以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1において、10はストック装置である。このストック装置10は、ストッカなどとも呼ばれ、ワークが投入されたコンテナ11を収納するものである。ワークとしては、任意のものを用いることができるが、例えば図示されない成形機などにより成形された成形品などである。このストック装置10は、本体12と、この本体12を移動可能とする走行手段であるキャスタ13とを備えている。また、このストック装置10の本体12には、段ばらし手段15と、搬送手段16と、保持手段17と、段積み手段18と、移送手段19と、制御手段20とが備えられている。そして、このストック装置10は、概略として、複数の空コンテナ11aが段積みされた空コンテナ群Caがコンテナ投入位置P1に例えば作業者などによって投入され、段ばらし手段15により段ばらしされて空コンテナ11aが搬送手段16により順次移動され、保持手段17によりワーク投入位置P2に保持されて空コンテナ11aにワークが投入されると、この投入済コンテナ11bが段積み手段18により順次段積みされて投入済コンテナ群Cbが形成され、この投入済コンテナ群Cbがワーク投入位置P2の下方のコンテナ収納位置P3に収納され、投入済コンテナ11bが所定段積み上がった投入済コンテナ群Cbが形成されると、この投入済コンテナ群Cbが移送手段19によってコンテナ投入位置P1の下方のコンテナ取出待機位置P4に移動され、作業者などにより取り出し可能となっている。すなわち、ストック装置10を側方から見て、コンテナ投入位置P1、ワーク投入位置P2、コンテナ収納位置P3、および、コンテナ取出待機位置P4は、四角形の頂点位置に配置され、コンテナ11がこれらの位置に亘ってコ字状に搬送される。なお、以下、上下方向(矢印U方向及び矢印D方向)は、ストック装置10を設置部に設置した状態を基準とし、空コンテナ11aの搬送方向を前方向(矢印FR方向)、その反対方向を後方向(矢印RR方向)とするとともに、幅方向前方向に見た左右方向を左右方向(図2及び図3に示す矢印L方向及びR方向)などとして説明する。
コンテナ11は、長手方向及びこの長手方向と交差、例えば直交する非長手方向である短手方向を有する四角形状(長方形状)に形成されている。コンテナ11は、所定の汎用のものが用いられる。コンテナ11としては、長手寸法及び短手寸法が互いに等しく、または略等しく、かつ、高さが異なる複数種類、例えば3種類のものからいずれかを用いることができる。また、コンテナ11は、ストック装置10において、長手方向を前後方向として配置される。そして、コンテナ11は、少なくとも長辺部、すなわち両側の位置に、持ち上げの際に引っ掛けられる段差部22が形成されている。なお、本実施の形態において、種類が異なるコンテナ11は混在して用いるものではなく、これらの種類のうち同一の種類のコンテナ11を択一的に用いてワークの収納作業を実施するものとする。
図1ないし図3に示す本体12は、フレームである上部フレーム25と、下部フレーム26と、これら上部フレーム25と下部フレーム26とを連結する連結フレーム27と、上部フレーム25間、及び、下部フレーム26間に配置された支持フレーム28と、外側面をなす化粧板29と、保護カバー30とを備えている。また、本体12には、非常停止ボタン31、コンテナ投入ボタン32、及び、コンテナ取出ボタン33が配置されている。さらに、本体12には、信号灯34が配置されていてもよい。そして、この本体12は、概略として、上部(上段)が投入部35、その下方、すなわち内部(下段)が収納部36となっている。投入部35は、空コンテナ11aの投入から空コンテナ11aへのワークの投入を行う部分であり、段ばらし手段15、搬送手段16、保持手段17が配置され、上方が開放されて露出している。また、収納部36は、投入済コンテナ11bを収納する部分であり、段積み手段18、移送手段19が配置され、投入済コンテナ11bを取り出す取出口38以外の部分は本体12の内部にある。すなわち、ストック装置10においては、本体12の上段側(投入部35)に基本的に空コンテナ11aが位置し、下段側(収納部36)に投入済コンテナ11bが位置する。さらに、この本体12は、後部側の位置で作業者が空コンテナ群Caの投入や投入済コンテナ群Cbの取り出しをするようになっている。さらに、本体12の幅は、コンテナ11の短手方向の寸法に対応して設定されている。
上部フレーム25は、搬送手段16による空コンテナ11aの移動方向に沿って長尺に形成されている。この上部フレーム25は、前後方向及び水平方向に沿って配置されている。また、この上部フレーム25は、例えば幅方向に一対形成され、幅方向の両縁部に配置されている。すなわち、上部フレーム25は、本体12の幅寸法を規定している。上部フレーム25,25の幅方向の間隔は、コンテナ11の幅寸法より僅かに大きく設定されている。
下部フレーム26は、上部フレーム25に対して下方に離れて配置されている。この下部フレーム26は、前後方向及び水平方向に沿って配置されている。また、この下部フレーム26は、例えば上部フレーム25と平行、または略平行に配置されている。さらに、この下部フレーム26は、例えば幅方向に一対形成され、幅方向の両縁部に配置されている。下部フレーム26,26は、上部フレーム25,25の直下に位置し、上部フレーム25,25と略等しい幅に離れて位置している。すなわち、下部フレーム26は、上部フレーム25とともに本体12の幅寸法を規定している。
連結フレーム27は、本体12の前後方向に複数形成され、上下方向に沿って配置されている。連結フレーム27は、例えば段ばらし手段15を前後に挟む位置、及び、制御手段20の両側の位置などに配置されている。また、左右の段ばらし手段15の位置にある連結フレーム27,27には、移送ガイド体であるガイド板39が取り付けられている。ガイド板39は、移送手段19により移送される投入済コンテナ群Cbを、投入済コンテナ11bの長手方向を前後方向に確実に沿わせるために配置されている。これらガイド板39は、幅方向に厚み方向を有するように配置され、前端部が前方に向かって幅方向に拡開するように形成されている。
支持フレーム28は、補強用フレームであり、両側の上部フレーム25,25間、及び、両側の下部フレーム26,26の間を連結するものである。支持フレーム28は、本体12の前後方向に複数形成され、水平方向に沿って配置されている。例えば支持フレーム28は、本体12の前後両端部、及び、前後方向の中央部に配置されている。また、支持フレーム28は、段ばらし手段15を前後に挟む連結フレーム27の位置に配置されている。
化粧板29は、本体12の外郭を構成し、各フレーム25〜28の少なくとも一部を覆って、各フレーム25〜28が外部に露出しないようにするものである。化粧板29は、例えば複数枚に分割されていてもよい。
保護カバー30は、段ばらし手段15や保持手段17の外側を覆って保護するように形成されている。保護カバー30は、例えば化粧板29などに対して着脱可能となっていてもよい。
非常停止ボタン31は、作業者がストック装置10を非常停止させる際に操作するボタンである。
コンテナ投入ボタン32は、空コンテナ群Caを段ばらし手段15に投入した後に作業者により操作されることで、空コンテナ群Caの投入の完了をストック装置10に入力し、段ばらし手段15による段ばらしを開始するためのものである。
コンテナ取出ボタン33は、投入済コンテナ群Cbを取り出す際に作業者により操作されることで、投入済コンテナ群Cbの取り出し要求をストック装置10に入力し、移送手段19によってコンテナ取出待機位置P4にある投入済コンテナ群Cbをさらに後側の取出口38に移送させるためのものである。
これらボタン31〜33は、例えば本体12の後部にて化粧板29に配置されている。したがって、これらボタン31〜33は、ストック装置10の後側に位置する作業者が操作しやすい位置に配置されている。
信号灯34は、ストック装置10の動作状態などを表示するものである。この信号灯34は、例えば上部フレーム25の最後端などに配置されている。この信号灯34は、必須の構成ではない。
キャスタ13は、本体12の下部フレーム26の下部に複数取り付けられ、ストック装置10の設置部においてこのストック装置10の容易な移動を可能としている。
段ばらし手段15は、例えば空コンテナ群Caを支持する支持体41と、空コンテナ群Caの下から2段目の空コンテナ11aを持ち上げるためのコンテナ保持手段42と、このコンテナ保持手段42を空コンテナ11aとともに昇降させる電動アクチュエータ43とを備えている。また、段ばらし手段15は、空コンテナ11aまたは空コンテナ群Caがコンテナ投入位置P1にあるか否かを検出するコンテナ投入センサ44を備えていてもよい。本実施の形態において、段ばらし手段15は、コンテナ投入センサ44により空コンテナ11aまたは空コンテナ群Caがコンテナ投入位置P1に検出された状態で使用者がコンテナ投入ボタン32を操作したときに動作可能とするが、例えばコンテナ投入センサ44により空コンテナ11aまたは空コンテナ群Caがコンテナ投入位置P1に検出されて所定時間後に自動的に搬送が開始されるようにしてもよい。
支持体41は、例えば板状に形成されている。この支持体41は、上部フレーム25,25間に位置し、搬送手段16の一部をなしている。支持体41上には、空コンテナ群Caを支持体41に対して位置決めするための位置決め部46が例えば後部と左右両側部とにそれぞれ直線状に配置されている。これら位置決め部46と、空コンテナ群Caの1段目の空コンテナ11aの後部及び両側部との接触により、コンテナ投入位置P1に投入される空コンテナ群Caが支持体41に対して位置決めされるようになっている。
コンテナ保持手段42は、空コンテナ群Caの下から2段目の空コンテナ11aを左右から保持すなわちチャックするものである。コンテナ保持手段42,42は、上部フレーム25,25の上方に配置されて、本体12に対して電動アクチュエータ43,43によって昇降可能に保持されている。そして、各コンテナ保持手段42は、エアシリンダ47と、このエアシリンダ47の伸縮によりコンテナ11の段差部22に挿脱される爪部であるチャック部48とを備えている。また、各コンテナ保持手段42は、例えば保護カバー30により覆われていてもよい。
エアシリンダ47は、図4および図5に示すように、薄型に形成され、幅方向に沿って伸縮可能に配置されている。各エアシリンダ47には、板状のベース部47aが備えられ、エアシリンダ47の伸縮によりベース部47aが幅方向内側に進退されるようになっている。ベース部47aは、前後方向に長手状に形成され、幅方向に厚みを有して配置されている。
チャック部48は、ベース部47aの上部に固定され、このベース部47aと一体的に幅方向内側に進退されるようになっている。また、チャック部48は、板状に形成され、上下方向に厚みを有して配置されている。さらに、チャック部48は、ベース部47aに対して前後一対、互いに離れて取り付けられている。
図1ないし図3に示すように、電動アクチュエータ43は、例えば片ロッド型の伸縮可能なものである。各電動アクチュエータ43は、上下方向に沿って長手状に配置されている。各電動アクチュエータ43は、上端部が各上部フレーム25に対して埋め込まれて配置され、下端部が上部フレーム25から下方に突出している。また、各電動アクチュエータ43は、各上部フレーム25の外縁部に対して幅方向中心側に組み付けられている。すなわち、各電動アクチュエータ43は、本体12の幅方向の側縁部から両側外方に突出しない位置に配置されている。そして、各電動アクチュエータ43の上端部にコンテナ保持手段42がそれぞれ接続され、電動アクチュエータ43の伸縮によりコンテナ保持手段42が昇降される。
コンテナ投入センサ44,44は、例えばコンテナ投入位置P1の前方の位置にて上部フレーム25,25上に配置されている。そして、コンテナ投入センサ44,44は、例えば一方から赤外線などの検出信号を出力し、この検出信号の他方での受信の有無によってこれらコンテナ投入センサ44,44間、すなわちコンテナ投入位置P1に空コンテナ11aが位置しているか否かを検出可能となっている。
搬送手段16は、例えば上記支持体41と、この支持体41と連結されたガイドレール51と、このガイドレール51を伸縮させる伸縮手段であるエアシリンダ52とを備えている。また、搬送手段16は、ワーク投入位置P2に空コンテナ11aがあるか否かを検出するワーク受入位置センサ53を備えていてもよい。さらに、搬送手段16は、ワーク投入位置P2での空コンテナ11aの位置を規制する規制部としての当て枠54を備えていてもよい。また、搬送手段16は、エアシリンダ52による空コンテナ11aの送り出し時の前方端での衝撃や音を低減するための緩衝手段であるショックアブソーバ55を備えていてもよい。そして、この搬送手段16は、エアシリンダ52の伸張によってガイドレール51を伸張させることで支持体41を移動させることにより、空コンテナ11aを、この空コンテナ11aの長手方向である前後方向に沿ってコンテナ投入位置P1からワーク投入位置P2へと前方に向かい移動させることが可能となっている。
ガイドレール51は、支持体41の両側に位置している。各ガイドレール51は、対をなすレール体51a,51aと、これらレール体51a,51a間に挟まれてレール体51a,51aに対して相対的にスライド可能なスライド体51bとを備えている。そして、各ガイドレール51は、図4に示すように、一方のレール体51aが上部フレーム25に固定され、他方のレール体51aが支持体41に固定されることにより、本体12に対して支持体41をコンテナ11の長手方向にスライド可能としている。
図1ないし図3に示すように、エアシリンダ52は、例えば片ロッド型の伸縮可能なものである。このエアシリンダ52は、シリンダが本体12に対して固定されているとともに、ロッドが支持体41に固定され、伸縮によって支持体41を移動させるように構成されている。
ワーク受入位置センサ53,53は、例えばワーク投入位置P2の前方の位置にて上部フレーム25,25上に配置されている。そして、ワーク受入位置センサ53,53は、例えば一方から赤外線などの検出信号を出力し、この検出信号の他方での受信の有無によってこれらワーク受入位置センサ53,53間、すなわちワーク投入位置P2に空コンテナ11aが位置しているか否かを検出可能となっている。
当て枠54は、ワーク受入位置センサ53のさらに前方に位置し、上部フレーム25,25間に亘って幅方向に沿って配置されている。
ショックアブソーバ55は、当て枠54のさらに前方に位置しており、前後方向に沿って配置されている。なお、搬送手段16の引き込み時には、支持体41上にコンテナ11が載っておらず軽量であることから、エアシリンダ52の伸縮の加減速が容易で衝撃や音が生じにくいため、搬送手段16の移動方向後方にショックアブソーバを取り付ける必要はない。
保持手段17は、本実施の形態では例えば段ばらし手段15のコンテナ保持手段42と基本的に同一の構成を有している。すなわち、保持手段17は、エアシリンダ56と、このエアシリンダ56の伸縮によりコンテナ11の段差部22に挿脱される爪部であるチャック部57とを備えている。そして、保持手段17,17は、上部フレーム25,25の上部に固定されている。エアシリンダ56及びチャック部57については、エアシリンダ47及びチャック部48と略同一の構成であるから、詳細な説明を省略する。そして、この保持手段17は、ワーク受入位置センサ53によりワーク投入位置P2に空コンテナ11aを検出した状態で動作するようになっている。また、各保持手段17は、例えば保護カバー30により覆われていてもよい。
段積み手段18は、例えば電動アクチュエータ61と、この電動アクチュエータ61が固定される構造体62と、電動アクチュエータ61により昇降されるコンテナ支持部材63とを備えている。また、段積み手段18は、段積みされた投入済コンテナ11bが所定段になったか否かを検出するコンベヤ載替センサ64を備えていてもよい。
電動アクチュエータ61は、例えばステッピングモータを備えたボールねじ駆動型のもので、長尺のアクチュエータ本体61aに沿って移動体であるテーブル61bを移動させるものである。
構造体62は、上下方向に沿って本体12の前部に固定されている。構造体62は、幅方向の左右に位置し、少なくとも上部フレーム25から下部フレーム26に亘る長さを有している。これら構造体62の後部に、電動アクチュエータ61のアクチュエータ本体61aが固定されて、電動アクチュエータ61が上下方向に沿って配置されている。
コンテナ支持部材63は、電動アクチュエータ61のテーブル61bの上下動に伴いワーク投入位置P2とコンテナ収納位置P3との間に亘って昇降されるものである。このコンテナ支持部材63は、例えば本実施の形態では、テーブル61bに一体的に固定される被固定部であるプレート63aと、このプレート63aの両側部から後方に向かって水平状に突出し幅方向に厚み方向を有する支持部であるリブ体63b,63bと、これらリブ体63b,63b間に架け渡された補強用の連結体63cとを備えている。このようにコンテナ支持部材63を構成することで、例えばコンテナ支持部材63を平板状に形成する場合と比較して、十分な強度を確保しつつ、軽量で安価なコンテナ支持部材63を形成できる。
コンベヤ載替センサ64は、例えばワーク投入位置P2の下方で、かつ、コンテナ収納位置P3の後方の位置にて移送手段19に取り付けられている。そして、コンベヤ載替センサ64,64は、例えば一方から赤外線などの検出信号を出力し、この検出信号の他方での受信の有無によってこれらコンベヤ載替センサ64,64間、すなわちコンテナ収納位置P3に、投入済コンテナ11bが所定段に段積みされた投入済コンテナ群Cbが位置しているか否かを検出可能となっている。なお、コンテナ収納位置P3に収納可能な投入済コンテナ群Cbの段数は、コンテナ11の種類毎に設定されていてもよい。例えば、高さが低いコンテナ11ほど、収納可能な投入済コンテナ群Cbの段数を大きく設定してもよい。
移送手段19は、投入済コンテナ群Cbが移載されるコンベヤ66と、コンベヤ66を動作させるモータ67とを備えている。また、移送手段19は、投入済コンテナ群Cbがコンテナ取出待機位置P4にあるか否かを検出するコンテナ取出センサ68を備えていてもよい。そして、この移送手段19は、モータ67によりコンベヤ66が動作されることにより、投入済コンテナ11bを、この投入済コンテナ11bの長手方向である前後方向に沿って、コンテナ収納位置P3からコンテナ取出待機位置P4へと搬送手段16による空コンテナ11aの移動方向とは逆方向である後方に向かって移動させることが可能となっている。
コンベヤ66は、例えばタイミングベルトコンベヤであり、上部フレーム25の下方で、かつ、下部フレーム26の上方の位置に、ブラケット69を介して取り付けられている。コンベヤ66は、互いに離れて左右一対備えられ、前後方向及び水平方向に沿って配置されている。これらコンベヤ66,66の間隔は、段積み手段18のコンテナ支持部材63の幅よりも大きく、かつ、コンテナ11の幅よりも小さく設定されている。したがって、これらコンベヤ66,66間をコンテナ支持部材63が上下移動可能となっているとともに、投入済コンテナ11bを支持しているコンテナ支持部材63がコンベヤ66,66よりも下方まで移動することで投入済コンテナ11bがコンテナ支持部材63からコンベヤ66,66上に載せ替えられるようになっている。
モータ67は、例えばインダクションモータが用いられ、コンベヤ66,66間にてこれらコンベヤ66,66の下部に取り付けられている。
コンテナ取出センサ68は、例えばコンベヤ66の後端部寄りで、かつ、取出口38よりも前方の位置の上下にて本体12に取り付けられている。そして、コンテナ取出センサ68,68は、例えば一方から赤外線などの検出信号を出力し、この検出信号の他方での受信の有無によってこれらコンテナ取出センサ68,68間、すなわちコンテナ取出待機位置P4に投入済コンテナ群Cbが位置しているか否かを検出可能となっている。
制御手段20は、本体12の最前部に配置されている。この制御手段20は、例えば電気的な制御を行う制御盤である電気制御部71と、空圧制御を行う空圧制御部72とを備えている。また、この制御手段20には、表示部及び入力部の機能を有するタッチ操作パネル73と、非常停止ボタン74とが備えられている。
電気制御部71は、各種回路を備えており、例えば汎用の制御盤ケースに収納されている。例えば、この電気制御部71は、本実施の形態において、段ばらし手段15の動作を制御する段ばらし制御手段の機能、搬送手段16の動作を制御する搬送制御手段の機能、保持手段17の動作を制御する保持制御手段の機能、段積み手段18の動作を制御する段積み制御手段の機能、及び、移送手段19の動作を制御する移送制御手段の機能をそれぞれ備えている。これらの機能は、それぞれ別個に備えていてもよいし、任意の複数の機能を一体に備えていてもよい。
空圧制御部72は、図示されないコンプレッサなどの圧縮給気源からの圧縮空気を調質し、エアシリンダに対して方向・流量制御する部分である。この空圧制御部72は、本実施の形態において、例えば圧縮空気を調質する調質部であるフィルタレギュレータ76と、このフィルタレギュレータ76により調質された圧縮空気をエアシリンダ47,52,56に対して供給する制御弁である電磁弁(ソレノイドバルブ)77とを備えている。この空圧制御部72は、例えば下部フレーム26の前端側の上部に取り付けられ、電気制御部71の下方に配置されている。
タッチ操作パネル73は、ストック装置10の状態を表示するとともに、ストック装置10の初期化、自動運転時の設定や各種動作パラメータなどを表示に基づき電気制御部71に対して入力可能なインターフェースである。また、このタッチ操作パネル73は、例えば手動運転時の各部の運転指示を入力可能とすることもできる。このタッチ操作パネル73は、例えば電気制御部71の側面部に配置されている。
非常停止ボタン74は、非常停止ボタン31と同様に、作業者がストック装置10を非常停止させる際に操作するボタンである。この非常停止ボタン74は、例えば電気制御部71の側面部にてタッチ操作パネル73の下方に配置されている。したがって、この非常停止ボタン74は、ストック装置10の前側に位置する作業者が操作しやすい位置に配置されている。
次に、上記一実施の形態のストック装置10の自動運転時の動作を詳細に説明する。
ストック装置10は、まず、電源が投入されると自動運転の準備として起動動作を実施する。この起動動作は、電動アクチュエータ43が収縮した原点位置となり、エアシリンダ47,56がコンテナ11を保持しないコンテナ開放位置となり、エアシリンダ52が収縮した原点位置(引き込み位置)となり、電動アクチュエータ61が原点位置を検出した後、コンテナ11の無搭載時の待機位置となる。
また、自動運転の前準備として、作業者は、例えばタッチ操作パネル73により、使用するコンテナ11の種類など、各種設定を行うことができる。
次いで、作業者が空コンテナ群Caを支持体41上にてコンテナ投入位置P1に投入し、コンテナ投入ボタン32を操作すると、コンテナ投入センサ44,44により空コンテナ群Caがコンテナ投入位置P1に検出される場合に以下の動作を開始する。例えばコンテナ投入センサ44,44により空コンテナ群Caが検出されてない場合には、タッチ操作パネル73や信号灯34にエラー表示をして自動運転を停止することもできる。
まず、段ばらし手段15は、使用する空コンテナ11aの種類に基づく電気制御部71からの電気信号により電動アクチュエータ43が伸張されることで、タッチ操作パネル73により設定された空コンテナ11aの高さに基づきコンテナ保持手段42を上昇させる。このコンテナ保持手段42は、電気制御部71からの電気信号により電磁弁77を介して圧縮空気が給排されてエアシリンダ47,47が伸張されることで、チャック部48,48が空コンテナ11a側に進出することにより、空コンテナ群Caの2段目の空コンテナ11aの両側の段差部22,22にチャック部48,48が挿入され(図2の二点鎖線L1)、空コンテナ群Caの2段目以上の空コンテナ11aが上昇されて1段目の空コンテナ11aから上方に離脱し(図1の二点鎖線L2)、1段目の空コンテナ11aのみが支持体41上に載置された状態となる。このとき、前後に位置するチャック部48,48間に位置するベース部47aが幅方向に厚みを有する板状に形成されていることにより、チャック部48,48と空コンテナ11aとの当接位置に応じてベース部47aが僅かにしなることで、空コンテナ11aの形状の個体差を吸収してチャック部48により空コンテナ11aを確実に保持する。
次いで、搬送手段16では、電気制御部71からの電気信号により電磁弁77を介して圧縮空気が給排されてエアシリンダ52が伸張され、ガイドレール51,51が伸張されて支持体41とともに1段目の空コンテナ11aがコンテナ投入位置P1からワーク投入位置P2へと送り出される(図1の二点鎖線L3)。
ワーク投入位置P2へと空コンテナ11aが移動されると、保持手段17は、電気制御部71からの電気信号により電磁弁77を介して給排された圧縮空気によりエアシリンダ56,56が伸張されることで、チャック部57,57が空コンテナ11a側に進出し、空コンテナ11aの両側の段差部22,22にチャック部57,57が挿入されて保持される(図2の二点鎖線L4)。この状態で、搬送手段16は、電気制御部71からの電気信号によって電磁弁77を介して圧縮空気が給排されてエアシリンダ52が収縮され、ガイドレール51,51の収縮に伴い支持体41がコンテナ投入位置P1に引き込まれて復帰する。
ワーク投入位置P2へと移動された空コンテナ11aは、当て枠54に接触して前方位置が規制される。この空コンテナ11aがワーク受入位置センサ53,53により検出されると、例えばストック装置10の電気制御部71から図示されないワーク投入装置へと投入許可信号が出力されることで、この投入許可信号を受信したワーク投入装置が例えば射出成形機から取り出したワークを空コンテナ11aに投入する。このとき、段ばらし手段15では、電気制御部71からの電気信号により電動アクチュエータ43が収縮されることで、コンテナ投入位置P1の上方に保持されていた空コンテナ群Caが降下されて支持体41上に載置される。この状態で、コンテナ保持手段42は、電気制御部71からの電気信号により電磁弁77を介して給排された圧縮空気によりエアシリンダ47,47が収縮されることで、空コンテナ群Caの保持を解除する。また、この段階で、段ばらし手段15は、残された空コンテナ群Caに対して、上記動作と同様にして、2段目以上の空コンテナ11aを上昇させることにより、空コンテナ群Caを順次段ばらしすることもできる。
ワークが投入されると、ワーク投入装置からストック装置10へと、投入完了信号が出力されることで、この投入完了信号を受信したストック装置10は、電気制御部71からの電気信号により段積み手段18の電動アクチュエータ61のテーブル61bが上昇されて投入済コンテナ11bをコンテナ支持部材63により受け取る。このとき、コンテナ支持部材63上にすでに投入済コンテナ11b、あるいは投入済コンテナ群Cbが支持されている場合には、投入済コンテナ11bが段積みされる。したがって、投入済コンテナ群Cbの投入済コンテナ11bについては、空コンテナ群Caの空コンテナ11aと向きが変わらず、短手方向を幅方向として段積みされる。そして、保持手段17では、電気制御部71からの電気信号により電磁弁77を介して給排された圧縮空気によりエアシリンダ56,56が収縮されることで、チャック部57,57が投入済コンテナ11bから退避し、投入済コンテナ11bの保持が解除される。さらに、段積み手段18では、電気制御部71からの電気信号により電動アクチュエータ61のテーブル61bが下降され、投入済コンテナ11b、あるいは投入済コンテナ群Cbがコンテナ収納位置P3に移動される。このとき、電動アクチュエータ61は、投入済コンテナ11bが積み上がる毎にコンテナ収納位置P3での投入済コンテナ群Cbの高さ位置を投入済コンテナ11bの高さに応じて下方に下げることで、コンテナ支持部材63に支持された投入済コンテナ11b、あるいは投入済コンテナ群Cbがワーク投入位置P2にある投入済コンテナ11bと干渉しないように制御される。
コンテナ収納位置P3にある投入済コンテナ群Cbが、投入済コンテナ11bが所定段積み上げられたものであると、投入済コンテナ群Cbの1段目の投入済コンテナ11bがコンベヤ66,66上に載置される(図1の二点鎖線L5)。そして、この投入済コンテナ群Cbがコンベヤ載替センサ64により検出されると、移送手段19では、電気制御部71からの電気信号によりモータ67が動作され、コンベヤ66,66上の投入済コンテナ群Cbがコンテナ収納位置P3からコンテナ取出待機位置P4へと移動される(図1の二点鎖線L6)。すなわち、投入済みコンテナ群Cbは、移送手段19により、投入済コンテナ11bの長手方向に沿ってコンテナ取出待機位置P4へと移動される。コンテナ取出待機位置P4へと移動された投入済コンテナ群Cbは、作業者がコンテナ取出ボタン33を操作すると、コンテナ取出センサ68,68により投入済コンテナ群Cbが検出されている場合、電気制御部71からの電気信号により移送手段19のモータ67が動作されてコンベヤ66,66によりコンテナ取出待機位置P4から取出口38へとさらに移動され、作業者が取出口38から取り出し可能となる。例えばコンテナ取出センサ68,68により投入済コンテナ群Cbが検出されてない場合には、コンテナ取出ボタン33を操作したときに、タッチ操作パネル73や信号灯34にエラー表示をすることもできる。
なお、ストック装置10は、段ばらし手段15、搬送手段16、保持手段17、段積み手段18、移送手段19のそれぞれの動作には、干渉や衝突が生じないようにインターロックを掛けることが好ましい。
また、ストック装置10は、上記各動作をそれぞれタッチ操作パネル73への運転指示の入力によって個別に実施する手動運転も可能である。
上述したように、上記一実施の形態によれば、所定の汎用の空コンテナ11aが段積みされ非長手方向、例えば短手方向を幅方向としてコンテナ投入位置P1に投入された空コンテナ群Caを段ばらし手段15により段ばらしし、段ばらしした空コンテナ11aを搬送手段16により空コンテナ11aの長手方向に沿ってワーク投入位置P2に移動させるとともに、移動させた空コンテナ11aを保持手段17により保持してワークが投入された投入済コンテナ11bを段積み手段18により段積みした投入済コンテナ群Cbをコンテナ収納位置P3に収納し、投入済コンテナ11bが所定段に段積みされた投入済コンテナ群Cbを、投入済コンテナ11bの長手方向に沿ってコンテナ収納位置P3からコンテナ投入位置P1の下方のコンテナ取出待機位置P4に移送手段19により移動させることで、ストック装置10全体の幅を抑制できるとともに、段積み手段18及び移送手段19を保持手段17、搬送手段16及び段ばらし手段15の下方のスペースを利用して配置するので、ストック装置10全体をコンパクトに収めることができ、設置スペースを抑制できる。特に、少量のワークを短時間収納しておく場合に、このストック装置10を好適に用いることができる。
コンテナ保持手段42がエアシリンダ47を用いて空コンテナ群Caの下から2段目の空コンテナ11aを幅方向に保持するので、コンテナ保持手段42を簡素な構成で安価に製造できるとともに、コンテナ保持手段42を保持された空コンテナ11aとともに電動アクチュエータ43によって昇降させるので、例えばチャック部48などの機械的な交換などを必要とすることなく、電動アクチュエータ43の制御プログラムを設定するだけで、異なる高さを有する複数種類のコンテナ11に対して、容易かつ、短時間で対応できる。このため、作業者は、ワーク投入装置から投入されるワークに応じて複数種類のコンテナ11から適したものを選択でき、使い勝手を向上することが可能となる。
搬送手段16による空コンテナ11aの移動方向に沿って形成され幅方向の縁部に位置する長尺の上部フレーム25の外縁部に対して電動アクチュエータ43を幅方向中心側に組み付けることで、電動アクチュエータ43を用いつつ、この電動アクチュエータ43によって幅寸法が大きくなりにくく、つまり、電動アクチュエータ43が本体12の幅方向に飛び出すことがなく、設置スペースをより抑制できる。
なお、上記一実施の形態において、使用されるコンテナ11の種類は、作業者がタッチ操作パネル73により手動入力したが、例えばコンテナ11の大きさ(高さ)や種類を判別するためのセンサなどをコンテナ投入位置P1の周辺などに設け、これらセンサによりコンテナ11の大きさ(高さ)や種類を自動的に検出してもよい。この場合には、この検出されたコンテナ11の大きさや種類に基づき、電気制御部71の制御プログラムを自動的に書き換えてもよい。