、最も低い位置に設置されたセンサによって検知される温度である。
比較の結果、タンク下部温度が最低温度よりも低い場合(ステップS13;Yes)、機器制御部63は、ステップS14において、出湯配管2を流れる水が貯湯タンク21の上部に流入するように、四方弁24を制御する。すなわち、機器制御部63は、四方弁24の第1の流入口24aと第2の流出口24dとを連通させる。ステップS15において、通信部64は、ヒートポンプを起動するための指令をヒートポンプコントローラ5に対して送信し、これによってヒートポンプコントローラ5は、ヒートポンプを起動する。
一方、タンク下部温度が最低温度以上である場合(ステップS13;No)、機器制御部63は、ステップS16において、出湯配管2を流れる水が貯湯タンク21の下部に流入するように、四方弁24を制御する。すなわち、機器制御部63は、四方弁24の第1の流入口24aと第1の流出口24cとを連通させる。
ステップS17において、機器制御部63は、送水ポンプ23を起動させ、水熱交換器12へ送水する。このように、貯湯タンク21から流出する水の温度が低い場合には、ヒートポンプを起動させることによって流れる冷媒の熱により、凍結が検知された水熱交換器12が解凍される。また、貯湯タンク21から流出する水の温度が高い場合には、水の熱によって水熱交換器12が解凍される。
ステップS18において、比較演算部62は、タイマ65でカウントされた送水ポンプ23の運転時間と、記憶部66に予め記憶された冷媒検知時間とを比較する。冷媒検知時間は、水熱交換器12を循環する水に漏洩した冷媒が混入した場合に、水熱交換器12で冷媒が混入してから冷媒センサ34で検知されるまでの時間を考慮して設定されるものであり、例えば5分程度に設定される。
比較の結果、送水ポンプ23の運転時間が冷媒検知時間を超えた場合(ステップS18;Yes)には、処理がステップS19に移行する。一方、送水ポンプ23の運転時間が冷媒検知時間以下である場合(ステップS18;No)には、処理がステップS18に戻り、送水ポンプ23の運転時間が冷媒検知時間を超えるまで、ステップS18の処理が繰り返される。
なお、冷媒検知時間は、例えば出湯配管2の長さを考慮して設定されてもよい。具体的には、冷媒検知時間は、水熱交換器12から流出する水が水熱交換器12における水側流路の出口から貯湯タンク21の上部流入出口21dに到達するまでの時間に設定される。また、例えば、冷媒検知時間は、リモコン40等によって設定されるようにしてもよい。
ステップS19において、比較演算部62は、冷媒センサ34で冷媒が検知されたか否かを判断する。冷媒センサ34で冷媒が検知されない場合(ステップS19;No)、比較演算部62は、冷媒が漏洩していないと判断する。そして、機器制御部63は、ステップS20において、膨張水が貯湯タンク21の低温側から排出されるようにするため、膨張水切換弁25の第2の流入口25bと流出口25cとを連通させる。
ステップS21において、比較演算部62は、タイマ65でカウントされた送水ポンプ23の運転時間と、記憶部66に予め記憶された設定時間とを比較する。設定時間は、例えば5分程度に設定される。
比較の結果、送水ポンプ23の運転時間が設定時間を超えた場合(ステップS21;Yes)には、処理がステップS22に移行する。一方、送水ポンプ23の運転時間が設定時間以下である場合(ステップS21;No)には、処理がステップS21に戻り、送水ポンプ23の運転時間が設定時間を超えるまで、ステップS21の処理が繰り返される。
ステップS22において、比較演算部62は、ヒートポンプコントローラ5から受け取るヒートポンプの運転状態を示す情報に基づき、ヒートポンプが運転中であるか否かを判断する。ヒートポンプが運転中である場合(ステップS22;Yes)、通信部64は、ヒートポンプを停止する指令をヒートポンプコントローラ5に送信する。これにより、ステップS23において、ヒートポンプコントローラ5は、ヒートポンプを停止させる。また、ヒートポンプが運転中でない場合(ステップS22;No)には、処理がステップS24に移行する。
ステップS24において、機器制御部63は、送水ポンプ23を停止させ、凍結検知運転を終了する。
一方、ステップS19において、冷媒センサ34で冷媒が検知された場合(ステップS19;Yes)、比較演算部62は、冷媒が漏洩していると判断する。そして、比較演算部62は、ステップS25において、ヒートポンプコントローラ5から受け取るヒートポンプの運転状態を示す情報に基づき、ヒートポンプが運転中であるか否かを判断する。
ヒートポンプが運転中である場合(ステップS25;Yes)、機器制御部63は、漏洩した冷媒が水回路中の水へ混入するのを防ぐため、ヒートポンプを停止する指令をヒートポンプコントローラ5に送信する。これにより、ステップS26において、ヒートポンプコントローラ5は、ヒートポンプを停止させる。また、ヒートポンプが運転中でない場合(ステップS25;No)には、処理がステップS27に移行する。
ステップS27において、通信部64は、冷媒が漏洩していることを示す情報をリモコン40に送信する。これにより、リモコン40は、報知手段を用いて冷媒の漏洩を報知する。ステップS28において、機器制御部63は、圧力逃がし弁26から排出される水に混入した冷媒が貯湯ユニット20に滞留するのを防ぐため、排気ファン27を運転させる。
なお、上述の処理では、ステップS21において、送水ポンプ23の運転時間が設定時間を超えた場合に、ステップS22以降の処理が行われるが、これはこの例に限られない。例えば、ステップS21において、出湯温度センサ16または入水温度センサ15によって検知される温度が設定温度以上となった場合に、ステップS22以降の処理が行われてもよい。
ここで、水熱交換器12の凍結によって冷媒が水回路中の水に混入した場合について考える。水熱交換器12から流出して出湯配管2を流れる水が下部流入出口21cを介して貯湯タンク21の下部に戻ると、水に混入したガス状の冷媒は、貯湯タンク21の上部に溜まる。そして、本実施の形態1では、ステップS11において、膨張水切換弁25の第1の流入口25aと流出口25cとが連通しているため、貯湯タンク21の上部に溜まった冷媒ガスは、膨張水切換弁25を介して圧力逃がし弁26から排出される。
一方、水熱交換器12から流出して出湯配管2を流れる水が貯湯タンク21の上部に戻ると、冷媒ガスは、送湯配管および膨張水切換弁25を介して圧力逃がし弁26から排出される。あるいは、冷媒ガスは、上部流入出口21dを介して貯湯タンク21の上部に一旦溜まり、その後、上部流入出口21dから流出し、膨張水切換弁25を介して圧力逃がし弁26から排出される。
このように、冷媒が混入した水が貯湯タンク21のいずれの位置に戻っても、膨張水切換弁25における第1の流入口25aと流出口25cとが連通している。そのため、貯湯タンク21に溜まった冷媒ガスが圧力逃がし弁26から排出されるので、冷媒の漏洩を冷媒センサ34で検知することができる。
なお、膨張水切換弁25の第1の流入口25aと流出口25cとが常に連通した状態である場合には、例えば、ヒートポンプユニット10側の水回路中に溜まった空気が圧力逃がし弁26から抜ける際に、高温の湯が一緒に排出される。すなわち、ヒートポンプを運転させた際に、水が体積膨張することによって高温の湯が圧力逃がし弁26から排出されるため、エネルギーのロスが発生する。
一方、本実施の形態1では、冷媒漏洩の検知が終了し、水熱交換器12の凍結を防止するために水回路に水を循環させる場合、膨張水切換弁25の第2の流入口25bと流出口25cとが連通するように制御される。これにより、ヒートポンプを運転させて水が体積膨張した際に、低温の水が圧力逃がし弁26から排出されるため、エネルギーのロスを抑制することができる。
また、凍結検知運転を実施している場合、ヒートポンプコントローラ5は、例えば、圧縮機11を最低の運転周波数で運転させ、消費電力が必要以上に増大しないようにするとよい。送水ポンプ23についても、消費電力の観点から水流量を抑制するとよいが、このとき水流量が小さいと、水熱交換器12および出湯配管2などの水側配管に溜まったガスを抜くことができない。そのため、貯湯ユニットコントローラ6は、水配管に溜まったガスを抜くことができる程度の流速となるように、送水ポンプ23の回転数を設定するとよい。
(凍結検知貯湯運転)
給湯装置1による凍結検知貯湯運転について説明する。凍結検知貯湯運転は、前回の貯湯運転が完了した後から今回の貯湯運転が開始されるまでの間に、水熱交換器12の凍結の可能性がある場合に実施される運転である。凍結検知貯湯運転は、凍結検知処理によって水熱交換器12の凍結が検知された場合に、貯湯運転の開始時に水熱交換器12を解凍しながら貯湯タンク21に貯湯する解凍貯湯処理を行う。凍結の可能性は、例えば外気温度が凍結温度未満となった場合とする。
図6は、本実施の形態1に係る給湯装置1による解凍貯湯処理の流れの一例を示すフローチャートである。
ステップS31において、機器制御部63は、膨張水が貯湯タンク21の高温側から排出されるようにするため、膨張水切換弁25の第1の流入口25aと流出口25cとを連通させる。ステップS32において、機器制御部63は、送水ポンプ23が貯湯タンク21の下部から水を吸入するようにするため、三方弁22の第1の流入口22aと流出口22cとを連通させる。
ステップS33において、機器制御部63は、出湯配管2を流れる水が貯湯タンク21の上部に流入するように、四方弁24を制御する。すなわち、機器制御部63は、四方弁24の第1の流入口24aと第2の流出口24dとを連通させる。ステップS34において、通信部64は、ヒートポンプを起動するための指令をヒートポンプコントローラ5に対して送信し、これによってヒートポンプコントローラ5は、ヒートポンプを起動する。
ステップS35において、機器制御部63は、送水ポンプ23を起動させ、水熱交換器12へ送水する。これにより、凍結が検知された水熱交換器12が冷媒の熱によって解凍される。また、ヒートポンプによって水が加熱され、加熱によって得られる湯が貯湯タンク21に貯留される。
次に、ステップS36において、比較演算部62は、タイマ65でカウントされた送水ポンプ23の運転時間と、記憶部66に記憶された冷媒検知時間とを比較する。比較の結果、送水ポンプ23の運転時間が冷媒検知時間を超えた場合(ステップS36;Yes)には、処理がステップS37に移行する。一方、送水ポンプ23の運転時間が冷媒検知時間以下である場合(ステップS36;No)には、処理がステップS36に戻り、送水ポンプ23の運転時間が冷媒検知時間を超えるまで、ステップS36の処理が繰り返される。
ステップS37において、機器制御部63は、膨張水が貯湯タンク21の低温側から排出されるようにするため、膨張水切換弁25の第2の流入口25bと流出口25cとを連通させる。そして、ステップS38において、通常の貯湯運転が継続される。
なお、外気温度が高い場合、機器制御部63は、貯湯運転を開始する時点で膨張水切換弁25の第2の流入口25bと流出口25cとを連通させる。すなわち、ステップS31、ステップS36およびステップS37の処理は行われない。
以上のように、本実施の形態1に係る給湯装置1では、水熱交換器12の凍結が検知された場合に、貯湯タンク21の上部と圧力逃がし弁26とが接続されることにより、貯湯タンク21の上部から冷媒が排出される。これにより、貯湯タンク21の上部に溜まった冷媒を確実に排出することができる。
また、給湯装置1では、冷媒センサ34によって冷媒の漏洩が検知されなかった場合に、貯湯タンク21の下部と圧力逃がし弁26とが接続される。これにより、貯湯タンク21に貯留された水または湯のうち、温度がより低い水が圧力逃がし弁26から排出され、高温の湯が排出されないため、省エネルギー性を向上させることができる。
さらに、給湯装置1では、冷媒センサ34によって冷媒の漏洩が検知された場合に、排気ファン27を運転させる。そのため、圧力逃がし弁26から排出された冷媒を確実に外部に排出することができる。さらにまた、給湯装置1では、冷媒センサ34によって冷媒の漏洩が検知された場合に、リモコン40の報知手段によって冷媒漏洩が報知される。そのため、冷媒が漏洩していることをユーザに知らせることができる。
なお、本実施の形態1では、図1に示すように、膨張水切換弁25の第1の流入口25aが給湯配管に接続されているが、これはこの例に限られない。図7は、本実施の形態1に係る貯湯ユニット20の構成の他の例を示す概略図である。図7に示すように、膨張水切換弁25の第1の流入口25aは、貯湯タンク21の上部に直接接続されてもよい。すなわち、圧力逃がし弁26が貯湯タンク21の上部と直接接続されてもよい。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態2は、逆サイクル除霜を行うヒートポンプユニットを用いる点で、実施の形態1と相違する。
[ヒートポンプユニット110の構成]
図8は、本実施の形態2に係るヒートポンプユニット110の構成の一例を示す概略図である。なお、実施の形態1と共通する部分については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。図8に示すように、ヒートポンプユニット110は、圧縮機11、冷媒流路切替装置18、水熱交換器12、膨張弁13および室外熱交換器14を備えている。
冷媒流路切替装置18は、例えば四方弁であり、冷媒の流れる方向を切り替えることにより、冷房運転および暖房運転の切り替えを行う。冷媒流路切替装置18は、貯湯運転時に、図8の実線で示す状態に切り替わる。また、冷媒流路切替装置18は、除霜運転時に、図8の点線で示す状態に切り替わる。冷媒流路切替装置18における流路の切替は、ヒートポンプコントローラ5によって制御される。
水熱交換器12は、貯湯運転時には、実施の形態1と同様に凝縮器として機能し、除霜運転時には、冷媒を蒸発させ、その際の気化熱により水側流路を流れる水を冷却する蒸発器として機能する。また、室外熱交換器14は、除霜運転の際に、冷媒の熱を室外空気に放熱して冷媒を凝縮させる凝縮器として機能する。
さらに、ヒートポンプユニット110は、入水温度センサ15、出湯温度センサ16および冷媒温度センサ19を備えている。冷媒温度センサ19は、貯湯運転時において、圧縮機11の冷媒吐出温度を検知する。また、冷媒温度センサ19は、除霜運転時において、水熱交換器12の蒸発温度を検知する。
[ヒートポンプユニット110の動作]
(貯湯運転)
上記構成を有するヒートポンプユニット110の動作について説明する。貯湯運転の際には、冷媒流路切替装置18が図8の実線で示す状態に切り替えられる。これにより、圧縮機11の吐出側と水熱交換器12の冷媒側流路とが接続される。また、圧縮機11の吸入側と室外熱交換器14とが接続される。なお、図8において、冷媒の流れる方向が矢印で示されている。
低温低圧の冷媒が圧縮機11によって圧縮され、高温高圧のガス冷媒となって吐出される。圧縮機11から吐出された高温高圧のガス冷媒は、冷媒流路切替装置18を介して水熱交換器12に流入する。水熱交換器12に流入した高温高圧のガス冷媒は、水側流路を流れる水と熱交換して放熱しながら凝縮し、高圧の液冷媒となって水熱交換器12から流出する。
水熱交換器12から流出した高圧の液冷媒は、膨張弁13によって減圧されて低温低圧の気液二相冷媒となり、室外熱交換器14に流入する。室外熱交換器14に流入した低温低圧の気液二相冷媒は、室外空気と熱交換して吸熱および蒸発し、低圧のガス冷媒となって室外熱交換器14から流出する。室外熱交換器14から流出した低圧のガス冷媒は、冷媒流路切替装置18を通過して、圧縮機11へ吸入される。
(除霜運転)
図9は、図8のヒートポンプユニット110における除霜運転時の冷媒の流れについて説明するための概略図である。図9に示すように、除霜運転の際には、冷媒流路切替装置18が点線で示す状態に切り替えられる。これにより、圧縮機11の吐出側と室外熱交換器14とが接続される。また、圧縮機11の吸入側と水熱交換器12の冷媒側流路とが接続される。
低温低圧の冷媒が圧縮機11によって圧縮され、高温高圧のガス冷媒となって吐出される。圧縮機11から吐出された高温高圧のガス冷媒は、冷媒流路切替装置18を介して室外熱交換器14に流入する。室外熱交換器14に流入した高温高圧のガス冷媒は、室外空気と熱交換して放熱しながら凝縮し、高圧の液冷媒となって室外熱交換器14から流出する。室外熱交換器14から流出した高圧の液冷媒は、膨張弁13によって減圧されて低温低圧の気液二相冷媒となり、水熱交換器12に流入する。
水熱交換器12に流入した低温低圧の気液二相冷媒は、水側流路を流れる水と熱交換して吸熱および蒸発し、低圧のガス冷媒となって水熱交換器12から流出する。水熱交換器12から流出した低圧のガス冷媒は、冷媒流路切替装置18を通過して、圧縮機11へ吸入される。
(除霜運転時の凍結検知について)
除霜運転を行う場合、水熱交換器12は、蒸発器として機能する。そのため、冷媒の温度が低下すると、水熱交換器12が凍結し、冷媒と水とが熱交換する隔壁が破損する可能性がある。
そこで、本実施の形態2では、除霜運転時における水熱交換器12の凍結を検知し、検知結果に応じて除霜運転後の運転を決定する。概略的には、除霜運転によって水熱交換器12が凍結したと判断した場合に、凍結検知貯湯運転を行い、凍結していないと判断した場合に、通常の貯湯運転を行う。
図10は、除霜運転後の運転を決定する処理の流れの一例を示すフローチャートである。ステップS41において、貯湯ユニットコントローラ6は、冷媒温度センサ19で検知された除霜運転時の水熱交換器12の蒸発温度を取得する。ステップS42において、貯湯ユニットコントローラ6は、取得した蒸発温度と、前回の除霜運転時における最低蒸発温度とを比較する。
比較の結果、取得した蒸発温度が最低蒸発温度以上である場合(ステップS42;Yes)、貯湯ユニットコントローラ6は、水熱交換器12が凍結していないと判断する。そして、ステップS43において、給湯装置1の運転が貯湯運転に移行する。
一方、取得した蒸発温度が最低蒸発温度よりも低い場合(ステップS42;No)、貯湯ユニットコントローラ6は、水熱交換器12が凍結していると判断する。そして、ステップS44において、給湯装置1の運転が凍結検知貯湯運転に移行する。
以上のように、本実施の形態2に係る給湯装置1では、水熱交換器12が蒸発器として機能する除霜運転の際に、水熱交換器12の蒸発温度に基づき、水熱交換器12が凍結しているか否かを判断する。これにより、除霜運転による水熱交換器12の凍結状態を判断し、冷媒が水回路側に流入して給湯端20bから流出するのを防ぐことができる。