JP2019182097A - 光学装置 - Google Patents
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Abstract
Description
このバイメタル駆動部によりブレードを回動させる構成では、ブレードが全開となる状態とブレードが全閉となる状態とで設定温度幅が小さい場合、回動させる構成自体が大きくなり、ブレードの開閉を精度よく制御することが難しい。また、周囲の温度変化がバイメタル駆動部に伝わって実際に伸縮するまでには時間を要するため、温度変動周期が短い場合には対応することが難しい。
一方で、宇宙機には外界を撮像する撮像装置などの光学装置が搭載される場合がある。光学装置を使用した測定では迷光を除く必要があるが、迷光を生じる表面のブレードは採用できないという課題があった。
以下、図を参照しながら実施の形態1に係る光学装置を説明する。
図1は、実施の形態1に係る宇宙機(図示せず)に搭載する光学装置100の斜視図である。図1において、6a、6b、6cは各々板状のブレードであり(以下、3枚のブレード6a、6b、6cの間で区別が不要な場合は単にブレード6とする)、7a、7b、7cは後述する駆動コイル9を格納するハウジングであり(区別が不要な場合は単にハウジング7とする)、各々ブレード6a、6b、6cと対応して設けられている。8は光学装置100に光が入射する入射口となる開口20側に設けられたフレームである。2は内部に光学部品1を設置したフードであり、筒状の容器となっている。なお、図1では3枚のブレードを用いているが、3枚は複数枚の一例である。このようにブレードは3枚に限られるものではなく、1枚以上であればよい。
宇宙空間におかれた従来の光学装置200は装置外部から熱入力3、コンタミネーション源4、放射線5を受けるが、従来の光学装置200では光学部品1は宇宙空間に露出する配置になっているため、装置外部からの熱入力3を受けて光学部品1の温度に変動が生じる。また、コンタミネーション源4および放射線5が宇宙機内部に侵入することにより、光学部品1を含む従来の光学装置200には経年劣化が進行する。
一方、光学装置100を使用するとき、すなわち、撮像時には3枚のブレード6a、6b、6cを回転させて開口20を解放することにより撮像が可能となる。
ここで、本実施の形態では、複数枚(3枚)のブレードを用いて、撮像時と非撮像時で開口20の解放と遮断を行うようにしているので、1枚のブレードで開口20の解放と遮断を行う場合よりも小さい回転力でよく、駆動コイル7を小型化できる。
以下の例では、3枚のブレード6a、6b、6cが、同じ回転方向、同じ角度で回転する場合を説明するが、用途に応じて異なる回転方向、異なる角度でこれら3枚のブレード6a、6b、6cを回転させるようにしてもよい。
図3は図1の光学装置100において、ハウジング7bを含むC-C位置での断面図である。ハウジング7bの内部には駆動コイル9bが格納されており、駆動コイル9bがブレード6bを回転方向に駆動させる。駆動コイル9は駆動手段の一例である。
図4において、ブレード6bは駆動コイル9bおよびシャフト10bが取り付けられている。駆動コイル9bはバイメタルや形状記憶合金等で形成された駆動コイルであり、片端はヒータ11bに熱的に固定され、他端は駆動コイルの中心位置に設けられた回転可能なシャフト10bに固定される。ヒータ11bは、断熱材12bを介してフード2に固定される。駆動コイル9bの駆動源となる温度変化は、ハウジング7b内部に配置するヒータ11bにより供給される。また、ヒータ11bの近傍には図示しない温度センサーが設けられる。
ヒータ11、温度センサ、ヒータ制御部は温度制御手段の一例である。
ヒータ11bはヒータ制御部50に接続されており、制御プログラムによりヒータ11bの温度を設定することが可能である。
ヒータ制御部50は、光学装置100が搭載される衛星の全体動作を制御する制御部60と接続され、制御部60からの指示を受けて、必要に応じて撮像を行う。
実施の形態1に係る光学装置では、図4のように黒色の多層インシュレータ13がブレード6の両面に設けられる。多層インシュレータ13は断熱材であり、MLI(Multi Layer Insulation。多層断熱材)とも呼ばれる。
一般に、MLIの外表面は耐紫外線や耐放射線等のためポリイミド系フィルムを使用することがあり、黄色いフィルムにアルミを蒸着しているため金色に見える。このようなMLIのほか、効率的に赤外光を放射できるよう、赤外放射率が大きい黒色塗装を施したMLIもある。
実施の形態1に係るブレード6では、表面処理として黒色の多層インシュレータ13をブレード6の表面に固定している。固定は接着剤を用いた接着のほか、面ファスナーを用いて多層インシュレータ13の裏面側とブレード6の表面とを固定するようにしてもよい。
図5は撮像時の光学装置100の断面図、図6は撮像時の動作フローを説明する図である。
撮像開始信号500を受信すると、ヒータ制御部50の温度制御部51はブレード角度相関データD100にアクセスし、ブレード角度相関データD100に基づいて、所望のブレードの角度に関連付けされたヒータ11の温度(TO)を抽出する(S02)。
ここで所望のブレードの角度は例えば光学装置100が受光可能となる角度であり、例えばフード2の上面に対して90度となる角度である。
ヒータ制御部50は、ヒータ11の温度を抽出した温度(TO)に設定する(S03)。
ヒータ11の温度が抽出した温度(TO)に制御されると、ヒータ制御部50は設定完了信号510を本体制御部1000に出力する(S04)。
本体制御部1000は光学装置に対して撮像指示を出力する(S05)。
このとき、図5で示した3つ設けられたブレードは、駆動コイル9の回転方向の駆動により解放状態となる。
このように、ブレード6を開いている状態でも、ブレード上の可視光反射率が小さいため、光学装置100への迷光の影響を小さくすることができる。
図7は、非撮像時の光学装置を説明する図、図8は、撮像が終了して非撮像の状態にする動作フローを説明する図である。
ヒータ制御部50は撮像終了信号501を受信すると、前述のブレード角度相関データD100(S12)にアクセスし、ブレード6が閉状態となる角度に関連付けされたヒータ11の温度(TS)を抽出する(S12)。
ヒータ制御部50は、抽出した温度(TS)になるようにヒータ11を制御する(S13)。
温度(TS)に制御された駆動コイル9a、9b、9cは、前述の通りシャフト10a、10b、10cに各々固定された各ブレード6a、6b、6cを回動させる。
温度(TS)では3つ設けられたブレード6a、6b、6cは、図7に示す通りフード2を閉状態とする。
ヒータ制御部50は、ヒータ11の温度が所望の温度(TS)に制御されると、設定完了信号510を本体制御部1000に出力し、撮像を終了する(S14)。
光学系の温度の安定化により大容量のヒータは不要となり、宇宙機の電力リソースを有効活用することが可能となる。
また、複数枚のブレードを用いて個々のブレードのサイズを小さくしたため、ブレードを回動する駆動コイルのサイズを小さくでき、装置の小型化が可能となる。
Claims (3)
- 宇宙機に搭載され、光を入射する開口を備える光学装置であって、
前記開口には、
シャフトを中心に回動する複数のブレードと、
複数の前記ブレードを、温度変化に応じて回動させる駆動手段と、
前記駆動手段の温度を制御する温度制御手段と、
が備えられ、
前記開口は、複数の前記ブレードが回動することによって閉鎖と開放がなされ、
前記ブレードの面には黒色の多層インシュレータが固定される、
ことを特徴とする光学装置。 - 前記駆動手段は、バイメタルの材料からなり温度に応じて伸縮するコイルを備える、
ことを特徴とする請求項1記載の光学装置。 - 前記温度制御手段は、前記駆動手段の温度と、前記温度における前記ブレードの回転方向の角度を関連付けした相関データを備え、
前記温度制御手段は、前記相関データを用いて、所望の前記ブレードの角度に関連付けされた前記駆動手段の温度を抽出し、
抽出した前記温度に前記駆動手段の温度に制御して前記ブレードの角度を所望の角度に制御する、
ことを特徴とする請求項2記載の光学装置。
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